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1967-07-18 第55回国会 参議院 運輸委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年七月十八日(火曜日)    午前十一時二十分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         天坊 裕彦君     理 事                 岡本  悟君                 谷口 慶吉君                 岡  三郎君                 小酒井義男君     委 員                 江藤  智君                 金丸 冨夫君                 木村 睦男君                 前田佳都男君                 大倉 精一君                 木村美智男君                 中村 順造君                 吉田忠三郎君                 田代富士男君    国務大臣        運 輸 大 臣  大橋 武夫君    政府委員        運輸政務次官   金丸  信君        運輸大臣官房長  町田  直君        運輸省海運局長  堀  武夫君        運輸省港湾局長  佐藤  肇君        運輸省自動車局        長        原山 亮三君        運輸省航空局長  澤  雄次君    事務局側        常任委員会専門        員        吉田善次郎君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○運輸事情等に関する調査  (航空に関する件)  (自動車行政に関する件) ○外貿埠頭公団法案内閣提出衆議院送付)     —————————————
  2. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  参考人出席要求に関する件についておはかりいたします。  外貿埠頭公団法案審査のため、参考人出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 御異議ないと認めます。  なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  5. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 運輸事情等に関する調査を議題といたします。  航空に関する件について調査を行ないます。  質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  6. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 私はかねてから継続的に予算委員会から本委員会に至るかなりの期間、航空関係の問題について質疑をいたしてきたわけであります。その過程でただいままでにこの委員会に出されました資料の面を見ても、当初、予算委員会運輸大臣が私に答えたような内容のものになっていないような気がするのです。そこでこまかなことを、資料が出ていますから私はあえてこの段階では申し上げませんけれども、やはり特殊法人であるという日本航空の性格から、私はやはりこの際は航空法のたてまえ、さらには会計検査院法の二十二条ないしは二十三条を照らしてみても、やはり問題があるような気がする。そこで、会期も余すところあまりありませんから、運輸大臣から所信をこの際お聞かせを願いたい、こう思うわけであります。
  7. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 日本航空関連会社に対しまして出資するにつきましては、日本航空株式会社が本来行なうべき業務を便宜上別会社に行なわせる場合、あるいは日本航空業務遂行上密接な関連を持っている会社に出資する場合等に限られるべきでございまして、しかもその出資によって日本航空業務合理化、効率化される場合にのみ認められるべきものと考える次第であります。先般予算委員会におきまして吉田委員から御指摘を受けました。その際答弁いたしましたが、その後日本航空投資状況について詳細な調査を行ないましたところ、その結果は資料として提出してあるとおりでございまして、これを点検いたしまするに、日本航空会社が他会社を合併したことによって持ち株を引き継いだものはございます。また日本航空投資をした後に会社間の事情が変化いたしたものもございます。これらの理由からいたしましてその持ち株の一部につきましては、さきに申し述べた趣旨から見て、必ずしも適当ではないものが出てきておるように思われるのでございます。したがって、先の答弁はやや不十分の点があったと考えますが、運輸省といたしましては早急に関係官庁と協議をいたし、前述の趣旨に従って日本航空関連会社に対する投資基準というものを作成し、今後の投資に際しては、この基準に照らして厳重な審査の上、基準に合致するものに限って認めることにいたしたいと思います。また既往の投資につきましても、この新しい基準に照らして再検討を加え、不要のものについては今後整理をさせる等、日航に対して強力に指導してまいる所存でございます。
  8. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 大臣から、その後かなり詳細に調査をいたしまして、しかもその調査の結果に基づいていろいろな、最後には強力に指導する所存であるという意思の表明がございました。私はこの誠意ある御答弁に基づきまして、大臣の御答弁はそれでけっこうだと思いますが、航空局長に伺っておきますが、大臣からいま答えられたように、当初予算委員会で私が指摘した当時から見ますると具体的に三つ、今度の南西航空ですか、これを入れまして四社になったわけですね、関連企業。これをいまの大臣答弁を踏まえて具体的に行政指導する場合に、ここにいま出されている資料がございます株の配当一覧表などを見ましても、十六億になんなんとする投資をしておきながら、芳しくない。配当を受けておりますものはわずかに三千万程度、これでは非常にむだでございますから、具体的にどのようなものを、いま答えられた大臣趣旨を生かしていくつもりか、この点をお聞かせ願いたいと思う。
  9. 澤雄次

    政府委員澤雄次君) 具体的には、さきに五月二十二日に配付申し上げました資料の十八番の東洋端子、十九番の東洋サーモコントロール、二十六番の東京モノレール、二十八番の日本館、二十九番のパリ日本館、三十番の東京グリル、三十一番の日本長期信用銀行、三十二番の新日本証券、三十三番の日本技術協力、これらのものを全部整理さしてまいりたいと思っております。
  10. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 いま局長がそれぞれのナンバーを申されまして言われましたが、これは全部じゃないと思う、一部だと思います。たとえば日本航空機製造株式会社というのがございますね、二十四番。これなどについても本来大臣が答えられたように、日本航空の直接、間接的に関係のあるものだとは言えないと思うのですね、YS11を日本航空が使用する例がないわけですね、現在。こういうものについてもこの際私はせっかく——お答えは必要ではございません、ございませんけれども、こういう契機に、やはり監督官庁として姿勢をただすべきだと私は思うわけです。ですから私は一つの例としてあげましたが、この三十四社につきましては、いま大臣が答えられたように、あなたがいま具体的に申されたような角度で、十分これから強力に指導してもらいたいと思う。  さてその中で最後でありますが、日本航空法という法律がございます。この法律でそれぞれの年度の計画を提示をして、大臣から承認を求める、こういうことになっておりますけれども、運用のしかたでは非常に、今日すでに私に指摘されたような内容になってきておりますから、非常にこれは妙なことになると思うのです。特に最近公社公団の問題が、非常に天下り人事も含めて、社会、国民世論の批判の的になっておりますね。しかも日本航空特殊法人でありますから、当然その例にならわなくちゃならぬと思うのですね。したがって、せっかくここまでまいりまして、大臣の誠意ある御答弁がありましたので、ただ単に日航法のみによった計画を承認するというようなやり方ではなくして、大臣もいま触れましたが、何らかの基準ということで、ここで、大臣大臣ですからそういう答弁ができないと思うが、具体的に航空局長として大臣のこの答弁を踏まえて、ある程度この委員会お答えのでき得るものであれば、これこれのものさしでこれから最後大臣の言っているような強力な指導をする、こういうことにならなければ、私は国会答弁にならぬと思うのですよ。それで、この点どういうものさしを、基準をあなた方は考えておられるのか、お聞かせを願いたいと思います。
  11. 澤雄次

    政府委員澤雄次君) 大臣の御指示によりまして投資基準の案をつくって、いま関係者打ち合わせをいたしておりますが、航空局といたしましては次のような基準考えております。一が、日本航空が本来行なうべき業務、たとえば貨物搭載業務でありますとか、車両の整備業務等を行なう業務であって別会社に行なわせたほうが経費を節約できると認められるもの、第二が、日本航空業務遂行上必要な関連事業、たとえばホテルであるとか、航空券の販売、貨物保管取扱い等であって当該事業に出資することによって日航業務が著しく合理化、効率化すると認められるもの、第三が日航路線と接続する路線を多数有する航空事業接続運輸協定のあるもの、第四は、その他日航業務運営上特に必要な事業であって運輸大臣がぜひ必要であると認めたもの、このような基準目下関係者打ち合わせをいたしております。
  12. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 当然これは関係者というのは大蔵省でありましょうから、ここでいま澤局長が答えたものが直ちにということにならないだろうし、その関係はそこは他省との関係がございますから、あえてこれ以上申し上げませんが、とにかく一応そういうものの考え方でいくということは了承するにしても、そこで、この関係かなりの長時間、私は継続的に質問をいたしてきたわけであります。きょうはもうあと自動車事情の問題であるとか、あるいは本題であります外貿埠頭の問題がありますから、私はこれで終わりますが、最後にそれだけの基準をつくりまして強力な指導をする、こういうことにこれからなろうと思うが、したがって、その指導の中にはやはりそれぞれの会計検査というか、監査といいますか、こういうことをやはり指導一つとして念頭に置かなければならぬと私は思うのです。この間われわれのところに提示されたこの資料でも、まことにこれは抽象的で、あいまいであります。株券を過半数持っておる特殊の会社については、何か甲種とかその他のものは乙種なんていう、かつての軍隊の乙種甲種みたいに、こうなっておりますね。決算いたしている内容が書かれております。監査を行なう方法報告が書かれておりますが、抽象的でありますね。ですから、これなどについても私は、答える必要はありませんから、せっかく大臣が、最終的にいままで各般にわたって調査した結果、先ほどかなり思い切った答弁をしておりますから、この答弁を踏まえた、十分こういう業務内容についてもチェックしていくように特段の私は努力をしていただきたいことを申し添えまして、この件についての質問を終わりたいと思います。  それからもう一つ千歳飛行場の問題が、最近とみに国際空港の問題等々が話題になってきております。これは冬季オリンピックの開催が札幌市に決定をしたものですから、これに関連をしてそういう世論といいますか、いろいろな意見が出てきたということになろうと思いますが、私はせっかくですから一つ大臣に伺っておきますが、いろいろいま航空安全の問題を含めて羽田あるいはいま問題になっております成田はもとよりでありますけれどもローカル空港整備問題が例の五カ年計画等に種々盛られて施策として行なわれつつありますね。そこで、北海道空港千歳中心にしてたしか私の記憶では十一くらいに今日なっていると思いますが、国際空港の問題もさることながら、やはり航空安全のたてまえから考えてみますると、第一義的に千歳を私は中心整備拡充をいたして、それからその次にローカルのセンターになります丘珠の飛行場、これをやはりこの航空安全のたてまえから整備拡充をする、そうしてそれを中心とした道内のローカル空港は函館あるいは帯広それに釧路、旭川旭川は別として帯広ですね、こういうやや段階的に限って重点施策として私は行なわなければならぬのじゃないか、こう思いますので、運輸大臣考え方をこの際聞かしていただきたいと思うのです。
  13. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 北海道飛行場につきましては、最近、来たるべきオリンピックに対する対策の一つといたしましても、北海道としては重要問題になっておることを承知いたしております。先般も北海道の出身の方々からそうした事情についてお話を伺いましたが、特に千歳国際空港に持っていくという考え方のもとにおいて、現在の千歳滑走路整備することを希望しておられました。運輸省といたしましても、かねてから千歳飛行場重要性にかんがみまして、現在自衛隊の飛行場民間がかりに用いておるというような姿では適当でないと考えておったのでございますが、幸いに五カ年計画によって全国の飛行場整備することに相なりましたので、ぜひこのうちの大きなテーマといたしまして、千歳飛行場改善というものを取り上げる考えでおるわけなのでございます。  運輸省考え方はもちろんまだ最終的に固まってはおりませんが、大体現在の考え方の傾向を中間的に申し上げさしていただきまするというと、できるだけ千歳飛行場については民間航空滑走路は現在の滑走路と分離して新設することが適当ではなかろうか、というふうな考え方でおるわけでございます。もちろんそれがためには新たな用地獲得等を必要といたすのでございますが、幸いに千歳飛行場の近傍にはなお手に入れる用地があるようなことも聞いておりますので、その辺を十分調査いたしまして、結論はもとより慎重に出したいと思っております。しかし、何といたしましても、千百五十億の五カ年計画内容は、大体今年の八月ごろにはある程度まで固めなければならないと思っておりますから、当局といたしましても、特にそれまでにもう少し千歳飛行場構想を具体化したい。つきましては、国会終了後、できれば今月中にも私と航空局長北海道まで参りまして、実地の情勢を十分に視察した上で結論を出したいと思っておるような次第でございます。その他の飛行場につきましても、まず千歳構想を固めた上で逐次整備をいたしてまいるつもりでございます。
  14. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 いま、やや前向きのいわゆるせっかくの御答弁がございましたが、原則的には私は了承しておきたいと思います。  ただいま大臣の答えられた中に、国会終了後、大臣みずから現地を視察するような御発言もございまして、これはまたたいへんけっこうだと思いますが、ただ大臣、いまの五カ年計画資金計画からしてまいりますれば、軍民を分離して建設をした新たな飛行場をつくることが最も望ましいけれども、いろいろ調査をしたり聞いたりしているところでは、分離をいたしますと資金が五百億くらい必要とするともいわれておりますね。そうするといまの資金計画ではとうていできない困難な面があるのではないでしょうか。したがって、当面私はオリンピックというものを、考えながら、現状のままでいまAとBと滑走路がございますが、これをターミナルビル中心にしてC滑走路建設していくようにすれば、とりあえずは間に合っていくのではないかというような気もするのですが、現地に参りました場合に十分調査をされまして、現状、特にオリンピックという時期に間に合うように、やはり建設を促進するようにしてまいらなければならないのじゃないか、こう私は思いますので、老婆心ながら、私は向こうの人間ですから大臣よりも十分承知しておるつもりでありますから、そこのところをひとつ十分検討していただきたいことを申し添えまして、何かありますれば航空局長でいいですが答えていただきたい、なければいいです。
  15. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 吉田委員のお考え十分参考にいたしたいと思います。要は、せっかくつくる飛行場でございまするので、地元の皆様の御要望のとおり、オリンピックまでに必ず完成さしていく、こういう考えのもとに今後の構想を練ってまいりたいと思います。     —————————————
  16. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 次に、自動車行政に関する件について調査を行ないます。  まず運輸大臣から発言を求められておりますのでこれを許します。大橋運輸大臣
  17. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 冷房料金実施当初に意外に混乱を起こし、物議の的となるに至りましたことは、まことに遺憾に存ずる次第でございます。当局といたしましてはこれを収拾いたしまするため、陸運局長から業者に対してトラブル発生を防止するよう極力努力させてまいったのでございますが、最近におきましては、現地事態はやや改善に向かいつつあるやに聞いているのであります。しかし、問題をいつまでも未解決のまま置くことはなりませんので、陸運局長に対しましてすみやかに状況報告するよう督促いたしまして、近日結論を得るはずでございますから、重ねて暫時の御猶予をお願いいたしたいと存じます。
  18. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) ただいまの運輸大臣の御発言に対し、御質疑のおありの方は、順次御発言願います。
  19. 大倉精一

