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1967-07-19 第55回国会 参議院 災害対策特別委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年七月十九日(水曜日)    午後一時十四分開会     —————————————    委員異動  七月十一日     辞任         補欠選任      井川 伊平君     藤田 正明君  七月十九日     辞任         補欠選任      後藤 義隆君     江藤  智君      和田 鶴一君     内田 芳郎君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         伊藤 顕道君     理 事                 武内 五郎君                 矢追 秀彦君     委 員                 内田 芳郎君                 江藤  智君                 大森 久司君                 近藤英一郎君                 田村 賢作君                 山崎  斉君                 山内 一郎君                 中村 波男君     政府委員         総理府総務副長         官       上村千一郎君         建設省河川局長 古賀雷四郎君     事務局側         常任委員会専門         員       宮出 秀雄君         常任委員会専門          員       中島  博君     説明員         厚生省国立公園          局休養施設課長 阿部 正利君         厚生省社会局施          設課長     飯原 久弥君         農林大臣官房参         事官      太田 康二君         林野庁指導部治         山課長     高桑 東作君         気象庁予報部長 今里  能君         建設省計画局宅         地部宅地開発課         長       林  光夫君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○岩手県内における集中豪雨対策に関する請願  (第三七八八号) ○継続調査要求に関する件 ○委員派遣承認要求に関する件 ○派遣委員報告災害対策樹立に関する調査  (昭和四十二年七月の豪雨による災害対策に関  する件)     —————————————
  2. 伊藤顕道

    委員長伊藤顕道君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  まず、委員異動について報告いたします。  去る十一日、井川伊平君が委員辞任され、その補欠として藤田正明君が選任されました。また、本日、後藤義隆君が委員辞任され、その補欠として江藤智君が選任されました。     —————————————
  3. 伊藤顕道

    委員長伊藤顕道君) 第三七八八号、岩手県内における集中豪雨対策に関する請願議題といたします。  速記をとめて。   〔速記中止
  4. 伊藤顕道

    委員長伊藤顕道君) 速記起こして。  本請願は、議院会議に付するを要するものにして、内閣に送付するを要するものと決定することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 伊藤顕道

    委員長伊藤顕道君) 御異議ないと認めます。よって、さように決定いたしました。  なお、報告書作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 伊藤顕道

    委員長伊藤顕道君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  7. 伊藤顕道

    委員長伊藤顕道君) 次に、継続調査要求についておはかりいたします。  災害対策樹立に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本院規則第五十三条により、本件継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 伊藤顕道

    委員長伊藤顕道君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書作成及び提出の時期等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 伊藤顕道

    委員長伊藤顕道君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  10. 伊藤顕道

    委員長伊藤顕道君) 次に、委員派遣についておはかりいたします。  ただいま議決いたしました継続調査要求につきまして、議院議決を経ました場合、閉会委員派遣を行なう必要があろうかと存じますので、委員派遣要求取り扱いにつきましては、あらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 伊藤顕道

    委員長伊藤顕道君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  12. 伊藤顕道

    委員長伊藤顕道君) 災害対策樹立に関する調査議題といたします。  まず、先般長野県における六月の集中豪雨及び降ひょうによる被害調査に派遣されました際の報告をお願いいたします。田村君。
  13. 田村賢作

    田村賢作君 私は、去る六月二十四日、伊藤委員長とともに、早期東京を出発、軽井沢で下車し、六月十六日に発生いたしました長野小諸市及び御代田町の集中豪雨に伴う災害、十八日、十九日の降ひょうによって、農作物に激甚な被害を生じました軽井沢御代田東部町等の被害現地調査いたしまして帰りました。  以下、その被害状況及び地元要望事項等を含めながら、その調査の概要を申し上げます。  まず第一に、最初集中豪雨及び降ひょうによる被害状況について概略を申し上げます。集中豪雨による災害地は、小諸市及び御代田町に限定された局地的災害であります。御承知のとおり、この地方は、浅間山麓一帯南傾台地のきわめて地質的にも脆弱な保水力に乏しい火山灰土で形成されており、標高七百ないし七百五十メートルの高原で、降雨量も比較的少なく、年間を通じて千ミリ以下ということで、洪水よりも、むしろいつも干ばつのほうが問題になるという土地柄であります。したがって、他の地方と同様に、この地方干ばつのために、例年よりおくれて田植えが行なわれ、一通り終わって水田に水が張られ、農民の安堵があったのでありますが、十六日の十八時三十分から二十時三十分までの二時間にわたって、小諸市では百十ミリ、特に十九時三十分から二十時三十分までの一時間に、小諸市で八十二ミリ、御代田町では八十三ミリを記録する集中豪雨に襲われているのであります。この豪雨が、干ばつの条件下にある脆弱な土地を横溢し、当地方を流れる千曲川支川の繰矢川乙女川、北川吉田川等中小河川、各種の用水路洪水となってはんらんし、これらの施設を破壊して、宅地農地埋没し、流失したということで、その実情は、まことに惨たんたる状況であります。長野県当局報告によりますと、小諸市では死者二名を出し、被害額は、十三億八千余万円、御代田町で二億二千余万円、計十六億余万円と発表されています。  その被害のおもな内容について申し上げますと、被災家族は七百三十一世帯に及び、全壊、流失家屋が五棟、浸水家屋が七百二十三棟となっています。また、被害の最も多かったのは、農業関係でありますが、農作物被害面積は、八百二ヘクタールに及んであり、農地農業用施設を含めると十億余万円となっております。さらに河川三十一カ所、道路二十六カ所及び橋梁七カ所の公共土木施設も五億四千万円に達すると見込まれているのであります。特に小諸市では、田畑流失が八十二ヘクタール、埋没が三百五十一ヘクタールに及び、農道七十七キロ、頭首口七十九カ所の決壊をはじめ、河川は十一キロにわたって決壊し破損する被害をこうむったといわれ、また、御代田町においても耕地被害は大きく、田畑流失埋没は、約五十ヘクタール、農業用施設被害も一億四千万円に達するとされております。  このような激甚な災害に対処して、長野県及び小諸市、御代田町の当局の応急的な対策としては、まず、災害救助法に準ずる措置がとられ、自衛隊六百名の応援出動も行ない、地元消防団及び学生生徒等の協力的な救援によって、いち早く交通不能となった道路応急復旧のほか、公衆衛生上からの消毒等、迅速にして適切な措置を講じたといわれ、また現在、軽微な被災農地復旧可能な水田に対しては、これらの労働応援によって早期復旧をはかり、県内から苗の調達補給によって植えつけを行なっているほか、流失した住家に対しては、応急仮設住宅を建設して救済する等の措置がとられているのであります。  次に、降ひょう被害現状について申し上げます。六月十八日、十九日の雨日にわたって、軽井沢町をはじめ、御代田小諸東部上田真田塩田川西等市町村降ひょうによる被害が生じているのでありますが、現地軽井沢御代田町の一部を見て回り、東部町において上小地方被害状況について聴取する機会を得、かつ、その措置及び被害状況等について陳情を受けたのであります。県の集計による被害の大要を申し上げますと、農作物被害面積は、約四千ヘクタールに及び、農家戸数は、上小地方で四千戸に達し、軽井沢町で八百戸等々であり、被害額にして約十九億円と報告されています。特に、この地方は、キャベツ白菜等高原野菜の産地であり、野菜生産出荷安定法による指定地区でもありますが、中でも白菜は、高原野菜として関東市場での人気は高く、その九〇%という占有率を占めているということであります。軽井沢町内での被災状況は、キャベツ作付面積百五十ヘクタールのうち、百十五ヘクタールが一〇〇%の被害率を占めており、レタス七十ヘクタールのうち、六十ヘクタール、白菜は、三十ヘクタールのうち、二十五ヘクタールがそれぞれ一〇〇%の被害率であって、その他トウモロコシ、豆類等蔬菜類等を含めた被害額は二億七千余万円と報告されております。また、御代田町においても蔬菜類被害は大きく、十八日の降ひょうで、面積にして三百二十五ヘクタールに及び、三億余万円と集計され、また、上田市では約三億八千万円、東部町で二億三千万円、川西村で三千八百万円、塩田町八百四十四万円、真田町六百九十一万円と報告され、三〇%以上の被害を受けた面積が六割に達しております。このような被害農家に対して、県、市町村当局対策は、ほとんど商品価値を失った果樹及び蔬菜類等に対して、農薬散布を行なう方法のほか、秋ものの植えつけ等措置をとっているということであります。  以上述べましたことは、被害状況でありますが、長野県としては、この両災害応急的対策措置をとるため、約一億八千万円の補正予算を計上し、農業災害金融対策などの農業災害総合対策をはじめ、河川等公共施設応急復旧及び小規模な耕地など、県単独施行災復旧事業をはかろうとしており、その他市町村でも早期復旧及び対策がとられているということでありますが、地方財政窮乏という現状に照らし、県等の独自の対策だけでは、被災者に対する生業資金及び救済は期しがたいとして、国の積極的な援助等について強い要望がなされたのであります。  この要望の要旨を申し上げますと、  一、激甚災害法及び天災融資法適用措置を講ぜられるとともに、制度金融借り入れ農家に対しては、償還猶予等条件緩和措置をはかられたい。  二、農作物等応急技術対策並びに再生産に必要な種苗、肥料、桑葉農薬等購入確保費に対し助成措置を講ぜられたい。  三、農地農業用施設早期復旧公共土木施設の緊急を要するものについては二カ年で復旧し、繰矢川下流乙女川、北川吉田川等については、改良復旧で再度の災害防止をはかられたい。  四、県及び市町村に対し、特別交付税を増額され、緊急査定補助金交付早期措置されたい、等であります。  私たちは、この現地をつぶさに視察して、その結論的な意見を申し上げますと、水田流失埋没状況は、はなはだしいもので河川用水路あとかたもないほどに破壊されているありさまは、その災害の激甚さをつくづく痛感した次第であります。また、降ひょう被害についても、蔬菜類被害はひどく、たとえ生育されたとしても、市場価格は一‐二割程度のものにすぎないのではないかと思われます。このような観点から、まず第一に考えられることは、農地及び河川用水路等公共的施設に対しては、原形復旧にとらわれることなく、斬新な砂防工法を取り入れた改良事業を施行し、抜本的な手段によらなければ再度の災害防止は期しがたいのではないかという点であります。  第二は、田畑早期復旧をはかれば、ある程度の植えつけができ、収穫があるのではなかろうか。そのためには、国等の積極的な援助が必要であり、災害査定等の迅速な措置をとることも必要であると考えます。  第三は、降ひょう被害農家等を含め、農家に対する生業資金のあっせん及び低利融資の道を開き、民生を安定することが先決であると考えます、何とならば干ばつ集中豪雨降ひょうという二重、三重の被害を受け、農民窮乏ははかり知れないものがあるからです。天災融資法による激甚災害特別災害融資条件適用して救済する方法も必要であると考えます。また、つなぎ融資交付税の増額、繰り上げ交付という便宜をとるといった特別な措置も、その方法であると思います。  以上で大体の報告を終わりますが、小山、林両議員も、この調査に参画されましたことを申し添えて御報告いたします。
  14. 伊藤顕道

    委員長伊藤顕道君) 御苦労さまでした。     —————————————
  15. 伊藤顕道

    委員長伊藤顕道君) 委員異動について御報告いたします。  ただいま和田鶴一君が委員辞任ざれ、その補欠として内田芳郎君が選任されました。     —————————————
  16. 伊藤顕道

