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1967-07-06 第55回国会 参議院 内閣委員会 第23号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年七月六日(木曜日)    午後一時十四分開会     —————————————    委員異動  七月五日     辞任        補欠選任      森 八三一君     内田 芳郎君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         豊田 雅孝君     理 事                 石原幹市郎君                 八田 一朗君                 北村  暢君     委 員                 内田 芳郎君                 源田  実君                 柴田  栄君                 玉置 和郎君                 船田  譲君                 三木與吉郎君                 宮崎 正雄君                 山本茂一郎君                 伊藤 顕道君                 中村 英男君                 前川  旦君                 多田 省吾君                 中沢伊登子君    国務大臣        建 設 大 臣  西村 英一君    政府委員        運輸省港湾局長  佐藤  肇君        建設大臣官房長  鶴海良一郎君        建設大臣官房会        計課長      高橋 弘篤君        建設省計画局長  志村 清一君        建設省都市局長  竹内 藤男君        建設省河川局長  古賀雷四郎君        建設省道路局長  蓑輪健二郎君        建設省住宅局長  三橋 信一君    事務局側        常任委員会専門        員        伊藤  清君    説明員        建設省道路局日        本道路公団監理        官        菊池 三男君    参考人        日本住宅公団総        裁        林  敬三君        日本住宅公団理        事        稗田  治君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○建設省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付)     —————————————
  2. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る四日、米田正文君が辞任され、その補欠として玉置和郎君、また昨五日、森八三一君が辞任され、その補欠として内田芳郎君がそれぞれ選任されました。     —————————————
  3. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 参考人出席要求についておはかりいたします。  建設省設置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日、日本住宅公団役職員参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 御異議ないと認めます。  なお、人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  6. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 建設省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  前回に引き続き、本案の質疑を続行いたします。関係当局からの御出席は、西村建設大臣、その他政府委員方々であります。  それでは、御質疑のある方は順次御発言願います。
  7. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 私は、この法案に関連して二、三お伺いしたいと思いますが、まず順序として、法案そのものについて一、二お伺いしたいと思います。  順序としてまずお伺いしたいのは、先般、大臣から提案理由説明を承りましたので、それに基づいてお伺いするわけですが、今回、中国地方建設局用地部を新設されることになるようですが、最近の用地関係事務が非常にふえておるということ、この趨勢はどのようになっておるか、いわゆる用地事務の増ということの説明はあるけれども、その趨勢は一体どういうことになっておりますか、まずこのことからお伺いいたします。
  8. 西村英一

    国務大臣西村英一君) 全般的に用地事務がふえておりまして、実は私のほうの関係でも、地方建設局に対して、やはり四国北陸等も願わくは用地部をつくりたいと思いましたが、やはり漸次進めたほうがいいだろうということになりまして、今回、中国だけにお願いをした次第でございます。事務のことにつきましては官房長から御説明申し上げます。
  9. 鶴海良一郎

    政府委員鶴海良一郎君) 用地関係経緯推移でございますが、用地補償費金額で御説明申し上げますと、中国地建について申しますと、昭和三十九年には、用地補償関係に使いました金額が約二十一億でございます。四十年度では二十七億、四十一年度に非常にふえまして三十九億、四十二年度では四十二億程度用地補償費が必要であるというふうな見込みになっておりまして、中国地建におきましては急激に用地関係仕事がふえているという状況でございます。
  10. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 いま用地関係費用の一端を御説明あって、これが用地事務増趨勢であると、こういうことであったと思うわけですが、さらに最近の用地関係費用を見ますると、いま一部、官房長からも御説明ございましたが、昭和四十二年度は四十一年度比較して百二十億程度増加になっておると思うのですが、それと四十年度比較をいたしますと、約二倍と大幅にふえておるわけだと思います。これはもちろん事業量の増ということもありましょうけれども、そのほかに地価高騰という要素も含まれておると考えられるわけであります。そこで、この用地関係費のこのように増になったいわゆる内容について説明願いたいと思います。
  11. 鶴海良一郎

    政府委員鶴海良一郎君) 全地建を通じまして、建設省がやっております仕事のために買っております土地面積推移でございますが、昭和四十年度で約二千四十四万平方メートル、四十一年度にはこれが減りまして千八百三十一万平方メートル、それが四十二年度にはまたふえてまいりまして二千五百六十八万平方メートルになっております。このように面積が四十二年度にはふえておるというのが用地費増一つの原因でございます。もう一つは、地価が年々上がっております。単価の増がございますし、それから工事をやります場所が年々変わっておりますが、道路等につきましては、次第に大きな都市周辺バイパス等に取りかかっておりますので、買わなければならない土地価格もそういう意味で上がっております。平均いたしまして単価がどういうふうに動いておるかと申しますと、用地費だけで見ますと、四十年度で坪当たり二千七百三十円になっております。四十一年度では非常にふえまして三千七百九十円、四十二年度では三千九百二十円ぐらいになるのじゃないかというふうに積算されております。
  12. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 そこでなおお伺いいたしますが、最近の地価傾向高騰の一途をたどっておると思いますが、政府のいわゆる地価対策、これはその後どのように進展しておるのか、ひとつ具体的に承りたいと思います。
  13. 志村清一

    政府委員志村清一君) 最近の市街地価格でございますが、三十九年の三月以降、大体、年間の半期ごと値上がり率は六%ないし七%でございます。その後、四十年三月、九月、四十一年三月、九月、いずれも二%ないし三%程度にだいぶ落ちてまいったわけでございますが、本年の三月の結果によりますと五%程度にまた少し上がりぎみになっております。今回の五%程度値上がりは多少景気の動向に地価はおくれるというタイムラグの問題がございまして、それらが反映したのではなかろうかという推定もなされるわけでございますが、しかし、いずれにいたしましても土地値段が上がるということは非常に大きな問題でございますので、国会におきましても三党決議案で、土地利用計画の策定、あるいは鑑定制度拡充等について衆議院において決議昭和三十九年にいたしております。政府におきましても地価対策閣僚協議会をつくりまして、そこにおいていろいろ検討いたしておりますが、その結論といたしまして、やはり宅地大量供給をやる必要がある。これは公的な宅地供給、それから民間による宅地供給、あわせて大いにつとめる必要がある、これが一つ結論でありまして、これに基づきまして公団、公庫、あるいは民間区画整理組合に対する無利子の貸し付け等々によりまして宅地開発につとめておるわけでございます。また、既成市街地既成宅地が非常に利用度が低いということで、これを高度利用する必要があるということも第二の結論として出ております。これに対応いたしましては、昨年、都市開発資金制度ができまして工場等疎開跡地を買い上げて、それを高層化していくという方針を打ち出すと同時に、今国会において都市開発法案を提出いたしまして御審議をわずらわしておるような状態であります。  また第三といたしまして、土地取得制度の改善をはかる必要があろうという結論が出まして、それにつきましては土地収用法改正をやはり今国会において御審議を願っておるような状況でございます。さらに、土地利用計画を明確にするということが地価対策における一つの大きな柱であるということで、市街化区域、あるいは市街化を抑制すべき市街化調整区域として設定をして、開発許可制度を導入するというようなことにつきましては、都市計画法改正案をただいま準備中でございます。また、土地値段形成のメカニズムが非常に、何といいますか、呼び値によってきまるというようなことから、鑑定評価制度をつくる必要があるということで、鑑定評価制度に関する法律をさきの国会でおきめを願ったのでございますが、それに基づきまして鑑定士の養成をはかり、同時に地価の調査をいたすというようなことなどもありまして、宅地土地価格形成を合理的なものにするという努力もいたしております。  また、土地流通秩序というものがまだ不完全な面が多いわけでございますが、宅地建物取引業法等につきまして、さらに改定を要する個所があるものでございますから、これまた本国会に宅建業法の改正について御審議をわずらわすというような次第でございます。
  14. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 ただいま地価抑制対策について御説明があったわけですけれども、そういう対策は講じられておるのでありましょうけれども、一方、現実の姿を見ると地価は遠慮なしにどんどん高騰を続けておるわけです。これは尋常一様の方法では地価高騰を抑制することは困難だと思いますね。しかしながら、このままにほうっておくことは断じて許せない情勢下にあろうかと思います。そこで、建設大臣としてはその地価高騰を抑制するためには、よほど抜本的な方策を立てない限り、これはなかなか現実には抑制しがたいと思うんですね。従来の経緯から見て何かそういう抜本的な方策を講じて、いわゆるある程度成果をあげ得るような方策をお考えですか。それとも上がるにまかして、これは自然の成り行きでやむを得ない、そういうことであるのか、この辺についてひとつ建設省としての立場からどういうふうなお考えを持っていられるか、この点についてお伺いしておきたいと思います。
  15. 西村英一

    国務大臣西村英一君) いま志村局長が申しましたように、地価安定のためにいろいろな手を打っていこう、一口に言いますると、ぽっと下げるとか、あるいは安定させる特効薬はない。一つの手でもってぼっと地価が落ちついたり下がるといったような特効薬はない。したがいまして、いま申し上げましたようないろいろな方法を講じまして地価の安定をはかろう、こういうことでございます。もともとやはり自由経済のもとでは、われわれのやっている方法としては、やっぱり需要供給関係だと思うのであります。やはり住宅にいたしましても、工場にいたしましても宅地を求める人が多い、そのわりあいに宅地がないんだ、したがいまして、公的機関にいたしましても、あるいは民間宅地造成業者にいたしましても、それを政府は助けて宅地をたっぷり供給してやる、また、先般提出いたしました都市開発法にいたしましても、もう少し都内の土地を有効に利用して、そうして宅地面積を立体的にふやしてやろうというような手をいろいろ打ちまして、地価の安定をはかりたいと、かように考えておる次第でございます。さいぜんも申しましたように、本年の半年で約五%くらい上がっていると言いますから、一年ではやはり一割近く上がるのではないかと思われまするが、これらの手を順次打っていけば、地価もおのずから需要供給関係で均衡な価格が保てるのではないか、こう期待いたしている次第でございます。
  16. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 前の、当委員会国鉄は貨物駅を買収するので、いわゆる民間会社から土地を買ったという例があるわけです。これは三・三平米当たり六千円で買ったものが、四年後には三万四千七百円ですか、五倍以上ですね。政府監督下にある公社現業が、現にそういう地価高騰させるような動きを現実に見せているのですね。これはもちろん建設省だけの問題でなくて、各省庁横の連係を緊密にして、一体となってそういう地価高騰を抑止しなければならぬ、そういう責めはあろうかと思うわけです。ところが、いま申し上げたような例は特にひどい例ですが、四年間で五倍以上にも上がるということになると、いま大臣の御説明になったような何%というけたはずれに地価が暴騰することになるわけですね。その民間会社周辺土地国鉄が買う、それが三・三平米六千円であったものが三万四千七百円というふうにはね上がれば、その周辺土地も当然上がってくる、こういうことになろうかと思うのですね。こういうことについて大臣として一体どういうふうにお考えですか、この問題については。
  17. 西村英一

    国務大臣西村英一君) いま物価安定推進本部でも指摘されていることは、やはり各公共事業でもまちまちじゃないか、値段がはなはだずいぶん開きがある。同じ付近土地についても、建設省が買う場合はこうだ、国鉄が買う場合はまたそれ以上だ、いろいろ開きがあるじゃないか、したがいまして、やはりこの公共事業の間、あるいは各官庁間の土地買収については一本でやったらどうだ、こういう強い御要望があるのでございます。したがいまして、いま先生が申されたようなことが、ある場合にはあったと思います。つまり事業を急ぐ、早くやらないと何月何日に開通ができぬというように、背に腹はかえられないで、やはりやる場合が従来あったと思います。したがいまして、それらが確かにその付近地価をつり上げていることは確実でございまして、したがいまして、建設省といたしましては、少なくとも各官庁間の歩調を合わしたい、また、各官庁間の出先の用地関係方々歩調を合わしたい、これは国鉄の場合は建設省がある程度めんどうを見て、建設省建設大臣の所管のもとに置くわけにはいきませんけれども、同じ政府機関として十分な協調連絡をとって、むやみやたらな、たとえ公共事業の完成を急ぐにしても、むやみやたらな値段ができないように、各官庁間の第一線の方々、あるいは計画方々協調連絡を十分にやりたい。これは言うだけでなしに、何か制度の上でも考えたい、かようにいま思っておる次第でございまして、いま伊藤先生の御指摘のようなことが過去にあって値段をつり上げたことがありますから、十分反省をいたしたい、かように考えております。
  18. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 次にお伺いしたいのは、地方建設局用地部ですね、これの過去の経緯を見ると、昭和三十六年に関東近畿の両地建が新設されておるわけです。三十七年に東北と九州地建設置されておる。四十年に中部、こういうふうに順を追うて設置されてきておるわけですが、このように順次設置してきたのには何か意味があるわけですか。なお、基準でも設けて設置しておられるのか、このことをあわせてお答えいただきたい。
  19. 鶴海良一郎

    政府委員鶴海良一郎君) 逐次、用地部を整備してまいったわけでございますけれども、その順序等につきましては、用地費増加額等の見合いにおきまして、多いところからつくっていったわけでございます。今度、中国地建は四十億をこえる用地仕事をやらなければならぬということでありましたので、中国地方建設局用地部設置することにしたのであります。実は四国地方建設局北陸地方建設局等におきましても用地事務はふえてまいっております。したがいまして、建設省といたしましては、全地建にもう全部一挙に用地部を置いてほしいという要望を出したのでございますけれども、まあ用地費推移等をながめて、逐次設置すべきであるという行政管理庁なり大蔵省の意見でありましたので、この際は中国地建だけに限ったわけであります。
  20. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 この中国地方建設局直轄事業量増大ということがあるわけですが、これに伴って用地関係事務増加したということで、今回、用地部を設けるのだと、そういう意味提案理由説明があったわけです。そこでお伺いしたいのは、最近における中国地建事業量増内容は具体的にはどういうことなのか。単に事業量増加したということだけでは用地部を置く理由とは解しがたいわけです。この点はどうなんです。
  21. 鶴海良一郎

