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1967-06-22 第55回国会 参議院 建設委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年六月二十二日(木曜日)    午前十時五十二分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         藤田  進君     理 事                 稲浦 鹿藏君                 大森 久司君                 山内 一郎君                 大河原一次君     委 員                 石井  桂君                 熊谷太三郎君                 中津井 真君                 平泉  渉君                 瀬谷 英行君                 田中  一君                 松永 忠二君                 鈴木 一弘君    国務大臣        建 設 大 臣  西村 英一君    政府委員        建設省道路局長  蓑輪健二郎君    事務局側        常任委員会専門        員        中島  博君    参考人        日本道路公団総        裁        富樫 凱一君        日本道路公団理        事        宮内 潤一君        首都高速道路公        団理事長     林  修三君        阪神高速道路公        団理事長     栗本 順三君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○参考人出席要求に関する件     —————————————
  2. 藤田進

    委員長藤田進君) ただいまから建設委員会を開会いたしまます。  道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案を議題といたしまます。     —————————————
  3. 藤田進

    委員長藤田進君) この際おはかりいたします。  本案審査のために、必要な場合には、日本道路公団首都高速道路公団及び阪神高速道路公団役職員参考人として随時出席を求めることとし、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 藤田進

    委員長藤田進君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  5. 藤田進

    委員長藤田進君) 前回に引き続き質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言を願います。
  6. 田中一

    田中一君 最初道路公団から伺いますが、大体質問の趣旨は三公団共通のものがありますから、一つ質問に対して三公団からひとつお答えを願いたいと思います。  最初に、要求した資料にも出ておりますが、建設当初に約束された減価償却と申しますか、これが終えて今日無料公開になっている道路について、その計画の当初の考え方と、それから料率算定償還期日の短縮とかいうものが相当あると思うので、それをまずひとつ説明してほしいと思うんです。ことに道路公団前任者のこれだからどうこうということはあると思いますが、富樫総裁日本道路建設のベテランであるから、自分がいまの総裁となる前に起こった問題も、ひとつ説明を詳しくしていただきたいと思うんです。それぞれから業務上の問題償還の問題、無料公開になった分の問題それから料率のきめ方、償還計画等をお答え願います。
  7. 富樫凱一

    参考人富樫凱一君) 無料開放になりました道路について御説明申し上げます。資料の一ページにございますが、これまでに無料開放になりました有料道路は三カ所でございます。横浜新道戸塚支線大川橋参宮道路、この三つで、それぞれの事業費供用開始年月日認可償還期限が出ておりますが、償還予定年数は、横浜新道戸塚支線では二十四年九カ月ということで予定いたしたわけですが、また大川橋は十四年五カ月、参宮道路は十四年ということで予定いたしましたが、事実は、横浜新道戸塚支線につきましては九年十カ月、大川橋につきましては十年十カ月、参宮道路につきましては十三年十カ月、これで償還を終えたわけでございます。ここで一番早く償還いたしましたのは横浜新道戸塚支線でありますが、これは当初償還予定した年数がどうしてこう早くなったかという問題でございますが、これはもっぱら交通量推定の問題でございまして、当初わりあいに確実にこれだけは伸びるであろうという予定年数をはじくのが通例でございます。ところが横浜新道など東京近所道路は、交通量伸びが非常に著しくて、このような結果になったわけでございますが、年数が早くなってけっこうであったと実は思っておるわけであります。  これからの個所につきまして、どう償還予定を立てるかということでございますが、これは非常にむずかしい問題であります。いろいろの調査をいたしまして、産業開発状況伸びでありますとか、自動車保有台数伸びでありますとか、それらを勘案いたしまして、経験的にいろいろの実験式をつくりまして推定はいたしておりますが、将来に対する予想でありますので狂うことも多々あります。償還の早くなる点はけっこうでございますが、おそくなる分も相当あるので、この点につきましては、相当検討いたさなければならぬかと思っております。  なお、最近に無料開放予定いたしております道路は、武生トンネル上江橋でございまして、来年の上半期には無料開放になる予定でございます。
  8. 林修三

    参考人林修三君) ちょっと私かぜを引いておりまして声がうまく出ませんので、お聞きづらいところがあるかもしれませんけれども、御容赦願いたいと思います。  ただいま最初お尋ね無料開放部分は、実は私のほうはまだございません。私のほうは、御承知のように昭和三十四年から首都における有料道路網建設に着手いたしまして、目下まだその進行中でございます。ただいまのところでは、この当初の償還計画は、大体二十五年ということで計画をいたしておるわけでございますが、御承知のように、いろいろな事情から、若干当初の計画についても、完成が少しずつ延びております。延びております関係で、現在のところでは、本年度に御承知のように霞ケ関から芝園橋までの間、それから九月に渋谷まででございますが、開通いたします。その分を込めまして、大体ただいまのところは、本年度から二十五年ということの償還計画を実はやっております。したがいまして、一部供用時ということから合わせますと、約三十年になるわけであります。この料金のきめ方は、これは田中先生よく御承知のように、道路整備特別措置法の定めたところによって実はきめております。私のほうの道路は、当初はごく一部ずつ供用してまいりましたので、初めのうちは必ずしも計画量に達しないというような状況でございますが、しかし昨今になりまして、特に四十二年度に入りましてから、非常な伸びを見せております。ただいまの交通量であれば、予定どおり償還ができるのではなかろうかというふうに実は考えております。ただ、御承知のように、今後次々に新しい路線を開通いたさせます。私ども一応この首都中心部プール計算で一本の計算にしておりますが、新しい路線の開通に伴って、建設費等からくる再計算をいたさなければならぬ点もございますけれども、ただいまの開通しております分については、大体計画どおりにいくのではないか、かように考えております。
  9. 栗本順三

    参考人栗本順三君) ただいまの御質問に対する阪神高速道路公団事情を御説明、お答え申し上げたいと思います。  当公団は、御承知の三十七年に設立をいたしました関係上、現在大阪市内におきましては約十二キロ営業をいたしております。神戸におきましては三キロ三百営業をいたしております。きわめて短距離でございますので、料金暫定料金ということで大阪におきましては百円、神戸におきましては三十円、これは普通車でございます、大型車は二倍になりますが、そういうことでございまして、現在の状況におきましては、経常費は、もちろん料金収入をもってまかなって余りがございますけれども、金利の負担は、きわめて一部分しかできないような状況でございます。おそらくいまの計算では、大阪におきましては四十六年、神戸におきましては四十七年度から黒字に転じて元金の償還を始めることに相なろうかと存じております。償還年限は二十九年と予定をいたしておりますが、今日の推計では、その程度をもって償還可能かと思います。こういう状況でございますので、無料開放の問題は、目下のところはございません。
  10. 富樫凱一

    参考人富樫凱一君) 先ほど御説明申し上げました資料のうちでミスプリントがございますので訂正させていただきます。横浜新道戸塚支線償還予定年数でございますが、二十四年九カ月とありますのは、十四年九カ月の誤りでございます。
  11. 田中一

    田中一君 次に、現在路線によって違いますけれども、直営料金徴収事務を行なっているところと委託によって行なっているところと二色あるように聞いておりますが、要求した資料の中に契約書が出ておりますが、契約書を大ざっぱでいいから説明してほしいと思うんです、各公団とも。そして、この委託経営という形式が妥当なものかどうかということですね。それから正確を期せられるかということ、それから利用者に対するサービスに遺憾な点がないかどうか、それらの点がここに含まれているのかどうか、道路公団からひとつ説明してください。
  12. 富樫凱一

    参考人富樫凱一君) 日本道路公団料金徴収やり方でございますが、直営委託と二つの方式をとっております。現在営業しております一般道路は六十四カ所ございますが、そのうちの二十三カ所は委託でやっております。有料道路ができましたときは、料金徴収直営でやりまして、高校の卒業生を採用いたして料金徴収に当たらせたわけでございますが、これも一、二年あるいは三年ぐらいで料金徴収員から別の職場にいけるように研修もし、そのような人事管理につとめたわけでございますが、だんだんに営業路線が多くなりまして、建設のほうは建設を次々にやってまいりますから、それほど人員よけいにする必要はないわけでございます。料金のほうは次々に出てまいりますので、毎年毎年収受員よけいになる。そうしますと新しく料金徴収に入りました人を他の職種にいかすということが、人数関係でだんだんできなくなってまいります。また一方、料金徴収業務は比較的単純でございます。また取る場所も各所に分散されておりまして、現地の人を採用するということが便利な場合が多くなってきたわけでございます。そういう関係からこの委託に踏み切りまして、今後は委託でやっていこうという考えております。がしかし、公団業務としては、料金徴収というのも大事な事務でございますから、これの改善をはかっていかなければならぬ。そのために直営方式も必要でございますが、これも現在の収受員程度を限度としまして、いまいる収受員につきましては、それぞれの能力に応じて他の職種に転換することも考えていく、このように考えておるわけでございます。現在、直営でやっております収受員の総数は九百八十五人でありますが、その中に公団が新規に採用したという高校の卒業は四十八名でございます。これはもっとあったわけでございますが、みな他の職種に転換していきまして、いわばそれぞれ上のクラスにいったわけでございます。そういうことで四十八名でございますが、そういった単純な、比較的単純な仕事で、また場所的にいいましても定着するというような職種委託でやったほうがよろしい、こう考えておるわけでございます。
  13. 田中一

