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1967-07-14 第55回国会 衆議院 本会議 第39号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年七月十四日(金曜日)     —————————————  議事日程 第三十二号   昭和四十二年七月十四日    午後二時開議  第一 果樹保険臨時措置法案内閣提出)  第二 石炭鉱業年金基金法案内閣提出)  第三 国家と他の国家国民との間の投資紛争   の解決に関する条約締結について承認を求   めるの件     ————————————— ○本日の会議に付した案件  都市計画法案内閣提出)の趣旨説明及び質疑  日程第一 果樹保険臨時措置法案内閣提出)  日程第二 石炭鉱業年金基金法案内閣提出)  日程第三 国家と他の国家国民との間の投資   紛争解決に関する条約締結について承認   を求めるの件  月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用   における国家活動を律する原則に関する条約   の締結について承認を求めるの件  航空業務に関する日本国政府大韓民国政府と   の間の協定の締結について承認を求めるの件  昭和四十二年度における旧令による共済組合等   からの年金受給者のための特別措置法等の規   定による年金の額の改定に関する法律案(内   閣提出)  昭和四十二年度における公共企業体職員等共済   組合法に規定する共済組合が支給する年金の   額の改定に関する法律案内閣提出)  特定繊維工業構造改善臨時措置法案内閣提出)  近畿圏保全区域整備に関する法律案内閣   提出)  中部圏都市整備区域都市開発区域及び保全   区域整備等に関する法律案内閣提出)  日本学術振興会法案内閣提出)    午後二時六分開議
  2. 園田直

    ○副議長園田直君) これより会議を開きます。      ————◇—————  都市計画法案内閣提出)の趣旨説明
  3. 園田直

    ○副議長園田直君) 内閣提出都市計画法案について、趣旨説明を求めます。建設大臣西村英一君。   〔国務大臣西村英一登壇
  4. 西村英一

    国務大臣西村英一君) 都市計画法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。  近年における人口及び産業都市集中に伴い、都市及びその周辺地域における市街地の無秩序な拡散が、公害発生等都市環境の悪化と公共投資の非効率化弊害を生ずるに至っており、この際、これらの弊害を除去し、都市の健全な発展と秩序ある整備をはかるための対策確立することが緊要の課題となっております。  現行の都市計画法は、大正八年に制定されて以来半世紀を経てまいりましたが、その内容は、もはや昨今の都市の問題に十分に対処することができないものとなっております。すなわち、都市の秩序ある発展をはかるための総合的な土地利用計画確立都市計画における広域性及び総合性の確保、国と地方公共団体間の事務配分都市計画決定手続合理化等、新しい時代の要請に応じた新しい都市計画制度を早急に確立することが必要となってきたのであります。  今回、これらの諸点について十分な検討を加え、都市計画制度を全面的に改革し、もって現下要請にこたえることとした次第であります。  以上がこの法律案趣旨でありますが、次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。  第一に、都市計画区域は、必ずしも市町村行政区域にとらわれず、都市実態及び将来の計画を勘案して、一体都市として整備開発及び保全する必要がある区域を定むることができることといたしました。  指定の手続としては、都道府県知事建設大臣認可を受けて指定することとし、特に必要がある場合には、建設大臣が二以上の都府県にわたって都市計画区域を指定することができることといたしました。  第二に、都市計画内容として、用途地域、その他の地域地区道路、その他の都市施設及び土地区画整理事業、その他の市街地開発事業を定むることとするほか、新たに市街化区域市街化調整区域区分を定めることといたしました。すなわち、優先的かつ計画的に市街化をはかるべき区域市街化区域とし、市街化抑制すべき区域市街化調整区域とし、都市計画区域をこれらの両区域区分することにより、秩序ある市街地の形成をはかることといたしております。  第三に、都市計画決定主体につきまして、広域的見地から決定すべき事項、または根幹的な重要な事項に関する都市計画都道府県知事が、その他の事項に関する都市計画市町村が決定することといたしました。この場合、市町村都道府県知事承認を要することとする等により、都市計画一体性を確保することといたしております。また、都道府県知事都市計画を決定するに際し、一定の場合について建設大臣認可を受くべきこと、必要がある場合における建設大臣指示等を規定することにより、国の立場から必要な調整をはかることができることといたしました。  なお、二以上の都府県区域にわたる都市計画区域にかかる都市計画建設大臣が決定することといたしております。  第四に、開発許可制度を創設し、市街化区域または市街化調整区域内において開発行為をしようとする者は、あらかじめ都道府県知事許可を受けなければならないものといたしました。この場合、良好な市街地が形成されるような一定水準道路下水道等都市施設を備えたものでなければならない等の要件を規定するとともに、市街化調整区域内につきましては、さらにその区域内に立地することが支障なく、またはやむを得ない行為に限り許可することといたしました。  なお、市街化区域及び市街化調整区域区分及び開発許可制度は、当分の間、大都市及びその周辺等区域以外の都市計画区域については適用しないものといたしております。  第五に、都市計画施設または市街地開発事業区域については、一定建築物建築を規制することとし、特に重要な都市計画施設等区域については、建築許可しないことができることとする反面、土地所有者の申し出により土地を買い取る制度を定めております。  第六に、都市計画事業は、市町村都道府県知事認可を受けて施行することを原則とし、一定の場合には都道府県、国の機関、または民間の者が認可を受けて施行することができることとし、この場合には、土地等の収用または使用をすることができることといたしました。  第七に、この法律により権限に属させられた事項及び都市計画に関する事項を調査審議するため、建設省に都市計画中央審議会を、都道府県都市計画地方審議会を置くこととしたほか、開発許可にかかる不服審査を処理する機関として、都道府県開発審査会を置くことにいたしました。  第八に、農地法の一部を改正し、市街化区域内の農地等については、農地法に基づく農地転用許可等を要しないことといたしました。  第九に、この法律の施行に伴い必要な事項につきましては、別に法律で定むることといたしておりますが、開発許可制度を創設いたしましたこととの関連におきまして、本法により住宅地造成事業に関する法律を廃止することといたしました。  以上がこの法律案趣旨であります。(拍手)      ————◇—————  都市計画法案内閣提出)の趣旨説明に対す   る質疑
  5. 園田直

