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1967-07-13 第55回国会 参議院 文教委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年七月十三日(木曜日)    午前十時四十分開会     —————————————    委員異動  七月十二日     辞任         補欠選任      玉置 和郎君     重宗 雄三君      青田源太郎君     米田 正文君      高橋雄之助君     中上川アキ君  七月十三日     辞任         補欠選任      成瀬 幡治君     戸田 菊雄君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         大谷藤之助君     理 事                 楠  正俊君                 秋山 長造君                 鈴木  力君     委 員                 北畠 教真君                 近藤 鶴代君                 内藤誉三郎君                 二木 謙吾君                 吉江 勝保君                 小野  明君                 小林  武君                 千葉千代世君                 戸田 菊雄君                 柏原 ヤス君                 林   塩君    国務大臣        文 部 大 臣  剱木 亨弘君    政府委員        文部大臣官房長  岩間英太郎君        文部大臣官房会        計課長      井内慶次郎君        文部省大学学術        局長       天城  勲君        文部省体育局長  赤石 清悦君    事務局側        常任委員会専門        員        渡辺  猛君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○公立学校学校医学校歯科医及び学校薬剤師  の公務災害補償に関する法律等の一部を改正す  る法律案内閣提出) ○教育、文化及び学術に関する調査  (東北大学の臨界未満実験装置に関する件)     —————————————
  2. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) ただいまから文教委員会を開会いたします。  委員異動について報告いたします。昨十二日、玉置和郎君、青田源太郎君、高橋雄之助君が委員辞任され、その補欠として、重宗雄三君、米田正文君、中上川アキ君が選任されました。     —————————————
  3. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 公立学校学校医学校歯科医及び学校薬剤師公務災害補償に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案につきましては、すでに提案理由の説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。  なお、政府側より剱木文部大臣赤石体育局長出席をいたしております。
  4. 千葉千代世

    千葉千代世君 学校医学校歯科医学校薬剤師、この勤務は何の法律、何の規則によって規定されているんでしょうか。
  5. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) 学校保健法に基本的に記載されておりまして、詳細な内容は、学校保健法施行規則の二十三条、二十四条、二十五条にそれぞれ準則が定められております。申し上げますと、学校医の場合は、学校保健計画の立案、健康診断健康相談、疾病、伝染病及び食中毒の予防処置、その他学校における保健管理に関する専門的事項に関し技術及び指導に従事する、こういうふうに規定されております。
  6. 千葉千代世

    千葉千代世君 聞くところによりますと、学校医そのほか学校歯科医学校薬剤師方々勤務については、非常に全国的にアンバランスがあるように見受けられるわけです。これは二、三年前の当委員会でも質問いたしまして、資料をいただきました。しかし、その資料には非常に既括的なことだけで、よく内容がわかりませんでした。したがいまして、これは現在の状態で、いまどんなふうな勤務状態であるかということだけ、わかる程度でけっこうですからお答えいただきたいと思います。
  7. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) 概括的に申しますと、御指摘のように、県ごとあるいは学校ごとによりましてその勤務の態様がかなり異っているようでございます。平均的にこれを申し上げますと、学校医の場合は、都道府県立学校の場合は、三日から三十日の幅があるようでございます。学校歯科医の場合は二日から二十四日、学校薬剤師の場合は一日から十八日、それからまた大多数を占めます市町村立学校の場合で申しますと、学校医の場合でございますが、四日から二十五日、学校歯科医の場合は三日から二十日、学校薬剤師の場合は二日から十二日と、こういうふうに幅が非常に多うございます。大体平均して申しますと、全般を通じて申せば、学校医の場合は年間を通じて十三日、そのうち市町村立学校の場合は大体平均九日、それから学校歯科医の場合は、都道府県市町村全部を通じまして七日、そのうち市町村立が五日と、学校薬剤師の場合は、平均しまして六日、そのうち市町村立が五日と、こういうふうに概括的に申せると思います。  なお、さらに私どもの調査によりますと、県別にも小、中学校いろいろ調べたのがございますが、いま申し上げましたように、県別でもやはりかなり相違があるように報告を受けております。
  8. 千葉千代世

    千葉千代世君 いま県別資料がございますようですが、その資料はいつの資料でございましょうか。
  9. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) これはことしの五月二十日現在の資料でございます。
  10. 千葉千代世

    千葉千代世君 この前にちょうだいしたのはもう二年か三年前の資料でしたから、たいへん新しい資料のように見受けられます。そこでお願いしたいのは、その資料を全委員にちょうだいしたいことをお願いしたいこと、よろしゅうございますか。
  11. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) はい。
  12. 千葉千代世

    千葉千代世君 続けて伺いますが、いまそこにございます中で、一番勤務状況のいいところの県二つ三つと、それから中間のところを一つ二つと、それから一番悪いところ、それからかけ持ちのところがあるように聞いておるのです。お一人の学校医さんがかけ持ちしております。そこがわかりましたらばお願いしたいと思います。わかるところだけでけっこうです。
  13. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) 全部を通じましての勤務日数の多い少ないという県は大体わかっておりますが、かけ持ちのパーセンテージの県別のやつはいま調査中でございまして、まだできておりません。少し時間をいただかしていただきたいと思いますが、勤務日数のほうで申せば、一番多いところは小学校奈良県、二番目は大阪府、三番目は佐賀県、東京奈良県はぐんと抜いて二十五日と、二十日以上の県は奈良県と大阪だけでございます。
  14. 千葉千代世

    千葉千代世君 東京は何日ですか。
  15. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) 東京は十五日でございます。一番悪いのは高知県の六日でございます。あと七日というのが非常に多いのでございまして、北海道、秋田山形、福島、富山、岐阜、徳島、大分、宮崎、これはまあ大体小学校の例で申しましたが、中学校は大体似たような傾向を示しておりますけれども、ちょっとずれておるのがございます。中学校で申しまして、一番いいところが大阪でございます。やはり二番目は奈良県でございます。それから悪いほうは五日で、栃木県の四日が一番最低になっておりまして、岐阜の五日、高知の五日、宮崎の五日と、大体こういうことでございます。で、あとは大体まん中どころでひしめいている申しますか、並んでおるのが現状でございます。
  16. 千葉千代世

    千葉千代世君 いまのは学校医でございますね。
  17. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) 学校医でございます。
  18. 千葉千代世

    千葉千代世君 そこで今度は、薬剤師勤務状況でございますが、おわかりになる程度でけっこうでございます。
  19. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) 薬剤師で申しますと、小学でいいほうは、東京の十二日、大阪の十二日、これは飛び抜けて十台を確保しておりまして、あとは、二番目にいいのが静岡の九日、栃木の九日といったようなところでございます。で、悪いところは、小学校で申しますと、山形秋田埼玉、全部二日でございます大体二日の最低がそういう三県でございます。  中学校で申せば、やはり大体似通っておりまして、東京の十一日、大阪の十二日、これがいいほうでございます。悪いほうは、やはり秋田山形埼玉奈良、島根、高知、長崎、こういったところが二日と、こういうふうになっております。大体を申せば、五、六、七日あたりが平均で、ずっとあとの県が並んでおります。
  20. 千葉千代世

    千葉千代世君 そこでこの勤務状況をいま聞きますと、ずいぶんアンバランスのあることがわかったわけですけれども、これは一体何に原因しているとお思いでしょうか。
  21. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) この原因は、やはりこれらの学校医学校歯科医学校薬剤師は、きわめて重要な仕事に当たっていただくたてまえにはなっておりますが、非常勤職員ということと、それからその報酬地方交付税によって見られておって、その報酬の額はそれぞれ市町村もしくは都道府県条例でもってきめると、県ごとにやっていいというたてまえになっている。こういうことと、もう一つはやはり学校設置者なり学校管理者なりの学校保健に対する熱意の度合いの差ではなかろうかと考えております。
  22. 千葉千代世

    千葉千代世君 それではいま地方交付税の問題が出てきたわけですけれども、そうしますと地方交付税、つまり財政的な措置としましては、国のほうからはどのくらい来ておりますでしょうか。それから県によってそれに幾ら増しているのか、それから全然増していないのか。あるいは積算基礎として盛ったのを、ひもつきでないために、県でまたそれをほかに流用して、うんと少なく——どのくらい当事者に渡っているのか。その点がおわかりでしたらば伺いたいと思います。
  23. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) これは御承知と思いますけれども、国あるいは県が補助金を出して財源措置しているのではございませんで、もっぱら地方交付税地方財源によってまかなうということが明治以来のたてまえでございます。その学校医等の歴史的な発展を見ますと、やはりやや名誉職的な発達をしてきた点がございますので、どうしても市町村財政に見合って報酬をきめていく、こういったたてまえになっております。現在は地方交付税でこの財源を見ると、こういうことになっておりますけれども、補助金とは違いますので、やはり市町村によってかなり差が出てきておる。したがいまして、その都道府県補助金を、国はもちろん補助金を出しておりません。県もほとんどこのために出しておらないのでございます。  で、ついででございますが、地方交付税でどの程度現在財源措置してあるかと申しますと、非常に変遷がございまして、昭和三十八年には年間学校医学校歯科医の場合三千円でございました。今年度はまだきまっておりませんが、昨年度最も新しい基準は、学校医学校歯科医が二万二千円になっております。それから学校薬剤師は一万円になっております。これはしかし地方交付税算定基礎でございまして、現実に各市町村がどの程度出しているかは、これは条例なり教育委員会規則、もしくは単なるまあ予算上の基準と、こういったことで処置しているのでございますが、大体昭和四十年の調査によりますと、四十二年、ことしの調査でございますが、都道府県立学校の場合は八千九百円から六万五千円の間になっております。これは学校医でございます。それから市町村立学校の場合は、五千五百円から六万円になっております。で、平均都道府県市町村合わせまして、学校医は二万二千六百円、ただし、市町村立学校は一万四千五百円になっております。したがって、地方交付税算定基礎にやや距離がある、こういうことになっております。  ついででございますが、学校歯科医は、平均を申せば二万二百円、市町村立学校の場合は一万二千七百円、学校薬剤師の場合は平均が一万円、市町村立学校は五千六百円と、こういうふうになっております。
  24. 千葉千代世

    千葉千代世君 そうすると、いま学校保健法によって学校医学校歯科医学校薬剤師方々勤務のまあ大体の原則が立てられているわけですけれども、実際の勤務状況にそれだけアンバランスがあり、待遇問題については、これはまた至ってお粗末きわまるという現状が出てきたわけなんです。で、まあ国の措置そのものが少ないのは言うまでもありませんけれども、その少ないのをさらに今度は下回った地方現状であるわけなんです。で、いま国の出したのが一つのまあ積算基礎だけだからとおっしゃったんですけれども、しかし、積算基礎として出すからには、それ相当の根拠があって出さなければならないと思うのです。ですから、できればこれに沿ってもっと県々の独自性によって上わ積みしていって、よい学校保健発展が期されなければならないと私は思うのです。そういう意味でいきますと、単に学校保健法ができたといっても法律が動くのではないわけです。幾らいい法律ができたって、法律が動いて学校保健発展するものでわないのです。実際に担当している学校職員方々校長、あるいは養護教諭学校医方々それぞれの——いままあ学校医方々と申しましたけれども、その中に学校歯科医学校薬剤師方々も含まれておる。こういう方々が一体となっていかなきゃならないわけです。そうしますと、これは幾ら校長さんが逆立ちしたって、一人でやれるものではないわけです。そういう意味で伺いますけれども、いまお話の中に勤務日数東京大阪、これは学校医の方も薬剤師の方も、それから歯科医の方もですね、都市はわりあいにいいのですが、地方に行くとずいぶん悪いですね。これはやはり待遇うらはらに見受けられますですけれども、いかがでしょう。その点伺います。
  25. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) 御指摘のように、県別のこの待遇平均と先ほど申し上げた勤務日数のそれとこう並べてみますと、確かに一致する傾向のあることは認めざるを得ないと思います。しかし、これは私の私見になると思いますが、それとやはりいなか学校に行きますとお医者の数が少ないし、非常にかけ持ちしたり、いろんなお一人で活躍する舞台が広ものですから、ついつい心ならずも学校にいく日数が少なくなるといった事情も若干あるのではなかろうかと、こういうふうに考えます。
  26. 千葉千代世

