運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1967-05-19 第55回国会 衆議院 内閣委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年五月十九日(金曜日)     午前十時三十二分開議  出席委員    委員長 關谷 勝利君    理事 伊能繁次郎君 理事 塚田  徹君    理事 八田 貞義君 理事 藤尾 正行君    理事 細田 吉藏君 理事 大出  俊君    理事 山内  広君 理事 受田 新吉君       荒舩清十郎君    内海 英男君       加藤 六月君    桂木 鉄夫君       坂本三十次君    塩谷 一夫君       菅波  茂君    高橋清一郎君       渡海元三郎君   三ツ林弥太郎君       稻村 隆一君    木原  実君       武部  文君    楢崎弥之助君       浜田 光人君    山本弥之助君       吉田 之久君    伊藤惣助丸君       鈴切 康雄君  出席国務大臣         外 務 大 臣 三木 武夫君         通商産業大臣  菅野和太郎君         運 輸 大 臣 大橋 武夫君  出席政府委員         人事院事務総局         給与局長    尾崎 朝夷君         防衛施設庁施設         部長      鐘江 士郎君         外務政務次官  田中 榮一君         外務大臣官房長 斎藤 鎭男君         通商産業大臣官         房長      大慈彌嘉久君         特許庁長官   川出 千速君         運輸大臣官房長 町田  直君         運輸省船員局長 河毛 一郎君         運輸省自動車局         長       原山 亮三君         運輸省航空局長 澤  雄次君  委員外出席者         外務省北米局安         全保障課長   浅尾新一郎君         海上保安庁警備         救難部長    長野 義男君         専  門  員 茨木 純一君     ————————————— 五月十九日  委員赤城宗徳君、井村重雄君、稻葉修君、佐藤  文生君及び橋口隆辞任につき、その補欠とし  て渡海元三郎君、坂本三十次君、三ツ林弥太郎  君、加藤六月君及び菅波茂君が議長指名で委  員に選任された。 同日  委員加藤六月君、坂本三十次君、菅波茂君、渡  海元三郎君及び三ツ林弥太郎辞任につき、そ  の補欠として佐藤文生君、井村重雄君、橋口隆  君、赤城宗徳君及び稻葉修君が議長指名で委  員に選任された。     ————————————— 五月十九日  恩給法等の一部を改正する法律案内閣提出第  六四号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  外務省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第九号)  在外公館名称及び位置を定める法律及び在外  公館に勤務する外務公務員給与に関する法律  の一部を改正する法律案内閣提出第一〇号)  通商産業省設置法の一部を改正する法律案(内  閣提出第一七号)  運輸省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第三〇号)      ————◇—————
  2. 關谷勝利

    關谷委員長 これより会議を開きます。  外務省設置法の一部を改正する法律案、及び、在外公館名称及び位置を定める法律及び在外公館に勤務する外務公務員給与に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。  本案に対する質疑申し出もありませんので、質疑はこれにて終了いたします。     —————————————
  3. 關谷勝利

    關谷委員長 これより両案について討論に入るのでありますが、別に討論の通告もありませんので、直ちに採決に入ります。  まず、外務省設置法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  4. 關谷勝利

    關谷委員長 起立総員。よって、本案原案のとおり可決すべきものと決しました。(拍手)  次に、在外公館名称及び位置を定める法律及び在外公館に勤務する外務公務員給与に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  5. 關谷勝利

    關谷委員長 起立総員。よって、本案原案のとおり可決すべきものと決しました。(拍手)  なお、ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 關谷勝利

    關谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————
  7. 關谷勝利

    關谷委員長 通商産業省設置法の一部を改正する法律案議題とし、質疑を行ないます。  質疑申し出があります。これを許します。受田新吉君。
  8. 受田新吉

    受田委員 通産省設置法改正は、ごく軽いような改正に見えますけれども、実は非常な問題点を包蔵している部分があるわけです。特に公害対策基本法各党の話し合いがまだ煮詰まっていない段階にもかかわらず、そこに産業立地部立地公害部に改めるという、大出委員が質問した大事な問題があるわけですが、これは大臣としては、公害基本対策各党と話を解決した上で、各省にまたがる公害対策に対する行政を一元化するという意味における対案というものを何らかの形で考えておられたかどうか、お答え願いたいのです。
  9. 菅野和太郎

    菅野国務大臣 公害対策については、これは各省がみな関連しておりますが、しかし、これがばらばらじゃいけない、一つにまとめなければならぬということで公害対策基本法をつくって、そこでまとめていくべきじゃないかということで、前から基本法を制定すべきであるということをわれわれのほうも進んで進言しておったのであります。それが今回ようやく基本法の大体成案ができましたので、御審議をお願いすることになったのであります。あの基本法によって、ばらばらでなくして、大体統一して対策を講ずるということに相なったと存じております。
  10. 受田新吉

    受田委員 厚生省環境衛生局関係に新たに公害部の新設の提案がされているわけです。これとの関係はどういうことになりますか。
  11. 菅野和太郎

    菅野国務大臣 厚生省のほうは、どっちかというと被害者立場であると思うのです。通産省のほうは、どっちかというと加害者側立場であって、そこで厚生省厚生省として、公害がいかにして発生するか、公害がどういうものであるかというような調査研究などをしていただいて、それによって通産省がその公害をどのようにして除去するか、あるいはこれを未然に防ぐかというようなこと、もし公害のために生活環境に悪影響を及ぼした場合には、それに対して企業者責任をどうするかというようなことについては、これは通産省のほうの責任だと思うのです。そこで厚生省側通産省側両方意見をマッチさして、そうしてこの対策を講じていくべきだ、こう存じております。
  12. 受田新吉

    受田委員 公害対策については、加害者被害者両方通産省厚生省が分担してやるという話で進めたわけですか。
  13. 菅野和太郎

    菅野国務大臣 分担という意味は、まとめるという意味で、今度基本法をつくって、そうしてその処分を厚生省でやってもらうということで、そこでいま申し上げましたとおり、われわれのほうは、企業者が行なう経済行為によって公害を生ずるのでありますからして、したがってその公害防止とか、あるいは未然に防ぐとか、あるいはすでに生じた公害についての責任というようなことをはっきりして、それで厚生省と相談して、それぞれ対策を講ずるということでありますからして、厚生省側通産省側とおのずからその立場は違っておりますけれども、それを調停していくところに今度の基本法の精神があると私は存じております。
  14. 受田新吉

    受田委員 大臣、まだ公害対策基本法が出ていない、そうしてそれに各党一元的行政担当省庁をどこにするかという話もついていない。むしろこの機会に、われわれの党は、総理府にこの公害対策関係公害庁とかいうかっこうのものでも設けて、そこで大臣のなわ張り争いにならないように、一元的な行政運営をはかるという形のものが効果的であると私たちは考えてきておるわけですが、いかかでしょうか。
  15. 菅野和太郎

    菅野国務大臣 そういうお考えをわれわれも考えておったんですが、しかし、この際は、被害者側立場を大いに理解しということで、厚生省側に置いたほうが、私は一般的に感じがいいんじゃないかということで、厚生省側にその所管大臣を置いたことは、そのほうがよかった、こう考えておるのです。
  16. 受田新吉

    受田委員 この問題は、残された問題として他の委員会等とも連絡をして、さらにお尋ねすることとします。  引き続きまして、次の問題として、日本産業の再編成という問題にぶつからなければならない時期にいまきておるわけです。これは欧米各国企業大型化技術革新というすばらしい発展の中に、日本がいまのようなはなはだ非能率で限界が来ているような企業をそのままにして、これらの先進国と取っ組もうとするのは容易でない問題だと思うのです。大臣は、近代的な設備企業合理化について雄大な構想を持って大臣に御就任されておると思うのですけれども、その問題を大臣から御答弁願いたい。
  17. 菅野和太郎

    菅野国務大臣 お説のとおり、私は、もう産業経済自体が非常な大変動をしておるときだと思っておるのです。したがって、産業自体におきましても、もうすでに戦後から考えてみても非常な変化をしております。また、近代化も行なわれております。したがって、今日日本産業というものが非常な発展をして、自然に欧米諸国と匹敵するような国民生産額をあげておるのであります。ヨーロッパと匹敵するような国民生産額をあげておるのは、戦後日本産業近代化してきておる、大型化してきておる、技術の開発もやったということであると思うのです。たとえば造船にしても、鉄鋼にいたしましても、自動車にいたしましても、あるいはソニー、ああいう電子工業にいたしましても、その点において海外に劣らぬような努力をしたと思いますが、しかしまだ近代化されていないものはたくさんあります。でありますからして、そういう点で、ことに中小企業においては近代化されていないものがたくさんありますから、その中小企業近代化高度化を今後は特に力を入れてやっていきたい、こう存じております。
  18. 受田新吉

