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1967-07-17 第55回国会 衆議院 本会議 第40号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年七月十七日(月曜日)     —————————————  議事日程 第三十三号   昭和四十二年七月十七日    午後一時開議  第一 地方公務員災害補償法案内閣提出、参   議院送付)     ————————————— ○本日の会議に付した案件  塚原国務大臣昭和四十二年七月豪雨災害につ   いての発言及び質疑  日程第一 地方公務員災害補償法案内閣提出、   参議院送付)  引揚者等に対する特別交付金の支給に関する法   律案内閣提出)  公害対策基本法案内閣提出)    午後一時七分開議
  2. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) これより会議を開きます。      ————◇—————  塚原国務大臣昭和四十二年七月豪雨災害についての発言
  3. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) 塚原国務大臣から、昭和四十二年七月豪雨災害について発言を求められております。これを許します。国務大臣塚原俊郎君。   〔国務大臣塚原俊郎登壇
  4. 塚原俊郎

    国務大臣塚原俊郎君) 初めに、今回の豪雨により、不幸にもおなくなりになられました方々に対して、つつしんで哀悼の意を表するとともに、罹災された多くの方々には、政府としてできる限りのことをいたし、一日も早く立ち直っていただけるように努力いたす所存でございます。(拍手)  まず、被害状況とそれに対する政府対策について御説明いたします。  梅雨前線日本南岸沿いに停滞していたところへ、台風七号くずれの熱帯低気圧の接近に伴い、しめった気流が侵入し、七月八日早朝から北九州、瀬戸内地方にかけて大雨が降り、この低気圧が東北東に進むにつれて、強い雨域も近畿、中部地方に移動し、西日本各地大雨をもたらしたのであります。  七日九時から九日十五時までの総降雨量は、佐世保市三百五十四ミリ、福江市三百五ミりであり、なお、九日には、三時間の間に、佐世保市で百五十九ミリ、呉市で百三十三ミリ、神戸市で百四十六ミリという記録的な降雨となり、長崎県、佐賀県、広島県、兵庫県を中心に、西日本各地に大きな被害をもたらしたのであります。  今回の災害特色は、記録的な雨が短時間に降ったこと、及び都市周辺部において、特に人的被害が大きかったことであります。  政府といたしましては、急遽九日に、災害対策基本法に基づき、私を本部長とする昭和四十二年七月豪雨非常災害対策本部設置し、強力な応急対策を推進いたしております。  非常災害対策本部は、直ちに本部会議を開き、政府調査団現地に派遣することを決定し、十一日、上村副本部長団長とする兵庫班、渋谷副本部長団長とする広島班久保農林政務次官団長とする長崎佐賀班の三班を編成し、被害状況調査いたしてまいりましたが、それらの特色は次のとおりであります。  兵庫県では、山くずれ、がけくずれによる住宅被害とこれに伴う人的被害が大きかったことであり、広島県では、山腹崩壊渓流での鉄砲水による住宅被害とこれに伴う人的被害が大きく、また都市(呉市)周辺の小河川はんらんによる浸水被害が大きかったことであります。佐賀県、長崎県でも、やはり山腹崩壊渓流での鉄砲水による住宅被害と、これに伴う人的被害及び冠水による農地被害が大きかったことであります。  いままでに判明いたしました被害の概況について御説明申し上げますると、まず、一般被害といたしましては、死者、行くえ不明が、広島県下での百五十九名を含め三百六十九名丁負傷者六百七名、建物全半壊、流失二千百二十むね、床上、床下浸水二十九万むね罹災者は二十七万人の多くを数えております。  次に、施設関係等被害といたしましては、県からの報告によりますと、公共土木施設三百二十三億、農地等百六十八億、中小企業関係九十四億等、総計七百九十億にのぼっております。  次に、政府のとりました措置を申し上げます。  警備救助活動状況について申し上げますと、  警察庁及び管区警察局では警備活動強化するとともに、各府県警察では広報の実施避難の勧告、警備実施しております。  消防機関の職・団員も、十九府県避難の指示、誘導、人命救出救助及び行くえ不明者捜索をはじめ、水防活動などを実施しております。  防衛庁では、自衛隊員延べ二万二千百六十名を派遣したほか、車両、航空機、艦艇などを派遣して、道路啓開、給水、通信支援遺体収容などを実施しております。  海上保安庁でも巡視艇航空機により海中での遺体捜索のほか、緊急物資等の輸送を行なっております。  災害救助法適用については、広島県ほか七府県の五十七市町村発動し、避難所設置、たき出し、飲料水の供給、被服、寝具等の給与、医療、救出などを実施しております。  防疫対策については、都市部被害が大きかったことにかんがみ、特に防疫対策について重視し、被災者検病調査を行ない、伝染病早期発見、流行の防止につとめており、避難所衛生管理強化しております。  住宅対策については、応急仮設住宅設置住宅応急修理についてはすみやかに実施すべく手配中であります。災害を受けた住宅に対しては、災害復興のための住宅資金貸し付けを行なうほか、災害公営住宅建設及び既設公営住宅復旧についても、所要措置を講ずることといたしております。  文教対策としては、罹災児童、生徒の学習に支障を生じないよう教科書の調査、補給を行ない、また、就学援助費補助金市町村申請に基づき交付するほか、授業料等減免措置を講ずることといたしております。  交通関係については、主要道路については、一車線以上の交通を確保いたしております。国鉄については、主要幹線全線復旧、運行いたしており、現在の不通個所は筑肥線ほか五線区、二十七区間であります。  中小企業対策としては、政府系中小企業金融機関に対し、元利金支払い猶予貸し付け期間延長等措置を講ずるほか、据え置き期間の設定、担保条件緩和等措置を講じております。また、中小企業信用保険公庫からの融資臨時金融相談所設置などを行なっております。  公共土木施設等復旧について申し上げますと、河川等公共土木施設については、緊急に復旧を必要とする個所は、急遽復旧作業実施いたしております。  農地農業用施設についても、緊急に復旧を必要とする個所については、応急工事、査定前着工を行なうよう、指導いたしております。  被災者援護対策については、被災者に対して、郵便はがき等無償交付、為替・貯金の非常取り扱い保険・年金の非常取り扱い実施しております。  また、労災保険料延納措置被災事業場に対する薬品の配布を行なっております。  財政金融対策については、資金運用部短期資金による融資については万全の措置を講じており、金融上の措置についても、手続簡易迅速化政府関係金融機関災害融資等措置を講じております。  また、税制上の措置として、申告・納付等の期限の延長、租税の軽減免除、納税の猶予滞納処分猶予を行なっております。  次に、普通交付税の繰り上げ交付についても検討いたしております。  以上、政府のとっております措置を簡単に御説明いたしましたが、今回の災害特色を教訓として、原因等を十分調査した上、将来の対策を講じてまいりたいと考えております。      ————◇—————拍手)  昭和四十二年七月豪雨災害についての発言に   対する質疑
  5. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) ただいまの発言に対して質疑の通告があります。順次これを許します。細田吉藏君。   〔細田吉藏登壇
  6. 細田吉藏