    千葉千代世君 かけ持ちの問題に関連しますけれども、地方に行きますと、学校医の方もかけ持ちしていらっしゃるし、特に薬剤師もいられない関係もありますけれども、一人で五、六校かけ持ちしていらっしゃる方があるのですね。それでお金は一人について幾らと出るのだから五、六校かけもちしても一人分しか出ない、こう言われている。私はこれはおかしいと思うのです。一校について幾らと勘定してあるわけなんだから、もしかしたらば、これが積算基礎の中に一校について幾らという算定をして出してあっても、つまり積算基礎の中にはそういうふうにしてあるから財政措置としてはそう組んであっても、地方へいった場合に、ひもつきでないために、まあ県のほう、あるいはそこでごまかしじゃないけれども、一人分しか出ないのだからといって、五校かけ持ちであっても一人分しかやっていないので、経理にそう言われて、そのお医者さんなり薬剤師なり歯科医方々は、それじゃ一人分しか出ないのだからというので涙をのんでいるというふうになってくれば、これは待遇勤務とはやはりうらはらだということが看取できるわけですが、その点はどうなんでございましょうか、ひとつこれをお答え願いたいのですが。
  27. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) 先ほど申し上げましたように、かけ持ち状態ございますね、兼務の状態につきましては現在調査中でございまして、最高何校ぐらいかけ持ちになっているか、それがどの程度であるかということはまだ詳細なデータは判明しておりませんので、一がいに申せないと思いますが、確かに私の耳にしておりますのは、二校、三校あるいは四校、五校かけ持っている例も絶無ではないというふうに伺っております。ただ、いま先生御指摘のようにそれは報酬が少ないから、そういうふうに市町村がさせている、そういう御趣旨であったかどうか知りませんが、しているのかどうかという面、全然ないとは思いませんが、やはり一番多いのは、何といってもいなかのほうに行きますと、お医者が少のうございます。ですからどうしても一人の人が方々に引っぱりだこになっている、全然学校医がいかない学校ができたのではたいへんでございますから、どうぞ来てほしいとこういって各学校から呼ばれまして、心ならずも方々学校に一人の学校医がいかなければならぬという社会情勢のほうがむしろ主じゃなかろうかと、こういうふうに考えております。
  28. 秋山長造

    秋山長造君 ちょっと関連。いまの学校医報酬のことですが、これは職務内容についてはこれは施行規則準則がきちっと書いてあるのですが、その職務の執行の裏づけになる報酬については、これは文部省に何も準則のようなものはないのですか。
  29. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) はっきり明文でこの程度出してほしいというふうな規定は実はございません。ただ地方交付税学校医はこの程度みた、歯科医はこの程度みたということは情報として流しておりますし、一般の地方交付税に対する関係省庁の希望としては、せめてその程度は確保してほしいという願望は一応しかるべき機会に伝えてあるわけでございます。ただ地方交付税という基本的な性格上、そのとおりいっている学校もあれば、いない学校もあるというのが現状だと思います。
  30. 秋山長造

    秋山長造君 その点がどうなんですか。まあ全国一律ということを一挙にやるわけにはいかぬにしても、少なくとも府県単位ぐらいでは、大体府県教育委員会指導して、大体こういう線を合わせてやるというくらいのことにはなるべきじゃないかと思うのですがね。そうでないと、せっかく学校保健法というような法律ができていても、何か一番肝心なところが抜けたようなかっこうになるのじゃないかと思うのですよ。その点はいかがでしょうか。多くの場合は、私も全般的なことは知りませんけれども、市とか郡ぐらいの単位医師会あたりとそれから関係市町村との間、教育委員会との間で何か話し合いでもして、そうして大体の線をきめて、歩調をそろえるというようなことが散発的には行なわれているように聞くのですけれどもね。何かいずれにしてもそれがはっきりしていない。それからさっき局長がおっしゃった学校医というものは、大体昔から名誉職的な伝統になっているというような節もまだあるでしょう、地域によっては。だけれども、いつまでもそれにおんぶしておったのではこれはだめだと思うのですよ。なかなか学校医自身もそういう名誉職的なというような伝統的なムードというものがあるものですから、自分のほうからどれだけということをなかなか積極的に言い出せぬというような特殊事情もあるのでしょうけれども、しかし、これだけの学校保健法という大きな法律をつくって、そうしてこれで積極的にやっていこうということである以上は、少なくとも文部省は、それはかってにきめて、それを押しつけるということはできぬにしても、何か指導助言を、一つ準則というくらいのものはつくって、そうして県教委指導する、助言する。そして県教委市町村教育委員会というものに対してそれをやはり流して、できるだけその線にそろえていくということが必要なんじゃないですか。いかがですか。
  31. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) 従来、文部省は全然何もしないわけじゃなくて、内面的にはしばしば問題になりますから、地方交付税基準等を示して指導してきたつもりでございますが、しかし、何ぶん過去からのいろいろなことがございますし、御指摘のように県、あるいに極端に言えば市町村ごとに、隣の村ごとにも違っているという実情がございます。ただ最近やはり医師の何と申しますか、就業している状態が、かなり市町村ごとに変貌しつつあるようでございます。したがって、やはり名誉職的な気持ちは一面残っていると同時に、やっぱり勤務に対して正当な報酬という近代的な感覚でもって、これ足らんじゃないか、こんな安っぽい報酬ではもういやだといって、地区によりましては何か医師が辞退をしたいと、こういったような動きもありますときでございますので、御指摘のような問題点については、私どもこれは何とかしなければならぬと、せめて県あるいは市町村会あたりでこれが連携をとって、できるだけ努力をして、学校医歯科医等待遇については常識的な報酬を出していただくようにしていただくべきである、こういうふうに考えておったやさきでございます。
  32. 秋山長造

    秋山長造君 まあ考えておられるのはけっこうですが、それを何かこう形にあらわしてやってください。それにずいぶん地方のお医者さんから、そういうふうながまんがまんをした末での発言でしょうけれども、遠慮しいしい、いま局長のおっしゃるような話を聞きますわ。それで、やっぱり名誉職的なものにもたれていくということはこれはこの際払拭せにゃいかぬと思うのですね。やはりきちっと出すだけのものは出して、それでやるだけのことはやってもらうというたてまえにせにゃいかぬと思うのです。もっと何か積極的な指導をやってくださいよ。その点について何かお考えがあれば……。
  33. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) こうした学校医の充足を含めまして、学校保健全般につきまして、いろいろ何と申しますか、文部行政全般において日の目を浴びない分野と申しますか、やや教育行政分野において、わりと大事であるけれども、ちょっと問題にされていない分野がございますし、われわれの感じといたしましては、学校保健全体を通じまして、何かもう一ぺん検討し直して、さらに一そううまくいくような状態にすべきである、こういうことを考えておって、保健体育審議会でもこの問題を取り上げていただく時期が早晩くるであろう、こういうふうに期待しておったところであります。
  34. 秋山長造

    秋山長造君 いまくるであろうというのじゃなしに、成り行きまかせのような感じを受けますので、この点については、かねがね考えておられるというさっきの話だったのですけれども、ひとつあなたのところで早急に何らかの具体的指導の結論を出して、この準則をつくって押しつけるということがいいかどうか私はわからぬけれども、何らかのそういう一つ基準のようなものをつくってでも、ひとつ相当強力に指導してもらわぬと、ただ地方の町村のやることで財政との相談だから一律にはいかぬというようなことでほっておいたら、これはいつまでたっても解決せぬし、前進せぬ。てんでんばらばらのことになってしまうのですから、そういう意味で建設的な強力な指導をやってください。それで、具体的に何かこういうことをやったということがあったら、機を逸せずこの委員会に報告していただきたいと思います。お願いいたします。
  35. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) 十分御趣旨を体しまして、前向きに検討させていただきたいと存じます。
  36. 小林武

    小林武君 関連文部大臣ちょっとお尋ねしたいのですが、私は学校医というものに非常に学校の教師としてお世話になった、これは無医村から比較的中くらいの都市と大都市と、いろいろあるから一がいには言われぬのだけれども、本来学校医というようなものを将来どうすべきか。たとえば一年に一ぺんも来ていただけないというようなところもあれば、それから頼めば簡単に相手が御迷惑でも、依頼のできるようなところもあれば、いろいろな形があると思うのですが、私は学校医というものの学校における重要性ということをずいぶん考えたものですから、そういう立場からいって、この報酬の問題はそれとかかわり合いが私は多少あると思っておるのですが、いまのままのあれでいくのか、将来学校医というのはこうすべきだというようなことで、たとえば保健審議会なら保健審議会というようなものがあるならば、何か検討の対象になったことがあるのかどうか、これをお聞きしたいのです。私はこれはもう少なくともここ半世紀ぐらいは同じやり方をやってきたように思うのです。
  37. 剱木亨弘

    ○国務大臣(剱木亨弘君) 実はいまも、ちょっと余談でございますけれども、私の父が実はいなか学校医をやっております。その実態等を思い浮かべましてお答えするわけですが、確かに府県において学校医の制度につきましては、相当前時代的な遺風が残っておるかと思います。特に学校の保健関係が非常に重要になってまいっておる時代でございますので、学校医制度につきましては、やはりはっきりした一つの制度を出さなければならぬ時代がきておる。文部省でいま一応予算的に考えておりますのは、僻地等の無医村等の学校に対しまして、学校医学校歯科医及び薬剤師を遠方から派遣する経費につきましては、これを僻地に補助をいたしておるのでございます。いろいろな態様がございますから、先ほど秋山さんからもお話がございましたけれども、この制度を早急に明確な制度に切りかえていくということは、きわめて早急には困難だと思いますけれども、しかし学校保健の立場から申しまして、この制度をもう少し明確な姿に持っていかなければならぬ。ただ、たとえば学校医をいまのような委嘱する姿でなしに、相当の学校を兼務するということはございましても、学校医として専任の者を置くというような形をとったらどうかという意見もございますが、現在の医者の数、及び保健所におきましても、医師を獲得するのに非常に困難な実情にございますので、無医村の解消及び保健医の充足、その他医師の養成計画、それからそれらの医師に対する待遇の問題、これらをあわせまして基本的に考えなければならぬ問題があると思います。特に私は、やはり日本としまして一番重大な問題は、例の無医村解消の問題じゃないか。無医村を解消すると同時に、これに対しまして、学校医の問題もいろいろこれは関連していま政府としても考えていかなければなければならぬということで、先般実はこの無医村の問題は閣議の問題にもなりまして、ひとつこの際無医村解消に向かいまして相当強力な施策を打ち立てようと申し合わせをいたしておるのでございます。それに関連して学校医の問題も、文部省としましても真剣にこれと取り組んで、前時代的な一つのあり方というものを解消して、新しい学校保健の中枢になるような制度をぜひ考えてみたい、こう考えます。
  38. 小林武