    政府委員鶴海良一郎君) 金額だけでは判断ができないかと思いますが、たとえば面積から申し上げましても、四十年度におきましては中国地方建設局では百四十七万平方メーター用地買収をやっておりますが、四十一年度になりますと、これが百七十九万平方メーター、今年度は二百万平方メーターをこえる用地買収をやらなければならぬというふうに、面積も次第にふえております。そういうような事情を考慮いたしまして用地部設置をいたしたわけであります。
  22. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 北陸四国地建にはまだ用地部が設けられていないと思いますが、そこで各地建用地豊比較してみますると、三十六年に近畿地建用地部ができたとき、同地建用地費は十六億であったと思うわけです。三十七年に九州地建用地部設置されたとき、同地建用地費は二十五億であるわけです。四十二年度北陸地建用地費を見ますると三十五億になっておるわけですね。なお、四十二年度四国地建用地費を見ると二十七億、この用地費比較してみますると、そういう観点からは北陸四国のほうが、用地部はないにもかかわらず、用地費ははるかに多いわけですね。もちろん、年度も違いますから、そのまま比較にならぬわけです。そういうことをあわせ考えても、なお、こういう用地費の点からみますると、北陸四国にも用地部を置かれてしかるべきだと思うわけです。そこでお伺いするわけですが、この四国北陸地建用地部を置こうとする計画があるのかどうかということ、それから、これだけ用地費を持っておる両地建にいま用地部のないのは一体どういう理由なのか、この二つの点について。
  23. 鶴海良一郎

    政府委員鶴海良一郎君) 御指摘のとおり、近畿地建、あるいは関東地建等用地部を置きましたころの用地補償費の額と、現在の中国地建、あるいは北陸地建四国地建用地費の額と比べますと、現在のそれらの地建用地費の額のほうが多いわけでございます。しかしながら、これはまあ先生もおっしゃいましたように、年度も違いますので直接比較はできないわけであります。建設省といたしましては、四国地建、あるいは北陸地建につきましても用地部を置きたいと思っております。また、置くべく努力はいたしたわけでございますけれども、最初に申し上げましたような事情で今回は中国地建だけ認めていただいたわけでございます。これは引き続き残りの二地建用地部を置く努力はしていきたいと考えております。
  24. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 この中国地方地建用地部定員についてお伺いするわけですが、この設置にあたってどのように増強されておるのかという点、それから用地関係費は、先ほども申し上げたように最近大幅増傾向にあるということ、また、用地関係事務増加しておるということは提案理由でも明確なわけです。そこで、全地建用地関係事務定員は、ここ数年来どのように増強されてきてるのか、このような点について合わせて御説明いただきたい。
  25. 鶴海良一郎

    政府委員鶴海良一郎君) 中国地方建設局におきましては現在用地関係職員本局に二十名、それから工事事務所に百七十九名配置されております。合わせて百九十九名でございます。なお、中国地建本局用地部ができますれば、部長一名、課長一名が増員になりまして二十二名ということに相なるわけでございます。なお、建設省関係の全体の用地担当職員でございますが、これは年度によって、消長はございますが、現在は全部合わせて二千五十六名でございます。このうち本局におりますのが百九十四名、工事事務所以下、その他につとめておりますのが千八百六十二名でございます。
  26. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 ただいまの説明を承るとどうも納得しがたいのですが、中国地建用地部設置されても、結局、部長とか課長というポストはなるほどふえることになりますが、事業量の増に対処し得る定員の増にはならないわけですね。そこでお伺いするわけですが、定員には事務量の増に見合う定員増は何らはかられていない。ただ部長とか課長ポストがふえただけで用地事務の円滑なる実施がはかれるのかどうか、はなはだ疑問に思うわけです。で、機構の拡大のみに終わっているということは言えても、決して、臨調の答弁の趣旨にはさっぱりそぐわないと思うのです。ただ機構いじりをして部課を新設しても、結局それに見合う、事務量に見合う定員増がはかられなければ何ら成果は期待しがたいと思うのです。そういう点を臨調が答申しているわけです。この点については、まさしく結論的に言うと臨調の答申の趣旨に沿いがたいということが指摘できると思うのです。その点はどうなのですか。
  27. 鶴海良一郎

    政府委員鶴海良一郎君) 全体で二千何がしの職員用地事務に従事しておると申し上げましたが、これは用地職員としての定員があるわけではございません。必要に応じまして逐次用地職員を増強いたしております。ことしも新規採用職員の中で、たとえば中国地建について言いますと、十七名、全地建で九十五名の増員をはかっております。それによりまして用地事務増大に対処しているわけでございます。
  28. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 建設省の最近の事業費とか事業量、これはどうなっておるのか、こういう点が一点と、事業費事業量関係は一体どうなのか、こういう点と、それから人件費地価、その他物価上昇に伴って事業費増大が当然考えられることになりますが、事業費増大しても事業量はそれほど増大していないのではなかろうかと考えられるわけです。こういうような点についてそれぞれお答えいただきたい。
  29. 鶴海良一郎

    政府委員鶴海良一郎君) 最近におきます地方建設局事業費推移でございますが、河川について申し上げますと、昭和三十九年度が五百六十九億、四十年度が六百五十三億、四十一年度が七百八十四億、四十二年度見込みは七百八十一億というふうになっております。それから道路について申し上げますと、三十九年度が一千七十六億、四十年度が一千二百六十八億、それから四十一年度が一千二百三十五億、四十二年度見込みが一千三百六十億ということになっております。特に道路につきましては昭和四十年度以来頭打ちのような現象を呈しております。これは物価上昇等考えますと、事業量の減少があったと見なければならないような数字になっておりますが、道路政府重点一般国道から次第に地方道へ移りつつあるという状況でございまして、地方道の毎年度増加率というものは国道関係増加率をはるかに上回ってきたわけでございます。そういうふうに道路の整備の重点が移行していった関係上、国道だけを扱っております建設省地方建設局仕事頭打ちのような状況になっておるということでございます。
  30. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 ただいまの説明によりますと、事業費だけではなく事業量増大しておると、そういう意味の御答弁があったわけでございますが、地建全体の定員を見ますると、最近漸減の傾向にあろうかと思います。事業量はますますふえておるということはもうただいまの説明でもわかったわけですが、定員はふえるどころか逆に減少しておるということがはっきり言えると思うのですね。これはもちろん事業の請負への切りかえということも行なわれておることもあわせ考えてみても、事業量がふえてそれに必要な定員がそれに見合うだけ増強されないということについてはどうも理解しがたいと思うのです。これでは事業量といわゆる定員とのアンバランスが出てくるわけで、ということは、ことばをかえて言うと、職員の労働過重ということにもつながると思うのですね。こういうような一連の問題についてどういうふうに理解したらいいのか、この点御説明いただきたいと思います。
  31. 鶴海良一郎

    政府委員鶴海良一郎君) 先ほども御説明いたしましたように、道路等につきましては、それほど事業量がふえておらないという現状でございますが、しかしながら、全体として金額的にはふえております。これに対処する方法でございますが、従来から講じておりましたことは仕事の請負化でございます。請負化に伴いまして、従来、直営事業に従事しておった方を再訓練いたしまして、それで請負の監督等の仕事のほうへ回っていってもらっておる。職種転換等も年々四百人くらいやっておるわけでございます。それから、さらに最近に至りまして、工事の設計の標準化ということを進めておりまして、いろいろな土木工作物等につきまして標準化をはかっております。それによって何ページの何番というふうに指定されれば、特に図面などをつくらなくても工事の発注ができるというような簡素化等もはかってまいっておるわけでございます。そういった合理化を通じますとともに、先ほど申し上げましたような配置転換、職種転換等によりまして、この問題に対処しておるわけでございます。
  32. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 いろいろ御答弁はありましたけれども、地建全体の定員を見ると、明らかに漸減しておるのでしょう。この点は認めるわけですね。ということになりますと、事業量の増に見合う定員増ということは出てこないと思うのです。この点どうなんですか。
  33. 鶴海良一郎

    政府委員鶴海良一郎君) 建設省全体といたしまして、定員はこの数年同じでございます。ただ、例の欠員不補充の原則等がございまして、いわゆる凍結定員といいますか、そういうものは職員がやめていきますに伴って何割かずつは減っていっておるということでございます。これが減りっぱなしでは困りますので、昨年度は四百五十名ばかり凍結を解除いたしてもらいまして、それからまた今年度は約八十名ばかり凍結の解除をしてもらっておるような次第でございまして、そういうふうなことを通じまして新規採用職員の確保にはつとめておるわけでございます。
  34. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 私がお伺いしたのは、建設省全体の定員が漸減しているではないかということはお伺いしなかった。地建全体の定員は漸減の傾向にあるのではないか。そうしますと、いま地建のことについて審議しておるわけですけれども、そういう考え方になると、地建事業量もどんどんふえておるという説明があった。したがって、地建だけに問題を限定して考えた場合に、事業量の増に見合う定員増ということはどうにも出てこない。これはどういうわけですかと、お伺いしておるのです。地建です。
  35. 鶴海良一郎

    政府委員鶴海良一郎君) 地建につきましては、おっしゃるように、毎年若干ずつ減っておるのが実情でございます。しかしながら、事業量増大に対処する方法としては、先ほど私が申し上げましたような合理化をはかりまして、労働の過重にならないように努力しておる次第でございます。
  36. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 建設省は大体千人以上の凍結欠員を持っておると思うのです。四十一年度はわずか一人だけ解除されたわけですね。一人だけであると思いますが、間違いがあったら訂正を願います。四十二年度は七十九名解除された、こういうふうに理解しておるわけです。ということになりますと、大部分は依然として凍結が継続しておる、こういうことになるわけです。この点はどうなんですか。
  37. 鶴海良一郎

    政府委員鶴海良一郎君) 四十一年度につきましては四百五十人ばかりの凍結解除を行政監理庁にお願いいたしまして認めていただいております。今年度につきましては、御指摘のように七十九名でございましたか、凍結解除を認めていただいたわけでございます。
  38. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 そこで、なおお伺いいたしますが、この凍結の状況を他省庁に比較してみますると、建設省の場合は特に率が高いと思うのですが、これは一体どういうことなのか、この点を御説明いただきたい。
  39. 鶴海良一郎

    政府委員鶴海良一郎君) 確かに他省庁に比べまして高いほうに位していると思います。これは原因はいろいろあろうと思いますけれども、大体、年間千人程度の退職者がございます。それに対しまして、若い者がやめればその五〇%が凍結されます。年のいった人がやめた場合でも二割は凍結されるということになるのでありますから、年々凍結数はふえてまいっておるわけでございます。なお、凍結が始まりました段階におきまして、当初の凍結の際に建設省は欠員を多く持っておったわけでございます。九百五十名を持っておった。これはどうしてかといいますと、これは何回もこの委員会で御審議いただきました建設省設置法の一部改正地方建設局仕事を移譲するという問題をかかえておりまして、あれが通りますれば地方建設局に人を採用しなければならぬ、本省は人間を減さなければならぬということがあったわけでございまいます。そういう関係で、地方で採用できるように、また通りました場合に本省のほうの定員減が円滑にいくようにということで、実は欠員を相当かかえて準備いたしておったのであります。そういう段階で凍結されましたということもございまして、当初の欠員数が多かったということが一つの原因じゃなかろうかと思っております。
  40. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 いずれにしても、事業量はふえておるけれども新規の増員は見られない、凍結欠員もあまり解除されていないということになると、定員関係でますます窮屈になってくるということが当然考えられるわけです。こういう状態では、先ほども指摘したように労働過重ということになりますし、労働過重ということになると、当然に労働災害の問題も起きてくるわけです。ということになると、せっかく、地建に例をとってみると、地建の本来の使命達成上いろいろ障害が多いのではないか、こういうことが当然考えられる。この点について理解できるようにひとつ説明願いたいと思うのです。
  41. 鶴海良一郎

    政府委員鶴海良一郎君) 御承知のように、建設省仕事は、従来は直営方式といいまして自分で人を雇って自分で仕事をするという方式でやっておったわけでございます。その当時の職員がまだ相当数残っておりますが、これらの職員につきましては、次第に合理化が進んでまいりますと、これを請負の監督という方向へかえていかなければならないわけであります。これを一挙にはできませんので、毎年配置転換等で徐々にやっておりますが、最近は大体年間四百人くらい転換いたしておりまして、それが工事の監督等につきましての人員の実質上の増に振りかわっていくというふうな状況でございます。
  42. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 先ほども御指摘申し上げたように、業務量に見合う定員の増がはかられていないということになって、労働過重のおそれが出てくるのじゃないか。それを肯定した場合には、当然、労働災害がふえてくるであろうということをお伺いしたわけですが、そこで特に労働過重のような場合に、労働災害が特にそれに比例して起きるであろうことは当然考えられると思うのです。そこで最近、過去三カ年の建設省のいわゆる労働災害の概数について御説明いただきたいと思います。と申しますのは、特にこの問題をお伺いするのは、他省庁に比較して建設省の労働災害は相当上位にあろうかと思うのです。これをこのままほっておくことはゆゆしい人道上の問題にもつながると思うのです。そういう考え方に立っていまお伺いしておるわけです。
  43. 鶴海良一郎

    政府委員鶴海良一郎君) 労働災害の傾向でございますが、人数でございますが、三十七年に災害件数四百八十八人でございます。三十八年には四百八人に減っております。それから三十九年には三百四十三人、四十年には三百五十四人、昨年が三百七人とひところに比べますと減ってまいっておりまして、三十九年以後横ばいのような形になっておりますが、現場を持っております関係上、そうでない役所に比べましては災害の発生率は多いわけでございますが、率からいたしまして類似の役所と比べてみますと、北海道開発庁は四十年で百五十三人でございます。発生率から見ますと、建設省の発生率よりも北海道開発庁のほうが発生率が高いというようになっております。なお次第に減ってまいっておりますけれども、これで安心しておるわけではありませんので、なお、災害の根絶につきましては努力を重ねてまいりたいというように考えております。
  44. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 次にお伺いしたいのは、公団監理官の定数を今回減らしておるわけですが、監理官の職務は、設置法では公団の業務の監督を行なう、そういうことになっておりますが、その職務内容については具体的には一体どういうことなんですか、そのことをお伺いします。
  45. 鶴海良一郎

    政府委員鶴海良一郎君) 公団の監督一般を行なっているわけでございますが、具体的に申し上げますと、それぞれの公団法に基づいて事業計画の認可であるとか、予算の認可であるとか、その他、大臣の許認可事項があるわけでございます。そういう行政事務を通じまして監督者をやっておるわけでございます。
  46. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 建設省では今回高速自動車国道等に関する事務運営の整備をはかろうとしておるわけですが、そのことと、いまお伺いした監理官の定数の減少とはどういう関係になるのですか。
  47. 鶴海良一郎