    大倉精一君 いまの御発言は、この前の委員会には、十八日にはきまりをつけるような回答をします、こういうことでありましたので、私どもをはじめ大阪市民の諸君もきょうを待っておったと思うのです。いまの御発言ではもう少し待ってくれというお話でございます。さらにまた異常な混乱ということばもありました。しかし、これは私はきょうまでに結論を出せないはずはないと思うのですね。私もずっと各新聞を集めまして、何とかクーラー料金に対する好意的な世論はないかと思って探しましたが、一つもない。しかもいま近畿管区行政監察局が昨日も具体的な調査を開始をした、こういうことも新聞に書いてありまして、これも私、非常に関心を持っております。そこで、いま意外だというお話がありましたが、それを私が聞いたところによりますと、昭和四十年に福岡でもって同じような問題があって、行政監察局監察があって取りやめになったということを聞きました。この際ひとつそのときの状況、どういう状況であったかということを、参考のためにお聞きしたいと思います。
  20. 原山亮三

    政府委員原山亮三君) 福岡クーラーの問題につきましては、四十年の五月に冷房料金設定認可申請がございまして、陸運局のほうで適正な運営方法及びPRの実施について文書で確認いたしまして、その上で認可をいたしたのでございますが、その後料金の不当な事例が非常に多くございましたので、陸運局陸運事務所が再三その点について改善指導をしたのにもかかわらず、適正な運営が行なわれなかったというふうなことがございまして、その間、九州の管区行政監察局でもこの問題について調査をいたしました。それで陸運局のほうにこういう個々のトラブル解消についての改善措置の勧告がございまして、業者のほうでは九月までずっと実施したようでございますけれども、九月の十五日までの認可でございましたが、九月の初旬にそれを廃止したというふうな結果になった次第でございます。
  21. 大倉精一

    大倉精一君 そういう事例があったのでしょう。そういう事例があったことを運輸大臣承知であるかどうか、そういう事例を御承知であれば、いまの御報告のように、意外な混乱ということばはないはずなんです。ですから、私はいま運輸大臣の御発言のように、意外な混乱が起こったからしばらく待ってくれ、こういうことですが、福岡に同じ事例がありますけれども、ですからその事例を一体どういうふうに大臣、お考えになりますか。
  22. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 今回の認可に際しましては、陸運局長から厳重にトラブル発生を避けるために万全の措置を尽した上で実施したい、こういう厳重な条件をつけてあるわけでございまするし、また福岡の場合と違いまして、メートルがきちっといたしておりますので、不当の料金要求のおそれも大体なかろう、こういうふうに判断をいたしておったわけでございます。それが実施に際しましては、メートル準備不足等のために無用の混乱を起こしました。この点は私どもといたしましては結果的に多少意外に感じたところでございます。
  23. 大倉精一

    大倉精一君 まあ十分の準備をしてからというお話でありますけれども、これ、十分な準備をしょうがないじゃありませんか。それは大阪公聴会を開くなり市民の声も聞かなければならぬと思いますけれども、そういうことをやってもなおかつ私は十分な準備はできないと思う。特に福岡ではこういう事例があったのですから、大阪においてその轍を踏まないように当然これは運輸行政として考えられていくことはこれは常識ですよ。常識なんです。同じことをまたやってきた。しかも行政管理庁は、きょうの朝日によりますというと、近畿行政監察局の指摘しておる問題点として、「クーラーを備えつけただけで、二割の割増し料金をとることがいかに不当かは、四十年、実施してすぐやめた福岡の場合の実態調査ではっきりしているはず。」、こうなっております。こう監察局監察している。それで監察局福岡と同じようにこれはやめなさい、あるいは改善しなさい、そういうことを言われてからもたもたと改善したりなんかするというのはこれは醜態で、笑いものです。ですから、そういうことは明らかに予想されますから、この際運輸行政としてみずからそういう措置をとる、こういう踏み切らなければ、今後待ったって結局同じでしょう。いまそれとも、大臣の言われるように、行政監察局監察を始めたから、その結論を待ってやるからそれまで待ってくれと、こういう意味なんですか。
  24. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 私の申し上げましたのは、行政監察局の行動とは無関係でございまして、先ほど申し上げましたとおり、かような問題を不安定な現状のまま長く放置すべきではない、早急に結論を出したい、こういうことでただいま陸運局長に最終的な調査を督促いたしております。間もなく結論が出るものと思います。
  25. 大倉精一

    大倉精一君 どうも、われわれがさようでございますかという答弁がないですね。われわれも困りますよ。これでは引っ込むわけにいかぬ。どうしますか。これで一たん認可したものは取り消すことはむずかしいだろうと思うが、この前、木村君かだれか言ったように、取り消すか、続けるか、この二つよりないじゃないか、その他の方法があるかという発言もありましたが、私はやはりこの際もし認可を取り消すことができなければ、それではこうするのだ、こういうことがなければ、われわれいままで何をしゃべっておったのかさっぱり意味がないことになるのですね。きょうはこれ以上出ませんか。
  26. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 仰せのとおり、認可の取り消しということは、法律の定めた条件が整わなければできぬと思います。しかし、絶対にできぬというものではございません。法律の定めております場合には当然できるわけでございます。そうした事態であるかどうか、これはよほど慎重に判断を要する点でございまして、したがいまして、いま最終的な十分な調査陸運局長に命じてございますので、近々にその結果がもたらされますから、そこで結論を出したい、こういうわけでございます。
  27. 大倉精一

    大倉精一君 その調査を命じてあるという調査内容はどんなことを調査を命じておりますか。何を調査するのですか。
  28. 原山亮三

    政府委員原山亮三君) 陸運局長には、実施後のトラブル状況、あるいはわれわれのほうから指導いたしましたトラブル解消の具体的な方策、そういうものにつきまして具体的に陸運局長のほうに報告せよというふうになっておりますので、そういうふうな状況、並びに陸運局長現地の具体的な冷房料金扱い等についての監査をやっておりますので、そういう面での陸運局監査の結果の判断というふうなものについての陸運局長報告をとるように指導しておる次第であります。
  29. 大倉精一

    大倉精一君 それでは、そのトラブル解消方法について指示をしておると、こうおっしゃったんだが、トラブル解消方法というのはどんなあれですか。
  30. 原山亮三

    政府委員原山亮三君) 実施直後非常な混乱があるということで、陸運局長のほうから業界のほうに認可条件に、トラブルを起こさないようにというふうなことも入っておりますので、そういう点の条件の履行について不十分ではないかというふうなことで業界のほうに強くその点を指摘したわけであります。それを受けまして業界のほうからそういうトラブル解消方法について回答がまいりました。その回答が、七地区につきまして二百五十名の指導員を配置して、そうしてそういう面の解消について努力しているというふうなことでございましたけれども、そういうことだけでなく、具体的にどういうことをやるのかというようなことについて、陸運局のほうでもっとこまかく業界のほうから報告をほしいというようなことになっておる次第であります。
  31. 大倉精一

    大倉精一君 これは平行線ですからあまり長くやりませんけれども、あなた方の答弁というのはまるで答弁になっておらぬようですね。状況を調べるとか調べぬとか言っておりますけれども、いつまで調べるのですか。いま私が申しましたように、あらゆる新聞の批評を集めて、好意的な世論があるかと思って一生懸命さがしたんだが、ない。調べるよりもあなた大阪へ行ってこれを見てきたら一番いい。それをやらずに向こうから呼んで、遠いところからやっておったんじゃいけません。調べる段階はもう過ぎているでしょう。結論を出す段階、それまで調べて報告を受けている、こういうところにやはり煮え切らない疑惑を一般に持たれるのですね。ですから率直に、認可を取り消すわけにいかないが、こういうこともしたい、ああいうこともしたいという誠意を示すような御答弁ならいいのだけれども、どうもそうでない。私は、関連質問もあるようですからあとから質問しますけれども、きょうの大臣の御答弁では第一、約束が違います。そうして積極的に解決をしようという意欲が見えない。そういうところでどうも私は了解できないのですけれども関連質問があるようですから関連質問をしていただいて、そうしてさらにまたものを言わせていただきたい。
  32. 木村美智男

    木村美智男君 この間、事ここまできた以上は、とにかく、運輸行政だって神さまがやっているわけじゃないから十のうちの一つくらい間違いだってあるわけです。だから率直に、これは運輸行政としてとにかく慎重さを欠いた、率直に言えば。やはりこの取り扱いについては判断を間違えたくらいのことは、私は当然委員会で表明をされるべきものと考える。ところが大臣答弁を聞いてみますと、現地トラブルが起こったから何だとか、トラブルが悪いようなことを言っている。トラブルは結果として起こったんであって、もとの運輸省のとった措置自体に慎重さを欠いていたというところに実はこの根っこがあるんですよ。だから大臣は、現地事情はたいへん好転しているというようなことを言っているけれども、きのう私が現地のものから事情を聞いた限りでは、これはますます世論は非常に悪く、それから実際に冷房の問題が起こってから現地の水揚げもさっぱりこれは低下してきている、業者も損をしている、運転手はしたがって歩合給が相当高いから賃金にも影響してきている。運転手にも悪ければ業者にも悪い、世の中にも悪い、これを一体どうするかというときに、トラブルが起こっているからこのトラブルを静めるためにこれから現地局長を呼んでその事情を聞くのだ——この間、現地局長が来ようとしたら運輸省当局がとめたじゃないですか、来なくてもいいといって。それもわかっている。それをいまになって現地局長を呼んで事情を聞いて、それから皆さん方にとるべき措置お答えをしますからしばらく待ってほしい。これは五日間の猶予を与えた委員会に対する答えとしては、きわめて誠意がなさ過ぎますよ。だから私は、前々回のときも、多少抽象的な言い方でもって、最近どうも陸運局陸運行政の中に、悪いけれども黒い霧らしきものがあるから、これは十分姿勢を正さぬといけませんよと言ったときに、大臣も、それはそのとおりだということで答えられたわけです。しかし、たまたま大阪のこの冷房の問題が発生しておる段階で、大臣承知だと思うが、新潟でもすでに出ているじゃないですか、指摘をしたとおりになっている。こういう事態だから、運輸行政の姿勢を正さなきゃならぬ、陸運行政の姿勢を正さなきゃならぬという意味を含めて、これは単に冷房の料金がどうのこうのという問題と、もう一つ運輸行政として、やっぱり対外的に態度を明らかにすべき問題だと思うから、やめるならやめる。間違ったけれども、もう一たん認可しちゃったんだからしようがない、ひとつその事情事情として、これは了解できなくても一応認めてくれと、どっちかにしなさいということを言ったにかかわらず、いまだに決断をしない、こういうことであなた運輸行政がつとまりますか。これはとにかく大臣のきょうの答えでは委員会の一員として了解するわけにいかないので、これは現地から局長が来るなら、来た結果に基づいて、早急に態度をきめてもらわなきゃならぬけれども、とにかく現地事情大臣が言っているように、だれからそういう報告を聞いているかわからぬけれども、好転しているなんというものじゃないですよ。ですからこの際に、やっぱり英断をもって大臣が、やめるか、やめることがこれは無理だというならいいですよ、これはやっぱりその十に一つくらいの判断のあやまちだってあるのですから、それを率直に言う——今回のはたいへんこれは慎重さを欠いて、その結果こういうことになったということを率直に言う。委員会にやっぱりそういうものの言い方をすべきだと私は思う。そうすればこれはしようがないということになるのですよ。それをトラブルがどうだの、こうだのと言って、自分がやったことは正しかったのだが、結果として起こったことが悪いから遺憾である。こう言うのでは、それじゃ了解できません。大臣、ひとつそういうことについて、もう一度大臣の心境というか、ひとつ聞かしていただけば、そうすればこれはもう同じことをなんぼ繰り返したって時間がたつだけだから、きょうはこれ以上申し上げません。申し上げませんけれども、しかし、事態はやっぱりここまで紛糾をしてきている問題でもあるし、どこからいったって筋の通らない問題です。だからあまり言いわけや弁解がましいことを言わぬで、これは率直に頭を下げてしまうか、そうでなければもう実際問題としてしかたがないのだから、一応とった措置ですから、あなたのとった措置について……。天候のかわり目が、早いこと寒さが来たら来たような措置をとればいいし、いろいろあるだろうと思う。そういうとにかくやり方をやるとしても、気持ちとして、態度として、私はいま申し上げたような末梢的な現象的なことについて申しわけないだの、遺憾だのということでは、この問題はこれは了解するわけにはいかない。大臣の気持ちを聞かしていただきたい。
  33. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) まことに御理解あるごもっともなおことばをちょうだいいたしまして感謝にたえない次第でございます。  このたび私どものとった措置に基づきまして、トラブルが起きたということは事実でございますが、このトラブルの起きるについては、当然認可内容それ自体が不適当であるために、こういうことが起こったのであります。これもそのとおりだと存じます。そうしてこのトラブルが起こることを私どもとしてはまことにお恥ずかしい次第でございますが、予想していなかったことでございまして、この予想しなかったという点が、まことにいまから考えますと、少し——少しどころか、結果的には非常に至らない点であった、この点は率直に認めざるを得ないところでございます。  そこで、認可のあとをどう処置するかという問題でございますが、先ほどもちょっと触れましたとおり、認可をいたしたのでございますから、この認可の結果をどうするかということにつきましては、やはり法律の規定に従って行動せざるを得ないのでございまして、ただ、しまったと言って、それではすぐやめるというふうに、気ままな行動は、行政権としても許されていないと思います。  そこで、いかにトラブルを避け、かつまた大衆の世論にもこたえていくか、そうしてまた法律の命ずるところに従って措置していくか、この点につきましては、非常に苦慮いたしている次第でございまして、そこでさしあたり実情を精査の上、今度こそは間違いない結論を出したい。こういう意味で重ねてしばらくの御猶予をお願い申し上げたいと存じます。これがただいまの一番偽らざる気持ちでございます。
  34. 大倉精一

    大倉精一君 これ以上言っておっても同じことでありますけれども結論的に私はどうも了解できない。この前の十三日の委員会では、十八日までには解決するように最善の努力をして報告しましょう。こういう約束であったのです。しかもそれではイエスかノーかという報告になるが、存続ということになればこれは大いに議論になります。こう言ってあの日は終わったのですが、このままでいきますと、何か私はどうも十三日に適当に言いくるめられて、だまされたような気になってしかたがない。それで私は、この際大臣に注意を喚起して、そうして委員長には、委員長、理事でどうするか一ぺん相談してもらわなければならない。これは委員長も、十三日に、十八日には決着をつけると、こう言って、あなたもそれでは本日はこれでもって散会いたしますと言って終わったのですが、決着はついていない。それで世論調査と言っておりますが、念のために申し上げますと、きょうの朝日新聞に、近畿行政監察局実態調査をさせている行政管理庁事務当局では、軽率な行政であったと、それから早急に結論を出すということを言っている。  それから行政管理庁は、当面、次の問題点を指摘している。  クーラーを備えつけただけで、二割の割り増し料金をとることがいかに不当かは、四十年実施してすぐやめた福岡の場合の実態調査ではっきりしているはずだ。一台当たり原価は七、八万円のクーラーに見合う割り増し料金だというのなら、利用者へのはね返りも、もっと少ないはずだ。こういうように言っている。しかも、大阪の場合、福岡のように、選択制ではなく、冷房車に乗ると一律に、二割増しの料金をとられることになっている。幾ら大阪に特殊事情があるといっても、強制的な冷房車一律料金制を特定の地域にだけ限って認めるのは、国の行政としても筋違いだ。運転手の労働条件改善や、交通安全対策も、認可のおもな理由になっておるが、それなら基本料金の改定問題として扱わなければならない。と、すでにもう結論を出している。こういうぐあいに。しかも稻木行管庁監察局長さんは、まことに驚いた認可行政だと言わざるを得ない。早急に結論を出したいと、こう言っている。出しているのです、結論を。しかも、きのうから近畿管区の行政監察局は、本格的に審査を始めたということが書いてあります。こういうことをひとつ委員長も頭に置いて、そうしておそらく近く行政監察局のほらで結論を出してくると思うから、いま読んだことによっても結論の方向はわかっていますよ。こういうものを出されてからあわてふためいてあなたのほうで措置なさるということは、あまりにも権威がなさ過ぎる。これは委員長、ひとつ委員長、理事の間でこの取り扱いをどうするか相談してもらいたい。私はきょうは納得できません。
  35. 岡三郎