    ○副議長園田直君) ただいまの趣旨説明に対して質疑の通告があります。これを許します。福岡義登君。   〔福岡義登登壇
  6. 福岡義登

    福岡義登君 私は、先ほど西村建設大臣から趣旨説明がありました都市計画法案に対し、日本社会党を代表いたしまして質問を行ない、総理大臣並びに関係大臣から責任ある答弁を求めたいと思うのであります。(拍手)  まず第一に指摘しなければなりませんのは、政府の今日までの国土総合開発都市対策地価対策など、国民生活安定のための諸政策がきわめて貧困であり、国民生活に大きな不安と多大な迷惑をかけているという点であります。  すなわち、政府のこれらの一連の有効適切な計画がないために、御承知のとおり、きわめて大きな地域格差を生ぜしめ、未開発、非文明生活を余儀なくされている山間僻地が無数に取り残されている反面、都市では人口過密、住宅難産業公害交通地獄などが発生しているのであります。さらに、都市周辺ではスプロール現象がその極に達し、大きな問題を提起していることも御承知のとおりであります。これらの事実は、何人も否定することのできない冷厳なる事実でありますが、佐藤総理は、一体その政治責任をどのように考えられているのか、今後いかなる対策をとられようとしているのか、伺いたいのであります。(拍手)  本院は、去る昭和三十九年五月二十九日、自民、社会、民社三党共同提案による、地価安定施策強化に関する決議案を可決し、農地との調整を考慮した土地利用計画の策定、地価公示制度確立空閑地税等税制、その他の制度確立することなどにより、すみやかに地価の安定をはかることを要求いたしたのであります。しかるに政府は、それから一年六カ月も何らなすところなく、ようやく昭和四十年十一月九日、地価対策閣僚協議会において若干の方向を打ち出したにすぎないのであります。しかも、これらの方向は、抜本的対策ではなく、糊塗的であり、今日に至るも有効な具体的施策がなく、前に申し述べましたように、国民生活を不安におとしいれていることは、まことに遺憾であるといわざるを得ないのであります。(拍手総理一体本気で国土総合開発考えられているのかどうか、その所信を承りたいのであります。  今回の都市計画法も、結果的には都市中心とした部分的土地利用計画となる心配をするものでありますが、国土総合開発土地利用計画などについて総理はどのように考えられているのか、伺いたいのであります。  続いて、特にこの機会に佐藤総理から見解を明らかにいたしてもらいたいと思いますことは、去る七月八日から九日にかけて発生いたしました、広島県を中心とする西日本集中豪雨による災害についてであります。死亡者三百名をこえるという、まれに見るこの災害は、私をして言わしめますならば、天災ではなく人災だということであります。(拍手)もし、適切なる土地利用計画としての都市計画宅地造成中小河川整備などの施策がとられていたならば、災害の大部分は防止し得たと考えるのであります。そうだといたしますならば、今回の災害に対する政治責任はきわめて大きいと思うのでありますが、その見解を伺うと同時に、災害対策についても責任ある方針を示していただきたいのであります。  質問の第二は、地価対策についてであります。  今日の地価高騰は、一刻も猶予できないところにきていることは御承知のとおりであります。今般、都市計画法により、政府は、東京、大阪などの大都市周辺地域市街化地域市街化抑制地域に分けようといたしておりますが、その場合、開発エネルギー市街化地域に集中するであろうことは、当然予想されるところであります。したがって、地価高騰は一段と深刻となると思うのであります。総理は、これに対しいかなる対策を持っておられるのか、御所見を承りたいと思うのであります。  地価高騰は、住宅難を一そう深刻なものといたしますとともに、公共事業にも大きな障害となり、何よりも信用インフレを増長し、わが国経済にも悪影響を及ぼし、国民生活を圧迫する結果を招来するものであります。したがって、地価対策は目下の急務といわなければなりません。  そこで、建設大臣にお伺いいたしたいのでありますが、地価対策のために、たとえば土地売買公営化公的機関による宅地の大量の開発供給など、抜本的施策が必要と考えるのでありますが、その所見を伺いたいと思うのであります。  また、土地思惑買いによって地価を不当につり上げつつある土地ブローカーの暗躍についても適切な施策が必要であると考えますが、その対策についても承りたいと思うのであります。  次に、大蔵大臣お尋ねいたしますが、それは税制についてであります。  土地利用促進開発利益の再配分、不労所得の抑制など、税制の面からの対策が必要であると考えるのでありますが、たとえば空閑地税土地増価税土地利用促進税などを設けられ、対策を立てられる意思があるかどうか、お伺いしたいのであります。  次に、経済企画庁長官お尋ねいたしたいのでございますが、地価問題は、一般物価との関連も密接であり、また信用インフレ増長など、わが国経済の基本にも触れる重要な問題でありますが、経済政策の面からどのように考えられているのか、その所信を承りたいのであります。  第三の質問は、農地対策についてであります。  最近、農地が、宅地工場用地公共事業用地などに大幅に転用されております。これらの農地は、気候や交通条件などがよく、生産性の高い農地であることを思いますときに、黙視できない問題であると考えるのであります。また、これらの農地転用により農地が減少しているにもかかわらず、格別農地造成も見られないのであります。わが国の農産物の自給率はわずかに七六%程度しかなく、一兆円に及ぶ輸入をいたしておる現状であります。国際的にも食糧不足が予想される今日、日本の将来の食糧問題をどのように考えておられるのか、また、今日の農村生活実態をどのように改善されようとしておられるのか、さらに、住宅工場等による農地の蚕食は、農地価格高騰を招き、農業体質改善のための経営規模の拡大が全く不可能になっている農村が、全国至るところに発生いたしておるのであります。これらの地域の荒廃し、またはせんとしつつある農業を、いかに健全なものに立て直そうとされているのか、農林大臣及び経済企画庁長官に伺いたいのであります。  さらに、最近、政府は、国有林パルプ業者など民間に払い下げることを考えられているようでありますが、これらは再び黒い霧の発生にならないとも限りませんし、何よりも貴重な国土でありますから、これを思いとどまられて、農業振興など、国土開発のために活用されるべきだと考えますが、農林大臣見解を求めたいと思います。  質問の第四は、地方財政についてであります。  今日、地方財政は、一般的にも非常に深刻な状態となっており、都市計画事業遂行には、特別の対策を必要とするものと考えるのであります。御承知のように、高度経済成長政策の結果、人口都市集中と、都市周辺への企業進出現象が見られている現在、固定資産税住民税に大きく依存している地方自治体としては、ここに大きな財政上の格差を生ずる結果を招いているのであります。地方自治体としては、これらの格差を埋めるために、自然、企業誘致競争を展開し、あたかも地方自治体企業に隷属しているかの印象を与えているのであります。この企業誘致は、公害対策などないままに、財政面を重点として行なわれていますだけに、公害も続出していますし、その対策のために地方財政がこの面から圧迫されるという矛盾も露呈いたしておるのであります。  そこで、大蔵大臣及び自治大臣にお伺いしたいのでありますが、都市計画法実施とともに、これら地方財政について、どのような財政根本的対策考えられているのか、お伺いしたいのであります。  最後質問は、都市計画事業推進のための責任体制指導についてであります。  都市計画事業は、明確な責任体制指導力及び財政的裏づけがなければ遂行できないことは明らかであります。しかるにこの都市計画法案では、そのほとんどを地方自治体に依存しているのであります。土地所有権に対する制限、膨大な財政裏づけなどを前提としている都市計画事業について、政府は、地方自治体に依存する姿勢を改め、みずから積極的に取り組むべきだと考えるのであります。また、都市計画事業推進に伴い発生する不法建築規制違反については、原状復帰命令や代執行などの処置なくしては、土地に対する強い国民権利意識を、土地は商品にあらずして公共的性格が強いものであるという意識に変えさせながら、土地利用合理化をはかることは困難であると思うのでありますが、総理はそれをどのように考えられているのか、伺いたいのであります。  都市計画法改正問題は永年の懸案であり、さきの河川法改正にまさる大きな問題であります。いまわが国解決を要求されている都市の過密問題、交通難産業公害住宅難など、国民生活を苦しめる一切の問題は、すべて土地政策、つまり土地利用合理性がなかったことによるものであります。都市計画法大正年間日本産業幼年期に制定されたままであり、産業経済発展に即応しつつ改正されなかったところに、今日の状態を招いた原因があるのであります。(拍手土地利用合理化、すなわち、都市計画法改正が十分な成果をあげることが、国民生活を圧迫している現下の諸問題を解決する根本的問題であることを認識されまして、総理の誠意ある答弁を期待いたし、私の質問を終わりたいと思います。(拍手)   〔内閣総理大臣佐藤榮作登壇
  7. 佐藤榮作

