運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1967-06-06 第55回国会 参議院 社会労働委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年六月六日(火曜日)    午前十時四十一分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         山本伊三郎君     理 事                 土屋 義彦君                 佐野 芳雄君                 藤田藤太郎君     委 員                 川野 三暁君                 黒木 利克君                 紅露 みつ君                 山本  杉君                 大橋 和孝君                 杉山善太郎君                 藤原 道子君                 柳岡 秋夫君                 小平 芳平君    国務大臣        厚 生 大 臣  坊  秀男君    政府委員        厚生政務次官   田川 誠一君        厚生大臣官房長  梅本 純正君        厚生省公衆衛生        局長       中原龍之助君        厚生省医務局長  若松 栄一君    事務局側        常任委員会専門        員        中原 武夫君    説明員        厚生省大臣官房        審議官      武藤き一郎君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○社会福祉事業振興会法の一部を改正する法律案  (内閣提出) ○社会保障制度に関する調査  (国立病院統廃合問題に関する件)  (看護婦制度に関する件)  (茨城県猿島町の奇病に関する件)  (理容師美容師及びあん摩マッサージ指圧師  の養成施設及び資格試験等に関する件)     —————————————
  2. 山本伊三郎

    委員長山本伊三郎君) ただいまより社会労働委員会を開会いたします。  社会福祉事業振興会法の一部を改正する法律案議題といたします。  まず、政府から提案理由説明を聴取いたします。坊厚生大臣
  3. 坊秀男

    国務大臣坊秀男君) ただいま議題となりました社会福祉事業振興会法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  社会福祉事業振興会は、社会福祉事業施設設備及び運営に必要な資金融資、その他社会福祉事業に関する必要な助成を行なうとともに、社会福祉施設職員退職手当共済制度を運営している特殊法人であります。  社会福祉事業振興会の行なう社会福祉事業施設を経営する者に対する融資につきましては、かねがね民間社会福祉事業関係者から融資の拡充についての要望の強いことにかんがみまして、この際、社会福祉事業振興会法の一部を改正し、業務の範囲の拡大をはかろうとするものであります。すなわち、社会福祉事業振興会が従来行なっておりました社会福祉事業施設の修理、改造、拡張等のための資金貸し付けのほか、新たにその新設のための資金貸し付けを行なうこととしますとともに、経過規定社会福祉法人に含めて貸し付け対象とされている法人範囲を一定の範囲で拡大することがその内容であります。  これらのほか、社会福祉法人が、老朽度の著しい社会福祉事業施設整備するため、昭和三十八年度から昭和四十一年度までの間に、年金福祉事業団から借り入れた借り入れ金にかかる利子を、社会福祉事業振興会当該社会福祉法人にかわって支払うこととし、昭和四十二年度に社会福祉事業振興会が同様の目的社会福祉法人貸し付け貸し付け金利子を徴しないこととする等、所要の規定整備を行ないたい考えであります。  以上がこの法律案提案理由及び内容概要であります。何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。
  4. 山本伊三郎

    委員長山本伊三郎君) 本案に対する自後の審査は、これを後日に譲ります。     —————————————
  5. 山本伊三郎

    委員長山本伊三郎君) 次に、社会保障制度に関する調査議題とし、質疑を行ないます。御質疑のある方は、順次御発言を願います。
  6. 藤原道子

    藤原道子君 私は、この際、国立病院統廃合についての御質問をいたしたいと思います。  まず、最初にお伺いしたいのは、国立医療施設の持つ使命をお伺いしたい。国立病院療養所統廃合計画され、逐次実行されておりますが、どのような計画、どのような基本的な考え方に立ってこれをやっておいでになるのか、これをまずお伺いしたいと思います。
  7. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) 国立病院使命といいますか、そのあり方の基本的な考え方は、国立病院は、できるだけ国立でなければなかなかやり得ないような性格医療をやりたい。その一つは、できるだけ高度の医療技術を確保するような方向医療機関整備していくということと、国の政策といたしまして、たとえばガン対策を強化する、あるいは救急医療対策を強化する、あるいはリハビリテーション問題の開拓をやっていくというような、そういう特殊医療面開拓というようなものに必要な整備を行なっていく、そういうことでございまして、そういう意味では一般公私立、あるいは民間医療機関との競合をできるだけ避けて、そうして国立本来の使命を全うするような方向整備をしていくというのが基本的な考え方でございます。
  8. 藤原道子

    藤原道子君 いま言われたようなことが実際に行なわれておりますか。
  9. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) 御承知のように、国立病院は、戦後の軍関係医療機関であるとか、あるいは医療施設であるとか医療団等施設の一部を引き継ぎましたために、きわめて、老廃、老朽したものが多かったわけでございますが、その中でも、特に一般医療を強化して伸ばしたいということから、すでに十年以上前から、第一次には基幹病院計画というものを立てまして、全国主要都市、あるいはブロックの中心的な病院である比較的大きな病院をまず基幹病院という形で整備いたしまして、その診療能力向上をはかってまいりました。これは、ある意味では、一般的な医療向上ということが主眼点でございました。さらに、その後におきまして、国立病院施設があまりにも荒廃しておりましたので、第一次整備計画というものを三十九年度から着手いたしまして、これで約三十病院がいわゆる鉄筋コンクリートによる近代化が進んだわけでございまして、これらの病院もその地域における一般医療水準向上ということを強く意図したわけでございます。ところが、ごく近年に至りましては、ガン対策その他が非常にクローズアップされてまいりましたので、ガン診療施設としての使命を国が相当部分分担したいということから、国立がんセンターをはじめ、地方ブロック地方がんセンターというようなものを国立病院が担当し、さらにガン診療施設を多数つくりまして、全国で百六十程度ガン診療の基幹的な病院の中で、六十幾つを国の医療機関が担当するということでガン診療施設整備をはかってまいりました。また、昨年度来、救急医療の問題がきわめて大きく社会的に取り上げられてまいりましたので、救急問題につきましても、昨年来、全国に一応人口百万人に一ヵ所という程度救急病院整備したい。このために都道府県とも協議いたしまして、全国百十一の病院指定いたしまして、指定と申しましても、法的の指定ではございませんが、都道府県と協議をして百十一の病院を定めて、これを救急病院として整備したい。その中に国立病院が三十七あるわけでございまして、そういう意味で、救急医療方面におきましても国立病院が積極的にこれに参加し、使命を分担していくという方向整備してまいったのであります。
  10. 藤原道子

    藤原道子君 私は、再々問題になることでございますが、地方においてこの統廃合について非常に強い反対がある、また、地域的に見て医療の後退を来たすのじゃないかというようなふうにも伺っております。また、地域住民の不安を助長している、こういうところに大きな問題があるのじゃないか、こういうふうに思いますが、地方住民、あるいは地方医師会などとはどういうふうな話し合いをしてこれを進めておいでになるのか。
  11. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) 先生も御承知のように、現在医療機関整備するという場合に、医療機関との競合という問題も現実にはかなり重要な問題でございまして、地元医師会等との話し合いが十分つきませんと、これを強行してもあとにいろいろなトラブルを残すという事例が多々ございます。また、現に法律上の立場からも、医療法規定によりまして公的病院の規制の条項もできておるわけであります。そういうことで医療機関を拡充整備するという場合に、特に一般ベッド等が増加する場合に、地元との話し合いがつかないと現実には困難な情勢がございます。そのほかに、病院整備、あるいは統合というようなことを行ないます場合に、その施設従事者の協力が得られなければならないわけでございまして、その意味では、病院主要幹部である院長、さらに診療担当者である医局意向、また、その他パラメディカル、労務関係人たち意向というものも十分しんしゃくしなければなりません。しかし、いずれの場合でも、すべての人々意向を一〇〇%満足させるということはなかなか困難でございまして、一部どうしても反対が残るということは往々ある例でございます。また、一面、利用者である地区住民意向ということも当然考慮いたさなければならぬことでございます。したがって、地区住民意向というものが、場合によれば市会決議になり、あるいは市民署名運動というような形で表現されてまいることが多々ございます。そういうことももちろんできるだけ考慮いたしたいわけでございます。また、事実市民要望がきっかけになってそのように統廃合、あるいは合併ということが起こる場合もあるのでございます。私どもといたしましてはいろいろな条件を勘案いたしまして、そのときどきの状況によって、できるだけ国立医療機関としての本来の目的に沿うような形で決断をしてまいりたい。そのためには一部の反対がどうしても払拭しきれない場合も多々あるわけでご、ざいます。
  12. 藤原道子

    藤原道子君 私はきょう特にお伺いしたいのは、静岡県の三島沼津合併問題、これに対しては相当反対があったんじゃないかということで私がお電話いたしましたが、局長は、反対人々の大部分了解は得ました。一部に反対は残っておりますけれども、大部分賛成を得た、こういうことで四月一日から沼津三島を一本にして東静病院として発足をする。三島病院は一時分院として残す、病院が完成した暁には分院は廃止する方針だ、こういうふうなお話でございましたが、それには間違いないのでございますか。
  13. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) おっしゃるとおりでございます。
  14. 藤原道子

    藤原道子君 大部分の人には了解を得たという、その大部分とは何をさしてお答えになったんでしょう。
  15. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) 先ほども申しましたように、二つ病院統廃合して一つにまとめるということは事実上きわめて困難なことが多いわけでございます。最初に起こります問題は、二つ病院にそれぞれ病院長がおりますし、それぞれ医局がございますし、それぞれ職員がございます。したがって、人情といたしましても、一つにすれば院長も一人減り、副院長も一人減り、また、総婦長も減るということになりますし、また、職員勤務の形態も変わってまいります。また、通勤その他の職場の関係も変わってまいります。そういう意味で、まず第一にやはり了解を取りつけなければならぬものは、院長同士がまずそういう統合賛成できる、また、医療陣のスタッフである医局がそういうものに賛成できる、また、その他の職員賛成できるということが順序で、ございます。そういう意味では、三島沼津の場合も、初めはどちらもかなり抵抗が強かったわけでございまして、たとえば三島のほうは、むしろ合併するならば三島合併すべきであるという意向をかなり強く持っておりました。その時代沼津は、三島がそういうことであれば三島統合しても差しつかえないというような意向を漏らした時代もございます。しかし、その後いろいろな経過を経まして、現在では両方施設職員も、大部分沼津統合するということで承知をいたしております。といいますのは、単に二つ施設統合合併という以外に、国立病院使命という点から考えまして、わずか四キロしか離れていない地域二つ国立病院があって、それがともに同じような性格を持っているということでは適当ではないのでございまして、その二つ二つともが非常に需要が多くて、二つとも近代化し、かつ、十分な整備をしていけば、これは一つ方法であろうと思います。しかし、現実には三島沼津の場合は至近の距離にあり、診療圏も一部は重複をいたしておりますし、また、両方病院近代化して整備していくという場合に、現在の医療機関あり方といたしまして、ある程度規模が大きくなりませんとあらゆる施設整備が高度化してまいりません。百ベッド病院五つ整備をしてみたところで、それぞれの病院にりっぱな器械設備検査設備整備することは不可能でございまして、それが百ベッドが五つ合併して五百ベッドになるということになりますと、それらの施設器械設備等が高度に整備される可能性が出てまいるわけであります。また、ある程度施設整備され、診療器械検査器械等が高度化いたしませんと、ガンとか救急といういうような特殊な任務にたえることがなかなか困難である、そういう意味で、比較的規模の小さい二つ病院を並立さしておくよりは、より大きな規模統合し、そこの建物、あるいは器械設備等を高度化し、そうしてガン救急等の特殊な任務にもたえ得るようにするということが国立医療機関あり方に合致するゆえんである、そういう方向で両院長、あるいは職員賛成してまいったわけでございまして、そういう意味では、国立病院あり方というものを十分認識した上で職員大かた賛成は得られた。もちろん一部にまだ不満を持っており、反対している職員もございます。そういう状態でございまして、私が大部分といいましたのは、そのような両施設職員の大部分がほとんどこれを了承しておる、また、医師会側等に現在たいしたトラブルもない、市民側要望といたしましては、三島から国立医療機関が消えていくということに対して市民側不満はございます。しかし、一般医療機関としての多少の御不便はおかけするかもしれませんけれどもガン診療施設、あるいは救急医療機関としての新しい特殊な任務を付加することによって十分にその補いがつき得るものと判断いたしまして私どもはこういう統廃合計画に踏み切ったわけでございます。
  16. 藤原道子

    藤原道子君 それでは、沼津三島施設従業員の大部分賛成した、こういうことですね。ところが、私はそれをそうは聞いていない。それと同時に、三島市議会をはじめ、町村議会から相当な陳情がきている。私のところへまいりましただけでも、これは反対署名捺印をした陳情書なんです。特に三島市議会は三回にわたって決議しているわけです。全員一致なんです。それで、今度新たに選ばれました市議会でも反対決議をして厚生省陳情しているはずなんです。これらに対してはどういう手をお打ちになるか。さらに、市議会だけではございません。婦人団体でも、あるいは「三島をよくする会」というようなものでも、あらゆる方面でこぞって反対をしておると、私は地元でございますから、承知をいたしております。ところが、過日、私のあなたへの陳情に対して、わずか自動車で行けば二十分ぐらいなところだから、こういうことも一つ言われた。それから、静岡県には国立病院がたくさんある。一つの県にあまり国立病院がたくさんあることもいかがでございましょう、こういうこともおっしゃった。私いろいろ考えてみましたところが、静岡県の国立病院は、まず伊東は特殊ですね、あれば特殊病院です。熱海だって、あれは一般国立とは思えない。さらに今度、湊病院療養所から病院に転換されました。しかし、あれも温泉病院としてやられるやに私は聞いている。こういうことから見ると、静岡県にたくさん国立があるということが今度整理統合対象にされたということだけでは、私は納得がいかないのです。  それから、いま一つ申し上げますならば、静岡県は十万単位のベッド、これから計算いたしましても全国四十五位なんですね。四十六位が埼玉県。この最下位埼玉豊岡病院統廃合が起こっているわけなんです。私は、国の医療というものは、水準に達するまではやはり国が責任を持って担当していく、これが私は国立としてのお考えではないかと思うので、全国最下位埼玉ビリから二番目の静岡にこういう統廃合が強行されて、市会からは強くこうした反対決議がなされ、あるいは地域住民からこうした署名捺印をもって請願が出ているこういう方面は、これは何ら了解を得ないで、それでもって国立病院が多いから、自動車で行けば二十分だから、こういうことでやられては、大臣、国民はたまったものではない。ことに三島沼津利用する層が違うのですよ。三島利用しておる人たちのその住民の数からいきましても、大体において百六万五千人から地域からやっている。ことに三島広域都市というようなことで、その面でもどんどん工場も誘致され、あるいは人口もどんどんふえてきている。それなのに医務局長など、机の計算、そろばんはじいて、二十分あれば行けますと言うが、全部自動車で行けるような患者だけでしょうか。地域住民に高度の医療設備をするということもわかります。けれども、その一般大衆医療は犠牲にしてもいいとおっしゃるのでしょうか、その点をちょっとお聞かせ願いたい。
  17. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) 静岡県が日本でもベッド不足している地区として、少ない地区としてはビリから二番目である。したがって、そのような静岡県内ベッドを減らすことは適当ではないという御意見でございました。なるほど静岡県はベッドの比較的少ない地域でございます。しかし、国立病院使命という点から考えまして、ベッド不足のものを全部国立で補っていくという考え方は、これは私ども現在持っておりません。現在日本全国一般病床の数が九十万をこしております。その中で国立が占める割合は約三万、したがって、三十分の一ということになります。したがいまして、国立病院ベッド、特に一般ベッド不足国立病院でカバーしていこうという考え方は基本的には持っておりません。しかし、現実に、国立病院といえども、かなりへんぴなところにある病院もございまして、地域病院として一般ベッドを活用しておる面も多々ございます。そういうものをしも無理に減らそうというつもりはもちろんございません。ただ、三島沼津のような場合におきましては、この地区にそれではどの程度一般ベッド不足して、この三島病院を減らすことによって重大な支障を来たすかという点につきましては、私どもは、民間その他のベッドが十分にございますので、これによって致命的な打撃を受けるということはない、むしろ国立病院は、本来のあり方として、三島沼津地域にある、公私を含めて、一般医療機関で容易に行ない得ない分野こそ国が担当すべきものである。そういう意味で、一般ベッドが減るというデメリットを、特殊医療を伸ばすというメリットでカバーして十分おつりがくるという考えが基本でございます。しかし、なお、一般ベッドにつきましては、三島沼津統合いたしました場合に、現在両施設が持っております一般ベッドよりもさらに増加する予定でございます。
  18. 藤原道子

    藤原道子君 だから私が言うのは、そういう地域住民の不便ですね、こういうものがある程度できてから統合してもいい、将来。それと同時に、ベッドが十分あるというなら、地域住民だってこんなに反対しないと思います。市会決議その他に対し、地域住民反対、これらに対して何らかの了解とか説得とか、そういう方針はおとりになったのですか。陳情受け取りっぱなし市議会町村議会決議決議のしっぱなし、おまえたち騒げ、国は国の方針でやるのだ、こういう考えで強行なさるわけでございますか。
  19. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) いま申しましたように、一般ベッドにつきましては、現在三島沼津の両病院が保有しております一般ベッド統合いたしまして、さらにこれを増加して新しい病院を設置するわけでございまして、確かに三島市内にある場合よりは、現在の沼津病院のところは利用には多少不便があるかもしれません。しかし、施設診療内容も高度化してまいりますので、そういう高度な医療を必要とするものは、そういう新しい東静病院を大いに活用していただく、また、現実三島病院利用しております患者の中にも、きわめて平易な病気で、地元で十分消化できる患者も相当多数あるわけでございまして、それはそれとしてある程度地元で消化していただく、また、バスで二十分かかっても東静病院で治療を受けたいという患者のためには、いま申しますような一般ベッド増床もございますので、総括的に見ましてそれほど市民に迷惑をかけるものとは考えていないわけでございます。
  20. 藤原道子

    藤原道子君 それでは具体的にお伺いいたします。静岡県の医師の数は人口十万当たり八八・一で、全国でこれも四十位になりますね、四十位、医師の数も。それで、ベッド数全国で四十五位なんですよ。それであなたは、いま一般ベッドにしても、統合したってむしろふやすのだ、こういうふうな御答弁でございましたから、それについてお伺いをしたいと思います。それでは、こういうことを強行して、すでに決定したのだといまもお話がございましたが、それならば沼津三島統合計画内容をお伺いしたいと思う。予算、診療科目病床数工事日程、場所、これはもう計画が出ているでしょうから、それをまずお伺いしたいと思います。
  21. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) 新しい東静病院につきましては、現在の沼津病院がありますその敷地の中に新設をいたしたい。その規模は大体五百床、そうしてその建築は本年度から着工いたしまして、二年あるいは二年半ぐらいかかりまして、総額でおそらく七、八億程度になるかと存じております。診療科目は、もちろん総合病院でございますので、全科目ございます。そうして特にガン診療施設及び救急部門の強化をはかりたいというふうに考えております。
  22. 藤原道子

    藤原道子君 それでは、沼津敷地内に新築するというけれども、私は地元でございますから、沼津敷地は頭に浮かびますが、どこに建てるのですか。沼津敷地ということなら、既存のところをこわさなければ建たないでしょう。そうしたらそういうときはどうするのですか。それほど広い地域でもございません。
  23. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) 沼津敷地は相当広うございまして、現在の外来診療棟の一部だけを取りこわしますと十分そこに新築ができますので、その期間、外来棟が一部移動して診療をやる。入院患者棟については妨げなく工事が実施できる予定であります。
  24. 藤原道子

    藤原道子君 それでは、沼津工事着工はいつごろなさいますか。それから、既存の病棟はどうするのですか、どのくらい残すのですか。現に勤務中の職員はどのくらい減らすか、その方法はどういうふうに考えておるか。
  25. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) 申し上げましたように、外来棟の一部は移転するかもしれませんが、これは余裕ある建物を使ってまいりますので、現実診療能力の低下は来たさずに工事をすることができるわけであります。したがって、職員を減らすとか配置がえするというようなことは現在考えておりません。
  26. 藤原道子

    藤原道子君 それでは、職員は絶対に両施設とも減らさないということをこれは言明なさいますね。
  27. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) 診療は現状どおり続けますので、それに要する職員は当然そのままであります。むしろ新しい病院が完成いたしますと、かえって規模が大きくなりますと、将来は増員いたさなければならぬかと思っております。
  28. 藤原道子