    ○岡三郎君 先週の十三日に、大阪冷房料金の問題について、本日ひとつ運輸省の適切なる処置を回答願いたい、そのときにたしか大臣も、でき得る限り期待に沿うが、できなかった場合には中間報告という形で一応つついてきたわけですが、いま、各委員が言いましたように、中間報告としては、内容的にはかなり頭を悩ましておるということもわかります。現実の問題として出されてきた大臣答弁はまことに遺憾だと思う。というのは、大臣大阪クーラー料金の問題について遺憾だと言っておるけれども、実態としてこの解決がいま早急に迫られて、しかしそういう中において中間報告という形ではなくして、もう少し時間がほしいということで、いまそこが並行線になっておるわけですから、最終的な詰めと申しまするか、最終的な決断といいますか、そういう行政的な措置についていましばらく待ってもらいたい、できるだけ早急にこの結論を出したいということでありまするので、これはここでいま言ったように、大倉委員からも回答としてこれを受け取るわけにはいかぬということになっておりますが、そういう点で、ここでいま委員長、理事のほうでこの問題について最終的な措置をどうするのかというふうな話もあったわけですが、私自体といたしては、きょう答弁があること、その中のはっきりしていること、これは期待がはずれたわけですけれども、いま大臣がせっかく言われておる点を一応取り上げて、とにかくすみやかに、できるだけ早くということよりも、すみやかにこの結論運輸行政として出されるように強くここで要望して、一応ここで区切らざるを得ないと思う。あとで委員長、理事のほうでこの問題について措置をどうするか、この点はひとつ委員長のほうとしてやってもらいたいと思うわけです。これ以外にいまのところはないと思う。たいへん遺憾でありまするけれども、現在の時点としては、回答が最終的に腹の中に入ってないようですから、これをいま引き出そうとしても無理だというふうに判断をして、しばらく時間を貸しまするから、行政当局として、大臣の最終的な結論を近々に出すことをここで強く求めておきます。
  36. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 十三日の答弁にもかかわりませず、本日までにここで結論を申し上げることができなかったことはまことに申しわけない次第でございます。しかし、これは私どもが一応十八日まで猶予を求めて、さらにまた適当に猶予を求めて、ずるずるで引っ張るというような意図は毛頭なかったわけでございまして、この間におきましても極力連日にわたりましてこの問題を検討し努力いたしてまいったのでございますが、まだ、ちょっと最終的な回答を申し上げるに至りません。しかし、仰せのごとく、極力できるだけすみやかに結論を出したいという心持ちには変わりはありませんので、この点だけをお含みいただきたいと思います。
  37. 田代富士男

    田代富士男君 いまの十八日に中間報告をすると、大阪の人はもちろんのことでありますが、全部の人々が物価問題とからみまして注目をしていたことであろうと思います。しかし、いま岡委員を初めとした皆さん方からいろいろ言われたとおりに、私も遺憾でしかたがありません。私は当運輸委員会の委員の一人であると同時に、国会議員は国民の代表です。私は大阪府民です。府民の代表の一人として実情を申し上げ、それとともに今日の運輸行政はこれであってよいかということを訴えたいのです。大阪府民の代表としての感じは、私は憤りで一ぱいです。何たることであるかと言いたいです。あれだけの、十八日に中間報告をすると言いながら何ごとでありますか。いま大臣お話を聞きますと、当初はそのような混乱が起こることは予想してなかったのです、こういうことをしては遺憾である、しかし、これに対しまして、安富陸運局長に対しましてトラブルが起きないように指導しております、しかし、現在は改善に向かいつつありますと、そのような答弁でありますが、とんでもないことだと思うのです。私は数たび大阪に帰って実情をこまかに調べてきております。ここへの資料はこれだけですけれども、私の部屋にはばく大な資料があります。それだけの事態が起きているにもかかわらず、改善に向かいつつあります、そらしてすみやかに状況報告をです。すみやかに状況報告をとるならば、先日、安富陸運局長が東京へ報告に来るべく伊丹空港までも行きながら、伊丹空港の控え室から引っ返させられているじゃないですか、大臣の、あなたの秘書からの連絡で。それだけ今回の問題を痛切にあなたが考えるならば、時間がないかわからないけれども、来るというものまでもとめる必要はないじゃないですか。にもかかわらず、すみやかに状況報告を……。このようなことがあってよいでしょうか。大臣も御承知のとおりに、当委員会におきましてこの問題が取り上げられまして、大臣はすみやかに安富陸運局長をお呼びになられまして指導され、トラブル等が起きないような具体的解決策を講じなさい、そのもとに数日間の期間が置かれまして、大阪のタクシー業者との協議の結果、今回の冷房料金に対しまして大臣業者から認可取り消しの申請があるならば撤廃することも考えようと申された。その趣旨結論が出るかといえば、業者はあにはからんや冷房料金認可したのは政府じゃないか。御承知のとおりに、阪本さんはどう言っているか。阪本さんは御承知のとおりの大阪のタクシー業界の最高幹部の一人です。阪本さんはこう言っております。業者クーラー料金だけを認めてくれなどとは一回も主張していない、昭和四十年十二月に申請して以来、基本料金を三六%上げてくれと言い続けてきたのだ、それを運輸省は一年半もほっておいて、その間に十五のタクシー会社がつぶれた、そこでことし五月、一年半前の申請を真剣に検討せよ、審査がおくれているならば行政訴訟を起こすと強硬に陳情した、それによって運輸省もあわてて、基本料金値上げ申請のときに、その中に含まれていた冷房料金だけを抜き出して今度の認可となったわけだ、われわれが冷房料金を申請したのじゃないのだ、運輸省当局がやったのだと、このような強硬論が出てきているじゃないですか。いま大臣は笑っておりますが、しかし、あなたは、いま原山さんも笑って、そんなことはありません、そんなことはありませんということは、阪本さんがこう言って、事実においては認可を取り消そうというような、そういう姿は一つもないじゃないですか。安富局長に対しておまえが責任を持ってやれ。しかし、事はそのように申請されて運輸省において認可されている問題です。それを何か聞けば、局長報告を聞いてから、報告を聞いてから。何たるなすり合いであるか。どうしてもっと業者に対しても、今回の冷房料金に対しましては事故等が起きないということが条件認可をした、こういう運輸省当局であるならば、あれだけの事故が起きています。であるならば、その一項目からしても検討を要することなんです。それにもかかわらず陸運局も強いことが言えない、運輸省も強いことが言えない。どうしてであるか、一般大衆は、この前からいわれている政治献金という裏取引があるんじゃなかろうか、疑われてもしかたがないじゃないですか。その証拠に、この前の衆議院の物価等対策委員会におきまして、今回の冷房料金に対しまして七千万円の政治献金が行なわれた疑いがある。そういう問題が提起されたときに、その事実がありゃいなやを検討いたします、調査いたしますということを申されたのですが、そういう問題に対して、今回のこのような問題にからんだ冷房料金問題の一切を含めてそのような政治献金があったかなかったか、調査された結果、それもまた現在調査中ですと言われたら終わりですけれども、すでに数日たっております。事実であるならば、これはこうこうですよと正論が言えるはずです。そのような意味で、まず二つの答弁を聞かしてください。七千万円政治献金があったかどうか、その点を第一にお願いしたいと思います。
  38. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 政治献金といいますと、どこからどこに献金されたのでありますか、その辺を十分に調査する必要があると思います。実はその辺のところも含めていま調査をいたしておるところであります。先ほど申し上げましたとおり、現在の段階ではまだ早急に結論を出すというわけにはいきません。しかし、できるだけ早く結論は出すべきである、こういう考えで進んでおるわけでございます。
  39. 田代富士男

    田代富士男君 私はその辺が不可解なんです。もしも政治献金を受けてないとするならば、大阪新聞を見てみなさい、毎日朝刊、夕刊冷房料金を取り上げております。そのような問題が出たならば、政府もそういう疑わしいことはなかったと言うくらいの声明でも出して、政府の正しさの潔白を示すべきじゃないですか、違えば違うと。それがまだ現在調査中の段階であります、とおり一ぺんの事務的なそういうことで大衆はごまかせると思いますか。現在調査中……大臣聞きなさいよ、原山局長と話すんじゃないですよ、私が質問しております。こちらの質問だからこちらに答えてください、大臣質問じゃないですか。ふまじめなこともほどほどにしてください。姿勢の問題を追及している、あったかなかったか。話も聞いてなくて、とおり一ぺんの返答はよしてください、いまの話はまだしておりません。だからこの前も衆議院においてあれだけ言われて、よし、そのことも調査中であったならば、きょうの中間報告においてその答えとも言うべきものが、長い文句は要りません、一言でもあるなら大衆はそれで今回の冷房料金に対してもすっきりしたものであるということは感じます。大臣調査中だとおっしゃるなら、いまここにあります自治省の選挙局の資料によりますと、四十年一月から六月までの場合を見ますと、自民党本部に対しまして大阪タクシー協会から六千三百六十四万円、東京乗用旅客自動車協会から一千万円、全国乗用自動車協会から一千万円、兵庫乗用自動車協会から九百九万円、大阪旅客自動車連合会から九百九万円、また社会党本部に対しましては全国乗用自動車連合会から五百万円、大阪、兵庫、京都などの各業界団体から六百万円、民社党に対してはこれらと同じ業界団体から六百万円、自治省の選挙局の資料だけでもこれだけのものが出ております。大臣はどの政治献金であるか、そういうとぼけたような、御存じでないのか私は大臣のことはわかりませんけれども、しかし、少なくとも衆議院の運輸委員会におきまして、あれだけの問題が取り上げられていたならば、誠意を持って、実はこうこう、こういう政治献金がなされておりますが、これはこうですと言うのが当然のことじゃないですか、大臣。その点はこういうことも御存じであったのかどうかということを御返事願いたいと思います。
  40. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 各政党に対する政治献金というのは、これはいろいろの団体がやることでございますので、いずれも自治省に報告のあるとおりだと思います。しかし、それと今回の冷房料金とは何らかかわりのないものであることは、これは申すまでもないのでございます。いやしくも天下の行政が政治献金によって左右されるがごときことは、これは私の断じて承服できないところであります。そういうことは、申すまでもなく当然のことでありまして、政治献金の有無によってこの冷房の料金が出たり入ったりするなどというようなことは絶対にあり得ません。
  41. 田代富士男

    田代富士男君 それは冷房料金だけじゃありません。自動車料金一般のことについて、断じてそういうことは許しがたい、承服できないと、あなたおっしゃいますが、私もこの問題につきましては大阪で調べました。私は大阪であらゆる人々に会いました。そうしますと、こういうところに大阪のタクシー業界が政治献金を始めたのはいつごろであるか。私はここらあたりに問題があると思う。政治献金と冷房料金とは関係がないと言われるが、直接関係はないが、ここにいらっしゃいます、いまも笑っていらっしゃる原山さんが、三十八年ごろ大阪陸運局長でありました。そうして原山さんは中央へおいでになりました。そのあとが蜂須賀さん、いまの部長さんも大阪陸運局長でした。  そこで、まず御承知のとおりに、三十八年ごろにこの運賃料金の値上げの問題が起きましたときに、大阪のタクシー業界は、中央とのつながりがない、そこで何とか中央とのつながりをつけなければこれはならないぞ、そういうことで幸い大阪陸運局長でありました原山さん、こういう人々をパイプといたしまして、中央との関係ができ上がり、特に昭和四十一年度におきまして、御承知のとおりに燃料のガソリンからプロパンガスの切りかえのときに、初め大阪におきましては、タクシー一台に対しまして二千二百円の割り当てで、京阪神で七千万円の金が集められております。このことにつきましてははっきり自動車協会のほうにおいてもこれを認めているのであります。そのように原山さんが大阪から中央へ来てから大阪の献金というものが、そういうふうに流れている、こういううわさが、疑われているのです。こういう事実に対してもしうそであるならばうそであるということを宣言すべきである。やはり自動車協会におきましてはそのくらいの政治献金をやっているということ、それと直接冷房料金には関係がないけれども、何らかの関係はないわけはないでしょう、そのように推測せざると得ない。ただでさえ、いま運輸当局陸運局業者に弱い、こういううわさが出ている。このひとたび立ったうわさに対しまして、大衆の心からそれを拭い去るということは並みたいていのことではできません。  それならば私は原山さんに聞きたい。今回のこれだけの問題に対しまして、行政指導します、行政指導しますとおっしゃるが、何月何日だれをどこへ派遣したかということを聞きたい。そういう口で言っていることを何らやっていない。そういうこともあわせまして、どうなんですか、まず原山さんから。
  42. 原山亮三

    政府委員原山亮三君) ただいまのお話で、私が政治献金に関係しているようなお話でございますが、そういうことは一切ございません。この席ではっきり申し上げます。
  43. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) ただいまの御質問の真意は別といたしまして、承わっているところによりますというと、いかにも事の真相は、原山自動車局長が政治献金の仲介者であったかのごとき感じを受けます。このことは国家公務員法によって厳重に禁止されておりまする違反行為でございます。私は、原山君に限って、断じてさようなことはないということを確信いたしておるのでございまして、この点はひとつ十分に質問者におかれましても御了承をいただきたいと存じます。
  44. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) ちょっと速記をやめて。   〔速記中止〕
  45. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 速記をつけて。  暫時休憩いたします。    午後零時三十九分休憩      —————・—————    午後二時九分開会
  46. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。  午前の委員会において、大阪のタクシーの冷房料金の件の取り扱いについて、委員長及び理事打合会に一任されましたが、委員長及び理事が協議の結果、委員長より大臣に対し、次のとおり要望することに決しましたので報告いたします。   運輸大臣はすみやかに本件に関する最終的結  論について本委員会報告するよう強く要望し  ます。   なお、今期も残り少ないことは大臣も十分御  承知のことと思いますが、念のため注意を喚起  しておきます。  以上でありますので御了承願います。  速記やめて。   〔速記中止〕
  47. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 速記をつけて。
  48. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 本問題につきまして、会期の終わりまでにぜひ結論を出せという御趣意だと存じます。御趣旨に沿うて善処いたします。
  49. 大倉精一