    内閣総理大臣佐藤榮作君) 都市計画法案諸点についてのお尋ねでございます。私から基本的な考え方をお答えいたしまして、その他は所管大臣に譲りたいと思います。  御承知のように、国土の均衡ある発展をはかることは、政府、また政治に、私どもに課せられた重大なる使命でございます。そういう意味で、この均衡ある発展をいろいろ諸施策とともにはかってまいっておりますが、最近の都市化の傾向、これはたいへん急速にその方向に進んでおります。したがいまして、御指摘にありましたような過疎地帯もできておるわけであります。過密対策過疎対策、これは二つとも同時にやらなければならないのであります。ただいま御提案いたしておりますものは、その過密対策一つであります。  そこで、福岡君からもいろいろ御指摘になりましたが、都市化のためにいろいろな弊害を生じておること、それはそのとおりであります。私どもの今後のねらいと申しますか、先ほど説明をいたしました都市計画法でどういうものを考えているか。平たく申せば、環境整備いたしまして、住みいい、しかも働きやすい都会をつくるというのがねらいでございます。したがいまして、既成都市市街部におきましては、いわゆる再開発の問題を真剣に取り組む、さらに、周辺地区に対しましては、これを都心と結ぶ、さらに、効率のいい、働きやすい、住みいい都市化方向に進んでいく、そこにいままでのような無秩序、無計画都市の膨張がはかられてはならない、ここに計画のもとに都市化をはかっていく、こういうことでなければならないと思います。ただいまの計画法案では、それらの点について具体的にそれぞれ規定しておるわけであります。  私が申し上げるまでもなく、住みいい都会といえば、これは適当な緑地も、また上下水道も整備される、その他生活環境の問題が整うことであります。また、働きやすいといえば、やはり何と申しましても基幹交通整備されること、鉄道だとか道路だとか、そういうような公共投資が積極的に行なわれることが必要でございます。それらのことをこれからはかっていこうというのであります。もちろん、そのためには土地利用計画をまず立てなければなりません。そこで、この点は十分御審議をいただきまして、そうしてりっぱな法律を制定さしていただきたい、かように思います。  同時に、三十九年に衆議院におきまして地価対策として決議を見ました諸点についてのお尋ねがございました。その詳細は所管大臣がお答えすることといたしまして、私ども政府は、その趣旨に沿って、そうして決議具体化、これをはかることに、そうの熱意を示すつもりでございます。  次に、今回起こりました西日本の水害についてのお尋ねでございます。  お答えいたします前に、不幸にしてとうとい生命を失われた多数の方々に対して、心からお悔やみ申し上げると同時に、罹災者被災者に対して心から御同情申し上げる次第であります。  私は、先ほど来説明いたしました今後の都市づくりのビジョン、これについての御賛成はいただけるものだと思います。また、いままでもその方向でいろいろ処置をしてまいりました。しかし、今日かような災害が起こり、多数の生命財産を失ったことを考えますと、まことに遺憾に思う次第でありまして、一そう今後重点的に予算を使っていくことにさらにくふうをいたしたいと思います。  問題は、急速に発展した、しかも無計画発展した都市化、これに十分処置することができなくて、災害から大事な国土国民生命財産を守ることができなかったこと、たいへん私は残念に思うのであります。今後の都市化から見れば、都市河川の改修はもちろんのこと、住宅建設にあたりましても、在来のような自由な建て方でなくて、これからは、良識のある、また社会的規制に応ずるような形におきまして住宅建設を進めるべきではないかと思います。これらの点は、今後の問題として、今回の苦い災害の経験、これを生かしてそれぞれ対策を立ててまいりたいと思います。  最後に、今回の問題にいたしましても、地方公共団体主体になっておる、そういう意味で、財政的にも非常に弱いものではないか、こういう御指摘であります。この都市整備事業というものは、やはり都市行政担当するもの、それが行なうのが最も適当な方法だと思います。私が申し上げるまでもなく、ただいまの都市行政担当者地方自治体でございます。したがいまして、この都市整備をする、そういう場合におきましては、その地方団体責任において整備事業遂行していく、これは当然のことだと思います。しかし、国は国の立場においてこの都市整備事業推進していく考えでございますから、財政的には適当な補助をいたしまして、そうして円滑な遂行ができるようにただいまいたしておるわけであります。今後ともこの方針には変わりはございません。中央地方との連携を緊密にして、最も時代的な要請であるこの都市計画について積極的に取り組む考えでございます。  その他の点については担当大臣からお答えいたさせます。(拍手)   〔国務大臣西村英一登壇
  8. 西村英一