    委員長伊藤顕道君) 次に、七月の豪雨対策に関する件について、政府から説明を聴取し、本件に対する質疑を行ないますが、その前に、先般委員派遣として長崎県、佐賀県、広島県、兵庫県を調査されました武内君、江藤君に、参考までにその感想をお願いいたしたいと存じます。武内君。
  17. 武内五郎

    武内五郎君 このたびの西日本各地を襲った災害に対し、院の議決に基づいて広島兵庫の両県に参り、慰問と激励をいたし、同時に、被災状況調査を行なってまいりました。私どもの班は、中野文門君、山崎斉君、山田徹一君と私の四人であります。  まず、今回の災害をもたらした原因は、台風七号くずれの低気圧に刺激されて、西日本に停滞していた梅雨前線は七月九日朝から活発な活動を始め、同日夜までに、各地に記録的な集中豪雨をもたらしたのであります。  最初に、広島県下における調査過程被害概況について申し上げますると、七月十三日早朝、広島に着き、少憩の後、県庁をたずね、県当局から被害全般概況説明を聞き、さっそく被災地に向けて出発いたしました。まず、県内で最も被害の大きかった呉市に参り、次いで竹原、三原、尾道を回り、最後に福山市に参りました。いずれもそれぞれ市当局から概況を承り、要望事項を聞いた後、時間の許す限り、重点的に被災地を回ってまいりました。この結果、広島県における被害特色は、異常なる集中豪雨により中小河川はんらんし、一挙に土砂を押し流した結果、この急傾斜地にある宅地が崩壊したことであります。十三日現在の人的被害は、死者百五十七名、行くえ不明二名、負傷者二百十九名となっております。さらに被害総額は約百二十億に及んでおります。次に、兵庫県下の調査過程被害概況について申し上げますると、十四日昼、県庁をたずね、県当局から被害全般状況説明を受けた後に、神戸市内を中心に被災各地を視察いたしました。まず、市街地で最もひどかった宇治川地区現場を見て回り、ようやく当日に至り足を踏み入れることのできました市ケ原地区の山くずれ現場に参りました。ここは一挙に二十一名の犠牲者を出したところであります。次いで再び市内に戻り、市内中小河川はんらんによる状況を視察いたしました。翌十五日には、西宮市と尼崎市をたずね、それぞれ視察して日程を終えたのであります。この結果、兵庫県下における死者は六十九名、行くえ不明三十名、負傷者八十九名となっております。被害総額は約百四十億であります。  以上をもちまして調査を終えたのであります。  この対策としては、早急に激甚災害指定をし、特別措置を講じる必要があると存じます。特に急傾斜地における土石流出またはがけくずれの復旧と、再度災害未然防止対策樹立が急務であると存ずるのであります。  第二は、都市河川については、一般河川とは別に対策を考慮しなければならないものと考えてまいりました。いずれにいたたしましても、今回の災害に対し、早急に復旧に対処し、全力を尽くす必要があると存じます。  以上をもちまして簡単でありまするが報告を終わります。
  18. 伊藤顕道

    委員長伊藤顕道君) 御苦労さまでした。  江藤君。
  19. 江藤智

    江藤智君 先般、本院を代表しまして、伊藤委員長内田議員並びに私の三人は、長崎佐賀両県下の七月豪雨災害の見舞いと調査に出かけましたので、その経過を御報告申し上げます。   〔委員長退席理事武内五郎君着席〕  私どもは、十三、十四の両日、長崎県の福江市、佐世保市及び佐賀県の伊万里、唐津、相知厳木の各市、町を足でつぶさに見てまいったのでありますが、その被害はきわめて大きく、特に長崎県の福江市、佐世保市黒髪町、佐賀県の伊万里市、相知町、厳木町等におきましては、地元自衛隊の連日の復旧作業にもかかわらず、家屋内の土砂排除公共施設復旧等はまだまだ相当の期間を要するものと見られます。県当局災害救助法適用防疫対策等あらゆる緊急措置を講じておりますが、とても県だけでまかなえる被害ではなく、国の援助措置が早急に必要だと感じた次第であります。  本件報告は、議院運営委員会に正式に報告いたしますので、本委員会では、このくらいにいたしますが、最後に、両県の七月十三日現在の被害総額調査団意見を申し上げます。  被害総額は、長崎県、約百四十七億円、佐賀県、約二百一億円であります。  調査団意見といたしましては、まず、今次の七月豪雨災害については、早急に激甚災害指定せられるよう政府要望いたします。  次に、一、中小河川対策、二、急傾斜地等災害危険地帯対策、三、個人災害に対する援護措置につきましては、今次視察を通じて感じた基本的な政府に対する要望であり、これが実現を強く訴えるものであります。
  20. 武内五郎

    理事武内五郎君) 御苦労さまでした。  次に、七月の豪雨対策に関する件について、政府から報告をお願いいたします。上村総理府副長官。
  21. 上村千一郎

    政府委員上村千一郎君) 和四十二年七月豪雨災害につきまして政府がとりました措置について御報告申し上げます。  初めに、今回の豪雨により、不幸にもおなくなりになられました方々に対し、慎んで哀悼の意を表するとともに、罹災された多くの方々には、政府としてできる限りのことをいたし、一日も早く立ち直っていただけるように努力をいたす所存でございます。  今回の災害に対しまして、政府は、直ちに昭和四十二年七月豪雨非常災害対策本部設置いたしまして、十一日に、政府調査団三班を編成し、被害状況調査いたしましたが、それぞれの特色は次のとおりでございます。  兵庫県では、山くずれ、がけくずれによる住宅被害及び人的被害の大きかったことであります。広島県では、山腹崩壊、渓流での鉄砲水、都市河川はんらんによる住宅被害及び人的被害が大きかったことであります。長崎県、佐賀県でも、山腹崩壊中小河川都市河川はんらんによる住宅被害人的被害及び冠水による農地被害等が大きかったことであります。  次に、いままでに判明いたしました被害概況について御説明申し上げます。なお、お手先の資料は七月十四日現在の数字でございますので、よろしくお願いを申し上げます。  まず、一般被害といたしましては、死者、行くえ不明が、広島県下での百五十九名を含めまして三百六十九名、負傷者六百十八名、建物全半壊・流失二千四百四十棟、床上・床下浸水三十万棟、罹災者二十八万人の多くを数えております。  次に、施設関係等被害といたしましては、県からの報告によりますと、公共土木施設三百四十七億円、農地等二百二十三億円、中小企業関係が九十四億円で、総額約八百六十三億円にのぼっております。  次に、政府のとった措置を申し上げます。警備救助活動について申し上げますと、警察庁及び管区警察局では、警備活動を強化するとともに、各府県警察では、広報の実施、避難の勧告、警備を実施しております。消防機関の職・団員も、十九府県避難の指示、誘導、人命の救出救助及び行くえ不明者捜索をはじめ水防活動等を実施しております。防衛庁では、自衛隊員延べ二万二千六百二十名を派遣したほか、車両、航空機艦艇等を派遣して道路啓開、給水、通信支援遺体収容等を実施しております。海上保安庁では、巡視艇航空機により、海中での遺体捜索のほか、緊急物資等の輸送を行なっております。  災害救助法適用については、広島県等府県の五十七市町村に発動し、避難所設置、たき出し、飲料水の供給、被服寝具等の給与、医療、救出等を実施しております。  防疫対策について申し上げますと、都市部被害が大きかったことにかんがみ、特に防疫対策について重視し、被災者検病調査を行ない、伝染病早期発見、流行の防止につとめており、避難所衛生管理を強化しております。  住宅対策について申し上げます。  応急仮設住宅設置住宅応急修理については、すみやかに実施すべく手配中であります。災害を受けた住宅に対しては、災害復興のための住宅資金貸し付けを行なうほか、災害公営住宅の建設及び既設公営住宅復旧についても所要の措置を講ずることといたしております。  文教対策としては、罹災児童生徒の学習に支障を生じないよう、教科書の調査補給を行ない、また、就学援助費補助金市町村の申請に基づき交付するほか、授業料等減免措置を講ずることとしております。  交通関係について申し上げますと、主要道路については、一車線以上の交通を確保いたしております。国鉄については、生硬幹線は全線復旧し、運行しており、現在不通の個所は、筑肥線等三線区、七区間であります。  中小企業対策としては、政府系中小企業金融機関に対し、元利金支払い猶予貸し付け期間延長等措置を講ずるほか、据え置き期間の設定、担保条件緩和等措置を講じております。また、中小企業信用保険公庫からの融資臨時金融相談所設置などを行なっております。  公共土木施設等復旧について申し上げますと、河川等公共土木施設については、緊急に復旧を必要とする個所は急遽復旧作業を実施しております。  農地農業用施設についても、緊急に復旧を必要とする個所については、応急工事査定前着工を行なうよう指導しております。  被災者援護対策については、被災者に対して郵便はがき等無償交付為替貯金非常取り扱い保険年金非常取り扱いを実施しております。また、労災保険料延納措置被災事業場に対する薬品の配布を行なっております。  財政金融対策について申し上げますと、資金運用部短期資金による融資については、万全の措置を講じており、金融上の措置についても手続の簡易迅速化政府関係金融機関災害融資等措置を講じております。また、税制上の措置として、申告納付等の期限の延長、租税の軽減免除、納税の猶予滞納処分猶予を行なっております。  次に、普通交付税の練り上げ交付についても検討いたしております。  以上、政府のとっております措置を簡単に御説明申し上げましたが、今回の災害特色を教訓といたしまして、原因等十分調査の上、将来の対策を講じてまいりたいと考えております。
  22. 武内五郎

    理事武内五郎君) 御苦労さまでした。  ただいまの報告に対する質疑を行ないます。御質疑のある方は、順次御発言願います。
  23. 江藤智

    江藤智君 私は、ただいま御報告を申し上げましたように、長崎並びに佐賀両県のお見舞いと調査に参りました一員といたしまして、若干政府のほうに御質問いたしたいと思いますが、それに先き立ちまして、非常な短時間に、一時間に百ミリをこえるというような瞬間的な豪雨に見舞われまして、その災害というものが非常に突発的であっただけに悲惨なものがございました。これに対する処置といたしましては住民のほうはもとより、自衛隊あるいはそれぞれの政府機関におきましても、相当早急な処置がとられているわけでございますけれども、何ぶん相当の死者犠牲者の方も出ておられまするし、一日も早く政府として適切な助成措置を講じていただかなければいけない、こういう気持ちを深くしてまいったわけでございます。  そこで第一にお伺いいたしたいことは、各地とも一斉に激甚災の指定を早くやってもらいたい。こういう要望が強かったのでございますが、この指定についてのお見通しにつきましてお伺いをいたしたいと思います。
  24. 上村千一郎

    政府委員上村千一郎君) いま先生のお尋ねのように、今回の災害につきましての被災地方々から、激甚災害指定をすみやかにしてほしいという御要望が出ておりますることは、ただいま先生方の調査報告の中にもあらわれておるところでございまして、政府としましては、とにかくできるだけ早く指定をいたしまして、そうしてこの災害の立ち直りに意欲を一刻も早くお持ちになられるようにということで、鋭意その手続を急いでおるわけでございます。ただいまのところの見通しといたしましては、できるだけ早くいたしたいと思いまするが、ここでお答えを申し上げることは、おそくとも来週一ぱい中には指定をいたすことができるであろうというふうに存じております。
  25. 江藤智

    江藤智君 それから、早く災害を直す意味におきましても、政府から査定官が出ましてやはり実情を調べる必要がある。場所によっては、すでに査定官が来たという個所もございましたけれども、ただいま各所各地に対してどういうふうになっているか、お伺いをいたします。
  26. 古賀雷四郎