    細田吉藏君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま政府より報告のありました今回の豪雨災害について、内閣総理大臣及び関係大臣に対し、若干の質問をいたしたいと思います。  初めに、今回の災害により、不幸にしてなくなられました三百六十九名の方々に対し、つつしんで哀悼の意を表するとともに、負傷された方々、被災された方々に対し、心からお見舞いを申し上げる次第であります。(拍手)  さて、災害は忘れたころにくるといわれますが、最近では、災害は忘れないでくるといったほうが当たっているくらい、毎年梅雨期台風期には、必ず日本のどこかに大きな災害が見舞っております。特に貴重な人命が、そのつど多数失われているのであります。  災害対策基本法が制定されましてからでも五年、はたして政府として、防災に対する対策は十分でありましょうか。また、災害が起こってからの処置は万全を期されておりましょうか。私は、災害については、各般の事情を再検討する時期がきておるのではないかと思います。この際、総理大臣災害に対する基本的態度及び今回の災害に対する基本方針を明らかにされることをお願いいたします。  御承知のように、災害対策基本法におきましては、災害応急対策災害復旧及び財政金融措置の三つの章がございますが、これらの前に、防災計画及び災害予防規定が設けられております。すなわち、法律では、防災災害予防という点を重視しているのでございます。  私は、災害が起こってからの応急対策あるいは災害復旧の問題につきましては、最近はやり方がかなり以前よりは進んでまいっておることは認めるのでありますが、しかし、防災計画災害予防という点につきましては、まだまだ不十分ではなかろうかと考えるものでございます。災害が起こりましてからの損害を考えますれば、災害予防についていかに金をかけましても、安いものであります。ましていわんや、貴重な人命財産を守るわけでありますから、予防は、政治並びに行政の重大な任務であると信じます。中央防災会議の責任を持たれる総理府総務長官の、この際についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。  次に、激甚災害法についてお尋ねいたします。  激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律は、今回の災害につきましては、もちろん無条件でその発動を見るものと私ども考えているのでありますが、在来とかくこの法律発動が、被害が一定の基準の数量に達するかどうかというようなことから、おくれがちでございます。これは、被災者方々に安心して復旧につとめていただく、特に府県市町村方々がほんとうに心身をすり減らしながら災害復旧に従事しておるわけでございまして、こういう方々に安心して災害復旧に全力をあげていただくということのためには、一日も早くこの激甚災害法発動を、政府においておきめいただくことが必要であると思うのでございます。(拍手)私は、災害発生後一週間以上を経過している今日、激甚災害法発動するという御言明を、ぜひ本日、この本会議場においていただきたいと考えております。(拍手)  なお、あわせて天災融資法につきましても、その発動について言明していただくことにお願いいたしたいと思いますが、対策本部長たる総務長官の明確なる御答弁を承りたいと思います。  次に、気象の問題であります。  本年の梅雨につきましては、気象庁長期予報におきまして、いわゆる集中豪雨型になるのではないかと発表しておったのでありますが、この長期予報はそのとおりになりました。気象観測がだんだん進んでまいっておりますことはまことにけっこうでございます。しかしながら、集中豪雨につきましては、いま一歩予報適確にできないものだろうかと思うのでございます。もちろん大雨注意報警報等を出しておるのではございますが、さらに精度を増すと申しましょうか、国民皆さまの要望にこたえるような観測なり、予報なりができないものであろうかと思うのでございます。私は毎年のこの種災害発生にかんがみまして、予算的措置を講じ、また人的にも強化するというようなことで、是が非でも気象観測強化していただくよう、お願いいたしたいと思うのでございます。  さらに一部には、今回の予報あるいは情報伝達について、遺憾の点があったのではないかというようなことがいわれております。この点に関連して、テレビラジオによる情報伝達は、非常の場合には一般の番組に優先して繰り返し放送していただくことができるように、法規の整備等をお考え願いたいのであります。  これらの点について、運輸、郵政両大臣の御答弁をいただきたいと思います。(拍手)  次に、建設大臣お尋ねいたします。  今回の災害ももちろんそうでありますが、最近の集中豪雨台風災害に際しまして、いわゆる中小河川はんらん、がけくずれ、あるいは山地崩壊、こういうことが被害を非常に大きくしておる。これは大きな特徴であります。政府としてはすでに治山治水五カ年計画実施中でありますが、現在の一兆二千億程度の規模ではきわめて不十分であり、他の公共事業計画とのつり合いもとれていないと思います。政府としてはすみやかに新しい計画を策定して、中小河川、特に今回の災害の大きな原因となった都市河川、また山地崩壊、地すべり、がけくずれ等について、大幅な予算の増額をする必要があると思いますが、建設大臣の御所見はいかがでございましょうか。(拍手)  今回の災害のみならず、これまでの災害の実地を見てまいりますと、大体地元の方々が、ここは何とかしてもらいたいと強く要望しておられる、しかも、それが予算関係、その他でおくれておる、そこへ集中豪雨台風がくる。そして大きな災害になっているのであります。また、反面からいいますと、改修なり改良が終わった個所につきましては、被害がないか、もしあっても非常に少ないのであります。これは今回の災害でも各地で見られる現象でありまして、これは当然のことではありますが、やはり人の力で災害を防ぐことができるということを端的に示しているのでございます。  次に、今回の災害で非常に死者が多かったことにつきまして、宅地の問題が国民の大きな関心事として提起されております。無理な場所に不適当な宅地開発が行なわれる。しかも背後の山は、水をたたえる力がだんだん少なくなるように、木を切られるというような状況が至るところに見られます。このような原因から、今回の悲惨な宅地災害が起こっているわけでありますが、昭和三十七年には宅地造成等規制法ができまして、その後できる宅地につきましては、十分な審査等をなさっておるものと思います。しかしながら、この規制法の以前にできた宅地につきましては、危険なものがたくさんございます。また、宅地状況背後事情などで変わってまいります。  こういう点から、私はこの際、規制法を再検討するとともに、危険な個所について総点検をして、改善処置を講ずる必要があると思います。この問題は、いわゆる都市化現象の中で非常に大きな問題でありますので、格別の御配慮をいただきたいと思いますが、この点、建設大臣いかがでございましょうか。  次に、私は、いわゆる個人災害の問題に関連して伺いたいと存じます。  災害を受けられた個々人は、非常にお気の毒な事情にあることは、申し上げるまでもございません。しかし現在の法制のたてまえといたしまして、この個人災害に対しまして、見舞い金を差し上げるとか、あるいは何か特別なことをして差し上げるという制度はございません。ただ、御承知のように、災害救助法、税の減免あるいは農地に関してだけは、やや個人災害について国がめんどうを見る形になっているのであります。その他は大体融資という方法で対処することになっておるのでございます。  私は、この融資の点について全面的に改善すべき時期がきていると思うのであります。農林漁民方々に対する天災融資法中小企業方々に対する政府関係公庫からの貸し出し、住宅金融公庫融資、これらにつきまして融資ワクの拡大、一口当たり金額の増加、利率の引き下げ、担保の問題、あるいは貸し付け期間大幅延長、このような諸点について、現在以上に十分な配慮が必要であると思います。特に個人災害の大きい今回の災害を契機にいたしまして、是が非でも融資の点について、いままでのやり方にとらわれることなく、大幅な改善措置をお願いいたしたいと思うのでございますが、関係大臣お答えをお願いいたします。(拍手)  今回の災害は、いわば本年の水害、台風のはしりでありまして、気象庁は雨も台風もまだまだ相当なものがあるのではないかと予報いたしております。こういった点から考えまして、以上いろいろ申し上げました災害予防、また不幸にして災害が起こりました場合の早急な応急対策災害復旧その他万般の問題につきまして、政府として十二分の御配慮、御努力を要望いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)   〔内閣総理大臣佐藤榮作登壇
  7. 佐藤榮作

    内閣総理大臣佐藤榮作君) お答えいたします前に、今回の災害に際しましてなくなられた方に対し、心から哀悼の意を表し、同時にまた、被災者各位に対しましてお見舞いを申し上げます。(拍手)  ただいま細田君からお尋ねがございましたが、政府の政治的な姿勢といたしましては、災害から、国土、さらにまた、国民生命財産を守る、これが基本的な姿勢でございます。  そこで、ただいま災害についてお話がございましたが、すでに災害対策基本法ができております。これに基づきまして、政府防災計画を策定し、同時に各種長期計画を立てておるわけであります。もちろん、長期計画を立てておりますが、今次の災害等から、さらにこれに再検討を加え、そして所要の改正をすることが必要になっておると思います。要は、これらの法のもと、また、方針もと災害をできるだけ防除する、さらにまた、やむを得ず発生した災害に際しては、その救済に万遺漏なきを期する、これが政府態度でなければならない、かように考えております。ただいままでのところ、今回の災害に際しましても、いち早く対策本部を設け、さらに現地視察等をし、所要措置を講じましたのも、ただいま申し上げるような基本態度からでございます。この上とも各位の御協力のもと国土を守り、さらに国民生命財産を守ることに一そうの努力をいたしたいと思います。(拍手)   〔国務大臣塚原俊郎登壇
  8. 塚原俊郎

    国務大臣塚原俊郎君) 今回の豪雨による災害が非常に激甚であることにかんがみまして、連日本部会議を開いておりまして、その数字等も集計いたしておりまするが、御指摘のように、激甚災害法適用はいたすことといたし、いまその手続を進めておる最中でございます。(拍手)  なお、天災融資法につきましても、農林省においてその数字を集めておりまするが、これまた同様の処置がとられることと考えております。  防災計画についてのお尋ねでありますけれども、御承知のように、中央において防災計画を樹立し、そしてまた各省庁においてそれぞれの対策を練っておることは、細田議員承知のとおりでありまするが、各府県におきましても、その県の実情に応じてその計画もとにいろいろと対策を練っておるわけでございます。しかし、御指摘のように、あすの対策よりきょうの予防という御趣旨お話がございましたが、その予防がいかに重要であるかということもよく承知いたしておりまするので、特に今回の都市災害のようなこの貴重な経験にかんがみまして、計画の変更を行ない、万全の措置をとることに今後ともつとめてまいる考えでございます。(拍手)   〔国務大臣西村英一登壇
  9. 西村英一

    国務大臣西村英一君) 今回の災害は、御指摘のごとく、都市周辺における中小河川中心として起こった災害並びにがけくずれ等によることで、たいへん被害が大きくなったことはまことに遺憾に存ずる次第でございます。  政府といたしましても、こういうような方面に対しては、災害予防観点から力をいたしておったのでございまするが、今回の災害にかんがみまして、特にこの点は将来とも重視しなければならぬと思うのでございます。したがいまして、現在の治山治水五カ年計画につきましても、こういうような点から新しい観点に立って再検討をいたしたい、かように考える次第でございます。  もう一つは、やはり宅地造成のために災害が起こるのじゃないかということでございますが、そのために、さきに宅地造成規制法を制定いたしましてこれらの防止につとめてまいりましたが、この法の施行前の宅地の不備な点、また、今回はこれらの法指定地外周辺のがけくずれ、あるいは急傾斜地の災害等がたくさんあったのでございます。したがいまして、これらの点に今回は十分留意いたしまして、宅地造成等規制法につきましてもさらに十分検討の上で強化をしてまいりたい、しこうして災害予防につとめたい、かように考えておる次第でございます。(拍手)   〔国務大臣倉石忠雄登壇
  10. 倉石忠雄

    国務大臣倉石忠雄君) このたびの農業災害につきまして、先ほど塚原総務長官からお答えいたしましたように、天災融資法その他の発動につきまして、ただいま数字を集めて、なるべく早くこれを実施に移すように努力いたしております。(拍手)   〔国務大臣小林武治登壇
  11. 小林武治

    国務大臣小林武治君) 非常災害時においてテレビあるいはラジオ等が活用さるべきことは当然のことでありまして、放送事業者等も、国民の貴重な電波を使っておる、こういう立場を自覚いたして、現在までも、新潟の地震とかあるいは今回の災害等につきましてもこの放送を行なっております。しかし、私どもはなおこれで十分とは思いません。また、この放送を義務づける法律も、電波法あるいは災害対策基本法気象業務法、こういうところに規定がありまするが、これらの規定も私どもは不十分だ、かように考えておるのでありまして、放送の迅速正確、これらにつきましてはさらに私どもは配意すべきものと存じまして、御質問の御趣旨に沿うよう、法律整備あるいは改善等を近くいたしたい、かように考えておるものでございます。(拍手)   〔国務大臣大橋武夫登壇
  12. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 集中豪雨に関しまするメカニズムが、いずれの国においてもいまだ解明されておりません現状では、その予報精度を直ちに上げることは困難かと思われます。しかし、その研究をさらに続けてまいることにより、いつかは解明されるものと思われますので、気象庁は、数年来、集中豪雨に関する研究重要項目として、研究努力いたしてまいりました。  ただ、集中豪雨メカニズムの解明とは別に、それより生ずる災害を幾分でも軽減するために、気象庁としては各種観測網整備通信施設近代化努力しております。今後さらに気象レーダー網整備強化雨量観測網等の充実により、刻々の気象変化を把握し、情報伝達装置整備とあわせて、特に集中豪雨については、雨量計備えつけによる地方補助的手段整備し、情報をより迅速適確防災担当機関に通報できるよう体制強化してまいりたいと存じます。  また、警報伝達については、気象業務法により、気象庁はその警報事項を直ちに日本電信電話公社警察庁海上保安庁、運輸省、日本放送協会建設省及び都道府県機関に通知しなければならないことになっておりまして、今回の情報伝達については、この点は遺漏はなかったものと考えます。なお、今後関係機関との連絡体制強化に一そう努力をいたすつもりでございます。(拍手)   〔国務大臣水田三喜男登壇
  13. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 先ほど総務官長からお答えがありましたように、今回の災害激甚災指定する方向で準備を進めておりまして、政府関係中小機関住宅公庫等はすでに貸し付け体制を整えておりまして、まだ指定のないのに、もう貸し付け申請の受付を開始しているという状況でございます。  貸し付け条件についてのお話がございましたが、これは今後実情に応じて検討したいと思います。(拍手
  14. 石井光次郎

