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1967-07-04 第55回国会 参議院 内閣委員会 第22号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年七月四日(火曜日)    午前十一時六分開会     —————————————    委員の異動  六月三十日     辞任         補欠選任      宮崎 正雄君     櫻井 志郎君  七月三日     辞任         補欠選任      櫻井 志郎君     宮崎 正雄君  七月四日     辞任         補欠選任      米田 正文君     玉置 和郎君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         豊田 雅孝君     理 事                 石原幹市郎君                 八田 一朗君                 稲葉 誠一君                 北村  暢君     委 員                 源田  実君                 柴田  栄君                 船田  譲君                 三木與吉郎君                 宮崎 正雄君                 森 八三一君                 山本茂一郎君                 伊藤 顕道君                 中村 英男君                 前川  旦君                 多田 省吾君                 中沢伊登子君    国務大臣        運 輸 大 臣  大橋 武夫君        労 働 大 臣  早川  崇君        建 設 大 臣  西村 英一君        国 務 大 臣  松平 勇雄君    政府委員        行政管理政務次        官        北畠 教真君        行政管理庁行政        管理局長     大国  彰君        行政管理庁行政        監察局長     稲木  進君        運輸大臣官房長  町田  直君        運輸省船舶局長  芥川 輝孝君        運輸省鉄道監督        局長       増川 遼三君        運輸省自動車局        長        原山 亮三君        運輸省航空局長  澤  雄次君        海上保安庁長官  亀山 信郎君        労働大臣官房長  辻  英雄君        労働省労働基準        局長       村上 茂利君        建設大臣官房長  鶴海良一郎君        建設省計画局長  志村 清一君        建設省都市局長  竹内 藤男君        建設省河川局長  古賀雷四郎君        建設省道路局長  蓑輪健二郎君        建設省住宅局長  三橋 信一君    事務局側        常任委員会専門        員        伊藤  清君    説明員        日本国有鉄道理        事        仁杉  巌君     —————————————  本日の会議に付した案件 ○運輸省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付) ○許可認可等整理に関する法律案内閣提  出、衆議院送付) ○建設省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付) ○労働省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付)     —————————————
  2. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  運輸省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  前回に引き続き本案の質疑を続行いたします。関係当局からの御出席は、大橋運輸大臣その他政府委員方々であります。御質疑のおありの方は順次御発言願います。
  3. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 私はこの際、最近起きました新大磯貨物駅の用地買収問題にからんで、運輸省監督官庁としての責任がおありと思いますので、その観点から一、二お伺いいたしたいと存じます。もちろんこれからお伺いするわけですが、事の性質上、農地法違反というような点からは農水委員会でやることが適当でありましょうし、また、もし不正問題が介在しておるということになりますと、せっかく決算委員会があるわけですから、そういう視野から、ただ監督官庁としての責任をとる観点からだけお尋ねしたいと思うわけです。  国鉄は、例の神奈川県の大磯町に東海道線の新大磯貨物駅の建設計画中と承っておるわけです。それで、その用地買収にからんで、いま指摘申し上げたような不正問題がありと伝えられておるわけで、そういうことについて運輸省としては監督官庁としての立場上、どういうふうにこのことを把握しておられるか、まず、その点をお伺いしておきたいと思います。
  4. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 御質問になりました工事について申し上げます。  工事は新大磯貨物駅の新設工事であります。東海道本線東京小田原間線路増設工事の一環でありまして、昭和四十一年五月十六日に運輸省において認可したる工事でございます。この工事東京小田原間の沿線開発に伴う輸送需要増に対処するため、東京大船間における湘南電車横須賀電車分離平塚小田原間の貨客線分離等目的として約七十七キロメートルの複線増設を行なうとともに貨物駅の整理統合を行なうものであって、工期は昭和四十一年五月から昭和五十年まで、工事費は約一千二百五十五億円と相なっております。工事昭和四十一年五月に着手し、現在、戸塚駅橋上本屋工事及び大船−藤沢間古花水川橋梁工事を実施中であり、新鴨宮貨物予定地及び新大磯貨物予定地用地買収を大部分終了いたしておりますが、その他について目下用地買収交渉中であります。昭和四十一年度の決算額は十三億円、進捗率は一%と相なっております。  そこで、取得したる用地について、先般一部の新聞に、用地買収で不正かという表題で出ておった記事がございます。この土地について調査いたしますると、鐘紡は、化粧品工場建設する目的で、大磯当局に約六万五千平米の土地取得を依頼し、昭和三十七年六月十二日、工場を二カ年以内に完成するという条件農地転用許可を受け、当該地所有権取得いたしております。その後、経済情勢の変動により、鐘紡大磯農業委員会関東農政局に、工場建設延期を願い出、昭和四十三年三月までに完成するという説明をいたしております。国鉄は、昭和四十一年五月十六日、東海道路増工事について運輸大臣認可を得、平塚二宮の現在貨物取り扱い設備線増工事支障を生ずることになりますので、この代替として大磯平塚間に貨物駅の新設が必要となりました。そこで道路事情支障家屋、その他諸般の情勢を考慮して、この土地が最も適当であるという判断を下たわけでございます。昭和四十二年三月二十二日、大磯昭栄製糸工場において、地元関係者に対し公共用地取得に伴う特別措置法第三条に基づく説明会を開催いたしました。昭和四十二年三月二十九日、鐘紡社長に対し、公文書をもって用地買収申し入れました。なお、本事業は、土地収用法第三条に該当するものであることを申し添えてございます。  国鉄は、三井信託銀行東京建物株式会社渕上不動産鑑定事務所の三者に鑑定を依頼し、それてれ平米当たり一万四百円、一万一千円、一万一千三百五十円という評価を得ましたので、現地状況を勘案し、平米当たり一万六百円を相当と認めました。昭和四十二年五月十一日、この価格契約を完了し、五月十二日登記を完了いたしました。その他の所要用地についても上記と同様、鑑定を依頼し、七月上旬、価格交渉に入る予定となっておるのでございます。なお、この点につきまして、農地転用手続国鉄が怠っているのではないかという問題がございまするが、この点につきましては、日本国有鉄道法第六十三条の規定によりまして、国鉄農地国鉄の用に充てるために買収いたした際には、農地法による転用手続を必要としないという法律規定がございます。これに準拠したものと考えます。  以上の点から申しまして、その限りにおいてこの買収は何ら支障のないものと、かように監督官庁として判断をいたしておる次第でございます。
  5. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 大体の様相はいまの御説明でわかったわけですが、ただ問題は、この問題の土地については、いま御説明の新計画用地として八万二千五百平米、その中で問題になるのは鐘紡所有地六万五千三百平米、ここに問題ありということからお伺いするわけですが、鐘紡は去る三十七年に、従業員八百人の化粧品生産工場をつくるということで、約九十人の地主から水田三・三平米当たり六千円で買収した。ところが、工場を建てる場合には、農地法の条項に従ってそれぞれ手続をしなければいかぬ。鐘紡の場合には四年間も工場を建てずにほうっておいたわけですね。私も農地宅地転用するための手続をしたことがございますが、非常にむずかしい手続で、非常に厳格な規制があるわけです。ところが鐘紡は、いまここにおりませんから、鐘紡をとやかく言うわけではございませんが、鐘紡工場をつくるという名目で買って、約三・三平米六千円ばかしであったと思いますが、それを結局、国鉄のいわゆる貨物用地として、先ほど大臣からもいわゆる買収価格が出ましたが、私の知るところでは平米当たり三万四千六百円と聞いているわけです。で、いま国鉄のほうから理事もお見えになったようでございますが、これは国鉄のほうが詳しいと思いますのでお聞きするわけですが、それで鐘紡が、これはまさしく農地法違反であろうと思います。せいぜい一年間に工場をつくるということで、鐘紡神奈川県庁に出頭して、工場写真まで携えて、ここに工場をつくるのだということで説明をしているわけです。したがって、神奈川県庁としても、まさしくこれは工場をつくるであろうということで農業委員会認可を与えた。そういう経緯もあるわけです。しかも、三・三平米当たり六千円で買ったものが三万四千六百円ともなると、これは五倍以上になるわけですね、もし、そういう価格国鉄が買ったとすると。そこで、去る五月十九日に正式に国鉄に譲渡して、これが契約が成立した。大臣からいま御説明があったとおりです。そこで、国鉄のほうにお伺いいたしますが、国鉄がこれを買収したのは三・二平米当たりどれくらいで買っているのか、このことをまず順序としてお伺いしたいと思います。
  6. 仁杉巌

    説明員仁杉巌君) この土地は御指摘がございましたように、三十七年に鐘紡坪当たり約六千円て六万五千平米を買った。それを国鉄は今回、坪当たり三万四千七百円ぐらいになりましょうか。平米当たりで申しますと、一万六百円で買っております。
  7. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 そういたしますと、私のほうから指摘申し上げたように、四年前に三・三平米当たり六千円で買ったものを、四年後に国鉄へ三・三平米当たり三万四千七百円ですね。三万四千六百円と聞いたのですが、三万四千七百円で国鉄へ売りつけている。これは非常な不当利得だと思うのですが。で、鐘紡としては、こういう事態明るみに出かかったので、これは農地法に明確にあるわけですが、いわゆる目的を変更する場合には、地主にもそれぞれ了解を得ることになっていると思う。ところが、そういう事態が起こってきたので、鐘紡はあわてて、地主が九十人もいるわけですから、九十人の地主に六千万円、それから当該地である大磯町に三千五百万円出そうとしておる動きがある。また、これを差し引いても、鐘紡は約五億円にわたる不当利得を得ておる。こういうことが調査の結果明確になったわけですが、そのことについては国鉄はどういうふうに把握しておられますか。
  8. 仁杉巌

    説明員仁杉巌君) この貨物ヤードは御承知のとおり東海道線はり付け線増をいたしますために必要になりました。それは平塚二宮貨物設備がどうしてもつぶれますので、ここに持っていきたいということでございます。大体、昨年の秋に計画をこの位置にということを最終的に決定いたしまして、今度ことしの初めから鐘紡と折衝しておるわけです。その折衝経過におきまして、鐘紡さんは再三国鉄に売り渡すということに対して、工場を建てるからということで拒否をされておったんでございますが、私ども公共事業でございますし、収用法もかけられるというようなこともありまして、鐘紡さんも最終的には御承諾になりまして、これを国鉄に売るということでございます。そこで、私どもとしましては、鐘紡が約坪当たり六千円で買っておるという事実も承知いたしておりましたので、三井信託銀行東京建物株式会社、それから渕上不動産鑑定事務所の三者に鑑定を依頼いたしました。それで、その結果はほとんど同じに出ております。平米当たりになりますが、約一万四百円、一万一千円、一万一千三百円、この三つの鑑定が各会社から出ております。そこで、いろいろな条件を勘案いたしまして、先ほども申し上げましたように一一万六百円という価額最終的に決定をいたしまして鐘紡と話し合いを済ませて買収をしたということでございます。それで、この土地農地法上どういうふうに考えるかということは非常にむずかしい問題でございますが、登記面上は鐘紡用地になっておるということでございますので、鐘紡にお金を払って私ども買収をしたというかっこうになっております。それで、金額の点で六千円から三万五千円足らずという金になってきたということに対しましては、いろいろ考え方もございますが、しかし、現在、鐘紡土地として現存いたしておるものに対しまして、われわれ公共事業だからといって安くするというわけにもまいりませんので、鑑定をもらいました各会社価額を勘案いたしまして最終価額を決定したといういきさつでございます。
  9. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 そこで問題は、まず鐘紡自体に大いに問題はあるわけで、先ほども申し上げましたように、農地法規定によって、工場をつくるということで県庁まで出頭して写真入り説明をしておるということであるから、早急に工場をつくって、その工場が何年かたって、都合で国鉄がぜひそこに駅をつくらにゃならぬという必要に迫られて、公益優先という観点からそれに協力する意味で譲渡する、それなら話がわかりますけれども、四年間もほうっておくということはわれわれ民間人ではとてもできないことです。一年以内にその目的土地農地宅地に変更する。農地委員会に届けた場合には一年間の期限があるわけです。それはもちろん変更する場合も手続がありましょうけれども、それを四年間もほうっておいたということは明確にもう工場を建てる意思がない。そういうことを国鉄は十二分に承知の上で、昭和三十七年ですから四年前、いま御説明のあったように三万四千七百円で買った、そのもとの土地は約六千円である、三・三平米当たり六千円である。しかも、鐘紡がそういう問題が明るみに出てきたので、あわてて六千万円を九十人の地主に対して、また大磯町に対して三千五百万円を出して、とにかく問題を、あまり問題化さないような工作をしようとしたこと、これはもう農地法違反でなければ、堂々とそういうことはできる。そういう必要はないわけです。なおかつそれでも五億円の利益があることは、どう考えても、これは不当利得でなければならぬ。こういう問題、しかも、そういう経緯十分国鉄承知の上で、なおかつこういうものを買い取ったということについては非常に問題があるわけです。不正問題も非常に伝えられておるわけです。冒頭申し上げたように、内閣委員会は不正問題を追及する委員会ではございませんから、これは決算委員会に譲るとして、こういうようなことを承知の上で、しかも、不当な利得をしたということについては、いわゆる鐘紡国鉄と、そうして政府——政府ということになりますと、これは農林省ということになろうかと思います。こういうものが、結局なれ合いでこういう不正の疑いあるような問題をでっちあげたということにしか解釈できないわけですけれども、この点はいかがですか。
  10. 仁杉巌

    説明員仁杉巌君) ただいまの問題の農地につきまして、国鉄といたしましては、再転用に際しましては許可を取り消すことがあるという条件がついておりますということは承知いたしておりました。そこで、しかし、先ほど申しましたように、国鉄農地法上、収用法上、国という立場でございますので、これの買収に関しましては、これは農地でございますが、買収に関しまして認可は必要としないというたてまえになっております。そこで、旧地主、まあ実際的な問題としては、旧地主鐘紡さんの間で何らかの処置がなされるであろうということは考えておる。具体的なことは私どもにはわかりません。わかりませんが、そういうことは考えておりましたが、それも相手が鐘紡のような大きい会社でございましたので、五月の十九日に登記をいたしてございますが、そのときに対地主工作については鐘紡責任を持って処理をしていただきたいと、実は私も個々の関係地主先ほど九十人——私が聞いているところでは八十数人と聞いておりますが、その方々の中で、先ほど申しましたが、東海道小田原から平塚までの線上の大磯地内等で、この地主の方の土地に当たる場所もございます。そういう関係地主方の御協力も得なくてはなりませんので、この土地買収にからみまして、全般的な空気が硬化しても困るというので、そういうことも鐘紡に依頼いたしまして、鐘紡承知いたしましたという返事でございます。その後、六月六日にさかのぼって、少しおくれておるのでございますが、鐘紡武藤社長と私どものほうの東京第二局長との連名で、運輸大臣農地法第五条に基づく事業計画変更申請書を提出いたしまして、これには地元の方の同意書をつけるのでございますが、昨日までに、私が聞いたところでは、すでに全地主同意書をちょうだいして、それをつけて農林省のほうに出しておるというような状態になっているように聞いております。
  11. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 御説明を承っておると、何ら不都合のかどはないように受け取れるわけですが、この農地法違反の点は、もう明確だと思うのです。と申しますのは、譲渡変更の際は一応原形に復さなければならない。こういうことにも違反するわけです。そこですでに、いま農林省は呼んでおりませんが、農林省農政局長あて国鉄鐘紡の両者から始末書を出しておると、こういう事実があるわけですね。この点はどうなんですか。もし合法的にすべてを処置したのであるならば、農林省農政局にそんな始末書を出す必要はないでしょう。始末書を出した以上は不都合があったと解釈せざるを得ないわけです。これはどういう意味始末書なんです。
  12. 仁杉巌

    説明員仁杉巌君) 始末書というかっこうのものは出ておらないように、きのうまで調べたところではそういうふうに承知いたしております。それで、ただこの農地法第五条に基づく事業計画変更申請書の中に、これは文章として、私もあとで見まして非常に手落ちがあるように思うのでございますが、鐘紡側が書いた部分国鉄側が書いた部分があるのでございます。それが混然と練られておらないのでございますが、その鐘紡が書きました部分最終のところに、「当社と致しましては斯かる次第にて事前に農林省当局並びに地主諸氏同意を得なかった事は誠に遺憾に存じ深く御詫び申し上げます。」、こういうことばが入っております。これは主語が「当社」と書いてございまして、実は、こめ文章連名で出ておりますが、内容的には鐘紡のほうの考え方をそのまま書いてあるというかっこうでございます。で、国鉄といたしましては、先ほど申しましたように、対地主工作につきましては一切を鐘紡にお願いをし、鐘紡も引き受けておられる、鐘紡も信用ある会社であるということでございますので、一応全額を鐘紡にお払いをして処理をしてあるというかっこうになっておるわけでございます。
  13. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 譲渡変更の際は一応原形に復帰すると、こういう規定が明確にあるわけですね。それと、鐘紡が最初買ったわけですから、鐘紡は約九十人の地主に対してむろん了解を得なきゃならぬ、その了解を得ていない農地法違反土地国鉄承知の上で買ったということになると、その責は免れぬことになる。そういう事情承知の上で買ったわけなんですね。しかも、そういう事情は十分承知しておったように受け取れるわけです。この点を明らかにしていただきたい。
  14. 仁杉巌

    説明員仁杉巌君) この点につきましては、農地法の第五条の解釈の問題になると思うのでございますが、国鉄といたしましては、農地法上も国であるということで、農地買収するについて農林大臣認可を要さないというたてまえに立って処理をしたようでございます。それで、しかしよく考えてみますと、鐘紡さんが買いまして、いま農地のままでございますが、それは工場を建てるという目的のために買った農地でございます。したがいまして、処理といたしましては、これを買う場合に鐘紡さんが地主同意書をとるべきで、とってわれわれのほうに提示していただくと、それを添えて、あとで、処理いたしましたように農林大臣認可申請をするというようなたてまえをとるほうが穏当であるというふうに現在では私ども考えております。ただ、その当時といたしましては、第五条のわれわれの立場が国であるというので認可を要さないからできるんだという解釈でこの処理をしたようでございます。しかし、それは処置が適当でないというような考え方から、あとで、ことしの六月六日に至りまして申請書を出したというような経過になっているのでございます。
  15. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 先ほども御指摘申し上げたように、鐘紡が三十七年に買って四十二年まで工場をつくらなかった。しかも、鐘紡側県庁に出頭して写真入り説明をしておる。こういうことはとうていわれわれ民間人には考えられないことだ。最初も申し上げたように、私自体がそういう経験があるわけです。ずいぶんやかましい規制があるわけです。しかも、四年間もほっておくなんということはとうてい許されない、もう当然農地に復帰するという措置が下されるわけです。それが四年間、しかも国鉄当局としては、四年前の三十七年に三・三平米六千円の土地を三万四千七百円で買った、これを至当であるというふうに解釈すること。これはもう国鉄はいつもそういう程度に土地を五倍、六倍もの価格で買っておるのかどうか、この問題に対して不当ないわゆる買収価格ではないのか、この点もこの際承っておきたいと思います。
  16. 仁杉巌

    説明員仁杉巌君) この土地の、三万五千円足らずでございますが、こういう値段をきめました経緯につきましては、先ほど説明いたしましたように、不動産鑑定社三社に現在の時価評価を依頼いたしまして、それを勘案いたしまして大体それに近いかっこうできめておるわけでございます。ただ、一つの考え方といたしまして、前に鐘紡がそういうかっこうで六千円で買ったならば、その五年間の物価、利子等を考えてそれだけを上積みして買うという単価の設定のしかたもないではないと思いますが、実際問題といたしましては所有権鐘紡に移っておりますと、現時点におきましては時価で買う以外に方法はないというふうに私ども考えております。
  17. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 結局ですね、鐘紡農地を違反して四年間もほっておいて、しかも、なおかつ農地法違反であるにもかかわらず、旧地主に六千万円とか、あるいは大磯町に三千五百万円とか、そういうえたいの知れない金を出してもなおかつ五億円の不当利得があるということ、しかも、そういう経緯承知の上で国鉄は買っておるということ、しかも繰り返し申し上げるように、譲渡変更の際は原形に復するとか、いろいろやかましい規制があるわけです。こういうものを国鉄鐘紡農林省、これはもう三者がなれ合いがあったからこそ問題なくスムーズにいったのではないか、こういう疑問は当然出てくるわけですね。この点についてはいま御説明の面では少しも納得できないわけですが、私はここでお伺いしようとするのは、これはたまたま問題になった問題でありますし、いま党としても深く掘り下げておるので、やがてこの問題は農水委員会で、あるいは決算委員会で大きな問題となろうと思うわけです。  そこで、これは運輸省設置法にからむ問題でありますから、これ以上お伺いいたしませんが、最後にこういうような一連の問題が国鉄にあるわけですね。やはり運輸省としては監督官庁としての責任上、こういう問題に対して一体どういうふうに責任を感じ、どういうふうに具体的に措置しようとなさっておるのか、運輸大臣としての今後の決意のほどをこの際明確に承っておきたいと思う。
  18. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 国鉄は法令によりまして設けられましたものでございまして、いわば国の分身というようなものでございまするから、いやしくも国鉄の行動というものは法令に準拠し、だれが見ても納得できる行動であるということが一般国民の期待であると存ずるのでございます。したがって、今後、国鉄農地あるいは農地であったものを買収するということもしばしばあることと思いますが、そうした点におきましても、いやしくも法令に違反し、あるいは法令の要求する手続を怠るようなことのないように今後十分留意されたいと考えます。
  19. 中沢伊登子