    政府委員鶴海良一郎君) 有料道路につきましては、御承知のように道路整備特別措置法によりまして規制をいたしておるわけでございます。この関係仕事道路局に置かれております高速道路課で行なっておったわけでございます。これが今回この課を二つに分けまして、有料道路課と高速国道課の二課を置くということになったわけでございます。今後、道路行政に関しまする執行体制が拡充強化されたわけでございますが、これに伴いまして有料道路を実際に建設、管理を行なっております道路関係の三公団の業務の監督指導事項につきましては、再検討をしてみたわけでございます。その結果、片方で道路整備特別措置法関係の業務の拡大強化がみられます関係上、道路公団につきましては監理官一名で足りるという結論に達しましたので、さように簡素化したわけでございます、首都高速道路公団及び阪神高速道路公団につきましては、それぞれの関係もございますし、もう一つは、これは非常に性格が類似いたしておりまして、監督につきましては同一方針で処理することが好ましいというように考えましたので、両監理官を一本化した次第でございます。
  48. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 大体は公団が設けられると監督官庁に監理官が設けられ、公団を監督するというたてまえになっておるようでありますが、公団の業務を監督するためにこのようなものを特に設けなくてもできる面があろうかと思います。そこで、お伺いしたいのは、こういうものをわざわざ設けなくても関係の課で十分に監督できるのじゃないか、これはどうしてこういうことを特にやっておるのか。それには何か理由がなければならないと思うのですが、なくても関係ある部課で十分業務の監督ができるのじゃないか、その点について伺いたい。
  49. 鶴海良一郎

    政府委員鶴海良一郎君) これは監督のしかただと思います。現在のところ、公団法に基づいて監督される場合につきましては、それを専管いたしております組織は課とか部の姿ではないわけであります。そういうような関係で監理官を置きまして監督いたしているわけでありますが、これはどういう方法が一番いいかということになると、いろいろ議論があるかと思います。しかし、この際、監理官制度による監督制度を全廃すべきであるという結論には達しませんでしたので、御提案いたしましたように、若干の簡素化ははかったが、監理官は存置しているわけであります。
  50. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 次にお伺いしたいのは、特殊法人については、その運営に自主性を与え、政府の監督を包括的なものに限定すべきではないか。これは臨調の行政改革に関する意見であります。こういう臨調の意見もありますので、そこでお伺いするわけですが、監理官制度を設けてまで公団等の業務の監督を行なう必要があるかどうか、現行の制度を改めて、関係の部課で必要に応じて監督するということも十分行ない得るのじゃないか、こういう考え方が出てくるわけです。大体、特殊法人に対する監督機関のあり方について、この際、建設省としても十分検討の要があるのじゃないか、こういうふうに考える。これはもちろんいま申し上げた臨調の改革意見に対しては、政府はこれを尊重するという姿勢をくずしていないわけでありますから、臨調の行政改革意見を尊重するという立場に立つならば、当然それに沿うような措置があってしかるべきだと思うが、その点はどうですか。
  51. 鶴海良一郎

    政府委員鶴海良一郎君) 臨調の答申にありますように、公団の自主性を大幅に認めたらどうかという御質問でございますが、自主性を認めるべき分野というものは相当あろうかと思います。しかしながら、政府機関の制約によりまして、やっている仕事が違うわけでございますが、建設省関係で申しますと、たとえば道路公団のやっております仕事は、本来国なり公共団体がやるべきはずの道路、公に使われる道路をつくっているという関係もございまして、道路法その他のいろいろの制約もあるわけでございます。また、それに使われております資金でございますが、自己調達の資金も相当ございますけれども、いまのような建設段階におきましては、国の資金なり、あるいは国がめんどうをみております財政投融資の関係の資金を使っておりますのでやはりその間の制約はまぬかれない。そういうような制約的な要素と、それから自主的にやり得る範囲の問題との調和といいますか、の上に立って、この問題を将来とも解決していかなきゃなるまいというふうに考えております。
  52. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 せっかく特殊法人が設立されても、関係各省庁から強い監督を受けるということになると、言うなれば省庁の出先機関的な存在でしかならないんではないか、そういう危惧も出てきているわけです。で、臨調の答申でも言っておるように、やはり自主性を持たして、あまり強い監督をし過ぎるとその機能を十分発揮することができない、こういう問題が出てくるわけです。そこでお伺いしたいのは、この業務監督自体にも問題があろうかと思うわけです。こういうことについて、これは先ほども御指摘申し上げた、臨調の答申に沿うべく建設省努力しなければいかぬと思うのです。こういう視野から言うと、いまのままではどうもせっかく特殊法人をつくっても出先機関的な存在になって、自主性を失って機能を十分発揮できない、こういう問題が出てくるわけです。こういう点、大臣としてはどういうふうにお考えですか。
  53. 西村英一

    国務大臣西村英一君) 臨調の答申ですが、少し実情を臨調はよく知っておっての答申かどうか、実はこういうことなんでしょうがね。法人ですから人格を持って仕事を全部それはまかしてやりたいのです。それはそうなっておるのです。しかし、少なくとも住宅公団にしましても、道路公団にしましても、それ自身はやはり国会に対する責任というものは建設大臣が負うことになっておるわけです。したがいまして、建設大臣が全般の責任を負うことになり、また、実際問題として予算等のやはりいろいろな折衝をしなけりゃならぬということになりますと、それを監督しておる建設省として全部法人にまかしてあるから何も知らないというわけにいかないのです。そこで、最小限度、公団監理官というようなものがあるわけです。公団監理官というものが最小限度の監督機関でございまして、実はいまの公団監理官でも様子はほんとうはわからぬのです。私としてはもう少し公団法人がやはりわかるようにしてもらいたいと思うのです。したがって、監督を強化するのじゃなくて、監督をあまりしていないのです。ほとんどまかしてある。もし監督を強化するということになれば、やはり課ぐらいつくってやらぬといかぬし、課をつくってそれをやるということになれば、屋上屋を重ねることになりますから、私は行管が法人に権限をまかせなさい、いまはまかしてある、まかせきってある、しかし、まかせきったから本省は何も知らないというわけにいかぬから、それで公団監理官というものを置いてある、これが正直な話、手足を持たぬものだから、一人でやる仕事ですから、なかなかこれがやはり法人の全貌をつかみ得ないのです。非常に中途半端な制度なんですね。しかし、いまのようなことでいくよりちょっとしかたがないだろうと思うわけであります。で、決して監理官が非常に押えるとか、あるいは非常に干渉がましいとかいうようなことは全然ありません。むしろ、それの逆のほうじゃないかと、私としてはそういうふうに感じておるわけです。ちょっと御質問の趣旨が十分わかりませんので、またお答えします。私の感じはそういう感じでございます。
  54. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 私がいまお伺いしたのは、臨調の行政改革の意見の趣旨とするところは、その公団の運営には自主性を与えるべきであって、その監督についても監督するなとは言ってない、監督については包括的なものに限定すべきである、そうすることによって公団についてはその機能を十分発揮できるではないか、こういう趣旨臨調は答申しておるわけですね、行政改革の意見として。それに対してこの面を見ると、建設省にこれを当てはめると、まだまだ監督が過ぎる面があるのではないか、だから、いま少し自主性を与えるべきだ、監督についても包括的な限度にとどめるべきだ、そうすることによって十分本来のいわゆる使命を完遂することができるのではないか、こういう趣旨でいまお伺いしたわけです。
  55. 西村英一

    国務大臣西村英一君) そういう意味臨調の監督は私ども賛成です、現状は。建設省としても、したがって、建設省所管の公団法人について監督はあまり強化しておりません。臨調趣旨は私も賛成です。
  56. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 なおお伺いいしますが、建設省には住宅公団監理官がなお二人おられると思うのです、一人を減員してもですね。この公団監理官二人も置かなければならない必要性が十分にあるのかどうかという点と、道路公団同様これを簡素化する考えはいま建設省にはないのかどうか、こういう点について承りたいと思います。
  57. 鶴海良一郎

    政府委員鶴海良一郎君) 住宅公団仕事も年々ふえてまいっております。建設戸数も飛躍的に増大いたしておりますし、あるいは宅地造成等の仕事もふえてまいっております。したがいまして、現段階におきまして住宅公団監理官の減員をするということは考えておりません。また、道路公団とか、あるいは首都、阪神両公団のやっております仕事のように、その一部分を特に所掌しておる課が住宅関係にないわけであります。そういう関係もございまして二名を存置いたしたいというふうに考えております。
  58. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 なお二、三お伺いいたしますが、臨調の改革意見として都市局の課を統廃合すべきである、こういう趣旨臨調は述べておると思うのです。これについて建設省としては基本的にどういうお考えを持っておられるか、どうか。
  59. 鶴海良一郎

    政府委員鶴海良一郎君) 臨調のそういう答申のバックグラウンドといたしまして、都市計画等の仕事は地方にまかしたらいいじゃないかということがあるわけでございます。これにつきましては、建設省といたしましても、先般、閣議で決定いただきました都市計画法の決定の大綱にもありますように、現在すべての都市計画改正等につきまして建設大臣がやっておるという体制を改めまして、大幅にその仕事のやり方につきまして、都道府県知事なり、あるいは市町村にまかしていこうということを考えて、現在、都市計画法改正案を立案中でございます。したがいまして、そういう関係では地方に相当仕事が移っていくと、まあ法律が通りますればそういうことに相なるわけであります。しかしながら、一方、都市問題につきましては、今日ほどやかましく言われておる時期はないのでございまして、国が相当の責任を持って対処していかなければなるまいというふうに考えております。地方まかせだけで都市がよくなるというふうな実情ではございませんので、これには国としても本腰を入れて取っ組んでいかなければならぬというふうに考えております。従来の都市局の課の編成がいいか悪いか、いろいろ議論があろうと思いますけれども、しかしながら、国の都市計画に対する行政は、さらに充実していかなければならぬ段階に来ておるというふうにわれわれは確信しております。
  60. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 なお本省の各局部課と、それから地方建設局、これの整理統合すべき旨の改革意見が出ておるわけです。この点については、建設省としてどういうふうにお考えでしょうか。基本的な考え方だけでけっこうです。
  61. 鶴海良一郎

    政府委員鶴海良一郎君) 地方建設局の問題でございますけれども、これにつきましては、河川行政なり、あるいは道路行政につきまして、従来の仕事の国と地方との配分につきまして再検討を加えるというふうな趣旨が答申されておりまして、それに伴って、仕事の分量に応じて整理するものは整理する、統合するものは統合するというふうな趣旨の答申を得ておるわけでございますが、これにつきましては、道路法の改正、あるいは新河川法の制定等によりまして、国が責任を持ってやる分野と公共団体が責任を持ってやる分野というものが、逐次明らかにされてきたわけでございます。したがいまして、道路でいえば一般国道地方道河川でいえば一級河川と二級河というふうな分類に従いまして現在仕事を進めておるわけでございます。ところが、河川にいたしましても道路にいたしましても、国が責任を持ってやらなければならぬ分野の仕事の量というものは、先ほど先生から御指摘ございましたように減ってはおらぬわけでございます。そういう段階で整理統合するというわけにはまいらぬのじゃないか、将来、国が責任を持ってやらなければならぬ道路なり河川なりの仕事がどんどんはかどって、あまりやらなくてもいいという事態になりますれば別の話でございますが、いまはこういうふうに建設を進めなければならぬ時期でございますから、直ちにこれを整理統合することは考えておりません。
  62. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 なお一、二お伺いいたしますが、水資源開発公団は総合開発庁を主務官庁として再編成すべきである、こういう意見を出しているわけですね。この改革意見に対して、建設省としては、非常に関係深い事柄であるので、基本的な考え方をこの際承っておきたいと思います。
  63. 鶴海良一郎

    政府委員鶴海良一郎君) その問題につきましては、その前提といたしまして、広域行政の改革に関する意見というのが出ております。その広域行政の改革に関する意見の中では、そういった広域の開発行政につきまして、総合開発庁というものをつくったらどうかという提案と、それからもう一つ、国土開発省というものをつくったらどうかという提案と二つあるわけであります。その違いは、総合開発庁につきましては計画部門だけ統合するという構想のようでありますが、国土開発省につきましては、計画部門のみならず、主要な実施部門を統合したらどうかという考えのようでございます。そこで、計画部門だけ統合いたしまして総合開発庁をつくるとするならば、現在の経済企画庁の水資源同等は、この新らしい総合開発局に移るということが考えられますので、現在、水資源局で監督いたしております水資源開発公団の監督も、それに伴って総合開発庁がするということに相なるだろうと思います。しかし、建設省といたしましては、広域行政の改革に関する意見の中で二つの提案があったと思いますが、計画部門と実施部門を切り離すという方式ではうまくいかないのじゃないか、やはり計画部門と重要な実施部門が一体になってこそ、初めて力が発揮できるというように考えておりまして、むしろ答申が提案しておりますもう一つのほうの、国土開発省という案のほうが妥当なものではなかろうかというように考えております。
  64. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 なお、いまお伺いしたことにも関連して、総合開発庁を内閣府に設置するのが至当だと、こういう意見が出ているわけですが、先ほどの質問にも関連してくるわけですが、そのことについては建設省としての基本的な考え方はどうですか。
  65. 鶴海良一郎

    政府委員鶴海良一郎君) これは先ほどお話し申し上げましたように、総合開発庁の構想は、計画部門だけを統合する、こういう考え方に立っているわけであります。これにつきましては、計画部門と実施部門を切り離したのでは、うまい円滑な運営ができないのじゃなかろうか。そこで、同時に提案されておりまする国土開発省の構想のほうが実際に合っているのではなかろうかというように考えておる次第でございます。
  66. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 最後に大臣にお伺いいたしますが、臨調の行政改革に対する意見に対して、幾つか個々の問題について、いま官房長からお答えをいただいたわけですが、これは建設省だけの問題ではなくして、各省各庁にわたる問題ですが、大体、建設省に例をとると、建設省機構拡充とか、あるいは権限強化、こういうことには建設省はほとんど例外なく基本的に賛成しているわけです。ところが反面、機構縮小、権限を削られるような場合、権限縮小、こういう場合にはほとんど例外なく反対であるということになると、臨調の改革意見はなかなか実現できないと思うのです。各省庁がみなそういうふうにして、拡大には賛成、縮小には反対、そういうことで、この際、大臣から、この臨調の答申に対する基本的な考え方について、大臣の所信のほどを承っておきたいと思うのです。
  67. 西村英一

