運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1967-06-22 第55回国会 参議院 議院運営委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年六月二十二日(木曜日)    午後一時十一分開会     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         鍋島 直紹君     理 事                 沢田 一精君                 園田 清充君                 加瀬  完君                 永岡 光治君                 多田 省吾君     委 員                 大森 久司君                 後藤 義隆君                 近藤英一郎君                 任田 新治君                 宮崎 正雄君                 山内 一郎君                 久保  等君                 光村 甚助君                 森  勝治君                 横川 正市君         ─────        副  議  長  河野 謙三君         ─────    国務大臣        通商産業大臣   菅野和太郎君        建 設 大 臣  西村 英一君        国 務 大 臣  松平 勇雄君    政府委員        内閣官房長官  木村 俊夫君        行政管理庁行政        管理局長     大国  彰君        大蔵政務次官   米田 正文君        大蔵大臣官房長  亀徳 正之君        通商産業政務次        官        栗原 祐幸君        通商産業大臣官        房長       大慈彌嘉久君        通商産業省貿易        振興局長     今村  曻君        建設大臣官房長  鶴海良一郎君    事務局側        事 務 総 長  宮坂 完孝君        事 務 次 長  岸田  実君        議 事 部 長  海保 勇三君        委 員 部 長  佐藤 吉弘君        記 録 部 長  佐藤 忠雄君        警 務 部 長  西村 健一君        庶 務 部 長  若江 幾造君        管 理 部 長  二見 次夫君        渉 外 部 長  荒木外喜三君    法制局側        法 制 局 長  今枝 常男君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○本会議における議案趣旨説明聴取及び質疑に  関する件 ○人事案件取り扱いに関する件     ―――――――――――――
  2. 鍋島直紹

    委員長鍋島直紹君) 議院運営委員会を開会いたします。  本会議における議案趣旨説明聴取及び質疑に関する件を議題といたします。  本件につきましては、理事会において協議いたしました結果、次のとおり意見が一致いたしました。すなわち、  先般、内閣から提出されました「炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法案」、及び、本院議員藤田藤太郎君外一名発議にかかる「炭鉱労働者一酸化炭素中毒症に関する特別措置法案」につき、それぞれその趣旨説明を聴取するとともに、日本社会党一人、十五分の質疑を行なうこと。  また、内閣から予備審査のため送付されました「道路交通法の一部を改正する法律案」についても、その趣旨説明を聴取するとともに、日本社会党一人、十五分の質疑を行なうこと。  以上のとおりでありますが、右理事会申し合わせのとおり決定することに御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 鍋島直紹

    委員長鍋島直紹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  4. 鍋島直紹

    委員長鍋島直紹君) 次に、先日に引き続き、人事案件取り扱いに関連して、加瀬委員その他の委員から発言を求められております。  発言の前に、出席国務大臣政府委員のお名前を申し上げます。内閣から木村内閣官房長官、総理府から松平行政管理庁長官大国行政管理局長大蔵省から米田大蔵政務次官亀徳官房長、それから通産省から栗原通産政務次官、――通産大臣は後刻出席されます。――大慈官房長今村貿易振興局長、設建省から西村建設大臣鶴海官房長、以上の方々が出席せられております。  それでは発言を許します。加瀬君。
  5. 加瀬完

    加瀬完君 私は前回、公団等を二転三転いたしましたいわゆる渡り鳥といわれる者の実態調査をお願いいたしたわけでございますが、公団等三つ以上、またポスト三つ以上渡り歩いた者は何名くらいでございますか。
  6. 木村俊夫

    政府委員木村俊夫君) 具体的にはいろいろなケースがございますが、全部で二十二名でございます。
  7. 加瀬完

    加瀬完君 また、一あるいは二のポストで三期以上在任をされておる方は何名でございますか。
  8. 木村俊夫

    政府委員木村俊夫君) 私の手元にありますのは、各公団公社について具体的に一々出ておりますけれども、その通計の数はございません。
  9. 加瀬完

    加瀬完君 少し調査不備のようですね。ここに公団等特殊会社も含めまして八十二団体調査したものがございます。その結果、三つ以上の法人やこれに準ずるポストを歩いた者が二十八、ただし退職者二を含みます。一または二団体を三期以上勤務した者は三十八、退職者一を含みます。さらに長期在職者を調べますと、十七年以上が四、十六年が一、十四年が四、十三年が三、十二年が四という数字があげられます。具体的に名前をあげてみますと、公団等三つ以上渡り歩いた者またはこれに準ずる政府機関三つ以上のポストを歩いた者は――柳田誠二郎さんが、日銀総裁から日航の社長、そうして現在は海外経済協力基金総裁進藤武左ヱ門さんが電源開発から愛知用水、そうしてただいまは水資源開発公団総裁師岡健四郎さんが住宅金融公庫理事から住宅公団監事、それから住宅金融公庫総裁、そうして現在は住宅金融公庫総裁藤原正治さんが中央競馬会理事から同副会長、ただいまは森林開発公団理事長村貞一さんが海外貿易振興会理事からジェトロの副理事長、そうしてただいまは中小企業信用保険公庫総裁小倉俊夫さんが帝都高速度交通営団理事から国鉄副総裁、ただいまは東北開発総裁美馬郁夫さんが首都高速道路公団理事から日本道路公団理事、ただいまは住宅金融公庫理事酒井俊彦さんが輸出入銀行理事から海外協力基金理事、ただいまは北海道東北開発公庫総裁河野通一さんが開銀理事から商工組合中央会の副理事長、ただいまは国民金融公庫総裁成田努さんはこの前申し上げたとおりであります。石川一郎さんが原子力研究所理事長原子力委員、ただいまは原子力船開発事業団理事長中野哲夫さんは中小企業金融公庫の副総裁から東北開発の副総裁、ただいまは日本電気計器検定所理事長田所正幸さんが愛知用水監事から東北開発理事、ただいまは原子力研究所理事日下部滋さんは電源開発監事から電源開発理事、ただいまは原子力研究所理事長鈴木敬人さんは住宅金融公庫監事から海外移住協会理事、ただいまは科学情報センター監事長谷好平さんは原子力船監事から同理事、そうしてただいまは日本航空機製造株式会社部長吉田信邦さんは日銀政策委員から海外経済協力基金理事、そうしてただいまは国民金融公庫の副総裁葛西憲夫さんは農林漁業金融公庫部長から同監事、そうしてただいまは北海道地下資源監事桐生和夫さんは国民金融公庫経理部長から同監事、そうして住宅金融公庫理事望月重雄さんは住宅金融公庫支所長から同監事、そうしてただいまは産炭地域振興事業団理事尾関将玄さんは住宅営団理事から産業復興公団理事、同副総裁、そうして三十四年以後開銀監事舟山正吉さんは日銀理事から専売の副総裁、輸銀の副総裁中小企業金融公庫総裁、そうしてただいまは日本国有鉄道理事、この方は五回かわっております。江沢省三さんは日銀理事から農林中金の副理事長、そうして現在は中小企業投資育成株式会社社長であります。三井武夫さんは日本専売公社理事農林中金理事、そうして農林中金の副理事長、ただいまは開銀監事照田弘久さんは国民金融公庫理事を三期つとめまして、ただいまは中小企業退職金共済事業団理事内藤敏男さんは日本専売公社理事から労働福祉事業団理事、それから雇用促進事業団理事。このほか、退職されました者で石坂さんと土屋さんが三つ以上を渡っているわけでございます。  それから一または二団体で三期以上在勤している者は――農林漁業金融公庫理事長谷川巌さん、石油資源開発社長岡田秀夫さん、同常務の松沢達雄さん、石炭鉱業合理化事業団理事長田口良明さん、帝都高速度交通営団総裁牛島辰弥さん、日本輸出入銀行監事井上庚二郎さん、日本道路公団理事浅村廉さん、北海道東北開発公庫監事佐藤弥さん、同副総裁亀井茲建さん、公営企業金融公庫総裁三好重夫さん、帝都高速度交通営団理事清水雄吉さん、雇用促進事業団の副理事長江下孝さん、また同理事長の万仲余所治さん、開発銀行総裁平田敬一郎さん、農地開発機械公団理事長松本烈さん、北海道地下資源開発取締役三輪忠利さん、同社長建部敏雄さん、競馬会理事長清井正さん、中小企業信用保険公庫理事菅博太郎さん、同理事川戸定吉さん、住宅公団の副総裁町田稔さん、商工組合中央金庫理事長北野重雄さん、小規模企業共済事業団理事の中平栄利さん、住宅公団監事川合寿人さん、帝都交通営団監事石井栄三さん、日本科学技術情報センター理事長浜田成徳さん、日本原子力船事業団理事甘利昴一さん、同理事西堀栄三郎さん、原研の理事柳下昌男さん、石油資源開発理事塚原啓司さん、中小企業金融公庫総裁佐久洋さん、中央開拓融資保証理事長平川守さん、原子燃料公社理事長今井美材さん、同副理事長豊島陞さん、日本電信電話公社総裁米沢滋さん、同副総裁秋草篤二さん、労働福祉事業団理事池辺道隆さん、そして日本国有鉄道総裁石田禮助さん、三十八名いるわけであります。私は、こういう方たちの給与やポストを問題にしているわけではありませんけれども、この人たち役員として落選をされ、三選をされる功績が、はたしてあったかどうかということは問題だと思います。三選等理由はどういうことですか。三選をさせました理由はどういうことですか。
  10. 木村俊夫

    政府委員木村俊夫君) いま御指摘の、非常に何と申しますか、たらい回し的異動が過去においてあったことは、事実御指摘のとおりであります。おそらく、私ども内閣側といたしましては――直接には各省庁でこの任命の際に選考を行ないます、その選考の際に、もちろん適材適所ということが人事基本でございますので、それに基づいた検討が行なわれていることは当然でございます。その公団なり公社の幹部、あるいは事業団のそのポストに適当な人物選考いたします際に、あるいは再選、三選――たらい回し的と申しますのは少しオーバーでございますが、他の公団経歴者の中に非常に適当な人物がおるという場合には、そういう人材を新しい公団公庫総裁役員の席につけるということもあり得るかと思いますが、まあしかしながら、総じまして、そういうたらい回し的異動は、これは極力避けるのを私ども原則としたいと思います。そこで昭和四十年――一昨年でございますが、五月十四日の閣議におきまして、口頭了解事項としていろいろきめております中に、「公団公庫等相互間のたらい回し的異動は極力これを避ける」という一項目がございます。内閣側といたしましては、各省庁から出てまいりますものを内閣のほうで承認あるいは事前了解いたします際には、つとめてそういうことのないように、これを見ております。率直に申し上げまして、まだそういうきらいのある人事のあることは認めざるを得ませんが、今後……。
  11. 加瀬完