    中沢伊登子君 私はきのうから大阪で冷房車というタクシーの問題がずいぶん話題をにぎわしておりますが、このことについて一つ御質問を申し上げてみたいと思います  冷房車の問題は、福岡市か北九州市か、どっかで昨年これをやりまして、ずいぶん不評のためにやめられたような話を聞いておりましたが、昨日から大阪でもこの冷房車がいよいよ稼働しだしました。このことについて大臣はどのようにお考えになっておりますか。
  20. 原山亮三

    政府委員(原山亮三君) 大阪のクーラー料金でございますが、これは陸運局長の権限の付帯料金でございます。大阪のほうでこの問題が起こりました理由は、大阪の地は、御承知のとおり道路交通の麻痺状態というものが一番六大都市の中でも多いという実情並びに最近万博の関係で道路工事等が非常に多い。東京におけるオリンピック前のように道路工事が多い。あるいは地下鉄工事があるというふうなことで、非常に交通麻痺の関係及び事故防止対策上、運転手のいらいらというような気分を解消するというような意味、並びに旅客に対するサービスという、両方を兼ねてそういうふうなクーラー料金を設定したい、こういうふうな話が大阪のほうで出ておりまして、それで福岡のお話でございますが、福岡の場合におきましては、旅客が乗ってから入れるとか入れないとかを選択するというふうな話でもってやって、それでもってことごとに運転手と乗客との間でトラブルが起こりました。それだものですから、そういうふうな選択制のクーラーというものはとりやめにしたというふうなことがございます。大阪の場合には、そういうふうな大阪だけの特殊性ということで他の地域には広げない。しかも、ことしきりの実績を見て事故防止上の効果が上がるようであればいいし、そう上がらないものなら、ことし限りでもってやめるというふうなことでもって大阪のほうは大目に見たということでございますが、この問題につきましては、物価対策閣僚協議会に、審議事項ではございませんが、御報告いたしまして御了承を得た上で実施しておると、こういうことでございます。
  21. 中沢伊登子

    中沢伊登子君 この冷房料金ですね、これはやっぱり涼しい日でも、どうも設備代のために私どもが利用すれば取られるということで、涼しい日でも乗ってとめてくださいと言っても、大阪の今度のは設備代だから、これは冷房をとめたら代金はいただきませんということでなしに、冷房とめてあってもやっぱり料金を払わなければならないようなシステムになっているような話を私聞きましたけれども、相当また利用者、特に主婦代表なんかが一生懸命に反対をしておりますけれども、冷房車に乗らないようにという運動をしてみても、それでも十分ぐらいタクシーのくるのを待っていても、その中でクーラーのついていない車は二台ぐらいしかない、こういうような話を私のほうに持ち込んできたわけであります。こういうような点、タクシーというのは私ども利用者に選択権がないわけですね。来た車に乗らなければならないということで、その設備代を利用者に負担させるというようなかっこうになっております。そこで、いま運転手のいらいらを防ぐ意味からクーラーをつけて涼しくする、ほこりもかぶらないような運転をさせるような話でございますけれども、ほんとうは運転手というものはあの冷房を入れていると、相当に足が冷えたり腰が冷えたり、おなかが痛くなったりというようなことで、かいろを入れてみたり、あるいは冬になったら神経痛が起こるのではないかというような心配をされながら運転をしている。しかも、こういうシステムが始まった当座は、お客のほうで、いや、きょうは涼しいからクーラーはつけないでくれとか、やれ、たばこがのめないとかいうようなことで、徹頭徹尾、運転手も会社側も低姿勢でいこうという、こういうようなことが約束はされているようでありますけれども、こうなると、かえって運転手のほうがいらいらするのじゃないかということを私は非常に心配するわけであります。お客さんにずいぶんいろいろな文句を言われて、かえって運転手が気分的にいらいらしまして、むしろ私はこういうことが交通事故の原因になりはしないかということが非常に心配されるのでありますけれども、こういうことについてはどうお考えになりますか。
  22. 原山亮三

    政府委員(原山亮三君) 問題の大阪のクーラー料金の問題は、先ほど申し上げましたように、あくまでも事故防止対策という観点でございまして、大阪の特殊性と事故防止対策ということに効果があがるというふうに考えたわけでございまして、大阪以外の地域には拡張しないということと、それから本年の実績を見て今後のことを考えるということでございまして、われわれとしてはそういうふうな制度が運転手のいらいらとか、そういうような問題の解消で事故防止対策にある程度寄与し得るという判断でございますし、組合労働者の運転手の諸君の中からも、こういうものを実施する前にこういうものを実施してほしいというふうな声も相当あったというふうに、現地のほうの話は聞いている次第であります。
  23. 中沢伊登子

    中沢伊登子君 この問題は大阪に限ってやられたようでございますけれども、何か最近タクシー料金の値上げがまたそろそろうわさにのぼっているように思いますけれども、もうすでにタクシー会社のほうから値上げの申請をされているのではないでしょうか。
  24. 原山亮三

    政府委員(原山亮三君) タクシーの運賃申請は全国的に八十五地区から各陸運局のほうに申請が提出されております。
  25. 中沢伊登子

    中沢伊登子君 そうしますと、この冷房料金、これが八月、九月ごろで終わるかもしれませんけれども、終わったとたんに、その時点でタクシーの料金が値上げになって、もうそのいまの冷房料金を私どもが取られるとなると、その値段がそのまま普通の料金になってしまうのではないかということが非常に心配されててるのでございますけれども、そういう危惧はございませんか。
  26. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 基本料金の引き上げが、ことに六大都市におけるハイヤー、タクシーの基本料金の引き上げが全国から出てはおりますけれども、私どもは現在の物価対策という観点から、基本料金に手をつけて認可を与える考えは現在のところございません。
  27. 中沢伊登子

    中沢伊登子君 それからもう一つお伺いをしたいのは、この冷房の設備代というものは大体一カ月に六万二千円ぐらいかかるという話を聞きました。そうすると、これを三十日で割ってみますと、一日に二千百円ぐらい……、そうですね。二千百円ぐらい毎日稼働をしなければその償却代なんかが取れないわけですね。そうすると、その二千百円ほど運転手が冷房料金を稼ぐとしたら、一日どれぐらい働かなければならないのでしょうか。
  28. 原山亮三

    政府委員(原山亮三君) 冷房のこまかい数字等につきましては、大阪のほうの局でもってこまかく計算いたしまして、われわれのほうといたしましては、そういうものを大阪の地域、非常に初めてのことでございますので、やるべきか、やらざるべきかということについてはいろいろと検討したわけでございますが、こまかい内訳等につきましては、大阪の付帯料金程度の問題でございますので、大阪のほうにまかしておった次第で、現在ちょっと数字は持ち合わせておりません。
  29. 中沢伊登子

    中沢伊登子君 それならば、この冷房車の問題でもう一つ伺いたいのは、まあ一日に二千百円ぐらいの冷房料金を会社からおっかぶされるわけですね。相当働かなくちゃいけない。そういうのが運運転手の人に非常にノルマを課せられるということと、それから肉体的には非常にからだが冷えたりなんかするという、そしてまた冬なんかに神経痛が起こらないだろうかということを非常に心配しながら走っている。それから、お客さんからはこんなものをしなくってもいいのにという非常にいま風当たりが強いようでございますけれども、運転手はこういうような二重三重の圧力をかけられているような、非常にかわいそうな状態に置かれているのではないかと、私はこのように思いますけれども、どのようにお考えでございますか。
  30. 原山亮三

    政府委員(原山亮三君) 冷房料金でもってノルマを課しているというふうなことについては、全然いまのところわれわれのほうは耳にいたしておりません。
  31. 中沢伊登子

    中沢伊登子君 それならば次の問題に移りますが、航空機の騒音の問題については、予算委員会だの、あるいは衆議院の運輸委員会だので、いろんな人がそれぞれ質問をしておられますので、私としてはもうたいした質問がないわけですけれども、一つだけ伺いたい問題は、今度の騒音防止法案の中で防音林の問題が出てまいります。この間、予算委員会でも、私、大橋運輸大臣に質問をさしていただきましたけれども、あの防音林というものは一体どれくらいの幅で、どれくらいの長さで、まあたとえて申せば伊丹の飛行場を取り上げますならば、どれくらいの幅で、どれくらいの長さでこの防音林を計画なさるのでしょうか。
  32. 澤雄次

    政府委員(澤雄次君) 防音林は、日本ではいままで研究がございませんで、世界的にもワシントン・ダレス空港でやっているだけでございます。今度は新東京国際空港公団が成田の空港につきましてこの防音林を設置しようということで、各方面、日本林野技術協会、それから日本音響学会、それから東大の先生方に研究を委託いたして、その結果の報告をやっと公団が手にいたしたところでございます。それによりますと、防音林の幅でございますが、これは五十メートルから約百メーターまでの間でございまして、長さは、これは新東京国際空港の場合は述べ八千七百六十メーターを予定いたしております。それで、この調査によりますと、防音林の木が育つのに非常に時間がかかるものでございますから、約八メートルの土手を築きまして、飛行場に近いほうは低木——低い木を植えまして、それから山の上、あるいは飛行場から遠いほうの側にはヒノキであるとか、杉であるとかいうものを植えまして、そして音を防止しようということでございまして、この報告書に基づいて公団では目下計画を進めております。この効果でございますが、この諸先生に研究をお願いしました結果によりますと、防音林の高さが土手を入れまして下から十メーターになりますと、一キロ離れたところで約十ホンの違いがある。それからこれが二十メーターになりますと、一キロ離れたところで十五ホンの違いがある。こういう御報告をいただいております。
  33. 中沢伊登子

    中沢伊登子君 大阪の国際空港の話をよく質問をいたしますけれども、まああの周辺というのは過密都市でございましてね、しかも、そのまわりには文教地区、特に西宮などは文教地区といわれまして学校が非常にたくさんあるわけです。それから自動車も毎日毎日相当の量がふえていって、道路のほうが追っつかない状態ですけれども、この万国博を控えて、これからどんどん私は飛行機の上がりおりがふえてまいると思います。そのときにあれだけ過密都市で、そしてあれだけ文教地区であるこういうところにジェット機がどんどん飛び出しますと、それこそ自動車と道路の関係よりももっとひどくあすこら辺が騒音で悩まされる。もしもその防音林がつくられましても、あれだけのところではなかなかそうたいして、幅百メートルも、八千メートルも九千メートルもというような防音林は私はとうていつくれないと思います。そうすると、そこら辺の騒音を防ぐのにずいぶん困難な事態になってくると思う。そうなりますと、むしろ早く大阪国際第二空港を、たとえば淡路のようなところに早く調査をして建てることにしまして、ああいう過密都市の中の飛行場というのは、もうローカル空港、もうプロペラだけの飛行場、そういうようにしていただかなければ、とうてい私はトラブルは解決しない、このように思いますけれども、そういうお考えがあるでしょうか。
  34. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 大阪の空港は昭和五十一年までには大体使用の限界に達するものと思われます。これが拡張の余地はもう全くないものと認められまするので、大阪付近に第二国際空港をつくる必要を認めております。今年度、調査費を取りまして具体的に調査を始める予定でございます。
  35. 中沢伊登子

    中沢伊登子君 いま向こうのほうはまた新幹線でも相当用地買収のことでもめておりますけれども、だんだんスピード時代になってきますから、それは飛行機を利用する方が非常に多いでしょう。国鉄のほうでは、この狭い日本の国土で新幹線をおもになさるのか、今後なお飛行機を利用するほうに方向を向けていらっしゃるのか、どちらか、そのことをお伺いしたい。  それから長野かどこかの飛行場なんて、ほとんど使えない飛行場があるということを伺っております。また、秋田の飛行場みたいなところが、風があるとか、あるいは冬寒くて飛行機がおりられない、そういうような飛行場があるのだけれども、今度は、これで見ますと、鳥取に一つ飛行場をつくるわけですね。まあこういうふうにして、この狭い国土でどんどんローカル飛行場もつくっていくのか、今後は新幹線のような早いスピードの鉄道に切りかえていくのか、どっちの方向をたどられるのでしょうか。
  36. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 新幹線は、ただいま予定いたしておりますのは、近々に岡山まで、さらに広島、さらに福岡まで、そこまで具体的には考えておるのであります。その他の地区についてはまだ具体的な計画はございません。  そこで、新幹線と飛行機と、どちらに将来の交通の重点を置くかということでございます。私はやはりどちらにも力を入れなければ今後の交通の需要には応じ切れないのではないか。これは量的ではなく、やはり新幹線に乗りたいという方もありますし、ぜひ飛行機で行きたいという方もありますし、どちらもふえてくるのではないか。したがって、どちらということは言えないと思うのです。並行してやって行くほかはなかろう、こう思います。ただ、地域によりましては、お客の予想のつかないところにばく大な投資をして新幹線を設けるということは、これは不可能だろうと思います。  それから、これからもどんどん飛行場をつくろうかということでございますが、御承知のとおり、昨年の相次ぐ交通事故によりまして、飛行場の新設よりは現在ある飛行場を安全な整備したものにすべきだということになりまして、ここは、五カ年の間はもっぱら飛行場の整備に重点を置くという考え方をいたしておりますので、新設飛行場としては東京国際空港以外には具体的に考えはございません。ただ、先ほど申し上げました大阪の第二国際空港は、これは五十一年ごろには考えなければなりませんので、調査は十分に進めてまいりたいと思っております。
  37. 中沢伊登子

    中沢伊登子君 それでは休閑飛行場みたいなもので、長野県の飛行場とか、秋田の飛行場とか、それから北海道にも相当ございますね。せっかくつくったけれども、ほとんど利用価値のない。そういうのはどういうふうになっておるのですか。
  38. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 従来一つのやり方といたしまして、せっかく飛行場ができたから、航空会社に話をして、無理にでも何とか便をつくってくれないか、こういうふうに頼み込みまして、それじゃまあ引き受けようかというようなことで、航空路が開設された例もございます。しかし、国内におけるローカルの航空路は非常に経営が苦しい線が多いのでございまして、こういう安全の必要な際にそういう過重な負担を航空会社にかけるということは、安全第一主義からいいましても不適当だと存じまするので、いまのところはそういうやり方はあまり感心しないと、こう思っております。いずれ交通事情がだんだんに変わってきまして、旅客もおいおいにふえる傾向であろうと思いますので、先行投資という意味で、いずれは実用になるであろうということで、これらの休閑の飛行場も維持をしてまいりたい。しかし、新規にそういうものをつくることは当分差し控えたい、こういう考えであります。
  39. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 速記とめて。    〔速記中止〕
  40. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 速記再開。
  41. 北村暢

    ○北村暢君 私はまず土地の地価の問題に関連して大臣にお伺いいたしまして、それから陸運関係と、それからあとでまた全般的なことをお聞きいたしたいと思います。  まず、今度、飛行場部を設置するということでございますが、これに関連をして新国際成田空港の用地買収について、いまのこの買収価格というのがもうそろそろ折衝の間で出ておるわけなんですが、大体この買収価格というのはいまのめどはどのくらいで買収できるのか、めどを持っておるのか、この点についてお伺いいたしたいと思います。
  42. 澤雄次

    政府委員(澤雄次君) 土地買収価格につきましては、目下、新東京国際空港公団が土地所有者と折衝をいたしております。で、土地買収価格につきましては、具体的に土地所有者の土地を測量いたしまして、適当な土地鑑定人の意見を徴して決定するわけでございます。大体のめどのようなものを示してくれという地元の要望もございましたので、昨年九月の閣僚協議会におきまして、あの付近の公共事業——これは国道五十一号線その他の買収をやっておりますので、あの付近の公共事業におきまして一番高いところは百十万円、これは畑でございます。百十万ないし六十万である。それであるから、それと、もし同等の敷地内の土地については、やはりそれが一つのめどになるであろうというような閣僚協議会の申し合わせがございました。しかし、現実には公団と土地所有者との協議により、また、土地鑑定人の意見もいれて決定するわけでございます。
  43. 北村暢

    ○北村暢君 いま一応の目標として、同一地域内における公共事業買収価格というものが百十万から六十万、こういうところでございますが、百十万ないし六十万というのは、これは百十万くらいになるというと、三・三平方メーター当たりにすると幾らになるのですかね、坪当たりにすると。ちょっとそこで計算してみてくれないですか。
  44. 澤雄次

    政府委員(澤雄次君) ちょっといま計算をいたしております。すぐあとでお答えいたします。
  45. 北村暢

    ○北村暢君 いずれにいたしましても、これはたいへんな価格ですよね。それで直ちに響いてくるのは、非常に近いところにある筑波学園都市の建設の問題、これに反映をして非常に問題をかもしつつある。これは学園都市のほうは建設省所管でありますから、運輸省関係ないわけですけれども、いずれにいたしましても、公共事業に対する買収の地価の問題は非常に大きな地価の値上がりの問題と関連をして問題をかもし出していることはもう間違いない。それで、この問題は、実はこういう鉄道の建設、その他鉄道の過密ダイヤの解消と旅客サービスの改善ということで駅の新設その他やりまして、その周辺の土地の値上がりというものが非常に起こってくるわけです。それで、この前から新聞で騒がれているように、国鉄が予見して買い占めをやって値上がりを待つというようなことをやったとかやらないとかいう問題が出ているのですね。このことが都市交通の料金問題とも関連をしてくるのであります。昨年の四十一年五月三十一日ですか、物価懇談会においてこの都市交通の問題に関連をして一応結論を出しておる。これに対して運輸省はどのように検討されてきたか。特にこの地価問題について一応の結論を出しているわけです。それをひとつ、どのように検討されておるのか。地価問題はこれは運輸省だけでなしに、建設省その他農林省等、関係するところが非常に多いわけなのでありますけれども、この地価の値上がり問題が現在の物価値上がり問題に大きな影響を起こしておる。特に公共事業の実施が地価の値上がりに影響している。非常に関連する面が多いわけであります。料金値上げの非常に大きな要因として従業員の賃金の値上げとか、その他の問題もあるでしょう。がしかし、今日の料金値上がりの大きな問題として物価問題懇談会でも指摘していることは、やはりサービスの改善、その他による資本の投下のための値上がりというのが非常に大きいということを指摘しているわけです。それに対する考え方が物価問題懇談会から結論が出ているのですが、これは私がしゃべってしまったのではあれですから、運輸省は一体この物価問題懇談会の地価問題に対する考え方についてどういうような結論を持っておられるのか、検討されておるか、これをひとつ伺いたい。
  46. 澤雄次

    政府委員(澤雄次君) 先ほど坪当たりの数字を申し上げますと、三千六百六十六円であります。
  47. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 物価問題の懇談会の最終答申におきまして地価対策が発表されたことは御承知のとおりでございます。地価の上昇を何とか妥当なところで押えていくというのが物価問題の根本であるという趣旨でございます。運輸省といたしましても、特に建設省が中心になって地価の問題を検討しておられまするが、それと協力いたしまして、できるだけ地価対策に協力して押えていくようにしなければいかぬ、こういう考えでございます。特に運輸省といたしましては、最近、国鉄関係、あるいはまた工場関係、あるいはまた港湾関係等、土地利用に非常に関係がございますので、私どものきめます買収価格というものがやはり国内の地価の形式に大いに影響があるものと考えまして、地価の決定については、できるだけ公正にして、かつ価格政策上間違いのないようなものをきめなければならない、こういう考えで買収に当たっておるわけでございます。
  48. 北村暢