    国務大臣西村英一君) まあ総理大臣もたびたび申しておりますように、臨調の答申は尊重するということで、私たちも佐藤内閣の一員として尊重をしていくつもりでございます。ただし、なかなか現在の機構官庁組織というものが一朝一夕にできたものではございませんので、やはり長い歴史があってできたものでございます。したがいまして、どういう名案がありましても、一挙に全部がたがたとやっていい組織というものはできないのでございますから、まあステップ・バイ・ステップという方向をとらなければならぬのであります。しかしながら、私個人といたしましては、政府がただいまやはり行政管理庁を中心にして、機構改正はまかりならぬ、定員の増もまかりならぬ、いろいろまかりならぬ、まかりならぬでやっているわけです。しかし、今日相当に時代は変化しつつあるのでございますから、これに対処する官庁組織としても、また変化せざるを得ないと私は思うのであります。しかし、一方においてその増加する、あるいは新設されるものについては、各省は賛成であるけれども、廃止される、減少するものには反対でございますから、どうしてもそこにつじつまが合わないことになるから、やむを得ず、政府としてもやはりその新機構はまかりならぬということになっておるのであります。したがいまして、やはり新しい時代に即応するように必要な組織はどんどんつくっていく、しこうして、その反面、不必要になり、あるいは業務が軽減されたものは進んでこれを廃止に持っていくと、こういうやり方をしなければならぬと思うのでございまするが、これは非常に大きい政治力の要る問題でございまして、やはり現在、政府現実の問題としては、その答申の線に沿うてできるものからやっていくという態度をとりたい。そうして、新しい時代に即応する行政組織に持っていきたいという考えをいたしておりますから、建設省に関する限り——まあ私がいつまているか知りませんが、おれば、その方針で、新しいものはつくりたい、古いものは、不必要なものは廃止したいというような気持ちでいきたいというような感じを持っておるような次第でございます。
  68. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  69. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 速記再開。
  70. 多田省吾

    ○多田省吾君 港湾の前に、最初に公有水面の埋め立て並びに住宅公団土地取得の問題で若干お尋ねしたいのでございますが、まず、河川局長にお伺いしたいのですけれども、公有水面の埋め立ての認可のときの埋め立て目的が遊園地ということになっていたのですが、これを住宅地にしようという問題が千葉県手賀沼の問題で出てまいりまして、そういうことはいけないということで、昭和四十年八月の予算委員会並びに決算委員会の後に運輸省港湾局長建設省河川局長の名前で公有水面の埋め立ての適正化についてというような通達も出ているようでございますし、また、あの手賀沼問題につきましては、公有水面の埋め立て八万坪、また、農地から県の開発公社を通じて転用した二万一千坪の合計十万坪にわたる目的用途の変更、このことに対しまして、建設省では千葉県に対して埋め立て目的に沿った事業をするようにという指示をしたと聞いておりますが、それから約二年たっているわけでございます。その後の手賀沼の問題につきましてはどのようになっているでしょうか。
  71. 古賀雷四郎

    政府委員古賀雷四郎君) 手賀沼の問題につきましては、先ほど御指摘がありましたように、埋め立て目的と違った用途に供されようとしているということで、運輸省と相談いたしまして、四十年の九月一日に、公有水面埋め立ての適正化ということで通達を出したわけでございますが、その後、これが目的と違うような方向に進んでおりますので、千葉県知事に対しまして、これが目的に沿うような方向で強力な行政指導をしておったわけでございます。なお、本埋め立て地は、実は登記が終わっておりまして、したがいまして、法的な措置は非常に困難でございます。したがいまして、強力な行政指導によらざるを得ないわけでございますが、行政指導の結果、農地転用の問題につきまして若干まだ話が煮詰まっておりませんので、その煮詰まりぐあいに従って埋め立ての問題も具体的に解決されるかと思いますが、千葉県知事に対しては、強力にその目的に沿うような方向で今後処分を考えるようにというぐあいに指導いたしております。
  72. 多田省吾

    ○多田省吾君 同じような問題で、運輸省の港湾局長にお尋ねしたいのでありますが、このたび千葉県の船橋市若松町で昭和三十七年から四十一年一月までの間に、臨海道路、あるいは臨海鉄道、あるいは遊園地造成ということを目的といたしまして、十七万九千坪の埋め立てが千葉県開発公社によって行なわれておるわけでございますが、この埋め立て地に関して目的外の使用がなされていないかどうか。実を言えば、この十七万九千坪の中で十四万三千坪が遊園地という目的で埋め立てられて、そしてこの中で六万二百九十坪が、現在、日本住宅公団の住宅地になっているわけでございます。それで、その日本住宅公団が取得した土地も実は千葉県開発局から、いまでは公社でございますが、この土地の埋め立てをして、朝日土地興業が買ったときには、坪単価一万一千八百五十円だったわけでありますが、わずか半年で、日本住宅公団に住宅地として売却したときには坪単価二万五千円と倍以上になっておりますね。手賀沼の公有水面の埋め立ての場合は建設省で強力に行政指導しまして、目的の変更はいけないと、こういうことになっております。船橋市の若松町の公有水面の埋め立ては、これは運輸省の管轄だと思いますけれども、これはどのようになっておりますか。
  73. 佐藤肇

    政府委員(佐藤肇君) ただいまもお話がございました船橋市の埋め立ては、埋め立ての免許がなされたのは昭和三十八年です。竣工いたしましたのが昭和四十年十月だと思います。埋め立て地はおっしゃるとおり十七万九千坪でございまして、うち十四万三千坪が遊園地、その他は公共用地でございます。したがいまして、この遊園地の分を朝日土地に売却いたしまして、その約半分を公団に売ったということでございますが、私のほうで調べた結果、県当局がいま御指摘のありましたような指導をしたことは確かでございます。それで、先ほどお話がありました公有水面埋め立ての適正化についてという通牒を出したのが四十年の九月一日でございまして、それには埋め立ての免許に当たっては、使用目的外使用をする場合におきましては、もう一ぺん免許権者の許可を要すること、それから譲渡、権利の設定についても同じように許可を要するというきびしい通達を出したわけでございますが、もう一つは、すでに免許を与えておる埋め立て地で竣工認可前のものについても、いま申し上げたような措置をとるようにということを言っておるわけでございます。ちょうど竣工認可をしたのとこの通達を出したのが、約一カ月ぐらいこちらのほうが早いことになっておるわけでございますが、この間の事情につきましてただいま調べておるわけでございまして、まだつまびらかにいたしておりません。
  74. 多田省吾

    ○多田省吾君 それじゃ運輸省に対しては使用目的の変更ということが全然開発公社からも朝日土地興業からもなかったわけですか。
  75. 佐藤肇

    政府委員(佐藤肇君) 実は埋立法の施行令では、埋め立ての免許をして新しく埋め立てをするものについては認可を受けることになっておる。それから竣工前においていろいろ条件の変更がございますが、そういうものにおいても認可を受けるようにこれは通達が出ているわけでございますが、埋め立てを竣工したあとにつきまして、認可ということで追及はしていなかったわけでございます。
  76. 多田省吾

    ○多田省吾君 公有水面の埋め立ての適正化についてというものは、埋め立てが済んでしまえば、もう埋め立てが済んでしまった土地に対しての目的変更はやむを得ないということですか。
  77. 佐藤肇

    政府委員(佐藤肇君) もちろん免許権者であります知事の許可を得ずして、かってに目的を変更したり、譲渡もしくは権利の変更はできないことになっているわけでございますが、それが運輸大臣まであがって、運輸大臣の認可にかかわるという強い行政指導はしていなかったと、こういうことでございます。
  78. 多田省吾

    ○多田省吾君 この埋め立てが済んでいるのは、たしか四十一年一月でございますね。埋め立てのときの申請は、もちろん十五万坪以上でございますから、これは運輸省の許可があったと思いますけれども、結局埋め立てられた後においては、その免許権者はやはり千葉県にのみ責任があって、運輸省は関知せず、そういう意味でございますか。
  79. 佐藤肇

    政府委員(佐藤肇君) 運輸省は関知せずということではございませんが、運輸省といたしましては、通達によって当然これは竝工後といえども、譲渡もしくは権利の設定については免許権者、すなわち知事が許可をしなければならないことでございますが、それが怠られておったので、通達でもって免許権者にそれをきびしく取り扱うようにということを通達しておるわけでございまして、直接、従来の例から言いましても、竣工認可後に譲渡その他の手続をとる場合には、認可にかからしめてなかった。こういうことを申し上げたわけでございます。
  80. 多田省吾

    ○多田省吾君 その点はわかりました。手賀沼の埋め立ての問題については四十年の八月の予算委員会とか、決算委員会で、国会で問題にされ、見つかってしまったから厳重に県当局に対して、用途変更、目的変更はしないようにという厳重な通達を、あるいは監督をしたのだと思いますけれども、あの手賀沼の場合は八万坪の埋め立てでございましたから、十五万坪以下でありますので、県の認可でよろしかったわけですね。しかし、この船橋市の若松町の埋め立てに関しては、いま港湾局長がおっしゃったように、十五万坪以上の大きな埋め立てであり、運輸省も許可をしており、しかも、このように用途変更しているわけです。すでに住宅公団用地になっているわけですね。こういった、国会に見つからない、国会で追及されない問題については、こういうでたらめを許しておく、そういうことになりますか。
  81. 佐藤肇

    政府委員(佐藤肇君) 埋立法の施行につきましては、免許権者というのは都道府県知事ということで、国の事務を都道府県知事に委任しているわけでございます。したがいまして、大きな問題については、埋め立て免許を与える前に大臣が認可をする、こういう手続でございまして、一応、免許権者としては県知事がおるわけでございますので、県知事が目的の変更、譲渡等について、当然、法令の定めるところに従って事務を取り扱わなければならないことになっております。それをさらに通達でもってきびしくしなさいということを私どもが指導しておるわけでございまして、一々これを免許後の譲渡、権利の設定等についてまで、国が一々これを認可しなければならないかどうかということは、たまたまこういう事例が起こるので、たいへんまずいこととも思いますが、全体の行政事務としてはそこまで突っ込むのはどうか、こういうことは県にまかしてある。こういうことでございます。
  82. 多田省吾

    ○多田省吾君 当然、手賀沼の場合は、県知事の一存で、用途変更はできたわけでしょう。それで、それに対してやはり建設省が厳重なる通達を出したからこそ、用途変更しないで、何とか遊園地、目的の造成という線に沿って努力しておるわけでしょう。それで、今度は運輸省として、こういった通達が出ていながら、はっきり遊園地をつくるという目的が変更されて、もう住宅用地になっているわけでございます。こういった点に関して監督官庁としての運輸省が監督不行き届きであった。また、その通達がりっぱに守られていないということに関して、港湾局長としてどのように思っていらっしゃいますか。
  83. 佐藤肇

    政府委員(佐藤肇君) たいへん申しわけないことでございます。先ほど申し上げましたように、事実をただいま調べておるわけでございますが、この通達後であるかどうかということがいまはっきりしてないわけでございますが、私どもといたしましては、これを出したあとで、竣工認可前にいろいろな埋め立ての条件の変更の認可にかかる書類が出てまいるわけでございますが、その書類を調べてまいりますと、この通達を出した後におきましても、なおいま申し上げましたようなことを、当然、条件としてつけるべきことがつけてない書類もままあるわけでございます。そういうものについては変更認可のときに私どもとしては一々条件をつけて指導してまいったわけでございますが、なおこのようなことがあるということで、最近、建設省とも相談して、さらにこの面を明確にするように、もう一ぺん通達でも出そうじゃないかということを現在考えておるわけでございまして、千葉県の例につきましては具体的なことが判明したわけでございますから、今後取り調べた上で、厳重にこれについてどういうふうにするかということをきめていくと同時に、今後もさらに行政指導を強化していかなければならないということを痛感しております。
  84. 多田省吾

    ○多田省吾君 その運輸省、建設省の通達後に目的変更したのかどうかということをおっしゃいますけれども、通達はもう昭和四十年九月一日でございます。住宅公団が遊園地目的のその土地を買ったのは、あとで申しますけれども、昭和四十一年の、昨年の八月でございます。そうしますと、当然もう一年近く通達が出てから後の目的変更であることは間違いないと思うのですね。いまから調べるまでもないことだと思います。そうして、この公有水面の埋め立ての目的変更については、すでにその前の月の四十年八月の、総理も出られた、あるいは建設大臣、運輸大臣も、当時の大臣は出ております、その予算委員会、建設委員会等において、もうはっきり追及されている問題です。これは非常に問題じゃないかと、このように思うわけです。今後このようなことの絶対ないように厳重な監督をお願いしたいわけです。その点に関して、このような通達が踏みにじられているということに関して、そうしてあとでも申し上げますけれども、日本住宅公団に住宅地として売却されたときの値段が坪二万五千円であると、はっきりと朝日土地という一つの私企業に対して五億なり、八億なりの利益を与えているわけですね、目的変更したことによって。こういう問題はとんでもないことだ、そういう面においてもあとで住宅公団からも聞きたいと思いますけれども、今後こういうことのないように厳重な監督をお願いしたいと思います。  次に、日本住宅公団の総裁にお尋ねしたいのですが、先ほどから申し上げておりますけれども、住宅公団がこの船橋市の若松町の土地六万二百九十坪を昭和四十一年の八月八日に取得しておりますけれども、そのときの公団土地についての評価はどの程度だったんでしょうか。
  85. 林敬三

    参考人(林敬三君) 日本住宅公団の林でございます。お尋ねの千葉県船橋市若松町の住宅公団で買いました土地のことでございますが、これは買いますときはいろいろ折衝がございまして、そうして公平に第三者の信用ある鑑定機関の評価を参考のため求めたのでございます。その結果は、日本不動産研究所の評価額は一平米当たり七千七百十四円、すなわち坪当たりに換算しますと二万五千五百円でございます。もう一つとりまして日本不動産銀行に鑑定評価を依頼いたしました。これは一平米当たり七千五百六十二円、すなわち坪当たり二万五千円でございます。ちなみにこれの鑑定を求めました時点は四十年の九月一日でございます。それから実際に求めましたのは、先ほどお話がありましたように四十一年八月でございまして、これをその間の時点修正をいたしてみますと、坪当たりで申しますと不動産研究所のほうは二万六千九百二十八円、また不動産銀行のほうは二万六千五百二十五円というふうに相なるので、坪当たり二万五千円を妥当であると認めまして買うことにいたしました。
  86. 多田省吾

    ○多田省吾君 この若松町の土地が住宅地として適地かどうかという選定根拠はいかがでございましょう。
  87. 林敬三

    参考人(林敬三君) これにつきましては相当交渉があり、いろいろおすすめがあったころから、相当慎重に考えまして、それで、第一、近所にサーキットがある、あるいは軽飛行機の着陸場もある、これはやがてはいろいろと変化があるかと存じますけれども、その隣が住宅で適当かどうかという点も考え一つの点でございます。それから将来の計画として、あのすぐ近くへ操車場の大きいのができるということでありまして、町の中心地とその住宅を設けようというところの間に、何本も鉄道の線路が入って、しかもそれがもしレベルクロッシングするというようなことになると、住宅団地が陸の孤島になります。たいへんに利用価値が落ちてまいります。あるいは不適当ということになりますので、その点の検討もいたしました。それから、なおあそこがすぐに海に面しておりますので、高潮のとき、暴風雨のときの防潮堤というものを築かなければならないということになりますと、その費用というものを公団が負担しますと、たいへんな高い家賃の土地になってしまう、そうなれば、またそれはできないということを考えまして、そのほかになおいろいろな、当時として住宅をつくるとすれば考えなければならぬ点がありまして、これについては相当な検討をいたしてまいりました。また、千葉県当局の意向というものも確実に確かめるということをいたしました結果、いずれの点も住宅を建設するには差しつかえないという結論を得ましたので、買うことに踏み切ったものでございます。
  88. 多田省吾

