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斉藤(正)
委員 私も過日そのように承っておったわけであります。しかしながら、その
原案が採決されるにあたって、私
どもの
手元にも過日
参考人からその資料が交付をされたのでありますけれ
ども、いろいろ述べてまいりまして、「同会と密接な
関連をもつことは当然であると考える。
政府はこの点についての措置に遺憾のないよう取り計らわれることを第四十八回総会の議に基づき、強く
要望する。」ということで、その措置に遺憾のない——その措置ということは、法制上にも、さらに
運営上にもという意味のことが含まれておったのです。こういう
参考人の
意見があったわけであります。そのとき野村
参考人から、その
修正案の案文も実は披露をされました。若干違うかもしれませんけれ
ども、その
修正案の
内容は、「今
国会に提出が準備されている
日本学術振興会法案に、
日本学術会議との
関係について何等の
規定を見ないことはまことに遺憾であると考えるので、同
法案に次の趣旨の条項が挿入されることを希望する。日本
学術振興会はその
業務の執行にあたり、
日本学術会議と常に密接な連携を保つものとする。」この「同
法案に次の趣旨の条項が挿入されることを希望する。」ということは、このことを言っていて、先ほど言いましたような数で否決のような形になったのでありますけれ
ども、それにつきましては、
原案の「措置」というわずか一言でありますけれ
ども、それをめぐり執行部がいろいろ説明をされた。それでは修正するまでもないじゃないかということが理解をされた上での採決であったというように聞いておるわけです。これは、
文部省がどの程度までここら辺の実情について関知しているかどうかということについては、私
どもの関知しなければならないことであるかどうかということにつきましては問題のあるところといたしましても、この
修正案が提出をされ、それが僅少の差で否決をされ、執行部の
原案が圧倒的多数、ほとんど大部分の
皆さん方で了承をされたという、そのいきさつは、やはり「措置」ということばの解釈をめぐって、総会の会員が理解をしたというように聞いておるわけです。したがって、過日の
参考人の参考
意見の中にも、先ほど
鈴木委員からもお話がありましたけれ
ども、期待と不安があるということを言ったと思うのです。期待のほうは期待のほうで、日本
学術振興会を改組し、強力なものにしてほしいという
要望があったのですから、それに対しては非常に期待をしている。しかし、
日本学術会議との
関係において
法文上何も
規定がないということについて不安だ、こう言ったと思うのでありますけれ
ども、先ほど
鈴木委員の
質問に答えられて、
内部規定なり運用上は従来の学振と違いなくやるのであって、
心配をすることはない、こういうように言われておるわけであります。これは、ことばどおり承れば、まさに
心配はないはずだとも受け取れるのでありますけれ
ども、少なくも
朝永会長以下副
会長、さらに部長の一人である
参考人が、こぞって不安だということをこの
委員会の席上述べたということは、なお今日、
日本学術会議との
関係において危惧を持っているというように私
どもは解釈をせざるを得ないのであります。したがって、過日
大臣は、
日本学術会議はけしからぬと言わんばかりに、私と会ったときにはそれならばいい、それならば理解をいたしましたというように言っておきながら、
参考人で呼ばれた文教
委員会で、そのようなことを言われたとはまことに心外だというような意味のことを申しておりますけれ
ども、しかし、われわれここで承ったことについては、やはり間違いはないのであります。先ほど
鈴木さんの
質問に答えられて、若干わかったような気もいたしますけれ
ども、なおひとつこの点、
学術会議との
関係につき
朝永会長以下
参考人がああいう一致した参考
意見を述べられたことにもかんがみまして、もう一度
大臣の見解を承りたい。