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1967-07-04 第55回国会 参議院 法務委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年七月四日(火曜日)    午前十一時三分開会     —————————————  委員異動 六月三十日     選任          西村 関一君     —————————————   出席者は左のとおり。     理 事                 後藤 義隆君                 田村 賢作君                 久保  等君                 山田 徹一君     委 員                 梶原 茂嘉君                 木島 義夫君                 鈴木 万平君                 大森 創造君                 亀田 得治君                 西村 関一君                 山高しげり君    国務大臣        法 務 大 臣  田中伊三次君    政府委員        法務大臣官房司        法法制調査部長  川島 一郎君    最高裁判所長官代理者        最高裁判所事務        総長       岸  盛一君        最高裁判所事務        総局総務局長   寺田 治郎君        最高裁判所事務        総局民事局長   菅野 啓蔵君    事務局側        常任委員会専門        員        増本 甲吉君    説明員        会計検査院事務        総局第二局長   石川 達郎君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○検察及び裁判運営等に関する調査  (司法手数料に関する件) ○旧執達吏規則に基づく恩給の年額の改定に関す  る法律案内閣提出衆議院送付) ○下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の  一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)     —————————————   〔理事山田徹一君委員長席に着く〕
  2. 山田徹一

    理事山田徹一君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  本日は、浅井委員長が所用で欠席のため、委託によりまして私が委員長代理をいたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  去る六月三十日、西村関一君が法務委員に選任されました。     —————————————
  3. 山田徹一

    理事山田徹一君) それでは、検察及び裁判運営等に関する調査を議題といたします。  御質疑のおありの方は順次発御言願います。
  4. 久保等

    久保等君 私、司法手数料の問題について若干これから質問をいたしたいと思うのですが、法律としては、したがって、民事訴訟用印紙法、あるいは印紙をもってする歳入金納付に関する法律ですか、こういった問題に対する質問が中心になろうかと思うのですが、まず若干現在の事情についてお尋ねしたいと思うのですが、司法手数料といわれる印紙によって訴状に貼付せられておるような問題、いろいろこれを調べてみますと問題が多いようですが、現在司法手数料による年間歳入がどのくらいになっておるものか、最近数年間の歳入総額をひとつまずお答え願いたいと思うのですが。
  5. 菅野啓蔵

    最高裁判所長官代理者菅野啓蔵君) 訴訟関係印紙収入の点でございますが、四十一年度の集計といたしまして、十億三千万円程度収入がございます。このうちおもなものは、いまおっしゃいましたように、訴状に貼用する印紙の額でございまして、これが約その七割、約七億円程度でございます。それからあとおもなものは、支払い命令に貼用する印紙の一億円、それからそのほかは、調停申し立てに関する貼用印紙約八千万円でございます。これが四十一年度分でございます。  実は、この数年間というお尋ねでございますが、あいにくきょうは四十一年度分のものしか資料として持ってまいりませんのでございましたが、三十九年度までは事件がやや横ばいの状態にございました。三十九年度、四十年度と、それから四十一年度と、毎年事件の数が一割近く増加している状況にございまするので、四十一年度が十億円の収入といたしますと、四十年度は約九億、三十九年度は八億以下という程度のことに相なっておるということを申し上げておきます。
  6. 久保等

    久保等君 それでは、四十一年度についてそこに資料をお持ちのようですが、一番一件で大きい訴訟物に対して貼付せられた印紙総額はわかりますか、一件について最高のもの。
  7. 菅野啓蔵

    最高裁判所長官代理者菅野啓蔵君) これでお答えになるかどうかちょっと疑問でございますけれども、その最高の額という、最高訴額訴訟というものが幾らでありましたか、いま手元に持っておりませんけれども、大体印紙法できめられておりますところによって、訴額一万でありますと百円、十万でありますと千円、百万でありますと六千三百円、千万でありますと五万一千円、一億円の訴訟ということになりますと五十万一千三百円ということに相なりますので、訴訟としてただいま記憶しておりませんけれども、やはり十億という事件はあると思いまするので、印紙として百万、二百万円を払わなければならないという事件は出てまいっておるわけでございます。
  8. 久保等

    久保等君 いま手元になければ、後ほどでもけっこうですが、ここ五年間くらいにわたっての先ほど申し上げた総額についてと、それから一件について最高一体どのくらいになるのか、各年度別最高のものだけひとつピックアップして資料としてお出し願いたいと思うのですが、お出し願えますか。
  9. 菅野啓蔵

    最高裁判所長官代理者菅野啓蔵君) 承知いたしました。
  10. 久保等

    久保等君 この印紙貼用にあたって、人間のやることですから、間違いだとか、あるいは張り過ぎだとか、いろんなことがあり得ると思うのですが、いま言ったような手数料の納められたあとの問題についての、まあチェックする方法ですね、検査なり監査なりというのはどういうふうに裁判所の中ではおやりになっているのですか。
  11. 菅野啓蔵

    最高裁判所長官代理者菅野啓蔵君) この申し立ての費用、したがいまして幾ら印紙を張るかということを決定いたしますのは、その申し立て決定する機関でございます。したがいまして、訴状につきましては、訴状審査権というものは裁判長が持っているのでございます。もちろん裁判長事件受け付けをみずからやるということではございませんで、部の書記官ないし受け付け書記官というものがございまして、これが受け付け事務をやっているわけでございます。大体はこの印紙法によって一万円について百円というふうにきまっているわけでありまするから、機械的な率で計算がいくわけでございます。いろいろ訴訟の中には、訴価の計算自体につきまして問題のある解釈上むずかしい事件もあるわけでございまして、そういう問題になりますれば、裁判長みずからが、書記官から相談を受けまして、これは幾ら印紙を張らすべきであるということをいたすわけでございます。そういう意味で、裁判長チェックしているということが申し上げられるかと思います。それから、ものによりましては、たとえば執行文の付与ということになりますと、これは付与すべきかどうかということは書記官の権限になっておりますので、したがいまして、その申し立てについての所要印紙額ということの決定書記官がするということで、その申し立てについて決定をなすべき書記官がそれをチェックするということが申し上げられるかと思います。
  12. 久保等

    久保等君 それをどこかで、きわめて事務的な問題なんですが、やはり人間がやることですから、間違いやあやまちというものはあり得ると思うのですよ。したがって、それをさらにどこかでチェックするという一体制度はあるのかないのか。いま要するに担当者は、これはさまっておる。担当者といいますか、審査権を持ってる者は、これは裁判長であり、裁判官であろうが、実際に手足になって動くのは書記官がやるのでしょうが、そういうところはわかるのです。そういうところはわかるのですが、そこでもし何か間違いを起こしたということが、これはあり得ると思うのです。いかに裁判官といえども、事務的な問題についてあやまちということはあると思うのです。そういったものをチェックする方法というものはないんですか。
  13. 菅野啓蔵

    最高裁判所長官代理者菅野啓蔵君) この客観的に誤りである場合でも、それが解釈によっては誤りでない、要するにそこの点について争いがあり得る場合があるわけでございます。こういうことになりますと、つまり裁判所としては印紙張り方が足りない、当事者とすればそれでは張り過ぎるという争いになるわけでございまして、裁判所とすれば、足りないとすれば訴状却下という処分をいたします。これに対しては、当事者抗告をするという手段で、抗告裁判所がそれを見ていく、そういうふうにして是正されていくということが一つの是正の道でございます。ただしかしながら、書記官が間違って多く張らし過ぎた、これをすぐ是正する方法というものがやはりあってしかるべきものであろう、これがいわゆる過誤納の場合の——誤って多く納めさした場合の処置の問題でございますが、これにつきましては、税法の場合の、税金を誤って多く納めさした場合の、国税通則法の五十六条でございましたか、そういうような規定がないために、金銭で返すという手段が、法律上の根拠がただいまないわけでございます。そこで、ただいまのところは、昭和三十年に最高裁民事局長の通達で、あやまって印紙を多く納めさせた、そして消印を押してしまったという場合に、過誤納証明という証明を出すことにいたしておりますが、しかし本来は金銭で返してしかるべきものであろうと思います。それは、先ほど申し上げましたように、税法のような、国税通則法のような規定がございませんために、金銭で返すということが会計法上不可能な状態でございまするので、ただ未使用証明ということの措置をとりまして、裁判所としてはこの次の事件にその印紙を利用できるというようになっておるのでございますが、この点は金銭で返すのがしかるべきことであろう、その点の手当てができていないということは法律上の不備ではなかろうかというふうに思っております。
  14. 久保等

    久保等君 その過誤納の問題は、後ほどまたお尋ねしますがね。それよりも、先ほど来お尋ねしている問題の焦点は、いまのような場合もあるでしょうが、そうでなくて、気がつかない、その当事者——当事者といいますか、直接担当した者が気がつかない、しかし客観的に見た場合には実は過誤納なんだという場合もあり得ると思うのですね。だから、そういったことについて、何かやっぱりチェック制度というのがなければ万全を期し得ないのではないか。要するに、何といいますか、訴状提起をした立場からいえば、気がついておるんだがどうも言い出せなかったという場合もあり得ると思うのですし、それから、言われるままに張った、がしかしやっぱり客観的に見ると納め過ぎておったという場合もあり得ると思うのですよ。これは、一般の行政機構の場合でしたら、これは当然、一種の会計監査なり、あるいは検査なり、そういったようなことをやる制度があるんだけれども、一体裁判所の場合について、同じ人間がやるんですから、私はやっぱり誤りというものがあり得ると思う。それに対する、訴状の中に立ち入ることはできないとしても、少なくともそういった会計事務上のような問題についてのあやまちだけは、チェックする方法を、機構として、組織として何か考える必要があるんじゃないかというふうに思うのです。これは十分あり得ることだと思うのですが、そのことについてどんなふうにお考えですか。
  15. 菅野啓蔵