    受田委員 昨年の改正であったと思うのですけれども、通産省といたしまして軽工業局繊維局が従来あったのです。それを化学工業局繊維雑貨局編成がえをしておる。通産行政そのものをこうした再編成行改機構に変えておるわけです。そこまで前進している段階で、今度宮澤さんがせっかく御苦労をされて関税一括引き下げの交渉にある程度の成功をおさめて帰ってこられるわけですけれども、資本自由化という問題を離れても——これは離れて考えることは可能だと私は思うのですが、この産業の再編成という問題は、日本独自の形で取り行なわなければならぬ。特に非能率的な、あるいは限界に来ておるようなそういう企業に、スクラップに当たる、スクラップダウンというようなことも、行政措置として思い切ってなされなければならない時期が来ておるんじゃないか。証券業界はすでにそれを一歩前進してやっておられる。そうして、私もう一つこの機会に、産業再編成の具体的方策として、原料から製品になる過程における縦の系列合理化する必要があると思う。この点は、通産行政では非常にガンが残っておると思うのです。特に大企業都市へ集中してある関係上、農村人口は著しく都市へ流動しておる。むしろそういう機会に、原料から製品までの縦の系列を強化する、合理化をはかっていく立場から、農村人口を減らさないで、在村人口を減らさないで、中小工場、大企業下請工場等は、特に輸送等の考慮をあまりしなくて済むような企業については、農村工場分散化ということも当然考えてしかるべきじゃないか。空気のいい、そうして人情の豊かな地域へ、都市集中企業農村分散化する、農村工業化といいますか、そうした形の通産行政というものを考えていって、そこでいま申し上げた産業再編成の基本になる大事な問題を解決していく非常に重大な問題だと思いますけれども、通産省が熱心に取っ組むならば、大企業が自分に便利のいい近くへ下請工場を置きたがるのを、輸送等であまり問題のない事業に関しては、むしろ法律をもって農村に分散する。スイス時計工業のような形のものを日本に具現する必要はないかと思うのですが、いかがでございましょうか。
  19. 菅野和太郎

    菅野国務大臣 ただいまお話しのとおりでありまして、われわれもその点については、それに対して何とか手を施さなければならぬと考えております。ただいまそういう趣旨もあり、また公害という立場からいたしまして、工業立地適正化法というのをいま成案中でありまして、それによって地方へ工場を建てるということをやりたい。そして、また同時に、公害防止という立場からでも、中央にばかり工場の集まらぬようにしたいというようなことで、目下この法案作成について各省といろいろ連絡してやっておりますので、法律が出れば、御趣旨に沿うようなことになるのじゃないか、こう存じております。
  20. 受田新吉

    受田委員 企業合同合理化を進めていく上の産業再編成上の基本的な大事業でございまするが、水平的な立場における企業合同という立場もある。それから今度は、関連企業間の垂直の立場における合理化という、この二本立てが考えられるのですが、これはいまの農村工業化を含めて、産業再編成上の基本問題だと思うのです。それに対しては、税制関係してくるし、行政指導関係してくるし、また財政措置関係してくる。この三本立てをその間に織り込むことによって、これが勇敢に前進され、また雑多な金融機関というものに対しても、金融機関の再編成の時期に来ておる。これは大蔵省の所管であっても、通産行政に関する限り、その金融機関の再編成ということに対しても大臣構想があると思うのでありますが、いま私が申し上げました水平と縦と両方立場からの企業の再編成、それに伴ういま指摘した側面からの税制行政指導財政措置——財政措置の必要に関連してまた金融機関の再編成、これに対する大臣の持っておられる、事務的意見でなくて、産業再編成の政策的な御見解をお聞きしたいのです。
  21. 菅野和太郎

    菅野国務大臣 産業構造改善につきまして、いま通産省のほうではいろいろの対策を講じておりますが、それよりももっと大きな立場で、どういう一家言を持っておるかというお尋ねであったと思うのです。  そこで、お話しのとおり、横の問題と縦の問題をこれはあわせて考うべきだと思うのであります。したがいまして、横の問題として、これは縦の問題にも関連するのですが、たとえば今度の繊維産業構造改善などはその一つのあらわれだと思います。このままほっておけば繊維産業というものはだんだんと没落していく過程にありますので、何とか繊維産業を維持し、また発展をはからなければならぬということで、今度も繊維産業構造改善をやったのですが、これはやはり横と縦と両方兼ねた改善方法だと考えております。そういうことにつきまして、これはやはり開銀の資金の問題があり、また税制の問題もそれに関連しておりますので、税制の問題についてもあわせて考えておるのであります。  それから、なお横の問題としては、たとえば中小企業者の協業化の問題、これなどもお話しのとおり、生産規模が大きくなり、大体大型機械を用いるということになりますからして、小資本ではとてもやっていけないということで、そこで企業者の協業によって大型の装置の生産設備をするというような方法、そういうことは横の対策であるのですが、要するにいまの日本産業というものは、非常に進んだ点もありますが、またおくれておる点もある。たとえば流通機構のごときはそうですが、そこで、いままでは大企業については、ある意味においては進み過ぎるほど進んでおりますが、中小企業などはやはりいままでの伝統があり、保守的な考え方であるために近代化されてないのでありますからして、この中小企業の問題で縦横についてひとつ検討して、近代的な中小企業をつくるようにしたい、こう考えておる次第であります。
  22. 受田新吉

    受田委員 いま大臣が指摘されました繊維工業構造改善ということは、私、よく理解できるし、またこれは大いに推進しなければならない。しかし繊維工業とかあるいは雑貨産業とかというものは、これはよく類似したものであるから、化学工業行政を拡充する意味化学工業局をつくり、繊維産業雑貨産業をひっつけて繊維雑貨局というのを去年つくられた。ところが、繊維とか雑貨とかいうものは、日本の低賃金の産業界において、他の国が外資を導入してこれを大いに利用しようなどということの対象からはずれる産業です。外資が導入されるのには、繊維とか雑貨とかいうものは彼らには便利が悪い。したがって、外資がどんどん入ってきて日本産業界を圧迫するような傾向は、繊維とか雑貨とかには私は見ることができないと思う。したがって、そういうものは一応再編成構造改善をされる。しかし、ほかの産業は、技術革新企業大型化合理化が進んでいる外国とは太刀打ちできないような状況になっている。EECのあの雄大な構想などを見たときに、日本産業界というものはまさに落日の斜陽産業のような指導しかしてないおそれが私はあると思うのです。これを追いついて乗り越えるためには、やはりそうした外資導入対象になるような産業について、思い切った再編成をされ、農村工場を分散させて、そこで公害のない、かっこうの、空気の清澄なところで、有能な従業員を獲得して、労使一体となって生産性向上につとめて、日本産業外国産業に太刀打ちさせるという夢を持たなければならない。それに伴うものには、研究とかあるいはデザインとか試験とか、こういう部門に思い切って国家資金を投入して、日本人の持つ知能をうんと開発しなければならない。そういうような雄大な構想大臣になければならないのです。お答え願いたいことは、いま私が指摘しましたような、日本が、いわゆる先進国として誇っている欧米、特にアメリカなどは技術資金でばかに繁栄している、これにはとても追いついていけないと嘆く必要はないのです。試験研究あるいはデザインというような、こういう部門に思い切って国家がその資金の何%かを、二〇%でも五〇%でも投入して、思い切って技術革新成功をおさめる、そして、そうした新しい近代化に必要な機械化に対して思い切った助成をする、こういうような形を政治の上でおとりになるならば、これは欧米の国々に決して劣らない。私はかつてドイツ青年と話したときに、ドイツ青年は、第二次戦争でドイツは完膚なきまでに破壊された、破壊されないものがしかし一つある。それはドイツ人頭脳であると彼らは言っておった。それが今日EECの盟主となって、イギリスなどをあれだけ迷わしておる。そのときにドイツ青年から、同じく敗戦国で、貴下の国日本の人も頭脳は破壊されていない。ともに手を握ろうという声をじかに聞いてきたんです。日本人頭脳最高度に活用する試験研究デザイン等の部面に対しては、思い切って国家資金を投入し、投資をし、助成をして、この日本産業再編成に貢献せしめるという、そういう雄大な、つまり政策的な構造を推進する責任が、かつての経済企画庁長官前歴を持つ——前歴というのは前科という意味ではなくて、あなたには輝かしい前歴がある。それが通産大臣をやっている段階で、企画と実際の通産行政をつなぐのにはあなたが一番いい大臣だ。ひとつ思い切ってやっていただきたい。御答弁願いたい。
  23. 菅野和太郎

