運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1967-07-13 第55回国会 参議院 運輸委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年七月十三日(木曜日)    午前十一時六分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         天坊 裕彦君     理 事                 岡本  悟君                 谷口 慶吉君                 岡  三郎君                 小酒井義男君     委 員                 井野 碩哉君                 金丸 冨夫君                 木村 睦男君                 平島 敏夫君                 前田佳都男君                 大倉 精一君                 木村美智男君                 吉田忠三郎君                 田代富士男君    国務大臣        運 輸 大 臣  大橋 武夫君    政府委員        運輸政務次官   金丸  信君        運輸大臣官房長  町田  直君        運輸省港湾局長  佐藤  肇君        運輸省自動車局        長        原山 亮三君        運輸省航空局長  澤  雄次君    事務局側        常任委員会専門        員        吉田善次郎君    説明員        農林省農政局植        物防疫課長    安尾  俊君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○公共用飛行場周辺における航空機騒音による障  害の防止等に関する法律案内閣提出衆議院  送付) ○運輸事情等に関する調査  (自動車行政に関する件) ○外貿埠頭公団法案内閣提出衆議院送付)     —————————————
  2. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害防止等に関する法律案を議題といたします。  質疑のおありの方は、順次御発言願います。
  3. 田代富士男

    田代富士男君 先日に続きましてお尋ねをしたいと思います。  ちょうどこの前お尋ねしたところは、五カ年計画でおよそ首億円程度の資金をもちまして今回の措置を講ずるという話までで終わっていたのじゃないかと思いますが、そのうちで本年度予算は約三億円くらいじゃないかと思います。そこで、本年度は三億円で、五カ年で百億円という予算計画でありますが、これはよほどの決意がなかったならばできないのじゃないか。それが十年で百億円というならば話はわかりますけれども、本年度だけ三億、五カ年で百億、まずこの辺につきまして決意と、どのような覚悟でおやりになりますか。この点を最初にお聞きしたいと思います。
  4. 澤雄次

    政府委員澤雄次君) 今年度におきましては、この騒音防止法がまだなかったのでございますので、事実上の予算措置として三億円を予算化していただいたわけでございます。それで、飛行場整備の五カ年計画におきまして調整額というのがございまして、この整備計画はまだ閣議決定には至っておりませんが、運輸省といたしましては、このうちに騒音防止対策として、調整額の中に百億円の騒音防止対策費を入れてまいりたいと、こういうことでかたい決意予算折衝に臨む所存でございます。
  5. 田代富士男

    田代富士男君 そうしますと今年度から考えまして、先日もいろいろ聞きましたけれども、その騒音防止対象になる学校あるいは病院等はどのくらいであるか、個所あるいは見込み数等をお聞かせ願いたいと思います。
  6. 澤雄次

    政府委員澤雄次君) これは現実には、この法律が通りまして具体的に騒音測定をいたさないと工事対象のものがわからないわけでございますが、一応私のほうで推定をいたしておりますものでは、羽田東京国際空港で、学校は六十三校、病院が二十六、それから学校に類する施設  これは保育所などでございますが約二十、それから病院に類する施設  これは診療所でございますが約六十、これらを予定いたしております。移転補償土地買い入れ等はわかりません。それから大阪国際空港 −伊丹でございますが、これは学校で百十校、それから病院が三十一、それから学校に類する施設  これは保育所等約十、それから診療所等約六十、大体以上が工事対象のものでございます。新東京国際空港はこの外でございます。外ワクでございます。
  7. 田代富士男

    田代富士男君 いまの羽田伊丹の例をもって説明していただきましたが、学校羽田で六十二校、伊丹で百十校、こういう数字が出ておりますが、この学校を例にとった場合に、一校当たり工事費あるいは空気調整費等防音工事施設費、どのくらいの金がかかるのか、その点をお聞かせ願いたい。これだけの数が出ておりますが。
  8. 澤雄次

    政府委員澤雄次君) 学校につきましては、具体的にすでに鉄筋コンクリート学校防音工事をする場合と、それから木造校舎を取り払いまして新たに鉄筋コンクリート校舎をつくります場合とで費用は違いますが、新たに鉄筋コンクリート校舎、二重窓で通風装置をいたしまして、現在予算単価平米当たり約三万七千円ぐらい。これはRA3という規格の工事でございます。三万七千円程度と考えております。一校当たりと申しますと、大きさによって違いますが、三千平米前後で一校当たり約一億円というのが、何と申しますか、つかみの大まかな推定額でございます。
  9. 田代富士男

    田代富士男君 そうしますと、いま予算が三億円でございますが、これで計算しますと、これだけ全部をやるということはできないのじゃないかと思うのですが、この点の見込みはどうでございますか。
  10. 澤雄次

    政府委員澤雄次君) 伊丹周辺それから羽田周辺学校は実は鉄筋コンクリート校舎が非常に多いわけでございます。特に滑走路に近いほうから先にやってまいりたいと思いますが、そうしますと、そういうところは二重窓、通風装置だけをやればよいので、三億円で約九つぐらいの学校防音工事ができるのではないかと、このように考えております。
  11. 田代富士男

    田代富士男君 そうしますと、いま平米三万七千円とかいろいろ言っておりますし、豊中等におきましては、いま鉄筋校舎があるならば通風装置、二重窓程度でよろしい。そうしますと、いわゆる防音工事費だけであるのか、あるいは補助対象になる総事業費なのか、その点をちょっとお聞かせ願いたいと思います。
  12. 澤雄次

    政府委員澤雄次君) 申し忘れました。この三億円は二年計画で交渉しておりますので、総工事費は六億円に相なります。それで鉄筋コンクリートのものにつきましては二重窓とベンチレーションだけでございますので、平米当たり換算いたしまして一万円前後でできるのではないかと、このように考えております。
  13. 田代富士男

    田代富士男君 いまいろいろ木造とか鉄筋建物等によっていろいろ違うと思いますが、どのような積算根拠によって総事業費を出していらっしゃるのか、その点をお聞かせ願いたい。
  14. 澤雄次

    政府委員澤雄次君) 防衛庁はこれにつきましては非常に長い経験を持っておりまして、防衛庁が大蔵省との折衝によってできました積算根拠がございますので、それによりまして一応予算単価としては計算をいたしております。しかし、実際に工事をいたしました場合にはそのかかった額によることは当然でございます。
  15. 田代富士男

    田代富士男君 そうしますと、一つの例でありますが、伊丹周辺長尾中学校でございますが、これは飛行場からはある程度離れた地点になっておりますが、まあ防音障害のクラスに分けるならば、トップクラスの次にくるところじゃないかと思うのですが、この中学校の改築の場合を見ますと、校舎全体で約二億円、このうち防音工事費が一千五百万円、空気調整費が四千八百万円等で、総計二億という数字になっているのですが、そうしますと、最高の一億円という予算ではちょっと少ないような感じがするのですけれども、この点はどうでしょうか。もちろん、この長尾中学校の場合は、豊中そば学校と違いまして、ある程度騒音がゆるやかであるということもございますけれども、いま申したような金額を加えていきますと、一億円という予算ではちょっとどうかと思うのです。この点どのようにお考えかお伺いします。
  16. 澤雄次

    政府委員澤雄次君) ただいま御指摘の、長尾中学の総平米をお伺いしませんとちょっとわかりませんが、長尾中学校につきましては、これは前々から宝塚の市から御要望がございまして、私のほうでもいろいろ宝塚市にはお世話になっておりますので、文部省とも運輸省折衝いたしまして、ごくわずかの金ではございますが、文部省からの補助金をもらいまして、あと宝塚市の力でこれを建築された、こういうふうに聞いております。
  17. 田代富士男

    田代富士男君 そうしますと、第九条に、移転補償について規定してありますけれども、「一定区域」というのは、飛行場よりどの範囲あたりがその「一定区域」となるのか、御説明をお願いしたいと思います。
  18. 澤雄次

    政府委員澤雄次君) お手元に配付申し上げました資料の「防衛施設周辺整備法に基づく措置基準」という資料をこの間お配りしたと思います。これの第五ぺ−ジでございますが、これは実際現在防衛庁実施いたしております補償基準でございます。私のほうもこの基準によりまして、なるべく同様の措置実施いたしたいと現在考えております。防衛庁の場合、まん中に細い線がございますのが滑走路でございます。滑走路の端から三百メーターのオーバーランがございまして、そこまでを着陸帯と申しております。この着陸帯から五百メーターまでの範囲で左右の濃い線のありますところは絶対に買い上げる。それ以外の区域斜線だけの区域でございますが、これをすなわち着陸帯から千メートルの範囲でございますが、その中の二重の斜線のところでございますが、この辺につきましては、宅地を買い上げます。移転をしたいという方には完全な移転補償実施いたします。そうしてその家を他に移転したことによりまして、残地——従来の目的の使用ができなくなりました場合には、その残地を買い上げます。こういう基準で現在実施をいたしております。運輸省の場合も同じ基準実施をするように関係省といま折衝をいたしております。
  19. 田代富士男

    田代富士男君 いま指定区域内の移転補償をやるということでございますが、予算範囲内で行なうということになっておりますけれども、その点もうちょっと詳しく御説明願いたいと思います。
  20. 澤雄次

    政府委員澤雄次君) この実際の土地買い入れ、あるいは移転土地買い入れにつきましては、時価によって買い上げます。時価の算定につきましては、もちろん土地鑑定人を入れまして、この時価によって買い上げるわけでございます。移転補償につきましては、国の移転補償基準要綱というのがございまして、この移転に伴う相当因果関係のありますものは完全に補償するというわけでございます。「予算範囲内」とございますのは、先般の木村委員からの御質問もございました、国の予算として一挙に実施することはなかなか困難でございますので、緩急順序に従って騒音の著しいものから順次それを実施させていただく、こういうことで予算範囲内ということが入っているわけでございます。
  21. 田代富士男

    田代富士男君 いま移転補償のことにつきましては緩急順序に従って順次やるためにそういう予算範囲内ということで、このように移転補償について努力していきたいと、よくわかりましたが、今度は指定区域内の伊丹の場合は港がありませんから、農業関係あるいは羽田の場合は漁業関係、こういう損失補償についての損失額はどのような基準によって決定されるのか、その点をお聞かせ願いたいと思います。
  22. 澤雄次

    政府委員澤雄次君) 農耕補償あるいは漁業補償につきましては、その騒音あるいはひんぱんな離着陸によります危機感あるいは圧迫感によりまして、その農業をしておられる方が実際に被害を受け、それが収支に影響する場合、それを完全に損失補償する、こういうことでございます。たてまえはそういうことでございます。ただ農業収入の場合には、その収入が気象その他の航空機以外の条件によって左右される場合が非常に多いわけでございますので、一応の定型的な損失補償基準を定めて、どなたも御納得のいくような損失補償基準を定めて、その損失補償実施したらどうか、このように考えております。で、定型的な損失補償基準というものは、やり方はいろいろあると思いますが、その地域の平均収入、こういうものからその農夫なら農夫の方の一時間当たり、さらに一分間当たり収入額と申しますか、あるいは労働価値というものを換算いたしまして、そしてそれと飛行機離着陸回数によって、それが何分間一日に阻害されるかということを逆算いたしまして、それの一年間の積算によりまして損失補償額をきめると、こういう方式でまいったらどうかということでただいま関係省折衝いたしておるわけでございます。
  23. 田代富士男

    田代富士男君 いまお話を聞きまして、定型的に損失基準として農夫の一時間あるいは一分間の労働価値というものを換算あるいは飛行機離着陸回数によって損害を受けるところのそういうそれをば一年間積算した上で計算をなさると、そして出すとおっしゃいますけれども、現実にどういうことが起きておるかということを私も伊丹状況を調べてみたわけなんです、それがはたして計算されるものかどうか。そうしますと、いま伊丹周辺でいろいろな問題が起きております。私もこれは、こんなことが事実起きておるのだろうかと意外に思うことがあるわけなんです。ということは、飛行機——ジェット機の問題でございますが、ジェット機離着陸する関係であると思いますけれども、特に南方で起きておる植物の、人間で言うならば結核といいますか、ちょっとその資料いま持ってきたのですが、ことばが変なことばなんですけれどもね、そういうものがいま実際起きているわけなんです。バイレスという病気ですね、バイレスという病気がある。これは日本ではあまり起こってない病気なんです。それから、私はこういう農業専門家でないからわからないのですが、菌核病とか露菌病、まあ植物に対する病気なんです。これがもうひんぱんに起きてきておるわけなんです。それで私もこういうことは初めてでありますし、まだこういうものに対する損失補償というものは、いま言われておりましたけれども、いま検討の段階であると思いますけれども、こういう病気が起きてきておるわけです。起きてと言えば語弊があるかもわかりませんが、植物病気。それで一つは、まあこれは航空局関係していらっしゃると思いますが、本年の五月の八日に、農中市内の勝部地区寺野精次郎さんから、最近農作物被害調査依頼を受けたわけなんです。そこで五月の十日あたりから大阪府の公害関係者あるいは勝部地区農作物対象として調査に参加した運輸省からも大阪航空保安事務所一の戸倉保安部長が参加しております。そのときの−大体の被害状況を私は聞いてみましたが、一つは、最近になりほとんど農作物——ナス、カンラン、ジャガイモあるいは果実特にイチゴが、またあぜ道の草までに斑点が出てきている、こういう調査の結果の資料が出てきております。  第二番目には、農作物などは黄色になり、そしてそのまま枯れていってしまっておると、また果実の葉が落ちて、ソテツなどは新芽が出てこない、こういう現象が出てきております。  三番目に、ビニール栽培によるキュウリなどについては、ビニールのおおいを取れば四日、五日もすれば斑点ができる、こういう結果です。  四番目は、これらの状態も雨が当たらない果実などは全然影響が見られない、まるで反対の結果が出ておるのです。  五番目は、洗濯物を干しますと黄色いものがつくと、こういう結果が出ている。  六番目には、今度は金魚ですね、金魚にも白い斑点ができ始めると死んでしまう、白い斑点ができますと。  まあこういう結果が出ているわけなんです。そうしますと、これはいろいろいまも研究されていますけれども、バイレス病というのは、私は農林関係のことは詳しくありませんけれども、南方に多い病気だと聞いております。これがどうしてこのようになってきておるかという点につきましてまずお聞きしたいと思います、損失補償に関連しましてですね。農林省お方もおいでいただきましたですから、あわせてお聞きしたいわけなんです。
  24. 澤雄次

