○
藤田藤太郎君 私は聞いていまして、
大臣に聞いてもらいたいのだが、どうもちょっと疑問に思ってきたのは、
国立病院というものは将来発展さしていこうとしておられるのか縮小していこうとしておられるのか、そこらあたりがちょっとわからない。たとえば負債がいま聞いていると百四十億とかある。私が聞いているのは二百何ぼもあるというような
お話を聞いているのですが、いま
医務局長の言われたのが事実としたら百四十億、ことしを含めて。それじゃ
国立で国民の保健を守り、疾病をなおすという、この
目的で
国立病院というものが、むしろあなた言われたように、その基幹、センター、健康保険の
総合病院がセンター的役割りを持って、
地域の基幹的役割りを持っているとおっしゃりながら、そうして、また、
国立病院たる本来の姿を実現するんだ、それでいて膨大な借金をして、何を、どの分を借金でおやりになるのか知らぬけれ
ども、そこらの
説明が非常にあいまいである。で、だんだんと
整備をするんだといって、よい
病院を建てるのだといいながら、
地域住民の立場になってみたらどうなんだという問題が割り切れていない。できるだけその行政
地域の
医療センター的役割りを果たす、
国立病院がそういう
任務を持っているのを、
整備だという
理由でどこかに片寄せていく。それはいろいろ
理由があるように聞きました。がんセンターだとか交通事故の緊急処置なんというようなものは、むしろ
地域にそういう役割りをたくさんつくらなければ、秒を争うほど被害者には問題があると思う。たった四キロだということで、四キロは
自動車で行ったらどれだけかかるか、そのために生命の問題にも
関係してくるという問題も出てくると私は思う。本来、
国立病院が独立採算制だ、いや、独立採算制ではないんだ、こういう
お話がありますが、いずれにしたって特別会計なんですね。それじゃ特別会計の
国立病院がどういう運営をしているか、そういう問題についてここへ収支も決算表もお出しになったことがないですね。個々の問題として提起するのに、
国立病院全体の要するに経営状態がどうなっているのか、
一般会計がどれだけ補給し、それから外来その他の独算制につながるような業務というものはどうなっているのか、やむを得ない、これは負債に片寄せをやって、将来国家的な
規模の中で処理していくという
お話をされるのだけれ
ども、十分にその
説明がされない。だから、まず第一に、
国立病院全体の会計一切をここへお出しになったらどうなんでしょうか。お出しになって、これで十分にセンターの役割りを果たす、
医療センターの役割りを果たすということで、こういう役割りを持っているのだから、あなた税金だとおっしゃったけれ
ども、国がこれだけの役割りをそのセンターの
病院に果たさしているということを名実ともにお示しになったらどうなんですか。そうでなくて、
地域の人が緊急な病気その他について、ぜひ置いてくれとおっしゃっているのに、いやいや
整備計画なんだからといってかってに——まあかってというのは、あなたのほうのさっきのことばからいえば言い過ぎになるかもわかりませんけれ
ども、
住民の感情からすれば、四キロも五キロも離れたところにその
病院がなくなっていってしまうということになれば、
住民の不便というものはこの上ないことだ私はと思う。それにとってかわってどうするのだということが私は問題になってくるのじゃないか。それから、
沼津にセンター
病院をお建てになって、五百床だとおっしゃるけれ
ども、そこのところあたりがそんなぐあいに
住民の皆さんに
説明できるんでしょうか。だから、私は、
最初の疑問として、
国立病院というものは将来どう維持していくか、できるだけそれを減らしていくのか。あなたは
基幹病院、センター
病院の
医療制度というものを
地域的に、
ブロック的につくっていくのが本来の役割りだとおっしゃるけれ
ども、それで役割りが果たせるんだろうかと、そういう疑問を私はいま聞きながら感ずるわけです。本来
住民主権の国家で、
住民の保健、疾病をなおしていく、これは本来国があげてやることでしょう、皆保険下においてですね。聞いていると、
診療収入でそれでは全部独算制でまかなうんだという延長が負債ということになって、いや、そうじゃないんだ、独算制じゃないんだ、
一般会計からみてるんだ、そうおっしゃるなら、
国立病院全体の具体的経営
内容というものを私は見ない限りはそれ以上議論が吐けない。しかし、何かそこのところがあいまいじゃないか。それを出して見てもらいます、
説明しますともおっしゃらないですね。そうなると、
住民の立場に立てばちょっと困るんじゃないか。いい
病院が建つか知らぬけれ
ども、そんな遠いところまで緊急や重病や、時間の秒を争うような病人の処置をどうしてくれるということになってきたときにどうお答えになるんです。四キロだから
自動車で二十分とおっしゃるけれ
ども、交通のふくそうしている今日、二十分で行けるのかどうか、そこらの問題も十分にお
考えにならなきゃいかぬのじゃないですか。だから、こういう問題が各所で起こってきて、その個々のケースを取り上げて廃止とか整理とか合理化とかいうことだけで、私は、国民保健の観点からいったら、簡単に処理できないんじゃないですか。ただ
計画で、こっちは一緒にしたり、こっちは廃止したりするんだということで国民保健上の問題として処理できるんですか。だから、私は、
医療制度というものの中に
国立病院、
国立による
医療診療という、国民保健という問題はどういう構想でおやりになっていこうとしているのか、
大臣の意見も聞いておきたい。そこのところが根元じゃないか。それが十分に
説明されて、運営でその
地域人口の疾病率や、その他
人口の立地条件や、その中によってかくかくの条件だから、
住民の皆さんひとつこの
程度でどうやということで説得されない限り、なかなか
住民の皆さん説得ができないんじゃないですか。説得ができないで、言うこときかぬから、とにかくこっちは
整備だから、皆さんの意見は皆さんの意見だけど、こっちはかってにやるんだということではどうにもならぬことになってくるんじゃないですか。そこらあたりの意見をちょっと聞かしてもらいたい。