    小林武君 まあ関連でございますから長くは申しませんが、私の経験から言うと、私は二年間いるうちに一度も学校医というものに来てもらったことがないという経験を持っておる。私が来てもらわなかったから、その前十年来ないか二十年来ないかわからぬ。それから大きな学校の例を見ると、私はかなり長くそういう学校の身体検査の係をやっておった。その間数年の間見ていても、これは学校医の先生はぼくは過重だと思うのです。千二百人か三百人いる生徒児童に対して、これは何日かとにかく割いてやられるけれども、私は医者さんの技術ということはよく知らぬけれども、ぽんぽんとあてがってみて、一体子供のあれがどんな状態になっているのか、栄養なんかは昔は乙とか丙とか何とかいってくれました。いってくれまして、眼科から何からその当時はみんなやった時代がある。そういうことが一体どうなのか。それとそういうことを考えるというと、運営的にはまだまだ私は文部省学校医のあり方について検討する余地がある。もう一つは、やっていただく先生に対して、一体私どもが知っている限りのあれでは話にならぬ金なんですよ。それで忙しい先生を何日間も学校にくぎづけする。幾ら日本の子供のためか何か知らないけれども、そんなことでは病院の経営がどうなるかということになるわけです。これはとにかく待遇の問題その他いろいろな問題に関係してくるし、この法律案にも関係してくると思うが、やはりちょっとこれはいささか時代離れをしているような感じが実はしているのですね。そういうところからの不満はありますよ。私はこの間郷里に帰って、二十年以上ですね、私が知ってからですから、もう二十年以上三十年近く学校医をやられた先生が、何だかこういう書きつけ一枚で、しかも本人がよくわからぬうちに学校医かえたからという、いろいろお世話になりましたというぐらいのことですけれども、私は「学校医の感謝状は要りません」、こう言ったと言うのですね。大体そういう長い間の奉仕専門にやらしておいて、やめるときはまるきり何だか紙きれ一枚でこれを処理できるようなそんなやり方で、一体大事な子供の健康をよろしく頼みますというのは横着な考え方だと思うんですよ。実はこの間その先生から直接話を聞いて、なるほどなと私は思ったのです。でありますから、私はここで、この法律案から若干離れているとも考えられますけれども、やはり学校医の問題については、もうあまりのびのびと検討している段階ではないように思うんです。これは子供のやっぱり健康の問題ともかかわり合って私はそう思います。これは局長、ひとつ大奮発をして、どえらい大きな予算でも要求して、あっと言わせるようなことをやらなければだめですよ。大体通るだろうと思うところのそれをまたしぼってそれの何掛けというようなことでやっておったら、百年河清を待つというようなことになると私は思う。そういう点で局長は急速に抜本的にやらなければならぬというようなお考えがあるのかどうか、これは事務担当者としてですよ、どうですか。ぼくらは経験からものを言っているのですけれども。
  39. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) 大臣やいまの小林先生のお話を伺いまして、私もいなかの生まれですから、その点についてはよく承知しておるつもりでございます。なかなかこの問題は従来から地方交付税の問題でいろいろ他省庁に要求する制度でございます。でございまして、心ならずも途中で要求額どおりにいかずに、たとえば地方交付税における報酬の額でございますが、十分でなかったというようなことがございます。しかしこの問題はやはりわれわれ事務屋だけの問題でなく、かなり高い次元で取り上げることによって、かなり前進するのではなかろうかと思います。そういう意味で、本日の質疑応答を機会に、保健体育審議会でも保健問題をいずれ取り上げようという段階になっておりますので、御趣旨もございますから、ただいまのような点をも十分大きな問題として早急に取り組むように、これは大臣にも申し上げなければならぬと思いますが、取り上げていただいて前向きに大いに前進させていただきたい、また前進させていただきたい、また前進させたいと、こういうように考えておるわけでございます。
  40. 千葉千代世

    千葉千代世君 いまの小林委員の質問は、この法案に無縁のものとおっしゃったが、決して無縁でなくて非常に関連があるのです。災害補償の計算その他にもありますが、ずっとこの法律はいい法律だと私は思っておりまして、願わくはもっといい法律にしていきたいという意欲を持っておりますので、そういう意味で前提として、現在学校医学校歯科医学校薬剤師が置かれている現状その他をしっかりお互いに把握して、そしてともどもやっぱり法律をつくっていくという任務が私どもにありますので、そういう観点でお聞きしているわけでありますから、これは率直に私伺いたいと思うんです。  そこで大臣は、先ほどのお話ではお出かけになるそうですが、またお帰りになれますか。ちょっと御都合を伺いいますけれども、それによって質問しておかぬと……。
  41. 剱木亨弘

    ○国務大臣(剱木亨弘君) まだずっと一時ごろまではたいていおれると思います。
  42. 千葉千代世

    千葉千代世君 さっきの待遇の続きなんですが、聖職意識ということを局長さんはおっしゃっておりましたんですが、あげ足をとるわけではありませんけれども、いま健康保険の問題でたいへんもめております。あの中で医師会の陳情がたいへん山のようにきておりますけれども、あの中には聖職意識というものでなくて、ほんとうに人間の命を守るというこの真の意味の人間尊重という意識に燃えて非常に一生懸命になっておって、あの法律内容について真剣に取り組んでいらっしゃる姿を私は見受けるわけです。そういう意味合いにおきまして、やはりそういう新しい時代の中でお互いにやはり命を尊重し合うという時代ですから、もうここらあたりで文部省自体の聖職意識を振り捨てて、教師も学校の現場で学校保健と取り組んでいく立場で、校長さんも、教師もお医者さんも、みんなそれを振り捨てて、真剣に取り組む体制をつくっていく、その一環としての待遇を見ていきたいと思うのです。そこで、具体的に申し上げると、私の調べたのでは、やはり東京が断然いいわけなんですね。これは学校医もいいし、歯科医もいいし、薬剤師も皆いいわけなんです。で、国の財政措置とそれにさらに上積みしているわけなんです。それぞれ区で予算を取って加えているのです。一つの例で申しますと、目黒区が一番いいのですね。これが約十万円近い。それからお医者さんがずっとよい。それから豊島の例ですけれども、これは薬剤師の方で申しますと、薬剤師の方で年三万六千円、区でさらに予算をとって四万八千円にしているわけなんです。だからたいへんな違いになりますね。それで国では一万二千円の積算基礎でもって財政措置していると、こういうふうにおっしゃいましたね、交付税の実態を。そうしますと、ずいぶんな違いになりましょう。私はこれでもたいへん少ないと思っているところにもっていって、さらに一方では一番少ないところは五百円というところがあるのです。五百円ですよ。それから学校医学校歯科医学校薬剤師の方に差がついておるのですね、手当の差があります。それから私この災害補償法のこれを見ていくと、たいへん差があるように思いましたので、気になりますので、後ほど伺いたいと思うことがあります。これはどういうところから差がついてあるのか。いまは学校医さんも学校歯科医学校薬剤師の方も、みな大学の修業年限には変わりがないのですけれども、どういうところからきていますか。その辺を伺わしていただきたいと思います。これは後ほどまたもう一ぺん質問いたします。  この内容に入りまして伺いますが、それに関連いたしますけれども、この手当の方面で見ても差があります。いま申し上げた、それは一番初めに伺いました何に準拠して勤務しておるかという中に、学校保健法云々で、勤務日数その他ということ、勤務日数その他によって積算基礎にしたのですか。それによってずっとこういうことになるのですか。だから仕事によって差別をしたということではないのですね。その辺をきちんとしてもらいませんと、私は差別待遇がすごくいやなんです。差別をする人はどんな人でもいやです。
  43. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) いまの先生の御質問は、学校医学校薬剤師報酬の違いが第一のようでございましたね、それから同じ学校学校でも学校によって違うということでございましょうか。学校医学校薬剤師の違いでございますが、これはわれわれ一般にこういうふうに受け取っております。お医者のほうは大学で六年勉強してインターンがあって、七年かかる。薬剤師の場合は四年で一応一人前になるし、こういったことが基礎になりまして、公務員の給与ベースでも表が違いまして、最初の初任給からしてお医者さんと薬剤師さんは差ができております。たいへんまあ差があるということは遺憾なことかもしれませんが、一応俸給表によってどうしても合理的な何か基準にしていかなければなりませんから、そういうふうに違っております。大体そういう思想でもってこの地方交付税算定基礎の場合も、それと完全に同じであるとは言い切れないかもしれませんが、若干学校医学校歯科医は大体同じ系列で、薬剤師さんは少し落ちておる、こういう関係になっております。また同じ学校医、同じ薬剤師の間の違いは、先ほど来申し上げておりますように、これは補助金でございませんので、市町村によってどうしても違ってきておる。大体は一時間幾らというきめ方とか、生徒数一人について何円、こういったきめ方をしている例が多いようでございます。その辺の違いが、Aという村が生徒一人二十円と見る、Bという村が三十円と見れば、どうしても違いが出てくる、こういうことになっているのではないかと思います。
  44. 千葉千代世

    千葉千代世君 わかりました。ですから、私が言うのは、何でもかんでも差をつけるのではなくて、仕事の内容を検討していかなければならないわけですね。ですからいま言ったのは、同じ大学を卒業して、同じ修業年限であった場合には差をつけないということですから、その意味ではいまの修業年限のことは了解いたしました。ところが、お医者さんでも昔お出になった方と今の方は違うわけでしょう。ですから厳密に言えば個々差があるわけですけれども、ただこれが給与でなくて手当でございますから、そういう意味で原則的にはいまの話は私わかったわけです。ただこちらの中身に入ってしまうと、私混線しますから避けますが、この基礎の中で二十五年で打ち切るとか、内容の中に差があったということが——これは重複を避けます。そのことはもう置きます。いまわかりましたから二度は聞きません。差別ではなくて、そういう意味の差だということがわかれば、これは差別でないのですから了解いたします。  今度こちらのほうにいきますというと、積算基礎の中の一万二千円、校医さんとの差ですねこれは勤務日数の差でしょう。それならば了解できるのですよ。勤務日数の差ならば了解できるのです。仕事の性質だとすれば、いま新しい科学時代になって、公害対策とか、いろいろな学校薬剤師の仕事の分野というものはたいへんふえてきたのですよ。たとえば私船橋に住んでいても、どんどん公団ができて、どぶもつけなきゃ何もつけなくて、蚊は住みほうだい、こういう中にいれば公害がうんとある。文部省は体育局でプールつくれプールつくれと予算を取っておいて、その消毒もちっともしない——まあたまには消毒はしているでしょうけれども、消毒の管理はだれがするかということになりますならば、学校薬剤師の方がやって、昔は塩素系クロームをやった、いまは何をいたしますか、私も薬は知識が乏しいのですが、そういうことについても薬剤師の方は取り組まなければならならないし、あるいは身体検査するにしてもいろいろな機械なんかについてもたくさん要るでしょうし、ずいぶんいろいろな薬についても、理科室の薬の管理とかその他たくさんのお仕事がある。公害方面についても、国会でもそのために公害対策委員会というものを設けたのですから、それほど重視されているわけです。ですから地域の保健所あるいは公害対策、いわゆる環境衛生、この学校保健法を見ますと、薬剤師の任務の中に環境衛生ということが書かれておりますが、そういうふうに含まれていきますと、やろうと思ったらこれはたいへんなお仕事になりますが、とてもこの手当でどうにもならないから、やれる限度でやっていただくとしても、それにしてもお粗末きわまる手当でございますから、これではどうしようもないということになりますね。さっきの校医の方にしたって、いま小林委員が述べられたように、小林委員が北海道の学校に二年間いて一ぺんも校医さんがこないというのですから、これはまた驚き入った次第で、これまたたいへんな問題をはらんでおりますけれども、そういうふうにアンバランスのあるという一つの問題ではなかろうかと思うのです。ですからやはり仕事の内容そのもの、どちらが重くてどちらが軽いかということは、軽卒に学校医さんの仕事が重くて学校薬剤師の仕事が軽いとかいうその観念は払拭していだきまして、学校医さん、学校歯科医さん、学校薬剤師さんという仕事をするものは違うかもしれないが、一貫して流れる内容、重要さというものは変わりがないという認識に立った手当の組み方という基本について反対でございますかどうですか、それだけ聞かしていただけば、あとはこの論議はやめて次に進みたいと思うのです。
  45. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) 交付税に対しまして私どもの要求するときの態度を申し上げますと、おわかりいただけると思いますが、いろいろな仕事の中身と仕事の量とでほんとうは区別せらるべきものかもしれないとは思いますが、しかし、現段階におきましては、さような仕事の中身において差をつけるだけ念入りな報酬になっておりませんので、いまもっぱら量的なものとして要求さしていただいているわけです。たとえて申せば、学校医の場合は定期健康診断年間四十時間ぐらい御出席いただきたい。事後措置には四時間、学校環境衛生には四時間、臨時の健康診断には四十六時間、学校保健委員会二十時間、健康相談には六十六時間、合わせて百八十時間、この時間に見合う金額として約五万円ほど要求している。だから私どもの態度は、質もあるでございましょうが、現段階においてはもっぱら量的な仕事をされる時間によって多い少ないということに考えさせていただこう。この点は学校医学校歯科医薬剤師も同じでございます。ただ、現実に地方交付税がきまります段階におきましては、こういう私どもの要求に対して時間数を減らされますし、単価が減らされるということで自治省の現実の地方交付税は下がっていく。決して学校医学校歯科医にそれぞれが仕事に非常に違いがあるという要求にはなっておりません。時間の差異と、こういうふうになっております。
  46. 千葉千代世