    ○北村暢君 そういうことは、物価問題懇談会の結論では、あなたのほうの料金問題に関連して地価問題が出ている。それにはそういう趣旨のことで結論は出ていないのですよ。というのは、ここには資料を持っておらられないのかもしれませですからあれですが、たとえば、駅ができてその周辺の地価の値上がりがする。これは交通事情が変わったために地価が上がるわけですね。したがって、その地価の上昇というものは開発したところの利益というもの、地価の上昇というのは開発したことによる利益、それが当該開発利益の造成者である交通事業者、公共的な投資をやった企業の主体、これに還元されるべきであるというのが基本的な考え方です。こういうことが出されておるわけです。したがって、この公共事業に対する地価の値上がりというものは、道路がついたら道路がついたことによって地価が上がったのだから、道路をつけるために相当大きな投資をするわけですから、その道路の投資に還元される、鉄道をつければ鉄道をつけたことに還元されなければならない、こういう考え方なんです。したがって、その値上がり分は事業主体に還元されるべきだというのが考え方なんです、国鉄なり何なりに。そういう考え方であるというと、これはいまの地価の問題は、税制の問題と関連して、個人的な地価の値上がりを私的にほしいままにするということは許されないということになってくるわけですね。そういう考え方が、物価問題懇談会の結論として不労開発利益の還元に踏み切るべきであると、こういう考え方が出てきているわけです。そういう点について、あなた方は一体どういうふうに検討されてきているのか。この物価問題懇談会の結論に対して、運輸省としてはどういうふうに考え、今後の料金問題等とも関連して考えていくかということをお伺いしている。
  49. 町田直

    政府委員(町田直君) 御指摘のございました物価問題懇談会の結論と申しますか、答申につきましては、実は前々から運輸省としても同様な考え方をもって今後の施策にどう反映さしていくかということを検討しておったところでございますが、ただ、具体的な方法といたしましては、いろいろと、たとえば法制化する必要もございますので、この物価問題懇談会の、ただいま先生の御指摘のあったような趣旨を反映いたしまして、各省庁と十分協力して具体的な施策を講じていきたいということを検討している最中でございます。
  50. 北村暢

    ○北村暢君 これは運輸省だけでこれを確認できるわけじゃないことは私も十分承知しています。しかし、運賃値上げの問題がやかましくいわれて地価の問題が出ているので、運賃値上げの問題についてこの結論が、この問題が派生して出ている。ですから、運輸省といえどもこれは無関心でおるわけにいかないわけですね、そういう考え方について。ですから、私は特にお伺いしている。この国会に建設省設置法が出てくるので、主として地価の問題は建設省であることは私十分知っているわけですけれども、そういう意味で私は考え方は同感で、検討して今後その考え方を反映させるような方向に努力したいということでございますから、官房長のそういう考え方というものはわからないわけじゃないですけれども、これは官房長、簡単にそうおっしゃるけれども、このことを行なうということは簡単な政治力や何かではできないです。この地価の問題は、おっしゃるけれども、これはたいへんな、政治力でやっても実現できるかできないか非常に困難な問題なんです。したがって、私はどれだけ、公共事業の一環を担当している運輸省として、この地価問題に対する熱意というものがどういうふうにおありかということを実は聞きたいために質問しているのですが、どうも大臣はそっちのほうには考え方がないので、ただ安定させるとか何とかいう程度のことならばだれしも言うことなんで、それじゃ実現しない段階に地価の問題はきているのです。ですから、新幹線一つ見ましても、土地買収費の占める比率というものがたいへんなものなんですね。したがって、今後の公共事業を進める上においても重大な問題でありまするので、ひとつ大臣からこの問題に対する将来の決意なり考え方なりというものをはっきりお伺いしたい。
  51. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 物価懇談会の結論の中で、地価対策として公共事業の利益を公共事業の設置者に還元させるような、そういう方向で土地の問題を処理すべきだという御意見についての御質問でございますが、私どももこの考え方は唯一の考え方だろうと思うのでございまして、これを実現することはいわゆる利益者負担の問題とか、あるいは土地の値上がりに対する課税の問題とか、いろいろな政治的には困難なる問題は含んでおりまするが、いやしくも公共事業関係者たる運輸省としては、この問題に大きな関心を持たなければならぬ立場にあります。先ほど官房長からお答えいたしましたように、今後、所管大臣といたしまして一段と努力をいたしたいと思います。
  52. 北村暢

    ○北村暢君 この地価の問題はそのくらいにいたしまして、次に陸運関係の問題についてお伺いいたします。  まず、お伺いいたしたいのは、これはもうありふれたことでございますが、昭和四十二年の三月末現在のこの自動車数、それから運送事業、整備事業、こういうものの企業体の数、それがまあ五年前くらいからどんな傾向にあるのか、この点をまずお伺いいたしたい。
  53. 原山亮三

    政府委員(原山亮三君) 自動車数の推移でございますが、五年前から申し上げますか。
  54. 北村暢

    ○北村暢君 四十二年の三月末現在、おわかりですかね。わからなければ四十一年でもいいと思うんですが、三月末現在の台数と、それがまあ五年前からどのぐらいふえているかということがわかればいいです。
  55. 原山亮三

    政府委員(原山亮三君) 四十一年末では九百六十三万九千台でございまして、五年前、三十七年でございますが、三十七年の数字は四百九十二万二千ということです。運送事業者の数でございますが、バスの関係では、これは四十一年三月末現在の数字しか持ち合わせをいたしませんけれども、四十年の末、すなわち四十一年三月末の数字では、乗り合いバスが三百六十二社、貸し切りバスが五百二十九社でございまして、それより五年前でございます三十六年では、乗り合いバスが三百四十二、貸し切りバスが四百四十七、こういうふうな数字でございます。それからタクシーの事業者数でございますが、四十一年三月末 すなわち四十年度の末でございますが、法人の事業者数が一万六千八百十一、個人タクシーが一万三百六十二名、こういうことでございまして、三十六年末の数字では事業者数が九千九百十五、個人タクシーは四千四百七十四、こういう数字になっております。
  56. 北村暢

    ○北村暢君 整備工場
  57. 原山亮三

    政府委員(原山亮三君) ちょっと整備工場の五年前の数字はわかりませんが、四十一年三月末までの数字で申し上げますと、認証工場と申しますのは一番ランクの低い工場でございますが、これが四万八千五百七十一、ランクの高い指定整備工場が千百八十六、こういうふうになります。
  58. 北村暢

    ○北村暢君 そこでお伺いしたいのは、陸運関係の定員は一体その間どんなような状況なんですか、現在員、四十一年と三十七年の状況。
  59. 原山亮三

    政府委員(原山亮三君) 特に自動車数に対応して仕事の量がふえますのは、陸運事務所の職員でございます。その陸運事務所の職員の数で申し上げますと、三十七年では千五百六十八名、それから四十二年では千九百九十一名。
  60. 北村暢

    ○北村暢君 いま局長が申したとおり、自動車数は今年度一千万台をもう突破するという状況ですね。三十七年当時の倍になり、運送業者もタクシーは非常にふえておる。整備工場もおそらくこれに比例してふえておることは、三十七年の数字はわからないようですけれども、ふえていることは間違いない。ところが、定員は千五百六十八名から千九百九十一名、約四百名ちょっとふえておる程度です。したがって、これは陸運事務所の業務の実態というものは、この点からいって非常に忙しくなってきていることは間違いないようですね。そこで、具体的にお伺いいたしたいと思いますが、まず窓口業務であります。窓口業務の免許、いまお伺いしているのはすべてこれは陸運事務所関係ですが、免許、許認可等申請の受け付け、それから局へのそれへの進達、それから乗り合い、あるいは貨物路線の調査、事業者の監査、こういうような仕事がいろいろあるようですが、そのほかに最近の自動車損害賠償保障保険の自家保障賦課金の出納事務、これが最近非常にふえてきているようです。そういうようなことで窓口業務そのほかに登録申請の事務、こういうようなものがあるようでありますが、この許認可の状況ですね、おくれている状況、これは一体どうなっておりますか。
  61. 原山亮三

    政府委員(原山亮三君) 許認可事務の中にバスの関係、トラックの関係、ハイヤー、タクシーの関係等がございますが、一番、現在問題になっておりますのは、未処理事案で多くかかえておりますのが東京における個人タクシーでございます。この問題が現在、東京陸運局で約四千三百件程度の未処理件数をかかえております。これが一番未処理事案としては多うございます。それ以外のバスとか、トラックの関係では大体申請した件数に応じた処理を大体やっておりまして、それほど未処理でためるということもないような実情になっております。
  62. 北村暢

    ○北村暢君 それは個人タクシーというのは認可するかしないかが問題でたまっているんですか、それとも事務的に処理がむずかしくてできないのか。個人タクシーをどんどん免許を許可するということができないためにたまっているのか、その理由は何ですか。
  63. 原山亮三

    政府委員(原山亮三君) 一番大きな理由は三十九年のオリンピックの時でございますが、このときに非常に大ぜいの申請がございまして、オリンピックに必要な数の確保ということについては処分をいたしたわけでございますけれども、三十九年来の未処理件数が非常に残っております。それと自動車運送協議会でもって増車の基準と申しますか、そういうふうなものが出ておりまして、その基準に従って増車を順次やっておるということでございまして、そういうふうな基準に対応した数を認めていく、個人タクシーの未処理については、陸運局で少ない人員ながら一生懸命やっておるということでございますが、なかなかその処分ができないということでございます。このたびタクシー関係の問題を全般的に再検討いたしまして、こういうふうな個人タクシーの未処理事案というものを早急に処理するために、東京陸運局でこの一カ月以内に計画を立てまして、その処理計画にのっとって未処理事案の一掃をはかりたい、こういうように考えております。
  64. 北村暢

    ○北村暢君 最近、個人タクシーの免許、認可ですね、これを大幅にどんどんやろうという方針のようでございますね。そうすると、いまの話を聞いておりますというと、計画を立ててやられるようでございますが、事務能力において、どんなに早くやろうとしても事務能力が不足しているためになかなか処理がおくれているというふうにも聞こえるんですが、いま政府のとろうとしている個人タクシーを大幅に認めていこう、どんどんふやしていこうという考え方であるようでありますが、それとの関係は、いま計画を立てて処理すると言うんですが、そういういままでの事務のやり方をこう改善すれば、簡単にこれは処理ができるんですか、そこのところはどうなんですか。
  65. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) いままでも人員が不十分でございますので、早急な処理はなかなか思うようにはいかなかったと思いますが、しかし、四千件もたまっている主たる原因は、事務能力の不足という点ではなくして、大体需給関係から見て、東京地区において、さしあたりこの程度個人タクシーを許そうというワクをこしらえて、そうしてそのワクの範囲内で処理をしておったのでございますが、どうもワクに比べて申請が多う過ぎるという点がおもなる原因ではなかったかと存じます。そこで、このたびこのワクをつくる仕事を活発に行ないまして、その範囲で処理していくという気持ちになれば、ある程度の処理は都合がつくのじゃないか、こういう気がいたしております。
  66. 北村暢

    ○北村暢君 これは局長大臣のニュアンスはだいぶ違いますね。私は大臣のおっしゃるように、個人タクシーをむやみやたらに認可しないのでたまっているのじゃないかと思っておった。そういうせいもあるのじゃないかと思っておったんですがね。ところが局長は、なかなか事務処理上も渋滞している。したがって、この四千五百件の認可申請の個人タクシーを認めていくということになれば、事務をスピードアップしなければならない、その場合に一体一人でどのくらい能力があるのか。これは個人ですから信用その他いろいろ調査されるだろうと思うんですが、こういうものの処理する能力というものは、大体きまっているんですよ。むやみやたらにはできない。したがって、私はこれはやるとすれば相当超過勤務になったり、オーバー労働をやらないというと、これは処理できない問題があるんじゃないか、このように思うんですが、これは局長さんのほうでけっこうです、これは事務的な問題ですから。事務処理能力として、いま大臣のおっしゃるように、方針として個人タクシーをある程度のもので押えているからたまっているので、事務能力はこれはあるのだ、こうおっしゃるようですが、そういうふうに理解していいんですか。私の聞いている範囲ではそうじゃないのであって、事務能力としては相当これはオーバー労働になるというふうに聞いているんですが、どうですか。
  67. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) いま調べてみますというと、オリンピックの前年には、年間に千八百件処理したこともあるそうです。最近では千件以下の状況になっておりますので、その間を考えてみますと、多少私の言ったような点もあるんじゃないか、もちろん人員は十分でございませんので、事務処理上にも問題がある、局長の申し上げました点をある程度認めなければならぬと思います。
  68. 北村暢

    ○北村暢君 次に、車検の問題についてお伺いいたしますが、車検の対象車両数、それから一日の平均の車検の数ですね、これは全国、忙しいところと少ないところと違いましょうけれども東京なり大阪なり最も忙しいようなところを例にとって、ひとつ車検の状況を御説引いただきたいと思うのですが。
  69. 原山亮三

    政府委員(原山亮三君) ちょっといまの問題の前に、タクシーの処理の問題で、オリンピックの前のときの、大臣が申し上げました千八百両は、これは認められた数字でございまして、それ以外に却下した数字もございますから、却下したものと免許したものと合わせますと、約二千七百両、したがいましてその程度の処理をかつてやって去りますので、処理能力としては馬力をかければ相当出てくるというふうにわれわれとしては考えております。  それから車検の処理の問題でございますが、これは場所によってそれぞれ変わってくるかと思いますけれども、車検場には大きいところも小さいところもコースによって——コースが何コースかございますが、一コース当たり処理の数でございますが、これは一日に百両程度というふうに考えております。
  70. 北村暢

    ○北村暢君 一コース一日百両程度の車検をやるというと一台何分くらいになるのですか。
  71. 原山亮三

    政府委員(原山亮三君) 車検の場合におきましてはずっと流れ作業でやっておりまして、車がよくきた場合におきましてはわりあい早くいくわけでありますが、ぽつんぽつんときた場合におきましてはなかなか進まないというようなこともございますので、一がいに言えないのでございますが、ずっと流れ作業でいった場合においては十五分程度で済むと思います。
  72. 北村暢

    ○北村暢君 流れ作業で十五分というのですが、それを五分ぐらいで検査しているんじゃないですか。
  73. 原山亮三

    政府委員(原山亮三君) 見ていくのにいろんな個所がございますので、その個所ごとに見てまいりまして、最初入ってきて出ていくまでの間にそれぐらいかかるということをいま申したわけでございます。
  74. 北村暢

    ○北村暢君 だから、その入ってきてから出ていくまでに何カ所か——三カ所か五カ所か見るところがあるわけですね。それを普通十五分ぐらいかかるのがあたりまえなのを、五分ぐらいですっと通す方法をやっているのではないですかと、こう聞いているんです。
  75. 原山亮三

    政府委員(原山亮三君) 先生の御指摘のようなことはないと私ども思っております。
  76. 北村暢

    ○北村暢君 それは正式の場所では言えないんですよ。そんなことをやっていたら検査にならないから。実際はいまおっしゃるようなことにはなってない。したがって、形式的な、何というか非常に繁雑ですから、次から次へやっているんですからね。百台で打ち切られた場合は百台つながってしまっているわけでしょう。ですから、これはたいへんな勢いで検査しなければ実際はやっていけない。そういう実情にあることはこれは間違いない。実際にも行ってみればわかると思うんですがね。したがって、国会の正式の場では、五分でやっていますなんて言ったら、これは検査は不確実だということを証明するようなものですから言えないだろうと思うんですがね。実際は大臣、これはたいへんな問題です。ということは、安全ということに対して車両が整備されていなければ、これは安全を確保するということはできないわけですから、そのために車両検査ということをやっているわけでしょう。したがって、この検査がおろそかになるということは安全の問題と関連してくる。したがって、そういう粗末な検査でやられるということは、これは許されないことなんです。ところが、追われてしまって実際はまるで形式的な検査になって、検査証の発行だけをやるような——これは極端な表現ですけれども、そういうきらいがないとは言えない状況がある、大げさに言えばそういう状況にある。綿密なほんとうにきめられた検査をやるというと、十五分といっておりますが、これは機械で何しても二十五分ぐらいかかるんじゃないかといわれているんですがね。まあ二十五分というと百台検査ということはできそうにもないから十五分と言ったのかもしれませんが、実際見れば二十五分ぐらいかかるようですね。そういうような点からいって、この点はひとつ——私はこれ以上、五分だというふうに言わせようとも思いませんし、何も思いませんが、しかし、検査業務が非常に繁雑で苦労されているということだけは、これは大臣に十分知っておいていただきたい。  それから、そのほかの登録業務の問題もありますが、それに入る前に車検の問題でもう一つ、検査場の整備の問題なんですが、この検査をやっている検査官というんですか、これは排気ガスでもって健康を害するというのがもうたいへんのようですね。したがって、職場の環境の問題なんですが、排気ガスを排出する装置というものは一体どんなような状況になっているのか、これをやらなければ中毒症状を起こしますからたいへんだと思います。それから検査場の舗装、これは舗装ぐらいはやったらよさそうだと思うんですが、舗装すらしていない、整備が行なわれていない検査場がある。ほこりをぼうぼうかぶって検査をやるんじゃとてもたまらないというものがあるというんですね。こういうものに対する対策というのは一体どういうふうに立てられているのか、この点をお伺いしたい。
  77. 原山亮三

    政府委員(原山亮三君) 車両検査人員の不足の問題につきましては、先生御指摘のとおり非常に若労されておると思いますが、したがいまして、われわれといたしましては、今年度の予算でも自動車の関係では車検登録要員の強化ということを最重点事項にしまして、いろいろとやったわけでございますが、先生の御指摘ほど多くの人員が取れなかったというようなことになろうかと思いますが、その点について今後とも十分努力したいと考えております。  それから空気の浄化装置の問題でございますけれども、これは五カ年計画をつくりまして、それでもって大体四十一年度から五カ年間で全陸運事務所の車検場の浄化装置を完了したい、こういう考え方でございまして、今年度もコース別に申しますと、四十一コースにつきまして空気浄化装置を設けると、こういう考え方で、五カ年後においては全コースについてそういうものが完了する。それから舗装の問題でございますけれども、車が通るところにつきましては、現在、車検場全部について舗装は完了いたしておりますけれども、車の通るところ以外の場所が未舗装のところが相当ございますので、風の強い日にはそういう面で非常に職員が苦労するという面もあろうかと思いますので、今後とも全面舗装という問題についても、空気浄化装置とあわせて整備をはかってまいりたいと、かように考えております。
  78. 北村暢

    ○北村暢君 この排気ガスの排出装置については五ヵ年計画があるということですが、これは初年度は何年なんですか。
  79. 原山亮三

    政府委員(原山亮三君) 四十一年度であったわけでございます。
  80. 北村暢

    ○北村暢君 それで車検の民間委託の問題なんですが、これは非常に込むものですから、車検を民間に委託する、民間委託に対する考え方はどのように考えておられますか。
  81. 原山亮三

    政府委員(原山亮三君) 車の伸びに対して国の車検の人員はふえませんので、民間委託の問題を大幅に伸ばしていきたいという考えでございまして、この点につきましては、行政管理庁のほうからも、そういう面で能率化をはかるべきではなかろうかというような話もございまして、これまた民間の指定整備工場を極力拡大していくということで、大体、五カ年計画でもって、現在は全継続検査車両数の大体一七%、四十一年度の実績で一七%を民間車検でやっております。四十二年度では大体約二〇%程度にあげる。そうして、逐次その全車両数に占める民間車検の比率をあげていきたいと、こういうふうに考えております。
  82. 北村暢

    ○北村暢君 この問題は指定工場——先ほど質問しました業者の監査の問題とも関連してくる監督の問題と、指定工場に対する監査がどのように行なわれておるか。実際はこの監査がうまくいかないというと、指定工場がいいかげんな検査をやる。こういうことになってしまうのですが、これは民間委託の場合その危険性が出てくる。前提は、指定工場が完全な検査ができるということが前提で、これは伸ばすとか、委託するとかいうことになるわけですが、実際は指定工場監査をすることになっているのですが、どの程度監査をやっておりますか。
  83. 原山亮三

    政府委員(原山亮三君) 御指摘のとおり、指定整備工場を指定いたしましてから後におきましては、監査をしないことには、そのレベルがダウンするというおそれもございますので、当然その点はやっておるわけでございますが、いまこまかい資料を手元に持ち合わせませんので、後刻……。
  84. 北村暢