    政府委員古賀雷四郎君) お答えいたします。  災害発生後直ちに査定官を現地に派遣いたしました。そうして応急復旧工事につきまして工法協議等を行ないまして、それらの工事につきましては、ただいま副長官からお話のとおりに思考をいたしております。なお、本査定につきましては、七月下旬ごろから始めたいというふうに考えております。なお、長崎佐賀等につきましては、非常に個所も多うございまして、これらの査定につきましては、第一次、第二次、あるいは第三次と分けまして、緊急なものから逐次査定をしていく方針でございまして、各県と十分緊密な連絡をとって支障のないようにいたしてまいりたいというように考えております。
  27. 太田康二

    説明員(太田康二君) 農林省の関係でございますが、長崎県、佐賀県に対しまして、長崎県の場合には二十六人、佐賀県の場合には十人を応援のため、それぞれ管内、あるいは管外の県から派遣をいたしておりまして、七月上旬から緊急査定を行なうということにいたしておるのでございます。なお、それ以前におきましても、本年度の作付に間に合わせるために、ぜひ復旧が必要である、あるいはこのままほうっておきますと、さらに被害が拡大するというおそれのあるものにつきましては、証拠書類あるいは写真等によりまして、事前の、査定前着工ということも認めておるわけでございます。
  28. 江藤智

    江藤智君 農林関係につきまして、佐賀県のほうで要望しておりますのは、苗を植えた直後に水害を受けた。でいますぐまた植えかえますと収獲が得られるというわけで、いわゆる苗を早く求めて植えたい、しかし、そういうものに対する購入費ですね、輸送費も含めて、そういうものについて、高率の補助をはかられたという特に要望があったのでございますが、そういう点はどういうようになっておりますか。
  29. 太田康二

    説明員(太田康二君) 従来の風水害対策の例で申しますと、いま江藤先生御質問の、稲苗の輸送費、あるいは再仕立て苗しろ設置事業につきましては、予備費あるいは既定経費の流用等で二分の一の補助という形で補助いたしたのが従来の例でございますので、もちろんこれは一定の基準があるわけですが、それに該当いたしますれば、従来の例に準じまして補助いたすべきものというように考えております。
  30. 江藤智

    江藤智君 それから重ねてお伺いいたしますが、農林土木技術者が足りないから、その派遣を、ひとつあっせんして援助してくれ、こういうことがありますが、佐賀県ですが、本省のほうにもそういうことを言ってきておるか、あるいはそれに対してどういう措置を講じられたか、お伺いいたします。
  31. 太田康二

    説明員(太田康二君) 実は、先ほど申し上げたのがそのことでございまして、長崎県には二十六人、佐賀県には十人、それぞれ九州管内、あるいは東海管内、四国管内の各県から応援の技術者の派遣ということをいたしておるのでございます。
  32. 江藤智

    江藤智君 そこで河川局長にお伺いいたしたいと思います。今度のような瞬間的な豪雨による災害というのは、中小河川か、中小河川ともいえない沢みたいなところにどっと水が来て、それで死者が出たり、いろいろ、田畑を荒したり、ということが特徴になっていると思います。そこで、そういう中小河川なり、あるいは土砂くずれがあるところの復旧につきましてて現地で非常に要望しておることは、原形復旧はとてもだめなんだと、ぜひ改良を加えて復旧するようにしてもらいたいという要望が強かったのでございますが政府の方針としては どういうように考えておられるかをお聞かせ願いたい。
  33. 古賀雷四郎

    政府委員古賀雷四郎君) 今回中小河川はんらん、特に都市における河州のはんらん、さらに、がけくずれが多いのでございまして、これらの対策は早急に講ぜられるべきものと考えます。われわれとしましても、御指摘の原形復旧といつことを固守せず、現地に合った改良復旧をやっていくという考えでおります。根本的に河川災害原因をなくするという方向で査定を実施してまいりたい。必要あれば災害関連事業、あるいは助成事業の導入ということを考えております。
  34. 江藤智

    江藤智君 ぜひそういう方針でやっていただきたいと思います。  次に、いまの質問にも関連いたしますけれども、急傾斜地が突然崩壊してきた。これは去年でございますか、山梨県でたいへんな災害を起こした例もございます、こういうような危険なところに対して手当てをするとか、あるいは手当てをするまでに及ばないところでも、そういうところを十分に調査をいたしまして、そして現地の住民に避難その他の措置を早急に講ぜられるような対策をしよう、こういうことで今年度の予算などにつきましても、建設省のほうは相当にその措置を実現すべく努力をしておったことは、私も承知をいたしております。しかし残念ながらこれが実現しなかった。今度現地に行ってみまして、まさにそういうような個所が非常にあるということを痛感してきたのでございます。したがってわれわれとしては、そういう急傾斜地に対して集中豪雨が来たときの手当てというものを、ぜひこの機会に犠牲者の方に対しても考えなければいけないという気持ちを強くしてきたのでございますが、これに対して政府としては、いまどういうふうに考えているか、お聞かせ願いたいと思います。
  35. 古賀雷四郎

    政府委員古賀雷四郎君) 足和田村に発生いたしました土石流につきましては、昨年予備費をいただきまして調査をいたしました。全国的に調査をした結果、約一万五千渓流程度、緊急に措置を要するということになっております。これら土石流対策につきましては、予防砂防事業を格段に促進いたしましてこれらの対策を講じてまいりたいというふうに考えております。もちろん土石流の関係は、地形、地質、あるいは流域の勾配、そういったところを全部調べまして、ただいままで調査したわけでございまして、これらに基づいて今後の砂防事業を格段に推進してまいりたいというふうに考えます。  なお、特に渓流と若干離れまして比較的関係のない急傾斜地につきましては、昨年の災害並びに四十年の災害におきまして、機浜市等において相当出ました。何らかの対策を講じなくちゃいかぬということでわれわれ努力いたしまして、本年度予算が事業費で二億ついております。国費で一億でございます。したがいまして、これらの事業につきましては、非常に個所的に多いわけでございまして、全国でたくさんございます。現在行政部費の調査費をいただきまして、七月末までに調査をいたす予定にいたしておりますが、今回の災害にかんがみて、二億の予算につきましては、被災地を重点に実施してまいりたいというふうに考えます。さらに、この急傾斜地の一般的な対策としては、住宅立地の関係を十分考えていかなければいかぬというふうに考えますし、これらの問題もあわせて今後どう措置すべきかということを検討してまいりたいと思います。  なお、がけくずれの対策につきましては、われわれは、いま各地につきまして、個所ごとに分析をいたしております。それぞれ個所ごとの分析によりまして、急傾斜地対策事業でいくべきか、あるいは緊急砂防事業でいくべきか、あるいは砂防事業でいけるか、そういった点をすべて検討いたしまして早急に対策を講じたいと思っております。
  36. 江藤智

    江藤智君 この急傾斜地対策ですね、これは宿命的に日本の地形と、それから毎年非常な集中豪雨が来るというような事柄から、まあ避けられない災害ですけれども、しかし、人命などに非常にこれは影響がありますね。ですから、なかなかたいへんかもしれませんが、ひとつまあ農林省関係の砂防になろうと建設省関係の仕事になろうと、ひとつ十分に打ち合わせられて、できるだけこういう災害を繰り返さないように御努力をお願いいたしたい。これは総理府副長官が対策本部長のあれでお見えになっておりますから、こういう機会に十分対策を実現できるように、総理府のほうでも御支援を願いたいと、かように要望いたしておきます。  次に、これも建設省関係でございますが、激甚災に指定されますと、非常な高率補助になってまいりますが、工事に限度があるんですか、大きさに。ということは、たとえば十万以下だったらもう全然国じゃめんどう見ない、五万円以下なら見ない、何かそういう限度があるんですか。
  37. 古賀雷四郎

    政府委員古賀雷四郎君) 公共土木災害復旧の国庫負担法におきましては、県工事におきましては十五万円以上、それから市町村工事においては十万円以上ということになっております。これは二十六年に制定されたものでございまして、現在まで物価指数をいろいろ掛けてみますと、約倍近く上がっておりますので、現在では、県工では七万五千円、それから市町村工事は五万円以上というようなことになろうかと思います。しかしながら、激甚災が適用されますと、交付税等におきまして必要な措置がされますので、地方財政を圧迫するようなことはないような方向になるというふうに考えております。ただいまのところ、公共土木の災害復旧の限度額を下げるという考えはございません。
  38. 江藤智

    江藤智君 そこが問題なんですね。今度のような災害は非常に小災害が多数に重なっておるのが特徴ですよ。それでそういう災害、極端に言えば、五万か十万か知りませんけれども、そういうあまり国の対象にならないような災害ばかりだったような場合には、これは国の助成というものはできないことになりはしないかという心配があるんですが、これはどういうふうになるんですか。
  39. 古賀雷四郎

    政府委員古賀雷四郎君) 先ほど申し上げましたとおり、限度額は、県工事において十五万円、市町村工事で十万円ということになっております。物価は二倍ほど上がっておりますが、小災害復旧工事業に対しましては金額起債が認められておりまして、その元利償還金を交付税交付の対象とするというようなことで、一般の地方財政の問題として措置しておりますので、現在の段階で支障があるとはわれわれ考えられませんし、十分な措置ができている。したがいまして、限度額を引き下げるという必要がないんじゃないかというふうに考えております。
  40. 江藤智

    江藤智君 そこを少し調べていただきたいんですが、別に地方財政に対して支障がないという話ですけれども、なるほど起債を認めますよ。そうしまして、今度は特別交付税でそれをカバーする道は開かれておりますが、その特別交付税が、これは立ち話ですから、私はっきりはわかりませんけれども、二、三〇%なんですね。特別交付税が国がそれを戻してやるのが。そうすると、残りの七〇%強というものはやはり地方財政が、非常に貧弱な地方公共団体の負担になるというふうに私は今度聞いてきたものですから、その点をひとつ十分調べていただきたいと思います。この問題は、農林省のほうはどういうふうになっておるんですか。
  41. 太田康二

    説明員(太田康二君) 農地農業用施設につきましては、一カ所の工事が十万円以上ということに相なっておりまして、大体建設省の公共土木負担法の関係と同じように激甚法の指定がございまして、それとの関連におきまして小災害につきましては起債の措置が認められておる、こういう形に相なっております。
  42. 江藤智

    江藤智君 大体それでは私が質問しておりますのも同じ趣旨でございますけれども、要するに起債は認めると、しかし、それを返していかなければいかぬのですね。その場合は特別交付税でめんどう見てやる、それは非常に率が小災害は低いものですよ。そうすると小災害がたくさんありますと、大災害が一つどかんと来れば、これについては相当の高率の国庫補助が認められますけれども、小災害が重なった場合に、非常に地方財政を圧迫するというような現地報告がありましたから、私は実はまだ調べておりませんけれども、その点についてひとつ十分地方財政を圧迫しないように御考慮願いたいと要望をいたしておきます。  それから厚生省、主として防疫関係ですね、たとえば伊万里市のごときは、全市が水と泥に埋もれておるようなかっこうでございまして、ちょっと新聞などで赤痢が出たというような記事が出ました。非常に心配いたしまして現地で確かめましたところが、これは今度の災害とは関係がないのだというお話で安心をしたのでございますが、その後防疫関係はどうなっておるか。また、伝染病患者などが発生したのかどうか、その点をひとつお聞かせを願いたいと思います。
  43. 飯原久弥