  15. 永井勝次郎

    永井勝次郎君 私は、日本社会党を代表して、昭和四十二年七月豪雨災害に対するお尋ねをいたしたいと存じます。  質問に先立ちまして、今回の災害によって人命を失い、財産を流失し、多大の犠牲を受けられた被災地域罹災者皆さまに対して、党の名においてつつしんでお悔やみとお見舞いとを申し上げる次第であります。(拍手)  災害に対しましては、現地の人心を安定させる、社会不安を取り除く、緊急の措置を行なう、こういうような事柄でとりあえずの処置が例年力を入れて行なわれますけれども、その後において、この災害を再び起こさないような、恒久的な、抜本的な対策については、いつの間にか忘れて、これが繰り延べされておるのが実例であります。今回はそのようなことのないように、特に戒心して努力をいたしていただきたいと思うのであります。  第一に、佐藤総理にお尋ねをいたします。  今回の災害の特徴は、都市災害である、山地が崩壊しておる、中小河川が大荒れに荒れた、商業関係の損害、個人災害が非常に大きい、あるいは公共施設の損害は少ないが、土砂のあと始末であるとか、あるいは崩壊した宅地のあと始末とか、そうしたものが非常に多いというようなことが特徴的なものと見られております。これらについて、総理はどのように分析し、把握されているか、明確にお答えをいただきたいと存じます。  第二は、今度の災害は天災か人災かということであります。  確かに今回の雨は短い時間に局所的に大量の雨がありましたことは事実であります。原因の何%かは雨によるものであることはいなめないのでありますが、この種の災害は連年のように繰り返されておるのであります。  神戸の現地について見ますと、昭和十三年の災害における対策として当時三千万円の予算対策が進められました。六割が完成したところで戦争に逢着して、四割がそのままに残されております。工事完了した六割の地帯は、今回土砂を押え、流木を押え、大きな水はどんどん飲んで、びくともしない状態に完成されておるのであります。今回の災害は、残された四割の工事未済の部分に集中して起こっておる事実に照らしましても、いかに政治が責任を負わなければならないかということを、明確に実証しておるところであろうと思うのであります。(拍手)  また、島根の災害にいたしましても、山梨の災害にいたしましても、連年われわれに教訓をしておるのであります。経験を与えておるのであります。これが少しも事後の災害に生かされておらない、このことは強く反省をしなければならないところであろうと思うのであります。  また、災害の起こりました地帯は花こう岩の地帯であります。第三紀層の地帯であります。これは治山を行ない、治水の工事を進めまして、できるだけ現地の崩壊を防ぐことが科学的な思考に基づいた常識的な措置であろうと思うにもかかわりませず、現地はその逆をやっております。こういうところにどんどん宅地の造成をやって山をくずしておる。あるいは六甲の奥のほうに広大なゴルフ場を建設しておる。今回崩壊して十四人が生き埋めとなったのは、こうしたゴルフ場の場所の崩壊によるのであります。  また、大阪の実例を見ましても、ほんらんした河川の奥の万博の敷地百万坪、それに隣したニュータウンの敷地数百万坪、こういうところが木を切り、いろいろな土地を起こし、自然の条件が破壊されておるのであります。河川は、中小河川といえども自然の中に安定しておるのでありますから、その沿線、奥地の自然の条件が破壊された場合は、その自然条件を破壊したに見合う河川に対する負担の施工をしておくというのが、これが常識であろうと思うのであります。(拍手)それを放置しておくのでありますから、一たび異常の雨でもまいりましたら、今回のような災害が繰り返されることはあたりまえのことでありまして、これらに対して、私は、責任を雨に転嫁して政治の責任を回避する、人災であるという反省を怠るということは断じて許せないことと思うのであります。(拍手)  第三は、災害対策基本法は、災害予防をする、災害に対する対策を確立する、あるいは恒久的な対策を行なうということで、その責任の所在を明確にすべきことを法定いたしておるのであります。しかし、このことは、単に行政区分の責任の所在を法定したものではなくて、一般的な政治の責任を明確にすべきことを要求されておると思うのであります。大雨が降ればすぐ何十人という人命がそこなわれる、何百億という損害が起こる、大風が吹けばまた同様、このような連年の災害があたりまえのように放置されておることに対しましては、これは法定された内容からいたしましても放置すべきではないと存ずるのであります。この点における佐藤総理の責任の所在に対する明確な御判断を承りたいと存ずるのであります。(拍手)  次は治山対策についてであります。  今回の六甲における災害実情を見ましても、治山の整備されておるところは大きな流木を山元で押える、土砂の流出を山元で押える、こういうことで災害を最小限に押えておるのでありますが、治山の関係を見ますと、三十五年から三十九年の五カ年計画は事業量に対してわずか五八%の達成率であります。四十年から四十四年のただいまの五カ年計画は、三カ年経過の中で事業量にして四〇%の達成に至っておりません。連年これだけの災害を受けながら、これに対する抜本的な対策を講ずると言いながら、事業の計画量の半分前後より達成していないという、こういうことは政治上の怠慢であるといわれても私は答弁の辞がなかろうと思うのであります。  また、林地崩壊防止事業は、これは全国一万八千カ所が調査されております。これに所要する予算が一千億と見込まれております。これに対して、本年度五億の予算がつけられました。との五億の予算で計算いたしますと、現在の危険個所を固定して考えましても二百年かかる計算になるのであります。問題は、百年単位、一世紀単位で考えなければならないというような、こういう内容で、どうして現実の災害に対応することができるか、これを明確にしていただきたい。  さらに、河川関係で見ますと、四十年度の予算が二千四百七億、四十一年度が二千七百九十八億、四十二年度が二千六百三十九億となって、かえって予算額は減ってきておるのであります。そうしてその内容は、事業量は計画の四〇%に達しておらない。こういう状態では、私は、災害のときのその場限りの答弁に終わって、具体的には問題は少しも前進せず、さらに災害を拡大する方向に推移しておる、こう判断せざるを得ないのであります。この点についてお答えをいただきたいと思うのであります。(拍手)  次に、先ほど、今回の災害都市災害であると申し上げました。都市災害であるということは、都市計画あるいは都市に対する国の政策がほとんど手を抜いておる、こういう都市の弱点に災害が集中して起こってきたのであると私は思うのであります。中小河川の問題を中小河川全般の問題として取り上げている限りにおいては、先ほど来申し上げましたように、前進をいたしません。この影響力を考えて、中小河川一般から都市河川としての特定をいたしまして、特にこれらに対する対策を急速に行なわなければならないのではないかと思うのでありますが、この点に対する決意を伺いたいと思うのであります。  また、今回の災害特色として個人災害が多いのでありますが、都市災害が発生した場合、個人災害が多くなることは当然であります。したがって、都市災害に対する特質と個人災害に対するこれらの結果と照らし合わせまして、新たな側面から災害対策考えていく、都市対策考えていく、こういうことが必要な段階にきておると思うのでありますが、これに対する御所見を承りたいと思うのであります。  また、財源措置についてでありますが、先般予算委員会で、わが党の高田君の質問に対しまして、総理は、財源は無限でないと申されました。私もそのとおりに考えております。しかし、現在の災害対策あるいは治山治水、こうした基本的な投資が、これが日本の負担できる財政の最高限度であるとも考えておらないのであります。ことに在外資産に対する二千億からの財源の捻出、山一証券に対する個人営利会社に対する保証の何百億円の問題、これらに照らしましても、現実に何百の人命がそこなわれる、何百億の災害が起こるというこの緊急避けられない事態に対しまして、取り組む政府姿勢といたしましては、もっと誠実な、もっと軽重と緩急とを国民に納得できる立場で措置されることが必要であろうと存じます。これらに対する総理の所見を伺いたいと存じます。  次は、大蔵大臣であります。災害対策については、結局財政の問題、金融の問題、税金の問題になると思うのであります。これらについては既定の法律の限界で、あるいはいろいろな従来の慣行という限度において、問題を処理いたしましては、私は緊急の現実の対応にはならぬと思うのであります。その意味において、私は、総理並びに各大臣お尋ねをいたしましたそれらの問題について、最後のさいふのひもをどのように締めるのか、どのようにゆるめるのか、どういう覚悟でこの災害に取り組むのか、大蔵大臣の総合的所見を伺いたいと思うのであります。  次は建設大臣宅地造成が今回の災害を大きく誘導いたしておりますことは、現実の調査で明らかなところと存じます。現在の規制法が十分でないというなら、人命に関する問題でもっと規制を強化する措置が講ぜらるべきだと思います。アメリカにおきましても川のふちに住宅をつくっていけないというような規制法が実行されておるのであります。こういうことを考えて、私は、宅地造成に対して一段の前進が必要であると思いますが、いかがでありますか。  さらに、治水五カ年計画の改定、都市河川の特定あるいは砂防等局部改良その他の問題が、今回の災害によって大きく示唆されたと思うのであります。これらに対して、百年単位の計画ではなく、現実のわれわれの時代に役に立つような計画を示していただきたいと存じます。  次は農林大臣。やはり治山事業に対する五カ年計画の改定、あるいは宅地造成について十分の効果をあげておらないという現実に照らしまして、ああいう地帯は保安林の網をかけて、もっと国土保全、水源林涵養、こういった問題を処理する必要があろうと思うのでありますが、いかがでありますか。  さらに、樹園地がどんどん開発されて山にのぼっていっております。こういう関係を野放しにしないで、テラスをつくる、排水路の工事をする、こういう問題について適切な規制と措置が必要であろうと思いますが、いかがでありますか。明確にお示しを願いたいと存じます。  次は通産大臣。今回の災害の特徴が商店の災害にある、約五十五億、工業二十五億、これは直接の災害でありますが、災害地域における間接災害を合計いたしますと、相当大きなものになろうと思います。融資の面あるいは利率の引き下げの問題、据え置き年限、償還年限の問題等、金融措置をいたしますことはもちろん、もっと根本的にこれらの個人災害、商店災害等に対する対策が必要であると思いますが、現実の災害をどのように把握されて、どのように対処されようとしておるか、明確にしていただきたいと存じます。  次に運輸大臣。今回の気象観測は、気象庁の話によりますと、現在の学問、技術、施設では局所の大雨観測ができない、将来もできないであろうという答弁でありました。できないことはやむを得ないのでありますが、できることをもっと充実してやるべきであります。それには予報官の増員の問題であるとか、あるいは施設の充実であるとか、当面できることが非常にたくさんあると思います。それにもかかわらず、四十二年度の気象庁予算は、前年十三億でありましたものが本年は十億九千万、かえって減額されております。これはどういう理由によるのか。  また、単に災害だけではなく、農業の災害に対する予防措置といたしましても、北海道等冷害地帯における内陸気象観測は、もっと充実し拡大していく必要があろうと思います。これに対する所見を伺いたい。  次は厚生大臣災害救助法による救助費用の単価が非常に低い。現実に合いません。一食百円ということ、あるいは生業資金として一万二千円ということ、あるいは医療として一週間という限定がありますこと等々、これは現実に合うような措置が必要であろうと思うのでありますが、これに対する所見を伺いたい。  次は文部省。私は国立、公立、私立、これらの学校の災害復旧はもちろんでありますが、銀閣寺その他名勝史跡が今度の災害で相当に痛めつけられております。このような貴重な文化財に対する保存の問題、管理の問題が十分でないのではないか、こう思うのであります。これらに対する所見を伺いたい。  次は自治大臣災害復旧費の地方負担分に対する起債額のワクを広げること、それから起債の償還財源として交付交付金の算定上の財源需要としてこれらを認めること、市町村財政に対する特交の特別措置、こうした関係についてお尋ねをいたします。  次は総務長官。これは今回の災害によっても明らかでありますように、(発言する者あり)明らかでありますように、全国に災害が頻発しております。災害あるごとに交通が遮断される、あるいはいろいろな事態が起こっておるのでありますが、非常災害に対する用意があるのかどうか。  それから、東京都その他にもし大きな災害があった場合、この過密都市になっております今日の状況から見て、非常に重大な事態が想定されるのでありますが、そういうことに対してかねての用意があるのかどうか。東京都に大災害があったという想定に立って、どのような用意と準備があるかを示していただきたいと存じます。(発言する者あり)  次は防衛庁、防衛大臣。今度の災害においては非常に現地は感謝されております。しかし、当初は人体を発掘するということに限定されて行動されたようであります。アメリカでは、工兵隊が動員されて……。
  16. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) 永井君、申し合わせの時間が過ぎておりますから、簡単に願います。
  17. 永井勝次郎