    最高裁判所長官代理者菅野啓蔵君) ただいま申しましたように、行政的にすぐ返すという規定がないわけでございます。しかし、当時者が適法である印紙を張っておるのに却下されたという場合においては、先ほど申し上げましたような争い方法がありまするし、それから多く張り過ぎておる、それはつまり法律に違反した印紙を張っておるわけでございまするから、それは不当利得になるわけであります。ですから、不当利得返還請求の訴えというものは起こせる、そういう意味救済の道はあるのでありますけれども、しかし、これは御指摘のように迂遠な方法でありますので、方法はないわけではないのでありまするけれども、そういう意味におきまして、国税通則法のような規定が必要ではなかろうかというふうに思っておるわけでございます。
  16. 久保等

    久保等君 私の質問の内容がよく理解されないのかと思うのですが、その問題も後ほどお尋ねいたしますけれども、その問題よりも、そういう手数料を徴収することについて裁判機構が現在のようなやり方だけでは足りないのじゃないか。何らかの監査なり検査なりする組織というものを持たなければ、現実に問題があってもやはり見落とすということもあり得ると思うのです。それから勘違いということもあり得ると思うのです。したがって、当事者そのもの勘違いしてよけい払ったり、あるいはまた不足の場合があり得るかどうか知りませんけれども、しかし人間のやることですから想像すればそういう場合も十分にあり得ると思うのです。ところが一回きり、扱った人間そのものが判断したとき一発勝負で終わりなんだということになると、客観的に見た場合にはあやまちということはあり得る。そういう場合に、第三者といいますか、全然別のところで検査なり監査なりする方法がないために見過ごされてしまうという場合が私は実際問題としてあり得ると思うのです。だから、そのことに対して何らかのチェックシステム考える必要があるのじゃないかということをお尋ねしておるのですよ。
  17. 菅野啓蔵

    最高裁判所長官代理者菅野啓蔵君) 過誤納になるかどうかということは、やはり一つ法律問題である場合が多いと思うのです。そういうことになりますと、そういうことの判断ということはやはり裁判所がすべきものであろう。その裁判所というものは、あるいは書記官処置については受訴裁判所、あるいは裁判長処置については抗告裁判所というふうなことで、そこで裁判の手続をもって是正していくという道が現在とられているわけでございまして、明らかに過誤納であるという場合には、要するに裁判所でそのことを取り扱った者がそれを認めた場合には、先ほど申しましたような未使用証明というようなことをやっておるということなんでございます。
  18. 久保等

    久保等君 どうも答弁が、私の質問に対する答弁になっていないのですよ。これは裁判官といえども、やはり神さまじゃないですからね。それからまた書記官にしてもそうです。したがって、そういう人たち勘違いをしてよけい取り過ぎた、あるいはまた不足の場合もあり縛ると思うのですが、発見されれば、これはいま言ったように、しかも原告——原告といいますか、訴状提起した側が気がついた、しかもそれに対する救済方法としては、裁判所に対して上訴をするなり上告をするなりして救済の道があるわけです。しかし、気がつかないで見過ごすということはあり得ると思うのです。したがって、そういう場合に対するやはり万全な適正な徴収を行なう方法として、何らかの組織的なあるいは機構的なチェックする方法考える必要があるのじゃないか、こういうことを私はお尋ねしておるのです。だから、現在のところはそういろ方法はないのだということなんでしょうけれども、しかし今後の問題として、立法論として、それからまた現実問題として、そういった方法を何か考えていかないと、人間のやることですから、しかも一ぺんきり手をつけない場合だったらなおさらあやまちということはやはりあり得るだろうし、過不足はあり得ると思うのです。そのことに対する救済方法というか、要するにあやまちをできるだけ矯正できるように何らか担当者以外のところでチェックしていく。これは何も裁判そのものの中身にタッチするということでなくて、これは法律に定められたとおりの印紙を貼用しなければならないということになるのですから、その立場から計算してみると計算違いしておったということは十分あり得ると思うのです。それに対する救済措置というものを考えなければならないのじゃないか。会計検査といいますか、会計経理といいますか、そういう意味でのチェックするシステムというものを確立していく必要があるのじゃないか、立法論として。私はこれは、いかに民事局長にしたって、最高裁長官にしたって、そういうことは絶対あり得ないからしてチェック制度は必要ないということは断言できないと思うのです。人間のやることですから、あやまちはあり得ると思うのです。それに対する救済措置というか、そういったことの起こらないようにすべきだが、それでも絶対あり得ないということは言えない。しかし、一回見るよりも二回、二回見るよりも三回見る。違った人が見ればあやまちを発見するという可能性は強いと思うんです。だから、そういう方法考える必要があるんじゃないかということをお尋ねしておるんですがね。
  19. 菅野啓蔵

    最高裁判所長官代理者菅野啓蔵君) 御指摘のとおり、法律上問題がなくて、計算違いのために張るべきものを張らしていないという場合はあり得ると思うんです。これはまさに会計検査の対象になるものでありまして、そういう意味では会計検査を受けておるわけです。
  20. 久保等

    久保等君 どこでですか。
  21. 菅野啓蔵

    最高裁判所長官代理者菅野啓蔵君) 会計検査院による抜き取り検査を受けるわけでございます。
  22. 久保等

    久保等君 会計検査院の第二局長にそれじゃお尋ねしますが、この印紙税法なりあるいは印紙をもってする歳入金納付に関する法律ですか、これに基づくいま言ったような書類等については、全部にわたって一応会計検査院としては検査をなさっておるんですか。
  23. 石川達郎

    説明員石川達郎君) 収入印紙につきましては、歳入歳出という面から考えますると、これは売り払った場合に郵政省の歳入になるということで、収入印紙そのもの歳入歳出には直接にかかわらない問題でございますけれども、ただ過去にもいろいろ、不正使用だとか、そういうような事例がございますし、これは一応は検査はいたしておるわけでざごいます。ただこれを系統的にやっておるかと申しますと、いろいろ人員等関係もございまして、大きなものから調査しているというのが現状でございます。
  24. 久保等

    久保等君 それでは、私がお尋ねしたような問題については、これは会計検査院では一応目を通しているということにはなるわけですね。
  25. 石川達郎

    説明員石川達郎君) ただいま申しましたように、系統的に特にそれだけに限って見るということはいたしておりませんが、随時金額の大きなもの等につきましてはこれを調査しているというのが現在の状況でございます。
  26. 久保等

    久保等君 会計検査院検査というものは、これはすべての行政機関について全部やれっこないんですから、ある程度抜き取り検査みたいな形になると思うんですが、そうすると、いま私がお尋ねしている訴状その他の申し立て等に対して貼用せられている印紙がはたして適正に張られておるかどうかということについては、抜き取り検査会計検査院としては検査しておるということになるわけですね。
  27. 石川達郎

    説明員石川達郎君) さようでございます。ただ、過去にそれにつきまして特に指摘をしたというような事例は、私の記憶する限りでは聞いてはおりません。
  28. 久保等

    久保等君 ただ、法律的にはやれるし、また現実に若干はやっておるというような意味の御説明だと思うんですけれども、実際問題として、私は別に疑うとかなんとかいう意味じゃなくて、人間のやることだから、それに対してきちっとチェックをする必要があるんじゃないか。ところが、会計検査院といえば、これはやはり外から行って検査をする。したがって、そう詳細な検査をするわけには私はいかぬだろうと思うんです。したがって、ほんのごく一部、しかも金額の相当かさむような問題についておそらくやられるんだろうと思うんだけれども、裁判所として、内部組織機構として、何か私はやっぱりやる必要があるんじゃないかという感じがするわけです。たまたま会計検査院検査したらひっかかったというような問題じゃなくて、裁判所内部で何かそういう監査する制度考える必要があるんじゃないかと思うんです。一体過誤納なんかの数字、件数だとか、それから金額、こういったようなものを裁判所の中で調べられた資料のようなものがありますか。
  29. 菅野啓蔵

    最高裁判所長官代理者菅野啓蔵君) 昨年度の分でございまするけれども、やはり全国通じまして年に数件でございます。金額といたしまして、多いのが八千五百円、少ないのは千円というような程度でございますけれども、そういう意味におきまして、そういう事件が非常に多いというわけではございませんけれども、しかしともかくも過誤納の問題はあるわけでありまして、これを合理的に解決する方法考えなければならぬというふうに考えております。
  30. 久保等