    藤原道子君 沼津医師会は、沼津三島合併することは反対である旨の文書の申し入れが厚生省地方医務局に行なわれていると私は聞いている。これの説得にあたりまして、医師会に対する説得としては、がんセンター、交通災害センターの増床であり、一般のあれの増床ではない、こういうふうに説明しているのですね。そうすると、がんセンターと交通災害センターの増床ということになると、五百床の中でそれが増床になるのですか、五百床以外に、がんセンター、あるいは交通医療施設ですか、これは五百床以外に出るのですか、その点ちょっとここで明らかにしていただきたい。
  29. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) 予定されている五百床の中に、ガン診療部門としてのガン専門ベッド、あるいは救急専門ベッドというものが含まれるわけであります。
  30. 藤原道子

    藤原道子君 それはどのくらい予定しているのですか。
  31. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) 現在何ベッドというところまで確定はいたしておりません。
  32. 藤原道子

    藤原道子君 あなた方そういうことを言って逃げておいて、できてから、ガンと交通の問題にこれだけとられたから、一般ベッドを減らすのはしかたがないと逃げてしまうのです。いままだきまってないと私は言わせない。およそ腹案があるでしょう、ぜひこの際お示し願いたいと思う。
  33. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) 現在私ども計画で確定いたしておりますものは、東静病院ガンベッド五十、救急部門はもちろん強化いたしますが、救急専門ベッドというものを何ベッドにするかということはまだ決定をしておりません。
  34. 藤原道子

    藤原道子君 じゃ、三島沼津でいま幾つあるのですか。
  35. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) 三島沼津で現在一般ベッドが三百三十ございます。
  36. 藤原道子

    藤原道子君 そうすると、ほかの結核であるとか何かで、総ベッド、訓令ベッドはもっとあると思うのですけれども、それはどうなるのですか。
  37. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) 現在三島が、訓令ベッドは私どもの定員の裏付けのある病床でございますが、それが三島一般が百二十、結核が六十、沼津一般が二百十、結核が七十、合計両施設一般が、二百三十、結核が百三十でございます。
  38. 藤原道子

    藤原道子君 私は、あなた方はその場さえ通ればいいというつもりでいつもごまかしておしまいになる。このいろいろのデータをずっと調べてみますと、ずいぶん整備計画が出ていますね、きょうまでにすでにたいへんばく大な借金があるはずですね、特別会計で。これは来年度から支払いになるわけでしょう。初年度は五千万円と聞いておりますが、その後逐次増加いたしまして、年間十何億くらいになるのじゃないですか。そうすると、その支払い方法はどういう方法でお払いになるのですか、これをお聞かせ願いたい。
  39. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) おっしゃるとおりに、三十九年度から借り入れ金を充てて病院整備を行なっておりますので、昨年までに百三億の借り入れをいたしました。そうして約三十病院整備をいたしました。本年度から第二次の整備をやるために、本年度三十億の借り入れをいたしております。第一次の借り入れ計画の分が明年から元金の返済が始まりまして、初年度五千万円ということになっております。これはもちろん、現在私どもとしては、診療収入の中からこれを返済してまいりたいという考え方でおります。将来はかなり高額になりますが、その時点はいまから十数年後でございますので、その時点になりますと貨幣価値、あるいは診療規模その他の問題から、まあ現在ほどの、現在十何億というものに対して負担を感じているほど大きな負担にはならないと思っております。なお、国立病院は全体として決して独立採算ではございませんので、現在も一一%程度は国庫の一般会計から繰り入れをいたしております。将来返済能力が非常に弱くなってどうしても返せないということになれば、その場で国立病院の本来の使命をそこなわない範囲内でできるだけ努力をしてまいりたいと思っております。
  40. 藤原道子

    藤原道子君 ちょっとわからないですよ、私。独立採算でしょう。国からちゃんといくのは特別会計でなくていいんですね。借金が出たら国がどんどん払ってくれるんですか。そうじゃないでしょう。結局医療の合理化ですわね。患者さんに不便をかける、働く者には重労働を強化さして、療養費の中から吸い上げて借金に充てるんでしょう。そうじゃない、国から出るんだということならば、それははっきりしてもらいたい。
  41. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) 国立病院に対する一般会計からの負担というものは、いままでの歴史で非常に変遷いたしております。非常に整備が悪く、また、診療効果も悪かった時代には二十数%から三〇%近く一般会計から繰り入れをしてきた時代もございます。しかし、その後器械設備等につきましては、全部一般会計から繰り入れを行なうようになりましたし、昔は看護婦の養成でさえ一般会計から二分の一、診療費の収益で二分の一を負担するというような形になっていた時代もございますけれども、近年は非常にすっきりいたしまして、看護職員、あるいは衛生検査技師等の養成等につきましては、一切これは一般会計から繰り入れる。また、器械設備等、高額の器械設備をする場合ば、一切これは診療収入でなしに、一般会計からの繰り入れでもってやる。また、施設整備等も、比較的診療効率がよくて、ある程度診療費で借金を返していけるというような病院につきましては借り入れ金をいたしたわけでございますが、それ以外については、一切従来から一般会計で建物整備等も負担しております。現在も、いわゆる個所修繕であるとか、あるいは建物の手直しであるとかいうものは、一切一般会計から繰り入れをいたしておりまして、そういう状況で、近年ば非常にすっきりした態度になってきておりますので、今後もできるだけそういう一般会計の繰り入れというものを強化しながら、国立病院本来の使命が遂行できるように努力いたしてまいるつもりでございます。
  42. 藤原道子

    藤原道子君 たいへんけっこうなことをおっしゃいますが、それはどういうふうになってるか、資料を出してもらいましょう。ことしの四月に実施された国立病院院長・事務長会議で厚生省が示した国病の運営方針というものは、はっきりそのことを、私が言うようなことを示しているように思うのです。国立病院の特別整備のために昭和三十八年から借り入れ金を導入してきたが、四十三年度から借り入れ金の元金を医療収入で償還することになっている。この償還財源を確保するため、本年以降の国病運営について、なお一そうの努力が要請されることを銘記されたい。未整備病院整備については第二次整備計画を導入する必要がある。もとより借り入れ金の導入は具体的な償還計画の裏づけを前提とするものであるから、今後とも特別会計の性格、意識を十分に認識をして、収入の直接財源である患者数の確保をはかるとともに、経費の効率的使用を計画し、合理的な運営をはかるよう特にお願いをする。特別会計職員としての意識の高揚をはかり、国立病院が特別会計予算で運営されているため、自己収入、診料収入のいかんによって病院運営が左右されることを職員個々に再認識させることと、こういうことが出ているんですよ。ですから、あなたが言うように、心配ないんだ、一般会計からと言われても、私たちにはそういう口の下から——四月ですよ、これ。院長と事務長会議でこういうことが示達されているんですよ。ということになれば、あなたもっと正直に言ってくれたらどうです。ここはごまかせばいいんじゃない。私もあなた方の医療政策にまっこうから反対しているんではない。私たちは地域住民の立場から、将来を憂えるがゆえにこういう御質問をしている。だから、若松さんをいじめるつもりじゃないんですから、大蔵省が金を出さぬから困るんですとか、だからそうなるんですとか、何とか言えそうなもんじゃないですか。私不勉強だって、少しはそのくらいのことを知っている。もう一ぺん御答弁願います。
  43. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) 国立病院職員に対して、合理的な運営に努力するようということは、私ども始終相当強く要望いたしております。といいますことは、国立病院の経営自体も、もちろんできるだけ採算がとれることが望ましいことでございます。一般会計から繰り入れる分ももちろんございます。しかし、一般会計から繰り入れるということは、これは国民の税金をもらうことであります。国立病院といえども、できるだけ国民の税金の使い方を少なくして、効率的、合理的な運営をすることは国民が要請していることであろうと思います。そういう意味で、国立病院が非能率的、非合理的な運営をするということは国民に対してまことに相済まぬことでございますので、私どもは、職員に対しては、できるだけ効率的、合理的な運営、経営をするように、そういう努力をするようにということを常々申しております。しかし、これはどこまでも完全に独立採算をするためという趣旨とは全く違うわけでございまして、国民が要望しているチープガバメントの思想に適合するために私どもは合理的な経営を要請する。それで不十分なもの、あるいはそれをもって不可能なものについては、国立本来の使命として、たとえばがんセンターであるとか特殊な医療というものについては、採算ということを全く度外視してもそういう国の政策に協力していくという立場をとっているわけでございまして、そういう意味で、合理的な運営をすると同時に、また、国の医療機関としての使命に徹するという、経済的な意味から申しますと、相矛盾した二つの命題を私たちは持ちながらそれに努力しているわけでございます。
  44. 藤原道子

    藤原道子君 私は、これはみんなおたくから出た資料なんですけれども、それは国立といえども国民の税金でやっているんですから、それはなまけていちゃいけませんよ。けれども、あなた方のそういう指導が下部末端においては取り違えられているんだか指導がきびしいんだか知りませんけれども、収益をあげるために重症患者なんかはなるべく敬遠する。それで職員が非常に合理化されて、人事院等から相当強い要望のある看護婦さんさえ、相変わらず夜勤を一人でやらせたり欠員のままになったり、ひどい運営をしながら、さらに収益をあげるためにおしりをひっぱたく政策が行なわれている。そのために、手のかかる患者は入院を拒否されている例がある。私そこを明らかにしてほしいと言われれば資料にございます。そういうことをするようになるんですよ、こういう借金をなくしていくために。それを心配いたします。結局低医療政策でこういう一番しわ寄せを受けるのはそこで働く労働者であり、さらに国民全般の上に返ってくるわけです。それで、私は、このばく大な借金、これをなくすことに——いよいよ昭和五十年ごろからは十三、四億円くらいになるのじゃないですか。それをはっきり一般会計から出る、診療報酬を上げることによってなくすということになると、病院が新しくできれば差額徴収するでしょう、もうからないものは入れなくなるでしょう、手のかかるものは入れなくなるでしょう、現に。そうしたら、一体何のために、国立病院はりっぱなものでございます、ほかでできないものをやるのでございます——見本をつくってもらわなくたっていい。私たちば国民の健康を守るセンターであってほしい。これに対して私の考えが間違っているでしょうか。現にあるのですよ。手のかかるものは入院拒否をされているのです。そういうところが比較的収益をあげているのですよ。ここで読み上げましょうか。そういうことになる。ことにいまはベッドがふえるよりも患者さん——外来とか検査とか、あるいはレントゲンとか、ここに働く人たちが何倍もの労働を強要されている、人員はふえない、こういうふうなところで職員が働いておるということは御承知なんでございましょうか。これらの人に対する入れものはりっぱになったけれども患者の福祉、働くものの福祉、こういうものについてはどのようなお考えを持っておいでになるか、伺わしてほしい。
  45. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) 国立病院が特別会計で、かせげかせげというふうな指導をしている、また、借金を返すために過当な診療活動をやるのではないかという御意見でございますが、確かに、特に国立療養所等で重症患者が断わられるというような例は私どもも聞いております。その実情をよく調べますと、それはよくかせぐために軽い患者を入れるというような趣旨ではなくて、病院にはそれぞれ看護単位がございます。病院が、たとえば五百床でありますと、十二とか十三の看護単位にそれぞれ分かれております。そうして重症病棟なら重症病棟というものの三十ベッドについて四十四人なら四十四人という看護婦の定数があるわけでありまして、病院全体として見た場合には何か余裕がありそうに見えますけれども現実に割り当てられた看護単位におきましてはもう手一ぱい、これ以上入れれば看護婦の労働過重になって、看護婦がたえ切れないという事態もございます。そういうようなことで、全体から見ました場合に、いかにも重症患者を引き受けないということが非常に特異に響くのでありますが、個々のケース、現場に現に入れようとしたその病棟の職員の状態というようなことから考えて、やむを得ない場合もあろうかと思っております。もちろんこれは全般的な問題ではございませんので、当然国立病院としては、そのような診療拒否というようなことのないように努力しなければならぬことは当然でございます。それから、職員につきましても、非常に全般的に検査、エックス線その他労務過重になっているという御意見でございますが、私ども現実の作業量を検討いたしながら、できるだけこの労働が片寄らないように、また、過重したものは解消するようにという努力をいたしておりまして、御承知のように、政府全体といたしましては職員の欠員不補充等のかなり強い方法をもちまして職員の数の抑制をはかっておりますが、国立病院におきましては本年度も純増二百九十九というように、ほかの官庁その他の施設に比べまして、非常にわれわれ関係者が見まして、国立病院は非常によかったと思われる程度職員増もはかっておるわけであります。
  46. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 私は聞いていまして、大臣に聞いてもらいたいのだが、どうもちょっと疑問に思ってきたのは、国立病院というものは将来発展さしていこうとしておられるのか縮小していこうとしておられるのか、そこらあたりがちょっとわからない。たとえば負債がいま聞いていると百四十億とかある。私が聞いているのは二百何ぼもあるというようなお話を聞いているのですが、いま医務局長の言われたのが事実としたら百四十億、ことしを含めて。それじゃ国立で国民の保健を守り、疾病をなおすという、この目的国立病院というものが、むしろあなた言われたように、その基幹、センター、健康保険の総合病院がセンター的役割りを持って、地域の基幹的役割りを持っているとおっしゃりながら、そうして、また、国立病院たる本来の姿を実現するんだ、それでいて膨大な借金をして、何を、どの分を借金でおやりになるのか知らぬけれども、そこらの説明が非常にあいまいである。で、だんだんと整備をするんだといって、よい病院を建てるのだといいながら、地域住民の立場になってみたらどうなんだという問題が割り切れていない。できるだけその行政地域医療センター的役割りを果たす、国立病院がそういう任務を持っているのを、整備だという理由でどこかに片寄せていく。それはいろいろ理由があるように聞きました。がんセンターだとか交通事故の緊急処置なんというようなものは、むしろ地域にそういう役割りをたくさんつくらなければ、秒を争うほど被害者には問題があると思う。たった四キロだということで、四キロは自動車で行ったらどれだけかかるか、そのために生命の問題にも関係してくるという問題も出てくると私は思う。本来、国立病院が独立採算制だ、いや、独立採算制ではないんだ、こういうお話がありますが、いずれにしたって特別会計なんですね。それじゃ特別会計の国立病院がどういう運営をしているか、そういう問題についてここへ収支も決算表もお出しになったことがないですね。個々の問題として提起するのに、国立病院全体の要するに経営状態がどうなっているのか、一般会計がどれだけ補給し、それから外来その他の独算制につながるような業務というものはどうなっているのか、やむを得ない、これは負債に片寄せをやって、将来国家的な規模の中で処理していくというお話をされるのだけれども、十分にその説明がされない。だから、まず第一に、国立病院全体の会計一切をここへお出しになったらどうなんでしょうか。お出しになって、これで十分にセンターの役割りを果たす、医療センターの役割りを果たすということで、こういう役割りを持っているのだから、あなた税金だとおっしゃったけれども、国がこれだけの役割りをそのセンターの病院に果たさしているということを名実ともにお示しになったらどうなんですか。そうでなくて、地域の人が緊急な病気その他について、ぜひ置いてくれとおっしゃっているのに、いやいや整備計画なんだからといってかってに——まあかってというのは、あなたのほうのさっきのことばからいえば言い過ぎになるかもわかりませんけれども住民の感情からすれば、四キロも五キロも離れたところにその病院がなくなっていってしまうということになれば、住民の不便というものはこの上ないことだ私はと思う。それにとってかわってどうするのだということが私は問題になってくるのじゃないか。それから、沼津にセンター病院をお建てになって、五百床だとおっしゃるけれども、そこのところあたりがそんなぐあいに住民の皆さんに説明できるんでしょうか。だから、私は、最初の疑問として、国立病院というものは将来どう維持していくか、できるだけそれを減らしていくのか。あなたは基幹病院、センター病院医療制度というものを地域的に、ブロック的につくっていくのが本来の役割りだとおっしゃるけれども、それで役割りが果たせるんだろうかと、そういう疑問を私はいま聞きながら感ずるわけです。本来住民主権の国家で、住民の保健、疾病をなおしていく、これは本来国があげてやることでしょう、皆保険下においてですね。聞いていると、診療収入でそれでは全部独算制でまかなうんだという延長が負債ということになって、いや、そうじゃないんだ、独算制じゃないんだ、一般会計からみてるんだ、そうおっしゃるなら、国立病院全体の具体的経営内容というものを私は見ない限りはそれ以上議論が吐けない。しかし、何かそこのところがあいまいじゃないか。それを出して見てもらいます、説明しますともおっしゃらないですね。そうなると、住民の立場に立てばちょっと困るんじゃないか。いい病院が建つか知らぬけれども、そんな遠いところまで緊急や重病や、時間の秒を争うような病人の処置をどうしてくれるということになってきたときにどうお答えになるんです。四キロだから自動車で二十分とおっしゃるけれども、交通のふくそうしている今日、二十分で行けるのかどうか、そこらの問題も十分にお考えにならなきゃいかぬのじゃないですか。だから、こういう問題が各所で起こってきて、その個々のケースを取り上げて廃止とか整理とか合理化とかいうことだけで、私は、国民保健の観点からいったら、簡単に処理できないんじゃないですか。ただ計画で、こっちは一緒にしたり、こっちは廃止したりするんだということで国民保健上の問題として処理できるんですか。だから、私は、医療制度というものの中に国立病院国立による医療診療という、国民保健という問題はどういう構想でおやりになっていこうとしているのか、大臣の意見も聞いておきたい。そこのところが根元じゃないか。それが十分に説明されて、運営でその地域人口の疾病率や、その他人口の立地条件や、その中によってかくかくの条件だから、住民の皆さんひとつこの程度でどうやということで説得されない限り、なかなか住民の皆さん説得ができないんじゃないですか。説得ができないで、言うこときかぬから、とにかくこっちは整備だから、皆さんの意見は皆さんの意見だけど、こっちはかってにやるんだということではどうにもならぬことになってくるんじゃないですか。そこらあたりの意見をちょっと聞かしてもらいたい。
  47. 坊秀男

    国務大臣坊秀男君) 将来この国立病院を縮小するんじゃないかということでございますが、厚生省といたしましては、これを縮小するなどという気持ちは毛頭持っておりません。そこで、国立病院につきましては、先ほど来、医務局長からだんだんとお答え申し上げたのでございますが、何にいたしましても、国民の病気の治療ということは大事なことでございまして、その大事なことをやっていく上におきまして、こういったような場合には、これは民間の治療機関、医療機関よりも、国の直接の医療機関によってやっていくのが適当である、これは民間にまかしておけないといったような部門につきまして、これを国立病院でやらせる。むろんそれだけではございませんけれども、そういったようなところに国立病院のウエートが置かれているのだと私は理解いたしておりますが、さような意味におきまして、いま両先生仰せられましたとおり、この国立病院というものは、非常に各地に分散してあればあるほど、そこいらの住民の方々にはこれは非常に便利であろう、かように思います。思いますが、これは両方からの考えもここでひとつ考えてみなければならない。十分先生方おわかりのことと思いますけれども住民の便利のためにできるだけ方々へ置くということと、もう一つは、この国立病院というものの先ほど申し上げました重要なる使命、重要なる仕事をやっていくといった上におきましては、これはどうしてもその国立病院というものの内容というものを整備、強化していかなければならない、さような両方の観点が私はあろうと思います。そこで分散しまして、住民に便利であるという見方、確かにそうでございます。そういったような方針でいくことと、これを大きな規模にいたしまして高度化して、そして病院内容を充実していかなければならない、こういったような両方の見方からいきますと、ここに一つの調和と申しまするか、そういうような考え方が必要であろうと私は思います。さような意味におきまして国立病院統合整備ということが今日まで行なわれてきたのであろうと思いますが、今後もそういった、一々私はもう統合一本やりでもってこれを統合していこう、どこを廃止してどこに統合しよう、その一本やりも私は行き過ぎだと思います。必要なところにはやはりその病院を嗣いでおくということも必要でございますけれども、ある意味におきましては、一部の病院はこれを整理して、一つのところへ統合していくということも私は二つの要請の調和であろうと思います。さようなことで今日までやってまいったのでございますが、いまの御指摘になりました、一体その特別会計はどうしているのだ、これについての内容について一向にどうもこの委員会等でも明らかにしないじゃないかというおしかりでございますけれども国立病院の会計は特別会計になっておりまして、そしてこれは予算でも御審議を願っておりますし、それから、決算でもお見通しをしていただいているわけでございますが、なお、詳細にこれについての計算、あるいは何と申しますか、会計状況といったようなものを提示しろ、こういうことでございますならば、これは資料としてここへ御提出申し上げることには決してやぶさかではございません。いつでも、多少準備の用意も要りますけれども、御提出を申す用意はございます。
  48. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 あなたのおっしゃる調和だと、調和ということばは便利なことばで、政府がやったことは調和の頂点だ、こうおっしゃるかわかりませんけれども、単に統合だけが目的じゃない。しぼってくると、住民の福祉にどう関係していくかということが政治をやるものの中心になってくるものじゃないですか。そうでしょう。私は、何も国立病院が一切の医療をあずかっているわけじゃない、それにかわる民間のりっぱな医療もちゃんとあるわけですから、どういうぐあいにそれじゃ計画的に変えていくのかという説明もなされなければなりませんし、それから、また、いまのように、国立病院の採算上、私はここで二百億近い借金があると聞かされて、どうも合点がいかぬと申しますか、なかなかそうですが、そういうことですかといって済ますわけにはいかぬと思うのです。国立として、一般会計、国の税金だとおっしゃるけれども、より効率的にそれを使うのが任務でもありまするし、そういう病院行政が、それじゃ収入によって借金をぼちぼち埋めていくのだ、利子だけはという話が出てくる。そうしたら、残った本体は独立採算制でいく、私立の病院と競争をして、それじゃそこで問題をまた提起するということになると、一般病院との関係の問題が起きるでしょうし、だから、そこらあたりをもう少し具体的に住民の皆さん方の意向を取り入れて最後の決断を下していくということにならなければ問題は起きますよ。大多数の人が賛成をしているのだと言ったところで、病院の内部の問題、こうおっしゃっているのだと思うけれども、そうじゃないでしょう。そこに居住されている住民の皆さん方の感情とかお願いとか、してもらいたいということと関連して、そういう大臣の言われる調和というのが結論が出るのじゃないですか、それから以後に。机の上でこれをやったから、病院院長従業員が話し合ったからこれは調和だと言われないのじゃないですか。それが行政じゃないですか。藤原先生のさっきの話を聞いて、そこらあたりどうなっているのか。抽象的な、いや、独算制じゃない、いや、一般会計から出しているのだ、本来の使命を達成するのだと、そういうことばを並べて言われるけれども、それじゃ私は納得できるかというと、納得できませんね。こういう状態で住民の皆さん方が納得できる条件というものは生まれてこないのじゃないかと私は思う。だから、そこらあたりは、やはり地域の皆さん、病院に働いておいでの皆さんばかりじゃなしに、地域の皆さんのやはり願望と申しましょうか、お願いと申しましょうか、こうしてもらいたいという要求と申しましょうか、そういうものが私は十分に行政の上に反映しなければ意味がないのじゃないか。  もう一つ話が出てきますけれども、看護婦が足らぬから、医療従業員が足らぬからそれで病床を閉鎖しているのだという病院がたくさん今日出ている。全体的な議論は私はいたしませんけれども、これは大橋さんが議論したことだから、十分な決意を持っておられると私は思う。四万も看護婦さんが足らぬ足らぬということだけはおっしゃるけれども、それに対してどう措置するかということについてはいまだに具体的に出てこない。これは病院の経営、運営、診療には差しつかえる問題がある、これも一つの大きなウエートだと私は思う。そういう問題もやはり基本的には考えながら、総合的に医療対策を住民主権、主権者国民の皆さん方をもっと大事にして医療行政というものを私はやらなければいかぬじゃないかという気がする。そのわれわれにも納得できるような、住民の皆さん方にも納得のできた上で大臣の言われる調和というものを見つけていく、それを外に置いておいて、内部だけの調和では話にならないじゃないか、こういう気がしますから、ひとつ関連ですけれども、一言私は申し上げておきます。
  49. 坊秀男