    国務大臣西村英一君) 私に対する御質問は、宅地供給についてでございましたが、宅地供給につきましては、住宅建設計画に応じまして開発をはかっておるわけでございますが、日本住宅公団並びに住宅金融公庫の融資等によりて、地方公共団体、こういうような公共的機関宅地開発をはかってまいっておるのでございます。しかしながら、公的機関によって宅地供給をするということも、やはりある限度がございますので、どうしても民間業者に依存しなければならない場合も起こるのでございます。しかしながら、この場合におきましても、やはり民間業者を育成するために、住宅融資保険制度改善をいたしまして、また税制措置等を講じまして、民間業者を育ててりっぱな宅地供給するように心がけておる次第でございます。  むしろ、宅地供給は、公営機関で売買したらどうだというようなお話がございましたが、今回政府宅地建物取引業法改正案を出しまして、不良業者につきましては、誇大広告を取り締まるとか、あるいはまた、事前の説明をして、なるべく不良業者をなくするように、業界の育成をはかって、りっぱな宅地供給したいと思ってやっておる次第でございます。  それから、地価安定施策強化に関する三党の決議でございますが、実は今回都市計画法改正いたしましたのも、その決議にこたえる一つ方法でございます。  その他空閑地税等の問題もございますが、これは大蔵大臣からお話があるかと思います。(拍手)   〔国務大臣水田三喜男登壇
  9. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) お答えします。  土地に関する税制につきましては、土地有効利用促進という立場から、または土地担税力等見地から、再検討を加えるべき時期となりましたので、今回税制調査会土地税制特別部会を設け、その検討を進めているところでございます。御指摘空閑地税土地増価税の問題も、土地税制の一環としてただいま審議を願っておる最中でございますので、その結論を待ってから法案の準備に取りかかるつもりであります。(拍手)   〔国務大臣藤枝泉介君登壇
  10. 藤枝泉介

    国務大臣(藤枝泉介君) 都市計画事業につきましては、従来とも、都市計画税等の特定財源の確保あるいは地方債その他の財政措置によりまして、その事業の円滑な運行をはかってまいっておるわけでございますが、今回の新しい都市計画法が施行されましたならば、その八十三条にも国の補助の規定もございます。これらの問題が円滑に実施されるように、さらに税財政の上におきまして考えてまいりたいと思っております。  なお、地方開発そのものは必要でございますが、御指摘にありましたように、財政の追求のあまり、無計画企業誘致競争をやるということは好ましくないことでございまして、やはりその地方の適正規模の地方開発が行なわれるように今後とも指導してまいりたいと存じます。(拍手)   〔国務大臣倉石忠雄君登壇
  11. 倉石忠雄

    国務大臣(倉石忠雄君) 農業生産を維持して、農業にとって良好な環境を保ちますためには、生産力の高い優良な農地の壊廃を防止するということは絶対に必要でございます。無計画農地転用によりまして農業環境がそこなわれないように措置することは、当然必要なことでございます。そこで、本法で、市街化区域に関する都市計画につきましては、そのような観点から、あらかじめ建設省と十分協議を尽くした上で定めることといたします。また、市街化調整区域につきましては、農地転用原則として認めないというたてまえで運用をいたしてまいりたいと思っております。  それから、農用地の造成につきましては、土地改良長期計画などにおいて、農産物の需給の見通し、農用地の壊廃の動向等に即しまして、計画期間内に——これは御存じのように、昭和四十年度から昭和四十九年度まで十年間の造成見込みは、水田が約十三万ヘクタール、畑が約二十二万ヘクタール、すなわち、合計三十五万ヘクタールの造成を行なうことといたしておりますし、これによって農産物の需給を確保いたしてまいるために諸般の施策を講じてまいるつもりであります。  さらに、国有林についてお話がございましたが、国有林の活用につきましては、従来から国有林野の所在する地域における農林業の構造改善のほか、産業の振興または住民の福祉の向上のため積極的に行なってまいったところでありますが、国有林野の管理、処分の適正化につきましては、本年の四月、具体的事案の処理つきまして、審査、評価の方法その他の具体的処理方針改善いたしまして、適正な運用をはかってまいったところでありますけれども、今後とも、御指摘のように、この問題につきましては一そうの適正化をはかってまいることに努力いたしてまいるつもりであります。(拍手)   〔国務大臣宮澤喜一君登壇
  12. 宮澤喜一

    国務大臣(宮澤喜一君) 地価の上昇につきましては、国会におかれましてもすでに御決議があり、また、政府といたしましても、閣僚協議会その他の物価等の懇談会で長い間関心を払い、検討を続けてまいりました。その結果といたしまして、御承知のように、先般すでに御可決いただきました土地収用法の改正、それから今般御提案いたしました都市開発法案、それからただいま御質問のございました都市計画法案、これらを御提案いたしたわけであります。これらを実施することができるようになりますと、土地の所有権、それから期待開発利益等につきまして、従来長い間慣行でございましたものの考え方をかなり大幅に変更することになりますので、これは画期的な効果があるであろうというふうに考えております。なお、税制の点が一つ残っておりますが、これは先ほど大蔵大臣から御答弁がございましたように、税制調査会の議を経てやがて御提案をいたす、こういうことに考えております。  それから農業自給率との関係でございますが、先ほど農林大臣からお話がございましたように、壊廃に対処しまして、農地改良長期計画で、三十五万ヘクタールでございますか、新しい造成を考えておるわけでございます。私どもは、それを背景にいたしまして、農産物の自給度を、米、果実、野菜を中心にかなりの程度高める、そういう見通しと見込みを長期経済社会発展計画で見込んでおるわけでございます。(拍手
  13. 園田直

