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1967-03-28 第55回国会 参議院 逓信委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年三月二十八日(火曜日)    午前十時四十三分開会     —————————————    委員の異動  三月二十四日     辞任         補欠選任      村上 春藏君     谷村 貞治君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         野上  元君     理 事                 植竹 春彦君                 寺尾  豊君                 西村 尚治君                 森  勝治君     委 員                 郡  祐一君                 白井  勇君                 新谷寅三郎君                 谷村 貞治君                 安井  謙君                 永岡 光治君                 光村 甚助君                 横川 正市君    国務大臣        郵 政 大 臣  小林 武治君    政府委員        郵政政務次官   田澤 吉郎君        郵政大臣官房長  竹下 一記君        郵政省電波監理        局長       淺野 賢澄君    事務局側        常任委員会専門        員        倉沢 岩雄君    参考人        日本放送協会会        長        前田 義徳君        日本放送協会副        会長       小野 吉郎君        日本放送協会技        師長・専務理事  三熊 文雄君        日本放送協会専        務理事      赤城 正武君        日本放送協会専        務理事      野村 達治君        日本放送協会専        務理事      浅沼  博君        日本放送協会理        事        川上 行蔵君        日本放送協会理        事        志賀 正信君        日本放送協会理        事        長沢 泰治君        日本放送協会理        事        佐野 弘吉君        日本放送協会総        合企画室総務   野村 忠夫君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認  を求めるの件(内閣送付予備審査)     —————————————
  2. 野上元

    委員長野上元君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  まず、委員長及び理事打合会協議事項について御報告いたします。  本日の委員会においては、放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件の審査を行なうこととなりましたので、御了承願います。     —————————————
  3. 野上元

    委員長野上元君) それでは、これより議事に入ります。  放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。  質疑のある方は、順次御発言願います。
  4. 光村甚助

    光村甚助君 この法案はまだ衆議院を通っておりませんので、予備審査になると思うのですが、法案が通れば、またあとで詳しい質問もあると思うのですが、まず一番に、先般の本会議で、横川委員から代表質問の中で、政府放送番組介入問題を取り上げたのですが、そのときに、大臣答弁は、介入する意思は持っていないという、ただ単にそれだけの答弁だったのですが、われわれはこれだけでは納得できない資料を持っておりますので、もう少し詳しく御説明願いたいと思います。
  5. 小林武治

    国務大臣小林武治君) これはもう詳しく申し上げると、介入した事実もないし、また介入する意図もない。それから多少誤解を受けるようなことがあったかと思うが、誤解を受けることのないように気をつけたい、こういうことを申し上げたのでありまして、事実問題をもし詳しく申せと、こういうことであれば、また申し上げますが、そういうことでございますので、この際は以上にとどめておきます。
  6. 光村甚助

    光村甚助君 詳しく話してもらわなければ、ただ介入しないのだと言っただけでは、われわれは——相当新聞にも出ておりますし、全国の人が知ってることですから、ただ、介入していないのだ、誤解があったではちょっと国民に対して答弁が不親切じゃないかと思うのです。
  7. 小林武治

    国務大臣小林武治君) これは事実をごく簡単に申し上げますれば、これは御承知ように、二月九日かに「現代の主役・日の丸」の問題についての放送があったと、こういうことで、その翌日の新聞に大きく——この放送については中止を求める、あるいは非難をするという、こういう電話がひんぴんとしてかかってきた。また一方、一一〇番に対しましても三回ばかり、あの放送をやめさせろと、こういうふうな電話があったと、これは私は新聞承知したのです。これだけの世間の批判を仰ぐよう番組があったということであるが、私はこれを見ておらない。したがって、どんな内容であるかということを、私が座談的に電波局長に聞いてみたところ、電波局長も見ておらない。こういうことでありまして、彼が放送局に出向いて放送当事者の好意によって見せてもらった、こういうことだけのことでありまして、この問題について私どもがこれが不当だとか、あるいは偏向だとかいうような解釈をしたり、また、これに基づいて警告をした事実はない、こういうことであります。私ども、あるいは当事者としましても、番組について個人的に意見を持つことは当然で、どなたもお持ちになると思う。ただ、個人的意見に基づいて何かをすれば介入だったりすることと思いますが、何もしていなければ、われわれが何を思おうとこれはわれわれの自由であって、公人としての行動をしておらない、こういうことになれば、どなたも、ある番組を見ていいとか悪いとかいう意見をお持ちになることは当然であります。私も、話を聞けば私なりの意見はあるが、その意見に基づいて何も行動しておらない、こういうことになれば、介入等の問題は起きてこないということに御了解願いたいと思う。この問題というわけではありませんが、その後何かの機会にTBS会長が私のところに見えました。私は、就任以来、この放送局諸君とも意思の疎通をはかる必要があるから、ときどきお目にかかっておる。集団的にお目にかかっておるし、個別的にお目にかかったこともあります。その問題としてでなくて、ほかの用事で会長がおいでになって、私が会っていろいろな話をしましたが、私はこれについて何も申し上げたことがない。もっと率直に申せば、その際、会長は、あれはまずかったということを言われました。しかし、それについて私は、それに気をつけなさいとも言うておらない、そういうことばを承っただけにすぎません。これは会長にもお聞きになればわかりますが、私が注意するとか警告した事実はありません。また、そのことが何と伝えられたかわかりませんが、彼がただ、自分も見たがまずかったと思う、こういうことを言われた。重ねて申しますが、言われたことについて私はただ承っておっただけで、気をつけてくださいとも何とも言うたことはありません。これは当事者から聞けばおわかりになると思います。したがって、私ども介入したという事実はない。放送そのものにつきましては、皆さん承知ように、番組基準というものは、放送法に書いてあって、その基準によって放送者が自主的にこれはお気をつけなさる問題である。番組審議会等もありますから、その方が中心になってこれは編成をされるべきことであって、外部から介入すべきことではないということもわれわれ了解しておる。したがって、われわれとしましては、電波というものが国民的立場で適正に公平に運用されることを期待しておる、こういうことでありまして、これは期待するのはわれわれの自由でありますから、そういう意味でこれを警告をする、介入するということはなかった。また、今後もそういう意思は毛頭ない、そういうことを申し上げておきます。
  8. 光村甚助

    光村甚助君 個人的にあの番組がいけないんじゃないか、いいんじゃないか、これはおっしゃるのは自由なんです、思想が違うんだからお互いに。おれはあんな放送はきらいなんだ、おれは好きなんだ、いろいろあると思う。ただ、あなたは個人的じゃなくて、大臣なんです。郵政大臣なんです。そういう人が閣議でものを申されると、公人なんです。閣議内容秘密ですから私たちは知りませんが、私たち新聞あたりから聞いているところは、二階堂長官が、最近のテレビなんというのは偏向を来たしているんじゃないか、あるいは倉石農林大臣が、政府はもっとNHKを活用して、NHKの場合には予算経営委員の人事は国会承認事項である、こういう観点から政府としても、たとえば外遊後、テレビを通じて報告などに活用すべきだ、NHKもまた協力してよいのではないか、早川さんが、番組偏向民放だけではない、NHK番組でも問題がある、こういうことがうそかほんとか知らないが、新聞記事です。閣議で言われると、これはあなた方閣僚であって公人なんです、それが新聞に出れば、介入する意思はないと言っても、時の政府がこういう意見を持っているんだということになり、これは間接的介入じゃないかと私は思っているのです。
  9. 小林武治

    国務大臣小林武治君) 閣議で何が出たか、これはむろん閣議秘密会お話しになることですから、このことが新聞でどういうことを書かれたか、私ども責任を負うわけにいかない。閣議内容というものは慣例的にも、とにかく官房長官責任を持って発表する。そのことについては私ども責任を負いますが、そのほかの者が、また、いろいろな間違ってもおるだろうし、どういうことを言われても、私どもはこれについて責任を負うという筋はない。また、閣議においていろいろな論議をされることは当然秘密で、外部に対する問題ではない、こういうことに考えております。ただいまの、新聞にも私もいろいろなことが出たことを承知しておりますが、これらのことについては、私ども関係もなければ、責任を負うべき立場にない、こういうふうにはっきり申し上げておきます。いま光村先生が言われましたが、私がどう思うか、かってでありますが、私が思ったことをやはり公人として発表すれば、私は責任を負わなければならない。公人としての発表がない、何を思おうがこれは個人としての関係である、そういうことをはっきり申し上げておきます。
  10. 光村甚助

    光村甚助君 どうも私にはわからないのですが、あなた個人で言えば関係ないんじゃないかとおっしゃるけれども小林さんは郵政大臣なんです、郵政大臣放送のことをしゃべられると、これは個人じゃ通らないんですよ。大臣がこう言ったということが、さっきのむし返しになりますが、閣議でそういう話が出たということになれば、さっき言いましたように、予算付帯条項をつけて出すとか、あるいは経営委員任命権があるとかいうようなことがありますから、閣議でそういうことが問題になれば、NHKとしてもこれは政府ににらまれているんじゃないかと勘ぐるだろう、民放にしても、免許ということがありますからね。最近、民放のやり方がけしからぬじゃないかというような話がたとえ座談的に出ても、これは時の政府ににらまれているんじゃないか、注意しなければならないのだというようなことを考える。だから、あなたが大臣でなく一小林で言われるのだったら、ちっともかまわない。そういうことが閣議になると、これはやはり心理的な圧迫を感じます。そういうのは間接的に私は干渉である、介入だと、こう考えているのですがね。
  11. 小林武治

    国務大臣小林武治君) これは私が公人として外に発言すれば、これは公人としての責任を負わなければなりませんが、閣議で何を言うたか、これはわかりませんし、また、無責任な人が、閣議でどういう言辞があったと言われても、これはしかたがないことでありまして、私は郵政大臣として外に何らの行動も何らの言辞もしたことはない、こういうことであって、閣議のことについては、私は責任を負えない。ここで何を言うたか、また、だれが何を言うたか、これは私どもは忘れてしまうほどのことであって、このことについては、私は外部に対しては責任云々の問題ではない、こういうふうに私は考えております。
  12. 光村甚助

    光村甚助君 最近の放送娯楽番組からだんだん言論の報道機関になったり、選挙のときなどずいぶん、一党一派に偏するとは言いませんが、自民党から見れば、あの放送社会党ひいきにしているのじゃないかとか、社会党から見れば、自民党ひいきにしているのじゃないかということをわれわれとしては考えるのです。しかし、一党一派に偏することなく、公正を維持しなければならないということはわかっているが、しかし、やはり新聞あたりでああいう強い批判があるということは、最近の新聞が、再免許が近づいているから、いま政府ににらまれるとたいへんだから、番組を少し変えようじゃないかという話があるということが新聞に出ている。ただ、公人として言ったことはない、閣議内容もきみらにはわからないだろうとおっしゃられればわからないのでありますが、ただ、新聞にあれだけ出ると、何べんも言うようでありますが、やはり時の政府にたてついたら免許もとれない、NHKとしても予算の面、経営委員任命について、時の政府ににらまれたくないという考えが出てくるのは人情だと思います。そういうことで、公人としては言っていないけれども、そういうあなた方の言動がやはり民放とか、そういうものの心理的な圧迫については、これは直接介入じゃなくても、間接介入になっているのじゃないかという私の考え方です。
  13. 小林武治

    国務大臣小林武治君) これはもう光村さんの言うこともよくわかりますから、この際、続いて十分気をつけましょうということをひとつ申し上げておきます。
  14. 光村甚助

    光村甚助君 これに対して前田会長はどういう意見を持っておられますか。
  15. 前田義徳

    参考人前田義徳君) 私はNHK執行機関として、放送法に従って厳正、公正、不偏不党というのを番組編成の目的として、いかなる場合においても過誤のない限り、私どもは、放送法に根拠がある権限に基づくお話でない限り、私ども自主的編成の自主権、自由を守りたい、このよう考えております。
  16. 光村甚助

    光村甚助君 電波監理局長にお聞きしますが、向こうへ見に行ったというのは新聞に出る前か後か。
  17. 淺野賢澄

    政府委員淺野賢澄君) 新聞に出た翌日であります。
  18. 光村甚助

    光村甚助君 新聞に出たのは、これはたぶん二十一日だったと思いますが、あなた方が調査に行ったのは十五日じゃないかと思います。その点、間違いありませんか。
  19. 淺野賢澄