    田中一君 首都高速阪神も同じだと思いますから、まず日本道路公団に聞いてみますが、内容委託といっても、委託契約書、ここにありますけれども、これで完全に正確さというものとサービスというものができ上がっているかどうかという問題が、一番問題点なんです。この契約書でやっているから間違いなくやっているのだというように見ているのですか。また契約書内容についても、これなら万全であって、どういう面から見ても、公団が責任を負える契約でやっているのだということになっているのですか。
  14. 富樫凱一

    参考人富樫凱一君) 現在委託契約をここにありますような内容で結んで実施いたしておるわけでございます。これも期間は一年を限って契約いたしまして、一年ごとに更新するというやり方にいたしております。また途中でありましても、契約条項に重大な違反があった場合には解約するというようになっております。そういうところでこの委託を受けたものに対する監督を厳にいたしまして、サービスの向上をはかっておるわけでございますが、いままでのところ、委託をしたところが特にサービスが悪いというようなことは耳にいたしておりません。また、正確さの点でございますが、これは監督員を置きまして徴収事務につきましては、常時監督をいたしておりますので、正確さもそこなわれておるとは考えておりません。
  15. 田中一

    田中一君 先だって、前回委員会建設省のほうに質問したのですが、私ども常にこれは道路を利用しておりますけれども、領収の切符というか領収書ですか、あれを受け取らぬ方が間々あるわけです。見ていると受け取らない人もずいぶんいる。あるときは朝早く通ってみると、ちらばっている領収書を収集している。これは掃除するつもりで収集しているのでしょうけれども、何か割り切れぬものがある。先だって言っているのは、委託経営にするということの最初一つというものは現在の職員を訓練するため、いわゆる道路行政道路というものになれさすために現場訓練が必要だということが一つと、それから有能な青年をいつまでも単純労務的な単純業務にこういうものをやってはかわいそうだからほかにも配置転換させるのだということが一つだと思うのですね。その中で、やはり委託をした場合にも同じようなことが受託者のほうに言われるわけです。条件ちっとも変わっておらぬ、やはり単純業務であるということになる。そうしてよくそういう領収書がちらばっている現場をたくさん見るのです。また、それを拾っている現場も見るわけです。いままでにそういう料金徴収の問題について、まあ汚職ということば当たるかわからないけれども、横領ということばか、小さな金額でしょうけれども、まあ一コースについて考えてみれば一枚百五十円、十枚千五百円、おれの給与よりいいやとなったならば、それに誘惑される。こういうことがいままでありましたか、そういうような事例が摘発された事例ありますか。
  16. 富樫凱一

    参考人富樫凱一君) お金をいただきますと、領収書を出すわけでございますが、これを受け取らないでいかれる方、車が相当ございます。これは回収箱に入れまして焼却してしまうわけですが、受け取って捨てていくのもあります。それがお話しのようにちらばっておる回数券ですが、これは掃除といいますか、回収いたしまして、それも焼却することになっております。そういうようなことで、疑えば疑えることもございますけれども、いままでにそういう事例を起こしておりません。これは疑わないほうがいいのではないかと思っておるわけでございますが、ただその正確さを期するという点におきましては、将来とも改善をしていかなければなりませんので、機械徴収等をただいま研究しておるわけでございます。
  17. 田中一

    田中一君 そうすると、今度委託会社契約委託会社の相手方に対しては——これいまいただいた資料だから読むのめんどうだから——どういう形式を踏んでいるのですか、委託契約は。
  18. 富樫凱一

    参考人富樫凱一君) 委託契約を受けたいという希望者を指名いたしまして入札して委託しております。こちらで予定価額を立てますが、料金徴収に必要な人員経費をはじきまして、それの範囲内で入札の結果受託者をきめておる。また、場所によりましては、公共団体等委託を受けたいという団体もございますので、これは指名競争によらずに特名随契でやっております。また、場所によりましては、へんぴな場所でそういうところもないというところがありますが、組合などをつくってやろうという申し出もあったところもございます。それは特名随契でやらしております。
  19. 田中一

    田中一君 そうすると、業務請負をさしておる。それは何ですか、料金歩合制でやっているのですか、それとも通行車両があるないにかかわらず、多い少ないにかかわらず、一定の基準をきめて、極端に言うと、一日何台とすぐわかるわけですから、そういうものでやっているのですか。それから、人員も女か男か、年齢はどのくらいか、いままでの過去の経験とかなんとかいろいろなものがあると思うのです。そういうものも、どういう条件か、その条件を知りたいのです。
  20. 富樫凱一

    参考人富樫凱一君) 委託業務に必要な経費をはじきまして、その範囲内で委託を受けてもらっておるわけでございます。したがって、料金等徴収につきましては、これはそのまま公団に入ってくるわけでございまして、料金徴収の多寡によって歩合で金を出すということはやっておりません。それから人数積算内容としてはございますが、受託者の任意でやっておるわけであります。また男でも女でも、あるいは年寄りでも、これは受託者の考えでやっておるのが現状でございますが、総じて見ますと、委託を受けたもののほうが中高年齢層のものを使用しておるようでございます。そういうやり方にいたしておりますが、従来そういう労務関係で問題を起こしたとかいうようなことは聞いておりません。
  21. 田中一

    田中一君 道路公団の場合には、専門のそういう受託会社があるのですか。
  22. 富樫凱一

    参考人富樫凱一君) 専門のと申しますか、非常に数が多いわけでありますが、その中には地方公共団体もありますし、公団退職者会社をつくりましてやっておるのもございます。また、私どもの受託を受けようという会社もございまして、これらのものにつきましては、数が多ければ指名競争方法に、また事情によりましては特名随契方法受託をさせておるわけでございます。
  23. 田中一

    田中一君 その会社はもうかっていますか、利潤があるのですか。
  24. 富樫凱一

    参考人富樫凱一君) 経費を見ておりますが、その経費の中には利潤というものは入れておりませんけれども、その経費の中でやれるようには考えております。特にもうけるというようなことはないと思いますが、赤字を出すということもないようでございます。
  25. 田中一

    田中一君 そうすると、一つ事例説明してください。乙女峠は、あれは委託ですか。
  26. 富樫凱一

    参考人富樫凱一君) 乙女峠委託でございます。
  27. 田中一

    田中一君 委託で、それで現在何人で、監督は、公団側職員何人ですか。公団職員というのは、結局料金徴収ばかりの監督じゃなくて、道路の清掃とか、維持管理のための仕事もしておると思うけれども、料金徴収のための監督が何人いて、そして常時何人ぐらいおって、契約金額幾らで、通過台数幾らで、あがりが幾らというようにひとつ説明してくれませんか。
  28. 富樫凱一

  29. 田中一

    田中一君 何ページ。
  30. 富樫凱一

    参考人富樫凱一君) 十五ページでございます。それが、委託いたしました契約額は四百七十万円でございますが、この乙女道路昭和四十一年度料金収入額が八千三百万ということでございます。これに従事しております人員は七名でございます。監督でございますが、あすこには維持管理のために事務所を設けておりまして、そこには公団職員が二名おります。
  31. 田中一

    田中一君 その四百七十万という数字は、どういう内容を持って算定されたものなのですか。
  32. 富樫凱一

    参考人富樫凱一君) 大ざっぱに申しますと、乙女道路交通量をあらかじめ予定いたしまして、この交通量に対しては人員が何人要るだろうかという算定をいたしました。その人員に基づきまして諸経費を入れまして、委託契約額をきめるわけでございます。人員の七名ということは、これは契約の中には別にないわけでございます。
  33. 田中一

    田中一君 そうすると、通過車数というものが計算に入っているならこれは歩合ですよ。歩合経営ですよ、これは。通過する台数一台に対するその事務費というものが幾らという算定をしているなら歩合と異なりませんよ。定数何人おって勤務が何時から何時までおって、かかる人たちがいてくれという条件がなくて、何にもなくてお預けっぱなしだというのは、これは結局料金に見合う、通過車両に見合のパーセンテージを引っ張り出しているのなら、これは実質的に歩合ですよ。たとえば通過する車両がうんとふえたら、倍になったら倍にするのかということになるのですよ。そうすると、従事している人員の賃金は一人当たりどのくらいに見るわけですか。七名でも十名でも五名でもいいんだということになると これはどこを押えてやるかということなんです。
  34. 富樫凱一

    参考人富樫凱一君) この委託契約額は、歩合制度でなくて積算根拠として人数基礎にはじくわけでございますが、その人数は、その繁閑に応じて増減するわけでございます。そこで、それは歩合制度ではないかと、こう申されるわけでご川ざいますが、これはかりに交通台数がなくても、これだけでもやるわけでございます。交通台数がなくても、自動車が通らなくても、委託の金は出すわけでございます。それからその道路が非常に交通量が多くなってその人員だけじゃ足らないという場合には、契約額を更改してやらなければならぬと思いますが、それが歩合制度だと言われればそういうことになるかも知れませんが、積算根拠としては歩合ということでなくて、必要な経費を出すというやり方でやっておるわけであります。  それから一人当たり積算する場合の給与の問題でございますが、二色考えておりまして、一つ基本給が三万八千円、これは長になる人でございますが、その下の職員につきましては一万七千八百円、その他扶養手当、時間外手当宿直手当あるいは特別手当等を考えまして、これで人件費をはじいているわけでございます。
  35. 田中一