    久保等君 これは四十一年度についてですか。そうすると、やっぱり若干減ってもそういうあやまちがあるし、さらにまた、何といいますか、過誤納という形で訴状提起者のほうからいろいろ裁判所に対する救済措置考えてくれないかということで持ち出されて、おそらくこういった問題が数字的にあがってきているのだろうと思うのです。だから、私が先ほど来お尋ねしているように、そういう形でない、事故はどうして防ぐかとなったら、防ぎようがないわけですね。しかも、だれも関係者以外検査もやっていないのだし、監査もやっていないのですから、行政事務とも見られるような——やはりこの問題は立法論上の問題であろうけれども、これはいままでそういった措置が何らとられておらないということは、考えてみると私は奇妙に感ずるのです。いかに裁判所がやられることであっても、やはりそういう、何といいますか、行政事務とも見られるような事務的な問題は事務的な問題として、国民が何の不安も持たなければ、また不信感も持たないような形にきちっとしておく必要があるのではないかという感じがするのです。いま言われたのは表面化して問題になった問題であろうと思うのですが、わからないものはこれはやはりわからないですね。しかし、わからないからといって、絶対ないのだとは言い切れないのだろうと思うのです。だから、そういう問題に対する救済措置をやはり考えるとすれば、それでも絶対あり得ないということは言えないと思うのですが、しかし何らか第三者がそれに対してチェックをするというようなこと等は裁判所内部運営としてもお考えになる必要があるのではないか、どうですか。
  31. 菅野啓蔵

    最高裁判所長官代理者菅野啓蔵君) 御指摘のとおり、四十一年度に数件と申し上げましたけれども、やはり想像いたしますれば、過誤納が少額のものであるために当事者がまあいいというようなことで片がついている事件もあるのではなかろうかという気がいたします。そういたしますと、なおこの過誤納というような問題が起きないために、審査制度について検討してみなければならないというふうに考えております。
  32. 久保等

    久保等君 それでは、その問題は、これは今後の一つの問題としてぜひお考えを願いたいと思うのです。  それから、先ほどもちょっと答弁の中で触れておられましたが、過誤納があった場合に、やはりその支払い方法ですね、支払い方法そのもの一つ考えてみても、印紙でなければいけないのだということになっておりますと、なかなか、かりに返してみたところで、受け取ったほうがこれまた一体どう処分していいものやら、非常に扱いにくいと思うのです。したがって、これは立法論上の問題になりまするが、現在のところはむしろ印紙以外で納める方法はないというたてまえになっておると思うのです。しかしやはり、印紙だけではなくして、現金でも納付することができるのだというような制度に改めないと、あまりにも現在までやってこられた印紙でなければいけないのだという考え方では現状に合わないのではないかというふうに考えるのです。その点どうでしょうか。
  33. 菅野啓蔵

    最高裁判所長官代理者菅野啓蔵君) 金で送ってきた場合に、裁判所印紙を買ってやって、そして立てかえてやれ、そういうふうに貼用してやれというような判例もあるのでございまするが、しかしながら、大体印紙でなくて金でも納められるという制度にしたほうがいいのではないかということにつきましても、実は民事訴訟用印紙法全体につきまして、ただいま御指摘の点のほかにもいろいろと問題点があるものでございますから、まあこれは立法上の問題ではございますけれども、実施いたしまするところは裁判所でございますので、いろいろの問題点を集めまして、そうしてどの範囲でどういうぐあいに改正していったらこの印紙法が合理的になって今日の状況にマッチするかというような点を取りまとめまして、法務省にこういう点でこういうところは法律改正してもらいたいという申し出をするために、ただいま作業を続けておるところでございます。
  34. 久保等

    久保等君 いまは何と言っても、新しい憲法のもとで主権在民というたてまえからいきますと、過誤納しても現実には金が返ってこない、あるいはまた印紙でなければ受けつけないのだというので、それは十円や二十円、三十円あるいは五十円、百円ぐらいの収入印紙なら、これは手軽に手に入ると思うのですけれども、だけれども、何万円あるいは何十万円というような印紙になったら、それこそ汽車に乗ってどこかへ行って買ってこなければ手に入らないという場合がむしろ私は普通じゃないかと思うのですよ。そこらで簡単に手紙やあるいははがきの切手を買うようなわけにはいかないと思うのですよ。だから、そういう面一つ考えてみたってそうだし、そうしてまた先ほどからちょっと触れておられる過誤納なんかの場合にしても、未使用証明書みたいなものを出して裁判所でかりに返してくれたとしても、これをどういうふうに使うか。また訴訟でも起こしてたまたま金額が一致するような場合はうまく使えるかもしれませんが、全くこれは一般が持っておっても、しかも何万円というような印紙の場合だったらなおさらだと思うのですが、みすみすきわめて不都合な印紙を持っていなければならないというようなことも、これは全く現実離れがしておると思うのですよ。私は、いまの主権在民だとかなんとかいう憲法のもとに、裁判所は数段高いところに立って、どっちが主権者なのかわからぬようなこれは印紙法のたてまえですよ。それから、先ほど申し上げた納付金に関する法律にしても、明治憲法当時のものがそのまま引き継がれているのですけれども、あまりにも非現実的だと思うのですよ。したがって、一般の税金、何といいますか、印紙税法の問題にしたって、登録税法にしたって、これはもちろん印紙を張ってもいいし、それから現金で納めてもいいというようなたてまえをとっているのですよ。ところが、事裁判所に関する限りは、これは現行のたてまえが印紙以外は受けつけないというたてまえになっておって、だから、先ほど御説明のあった裁判所によって現金で受けつけたところもあるというのですが、これはむしろ例外中の例外じゃないですか。これは裁判官が非常に、何というか、むしろ勇気をふるってやられた私は名措置だと思うのですけれども、とにかくそういったことが全然一般化されておらない状況は、どうも非常にしろうとから見ると、あまりにも昔からの因襲がそのまま残っているような感じがするのです。したがって、これはぜひ、もちろん印紙も使えるが、現金で納めてもいいのだというような形にして、裁判所の側のほうとしては、そういう組織なりそれから受け入れ態勢をつくっておけば、かりに過誤納になった場合に返す場合にも、現金で返してもらいたいという者に対しては現金で返してやるということにしたら、どれほど助かるかと思うのですね。それから、先ほど過誤納が数件四十一年にあったというのですが、これは現実には過誤納になったものを返したものがありますか、全然返さない未処理のままですか。
  35. 菅野啓蔵

    最高裁判所長官代理者菅野啓蔵君) この数件の場合を調べてみましたところが、扱いました方が弁護士でありましたので、次の事件でそれを使用されておるようでございます。
  36. 久保等

    久保等君 使用されておるというのは、印紙で返したということですか。
  37. 菅野啓蔵

    最高裁判所長官代理者菅野啓蔵君) さようでございます。
  38. 久保等

    久保等君 それでは、その四十一年度のいまあげられた数件について金額と日時とをお知らせ願いますか、件数全部について資料として。
  39. 菅野啓蔵

    最高裁判所長官代理者菅野啓蔵君) 調べた上でお知らせいたします。
  40. 久保等

    久保等君 それではひとつお願いします。  いまの現金で納付する道を開く問題、これもいま民事局長のお話では、やはり何とか改正をしなければならぬというお話のようですから、これも裁判所並びに法務省を含めてぜひひとつ検討願って、現状に合ったような形にしてもらいたいと思うのですね。これはひとつ強くその点要望申し上げておきます。  それからさらに、印紙のやはり減免措置ということも考えていったらどうかというふうに思うのですがね。これを訴状を出すたびに必ず先ほど申し上げたような印紙法規定に従って印紙を張らなければならぬというたてまえになっておると思うのです。ものによっては、訴えを起こした。ところが、それを簡単に訴訟要件を欠くということで却下した。これはまあけしからぬということで控訴をする。当然これはまた控訴をするときには、印紙を一倍半張らなければならぬ。第一審に対する訴状よりも一倍半控訴の場合には張らなければならぬという規定になっていますが、しかし、これも考えてみると、一体この手数料、それから貼用する印紙というものの性格が一体どういうものだろうかという問題は、やっぱり私は検討願わなければならぬと思うんです。これも、先ほど申し上げたように、新しい憲法下においては、少なくともやっぱり主権者である国民が裁判所に向かって何らかのひとつ決定ないしは判決をしてもらえぬだろうかということで、訴状印紙を貼用するんだろうと思うんです。ところが、全然中身に触れないで、まあいわば門前払いを食わしたような場合にも、その手数料を取る。それから、中身のもちろん審査もし、もちろん判決をした場合、これはまあ当然だと思いますが、まあそういったようなものが全部とにかく訴状を出すときにすでにきちっと張って出さなければならぬというたてまえになっておりまするから、これはもう中身を裁判所が検討するしないにかかわらず、訴状提起する場合には必ず印紙を張らなければならぬというたてまえになっておることには、これはどうもわれわれから考えるとふに落ちないと思うんです。しかも、まあ十円、二十円、三十円という程度なら、金額も些少だということになろうと思いますが、やっぱり訴状を出すからには、先ほどお話があったように、多いのは何百万円といったようなものもあり得るわけですが、とにかく訴状を出すたんびにどうであろうとこうであろうと全部一律に取るんだというような扱い方は、これはまあ非常に乱暴といいますかね、これもちょっとわれわれの常識では理解できないと思うんです。したがって、たとえばまあ民訴三百八十八条あたりに規定されておる原判決取り消し、差し戻しの扱いなんかをした場合に、やっぱり控訴審に対する訴状にもいま言ったように第一審に対する訴状の一倍半もの印紙を張らなければならぬとかというようなことになっておることは、これはやはり私は問題だと思うんですよ。少なくとももう、いやこれはもう一ぺん第一審でやれと、第二審で扱うほどの問題ではない、第一審でやれといったような形で差し戻す場合には、その控訴の訴状といいますか、上訴するにあたっての印紙の貼用は、第一審の一倍半も張らなければならぬというような扱い方というのは、非常に不公平じゃないかという感じがするんです。したがって、こういったものについては、全然張らなくていいかどうかの問題は問題があろうと思いますが、とにかく一倍半の印紙を張らなければいけないという扱い方をすることは、それこそ不当利得というか、一般社会通念からいって不当利得じゃないかという感じがします。またそのほか、やはり第一審で却下になった、それで第二審に訴状提起するという場合と、それから第一審ではやはり判決があったと、その判決に対して不服だということでまた上訴するという場合の、何といいますか、第一審での扱い方というのは、これはもうおのずから全然違いますね、裁判所での一審での扱い方は。ところが、そういったことも考慮せずに、いずれもまた上訴審における訴状には同じように印紙を張らなければならぬというような問題なんかも、これは私はやはりどうも何とか軽減の方法考えていいんじゃないかというように考えますね。こういったことについて、全くしろうとの議論ですけれども、民事局長どんなふうにお考えになりますか。
  41. 菅野啓蔵