    政府委員澤雄次君) ただいま田代委員から御質問のございました数点の被害事項につきまして、これは他の民間空港におきましては、もちろん全国の飛行場周辺におきましてもこのような事実は起こったことはないわけでございます。それで、なぜ伊丹だけにこのような事実が起きたかということにつきましては、ただいま田代委員南方バイレス病ではないかというお話がございましたが、それぞれの事項につきまして航空局では地元と協力いたしまして調査実施いたしております。  第一点のイチゴその他の農作物被害につきまして、これは五月の上旬に、進入表面投影面下にある長さ約二千メーター、幅四百メーター範囲イチゴ、キャベツ、白菜等黒斑がついたという地元からの申し出がございました。これは地元では航空機による油その他の漏洩があったんじゃないかというようなことでございまして、航空局といたしましては、地元の市と協力いたしまして、大阪府立大学の農学部に原因調査を依頼いたしました。で、現在までのところ、この府立大学では、航空機のあらゆる油、ジェット燃料油から潤滑油その他のものを現実にぶっかけまして、雨の降る前、降ったあと、いろいろな事情を分けまして調査をいたしておりますが、現在までのところ、これはどうも航空機によるものではないんじゃないかというようなお話がございましたが、これはまだ最終的な結論はついておりません。  それから被害状況につきましては、これも地元調査をいたしております。  それから万一航空機からの油の漏洩であってはいけないということで、飛行機のほうもその期間に大阪空港離着陸いたしました飛行機全部につきまして、目下航空局のほうで具体的に、そのときそういう燃料系統に故障のあった飛行機があったかいなかということにつきまして調査をいたしております。  それから、斑点が、汚物が洗たくして干しておるものにつくのではないか、この汚物というのは、航空機に乗っておる人間汚物がつくのではないかという話につきましては、それを具体的に、その斑点のついたものをもらいまして、これもそれぞれの機関で調査をしていただいておりますが、現在までのところ、これは人間汚物ではない、鉄分であるということでございまして、これはどうも航空機以外の原因による被害ではないか、このように考えておりますが、これも最終結論が出るまで何とも申し上げられません。  大体以上でございます。
  25. 田代富士男

    田代富士男君 じゃあ農林省お方にもちょっと……。
  26. 安尾俊

    説明員(安尾俊君) 先生承知のとおり、植物及び植物生産物の輸入に関しましては、植物防疫法で港並びに空港で厳重に検疫をいたしておりまして、もし万一日本にない新しい病害虫わが国に侵入した場合には、国が直ちに緊急防除をして根絶するという措置をとっておりまして、現在のところ空港に関しましてそういう新病害虫が侵入したという報告は受けておりません。  で、先ほど田代先生の御指摘の、バイラスでございますが、これはバイラスというのは一つ病気でございませんで、植物病気を起こすもとは、大ざっぱに分けまして三つございまして、カビの類と、それから細菌、バクテリアでございます、それからウイルスと申しまして、光学顕微鏡では見えない、いわゆる電子顕微鏡にかけないと見えないようなたん白質による病気でございます。で、まあウイルス病という総称をいたしますと、わが国にも稲に関するウイルス病はすでに五つございますし、そのほか蔬菜、果樹等にもたくさんございます。したがいまして、まあ南方にももちろんございますが、いまのところ航空機離着陸によりまして特に南方からのウイルス病が侵入したという事実はわれわれ認めておりません。しかしながら今後とも国際的に交通がひんぱんになりますと、こういう問題が起こってこようかと存じますので、今後空港におきます検疫体制を強化いたしまして、そのようなことがないようにいたしたいと存じます。
  27. 田代富士男

    田代富士男君 いま澤局長さんが申された黒斑の場合は、豊中市の原田元町五の七十四の広沢菊江さんから陳情がありまして、庭のバラ、モミジ、ツツジに最近ついたと思われる異物を発見したわけなんです。それを持って行った。農林技術センターでその分析と、黒状のものの変化過程をつかんで原因究明をされたわけなんです。それから五月二十三日  まあ時間がありませんから、五月三十日と、いろいろ現在検討されている段階であると思いますが、まあいま航空保安局原因結果待ちということになっておりますから、早急にこれはやっていただきたいと思います。  また、いま農林省お方から、正式にはバイラスというのですね、われわれしろうとでございますから……これはビールスであろう。南方より広がってきたとは思われない。しかし、出入りが激しいからそういう可能性もあるから、防疫を厳重にしていきたいということでございますが、事実、御承知のとおりに、伊丹空港そばには新明和工業がございます。大きい工場であります。そこにはいまも御承知のとおりベトナムからの修理のための飛行機がじゃんじゃんやってきております。数日前は、ベトナムからやってまいりました飛行機、あれは何型ですかね、CMですかね。伊丹空港で、着陸したとたんに、タイヤが古ぼけていたために、大破という事故を起こしております。そういうタイヤが古ぼけるくらい手入れがされていないということは、そういうベトナムあたりの土がタイヤについてきていることは間違いないわけです。大破を起こしている。そうして新明和工業ではベトナムからの飛行機をじゃんじゃん修理をしている。さあ、こうしますと、ますます防疫を固めていかなくちゃならないと言われますけれども、すでに固めていかなくちゃならないという段階よりも、もういまやっておかなくちゃたいへんなことなんです。そうしますと、現在の大阪空港防疫官入管審査員はたった十七名です。十七名でやっております。そうして、米軍飛行機を持って来る、その検疫関係は全部米軍まかせです。事後報告があるだけです。最近神戸から戦車トラックが上がってきております。これもですね、防疫関係はほとんど日本審査官は立ち合ってないのです。米軍まかせです。まあお互いに信頼していくという点でいかなくちゃならないけれども、はたしてこれがどのようになっているのか、私は疑わざるを得ないのです。それと、入管審査員が十七名でありますが、御承知のとおりに、大阪万博を控えております。今後ともに国際線の飛行機がどんどん入ってくることは間違いありません。いまでさえも手一ぱいの十七人です。それがはたして万博が行なわれるときにですね、これを十七名でやり切れるかです。先日もこの問題につきましては、早急に審査員を教育しますというような政府の答弁でありましたけれども、このような入管審査員の教育というものは、二年や三年でできるものじゃありません。そうすれば、いま昭和四十二年です。万博は四十五年です。あと三年で審査員が養成できるか。少なくとも六年ないし七年審査員に要ります。いまお話がありましたとおりに、防疫の面を充実していかなくちゃならないとおっしゃるけれども、もう現在から考えて、万博に対する態勢、かまえという面から考えましても、これは皆無にひとしいじゃないかと、そういう点は政府の怠慢じゃないか。やはり後輩を育成し、いつも建設的な姿勢で向かっていくのならこういうことはありませんけれども、これ一つを見ましても考えられるわけです。だから、米軍がそのように飛行機をどんどん持ってくるのです。戦車トラックを持ってきているのです。どうすることもできない、十七人では。あなたまかせです。こういう点からですよ、バイラスがはやってないと断言は私はできないと思うのです。こういう点からも改善の余地があるのじゃないかと思うのです。まあその点をまずお聞きしたいと思います。  それと同時に、現在、特にベトナムではコレラ、ペストがはやっております。ところが、これは一般に公開されておりません。海外旅行するときには注射を打ちます。私も海外旅行した経験がありますが、注射打ちますけれども、そのときに、いまベトナムではコレラやペストがはやっておりますという注意なんか防疫関係でしておりません。ひたむきに隠している。向こうでコレラ、ペストがはやっている、そこからの飛行機が帰ってきた、戦車が帰ってきた、さあトラックが帰ってきた。そうするならば、その防疫だけでもたいへんです。やらなきゃならない。しかし、その力がないから隠しているのか、その点につきまして、第二点、御説明を願いたいと思います。
  28. 安尾俊

    説明員(安尾俊君) お答えいたします。  私ども所管いたしますのは植物検疫関係だけでございまして、先生の御指摘の、人間病気につきましては厚生省の所管でございますのでお答え申し上げられませんが、植物関係につきましては、いま御指摘の土の問題が出てまいります。これにつきましては、伊丹におきましては新明和工業ベトナムからの要修理のヘリコプターが搬入されておりますので、神戸の植物防疫所の係官を派遣いたしまして検査をすでに二へんやっておりますが、これにつきましてはすでに陸揚げ前に洗滌、消毒が行なわれておりまして、いままで検査した範囲内では土壌は付着しておりません。なお米軍貨物に関する植物検疫につきましては、一九五二年十月三十日の日米合同会議の第二十五回の会議におきまして認められました協定に基づきまして、米軍といえども、わが国植物防疫法に従って検疫関係を十分守ってもらいたいという趣旨を徹底さしておりまして、日本に搬入されます飛行機等の土壌問題につきまして、向こうから積み出すときにすでに洗滌並びに消毒してくるように会社を通じて申し入れをいたしておりまして、米軍はそれを実施しておるということを会社側から報告を受けております。以上です。
  29. 田代富士男

    田代富士男君 この問題については詳しく聞きたいのですけれども、時間もあまりありませんが、いま米軍が積み出す以前に洗練、消毒をしているということでございますが、当然だと思います。疑えばきりがないわけなんです。事実そういう新明和工業の、中心地に、そういう一切の植物のそういう病気がはやっている、これは事実です。いまさっき具体的な例を私は取り上げました。あとまた資料は私はたくさん持ってきております。ここに持ってきておりませんけれども、いろいろな膨大な資料があります。だから、こういう点についても私は検討をしてもらいたいと考えます。だからそういう万博の問題に対しまして、審査官の問題については所管違いだと思いますけれども、そういう点につきまして、きょうは所管違いと思いますけれども、次官がお見えになっていらっしゃいますから、その点どうでしょうか。審査官十七名、教育は政府が教育していくといっておりますけれども、二、三年では教育は役立たないわけです。六年かかるのです。ところが四十五年には万博がある。この点につきまして所管は違うといっても、運輸行政無事故で終わらなければならない。そういう立場でありますから、次官としてのお考えでけっこうですから。
  30. 金丸信

    政府委員金丸信君) 所管違いでありまして、ちょっと私はそういう方面、全然無知識なものですからうまくわかりませんが、ただ政治的な感覚といたしましては、田代先生のおっしゃるようなことに私も同感であります。泥棒をつかまえて縄をなうということではならないと、こう感じておる次第でございます。
  31. 田代富士男

    田代富士男君 いま次官が申されたとおりに、泥棒論議じゃありませんけれども、この問題はしかとお願いしたいと思うのです。  私は、もう一つ万博の問題が出ましたからついでにお聞きしたいのですが、これも航空安全というたてまえからのことでございますが、千里ニュータウンの中心としましていま万博計画がなされております。その中心センターに、中心地にランドパーク記念塔が建つ予定になっております。政府は七億五千万円で、もう大蔵省からも認可があっていると思いますが、これは予定は百八十メーターの塔だと聞いておりますが、この記念塔を建てる、政府が七億五千万円でやるという話を聞いた、三菱グループだったと思いますが、それであるならば、この際、なかなか万博というものは行なわれるわけはないし、そういうわけで三百五十メーターのものを建てようじゃないかということがいま進められているわけです。一転して百八十メーターの塔が、三百五十メーターの塔にいま取りかえられようとしているわけです。その準備がなされているわけです。だから万博自身を考えていけば、なるほどそれでけっこうだと思うのです、大いにやってもらいたいが、ここに私は、この前から運輸委員会におきましてもいつも繰り返して言っていることは、一つの所管はこれはよろしいというけれども、全体観に立った上の措置を講じなければだめだ。そこに現在の政府の足並みのそろわないばらばらなところに問題点が多い。もっと大所高所から検討して、言うならば同じやる事業であっても、価値的にもっと有効的にできるわけだということを何回も言ってきておりますが、今回の万博のいまの問題につきましても、三百五十メーターの塔が建てられる。まあみごとな塔でしょう。しかし、このためには、今後は航空関係はどうなるか。私もまた航空関係の問題に対しましてはしろうとの部類でありますが、私もいろいろ説明を聞きましたら、御承知のとおりに、大阪伊丹空港へまいります飛行機がどういう方向からまいりましょうとも、大阪城のすぐそばに、多くの皆さん方御承知の、RK、そこで全部が掌握されまして伊丹空港へ着陸態勢に入るわけです。また離陸する場合も、離陸する場合は、全部ここに資料がありますけれども、離陸の場合は伊丹二〇五QSという、これは大阪標識所というのですか、ここを中心としまして、東京方面であったならば、九十九度かまたは九十八度で進んでいかなければならない。このように航空行政の上できめられているわけです。そうしますと、いま離陸した飛行機がQSの大阪標識九十九度、九十八度でいきますと、三百五十メーターのところに引っかかってしまう。今度は大きいジェット機がRKのところから伊丹空港のところへおりているときに、小さなセスナであるとか、小さな飛行機が飛んでいた場合には、ジェット機と一緒におろすわけにいかないから、一時空において待機させなきゃならぬ。そういうふうに待機場所としていま申すように千里ニュータウンの方が待機場になっているわけです。そうしますと、その待機場所を航行する飛行機の高さというものが、私もしろうとでありますが、百八十メーターの塔であるならば三百三十メーターと余裕があるのです。そのように聞いておる。三百五十メーターであったならば、これはたいへんである。私はそう思うわけです。ところが、相当、万博のほうにおきましてはこれを準備している。しかし、これがもしもそのまま、いまのまま建ったならば、全世界のあらゆるお客さんが日本の国へきたときに、全部がこの三百五十メーターの塔を見上げておったときに、飛行機の衝突大事故を起こしたとしたならば、これは日本の国としても恥じゃないかと思います。そうなるならば・いま建設の段階であるならば、航空当局としてその問題に対してほんとうに危険であるから、いまから運輸省の意見として万博関係者に対して意見具申をされる私は必要があるのじゃないかと思うのですけれども、その点はいかがでございましょうか。
  32. 澤雄次

    政府委員澤雄次君) 全く田代先生のおっしゃったとおりでございます。百八十メートルでございましたらそれは危険もない、また障害にもならない。しかし新しい案の三百五十メートルになりましたら航空機の航行に危険であり、かつホールディングの場合等障害になるということで、現地の航空局の事務所でも万博と打ち合わせをいたしております。本省の私どものほうにも万博から係官がたびたびまいっておりまして、航空機障害になるようなことはいたしません、こう申しております。近く万博の事務局と航空局との間で話し合いができるものと確信いたしております。
  33. 田代富士男

    田代富士男君 時間もございませんから、いろいろ申し上げましたけれども、いずれにしましても大所高所から、いまの騒音によるところの損害補償の問題につきましてもまだ原因がはっきりしておりませんけれども、その原因をすみやかにはっきりなされまして、そして適切な措置を講じてもらうように最後に要望いたしまして、私の質問を終わります。
  34. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 この法律をざっと見たんですが、一つには法律の二条それから法律案の要綱の第三ですね、従来の特定飛行場というものは政令できめることになっておりますが、この場合要綱の中にもございますが、「政令で指定するもの及び新東京国際空港をいう。」こうカッコ閉じしてありますが、この新東京国際空港というのはあるんですか。
  35. 澤雄次

    政府委員澤雄次君) 新東京国際空港法律上存在いたします。それは新東京国際空港は公団法を御可決いただきまして、これに基づく政令でその位置は成田市ということに規定いたしております。  それから空港整備法の第二条に、第一種空港は新東京国際空港及び主として国際線を運営する空港ということで法律的には存在いたしております。
  36. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 その法律は、澤君、公団法をつくるときに直ちにこの公団法が通過をすれば富里であるというような当時の大臣の答弁がありまして、その法律を通過さしたのはこの委員会ですから承知をしていますよ。その後紆余曲折して三年もたった今日、いまあなたが答えられたように定めてありますが、一体今度新たにつくる法律の中に特にカッコ閉じをして書いてある。いま聞いてみたら成田だというが、成田に実在しているんですか。世の中に実在をしていないものは幽霊というんですよ。
  37. 澤雄次