    ○北村暢君 これは年に何回監査することになっておりますか。
  85. 原山亮三

    政府委員(原山亮三君) 少なくとも年三回やることになっております。
  86. 北村暢

    ○北村暢君 これは自動車局長、あなたわかっているのだけれども、答弁できないのじゃないですか、どうなんですか。年に三回監査することになっている。その指定工場は一体いまどのくらいあるのですか、二百幾つぐらいあるのじゃないですか。
  87. 原山亮三

    政府委員(原山亮三君) 四十二年の三月末では全国で千百六十四でございます。
  88. 北村暢

    ○北村暢君 相当ふえておりますね、この指定工場も。四十年度で二百何カ工場であった。そのうち監査をやっているのは四十工場です。年に三回やらなきゃならないのに四十工場、一回しかやっていない。そういう実態ですよ。だから、これは言えないのだろうと思うのだ、自動車局長、監査やっていませんということ。三回やることになっているのをやっていないのですから、一年に一ぺんもやっていない工場がある。したがって、答弁しにくい、ここでは。そういうことだろうと思う。だから、私は検査の民間委託ということを何カ年計画でふやしていきますというけれども、これは全くあぶなっかしい検査になってしまう。規定どおりのことが行なわれていないということなんです。それですから、私は民間委託というのはあまり計画を立ててどんどんやっても、その指定工場の監査がうまくいかないというと、検査が情実で、少々のところでも、これは検査したということになってしまって、おかしなことになる。そういうことが完全に監督ができるという前提において、これは委託ということが成り立つのであって、その監査がうまくいかなければ、これは何をやっているのかわからないということになってしまう。そういう点をわかっていて、民間委託というものを業務の能率化からいって拡大をしていく、こういう方針をとっているのかどうなのか、私は非常に疑問に思う。どうなんでしょうか。
  89. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 政府の監督業務の一部を民間に委託いたしまする以上は、委託したらあとは民間の責任だというものではもちろんないのでございまして、あくまでも政府の責任において民間に委託しておるのですから、政府の責任上、十分なる監督を与えて、真に間違いのない委託業務の遂行を保障するようなことが必要であることは申すまでもございません。そういった点におきまして、従来から人員の不十分という点でいろいろ遺憾な点があったことは、これを否定するわけにはまいりませんが、今後においてさようなことがあってはなりませんので、まずもって人員の整備に力を尽くし、これらのいろいろな陸運局の事務のうちでも労力の節約できるような機械化努力、あるいは合理化努力のできる面もございますから、そういう方面ではできるだけ人手を省き、そうして検査であるとか、あるいは監督であるとか、こういった省こうとしても省くことのできない、しかも非常にふえてきた業務に人を使い、足りない部分はこれを予算要求を立てて人員を増加する、こういう方法で将来進みたいと思います。
  90. 北村暢

    ○北村暢君 まあ大臣そういうふうにおっしゃられましたから、民間委託は、いま言ったように、きめられた監査なり何なりが確実に行なわれるということにおいて、監督がうまくいくということにおいてこれは成り立つのであって、その監督が行き届かないのじゃこれは成り立たないわけです。いままで、実際は、陸運事務所の整備課ですか、車両課ですか、これは車検業務に追われちゃって、そういう指定工場なり何なりの監査なり何なりに行くということがもうできない状況にある。そういう実態にあるということをよく認識をしていただきたい。  それから、もう一時が来ましたから、私はそろそろこの問題についてだけの質問を終わりたいと思いますが、登録課の登録の関係の業務もこれはもう激増しておるのですね。もうたいへんなものです。それで、この窓口サービスというものがもう極端に悪化して、受付で職員が仕事をやるのじゃなくて、利用者がもうやるというような、手伝わなければいつまでたったって登録できないという状況です。そういう状況ですね。これもひとつ実態を十分認識しておいていただきたいと思います。したがって、こういうような陸運事務所の実態というものは、その場その場の仕事に追われて、安全対策だなんという方向にはもう向ける人員の余裕なんというものはない、そういう実態です。したがって、伊藤委員の質問に大臣は答えられまして、行管の方針による陸運事務所の地方庁への移管ということはやらないということでございますが、やらないならやらないように、運輸省責任持って、車の激増する大勢に応じて、陸運事務所の仕事がもっとスムーズにやることの責任体制を確立してもらわなければいけないと思うのです。ということは、地方庁には委任事務としてやりたくはないし、押えておって、不徹底なこんな国の仕事としてこういうことをやっておるということについては、私はもう無責任だと思うのです。ですから、運輸省が直接やるというならやるように、ひとつこの陸運関係、航空その他安全関係、まあたいへんでございますが、ぜひひとつ、大臣はこの陸運関係について、業務の実態は仕事に追われっぱなしに追われているという状況でございますから、やるからにはひとつ責任を果たせるような体制というものを、これは人員をふやすばかりが能でないのですから、機械化なり何なり、けっこうでしょう。まあ相当徹底した対策を講じないと麻痺するような状況になっている。責任体制が確立できないような体制になっている。これをひとつ十分認識して対処していただきたいと思いますが、大臣の所見を伺っておきたいと思います。
  91. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 北村委員の仰せはまことにそのとおりでございまして、これの改善に努力いたしたいと思います。
  92. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 午後は二時に再開することといたし、暫時休憩いたします。    午後一時五分休憩      —————・—————    午後二時十五分開会
  93. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 委員会を再開いたします。  許可認可等整理に関する法律案を議題といたします。  本案は、去る六月二十九日、衆議院から送付され、付託されました。まず、本案の提案理由の説明を聴取いたします。松平行政管理庁長官。
  94. 松平勇雄

    国務大臣(松平勇雄君) ただいま議題となりました許可認可等整理に関する法律案について、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。  政府は、臨時行政調査会の許認可等の改革に関する意見に基づき、許可認可等整理をはかってまいりましたが、行政の簡素化及び合理化を促進するために、さらに許可認可等整理を行なうことを決定し、これによりましてここにこの法律案を提出した次第であります。  法律案の内容について御説明申し上げますと、第一に、許可認可等による規制を継続する必要性が認められないものにつきましてはこれを廃止し、第二に、規制の方法または手続の簡素化をはかる要かあるものにつきましては規制を緩和し、第三に、下部機関において迅速かつ能率的に処理を要するものにつきましては処分権限を下部機関に委譲し、第四に、統一的に処理を要するものにつきましては許認可等を統合することにいたしました。これによりまして、各行政機関を通じまして廃止するもの十一、規制の緩和をはかるもの五、権限を委譲するもの三、統合するもの一、計二十(関係法律二十八)を整理いたすことといたしました。  以上が、この法律案の提案の理由及び概要であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願いいたします。
  95. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 以上で提案理由の説明は終わりました。本案につきましては本日はこの程度にいたします。     —————————————
  96. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 次に、建設省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  前回に引き続き、本案の質疑を続行いたします。関係当局からの御出席は、西村建設大臣その他政府委員方々であります。  それでは、御発言のある方は順次御発言を願います。  ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕
  97. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 速記再開。
  98. 北村暢

    ○北村暢君 前回に引き続いて質問をいたしますが、まず、この前要求をいたしておりました資料の提出がございましたので、日本道路公団並びに首都高速道路公団並びに阪神高速道路公団の資料提出についての資料の説明をひとつしていただきたいと思います。
  99. 蓑輪健二郎

    政府委員蓑輪健二郎君) 提出いたしました資料につきまして御説明申し上げます。  第一ページが、日本道路公団が供用いたしております路線及び駐車場の当初の計画と実績の調べでございまして、一般有料道路の(1)といたしまして、期間内償還可能な道路三十八路線を載せております。で、これを例にとってみますと、第一に、磐梯吾妻道路でございますが、認可の償還期間が六十四年十一月になっております。一番右の欄が償還の完了予定年月でございまして、昭和五十七年の七月、約七年ぐらい早くなってくるというような資料でございます。その中にいろいろ事業費と補助金、この補助金といいますのは、道路公団が引き継ぐ前に県がいろいろ有料道路をやりまして、それに対する国から出た補助金でございます。その四十年度の末の要償還額、それと計画要償還額を書いております。次のページ、ページも、同じように三十八本の路線の各路線ごとの数字でございます。  次に、三ページの(2)が、「供用開始後間もないため期間内償還の可否が不明な道路」といたしまして、金精道路、第三京浜道路、富士宮道路、伊勢道路、天草五橋、こういうものがございます。これはまだ非常に供用開始してまだはっきり交通量その他も推察できないために、一応まだ不明な道路にしております。一 その次の、四ページの(3)が、「現在、期間内償還不能と考えられる道路(二十路線)」でございます。これを例示いたしますと、厚岸のフェリー以下、最後の島原道路でございますが、これにつきましては資料といたしまして償還の期限と事業費、補助金及び先ほど言いました四十年度の要償還額と計画要償還額を書いております。これを見ましても計画要償還額を要償還額とが、かなり計画のほうがふえておるような状況でございます、で、その中には逆に計画要償還額が要償還額より減っておるところもございますが、こういうところについては、まだこれからのいろいろ交通量その他によって償還可能となる可能性も十分あるというふうに考えております。  次の、五ページの2の高速道路につきましては、名神高速道路一本でございますが、現在、認可の償還期間は三十八年七月から六十三年七月でございますが、これにつきまして計画の要償還額と四十年末の要償還額を比べますと、約五十六億ぐらい計画要償還額のほうが多いということでございまして、これもかなりこのままでいけば赤字にならない、いわゆる赤字にならない。計画期間内で償還できるというように考えております。  るが駐車場でございますが、日比谷、蔵王、熱川、長堀、福岡、五つの駐車場でございます。これにつきましては、この表にございますように、非常に採算制からいうと現在のところは悪くなっております。  以上、道路公団の資料でございます。
  100. 竹内藤男

    政府委員(竹内藤男君) 首都高速道路公団の第一ページは、収入と実績の比較表でございます。三十七年十二月に料金認可をいたしましたときは、その一番右の償還期間に書いてございます六十九年度に償還を完了するということでこういう計画が立てられ、その下の実績になったわけでございますが、三十九年八月に料金を一部改定いたしまして、六十二年度償還完了といたしまして計画を変えたわけであります。したがいまして、二番目の三十九年八月料金認可のものは途中に二本の筋が入っております。三十七年度、三十八年度の分の計画というのは、すでに実績に直した数字になっております。  それから三番目は、四十二年の三月にさらに料金の改定をいたしまして、現在のところ六十七年度に償還完了ということで、計画と実績はそこに書いてあるとおりでございます。  二ページは月別の最近の料金収入の実績を掲げてあるものでございまして、大体、現在十万台、一日十万台の通行がございます。なお、注に書いてございますように、この数字には、渋谷のところにちょっと短い路線がございますが、あれは除いてございます。  それから三ページは駐車場のほうの収入の計画、実績比較表でございまして、駐車場は遺憾ながら収入の上がっているのが少のうございまして、千駄ケ谷を除きまして実績があがっておりません。  それから、四ページは同様に阪神の分の収入の計画と実績の比較表でございます。これは三十九年五月に計画したものでございまして、昭和六十八年度に償還完了で、その上が計画、下が実績でございます。注に書いてございますように、大阪につきましては逐次路線の供用開始をしてまいりましたので、最初は非常に少のうございましたが、最近はだんだん通行台数がふえておるわけでございます。神戸につきましては、一部三・三キロ開通いたしております。それは二十五年間、六十六年度で償還ということになっております。  五ページは、大阪と神戸に分けまして最近の収入実績表を掲げてあるものでございます。大阪地区におきましては約一日一万七千台、神戸が一万四千台、こういうことになっております。以上でございます。
  101. 北村暢

    ○北村暢君 一つお伺いいたしたいのは、この問題はきょう時間がはんぱでございますから、いずれこの道路公団並びに首都高速道路公団等については、内容についてお伺いすることにいたしまして、きょうは日本道路公団のうちの名神高速度道路、これの事業費の中における建設費と用地取得との比率は、大体どんな程度になっておりますか。
  102. 蓑輪健二郎

    政府委員蓑輪健二郎君) ただいまちょっと資料を持ち合わせておりませんので、すぐ調べたいと思います。私、記憶しておりますのは、大体一五から二〇の範囲が用地費であったというふうに記憶いたしております。
  103. 北村暢

    ○北村暢君 そうしますと、千百四十八億のうち、一五から二〇%というのが用地費、こういうふうに言われましたけれども、私の記憶では、これはもっといっているんじゃないかと思うんですがね、私の記憶が間違いかどうか知りませんが。この用地取得のための経費というのが相当名神の場合かかっているのは、いわゆる名神高速度道路ができる以前に新幹線ができましたね、その新幹線との関係で名神高速度道路の用地取得が非常にかさまってきたという傾向はないんですか。
  104. 西村英一

    国務大臣(西村英一君) これは数字をはっきり後ほどお知らせしますが、いま建設費の一五%ないし二〇%と言いましたが、用地費だけを局長が言ったのか——用地費と一般にいわれておるものの中には用地オンリーと、それに対してあと補償費がたいへんあるわけです。そういうようなものを入れての用地費という場合もあるし、純用地費という場合もありますから、これは後ほど——数字ははっきり出したほうが皆さんの誤解を受けなくていいんじゃないか。私の記憶も、純用地、それから補償費、そういうものを全部入れればもう少し多かったように記憶いたしますが、これははっきりした数字を後ほどお知らせしたいと思います。数字ははっきりしておるようですから、ちゃんとはっきりしたものをお知らせ申し上げます。
  105. 蓑輪健二郎

    政府委員蓑輪健二郎君) 用地及び補償費を入れまして二百六億でございます。
  106. 北村暢

    ○北村暢君 約一六・七%ですな。先ほど申したように、新幹線が、当時オリンピックに間に合わせるという関係から用地買収を急いだということで、国鉄用地買収に相当な金をかけたと思うのです。したがって、先ほど御質問申し上げたのは、新幹線の用地買収が名神高速度道路の用地買収に影響しなかったのかどうかということをお伺いしたわけなんですが、その点はどうなんですか。
  107. 蓑輪健二郎

    政府委員蓑輪健二郎君) 厳密な意味で言いますと、非常にむずかしいかと思いますが、やはり新幹線がかなり先に用地取得をされますと、どうもその金額が、用地の補償費も入れましてその金額がつい先例になりまして、地価が、用地費が上がってくるということはあったかと考えられます。
  108. 北村暢

    ○北村暢君 そこでお伺いしますが、あったかと思うのじゃなくて、これはだいぶんあったのだろうと思うんですね。新幹線は相当無理して買収いたしましたから。そういうようなことで地価の値上がりというものが、買収費というものが工事費の中に占める割合というのが相当あるわけです。特にこれは名神は平均すれば一五%、一六%内外でしょうけれどもね。これが都市になるというととてもこれはたいへんになるわけです。でありますから、名神の場合は、これは完成して供用をやっておるから、それを例にとってお伺いしたわけです。都市の道路開発をするという場合には、首都高速道路公団等、都市再開発と関連をして用地買収等を行なうということになるというと、これはとても簡単にはいかないのであります。いま、買収をやったかどうか、もう済んだかどうか知りませんが、上野の付近を抜けていく高速道路、あそこら辺の用地というのは一体どのぐらいしているんですか。
  109. 西村英一

    国務大臣(西村英一君) 上野の付近のことについては、局長も知っておるかどうか知りませんが、総体的に、たとえば首都高速道路について言いましても、一がいになかなか言えないところがあります。それはどういう理由かと思いますと、この東京の高速道路は非常に用地費が高かろうと思って調べてみますと、案外そうではない。その理由は、みぞを通るわけなんですね、用地を買わぬでいい部分が相当あるわけです。ところが、一一方、工事費は非常に高くなっているわけなんです。工事がやりにくくてばく大な工事費がかかるわけです。ところが、用地に堀を使いますから、用地は買わないでいい。ある路線で今度用地費は相当高いだろうと思って調べてみますと、案外だということがあるわけです。しかし、一たん用地を手に入れるということになれば、それは仰せのとおりです。相当に高くなるのでございますから、一線ごとに調べましても、なかなかその関係が正確に線ごとによりましてわからないわけでございますが、上野あたりは幾らで買ったか、局長から答弁いたさせます。
  110. 竹内藤男

    政府委員(竹内藤男君) 正確な数字はちょっとわかりませんけれども、上野あたりでは平均して坪六、七十万ぐらいじゃないかと思います。
  111. 北村暢

    ○北村暢君 エコノミストの五月二十三日号に出ているんですが、上野付近で坪三百万というのが、やはり補償として——これは部分的でしょうけれども——あるんですよね。だから、極端な例でしょうけれども、したがって、地価問題というのは私はいま非常に問題だろうと思う。ところが、物価対策の上からいっても、何からいっても、いま非常に伸びておるのはこの地価対策ですね。土地対策といいますか、地価対策が伸びておる。で、公共事業を行なう場合における用地取得というものが非常に大きな事業——資本投下をしなけりゃならぬ問題ですね。したがって、この地価対策について最も関係の深いのは建設省ですから、その建設省が住宅対策を立てるにおいても、何にしても地価に対して一体どういう対策を持っておるのか、これは基本の問題なんで、私はこれを若干聞いておきたいと思うんです。どのような対策をとっておるか、各省に関係ありますけれども建設省が一番地価問題についての責任といいますか、何かあると思うんでありますが、そういう意味で地価の暴騰に対する問題について一体状況はどんなふうな状況になっているのか、そしてそれの対策は一体どういうふうに立てられているか、この点をお伺いしたいと思います。
  112. 西村英一

    国務大臣(西村英一君) 地価対策は、建設省のみならず、政府の最も重要な政策の一つとして、いま政府は真剣に取り組んでおるつもりでございます。しかし、仰せのごとくさっぱりその成果があがらぬじゃないかという疑問を皆さんは抱いておるようでございます。公共事業におきましても、昔は用地費というものは、補償費を含めまして一割以下でやられたものでございますが、今日では、いまもお話が出ましたように、なかなかそういうことではできません。いわんや住宅の問題になりますと、相当に住宅政策の障害になっておるわけでございます。しかし、この現在の私たちのやり方をもってしますれば、どうしても、こういうことをやったら地価は安定するのだ、押えられるんだという、いわゆるきめ手といいますか、特効薬は実はないので、あらゆる方法をとりましてひとつ地価の安定を期したい。もともと地価が上がるということは、やはり産業、人口の都市への集中によってその土地の需給関係のアンバランスがあるのだ。土地は非常にたくさんの需要が、住宅需要等につきましても起こっておるにかかわらず、供給がないのだ。したがいまして、その需給関係からいきまして、やはり宅地を公的機関によって、あるいはまた私的機関で、民間でやる場合も、これを政府は援助をして、とにかく宅地を大量に供給するということが第一番である。また、もう少し都市を見直して、遊んでおる土地があるのじゃないか、もっと立体的に使うべきだ、そういうようなために土地の高度利用というようなものを考えたい、そういうような方向に基づきまして、建設省といたしましても、先般、都市再開発法——土地をもっと高度利用しようじゃないかというようなこと、それからまた、これも土地収用法を提案いたしましたが、その土地収用法につきましても、土地取得する制度について改善を加えたい、あるいはまたいまのように都市の周辺が非常に混雑してきますと、どこでもここでも家を建ててはいけないところに家を建てる。そのために土地はどんどんあちらこちら無秩序に上がるのであるから、やはりこの都市周辺におきまして一つの土地の利用計画を確立しよう、こういう地域は今後市街地として発展をさせよう、こういう土地は市街地としては不適当である、こういうふうに土地の利用計画を確立しようというようなもろもろの政策をもってこれに対処すれば、土地の安定を期し得るのではないか。また、学識経験者等のいろいろな審議会等にお願いをいたしましても、以上のように、やはり土地の利用計画を確立しなさい、土地はもっと立体的に使うべきだ、土地を、もっと公的機関によって宅地をどんどん買って提供すべきだ、需給関係をもう少し緩和すべきだというような政策で対処いたしておるのが現状でございます。
  113. 北村暢