    加瀬完君 今日、幾つかの公社公団あるいは事業団整理統合対象とされ、分けても、北海道地下資源開発株式会社、あるいは東北開発株式会社愛知用水公団、さらに雇用促進事業団原子力船開発事業団原子燃料公社森林開発公団医療金融公庫農地開発機械公団、こういういまあげました法人は、その赤字の累積、あるいは経営の放漫、運営不備等が特に強く指摘をされているわけですね。この問題の法人の、いままでの経営責任者再選あるいは三選されてはおりませんか。
  12. 木村俊夫

    政府委員木村俊夫君) まあ責任者という意味にはいろいろございます。そういう経営上のいろいろ責任の衝に当たっておる者を他の公団公庫の新しい役員とするということは、今後極力避けたいと思います。各省庁でそういうような人事はやっておらないと思います。
  13. 加瀬完

    加瀬完君 では、雇用促進事業団のかつての責任者でございました内藤敏雄さん、江下孝さん、原子力船開発事業団長谷好平さん、甘利昴一さん、北海道地下資源開発株式会社の万仲余所治さん、三輪忠利さん、建部敏雄さん、愛地用水公団成田努さん、田所正幸さん、進藤武左ヱ門さん、東北開発株式会社田所正幸さん、中野哲夫さん、日下部滋さん、森林開発公団石坂弘さん、原子燃料公社吉田威雄さん、農地開発機械公団土屋四郎さん、松木烈さん、成田努さん、医療金融公庫安田巌さん、この中でも成田さんと田所さんは問題にされた法人の二つに関係があるわけですね。どうして、こういう人たち選考されているわけですか。選考されておらないということはございませんね。十七人は、それぞれ問題にされた公団責任地位方々が三選をされ、あるいは三期選出をされるという形をとっているわけですね。悪口を言うならば、三分の一は、いわくつきの者が長期在任をするという形になっているわけです。これは、政府としてはわかっていらっしゃらなかったのですか。
  14. 木村俊夫

    政府委員木村俊夫君) いま御指摘の各人につきましての事情は、つまびらかにしておりませんが、いろいろ公団公社経営上の問題がございます。いま御指摘の、たとえば愛知水公団、これは現在行管のほうで整理統合対象にしておりますが、これは経営自体が誤ってそういうことになったのではなくて、愛知用水公団仕事がりっぱに果たされて、いまや整理をしてもいい。それで対象になっておるのではないか、そういう観点からの整理統合ということに私、理解しておりますので、必ずしもそれは当たらないと思います。
  15. 加瀬完

    加瀬完君 それでは北海道地下資源開発株式公社はいかがですか。これは昭和三十三年の八月に発足をしたわけです。同年に三千四百万円の赤字、三十四年に五千六百万、三十五年には五千二百万、三十六年には五千九百万、三十七年には五千二百万、赤字を累積しているわけでございます。したがって、政府は三十四年以来七億円を追加出資いたしておりますね。この当初からの社長は万仲余所治さんで、三十六年まで社長をしておりますね。引き続いて理事から社長に上がりましたのは建部敏雄さん、それから引き続いてずっと理事をおやりになっているのは三輪忠利さん、その当時の責任者はそろって再任をされているわけですね。これはどういうわけですか。
  16. 木村俊夫

    政府委員木村俊夫君) おことばでございますが、北海道地下資源開発株式会社国策会社として認められておる理由は、非常に採算上不利なことでも事業をあえてしなければならぬというところにあるのだろうと思います。そこで、でき得べくんば国策会社としてもペイするような営業をさせたいということは当然でございますが、その会社の性格から申しまして、赤字を出したこと必ずしも事業運営上瑕疵があったとは考えておりません。そこで政府も、そういう事態でいろいろ国庫から新しい追加出費をしておりますけれども、しかしながら、この国策会社といえども、そういうような国庫に負担をかけないような営業をやるべきであるのは、これは御指摘のとおりでございます。
  17. 加瀬完

    加瀬完君 それは国策会社でありますから、ある程度政府出費をしなければならない場合もありますし、赤字をとがめ立てしてはならない場合もありますが、北海道地下資源開発会社に限りましては、赤字の出方が運営上妥当を欠く、経営方針があまりに散漫に過ぎる、こういうことで、多くの関係方々は、全役員が交代しない限りこの問題の根本解決はできないだろうと指弾をされている会社ですね。その会社役員人事は相変わらず前の者をそのまま、あるいは結局その問題の責任を負わなければならない者が、他の特殊法人に栄転をしているということはおかしいじゃないかという点を、私は、もっと政府は厳密に反省すべきじゃないかと思うわけでございます。そこで、それじゃ、私があげたような三選、四選の役員というものは――特殊の例はあるかもしれぬけれども、大まかに言って、余人にはかえられない功績があると認めて、現在の地位にとどめていらっしゃるということになりますか。
  18. 木村俊夫

    政府委員木村俊夫君) 各省庁でそれを選考いたします際に、そういう理由をもとに内閣に申請がございまして、内閣側としても、それを是と認めて承認したわけでございます。
  19. 加瀬完

    加瀬完君 これは大蔵政務次官に伺いますが、この再任役員の多数に大蔵省関係者がいるわけでございます。たとえば、先ほど申しましたとおり、三つ以上を渡り歩いた現職の者は二十六名でございます。このうち、大蔵省関係者は十五名、建設が三、通産が三、その他ということになっている。大蔵が圧倒的に多いのは、大蔵だけが最優秀だとばかりは言い切れないと思うのでございますが、御所見はいかがですか。
  20. 米田正文

    政府委員米田正文君) いまお話がございましたように、三選された者のうち大半が大蔵省出身者であるということは御指摘のとおりでございますが、まあしかし、これは扱っております仕事が、予算の面あるいは財政的な面がこの公団の中においてもかなり重要な役割を果たしている、それにたんのうな人をというので、懇望されて行く場合が非常に多いのでございますから、私どもとしては、外に行った者は十分能力を発揮して活躍をしている、そういうふうに確信いたしております。まあ、それが非常に能力がなくて、適材適所主義に非常に反しているということになれば、私どもとしても考えなければならぬと思いますけれども、まあ十分活躍を願っていると思っている次第でございます。
  21. 加瀬完

    加瀬完君 三つ以上渡り歩いている役員が二十六人、そのうち十五人、二十六分の十五が大蔵省ということは、おっしゃるようにそれぞれ懇望されたかもしれませんが、懇望をされただけで、そういう形には私はならないと思うわけでございます。そこで大蔵省は、いまおっしゃったように、予算とか経理とか、関連はありますが、勢力のある官庁世襲のようにポストを独占している傾向はございませんか。
  22. 米田正文

    政府委員米田正文君) おっしゃるようにおとりになられても、いたしかたないほど数が多いという趣旨だろうと思いますが、決して世襲というような考えは持っておりません。そういうことのないようにという気持ちのほうが強いのでございます。
  23. 加瀬完

    加瀬完君 お気持ちはそうかもしれませんけれども、現実は世襲ですね。これで世襲でないと言われますか。たとえば住宅公団の副総裁は、一つは大蔵となっておりますね。それで、河野一之さんが三十二年の十一月十五日におやめになりました。そうすると、翌十六日に同じ大蔵省渡辺喜久造さんが就任をされました。渡辺喜久造さんが三十八年の三月二十三日にやめられますと、宮川新一郎さんが同日の二十三日に就任をしております。宮川さんが四十年十一月十七日にやめられますと、吉岡英一さんが就任をされております。理事でも同じです。窪谷直光さんが三十三年七月十四日にやめられますと、七月の十五日に今泉兼寛さん。今泉さんが三十五年七月十五日にやめられますと、翌十六日に潮洸さん。国民金融公庫にいたしましても、初代の総裁櫛田光男さん、この方が三十二年五月三十一日にやめられますと、六月一日には中村建城さん。中村さんが三十六年五月三十一日にやめられますと、六月一日に石田正さん。石田さんが四十二年四月十四日にやめられますと、同日付けをもって河野通一さん。これは世襲ではありませんか。間髪を入れず、あとからあとからと家の子郎党がつながるわけであります。これを世襲と言わなくて何んでしょうか。これは、行管長官世襲的なにおいを感じませんか、どうですか。
  24. 松平勇雄

    国務大臣松平勇雄君) 世襲という意味はどういう意味かわかりませんけれども、まあおっしゃるとおり、大蔵省から出た方がやめると、そのあと大蔵省の方が行かれるという点から言ったら、あるいは世襲というふうに考えられるかと思われますが、世襲ということばが、はたして適当かどうかということは、いま私もわかりかねます。
  25. 加瀬完

    加瀬完君 これは、おたくの先祖と同じことですから……。政府役員の勤惰、そして法人運営の効率というものを何によってごらんになりますか。これは副長官に伺います。
  26. 木村俊夫

    政府委員木村俊夫君) 先ほど申し上げましたとおり、人事基本適材適所ということでございます。その適材適所と申しますのは、その役員人事によりまして、公団公社の機能が非常にうまく発揮されるということに、もちろん主眼がございますが、そういう意味から申しまして、その公団公社に最も適当な人材を――しかもいま、お話のありましたような、たらい回し的人事を排し、かつ、新風を送るという意味におきまして、できるだけ民間人の採用も、あわせて考えていきたいというのが人事考え方でございます。
  27. 加瀬完

    加瀬完君 それでは、大蔵省の入っておりません公庫公団がございますか。あったらあげていただきたい。
  28. 木村俊夫

    政府委員木村俊夫君) たいへん調査不十分で申しわけございませんが、そこまで調べておりません。
  29. 加瀬完

    加瀬完君 全部入っております。そうすると、各省庁では大蔵だけにしか人材はおらないということにも逆説的にはなるわけです。そうすると、これは大いに整理統合行政改革が必要ということになろうかと思うわけでございますが、私はそうは信じません。副長官がおっしゃるようにやろうとしても、結局、送り込んだ仲間を送った仲間評価しているわけですね、大蔵省のひもで送った者を大蔵省評価しているわけでしょう、客観的な評価というものはできませんよ。そこで、この業績の基定というものを――予算がどう使われたか、その法人がどう運営されたかという決算を、厳密に査定する第三者機関を設けまして、そういう機関で査定をするというお考えはお取りになれませんか。
  30. 木村俊夫