    政府委員澤雄次君) 新東京国際空港の供用開始はまだいたしておりませんが、法律的には新東京国際空港というものはございますし、新東京国際空港が供用開始になれば、現在の東京及び伊丹の国際飛行場と同じ頻度あるいはそれ以上の頻度でジェット機の離発着が予定されておりますので、この中に法律で明定いたしたわけでございます。
  38. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 法律の存在していることは承知していますよ。だけれども、使用開始になればいろいろ伊丹とか、あるいは羽田と同じような発着陸等の頻度がある、こう言っております。そのことも大体想定されるから法律を提案していると思う。実際成田の飛行場というもの、空港というものは実在しているかということを聞いておる。  それから、いまあなた答えられたけれども、追加して伺っておきますが、使用開始になればと、こう言っておりますが、ではいつごろ使用開始になるんですか。
  39. 澤雄次

    政府委員澤雄次君) 実在というのは、供用開始の意味における実在という御質問であれば、現在は実在はいたしておりません。それから供用開始は運輸大臣から公団への指示によりまして、四十六年の四月から供用開始をするように、こういう指示を公団にいたしております。
  40. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 指示はしていますけれども、先般もいろいろ現地の動き等があって、大臣も答えておったし、それから公団の成田総裁も来まして、若干それぞれ食い違いがあったですね、答弁に。それはあとで統一されて一本になったから、これはとやかく私言うものじゃございません。ございませんが、現状指示はしているものの、指示をしたからといって実在しているわけじゃないですね。まだ土地の一坪だって民有地を取得していない、買収していませんね。四十六年ということになりますればもう間もない、これが具体的に、では四十六年なら六年の使用開始ということなのですから、ただいま現在から四十六年までの具体的な進行の状況をひとつ説明をしてください。
  41. 澤雄次

    政府委員澤雄次君) 現在から四十六年の四月までに、まず四十二年、今年度と四十三年度土地の買収を終わりまして、四十三年度にはもちろん買収の終わったところは工事を進めるわけでございますが、四十五年度中に、四十六年三月までに四千メートルの滑走路一本と、それからその滑走路を運営するに必要なターミナルその他の付属施設をこの四十四年、四十五年のうちに建設する、こういう予定になっております。
  42. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 そうすると大体その予定がわかった。しかし、予定はしょっちゅう狂いますが、狂わぬようにやってもらいたいと私は思います。公団法つくったときはそういうことを言っておったのですがね。これは大事なところだ。いま法律上あるけれども実際実在しておりませんから、これは幽霊的なものですね。だからそれはあえて言いませんがね。ただその場合に、法律の附則にもありますように、これは法が制定されれば公布の日をもって発効するわけですね。そうするとこれはもう先ほど来の委員長、理事の打ら合わせ会の報告を聞いてみますと、あと間もなく成立するのじゃないですか。これは手続きして公布ということは今年度中にやるわけでしょう。その場合に実在していないですね。私は使用開始の四十六年度なら四十六年、あなたがいま答えられたようなときでもけっこうですわ、実際使用開始のときにやってもいいのじゃないか。それをあえてカッコして、丁寧に新東京国際空港といって入れたのは、何かあると思うのですがね。これはどうなのですか。
  43. 澤雄次

    政府委員澤雄次君) 何かあるという御質問でございますが、法律的に、空港整備法の中に第一種空港として新東京国際空港と明示いたしておりますので、法律上やはりここに第二条に明記することが必要であるということを考えたのが第一点。第二点といたしましては、この新空港は四十六年の四月から供用開始をいたしますが、それまでに四十三年度予算からこの法律に規定をしております学校木造の家屋を鉄筋に変えたり、その他の防音工事実施いたしましたり、あるいは移転、買い上げの補償をいたしたりすることを、供用開始までにできる限り、予算の許す限り実施いたしたいということがこの新東京国際空港を第二条に規定いたしました実質的な理由でございます。
  44. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 いまかなり大体全貌がわかってきましたがね。たとえば羽田伊丹にしても政令で定めている−わけでしょう。そうすると、この新東京国際空港なんかも政令で定めることができるはずですね。これはできないのですか。これは私がいま聞いているのは善意にものごとを判断して聞いているのですがね、あえてカッコの中に新東京国際空港というものを入れるには何か意味があるのじゃないか。それでいま何かあるのじゃないかと聞いたのですが、それであってなきがごときような答えになりましたが、いまこの問題がいろいろ現地で大橋国務大臣が幾たびか−一回ぐらい行った段階でたいへんな事態になっていますね。ですからぼくは、政令できめることができるものであれば、あえてこういう条文にありますカッコとじをして、カッコ書きで入れなくてもいいんじゃないかという気がするものですから聞いておるわけです。
  45. 澤雄次

    政府委員澤雄次君) 吉田先生のおっしゃることもよくわかるのでございますが、一つには法文の書き方でございますが、政令で指定いたしますものは運輸大臣が設置する公共用飛行場でございます。それから新東京国際空港は運輸大臣が設置、管理するのではなくて、空港公団が設置、管理するわけでございます。それで運輸大臣のほうは政令で指定する、こういうふうに規定いたしました。現在のところ東京、大阪の両国際空港しか政令指定は考えておりませんが、将来、地方空港で非常に東京、大阪空港と同程度にまで騒音障害が著しくなった場合には随時政令で指定追加ができると、こういう流動的な書き方を考えて、運輸大臣の設置するものは政令で指定する。それから新東京国際空港はこれは公団が設置、管理いたしておりますし、空港整備法にも新東京国際空港ということははっきり明記いたしておりますので、これは法律に明記した、こういうことでござ います。
  46. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 そうしますと、将来は法律に明文化をしておくことによって運輸大臣の政令範囲を拡大していく場合の便宜的なものだというふうに解釈していいんですか、これは。
  47. 澤雄次

    政府委員澤雄次君) 東京、大阪空港のほかにも将来ジェット機による騒音が東京、大阪空港と同程度にまで著しくなる空港が出てまいりましたら、これはもちろん政令で指定いたさなければならないと、このように思っております。
  48. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 そうしますと、これは一つの例ですが、これはまあ問題はありますよ、軍民の共用の問題はあるが、その問題を抜きにして、たとえば板付であるとか、あるいは千歳の場合、やがてこれはだんだん航空需要が推移していった場合、政令で指定するという場合もあり得るということの、これは先ほど言った軍民の問題は別ですが、そういうこともあり得るというものの考え方でいいんですか。
  49. 澤雄次

    政府委員澤雄次君) 板付及び千歳は現在先生のおっしゃいますように、自衛隊または米軍が管理いたしておりまして、したがいまして、その騒音防止工事防衛庁実施いたしております。それでございますが、将来何らかの事情変更によりまして民間機が千歳または板付空港をほとんど使用するというようなことになって運輸大臣の管理に移管がえということになりました場合には、政令指定ということがあり得るかと存じます。
  50. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 大体航空局の考え方がよくわかってきましたが、第六に「申出により土地買い入れることができるものとすること。」こう示してありますが、私はこうしたものの関係から聞いているのですが、第六でこういうふうに示したというのは、現在羽田あるいは伊丹の場合はさほどそういうものはなかったわけですね。ただ、この間運輸大臣が成田の現地に参ったときに、つまりこの騒音地帯の条件つき賛成派の諸君と  あなたもきっとその席に同行していたのじゃないかと思うが、お会いをしたときに、従前のいろいろ航空局が考えて施策としてやってきたのは、おおよそ私どもの見た場合、この飛行場を早く建設するための用地取得の手段だと、私はこう見ていましたが、そういうものとがからみ合ってきて私はこの六というものを規定して、したがって、三でこの新東京国際空港、これをカッコして入れたのじゃないか、こう思って見ているものですから、したがって、実在をしない幽霊のようなものを法律に一体何で入れるのだと、こう聞いているのです。この関係はどうなんですか。
  51. 澤雄次

    政府委員澤雄次君) 吉田先生の全くおっしゃったとおりでございまして、先生のおっしゃるように供用開始をいたしておりませんのでその意味では実在いたしておりませんが、供用開始までにこの法律に基づきますいろいろな措置実施し、移転補償あるいは土地の買い上げということをこの法律によって実施してまいりたい、このように考えております。
  52. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 大体わかりました。  そこで、この要綱の第六ですね。この場合の「申出により土地買い入れることができるものとする」という、こうなっていますが、この基準は政令できめるわけですか。
  53. 澤雄次

    政府委員澤雄次君) この買い入れの条件その他は政令できめます。これは法律のほうの第九条の第三項にございます。「政令で定めるところにより、」「土地買い入れることができる。」こういうふうになっております。
  54. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 それで明らかになりましたが、すでに大臣は現地で、これは成田の空港関係とかそれぞれ条件つき賛成派の人々に提示をしたものがございますね。あれは政令じゃないわけですよ、まだこの法律が施行されていませんからね。ですからあれは政治的なつまり発言であって、政治的な表現を使って言ったのですが、そうでないとすれば、あらかじめ「申出により土地買い入れることができる」ということについては、航空局には政令のものはあると思うのですよ、政令の内容が。これをやはりせっかくここで法律を私は要綱の第六が中心じゃないかと、こう見たものですから、それがあるならばある程度この委員会でその内容を明らかにいたしておくことが、これは今後のいろいろ作業の進め方あるいはいま種種現地でも心配をしている向きもあるであろうから、この法律を審議するこの委員会としてはそのことがより親切なやり方ではないか、こう思うのですが、どうなんですか。毎度法律が通ったあとで政令をきめ、その政令でさらに基準というものをきめ、まことにここでその法律を審議するときには調子のいい答弁をしていますが、中身は実際そうでなかったという実態が、この法律だけじゃない、これはあらゆる角度の、たとえば災害補償法にしてもそうです。そういうことを幾たび私は経験しておりますから、あえて、特にこの場合はそういうものがあるはずなんです。なければ、大臣が現地でああいう百万まで補償するとか、あるいは百五十万まで補償するとか何とか言えないはずですからね。その関係どうですかね。時間がなければあと資料で提示されてもいいですよ、そういうものがありさえすれば……。
  55. 澤雄次

    政府委員澤雄次君) 先般当委員会に提出いたしました政令事項要旨、これは政令案として御提出いたしますには、関係各省の御了解あるいは法制局の審議を経ないとできないものでございますから、政令事項要旨といたしましたが、この政令事項要旨の六、七、八が御質問の件に関します政令でございます。  それからさらに具体的には、防衛施設整備法に基づく措置基準、これの五ぺ−ジにございます斜線の部分が現在実施しております買い入れまたは補償区域範囲でございます。
  56. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 わかりました。きょう私ここで資料をもらったものですから。そこでその政令のやや範囲がこの中に示されておりますが、それはそれとして、今度は第四で要項の内容が明らかになっていますがね。この騒音防止工事を行なうときには、その費用の全部または一部を補助する、こうなっていますね。ただいまの場合は羽田伊丹、主として私はこの成田だと思うのですがね。この成田の空港に対して概算でけっこうです、これは。法律が今年度から交付されますから、そうしますと、概算、今年度予算組まれておりますがね。成田はどのくらいのこの費用の全部あるいは一部を補助していくということになっておるのか。
  57. 澤雄次

    政府委員澤雄次君) 成田につきまして、これは先ほども御回答申し上げましたように、実際の予測いたしました騒音測定の予測ということをいま少し完全に実施しなければなりませんが、現在われわれが想定いたしますところでは、学校で成田周辺に十三校、それから学校に類する施設保育所その他二校、それから診療所等で十一というものが騒音防止工事助成の対象になっております。  それから移転補償土地買い入れ等につきましては、これは実際のお申し出がないと予測が立ちませんが、一応成田空港関係でこれは年次はまだ何年間ということはわかりませんが、大体三十七億くらい要るのではないかと、このように運輸省では概算をいたしております。
  58. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 そうすると、いま答えられた学校、教育施設ですがね、それと医療関係施設ね、それから移転関係については、まあ推移を見なければならないと言っていますがね、いままであの法律が制定されてからやや三年ですわね、そういうことになりますね。その間やはりこの移転補償がどのくらい必要であるかということは調査、検討されていると思うのですよ、航空局。それがなければ、先ほど来あなたが申された有利であるとかないとかというこの議論の展開は、全くぼけたものになりませんか、これは。それとこの法律の中にも書かれておりますが、たまたまそこには漁業がないと思いますが、農業補償漁業補償なんかですね。こういう関係だって、当然想定されてある程度試算されているのじゃないかと思うのですよ。そういうものもみな含まって三十七億ですか。
  59. 澤雄次

    政府委員澤雄次君) ただいま申し上げました三十七億の予算は、供用開始までにできたら使いたいと、こういうわけでございますので、農業補償その他は供用開始後でございますので、まだ予定はいたしておりません。
  60. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 そうしますと、四十六年までに三十七億ですか、そうですね。この三十七億というのは、四十六年までに学校、教育施設、医療関係施設のみですね。農業補償については……。
  61. 澤雄次

    政府委員澤雄次君) 土地の買い上げが若干入っております。
  62. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 若干土地の買い上げ。そこで先ほどぼくが聞いたのは、澤君ね、この種の当初年度といいますか、いま予算組まれていますね。そこでことしどのくらい金が見込まれるのか、この成田だけで。
  63. 澤雄次

    政府委員澤雄次君) 今年度国会で御承認を得ました予算では三億円を計上いたしておりますが、これは東京、大阪羽田伊丹だけでございまして、新東京国際空港の分は含まれておりません。新東京国際空港は四十三年度分から予算要求をいたしたいと、こういうことでいま作業を進めております。
  64. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 そうしますとね、この法律が通っても今年度は手をつけられないということになりますね。そうすると、約束だけはしておくということかな。たとえば土地の買収等も、まだそんなところまでいっていないようですけれども、かりにそういう状態になったらあれですか、手をつけることができないのじゃないですか。から手形のようなものになりませんかな。
  65. 澤雄次

    政府委員澤雄次君) 学校騒音防止工事その他は、今年度は成田につきましては手をつけられませんが、土地の買い上げ、あるいは移転補償等の御要望がございましたら、今年度から実質上の予算措置を講じて、これはお申し出のあった分すべてを買うように政府としては万全の措置をとりたいと思っております。
  66. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 万全の措置をとるといったって、予算にないのですからね。どういう措置をとるのですか。予算にないものをどういうしかたするのですかね、ちょっとぼくはそこがわからないのだがね。
  67. 澤雄次

    政府委員澤雄次君) 空港公団はその土地の買収あるいは新空港建設につきまして、補償工事実施することができることになっております。それでこれを広義に解釈いたしまして、その公団の補償工事の一部ということで関係省の了解を得れば、そういう買い上げ、あるいは移転補償ということが実施できるのではないかということで、いま関係省折衝しているわけでございます。
  68. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 これは技術的にかなりぼくはむずかしいことだと思いますよ。国会で承認を得た予算にないものを広義に解釈して、各関係の省庁というのは大蔵省だと思いますがね。あなたの言った金をやり繰りするわけですから、そういうものにつんと予算をつける場合に何かあれば別として、勝手にそんなことを各行政機関の省庁が話し合いがついたからといってやれるもんじゃない。たとえばそういう趨勢にないと、私はあまり移転は心配しませんがね、一挙に条件づき賛成派が、この間大臣が現地で示したものを、はい、そうですかということを言ったら、これはとても三億や四億じゃないでしょう。そんなことはできますかね、これは。できないですよ。そういういいかげんなことで国会で予算審議をして予算をきめるわけじゃないのですから、法律的にもできないですよ。
  69. 澤雄次