    政府委員淺野賢澄君) 新聞に出たのは十四日であります、いま先生のおっしゃいましたのは。ついででありますから申し上げますが、大臣が申し上げましたように、放送がありましたのは二月九日、それは私は知りませんでしたが、二月十四日の新聞に抗議の意見が殺到したというのが出た。二十二日はこれは閣議あとであります。
  20. 光村甚助

    光村甚助君 大臣から見てこいと言われて見に行って、あれは偏向を来たしていると考えたか、これはこのくらいは妥当と考えたか、見てきてどういう意見大臣に報告いたしましたか。
  21. 淺野賢澄

    政府委員淺野賢澄君) 見てこいというお話でなかったわけでありますが、やはり所管の局長として、当然これは国民皆さんも見ておられるわけですから、そういうふうに問題になって新聞に相当出たのを全然知らないというのもまずいということで、どういう状況かということを、どんな内容であったかということを聞きましたところが、見に来ないかということで見ただけであります。見ましたところ、別段そう特にまあ申し上げるほどのこともないという状況でありますが、番組内容でもありますし、いずれにも申していないわけであります。
  22. 光村甚助

    光村甚助君 見に来ないかと言ったのか、見せろと言ったのか、そこは当事者でないとわからないのですが、いままでそういう問題ないし、閣議で問題になり、新聞に書かれて、電波監理局長民放に行けば、これは喜んで迎えるが、監督に来られたか  心理的影響ということを考えたことありますか。
  23. 淺野賢澄

    政府委員淺野賢澄君) 私もときどき各放送会社も、仕事の性質上、気軽に行っております。いろいろ意見を求めたりいたしておりまして、別段参りますからといって大げさに行ったことは一度もございません。非常に気軽にぱっと行って、非常に気軽に一私人として見せていただいておる、話もいたしておるという状況でありまして、特に別段変わったことは一切ございません。
  24. 光村甚助

    光村甚助君 あまりしつこくなりますから、これの結論を申し上げますと、TBSの社長が、あれはまずかったということを言うということは、一体本心はどこにあるかということは、やはりにくまれたくないということです、再免許を控えていると。だから、大臣が今後そういう発言についても十分注意しなければならないとおっしゃるから、われわれもこれ以上お聞きしませんが、やはりそういう権限を持っている大臣は、やはりうかつに口をきいたり一お互いに私とあなたとは思想が違う、大臣自民党、私は社会党にいるので。先ほども申し上げましたように、私たちNHKにだいぶ文句を言うこともあるのです。テレビのニュースのときに、大臣答弁はいつも声を出しておるけれども、野党の質問は声を出さない。再三文句を言うが、だいぶそれと立場が違う。それだから、今後はひとつそういうことがないように、公正に注意していただきたいと思います。  次は、本論の予算関係に移りますが、収支予算に対して監督権の発動の最たるものである予算がおおむね妥当であるとかなんとかいうことをつけるということは、NHKとしては、どういう意見書が出てくるかということを非常に気にしている、それに非常に圧迫を受けるだろうと思うんです。毎年の意見書を見ても、おおむね妥当であると言っているのですが、おおむね妥当ということは一体どういうことなんでしょうか。毎年聞くんですけれどもね。その意見の趣旨をひとつお聞かせ願いたいと思います。
  25. 淺野賢澄

    政府委員淺野賢澄君) 恐縮でありますが、おおむね妥当のことばだけ申し上げさせていただきますが、実は毎年、おおむね妥当というのをつけさしていただいております。と申しますのは、まあ御存じのように、NHK予算について、NHK自身に対しまして、きわめて事業運営全体に対しまして自主的に運営をお願いいたしておるわけであります。国会その他からお願いいたしておるわけであります。したがいまして、この中において、予算執行した結果につきまして、実際、国会もごらんになっておられないし、私どもも拝見していない。したがいまして、おそらくりっぱにやっていただいておるでありましょうということを前提といたしまして、予算全体につきましても、りっぱにやっていただいておる。結果を見るということは、郵政省は直接関係ないものですから、執行全体につきましては、りっぱにやっていただくということを期待するというのが、この意見書内容であります。そういった場合に、事業計画資金計画は、私どもが見せていただいた限りにおいては、まことにけっこうでありますが、今後執行過程においてこれがどうなってまいりますか、これを期待しておるわけでありますが、それで、おおむねというふうにいたしておるわけであります。
  26. 光村甚助

    光村甚助君 おおむね妥当と認めて国会に出したのだったら、これは大臣にお聞きしますが、単独立法をもってしても乙料金の免除をやりたいということを言っておるのですね。これは不見識じゃないか。NHKが出した予算をおおむね妥当だと言っておきながら、まあそれは日がわからないが、新聞で見ますと、大体十月ごろになったら単独立法でも出して乙料金を免除したい、こんな国民をばかにした話はないし、国民から信託を受けて出てきているわれわれは、そういう予算審議できますか。これは衆議院でも問題になったわけです。なぜ意見書を出すときに、いまはちょっとこれ認めるけれども、十月になったら単独立法で乙のほうを免除するかもしれない、十月までの予算を組めとかなんとかということを言わないのか。
  27. 小林武治

    国務大臣小林武治君) これは何も決定をしておるということではなくて、この予算審査をお願いをする段階において、これがおおむね妥当であると、こういうことでありまして、なお、乙料金の廃止の問題については、さような希望を持って適当な処置をいたしたいと、こういうことを考えておりますが、私は衆議院委員会でも、いま審議をいただいておる予算には影響のないようにいたしたい、こういうふうに考えておりまするので、その後の問題と、かようにひとつ御了解願います。
  28. 光村甚助

    光村甚助君 その「ないようにしたい」と、この「よう」があぶないのです。全然四十二年度予算には関係がないのだ、来年の二、三月に出せばいいのだけれども、それじゃ間に合わないから、いまからひまな時期に、十月ごろに出すというなら、これは話がわかりますよ。しかし、来年の予算関係がないようにする、その「よう」というところがどうも気になるのですね。
  29. 小林武治

    国務大臣小林武治君) これはもし出すとすれば、どうせここでもってまた御審議願わなければならない。そのときにはっきり出すわけであります。  また、私ども、せんだって新聞で十月と出たと言いますが、これは適当な表現でなかった。新聞記者諸君が、そういうことをおやりになるのは七月ごろか——そんなに早くできっこないじゃないですか、どんなに早くても下半期ぐらいになりはしませんか、こういうただ雑談をいたしただけでありまして、これはもう御承知ように、予算というものは何も四月になって急に組むものではありません。NHK予算にしても、もう夏になればいろいろ御検討なさらなければならぬ、そういうことであるからして、その予算関係なくても、やっぱり来年のことであるにしても、もう法律のことは考えなければならぬ、こういう事態でありまするからして、私どもが別に施行期日もまだきめてあるわけではないし、法律の態様、方法等についてもまだきめておるわけじゃない、これからひとつ検討いたす。検討するについては、この審議をいただいておる予算には影響がないようにしたい、いまの段階ではそういうお答えしかできないのではないか。したがって、これ自身はもうここの御審議を経なければならぬ問題でありまするから、私がそういうようにしたいということは、それを前提としてまたいろいろ御審議くださる、そういうふうに御了解願いたいと思います。
  30. 光村甚助

    光村甚助君 これも、うわさで申しわけありませんが、自民党政調会では、十月に法案を出して十月からこれを実施するのだという付帯条件付承認されたということを聞いておりますが、そういう事実を聞いておりませんか。
  31. 小林武治

    国務大臣小林武治君) これは政調会でも期限を付しておりません。決定的な期限を付しておりません。
  32. 光村甚助

    光村甚助君 自民党政調会は、じゃ乙料金を免除するという法案を出せ、時期はともかくとして、出せという決定はございませんでしたか。
  33. 小林武治

    国務大臣小林武治君) これはまあ自民党の内部問題でありまするが、そういう話はありましたが、時期の条件はないと、こういうことを申し上げたわけです。
  34. 光村甚助

    光村甚助君 NHKにお聞きしますが、政府の方針がそういうことで、どうも新聞あたりへ出ていると、十月ごろからやめそうだということになると、長期計画を立てるのにお困りだろうと思うのですね。その点はどうお考えか。まあ大臣のほうは予算関係はないと言っておられるんですけれどもね。あなた方はそれで安心して長期計画を立てておやりになれますか。
  35. 前田義徳

    参考人前田義徳君) 私どもといたしましては、生きた事業執行しているわけでありますので、いろいろな考え方をそのままなまで権威ある筋から御発表になることは非常に危険だと考えております。これはまあ率直に申しまして、やはり不払いの事実が起こってくるということが当面の  一番大きな問題でありまして、そういう意味では、私どもは、現行放送法がある限りは、現行放送法によって事態を処理すべきであり、意見を聞かれた場合も、現行放送法に従って意見を述べるべきであるという考え方を持っているわけでございます。
  36. 光村甚助

    光村甚助君 その不払いのほうについてはお尋ねしようと思ったんですけれども、これもまあ新聞前提で申しわけありませんがね。大臣乙料金を免除したいという考えはかねがねある。前田会長が断わった場合はどうなるんだという記者の質問に対して、私はこの問題が持ち上がったときから刀を抜いている、放送法を変えてでもラジオ料金を免除するまでのことだ、こういう決意を述べておられるんですよ。まあ当然これはいずれ、問題は法案が出てくると思うのです。新聞にあれだけ問題が出ますと、新聞に出るだけじゃなく、選挙中に総理大臣がしゃべったり、あるいは郵政大臣が、行く行くはそういうことをやらなくちゃいけないということを発表されると、NHKは非常に迷惑だと思うんだ。われわれが調べたところでは、調査に行く人が、カーラジオでもだいぶこのごろ収入がふえているというときに、あなたのほうの自動車はまだラジオ料金払ってないじゃないか、契約してくれと言う元気がないというんですよ。これがたいへんだと思うのです。予算でも増収の、カーラジオについては増収の予算を組んでおられるようですがね。これはとんでもない赤字を来たすと思うのです。それともう一つは、どうせ十月から免除されるんだったら払わぬでおこうかというのもたくさん出てくると思うのですね。出すか出さぬかわからぬとおっしゃるのですけれども、あれだけ新聞に出たり、総理が乙料金免除したほうがいいじゃないかということを言われたら、NHKとしては非常に迷惑を来たしてるんですがね。その点は、大臣どういうことで責任、償いをとられますか。
  37. 小林武治

    国務大臣小林武治君) この問題はもう新しい問題じゃない。私はきょうも速記録拝見しましたが、三十九年に、いまの委員長光村委員も、これはいろいろ御質問されております。当時からそういう問題があったんでありまして、急に起きた問題じゃない。それから私も従来からそういう考え方を持っておって、選挙中にこれは出たということを方々で問題にされますが、いいことは選挙中でも何でもやったほうがいい。私は昨年の十二月三日に就任したからして、ちょうどまあ私ども考えが出ていくのは選挙中になってしまった。偶然の一致でありまして、別に私は選挙対策でこういうことが出たと思わない。いま申すように、現に三十九年に速記録にも相当詳しくこの問題がいろいろな点から検討されておるので、やがて、まあ、それから衆議院におきましても、社会党委員の方もラジオなんかはやめたほうがいいと自分たちも思っておったと、こういうことを言われる方もあります。そういうことでありまして、唐突に起きた問題ではないということは、ひとつ御了解を願いたいのであります。  で、いま申すように、私はこの席でも、この予算の徴収には影響のないようにしたいということは、ことしはこれでいくんだということに世間でも御了解願えるんではないかと思います。それで従来、NHKに聞きますれば、ラジオの捕捉は非常にこれはめんどうだ、こういうことを前々から言われておりまするし、また、徴収費が場合によると五割もかかる、非常にこれは非経済、非能率な料金であるのでございます。そういうふうな事情もありまして、現に自動車が二百五十万台もある。ところが、カーからいただいておるのは、五十万とか六十万とか、こういうようにごくわずかな数しかいただいておらぬ。こういうことで、この予算そのものが百十何万件しか計上していない、こういう状態でありますから、いまの今年の予算関係ないということがおわかりになれば、このためにそう大きな影響はないんじゃないかと、このためじゃなくて、すでにもう相当程度にラジオ料金の捕捉がされておらぬということは現実の問題、自動車もいま言うように、全体の五分の一か六分の一しか捕捉しておらぬ、こういう実態でありまするので、これだけのために非常に大きな悪影響——多少の影響はあろうかと思いますが、大きな悪影響があるということは私ども考えておりません。ことに、今年の徴収については、これでまいりたいと、こういうことをここで申せば、このことも世間ではおわかりいただけると、かよう考えます。
  38. 光村甚助