    永井勝次郎君(続) 災害対策が十分できるようになっております。工兵隊がその予算も持っておるのでありますが、災害に対処する自衛隊の今後の活動についてどのようにお考えであるか承りまして、お尋ねを終わります。(拍手)   〔内閣総理大臣佐藤榮作登壇
  18. 佐藤榮作

    内閣総理大臣佐藤榮作君) 永井君にお答えいたします。  七月の豪雨についての分析、把握、これは私も永井君と同じような見方をいたしております。申すまでもなく、今回の特徴は、都市災害であり、都市河川あるいは個人災害が非常に多い。あと始末にいたしましても、土砂のあと始末や崩壊家屋のあと始末等、いままでに例のないような新しい事態に対して、政府が、また関係各方面でこれに対処しなければならない、かように私も考えております。  そこで、こういうような災害が起きたことについて、これは天災にあらずして人災だと、かような判断を下していらっしゃるのでございますが、私は先ほど細田君にお答えいたしましたように、災害に対しては、政府は、国土を守り、同時にまた、国民生命財産を守る、これを基本姿勢にいたしまして、これと取り組んでおるわけであります。したがいまして、先ほどお話のありましたような、災害対策基本法ですか、この法律に基づきまして災害基本対策を立てて、それぞれまた長期計画を立てて進んでおるわけであります。ところが、災害は忘れられた時分に起こるとかいうように、われわれが予期しないようなそれぞれの場所において毎年新しい災害が繰り返されております。  ただいまも御指摘になりましたように、花こう岩地帯については特別な処置があってしかるべきじゃないかと、こういうお話でございますが、もちろん、治山治水あるいは緑化計画等々をこの花こう岩地帯に対してとってはおりますが、これらの計画も、予算の面でやはり重点的に使用するということでないと十分の効果をあげることができません。今回の災害の苦い経験にもかんがみまして、今後治山治水五カ年計画に再検討を加え、これを改正するそのときにきておるのではないか、かようにも思います。  同時にまた、最近起こります災害が、無計画宅地造成、それらの点からかもし出されることも多いのでありまして、これも永井君の御指摘のとおりであります。したがいまして、今日建設省を督励して新しい宅地造成計画を立てる、これは、申すまでもなく、新都市計画法に基づいてこれらの点に制約を加え、造成も促進する考えでございます。  ただいま御指摘になりましたような具体的な事例として、万博の敷地あるいは兵庫県下におけるゴルフ場等が今回の災害を大きくした、こういうような御指摘もございますので、これらの点にかんがみまして、さらに私どもも今後の開発、これにくふうをこらさなければならないと思います。もちろん、そういう場合におきまして政府そのものの責任もはっきりいたしておりますし、また、都市の問題になりますと、都市開発は、何と申しましても地方自治体が第一の責任者でございます。しかし、地方自治体にこれをやらすにいたしましても、財源等の点で十分のことはできないということもございますから、国は国の立場において地方自治体を中心にしての都市計画に参画し、補助等の助成方法をとる考えでございます。  その他の具体的なお尋ねにつきましては、関係大臣からお答えさせます。(拍手)   〔国務大臣増田甲子七君登壇
  19. 増田甲子七

    国務大臣(増田甲子七君) 永井さんにお答えいたします。  今回の災害における自衛隊の派遣状況は、次に申し上げるとおりでございまして、御指摘の活動範囲は、人命救助に限っていないのでございます。  まず、派遣部隊は陸海空の三自衛隊でございます。延べ人員は、十七日現在までに二万二千百六十人になっておりまするが、延べ人員等は漸次増加いたすはずでございます。車両は延べで二千七百十両、航空機は三十二機、艦艇は十五隻でございます。  派遣先は、永井議員御承知のとおりの災害府県でございます。  作業内容は、空中より九日早朝まず災害個所の視察をいたしまして、写真撮影等をいたし、いち早く部隊に伝えたわけでございます。それから、生き埋め者の救出、遺体の収容、道路、水路の啓開、堤防の締め切り、補強、給水、防疫、通信支援、土砂の搬出、清掃、応急復旧等、あらゆることをいたしております。  派遣の規模、作業内容につきましては、現地部隊が地元の関係機関と連絡協議いたしまして実施いたしておりまするが、なお今日以後一そう連絡協議を密にして活動を継続し、御要望にこたえるよう努力いたします。  なお、アメリカ等においては、こういう際に工兵隊が出動しておるが、どうかという御質問でございまするが、わが国におきましては工兵隊に該当するものは施設隊でございまして、施設隊が最も有効に活動いたしておる。また、予算等も、教育訓練費四十三億円、油購入費百一億円等がございまして、これを有効に遺憾なく使用いたしまして災害に対処いたしておる次第でございます。(拍手)   〔国務大臣水田三喜男登壇
  20. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 今回の災害につきましての応急措置に対しましては、予算措置において、金融措置において、また税の減免措置において、万遺憾なきようすでに手配済みでございます。  問題は、今後の予防についての御質問でございましたが、本年度中小河川に対する予算は、一応前年度に比べて二六%も増加してございますが、しかし、今回の実情を見ますと、災害の重点が、やはり中小河川はんらん、がけくずれという都市災害が多くなっている実情でございますので、やはり治山治水計画はここでそういう新しい観点から再検討する必要がある、来年はこの中小河川中心予算の重点配分をする必要があるというふうに考えております。(拍手)   〔国務大臣西村英一登壇
  21. 西村英一

    国務大臣西村英一君) 第一点は中小河川対策でございますが、いま大蔵大臣も申し述べたように、中小河川は従来とも力をいたしておるのでございます。本年度は、実は九百二十七カ所の中小河川の改修にかかっております。そのうちでも三百三十カ所は特にむずかしい中小河川でございまして、あるいは都市周辺にあるとか、あるいはたびたび災害を起こしたとか、あるいは内水がひどいというような中小河川について特に力をいたしてやっておる次第でございまするが、何と申しましても、都市に対する人口の集中、都市化の傾向、これがやはり新しい災害原因をつくりつつあることは軽視できないと思うのでございます。したがいまして、現在の治水計画につきましても、さらに中小河川中心として再検討をいたしてみたい、かように考えるものでございます。  現行の治水五カ年計画でございまするが、一々永井さん数字をあげて申しておりましたが、四十二年度の予算を完全に実行しますれば、五五%の達成率になるわけでございまして、おおむね従来の五カ年計画に比べまして必ずしも進捗率は悪いわけではないのでございます。しかし、今後もひとつ十分この実効をあげたいと考えております。  また、いろいろな事故を起こす原因が、実は昨年の山梨県の足和田の事故、そういうようなことにかんがみまして、建設省といたしましても、土砂流の発生危険地帯を調べたのでございます。ようやくその調査もまとまりましたが、実にああいうような危険の個所が一万五千カ所くらいあるのでございます。この点につきましてはさらに砂防関係強化しなければならぬ、かように考えておる次第でございます。  また、急傾斜崩壊の事故が非常に多いのでございます。この点につきましては、四十二年度の予算といたしまして、大蔵省と折衝の結果、初めて事業費にいたしまして二億円を計上いたしたのでございます。しかし、この急傾斜の崩壊地点も非常に個所が多いのでございまして、本年度初めからその地点につきまして調査を進め、調査地点がわかりますればこれは直ちに実行に移す考えでございます。  それからもう一つ、宅地造成のことについていろいろお話がございました。やはり宅地造成につきましては、規制法強化する、また、その適用を誤らないようにする、それからまた、技術基準をやはり少しきつくしたらどうか、こういうようなことを考えておる次第でございます。いずれにいたしましても、今回の事故にかんがみまして、この規制法も再検討いたしたい、かように考えるものでございます。(拍手)   〔国務大臣倉石忠雄登壇
  22. 倉石忠雄