    千葉千代世君 ちょうどいま学校薬剤師のところに入ったのですが、その中に一つ問題があるのですが、そのことは、お仕事の中に環境衛生の問題がございますね、その中に機械の問題がでております、八種類の機械を買って検査をするということで、そうして国が三分の一補助するたてまえになって補助しております。これは間違っておったら訂正してください。八種数で大体二十三万七千円かかる。これは三年前に四百七組か買った、ことしは二百しか買わない、あとは打ち切りだということを聞いたわけなんです。それでたいていの補助を見ていくと、これは学校の校舎にしてもいろいろな問題にしても補助補助で、補助が三分の一ですから地方、市のしわ寄せでもって非常に困っていますね。これもその例に漏れないので非常に地方財政が逼迫しておりますから、三分の二地方で持つのは骨が折れるので二分の一補助にしてほしいということを聞いたわけです。私もっともだと思います。そこで、今度打ち切りになるということをうわさで聞いたんですけれども、それはほんとうでございますか。もしそうならば理由は何んでしょうか。
  47. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) 御指摘の予算は学校環境衛生設備整備補助金、こういう名前の予算だと思います。これもいま御指摘ございましたが、学校環境衛生の一そうの進展をはかるため、八種類を、水質検査器とか、照度計とか、騒音計とか、カタ温度計とか、こういった八種熱のものを一セットにしまして、これを買う場合において二十三万三千七百円の三分の一を補助いたしましょう、こういう中身でございます。これは昭和四十年度から発足して昭和四十二年度で三年を迎えたわけでございます。ところが、これは行政管理庁のほうがいろいろ補助金の実態を調べた結果等もございますですが、不用額が若干ずつ初年度から計上されてまいりました。したがって、この予算がそれほど重要なものではないのではないかという一見そういう印象を与えた点がございます。その理由といたしましては、いま御指摘のように補助率が三分の一であるとか、もう一つ市町村によりましては、八種数全部はないけれども、そのうちの一部はあるからその全部必要としないんだと、それを分けて好きなものだけ補助金くれぬかといったようないろいろな御要望がございます。御承知のとおり補助金というものは、一応きまったとおりでなければなかなか執行できないという、やや弾力性に欠けたような点、それからまたもう一つは、市町村は、やはり国の補助金を待たずしてそれぞれそろえてきておったというような事情からして、当初私どもが予期したようなふうにこの予算が必ずしも地方で受け入れられなかった。この点が行政管理庁から指摘を受けまして、この予算はこれはやめるべきであるという指摘を受けたのでございます。そこで、それやこれやを考えまして、私どもとしては昭和四十二年度でこの予算は一応成果を果たしたものとして考えよう。ただ、いま先生はまだいろいろ希望があるのではないかといったような御意見のようでありますが、私どももいまの予算としては多少いろいろの問題がございますが、多少衣がえと申しますか、考え直しをして、これに似たような予算が将来受け入れられる可能性があるし、学校環境衛生というのは非常に重要な問題でございますから、しかし、行政管理庁あたりからの御指摘がございますので、この予算は一応昭和四十二年度でおしまいにいたしますと、こういうように言ってあります。ただ、私どもの気持ちは、やめたあと、その結果どういうふうにしたらいいかというあとの始末をもう一ぺん再検討させていただきたいと、こういうふうに考えておるところでございます。
  48. 千葉千代世

    千葉千代世君 そこでたいへん心配なのは、もう国の予算の編成期に入るんでしょう。環境衛生の仕事の中で一番大事な問題だと思うわけです、これは。この間文教委員会小林委員の質問にもあったように、まだ雨水を食料水にしている学校が日本に幾つあるかという資料を要求したりなんかしておりましたね。そういうように飲料水の場合に、井戸水を使っているところ、谷川の水を使っているところ、簡易水道を使っているところ、普通の水道を使っているところと、いろいろ調べてみるとあるわけですね。そういうような検査とか、いろいろな項目をあげるとたくさんありますが、この法案に早く入りたいと思うので私も急いでおりますが、そういうふうにこの八種数の機械を使ってしなければならぬ仕事はたくさんありますけれども、さっき私が前段に述べたことは、手当の問題、それからかけ持ちの都合とか、いろいろな人的な問題、学校の協力体制、いろいろな原因があって機械がまだ十分にもし使い果たし得ないでいるとすれば、その原因があると思うんです。ですからそれらと考え合わせてしないと、一ぺん打ち切ってしまうと、今度復活するということはたいへんだということは私よりもあなたのほうが御存じでしょう。打ち切ってしまって、またすぐ復活して来年、再来年また新しく出しましょうというときに、するすると通ったためしが一体ありますか。私の知る範囲ではあまりなかったように記憶しておりますが、いかがでしょうか、その自信を持てますか。私はそれはむずかしいという判断をいたします。したがって、学校薬剤師方々その他の御意見をよく調整されまして、そうしてまた保健体育審議会等もおありなんでしょうから、その辺の御意見その他勘案いたしまして、十分にこの使い方の効果があがるようにして続けたらいいのではなかろうかという意見でございますけれども。
  49. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) 先ほど来申しましたように、いまのままの予算ですと、これは一応やめて再出発いたします、こういうことをやはり役所として行管のほうにいった手前、同じものをそのまま継続するわけにはまいりません。しかし、御指摘のように、だからといって学校環境衛生検査器具の希望がゼロかといえば、そうでないということはわかっておりますので、新しい構想で出直して、一種の違った構想で予算要求をさせていただきたい、こういうふうに考えております。
  50. 千葉千代世

    千葉千代世君 非常にその点不満ですけれども、話をあとに残して次に進めてまいります。  もう一つ保健体育審議会でございますが、この保健体育審議会に現在諮問されている要綱でございます。いままで諮問されておっていま継続しているものと、新たに諮問されておるもの、項目だけでけっこうです。それからその構成の中に学校医学校歯科医、それから学校薬剤師養護教諭校長その他、これは名前は要りません、大体どんな構成メンバーか、概略でけっこうですから、言ってください。
  51. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) 保健体育審議会につきましては、従来十ほどの諮問をいたしまして、答申をいただいております。その中にはスポーツ振興に関する基本計画、スポーツテストの実施内容といったようなのがございます。現在諮問中のものは学校給食の改善方策と、それから学徒の対外運動競技の基準の検討、この二つが諮問されて審議中でございます。それから委員のメンバーの中に、御承知と思いますが、保健体育審議会は四つの分科審議会がございます、一つ学校体育、一つは社会体育、一つ学校給食、一つは御指摘学校保健分科審議会でございます。この学校保健分科審議会には学校医であられる方もしくは学校医に非常に関係のある方にお入りいただいております。人数は学校医の方が三人でございます。学校歯科医が一人でございます。学校薬剤師の方が一人、養護教諭の方が一人、その他学識経験者一と、こういうふうになっております。
  52. 千葉千代世

    千葉千代世君 いまの対外競技の基準の中に、これは義務教育、たとえば中学校の対外競技の問題なんかも諮問されている内容の中にございますか。
  53. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) 学徒と呼んでおりますが、これは大体気持ちは小中高、従来は小中高でございました。そのうち、特に中高が一番問題点でございました。しかしだんだん小学校も問題になりますし、それから大学にも問題があるのではなかろうかということで、学徒の中には大学も入れてもいいという解釈をいたしておりますが、大体中学校と高校生が中心になろうかと思います。
  54. 千葉千代世

    千葉千代世君 私がいま伺いたいのは、大学ではなくて、義務教育の対外競技の問題です。というのは中学校の対外競技の問題です。この前の委員会でこれまた小林委員からの質問で問題になったわけですね。で私はさっきの身体検査と関連するんですが、学校医の数が少ないことと、それから勤務時間とかいろいろな点に関連して非常にアンバランスですね。したがって精密に検査することができないわけです。私ずっとまあ三回ヨーロッパをこの問題だけを見て歩いたわけですが、そうすると、これは非常に合理的に割り切ったところがあって一人のお医者さんが何分間に子供を何人と計算する、それでお金を幾らと割り切ってやりますから、非常に丁寧によくみる。お医者さんも仕事をちゃんと年間計画の中に割り当てて、この学校の児童は自分は年間計画の中で何人みる、それで自分の収入とバランスがとれるということでぴしっとやりますから、それはたいへんに丁寧で、しかもそれが地域の保健所と連絡して概略をみ、それからピック・アップして精密検査ということが学校の身体検査を通し、家庭、それから地域の保健所と、ものすごくうまくいっているわけです。それから公費とか私費とかの区別のバランスがとれているわけです。そういうふうなところと、全然未開の国ではこれまたお話になりませんけれども、それから年じゅう身体検査をいたしませんで、二年に一回とかいうところもありますが、それはいいところをいえば切りがありませんけれども、少なくとも一人のお医者さんが何人も何人もやっていても、幾ら電波探知機——聴診器と電波探知機は違いますが、そうわかるわけではありません。それで身体検査の施行規則だったか細則だったかちょっと私その中に、心臓精密検査はしてもいいけれどもしなくてもいいという、私の受け取り方がちょっと違ったらあれですが、ありますが、そうすると、やはり対外競技なんかいたします場合には、ただ表面をお医者さんがちょっとみて、そうだなあとおっしゃる、そのお医者さんが懇切丁寧に、あるいは学校養護教諭方々の皆さんと一緒に家庭のふだんの状態とか、前の病歴その他を勘案して、ちゃんときちっとしたあれをもって指導できればそれはいいかもわからないけれども、そうでない場合があるわけです。これは事前の健康管理ということがきちっといって、その途中もその事後もちゃんといくという計画は立っているのかいないのか。よく健康管理をしながらやればいいじゃないかという論が優先してしまって、それでこの間、可児参考人がはしなくも言われたように、やはりいま体育のほうが盛んだから学校保健のほうは軽視されがちだということを言われて、私は思わず賛成だということを言ってしまったのですが、体育が盛んなのはけっこうですけれども、その前提になるということが十分にされていないというと、子供の体重がふえたから身長が伸びたから、それだからこれはもう対外競技はよろしいというような、形式的に片づけられたらたいへんなことであって、最近の学説は私は知りませんけれども、やはり心臓が完全に発達していって、そういうふうな対外競技にやや耐えられるというのはやはり満十六歳だというのです。個々に差がありましょうけれども、平均的に言った場合には。そうすると、この学校医とそれから体育をやる人と、そういうのを総合的にやはりしなければならないと思うのです。だから保健体育審議会にいま入っていらっしゃるメンバーを見て、こういうふうないろんな方が入っていらっしゃわけですから、この対外競技についても、いま局長さんは大学をおもにとおっしゃったけれども、私はやはりここをかなめとして、はずさないようなあれが必要じゃなかろうか。大臣は先般の答弁の中でこうおっしゃいました。賛成のような不賛成なような、やや賛成なような答弁をおっしゃっていますね、一口に言えば。検討の余地があるというようなこともおっしゃっていた。ですから、いま水泳などでは記録でやっておりますね、水泳ではずっと中学校でも記録でやっている。その記録だけで出すというたいへんな熱意はけっこうですけれども、夢中になってしまって、そうして子供の限界点も考えないような先生がうんといるということはこれは事実なんです。これは私は現場で直接調べてみました資料がありますが、それは体育熱にあおられてしまって新しい学校を今度建てる。これは港区の例ですが、新しい学校を建てます。それについては古い木造を建て直し、今度屋上を二億円かけてプールにします。なぜかというと、国がいまのような体育政策ですから、負けちゃいられないから屋上を二億円かけてプールにします。年とってからは動かないから、子供のうちから動かす。これは理屈としてはそうでしょうけれども、どっかに一本はずれたもので進行しているような私は心配があります。そういう意味で、保健体育審議会なんかにもせっかくの権威者がいるのですから、フルに活用して、そうしてやはりこういう点のかなめははずさないような方向で、ふだんの学校医の活用のしかたというものとあわせていく、その点についてもう一ぺん答えていただきたい。できれば文部大臣から学校のいまの改善策とあわせて長期展望になりますか、その点も待遇問題とあわせてお答えを願いたい。
  55. 剱木亨弘