    政府委員木村俊夫君) たいへんごもっともな御趣旨でございますが、今後検討させていただきたいと思います。
  31. 加瀬完

    加瀬完君 では、いまの面をさらに一歩突っ込んで伺いたいわけでございますが、任期を四年と限定して、再選限度は二期という原則は立てられませんか。
  32. 木村俊夫

    政府委員木村俊夫君) 先日の委員会でも申し上げましたとおり、私ども内閣のほうといたしましては、たとえば任期四年の者であれば二期、大体八年間が最も適当な在任期間ではないか、こう考えておりますので、極力その趣旨に沿って運用したいと思います。
  33. 加瀬完

    加瀬完君 役員評価基準というものがはなはだ不明確でありますね。そこで、さっき申し上げましたように、第三者的な機関をつくって、評価基準というものをきちんときめて、その評価基準に合わせて不合格の者は落としていく、そういうような方法はとれませんか。
  34. 木村俊夫

    政府委員木村俊夫君) その点も、あわせて検討させていただきたいと思います。
  35. 加瀬完

    加瀬完君 現状では、この特殊法人役員は、強い翼の渡り鳥だ、あるいは風にもゆるがない大樹だという評判がある。これに、えさをやっているのは監督官庁だ、こやしをやっているのも監督官庁だ。こういう監督官庁の態度を改めない限り、どうにもこの問題の解決はつかないと思うわけでございます。先ほども発言がございましたように、今度は、政府は徹底的にこの問題の解決を――行管から、あるいは臨時行政調査会から勧告がありましても、三年も捨てているわけですから――おやりになると了解してよろしゅうごさいましょうね。
  36. 木村俊夫

    政府委員木村俊夫君) そのとおりでございます。
  37. 加瀬完

    加瀬完君 ひとまず、その点は安心しましたが、このごろ新聞の社説やコラムで、公団等職員の万年下積みのための士気の低下というものを防がなければ、公団公庫等の能率が上がらないという点が大きく取り上げられております。この点はいかがですか。
  38. 木村俊夫

    政府委員木村俊夫君) 私ども政府といたしましても、この点は非常に必要がございますので、今後人事選考の際には、極力その職員の中から昇格する役員の数を相当数ふやしていきたいというふうに考えております。
  39. 加瀬完

    加瀬完君 ところが、現在の公団公庫等は監督官庁の植民地だという評判がもっぱらですね。これはお認めになりますか。
  40. 木村俊夫

    政府委員木村俊夫君) どうも、植民地ということばは私ども使いたくございませんが、何せ公社公団の成り立ち、性格あるいは機能から申しまして、そういう関係省庁との関係が非常に深いという意味において、その関連性を植民地的とおっしゃればそのとおりでございますが、私どもは連絡調整上、関係が深いというふうに考えております。
  41. 加瀬完

    加瀬完君 現在の公団等に対して、監督官庁がどのような態度で臨んでおられるか内容を御存じですか。いまのお話では、どうも内容を御理解いただいておらないように思われるわけです。ここに、私のところにきた投書がございます。それを読んでみます。この委員会で私がしゃべりました点について、「御指摘の如く、現在の役員の態度というものは、我々職員から見て目に余るものがあります。例えば数人の役員のうち、本当にその職に忠実な人は一-二人で、後の者は全く高給を喰らい退職金目当の者ばかりです。只これには監督官庁にも大きな責任があるということです。即ち官庁組織ではうまく行かない面をカバーして、事業を適切且迅速に進めるために、満額の役員を置き、独立機関として設けられた特殊法人であるにも拘らず、一挙手一投足に至るまで、箸の上げおろしに至るまで指示に従わせなければ納得しない監督権限の濫用は目に余るものがあります。その結果として本当に真剣に仕事をやる役員は(職員もそうです)監督庁より煙ったがられ、官僚一流の作意をもってボイコットされてしまいます。却って仕事は二の次で、宴会、ゴルフの接待を仕事と心得る役員は、人気もよく、官庁の点数を上げてのさばっているというのが現実です。」、こういう投書でございます。幾らかお心当たりのところがございますか。
  42. 木村俊夫

    政府委員木村俊夫君) 私ども、そういうことについてはまだ心当たりがございません。
  43. 加瀬完

    加瀬完君 それでは建設大臣に伺いますが、建設省の監督下にありまする公団の総務や人事、あるいは計画、企画といったその中枢ポストはどういう構成になっておりますか、御存じですか。
  44. 西村英一

    国務大臣西村英一君) まだ十分つかんでおりません。公団の監督が、そういうようなところまで全部つかんでやっておるということは、なかなか――まあ、それぞれどういう働きをしておるかということについては、役員のほうはおおよそわかっておりますが、それ以外の中堅のところになると、なかなかわかっておりません。
  45. 加瀬完

    加瀬完君 これは、建設大臣はごりっぱな方ですから、あなたならば、いままでの弊風を改革していただけると思いますから、率直に申し上げますが、水資源公団、この水資源公団の部課長等のポストは三十七あります。これの監督官庁は、おたくの建設省、それから経済企画庁、厚生、農林、通産の五つであります。ところが、建設省はこの部課長のポストを十四、経済企画庁が二つ、厚生省が二つ、農林省が七つ、通産省が二つ、それに大蔵が五、会計検査院が三、行管が一つ、その他一つ。試験室長というのがあります。試験室長だけを大学の先生がしているほかは、三十七のポストのうち三十六は全部監督官庁あるいは関係のある官庁からの出向であります。このうちに初任の者が二十人もいるわけでございますから、新陳代謝が非常に激しい。うわさによりますと、出向をしている職員は本省に帰ることばかりを当てにしていて、あんまり仕事が身につかない。こういう人たちの身分は、これは国家公務員なんでしょうか。公団の職員なんでしょうか。どちらですか。
  46. 西村英一

    国務大臣西村英一君) 水資源公団は、これは設建省の所管じゃないんですが、仕事の性質上――これは経済企画庁の所管です。しかし仕事の性格上、設建省からたくさんの人が行ってやっておるということは事実でございます。しかしこれは、設置以来まだ五年しかたたないのです。そこでやはり、これをばらしてしまえば設建省の仕事であり、農林省の仕事であり、厚生省の仕事なんです。したがいまして、あの公団ができたときは、それらの各省間の寄り合いをもってやるより、しかたがなかったんであります。しかし中には、また原局に帰りたいというような人もありましょうし、まだ組織それ自身が寄り合い世帯でございまして、十分、水資源公団としての一つの公団式の風格はまだ私はできていないと思うのであります。したがいまして、注意すべきところは十分注意しなければなりませんが、これはそういうような職員に不服があったり何かすることは、われわれはこれを機会といたしまして十分注意しますけれども、現状においてはまだ人的の面において欠けるところがたくさんあるだろうということは、われわれも想像いたしておる次第であります。
  47. 加瀬完

    加瀬完君 とにかく、満四年以上たっているわけでございますね。ところが内部登用が一人もない。こういうことでは士気が沈滞をする、どうしてもそれを避けるわけにはまいらないでしょう。しかも結局、監督官庁として関係のあるのはさっき私が言った五つです。しかし、それに関係のない大蔵省は、ここに監督官庁以上たくさんの人数というものを送っておりますね。まるで、これでは官庁の植民地と言われたって、どうにもならないでしょう。  重ねてもう一つの例を申し上げますが、住宅公団の職員で建設省に行っている者がありますね。計画局に三人、住宅局に二人、建築研究所に一人、それから、これは建設省じゃございませんが、首都圏整備委員会に一人、それから建設省に女の方が一人、これだけの方が住宅公団の職員で建設省に行っておりますね。これが大体八カ月、九カ月あるいは一年ぐらいで毎年交代をしているわけですね。身分は住宅公団の職員、勤務は建設省ですね。これは法律的にどういうことですか。違反ではありませんか。
  48. 西村英一

    国務大臣西村英一君) 法律的にはどうなりますか――違反じゃないと思いますが、ともかく研修のために、あるいは勉強のために――公団で採用されて、公団では業務の範囲が狭いから、建設省であれば広い範囲で業務を扱うから、研修のために来ておるということは聞いております。しかしこれは、一定期間たちますれば、もとへ帰る。身分は公団の職員と思います。
  49. 加瀬完

    加瀬完君 公団の身分の者は国家公務員ではないわけですね。国家公務員でない者が国家公務員の仕事ができるという、法律はたてまえをとっておらないわけですね。国家公務員でなければ国家公務員の仕事はできないというたてまえをとっている。出向であろうが、研修であろうが――出向というのはあり得ない、研修を一年――この中に、女の人が一人いるということですが、それが研修と言われますか、実に私は……。これは行管長官に伺いますが、慣習に従っているかもしれませんけれども、どうもすっきりしないものがある。法律的にも非常な疑義があると思うわけでございますが、行管長官、いかがですか。
  50. 西村英一

    国務大臣西村英一君) ちょっと行管長官に答弁させるのは気の毒でありますから……。実は、この公団職員がどうもいろいろな面におきまして、事務的に、技術的に、一定期間、建設省に研修に来る。これはまあ法律的にどうなるか知りませんが、そういうことは必ずしも悪いことじゃないと思います。しかしいま、お聞きしましたのでは、秘書が来ているというお話でございます。秘書の身分というのは、あまりないと思います。その点は、そういうことがありましたら、それはどういう理由でそういうことになっているか、その点だけは私もちょっと不審に思っておりますが、一般の職員が来て研修をするということは、これは人数の問題にもよりますけれども、特殊な人に研修をさせるということは、これは国家公務員の仕事をするのだと言えばそうですけれども、そういうことでなしに、研修というものは、あながち、とがむべきことではないのではないか、こう思っております。
  51. 光村甚助

    ○光村甚助君 関連。これは、その職員が秘密を漏らしたときには、どっちの法律で取り締まるのですか。
  52. 西村英一

    国務大臣西村英一君) したがいまして、私は法律的には考えたい、こう思っております。
  53. 光村甚助

    ○光村甚助君 「考えたい」だけじゃ困る。
  54. 加瀬完

    加瀬完君 結局、人員不足を監督下の公団からカバーしているという形ではございませんか。たとえば計画局に何人、住宅局に何人、お茶くみだか秘書だか知りませんが、その割り当てが何人ということで、公団から毎年、毎年絶えず出させているとするなら、これは研修とも言われないでありましょうし、どうも関係官庁公団間の、それぞれ正しい連絡のためのみとは断ぜられないと思うわけです。永井恵美子さんという方が行っておりますから、お調べをいただきます。
  55. 西村英一

