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1967-07-12 第55回国会 参議院 公職選挙法改正に関する特別委員会 第7号
公式Web版
会議録情報
0
昭和四十二年七月十二日(水曜日) 午後一時三十一分開会
—————————————
出席者
は左のとおり。
委員長
高橋文五郎
君 理 事 船田 譲君 吉江 勝保君
多田
省吾
君 委 員 青柳 秀夫君 木内 四郎君 小柳
牧衞
君 秋山 長造君
小酒井義男
君
鈴木
力君 野上 元君
松永
忠二
君
国務大臣
自 治 大 臣
藤枝
泉介
君
政府委員
警察庁刑事局長
内海
倫君
自治省選挙局長
降矢
敬義
君
事務局側
常任委員会専門
員
鈴木
武君
—————————————
本日の
会議
に付した案件 ○
政治資金規正法
及び
公職選挙法
の一部を
改正
す る
法律案
(
内閣送付
、
予備審査
) ○
公職選挙法改正
に関する
調査
(
衆議院議員総選
挙及び
統一地方選挙
の
管理執行
上の諸問題に関 する件)
—————————————
高橋文五郎
1
○
委員長
(
高橋文五郎
君) ただいまから
公職選挙法改正
に関する
特別委員会
を開会いたします。
政治資金規正法
及び
公職選挙法
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
といたします。 まず
政府
から
提案理由
の説明を聴取いたします。
藤枝自治大臣
。
藤枝泉介
2
○
国務大臣
(
藤枝泉介
君)
政治資金規正法
及び
公職選挙法
の一部を
改正
する
法律案
について、その
提案理由
とその
内容
の概略を御説明申し上げます。 御
承知
のとおり、
政府
は、
選挙制度審議会
に対し、
選挙
区制、その他
選挙制度
の
根本的改善
の方策について検討をお願いしてきたところでありますが、同
審議会
は、去る四月七日、最近の
政治情勢
にかんがみ当面緊急に
措置
することを要する事項として、
政治資金
の
規正
及び
連座制
の
強化等
を
中心
とした「
政治資金
の
規正等
の
改善
に関する件」について、
政府
に
答申
をいたしました。
政府
といたしましては、この
答申
に基づき、その
趣旨
を尊重して、
政治資金規正法
及び
公職選挙法
に
所要
の
改正
を行なうこととし、この
法律案
を提出した次第であります。 次に、この
法律案
の
内容
について御説明申し上げます。 まず、
政治資金規正法
の
改正
についてであります。 第一に、
政治資金
の
寄付
の
制限
についてであります。 まず、
寄付
の総額につきましては、
個人
のする
寄付
にあっては
最高額
を一千万円とし、
会社
その他の
団体
のする
寄付
にあっては
最高額
二千万円、
最低額
五十万円の
範囲
内において、それぞれ
団体
の
規模
に応じて
制限
を加えることといたしました。この場合、
会社
のする
寄付
につきましては、
資本金
のほか収益をも基準とし、
労働組合等
のする
寄付
につきましては、その
組合員数
に応じて十
段階
に区別して
制限
することとし、その他の
団体
のする
寄付
については、その
規模等
を表示する尺度を求めることがきわめて困難であるため、一律に前年の
支出額
の十分の三に相当する額を限度とすることとしたのであります。また、
制限額
の
範囲
内において
寄付
をする場合には、
政党
及び
政治資金団体
に対する
寄付
については
制限
を設けないこととし、それ以外の
政治団体
または
個人
に対する
政治資金
の
寄付
については、同一の者に対し、年間五十万円をこえてはならないことといたしました。 次に、国または
公共企業体
と
請負契約
の
関係
にある者及び
日本開発銀行等
、四
政府関係金融機関
から
融資
を受けている
中小企業
以外の
会社
のする
寄付
につきましては、
請負契約額
、
融資額
の比重がきわめて低いものを除いて
一般
の場合の二分の一に
制限
することといたしました。また、国から
補助金等
の
給付金
の交付を受け、または