    大倉精一君 きょうの御報告非常に不本意でありましたが、まあせっかく委員長、理事の間でそういう御相談なすって会期中に出せと、こういうことでございますので、私も了承しますけれども、今度はひとつ、きょうの轍を踏まないように、大臣にぜひともひとつ、いまの委員長発言どおりにお願いをいたしたいと思います。
  50. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 本件の調査は、本日はこの程度といたします。     —————————————
  51. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 次に、外貿埠頭公団法案を議題といたします。  これより質疑に入ります。質疑のおありの方は順次御発言願います。
  52. 岡本悟

    ○岡本悟君 先般、当委員会で提案理由の説明のございました外貿埠頭公団法案について、若干の質問をしたいと思いますが、その前に、政府側から御提出をいただきました資料について再確認しておきたいと思いますが、提案理由の説明と、それから外貿埠頭公団法の要綱、それから法案、それから参照条文としての港湾法以下の抄録ですね、それからこの水色の外貿埠頭公団の構想、それから海上コンテナ輸送について、それから港湾管理者の財政基盤の強化及び港湾施設の効率的使用の確保のため緊急に実施すべき方策に関する答申、港湾審議会、それから港湾審議会の昭和四十二年三月三日の答申、それから海上コンテナ輸送という、このぶどう色の資料ですか、それから東京湾、大阪湾の外貿港湾取り扱い量におけるコンテナ貨物の割合と増加の見通し、これだけでしたね。
  53. 佐藤肇

    政府委員(佐藤肇君) そのとおりでございます。
  54. 岡本悟

    ○岡本悟君 まあできるだけこの資料はあらかじめ早く出してもらっといて、十分審議に間に合うようにしてもらいたいと思いまして、念のために確認をしておいたものでございます。よけいなことですけれども、先般航空機の騒音防止に関する法律案につきまして審議いたしておったとき、大部分の内容が政令にゆだねられておる、その政令の内容についていろいろ質疑をするということになったんですけれども、その質疑の、審査の日に政令の内容が出てきたというふうなことで、非常にその審議にむだがございますので、そのことを申し上げておいたのでございます。  そこで、外貿埠頭公団法案につきまして、一番われわれ、あるいは国民が知りたいことは、従来の港湾整備方式でなぜ外貿埠頭整備ができないか、つまりなぜ公団を設置する必要があるのか、こういう点であろうかと思います。それから第二に、第一この公団によって埠頭を整備する場合に所要の財源の調達がうまくいくのかどうか。かねて聞いておりましたところでは、こういった方式でいえば、政府の出す金も、あるいは地方公共団体の負担すべき金も、あるいは利用者もみんながこれはいいんだというふうなまことに三方一両損でなくて三方全部得をするというような話でございましたが、はたしてそのとおりうまくいくのかどうか。それから、この施設の運営について無理はないかどうか。特にこの港湾管理者との関係の調整という点についてどういうふうに考えておられるか、こういう点であろうかと思いますが、従来の方式によらないでなぜこの公団方式によらねばならないのか。またその前段として、こういう画期的な方策によらなければならないほど埠頭の整備が緊急のまあ案件として出てきたという客観的な背景があると、で、これについてお尋ねしたいと思うんですが、その前に、従来の港湾整備の手法といいますか、方式、そういったものがどういうものであったか、どういう方法、手法でやってきたのか、このことを明らかにしておいてもらいたいと思います。ごく概略でよろしゅうございます。
  55. 佐藤肇

    政府委員(佐藤肇君) 港湾法によります従来の港湾整備方法と申しますのは、いわゆる道路、河川等と同じように公物と港湾施設を考えまして、これらのものを港湾管理者、これは地方自治体でございますが、やる仕事に対しまして国が補助をしていく。その中で特定重要港湾、その中でも特に横浜、神戸のような非常に外国貿易に貢献度が大きいものに対しては高額の補助率を出す、一般の重要港湾については五割の補助を出す、地方港湾については四割補助を出す、こういう方式でやってまいったわけでございます。
  56. 岡本悟

    ○岡本悟君 そこで、そういった方式では急増する外国貿易量に対処できない、こういうことであろうと思うんですが、最近の国際海運界では、御承知のように特に輸送革命とまで言われておるようなコンテナ輸送の問題が取り上げられてまいりまして、すでにわが国におきましても、郵船・昭和海運グループがマトソン会社と提携いたしまして、この九月ですか、十月ですか、第一船が参るようでございます。もう具体的な日程にあがっておるわけでございます。そういった問題。それからもう一つは、特にこの公団によって緊急整備する必要に迫られた最も大きな理由としては、外貿の定期船貨物量というものが非常にふえてきた、こういうことがあるわけでありますけれども、提案理由の中でもそのことが強く言われております。この点について海運局長からもっと具体的に御説明をいただきたいと思いますが、特に私はコンテナ船の現実に対処するために専用のコンテナ埠頭をつくらねばならぬということと、一般的に外貿の定期船貨物量がふえたということ、両方の理由があると思いますけれども、質的に特に世界に雄飛してまいりましたわが国海運にとって大事なことは、前段のコンテナ船の問題であろうかと思うのですが、そこらあたりを簡単でよろしゅうございますから、さわりのところを御説明願いたいと思います。
  57. 堀武夫

    政府委員(堀武夫君) 昨年の春以来、国際海上コンテナ輸送というものが大西洋において始まったわけでございます。コンテナそのもののユニット・ロード・システムというものはもっと前からあったわけでございますが、国際的な海上輸送といたしまして出現をしたのは昨年が初めてのことでございます。その勢いは非常にとうとうたるものがありまして、大西洋のみならず、これが近く太平洋並びにその他の主要航路にも出現をしようとしておるわけでございます。各国の海運業者が着々とフル・コンテナ船、非常に優秀船の建造計画を、大きな計画準備をしていることも事実でございます。すでにコンテナ船としては約五十隻の船があります。これはもちろんセミ・コンテナ船も含んでのことでございますが、さらにそれに加えて現在計画中のコンテナ船というものは百五十隻にも及ぶということがいわれております。このコンテナ化がこのように大きく取り上げられてきた理由は何かと申しますと、これは輸送に一番大事な要素でありますところのより早く、そしてより安全に、そしてより低廉にという、この三つの要素に非常によくかなった輸送体系であるからでございます。まず第一に、早くということにつきましては、このコンテナ輸送は第一に荷役に関して非常に簡単に済むわけでございます。非常に荷役能率が上がる。従来の定期船では三日ないし四日かかって荷物の積みおろしをしていたものが、ほとんど一日で済んでしまうというところに非常に大きなメリットがあるわけでございます。さらに、コンテナ船としていま計画されておるもののほとんどの船は二十一ノット、二十二ノットという非常に高速船でございまして、従来の定期船のせいぜい十六ノット平均くらいの船からみますと、非常に高速化されるのでございます。こういう船を使いますと、従来太平洋で一航海六十日を要したのに比べますと、ほとんどその半分の三十日以下、あるいは二十八日ということで一航海を終わることができるというような、非常に効率が上がってくるわけでございます。これがさらに陸上輸送に移った場合におきましても、それはコンテナのまま貨車に積むなりトラックに積むなりということで、これも両端の荷役が非常に簡単になる、非常にスピード・アップされるということによって迅速性ということの要素が非常に満たされるわけでございます。  第二には、このコンテナ化のメリットといたしましては、安全性ということでございます。従来の輸送方式によりますと、どうしても貨物が裸で運ばれます関係上、貨物の損傷は相当あったということでございます。これはコンテナによって非常に荷痛みというものがほとんどなくなってしまうというメリットでございます。さらに、貨物の盗難ということもほとんどなくなる。このことによって、荷主の輸送に対する信頼性というのが非常に増す、非常に向上するということが言い得るわけでございます。  第三には、輸送費用の低減ということでございますが、これにつきましては、いま申し上げましたように、荷役ということに非常に手が省けるということから一つくるわけでございます。さらにもう一つは、梱包費が非常に少なくて済むということでございます。荷物によっていろいろ荷づくり、梱包費は違いますが、一般にいわれておりますことによりますと、通常三〇%から八〇%の節減が可能だといわれております。海上輸送運賃部分のコストについてでございますが、これは長い目で見ますと、必ずこの海上輸送部分のコストもコンテナにつきましては下がるということははっきりしているのでありますが、初期の投資が非常に巨額に上りますので、当初海上運賃自体を下げるということはあるいは困難ではないかと思われますが、将来は必ず下げ得るという見込みでございます。  以上申し上げましたようないろいろなメリットがありますので、世界の海運界におきましては、コンテナ化というものは好むと好まざるとにかかわらず、これはどうしても来るのだ、合理化の方向としては必ずこの方向であるのだということでございます。日本の海運界は、いま再建途上にありまして、まだ体力といいますか、そういうものが十分あるという段階ではございませんが、しかし、このコンテナ化の波におくれをとるということは、将来に大きな禍根を残し、かつ、世界海運に結局はおくれをとるということになるおそれがありますので、この際どうしてもこのおくれをとらないように、早くこれについていかなければならないという決心をいたしている情勢でございます。将来一般貨物につきましても、経済社会発展計画によりますと、四十六年までに貿易量が現在の一・六倍にもなるということから考えますと、コンテナ輸送のみならず、一般の海上輸送につきましても、今後相当な船腹量の増加を必要とするわけでございます。今後、この六年間に、この経済社会発展計画の計算によりますと、二千二百万トンの船腹を必要とするわけでございまして、現在の船腹量との差、約九百万トンというものは、今後四十六年までの間に整備する必要があるということになっております。それをもし怠りますと、積み取り比率というものは、いまでもだいぶ下がってきておりますが、ますますそれが低下いたしまして、貿易外国際収支に大きな赤字を生ずる原因になると思われます。すでに四十一年の貿易外国際収支、海運国際収支の赤字が五億七千万ドルも出ております。これはいままでの最高の海運収支における赤字でございまして、このままで推移いたしますと、ますます大きい赤字になるおそれがあるわけでございます。そういう意味から、一般貨物の輸送におきましても、今後大いに力を入れる必要がある。コンテナにつきましては、もちろん先ほど申しましたように、世界海運の合理化の方向に従って、ここでおくれをとるわけには絶対にいかないということで、どうしてもそのためには外貿の埠頭というものを整備する必要があるというような次第でございます。
  58. 岡本悟

    ○岡本悟君 コンテナにつきましても、あるいは外貿埠頭整備の必要性につきましても、海運界からみました見方につきましてはよくわかりましたが、特にこのコンテナの導入につきまして、現段階における、あるいは近い将来におけるわが国の体制の整備と申しますか、そういうことはどういうふうになっているか、先ほども申し上げましたように、郵船グループがマトソンと提携するということで、すでに本年度中に始まろうということでございますけれども、コンテナ輸送の特殊性からいって必ず提携すべき相手側が必要なのかどうか、したがって、ほかのグループではどういうふうな体制になっておるか、そこらあたりちょっとお聞かせを願いたいと思います。
  59. 堀武夫

    政府委員(堀武夫君) コンテナ輸送というのは一社単独ではできないものかどうかというまず第一の御質問でございますが、これはマトソンとかシーランドとかいう会社は現に独立して一社だけでやっておるという実例がございますので、これは不可能なことではないと思います。しかし、この二社というのは、非常に長い準備、国内の沿岸輸送から始まっておりまして、非常に多年の経験と業績とを積み上げて今日になっておるわけでございます。日本の船会社のごとく早急に追いついていかなければならないというような場合には、一社でもってやるということは非常にむずかしい。なぜかと申しますと、コンテナ輸送をやるにはどうしても大きな投資が必要なわけでございまして、特に埠頭の専用使用というような関係から月一航海とか二航海というようなことでは採算に乗らないのでございまして、少なくとも週一回のウイークリー・サービスということでやらないと採算に乗らない。そういう意味から一挙に、北米太平洋岸でいま考えておりますのは、四隻一組にしましてこれでウイークリー・サービスをやるという考えでございます。四隻の船を一社でできないことはございませんけれども、いろいろな準備関係もありまして、これは何社かでもって力を合わせてやるということが妥当なのではないかということで行なわれておるわけでございます。  それで、アメリカ以外の欧州諸国のやり方を見ますと、何社かが組んでやっておるというのが最近の通例になっております。そのような各国の実例にもかんがみまして、わが国においてもグループを形成してスタートしたほうがいいのではないかということになったわけでございます。この考え方自体は、さような実例に徴して海運造船合理化審議会がそのような答弁をいたしておりまして、グループ化をやるべし、その答申の線に沿いまして、いま進行をしておるわけでございます。そのグループ化はどのように行なわれているかと申しますと、第一のグループは、郵船がマトソンと提携をすることを前提にして、昭和海運とグループを組むということでございます。それが第一のグループでございます。第二のグループは、大阪商船、三井船舶と山下新日本汽船。第三のグループは、川崎気船とジャパンライン、この三つになるわけでございます。北米太平洋岸にさしあたってスタートするにつきましては、いろいろの埠頭の使用関係、そういうことから考えまして、いま申しましたあとの二つのグループは当分の間一緒になってやるということで進んでおります。これをわれわれは通常四社グループといっております。この二つの——結局三つでありますけれども、当分の間は二つのグループということでございますが、この二つのグループの進み方を申し上げますと、第一に、四社グループのほうを先に申し上げますと、四社グループは、まずコンテナ船に関しましてはどのように提携するかと申しますと、コンテナ船は各社ごとに一ぱいずつ持つ、そうしてその船は各社の責任において運航する。その船の容積でございますが、コンテナの積載量は甲板上の二段積みを含めまして七百個積みの船をつくる、そうしてコンテナ船は二十二ノットの高速船でございます。それでこのコンテナの荷役は本船そのものにはクレーンを持たない、陸上のクレーンを使う、そういうフル・コンテナ船をつくるということで進んでおります。それからコンテナそれ自体の共同使用に関しましては、各社別に保有はいたしますけれども、相互融通をする、そうして荷物の積み込みは無差別に積み込む、どんどん埠頭に到着した荷物から積む、こういうことでございます。  それからターミナルにつきましては、国内のターミナルは阪神、京浜地区におのおの一カ所共同で確保する。それで、この京浜地区につきましては東京を使うか、あるいは横浜を使うか、これはまだ最終的には決定いたしておりません。これは将来は東京側につきましては大井埠頭、それから横浜埠頭につきましては本牧埠頭、これは外国航路埠頭になっておりますので、これはおそらく両方とも使うことになろうと思いますが、さしあたってはどっちか、品川なら品川に臨時にいまある埠頭を、来年からスタートするとしますと、使わざるを得ないことになるわけでございます。それらの点はまだ最終的にきまっておりません。  それからアメリカサイドのターミナルでございますが、これはサンフランシスコ地区とロサンゼルス地区と二カ所に寄港する、したがって、二カ所のターミナルが要るわけでございます。ロサンゼルスにつきましては、これは場所は大体きまっておりますが、サンフランシスコ地区につきましては、まだサンフランシスコの湾の対岸と手前のほうと二つ候補地がございまして、そのいずれにするかということでいま検討中ということでございます。その他集荷とか運賃プールということに関して具体的にどのような提携をするかということにつきましては、いま検討中ということでございます。  それから、もう一つの郵船、昭和海運グループでございますが、これはコンテナ船につきましては日本郵船と昭和海運が一隻ずつ二隻つくる。それからあとの二隻はマトソンが新造船をつくる。しかし、とりあえずことしの秋からマトソンは改造船のコンテナ船をつくりまして、そしてことしの秋から運航するということになっております。それでこのグループのコンテナ船の積載貨物数量は、甲板積みを含めまして七百五十個積みということで考えております。荷役は当然陸上クレーンで行ないますので、船上のクレーンはつけないということになっております。マトソンはさしあたって、いま申し上げましたように、改造船を二隻ことしの秋から入れてきますが、来年の秋からは新造船に切りかえまして、この改造船をほかへ回すということになっております。  それから、コンテナの共同使用関係につきましては、大体先ほど申しました四社グループと同じようなことになると思われますが、まだ、こまかいことは最終的にはきまっていないのでございます。  それから、ターミナルにつきましては、このグループはさしあたり東京の品川埠頭と、それから神戸の摩耶埠頭を使用するということに現在きまっております。米国側の敷地は、サンフランシスコ地区につきましてはオークランド、それからロサンゼルス地区につきましては現在マトソンが使っておりますところのマトソンターミナルというものを使うということにいたしております。  それでこのターミナルの運営につきましては、この日本側のターミナル会社につきましては、郵船と三菱倉庫との共同出資によりまして、日本コンテナターミナル会社というのがすでに会社はできております。  それから、国内輸送にあたるところの日本コンテナ輸送会社というのが、郵船と日通との共同出資によって、これも会社はできております。このように準備を、この二つのグループについては具体的に、現在のところここまで進んでおるというような状況でございます。
  60. 岡本悟