    ○副議長園田直君) これにて質疑は終了いたしました。      ————◇—————  日程第一 果樹保険臨時措置法案内閣提出
  14. 園田直

    ○副議長園田直君) 日程第一、果樹保険臨時措置法案を議題といたします。     —————————————
  15. 園田直

    ○副議長園田直君) 委員長の報告を求めます。農林水産委員長本名武君。     —————————————   〔報告書は本号末尾に掲載〕     —————————————   〔本名武君登壇
  16. 本名武

    ○本名武君 ただいま議題となりました内閣提出果樹保険臨時措置法案について、農林水産委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案は、近時果樹農業わが国農業に占める比重が大きくなるに伴い、その災害対策一つとして果樹の保険制度を樹立するための試験的事業を実施することを目的としたものであります。  すなわち、本格的な果樹農業災害損失補てんの制度確立する準備のため、五年以内の期間をもって試験的に農業共済組合連合会が果樹保険事業を行なうことができることとするとともに、当該果樹保険事業による保険責任についての政府の再保険その他必要な措置を定めようとするものであります。  本案は、五月十六日提出され、五月十九日付託になりました。農林水産委員会におきましては、六月二十七日政府から提案理由の説明を聴取した後、七月四日以降慎重審査を行ない、七月十二日質疑を終了、七月十三日全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決した次第であります。  なお、本案に対しましては、試験実施対象果樹として、カキその他果樹農業振興特別措置法適用対象果樹を追加することを検討すること等七項目にわたる附帯決議が全会一致をもって付されましたことを申し添えます。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  17. 園田直

    ○副議長園田直君) 採決いたします。  本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  18. 園田直

    ○副議長園田直君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  日程第二 石炭鉱業年金基金法案内閣提出
  19. 園田直

    ○副議長園田直君) 日程第二、石炭鉱業年金基金法案を議題といたします。     —————————————
  20. 園田直

    ○副議長園田直君) 委員長の報告を求めます。石炭対策特別委員長多賀谷真稔君。     —————————————   〔報告書は本号末尾に掲載〕     —————————————   〔多賀谷真稔君登壇
  21. 多賀谷真稔

    ○多賀谷真稔君 ただいま議題となりました石炭鉱業年金基金法案について、石炭対策特別委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  炭鉱労働は、千メートルの地底において、高温多湿の中で、一般労働の十二倍もの災害の危険にさらされながら行なわれているのでありまして、他の産業に例を見ないところであります。しかも、依然として石炭鉱業の前途に対し不安が持たれ、重筋労働にふさわしい賃金も十分に支払われていない現在、その労働力の確保はきわめて困難であります。  本案は、石炭鉱業の抜本的施策の一環として提案されたもので、炭鉱労働者を対象とする老齢年金制度を創設し、石炭鉱業における雇用の安定と労働力の確保をはかろうとするものであります。  次に、本案のおもな内容を御説明申し上げます。  第一に、坑内労働に長年従事していた者に対し必要な給付を行なうため、事業主が共同して石炭鉱業年金基金を設けることとしております。  第二に、当該基金は、石炭鉱業の坑外員に対しても、事業主が希望した場合に限り、必要な給付が行ない得ることとしております。  第三に、石炭鉱業年金基金が行なう事業に要する費用は、事業主からの掛け金によるものとし、その他、基金の財務及び会計に関する規定、厚生大臣の監督権限及び運営審議会の設置等を定めております。  本案は、去る六月七日当委員会に付託され、同月二十八日坊厚生大臣より提案理由の説明を聴取し、自来慎重な質疑を重ね、七月十三日に至り、質疑を終了し、直ちに採決いたしましたところ、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。  なお、本案に対し、事業主に対する国の助成及び審議会の円滑な運営等を内容とする附帯決議がなされましたことを申し添え、御報告を終わります。(拍手
  22. 園田直

    ○副議長園田直君) 採決いたします。  本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 園田直

    ○副議長園田直君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。  日程第三 国家と他の国家国民との間の投資紛争解決に関する条約締結について承認を求めるの件  月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約締結について承認を求めるの件  航空業務に関する日本国政府大韓民国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件
  24. 竹内黎一

    ○竹内黎一君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。  すなわち、この際、日程第三とともに、月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国政府大韓民国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件を追加して三件を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  25. 園田直

    ○副議長園田直君) 竹内黎一君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 園田直

    ○副議長園田直君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  日程第三、国家と他の国家国民との間の投資紛争解決に関する条約締結について承認を求めるの件、月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国政府大韓民国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件、右三件を一括して議題といたします。     —————————————
  27. 園田直

    ○副議長園田直君) 委員長の報告を求めます。外務委員長福田篤泰君。     —————————————   〔報告書は本号末尾に掲載〕     —————————————   〔福田篤泰君登壇
  28. 福田篤泰