    ○国務大臣(剱木亨弘君) まず局長から……。
  56. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) こまかい点から、ちょっと私から先にお答えさしていただきます。  心臓疾患の精密検査の点御質問だったと思いますが、現在の学校保健法のたてまえでは、これは正確には施行規則できまっておりますけれども、いろんな項目を並べた中に心臓疾患の発見につとめる、それが健康診断の検査項目の一項に入っているわけでございます。しかし、これはまあ発見につとめるということであって、ただいまの御指摘のように、さらに一そうの心臓疾患についての精密検査ということは、とても現在の学校医に、すべてどの学校でも期待できるものではないと思います。しかし最近子供の心臓疾患が非常に目立ってきておりますので、学校ごとに期待できないので、各県ごとにこういうことを県教育委員会に努力してもらおうじゃないか、こういう方向にいっております。まだそれが十分に至っておりませんが、すでにある県では二、三そういう方面の心臓疾患の発見に非常に努力しておる県がございます。文部省もそういう傾向を全国的に助長したいということでいま対策を練っておる点でございます。
  57. 剱木亨弘

    ○国務大臣(剱木亨弘君) 保健体育審議会のただいま学童の対外競技等に関します問題について諮問いたしておるわけでございますが、この対外競技につきましては、中学校までは相当きつい線で、かつていままでずっと長い間文部次官通牒ということで規制をいたしておったのでございますがこれに対してはいろいろな論議が起こってまいりまして、はたしていままでのとおりでいいかどうかということを諮問いたしておるわけでございます。学校体育はもちろん必要でございますけれども、しかし子供のいわゆる保健が体育に先行するものであって、この学校保健基礎の上に立って体育の振興をはからなければならないわけです。ですから、場合によりまして、保健の基礎の上にない体育の振興ということは、むしろ逆に言えば子供の健康に害になるという場合もあり得るのでございますから、そういう面を考慮して行なうべきだと思います。ですから、こういう意味におきまして、単に学校競技というだけでなしに、保健という面からあわせて考慮さるべきことでございまして、保健体育審議会にはそういう意味におきまして、そのほうの専門の方もお加わりいただいておるというのが現状でございます。ただ、小林先生おられますが、申し上げますけれども、実はいま問題になっておりますのは、たとえば札幌で冬季オリンピックが行なわれます。それから日本の水泳等につきましても、相当国際的に言えば、一時水泳王国日本もだんだん低下してまいりました。特にオリンピックなんかにまいりますと、それに対処する意味から申しまして、やはり現在の中学校の高学年くらいはある程度対象になり得るのでございますから、やはりそういう意味も考慮されまして、現在のとおりの制限でいいかどうかということも非常に議論になっておるのでございます。そういうことも考慮して、保健体育審議会で結論を出していただくのでございますが、しかし、あくまでやはり学童の健康を基礎にいたしまして考えていただくということで審議会の御検討をお願いしておるわけでございます。
  58. 千葉千代世

    千葉千代世君 この法案について質問いたします。  法案の提案理由の中の二ページの初めの一行目でございます。「また障害補償および遺族補償に係る消滅時効」というのがございますね。これは新しい法律ができたから消滅すると、こういう意味に解釈してよろしいでしょうか。解釈だけちょっと聞いておけばよろしいのです。
  59. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) これは現在は二年でございます。二年たてば消滅時効が完成するということでございます。それではお気の毒だから、二年から五年に延ばすという意味でございます。
  60. 千葉千代世

    千葉千代世君 下に書いてありますね。わかりました。  それから、これはたとえば船のお医者さんであったものが学校医になった場合に、船員保険のお金をかけたものがこちらに続くと、こういう内容と解釈してよろしいのですか。そういうものが一体どのくらいありますか。
  61. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) 前段は御指摘のとおりでございます。一体それに該当するのが何人いるかという問題……。
  62. 千葉千代世

    千葉千代世君 大体でけっこうです。
  63. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) いまのところ全然おりません。将来もおるかどうか、これはちょっと予測できません。まあほとんどないのではなかろうかと考えておりますが、法律はすべての可能性を前提にして規定しなければならぬものでございますので、一応たてまえ上規定させていただいたわけでございます。
  64. 千葉千代世

    千葉千代世君 私これを見ておりまして、そういうのがあるかどうか、ちょっと二、三の県に問い合わせてみたのですが、一つもないものですから、びっくりしているのです。それで考えてみたら、一応これは教員その他公務員の災害の補償法に準じてやるから、それをそのままこうやったということに解釈すれば、あとのほう、これはちょっと合わないというんじゃありませんけれども、すぐ直接関係のないようなのもあってもよろしいのですね、これは。いまの問題と、たとえばもう一つついでですが、児童扶養手当、これは社労でよく取り上げられておる、特別児童扶養手当とかという、これは貧困家族のになりますね。学校医さんですと、あまり貧困家族ではないですね。いま言ったように聖職意識だということであるから、貧困家族ではなくて、年収何万円という少ない額で適用されますから、まずこの適用はいまのところ私はないと思っております。そうすると、これは一般の国家公務員あるいは地方公務員ですか、そういうふうな公務員の災害補償法に適合したからそれを準用するというのでしょうか。ことばがちょっとわかりませんが、そういう意味でそういうのは列挙されていると解釈すれば、これは一々気にすることはないと、こういうことですか。
  65. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) 大体の考え方としては、さようでございます。でございますから、関連する法案について全然改正しなくても、ここ十年間あるいは二十年間は何にも該当する事例がないんじゃないかと思われるようなものではございましたのですが、しかし神ならぬ身でございまして、どこにどういう人が出てくるかわからないというようなことで、ありとあらゆるケースを想定いたしまして、こういう補償制度全般を律しますいろいろな原則にのっとりまして、ありとあらゆる関係条文を整理したと、こういうことでございます。
  66. 千葉千代世

    千葉千代世君 そこで打ち切りになっています、最後のほうの二十五年勤続か何かが最後になっていますね。表がいま私ちょっと手元にありませんが、きのう調べてみたのです。表の中に、二十五年で打ち切りになっていますというのは、お医者さんだというと、わりあい収入が多いわけでしょう。国家公務員とかそれに準じた場合には、給料が俸給表によってずっときまりましょう。五年つとめれば幾ら、十年つとめれば幾らときまりますから、その方がなくなった場合には幾らとか、それからけがした場合に幾らということは算定がすぐできますね。それからお医者さんの場合ですというと、収入がまちまちですね。開業していらっしゃるのが多いし、歯科医の先生もそう、薬剤師の先生もそうです。だから薬剤師の先生は開業してどのくらいもうけているかわからないのです。すごくもうけているらしいですね。うんと金持ちが多いらしいのですよ。そうなると、幾らやったって、そういう人たちが今度けがしたとします。あるいはおなくなりになったとすると、それも補償しなければわからない、補償しなければわからないけれども、補償の基準というのは何かということになると、ここで見ていくというと、たいへん無制限に補償できないから、基準を何で求めるかというと、基準の額が何か二十五年でとまるような、その解釈がちょっとできないんです。それをちょっと説明してくれませんか。お医者さんも違いますからね、いろいろな個々差がありますから。
  67. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) いまの御指摘の点は、補償基礎額表が五年未満、五年以上十年未満、こうした刻みが六段階になりまして、最終段階が二十五年以上となって、それきりになっているが、学校医学校薬剤師はもっともっと長くつとめているのではないかといったようなことを御指摘のようでございますが、これは実は法律の第四条に、これは学校医は非常勤でございますし、どこかに準拠してつくらなければならぬ、大体国家公務員の災害補償法にならっているわけでございますが、第四条に「前項の規定により政令で基準を定める場合には、政府は、国家公務員災害補償法の規定を参しやくするとともに、前条各号の補償が、同一の学歴及び医師歯科医師又は薬剤師としての経験年数を有する常勤の国家公務員で職務上」云々と、こういう規定がございまして、これらと同じようにやってほしいと、こういう法律趣旨がここに書かれてございます。そこでこういう基本前提に基づきまして、補償基礎額表を、大体公務員の場合は二十五年以上というのが一番長い年限というふうになっているのでございまして、これに一応準拠したわけでございます。ただまあ御指摘のように、確かに普通の学校医の場合は、実際は開業していまして、もっと長くやっているようなのがあると思います。ただしかし、一応この制度を国家公務員災害補償法と見合って規定する立場上こういう刻みを採用させていただいた、こういうことでございます。
  68. 千葉千代世

    千葉千代世君 それはさっき質問の中に、長いこと安い手当で一生懸命働いておって、やめるときには紙切れ一枚でやめると、こういったわけですね、ところが、たとえば学校へ身体検査に来る途中、いま交通が激しい、そうして自動車にはね飛ばされて不幸にしておなくなりになった、そのときの補償が少なくてたいへんお気の毒だと、こういう気持ちから聞いたわけです。そうしてそのお医者さんがうんと長くて働いていていらっしゃるならば、たいへんな収入のある方なのに、非常にお気の毒だなという気持ちで考えると、ずいぶん少ないなと、こういう気持ちがあったわけですが、すかっと割り切って、国家公務員に準拠したから、換算すればこうだと、そういうことをいえばそれまでの話なんですが、そういうことでしょう。
  69. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) 確かに学校医学校薬剤師等の先生方の中には、この補償基礎額表の基礎になるような何と申しますか、給与以上の収入のある方もいらっしゃると思います。しかし、これはあくまで国、都道府県が責任を持ってぎりぎりまで、公務災害補償の場合これこれまで補償いたしますと、こういうことなんでございまして、中には非常に収入の多い方もいらっしゃるでしょうが、中には必ずしもそうでない方もいらっしゃる。それらを通じてどの限度まで補償するかと、こういうきめでございますので、この辺でごかんべん願っておると申しますか、これが一般の考え方になっておると、こういうのでございます。
  70. 千葉千代世