    国務大臣倉石忠雄君) 国土開発の急激な進展に伴いまして治山治水事業がいろいろ欠陥を生じておることは、先ほど閣僚の方々お話しになりましたとおりでございまして、私どもは、今回の災害にかんがみまして、これに対して十分なる検討を加えて万全を期してまいりたいと思っております。  それから、山の緑化及び保全につきましては、従来も政府は非常に努力をいたしてまいったのでありますけれども、これからもなおこの点につきましては造林事業等を通じて国土の保全に寄与いたしてまいりたいと思っております。(拍手)   〔国務大臣坊秀男君登壇
  23. 坊秀男

    国務大臣(坊秀男君) 災害救助法による補助単価、補助限度額が低いじゃないか、こういう御質問でございますが、御指摘になりましたたき出しの費用について、本年度におきましては一日百円、たき出しを必要とする期間が六日以上となる場合には一日百三十円ということに相なっておりますが、非常災害の場合でもあり、短期間の応急対策でもありますので、国の補助単価といたしましては一応実情に合っておると考えております。しかしながら、これらのことにつきましては今後とも改善をしてまいりたい、かように考えております。(拍手)   〔国務大臣塚原俊郎登壇
  24. 塚原俊郎

    国務大臣塚原俊郎君) 中央地方を通じまして防災基本計画もと防災体制の確立につとめておることは、これはもちろんであります。特に御指摘都市災害、過密都市、東京に起きた場合にはどうかという問題でありまするが、これは従来ともそういったことを想定いたしまして検討はいたしておりまするが、特に今度の災害都市災害であるという一つの教訓——もちろん、大東京の災害の規模は比べものにならないような大きいものを予想しなければならないと思いまするが、あるいは警報の発令、交通通信の確保、そしてまた、避難の指示、災害者に対する処置その他万般の措置を講ずるための検討は、いろいろな場合を想定してやっております。図上戦術もその一つでありまするが、そういったことに対処する措置は万遺漏なきを期しております。(拍手)   〔国務大臣菅野和太郎君登壇
  25. 菅野和太郎

    国務大臣(菅野和太郎君) 今回の災害におきまして商店並びに工場を経営しておる個人の受けた損害が少なくないということは、お説のとおりであります。しこうして、これらの個人が受けた損害に対して政府はどのように対処するかという御質問であったと思うのでありますが、その受けた損害に対しまして直接補償する制度は、現在のところはないのでありますが、しかし、被害者がその災害の打撃から一日も早く立ち直るように政府はできるだけ援助したいと考えておるのであります。その第一の方法といたしましては、政府系の金融機関が特別貸し付けをやるということ、たとえば貸し付け期間なり、あるいは貸し付け金額なり、あるいは利子などについて特別の扱いをしたいと考えております。  第二は、信用保証協会の保証の場合に、特例を設けまして優遇したいと考えております。  また、第三には、この災害を受けた施設が近代化資金あるいは高度化資金によってつくられた施設である場合には、その支払いの免除または猶予をはかりたい。  こういうような方法をとりまして、罹災者が一日も早く立ち直ることをわれわれできるだけ援助したいと考えておる次第であります。(拍手)   〔国務大臣藤枝泉介君登壇
  26. 藤枝泉介

    国務大臣(藤枝泉介君) 災害復旧事業の地方負担につきましては、起債でこれを充当することにいたしております。特に当年度債におきましては一〇〇%充当することにいたしております。そしてその元利償還金につきましては、翌年度以降財政需要額に見まして、交付税で処置することといたしております。また、地方財政の状態によりまして、先のことでございますが、特別交付税で見ることにいたしております。  なお、資金繰りのために、十八日に総額四十九億八千二百万円の普通交付税を繰り上げ交付することといたしております。(拍手)   〔国務大臣大橋武夫登壇
  27. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 昭和四十二年度の気象庁一般観測予報業務の予算額でございますが、前年度予算額は、標準予算、新規予算合わせまして十五億二千万円でありますが、今年度は標準予算額が十億六千万円、新規予算が十億九千万円、合わせて二十一億五千万円でございまして、今年度は前年度に比べて、減額ではなく、六億円の増額をいたしてございます。  次に、農業用気象観測業務体制の充実につきましては、これまでも逐年努力を続けてきたところでありますが、今後も必要な地域につきまして必ずその充実をはかる考えでございます。(拍手)   〔国務大臣剱木亨弘君登壇
  28. 剱木亨弘

    国務大臣(剱木亨弘君) 今回の災害におきまして、学校その他の文教施設の災害は約八億三千五百万円でございますが、そのうち、十五日現在で、お尋ねの文化財に対しまする災害は約二千四百万円でございます。  文化財に対しまする防災施設につきましてのお尋ねでございましたが、無形、有形文化財、史跡名勝天然記念物等、文化財の対象が非常にいろいろな態様でございますので、この防災施設につきましてもまた多種多様でございます。特に建造物でございますとか美術工芸品等に対しまする物的なものに対しまする防災は、大体が火災予防とかあるいは盗難防止でございますが、お説のとおり、今度のような集中豪雨に対しまする防災は、いままでもきわめて十分でなかったと存じます。今度の災害に関連しまして、排水溝でございますとか擁壁とか、あるいは護岸工事等につきまして、十分な防災施設をいたしますように今後ともつとめてまいりたいと存じております。(拍手)     —————————————
  29. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) 塚本三郎君。   〔塚本三郎君登壇
  30. 塚本三郎