    ○北村暢君 いまのような、対策としてはいろいろございましょうけれども、私は地価の値上がりの状況について御説明願いたいと言ったんですが、答弁がなかったのですが、ここにある資料によっても、昭和三十年を一〇〇として、卸売り物価指数が一〇五に対して全国の市街地の地価の指数が七一四、卸売り物価が一〇五に対して七一四ですね。これはもうたいへんな上がり方です。東京都の周辺じゃ、これがおそらく一〇〇〇くらいいっているのじゃないですか。全国でこういう状態ですから、市街地の状況では一〇〇〇以上、こしているでしょう。そういう異常な地価の値上がりというものが、私はもう限界に来ているのじゃないかと思うのです。まだそれでもなおかつ上がる傾向にある。一つにはこれはもう一つの見方として、こういうような地価の値上がりの中で、商業地、住宅地、工業地と種類別に比較してみるというと、これまた工業地が一番高くて、昭和三十年と四十年では、三十年を一〇〇とした場合の工業用地が八六四、住宅地が六四八、商業地が六百二十七、工業地が一番高い、上がっておる率からいって。したがって、まあ地価の値上がりの大きなものというのは、やはり産業の高度発展に伴う設備投資、それに伴う工業用地、この需要が極端にふえて地価の値上がりに大きな要因をなしておるということです。それからもう一つは、資本主義経済の段階でも、株価の値上がりははるかに高いですね。したがって、地価の値上がりの大きな原因の一つに、私は土地を投機的に取り扱っていく、いわゆる高度成長で資本にゆとりのできた、資本の蓄積の形が土地を入手して値上がりを待つという形が非常に大きく出ているでしょう。いま大会社、いろいろな会社が資本蓄積のできている中において、土地に値上がりを待つための投資を行なっておる、投機的な投資を行なっておる。これが非常に大きな影響になっている。いわゆる擬制資本の蓄積というような形が土地所有の投機的なやり方、こういうものが非常に大きく影響している。これを私は地価対策の一つとしてこういうものを制限する、あるいは規制するという対策を政府が勇断をもってやらない限り、宅地をたくさん公共的につくって提供しますとか、何とかいったって、それ以前の問題として根本的な問題の解決にはならないです。こういうのは一体役所の中でどこがこれを担当して、地価対策に対して根本的な対策を取るか。これは私は重大だと思うのです。こういう点について、対策の中に建設大臣建設大臣としての立場から、宅地を、公共的な安い土地をたくさんつくるというようなことでおっしゃいましたけれども、それ以前の問題として、宅地だけが建設大臣の所管じゃない、工場用地においても、それから公共事業を行なう上においても、この地価の問題は非常に関係がある。そういう点に対する考え方というのは一体どう考えておられるか、この点ひとつお伺いしておきたい。
  114. 西村英一

    国務大臣(西村英一君) 仰せのように、高度経済成長のひずみで高くなったことは仰せのとおりでございます。それから、もう一つ土地を投機的なものとしてやっておると、これも確かにそのとおりでございます。したがいまして、こういうことに対して政府は力を入れなければならぬと思っております。ただし、これをどういうふうにしてその投機的なものを、土地を投機的なものの対象にしないという方法につきましては、これはやはり経済企画庁の問題であり、大蔵省の問題であり、建設省の問題で、政府全体の立場の問題でございますが、そこに会社等も会社の本来の使命である生産で利益を上げるよりも、土地を買ってもうけよう、こういう思想が非常にあるわけでございます。したがいまして、政府全体としての施策として、土地を投機的なものにしてはならないというようなことをするのには、やはり税法の問題か何かでこれを防ぐというふうなことをやらなければならぬ、かように思っている次第でございます。したがいまして、土地がそういう扱いにされて、その不当所得を受けるというようなことについて、どういうぐあいに対処するかということは、今日も大蔵省といたしましても税制調査会に諮問をいたしているようでございます。早目にひとつその答申を受けまして、政府全体として対処しよう、これは建設省のみでできることではございませんので、政府全体として対処しようというかまえをいたしておる次第でございます。
  115. 北村暢

    ○北村暢君 別な観点から質問いたしますが、建設省はこの住宅政策の中において、公共住宅の大幅建設ということをわれわれは期待したいわけですね。大臣もいまおっしゃいましたように、公的な安い住宅地を大量に造成したい、こういうことをおっしゃいました。これも一つの対策ですが、最近、住宅政策の中での持ち家ですね。勤労者が自分の家を持ちたいという持ち家について、持ち家主義というものについて奨励の考え方を非常に強く出してきている、これはそういうふうに理解していいですか。
  116. 西村英一

    国務大臣(西村英一君) 持ち家政策を強化していきたいということは、前よりはずいぶん重点的に取り扱われております。それだからといって賃貸住宅との関係は、賃貸よりは持ち家に全部重点をおくのだというほどの、比率においては必ずしもそうではない、やはり家を建てるという人は、家を持つという人はまだこの段階ではややいいのである、やはり賃貸住宅が優先するのじゃないか、持ち家も大事である、したがいまして、いまの政策は、やはり並行的にやっているわけです。ちょっと賃貸住宅の戸数が全体として多い。そこで持ち家も大事であるけれども、それは勤労者に財産を持たせる意味で、かといって、賃貸はつくらぬでいいかというと、そうではございませんので、並行でいっておりますが、賃貸のほうにやや力を入れている、貸し家のほうにやや力を入れている。それがほんとうの低所得者のためである、こういうふうに考えておる次第であります。
  117. 北村暢

    ○北村暢君 大体わかるような気するのですが、持ち家主義というものが最近非常に言われてきているのです、最近特に言われてきている。それは、私はそれの政治的な意義ですがね、いまこれだけ地価が値上がりしてしまいますというと、やはり資本の——株ですね、株の大衆化というようなことでもって、大衆投資家がたくさんできたと同様に、持ち家主義によって大衆化しようというところにこのねらいが私はあるのじゃないかというふうに思うのです。それはやはりこの地価の値上がりというものを大衆の負担に転嫁をしていく、こういう思想に通ずるのじゃないかと思うのです。したがって、私は自分の家を持ちたいという大衆の願い、これにうまく乗ったのがこの持ち家主義ということで、テレビその他でもって土地の宣伝なり、特に持ち家主義というものをいま宣伝をやっておりますね、テレビなんか見ますと、これは結果的に私は株の大衆化というのと同じような考え方で、この地価の値上がりというものを大衆に負担させよう、結果的にそういう結果になると思うのです。でありますから、もうこれだけの地価の値上がりということになれば、それに耐えられる大衆はまだいいほうなんで、もう持ちたくても持ち家は持てないという段階に来ているのですね。したがって、これはどうしても公営住宅というものに、大臣は並行的にと、こうおっしゃいましたけれども、それは希望するものはもちろん制限する必要はないんですが、これはこの段階にくれば、やはり低家賃の住宅というものを、できれば公共住宅、こういうものに重点を置いていかないというと、地価の問題との関係における住宅問題の解決も困難ではないか。いま出てきているこの持ち家主義というものは、結果的には地価の値上がりというものを大衆に分散して負担をさせるという、結果的にそういうふうになる。それは私は政策としては、資本的な考え方からすれば、それがいいのかも知れませんけれども、今日の住宅問題の解決にはならないんじゃないか、こういうふうに思うのです。したがって、そういう点についてのものの考え方でございますが、そういう考え方で今後の地価対策その他について対処していかなければならぬと思うのですが、大臣考え方をひとつお伺いしておきたい。
  118. 西村英一

    国務大臣(西村英一君) 地価の高いのをそれぞれの勤労者によってこなそうというスタートではないのです。これは持ち家住宅がクローズアップしたのは、もともと勤労者の財産づくりをやらしたらいいじゃないか、やはり長い間かかって勤労者が好むことは、やはり何としても自分の家を持ちたいということであるから、勤労者の財産づくり、それには住宅を持たしたほうがいいんじゃないかという、何と申しますか、当時ドイツでそういう勤労者福祉のための政策が打ち出されたのにやや乗った形があるので、土地が高いからそれを個人に割り当てて分散してこなそうという思相じゃありません。しかし、結果的にはそうなるんじゃないかというお話ですが、結果的にはそうなるか知りませんが、いま持ち家住宅か、あるいけ賃貸住宅かと、こういうお尋ねでございますと、もちろん第一には賃貸住宅に重点を置かなければならぬ。私は並行的にと、こう申しましたが、それは相当に持ち家のほうもこれはやっておりますけれども、やはり賃貸住宅ははるかに多いのでございますから、さらにやはり賃貸住宅のほうに力を注ぎたい、力を注ぐべきであるということは北村さんと私も同意見でございます。
  119. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  120. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 速記再開。
  121. 北村暢

    ○北村暢君 そこで、対策について大臣からいろいろ御説明があったわけでございますが、私は、この地価の問題は、先ほど説明ありましたように、投機的に取り扱われてウナギ登り的に地価が値上がりしておる、これは自由放任的にやっておるからそういうことになる、これを税制の面その他について考えられるということでございますが、これは午前中も運輸大臣に質問したのですけれども、地価対策について物価問題懇談会が一応結論を出しているわけですね。これはまあ、正式の機関じゃございませんから答申とか何とかいうことになっていないですが、一応の結論を出している。公共事業等の投資による土地の値上がりの効果というもの、これはその道路をつけたなら道路のみに還元をすべきだ、この思想、こういう考え方に出ておる。したがって、それは値上がり分を税金で取り上げるかどうかは別といたしまして、そういう考え方については、これは建設大臣、肯定されておりますか。
  122. 西村英一

    国務大臣(西村英一君) 開発利益をその個人の所得にしないで、それを適正に配分するということは当然であろうと私は思います。
  123. 北村暢

    ○北村暢君 ところが現状はそうなっておりませんね。個人の所得になっておる。したがって、いま申したいろいろな問題が、土地制度そのものについては統一的にものごとを確立をしていかないというと、なかなかこの地価の問題は非常にむずかしい問題を含んでおりますから、私はいけないと思う。したがって、統一的に土地制度そのものの確立というものをはかっていく、それはもう都市と農村とを問わず所有権、利用権、賃貸関係等において規定をする、そうしてこの公的利用の優先性というようなものが考えられて、その上にこの土地利用計画というものが立てられていかなければならないのじゃないか、相当やはり自由放任ではなくて規制をしていかなければならないのじゃないか、それでなければこのウナギ登りの地価というものを抑制するということは不可能に近いのじゃないか、このように思うのですが、この点について大臣の見解をひとり承っておきたい。
  124. 西村英一

    国務大臣(西村英一君) 今度、政府が提案をいたしました都市再開発法にいたしましても、また、これから提案するであろうと思われまする都市計画法にいたしましても、相当に私権の制限になるわけでございます。いま土地は個人の所有であるからといってそれの擅にまかせるわけにいきません。公共のためにこれは犠牲を払わなければならぬことはもう常識でございますから、相当に公共のためには私権も制限をされるのだと、相当に今回の都市計画法、都市再開発法では私権の制限になるのでございますけれども、あえて法律をそういう意味において提案をいたしておる次第でございます。
  125. 北村暢

    ○北村暢君 その他、その基本的な対策についていろいろお伺いいたしたいと思いましたけれども、時間が大体来て、労働大臣も見えておるようですから、この程度で私の質問をきょうは終わっておきます。
  126. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) それでは次に、労働省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案は、去る六月九日衆議院から送付され付託されました。なお、衆議院におきましては修正議決されております。その修正点は、お手元に配付いたしましたように、附則の施行期日の「この法律は、昭和四十二年六月一日から施行する。」を「この法律は、公布の日から施行する。」と修正されております。  本案の提案理由の説明は、すでに聴取いたしております。  それでは、これより本案の質疑に入ります。関係当局からの御出席は、早川労働大臣、その他政府委員方々であります。質疑のある方は、順次御発言願います。    速記をとめて。    〔速記中止〕
  127. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 速記再開。
  128. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 この労働省設置法の中で、今度、いろいろ問題になってきているのは、労働災害防止行政を中心とする組織の、何といいますか、再編というか、拡大というか、そういう点が問題になってきておるわけですが、いままでいろいろな計画なり、推進要綱というのですか、こういうふうなものがありましたね。ですから、いままでどういうふうな形でやってきたかということを中心にして一応お聞きをしていって、それからまたあとの問題に入りたいと思うのですが、新産業災害防止五カ年計画というのは、これはどういうふうなものなんですか。
  129. 村上茂利

    政府委員(村上茂利君) 新産業災害防止五カ年計画と申しますのは、これは廃止になりましたが、総理府に産業災害防止対策審議会というの、かございまして、ここで災害防止五カ年計画を策定したものでございます。現在進行しておりますのは、昭和三十八年を初年度とするものでございまして、本年がその最終年度にあたっております。しこうして、この産業災害防止五カ年計画は、労働省所管の災害防止のみならず、それよりも広い内容も含んでおりまするので、つまり、鉱山保安等も含んでおるわけでございます。そこで、この計画の決定にあたりましては、閣議了解という形をとりまして決定をしていくというものでございます。なお、この五カ年計画は本年度で終了いたしますが、来年度からは労働災害防止団体等に関する法律によりまして、労働大臣が災害防止五カ年計画を設定するようになっておりますので、来年度以降の計画は、労働大臣が決定し、公布する、一般に公示をする、こういうことになるわけでございます。
  130. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 この内容で、産業別、それから規模別ないろいろな防止の計画というものをつくったわけですか。それが具体的にこの五カ年間でどういうふうに変わって来たかということですね。  それからもう一つの問題は、労働者千人当たりの事故発生率というものを半減することを目標としてできたわけですね、これは。この関係のことが具体的にこの五カ年間でどういうふうになってきたかということですね。これは問題としてのいわゆる千人率というものの計算のしかたとか、何とか、これは問題はいろいろあると思うのですけれども、一応いまの五カ年計画、かどういうふうに推移してきたのか、そこのところから……。
  131. 村上茂利

    政府委員(村上茂利君) 五カ年計画では、昭和三十八年から四十二年までにおける毎年の年間災害減少率を八・八%に見込みまして、計画の基本年次であります昭和三十六年の実績の年千人率二一・〇五を四十二年におきましては一二・三〇、そこまでダウンをさしたい。毎年毎年八一八%減らしていって、四十二年には一二・三%に到達せしめたい、こういう計画でございました。で、今日までの実績をごく簡単に申しますと、昭和三十八年は九・一%減少いたしまして、八・八より上回ったのでございますが、三十九年は六・三%、四十年は九二二%というふうに多少の出入りはございますけれども昭和四十一年は六・九%という形に相なっておりまして、五カ年計画最終目標であります年千人率一二・三%に到達しますためには、本年度におきまして一〇・八%の減少をはからなければこの到達目標には届かない、こういうことになっておりますが、目標設定にかなり接近した成績をあげてきたということが言えるかと存じます。
  132. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 これは世界各国との比較で見ると、アメリカなどの災害の発生から見ると、日本の場合は倍以上になっていますね。もっとも、ものによるので、たしかアメリカのほうでは皮革ですか、皮のようなものは日本よりも発生率が多いようになっておりますけれども、これは統計のとり方とか、いろいろなあれがあるから、そのまま言えないかとも思いますが、アメリカなどに比べて日本が倍以上あるというのは、これはどこに原因があるのかということですね、その辺はどういうふうになっているのですか。
  133. 村上茂利

    政府委員(村上茂利君) ただいま御指摘のように、産業の種類によりましてかなり違いがございますが、アメリカと日本を比べまして、極端に日本の場合が劣っておりますものは貨物取り扱い業でございます。たとえば度数率で見ますと、日本の場合は二八・九六ですが、アメリカの場合は一四・四二というように、アメリカのほうがはるかに低いと、こういう形になっております。また、建設業について見ますと、最近は強度率においてはほぼ接近してまいっております。度数率につきましては、アメリカのほうが日本よりも度数率は上回っておる。強度率は日本のほうが悪うございますが、度数率はアメリカのほうが日本よりふえているという産業もございまして、非常に区々にわたっております。遺憾ながら、貨物取り扱い業であるとか、造船関係、それから製鋼業といった関係では、日本のほうがアメリカより立ちおくれているという姿が非常にはっきりしておるわけでございます。
  134. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 だから、ものによって非常に違うのですが、日本の労働災害、これはあとでまた聞きますが、大企業と中小企業の場合では中小企業のほうが非常に多いわけですが、これはまたあとで問題になってくると思うのですがね、これはぼくは、アメリカの統計のとり方とか、実際のものがどういうふうなものかは、いまの統計にあらわれているのをそのままストレートに受け取れるかどうか疑問だと思うのですが、いずれにいたしましても、ものによってはほとんどでしょう、日本のほうが倍くらいになっているのじゃないですか。何といいますか、度数率というのですか、度数率のことはまたあとで聞きますが、これはどういうところに原因があると考えられているのか。アメリカでできることが日本でできないことはないと考えられるのだけれども
  135. 村上茂利

    政府委員(村上茂利君) アメリカの場合は、企業における意識ないしはその企業を総合しました自主的な団体であります、たとえばナショナル・セーフティ・カウンシルというような自主的な団体が会員事業所のセーフティに関する指導をいたしております。生産と安全につきまして相当な力を入れており、しかも、それが保険事業等とも結びつきましてかなりな熱心な活動を展開しておるわけであります。そういった点、わが国が若干立ちおくれておる、民間の自主的な活動が立ちおくれておるということは言えるかと思います。その欠陥を補いますために労働災害防止協会を三十九年に設立したような次第でございます。ただ、数字の点になりますと、取り方が違いますし、実は先ほど申しましたアメリカの例もナショナル・セーフティ・カウンシルの数字でございますが、このカウンシルに入っております事業場は比較的安全設備がいいようでございますので、アメリカ全体の数字としてこれがそのまま採用できるかどうかという点については、若干問題もあるやに私ども承知いたしております。
  136. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 この五カ年問にどういうふうに災害が発生してきたのか、減少してきたのか、それと計画とのギャップといいますか、ズレというか、そういうふうなものをあとで資料として出していただきたいと思うのですが、これらの中で、災害を起こしたために事業主が行政的な処分を受けたり、あるいは刑事処分を受けたというのがどの程度あるのですか、それからおもなるものはどんなものがあるのですか。
  137. 村上茂利

    政府委員(村上茂利君) 労働基準監督の面におきまして労働基準法違反としまして送検したもののうち、安全衛生に関する事項が一番多い数字に相なっております。具体的に申しますと、昭和四十年では送検件数が千百二十六、そのうちで安全衛生の送検件数が四百十九、それから四十一年は千六百二十件が全送検件数ですが、安全衛生に関するものは七百十九件というように四十数%を占めておるという形に相なっております。これは送検したものでございます。それ以外に設備などが法令で定める基準に違反しておるために使用停止処分に付しまして、その機械、施設の使用を一時差しとめて改善さす、こういう行政処分をいたしておりますが、昭和四十年では五千八百六十二件でございました。しかし、私ども最もこの使用停止処分に力を入れまして、基準違反は直ちに是正さす、こういう態度で強く臨んでおりますので、昭和四十一年にはこの使用停止処分件数が三万四千七百四十一というように一ケタ違うほど非常にふえております。これは非常に厳正な態度で臨んでおりますので、こういった数字が出ておるわけでございます。
  138. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 それは労働者千人当たりのいわゆる千人率という形で計算するわけでしょう。事故発生率を計算するわけですが、千人率というものを用いるようになったのは、どういうことからそれを用いるようになったのですか。
  139. 村上茂利

    政府委員(村上茂利君) いわゆる災害発生の発生率というものをどういうふうにとらえるかという点につきましては、いろいろなとらえ方があろうかと存じますが、労働者の数の増加という点を考慮に入れざるを得ない。特に御承知のように、戦後急速に産業が発展してまいりまして、雇用労働者の数も全体として非常に伸びてきたわけでございますが、ただ、件数だけで災害が減ったかふえたかという判断が非常に困難である、こういう面もあるわけでございます。そういう観点から、いわゆる俗に言う災害発生率というものを考えます一つの手段といたしまして死傷年千人率を用いておるわけでございます。そういったことでございますが、たとえば五カ年計画で用いております休業八日以上の死傷件数でございます。これが一番明確に把握できますので、この数字を使っておるようなわけでございます。それについての労働者千人当たりの率でございます。これは大体間違いはなかろう、かように存じておる次第でございます。
  140. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 さっき度数率の話がちょっと出たわけですけれども、この度数率というものはどういうものなのかということと、ILOで決議されている度数率じゃなくて、何か災害率を百万労働時間当たりで計算して、それをどうこうということをILOで決議されている、それはどういうことですか。
  141. 村上茂利

    政府委員(村上茂利君) 度数率は死傷件数に百万時間をかけまして、そうしてそれを基礎労働の時間数で割ったものでございます。つまり時間当たりの災害の発生の瀕度がこれでわかる。ところがどのくらい重い災害であったかどうかということは、これではわかりませんものでございますから、強度率として損失日数に千をかけましたものを延べ労働時間数で割ったその損失日数の大きさによりまして、その災害の度合いを判断するという仕組みのものでございまして、大体国際的な考え方に近いものを私どもは採用いたしているわけであります。
  142. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 カナダで開かれた第六回国際労働統計会議で国際的な基準がきまったわけでしょう、この基準というのはどういう基準ですか。
  143. 村上茂利