    ○多田省吾君 私どもの調査でも、どうして日本住宅公団が、このような慎重な検討をしなければならないような土地を買わされたかという内情については、ある程度調査して知っているつもりでございますけれども、特に価額や地区選定等のお話もただいま聞きまして、どういう言いのがれをするのだろうと思って聞いていたのですが、日本不動産研究所の評価等も、決算委員会等の追及によって、相当これは政府機関に有利な査定をしておるのじゃないかという疑いも強うございますし、また、この前の光明池事件と非常に似通った内情もあるようでございます。  もう一点だけお聞きしたいのですけれども、一体、朝日土地から、いつごろそれじゃ、住宅公団に買うようにすすめられたということを総裁はおっしゃいましたけれども、大体いつごろからすすめられたのでしょう、その時期をお知らせ願いたい。
  89. 林敬三

    参考人(林敬三君) 私が住宅公団に参りましたの四十年の八月でございます。来たときから懸案事項としてこの問題がございました。それより約半年余り前、四十年の初めごろからそういう話が担当のところにはあったものと存じます。それで、ただいまの御質問でございますが、買わされたということはないのでございまして、これは買いましたのでございます。ただ、買わないかということをすすめられたことはございます。しかし、それは全く自由意思で、何ら拘束されずに、私どものほうでも、これは住宅用地としてほんとうに適当だという自信がつくまでは買わぬということで、一年余り考えて、そしていろいろ調べたり各般の点を検討いたしましていたしましたものでございます。それから弁解がましくなりますが、不動産研究所というのは実にもうかたい、で、私ども往来するのでございますね。少しは考えてくれたらということを内心思わないでもないくらい実にシビアーな鑑定をしてまいります。それゆえに私なかなかこれは貴重なんだというふうに考えて、だんだんとああいうものを信用していただいていいという時期にどんどん入ってきていると思う次第でございます。
  90. 多田省吾

    ○多田省吾君 日本不動産研究所につきましては、この前の高槻の国有林等の問題等を私も考えまして言っているわけでございまして、この問題についてお話ししておりますと水かけ論になるようでございますし、またの機会にしたいと思いますが、四十年八月ごろから買わないかというお話があった、実際に朝日土地興業株式会社が所有権を得ているのは昭和四十一年の一月十四日でございます。まだ朝日土地が所有権を得ていない、しかも、千葉県の開発公社から買った目的というものはあくまでも遊園地をつくるというのですね。それを放棄してまでも買わないかという話があって、これに住宅公団が、その間の事情も知らないで、いわゆる乗っかったような形になったわけで、ございます。どうでしょうか。
  91. 林敬三

    参考人(林敬三君) 千葉県がこの埋め立ての工事をやりまして、そしてそれからあと工事の埋め立てを請け負ったところ、その他に代金である程度は支払い、またある程度は物で売るというような形で、方々千葉県はやっておるようでございますが、これはその一つのケースだと存じます。それで、遊園地にするということで埋め立てをしたというふうには聞いておりますのでございますが、その後、交渉のこういう時点におきましては、いろいろと朝日土地の状態もあったと思います。また、千葉県の開発計画というものについても、ここをどういうふうにしていくかということについて、さらにあの土地の外側にもう一つ大きな埋め立てをやります。それで高い防潮堤などは必要なくなったというような変化も出てまいってきておるのでございます。埋め立てをやりましたときとでき上がってきましたときと事情が非常に変わってきたということで、千葉県当局としても、これを住宅地に変えるのが妥当であるということを考えておったものと存ずるのでございます。私のほうとしては、遊園地にそれを使うか、これを住宅地にするかということ、法規に合致して、そして権限を持っているものが先に住宅地ということにきめるというのであれば、あとそこから東京へ通うのはどのくらい、その回りの騒がしさはどのくらい、あるいは値段はどのくらいということを見まして、妥当な場合はこれを買って住宅にしていくという次第でございます。
  92. 多田省吾

    ○多田省吾君 まあ朝日土地といえば、虎の門公園の事件等と関連しまして、やはりいままで相当国会でも決算委員会で取りざたされた会社でございます。そしてその内容が非常にこの当時うまくいかないと、そういう点もありますし、また、この船橋地区土地造成事業及び分譲に関する協定書というものは、もうすでに昭和三十七年にできておりまして、遊園地にするという目的でもうすでに分譲協定書もできておるわけですね。そうして、昭和四十年九月一日には運輸省、建設省等の公有水面埋め立て変更に関しては変更しないようにという厳重な通達も出ておるわけですね。そういう事情を少しも知らないで、ただあれですか、県の開発公社がどうも朝日土地に所有権を譲る前から住宅地にしたいというような内々の話が千葉県から住宅公団にあったのですか。
  93. 林敬三

    参考人(林敬三君) これは当該土地の所有者であります朝日土地からもございました。それから千葉県当局からも話がございました。それで、もとより相当大きな団地をつくるわけでございますから、県当局の了解なしに、あるいは協力なしに、あるいは推薦なしにつくるわけにはとてもまいりませんし、またつくりましてもうまくいかないわけでございます。その点については文書をかわしまして、そして県の当局の、知事の同意を得て、あるいはおやりなさいという意思表示の文書を得まして、そして、ただしこの土地は県の開発公社で買い戻しますから開発公社を通じて買ってください、こういうことでいたしました次第でございます。なお、その朝日土地につきまして虎の門のようないろいろな事件があったということは、私、着任する前から存じておりました。それで、これについては、やはり公団というものは公正でなければいけませんので、当然でありますから特に慎重に考えていかなければいけない。慎重にも慎重というぐらいに考えていかなければいけないということでこれに接触をしていった。しかしその後、責任者がほとんど全部かわりまして、そうして信用ある方がその責任の当局に立って赤字その他をぐんぐんと整理をしておるという状態が見られまして、信用できる方であるというこちらも心証を持ちまして、県当局のおすすめもあり、これに踏み切ったわけでございます。
  94. 多田省吾

    ○多田省吾君 で、この二万五千円という値段でございますが、日本不動産研究所等の値段は、先ほども総裁からお聞きしましたけれども、実は千葉県開発公社の埋め立て事業として、また朝日土地興業株式会社が分譲を受けたその値段というのは、いま申しましたように昭和四十一年の一月十四日で、十四万三千坪を朝日土地が取得したわけでございますけれども、そのときの値段というのは十四万三千坪で十六億九千八百四十七万円、坪単価一万一千八百五十円だったわけですね。それがわずか半年でまあ二万五千円になった。千葉県の開発公社が二万円で買い戻して、わずか半年で、ただ土地を朝日土地が分譲を受けてそうして県開発公社に戻した額というのは。その間、朝日土地がいわゆるもうけた金というのは何と五億円に及んでおるわけですね。そしてあとの三億円はまあ船橋市に対して小学校、中学校をつくるというような理由で交付金がおりているようでございますが、結局そういった事情を勘案しますと、いままで千葉県の開発公社が、浦安沖の埋め立てにしましても、あるいは手賀沼の農地転用の問題にしましても、名目上は千葉県の開発公社になっておりますけれども、その事業をやっているのは全部私企業なんです。そして考えようによっては、住宅公団が朝日土地から千葉の開発公社をトンネルして八億円も半年前よりも高く買ったというような形になっているのです。一万一千八百五十円の坪単価が二万五千円になっているわけですが、こういった問題が公有水面の埋め立てにつきものだと思う。実際にこれは千葉県との問題もありましょうけれども、住宅公団として結局半年前の坪単価一万一千八百五十円の土地が二万五千円になったということに対してどのように考えておるか。
  95. 林敬三

    参考人(林敬三君) 日本住宅公団といたしましては、客観的妥当な適正価格で買うという方針でございまして、坪当たり二万五千円というのを、先ほど申しましたように、適切なる価格と見て買収したわけでございます。これはなおその付近に類似のいろいろのところがございますが、大体それはその土地のいろいろ由来がありまして、それぞれ人間の顔が変わるようにみな変わっておりますが、しかしあすこは二万五千円で買ってこれが高過ぎる、安過ぎるということにはならないという相場になっておると存じます。ただ、その少し前にこれを県から朝日土地に払い下げたときは一万一千八百五十円だったじゃないかという点でございます。これは、先ほどちょっと申しましたように、県と朝日土地との間というものが埋め立て権者というものと埋め立て施行者というものとの間にあったということを聞いております。したがって、あるいは幾分代金の一部的な意味も含まって安く売って安く払い下げたというような、世間相場でない、特殊当事者間の払い下げ相場であったのではないかというふうに見られるのでございます。あるいは実費補償的なと申しますか、そこのところは推察でございましてわかりませんが、そういう世間での普通の売買ということではなくて、特別のずっと事業を共同でやったような形の関係者としての内部の譲り渡しということで、利益というようなものをある程度度外視してこういう数字を出したんじゃないかということを推察するのでございます。しかし、私のほうで買いますときは、もう全く第三者に対して物を売る立場になるわけでございます。そこで、それを一たん遊園地ということで払い下げた。用途を変えて住宅地にする以上は、ほかへ転売することは妥当でないということで、千葉県と一心同体である千葉県開発公社が買い戻したということだと思います。その値段も、全く世間の普通の売り手と買い手との相場かというと、そうでなくて、これがやはり事業を共同でしたものの間の買い戻しという、そこに若干の、朝日土地がそういう商業会社でございますから、それを持っていたことに対する利益というものを見てやって買い戻したのではないかと思います。それから今度私のほうへ売り渡すときとなると、全く世間並みの売り手と買い手とのあの土地におけるところの世間相場ということで向こうが譲り渡すと言い、こちらでも買うということになったと存じます。
  96. 多田省吾

    ○多田省吾君 一応法律上はそのようになっているでしょう。しかし、その裏の話というものは、私は非常に納得のいかないものがあるのです。ちょうど光明池のときに、三百円から五百円の土地が、近々わずか一年の間に四千百円ですか、一躍十倍にもなった。それで日本不動産研究所の査定で四千二百円であるというような査定が出た。だから何もこれは高くないのだ——しかし、その間に日本電建とか興和建設が売ったり買ったりして値をつり上げている、政治資金にまで使われたということが衆議議院の決算委員会等において言われているわけであります。それで、この若松町の土地の売買につきましても、これは住宅公団には一応関係ないとしても、千葉県とそれから朝日土地との間にはいま申し上げました協定書がございまして、その十八条には、買い戻しするときには−甲と乙かあるわけですが、「乙に分譲する土地の譲渡金額を乙に譲渡する土地面積で除して得た額に買戻しをする土地面積を乗じた額とする。」、もとの価格で買い戻すというような協定もあるわけですね。半年たっていますから、利子等も考えて、一万五千円でほんとうは千葉県としても買わなければいけないのですけれども、住宅公団が二万五千円で買いたいと言っているから、その半分だけとって五千円だけ朝日土地の利潤を認めてやるとかなんとか、県議会では県知事が答弁しているわけですね。ですから、朝日土地に利潤を認めることになった根拠というものも、結局は、住宅公団が二万五千円で買おうという値段がつけられてから、朝日土地が五億円もわずか半年でもうけるようなことになってしまった、こういう結果になっているのです。それはまた私たちにとって非常に納得のいかないものがあるわけです。  それからもう一点は、先ほど総裁がおっしゃったように、あの土地がほんとうに住宅地に適しているかどうかです。サーキットという問題も出ましたけれども、その朝日土地が買い求めた十四万三千坪のうちの六万余坪を除いたほかの地域についてすでにサーキットができております。そうしてものすごい音がする。また、遊覧飛行場もできている。さらに、道路一つ隔てた先にはオートレースの競技場がある。それから軽自動車競技場もある。競馬場もある。船橋市のほうで調べた結果、八十ホンも——騒音がひどくて住宅地に適しないのじゃないか、そういうような意見も非常に強かったわけですね。そういった土地、相当検討すべき余地があったようなことをおっしゃいましたけれども、どうして早急に検討して——私どもから見れば非常に住宅地に適しないようなところですよ、どうしてそういうところを買われたのか。
  97. 林敬三

    参考人(林敬三君) 初めの、買う前に、所有権の転々するところを買っているのは遺憾であるというお話でございました。数年前の光明池のときのことをいろいろ方々で御指摘を受けております。あとに参りました私どもといたしましても、ああいうときにあまり権利の移転するのは、やはり諸般のいろいろな関係からいって慎重であるべきだという気持ちはますます持っておりまして、いろいろそのときはそのときの事情があったことと存じますけれども、自今そういうことについていやしくも何かの御心配をかけることのないようにということは努力してまいりたいと存じております。  そこで、このケースでありますが、これは千葉県と朝日土地との間に特別の関係があるということですが、千葉県が買い戻してこちらに売るということであって業者から業者へ転々と渡ったということとは違うのでありまして、相手が地方公共団体でありますので、それだけに信用もある、また、そこでいろいろなことで費用が使われますとしても、すべて公共的な目的に還元されるかと、かように考えまして、妥当適正な評価額に従って買った次第でございまして、御了承を得たいと存じます。  なお、ここの土地が適しているかどうかということであります。お話のように、サーキットとか、競馬場、ヘルスセンター、軽飛行場というのがわりに近くにありますわけで、そこで都立大学の助教授に調査を依頼いたしまして、そしていろいろと慎重に検討をいたした次第でございます。なお、最近はそこに一部防音になります壁なんかもできてきております。それであと、こちらの専門家も行っていろいろ調べまして、住宅の配置及び設計に留意するならば住宅地建設に適当しているという判断をいたした次第でございます。  なお、千葉県庁で知事が県議会でいろいろ答弁しているところを私も読んでみたのでありますが、だんだんとこういう施設は、いまの娯楽施設は、ここに盛んになっていくよりは、ここから転出していくという傾向にあり、すでに一部それを始めているというようなこともありますので、さらにそれでは住宅に適するようにだんだんなってくるのではないかということを考えておる次第であります。いろいろと、静かで、環境がよくて、交通がよくてということを、いろいろな条件に一番適して比較的安いというところをさがすわけでございますが、ある程度のところはがまんしていかなければならないということもやむを得ないのであります。しかし、音など、騒音を科学的に調査いたしましても、これなら住宅に適さないとは思えない次第でございます。
  98. 多田省吾

