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1967-07-18 第55回国会 参議院 内閣委員会 第28号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年七月十八日(火曜日)    午前十一時三十七分開会     —————————————    委員異動  七月十八日     辞任         補欠選任      高橋雄之助君     宮崎 正雄君      中村 英男君     瀬谷 英行君      北條 雋八君     鬼木 勝利君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         豊田 雅孝君     理 事                 石原幹市郎君                 八田 一朗君                 稲葉 誠一君                 北村  暢君     委 員                 内田 芳郎君                 源田  実君                 柴田  栄君                 玉置 和郎君                 中村喜四郎君                 船田  譲君                 宮崎 正雄君                 山本茂一郎君                 伊藤 顕道君                 瀬谷 英行君                 前川  旦君                 山崎  昇君                 鬼木 勝利君                 多田 省吾君                 中沢伊登子君    国務大臣        大 蔵 大 臣  水田三喜男君        国 務 大 臣  増田甲子七君    政府委員        防衛庁長官官房        長        海原  治君        防衛庁防衛局長  島田  豊君        防衛庁教育局長  中井 亮一君        防衛庁人事局長  宍戸 基男君        防衛庁衛生局長  高部 益男君        防衛庁経理局長  大村 筆雄君        防衛庁装備局長  國井  眞君        防衛庁参事官   鈴木  昇君        防衛施設庁長官  小幡 久男君        防衛施設庁総務        部長       財満  功君        防衛施設庁総務        部会計課長    春日敬太郎君        防衛施設庁施設        部長       鐘江 士郎君        大蔵大臣官房長  亀徳 正之君        大蔵省主計局次        長        武藤謙二郎君        大蔵省関税局長  谷川  宏君        大蔵省国有財産        局長       松永  勇君        大蔵省国際金融        局長事務代理   堀込 聰夫君        国税庁長官    泉 美之松君    事務局側        常任委員会専門        員        伊藤  清君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法  律案内閣提出衆議院送付) ○防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案(内  閣提出、衆議院送付) ○大蔵省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付)     —————————————
  2. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。本日、北條雋八君高橋雄之助君、中村英男君が委員を辞任され、その補欠として鬼木勝利君、宮崎正雄君、瀬谷英行君がそれぞれ選任されました。     —————————————
  3. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案並び防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案の両案を一括議題といたします。  前回に引き続き、両案の質疑を続行いたします。関係当局からの御出席は、増田防衛庁長官その他政府委員の方々であります。  この際、増田防衛庁長官から発言を求められております。これを許します。増田防衛庁長官
  4. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 昨日の稲葉委員に対する御回答中、口の足らない点がございまして、この際、釈明申し上げます。  すなわち政治運動社会運動を起こしているなんということはというふうに速記録が相なっておりまするが、私の真意は、起こし、それが違法な、治安を乱す事態になるなんということは、こういうことでございまするから、ここにつつしんで訂正をいたします。
  5. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) それでは、質疑のある方は順次御発言を願います。
  6. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 自衛隊員政治に対してどういう態度をとることになっているわけですか。
  7. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 自衛隊隊務に精励するということが本旨でございまして、隊務に一生懸命精励さしているわけでございます。
  8. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 自衛隊法との関係で。
  9. 宍戸基男

    政府委員宍戸基男君) 法律関係で申し上げます。自衛隊法の第六十一条に、「(政治的行為の制限)」という条項がございまして「隊員は、政党又は政令で定める政治的目的のために、寄附金その他の利益を求め、若しくは受領し、又は何らの方法をもってするを問わず、これらの行為に関与し、あるいは選挙権の行使を除くほか、政令で定める政治的行為をしてはならない。」と、これは一般職規定と同様ございますが、そういう法律規定に相なっております。
  10. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 従来この選挙があるときに、自衛隊はですね、どういう態度をとっていたわけですか。もちろん自衛隊としては、特段の行為をとったことはないというふうになるかもわかりませんけれどもね、私のお聞きしておるのは、何かこの「国と防衛」という小冊子自衛隊にありますか。その雑誌を、まあパンフレットというか、それを選挙のときに隊員に配ったことがあるんですか。
  11. 宍戸基男

    政府委員宍戸基男君) いまお示しのパンフレットは、私そういう雑誌を、パンフレットを配ったという事実は聞いておりません。
  12. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 「国と防衛」という小冊子はあることはあるの。つくったことはあるの。
  13. 海原治

    政府委員海原治君) 私の承知しておる限りでは、そういうものはございません。私は官房広報関係任務といたしておりますので、自衛隊関係雑誌は全部見ておりますが、そういう名前のものはございません。
  14. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 それでは、自衛隊では日本外交防衛方針なり安全のことに関連して、あれですか、どういうことを教えているんですか。自衛隊幹部学校だとか、あるいは自衛隊隊員に対して、日本の安全の問題とか、外交の問題とか、こういうことについていろいろ教えているわけでしょう。どこでどういうことを教えているんですか。
  15. 中井亮一

    政府委員中井亮一君) お答えいたします。  自衛隊教育をする場合に、御承知のように、自衛隊は国を防衛する任務を主任務としておりますので、それに必要な教育をしているわけでございますが、この憲法のもとにおける民主主義を擁護するという立場で、政治的には中立で、軍事に対する政治の優位というような原則を教えるようにしておりまして、その方針に従って国の国防基本方針、あるいは現在の国の内外情勢というようなものの説明をすることをやっております。
  16. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 そんな抽象的な話じゃなくて、具体的に日本のたとえば外交防衛、安全ということに対してどういうことを教えているの。その教科書があるでしょう。その教科書を持ってきてくれませんか。出してください。
  17. 中井亮一

    政府委員中井亮一君) 教科書はございません。
  18. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 まあ教科書ということばが悪かったかもしれないんですが、じゃあ幹部学校なり何なりで教えているときに使う、まあ教科書とまではいかないけれども、一つ資料があるんじゃないですか。幹部訓育資料というものがあるでしょう、これ。教科書も何もなしで教えているわけないですよね。何かのよりどころがなくちゃ教えられないので、何かあるでしょう、それ。そういう答えをしていると、だんだんあとで違ったふうなことになってきたときに、あなたのほうで、もうあれだよ、責任とらざるを得ないようになってきますよ。そのときになっても知らないですよ、ぼくのほうでは。
  19. 中井亮一

    政府委員中井亮一君) 各学校、たとえば幹部学校等で、その担当しております教官が教えるのに必要なものとしての教範というようなものを考えていることは考えて、そういうものを話していることは事実でございます。
  20. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 まあそれが教科書か何かは別として、そういうものがあったら出してくださいよ。非常に問題含んでいるものが多いですよ、それ。だから、あったら出してください。
  21. 中井亮一

    政府委員中井亮一君) 各教官個人個人でつくっておりますので、お出しするわけにはまいらないと思います。
  22. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 各教官個人個人であれですか、みんな自分の好みに従ってつくっているの。そんなばかな話ないでしょう。そんなことで教育なんかできっこないでしょう。そんなことはないですよ。基本的なものがあるでしょうが、ほんとうに。これなくちゃ教育できないでしょうが。各人ばらばらにかってなことやっているのですか。そんなことないですよ。幹部訓育資料というのがあるじゃないですか。思想判断基準ということで書いたものがあるでしょうが、これ。
  23. 中井亮一

    政府委員中井亮一君) 仰せの点が教範に関するものでございましたら、教範というのは非常にたくさんいろいろな形で出ております。
  24. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 いろいろな形で出ているのなら、いろいろな形のもの全部出してごらんなさい。いまあなたあることを認めたんだから、全部出してごらんなさい。それから質問するから。内容が問題なんですよ。
  25. 中井亮一

    政府委員中井亮一君) 稲葉先生の御指摘のものが何であるか、ちょっとよくわからないのです。たくさんある、たとえば小銃扱い方というようなものから、とにかくたくさんございますから、何百とあると思いますから、どれを言っておられるのか教えていただきたいと思います。
  26. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 だれが小銃扱い方聞いているのですか。そんなこと質問してないでしょうが。質問の趣旨は、日本外交防衛、安全の問題に関連をして、そういうものがあるだろうといって聞いているのですよ。それは基本問題でしょう。そんなあなた、あれでしょう、ないわけないですよ。それが一つと、自衛隊員はどういう思想、信条を持つべきかと、こういうことを含めた資料あるでしょうと、こういうことを聞いているのですよ。それは基本問題だからあるわけですから、小銃扱いとか、そんな技術的なことはどうでもいいですよ——どうでもいいわけじゃないが、それを出してくれなんて、そんな非常識なことは言わないですよ。
  27. 中井亮一

    政府委員中井亮一君) 自衛官心がまえというのが三十六年に出ましたのは、一応、精神教育をする場合の中心として基準になるものとして各部隊に出ております。そのことを言っておられるのでしたらお出しをいたします。
  28. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 自衛官心がまえというのは公式的なものでしょう、ぼくはまだ見ていないからわからぬけれども。それを出してもらうのもいいんですが、そのほかにあるでしょう。幹部訓育資料というのがあるのじゃないですか。思想判断基準ということで自衛隊幹部はどういう思想を持っていなければならないかということを書いたものがあるでしょう。それだけじゃなくて、いまの自衛官心がまえ以外のものもあるでしょう。日本の、いいですか、外交防衛、安全の問題、それから自衛官思想的な問題に関連してのものがあるでしょう。それをどういうものがあるか出してください。自衛官心がまえというものは前のものです。それ以後に出たものがありますね。
  29. 中井亮一

    政府委員中井亮一君) ただいま稲葉先生言われました、あとで出したものがあるでしょうという点でございますが、自衛官心がまえを細説をしたもの、私の手元でいま現在作成中でございますが、まだでき上がっていないのが、私自身残念なんでございますけれども、精神教育指導書という仮の名前をつけて、現在、使命教育編部分について検討をしております。
  30. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 じゃ、もうさっき言った自衛隊幹部学校なり隊員に対していろいろな教官のテキストがあると言いましたね、これはあることはあるでしょう。それは防衛庁のほうで統括しているわけでしょう。各人、気ままのことを言っているわけではないでしょう。たとえば日本外交防衛方針で、あなたのほうから言わせれば、安保条約がけしからぬとか、安保条約に対して害があるとかないとか。まあきのうの答えにもあったけれども、そんなことはあなたのほうで出していないのでしょうね。それは非常に問題点があるのがあるからぼくは聞くのですよ。何か選挙のときにそういうものに近いものを配ったという説もある。これは前に横路さんが質問したことがありますよ、このことに関連して。横路さんなくなってしまったので連絡とれないけれども、申しわけないと思う。だから、いま言った自衛隊幹部に対する訓育資料というものがありますね、幹部訓育資料というものがあることはあるでしょう、いろんなものがあるでしょう。それはどうですか。幹部訓育する資料があるわけでしょう、なくて訓育するわけはない、その訓育資料があることは事実でしよう。
  31. 中井亮一

    政府委員中井亮一君) 訓育参考資料というものはございます。
  32. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 だから、それを出してごらんなさいと言っているのです。初めのほうからだんだん聞いていくとちょびりちょびりと出てくるのですね。だから、あるのだから出してごらんなさいと言っているのですよ。出してもらったって、これをぼくは悪用するわけでもないし、変なことするつもりはありませんよ。ただその中に問題点が相当ある。ということは、なぜかと言えば、自衛隊のいまの教育が私に言わせれば片寄った教育がその中に行なわれているということですね。それが結果としてどういう問題を惹起するかということを私どもは考えなければならぬ。そういうことからこういう質問をしているわけです。幹部訓育資料があるというのだから、あなたあると言ったんだから出してくださいよ。
  33. 中井亮一

    政府委員中井亮一君) 先ほどお話にありましたように、片寄らないようにいろいろな方の書かれた本を参考にして、参考書の類を編集をしているということでございます。できる限り広い範囲で集めるようにしております。
  34. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 できる限り広い範囲で集めるようにしてどうするのですか。きょうの委員会出してくださいね。どうせ午後休憩になるから出してください。どうしますか、答えてください。
  35. 中井亮一

    政府委員中井亮一君) たくさんございますので、何か特に御指定があれば、あれでございますけれども、何を言っておられるのかちょっとよくわからないものですから教えていただきたいと思います。
  36. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 何を言っているかわからないって、もうさっきから質問しているのでわかっているでしょうが。あなた小銃のことだと言うから、だれがそんなことを聞いていると言っているので、日本の安全だとか、防衛だとか、外交の問題、それに関連をし、ことに自衛隊員思想の問題、そういうことに関連をしての訓育資料があるでしょうと言っているのです。あんた、そういうものは広い範囲にわたってあると言っているのだから、それをともかく、それじゃぼくのところへ全部持っていらっしゃいよ。ぼくのところで選んであげる。そういうことをしますか、しないかと聞いている。ぐあいの悪いことあるのかな。ぐあいの悪いことないでしょうが。
  37. 中井亮一

    政府委員中井亮一君) もう一度お尋ねしますけれども、どこの学校の本でございますか。
  38. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 どこの学校でもいいよ。自衛隊関係している学校でいいのですよ。そんなのはわかるのだから、子供じゃないのだから。あなたのほうでやけに範囲を限定するような形で、それで、まあできるだけ出すのはよそう、何とか適当にごまかして出さないで済むようにしようという、あなたの苦悩の色はわかるけれども、だけど、とにかく持っていらっしゃい。そんな、別に悪いことしないから。(「稲葉先生、教えてやってください」と呼ぶ者あり)前から言っているでしょう。何回も同じことを言っているのですから、こっちも口がすっぱくなっちまう。幹部訓育資料というのがあるのかと言ったら、ありますと言うから、あるのならば、それならば持っていらっしゃいと言っているのだ。きわめて技術的なことじゃないですと言っているのです。
  39. 中井亮一

    政府委員中井亮一君) 横路議員が御質問をされたことのある教科書といいますか、資料としてをしたことでございますけれども、横須賀の第二術科学校である教授がつくったそういうものはあるということでございます。
  40. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 いや、それだけに限定しないと言っているのじゃないですか。その種本がぼくのところに、同じ種本を持っているようだけれども、そういうのじゃないですよ。だから、その教官だけじゃなくて、ほかの学校でも教官がやっているのでしょう、同じようなことを。そういうものをまず一覧表をつくって持っていらっしゃいよ。問題があるのですよ、それは。だから、横須賀の何とか学校だけでなくて、ほかにもあるのだから、あるものを持っていらっしゃいと言うのですよ。(「お昼の休憩に何か適当なのを持っていってやったらどうですか」と呼ぶ者あり)
  41. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 正式に発言してください。
  42. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 不規則発言には答えられません。——とにかくあなたははっきりしないね。持ってくるのでしょう、それは。だから、そういう資料も一ぱいあるのでしょう。あなた、一ぱいあると言うのだから、一ぱいあるのならば、あるだけ持っていらっしゃいと言うのですよ、ぼくのところへ。それから質問すると言うのですよ。
  43. 中井亮一

    政府委員中井亮一君) 幹部教育用資料としてあるものを調べまして御連絡したいと思います。
  44. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 そこまで言うのに、こんなに時間がかかってしょうがないでしょう。こんなのは一言で済むことです。  それはそれとして、いただいてからまたあれしますが、そこで、三次防に対するいろいろな問題がいまあるわけですね。この三次防というのは、一次防、二次防とどう違うかという質問じゃなくて、これは兵器とか軍備調達計画なんでしょう。そこはどうですか、三次防というのは兵器とか軍備調達計画なんでしょう、違いますか。私はだれと特定しませんから、だれでも自由に答えてください。
  45. 島田豊

    政府委員島田豊君) 三次防は防衛力整備に関する計画でございまして、ただ単に物の調達計画だけではございません。その中には人事の諸計画も入っておりますし、訓練計画も入っておりますし、通信機能を高めるということも入っておりますし、部隊編成事項等も入っておりますし、そういういろいろなものの人的、物的の防衛力というものを逐次整備していくというのが防衛力整備計画内容でございます。
  46. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 そうすると、何か人事計画だとか、何とか計画というのは一ぱいあると言いましたね。どの部分人事計画でどの部分は何とか計画で、早くてわからなかったのですけれども、ちょっと説明してくれませんか。
  47. 島田豊