    政府委員澤雄次君) 公団は土地の買い上げ及び飛行場の建設だけではなくて、それに伴います補償ということもやれることになっております。それで、その補償のあれを広義に解釈いたしましたら、実際にことし買上げ、あるいは移転補償の要望があれば関係省の了解を得てこれをそちらに使用するということは財政法上許容されるのではないかということで、いま関係省折衝いたしておる次第でございます。もちろん非常な額になれば、これは臨時国会その他の際に予算の補正をお願いしなければならない、こういうことになると思います。
  70. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 局長、補償ということと土地の取得というのは本質的に違うのですよ。補償というのは、そのために農業ができなくなって代替地を与えたけれども、その代替地を造成していく場合にかかる経費は国が持つのかどうか、ということが補償です。それから代替地を求める場合でも、土地の原価計算をして等価交換を行なう、その関係補償じゃないのです、それは。そういう面からいえば、幾ら、あなたは広義に解釈して補償と言うが、広義に解釈して土地の取得をやるということなんてできますかね。これは法律上、予算上できますかね。できませんよ、それは。しかし、委員長、理事の皆さんに協力する関係上、あまりこの問題申しておりますと、時間が迫ってきますからこれ以上申し上げることできません。それは、できないということは、今年度中に具体的に土地取得をするような状況にならないということを裏書きしているのですよ。だから、これ以上言いませんが、できませんよ。  それから、時間は半まででしたかね。あと五、六分しかありませんから、それであと二、三……。  一部を補助していくというような関係、地方自治体も経費負担するというようなことになっておりますね。これがたいへんだと思うんですよ。地方自治団体としても起債の限度額に制約をされますことと、それから税源の問題はうま味のあるところは全部国税のほうで徴収されていますので、したがって、現行の地方自治団体の財政というのは、あなた方簡単に文章に書いて分担するようなことにはなっていないですよ、これは。ですから、これらをただ単に、法律ではまあ「補助する」とか、あるいは「努める」とか、「努める」ということは努力することだと思いますがね、その財政援助についてつとめますと書いてありますね。努力することだと思いますがね。毎度こういうことになると努力ということばが使われてきますけれども、さっぱりそれが努力したという結果が出てこないですな。今回に限れば出てくるのかもしれませんがね、たいていは出てこない。ここらあたりの運用をあなた方はどうおやりになるのかね。ここのところをひとつ−・・。
  71. 澤雄次

    政府委員澤雄次君) この補助率はそれぞれに違いますが、第五条の、学校その他補助につきましては、原則といたしまして騒音防止工事に関するものについては一〇〇%補助ということを考えております。ただ相手方に利益が残る場合にはその分を引くという考え方でございます。で、その引き方が正しいかどうか、いろいろ問題があると思いますが、たとえて申しますと一番高度のRA3  これは基地周辺の方は非常によく御存じの名前でございますが、RA3という学校のほうを工事をした場合においては、その古い木造校舎鉄筋コンクリートにやり直します工事費の九割を国が負担いたします。  それから第六条の場合は、これは一定の定額によって市町村に補助をするわけでございますが、学習、集会、特に共同学習室等の場合には、これも国が原則として全額を負担する、そういうまえになっております。「援助に努めるものとする」ということにつきましては、これは自治省のほうとも打ち合わせをいたしておりまして、起債額のあっせん、その他、第八条にもございますが、国有財産の譲り渡しまたは貸し付けにつきまして、運輸省としてはできる限りのごあっせんをいたしたいと考えております。
  72. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 それで、第七条の関係ですね。融資、主として起債でしょう。それはあなた方を信頼をしてこれ以上言いませんが、八条の、国の普通財産を譲渡したり、あるいは貸し付ける、無償の貸し付けになると思いますが、何かあるのですか、どんなようなものがあるのですかね。
  73. 澤雄次

    政府委員澤雄次君) ただいまの御質問の点、無償貸し付けは、この条文ではできませんです。これで言っておりますことは、会計法二十九条の三で、国有財産の払い下げ、貸し付けは原則として競争入札でやらなければいけないという条文の例外規定がございまして、国有財産を、たとえば土地でございますが、国有の土地、これを譲り渡しまたは貸し付けることができる。指名でその市町村に譲り渡しまたは貸し付ける、こういう規定でございます。
  74. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 大体、実在をしない成田の飛行場が中心になって書かれておる法律ですから、九条にしても、その2、その3、この辺ではまだ質問して理解を深めておきたいと思いますが、ちょうど委員長から仰せになりました十二時半になりましたので、私はきょうは質問を終わりたいと思います。
  75. 大倉精一

    ○大倉精一君 吉田君が時間いっぱいやってしまったので、私も協力の意味で三つばかりお伺いしたい。  先般欠席しておりましたので、これは重複するかもしれませんけれども、お許しを願って……。第一点は、個人の住宅というのですか、住宅の防音施設については何ら考慮いたしてないというのですけれども、その理由を聞かしていただきたい。
  76. 澤雄次

    政府委員澤雄次君) 先般木村委員の御質問にもございましたが、一般住宅に学校同様の騒音防止工事を助成するということになりますと、これは予算的に現在の財政状態ではまず不可能ではないか、これは航空当局からそういうことを言うのはおかしいのでありますけれども、これは不可能ではないかということが第一点。  それから第二点は、現在の一般住民の家屋が大部分が木造でございます。これに騒音防止工事をするということは技術的にも非常に困難なことではないか、これらのことから、一般の住民は騒音防止工事の助成対象にはいたしておりません。
  77. 大倉精一

    ○大倉精一君 その理由は実は木村君からも聞きましたけれども、念のためにお伺いしたんですが、これはとんでもないことだと思うのですよ。なるほど病院とか学校はこれはやらなければいけません。いけませんけれども、目的はこう書いてありますね。「関係住民の生活の安定及び福祉の向上に寄与する」と書いてある。学校というものは時間が過ぎれば、だれもおらぬようになるんです、学校というものは。しかし、住宅というものは朝から晩まで人がそこに住んでおる。しかも、妊産婦もおれば、病人もおるんですよ。しかも夜睡眠がとれない、食欲が減退して思考力がなくなってくる。これを救済しなければ住民の生活安定にならないじゃないですか。金がないからやらないなんて、そんなことだったら、一体何のためにこれをつくったんだということになるんです。ですから、肝心のその補償が抜けておる。これはつくっちゃったから直らないと思うけれども、将来そういうことを考えて個人の生活の安定をはからなければいけないと思うのですが、いかがでしょう。
  78. 澤雄次

    政府委員澤雄次君) これは東京、大阪だけでも、もし先生のおっしゃるようにいたしましたならば、概算推定もいたしたことはございませんが、ぼう大な額になると思います。そのほか、これと同じことが実は防衛庁の基地周辺整備法ということで、全国の基地すべてに適用になっているわけでございます。それらを入れまして、すべて一般住民の家屋に防音工事実施するということになりましたら、これはおしかりを受けるかもしれませんが、とてつもない予算になりまして、とうてい実施は不可能だ、こう思います。
  79. 大倉精一

    ○大倉精一君 これはおしかりを受けますね。これは法案を出したのは飛行機騒音で、ジェット機でもってべらぼうな音を出すから住民が困って、健康上にも、生活安定上にも、あるいはその他万般の弊害があるから、これをひとつ国でもって何とか措置をしよう、手当てをしようというんでしょう。こういう趣旨の法律をつくっておいて、肝心の住宅は金が要るからやれないなんて、そんなばかなことはほんとうはない。住宅もやらなければいけませんよ、朝から晩までそこにおって、夜もそこで寝るんだから。学校は夜、人がいません。これはもう気に入らぬならどっか出ていけ、代替地を買ってやろう、買ってやろうというが、そこでもって土地を持ち、あるいは田畑を持ち、その他の関係でどうしても行けぬ者がおるんですね。ですから、これは金が要るからやれないということじゃ……。これはこれ以上聞きませんけれども、納得できないんです、この法律の趣旨から言って。第一条の「(目的)」を変えればいい。目的をこんなりっぱな「関係住民の生活の安定及び福祉の向上」なんてりっぱなことを書くから、こういうことになっちゃう。これを直せばいい。
  80. 金丸信

    政府委員金丸信君) 御趣旨の点は私も同感であります。また実際法律の精神もそこにあろうと思うわけでありますが、ただいま局長から申し上げたとおりでありますが、しかし、運輸省といたしましては、前向きで将来こういう問題について検討しなければならぬ、こう考えております。
  81. 大倉精一

    ○大倉精一君 最近前向きということばがはやっちゃって、前向き前向きと言う。前向きとはどういうことかわからないんですが、とにかくこれはここでこれ以上私は申し上げません。時間がありませんので、申しませんが、全く同感だというお話がありましたので、全く同感であれば、そのようにひとつ将来措置してもらうように期待をいたします。それでなければ第一項の目的を変更してもらわなければならない。羊頭を掲げて狗肉を売るとはこのことです。ですからこれではだめだ。それからもう一つは、学校等に対して防音施設をした場合、その施設の内容いかんによっては室内における温度の調整なり、何なりをしなければならぬですね。そういうことも考慮されているんですか。
  82. 澤雄次

    政府委員澤雄次君) この学校防音工事等につきましては、先ほどの田代委員の御質問にもお答え申し上げました単価には冷房ということは入っておりません。現在実施いたしておりますのは通風、ベンチレーションでございます。
  83. 大倉精一

    ○大倉精一君 まあ夏になりますとね。学校の窓を締め切っちゃって、せっかく補助してもらってつくったものが暑くてしょうがないから、これもあけちゃって授業をやっている。これもまた何のために補助をしたのだということになるんですね。ですから締め切るような、そういうことをすれば室内温度を下げるために冷房なり何なりというものをやらなければならぬ。しかもその維持費もめんどうをみなければならぬ、そうでしょう。それでないと維持費に困っちゃう。かりに将来、いま私の意見のように、個人の家も何かしてもらえるようになったら高い冷房をもらったって、貧乏人には無理で、困っちゃう、ですから、そういう維持費はどうなりますか。
  84. 澤雄次

    政府委員澤雄次君) 現在実施いたしておりますのは通風でございます。冷房は実施いたしておりませんので維持費の問題も考えてないわけでございます。ただ、先生のおっしゃいますようにこれは全国各地の学校から非常に苦情と申しますか、陳情がございまして、この冷房をやってくれ一という要望が非常に強いわけでございます。それで現在までのところ、防衛庁もいろいろ検討いたしておりますが、現在までの段階予算化するというまでには至っていないのでございます。
  85. 大倉精一

    ○大倉精一君 これどうもだんだん聞いていると妙なことになってくるんですがね。締め切ってしまうことをやって冷房をやらなければさっき言ったように、学校はあけっぱなしで授業をやる、病人はだんだん病気が悪くなっていく。それは通風だけだというんだが、それは金がかからぬから通風だけでいいでしょうが、こうやった以上は金がかかるものは金をかげなきゃいけない。金丸さん、どうですか、やはり金をかけなければいけないでしよう。
  86. 金丸信

    政府委員金丸信君) この問題は夏の問題と思う−わけでございます。夏は夏休みを長くしろというわけにもいかないと思いますし、私も、この問題につきましては、最初から夏二重窓で、むしむしした中で勉強ができるか、また、そこで二重窓をあけてやったんじゃ意味がないとこういうことでいろいろ事務当局とも話したんですが、事務当局もこの問題については何とかしなくちゃならぬという考えで現在いるわけでありますが、防衛庁との関係もありまして、すべからく防衛庁関係もそういう方向に持って行かなくちゃならぬと思いますが、極力努力してそういう方向に持ってまいりたい。
  87. 大倉精一

    ○大倉精一君 だんだんこう話がちぐはぐになってきますね。防衛庁との関係はどういう関係なんですか。この補償に格差があるというんでしょう。格差があるというなら、こちらがちゃんとやって、向こうへ右にならえさしたらいいじゃありませんか。学校でむしむししたところでふうふういって勉強するのと、あけっぱなしで勉強するのと、一体どっちが効果があるか、締め切っちゃったら、かえって勉強できぬでしょう。ですから、これはどうも委員長、だんだんおかしくなってくるんだがね。これは困ったね。やらぬよりましだと言うかもしれませんがね。そういう矛盾がこの法律には一見してぴっとくるんです、一見してね。そういう肝心のところはごまかされちゃっている。おそらく飛行場周辺の住民は、これはありがたい、いいものをつくってもらえるわい、おれの家も何とかなるじゃろうと思っているんだな。ところができたら何もない。これじゃいけないから、これはひとつこの国会はやむを得ずとして、次の国会には改正案を出すようにひとつ努力してください。  もう一つ、私名古屋ですけれどもね。小牧の飛行場については、これはこれじゃない、自衛隊がやるんですね、自衛隊が。あなたのほうと自衛隊の施設部ですか、どんな連絡をやっているのか。おまえのほうがこうやるならおれのほうもこうやる、おれのほうはこうやるからおまえのほうもそうやれというような、さっきから話を聞いておりますと、自衛隊がやらないとこっちのほうはやれないというようなふうに聞えますがね。その辺どうですかb
  88. 澤雄次

    政府委員澤雄次君) 名古屋の飛行場におきましては、ジェット機の数だけを見ますと、四十一年中に飛びましたジェット濃は、民間機が五百七十八機に対しまして、自衛隊、米軍ジェット機が二万四千七百五十八でございます。ジェット機に関する限り民間機と軍用機との比率は二対九八でございます。それで小牧につきましては、これは戦後自衛隊が非常に長い間かかりましてあそこに特別の施設部隊を置きまして、防音補償工事をやっておりますので、それで二%の民間機につきましても、今後とも自衛隊のほうに施設をお願いしていこうということで話し合いをつけてござ  います。
  89. 大倉精一

    ○大倉精一君 いまのところは補償基準なりやり方、あるいは額等は自衛隊と同じなんですか。
  90. 澤雄次

    政府委員澤雄次君) これは御説明申し上げましたように、この法律が通りましたら、自衛隊と大体同じ基準実施するということを考えておりますので、自衛隊が実施した場合と航空局実施した場合では、補償基準その他は大体同じものになる、このように考えております。
  91. 大倉精一

    ○大倉精一君 私これも要望しますが、自衛隊がこうだからこっちもこうだ、自衛隊の関係もありますが、あれは憲法違反ですから、憲法違反のものに右へならへする必要はない。こっちはこっちでちゃんとやって、そしてほんとうの補償というものを自衛隊にやらせる、そういう方向にもっていかなければ私はぐあいが悪いと思う。自衛隊に、遠慮することはありませんから、先ほど私が言ったことに対して、要は金さえ出してもらえばいいのだから、大蔵大臣に今度来てもらってもいいのだけれども、そういう完全なものにしてもらいたい。ほんとうに目的どおりにしてもらいたいということを要望しておきますが、と同時に、この際関連してお伺いしますが、小牧の飛行場というのは民間と軍と分離をしないということなんですか。いま小牧の市会では、だんだん事故が発生していって、軍だけやめるのじゃなくて飛行場全体をやめてしまえと、こういう決議をしております。だから、補償の要求もしていないと思うのです。軍民分離ということについて先般の小牧の事故以来——当時の運輸大臣だれだったか記憶しておりませんが、検討いたしますという答弁を行なっておるはずなんですけれども、その後検討されておるのか、あそこは分離しないのか、そういう点はどうなっておりますか。
  92. 澤雄次

