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最高裁判所長官代理者(
寺田治郎君) まず、いつごろの新件を
基準にするかという問題でございますが、これも非常にむずかしい問題でございまして、できれば、たとえば最近の半年間ということになるわけでございます。しかしながら、そういうふうにして
計算を出しまして、その結果かりに変更いたすとしますと、
年じゅう定員というものが浮動するということになるわけであります。しかも、
定員だけならば、これは定数でございますから、自由に変更できますが、当然それに伴って
人事異動というものをしなければならない。そういうことになりますと、あまりに目まぐるしく変更いたしますことにも非常に問題がある。そこで、大きな観点からは大体二、三年ぐらいに一度ずつ大きな
修正をし、その間にまた随時必要に応じて
補整をする。それから、特に最近は毎年数名ずつ
予算定員の増加を認めていただいておりますので、こういうものはできる限り大都会のほうへ
配置をするというような方法でやってまいっておるわけでございます。
それから、
東京等は
事件がふえておるであろうという
お話で、まことにそのとおりでございます。たとえば
民事事件で申しますと、
地裁の場合には、三十八年当時一万二、三千件でございましたのが、四十一年には一万九千件近くなっておるわけでございます。
刑事事件のほうはまあ横ばいに近い
件数でございますが、
民事は若干増加しておるわけでございます。もっとも、これは
二つの面から御理解いただきたいわけでございますが、
一つは、単に
件数のみの比較では必ずしも正確にまいらない。と申しますのは、
東京に出ます
事件はいなかの
事件に比べますと
かなりむずかしい
事件が多いわけでございます。したがいまして、単に
件数だけで
予算をはじきますと、これは
東京にやや過酷になるわけでございます。したがいまして、
東京の場合は何らかの形でプラス・アルファ的なものを認めないと公平にならないわけでございます。それからもう一面、逆の要素といたしましては、いまここで一万二千件
余りから一万九千件近くふえたと申し上げましたが、このふえたおもなものはいわゆる
手形事件でございます。
手形事件でもふえれば
負担がかかることは当然でございますけれ
ども、ここでたとえば五割ふえたから
事務量が五割ふえるというわけのものでないことは、
後藤委員つとに御
承知のとおりの問題でございまして、そういう
手形事件はどの
程度の
負担になるかということをまたいろいろ算定いたしまして
定員をきめてまいる、かような
関係になるわけでございます。