資本金等
の出資を受けているいわゆる
特定会社
、その他の
特定
の
法人
のする
寄付
につきましても、これを禁止することといたしましたが、これらの場合において、国と
関係
のない
地方公共団体
の議会の
議員
または長の
候補者等
に対してする
寄付
については適用を除外することといたしております。 なお、
地方公共団体
と
請負契約関係
にある者、
地方公共団体
から
補助金等
の
給付金
を受けている
会社
、その他の
法人等
のする番付についても、国の場合に準じて、
制限
ないし禁止することといたしました。 さらに、欠損を生じた
会社
のする
寄付
、匿名及び
他人名義
の
寄付
並びに
外国人等
のする
寄付
につきましても禁止するとともに、
寄付
のあっせんにつきましては、
寄付者
に
威迫
を加えたり、賃金、
下請代金等
から天引きして
寄付
を集めることのないよう
措置
することといたしました。 以上の
政治資金
の
寄付
の
制限
と関連して、その
違反者
に対する
所要
の
罰則規定
を設けることといたしております。 第二に、
政治団体
の
届け出
並びに
収支報告
及びその
公表等
についてであります。 すなわち、
政治団体
の
届け出
があったときは、その
内容
を公表して、これを
国民
に周知することとするほか、
会計帳簿
及び
収支報告書
に記載すべき
内容等
について
改善
、
合理化
を加え、
政治資金公開
の
趣旨
を徹底することといたしました。 第三に、
政党等
の定義についてであります。 今回の
改正
によりまして、
政治資金
の
寄付
に関しましては一定の
制限
が加えられることとなり、かつ、
政党本位
の
政治活動
の推進をはかるため、
政党
に対する
寄付
と
政党
以外の
政治団体
に対する
寄付
を区別して
制限
することとなりますので、
政党
と
政党
以外の
政治団体
との区別を明確に
規定
することといたしました。 また、
政党中心
の
資金調達
を容易にするため、各
政党
について一の
団体
を限って
政治資金団体
を設けることを認め、これに対する
政治資金
の
寄付
については、
政党
と同様の取り扱いをすることといたしました。 このほか、党費、会費及び
政治活動
に関する
寄付等
についても、その
内容
を明確にして、
規制
の
合理化
をはかることといたしております。 以上申し上げましたほか、これらの
改正
に伴いまして、
個人
または
法人
が
寄付
を
政党
または
政治資金団体
に対してした場合には、その
寄付金
について課税上の
優遇措置
を講ずるとともに、その他必要な
関係規定
の整備を行なうことといたしております。 次に、
公職選挙法
の
改正
について申し上げます。 第一は、
公職
の
候補者等
の
寄付
の
規制
についてであります。すなわち、
公職
の
候補者等
が
選挙区内
にある者に対してする
寄付
は、
政党
その他の
政治団体
または親族に対してする場合及び
公職
の
候補者等
がもっぱら
政治
上の主義または施策を普及するために行なう
講習会等
において、必要やむを得ない実費の補償としてする場合を除き、全面的に禁止することとしたほか、
公職
の
候補者等
がその
役職員
または
構成員
である
会社
、その他の
団体
がこれらの者の
氏名
を表示し、またはこれらの者の
氏名
が類推されるような
方法
でする
寄付
についても、
政党
その他の
政治団体
に対してする場合を除き、一切禁止することといたしました。また、
後援団体
のする
寄付等
の
禁止期間
を延長するとともに、
後援団体
以外の
団体
で
特定
の
公職
の
候補者等
を
推薦
し、または支持するものについても、
後援団体
に関する
制限
に準じて
制限
を設けることといたしました。 第三は、
連座制等
についてであります。いわゆる
連座制
につきましては、
選挙運動
の
実態
にかんがみ、数個に分けられた
選挙
区の地域における
選挙運動
、または多数の
選挙人
が属する職域、または組織を通じて行なう
選挙連動
を主宰した者をも
連座対象者
の
範囲
に含めるとともに、