    政府委員澤雄次君) たしか昭和三十五年の名古屋の事故のとき、運輸省から、分離の方向で検討いたしますというふうに、当時の大臣もお答え申し上げたかと思います。自衛隊は軍ではございませんが、自衛隊と民間の分離につきまして、これは名古屋だけでなしに、でき得る限り各空港一ついて検討はいたしておるわけでございます。名古屋につきましては、先生よく御承知のように、一名古屋空港、あの空港自体が戦前は陸軍の飛行場でございます。それが米軍に渡り、防衛庁に渡り、それを運輸省が所管しておるわけでございますが、この使用回数その他を見ますと、名古屋の民間機の就航がだんだんと減る、新幹線の影響だろうと思いますが、減る傾向にございます。どららかといえば自衛隊の飛行機のほうが多いわけでございます。それで、この名古屋空港におきます自衛隊と民間機の分離ということは、ほかにあの付近に適当な場所もございません。なかなか困難なことじゃないかと思います。実際上の使用その他につきましては危険のないように、現地の保安事務所と自衛隊のほうで十分連絡をいたしておりまして、あの昭和三士五年の名古屋の事故のようなことを再び繰り返さないようにということで、万全の注意をいたしております。
  93. 大倉精一

    ○大倉精一君 大臣、もうちよっと早く来てもらうとよかったが、いままで申したことは繰り返しませんから、よくひとつ当事者から聞き取っていただいて、そうして御理解願い善処をしてもらいたいと思います。  それで、いまお尋ね申し上げているのは、小牧空港の民間と自衛隊の分離の問題をお伺いしておりますが、局長からお話は聞きましたが、しかし、これは昭和三十五年でしたか、事故以来、当時の運輸大臣は分離について考慮しましょう、検討しましょうということになっておったそれで各空港とも分離はできないという事情にどういうところにあるのですか、前の運輸大臣は分離について検討しよう、こうおっしゃったのでありますから、やはり政府当局としては分離をしたいのだろうと思うが、できない事情がおありになるのだろうと思う。その事情をひとつ聞かしてもらいた い。
  94. 大橋武夫

    ○国務大臣(大橋武夫君) 航空局といたしましては、官民分離は理想でございまして、いずれの飛行場につきましても、常に分離を望んでいるのでございますが、御承知のように、目下飛行場用地 の獲得ということが非常に困難な情勢に相なっておりますので、気持ちは分離ということを常に願いながらも、現実の場合になりますというと、土地の入手難ということで、やむを得ず妥協せざるを得ない、こういうような次第であります。しか  し、あくまでも理想は分離でございますから、いろいろな飛行場についても、あらゆる機会に分離を考えてまいりたいと、特に、ただいま問題になっておりますのは、千歳空港でございますが、これらにつきましては、願わくは分離をすべきだということで、目下そういう方向で調査をいたしているような次第であります。
  95. 大倉精一

    ○大倉精一君 これはこの法案に関係がないかもしれませんから、関連してお伺いするのですから簡単にしますが、これは大臣、根本的に考え直す必要があるのではないか、たとえば民間の航空機飛行場は、これはやはりある限定された場所になるかもしれませんけれども、軍の飛行場というものは、音速何倍というような飛行機になって、しかも、町中あるいは本土の中に置いておくという必要がない。ですから、私は北海道のずっと向こうへいってしまうとか、あるいはどこか、九州へいってしまうとか、どこへいったってすぐ飛んでこられるのだから、そういうところを大臣考えて、千歳なり名古屋の周辺とか、大阪とか、そういう地帯に軍の飛行機を置いておく必要はないと思う。厚木でもそうです。そういうこともひとつ考えてもらう必要があると思う。要するに、いまお話しのように、自衛隊と民間と分離できないという理由は、飛行場用地を得られない、場所を得られないということにあると思うのですが、そういう問題については、昔の飛行機と違うんだから、ですからそういう点を考慮すれば、私は幾らでも方法があると思いますが、そういう点はいかがでございますか。
  96. 大橋武夫

    ○国務大臣(大橋武夫君) ただいまお話を伺いまして、非常に明るくなったような気が急にいたしました。いままでそういう点に気がつかなかったわけでもないのでございますが、どうも考え方が、もともと軍の飛行場を使っているんだから、分離するならこちらが引っ越さなければならないというような考え方が主になっておったのじゃないか。今後はこちらが軍のためにかえ地を探して、向こうにお引き移りを願うというような考え方を十分に加味いたしまして、今後とも努力をいたします。
  97. 大倉精一

    ○大倉精一君 これでやめますけれども、大臣、この法案につきましては、先ほど申しましたように、たいへんなちぐはぐが根本的にあるから、これをよく聞いていただいて、そうしてきょう私が質問し、要望したことについては、将来ひとつしかと腹において解決をしてもらうということを強く要望して、私の質問を終わります。
  98. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  99. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 速記をつけて。  他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  100. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 御異議ないと認めます。  これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
  101. 岡三郎

    ○岡三郎君 本法律案に賛成いたします。  いままで自衛隊なり基地周辺の飛行場による障害の防止については、具体的に一歩ずついろいろと処置がされてきたわけですが、ようやく本法によって、羽田並びに伊丹飛行場、さらに将来の新国際空港についてはこれが適用されるということで、成田空港については、今後の問題として一応別ワクとしても、直接的に羽田伊丹飛行場の周辺における航空機騒音による障害の防止にあたってもらうということが、一歩現状より前進するという意味で賛成するわけです。  しかしながら、本委員会においていろいろと質疑がなされたわけですが、その間において、現状、基地周辺に適用されていろいろいろな具体例というものについても、特にNHKのテレビ、ラジオの減免措置等についても、さらに具体的に調査検討せられて、やはり本法においても、もう少しきめこまかく減免措置というものが講じられるように要望してきたわけですが、これについては、金丸政務次官のほうから、NHKの予算現状というものともかね合わせて、国としてこういう問題について当然対処すべきであるというふうな考え方も出たわけでございまするので、この点について、さらに具体的にひとつ処置をしてもらいたいということ。  それからもう一点は、先ほど大倉君が申したとおりに、学校、医療機関その他の公共施設というものについて、防音装置その他をしていくわけですが、一番根本問題は、やはり国民自体、つまり日常生活に一番関係する個人の住宅について、騒音に対する防止策というものをどう考えていくか。これは答弁の中において、非常に膨大なる経費が要ると言っておりまするけれども、これも前進的に、特にひどい地域から何とかこれを救っていくという考え方がなければ、本法が施行される意味が半減するというふうに考えるわけです。そういう点で非常に予算的に困難な問題ではあるが、先ほど金丸次官が言ったように前向きの姿勢で、やはり特に障害はなはだしいもの、あるいはそのほか著しく生活に苦汁を持っているような住宅については、何とかひとつ救済していくような取り組みをお願いしたい。  それから第三は、やはり先ほど申されたように、いろいろと二重窓等の工事によって騒音の防止はできたが、中に生活している学童なり病人が、特に夏休み等があるといっても、病人には夏休みはないわけであって、子供自体も最近における気候の現象というものは非常に変化がはなはだしくて、夏休みのみが暑いとも限らない現状だというふうに考えます。そういう点でこれも予算に制約されますが、ひとつベンチレーション、通風装置のみならず、冷房等についても、国自体が全部持つということが予算的にむずかしければ、自治体等においての施設についてやっぱり補助をしていくというふうな、まず第一段階からこういう面についての国民の訴えというものをこの法律にひとつ盛っていってもらいたい。  以上の三点、そのほか騒音だけではなくて、飛行場に伴うその他の公害というものはいろいろとあるわけです。だから、そういうものについても、航空当局として十分検討せられて、その他の公害についてもひとつ善処してもらいたい。  以上を強く要望して、本法に賛成いたします。
  102. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 他に御発言もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  103. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。  公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害防止等に関する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  104. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  105. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。大橋運輸大臣。
  106. 大橋武夫

    ○国務大臣(大橋武夫君) ただいま慎重御審議の上御採決をいただきました。まことにありがとうございました。今後、この法律の運用にあたりましては、御審議の際の貴重な御意見を十分尊重いたし、航空機騒音防止対策に万全を期したいと考えております。どうもありがとうございました。
  107. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 午後二時まで休憩いたします。    午後零時五十七分休憩     —————————————    午後二時三十三分開会
  108. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。  運輸事情等に関する調査を議題といたします。  自動車行政に関する件について調査を行ないます。  質疑のおありの方は、順次御発言願います。
  109. 大倉精一

    ○大倉精一君 きょうは公共料金のうちの運賃料金についてお伺いいたしますけれども、基本的な問題につきましては先般お預けになっておりますように、運輸大臣並びに経済企画庁長官がおいでになってからやるとしまして、きょうは、先般来問題になっておる特殊料金、大阪のクーラー料金でありますけれども、これは新聞でもって局長の答弁を読ましてもらいましたが、どうも納得のいかぬところがありまするので、もう一ぺん私からもお尋ねして、そのいきさつを聞かしてもらいたいと思いますけれども、大阪のクーラー料金を認可されたいきさつと、その理由についてお聞かせを願いたいと思います。
  110. 原山亮三

    政府委員(原山亮三君) 大阪の冷房料金につきましては、申請の理由は、大阪の地域におきましては全国でも都市交通麻痺による交通停滞というものが非常に東京以上に多いということ、それによりまして運転手のいらいら感というものが非常にあるというふうなことでございます。それから交通事故の観点から見圧しても、大阪府というのは、警察統計によりますとやはり事故が全国で一番高いというふうなことで、冷房することによって運転手の労働環境をよくする、事故防止にも寄与し、終局的には旅客の快適さを増すというふうなことで、そういうふうなクーラーをつけることによります設備費と維持費について一部乗客の負担をお願いする、こういうふうな趣旨でございまして、これにつきまして、法律上は付帯料金ということで、陸運局長限りでできるような性格のものでございますけれども、われわれとしましては、事柄の性質上慎重に関係の経済企画庁とも協議し、かつ臨時物価対策閣僚協議会にもこの問題をおかけしまして、その御了承を得て、陸運局長が認可した、こういうふうな実情でございます。
  111. 大倉精一

    ○大倉精一君 そういう点を新聞で拝見しまして、どうも私はふに落ちない。クーラーをつけることによって交通安全対策になる、こういうお話でありますけれども、私はどうもそういう点が納得できない。いらいら病がこれでなおる、そんなことはないのですね。むしろクーラーで冷やすと血圧が上がるということで、反対です。さらにまた、旅客にも快適だ、こういうわけでありますけれども、一体陸運局長限りでやるものでありますけれども、こういうものの取り扱いについて運輸省としてはどんな方針を持っておられるか。つまり、いうならば物価対策もある、こうおっしゃったが、物価対策があるからタクシー、トラックの運賃、料金というものは抑制しているのですが、そうすると、クーラー料金というのは物価には関係ないのですか、これは。
  112. 原山亮三

    政府委員(原山亮三君) もちろん、タクシーの運賃及び料金につきましては、公共料金的な性格のものでございまするし、われわれとしましては、したがいまして、陸運局長限りの問題とせずに、総合物価対策を考える経済企画庁ともよく協議し、その上に臨時物価対策閣僚協議会にはかりまして、それでもって期限が九月十五日ということで、七月からニカ月半でございまするのと、それから、ほかの地域にはことしは考えないというふうなことで、一大阪地方だけのこととして処理したいということで、物価対策の面からもそれほど大きな影響はないというふうな観点から認可いたした次第でございます。
  113. 大倉精一

    ○大倉精一君 これは局長非常に簡単に考えておいでになるようですけれども、大阪限りである、九月までである、こういうお考えのようでありますけれども、なるほど冬はクーラーはないと思う。しかし、こういうものを上げるということによって運賃抑制という基本的な政策というものはくずれてくる。おそらく業者の諸君もこれを足場にしていろいろな動きもあるだろうと思いますけれども、そういう安易な考え方で、あるいは観察でも3おやりになるということは非常に危険だと思うのですね。運賃料金が物価に関係あるというなら運賃、それに関するサービス料金一切ストップというなら筋が通る。しかも大阪に限るということでありますけれども、それでは名古屋、東京は混雑しないかということであります。東京は大阪以上に混雑がありますね。名古屋もあります。福岡もあります。横浜もあります。それをどうして大阪だけやらなければならぬか、もう一回聞かしてください。どうも私はふに落ちない。
  114. 原山亮三

    政府委員(原山亮三君) クーラーの問題につきましては、福岡でかつて一度ありましたけれども、このときは選択制ということであまりうまくいかなかった、今回大阪のほうでも申請をしていただく、で、いろいろと福岡の例もあるということで議論したわけでございますけれども、大阪の都市構造の面から考えまして、周囲が川である、そして、ビジネスセンターと問屋街とが混在しており、都市構造的にも非常に交通麻痺の起こるような形態にもなっておりますし、それと交通事故も、警察当局によりますと、全国で一番であるというような面もありますし、そういう面で大阪の特殊性ということを考えて、ことし実施してみる、それでことしそういうことをやってみて、われわれの意図しておるような結果が出なかった場合には、もちろん来年以降については、そういうことは考えないけれども、やはりそういう事故防止というものをあらゆる面から考える上において、少しでもそういう面で寄与するということなら、若干クーラー料の負担をお願いすることもやむを得ないんではなかろうかと、こういうふうに考えております。
  115. 大倉精一

    ○大倉精一君 交通混雑と冷房とどういう関係があるんですかね。事故防止という点との関連はわかる。これは、あとから木村君のほうから御質問があると思うが、事故防止というのは、労働者の労働条件  環境から起こるものであって、そういうものの監督指導を十分せずに、クーラーは事故防止のためになるんだ、あるいは混雑対策になるんだと、だから、別にこれの料金をお客さんから取るんだと。これは大阪市民は非常に不満を持っておりますね。ですから、そういう点はもっと慎重に考えなければならぬし、もしこれが、クーラーがあると快適であるから快適料金を取る、それから、先ほど岡君も言っておりましたけれども、新車を買って、新車が非常に快適で乗りごこちがいいから新車料というものをもらうんですか。どうもこれはつじつまが合わぬじゃないですか。こういうものは、大阪市民の声がほうはいとして起こってるんだから、この際、再検討を要する。ことに名古屋におきましては、前からクーラーがありますが、料金は取っておりませんよ。ですから、クーラーを業者がつけるというのは、クーラーをつけてない車よりもよけいお客が乗ってくるだろうと、営業政策でもってつけるんであって、それをクーラーをつけたからといって、運賃とは別に料金を払わせるということは、再検討を要すると思う。どう見ても私はふに落らない。
  116. 原山亮三