    政府委員島田豊君) これは昨年の十一月の二十九日、国防会議決定並びに閣議決定になりました三次防の大綱でございますが、この中で、「内外情勢、国力の伸長、国際的地位向上等を勘案しつつ、陸・海・空自衛隊内容の充実、強化を図るとともに、自衛隊員士気を高揚し、精強な部隊の建設に努める。」、そのための留意事項として、ここにいろいろ書いてございますけれども、その中に、「所要の隊員を確保し、士気の高揚および練度向上を図るため、処遇改善等人事施策を推進するとともに、教育訓練体制を充実する。」、あるいは、「防衛力国民的基盤に立脚したものとするため、広報活動民生協力施策等を強力する。」、こういうものを含んでいるわけでございまして、ただ、主要整備目標ということになりますと、これはいろいろな部隊をつくる、それに必要な装備整備する、あるいはそれに必要な人員を確保する、こういうものが入ってくるわけでございまして、単なる物の調達計画というようなものではございません。
  48. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 ここにはもとの将軍の方がいらっしゃるから、そういう方のほうが詳しいかもわかりませんけれども、旧軍隊というか、戦争前の軍隊、あれはどうだったの。どういうような計画があったのですか。
  49. 島田豊

    政府委員島田豊君) 旧軍隊整備計画についてはよく存じておりません。
  50. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 あなたのほうで、なぜぼくが聞くかというと、関係なく聞いているわけではないのですけれども、どういう点が関係をしておるかという点は、前もって言っちゃうと——言っちゃってもいいですけれどもね、明治四十二年以降、帝国国防方針というものがあったわけですね。それに基づいてこういう計画、こういう計画、こういう計画というものはあるわけですね。装備計画というものが一番最後に出てくるのですよ。そんなことはわかっておるのじゃないですか、あなたのほうで。
  51. 島田豊

    政府委員島田豊君) 旧軍隊時代のことは私承知しておりません。
  52. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 じゃ、あなたのほうでそれを研究しておるでしょう、どこかで。防衛庁関係ないのか。そんなことは研究してないわけないでしょう。それは昔の陸軍、海軍、空軍と防衛庁とは違うのは違いますけれども、関係ないわけはないですよ。全然無関心なの。全然無関心なら無関心でいいですよ、また次の質問が出てくるから。どうなの、それ。
  53. 島田豊

    政府委員島田豊君) 防衛研修所戦史室というものがございまして、そこでわが国戦史並びに諸外国の戦史について研究してございますので、そこでは旧軍のいろいろな歴史の問題につきましては研究をいたしております。
  54. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 国防方針というものがあるわけですね。これは防衛庁の場合にもあるわけですね。それに基づいて兵力計画というものがあるのですか。それから具体的な用兵計画、それから年度別作戦計画、それから年度別装備計画、こういうふうなものがずっとあったのじゃないですか。常識的にちょっとそういうふうに考えられますね。ぼくは軍隊へ行ったことがないから、詳しいことはわかりませんが、そういうふうなものがあって、最後装備計画というものが出てくるわけなんで、それから三次防というものだって正式の名前防衛力整備計画なんだから、整備というのは装備整備するということになりますね。その前の兵力計画というか、用兵計画というか、作戦計画とか、そういうふうなものはいまの防衛庁の中にもあることはあるでしょう。それと近いものか何かしらぬけれども、名前は違うかもわかりませんけれども、いろいろなものがあるわけでありますね。何か統合作戦計画とかいろいろなものがありますね。それはどういう計画があるのですか。
  55. 島田豊

    政府委員島田豊君) 防衛力はある程度長期的な観点に立ちまして計画的に整備していく必要がある。一朝にして防衛力整備されるものではございませんので、そういう意味で、わが国におきまして今日こういう五カ年の長期計画を作成いたしておるわけでございます。その大綱なり、あるいは主要項目というようなものによりまして、防衛庁には現在、業務計画の制度がございまして、この業務計画と申しますのは、陸海空の自衛隊が、ある当該年度におきましてどういうふうな事業の目標を立て、それをどういうふうな要領で実施していくかという非常に詳細にわたっての計画でございます。この業務計画は、二次防の場合もそうでございますけれども、この五カ年の長期計画もとにいたしまして、毎年毎年の業務計画を作成する。それはもちろんそれには予算裏づけを必要といたします。予算裏づけの十分ついた業務計画ということでございます。これは各自衛隊がそれに基づきまして装備整備をいたす、あるいは人事計画を立てる、あるいは教育訓練計画を立てる、あるいは通信施設、そういう各種の計画を立てて、それが当該年度におきますところの各自衛隊目標でございます。それについてのどういうふうな要領で実施していくかということをきめたものが業務計画でございます。そこで、先ほど先生から御質問の、毎年毎年のいわゆる防衛計画、これは防衛庁設置法にも書いてございますけれども、防衛計画というものは、これはその時点におきますところの自衛隊の力、これをもとにいたしまして、その力でいろいろな当該年度におきますところの予想し得べき状況というものを一応設定いたしまして、そうしてそれに対するいわゆる用兵をどういうふうにやっていくかという準拠を定めたものが防衛計画、こういうことになっているわけでございまして、具体的に各自衛隊が年々業務をやっていきますその根拠になりますものがいわゆる業務計画、その力をもとにいたしまして、もし、たとえば来年なら来年に事がありました場合に、どういうふうに用兵をしてこれに対処するかというようなことについての準拠を定めたものが防衛計画、こういう形になっているわけでございます。
  56. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 そうすると、この中で、いまあなたのおっしゃった中で、防衛庁長官のおっしゃった中で、そうするとどうなのかな、軍事機密ということばはちょっとあれですが、軍事機密に属するものはどんなのですか、属さないのはどういう点が属さないのですか。
  57. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) いま防衛局長の申し上げたうちで、国防会議にかける防衛計画は大綱でございます。その細微にわたるものは機密でございまして、もちろんかけてはおりまするが、通常作戦計画と言っておりまするが、これは機密でございます。
  58. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 そうすると、業務計画というものはこれはあれですか、資料として国会へ提出しているのですか、あるいは要求があれば提出できるものなのか。
  59. 島田豊

    政府委員島田豊君) 業務計画の概要につきましてはこれは毎年度公表いたしております。ただ、非常に詳細なものにつきましてはもちろん出しておりませんが、概要については出しております。
  60. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 そうすると、三次防というものはいま言った防衛計画防衛計画の中に用兵と作戦が含まれるようですね、ちょっとお話を聞いておりますと。そういうものと関連があるわけでしょう、それはどうなんです、関連がないわけではないですね。
  61. 島田豊

    政府委員島田豊君) 先ほど申しましたように、業務計画は毎年毎年各自衛隊が自衛力を整備していくことに非常に関係がございます。そこで国防計画、いわゆる作戦計画と申しますか、用兵の準拠になります計画は、これがその年度その年度におきますところの現在の自衛力というもので何ができるか、それによっていかに用兵をしていくかということを計画いたすものでございまして、もちろん現在の力というものが足りないということでありますれば、それは業務計画におきましてそれを逐次整備をしていく、こういう関係になるわけでございます。
  62. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 何だか答えはわかりにくいですけれども、こういうふうにお聞きしていいわけですか。業務計画というものがあって、それから防衛計画というものが関連をして出てくる、これは防衛計画の中に予想し得べき用兵計画なり、毎年度の作戦計画というものがあるということですね。それから防衛力整備計画、第三次のこの計画というものは業務計画と結びついているというか、その業務計画の一部をなしているのだと、こういうのですか、どうもそこら辺のところが私は業務計画防衛計画とこの三次防の整備計画というものの関連が何かよくわからないのです。ちょっとわかりやすく説明してください、ぼくらしろうとなんだから。
  63. 島田豊

    政府委員島田豊君) 業務計画から申し上げますと、業務計画は毎年度毎年度の計画でございます。要するに、普通は前年度に計画を立てまして翌年四月から一カ年間どういうふうに各自衛隊目標を定めまして仕事をしていくかということをきめているのが業務計画でございます。ただ、その業務計画の中には、先ほど申しましたように人事計画もございまするし、募集計画教育訓練計画、いろいろなものがございますが、その中に、たとえば艦艇を何隻調達をする、あるいはその年度にどれだけ取得をする、航空機をどれだけ調達をし取得をするのだというふうな装備的な計画もございます。このもとになりますのはいわゆる三次防計画でございます。三次防に準拠いたしまして、と申しますか、三次防の内容を年度の計画に盛ってくるというのが業務計画ということでございます。それから、防衛計画と申しますのは、これはいわゆる作戦の場合の準拠ということでございまして、これは先ほど申しましたように、整備せられました防衛力、現在の力というものを前提にいたしまして、もとにいたしまして、そこで用兵をどういうふうにやっていくか、現在の十三個師団体制というものはこういう状況であるということで、それをもとにしてどういうふうに用兵をやっていくか、艦艇が十何万トン組んである、それをもとにしてどういうふうに用兵をしていくかということがいわゆる防衛計画ということでございまして、業務計画防衛計画は直接関係ないと申しますか、そういう関係にあるわけでございます。
  64. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 そうすると、日本とアメリカと安保条約を結んでいるわけですね。まあ、いろいろな関係があるわけでしょう、いわゆる限定的な抑止戦争というか、地域の。三次防をもって一つの目的というか、そういう場合でも安保条約の五条によってアメリカ軍の支援を仰ぐということですね、お話によりますと。そうなれば、当然アメリカとの間に、日米の間で作戦計画の打ち合わせといいますか、何といいますか、そういうふうなものがなければならぬですね、それはそういうわけでしょう、そういう点はどういうふうになっているのですか。
  65. 島田豊

    政府委員島田豊君) 三次防と申しますか、長期的な防衛力整備計画を立てます場合及び年度の業務計画を立てます場合、さらにまた年度の防衛計画を立てます場合、これはそれぞれその根底にありますのは日米安保体制を前提にしておるわけごでざいまして、わが国独自であらゆる事態に対処するということでなくて、非常に規模が大きくなりまして、わが国の力としてはとても対処できないという場合には両者が共同で対処する、こういうことで、ございますが、したがいまして、当然、平素から日米間におきまして作戦計画的なものがあるのではないか、あるいはどういう段階になったらアメリカが援助してくれるというふうなことについての具体的な打ち合わせがあるのではないかというふうな御質問がよく出るわけでございますけれども、これはいつもお答え申し上げておりますように、日米間のそれぞれの幕僚間におきましては、それはいろいろな意見の交換をやりますし、意思の疎通をはかっておるわけでございます。しかしながら、それだからといって、単にそれが両者間の作戦計画というふうなものではないわけでございまして、ただ、まあ情報交換、したがって、お互いにはある程度の相互理解というものがあるわけでございます。しかしながら、具体的なこういう事態に対してはこういうふうな、たとえば作戦分担をするとか、この時点から米軍に出てもらうとか、そういうふうな、要するに打ち合わせ、申し合わせ、協議というふうなものは現実にはないというのが実情でございます。
  66. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 それは防衛庁としては、防衛庁長官、私はいろいろ言いにくい点があるし、日本だけの問題ではありませんからね、外国に関することになってくるし、いろいろ言いにくい点が確かにあると思うのです。それは私も理解しないわけじゃないのですが、だれが考えても、いま言ったように年度で、日本日本作戦計画を立てるというのでしょう、それで、その自衛隊の主たる任務が限定的な地域的な一つの戦争というか、何というか、侵略に対処するということなんでしょう。その場合に自衛隊だけでやるというならいいけれども、そうじゃなくて、安保条約五条でアメリカ軍と協力というか何というか、支援を仰ぐということなんでしょう。そうすれば、作戦計画というものが年度の具体的なものが入ってくるのだから、それが日本だけで立てられる筋合いのものではないじゃないか、そんなことはあたりまえですよ。そんなことはあたりまえなんで、その内容のこまかい点にまでぼくはそれを聞こうという気持ちはありませんよ、そんなもの出せとは言いませんよ。だけれども、あたりまえでしょう、それは。だから日本とアメリカとの間で共同した形というか、いろいろアメリカの意向をくみ入れたというか、そういう形での作戦計画というものは当然あり得るわけでしょう。
  67. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) いま防衛局長のお答えしたとおりでございまして、共同して作戦計画の作成はいたさないということでございます。ただ、情報等は交換いたしておりまするから、その情報交換に基づきまして、こちらも相当頭ができておりますから、そういう意味合いにおきまして、こちらで独自の作戦計画をつくると、こういうことでございます。でございますから、因果関係が全然ゼロというわけではございませんが、共同して作戦計画はつくらない、こういうことでございます。
  68. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 大体お話でわかりました。共同ということばの内容ですがね、そうすると、アメリカが考えておる日本の安全なり、極東の安全の対処のしかた、アメリカの考え方、それらが日本作戦計画の中に参考としてか、何といいますか、相当入ってきざるを得ないわけですね。日米安保体制というものは、日米が一体となって日本防衛なり極東の安全に、何というか、するわけですからね。そういうことは言えるわけでしょう。作戦計画を練るときにアメリカのいま言ったようなこと、頭ができているということで、それをしんしゃくというか、参考にするでしょうが、そういうときにアメリカ側の日本防衛なり極東の安全に対するものの考え方、これは相当取り入れられてくるということは、これは否定し得ないところだと、こう思いますね。これはもちろん日本が自主的に判断すべきでありましょうけれども、こういう考え方が入ってくるということは、ある程度やむを得ないということになるわけですか。
  69. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 一般的なお答えをいたしておきます。安保条約第五条に基づきまして、日本の施政権下における日米双方に対する武力行使が行なわれた場合には、日米がそれぞれの憲法、法律の条章に従って防衛の措置をとる、これはいわゆる共同防衛でございます。そうして共同防衛の対象は日本でございます。第六条は、極東の平和と安全を守るために日本の基地と施設とを提供するといいますか、使用するといいますか、そういう規定がございます。そこで、ある意味の協力はいたしております。極東全般に対するアメリカの一つ防衛上の計画と申しますか、そういうものを組み入れた計画ではないのでございまして、あくまでも第五条で、日本が侵略を受けた場合に日米が共同して対処するという意味における米軍が日本と事実上協力いたしますから、いわゆる共同防衛と言っていますが、共同防衛という字は出てきません。第五条にはそういう字はないのでありましていわゆる共同防衛でございます。いわゆる共同防衛の場合には米軍の考え方なり実力なりを参考にいたす、こういう範囲で影響があると、こう考えておる次第でございます。
  70. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 そうすると、岸・ハーター書簡というものによって、日本とアメリカとの安保条約の実施機関として一つの協議委員会というものができておりますが、その経過はどうなんですか。そうしてその協議委員会なら協議委員会の権限はどういうふうになっておりますか。
  71. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 一般的なことをお答えいたします。細目は政府委員からお答えいたしますが、また、外務省の関係でもありますので、前提として申し上げます。そこで、日本の、もちろんアメリカの基地におけるということだと思います。日本における重要なる装備が三点ございますが、その他の配置の変更等は事前の協議をするものとする、事前の協議というものは、完全に両者の意思が合致しないと協議にならない、諮問をした、相談をしたから、だからいいと、こういうものではない、われわれが納得をしてイエスと言わなければ——三点ございますが、その三点の装備の変更、配置の変更、もう一つ何でしたか、その変更等は、こちらがイエスと言わなければ事前協議をしたということにはならないわけでございます。
  72. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 それは前から言われていることであって、別に新しいことでも何でもないわけなんです。そのこととあれですか、その機構の下にいろいろな機構がありますね。FTCとか、FTS、あるいはFTGですね、そういうものがあるわけですね。その権構、いま幕僚相互間の打ち合わせの話が出ましたね、それで三つの機関によって行なわれているわけでしょうが、そこのところどうなんですか。
  73. 島田豊

    政府委員島田豊君) これは各幕僚間、つまり統幕もございますし、陸海空もそれぞれございます。そういうそれぞれの段階に応じまして、米軍とのいろいろな情報交換をいたしたわけでございまして、そういうグループと申しますか、それにそういう名称をつけることがございます。これは普通の正式のものというわけではございません。
  74. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 そういう名称をつけることがありますというのではなくて、名称をつけているのでしょう。そんな答えをしているから、一生懸命あなたのほうで隠そう隠そうとしているから、かえって話がこじれてしまうのです。何でもないのですよ、割り切っているのですから。それに従ってその中でどういうことが論議されているかというところまでこれは聞きませんよ。それは何と言いますか、あなたのほうの立場もあるし、これはいろいろとあれでしょうからね。聞かぬけれども、そういうものがあることは事実じゃないですか。これはもう少しはっきり答えなさいよ。
  75. 海原治