    政府委員(村上茂利君) この点は私はつまびらかに存じておりませんので、後刻調査いたしましてお答えいたします。
  144. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 一九四七年八月にカナダで開かれた第六回国際労働統計会議で世界共通の基準、これは度数率の問題ですか、度数率の選び方の国際的な基準なのか、あるいは労働災害を比較する場合のきめ方というか、それの一般的な基準なのかということもちょっとぼくはよくわかりませんが、そこのところはあとでもいいが、この会議の決議はいろいろあるのですね、あとでいいと思いますが、なぜそういうことを聞くかというと、災害の出し方、千人率の出し方、いろいろ問題があるということが言われているわけですね。やはりどこに問題があるかというと、たとえば労働者の数がふればふえるほど災害の発生率が少なくなる。だから、労働者の数をふやそうとするというのが現実の労働基準局なり、あるいは監督署で行なわれているということも言えるという見方も一つあるわけなんですが、そこで千人率労働災害の出し方、統計の取り方が現実にいまの日本の統計の取り方では災害が低くなる、低くなるというような形につくられていると、労働災害が減った減ったというが、実際には減っていないという結果が生まれてくるのじゃないか、こういうふうに思うわけです。そこで、たとえば千人率の問題で労働基準法適用の 労働者の数のとらまえ方、これは具体的にどういうふうにしているかということが一つ問題がありますね、これはどうやってやるのですか。
  145. 村上茂利

    政府委員(村上茂利君) 労働基準法の適用事業所は、事業所からの届けを基礎にして集計いたしているわけであります。ただ、ちょっと誤解があるやに私は存じたのでありますが、年千人率の労働者数を出すときの労働者数は、基準法適用事業所の労働者数は使っておりませんので、総理府統計局の労働力調査によるものでやっているわけで、これを使いまして計算いたしているわけであります。その点ちょっと誤解があるといけませんので申し上げておきます。
  146. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 それはどういうわけですか、労働省でやるなら労働省の調査を一番とったらいいのに、それをとらないのはどういうわけです。
  147. 村上茂利

    政府委員(村上茂利君) 労働基準行政としては、いま申しましたように、適用届けをとりまして、それによりまして把握しているわけでありますが、まあそういったものが行政的な点の漏れから必ずしも正確でないという場合もあり得るわけでございます。私どもいろいろ努力いたしておりますが、その点、五年ごとに行なわれます人口調査を基礎にいたしまして、そして調節をいたしております統計を基礎にいたしたほうが、長期的に年千人率を計算するという場合には、このほうがコンスタントで適当ではないかという観点から、総理府の労働力調査、それから参考としまして事業場統計調査、毎日勤労統計調査といったような数字を参考にいたしまして、数字の正確を期しておるような次第でございます。
  148. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 その労働省のまあ調査というか、いわゆる適用事業報告を出させるわけですね。それの出す数字が現実の労働者の数と比べてどうなんですか。たとえば百人使っているところの場合に百人をこえた形で出すのか、あるいはそれより少なく出すのか、あるいはまあ全然その基準局のほうで手が届かなくて、実際にはあるんだけれども出てこないとか、いろいろあると思うんですが、こういうことを言う人があるんですよ。なぜ聞くかというと、各基準局が各県一つありますわね。それから基準局の中に監督署がまあいろいろたくさんあるわけですね、各県ごとに。そこの現実問題としてやっぱりどこでも格づけがあるわけで、移動する場合なんか甲乙丙といろんな県がある。その格づけというものが必ずしも常識的に格づけと一致するとは限らない場合があると、こう思うんですが、自分のところの局の格づけを上にするために、いわゆる労働者の数をふやして申告する傾向が労働基準局の中にはあるということを言う人もあるんですね。そうすると、ちょっと予算もよけいにいくんですか。そこらはあとで聞きますが、あまり内部のことで問題になると思いますが、そういうことで統計が合わなくなってくるんだという説もあるんですけれども、これは具体的にはどうなんですか。
  149. 村上茂利

    政府委員(村上茂利君) 非常に人心の機微に触れるような御質問でございまして、そういう操作を地方のほうで絶対しないかということになりますと、その点は絶対しないとは言い切れないものがあろうかと存じます。しかし、適用届けを出してまいりますものにつきましては、別に、たとえば事業場統計調査とか、あるいは労災保険の適用届けもございますので、そう極端にこの適用事業場数とか労働者数は操作できるものではございませんので、もし、かりにそのような操作がなされたとしても、ごくわずかなものではなかろうかというふうに私ども考えるわけでございます。
  150. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 そうすると、あの労働基準局の人員の配置や予算の配賦ですね、各局に対するというか。そういう場合やっぱりあれですか、その基準局の中における労働者の数を一応標準として予算なり人員というものの配置を計算するんですか、まあ考慮に入れるんですか。それだけであるという意味じゃないんですけれども、どうなんですか、そこは。
  151. 村上茂利

    政府委員(村上茂利君) 予算、人員などを配賦します場合に、できるだけ業務の実態に合いますように適用事業場数、適用労働者数、そのほかに、たとえば労災保険の取り扱い件数であるとか、あるいは安全関係のいろんな検査数とか、そういったものを考慮しまして、一定の指数をつくりましてやっておるような次第でございまして、単に労働者数とか、適用事業場数だけで判断するといったようなことにはいたしておりません。
  152. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 それは労働基準局なり監督署が一一行ってというか、あるいはあれですか、報告を出させて、それに基づいてこうきめるわけでしょう、労働者の数というものは。そうすると、結局、実態把握が非常に困難なところもありますわね。わかり切っておるところもあるし、サービス業に対する行ったり来たり出入りがあるような場合とか、農林漁業のような場合なんか、なかなか困難だというので、そういう場合に意識的かどうかは別として、ある程度水増して、多いほうが本省に対していいからというようなことで、だいぶやっているということですね。結局それを分母として千人率を出すわけでしょう。それだもんだから、実際よりも災害が少なくなるのだというようなことも言われているんですがね、大体わかりましたけれどもね。
  153. 村上茂利

    政府委員(村上茂利君) 御懸念の点は私どもも理解できるのでございますが、この数字は恣意的にそう大幅につくれるものではないと思うわけです。一方において適用事業場数をふやしますと、今度は監督実施回数の計算になりますと、率が劣るというわけで、つらい面も出てまいりますから、そう二面的に数字を操作いたしましてどうこうしておるということはないと私ども存じております。私どもは予算、人員の割り当て、その他地方からの申告、報告を全くそのまま信用いたしましていたしておるようなわけでございまして、その点は懸念を持っておらないわけでございます。
  154. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 それからこの労働災害の件数ですね。これはなぜ休業八日以上というようにきめたんですか。これは労働者死傷月報のほうの、労働省のそれに出てくるんですか。
  155. 村上茂利

    政府委員(村上茂利君) 労働者が死傷いたしました際には報告書を提出させますが、その報告による集計があるわけでございます。その際、休業八日以上というものにつきまして、どうして八日にしておるかということでございますが、これは従来の労災保険の休業補償を支給する、いわゆる待機期間とあわせておったのでございますが、一昨年の法律改正によりまして、その待機期間が四日になりましたので、この休業八日以上というのは今後四日に切り下げる。こういうことにいたしておるわけであります。そういう保険制度とのからみ合いを考えた数字でございます。
  156. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 そうすると、これは労基法の施行規則ですね。これは五十七条ですか、これは改正したの。
  157. 村上茂利

    政府委員(村上茂利君) この八日以上というのは改正いたしまして四日というふうにしたわけでございます。
  158. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 そうすると、あれですか、災害件数はふえるんですか。どうなの、見通しは。
  159. 村上茂利

    政府委員(村上茂利君) それは明らかにふえると私ども予想いたしております。八日以上の場合と四日以上の場合ですと、軽い負傷疾病も入ってまいりますから件数はふえると存じます。
  160. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 その休業八日以上というのは相当な傷ですね、これ。ですから相当、これは入院しているとは限らないし、うちでやっている場合もあるでしょうけれども、そういうふうなものでたければ、災害の傷のほうに入らないということになってくると、統計のとり方からいっても、従来は非常に低くとっているんじゃないですか、今度はふえてくるかわかりませんがね。
  161. 村上茂利

    政府委員(村上茂利君) 先生御承知かと存じますが、労働災害統計としましては、一番はっきりつかめるものとして労災保険の休業補償を受け取るような状態のもの、これは間違いなくきっちり取れますので、休業八日以上の数字が一つあるわけです。それ以外にその数字を基礎にいたしまして推計した休業一日以上の災害統計がございます。それから労災保険の療養補償を行ないました補償件数から判断するというものがあるわけでございまして、そういった幾つかのものがございまして、傾向判断はこれによってなし得ると私どもは存じております。
  162. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 労災保険の休業補償ですか、その適用からいって災害の件数を出すわけですね。ところが、労災保険の適用労働者というものと労働基準法適用労働者というものと違うのですか。開きが相当あるという説もありますがね。当然あるわけだな、これは。
  163. 村上茂利

    政府委員(村上茂利君) その点については差がございます。つまり労災保険の強制適用事業場は限定されておりますから、労働基準法適用事業場よりは範囲が狭いわけでございます。
  164. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 その点からいっても、災害件数は労働省の統計には実際よりも少なくあらわれてくるわけだな。そういうことになってくるのじゃないですか。
  165. 村上茂利

    政府委員(村上茂利君) これが基準が違いまして、しかも一方は年度でとる、一方は暦年でとるというような違いもございまして、数字的な食い違いがございます。それで、毎年についての数字の突き合わせをいたしましても、出入りがございまして、若干のズレがある。したがって、こういう資料は傾向判断という点から私ども重視いたしますけれども、何百件程度のそういう数字の食い違いになりますと、それなりの理由がございまして、これはやむを得ないというふうに見ておるわけでございます。
  166. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 それはこういう統計がそう絶対的に正確に出てくるものではないですね。これはまた、そればかりやっていたら、労働省は統計ばかりやっているだけではほかのことはできなくなってしまいますから、大体の傾向でつかまなければならないのですが、私の言うのは、いまの労働者の数のつかまえ方は多くする、分母を多くするが分子のほうは少なくする、こういう形の操作が、意識的かどうかは別として、事実行なわれているから、災害は少ないように統計でもあらわれてくる。それで、災害は五カ年計画で減った減ったというようなことが、多少はあれだけれども、半減するように近づいてきた、こういう結果の発表になっているように思う。内容はいま言ってみると、だいぶ違うのじゃないか、こういうように思うのですが、労災保険の適用労働者の数と労働基準法適用の労働者の数とはどの程度違いますか。大ざっぱに言ってどの程度、概算でいいですが、どの程度の違いがありますか、大ざっぱでいいですよ。
  167. 村上茂利

    政府委員(村上茂利君) 労働基準法の適用事業場数は、昭和四十一年、二百二十六万四千、適用労働者数で二千七百四十万七千、かように把握いたしておりますが、労災保険の統計、いま手元に四十年のがございますが、適用事業場数で八十五万六千、適用労働者数で二千十四万、こうなっておりまして、適用事業場数においては非常に大きな違いがございます。これは御承知かと思うんですが、基本的に合っていない部面が相当ございますので、数に大きな違いがございます。しかし、労働者数におきましては二千七百万に対して二千万、こういった七百万の開きと、こういうことに相なっております。
  168. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 統計のとり方はいろいろありますからあれですが、ですから災害の率を出すときに、分母のほうを大きいものをとり、分子のほうは少ないものをとっているから、結局少ないやつが出てきて、現実とはだいぶ違っているのではないかというぼくの疑問なんですが、これはいずれにいたしましても、そうそればかり論議していたのじゃ、あれですね、ほかのことできないし、それから労働省だってそういうことにかかりきりでやっているわけにもいきませんから、ほかのこともやらなければなりませんから。そこで、休業の七日以下はどうなんですか、あるいは休まないのはどうやって出てくるのですか、それはわからないですか。
  169. 村上茂利

    政府委員(村上茂利君) 休業一日以上の災害件数、たとえば四十年では六十九万、三十九年では七十三万、かように申しておりますが、この数字は、休業八日以上のはっきりつかめます件数を基礎にいたしまして推計をいたしたものであります。しからば、一日休まなかったが、とにかく災害があったという災害はどうして把握するのだということでございますが、現在のところ使用し得るものとしては労災保険の統計によりまして判断せざるを得ない。労災の場合は、従来、医療費千円以上のものにつきまして、休業するといなとを問わず支払いました件数を把握しておりましたから、不休災害もこれに含まれる、こういうことで把握できると私ども考えているわけでございます。
  170. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 昭和四十一年度に労働災害防止実施計画というものをつくったのですか。これはどんなものですか。
  171. 村上茂利

    政府委員(村上茂利君) 先ほどお話がございました五カ年計画のほかに、毎年の年度ごとに労働災害防止実施計画を労働大臣が決定いたしまして公示いたしております。その中におきましては、その年度内において到達すべき災害減少率の目標を掲げると同時に、国、企業、それから災害防止関係団体などの行なうべき災害防止活動の内容、それから特に災害多発業種に対する災害防止のための重点事項といったようなことを掲げまして公示しているわけでございます。手続としては、中央労働基準審議会に諮問いたしまして、その意見を聞いてきめる、こういうことになっております。
  172. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 それに基づいてですか、四十一年二月二十一日に、基準局の基発秘第一号、労働省労働基準局長通達というのがありますね。本計画と地方計画と労働災害防止行政運営に当たっての留意事項、こういう三つに分かれてありますね。これはどういう点が問題なんです。秘密にしなければならぬほどのものですか。
  173. 村上茂利

    政府委員(村上茂利君) ただいま申しましたように、基礎になる国全体の災害防止実施計画は公示しているものでございます。官報に載せております。この国全体の計画に基づきまして、地方ごとのそれぞれの実情に合ったような計画を設定していただく、こういう考えを持っておりますので、地方に通達を出しまして、地方ごとの計画策定についての注意事項などを示達いたしております。さらに、この国全体の実施計画のそれぞれの事項につきまして、地方においてこれをどのように展開するかという具体的な展開にあたっての注意事項なども示達をいたしているわけでございます。
  174. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 それはわかりますが、なんで秘密なの。秘密とそうでないものと——役所だから秘密といえるかもしれないけれども
  175. 村上茂利

    政府委員(村上茂利君) ただいま申しましたように、全国的な計画、地方計画、そういったものは公示しているわけでございますから、秘密にすべきでないことはもとより、これは一般に承知していただきまして、国ないしは地方における災害防止の考え方を徹底していただく必要があろうかと思います。ただ、運用と申しますか、監督をいたします場合の監督の方針につきましては、検察も同様でございますけれども、どのようなものについてどのような重点で施行するとか、いろいろ重点の置き方が、その年々によりまして若干違う点がございます。そういった監督実施の具体的なやり方については、これは一般には公開しない。監督する場合に、あらかじめ一般に手の内を教えるような結果になるわけでございますので、こういった具体的監督のやり方につきましては、今日まで公開はしない、こういうたてまえをとってきておるわけでございます。
  176. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 そうすると、具体的な監督のやり方というのは、どういうふうなことなんですか、いままでどういうふうにやってるんですか。別に秘密にすることはない。ただ、業種を選ぶといったって業種の選び方、前に実施計画できまっでるんじゃないんですか。昭和四十一年度労働災害防止実施計画というのがあって、労働災害の防止に関し重点を置くべき業種及び労働災害の種類というのできまってるんじゃないの。たとえば建設業、陸上貨物運送業、港湾貨物運送業、林業、化学工業については個別に災害種類を、その他の産業では、重点を置くべき労働災害の種類は、爆発、墜落、崩壊、動力機械、じん肺、中毒等、いろいろこうあがってるんじゃないですか。秘にしたことをいいとか悪いとかいうんじゃなくて、結局、役所だから何でも秘をつけるんでしょうけれども、それは結局、労働災害の防止ということをあんまりやり過ぎると、企業の経営というものに影響を与えるから、まあ適当とは言わぬけれども、ある程度そこをよく考えろと、こういうふうなことで結局秘にしたというんじゃないんですか。基準局というのは全体にそういう空気が非常に強いし、言ってみれば、資本主義社会の中における労働省のあり方ということにも、ぼくは問題があるし、ことにその中での労働基準行政のあり方というのは非常にやりにくい点もあるし、いろいろ問題があるんですが、いずれにしてもたいした問題でありませんから、まあいいのですが、それはそれとして、そういうふうなことをずっとやっていって、何か審議会の答申というのが出たんですか、これ産業災害防止対策審議会答申、四十一年三月二十九日ですか、これはどんなもので、これをどういうような形で実現しようとするんですか。今度新しい五カ年計画ですか、それはこれを取り入れやっていこうというのですか、そこら辺の関係どうなっていますか。
  177. 村上茂利

    政府委員(村上茂利君) 四十二年三月二十九日産業災害防止対策審議会が答申を出されました。その後この審議会は廃止になったわけでございます。産業災害防止対策審議会の一番最終段階における総合的な答申でございました。労働省以外に関係各省にも及びます広範な内容を持った答申でございます。この答申の趣旨を実現しますために労働省としても努力しておるわけでありますが、具体的な扱いとしましては、先生も御指摘のように、災害防止実施計画などに取り入れまして、その答申の趣旨を実現するように努力をいたしておるわけでございます。
  178. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 まだ労働省設置法については、きょうはまあ聞いたうちに入らないんですが、序の口をちょっとやった程度ですが、いま運輸大臣もくるようですから、ここらあたりにしておきま
  179. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 速記をとめて。  〔速記中止〕
  180. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 速記再開。それでは、労働省関係は、本日はこの程度にいたします。速記をとめて。  〔午後三時五十六分速記中止〕  〔午後四時十六分速記開始〕
  181. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 速記を始めて。     —————————————
  182. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) それでは次に、運輸省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、午前に続き本案の質疑を続行いたします。  質疑のある方は順次御発言願います。
  183. 多田省吾

    ○多田省吾君 まず最初に、法案の中で改正の第三点としまして、東京及び大阪に地方航空局を設置することになりましたけれども、二つを設置するわけでございますが、東京には本省もありますし、二つだったらやはり地域性ということも考えて、東京じゃなしに、札幌あたりに設けて、札幌、大阪、そのようにしたほうがよろしいんじゃないかと思うんですが、そこはどうして東京と大阪にやったんでしょうか。
  184. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) この地方航空局の仕事は現地に即した事務を行なうことになって、本省でのそういうふうな仕事もこれに委譲されまするし、また、各地方空港のそういう事務もここへまとめられるわけでございます。そこで二つということになりますと、やはり航空機の交通とか、あるいは連絡とか、そういうやはり連絡通信の中心になるような土地に置くことが都合がいいと思いまして、東京と大阪を選んだ次第でございます。
  185. 多田省吾

    ○多田省吾君 初めお聞きしたところによりますと、四カ所ふえる予定だったのが、予算が削られて二カ所になった。まあそのときは四カ所の場合は札幌にも置かれるような案があったそうでございますけれども東京あたりの業務は本省でやって、それで北海道のほうを札幌でやる、そういうぐあいにはまいらないんですか。
  186. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 本省に適しないような業務を地方航空局に移そうというのが当初の意図でございまして、お話のように東京、大阪のほかに札幌、福岡、四カ所予定をいたしておりましたが、二カ所になりましたので、連絡の中心になるべき場所という意味におきまして、東京、大阪二カ所を選んだわけでございます。特にこれらの二カ所には現に国際空港もございまするので、現場に即応した地方航空局の事務は相当まとまって存在をいたしておるわけであります。
  187. 多田省吾

    ○多田省吾君 昭和四十一年度におきまして相次いで航空事故が起こりました。そのために四十一年の十月七日に航空審議会によって答申か出ました、「航空保安体制を整備するため早急にとるべき具体的方策について」、運輸省航空局では本年の四月二十二日に「空港整備五カ年計画について」というのを出しておりますが、空港整備五カ年計画につきましては本内閣委員会で詳しくお聞きしましたので、そのほかに、空港整備以外のほかの航空審議会の答申にのっとって計画した長期の計画というものがございましたならばお示し願いたい。
  188. 澤雄次