    最高裁判所長官代理者菅野啓蔵君) 御指摘のとおり、裁判には、公判に入っての裁判と、いわゆる公判前の裁判と、訴訟要件についての裁判裁判が決せられるいわゆる門前払いの裁判というものがあるわけです。これにつきまして同じような印紙を張るのは不合理じゃないか、御指摘のとおりでございます。その間に同じような印紙を張らすのは不合理じゃないかという御議論、ごもっともであると思うのでございまするが、現行法はしかじかの訴状には幾ら張れということにきまっておるわけでありまするので、御承知かと思いまするが、最高裁の判例におきましても、たとえ一審で訴訟要件を欠くといって門前払いになった判決についての控訴につきましても、通常のとおり一審の一倍半張るべきものであるというふうな判決になっております。これは現行法のもとではそういうふうになるのが通念かとも思うのでございますけれども、しかし、先ほども申し上げましたように、印紙法につきましては全面的な改正を考えておるわけでございまして、その中におきましてそういう問題も十分検討してまいりたい、かように思っております。
  42. 久保等

    久保等君 私いまお尋ねしたのは、二つお尋ねしたんですが、前者の民事訴訟法の三百八十八条による差し戻しの件について、これはやはり何ですか、控訴審においては、印紙を一般と同じような形で貼用しなければならぬということに統一的に扱っておるんですか。
  43. 菅野啓蔵

    最高裁判所長官代理者菅野啓蔵君) これも同じでございます。先ほど申し上げたと同じことであります。
  44. 久保等

    久保等君 だから、これは立法論として、私は緊急な問題としてやはり考えなければならぬ問題だと思うのですね。こういったことは、普通の社会通念からいくと、まことにどうも奇妙な形に現在なっておると思うのですよ。手数料そのものが一体どういう性格なのか、これは一体どういうふうにお考えになるのか。
  45. 菅野啓蔵

    最高裁判所長官代理者菅野啓蔵君) この点につきましては、御承知かとも思いますが、学説上もいろいろの説があるわけでございまして、単なる公の機関を利用するについての対価であるというふうにも割り切れないのではないかとも思うわけでございます。すなわち、一定の給付を求め、一定の給付をしたことに対する対価であるということになりますというと、御指摘のとおり、単なる訴訟判決をした場合と、本体に入って判決をした場合とでは、差があってしかるべきであるというふうに考えられるわけでございまして、そういうふうに考えるにつきまして相当の理由があるわけでございますけれども、他方におきまして学説では、これは単なる反対給付に対する報酬ではない、純粋にそういう性質のものではなくて、やはり公法上の租税ないし租税類似の性質を有するものであるというふうなことを、学説では言われている方もあるわけでございます。私どもといたしまして、いろいろな説のあるところを、にわかにどういうところでしなければならぬかということをただいまの段階で申し上げかねるのでございまするけれども、いろいろな説、それからいろいろの理屈というものを十分に検討いたしまして、この法案作成の段階では、こういうふうにしてもらいたいということを法務省に申し込みたいと、かように思っておるわけでございます。
  46. 久保等

    久保等君 だから、その学説が昔からあることは私も若干承知いたしておりますし、またあり得ると思うのですよ。ただしかし、先ほどもちょっと申し上げたように、新しいいまの民主憲法、主権在民という考え方でつくられた憲法のもとにおいて、一体司法手数料というものはどう理解すべきであるか、どうあるべきかという問題を考えれば、比較的私は簡単に結論が出ると思うのです。要するに、主権者である国民から何らかの公的な手数料を徴収するという場合に、それに見合った何らの反対給付はなされないけれども、とにかく一方的にお出しなさい、主権者の国民から無条件にとにかく有無を言わず手数料を出しなさいと、そういう手数料の徴収のしかたというものはあり得ないと思うのですよ。また、今日の民主憲法のもとにおいて、昔はあるいは税金的とかなんとかいうことばがあるのだけれども、税金だってそんな、何らかの担税能力があるとか、何らかの根拠があってやるべきであって、ただ単なる一方的に取りながら税金的なんだという説明に使っているだけであって、ちっとも説得性のある解釈のしかたじゃないと私は思うのですよ。したがって、あくまでも裁判所の給付といいますか、応答義務といいますか、そういうことに対しての応分の手数料でなければならない。一銭たりとも不当なものを、根拠なくして一銭たりともこれは取ることはできないと思うのですよ。裁判官といえども、裁判所といえども、これまた憲法に規定せられているように公務員によって構成されておる。一体公務員というものはどういうものかといえば、憲法十五条にも規定せられておるように、この任免そのものは国民の固有の権利だということも明記せられ、公務員は国民全体の奉仕者なんだということも十五条に明確に規定されております。そういう憲法の精神なり規定からいっても、公務員でもって構成されておる裁判所が、有無を言わせず、何か税金的なものだから出しなさいという形で、現在の印紙法なりあるいはまた納付金に関する法律ができたり、あるいはまたこれが運用せられるというようなことは、これはちょっと私はこの時代にまかり通るわけにはいかない性質のものじゃないかというふうに考えるのです。したがって、学説が二つあるという話も、これはやはりずっと明治憲法以来の学説として言われるだけの話であって、一体明治憲法下と現在の民主憲法下の社会情勢の変化というよりも、そういうよって立つ根本的な憲法そのものが改正せられた後のやはり解釈というものは違ってこなければならぬと思うし、またそれが、不明確で、人によって解釈が違ってくるというようなことがあり得るならば、これはやはり私は法律そのものできちっとする必要があるのじゃないかというふうに考えるわけです。その点民事局長どうお考えになりますか。
  47. 菅野啓蔵

    最高裁判所長官代理者菅野啓蔵君) 先ほど申し上げましたように、この手数料の性質というものは、考えれば非常にやはりむずかしい問題を含んでおると思うのでございます。元来憲法上は訴権というものが認められておるのでございますから、あるいはもう訴えを起こすのはすべて無料でもいいじゃないかという考え方もとり得るかと思います。ただしかし、そこには受益者負担とかその他いろいろな考えがございますので、一定の手数料を取ることはしかるべきであろう、ただその取り方を合理的に考えなければならぬ。しからば、どういうことが合理的であるか。それにつきましては、やはり手数料の性質というものはどういうものであるかということの考え方によっても違うでありましょうし、なおお説のように明治以来の頭でこれを解釈してはならないと思っております。いろいろの学説なり、御意見なり、そういうものを突き合わせて考えて、裁判所といたしましてはこうであると思うというところを法務省に申し上げ、さらに国会で御審議をいただいた上で、合理的な法律ができるということを私は期待しているわけでございます。
  48. 久保等

    久保等君 租税的なものだという理解のしかたには、また私やはり無理が若干あると思うのですよ。たとえば訴状提起すること、そのこと自体に対する租税的なものだというような理解のしかたをするなら、先ほども、大は数十万、数百万、あるいは無限大に訴訟物の大きさによって違ってくると思うのですが、たいへんないろいろ段階を設けておりますね。それから少額は十円からあると思うのですが、そういう形でやはり内容いかんによって差を設けておるという立場からいきますと、税金的なものなのだ、したがって訴状を出すことそのことに実は非常に重点を置いた考え方で手数料というものは取っておるのだという考え方からすると、その点ちょっと何かすっきりしないものがあるのです。それからまた、口頭弁論なんかの延期だとか続行だとかいうような場合、法廷でもって口頭で簡単に申し出しますね。申し出をした場合には、これまた印紙を納めなければならないことになっていますが、しかしそのときも不採用になった、何月何日にひとつさせてくれませんかと言ったら、それは都合が悪いから何月何日になったということで、裁判官が職権でやった、本人は申し出たのだけれども採用されなかったという場合には、印紙を貼用しなければならぬということにはなってないのですか、不採用になった場合、弁論の延期だとか続行について。それはどういうことになっておりますか。
  49. 菅野啓蔵

    最高裁判所長官代理者菅野啓蔵君) 申し立てについて手数料を取ることになっておりますので、採用不採用にかかわらずただいまの制度では手数料を取るという、申し立てがあれば取る、申し立てについてはその印紙が必要だという制度であろうと思います。
  50. 久保等