    国務大臣坊秀男君) 全く御意見のとおりです。医療機関、特に国立病院というものは、何もこれは政府のためにあるものではなくて、国民のためのものである、国民の治療のために最もこれが効率的に働かなければならないし、また、働くように政府といたしましてはそういう構想でもってつくっていかなければならないものだと、これは御意見のとおりでございます。そこで、そういうためにはどうすればいいか、こういうことでございまして、そのためには方々に分散していることのほうがいい場合ももちろんございましょう。ございましょうが、たとえば病人さんができた。そこでその方々にこれがあるという場合には、その病院にはこれはいろいろな制約、制限等もございまして、近代化された高度な器械、そういったようなものの設備も、これは比較的の問題でございますけれども、十分にはできないというようなこともある。そうすると、患者さんに対しましてそのために御不便を与える、もうちょっといい施設があれば、もうちょっといい器械があればというようなことで、患者さんに非常に不満、不便を与える、こういう一つのマイナスの面が比較的の問題でございますが、絶対にそういうことはあっちゃいけない。そういうことであるならば、ひとつこの病院統合いたしまして、よりよき器械、よりよき施設といったようなものを、これをつくるということが一つのプラスの面でございます。ただ、しかし、そういうようなことをすることによって、いままで近いところに病院があった人たちに対しましては、たとえ自動車で、それは十分間でも二十分間でも時間が余分にかかるということは、これはマイナスの面でございましょうけれども、まあ厚生省といたしましては、この整理統合ということは、国民の皆さんに悪かれかしというとこれは考えていることではございません。どうしてもそういったようなことで、自動車の便が少し時間がかかってそこにマイナスがあろうけれども統合される病院によって治療をしていただいたほうが、これはよくなる比率なり程度なりが非常に増進される、こういうようなことも考えられまして、そこで、まあいまの統合計画というものをやっておるわけでございますが、そこいらのところをよく御理解をいただきまして、国会の有力なる先生方の何とか御理解をいただいて、これば決して国民に悪かれかしなんということでは全然ございません。治療は国民のものである、その国民に対してできるだけ便利に効果的に病院の作用を発揮してもらう、こういうつもりでやっておるということもひとつ御理解を願いたい、こういうわけでございます。
  50. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 それはね、またあなた押しつけになったじゃないですか。理解を得て住民の皆さん方が、あなたの調和というものの残っている問題は住民の意見、そうでしょう、住民の意思がどうあるかということが大切でしょう。厚生行政、医療制度をやっていくのには、その皆さん方の意見を十分聞いて、十分理解をしてもらって、それで調和をこしらえたのならいいが、そこのところはつんぼさじきに置いておいて、それで厚生省でこう考えたから御理解くださいでは、ちょっと話が通らぬじゃないですか。だから、そういういろいろと地域的に問題を起こしていることなら、市議会というのは全員を代表している機関でしょう、市民を代表している機関でしょう、なぜそういうところと折衝されないか、また、住民の皆さんと十分に話し合って結論をお出しにならないのか。肝心なところが欠けているじゃないですか。結果的にいまのような統合することになったというなら、その地域の皆さんが理解をして、そうしてまあそういたしましょうという、むしろ住民主権の最低の政治をやる条件じゃないですか。その条件を満たさずして御理解を願いたいと言ってみたところで、われわれはなかなか御理解いたしましょうなどとは言えぬじゃないですか。そこのところを言っているのですよ。前段があったとしても、あなたのお話をそのまま進めていったら、最後は調和だとおっしゃるから、そのまま進めていったら、残るのは住民の意見じゃないか、意思じゃないか。住民の皆さんが御納得なさるなら円満にいくわけです。そこのところをつんぼさじきに置いておいて、厚生省がかってに考えたことを、それを御理解くださいと言ったって、私はやめようと思ったけれども、そういう最後のところでちょっとやめられない。そこを言っているのですよ。大臣、あなたは政治家ですよ、ですから、大臣から。
  51. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) 資料の……。実は、いま大臣の調和論から議論が発展しておりますが、その調和ということの中に、先ほどから話の出ました特殊高度医療の確保という問題と、一般国民の医療の確保の調和という問題がございますが、いま役所に問い合わせておりましたところ、資料がまいりましたが、静岡県は確かに病床が不足でございます。そして、全国一般病床、これは精神病床、結核病床を省きまして、一般病床だけで見ますと、全国平均が十五万対四八でございます。静岡県全体は三九・九でございます。それから、沼津地区は三九・五、静岡県平均よりちょっと低く、三島地区は七〇・五ございます。したがって、全国平均の四八のほとんど五割増し近い一般ベッド三島地区にはあるわけでございます。そういう意味で、一般医療というものと特殊高度医療というものの調和をはかる場合に、三島地区においては、少なくとも一般ベッドの確保という点においては、現在すでにそれ以上に確保されているということを事実だと申し上げるのでございます。
  52. 坊秀男

    国務大臣坊秀男君) いま非常に三島地区反対の御意見がある、その反対があるのにおかしいじゃないか、こういうことでございますが、私は、かりに三島病院沼津病院とを合併統合して東静病院という病院ができたということになりますと、大体その地方の人が沼津にできた東静病院で治療を受けるということになろうと思います。一つのサークルと申しますか、その病院で治療を受ける地域的な範囲が私はできようと思うのです。そういった人たち反対だということになるかならぬかは、これは私はアンケートをとったわけでも何でもございませんから、はっきりしたことをここで数字をあげて述べろとおっしゃられましても、私は申し上げるわけにはまいりませんけれども、その用意はございませんけれども、とにかく一つ病院でも施設なりでも、どこかへ整理統合するといわれる場合には、必ずこれは学校の整理統合でも同じことでございますが、必ずしもその当該の統合されるところの方々は賛成されない。されないのでございますけれども、それを統合して、より高度なスケールの大きいものになってまいりますと、結局においてその地区の方方も、この場合は私は見通すわけにもまいりませんが、今日までのいろいろなこういったケースにおきましては、喜んでいただけるといった場合が非常に多い。そういうことであるがゆえに、いろいろの整理統合、国民のためにいろいろな施設整理統合されて、より高度なものにつくられていくということが行なわれるのではなかろうか、かように私は考えておりまするので、どうかひとつ、たいへんおしかりでございますけれども、御理解をお願い申し上げたい、こういうわけであります。
  53. 藤原道子

    藤原道子君 大臣はおしかりとおっしゃるけれども、しかっているのじゃないのですよ、国民の立場に立って考えてくれと言っている。あなた方のやり方は切り捨てごめんなんですよ。役所できまったのだから、なんじ人民はものを申すな、こういうやり方じゃありませんか。そこに問題があると申し上げている。それで、三島にはなるほど平均以上のベッドがあるとおっしゃいましたけれども三島病院利用している人は、遠くは富士吉田市のほうから来ている、天城山の奥のほうから来ている、御殿場のほうから、むろん松崎あたりからまで三島に来て、地域住民は非常に信頼しているんですよ。働いている人もよく働いているし、非常に信頼の厚い三島病院、しかも、先ほど来のお話から伺っても、市会は満場一致で三回も反対決議をしている。これに対しての話し合いというものはなさいましたのですか。市会が何ぼやろうとも、それはそっちのかってだと、国の方針でやっていくのだという態度で押し切っておいでになる。将来何らトラブルは起きないのでしょうか、この点を一点お伺いしたい。と同時に、さっき看護婦が足りないから手のかかる病人は断わる場合がある、これは聞き捨てならぬのです。病院はできたけれども、看護婦が足りないで開業できないところもありますよ。これはきょうに始まったことじゃない。あきるくらい本委員会で問題になっている。入れものがあるから病院が運営できるんじゃなくて、そこに働くお医者さん、看護婦、あるいは各種検査技師その他の人員が充足されてこそ、そこにりっぱに医療が行なわれる。ところが、その後看護婦の養成のあり方を見ても、何ら見るべきものはないと思いますよ、私は。高等看護学校ですか、というようなものが発足して、ことし初めて卒業生が出まして、その後うんとふえておりますけれども、ことし卒業して出たのは神奈川が一つだ。全部短期大学にいきましたよ。一人もいわゆる准看になった人はいないんです。それで一体看護婦の充足はどうしておやりになるのか。やることが本末転倒じゃありませんか。看護婦が足りないために手のかかる病人は断わられることもあり得る、あり得ちゃ困るんですよ、こっちは。それから、ここに統計がありますけれども、ずいぶん仕事量はふえているんです。よく私は医療従事者はがまんしてやっていると思う。仕事量のふえている統計がここに出ておりますけれども、三十年には入院が二千三百で、三十九年が二千五百ですから、これはあまりふえてない、外来もあまりふえておりません、八千ばかりふえているだけ。これは国立病院の統計です。手術の件数は三千ふえているんですね。分娩のケースに至りましては三倍になっております。検査件数は、三十年は三千二百二十一件ですけれども、三十九年は一万二百八十四件というふうになっております。これだけふえている。ところが、あなたは先ほど、今度は何人ふやしたと言ったら、定員もほかの省に比べれば格段にふやしましたと、もとが低過ぎるんですよ。現実に仕事がふえているんですよ。仕事に見合う増員というものはなされておりませんね。ことに、そこに働く医者が足りない、看護婦が足りない、これで入院を規制するようなことをしておいて、それで国立病院使命を果たしていると言えるんでしょうか、これが一つ。それから、いま一つ伺いたいと思いますのは、これはほとんど売り食いなんですね。借金がどんどんできる上に、静岡県だけでもここにずらっと計画が出ておりますが、三島なんかは今度土地を全部売り払うのでしょう。来年度から売る方針だと出ておりますね、これば幾らに見ているんですか。結局三島病院敷地が八千八百坪あるけれども、これを相当な値段で売却する。沼津病院静岡病院、熱海、浜松、湊と、売却予定が出ておりますけれども、売り食いをして、それで借金をして整備しようと、私は、三島はこれからどんどん発展するということがわかっているんですから、これは政府計画じゃないですか、現実人口はどんどんふえているんです。それなら、三島の土地を売ってつくるならば、あそこをもっと整備拡充したっていいと思う。三鳥は三島で、やろうと思えばできる。けれども、借金がふえるしするから、統合しろ統合しろということでこういう方針が出たんだろうと思う。距離的な考え方だけで統合するということは、私どもどうしても納得がいかない。土地を売ってやるならばあそこの整備計画はできるはずだ、ばかでもちょんでもできますよ、土地を売ってやるなら。あるいは今度は患者から、健康保険も上がる、さらに、また、診察は不便になる、その上、手のかかるものは入れない、これじゃ国立病院使命が那辺にあるかと疑わざるを得ないんです。したがって、私は、今後の拡充の方法医療の充実の方法、看護婦問題は今度あらためて伺う予定になっておりますけれども、看護婦が足りないから断わることもあり得る、これは聞き捨てにならない。と同時に、人手がないということの理由と、いま一つは、収益をあげなければ本庁からひっぱたかれるので、収益をあげるには手のかからない、そうしてベッド回転率のいい人を入れていこうと、こういう方針ももうあらわれているのですよ。しかも、整理統合してりっぱなものを建ててくれるといったって、熱海なんかどうですか、一部でございますと言うかもわからないが、一日入院して九千円でしょう。今度高過ぎるから七千円にするという。一日入院するのに九千円も七千円も出す、そういう人のために病院は整理しなきゃならないのでしょうか。このごろ差額を徴収していないところは少ないくらいですよ。今度だって東静病院ができれば、またそんなりっぱな部屋もできるであろうし、何だかんだと差額を取ると思う。住民は踏んだりけったりになると思う。三島統合ということに御了解願いたいと言うけれども、それならば、婦人団体反対しておりますし、市議会は何回も決議をしております。これを十分に納得するだけの資料をもって話し合われて、その上に立って進めるべきであって、いまも、私のところはもう四月一日に決定しております、判この上で決定したから、それを強行するということは将来に問題が残ると思いまして私はお伺いをしている。職員の充足の見通しその他についてもお答えを願いたいと思います。
  54. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) 国立病院診療サービスについて、距離が四キロということで、それは厚生省当局はその程度では診療に差しつかえないと考え、先生のほうでは、それはもう診療というものを無視した重大な措置だという御判断でございます。  国立病院は、本来、高度あるいは特殊な医療を充実するという性格を持っておりますけれども国立病院発生のいきさつから見ますと、現実にはそのような目的意識を持って設立された施設ばかりではございません。現実にあったものを国が引き継いで国立病院にしたという施設が相当ございます。そういう意味では特殊、高度の医療というよりは、むしろ一般民間病院とほぼ同じ程度の、比較的簡易な地域医療に応ずるという性格病院もございます。しかし、そういうものについては国立病院の本来の行き方から考えまして、むしろそういうものは地域の公共団体等にやってもらうのが適当であろうという考えから、御承知のように、地方委譲の法律ができております。にもかかわらず、現実には地方委譲がほとんどこの十年以上行なわれない実情でございます。ということは、地方公共団体もそのような施設を運営することがなかなかむずかしい、したがって、現実目的とは必ずしも沿わなくても、地域医療の確保という意味から、本来なれば市町村、あるいは県が運営しても適当と思われるような病院でも、現実には国立病院として存続いたしております。これについては現実の需要というものを考えて、そう無理やりに国立をやめるというような意思は現在のところ持っておりません。しかし、三島沼津というような場合になりますと、距離も非常に至近でございますし、これを統合整備することによって非常に大きなメリットが出てくるというところに着目して、一部のマイナスは切り捨てていくという形でこの統合を行なったわけでございます。  職員の問題につきましても、確かに全般的に職員不足でございます。特に看護婦については、もうここ数年来やかましく論ぜられていることでございますので、あえて繰り返す必要はないかと思いますが、それでも、近年におきましては、かなり着実にその不足を解消する方向に向かっているということはこの席でも何回か申し上げたところでございまして、一応四十五、六年ごろになりますと、現状に比べまして、かなり緩和された状態になるということは予想されるところであります。また、その他の、たとえば検査の増加というような問題で仕事が非常にふえているではないかということはごもっともでございまして、こういう明らかに計算できるような分野につきましてはできるだけ人を伸ばしているわけでございまして、特に衛生検査技師の数の伸びというものは、他の職務に比べて格段のスピードで伸びているわけでございます。また、一面、検査技術を機械化するというようなことによりまして職員の手を省くという方向にも努力をいたしておるわけであります。  第三点の、売り食いをしているではないか、これは確かでございまして、国立病院というものも、昔は平家建てであったり木造でございましたために、かなり広い敷地に広く分散しておりました。これが運営上きわめてロスが多いものであるということは、これは事実でございますので、できるだけ集約ないし高層化して能率をあげる。したがって、その高層化に伴って土地に相当余分が出る、そういう土地はできるだけ有効に使いたいということから、土地を相当処分してまいりました。熱海でもそうでございますし、三島の場合も当然処分してまいるつもりでございます。そういう土地の処分ということも、実はこの整備計画資金計画の中に考えておりまして、毎年大体どの程度の土地を処分してどの程度資金を確保するというのを予算に計上いたして、計画的にやっているわけでございます。そのために、現在は、整備計画資金も、借り入れ金によるものと一般会計負担によるものと土地処分によるものと、それぞれ分けまして、調整をとりながら資金の確保をはかっているわけであります。この土地を処分することが経営そのものに支障するというようなことはないつもりでございます。  なお、最後に差額徴収の問題が出ましたが、差額徴収をやっておりますベットは、近代化し、合理化してまいりました施設については若干ながら全部つけております。といいますのは、やはり地域社会において相当信用を得てまいりますと、その地域におけるいろいろな立場の社会的地位の高い人もこれを利用しようといたします。そういたしますと、現在の状況では、その地域のかなりの地位を持った方たちが入院してまいりますと、その地域にあるそういう社会生活が、ある程度病院の中に持ち込まれてまいらざるを得ないわけでありまして、そうなりますと、一般ベッドに一緒にしておくということが事実上非常に不便を感じ、また、地域の方々の要望にも沿わない。そういう意味で、ごく少数、できるだけ少ない範囲でそのような要望にもこたえ、国立病院は国民のあらゆる階層に対してサービスをするというたてまえでこれをやっているわけでございまして、この国立病院の差額ベッドはきわめて少なく、全体の六・二%にすぎません。そういう意味で、熱海の場合は、これはきわめてある意味では特殊な目的を持たせましたために、熱海の病院の場合は多少差額ベッドがたくさん用意してございます。しかも、慶応、慈恵等の一般病院でありますと一万数千円というような程度の差額徴収に相当するようなものも六千円程度に押えるというようなことで、できるだけ国立らしいやり方をしたと、こういうふうに考えております。
  55. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 この間ぼくが質問したときは、局長は、たぶん、国立は池田さんも入院させるんだ、それだからして差額徴収たくさんせんならぬという答弁があったんですが、いまもまたそれを繰り返されて言われたようで、これはちょっとがまんならぬので関連させてもらうわけですが、実際国立のほんとうの使命というものはそういうあり方であっていいのかどうか。私は根本的に一ぺん大臣にも腹を聞きたいと思うし、これはたいへんな問題だと思うのですよ。これは国立は国民全体に合わんならぬから、富裕階層に対してもサービスせんならぬという考え方、それは一応は通るかもしれません。けれども、私は、国立でなければならないような診療をもっとすべきじゃないか、根本的に医学の立場に立って、ほんとうに必要な観点からこれはやるべきじゃないかと、私はこの間もそういう質問をしたわけです。私は、この間、星ヶ丘の病院についてもお聞きをしたが、結核に対しても相当高度に治療が進んで、最近では外科的に処理すべき方向に展開されておる。こういう段階で、これをまた民間病院に、先ほどのことと同じことでありますが、土地も売ってしまう。そしてそれはどうかといえば、厚生団であるからリハビリテーションの施設として置いていくのだ。一方でいえば、結核はどんどんふえておって、そのときにお話を聞いても、収容をしなければならない患者はたくさんある、だけれどもベッドを減らしていくということです。三島統合の問題を聞きましても、七十ないし八十ぐらい両病院ベッドを持っておられるわけです。これも話を聞けば、結核療養所にまとめてしまうのだ。そして現在はガンと災害の問題についてやるのだ。私は医者の立場からこの方針を見てみると、ひが目じゃありませんけれども、これは合理化されて、金の浮くような方向に進むわけなんです。たとえばがんセンターといえばガンの検査をする、もちろんこれはぼくも必要だと思うのです。ですけれども、私は、そういうふうなことで非常に利益があがるのだ、もし国立病院にその整備をするということの名のもとに合理化ばかりしていったら、国民のほんとうの医療をささえるところの機関はどこにあるかということになってくると思うのです。特にいまの差額の問題を聞いて、そういう富裕な人をも対象としなければならない、それはわからぬじゃありません。それはもちろんそういうことも考えられますけれども、しかし、ほんとうに医学の立場に立って、重要な病気、いわゆる重症、あるいは非常に手のかかるものに対してむしろそういう個室を与えるということ、そして医学の立場から必要だからして個室を使わせるということを、患者負担でなくしてできるような方向に持っていくことを国がやるべきじゃないのでしょうか。いまの資本主義の国家において病院を経営していくのであるならば、私立の病院でもそういうことはできるわけです。何で国立がそれまでしなければならないか、私はどうしても了解に苦しむわけです。むしろそういうようなことであれば、自由主義の状態においては、個人の病院なり、あるいは、また、それなりのような病院があるわけでありますから、大きな国民の税金を投じて、何か大きな方々に差額を一万円近くもとって、そうしてやるような病院をいまどんどんとつくっていかなければならぬということの必要性は、根本的な考え方に大きな誤りがあるのではなかろうか、こういうふうに思うんです。ですから、私は、その点について、今度の統合にいたしましても、いま申しておられるように、非常に大きないわゆる厚生省国立病院に対する方針、こういうようなものに対しての見解の問題が相当大きく取り上げられなければならぬと思うわけですね。厚生大臣としては、やはりそのような方針でやっていかれるのか、もう少し医学の立場に立って、医学のほんとうに必要なものに対しては、個室は無料で与えていくというような方向へ進むべきではなかろうか、こういうふうに思うわけでありますが、どうでありますか。
  56. 坊秀男