    政府委員海原治君) このことは過去におきまして、すなわち三矢事件の御審議もございましたときに、私から説明してございましたので、私から便宜お答えいたします。日米間の連絡につきましては、幕僚同士の間でたえず意思の疎通をしていることは、これは申し上げたのでありますが、その幕僚間のいろいろ打ち合わせをします場合も、便宜集まりますグルーブにつきましてプランニング・フリートーキング・サブコミッティ、日本語に直しますと、企画委員会ということばを当時申しましたが、そういう委員会、小委員会という名前を便宜つけておるということでございまして、これは当時御説明したところでございます。
  76. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 その当時の御説明ではこれは三つあるのでしょう。三つあるその機構はどういうものですか。一つ一つもう少し説明してください。
  77. 海原治

    政府委員海原治君) これは私どものほうでは統合幕僚会議事務局がございます。それに相応します向こうの在日米軍司令部、私どもの陸海空幕僚幹部と向こうのほうの陸海軍司令部、こういうことであります。当時は略語につきましての御質問がございまして、そういう名前をつけましたのが三つしかないとは申し上げておりません。それにつきましての御質問がございましたので、そのようなものがあるということの御説明をした次第でございます。
  78. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 そうすると、幾つくらいあるのですか、それはいろいろなものがたくさんあるのですか。
  79. 海原治

    政府委員海原治君) 四つ五つのものがあったと記憶しております。
  80. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 それはどういう略語ですか。
  81. 海原治

    政府委員海原治君) たとえば作戦関係であるとか、あるいは広報関係であるとかということに分かれますと、同じ小委員会にも二つあるというようなことになりますと、その程度の数字になるわけでございます。
  82. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 そうすると、あれですか、日本作戦計画の俗にいう根回しというんですか、根回しというものはいまの日米の共同委員会ですか、そこで大体ある程度されるわけなんですか。根回しということの解釈にもよるからあれではありますけれども、そこはどういうことになっているんですか。
  83. 島田豊

    政府委員島田豊君) これ以外もいろいろ情報交換をやっておりますけれども、こういういま三つあるいは五つという、こういう一つのコミッティなりあるいはグループというものが、まあそのうな根回しですか、そういう場でございます。
  84. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 そうすると、その四つか五つか知りませんが、そういうほかに、日米の安保協議委員会の下部機構として軍事専門委員会というふうなものも設置は予定されているの、これは。
  85. 島田豊

    政府委員島田豊君) そういうものはまだできておりません、ございません。
  86. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 確かにまだできてないわけだ、まだできてないんだけれども、そういうような軍事専門委員会というものが設置される方向に向かっているんではないですか。そこはなかなか答えにくいことですね、あなたのほうは。
  87. 島田豊

    政府委員島田豊君) 現在の段階におきましては、まだそういうふうにつくるというふうな空気はございません。
  88. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 だから、現在の段階につくるあれはないというとは、結局あれなんでしょう、一たん事が起こった場合には軍事専門委員会的なものができ上がって、それが非常に大きな権限を持ってくることになるんでしょう。いま言ったように限定地域戦争の場合、自衛隊だけがやるわけじゃないですからね。アメリカも一緒になってやるということになれば、当然その二つのものが合同した形での統合司令部的なものができなければならないわけですね。その統合司令部的なものができる、その前提として軍事専門委員会的なものをつくろう、事実上できているのじゃないかなと思いますがね、これは。いまの場合と実際の事が起きた場合との違いといいますか、だから、何かいわゆる直接侵略なら直接侵略があったときに、そういう場合には当然日米の間で統合司令部みたいなものをつくるわけでしょう、つくらないわけですか、そこはどういうことになっているんですか。あまりぼくもそういう点についてはこまかい点は聞きませんけれどもね。
  89. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) いま安保条約に基づいて日米安全保障協議委員会というものはございます。ときどき会議をいたしております。その下に専門委員会としての軍事委員会をつくってもよろしいことにはなっておりまするけれども、いまだつくる運びになっておりません。現在はございませんし、まだ相当将来にわたってつくる運びにはならないと思うのです。それから有事の際には統制司令部というか統合司令部——いまは、つまり安全保障協議委員会でございますから会議体のものでございます、だれが上、だれが下ということはない。そこで統合司令部のごときものをつくるか、これはつくらないということでずっとやっております。双方が指揮官になって、日本のほうは内閣総理大臣、向こうのほうは大統領、こういうことでやっているわけでございます。
  90. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 実際の問題として、自衛隊の中で一番大きな問題ですね、一番大きな問題であり、これはタブー視されておるところじゃないですか。これは自衛隊の中で、日米が共同作戦をとるときにどちらが指揮権を握るかということが自衛隊の中で一番大きな問題になっているんじゃないですか。そのことで自衛隊が指揮権を握りたい、日本の国土の中においてはということの意見を強く出して、それがいれられなかったためにやめた人もいる。その点は非常に大きな問題になっているんじゃないですか。問題になっているから、だから、そういう点はつくらないつくらないという形でいま言っているのであって、日米どちらが指揮権を握るかということは、現実問題として陸海空、相当問題になっているんじゃないですか。問題になっているけれども、自衛隊としては触れられないということじゃないですか。このことで意見がいれられなくてやめた人がいるじゃないですか、そこはどうなんですか。
  91. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) まず、やめた人のことはよく存じませんから、存じないということがお答えでございます。  それからNATOのごときものは総司令官がございます。日本とアメリカとに事があった場合には、第五条の発動をした場合には、アメリカ側は大統領、それからその下を受けて国防長官が、日本の場合には内閣総理大臣が指揮監督者でございます。その下を受けて防衛長官がやる。そこで私がマクナマラ国防長官の部下になるわけではない、マクナマラが私の部下になるわけでもない。その下にだんだんと機構がございますが、統合幕僚会議議長あるいは幕僚長、向こうのほうにも海軍作戦部長、空軍作戦部長、いろいろございましょうし、すべて並列関係で私はよろしいと思っておりますし、それについて悩んでおったり、憤慨したりしてやめるというようなことは、およそ共同防衛ということばからみましても、統合防衛ではございませんから、考えられないことであるし、プライドの上から申しましても、独立国家としての安全保障ということは、二国間あるいは数国間においてそれぞれやっておりますけれども、NATOのごときものもありますけれども、日米関係はそうではございません。それで痛痒を感じていないのでございます。
  92. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 独立国家のプライドの問題が出てまいりましたけれども、独立国家のものとしてのプライドという立場からいえば、当然日本が、日本の国土の中の問題ですから、日本の主権の範囲内においてのできごとに関連するのですから、日本が指揮権を握るのがあたりまえだという考え方が出てくるのじゃないですか。それは自衛隊の中の相当大きな流れじゃありませんか。そうじゃないですか。並列ということで実際問題としてやっていけるのですか。だから独立国家のプライドからいえば、日本の国家主権の範囲内で起こることなんだから、日本自衛隊防衛庁が全体の責任になるのが当然じゃないかと思いますが、自衛隊の中で、こういうふうな考え方がいろいろ問題になっておりませんか。
  93. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 私はそういう問題があったということを聞いたことがございません。ただ、いつも申し上げておりますとおり、双方、いわゆるということばを使わせてもらいますと、いわゆる司令部はございませんが、打ち合わせは十分いたしておりまするから、調整、打ち合わせ、注文というようなことは相当あると思います。なければ、いわゆる共同防衛はできませんから。
  94. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 そうすると、三次防の中で、これは特徴点というのがいろいろあるのじゃないか、こう思うのですね。ちょっと抽象的になるかもしれぬけれども、三次防の特徴というのはどこにあるわけですか。
  95. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 一次防、二次防、三次防、こういうふうにだんだん変わってきておりまするが、特徴とも申すべきものは、——こまかい点は政府委員に答弁させます。防衛力を漸次整備充実してまいりたい、こういうことでございます。それからごくわかりやすいことばで言いますというと、船、兵器、戦車等がぽんこつになるものが相当ございまするから、ぽんこつを国産をもってかえるというようなことが特徴ではないかと思います。  それから陸上部隊といたしましては三次防中に八千五百人ふやしたい、そうして十八万というのは十四、五年前からの懸案でございますから、十四、五年前からの懸案をぜひとも解決いたしたい。  それから航空といたしましては次期戦闘機という問題がございます。次期戦闘機を要撃力のある優秀なるものを選びたい、しかしながら、これもぽんこつになるものが漸次ふえてまいりまするから、いまは千九十機航空自衛隊の飛行機はございまするが、四十六年末におきましては八百七十機に減少してまいります。しかしながら、要撃力のある戦闘機を選びたいという意味におきまして数が減ったほどは減ってこない、しかし、漸次、国防というものは相対関係でございますから、やはりこれほど数が減っていいかどうかということを私は素朴なるしろうととして心配して聞いたわけでございます。それで、同じく航空自衛隊といたしましてナイキハーキュリーズというものを今度新編いたします。ナイキアジャックスのほかにナイキハーキュリーズを新編いたします。  それから海のほうにおきましては四万八千トン、それから後方支援艦等を加えますというと、五千トン加えますけれども、これがぽんこつが非常に多うございまするから、総トン数においては増減はほとんどございません。現在のトン数と昭和四十六年末とにおきましては増減はございませんが、しかし、これも整備されてまいる。たとえば護衛艦の数にいたしましても、現在約四十隻でございまするが、昭和四十六年末も約四十隻、その間ぽんこつも相当出る、こういうわけでございます。潜水艦等が新しい型のものが少しできてまいる、こういうようなことでございます。  それからなお陸上自衛隊におきましてホークが二大隊——現在二大隊ございまするが、プラス二大隊ということを目標にいたしておるわけでございます。大体のことは、これが第三次防衛力整備計画の中の主要項目として三月十四日に閣議決定を見た内容でございます。
  96. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 こまかい点はまたあと内容に入ったときにもう一ぺんお聞きすることになると思うのですが、何かいま言ったこと間違いあるの。間違いあるなら訂正してください。だいじょうぶですか。——そうすると、あれですね、第三次防衛力整備計画をつくるについて、これはどうなんですか、安保体制のもとにあるのですから、アメリカ側とどの程度の協議というか、あれが進められたわけですか。
  97. 島田豊

    政府委員島田豊君) 三次防を作成するにあたりまして特に米国側と打ち合わせたということはございません。
  98. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 そうすると、いまお聞きしますと、これはあれですか、来年もまた防衛庁の設置法の改正と自衛隊法の改正は出すのですか、そういうふうになるのですか。毎年毎年出すのですか、五年間。どうなんですか。
  99. 島田豊

    政府委員島田豊君) 三次防におきまして陸海空を通じまして毎年逐次人をふやしていきたい。といいますのは、たとえば海上自衛隊でありますと艦艇が新造してまいります。航空自衛隊の場合におきましても航空機の就役がございます。さらにまた、いろんな今後、たとえば先ほど長官の申されましたようなナイキ部隊あるいはホーク部隊、こういうものの新編というようなことに関連いたしまして毎年少しずつ防衛力というものは増加いたします。
  100. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 そうすると、来年もいわゆる防衛二法というのは改正を出さざるを得ないわけですね、たいへん御苦労さまなことだと思うのだけれども。それは来年はどの程度になるか、再来年はどの程度に——陸海空はどの程度になるか、三次防に即応してそれはどういうふうになっていますか、何かもう少し説明してくれませんか。
  101. 島田豊

    政府委員島田豊君) これは先ほど申しましたように、年度年度の業務計画で十分部隊の編成等について審議いたしますので、現在の時点におきまして四十三年度はどうであるか、つまり四十三年度の問題につきましては、いま業務計画を審議中でございます。したがいまして、四十三年度以降につきましては、来年はどのくらいの増員計画になるかということはまだここで申し上げる段階ではございません。
  102. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 だから、全体としての増員計画はいまあるという話じゃなかったですか、数字言われましたね、いま。だから全体としてはどうなんですか。
  103. 島田豊

    政府委員島田豊君) 陸上自衛隊につきましては、十八万というのは、これは昨年の三次防の大綱に際してのものでございます。したがいまして、これは募集状況とにらみ合わせまして、三次防期間中に十八万体制の達成をはかるべく、これから努力いたしたいということでございます。
  104. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 私の聞いているのはそうじゃなくて、十八万を目標にするというのじゃなくて、来年なら来年というか、いま何か五年間ですか、五年間の中で増員を幾らにするという話が出たでしょう、数字が。だから、その増員は陸幾ら、海は幾ら空は幾ら増員したいというふうに考えているのか。その年度のやつは毎年の業務計画で検討しなければならないから、いますぐ出ないというのだから、それはそれでいいですわね。三次防全体としての増員を——欠員の補充じゃないですよ、増員をどういうふうに考えているかということを聞いているわけです。
  105. 島田豊

    政府委員島田豊君) 陸上自衛隊につきましては、先ほど申しましたように十八万まで持っていきたいということでございます。
  106. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 そうじゃないのだよ。だから、十八万はわかったのだよ。じゃ幾らふやすのかと聞いているのだよ。
  107. 島田豊

    政府委員島田豊君) 陸上自衛隊につきましては来年度は、いまのところまだ正確なことはわかりませんが、募集状況等とのにらみ合わせもやらなければいけませんので、来年は増員はおそらく行なわないのではないかというふうに考えております。
  108. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 そんなことを聞いていないよ。
  109. 島田豊

    政府委員島田豊君) それから海空につきましては、一応の計画といたしまして四十三年度は両者合計で千七百名くらい増員をしたいというふうに考えております。  それでよろしゅうございますか。
  110. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 ぼくに聞いたってわからない。一応すわりなさい。  あなたの言うことを聞いているとよくわかりませんね。だから、毎年の業務計画できめるのだから、その内容がきまらないからわからないと言うから、ああそうかと思っていたら、何か海と空は来年幾らふやすのだということを言うし、それから今度は陸のほうは十八万だ十八万だと言うから、じゃ十八万にするためには現在の定員から幾らふやすのかというふうに聞けば、いや欠員があるから補充していくということによって、それで幾らふやすのかはっきりしないというふうにも聞こえるのだしね、何だかよくわからないのですが、ぼくの聞いているのは、とにかく三次防で幾らふやすのかということをいま防衛庁長官言ったのじゃないですか。幾らか数字を言ったから、陸は幾ら、海は幾ら、空は幾ら三次防の五年間でふやすのかと聞いている。毎年の業務計画がきまらないからわからないという話ですね。それでは無理もないから、五年間のトータルでもいいからと言っているわけだ。そんなわからないことを言っているわけではない。
  111. 島田豊

    政府委員島田豊君) 陸上自衛隊は本年千五百人増員をお願いしているわけであります。十七万三千になります。したがって、残り七千というものをお願いいたしたい。十八万であります。海上自衛隊につきましては、約五千五百を三次防にお願いしたい、航空自衛隊については約三千四百程度を増強したい、こういうふうな計画でございます。
  112. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 そういう数字が出てくる根拠はどこにあるかということです。だんだんあなたが答えると、また次から次へと、申しわけないけれども、そういう数字はどこから、どういう根拠で出てくるのですか。
  113. 島田豊