    千葉千代世君 これは話がちょっと飛躍いたしますけれども、航空事故がございました場合のように、国内航空、それからこの間のカナダ航空の場合ですね、あれは五、六倍違いましたね。片方は六百万円、片方は二千万円とかあるいは一億ですか、こういうふうにたいへん違ったでしょう。人の命に対してあれだけ評価が違う。国柄が違うのだからそうだ、会社の規模が違うのだからそうだと片づけてしまえばそれまでだけれども、やっぱり命に違いはないということになっているのですから、そういう意味でやはりこれは相当問題があるのではなかろうかということを考えるわけです。ですから、ふだん手当が少ないと、手当はよくしていきたいという大臣の所信もありましたし、局長から一生懸命やるというお考えも伺いました。そういうふうなことを伺いますけれども、しかしこれはなかなかいままで何年かかってもさっぱり効果が上がっていないので、すぐあしたの役に立つと、私は率直に考えられません。できればたいへんありがたいんですが、しかし段階的によくしていくということですなら、ちょうどよい機会だから、ここら辺を考える余地があるのではなかろうかなということを考えておるわけです。これはやっぱりほかの例もそうでしたかしらね。
  71. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) これは大体国家公務員の例に準じておりますから、ほかの例のとおりでございます。で、これは一般公務員のベースアップによりまして毎年改定されますが、これは政令でございますので、そのつどその改定の率を個々に考慮しまして、これは順次毎年改定いたしております。そういう社会的な一般給与の水準によってこれは毎年改定いたしております。ただ御指摘のように、学校医の中にはりっぱな収入を持っていらっしゃる方もあるじゃないか、そういういろいろなことを全部加味するというわけにはこれはやっぱりこの性格上できませんで、一般公務員の基準に照らしてそこまでは補償いたしましょうと、こういう基準でございます。
  72. 千葉千代世

    千葉千代世君 いままでの例ですね、いままでにそういう例がどのくらいあったか。たとえばけがをなすった方の例ですとか、御不幸にあった方の例を区別しておっしゃっていただいて、それからもし、これは予想するのはたいへん御無礼になるかもしれませんけれども、予想して万全の措置をとられた法律だと思いますから、もし五十歳なら五十歳の方が途中で自動車で御不幸な目にあったら、どのぐらいもらえるのですか。公務員に比較しますと。これは年金になりますね。いままで一時金であったのが今度年金に切りかえられるような法律ですね、今度これを見ますと。そうですね。一時金じゃなくて年金になっていますから、年金は遺族に幾らいくのですか。概略でけっこうですよ。
  73. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) いままでの事例はわずかに二件でございます。やはり両方とも東京都でございます。どちらも学校医がけがをした事例でございます。一件は、昭和三十七年に大田区の矢野という学校医の方が右大腿骨脛部骨折で、療養費が四万五千七百七十五円、休業補償が九万一千三百六十八円、計十三万七千百四十三円もらった、こういう事例が一件ございます。もう一件は、東京都北区の滝野川の第二小学校の宮尾という学校医でございますが、肋骨の骨折でございます。子供を那須高原に連れていって山から落ちてけがをしたという事例でございますが、療養補償六万四千円、休業補償二万四千円、計八万八千円、こういう事例、わずか二件あるだけでございます。  いまの御指摘の五十才ぐらいの学校医の方が、これを現行法の遺族補償の一時金で申しますと、五十才の学校医がもしなくなった場合、遺族補償が一時金として現行法で五百万円、かなりの額になります。
  74. 千葉千代世

    千葉千代世君 それは計算ですから、これは別に計算した人が悪いのじゃなくて、そういう数字が出てきたわけですから。これが今度一時金でなくて年金に切りかえていくわけですね。そうすると遺族の方ですと、今度たとえば奥さんにいくわけですから、年金にするというと、五百万円で五十の人の年金だと月に計算していくと月二万円ぐらいですか、大体の見当は。それくらいでしょう、大体の見当は二万円でしょう。四万円ぐらいの恩給になって、それで試算していくと……そんなになりませんね、非常に少ないですね。お医者さんをやっていたらば、どんなにしたって——これはいま健康保険ですから、そう御収入も多いわけではないし、人件費もかかるし、それから手数もかかるし、たいへんな繁雑なお仕事があるわけでですね。歯科医の先生にしても学校医の先生にしても、それから薬剤師の先生にしたって税金がものすごいですね。たいへんな税金ですから、そう収入だってあるように見えて実際はありはしませんから。それにしたって二万円でやっていけるものではないし、大体の見当はそれくらいでしょう。——いいです、それはけっこうです。いまもらうわけじゃありませんから、大体の見当を申し上げたわけですから。そのようなわけで、最後にひとつ私希望があるんですが……。
  75. 鈴木力

    ○鈴木力君 ちょっと関連して。これはちょっとわからないんですが、ちょっと伺いますが、いまの補償の問題ですけれども、たとえば民間の病院に勤務しているお医者さんが学校医になって、そうして学校医の何と言ったらいいのか、学校医の会議か何かに出席しておって、そこで災害にあわれた、こういう場合の災害補償はどっちに補償されるのかということですね、つまり普通の民間の病院に勤務しておって、そちらのほうの補償のほうははるかに高いだろうと思うけれども、学校医勤務中に災害を受けたために学校医の補償を受けるということで非常に少ない額の補償を受ける、こういうことになると、少しこれは問題がややこしくなるんじゃないかと思うので、そういう場合どう扱うのか聞きたい。
  76. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) 具体的な事例がわずかしかないものですから、確実に申し上げにくいと思いますが、しかし、いまの学校医の会議、それがその勤務している学校の命令でございますね、それで出たような場合、これは明らかに対象になると思います。そのお医者さんが五人以上の病院につとめておれば厚生年金のほうの対象にもなるわけでございます。で、今度の改正法によりまして併給が、両方からもらってよろしいと、こういう関係になります。
  77. 千葉千代世

    千葉千代世君 それで、これは自宅から学校の身体検査にくるときとか、あるいは子供に付き添って郊外へ遠足に行ったときとか、旅行に行ったときとか、あるいは水泳に海岸に行ったときとか、これははっきりしますね。ところがその校医が往診に行きます。よそへ往診に行ってそれから学校へ来ます。そうすると病家から学校へ来る間、これはわかりますけれども、自宅から病家に行く間に、そこでもし御不幸なことがあったらこれはどうなりますか。ここなんです、私の伺いたいのは。安全会法のときに、子供のふだん通学しているときならば、登校下校のときにはいいけれども、ほかの道ではだめだということで問題になりましたね。それにちょっと……。
  78. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) 子供の通常の登下校はできるだけ広げて対象にしようと、こういうふうに考え、またその事例がたくさんあるのでございますが、学校医の例はどうもたった二件でございますから、どうもちょっと申し上げにくいのですが、やや、きわどい限界、学校に行く途中でございますね。
  79. 千葉千代世

    千葉千代世君 自宅から、目的は自宅から学校へ行くつもりでおったわけです。自宅から学校学校の身体検査に行くつもりでおったのです。ところが、急病か何かあったとします。病家から呼ばれます。そうすると途中で病家に行くわけです。病家に行く途中でそのお医者さんが自動車にはねられちゃったわけです。そうすると、学校へ行くわけじゃないわけですね。いま行く直接の目的は病家へ行くわけです。そのときにこれが適用になるかどうかということなんです。それは審議会に一任するのかどうかということなんです。審議会ですか、審査委員会ですかありますね、この審査する機関。
  80. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) きわどい場合は、市町村だったら都道府県教育委員会で厳重な審査を受けるようにこの法律では規定しております。いまのような事例は、どうもはっきり申し上げにくいんですが、ちょっと困難ではなかろうかといま考えております。
  81. 千葉千代世

    千葉千代世君 それで、最後に文部大臣の答弁を伺いたいんですが、さっき大臣は、学校医の改善策に対して述べられたわけですけれども、私はやはり学校医制度に対して抜本的対策とし、専任の学校医その他の方々を置くということがたいへん大事じゃないか、かつてそういう例が東京の中にあったわけです。しかし、さっき言われましたように、医者になる数が足りないその他の要因をあげられたわけです。これは何もこればかりではなくて、あらゆる面であげられたわけですけれども、やはりそれとあわせてやらなきゃならないんですけれども、しかし、長期展望を掲げていかなければならないんです。そうしました場合に、とりあえず一校について一名ということはこれはたいへんですけれども、たとえば十校について一名なり五校について一名なりを置いて、それで現行の学校医制度はこのまま残しておいて、手当なら手当でこれはいいと思う。やっぱりこれは学校の近くに学校医の先生がいらっしゃらないと困りますから、嘱託医制度、いわゆるこの方々は嘱託制の方々ですから、この方々には当然いていただかなければ——地域の相談にもいかなければならないし、いろいろなことがありますし、これはもう当然必要な方々ですから、そのほかにやっぱり港区なら港区にかつて置かれたように、もと学校衛生技師という存在で置かれたわけですけれども、これは二十校に一名でございましたけれども、そうでなくって、五校に一名とか十校に一名とかというように担当して、常時いるというようなこういう方々が私は必要じゃないか、とりあえずですね。そうして段階的にでもやっていくというような、そういうふうなシステムでいきながら、今度は地域保健所等をもっと有効に活用していって、一体的な、地域保健所と一諸になった総合的な計画が立てられなければいけないんじゃないかということを考えるわけなんですけれども、その点が一つ。というと、保健所のほうは人が足りなくてそれどころじゃないと言うでしょう。それからその中で考えることは、法定伝染病に関する予防だけはこれはただでございます。公費でございましょうけれ、ども、そうでないのありますね、小児麻痺とかその他についてはお金を取っているようですけれども、そのようなことについても、これは設置者、区なら区の負担になるでしょうけれども、そういう点についての考えがありましたら、それを一つ。それからもう一つは、中央教育審議会に長期計画の諮問をなさったわけです。私は保健体育審議会というたいへんりっぱな審議会があるわけですから、あそこに諮問なさった内容を見ていきますというと、非常にいい諮問をなさっていますから、あれで慎重審議なさったその結果が直接文部大臣に行くのでしょうけれども、中央教育審議会との関連は何もないと思うのです。ですから、あの中にやはり保健体育の問題とかいろいろな幼児教育の問題とか、中には保健の問題や体育の問題がかなりあると思うのです、計画的な中に。そういう関連なんかを大臣としてどういうふうにしてあれしていくつもりかという点だけちょっとお伺いして、終わりたいと思います。
  82. 剱木亨弘

    ○国務大臣(剱木亨弘君) 第一点でございますが、専任の学校医を置くということは、特に小規模の小さな町村なんか、とても現在の状況では無理でございますけれども、ある程度地域的に相当の学校数があれば、専門的な学校医を置くことが適当な場合があり得ると思います。そういう意味におきまして、この専門の学校医の設置という問題につきましても、ひとつ検討してみたいと思いますが、なおこれは保健所との関連もございますので、やはり総合的な立場に立ちまして検討していきたいと思います。  それからこの学校医なり学校保健の問題につきましても、中央教育審議会に対しまして、学制全般に対しまする長期的な見通しについて諮問をいたしましたわけですが、やはりこの学童の保健の問題につきましても、これは当然にあわせて審議の内容の中に取り入れられ、関連されて討議されるものと思います。しかし、具体的な学校保健の問題になりますと、やはり保健体育審議会のほうが専門的な審議会でございますので、きょういろいろ論議されましたように、この学校医制度とあわせまして、先ほど局長が答えましたように、やはりこの審議会などに対しまして、早急にこの構想を描いていただくように、私としても審議会のほうにお願いをいたすつもりでございます。
  83. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 本法案に対する前の質疑はこの程度にいたします。     —————————————
  84. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) この際委員異動について報告いたします。  本日、成瀬幡治君が委員辞任され、その補欠として戸田菊雄員が選任されました。     —————————————
  85. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 教育、文化及び学術に関する調査中、東北大学の臨界未満実験装置に関する件を議題といたします。御質疑のある方は順次御発言願います。  なお、政府側より、剱木文部大臣、天城大学学術局長、武安科学技術庁原子力局次長、萩野谷科学技術庁原子力局核燃料課長、石川会計検査院第二局長出席いたしております。
  86. 戸田菊雄