    ○多田省吾君 総裁はこの土地をごらんになったことがございますか。というのは、この土地は六万余坪で、坪単価二万五千円ですから、十五億七百二十五万円——十五億円以上の買いものになります。そういった特殊法人で、政府から相当の出資も得ており、昭和四十一年度においては百三十二億円の財政投融資等も得ておる会社として、特殊法人として、あまりにも調査が不備ではないかと思われるからお伺いする。私も実は前からこの土地を知っておりますし、またきのうも実は見てまいりました。ものすごい騒音ですよ。サーキットがあり、遊覧飛行がある。サーキットだって何十台飛ばしております、命知らずの若者が。またオートレースもやっております。それから軽自動車のレースまで最近やっております。競馬場もある。それで防音壁なんておっしゃいましたが、こんな低い防音壁で、その外に立っても、その騒音は、もうジェット航空機の飛んでおる飛行場よりももっとひどいのじゃないかと思われるような騒音、八十ホン以上——このように船橋市でも調べておる。どうしてこういった土地が適しているのか。そして総裁御自身がそこをごらんになったのかどうか。
  99. 林敬三

    参考人(林敬三君) 私も前に参りました。これは個々に感じは違うと思いますが、私はいろいろ前に聞いておったよりは、行ってみて比較的にいいところかなという感じを受けたのでございますが、これは比較の問題です。それから東京の都心部まで四十分で行けるという——もう電車ならは三十分でございます。あそこまでバスで十分というところで、その点もいいところであると存じます。このオートレースの一番ひどいときには七十四ホンというのが学者の調査の結果でございます。それから平常日の測定値は最高五十三ホンということでございまして、あと住宅をつくります方角ですね、これが重要な関係がありましょうが、そのつくり方等に十分留意いたしますならば、まずまずこういう点では住宅公団としては適しているとこう見ざるを得ないと存じまして、これを買いました次第でございます。
  100. 多田省吾

    ○多田省吾君 まあ一方は、総裁御承知のように、オートレース、軽自動車のレースの土地ですね。ところがもう一方は、あれでしょう、すぐそばにサーキットがあるでしょう。両面から攻撃を受けているわけでしょう。サーキットの調査はなさったのですか、騒音の調査は。
  101. 林敬三

    参考人(林敬三君) サーキットの競技場のことについて調べた……。
  102. 多田省吾

    ○多田省吾君 いま言ったのは、オートレースをおっしゃったのでしょう。オートレースが七十四ホン。
  103. 林敬三

    参考人(林敬三君) サーキットのレースのことでございます。
  104. 多田省吾

    ○多田省吾君 オートレースはどうですか、オートレースはもっと大きな音を出しますよ。それは調べられましたか。
  105. 林敬三

    参考人(林敬三君) 昭和四十年の七月十七日と十八日に開催されました年一回の全日本選手権レースのときの測定値ということでございます。
  106. 多田省吾

    ○多田省吾君 それは何ホンですか。
  107. 林敬三

    参考人(林敬三君) 最高七十四ホン、こういうことでございます。ただ平常日の測定値の最高は五十三ホンということです。
  108. 多田省吾

    ○多田省吾君 サーキットはどうですか。
  109. 林敬三

    参考人(林敬三君) そういう一番近いところのレースをやるところのあれだったと思うのでございます。
  110. 多田省吾

    ○多田省吾君 総裁はオートレースの調査だけをおっしゃっておりますけれども、同時に、サーキットもオートレースがないときは毎日やっているのでしょう。それで、オートレースの練習、それからサーキットのそういった競技等が行なわれている。両方それをやられたらどういう騒音になりますか。総裁行ってごらんになってあまり騒音がないというようなことをおっしゃいましたけれども、ちょっとおかしいのじゃないかと思うのですがね。
  111. 林敬三

    参考人(林敬三君) これはやっぱり日によって違うと思いますので、私行ったときのあれでもって判断するわけにはいかないのでありますが、私のときは非常に静かでございました。こんなものかなという感じは持ちましたが、もちろん、ずっと絶えず、一番ひどいときを調べて、その結果に待って住宅に適するかどうかということをやってまいらねばならぬものでございまして、その結果は、これはよろしいという結果が出ている次第でございます。
  112. 多田省吾

    ○多田省吾君 千葉県知事も、結局、住宅公団では高い防音林とかあるいは防音壁をつくるような話もあると、そういう答弁をしているようでございますが、いまのままで住宅をおつくりになるつもりか。それから、それとも防音壁等をつくられるつもりか。それから、いつごろそれじゃ住宅を建てられる工事にかかられるおつもりか。
  113. 稗田治

    参考人(稗田治君) お尋ねの防音の堰堤につきましては、もうできておるわけでございます。それから、この建設にいつ着工するかというお話でございますが、本年の九月末に発注する予定で、目下設計に馬力をかけておるところでございます。昨年の十一月から、この地域につきまして、基礎の長さ等を策定するために各種の地盤調査をいたしておったわけでございます。
  114. 多田省吾

    ○多田省吾君 じゃ、もう一点お聞きします。防音壁の高さはどのくらいですか。それから、住宅ができるのは大体昭和何年ごろの見込みですか。
  115. 稗田治

    参考人(稗田治君) 防音堤の高さは、私はここに正確な数字を持っていないわけでございますけれども、三メーターか四メーター程度じゃなかろうかと思います。それから、工事を発注いたしますると、大体五階建ての建物、全体で千八百八十戸を発注するわけでございますが、一年ぐらいで入居開始ということになると思います。
  116. 多田省吾

    ○多田省吾君 昭和年度、でき上がるのは。
  117. 林敬三

    参考人(林敬三君) ですから、本年の九月に発注するわけでございますので、四十三年の九月ごろには入居ということになるのじゃないかと思います。
  118. 多田省吾

    ○多田省吾君 私は、この問題、非常に問題だと思うのです。いま総裁がおっしゃった、オートレースの競技の最中でも七十四ホンを記録している、そのほかサーキットなんかも非常に騒音が激しい、公害問題について、県がやるのか、市がやるのか、住宅公団がやるのかという論争も県議会で行なわれている、そして慎重に検討したということは、相当騒音等の問題についても検討されたことと思います。そして防音壁をつくった、わずか三メートル程度でしょう。私も見てきましたけれども、まあ三メートル以下のように思いましたけれども、そんな程度です。そして五階建ての公団住宅を、高層の住宅を建てるとすれば、すぐそばにあるサーキットの騒音がどうして防止できるでしょうか。それこそものすごい音がする。 つくってみたものの、だれも騒音に驚いて入らなかったというような事態になれば、どうなりますか。また、その間の契約が、朝日土地との間において移転とかなんとかいうような県知事が言ったとかって、会議録をごらんになったなんて言っていますけれども、私もいま持っておりますけれども、移転するなんていうことは書いておりません。それから、オートレースの騒音に対する防音壁はそれじゃつくらないおつもりですか。そういった点に関してお答え願います。
  119. 林敬三

    参考人(林敬三君) 先ほど申しましたように、騒音については、相当な実験、あるいは専門家が参りまして検討をいたしまして、相当な年月かかってこれは騒音の点はだいじょうぶということに踏み切った次第でございます。それであれは、家の建て方、方向、向きというようなものもいろいろくふうのしかたによって、またその騒音を起こします場所、それから住宅との間の距離、そういうようなこと、それからもし現在サーキット側でつくっております防音壁というものが低くてこれでは必要な防音ができないというようなことであれば、さらにそれは住宅としての適切な方途をそこに講ずるというようなことで、これを支障ない住宅としてつくり上げてまいりたいと存じます。まあ多年三十数五尺四十万戸近いものをつくっておりまして、いろいろ音の問題のところにずいぶんぶつかっているわけでございます。それらの経験者がいろいろと検討いたしました結果、これはいけるということでいたしましたわけでございますが、なお具体的に設計を完成し、それからまた実験を重ねていきますと、そこに御心配のような問題というものも出てこないとも言えないと思いますので、十分これは遺憾のないようにやってまいりたいと存じます。サーキット以外の音というものについても十分気をつけて、どうしてもがまんできない程度のいろいろな問題が出てくるときは、それに対する措置を講じてまいりたいと存じます。実際そういうことでございますが、つくってしまった団地のまわりに大きな音を出されるものが来るというときはまた非常に困るのでございまして、騒音のことというものは、住宅の中に入る方の身にもなって、こちらは真剣に考えて、遺憾のないようにこの土地についても最善を尽くしたいと思います。
  120. 多田省吾

    ○多田省吾君 この問題に関しては、まあ十五億以上の金を使って土地を取得して、またそれとほぼ同等のお金を使って公団住宅を建てる、非常に重要な問題でございますので、資料として、その騒音対策でだいじょうぶだったという資料をお出しいただきたいと思います。また、それに追加しまして、土地の評価鑑定書写し、それから千葉県開発公社との売買契約書、それから朝日土地興業株式会社から当初売り込みがあったときの経緯と、この土地取得決定に至るまでの公団の内部の手続、経過等を御提出いただきたいと思います。それから、追加いたしまして、袖ヶ浦団地につきましても同様多くの問題がありますので、若松町団地予定地と同様の資料及び該当地域の土地の登記謄本の写し、これを至急御提出いただきたいと思いますが、いかがでございましょう。
  121. 林敬三

    参考人(林敬三君) ただいまおっしゃいました資料、整えましてできるだけ早くお届けをいたします。  なお、最後におっしゃった、ちょっとおことばにひっかかっていけませんけれども、袖ケ浦団地というものに問題があるというはずは私はないと存じます。あれはもう公団で直営で、自分であそこを埋め立てた——もちろん工事は県に委託いたしました。そうして、それでいわゆる原価で、これは自分でつくった土地でございますから、それで内部で売買をやるといいますとおかしいですが、宅地造成部というところでつくって、それを住宅建築のほうで受けまして、そうしてそれを建てておるところでございます。したがって、もう内部での帳面上の売買はございますが、それ以外には何もないのでございますが、しかしそれについての資料もひとつ御参考までにお届けしますが、それはそういうことで御了承願います。
  122. 多田省吾

    ○多田省吾君 まあ何もないとおっしゃいますけれども、千葉県に関しては、特にこの前の決算委員会等でやられた千葉市内の花見川団地ですか、そういった問題もありますし、またこのたびの若松町団地問題それから袖ケ浦団地にも、そういう、いまお述べになりましたけれども、こちらの調査ではいろいろ疑問の点があるわけです。そういった問題について、今後決算委員会等においても同僚の議員にやってもらいたい、このように思いますので、資料提出をお願いしたわけでございます。  なお最後に、若松町の団地につきましては、私もきのう事実行って見てきておりますし、近所の人たちの反対意見も相当強い、また船橋市等においても、どうもことし一ぱい、来年くらいはかかってもらっちゃ因ると、そういうことを課長等にも直接会いまして聞いてまいりました。そういったこともございます。まあそれは二億八千万円にかかわる公金の問題にもからんでおりますけれども、こういったいろいろ学校の問題荒廃地整備の問題等もありますので、特に私はこの騒音につきまして、この地域は不適当であるというところから、強くその対策をお願いし、また建ててからまずかったということのないように手配を願いたい、このように思うわけです。
  123. 林敬三

    参考人(林敬三君) お話の点、承知いたしました。
  124. 多田省吾

    ○多田省吾君 次に、時間もありませんが、法案等に関して、若干道路に関する質疑をしたいと存じます。  最初に、道路公団の監理官というのは現在どのようなことをやっておられるか、簡単に……。
  125. 蓑輪健二郎

    政府委員蓑輪健二郎君) 道路公団の監理官といいますのは、現在道路公団法に基づく業務の指導監督をやっておりまして、その内容を特に大きなものだけ言いますと、いろいろ資金の借り入れ、道路債券の発行、そういうようなものの認可、承認及びその年の予算の資金計画の作成、事業計画作成、またその変更というようなものの認可、承認をやっておる次第でございます。
  126. 多田省吾

    ○多田省吾君 今度監理官の制度を簡素化するということにしておりますけれども、簡素化しなければならない理由というのはどういうのですか。
  127. 蓑輪健二郎

    政府委員蓑輪健二郎君) 簡素化というこうよりは、何といいますか、合理化したいというような気持ちでございまして、非常に道路公団が、御承知のように、幹線自動車道も始めますし、また首都高速、阪神高速の仕事も相当大きくやってまいっております。そのために、現在あります高速道路課を高速国道課と有料道路課とに分けまして、有料道路道路整備特別措置法、これに基づいていろいろ事業計画その他こういうものを各課にやらせて、その年度公団事業の監督を監理官にやらせるという形で合理化していきたいというふうに考えております。
  128. 多田省吾

    ○多田省吾君 国土開発幹線自動車道建設法というのがすでに定められておりまして、三十二路線、七千六百キロが決定しているわけでございますが、この整備を早急に行なうべきであると思いますけれども、年次計画はできているのですか。
  129. 蓑輪健二郎

    政府委員蓑輪健二郎君) 御承知のように、七千六百キロの高速自動車国道の予定路線が昨年きまりましたが、これに基づきまして、昨年、いわゆる五道と称しております東北、中央、北陸中国九州の縦貫自動車道、これの全長二千三百キロございますが、そのうち千五百四十キロの基本計画をつくりまして、さらにその中に千十キロの整備計画の区間を定めた次第でございます。  まず、七千六百キロの高速自動車道路をやります場合に、現在のできております名神高速及びこれも中央道の一部であります東名高速、これとあわせましていまの五道を優先にしてやっていきたい。さらに、そのほかの緊急を要する高速自動車国道、一例をあげますれば、成田の新空港に行く高速自動車国道、こういうものの建設に着手していきたいというように考えております。まだ緊急に整備を要する個所どこを着手するかは、現在五カ年計画内容の検討と一緒に検討している次第でございますが、大きく言いますと、七千六百キロのうち約半分、約四千キロ近いものを昭和五十年くらいまでに建設していきたい。さらに、もう十年たちまして昭和六十年までに七千六百キロの全線を建設していきたいというような計画を持っている次第でございます。
  130. 多田省吾

    ○多田省吾君 次に、中国地方建設局用地部設置していくということでございますが、これは中国縦貫自動車道あるいは中国横断自動車道建設の用地買収を目的にしているわけでございますか。
  131. 蓑輪健二郎

    政府委員蓑輪健二郎君) 中国縦貫自動車道及び今後出てまいると思われます中国の横断自動車道、こういうものにつきましては、現在では有料道路になりますので、これは全部公団が所掌するようになりまして、中国地方建設局が扱うようにはなりません。
  132. 多田省吾