    ○塚本三郎君 私は、民主社会党を代表して、去る九日午前より長崎佐賀広島兵庫、大阪を主とする各府県を襲った豪雨災害について、質問を行なうものであります。(拍手)  最初に、今回の災害において不幸にも死亡せられた三百六十九名の方々に対し、深甚なる哀悼の意を表するとともに、御遺族の悲しみに深い同情のことばをささげる次第であります。また、六百七名に達する負傷者の方々に対しましては、一日も早く全快せられ、元気な姿でもとの職場や家庭及び学校に復帰せられまするよう祈ってやみません。(拍手)  さて、今次災害のごとき梅雨前線集中豪雨は、昭和三十二年七月、長崎県諫早の集中豪雨で、死者八百五十六名、行くえ不明百三十六名を出しております。また、昭和三十九年七月、鳥取、島根地方集中豪雨により、死者、行くえ不明合わせて百十五名を犠牲にし、続いて昭和四十年七月、再び山陰、山陽地方を襲った集中豪雨で数十名の犠牲者を出すなど、人身事故の伴う集中豪雨災害は、年々頻発の度を高めておるのであります。  また、人身事故に至らずとも、農地、家屋、鉄道、道路等を壊滅的に急襲する豪雨禍は、数え切れないほど発生しているのにかかわらず、これに対する政府の施策は皆無ではないかと疑わざるを得ないのであります。  この種の災害について、政府は、台風対策等とは別個に、具体的な対策を講じておられるかどうか、その施策の経過を総理大臣より承りたいのであります。  このたびの災害の特徴は、神戸、呉、佐世保など、都市の人家密集地帯に災害が集中していることであります。人口の急激な都市集中は、郊外地の無秩序な宅地化を推し進め、最近では、土地会社の手によって山の斜面やがけ地にまで宅地造成が投機的に行なわれ、排水に対する配慮さえなされないまま建築が進められておるのであります。かくして、郊外の山林地の急速な宅地化は、従来の土地の雨水の保有力を著しく減少せしめ、中小河川はんらん、がけくずれ、地すべりを引き起こすことは明らかであり、こんな危険な状態にあっても持ち家を希望する勤労者のささやかな住まいが今次災害の第一の犠牲者となったことに、限りない憤りを覚えるものであります。(拍手)まさに、今回の災害は、都市の過密化、無計画、無制限な宅地開発が生んだ公害と申すべきでございましょう。  神奈川県川崎市の廃土ボタ山くずれなど、こうした傾斜地住宅災害が多数発生しておりますが、宅地に対する防災対策は、行政的にも、法制的にも、積極的な施策が講ぜられておりません。  およそ自己の生命財産の安全を願わない者はありません。にもかかわらず、こうした危険地帯に土地を求め、住宅を建てざるを得ない緊迫した宅地住宅事情を直視して、直ちに抜本的な政策を確立し、あわせて、傾斜地、がけ地等における宅地造成に対して規制措置強化を講ずる必要があると思うのであります。  第二には、最近の集中豪雨による災害の特徴は、地すべりによる被害の増大であります。傾斜がゆるやかであったにもかかわらず、大きな地すべりが起こり、予想をはるかに越える被害を生んでいる現状をどう解釈するのでありましょうか。  さらに重視しなければならぬことは、現実には災害を起こしてはいないけれども、地割れが起こり、地すべり寸前の危険な状態に置かれているところが、数え切れないほど見受けられたことでございます。これは、長い間に岩石や土砂が風化作用によって老朽化し、土質がもろくなっているところに水がしみ通って、今後はわずかの雨にも地すべりを起こす危険をはらんでおるわけであります。  政府は、この際、地割れの入ったところは災害地と見なして、応急の処置を講じられるのみならず、外見上何ら心配のない地域にあっても、傾斜地にある古い宅地については、その土質について根本的な調査を行ない、これが災害予防に万全を期すべきだと信じますが、いかがでありましょうか。  第三は、中小河川に対する改修であります。  集中豪雨の泣きどころは、常に中小河川はんらんにあります。大河川は、台風被害の経験によって、政府の強力な施策を得て、最近その被害の声を聞かなくなりましたが、そのかわり、中小河川被害が続発しております。これが特徴は、天井川と呼称しておりまするごとく、道路や田畑よりもはるかに高いところに川底が曲がりくねって走っておるところにあるのでございます。かつてはこれが用水の役目を果たしたことでありましょうが、今日では、この天井川が道路や田畑冠水の元凶となっております。したがいまして、一定量をこえる水が流れるとき、必ず曲がり角の堤防を突き破って、下の道路や田畑を一面の海原としてしまうのであります。しかも、その水は、再び天井川にくみ上げる以外に排水の方法がなく、災害一週間後の昨日、私ども視察団の目にも、いまだに天井川にと冠水をくみ上げている痛々しい現場を見せられたのでございます。  これら中小河川の根本的な改修は、とうてい地方自治体の手にのみまかすべきではなく、もはやこの段階においては国の責任において早急に改修するの必要をお訴えしなければなりません。  第四には、建設工事に対する総合対策についてお尋ねしたい。  すなわち、河川、道路、宅地、護岸の各部門の間に、全く連絡がないまま工事が進められていることでございます。それがために、せっかく貴重な資金をつぎ込みながら、その効果は半減し、ところによっては何らの役にも立っていないものさえあります。  たとえば、曲がりくねった川の岸辺に宅地造成がなされている場合、川の改修はどうするのでございましょうか。あるいは、川のそばを走っている道路が川底より低く、大雨のたびごとに道路は不通となり、道路の水をポンプで川底にくみ上げているところを都会の各地で見かけるのであります。  さらに極端な場合におきましては、百年に一度の大台風にも耐え得ると自負して築かれた海岸堤防の外側で、工業用地造成の埋め立て工事が急がれている姿を見るとき、何のための堤防であったのかと疑わざるを得ないのでございます。やがて、数十億円をつぎ込んだ大堤防が、工場用地のまん中に高々と万里の長城のごとくそそり立つ姿は、各役所間のセクト主義の亡霊として、後の世の人に語り継がれることでございましょう。(拍手)  これらの点について、総理をはじめ所管各大臣の御見解をただしたいのでございます。  さて、災害復旧は、一刻を争う時間との戦いでございます。ところが、被害地の自治体は、応急的な処置をとることが精一ぱいで、直ちに改良復旧の工事には手がつけられなくて困っているのが現状であります。はたして、どの程度の工事をしてよいのか、あるいは激甚地の指定が得られるのかどうかに迷って、むなしく時日を過ごすことが、現場責任者の悩みでもあります。  そこで、この際、このような大災害には、被害県の知事に大幅な権限を与えて、経済的な責任は国が持つから、知事の判断で、必要にして十分なる処置がとり得るよう、抜本的な対策をお考えになる意思がおありかどうか。  かっては、災害を口実に、こわれなかった橋をわざわざこわして永久構造に直したというようなこともあったかもしれません。しかし、情報、通信、連絡の発達と為政者の良識ある今日においては、もはやそのような例外を想定することなく、知事にその権限を大幅にまかせる必要があると思うが、いかがでございましょうか。  最後に、私は、今次災害についての救済対策をたださんとするものであります。  現在までに判明した家屋の全壊、半壊、流失等、全く住むに家なき状態に至ったものは、約一千八百四十四むねの多きに達し、床上浸水は五万一千五百六十四戸にのぼるのであります。政府は、すみやかに災害応急住宅建設、医療衛生施策の完備、被服と食糧の円滑な供給に万全の対策を講じ、もって被災者の健康と生活の保障をしなければなりません。同時に、一瞬にして生活の根拠を失った人も多数にのぼると推計されますので、この種被災者に対しては、生活費の補給、職業のあっせんなど、生活救済に万全の対策を講ずべきであります。  なお、災害救助法発動には、対象地域を拡大するほか、少なくとも被災地域で漏れたり不公平の生ずることがないよう留意願うとともに、すみやかに災害激甚法を発動し、これに基づく天災融資法適用により、農業及び中小商工業者が適切に救済されるよう措置しなければなりません。  特に、今回の災害の特徴は、個人財産に対する被害がきわめて大きいことでございます。公共災害は、最終的には国や自治体の力によって改良されつつ復旧されることでありましょう。しかし、個人住宅の倒壊は言うに及ばず、生活に必要な一切の家財道具あるいは商品の流失から、宅地内に山と積まれた岩石や土砂は一体だれが運び出してくれるのでございましょうか。しょせん、被災者個人が負わねばならぬ仕組みでございます。地方自治体は、被災者のこの悲しい叫びにこたえる道がないと歎いておるではございませんか。(拍手)ある市長さんは、せめて住宅金融公庫の利息のうち、年三分を五年間に限って利子補給を市でやってあげたいと訴えておられました。天災によって受けた個人被害を、救済の道がない法の不備に不満を述べた時を過ごすことなく、この際、個人災害について、国は地方自治体に対して総合的な助成をなし、市町村当局はこれを個々の事例によって適切に救済資金に充てられるよう、その道を開かれることを強くお訴え申し上げます。  事災害のあと始末や救助においては、単にその対象となる法律があるなしにかかわらず、為政者が法の運用にあたたかい配慮を施すことは申すまでもありません。政府をはじめ地方自治体の末端に至るまでこの精神に徹して今次災害に処していただきたいことを特に要望しつつ、以上の諸点について、総理大臣をはじめ所管各大臣の御答弁を希望して、私の質問を終わります。(拍手)   〔内閣総理大臣佐藤榮作登壇
  31. 佐藤榮作

    内閣総理大臣佐藤榮作君) 塚本君にお答えいたします。  政府災害に対する基本的態度は、先ほど来お答えいたしましたので、これは省略させていただきます。  ただ、災害対策基本法に基づいて各種対策を講じますが、何と申しましても、一番重点を置かなければならないことは、国土保全の対策でございます。この対策が、あるいは治山治水、あるいは緑化対策等々の名前において行なわれておりますが、引き続き災害が起こりますので、苦い経験を生かしまして、今後さらに内容を充実していくように注意するつもりでございます。  ことに、予算的には限りある財源でございますから、重点的にこれを使用するように、重点的施策、これを取り上げていくようにいたしたいものだと思います。  また、いろいろお尋ねがございましたが、特に、この点で、河川、道路、鉄道その他のものが総合的に計画が立てられなければ困る、これはひとり建設省だけの所管事業ではございません、全部がやはり総合的な計画を立てて初めて防災に対する対策が立つのでございますから、そういう点では、御指摘の範囲をさらに拡大いたしまして、総合的計画性のある樹立をする、こういうように今後努力するつもりでございます。  その他の点につきましては、各担当大臣お答えいたさせます。(拍手)   〔国務大臣西村英一登壇
  32. 西村英一

    国務大臣西村英一君) お答えいたします。  集中豪雨について非常に弱いじゃないか。過去におきましても、諫早の事故、島根の事故等の例をとりまして、集中豪雨対策というものを立てるべきだということでございますが、ごもっともでございます。やはり中小河川の特徴といたしましては、河川が短い、それから勾配がきつい、ないし、その周辺が開発されましたので、どうしても従来の方法では非常に事故を起こしやすいのでございます。ことに今回の集中豪雨は、佐世保におきましては実に連続雨量三百五十四ミリ、一時間雨量百二十五ミリ、いままで例のない集中豪雨でございました。もちろん、この警報につきましては、気象その他につきましては運輸大臣のほうでやりますが、やはり現地にも雨量計をつけるとか、あるいは警報の装置をその部落部落でやりまして、集中豪雨対策として新しい対策を講じなければならぬということは、私も同感でございます。  宅地造成お話もございましたが、これはいままでたびたびお答えしたとおりでございまして、今後とも良好な宅地の造成につとめ、危険な場所には住宅建設等はこれを押えるという態度でいきたいと思います。  地すべり対策、山くずれ対策、急傾斜対策、いずれもこれは紙一重の問題でございまして、これらの点につきましては、同じような十分な現地調査をやりまして、それに対してそのところところに応じた対策をとらなければならぬと考えるのでございます。  中小河川の管理の問題につきましていろいろお話がございましたが、これはやはり現在の管理の状態で私は十分いけると思うのでございます。  それから、公共事業をやる場合の総合性がないじゃないかということでございましたが、これはもちろん、道路をやる場合には河川計画と歩調を合わせる、また、その他の事業をやる場合には総合性をとっていくことはあたりまえでございます。時たまたま一、二の例で、やむを得ざる場合をつかまえて言ったのであろうと思いまするが、十分総合性を発揮してやることは当然でございます。  災害復旧の権限を大幅に知事にまかしたらどうだ、こういうお話でございますが、公共事業あるいは公共施設は、それぞれ建設大臣、都道府県知事あるいは市町村長と、その管理体制はきまっておるのでございます。したがいまして、知事に全部を一任してやるという必要はないのではないか、それぞれ責任のあるところで十分な応急措置を講すれば足りるのではないか、かように私は思う次第でございます。(拍手)   〔国務大臣藤枝泉介君登壇
  33. 藤枝泉介

    国務大臣(藤枝泉介君) 災害復旧の主体はただいま建設大臣も申し上げたとおりでございますが、したがいまして、現行制度におきましては、災害の査定あるいは激甚地指定というものを急ぐということによりまして問題を解決していくほかないと思いますが、今後さらに災害復旧の方法論につきましても検討をしてまいりたいと考えております。  なお、特別交付税でこの災害激甚の市町村の需要を見るときに、一部、非常に少額ではございまするけれども市町村が出す見舞い金のようなものに対しましても、算定の基準の一つとして加えておることだけを申し上げておきたいと思います。(拍手)   〔国務大臣水田三喜男登壇
  34. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 天災融資法にしろ、激甚災害法にしましても、ただいまはこの適用指定政府の政令によることになっておりますが、国民経済に非常に影響があるという場合に、一方は農業、漁業者に対する低利資金の利子補給を目的とした法律でございますし、一方は地方財政について特別援助を目的とした法律でございますので、この判断は、やはり全国的な調査をして、国が総合的判断によって指定することが妥当であって、地方の知事にこの政令の権限をまかせるということは、やはりこの場合私は適当じゃないと考えます。問題は、いま自治大臣の言われましたように、いかにしてこれを早くするかというところにあるのではないかというふうに考えます。(拍手)   〔国務大臣坊秀男君登壇
  35. 坊秀男