    ○福田篤泰君 ただいま議題となりました三案件につきまして、外務委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、投資紛争解決するための条約について申し上げます。  民間投資に関し、国家と他の国家国民との間に生ずる紛争解決するため、調停または仲裁を行なう国際的センターを設立する条約締結する必要性が多くの国において認識され、一九六五年ワシントンで開催された世界銀行の理事会において、この条約のテキストが作成されたのであります。  本条約投資紛争解決国際センターの設立、組織及び財政、センターに対する特権及び免除、センターの管轄、調停及び仲裁の手続、仲裁判断の承認及び執行、締約国間に生ずる紛争解決等について規定しております。  次に、宇宙条約について申し上げます。  宇宙活動に関する基本原則を制定することについては、国際連合において一九五八年に宇宙空間平和利用委員会が設置されて以来、同委員会において審議されてまいりましたが、一九六六年に至り、米ソ両国から条約草案が提出され、意見の調整が行なわれた結果、条約案がまとまり、一九六六年十二月十九日の本会議において満場一致をもって本条約を推奨する旨の決議が採択されたのであります。  本条約は、一九六七年一月二十七日にワシントン、ロンドン及びモスクワの三カ所で署名のため開放され、わが国は同日上記三都市で署名を行なったのであります。  本条約は、宇宙空間の探査及び利用活動に関する基本原則を定めることを目的とするもので、宇宙空間活動における各国の平等の権利、宇宙空間に対する国家主権の主張の禁止、宇宙空間への核兵器その他の大量破壊兵器の打ち上げ禁止、天体の平和利用等について規定しております。  次に、日韓航空協定について申し上げます。  わが国と韓国との間の民間航空は、日本航空と大韓航空との間の商務契約による共同運航の形で行なわれておりますが、国交正常化後日韓間の貨客が急増いたしてまいりましたので、民間航空業務を安定した法的基礎の上に置く必要が認められました。よって、政府は、昭和四十一年八月以来、航空協定の締結のため交渉を行ない、合意が成立いたしましたので、本年五月十六日東京において本協定の署名を行なったのであります。  本協定は、わが国と韓国との間に民間航空業務を開設することを目的として、業務の開始及び運営についての手続及び条件を規定し、附表において両国の指定航空企業が行なうことができる路線を定めております。  投資紛争解決するための条約は四月十一日、宇宙条約は六月十三日、日韓航空協定は六月十日、それぞれ本委員会に付託されましたので、政府から提案理由の説明を聴取し、質疑を行ないましたが、詳細は会議録により御了承を願います。  かくて、三案件に対する質疑を終了し、投資紛争解決する条約は、七月十三日、討論を省略して採決を行ないましたところ、多数をもって承認すべきものと議決いたしました。  宇宙条約は、七月十四日、討論を行ないましたところ、日本社会党を代表して穂積委員より要望を付して賛成の意見が述べられました。次いで、採決を行ないましたところ、多数をもって承認すべきものと議決いたしました。  日韓航空協定は、七月十四日、討論を行ないましたところ、日本社会党を代表して穂積委員より反対の意見が述べられました。次いで、採決を行ないましたところ、多数をもって承認すべきものと議決いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  29. 園田直

    ○副議長園田直君) これより採決に入ります。  まず、日程第三及び月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約締結について承認を求めるの件の両件を一括して採決いたします。  両件は委員長報告のとおり承認するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  30. 園田直

    ○副議長園田直君) 起立多数。よって、両件は委員長報告のとおり承認するに決しました。  次に、航空業務に関する日本国政府大韓民国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件につき採決いたします。  本件は委員長報告のとおり承認するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  31. 園田直

    ○副議長園田直君) 起立多数。よって、本件は委員長報告のとおり承認するに決しました。      ————◇—————  昭和四十二年度における旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の規定による年金の額の改定に関する法律案内閣提出) 昭和四十二年度における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律案内閣提出
  32. 竹内黎一

    ○竹内黎一君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。  すなわち、この際、内閣提出昭和四十二年度における旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の規定による年金の額の改定に関する法律案昭和四十二年度における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律案、右両案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  33. 園田直

    ○副議長園田直君) 竹内黎一君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 園田直

    ○副議長園田直君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  昭和四十二年度における旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の規定による年金の額の改定に関する法律案昭和四十二年度における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。     —————————————
  35. 園田直

    ○副議長園田直君) 両案を一括して採決いたします。  両案の委員長の報告はいずれも修正であります。両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 園田直

    ○副議長園田直君) 御異議なしと認めます。よって、両案は委員長報告のとおり決しました。      ————◇—————  特定繊維工業構造改善臨時措置法案内閣提   出)
  37. 竹内黎一

    ○竹内黎一君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。  すなわち、この際、内閣提出特定繊維工業構造改善臨時措置法案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  38. 園田直

    ○副議長園田直君) 竹内黎一君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  39. 園田直

    ○副議長園田直君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  特定繊維工業構造改善臨時措置法案を議題といたします。商工委員長島村一郎君。     —————————————   〔報告書は本号末尾に掲載〕     —————————————   〔島村一郎君登壇
  40. 島村一郎

    ○島村一郎君 ただいま議題となりました特定繊維工業構造改善臨時措置法案につきまして、商工委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  わが国繊維工業を取り巻く内外の経済的諸条件の著しい変化にかんがみ、繊維工業の中心的業種である綿糸、スフ糸、合繊糸及び混紡糸を製造する紡績業並びに綿スフ及び絹人繊織布業の構造改善をはかるために本案が提出されたものであります。  内容の第一は、特定紡績業の構造改善について、通産大臣が基本計画及び毎年の実施計画を定め、政府は構造改善事業の円滑な実施をはかるための資金の確保、課税の特例等の措置を講ずること  第二は、特定織布業の構造改善について、特定織布業商工組合が事業計画を作成し、通産大臣承認を受けることとし、政府は構造改善事業についての資金の確保、補助金の交付、課税の特例等について必要な措置を講ずること  第三は、過剰精紡機の買い取り及び廃棄、納付金の徴収、信用基金による債務保証及び融資業務等を行なうために、全額政府出資による繊維工業構造改善事業協会を設立すること  第四は、本法律は、昭和四十七年六月三十日までの限時法とすることとし、昭和四十三年九月末日で失効する繊維工業設備等臨時措置法の有効期限を昭和四十五年六月末日まで延長することであります。  本案は、去る五月十六日当委員会に付託され、翌十七日政府より提案理由の説明を聴取し、以来参考人を招致する等、慎重な審議を重ね、本日に至り質疑を終了し、直らに採決いたしましたところ、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。  なお、本案に対し、紡績業、織布業の構造改善計画の実施について、総合性の確保、資金の確保、税制上の優遇措置及び対象業種の拡大等を内容とする附帯決議が付されました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  41. 園田直

    ○副議長園田直君) 採決いたします。  本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  42. 園田直

    ○副議長園田直君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  近畿圏保全区域整備に関する法律案内閣提出)  中部圏都市整備区域都市開発区域及び保全区域整備等に関する法律案内閣提出
  43. 竹内黎一

    ○竹内黎一君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。  すなわち、この際、内閣提出近畿圏保全区域整備に関する法律案中部圏都市整備区域都市開発区域及び保全区域整備等に関する法律案、右両案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  44. 園田直