    ○岡本悟君 この郵船グループの相手方は、提携の相手方はわかるのですが、四社グループの相手方はどこなんですか、提携の相手方、四社グループのアメリカサイドにおける。
  61. 堀武夫

    政府委員(堀武夫君) 四社グループのほうは、外国の船会社としては相手方はございません。日本の船会社だけでやるということになるわけでございます。
  62. 岡本悟

    ○岡本悟君 これはあとで聞きたいと思ったのですが、当座の問題で、もうこの秋からやろうというのですけれども、いま海運局長お話の神戸の摩耶埠頭であるとか、東京湾の品川埠頭、こういったものを専用的に使えるということを、いまの現行の港湾法でできるのですか。
  63. 佐藤肇

    政府委員(佐藤肇君) 摩耶埠頭もそれから東京の品川埠頭も、一般のだれでも使える埠頭ということで、公共事業費によってつくったものでございますので、専用使用はできないわけでございます。したがいまして、このコンテナに対してどういうように使わすかということでございますが、公団埠頭ができるのが四十四年でございますので、四十四年までどうしても一時どこかを使わなければならない。そうしますと、背後にある程度の土地がないと使えないというので、すでに上屋その他が建っているところは不適地でございますので、そういうような意味で、現在のところでは上屋が建ってないというのが二カ所ございます。この二カ所につきましては、東京港におきましては、大体面積といたしましては、コンテナヤードとして現在千個積みの船を扱うにはやはり背後に二万五千坪程度のヤードが必要なわけでございますが、品川の場合は大体一万二千坪程度よりないわけでございます。それをコンテナ優先と申しますか、コンテナに使わすということで、その揚げたコンテナは早急に背後地の用地に揚げて、エプロンはあけておくという、こういうことでほかの船が着いたときに支障がないようにして、コンテナに優先的に使わす。摩耶埠頭につきましては、背後の上屋地帯には当分上屋を建てないで、荷さばきに使わすけれども、コンテナの操作をするヤードは埠頭のつけ根にある倉庫地帯を使うということで、公共的使用を妨げない範囲でコンテナを優先使用をさせる、こういうことで考えております。
  64. 岡本悟

    ○岡本悟君 コンテナにつきましてはまたあとでいろいろ御質問があるかと思いますので、その次の質問に移りまして、コンテナ船に対する専用埠頭なり、あるいは激増する外貿定期貨物についての外貿埠頭整備の必要性はよくわかったのでございますが、しからば冒頭にお尋ねいたしましたが、現行の港湾整備方式でうまく整備できないかどうかですね。どうしてもこういう公団方式を導入しなければうまくいかないのだ、裏を返してみますと、膨大な資金が要るが、要るなら現行方式ではその資金の調達に限界があるのだと、こういうことにもなろうかと思いますけれども、第一に、港湾管理者の負担能力が、特に財政状態からいって非常に問題にされておって、やはりこれを急速に整備するためには、国の助成と申しますか、力をかす限度というものをうんと上げなければいかぬ。そうかといって、国の力にも限界があるというふうなことで、民間資金の導入ということについても考えられたようでございますが、港湾管理者の特に財政的見地から見た能力ですね。この提案理由では、最近では非常に困難な情勢にあるのだということの御説明でございましたけれども、これをもっと詳しくこまかく要領よく説明していただきたいと思います。
  65. 佐藤肇

    政府委員(佐藤肇君) 御承知のように、昭和三十六年に異常な船込みがございまして、それ以来、特に外国貿易を取り扱う港湾につきましては急速に整備を進めてまいったわけでございます。その結果、いま公団の対象になっておる東京、横浜、大阪、神戸の四港に限って、港湾管理者財政収支を簡単に申し上げますと、昭和三十六年におきましては、この三港の歳出が百九億でございましたが、それが四十年には百九十二億と、こういうことで七六%ふえておるわけでございますから、この歳出の内訳で一番大きくふえたのは公債償還費でございまして、これは三十六年の八億六千万円が四十年には二十七億六千万円ということで、三・一倍になっておるわけでございます。これを歳入で見ますと、国庫支出金につきましては、三十六年を一〇〇といたしますと、四十年は一八八ということでふえております。それから港湾管理者の収入について見ますと、これも三十六年の一〇〇に対し、一九一とふえておるわけでございますが、一番ふえておるのは公債費でございまして、三三五というように、三・三倍になっておるわけでございまして、やはり港湾管理者の財政というものが、急速な整備によって公債費がどんどんふえてきたというのが一番響いておるわけでございます。で、これを私どものほうで企業会計方式で分析してみますと、収入につきましては、昭和三十六年を一〇〇として四十年が一九三でございますが、経常費用のほうを見てまいりますと管理費は一四三、減価償却費は一七五ということでございますが、公債利子が三五六というように公債利子が非常に大きくなってまいっておりまして、その結果、損益率でいいますと三七・八%の赤字ということで、収入の三割以上を公債利子に充てるということで、これ以上借金といいますか、起債による整備というものが困難になってきたということが言い得ると思います。
  66. 岡本悟

    ○岡本悟君 あと財源の調達のところでもお尋ねしたいと思いますけれども、港湾管理者、地方公共団体の財政事情に非常に窮迫した事情があって、とてもいままでの方式ではやれない、こういうことなんですけれども、国と地方公共団体とその他の財源調達につきまして、港湾管理者のほうは、それはそういう事情で、できるだけ配慮してやっていいんだけれども、肝心の他の財源調達というものがうまくいかなければ、いかに港湾管理者の財政が窮迫したからといって、その方面の配慮について十分なものがない限り財源調達はうまくいかない。したがって、また、この公団方式による港湾整備もうまくいかないこういう心配があるわけなんですが、それはそれとしまして、要するに、一方では外貿埠頭整備が急速に必要となってきたし、他方これに対応するための整備のためには特殊な公団方式をとる必要があるということでございます。その点はよくわかるのですが、いまの財源調達の問題は依然として問題として残りますので、あとからお尋ねをしたいと思います。  そこで、この公団方式によってでき上がったものをいわゆる専用貸しするということでございますけれども、この専用貸しというのは、法律のかっこうでは一体あれですか、第一条の「外貿埠頭整備を推進するとともにその効率的使用を確保する。」効率的使用ということでそういう表現をしているのですか、これは。
  67. 佐藤肇

    政府委員(佐藤肇君) ただいまお話がございましたように、効率的使用ということは専用使用を意味しているわけでございます。
  68. 岡本悟

    ○岡本悟君 そこで一般公共用につくってそれを不特定多数の運航業者に貸すという方式により、その専用方式のほうがはるかに能率的であるということですね。この点をひとつわかりやすく解明していただきたいと思うのです。特に私らが通常港の状況を見ておりますと、たくさん船が、外国貿易船が入ってきて、そして埠頭に横づけになっておるのはごくわずかです。大部分がもう沖でブイにつないで、そして両舷で荷役をやっている、こういうのが通常なんですが、これはもちろん埠頭における背後における上屋あるいは倉庫、そういうことと関連がありますし、そういうものの配置が埠頭の背後なり、あるいは広くいって港湾の背後地域においてどういう分布状態になっているかということにもずいぶん関連がありますけれども、一見、圧倒的に沖荷役でわが国の外国貿易量というものは、あれは沿岸でもそうでしょうが、処理されているような感じがします。しかし、この外貿埠頭はやはりこの埠頭をつくってそれに横づけをして能率よくやる。しかもその背後にはごく地域的に接近した個所に倉庫あるいは上屋、そういったものも付置するというふうなことで従来の方式よりはるかに能率的になるのだ、こういうことであろうかと思うのですが、そこらあたりちょっと御説明をいただきたい。
  69. 佐藤肇

    政府委員(佐藤肇君) この専用使用即効率的使用というのは、この外貿埠頭公団だけに実は限ったことでございまして、やはり港湾の利用のしかたというものは、港湾の規模なりその相手がどういうものを扱うのであるかといういろいろなことからきまっていくわけでございまして、従来の日本の港湾におきましては国が補助する施設をつくるということから、一般の道路と同じようにだれにでも開放されているものだ、こういうことで進んでまいりました。こういうことは、地方の港湾においてはそう寄港する船も多くはないわけでございますし、貨物の種類にしてもそうたくさんあるわけじゃございませんので、非常にそれで効率が保たれているわけでございます。しかし、横浜、神戸のような場合になりますと施設が非常に多くなり、また貨物の種類も多くなり、さらに寄港する定期船の数、船会社も多くなるということでございまして、一例をあげますと、神戸港、横浜港におきましては、上屋もこれは港湾管理者がつくって荷さばきのために使わせるわけでございますが、港湾運送事業者は自分が受け取った貨物をあいている上屋の個所に入れる。片方、船のほうは、先ほどお話がございましたように、バースが少ないのに船の数が多いためにあいているところにつける。そういうことになりますと、上屋に入っている貨物が必ずしもそこから船に入らないということで、港が大きくなってまいりますといわゆるオープン使用ということは非常に効率を悪くしてくるわけでございます。したがいまして、横浜、神戸等におきましては、北米航路というような航路についての優先使用、すなわちその埠頭についてはその航路の船をまず優先的につける、そのかわりに上屋についての貨物も北米向けの貨物はこの埠頭の上屋に持ってくるようにということで地域的な搬入規制をする、こういうようなことで効率をあげているわけですが、横浜、神戸級の港にとって一番都合がいいのは専用使用であると思います。と申しますのは、横浜等で申し上げますと日本の六社は大体月に十隻以上、郵船等は三十隻近い船を寄港させるわけでございます。そうしますと、一つのバースを自分が持っておれば、あらかじめそこに荷物をストックできる、それからいつ船が入ってくるということになれば、そのためにバースをあけておける、こういうことで、いわゆる船のバース待ちというものがなくなるわけでございます。さらに荷物が上屋に入っているということで大体五日要るものが、一日船が早く出れるということになれば、月間五隻着くということになればそれで五日浮くわけでございますが、船の船費というものが大体一日で一万トン級で六十四万円とか六十五万円とかいわれておりますから、非常に専用使用のほうがあれだけ大きくなると効果が出てくるわけでございます。そういう意味で、公団は専用使用をさせるということによって効率いいバースを提供する。そのかわりに資金につきましても、財政投融資その他の借り入れ金を使ってそれを使用料で返していくことが可能になる。そうすると、従来の公共事業方式のように管理者の財政も圧迫しないし、また国のいわゆる大衆からの支出というものもそう大きくならなくて埠頭が早くできるのではないか、こういうことからこの方法考えたわけでございます。
  70. 岡本悟

    ○岡本悟君 つまり私が言いたいのは、専用埠頭方式をとって専用貸しというのが一番効率がいいとおっしゃるのですが、従来、ともすれば、かりにあいている埠頭があっても先ほど申し上げましたような事情で、つまり背後の上屋なり倉庫なりの配置の関係で沖荷役のほうがいいんだ、しかも両舷でできるというふうな点でそのほうが能率的だというふうな点もあったんだと思うのですが、だからこの専用埠頭方式では船腹に見合う、それを生かすだけの、あなたがさっきおっしゃったような倉庫なり上屋なり、そういう付帯設備が見合うだけのものが十分あわせて建設されなければいかぬわけでしょう。その点どうなんですか。まあくどいようだけれども
  71. 佐藤肇

    政府委員(佐藤肇君) ただいまお話ございましたように、当然このバースの背後には上屋を設備いたしまして、その上屋で貨物を集めておいて、積む船が指定されているところに専用使用の妙味があるわけでございますから、この専用使用の場合上屋つきバースということで貸すわけでございます。
  72. 岡本悟