    国務大臣坊秀男君) 病院は、繰り返し申し上げますとおり、主たる目的は病気を治療する、こういう目的でございまして、だから、そういったような目的に沿うような病院の運営というものはやっていかなければならない、これは申すまでもございませんことでございます。そこで、いま問題になっております国立病院の個室と申しますか、これについての差額徴収と申しますか、これが問題になっておるわけでございますが、一般的なお話としては、先ほど来、医務局長からお話し申し上げましたとおり、今日の社会生活上、これを全然なくしてしまうということも、これは私はどうかと思います。ですから、きわめて少数ではございますけれども、個室といったようなものをつくってまいりたいと思いますけれども、ただ、患者さんの病状によりまして、これはどうも一般の大ぜいの共同の部屋ではよろしくない、そういったような場合に、そういうようなケースも、病気でございまするから、これはあろうと思います。患者さん御自身が共同の部屋におるということが非常に耐えられぬということもありましょうし、また、患者さんの病状いかんによりましては、一緒に部屋におるほかの患者さんが非常に迷惑をするといったような場合も私は考えられようと思います。そういった場合における個人の患者さんは個室に移っていただく、そういったような場合には、個室についての差額徴収などというものは今日もしておりません。そういうことで、私は、きわめて少数の個室というものは、これはやはりいまの社会の実情にかんがみまして必要じゃないか、かように考えます。
  57. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 もう一点だけ。私はこの間の星ヶ丘の病院でもそういう御意見を申し上げたのでありますが、国立でなければやれないようなことを多少いまのような理論でもって押しつけていく、私はいまほかのほうに転嫁していく傾向があるように思うわけです。これは非常に私はいけないことだと思います。特にいまおっしゃいます、わずかなら個室を認めてもいい、これは理論的にいうと、なるほどもっとものように聞こえるわけです。ですけれども、何と申しますか、国立病院を独算制につながるような線で利益をあげるための方向に進んでいかれる、あるいは、また、いま国立病院の経営の中を見ておりますと、外来に非常に力を入れて、重症の入院患者がいても、午前中はどこの国立病院へ参りましても入院患者に処置していないというのは、外来患者が多過ぎるからであります。外来患者が何ぼくらいきておるかということが、非常にいつも表の上に大きく取り上げられておると私は聞いておるわけでありますが、これなんかでも、やはりかぜ引きからちょっとの疲れに至るまでの患者をたくさん処理しているわけです。こういうことではいかぬ。私は、国立病院としては、もっと平生の運営の面に指導すべきではないかと思うわけです。こういうようなことがやはり地域のいろいろな問題とからみ合わせていつも考えられていないところに問題が起こってくる。いまの問題では、地域では非常に反対の声があるにもかかわらず、これを統合してしまうこと、あるいは、また、一方では結核なんかについては非常にまだ患者が多くて、ことに大阪方面では患者が多い。こういう状態でありながら、これを厚生団に売り飛ばしてしまう、そうしてそれをリハビリテーションに使わしてしまう、こういうようなことで、根本的な考え方として、もっと国立としての使命をになわなければならないのを、美名というか、いろいろな形の表現によってこれを処理していこうということに私は矛盾があるように感ずるわけです。ですから、私は、その根本的な問題として、差額のベッドについてもそういうことは言えるかもしらぬけれども、少なくとも国立であれば、学問、医学というものに徹して、悪いものだけにはどんどん個室を与えるけれども、その差額も九千円、七千円だというようなおそろしいような金をとるような個室を私は国立がなぜつくらなければならぬとかいうことは疑問に思います。それは国立がやらなくても、もっとやるところがたくさんあるんじゃないかと、私はそういうふうに考える。また、いろいろな統合方針につきましても、私は、むしろ合理化とか、あるいは、また、独算制に通ずる考え方のほうが先行しておるのではないか、こういうふうなひが目でとりたいような状態があると思う。結核においてもしかり、今度のような三島の発展の条件から考えて、もっとそういうものが必要であるという地域の人の考え方も無視していくというやり方、私は、そういう点には、何かいまの厚生省の厚生行政の中に、ことに国立病院の運営の面に私は非常に危惧を感ずるわけでありますが、そういう観点について、ひとつ厚生大臣ももう少し明確なる方向を示して、国立病院であるならば高度の治療の設備に対してはどうするのか、もう少しはっきりしたものを持ってやってもらわないと、非常に私は国立病院の将来の運営というものに対して不信を抱くわけです。その点についてお伺いいたします。
  58. 坊秀男

    国務大臣坊秀男君) 国立病院のいまの三島だけの問題ではございませんけれども、これについての整理統合については、何か独立採算制だから、そこで病院の収入のほうをあげて、そうして経営を楽にしていこう、そこで個室をつくって高い差額徴収をやってと、こういうような御質問でございますけれども、これはもう先ほど来も局長からお話を申し上げましたのでございますけれども、そんなような目的をもってやっておることでは、これは全然ございません。とにかく終戦後引き受けた病院というものは、これは非常に前近代的な、治療機関としてもこれは非常に適当でないといったようなものを、これを近代化、高度化する、いまの社会事情にふさわしい、しかも、患者さんを治療するのに最も便利であり、かつまた、効果をあげることができるといったようなものにこれを切りかえていくということが私どもの基本方針でございまして、これによって病院会計を楽にして、そうしてあたかも民間の——民間のというと語弊があるかもしれませんが、民間の他の企業のようにもうけていこうなんていう気持ちは毛頭ございません。そんならどうするのだということにつきましては、これは器械設備、そういったようなものをよくしていくというようなことでございますが、これはひとつ担当局長からそういったようなことについての御説明をやらせます。
  59. 藤原道子

    藤原道子君 たいへん時間も経過いたしましたので、私は本問題はきょうで終止符を打つわけにいかない。この問題につきましては、厚生省がきめたのだから、どうしてもやるとおっしゃるかもわからないけれども、主権在民の今日、それではどうも筋が通らない。若松医務局長は、私には大多数の人が賛成したとおっしゃる。それはどうなんだといったら、三島病院に働いておる職員の大多数だ、こういうふうに逃げておしまいになる。市民を代表する市議会というものがある。その市議会、あるいは地元医師会婦人団体、こういうところとやはり話し合いして、円満に解決をしてもらいたいということを強く要望いたします。  さらに、土地の売却でございますが、それらについてもどういう方法で売り渡すのか、相手はどういうところを予定しておるのか、これも伺わなければなりません。  それから、さらに、予定だといわれますけれども、青写真ができていないはずはございませんので、どういうやり方でやられるのか。東静病院ですか、もしやられるとすれば、それの青写真をお示し願いたい。入院料も、どうも差額徴収を計画しているように思えてならないのです。  それから、病院性格内容ベッド数職員数、借り入れ金の返済方法診療収入の見込み。  それから交通災害センターの計画の有無、その規模。この交通災害センターには最低八名のお医者さんが必要だというふうに私どもは聞いておりますけれども、それらの医者に対してはどのくらいの増員をすることを見込んでおいでになるか。  それから、看護婦の宿舎、官舎等の整備計画が明らかにされておりませんので、それらも明らかにしていただきたい。  それから、一ベッド当たりの建築単価は幾らで計画をしておいでになるか。これらを、きょうは時間がございませんので、私は資料で出していただきたい。  それから、さっき私も申し上げましたし、さらに詳しく藤田さんからお話がございました借金の現状ですね、これの返済方法、これらについても詳しい資料をちょうだいしたい。  さらに、国立療養所の合理化の問題、あるいは国立病院統合問題がたくさん出ているようでございますが、これらはわれわれ委員の間でも十分検討いたしまして、日をあらためて御質問したいと思います。ただ、強く要望いたしますのは、何としても地域住民の納得がなければ今後にトラブルが起きる。したがいまして、私のところにはこれだけ熱心な住民陳情書もきておるし、さらに市議会では三回にわたって決議がなされておるわけでございますが、これらに対しての話し合い、こういうことを絶対条件と私ば考えております。  きょうは時間もございませんから、以上を私は要望いたしまして、私のきょうの質問は終わりたいと思います。大臣も一時から何か会合があるそうですから。資料はよろしゅうございますか。
  60. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) おことばの資料等につきましては、できるだけ整備をして差し上げたいと思います。
  61. 山本伊三郎

    委員長山本伊三郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時二十分まで休憩いたします。    午後零時三十八分休憩      —————・—————    午後一時二十九分開会
  62. 山本伊三郎

    委員長山本伊三郎君) ただいまより社会労働委員会を開会いたします。  午前に引き続きまして、社会保障制度に関する調査議題とし、質疑を行ないます。御質疑のある方は、順次御発言を願います。
  63. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 大臣がお急ぎのようでございますから、大臣にお伺いしたい点だけをちょっと申し上げたいと思います。  私、きょうはちょっと看護婦の問題についてでありますが、正看護婦と准看護婦というので、制度の状態がそのままに置かれております。私は、いまの高度の医療制度になってまいりまして、医者の確保もさることながら、看護婦とか、あるいは、また、その他のエックス線技師、あるいは衛生検査技師とか、いろいろあるわけでありますが、そういうふうないろいろの制度というものをもう少し制度化をして、そしてその身分の差も非常にあいまいな状態に置かないで、実際に働いている面と、それから身分の保障されている面とが食い違いが非常にある。やることは同じでありながら身分の差があるというようなことは、非常に私はいまの高度化された医療の中では支障を来たしておると思うわけでありますが、こういう方面について大臣のほうではどういうふうなお考え、特に、また、正看護婦と准看護婦については特例法を何か準備をされておられるやに聞いているわけでありますが、そういうような観点から、将来どういうふうにされる御意向であるか、また、どうあるべきと厚生省のほうでは考えておられるか、大臣の御意見をひとつ伺っておきたいと思います。あとからひとつ詳しいことはいろいろと担当局長にお伺いいたすつもりであります。
  64. 坊秀男

    国務大臣坊秀男君) いまの実情におきまして看護婦が非常に足りないということは、これはできるだけすみやかにそういったようなことは解決していかなければならないのでございますが、そういったおりから、いま御指摘のように、看護婦と准看護婦といったようなものがございまして、そしてこれが御指摘のようにまあはっきりとはしておるのでございますけれども、実際の上におきましてなかなか錯綜したデリケートな関係にあるということは私も承知いたしております。そこで、こういったような制度につきましては、何とか制度上も運営上も実際上もはっきりとしたものにして、そしてその看護婦の不足を充足していかなければならないということは痛感いたしておるのでございまして、ただいまそういった制度に、また、どうして看護婦になっていくか、あるいは准看護婦になっていくかといったようなこと等につきまして、何とか合理的に実際的にやっていくべく、鋭意事務当局をして検討をさせておるわけでございますが、まだその結論には達していないような状態でございます。
  65. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 非常に私が大臣に対して伺いたいキーポイントというのは、まあいろいろそれは行政面の上で調査も必要であり、あるいは、また、制度上のものを制定されるのに対していろいろ慎重なことは必要であると思いますが、いま現在看護婦が足りないということが大きな一つのネックになりまして、病床設備があるのにそれを使えないでおる病院もたくさんあります。それから、そのために医療に対しては非常に困っておる。だからして、また、悪いことには、副看護婦と申しますか、看護婦を少し修練をさすことによって、そして看護婦の免状がないのに看護婦として使用するようなこともあるし、あるいは、また、産婆さんがないから、産婆さんのヘルパーとかという形でもって、免状のない人に少し教育をさせてその仕事をさせるいとうふうな形で出てきておるわけであります。これも要求上やむを得ないといえばやむを得ないけれども厚生省の厚生行政の上からいえば、もっとそういう人たちが将来希望を持ち、ほんとうに勉強をして、これほど高度化してきた医療の第一線で働く人たちがもっと身分的にも保障される、そうしたことになっていかなければならない。そうするためには、私はいろいろなそこに難点があると思うのです。それは今後いろいろ逐一質問もしたいし、お考えもただしていきたいと思いますけれども、私は特に大臣に対して伺っておきたい点は、そういうふうなネックになっているいまの時期に、もう少し具体的にそういうことの解消できるような処置を早く講ずるということが早急な問題だと思うわけです。いまのようなままに置いておきますならば、私は、非常な医療というものが危機に瀕すると同時に、また、非常にその間には危険も伴ってくることもあり得るというふうな観点から申しますと、私は、制度化の問題、特に看護婦に対しては、第一線で看病をしておるわけでありますから、こういった方々は正看護婦、准看護婦、あるいは、また、副看護婦という形になっているのでありますけれども、これができるだけ高度の教育を受け、身分も保障されたものになるための措置として、もっといま働いている人も、より勉強するような措置を講ずる、そうして働きながらそういう教養をつけて、そうしてそれだけの十分な能力を身につけるということのできるようなことを相当早急にこれを考えてもらわなければならないわけで、そういうふうな意味において、今後そういう決意のもとに、どういうふうに早く進めるかというような大臣の決意を伺っておきたいと思うわけです。
  66. 坊秀男

    国務大臣坊秀男君) 看護婦が非常に足りなくて、医療の上において支障を来たしておる。そこで、簡単になれる准看護婦だけでいいじゃないかということにしますと、これは比較的すみやかにそれを充足できますが、しかし、これはやっぱり看護ということも、医療一つの部面として、その資質が低下するとかいうことでは、これは医療の上においてまた考えなければならない問題である。ところが、いわゆる准看護婦というようなものがなかなかそれにくぎづけになってしまう、そうして望みを失うといったようなことでは、准看護婦になるということさえちゅうちょされるといったようなことになりますので、この准看護婦が看護婦になるというような道を極力開きまして、そうして資質も落とさずに、しかも、看護婦の人員というものを充足していこう、こういうような考えを持ちまして、そういう線に沿って今日鋭意検討を続けておる。まだ、先ほど申し上げましたとおり、結論が出ておりませんけれども、できるだけすみやかに看護婦が充足していくというような方途を講じてまいりたいと考えております。
  67. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 特にいまは看護婦志望者が非常にたくさんおるにもかかわらず、その成立が不十分だというわけですね。この面ともあわせて、前向きの姿勢でやっていただきたい。またあとからいろいろな質問にあわせましていろいろと意見をただしたいと思います。  それから、もう一つ変わった点で大臣のお考え方を聞いておきたいと思うのですが、二、三日前の新聞にも出ておりましたように、非常に奇病が出ているわけですね。特に茨城県の猿島町ですか、そこには非常にまだ不明な伝染病であろうといわれているような奇病が出ているわけですが、私はこういうものはたくさん各地に出てきていると思う。ところが、いま厚生行政の中でこういうものをどういうふうにとらえてやっておられるのか。特に私の考えでは、こういうようなよくわからんような病気が出る、しかも、その死亡者が出ておる。しかも、その辺の病院一つのセンター的な役割りをしていろいろ狂奔しておる。しかし、厚生省のほうでは適切な処置がなされていない、こういうふうな形であるわけでありますが、私は、ここでこういうふうな病気がもし発生したときには、厚生省に通報すれば、厚生省からすぐ係官がきてこれを調査し、調査のために必要なお金はどういう形で出し、そうしてそれに対しては適切な措置はどこでとれるということがなかったら、非常にやはり国民としてはその病気に対して不安を持つわけでありまして、厚生行政としてはそういう点が最も必要ではないか。ことにそうしたものが発生するに従って、すぐ予算的な処置も、あるいは、また、その研究機関も、いろいろな点がすべて厚生省からいろいろ指示伝達されて、それがうまくやっていかれる。ほかの病気に対して県なら県でそうしたイニシアチブをとって、そこに調査費なり金を打っておられる面も私はほかに聞いておるわけでありますが、こういうようなおとといあたりの新聞を見ておりますと、非常に県では不安がっておるわけであります。住民が非常に不安がっておるわけです。ずっと前にはそういう病気があったけれども、また再発してきたということに対して不安がっているのに対して、またその適切な処置が不十分ではないかと思うのですが、こういう点に対して厚生大臣としてはどういうふうに処置されるか、あるいはどういう展望を持っておられるのか、その点を明らかにしておきたい。
  68. 坊秀男

    国務大臣坊秀男君) 人間の、何と申しますか、生活と申しますか、それが、社会が進むに従いまして、われわれの社会生活というものもきわめて複雑になる。そういうようなことで、人間をむしばむ病気というのも、これはほうっておいたら次から次へと、私は非常に望ましくないことでございますけれども、新しい病気というものが出てくるであろう。厚生省といたしましては、何にいたしましても人間の健康というものを保持し、大きな意味で申しますれば、日本国民の健康を管理するという重大なる使命を持っておるのでございまするから、そういったような、いまだかつてこれを知らなかった、わからなかったといったような奇病と申しますか、そういったようなものが出た際には、私は直ちにこれに対する諸施策、その原因、また、その治療といったようなことに厚生省が努力をしなければならない問題であると思いますが、具体的にいまそういったような場合にどういう措置をやっておるかということにつきましては、これは担当局長から御説明させます。
  69. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 私が言うのは、そういう方針であるといわれておりますけれども、適切な処置をするためには、すぐ電撃的にそういう処置ができるような方策がほしいと思うわけですね。そういう意味ではいろいろ予算の面もあるでありましょうが、やはり研究するのに金も要ります。あるいは、また、人も要ります。そういうようなことに対して即刻そういう手が打てるということが私は一番必要であると思うので、そういうようなことでは、いまの大臣の仰せのように大体私は了解はつきますけれども、なお一そうそういうふうなことには万遺憾のないような処置がとれ、そして、また、しかも、原因がわからないというような病気で、しかも、死んでいくというような状態にある場合には、私は相当の力を入れて、学者も動員すれば、あるいは、また、研究機関も動員するという形で進めなければいかぬと思いますので、そういう点に対しても明確にやる、どういうふうにするということの決意のほどを私は大臣から聞いておいて、あとからこまかしい点は担当局長に対していろいろお伺いしたいと思います。
  70. 坊秀男

    国務大臣坊秀男君) 何にいたしましても、その地方、むろん東京も地方と解しますけれども地方にそういったわけのわからぬ病気が出た、そういったような場合には、これはとにかく一番手を打たなければならないのは、これが伝染性であるかどうかということでございますが、それが伝染性であるというような場合には、これは伝染病予防法に基づきまして、即刻これが広まっていかぬように、そういったようなものは予算もみられておる、こういうようなわけでございまして、手を打ってまいる。ところが、ほんとうにわけがわからぬといったようなものにつきましては、これはやっぱりそれの発生原因、本体は何であるかといったようなことを研究——研究といったって、のんべんだらりの研究じゃ間に合いませんから、即刻それの研究をやりまして、そうして善処していく、こういう決意でございますし、厚生省でもそういったようなことに相なっておる、こういうことでございます。
  71. 小平芳平