    説明員(飯原久弥君) ただいまの江藤先生の御質問でございますが、直接伝染病関係は公衆衛生局のほうで所管をいたしておりますので、現段階における新しい伝染病対策については明確に御説明はいたしかねるわけでございますが、いずれにいたしましても、先ほど副長官のお話にございましたように、災害救助法が発動になりますというと避難所等が設置されるわけでございますから、そういうところでさしあたっての集団検診等を行ないますし、鼡族、こん虫地域の指定というのがございます。これは伝染病予防法に基づく指定でございますが、これもやはり今回の災害の県にいずれにいたしましても指定をいたしまして、防疫活動を行なっておるわけでございます。  それで、先ほどお話しにございました伊万里市赤痴の発生状況につきましては、これは十三日、患者を伊万里市の市民病院の隔離病棟に入院の措置を行なったわけでございます。ただ、御指摘のございましたように、直接今度の災害とは関係ないと申しますのは、災害中心地から約二キロ離れておりまして、また、保菌状況もその以前にあったようでございます。そういうようなことでございますが、何ぶん時期が時期でございますので、十分この点は県のほうとも連絡を密にいたしまして、伝染病の発生しないように関係局のほうで指示をし、また連絡を常に保っておるような次第でございます。
  44. 江藤智

    江藤智君 気象庁お見えになっていますね。今度の集中豪雨というのは、大体五島の上を通りまして、そして佐世保からずっと伊万里に回っていったというように現地で話を聞きました。集中豪雨を予報するということは、局地的なものでございますから非常にむずかしいということは私も承知しております。しかし、そういう道を通って来たわけでございまして、これは梅面前線とも関係があるわけなんです。ある程度五島辺でたいへんな集中豪雨があれば、その道筋あたりには、これは集中豪面がどこに来るかということはむずかしいかもしらぬけれども、来るおそれがあるということは、われわれがしろうと考えで考えますとね、ある程度できるのじゃないかという私は気がするのです。ところが、佐賀県で聞いてみますとね、大雨豪雨警報というのでございますか、とにかく豪雨警報は少し比較的早く出ておりますが、豪雨災害をあわせた豪雨災害警報というのですか、これが来たときと、どっと降ってきたときとがほとんど一緒だというような場所があるわけなんです。もう少し早く警報が得られないかという希望が現地であったんですが、気象庁として、まああとから考えられた結果でもけっこうなんです、少しでも早く警報が発せるような方法ができなかったものか。あるいは、今後どうすればできるかというような点をひとつ聞かしていただきたいと思うのです。ということは、今度は幸い大体お昼ですよ、十二時から一時とか、ま昼間だったから、あれだけの突然と一時間に、あなた、百ミリこえるなんといったらたいへんな雨量です。それがどっときて、川筋がまっすぐになりましてね、その筋の家はみんな流されてしまって、あとかたもないという場所が数カ所あるんですが、それにしても死傷者が比較的少なかったのは、ま昼だったということで不幸中の幸いだったと、夜だったらたいへんな災害だったという現地の意向もありますし、私もそういうふうに感じてまいりました。したがいまして、こういう集中豪雨の予報というものは、人命尊重の意味からいいましても、きわめて大切なことだと思うんでございます。この点について、ひとつ気象庁の御意見を聞かしていただきたいと思います。
  45. 今里能

    説明員(今里能君) 江藤先生御指摘のとおり、今度のとおり、今度の七月豪雨長崎県の五島から順次東北東に移動してまいりました。それで、この移動の方向とか、速さとかいうものが早期に予測できなかったかという問題でございますけれども、実は技術的に申しますと、六月の十九日以来、本州に沿って停滞しておりました梅雨前線の上に、台風七号が衰えまして温帯低気圧となりましたものが乗っかりまして、どこかに大雨を降らすであろう、集中豪雨のポテンシャルがあるという事実は、私ども把握しておりました。それによりまして長崎県の五島、福江の測候所におきましては、災害の起こります前日の八日の十二時二十分に、大雨波浪注意報というものを出しました。それから九日の朝の八時三十分でございますが、大雨洪水強風波浪注意報、こういうものに切りかえました。それから追っかけまして、一時間後に、九日の九時四十五分でございますが、大雨洪水警報、それを出しております。で、注意報と申しますのは、非常にシビアーな、ストーム、その他高潮でも津波でもそうでございますけれども、そういう自然現象、非常にシビアーな自然現象が予測されて、それによって災害が引き起こされると、こういうことが予測された場合に出すものでございます。それで警報のほうは、この災害が非常に重大であるとか一重大な災害が予測された場合に警報にかわるわけでございます。それで、江藤先生おっしゃいますように、確かにこの警報というものに切りかえた時期が、若干災害そのものが発生する一時間ぐらい前でございますか、災害が何時に起こったかということを正確に把握しておりませんけれども、時間雨量の最大が九時から十時までの間に起こっておりますから、若干それよりも早く出してはおるのでございます、福江の場合は。それで、この点につきまして、私どもは決してこれで十分であったとは考えておりませんで、将来もっと早く出せるようにくふうをこらして努力をいたしたいと存じております。ただ、台風などの場合と違いまして、集中豪雨の場合におきましては、そういう集中豪雨が起こる可能性があるということを私どもつかみまして、そして注意報は出します。注意報は出しますけれども、はたして何県何郡に起こるか、何市に起こるかという、その的確な予測をすることが非常に困難でございますので、注意報を出しました後におきまして、県内の観測網を動員いたしまして、毎時の雨の状況を十分監視いたしまして、それが警報を出す段階になりそうだという予測がついたときに警報に切りかえる、こういう手段をとっております。それで、いわば実況主義でございまして、集中豪雨につきましては警報を出すべきであるというような、理論的に方程式を解いて予測するという城に私どもはまだなっておりませんので、はなはだその点申しわけございません。今後集中豪雨の機構とが、その他十分研究いたしまして、社会の要請にこたえていくことができるように努力したいと思っております。  以上でございます。
  46. 江藤智

    江藤智君 こういう災害のときには、やはりそれの指針になるものは測候所の注意報あるいは警報ということになるわけでございます。でございますから、ひとつそういうことを早急に的確に伝達するためにはどうしたらいいか。金のことはあまり考えないで、そしてもしできるならば思い切ってそういう処置を講ずるように進んでいただきたい。これは測候所だけの問題じゃなくて、全般的に私の要望でございますが、これはまあ当然のことでございますけれども、今度の長崎佐賀の、十三日現在ですら、すでにもう三百五十七億か、三百六十億という災害を受けておるわけだ。これを復旧する金はもっともっと多いでしょう。それからその間に人命を失うし、その間の住民の苦労というものはたいへんなものでございますね。でございますから、政府としては、そういう方面に対する金は、これはもう惜しみなく——というとこれはおかしいのですが、やはり惜しみなく使わにゃいかぬと思うのです。それがもうほんとうに国の全体としては結局得になるという気持ちがいたしますから、ひとつ復旧にあたっては改良復旧でやる、あるいは測候所につきましては、ほんとうに精緻な予測をするためには一体どれぐらいの費用が要るというようなことを、この機会にひとつ総理府のほうでも十分にお考えになりまして、そういう予算措置も講じていただきたい。これが私の現地を回りました総括的な感想でございますから、この点を要望いたしまして私の質問を終わります。
  47. 上村千一郎

    政府委員上村千一郎君) 江藤先生がいろいろおっしゃいましたそのとおりと思いまして、災害対策本部といたしましても、いまのような御趣旨のもとにいろいろと案を練ってまいりますとともに、真剣に取っ組んでいく体制になっておりますので、先生の御趣旨を体しましてやっていきたい、こう思っております。
  48. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 私はおもに、今回の水害で兵庫県の神戸の市ケ原の災害を中心にして若干の質問をさしていただきたいと思います。  その前に、先ほども問題が出ておりましたが、中小河川の問題でありますけれども、この中小河川が非常にはんらんがしやすくなっていることは、何も今回の豪雨だけではなしに、近年来やはり何回か中小河川はんらんが起こりまして、特に現地の人たちが安心をしておったような河川はんらんをして、たとえば夜中に急に土砂が入り込んできて、家が流されてしまったとか、そういう例はこの二、三年来あったわけです、各所においてもやはりそういった状況があった上において、今回のこういう豪雨で、特に中小河川が大きくクローズ・アップされたわけでありますけれども、この中小河川に対して、先日も本会議において建設大臣のほうから、降雨量のとり方が少ない、百ミリくらいの降雨量をとったらどうか、こういう質問に対して、検討したい、こういうことをおっしゃっておりますけれども、その後建設省としては、これに対してどういう方向でおやりになるおつもりか、まず最初にお伺いしたいと思います。
  49. 古賀雷四郎

    政府委員古賀雷四郎君) 中小河川の計画を定めます降雨量に対しましては、概括的に申しますれば、ただいま五十ないし六十ミリ程度の降る雨には耐え得るような——時間雨量五十ミリないし六十ミリに耐え得るような計画でいま仕事をいたしております。  なお、特に重要な河川等につきましては、これの最大雨量をとり、あるいは第二位の雨量をとるというようなことで計画を進めてまいっております。しかしながら最近、異常な集中豪雨と申しますか、昔もあっとた思いますが、非常に集中豪雨による被害が大きくなっているということは、流域の開発に伴って非常に流出が多くなっているというような問題もあろうかと思います。宅地化されたり、あるいは道路を舗装されたり、いろいろなことをやられまして、降った雨がそのまま洪水になってあらわれるというような状況でございます。なお、そういった流域には人口、資産が集中しまして被害が激甚化いたしておりますので、われわれとしましては、中小河川の計画雨量を再検討すべきじゃないかということで、ただいま治水計画全体につきまして検討を行なっております。ただ非常に問題点は、計画雨量を百ミリにとった場合に——時間雨量百ミリというような大きな雨をとった場合に、現在の河川改修がはたしてできるかどうかという問題が一つあるわけでございまして、まあ用地買収の問題、あるいは財政的な問題等によって、それらの百ミリに対するものをやっていくということが急速にはできないだろうというぐあいに想像されます。したがいまして、たとえば東京都の河川等につきましては、第一期、第二期、第三期というぐあいに分けまして、狩野川台風に耐え得るような計画を実行していこうということでただいま進めているわけでございます。財政問題とか、いろいろな問題が許されるならば、われわれとしましては、それらの計画を十分検討いたしていきたいというふうに考えております。
  50. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 いまも言われましたけれども、ただ雨が降ってすぐそのまま水になる、その場合、いろいろな下水の問題とか、それから最近の宅地造成等の問題で、やはり水がすぐに出る。したがいまして、今後どうせ調査はおやりになると思いますけれども、この中小河川がどの程度に耐え得るかということは、いろいろな要素というものを全部総合した上で、そうしてこの川はこれくらいの雨が降ればあぶない、やはりそういうのを、一応段階と申しますか、等級というものを分けて、そうしてやられる必要があるのじゃないか。ただ雨が降った、それで水がすぐ出るということじゃなしに、まわりの環境、山の状態であるとか、いま言ったような宅地の状態であるとか、下水の問題であるとか、そういうのを全部総合した上で、科学的にこの河川は何ミリ降れば大体何時間ぐらいに水が出て、どうなる。したがって、この付近の住民の人に対しては、このくらいの雨が降る場合は気をつけろ、こういうことを早急に私は調査をされて、補修するまでには、いま言われたように予算の問題等でなかなかたいへんだと思います。もちろん早急にやることが第一でありますけれども、それを将来、何年ぐらいまでにはこのくらいまで持っていくから、それまでの間は、このくらいの雨が降ればおたくはあぶないから避難するとか、もちろんそれは民家にも言うとともに、その市町村また県等にきちっと警告を出して、そういうことを先にやっておけば住民の人たちもそのつもりでいるわけです。今回でもかなりの死者が出たり、生き埋めの人が出ているというのは、安心しておったと思うのです。知らされてなかった。このくらいの雨だったらあぶないということがわかっておれば、かなり降ってくれば、予報がおそかったせいもありますけれども避難がかなりできたのじゃないか。また、郡や市としても、避難命令を出すのをもっと早くできたと思う。そうすればここまでの災害には至らなかった、このように考えますので、ぜひ科学的に早急に調査して、できればそういうクラス等も分けて、そうしてその辺の住民に指示を出す、またあるいはその市町村にもきちっとそうすることを言い渡す、こういうふうな方向が私はいいのじゃないか、こう思いますけれども、この点についてどうでしょう。
  51. 古賀雷四郎