    光村甚助君 いいことは選挙中だろうが何だろうがこれはけっこうなんです。そんならもっと早くやれ。三年ぐらい前から私が免除しろ免除しろと言っているのに、免除せずにおいて、選挙のまつ最中にぽかっとやる。総理大臣内容知らない。ラジオなんというのは貧乏人が聞いているか、テレビを買えぬ連中が聞いているか、山の中でテレビが見えない、そういう人たちのためにひとつ免除をしてやろうかという、選挙目当てのあれだったと思う。あと内容お話ししますがね。いいことは早くおやりになるのはけっこうなんです。しかし、予算には関係はないとおっしゃるが、あれが新聞に出てから、NHKたいへんなんですよ、外を回っている人なんか。われわれは毎年、条件をつけて、これを賛成するにあたって、去年も一昨年も毎年言っているのですが、自動車にラジオをつけているのはもらっていないじゃないか、もっと督励してあれを取るようにしろ、毎国会NHKさんにお話をして、NHKでもこれはいけないというので、毎年ふえているのですね、増収になっているのです。限界があるとおっしゃるが、三百万台か二百五十万台、民放では四百万台あると言っています。たとい、それが五十万台になったということは、国会の督励もあって増収になっているんです。それがああいう談話が出たために、予算影響を来たしているのです、実際上。現に外回りの人たちなんか熱意を失っている。それにあなたの審議会でも、NHKはカーラジオの徴収にはもっと努力をしろと、そういうことで付帯決議もつけていると聞いている。それから去年の十月二十二日には、NHKも、料金をNHKが取ったというしるしを車につけるような認可も、これは前の大臣だと思うのですが、受けている。そのぐらいNHKは苦労して督励しているところへああいう談話が出ると、水をぶっかけたようなことになりはしないかということを考えている。現に実際上減収になりつつあるということを私は聞いている。まず大臣にお聞きをして、それからNHKのほうへお聞きをしたいと思う。現に外回りの人たちが意欲を失っているという事実、それから、取りに行っても、十月からどうせ改正になるんだと言って払わない、契約をしぶる者が出かけているということなんです。この点について大臣と、それから、あとの点についてはNHKのほうからお答え願いたい。
  39. 小林武治

    国務大臣小林武治君) これはいま申し上げたように、取ることが非常に困難だということは、今日に始まった問題でありません。また、受信料をなくしたいということが原因で始まった問題じゃない。もとからこれは非常に捕捉が困難である、しかも、NHKに聞くと、徴収料は五割もかかることになる。料金を取るのに五割の費用がかかるなんていうのはほかにはちょっとないと思うのでありますが、それぐらいいま言うように非経済、非能率な料金であるのであります。しかも、ことし計上されたのは七億円でありまして、むろん、十分、この問題が今後の捕捉のために影響があろうとは思いまするが、NHK全体としては、これによって非常な経理の上において困難を来たすと、こういう事態ではあるまいと私は考えております。そういうわけでありまして、前からこれはもう非常なめんどうな問題であったことは御承知のとおりであります。影響がないということは申し上げませんが、しかし、その影響は重大な結果をもたらすよう影響ではないではないかと、かように私は考えております。
  40. 光村甚助

    光村甚助君 私たちもあなたと同じような議論をしたのですよ、十二億あった時分から。相当手数料や何かの面で五億ぐらいかかるから、七億ぐらいはNHKの財政からすればいいじゃないかという議論も、あなたと同じような議論をやってきた。しかし、議論、それはそれとして、現在やはりカーラジオなんか持っている人なんかを見のがすわけにはいかぬ、正直者がばかを見るからといって、ふえているのですよ、最近はだんだん。いま五十万台だから、これを努力すれば二百五十万台になるか、三百万台になるかわからぬのですね。収入が減りつつあるから、手数料が五割かかるから、めんどうくさいからやめてしまえ、これでは正直者がばかを見ます。金が少ないから、取るのめんどうくさいからやめる、そんな政治ありますかね。現にあなた増収になりつつあるのだから。自動車持っている人なんか金持ち階級ですよ、これは。めんどうくさいから、手数がかかるからやめようじゃないかと、そういう政治に私は納得できません。
  41. 小林武治

    国務大臣小林武治君) これはもういろいろの見方がありまして、前には廃止したほうがよかろう、こういう意見が相当に各方面においてあった。近ごろ自動車がふえたから、増収になるからして、考えを変えたらどうかということかもしれませんが、私は必ずしもそういうことに考えない。すなわち、NHKの料金というものは、これがNHKを維持するための必要経費と、こういうことであるから、どういう方面においても、もしできるならばやはり負担軽減したらいいじゃないか、こういうふうに思うのであります。ことに、いまあなたがおっしゃるように、正直者が損する、要するに、正直に納めた者は損する、しかし、大多数の者は納めなかったと、そこになお大きな公平、不公平が出てくる。しかも、正直に全部捕捉できると、こういうことであればまた考え方があろうと思いますが、非常に捕捉がめんどうであるし、また、いまのように、いろいろ負担の面において不公平も生じ得るのが、この料金であると、こういうふうにも考えまするので、これを継続さしたらよかろうと、こういう考え方には私は必ずしも同調いたしかねる、こういうことであります。
  42. 光村甚助

    光村甚助君 継続しろとは言ってない。年度の途中でそういうことをやられると、長期計画を立てるNHKでも迷惑しているということです。これを三月、いま審議して、四月一日から免除するというなら話わかりますよ。私たちも都合によっては賛成するかもしれない。しかし、次年度の予算を組んで出しておいて、あなたは途中からやらないとおっしゃるけれども、あれだけ新聞紙上をにぎわすとNHK予算関係があるというのです。これを四月一日からやるんだからという法案を出してごらんなさい、すぐ通るかもしれない。そうすると、NHKだって迷惑しませんよ、実際上。そうだろうと思う。ただ、あとでもまた申し上げますが、この乙料金——乙料金というのはラジオですから、免除するということになれば、これができたときにも、私は速記録も見ました。その時分から廃止の問題は出ているんだけど、負担の公平ということから免除できないんだということを小野さんは答弁しておられる。負担の公平という点からね。ことに、最近は、金持ち階級で、テレビなんかどれを見たって同じだからといって、りっぱなステレオといいますか、ああいうものを買い込んだり、FM放送でだいぶラジオを聞く人がふえているんですね。それから、散髪屋あるいは高級喫茶店というところなんか、だいぶ聞いている。そうすると、私は、総理の考えておられるいわゆるラジオ料金を免除したほうがいいというのは、私がさっき言いましたように、テレビを買えない貧乏人だとか、山間僻地のテレビを見られない人に免除するということで、自動車の中のラジオだとか、旅館、高級レストラン、そういうものまで総理は免除するという方針ではないと思うんです。総理はいまここへ来ておられませんから聞けませんが、どうせ法案を通すときには、総理や宮澤長官を呼んで聞きたいと思います。世帯だけを免除するというならまだ話はわかります。そういう金持ち階級、高級レストラン、あるいはFM放送を聞いておられるあらゆるそういう人まで免除するということなんですか。
  43. 小林武治

    国務大臣小林武治君) これは乙契約によるものを免除するということになれば、ラジオだけ聞いておられる方は全部免除になるであろうということです。
  44. 光村甚助

    光村甚助君 NHKのほうでは、さっきのやつ……。
  45. 佐野弘吉

    参考人(佐野弘吉君) 光村先生の御質問の趣旨に沿ってお答えをいたしますれば、昨年の国会でいろいろ御教示を賜わりまして、四十一年度の予算では、ラジオは三十万減というふうに当初見込んでおりましたが、いろいろ御示唆をいただきまして、四十一年度の年度の中で非常な努力を重ねまして、この三十万減を消しまして、逆に増加の方向へ持っていきたいということで、この三月末、私ども営業の現場から申しますれば十五、六万逆にふえるということで大体の目標を立ててまいりました。それで、ほぼその所期の成績をおさめつつあるかと思います。特に、カーラジオにつきまして御説明申し上げますれば、御記憶かと存じますが、昨年度年初に十八万の数字でございました。特にこのカーラジオの契約について特段の努力をいたせということでございましたので、その後、ただいま光村先生のお触れになられましたように、受信証の改定というようなことをも加えまして、この三月末は五十一万、三十三万の増加ということを果たしたわけでございます。したがいまして、現在三月末三百十八万というふうに目せられておりますカーラジオの契約可能台数に対比いたしましては、まだわずかだという御批判があろうかと思いますが、しかし、それも十八万であったことの是非はともかく、この一年間で五十一万、三十三万の増高にまで持ってきたことは、過去の年度から見ますと非常な努力だったと思います。したがいまして、現在におきましては、四十二年度におきましても、契約乙の受信料制度存続というたてまえで、四十二年度の三月末、来年のいまごろまでには八十八万、三十七万の増加を見たいと、こう思っております。で、年間三十数万というようなことでは、まだ努力の不足をあるいは御批判を受けようかと思いますが、いろいろ事情がございまして、なかなか捕捉困難ということもございますし、また同時に、集金体制から申しまして、これらのことに直ちに多くの人手をさくというようなことは、片方、テレビの本年度九十八万の増加を達成するというような一つの絶対的な要請をも勘案いたした場合、少なくともこれから二、三年をかけて、年次的に積み重ねまして契約可能台数の三百万台に到達したいと、このように事務的に計算を立てて努力をいたしておる過程にあります。  ただいま御指摘の、この乙料金の問題が出ましてから集金が非常に困難ではないかというような御意見でございましたが、言いようによりましては、一部そのような事情も伏在、内在をいたしていることも率直に申して事実でございます。十人のうち一、二は、集金の方々が、料金の改正があるというふうに見られるので、結局、それはいつからになるかとか、あるいは前納をしたいんだけれども、その前納をやめようかと思うとか、あるいは、これまで前納している分について、そうなった場合には返金を願えるかというよう質問がかなりは率直に言ってございます。したがいまして、集金のこの一つのテンポをもちまして一日百軒、二百軒と回っております第一線の職員が、若干のそうした応接に手間をとられて時間を食うというようなことで、集金能率の若干の低下とあえて言えば言えるかと思う事情もなくはございません。ただ、総体的に申しますれば、それによって収納が忌避されたとかというようなことはほとんど全国的にございません。また同時に、ちょうど一月、二月、三月、これは御承知ように、集金の五期、六期に入ってまいります一番大切な時期でございますので、先ほども触れましたように、契約甲の九十八万の目標達成ということにどうしても多くの努力がこの点に積み重ねられますので、やや自動的に、側面的にラジオの集金、契約ということのほうが少し速度が落ちると、こういうような事情に現在あるわけでございます。
  46. 光村甚助

    光村甚助君 大臣、お聞きになっただろうと思うんです。いまは七億ぐらいだからめんどうくさいじゃないかと、手数料が五割かかれば。だんだん努力して二百五十万台、三百万台にふやすために努力をしているという。大臣だってこれが、二十五億も三十億もNHK予算の収入に入っていって、そうなれば、こんなめんどうくさいものやめちまえという議論は出ないと思うんです。努力をすると言っているんですよ。お聞きになったと思うんですね。幾らかそれにも小さいながら影響を来たしているというのですよ。だから、やはり大臣なんという人はうかつに軽々しいことを言うと影響するところが大きいんです。しかし、乙料金全部だとおっしゃいましたが、これはわれわれは法案が出たらまた反対するか賛成するか知りませんが、おそらく政府のほうで減税を打ち出される場合でも、まず貧乏人から、負担能力のない人から減税をされていきますね、六十万から七十一万とか言って、だんだん。負担能力のある人からは取るのが原則じゃないですか。そうなると、高級レストランだとかホテルだとか、FMを聞いて楽しんでいる人も免除するという趣旨は、私にはどうしても納得できないんですが、これはどういうことなんですか、しつこいようですけれども
  47. 小林武治