公職
の
候補者
または
総括主宰者等
と
意思
を通じて
選挙運動
をした
公職
の
候補者
の
父母
、
配偶者
、子または
兄弟姉妹
については、
公職
の
候補者
と同居の有無にかかわらず、
連座対象者
の
範囲
に含めることとし、同居している
父母
、
配偶者
、子または
兄弟姉妹
については、
公職
の
候補者
と
意思
を通じているものと推定することといたしました。 また、
選挙犯罪
を犯し罰金の刑に処せられた者については、
当該選挙犯罪
がきわめて軽微なものである場合を除き、裁判所が情状により
公民権
を停止しない旨を宣告することができる
制度
を廃止することといたしました。 その他、昨年実施された
永久選挙人名簿制度
の運用の
実態
にかんがみ、
選挙人名簿
の
登録回数
を増加する等、その
合理化
をはかることといたしました。 以上がこの
法律案
の要旨であります。 何とぞ慎重御
審議
の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
高橋文五郎
3
○
委員長
(
高橋文五郎
君) 本案に対する
質疑
は、これを後日に譲ることといたします。
—————————————
高橋文五郎
4
○
委員長
(
高橋文五郎
君) 次に、
公職選挙法改正
に関する
調査
を
議題
といたします。 御
質疑
のおありの方は順次御発言を願います。
多田省吾
5
○
多田省吾
君 先日、本
委員会
におきまして、
千葉
県
市原
市選管
が、
消防団
に対して
棄権防止
のいわゆる
選挙活動
を依頼したという点につきましてお伺いいたしましたところ、
自治大臣
は後刻
調査
して検討するというお話でございましたので、その件について若干お伺いしたいのですが、
刑事局長
は、この前県からお聞きになって、
ぼや
のために出動したというようなことをおっしゃいました。そうして、確かに
市選管
が
消防団
に
棄権防止
を依頼したということを述べられたわけでございます。また、この前の
千葉
県の県議会においても、確かに
市選管
が
選挙
の
棄権防止
を依頼しております、そういう返答があったわけでございます。
ぼや
の件につきましては、さらに調べましたところ、
ぼや
と全然
関係
ない、また全然関知しないところにおいてさえ、
消防団
がところどころに
制服
を着て、そうして
路地
に入っておりまして、結局
棄権防止
と称してかり出し、あるいはいろいろ、
選挙民
からすれば精神的な
弾圧
を受けたと、このように言っているわけです。非常にこれは私
ども
は、
選挙
の公正を阻害する、特に
部落推薦
の
候補
が多数立っておりますから、その
部落
の中における
消防団
が
路地路地
に立っていれば、当然精神的な
弾圧感
を感ずるのは当然でございます。その件に関しまして、まず
自治大臣
に、
調査
の結果どうであられたか、そうしてそのことに対してどう思われているか、お尋ねしたいと思います。
藤枝泉介
6
○
国務大臣
(
藤枝泉介
君)
調査
しましたところが、
選挙
当日、市の
選挙管理委員会
から
消防団長
に
棄権防止
に関する依頼をした事実はございます。先般も申し上げましたが、こうした単に
消防団
に限らず、
特定
の
候補者
を
推薦
または支持しているような
団体
に、
棄権防止
の
運動
を依頼するというようなことは好ましいことでございませんので、十分今後もこの
棄権防止
の
やり方
については
注意
をして、こうした
特定
の
候補者等
を
推薦
支持しておるような
団体
に
棄権防止
の働きかけをさせるというようなことのないように、今後
十分注意
してまいりたいと思います。
多田省吾
7
○
多田省吾
君 ただいまの
消防署
に対する
棄権防止
を依頼した件につきましては、
消防署
から
特定
の人は
候補
は出しておりませんけれ
ども
、当然
選挙
の公正というものを阻害すると思いますけれ
ども
、好ましくないことだと思いますけれ
ども
、いかがでしょうか。
藤枝泉介
8
○
国務大臣
(
藤枝泉介
君)
消防団そのもの
に、全然
特定
の
候補者等
の
関係
のない