    田中一君 いま総裁は、人員条件をつけておりません、そう言っていましたよ。しかしどっちみち人を使うのでしょうから、その基本給としては三万八千円ないし一万七千円というものを押えています、それから通過車両——利用者があってもなくても基本的な人員経費がかかるわけですから、これは一応押えておきましょう。しかしながら、大体有料道路をつくるには、当然何台数というものの予想ですね、計画台数というものを持ちながら道路を開通するわけなんですから、その通過台数というものは一応押えてあるわけなんです、計画の当初から。それを基礎にしてはじき出すのは、あなた方のこれは最初契約したときの、何というか、オープンしたときの条件だろうと思うのです。あなたのほうの最低価格というのは、そこをねらうのだろうと思います。そうしてなお一年、二年たって、また関連する取りつけ道路等が完成されてくると利用台数がふえてくる、その場合には更改してもう少しよけい出そうじゃないかという考え方を持っておるということが明らかになったのですよ。これは実際請負という形に実態はなっておるわけなんだけれども、いわゆるこの一つ徴収業務を完全に行なえば、人間を何人使おうとどうしようと、これだけの報酬を出しますということなんですよ。そうして、それがもとにありながら、かつまた台数がふえたら、その台数割り増しというものをつけてあげましょうということになると思うのですよ。そういう形だと思うのです、実際は。請負という表現のしかたがいいか悪いか、あなた方は納得しないような顔をされておるけれども、納得できないでも、大体そういうところで算定されますよ。そこで、道路公団の退職した職員であるいはそういう会社を持っている者もいる、これは別にとがめるわけではございません。しかしながら、そういう形で完全なる営利事業なんです、これはね。だからこそたくさんの中から最低価格をきめて入札に付す。入札に付すということは、なにも物を買うのと違うのですよ。でき上がった商品を買うのと違って、業務を完全に行ない、利用者に対するサービスが完全だという前提のもとに一つ料率を、料率というか、請負金額をきめて入札に付しているわけなんです。そういう形の中で監督員がかりに二名いると、一名がまるきりしょっちゅうあそこのゲートに突っ立って一々見ておるわけじゃありません、これは。そういう場合に、いまのような料金徴収の姿では、ことに職員の場合には……。直営の場合にはそういう間違いはいままでかってなかった。これは非常に喜ばしいことなんです。しかし請負の場合に、間違いがないというその保証をだれがするかということなんです。だれがするかということなんですね、間違いないのだという保証を。それからあなたの、いま資料の一五ページですか、あるように、相当たくさんの会社がやっている。これはもうかるからやっている。そうして一応何人使ってもいいというものの中で、あなたのほうの働く労働者の賃金というものは、一応予定価格をつくるための算定基準として一万七千円ないし三万八千円という一つの基準を押え、それに諸手当を含めてこうなるのだというけれども、人間その他のものは一切それは拘束していない、自由だということになるとですね、どうもその公団が国家資金を使って国民の奉仕のために行なっている業務としては、私は万全を期せられないのじゃないかという気持ちがするわけなんです。そうして、往々にして先ほど総裁の言っておるように、料金徴収領収書が散乱しておる、また拾い集めている、これは焼却するために集めておるのでしょう、あるいは掃除をするために集めておるのかしらぬけれども、少なくとも国民は、これに対して、しょっちゅう利用しておる人は、一ぺんはこれは必ず疑問を持ちます。何回か通って、毎日のように通っておるわけですから、あの首都道路公団道路をね。そういうものがあなたはそうじゃないという立証はないじゃありませんか。ことにいまの労働者の、賃金の安い者をどんどん使えばいい、これは責任がありませんよ、安い者には。そうして三万や、一万七千円や二万円もらっておる者は、一日にあなた十枚、もしもこれが自分でちょっとポケット・マネーになるならばこれは月給もらうよりいいですよ、そのほうが。だから、そういう危険負担をそういう公団が責任を持ちたくないものだから、委託会社にまかす、民間会社にまかす。それから公団職員等にしても、あなたのところの職員の賃金、安過ぎますよ。あとでその問題ちょっと触れて私から説明しますが、総裁はそういうことまではおわかりになっておらぬと思うから、これは何とか改善しなければならぬと思うのです。前回委員会でも、建設大臣は、この問題は重大な問題だから、ひとつ十分に検討したいのだと言っておりますが、いま伺った範囲だけの契約内容であったならば、私はこれに対しては非常な疑問を持つのです。したがって、これについて首都高速道路公団並びに阪神高速道路公団のほうの同じような説明をしてください。
  36. 林修三

    参考人林修三君) この委託契約やり方、あるいは委託契約業務委託するに至った過程は、大体日本道路公団富樫総裁から言われたことと同じでございます。私のほうも初めは全部直営で始めたわけでございますが、漸次この料金所がふえてまいりますのに伴って、そうそう公団自身の直営人数をふやすわけにもまいりませんこともございます。それから、比較的単純な業務で、職員をずっとそれに縛りつけておくことも、やはり職員の士気ということからいっても、必ずしも適当でございません。できるだけ他の業務にだんだん転換さしていくということも、やはり必要があるわけであります。そういう意味で新しく開通する料金所は、現在のところでは原則として業務委託するという形をとっております。現在私のほう、この資料は昨年度の実績をあげたわけでございますが、現在の時点で申しますと、私のほうはいま料金所が二十二カ所ございまして、そのうちのちょうど半々、十一カ所が直営、十一カ所が委託ということになっております。それで、この委託契約内容は、資料として差し上げました。まあこれで十分監督ができるたてまえとして考えておるわけでございます。それで、大体先ほど富樫総裁からお話がありましたような一年契約で、一年間の実績に徴してさらにまた別の契約更改をするか、新しい業者に指名するか、そういうことをやっております。やり方は原則として先ほど富樫総裁からお話がありましたように、希望者を指名いたしまして入札をしてきめております。ただ、その入札するにあたっては、予定価格をもちろん積算いたしまして、大体通過台数予定があるわけでございますから、それに対してどのくらいの人数が所要人員かはじき出せますから、それに対して賃金の単価を計算いたしまして、それによって予定額を算出する。それを予定価格として入札するわけでございます。もちろん入札でございますから、それより下回る場合もございますが、あまりダンピングをするというようなことがわかれば、もちろんまた再入札をして適正なところでやってもらうということも考えております。それで大体賃金の基準は、先ほど御説明のございました乙女峠——私どもは都内でございますので少し高うございます。本年度積算単価は、監督者は五万四千七百円、普通の徴収員は二万七千六百円というものでやっております。それで監督のほうは、ただいまのところ委託業務に出したものにつきましては、現在まで不正の起こった事例は幸いにしてございません。先ほどお話のございましたような徴収券を取らないでいく、取ったものをそこに捨てていくということはやはりございます。それは厳重に徴収員に指示をいたしまして、直ちに状差しに集めて穴をあけてあとの処理をするというようなことをやっておるわけでございます。そういうことで、監督——公団自身の監督員も必要に応じて回ってやっておるわけでございます。  で、これは御質問にはございませんでしたけれども、私のほうでは過去まだ直接にやっておりました時代に、実は三件不正事件がございました。だいぶ前でございます。これは必ずしも直接だからそういうものが起こった、委託だから起こらないということではなかろうと思います。これは本人の心持ちでございます。十分に監督をやっておりまして、ただいまのところでは、委託業務で相当の成績をあげておると、かように考えておるわけでございます。  それから先ほどちょっと富樫総裁からもお話がございましたように、この料金徴収事務には、相当中高年齢層を使うようにという要請が社会的にもございます。これは私のほうでもやはり公団の賃金体系から申しますと、なかなか公団の直接の職員では、この中高年齢層は使いにくい点がございます。そういう点はやはり委託業務に出した場合には、比較的中高年齢層は使いやすいということもございまして、そういうことも会社のほうにも勧告をして、中高年齢層をできるだけ使うという点も勧告してやってもらっております。
  37. 栗本順三