    政府委員島田豊君) これは自衛隊の定員と申しますのは、各自衛隊任務を遂行いたしますが、陸海空それぞれ任務遂行していきます上に必要な部隊の定数というものを積み上げたものでございます。その部隊の定数というものは、それぞれ編成をいたしまして——編成というものは、これを各部隊一つ任務を遂行いたします上に、どれだけの人が必要であるか、どれだけのものが必要であるか、あるいはどういう装備が必要であるか、指揮系統はどういうふうにすべきであるかということを一つ一つこまかに積み上げるわけでございます。一例を申し上げますと、たとえば一個中隊、普通科の中隊を積み上げます場合に、昔で言います一個分隊というものは何名であるか、現在は一個班で十一名でございますが、その中に小銃手は何名であるか、機関銃手が何名であるかというようなことをこまかに専門的に積み上げて、でき上がったのが編成でございまして、その編成をトータルいたしましたのが各自衛隊の定員、こういうことに相なるわけでございます。そこで、どういう部隊がなぜ必要になるかということは、これは個々それぞれの事情があるわけでございまして、たとえば船ができてまいりますれば、それによりまして一つ部隊をつくる、護衛艦ができ、二隻集まれば一つの護衛艦の部隊をつくるとか、三隻になれば護衛艦の部隊をつくるということで、いろいろ部隊を積み上げてつくっていくわけでございまして、そういういろいろな部隊の編成の結果出てまいりました総定員がいわゆる自衛官の定員、こういう形になってあらわれてくるわけでございます。
  114. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 それは抽象論であって、私の聞いているのは、たとえば三次防の中で人員をこれだけふやしたいというのでしょう。あなたはそう言われた。陸上のほうははっきり言われた。あとのほうは約がついている。約がどの程度の上下か、これはどうでもいいけれども、そういう根拠があるわけですよ。いまのあなたの説明は抽象論ですよ。根拠が具体的な資料なり何なりということでもう少し出てくるのじゃないですか。そうでなければ、あんた、わけがわからない。それが一つ、なぜかということ。  それと、今度のこの防衛二法の人員増とがどういう関係になっているかということが二番目の問題として出てくるわけでしょう。それが出てこなければ法案審議には入れないわけですよ。どうも話が抽象論が多いのでまずいですね。ぼくの言ったことがわかりますか、どうですか。防衛庁長官、ぼくの言っていることを聞いていて無理を言っているなと感じますか。そうは感じないでしょう。無理を言っていると思えば、おまえのこういう点は無理だ、こういうふうにおっしゃっていただけば、私たちは考えますよ、反省しますよ。それが出てこないのですよ、話を聞いていると。だから、ぼくは聞いているわけですよ。
  115. 島田豊

    政府委員島田豊君) これは先ほど申しましたように非常にこまかいことになるわけでございまして、しかも、それもここで計画として十分セットしておるというわけでございませんで、これは具体的には毎年毎年の業務計画の審議を通じまして、また予算審議を通じまして、明らかにされてくるところでございまして、五年後までのそういう計画につきまして細部について説明を申し上げることは、どうも適当でないというふうに考えるわけであります。
  116. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 適当でないか、あるかはまあいいですよ。あなたが五年の間にこれだけの人間をふやすということを言われたから、それがわからないというなら話は別ですけれども、五年間にこれだけの人数をふやすのだと言われるから、それではふやすについて根拠があるでしょうと言うのです。ただ、根拠がなくてパッとふやすわけではないと思うのです。それは業務計画がきまっていないからとか、そんなこまかいことがわからぬということはもちろんいいですけれども、大体のことがわかってくるのじゃないか。ただ抽象論ではなくて出てくるはずじゃないですか。
  117. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  118. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 速記をつけて。  それでは午後二時に再開することといたし、暫時休憩いたします。    午後零時五十七分休憩      —————・—————    午後二時三十一分開会
  119. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 委員会を再開いたします。  大蔵省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案は、去る六月十五日、衆議院から送付され付託されました。なお、提案理由の説明はすでに聴取いたしております。  それではこれより本案の質疑に入ります。関係当局からの御出席は、水田大蔵大臣その他政府委員の方々であります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  120. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 先般この法案について大臣から提案理由の説明を承ったわけでありますので、まずこの法案自体の問題について二、三お伺いしたいと思います。  この提案理由の説明によりますと、国際金融局次長の新設、こういうことを考えられておるようですが、そこで、この際にお伺いいたしますが、国際金融局に次長を置くその理由として、最近各種の国際会議の頻度が高まり、また、経済協力の進展に伴なう諸外国との交渉、あるいは国内関係各省との連絡調整等の事務をその理由としてあげられておるわけです。そこで、その実績は一体どの程度なのかということをまずお伺いしたい。たとえば、局長が国際会議とか、あるいは対外交渉のために費やされる回数とか、あるいはその日数とか、こういうことについて具体的にまず御説明いただきたい。そうすることによっていかにその理由がうなずけるかうなずけないかという問題になろうかと思うんです。
  121. 亀徳正之

    政府委員(亀徳正之君) お答え申し上げます。国際金融局長の過去三年の海外出張の回数、日数を申し上げますと、昭和三十九年度は六回、延べ七十六日になっております。昭和四十年度は六回、同じく七十六日でございます。四十一年度はこれがふえまして十回、八十九日となっております。ちなみに四十二年度に入りまして、四、五、六、七と四カ月たっておりますが、ほぼ毎月一回というようなかっこうで、四十二年度に入りましても四回、二十九日ということになっておりまして、年をふるごとにこういう国際会議が多くなっている。また、現に国際金融局長は次官の、大臣が今度お出ましになれなかったので、やむなく次官が参ったわけでありますが、そのお供をして国際金融局長は一ロンドンに行っておるような状況でございます。
  122. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 ただいまの御答弁で、局長の海外出張等の回数、日数がいかに多いかということはよくうなずけるわけです。こういうことではなかなか席のあたたまるひまもなく、いわゆる局務に専念できない、そういうふうに言えるわけです。そこでお伺いするわけですが、この法案では局長の下に次長を置くという考え方ですが、むしろ局長クラスの渉外担当専門職、こういう職を設けて、たとえば国際会議へそういう方を出席させるとか、あるいはまた諸外国との交渉はあげてこの専門職の方にやらせる、そういう考えもあるわけです。こういうことについて大蔵大臣としてはどのようなお考えをもっておられるのか、まずそのことをお伺いしたいと思います。
  123. 亀徳正之

    政府委員(亀徳正之君) 伊藤先生の御見識ある考え方とも思うのでありますが、いまお述べのような制度を考える考え方は、あるいはあると考えます。さしあたりは次長ということで切り抜けていきたいと思います。
  124. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 大臣の見解はどうですかと伺っているわけです。あなたにはまたあとでゆっくりお伺いします。
  125. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) そういうほかの参事官とか何とかいうような形でやれないかというようなことも考えましたが、しかし、局長が始終おりませんので、この局を統率するものが局にいないということになりますので、次長を置けば、次長がいないときには局長が残る、局長が出張するときは次長が残るというようなことで、内部の事務調整もこれははっきり次長というものを置いたほうがいい、単なる向こうへの出張だけの役ではございませんで、局長のいないあとは局務を見るという仕事も大切でございますので、やはり次長制をしくのがいいというふうに、私も考えている次第であります。
  126. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 私のお伺いしているのは、次長を置くのは絶対に悪いとそういう意味じゃなくて、さらに大蔵省の考えに一歩前進した、協力するような意味でお伺いしているわけです。そこで、局長級のいわゆるそういう専門職を置いて、国際会議あるいは国際的な会議にそういう人を出席させるのも一つの考え方ではないか、その考え方に対して大臣はどういう考えであるかということであって、決して次長を置くことに根本的に反対とか、そういう意味じゃないわけです。むしろ大蔵省のためにはそのほうがよろしいかろうという考え方からお伺いしているわけです。決して、次長制は対相ならぬとか、そういう意味ではない。ただ大臣の考え方をお伺いしているわけです。
  127. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 実際はそういうことが考えられたら今後非常に便宜だというふうに考えまして、将来そういう制度も考えなければならぬかと、こう思っておりますが、今回の場合は、とりあえずということでこの次長制の考えをしているわけでございますが、そういうものを別個に置くことは、いまの実情からどうしても私は必要であるというふうに考えます。
  128. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 さて、臨調の答申によりますと、経済協力行政に関する改善策の一つとして、いわゆる閣議の前段階で基本方針の審議をしたり、あるいは総合調整を行なう、そういう機関として経済協力関係閣僚審議会を設置すること、こういう意味の答申がなされているわけです。対外経済協力審議会を解組して、民間学識経験者のみからなる審議会として積極的に意見具申を行なわせることとするとか、あるいはまた外務省経済協力局に、企画とか、あるいは立案、あるいは総合調整など、新たな任務を付与して経済協力行政に関する事務段階における総合調整部局とする等の勧告を行なっているわけです。ところが大蔵省の態度を見ると、これらについてはいずれも反対の意向を示しているわけです。反対の意向を示している以上、それにはそれ相応の理由があろうかと思うのですね。これらにいずれも反対しているその理由についてこの際承っておきたいと思います。
  129. 堀込聰夫

    政府委員(堀込聰夫君) お答えいたします。  行政調査会の意見は、中におきましていろいろ検討をしたわけでございますが、いろいろ指摘されているポイントがあるわけでございますけれども、現在、まず第一に外務省に総合調整的な機能を与えるという必要、その趣旨は、やはりわが国の経済協力なり、援助政策なりが一元的に筋を通して行なわれるという必要性の意味においては十分あるわけでありますけれども、しかし、また逆に、現在の各省の仕事仕事はおのおのの分野を持っておりまして、そういったものとのかね合いで、これを非常に飛び越えて、即座にいろんな形の総合化というものを急速にやることは、かえって援助の的確なる推進ということに問題があるわけであります。そういう点で漸進的に問題をよく考えていくべきではなかろうかという感じがするわけであります。また、大臣クラスの閣僚レベルの協議、いろんな調整の問題は、いろいろ御承知のとおり、現在各国に対する援助等の問題は、閣議におきまして、あるいは閣議の前に関係の大臣方にお集まりを願いまして、いろいろ実質的に政府の意見の統一は常々やっていきたいと思いまして、趣旨としてはそういった方向で進められておるというふうに考えております。
  130. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 なお、この提案理由の説明によりますると、「税関の業務部及び鑑査部を廃止し、輸出部及び輸入部を設ける」、こういう意味の提案理由の説明があるわけです。そこで、このことについてお伺いいたしますが、最近、輸出入の件数、それから貿易額、これはいずれも年々増加しておるということですが、この実情は一体どうなのかということ。それから二つとして、密輸なども増加しておるものと考えられるわけですが、これはどの程度と推定しておられるのか。なお、その密輸の防止についてはどのような対策が講じられておるのか。これらの点について、ひとつあわせて御説明いただきたい。
  131. 谷川宏

    政府委員(谷川宏君) 最近の税関の事務の処理状況でございますが、年々輸出入の貿易額がふえておるわけでございますが、その全体の数字を昭和三十六年に対しまして四十一年度がどのくらいになっておるかということによって説明いたしますると、外国貿易船の出入港の隻数でありますが、これは、この五年間に一・四倍になっております。それから輸出の申告の件数におきましては、五年間に一・七倍、それから輸入の申告件数が一・二倍になっておるわけであります。それから、税関の仕事は、いまのようなことで、船の隻数、あるいは輸出入の件数によって仕事の量がきまるわけではございますが、そのように大幅にふえておるわけでございます。なお、密輸の関係でございますが、昭和四十一年度におきまして、密輸出として検挙したものが三百件、密輸入が約三千件でございまして、前年に比べますると、輸出のほうは減っておりますが、密輸入のほうは若干はふえておるわけであります。これに対しまして、私どもが密貿易の決定的な取り締まりを実施するために、従来、固定的、形式的な取り締まりの体制でございましたけれども、これを機動的に、たとえば保税工場は船舶が入港した場合におきまして、陸上と海上とが別々の仕組みになっておりましたのを地域的な班別を設けまして、そうして機動力を備えまして、そうして重点的にこれを検挙する。なおまた、こういう密輸につきましては、情報の収集ということが非常に大事でございますので、警察庁でございまするとか、あるいは外国と十分連絡をいたしまして、要注意人物、また船舶の場合におきましては、東南アジアからまいりますところの船舶を中心にいたしまして、要注意船というものを十分調査いたしまして、事前に情報を察知して、そうして徹底的な取り締まりを実施しております。なお、こういう検挙されました者に対しましては、法律の定めるところによりまして、徹底的な処分をしております。
  132. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 この税関のいわゆる通関事務を今回改めて、輸出部と輸入部とに分けておるようですが、分けて、それぞれ一貫した事務を処理させる、そういうことのようですが、従来の方式と比較して、事務処理の迅速化にどのように役立っておるのか、具体的に例をもって示していただきたいと思います。政府委員(谷川宏君) 結論から先に申しますると、輸入の通関事務につきましては、従来、平均いたしまして五日程度かかっておりました。これを新しい制度に切りかえまして、名称は、今回御審議中の法律の改正を待ちまして、名称を変えるわけでございますが、昨年の十月から申告納税制度に切りかわりますと同時に、処理体制を改善いたしまして、その結果、平均いたしまして二日、輸入の通関事務は平均二日程度になっております。私どもは輸入通関事務を二十四時間内に処理するということを目標にいたしまして、目下、勉強中であります。また、輸出につきましては、従来、平均いたしまして一日ないし二日であったのでございますが、輸出につきましては即時通関ということをモットーとしまして極力勉強しておるわけでございます。こういうふうに改善されました理由は、従来は、輸出、輸入とも為替の審査事務でありますとか、その他のほかの法律によって承認等を要する事柄につきましては、それぞれのその法律の所管官庁に対しまして手続をとって、承認等の書類を添付して通関の際の申告をしていたのでございますが、そういう関係の事務、あるいはまた徴収関係の事務、要するに、申告書の書類の審査事務等は業務部で行ないまして、これは輸出入とも業務部で行なっておりますが、さらに鑑査部というのがございまして、その輸出入物品の検査、分析、鑑査、また輸入の場合におきましては、その商品の所属する関税率の番号、いわゆる税番と申しておりますが、税番の判定、これを鑑査部でやります。鑑査部の職員は、従来、技術系統の職員が大部分であったわけです。これに対しまして、輸入の事務にいたしましても、輸出の事務にいたしましても、事務系統の仕事は業務部、同じものが、書類の流れが一応事務系統の業務部に、それから鑑査部の技術系統の部に移りまして、さらに最終段階、輸入の場合におきましては業務部の徴収部門に行っておりました。そのようにいたしましてチェックという点から見ますると申し分ないわけでありまするが、書類があっち行き、こっちへ行き、そのために書類の停滞する時間も相当の時間であったわけです。私どもはこの日本経済の発展のために、通関事務をできるだけ迅速化することが国民の期待にこたえるところであると、いろいろと研究をいたしまして、長い間の研究の結果、輸入事務につきましては、技術も事務も一つ部長もとに責任を明らかにする。輸出につきましても、初めから終わりまで一人の部長もとに責任を明らかにするということをすることが一番合理的であるという結論に達しまして、そしていままでの二つに分かれておる事務を、輸入部門と輸出部分と二つに分けまして、そして合理的な事務処理を行なっておるわけであります。
  133. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 説明によりますと、この税関事務を輸出部と輸入部に分けて、相当事務の迅速化、そういうことをはかり得た、そういう意味の御説明ですが、そうだとすると、従来この輸出入の通関手続に従事しておった職員は相当余裕が出るわけですね。その余裕の出た職員については、これを減員にしておるのか、あるいは配置転換をしておるのか、そのいずれかということをお伺いしたいわけです。
  134. 谷川宏

    政府委員(谷川宏君) 個々の事務につきましては余裕が出る事務もございます。しかし、税関職員全体としては余裕が出ないわけでございます。その理由は、先ほど申しましたように、事務量が五年前に比べまして四、五倍、輸出の場合には四、五割ふえております。また輸出の申告件数では七割ふえておるというのに対しまして、定員の増加はこの五年間に一割程度しかふえておらないということで、従来どおりの仕事をそのままやっていたのでは定員がなかなかふえませんので、合理的な事務処理ができなくなったわけでございます。仰せのとおり、輸入、輸出部に分けまして、この事務が合理的になりましたので、その部門におきましては、この机の上の事務はそれだけ合理化されるわけでございますが、税関の仕事の重要な仕事の一つでありまする物に対する検査、これは従来人手が少なかった関係上、十分にこれはできなかったわけであります。  それからまた先ほどのお尋ねの密貿易に対する取り締まりにつきましても、従来人手が必ずしも十分でございませんので、思いどおりの仕事ができなかったような関係もございますので、税関の事務全体をながめまして、重要な仕事に対しまして重点的に人を配置する、またさらに地域的な関係を申しますると、輸出入関係の事務が年々ふえてまいりますところと、あるいは若干減少ぎみのところとあるわけでございます。たとえば羽田の空港の通関事務等につきましては、数年間に相当の旅客の人員の増加でございました。ひどいときにおきましては、旅客につきまして一時間も一時間半もお待たせする、それは非常に申しわけないわけでございましたので、これを迅速に処理するために羽田に相当増員をする、ですから、そういう仕事のふえたところに回すというようなことをいたしまして、全体としては仕事の量はふえましたけれども、わずかな人員の増加で合理的に処理をしておるわけであります。
  135. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 いまの点については了解しましたが、なお臨調の答申によりますと、許認可の中で最も繁雑な例として、いま問題の税関があげられておるわけです。そこで通関関連諸検査の実施を合理化して港湾利用者の便利を増進するために、動物、植物、食品、医薬品、これらの輸出入の検疫とか、あるいは検査、こういう業務に関しては港湾利用者があちこち飛ばないでも済むように、たとえば各関係の行政機関に提出する書類を税関がかわって受理すること、たとえばまたそのための権限などを税関に与えると、こういう意味の勧告をしておるわけです。ところが、これは権限の強化ということで大蔵省もそれには賛成しておるわけです。権限縮小とか機構の縮小、こういうことには大蔵省は各面で反対しておりますが、これは権限強化ということなので例外なく賛成しておるわけです。その点はいいんですが、勧告以来もうすでに三カ年経過しておるわけでありますので、大蔵省としてはその実現のためにどのように努力してこられたか。そしてもし努力したとするならば、その努力の結果がどうなっておるのか、こういう点についてあわせて御説明いただきたい。
  136. 谷川宏