消防団
に
棄権防止
を頼むということ自体、全然悪いことだとも言えないと思いますけれ
ども
、しかし、いろいろ
消防
には
消防
の本来の使命もあるわけでございまして、もちろん
消防団
の団員に
棄権防止
を呼びかけるということは、これはけっこうでございますが、
一般
の
選挙民
に対して、
消防団
を使って
棄権防止
をするというのは、あまり適当ではないのではないかというふうに思われますので、そういう点を含めまして、この
棄権防止
の
やり方
について適切な
方法
を今後も
指導
してまいりたいと思います。
多田省吾
9
○
多田省吾
君
刑事局長
に、この点に関してはその後
調査
の結果どうであったか、お尋ねします。
内海倫
10
○
政府委員
(
内海倫
君) その後
調査
を
千葉
県に対していたしましたけれ
ども
、
千葉
県からの
報告
につきましては、この前ここで申し上げたことにさらにつけ加えるような新しい
報告
は得ておりません。
多田省吾
11
○
多田省吾
君 この前は、
ぼや
ということがあったので
消防団
が出動したという、
理由
の一半をそのように言われておりましたけれ
ども
、まあ、
ぼや
は非常に遠いいなかであって、町のまん中は全然
消防団員
もそのことは関知していないし、
関係
なかったと、そのように私
ども
の
調査
では聞いております。そのことは
理由
にはならないと思うのです。その
ぼや
に何も
関係
のない
消防団員
が
路地路地
に立って、
選挙
の公正を阻害するということは、これは
選挙
の公正を妨害することだと思いますけれ
ども
、どうでしょう。
内海倫
12
○
政府委員
(
内海倫
君) この前にも私たしか
お答え
申し上げたように思うのですけれ
ども
、
消防団
の
制服
を着た人が二、三立っておったので、これに対しては、もし
選挙
の
自由妨害
というふうなことになるといけないからというので
事前
に話をしたら、すぐいなくなった、こういうふうなことを私はたしか申し上げたと思います。 それから
消防団
の
棄権防止
という問題ですが、これはいま
大臣
から御答弁のあったとおりであります。
警察
といたしましては、これはもう前々申し上げておりますように、
公職選挙法
の
条項
に該当するような
自由妨害
その他の
行為
がありました場合は、これについては
措置
をいたしますけれ
ども
、そういう
条項
に違反するというふうな
行為
がない場合には、もうそういうおそれがあるというふうな場合には警告する、あるいは
注意
を喚起するというふうな
事前
の
措置
をとることもあろうと思いますが、少なくとも
警察
としましては、
公職選挙法
に定められた
規定
に違反するというふうなことのある場合において取り締まりというものを行なうものである、こういうふうに考えております。
多田省吾
13
○
多田省吾
君 この前もお願いしましたけれ
ども
、
衆議院選
のときに、
投票所
の前に
投票日
の前日の夜、大きな紙に、
地元
以外の人に入れて何になるかというふうなことを墨で大書して、そうしてかがり火をたいて
気勢
を上げる、そうして県警に相当依頼しても、全然取り締まらなかったということがあったそうです。それはこの前も申し上げたとおりでございますが、この点に関して
調査
はなされたでしょうか。
内海倫
14
○
政府委員
(
内海倫
君) この点につきましては
調査
はいたしました。本年の一月二十九日の
衆議院議員
の総
選挙
の際のものであると考えられると、
地元
の下
葉県
からは申しておりますが、この際、その
投票日
の前日、一月二十八日の夜の十時ごろに、
投票所
の付近の者だという、
氏名
は名のらなかったようですが、人から
市原警察署
に電話がございまして、
投票所
の入り口に
文書
を張った戸板が掲げられているということで、すぐに
署員
を
当該現場
に派遣して調べさせましたところ、御
承知
のように縦一・二メートル、横〇・八メートルぐらいの板に墨書した、紙八枚張ったものを確認しておりますが、
文書
の
内容
が直ちに
公職選挙法
に違反するものかどうか判断しがたいということで、同