    久保等君 実務上そうなっているんですか。
  51. 菅野啓蔵

    最高裁判所長官代理者菅野啓蔵君) 期日の指定の問題であろうと思いますが、期日の指定、それから変更、延期、続行、こういうようないろいろ期日のきめ方がございます。期日のきめ方については、民訴の規定で、百五十二条でありましたか、申し立てまた職権でということになっております。そこで外形を見ますというと、期日が延びたあるいは変更になったという事実につきましてあるいはただである場合もあるということは、職権でやられた場合あるいは申し立てによった場合には印紙を張らせるということであるわけでございまして、同じ期日が変わった、続行があった、延期になったという事態に対しまして印紙が要る場合と要らない場合があるというわけでございまして、非常にそこが外から見ておりますというとまちまちである、ばらばらであるというふうにお感じになるのではなかろうかと思うのでございます。しかしながら、職権で延期する場合とそれから申し立てによって延期する場合というのは法律一つのけじめがあると思うのでございまして、職権でという場合には、何と申しましても裁判所の都合で、つまり裁判官が病気であるというような場合が典型的な場合でございましょうし、それから申し立てによる場合というのは当事者の都合による場合、その典型的な理由と申しますれば、その弁論期日に弁論の準備が整わなかった、あるいは証拠の立証の準備が整わなかった、そのために一回延ばしてもらいたいというようなことがある場合には申し立てで延びるということなのでございまして、職権によるべき場合と申し立てによるべき場合というものは法律上はやはりけじめがあるべきものだと思うのでございます。ただ、具体的の問題につきまして、ある特定の期日に当事者が新たな主張をしたというときに、そういう主張ならばさらに釈明を要するので、すぐそこで釈明を求めて得られればいいわけでありますが、しかし、裁判所として見て、すぐ釈明を求めるということはこれは無理だというような場合には、さてそこで延ばすというときに、これは一体職権によるべきであろうか申し立てによるべきであろうか、そもそもの始まりは、新たな主張をそこで出してきたわけでございまするから、そういう意味当事者に責任があるということにもなりましょう。しかし、これで釈明を要するとして釈明を命じたという意味では職権的なものがあるというときに、これをどうするかということにつきましては、やはりそこに考え裁判官によって違ってくる場合がある。したがいまして、大筋、原則としては、職権によるべき場合も、申し立てによるべき場合もきまっておって、そうしてそこでばらばらな事態というものは起こり得ないはずでございますけれども、具体的な事件につきましては、やはりそこに個人的な差が出てくる。したがって、どうもばらばらじゃないか、まちまちじゃないかという批判を受けるのではなかろうかと思いますけれども、ぎりぎりの点で非常に微妙な点になりますと、私はやはり個人的な差が出てくるということは裁判の性質としてある程度やむを得ないのじゃなかろうかというふうに思っておるのでございます。
  52. 久保等

    久保等君 だから、立法論としては、ほんのわずかな二十円、三十円といったような手数料の徴収については、むしろ廃止してしまったらどうなのかという気がするのです。しかも、口頭で法廷で申し出た、それで、二十円にしたって、三十円にしたって、たまたま持ち合わせがないとか、かりに一万円札は持っているがこまかい金は持っていないということになると——先ほど申し上げたように、現金でもらうことにはなっていないから、金はだれも持っていない——それじゃあとで納めてくださいということになって、あとで催促するのにも、電話をかけたりなんかすれば、けっこう二十円、三十円の手数料以上の金を裁判所は使ったということになると、経費の面でもそうだけれども、労力もたいへんでしょうし、事務的な面でも非常に煩瑣だと思うのですね。だから、そういうようなことについては、それこそ訴訟物の高によってきめる。そこで、ある程度十円や二十円のそういった些少の金の問題は、扱うほうもたいへんだし、労力もたいへんだし、それから出すほうもたいへんだし、めんどうくさいので、そういったことも考えあわせると、そういったことについてはやっぱりむしろそういう措置をやめてしまったらどうかというふうに考えますね。これは現在の実務上からいっても、それからまた法律的にいっても、いま民事局長説明するように、それは概念としてははっきりしている。申し立てたのと職権でやる場合とははっきりしている。しかし、実際問題の具体的な問題になった場合に、いま言われるように、一体どっちでやったのだろう、どっちでやるべきだろうかということで、判断に迷うと思うのです。取るべき金額は二十円か三十円といった少ない金額が多いわけですから、いろいろなことを考えると、これは根本的な改正をしなければならぬ問題だけれども、私はやっぱり廃止をしてしまったほうがいいんじゃないかという感じが強くするわけです。それは立法上の問題として、今後の問題として検討してもらいたいのです。で、さっきもちょっと質問したことなんですが、法廷で口頭で言ったということになると、いまの民事局長答弁からいうと、それも二十円なら二十円すぐ出してもらわなければならぬということになるのでしょう。裁判官がそれを採用しなかったというような場合、そういうような場合には、やっぱり口頭で申し出たんだから、つまり手続としては、そのときの都合があってたまたま口でしゃべったのだ、意思表示としては意思表示を裁判所に向かってしたのだけれども、そんなことは取り上げないで、裁判官独自の日時を決定した、それでもそれは申し出たのだから二十円ちょうだいします、三十円ちょうだいしますということになるのですか。
  53. 菅野啓蔵

    最高裁判所長官代理者菅野啓蔵君) 法律どおりに申しますと、そういうことになるわけでございまして、一日は、一日はだめだ、じゃ二日、それで一々取るということになるわけでございますが、実情はそういうことはしていないわけでございます。ということは、つまり正式な申し立てと聞いてない、これならどうですか、あれならどうですかということで、事実上の希望といいますか、そういうふうに聞いておるというふうにして、印紙は一々取ってないということでございます。
  54. 久保等

    久保等君 それから、この印紙法第六条ノ二の一項の一、いま触れた問題にもなるわけですが、「期日指定ノ申立」、この問題をめぐってこれまたいろいろ解釈は分かれておるようですが、これは、いま私がお伺いした問題を含めて、期日指定の申し立てそのものについて二十円なり三十円なりの印紙を貼用しなければならぬという制度自体が、いま申し上げたように、やはり金額の点において、それから手続的な点においてもなかなか容易でない面があるので再検討を願いたいと思っておるのですが、この問題そのものも、いろいろ弁論の延期なり続行なりの問題もこの六条ノ二の一項の一の「期日指定ノ申立」という中に含まれておるのか、おらないのか、このことについても学説が分かれておるというのが現状のようですが、先ほど申し上げたように、二十円、三十円といったような手数料の徴収についてはひとつ根本的に、この問題を含まれるわけですから、これをひとつ含めて検討を願いたい、かように考えます。特別御説明があれば伺いたいと思います。
  55. 菅野啓蔵

    最高裁判所長官代理者菅野啓蔵君) この期日の申し立て手数料を含めまして、印紙法の問題につきましては、いろいろ運用に当たっております裁判所といたしましても、問題点が出てまいっておるわけでございますから、早急に法律改正のことを法務省に頼もうと思っておるのでございます。
  56. 久保等

    久保等君 それから、最後になるのですが、先ほど壁頭に民事局長のほうから御答弁のあった問題、過誤納手数料の問題について私のほうからお伺いしておきたいと思うのです。これはもちろん立法上の問題もあると思うのですが、運用上の問題としてもやはりこれは考えてもらわなければならぬと思うのですが、要するに過誤納の問題、具体的に言えば、訴状を間違ってというか、行き違いから二通出した、全く同じ事件についてうっかりして訴状を二通出したというような場合に、これに貼用した印紙というものは、これは全く間違って納めてしまったのだけれども返さないのだということは、これはもう常識から言っても許されないと思うのです。これは当然一つは返すべきだと思うのですが、どうですか。
  57. 菅野啓蔵

    最高裁判所長官代理者菅野啓蔵君) ただいまの制度といたしましては、やはり二通出した、その二つの訴訟とも違法であるというわけではないのでありまして、ただ既判力とか、二重訴訟とか、そういう関係で却下される、そういうことになろうかと思いますが、で、問題は、やはり先ほどの訴訟の判決については同じような手数料を取るのはおかしいじゃないかという御議論は十分にわかりますし、立法論としてはそういうことも考えなければならぬかと思いますけれども、現在の制度といたしますと、そこに区別をつけておらないのでありますから、過誤納の問題は起きないと思うのでございます。
  58. 久保等

    久保等君 だから、いわゆる法律家なりあるいは裁判所の法解釈と違って、一般の常識といいますか、法律以前の問題として考えた場合に、これはまことにおかしいと思うのです。実体は一つで、しかも訴訟物も同じなんだ。ただ、文書を二つ書いて間違って出したという場合にも、やっぱり貼用された印紙裁判所がそのまま取ってしまうのだというのは、これは社会通念上からは私は許されないことだと思うのです。それに対する救済措置というものはないのですか、現行法からいくと。
  59. 菅野啓蔵

    最高裁判所長官代理者菅野啓蔵君) 現行法からいけば、やはり二つの訴訟であるということで、二つの訴訟提起したことに対する印紙というものがやはり要るというふうに解釈せざるを得ないと思うのでございます。これはやはり印紙の性格というものの議論になろうかと思うのでございますが、なるほど反対給付に対する手数料だということになれば、給付を求めておるのは一つにすぎないのに間違って二つ出したと。だから、求めておる給付が一つなのに二つの手数料を取るというのはおかしいじゃないかということに相なろうかと思うのでございますが、何ぶんこの手数料の性質というものが、現在のところはこれはあるいは民主的な制度ではけしからぬというおしかりを受けることになろうかと思いますけれども、いまの制度では——制度を改めて法律を改正すれば別でございますけれども、いまの制度では過談納になるということにはすぐならないのではないかと思うのでございまして、裁判所といたしましても二件出てくればやはり二件は審査するわけでございまして、そういう意味におきまして労力は二つやっぱり一応はやるわけでございます。まあ手数料の性質、いろいろの見方もあるわけでございまするが、一つは。たとえ訴訟判決であっても、そのことを審査している間はほかの事件はできないほかの事件はやれない、そういう意味で、そういう事件を出した者はそれだけの負担を負うべきであるという考えをとる人もおるわけでございまして、確かに反対給付の面はあるわけでございますけれども、その一面だけでこの問題が解決できるかどうかということにつきましては、もう少し検討させていただきたいと思うのでございます。
  60. 久保等