    菅野国務大臣 お話しのとおり、先ほどから申し上げましたとおり、産業自体がいま大変動と申しますか、大発展しておる時期でありますから、これに沿うようにしなければならぬということは、これは一つ技術革新ということです。この点につきましては、私はまだ日本技術革新についての政府援助も少ないと思っております。これはまことに遺憾に思っておりますが、今後はこの技術革新ということについて、政府が本腰を入れてやっていくべきだということを痛感をいたしておるのであります。しかし、それでもいまお話しのように、日本人頭脳がいいおかげで、鉄鋼業にしましても、あるいは造船業にしても、造船業などは今日世界一の国になるし、鉄鋼業にしましても世界第三番目になるというような状態でありますし、また国民総生産額から申しましても、ことしは日本はもう西ドイツ以上になっております。これはやはり日本人努力するし、日本人頭脳がすぐれておるという点でありますので、幸いこのように日本人がそのくふうと創意と、そして努力したおかげでここまで戦後回復したのでありますから、この勢いを存続させて、なお発展せしめて、そして日本産業をもっと飛躍せしめたい、せしめるのがわれわれの責任である、こう考えておるのでありまして、お話しのとおり、ひとつそういう点について極力努力をしたいと思いますが、しかしまた各位の御援助も特にお願い申し上げたいと存ずる次第であります。
  24. 受田新吉

    受田委員 われわれも知恵をお貸ししたいと思います。援助もしたい。ただ、私がさっき申し上げた具体的な問題として、企業局長おいでになれは——まだおいでになりませんね。おいでになればお聞きしたいことがあるのです。これは大臣でもできると思うのですが、具体的な産業部門企業部門農村工業化に適切なものは何であるか。これは、人口都市都市へと流動する渦巻きの中で、農村がかこっているのは、できるならば在村人口を減らさないで、そこに小さな下請工場あるいは中小工場が、何らかの形で国策によって——これは国策でなければ、企業者にやれといったって彼らはやりはしません。彼らは独立採算、つまり利潤獲得に狂奔している諸君でございます。しかし経済同友会の去年の総会の話などを聞いても、だいぶ産業再編成には意見を持っておるようでございまするが、農村工業化については彼らは何とも言うてないのです。これはもうその時期が来ておると思うのです。スイス時計工業などはそのよい一例だと思うのです。大臣農村の票を獲得するためにも、自民党としては農村工業化という問題は非常に喜ばれることであるし、また、それは国策に沿うことになると思うのです。あなたに農村に対する愛情があれば、これはすぐできることですが、農村など考えておらぬとすれば別問題。私は、いまの産業再編上のプロセスにおいての農村工業化をどういう形で考えておられるかを伺いたいのでございます。
  25. 菅野和太郎

    菅野国務大臣 最近の日本産業発展が、都市に集中しておるというところにいろいろな弊害もあらわれてきておると思うのでございます。したがいまして、数年来新産業都市制度を設けて、各地工業を成立せしめて、そして農村人口を減らさぬようにしようということで、新産業都市制度を設けたのでございますが、まだその実績がそれほどあがっておりません。これの実績をあげるためには、たとえば交通機関などももう少し完備をして、そして先ほどもお話がありましたが、たとえば下請制度をやるにしても、交通が完備しておらなければ、せっかく都会で生産される品物の下請工業もそれが実現しないということになると思うのです。そういう意味で、交通機関その他輸送機関なども考慮し、そうして各地産業を立地せしめていくということで、先ほど申し上げました工業立地適正化法というものもそういう意味でありまして、各地で適当な工業をつくるということ、これはどの地区にはどういう工業がいいかということまで研究してくれというのがこの法律案であります。これをひとつ今回の国会に提案して皆さんの御賛同を得たい、こう存じておる次第でございます。
  26. 受田新吉

    受田委員 それをひとつ法律のみでなくて、実際の運営の決意も十分固めていただきたい。  次の大臣が来られておりますので、私は話を結びます。予定の三十分がもう五分ほどありますが、私、もう一つあなたに対中共貿易、これはすでに英国その他は十年の延べ払い方式を採用して、勇敢に市場を開拓している。日本の場合は、この延べ払いにかこつけ、ココムの問題とは別に、そうした支払い方法に対する不利という点でなかなか思い切って——はるか向こうのイギリスさえもそういう措置をとっておるのに、一番身近な、ちょっと行ったら一またぎで行ける大陸の国と、なぜ中共貿易の振興にちゅうちょしているかという問題が一つあるわけです。このあたりでひとつ延べ払い方式に対する新方策を打ち立てて、距離的にも、人間的にも一番身近な対中共貿易振興策を敢然と推進する御用意はないか。
  27. 菅野和太郎

    菅野国務大臣 日中貿易の振興につきましては、もう私自身が戦後から日中貿易の振興ということに関係をいたしておるのでございまして、幸い毎年日中貿易がだんだんと増大しておることはまことに喜ばしいことだと思います。お話のとおり、最も近いし、しかも七億の国民がおるのでありますから、しかもまだ開拓されていない資源を持っておるのでありますから、これは日本資本を持っていき、また日本人頭脳を持っていって、そして双方、日中ともに利益するような方法で今後貿易を盛んにするし、あるいは向こうでいろいろの事業もやるというようにやっていきたい、こう私は考えておりますので、その点については、私はあえて人後に落ちぬように今後努力したい、こういうように考えております。しかし、さしあたり問題は、いまの国際情勢のもとにおいて、それが思うようにできないことを、私自身も非常に遺憾に存じております。国際情勢がもう少し安定すれば、ひとつ今度は思い切ってどんどん日中貿易の拡大に努力したい、こう考えております。
  28. 受田新吉

    受田委員 国際情勢はイギリスと日本とそう違いはしないです。立場はフランスだって同様ですよ。それがそこまで前進しているのです。アメリカ寄りになり過ぎているからあなたのような御意見が出るのであって、イギリス、フランス方式を採用すればいいのです。そうむずかしい問題ではない。外交とそうした経済とをほんとうの自主独立のかっこうで進めていくならば、対中共貿易などは即座に具体化するわけです。国際情勢とあなたが言われたのは気にかかることばです。その問題だけでも一時間ぐらいやりたい問題が残されております。  最後に特許庁の問題。特許庁は特許及び実用新案を中心とした業務を多年にわたってやっておられるのだが、今度改正案の中に審査第五部を設けることで、人間をふやす措置をとっておいでになるわけですが、私はこの資料をいただいて、見て実に残念に思うのです。昭和三十六年に特許、実用新案の出願と、それからその処理を拝見したときに、出願したものの年度末滞貨、これは従来の合計をしたわけですが、三十六年には二十四万六千件という年末滞貨があった。ところが、四十一年には五十四万六千と、二倍以上の未処理件数が残っている。そしてその昭和四十一年度の出願したものの処理期間、平均残された処理をする期間を四年二カ月と踏んでおる。四年二カ月たたなければ、いま出したものの処理ができないような、五年前に比べると倍以上の長期間にわたる未処理状況になっているのですね。これはもうとてもやり切れぬですよ。出願をしたときには元気であっても、その出願したものの処理をしていただくときにはこの世を去っている。霊前に処理を報告するというような悲壮な事態が各地に起こっている。これだけ長期間かかって、ことし新しく出願するとすれば五年以上になると思うのです。そういうような特許、実用新案の処理、これは意匠、商標等を含んでですが、私はこれをざっと見たときに、外国の資料も出ているが、外国に比すれば日本は出願件数が非常に多い。そこにはいいかげんな出願もあると思うのですけれども、整理された出願がされていないということも、これは資料でわかるのです。これを一体どういうふうに扱おうとされているか。いま第五部をつくったぐらいのことで、これは解決するような問題ではない。審査官も、昨年大阪で起こった事件のような、グループによって収賄をするというな事件も起こった。いまはもう前非を悔いてではなくして、非常に監督を厳重にして、職務に精励しておられることを私はよく知っている。いまはそういうことはないと思う。川出長官もその点は十分心得ておいでと思うのでございますが、この膨大な出願、この未処理、これを第五部をつくったぐらいのことで解決できるのかどうか、お答えを願いたいのです。
  29. 川出千速