    ○小平芳平君 大臣がお急ぎで、大臣に初めに質問しろという時間の御都合のようでありますので、私は、理容師美容師の問題についてお尋ねしたいわけですが、まず、理容師美容師養成施設がある。それから、養成施設、いわゆる学校を出てから実地訓練をやり、試験を受け、免許をとり、そうして登録をする。こういう場合に、臨時行政調査会ですか、そちらのほうから理容師及び美容師、こうしたものを就業制限を緩和する、それから、資格の付与については規制の緩和をする、それから、登録についてはこれを廃止するというような意見が出されておりますが、厚生省当局としてももちろんいろいろ検討なさっていらっしゃることと思いますし、また、業界としても大事な問題としていろいろ検討していらっしゃると思いますけれども、ここでもって意見が出されてからしばらくたちますので、厚生省としてどういうようなお考えか、お尋ねしたい。
  72. 坊秀男

    国務大臣坊秀男君) 行管の調査会からそういったような答申がなされておるということは私ども承知をいたしております。ところで、いまおっしゃられたような理容師美容師といったようなものの仕事でございますが、その仕事が、何にいたしましても、あるいはかみそりを使ったり、それから、いろいろこのごろは電気の熱だとか、そういったようなものを使っておるというように、これは必ずしも全く安全だというわけにもまいらない面もございます。そういったようなところもございまして、これをやっぱりそういった仕事をしていかれる人たちは、ある程度の、考えようによりますれば、非常にわれわれ人間の生活にとりまして大事な仕事をやっておる、そういうような人の適性とか技術、能力といったようなものも、これは全然野放しにして自由にやらすということも、これも考え方によりますれば一つ考慮を要する問題ではないかと、こういうふうな考えもございまして、ただいま調査会の答申もありましたし、両方のそういったような考え方に基づきまして、今日検討をいたしておる段階でございます。
  73. 小平芳平

    ○小平芳平君 ですから、検討はもちろんなさっていらっしゃると思いますが、もう少し具体的に、たとえば養成施設なら養成施設の設定の基準がきめられておりますけれども、この基準がはたして守られているかどうか、これは具体的にあとでいろいろ質問したいわけですが、現状としては守られていない例がたくさんあります。それから、また、実際仕事をやる人は無免許営業の禁止というのがありますが、これも調査会のほうの調査の例が出ておりますが、これは昭和三十五年ごろの例が、あるいは三十七年の例が出ております、実際に調査した結果が。こういう点から見ても、この無免許営業の禁止というのも守られているかというと、案外守られてない。  それから、結局そうした学校は業界のボス的なそういうような存在の者に左右されているんじゃないかというような、実際その学校に通っている者、あるいは通わせてあげる者の身にとってみればそういうふうに疑いたくなるというような現状もありまして、いずれにしても、いまこのままでは、とにかくこれこれの学校へ必ずいかなくちゃならない、そこを必ず何年か通った後に、さあ今度は試験を必ず受けなければその仕事につくことはできない、そういうように法律できまっておるにもかかわらず、その学校、すなわち養成施設そのものが法律どおり行なわれていない。ということは、非常にこの養成から試験から、免許から登録から、実態にそぐわない現状にある人じゃないかということを感ずるのです。したがって、もう少し具体的に、ただ両方考えあわせて検討しているという以上に、もっと具体的に一歩進めていく必要がある段階ではないかと思いますが、いかがですか。
  74. 坊秀男

    国務大臣坊秀男君) まあ理容師美容師等になりますためには、養成施設といったようなものを出まして、そうしてこの養成施設には指定基準といったようなものがあって、それから、また、試験を受けて免許を受けてと、いろんな形式的な、まあ何と申しますか、認定をしてもらわなければならないということに法制上これはなっておる。しかるに、実際問題としてそういったような法制上の規定がありながら、事実は何と申しますか、それを抜けてやっておる者もあるじゃないかと、こういうお話で、そんなことならむずかしいそういったような制約というものを一切のけたらどうかと、こう極端に申すと、そこまでおっしゃっておられるのかどうか私わかりませんが……。
  75. 小平芳平

    ○小平芳平君 そうじゃないです。
  76. 坊秀男

    国務大臣坊秀男君) まあそれは少ししばり過ぎるじゃないかと、こういうような御意見かのように承るのでございますけれども、じゃ今日の事態に、まあその法制上の制約を抜けてしまって、もっとこれを簡単にしたらどうかということも考えられるのでございます。しかし、先ほども申し上げましたとおり、こういったような仕事に従事する人というものは、これは私どもの生活にとってはいわばたいへん大事なことをやらしておるという見方もあるわけでございまして、簡単にするとか、あるいは取っ払うということになりますと、私はそういう制約もあって、むろんそういう制約の中でこれを抜けて通るというものもあることは、私は、それはそういうものはないということは申し上げかねますけれども、いまの事態においては、一体簡単にしたほうがいいか、あったほうがいいか、あって、さりとて、そういう制約をしゃくし定木に、まあ法律がある以上は、法制がある以上は、それに準拠させなくちゃこれならないことでございますから、そこいらの点がありますので、一体実際問題としてこれをどう扱っていこうかということをただいま検討中と申し上げますと御満足がいかないと思いますけれども現実の事態はそういうようないろんな問題もこれがありまして、まあ前向きにですよ、何もこれをのんべんだらりとやっておるわけではございません。どうしたらいいかということを鋭意検討しておる段階でございます。
  77. 小平芳平

    ○小平芳平君 私はそういうめんどうくさいことはみんな取っ払ってしまえと言っておるのではないのでございまして、この調査会のほうは、行政の許可認可の廃止または簡素合理化の要否を検討する際にもというふうに、簡素合理化ということを非常に言っているわけですが、しかし、まあ簡素合理化ができるかどうか、実際問題として。理容、美容ともに大事な仕事なんだから、それももちろん大事な仕事であります。かといって、まあ理容のほうで言えば、散髪、ひげそりというようなことはだれでもやっていることでありますし、また、美容のほうは薬品を使うからということもいわれますが、この薬品も、まあそれは美容師も薬品のそういう知識、技術がなくてはならないと思いますけれども、一体その薬品が、もし毒になる薬品なら、それを市場に出ることをまず防がなくてはならないということにもなろうと思いますし、いずれにしても、私として何でもかんでもやめてしまえというのではなくて、たとえばどうしても養成施設へ通わなければならないというならば、その養成施設厚生省として設定の基準どおりちゃんと監督しているかどうかということが一つなんです。これは当然基準どおりいかなければそういう施設はやめさせなくてはいけない。どうしてもここへ入って二年間なら二年間通わなければいけないといって法律できめておきながら、その学校がルーズに経営されていたんじゃ困るわけで、ですから、それがルーズであるかどうかも具体的に質問し、またはやっていけばもっとはっきりしてくるんですけれども、結論ばかり申し上げるものですから、ちょっとたいへんに大臣に失礼ですけれども、そういう養成施設がルーズな運営では困るということ。それが二年間必ずいくという、現行どおりいく場合は、それをはっきり厚生省としてやっていかなければならないじゃないか。設定基準どおりの運営をさせなければいけないじゃないか。それから、また、免許の試験にしましても、試験は、むしろ学校へ二年通えばそれで資格を与えるというのも一つの行き方だと思うのですよ。しかし、いまの場合は学校へも必ずいかなくてはならんし、試験も必ず受けなくちゃならない。両方とも程度の低い教育であり、程度の低い試験だというような声もあるわけなんですね。ですから、むしろ私として、学校も試験もいますぐ両方ともやめろというわけではないですけれども、実際問題は、昔の徒弟制度みたいなものではもちろんだめですけれども、実際は店で働きながら実地にいろいろな技術を習得しているわけです。ところが、実際この法律の運用の上からいけば、実際に働いてそこでお店で技術を習得しているという実態などは全く考慮されてないような、とってから実地修練を一年経たものでなければならないということがありますけれども、それ以前の段階からしてが、もう実際にお店でいろいろ技術を習得しているという現実の状態ですね。そういうようなことを頭の中に入れて検討をし、やはり調査会のいっているような制限の緩和、規制の緩和なり、あるいは登録の廃止なんというものを検討すべきじゃないかということをお尋ねしておるわけです。
  78. 坊秀男

    国務大臣坊秀男君) 将来これらの制度を改正するということでそういった改正制度がしかれれば、これは別の問題でございますけれども、現在ちゃんと養成施設指定基準等があって、まあ厚生省といたしましては、その指定基準をよく守るように指導はいたしておりますけれども、そこがルーズに行なわれておるというようなことは、いまの制度を前提といたしましていまでございまするが、これは厚生省といたしましてもできるだけ私は取り締まっていかなければならないと、そういうようなことがルーズに行なわれておるということになると、実際問題として、これまた、そこを出たからというて試験をせにゃならぬといったような、これ何か堂々めぐりみたいなことに相なるように感ずるのでございますが、私はできるだけこういったようなことについては、何と申しますか、合理的に、いまのところは制度についてはこれは検討中でございまして、どういうことに持っていくか、ここで私は申し上げるわけにはいきませんけれども、それを習得するほうも合理的に習得できるように、また、一般理容師美容師にかかる人間も安心してやってもらえるといったような制度、しかも、その制度が非常に複雑なものよりも簡素であるほうがいい、簡素でそういったような実をあげるというようなものに持っていくべく今日検討を続けておると、こういう次第でございます。
  79. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 じゃちょっと看護婦の問題について質問させていただきたいと思います。  私は、またほかの委員からもそうでありますが、いままで非常にこの委員会におきまして看護婦の問題を取り上げていろいろと論議をしてまいったのでありますが、また今度は健康保険法の一部改正も出てきておるようでありますし、この制度上の問題の中で、私は、この医療従事者と申しますか、この問題がたいへんな重要なものであると、こういうふうに思うわけでございます。医者、薬剤師、エックス線技師、あるいは、また、看護婦、助産婦、保健婦、あるいは衛生検査技師、あるいは、また、その他いろいろ医療に従事するところの人たち、私はいろいろなこういうような身分の人たちについて、一つ一つに対して相当深く論議をしていきたいと、こういうふうに思っているわけでありますけれども、きょうはそこの中で看護婦の問題、それについての一、二の点をお聞きして、なお一そうこの看護婦の問題に対しましてはいろいろと、きょうだけでは議論が尽きませんと思いますけれども、その一、二の問題についてお尋ねをしておきたい、こう思うわけでありますが、第一の問題としては、正看護婦と准看護婦との問題でありますが、これを一本化していくという考え方があるわけですが、これについて厚生省のほうではどういうふうに考えておられるか、これの具体的な説明をお聞きしたい。
  80. 田川誠一

    政府委員(田川誠一君) 正看護婦と准看護婦との一本化の問題につきましては、従来からいろいろな意見が出されておりますが、最近看護婦の需給が逼迫しておりますので、これを統合したらどうかというような意見も私ども聞いております。しかし、この看護婦制度全般につきましてはそれぞれ微妙な意見もございまして、各方面の意見を聞きながら慎重に検討をしておるような現状でございまして、これをいますぐ一本化するということもなかなか困難な問題ではないか。しかし、いま大橋委員からいわれましたように、いろいろとそういうような意見もございますので、各方面の意見を検討しているというのが現状でございます。
  81. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 厚生省の中では、一本化するために何か特例法を考えておられるというような話を聞くのですけれども、それは具体的にどんな提案であって、どういう方向でこれをしていこうとしていられるのですか、詳しく説明してください。
  82. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) 特例法を考えているということでございますが、特例法というものは准看護婦と看護婦を一本化するというような考え方のものではございませんで、准看護婦の中から看護婦に昇格させる道を大きく開いてやると、そのための何か便宜な方法考えたらどうかということで、そのための検討をしているということでございまして、准看護婦、正看護婦を全くそのまま無差別に一本化するという考え方の特例ではございません。
  83. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 それじゃ一本化するということに対しては、まだいま次官からは、結論に達してない、あちらこちらの意見を調整しているのだということでありますが、根本的な考え方は一本化しないでいくという考え方であるのか、あるいは、また、二本立てでいくという考え方であるのか、あるいは、また、将来は大きく一本化していこうという考え方であるのか、その点はどうですか。
  84. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) 看護婦の総体の需給の将来の見通しを考えまして看護婦を一本化した場合に、看護婦の資質を低下させるということは、これはきわめて重大な問題でございます。したがって、もしも一本化という考えが出るとすれば、現在の看護婦の基準に一本化するということになろうかと思います。ところが、御承知のように、現在の看護婦の需給の基礎になります養成の過程を見てまいりますと、現在四十一年度におきましても、高校卒で看護学校に入学する者は年間約六千四百名でございます。それに対して中学を卒業して准看護婦の養成施設に入ります生徒の数は二万九千名でございます。したがって、現在の時点並びに将来相当長期間にわたって、なお准看護婦というものが看護力の充足のためには絶対的な資源でございます。そういう意味で、これをいますぐ廃止するということは、看護の需給を完全麻痺の状態におとしいれることになりますので、ここ当分の間、看護婦と准看護婦の制度を廃止して看護婦の制度を一本化するということは事実上不可能かと考えております。
  85. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 いや、その辺はよくわかることはわかりますけれども、ぼくが言うのは、将来の目標ですね、やはりこれはいまおっしゃっていることはそのとおりだと思うのですが、医療内容向上していくのでありますし、また、看護の責任も相当重大視されるので、将来はもちろん低いレベルに一本化するのじゃなくて、高いレベルに一本化すべきだと思うのですが、そういう方向でいくためには、そうしたいけるような道をだんだん開いていくという傾向でいかなければならぬと思うのですが、やはりこの二段階を必ずいつも持って、いまもおっしゃっているように、一方は二万人もある、一方は六千人ぐらいだ、だからして二万人のほうがウエートが多いから、それのほうに重点を置いていくという方向なんですか、その点をもう少し。
  86. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) 看護婦、准看護婦の比率が非常に食い違っております、現在の養成段階において。しかし、過去におきましては看護婦は一本でございましたために、現在就業しております総体から見ますと、現在のところ、看護婦と准看護婦はほぼ同数に近くなっております。しかし、このままでいきますと、将来は准看護婦がさらに比重が多くなり、看護婦の数が減ってまいりますので、現在の医療法の看護婦の規定、あるいは社会保険の診療報酬の基礎になる看護婦の規定等からいいましても、看護婦、准看護婦の数がある程度つり合っていることが必要でございますので、そういう意味で、現在のアンバランスが将来にわたって著しい不均衡にならないように看護婦の数をふやしてまいらなければならないわけであります。したがって、現在の准看護婦の中の優秀な人たちについては、できるだけ早く看護婦に昇進さしていく。そのために現在私ども進学コースというものを設けておりまして、できるだけこの進学コースを大幅にふやしたいということで、この進学コースの育成にはかなりの力を入れておりまして、現在進学コースは、昨年八十一ヵ所でございましたが、今年の四月からは九十八ヵ所になり、入学の定数も三千二百名程度になるわけでございまして、したがって、この准看の中から毎年三千名程度は看護婦になっていくという状況でございまして、これでもまだ看護婦の数が足りませんので、もう少しこの看護婦をふやしていきたい。また、一方、看護高校等の卒業生で准看護婦になりたがらないというお話が午前中もございましたが、看護高校の卒業者を直ちに看護短大に引き継いで、そして正看護婦にまで持ち上げたいというようなことで、できるだけ看護高校の卒業者を収容するための看護短大というようなものをつくっていただくように県に呼びかけている状態でございます。
  87. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 いまおっしゃってるように、現在でもやはり正看護婦は足らないわけですね。だから正看護婦の養成にも力を入れておられることはわかりますが、まあその准看護婦から正看護婦へ格がえしていく、それは非常によいことだと思うわけですね。准看護婦から正看護婦へいくコースをつくっておる。ぼくはそれに対してもう少し積極的なかまえがほしいと思うわけです。で、もう少し気軽にこういう方面に進めるような方法というものを考えたらどうかと思う。それは学力の低下を意味するのでなくて、学力を十分つけさせながら、もう少し准看護婦の人たちが正看護婦になっていく道をあけるべきではないか。それはいまおっしゃってるような、コースはおっしゃっておりますけれども、もう少しそれに対して具体化して、実際の場に即してやりやすいような方法考えるべきじゃないかと思うのですが、その点についてはどうですか。
  88. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) 准看護婦から進学課程に入ります場合には、場合によれば従来やっていた看護婦をやめて進学課程に入るというようなことになりますので、   〔委員長退席、理事藤田藤太郎君着席〕 これは事実上かなり生徒の負担になります。したがって、そういう場合には夜間のコース等を用いて、昼間働きながらやれるというようなことも考えております。また、高校卒という資格をとるためには、これも定時制の高校でもよろしい、夜間の高校でもよろしい、場合によっては通信教育による高校卒でもよろしい。まあいずれの方法でも、できるだけ多面、多様な方法を採用させながら、できるだけ進学コースに進みやすくしよう、こういうことで進学コース全般に改善をしてまいりたいというふうに考えております。
  89. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 私は、この准看護婦の人たちが職をやめて特に進学コースに入ることが非常にむずかしい。いまおっしゃっておるように、夜間も何か救うというようなことがあるのですが、やはりこのいまの少ない状態を厚生省として考えるならば、そういう人たちにもう少し身分保障をすべきじゃないか、身分保障してあげて、そうしてそういうことが気軽に組織的に勉強できるように、また、移行できるような方法を講ずべきじゃないかと思うのです。それほどの積極性を持たないならば、いまの厚生行政のあり方では、そうした目的に沿うほどふえてこない、そういうことが、結果においてあらわれておるわけですね。そこらに大きな障害があるからだと思うのですが、そういう積極的な身分保障までしてやろうという気持ちはないのですか。何かそれをする手だけはないものですか。
  90. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) 二年間職務を離れて進学コースの学校に入るということになりますと、収入の道がなくなり、逆に学校に要する費用の支出のほうが多くなるということで、事実上非常に困難も伴います。しかし、これを、たとえば民間病院で看護婦にするために二ヵ年間給与を与えながらやるということがなかなか困難でございます。したがって、そういう場合には夜間のコースなり何なりをできるだけ活用していただく。また、しかし、昼間のコースでみっちりやることがいい看護婦をつくる上にはぜひ必要でございますので、できるだけ公的な医療機関等においては、正看護婦が不足の現在、そういう便宜を与えてくれることを希望するわけでございます。しかし、これを強制するわけにもまいりませんし、また、そういう公私の医療機関に国がその間の身分保障、あるいは端的にサラリーを出すということも困難でございますので、せめて国でもそういうようなことを始めてみたいということで、現在進学コースに相当する講習に在籍のままできるような方法国立病院等においては本年から一部実施をいたしております。
  91. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 その実施されておる状況を少し数字的に示していただけますか。
  92. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) 本年度は試験的に武蔵療養所の進学コースに二十名、各国立病院療養所から受託して実施しております。
  93. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 どうせそのくらいの見当だろうと思うからちょっと問うてみたのですが、試験的にというのだから、それより以上追及いたしませんけれども、二十名くらいやったってとてもだめです。私は、こういう問題は、もちろん試験的に必要であるかもしれませんが、先ほどから重ねて言うように、試験的とか何とかやっておる間に、看護婦さんがないから病床を閉鎖しておるという現況から考えたら、二十名ばかりでなくて、もっとそれがいいものであったら深く取り組んでもらってもいいのではなかろうかと考えております。  それから、次に、進学コースを考えてみましても、最終一年の間は何か夜間の診療実習に入るとか何とかして、非常に負担が大きいわけですね。ものによって、私聞いたわけでありますが、この一年の間に十五万円ぐらいの金がかかるというわけであります。こういうようなことになりますと、やっぱり私は先ほど申した保障の意味で、奨学金とか、あるいは、また、そういう制度をこしらえて、こういう人たちがほんとうに入りやすい場所をつくってやるべきだと思う。いま試験的に二十名やっておられるのも一つ方法でありますし、また、こういう制度をつくることに対してのもっと前向きの姿勢というものが必要じゃないかと思いますが、これに対して将来どうしようとするのか、何か案を持っておられるのか、あるいは試験的にどうしようとしておられるのか、その辺をちょっと聞かしていただきたい。
  94. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) 進学コースの場合も、最初の場合は学科でございます。したがって、夜間の場合は昼間の場合よりも長うございますが、できるだけ夜間の進学コースをとりやすいように濃縮して教育を行なうというようなことで、夜間の学問のほうの研修期間をできるだけ短縮できるように現在検討中であります。
  95. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 それから、そのいまの進学コースについても、何か年齢制限があるのですね、二十五歳ですか。こういうようなものもたいへんな問題だと思うわけです。それから、また、武蔵でやっておる講習の養成機関ですか、これも二十名できているというわけでありますが、こういうものについては、いまも私が申したような形で、試験ではなくして、各療養所にずっとそういうものを設けるのには相当の支障があるのでございますか、その点もちょっとお伺いしたい。
  96. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) 正看護婦になる進学コースに進む者に年齢制限があるということでございますが、これはございません。  第二点はちょっとよく理解できなかったのですが。
  97. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 いまその何というか、武蔵野ですか、いま二十名をやっている、そこを出たらどういう資格になるのでございますか、いまの考えは。   〔理事藤田藤太郎君退席、委員長着席〕
  98. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) 正看護婦の国家試験の受験資格ができるわけです。
  99. 藤原道子