    国務大臣西村英一君) 私も役人を相当長くやっておったのですが、ある職が臨時的に非常に忙しい、それでたとえば部外関係の応援を得ようじゃないかというようなことは、これはあるわけですが、しかしそれが定例的にそうなるということにつきましては、今後注意して私ども臨みたいと思っております。
  56. 加瀬完

    加瀬完君 大蔵省に伺いますが、各公団公庫等には、主計局グループと称される一団があるわけですが、御承知ですか。
  57. 米田正文

    政府委員米田正文君) 主計局グループというのは、どういう意味で使われておるか知りませんが、私ども別に、そういうことばを省内でも使ったことはございません。
  58. 加瀬完

    加瀬完君 たとえば、いま例にあげました水資源公団でありますと、経理部の定員は六人、経理部長は四国財務局の部長調査役は青森財務局の部長経理課長は大蔵省調査役も大蔵省の主計局、それから資金課長も大蔵省、契約課長だけが会計検査院、これは水資源公団だけにとどまりません。経理関係は全部大蔵省関係の者で占めているわけです。たまに民間の人なんかがそこに一人入る、あるいは他の者が入りましても、大蔵省グループの意にそむいて行動することはできませんから、どうにもならなくて逃げた、こういう現状だと現場では訴えているわけです。ここで私、大蔵省を目のかたきにするわけじゃございませんが、公団等をつくる場合に一番反対するのは大蔵省で、できて一番多く人数を入れるのも大蔵省。どういう倫理感でそういう相反することをやるのか、この際はっきり聞いておきたい。つくるときには反対して、入れるときには真っ先に入れる。これはどういうわけか。
  59. 米田正文

    政府委員米田正文君) つくるときには反対するという意味は、まあそれは、つくるときにはいろいろ検討しますから、政府機関でいろいろ検討する間に出た意見が反対的な意見であったということをさしていると思いますが、しかしまあ、できました以上は、政府が国会にお願いしてつくったものですから、それについては各省がみな全面的に協力をするという立場をとっておりますから、大蔵省も協力を十分いたす。なおかつ、やはり一つそういう機関ができますと、先ほど来お話がございましたように、予算とかあるいは経理とかいうような面はどうしてもやはり大蔵省にエキスパートが多いものですから、自然そういうふうになると、こういうふうに私どもは理解をいたしておる次第でございます。
  60. 加瀬完

    加瀬完君 それにしては、なり過ぎているわけでございますが、こまかいことは一応省きます。人事面なんかにいたしましても、監督官庁の課長あたりの指示がなければ、たとえば計画関係あるいは人事関係というものは、どうにも動かない。そこで官庁の指示待ちという形の運営が繰り返されて、それが非能率の原因を起こしているとも言われるわけでございます。そういう意味で、監督官庁がこのごろ激しく監督下の公団法人に人を送っていくという例を一つ申し上げてみたいと思います。  中央競馬会は、天下り人事が多いというので、昭和三十六年四月二十八日付で、組合と常務理事との間で、次の覚え書きが交換をされました。  天下り人事に関する覚書  1 向う二カ年間は、いわゆる天下り人事により職員を採用しない。  2 右記期間中に、機構改革により外部から職員を採用しようとするときは、事前に貴組合と協議することとし、この協議が整った後の具体的協議において貴組合が天下り人事と認めた者は職員として採用しない。    昭和36年4月28日            常務理事 石川 武平     全競労委員長 宮崎安太郎殿 と、こういう覚え書きが取りかわされているわけです。この覚え書きが取りかわされる問題になりましたのは、三十一年に一人、三十四年に一人、三十五年に二人の天下り人事があったということで、こういう覚え書きが取りかわされました。ところが、三十六年の四月以降、三十七年には三人、それ以後には八人――個人名をあげるのは恐縮ですから役職だけを申し上げますと、三十七年に大蔵省事務官、三十七年に農林省事務官、三十七年に農林省事務官、三十九年に農林省監督官、三十九年に同じく、四十年に同じく、四十年に農林省技官、四十年に農林省技官、四十一年に大蔵省事務官、四十一年に農林省事務官、四十一年に農林省監督官、こういうように天下りは非常に激しくなっているわけです。特に役員になりますと、天下り人事はさらに顕著になりまして、理事長清井正さんが農林事務次官、副理事長の庄野五一郎さんは水産庁長官、常務理事の山野富次郎さんが農林大臣秘書官、常務理事の松垣好文さんが農林大臣官房参事官、理事の金丸光富さんが農林省の競馬監督課長、理事の図師繁光さんが農林省畜産局の監督、理事の南波晶人さん、これは農林省の日高牧場の方ですね。阿部安文さんが農林技監、池内武夫さんが馬政局、今井富嘉士さん、これは農林技監、十人のポストの全部が農林省で占められているわけですね。これに――中央競馬会なら中央競馬会法人なら法人に民間的な独自な運営をしろ、能率をあげろといったって、あげられる体制にあるとお感じになりますか。これは副長官に伺います。
  61. 木村俊夫

    政府委員木村俊夫君) いろいろまあ具体的なケースで御指摘になりましたけれども公団公社官庁との関係でいま御指摘の点は、ある意味における人事交流かと思います。官庁間におきましても、割拠主義を排するために、できるだけ人事の交流を心がけたいと努力をしております。しかしながら、官庁公社公団特殊法人との間の人事交流は、まだその間においていろいろ弊害がありますので、その弊害のない程度で人事の交流をはかりたい考えでおります。
  62. 加瀬完

    加瀬完君 交流というのは、向こうから来てこっちから行くから交流だ。これは交流じゃないです。上のほうから降ってくるわけだ。天孫降臨みたいなもんです。上っていくのは一つもない。下りてくるだけ。交流ならばこれはそれぞれの法人もまた納得するところがあろうかと思います。交流じゃないわけですね。そこで、こういう訴えが現場から起こっているわけです。「関係官庁は、毎年ベースアップやボーナスの予算を認可する時期になると、昇進の道塞ぎとなる古手官僚を押しつけてきます。これを受ける競馬会当局者は、役所とのつながりを保ち、対役所間の諸問題を天下り人事とひきかえに有利に導こうとする消極的な、主体性のない態度で天下りを容認しています。」、これは、こういう傾向を私どもは認めないわけにはいかないと思うわけです。これでは、これは植民地といったって言い過ぎじゃないと思います。そこで臨時行政調査会が三十九年の九月、「公社公団等の改革に関する意見」というものを政府に提出しているわけですね。その中に、「政府の強い監督統制は経営の自主性を著しく阻害しているだけではなく、人事管理の面でも政府人事政策のしわ寄せを受けている」、こういう指摘をしておりますが、全くこれは指摘のとおりだと思うわけです。そこで、「主務大臣の監督は、原則として事業基本計画を承認し、かつ、その達成度合によって業績を評価する方法に改めるべきである」と、こういう勧告がされているわけでございますが、これはお認めになりますか。
  63. 木村俊夫

    政府委員木村俊夫君) 認めます。
  64. 加瀬完

    加瀬完君 「官庁との人事交流は、創設時を除いて、原則として行なうべきではない」、こういうことも言われているわけでございます。一番出向人事の激しいのは建設省でございますが、創設時は過ぎているわけですから、公団あるいは特殊法人の現場から人材を登用するという方針を強く打ち出すという方針に、建設大臣お考え直しをいただけませんか。
  65. 西村英一

    国務大臣西村英一君) 加瀬さんの御意見と全く同意見です。ただし、部課長ぐらいの地位になりますと、相当もう行政上専門的な能力がやはり要るわけでございます。私のところの公団の発足以来の年限を見ますと、一番長いのが住宅金融公庫で十七年、その他に十二年、八年、五年……。新規に採用して養成しましても、まあ十年くらいではこれは部課長としてはちょっと荷が重いのじゃないかと思っている。しかしながら、新規採用で優秀な方もとっておりますから、なるべくは部内からの登用をはかりたい、かように考えておる次第でございます。実は公務員で公団にやられる人も迷惑なんです。これはほんとうの応援なんで、やられる人も迷惑でございますから、部内において養成して、それをどんどん登用していくというふうに私もつとめてやりたいと、かように思っております。
  66. 加瀬完

    加瀬完君 建設省から公団に行って、また建設省へ帰ってきて、また今度は公団役員になっていくというケースが多いわけでございます。これは、人材がおらないと言いますけれども、たとえば高速道路公団の場合、高速道路の技術的な面を思い切ってやりたいというので、東京都の職員をやめて公団へ入った相当年配の方がいるわけです。ところが、この人は課長補佐とか副参事というところでとめておかれて、課長には絶対になれないわけです。調査役にもなれないわけです。そこには若い者がぽんぽんと監督官庁から上へ天下ってくる。仕事は――天下ってくる者はちょいちょいかわるわけですから、計画してこれをやろうかと思うと、それを指示したりする課長がいなくなっちゃって、また新規まき直しで、さっぱり能率が上がらないと言って、私どもにもいろいろこれでは公団の能率は全くゼロではないかと話をしてくれた方もないわけではございません。人材はいるわけです。しかし、それを優先的に扱わないのです。優先的に扱うのは全部監督官庁。今後、まず人材を中から見つける、こういう方針だと理解してよろしゅうございますか。
  67. 西村英一

    国務大臣西村英一君) とにかく、仕事は人がやるのでございますから、その上司の役職員の人は、やはり常日ごろ、だれがどういう能力があり、どのくらい努力しているかということに注意をして、ほんとうに登用の道を開くということをやらないと、仕事はできないのでございます。もし、いま御指摘のようなことでやられておるということになりますれば、私も十分実情をつかんで、それぞれ総裁、副総裁、幹部の方々に注意申し上げたいと思います。まあ、そんなことがあるかと思えるくらいでございますが、注意いたしたいと思います。
  68. 加瀬完