    政府委員(原山亮三君) クーラー実施がこの七月三日からでございますが、実施直後、いろいろとトラブルが乗客と運転手の間にあるということを聞きまして、それで、現地の局長を大臣のところに呼びまして実情を聴取し、そういうようなトラブルが頻発することはよくないので、業者に円滑にそういうことがやれるようにということを強く指導するということで、陸運局長のほうからそういうことを指示しましたところ、一昨日、業界のほうがその陸運局長の指示を受けまして回答を持ってまいりまして、それでそういうトラブルの解消について、現地に約五十名の人を派遣して、七地区に分けてそのトラブル解消に努力するというふうなことになっておりまして、われわれとしましては、そういうふうなことを、トラブル解消について業界のほうで誠意を持ってやることにつ いて今後よく見てまいりたいと、こういうふうに考えておる次第です。
  117. 大倉精一

    ○大倉精一君 私の聞いておることと違うんですけれども、トラブルという問題があなたの口から出て、一つ新しいものが出てきた。私もそれを言おうと思っておったんですが、これはトラブルが起こるのがあたりまえです。大阪に行ってタク  シーに乗って、クーラーをつけますかと尋ねられたら、いやだと言いにくいのですね。クーラー料金を下さいと言われたら断わりにくいのですね。これはトラブルが起こるのはあたりまえじゃありませんか。トラブルというあなたのいま発言したような新しい問題が起こってきておりますけれども、この問題をとってみても、これは百害あっ て一利なし、こういうことで、クーラーをつけることはいいんですよ、いいんですけれども、これに料金を取るということはどうも筋が合わぬじゃありませんか。運輸次官、どう思いますか、金丸さん。
  118. 金丸信

    政府要員(金丸信君) いろいろこの問題につきましては御批判をいただいておるわけでございますが、運輸省といたしましても非常にこの批判に対して耳を傾けておるわけでありますが、ただいま局長からもお話がありましたように、先般大阪から局長を呼びまして、業者のトラブルというような問題につきましてもよくひとつ話し合ってもらいたい。ただ、私、最近聞くところによりますと、先ほども局長からお話がありましたように、大阪の気候状態というものは非常に暑いということと、むしむしする、そのために運転手もいらいらする、また、交通も混雑しておるから、水揚げも少ない、そのために収入も、歩合も少ないというような状況にある。そこで、労働条件は何らよくなっていないではないかというお話もあるようですが、そのクーラーの一部の中から  一部であるか、あるいは半分であるか、その辺ははっきりいたしませんが、その点、そういうことで運転手のいらいらする気持ちも緩和さしておるというような話も聞いておるので、いま少し推移を見て考えたいと、かように思っておる次第でございます。
  119. 大倉精一

    ○大倉精一君 これは金丸さん、おそらくあなた内心では私の言っておることに賛成しておられるだろう、疑問を持っておられるだろうと思う。耳を傾けてとおっしゃるけれども、傾けておるうちに九月になってしまうんですね。ですから、人間間違いはあるのですから、間違ったことは訂正すると、こういう姿勢がないといかぬと思います。業者を呼んで了解させると言いますが、そんなことは業者は了解しませんよ。それで、むしむしして暑いから、交通が混雑するから、運転手がいらいらする。であるからクーラーをつける、つけることはいいです。ちっとも反対しませんよ。それはさっき習ったように経営者の営業政策としてつけるのであって、余分にこれに対して金を取るということ、ここに問題がある。クーラーをつけることにはちっとも反対しませんよ。反対しませんけれども、余分のものを取るということによって運賃体系というものが混乱してくる。しかも、全国一致じゃなくて大阪だけという、これも筋が通らぬ。でありますから、いままでずっとお尋ねして、答弁の一貫しておるものは、交通安全対策だと、こう言う、混雑のせいだと言う、運転手の健康のためだと、こう言う、それではみな会社のためになるじゃありませんか。それをお客さんから余分に金よこせ、どう見てもこれは筋が通りません。ですから金丸さん、これは間違っておるのですからやめなさい。間違っておることを改めるにやぶさかであってはいけないと思う。ですから、これは取りやめて、現に名古屋でも、特別料金取らずにやっておるのですから、やれぬはずはない。東京だってやっておるのですからやれぬはずはないのです。ひとつこの際、大阪だけというのは待ったをかけてもらいたいと思うのですがいかがですか。
  120. 金丸信

    政府委員金丸信君) おことばを返すようなことになってまことに恐縮でございますが、この問題を先生のおっしゃるような方向に持っていくとすれば、問題点もまた出てくるというようなこともあると考えられるのであります。間違いを直すにやぶさかでない、また当然、そういう考えでなくちゃならぬと思うわけであります。十分ひとつ検討いたしてみたいと思います。
  121. 大倉精一

    ○大倉精一君 そもそもこれは、初めは業者のほうでつけるからと言ったのか、あなたのほうでつけろと言ったのですか、向こうから言ったんでしょう。ですからこれはもう関連もいろいろあるようですけれども、この際やっぱり業者を呼んで、これは国会でも問題になり、一般市民からも非常に非難がある、公益事業であるから、この際業者もひとつ了解してもらいたい。こういったことに対しては役所のメンツもあるかもしれぬければも、やっぱりこの際一応ストップをかける、こういうことにしないと、これは運輸行政そのものが国民からどんと批判されますよ。どうですか。
  122. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 それに関連して。ぼくは新聞で読んだんだけれども、このことをちゆうちょしていることによって、大橋運輸大臣と業界との黒い霧があるなどという問題まで提起されて、社会面に出ていますね。ごらんになったでしょう。これはあの新聞の内容では衆議院で取り上げられている。ですから、いま大倉委員が言ったように、待ったをかけるということ以外に私はないのじゃないか、こう思うのです。理屈が通らないのです。東京だってやっているんですからね。私はきのうもタクシーを拾って乗ったのですが、クーラーがついている。特別料金でも取るのですかと言ったら、これは取らぬというのです。お客さんのほうにサービスするという。それはあなた方、東京と大阪との実車キロと、それから空車キロの実態を調べてごらんなさい。何にも変わっていないでしょう。何にも変わっていない。ほとんど差がない。東京より混雑をする、事故が、警察のデーターで、多いなどといったって、そんなことありはしませんよ。そういう事情の中で大阪だけに特別にそういう料金扱いをしておいて、なおこれだけ国会でいろいろ議論になり、新聞にまであったかないかしらぬとしても、報道されている。現職大臣の大橋大臣が業者との黒い霧があるなどと騒がれておるときに、この席上で議論があるときに、これはしゃにむにやらなければならぬという理屈は私はどこにもないと思うのですが、あわせて答えてください。
  123. 金丸信

    政府委員金丸信君) ただいまどちらからこれをやり始めたかという御質問があったわけですが、もちろんこれは業者のほうから申請が出て、これに対して検討して許可をいたしたわけでありまして、大橋大臣の黒い霧などというようなお話が、先般衆議院の物価対策特別委員会で七千万円とかなんとか出たようでありますが、そういうことは万々ないと私は確信をいたしております。ただ、その経緯を聞いてみますと、業者に組合が非常な要請をいたしまして、クーラーを入れろという要請のもとに、なお待遇改善を、いわゆるベースアップ以外に、そのクーラーを通しての収入の中から、一部であるか、半分であるか、全部であるかは知りませんが、そういうものを要求した。そこで、大体クーラーは十五万とかなんとかいっておるようでありますが、そうなると、会社は営利を追求いたしておるわけでありますから、そのクーラーの十五万をどうするかというような問題も私はあろうかと思います。それはいまお話の意味からいけば、それは当然サービスでやるべきである、こういうおことばのように私も解するわけでありますが、いろいろ問題点もたくさんあろうと私も思います。ぜひひとつ大臣とも十分相談いたしまして、検討いたしたいと考えております。
  124. 岡三郎

    ○岡三郎君 これは大臣と相談するというよりも、先般の委員会において、至急調査をしてそれに対して善処したい、そういう返事があったわけですね。新聞紙上によると、大阪の業者ががんとしてなかなかきかぬ。それにてこずっているような印象も一方にはあるわけです。私はいままで言われた中において、タクシーというものは一体何のためにあるのか、これを考えてもらいたいのです。タクシーは自動車会社のためにあるのじゃなくて、公共の用に供するというところにタクシーはあるわけです。ということになると、もちろん営業をしていくわけだから、利潤をあげなければいかぬということはわかるけれども、しかし、少なくとも認可料金というものがあって、そうしてそれが地域地域によってきちっと守られている。それへもっていって交通安全とがいろいろなことを言う。大阪が一番交通事故が多いということを、クーラーをつける理屈にしておりますけれども、それならば、東京も、横浜も、神戸も、いまたまたま事故の件数が大阪に比べて少し低いということで、事故が多くなったらばクーラー料金を取っていいというような、逆論で言えば、そういうことになるおそれがある。クーラーをつけて事故が減少するというならば、比較的少ないところにもクーラーをつけてますます事故を防止するというならば筋が通ると思う。たまたま事故が多いから料金をよけいに取ってやるということはこれは逆じゃないですか、交通安全政策としては。だから、私はそういう点で端的に言って、クーラーをつけた、いまの次官のことばで言えば設備をした、どうするか。で、乗客は不平不満でたまらないということになれば、乗客の意思によってクーラーをつけて走ってくれという者から、じゃ、二十円なら二十円を取るというならばまだ話はわかると思うのです。有無を言わさず乗った人から何でもみんな取ってしまうというようなことは、これは問題にならぬと思うのです。それならば、東京だってクーラーをつけているものについては同じように設備費がかかっているのだから、だから、それは画一的じゃなくて、料金に少し弾力性を持たせるというならば、全国一律一緒に、クーラーをつけたものは、乗客の要望によって、暑いから入れてくれという人の要請に基?いた場合には取ってよろしい。そうでない、クーラーは要らぬという人から取るということは、私はやっぱり問題が残ると思う。いまずっと聞いてみると、大阪の業者だけがずいぶん片意地をはっていて、もうけのガリガリ亡者がそろっているような印象を受ける。だから、私はその点で、次官は調査すると言われるが、調査する段階をもう過ぎておりますよ。決断の時期ですよ。だから、私がここで言うとだいぶかんぬきが入っておるようで何ですが、次官からは、それについては、よし、これは交通安全の面も考えたけれども、評判が悪いばかりでなく、インチキだ、こういうふうなことで言われているんだし、住民もうんと言っているんだから、よし、その点についてはひとつ皆さんの意見を聞いて、よいことをやるのにははばかることがないのだから、やりましょうというふうに言ってもらえば、これは結論がつくわけですよ。ところが、繰り返すというと、きょうはほかの法案については前向きの答弁をしたけれども、これだけについては前向きの答弁ができないというのでは、何かここにあるような気がしてならない。何かがある、私はそういうふうに直観的に思うのです。具体的に何千万がどこにいったかということはわれわれは言いませんけれども、しかし、少なくとも業界はしつこいし、運輸当局の答弁が歯切れが悪いので、何かがあるような感じがますますしてくるわけなんです。東京だって詰まっていますよ。クーラーをつけた自動車は何ぼでもある。横浜だってあります。大阪だけ事故が多いからクーラーをつけて何とかするというふうなことは通らないですよ。だから、私は、きょうはいい返事を聞かしてもらわなければこれは動きがとれなくなると思うのです、これはもう。だから、至急運輸大臣呼んで鳩首協議してもらって返事をしてもらう。いままでのような答弁じゃだめですよ、一歩進めてもらわなければ。自動車局長もさっき言っているけれども、自動車局長はつらそうな顔しているけれども、つらいとかあったかいというものじゃなくて、との問題一歩進めて、筋の通らぬことは、この際運輸省としても実態をよく調査して、聞いてみたところが、当初運輸省が考えていることよりもほかの要件が出てきているということで、これはやはり善処しますというふうに返事をもらわぬと、これはおさまらないと私は思うのですよ。いままで聞いたところは、次官と自動車局長の答弁は前回と同じで、進歩なし。
  125. 金丸信

    政府委員金丸信君) そうでもないですよ。
  126. 岡三郎

    ○岡三郎君 いや、ない。ちょっとひねっているだけで、だから、何とかひとつしっかりした返事をもらいたいと思う。
  127. 金丸信

    政府委員金丸信君) まことに、私も決裁をした一人であります。その責任もあるわけでありまして、事まことに重大でありまして一、決裁した以上、悪いことは決裁したものでももちろん撤回するということも、これも一つのあり方であろうと思うわけでありますが、私一存でよろしいと言うわけにもいきません。これは大臣とも相談しないことには、重大な問題であります。ただ、何かあるぞということをおっしゃっておりますが、私は何にもない。大体私は何にもありませんから、その点は御信用願いたい。
  128. 岡三郎

    ○岡三郎君 いや、私は金丸次官や大橋運輸大臣にあるとは思いたくない。ないと思う。思うけれども、断わっているところに何かある。判こを押したってこれは国民がぐあい悪いなんというところだったら、やはり自由民主党も天下の公党ですから、よし、わかったと、この問題だけはやはりひとつさっぱりしようというふうになるのが私はあたりまえであって、その点について、次官、大臣、責任あると言っても、いいことをするなら責任は国民が納得しますよ。断わっていたらこれはなかなか納得しませんよ。だから、いま、大臣と相談してと言うから、ちょっと休憩してもらって、緊急に大臣を呼んできてやはりやってもらわなければ困る。先に進めませんよ、これは。
  129. 金丸信

    政府委員金丸信君) 大臣から現地の局長に指示をいたしまして、現地の局長からまたその指示の意向を受けて、局長からこちらへ何分の返事があろうと思います。そういうひとつ時間を拝借を願いたいと考えております。
  130. 大倉精一

    ○大倉精一君 これはあなた方は監督官庁として市民のために責任を持たなければならぬ重大な任務があるのです。われわれもこれを審議をする担当議員でありまするから、中途はんぱなかっこうで、そうですかと言うわけにはいかない。何とかこれを決着をつけないと、われわれとしてもこれは大阪市民に申しわけないと思います。国会としても、それで何かあるのじゃないかと思われたらたいへんですから、ですから、これはここまで進展してきたのですから、きょう、ひとつ何とかの指示ということがありますけれども、その内容も聞かしてもらって、そして決着をつけないと、中途はんぱで下がるということは私どもの責任としてもこれはできないと思うので、私はこれは間違っておると思うのです。もう皆さん方のおっしゃるように、交通安全のためにやるというなら、交通安全のためにやるのが必要だったら、これは業者の義務ですよ。業者の義務なんです。ですから、これは筋の通っておらぬ理由はもう皆さんおっしゃいましたから言いませんが、しかし、ここはもう待ったをかけることあるのみです。それができるかできぬか、これをひとつはっきり決着つけなさい。
  131. 岡三郎