    戸田菊雄君 ただいま議題の件につきまして、質問いたしたいと思うのでありますが、過日の予算委員会の第四分科会におきまして、一応大学の当問題に対しての一般の質問を行なっておりますので、きょうは、この大学の学問の研究、これは全く自由でなければいけませんし、あくまで学者の良識あるいは自主性によって行なわれなければならないという観点に立ちましての点については、きょうは触れないことにいたします。もっぱらこの臨界未満実験装置をめぐる国費乱費と思われるこの経理上の問題につきまして、質問をしてまいりたいというふうに考えるわけであります。  それで最初に、文部大臣が時間の関係で、だいぶ時間がないとこうおっしゃられますから、できるだけ大臣のほうに質問を集中し、文部省なり関係当局から出された資料の信憑性のあるものについて、きょうは質問してまいりたい、こういうふうに考えるわけであります。それで、この前五月二十四日でありますが、文部大臣は、これらの問題について直ちに調査をして善処をする、こういうことを言われているわけでありますが、ことにこの経理上の問題について、お調べになったのかどうか、お調べになったとすれば、その問題に対してどういうお考えを持ったか、この点について大臣から御答弁を願います。
  87. 剱木亨弘

    ○国務大臣(剱木亨弘君) 東北大学臨界未満実験装置の問題につきまして、いろいろこの装置の設置から今日まで、その使用を開始いたしておりません事情につきまして、いろいろお尋ねがございました。私文部省においてその後調査をいたしたのでございますが、今日までの状況におきましては、少なくとも経理上につきましては違法行為はないものと、そう考えております。
  88. 戸田菊雄

    戸田菊雄君 それで、具体的に聞いてまいりますが、この文部省と検査院とそれから科学技術庁からもらった資料の中で、信憑性のあるのは二つぐらいしかないのです。ですから、きょうはその装置に要した一億一千五百万円、この問題についてはあとに譲りたいと思うのでありますが、もっぱらきょうは運営維持等の問題について、これはわずかに文部省あるいは検査院から出ておりますこれにしぼって質問してまいりたいと思うのでありますが、この検査員提示の運営維持費の資料だと思うのでありますが、臨界未満実験装置経費使用調、こういうものが一部出てまいっております。最初に、臨界未満実験装置経費使用調というのはどういう点をさすのか、この点をお聞かせ願いたい。
  89. 井内慶次郎

    政府委員井内慶次郎君) ただいま戸田先生から御指摘のございました臨界未満実験装置の経費のことでございますが、通常こういう研究並びに教育用の設備は、本体ができ上がりまして運転に入ってまいるわけでございますけれども、その際当該研究設備の調整費、それから部品を差しかえたりいたします経費、それから消耗品費、そういう当該研究設備を稼働さしてまいりますに必要な経費を予算的に特に計上いたしまして、各大学に配付をいたしておるわけでございます。予算といたしましては、本体が実際に動いてまいりますに伴いまして、いろいろなたとえば計量機器でございますとか、あるいは部品の中で消耗してまいるものでございますとか、それから本来運転いたしますと、光熱水質等も相当な部分を占めることに相なるわけでございます。こういった経費に使用する目的で予算計上し、大学に配付いたしております。ただいま大臣からお答え申し上げましたように、本臨界未満実験装置につきましては、ボイド発生装置の問題等に関連いたしまして、いまだに本格的な装置の運転が行なわれていないという点はまことに私ども遺憾に存じておりますけれども、文部省といたしまして、実は三十九年、四十年、四十一年とこの実験装置の経費は配付いたしまして、この配付いたしました経費につきまして、それではどのようなものを購入したり、どういう経費の使途に充てているかということを、大学のほうの学部長並びに経理部長から資料を取りまして、できるだけ区分をいたしてみました。そうしますと、ただいま申し上げましたように本格的な運転がなされておりませんから、光熱水費的なものとか、そういうふうなものはまだほとんど必要といたしてないわけでございまして、主といたしまして本体の調整に要する部品あるいは備品の整備、この研究設備を動かしてまいるに必要な計器類、こういったふうなものの購入に充てているというのが現状でございます。
  90. 戸田菊雄

    戸田菊雄君 結局、総称的に言って運転維持費ですね。そうすれば一面この装置を設置したこれの部分補充、こういったところに使っているのか、この内容について総体的に簡単に御答弁していただきたい。
  91. 井内慶次郎

    政府委員井内慶次郎君) 三十九年で申し上げます。三十九年では約四百万のうちで六十万程度が消耗品、その他は部品ということになっております。それから四十年度が同じく約四百万のうち消耗品等が約六十万、四十一年度も総額約四百万のうち消耗品が百二十万ぐらいに相なっております。でございますので、いわゆる部品それから調整経費等が大部分を占めておる、かように御理解いただきたいと思います。
  92. 戸田菊雄

    戸田菊雄君 この運営費につきまして、過日の五月二十四日、学術局長はこういう答弁をしている。三十九年から毎年四百三十一万という運営維持費を交付をいたしております、こういうことでありますが、この検査院の装置経費使用調によりますというと、三十九年は三百八十七万九千円、四十年も三百八十七万九千円で同額であります。そうして四十一年は四百九万四千五百円、そうしますと、学術局長が四百三十一万円を落としているというものと、ここに出てきている金額の総額は違う、これはどういうわけですか。
  93. 井内慶次郎

    政府委員井内慶次郎君) 先般の予算委員会の分科会におきまして、大学学術局長から御答弁いただきました金額は、予算の積算をいたしておりまする金額でございます。この点は三十九年、四十年、四十一年と公務員の給与改定その他の補正予算がございまして、その際に既定経費を補正減をするということが三十九年、四十年、四十一年と行なわれてまいりました。こういった大学の研究設備に要しまする経費は、できるだけその際補正減にすべきでないということでいろいろ大蔵省とも話をいたしておるわけでございますけれども、やはり補正財源との関連におきまして、既定経費を節約いたしております。三十九年と四十年はこういった研究実験用の設備を運転いたしまする装置経費につきましては、一〇%の節約をいたしました。それから四十一年度はそれが節約率を五%に実は減じてもらいまして、そういうことで三十九年度、ただいま戸田先生御指摘の検査院のほうから御連絡のございました三百八十七万九千円が三十九年、四十年、当該装置費として私どものほうから配付した形になりました。四十一年は節約が五%でございますので、四百九万四千五百円、こういうことに相なったわけでございます。なお、予算の配賦は年度できるだけ早目に配賦をいたしまして、各大学のほうでの執行の計画等を立てさせてやりませんとぐあいが悪うございますので、一応予算の秋積に従いまして、おそらく三十九年、四十年、四十一年もならしたものと思います。で、補正予算が出てまいりますと、その分だけを吸い上げるといいますか、納めるといいますか、そういう形で実際は措置がなされたのではないかと思います。なお、先ほどのお尋ねの中で臨界未満実験装置が実際に稼働してないのに装置経費を三十九年から一体配付する必要があったのかどうかという点が、一つ私どもとしても反省いたしておる問題点でございます。この点年度の初めにできるだけ予算で計上されました経費は早目に大学に配当いたしまして、年間の使用計画を立てさせたい、年度末までにはおそらく稼働するであろうというふうな、そういう気持ちが正直当時あったかと存じます。この点は最初にお答え申し上げましたように、いまだ稼働していないという点につきましては、予算を執行する立場といたしましても、まことに遺憾に存じておりますが、この装置経費の中身の性質から申しますと、いわゆる光熱水費的なものと消耗品費的なものと、それからいわゆる部品的な性質のものとありますけれども、三十九年、四十年、四十一年は部品的なものにウエートをかけて執行されておる、かように私ども大学の資料から考えております。
  94. 戸田菊雄

    戸田菊雄君 過日、五月二十四日に四百三十一万、総額にいたしまして三年間で一千二百九十三万円、これは誤りであって、その後節約目標というものを設立して、会計検査院が出してきたこの金額が正しい。総額これでいきますと、千百八十五万二千五百円、そういうことですね。ここをはっきり聞いておきたい。
  95. 井内慶次郎

    政府委員井内慶次郎君) 実は申しわけないことでございますが、参議院の予算分科会のとき、私の会計のほうで実際に配当した最終金額なり執行いたしました金額なり確認をしまして、大学局長のほうに資料を差し上げるいとまがなかったものですので、予算積算額で局長からお答えをいただいたわけでございます。
  96. 戸田菊雄

    戸田菊雄君 ですから、五月二十四日の学術局長が言ったということは誤りであるということですか、どうなんですか。
  97. 井内慶次郎

    政府委員井内慶次郎君) 臨界未満実験装置経費の当初予算額で大学局長はお答えをされたわけでございまして、三十九、四十、四十一で、私どものほうで大学からも資料を徴しまして検討した結果、ただいま申し上げました三百八十七万九千円、四百九万四千五百円でありまして、そのように訂正させていただきます。
  98. 戸田菊雄

    戸田菊雄君 それじゃ、その内容についてお伺いをいたしますが、この三十九年度消耗品等の経費を見ますると、六十一万九千、それから四十年度でまいりますと、消耗品等は六万二千、四十一年でまいりますると、百二十五万三百、非常に変動があるわけですけれども、そういうことになりますと、消耗品の内容というものは一体どういうものか、具体的に説明を願いたい。
  99. 井内慶次郎

    政府委員井内慶次郎君) 実は大学の研究並びに実験用の設備等の経費の扱いでございますが、御存じのように、この臨界未満実験装置は東北大学工学部の原子核工学科のほうで使用いたしまする設備でございます。で、それぞれの国立大学の各学科は講座編制組織に相なっております。で、経常的な経費といたしまして各講座ごとに教官当たりの積算校費というものと、それから対象となりまする学生の教育のための学生当たり積算校費、通常教官研究費、学生経費という名前で呼んでおりますが、これがいわばパーフェクトに大学に配賦されております。このパーフェクトに配賦されておりまする研究費なり学生経費なりにプラスされて、こういった研究実験、実習用の装置の経費というものが実際はプラスされて配当されます。したがいまして原子核工学科といたしましては、原子核工学科の教官当り積算校費なりあるいは学生当たり積算校費なり、それとこの臨界未満実験装置で配当いたしましたものと、実際の執行におきまして、特に消耗品等につきましては、そこに若干の融通等はこれは現実にあろうかと思います。消耗品の個々の中身につきましては、ちょっと手元に資料を持っておりませんので。
  100. 戸田菊雄

    戸田菊雄君 会計課長、実際に現地を当っておりますか。机上プランで一定の目標なりそういうものはあるでしょうけれども、現実に私は現地を当ったところでは、消耗品費というものは事務経費、写真関係であるとかあるいは一般事務用品、それからガラス器具、それから木材、金属材料、それから人件費、これは非常勤が何名、こういうことで、常態としてはこの消耗品費に対してはどういう状態であっても、年度別に二十万ないし二十五万かかっているというのが実態なんです。ですから三十九年度の場合に六十一万九千円というものを消耗品費計としてあげておる、これは政府の資料ですからね、四十年の計で六万二千円です。四十一年度にまいりまして百二十五万円、この実態は一体どうなっておるのか。実際現地の大学としては、消耗品費計上品目としてどういうものをあげて、どういうものに使われておるか、これを当たってみましたか。
  101. 井内慶次郎