署員
は、たまたま雨も降っており、暗かったので、これを
現場
撮影することができませんでしたので、翌朝
早々日
がのぼるとともに
現場
におもむきまして、
写真撮影
をしようと思いましたところ、すでにその物件が持ち去られて
現場
にはなくなっておった。
警察
といたしましては、そういうものを掲示し、またはそういうものを持ち去った者の発見につとめましたけれ
ども
、ついに割り出すことができなかった、こういうふうな
報告
を得ております。
多田省吾
15
○
多田省吾
君 時間もありませんので、そのことはまたこちらで
写真
をとったものもございますから、後刻やりますけれ
ども
、少なくとも、そういった
地元
から
候補
が立っておると、
地元
以外の苦に入れて何になるかというようなことを書いて
気勢
を上げているということに対して、
公職選挙法違反
になるかどうかはわからないとか、あるいは雨が降っていたために
写真
がとれなかった。これはフラッシュをたけば
幾ら
でもとれますから、非常にそういった処置のしかたは私は疑問なんです。そのことに関しては、時間の
関係
もありますから、この次に譲ります。 次に、七月一日に神奈川県の
清川
村で
村長選
の件にからんで、
選挙管理委員長並び
に
選挙管理委員
が二人自殺をしているわけです。このことは結局再
点検
の結果、二
候補
が
同点
になったということでございます。痛ましい
犠牲
が出られたわけでございますが、現在そのことはどうなっておりますか、経過を簡単にお述べ願います。
降矢敬義
16
○
政府委員
(
降矢敬義
君)
地方選挙
におきまして、村の
選挙管理委員会
に
当選
無効の申し出が出まして、再
点検
をした結果
同点
になりまして、それに対しまして、さらに七月四日、県の
選管
に対しまして、村の
選管
の
決定
に不服があるものとして
審査請求
をいたしまして、県の
段階
で
審査
中でございます。
多田省吾
17
○
多田省吾
君 このことも結局は
当選
に
関係
するような再
点検
になったわけです。それから、これだけではございません。この前の栃木県の
県議選
におきましても、真岡市並びに芳賀郡におきましては、やはり
最下位当選者
と次点の方が、再
点検
の結果
逆転
しておる。そのほかにもたくさんこういった再
点検
の結果
逆転
になったもの、あるいは
疑問票処理
のことについて
異議申し立て
、あるいは
当選
無効に関する
争訟
が出ているものがかなりあると思います。こういった結果は、やはり
選挙
の
開票そのもの
が、
選挙管理委員会
並びに
立ち会い人
による
開票そのもの
が非常に不正確なものである。そして再
点検
の結果は、いまあげたような
事例
は全部
逆転
並びに
当選
に
関係
してくるような
事態
になっております。これは大きな問題だと思う。ほかにも一票、二票差というのはたくさんあるわけです。もし
当選無効争訟
が出たならば、
逆転
しているようなケースも多いのじゃないかと思います。 また、
清川
村の
村長選
の結果なんかを見ますと、
有効票
の中に
まるやバツ
をつけた
他事記載
が出てきて、公選法で無効とされているものでありますけれ
ども
、
選管委
は知らなかったというような
調査
結果も出ております。こういった不正確な
事例
が
全国各地
に多いわけでございますが、
自治省
として一体どういう
指導
をしていらっしゃいますか。
藤枝泉介
18
○
国務大臣
(
藤枝泉介
君) 御
承知
のように、
首長選挙
などは別としまして、大体
選挙
は主として
記名式
、
記名式
と申しますか、
署名
、自書することが多いわけでございますので、書いた字がなかなか判続しにくいようなものがたくさんあることは御推察いただけると思うのでございます。そういう点で、読み方その他についていろいろ疑義が生じ、再
点検
の結果、当落が
逆転
するというようなこともあるわけでございます。そのほか
開票事務
に携わる吏員などがふなれなために間違いを起こすというような
事例
もありまして、はなはだ残念でございます。 われわれといたしましては、常に県の
選挙管理委員会等
を通じまして、
