○和田鶴一君
委員長から、非常に短い時間の制限の指令が出ましたので、簡単に御
質問いたします。
漁獲金額の算定、ただいま
お話のありました
共済限度額の引き上げ、そういう問題について、この前、中小
漁業振興特別措置法の一般論のところでも、
漁獲高の把握等について、
業種別のパーセンテージを即答できなかったわけですね。あれは、どの先生だったか、櫻井議員の
質問に対して、すぐできなかった。そこで、つかみ方として、現在の経済の
実態の把握に、経済界全般における指数をはじき、それをただ単に
漁業へ持ってきて掛け算するといったようなそういう考え方ではいけないと思います。たとえば年率八・五%魚価が上がっておるというような把握のしかたにおいても、限度額の割合を考える場合でも、最近、沿岸
漁場の荒廃等によって、
漁獲量が非常に減少しておる。そこで、漁民が、鮮度保持とか非常なくふうをして、とれた魚を少しでも高く売れるようにという涙ぐましい努力をしておる。そのことのために協同
組合では冷蔵庫を建てたりいろんなくふうをしているために、魚価が上がるけれ
ども、それなりの投資が別に行なわれておるということを常に念頭においてそういう問題と取り組んでもらいたいと、こう思います。ただ単に通念的な指数を持って掛け算をしてやるということではなしに、そういうふうにお願いしたいと思います。
それから
漁災制度の本格
実施後の
加入、
支払い状況等の議論について、
赤字の問題でいろいろ両先生から
政府に熱心な要望をされたわけでございます。これに対して、当局の
説明としては、
共済基金とか、これはまあ
支払いにことかかないとか、長期的な展望とか、分析の上に立って
方法を将来考える、こういう御
説明で、あるいは理論的にそうかもしれませんけれ
ども、この
漁業災害補償
制度を審議するときに、業者は、
保険事業を即時に同時に実行してもらいたいという強い熱望、運動を続けたわけです。ところが、当時、
政府としては、まだ準備ができておらないというようなこと等もあって、今日に延びた。そこで、一部技術的な問題が含まれるということもよくわかるのですけれ
ども、その間
ノリ等の異常
災害として見られる状態の
実態もあるわけで、ですから、そこに出たそれだけの
共済団体の負担というものについては、やはり
政府としても一半の責任を
感じてもらって、できるだけこの機会に強力なこの
団体に対する
赤字解消の助成措置をとってもらいたい。時間がありませんから、要望いたします。
それから
先ほど鶴園議員からも非常に強い御発言がありましたが、
漁業災害補償というもの、特に
漁獲共済の場合、二十トン未満の最もたくさん入らなければならないものが、二%というような、まことに
共済の体をなさない姿で現在おる。そこで、
保険制度が設けられ、異常の場合のそれに対する安心感といいますか、それが漁民の間にあるし、あるいは
給付内容その他も改善されるから、今後大いに漁民も
加入するだろうということも考えられるのですけれ
ども、私はこれまたいろんな別なことから考えまして、この前、中小
漁業振興措置法の場合の議論の中に、川村先生だったか、
漁獲の
実態を階層別に分けたときに、二十トン未満の沿岸に属するものが九六%あるということで、当
委員会としても
附帯決議として指定の業種をできるだけ早急にふやしなさいというあれをやりましたね。そういう九六%のものが三十何%の
漁獲を得て、それの分配問題等についてもいろいろ議論があったのですけれ
ども、その最も入らなければならないものが二%だということでは、
共済の体をなさない。そういう点から考えまして、技術的にあるいは非常にむずかしい点があろうかと思うのですけれ
ども、まあ簡単にことばを拾っていえば、入らなければ損だ、あるいは、ほっておいても入ってくるというような姿にまで手厚い国の手を伸ばして、さらにもう一歩進めて、二十トン未満の沿岸の
部分だけでも義務
加入といったようなところまで推し広げていくというそういう考え方がかりにあった場合に、いま皆さんが協同
組合の合併を
促進して適正規模の経済行為を行なわせようということを強く考えておられるわけで、まことにけっこうなんですが、その場合、こういうことをこの階層に広く推し広めていくことが、沿岸協同
組合の中心をなす漁民の集まりですから、そうすると、この
制度を
実施するために、
漁獲量の把握ということ、それが今度は共販体制に強く結びついているということ、同時に、これが信用
事業との相互的な関連をもって、協同
組合が自然と強化されていくという方向にも結びついてくるわけですから、私は、何か
一つそういう体をなすべきものであるという
部分でもとらまえて、一日も早くそういう姿に持っていくことなどが
共済事業の基礎を固めるのに一番早い手じゃないか、こういうふうに思うのです。漁船
保険の場合、義務
加入というものが
実施されて、そのときが基礎固めの出発点であります。もちろん、それには、
制度発足以来、まるで簡易
保険の勧誘員のように、
関係者が沿岸をずっと歩いて、毎日のように漁民を相手に説いて回って、そうして、途中、
制度の
改正等が行なわれて今日の
制度を得ておるわけです。これには長い
歴史がありました。そういうようなこと等を考え合わせますと、私はそういうような考え方でこの問題と将来取り組んでやってもらいたいと思いますが、
長官のお考えをお聞きします。