    藤原道子君 ちょっと関連して伺いたいんですが、武蔵の試験的にやった二十名ですね、この二十名はどういう条件でやっていらっしゃるのか。全国からお集めになったのか、どういう方法でこれに入れられたか、それを伺いたい。
  100. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) 全国から選考して入学させております。
  101. 藤原道子

    藤原道子君 どういう方法でしているのか。
  102. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) 全国療養所で簡単な一次試験をやりまして、そしてさらに面接等を行ないまして、施設及び地方医務局で選考の上入学させております。
  103. 藤原道子

    藤原道子君 費用はどうなるの、これは。
  104. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) これは在籍のままでございますので、もとの所属の施設で給料をもらいながら武蔵療養所の宿舎に泊って勉学をしている状況でございます。
  105. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 ここへ来るのは、何か五年ですか、五年間ぐらい准看護婦をやった人たちを採っているというわけですが、その五年間に区切った意図はどこにあるんですか。ここへ入れている人は五年ぐらい准看護婦をしている人を入れているんじゃないですか。
  106. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) 五年間で区切ったかどうかということは、私現在記憶しておりませんが、比較的若い准看護婦さんの中の優秀な者を養成しようという心がまえでやっております。
  107. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 ちょっと看護課長にお尋ねしたいんですが、ここで講習を受けておられる人たちは一定の寮に入れて、そしてそれをしておられるように聞くんですが、何かこの身分的にどんなふうになっておるのか、詳しいことを。何かこの差が出てきて変なように思うのです。
  108. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) これは現職のままで、現任訓練という、職についたまま訓練を受けるという形で行なっております。そういう意味では准看から正看になる希望者が全部そうできればいいのでございますが、現在遺憾ながらそれだけの財政的な手当てをしておりませんので、ごく限られた数になっている。将来できるだけふやせるだけふやしてまいりたいと思っております。
  109. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 そういう制度をこうやっていかれるのを尋ねておるのでございますが、非常にやはりそこに行っている人と行っていない人に対して——わずか試験的にやっておられるというからいいんですが、非常にそういう制度をこれから拡充していかれる場合に、身分に差ができてくるわけですね。一方は、そこに行かれる人はちっとも業務も何もしないで給料をもらっておるし、一方、行かない人は働いておるわけですから、私はそういう点にちょっと矛盾を感ずるから、その点はどうかということをお尋ねしておるんです。もう少しふえんして言うならば、私が先ほど申したいわゆる手当とか何か、むしろそういうようなことを明確にするほうがほんとうでないだろうかというふうな観点と、同時に、まあ私は奨学資金とか何とかいうもの、そういうものを合理化していったほうがほんとうじゃないかと考えているわけですが、そういう点もあわせてどういうふうに考えておられるか。
  110. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) 確かにごもっともな御意見でございます。私どももその点を非常に心配いたしまして、これがすべての進学希望者に全部均てんできるということであれば比較的問題はないわけでございますが、一部にだけしか適用されないということになりますと、同じ准看志望者の中で相当差が出てまいります。ある意味では、現在のところ、特定な選考された者にこの特典が与えられるというようなかっこうになりますので、まあ学校でいえば特待生というような形になります。したがって、こういう制度がほんとうに全体の将来のためにいいか悪いか、これはかなり疑問があると思っております。あるいは場合によっては、むしろお話のように、奨学金制度みたいなものでもう少し広くカバーしていくのが本筋じゃないかという考えもございまして、そういう意味で全く試験的と申し上げたわけであります。
  111. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 そういう意味で、私は、何か選考基準に何年間というのがあったかと聞いたわけです。それはないわけでありますね。  それから、もう一つお尋ねしておきたいのは、最近逆に副看護婦と申しますか、といわれるような形で全国にこれはだいぶたくさんあるようでございますね。三千人くらいと聞いておるのですが、これについて厚生省ではどいうふうに把握しておられるか、また、これに対して行政的な指導はどういうふうにしておられるか、これをひとつお伺いしたいと思います。
  112. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) 制度的には副看護婦という制度は全くございませんので、現在副看護婦と称しまして、地方医師会等が医療補助的なものを短期間の訓練をして、簡単な補助業務、あるいはまあ診療報酬の書き方だとか何とかというようないろいろな簡単な補助業務を教えて純粋の補助者に使っているという事実がございますが、制度的には認めておりませんし、また、私どももそのような副看護婦というような、制度にまぎらわしいような名前を使うことはきわめて望ましくないという指導をいたしております。
  113. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 こういうふうな教育を受けた人は看護婦の基準の中には入れているのじゃないですか。
  114. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) 御承知の保険の医療費の支払いの場合に基準看護というようなものがございまして、その看護の内訳を、たとえば四、四、二と、十人の看護婦のうち、正看四、准看四、看護補助者二というような内訳を事実上承認いたしております。その場合の補助者というものは何ら資格を限定しておりません。したがって、いわゆる副看護婦であるのか、全くそのような教育も受けない、純粋に単純労務だけをやるものなのか、これはいろいろあろうと思いますが、私どもはそういうものを副看護婦というような特定の身分として認定するようなことはいたしておりません。
  115. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 それでまあよくわかったわけですが、しかし、私は、いまそうした看護婦、そういうふうな副看護婦というようなものも、やはりこれは私は、その看護婦の門が少ないためにそういうふうなことが行なわれておるわけだと思うわけですが、もう少しこの准看護婦を、あるいは、また、正看護婦にいく道を制度化して整備して、そうして准看護婦にもたくさんの希望者が、いまどこの学校を聞きましても、おそらく三倍、五倍というような応募者があるように聞いておるわけです。それは学校の施設がないわけであります。学校をやるのに、なぜかといえば、学校をやればなかなか赤字になって、それが非常に経営ができないというので、どこも看護婦学校はもてあましておるという次第です。これを私は根本的に直さなければこの看護婦不足の問題はできないし、あるいは、また、期間が短くて、そういう実際動かして間に合うようなまぎらわしいところの副看護婦制度ができてくると、これはやはりこの制度上の欠陥であり、指導の私は不徹底であると、こう考えるのですが、そういう観点から考えますと、私は、特にこの療養所国立関係のところですね、こうした学校整備をぼくはもっと力を入れるべきじゃないか。六三制やら、あるいは、また、ほかの差額ベッドなどに力を入れないで、もう少し根本的なこういう看護婦の養成のほうにもう少し力を入れなければ、これはいろいろいま試験的にこういう制度をやっている、ああやっているということを聞きましても、実際の効果があらわれてこないと思うんですが、そういう観点から、各国立病院だとか療養所というようなところにもっと徹底した看護婦養成機関をつくって、そしてそうした要望に対して十分にこたえられるような制度を、それから、また、それをするために、いま申したように、奨学金制度だとか、あるいは、また、いろいろな助成をそこに十分加味して、制度上に、あるいは、また、組織的にやりやすいような方向をここで打ち出さなければ、この問題は幾ら議論しておっても議論が空論に終わるんじゃないかと、こういうふうに考えるわけですが、どう考えますか。
  116. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) 看護婦の養成をもう少し活発に強化しろという御意見でございますが、私どももその趣旨でできるだけ養成施設を強化いたしたいというふうに考えてやっております。三十六年には看護婦、准看護婦の養成施設が六百七十八でございましたけれども、四十一年には九百二十五施設に増加いたしております。また、入学定員も、三十六年には一万六千三百八十一名でございましたが、四十一年には二万六千三百八十七名と、相当大幅にふえております。今後も大体この程度の速度でまだ増加してまいるつもりでございまして、そういう計画でいきまして、先ほど申しましたように、四十六年ごろにはおよそ理論的に計算される不足はなくなるだろうということを考えております。ただ、これを一挙に必要数を二、三年のうちに養成施設その他も全部つくってしまえといわれましても、実は養成施設には教職員というものがございまして、教職員の確保というものがなかなか困難でございます。現在は看護婦養成施設の強化と同時に、教職員の養成ということに相当の力を入れている状況でございます。
  117. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 もちろん私はそれもいま質問したいと思っていたところですが、その教員を養成することが非常に問題でありますが、それに力を入れておるということは前から聞いているわけです。いかに力を入れていても、できなかったら困るわけですが、いまどういうふうな計画で、いつごろになればそれが満てるだけの養成ができるかどうか、その設備の状況を詳しく説明してください。前から聞いているわけです、そういうものが足らぬとか何とかということは。
  118. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) 教職員の養成の方法といたしまして、正規の大学を卒業するもの、あるいは短大を卒業いたしまして、さらに教員としての資格に必要な単位をさらに追加してとるものというものがございまして、この方面で大学並びに短大を増加さしていく。この大学及び短大は必ずしも急速になかなかできてまいりません。そこで、これを補充的に臨時免許がもらえるような看護婦の教員の養成をするということで、一昨年来、厚生省自体で六ヵ月の講習を行ない、文部省もその講習を行ない、さらに看護協会にもこの講習を行なってもらうようにし、本年度からは厚生省は年二回この講習を行ない、文部省は一回、看護協会が一回ということで、教員の養成に最近そのような方法で努力をいたしております。
  119. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 それの場所と数ですね、これを一ぺん資料としていただけませんか。それから、また、同時に、先ほどから厚生省でやっている施設が九百何ぼで、三十六年には一万六千何ぼだったが、これが二万何ぼになっておるというふうなお話でありますが、それは逐年どのくらいの進度でふえているかという、そういうようなことも一ぺん表で出していただきたいと思います。それから、同時に、正看護婦と准看護婦の合計だろうと思いますが、この二万何ぼは。それはどんな比率になっておるか、そういうようなこともちょっと一ぺん表をいただきたいと思います。同時に、私は、ここでもう一つお尋ねしておきたいと思うのは、大学なんかでその資料をとる人は、それは大学でありますから、なかなか人員がむずかしいと思いますが、いま特にやっておるところの講習施設ですね、そういうものはもう少し積極的に取り組めば私はできるんじゃないかと思うんです。そういうようなことも含めて、相当積極的な取り組みをしないと、いまのように試験的に二十名やっておりますとか、あるいは、また、こういうふうな制度を考えていますというようなぼくは段階じゃないということを感ずるわけです。ですから、私ども見ておりましても、ついこの間も、去年の終わりごろに京都府立医大あたりでも看護婦が足りないので、二百ぐらいベッドを閉鎖しているのを見ております。それはどうかというと、そこへ入院する患者さんは一ヵ月も二ヵ月も待たなければ入院ができないで困っているという状態もあるわけです。そういうことを考えてみれば、私は、看護婦の問題というのは非常に重大な問題であるから、養成機関をつくると同時に、いま申したような非常に医療の高度化したところから見れば、十分な正看護婦をたくさん養成できるようなコースを、自然にいけるようなコースをもっと組織的に十分考えなきゃならぬのと、それはもうあれしていますこれしていますという段階ではないと思う。目の先に火がついているわけでありますから、これに対するやり方を具体的に、しかも、早急にこれを打ち立ててもらう必要がある。私は特にここでそういうことで一言触れておきたいと思うことは、もうこの八月ごろから来年度の予算にかかるわけでありますし、そういう時期において、もっと積極的にいま大きなものを厚生省の中で編み出してもらわなければ、なかなか予算化もされない、また来年はそのまま進んでしまうということになってしまって、次から次へそうした問題に苦しむ状態に追い込まれてきていて、いまの状態では完全な医療をなしていくことができないという状態になってきておるわけです。だからといって、そこにある心配は、私がお話をしているのは、やすきにつくために准看護婦ばかりのほうへ持っていくんではない、やはり本筋として医療の高度化をねらって、正規の看護婦のほうにむしろ仏は一本化するように、長期の展望では私はそうすべき観点から、そういう人がどんどんできていくような処置を考えてやるということが必要であるから、そういう点についてもっともっと積極的に考え方をまとめていただきたい。特にもう来年の予算ではそれがはっきり出てくるように、今年度、いまの間にこれをまとめてしまってもらいたい、こういう観点で私は話を進めているわけです。それについて、次官もおいでですから、ちょっとお考えを述べていただきたいと思います。
  120. 田川誠一

    政府委員(田川誠一君) 看護婦を確保することと、それから資質を向上していくという、両面相まってもっと積極的に政府が対策を打ち立てなければならないんじゃないかという御意見、まさにそのとおりでございまして、先ほど来、局長が申し上げておりましたように、まあ当面は看護職員の資質の向上をはかる、それから、准看から正看になるための進学コースの整備を拡充するようにつとめていくということをやっていかざるを得ないし、また、現在もそれに向かってやっていくつもりでございます。いままでも養成施設に対する助成であるとか、あるいは修学資金の国庫補助を行なって看護婦の確保につとめてまいりましたけれども、まあできるだけいま大橋委員のおっしゃられたような御趣旨に沿うように私ども努力してまいるつもりでございます。ただ、最初お話がございましたように、正看、准看を一本化するという問題は、これはたいへんな大きな問題でございますので、このことにつきましては、いまこれをどういう方向でやるかということはなかなか結論が出せない問題で、むしろなかなか困難なことではないかと思います。しかし、いずれにいたしましても、看護婦の確保、質の向上ということは医療問題にとりましても一番大切な問題でございますので、私ども督励をして整備充実をはかっていくように努力をしてまいるつもりでございます。
  121. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 それから、もう一点だけちょっと伺っておきたいわけですが、やはり私はこの中でもう一つ考慮していただきたいことは、看護婦の条件が非常に悪いということが看護婦のいろいろな問題に支障を来たしてくると思うわけであります。特にもう少し看護婦さんの労働条件を改善してやるということが必要です。特に最近私感じているのですが、看護婦さん一人で夜勤をするというようなことがあります。こういうようなことは、私は、実際看病の上においても、国民の健康を守る上においても、病人の健康を管理する上においても非常に危険が伴っていると思うのです。私は、ここで先ほどの資料の中にお願いをしておったのですが、一ぺん国立療養所の中で、護婦さんと准看護婦さん、あるいは、また、どんなふうな比率になっておるか、おも立った国立病院、公立療養所について、ひとつその資料を出していただきたい。できれば勤務の割り当てはどういうふうな勤務の状況でやらしておるか、そういうことをひとつ教えていただきたいので、資料として出していただきたいと思います。  それから、もう一つ私は、いまここで看護婦の問題についてもう一度特に厚生省のほうで考えてもらいたいというのは、いま来年度から医療の制度の抜本改正が考えられておるわけでありますが、こういう中に、私は、さきに抜本改正の中に組み込んでいくところの看護体制というものはよほど明確にしておいていただかないと、また同じような看護婦さんに対するしわ寄せというか、労働条件の劣悪さ、あるいは、また、それによってくる矛盾というものが出てくると思うわけであります。ですから、私は、この現在の時点において、特に看護婦のいまのような制度を明確にするということが、今年度の一つの大きな課題として、まあこの看護婦の問題、ほかの問題も全部それはあると思いますけれども、この看護婦の問題については、特に私はきょうは看護婦の問題だけを扱っておるので、それに限って申すわけでありますが、ほかの業種も同じだと思うのですが、看護婦の問題にしぼって考えてみましても、これもひとつ制度化し、そうしてこれを十分な位置づけをしないと抜本改正というものもとんでもないところへいってしまうのじゃないかと考えます。その観点から、この看護婦の制度の問題、看護婦の教育の問題、あるいは看護婦のいろいろ組織的にどういうふうに取り扱っていくかという問題については相当真剣に考えていただきたい。少なくとも、もうその抜本改正に移る、かように来年度の予算にはそういうものを反映してやってもらうべきじゃないか、こういうふうに考えておりますので、その点のひとつお考えをお聞かせ願いたい。
  122. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 ちょっと関連して。いま看護婦問題についていろいろと施策をやっているということをおっしゃるわけでありますけれども、私は看護婦行政を見ていて、どうも気にくわぬのです。なぜかというと、看護婦がたくさん足らぬと、こうおっしゃる。ところが、いま大橋さんが言われたように、看護婦の労働条件、その他職場環境が悪い。だから、看護学校を出た人、看護婦の養成を受けた人は他に転職していく。現実に免許を持っておる人が三十何万おって、そうしてそれだけの人がみんな働けば看護婦が足らぬということにはならないわけだ。しかし、そうもいかんでしょう。結婚したり、いろいろの条件がありますけれども、そういうぐあいにして正看護婦の半分働いていないということをさっきからおっしゃっておりますけれども、看護技術を高めるために云々とおっしゃっておりますけれども、准看を正看の六倍も養成されているこの現実。それじゃどう技術を上げていくということになっていくのか。それならば正看もたくさん養成したらいいのに、正看の六倍も養成されている、ことしは。しかし、もっと根本的な問題は、学校で勉強をするばかりじゃなしに、実習をして一人前の看護婦にしていくことですよ。私はまだ気にさわっているわけですけれども、名古屋で看護婦学校をつくろうとしたら、その実習の引き受け手がないというのでつぶしてしまった。これだけ看護婦が足らぬというのに、私は、厚生省局長以下の方方は、もっと事務的に、行政的にものを考えてやってもらいたい。政治家になってもらいたくないわけです。ここできまったその看護行政というものが前に進むならば、いかにして看護婦を養成し、ふやして、そうして不足している看護婦をどうして養成するか、この一点で私はやってもらう。行政上の責任でやっていただけば、実習病院を断わられましたからやむを得ませんというようなことで、せっかく皆さんが看護婦になろうとして学校にいっても、実習病院がないといってそれをつぶしてしまう。私はこんなかっこうをやっておって、いろいろなことをされますけれども、看護婦ができるとは思わぬ。ですから、看護制度の問題は、えてして、これはいま言ったのは一看護婦でありますけれども、そういうことで看護婦募集はできないと私は思うのです。だから、こういう問題も割り切って、看護婦をどれだけ養成するか、どれだけ養成するにはどういうぐあいにやっていくかということの根本的な看護婦制度の問題に取り組んでいただきたいと同時に、やはり看護婦になりたいという人が出てきたら養成する。どこの人が養成しても、その人がちゃんと看護婦になれるような条件をつくるために一生懸命になる。行政上私のところはできませんというようなことで見のがしているようなことでは看護婦はできないと思うのです。そういうことを根本的に私は厚生行政としてやってもらわなければ、いかにここで答弁をしてその場だけ済ましたところで、この看護婦不足の問題は解決しない、私はそう思う。だから、このことも私はいま答弁を求めませんけれども、関連して、腹にすえて、そうして大橋さんの質問に対して答えてもらいたいと思う。そうでなければ、私はここで議論するのがテクニックで終わってしまったら意味がない、私はそう思う。そのことをひとつ十分に含んで、いずれこの問題は私ももっと突っ込んで、いまの看護婦不足を——さっきの国立病院合併の問題も、看護婦不足で病床があきっぱなし、京都のある大きい病院も、三割ぐらい看護婦さんがおらぬから病床を締めているというようなところもあるようです。そういう深刻な状態にきているのだから、もっと真剣に、根本から、病院行政というようなものは、医療行政というものを厚生省が主管してやっておられるのですから、その人の充足の問題について、あっちのきげんをとって顔色を見たり、こっちの顔色を見たりしなければものが言えぬというようなことのないようにしてもらいたい。
  123. 田川誠一

    政府委員(田川誠一君) 医療従事者を十分に確保すること、また、その質の向上をはかっていくということは、国民の健康保持増進の見地から見まして一番重要な問題でございまして、特に先ほど来お話がございました看護制度のことにつきましては、医療制度の全般に関する問題でございます。近くこの医療保険制度全般の根本的な対策をどうしても打ち立てなければなりませんので、この保険制度の健康保険の根本的な対策と相まって、私どもも、この看護制度の改正につきましては真剣に取り組んでまいるということをひとつお誓い申し上げます。
  124. 藤原道子

