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大野(市)
委員 それじゃ
政府委員のほうはまた別の
機会に承りますから、御研究を願います。
最後に、実はきのう、十五日、月曜日でありますが、東京
新聞に、「食管
制度を大幅手直し」「
政府検討」という形でアピールが載ってしまったのでありますが、やがてシーズンがまいりますので、やがて出るだろうと思っておりますが、まだ予報の出ないうちに
一つ当たりましたから、これは最後にひとつお伺いしておきたいのであります。大きな活字で「時期別格差は廃止」ということでございますので、これは経緯もあることでありますから、
大臣の御
見解を承っておきたいのでありますが、その前に、私
どもとしまして、早場米というものの性格は、元来が、従来発足当時の早場米地帯というものは、御
承知の良質美味な米の、全国に名の通った銘柄の産地が早場米地帯であったのであります。早場米というものの歴史はそういうものであります。そうして端境期に、
食糧不足のときに、これらの地帯の
諸君が供出をした。そのときには、それらの
諸君は良質美味な米を
生産しておった地帯だけであった。しかるに、当時の
価格形成が等級間格差一点張りでありましたために、そこで、それらの問題に対してプラスアルファとしてのいわゆる時期別格差というものがここで生まれていった経緯もございまして、そういうようないわゆる
制度の経過から見まして、みだりに、米の端境期に、去年豊作であったので手持ちが少しふえたから、今年はそれらのものに対して廃止をするぞなどというようなアドバルーンが部内から上げられますということは、
関係の農民にとってはショックなのであります。いまもう植えたのです。いまや田植えの最中です。それらの連中が植えてしもうて、そうして、さて植えた、それは安う買うんだぞということになったら、それらの伝統ある地帯の農民
諸君はたいへんな問題になるわけであります。私はかつて米審におりました当時にも発議をしたことがありますが、大体等級間格差だけで米というものを片づけてしまうという物質数量万能論が間違っておるのだ。やはり
食生活なんですから、まずくたって栄養さえあればよかろうというわけにいかない。栄養もほしいが、うまいものが食べたいという
食生活の
根本をわれわれはやはり考えないと、
価格政策に対しても悪貨が良貨を駆逐する形になるわけです。いまや、このアドバルーンによりますと、昨年はとにかくえらい豊作であったが、食うに耐えないような劣悪な米が
生産された、一等、二等は何%もとれないような
状況で、質の問題が全く忘れ去られたというふうな内報もここに載っておる。それなら、それこそ私
どもの要求しておりますところのやはり質の転換をお考えになるならば、等級間格差だけではだめなんです。水分だの歩どまり、粒、つまり、二ミリ以上だとかなんとか、そんな一粒の大きさと、水分が一四%以下ならどうだ、以上ならどうだというような機械的なはかりでもってものをきめるから、農家の
諸君はつくっても食わないそういう米を国家に買わせておる
状況なんです。農家自身も自殺行為に追い込んでいるわけです。しかも
国民は、配給されたらこんなまずい米はということで突っ返す。こういうようなことでありますから、私は、米の高能率、高反収というスローガンが
政府の
施策にあります。けっこうなことです。その高能率の中には質の問題を忘れてはならぬと思う。ですから、ただ反収をふやせふやせというものだから、いまのような形で、骨を折ってやるよりも、多収穫のものであれば品質、味は問わぬという形だ。銘柄別格差というものが昔はあったのです。産地銘柄ではありません。産地銘柄では数百種類にのぼりますから、これは技術上できないということはわかります。銘柄別格差といいまして、たとえば宮城のササシグレ、あるいは兵庫の旭、われわれ越後の越路早生、こういうような、全国四十七種類と記憶しておりますが、銘柄別格差というものの可能性が、数年前でありますが、
農林当局の中にも同調者があった
経験を私は
自分で持っておるのです。ですから、食管の
制度に対して
大臣が御検討なさる場合には、それらの時期別格差の前身は早場米地帯の待遇の問題でありました、それらの歴史とそれ以後の実情と
価格、そういうような問題に対しましても抜本的な御見識を持たれて当たっていただかないと、いたずらに、ただ外側の
事情を知らない者の言動だけで世論だと思われますと、それは実態と違って、それらの地帯の農民
諸君は、植えたはいいがどうしようということで、これはたいへんな
生産意欲の阻害になるのでございますから、これはどうか、
新聞の報道でございますので、いろいろ部内でも御意見のあることも当然でございましょうが、事の重大性に対しまして私は一言
大臣に所信を申し上げて、御
見解をこの席でもし伺えるならば——この点はいろいろ大きな問題の中の
一つでございますから、御検討中であれば御検討中でけっこうなんでございますから、その点ひとつ御判断にまかせて、
大臣の御
見解を伺いたいと思います。