    ○岡三郎君 私の言っているのは、だから、大勢の人が行ってトラブルが起こらぬようにいまやっていると言っているけれども、本質的に言って、もとが除かれなければトラブルが直るわけないですよ。だから、私は、そういう点で、この際ひとつ合理的にこの問題の決着をつけなければ、いま大倉委員が言うように、自動車行政そのものについて不信感がますますつのるということになると私は思う。これは運輸省にとっても問題として軽い問題ではないと思う。これはとにかく官房長、行って大臣を連れて来て、鳩首協議して短時間のうちに決断をおろしてもらいたい。こんな筋の通らぬことはないですよ。これはそれ以外にないと私は思う。だから、機械の設備をして云々というならば、使うのだから業者の責任であるけれども、ここまでいくならば、乗客がもう求めたならば、設備をしたのだから九月までですよ。これは一つの妥協策かしらぬけれども、料金を取ってもよろしい。乗客がうんと返事しないで、やたら二十円取ってもらっらゃ困る。これは進めるならば全部するなら、乗客がつけてくれと言ったらやる、そういう点どうなんですか。
  132. 金丸信

    政府委員金丸信君) ただいま岡先生からお話がありましたそういう問題等もあるわけでありまして、その問題等につきましても現地の局長にも大臣から指示をしてあるわけでありますから、その状況を業界ともいろいろ話し合いもありましょうし、あるいは組合ともいろいろ話し合いもありましょうし、その上に立って何ぶんの返事があろうと思うわけでありますが、ただいまいわゆる希望によって入れるとか入れないとかいう問題も検討しておると私は考えておりますが、そういう意味でいましばらく待っていただけないかと、こう思う次第であります。
  133. 岡三郎

    ○岡三郎君 私はもうちよっと待ってろと言われても、もう七月もかなり半ば近くなってきておる、そういうふうなことを考えていった場合に、調査をするったって実態が出てきておるわけですから、だから根本的に言って、私はいま言ったのは、政務次官が答えておるように、業者が十五万円出してつけたと、大倉委員の言ってるように、これは業者のサービスであって、本来取るべきではないということについては同感なんですけれども、しかし、いま実態がそこまでいっているから、だから一つの案として乗客が要求したときにつけて料金を取ってもいいということがいまのところは一つの妥協策ではないか。何でもかんでも取っちまうというなら、これはとんでもない話です。大体こういうものを認可すること自体見識がないと言われてもしかたがないのですけれども、何でもかんでも発祥は大阪だと言われるのですよ、タクシーの。だから私は、大阪の業者も鬼じゃないから、悪口は言いたくないと思うけれども、人によっては何かしらないけれども日本のタクシーのすべての根源は大阪であるというような大ぼらを吹いているやつがいる。これはいい意味で自負の念を持つことはいいのですけれども、こんな横車を押していってタクシー業界のいい政策だと言っちゃいられないと思います。これはいま言ったように、もうしばらく待ってくれと言うよりも、もうだいぶ待ったのですから、私が質問を開始してからかなりたっている、田代君が質問を開始してからでもかなりだ、いろいろな問題がここに集まって、最終的な大詰めとして、これからあと法律一本しか時間がないわけであります。だから、これが遷延していくというと自動車問題でほかの法律に入れなくなっちまう、それを言っているのです。きょうは何とか形をきちっとして次の段階に進むべき時期であると、こういうふうに考えて運輸当局に親切にものを申しておるつもりですが……。
  134. 木村美智男

    木村美智男君 関連。言うことないよ。呼んでこないことにはどうしようもない。この前の前の委員会に大橋運輸大臣が出席をされて、その際に、今日の陸運行政については私は具体的にこうだということは言わぬけれども、多少黒いうわさ的な問題が言われておりますよと、だからそういったようなことから運輸行政はいま姿勢を正さなければならぬということは実はこの前の委員会のときに申し上げたのです。そういったような事態の中だからなおさらのこと、この問題はこの辺で黒白をはっきりさせて理屈が通らない、うまくないということであるならば、すでに認可をしたことであってもそれを撤回することにやぶさかでないというのだから、ここで次官が決裁を、決断を下せないというのなら、これは大臣に来てもらう以外にもうこれ以上進行はしない、こういうことになるわけなんで、私さらに最近聞くところによるというと、運輸省から五十人ばかりいわゆる説得に行ったとか、トラブルをおさめに行ったとかいう話をしているけれども、大阪の少なくとも現地の陸運局は、これに対してすら来なくてもいいといっているというふうに私は聞いておるのですよ。そういったような状態だから、これは陸運行政の多少今日まで、特に陸運局を中心とするどうもガンがここにあるような気がする。だから、これはこだわっていればこだわっているほどいろいろな問題が出てきますよ。そういう意味で、あなた方がここで決断を下せないなら、それは私はなぜそういうかというと、衆議院の物価の委員会でこれが問題になった。しかもこれは運輸委員会なんです。だから、物価の委員会で持ち出された問題をそれを物価のほうにほっぽっておくわけにいかぬから、主管のこの委員会としてやはりこれに決着をつけるという必要があるからこれは言っているわけなんだから、それをまだこの委員会でもってなおかつごたごた言って何か明確に態度ができないなら、これはもうしょうがないから、大臣がそういうことなら、また委員会として調査団を派遣するとか、そうしてちゃんとこの問題を決着をつけないと、これはこれからの運輸行政全体について天下の信用を失墜しますよ、こういうことでは。だから私は動議を提出するけれども、すみやかに休憩して、大臣に来てもらって大臣から責任ある答弁を聞く、それによってきょうは多少時間を待つとか、あるいは右する左するという話は責任ある答弁を待ってからにしてもらう。直ちに休憩をして大臣を呼んでもらいたい。
  135. 金丸信

    政府委員金丸信君) いろいろお話を承ったわけでありますが、私のほうといたしましても、一日延ばしというつもりで答弁を申し上げておるわけではなくて、あくまでもこの問題を穏便に解決いたしたいということで、出先にも先ほど岡先生からもちょっとありましたような話ばかりではなくていろいろ指示をいたしまして、私は早晩その返事が来る、なお帰りましてさっそくにも出先の局長に連絡をとりまして、その状況報告を求めて善処いたしたい、こういうことでひとつごかんべんを願いたいと思うのですが、いかがでございましょうか。
  136. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  137. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 速記をつけて。  しばらく休憩をいたします。    午後三時二十三分休憩     —————————————    午後四時十一分開会
  138. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、自動車行政に関する件について質疑を行ないます。  質疑のおありの方は、順次御発言願います。
  139. 大倉精一

    ○大倉精一君 まあ大臣おいでになりましたが、例の大阪のクーラー料金の特設をしたということについて、これは許認可行政の非常に重大な問題を含んでおりますので、次官か、あるいは局長からお聞きとりだと思うんですが、この問題についてきょうはぜひ目鼻をつけなければ困る。中途半端でおさめるということは、国民にとっても非常に疑惑の種になるし、大阪市民も期待を持っておるだろうし、またこれを専門にやっておるわれわれとしても国民に対して責任もある、こういうことで、そんなに事柄がむずかしいものじゃありませんから、きょうはひとつ決着をつけるということになりまして、大臣のおいでをわずらわしたのですけれども、大臣からひとつとの問題について明快に、こうするんだということをお答えを願いたいと思います。
  140. 大橋武夫

    ○国務大臣(大橋武夫君) 大阪市のタクシー料金の問題につきましては、その実施につきまして、当委員会の皆さまにいろいろ御心配をいただいておりますことは、まことに感謝にたえない次第でございます。御承知のとおり、六大都市におきましては、最近タクシーの経営が相当苦しくなっているという実態がひんぴんと出てまいっておりますけれども、運輸省といたしましては極力基本料金の値上げだけは押えてまいりたいという考えであったわけでございます。ところで今回の大阪のクーラーの料金の申請がございましたが、大阪では御承知のように、クーラーの設備はほとんどタクシーの各車両について一般化されておりますので、したがって、タクシー業の経営上、クーラーの経費というものは標準経費と考えることも差しつかえないのではないかというような状況であるわけでございます。一面また労働条件の改善あるいは事故の防止という点から考えましても、クーラーが役立つ面が多いと思いまするし、ニカ月あまりの臨時の料金でありますから、そういう意味において、基本料金はそのかわりに当分絶対に上げないという含みを持ち、また山間部の割り増し料金の三割を二割に下げるという条件で、これを認可いたした次第なのでございます。ところがその実施あたりましては、この新料金制度の乗客に対するPRその他実施上の準備したその根回しが不十、分であったために、今回のような大きなトラブルを生じておるのでございまして、この点はまことに遺憾に存じておる次第なのでございます。そこで事態の改善をはかりまするために、運輸省といたしましては陸運局長を通じまして、業者に対してサービスの改善、労働条件の改善、特に乗客接遇の改善等を含めまして、とにかく乗客の理解を得て円満に実施し得る方法をとるよう努力を要請いたしておる次第でございまして、現在その結果を見ておるのであります。したがいまして、いまの段階では、この線で円満実施のできることを期待いたしておるような次第でございます。
  141. 大倉精一

    ○大倉精一君 これは大臣、PRの問題じゃないと思うんです。私はつまり乗客が了承するしないという問題じゃなくて、私が取り上げたというのは、冒頭申し上げましたように、許認可という行政事項に関して非常に重大な要素を含んでおると思うんです、クーラー料金というものをタクシー料金の中に含むということはですね。これはいつからそういう方針になったか知りませんけれども、それであれば全国一斉にということになるわけですね。大阪だけがということは筋が通らぬと私は思います。それから当然これはいま物価問題に関連をして、公共料金、運賃料金というものを政治的に、政策的に押えるという、こういうことをやっておいでになるのですから、当然クーラー料金二割引き上げという、二割ですよ、二割ということにつきましても、当然同じ措置がとられなければ、物価対策の面としても、あるいは政策面としても一貫しないんじゃないか、こういうところに運輸省の運賃料金に対する方針というものがどうも混乱しているんじゃないか。これはこの前あなたにお預けしておる運賃料金の基本的問題についてはあらためてお伺いしますけれども、そういう点で、大阪だけ、あるいは交通安全のためにと、あるいは労働条件のためにと、こういうお話でありまするけれども、それは業者がやる当然の義務ではないか、交通安全のためにクーラーが必要であるというならば、これは業者が公益事業として当然やらなければならぬ義務でありまして、現に東京でも名古屋でもやっておるんですから、この義務をやるからその料金をよこせということはどうも当たらぬじゃないか、こういうところに問題があるのであって、大臣に来ていただいて何か期待しておったのですけれども、どうも決着のつく方向にはないようですね。ですから、これはもう運輸行政として、一般市民、国民から批判があるのでありますから、こういう問題についても許認可事項についてはき然たる方針、態度をとってもらわぬといかぬと思います。これは簡単でありまして、一たん認可したものを取り消すということは非常にむずかしいかもしれませんけれども、しかし、内容としましては、その営業を免許したものを取り消すのと違いまして、クーラー料金を一応白紙に返すということでありまするから、これはひとつ、この際運輸省としても方針を確定をして、そうして待ったをかける、こういうことにならなければならぬと思うが、同時に非常に経営が苦しいというけれども、ではクーラーを十五万円でつけたら経営が成り立っていかないかというと、私そうじゃないと思う。逆にわずか十五万円でクーラーをつけて基本料金の二割これに取るということは、これは私は少し取るほうも取り過ぎじゃないかと思うんですよ。ですから経営がやっていけないということになればクーラーをつけなければいけない。で、そういう点でどうしてもつじつまが合いませんから、こういう許認可事項という非常に強大な権力の行使でありますし、公益上重大な影響がありまするから、こういう点につきましてはちゃんとした方針のもとにき然としてやっぱり許認可行政を行なうと、この観点から私は決着を求めたらと思うのであって、端的に申し上げますというと、こういうことがいいのか悪いのか、いいのかよくないのか、よくないとなればこれは業者に理解してもらってこの際白紙に返すと、こうならなければ筋が通らない。あなたいま乗客にPRして理解してもらって、市民の理解の上に立ってやるとおっしゃいましたけれども、市民に一体どうやって理解をしてもらうのか、方法がないじゃありませんか、たとえば乗ったお客さんに、クーラー料金をいただくことになりましたので御協力を願いますという程度だろうと思う。ですから、そういう点について、大臣、今後のあり方についても影響がありまするので、この際ひとつはっきりした方針をとってもらいたい。
  142. 大橋武夫

    ○国務大臣(大橋武夫君) 私の申し上げましたことは、要するにいろいろな方法をも含めて、結論としては、とにかく乗客の理解を得て円満に実施し得るような方法をとれということでございまして、乗客が理解をしてくれて実施に協力するという態勢をつくるにはどうすればいいか、場合によっては、料金全体についても何らかの措置をとらなければならぬような場合もあるかもしれませんが、すべての方法を含めましてやってくれと、こういう意味でございまして、特にPRだけ一生懸命やれという意味ではございませんで、いろいろな措置を含めて、とにかく公共事業でございまするから、乗客の理解を得て利用関係が円満に遂行できるような、そういう態勢をつくるために努力をしてほしいと、こういう趣旨で説得をいたしております。
  143. 大倉精一

    ○大倉精一君 そうしますと、それを非常にいいように解釈しまするというと、市民、乗客の了解を得てやるように努力せいということは、了解を得るまで待てと、こうならなければ、これまたつじつまが合いませんね、いまやっておるのだから。やっておりながら、乗客の了解をとってやれるようにせいということは、言うほうが無理じゃありませんか。ですから、それをやるとすれば、市民の了解を得るということがちゃんとなるまでちょっと待てと、こういうことになるんでしょうかね。
  144. 大橋武夫

    ○国務大臣(大橋武夫君) そういう問題につきまして、いろいろな問題を含めて、一応業者に検討をし努力をさせると、こういう趣旨でございます。
  145. 大倉精一

    ○大倉精一君 そうこうしておるうちに九月が来ちゃって、それで市民は何となく取られちゃう、こうなるんですね、ここが問題ですよ。ですから、私は、いまの大臣の御答弁でいいんですけれども、みんなが了解すれば、それはおやりになっていいでしょう。市民が了解すればOKでしょう。じゃあ了解をするまで待てと、こうならなければつじつまが合わない。もっと意地の悪いことを言うならば、了解をしたということはどうやって確認するのですか。まあ、それはしばらくおきまして、了解をするように努力せいと、了解を得るまでしばらく待てと、こういう行政措置がなければつじつまが合わぬですね、これは。どんどん取っておいて、片一方で了解を得るような工作というのは、どうも合わぬじゃありませんか。
  146. 大橋武夫