    ○副議長園田直君) 竹内黎一君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  45. 園田直

    ○副議長園田直君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  近畿圏保全区域整備に関する法律案中部圏都市整備区域都市開発区域及び保全区域整備等に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。     —————————————
  46. 園田直

    ○副議長園田直君) 委員長の報告を求めます。建設委員会理事正示啓次郎君。     —————————————   〔報告書は本号末尾に掲載〕     —————————————   〔正示啓次郎君登壇
  47. 正示啓次郎

    ○正示啓次郎君 ただいま議題となりました二法案につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、二法案の要旨について申し上げます。  近畿圏保全区域整備に関する法律案は、近畿圏建設とその秩序ある発展に寄与するため、近郊緑地の保全その他保全区域整備に関し特別の措置を定め、保全区域内における文化財の保存、緑地の保全または観光資源の保全もしくは開発に資することを目的とするもので、そのおもなる内容は次のとおりであります。  その第一点は、保全区域の指定があったとき、関係府県知事は、近畿圏基本整備計画に基づき、保全区域整備計画を作成し、内閣総理大臣承認を申請するものとすることであります。  第二点は、内閣総理大臣は、保全区域内において無秩序な市街地化のおそれが大であり、かつ、この地域公害等の防止効果が著しい樹林地の区域を近郊緑地保全区域として指定することができるものとし、建設大臣は、近郊緑地保全区域内で特に保全する必要がある区域都市計画施設として、近郊緑地特別保全地区に指定することができるものとすることであります。  第三点は、工作物の新増築等の行為については、近郊緑地保全区域内においては府県知事に届け出るものとし、近郊緑地特別保全地区内においては許可を受けなければならないものとすることでありますが、許可を得られないため損失を受けた者があるときは、府県において損失の補償、土地の買い入れ等を行なうものとし、国はその一部を補助するものとすること等であります。  次に、中部圏都市整備区域都市開発区域及び保全区域整備等に関する法律案は、中部圏都市整備区域及び都市開発区域整備及び開発並びに保全区域整備に関し必要な事項を定め、もって中部圏開発整備法第一条の目的の達成に寄与することを目的とするもので、そのおもなる内容は次のとおりであります。  その第一点は、都市整備区域都市開発区域または保全区域の指定があったとき、県知事は、基本開発整備計画に基づき、都市整備区域建設計画都市開発区域建設計画または保全区域整備計画を作成し、内閣総理大臣承認を申請しなければならないものとすることであります。  第二点は、区域建設計画整備計画には、整備及び開発の基本構想及び土地利用等に関する事項について、その大綱を定めるものとすることであります。  第三点は、国及び地方公共団体は、計画達成のため、必要な施設の整備促進及び資金のあっせんにつとめるものとすること等であります。  以上二法案は、五月十九日本委員会に付託せられ、五月二十四日提案理由の説明を聴取し、慎重審議をいたしまして、七月十二日質疑を終了し、本十四日、討論を省略して採決いたしましたところ、二法案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。  なお、中部圏都市整備区域都市開発区域及び保全区域整備等に関する法律案に対しましては、中部圏基本開発整備計画等の早期策定、事業実施のための財源の裏づけ確保等に関する附帯決議が付せられましたが、その詳細につきましては会議録に譲ることといたします。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  48. 園田直

    ○副議長園田直君) 両案を一括して採決いたします。  両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  49. 園田直

    ○副議長園田直君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  日本学術振興会法案内閣提出
  50. 竹内黎一

    ○竹内黎一君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。  すなわち、この際、内閣提出日本学術振興会法案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  51. 園田直

    ○副議長園田直君) 竹内黎一君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  52. 園田直

    ○副議長園田直君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  日本学術振興会法案を議題といたします。     —————————————
  53. 園田直

    ○副議長園田直君) 委員長の報告を求めます。文教委員長床次徳二君。     —————————————   〔報告書は本号末尾に掲載〕     —————————————   〔床次徳二君登壇
  54. 床次徳二

    ○床次徳二君 ただいま議題となりました日本学術振興会法案につきまして、文教委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  本案の要旨は、財団法人日本学術振興会を改組して、特殊法人日本学術振興会を設立すること、この法人は、学術研究の助成、研究者に対する援助、学術に関する国際協力の実施の促進その他学術の振興に関する事業を行ない、もって学術の進展に寄与することを目的とすること、並びにこの法人の組織、業務、財務及び会計、監督等について所要の規定を設けようとするものであります。  本案は、去る五月九日当委員会に付託となり、翌十日政府より提案理由の説明を聴取いたしました。自来本案について、朝永振一郎君外二名の参考人から意見を聴取するとともに、科学技術振興対策特別委員会と連合審査会を開く等、慎重に審査いたしましたが、その詳細は会議録によって御承知を願います。  かくて、七月十二日本案に対する質疑を終了、次いで、七月十四日、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して斉藤正男君、公明党を代表して有島重武君より、本案に対しそれぞれ反対の意見が表明されました。続いて、採決に付し、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決されました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  55. 園田直