開票事務
の正確さ、迅速さについては、
研修
を行なわしたり、その他の
指導
をやっておるわけでございまして、今後もそうした面におきまして、十分これら
開票事務
に従事する者の
研修等
を重ねまして、こうした間違いのないようにつとめてまいりたいと考えます。
多田省吾
19
○
多田省吾
君
立ち会い人
の職名の問題でございますが、あるところでは
全員署名
をしなければ票を確認しないという問題もあります。ところが新潟県の、この前の第二区の岩船郡神林村の
衆議院選挙
におきましては、六名のうち三名
開票録
の
署名
というものを拒否したにもかかわらず、
選管
はこの
事情
を黙殺してそのまま通過させたという
事例
もあります。この
立ち会い人署名
は、
全員署名
すべきなのか、また半数
署名
すれば成り立つのか、簡単に
お答え
願います。
降矢敬義
20
○
政府委員
(
降矢敬義
君)
開票
の判断は、
開票管理者
が、
開票立ち会い人
の意見を聞いて、最終的に
開票管理者
が自分の
責任
で
決定
をしなければならぬようになっておりまして、したがいまして、いま御指摘の
開票録
の
署名
におきまして、どうしても何人かの
立ち会い人
におきまして
署名
をいたさないといたしましても、最終的な
決定
は
開票管理者
においてこれを行ない、
選挙長
に
開票録
を送付して、
選挙
の結果を早く確定しなければならない、こういうことになっております。
多田省吾
21
○
多田省吾
君 この
開票事務
につきましては、いま
大臣
もおっしゃったように、このように
開票事務
がスムーズに最初からいっていたならば、こういった、あたら
選管
の
委員長
や
選管
の
委員
が、二人も自殺するような
事態
は起こらなかっただろうと思うのです。これは小
選挙
区制にもひとしい
村長選
という、競争の激しい
選挙
でもあり、
特殊事情
もありましたけれ
ども
、少なくとも非常に
開票
の結果がまずいためにこういう
犠牲
が出た、過半の
責任
はここにあると思うのです。そういう点に関しては、強く
当局
から正確な
開票
をするように通達を出していただきたいということを再び要望いたします。 それからもう
一つ
は、
資料
の要求でございますが、
衆議院並び
に先日の
統一地方選挙
におきまして、
当選無効争訟
並びに
疑問票
の
処理等
において
異議申し立て
のあった
事例
に対して、ひとつ
資料
をお願いしたいと思います。 それから、もう
一つ
だけお尋ねいたしますが、これは
公金
の
陣中見舞い
のことでございます。私も
失般内閣委員会
におきまして法務
大臣
にこのことを尋ねましたところ、これは前もってこういう
事態
があるということを知っていたならば、当然
政府
として今度の
公職選挙法
の
改正案
におきまして、
公金
を
陣中見舞
に出してはいけないという旨の
修正案
を当然出したであろう、そのようにはっきり述べておられるわけです。先般
松永委員
の御
質問
に対して、本
会議
において
自治大臣
は、こういった
修正案
は書く必要はない、これは
指導
をしていけばよろしいのだという
お答え
がありました。私は当然こういったことは、
公職選挙法
を
改正
して、
公金
を陣中児舞いに出すべきではないと考えます。いかがでございましょうか。
藤枝泉介
22
○
国務大臣
(
藤枝泉介
君) 先般
松永
さんの御
質問
に本
会議
で
お答え
をいたしたように、少なくとも
公金
を
選挙
に関しての
陣中見舞い等
に出すというようなことは、いわば
法律
以前の問題でございまして、あり得べからざることだというふうに考えております。そういう意味で、私はこれは
地方公共団体
の長等に対しまして、
十分注意
を喚起すれば、それで是正されるものと考えておる次第でございます。
多田省吾
23
○
多田省吾
君 あり得べからざるものであるとおっしゃいましたが、
長野
県等に出ておりますが、この前の
衆議院選
ですか、無所属の
中島巖
が下条村から十万円
政治献金
を受け取っておる、これは確かに
公金
です。このことに関しては
県選管
からも、どう処置すべきか