    加瀬完君 いや、私は、大臣みずから御注意していただかぬと困る問題だと提起しているんですよ。先ほども申し上げましたが、水資源公団の三十七のポストのうち三十六は全部監督官庁関係から天下り、しかもその中の二十名は一年以内で交替しているわけでしょう、一年以内で。全然定着をしないのです。結局公団なんというものを出発させたのは、官庁では一つの仕事を固定した人が永続的にやるということがなかなかやりにくいので、能率が下がるのじゃないか。そこで固定した人で永続的に、専門的に一つの仕事を民間のようにやれば能率が上がるのじゃないか、そういうことも一つの理由で、公団が出発しているわけですね。ところが公団の一番上はかわらない、何にもしない一番上の役員は。ところが、ほんとうに仕事をする中枢の幹部というものはぐるぐるネコの目のようにかわっている。そこで、下の者は仕事ができなくなっているという現状なんですね。だから、これは公団そのものではない、監督官庁にいままでのやり方というものを正していただかなければならないと思うわけでございます。希望を申し上げておきます。  そこで、通産大臣もいらっしゃったようでございますので、質問を先に進めますが、いまあげたほかに、はっきりと、ここで反省しなければならないと政府がお考えになっているものはございませんか。お心当たりはございませんか。官房副長官いかがですか。
  69. 木村俊夫

    政府委員木村俊夫君) 先日の当委員会、それから本日の委員会を通じまして、われわれも非常に反省の必要あることは多々ございます。内閣側といたしまして、各公団公社特殊法人役員人事につきまして、こうありたいという考え方を強くこれから進めていきたいと思っております。御趣旨を十分体していきたいと思います。
  70. 加瀬完

    加瀬完君 通産大臣に伺いますが、ジェトロ本部には海外駐在員の調査報告は確実に集まっておりますか。
  71. 菅野和太郎

    国務大臣菅野和太郎君) 確実に参っております。
  72. 加瀬完

    加瀬完君 通産省は、将来の幹部にはなるべく海外経験を積ませたいという方針だということを聞いておりますが、直接ジェトロには関係ありませんが、さようですか。
  73. 菅野和太郎

    国務大臣菅野和太郎君) 御存じのとおり、通産省のおもなる仕事は貿易行政が多いのでありまするからして、したがって通産省の官吏にはできるだけ海外の知識を持ってもらいたいという意味で、海外へ派遣して、そうして海外の知識を十分に会得して、通産行政に当たってもらいたいという方針でおります。
  74. 加瀬完

    加瀬完君 現在の海外駐在員のうち、通産省の出向者は何名ですか。
  75. 菅野和太郎

    国務大臣菅野和太郎君) 政府委員からお答えいたします。
  76. 今村曻

    政府委員今村曻君) ただいま日本貿易振興会から海外に派遣しております者二百十名のうち、通産省から出向いたしております者は四十七名でございます。
  77. 加瀬完

    加瀬完君 その他、農林省、大蔵省等を入れると七十名ですか。
  78. 今村曻

    政府委員今村曻君) 七十一名でございます。
  79. 加瀬完

    加瀬完君 三十九年ごろジェトロについて調査をいたしましたものが朝日ジャーナルに掲載されたことがございます。これによりますと、二年間に一回の調査報告も出さないで、ジェトロ本部の指示に従わない出向者が多数いたといわれておりますが、これはいかがですか。
  80. 今村曻

    政府委員今村曻君) 私もそのジャーナルの記事を一応読みましたが、二年間に一回も報告をしないような調査員は一人もおりません。
  81. 加瀬完

    加瀬完君 それでは海外市場白書は、どういう形で、どのくらい、いままで出ておりますか。
  82. 今村曻

    政府委員今村曻君) 海外市場白書は、年に一回ジェトロの海外の調査網を全部動員いたしまして、過去一番近い一年間の海外市場の動向を網羅的に作成いたしますものでございまして、そのなまの材料となりますものは世界各国に派遣されておりますトレードセンター、それから調査員事務所等からまいりました直接の報告が土台になってできるものでございます。
  83. 加瀬完

    加瀬完君 いや、それはよくわかっているのですから、いままで確実に何回出されたか、それを伺っているんです。
  84. 今村曻

    政府委員今村曻君) ちょっとはっきりした何回目ということは申し上げられませんが、これは調べて後ほど御報告申し上げますが、すでにもう七、八年前から毎年これを出しておるのでございます。
  85. 加瀬完

    加瀬完君 確実に出されていないじゃないですか。予定のときまでに資料が集まらないという繰り返しが何度か行なわれたわけじゃありませんか。それもあわせて御調査をいただきます。  そこで、海外駐在員の通産省の出向組は一カ所に長くおらないようですね。これはどういう理由ですか。
  86. 今村曻

    政府委員今村曻君) 現在、先ほど申し上げましたように四十七名海外に出ておりますが、なるべく長期的に駐在をいたしませんと、その土地における仕事の能率が悪くなりますので、少なくとも三年同じ地域に駐在する、かような方針でやっておるのでございます。ただ、過去におきまして、特殊の事情で、その原則により得なかった者が、わずかではございますが、例があろうかと思いますが、今日では少なくとも三年以上駐在をする、かような方針でやっておるのでございます。
  87. 加瀬完

    加瀬完君 いままでは二年以内で帰られた者のほうが圧倒的に多いじゃありませんか。
  88. 今村曻

    政府委員今村曻君) 最近はさようなことはございません。
  89. 加瀬完

    加瀬完君 いままではどうですか、いままでは。
  90. 今村曻

    政府委員今村曻君) 過去において特殊の事情から、二年あるいはそれ以内で帰任をした例も御指摘のようにないことはございませんが、これは決して原則として、あるいは多数の者にそういう方針でやっておったわけではございませんので、例外的にそういう者があったように存じております。
  91. 加瀬完

    加瀬完君 三十九年に出ました者は、たとえば渡辺弥栄司さんは十カ月、町村正一さんは五カ月、前田浩さんは六カ月、有馬駿二さんは十二カ月、山崎隆造さんは一年八カ月、寺西武美さんは一年九カ月、こういうように、その他も二年以内でみんな帰ってきているじゃありませんか。
  92. 今村曻

    政府委員今村曻君) ただいま御指摘のうち、御指摘のとおりのものもございますが、中には国内勤務の年限だけを、あるいはごらんになったのではないか。そうして、その者が引き続き海外に派遣されておりますので、それらの点は私のほうでいま一度正確なところを調査いたしまして、お手元までお届けしたいと思います。
  93. 加瀬完

    加瀬完君 昭和三十九年一月六日パリに出張、昭和三十九年十一月二十五日帰任というように書いてありますので、私はそう了解したのでありますが、資料のことでございますから、また詳しく御調査をいただきまして申し上げてもけっこうです。  そこで、このジェトロに出向いたしました海外駐在員は現在まで何名でございますか。
  94. 今村曻

    政府委員今村曻君) 現に海外に出ております者は四十七名、これは先ほど申し上げたとおりでございます。過去に出向いたしまして現在までに本省に帰っております者が六十名でございます。
  95. 加瀬完

    加瀬完君 そうですか、その数字は間違いありませんか。
  96. 今村曻

    政府委員今村曻君) 間違いないと思います。
  97. 加瀬完

    加瀬完君 私がいただいた資料には――おたくのほうからいただいたものですが、復帰済みの者四十一名、現在出向中の者三十七名。その前にいただいた資料には三十九名あるわけですね。そうすると数字が合わないのですが。
  98. 今村曻

    政府委員今村曻君) 御説明が不十分でございまして申しわけございませんが、ただいま申し上げましたのは昭和三十五年以降の出向者の数でございまして、現に出向中のものが五十七名でございますが、この中で国内で勤務いたしております者が十一名おります。それを差し引きますと四十六名になります。これは先ほどの四十七名とちょっと違いますが、時点が違うのだと思います。それから、同じく三十五年以降の分でございますが、出向いたしましてすでに現在復帰いたしております者、これが六十名でございます。
  99. 加瀬完

    加瀬完君 大ざっぱに言って、一年平均何名ぐらいを通産省の職員のままジェトロの海外駐在員として出向さしているのですか。
  100. 今村曻

    政府委員今村曻君) ごく大ざっぱに申しまして、現在四十七名出向しておりますので、これが三年に一度交替をするということでございますので、その分でいきますと約十五名ぐらいの者が新たに出向をするというのが現状の姿でございます。それから、なお通産省の身分のままでというお尋ねでございますが、これは一応退職をいたしまして、そして身分をジェトロの職員ということに切りかえまして、海外にまいっておるわけでございます。
  101. 加瀬完

    加瀬完君 それは異なことを伺いました。それでは一度海外駐在員としてジェトロへ行った者は、退職金その他、恩給等の計算がそこで全部切れておりますね。
  102. 今村曻

    政府委員今村曻君) 身分はただいま申し上げましたように切れてまいりますが、恩給につきましては、その人が通産省に復帰いたしました場合には通算をいたす、こういうことに相なっております。
  103. 森勝治

    ○森勝治君 関連。――しかし、あれでしょう、退職願を出して退職をして、他の団体と雇用契約を結ぶわけですから、当然それは所定の手続に従って退職金を支給し、あらためて今度また復帰した場合には、再雇用という形をとるのでしょう。これが普通の各官庁のあり方でしょう。そうじゃないですか。
  104. 今村曻

    政府委員今村曻君) そのとおりでございます。いまのお話のとおりでございます。
  105. 森勝治

    ○森勝治君 それなら当然、いま退職手当を出さないと言われたが、退職手当支給の対象になるでしょう。そうすると、あなた方の言われるのは、あちらの職員になって帰ってきたら、在職中の勤務年限その他、他の同僚と同じように積算をして再雇用するのですか。そうなると、官庁の再雇用の規定をちょっと逸脱するのではないですか。
  106. 今村曻

    政府委員今村曻君) ジェトロに出向いたします際には退職をいたしてまいりますので、ただいまおっしゃいましたように退職金を支給して、普通の場合の退職の手続でまいるわけでございます。
  107. 森勝治

    ○森勝治君 そうなると、先ほどの答弁を訂正されたというふうに理解してよろしいですね。
  108. 今村曻

    政府委員今村曻君) 先ほど私の申し上げましたのは、恩給の支給について申し上げたわけでございます。
  109. 森勝治

    ○森勝治君 だから恩給の支給は、たとえば二年ならば二年、三年ならば三年恩給支給の空白があるわけですから、通算はないわけですね。そうでしょう。通算しないのでしょう。通算するとおかしいのですよ、それは。
  110. 今村曻

    政府委員今村曻君) 確かに仰せのとおり空白期間がございますが、それを通算をするというのが特殊法人関係の共通の規定でございます。
  111. 加瀬完

    加瀬完君 結局、出向でしょう。退職をして、純然たる民同団体に移行をするわけじゃないのですね。移行をしたものならば、民間の団体の者がまた課長のポストへ帰ってくるというようなことはあり得ませんよ。結局、手続はいろいろきめてありますけれども、これはもう形式、内容ともに通産省の職員が出向をして、また婦ってくる。こういうことでしょう。
  112. 今村曻