    政府委員(澤雄次君) 航空審議会の御指摘の答申はいわゆる十二号答申かと思いますが、これは空港整備の長期計画を策定しろということと、それから航空路、航空管制、航空通信、これにつきまして保安体制を整備しろ、この二つがおもな運輸大臣に対する答申の勧告の内容でございます。その通信、航空路につきましては、その勧告に示されました答申に従いまして、目下、長期計画を策定中でございまして、空港整備五カ年計画のようにまだ閣議了解を得るまでには至っておりません。
  189. 多田省吾

    ○多田省吾君 航空局としては、まあ閣議了解までは得なくても、大体どのような内容を考えておられるのですか。
  190. 澤雄次

    政府委員(澤雄次君) 航空局といたしましては、その勧告に従いまして、通信施設を整備し、また、航空路におきましてなるべく管制の対象にしていくように、また一定の高度以上のものにつきましては、VFRのものも管制の対象にするという方向で計画を立てております。それから管制の自動化を五カ年計画によりまして推し進めるということをやっております。
  191. 多田省吾

    ○多田省吾君 次に、成田空港問題でお聞きしたいのですが、この前、運輸大臣が成田空港に行かれまして大体賛成派の方とだけ会ってこられたわけでございますけれども、大体、新空港問題はもう五年越しの問題です。初めから非常に不幸なことに、どうも与党内の派閥争い等がたたったせいか、非常に転々と空港予定地が変更になりまして、そのたびごとに地元住民の憾情が非常に混乱したわけでございます。で、運輸大臣もその間、綾部運輸大臣から始まって、松浦、中村、荒船、藤枝、大橋運輸大臣と、もう六代もかわっております。航空局長も四人かわっておられるわけでございます。それで、さいはいを振るわれる運輸省の首脳陣がこのように目まぐるしく交代しまして、そして一貫した空港対策がないように感ずるわけです。今度は富里から一転しまして成田空港に閣議決定したわけでございますけれども、非常に地元住民の感情というものは、政府に対して、口ばかりでほんとうに親身になってめんどうを見てくれないという不信感が刻まれているわけでございます。それでこういったいままでの経過等を考えまして、運輸大臣としてこのたびの土地収用問題等に関してどういう決意で臨んでおられるか。
  192. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 御承知のとおり、現在におきましては、この成田空港の候補地を失いましたならば、もう東京付近においては二度と適当な候補地をさがし出すことは不可能であるという状況に追い詰められていると思うのでございます。そこで、私といたしましては、どうしてもこの空港の建設だけはなし遂げなければならない事柄だと思うのでございます。つきましては、この候補地に土地を持っておられる方々といたしましては、この成田空港のできますことによりまして、その生活の上に大きな影響を受けられ、また、いろいろな面において多大の犠牲をお払いになっていただかなければならぬという状態に相なっております。このことはまことに申しわけない次第でございまするが、しかし、成田空港すなわち今後の日本の東京の空港というものをつくる上においては、この犠牲を避ける道はないのではないか、こう私は思うのでございます。つきましては、国民一般の気持ちといたしましては、これらの犠牲を払われる方々に対しては心から感謝をし、また御同情を申し上げるとともに、できればこの機会に、これらの方々のこうむられる損失をできるだけ少なからしめ、さらに進んでは、このたびの土地の提供と言うものを機会に、将来よりよい生活に設計を立てていただくということが、これが国民の一致の願いではないかと思うのでございまして、私は政府を代表いたしまして、この国民の願いを実現するために全力を尽くすべき責任があると考えております。したがいまして、今後、地元の御要望を十分に拝聴をいたし、できるだけその御要望を実現いたしますとともに、今後、生活の安定、また一そうの生活の向上、そういう可能性を極力探求いたしまして、その方向でこの空港を実現いたすようにいたしたいと存じます。
  193. 多田省吾

    ○多田省吾君 反対同盟の反対というものは非常に強いわけです。そして全学連、あるいは原水協などの革新団体も阻止の対抗手段をとっているようでございます。で、大臣として、無条件賛成派はほとんどいないと思うのですが、条件賛成派とそれから反対派の比率をどの程度であると認識されておられますか。
  194. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 候補地内において土地を御所有になっておられる方々だけについて申し上げますというと、条件つき賛成と認められました者が約八割、あとの二割が絶対反対というお立場をおとりになっておるのではなかろうか、かように推測いたしております。
  195. 多田省吾

    ○多田省吾君 それはどういう根拠でそういう数が出たのですか。
  196. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) いろいろ千葉県知事、成田市長その他地元方々の御推測を総合いたしまして、さような判断をいたしたわけでございます。
  197. 多田省吾

    ○多田省吾君 そのかかる土地以外のまわりの騒音地域も相当反対が強いと思いますが、その反対をどの程度に考えておられますか。
  198. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 騒音地域の中で、ことに将来空港が完成しました場合には、裏側に面することになりまする芝山町の地域においては非常に反対の方が多いと承っております。
  199. 多田省吾

    ○多田省吾君 この前大臣が行かれて、賛成派とは会われたようでありますけれども、その大臣が来たことによって値段ははね上がるだろう、これは思うつぼだ、そういう考えを持っておる人が多いと聞いております。また、反対派の人は、反対に、おれたちの顔がつぶされたとますます反対が強くなっている、そういう状態を私もこの前行きまして感じてまいりました。大臣は前にも言及されたことがありますけれども、反対派に対してどういう説得をなされるのか、そして土地収用法なんかの適用を考えておられるのか。
  200. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 私はあくまでお目にかかって政府の意のあるところをお話し申し上げますとともに、できるだけの誠意をもって、まげて御賛成を願うように申し上げたい、かように存じておるわけでございます。そして土地収用という強権発動による手続ではなく、できるだけ話し合いによって円満に土地問題を解決すべきである、こう考えまして、いまなおその望みを捨てず努力を続けたいと考えております。
  201. 多田省吾

    ○多田省吾君 土地収用法はどうですか、適用を考えていないのですか。
  202. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 現在のところ土地収用法などということをまだ考えてはおりません。極力話し合いの機会をつくりたいと思っております。
  203. 多田省吾

    ○多田省吾君 話し合いを続けたい、そして損失をかけないようにしたい、こうおっしゃるのはもっともだと思いますけれども、そもそも初めからこういった重大な新空港決定にあたって、与党の中で相争って決定しているような姿があって、野党はつんぼさじき、そういう姿でありましたし、また、県当局に対する話し合いも十分に行なわれなかった。これは富里空港のときもそうでございます。大臣がおっしゃるように、もしほんとうに住民の方々に対して損失を絶対かけないで、そしてあくまでも地元方々の利益をはかっていくという立場ならば、当然もう現在において代替地とか、それから騒音防止の方策とか、そういった具体的な問題を考えておられるものと思いますが、代替地はどうでしょうか、もう全部現在きまっておるのでしょうか。
  204. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 代替地についてはおおむね入手いたしましたが、なおまだ最後の努力をいたしております。個々の土地所有者に対する代替地の割り当てというのはこれから御相談することになります。
  205. 多田省吾

    ○多田省吾君 その代替地の現在まできまっておるところ、また候補地として残っておるところの資料は提出していただきたいと思いますが、どうでしょうか。
  206. 澤雄次

    政府委員(澤雄次君) もしよろしければ口頭で申し上げます。  この新空港で買い上げます敷地内の民有地が約六百七十ヘクタールでございます。このうち代替地を考慮しなければならないものは田の四十八ヘクタール、畑の四百ヘクタールかと思います。これらにつきまして代替地の希望を詳細に募りまして、現在までに手当てをいたしました代替地の総面積は四百六十五ヘクタールでございます。そのうち二百二ヘクタールにつきましては、すでに土地所有者の団体と、どの団体はどの代替地を取得する、どの団体はどこの代替地を取得するという配分のおおむね話し合いを済ましております。それで、残りにつきましては、いわゆる団体に入っていない方、それから現在は反対派でございまして、いまだ公団あるいは県と話し合いをしておられない方、このために残りの土地は残してございます。それで、いわゆる条件賛成派に関する限りは大体代替地の配分は順調にいくものと、このように期待いたしております。
  207. 多田省吾

    ○多田省吾君 いま説明を聞きましたけれども、あまりはっきりしませんので、これはあとで資料として提出していただきたいと思いますが、どうでしょうか。
  208. 澤雄次

    政府委員(澤雄次君) はい。
  209. 多田省吾

    ○多田省吾君 次に騒音防止対策はどのように考えておりますか。
  210. 澤雄次

    政府委員(澤雄次君) 騒音防止対策につきましては、昨年の七月四日に閣議決定をいたしまして、相当広範な騒音防止対策を新空港につきましてはとるということに過般決定いたしております。一つは騒音防止法を国会に審議をお願いいたしまして、それによりまして、現在、防衛庁が基地周辺について行なっているのと同じ程度の騒音対策をとる、これは学校の防音工事を実施いたしましたり、あるいは土地の買い上げ、移転補償、農耕漁業の損失補償、これらの基地周辺整備法で、自衛隊がやっておられるものと同じものをやろうということで、目下、衆議院を通過いたしまして参議院のほうに審議をお願いいたしております。  それから新空港につきましては、この騒音防止法のほかに、いわゆる騒音地帯に農業かんがいを実施する、それからその騒音地域につきましては周辺の開発道路をつくる、これは目下、県と建設省で計画を進めております。それからこの騒音防止法と別に、けさほど御質問もありました防音林を新空港につきましては広範に設置して、なるべく騒音の被害を減少する、このような措置を考えております。
  211. 多田省吾

    ○多田省吾君 次に交通料金の値上げ問題で聞きたいと思いますが、このたび東京都営バス、電車、それから地方中小私鉄バス、あるいはタクシーでは苫小牧地方など四地方の料金の値上げを七月から年末にかけてはかられるような方針を発表されました。それにつれまして大阪の冷房タクシーの割り増し料金なども認められましたけれども、その値上げの理由をお聞きしたいと思います。
  212. 原山亮三

    政府委員(原山亮三君) 自動車関係の運賃の改定でございますが、バス、タクシーの関係では、バスのほうは昭和三十九年の秋ごろから申請がございまして、その点を経済企画庁と慎重協議の上で、すでに九割方を済ましておりまして、現在バスの関係で未処理の事案は、東京の都営バス、それに都営バスと競合して走っております乗り入れ九社の問題、それから東京周辺の神奈川とか、群馬とかの一部地区、そういうもので大体二十数社残っておるわけでございますが、これにつきましては、まだ運輸審議会にも諮問をいたしておりませんので、逐次、審査の上、運輸審議会に諮問してまいる、こういうことになろうかと思います。  それからタクシーの問題でございますが、午前中にも申し上げましたように、全国八十五地区から申請が各陸運局に出ておりまして、経済企画庁といろいろと原価計算の方式等について協議いたしまして、その詳細な資料に基づいて調査して結論を出す、こういう方向で考えておるような次第でございます。  それから大阪のクーラーの料金の問題でございますが、これも午前中にお話申し上げましたように、大阪の特殊性という問題でございまして、大阪は交通麻痺というものが全国で一番よく起こる。そして東京のかつてのオリンピックの前のように、万博の前ということで、道路工事なり地下鉄工事なりが非常に激しく行なわれて、ほこりも非常に立つということで、運転手の交通麻痺によるいらいら感、そういうものを解消することと、あわせてお客さんの気分もよくするというふうなことで、他の地域に波及させないということであります。それから本年やって予期した以上の効果というものを発揮できるかどうかということについては、できない場合にはことしでやめてしまうというふうなことでございまして、そういうふうな強い条件の上で大阪のクーラーは認められた、こういう事情でございます。
  213. 多田省吾

    ○多田省吾君 昭和四十年度におきまして福岡の冷房タクシーの値上げが認められたことがございましたけれども、それは一年だけでやめになった、去年はそれは認められなかったわけですが、それはどういう理由ですか。
  214. 原山亮三

    政府委員(原山亮三君) 福岡でかつてやりましたのは、乗客の選択にまかすという方針でございまして、それをやりましたところ、ことごとに、乗客と運転手の間におきまして冷房をつける、つけないということでトラブルが非常に起こったというふうなことでやめにさしたわけでございますけれども、今回の場合はそういう選択制はやめまして、クーラーのついてない車、ついている車ということでございますので、福岡のやった方法とは違った方法でございます。
  215. 多田省吾

    ○多田省吾君 違った方法ではありますけれども、このたびも大阪では冷房タクシーのことでずいぶん値段が高くなるということでトラブルが起こっている、そのことについてどう考えますか。
  216. 原山亮三

    政府委員(原山亮三君) このクーラーの料金を大阪の陸運局におきまして認可する際には、利用者に事前にその関係のPRというものを徹底して、いたずらな摩擦の起こらないようにということについては、事業者に十分強く指示したはずでございまして、現在、昨日から実施しているようでございますが、乗客との間における福岡のようなトラブルということについては、現在まだわれわれは耳にいたしておらないわけでございます。
  217. 多田省吾

    ○多田省吾君 きのうから始められたわけで、相当なトラブルがあるにもかかわらず、私はもう何人からも聞いておりますが、まだそういう報告を受けていないというのは非常にのん気じゃないかと思う。それで、利用者に対して相当前もって啓蒙してあるというお話でありますけれども、啓蒙どころか、相当激しい反対運動が起こったわけです。このたびの冷房タクシーの値上げ問題につきましては、これはもう業界と大阪陸運局とのなれ合いじゃないかといううわさもずいぶん立ったわけです。それを強行して、現在利用者の反対あるいはトラブルが相当強いにもかかわらず、まだ報告を聞いていないとは、こういった値上げに関して非常にのん気であると言わざるを得ないと思います。で、大阪の冷房タクシー、それから苫小牧等の地方タクシーの値上げ等に関連して、今度、自治省からタクシー会社の政治献金等のことも発表されているわけでございますが、そういう相当値上げせざるを得ないような立場になっているタクシー業界であるというのに、政治献金等があまりにも多過ぎると思う。官報によって調べましても永広会というのがあります。これは東京のタクシーの政治団体だそうでありますけれども、それには、東京乗用旅客自動車協会城南支部というところから始まりまして、相当の大手メーカーはじめ数十社が献金しているわけですが、その献金総額は一千万円以上にも達しているような計算でございます。それから大阪のタクシーでも、二十日会という政治団体に大阪の日本交通から百万円とか、あるいは相互タクシーから五十万円とか、そういった献金もなされているようでございます。それで、今度のこういったタクシー料金を値上げせざるを得ないというような申請が出ているような姿に対して、こういった政治献金があまりにも多過ぎる実態は、そんなに困っていないことを示すものじゃないか、そういう説が一つあります。もう一つは、こういった政治献金が多く行なわれている以上、タクシー業界と政界との間に何らかのつながりがあるんじゃないか、そういう疑いも強くなるわけです。昭和四十年の福岡の冷房タクシーの問題でも、時の運輸大臣が中村運輸大臣にかわったとたんに、そういった冷房タクシー料金の値上げ問題が起こった。去年の下半期の政治献金だけを見ても、そのようにタクシー業界の政治団体が一千万円以上の政治献金をタクシー業界から受けている。そうして、いま言ったように、大阪の日本交通、あるいは相互タクシーがそれぞれ百万円、五十万円と二十日会に献金している。そういう国民の疑惑というものは、当然タクシー業界と陸運局の関係とか、あるいは政界の関係とかに結びついて考えられるようになると思うのです。そのことに対して大臣はどのようにお考えになっておられますか。
  218. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 政治献金の問題と今度の値上げの問題は別に関係はないのでございますが、しかし、一般利用者が値上げに対して非常に反対であり、しかも、事業者の一方的な要望をあたかも受け入れたような形で値上げが認可された、こういう際に政治献金というような事実が別にありますというと、いまお話のように、これ全体を結びつけて思いをめぐらすということも十分に考え得ると思うのでございます。かような問題について政治献金によって事が動くというようなことは絶対にあってはならないことと存じます。運用に当たりましては、十分誤解を生じないように留意をいたしたいと思います。
  219. 多田省吾

    ○多田省吾君 さらに永広会の、今度は出資を見ますと、ほとんど出資がない。一千万円以上の献金を受けていながら出している金がほとんどないわけですね。そういった点からも、そういう金がどういうふうに使われているかということは非常に疑問視されているわけです。こういった点からも、やはり運輸行政の姿勢を正す上においても、道義的に考えても、今度のタクシー料金値上げ等は慎重に考えなければいけない問題ひいては地方タクシーのみならず、六大都市のタクシー等の値上げとつながるのじゃないか、そういう国民の疑惑が非常に強まっているわけなんです。いま局長からも答弁がありましたけれども、一つは、冷房タクシーの問題は大阪だけにとどめて、東京や福岡等に絶対波及させないというお約束ができるのか。それからもう一点は、九月十五日に冷房がなくなるわけでありますけれども、その後において、ずるずる引き続いて料金値上げを認めるようなことに絶対ならないというお約束ができるのか、まず、この二点をお伺いします。
  220. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 大阪の冷房料金につきましては、今度とりあえず、ことしの七月から九月の十五日までという措置として許したわけでございまして、その成績いかんによりましては、来年においては許すかどうかは、これはその段階で考慮すべき問題だと、こう思っております。なお、九月十五日にこの措置は完全に撤回されるわけでございますから、その後においては、また従来の基本料金に戻って営業せしめる考えでございまして、これは当局としては、ただいま動かない考え方でございます。なお、これを他の都市に波及せしめる意図があるかどうかという点でいざいますが、先ほど局長からも申し上げましたとおり、大阪の現在の実情というものを基礎にいたしました特殊の扱いでございますので、他の六大都市には絶対に波及させる考えはございません。
  221. 多田省吾

    ○多田省吾君 次に、冷房タクシーについてもう一点聞きますけれども、運転手の方の健康の問題でございますけれども、暑いところからタクシーの中に入る関係上、またそういう値上げをした関係上、急に暑いところから入りますから、非常に冷房をサービスの意味で強くして、そのために運転手の方の健康が非常にそこなわれるという危険性が強いわけでございますけれども、そのことに関してはどうお考えになっておりますか。
  222. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 労働組合、つまり運転手の諸君からもぜひやってもらいたいという希望を受け付けております。
  223. 多田省吾

    ○多田省吾君 そういった問題に関しては全然考えておられないわけですか。
  224. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 特に考えておりませんが、これも一応今年度の措置としてやっておりますので、その間十分に調査をいたしまして、弊害があるようでしたら、将来考え直したいと思います。
  225. 多田省吾

    ○多田省吾君 値上げと、反対に、今度は千葉県の京葉地区で、千葉県旅客自動車連合会京葉地区委員会では、九月実施をめどにして、タクシー料金を中型の場合は百二十円から百十円にというぐあいに値下げすることにきめたということが言われておりますけれども、それはいろいろな理由があったとは思います。が、このことに関して当局はどのようにお考えになっておるか。
  226. 原山亮三

    政府委員(原山亮三君) 新聞紙上ではそういうふうなことを拝見いたしましたけれども、現実にまだ東京陸運局のほうにそういう面の申請が出ておらない状況であります。
  227. 多田省吾

    ○多田省吾君 もしこういう新聞報道のとおりの申請が出た場合はどうされますか。
  228. 原山亮三

    政府委員(原山亮三君) 理由があるものについてはそれを認めてまいることになろうかと思います。
  229. 多田省吾

    ○多田省吾君 次に、海難事故の問題でお尋ねしますが、海難事故は相変わらず多発しておるようでありますけれども、そのことにつきましては、前に本委員会でずいぶん言われておるわけでございますが、海上交通法が必要ではないかということが、いま強く叫ばれておるわけでございますが、そのことに関してはどうお考えですか。
  230. 亀山信郎

    政府委員(亀山信郎君) 現在、海上における交通上の取り締まりといたしましては、海上衝突予防法及びそれに付属する特定水域航行令、港内につきましては港則法、このような法令で海上における交通の秩序を保つようにしておりますけれども、最近の交通の事情は、それらの法規のみをもってしてはまかない切れない程度にふくそうの度合いが強くなってまいっております。特に港の外、狭水道等における交通の混雑は日増しに強くなってまいりますので、こういう特に船舶のふくそうする地域について交通の規制が行なわれ得るような、新しい海上交通法をつくるべきではないかと私どもは考えて、現在その法案の内容を検討いたしておりまして、できれば次の通常国会には国会の御審議をお願いしたい、かように考えて、現在、鋭意準備を進めておるところでございます。
  231. 多田省吾

    ○多田省吾君 終わります。
  232. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 速記とめて。   〔速記中止〕
  233. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 速記再開。
  234. 北村暢