    国務大臣(坊秀男君) 私に対する御質問は、災害救助法適用について一体どうか、こういう御質問でございますが、これに対しましてお答え申し上げます。  今回の豪雨に際しまして著しい被害を受けた長崎県ほか七府県において、二十五市、三十一町、一村に災害救助法適用いたしまして、直ちに被害者の救出避難所の開設、たき出し、毛布等被服類の支給、飲料水の供給、負傷者に対する医療の給付など、応急救助実施するとともに、障害物の除去、応急仮設住宅設置住宅応急修理などについて早急に実施すべく手配をいたしておりまして、全力を傾けて適切な救助を行なっているところであります。  また、医療につきましては、日本赤十字社においても佐世保市などに十八班の救助班を派遣いたしまして医療活動を実施しているほか、毛布等の物資を被災地に急送するなどの救助活動について万全の措置を講じております。十五日現在、加療中の者、その人数が約二百八十名でございます。  以上でございます。(拍手)   〔国務大臣塚原俊郎登壇
  36. 塚原俊郎

    国務大臣塚原俊郎君) 私に対する質問は、激甚災害法並びに天災融資法地方長官にゆだねたらどうかという御質問であると思いますが、これは建設大臣、大蔵大臣お答えいたしました。やはり全国的な被害数の調査をいま行なっておりまするが、国家的見地に立ってこれは行なうべきものであると考えておりますから、今日地方長官にこの権限をゆだねるということは適当でないと私は考えております。しかし、それがおくれたとか、いろいろな御批判が出ることも十分承っておりますから、今回の災害も、間髪を入れず非常災害対策本部を設けたような関係で、万遺漏なきを期する考えでありますから、その点十分注意いたしましてこういったものの発動考えております。(拍手)     —————————————
  37. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) 石田幸四郎君。   〔石田幸四郎君登壇
  38. 石田幸四郎

    ○石田幸四郎君 私は、公明党を代表し、今回西日本を襲った七月豪雨並びに災害基本的問題について、総理並びに関係大臣に若干の質問を呈するものでございます。  その質問に先立って、この集中豪雨によってとうとき生命を失われた方々に対し、つつしんで哀悼の意を表するものでございます。  日本は、古来より暴風雨による被害が著しく、戦後においても、室戸台風、伊勢湾台風等のごとく、多くの人命財産の喪失をもたらしております。近年これに加えて集中豪雨被害が増大し、過去五年間における被害総額だけでも約一兆七千億の多きに達しております。  そこで、まず総理にお伺いいたします。  台風等における被害はここ一、二年だけでも年平均四千億をこえているのに対し、政府が財政的措置として講じたものは五年間に五千億、年平均一千億にすぎず、あまりにも少ないのではないか。しかも、この財政措置にしても、毎年続出する災害によって、工事半ばにしてまた災害に見舞われるなど、治水事業の実は全くあがっておらないといわざるを得ませんが、総理の御見解を承りたいのであります。  今回、兵庫県宇治川の例を見ても、実に二十九カ年にわたって修復を繰り返し、その補修の未完成が今回の災害の要因となったのであります。ほとんどの一、二級河川が同じくこのような危険状態にあるのでありますが、この治水対策の脆弱さが、災害のたびごとに人災、政治災といわれる根本要因となり、明らかに政治上の失政と論断せざるを得ないのでありますが、総理はいかがお考えになるか、御所見を承りたいのであります。  政府は、従来の治水事業の失敗にかんがみて、短期間に重点的な財政措置を講ずべきであります。新治水事業五カ年計画は一兆五千億に財政措置を拡大すると報ぜられておりますが、この財政措置ではたして人災、政治災といわれる災害の要因を排除するに十分であると思っておられるか、この点に対する御答弁も承りたいと思うのであります。  また、現行の災害対策基本法では、激甚災害地に対する特別措置規定され、農業、中小企業、公共土木事業のいわゆる一般施設災害に対しては、その金融措置が明確に規定されておりますが、問題は、それに該当せざる個人生命及び財産の保障については何ら立法措置が講ぜられていないということであります。災害に遭遇した人々は、個々の力ではその財産、資力を回復することができないのでありまして、援助を国に大きく期待いたしております。国もまた、国民生命財産の保護を第一の使命とすべきが、政治の要請であります。災害対策基本法を再検討して、人間性にあふれた施策をなし、もって国民の要請にこたえるべきであると思いますが、日ごろ人間尊重を叫ばれる総理の御所見を承りたいのであります。  また、個人に対する災害救助が、今災害の最大の焦点となっておりますが、法改正によって対策を講ずるはもちろんのことでありますが、住民の生命財産の損害に対し自衛手段を進める方法として、全国的に災害共済制度なるものを施行し、一朝有事の際の援護策とするお考えはないか、あわせて総理の御所見を承りたいのであります。  次に、大蔵大臣にお伺いいたします。  ただいま総務長官より災害についての概要が報告されましたが、これら七百九十億の被害に対しまして、政府はいかなる財政措置を講ずるか。地方財政も非常に逼迫している現状から、赤字再建団体には、特にこの災害に対する国からの財政援助の率を引き上げて、地方財政の負担率の軽減をはかるなどの措置を講ずる必要はないか、お伺いいたします。  さらに、今回の家屋の被害に対して十億円の住宅資金を用意する旨言明されたのでございますが、この十億円は、五万戸以上にのぼる床上浸水家屋に対しても適用されるのか、適用されざる場合は、税の減免措置以外にいかなる財政措置を講ずるのか、過去の災害において、浸水家屋に対しては十分なる財政措置が講ぜられておらず、国民の強い不満を買っているので、特にこの点についての大臣答弁をお願いするのであります。  次に、建設大臣にお伺いいたします。  現行の宅地造成規制法には罰則規定がなく、無謀な宅地造成が今回の被害をより増大せしめております。今回の災害にかんがみて、急傾斜地のがけくずれ予防の法的規制、宅地造成規制法強化、再検討を要望するものでありますが、大臣のお考えをお伺いしたい。また、昭和三十七年度以前における宅地造成には何らの規制もございません。この対策をどう考えていらっしゃるか、具体的にお伺いをしたいのでございます。  また、現在民間で行なわれている宅地造成は、下水道、排水溝等の整備がきわめて不十分であります。町づくりのためにも、国及び地方自治体の強力な行政措置が必要であると思うが、この点に対する見解もお伺いしておきたいのであります。  また、危険防止の立場から特にお伺いをいたします。今回神戸市において、河川敷の中に、国有地でも県有地でもない民有地が残存して、ここに建てられた三百戸の家屋が瞬時にして水中に没してしまった事実がありますが、これに対する政治的責任はどこにあるのか、明確な御答弁を願いたいのであります。  また、これに類する問題として、建設省の調査によれば、山間部における土砂くずれたどの危険個所は一万五千カ所、戸数にして四十二万五千戸と想定されております。政府は、人命保護の立場から、これら危険個所に対していかなる対策を立てられているか、具体的にお伺いをいたします。  また、政府は、昭和四十年度に発足した治水事業五カ年計画を廃止して、四十三年度より新治水事業五カ年計画実施すると発表しておりますが、わずか一年半で基本方針がくずれるのでは、不見識のそしりを免れないと思うのであります。計画のいずれに不備があったのか、具体的に御答弁をお願いいたします。  また、今回大惨事の原因となった中小河川整備については、近年顕著になった集中豪雨の状態から考えて、台風等に対する従来の一、二級河川対策に加えてさらに追加整備すべき問題と考えなければなりません。従来の事業計画と新治水事業五カ年計画との関係について具体的にお伺いをいたしたいのであります。  さらに、災害復旧を早急に推進するために、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法では三カ年以内で復旧を完了すると規定されておりますが、これを二年以内に短縮するお考えはないか、建設大臣の御答弁をお願いする次第であります。  次に、総務長官にお伺いいたします。  現在の中央防災会議の内容は単に事後処理のみにとどまり、災害予防という重大問題にはきわめて弱体といわざるを得ないのでありますが、年一回各省の次官級が集まって行なわれる程度の防災会議では、全く効果を期待することはできません。国民を愚弄するもはなはだしいものといわざるを得ません。この機会に、防災体制強化災害対策基本法の再検討を強く要望するのでございますが、総務長官の御所見を承りたいのであります。  次に、運輸大臣にお伺いいたします。  現在の気象観測中央気象台が中心となっておりますが、地方には気象問題に関する適確な判断のできる人材も設備も少なく、予報適確性が問題となっております。特にそのための予算措置が問題でございます。気象庁関係予算年百億といわれておりますけれども、その六割強が人件費でありまして、直接事業費の不足が嘆かれている現状にございますが、予報設備と今後の予算措置をどうお考えになるか、運輸大臣の御所見を承りたいのであります。  最後に、再び総理にお伺いいたします。  ただいま指摘いたしました幾多の問題点は、毎年のように繰り返されて、その被害はますます大きくなってきております。治山治水等を含む防災対策の総合的推進及び早期必要性が痛感される今日、その対策はきわめて緩慢であります。行政機関のセクショナリズムによる防災計画の不備、さらには被災地の復興等、被災者の要求に応じられないまま、対策は常に後手に回ってきたのがその実態でありました。したがって、本問題に抜本的に取り組んでいくには、国土の保全と開発、並びに被災者に対する救援活動の一元化をすべきことは論をまたないのでありますが、そのためには、諸機関を統括し、責任の所在と権限を明確化し、横のつながりをさらに緊密化する等の体制を確立するため、仮称、国土省ともいうべき機関設置して災害に備えるべきであると思いますが、これに対する総理の御所見を承りまして、私の質問といたします。(拍手)   〔内閣総理大臣佐藤榮作登壇
  39. 佐藤榮作

