○北村暢君 いまのような、対策としてはいろいろございましょうけれ
ども、私は地価の値上がりの状況について御
説明願いたいと言ったんですが、答弁がなかったのですが、ここにある資料によっても、
昭和三十年を一〇〇として、卸売り物価指数が一〇五に対して全国の市街地の地価の指数が七一四、卸売り物価が一〇五に対して七一四ですね。これはもうたいへんな上がり方です。
東京都の周辺じゃ、これがおそらく一〇〇〇くらいいっているのじゃないですか。全国でこういう状態ですから、市街地の状況では一〇〇〇以上、こしているでしょう。そういう異常な地価の値上がりというものが、私はもう限界に来ているのじゃないかと思うのです。まだそれでもなおかつ上がる傾向にある。一つにはこれはもう一つの見方として、こういうような地価の値上がりの中で、商業地、住
宅地、工業地と種類別に比較してみるというと、これまた工業地が一番高くて、
昭和三十年と四十年では、三十年を一〇〇とした場合の工業
用地が八六四、住
宅地が六四八、商業地が六百二十七、工業地が一番高い、上がっておる率からいって。したがって、まあ地価の値上がりの大きなものというのは、やはり産業の高度発展に伴う設備投資、それに伴う工業
用地、この需要が極端にふえて地価の値上がりに大きな要因をなしておるということです。それからもう一つは、資本主義経済の段階でも、株価の値上がりははるかに高いですね。したがって、地価の値上がりの大きな原因の一つに、私は
土地を投機的に取り扱っていく、いわゆる高度成長で資本にゆとりのできた、資本の蓄積の形が
土地を入手して値上がりを待つという形が非常に大きく出ているでしょう。いま大
会社、いろいろな
会社が資本蓄積のできている中において、
土地に値上がりを待つための投資を行なっておる、投機的な投資を行なっておる。これが非常に大きな影響になっている。いわゆる擬制資本の蓄積というような形が
土地所有の投機的なやり方、こういうものが非常に大きく影響している。これを私は地価対策の一つとしてこういうものを制限する、あるいは
規制するという対策を政府が勇断をもってやらない限り、
宅地をたくさん公共的につくって提供しますとか、何とかいったって、それ以前の問題として根本的な問題の解決にはならないです。こういうのは一体役所の中でどこがこれを担当して、地価対策に対して根本的な対策を取るか。これは私は重大だと思うのです。こういう点について、対策の中に
建設大臣は
建設大臣としての
立場から、
宅地を、公共的な安い
土地をたくさんつくるというようなことでおっしゃいましたけれ
ども、それ以前の問題として、
宅地だけが
建設大臣の所管じゃない、
工場用地においても、それから
公共事業を行なう上においても、この地価の問題は非常に
関係がある。そういう点に対する
考え方というのは一体どう考えておられるか、この点ひとつお伺いしておきたい。