    政府委員古賀雷四郎君) これは、例年出水期前に各都道府県において水防会議というのを行なっております。その中で、こういう地点は危険である、こういう地点はあぶないというようなことをそれぞれ記載してあります、個所ごとに。したがいまして、そういった個所に対しましては、各市町村がそれぞれ危険のある程度の雨が来たらあぶないぞ、高さの問題とか、いろいろな問題を知らしてあります。そういうことでございますが、それらの点につきましては、まだ不十分で徹底していない点もあろうかと思いますので、十分検討いたしまして、一般大衆が十分安心できるという方法をひとつ検討してまいりたいと思っております。  なお、今回の集中豪雨は非常に時間雨量的に急速であったと同時に、土石流というものががけくずれによって非常に伴ってきたというような問題もございまして、宇治川等の例を見ますと、非常に材木がつかって水が流れ切れなかったという問題がございます。それらの点を十分今後検討してまいりたいというふうに考えております。
  52. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 この中小河川の問題で、今度の豪雨で特に特徴的なのは、いわゆる団地ですね、または住宅地の最近開かれたところが特にはんらんをしているわけです。たとえば大阪の大きな団地であるニュータウンのごとき、その中に流れている千里川等も、これなんか、やはり団地をつくる段階に大きな問題があると思うわけです。排水の問題とか、またいろいろなまわりの環境、そういうのがやはりこういうはんらんをさせているわけですから、こういう団地をつくる場合、いままでの問題はしようがないとしても、これからそれを規制していく方法はあるのかどうか、お聞きしたいと思います。
  53. 古賀雷四郎

    政府委員古賀雷四郎君) 御指摘のように、団地につきましては、若干そういった点で治水対策がおくれていたという面がございます。したがいまして、千里団地に対する千里川というのが破堤等の被害を生じております。これらの問題につきましては、最近の団地開発が非常に急速に行なわれております。しかも、降った雨が早急に出てくるという問題がございますので、団地開発ごとに、一本の河川につきまして団地と関連いたしまして実施するように努力いたしてまいっているところでございまして、今後とも御指摘の点は十分留意してまいりたいというふうに考えております。
  54. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 団地をつくる場合ですね、団地の許可をする前に、そのまわりの河川の状態を整備してから、それでなければ団地をつくらせない、そこまで持っていかないとやはりだめだと思うわけです。この干里川の場合も、これは農業用の小さな川であったのですが、団地ができてそのまま前の状態だからこういうことになったわけです。それは連絡をとってやるだけでなしに、そういったまわりの環境を全部よくしてなければつくれない。もちろん中小河川の問題だけではなしに、またこれからあと質問します問題、要するに、さっき出ておりましたけれども土砂くずれの問題とか、いろいろありますけれども、そういう災害というものに対する防止という問題を含んだ上で宅地造成あるいは団地をつくる、そういうふうな法規制をきびしくつくる、そういうことまで持っていかないと永久に解決しないと思うのですけれども、その点の用意はあるかどうか。
  55. 古賀雷四郎

    政府委員古賀雷四郎君) 団地は、つくられる前に十分打ち合わせるということが必要でございます。また河川の立場から、どうしても団地をつくることが非常な災害を招くという危険性のある団地につきましては、われわれとしては拒否したいというふうに考えております。  なお、団地の開発の河川につきましては、宅地の開発の関連公共事業としまして、今後宅地開発と一体となってやっていくような方向で現在検討いたしております。
  56. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 次に、神戸の市ケ原のガケくずれでありますけれども、これはゴルフ場が大きな原因であると言われておりますけれども、このゴルフ場をつくる場合許可されたのは、これはどこの機関で許可をされて、その場合きちっと規制等はどうなっているか、教えていただきたいと思います。
  57. 阿部正利

    説明員(阿部正利君) 神戸ゴルフ場につきましては、厚生省が自然公園法に基づきまして認めたわけでございますが、その基準と申しますか、につきましては、その事業が福祉、風致景観を害さないかどうか、その施設が公園に適当しておるかどうかというようなことを基準にして認めておるわけでございます。  なお、これらの防災措置に関しましては、建築基準法あるいは砂防法、森林法等、いろいろ関係の法律によって規制されるというふうなことになっておるわけでございます。
  58. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 これは許可されたときは、結局、こういう結果論から言うわけでありますけれども、あまり防災ということについては考慮はされてなかったと思うのですが、その点どうでしょう。
  59. 阿部正利

    説明員(阿部正利君) 許可、認められましたのは、三十四年の三月でございまして、このときにはこういったことはございませんが、これらの防災措置につきましては、私どものほうとしまして、県、市関係当局に対しまして、こういった治山治水というものを完全に行なうようにということを要求して、これらの指示を仰いでやるようにということを申しておるわけでございます。したがって、工事に当たりましても、地元のほうといたしまして、そういう専門家の知恵を借りて工事に当たっておるというふうに考えております。
  60. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 いまの答弁だとあまり、ただ指示を仰いでやるようにとかいうだけで、実際どの専門家が調査した結果これを、このゴルフ場であればこの辺の地質の上からいって、災害はもうよほどのことがない限り絶対起こらない、そういうチェックをなされた上で許可をされたのではないと思うのですけれども、その点どうでしょう。
  61. 阿部正利

    説明員(阿部正利君) このゴルフ場は三十四年に当初認可されまして、三十七年の七月にさらに変更の認可になっておるわけでございまして、現在は、この三十七年からは宅地造成等規制法による適用区域として指定されておるわけでございまして、これらの措置というようなものがとられ、なお、その他防災等のことについてもいろいろとやられておるというふうに考えております。
  62. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 結局、いまあるいろいろな既存の法律だけでは、こういうものをつくって許可をする場合はあまり規制が強くできないと、このように思うのですけれども、何回も質問しましてくどいようでございますけれども、その点はどうなんでしょうか。
  63. 阿部正利

    説明員(阿部正利君) 私どもといたしましては、砂防防災上の専門的なことも打ち合わせておりませんので、ここが常識的に非常に危険なところであるということに基づいて、関係方面の専門家あるいは当局の指示を得てやれというふうにいたしておるわけでございます。
  64. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 指示を得てやれということで、それはどういうふうにやられたかという、あとのチェックをされたかどうかということです。
  65. 阿部正利

    説明員(阿部正利君) 現在では宅地造成等規制法の規定ができまして、これらの法律の所管省でこういった規制、監督が行なわれるというふうに考えております。
  66. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 このゴルフ場については、規制法ができてから一応調べられたのですか、どうですか。
  67. 阿部正利

    説明員(阿部正利君) 災害の情報をキャッチいたしまして、現地に係官を派遣して実地に調査し、指導をいたしておるわけでございます。
  68. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 災害の起こる前にそういうことを調べられておったのですか、どうですか。
  69. 阿部正利

    説明員(阿部正利君) 災害の起きる以前に私どものほうで実地に現地に行ったことはございませんが、県並びに市のほうに、そういった砂防上の、治山治水上の問題について十分指導、監督するように、県のほうにそういうふうな指示をして実地に当たらしておったという状況でございました。
  70. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 県や市のほうに指示しておったと言われますが、これが実際に災害の起こったあとに、県や市としてはそういう点についてきちっと指示どおりやっていたかどうか、ということ、起こってからはチェックされたかどうか、お答えをいただきたい。
  71. 阿部正利

    説明員(阿部正利君) 県、市のほうといたしましては、防災指示につきまして、認可後、災害が起きる前でございますが、そういった防災関係の勧告を行なっておるということが事実でございます。
  72. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 勧告をやったにもかかわらず——その結果は、きちっと災害が起こらないように何らかの処置がとられていたわけですか。ただ勧告してそのままほったらかしであったかどうか、その点どうですか。
  73. 阿部正利

    説明員(阿部正利君) 勧告後どういうふうにしたかということになりますと、宅地造成等規制法の関係もございますし、よく調査いたさなければわからないと思いますけれども、それ以前においては、災害予防等の見地から万全を期しておる、こういうふうに考えております。
  74. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 ぜひこの問題について、どこに責任があるか、どの点に漏れがあったからこういう事故が起こったか、多くの人が死んでおるわけですから——いまになっても、いまの答弁を聞いておりますと、災害が起こったあとの、そういったいわゆる政治の上から、また法律の上からどこら辺が抜けていたか、そういった点があまりチェックされていないように思うのです。その点ひとつ。
  75. 阿部正利

    説明員(阿部正利君) 現在は宅地造成等規制法の規制適用地域でございますので、これはこの法律を所管するところで、専門的な立場から、そういった規制なり今後の措置なり、災害防止と、そういったようなことが行なわれると思います。
  76. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 いや、私の言っているのはね、このゴルフ場が大きな原因で起こったわけでありますから、ゴルフ場が、このくらいの雨で——これはまあ非常に大きい雨ですけれども、こういうふうになったことについてね、どこに原因があるのかと。それをがっちりと、いろいろな総合的な原因はあるでしょうけれども、特に核心となるものはどこかと。法律が甘いのか。いま言った、県や市に勧告をしたけれども、その辺がチェックされていなかったのかどうか。また、その業者の造成がいいかげんで、ごまかしておったか、そういった点を徹底的に私はこの際原因を究明して、そこに欠陥があるならば、法の規制をきびしくやっていくとか、あるいは監督の面において欠陥があったら、その監督を今後強化していくと。特にこの六甲山津波ですからね、この辺は非常に土砂くずれがしやすい地盤であることはみんな知っておるわけです。たしか昭和十三年にも大きな被害があったわけです。私の子供のときで、私も兵庫県のほうにおるわけですけれども、逃げて歩いたのを覚えておるわけですから、とにかくそれ以後は久しぶりの大きな災害ではありますけれども、とにかくこういうことが起こっているわけですから、この際、ただ表面的な調査とかそういうふうなことでなしに、徹底的な原因の究明をして、今後二度とこういうことが起こらないように、そうしていくことが私は政府の仕事であるとこう考えますので、その辺を言っておるわけですが、その点についてはどうですか。
  77. 阿部正利

    説明員(阿部正利君) 現在におきましては、もちろん御趣旨のとおり、災害防止するということに主眼を置かなければならないわけでございまして、こういった観点から、県、市防災当局に対しまして、ゴルフ場の防災措置を十全にとるように要請し、また、ゴルフ場の側に対しましても、その要請に従うべしというようなことを厳命いたしておるような状況でございまして、今後もさらにそういった点について適切な措置をとっていくようにしていきたいと思っております。
  78. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 呉の場合も、これはゴルフ場ではなくして、スカイラインという観光ドライブウェーの開発中に起こった事故で、これは木が切られたと。こういうふうに、やはりそこらじゅうで起こっている事故はこれが大きな原因になっているわけですから、この際ひとつ徹底的に原因を究明して、前進的な措置をとっていただきたいと思います。  次に、農林省からお見えになっておりますのでお聞きいたしますけれども、こういったゴルフ場をつくったり、またはこういうドライブウェーをつくる場合、やはり木を切るわけですけれども、こういうものの開発と、その木を伐採するそれと災害、そういった点の、樹木を切ることに対する規制はどのようになっておるか、お聞きしたいと思います。
  79. 高桑東作