    内閣総理大臣佐藤榮作君) 石田君にお答えいたします。  政府災害に対する基本的態度は、前質問者に答えたところで、これは省略させていただきます。  問題は、御指摘にもなりましたように、政府態度ははっきりしておりますが、なかなか予算が思うようについておりません。どうも少額である。そのために、緊急措置を要するものにしても十分効果をあげないし、あるいは工事途中において災害をこうむるというような、たいへん予算の使い方も損な状態ではないか、こういうような御指摘でございます。私は、確かに今後予算の編成にあたり、あるいは計画の実行にあたっては、重点的施策というものをもっとはっきりさせまして、そうして予算の効率的運用をはかりたい、かように思います。特に、私は、今回の災害から、国土保全の対策、これに一そう身を入れるつもりでございますから、御協力を得たいと思います。  次に、第二の点で、個人の損害についての補償がない、こういう御指摘であります。これはいままでの援助方法といたしまして、直接個人財産を補償する、こういう措置はとらないのでございます。しかしながら、救援事業については万遺憾なきを期する、ことに、被災者の立ち上がり等について政府がこれを援助し、そして十分立ち上がりができるようにすることは、これは当然でございます。それが金融措置であったり、あるいは税制の措置であったり等々で考えられるわけであります。これらの点について具体的に御意見をさらに伺うことができればしあわせに思います。  最後に、国土省をつくったらどうか、こういう御提案でございます。私も、この国土保全の計画は総合的でなければならない。各省にまたがるものが、総合的、計画的なもとに保全計画を立てられること、これは必要でございます。そういう意味で、一省を設けることができればたいへんしあわせかと思いますが、ただいまの状態から申しますと、各省の所管をさらに督励するととによって対策は立て得るのではないだろうか、ただいまの状態で国土省をつくるということはややどうだろうか、かように私は疑問に思っております。(拍手)   〔国務大臣水田三喜男登壇
  40. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 地方公共団体に対する財政措置についての御質問でございましたが、復旧及び救助に要するつなぎ資金につきましては、資金運用部で全額引き受けるという措置を、財務局を通じてもう手配済みでございます。  それから、災害のための地方債がもし現在のワクで不足するというときも、また資金運用部で全額その追加を引き受けるという準備をいたしております。  普通交付税の繰り上げ交付につきましては、先ほど自治大臣からお話のあったとおりでございまして、地方団体に対する財政措置は遺憾なきを期しておる次第でございます。  それから、住宅公庫災害ワクは、御指摘のとおり十億円でございまして、ただいま申し込みの受付を開始いたしておりますが、さしあたりのところはそう多い金額にならないという見込みのようでございます。もしこのワクが不足するという場合には、もちろん増加の措置をとることにいたします。(拍手)   〔国務大臣西村英一登壇
  41. 西村英一

    国務大臣西村英一君) 宅地造成等規制法の罰則のことについてお話がございましたが、これは良好な宅地をつくるために、また、危険なところに宅地をつくらせないように、現在の法を十分活用いたしましてその目的を達成したいと、かように考えております。  次に、地すべり、山くずれ等で建設省が調査をいたしましたが、一体それはどうするのかということでございますが、これは昨年の足和田の事故にかんがみまして、土石流の発生地区の全国的調査をいたしたものでございます。ようやくその調査がまとまりましたが、これらに対しては砂防工事を強化していかなければならぬのじゃないか、かように考えておるのでございます。  現在の治山治水五カ年計画を改定する云々というお話がございましたが、これは改定するということではなしに、再検討をする、今回の災害にかんがみまして内容を十分再検討するというので、どういうふうな違いがあるかというようなことのお尋ねがございましたが、これは再検討でございます。  それから、災害復旧をもう少し早くやったらどうだ、二年ぐらいでやったらどうだ、こういうことでございますが、現在の災害復旧の施行年限は、直轄工事においては、北海道を除き二年でございます。北海道は三年でございます。補助事業については、急ぐものは三年、おおむね四年でございます。この施行の短縮につきましては、政府は年々これに非常に力をいたしております。なるべく災害復旧はその施行年限を短縮したい気持ちでやっておる次第でございます。  それから、神戸市の河川敷に住宅がたくさんあるじゃないかというお話でございましたが、これは御質問がありましたので私も調べてみましたのですが、いわゆる神戸の湊川の高座第二堰堤付近の住宅は、昭和二十五年度に築造されまして、同堰堤の上流付近に建てられたものでございます。この付近は砂防指定地ではないのでございまして、また河川区域でもない、民有地でございます。その建築は砂防法及び河川法上の違法であったとは言い切れないのでございます。しかしながら、これらの家屋の中には、堰堤の砂をためる地区がございまするが、その地区内にかかっておるものもありまして、豪雨時等には非常に危険でございますので、いままで再三撤去の勧告をいたしてきたのでございます。なお、今後砂防堰堤建設にあたりましては、その砂防の高さ、あるいは砂をためる貯砂、流水等を考慮いたしまして、危険な場所に対しては住宅を建てさせない、また、現在そういうような危険のあるところにはあくまでも移転を勧告したい、かように考えておるのでございます。(拍手)   〔国務大臣塚原俊郎登壇
  42. 塚原俊郎

    国務大臣塚原俊郎君) 私に対する質問は、中央防災会議についてでありますが、中央防災会議は、防災基本計画をつくりまして、防災体制の確立をはかる。各省庁においてもそれぞれの事業を推進し、また、各都道府県はそれぞれの実情に応じて防災体制を固め、その事務に当たっておることは今日までやっておるところであります。しかも、そのときどきに応じまして改定を行なっておることも事実であります。しかし、御指摘のように、予防に重点を置けということでありまするが、日本の置かれている立場というものが、自然的な条件、地理的な条件から宿命的にも非常に災害が多い。この点、防災ということが非常に大きな政治課題になるわけでありまするので、よく御趣旨を体しまして、予防に重点を置くとか、先ほど細田議員にもお答えいたしましたように、きょうの予防とあすの対策というような点、ただいまの御趣旨もそこにあると存じますので、十分対策を練っていく考えでございます。(拍手)   〔国務大臣大橋武夫登壇
  43. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 気象業務は、性格上人手にたよるところが非常に多いので、人件費がかさむのは事実でありますが、当局としては、できるだけ業務の機械化、合理化により人手の節約につとめております。それにしても、施設の整備が進み、機械の近代化が進むにつれ、さらに相当数の保守要員も必要となります。したがって、施設の整備と人員の強化はどちらも欠くことはできないところでありますが、今後は、人員については研修その他により資質及び能率の向上に努力するとともに、特に施設の整備に重点を置いて業務の合理化を推進していく考えであります。(拍手
  44. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) これにて質疑は終了いたしました。      ————◇—————  日程第一 地方公務員災害補償法案(内閣提   出、参議院送付
  45. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) 日程第一、地方公務員災害補償法案を議題といたします。     —————————————
  46. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) 委員長の報告を求めます。地方行政委員長亀山孝一君。     —————————————   〔報告書は本号末尾に掲載〕     —————————————   〔亀山孝一君登壇
  47. 亀山孝一

    ○亀山孝一君 ただいま議題となりました地方公務員災害補償法案につきまして、地方行政委員会における審査の経過並びに結果の概要をご報告申し上げます。  本案は、最近における国家公務員及び民間労働者の公務上または業務上の災害に対する補償に関する制度の改正に応じ、地方公務員の公務上の災害に対する補償内容の改善をはかるとともに、その補償の迅速かつ公正な実施を確保するため、地方公務員の公務上の災害に対する補償制度を確立しようとするものであります。  その要旨は、第一に、常勤の地方公務員の公務災害補償の実施機関として地方公務員災害補償基金を設置することとし、第二に、基金の行なう補償及び福祉施設については、たとえば補償の種類を療養補償、休業補償、障害補償、遺族補償及び葬祭補償の五種類とするなど、国家公務員災害補償法におけるものと同一にすることとして、国と同一の補償水準を確保するものとし、第三に、補償及び福祉施設の実施主体である基金の業務に要する費用については地方公共団体の負担金をもって充てることとし、第四に、非常勤の地方公務員の補償の制度については、学校医、消防団員等すでに他の法律で公務上の災害に対する補償の制度を定めているものについては、それらの制度によることとし、それ以外のものについては各地方公共団体が条例で補償の制度を定めるべきものとしております。  本案は、当委員会に予備付託され、五月二十七日本付託となり、六月二日藤枝自治大臣より提案理由の説明を聞き、熱心に審査を行ないましたが、七月十四日、質疑を終了し、討論の通告もなく、採決の結果、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。  なお、自由民主党、日本社会党、民主社会党、公明党の四派共同提案により、運営審議会の委員に職員の代表を選任すること、不服審査にあたってはあらかじめ職員を代表する者の意見を求める等の措置を講ずること、及びスライド規定実施のため具体的措置をすみやかに検討することを内容とする附帯決議案が提出され、自由民主党の塩川正十郎君よりその趣旨説明が行なわれましたが、提案のとおり附帯決議を付することに決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  48. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) 採決いたします。  本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  49. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  引揚者等に対する特別交付金の支給に関する法律案(内閣提出
  50. 竹内黎一

    ○竹内黎一君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。  すなわち、この際、内閣提出引揚者等に対する特別交付金の支給に関する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  51. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) 竹内黎一君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  52. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  引揚者等に対する特別交付金の支給に関する法律案を議題といたします。     —————————————     —————————————
  53. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) 委員長の報告を求めます。内閣委員長關谷勝利君。     —————————————   〔報告書は本号末尾に掲載〕     —————————————   〔關谷勝利君登壇
  54. 關谷勝利

    ○關谷勝利君 ただいま議題となりました引揚者等に対する特別交付金の支給に関する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案の要旨は、在外財産問題の最終的解決をはかるため、外地に終戦時まで一年以上引き続き生活の本拠を有し、かつ終戦に伴うやむを得ない理由により引き揚げた者等で、所定の要件に該当する者に対し、終戦時等の年齢区分に応じ、引き揚げ者本人にあっては二万円ないし十六万円を、本人または引き揚げ前死亡者の遺族にあってはその七割を、また、八年以上の長期居住者またはその遺族に対しては、これに一万円または七千円を加算した額を特別交付金として、十年以内に償還する無利子の記名国債をもって支給しようとするものであります。  本案は、七月五日本委員会に付託、七月十四日政府より提案理由の説明を聴取し、慎重審議を行ない、今十七日、質疑を終了、討論もなく、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本案に対し、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党の四党共同提案により、全会一致をもって附帯決議が付せられましたが、その内容は委員会議録によって御了承願います。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  55. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) 採決いたします。  本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  56. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  公害対策基本法案内閣提出
  57. 竹内黎一

    ○竹内黎一君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。  すなわち、この際、内閣提出公害対策基本法案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  58. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) 竹内黎一君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  59. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  公害対策基本法案を議題といたします。     —————————————     —————————————
  60. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) 採決いたします。  本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  61. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。      ————◇—————
  62. 石井光次郎

    議長石井光次郎君) 本日は、これにて散会いたします。    午後三時二十六分散会      ————◇—————