    ○川出政府委員 ただいま先生から御指摘になりましたように、滞貨は年々累増いたしておりまして、それを処理するために毎年相当数の人員増加をしておるわけでございますけれども、出願の増大のほうがより一そう多いわけでございます。数字的に申しますと、最近五カ年に出願数が九割増加をしております。アメリカは最近五カ年に五%しか増加しておりません。しかもその内容は、技術革新の時代を反映して、非常に高度になっているわけでございます。全力をあげて一生懸命やっておるわけですが、遺憾ながら、現在のところ滞貨が少しずつふえておるという実情でございまして、われわれといたしましては、さらに人員を増加し、あるいはそれと並行いたしまして制度改正という問題も検討しなければならないと考えております。これはこの前の国会の決議にもございまして、現在審議会で制度改正の問題については検討を加えておるわけでございます。  それから、出願が非常に多いわけでございますが、審査した結果の合格率は、各国に比べますと低いわけでございます。つまり、合格しない出願というのが、各国の出願に比べますと非常に多い。むしろ、むだになる出願が非常に多いわけでございます。こういう点につきましては、業界等に呼びかけまして、十分慎重な出願をしてもらいたいということを呼びかけておりますけれども、なかなか効果は上がっていない。遺憾なことでございます。一元的に審査の処理を促進するという抜本的な対策がなかなかないわけでございます。いろいろな手を総合的に打っていく以外にしかたがないと思っております。滞貨が増大しつつあることははなはだ申しわけないと考えております。
  30. 受田新吉

    受田委員 機構改革によってここで指摘されたワクの増員計画によって、この滞貨が食いとめられるのかどうか、それを私はお尋ねしたわけです。
  31. 川出千速

    ○川出政府委員 今後滞貨がふえないかどうかという御質問だろうと思いますが、ふえないという自信はございません。
  32. 受田新吉

    受田委員 大臣、これは長官が言われたように容易でない事態ですよ。四年も五年もかかって、やっと出したやつの審査にかかるようなかっこうになってくるんですから、この世から去っていく人が多いですよ。せっかくいい頭を働かしたものが、そういうことで、これは通産行政のがんじゃないですか。  日本は出願手数料というものが安い。私の聞いてみたところでは、千五百円か二千円。こういう二千円か千五百円でぽっぽぽっぽと出してくる。いいかげんなものをどんどん出してくる傾向がある、自分の頭脳を働かさないで。さっき言ったように、産業再編成上の国の一つの大事な投資の対象として、私は試験研究デザイン等を大いに促進せよと申し上げたが、それに関連する問題なんです。頭脳をやるにしても、整理された頭脳を十分生かすという、文明国らしい頭脳の働きをさせなければならぬ。これは、だれでもできるという点では、手数料の金額はこれで満足できるかもしれぬが、しかし、そのためにこういう何があるというのは、手数料をある程度考える必要もあると思う。玉石混淆の中から玉を選ぶための措置も必要じゃないか。それから、審査官が足りなければ、審査官をふやせばいいし、審査の能率を上げるために待遇を改善するという必要もある。滞貨をふやさないという自信のある答弁をいただかないと、私はあとに引き下がれないわけです。
  33. 菅野和太郎

    菅野国務大臣 特許制度改正問題につきましては、自民党といたしましても、一昨年この問題に取り組みまして、実は私がその委員長をやっておりまして、特許制度をこのままほうっておいてはいかぬということを私自身が痛感いたしたものでございます。せっかく特許制度改正法案ができ上がったのでありましたが、利害関係がいろいろ複雑なものでありますからして、各方面からいろいろ反対もありましたので、昨年ついに提案したのでありましたけれども、審議に及ばなかったのであります。  そこで、どうしても根本的に特許制度改正しなければならないというので、いままた工業所有権審議会を新たに設けまして、各方面の意見を聴取して、あとでもう異論の起こらないようにやりたい。前のは多少各方面からいろいろ意見が出てきたものですから、それで今度はそういうふうにあらためて審議会を設けまして、いま審議の最中で、もうすでに五回も開いておりますが、これができ上がれば、要するにそれは滞貨を減らすという目的で考えておるのでありますから、この審議会の審議によって答申が出れば、その答申をそのままひとつ実施して、この滞貨を減らすということでいきたい、こう存じております。さしあたり人をふやして、一つでも促進しなければならないということで、本年度はその審議会の答申を待たずして実は人員をふやし、第五部を設けて一生懸命促進しようというつもりでやっておりますが、幸いにしてこの審議会の答申が本年中に出ますれば、来年度はひとつ特許制度の根本的な改正法案を出して、また皆さん方の御審議をお願いしたい、こう存じております。
  34. 受田新吉

    受田委員 これで終わりにしますが、大臣、あなたは審議会のことばかり言っておられるが、通産省には頭脳の高度の人がたくさんおるのですよ。審議会の答申を待つまでもなく、どんどんやっていかなけれならない。審議会、審議会と逃げておるが、あなたは自民党のそういう委員長までされた特許通である。そういう人が大臣になっておるのですよ。別に審議会などにたよらぬでも、あなたは滞貨の具体的な処理を実行される必要があると思うのです。審査官にはほとんど公務員試験の上級の甲をとっておる人を採用して、中、初という人は最近はいない。そこまで人物がそろっておる。そういう人を最高に使っておる。必要があれば、こういうときに人員をふやす分ならば、われわれは滞貨の一掃が完成するまで増員することに賛成するにやぶさかでない。特許通のあなたが大臣をやっておられる問にやりなさいということを要求して終わります。
  35. 藤尾正行

    ○藤尾委員 関連して……。いまの受田委員の御指摘に全く賛成なんでございまして、大臣にひとつお考えを願わなければならないのは、政党政治の筋を通すということなんです。大臣は、審議会の結論が出てないとかなんとか言っておられるけれども、審議会の結論が出なければものができないというようなことでは、政党が責任を持って政治をするというわけにはいきません。また、政党が、国民に対して政党政治のほんとうの真価を認めてもらって、その権威を高めることもできません。この点は、大臣、あまり簡単にお考えにならないで、とにかく政党人として自分がこうやるべきなんだという固い信念をお持ちになったら、審議会もへちまもありはしませんから、どんどんおやりになっていただかないと、これは筋が通らないということだけ私は申し上げておきたいと思います。
  36. 八田貞義

    ○八田委員 関連して……。私もいまのと同じ意見なんですが、日本頭脳が輸出されて技術を輸入しておるのですよ。しかも特許の申請が非常に高いのですね。ところが、アメリカとか他の国々と比較してみて非常に高いけれども、合格率は、いま長官がお話のように、非常に低いのですね。これはもう申請手数料がばか安い。こういった点は、行政的にできるのじゃないかと思うのです。これは大臣、さっそくやられる必要があると思う。  それからもう一つ、審議会の問題ですが、審議会の委員というのは、日本では一人で六つも八つも兼任されておる審議会委員というのが多いのです。審議会の委員というのはみんな役人の方が選ぶのですよ。役人の都合のいい人を選ぶのですね。日本には機構としてインフォーメーションというのがないのです。この審議会から出てくるものは、たいがいありきたりの答申なんですよ。たとえば、火のないところに煙は立たぬといった、そういう常識的な、一般的な答申しかないのです。しかし、ドライアイスは火がなくても煙は立つのですから、審議会の権威を持たせるような審議会をつくらなければならぬですけれども、日本には今日インフォーメーションというものがないから、ありきたりの審議会というものしかない。その答申を待って行政をじんぜんと延ばされるということは、特許専門の大臣としてとるべき方法じゃないと思うのです。はっきり申しまして、どんどん行政的にできるのです。ひとつ意欲を持って、こんな合格率の低い特許制度を、そのまま審議会の答申を待ってなんということは、私は怠慢だといわざるを得ない。大臣、ひとつ決意をお伺いしたい。
  37. 菅野和太郎

    菅野国務大臣 私が通産大臣になったのは昨年の十二月でありまして、もう予算や法案みなできた後でありますので、通産大臣を引き続きつとめることができるのであれば、私の在任中にこの特許制度については根本的な改正をやる決意を持っておるわけでありますから、どうぞそのときはよろしくお願いいたします。      ————◇—————
  38. 關谷勝利

    關谷委員長 運輸省設置法の一部を改正する法律案議題とし、質疑に入ります。  質疑申し出がありますので、これを許します。浜田光人君。
  39. 浜田光人

    ○浜田委員 私はただいまから運輸大臣に質問いたしますが、先日本委員会で、私は外務大臣に、例のLSTの問題を質問いたしましたところが、船員関係は運輸省で、こういう答弁もございましたし、かつまた、大橋運輸大臣も、去る二十四日の予算委員会の第四分科会で答弁をされておりまするので、重ねてSLT問題に関して質問いたします。  大臣は、予算委員会で、このLSTの事件に関して、今後かような危険が頻発すれば今後の対策を考えていく、いかなければならぬのが当然だという発言をされていますが、その後どのような対策を、船員に対する事後処置をなされてこられたのか、まず第一にお伺いしたいと思うわけであります。
  40. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 アメリカ大使館を通じまして米国に対して、このLST乗り組み員の危険の再発の防止ということについて厳重に申し入れをいたしますると同時に、これが賠償、救護、その他の措置につきましても適切な措置を依頼いたした次第でございます。
  41. 浜田光人