    説明員(高桑東作君) 山林の施業につきましては、森林法に基づきまして、全国森林計画あるいは地域の森林計画、こういうものがございますが、これによりましてその取り扱いを定めているような次第でございます。そこで、まあ森林の施業は、この生産力を高めますと同時に、国土の保全という点を常にうらはらに考えているわけでございますので、そういう伐採をするというような点につきましても、常に保全上のチェックが厳重になされているわけでございまして、そこで、この森林の中で特に保全上重要な山林地域につきましては、これを保安林に指定いたしまして、これにもろもろの行為の制限をいたしております。現在ある保安林は、三十九年現在におきまして約四百万ヘクタール程度でございますので、これを保安林整備臨時措置法に基づきまして、昭和四十五年、六年度までに六百六十万ヘクタール程度に拡大する、かような計画で山林の保全を推進するということでございます。しかし最近、特に集中豪雨等の襲来が激しく、しかもこれらが非常に局地的に来るというような実態にかんがみまして、さらにこの保安林施設整備計画を再検討いたしまして、局部的にきめのこまかい保安林計画を推進してまいりたい、かように考えております。
  80. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 今回起こったところ辺の山林はどうなっているのですか、保安林になっているか。特に神戸の市ケ原とか、いまの呉その他今回の事故と、この保安林の関係ですが。
  81. 高桑東作

    説明員(高桑東作君) 市ケ原の問題の個所につきましては、現在ゴルフ場という地目になっておりますが、山林というのじゃございません。そのほかの表六甲の地域の崩壊地が発生いたしました個所につきましては、ただいま詳細を調査中でございますけれども、保安林内部におきましても、山くずれが出たという事態は相当あるのではないかと推定しております。
  82. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 できるだけすみやかに調査を完了されまして、そしていま言われましたように、前向きでやっていただきたいと思います。  最後に、時間がありませんので、気象庁のほうにお伺いいたしますけれども、先ほども予報の問題が出ておりましたが、この間の本会議でも総理が、飛行機の問題についてはまあ無理だと、こういうふうに言われたのですが、永久に無理なのか、ある程度になればできるのか、見通しというものはどうでしょうか。
  83. 今里能

    説明員(今里能君) 現在私どもがある程度の正確さで予報できますのは、高気圧、低気圧、二、三千キロの広がりを持ったそういうような気象現象でございます。それ以下の小さな気象変化、たとえば集中豪雨、雷雨というようなものにつきましては、現在の時点におきましては、学問的にもどうやって予報すべきかということがわかっておりません。それでそういう点からいいますと、非常に小さなそういう変化に対しましては、予報が非常に困難であると申し上げざるを得ないのでございます。しかし現実に、そういう小さな気象現象によって災害がしばしば引き起こされるその災害防止という観点からいたしますと、何とかしてこれを予測しなければならない。そういうジレンマにあるわけでございますので、私どもといたしましては、実況をすみやかに把握して、その実況の動きに基づいて早期に注意報なり警報なりを、出すと、こういう手段でやっていくよりほか、ここ当分はいたし方ないかと存じております。ただし、その実況の動きでございますが、これがそのまま一定の方向に動いていきますと、まあ予報は当たるということになりますけれども、一つの気象現象は、そのままの状況を持続して移動していくもりでございませんで、ときにはそれが消滅してしまったり、あるいは急にそれ以上に発達したり、あるいはまた急に方向を変えたりいたしますので、かりに完全に実況を把握できたといたしましても、予報の的中率が一〇〇%に近いということは困難でございます。それが現実の状況でございますけれども、それをもって、どうもこれよりほかいたし方がないというような態度でなくて、気象学的にも、そういう小さな変化に対してどうしたら少しでもいい予報ができるような理論が見つかるというようなふうにも、そういう研究面でも努力をいたし、それからまた実況の把握ということにつきましても、大いに施設その他の面で整備を心がけまして、少しでも社会の要請に応ずることができるようにやっていきたいと存じております。以上でございます。
  84. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 私の聞いたのは航空機の問題ですけれども航空機による調査はまあ無理だと総理は言われたわけですけれども、これが永久に無理であるのか、それとも見通しがあるのか、そういうことはなんですけれども
  85. 今里能

    説明員(今里能君) 現在の気象庁といたしましては、みずから航空機を持ち、その整備を行なう、それを飛ばして観測するということはいろいろな面におきまして、もちろんその中には予算の面もございますし、また危険性という面もございますが、そういう面におきまして、若干困難ではないかと思っております。やはり外国の例を見ましても、気象関係の当局が自分で飛行機を運用して飛行機による気象観測を行なっているところはほとんどないのではないかと思っております。以上でございます。
  86. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 いや、ほとんどないのではなくして、アメリカあたりはやっているんじゃないでしょうかね。フロリダのほうのハリケーンですか、あれの調査は飛行機を飛ばしてやっていると思うんですけれども。それから総理が言われた「アメリカの協力を得るという、そういう方向でただいまやっております」云々と、こういうふうに言われておりますが、アメリカの協力体制はどうなっているか、それで十分なのかどうか、その点をお伺いしておきたいと思います。
  87. 今里能

    説明員(今里能君) 先生御指摘のように、マイアミのハリケーン研究所では、飛行機をたしか三機保有しておりまして、みずからやっておるようでございます。  それから、アメリカとの現在の飛行機観測のデータの問題でございますが、これは日米間の地位に関する協定でございまして、その第八条によりまして、相互で観測しました気象資料を交換することになっております。それに基づきまして、台風が太平洋地域に発生いたしました場合には、主としてグアム島から飛びました飛行機による観測を、府中経由で最大漏らさず入手しております。それからまた、こちらのほうで研究の上に、台風ではないかというような徴候を発見いたしました場合には、府中を通じてその旨を申し入れまして、飛行機観測をこちらの希望によってやってもらった例もございます。現在のところは、ほぼ完全に向こうの航空観測資料は入手しておると言うことができると思います。   〔理事武内五郎君退席、理事矢追秀彦君着席〕
  88. 武内五郎

    武内五郎君 いま気象庁に対する質問がありましたので、ついでにそこから入ります。大体私の聞きたいことは、江藤君その他の質問者によって究明されておりますが、ただ、重複を避けてお尋ねしたいと思いますが、尋ねるというよりもむしろ希望に近い。というのは、江藤君がお話しになっておりましたように、注意報が出る、次もう警報が出る、その間ほとんどもう時間的差がなく、わっときておるというような現象が起きて、災害地ではかなり混乱したようです。気象に基づく準備が混乱しておったというようなお話を実は現地で聞いてまいりました。そこで、実は私は、かなりそれにも、気象台でも努力しておったのだろうけれども、いろいろな手の及ばないところがかなりあったのじゃないかと思うのです。ということは、こういうことから感じられる。現地でこれやはり聞いたことでありますが、広島の気象台では、今年の予算で集中豪雨に関する研究費をお願いしておった。それが非常に削られて、わずかに、何かあまりいいものでないらしい、雨量計とそれからわずかな調査費がついただけである。こういうようなことでは十分な研究もできないのではないかという心配があることを聞いてまいりました。御承知のとおり、なかなか気象というものはつかみにくいものだと思うのであります。先ほど江藤君のお話にありましたが、測候所と、測候所の観測の観測網の中をくぐってくる小さい気象変化というものもかなりあろうと思いますので、ことに今回のような非常に途中で変わってきた豪雨、こういうようなものはかなり把握しにくいものがあるのじゃないか。たとえば、もう少し観測施設というものが充実しておれば、早く完全にその状態が把握されて、それに対する気象の変化に対する準備ができたのではないかと考えられるのですが、特に、いま矢追君から飛行機による観測等についてのお話が出ておりましたが、たとえば気象レーダー施設とか、あるいはロボット雨量計というような施設が空中に回っておりますと、いつでもどこでも把握ができる、どこに集中豪雨がきて、どこにどういう変化が起きるかということが早く観測することができたんじゃないかと思うのですが、そういうことについては、私は、気象庁が今後どういうふうな考えを持って、また計画があって、気象観測の正確を期するように努力していくか、それだけ伺っておきたいと思います。
  89. 今里能

    説明員(今里能君) 計画につきまして述べます前に、ちょっと注意報、警報のことを触れさしていただきたいと思いますが、実は今度の七月降雨に関しまして、注意報は、それぞれ前日に出ておりまして、ただ警報に切りかえたのが、災害の起こりました当日であったという点につきましては、御指摘のとおりでございますが、呉の警報の場合には、災害が起こります数時間前に警報を出しております。警報を安易に出しますと、から振りになるおそれもなきにしもあらずというようなことで、これからまた警報は非常に慎重な態度で出しませんと、警報が出ましたために影響するところが非常に大きいのでございますので、これ以外のところでは若干遺憾な点があったかと思いますけれども、現在の段階ではそれが最善ではなかったかと存じております。  それから、先生の御質問のとおりに、レーダーとかロボットとかいうものを充実いたしまして、実況の把握を完全にするということが、これが最も大事なことでございます。それで四十二年度におきましては、広島の近くに——むしろ呉の近くでございますが、そこへレーダーを設置する予定でございますし、それから大阪のレーダー、もう古くなったやつを更新いたしまして、性能のすぐれたものと取りかえる予定でございます。それからさらに、レーダーに関しましては、次の年度には東北地方に、いま穴のあいておるようになっておりますところの東北地方の日本海側につけたい希望を持って検討を進めております。  それからロボットにつきましても、現在雨量をはかりますところのロボットが全国で数百カ所、特に測候所あるいは気象台の観測点から離れた山地に設置する目的ですでにわれわれ所有しておりますけれども、さらにこれを拡充いたしまして、来年度の予算を要求していきたい、こういうふうに考えて検討を進めております。  それから、レーダーその他によりまして把握いたしました実況を速報するため、つまり一カ所で観測いたしました状況を近隣の、あるいは本庁のほうに速報いたしまして、全国的な把握を完全にするための気象通信網の改善は、全国的な総合計画で四年前からスタートいたしまして、明四十三年度で北海道を最後として一応第一次計画が完成する予定になっております。  飛行機観測につきましては、目下のところ、通常業務としてこれを所有して観測を実測するという計画はございません。ただ、研究目的のために、たとえば、これも集中豪雨の一種でございますが、北陸における豪雪、これの研究のためにチャーター機を研究目的のために使用するということは、数年来やってまいりました。  それから、広島におきます研究費の問題でございますが、気象庁付属の気象研究所は、地方と共同研究というものを実施しておりまして、気象研究所のほうから、それぞれの地方特有のテーマに対しまして研究費の助成をして共同研究をやっております。それで十分でなかったという点につきましては、これはどういう事情か私存じておりませんが、まあ何ぶん全体の予算が十分ございませんからこういうことになったのかと存じます。  それから、集中豪雨の研究につきましては、従来、北陸の豪雪につきましての研究のプロジェクトを持って進めてまいりまして、昨年度で一応まとめを終わったわけでございますが、今年度からは成雨機構、どうして雨が降るか、それからまた、それがどうして集中豪雨になるかということも、相当の予算をさきまして気象研究所で研究を進めていく計画でございます。
  90. 武内五郎