    ○多田省吾君 それじゃついでに、この中国縦貫自動車道並びに中国横断自動車道の完成見通しはいつごろになりましょうか。
  133. 蓑輪健二郎

    政府委員蓑輪健二郎君) 中国縦貫自動車道につきましては、先ほどのいわゆる五道の中の一部でございまして、これにつきまして大体昭和五十年度くらいまでに全線ほぼ供用開始に持っていきたいというふうに考えております。中国の横断自動車道につきましては、現在のところ、まだどの程度のものが、五カ年で着手して昭和五十年くらいにできるか、現在作業中で、まだはっきりした見通しを持っていない状況でございます。
  134. 多田省吾

    ○多田省吾君 その用地の取得については、現在まで特別の考慮をしてこられたと思いますけれども、その経過をお伺いしたいと思います。
  135. 蓑輪健二郎

    政府委員蓑輪健二郎君) 用地の取得につきましては、これはやはり道路公団が本来用地の取得に当たるべきものでございますが、道路公団は全国的な幹線自動車道をやります際に非常に人が足りないということもございますので、一部を県に用地の買収を委託したいというふうに考えておる次第でございます。
  136. 多田省吾

    ○多田省吾君 次に、成田空港がもしできるとすれば、幹線道路が必要であると思うわけでございます。まあ、きのうですか、運輸大臣が新東北幹線を成田経由でつくるというようなお話も承りましたけれども、この道路に関しては現在どのような計画をなさっておるのでございますか。
  137. 蓑輪健二郎

    政府委員蓑輪健二郎君) 成田空港に関します高速道路計画でございますが、現在、成田空港ができますまでにわれわれ考えております道路といたしましては、東京都内との連結のための道路がまず第一だと思います。これには、現在の道路公団でやっております京葉道路というのが千葉まで行っております。これが途中から分かれまして、東関東自動車道という名称で成田まで行くというようなことを考えております。さらに、これが将来非常に交通量が多くなりますれば、東関東自動車道から京葉道路に乗らずに、東京湾岸道路をつくりまして、それによって東京に入ることを考えております。また、そのほかの成田空港の工事用の道路その他につきましては、まず千葉から柏の方向に行っております国道五十一号線の一次改築、これは早急に完成させて工事に支障のないようにしたい。また、そのほかの地方道につきましては、これはいろいろ空港の公団とも協議いたしまして、できるだけ工事に支障ないように一部分、部分的な改修必要なものを逐次やっていきたいというふうに考えております。
  138. 多田省吾

    ○多田省吾君 東関東自動車道とおっしゃいましたけれども、その用地取得はどういう経過になっておりますか。
  139. 蓑輪健二郎

    政府委員蓑輪健二郎君) 東関東自動車道につきましては、現在のところまだ基本計画はできておりません。これにつきましては、できるだけ早くということは、ことしじゅうに基本計画、さらにできれば整備計画まで出して、それに基づきまして道路公団に施行命令を出します。その施行命令を出しますと、道路公団で実施の設計をつくりまして、現地に幅ぐいを打ちまして用地の買収に入るわけでございます。これの予想は、大体四十三年からは本格的な用地の買収に入れるようにわれわれはしたいというふうに考えておる次第でございます。
  140. 多田省吾

    ○多田省吾君 成田に通ずる道は非常によくなるとは思うんですけれども、反面、銚子から成田に向かう道路なんかは、裏道路で、国道ではあっても非常に悪いわけです。特に佐原から成田なんかはすごい国道でありまして、トヨタ自動車あるいは日産なんかでは、耐久検査の度合いで日本一悪い国道なんということを言っているそうでありますけれども、そういった復旧計画なんかはないですか。
  141. 蓑輪健二郎

    政府委員蓑輪健二郎君) ただいまのお話しの佐原から成田の間でございますが、これは国道五十一号線の路線でございまして、これにつきましては、佐原について、一応いまかなり千葉のほうから行きますと道路が大きく迂回して町の中に入っているような状況でございまして、これのバイパスと、成田からそれまでに至る一次改築、大体幅員七メーターくらいの道路の改良舗装を、少なくとも四十三、四十四年程度では概成したいというふうに考えております。
  142. 多田省吾

    ○多田省吾君 最後にもう一点お尋ねします。昭和四十一年度に交通安全施設等整備事業三カ年計画というものを立てられましたけれども、これは大都市対策程度でございまして、いま郊外は非常に事故が多い。この三カ年計画を、交通安全対策のために繰り上げて行なう、こういう意思は全然ないんですか。
  143. 蓑輪健二郎

    政府委員蓑輪健二郎君) 交通安全施設の整備につきましては、御承知のように、昨年——四十一年七月の十五日に、交通安全施設の整備計画の三カ年計画が閣議で決定されたわけでございます。それに基づいて、四十一年度は約百億、パーセントで言いますと大体一九%を実施いたしました。四十二年度は大幅に四十三年度分も先にやるということで、四十二年度では全体の約四四%に相当する二百四十六億という事業で安全施設の整備を現在やっておる次第でございます。さらに、この事業内容といたしますと、やはり歩道、横断歩道、防護さくというような、歩行者の安全対策をまず優先にしてやっておる次第でございます。
  144. 多田省吾

    ○多田省吾君 以上であります。
  145. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 速記とめて。   〔速記中止〕
  146. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 速記再開。
  147. 北村暢

    ○北村暢君 まず私がお伺いしたいのは、日本道路公団の組織、人員等はどのようになってるか、この点。概略でいいです。
  148. 菊池三男

    説明員(菊池三男君) 組織について申し上げます。四十二年度、従来の組織より少し拡充いたしております。それで、大きく申し上げまして、本社のほかに、東京支社、名古屋支社、これは従来どおりでございます。特に東京支社に用地のための高速道路用地部等を新設したいということで、これは全般的に支社に用地部を主要なところはふやすような計画になっております。それからそのほかは、先年つくりました仙台、それから金沢に建設所がございます。そこを拡充いたすということで、課が二、三ふえる。そして次長というものを置くような計画でおります。それから、非常に概略でございますが、定員につきましては、四十一年度定員が、四十一年度末で五千七百八十人ございました。それに対して、約三百人増ということで、ことしはそれに三百人足して、約三百人足した数字が本年度定員ということになります。
  149. 北村暢

    ○北村暢君 次にお伺いしたいのは、東名中央道も四十三年完成の予定であるようでありますが、今後における新規の高速道路事業計画、これは先ほど来御説明がありましたから、その点は省略いたしますが、大体この事業の伸び率は一体どのような形でいくのか、日本道路公団の高速道路の伸び率はどんなような程度でいくのか、この点をお伺いいたしたいと思います。
  150. 菊池三男

    説明員(菊池三男君) 日本道路公団仕事のうち、大きく分けまして、高速道路と一般有料道路とございます。一般有料道路につきましては、今後とも従来とそう大幅に変わることはないと思いますけれども、高速道路につきましては、先ほど局長が答えましたように、今後七千六百キロの完成を目ざしまして大幅にふえると思います。その規模といたしましては、実は道路公団ができました三十四年から現在までの間に、大体建設費のベースで申しますと千四百億くらいの仕事をやっております。これが三十四年度からでございますから、六、七年ぐらいかかっておると思います。それが本年度は建設費ベースで千四百億ぐらいでございますし、これが幹線をさしあたって約四千キロぐらいを今後十年間ぐらいでやるということになりますと、逆算いたしますと、毎年やはり二千億あるいはもっと大きい三千億というような数字になりませんとできませんので、そういう意味では今後ますます道路公団のほうの仕事がふえてくるというふうに思っております。
  151. 北村暢

    ○北村暢君 次にお伺いいたしたいのは、日本道路公団の収支関係でございますが、そのうち名神高速道路の収支でありますが、いただきました資料によりまして、四十年度末における要償還額に対する計画要償還額の差は五十六億という大きな赤字になっているようでございますが、この理由は一体何なのか、そして今後この赤字というものを解消する見通しというものがあるのかどうなのか、またこういう赤字をかかえながら認可期限内に償還の見込みがあるのかどうなのか、この点についてお伺いいたしたい。
  152. 菊池三男

    説明員(菊池三男君) 先日お配り申し上げましたこの表のことでございますが、これは四十年度末の計画要償還額というのの右側に(B)という欄がございますが、これに対して(A)という欄がお金が五十六億ほど少なくなっております。これは昭和四十年度末にこれだけ償還できればいいだろうということで、この数字だけから見ますと、実は計画よりいいようなこれ形になっているのです、この数字は。それで、実はこの数字が問題でございまして、この計画は当初名神道路を開通いたしますときにきめたものでございますけれども、当初の考え方の計画より供用開始の開通が二年おくれております。実際はこの計画したときより開通が二年おくれておりますので、その間に投資をする期間が二年おくれたために利息その他がずっと減りまして、実は厳密に言いますと四十年度計画要償還額という(B)の欄がこれよりもっと少なくなければいけない、結果的には御質問のようにまだ赤字ということにはなってまいります。それで、この計画額としてはこれしかございませんので、直接比較をするのはちょっと問題ではあったのでございますけれども、一応現在の計画でございますのであげたわけで、これはそういう意味でさらに検討して計画の改定をしなければいけないというふうに思っております。ただ、結果的には赤字でございます。それで、その赤字といたしましては、これ開通いたしました当初は、やはり計画の交通が十分に、四車線のものをつくりまして、四車線の交通が出ませんとなかなか償還が取れませんので、やはり開通当初は何年間かはどの線も赤字にならざるを得ないと思います。そして交通がふえてから今度黒字に転換して償還が終わるということでございまして、そういう意味では開通間がないので赤字もやむを得ないと思いますけれども、それにしてもやはり予定より少ないということがございます。そこで、ただいま御質問ございましたけれども、そういう問題に対してどう考えるのかということでございますが、まだ名神は名神だけの距離ですと非常に短うございます。間もなく東名がつながりますと遠距離交通ということで名神の交通量もふえてくることであろうと思いますし、また名神にいたしましても、栗東から西のほうは計画以上に交通が乗っております。栗東から一宮の間は計画の半分しか乗っておりません。そういう意味で、東名がつながりますと栗東から東のほうがある程度伸びることも考えられますし、またそのほかに、そういう高速道路に行き着きますほかの道路を整備をよくして乗りやすくするとか、あるいは経済効果からして乗ったほうが得なんですという意味のPRも今後大いにやって、これの赤字を早く黒字転換にさせたいというふうに考えております。
  153. 北村暢

    ○北村暢君 私の質問、先ほどの間違っておりましたね、表の見方で間違っておったんですが、実際に収支の関係からいくというと、四十年度で四十三億一千万ですか、赤字になっているわけですね。いまの計画で大体わかりましたが、現在名神に乗っておる乗用車、トラック、バス等の車種別  の利用状況というのはおわかりになっているのかどうか。
  154. 菊池三男

    説明員(菊池三男君) 現在のところ、乗用車が約半数の四九%乗っております。これは当初の計画よりだいぶふえております。それから貨物トラックが現在四六%でございまして、当初よりこれは落ちております。というのは、計画をつくりましたときの当初の見方が、トラックがわりあい多くて乗用車が少ないという見方でございましたものが、現在のところ半々というような比率でございます。それから現在、昨年の四月にトラックの料金を値下げいたしまして、いままで十一円幾らだったのを今度は九円五十銭に下げております。その結果、トラックが非常に伸びてまいりまして、昨年の四月に料金を改定いたします前とあとを比べてみますと、トラックが大体六割か七割ぐらい一年間に下げた結果ふえております。これはほかの乗用車なりほかのものが大体一割ないし二二%ぐらいの伸びで、全般的な交通の伸びもございます。それに比してトラックが七〇%近く伸びておりますので、そういう意味ではわりあいに明るい見通しを持っております。
  155. 北村暢

    ○北村暢君 そこでお伺いしたいのですが、今後東名が完成をすれば、おっしゃるように、相当長距離の陸上輸送、大型トラックの輸送がふえてくるかと思うのでありますが、その場合、中央道が同時に四十三年度一部完成するようですね。その際に、東名が完成して名神に接続しますというと、交通量も多くなりましょうが、中央道はそうはいかないのじゃないか。そうしますと、料金の関係からいくと、一体同じ料金ではなかなか中央道を利用するものが少なくなるのではないかというふうに思われる。したがって、中央道の料金は下げて利用できやすいようにしたらいいじゃないかという意見があるわけです。したがって、高速道路に関するこの地域地域における料金の考え方ですね、全国一律でいくのか、それとも地域によって差をつけるのか、この料金政策について一体どのように考えておられるかお伺いしておきたい。
  156. 菊池三男

    説明員(菊池三男君) 料金制度につきましては、現在のところは路線ごとに償還をするという形で、一応は現在の名神の料金を基本にいたしまして償還年月なんかを考えてやっております。しかし、これがさらに新しい高速道路がふえるようになりますと、必ずしもその料金で採算が、あるいは三十年なり、そういう年数で償還がとれるということがむずかしい路線も入ってまいりますので、そういう全部のものをプールをしてやったらどうかというような考え方も持っております。現在それについて検討中でございます。そういたしますと、料金につきましても、そういうプールいたしたものとしての一つ考え方になろうかと思います。
  157. 北村暢

    ○北村暢君 これは大臣にお伺いしておきたいと思いますが、有料道路で償還年限を三十年——名神の場合三十年ですか、それで現実にトラックの料金を下げたらトラックが六〇%以上増加してきた。やはり料金に問題があるのですね。したがって、三十年償還というのをもっと長期にして、料金を下げて、いまの一般国道の混雑を有料道路に乗せるというようなことが考えられないのかどうなのか、この点、大臣にひとつ所見をお伺いしておきたいと思います。
  158. 西村英一

    国務大臣西村英一君) いま監理官から東名道路の料金の問題がありましたが、東名は、これは全部でき上がるのは四十三年度ですから、四十四年三月、それまでに来年部分的に相当開業いたします。それから中央もやはりそうかと思いますが、その場合の料金はやはり腰だめですね、まだきめておりませんけれども。東海道は込むというようなことでありますから、部分開業ですから、腰だめであります。  それではそれが開通したらどうなるかということですが、いまお話がございましたように、これをいままでのように、名神のようにキロ九円五十銭でずっとやるか、北村さんがおっしゃるように、ちょっとそれを別な観点から考えるか、要するにやはり収入の面からいえば、安くて利用者がふえてその相乗積がマキシマムならば一番いいのですから、ただ単なる償還年限を主眼にして考えるべきか、収入をマキシマムにするために考えるべきか、その辺は非常に考慮しなければならぬと思います。したがいまして、東名道路ができて名古屋‐東京間と長距離になりますれば、ここでやはり一考を要するということを考えております。しこうして、さらに高速道路は実に七千六百キロもやろうというのですから、その場合になりますれば、もっと線路別料金制度にするか、あるいはオール・スケールで考えるかというようなことは、ひとつ料金制度につきましては十分学識経験者の意見も皆さん方の意見も徴し、さらに再考するという機会があるのじゃないか、かように考えておるのですが、とりあえず来年の部分開業は腰だめでいこう、かように考えております。
  159. 北村暢