    参考人栗本順三君) 阪神高速道路公団状況についてお答えを申し上げたいと思います。  私のほうの料金徴収所は全部で九カ所ございますが、三カ所が直営委託が六カ所でございます。総人員直営三十名、委託五十九名と相なっております。御説のとおり、料金徴収所において間違いが起こらないであろうか、また利用者の方々に対するサービスがいかがにあるべきであろうかということは、私たちといたしましても重大な関心事でございます。  もう一つ申し上げたいのは、先生からもお話ございましたが、若年労働者は労務事情からいきましても逼迫しておりますし、ああいう単純労務でございますので、なるべく中高年齢層にやっていただくのがよくはないかというふうな考えでございまして、私のところは後発公団でございますので、先発公団事情等も拝察をして、実は最初から直営を少なくいたしまして、直営はもちろんモデル的なことでありますし、われわれまた実情を正確に把握する意味もございます。また将来、料金徴収所の監督その他の監督者を養成するというような意味もございまして直営をやっております。で、先ほど全部で八十九人あると申し上げましたが、そのうち五十歳未満が直営委託を含めまして十人、高年齢といいますか、五十歳以上六十歳未満でございますが、七十九人。おおむね高年齢者でございます。しかもその高年齢者は大阪神戸等の路面電車の乗務員の定年前後の、五十五歳定年前後の者が直営におきましてはほとんであります。委託のうち大阪府、市の出資によりましてできております財団法人阪神道路協会、これもほとんど乗務員、直営委託の分につきましても相当乗務員等を使っております。まあこういう乗務員の皆さんは、従来の仕事関係上、乗客に対する扱い方というものもなれておりますし、また金銭の扱いの正確ということにつきましてもなれておりますし、しかも相当恩給などをちょうだいいたしておる人が多い関係上、まあ間違いも起こさないであろうというようなことでやっておるわけでございます。請負の、請負と申しますかの契約委託契約内容につきましては、両公団からお話のありましたのとほぼ同じでございまして、私のほうといたしましては、大体両公団の実情にならいまして実施をいたしておるような実情でございます。
  38. 田中一

    田中一君 林さん、あなたね、新宿、代々木、代官町、西神田を契約している東京ハイウェー会社というのが、委託金額が千七百万なんですね。千七百万の内容ちょっと示してください。職員は、これは二十三名いるんです。人件費が実際幾らかかっておるか。
  39. 林修三

    参考人林修三君) そのいまの、委託金額積算根拠でございますか。
  40. 田中一

    田中一君 そうです。
  41. 林修三

    参考人林修三君) ちょっといまここに積算根拠持ってこなかったわけでございますが……。
  42. 藤田進

    委員長藤田進君) 考え方でも……。
  43. 林修三

    参考人林修三君) 計算基礎は、先ほど申しましたように、各料金所ごとに料金徴収のブースが幾つあるというような、路線が、たとえば二つあるとか四つある、それの大体通過台数を想定いたしまして、その一つのブースごとに何人の人間が要る、その何人の人間がいれば、これはまあ二十四時間通して、普通三交代でやるわけでございますが、それで計算して、何人人間が要るということをはじき出します。これに対して、人数に応じて監督者を何人ということをはじきます。それに俸給の単価あるいは賞与、そういうもの、それから公団会社が負担いたしております被服費とか、そういうような一定の施設費とか材料費を積算いたしまして、その計算をいたしております。先ほど日本道路公団でお話がございましたように、いわゆる歩合制ではございませんが、一応必要量、一定のブースが、まあ料金台数があれば、そこを二十四時間あけて、そして通る自動車について確実に全部料金徴収する、しかもサービスをよくやるということについては、最低どのくらい人数が要るという計算が出てまいりますから、その計算によって、それに単価を乗じまして予定価格を計算していく。その予定価格で入札をしていますから、若干それより下回ってるものが多いわけでございますが、しかしそれほど大きく下回ってるものはあまりないようでございます。それに応じて、実際にその予定価格で計算したとおりの人数を使ってるかどうかは、これはまあ先ほど富樫総裁が言われましたように、必ずしも同じではございません。しかし一つ料金所を維持していく上においては、これはもう常識的に申しましても、一定の人数は最低必要なんであります。そう大きく違うことはございません。二十四時間あけておるわけでありますから、そしてこれが料金、通行台数が非常にふえましても、ブースがふえなければ、実はあまり人数よけいになるわけではございませんが、ブースがふえるとか、あるいはまた非常に事情が変われば、もちろん契約更改をやるわけでございます。先ほど申しました歩合制とは言えないものだと思います。歩合制というと、料金の収入に応じてこちらが支払う金額が減ったりふえたり、こういうことになりますが、そういうものではございませんで、一年間は固定したものとしてやっておるわけでございます。
  44. 田中一

    田中一君 内容は、資料でひとつ積算内容は出していただきたいけれども、従来直営でやった場合のその徴収事務に関する経費とこれとの比較はどうなりますか。
  45. 林修三

    参考人林修三君) 正確にはなかなかできないのでございまして、しかし、大体においては人数計算なんかは同じでございます。同じでございますが、給与のベースも大体多少公団直営の場合より予算の単価は少し低めになっておりますが、大体そう違いはございません。したがいまして、それ自体としては、それほど大きな差がないということになりますが、若干はその直接の経費はございます。しかし、公団直営いたします場合には、その職員についてのそのほかの厚生施設等の費用が相当これは加算されてまいりますので、いろいろな費用が加算されますから、全体として見れば、委託に出したほうが安くなっております。その大体私のほうで委託しておる会社は、もちろん料金徴収業務だけをやっておる会社ではございません。ほかの道路の清掃業務とか道路の修理業務をやっております。そういうもの全体を通じて、そういう会社一つの採算をとっておる会社でございますので、公団が自分でやるように、一々職員の宿舎あるいは厚生施設等については、もちろん会社も考えておると思いますが、私のほうでやっておるほどにはまあかけておらないだろうと思います。それでその経費としては、大体若干委託に出たほうが安いという結果になっております。
  46. 田中一

    田中一君 この請負ということばを使うと、君らそうじゃない、そうじゃないと言うけれども、阪神の場合には委託手数料というふうになっている、契約ではね。一件当たり幾らということを、基礎経費は別にしても、あとは一件当たり幾らという算定のもとに予定価格をつくっておるんだと思う。そこで、こういう形でこういう人間が監督するといっても、監督できるものじゃないのです、実際において。そういう危険な状態に若い者でも何でも低所得者を置くことは、危険じゃないかと思うのです。ことにそういう低所得者をそこに持っていく、そういう誘惑されやすいような立場に置くことが間違いだと思うのです。何かこの方法は、あえて、合理化とは言いませんが、正確さを期するという方法で、いろいろな方法が考慮されなければならぬと思うのですよ。そこで、首都高速では一ぺんそういったテストケースなんかやったことがあるというように聞いておりますけれども、どんなことをやりましたか。
  47. 林修三

    参考人林修三君) これは各料金所ごとにトラフィックカウンターをつけておりまして、通行台数は機械的に示されております。したがいまして、そういうことからの両方のチェックをして突き合わせをしております。そういうようなことをやっておるわけでございます。
  48. 田中一

    田中一君 道路公団どうです。
  49. 富樫凱一

    参考人富樫凱一君) 道路公団におきましても、同じように料金徴収所のところにはトラフィックカウンターを置きまして、それと照合するようにいたしておりますが、発売した通行券の金額と実際に徴収した金額、これを照合するのはもちろんでありますが、それをさらにトラフィックカウンターによって照合しておる、こういうやり方にいたしております。なおトラフィックカウンターもまだ改善されなければならぬ面が相当ありますので、これの改良を現在考えております。
  50. 田中一

    田中一君 それは御承知のように、料金、大型トラックでも軽自動車でも一台は一台なんです、機械に出てくるものは。だから正確は期せられませんよ、実際は。料金の差があるんですから。そこでどっかで一ぺん無人料金徴収所というか、そんなこともやったことないんですか。
  51. 林修三

    参考人林修三君) 私どももこの料金徴収の合理化として、機械化ということは常に考えておるわけでございます。これは諸外国でもすでにやっておるところがあるわけでございます。私ども昨年二カ所選びまして、約一年間実験をいたしてみました。しかし、その結果を見ますと、必ずしも実はまだ十分ではございませんで、いま直ちにそれを採用するというふん切りまではまだつけ得ません。それから、御承知のように、機械でやりますと、まあ私のほうは、御承知のようにブースは原則として二つしかございません。少し多数のほうがいいのでございますが、ブース二つのところは大体人数は二人でございます。そうすると、やはり機械の操作、機械の監督にどうしても一人当たるということにいたしますと、実はあまり、二人のところは人数を減らすということには意味がないという点がございまして、多少ブースがたくさんあるというところにこれを採用することを考えておるわけでございます。それともう一つ、私のほうでやってみたところでは、まだまだ機械に改良の余地があるようでございまして、始終故障をするというようなことがございます。実験的にやってみたところは、うまくいっているのでございますが、やはり震動の強い、しかも雨風の当たるところでは——私どもは、ブースはみんな中に機械を置く場所がございませんので、大体露天に置いてあるわけでございますが、これはどうも雨とか風とか木の葉っぱとか、こういうことによる故障が非常に多かったようでございます。そういう点の改良をしなければならぬということがございます。それからもう一つは、大型車と普通の型で料金が違うわけでございまして、やはり機械としてはどっちかしか使えないわけであります。それから、お札を使うものはどうにもこれは両がえをしなければならぬ、そういう点いろいろ今後検討すべき問題がございますので、機械化については十分考えていきたいと、かようなわけでございます。昨年一年間やりました実績に徴して、なお機械の改良とやり方について検討はやっております。
  52. 田中一