    武内五郎君 あと私一、二点で質問終わりますが、この兵庫県の今度の災害地であります六甲山。それから広島におきましてもそうでありまするが、風化された花こう岩が急傾斜になって海に迫っておるところに今度の災害が起きておるということがございます。私は実は六甲山に行ってみまして、かって砂防の権威者であった赤木正雄博士があの辺でたいへん苦労されたことを実は思い起こすのでございますが、行ってみてなるほどと考えた。ことに私は問題のその市ケ原に入ると、私も初めてそこに入ったのでございます。途中から自動車をおりて数キロ歩かにゃならなかった。そういうその市ケ原の崩壊地区に入ったのでありまするが、まだあそこには死者十三名がわかりましたが、あと行くえ不明二十三名が全部見つかっておりません。そういうようなところでございまして、行ってみて、なるほどこれは危険なところだと考えました。あの崩壊地は、急傾斜の花こう岩、花こう砂、土砂、石れき、砂れきが非常な傾斜で流れておる、その上にゴルフ場がある。ゴルフ場にたまった水が急激に下にその傾斜地を伝って流れ出した。これは風化された土れきというものはおそるべき勢いで流れ出してくることは避けがたい。これを防ぎとめる施設が実はない。全くないと言ってもいいくらい。少々これがそうだろうかと思われる土どめらしいものが少々残っておる。これは全然ないと言っても私は過言じゃないと思う。聞けば、そこは宅地造成等規制法の指定地域だそうでありますが、はなはだもって、指定されながら、あとの監察や手入れなんというものについての監督は全然ない。御承知のとおり、あそこは数回これが繰り返されている。昭和十三年の同じころ、七月五日にやはり砂利が流れ落ちて、部落が孤立した。そうして死傷者十数名を出しているわけです。その後、昭和三十六年に、やはりまた崩壊した土砂に女の子が生き埋めになったというような、数回にわたる惨事を繰り返しておるところなんでありますが、そういうようなところに、私は、全く何ら防災のないゴルフ場の施設を許しておる。これは全く手抜かりどころの話じゃないと思うのであります。これはもう陳謝のことばも私はない状態じゃないかと思うのであります。今後、しかし、もうすでにそういう事態が起きたので、私はそれがどういうところから起きたかというようなことの原因を追求することは大事でありますが、一体これからどうしていくんだ、私はそこに問題をしぼっていきたいと思うのですが、国立公園に指定されておる。住宅規制、宅地造成の指定を受けておる。そういうような、まことにいろいろな関係で問題を持っている土地でありますので、これから一体どうしていくのか、ゴルフ場をどうするのか。もしあのまま保存して営業さしていくとするならば、これをどういうふうな形で将来の防災を、もう安心、安全だ、心配のないという状態に持っていくかということが大事だと思う。これについて、厚生省のほうではどういうふうに考えられておるか。
  91. 阿部正利

    説明員(阿部正利君) ただいま御質問のございましたゴルフ場の将来の問題でございますが、先ほどもちょっと触れましたが、このゴルフ場は、先生の御指摘のありましたとおり、宅地造成等規制法の適用指定を受けておる地域でございます。したがいまして、この法律による土地その他恒久的な防災上の工事が完全に施行された上で、このコースがゴルフ場として使用に耐え得るかどうか、こういった点を調査いたしまして、慎重に検討いたしてまいりたい、かように考えております。
  92. 武内五郎

    武内五郎君 私は、ここに問題は、そのゴルフ場の経営を今後なお許していくとするならば、あの急傾斜に対する土砂の流れを完全にとめる施設をゴルフ場が持つかどうか。それから、今日与えた災害に対してゴルフ場の経営者がどういう責任をもってこれに対処するか、ここに問題があるのじゃないかと思うのだが、それはどうなんですか。
  93. 阿部正利

    説明員(阿部正利君) 災害が起きまして、すぐ私どもの係官を現地に派遣いたしまして、県、市当局にそういった防災工事を完全に施行するように、また業者のほうの側に対しましても、県、市の指示を仰いで、そういった工事を完全に行なうように、とりあえず指示をいたしておるわけであります。今後、関係法例に基づく防災上の工事が完全に行なわれたということの上に立って、なおゴルフ場がゴルフ場で使用できるかどうか、そういった点を調査して、慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。
  94. 林光夫

    説明員(林光夫君) ただいまお話しの宅地造成等規制法は、現在私どもの所管になっておりまして、今後の措置につきましては、同法律によります勧告、改善命令等の措置が定められておりますので、その規定によりまして改善措置をいたしたいと思っております。なお、いまお話しの点につきましては、詳細まだ把握しておりませんが、宅地造成等規制法が実施されましたのが三十七年でございまして、法律以後のものにつきましては、個々の許可の手続でいっておりますが、すでに存在——工事中といったようなものにつきましては、届け出という制度が適用になっておりまして、それにつきまして改善措置等が十分でなかった。で、今次の災害を招いたということでございますので、改善措置をはかるよう措置いたしたいと考えております。
  95. 武内五郎

    武内五郎君 私は、そのゴルフ場のその問題は、いまここでそれはまだ調査過程だと思う。過程だと思うからこれ以上私は追及しないが、責任をもって対処するように厚生省に対して希望をしておきます。いずれこれは私は、閉会中でも災害特別委員会の開催を要求して、明らかにしていきたいと思っておりますので、そのつもりでお願いいたします。  それから、宅地造成の話がありましたので、これもかいつまんで質問をしたいと思うのであります。先ほど申し上げましたように、あの地域、兵庫県における六甲山を中心としたあの脊梁地帯、それから広島等における脊梁地常というものは、花こう岩、しかも非常に風化されて、ほとんどさわればくずれ落ちるというような状態の風化された花こう岩、しかも深層風化まで行なわれており、数十メートル下まで風化されておる状態なんです。それがあの急激な雨の流水とともに下に流れ落ちた。ふだんでさえ扇状地形を形成している。いつ何時災害が起きるかわからない、そういう所が段々になって、住宅がだんだん上のほうへ上のほうへ、人間が山に登っていって住まにゃならぬ状態になっておるわけです。非常な危険な状態です。かつて、この宅地造成等規制法というのは三十六年に制定されました。そのときはやはり六甲山の崩壊と横浜の住宅地の崩壊が契機になった。当時私も建設委員で、わからないながらも審議に参与いたしまして、そういう現地を見た。この規制法が今日まだ——現地の人たちもそう言っておる。もう少し強い規制が必要じゃないか。ただ危険を感じたときに逃げることを勧告するだけ、これがほとんど人命を守るための方法になる。私はかつて地すべりの地帯を調査したことがありますが、地すべり等防止法だって、避難を勧告するだけの話である。やはりそのような規制法の中にもそういうような規定がある。現地では、こういうような所に宅地を造成することをもう少し強く規制してもらわにゃ困る。たとえばほとんどこういうような危険な地区に住居をかまえることを禁止することができないのか。禁止規定をこの法の中に含ませ、入れることができないのか。私は、向こうで現地の諸君が、特に強く要望していることだけを申し上げますが、そういう危険地域に宅地を造成し、住宅をかまえることの禁止を必要とするのじゃないか、こういう要望が強い。  それから非常に乱用されている、土地利用が非常に乱雑に行なわれている。むしろ災害を誘発するような状態に宅地の造成が行なわれて、あるいは分譲されたりなんかしていることが非常に多い。そういうようなことが今日行なわれておる。黙認です。私は黙認されていると思う。それを見てきて、これは黙認されておる。黙認の形が行なわれておる。そこに私はやはり行政上の責任があると考えますが、黙認されている。こういうようなことで、私はあえてこれを人災だと言わぬけれども災害を大きくさせて、不幸にしてみじめな状態を大きくさせたことが出ているのではないか。現地でそういうような希望があり、私もできればそういう宅地造成の規制がもう少し強く出てもいい、少なくとも規制された地域にアフター・ケアぐらいの、常にこれを見ているという形が必要じゃないか。私はかつて災害対策の場合に、監査——よく見てあるく監督制度、パトロール制をつくれといって、最近そういうことが道路上なんかには出ておるようでありますが、災害を早く防止するためには、常にやっぱりパトロールの活動というものが必要じゃないか、そういうようなアフター・ケアが私には必要ではないかと思うんですが、それについて建設省ではどういうふうに考えておるか。かなりこの規制法もいろいろ私も調べてみましたけれども、なかなかよくできていると思うのだけれども、まだ私は足らぬと思う。現地の希望もあるから、そういう点について建設省はどう考えておるか、お聞きしたい。
  96. 林光夫

    説明員(林光夫君) お答えいたします。  第一点の宅造の禁止についてどう考えるかという点でございますが、今回の災害状況を見ますと、先ほどお話がございましたように、三十七年から規制法が実施されまして、現在までその許可を受けた件数約千件でございますが、それから工事が済みまして、完全に竣工検査を終わったものが約二百五十件ございます。今回の災害におきましてもそういう規制の対象になっておりましたところには、わりと被害——まあ工事中を除きましてそうたいした被害はないのでございますが、それ以前の、いまお話しのような既存の宅地についての被害が、今回の三地区につきましても、私どもいま持っております数字で申しますと、がけくずれ五百四十二件のうち、自然がけと称されるものが四百五十四件で造成宅地は八十八件でございます。そのうち、規制法の対象となったものは二十三件でございまして、これは工事中のものが多かったというような状態でございます。で、既存の宅地につきましては、いまお話しのような事前のアフター・ケアと申しますか、事前の違反の指摘のためにも、常に自動車等を用いまして各担当区域をパトロールいたしております。で、法律によりましても、法律適用以前の既存の宅地につきましても、勧告とか改善命令が出せることになっております。それをまた助成する措置といたしまして、住宅金融公庫の防災宅地速成融資という制度がございまして、勧告、改善命令を受けた方に対しましては、一件四十万でございますが、そういう防災の融資をいたしております。そういうことの活用をお願いしたいと思います。また宅地以外の、今回多かったのは裏山のいわゆる自然がけの崩壊でございます。これにつきましては、先ほど河川局長からお話がございましたように、急傾斜地帯の対策というふうなことで考えていきたい。したがいまして、宅造を禁止して住宅を建てさせないということはどう考えるかということになりますが、これは現在建築基準法の規定によりまして、各県の条例で災害危険区域の指定とか、それから風土、地形の特殊性による制限付加ということにおきまして、各県の条例で大体がけ高の一倍半から二倍の範囲は家を建ててはいけない。で、それの擁壁が堅固であるとか、建物の構造がそれに耐えられるものを除外いたしておりますが、そういったようなことでいわゆる人の住む建物を禁止するというようなかっこうの助成がございますので、宅地の規制法のみならず、その総体を通じまして検討してまいりたいと考えます。  それから土地利用が非常に、いわゆる私どもスプロールと言っておるような現象で行なわれておることは確かでございます。したがいまして、今回も都市計画法の改正案を御審議願っておるわけでございます。これによりまして市街化区域と市街化調整区域と都市の秩序ある発展というようなことを考えまして、それに個々の開発行為はすべて開発許可制ということにかけてございます。したがいまして、新都市計画法の実施の段階においてその点の改善がはかられるというように考えております。
  97. 武内五郎