    政府委員井内慶次郎君) 三十九年でみてみますと、消耗品のおもなものといたしまして、リコピーの感光紙代でありますとか、あるいは薬品関係のものでありますとか、そういったものに使用をしたというのを、私ども大学のほうからの資料で確認をいたしております。
  102. 戸田菊雄

    戸田菊雄君 私は会計課長は現地の実情をあまり知らないと思うんですね。少なくとも四十年度の六万二千円というものは、消耗品からいけば、年間トータルでどうしてもこれだけ最低かかるというものは二十五万ないし三十万、私が当ったところでは。それに対して六万二千円というのは、非常に消耗品費の中身について変動があるということです。あとからだんだん追及してまいりますけれども、あるはずです。それを勝手に——運営費の問題についてはこれは創作をしたものですからね、それを土台にして政府はこれを提示してきているんだと思うんです。だからいま会計課長が云っておる消耗品費等については、これは適切じゃないと思うんですが、その辺どうですか、見解は。
  103. 井内慶次郎

    政府委員井内慶次郎君) 私どもが大学の経理部長等を招致いたしまして資料作成を依頼し、その資料を確認いたしましたものはただいま申し上げましたようなことでございます。
  104. 戸田菊雄

    戸田菊雄君 時間がないようなんで非常に私困っているわけですが、角度を変えていずれゆっくりやってまいりますけれども、ひとつ問題点だけ指摘をいたします。ぜひ記録をしてお調べを願いたいと思うんですが、一つはボロン熱電対二本、三十六万円ということになって住友、東芝購入で備品を買っておる。しかしこれは実際問題としては設置上いろいろ失敗がありまして、ボイド装置のスカートの分がこの中に十一万円入っておる。それはあとから現地大学としては追加予算として要求をして実はやっているんです。ですから、これは運営費からそういうものへ持っていっていいものかどうか、本来なら実験装置の設置に要する一億一千五百万、こういうものには付随的に実は私は会計上運用され、もしくはそういう正当な予算要求に基づいてやっていくのが正しいと思うのでありますが、この運営費から実は出しておる、これが一つです。  それからもう一つは、電動ポンプMP四式、一式を実は二十八万円で買っているのでありますが、万能工作機等について大学が購入する場合は、少なくとも理科学系統の専門機械でありますから、そういう場合の購入系統というものはおおむねきまっておる。ところが全然関係のない明機産業を通じてそういう機械を購入しているのであります。おまけに何というか、専門店を抜きにして、従来の購入慣行といいますか、そういうものを抜かして実はやっているんですね、こういう問題についての見解が一つであります。  もう一つは、万能工作機械一式を百八十七万円で買っている。このときに当時の小林教授は、明機産業から購入して実は五万円もらっている。言ってみれば詐欺行為だ。そういう行為をしてやっているのであります。これはあと資料要求をいたしますが、そのときにこの領収証を発行して、その後あとでうまくないということで現金を返した。その領収証は全然金額が書いてありませんけれども、これはいまの棚沢工学部長が保管している。あとでこれは証拠書類として提示を求めたいと思う。こういう問題が一つ。  それから微量直示天秤一点というやつは七十五万円、これは追加予算の中に振りかえになっておる、実際は。ですから運営維持費中項目が上がってくること自体が私はおかしいと思う。ですからこういう問題について非常に内容が、いまあげてきた運営維持費等の使用調べについては、きわめて偽造的なものが多いんです。こういう問題についてぜひひとつ回答願いたいのですが、時間もありませんから、これはひとつ記録にとどめておいていただいて、あと調査をしてもらいたい。それから四十年度の臨界未満実験装置据付調整費三百三十六万二千円、これは運営維持費ではないのですから、これもこの中に実は入っている、これはおかしいと思う。というのは少なくとも当時装置設置に伴って、運搬据えつけ調整費というのは別途予算要求として出しているわけですね。これはこまかく住友会社との工事契約の際に出しているわけであります。先ほど会計課長は、その契約の内容というものは、そういう運搬調整費も含まれる、運営維持費にはどこからいっても私は食込んでくる性格のものじゃないと思う。少なくとも一億一千五百万と、運搬調整据えつけ費、こういうものは別途工事契約の中で明らかに別の書類でもって契約がとり行なわれているわけなんです。そういう点についても私は非常に疑問に思うので、したがって、この四十年度が消耗品費等六万二千円、きわめて低かったというのは、こういった臨界未満実験装置の据えつけ調整費等を無理にここに入れてきているのです。結局そういう結果にならざるを得ないのだ。ですから、三十九年、四十年度と見まして、四十年がきわめてずさんな経理というのは、そういうところに端があるのだろうと思うのです。こういう問題についても十分ひとつお調べ願って、きょうは時間がありませんから、四十一年度分には触れませんけれども、運営維持費等については最後にもう一回問題にしまして、こまかく私は追及をしてまいりたいと考える。  そこで最後に、時間がありませんから、資料をぜひひとつ御提示願いたいと思うのです、次回までに。資料要求をいたしますが、一つは運営維持費の三十九年、四十年、四十一年、各年度別の実際使用した明細書、現地帳簿であります。これをぜひひとつお出し願いたい。  それから消耗品費の内訳明細、それはやはり現地帳簿があるはずです。  次は、万能工作機購入にあたって小林教授が明機産業から五万円詐欺行為をやったというのは、さっき私がお話ししました領収書があるはずだ。その領収書をひとつ証拠物件として出してもらいたい。  もう一つは、この装置実行にあたりまして、旅費その他でもって経費がかかったというので、住友会社に対しまして五十万の請求をやった。しかし、これは重役会議でもって拒否をされました。そういう一こまがあるのでありまして、その実情報告、これをひとつ出してください。  それから次に、臨界未満実験装置据付調整費、これの現地帳簿をひとつ御返事願いたい。  それから次に、住友商事株式会社提示の三十七年度、三十八年度の製造内訳書があるはずでありますから、これを住友会社の名入りの現地調製調書、これをひとつ出していただきたい。  それから次に、東北大学工学部の臨界未満実験装置仕様書一式、これは六業者が入札をいたしておるわけでありますが、その業者提出の全部、各社のやついろいろあります。それを全部提示をしていただきたい。  次に東北大学の原子核工学科作成の運搬据えつけ調整仕様書一式、これをお出し願いたい。  それから次に、製造請負契約書一式、三十七年度、三十八年度ございますが、それを全部出していただきたい。  それから次に、東北大学工学部長、棚沢工学部長から会計検査院文部検査官副長勝幸平殿あてに臨界未満実験装置に対する回答書というものがあります。同じように説明書というものがある。この書類を二通御提示願いたい。  それから次に、請負業者の選定理由書、随意契約の理由書、これを出していただきたい。  次に、住友原子力工業株式会社提出のボイド発生装置試験報告書一切、これを御提示願いたい。  次に、東北大学工学部の三十六年、三十七年、三十八年の予算要求書と概算要求付属参考書、これを御提示願いたい。  次に、三十九年度工作機械費の購入選定理由書、これを御提示願いたい。  次に、臨界未満実験装置据付調整費三百三十六万二千円の内訳書を御提示願いたい。  次に、ボイド装置十万以上の一欄表を御提示願いたい。  さらに、追加品目で二千万円近くのいろいろな機械工具等購入をしておるのでありますが、それらの工作機械一切、その内訳、こういうものを御提示願いたい。  以上の資料要求をきょうはいたしまして、いずれ機会をみまして、それらの問題について逐次検討してまいりたいと思いますが、こういったことに対して文部大臣、この資料要求についてはどういう今後の態度と言いますか、そういう問題についてお聞かせを願いたい。
  105. 剱木亨弘

    ○国務大臣(剱木亨弘君) この大学の経理一般につきましては、文部省といたしましては、第一義的には大学の責任においてまかしておるわけでございます。その経理の状況について、文部省としてはできるだけの調査をいたしますが、もし、会計上不当行為があれば、これはやはり会計検査院の調査の対象になるべき筋でございます。また会計検査院からの不当行為に対しまして、もし不当な個所がございまして、これが経理上不当がございますれば、これは当然に決算委員会においていろいろ議論さるべき問題ではないか、できましたらひとつ、文教委員会におきまして、大学の経理その他につきまする決算上の問題につきましては、一応ひとつ文部省としましては、会計検査院の検査を受けまして、その結果を待って処理をいたしたいと思う。文部省自身はできるだけの調査をいたしますけれども、できましたら、事の性質上私ども今日、先ほど申し上げましたように、いままで文部省が調べました点におきまして、経理上の不正行為はないと承知いたしておりますが、しかし、まだ会計検査院の調査もこれから受ける問題もあると思います。十分検査を受けまして、いま申されましたような資料等の提出は、もし提出をお許し願えましたならば、私としては非常に幸せだと思います。ただいま申されました中で、非常に広範なものでございますから、もちろん文部省としては提出する努力をいたしますが、ある程度の時間をかしていただかねばならぬと思います。まあしかし筋としましては、私どもまあ実は戸田委員がどういう経路からそういうお調べをいただいたか、私自身非常にふしぎに思いますのは、大学は実はその自主性を非常に尊重します。文部省といえども、そうみだりに会計検査院的な捜査とか、そういうものはやらない。一応大学の経理部長の責任におきまして、報告を待ってその処理をいたしておるわけでございます。でございますから、これは国会の要求がございますので、私ども大学に提出を要求することはできると思いますが、しかし大学自体の中にそういったような資料が、どうしてその経路ですね、その点も私どもとしましてはやはり調べてみたいと考えておるのでございまして、大学の自主性といいながら、大学みずから自主性を守っているかどうか、私ども非常に疑問を持つ点がございますので、そういう点もひとつあわせて調査させていただきたいと思います。とにかく結論としましては、できるだけ資料を集めるようにいたします。
  106. 戸田菊雄

    戸田菊雄君 文部大臣のあれでいいんですけれども、いま文部大臣が言われましたように、私も大学の自治権なり自主性、学者の良識、こういうものは全く守られていかなければならない、この精神については私も人一倍感じている。そのことは文部大臣がいまおっしゃったことと十分同じである。ただ、いろいろ資料が膨大でありますから、文部大臣のお話ですと、時間を少しかしてくれ、こういうことでありますが、おおむね時期的な見通しとしては大臣はどの辺まで考えておられるか、ちょっとその点を。
  107. 剱木亨弘

    ○国務大臣(剱木亨弘君) これは実際やってみませんとわかりませんし、やはり私は前に申し上げましたように、これは筋としましては、会計検査院にまず調査してもらうのが先決じゃないかと思います。これは政府部内のことでございますから、国会が大学の経理の中をいろいろお調べ願うのはけっこうでございますけれども、これはやはり決算の調査ということが主たる国会のあれじゃないかと思います。会計検査院の不当行為という報告もないのに、各大学の経理の非常な細部にわたりまして、全部国会の要望で調査を出せということになりますと、これはたいへんなことになるわけでありますので、やはり会計検査院の意見も一応承りまして、この調査につきましては、そのうちまたお答えをいたしたいと思います。
  108. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 他に御発言がなければ、本件に対する本日の質疑はこの程度にいたします。
  109. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 公立学校学校医学校歯科医及び学校薬剤師公務災害補償に関する法律等の一部を改正する法律案を再び議題といたします。  別に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  110. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  111. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  公立学校学校医学校歯科医及び学校薬剤師公務災害補償に関する法律等の一部を改正する法律案を問題に供します。  本案に賛成の方の挙手を願います。  〔賛成者挙手〕
  112. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  113. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時四分散会