当局
に伺いが立てられたと思いますけれ
ども
、はっきりこういった
実態
があるわけでございます。ただ
指導
あるいは道義的な観点で処理すべきであるといえば、こういった
事態
がこれから
幾ら
でも起こると思うんです。当然私は
公職選挙法
を修正していくべきものと思いますけれ
ども
、またさらに、こういった
長野
県選管
に対しては、どういう
お答え
をなさったのか、二つお尋ねします。
藤枝泉介
24
○
国務大臣
(
藤枝泉介
君) おことば返すようでございますが、こういう
国民
の税金を
特定
の
公職
の
候補者
に
献金
をするというようなことは、いわば
地方自治法
その他の精神から考えて間違っておることでございまして、
公職選挙法
で禁止する以前の問題でありまして、なるほど現実にそういうことが行なわれましたが、こうしたことにかんがみまして、
全国
の
地方公共団体
にその点は
注意
を喚起いたしますれば、私はやまるものと確信をいたしておるわけでございます。 なお、
長野
県の
選管
からは、その点については
自治省
のほうには具体的な照会はございません。
松永忠二
25
○
松永忠二
君 関連。いまの
お答え
ですが、一体この問題がはっきりしたのは、
地方
の
選管
が
選挙資金
の
届け出
を受けて、そうして発見したのか、あるいは
自治省
みずからこういう問題について、今度のたとえば
政治資金
の
届け出
で発見したのか、あるいはまた、どこがこの問題について
調査
をして発見したのか、その点は
大臣
はどうお考えになりますか。
藤枝泉介
26
○
国務大臣
(
藤枝泉介
君) 御
承知
のように、
選挙
に関しての収支の
届け出
は県の
選管
に出ますので、私のほうへはまいらないことになっておりますので、県の
段階
で発見したのでございますが、県の
選管
がそれを指摘したのか、あるいはそれを公開した場合に
選挙民
のどなたかがこれを認めたのか、その点の
事情
はちょっとわかりかねるのでございます。
松永忠二
27
○
松永忠二
君 それははっきりしているんじゃないですか。県の
選管
がそういうことを
届け出
で発見をしてああいう発表したんじゃなくて、こういうことがあるというような考えのもとに報道機関が
調査
をして発表しているわけでしょう。そうすると現実にあなたの言われるような法規以前の問題を、
選管
が明確に指摘ができないという
事態
もおかしいじゃないですか。これも欠陥があるとお考えにならなければうそでしょう。また、いまお話によると、
法律
以前の問題だというお話だけれ
ども
、このことについては相当あるということは前からうわさもされているし、一部では
承知
している事柄じゃないですか。たまたまああいうふうな問題が発表されて、それを突きつけられて初めてそういう御答弁が出てくる。だから私は、いままで現にそういうものを
地方
送管が発見をして、こういうあるまじきような事柄について、明確にそれをきちっとしなかったというところに、
地方
選管
がこういう問題について不行き届きであったということをあなた認めることは当然だと思うんですが、その点どうですか。
藤枝泉介
28
○
国務大臣
(
藤枝泉介
君)
地方
選管
でもちろん、たとえば
公職
の
候補者
から収支の
届け出
が出まして、それを見る場合に、たとえば
地方公共団体
の長が
寄付
をしているというようなことはわかりますが、あの問題が起こりまして以来、幾多の
事例
を調べましたところが、その相当部分はむしろその
個人
の金、
公金
でなく、
個人
の金ではあるけれ
ども
、肩書きがついていたというようなものもあるようでございます。しかし、いずれにしましても、したがってその
選管
が、はたしてそれが
公金
から出ているのかどうかという問題は、なかなか調べにくいと思いますが、まあしかし、たとえば肩書きがついているというようなものについては疑問を持って、さらにそれを調べるというようなことも、当然
選管
としてはやらなければならないことでございますので、まあそういう点につきましては、やはり今後
十分注意
を喚起していかなければならないと思いますが、私は、そういう
国民
