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政府委員(堀
武夫君) コンテナ輸送というのは一社単独ではできないものかどうかというまず第一の御
質問でございますが、これはマトソンとかシーランドとかいう
会社は現に独立して一社だけでやっておるという実例がございますので、これは不可能なことではないと思います。しかし、この二社というのは、非常に長い
準備、国内の沿岸輸送から始まっておりまして、非常に多年の経験と業績とを積み上げて今日になっておるわけでございます。日本の船
会社のごとく早急に追いついていかなければならないというような場合には、一社でもってやるということは非常にむずかしい。なぜかと申しますと、コンテナ輸送をやるにはどうしても大きな
投資が必要なわけでございまして、特に埠頭の専用使用というような
関係から月一航海とか二航海というようなことでは採算に乗らないのでございまして、少なくとも週一回のウイークリー・サービスということでやらないと採算に乗らない。そういう
意味から一挙に、北米太平洋岸でいま
考えておりますのは、四隻一組にしましてこれでウイークリー・サービスをやるという
考えでございます。四隻の船を一社でできないことはございませんけれ
ども、いろいろな
準備の
関係もありまして、これは何社かでもって力を合わせてやるということが妥当なのではないかということで行なわれておるわけでございます。
それで、アメリカ以外の欧州諸国のやり方を見ますと、何社かが組んでやっておるというのが最近の通例になっております。そのような各国の実例にもかんがみまして、わが国においてもグループを形成してスタートしたほうがいいのではないかということになったわけでございます。この
考え方自体は、さような実例に徴して海運造船
合理化審議会がそのような
答弁をいたしておりまして、グループ化をやるべし、その答申の線に沿いまして、いま進行をしておるわけでございます。そのグループ化はどのように行なわれているかと申しますと、第一のグループは、郵船がマトソンと提携をすることを前提にして、
昭和海運とグループを組むということでございます。それが第一のグループでございます。第二のグループは、
大阪商船、三井船舶と山下新日本汽船。第三のグループは、川崎気船とジャパンライン、この三つになるわけでございます。北米太平洋岸にさしあたってスタートするにつきましては、いろいろの埠頭の使用
関係、そういうことから
考えまして、いま申しましたあとの二つのグループは当分の間一緒になってやるということで進んでおります。これをわれわれは通常四社グループといっております。この二つの——結局三つでありますけれ
ども、当分の間は二つのグループということでございますが、この二つのグループの進み方を申し上げますと、第一に、四社グループのほうを先に申し上げますと、四社グループは、まずコンテナ船に関しましてはどのように提携するかと申しますと、コンテナ船は各社ごとに一ぱいずつ持つ、そうしてその船は各社の責任において運航する。その船の容積でございますが、コンテナの積載量は甲板上の二段積みを含めまして七百個積みの船をつくる、そうしてコンテナ船は二十二ノットの高速船でございます。それでこのコンテナの荷役は本船そのものにはクレーンを持たない、陸上のクレーンを使う、そういうフル・コンテナ船をつくるということで進んでおります。それからコンテナそれ自体の共同使用に関しましては、各社別に保有はいたしますけれ
ども、相互融通をする、そうして荷物の積み込みは無差別に積み込む、どんどん埠頭に到着した荷物から積む、こういうことでございます。
それからターミナルにつきましては、国内のターミナルは阪神、京浜地区におのおの一カ所共同で確保する。それで、この京浜地区につきましては東京を使うか、あるいは横浜を使うか、これはまだ最終的には決定いたしておりません。これは将来は東京側につきましては大井埠頭、それから横浜埠頭につきましては本牧埠頭、これは外国航路埠頭になっておりますので、これはおそらく両方とも使うことになろうと思いますが、さしあたってはどっちか、品川なら品川に臨時にいまある埠頭を、来年からスタートするとしますと、使わざるを得ないことになるわけでございます。それらの点はまだ最終的にきまっておりません。
それからアメリカサイドのターミナルでございますが、これはサンフランシスコ地区とロサンゼルス地区と二カ所に寄港する、したがって、二カ所のターミナルが要るわけでございます。ロサンゼルスにつきましては、これは場所は大体きまっておりますが、サンフランシスコ地区につきましては、まだサンフランシスコの湾の対岸と手前のほうと二つ候補地がございまして、そのいずれにするかということでいま検討中ということでございます。その他集荷とか運賃プールということに関して具体的にどのような提携をするかということにつきましては、いま検討中ということでございます。
それから、もう
一つの郵船、
昭和海運グループでございますが、これはコンテナ船につきましては日本郵船と
昭和海運が一隻ずつ二隻つくる。それからあとの二隻はマトソンが新造船をつくる。しかし、とりあえずことしの秋からマトソンは改造船のコンテナ船をつくりまして、そしてことしの秋から運航するということになっております。それでこのグループのコンテナ船の積載貨物数量は、甲板積みを含めまして七百五十個積みということで
考えております。荷役は当然陸上クレーンで行ないますので、船上のクレーンはつけないということになっております。マトソンはさしあたって、いま申し上げましたように、改造船を二隻ことしの秋から入れてきますが、来年の秋からは新造船に切りかえまして、この改造船をほかへ回すということになっております。
それから、コンテナの共同使用
関係につきましては、大体先ほど申しました四社グループと同じようなことになると思われますが、まだ、こまかいことは最終的にはきまっていないのでございます。
それから、ターミナルにつきましては、このグループはさしあたり東京の品川埠頭と、それから神戸の摩耶埠頭を使用するということに現在きまっております。米国側の敷地は、サンフランシスコ地区につきましてはオークランド、それからロサンゼルス地区につきましては現在マトソンが使っておりますところのマトソンターミナルというものを使うということにいたしております。
それでこのターミナルの
運営につきましては、この日本側のターミナル
会社につきましては、郵船と三菱倉庫との共同出資によりまして、日本コンテナターミナル
会社というのがすでに
会社はできております。
それから、国内輸送にあたるところの日本コンテナ輸送
会社というのが、郵船と日通との共同出資によって、これも
会社はできております。このように
準備を、この二つのグループについては具体的に、現在のところここまで進んでおるというような
状況でございます。