    国務大臣小林武治君) まあ個々につきましては、いろいろ問題があろうと思いますが、お話ように、そういうものをどうして免除するんだと、こういう議論も出てきますが、乙料金全体として考えた場合にどうかと、こういうことでありますし、これらについては、いずれまたもっと実質的な御審議をいただくときもあろうと存じますから、そういう個々の問題について適当でないものもあろうし、また、免除すべきものもあろうし、そのときのひとつ、また御判断にかかると、こういうことに考えます。
  48. 光村甚助

    光村甚助君 では次に、意見書によりますと、免許方針との関連において、放送網の建設計画に変更が生ずることがある云々としている。これは新たな免許方針の策定ないしは方針の変更を意味するものと思われるが、その対象になるのは何か、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
  49. 淺野賢澄

    政府委員淺野賢澄君) これと同じ書き方は私たちは昨年、その前もいたしておりましたし、意見書に従来ともつけ加えておるわけでございますが、計画はやはりあくまで計画でございまして、年度途中におきまして変わってくることもございますし、特にFMの面につきましては、長期的な、特に中波との関連におきまして長期的な考え方をいろいろ検討中でございます。それから特に民放とのポイントと申しますか、接地点等におきましていろいろ問題もございますので、若干変更等も、周波数割り当て、こういった点から影響を受けるんではないか、こういう心配をいたしておりまして特にこれは書いてあるわけでございます。ですから、あくまでそういった事務的と申しますか、技術的な問題から出ておるのでございまして、特にほかの深い意味があるわけじゃございません。
  50. 光村甚助

    光村甚助君 話をちょっと聞き忘れたのでもとへ戻したいんですが、ラジオだけに使っているNHKの費用というのは大体どのくらいあるんですか、ラジオ放送するために使う経費ですね、NHKに聞きたい。
  51. 志賀正信

    参考人(志賀正信君) ラジオの業務といたしまして、第一放送、第二放送、FMとございますが、これにかけております総経費は約百十五億円でございます。
  52. 光村甚助

    光村甚助君 だから大臣、ラジオだけにかける経費が百十五億円もあるんです。それをただにしてやる。けっこうですよ、これは。NHKさんはこれから増収をはかろうと思っているところへそれがなくなる。そうしますと、三百三十円だけでやっていけますか。それともう一つは、来年度の借り入れ金、予算書を見ないとわからないんですが、幾らですか。
  53. 志賀正信

    参考人(志賀正信君) 明年度の外部資金は五十三億円でございます。
  54. 光村甚助

    光村甚助君 それともう一つは、これがなくなると来年から予算影響しませんかということです、目下増収になりつつあるんですが。
  55. 小野吉郎

    参考人(小野吉郎君) ただいまお尋ねの金額は、ラジオ放送に使っております金額全体をあげましたものが百十五億でございます。郵政大臣のお考えになっておりますそれは、その全対象としてのものではないようでございまして、いわゆる契約乙として契約されておりますものが対象のようでございます。そうなりますと、今年度の予算に計上しております額と申しますと約七億でございます。このままで推移いたしまして、四十三年度予算をいまのままで編成をいたしましても、これは世帯の乙契約は漸次減少の傾向をたどっておりますので、この面ではことしよりも減収になろうかと思いますが、一方、移動体のカーラジオ等の面につきましては、目下非常に公正を期する見地から、できるだけこれは取ろう、こういうような努力をいたしておりますので、そういう血から申しますと、今年度よりもカーラジオ分は増収になろうかと思います。いずれにいたしましても、額としては七億見当を、そう変わらないような面になるのではないかと考えます。
  56. 光村甚助

    光村甚助君 古池さんが大臣のときだったと思うのです。あれは十一月か十二月ごろですけれども、そのころ乙料金を免除したいという話が出ましたときに、乙料金を免除されると甲料金の三百三十円に影響しますよということをわれわれはお話し申し上げた。と申し上げますのは、八十五円だったですか八十円ですか、それを五十円にする、そうして両方お聞きになる人は三百八十五円を三百三十円にするのだ、小野さんと谷口善太郎君だとか、その日の問答を見てみましても、三百円でいいじゃないか、もう三十円というようなことはやめたらどうだという質問に対して、いやあくまで負担の公平という点で三百三十円もらうのだ、大部分の人はテレビを持っておられるから持っておられる人はラジオもお聞きになっておられるだろう、そういう面でテレビとラジオと合わしたのが甲料金ということで三百三十円いただくのだ、こういうお話であった。そのときも私たちは、ラジオ料金がただになれば、三百三十円のうち三十円はラジオ料金だからこれは問題になりますよということをたびたび申し上げているのです。そうなりますと大臣乙料金を免除するのですからね、そうしますと、あの法律ができたときは、料金の法律ができたときは、三十円分というのは、あれはラジオ料金なんです。この関連を大臣どうお考えになりますか。
  57. 小林武治

    国務大臣小林武治君) さっきラジオの関係の経費が百十何億かかる、これは何に使ってもNHKの料金というものはNHKの適正な経費をまかなうためにこれは取っておるから、取った経費で何に使おうがこれはいいわけであります。ことに、私が申し上げたいのは、昭和二十六年、七年、八年と、こういう時期にはテレビの料金なんかなかったのです。全然これはラジオの料金ですべてをまかなった。当時私も関係者でありましたが、ラジオの負担においてテレビを全部見ることはどうか、こういう議論をしたこともあるが、とにかく、ラジオの料金でおそらく四年くらいは全部これはテレビにつぎ込んだことがあるのです。これは乙料金も甲料金も、いずれもこれはNHKの経費をまかなうための料金である、こういうことに相なるのでありまして、いまお話しのように、乙料金と甲料金をつくる場合に、甲料金の中にはラジオ料金も含めて三百三十円にした、あるいは積み上げ関係においてそういう計算をされたかもしれないが、要は、NHKの料金として見ればいいので、これをもし乙料金を廃止すれば甲料金だけになる、したがって、私ども、甲料金なんてことばはなくなって、たとえば放送受信料というものの一本になるということになるから、三百三十円の積み上げにはどうであろうと、その放送受信料は幾らかということをおきめになればいいので、そのことは必ずしも念頭に置かぬでよいのじゃないか。ラジオがなくなれば、甲の料金をも下げなければならぬということは必然的でない、幾らにするかということは、それでその時点においてきめればいいので、積み上げの当時の事情をそのままここでもってこれを反映せしめなければならぬと私は考えておりません。
  58. 光村甚助

    光村甚助君 テレビが発達する前にラジオ料金でまかなっていた、試験期のうち、これは当然です。何でもそのことは普及発達過程で、すべてやっておるのです。前者でめんどうを見るのは当然なんです。だから、それはラジオ料金でテレビに、集まる金をつぎ込んではいかぬと言ってぼくらは質問をしたことがありますがね。しかし、先ほども言いましたように、あのときテレビだけ聞いておった人は三百円なんですよ。たぶんラジオもお聞きになっているだろうからといって三十円くっつけたのですよ。あらためて全部パーにして、ラジオ料金というものはなくして、テレビ料金というものを三百三十円とか三百五十円にされるのは、これは話がわかるのですよ、あなたのおっしゃられるように。しかし、前は三百円に三十円積み上げしたのがラジオ料金なんです。あらためてこれを全部パーにして三百三十円という予算を出すのなら話はわかります。片っ方だけ免除しておいて、そのとき積み上げた三十円を免除しないのは不公平じゃないですか。これは仮定の、法案が出てからの問題なんですが、私は三百三十円出している人は、納得するかしないかは別として、だまされたような感じがすると思う。そのときにも、この会議録を見ますと、山田という委員は、甲、乙、丙とつくったらいいじゃないか、ラジオだけ聞く人、テレビだけ見る人、両方聞く人、そうやればいいじゃないかと言ったのだけれども、それはめんどうくさいか何か知らないが、それができなかった。そうすれば問題はない。一番公平なんです。私はテレビだけ見ていますから三百円だけでよろしいということになるのですね。実際上これはだましたことになるのですよ、結果的には。そのときにラジオ、テレビということはもう全然これは考えなくて、頭の外へ置いといてひとつ甲料金だということで、ちょっと表現方法まずいのですが、甲料金だということできめたと、こういうよう——この中にも出ていますけれどもね。それじゃなくて、両方聞いているから三百三十円としたので、この三十円にあくまで私はひっかかるのですがね。どうも大臣答弁だけでは納得できないのです。それをひとつ……。それから、その当時答弁に当たっておられます小野さんからも、私が納得いくよう答弁をひとつしてもらいたい。まず大臣からひとつ……。
  59. 小林武治

    国務大臣小林武治君) これは料金というものは何だということになると、結果的に申せば、NHKの費用をまかなうものはこれによって支弁するのだ、こういうことでこれは便宜的にきめているわけです。今度はもしラジオ乙料金をやめれば、もう一本になって非常に簡明な料金政策になる、それをテレビ関係者からいただく、こういうことは、これはきめ方の問題になるわけです。だからして、前に積み上げはどういう方法であろうが、今度は乙料金をやめる場合には放送受信料として一本化する、それをどうきめるかといい……。
  60. 光村甚助

    光村甚助君 いまきめるなら話はわかるのですよ。
  61. 小林武治

    国務大臣小林武治君) いや、これからまたきめなければならぬ。そういうわけだから、それはできたときの由来はともかくとして、あらためていまのテレビを施設をしている方からいただくのだ、その費用はNHKの経営に必要な費用だ、こういうことになるから、その当時の事情はともかくとして、私は今度はラジオをやめたらテレビ甲料金も三十円下げなければならぬということには考えぬでもよろしいということ、これからひとつNHKの料金は幾らでもって経営されるかということを考えたいと、かように私は思っておるわけであります。
  62. 小野吉郎

    参考人(小野吉郎君) 仮定の問題ではなかなか答えにくいわけでございますけれども、在来の経過を申し上げますと、甲乙料金を設定いたしましたときの事情は、光村先生のおっしゃるとおりでございます。その後、現行法下におきまして乙料金はもうやめたらどうかということは国会でも御質問を受けたこともございます。その御質問に対しまして、甲乙を設定いたしました当時の事情を援用をいたし、非常に困難であるというような御答弁を申し上げたことも事実でございます、これは現行法下における問題でございますので。と申しますのは、いわゆる現行法でやれば包括免除というようなことにせざるを得ないわけであります。一面には、いまの料金の体系をどうするか、この額をどうするかという問題とは離れた別途免除の基本の条項に照らして考えますと、そういった包括免除ということは現行法ではきわめて無理がある、むしろ不可能ではないか。免除規定の由来いたします一つの理由から申しまして、特殊な合理的必要があってそういう理屈の立つものについて例外的に免除をするのが、現行法における免除規定でございます。そういう面から、そういう具体的な合理的な個々の免除の基準、目的を掲げるんでなくて、乙契約を総体として包括的に免除いたしますことは、現行法におきましてはこれはできないというような点から、先ほどのような御質問に対して私はそうお答えを申し上げておるわけでございますが、今後の問題は、立法上の問題でございまして、仮定の問題になります。まだその立法がどのようになるか明確でございませんので、非常にお答えがむずかしいわけでございますけれども、乙契約だけを全然料金の対象外にして、甲契約——いわゆる、そうなれば主体は放送料金がもとになろうかと思いますが、こういうようなことによって措置せられる場合におきましては、過去の沿革は、なるほど三百三十円の中には——当時テレビとラジオ両方を持っておれば三百八十五円でございました。これを払いやすいようにいたしますために三百三十円とした。その当時の状況は、両方を聞いておられても、ラジオはない、テレビしかないんだということで、これまた聴取の実態に違う抗弁によって三百円しか取れぬような趨勢が漸次拡大しつつございました。そういう面にも対応すべく、三百三十円を設定したわけでございますけれどもNHK予算のたてまえは、一度そういうようにきまった料金が永続するのではないのでございまして、年度年度の予算事業計画資金計画の御審議につれて毎年放送の料金がきまるというのが、法律の、現行法のたてまえでございます。おそらく法律改正があっても、そのようなたてまえは貫かれるであろうと思うのでございます。そうなってまいりますと、大臣のおっしゃるような、NHK事業計画が先行いたしまして、それに必要な経費、どれだけの財源が要るかということを、放送法の改正によって、取り得る対象から案分して取れば幾らになるか。この中には、テレビ分が三百円でラジオ分が三十円だと、こういうようなことは、その年度年度にきまる限りにおきましては解消するんではないか、このような、非常に先ばしった御答弁を申し上げますが、そのような気持ちを感じます。
  63. 光村甚助

