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鶴園哲夫君 時間が非常に少なくなりましてまことに残念なんですけれ
ども、この二つの法案について、このあいだ、私は、午前中一時間四十分くらい、午後一時間四十分くらい
質問したのですけれ
ども、ちょうど
大臣もいらっしゃらないし、政務次官もいらっしゃらなかった。政務次官は大水害のためにいらっしゃらなかった、
大臣は
米価のためにいらっしゃらなかったというわけですね。
承知の上で三時間余やったのですけれ
ども、おいでにならなかった。さらに、この二つの法案が出ておったのですけれ
ども、三十分くらいしか
大臣はこの二つの法案について出ておらなかったわけです。最後にいろいろ伺わなければならぬ点がたくさんあるわけですが、時間がありませんので、それぞれの法案について一つずつお伺いしたいわけであります。
農林省は、今度、
農林水産委員会には九つ法案を出してきておる。水産庁が四つ出してある。その中で、中小漁業振興特別措置法、これも非常に問題がありました。ですから、
大臣の意思をはっきりさせるひまがなくて上がったように私は思います。漁災についても、非常に問題があると思う。ですから、漁災法あるいは漁協合併法につきまして、この法案を出すにあたっての
大臣の
気持ちというものを伺いたいわけです。それからこの二つは非常に大きな問題をはらんでおるから、これからの
行政庁の長としての
考え方を伺いたいのです。時間がありますと詳細に伺いたいのでありますけれ
ども、非常に少ないですから、その二つを伺いたいわけであります。こう言いましても、どうも親切味を欠きますから、中身を若干説明して、
大臣の法案を出した
気持ちと、これからの実施にあたっての
考え方をお尋ねします。
漁災法は、御
承知のように、三十二年から三十九年まで試験的に実施をいたしました。七年間たって三十九年に漁災法ができて、それで二年ばかり実施をして、十年という年月を踏んで、ここで国の保険を行なって、本格的に漁災法が発足をするということになるのでありますけれ
ども、どれをとってみましても問題が多い。たとえて言いますと、いまの
状況というのは、漁済の体をなしていないのですね。お互いに共済で危険を分散するというような体制にほとんどなっていない。たとえば漁獲共済のごときは、共済の
中心である十トン未満の漁船漁家の加入というのはわずかに二%、それで危険を分散するといったって、ぼくは体をなさないと思う。漁具共済にしましても、これまた体をなしていないわけであります。そういう
状況の中で、国が保険をして本格的に共済が発足しようというわけなんであります。さらに、この経緯を見てみますというと、試験期間が七年あったのです。試験的実施期間が七年あったのですが、そうして三十九年の十月から
法律によりまして漁災法を発足するわけでありますけれ
ども、突如として養殖共済が入ったわけでありますね。試験的な共済もやらないで、突如として養殖共済が入ってくるこの経緯がよくわからない。そして、入ったところが、とにかく三十九年の十月に発足すると同時に、非常に殺到している、養殖共済は。非常な勢いで殺到したわけです。三分の一というものが
たちまち入っちゃう。そして、御
承知のとおり、三十九年は平年作といわれたのだが、損害率は百五十何%、百七十何%かな、ごっそり赤字になっちゃうんですね。そして、今度は、漁具共済は、七年という試験期間を経て、さらに二年半という
法律に基づいた漁済をやってきて、十年という年月があるにかかわらず、今回は国の保険からはずしてしまう。どうも納得いかない。どういう
関係でそういうふうになるのか、私には納得がいかない。さらに、この漁済について、どうも奇妙な点が多いですね。ですから、これは、科学的に動いていかなければならぬ行政官庁というものと、漁済は漁済としての動きがある。漁済連というものが動くと思うんですよ、漁協というものも動くでしょうが。その間にあって公正な判断をしていかなければならぬと思うのです。十分公正な判断をしなければならないし、また、積極的な
努力をしなければならぬと思うんだけれ
ども、どうもその点については行政官庁は著しく消極的である。そして、こういう法案が出てきた。ですから、そういう中で加入率も非常に低いですよ。付保率も著しく低い。名義的な加入が非常に多い。こういう判断をいたしますと、漁済の今後の
運営というものは非常に大きな問題があると私は思う。また、この
法律案を出すについても、
大臣はこういった面を判断されて出されたのだと思うんですが、どういうお
考えで出されたのか。非常に困難な漁済の今後の
運営についてどういう
考え方を持っておられるのか、それをまずお伺いをいたします。
次の二番目の問題は、これは整促法によりまして不振漁協というものの解消をはかるということでやってきたわけですね。やってきたわけですが、本年で終わるわけです。ところが、漁協の不振というのは、全体として見ますというと、整促法を実行した前よりも深刻になっているです。四分の一の組合というものが赤字です。そして、漁協の職員ですね、一人もいないという漁協が一割というんです。一人とか二人しかいない漁協というのが三割あるという。だから、四割の漁協は、全然職員がいないか、一人か二人しか職員がいないというのが実情なんです。そして、四分の一の漁協というものが赤字だという。その赤字の
状況というのは、整促法が始まる六年前よりもっと深刻になってきている。そして、漁業者の合併についての賛成というのはわずかに一七%です。これは、水産庁から委嘱されて総理府がやった世論
調査によると、一七%しか賛成者がない。漁連なり県等においては非常に熱心なんですが、漁民の場合においては一七%しか賛成がないという
状況ですね。六〇%以上の賛成をとらなければならぬことになっているわけですが、一七%しか漁民は賛成がない。さらに、今度の漁協の合併につきましては、共同漁業権を基礎にした漁協というものを、
経済中心の漁協に切りかえるという、沿岸漁協の一つの新しいタイプをつくり上げようという大きなねらいを持っているわけなんです。そういう
状況の中で、この合併促進法ができた。四年の期限だというんです。先ほど申し上げたような漁協の
状況の中で四年だというんです。農協の合併促進法は、御
承知のとおりなんです。五年でやった。しかし、足りなくなって、三年延長して八年にいまなっておるのです。四年という短い間でやりたいというその
気持ちは十分わかります。わかりますが、先ほど申し上げたような
状況の中でこれをやるには非常な困難が伴う。しかも、この助成というのは、非常に少ないんです。農協の合併と全く同じ三十万程度です。一漁協で十万円、三つを合わせて一つにすると三十万円。こういう大きな問題にあたってこの法案を出されるのには、相当の決意をして出しておられるに違いない、これからの
運営にあたっても、非常な決意をもってやっておられるに違いないと私は推測するのです。
いま申し上げました二つの問題について、
大臣の
考え方なりをお尋ねします。