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倉石国務大臣 ただいま
お話しのように、臨調は、地方農政局の補助金
関係部局、国営
土地改良、それからその担当部門を整理縮小すること、それから地方農政局
所管の農地転用であるとかそれから
土地改良、
農業団体に関する
事務の大部分を地方公共団体に委譲するようにという答申を
出しております。そこで、おわかりのように、
農林業の改善発達をはかる上では、補助金というものは、補助金整理について全国知事会がいろいろなことを申し出たことについてすら、ほとんどの
国会議員さんは、あの知事会の申し出について、これはただ総括的にそういうことを言うだけではだめなんであって、金額は少ないけれ
ども、その補助金というものが農林政策の上では非常に効果をあげているんだというような御要望も、多くの
国会議員さんからあります。これはやはり地方農村従業者の声だと思うのであります。したがって、そういう
意味から、補助金は重要な役割りを私は果たしておると思うのでありますが、ことに
土地改良
事業のうちで、資金を取り扱う面、それから技術上困難な大規模なものは、国が
実施する必要があるという考えをわれわれは持っているわけであります。先ほど来
お話のありましたように、ただ簡単にその
事務を縮小するという見地からだけ取り上げられることは、私は政治ではないと思うのであります。もちろん
関係部局の整理縮小は考えなければなりませんが、いま申し上げましたようなことの部門を整理してしまうということについては、私
どもは適当ではないと考えております。
それからまた、
農林行政のうちの各種の
事務のうちに、全国的な
方針に基づいて、
地域行政の観点から全国的な大きな
目的の中に
地域行政として取り扱うような仕事、そういうものは、やっぱり農政局がいまのようにやっていくことが適当ではないかと思っておりますが、
冒頭に申し上げましたように、大筋としては、ただいまの
政府は臨調の答申をできるだけ尊重して善処していくというたてまえでありますから、そういう実情を行管当局とも十分相談をいたしまして、なお慎重に対処してまいりたい、こう思っております。
それから、統計
事務所のことがしばしば
論議されるわけでありますが、
大出さんよく
御存じのように、あらゆる企業というものは、民間を含めて、私は近代国家においては、やはり統計が計画の基礎になるのだと思うのでございます。なるほど終戦直後のようなああいうことで、ただ米の増産ということの用にだけ統計
事務所を考えられた時代と、今日の統計
事務所の持っておる職務区分というものは、非常に違ってきております。本年、昭和四十二年度予算にも計上いたしてありますように、流通サービスというふうなこと、こういうことについて、統計
事務所は流通機構の改善について新たなる活動を開始するようになりました。四十三年度予算には、おそらく
国会側からの御要望もさらに倍加されまして、これを効果的に運営してまいるというためには、どうしても統計
事務所の作用というものが、一番有効適切に働き得るわけでございます。したがって、統計
事務所の職員というものをなるべく近代的に
活用していくことは、
農林省もその必要性を認めて対処してまいるつもりでありますけれ
ども、この統計
事務所が昔ながらの
考え方に立って、ああいう仕事だけやっているのでは
意味がないではないかという観測は、若干研究不足ではないかと思うのであります。したがって、私は統計と技術研究ということについてはうんと力を入れろということを
農林省内でも指示をいたしておるような次第でありまして、ことに
大出さんも
御存じのように、天気予報の長期予報によりますというと、ことしは、先般報告もいたしてありますが、干ばつであるとかあるいは集中豪雨を招きやすい、異常な天候を予測しなければならないということでありますの七、ただいま地方農政局に対して、
農林省としては技術的にそれぞれの地方においてそれに対処するようにせよ、こういう指令をいたして、未然にその損害を防ぐようにいたしておるのでありますが、そういうことについて、地方の
農業協同組合なんかが、地方の作柄であるとか、それから国が大きな
立場で異常な天候等について対処する、その用意をやらせる資料をつくっているのは、みんな統計
事務所なんであります。したがって、私は、統計
事務所を終戦後のあの当時の時代の人員は多過ぎるといったような安直な考えでものを律するということは、それは研究不足ではないか、こういうことを言っているのでありまして、総計
事務所の人員を近代的に合うように
活用するということはいたしますけれ
ども、私はその統計
事務所についてとかくのことをおっしゃる方は、もう少し統計
事務所の効果について勉強してもらいたい、こう言っておるわけであります。