    政府委員(谷川宏君) いまお話のとおり、答申が出ましてから政府におきましては通関関連行政連絡協議会というのを中央と全国の主要港湾に置きまして、中央におきましては昨年の四月以来、本会議、分科会を通じまして二十回近くの会議を開催いたしまして、輸出検査証明書、見本採取表の様式の統一の点につきましては、すでに関係各省の了解を得まして実施中であります。なお輸入申告書類の様式の統合等につきましては、関連するところの法律が約三十余りございますので、なかなか各省との間でうまい様式が、まだ結論出ませんけれども、この点につきましても目下一生懸命に勉強中であるわけであります。なお、港湾合同庁舎の点につきましては、大蔵省といたしまして、今後できまする港湾の官庁は一つの合同庁舎をつくってそこに入るということによりまして、窓口の事務の合理的な処理がその中に入っておるわけであります。
  137. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 なお、この問題に関連して、税関長の諮問機関として関係行政機関の職員あるいは港湾利用者の団体の代表をもって構成するところの協議会、こういうものを税関に付置するよう臨調は勧告しておるわけです。現在その答申に対してはどのような手が打たれておるか、この点について伺いたい。
  138. 谷川宏

    政府委員(谷川宏君) 先ほどお答えいたしましたとおり、通関関連行政連絡協議会というのが中央にございまして、これは税関においてその協議会の庶務をつかさどっておりまして、二カ月に一回ずつ各所で協議会を行ないまして、そして事務の合理化を中心に討議を進めておるわけです。
  139. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 そうすると、臨調の答申どおり現在実行しておると、それで成果のほどはどうなんですか、相当成果をあげておるということを聞くのですが。
  140. 谷川宏

    政府委員(谷川宏君) 先ほど申し上げましたように、様式の統一の点につきましては、ある部面におきましては結論が出ておりますけれども、その結論が出ておりまする問題につきましては従来の手続が簡素化になりまして、お客さんから非常に好評を博しておるわけであります。なお、申告書の様式の統一等につきましても、数カ月後にはまとまりがつくと思いますので、そういたしますると、通関の事務は相当便利になると思います。ただ、問題は、先ほど御指摘のとおり、昔と違いまして、税関長の権限が少なくなっておりまするので、動植物検査、検疫等につきましてはほかの役所でやっておりまするので、そのほうに関しましても大蔵省から積極的に働きかけまして、そちらの省におきましても簡素、合理化をするように極力努力をしております。
  141. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 なおこの提案理由の説明の中で、東京国税局調査第三部の新設、こういうことをあげておるわけです。そこで、このことについてお伺いいたしますが、この調査第三部を新設することの理由として、同局調査部の所管法人数が近年著しく増加しておる、こういう理由をあげておるわけです。そこで、ただ「著しく増加」だけではよくわかりませんので、具体的にどのように増加しておるか、数字をあげて説明していただければ、よく理解できると思いますが。
  142. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 御承知かと存じますが、現在、国税局の調査部門におきましては、資本金五千万円以上の法人の法人税を所管いたしておるわけでございます。この資本金五千万円以上にきめましたのは三十八年の七月一日でございますが、三十八年の十月一日から今日までの法人の経緯、増加ぶりを御説明いたしますと、全国におきましては、そういった調査部門所管の法人数が八千八百九十九から、昨年の十月一日現在におきまして一万一千五百六十三にふえておるわけでございます。そのうち、調査の重点を指向しなきゃなりません資本金一億円以上の法人でございますが、それは全国では四千七十二から五千四百七十七にふえておるわけであります。ところで、東京国税局管内におきましては、調査部所管の法人が、まず三十八年十月一日では四千二百三十一でありましたものが、昨年の十月一日では五千五百七十、全国の半分足らずのものが東京国税局に集まっておるわけでありますが、そのうちさらに調査の重点を指向しなきゃなりません資本金一億円以上の法人でございますと、三十八年当時は、東京国税局管内で二千九十九でありましたものが、最近は、昨年の十月一日で二千七百四十五、資本金五千万円以上の法人で申し上げますと、全国の半分以上が東京国税局管内にある、こういったことで、東京国税局の調査部門の事務量が非常にふえておりまして、そのために、まあ国税局は本来は税務署の監督機関なんでありますが、この調査部門に限りましては、第一線税務署と同じ、いわば代税務署といった姿になっております。こうした所掌事務の増加に応じまして、部を分けようと、こういう考えでございます。
  143. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 最近、特に悪質な、または大口な脱税が相当多いように聞いておるわけです。そこで、まずお伺いしたいのは、摘発件数、それから金額はどのくらいかということですね。これはもちろん摘発されたものですが、摘発されないものでも相当に多いものと考えられておると思うんです。そこで、その脱税総額は、これは実際摘発しなければわからぬわけですが、推定で大体どのくらいの額になるものか、こういう問題ですね。それと、なお脱税防止については強力な対策が必要であるということが当然考えられるわけです。たとえば査察部を増強するとか、そういうのも一つの方法ですが、大蔵省としては当面どのような対策を講じておられるのか、こういう問題について、あわせて御説明いただきたい。
  144. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) お話のように最近悪質な脱税、あるいは大口脱税が増加してまいっております。これに対処いたしまするためには、まず第一は査察でございますが、これは東京国税局と大阪国税局は査察部でやる、その他の国税局におきましては、調査査察部の下に査察課がございまして、その査察課でやっております。で、査察の実績を申し上げますと、年によって多少違いがございますが、たとえば昭和四十一年度でございますと、査察着手件数が百六十六件となっております。で、前年から繰り越したものを合わせまして、処理済み、つまり告発するなり、あるいは税務署に引き継ぐなり、それぞれの引継ぎ処理の終わりましたものが、昨年は百七十一件でございました。そのうち告発いたしましたものが百十六件、六八%と相なっております。その処理済みのものの増差税額は、先般発表いたしましたように、重加算税を含めまして六十二億になっております、税額で。所得額で百二億の脱税というわけでございます。しかし、いわゆる脱税というものの中には、悪質の程度によっていろいろ違いがございますので、最も悪質と思われますものをこの査察でやっているわけでありまして、その次のものはそれぞれ国税局の調査部及び直税部に、そういった悪質なとまではいかないけれども、多額の申告漏れがあると思われるような個人、法人につきまして、特調というのを設けてやっております。特別調査であります。この特別調査のほうは、局と、それから先ほど申し上げましたような局の直税部なり調査部、それから税務署、こういうふうに分けてやっておりまして、局のほうでは個人、法人のうち脱税が大きいと認められるものを特に国税局でやる、それから、それほど大きくなくて、税務署でやれるという見込みのものにつきましては、税務署で処理するという体制をとっております。それから、こういった脱税の件数並びに金額が相当増加してまいりますので、ここ数年来、査察部の職員及び調査部の職員を漸次増加してまいっておりまして、本年におきましても、査察官を五十名増員していただく、こういう措置をとっていただいている次第でございます。
  145. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 これは本年の四月に見た新聞の報道によってお尋ねするわけですが、地方の財務局長をやった元大蔵の官僚ですね、この財務局長が天下り的に民間会社に入って、在職時代のいわゆる顔をきかせて、国有地の払い下げにあたって、いわゆる顔代を請求したという問題があったわけです。そこで、大蔵官僚はですね、公団とか公庫、あるいは民間会社へも天下り的に入り込む数が相当多いというふうに聞いているわけです。もしそうだとすると、これはきわめて遺憾なことだと思うのですが、このことに対して大臣としてはどういうふうにお考えか。それと、これは政府委員でけっこうですが、これらの人数や転出先について最近の傾向の概況を御説明いただきたい。なお、その詳細については資料として提出いただきたいと思います。
  146. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 行政の一環をになうものとして公団、公庫というものができるという際には、できるだけ有能な民間人を起用したいという考えから、俸給制度についてもいろいろ民間人が加われるような制度をとってきていることは御承知のとおりでございますが、実際問題となりますというと、国の仕事の一環としての仕事をする以上は、個々の理事者にしろ職員にしろ、やはり行政に特に通暁しておるのが一番望ましいというようなことでございますので、特に経理部門におきましては、大蔵省の役人が一番予算経理の事務になれておるというようなことから経理事務へ求められるということが多い関係から、比較的そういう部門に大蔵省の役人が行っているということは事実でございますが、それならそれに匹敵するだけの民間人がすぐ得られるかと申しますと、なかなかそうもいきませんで、依然としていまでも、まだ国会でいろいろな御批判がございましても、実際からいうと財政投融資の関係予算関係、いろいろなことから経理事務を大蔵省からぜひ推薦してもらいたいという要望が多いという実情でございますので、そういう実情であるとしますというと、私どもはその要望に沿うことをいたしますと同時に、人を選ぶということが必要でございますし、先ほどおっしゃられたような事件はことし四月に確かにございました。そういうことにかんがみまして、私のほうでは最もいい人材をつくるというふうなことに今後も十分心がけてまいりたいと思っております。
  147. 亀徳正之

    政府委員(亀徳正之君) 先ほどのお尋ねで公社、公団、事業団、あるいは民間に入った傾向はどうであるかということでございますが、先般の参議院の議院運営委員会の加瀬理事の要求に基づきました資料に従って申し上げます、公社、公団、専業団への本年四月三十日現在における役員数は三十九名ということになっております。また四十一年度中の人事院の年次報告書によりますと、大蔵省から人事院の承認を受けて営利企業に就任した者は三十一、内部就任の件数が十九、計五十でございます。なお補足して御説明申し上げたいと思うのでありますが、先ほどの公社、公団につきましては、大臣がおっしゃいましたように、やはり大蔵省の長年の経験というものを買われて強く熱望されて就職するということでございますし、また、民間の関係も一括天下りということでよくいわれておりますが、非常にその能力を高く買われまして、切望されて就職しておられるというケースもまた多いのでございまして、何か大蔵省が一方的に権限をもって押しつけるということばかりだというような印象がとかく持たれがちでございますが、そうでなくして、非常に、ちょっと具体的に例を申し上げて恐縮ですが、この間の石野次官、二年遊んでおられまして神戸銀行に行かれたわけでございますが、これなどは非常に全行あげて熱望されて行かれたというようなことでございます。何かそういうことが一律に同じようなことで取り扱われているということは、率直に申しまして遺憾に思っておりますが、同時に、そういったことで、先ほどおっしゃったような悪い面もこれは全くないとはいえない、そういうことが一切ないように十分私たちとしても注意をしていきたいと考えておる次第でございます。
  148. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 次にお伺いしたいのは所掌事務の移管という問題について、理財局及び国有財産局でそれぞれ所掌していた金の管理事務とか、あるいは賠償等に関する事務を国際金融局へ移管することとしておるようですが、そこでお伺いするわけですが、局と局との間で課の改廃や人員の配置転換などが行なわれるわけなんですか、この点をひとつお伺いしたい。なお、賠償等の事務は減少しているものと考えられるわけですが、その実情は現在どうなっておるか、この点をあわせて御説明いただきたい。
  149. 亀徳正之

    政府委員(亀徳正之君) こまかい具体的な事務の内容についてはそれぞれ所管の局長からお答えいたしますが、定員の関係について申し上げますと、大体、性質上ほとんどすでに消滅した事務を整理統合しょうということがねらいでございまして、原則として定員の増廃減はございません。ただ、貴金属特別会計を国際金融局に移します関係では、二名国有財産局から国際金融局に移すという関係がございますが、その余は一切定員の異動ということは考えておりません。なお事務の内容につきましては所掌の局長より答弁いたします。
  150. 堀込聰夫

    政府委員(堀込聰夫君) 賠償に関する進捗状況を御説明いたします。賠償は御承知のとおりビルマ、フィリピン、インドネシア、ベトナムに対しまして協定により供与することになったわけでございますが、この総額が協定で支払うことになった三千六百九十三億でございます。それが昨年度末現在におきますところの支払い額は二千三百七十億でございまして、当初の計画、おおむね計画に従って逐次支払われております。現在こういった協定に基づきまして毎年毎年何をどういうふうに賠償として渡すかという仕事があるわけでございますが、これは外務省が中心になりまして、相手国といろいろ協議をいたしまして、それに大蔵省も協議を受けて、そういうことで賠償しょうということで、それを逐次実行していくといったような程度の事務でございます。なお、ただいま申し上げましたのは賠償でございますけれども、これに準じた性格のいろいろなものがございますけれども、たとえば先般の韓国に対する無償供与、いろいろ言い方ございますが、無償経済協力というようなものもあります。また、特別円といったような戦争中の残りの、これはほとんど昨年で終わりまして、あとは残務だけでございますが、そういったような状況になっております。
  151. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 次に定員のことでお尋ねしますが、この法案のどこを見ても定員のことには一向触れてないわけですが、別途提出された外務省設置法の一部改正案の附則をみると、そこに大蔵省の定員の改正がみられるわけです。定員の改正については各省庁とも、その設置法の改正案で改正しているのが通常であるわけです。ところが大蔵省だけは自分の省の設置法では定員の改正をやらないで、他の省、いわゆる外務省の設置法の附則に便乗して定員の改正をやるわけです。これには何か深い理由があるやに考えられるが、何も理由なくてそういうことはするはずがないと思うんですが、これは一体どういうわけで他省の設置法の附則に便乗したのか、なお、このことについては行管とか、あるいは法制局との間でも話し合いがなされたかと思うんですが、こういう点についてもあわせて御説明いただきたい。
  152. 亀徳正之

    政府委員(亀徳正之君) 大蔵省は事実上としては定員のむしろ増減ないと、こう申し上げることも可能かと思いますが、実は御存じのように、いわゆる大蔵省から外務省に出向して勤務している側があるわけでございます。本年につきましてはカナダ、それから最近OECDの会議が非常に多うございますので、OECDの事務局に一名、外務省出向者をふやすということで、都合二名、大蔵省から外務省への出向者をふやすことにいたしておりますが、外務省の二名の増は大蔵省の定員を二名減ずることによってまかなうということにいたしておりまして、そういう外務省と大蔵省との振りかえの問題でございます。外務省の設置法で処理していただく、そういうことになっておるわけでございまして他意はございません。
  153. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 いま御答弁のあったように、大蔵省から外務省への出向者ですね、そのことの説明があったわけですが、これは年々ふえておるようですね。で、省庁の中で一番多いのは通産省だろうと思うんです。通産省に次いで大蔵省が出向者の数は多いと思うのですが、そこでお伺いするわけですが、大体現在のこの出向者の数と派遣先とか、あるいは派遣地方における業務は一体何をやっておるか、派遣者の氏名、あるいは在任期間とか、関係機関、この概要を御説明いただいて、なおその詳細については数字が入りますから、ここでは無理でしょうから、別途、資料として提出願いたいと思います。
  154. 亀徳正之