    田中一君 それから、料金の決定の問題ですがね、先ほども無料開放になったところの償還などは、何といいますか、早くペイすれば開放されるんだということでしょうが、やっぱり妥当性を欠いている、見通しが間違ったということがあるんじゃないかということが一つと、それから首都高速道路公団のように、新宿から国会へ来ても百五十円、それから羽田へ行っても百五十円という料率の問題は、これはやっぱり不公平ではないかと思うんです。たくさん使ってくれればいいんだということになるけれども、その料金を策定する体系的なものができていると思うんです。むろん、これには一々たくさんランプをつくって、そこでもって別な料金徴収所をつくれば、これは人件費もだいぶかかるわけなんです。それよりも一律料金のほうがいいんだということは一番簡単ですよ。たとえ機械化する場合でも簡単です。それはどう思っていますか。
  53. 林修三

    参考人林修三君) この高速道路有料道路料金算定の基準は、これは田中先生よく御承知のことと思いますが、結局高速道路有料道路を通ることによる便益の範囲内で、しかも大体債務を償還する限度で取ることになっております。ただ、私のほうといたしましては、従来は大体都心、まあ山手線中心より中でございまして、これについて一々距離に応じて区間的な料金を考えますことは、これは料金所、ブースの設備を非常に大がかりなものにしませんと、実は非常に不可能でございます。それで、非常に経費もかかることでもございますし、人員を要することでもございます。これは大体いままでの料金徴収につきましては、大体都内においていろいろ自動車の出入の調査をいたしまして、大体平均的に七キロぐらい走っているという平均的な数値を出しまして、それに応じて大体の料金算定、百五十円、三百円、その基礎でやったわけであります。で、御承知のとおりに、将来だんだん私のほうも、山手線の外に延びてまいります。そうしますと、これはやはり将来ずっと均一料金では、これは私どもの公団自身の採算もとれなくなる可能性がございます。それからまたお客さんで、短い区間で乗る人に対してのサービスという点もございまして、これは将来はそういう、相当延伸したところにつきましては、別個の料金体系をやはり考えなきゃいけないことになると思っております。現にいまやっております羽田から横浜にいく道路がございますが、これは御承知のように世銀借款も入れた道路でございますが、これはやはり世銀借款を入れるときも、あれは別個の料金体系にするという向こうの条件がついておりまして、これは明年の秋に開通する予定でございますが、これはやはり都内とは別個の料金体系をとらざるを得ないだろうとかように考えて、これから研究いたしたい、かように考えております。
  54. 田中一

    田中一君 それはたとえば二号線についても今度この秋あたり完成するらしいので、そういうものができた場合にはどうするというのですか。
  55. 林修三

    参考人林修三君) この秋に開通いたします分までは、これは私は単一の、均一料金制でまかなえると思っております。それからいま工事をやっております五号線、あの範囲はできると思いますが、やはり都心から十キロ、十四、五キロとなりますと、これは地下鉄の例でもわかりますとおりに、やはり採算ベースをはずれてくる可能性があるわけでございまして、そういうものについては、やはり将来として区間料金というものを考えなきゃならない時期があるいは出てくるのじゃないかと、かように考えております。そうなったときには、やはり道路のつくり方自身もかなり考えていかなきゃならない、かように考えております。
  56. 田中一

    田中一君 あなたはさっきも二へんほどペイする、ペイするということを言っているけれども、あなたはペイなんか考える必要はないんですよ、商売じゃないんですよ。
  57. 林修三

    参考人林修三君) いや償還ができないと困るんです。
  58. 田中一

    田中一君 償還を長くすればいいんですよ、結局。それでたとえばさっきも言ったように、新宿から国会へ来るのにも百五十円、羽田でも百五十円ということになる。これは利用したほうが得なんです。われわれ利用しても、やっぱり時間の非常に大きな得がありますし、それから消耗するガソリンとかオイルとかというものも得なんです、これは実際に計算してみると。しかし利用する台数が、たくさんお得意さんが、お客さんがたくさん来てくれればいいとか、それから償還年限がおくれちゃ困るなんということは考える必要はないんですよ。
  59. 林修三

    参考人林修三君) やはりこれは償還年限を考えないでいいというわけにもちょっとこれはまいりませんし、いろいろ整備特別措置法のたてまえもございましょうし、あるいは財投資金をもらっている関係もございまして、やはり最低、最長やっぱり三十年以内ということで償還計画を立てなきゃならないわけで、私どものほうは、ただいまのところはいまの百五十円の料金でまいりますと、一部開通のときから大体三十年という計算でございます。現在までのところは、計画量を、昨年まではだいぶ下回っております。しかし、先ほど申しましたように、本年度あたりからだんだん上向いてきまして、この状況でいけば、この償還計画を現在の路線に関する限りはそう変えないでもいいだろう。新規路線については、その建設費が上がったとか何とかいま問題がございますけれども、それは別といたしまして、さように考えております。おっしゃるとおりにやはり短く乗る方には、安く、長く乗る方は高く取るのが、料金の  一つの基本かもわかりませんけれども、しかし、やはりたとえば都電の例、あるいは地下鉄の伸びなかった場合、これはやっぱり均一料金という制度をとっておりました。これはやはりいろいろの諸経費あるいは諸設備とのにらみ合いでやっぱり考えないと、そのために非常にたとえば名神高速道路のようなことは理想的と思いますが、やはりああいうふうに区間的な料金を取るのには、相当大きな設備をしなければならない。都内ではそれほど大きな設備をする場所がございませんし、やはりある程度均一料金でやっていく必要があろうと思っておるわけでございます。大体それについて計算基礎は、さっき申しました自動車の出入調査によりまして、大体、平均的な走行キロというものを出しまして、大体七キロ程度でございます。そういうものについての原価計算と申しますか、利便の計算をいたして料金をきめていくというようなことにしてあるわけであります。これがいまおっしゃいましたように、必ずしも十全のものとは思いませんけれども、現状ではちょっとやむを得ないところじゃないかと思っております。
  60. 田中一

    田中一君 それじゃ一緒に資料出してください。推定される——1年経過だなちょうど、現在の一年ぐらい、用に供してから一年——二年たったかな。
  61. 林修三

    参考人林修三君) 一番初めの五号線の一部開通から申しますと、五年になります。
  62. 田中一

    田中一君 三十年間の推定する自動車利用台数、これは一度も改定していないわけなんです。何も五年前に策定した一つ計画を、五年たっても改定しちゃいけないことはないのです。現にワンマン道路にしても、一部供用になったあそこにしても、料率はどんどん下げていますよ、見通しによって。だから、今日の東京都の実情から見ても、五年前に策定したあなたのほうの計画というものと、今日と、また今日以後の推定というものとは、非常に大きく変わっていると思うのです。そこで、そういうものを勘案しながら、五年前の計画ですね、料率をきめるときの計画を一ぺん資料で出してください、算定の基準というものを。それから現在改定する必要があるかないかという点も意見として書いて、資料を出してください。
  63. 林修三

    参考人林修三君) 資料はお出しいたします。  それで、ちょっとつけ加えておきますが、三十年、つまり、本年度から二十五年、三十七年から三十年という償還計画は、実は本年の三月に五号線の一部開通したときに、監督官庁の承認を得た計画でございまして、その計画がいまそういうふうになっているわけでございます。その計画が今後やはり相当狂ってくる可能性はございます。それはそれに応じて改定をしなければならないと思っておりますが、現在のこの計画でいけば、大体本年に入ってからの利用台数伸びを考えてみると、大体償還計画どおりでいくだろうというようなことに考えております。さしあたりのことは、いま料金改定を考えておりませんけれども、これは将来いろいろな要素もございまして、新規に開通する路線で実は建設単価が上がった、あるいは一方では通行台数がふえた、そういうようないろいろな要素がございます。そういう要素を勘案して償還計画なり料金の改定を考えていかなければならない、かように考えております。
  64. 田中一

    田中一君 前回もあなたは、料金の問題並びに料金徴収事務の問題等も十分に考慮しなければならないということを発言なすっておったけれども、いまの料金の問題は、今日の景気というか、今日の日本の経済の動向から見ても、通行料の問題は何とか全面的に検討されなければならぬ時期に来ていると思うのです。ことに、七月からは資本の自由化によって日本の経済がどう動くかわかりません。自動車産業にしても相当企業整備をしなければならぬ、企業合同等もしなければならぬという形に変わってくるかもしれぬ。全体的にそうなると思うのですよ。私はこの際ひとつ、あなたが今後の整備五カ年計画に関連して有料道路に対する——都市問題が大きくなりますから、それだけに、都市と都市を結ぶ幹線道路有料道路がその役目をしておりますから、これに対する料率の問題等も十分に考慮するつもりでいるかどうか。当面そういう問題を各公団の管理者に検討させるようにしていただきたいと思うのです。その点どうお考えになりますか。
  65. 西村英一