    ○岡本悟君 まだ質問がありますけれども、私留保しまして、他の委員にお譲り申し上げます。
  73. 金丸冨夫

    金丸冨夫君 今度のコンテナ輸送ということが海上運送について画期的なものであり、また世界の大勢からやむを得ないものであるし、いまこの時期を失すると、わが国の海運の前途について非常に大きい暗影を投げかけるというような意味で、配付になりました書類、また御説明によって一応了承したわけでありますが、こういう画期的なことをやり、特に資金としては十年間ではありますが、千百十四億というようなたくさんな資金を海上輸送の一部に対して投資をするということは相当これは国としても思い切った措置であろうと思います。これも全体、国際競争の中に立ってわが国海運の地位を維持向上発展させるためにはやむを得ないと思いますが、これについてひとつ疑問の点を海運局長にお尋ねいたしますが、「東京湾・大阪湾の外貿港湾取扱量におけるコンテナ貨物の割合と増加の見通し」、こういう表をちょうだいをいたしております。これには外貿取り扱い貨物量、あるいはまた定期船貨物のトン数、さらに北米、豪州、欧州等向けの問題であるとか、あるいはコンテナ貨物、さらにはこのコンテナ貨物のうちで、コンテナで必ず輸送される数量というものが丁寧に表示されておりまするが、私のお伺いしたいのは、この根本の数字の見方、出し方でございます。四十五年と、それから五十年の見通しを拝見しますというと、こういう数量で、全体のコンテナの分野というものは四十五年で四・七%、それから五十年で七・七%というようになっておりまするが、全体のこの数量の増加というものはどういう算出によってこれをはじき出されたのか、これは問題がコンテナ輸送の将来を考えてはじき出すということであるならば見方によって相当違うと思いますが、しかし、今後の外国貿易の輸入は別として、輸出等の点については必ずしも楽観は許さないという情勢であろうかと思う。特にここに掲げられたこの数字は何年から何年までか、あるいはまた、どういう数字に基づいてこういう見通しをしたのか。あるいは政府の長期計画あるいはまた中間経済計画に基づいての増加数であるのか。そういうところをひとつ御説明願っておきませんというと、私の憂うるところは、今後どんな施設をし、そのほうに転換するとはいいましても、輸送の数量、言いかえれば外国貿易の総数量がかような措置にマッチしないというと非常な今後の混乱を起こしはしないか。また、いろいろな施設の拡充や、船舶の建造が手戻りになりはしないかと思うんですが、この点をお伺いしたいと思います。  特に最近の貿易関係は例をもって申しますれば、ベトナム関係あるいは中近東もありましょうが、こういう関係で対米貿易にいたしましても、あるいは豪州方面にいたしましても、欧州方面にいたしましても私は相当影響しておる。さすればこのベトナム情勢というものの解決の見通しはもう目瞭に迫っておるという見方もあるし、あるいはまた相当長く継続するというような見方もあるし、コンテナの輸送に直結いたしまして非常にこの点は見通しというものが相当違ってくるのではないか。言いかえればベトナムの情勢いかんにかかわらず、わが国の海運というものが五十年の姿においてはこういうことになる、四十五年にはこういう状態であるということを踏まえてお進みになっておるのかどうか、この点をまず海運局のほうから数量等についてひとつお伺いしたいと思います。
  74. 堀武夫

    政府委員(堀武夫君) お手元にお持ちの、この増加の見通しでございますが、一番左側の四十年の外貿取り扱い貨物量六千四百五十五万トンというのは、これは四十年でございますから実績で出ておるわけです。で、その内訳の定期船貨物、非定期船貨物、これも実績で出ております。それからその定期船貨物のうちで北米関係、それから豪州関係、欧州関係、この三つの航路の貨物輸出並びに輸入貨物の集計がここにありますところの千百四十万トンでございます。これも実績で出ておるわけでございます。  そこで一番右の昭和五十年の数字でございますが、これは見通しでございますから、いろいろの推定のしかたはあるわけでございます。われわれとしてはその推定をやはり一つの方針に基づいて推定しなければならぬ、それは経済社会発展計画というのを、政府が閣議決定をいたしておる計画があるのでございますので、それと同じ伸び率と申しますか、この発展計画は四十年から四十六年にかけての計画でございますが、この伸び率は年率八・七%ということで推定をいたしておりますので、大体そういうような数値を使ってこれを推定いたしたわけでございます。それで四十五年はその途中でございますので、いまの伸ばし方の途中の数字をとっておるわけでございます。ただいまの御質問のいわゆるベトナム戦争の影響と申しますか、そういうことを、その戦争が終わったとき、あるいはこのまま続いたとき、そういうことをこの貨物量の推定に顧慮しておるかというお話でございますが、これはそういうことにかかわりなく、日本の経済成長という観点からこの経済社会発展計画ができておるのでございますので、その線に沿って推定をいたしております。
  75. 金丸冨夫

    金丸冨夫君 この四十年の数字ですね、これは実績ですから、ベトナムが入っておるわけですね、四十年は。対前年あるいは三十八年、三十九年というものが、やはり経済社会発展計画でもそうじゃないのですか、実績にとらわれずに、これをただ計画のための計画ではなくて、実績を踏まえてのやはり計画なんでしょう、そこはどうですか。
  76. 堀武夫

    政府委員(堀武夫君) 四十年にはすでにベトナム戦争が起こっておったわけでございますから、先生いまおっしゃったような意味では実績の中に入っておるということはできるかと思います。
  77. 金丸冨夫

    金丸冨夫君 船の関係のついででありまするから、お伺いいたしますが、先ほどのさしあたりの二隻あるいはさらに四隻のコンテナ船の計画、四十六年までには六隻——八隻になりますか、そういうことになる。その場合に、荷物がウィークリー——、お互いのグループがやっていって、そうして荷物がないというようなことはないのですか。
  78. 堀武夫

    政府委員(堀武夫君) コンテナ化をする当初、何と申しますか、荷主が従来の方式になじんでおるわけでございまして、新しい方式に移るまでに若干のズレがあることが考えられるわけでありまして、われわれとしては将来これは七〇%、八〇%まで少なくとも輸出貨物についてはコンテナ化し得るものだと思っておりますけれども、当初その意向が最初からそのようにうまくいかないだろう、ですから最初はあるいは三〇%あるいは四〇%ぐらいのところでとどまるおそれもあるということを十分考えて、いろいろの採算見通し等は船会社考えております。われわれも当初からコンテナ化が一足飛びに進むというふうには甘くは考えておりません。
  79. 金丸冨夫

    金丸冨夫君 それから一般埠頭港湾管理者として、従来のようにやっておるところで、扱う貨物というものが相当コンテナによってコンテナ輸送に転換をするというふうなことがございますね。それは、この数量のうちではそれまでは考えていないということなんですか。そういうところはかげんしておりますか。輸送量としての全体としてはそれだけのことで、私の申し上げまするのは、コンテナ輸送のコンテナ船が一ぱいになれば、一般の他の船で輸送するものは影響はないか、そういうことを伺いたい。
  80. 堀武夫

    政府委員(堀武夫君) いまの御質問趣旨をこのようにとったのですが、よろしゅうございましょうか。コンテナ船ができて荷物はコンテナ船に移っていく。そうすると在来船が影響を受けるのではないか、こういうことですか。
  81. 金丸冨夫

    金丸冨夫君 そうです。
  82. 堀武夫

    政府委員(堀武夫君) コンテナ船の出現によりまして荷物がどの程度コンテナ化されるかというのが、この表等によって御承知願えますように、全体の量そのものから見ますと、そんなに大きなあれはございません。たかだか一〇%ぐらいのものにおさまるのじゃないか。と申しますのは、すべての航路、寄港地、すべての貨物がコンテナ船の寄る港から出入する荷物であり、あるいはコンテナ化に適する荷物ではございません。コンテナに最も適する荷物というのは、いま先生のお手元に持っておられるこの表のコンテナ貨物というところに上がっているような荷物でございますし、そうしてわれわれがいま考えておるコンテナ化の対象として考えておる航路というのは、北米太平洋岸、北米大西洋岸、それから欧州航路、それから豪州航路、この四つを考えておるわけでございます。それで航路というものは、ほかに定期船の航路、不定期船の航路といろいろありますが、定期船の航路につきましても非常にたくさんの航路がございますし、そして現にこの北米太平洋岸の航路を考えてみましても寄港地はサンフランシスコ、ロスアンゼルスにとどまらず、ほかにも寄港地があるわけでありますが、コンテナ船を運航するとなりますと多港揚げをなるべくしないほうがいい、なるべく寄る港の数が少ないほうが効率がいいわけであります。そういう意味から、荷物があってもコンテナ船が全部捨っていけないわけであります。したがいまして、コンテナ船に積まれない荷物はたくさんあるわけです。率から申しますと、コンテナ化されるほうの荷物というのは全体のたかだか一〇%ぐらいでございます。そういう意味からコンテナ船が出現をいたしましても、在来船に与える影響というものはそれほど大きくはない。それで、この特に定期船の在来船に与える影響でございますが、現在定期船の配船状況を申しますと、定期船には三百三十隻の船がいま配船をされております。このうち十四ノット以上の定期船は二百五十一隻ございまして、先ほど申しました四つのいわゆるコンテナ対象航路に配船されております定期船は、このうち九十四隻でございます。将来コンテナ船の配船によりましてドロップしてくる、いまはりつけられている在来船がドロップする隻数を勘定しますと、大体二十二隻ぐらいが昭和四十五年ぐらいには落ちてくる勘定になります。そうすると、その二十二隻というのは行く場所がないんじゃないかという御心配に対しましては、これは現在運航しておる定期船の中には、昭和四十五年に船齢十八年以上になる十四ノット以上の定期船は五十一ぱい、それから十九年以上を捨ってみましても二十一ぱいございます。そのほかに、外国船を定期船に用船をいたしております。これが三十五隻も外国船を使っておりますので、これを外国船を追っ払うということだけでも、先ほどの二十二隻は完全に吸収をされるわけであります。そういう意味から申しますと、在来船に対する心配というものはないと言っていいと思います。むしろ毎年どんどん貨物量がふえてまいりますので、一〇%ぐらいずつ伸びてきますので、むしろ在来船もこれからもっとどんどんふやしていかなければならぬという状況でございます。
  83. 金丸冨夫

    金丸冨夫君 これはやはり海運局長のほうではないかと思いますが、コンテナの型、国際水準ということでやらなければならぬということになるのでしょうが、これはどういう種類の型があって、日本のような陸上の道路状況から考えて、将来ともにまあ小型であればむしろ一貫輸送の陸上輸送距離が長くなるということにもなるのですね。でありまするからまあわれわれとしては小さいほうによるというようなことになるんじゃないかと思うんだが、これはまた国際関係できめないと、あるいは積みおろし施設にいたしましても、船のスペースにいたしましても、非常に違ってくるだろうと思うんですが、これは日本としてはどういうぐあいにお考えなっておるのでしょうか。
  84. 堀武夫

    政府委員(堀武夫君) お説のとおり、コンテナの規格をどのようにきめるかということは、将来のコンテナが国際的にドア・ツー・ドアということで一貫輸送される場合にとっては非常に重大な問題であるわけであります。それでいま各国の、この規格にはいろいろございますが、各国のものを調べてみますと、大体米国の規格は、小さいのでは八フィート・八フィート・十フィートというのを使っております。だから八フィート・八フィートという高さと幅というものは皆八フィート・八フィートで統一されておりまして、長さで十フィートから二十フィート、三十フィート、四十フィートという四つの基準をつくっております。  それから英国の規格を見ますと、これも八フィート・八フィート・十フィート、それから八フィート・八フィート・二十フィート、それから三十フィートというのがありまして、そのほかに八フィート・八フィート・十七フィートというのもあるようでございます。  それから豪州ですが、豪州は少し違っておりまして、八フィート・八フィート六インチ・八フィート二インチ半というような少しずつはんぱの出た規格になっておるようでございます。  それからそのほかは、まあ欧州に若干違った規格もございますけれども、これは要するに荷物のロットと申しますか、貨物密度とロットの関係で、日本の貨物がどのようなものであるか、どの程度のロットが一番多いかということによってこの大きさというものをきめたほうがいいということで、いろいろまあ検討した結果、八フィート・八フィート・二十フィートというものをスタンダードにして、そして将来は八フィート・八フィート・四十フィートという大型のものを使う、まあ大体この二つでけるのでないか。それでロットの関係から見ますと、日本の輸出、貨物はわりかた小口と申しますか、二十容積トン未満の荷物が非常に多うございまして、件数で申しますと九三%ぐらいが二十容積トン以下のロットでございます。そういうことから見ますと、これは八フィート・八フィート・二十フィートで大体おさまる荷物ですので、これが一番いいだろうということで、まあ八フィート・八フィート・二十フィートというものでいこうということにいたしております。そうして、最近これのための国際会議が、この規格を定めるISOと申しますか、会議がありまして、ここでも八フィート・八フィート・二十フィートというものは国際規格として採用されております。
  85. 金丸冨夫

    金丸冨夫君 港湾局長にお伺いいたしますが、もう時間もありませんから……。  今回の資金関係では、千百十四億というものをこの十年間、四十二年度は五十億というようなことでお考えになっておると、またこの説明書の中にもうたってあるわけですが、港湾の使用から考えて、こういうコンテナ輸送という特殊の非常に高能率な輸送方法が今後海運に対する港湾荷役ということで行なわれるといたしますれば、その利益というものを、ただ利益を享受させるだけでなしに、大いにこれに対しては対価を払えというような意味で、おそらく埠頭公団というものができて、従来の港湾管理者のやるようなごくわずかな使用料で国が全部これを負担するというようなこと、国または公共団体が負担するというようなことにはならないだろうと思いますが、先ほど岡本委員が質問せられましたものに関連して、コンテナ専用のほうはよくわかるのですがね。そうでない普通のコンテナ、専用でないほうを使用、専用させるということ自体は法的にはよろしいというお話もいま伺いました。しかし、これは使用料等についてどういうお考えになっておるのか。一般の、たとえば埠頭をそれ以外に、専用以外の埠頭を使う場合と、一体料金等についてどういう程度に差を設けて使用させるか、おわかりになったらお伺いしたい。
  86. 佐藤肇

    政府委員(佐藤肇君) 公共埠頭の場合の使用料を取っております。これは上屋使用料、それから岸壁の係船料というような形で取っておりますが、大体その使用料を算定する基礎は、償却べースでやっておるわけであります。で、数字を申しますと、神戸港の摩耶埠頭ではおおむね年間一バースあたり一千万程度になっておると思います。今回の公団がつくります一般埠頭につきましては、三十年償還で出資は二割でございますが、その残りは借入金でやるわけでございますので、これを三十年の償還ベースで勘定して使用料出してまいりますと、一バースあたり年間の使用料は約四千万円になる。すなわち四倍程度になるわけでございます。
  87. 金丸冨夫