の税金を
特定
の
候補者
に
寄付
をするというようなことは、もう
地方
自治の本旨にはずれていることなのでございますから、そういう点は、やはり
全国
の
地方公共団体
に
注意
を喚起すれば是正されると確信をいたしているわけでございます。
松永忠二
29
○
松永忠二
君 もうちょっと。それじゃそういうことで
注意
を喚起したのでしょうか、現実に喚起をされたのですか。いつどういう通知を出して喚起をされたのですか。
藤枝泉介
30
○
国務大臣
(
藤枝泉介
君) いま
調査
をしておりますから、それでそれらを含めまして、これから
注意
を喚起いたしたいと考えております。
松永忠二
31
○
松永忠二
君 いま
調査
をされているというお話だし、お話によると、あなたは、これは名前だけがそうなっているのであって、現実に
個人
の金であるとかいうお話もありましたね。
個人
名であるとしても、交際費から出ている場合がたくさんあるということは予想できますね。
個人
名であって、事実上交際費から支出されている場合もあるし、いろんな点で出されている。
調査
をされた結果について、またちょっと
資料
を出していただきたいと思うのですが、いま
多田
さんから出ている
規正
の問題についても、別にあなたのおっしゃったのは正しいとぼくは思っちゃおりませんが、まあいまの関連した問題でありますので、まあとにかくそういうことが行なわれていることについては、
選管
にやはり
注意
を喚起すべき問題だ、また
選管
としても、こういうことについて
調査
をやはり積極的に、
届け出
処理に基づき発見をすればできる事柄だ、こういうふうなお話でありますので、そういう点でひとつ問題を的確にさしてもらう、こういうふうに思っているわけです。
多田省吾
32
○
多田省吾
君 最後に一問でございますが、朝日新聞に出た二十五都道府県の
公金
の
陣中見舞い
という
調査
の結果では、自民党、社会党あるいは民社党、あるいは諸派、無所属等、各党にわたっているようでございますし、また、
藤枝自治大臣
自身の名前も出ているようなこともありまして、こういったことでは、やはり
国民
が非常に疑惑を持つのじゃないかということは当然でございます。 で、最後に私は、いま
自治大臣
が、
調査
の結果、相当部分がたとえば
公職
の肩書きで
陣中見舞い
してあっても、
個人
の金である場合が多いというお話でございますけれ
ども
、大部分は当然
公金
から出ているわけでございます。そういった
公金
から出ているのか、私費を出したのか、これはむずかしい問題だと思いますが、調果の結果を
資料
として出していただきたい。あわせて
自治大臣
は、もしも、まあ絶対これは
公金
なんかいただいてはいないと思いますけれ
ども
、それを念心のためにここで釈明していただきたい。また、もし私費であっても、そういった役職名を書いたような
陣中見舞い
は当然道義的に
自治大臣
として受け取るべきではないと思いますので、御
注意
をいただきたい、このように思います。
藤枝泉介
33
○
国務大臣
(
藤枝泉介
君) 私に対しての
陣中見舞い
は
個人
名で、また
届け出
も
個人
名の
寄付
でございますから、当然
個人
名の
届け出
をいたしておるわけでございまして、あくまでもそれは
個人
の私費であったことは判然といたしております。ただ、新聞社が調べたときに、そういうそこの市長の
個人
名がありましたから、それはその市長がというふうに書かれたのだと思いますが、その点につきましては、あくまで
個人
でありましたことを申し上げておきます。 なお、今後いろいろな問題、そうした
公金
が使われるというようなことにつきましては、十分に各
地方公共団体
を
指導
してまいりたいと考えております。
多田省吾
34
○
多田省吾
君
資料
はどうですか。
藤枝泉介
35
○
国務大臣
(
藤枝泉介
君) 判明したものについては提出できます。
高橋文五郎
36
○
委員長
(
高橋文五郎
君) 本件に対する
質疑
は、本日はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時十二分散会