    ○浜田委員 ただいま、いろいろ保護施策、それらを大使館を通じて訴えたということでありますが、第一回の事件が起きましてすでに三回、先月の二十日に起きて一カ月近くになろうとしているわけであります。そこで、いま答弁なさった保護施策を、船員の保護あるいは船員問題の主管庁としての運輸省は、どういう保護施策をとったらいいかということを言われたのか。あるいはどういりお考えなのか。
  42. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 第一回の事件がありまして、米国に対しまして厳重に申し入れました後、五月十三日に、引き続きベトコンの攻撃が原因となりまして一名の負傷者が生じたことは、まことに遺憾に存ずる次第でございます。ただいま、この事件につきましては、なお内容の詳細を取り調べ中でございまするが、その取り調べの結果を待ちまして、今後危険区域に対するLSTの運航について自粛してもらうような措置をとることも必要ではなかろうか、こういうふうにただいま考えておるところでございます。
  43. 浜田光人

    ○浜田委員 いま危険水域の問題が出ましたが、アメリカ側にただすことも一つ方法でしょう。しかし、日本船員の保護の立場から日本政府が考えで打つ手がないのかどうか、そういう点についてまず第一点。  それから、さきの答弁の中で、そういう事故があった船員に対する措置を大使館を通じていろいろ申し込んだということですが、以前は、日本では、実際ああいう動乱地あるいは戦争地、こういうところへ行って負傷などしたら、国民は非常にほめたたえたものですね。ところが、今日ああしてLSTで死なれたりけがをされたり——私の県にも一人その船員がおりますが、そういう家族の方、家に対しては、もうあらゆる批判、中傷の手紙が来て、家族は耐え切れぬと言っているのです。何がためにこのように家族までがいろいろ批判を受けたりしなければならぬのか。そういう事故のあった人にすみやかに措置をせずして、一カ月もたってまだ具体的な措置がされておらぬ。こういう点は、日本政府としてすみやかに打てる手があるのじゃなかろうか、あるいはいろいろの措置を講じておったら、それらを未然防止できるのじゃなかろうかと思う節がたくさんあるので、それらについて政府側の意見を聞きたい。
  44. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 御承知のとおり、このLSTの乗り組み員諸君に対しまする雇用関係は、米国政府の直接雇用という形式をとっておる次第でございまして、この雇用関係に対しまして日本政府が直接介入するというような措置は、いまのところ考え当たらないような次第でございまするので、今後の問題といたしまして、危険区域への航行というものを依然として継続されるというようなことにも相なりましたならば、その段階においては、日本政府としてこれらの船員に対して引き揚げを命じる等の方法もあり得るかもしれませんが、いまの段階におきましては、さしあたり米国政府に対しまして、できるだけ安全について考慮を加えてくれるように、また、それについて具体的にどういう考慮が期待できるか、こういう点を照会しておるような段階でございます。
  45. 浜田光人

    ○浜田委員 ただいま大臣の答弁だと、直接雇用だからなかなかむずかしいのだ、このように受け取れると思います。そうすると、前委員会でも、直接雇用には旅券を発行して、それによって船員を船舶に乗り組ませて出航さしておるのです。こういうことなのですが、実際いまベトナムに行っておるアメリカの舟艇に乗っておるのはすべて直接雇用なのですか、どうですか。
  46. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 すべてでございます。したがいまして、直接雇用のもとに、日本政府といたしましては、外務省において、出国のための旅券を発行するという手続を講じておるわけでございます。
  47. 浜田光人

    ○浜田委員 すべてだというけれども、私が調査した範囲では、アメリカの舟艇へ、同じMSTSでも、日本人が混乗で乗っておる船もありますよ。貨物船の三千八百トンのクラス、これにも定員として外人が八名、日本人が二十八名、乗っております。こういうようにベトナム方面にどんどん航海しておる。私の調査はうそですか。
  48. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 それは事実でございます。私の申し上げましたのは、LSTというのは、いわゆる上陸用舟艇といわれます特殊の船型を持った米軍の船艇でございまして、これは当初、終戦直後におきまして、外地におりました日本人日本の国内に引き揚げるよう、日本政府が連合国軍司令官から命令を受けました。その際に、米軍から、引き揚げ用の船舶が不足をいたしておりましたので、上陸用舟艇を日本政府として借り受けたわけでございます。引き揚げに使用いたしておりまする間は、日本政府責任において運航をいたし、船員もすべて日本政府が雇い入れておったのでございまするが、その後、引き揚げ事務が終了し、その間、極東における事態の変転に伴いまして、これがあらためて米国政府に返還されるということに相なったのでございますが、その返還後には、一時間接雇用の形式で、日本政府が乗り組み員のお世話をいたしておった時期もあるように聞いておりますが、さらにベトナムの風雲が急になりましてから、この乗り組み員の雇用形態がさらに変わりまして、今日のような直接雇用の形態になったような次第なのでございます。その際に、従来からの乗り組み員が、待遇その他の関係で、みずからLSTに勤務することを選びまして、直接雇用のもとに働きたいということに相なりましたので、先ほど申したような手続で、現在乗り組みをいたしておるような次第でございます。  次に、貨物船等に、直接雇用でない形で乗っておる者があるではないかというお話でございますが、直接雇用の形態で乗り組みをいたしておりますのは、LSTだけが原則として直接雇用、これは全員そういう形態でございますので、その他の船舶の乗り組みにつきましては、LSTというものと異なりまして、間接雇用の形で乗り込んでおるというものがございます。これらの船舶は、その形も大きく、乗り組み員も日本人だけで船全体の責任を負うて運航するという形をとらず、米人その他の船員と共同して事務を分担するという形で作業をいたすために乗り込んでおる。これは直接雇用でない形でやっております。しかし、先ほど来申し上げましたごとく、LST型の船舶の乗り組み員は全部直接雇用の形になります。
  49. 浜田光人

    ○浜田委員 米軍の舟艇LST、その小型、LCMそういうものはやはり日本人を乗せておるのですよ。ちょっと小型だけであって……。アメリカの船に直接雇用、間接雇用として区別されておる。なぜ区別するのかということが一点。また、どちらが日本の船員のためになるのか。その点について……。
  50. 河毛一郎

    ○河毛政府委員 直接雇用と間接雇用の御質問でございますけれども、これにつきましては、現在二通りの形態があるわけでございまして、ただいま大臣から御説明がございましたように、LSTにつきましては、過去の長いいきさつがございます。そういういきさつから、現在直接雇用という形態をとっておるわけでございます。  それから、運輸省といたしましては、それがどのような雇用形式であるかということは、これはむしろ雇用契約の当事者、第一次的には当事者の問題であるというふうに考えております。  それから、現実の問題といたしまして、現在の直接雇用制度と申しますのは、関係者の意向を基礎にいたしまして実際に行なわれておるものでございまして、現在の形をいま直ちに変更するということにつきましては、なお相当の検討を必要とするのではなかろうか、こういうふうに考えておる次第でございます。
  51. 浜田光人

    ○浜田委員 答弁になっちゃないのです。むろん経緯、経過はあると思う。それは海運局もよくタッチしておるから知っておるだろうけれども、さっき大臣が説明をしたように、船舶運営会で復員業務をやっていたのは二十七年までですね。それ以降は米船運航会社として間接雇用でやっておった。そして三十六年から七年にかけて、徐々に直接雇用に転換しておるわけですね。ちょうどあたかもベトナムの紛争がどんどん激しくなってきたときです。そういうことはなににしても、少なくとも日本の船員をそういう雇用形態に切りかえるということは、軍が思うように使いたいという意図があることは察知ができるでしょう。同じそういうアメリカの舟艇に乗っておる。片一方は政府雇用、そういうところには間接雇用として保護を与える。いわゆるいろいろチェックができるような段階を持っておる。それを、しかもLSTという直接戦争にいとも簡単に参加できる舟艇を直接雇用にされたのでは、ますます危険じゃないでしょうか。しかも、ああしてベトナムに行って、特に混乗の場合、向こうの兵隊が船長、機関長で乗っておる船よりも、日本人のみが船長、機関長、デッキ員から船員の場合は、ずっと危険な個所にどんどんやられておるということを聞いておる。したがって事故もある。アメリカの船員は一つも事故を起こしておらぬ。こういう状態の中で、この直接雇用というものに対して、船員の所管省である運輸省は、三十七年からすでに五年たっておるのに、なぜ積極的に手が打てなかったのか。打とうとしなかったのではないか。そういう意味で、船員の主管庁である運輸省が、船員を乗り込ますのに、旅券で乗り込ますことが適当と思っておられるのかどうか。
  52. 河毛一郎