    ○北村暢君 それで次に一般有料道路について、これはいただきました資料によりましても、採算のとれるもの、まだどうなるかわからないもの、赤字のものと、三つに分けているようでありますが、償還の年限を——認可の償還期限というものがありますが、完了予定が認可の期間よりも早く償還できるという場合には、その期間が来れば無料で開放する、いまの説明だというと、路線ごとの料金でいくということであれば、当然そういうことになるだろうと思うのですね。償還した場合に無料で開放する、なるべく無料で開放する、その後の維持費その他はあるでしょうが、国道に切りかえる、こういうことになると思うのですね。そういうふうに理解をしていいかということが一つ。  それから、その期間内に償還不能のものが二十路線あるようでありますが、この赤字については、どうも将来ともこれは赤字だということですから、これは一体どのように処理せられるおつもりなのか、この点をお伺いしておきたい。
  160. 菊池三男

    説明員(菊池三男君) 第一点の、償還が終われば計画の期間が来ないうちでも無料開放するのかという御質問でございます。これは原則として償還期限が来れば無料開放にいたします。ただ内容によりましては、償還期限が——償還の時期がわりあい近づいておりますけれども、非常に交通が伸びまして混雑しておるというようなところでは、場合によれば現在の二車線のところを四車線に拡幅いたしまして、そうしてその需要に合わせるということをやることもございます。ただし、その場合でも償還の期限は伸ばさない、その範囲内でという前提でございます。原則は無料ということになります。  それから第二の赤字路線でございますが、この赤字路線につきましては、実は損失補てん引き当て金という制度がございます。これは、こういう赤字道路を救済する意味で、どの道路につきましても、収入のうちの一般有料の場合は一〇%、高速道路の場合は五%、こういうものを天引きしてそういうものの財源に充てるように別に取ってしまっております。そういうことで、現在そういうお金がある程度ございますので、こういう赤字路線があっても、この赤字路線を期限が来ればそのまま無料に開放いたします。そういう意味の損失補てん引き当て金、それからもう一つ公差制度でございまして、これも、そういうものが全部終わりますと、その有料道路が開通してからそれまでに通りました車——何百万台になるか知りませんけれども、それの一五%に当たる数まで続けて料金を徴収して、そうしてこれ無料で開放するわけです。そういうものがまた損失補てんの引き当て金の中に入るわけでございます。
  161. 北村暢

    ○北村暢君 それでは、次に首都高速道路公団関係についてお伺いいたしますが、これは日本道路公団との接続点のところは関係をいたしすので、両者に質問がまたがるかと思いますが、現在の首都高速道路公団事業計画を見ますというと、大体八号線までは大体四十六年くらいまでに完成するようでございますね。この内容を私ちょっとわかりませんので、放射線、それから環状線、それから各高速度道路——東名、中央道等との接続、将来東北道その他出てくるようでありますが、そういうものとの関係で、とりあえず東名と中央道は四十三年完成でありますから、その接続等について放射線の事業計画というものがどのように連係をしておるか、この点をお伺いしたいと思います。
  162. 竹内藤男

    政府委員(竹内藤男君) いま渋谷まで行っております三号線というのがございますが、これを延伸いたしまして——三号線の延伸が今年度から認められておりまして、それを延伸いたしまして四十五年度までに東名高速道路に接続させる、こういう計画でございます。それからもう一つは、新宿方向に四号線というのがございます。これは現在新宿の少し先まで行っておりますが、甲州街道を拡幅いたしまして、これを延ばしまして四十六年度までに中央道に接続できるようにしたい、こういう計画でございます。新しいこの三号、四号の延伸線は、それぞれ今年度から予算がつくことになっております。
  163. 北村暢

    ○北村暢君 そうしますと、特に中央道の場合は三年間ズレがあるわけですね。これとの接続するところ、環八でインターチェンジするわけですね。そのインターチェンジは、環八のその計画はいまのところ四十三年までにできる、まあこういうことでしょうか。今後東名、中央道はこういうことで、いまの説明で大体わかりましたが、実際にこの計画というものがおくれないでやれる見通しというのはあるのかどうなのか。用地買収や、まあ都市開発その他で、たいへんめんどうだと思うんですが、そういう見通しがあるのかどうなのか。工事がおくれて接続しないというと、東名なり中央道は先にできても、特に長距離バス等は都心へ入ってくるのにインターチェンジでとまってしまうという形になりますので、利用度が非常にあれだと思うんですね。したがって、長距離バス等が都心に自由に入ってこれると、これは非常に時間的な差で利用度が違ってくると思うんです。そういう点で、計画にそこを来たさないのかどうか、この点お伺いしておきたい。  それからインターチェンジの地点におけるトラック・ターミナルというものの完成というものが、四十三年度の東名なり中央道の完成に間に合ってできるのか。これは道路関係ではないかと思うんですが、まあ首都圏整備の関係もあるんだろうと思うのでありますが、大体これは都市関係でないですか。そういうものの完成時期の調整というものがうまくなされているのだろうかどうかということですね、この点お伺いしたいと思います。
  164. 竹内藤男

    政府委員(竹内藤男君) 現在、東名及び名神国道は環状八号線で受けまして、環状八号線で放射線の街路のすいたところを選んで乗って都心に入ってくるという形でセットしておりますが、先ほど申し上げましたように、首都高速道路の二路線を延ばしまして、これを接続したい。それが完成が予定どおりいくかどうかという問題でございますが、甲州街道はあれは両側拡幅いたすことになります。街路を拡幅いたしまして、まん中に高架で高速道路を通すと、非常な難事業でございます。したがいまして、われわれといたしましては、できる限り予定の期間にやりたいと思っておりますけれども、用地買収あるいは建物の補償その他でこれからいろいろ困難にぶつかる。それからもう一つは、渋谷から行きます三号線のほうは、御承知のように、玉電がございます。玉電を三軒茶屋から渋谷まで地下に入れまして、その上に高架の高速道路をつくるわけでございますが、これは東急がやっておりますので、玉電の調整という問題がございます。これもいま公団のほうで調整を急いでおりますけれども、この関係がありまして、これもなかなかむずかしい問題がございます。しかし、これもわれわれといたしましては予定の時期にやるように努力したいと思っております。  それからもう一つは、トラック・ターミナルとの関連はどうか。現在トラック・ターミナルで考えておりますのは、これは運輸省の関係でございますが、われわれといたしましては、倉庫あるいは問屋というものを一体にいたしまして流通センターという形でやってまいりたいと、こういうふうに思っております。その大きな流通センターとして考えております中に入ってくるトラック・ターミナルの位置といたしましては、板橋とそれから京浜二区というのがいま現に進行中のところでございますが、板橋は大宮国道との関係でございまして、まあ直接名神、東名というものと関連してこない。もちろん環状線を通ってまいりますれば関連いたしますが、それから京浜二区のほうは、環状七号線ですか、東京都の街路をあそこにつけていけばさしあたりあそこにできますトラック・ターミナルは動ける、こういうふうに考えております。
  165. 北村暢

    ○北村暢君 次に、これからの道路公団関係の、先ほどの高速度道路関係、新規の高速道路——特に東北道ですね。そういうことで、高速度道路関係が大体千三百キロですか、確定して、今後事業がだんだん始まるというんですが、その場合に都内の放射線との関係で、従来私の聞いているところでは、地方の高速度道路も大事だけれども、とにかく都内から脱出することを早く考えなければならない、これに接続する高速度道路というものを放射線、環状線を通じて完成しなければならない、そういうふうに聞いておったのでありますが、この今度の五カ年計画等を見ますというと、必ずしもそういうふうになっていないようです。それは、首都高速道路公団関係事業がとても思うように進捗しない、それを待っていたんでは道路公団のほうが接続しない、こういうことなのか、そこら辺の今後の日本道路公団と首都高速道路公団事業の調整といいますか、そういうものは一体どうなっているんですか。
  166. 竹内藤男

    政府委員(竹内藤男君) 実は、先ほど申し上げましたもの以外に、現在やっておりますので七号線というのがございます。千葉のほうへ行っておる道路でございます。これは京葉道路に接続いたしまして、やがて東関東高速度国道というものにつながるということで、首都高速道路道路公団道路というものを接続させる。もう一つは、今年度新しく横浜の三ッ沢線というのを着工しますが、これは横浜までいま第三京浜が行っております。現在横羽線といって、羽田から横浜のほうへ路線を延ばしておりますが、これをさらに延伸します路線に第三京浜をつなごうということでございまして、われわれといたしましては、今後とも、各種の放射路線というもの、あるいは重要なものを道路公団道路と接続させていく、連係をとれるようにしていくというような形を考えております。
  167. 菊池三男

    説明員(菊池三男君) 道路公団のほうの関係でございますが、今度の七千六百キロの中に、外郭環状と称しておりますまるい環状が含まれております。それで、こそは東名、中央道、それから関越、それから東北、常磐、東関東、ぐるっと放射状に出てまいるのをつなぐ道路でございますが、これは非常に土地柄、あるいはまた海岸を通りますので、コスト的に非常に高いのでございますけれども、これもやはり東名、中央あるいはその他の関連として一緒に考えていかなければいけないんじゃないかというようなことで検討はしております。
  168. 北村暢

    ○北村暢君 そうしますと、いまの構想のものは、何という名前でしたか、外郭環状線でしたか、外郭環状線というのを通じていまの放射線に出ていくものを受けとめる、それに接続するもの、これは先ほどの五カ年計画の中に入っていつごろ完成する見込みなんですか。
  169. 菊池三男

    説明員(菊池三男君) 五カ年計画の中には——五カ年計画、先ほど局長も申し上げましたように、まだきまっておりません。設定されておりません。それで、どれだけ入るということがまだ申し上げられませんが、現在の基本計画なり整備計画なりの中にはこの外郭環状が入っておりません。
  170. 北村暢

    ○北村暢君 そうしますと、やはりちょっと時期的にはおくれるということですね。
  171. 菊池三男

    説明員(菊池三男君) いまの五カ年計画にまだきまっておりませんということで、入っていないというわけでもございません。一部やはりあわせてやらなければいけないだろうと思っております。
  172. 北村暢

    ○北村暢君 大体状況わかりました。  次にお伺いいたしたいのは、もう大体いろいろ聞きましたから終わりたいと思いますが、首都圏整備法に基づく道路計画——いろいろな計画と、それに付随をする先ほどの各高速度道路道路計画、これがどうも私の見たり聞いたりしているところでは、行政的にもなかなかうまくいっていないのじゃないかということを聞いておるのです。いま説明を聞きますというと、はっきりした具体的なものが出ておりませんから、そういう点を指摘することもできない。何かこう非常にうまくいっているように説明では受け取れるのですがね。しかし、この点は私は非常に重要だと思うのです。したがって、従来この首都圏整備関係のいろいろな事業計画というものは、各省にまたがり、非常に計画推進上なかなか進まないというような点で、先ほど実際にこのあらわれている東名、中央道の接続の問題についても、もう三年くらいおくれているということがはっきりしておるわけです。三年、四年おくれている。したがって、経済効果の点から見れば、非常にむだなわけなんですね。そういう点からいって、やむを得ない事情もあるのでしょうけれども、そういう点しっくりいかない、こういうふうに思われるのでありますが、こういう点はやはりなるべく早く改善をする必要があると思うのですがね。どうもそこら辺のところがうまくいっていないと思うのです。そういう点で、ひとつ建設大臣から今後の方針等をお伺いしておきたいと思います。
  173. 西村英一

    国務大臣西村英一君) いまお話のありましたように、まあ首都圏内でも一番いま困っているのは四号線でございます。宇都宮へ行くほう、もう一本要るところでございます。しかし、そんなことを言ったってなかなかできないから、バイパス、バイパスとこう言って、どこもバイパスだらけでございます。非常におくれていることを私も認めるものでございます。したがいまして、東海道一号線はもとよりでございまするが、この首都圏の交通の利便をはからぬと、なかなかこれはたいへんでございます。都市から抜け出すのに相当時間がかかるということは、皆さん同じことを言うわけでございます。したがいまして、この点につきましても、せっかく道路五カ年計画も先般決定をいたしましたので、これから実際問題にかかるわけでございまして、詳細な路線の決定をいたしまして閣議に持ち込むわけでございまして、その辺十分御趣旨のあるところを体しまして善処したい、かように考える次第でございます。
  174. 北村暢

    ○北村暢君 最後に一つお伺いしておきますが、この先ほどの五線ですね、高速道路の五路線、これの工事のいわゆる方法ですが、東名のように、これを短期間に相当スピードを上げて、いま日本道路公団は技術のあらゆるものを動員してやっているわけですが、そういうようなことで東名に力を入れてきたのが、こういうふうに五つに分散するわけですね、今後。その場合に、各路線について経済効果等を考えつつ工事期間というものはどのように見ていくのか、相当これは長期間なのか。五カ年計画の中ではとてもこれは完成しないだろうと思うのですが、その場合に、たとえば東北道なら仙台なら仙台というものの付近をやるとか、そういうようなことでこう飛び飛びにやるのか、全線が何年かの計画でもって一斎に、三年か四年でもって完成するような形でいくのか。これから検討されるというようなことですが、大体大まかな方針というものをお伺いしておきたいと思います。
  175. 西村英一

    国務大臣西村英一君) 大体五カ年計画——四十六年でございまするが、でき上がる高速道路といたしましては、名神がいま開通いたしております。それから東名ですから、やはり約四百キロぐらいでしょう。それから中央道開通して、それであと高速道路がまあこの五カ年間で約五百キロぐらい開通する、つまり供用できるのじゃないか。合計千キロぐらいはもう四十六年の五カ年計画で開通ができるのじゃないか。その他のところもおのおの着手しておるところはもちろんあると思います。そこで、まあおのおの交通事情がところどころで違いますので、やはりただ東京から押していくというわけにいきません。やっぱり部分部分で、九州の部分もかからなければ、中国の部分も大阪の部分もかからなければ、あるいは東北の部分もかからなければならぬというようなことでございまして、やっぱりその部分部分の交通事情に応じましてやっていかなければならぬ。なるべく五カ年間にこなしたいと思っておりまするけれども、やはりいま考えますると、ざっぱくなお話で千キロぐらいは使えるようになるのではなかろうか、かようにいま考えておる次第でございまするが、さらに詳細わかりましたならば他日御報告する機会があると思います。
  176. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  177. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 速記再開。  他に御発言もないようでありますから、質疑は尽きたものと認めます。それでは、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでありますから、討論は終局したものと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  建設省設置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方は挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  178. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 総員挙手と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  179. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれをもって散会いたします。    午後四時四十分散会