    ○副議長園田直君) 討論の通告があります。これを許します。斉藤正男君。   〔斉藤正男君登壇
  56. 斉藤正男

    ○斉藤正男君 私は、日本社会党を代表し、ただいま議題となりました日本学術振興会法案に反対の討論を行なうものであります。(拍手)  文部大臣の提案説明によれば、本法は、学術の振興をはかるため、特殊法人日本学術振興会を設立し、学術研究の助成、研究者に対する援助、学術に関する国際協力の実施の促進等の業務を行なわせることを目的としております。  政府は、本法により、今後、振興会を窓口として学術振興行政を積極的に推進すると説明しておりますけれども、しさいにこれを検討いたしますと、実はわが国学術研究の将来に重要な問題をかかえ、重大な影響のあることを見のがすわけにはまいらないのであります。(拍手)  その第一は、行政管理庁が強く指摘し、公社、公団、特殊法人の新設はこれを抑制し、整理するという方針の中で、財団法人日本学術振興会をこの際特殊法人日本学術振興会に改組することは、時代の要請に反することはなはだしいといわなければならないのであります。(拍手)  その第二は、科学技術の振興につきましては、科学技術庁の所管事項もこれあり、特に科学技術基本法の制定が焦眉の急務であり、大前提であるにもかかわらず、今日なお法制化されていない段階において、本法が文部省の手によって制定されることは、わが国科学技術の抜本的振興対策の上からも、時期尚早と断ぜざるを得ないのであります。(拍手)  その第三は、産学協同の推進を明白に打ち出している点であります。しかも、これは、無制限に産業界、財界と結び、ビッグサイエンスの調和ある発展にとって大きな障害となることもまた明らかであります。(拍手)  その第四は、日米科学協力を強く推進する機関になりかねない点であります。文部省は、本法案説明の中で、米国側の担当機関である国立科学財団は政府機関であり、わが国も均衡することが望ましいと述べております。この法案国家の監督強化のもとに日米科学協力、軍学協同というものを一そう推進しても、歯どめの機関は何一つ規定をされておらないのであります。  その第五は、法案内容であります。それは、一口で言えば、学術研究に対する中央集権化であり、官僚統制の強化以外の何ものでもないということであります。(拍手)すなわち、振興会役員の任命、解任をはじめとして、文部大臣に膨大な権限が与えられていることであります。  振興会の役員として、会長、理事長、三人以内の理事、二人以内の監事が置かれることになっておりますけれども、これら役員はすべて文部大臣の任命であります。一方的な任命によって文部大臣がすべての役員人事を支配し得ることは、振興会の組織を政府が意のままに支配統制するための基礎的前提と断定せざるを得ないし、今日やかましくいわれている官僚の天下り組織となることは必然であります。(拍手)さらに、文部大臣は、役員の解任権も持つのであります。しかも、この解任権は、文部大臣が個人の見解により役員たるに適しないと認めたときには、いつでも一方的に発動できる仕組みになっておるのであります。  これを要するに、文部大臣は、役員の任命権と解任権の両者をあわせ持つことにより、振興会人事に対し生殺与奪の実権を握ることになり、きわめて危険であると断ぜざるを得ないのであります。(拍手)さらにまた、会長の諮問に応じ重要事項審議する機関として、十五人以内で組織される評議員会の評議員も同様であります。学術振興会は、学術研究を中心とする機関であるからこそ、他の特殊法人と比較して、自主的、民主的運営が確保されなければならないと思うとき、時代錯誤もはなはだしいといわざるを得ないと思うのであります。(拍手)再三にわたる日本学術会議の要望や申し入れにもかかわらず、学術会議との関係が法文上何ら明記されていない事実は、このことを雄弁に物語ると思うわけであります。  文部大臣は、まず人事及び組織の両面で振興会を完全に支配下に置いた上で、さらにその事業及び管理運営の面で重要な点をすべてその統制下に置こうとしているのであります。すなわち、全文わずかに三十九条の短い本法案のうちで、文部大臣認可ないし承認を必要とするものが七点もあるのであります。このことは、本法案が、事業及び資金計画の両面にわたって、これを全面的に文部大臣認可事項とし、その統制下に置こうとしているものであることを証明するものであります。  そもそも、どのような方面、どのような分野の学術振興に重点を置くのか、どのような国とどのような形で国際交流を積極的に進めるのか等々の、学術にとって最も基本的な重大な問題が、事業計画や資金配分計画内容をなすものである以上、これらをすべて文部大臣認可承認事項とすることが、学術の国家統制への道を開くものであることは明らかなのであります。(拍手)  さらに、法案によれば、文部大臣は振興会の事業実施に対し全面的に監督権を行使し得ることになっておるのであります。しかも、どのような場合にどのような命令を出し得るかにつきましては全く規定をされず、無制限なのであります。このことは、文部大臣に白紙委任したも同然であり、自由裁量にまかせたも同様なのであります。法律上必要である、ないし監督上必要であるという理由をつければ、どんな命令でも出すことは可能になっておるのであります。しかも文部大臣は、進んで振興会の事務所へ立ち入り検査をする権限まで持つのであります。その上、この立ち入り検査を拒否したり、求められた報告を出さない場合には、三万円以下の罰金がかけられ、その他文部大臣の命令に違反をしたときは三万円以下の過料に処せられることになっておるのであります。わが国最高の学術研究機関に対し、屈辱的罰則規定を設けているがごときは、まさに言語道断であるというべきであります。(拍手)  文部省設置法は、その第五条十八号において、「大学、高等専門学校、研究機関に対し、その運営に関し指導と助言を与えること。」と明記されておるのであります。したがって、学術振興会に対する文部省の権限も、指導と助言の範囲にとどまるべきであって、この範囲を越え本法案のような強力な指揮、監督権を与えることは、文部省設置法の趣旨にも違反するものと断ぜざるを得ないのであります。(拍手)  以上、指摘いたしましたように、本法案は、文部大臣が振興会の役員、評議員の人事を一方的に支配し、振興会の事業、資金計画をその統制下に置き、その事業執行や振興会の管理、運営に対する全面的監督権を持つことを許した法案であり、振興会及びそれが行なう学術振興事業を徹頭徹尾政府の官僚統制下に組み入れ、本来平和と社会進歩のための自由な学問研究を逆に統制支配しようとするファッショ立法なのであります。それは学問の自由を保障する日本国憲法第二十三条の精神にも明らかに違反するものといわなければならないのであります。(拍手)  したがって、本法案は単に一法案の問題にとどまらず、学問と政治の関係についての根本的考え方に関連する重要な問題点を含んでおるのであります。もし、本法案に盛られたような考え方が認められるとするならば、自由を保障されることによってのみ発展する真の学術は死滅し、御用学問のみが生き長らえる方向に今後急速に進むであろうことを、私どもは心配するのであります。(拍手)  さきに、日本科学者会議に結集された日本の良心的科学者の皆さんをはじめ、大学、研究機関の学者の方々が強く本法案の成立に反対していることも当然だろうと思うわけであります。  援助すれども支配せず、これが学術文部行政の民主主義的原則であります。援助するかわりに支配する、このことを原則とするような逆行もはなはだしい本法案の撤回を求め、私の反対の討論を終わるものであります。(拍手
  57. 園田直

    ○副議長園田直君) これにて討論は終局いたしました。  採決いたします。  本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  58. 園田直

    ○副議長園田直君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————
  59. 園田直

    ○副議長園田直君) 本日は、これにて散会いたします。    午後三時三十六分散会