    ○北村暢君 私は時間の関係もあるようですから、だめ押しになるような質問で恐縮でございますが、ごく簡潔に質問をいたしまするので、ひとつ率直にお答えをいただきたいと思います。  まず、航空関係についてお伺いいたしますが、前川委員の質問に対しまして、運用時間に見合う交替要員の確保の問題については、現在確保されてないということについて、航空局長は安全の観点からゆゆしい問題であるということを答弁いたしましたし、大臣もまた、大きな政治問題であるので今後努力せられる、このように答弁をされておるのでありますが、その努力というのは一体具体的にどのようにされようとするのか。この点を具体的にお答えをいただきたいのであります。一つは、私は定員の確保ということがことしも努力されておるようでありますが、来年度は新規の増員を要求すべきであると思うのでありますが、この点についてはどうか。  それからまた今年度において、大臣が、そのように局長も認められておるのでありますから、運用時間等は、これは大臣の権限で変更できるわけでありますが、要員に合った運用時間の変更ということをやる意思があるかないか。この二点についてお伺いをいたします。
  235. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 来年度に対する覚悟といたしましては、来年度の新規増員、これは必要だと、こういう考えでございます。したがいまして、来たる九月に提出いたしまする大蔵省に対する予算要求にこれを含めまして、予算査定にあたりましては、必ず実現するよう努力いたしたい、こういう意味でございます。実はことし、この航空局の改組につきまして航空庁を設置してはどうかという話もございました。なるほど、いまの内容として航空局を外局にして航空庁にすることも、あるいはよろしいかとも思ったのでございますが、私ども運輸省側の考えといたしましては、現在の段階ではまだまだ航空行政組織の問題は緒についた程度であって、後年度において要求すべき事項がたくさん残っているのではなかろうか、庁という名前をつけるとすれば、それらをある程度実現した後にすべきである、こういう考えで航空庁の昇格問題は断念したようないきさつもございます。したがって、来年度におきましては、ぜひさらに努力をしたいと思っております。  それから次に、さしあたりの措置といたしまして、現在の要員に適合した運用時間を考えることはできないかというお話でございますが、本来から言えば、そうするのが当然かもしれませんが、いろいろな行政の実情から考えまして、現在の運用時間を短縮するということはちょっと無理ではなかろうか、まあ互いにかばい合い、協力し合って、ぜひこの運用時間だけは維持するようにいたしたい、そして来年度以降の増員を期待したいと思っております。
  236. 北村暢

    ○北村暢君 次に、養成定員については、三十名が昨年、事故の多発ということで年度中に定員が認められたのでありますが、前回の前川君の質問に対しても、現在五十名から八十名の研修人員が現実に行なわれているという御答弁がございましたが、これについて、まあ本年度は事故多発ということでもございませんから、直ちに予備費というわけにはいかないのかとも思いますが、来年は一体どうされるのか、この点をひとつ具体的にお伺いいたします。
  237. 澤雄次

    政府委員(澤雄次君) 現在の訓練定員三十名は、羽田におきまして養成する期間六カ月の期間に対して見合って大蔵省ではつけたものと思いますが、要員の養成には羽田の座学六カ月のほかに現場研修六カ月、一年でございますので、この養成定員がどうしても足りませんので、来年は管制官のほかに、その他の航空局の基準職員の養成定員も含めて、大蔵省に予算要求を強力にいたしたいと存じております。
  238. 北村暢

    ○北村暢君 次に、航空無線事務についてですが、電波法上の無線有資格者が特に足りないようでございます。その原因は一体何なのか。そして今後の対策はどうされるのか、この点御答弁をいただきたい。
  239. 澤雄次

    政府委員(澤雄次君) 電波法の資格をとった無線の担当者が少ないというお話でございますが、航空局の職員は、単に無線担当者のみならず、一般的に急激に事務がふえてまいりましたので、一般的に少ないわけでございます。無線関係の要員につきましても、来年度はぜひ必要数を獲得するように努力いたしたいと考えております。
  240. 前川旦

    ○前川旦君 北村委員から無線関係が足りないがどうするのだという御質問でしたが、来年度は確保する、こうおっしゃいましたが、これまで具体的にどういうふうに確保されたか。たとえば、この前ここで論議されたのは照明の問題が論議されました。照明の要員が各空港に一人ずつしかいない。したがって、運用時間にはみ出てくる。はみ出たものについては照明の保守要員がいないままで飛行機の離着陸が行なわれているということがこの前論議されている。いま北村委員の質問は、無線関係も同じような状態ではないか、こういうことだと思います。照明については特にこれは縛る法律はないかもしれませんけれども、通信の問題は電波法という法律があります。電波法によりまして資格というものがちゃんときめられているわけですね。ところが現在の状況を見てみると、資格を持った人の配置が十分ではない、運用時間に見合うだけの人が配置されていない、こういうように思います。これをどういうふうに——いま努力するというふうにおっしゃいましたけれども、具体的にどうするのですか、これは。来年の定員増はただ単なる努力するで済まされない問題ではないか、このように思います。いかがですか。
  241. 澤雄次

    政府委員(澤雄次君) 無線関係の要員という前川先生の御質問、無線というのは無線の保守要員でございますか。
  242. 前川旦

    ○前川旦君 保守要員にしぼっていただいてけっこうです。
  243. 澤雄次

    政府委員(澤雄次君) これは照明も無線も同じでございますが、保守要員の定員の獲得は非常に困難なのでございます。これはもちろん十時間運用とかということでございましたら交代して勤務すべきではございますが、照明あるいは無線の保守関係につきましては、何と申しますか、大蔵省の予算要求、予算折衝の際に、いわゆる何と言いますか、一人当たりの事務量というような計算をいたしますと、ほかの一人当たりの取り扱いの事務量の計算上多く出てくるほうの定員のほうに優先的に数がとられてしまうというような関係になるわけでございます。これは照明とか無線の人が決してそういう数字に出ないからひまかというと、そうではないのでございます。それはいなかの空港でございますから、全部お互いに相助け合って、たとえば照明の人間でございましたら飛行場の施設関係に属しておりますので、他の施設関係の仕事も照明だけでなしに手伝って非常に忙しいのでございます。その辺の関係で予算の獲得が非常に困難であるということでございます。先ほど大臣がお答え申し上げましたように、これらの定員につきまして運用時間に合う交代要員がとれるように来年度予算には大いに努力をいたしたい、こういうことでございます。
  244. 前川旦

    ○前川旦君 とれるように努力をいたしたいとおっしゃりながら、一方ではたいへん困難でございますといういまの御答弁の内容で、一体これは努力をいたしますが、困難で見通しとしては暗いという御答弁なのかどうなのか、たいへんいまのはどっちともとれるような御答弁でした。そこで申し上げてみたいのは、これは三種空港なんかはたくさん問題があろうと思いますけれども、空港で例をあげても、たとえばこれは釧路、釧路は二種でしたか、運用時間が十二時間ですね、この飛行場は。ところが、その通信、それから無線の保守の資格を持った人が一人しか配置されていない。あと二人いるのですが、この人は電波法できめられた資格を持っていないから、無線設備のいわゆる技術操作といいますか、保守ですね、技術操作というものができない。有資格者が一人、そうすると、十二時間運用でどうするのだ。この間、航空局長は、三直四交代、四直五交代という原則はくずさないとおっしゃっておられましたけれども、そうなってくると運用時間が長いですから、有資格者がいないなら無資格者がそのうちの一人として現実に入っているのじゃないか。電波法できめられた資格を持たない人がどうもそういう機械に接しているということになりはしないか。これはきわめて危険ではないか、このように思います。ほかにもいろいろ例があります。新潟もそうですね。新潟も同じく一人です。やはり三人いらっしゃいますが、それが技術操作だけじゃなくて、通信の資格もいわゆる一種、二種というか、必要な資格を持っていない人、それをやはり交代制勤務につかしているという現実があるのじゃないか。これはほんとうに、あなたもこの間おっしゃったけれども、照明と同じように、全く航空安全という問題からいってゆゆしき問題ではないかと、こういうふうに思います。大蔵省との折衝がむずかしいとあなたおっしゃいましたけれども、むずかしいからできないという感じが受けとれましたけれども、これはむずかしいだけでは済ましておけない問題じゃないかと思うのですが、いかがですか。
  245. 澤雄次

    政府委員(澤雄次君) 正確に申し上げれば、むずかしかったということになると思うのですが、いままでそれでは照明要員などにつきまして非常に危険があったかと申しますと、これは危険ということよりも、たとえば、この照明が消えるときは、何人おりましてもパッと照明というものは消えるわけでございます。それは一人おっても三人おっても消えるわけでございます。消えますと、すぐ航空機の場合は飛行場からNOTAMを出しまして、各航空機に、この飛行場の照明は消えた、使用不能であるということを通知をすぐ各航空機に出すわけでございます。そういう意味におきましては、着陸の寸前に消えれば危険なわけですが、NOATMを出しておけば非常な御迷惑をかけますが、人命に関する危険というものは特にはない。それでそういう場合に、いま大体この飛行場の近くの宿舎におるわけでございますから、故障が起きましたらすぐこれを呼び寄せるというような苦肉の措置をとっているわけでございます。そういう意味におきましては、非常に飛行場が危険であるということは航空界のためにもあれでございますので、その点は御安心いただきたいと思いますが、しかし、そのような運用では十分でないことはもちろんでございます。完全な交代要員をとるように来年度は大いに努力をいたしたい、このように考えておる次第でございます。
  246. 前川旦

    ○前川旦君 照明要員のことはいまおっしゃいましたが、いま私が言いました通信、無線の保守の問題もあわせてついでにお答えください。
  247. 澤雄次

    政府委員(澤雄次君) 無線につきましても、保守要員につきましては照明と同じでございますが、これも来年度は完全な交代要員を置くように懸命な努力をいたすことをお約束いたします。
  248. 北村暢

    ○北村暢君 いま申したように、第二種空港は何といっても不備であるということは間違いございませんので、お客さんを扱っているのですから、不安全であるとは言えないから、安全だと、こう言わざるを得ないのですが、問題があることは事実であります。大臣も十分ひとつ聞いておいていただきたいと思います。  それから次に、地方航空局の要員でありますが、航空保安事務所百十五名の振りかえを行なうことになっておりますが、そうでなくても現場はたいへん保安確保のために、いま言ったように人員が不足していることは間違いない。その状態の中で、現場から百十五名の人員を監督庁である他方航空局に吸い上げるということについては、何かしら不安を思わせるのでありますが、その心配がないのかどうなのか、この点をひとつはっきりさしておいていただきたい、このように思うのです。
  249. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 一応数字をごらんになりまして不安をお感じになりますのはごもっともだと存じますが、このたび地方空港の航空保安事務所の事務の中で、庶務、管理というような仕事はあげて地方航空局がつかさどることに相なりましたので、その関係の人員を地方航空局に移すという意味なのでございます。そういう意味においては、不安がないとも言えると思いますが、しかし、元来からいえば、もともと足りない要員の中で、そういう措置がとられるのでありますから、そういう機会にこそできるだけ空港の要員の充足をはかるべきだ。その際に、これを地方航空局へ引き上げることは残念だ、こういうふうに私どもも多少そういう気持ちはいたしておりますが、これは現場要員は現場要員として明年度において増員すべく善処いたしたいと思っております。
  250. 北村暢

    ○北村暢君 それから地方航空局は発足が十月一日となっているようでありますが、これは非常に大きな機構の変革でありますから、十分な準備が行なわれないというと、保安上にも大きな影響を及ぼす問題だろうと思うのでありますが、それに関連をして、行政事務の渋滞がないようにするためにも、十分、職員団体とも話し合いをしながらスムーズにやられなければいかぬ、このように思うのでございますが、所見をひとつ承っておきたいと思います。
  251. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 航空局長と職員組合との間で十分な話し合いを詰めた上で実施に入りたいと思います。
  252. 北村暢

    ○北村暢君 次に、海上保安庁関係についてお伺いをいたしますが、先ほど来、海上保安庁の問題について多田君からも御質問がありましたが、前回もこれは詳しく質問がありましたから、私は内容は省略いたしますけれども、とにもかくにも大型タンカーの安全対策、狭水道、港湾等の安全対策は、これは私は現在陸上、航空、海運、すべてこれは安全対策は非常に重要な段階にきていると思う。そういうふうな点からいって、提出をいただきました海上保安庁の職員の勤務状況等の資料を拝見いたしましても、決して陸上勤務者との比較において、いいほうではありません。むしろ悪い状態にあるようであります。したがって、ただいま申しました海上の安全対策も含めて、来年度においては、一体、海上保安関係の対策をどのように充実をされ、強化され、本年度定員が削減されているという実態にかんがみまして、来年度その要員の充実等についてどのような考え方を持っておられるのか、最後にこの点をお伺いをいたします。
  253. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 海上交通の問題につきましては、運輸省といたしましては、かねてからこれに留意をいたしておったのでございますが、特に最近の情勢から見まして、また先般の英仏海峡における不測の事故等から見まして、狭水道における大型タンカーの安全なり航路を維持する問題、またそれに関連いたしまして、こういう海面における航行の規制、さらには良好なる水路の開設、こういういろいろな問題が安全のために必要である、こう考えまして、さしあたり東京湾、瀬戸内海、伊勢湾等、狭水道につきまして具体的に、水路をいかにし、また、航路標識をいかに設け、安全対策としていかなる取り締まりをなし、また、航路をいかにやるべきか、これについての具体的な計画を来年度予算の要求の時期までに必ず設定しよう。それに基づいて来年度予算の要求もいたし、また来年の通常国会に御審議をお願いすべき法案の作成にも着手しよう、こういう方針でここ二月ほど前から進んでまいっておるような次第でございます。したがいまして、海上保安庁の要員等は、これらの措置と不可分の問題でございまするので、必ず善処いたしたいと、このように考えております。
  254. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 一点だけお聞きするのですが、今度のあれを見ると、運輸省の定員が一人減って外務省へ出向するわけでしょう。外務省へ出向して、それが韓国大使館へ行くのじゃないですか、それはどういうふうになっているのですか。
  255. 町田直

    政府委員(町田直君) さようでございます。
  256. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 それはどういうことで——今度初めてですか、どういうようなことで、運輸省の仕事をやっている人が韓国の大使館へ行くわけですか。外務省へ行って、外務省から行くわけですね。
  257. 町田直

    政府委員(町田直君) 韓国は初めてでございますが、運輸省としてはほかに数カ国の大使館なり領事館へ行っております。今度韓国へ参りますのは、鉄道車両の輸出に関しまして大使館員として仕事をするということでございます。
  258. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 鉄道車両の輸出というと、運輸省がやるわけですか。
  259. 町田直

    政府委員(町田直君) 運輸省がやるわけではございませんけれども、そういう関係のいわゆる大使館としての情報収集とか、そういう仕事を担当するわけでございます。同じような意味では、たとえばインドへも行っております。
  260. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 今度は韓国の大使館へ防衛庁も初めて行くわけですね、駐在武官が。それで、韓国の中の軍事情勢や何かの情報を収集したり調査したりするわけでしょう。運輸省もそれとマッチしたような形で韓国の鉄道というか、何か事が起きた場合の韓国の鉄道の状況というか、そういうことの連絡とか何かの情報とか調査をやるための特別の仕事というか、そういう材料を集めることも一つの仕事になっているのじゃないですか。どうなの、その辺。
  261. 町田直

    政府委員(町田直君) 運輸省の仕事でございますので、運輸省は御承知のように、主として海運、造船、鉄道車両というような関係で各国に、各国と申しますか、数カ国に出ておりますが、それぞれ運輸省の仕事を担当いたすわけでございますので、鉄道車両に関します輸出関係の仕事の連絡、こういうことでございます。ただいま御指摘のような、そういう何と申しますか、広い範囲の仕事を担当させられるということで行くわけではございません。
  262. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 いま鉄道車両の輸出というのはどういう状況になっているのですか、日本と韓国の間では。
  263. 増川遼三

    政府委員(増川遼三君) 四十一年度におきまして約一億ドルの輸出をいたしております。
  264. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 そうすると、それは日韓会談の中の経済協力の中に入っているのですか、どういう形になっているのですか。
  265. 増川遼三

    政府委員(増川遼三君) これは従来民間ベースでやっております。
  266. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 午前中、中沢委員の質問に答えて運輸大臣は、新幹線の問題は岡山、それから広島、それから九州、それだけしか考えていないというお話だったですが、この六月に国鉄から出している「都市問題と鉄道輸送」という資料に、東北新幹線などについてもできるだけ早期に着工する必要があるという、東北新幹線ということばを使って、しかも国鉄副総裁は委員会などに来まして初めてこれは使ったことばで、東北新幹線もできるだけ早くやらなければならぬということを公の席で言明されておるのです。それを運輸大臣が速記に残るようなことばで、ほかのものは考えてないというような答弁であると、われわれ東北関係の者としてちょっと困るので、ここでもう一回はっきりしたことを運輸大臣からお聞かせをいただきたい。
  267. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 国鉄副総裁の報告もあったそうでございまするが、運輸省といたしましては、ある程度具体的になってきておりますのは先ほど申しました程度でございまするが、しかし、東北新幹線については今後検討すべき事柄だと思うのでございます。特にこの検討も相当急がなければならないという理由があるのでございまして、それは成田空港の新設に伴いまして、空港と東京との間の陸上連絡といたしまして、さしあたり千葉を経由する鉄道線路の拡充を考えておりますが、しかし、将来のことを考えまするというと、やはり東北新幹線を成田を回して、そしてここにある程度輸送の役目を引き受けてもらうということが必要になるわけでございます。したがいまして、成田との関連において東北新幹線の具体化が急がれつつあるということは事実でございます。
  268. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 他に御発言もないようですから、質疑は尽きたものと認めます。  それでは、これより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
  269. 八田一朗

    ○八田一朗君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました運輸省設置法の一部を改正する法律案について、修正案を提出いたします。  修正案はお手元にお配りいたしてございますので、それにて御承知願いたいと存じます。  修正の趣旨は、本法律案の施行期日は昭和四十二年六月一日となっておりますが、すでに同日を経過いたしておりますので、これを公布の日に改めるとともに、定員に関する改正規定は六月一日から適用しようとするものであります。  右、修正部分を除く原案に賛成いたしまして、私の討論を終わります。
  270. 北村暢

    ○北村暢君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題になっております運輸省設置法の一部を改正する法律案について、ただいま八田委員より提出されました修正案、右修正部分を除く原案に賛成いたします。  なお、本法律案に対しましては、自民、社会、公明、民社の各党共同提案にかかる次の附帯決議案を提出いたします。  まず、案文を朗読いたします。    運輸省設置法の一部を改正する法律案に対    する附帯決議(案)   最近の陸、海、空における交通量の激増に伴  い、その安全対策は極めて重要であることにか  んがみ、政府は次の諸点について速やかにその  実施につき遺憾なきを期すべきである。  一、陸上交通の安全対策については、車輌検査   場等の整備を図るとともにその要員の充実を   期すること。  二、海上交通の安全対策については、巡視船艇   その他海上保安施設の増強、海上保安庁の定   員特に船員の増加を図ること。  三、航空行政機構については、地方航空局の増   置等さらにその機構の整備を図るとともに定   員の増加を図ること。  右決議する  この附帯決議案の趣旨は、当委員会の審査を通じましてすでに明らかでありますので、説明を省略させていただきます。   以上でございます。
  271. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 他に御意見もないようですから、討論は終結したものと認めます。  それでは、これより運輸省設置法の一部を改正する法律案の採決に入ります。  まず、討論中にございました八田君提出の修正案を問題に供します。八田君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  272. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 総員挙手と認めます。よって、八田君提出の修正案は可決されました。  次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部を問題に供します。修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  273. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 総員挙手と認めます。よって、修正部分を除いた原案は、全会一致をもって可決されました。  以上の結果、本案は全会一致をもって修正議決すべきものと決定いたしました。  次に、討論中に述べられました北村君提出の附帯決議案を議題といたします。  北村君提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  274. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 総員挙手と認めます。よって、北村君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、大橋運輸大臣から発言を求められておりますので、この際これを許可いたします。大橋運輸大臣
  275. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) ただいまは慎重御審議の上御採決をいただき、まことにありがとうございます。  また御決議になりました附帯決議につきましては、政府当局といたしまして、その趣旨を尊重し、十分決議の趣旨を実現するよう努力いたしたいと存じます。
  276. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) それでは、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  277. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時三十六分散会      —————・—————