    ○河毛政府委員 ただいまのお話でございますが、ただいまお話がございましたように、この直接雇用につきましてはいろいろの経緯があるわけでございますが、その点につきましては、雇用条件その他の関係もこの形態には非常に大きな影響を与えておるわけでございます。それからまた、このような雇用形態というものをどのように考えていくかということにつきましては、先ほど申し上げましたように、第一義的には、私どもの考え方よりも、むしろ外務省なり防衛施設庁のほうのお考え方も十分伺う必要があるのではなかろうか。それからまた、そういういったこととはちょっと離れまして、船員保護という観点からどのように考えるべきかということでございますが、これは、私ども従来ともLSTについては非常に男心を持っておりまして、特に最近起こりました二つの事故のような相当検討すべき事態というものは、今回初めて起こっておりまして、それまで数件事故はございますけれども、これはまあ普通船舶に乗り込むということに関連して起こるような事故、あるいはまた、あやまって警官に撃たれるというような事故でございます。したがいまして、そのような観点からいたしまして、従来ともその安全確保については、私どもいろいろお願いしておるわけでございますけれども、今後もそのような点について一そう注意を払ってまいりたいと思います。
  53. 浜田光人

    ○浜田委員 運輸省がそういう安全を確保するような意図がなかったらたいへんなんだが、それを今日の期間までどのように具体的にやってきたかというのですよ。そこがなければ、いまの時点で——大臣は一カ月前に、それらを調査して対処しなければならぬ、こう言っておられるが、その一カ月むだに過ぎたのですね。ところが、その間に船員は死んでいっておるのです。だから、私質問しておるのは、運輸省の立場として、旅券等によって船員を船に乗り込まして運航さすことが妥当だと思っておられるかどうかということです。
  54. 河毛一郎

    ○河毛政府委員 旅券によりまして船員が船に乗るということは、現在のわが国の船員法の考え方と非常に密接な関係があると考えておる次第でございます。御承知のとおり、現在わが国の船員法が適用されますのは、日本船舶、及び日本船舶以外でございましても、たとえば日本法人であるけれども船舶法によって船の持てない日本法人がございます。あるいはまた、先ほどからお話ございましたような間接雇用の船員、こういったものに対しまして船員手帳を発給するわけございまして、現在の形におきましては、いまの直接雇用のものにつきまして船員法上の船員手帳を発行する余地は法律的にないわけでございます。ただ、そのことと、海外における日本船員の保護という問題は一応別のことでございます。これにつきましては、先ほど申し上げましたように、私ども現地に機関がございませんので、外務省に対しましても、旅券発行につきましては、十分この辺の御判断をいただくことを期待いたしておりますし、また外務省も、その点については、所管として十分な判断をされておる、こういうふうに考えております。
  55. 浜田光人

    ○浜田委員 答弁にならぬですよ。週刊誌にも載っておるが、あなたら運輸省はやはり船員を保護したり船員行政をやるところなんです。ところが、あの旅券で募集するものだから——前回も私言ったのですが、三十四犯という前科の人が応募したりしておるので、LSTの労務官はたまげておるのですよ。こういうことは、船員手帳なんかで防止できるし、またあり得ないことだと思うのだ。そこで同じアメリカの舟艇に間接雇用で日本の船員法を適用して保護をして乗り込ますことができれば、そのような雇用形態をとればできるわけでしょう。だから、いまの旅券が、おそらく出入国管理令で出されるだろうと思うのですが、その点をひとつ説明してください。
  56. 河毛一郎

    ○河毛政府委員 この点は外務省のほうからお答えすることが適当であると思いますが、いまの御質問のとおりであるというふうに私どもは理解しております。
  57. 浜田光人

    ○浜田委員 出入国管理令を見ても、乗員というのは必ずしも船員と書いてないわけです。乗り組み員ということになっておる。飛行機の搭乗員、船舶の乗り組み員、そうすると何か旅券はなくても乗れるような気がするわけですね。いまの乗員は管理令から除外になっておるのですね。そうすると、これはやがて非常に危険な状態が来やせぬかと思うのです。いまのようなシステムをずっと踏襲していくと、米軍が今度はかってに日本の船員を連れてどんどん乗り込ませていけるようになりはせぬか、これを非常に心配する。したがって、これらを防止するためにも、やはり地位協定の十二条に基づいた間接雇用の方向に持っていって、日本の国民、船員を保護していく、こういう方向にいかなければならぬと思う。そうしなければ最終的に擁護できないと思うのですよ。そういう点についてどういう見解を持っておられますか。
  58. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 御意見はまことにごもっともと思って傾聴いたしておるのでございますが、御承知のとおり現在直接雇用、間接雇用の二つの方法がございます。特に、そのうち直接雇用につきましては、日本船舶の乗り組み員と違いまして、米船に乗り込むということに相なっておるわけでございますので、賃金その他の待遇におきましても、日本船舶の乗り組み員とは非常な違いがあるようでございます。現実にLSTの乗り組み員として働いておられる方々は、現在の雇用形態のもとに自発的に進んでかような業務に挺身しておられる、こういう方が多いわけでございますので、にわかにこれを間接雇用一本にするということもなかなかできかねる状態だと思うのでございます。ことに非常に危険な作業に従事する仕事ではないかという点でございますが、先ほど来申し述べましたがごとく、実はいままでLSTが戦争事故によりまして乗り組み員を負傷させたというのは、一カ月ほど前に起こりました事件が全く最初でございます。そこで、当時私といたしましては、こういうことが始終繰り返されるようでは、これは政府としても、たとえ本人の希望があろうとなかろうと、国民の保護という立場で十分安全な措置を講じなければならない、こう申しておったのでございます。その後続いてもう一回事故があったのでございますが、これはまことに遺憾なことでございまして、私どもは、はたしてこういう危険な業務に依然として引き続きLSTを従事させる考えでアメリカ政府がおるのかどうか、その点をなお確かめた上で最終的な処置をきめることが適当だ、こういうふうに思いまして、目下米国政府に対していろいろ照会をいたしておるというような次第なのでございまして、決して金にさえなればどんな危険なところへ行こうと、これは本人の自由であるというような考えを最後まで持っておるわけではございませんので、この点はひとつ御了承いただきたい思います。
  59. 浜田光人

    ○浜田委員 そういたしますと、たまたまと言われますが、斎藤さんが死亡したのは三十九年十一月、ダナンでベトコンと間違えられてやられているのですよ。これはやはり動乱の犠牲者ですよ。そして昭和二十四年に、朝鮮動乱の非常に混乱期であったけれども、これでは船員が直接雇用でいろいろその保護ができぬから、運輸省も船員法の適用をやりなさいということで、あの駐留軍の船員もすべて間接雇用に切りかえたのです。しかも、さっき言われたように、LSTに乗っておった人は、運営会から、運航会社から経緯をたどってみても、その間はずっと間接雇用で何とか保護してきておったわけですよ。それがどうしてベトナムのときに直接雇用に切りかえさして、そしていとも簡単に動乱地に連れていかすようなことをやるのかということが問題なんです。したがって、いま突然起きた事柄ではないのだから、私はまずそういう間接雇用に切りかえて、そしてチェックするようにして保護していくことによって制度の適用をすれば、実際自分が危険なところへ行くまいと思ったら行かぬでも済むわけですよ。ところが、いまのような旅券では、一たん乗ってしまってからでは、おりようと思ってもそうはいかない。そういうこまかい行政上の事務的なことをやっていくことによって、実際日本の船員の保護ができるんですよ、大臣。まずやるべきことをやらずして、ただ危険な水域へ行かぬようにしてくれ、かって間接雇用時代に、あの朝鮮動乱のときに、どうでしょう、いまよりもっともっと北から飛行機も来たりして危険な状態ですよ。いまは岸壁に着けなければまずまずという状態なんだ、こういうことを言っておられる。あのときだって、間接雇用なるがゆえにそういう危険水域へは行っちゃいかぬ、行かしちゃいかぬということを政府も盛んに言われて、当時事故が起きておらぬでしょう。そういうところに間接雇用と直接雇用の差異があるんです。いろいろ給与、保護の面もあるかもしれぬ。少なくとも日本政府のほうの代表機関である運輸省は、そういうところはすみやかに具体的に手を打つべきだと思うのです。再度大臣の所信を聞きたい。
  60. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 だんだんごもっともな御意見を重ねて伺っておるのでございますが、私は乗り組み員の保護ということにつきましては、政府は万全の措置を講ずべきでありまして、間接雇用たる直接雇用たるとを問わず、いやしくも日本人が、このたびの戦争に際して無意味な犠牲になるということは断じて許されるべき事柄ではない、こう思うのでございまして、現在LSTの雇用制度は直接雇用ではございますが、しかし、私といたしましては、この問題については、間接雇用と同様に、日本人の生命、身体をあくまでも守るために、今後とも米国政府と根強く交渉を続けて、必ず実効をあげるようにいたしたいと存じております。
  61. 浜田光人