    久保等君 だから、大体は、これは立法論になりますけれども、いろいろとあるのです。たとえば訴状を出す場合に、それこそ二十円、三十円がいいのかどうかは別として、若干のものの印紙を張って出す。しかし、あと本体の審理に入った場合に、ある程度保証金を前もって取っておいて、それを取ってしまう。しかし、いま言ったように調べてみたら二つ出ておったというようなことで簡単に却下してしまうというような場合については、わずかながらの手数料的なものを取ってこれは始末をしてしまうというようなやり方があると思うのです。いずれにしても現在のような、それはたてまえは、印紙法なりそれから納付金の法律なりのたてまえからいって、形式的に言えばそういうことになるだろうと思います。しかし、形式的には法律どおりいっているのかもしらないけれども、大局的に見ればまことに非常識なことをやっていることになる。しかも、それが膨大な印紙を貼用しなければならぬというようなことになると、みすみすちょっとした手違いからうっかり訴状を二つ書いて出してしまったということでたいへんな財産上の損害をこうむるわけですが、こういったようなことは、裁判所立場からいってそれが妥当なんだということは、これは言えないと思うのです。ただ形式的な法律運用からいけばそうならざるを得ないんだということはあるかもしらぬのですが、どうもやはり根本的には改正を要する問題だと私は思うのです。  それからもう一つ過誤納の、一つ間違ってよけい納めたという場合、これは先ほども御答弁があったんですけれども、現実に過大に払ったが、しかし払われていないという問題、これもあるのじゃないですか。先ほど、四十一年度については何か全部処理が終わってしまったようなお話だったんだけれども、そういう統一的な扱い方に全部なっていますか。かりによけい払い過ぎたということがわかれば、その余力の分だけ印紙の未使用証明書ですか、そういうようなものを発行するというような形で処理をされていますか。
  61. 菅野啓蔵

    最高裁判所長官代理者菅野啓蔵君) 未使用証明の扱いは、全国的に統一しております。これは、三十年の一月二十四日に私どものほうから通牒を出しておりまして、過誤納の場合には未使用の証明を出すようにと、これは不十分でございますけれども、法律の根拠がないものでございますから、さしあたりそういうことでやっているわけでございます。
  62. 久保等

    久保等君 それでも問題が残るのは、たとえば印紙がよけい納めた分だけがはがせるようにでもなっていればいいけれども、何か金額的に、たとえば一万円のを張ってしまった——一万円の印紙があるのかないのか私は十分知りませんが、ところが五千円返してやらなければならぬという場合には、どういうふうにして返すのですか、五千円。一万円の一枚ですね、切手。切手のうち、何か新しいのを五千円返せば問題ないだろうと思うのですけれども、一万円そっくり返してやるわけにもいかぬ。どういう扱いになるのですか。そういうはんぱの場合、出された通牒の考え方というのはどういうところにあるのですか。
  63. 菅野啓蔵

    最高裁判所長官代理者菅野啓蔵君) あやまって消印を押しているわけですね。そうしてそのうち過誤納になったものではがせるものをはがしまして、これは未使用であるという別の証書をつけて、これの使い道を申しますと、先ほど申しましたように、弁護士さんなら次の訴訟で使えるという方法しかないわけでございます。
  64. 久保等

    久保等君 ただ、私のお聞きしているのは、たとえば百円でもいいですよ、百円の印紙を張って出して、それに消印した、ところが五十円でよかったのだという場合もあり得るだろうと思うのですがね。そうすると、その印紙はどういうふうにして返してやりますか。
  65. 菅野啓蔵

    最高裁判所長官代理者菅野啓蔵君) そのときは、五十円が未使用であるという証書しか出せないと思います。
  66. 久保等

    久保等君 それはそのまま張ってあるわけですね。それでそれを、百円の印紙を返すわけですね。
  67. 菅野啓蔵

    最高裁判所長官代理者菅野啓蔵君) そうです。
  68. 久保等

    久保等君 それで、そのうち五十円だけは未使用なんだという証明書をつけるわけなんですね。そうすると、あとのほうには何にも残らないわけですけれども、それはかまわないのですか。
  69. 菅野啓蔵

    最高裁判所長官代理者菅野啓蔵君) それは返したけれども……。
  70. 久保等

    久保等君 あともう五十円払わなければいけないですね、張って。それこそ事務上の処理だけれども。
  71. 菅野啓蔵

    最高裁判所長官代理者菅野啓蔵君) 張ったことにするわけです。
  72. 久保等

    久保等君 何かわかったようなわからないような話ですが、いずれにしても印紙を張らなければならぬということになっているところに、事務上、全く何でもないことなんですが、非常にぎごちないというか、やりにくい面があると思うのです。それで、先ほどお話があったように、二重訴状の場合だとかいうのも、裁判官立場からいえば、まことに合法的にきちっとやっておるのだというけれども、国民の立場から見ると、こんなばかなことはないので、実体が一つのものを訴えて、二重に訴状を出したおかげで二重に印紙を張らなければならなかった。それも十円か二十円ぐらいならあきらめもつくでしょうが、何千円だとか何万円だとかいうことになれば、不当利得返還で請求をされても、これはもう一般の法律論以前の問題として、社会通念として、私は当然返さなければならぬ問題だと思うのです。いやしかしちょっと訴状を見るだけで手数がかかるのだから金をよこせというならば、それに相応した程度の最低限の訴状を出すときには印紙を貼用しなければならぬということにしておいて、それで訴訟物の高によって貼用しなければならぬ場合には、積み立て金か保証金か何かの形で事前に積み立てさせて、訴状を出すときに、それでいよいよ実体の審理に入っていくというような場合に、当然それを裁判所が取り立てるというような方法を講ずるか何かしなければ、それこそ百編一律のごとく、訴状を出したら何が何でも全部金を出せ、間違っておろうが何でも出せというような、いろいろと日本にも不整備な面もあるけれども、最も法律でやかましくその運用をやらなければならぬ、また最も信頼度の高い裁判所において、こういう制度が現存しておる——制度というか、運用が現存しておるということは、きわめて意外だと思うのですがね。したがって、法律改正をしなければならぬ問題が非常に多いと思うのですけれども、これはあまり刑法改正で審議会を設けてどうとかこうとかいう問題以前の問題として、これはだれかしろうとでも、それこそ学識経験者を集めてきてやれば、簡単に結論の出る問題だと思うのですがね。したがって、そういった項目については、早急にひとつ何らかの方法で検討願う。先ほど来の御答弁だと、検討もしておられるようですけれども、どの程度の検討で、どの程度のスピードでやっておられるのか、いつごろ改正をめどにしてやっておられるのか知りませんけれども、ぜひひとつ早急にやってもらいたいと思うのですが、これはまあその進捗状況、なんだったら民事局長のほうから御答弁願いたいと思います。  それから、今後の問題について、法務大臣に先ほど来お聞き願っておったんですが、これは裁判所が中心になっていろいろ改正案等について検討せられなきゃならぬ問題でしょうけれども、これは法務大臣も人ごとではない重大な問題だと思うのですがね。特に基本的人権がやかましく言われる新憲法のもとにおいて、基本的人権の中にはもちろん財産権も含まれると思うのだけれども、大きく言えば財産権の問題を擁護しなきゃならぬ裁判所なりそういった関係のところが、法律がそうなっているんだからという形で、先ほど来私が列挙したような問題で放置されているということは許されないと思うのですがね。したがって、今後の運営面について、先ほど通牒も出されておやりになっているようですが、運用面でもう少し是正ができる面があればこれはぜひ運用面で是正をしていただくし、法律改正をどうしてもやらなきゃならぬという問題があるなら法律改正という形で整理をしてもらって、ひとつぜひ立法的な指摘を講ずるような準備をしてもらいたいと思うのです。もちろん法律そのものを制定するのはわれわれの責任なんですけれども、しかしやはり実際の実務をあずかっておられる立場からひとつ御検討願って、われわれそのものが国会でそういった問題が議論できるような機会ができるだけ早く来るようにお願いを申し上げたいと思うのですが、そのほうの検討をやられておられるという御答弁だったんですが、そのことの内容を御説明願うと同時に、ひとつ今後の改正問題についての御所見を、民事局長と法務大臣から伺いたいと思うのです。
  73. 菅野啓蔵

    最高裁判所長官代理者菅野啓蔵君) 民事訴訟用印紙法の改正すべき点は、御指摘のありました点のほかにも、たとえば十条であるとか、あるいは十六条であるとか、つまり「その他の申立」ということで一括して書いてあるのでございます。こういうような点も、申し立ての中にはあるいはもはやそういう手数料を取らないでもいいんじゃないかというようなものも含まれておるのでございまして、あるいは非訟事件になりますと、さらにいろいろ考えなければならないこまかい点が出てまいっているわけでございます。そういう点も含めまして、ただいま裁判所といたしましては大体の案がまとまりつつあるところでございまして、できるならことしじゅうに法務省に、裁判所の案としてはこういうものであるから検討してもらいたいということで、そのための案をできればことしじゅうにまとめたい、かように思っているわけでございます。
  74. 田中伊三次