    金丸冨夫君 この資金自体の調達について、国及び公共団体が一、一、それからその他四が長期財政資金、四十二年度においては公団債の資金運用部引き受けでやるとか、それから四十三年以降については全額政府保証債にてやるということでありまするが、残りの四〇%を船会社等から借り入れを行なうという計画になっておるようであります。船会社の四〇%初年度といたしますれば二十億だと思いまするが、全体として考えて十年間のこの船会社のいわゆる負担する資金というものは相当にのぼると思うわけですが、これは海運局長との御関係もあると思いまするけれども、一方、この計画どおり、その他新たにかような負担ができた場合に、船会社は従来のグループ等によって相当の出資負担というのか、借り入れ等を持っておるのだろうと思うのですが、これにさらに港湾関係でこういうものを負担させるということについて、船会社方面は非常に憂慮し、この法案自体についても非常にその点に関心を持って交渉せられたと思うのですが、海運局長のお見込みと、それから港湾局長のこれに対処する、また今年度はこういうことでやるが、来年度からはどういうぐあいになるかという御計画をお聞かせ願いたいと思うのです。特にこの残りを年割りにいたしますれば相当増加するということになりましょうし、かようなものをさらに、今年はいいとして、今後借り入れ等を行なうということになれば、船会社自体について、造船関係等についても相当担保不足とかいうようなことで困っておったのですから、これは非常に困りやしないか、こういう気がするのですが、この点はどういう御見解でございましょうか、お聞かせ願いたいと思います。
  88. 岡本悟

    ○岡本悟君 関連。それにあわせて、港湾局長のほうがいいと思うのですが、船会社等からの借り入れですね、この借り入れということよりか公団債の引き受けですね、こういうことのほうがはるかに都合がいいと思うのですが、これにした理由ですね。それから、せっかく四十二年度は資金運用部で公団債を引き受けてもらうということであるにもかかわらず、四十三年度以降は今度は政府保証債、それで資金コストが上がっている、こういうことになるわけですが、その二つの点もあわせて御答弁願いたいと思います。
  89. 佐藤肇

    政府委員(佐藤肇君) 先に私から申し上げます。当初私どもは、ここに書いてありますような船会社等から借り入れを行なうというつもりはなかったわけでございます。したがいまして、出資と、あとは全部財政投融資でいきたいという希望であったわけでございますが、大蔵当局のこれは全体の財投計画の中の問題だと思うわけでございますが、非常に最近は国債の発行等で財投関係並びに国債の費用がふえておって、したがって、新しい公団についてさらに財投のワクをふやすということが困難だったということが一点でございます。  もう一つは、この公団のつくる埠頭については、おおむね船会社というものは特定しているのではないか、したがって、こういうものについては全部財投のワクに依存するということでなくて、これを利用する船会社等も応分に資金の協力をなすべきではないかという、この二点からこのような査定がなされたものと思います。で、船会社等の意見といたしましては、ことしの二十億についてはこれはお引き受けすることができるが、将来事業量がふえたときに、それに見合って全部引き受けるということははなはだしく困難であって約束することはできないという意見がございまして、私どもも将来のことについてこれを拘束するということは非常に無理ではないかと思うわけでございます。したがいまして、これにつきましては、いろいろ折衝したわけでございますが、縁故債というような名前で言っております、その縁故者という中には、当然大口船会社でございますが、コンテナ化によって利益を受ける荷主もその縁故者であろう。さらに損保その他の保険会社等においても縁故者と考えるわけでございますので、船会社にできるだけ御協力願うといたしましても、その他についてはさらに広く資金を集めなければならない。公団としてそういう努力をしなければならない問題だと思うのでございます。  もう一つは、岡本先生の御質問でございますが、ことしは資金運用部が引き受けて、来年からは政保債に切りかえるのはどうかということでございますが、これはことし予算のきまる過程におきましては、政保債のワクと申しますか、そういうようなものがすでにきまったあとであるので、とりあえず、一年だけは運用部資金で公団債を引き受けるような措置を講じました。したがいまして、この性格からいって、財投の分は全額政府保証債であるのがたてまえであるということで、四十三年度からは政府保証債ということを言われたわけでございます。
  90. 金丸冨夫

    金丸冨夫君 それで四のうち、本年は別として、来年度からというような、非常に船会社についても担保等の関係で困っておるだろうと想像されるわけですが、何か港湾管理者が、そのうちのまた二というものは、いまの船会社以外から心配をしてやるというようなことがきまったとか、きまらないとか言っておりますが、これはどうなんですか。
  91. 佐藤肇

    政府委員(佐藤肇君) 先ほどお話がございましたように、船会社等で来年度以降につきましては、非常に心配をしている向きがございましたので、私どもから港湾管理者においでを願いまして、協力をお願いしたわけでございます。そのときに、港湾管理者といたしましては、やはりできるだけ協力したいという趣旨から、所在の金融機関に当たって、まず資金ソースを見つけて、借り入れの条件等をそろえた上で、それを縁故者という関係からいうと港湾運送事業者なり、倉庫業者、こういう者に話をして引き受けるように努力をしたいということでございましたが、半分とか何とかというところまで、まだその話は詰まっておらないわけでございます。
  92. 金丸冨夫

    金丸冨夫君 いずれにしましても、あっせんをするという問題になるわけですが、この借り入れの四のシェアのうちにおいて、船会社が今後心配しなきゃならぬということになりますというと、この十年間の計画の完成までには相当に、しかも三十年でございますからね、相当借り入れがふえていくということにもなるでありましょうし、こういうことについては、私も、私の考えといたしましても、できるだけやはり政府としては、なるほど特別効率的な、特別な埠頭であり、公団でやらせるのであるとはしましても、やはり国の計画の一端でございますから、資金調達等については十分配慮をせられるべきであると、将来ともにせられるべきであると、こういうぐあいに感じておるわけですが、この点に対する御当局の所見をどうぞ。
  93. 佐藤肇

    政府委員(佐藤肇君) ことしの公団が設立されるにあたりましての予算の内示といたしましては、私が先ほど申し上げましたように、一つは新しい公団に対して財政投融資のワクというものが非常に少ないということが一点と、もう一つは受益者と申しますか、使用する者が特定なものであるから、なるべくその人たちに協力をしてもらいたいのだという趣旨でございますが、私どもといたしましても、やはりこの公団自身から考えれば、あまりひもつきになって運営の公正ということが欠けるようでも困るわけでございますし、また船会社はそれ自身、国際競争力をつけるために新しい投資ということが必要でございますので、私どもとしては、この船会社が苦しまないように、できるだけ資金の面において努力をしてやっていきたいと考えておるわけでございます。
  94. 岡本悟

    ○岡本悟君 関連して。そこでさっきあなたにお尋ねしたように、これは借り入れでしょう、船会社というのは。それよりは債券を発行して、それを引き受けさせたほうが特に再建途上にある海運会社としてはのみやすいと思うんですね、それをお尋ねしたんですよ。だから本印度はまあいいんですが、来年度からはそういうふうにするとか、あるいはそういった特段の措置を講じないとこれは長続きしませんね。海運局長にも金丸委員から御質問があったが、海運局長答弁はなかったんですが、まあ先に港湾局長から。
  95. 佐藤肇

    政府委員(佐藤肇君) 先ほどはたいへん失礼しました。長期の借入金ではなくて公団債の引き受けというような形がなぜとれないかということでございますが、私どもが大蔵省から聞いておるところでは、市中金融と財政投融資との間の調整で、これは市中金融のほうに持っていきたい、それを公団債という形でなくて長期借り入れという形をとっているわけでございますが、この問題は弾力的な問題のように考えられますので、来年度以降の予算におきましては、そういう点についてもっと大蔵省と詰めたいと思っているわけでございます。
  96. 堀武夫

    政府委員(堀武夫君) この財源の調達問題ですが、これは受益者負担という考え方から四〇%は船会社その他で調達するという考え方になっておるわけでございますが、船会社自体もこれは受益者として当然協力はすべきであるとわれわれは考えておる。船会社自体も協力をいたしましょう、これを言っていることは間違いないのでございます。ただ、協力するにも力の限度といいますか、限界というものはあるので、それはひとつよく考えてくれということでございます。それで、政府のほうの財投、財政資金状況もこれは固定的なものでなしに、毎年情勢というものは変わるのでありまして、これを初年度以後八年間の分を全部約束しろというのに対して船会社が非常に当惑をいたしておるということでございます。当面二十億、これはことしの分でございますが、これはもう目先のことでございますから、できるかできぬかということはわかるわけでございます。これにつきましては船会社は何とかいたします、このように答えておる。ところが四十三年以降のことにつきましては、いろいろ不確定要素が、アンノウン・ファクターが多いのでございまして、船会社といたしましてもコンテナ輸送自体がどの程度の採算になっていくか、あるいは今後の海運市況というのはどういうふうに動いていくか、それから再建整備期間終了後の海運政策というものはどのようにきまっていくのかということによっていろいろ情勢が変わってくると思いますので、今後八年間の分、四百四十億の分につきまして、しかも三十年寝かす、そういう資金について船会社の経営責任者としていまここで全部よろしゅうございますというわけにはとてもいかない、これはもっともな話で、われわれは十分わかります。港湾局長ともこの点については、それはもっともな話だという点では意見が一致いたしております。それでわれわれはこれから財政当局と四十三年度以降の予算のたびごとにいろいろ話し合いをしなければならないと思うわけでございますが、一つは、その年々の財政資金の情勢がどうなるかということを十分頭に置いて、そして海運会社自体の体力がとうなっていくか、海運市況——非常に国際競争の激しい中で再建途上にあるところの海運会社の体力というものはどうなっていくかということをよく勘案した上で、その協力の限度というものを決定して努力をいたしたいと思います。一方におきまして協力はいたしますが、協力しやすい方向をひとつ考えてもらいたい。それはいま岡本先生からお話がございましたように、どうして債券にしていただけないかと、これは債券にすれば、担保にすることもできますし、場合によってはこれを譲ることもできるわけでございますので、そういうことになれば、また一段と協力がしやすくなる。この面でも今後財政当局と十分話をいたしまして、何とか先生方の御心配のないようにやっていきたいと思っております。
  97. 谷口慶吉

    ○谷口慶吉君 四〇%船会社のほうから借り入れるということになっておりますが、この利子は幾ら払うんですか、条件は。借り入れたからには利子は払わなければならない。
  98. 佐藤肇

    政府委員(佐藤肇君) これは要するに船会社が借りてきた金利で、船会社はトンネルでございまして、そのままの金利で公団は金を払うわけでございます。
  99. 谷口慶吉

    ○谷口慶吉君 そうなると、ますます政府保証債に考えていかれないと、ただ現行債券とも関連がありますけれども、たとえば鉄道建設公団とかいろいろ縁故債をとっておりますけれども、これは七分五厘です。少なくともその程度まですれば、たとえば地方公共団体などが国鉄にでも新しく新線をやってもらうと、電化の、複線化のためにいろいろと縁故債を要求されて、持ちますわね、市中銀行から借りて。そうして利息の差は地方公共団体が負担しているのが実態なんですが、何かその辺の道を考えてやらないと、しょせん船会社はついてこられませんよ。委員長、ひとつあさっての委員会に大蔵省の理財局長あたりを呼んで、この問題を詰めておいたほうがいいのではないかと思います。あなた方に協力しようと思って申し上げているわけです。そんな高いものを出しなさいと言っても、出せというのはかわいそうですよ。  ついでにもう一つ聞きますが、管理委員会をつくります場合に、金は船会社にも出さした、ところが理事者には一人もなれぬ、こういうことじゃないですか、この内容は。これはどうなっておりますか。
  100. 佐藤肇

    政府委員(佐藤肇君) 管理委員会は、これは民間で言うと、株主総会に当たるもんだと思いますが、そういう意味で出資者の代表である、おのおの港湾管理者たる地方公共団体の長の推薦する者一名ずつ、それから三名は国が任命するわけですが、国の任命する人は経済界の事情に明るい学識経験者ということになっているわけでございまして、したがいまして、特に船会社その他これを使用するというようなことで何らかの利益を受ける利害関係者というものは除いてあるわけでございます。
  101. 金丸冨夫

    金丸冨夫君 いま岡本先生が言われまして、市中銀行の借り入れだと、港湾局長言われましたけれども、これは公共団債ですね、なおそれに政府保証がつけばこれにこしたことはないけれども、そういう方法はできないものかどうか。なるほどいま谷口先生の金利の問題もありますが、金利より第一担保の問題が非常に困るだろうと思うんですね。ですから、将来こういう点はぜひお考えになって、その年その年で財政関係は違うから、また別の考えも行なわれるであろうということのお見通しのもとに努力されるということを伺いましたんですが、この点をひとつぜひやはりできるように御努力願いたいと思います。  それからいまの一・一・四・四の率ですね。これは変わらないのでございましょう。これはどうでしょうか。変わらない、つまりこの八年間の計画というものは、この一・一・四・四の割合というものは変わらない、こういうぐあいに理解してよろしいのですか。
  102. 佐藤肇

    政府委員(佐藤肇君) この公団の予算がきまるに際しまして、大蔵省の意向として承っておりますものは、この公団の資金計画は一・一・四・四の比率でやっていく、こういうことでございます。  それからもう一つ、先ほどからお話ございました公団債の船会社引き受けか長期借り入れかということでございますが、確かに船会社は公団債のほうが望ましいということを現在言っておりますが、この長期借り入れで金利を別にきめていないのは、やはり船会社が借り入れに応ずる場合に調達しやすいということから金利はきめてなかったわけでございますが、しかし、高い金利のものを借りてくれば、それが使用料にはね返って、自分が長い期間借り入れて払わなければならぬということはあるわけでございまして、一方、先ほどお話ございましたように、公団債で安い金利のものを引き受けさして、さらにそれを売るということで、金利の上で損をするというようないろんな面もあるようでございます。しかし、大蔵当局としては、債券によるべきか借り入れによるべきかとい、うことは、やはりこの全体の金融情勢を見て年々できめていきたいということでございますので、私どもとすれば、船会社が、先ほど海運局長からお話がありましたように、協力しやすい形ということで大蔵当局と年々の予算においてこれは詰めていきたいと思います。
  103. 岡本悟

    ○岡本悟君 関連。さっき港湾局長おっしゃった、つまり二〇%、四〇%、四〇%の比率が、これは変わらないのだとおっしゃったのだが、そうその固定的に考える必要はないのじゃないのですか。つまり財政事情にもよると思うのです、私は。特にこのコンテナ埠頭につきましては、先ほど来説明がありましたように、アンノウン・ファクターも相当あるのですね。私は、もっときょう時間があれば詰めたかったのですが、はたして採算に乗るかどうか相当問題だと思うのです。そこで、このコンテナ埠頭の使用料は、一般が四千万だけれども、これは二億円だと、できるだけ安くしてやる必要がある。つまり、国なり港湾管理者というものがもっと力を貸してやる必要があるのじゃないかという見通しもあるものですから、もう少し流動的にお考えになってはどうなんですか。もう頭から押しつけられて、八年間はそれでいくんでございますと、そういう仰せでございますというのじゃ、あまり私は能がなさ過ぎると思いますが、その点どうですか。
  104. 佐藤肇