    藤原道子君 私もいずれまたゆっくり質問したいと思うんですが、きょうは関連してちょっとお伺いしておきたいと思うんです。進学コースの問題で夜間も考えるというけれども、夜間にすらなかなかいきかねる状態もありますので、私しろうと考えかもわからないけれども、看護学院のその分校というようなものをつくって、それで昼夜一日二回でも三回でも、勤務の状態によって進学をして勉強ができるというようなことも一つ方法じゃないかと思うわけです。進学コースにいくからといっても、なかなか施設によってはいい顔をしないし、やめればそれっきり、自費でいかなければならない、こういうような傾向が強いわけでございますから、これが大きな隘路になっているわけです。いまあなた方が夜間のコースを考えるといっても、それこそ正看の何倍かの准看護婦をどんどん使いながら、その進学コースというのはまだまだスズメの涙みたいなところなんです。それで大体十年くらいたつとやめていくわけです。十年くらいたった看護婦さんはほんとうに優秀な看護力で、ほんとうにもったいないと思うんです。これらを野放しにしておくということは真剣に考えてもらいたいということが一つ。いま一つは、看護婦さんに名称制限がないですよ。これが副看護婦なんというような変な名を看護婦にかってにつけておる。保健婦さんには名称制限がある。これらはどう考えおいでになるかということが一つ。  それから、養成所を出ましても、学歴は高校卒業なんですね。高校を卒業して、さらに三年いって国家試験を受けるけれども、これがいわゆる学力ということになると高校卒ということになれば、これが看護婦さんのあらゆる意味における意欲をなくしたり、就職の場合にほかに就職したり、そういう場合に非常に支障を来たしておる、魅力をなくしておるということを現に看護協会あたりの人から私伺うわけでございますけれども、これらについて、看護婦の養成所を学校教育法に基づいたものに切りかえていく、そうして奨学金制度を設けて、それで二年なり三年看護婦をやられた場合にはこれをパーにする奨学金というようなこともこの際考えられていいのじゃなかろうか、私はそう思っているんです。これらについての御見解を、いまでなくても、あとでもよろしいですが、看護婦の足らないということは深刻なんです。だから、人事院から勧告されましたのにも、夜勤を最高八日間以内とする、これは勧告があったはずです。それから、二人勤務、これらもまだまだ励行されていないと思う。人事院が勧告する場合には、あなた方とも十分意見の交流があったものと思うんです。ところが、これは勧告を受けたら受けっぱなしで、また、やれっこないんです、いまの看護婦の実情からみて。だから、私は、名称制限の問題、教育制度の問題、あるいは、また、いまの進学コースの問題は検討中検討中というけれども、産看保ができた当時からのことで、いやになるほど取り上げているのでございますから、委員会さえ済めばいいというのではなしに、日本医療をどうするかということを基本に、真剣にお考えを願いたいと思います。さらに、先ほどの武蔵の二十名を試験的に行なっておるということも、漏れ聞くところによりますと、幹部の養成機関というようなことも聞いておりますし、その二十名の選考状態のもとにおいて、それを送り出した施設でもいろいろ問題があるらしいんです。人間的な問題、こういうことで、こういうやり方はオープンに私は試験制度で入れたとは聞いておりません。そういういろいろ摩擦を起こすような方針だなしに、足りないんだからやるんだと、しっかりやってもらいたいと私は考えますが、いかがでしょうか。
  125. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) 看護婦の名称制限の問題でございますが、保健婦の場合は、看護婦の資格をとって、さらに保健婦になっていく。保健婦という名称を使って保健指導をしてはならない、そういう意味の名称制限でございまして、保健婦の場合は、保健指導というものの業務制限はございません。保健指導はだれが保健指導をやってもかまわない。保健婦でなければ保健婦という名称を使って保健指導をやってはならないという制限。看護婦の場合は、看護婦の名称制限はございますけれども、看護婦でなければ看婦を業としてはならないという業務の制限があるわけでございまして、そういう意味でそれぞれの業務の内容からいって多少違いますので、それぞれ名称制限、あるいは業務独占という形をとっておるわけでございまして、その保健婦と看護婦の名称、あるいは業務の制限というものは実情に合って、相当なものであると私は考えております。  次に、学校教育を看護婦養成の本筋に考えるべきではないかという御意見でございますが、私どもも非常にもっともだと考えておりますし、看護婦というものもかなり高度な職業教育である以上、職業的な学校教育でやっていくということが好ましい姿であろうということももちろん私ども考えております。しかし、現実に現在のこれだけ膨大な養成施設を直ちに学校というものに切りかえるということにはきわめて困難がございまして、長い伝統の上で、各病院というものが、それぞれ、ある意味では奉仕的な精神をもってこの養成をやってまいったわけでございまして、これを全部一挙に学校に切りかえるというようなことは、きわめて現実の問題としては困難があるが、長期の理想としてはまことにけっこうであると私ども考えております。  また、人事院の勧告等についてさっぱりこれを実施していないではないかと、まことにごもっともなんでございますが、何ぶんにも、人事院の勧告自体も、定員増ということが基本的にございませんと、どうしても根本的に看護婦の体制を立て直すことができません。ある意味では小手先ということにもなりますけれども、いろいろ現在の人員等でやれる範囲のことはできるだけくふうをこらして現在やっているわけでございますし、また、勤務場所の環境の整備というようなもの、あるいは看護自体を労働的に軽減させるためにいろいろな設備、機械等を導入する。一例をあげますと、夏の間、昔は氷を割ること自体が夜勤看護婦のきわめて大きな仕事でございましたけれども、現在ほとんどの病院は自動製氷機で、氷嚢に直ちに詰めれるようにこわされた氷をちゃんと機械でつくっているような、そういう施設内容の改善等をはかりまして看護の実質的な改善をはかっていきたいと考えております。  また、武蔵療養所の進学コースの事件につきましては、お話のように、送り出した施設内にもいろいろ人間関係で問題が起こることも当然予想されるわけでございまして、そういう意味で私どももかなり思い切った実験といいますか、試験をしてみたつもりでございますが、もしこれがかえってそういう施設の人間関係に弊害を起こして大きな障害が起こるようであれば、先ほどお話のように、別の方法でやはり奨学資金なり何なりの形で充実していくほうがよくはないか、現在そこら辺のところの実情を見ながら検討中でございます。
  126. 藤原道子

    藤原道子君 私はね、学校教育法をというのは、いますぐは困難ということはわかりますよ。長期展望において可能なものは、私はいまから進められたほうがいいと思う。それは看護協会あたりでも非常にそれを要望している声は強いわけなんです。それから、もう一つ、人事院の勧告でも、定員がふえなければ実施ができない、そんなら定員をふやしたらいいじゃないですか。定員が少ないからやむを得ずやるというところに私は婦人の職場に対する締めつけがあると思うのです。考えてごらんなさい、一ヵ月の間に十日も十五日も夜勤をして、それで満足して働くでしょうか。喜んで働けるでしょうか。そうすると、その気持ちはすぐうつってくるのは患者さんなんですよ。医療が正しく行なわれない、労働基準の最低すら守られないということになって、それがわかっておりながら定員がないといって日を送っておるということは、私はどうも医務局長のことばとも受け取れない。足りないものならば正当な要求をしたらいいじゃありませんか。私はこのことはぜひとも実行してもらわなきゃ困る。一人の夜勤のためにいろいろな事故が起こっているじゃありませんか。この間あるところに行ったら、手術後の患者さんに点滴注射しておりました。そばにはだれもおりません。不安じゃないですか。これで厚生省医務局長としてあなたは安心していられますか。私の親戚でも、看護婦が足りないと指一本おっことしてしまいましたよ。各地にいろいろな問題が起きていることは御承知だと思うのです。それでも予算がないということで済むのでしょうか。私はきょうは関連質問でございますから、これ以上は申し上げませんけれども、もう少し医療問題、人の命ということから考えても、ひとつ厚生省しっかりしてくださいよと申し上げたいのです。  さらに、教育の問題でございますけれども、結局短大を卒業して何か国家試験を受けるでしょう。これはほかへ就職するときには短大卒ですよね。看護婦さんは高校卒業なんですよ。それが将来にいって俸給の面でも大きな差ができてくるし、看護婦自身の気持ちからいっても、短大より一年よけいにいっているのです。だけれども、学歴は私はあまり言わないけれども、いまの社会では学歴がものを言うのですよね。高校出て三年、けれども、正確な学歴は高校卒業です。短大なら二年卒業で短大卒です。こういう点もあるから、もっとあたたかい気持ちでこの問題の解決を私はやっていただきたいと、強く要望いたします。きょうは関連ですから、この程度にします。
  127. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 時間が参りましたから、ごく簡単に次の奇病について質問したいと思います。  御存じだと思いますけれども、茨城県の猿島町に非常に奇病ができて困っておると、二日ほど前の新聞にも報道されておりますように、この病気は初めの訴えが非常にいろいろな多種多様な徴候であらわれてくる。熱が出るとか、あるいは下痢するとか、あるいは、また、黄だんが出てくるとかいうような、多種多様な症状でくるからして、見る医者も胃かいようと間違えたり、かぜと間違えたりしているような状態である。しかも、それが非常に悪くて死亡率が高い。非常にたくさんなくなっておる。しかも、なおったにしても、これが再発することが多いし、死の直前は非常な苦しみをもって死んでいく、こういうような病気で、それが一体何だかわからない。そこのところで組合か何かでできているところの病院がそのセンターのようなかっこうをして、それでそれが見ておる。しかし、特例な手当て法がわからないから、ちょうど血清肝炎のような状態で、いろいろな対症的な療法しかしてない。しかも、そのある例なんかは、いままでも病気もしたことのない頑強な人がその病気になって、そうして血液を調べてもらったら少し肝蔵に変化がある。さっそく入院したら、あと狂乱状態になって混睡状態になって死んでしまった。こういうこともあるので、その付近の人は非常に恐慌を感じているわけですね。こういうような状態であることは、その地区人たちとしては非常な恐慌状態に追い込まれているのじゃなかろうかと思うわけであります。しかも、この病院の先生あたりは、研究してあれするためにはお金がかかるのだ、新聞に言っているところを見ると、一億ほどかけたらこれが徹底的に取り組みができるのだというようなことも言っておるようであります。こういうようなことが起こっているので、先ほど大臣にもお話をしたのでありますが、一体こういうことが起こったときに、その地方人たちがすぐ厚生省なら厚生省へ連絡すれば、厚生省から適切な措置をしてもらって、予算も裏づけされて、それに対する処置が講ぜられるというふうになってしかるべきじゃないか。特にこの何とかという病院院長は大学のほうに連絡された。大学のほうから若い人が来た、それだからして、その地方の人は、これは名医が来てくれた、研究員が来てくれたというので殺倒したという状態があるわけですが、その人はすぐ帰ってしまって、どこかへ洋行するのだといって帰ってしまった、こういうようなことが報ぜられているわけでありますが、こういうようなことは大学なら大学へ厚生省が連絡して、資金的な裏づけをしてこういうものに取り組むというようなルートがあればいいのですが、医者が個人的に通知をしただけでありますので、これに対して適切な措置が講ぜられなくても責任はないわけであります。こういうようなことが私は一つ二つでなかろう、ほかにもこういうことがあるのじゃなかろうか。先ほどのお話に、伝染病であれば伝染病予防法によってやると言っておられますけれども、これもビールス性のものであるかどうか、実際問題としてわからないわけです。わからなかったら、それによる法律がないのかどうか、そういうことであっては国民の健康は守れないと思うし、こういうことに対して具体的な方法はどういうふうにすべきかというようなことをきょうはひとつ具体的に示していただきたい。時間がありませんから、的確なる答弁を願いたいと思います。
  128. 中原龍之助

    政府委員中原龍之助君) 茨城県の猿島町に起きた疾病でございますが、これはいわゆる肝臓の疾病ということが第一でございまして、この問題は昭和三十七年から三十八年にかけまして、国民健康保険の診療報酬明細書、これを見ましたところが相当にあるということがわかってまいりまして、そのために、昭和三十九年に至りまして、厚生省及び学者の方が一緒にそこに行きまして、県と一緒に対策を立て、それから調査をやったわけでございます。そうして四十年になりましてから、四十年、四十一年はあまり発生がございませんでそのままでございましたけれども、最近また発生が相当にあるというような報告がございまして、これはもちろん新聞にも載っておるところでございます。これに対しまして、厚生省の防疫課といたしましては係官を向こうに派遣をして、現在の状態につきましての調査をいたしておるわけでございますが、これは当時昭和三十九年に行ないました調査では、もちろん国立予防衛生研究所及び東京大学、そういうところから、あるいは日本医大の乗木教授、そういう方々が行きまして調査をいろいろやりまして、そうしてその当時の調査でございますと、疫学的におきましては、これはどこが原因であるかということをはっきりつかめなかった。しかし、肝臓の疾患であるということはわかる。それから、その中で、近所の診断をしたお医者さんあたりと一緒に調査したことでは、相当数にいわゆる流行性肝炎と認められるものがあるというようなことがわかったわけでございます。それで、現在、たとえば流行性肝炎というものにつきましての的確な特殊療法というものがございませんし、また、そのウイルスの分離ということも現在どこの国でもまだ行なわれておりません。したがいまして、一般的な措置といたしまして、体力をつくるための栄養の問題、栄養をひとつ強化するということ、それから、一般的な衛生の問題、特に飲料水あたりの衛生の問題、それから、過労に対する注意というような、一般的な衛生の指導をずっと行なってきたわけであります。なお、この中のいわゆる調査班の中の一人である日本医大の乗木教授は引き続きこの問題について研究を行なっているという状態でございます。で、このときのいわゆる肝臓の疾患ということでございますが、これは別に流行性肝炎ばかりでなくて、いろいろの肝臓のガンまで含めて、全部の肝臓の疾患ということで調査して、その中で流行性肝炎というものが相当あるのじゃないかということになったわけであります。今回の問題につきましては、したがいまして、係官を派遣いたしまして調査をし、それに対する手当て何々というものは、これは県当局と相談いたしましてやっていくということになるわけでございます。  このほかに、いま先生がおっしゃいました、一般のいわゆる奇病と称するというものにどういうふうな厚生省は対策をとっているかというような御質問でございますが、いわゆる奇病と申しましても、土地のいわゆる風土病といいますか、その土地土地にある一つの病気もあります。それから、突然に何かわからない病気が出てきたというようなものもあるわけでございます。その突然にわからない病気が出てきたという場合に例をとりますと、たとえばスモン病みたいな先生御承知の例がございます。ああいう問題になりますと、まず、その土地にあるなら地方衛生研究所がもちろんございます。したがいまして、地方衛生研究所はその管轄地域内のいろいろの問題について調査をしたり何かしたりして研究をいたすこともございますし、もちろんそこでは手が足りない、あるいはそれだけの力がないということになりますれば、これは厚生省としては、直ちに国立予防衛生研究所、あるいは衛生試験所、疫学的な問題は国立公衆衛生院からすぐ人を出しまして、一緒に調査をやっていくというようなやり方をいたしております。なお、国の機関だけでは不足であるならば、もちろんその方面の学識経験者である学者の方にも御出動を願うというようなことをやっております。それから、経費につきましては、行政的にみるものは国と県がみる、あるいは、また、これが続くものでございますと、これは特別に研究費をそこに取りまして、そしてその研究班にそれを渡して引き続き研究をしてもらうというようなやり方をやっているのでございます。で、まあ奇病と申しますか、そういうものにつきましては、現在までのあれでございますと、従来奇病といわれておりました、たとえば先生のお近くなら丹後熱というものもございました。あるいは土佐熱というものもございました。ああいうものを調査してまいりまして、これは研究班に委託して調査していただく。そうしますと、それがリケッチアによるものであるというようなことがわかりました。あるいは伊豆の七島熱というようなこともわかった。そのほかに、現在のフィラリアの対策は国としていろいろ県に援助してやっております。これもその地方においてわからなかったというような問題もございますが、これはその県の衛生研究所と厚生省研究機関と協力して、そこでフィラリアである、相当広範にわたってあるということで、そこに行って乗り出した、そういうようなやり方をやっております。現在まあ奇病といいますかどうですか、直接予算を組みまして、これは伝染病予防法による伝染病にはならないものですから。たとえばエヒノコックスあたりも北海道にございまして、それが初め礼文島であったのが根室のほうというような問題も出てまいりまして、それについての詳細な調査というような問題につきまして予算を組んでやっております。
  129. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 時間がありませんから、私はスモン病についてちょっときょうは質問する予定でありましたが、それはこの次にします。  私は、ここで最後に一点だけ厚生省考え方を特に明示してもらいたいと思うのですが、いま申しておるこの病気は死亡率が高いわけですね。特に明確でないうちに死んでしまうというような状態で、地方では非常に不安がっておるわけであります。こういうような問題に対しては、私は即刻その調査なり何なりすることが必要だと思う。いままでもいろいろな病気でそういう調査班を出したり、あるいは、また、なにしているという、そういう手続はいろいろあるでありましょう。けれども、この問題に対して、あるいは、また、伝染病でもそうですが、即刻ぱっとやられる。この岡、丸茂議員も質問しておられたのでありますが、そういうことがばっとできてやらなかったら意味をなさぬ。ここの人たちは不安で不安でしょうがない状態に追い込まれているわけです。これはやはり厚生行政の上ではもっと適切な処置をとる責任があると私は思う。それから、根本的な原因を追及するためには、まずビールスであるか何であるか、いろいろ研究する余地はあるでありましょう。ビールスであれば何のビールスということがあるでありましょう。こういう問題に対して、たとえばどこの大学でしたか、この院長の知り合いの大学だろうと思うのです。大学のほうへいって若い先生が来たから、その地方人たちは専門家が来たといって非常にたよりにして、そこに押しかけて集まったところが、その人は洋行する前にちょっとそこに見に来たという程度で、実際ほんとうにそういうものに取り組むために来てないわけです。珍しい病気が出たそうだから見に来た、ひとつ自分が洋行するための一つの足しに見に来たというようなつもりで来たものに対して、地方の人は名医が来たというので集まってくるというようなことが実際報ぜられておる。こういうことに対しては、私はもっと真剣に、何か厚生省なら厚生省に一ぺんその地方の人が電話すれば、あるいは県なら県に申し込みすれば厚生省に適切な処置をとってもらえるというルールをつけてもらわなければ何にもならない。それは研究する、こういう法律だとか何だということでなくて、こういう問題に即応できるようなそういうことも明確にしてもらいたい。こういう問題にしても調査班を出しておりますけれども、だれが調査に行ってどういうことをやっておるか、そういうことを明確にしないと困る。そういうことでないと、調査班が行っておるというだけで、地方の人は実際に安心感を持てないわけです。それに対する御返事を願って、私の質問を終わります。
  130. 中原龍之助

    政府委員中原龍之助君) 先生の仰せられますことは全くごもっともでございます。私どもといたしましては、住民に不安を与えないようにすることが一番いいのであります。その根本を調べていくということがやはり住民を安心させるもとでございますので、この問題はもちろん県と一緒になってやらなくちゃいけない問題でございまして、私どもそれに努力するのにやぶさかでございませんし、そのために係官を向こうへ出したわけでございます。
  131. 藤原道子

    藤原道子君 だれが行っているの。
  132. 中原龍之助

    政府委員中原龍之助君) 土屋技官を出しました、厚生省として。
  133. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 くどくなりますけれども、出しただけじゃなくて、それは県と一緒になって、金がいま要るようなら金を出してやるのだということにしてくださいよ。
  134. 中原龍之助

    政府委員中原龍之助君) 帰ってまいりますと報告でわかると思います。それによりまして県と協力して対策を立てたいと考えております。
  135. 小平芳平

    ○小平芳平君 それでは、先ほどの美容師理容師の問題について続けてお伺いいたしますが、先ほど大臣は、現行制度のもとでは、現行の法律どおり運営を厳格にしていくようにやっていく。それから、また、現行制度がこのままで、時代に即応しているかどうか。この調査会の意見でも、「必要度の薄いものや、時代の変化に伴い、もはや必要性の認められなくなった許認可が漫然と存続している事例が多い。」というようなことも指摘をしておりますが、美容師理容師はこれに当てはまるかどうか。私も全然この面の関係は部外者なものですからよくわかりませんでしたが、将来の制度改正が必要かどうかは検討していく、こういうような御答弁があったわけです。それで、まず、現行制度のもとでどういう現状にあるかということを若干お尋ねをしたいのですが、学校、養成施設へ何人か通わせるには実際問題お金がかかるわけです。で、この基準によりますと、「必要な入学料、授業料及び実習費は、それぞれ当該養成施設の運営上適当と認められる額」と、こういうふうになっておりますが、そこで、現行の養成施設は、入学料、授業料、実習費というものをどのぐらいとっているか。それから、また、このほかにまだ徴収しているものがありはしないか。
  136. 武藤き一郎