    ○国務大臣(田中伊三次君) 民事訴訟用の印紙法でございますが、これは明治二十二、三年ごろにできた古い法律、いま先生と裁判所との間に質疑応答をせられたような欠陥を持ってえる法律、今日から申しますと時代おくれの法律で、これはぜひなるべく早急に裁判所の御意見を基礎として改正をしたいと、改正の方向までは、裁判所の御意見を聞かないと、こちらから申し上げる筋ではございませんが、ただいまの御意見を承りましても、やはり過誤のものがありました場合には、本人の請求により、また場合によっては裁判所の職権により、これは返還する道を考えるべきだ、こういう方向がおそらく裁判所の御意見にも出てこようかと存じますが、法務省といたしましては、裁判所からお示しになる御意見を基礎としまして、ひとつなるべくすみやかな機会にそれをおことばの民主的な新しい法律としてこれをひとつ生まれ変わるようにいたしたいと考えておりますので、早急にいたします決意でございます。
  75. 久保等

    久保等君 それじゃまあ私の質問はこれできようは終わりたいと思いますが、いま民事局長からお話があったように、十条の問題なり、あるいは十六条の問題なり、これらも当然——私の先ほど質問したのは、時間的な関係もありますから、各条文に触れるわけにはもちろんまいりませんが、いま言った申し立て全般ということになってくると、十条の問題も含まれるわけですし、先ほど来申し上げておりますように、十円、二十円、三十円の手数料を取るがために、かえってそのことのために事務的にも、それからお互いに逆にロスが労力の面でもあったりなんか、そういうようなことは、これはやはり時代に私はは合わぬと思うのですしするから、そういった全般の問題を含めて、しかも比較的何か、いま民事局長のお話を聞くと、早急に、年内くらいにでも結論を出したいということですから、まことにけっこうだと思います。だから、そうあまり理論闘争といいますか、論争をやらなければ片のつかぬというような問題ではないと思うのです。むしろすらっとした気持ちで考えれば片のつく問題がほとんどだと思うのですよ。学説云々の問題があったけれども、あまり私は、こういう問題そのものは、学説と言ってみたって、いまの憲法のもと、新しい時代における考え方というものは一体どうあるべきかというところからまず振り返ってみて考えていただけば、比較的簡単に結論の出る問題だと思いますが、いずれにしろ現実に日々こういった問題で現在は運用されておるのですから、できるだけ早くこれが法律的な面でも整理せられるように御尽力願いたいと思います。重ねて要望して、この問題に対する私の質問は終わります。
  76. 山田徹一

    理事山田徹一君) ほかに御発言もなければ、本件の質疑は本日はこの程度にとどめます。     —————————————
  77. 山田徹一

    理事山田徹一君) 次に、旧執達吏規則に基づく恩給の年額の改定に関する法律案を議題とし、本案に対する質疑を行ないます。  御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  78. 久保等

    久保等君 それでは、旧執達吏規則に基づく恩給の年額の改定に関する法案について若干御質問申し上げます。二、三十分くらいで終わらす予定でおります。  この前の委員会でも御答弁があって私伺いましたが、執行官現在約三百六十数名おるという御答弁だったのですが、なおまあしかし執行官そのものは不足ぎみだというようなお話もあったのですが、大体どのくらいあれば間に合うような状況なんでしょうか。
  79. 菅野啓蔵

    最高裁判所長官代理者菅野啓蔵君) 大体四百二、三十名を一応のめどとしております。
  80. 久保等

    久保等君 そうすれば、去年執行官法が制定せられて、その後比較的順調というか、ある程度充実することもできたような御答弁ですから、遠からずというか、一年かかるのか二年かかるのか知りませんが、まああまり長い歳月を要さなくてもほぼその目標に達し得るというふうに考えられますが、そういうふうに考えてよろしゅうございますか。
  81. 菅野啓蔵

    最高裁判所長官代理者菅野啓蔵君) 私どもは執行後三年の間に大体の形を整えたいというふうに考えておりますので、まあ半年たちましたので、あと二年半くらいの間には何とか片をつけたいと考えております。ただこれは、増員の問題は、一方におきまして従来の執行吏代理の諸種の問題ともからみますので、大体の形は整え得ると思いまするけれども、三年たった後におきましても、執行吏代理というものを、制度がなくなったからといってすぐ職を失わせるというようなことはとりたくないのでございまするので、何と申しまするか、大体の形は整っても、変なしっぽみたいなものは多少残る期間があるのじゃないかというふうに考えております。
  82. 久保等

    久保等君 訴訟費用等臨時措置法の第五条で、「執行吏一年間ニ収入シタル手数料が政令ノ定ムル額ニ満タザルトキハ国庫ヨリ其ノ不足額ヲ支給ス」ということになっていて、国庫補助がなされることになっておりますが、この資料で見ますと、執行吏国庫補助基準額の沿革がずっと年次別に書かれておりますが、この国庫補助基準額は現在は幾らになっているんですか。
  83. 菅野啓蔵

    最高裁判所長官代理者菅野啓蔵君) 現在は、六十五万五千円の人と二十八万七千円の人と二通りあるわけでございます。
  84. 久保等

    久保等君 それは政令で定められておるわけですね、その政令はいつの政令ですか。
  85. 菅野啓蔵

    最高裁判所長官代理者菅野啓蔵君) ちょっとはっきりした日は記憶しておりませんけれども、昨年の末の政令でございます。
  86. 久保等

    久保等君 この資料によると、執行吏国庫補助基準額の沿革で、昭和四十一年九月一日から十二月三十日までが二十六万五千円となっておりますが、この正月からは六十五万五千万ですか。
  87. 菅野啓蔵

    最高裁判所長官代理者菅野啓蔵君) この昭和四十一年九月当時二十六万五千円の人は旧執達吏規則に基づいて任命された人たちでありまして、その人たちが執行官法施行になりましても引き続き執行官の資格を与えられたわけでございますが、ただ任命資格が新執行官法による執行官とは異なっておりますために、新執行官法に基づいた執行官と同じ格づけをすることができなかったわけでございます。そのために、補助金におきましても、新しく任命された人と従前からの人との間に差ができまして、従前二十六万五千円であった人はだだいまは二十八万七千円になっているということでございます。
  88. 久保等

    久保等君 この新しい執行官法に基づく基準額を受けておる方々の、この金額の根拠というのは一般の国家公務員と同じですか。どういうことになっていますか、関係は。
  89. 菅野啓蔵

    最高裁判所長官代理者菅野啓蔵君) この任命は裁判所でやっているわけでございまして、任命資格も裁判所法へゆだねられているわけでございますが、規則の上では一般職の四等級相当ということになっているわけでございます。一般職の四等級相当の俸給額に見合う補助金ということになっております。
  90. 久保等

    久保等君 年間どのくらいの補助金の金額になっているんですか。たとえば四十一年でもいいし、四十一年度でもいいですが、総額どのくらいになるんですか。
  91. 菅野啓蔵

    最高裁判所長官代理者菅野啓蔵君) 二十万円台の——当時はでございますね、そういう金額に手教料が達しないという人は全国で少ないわけでございまして、年間にして補助金の支出が百万円足らず六十五万円になります。まだことしは全部集計しておりません。と申しますのは、ことしの四月に前年度の収入を集計して届けることになっておりますが、まだ届けが全部そろっておりませんので集計しておりませんけれども、私どもの推算といたしましては三百万円ないし多くても四百万円というふうに計算しておるわけでございます。
  92. 久保等

    久保等君 最近の新しい法律に基づくのは、現状がなかなかまだ時期的につかみにくいと思いますが、この百万円と言われたのは、人数にしたら何人くらいになるんですか、去年あたり。
  93. 菅野啓蔵

    最高裁判所長官代理者菅野啓蔵君) 数名でございます。四、五名でございます。
  94. 久保等

    久保等君 この執行官法の附則の十二条ですか、これは昨年つくられたときに、退職後の給与については検討するという、法律としては珍しい規定があるんですけれども、これを特に条文化しなければならぬ特別な何か理由があったんですか。
  95. 川島一郎

    政府委員(川島一郎君) 従前の執行吏につきましては、御承知のように、恩給が認められておったわけでございます。しかし、恩給制度というものは、一般公務員につきましてはもう国家公務員の共済組合による年金の給与の制度に切りかえられておりまして、まあ現在ではおおむね過去の制度となっているわけでございます。そこで、執行官につきまして、この恩給制度を維持すること自体にも問題があったわけでございますけれども、何分にも、昨年執行官の制度を全面的に改正する際には、この恩給の制度にかわる年金給付の適当な構想がまとまりませんでしたので、とりあえず執行官につきましては従来の恩給の制度を維持するということにしたわけでございますけれども、しかし、一般公務員につきまして恩給の制度がすでになくなっております現在、執行官についてもなるべく早い時期にこれをほかの制度に切りかえるほうが望ましいということで、このような規定が設けられたと聞いております。
  96. 久保等