    光村甚助君 まあこれは法案が出てからの問題で、仮定のことですから、仮定のことであんまりしつこく質問をしませんが、たとえば、さっきも言いましたように、この三月三十一日で乙料金を廃止するんだと、四月一日から。それで、今度はじゃテレビ一本だけで全部を見るんだ、そのために三百二十円とか三百四十円とか要るんだということなら、これはみんな納得すると思うんです。ただ、経過がそうじゃないから、国民に対して非常に不信の念を与えるんじゃないかということなんです。またこれは法案が出てからやりましょう。  次に、FM放送ですが、これはもう試験放送が始まってから十年になるんですね。これはもう毎国会、鈴木委員からも質問があるんです。NHKは、本年度の計画を含めても百七十局、カバレージが八七%だと、受信機もすでに六百万台をオーバーしているということをわれわれは聞いている。試験放送に名をかりて、いつまでもこれはほうっておくんですか。十年間も試験放送させて、これだけ六百万台も出ているのに、まだ試験放送試験放送といって、いつまでほうっておくつもりなのか、もうわれわれは納得いかないんです。臨放調査会の答申でも、受信機の普及を待って免許方針を策定すべきであるとしているが、今日ではもうその時期に来ているんじゃないかと思うんですけれども、歴代の大臣がここ三、四年、早くします、早くしますと言っているのに、こういうことがありますか、十年間も試験放送をやっていてまだだめだと。
  64. 淺野賢澄

    政府委員淺野賢澄君) 全く御指摘のとおりでございますが、特に、実験放送を開始いたしましてFM東海で約十年、NHKで広範に開始いたしましてもう数年たっております。まさに御指摘のとおりでございますが、また、答申を見てみましても、やはりおっしゃる点がそのまま入っておると、そういった点考えまして、私どもといたしましても、極力早くやる必要があるというふうには考えております。ただ、FMの波は、やはり音声放送におきまして最後の非常に重要な波であろうと、かよう考えておりまして、特に、外国混信、都市雑音、こういった面、両者から考え合わせてみましても、中波の再編成というものも急がなければならぬ、そういった場合に、FMの波はやはりこれとのからみ合いにおきまして非常に重要でございますが、法律改正等の作業ともからみ合って、いままでおくれておったわけであります。ただ、御指摘のような点もございますので、やはり答申の線に沿った解決策は急がなけりゃならぬということで、できる限りこういった解決には努力いたしてまいりたいと、かよう考えております。
  65. 光村甚助

    光村甚助君 これは毎年同じよう答弁なんです。次の問題と関連します。  郵政大臣は就任当初、民放テレビの複数化ということですね、この前法案が出かかった、ああいう問題で、一つの県で民放一つだけではいかぬから二つぐらいにしたほうがいいんじゃないかと、そういう抱負をわれわれは新聞で見たんですが、そうすると、さっきの問題と関連して、複数化もけっこうなんですけれども、UHFテレビのチャンネルプラン、それと、さっきのFM放送の競争が、もう近畿あたりでは激甚なんですね。これはいつまでもほうっておくと、あらぬうわさを立てられて一これは速記をつけると困るから、ちょっと速記をとめていただけませんか、委員長
  66. 野上元

    委員長野上元君) ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕
  67. 野上元

    委員長野上元君) 速記を始めてください。
  68. 光村甚助

    光村甚助君 FMとかUHFのチャンネルプラン取り合いでいろんなうわさが飛んでおりますので、あなた実行力のある大臣ですから、一気にこれを片づけるお考えはないか、どの程度進んでいるのか、ひとつお聞かせ願いたい。
  69. 小林武治

    国務大臣小林武治君) これはお話のとおり、このままにしておくと国民が無用なエネルギーを浪費すると、こういう問題も目に余るように私も従来考えておりましたから、ただ個々の例文的なお答えでなくって、できるだけ早くきまりをつけたいと、こういうふうに考えております。ことにテレビの問題は、現在徳島にNHKのUの実験局を操作をしておりますので、この結果が五月ごろになれば大体結論が出るだろうと、こういうことで、こういうものを参考にしてひとつ動き出したらどうかと、かよう考えをいま持っておりますが、いずれにしましても、長くこういう問題を放置されることは、国民経済的にも私は適当でないと思う。こういうことを考えておるということを申し上げておきます。
  70. 光村甚助

    光村甚助君 次に伺いますのは、NHKの第二次六カ年計画の実施と次の計画なんですが、四十二年度はNHKの第二次六カ年計画の最終年度で、今年度分を含めた実績は、計画との対比において、どのような本年度の計画と六カ年計画と計画になっているのか、次期計画としてどのような構想を持っておられるのか、概要でけっこうですからお伺いしたいと思います。
  71. 前田義徳

    参考人前田義徳君) ただいま御審査を願っております昭和四十二年度の予算は、私ども考え方では、次の長期構想に対する潜在的な初年度といった関係に立つという考え方を持っております。第二次六カ年計画は昭和四十二年度で終わるわけですが、その成果につきましては、まあ非常に簡単に申しますと、置局計画では、あらゆる点において、何といいますか、予定プラス五〇%強、すなわち一五〇%の効果をあげているということが言えると思います。  それからまた、カラーテレビジョンの開発につきましても、時間的に申し上げますと、第二次六カ年計画の最終年度に予定したカラー放送時間は一日三時間十分程度を考えておりましたが、御審査を願っているこの明年度予算案の中では、七時間半を年度中に達成するという状態でございまして、これも二〇〇%強という状態にございます。  それよりももっと大きな問題は、これはいろいろな立場から御議論があるかと思いますが、第一次五カ年計画の最終年度を含めた三カ年を含めた第二次六カ年計画の目標である経営の合理化について、おおよそ四十二年度中にその目標を達成し、これによって四十三年度の夏ごろから、あらゆる部門にわたって、まあ一つの例を取り上げますと、機械化がそろってスタートするという現況にまで来ております。  それからまた、財政的に考えますと、毎回郵政大臣の御意向、並びに当委員会の御指摘になる付帯条件、これと勘案して考えますと、財政の状態はその意味において、この六カ年に年を追うて堅実になってきているということも、私どもとしては考えられる点であります。ただ、この経営の合理化と、それからまた、財政の堅実さというものは、同時に毎年の付帯条件となっているいわゆる従業員に対する労働力の強化とか、あるいは低賃金政策というようなものとは無関係に、それぞれ社会水準に応じての労働力の開発と、その待遇を改善し得たという点についても、完ぺきではないとしても、第二次六カ年計画は相当な効果をあげていると、私はこのよう考えております。
  72. 光村甚助

    光村甚助君 カラーテレビあとで聞くつもりだったんですが、問題が出たからお聞きしますが、カラーテレビはいま三十万台ぐらいですね、大体。三十万台といえば三十万世帯と思うのですが、その人のために七時間半もカラーテレビ放送するというのが妥当かどうか、私は疑問だ。NHKの人に聞くと、これは卵と鳥のようなもので、放送しないから普及しないのだという御意見もあるのだけれども、私たちからいえば、三十万ぐらいの人に、そんなに金をかけて七時間半もやらなければならないかという議論も成り立つのですけれども、一体普及状況はどうなんでしょうか。
  73. 佐野弘吉

    参考人(佐野弘吉君) カラーテレビジョンの普及の現況は、ことしの三月末をもちまして三十九万台というふうに、かなり正確に推定をされます。四十二年度に入りまして、電子機械工業会の四十二年度中における生産施設の拡充等から累計をいたしまして、大体来年の三月末をもちまして百万台というふうに想定をされております。
  74. 光村甚助

    光村甚助君 会長お出かけになるそうですね、外国の……。
  75. 野上元

    委員長野上元君) 十五分まではおられるそうです。
  76. 光村甚助

    光村甚助君 ちょっと会長のところだけぱっぱっとぬいてやると都合が悪いのだけれども、宇宙通信とか商業通信というのも、私もあまりわからないのですが、世界的にこれがどんどん発達して、上からの、この間の、何ですか、ボクシングというのですか、ああいうのも、アメリカでやっているのを見られるようになって、非常にけっこうなんですが、ことしはどういう計画を持っておられるのか、それと、来年メキシコでオリンピックがありますね。何か会長、去年それの契約か調査で行かれたそうですが、それが一つと、それから、もう一つは、これはほかの人でもいいのですが、重要施策なんですが、放送の全国普及という関係で、ことしは三十一億円ですか、放送局の建設費がそうだとおっしゃるのですが、建設費全体は百九十億、そのうち、テレビ局がわずか三十一億、あと放送センターだとか、そういうものにつぎ込んでおられるのですが、私はそれは納得できないのですよ。放送センター、代々木のあれに百何十億つぎ込むとか、そういうことよりか、見えないところ、毎年附帯決議をつけているのですから、そういうところへ先におやりになる意思はないかどうか、それが二つ目。  それからもう一つは、民放と競争するようことばかりやっておられるんですがね、私はそういうことの必要は——NHKといえは世界で一番大きいのだから、小さい民放を、個々に、あいつを追い越してやろう、あいつよりかいいのをやってやろうという、あまり小さいことにこだわっているのじゃないか。私は去年もこれを申し上げたのですがね。放送センターが世界で一番いいのだとかいうようなことを誇示するよりか、さっき私が言いました見えないところにテレビ局をつくってやるなんていうことに重点政策を置けないのか、会長おいでになるから、その三つを先に会長からお聞きしたいと思います。
  77. 前田義徳