    ○国務大臣(西村英一君) 有料道路のたてまえは、とにかく国家財政の都合もあって、借金をして道路をつくろうじゃないか、国家財政だけではとてもまかなえない。そういうたてまえで始めたのでございますから、いまのたてまえとしては、やはり料金を取って償還するのだというたてまえにはなっておるのであります。しかしながら、一方におきまして、これからますます有料道路は非常に拡大されます。したがいまして、これをどういうふうに考えていくか。現在のような区間別にペイしたらそれはまた無料にしてしまうというような行き方でいくか、もう少し広い範囲に考えまして、料金のプール制にするかというようなことについての検討は、これはほんとうにいまやらなければならぬ時期だと思っております。また料金徴収方法しましても、直営か、民間委託かという問題も、これは非常に大きい問題でございます。いま聞きますと、名神管理局には、料金徴収維持管理あるいはパトロール、見回り等合わせて七百二十七人職員がおるということであります。今度は東名三百数十キロですか、そうすると、千二、三百名の人員ということになります。それは保守だけの問題なんです。道路公団というのは、道路をつくるということでやったんですが、その維持管理だけに数千人の職員が要る、それがどんどん伸びていく、相当な職員になるというようなことも一つ問題点であろうと思われます。したがいまして、これを直営でやるか、民間でやるか、また民間でやりましたときには、御指摘のような問題も十分これはあるわけでございますので、この点も含めまして、料金制度の問題も含めまして十分検討をいたしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  66. 田中一

    田中一君 そこで、三公団総裁、理事長に申し上げますが、あなたのところを職員はきのう時限ストをやりましたね。一時間の時限ストをやりましたね。これはお聞き及びでしょう。通告を受けておるでしょう。そこで、その内容は、どういう要求によって、どういう交渉の決裂によって、どういう協議によってこれがストライキをしなければならなくなったかという点について、ひとつそれぞれ報告をしてください。
  67. 富樫凱一

    参考人富樫凱一君) 日本道路公団におきましては、昭和四十二年度の夏期手当といたしまして、組合から二・二カ月プラス一万五千円という要求があったわけでございます。この要求につきまして、理事者側といたしましていろいろ協議いたしましたが、国家公務員との関係もございまして、一・六プラス六千二百円というのを提示いたしたのであります。この交渉がまとまりませんで、きのうは時限ストがあったわけでございますが、夏期手当だけを考えるということでなく、年間を通じての給与ということを考えていきたいとわれわれは考えておるわけでございます。で、こちらから提示いたしました額につきましても、他公団と比較いたしまして、悪いということはなく、一番よくはないにしましても、上位のほうにあると考えておりまして、この額で妥結してもらいたいと考えておるような次第でございます。
  68. 林修三

    参考人林修三君) 労働組合側の要求、それから公団側の提示しております額、これは富樫総裁から言われたものと同額でございます。これによってずっと交渉しておりましたわけでございましたが、なお妥結に至っておりません、そういう過程で組合は昨日時限ストをやった。こういうふうに考えておるわけでございますが、いま富樫総裁が言われましたように、まあこの公団、公庫全体を通じまして見ますれば、必ずしも私どものほうは、年間を通じれば、そう悪いほうではないと思っておりますし、やはりこの公団の性格から言えば、この程度のことで夏期手当としては妥結をいたしたい、かように考えていま努力をいたしておる次第であります。
  69. 栗本順三

    参考人栗本順三君) 私どもの公団におきましては、組合側の要求、公団側の回答は、ただいまお話のございました両公団と同様でございますが、私のほうは、十四日から超勤拒否はやっておりますが、ストライキはございませんで、今日まで組合側といろいろと折衝をなお継続をしておる状況でございます。この公団側の回答が妥当であるかどうかという点につきましては、両公団総裁、理事長からお話ございましたが、私、やはり政府機関であるという点考えまして、国家公務員との比較、あるいはまた、大阪府市、兵庫県市、特に大阪市、神戸市等は、地方公共団体の中でも給与は最もよろしいと言われておりますが、この大阪市、神戸市に比べましても、年間を通じますと、公団のほうが決して悪くないような状況でございますので、まあひとつこの程度でごしんぼうをいただきたいというふうに考えて、組合にもさように申しておるような次第でございます。
  70. 田中一

    田中一君 役員のあなた方、あなた方は、従来ともに人事院の勧告の線に沿って一・六を期末手当として取っておったんですが、今度は一・四に引き下げたということは、私ははっきり聞いているのは、大蔵省のほうから、時節柄、天下り人事等のいろんななにがあるから、少し遠慮したらどうかというような示唆があって一・六を一・四に下げたということを聞いておりますけれども、役員はどうなんですか、役員の方々は幾ら取りましたか、あなた方は。
  71. 富樫凱一

    参考人富樫凱一君) 役員の特別手当につきましては、夏期手当として、従来一・六カ月でございましたのを、本年から一・四カ月といたしました。
  72. 田中一

    田中一君 首都高速はどうですか。
  73. 林修三

    参考人林修三君) 国家公務員と大体基準をとりまして、年間四・三カ月ということにいたしております。今回は、その中で一・四ということにしたわけでございます。
  74. 栗本順三

    参考人栗本順三君) 阪神公団におきましては、設立以来、国家公務員と同率でございまして、夏期は一・四ということでずっとまいっております。
  75. 田中一

    田中一君 今回回答しておるところのプラスアルファ六百二十というのは、原資はどこから持ってきているんです、富樫総裁
  76. 富樫凱一

    参考人富樫凱一君) これは給与予算の中から出しております。
  77. 田中一

    田中一君 従来出している諸手当はどういうものがありますか。
  78. 富樫凱一

    参考人富樫凱一君) 宮内担当理事が参っておりますので、宮内理事からお答えいたします。
  79. 宮内潤一

    参考人(宮内潤一君) 諸手当と申しますと、家族手当、交通費料金徴収手当、その他たくさんございます。
  80. 田中一

    田中一君 宮内君、そこで説明できないぐらいたくさんあるの。
  81. 宮内潤一

    参考人(宮内潤一君) いえ、危険手当もございますし、それから交通管理手当でございますね、そういうものを全部列挙いたしますか。
  82. 田中一

    田中一君 諸手当はどういうものを出しているかと聞いているんですから、みんな言ってください。
  83. 宮内潤一

    参考人(宮内潤一君) それじゃ、申し上げます。
  84. 藤田進

    委員長藤田進君) 発言を求めてやってください、やりとりしないで。
  85. 宮内潤一

    参考人(宮内潤一君) はい。一番基本的には、家族手当がございます。それから交通費がございます。それから、職務の関係で、それぞれ危険手当、管理手当、それから料金徴収手当、そういうものでございます。
  86. 田中一

    田中一君 管理職に対してはどういうもの……。
  87. 宮内潤一

    参考人(宮内潤一君) 失礼しました。これは超勤にかえまして管理職手当というものを出しております。
  88. 田中一

    田中一君 それは本社が幾らで支社が幾ら。それから、一般職員には超勤はどのぐらい出しています。
  89. 宮内潤一

    参考人(宮内潤一君) 本社、支社という区別ではなくて、職務によりまして、多いほうは二〇%、少ないほうが一五%。それから、超勤は、通常の場合は月二十時間、こういう基準で配っておりますが、名神の積雪の場合とか、こういう場合は増加しております。
  90. 田中一

    田中一君 この手当を賃金予算の中から出しているんだということになりますと、現在道路公団の場合、定員とそれから欠員とはどういう比重になっておりますか。数字で示してくれてもけっこうです。
  91. 宮内潤一

    参考人(宮内潤一君) 昭和四十二年度の定員につきましては、目下大蔵省と折衝中でございます。したがいまして、いまお答えできませんけれども、四十一年度の分で申しますると、五千七百名ぐらいのところに約三百名ぐらいの欠員がございます。
  92. 田中一

    田中一君 仕事の量はどのぐらい伸びています。また、その仕事の量の五千七百名に対する一人当たりの比重は、過去四カ年、どのぐらいになっていますか、量の増加率は。あるいは低下しているか、どっちか知らぬけれども。
  93. 宮内潤一

    参考人(宮内潤一君) 仕事の量と申しましても、いろいろな仕事がございまして、高速道路のように、まとまって何億、何十億というものを一ペんに使うところ、それから、二千万、三千万というような仕事をやっておるところもありまするが、詳細な資料を持っておりませんけれども、必要ならばあとで提出いたします。
  94. 田中一

    田中一君 あなた、人事担当していて、三十八年度はこれぐらいの事業があって、これだけの定員でやって——これはむろん、道路を築造するなんという仕事もあれば、管理もあれば、料金徴収もあれば、それに付随する部内の仕事もある。これは伸びていると思っていますか、減っていると思っていますか。
  95. 宮内潤一

    参考人(宮内潤一君) 予算的にも、実質的にも、完全に伸びております。
  96. 田中一

    田中一君 伸びている中で、三百人も欠員があって、その仕事を全部これらの定員の諸君がいままで行なってきているわけでしょう。したがって、過去四カ年間、四十一年度までの四カ年間、どのぐらいな仕事の量の伸びがあるか。むろんこれはすぐ明らかになるわけなんですから、そうして、年度の欠員が何名ぐらいあったか。それから、推定される職務の仕事の量ですね、これはどのぐらい伸びているというように考えておるか、それらの点を、ひとつ資料で出してほしいです。そして、これが明らかに伸びているということを言っていますから、そうすると当然、賃金の予算をふやして、そしてしなきゃならぬということになると思うんですが、年間予算の人件費の占める比率は、どういう点から算定しているか、説明してほしいと思います。
  97. 宮内潤一