    政府委員(亀徳正之君) ただいま大蔵省から外務省に出向いたしておりますものは三十三名でございます。それからIMFとか、あるいはアジア開銀とか、こういった国際機関に出向いたしておりますものは十五名、ただ、この国際機関の中には、実は正規の出向と申していいのですか、渡辺総裁が含まれております。それからジェトロにやはり大蔵省から八名出向いたしております。それから観光協会に、わずかでございますが、三名、七月十五日現在で都合五十九名海外に出ております。
  155. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 なおこのことに関連して、臨調も、在外公館におけるいわゆる経済担当官の充実ということを改正意見として出しておるわけです。したがって、この出向者は年々ふえておる、そのことに対して私どもは反対しておるわけではないわけです。ただ実情を伺ったわけですが、そこでお伺いしたいのは、これに対して大蔵省の考えはどうなんです。いま一度申し上げますと、臨調の在外公館における経済担当官の充実ということを改正意見として出しておる、これに対する大蔵省の考え方はどうですか。
  156. 亀徳正之

    政府委員(亀徳正之君) やはり今後、何と申しましても、海外との経済協力とか、それから海外の経済の実情というものを的確に把握いたしませんと、国内の仕事の処理ができない。また非常に大蔵省に関しましては特殊な要務がございまして、実は私自身、一昨年の六月の末までニューヨークに三年ほど在動いたしたものでございますが、外債の発行をいたしてまいったのでございますが、そういった特殊な要務を特に大蔵省はになっておりますので、今後やはり国内の仕事をしていく土においても、非常に海外の事情を的確に把握することが必要であるし、また、そういう視野、識見を持ってやはり国内問題を処理してもらいたいし、そういうことで内外応じて、この政策の適正化を期していく必要があろうかと考えておる次第でございます。
  157. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 なおお伺いいたしますが、各省庁の出先機関の、職員はもちろんですが、出先機関の実態を見ると、あっちこっち散在している場合が多いわけです。最近、合同庁舎ができて、非常に一カ所で、合同庁舎へ行けば、一切の出先機関との関連することが処理される、非常に便利になりつつあるわけです。この合同庁舎についても臨調は改革意見を出しておるわけです。各省庁みんな異口同音に賛成しておるわけで、大蔵省も賛成しておろうかと思うのです。そこでお伺いするわけですが、この合同庁舎の整備計画を大蔵省は持っておられると思うのですが、その整備計画の詳細なことは必要がありませんけれども、その大要についてこの際御説明いただきたいと思います。
  158. 松永勇

    政府委員(松永勇君) これは国有財産局、それから主計局も含めて、合同庁舎の推進ということは従来から力を入れてまいったことでございますが、大体、中央官衙の整備といたしましては、この霞が関地区の整備計画というものを定めて、これはおおむね目的を達成しつつありますが、まだ若干のものが残っております。あと各ブロック官庁というものを、それぞれ十カ所ばかりの地区にブロック官庁というものをつくる。これも相当な成果をあげておりますが、なおそのブロック官衙に漏れたもの、そういうものを第二次的に収容しょうということがこれからの計画として若干残っております。そのほかには港湾合同の庁舎を整備しよう。これは先ほど税関のときにお話ございましたように、海を通ずるいろいろな行政官庁を一カ所に集約いたしまして国民の便宜に資するという観点から、各地の重要港湾等にそういう海の関係の官庁を集める港湾合同というものを進めております。現在の段階ではこの港湾合同関係がまだ全国に相当な数が残っておる。これを今後進めてまいりますということでございます。なお、これを進めてまいります時点といたしましては、予算は一般会計意を通じ、それからなおこれがために、いわゆる特特計画と申しておりますが、特定庁舎の整備のために、そういう現在ある庁舎を集合して、そのあと地を一種の財源にいたしまして、そういもものの合同化を促進するという特別措置法によって現在特別会計によって進めております。以上の進め方によりまして、今後の考え方としては合同化を進めてまいる、あわせて用地の立体化、その活用ということを考えております。
  159. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  160. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 速記をつけて。  暫時休憩いたします。    午後三時三十分休憩      —————・—————    午後四時二分開会
  161. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案並び防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案の両案を一括議題とし、両案に対する質疑を続行いたします。
  162. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 稻葉さんが、防衛庁長官が言える節があったら言えという御質問でございまして、それで休憩になりましたが、それで、私の御答弁申し上げ得る範囲を申し上げます。  いま陸上には十三個師団ございまして、一つは機械化師団でございます。あとの八つが七千人編成の師団でございます。それから残りの四つが九千人編成の師団でございます。そこで、今回の千五百人はヘリコプター団、気象団員等でございます。それからその次に、あと八千五百名ふえるわけでございまするが、千五百とりますというと七千名という数字が残りまするが、この七千名のうち、三個師団ぐらいは七千人を八千人編成にいたします。ホークが二個大隊ふえます。それの要員でございます。それが大体陸の八千五百名のわれわれのふえるという具体的のお答えでございます。  それから、その次に艦でございまするが、海上の艦は四万八千トンふえまして、一方で廃艦にも相当なりまして、プラスマイナスあまり増減がないということを申し上げましたが、それにもかかわりませず人数がふえますのは、新しい護衛艦その他相当要員を増加する必要がございまして、その護衛艦の操作上の要員が必要でございまして、防衛局長の申しましたような千数百人ですか、必要と、こういうことに相なります。  空の千人ばかり必要なのは、機数は千九十機から八百八十機になりまするけれども、これまた整備要員等が相当ふえるわけでございます。それから、ナイキハーキュリーズというものが二個大隊ふえまして、それからいまございますナイキアジャックスというものをハーキュリーズに改編いたしたい、こういうような関係で昭和四十六年度末までに所要の人数の増加が必要だ、こういうことに相なっております。  詳細なことは、具体的に防衛局長から答弁を補充申し上げます。
  163. 島田豊

    政府委員島田豊君) この三次防の具体的な人員計画につきましては、まだ完全にセットをいたしておりません。各年度の、まあそれこそ業務計画の審議におきまして具体的にきめられますし、また大蔵省との審議の過程において大体きまるわけでございますが、一応私どもが持っております計画について御説明申し上げます。  まず、陸上自衛隊につきましては、昭和四十二年度に千五百名お願いをいたしておるわけでございます。昭和四十三年度から四十六年度までの増員見込みが七千名でございまして、合計八千五百名が三次防の増員見込みということに相なっておるわけでございます。そこで、四十二年度の千五百人につきましては、これはヘリコプター団、方面ヘリコプター隊等の空中機動力を増強したい、こういうことでそういう部隊の新編、改編及びそれに伴う整備員の増員、さらにまたそれに伴いますところの管制、気象関係の充実というふうなために千四百五十名、それから地上機動力の増強ということを三次防で考えておりますけれども、とりあえず、四十二年度におきましては装甲輸送隊を富士学校の普通科の教導連隊に置きまして、ここで実際にいろいろな運用研究をやるということで、それに伴います人員増が五十名、合計千五百名でございます。四十三年度から四十六年度の増員につきましては、これは先ほど長官から申しましたとおりに、現在の十三個師団、これの体制の充実ということで、三個の連隊戦闘団をふやしますと同時に装甲輸送隊等をふやすわけでございます。  さらにまた航空部隊、あるいは通信部隊、あるいは化学隊、こういうものの新編あるいは改編、これを含めまして七千名という計画を立てたわけでございます。そのほか自衛官以外の職員が、陸上自衛隊において千九名一応予定いたしております。  さらに、ホーク部隊につきましては、ホーク部隊の新設に伴いまして関連する部隊、これを全部くるめますと二千四百十名という計画になりますが、これにつきましては、今日ございますところの九十ミリあるいは七十五ミリの高射砲大隊をホーク部隊に近代化更新していく、こういう趣旨でございまして高射砲大隊を削減いたしますので、それによりましておおむねホーク部隊の新設はまかない得るというふうに考えております。  海上部隊につきましては今回の増員は千六百八十三名でございます。これは自衛官と、自衛官以外の職員五十五名を含んでおりますが、さらに引き続きまして四十三年度から四十六年度までの増員見込みにつきましては四千三百五十名、これも自衛官以外の職員を含めましてそうでございます。合計約六千名を増員する計画にいたしておるわけでございます。四十二年度の内訳につきましては、艦艇の就役に伴いますところの海上要員といたしまして二千四百十名、それから航空機の取得に伴いますところの航空要員といたしまして四百十五名、そのほか海上自衛隊の陸上にあります各種部隊の新編、改編、これに充てますものといたしまして四百十三名、一方、艦艇が除籍いたしますところのそれに伴う減員が千五百五十五名ということに相なっておるわけでございます。これは四十年度、四十一年度及び四十二年度の艦艇、航空機の就役増に伴うもの及び後方勤務員の充実をはかるというものでございます。さらに四十三年度から四十六年度につきましては、海上員及び陸上部隊の要員を三千四百名程度、それから航空員につきまして八百八十名程度を考えておるわけでございます。これらはいずれも、先ほど申しましたような四十三年度から四十六年度にかけまして就役いたします艦艇の増及び航空部隊の充実等のために必要とするものであります。艦艇は四十一年度の末におきまして十一万六千トン就役いたしておりますが、四十六年度末において十四万二千トン、約二万六千トンの増加ということになります。これは一方において除籍いたしますけれども、艦艇が逐次近代化されてまいりますので、それに伴うトン数の増加でございます。  航空機は、二次防末、三次防末とございますが、若干の減少を来たしますけれども、御承知のとおりに、対潜哨戒機のP2V等が入ってまいりますので、航空機が大型になるということに伴いまして、基地要員、整備要員、これらの充実をはかるということが必要になってまいるのでございます。航空自衛隊につきましては、今回の増員は千百五十名でございます。これはナイキ部隊、あるいは飛行部隊、あるいは警戒管制部隊、保安管制気象団、こういうものに充てます定員と、それからいろんな部隊の整理に伴います差し引きをいたしまして千百五十名の増員、さらに四十三年度から四十六年度までに二千二百七十名程度の自衛官の増員を考えておりますが、航空自衛隊におきましては、航空機そのものにつきましては、二次防末と三次防末を加えますと、約二百機程度の減になりますけれども、一面におきまして航空部隊としてのナイキ部隊を二個大隊新設をいたします。これに伴う人員がかなりございます。さらに、それに伴います警戒管制部隊、あるいは保安管制気象団等の増加もございますので、合計いたしまして二千二百七十名程度でございます。そういうことで、航空自衛隊におきましては、合計が、先ほど申しましたように約三千四百名、こういう計画でございます。
  164. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 昭和四十年度と四十一年度の増員計画のときには、陸上自衛隊の増員計画はなかったわけですね、これはどういうわけなんですか。
  165. 島田豊

    政府委員島田豊君) 陸上自衛隊の十八万体制というものは、これは二次防の一つ目標でございましたが、三十七年度、八年度ころにおきまして募集事情が非常に悪化いたしまして、かなりの欠員、二万以上の欠員が生じておりました関係で、募集状況によりまして、四十年度、四十一年度におきまして増員をするということは必ずしも適当でない、こういうふうな判断をいたしたのでございます。
  166. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 四十年度と四十一年度には募集人員を増加することが適当でないというのが、四十二年度になって突然千五百名を募集するようになってきたのは、これはどういうわけなんですか。
  167. 島田豊

    政府委員島田豊君) 募集状況が三十九年度、四十年度にかけまして、さらにまた本年度四十一年度もそうでございますが、逐次好転いたしてまいりまして、最近におきましては募集の目標に達する、あるいはそれを上回るというような応募状況でございまして、その時期に増員をするということが、これは充足率を低下をすることなく部隊の編成ができる、こういうふうに考えているわけでございます。
  168. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 日本防衛は、米軍の駐留と自衛隊との合同という形で行なわれているわけですね。そうすると、今度のような形であるいは人数がふえていけば、自衛隊の数がふえていけば、米軍の駐留ということは、あれですか、それだけ減るという意味じゃないけれども、減少していくということを当然考えられるのですか、それはどういうふうなことになっているのですか。
  169. 島田豊

    政府委員島田豊君) 米軍は当初十六万ほど駐留しておったわけでございますけれども、それが逐次減少いたしまして、現在は管理補給部隊——要するに実動部隊ではございません。管理補給部隊の者が六千名程度いるにすぎないわけでございまして、わが自衛隊の人員増というものとこの米軍の人員との関係は、現在では直接に関係はないわけでございます。
  170. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 米軍と自衛隊とのこの数ですね、大体トータルは毎年同じようになっていたのじゃないですか。そこはどうですか。ずっと御承知のようなら統計で説明してくれませんか、米軍と自衛隊との合わせたトータルは大体変化ないのじゃないですか。変化がなくて、米軍のほうは数が減ってきて、自衛隊の数がふえてきているという形になるでしょうけれども、ワクは厳格にあるというわけじゃなくて、大ワクはそう変化してないのじゃないですか。
  171. 島田豊

    政府委員島田豊君) たとえば二次防の当初で申し上げますと、これは三十七年の二月でございますが、陸軍が六千名、海軍が一万三千名、空軍が二万六千名、合計四万五千名の米軍の兵力でございましたが、ことしの一月におきまして、陸軍が管理部隊がちょっとふえておりますが、八千百名、海軍が一万三百名、空軍が一万八千名、合計三万六千四百名、こういうふうに約八千ないし九千の全体としての減少になっております。この間におきまして、陸上自衛隊は、二次防期間中は増員がございません。海空はそれぞれ逐年増強をいたしてまいりました。
  172. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 だから全体としての総ワクはそう変化ないでしょう。これはどうですか。
  173. 島田豊

    政府委員島田豊君) 二次防の初期から今日までの間に、総体として米軍の数が約一万近く減少いたしているわけでございますが、その間にいま陸上自衛隊の増員はございませんし、海空がその五年間に、ちょっといま数字ございませんけれども、一万まではいってないのではないかと思います。
  174. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 そこで陸上ですね、十八万というのは、池田・ロバートソン会談から出てきたわけですね。これは宮澤さんの書いた本にそれが出ていますがね。そうすると、その陸上十八万にするというのは、それだけあれば日本の、何というのですか、いわゆる地域的な限定戦争かな、そういうことに、まあ、十分だというような考え方ですね、一応ね。それはどこの国というとおかしいけれども、対象国でも何でもいい、どのくらいのもので、どのくらいのときに来たときに、その十八万のもので十分だというような一つの根拠が、ぼくは何かあると思うのですよ。ただ、ばく然とアメリカから十八万だと言われたから、はあ、そうですかと聞いて、池田・ロバートソン会談で受けてきたというのでもないでしょう。アメリカ側は何か根拠があったのかもわからないけれども、日本側としてはどういう根拠なんですか、十八万ならだいじょうぶだという根拠は。そこら辺はどうなんですか。
  175. 島田豊

    政府委員島田豊君) これは当時の十八万に決定をせられました当時のいきさつについては、私ども必ずしも十分承知いたしておりませんけれども、これは一次防以来の目標でございます。したがいまして、今日一次防、二次防等を経てきまして十八万で十分であるかということにつきましては、これはいろんな情勢の変化もございましょうし、十八万そのもので今後ともいけるかということについては、これは今後の検討課題であろうというふうに思います。しかしながら、まだその点についての十分の検討を行なっておりませんけれども、陸上自衛隊の兵力が十八万を大きく上回るというふうなことは必ずしも必要でないのではないかという感じを持っておるわけでございます。ただ、その辺がどのくらいの規模が今後適正であるかということについては、これから十分検討いたしていきたいというふうに考えております。
  176. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 話を聞いていますと、十八万あればだいじょうぶだという、そういう根拠がどこから出てきたのかよくわからないんですよ。アメリカからそう言われたから、はあそうですかと、これも一つの根拠ですけれども、どうなんですか。それはどのくらいくるのかもわからぬから、これに対しては十八万あれば何とかやっていけるという見通しなんですか。あるいは昔の陸軍がどれくらいであった、それとの対比からいってこうなるんだとか、何かないと——何かあるでしょう、目標は。そんなに厳密に科学的にと言ったってなかなか無理でしょう。そんな算術というか、数学みたいなことは要求しませんけれども、ただ何となく十八万が、アメリカから押し着せみたいな十八万で、ああだこうだというのはわからないんですが、何か出てきたあれはないんですか、そこはどうなんですか。
  177. 島田豊