    参考人前田義徳君) 第一点について人工衛星、その中で、私どもは実は放送衛星というものを開発し、同時に政府の御方針が決定されれば、できればわれわれの分野で協力できるものは御協力申し上げます、できるだけ早く衛星が打ち上げられることを希望するという考え方をここ二、三年来とってきているわけでございますが、この問題については、いろいろな角度から、いろいろな御意見も多いかと思いますが、放送自体から考えますと、私どもとしては、多目的通信衛星よりも、やはり一億の国民を相手とするもの、ないしは、日本を中心とする放送事業界から見て、隣接地域の福祉の向上に同時に役立って使えるもの、これが製作の面でもかなり安くできる。多目的の場合は、研究の時間、その研究費、さらに製作費、さらに多目的のものを打ち上げるためには、ロケットについてもかなりの問題点があるという、きわめて概括的な考え方から、私ども立場から申し上げると、やはり全国民のために使用が可能となり、比較的に経費も安く、そして、それが放送を通じて隣接諸国との友好の親善と、諸国民の福祉の増進に役立つものをまず考えるべきだという主張をいたしてまいっております。今年度の予算では、すでに約一億円が衛星本体の研究の準備的研究費として御承認をいただいたわけでございますが、ただいま御審査をいただいております明年度予算の中では、総額三億円を本体の研究費という形で計上いたしております。問題は、なぜそのように急ぐのかという疑問も出るかと思いますが、これについては、私どもとしては二つの面から考えております。  第一には、第三の御質問かと記憶しますが、要するに、置局計画を促進すべきであるという考え方とも関連する問題でございます。この点につきましては、置局の方式は、日本の特別の地理的事情から申しましても、だんだん狭まったエリア、人口希薄なエリアに実は全力を集中しているわけでございまして、御審査をいただいております予算でも、総合、教育とも、それぞれ百二十局の建設を完了し、さらに、できれば五十局ずつ着工したい。さらに、これと関連して、いわゆる共同聴視施設に対しては御要望の全額を満たしたいという予算を組んでいるわけでありますが、しかし、実際問題としては、それを御一承認いただいても、ある意味では、明年度末にはそのカバレージは九五・五%というのが実情でございます。そこで、先生ように、とにかく建設は主力を置局に置けというお考えになることは当然であり、私たちもそれに努力いたしたいと思っておるのでありますが、地理的条件は必ずしも局を置くことの方針をきめるだけで実際に効果があがるということも考えられませんので、私どもとしては、簡易中継機と申しますか、それを目下開発中であり、同時に、ただいま申し上げた放送衛星を分配衛星の形において使用することでその効果をさらにあげたいという考え方を持っているわけであります。  これが放送衛星の第一の主要目標でありますが、第二の主要目標は、現在の全世界的な趨勢から申しまして、ヨーロッパにおいても、あるいはまたアメリカの中においても、カナダにおいても、それぞれ放送事業者はいろいろな角度から放送衛星の打ち上げという方針を、あるいは関係当局に要求し、あるいはヨーロッパなどはすでにその製作に着手しており、そういう現況であり、そういう事態から申しますと、少なくとも、まあ自負を許されるならば、日本の放送事業の中でそういう仕事をそれぞれ関係御当局の御協力と御指導によってでき得る立場にあるものはNHKであるというたてまえから、そういう関連においてもこれを急ぐべきであるという考え方を持つわけであります。そういう意味で、今後の御審議願っておる予算の中でも三億円を計上し、そうして郵政大臣も妥当であろうという御意見を付していただいておるわけであります。  次に、オリンピックにつきましては、私は昨年メキシコに参りまして、約二週間近く滞在いたしまして、その間、メキシコの大統領、郵政大臣、それから国内オリンピックの組織委員長その他と話し合いまして、日本及び沖繩を含めて日本に対する独自の放送権をもらいたいという要求をし、さらに、それに先立って開かれたダブリンのヨーロッパ放送連合の委託を受け、また、カナダ放送協会の委託を受けて、ヨーロッパ放送連合とカナダ放送協会、それからオーストリア、ニュージーランドのためにも、その地域における放送権の獲得のための予備交渉を行なってまいりました。NHKとしては、その後問題が順調に進んで、浅沼総局長あるいはその他の関係者がようやくメキシコ国内組織委員会と了解がつきまして、六十万ドルで沖繩を含む日本全域の放送権を獲得することができ、また同時に、ヨーロッパ放送もいまから十日ほど前に最後の契約をいたしまして、約百万ドルでヨーロッパの放送権を獲得いたしております。このメキシコの放送権問題については、御承知かと思いますが、アメリカがこれを全世界的に独占するという方向で、アメリカの一放送局がアメリカ国内における放送権を四百五十万ドルで獲得し、さらにヨーロッパ、日本、全世界を含めて新たに二百数十万ドルを出すという了解がほぼできつつあるという情勢のもとに、私としては、オーストラリアのオリンピックのテレビ放送の経験から、当時苦い経験をいたしまして、日本選手はほとんど出てこない絵をかなり高額の金で買わざるを得なかったという実情もございますので、そういう意味で、実はメキシコでいろいろ話し合いをしたわけでございます。  大体これで御質問にお答えできたかと考えておりますが、よろしくお願いいたします。
  78. 光村甚助

    光村甚助君 もう一つ。もっと衛星のことを詳しくお聞きしたいんですが、お急ぎのようだから、私は最後に締めくくりで会長の決意と、私の意見を申し上げたいと思ったんですが、最近週刊誌とか、こういう本にもだいぶNHKのことが書かれていますね。私はこういうものに書かれている内容を全部質問するなんて、はしたないことしませんが、非常に国民に疑惑を持たれている点がたくさんあると思うんです。NHKのことについてなぜこういうことが書かれているかということですね。おそらく心当たりはないだろうと思われるんですが、心当たりがあったらたいへんですから。しかし、俗によく火のないところに煙は立たぬと言いますけれども、私たちNHKを信用しますけれども、これでもかこれでもかと去年からもう相当に書かれておる。われわれは関係があるので一通り目を通すんですけれども、それについて何かあなた方のほうでは、これをこのまま、たいしたことないから、もう黙殺しろというんじゃ、やはり疑惑を残すので、何か対策を考えておられるのか。また、反省される点があるなら、幹部皆さんがそういう会議でも持って、これに対する対策をお立てになる考えがあるのかどうか、最後に聞こうと思ったんですけれども会長にこの点だけをお聞きして、帰っていただいて、私の質問は次に移ります。
  79. 前田義徳

    参考人前田義徳君) ただいまの御質問は、当然非常にごもっともだと私ども考えております。これらのいろいろな批評に対しては、私どもは第一に、今後ますます自戒すべきであるという考え方を持っておりますが、私としては、必要に応じて適当な方法をとり、必要あればという程度で準備も完了いたしております。ただ私は、NHKの置かれている現在の社会的な環境が、私どもとしてはやはりもっと身をもってわれわれ自身が反省すべきところは反省していくべきではないかということを、かねがね同僚とも話し合いまして、まあ書かれているすべてが事実とは私は実は考えていないのでありますが、少なくとも疑惑を持たれるようなことのないように、今後ますます戒心してまいりたい、そのよう考えております。
  80. 光村甚助

    光村甚助君 難視聴地域の解消のことについては、会長からもお聞きしたのですけれども、まだ百万世帯くらいというのが残っているわけですね。これは会長さんからもいまお聞きしたのですが、小野さんからでもけっこうです。先ほど私が言ったのと関連して、簡易なテレビ局ですか、それをつくるとおっしゃる。それもぜひやってもらいたいということ。  それから共同施設というのがありますね。十軒か二十軒で金出し合って、一軒が二万円。ああいうのはもう少しNHKが助成金を出せないのですかどうかということなんです。と申しますのは、これは例をとって言うのですが、私、千里ニュータウンにいるのです。初めは非常にテレビもよく見えていた。ところが、ゴルフ練習場に金網を張ったとたんに見えなくなった。私の近所の人がNHKに来て調べてもらったがわからない。アンテナの方向を指示したりしていましたがね、ゴルフセンターの金網だということがわかっても、NHKは逃げ腰なんです。あれが原因ですから交渉しなさいとも何とも言えない。そういうのは大臣ね、あそこに三十五階のビルができますが、建てっぱなしでもう見えなくなったのに、家を建てるのは法律に従って建てているのだから、どうでも迷惑してもいいのだ。さっき言ったように、ゴルフセンターで高い金網をつけて近所の人が何百軒もテレビが見えなくなった。これもしようがないじゃ、ちょっと困ると思うのですが、NHKの助成のことを、あと大臣の御答弁をひとつお聞かせ願いたい。
  81. 佐野弘吉

    参考人(佐野弘吉君) 御質問の第一の、共同施設につきましては、本年度六百七十四施設の受理をいたし得る、これは件数でございますが、この六百七十四をあげまして、これに所要の金額として三億七千万円ほどをただいま御審議願っております予算書に計上をいたしております。それによりまして、大かた四万一千世帯が救済される、こういう数字でございまして、以上の数字は四十一年度の予算に計上してございます数字と、ほぼ件数、取り扱いの施設金額と同様でございます。で、実は、これによりまして三十五年からこの共同施設の助成を開始いたしまして、御参考までに申し上げますれば、その総数は今日、四十一年度まででございますが、五千五百七十三施設で三十四億円ほどでございまして、これによります救済の世帯は大かた五十万世帯を救済いたしておることになっております。これにつきましては、従来の経験から、年間を通じましていつでも申請を受理するというやり方に改めております。四十一年度のこの取り扱いの実績から申しましても、この四月から直ちに必要があれば申請を受理いたし、できるだけ早い機会にこれを処理いたすということで、これに関係いたします施設関係、あるいは関係の方々の一応御満足をいただいておりますし、また、大体ただいま申し上げました四十一年度あるいは四十二年度におきます大かたの七百近い施設の処理が、全国的な要望を満たすに十分な件数でございます。  ただいま御質問の第二の受信障害のことでございますが、御承知ように、この近くにも超高層ビル等ができてまいっております。このいわゆるビルの陰になる受信の障害、ビル陰問題と私どもは俗に申しておりますが、たとえば三十九年度におきましては、二千七百のうちNHK自身が御相談に応じた件数は二千三百くらいでございました。四十年になりまして七千台くらいの取り扱いを全国的にいたしております。四十一年度に入りまして、四月から十二月までの統計で、すでに一万件以上にのぼるビル陰問題を、NHK自身の受信サービス活動の中で処理いたしております。このような数字を申し上げますれば、非常に顕著にここ数年来ビル陰問題、ビルの陰によって受信者が見えなくなるという問題が非常に顕著な数字で発生していることは御承知願えるかと思いますが、NHKといたしましても、これらのビル陰問題を筆頭に、あるいは自動車の雑音等によります、これは全国的に大かた七十万世帯が被害を受ける。ただいま申し上げました高層ビルの建造物によります受信障害、これを五十万くらいに見ているわけでございます。こういうようなことを中心に、NHK自身の職員の手によります処理は、四十年度におきまして十万件、四十一年度におきまして四月から十二月までの間に、すでに十二万五千八百件というふうになっております。したがいまして、四十年度、四十一年度の予算ではこれらの問題を大かた六千七百万の予算を計上いたしましたが、いま御審議願っております予算書では八千九百万円の受信障害防止のための経費を増額いたしておりまして、ただいま御指摘のようなビルの問題、あるいは、この市内等におけるゴルフ場の金網というようなことでお申し出があれば、即刻出動いたして、この技術指導、受信改善をいたしております。  なお、もう一点申し上げますれば、NHKが参加いたしております雑音防止協議会の手によりましても、同様に、年間二十万近いこの雑音防止の取り扱い件数がございます。  以上が雑音防止関係の最近における数字でございます。
  82. 淺野賢澄

    政府委員淺野賢澄君) いまNHKの佐野理事から御説明がございましたが、数字その他は大体そのとおりでございます。郵政省といたしまして一番いま困っておりますのは、ビル陰対策、いまのお話ように、特に本年度はこういったビル陰対策を中心の大きな議題といたしまして、共同アンテナまたは新アンテナの位置の変更、こういった面につきまして、NHK民放連、関係官庁と相談しながら対策を立ててまいりたいと、かよう考えております。
  83. 小野吉郎

    参考人(小野吉郎君) 先ほど難視聴解消の問題につきまして会長からもお答え申し上げ、佐野理事からもお答え申し上げましたが、おそらく共同受信の関係につきましても、これは難視聴解消の一端でございますけれども、現在この予算執行いたしましても九五・五%、まだあと四・五%残っております。これはパーセンテージからいえば小さいのでございますけれども、そのままゆるがせにできない問題であろうと思います。そういう面について、共同受信について、より一そうな拡充強化をはかる意思がないかどうか、こういうような御趣旨が織り込まれておったと思います。難視聴解消につきましては、NHKもかねがね非常な努力をいたしておりますし、第二次六カ年計画の進行過程におきましても、もともと六カ年間に四百六十一局にしようという目途をもって歩んでおったわけでございます。もちろん、第二次六カ年計画の当初におきまして、約百局近くはできておりまして、あと六カ年間に三百六十局つくる予定だった。それが、この予算執行で六カ年中に六百局にまでなるというような伸長ぶりを示しております。それにいたしましても、先ほど御指摘のように、四十二年度予算におきましても、建設の規模百九十億の中で、難視聴解消の関係に充てる経費が三十億余でしかない、お説はごもっともと思います。私どもといたしましても、決してこの問題をゆるがせにしているわけではございませんが、何ぶん、いま放送センター建設その他の面がつどっておりまして、これはもう四十二年度予算執行すればおおよそ終わる問題でございますし、建設の総体のワク、資金繰り等を考えますと、四十二年度予算におきましては、それを強化することも困難であります。それと、金額的にはそうでございますけれども、漸次非常に小さいサービスエリアの方面に進んでおりますので、非常に数としては在来より決して落ちているわけではございません。百二十局の建設はやはり必要でございます。これは非常に各地に散在した面もございますし、将来ますますそのような傾向になろうかと思います。そういう面につきましては、在来の建設方式でいいかどうか、非常に問題もございます。そういった面で、会長も簡易な方法を検討中であるということも申し上げたわけでございますが、これに関連いたしまして、ただいまの共同受信の関係につきましても、そういう末端になればなるほど、これを活用する面が非常に増大してまいると思います。現在の共同受信の関係は、現在、共同受信の助成の関係に予定しております条件のもとにおきまして、御要望があれば、すべてこれを満たし得る状況でございますけれども、これにはいろいろ助成の条件等もございます。こういった面もやはり行く行くは緩和するよう状況において取り計らいますと、相当にこれも難視聴に役立ち、また、そういった方面で満足される向きも非常に多いと思いますので、将来といたしましては、そういう方向でこれの強化もあわせ検討いたしてまいりたいと思います。
  84. 光村甚助