    政府委員今村曻君) 手続面のことをいろいろ申し上げましたが、実質は先生おっしゃるとおり出向ということにしておるのが実態だと思います。
  113. 加瀬完

    加瀬完君 大臣に伺いますが、ジェトロというのは、これは純然たる法人ですね、通産省の下部機関じゃありませんね。
  114. 菅野和太郎

  115. 加瀬完

    加瀬完君 特殊法人ですから、百八の特殊法人の一つでありますけれども通産省の下部機関ではございませんね。
  116. 菅野和太郎

    国務大臣菅野和太郎君) 下部機関ではございません。
  117. 加瀬完

    加瀬完君 下部機関ではない独立した特殊法人に、通産省の役人がその身分のままで毎年毎年定期的に行って、それを先ほどのお話のように海外事情を経験させるという一つの教育機関にしているわけですね。ジェトロの目的には少なくもそぐわない点もあるわけです。こういうやり方をあなたはどうお考えになりますか。天下りではありませんけれども、やはり植民地じゃありませんか、これは。
  118. 菅野和太郎

    国務大臣菅野和太郎君) ジェトロにまいりますけれども、ジェトロの仕事をやはり本体としてやっておる、同時に海外のいろいろ知識をそれによって会得さしておるわけでございます。
  119. 加瀬完

    加瀬完君 この費用はどこの費用ですか。
  120. 菅野和太郎

    国務大臣菅野和太郎君) それはジェトロの費用でございます。
  121. 加瀬完

    加瀬完君 ジェトロの仕事を将来やらない者を、二年なり三年なりという期間だけジェトロに寄寓さしているような、そういう形は――本務は通産省の仕事をする者が、定期的にジェトロの費用で海外留学をするというのは、一体これはどういうことですか。
  122. 菅野和太郎

    国務大臣菅野和太郎君) 海外留学というと語弊がありますが、出向をして本来ジェトロの仕事をするのであります。それで、ジェトロの仕事をすることが、同時に海外のいろいろの知識を本人が会得するわけです。
  123. 加瀬完

    加瀬完君 おかしいでしょう。通産省の公務員は通産省の公務員としてやらなければならない義務があるわけですね。そうでしょう。通産省の職員ではないわけだ、行っている間は。しかし、ジェトロの職員かというとそうじゃない、また通産省へ帰ってくる。これでジェトロが育ちますか。過去は通産省の職員であるけれども、新しく衣をジェトロに切りかえて、ジェトロの仕事をこれから一生懸命やるのだというのならば話はわかる。ただ、行って帰る費用が通産省でないから、ジェトロの費用で行かせるというだけです。だからジェトロを、通産省出向の海外駐在員のための海外育英振興会だ、こういうふうに呼ぶ人がいるが、海外育英振興会じゃありませんか。いいかどうかわからないけれども、とにかく海外教育をジェトロを使ってやっているというだけだ。こんなやり方が許されますか。ジェトロをどこで育てるのですか。ジェトロとしては育たないじゃないですか。通産省の役人は確かにいい経験をして帰ってくるかもしれぬ。通産省にはプラスになるかもしれぬ。海外駐在員として仕事をした人が通産省へ帰っちゃって、ジェトロには一人も残っていないということになる、おたくのほうから出向した者は。これがいい方法だとお認めになりますか。
  124. 菅野和太郎

    国務大臣菅野和太郎君) ジェトロの仕事自体は、同時に日本の通産行政の一翼をになっておるのでありまして、したがいまして、ジェトロは通産省とは全然無関係のものではないと思います。でありますから、ジェトロに行ってジェトロの仕事をすることによって、同時にいろいろ海外の知識を会得し、貿易に関するいろいろな知識を会得すること自体は、それがやがて通産省の仕事に役立つのですから、私はそれはけっこうだと、こう考えております。
  125. 加瀬完

    加瀬完君 おたくのほうはけっこうだよ。ひとの金で留学さして、帰ってきてから自分のほうの仕事をさせるのだからね。しかし、それでは筋が立たないのじゃないか。そういうふうなことではジェトロは必要ないのだ。通産省でおやりになるというならば、通産省の中にジェトロ課でも何でも設けて、そこでおやりになるというのならわかる。それではだめだから、特殊法人の貿易振興会というものをつくって、ここでやらせるのだということでありますのに、それが役人の研修機関にしか使われないということでは筋が立たない。確かに、そういう形にしても、通産省としての効果はあがっていますけれども、ジェトロの効果はどうだと言うのです。あなたのほうの局の一つの課であれば、それでも通るでしょうけれども、国が投資をして、ここに特殊法人という大きな使命を与えてやりますのについては、万全の策で進められているとは言えないのじゃないか、私の質問はこういう意味なんです。
  126. 菅野和太郎

    国務大臣菅野和太郎君) 御承知のとおり、ジェトロの仕事としては、海外の市場調査をやったり、また輸出秩序維持の対策事業をやったり、海外での宣伝事業をやったり、あるいは展示事業をやったり、その他、貿易資料のセンター事業をやったり、貿易相談に応じておるのでありますから、このことについて一生懸命にやることが、同時に通産省の貿易政策のまた一助となっておる、こう私は考えております。
  127. 加瀬完

    加瀬完君 それはわかりますよ。通産省の一助どころか、何助にもなっていますよ。ひとの金で勉強して帰ってくるのだから、こんないいことはない。しかし、何のためにジェトロというものがつくられたかという目的には、そぐわなくなってくるのじゃないかということを言っている。もっと結論的に申し上げますなら、あなた方はジェトロをやっぱり一つの植民地として食いものにしているにすぎない。具体的に伺いますよ。ジェトロの企画部長といいますか、これはいま一体何人くらいかわっていますか。あるいは企画課長というのは、いままでにどのくらいかわっていますか。
  128. 今村曻

    政府委員今村曻君) ここに正確な数字は持ち合わせておりませんが、相当長い年月でございますので、かなりの入れかわりがあったと思います。
  129. 加瀬完

    加瀬完君 ジェトロの人がいまなっているかどうかしりませんが、発足以来六年間に、この企画部長というのは五人かわっています。企画課長というのは六人かわっています。全部通産省から行って通産省に帰っている。通産省はジェトロを育てていると言われますか。六年間に六人、毎年一人ずつ当番のように行って帰ってくる。こういう形でもジェトロを育てていく体制を通産省は進めてきたと言われますか。
  130. 菅野和太郎

    国務大臣菅野和太郎君) 御承知のとおり、ジェトロというものは戦後にできたものでございまして、したがって、ジェトロだけで育ってきた人はまだ少ないのでございます。これは通産省の仕事のまあ一助をやるのでありますからして、したがって、通産省の者が初めは大勢出かけて行ってジェトロの仕事をして、そうしてはえ抜きのジェトロの職員を養成したい、こう考えておるのであります。ジェトロで一生を捧げる人を養成したいという考えでおるのでありますが、今日まではまだそこまでいっておりません。で、企画部長とかあるいは企画課長と申しますか、そういう人たちは、やはり通産省の人が行ってやらなければ、今日までは仕事がはかどらなかったのではないか、こう思うのであります。適任者があれば、これはジェトロで育った人を私はそれぞれ重要なポストにつけたい、こう人を考えております。
  131. 加瀬完

    加瀬完君 ですから、できたてのジェトロでありますから、これを一本立ちで歩けるように育成をしていきたいということならば、通産省におりまするそれぞれのジェトロ関係のエキスパートを、二年なり三年なりそれぞれの課長にとめておいて、後進を育成するというなら話はわかる。六年に六人、六年に五人というふうにひんぱんに交代をさせておって、これで一体、企画部長あるいは企画課長というものを、通産省はジェトロを育成するために本気になって派遣したとは受け取れないじゃないかという疑問を持つわけです。そこで、この状態から見れば、少なくもジェトロは通産省の下請機関にしかすぎませんよ。現状はどうですか。こういう下請機関的な性格というものはなくなっておりますか。ジェトロの職員として専門家がどう育成されておりますか。
  132. 菅野和太郎

    国務大臣菅野和太郎君) 先ほどから申し上げましたとおり、ジェトロは通産省とまあ表裏一体の特殊法人でありますからして、したがって、お互いに職員の交代をするということも、これは必要なことだと思っております。現に、一本立ちになって今日やっておる人もあるのであります。理事のうち一人はジェトロ育ちでありまして、そういうふうに漸次育てていきたいという方針であります。これが今日までひんぴんとしてかわっておること自体は、私も決していいとは考えておりません。
  133. 加瀬完

    加瀬完君 行管長官に伺いますが、実質的には官庁職員の身分のままで、他の団体の費用で海外に二年なり三年なり、定期的に十五名なり二十名というものが留学をするわけですね。海外経験を積むということで実際は留学をするわけですね。これはまさに海外育英振興会ですよ。行管としてはこれをこのまま続けてよろしいという御認定ですか。
  134. 松平勇雄

    国務大臣松平勇雄君) 先ほど来、通産大臣の御答弁を伺っておりまして、いまジェトロに行っておる者は通産省の仕事をやっているのではない、ジェトロの仕事をやっておるのだというようなお話でございますが、私もそのように考えておるわけでございます。で実際には、いまジェトロに行っております者は、先ほどお話があったように、通産省を一ぺんやめてジェトロの職員として行っておるわけでございまして、その点は役人のままで向こうに行っておるというふうには解釈しなくてもいいんじゃないかというふうに考えております。
  135. 加瀬完

    加瀬完君 これは再調査をしてお答えいただきたいと思いますが、役人のまま行っておるのですよ。内容は役人のままで行っておるのですよ。どうですか。
  136. 松平勇雄

    国務大臣松平勇雄君) なおよく、それを調査いたしまして、後ほどお答えいたします。
  137. 菅野和太郎

    国務大臣菅野和太郎君) 通産省から、海外留学のための役人はまた別に行っております。これはジェトロから行っておる海外派遣というのは、全くジェトロの仕事をするために行っておるわけでありまして、それと海外留学とごっちゃにされては困るのであります。
  138. 加瀬完