    政府委員島田豊君) 当時わが国といたしましては、陸上自衛隊整備目標というものをどの辺に置くべきかということについていろんな研究がなされたわけでございます。当時三十万というふうな数字があったというふうに聞いておるわけでございますが、十八万におそらく決定を見ましたのは、一つは、当時まだ米軍が駐留いたしておったわけでございまして、米軍の兵力との関係におきまして、米軍がその後逐次撤退をいたしたわけでございますけれども、当時の米軍勢力との関係におきまして、当初におきましては現在の十三個師団体制ということではなくて、六管区隊四混成団、方面隊としましては五方面隊、こういう体制をとってきたわけでございます。その後十八万をベースにいたしまして、わが国の地形なり、あるいは国情というものに合致さすべく師団の再編が行なわれまして、現行の十三個師団体制というものができておるわけでございます。この中に、十三個師団のうちに現実には北海道におります第七師団は機械化師団でございます。それ以外の十二個師団につきまして、先ほど長官からお話がございましたように、八つの師団が七千の規模の師団、四つが九千規模の師団でございます。十三個師団体制いを整えました当時におきましては、できれば全部九千師団、要するに九千師団というのは普通科連隊四つを持っておるわけでございます。それに伴い、各部隊につきましてもそれに即応できるような体制になっておるわけでございますが、いろんな、おそらく定員との関係がおもであったと思いますが、七千師団、要するにこれは普通科連隊が三つでございます。こういう形でまいっておるわけでございまして、今後それをできるだけ当初の構想にまで持っていきたいというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、今日の段階におきましては、この十三個師団体制というものをできるだけ装備、あるいは人員等を充実いたしまして、この体制で当分いきたい、これによって内容の充実、または練度向上をはかって対処力を高揚するように持っていきたい、かように考えておるわけでございます。   〔委員長退席、理事八田一朗君着席〕
  178. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 だから、その十八万というものができた根拠もはっきりしないんだけれども、それをもっとふやさなくちゃいけないというふうに考えておるのか、機械化部隊とか何とかいうものが、そんなものが進んでくれば、そんなに人数は要らなくて済むというように考えているのか、そこら辺がどうもはっきりしないわけですね。ぼくもそういうことははっきりわかりませんが、そこはどうなんですか、それも一つの問題ですね。そこはどうなんですか。
  179. 島田豊

    政府委員島田豊君) 現在、北海道にあります第七師団は、これは戦車、装甲車、その他の無反動砲等につきましても、いわゆる自走化をはかっているわけでございまして、これは非常に機動性が高い、また攻撃力も強いということで非常に大きな威力を発揮するわけでございますが、さしあたり、いまのところこういう機械化師団をさらに増強するというふうな考え方はございませんので、現在の師団体制というものの装備そのものが非常に古いわけでございますので、それをさしあたりはできるだけ早く更新をして、新らしい装備もとにおける体制を固めていきたいというふうに考えているわけでございます。人員をこれから著しく増強するというふうな必要は必ずしもない。むしろ、その内容の充実をはかるべきだ、現在の段階はそういう段階であろうというふうに考えているわけでございます。
  180. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 ヘリコプターはベトナム戦争であれですが、どういうような働きをしているんですか、アメリカのヘリコプターは。これはいろいろやっているでしょう、何と言うんですか、ヘリボン作戦ですか、やっている。あれはどういう働きで、どういうところで非常に使われているんですか。
  181. 島田豊

    政府委員島田豊君) ベトナムにおきまするヘリコプターの活用につきまして、私完全な知識を持っているわけではございませんけれども、ヘリコプターはいろいろな型がございますし、偵察にも使いますし、人員の輸送にも使いますし、また攻撃用にも使えるわけでございまして、現在、主として米軍がベトナムにおいてヘリコプターを活用して作戦をやっておりますのは、ある地点からある地点まで急速に人員を輸送する、そういうことによりまして大いに機動性を発揮して作戦をやっていく、そういう面におきまして非常にヘリコプターが有効である。いろいろな機種の大型、中型のヘリコプターが使われておりますけれども、非常にそういう面で有効であるというふうに私どもは承知をいたしているわけでございます。
  182. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 これはそのとおり使われているでしょうね。しかし、どうして日本の国内でこんなヘリコプター団みたいなものをつくって外敵に備える——外敵というとあれですが、外敵に備えなければならぬのですか、これはどういうときに必要なんですか。私は核戦争というものを考えているわけじゃないが、そのときにそんなものが役立つわけじゃないでしょう。どういうときに役に立つのか、戦争に役に立つか、どういうときに戦争の場合——戦争か何かは別として。外敵がこう侵略してきたことを考えて、そのときにヘリコプター団というのはどんなふうな役割をするんですか。
  183. 島田豊

    政府委員島田豊君) 先ほどの十万人の問題とも関連いたしますけれども、そのヘリコプター部隊整備したいというのは、要するに現在の十八万の体制というものをできるだけ活用いたしまして、機動性を発揮して、効率的な活動をやろう、こういうことでございます。そこで、ヘリコプター団は、将来でき上がった姿におきましては、大型のヘリコプター四十二機ほど持ちまして、それによりまして、普通科の一個連隊を要点から要点まで二往復ぐらいで運ぶということを考えているわけでございます。それに伴いますもちろん重装備を運搬するというのは別の機関に依存するわけではございますけれども、軽装備の普通科の連隊を二回ぐらいに、二往復ぐらいに要点から要点へ運ぶ、それから方面ヘリコプター隊につきましては、これは各方面隊は三次防期間中において五個方面隊を整備したいという計画でございますが、これは各方面隊の普通科の一個中隊をそれぞれ中型のヘリコプター二十機程度をもちまして、これも二往復ぐらいで方面の中の戦場から戦場へ運ぶ、こういうことによりまして、現在の十八万という人員をできるだけ活用していこう、こういうことを考えておるわけでございます。
  184. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 十八万の人間を活用するとすると、あれですか、あっちにもこっちにも侵略があり得るというか、限定的な外部からの侵略が起きることを考えているんですか。そうじゃなくて、国内における一つの間接侵略の場合もありますね。そのときに内乱か何かしらぬけれども、そういうものが起きると、そういうふうなもののときにこれを使うんですか。
  185. 島田豊

    政府委員島田豊君) これはやはり自衛隊は直接侵略対処というものが一番大きな任務でございますので、その生起すべき様相というものを一々申し上げるわけにはまいりませんが、まあいろんな様相があり得るわけでございますので、ある地点に現実に侵攻があったというふうな場合に、現在、御存知のとおり、十三個師団というものが内地にも各地に設置されておるわけでございます。そういう師団から師団、方面から方面というところへ増援の必要性が起こってくるということが考えられるということでございますので、まあそういう意味で、地上機動力とともに空中機動力をさらに増強するという態勢を整えたいという計画でございます。
  186. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 この三次防の中で、この方針の中で、いままでに書いてなかった——まあこれはことばのあやかもわからないんですが、一般兵器の戦闘に最も有効に対処できる装備というので、この二次防などにはこれは「最も」ということばはなかったと思うんですね。まあことばのあやといえばあやですから、重要性がないといえばないかもわからぬけれども、特にこの二次防に「最も」ということばがなくて、ここにこの最も有効に対処できる装備をつくるのだということは、これは何か特別な意味があるんですか。二次防にはなかったでしょう。まあどなたでもいいんですがね。
  187. 島田豊

    政府委員島田豊君) まあこれは表現の問題でございますが、私どもの気持ちといたしましては、自衛力を整備いたします一つ目標といたしまして、そういうところを目標にいたしたい、しかし、これが直ちに三次防において実現するということは考えられないわけでございまして、一応そういうことを考えながら、三次防におきましては国情に応じて漸進的に整備するという基本方針は貫いていくわけでございます。特に「最も」ということばを非常に強くとられますと、非常に大きな防衛力というものを考えておるような感じが持たれるかもしれませんけれども、まあこれはそういう意味で非常に大きな防衛力を考えておるわけではございませんで、少なくとも二次防の達成いたしました自衛力というものを、できるだけ内容を充実していきたい、こういうのがこの趣旨でございます。
  188. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 二次防のときにはどうしてそういうことばが入ってなかったんですか。まあことばの問題だからどうでもいいようなことですがね。それが何かそこのところで三次防の中へそういうことばが入ってきたので、性質というか、量との拡大が——まあ量の拡大はありますけれども、質的に変化したんじゃないかという考え方が一部にあるわけですよね。意識的に書いたの、これは。
  189. 島田豊

    政府委員島田豊君) 意識しないで書いたということを申し上げるとちょっとうそになるかもしれませんけれども、まあそれほど強い意味でも私どもは書いておるわけではございませんで、三次防ではとてもそこまではいくまい。要するに、そういう目標を漸進的に達成しようとするのがこの三次防であるということでございまして、特に非常に大きなものを頭に描いて意識的に表現をしたものではございません。
  190. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 これは防衛庁長官ね、五年計画ですかね。そうすると、この現在の世界の情勢というふうなもの、いろいろの情勢がありますけれども、その中における軍備の何か情勢といいますか、そういうふうなものも非常に変化していっているわけですね。それなのに、この五年間というのをひとつ固定的にというか、考えるのは、少し長過ぎるのじゃないかという考え方もあるのじゃないかと思いますがね。三カ年のほうがいろいろなことでいいんじゃないかという考え方ももちろんあるでしょうし、そこのところはどうなんですか。
  191. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 私どもが昨年十一月二十九日にきめました基本方針並びに本年の三月十四日の時点においてきめました主要項目並びに所要経費等を査定いたしました時点におきましては、五カ年計画が最もよろしい、こういう見地からきめたわけでございます。もっとも、巷間には三年ごとの、何といいますか、このくるくる回る予算システム、ローリングシステムと普通言っておりますが、そういうふうなことも考えたらどうかという説も巷間にはないわけではなかったのでございまが、そのことも考慮しつつ五カ年計画がよろしい、こういうことで第三次防がきまったわけでございます。
  192. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 まあこの五カ年計画がよろしいというのは、ただ普通五カ年計画、五カ年計画とよく言いますからね。区切りがいいからという程度のことなんですか。これはやっぱり場合によっては改変というか、それを短縮して進めるというようなことも考えられるのですか。
  193. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 私が知る限りにおきましては、第一次防は三カ年計画でございました。それから、昭和三十六年一カ年は単年度計画でございました。それから、三十七年から、四十一年までは五カ年計画でございました。四十二年から四十六年までは、第三次防衛、三年でなくて五カ年計画でございます。そこで、あまり長期にわたっても、稻葉さんの御指摘のとおり、非常な事情の変更というようなこともあるかもしれませんし、それから三年でもやっぱり長期的のある程度の見通しのもと整備計画というものは、自衛力につきましてはつくらなくてはいけませんから、そこで、長きに失せず、短きに失せずということで、五カ年計画がちょうどいいのではないかと、私は常識的に考えておるわけでございます。
  194. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 その有効に対処できる装備というふうなことの中で、いろいろまあ考えられていますか。一つは周辺海域のこととか、各種装備の機動化とか、陸海空防衛の一体とか、いろいろありますね。その中で、たとえば、「有事の際、すみやかに事態に対処し、」とか、それから「防衛力国民的基盤に立脚したものとする」とか、こういうようなことはいままでの二次防にはなかったのですか、あとの二つ。「有事の際すみやかに事態に対処」するということ、「防衛力国民的基盤に立脚したものとする」というような目標というものは、二次防なんかにはなかったのですか。
  195. 島田豊

    政府委員島田豊君) 二次防計画の表現そのものについて、私ちょっと手元にございませんけれども、趣旨といたしましては、有事即応とか、あるいはそれの基盤についても十分育成をはかるとかというふうなことについての思想はあったわけでございまして、その点は特に三次防として大きく変わったという点はございません。
  196. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 いや、その二次防とどういうふうに違うか。
  197. 島田豊

    政府委員島田豊君) 表現といたしましては、有事即応という表現は二次防には使ってございません。あとの問題につきましては、「国土、国民に密着した防衛力とするため、災害救援、公共事業への協力等、民生協力面の施策及び騒音防止対策を重視するものとする。」という表現を使っております。いずれにいたしましても、最初の表現につきましてはございませんけれども、まあ自衛隊といたしましては、基本的にはそういう考え方で今日までまいっておるわけでございます。
  198. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 「防衛力国民的基盤に立脚したものとするため、広報活動民生協力施策等を強化する。」と、こういうふうに五番目にありますね。そうすると、あれですか、大臣、いまの日本防衛力というのは国民的基盤に立脚してないわけですか。
  199. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 三次防におきましては、二次防あるいは国防基本方針等に比べましてやや文章が加わった点もございます。これは当時といたしましては、事情をお話し申し上げますれば、三次防の予算獲得というのが国会の関係等で延びまして、でございまするから、ひとつ文章等において整備いたしておきたいという当時の行政機関の考え方もあったのではないかと私は推測いたしております。内容において従来と本質的に違ったものはない、「最も」という字がございましても、内容に本質的に違ったものはないと私は思っております。そこで国民的基盤もとに云々ということは、これは文章に従来もございませんかもしれませんが、われわれは国防というような大切なことは、国民の御理解と御協力のもとに初めてできることである、でございまするから、自衛隊といたしましては最も力をいれまして国民の御理解と御協力を得たい、こういうようなことのために各種の活動もしなくちゃならぬということを訴えているものと考えておる次第でございます。
  200. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 私のお聞きしているのは、いまの日本防衛力というか、防衛体制というものが、国民的基盤に立脚したものとするためにこういうふうなことをすると、こう言っているのでしょう。だから、これはへ理屈かもしれませんけれども、こういう点が足りないということなんでしょう。結局、国民的基盤に立脚した点が足りないというのではないですか。これが足りないとすればどういうところに原因があるかということですね。それが問題になってくるんじゃないですか、そこはどういうふうにお考えですか。
  201. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 従来も一生懸命PRをやっておるわけでございますが、なお強化するということは、これから一生懸命勉強しますということで書いてある趣旨だと思っております。
  202. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 いや、私のお聞きしているのは、「防衛力国民的基盤に立脚したものとする」と、ことばをとらえるわけではございませんから、離れてもけっこうですよ、離れてもけっこうなんですが、日本自衛隊というか、防衛力というものがほんとうの国民的な基盤に立ってないわけなんでしょう、あなた方が考えれば。ぼくらもそういうふうに思いますが、とすれば、そこはどういう原因でそうなのかという点ですよね。そこに問題があるんじゃないですか。そうはお考えになりませんか。
  203. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 私どもは一生懸命PRをいたしておりまするが、まだまだ御理解を得ない線も相当あるんじゃないかと、こう考えておる次第でございます。そこで種々御理解を得ないような現象も、稻葉さんも御存じのとおり起きておるわけでございまして、そういう方面に対しましては積極的に御理解を願いまして、昨日か一昨日も申し上げましたが、学問、研究等につきましても御理解と御協力を得ましてやってまいりたい。それからなお広報活動というのは非常に広範なものでございまして、映画活動等もございましょうし、講演もございましょうし、また、隊が活動しているということ自体によって御理解を深める。今回の災害のごときは非常な不幸な事態ではございましたが、一生懸命、自衛隊が災害復旧活動、人命救助活動、道路の決壊したものを啓開するとか、河川が違った河川のほうにいってしまったのをもとの河川に直すとか、あるいは一番早期に写真をとったのは自衛隊の航空部隊でございます。そういうような活動をしたことによりまして、きょうも佐世保の市長が来まして、ようわかりました、ぜひひとつ勉強してしっかりやってくださいと、ほんとうに感謝にたえませんということでございまして、ああいうようなこともやはりPRの一つになっておる。国民的基礎と申しますと、これは全般的基礎というのはなかなか得られないことは得られませんでしょうが、アメリカにでさえ、宗教によって、広報勤務以外は絶対やらないというところもあるわけでございますが、しかし、なるべく広範なる国民的の理解の基礎に立ちたい、そういう基盤を広めていきたい、これからも一生懸命努力いたしたいと思っております。
  204. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 自衛隊の広報費とか、それから募集費とか、これはどのくらいになってきているわけですか。ここ四、五年というか、その間の変化はどういうふうになってきていますか。
  205. 宍戸基男

    政府委員宍戸基男君) 募集関係の費用について申し上げますと、四十年度で二億七千六百万円余でございます。四十一年度で三億三千八百万円余でございます。四十二年度で三億八千三百万円余でございます。募集関係だけ申し上げますとそういうふうな変遷でございます。
  206. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 その募集関係だけというのはどういう費用を言っているわけですか。ほんとうの直接の費用でしょう。ここのところはどうなの。間接的にかかるものもあるわけでしょう。
  207. 海原治