    参考人(宮内潤一君) まあ、公団仕事にいろいろございますからあれでございますが、まず建設のほうから申しますと、一人当たりの大体の消化量、これを毎年毎年、その年の物価あるいは生産性の向上という点をにらみ合わせまして、一人当たり何千万円というような消化額をきめて予算の算定をいたしております。それから、用地につきましても、大体同じようなやり方でやっております。それから、料金徴収のほうは、御承知のとおり、交通量伸びがございます。その場合に、百台伸びたら一人増すというわけではございませんで、ある計数に達したという場合には、ゲートをふやさざるを得まいという場合には、それについて増加する、そういうふうに積み上げてやっております。
  98. 田中一

    田中一君 この四つの、住宅公団も含めて、水資源も含めて五つの労働組合から、あなたのほうにいろんな交渉があった。その中で阪神高速道路を除いてあとの四公団で理事者が会合をして謀議をこらして——謀議ということばは悪い意味の謀議じゃないですよ、そうしてどういう態度をきめたのですか。これは共通の謀議をこらして結論を出したというように聞いておるのですけれども、それはほんとうですか、どうなんですか。
  99. 宮内潤一

    参考人(宮内潤一君) 夏期手当の問題と思いまするが、夏期手当につきましては、先月の二十五日に組合から要求がございました。そこで、われわれその要求がいま御指摘の四公団連名の要求でございました。それで、従来とも公団がばらばらでありましたので、昭和四十年度ですか、から統一回答をしようということにいたしまして、したがいまして各公団が集まりまして意見を交換し、一致した結論を回答しております。
  100. 田中一

    田中一君 私が調べたところによりますと、先ほどのあなた方が、各総裁、理事長とも年間の一時金というか、一時金払い。総額を見た場合には、少しも他公団が低くないということを言っておりますが、私が調べた資料によると、大体五百人以上の職員のおるところの企業十三のものを選んでみると、三十八年には、首都高速を見てもよろしいですが、三十八年には全体の十三の企業のうちの三位なんです、総額がところが、三十九年には四位に下がっておる。それから四十年には五位、四十一年には六位と非常に、比較的よかったというところはみんなダウンをしておるわけなんです。住宅公団等を見てもこれは明らかのように、三十八年には四位になっておるのですが、三十九年には六位、四十年には七位、四十一年には十位に下がっておる。労働者の賃金や、労働者に対する報酬は少しでも下げれば、理事者のほうは功績があるのだという間違った考え方に立っておるのじゃないかと思うのですが、そうして、この問も鶴海官房長が言っておるように、競馬会のようなのはたいへんにたくさんな一時金を出しておる、あれはもうかるからでしょう、きっと。しかし、あなた方の仕事利潤を目当てにしてやっておるのじゃないのでしょう。国民に対する全くのサービスなんです。国民に対する奉仕なんです。それが仕事量がこれだけ伸びる、物価は上がる、そうして他公団と比較して下がっておるという理由はどこにあるのですか。下げようとしておる意図があるのか。前回委員会で、建設大臣は、それぞれ理事長または総裁は自分の判断でそれをきめておりますという答弁をしておるのです。ところが、鶴海官房長は、それはそれぞれの責任者がきめておるものならば、じかにワクを、建設大臣は管理監督はしておるのだけれども、何にも言わない。それぞれの自主性においてきめてくれというのならいざ知らず、どうもみそもくそも一緒になってこれはこれで押えようじゃないかという考え方に立っておることは、非常に私は不自然だと思うのです。ことに事業量がどんどん伸びておるのです。そうして中間的に中労委に持っていったけれども、大体そんなことはしない人たちですよ、ホワイトカラーのね。それを三十九年にきめたものを四十年、四十一年そのまま前回どおりでございますというのは、仕事の量が伸びている、物価が上がっている現状から見て、これは各総裁、理事長どうお考えになっているか。三十九年の率で、当然賃金は改訂されているから、その分だけ伸びがあるではないか、こういうのか、あるいは原資として持っているところの予算の中にもうないのだから出せないのだというのか、あるいは予算上まだ残っているのがあるけれども、それは出さないのだというのか、それを詳細に説明してください。各公団説明してください。
  101. 富樫凱一

    参考人富樫凱一君) 給与の問題につきましては、宮内理事が説明したとおりでございますが、この公団給与は、国家公務員を基準にいたしております。そういうことから給与額をきめておるわけでございまして、公団職員給与を下げたいなどということは、ごうも考えておらないわけでございます。できるだけよくしたいとは思いますが、国家公務員にならって給与をきめなければならぬというところで、こういう線を出しておるわけでございます。
  102. 林修三

    参考人林修三君) ただいま富樫総裁が言われたことと同じことになりますが、この公団の性格から申しまして、やはり利潤を目的としないことでございますから、やはり国家公務員を基準としてそれに見習いつつやっているというのがたてまえであろうと思います。で、もちろん予算的な制約もあるわけであります。そういうところで、できるだけ職員の待遇改善ということにはつとめてきているつもりでございます。いまおっしゃいましたように、四十年、四十一年、二年、夏期手当は同じではないかというようなことでございましたが、これは年間の臨時給与のたとえば若干の伸びもあるわけでございまして、夏期手当としては同じでございますが、これは基礎には御承知のようにベースアップもございますし、定期昇給もございますし、そういうことも勘案しつつ、国家公務員の実情を考えつつやっておるわけでございます。
  103. 栗本順三

    参考人栗本順三君) 私、平素職員が非常に努力をしておる、苦労しておる事情をよく知っておりますので、気持ちとしましては、できるだけのことをしてあげたいという気持ちは、十分に持っておるつもりでございます。しかし、やはり給与ということになりますと、一つのバランスと申しますか、比較と申しますか、そういうものを考慮せざるを得ない。したがいまして、国家公務員なりあるいは東京の各公団状況を察し、しかも私のほうは大阪に本社があるという特殊事情がございますので、地元の業務地方公共団体状況等も勘案をするのが妥当だと考えまして出したような数字でございます。
  104. 田中一

    田中一君 各公団、公社が過去は同じ率であなた方のような気持ちでもってやっているならばいざ知らず、全部あなた方の主張しているようなりっぱな心持ちで交渉しているのじゃないのです。ことに金融機関というものは、非常に伸びております。むろん平均の賃金も高い。たとえば一つの例を申しますと、住宅金融公庫は三十九年に四十年を比較すると、一一・一%伸びております。それから四十一年はそれに三・三%伸びている。それから四十二年は、その四十一年に加えて一・一%伸びております。むろん、これは宮内君などは十分に他公団、公庫の実情を知っていると思うけれども、金融機関はおおむね高いのです。金額で申し上げてもいいです、非常に高いのです。これには金融機関には、国の財政を預かっている大蔵省からの職員が相当大幅に入っております。だから、そういうことになっているのかもしれませんけれども、ただほかのものに比べて、そういうものと比較した場合には、非常にアンバランスですね。私はデスクワークの金融機関の職員現場において働いている職員とが、職務上の比重がとやかくということをいまさら申し上げません。しかしながら、そういうりっぱな口をききながらも、他公団公庫が相当な夏期手当の一時金にしても、相当な伸びを示しているにかかわらず、この四公団は三十九年のまま、四十年、四十一年、四十二年そのままでやってくれということを言って押えつけているわけなんです。口ではりっぱなことを言っているけれども、他の公団、公庫はどんどん上げております。こういう点をどう考えているのか、もう一ぺん富樫総裁から答弁伺います。
  105. 富樫凱一

    参考人富樫凱一君) おっしゃるようなことは、まことにそのとおりでございますが、ただわれわれとしましては、国家公務員の給与に準じましてこういう線を提示しておるわけですが、これも全体から見ると、決して低い額ではないと思うわけでございます。これよりいいところもございますが、まあ、われわれの公団としては、この程度が適当であろうと考えております。
  106. 田中一

    田中一君 そうすると、原資はもうないということによってそういう回答をしているんですか。原資は残っているんですか、ないんですか。それぞれの公団、公庫からひとつ説明してください。
  107. 富樫凱一

    参考人富樫凱一君) 給与の原資は一・四で配賦されておりますので、欠員等も勘案いたしまして、この程度が限度でございます。
  108. 林修三

    参考人林修三君) 予算の積算は、道路公団の場合と同じでございます。一・四でございます。ただそれは、まだいま六月でございますから、一年間の予算に、給与費に、金額にまだこれからの分があることは、これは事実でございますけれども、しかし、夏期手当としては一・四というのが積算根拠になっております。それもいま富樫総裁が言われたような若干の欠員、それからまた従来のいきさつ等も考えて、この程度にしたい、こう考えております。
  109. 栗本順三

    参考人栗本順三君) 阪神公団におきましても、予算の積算は、やはり一・四ということに相なっておるような事情でございまして、ただいまお話のございました両公団とほぼ同じ条件かと存じます。
  110. 田中一

    田中一君 住宅公団ができたのは、たしか二十七年か八年だったと思いますけれども、その当時、法案の審議の際に、当時の大臣もしばしば、処遇は国家公務員よりも一五%ぐらいよい方向でいくんだということを言明しているんです。あなた方は、国家公務員に準ずると言っておりますけれども、国家公務員よりも一五%プラスされているという前提の国家公務員に準ずるという給与体系ですか。
  111. 富樫凱一