    ○浜田委員 そうすると、安保条約地位協定十二条の四項は、やはりこういう直接雇用にもあてはまることだ、このようにいまの大臣の答弁で理解していいんでしょうか。
  62. 河毛一郎

    ○河毛政府委員 地位協定の十二条の四項の問題は、私どもが伺っております範囲におきましては、間接雇用の関係でございままして、ただ、地位協定のこの四項は、直接雇用というものを排除しておるものではない、こういうふうに私どもは考え  ております。
  63. 浜田光人

    ○浜田委員 排除している意味じゃない——事実さっきも、政府雇用の船員は間接雇用だと言われたでしょう。政府雇用にせぬと船員法からいって間接雇用にできないのでしょう、法律の専門家であるあなたたちが。そういうようにしたら、動乱地にどんどん自由に連れていかれぬから直接雇用にしているのですよ。その点を言っている。
  64. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 あるいは、米軍はそういう意味で直接雇用の制度に切りかえたのかもしれませんが、日本の船員を保護すべき立場にあります日本政府といたしましては、日本の船員の生命、身体については、どこまでも完全なる保護をしなければならぬ立場でありますので、直接雇用であろうと間接雇用であろうと、いやしくも日本人の貴重な血がこのたびの動乱の犠牲になることのないように、今後とも最善を尽くす考えであると、かようなことを先ほど申し上げた次第でございます。
  65. 浜田光人

    ○浜田委員 それならアメリカと折衝して、危険な個所へ連れていくな、そういう折衝をする前の作業として、日本でそういう間接雇用にするよう、できるだけ船員法の適用をして船員の保護をしていく、こういうまず前段の作業を煮詰めていくことが、政府としてのやるべき段階であると私は思うのですが、その点どう思われますか。
  66. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 この点につきましては、いろいろ乗り組み員本人たちの意思もあるわけでございまして、これらの方々は、米船への乗り組みということを自己の自由意思に基づいて発意され、またこれを実行されておるわけでございまして、いわばこのことは職業の選択の自由ということの一つのあらわれでもあるわけでございます。しかし、いかに御本人としては職業選択の自由であるといいましても、政府といたしましては、すべての国民を保護するというとうとい使命を負うておるのでございまから、本人の自由意思であろうとも、危険なる個所にこの船が立ち入るという場合におきましては、船員の引き揚げその他を考えるのは当然なのでございまして、ただいまの段階では、その危険の程度について十分な認識を得たい、それによって最終的な判断を決定する資料にしたい、こう考えて調査を集めておる段階でございまして、この調査はただいま大使館を通じて米国政府と折衝をいたしておるわけでございます。
  67. 浜田光人

    ○浜田委員 船員という職業、これは政府雇用にした間接雇用で同じ職場にいるのですから、変わりゃせぬのですよ。それは選択の自由であって、同じですよ。ただ、日本法律に守られるかどうか、適用されるかどうかという差異だけだ。日本政府としては、当然日本がつくった法律に基づいて保護してやるのはあたりまえでしょう。それをまずやることが必要なんだ。たとえば、この地位協定というものは、日本の領域だから、これを適用さしたんだったら、あんなところまで出られぬはずなんだよ。そういう点で言っているのです。
  68. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 先ほど来申し上げましたごとく、この間接雇用も必ず危険なものだということならば、私どもも必ずこれに対して改善の指置を講じなければならぬと思うのでございますが、日本政府側の要求によりまして、危険なところへは絶対に使わないというような保証が与えられるならば、日本政府といたしましては、できるだけ現在の雇用形態で進めていくことが、船員の本人たちの意思にも合致するものではないか、こういうことを思っております。  このことがいろいろな政府対策の前提になっておるのでございますが、それじゃそういう前提を置いた理由は何かということになりますと、これは直接雇用ということになりますと米国政府の使用人という形に相なります。間接雇用ということになりますと日本政府の使用人ということになりますので、現在の両国間の賃金水準等をもとにして考えますと、賃金上の待遇が違ってくるおそれがある。このことがはたして本人たちにどう受け入れられるか。はたして本人たちの利益を守ることになるかどうか。この辺の見込みも十分つけたいと思うような次第でございます。
  69. 浜田光人

    ○浜田委員 私はおかしいと思うのです。いま賃金水準のことも言われたし、それから本人の意思とも言われたが本人の意思は実際は間接雇用で、日本政府が労務の提供をして、同じような場所へ、同じような航海状態で行くのですよ。LSTに乗っても、小型に乗っても行っているのだ。どこが違うのだろうか。したがって、かりに直接雇用でやるのなら、契約の写しを自後でもいいから出してもらいたいのです。保護をしようとするのだから、おそらく全日海との契約書が運輸省にもあるでしょうから出してもらいたい。ひとつこれを資料提出として要求しておきます。  それから、賃金をかりに軍がそれだけ出しておるのならば、アメリカの船員、ベースで出しておるのならば、政府が地位協定に基づいて軍と協定を結ぶときに、それは政府が全日海にかわって結ぶのだから、こんなに安定したところはないでしょう。それと同じような給与条件がどうしてとれないのですか。両方ともできぬことはないでしょう。
  70. 河毛一郎

    ○河毛政府委員 ただいまの両雇用形態による給与制度の問題でございますが、これは先ほどお話がございましたように、LSTの船員につきましては、日本人船員人事管理規則というものがございまして、これによってきまっております。それから、間接雇用の点につきましては、防衛施設庁のほうで別途おきめになっておるわけでございまして、この内容は非常に複雑でございまして、単純に比較することは非常にむずかしいと思うのですが、少なくとも言えますことは、現在のLST乗り組み員の大半の者は、直接雇用形態による労働条件というもの、むしろそれによりたいという希望が強いということは申し上げられると思います。
  71. 浜田光人

    ○浜田委員 そうすると、この問題の最後として、結局はこの直接雇用のLSTに乗っておるのは、地位協定の適用をしたのではベトナムに派遣ができぬので、やはり直接雇用で自由に連れていくという取りきめをしておかなければぐあいが悪い、このように理解せざるを得ないのですが、それでいいですな、大臣
  72. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 ベトナムへ連れていくということだけならば、私は間接雇用でもよかろう、何も直接雇用にしなければならぬという事柄ではないと思うのでございます。ただ、アメリカ政府が、LST船舶の管理運営その他全般を考えまして、かような直接雇用の道を選んだろう、こう思うのでございます。そこで、私どもといたしましては、ベトナムへ連れていこうが、あるいは他のところへ連れていこうが、それは直接雇用であろうと間接雇用であろうと、アメリカ政府の船でございますし、船員たちの同意を得ればこれは自由でございます。要するに、日本政府といたしましては、どこで船舶を使おうとも、あくまでも日本船員のとうとい血潮を犠牲によるような危険なことだけは絶対に避けてもらいたい。こういうことは、直接雇用であろうと間接雇用であろうと、日本政府としては当然主張すべき立場にありますし、また、主張することが日本政府責任でもある、こう思うわけでございまして、政府といたしましては、そういう意味で今後とも船員の保護には万全を尽くしたいと存じております。
  73. 浜田光人

    ○浜田委員 ではLSTの問題は、理解ができないけれども後日にします。  次には、すでに西九州あるいは中国地区において海運汚職が三十九年から二回、三回と起きておることは御承知と思います。そこで私は、どうも運輸関係、陸運局でもそうですし、海運局でもそうでありますが、何かこういう汚職事故をしばしば起こしておるのであります。たとえば船舶の検査にあたって検査官が何十万というお金を取ったり、しかも海運局の職員が手紙で五十万円よこせとか、業者にこう言ったりしているのですね。こういう事件に対して私たち地方におるときでも何か苦々しい感じを持っておった。これは陸運局関係でも、自動車の免許に対してしばしばある。そこで、ことしの二月から先月までに広島県警と広署が合同でいろいろ捜査をして九人ばかり逮捕しておるのであります。こういう事件に対してむろん報告はきておると思うのでありますが、まだこれから拡大する可能性もあるようでございますけれども、どのように把握しておられるかどうか。
  74. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 九州の事件につきましては、当省といたしましても報告を受けておりますが、御指摘の広島の事件はいまなお報告を受けておりません。きょうにもさっそく現地に照会して内容を調べたいと存じます。  そこで、汚職の問題につきましては、これは政府機関の権威を維持し、国民の信用を維持していくということが、政府の権力行使の根本でございますので、私といたしましても、就任以来厳に戒めているところでございます。このたびこの問題が、当委員会において浜田先生の御質問を通じて取り上げられるということになりましたことは、まことに申しわけない次第に存じます。この御質問を機会に、即刻関係各支分部局に通牒をいたしまして、御質問の趣旨をよく伝えまして、この際一段と綱紀の粛正に留意をいたさせたいと存じます。
  75. 浜田光人