    加瀬完君 そういうことですけれども、そんなら私は聞きますよ。純然たる通産省の金で海外留学をさせている者は何人、ジェトロの金でやっている者は何人か、伺いましょう。――あとで御答弁いただきます。  形はどのようにつくろったところで、帰ってくればまた通産省へ帰ってくるのです。ジェトロの仕事をしないのです。ジェトロの名前で二年なり三年なり行って、帰ってくればまた課長になったり、課長補佐になったり、あるいは審議官になったりして通産省の仕事をしているのです。これはお出しになりました表でも明らかなことでございますから、偽るわけにはまいらぬと思う。私は内容を言っている。形の上で留学生かどうかということを言っているわけじゃない。
  139. 光村甚助

    ○光村甚助君 行管長官、詭弁をやらないほうがいいです、長くなるから。あなたも会社経営しておられますが、あなたの会社に、通産省とか、どこからか年に三十人ぐらいずつ、一年か二年仕事に来て、ぽんぽん帰られたら、非常な迷惑じゃないですか、民間会社としては。幾ら特殊法人だといっても、いいことか悪いことか――ジェトロの仕事をするのだから、それでいいなんという答弁は、私には納骨できないのです。年に三十数人という人間が通産省から天下ってきて、それが永久にジェトロの仕事をするというなら話はわかる。二年か三年したらぽいぽいと帰ってしまう。会社としてはこれくらい迷惑な話はないですよ。そういうことがいいなんという答弁は、私には納得できない。あなたも会社に行っておられる人でありますから、どうですか。そういうことが毎年繰り返されると、会社自体は迷惑ですよ、そんなことは。さっき通産大臣が言われたように、いいことでなければ、いいことでないと、はっきり言われたほうがいいんじゃないですか。
  140. 松平勇雄

    国務大臣松平勇雄君) 民間の会社が――いま私はやっておりませんけれども会社の経験があるから――そう言うことは当然であります。確かにそんな事態だと非常に迷惑すると思います。
  141. 光村甚助

    ○光村甚助君 そうでしょう。
  142. 加瀬完

    加瀬完君 次に移ります。  この決算というものを、どういうように監督官庁は把握しているか、公団等の決算問題で伺いたいと思います。特殊法人役員には民間営利事業と兼任を許しておりますか、副長官
  143. 木村俊夫

    政府委員木村俊夫君) 公社公団原則として兼職を禁止しております。たとえば日本住宅公団法は第二十六条で「自ら常利事業に従事してはならない」、ところが、事業団になりますと、「主管大臣の承認を受けた場合はこの限りでない」、こういう例外的なことがございます。
  144. 加瀬完

    加瀬完君 ジェトロの理事長は、これは大阪の木材港湾倉庫の社長、それから毎日会館の監査役、大阪スタジアムの社長――監査役はとにかくとして、社長をおやりになっておりますね。これは兼任を通産大臣がお認めになっておるわけですね。その理由はどういうことですか。
  145. 菅野和太郎

    国務大臣菅野和太郎君) 認めております理由というのは、このジェトロに関係する前から本人が従事されておって、そうして年に一回か二回その総会に出席するだけであって、常勤の役員ではないのでありますからして、そういう意味で許しておるわけであります。
  146. 加瀬完

    加瀬完君 そうですが。駒村資正さんはジェトロの理事長ですよ、ジェトロの理事長は常勤ではないというたてまえですか。
  147. 菅野和太郎

    国務大臣菅野和太郎君) こちらのほうは常勤でありますが、いま兼務するところは常勤でないということを申し上げたのであります。
  148. 加瀬完

    加瀬完君 大阪の木材港湾倉庫の社長、大阪スタジアムの社長というのは、これは常勤じゃないのですか。
  149. 菅野和太郎

    国務大臣菅野和太郎君) スタジアムは社長ではありません。木材会社のほうは会長です。
  150. 加瀬完

    加瀬完君 それでは、私の調査の誤りかもしれませんから、そこは重ねて調べます。少なくも、通産大臣役員の職務の執行に支障がないと認めたときにはこの限りでないということになっておりますから、執行に支障がある場合は、これは認められないというたてまえをとらなければならないわけですね。
  151. 菅野和太郎

    国務大臣菅野和太郎君) おっしゃるとおりです。
  152. 加瀬完

    加瀬完君 駒村理事長は一体どういう出欠状況でございますか、ジェトロ理事長として。
  153. 今村曻

    政府委員今村曻君) 大阪の方でございますが、こちらの理事長になりましてからは、大阪と東京の間を行ったり来たりしておられるわけでございますが、私の承知しておりますところでは、おおむね半々、あるいは実数から申しますと若干大阪のほうが多いかもしれません。大体半々ということで勤務しておられる。それは大阪のほうにもジェトロの本部がございますが、向こうに出勤するか、こちらに出勤するかというような状態でございます。
  154. 加瀬完

    加瀬完君 理事長の常時出勤する場所は大阪ですか、東京ですか。
  155. 今村曻

    政府委員今村曻君) 法律上は東京が本部でございますから、東京のほうが主でございます。
  156. 加瀬完

    加瀬完君 毎週金曜日だけしか来ておりませんね。いかがですか。
  157. 今村曻

    政府委員今村曻君) 毎週金曜日だけとは承知しておりませんが、これは大阪と東京の間を行ったり来たりして半々くらいに勤務しておられるというふうに承知いたしております。
  158. 加瀬完

    加瀬完君 政府はそれでは、たくさんありますけれども、省きますが、兼職禁止、本務に専念させる方針というものはとれないじゃないですか。とれますか。官房副長官どうですか。
  159. 木村俊夫

    政府委員木村俊夫君) 先ほどお答えいたしましたとおり、兼職禁止のものについてはまだはっきりしておりません。その他については、主管大臣の承認を受けた場合は各主管大臣の判断におまかせするわけであります。
  160. 加瀬完

    加瀬完君 ことば足らず、舌足らずで恐縮ですが、政府政府自体で兼職禁止をとれるような体制になっておらないじゃないかという疑問を私は持つのです。いまはどうか知りませんが、昭和三十九年四月、行政管理庁が兼職委員数五以上の行政機関職員の調査を発表したことがございますね、御存じですか。大蔵政務次官に伺いますが、あなたのほうの事務次官は委員を幾つやっておりますか――やっておりましたか。
  161. 米田正文

    政府委員米田正文君) 委員をという意味は全体のですか。
  162. 亀徳正之

    政府委員亀徳正之君) いろいろな審議会とかいうところの委員かと思います。正確な数を私ただいま承知いたしておりませんが、いろいろな審議会でやはり大蔵省の代表の意見をいろいろ申し上げる、特に所管が理財、主計といろいろにわたることがございまして、その場合にやはり形式上は、正規の大蔵省の意見を言うということになりますと、事務次官ということになるわけでございます。御存じのように、非常にこの審議会その他、数が多うございまして、一応常時さしたることがない場合には、場合によれば主計局の主計官が行ったり、かわりの者が代理で出て行く、重要なときに事務次官が出て行くという体制になっております。
  163. 加瀬完

    加瀬完君 三十九年四月に行管は、兼職数が非常に多いというのは考慮をすべき余地があるのじゃないかということで、調査の発表をしたわけでございます。その当時の大蔵次官は委員数五十七、通産次官は四十、経済企画庁事務次官は三十九、運輸次官は三十八、これでは因るというので、調査の発表があったと聞いております。こういう体制で特殊法人役員の民間社長なんかの兼職を禁止しろとかなんとか言ったって、政府自体が五十七も兼職している状態で、おまえのほうはやめろとは言えないじゃないですか。こういう体制を好ましいとお考えになりますか。いま官房長に伺うと、主計局の主計官を出したりなんかする、そういう人を出さなければ間に合わないほどなぜ委員を引き受けたかと、逆に国民としては聞きたい。この点、いかがですか。
  164. 米田正文

    政府委員米田正文君) 五十七兼務をしておるという意味は、これは、御承知のように、いろいろ、な審議会がたくさん政府部内にあって、大蔵事務次官の名前委員をいたしておりますが、これは大蔵省の意見を言うという機会の審議会、そういう性格のものがかなり多いのです。したがって、大蔵省の事務的代表という意味で事務次官がなっておりますが、そのときの議題議題によっては、主計局長を出したほうがいいとか、あるいは次長を出したほうがいいとか、銀行局長を出したほうがいいとか、いろいろございますから、それぞれの主管の者をやるということになりますが、まあ一応代表としてなっておるのでございますから、ちょっと民間の専門的な委員と性格が違うと思います。
  165. 加瀬完

    加瀬完君 それは違います。違いますけれども、姿勢として、持ってきた委員会でも、審議会でも、みな引き受けるということでは、本務に専念をするという態勢ではないじゃないですか。もっとそういう態勢を、これは政府みずからの行政機関も正すべきじゃないかという点を私は指摘をしているわけでございます。  次に、先ほど、内容の監査というものが不十分ではないかという点を申し上げたわけでございますが、建設大臣はおりませんけれども住宅公団の前の総裁の挾間茂さんはリンカーンを購入したことがございますね。価格は四百万円。どういう理由かと聞きましたら、外国人を接待するためだということであります。こういう経理の状況を行管は把握しておりますか。
  166. 松平勇雄

    国務大臣松平勇雄君) 主務官庁がそういったこともやっておりますから、私のほうでは把握いたしておりません。
  167. 加瀬完

    加瀬完君 それでは、これは副長官にお伺いいたしますけれども、同じく住宅公団では、現在、運転手は二十三名おりますね。ところが、借り上げハイヤーが十五台ありますね。理事が八、監事が二、支所長が一、本部長が一、支所の総務部長が一、フリーが二、計十五台が借り上げハイヤーとして使われておりますね。これは、全部、この役職員の送迎に使われております。送迎に、備えつけの車ではなくて、全部借り上げハイヤーが使われている。こういうずさんな経理状況というものを把握しておりますか。
  168. 木村俊夫

    政府委員木村俊夫君) 私どものほうでは、そこまで把握しておりませんが、おそらくこれは会計検査院の経理検査を受けて、そのような事務で、もし不当なことがあれば、会計検査院で指摘すると思います。
  169. 加瀬完