    説明員(武藤き一郎君) ただいまの理容または美容学校におきます生徒の負担はどの程度になっているかという御質問でございますが、理容及び美容につきましては、知事が学校の入学料、授業料、実習料等について認可をするという仕組みになっておりまして、入学料は、昼間課程、夜間課程の場合におきましては入学料は三千円、授業料は月額二千五百円、実習費千円、そこから、通信課程の場合におきましては、入学料は二千円、授業料は六百円、実習費は千二百円ということで、この範囲内でそれぞれ学校から申請を出させまして、その範囲内で認可している状態でございます。
  137. 小平芳平

    ○小平芳平君 授業料など、とても六百円などというところはないのではないですか、実際の通信教育の場合ですね。月六百円というようなのはちょっとないですがね、私の聞いたのでは。
  138. 武藤き一郎

    説明員(武藤き一郎君) 通信教育の場合は、授業料は月額六百円以下にきまっているはずでございます。
  139. 小平芳平

    ○小平芳平君 それ以上は払わなくていいですね。それ以上どうしても出せという場合は、厚生省のほうで、あるいは県のほうで認可基準に合わないということになるわけですね。
  140. 武藤き一郎

    説明員(武藤き一郎君) さようでございます。ただ、先生がおっしゃいましたような事実があるとすれば、具体的にどういう事実であるか、よく調査してみたいと、かように考えております。
  141. 小平芳平

    ○小平芳平君 それから、そのほかに通信教育の者に対して後援会費、PTA会費、謝恩費、こういうものを三千円、二千円、千円というふうに納める。それはともかくも、通信教育の者でも、校舎の建築、あるいは改築費というもので、これも寄付として一口三千円というふうに割り当てがくるわけです、通信教育を受けているのに。それは特定のある期間は学校に行って実習を受けるという制度にもなっているそうですが、それにしても、通信教育を受けている者がそうした校舎の建築や改築のための寄付金をここに入った以上は出すというようなこと自体がおかしいではないかと思うのです。
  142. 武藤き一郎

    説明員(武藤き一郎君) 寄付というものは、まあ本人の自由意思でやるのがたてまえでございますけれども、やはり先生のおっしゃいましたように、生徒であるという状態でやはり寄付等についての要請がありますと、受ける者としては非常に半強制的な印象を受ける場合もあろうかと思います。そういう点につきましては、十分生徒に負担がかからないように今後指導してまいりたいと考えております。
  143. 小平芳平

    ○小平芳平君 それから、養成施設はおもにどういうところが経営していらっしゃるか。聞くところによりますと、組合、あるいは個人、いろいろあるようですが、そうした養成施設、つまり学校に対して国あるいは県がどの程度タッチしていらっしゃるか。といいますのは、先ほど問題になっておりました看護婦さんですね、看護婦さんの場合も養成所へいき、また、試験を受けて免許を受けるという、そうした看護婦さんの現行の状態に比べた場合、理容師美容師の場合も、やはり同じように法律の上で学校へも通わなくちゃいけない、試験も受けなくちゃいけないとなっておりますが、どうもその辺、看護婦さんぐらいの国が積極的な対策を立てていけばまだしも、理容師美容師の場合などは非常に放任状態じゃないかというような感じがしますが、いかがですか。
  144. 武藤き一郎

    説明員(武藤き一郎君) 第一点の、どういう主体別になっているかという御質問でございますが、全国の理容、美容、それぞれ指定は別に行なっておりますけれども、大半は両方養成施設を同じ経営者がやっている場合が多いのでございまして、まとめて御報告をいたしますと、施設数といたしましては百六十二ございます。そのうち、財団法人が四十、それから、学校法人が四十五、社団法人が十四、組合立が二十五、個人立が三十五、協会立が一つ、その他二というふうなたてまえになっております。  それから、御質問の第二点の、監督関係はどういうふうになっているかという御指摘でございますが、この点につきましては、設立のときには、都道府県厚生省が定めます指定基準に合っているかどうかという調査をいたしまして、厚生省がこれについて指定をするわけでございます。  それから、都道府県知事が、その指定されたあと、学校経営上いろいろ中身を毎年、たとえば報告を聴取する義務も命ぜられておる事項もございますし、その他学校経営上問題がないかという点につきましては、都道府県知事が厚生省の指導のもとに監督を行なっている次第でございます。年間どの程度のいろいろ問題事項があるかにつきましては、統計その他はございませんけれども、私どもの耳にいたしますのは、ときどきやはり厚生省が定める基準等について違反の疑いがあるのではないかというようないろいろ事実の指摘がございまして、そういう場合には直接、または府県を督励いたしまして、その事実の真否について調査をいたしております。
  145. 小平芳平

    ○小平芳平君 その調査の結果は全然いままとまっておりませんか。もし調査の結果がまとまっておりましたならば、先ほどの学校の財団、あるいは社団、組合、それと一緒に資料であとで御提出願いたいと思います。
  146. 武藤き一郎

    説明員(武藤き一郎君) まあ統計的な調査ではないと思いますけれども、具体的な問題として厚生省で記録がありますものにつきましては、先生のほうに御報告いたします。
  147. 小平芳平

    ○小平芳平君 その具体的な問題として、先ほど申し上げるようなお金の面、あるいは、また、実際どういう先生が教えているかという問題もあると思うのですが、そういう点は毎年やっているわけですか。もし毎年やっているとしたら、対象がこれだけの限られた数ですから、それが結果として何もまとまっていないということは、あまりやっていないということになりませんか。
  148. 武藤き一郎

    説明員(武藤き一郎君) 理容師美容師法の施行規則で、養成施設の設立者は、毎年七月の末日までに、前年の収支決算の細目、それから、その年の収支予算の細目、それから、前年の卒業した者の学級別及び教科別にどのくらいの授業を行なったかということにつきまして都道府県知事に届け出を出す規定になっておりますので、当然都道府県にはそういうものについての詳細はあるはずでございます。
  149. 小平芳平

    ○小平芳平君 ですから、それが都道府県にきたものを、都道府県なり厚生省なりが最初の認可基準に合っているかどうかということを毎年チェックしていらっしゃるかどうか。
  150. 武藤き一郎

    説明員(武藤き一郎君) 都道府県では、当然これによりまして基準に合っているかどうかというものを調査いたしているはずでございます。
  151. 小平芳平

    ○小平芳平君 じゃ、それをひとつまとめて御報告願いたいと思います。  それから、次に、学校関係はどうもいろいろまだ問題があると思いますが、次に、無免許ですね、無免許で営業してはならない。ところが、調査会の資料にありますように、無免許がこれだけあった。東京では総数三万四千百九十一人のうち、資格者が二万三千百六人、無資格者が一万一千八十五人というようなぐあいに、約三割の無資格者が東京と宮城の理容では出ておりますし、同じように、美容では高知、東京、宮城、このように出ておりますが、これはいずれも三十六年とか三十七年というときの数字なんですが、こういう点について県なり厚生省ではこういうことを調べていらっしゃるかどうか。
  152. 武藤き一郎

    説明員(武藤き一郎君) ただいまの御調査の数字は、そのものを厚生省でつかんでおりませんけれども、それだけの多数の無免許者がいるということは厚生省としては考えられませんので、たぶんインターン中の者の数が相当、あるいは大部分ではないかと、かように思うわけでございます。
  153. 小平芳平

    ○小平芳平君 東京のはインターン何名とは出ておりませんが、宮城県でいいますと、総数三千六百二十四人、資格者三千二十四人、無資格者六百人、その六百人の無資格者のうち、インターン中の者が三百三十四人、半数ですね。ですから、半数がインターン中とすれば、相当数の無資格者がまだいるわけですがね。
  154. 武藤き一郎

    説明員(武藤き一郎君) 六百人のうち、半数がインターンで、あとの半分が無資格者ではないかという御指摘でございますが、具体的に宮城県の調査をいたしたいと思いますけれども、理容または美容に従事しているというのが直接客の頭を刈るとか、あるいは顔をそるとかいうこと以外に、いろいろな手伝いをやるという部面もありますので、あるいはそういう点の区別がはっきりしていない点もあるのではないかと思いますが、なお、御指摘の点につきましては調査をいたしたい、かように思います。
  155. 小平芳平

    ○小平芳平君 この無資格者の問題も問題ですけれども、先ほどの学校のほうをまず第一に調べて、その結果をお知らせ願いたいのですが、この無資格岩の問題はいま説明されるようなこともあると思いますので、これは一がいに言えない面もありますが、ただ、やはり三十六年や三十七年の資料しかいまないというのもちょっとおかしいのであって、やはり全国的ではないまでも、ある程度現状というものを把握していくのが必要ではないか、そういう意味で申し上げているわけです。それから、次に、試験のレベルが低くて、合格したからといって待遇をよくすることはできない。一人前の技能を修得するには、試験の合格者といえども、少なくとも三年、人によっては五年以上を要する。この間は法令上できることになっている実地修練者の指導などは実際上できるものではないというような意見を付してあるのでありますが、ですから、実際問題、そうなると、現在の養成施設も、実際には養成施設に通い、学校を卒業し、また、実地訓練をし、また、試験を受けて合格しても、さあ試験に合格したから一人前の理容師美容師として働けるか、それは合格したからといっても給料も上がるわけでもないし、また、試験のレベルが低いために、三年も五年もたたなければ一人前の仕事ができない。そういうことになると、現状の制度をもう少し考えるべきことがありはしないかということになるのですが、いかがですか。
  156. 武藤き一郎

    説明員(武藤き一郎君) まず、第一点でございますが、御承知のように、理容師美容師等も含めまして、こういうものは一つの特別な技術でございまして、相当の熟練度がやはり必要なものでございます。それにつきまして、熟練度、それから、最小限の学科というものが衛生上の問題について要求されるわけでございますが、やはりいわゆる職人として自他ともにりっぱな技術者というふうにいわれるためには、あるいは先生の御指摘のように、数年を要するのではないか、かように思います。しかしながら、その二とと待遇をよくするということとはまた別問題である点もありますし、先生の御指摘のように、この業界のいわゆる使用者というものが、場合によりましては、やはり労働者を使う場合の使用者としてのあるいは頭の切りかえを、現在の使用者の側から見ますと、相当考え直してもらわなければいけない方が多かろうと思います。その点につきましては、先般来、厚生省の環境衛生の審議会におきまして、環境衛生の営業者は、やはりこういう営業もしくは労働条件について近代的な、あるいは合理的な考えをもって従業者に対して臨まなければいけないのじゃないかということが強く審議会からも要望されましたので、こういう点につきましては組合自体として改善するように指導しているわけでございます。
  157. 小平芳平

    ○小平芳平君 私がいま申し上げた点は、試験のレベルのことを申し上げたわけです。ほかの場合は、国家試験がありますと、国家試験を通ることによって一人前の営業ができ、技術者として認められる。この点は非常に大きな一つの段階になるわけですが、そういう点、この美容師理容師の場合などはちょっと気の毒じゃないかという感じがするわけですね。一生懸命学校へも通うこと、試験も受けること、これは法律できまっている。じゃ法律できまっているとおり何年間でその課程、そのコースを経てきたのに、さあ試験が受かった、免許がとれた、けれども、実際にはそれだけでは一人前として使われないということになりますと、それは業種の特殊性というものもあるとは思いますけれども、やはり試験自体ですね、制度自体にも問題がありはしないかということを申し上げたいわけです。そのことが一つ。  それから、もう一つ、私は、いま審議官がおっしゃった経営者の頭の切りかえですね、そういう点も確かにあると思うのです。私たちが聞くところでは、実際に働く時間も、まあ大体いまは午後七時とか午後八時とかいうふうに閉店することになっておりまして、一般利用者はそれよりもおそくてはいかれないわけですが、昔のように夜中まで床屋さんにいくというわけにはいかないのですけれでも、しかし、ところによっては非常に労働条件が悪い。とにかくもう夜、夜までいろいろな仕事をさせられる、いろいろな仕事をして、さあこれで終わったというときにはほんとうに夜中になってしまうというような実情もあるようなんですね。そういう点については厚生省は何かつかんでいらっしゃいますか。
  158. 武藤き一郎

    説明員(武藤き一郎君) 第一点の、試験の内容そのものの検討はどうかということでございますが、これは先ほども大臣からあるいは答弁があったかと思いますし、また、行政管理庁のほうからもいろいろの御意見がありますので、その点につきましてはほかのいろいろな制度との均衡その他から考えまして、十分前向きに検討しなければいけない、かように思います。  それから、第二点の、いろいろの労働条件等につきまして相当ひどいことが行なわれているのじゃないかというお話でございます。私も以前につきましてはそういう点を聞いたのでございますが、最近はこういうふうな人手不足のおりでございますし、また、そういうふうなことが行なわれておりますと自然いい人は集まりませんし、また、いい人がこの業界に入らなくなるということも十分考えられますので、そういう点につきましては業界自体としても反省をし、かつ、内部で十分その点についてはお互いに反省しているようでございます。
  159. 小平芳平

    ○小平芳平君 それから、またちょっと話が戻りますが、学校ですけれども、これが各県に何ヵ所あるか。これがやはり少ないのですね、少ない。ですから、実際通うとなると、もうそこへ通える人は限られた人しか通えないのが現状であって、結局通信教育というふうになるわけですけれども、ですから、やはり法律でもってどうしても養成施設へ通わなければならないときまっている以上は、やはり国としても最大限便宜をはかってやる方向でいかなければならないと思いますが、いかがでしょう。
  160. 武藤き一郎

    説明員(武藤き一郎君) 全国理容師養成施設指定の数は百二十六でございます。それから、美容師養成施設の数は百六十八でございます。各養成施設には昼間課程、夜間課程、通信課程と、それぞれの課程が設けられておりまして、その地域でこの養成施設に入りたいという人については決して窮屈なあれではないと思います。また、特に窮屈なような状態が出ますと、学校自体の定員の改定、あるいは、まあ場合によりましては学校の増設も考えられますが、おそらく先生の御指摘になっておりますのは、各県にまあ一つというような県が、たとえば理容師につきますと十五県ほどございます。あるいはそういう府県で先生の御指摘のような点があるのかと思いますが、私の口から申すのも何でございますが、こういう学校に通うということが地理的な関係でできない人のために、通信課程というものを、何年前でしたか、新しく設けたのでございますが、日本におきましては、この通信課程によってこういう資格をとるということは、理容師養成施設美容師養成施設最初にきめた次第でございまして、そういう教育の開放ということにつきましては、厚生省は非常に努力しているつもりでございます。
  161. 小平芳平

    ○小平芳平君 まあ大体学校はこのくらいで終わりにしたいと思いますが、たとえば一つの町、市がありまして、そこから一番近い学校の、いま審議官説明された通信教育なんですが、実際上通えませんから、ですから、そこで通信教育を受けましたところ、五十三人受けて五十人が合格したというわけです。ところが、五十人合格したら、学校のほうからは一人だけ代表で入学式に来てくれと、あとの四十九人は来なくていいと、まあ通信課程だから入学式はないのかもしれないですけれども、そのままでずるずると、あと入学式は別にやるからといいながら、あとはずるずると、ただ幾ら幾らの金を送りなさい、一万円送りなさいと、さっき私が言ったのを合計すると一万何百円になるのですが、そうすると、合格はしました、入学式は一人だけ代表で来なさい、お金だけはどんどん送りなさい、何だかそんなにお金がかかるばかりで、まあその当時の経営者が、自分が免許をとったころは学校なんかなくて、ただそれこそ徒弟制度のような中で免許をとって自分がなったものですから、そんなにお金ばかりかかって不安でならないじゃないか、こういうことになるわけですよ。ですから、非常に近代化された制度であって、しかも、何となくうまくいってないという面が相当出てきているのじゃないか、こういうような感じじゃありませんか。政務次官もいかがでしょうか。
  162. 田川誠一

    政府委員(田川誠一君) 小平委員がいまおっしゃった、まあ形は近代化しているけれども内容近代化していないというような意味のようにとれましたけれども、理容、美容の、何といいますか、仕事の性格から見ますと、まあそういう面はある程度やむを得ない面もあるのではないかと思うのです。たとえばりっぱな養成施設を出て、そうしてインターンをやって免許をとって開業したというような床屋さんがはたして優秀な技術を持っているかどうかというと、必ずしもそれがすべてではないと思います。また、昔のいわゆる徒弟制度でたたきあげたような人が非常に技術がいいとお客さんにも喜ばれるような人もあるわけで、必ずしもまあこういう理容、美容のような施設では、形と内容と正比例するというようなこと、こういうことがまあ言えない職業ではないかと思うわけでございます。まあしかし、いずれにいたしましても、先ほど来お話のような、たとえば養成施設で不当な寄付をさせられるとかいうような問題については、私どもとしても厳重な監督をしているつもりでございます。
  163. 小平芳平

    ○小平芳平君 これはひとつ検討を願うことにしまして、いま政務次官が言われたように、ある程度昔の徒弟制度じゃ困るのですが、技術を覚えるということは、やはり店で実際には覚えているのだということもあると思うのですが、しかし、表面上の制度は、そういうことを考慮に入れないで、学校と実地訓練と試験ということになっているわけです。その辺の近代的な制度と、しかも、そうした技術の内容というものをどう両方とも向上させていくかということが大事な点だと思いますが、こういう点については十分御存じだと思いますので、大臣がさっきおっしゃったように、ひとつ検討していただくということにしたいと思います。  次に、今度は、これは問題が違いますが、マッサージについてですが、これもマッサージのほうも学校にやはり通う、養成施設へ通う、また、試験を受けるということですが、このほうの問題点はどうでしょうか。
  164. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) 問題はどうかということでございますが、あんまにつきましても、あんま、マッサージでございますが、これも中卒あるいは高卒、それぞれ二年で養成を行なっております。私どものほうといたしましては、この技術そのものが、あんまと称されるものは、どちらかといいますと、昔から疲労回復、あるいは慰安という形のあんま業がございまして、これは主として盲人の職業として従来から確保されております。これに対して、最近はマッサージということばを使いまして、これが病院においてマッサージを業とするものにつきましてはマッサージ師と称しておりましたが、近年はその分野は、いわゆる理学療法士、PTというものにとってかわられまして、マッサージという分野が多少医学のほうからは狭められております。マッサージのほうは、どちらかというと、目のあいた方たちが若干従事しておりますので、問題といえば、盲人の職業分野に目あきの方たちが入り込んで、これをおかしている、そういう意味で、生活権を脅かすという意味で問題があろうかと思います。
  165. 小平芳平

    ○小平芳平君 私は、時間もおそくなりますので、一点だけ伺います。  このマッサージの学校に通っておる人たちが、学校へ入っていて仕事ができるかどうかということですよね。これは保健所のほうで、よく学校卒業して免許を持っていなければやってはいけないというふうにきびしく言ったり、また、そこでもっていろいろ業者との話し合いで、無資格者はいけないけれども、学生ならばいいというふうになったり、そういうような点に問題があるのじゃないかと思うのですが、この点についても、私が申し上げるのは、先ほど来理容師美容師養成施設で申し上げたのと同じ趣旨で、養成施設法律できめられた養成施設ですから、やはり法律の認可基準どおりに運営していかなくちゃならないということが大事だと思うのです。この保健所のほうの関係はよろしいですから、関係は違うと思いますから、ですから、養成施設の認可基準と、それが守られているかどうか、守られていないような例があったらこれはどういうふうにチェックしていくか、また、そういうような例があったかどうか。
  166. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) この認可基準については、いろいろの項目が十項目ほどございますが、その中で、現在まで認可基準に反するということで取り消したのは、著しく定員をオーバーして養成したというものを一件取り消した例がございます。
  167. 小平芳平

    ○小平芳平君 そういう取り消しというものもあったでしょうが、先ほどのやはりマッサージの養成施設の場合も、材料費とか校友会費とか、いろいろかかるわけです。そういう点について、ただ自由に放任しておいてもいいものかどうか。先ほど来理容師美容師のことで申し上げたような、授業料なら授業料、材料費なら材料費、そういうものもやはりどこかで監督をやってくれないと、法律でこの学校に入れときめておいて、あとは学校まかせというわけにはいかないと思うのですが。
  168. 若松栄一

    政府委員若松栄一君) 学校は、これもそれぞれが選択をして自由に入る学校でございますから、強制される学校ではございませんので、私どものほうでは校友会費とか、あるいは何かという特別な名前で金をとることを特にチェックしたり制限をしたりはいたしておりません。ただ、どの程度授業料が高いかということについては、これは学生それ自体が決して富裕な方の子供ではございませんので、おのずから限度があり、無法なことをしていないものと心得ております。また、あんま、マッサージになるものの中には目の障害者がたくさんございます。したがって、文部省が所管している国立の学校が相当ございます。これについては、文部省の経営しております学校、並びに、厚生省では国立光明寮に付属しておりますものは、授業料等は一切無料にいたしております。
  169. 山本伊三郎

    委員長山本伊三郎君) 他に御発言もなければ、本調査に関する質疑は、本日はこの程度にとどめておきます。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十九分散会      —————・—————