    ○国務大臣(大橋武夫君) おっしゃいますことは私にはよくわかっております。ただ、現在の段階でせっかく業者に努力させておりますので、おそらく業者の努力によって必ず円満に実施ができるように期待をいたしておりまする段階でございます。そういう意味で御了解をいただきたいと思います。
  147. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 大臣、これは岡理事のほう、あるいはその他の委員からも発言があると思いますが、せっかく業者が努力をしているから、それを期待しているといっても、過去の例から見て、そう期待できるものじゃないのです。これは、しかも、本質的に間違っているんですよ。理論的にも筋の通らないことをやっているんですからね。ですからこの委員会でも、大臣が先ほど、法律が通ったあと、出ていってから、これについていろいろやったわけです。それがいろんな疑惑を持たれておるわけですね。大臣だって、この間、衆議院の物価対策委員会やなんかで黒い霧があるようなことを言われたですね。そんなことがあっていいものじゃないですから、私はないと思いますけれども、それはそれとして、ここでもって取り上げるとかなんとかいうことは私しませんがね、しかし、大臣、地元の新聞見ていますか。私は、大阪じゃないけれども、地元の新聞を見ていますよ。地元の新聞といったって、地方紙じゃないですよ。読売とか毎日を見ていますか。毎日、五段抜きでこの問題が市民の批判の声として取り上げられている。そういうときに、いま申し上げたように、私ども聞く限りにおいては、大臣もさることながら、大阪の、つまりメーカー、業界と、さらに、業界にきわめて関係のある、衆議院の自民党の某委員も一枚かんでいるなんということを私は聞いているのです。そういう疑惑の問題が一つあるわけでしょう。そうしたときに、いま大臣がおっしゃられたようなことで逡巡をいたしておりますれば、より、そうした疑惑が私はあってはならないと思うのですけれども、あるなしにかかわらず、どうも運輸行政というのは妙なものではないか、こういうことになりませんかね。業界の努力を期待するといってみたって、現実に、たとえば東京の乗車拒否の問題、どうですか。依然として、皆さんがどういう手を打ったか知りませんけれども、乗車拒否というのはふえる一方で、やめる状態になっていないでしょう。こんなものに期待をかけることはできますか、同じことですよ、これは。ですからこの際、黒い霧の疑惑の問題は疑惑の問題として、そこはこの間大臣も答えられているようですから、それはそれとしても、いま、もやもやとした、つゆのような不快指数の非常に高い問題だけに、しかも、それが筋が通っていないのですから、この際は全国に範となる運輸行政を執行するために姿勢を正すべきではないかと、こう思うのです。どうですか、大臣。
  148. 大橋武夫

    ○国務大臣(大橋武夫君) うわさの問題と、この取り扱いの問題は、別になると思います。運輸省といたしましては、先ほど来申し上げましたるごとく、やはり行動には順序がございまして、認可した料金でございますから、認可するには一応認可する理由ありと認めて認可したわけでございます。そのもとにおいて、また、トラブルの発生という新たな事態、これに対処して、また正しい行動が、場合によってはとられなければならぬ場合もあろうと、そういう意味で一応、業者の努力を促し、その成果を一応見きわめたいと、こういう段階でございます。
  149. 岡三郎

    ○岡三郎君 いま、大臣が言われた中で、陸運局長を通じていろいろなことを含めて円満な了解を得るよう、業者にいま、せっかく努力をさしている  いろいろなことを含めてというのはこういうことなんですか。
  150. 大橋武夫

    ○国務大臣(大橋武夫君) これは、いま申し上げることが、はたして適当であるかどうかわかりませんが、要するに、いろいろなことを含めております。
  151. 岡三郎

    ○岡三郎君 いま、大臣にお尋ねしているのは、いろんな段階を経て、大阪の陸運局長を招致して、いま国会でいろいろと論議されている問題について伝えて、そうして、円満なる解決をはかるように努力している。ところが、それから旬日たっているわけですね。で、結局、当委員会としても、いろんなことを含めて円満なる了解を得るように、いませっかく努力をしている。それは大体、いつごろか。内容的にいうと、それをここで言ってはまずいか。天下の委員会において言うことがまずくて、陸運局長には言うと……、それはいろんなことがあるけれども、ここまで公の場に立っているわけですからね。それは運輸大臣のほうから、率直にいって是は是、非は非として、その中間もあるでしょうけれども、そういう点についてわれわれもこの問題をすみやかに解決して、次に進みたいというふうに考えているわけなんです。したがって、いまの場合、ここでいろいろなことを含めてという内容をもごもごされましたが、いろいろなことを含めて、どういうふうに陸運局長にいま業者の説得をさせているのか、この点がつまびらかにならないというと、これは平行線で依然として同じ状態になってしまうと思う。むずかしさはわかるわけです。むずかしさはわかるが、認可する理由というものは明らかにいま事態は変わってきておるという場に立って、それはどういう事柄についても懸命に検討したが、事態はずいぶん違ってきておるという場に立ったら、その場に立った時点においてこういうふうにいまやっているのだということを運輸委員会をおいて、ほかの委員会でいろいろ言われておってもおさまらないと思う。とにかく運輸大臣ですから、ここは運輸委員会ですから、この運輸委員会に対しては率直に、いまこういうふうに行なっておりますという点をひとつ御答弁にならなければ、これは進行はむずかしいのじゃないかと思うんですがね。その点ひとつお答え願いたいと思います、勇気を出して。
  152. 大橋武夫

    ○国務大臣(大橋武夫君) いまのところはこちらでこうしろ、ああしろということを指図しているわけではございません。一応業者のほうでこうすればいいと思うとか、あるいはこういうことをやらせてもらいたいとかいろ業者側の意向を打診するという意味で話し合いをさせておるわけでございまして、業者のほうの考え方がある程度まとまってまいりましたならば、それを基礎にして当局としてもこの事態を打開する方法を判断いたしたい、こう思っております。
  153. 岡三郎

    ○岡三郎君 私は、いま大臣が言われたことについては逆だと思うんですよ。やっぱり行政の責任者ですから、一応認可はした。しかし、現実にこれだけ国会を通じて国民の声としていろいろと非難が強い、ただ非難が強いだけではなくて、実態として地元から、特に地元だけではなくて一般ジャーナリズムを通して、これは理解に苦しむ、納得がいかぬ、いままでの当委員会における質疑応答の中においても納得ができない、それで至急調査をする、ただ業者が協議してどうするのかということではなくて、主体的にこの解決方法をどうするのかということを運輸当局がやはり腹をきめてやらなければ混乱が一そう激しくなるのではないか、こういうふうに考えているわけなんです。したがって、業者に考えさせるということであってはならないと思うんです。やっぱりいろいろな事態の中から運輸当局としての判断に立って、それを業者に理解させる、それから一般国民に理解を求めるという立場に立たなければならぬ。ただ現実運輸省として認可したのだからそれにこだわって、なかなかこれは変えるわけにはいかぬということを言っておられるけれども、それは政治だから、政治がどっちを向いて話をしておるのか、業者のための、業者擁護の行政ではなくて、やっぱり国民の納得する政治というのが私は民主政治だということは、私がここで言うまでもないと思う。そういう点で、いま言われたことについて、業者が主体になってものを考えるということは、先ほど吉田委員や大倉委員から言われたとおり、それでは時間がたっていつのまにか九月になってしまうではないかという気がするわけです。ですから大臣としての勇気のある御返答をしてもらわなくちゃならぬと思う。ただ、いま言ったように、ここでできなければいましばらく待って、十八日なら十八日に当委員会が開かれるわけです。その場において結論が出し得ると思うとか、内容としてはいろいろと考えておるけれども、全貌はいまここで言えないとしても、やはり大阪市民の納得のいく方法をもっていま話を進めているとか、内容的にもう少し前進した御答弁が得られないと、これはから回りするんじゃないかと私は思うんです。もう少しひとつ理解のある、勇気のある御答弁を願いたい。
  154. 大橋武夫

    ○国務大臣(大橋武夫君) これは業者にすっかり何とかしてくれといって頼み込んで、業者のほうにもつばら考えさせるという性質の事柄とは私は考えておりません。これはやはり新たな事態を基礎にしての一つの行政的な手段でございまするから、あくまでも運輸省の責任でやらなければならぬ事柄だと思います。ただしかし、相手が利害関係人でございまするから、やはり一応その考え方の終局的な判断をきめる一つ資料として十分調査をしておく必要があると思っておるわけでございます。そういう意味において業者の考えを調査中でございます。
  155. 岡三郎

    ○岡三郎君 結局私は現実に事を処理する場合、しばらく時間がかかるということはわかります。しかし、これはもうすでにこの問題が論議されてから、かなり時間が経過しています。現実にわれわれの判断としては、やはり運輸大臣が腹をきめてさばくべき時点に来ているのではないか。その中段階として陸運局長にいろいろと実態の調査とか、そういうことがいま行なわれてきていると思うんです。ですから、やがて十八日に当委員会が開かれる、これは先ほど言ったとおりなんですが、そういう点について、これは八月に相なってはならぬと私は思う、このままの状態では。したがって、最短距離で、しかも何日かの余裕をおくということですから、われわれとしても理解のある立場で、十八日なら十八日の時点において、ひとついままでの総合したものを当委員会において明確にお答えしていただいて、この問題についての決着をつける、そういうふうにしてもらわなければ、運行ができないと思うんですよ。ただ大阪の業者を説得する、その前にわれわれを説得してもらわなければいかぬと思う。その対話がいま行なわれているわけで、その対話に中身が全然出てこなければ、これは話の進展はないと思う。いままでやってきたことについて、こまかい話は聞きませんが、いろいろなことを含めて、一体どういうふうに話を進められておるのか、その時点において当委員会において十八日ごろお答え申し上げますというふうに言ってもらいたいと思うんですがね。
  156. 大橋武夫

    ○国務大臣(大橋武夫君) 先ほど来今日の段階においてのお話を申し上げておるのでありますが、まだ現在のところでは私どものほうとして総合的な判断をするには、なお若干の調査が必要だと思っております。そこで先ほど来、今日の段階においてはそれ以上深いお答えをいたしかねるという意味でお答えをいたしておったのでございますが、しかし、いつまでもこの問題をまだまだだと引き延ばすつもりはございません。しかるべき時期に必ず決着をつけなければならぬと思っておりますが、はっきり十八日までに必ずやれるかどうかということは、いまのところは申し上げられません。できるだけ急いで決着をつけなければならぬと思っております。
  157. 岡三郎

    ○岡三郎君 どうも語尾が明確でなくて困っているんですが、いま言われているところで、いずれか近い時期に決着をつけたい。しかし、国会は二十一日までなんですよ。そうして少なくともわれわれがこの問題を論議しているということは、やはり会期中にこの問題を明確にしたい。しかも本委員会においては、まだ一つの大きな法律が残っているというふうなことを考えてみた場合に、この問題についていますぐ出せというんじゃない、きょうはまだ十三日ですから、十四、十五、十六、十七、十八、現在時点からいえば五日間ですからね、だから時間的にはかなり余裕があるし、五日かかってきまらぬものが十日かかってきまるわけないですよ、大臣。だから、したがって、われわれが言っているのはそう無理ではないんじゃないかという気がして、いま強く言っているのです。ひとまず、とにかく十八日ということを言って、その時点で中間報告になるかどうか、それはわかりません。しかし、いずれにしても、十八日に当委員会に対して大阪の冷房料金の問題についてはお答えをいたしましょうと、しかし、その時点で最終的な結論になるかどうかは、いま明確に、いま大臣のことばでいえば、そこに到達する時間が足りないかもわからぬ。しかし、いずれにしても、十八日に中間報告になるかどうか、できるだけ終着駅に到着するように御答弁をいたしましょうというふうに、率直に場さらけに言ってもらえれば、よし、わかったということになるわけです。どうですか、大臣。
  158. 大橋武夫

    ○国務大臣(大橋武夫君) よくわかりました。御趣旨に沿うようにいたします。
  159. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  160. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 速記をつけて。
  161. 大倉精一

    ○大倉精一君 本問題については、先ほど岡君の質問に答えて大臣が、十八日には決着をつける、こういう御答弁がありましたので、十八日の決着を期待して、きょうは質問はこれにて一応打ち切って、保留をいたします。
  162. 金丸信

    政府委員金丸信君) 先ほど大臣からも御質問にお答え申し上げたわけでありますが、十分皆様方のこの問題についての御趣旨は体得いたしまして、十八日までにできるだけ解決するように最善の努力をいたしたいと思います。また解決できないという場合は解決できないという状況を詳細に御報告を申し上げたいと考えております。
  163. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 速記をやめて。   〔速記中止〕
  164. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 速記をつけて。
  165. 金丸信

    政府委員金丸信君) あるいは私の申し上げましたことが舌が足らなかったと思うのでありますが、十分御趣旨に沿いまして、十八日の日に御報告できるような方向に最善の努力をいたしたいと、こう考えております。
  166. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 本件の調査については、本日はこの程度といたします。
  167. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 外貿埠頭公団法案を議題といたします。  まず、政府から提案理由の説明を聴取いたします。金丸政務次官。
  168. 金丸信

    政府委員金丸信君) ただいま議題となりました外貿埠頭公団法案の提案理由につきまして御説明申し上げます。  国際海運界では、最近急速にコンテナー船導入の計画が進められておりますが、これに対処するためには、わが国でも早急にコンテナー埠頭を整備する等コンテナー輸送体制を整備する必要があります。また、わが国の外貿定期船貨物量は年々増加の一途にありますが、外貿定期船埠頭の整備がおくれているため、港湾の円滑な運営に支障を来たすおそれがある現状にあります。この際コンテナー埠頭の整備及び外貿定期船埠頭の整備を推進するためには、公団を設立しこれに行なわせることが、次の理由により最も妥当であると考えまして、外貿埠頭公団を設けることといたしました。  第一に、今後必要なすべてのコンテナー埠頭及び外貿定期船埠頭につき、その整備を港湾管理者に行なわせることはきわめて困難な実情にあることであります。港湾管理者の財政は、港湾整備五カ年計画による港湾整備量の増大等により、最近とみに悪化しており、これらの埠頭の整備が十分期待できない現状にあります。したがいまして、今後の貿易、海運の発展の方向に即応すべくコンテナー埠頭及び定期船埠頭を整備するためには、従来のような公共事業による整備はその限界に到達しつつありますので、公団に財政資金等を導入しつつ整備していこうとするものであります。  第二に、これらの埠頭を最も効率的に運営させるために、外貿埠頭を外航貨物定期航路事業者等に専用使用させることが望ましいのであります。従来の公共事業による建設整備の方式では専用使用は不可能であります。  以上の見地から、政府といたしましては、急速に埠頭の整備を行なうとともに、その効率的使用を確保するため、公団による整備方式を採用すべきであるとの結論に達し、この法案を提出した次第であります。  との法案の内容は、政府及び地方公共団体の出資により、外貿埠頭公団を設立し、外国貿易の増進上特に枢要な地位を占める港湾において、外貿埠頭の整備を推進せしめ、その効率的使用を確保させることにより、港湾の機能の向上をはかり、もって外国貿易の増進に寄与せんとするものであります。  次に、外貿埠頭公団法案の要点について御説明申し上げます。  第一に、公団は、京浜外貿埠頭公団及び阪神外貿埠頭公団の二つとし、それぞれ京浜地区及び阪神地区に置くこととしております。  第二に、公団の資本金は、京浜外貿埠頭公団にありましては、政府が出資する二億一千万円と東京都及び横浜市が出資する額の合計額とし、阪神外貿埠頭公団にありましては、政府が出資する二億九千万円と大阪市及び神戸市が出資する額の合計額としております。  第三に、公団に管理委員会を置き、公団の事業計画予算及び資金計画並びに決算は、その議決を経なければならないこととしております。  公団の役員としては、それぞれ、理事長一人、副理事長一人、理事四人以内、監事一人を置くこととしております。  第四に、公団の業務でありますが、公団は外貿埠頭の建設及び貸し付けを主たる業務とするほか、外貿埠頭の円滑な利用を確保するための諸施設の敷地の造成、管理等を行なうこととしております。  そのほか、公団の財務及び会計に関する事項、監督に関する事項、公団の設立手続、諸税の減免等について規定しております。  以上が、この法律案を提案する理由であります。  何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
  169. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十八分散会      —————・—————