    政府委員(佐藤肇君) 先ほども申し上げましたが、この公団が非常に財政投融資が昨年度の予算でふくらんだところに新しく出たということで、財政上非常に窮屈であるということがもう一つと、それだけではなくて、こういう新しい、大蔵当局の見解では、船会社、海運といえども装置産業化する時期ではないのか。したがって、コンテナのようなものにつきましては、それなしでは海運としてはコンテナ化はできないのだから、四〇%というものはみずから努力してするように協力すべきではないかという強い線があったわけでございます。
  105. 岡本悟

    ○岡本悟君 それはわかるのですよ。わかるのですけれども、いま申し上げたように、コンテナ船の将来というものは相当未確定要素、不確定要素が多いのだから、だから、そういうときになってきてもう少し国としても援助したいということになれば、何も国が一〇%、それだけにこだわる必要はないのじゃないのですか。流動的に弾力的に考えていいんじゃないかということを言っているわけです。
  106. 金丸冨夫

    金丸冨夫君 ちょっとそれに関連。いまの岡本先生の発言の中に、これは将来相当フレキシブルなやり方をやってよろしいのじゃないかという感じがする一つは、埠頭使用料というのは外国では大体一コンテナバース一億円くらいだ、こう聞いておりますが、今度のは二億円と言うのですけれども、おそらくこれは金利とか、いろんな形になれば二億二、三千万円から四千万円になるのじゃないかと、こういうぐあいに私は聞いているのですが、そういうことになれば、結局三十年間はコンテナ輸送しても在来の輸送をしても少しも船運賃その他変わりないということになりましょうかな。そういうことじゃ、ちょっとおかしいと思うのですが。
  107. 佐藤肇

    政府委員(佐藤肇君) 当初、私どもがこの公団の案を考えましたときに、すなわち出資と財投でいくときの使用料が一億五千万円、この一億五千万円については船会社も了承しておった線でございます。それより五千万高くなるわけでございまして、この根拠はいまの四〇%について八分二厘という利を想定しておるのでございまして、これが七分八厘になれば大体総合金利はこの六分二厘という金利になるわけでございます。それを三十年間で償還していくということで勘定すれば約二億円の使用料にならざるを得ないということでございます。したがって、五千万程度私どもが当初計画を立てたよりも高くなっているわけでございますが、コンテナバース、一バースの年間の取り扱い料としては私どもは五十万トンを想定しておるわけでございますが、コンテナ化がうまくいけば五十万トン以上扱えるものと考えております。したがいまして、トン当たりにすれば百円程度高くなるということでございまして、まあ安きにこしたことはないのでございますが、これが二億円になったから致命的でコンテナ化が阻害されるものではないと思っております。
  108. 金丸冨夫

    金丸冨夫君 阻害されるとかされないとかいうよりも、こういう新しい制度で、しかも集約輸送、能率的な輸送がされるということでせっかく運賃——中間経費というか、輸送経費というものが全体的に通じて安くならなければ困るので、船運賃とあまり変わらないというお話だったものですから、こういう点はむしろ金利等がかさんでそういうことになるのだから、財政措置というものは将来釘づけにしないで皆さん方のほうにおいてもいろいろと大蔵省と折衝して、努力して、そこに幅ができる、船会社だけにもうけさせる必要はない、荷主さんにやはり新しい輸送方式ができたが、それはよって利益を大いに味わせなければコンテナ化の実際化がせられぬと、私はそのように申し上げたのです。
  109. 佐藤肇

    政府委員(佐藤肇君) 御指摘のとおりでございまして、私どもといたしましても、極力国も、それから利用者も協力することによって金利の安い金を調達する、さらに公団も仕事をなるべく安くやるということで、終局的には使用料を安くすることに努力をいたしたいと思います。
  110. 金丸冨夫

    金丸冨夫君 これに関連しまして、この地方公共団体は法律によるというと、これはやっぱり固定資産税は半額ということになっておりますね。そうすれば大体公共団体は一つの分野で負担していきますというと百十億出す、そうして固定資産税は推算するというと、三百十億円になると思います。管理者になるべき公共団体がこういう資金の非常に困るときに百十億出しておいて三百十億円もうけぬでもいいんじゃないか。とんとんか、わずかの使用料くらい——損をすればいいんですが、損ができなくてもとんとんに、出入りゼロというようなところでできなかったものかどうか。それからまた、今後について、これについては地方公共団体としても実際責任を持って公団のやはり管理に当たり、また実際その港の発展その他にみな責任を持ってやるわけですから、努力させるというようなことの道がないものかどうか。まず第一に、固定資産税がゼロにならないか。ゼロにならなければ、五〇%をもう少し一〇%とか二〇%とかいうようなことにして、公団自身の負担というものを軽くしていくというようなことはできないものかどうか。
  111. 佐藤肇

    政府委員(佐藤肇君) 公団に対する地方公共団体の出資は一割でございますから百十億円、それから公団がつくったものに対して固定資産税が二分の一の税率でかかるということになれば、いまお話がございましたように、償還期限を終わるまでには公共団体が固定資産税として得る金が三百十億円というように試算されるわけでございます。この法案の国会提出がおくれたのも、実は私どもこの税金の問題をゼロであるべきではないか。と申しますのは、本来港湾管理者がつくるべきものが、非常に港湾管理者の財政負担その他の点で窮屈であるということで、国と港湾管理者とが共同で出資して公団のようなものをつくって整備していこうというところから始まったわけでございますから、当然ゼロであるべきではないかということが私どもの主張であったわけでございます。しかし、自治省当局の御説明によれば、やはり税金は税金としてのルールがあるので、同じかまどであるからといってルールをくずすことはできない、こういうことで、終局的には鉄建公団または国際空港公団と同じように二分の一ということになったわけでございまして、私どももやはりこれは一つの税のたてまえとしてやむを得ないことであると考えざるを得ないわけでございます。
  112. 金丸冨夫

    金丸冨夫君 それでは資金関係はそのくらいにいたしまして、次に、先ほど谷口委員も触れましたが、管理委員会には一人も船会社も、また、その他の実際運営に当たるものも出ておらない。たてまえとして公団は埠頭を建設し、これを賃貸しをするというか、そういうことであるからそういうことには関係ないといえば関係ないのですが、しかしながら運営にあたって今後コンテナ輸送という新しい分野を開いていく、またコンテナ専用の場所でなくても、一般の専用埠頭にしてそして効率的にやらせるというような立場から考えますというと、陸上の取り扱い、あるいは船会社はもちろんのこと、それから港湾荷役に関係する人、そういうものがどういう形でうまくやるかということは、常にこれは統一しなければならないし、いまできております会社でもコンテナ・ターミナル会社、倉庫を入れたターミナル会社あるいは取り扱い業者、陸上運送業者を入れた輸送会社というものができておるということでございますが、こういうものを合わせて実際の埠頭の理想的運営をやらせるということについては、みなその間の関連がなくちゃいかぬと思うのです。ただ貸せばいいということでなし、またつくればいいということではなし、つくるということはつまり使用する人のぐあいのいいようにこれは設備する、あるいはまた、施設の改善を行なうとか、こういうことがあると思うのですが、この点の関連は一体どういう方法でこれをやられるということになっておるのか。言いかえれば取り扱い業者、船会社を含めてそういうものの発言はどこでこれを集約するのかということ、この点はどうお考えになっておるか御説明願いたい。
  113. 佐藤肇

    政府委員(佐藤肇君) この公団の管理委員会と申しますのは、先ほども申し上げましたように株主総会的な意味を持っておるものでございまして、事業計画、これは年々の事業計画でございます。それから予算、資金計画並びに決算を議決するところであるわけです。したがいまして、この中には、欠格条項として施設を使用して事業を営む者を委員から除いてあるわけでございます。ロンドンのポート・オーソリティのようなものを考えますと、船会社の代表も委員として入っておりますし、さらに港運の代表者も入っておりますし、労働組合の代表も入っております。そういうようなボード・オブ・ディレクターというようなかっこうの管理機構ではなくて、予算とか決算とか事業計画を議決する機関として設けたので、この中には船会社は入っていないわけでございますが、御指摘のように、公団がつくった埠頭を効率的に運営してもらう、またコンテナ化というような輸送の革新に非常にうまく合うように運営してもらうためには、当然利用者と十分意見を交換することが必要でございまして、そのためには私どもといたしましては、公団が、実際それを使ってもらう人との間に協議会のようなものを設けて実際の運営にあたって利用者の意見を反映していくという措置を当然とるものと考えておるわけでございます。公団を京浜、阪神と二つに分けましたのも、現地で実際に利用する人と連絡を密にしていく、運営を自分の目で見て利用者に便宜を与えるようにしていきたい、こういう趣旨なんでございますから、そのことは公団ができたあとで、公団自身の業務を効率的に実施する手段として当然公団がやらなければならないことと思います。
  114. 金丸冨夫

    金丸冨夫君 いずれそういう運営についてはまたきめられることと思いますが、十分にこの各関係者意見というものを調整してやっていただくような方途をひとつお考え願いたい。  それから港湾管理者と公団との関係はどういうことになりましょうか、その点をお伺いします。
  115. 佐藤肇

    政府委員(佐藤肇君) 港湾管理者の管理権と申しますものは、一つは水面を利用したり土地を利用したりするものを規制するという行為と、もう一つは埠頭をつくって一般の人に供用するという仕事と二つあるわけでございまして、前者につきましては、当然公団は管理者の下にあると申しますか、管理権と調整をはからなければならぬわけであります。したがいまして、この法律の規定といたしましては、まず基本計画をきめるときに、運輸大臣がきめるわけでございますが、その前に基本計画をきめるときに港湾管理者と運輸大臣が協議をすることになっております。次に、公団がその基本計画を受けて工事実施計画をつくるときに、港湾管理者と協議をすることになっております。さらに公団自体の仕事といたしましては、埠頭をつくってこれを貸し付けるわけでございますが、そう埠頭全体の効率をあげるために、必要なときには背後に倉庫用地のような土地をつくることができることになっておりますが、そういう付帯的な業務をやるときも港湾管理者と協議をしてやるということになっております。  もう一つは、この利用の面で、たとえば神戸なら神戸で申しますと、一般の埠頭とこの専用埠頭と両方あるわけでございますから、どういう人に埠頭を貸し付けるかという貸し付けについても、港湾管理者と協議をする。こういうことで港湾管理者の管理権とは十分調整がとれていると考えるわけでございます。
  116. 金丸冨夫

    金丸冨夫君 それでは小さいのはやめまして、ちょっとひとつ問題に触れたいと思いますのは、これはいずれ他の委員の方が大いにお聞きになるだろうと思うんですが、私もちょっと皆さま方の行政庁としての感触をお伺いしておきたいと思うのは、労働面。かようにコンテナ輸送また高能率な一般専用埠頭の問題になりますというと、自然労働者がまあいわゆる機械化ということによって非常に失業とかそういうことが起こりやしないかというようなことも考えられるわけですが、私の考えとしては、おそらくコンテナが相当に入ってきても、ここ四、五年は港周辺の工場地帯、港湾周辺の工場地帯とか、まあ近くの地帯との直通輸送であって、奥地との直通輸送というようなことは、いまのわが国の道路事情から考えても相当困難ではなかろうかと思いますので、陸上関係はそう影響はない。結局まあ鉄道のこともコンテナとか、あるいはその他のコンテナあるいは車扱い、小口扱いということでついてきて、それをコンテナ・ヤード、それからまたその近所の上屋で海上コンテナに集約するというようなことに結局なっていくんではないかと思うんですが、まあ沖荷役という船内荷役というものについては、これは明らかに相当違ってくるんじゃないかと思いますが、こういう労働問題全体としてはどうお考えになっておるのか、どうお見込みになっておるのか、その点お聞かせ願いたいと思います。
  117. 佐藤肇

    政府委員(佐藤肇君) まあ私どもこのコンテナの問題、それから専用埠頭の問題が起こらなくても、昭和三十七年の港湾労働等対策審議会から出された答申に基づきまして、やはり港湾労働者の常用化ということと、それの基盤としての港湾運送事業の一般責任体制あるいは事業規模の拡大ということについて当然やっていかなければならない段階にあるわけでございます。で、労働者の数について申し上げますと、昭和三十五年を一〇〇といたしまして昭和四十年におきましてもなお一 ○七でございまして、非常に労働者数というのが最近ふえないわけでございます。で、昨年も港湾労働法を実施した結果を見ましても、日雇い労働者は定数の半数近くよりも充足できないというような状態でございまして、やはり労働の質を向上し、機械化によって一人当たりの生産性をあげていく以外に、港湾にとって今後荷役に支障ないようにやっていく方法はないのではないかと思います。そういうところに、昭和五十年を目標にいたしますと、京浜と阪神の両地区では、外国貿易の貨物量だけでございますが、二・四倍に伸びるわけでございます。そのうちコンテナ化する貨物は先ほど海運局長の説明にもありましたように、七・七%でございますので、コンテナそれ自体が労働者の失業その他の問題をもたらすものではないと思いますが、やはり企業がどのような形で集約されていくかというところに、労働者が労働条件が悪くならないように、さらに労働者の労働条件というものをよくするように、またこの雇用というものが安定化するということを、私どもはこれとあわせて当然考えていかなければならないと思うわけでございます。
  118. 金丸冨夫

    金丸冨夫君 時間もだいぶたちましたので、私ばかり質問してもどうかと思いますし、さらばといって、いろいろ諸先生からの質問も出ないので、きょうはこういうことで私の質問を打ち切ります。ただこのうちでの、たとえば資金関係とかの将来の考え方、それから特にこの船会社あるいはまた陸上、港湾その他の重荷にならないように特別の配慮を願うと同時に、固定資産税をひとつできるだけ軽減するということについてお力添えを特に要望いたしまして、私は質問を本日はこれで終わります。
  119. 岡本悟

    ○岡本悟君 港湾整備五カ年計画との関連ですけれども、これは当然、外になるわけですね。
  120. 佐藤肇

    政府委員(佐藤肇君) 港湾整備五カ年計画は、現在のものは四十四年度までのものでございますが、この公団の埠頭計画の中の一部は、すでにこの五カ年計画の中に盛られた分もございます。それから新しくコンテナのほうに入れた分もございまして、こういうものにつきましては五千五百億円の中に調整項目として、新しい事態に対応するためにリザーブしておる金が六百五十億円ございまして、これを取りくずして使っていくわけでございます。ただ港湾整備五カ年計画のもとである港湾整備緊急措置法の対象としては、公団というものが入っておりませんので、公団というものをこの港湾整備特別措置法の中に入れていただくように、この外貿埠頭公団法案をもって改正をするようにお願いしてあるわけでございます。
  121. 岡本悟

    ○岡本悟君 わかりました。
  122. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 本案に対する質疑は、本日はこの程度といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時十八分散会