    参考人富樫凱一君) 公団におきましては、国家公務員に比べまして約二〇%ぐらい給与が上でございまして、したがって、夏期手当あるいは年末手当等の率につきましては、同じ率を使いましても、国家公務員よりはその割合だけよろしい、こういうことで、国家公務員を基準にしていると申し上げているわけであります。
  112. 林修三

    参考人林修三君) 大体、私どもも同じような状況でございます。
  113. 栗本順三

    参考人栗本順三君) 私どもは、管理職等の上のほうは、少し一五%に足りないかと一思いますが、若いほうは一五%以上ということで、平均いたしますとその見当かと存じております。
  114. 田中一

    田中一君 一つの例を申しますとね、現在の賃金表の中でもって、職員が三十二歳という点を押えて調べてみますとですね。住宅公団が四万八千七百円、愛知用水公団四万八千六百円、原子力研究所が五万四千九百円、あとずっと原子燃料公社が五万三千七百円、科学情報センターが五万四千七百円、国民金融公庫五万三千円、中小企業金融公庫が五万五千二百円、ジェトロが四万九千四百円、アジア経済研究所が五万二千七百円というようにずっと伸びているのです。それから五十歳の基準を調べてみると、住宅公団が八万九千五百円、原燃が九万八千四百円、理化学研究所が、安いです、七万九千五百円ですね。ジェトロが八万三千五百円、それからアジア経済研究所が四十六歳で八万六千三百円、首都高速が九万三千二百円、水資源が九万四千五百円。上にいくほど非常に率がいいわけなんですね。これ何かというと、創設の歴史的に見た場合にですね、首都高速あるいは水資源公団は、高年の人たちが設立のとき多かったということなんです。したがってこれをずっと賃金表に見ても、決してあなた方言っているように、他と比較して、低いということは言えるけれども高いとは言えないのです。それでいま総裁は、大体二〇%国家公務員よりいいと言うならば、それひとつ何をさしていいと言っているのか。諸手当を含めたものを言っているのか、それひとつ資料で明らかにしてほしいと思うのです。委員長、それひとつ要求していただきたいと思うのです。
  115. 藤田進

    委員長藤田進君) 出せますか、いまの。
  116. 富樫凱一

    参考人富樫凱一君) 承知いたしました。
  117. 田中一

    田中一君 最後に聞きますがね、あなた方が四公団か五公団が相談し合ってそれをきめますが、これに対しては、政府はこの相談に参画しておりましたか、それとも政府からの何らかの意思表示がありましたか、その点を伺っておきます。
  118. 富樫凱一

    参考人富樫凱一君) 政府から別に御指示をいただいたことはございません。
  119. 田中一

    田中一君 公式な会合じゃなくて、やはり一々あなた方は監理官を通ずるとか、あるいは官房長官あるいは次官等には、この問題は相談しているでしょう。また一面、大蔵省のほうの給与課長でやっているとかいったような、たしかそれにも一々相談してきめているわけなんです。その点は、どういう経緯で四公団がきめたか。きめようとして案をどこに相談して、どこに承認を求めて内々ですよ、これは公式なものじゃないかもしれませんけれども、ひとつ明らかにしてほしいと思います。
  120. 富樫凱一

    参考人富樫凱一君) 事業計画並びに事業執行につきましては、監督官庁であります建設省また大蔵省と時々相談いたしております。給与の問題につきましても同様でございまして、相談はいたしますが、指示というような形でいただいていることはございません。
  121. 田中一

    田中一君 これはね、建設大臣、これね、きのう一時間の時限ストライキをやっている。しかしまた、これはこれで終わるものじゃないと思うのです。そこでそうした傾向があるからどうするこうするというのじゃなくて、もっと根本的な問題として考慮しなければならぬと思うのです。一律に三十九年から四十二年の給与も同じ率でこれを行なっている。どこでも他の団体でも、あるいは民間企業においても若干の伸びは示している、伸びているわけなんです、実際に。原資がないわけじゃない。こういう姿勢は、いたずらに労使の間を激化させるものであって、私はこれはとるべきものじゃないと思う。われわれの給与も、これはみな国家公務員と同じように一時金をもらっております、伸びております。われわれのやつは税金取られているからたいしたことはないんですが、それが三十九年から一律でいいんだという考え方が、私はおかしいと思う。そういう点について建設大臣どういう指導をするか、知ったことではないということは言えぬと思うんです。ただ一律でもってそれは押えつけるという印象を受けるわけです。四公団が相談し合って、これで押えようじゃないかということになる。いたずらに労使の間を激化させることは、決してよい行政でもございません、国民に対する前向きの姿勢でもないです。過当なる要求、これはわれわれでもよくわかります。そういう点は、これは反省を求めなければならぬと思う。しかしながら、三十九年から一律に同じものだといって押しつけること、これはやはり何らかの意図があるということなんです。こういう点について、建設大臣どうお考えになるか、そしてまた、これらのあなたの傘下にある、監督下にあるところの公団、公社等を今後どういう形で指導していくか、最後に伺っておきます。
  122. 西村英一

    ○国務大臣(西村英一君) いま、それぞれの公団総裁がおっしゃいまして、まあ誠意を持って従業員のことを考えてやっておるということであります。この際、私はこの当事者問の交渉の最中にとやかく言うことは適当でないと思います。しかしながら、田中さんの言われることは、従業員のために大いに弁じておられる気持ちは、わからぬわけではございません。将来に向かっても、われわれが従業員の福祉のためには、十分尽くさなければならぬと思っておりますが、この際この問題について、いまとかくそれは適当であるとか適当でないとかと言うことは、差し控えたいと私は思います。
  123. 藤田進

    委員長藤田進君) ちょっと私から一、二点伺いますが、首都高速の画一料金ということが質疑応答せられましたが、新宿あるいは渋谷方面から、今度近く特に渋谷を通過して供用されるということになると、さらに画一料金というものが問題になっております。それから道路公団のほうでは、当面の建設で相当大幅な料金になるということで、本院でも建設委員会にかわって出て質疑をさしてくれという申し出があるんです。その第一の首都高速道路のほうですが、これは入り口で料金を取るということで、出るのはどこへでも出ていらっしゃい、これはインターチェンジ数多いですから、従来の考え方で適当であったかもしれないが、しかしそういう利用者の不満というものも、これは無視できない。相当区間距離にすれば、大じかけな人員なり設備というふうに答弁されておりますが、たとえば道路公団が第三京浜の場合、これは出口で取っておりますね。今度東京へ入ってくるときは札を渡しておりますよ、東京ですか、横浜ですか途中の場合は、ああいうやり方もあるので、これは十分検討される必要があるのではないだろうか。それから日本道路公団のほうですが、長距離になりますし、一番いま要求、希望が出ていますのは、途中の京都とかの人たちがバイパスその他が十分でないし、したがって、高速道路にその多くを吸収してもらいたい、ことに重量トラック、大型トラック等を吸収するについては、何といっても料金の問題です。これは政策料金ですね。ですから、国道ないし市街道を、これを通るか、高速道路を通るかによって維持費も違うでしょうから、国の政策も関連しなければならぬわけですけれども、料金制度については、そういう点を、この問大臣は安くして多く通すかというような問題もあるし、検討したいということでありましたが、当該公団においてもこれらを検討されるべきではないか。  それから第三は、阪神高速道路契約書の写しが提出されておりますが、どうも私ども奇異に感じますのは、契約者に副理事長が甲になり阪神高速道路公団のおそらく栗本さん御自身だそうと思いますが、これが乙の契約者で利害関係がありますよ。栗本さんの善意は疑いませんが、実質的におそらく他の契約書でも、首都なり日本道路公団でも、そういった性格の人たちがおやりになって  いるだろうと思うけれども、しかし、いかにも、阪神道路公団の理事長が即今度は契約の相手方になっているということ、これは人格が二つあるのだとおっしゃるならば別ですけれども、これはいかがなものだろうか。ことに阪神はこれからどんどん委託料もふえてくるのじゃないでしょうか、これらについて所見を伺いたいと思います。
  124. 林修三

    参考人林修三君) 私に対して最初に御質問でございましたので、私からお答えいたします。いま委員長の言われましたことは、十分今後研究していきたいと思っております。いままでできました道路料金表のつくり方から申しまして、現在のところ、あるいはことしのうちに開通するところについては、なかなか困難なところがございますけれども、今後都市周辺に伸びてまいります過程においては十分検討していきたい、かように考えております。
  125. 栗本順三

    参考人栗本順三君) 実は、阪神高速道路協会というものが先ほどちょっと申し上げましたが、財団法人でございますが、大阪府、市からそれぞれ五百万円ずつ御出資になりまして、財団法人をつくりまして、そうして路架下の利用、駐車場をやりますとか、あるいは一部には子供の遊び場をやりますとか、そういうようなことを、ある意味では公団大阪府、市、三者ということで、私どもはもちろん出資してはいないのでございますけれども、そういうことでございましたので、私が財団法人の理事長になったのでございます。御指摘のとおりそういう料金徴収業務委託を受けますと、私もこれちょっと契約者の乙に私の名前が出てくるのは、少し形としてはどうかと考えておりますので、この点は検討いたしたい、かように存じます。
  126. 藤田進

    委員長藤田進君) 本案についての質疑は、本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後零時四十九分散会