    政府委員海原治君) あとでまとめて経理局長が御説明いたしますが、便宜、募集関係人事局、広報関係官房で所管しておりますが、とりあえず、人事局長が募集のほうの経理を申し上げました。広報関係の経理を申し上げますと、三、四年ということでございまするので、三十八年度は九千二百四十九万円、三十九年度が一億二百九十八万円、四十年度が一億五千九百四十八万円、四十一年度が一億九千三百十三万円、四十二年度が二億二千八百六十一万円、いずれも千円ベースの万円、以下は切り下げでございます。
  208. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 その募集に関係するのはいま言った二つだけですか。そのほかにも間接的にいろんな費用というものは見られるのじゃないの。
  209. 大村筆雄

    政府委員(大村筆雄君) 募集経費といたしまして整理いたしておりますものは、先ほど人事局長から申し上げた計数でございます。募集のために必要な諸謝金とか、あるいは募集のために必要な旅費とか、あるいは募集のために必要な庁費とか、あるいは募集のために必要な地方公共団体の事務委託費とか、そういうものを集めた金をもって私どもは募集経費として整理いたしております。そのための金を先ほど人事局長が御説明申し上げた次第でございます。
  210. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 それはこまかい計算になるけれども、陸上自衛隊一人なら一人募集するために幾らくらい金がかかるのですか、大ざっぱでいいですよ。
  211. 大村筆雄

    政府委員(大村筆雄君) 四十一年度で申し上げますと、先ほど人事局長が申し上げました募集経費を募集実績人員で割りますと、一人当たり約一万二千円になるわけでございます。
  212. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 それは、募集に当たっている各地方連絡部なんかありますね、そこの人の給料なんかも入っているのですか、それは入っていないの。
  213. 大村筆雄

    政府委員(大村筆雄君) 先ほどお答え申し上げましたように、私どもが募集経費として整理いたしておりますものは、本庁で使います諸謝金とか、旅費とか、庁費とか、それに地方公共団体に人事局から事務委託するその金を募集経費として整理いたしておりますが、ただいま御指摘の地連の人件費でございますね、これは地連が中心になりまして募集いたしますから、広い意味では募集経費になりますが、地連全部というわけではございませんけれども、そのうちの相当人員は募集のために従事いたしますから、そういう意味では募集経費という面もございますけれども、私どもが募集経費として整理いたしておりますものは、それを除いたもので整理いたしております。
  214. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 その地方連絡部というものはほとんど募集を中心にやっているのじゃないのですか。そのほかに何か用があるのですか、ぼくは行ったことがないけれども、ではないんですか。それは地方連絡部というのは全国でどのくらい人数がいるのですか。その人件費やその人のあれなんか入れると幾らくらいになるの、大ざっぱでいいですよ、こまかいことは。一人当たり一万二千円というのはもっと多いはずですよ。一人二万円ぐらいになるのじゃないかな、もっとこえるんじゃないかと、ぼくの計算ではそうなっているものですから聞いているんです。
  215. 大村筆雄

    政府委員(大村筆雄君) 地連の関係の経費、いま数字を持ち合わせておりませんですけれども、先ほど私ども約一万二千円と申し上げましたのは、地連の経費を除いてございますから、これを入れますと当然一万二千円以上にはなるわけでございます。
  216. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 除いてあるものを加えれば、あなたの出した数字よりふえるのはあたりまえなことで、それはだれだってそうなんだけれども。地連の人員はいま何人くらいいるの、全国で。
  217. 宍戸基男

    政府委員宍戸基男君) 約三千人でございます。
  218. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 その人に払う一年間の俸給とか旅費とかというのは大体どのくらい、大ざっぱでいいですよ。
  219. 宍戸基男

    政府委員宍戸基男君) 地連関係の経費を全部合計いたしますと、一年間に約二十億でございます。
  220. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 それらを入れると、まあ陸だけの募集じゃないのでしょうから、いろいろあると思いますが、一人当たりの募集経費が二万円をこえるんじゃないか、大ざっぱに言って。大ざっぱでいいですよ。
  221. 大村筆雄

    政府委員(大村筆雄君) ただいま人事局長から約二十億と申し上げましたが、採用実績が二万九千ちょっとでございますから、大ざっぱに三万と見まして二十億を割りますと七万円弱になるわけでございます。ですから、先ほど一万二千円と申し上げましたから、合計いたしますと、大ざっぱに言って約八万円ということでございます。一人当たり約八万円ということです。二十億と申し上げましたが、二十億を、採用実績人員約三万人でございますから、それで割りますと。(「地連の任務は募集だけじゃないぞ、何言ってるんだ」と呼ぶ者あり)
  222. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 権威ある委員会で、権威ある政府委員がちゃんと答弁するんだから、それを信用する以外ないでしょう。それを聞くと、ずいぶんかかるんですね、八万円から一人募集するのにかかるんですか。それはいまだれかが言われたように、地連のほうもどの程度のものを募集するかによって違いますから一がいに言えないが、ちょっといまのは大ざっぱだと思うのですが、ぼくが大ざっぱに言えと言ったから大ざっぱに言ったんでしょうが、それはいいと思いますが、これは大臣、ずいぶんかかりますね。大臣どういう御感想をお持ちですか。ほんの一人募集するのにそんなにかかっちゃったらしょうがないじゃないですか。
  223. 宍戸基男

    政府委員宍戸基男君) 地方連絡部の費用を申し上げましたが、それを募集人員だけで割りますと、先ほど経理局長が申したような単価になりますけれども、実は地方連絡部は全国各県に一カ所ないし北海道にはもう少しございますけれども、五十カ所ばかりございます。これは募集関係を主としてやっておりますけれども、それ以外にも一般の広報関係、あるいは退職者の就職援護の問題、あるいは災害関係のいろいろな連絡、受託工事等の連絡、そういった職務も連絡部であわせてやっておりますので、その費用全部合わせて二十億ということでございますので、先ほどの単価は不正確ということになろうかと思います。
  224. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 それはぼくが言うのも不正確なん、だけれども、それはいいですが、いずれにしても、いまの地連の広報費というのは、ほとんど事実問題として募集に直接間接関係することですからね、災害のあれもあるが。だから七割から八割、地連のものは募集関係に直接間接関係するところと見ていいわけでしょうね。ですから一人募集するのに八万円かかるのか、七万円かかるのか知らないけれども、とにかくかかり過ぎますね。ちょっと常識はずれにかかるんじゃないですか。それに対して防衛庁長官としては、どこに原因があるというふうにお考えなんでしょうかね。そこら辺からだんだん入っていきたいと思いますがね。どうしてそんなにかかるんでしょうか。それは、いやたいしてかかってないんだ、それは少ないんだ、人一人雇うのはたいへんな騒ぎだから、もっとかかってもいいんだという説もあるかもしれませんが、そこら辺はどうなんですかね。
  225. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 地連というものは四十九カ所ございます。そうして人員は平均六十人でございまして三千人ぐらいです。それから庁費とか、筆墨費その他一切を入れまして七十万円というのが一人当たりでございます。そこで二十億という数字が出てきます。そこで、いま局長局長との話も、ちょっと違った点はございまするが、全部を募集と見て加えるというと八万円ばかりになりますということを申し上げましたが、地連の仕事というのはほかにもたくさんございまして、私はその六十人の者が、一方には一万二千円のほうは県、市町村に対する募集の委託費等も入っておるそうでございますから、そこで五分の三くらいにごらんになったらいかがでしょうか、腰だめですけれども。そうしますと、まず五、六万円は、そう高いほうではないと、適当と考えております。
  226. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 いや、自衛隊員一人を募集して入隊させるのにそんなに——五、六万円もかかるということは、防衛庁官としてはそんなことはあたりまえだというふうにお考えなんですか。決してたくさんかかっているんじゃないというふうにお考えなんですか。また、なぜそんなにかけなければ集まらないのですかね。そこですよね、問題は。なぜそんなにかけなければ集まらないのかということですよね。そこがぼくは問題だと思うのですよ。いろいろ理由はありますよね。これはやっぱりざっくばらんに言っていただいて、お互いに研究したほうがいいんじゃないかとぼくは思うのですよ。
  227. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 私が経理局長人事局長との話の食い違いを腰だめで言ったのですが、これはお互い政治家という立場の腰だめで、五万円くらいなところは、とにかくお互いが単位がいろいろ違いますから、昔の単位がお互いの頭にありまするし、いまテレビ等でこれは幾らというようなことをよくテレビでやっておりますが、さっぱり見当がつきませんが、五万円というのはそんなに高い額ではないのではないか、昔でいったら五百円あるいは二百五十円かもしれませんし、二百五十円くらいかかるというようなことは現状においては適当であると私は考えております。
  228. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 どうも数字のことはいいですよね、こまかいことだから。そんな意味じゃなくて、そんなに金をかけなければ集まらないのはどういうわけなんでしょうか、どこに原因があるのでしょうかね。これは日本政治が悪いのかな。常識的な質問ですよね。
  229. 宍戸基男

    政府委員宍戸基男君) 募集がどうして困難かというお尋ね、その原因のお尋ねかと思います。先ほどからお話が出ましているように、最近は九〇%以上の充足率で、必ずしも近年に比較しては悪いわけじゃございませんけれども、率直に申し上げて、この四、五年前は八十数%の充足率で悪かったわけでございます。その原因を考えてみますと、一つ防衛に関する国民の認識といいますか、そういうことが必ずしも十分でなかった点があろうかと思います。自衛隊任務なり、職務なり、内容なりを十分に国民の方々に認識していただく度合いが十分でなかったという意味でございます。そういうことが一つと、それから四、五年前、あるいはもっと六、七年前から、御承知の経済がたいへん成長いたしまして、各企業の求人が急速に増大いたしました。われわれの募集の対象になっております十八歳から二十四歳あたりにかけましての若年労働力に対する企業の求人というものが急速にふえましたので、それと競合いたしまして、自衛隊の待遇が必ずしも企業と比べて十分でないというふうなことから企業のほうに人を取られた、自衛隊のほうにはこちらの希望どおりにはなかなか集まらなかったということが第二の原因かと思います。で、いま一面をちょっと申し上げましたけれども、自衛隊の内部のいろんな隊舎だとか、宿舎だとか、あるいは給与だとかといったふうの、いわば処遇というものが十分でなかったというふうなことが困難であった原因ではないかというふうに考えております。で、そういう困難な点をだんだん解決してまいりましたので、最近は少しずつ上がってまいっておる、こういうふうな事情に考えております。
  230. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 いまのは長官ね、事務的答弁ですね。事務局の答弁としてはそれでいいかもわからないと思う。大臣の答弁としてはそれはまた違うでしょうね。大臣の答弁としてはもう少し風格のある、風格というか、格調の高い答弁がぼくはそこに出てこなければいかぬと思うのですね。なぜ、そんなにりっぱな任務を持っておるとあなた方がお考えになっている自衛隊の人を募集するのに、そんなに国民の金をかけなければならないのでしょうかね。もっと簡単にというか、喜んでどうして国防任務におもむくように日本人はなっていないのですか、どこかに原因がありますね、それは。どういうところに原因があるのでしょうか。これは。ぼくの発言も誤解されるといけないので、変なふうに利用されるといけないから気をつけてしゃべっておりますがね。どこかに原因があるわけでしょう。日本政治自身にそれは原因があるのですか。それは、だから質問も抽象的でわかりにくいでしょうが、どこかおかしいですね。どこかに問題点があるのじゃないかと思うのですが、どうでしょうかね。自衛隊の本質ということについてのぼくはやっぱり問題があるからこそ、国民の間でそういうような熱意というものが盛り上がってこないのじゃないですかね。まあいろいろ私に言いたいこともあるかもわかりませんけれども、大臣のほうからもう少し格調の高いお答えを願って、それからある意味において個々に具体質問に入っていきたいと思うのですけれどもね。ぼくらはこんなに金かかるわけないと思いますよ。
  231. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) いまの事務的答弁で御了解を得たいと思います。
  232. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 じゃ問題を変えますか。防衛庁が大蔵省に予算を要求するときに、自衛隊の充足率というのを算定して予算要求しておりますね。これはここ三年間くらいでいいのですけれども、何%くらいの充足率を陸海空分けて要求しておりますか。これは防衛庁設置法質問しているわけですよ。いまのところ法案になっておるのじゃないですか、隊員の充足の問題が。これが抽象的な論議だとか、国際情勢だとか、何とかかんとかということならこれは話は別として、この法案に関係することをぼくは質問しているのですから、もう少しちゃんとわかりやすく答えてくれないと困りますよ。
  233. 宍戸基男

    政府委員宍戸基男君) 大蔵省に対する充足率の要求の数字を申し上げます。四十年度から申し上げます。四十年度陸上自衛隊八六%でございます。海上自衛隊九七%でございます。航空自衛隊九七・七%でございます。それから四十一年度陸上自衛隊八八・五%でございます。海上自衛隊九八・五、航空自衛隊九七・七、それから四十二年度陸上自衛隊九二、海上自衛隊九八・五、航空自衛隊九八・五、以上のような充足率のパーセンテージで要求をしたわけでございます。
  234. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 それに対して大蔵省はどういうふうに言っていましたか。
  235. 宍戸基男

    政府委員宍戸基男君) いまの同じ年度で申し上げます。四十年度から申し上げますと、陸上自衛隊が八五でございます。海上自衛隊で九四・五、航空自衛隊で九六、四十一年度、陸上自衛隊八七・五、海上自衛隊九五・五、航空自衛隊九七、それから四十二年度、陸上自衛隊八九・五、海上自衛隊九六・五、航空自衛隊九七、以上いずれも年間の平均充足率で申し上げております。以上が査定された、政府できめられた数字でございます。
  236. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 陸上自衛隊の充足率が、これも海空からみると非常に低いわけですね。これはあれですか、どこに原因があるというふうに判断しているわけですか。
  237. 宍戸基男

    政府委員宍戸基男君) まず第一に、絶対数が海空に比べて非常に多いということでございまして、募集人員も海空が数千人に対しまして陸上自衛隊は二万数千人ということで、募集の困難性がおのずから陸上に集まってくるということがあります。それから海空に比べまして、常識的な意味で、若い人たちに対する魅力が幾らか欠けるというようなこともあろうかと思っております。
  238. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 陸海空の一人に対していろいろな維持費がかかるわけでしょう。維持費の計算の内容にもよるけれども、幾らかかりますか、どういう計算の方法をとっていますか。
  239. 大村筆雄

    政府委員(大村筆雄君) 陸海空の自衛官一人あたりの維持の金額でございますが、四十二年度予算で申し上げますと、陸上自衛隊が一人あたり八十五万——千円単位で申し上げますと八十五万二千円でございます。海上自衛隊が百五十一万六千円でございます。それから航空自衛隊が百八十一万三千円でございます。
  240. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 これは全体の平均ですね。それで、あなたのお考えになっている維持費というのは、どういうものを維持費と見ているわけですか。
  241. 大村筆雄

    政府委員(大村筆雄君) 一人当り維持費の中には、人件費そのほか旅費、光熱水料、あるいは被服費、あるいは通信専用料、そのほか一般の庁費、それから糧食費ももちろん入っております。そのほかにいろんな訓練演習関係に使いますところの装備品費とか、あるいは油購入費とか、そういう自衛隊活動経費も入れましての一人当たりの維持費はそういうことでございます。
  242. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 いまの数字が出てくる根拠ですね。その根拠を資料として出してもらいたいと思います。  そこで、もちろんこれはちょっと休憩に入るでしょうから、その前にひとつ問題をお聞きしておくのですが、自衛隊で徴用という制度があるのですか。
  243. 宍戸基男

    政府委員宍戸基男君) 人員の徴用という徴用の意味でございましたら、そういう制度はございません。
  244. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 あとでその点は質問します。いまの答弁それでいいのですね。よく読んでごらんなさい。
  245. 八田一朗

    ○理事(八田一朗君) ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕
  246. 八田一朗

    ○理事(八田一朗君) 速記を起こして。  暫時休憩いたします。    午後五時十六分休憩   〔休憩後開会に至らなかった〕