    光村甚助君 次に、教育番組の強化拡充関係をお聞きしたいんですが、あまり時間もたくさんありませんので、一ぺんに三問質問いたしますから、お答え願いたいと思います。  教育放送は、これを民放にまかせていたんでは、民放さんに悪いけれども、教育放送ばかりやったんではスポンサーはつきませんから、あまりそうたいして期待はできないと思うんです。それですから、NHKに対する期待は非常に大きいわけですね。それで、本年度における計画はどのようなものを考えているのかというのが一点と、学校などにおける受け入れ態勢と利用状況は大体どうなっているのかというのが二点。それから三点目は、大臣にお聞きしたいんですが、通信制大学ですか、大臣、構想を持っておられて、総理も非常に賛成のようですが、これはNHKがどうせやることになると思うんです。それについて通信制高校ができたときも、相当ここで議論されたんですが、大臣のお考えと、また、やるとすればNHKにやらせるのか、この三点目は大臣からお答えを願いたいと思います。
  85. 浅沼博

    参考人(浅沼博君) お答え申し上げます。  第一の御質問の、教育番組の拡充の点でございますが、昭和四十二年度の国内番組編成重点の一つに、学校教育の効果をあげるための教室向け番組及び教育の機会均等をはかるため、勤労青少年向け通信教育番組を一そう充実するほか、広く社会教育の徹底に役立つ番組編成するとうたってございますが、その具体策といたしましては、まず長期計画のもとに行なわれてまいりました教育テレビジョンの一時間半の時間増がございます。その内容は、語学講座の拡充が第一でございまして、中国語、それからスペイン語の語学講座を拡充いたします。それから教育映画、記録映画の充実。さらに教養面といたしましては、古典の芸能鑑賞及び長時間に及ぶNHK交響楽団の演奏などがございます。それから二番目に、学校放送番組、通信高校講座につきましては、一そう充実をはかりまして、中学校向けに新たな科目の時間を増設し、また、通信講座のスクーリング向けの番組も増設いたします。  それから三番目には、農村の後継者育成のための番組の増強と、婦人学級の普及発展のためのグループづくりというものをさらに積極的に推進いたしたいと存じております。  それから、これも教育番組の範疇に属するかと存じますが、幼児の時間あるいは子供の時間等におきましても、これは児童の人間形成、それから情操教育に役立つよう番組編成いたしたいと考えております。大体教育番組の充実といたしましては、以上のような点でございます。  それから学校放送の利用状況でございますが、番組の充実とサービスエリアの拡大によりまして、利用校は次第にふえてまいっております。こまかい数字は省略いたしますが、幼稚園、保育所、それから小学校におきましては、テレビの利用率は非常に高うございます。それから中学校、高校におきましては、これより落ちまして、内容的に申し上げますと、テレビよりラジオのほうが中学、高校においては、より多く利用されておるということが申し上げられると存じます。で、なぜ中学、高校の利用率が小学校以下の幼稚園、保育所より落ちるかと申しますと、まず第一に、中学以上は教科担任制という制度をとっておりまして、小学校の場合には、大体一人の先生が全授業時間を担当いたしまして、その与えられた授業時間の中で放送時間に合致させるような手段がとりやすいというのでございますけれども、中学以上になりますと、各専門科目によって教師、教官がかわってくるということで、なかなか放送時間と授業時間の一致がむずかしいというようなことが第一にございます。それから第二番目には、中学、高校に入りますと、特に高校に入りますと、進学教育のために受験準備というものが非常に忙しくなりまして、どちらかと申しますと、そのために視聴覚教育というものが第二義的にまだ扱われているというような現状でございまして、こういったことを打開するためには、テープレコーダーとかビデオテープレコーダーの普及をはかることが先決問題でございます。それから高校教師に、できるだけ放送教育の研究に参加していただくように、こちらも努力することでございまして、昭和四十一年には、約三千校ばかりの高校の教師に放送教育の研究大会に参加していただきました。  それからもう一つの問題は、やはり放送時間の問題でございますけれども、できるだけ高校向けの番組をふやすということも考えていかなければいけないということで、四十二年度は新しい高校向けの番組を増設するとともに、再放送の時間をふやしてまいります。  それから、先ほどちょっとお尋ねがございました通信教育でございますが、全国の通信高校生は、これはNHK学園だけではなく、全国的に中しまして、約十三万の方が通信教育を受けておられます。そのうちで約三万六千名がテレビを利用されている。それから四万五千名の万がラジオを利用されている。大体テレビ、ラジオの通信高校生の利用率は五〇%以上ということになってまいりまして、これは去年より格段と利用率はふえております。  お答えになっているかどうかわかりませんが、以上でございます。
  86. 小林武治

    国務大臣小林武治君) ただいまのテレビを通じての大学講座を通信教育でできるかどうかと、この問題は、先般、衆議院予算委員会でもさような要請があり、私も閣議の問題としてこれを提出したのでございますが、これはもう概論的に言えば、まことにけっこうな、ぜひやれと、こういうことになると思うのでありますが、問題は文部省にあるのでございまして、しかも、テレビによる通信教育の結果に対して、国家による資格を与えなければならぬ、これが非常に大きな問題でございます。したがって、もしやるにしても、当初、人文科学系のものをおもにやらなければならぬ。これの年限が三年でいいか、四年でいいか、どういう科目にするか。もう一つの問題は、通信教育によるいわゆる証書、免状は、いままでは特定の学校がこれをやっておる、すなわち、各私立大学その他が独自の立場においてやっておると、こういうことで、テレビを利用した場合に、その学校の組織をどうするか、こういうふうな問題もありまして、いずれにいたしましても、これは今後早急に関係者が寄って、審議会あるいは協議会をつくってやらなければならない。すなわち、NHK、それと郵政省、文部省等が寄ってこれの相談をいたしたいと、かよう考えておるのでございまして、いろいろの難点はあるが、ひとつ何とか実現できないものかというようなことを総理からもお話がありまして、いまのような基礎的なことをひとつ検討すると。ことに一番大事なのは、文部省がどうやって資格を与えるか、こういうことが問題であるのでありまして、とりあえず文部省で急いでこういうことを検討してもらいたいということを文部大臣に申し入れてある、こういう状態でございます。
  87. 光村甚助

    光村甚助君 答弁聞いて質問したいのですが、もう時間がほとんどないようなので簡単に……。  カラーテレビの話、さっき会長からもお話あったのですが、さっき申し上げましたように、七時間半やる、わずか三十万台くらい。一体カラーテレビどれくらい費用をおかけになっているのかということが一点と、それから十九万八千円というと、これは高ねの花ですね。大体カラーテレビを買う人間がいるかと私ら考えてみると、あれを十四万五千円くらいで百貨店で出すとすぐ売れるというのですから、世の中だいぶ金持ちがいるのだなということをつくづく思っているのですが、どういう程度で普及していくものか。それとも、私個人にしても、まだ十五万円というカラーテレビを買ってみようなんということは考えない。これはいまのテレビで長く持つものかどうか研究されているだろうと思うけれども、いつごろになったら、これは仮定の話ですけれども、十万円を切るような時代が来るのかどうか。おそらく、それが来なければ百万をこすようなことはあり得ないと思うのです、百万世帯を。だから、普及状況、いまの安定度ですね、それから幾らくらい経費をかけているかということをお聞きしたいのです。
  88. 志賀正信

    参考人(志賀正信君) ただいまカラーのテレビジョンにかけております経費につきましては現在三時間四十分の放送をいたしておりますが、八億一千万ばかりがカラーのための所要の経費となっております。
  89. 光村甚助

    光村甚助君 じゃ、それを七時間半にした場合どれだけかかるか。
  90. 志賀正信

    参考人(志賀正信君) 明年度の計画といたしまして七時間半まで持っていきますのに、約十三億ぐらいかかると聞いております。総額が十三億ぐらいになるというように聞いております。
  91. 三熊文雄

    参考人(三熊文雄君) ただいまの受像機の画質及び技術的な寿命その他につきましてお答えいたします。  いままでのカラーの受像機は御承知のとおり、あまり質はよくなかったのですが、だんだん普及してまいりまして、一応われわれ技術のほうから見ましても、現在のカラーの受像機であれば、まあ白黒のものに比較しましてそう劣らないという感じはしております。同時に、寿命の点につきましては、まだ十分なデータがないものですから、しかしながら、われわれにおきましても、ほとんど白黒と変わらないのじゃないかというように思っております。ただ、御承知の値段の点につきましては、現在十九インチが十九万何ぼということになっておりますですが、近ごろ出しました十六インチは十四万円というように、少しずつ、小型ではありますが、安くなりつつあるという現状なんで、近い将来に御希望の十万円の方向にいくと思うのですが、それがいつごろになるかということはいま私ではわからない、こういうことでございます。
  92. 光村甚助

    光村甚助君 テレビが普及発達しているのは文明国か非文明国かという議論があるようですが、アメリカが一位で日本が二位。私はこの間世界一周の早回りで行ってきたのですが、イギリスあたりはチャンネルは二チャンネルですね。日本よりかこれは文明国です。ところが、ローマに行ってみると、ホテルにテレビがないのですね。イギリスでもローマでも、何というのですか、アンテナが非常に少ないのですね。ふしぎになって聞いてみると、たいへんに少ないと、こういうのです。あれは野蛮人の見るものだから文明人はあんまり見ない。だから、アメリカは野蛮人かというと、そうでもない。しかし、そのわりに日本人はあまり金をかけ過ぎるのじゃないかという気がするのです。いまも三十万の人に十何億もかけるというのですが、どうも私はその点が納得いかないのです。私はよくテレビを見るほうですから、これは野蛮人のほうかもしれないですが、ローマあたりでは、あんまり子供に見せるとよくないからと言って、普及発達しないというのですが、まあこれは議論になりますから、どちらがいいとか悪いとか言いませんが、あまりにも日本は新しいものに飛びついて、カラーテレビでもどんどんどんどんやる。十九万八千円とか十五万だとかいうのは、それは特殊の階級です。だから、それに十何億金をつぎ込むのは私は不満なんですけれども、これでお答えを引き出そうと思っておりませんから、これは私の希望です。  それから通信衛星の話もさっき会長から聞いたのですが、これはあんまりしろうとでわからないのですが、あそこに何というのですか、打ち上げておいて、あれが直接われわれのテレビに映るのですか。どこかまた一ぺん行って、そこからまたやることになるのですか、どうなんですか。それが一点と、それから、これについて郵政省、電電公社、国際、NHKと、ばらばらにこれは研究しておられますですね。非常に費用の点で私はロスが多いと思うのです。これは聞いてみましたら、アメリカでは何か公社か公団のようなものをつくって、一つでやっておられるということを聞いているのですが、このあとの点は大臣、前の点はNHKから……。
  93. 三熊文雄

    参考人(三熊文雄君) 申し上げます。  衛星は、われわれ考えております放送衛星は上に上げまして、そうして、先ほど会長が申し上げましたとおり、初めのときは一応分配衛星という考え方ですから、上に上がったものから受けて、それをまたリレーするという方法です。もう一つは、先の問題ですが、将来の問題ですが、いま光村先生からお話しになりましたとおり、上に上がったものから直接家庭に受けるという直接衛星というものも将来の問題としてわれわれは考えております。しかしながら、ここ近い将来におきます問題とすれば、分配衛星、一応リレーする衛星を考えております。
  94. 小林武治