    武内五郎君 神戸市には傾斜地における工事に関する条例というものがありますけれども、なかなか規制ができないらしくて、だから、これはその親法である宅地造成法の規制のほうで強化してもらわなければ困るというのが現地意見です。ことに、見ますると、高さが三メートルの擁壁がある。横幅が大体これも十メートルぐらい。だから三十平方メートル、それくらいのところに水抜きの穴がたった二つよりない。ああいうようなところだったら一平米当たり一つや二つは必要じゃないかと思うのでありますが、全体の三十平米の中で二つより穴がないというような状態、これはもう災害を誘発することは当然、しかも、ほとんど全部は、あのこわれた壁を見ると全く裏込めがない。ことに、私は先ほども申し上げた市ケ原のくずれたところ、あれが擁壁かと思われるようなものが、下から見てくずれた中腹にわずかに点在しておるだけである。こういうようなことではああいう危険地帯の土崩壊は防止できないのじゃないか。だから今後の十分な災害予防についての強い関心をひとつお願いしたい。  それで、そういう非常な危険な地域でありますのですが、ことに災害を大きくさせた一つの原因と申しますか、中に、その崩壊をあらかじめ考えないで、たとえば農地をつくった。広島県なんかは最近ことにミカン畑をたくさんつくった。段切りをやって山に入っている。それに対する、くずれることに対する防災はほとんどない。一たび蒙雨を受けると、これが流れ出すことは避けられない。これももうどうせ起きたことでありますので、再びそういうことのないように防災を十分やるごとを条件にして、しかも、新しい農業の方向に進んでいるときだから、それをひとつ考えていただきたい。これは農林省にお願いしたい。  そういうようなことで、砂防施設というものは非常に大事なんです。今日かりに神戸だけを考えてみても、神戸の市内を流れてくる二十六か七の川がくしの歯のようになって海に入ってきておる。ほんとうかどうか、たぶんそのくらいあるのじゃないかと思うのです。しかも、その山のすそがすぐ海にきている。広島もそうです。そういうような状態で、しかも上のほうから多量の土砂が流れ込んでくる。これはどうしても災害が起きてくるということになる。砂防施設というものはここで始めなければ非常に大事なことになってくると思うのです。今回も、砂防ができ上がった、完全だと考えられておったところは災害がきわめて軽徴に終わっているということです。だから砂防の施設について、だいぶたくさんあるらしい、砂防施設個所が。これは私はもうどうせい、こうせいというより、早急に完成をして土砂の流出を防止するように考えていただきたいと思うのであります。  それから呉にはあの戦争中五千から七千ぐらいの防空壕があったということです。今日なお一千九百以上の防空壕が残っている。それも横穴で五百メートルから一千メートル以上の深さを持っている。そこに今度の水が流れ込んで、中でうんでしまった。これが崩壊するのはあたりまえです。こういうような防空壕を、これは呉の話でありますが、建設省は一体どういうふうに考えますか。これは建設省ですか、都市計画のほう。
  98. 古賀雷四郎

    政府委員古賀雷四郎君) 詳細な数字はわかりませんけれども、それから費目もよくわかりませんが、防空壕のあと埋めという作業を従来からやってまいっております。したがいまして、防空壕が非常なこういう災害原因になることは当然でございますので、今後なお十分調査いたしまして、それらの対策を進めてまいりたいというふうに考えております。
  99. 武内五郎

    武内五郎君 確かに全くそのとおりで、防空壕のある付近は惨たんたるものです。ぜひそれは検討してください。相当むだに金がかかると思うのですが、しかし、あれをそのまま放置しておくと二度三度と繰り返すことになると思いますので、検討してもらわなければならないと思います。それから私は、これは検討しなければならぬと、私自身まだはっきりわからぬのですが、先ほど申し上げたように、神戸なんかにおいては二十数川がくしの歯を置いたように流れてきて海へ入っている。そういう小さい河川が溢水、岸壁をこわしていった。そこでこれに対する河川法について、都市の人口稠密な地域を流れてくる川に対する特別な処置が必要ではないか、現地では、都市河川を制度化してくれと、こう言っておりましたが、私自身はまだわからぬが、御承知のとおり都市河川であろうと農村を流れる川であろうと、河川法で一様に扱っている、これを都市だけ特別扱いにした制度が可能であるかどうか、あるいはまた、今日かなり無理があるとしても検討の余地があるというのか、その点はひとつあれば十分検討して、災害防止の一つの道になるとも考えられますし、河川局長どう考えられるか。
  100. 古賀雷四郎

    政府委員古賀雷四郎君) 都市河川という名目を打つということの意義でございますが、まず、都市河川の意義というのは、都市計画法上の河川にするということが一つの意義があると思います。ただ事業を進める上に予算的な処置は、河川法できめられました法定負担でやっているわけです。したがいまして、これらの問題は、河川法の改正の問題の関連もございますので、予算的にはなかなか処理できないのではないかと、それから都市河川は、いまでも人口が集中し、資産が集中いたしておりますので、相当乏しい予算の中から重点的に施行しているわけでございます。が、いなかの川というか、農村の川をそれはやらないでいいのかというと、加治川その他で去年も大災害が起きておりますので、これらもあわせてやらなければならない。したがいまして、都市河川というワクを設定するということ自体は相当検討を要すると思いますし、都市河川をどの程度に広げるかという問題もあるわけです。人口何万以上とか、あるいは県庁以上の都市とか、そういった範囲で非常にくくることがむずかしいわけでございまして、いま当面都市河川ということを検討するならば、結局都市計画法上の河川にして河川の区域をきめるということが一つで、そこにおける宅地造成その他につきましては、規制していく。たとえば永久構造物を建てさせないとか、あるいは適切な河川区域であれば、従来からの遊水地域に河川改修ができるまでは家を建てさせないとか、いろいろな問題を検討してまいらなければならないと思います。そうした規制面だけの問題になるわけでございまして、実行的にどういうぐあいに促進していくかということになると、予算上の問題でございますので、これは今回の経験並びに従来からの経験にかんがみまして、一そうの促進をはかるように考えております。
  101. 武内五郎

    武内五郎君 確かに私はこれはむずかしいと思うけれども、いろいろな問題が付随してきてむずかしいと思うが、一つの問題が提示されたと思うのであります。ひとつ前向きで検討してもらいたい。  大体私は質問を終わりますが、とにかく、いろいろなことをもっと申し上げたいのですけれども、いま申し上げた質問は骨でありまするので、十分御検討願って対処していただくように関係官庁にひとつお願いしておきます。
  102. 近藤英一郎

    近藤英一郎君 先ほど武内委員から質問があって関連した事項なんですが、元来砂防の工事が実施されているところでは災害が非常に少ないと言われている。これは毎年毎年災害で各府県災害を受けた方々委員会等に陳情に来られると、砂防工事が行なわれているところは非常に災害が少ないんだと言われている。まして、いろいろ各府県から出ている今度の災害に対する陳情書の内容の中でも、治水ダム砂防ダムの建設事業を推進してくれ、こういう要望が名府県とも出てきておる。そこで、ことし大きな災害を受けた神戸の六甲山の砂防というのは、これはだれが見てもモデルと言われるケースであり、全国で砂防に関心を持っている府県がみんな視察に行くところなんです。ところが、新しい崩壊地ができてあのような災害が起きたのですが、そこで伺いたいのは、ああしたりっぱなモデルケース的な砂防施設が実施されておって、行って見るというと土砂が埋まってしまっておる個所が非常に多いわけですが、あの埋まってしまった砂防ダムは、もう効果が今後あらわれないと思うのですが、その埋まった砂防のところに新しい砂防ダムをつくることは当然必要であると思うのですけれども、埋まってしまったその砂防ダムは、今後どうやっていくのか、そのままほうっておいていいのかどうか。  それから急傾斜の崩壊地における対策事業を緊急に実施してくれという陳情書がやはり出ておりますけれども、そういう個所に対して、ことしは幸い予算の問題も幾分かは芽を出してきたのですけれども、これは緊急にやはり必要な問題だろうと思う。まして対策の実施は、これからまだ災害というものはあるのですから、その対策河川局としてはどう考えておるのか、これについて一つ伺っておきたい。
  103. 古賀雷四郎

    政府委員古賀雷四郎君) 埋没した砂防ダムを効果がなくなって今後どうするつもりだという御質問だと思いますけれども、これにつきましては、砂防堰堤で貯砂することにつきましては、山脚の保護という面もございます。したがいまして、にわかに掘ることがいいのかどうかという問題もあるわけです。十分山脚が保護されるという前提があれば掘っても差しつかえないじゃないかと思いますが、それらは十分現地調査しないと、特に神戸のような風化地帯の多いところにおきまして、何十メートルも埋まった砂を取り除くということ自体問題がございます。したがいまして、私らとしましては、その貯砂堰堤なり砂防堰堤をかさ上げするとか、あるいは別のところに堰堤をつくるというようなことを考えていったほうが合理的じゃないかというように考えております。掘ること自体に問題点がございますので、これは十分現地現地状況を見ながら検討さしていただきたいと思います。  なお、先ほど御指摘がありましたように、砂防堰堤をやったところが非常に効果があがっておりまして、今回の災害も非常に軽微で済んでいるということでございまして、この砂防事業につきましては、格段の推進をはかりたいというように考えております。  急傾斜地対策につきましては、私らは、四十二年度の予算要求におきまして、どうしてもほしいということでかなりの額を要望いたしましたけれども、結果的には一億の国費だけでございまして、ただいま事業費二億でございます。これらにつきましては、ただいま大蔵省と話し合っておりまして、さらに私らの現地における調査が進めば、これらの予算を重点的に被災地に向けたいというふうに考えております。さらに調査の内容を具体的に申しますと、それぞれの個所によりまして、個所ごとに検討しますと、緊急砂防でやれるものもございましょうし、いろいろ砂防でやれるところもございます。したがいまして、そういったものを区分けして、具体的にやっていくようにしたいと思っております。まだ調査がいずれにしても不十分でございますが、今後早急に結論を出してやっていきたいというように考えております。
  104. 高桑東作

    説明員(高桑東作君) 今回の七月豪雨によります山林地域の山くずれ、これは目下調査中でございますが、現時点では、大体全国で三千カ所という数字が出ております。この被害額は約八十七億五千万円ということでございますけれども、このうち緊急を要するものにつきまして、各府県の緊急施行の要望が約十億ということでございます。これに対する財源といたしましては、手持ちの緊急費が約八億ございますけれども、これで不足のものにつきましては予備費を大蔵省に要求いたして対処する考えでございます。目下査定官を現地に派遣いたしまして詳細調査中でございます。
  105. 近藤英一郎

    近藤英一郎君 現実にやっぱりそのくずれたところの下流の人は不安を持っていると思うのですね。これからはまた災害期に入るのだから、そうすると、緊急に事業を実施しなければこれは非常に危険だが、その点については手を打ってあるのですか。調査調査中でまた災害を受けたらたいへんなことで、費任問題が起きると思うのですが、それはどうですか。
  106. 高桑東作

    説明員(高桑東作君) この緊急の復旧計画の中には、またこの次の豪雨等によって被災するであろう危険個所も含めて対処する考えております。
  107. 近藤英一郎

    近藤英一郎君 対処するのはいいが、その時期は。もうすでにそれだけの調査は進めて、その実施に移せる段階に入っているのですか、まだですか。
  108. 高桑東作

    説明員(高桑東作君) おおむね県の復旧計画は順調にいま進んでおりますけれども、この復旧計画のでき次第実施に移す考えでございます。
  109. 古賀雷四郎

    政府委員古賀雷四郎君) あからさまに急傾斜地の崩壊というふうに考えられるところにつきましては、ただいま検討して一部施工をやらしております。ただ急傾斜地の問題は際限がありませんので、どこでとめるかという限度の問題がございます。その辺は今後十分大蔵当局とも打ち合わせて善処していきたいというふうに考えております。
  110. 近藤英一郎

    近藤英一郎君 最後に。結局一番不安を持っているのは、やっぱり傾斜崩壊地の下流の住民だろうと思うのです。この点はもちろん大蔵省との折衝によるし、調査もしなければならぬでしょうが、恒久的な施設はいずれにしてもあとに延びてもいいけれども応急的にそれに対する対策だけは打っておかないとたいへんなことになると思うので、その点を建設省でもあるいは農林省でも、関係がある省で早急にその問題に対する対策を実施していただきたい。こういう点の希望を申し上げて質問を終わります。
  111. 矢追秀彦

    理事(矢追秀彦君) 本件に対する質疑は、本日はこの程度といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十五分散会      —————・—————