    久保等君 いつごろを目当てにして検討しているのですか。
  97. 川島一郎

    政府委員(川島一郎君) まだはっきりした時期というものは考えておりませんが、昨年十二月の末に執行官法が施行され、その後の執行官の収入の実態その他を調査いたしました上で、まあここ何年か、なるべく早いうちに切りかえていきたいというふうに考えております。
  98. 久保等

    久保等君 執行官法を制定したのも、いろいろと近代的な執行官をつくっていこうということで、従来比較的近代性に欠けておった面を近代的な形にしたと思うのですが、給与あるいは退職後の手当等の問題についても、いま部長のお話だと、いろいろ従来からの生活実態など状況調査しておられるということですが、そういうことももちろん必要でしょうし、同時にやはり生活の保障といいますか、比較的希望者が少ないといわれる執行官の問題について、そういった立場から、ひとつできるだけこれも早い機会に法律的に確立するようなことで今後御努力願いたいと思います。まあ、これはもちろん異議のないところだと思います。そうしたことを特に要望して私の質問は終わります。
  99. 山田徹一

    理事山田徹一君) ほかに御発言もなければ、本案に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。  速記をとめて。   〔速記中止〕
  100. 山田徹一

    理事山田徹一君) 速記を始めて。     —————————————
  101. 山田徹一

    理事山田徹一君) 次に、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、これより質疑を行ないます。  御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  102. 後藤義隆

    ○後藤義隆君 この簡易裁判所の設置の基準並びに現在の開設状況を承知いたしたいのでありますが。
  103. 川島一郎

    政府委員(川島一郎君) 現在簡易裁判所の数は、御承知のように、全国で五百七十ございます。これは昭和二十二年に裁判所法が新たに制定されましたときに簡易裁判所が全国に設置されたわけでございますが、その後若干ふえておりますが、ほとんどその数は変わっておりません。  この設置の基準でございますが、これは簡易裁判所というのは、以前には全くなかった新しい制度でございましたので、従来の裁判所の全くなかった地方にも設置されたわけでございますが、なるべく少額の事件を取り扱って、そして地方の住民の利便に供したいという趣旨から、相当多数設置されたわけでございます。その設置の基準というのは必ずしもはっきりいたしておりませんが、その当時の交通事情でありますとか、人口でありますとか、そういうものを勘案して五百余りの簡易裁判所を設置したということでございます。まあ基準と申しましては一つの基準でございますが、警察署が大体二カ所あるところに一カ所設置するということがその当時の考え方であったというふうに聞いております。
  104. 後藤義隆

    ○後藤義隆君 簡易裁判所は設置されておってもまだ未開設のもの、あるいは全部事務移転の簡易裁判所もあると思いますが、その状況はどうなっておりましょうか。
  105. 寺田治郎

    最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) ただいま後藤委員のお話のございましたとおり、簡易裁判所の中には若干現在事務を行なっておりません庁がございます。その数は十四庁でございます。これは裁判所法に御承知のとおりの規定がございまして、いろいろな関係からその簡易裁判所事務の全部を別の簡易裁判所で行なわせるという措置がとれるようなことになっております。その規定の適用によりましてそういうような処置がとられておるのが十四庁、こういうことになるわけでございます。
  106. 後藤義隆

    ○後藤義隆君 この十四庁未開設のものがあるということでありますが、それは将来どういうようなふうに処理される御予定でしょうか。
  107. 寺田治郎

    最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) この十四庁と申しますのは、未開庁のものも一部ございますが、一度開庁されましてその後全部事務移転になったものも含まれておるわけでございます。両者を合わせまして十四になるわけでございます。そうして、私どもとしては、当初は、その敷地を獲得し、あるいは建物を獲得し、あるいは増員をお願いしてこれを開設するという、いろいろ努力をしてまいったわけでございますが、また一面から申しますと、かような庁は、いわゆる事件の非常に少ない庁でございます。きわめて事件の少ない庁がもう全部でございます。そういうような関係から、なお中には、大都会の一部で例をとりますれば、たとえば大阪の東淀川とかあるいは西成というような裁判所は、まさに大阪の市内でございまして、大阪の簡裁で十分まかなえるような状況でございまして、そういうところから、地元でも必ずしも要望が強いわけでもございません。そのうちに、いわゆる臨時司法制度調査会の答申というものが出まして、簡易裁判所については適正な配置にするために整理統合を考慮しろということになっておりまして、そういう点からまいりますと、かような十四庁はいわゆる統合の対象になるのにふさわしい庁ではないかと、かように考えておるわけでございます。必ずしも全部それにふさわしいかどうかはまだ今後検討の余地は残っておると思いますが、一応一般的には、かような庁は統合の対象にされていいのではないかと、かように裁判所としては考えておるわけでございます。
  108. 後藤義隆

    ○後藤義隆君 簡易裁判所の事物の管轄について改正されるような御意向はありませんか、どうですか。
  109. 川島一郎

    政府委員(川島一郎君) 簡易裁判所の事物管轄を改正するかどうかというのは非常に重要な問題でございまして、現在の裁判所で取り扱っております事件数、それから物価の状況などを勘案いたしまして、慎重に常時検討しておるところでございます。御承知のように、昭和三十九年の臨時司法制度調査会の意見書にも、簡易裁判所の事物管轄をもう少し拡張したらどうかというような意見がございます。この意見書も、非常に司法制度についてのいろいろな広い御調査の上でつくられたものでございますので、私どもといたしましては、この意見書の趣旨を十分くみましてこの問題を考えていきたいというふうに思っております。ただ、何と申しましても、事物管轄を変更するということは非常に国民一般に与える影響も大きいわけでございます。こういう重大な問題を、単に事務的に検討して結論を出すというだけではなく、やはり裁判所、弁護士会、その他各界の意見を十分に聴取して、そうしてお互いに理解した上でこの改正を行なうことが望ましいというふうに考えておりまして、現在まだその調査をいたしておるというところでございます。
  110. 後藤義隆

    ○後藤義隆君 この簡易裁判所の判事は、ただいま充足されておるのでしょうか、どうでしょうか。
  111. 寺田治郎

    最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 先般定員法を制定していただきまして、増員をお認めいただいたわけでございますが、その結果、判事、簡裁判所等について増員になっておるわけでございます。そうして、判事及び判事補につきましては、その法案の御審議の際御説明申し上げましたとおり、三月の卒業生その他でもって充足いたしまして、ほぼ埋まったわけでございます。ただ、さような関係から、簡裁判事については現在三十数名の欠員をかかえておりますのが実情でございます。しかしながら、これにつきましては、逐次定年で退官になります判事を充用してまいりますほかに、現在いわゆる特任簡裁判事の選考実施中でございまして、この選考が終わりますればほぼ埋まることになる予定でございます。まだ若干残るかと思いますが、さらに秋にも選考の予定がございまして、それによって埋めてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
  112. 後藤義隆

    ○後藤義隆君 いま、簡易裁判所の判事について、判事を退職される者あるいはまた特任の判事のお話が出たのでありますが、前歴は大別して大体どんなふうになっておりましょうか。
  113. 寺田治郎

    最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 簡裁判事は、ただいま後藤委員の御指摘のとおり、いわゆる有資格、すなわち司法試験を通り修習も終わってまいりました有資格の者と無資格の者に分かれるわけでございますが、本年の三月現在で有資格が二百九十、無資格が四百三十三、パーセントにいたしますと大体六、四という比率になるわけで、やや無資格のほうが多いのが現状でございます。なお、この無資格のほうの前歴は、書記官事務官等裁判所の職員から参りました者が七五%、あと家裁調査官、これも裁判所の職員でございますが、それから行政官から参りました者、その他ということになっておりまして、大部分は裁判所の職員から来ておる、こういうことになるわけでございます。
  114. 後藤義隆

    ○後藤義隆君 簡易裁判所の庁舎はどんなふうになっておりましょうか。至急に改築を必要とするようなものがありますか、あるいはそういうふうな必要はありませんか。
  115. 寺田治郎

    最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 先ほど川島調査部長からも御説明ありましたとおり、簡裁は戦後急速に設けられました裁判所でございますために、庁舎の整備という点が非常におくれておったわけでございます。しかしながら、毎年の予算について国会でいろいろ御配慮いただきましたおかげをもちまして、現在ではかなりよくなってまいっておりまして、あと約二十庁ほど改築の必要があるというところまでこぎつけてまいったわけでございます。この二十庁のうち、借り上げでやっておりますのが十五庁、これは必ずしも建物の内容そのものが悪いというわけでもございませんが、何ぶん借り上げでございますので、これは早急に改築といいますか、新築の必要があるわけでございます。そのほか老朽その他で四、五庁ございますので、二十庁余りできますれば簡裁としては大体整備できる、かような実情でございます。
  116. 後藤義隆

    ○後藤義隆君 この現行法の第三条で行政区画というふうな規定がございますが、これはどんなようなことでありましょうか。また、ほかの法律で行政区画を定義づけられておるものがありましょうか。
  117. 川島一郎

    政府委員(川島一郎君) 本法の三条にございます行政区画ということばの意味は、地方公共団体の地域をさすものというふうに考えております。ほかにこのような用例があるかどうかということでございますが、これと同種の管轄をきめた法令の中には行政区画ということばを使ったものがございますけれども、行政区画ということばの定義を示した規定はないようでございます。
  118. 山田徹一

    理事山田徹一君) ほかに御発言もなければ、本案に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。本日はこれにて散会いたします。   午後零時五十五分散会