    国務大臣小林武治君) いまお話がありましたが、現在、太平洋に衛星が上がっておりまして、光村委員がボクシングを見られたというのは、その衛星にアメリカが電波をつけて、それを日本の国際電信電話会社が茨城県の送受信所でこれを受けて、そうして、これをマイクロウエーブでもってNHKに送る、あるいはその他の放送局に送る、こういう方法をとっております。しかし、将来は、たとえば日本で小さいものを上げてやるというのは、いまのような直接衛星も将来は考えられる。それからまた、ことしでありますか、イドド洋にまたあの衛星が上がることになりますが、これも同様、これを通じて日本の送受信所から送ったり、受けたりして、また、相手方も地上の送受信所で受けたり、送ったりして、これを連絡線でもって適当な機関にこれを通ずる、こういうのであります。差し向きはいまのようなものが行なわれる、こういうことであります。  それから、この放送衛星のことにつきましては、先ほどからお話がありましたように、NHKが三億円ことし計上しており、放送衛星と称しておる。それから郵政省電波関係では、通信衛星としてことし五億円の予算が成立しておる。これによって衛星本体の検討を進めたい、こういうことになりますが、放送衛星といっても、あるいは通信衛星といっても、機能がある程度変わるということでありまして、現在の太平洋の衛星もテレビにも使っておるし、電信電話にも使っておる。ただ、テレビにも使う場合には回線がたくさん要るからして、その間は電話も使えない、こういうのがいまの使っている衛星でございます。ところが、NHK考えるのは、放送専門に使うもの、それから郵政省考えておるのは、いまの通信にも、またテレビにも使える衛星、こういう考え方でありますが、基本的な問題は、私どもはあまり違わないと思うのでありまして、ことしからこれが問題になるのでありますが、NHKが三億円、郵政省が五億円、これの検討におきましては、どうしても連絡をとって共同してやってむだのないようにしたいということでありまして、郵政省関係におきましては、これに関係するのが、郵政省電波局、それから国際電信電話会社、電電公社、NHK、この四者が一緒になってこれは検討しなければならぬ、こういうわけで、私どもの間には、通信放送衛星研究開発連絡協議会、こういうものを郵政省中心でつくっております。これにつきましては、いままだあまり活動しておりませんが、私はこの二、三日前に郵政省の係の者にも、この活動をひとつ再開をして、そうしてNHKの研究所と電波局の研究所は共同してむだな重複のないように研究を進めてもらいたい、そういう協議をひとつ急いで進めるようにということを指示しております。  それから、私どものやっているのは、NHKにしましても、郵政省にしましても、これはただ通信衛星の本体でありまして、この本体ができても、上げるものが、ロケットがなければ意味がない。したがって、ロケットは東大なり科学技術庁がこれを検討しておる。われわれの計画は、四年後にはこの通信衛星を完成しよう、衛星本体を完成しよう、それには、ロケットが打ち上げられる事態にならなければならぬからして、この両者は並行して進まなければならぬということからして、きょうの閣議におきましても、文部省あるいは気象庁あるいは科学技術庁、郵政省、こういうものがやっぱり全体として調和のとれた進行をしなければならぬということで、それのためのひとつ協議機関をつくって、やがては、来年は相当これらについての予算が増額になるからして、行政機関まで考える必要があるということで、この問題は各省の閣僚が急いでそういう方向に向かって統合調整ということのできるような機関なり組織なりをひとつ考えよう、こういうことになっております。
  95. 光村甚助

    光村甚助君 NHK予算に対して人件費の占める率はどのくらいですか。
  96. 志賀正信

    参考人(志賀正信君) 事業支出の総額に対しまして給与の占める比率は二六%であります。
  97. 光村甚助

    光村甚助君 浅沼総局長にお尋ねしたいのですが、朝やっておられる「スタジオ一〇二」というのは、あの目的は大体どういうことなんですか、大ざっぱなことでいいです。
  98. 浅沼博

    参考人(浅沼博君) 大体時事問題をとらえまして、それによってニュースでは十分に説明できないような問題を、現場あるいは直接当事者を呼び出していろいろ話を聞きまして聴視者に訴えるというのが大体の目的でございます。
  99. 光村甚助

    光村甚助君 初めは私たちも期待していたのですが、最近あれは陳腐ですね。おととい京都でガスを積んでいた自動車の爆発があって、あれでけがした人があった。その人は重傷者だと思うのですが、包帯を顔に巻いて、そうして洋服を着てネクタイを締めてきのうの「一〇二」に出ている。そういう人を朝の七時過ぎに連れてこさせてまで「一〇二」をやる必要がありますか。ただ何かあると、民放の「おはよう番組」だとか、「モーニングショー」と対抗して、事件があれば、あれより先に引っぱってきて何かやろう、そういうちゃちなものが最近多いように私は思うのです。きのうなんかは顔に一ぱい包帯を巻いて、ネクタイを締め、洋服を着ている人が出ている。あんなものは行き過ぎというか、ほんとうにNHKともあろうものが、ああいうものまでやって、民放を、それ追い越せというようなことをやる必要があるのかということが一点。  それからもう一つは、これはみみっちい話ですが、これは去年から不審に思ってお聞きしたいと思っておったのですが、「一〇二」に出ている女の人が、去年北海道の雪祭りに取材に行っている。見物かと聞いたら、取材に来ているというのですから、取材にしておきますが、また一人女の人が佐賀のおひな祭りに行って取材し放送している。そういう人が現地にいないのかどうか。去年は黙っていたら、ことしまた一人の人が雪祭りに行っておられる。もう一人の人は四国の八十八カ所お参りの取材に行っておられる。こういうことまでしている。失礼ですが、私は慰労出張じゃないかと言うと、決してそういうことはございませんというようなことを言われる。私だけじゃなくて、見ている人がそういうことを言っております。それが二番目。  もう一点は、これは私の邪推かもしれませんが、選挙中に野村というアナウンサーが国会議員の収入というものを出しました。議員の給料は、歳費が二十五万円、それから調査費が十万円、計三十五万円。これに対しては税金がつく。あとは通信交通費が十五万円。第一秘書が幾ら、第二秘書が幾ら。議員会館がりっぱなものができたが、それが一人当たりにすると幾ら。賞与が年何カ月分で幾ら。自動車が何人について一台。実に詳しくやっておられるのです。これは一体何をやっているのだと思ったのですが、善意に解釈すれば、このくらい金を使っているのだから、りっぱな人をお出しなさいということだと思ったのですけれどもね。どういう意味でああいうことをおやりになるのですか。もう少し調査しておやりになるほうがいいんじゃないか。あれじゃ皮肉としてしか聞こえませんよ。第一秘書とか第二秘書というものは、これは議員のふところに入るものじゃないのですね。皮肉な聞き方をすれば、あなた方は一人一人に一台のりっぱなベンツという自動車に乗っておられる。議員なんかは七、八人に一台ですよ。私はそういうことは少し行き過ぎじゃないか。参議院の議運の理事懇談会でも、そういうことが問題になった。これはほんとうのことだから、これは私は言うなとは言いません。しかし、いやしくも、そういうことを発表する以上は、国民に疑惑を持たせないような方法で発表してもらいたい。それだけ金がかかるのですから、りっぱな人を選びなさいとつけ加えれば、これはいいんですけれども、何かでたらめに取っているように聞こえるのですね。どうも私はその点、あなたのほうのやり方がうまくないのじゃないかということを非常に考えているのです。それにつけ加えてもう少し言いますと、「おたずねに答えて」というのが毎日曜やっていますね。たまたま私が見たときに、聴視者から、われわれが納めている聴視料はどういうところにお使いになっているのですかと。青木アナウンサーがどう言うかと思ったら、りっぱなことばかり並べている。人件費に二六%かかっているなんていうことを一つも言いません、実際。私はここであげ足をとろうとは思いませんけれども放送料の一千億のうちの二六%といったら幾らになりますか。その収入の中には会長の給料が幾らで、ことし卒業した高校生の給料が幾らでなんということを言えないですよ。それとやはり同じでね、議員の給料なんか頭から一人が百万近くも取っているよう誤解を与えるようなことは、やはり慎むか——慎めなんと言ったら、また私がたたかれますが、そこにやはり何か解釈をつけて誤解を与えないような方法をしないと、非常に迷惑をします、われわれは。ただ、あなたのほうの役員給与のことなんか私は言いませんが、そういうことがたび重なれば、言ってみたいという気になりますよ、私のような単純なひねくれば。だから、今後非常に放送については、NHKといったら、非常にたくさんの人が見ているのですから、そういうことのないように、ほんとうにNHKといったら、みんなが喜んで、誤解を与えないように見るということに、今後も努力をしていただきたいということをお願いして、私の質問を終わります。
  100. 浅沼博

    参考人(浅沼博君) お話はまことにごもっともでございまして、全く同感でございます。おわびがてら、ちょっとお答え申し上げます。  私はインタビューの問題につきましては、かねがね非常な注意を払っておりまして、たとえば交通災害等飛行機の墜落等で遺族が悲しんでいる場合、その遺族をつかまえてインタビューなんかは絶対にするなというふうに私はふだんから申しておるわけです。たまたま、いま京都のガスボンベ事件の御指摘がございました。これは取り上げたほんとうの目的は、一種の交通キャンペーンだったのですが、こういう事件もあるから気をつけろ、気をつけなければいけないといったような趣旨でそれを取り上げたのだろうと私は思います。で、包帯を巻いたなまなましい姿をブラウン管に映し出したということは、確かに、先生のおっしゃるとおり、私もこれはいけないことだと存じておりますが、おそらくは、うちのことでございますから、医者の許可を得て出したのだろうと存じますが、それにしても、私はそういった交通キャンペーンをやるんだったら、もう少し配慮の方法があったのじゃないか、そういうふうに存じます。ともかく、新聞記事ような書き原稿などと違いまして、なまなましい事件を取り扱う場合においては、特に格段の配慮というものがその番組において必要であるということを、私もふだん申しているのでございますが、聴視者の方にそういった痛々しい印象を与えたということについては、私からおわび申し上げておきます。  それから第二番目の、国会議員の収入の点でございますが、あたかも国会議員の地位を金銭で評価するかのような印象をもし与えたとすれば、これはたいへんいけないことでございまして、おそらく当事者の目的は、選挙というものに無関心であってはいけない、これほど重要な地位なんだから、皆さんももっと選挙に対して真剣にならなくちゃいけないということを訴えようと思って、一番俗耳に入りやすいお金の点を指摘したのであろうと思いますが、これは確かに、先生のおっしゃるとおり、まことに方法も未熟でございまして、演出もまことに至っていない、かえって逆の効果を与えるおそれもなしとはいたしませんので、これも私は先生のおっしゃるとおりだと存じます。  それから女性アナウンサーの九州と北海道の出張問題でありますが、いま女性のアナウンサーというのは、大体東京と、それから大阪に一人いるだけでございます。したがいまして、雪祭りとか、九州佐賀のテーマは、どういうテーマを扱ったか、私は記憶しておりませんけれども、女性がやったほうがやわらかくていいと思われるようなものを取材しに行ったのだろうと存じます。これはまあ、ぜいたくとおっしゃればぜいたくかもしれませんけれども、ものによって、女性がタッチしたほうがいいようなやわらかいテーマもございますので、この点は御了解願いたいと存じます。  それから「おたずねに答えて」という番組のほんとうの趣旨は、公共放送というものがどういうものであるかということを、できるだけ聴視者の皆さまに知っていただくために設けた時間でございまして、一言で申しますと、聴視者との交流をはかり、できるだけ御理解を願うといったような目的の番組でございまして、なるべくわかりやすくお話する、NHKの実態というもの、公共放送の実態というものをなるべくわかりやすくお話するというのがたてまえになっておりますが、その説明の状況の中で、人件費等を抜かしたという御指摘がございましたが、これはまた私も調べまして御返答申し上げたいと存じます。
  101. 光村甚助

    光村甚助君 よくわかりました。女のアナウンサーの北海道へ行ったとか九州へ行ったとかというのは、私もちょっとはしたない言い方かもしれませんが、悪い意味で言ったのじゃないのですけれども、おっしゃったこと、よく了解いたしました。その点、そちらも了解していただきたいと思います。
  102. 野上元

    委員長野上元君) 他に御発言もなければ、本件に対する質疑は、本日はこの程度にいたします。  次回の委員会は、三月三十日木曜日午前十時を予定し、本日はこれにて散会いたします。    午後一時七分散会      —————・—————