    加瀬完君 さっぱり、会計検査院の報告にも、こういう点はないわけです。天下りで行って、予算は、いま言ったように、全く公社公団の目的ではないようなことに平気で使われておって、それはさっぱり掌握できない、こういうことを続けておった方がサインをされているわけですからね。どこに一体評価の基準があるのか、実情をつかんでいるのか、疑いたくなるわけです。ですから、第三者機関でも何でもはっきりつくって、そこでもう少し勤務状況というものを把握しなければだめではないか。そういう意味では、この前、日本放送協会を例に引きましたけれども、日本放送協会の例を出せば、結局、予備費から五千七百十五万一千円という支出があるわけですね。これは会長の協会葬経費並びに死亡退職金ということになっている。七百十五万一千円は協会葬経費ということになっている。この内訳は一体どうだということも、おそらく会計検査院では何もつかんでいないでしょう。  また、これは菅野大臣に伺いますけれども、ジェトロの前の理事長でありました杉道助さん、この方には給与が規定額だけ出ておりませんね。みな返しておりますね。御存じですか。
  170. 菅野和太郎

    国務大臣菅野和太郎君) 承知しております。
  171. 加瀬完

    加瀬完君 これは、経理状況はどういうふうになっておりますか。
  172. 鍋島直紹

    委員長鍋島直紹君) 通産大臣はいいですか。――通産大臣は石炭対策特別委員会から……、それでは御退席願います。
  173. 今村曻

    政府委員今村曻君) お答え申し上げます。  杉・前理事長は、特殊法人が設立されました昭和三十三年から死亡された三十九年の十二月まで理事長として在任をいたしたわけでございますが、その間、御指摘のように、規定の給与を一応辞退されまして、規定の給与よりも低い金額を受けておられたのでございます。それで経理上どういうふうにしていたかというお尋ねでございますが、この経理上の扱いにつきましては、杉理事長が辞退をされました額、つまりその辞退されました残りを――一部受けておられましたその額を予算に組んで、そのまま執行いたしておったのでございます。
  174. 加瀬完

    加瀬完君 具体的に伺いますと、三十四年の理事長の給与規定額は二十万円ですね。そうして杉さんがお受けになりましたのは五万ですね。そうするとあとの十五万、月額十五万というものはどう処理されたのですか。
  175. 今村曻

    政府委員今村曻君) いま申し上げましたとおり、予算上も五万円ということで組んでおりますので、そのとおり執行いたしたわけでございます。
  176. 加瀬完

    加瀬完君 では、三十六年はどう組まれておりましたか。
  177. 今村曻

    政府委員今村曻君) 三十六年になりますと、規定が変わりまして、規定の額が月額二十六万円でございます。その際、杉・前理事長は二十万円だけ受ける、こういうことでございましたので、その御意向のとおり二十万円を予算に計上いたしまして、これを執行いたしました。
  178. 加瀬完

    加瀬完君 その御説明でいくと、三十八年は給与規定額は二十六万五千円、そうして二十万五千円は杉さんがお受け取りになって、あとの残額は予算の面から削ったということですか。
  179. 今村曻

    政府委員今村曻君) そのとおりでございます。
  180. 加瀬完

    加瀬完君 前年は二十六万円で二十万円、その次の三十八年には二十六万五千円で二十万五千円、ほんとうにこういう受け取り方をしていたのですか。
  181. 今村曻

    政府委員今村曻君) それは、そのとおりにやっておりましたわけでございます。
  182. 加瀬完

    加瀬完君 それでは、これはもう少しその当時の決算を出していただいて伺うことにいたします。  最後に、公社公団等は政治献金はできないことになっておるわけですね。政治献金をしているところはありませんか。副長官、いかがですか。
  183. 木村俊夫

    政府委員木村俊夫君) 私は聞いておりません。
  184. 加瀬完

    加瀬完君 日本自転車振興会はどうですか。農林中央金庫はどうですか。日本航空株式会社はいかがですか。日本てん菜振興会は金を出しておりませんか。
  185. 木村俊夫

    政府委員木村俊夫君) そういう具体的な事例について、まだ私、つぶさに承知いたしておりません。
  186. 加瀬完

    加瀬完君 これは政治資金規正法による届け出の中にはっきり出ておりますから……。きょうは約束した時間も過ぎておりますので、私は、この問題は深くは伺いません。あなたのほうとしても、禁じられている政治献金を、金額の多少はともかくも、平気でやっている。やっていることをそのまま会計検査院は認めている。そういうやり方は許されるはずのものではありませんので、その資料をお出しいただきまして、また他の委員会ででも御説明を承ることにいたしたいと思います。  最後に一つ。いま取りとめもなく、たくさん申し上げたわけでございますが、八月過ぎをめどに、公社公団等整理を本気になっておやりになるということでございますが、三十九年の臨調あるいは行管の勧告のときみたいに、また不発で、うやむやになるということは、絶対にないと了解してよろしゅうございますね。
  187. 木村俊夫

    政府委員木村俊夫君) 行管長官からお答えいたしますのが筋だと思いますが、総理といたしましては、非常な決意をもってなさると思います。
  188. 松平勇雄

    国務大臣松平勇雄君) 御承知のとおり、ただいま現存の百八の特殊法人に対しまして調査を行なっておりまして、八月末にはその調査の結果が出ますので、それによりまして行政監理委員会あるいは行政改革本部等の意見も伺いまして、強力に実効のあがるように、特殊法人の再編成あるいは統廃合を決行してまいる所存であります。
  189. 加瀬完

    加瀬完君 最初に指摘しました水資源公団のように、監督官庁が全部部課長のポストを占めている、こういう問題は今後どうしますか。  それから、公団の職員をそのまま設建省で欠員補充みたいに使っている、こういう問題をどうするのか。  それからジェトロのように、純然たる通産省の役人であります者が、ジェトロの名前で海外に二年なり三年、実際は通産業務の研修みたいな形で留学の扱いをされている、そういう問題。そして役員の選任に、いままでの功績評価を全然行なっておらない、この問題。  最後に私は、公団公庫等で大蔵省関係者のいらっしゃらないところがありますかと言ったわけですけれども、お答えはなかった。大蔵省がどの程度たくさん公社公団等の権要の地位を占めているのか、その資料を一つ……。並びに結論の御報告をいずれかの機会に承らしていただきます。
  190. 光村甚助

    ○光村甚助君 二、三分でけっこうですが、公団公社に行った人のこういうことが新聞に出れば、あまりいい気持ちはしないと思うのです。だから行管長官と官房副長官にお伺いしますが、四十八歳や四十九歳で高級公務員をやめさすから、こういうことになっているのですよ、実際は。もっと外務省などのように、外務次官なんか五十八、九ですね。あるいは法務次官なんというのも、そうでしょう。それで外務省の官吏が天下ったというのは、あまりたくさんないでしょう。だから、高級公務員もやはり五十八とか六十くらいまで使えば、こういう問題は起こらないのです。だから、官房副長官行管長官、どうなんです。せっかく大学を出て、その省に二十四、五年おって四十八か四十九で首をぽんぽん切っちゃうから、こういう悪い結果を招くので、外務省だとか、法務省のように、もっと年がいくまで使えば、こういう弊害は起こらないわけなんです。こういうことを考えたことがありますか。二人にお聞きしたい。
  191. 松平勇雄

    国務大臣松平勇雄君) ただいまの光村先生の御指摘の問題に対しましては、政府といたしましては全く同感でございまして、最近は御承知のとおり、年齢が男も女も延びたわけでございまして、五十歳前後で役所をやめるということは、いかにも、もったいない人事の使い方だと私は思っておりまして、はたしてどの程度までの年齢にしたらいいか、あるいはまた、この年齢の問題ばかりでなくて、職階制の問題とか、あるいは恩給の問題、そういった点も考えて、そして定年制というものを国家公務員あるいはまた地方公務員にもしいたほうがいいということで、ただいま検討中でございます。全く私も光村委員と同感でございますので、その問題に関しまして政府といたしましても、極力早い機会に結論を出すように努力いたしたいと思っております。
  192. 木村俊夫

    政府委員木村俊夫君) 本日は、特に公社公団にウエートを置いていろいろと御質疑を賜わりました。これは公社公団のみならず、やはり行政機構――公務員制度の改善を含めて一般的な行政機構の改善という視野から検討したいと思いますので、しばらく時をかしていただきたいと思います。
  193. 光村甚助

    ○光村甚助君 財界のお歴々には八十幾つという人がおりますね。そういう人が働いているのに、五十や五十前で首切ってしまう、これは天下った人が悪いことはないのです。そういう機構が悪いので、ほんとうに政府はもっと真剣に考えなくちゃ、人物の点からも不経済だと思うのです。一つ例を引きますと、私は郵政出身ですが、郵政省で貯金局長を一日やらして四十八で首切った。これは小学校に行っている子がおれば、どこかへ世話しなければしようがないじゃないですか、どこかで働かなくちゃ。そういうやり方が悪いのですよ。ですから、行管長官も官房副長官も真剣にそういうのを考えなくちゃいけない。ただ、各省の局長や次官をやって自民党から立候補して代議士や参議院に出る人は別だ。ほんとうにそういう点から考えなくちゃ、天下りだけを責めたって、これは解決つきませんからね。そういう点もよく考えていただきたいと思う。要望しておきます。
  194. 沢田一精

    ○沢田一精君 先般の委員会、きょうの委員会で、いろいろ加瀬委員を中心に意見が開陳されたわけですが、これは政府側もその趣旨はおわかりになったと思うのです。また、公社公団整理統合については相当な決意をもって善処をしたいという御答弁も先ほど来あったようですが、この公社公団整理統合、あるいは先般来、話が出ております天下り人事の問題、あるいは公社公団役員の勤務評定、これは再任の問題とも自然からんでくると思いますが、そういう点、意見が出されました点については、公社公団の本来の使命を達成させるという意味から、さらに所管省において監督を厳重にされまして、指摘されたような問題が今後改善されていきますように御努力願いたいと思うわけなんですが、先ほど来、加瀬委員からいろいろと資料も重ねて要求があったようでございますが、来年の三月なら三月、あるいはことしの年末なら年末、適当な時期を区切りまして、結果報告と申しますか、こういうふうに改善をされたのだということを具体的に御説明をいただくようなことで、あらかじめ進んでいただきたいと思うわけなんですが、そういうお考えがございますか。
  195. 木村俊夫

    政府委員木村俊夫君) たいへん有益ないろいろなお話を承りまして、先ほど申し上げましたとおり、政府といたしましては、一般的な行政改善という面からあらゆる点を捕捉いたしまして、いま仰せになりましたような時点で、できるだけの改善をいたしたい。ただ、御了承願いたいのは、役員の任免等はやはり任期がございますから、そういう点も関連いたしまして、できるだけすみやかに御趣旨のように取りはからっていきたいと思います。
  196. 鍋島直紹

    委員長鍋島直紹君) ほかにございませんか。――他に御発言もなければ、本日はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時十二分散会