    ○浜田委員 広島のほうは現場は広島なんです。木乃江造船所なんです。船主は蒲刈なんです。職員は九州海運局若松支局なんです。それと高松やら……。だからこれもおかしいと思うのです。中国海運局の職員はいまのところは今回の事件には入っておらぬ。ところが、この九州海運局は、三十九年の十二月にやはり船舶検査に対しての汚職事件を起こしておるのですね。そして、またまた大きな事件を起こしておる。広島では保険金詐欺も起きておる、これは一年ほど前だけれどもね。陸運汚職というものも大々的に報道されておる。それを見ると、何か機構上か人の採用か、これらに対して私は欠陥があるのではなかろうかと思うのです、しばしばこういう事件が起こるのは。そして二年前に起きてからその後どのような対策を立てられたのか。これは言語道断だと思うのですよ。そういう証明を出して、その返しとして五十万よこせ、二十万よこせと要求しておるのですね。よく聞くのは、検査に行く職員が、駅に迎えにこいというて要求するとか、晩の宿屋の飲み代というのは全部船持ちとか、これはもうあたりまえのごとくやらしておるのだ、こういうのですね。だからそういう点が改善されたら——あるいは機構なり人なりにどういう手を打たれたのか。それをおざなりにしておくと、また一年か二年たつうちに起きていくのですよ。どういう対策を立ててこられたのですか。
  76. 町田直

    ○町田政府委員 ただいまお話のございました広島の件は、私ども報告を受けております範囲では、広島の船主が九州の造船所で船をつくりましたときに、御指摘の九州海運局の若松支局の検査官と職員一人が汚職容疑で逮捕された、こういうことに聞いております。したがいまして、今回のいま御指摘のありました件は、広島でございませんで、海運局としては九州海運局ということでございます。それから、ただいま種々御指摘のあったような事実がございますとすれば、まことに申しわけないことだと思っております。私どもといたしましては、かねてから綱紀の粛正につきましては十分注意をいたしておりまして、特にこういう事件がございました場合には、直ちに地方海運局あるいは陸運局長会議を開き、または支局長会議を開きまして、部下職員の監督を一そう厳重にするという処置を講じますとともに、大臣名あるいは次官名の通牒を末端まで出しまして、綱紀の粛正を徹底してやるということを考えて実施しております。それにもかかわらず今回こういう事件が起こりましたことは、まことに申しわけないことでございまして、さっそくあらためてなお一そうの綱紀の粛正をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
  77. 浜田光人

    ○浜田委員 気持ちはわかるのだが、ただそういうように通牒を出したとかいうことでは是正できないのじゃないかというのです。たとえば陸運局の自動車部長は短期間でかわる、新しいのが来る、すると若い職員に何もまかしておる、その言うとおりやらしておるとか、事情がわからぬから聞くとか、今回のこの九十万の贈収賄でも、ほとんどが若い人ですね。検査官には造船所の技師をしておったのを入れた、それがそういう船主とかつての関係がある、そこへ頼んでほかの総務課の人間も手伝わせた、こういう事件なんですね。そうすると、同じような状態が九州海運局、これは造船所は広島です。広島県豊田郡木乃江でつくった船です。だから、九州海運局で同じような事件を二回も起こしておる。ほんとうに、手を打ったと言われるが、具体的にそういうことをなくしようというなら、役所のただ一枚の通牒では何か足りないような気がする。根本的にこういう問題はやらぬと、ますます信用なくなりますよ。何か運輸省関係、陸運局、海運局関係に対しては、暗いということをよく地方で私たちは話を聞く。大臣、あなたは法律の専門家だと私は聞いておる。あなたのかわいい師弟の永野さんが広島県知事ですが、非常に暗い感じをおそらく持っておるだろうと思う。そういう点で強く要望しておきますから、徹底的な手を打って、再びこういう事件を起こさないようにやっていただくことを強く要望しておきます。
  78. 關谷勝利

  79. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 まず外務省のほうにお尋ねしておきますが、現在の板付基地の状態は、地位協定二条四項(a)にいう「合衆国軍隊が一時的に使用していないときは」というこの条項に該当する状態かどうか、まずお聞きしておきます。
  80. 浅尾新一郎

    ○浅尾説明員 お答えいたします。ただいまの御質問の趣旨は、板付の米軍の基地が第二条四項(a)にいう一時的に使用していない状態であるかというふうに私は了解しておりますが、そうではございません。しかしながら、共同使用の根拠は、この二条四項(a)ということで、国内航空及び外国航空機に使用させております。
  81. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 二条四項(a)にいう一時的に使用していない状態と違うと、あなたは言うのですか。いまの板付基地はどうして違いますか。
  82. 浅尾新一郎

    ○浅尾説明員 全体としてその板付の基地が全く米軍が使用していない、あるいは一時しか使用していないという意味では、一時的に使用していないと言われると思います。
  83. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 それでは一時的に使用していないという状態は、どういう状態の基地をいうのですか。
  84. 浅尾新一郎

    ○浅尾説明員 たとえば米軍がそこに駐留しておりましても、米軍だけで使用するには時間的にもあるいは場所的にも余裕がある場合には、一時的に使用していない、こういうふうに了解しております。
  85. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 それではいまの板付基地の状態は、そういう状態じゃないですか。
  86. 浅尾新一郎

    ○浅尾説明員 私がいま申し上げたような態様ににおいては、一時的に使用していないというふうに了解してよろしいと思います。ただ、最初に申しげましたように、全般的に全く使用していないという意味ではございません。
  87. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 この二条四項(a)というのは、あなたの言うような厳密な意味の場合だけを想定しておるのじゃないのですよ。そういう基地がありますか。あなたが言う意味に該当する事例は、いままでありましたか、日本の基地で。
  88. 浅尾新一郎

    ○浅尾説明員 私がいまあとから申し上げました時間的あるいは場所的に余裕のあるという基地はございます。
  89. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 どういう基地ですか。
  90. 浅尾新一郎

    ○浅尾説明員 私いま手元に資料を持ってきておりませんで、こまかい点は施設庁のほうがよく知っておると思いますけれども……。
  91. 澤雄次

    ○澤政府委員 たとえば調布飛行場でございますが、これは米軍が管理している飛行場でございますが、米軍の飛行機はほとんどおりませんで、日本の民間機が二条四項(a)に基づいて使用いたしております。
  92. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 それでは、板付基地と調布の基地ですか、どう違いますか。
  93. 澤雄次

    ○澤政府委員 これは比較にならないのでありまして、調布のほうはほとんど使用いたしておりませんが、板付は、米軍に提供いたしておりますので、私どものほうは米軍の活動状況の数字的な資料を持ち合わせておりませんが、まだ米軍の戦闘機等が使用を行なっております。
  94. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 施設庁はまだ来ていないのでしょう。防衛施設庁は来ておられますか。——あなたは航空局長だから詳しくないかもしれないが、板付基地には米軍の実戦機の部隊はいないのですよ。ほとんどどころか、あそこはいないのですよ。調布のほうはほとんど使っておらぬとおっしゃいましたが、板付はほとんどじゃないのです、あそこはいないのです。とするならば、調布が二条四項(a)に該当するならば、板付はますます該当するじゃないですか。
  95. 澤雄次

    ○澤政府委員 ちょっと申し足りない点があったかもしれませんが、調布は全然おりませんのですが、板付は御承知のように、これは訓練のためかもしれませんが、ときどき米軍の戦闘機が来て訓練を実施いたしておるように聞いております。
  96. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 ときどきですね。ときどきちょっと来ることがあるのです。あなた、何か言いたいことがありそうですが……。
  97. 浅尾新一郎

    ○浅尾説明員 私、別に航空局長の言われたことに申し加えることはございませんが、板付基地はいわゆる待機基地というふうに言われておりまして、いま御指摘のように、ときどき戦闘機その他の飛行機が飛来するということであります。
  98. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 それで、板付のいまの状態は、二条四項(a)に該当するのでしょう。しないのですか。
  99. 浅尾新一郎

    ○浅尾説明員 ただいま先生の言われた意味では、二条四項(a)に該当いたします。
  100. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 先生が言われた意味ではとはどういうことか私わかりませんけれども、板付基地の現状は二条四項(a)に該当するかと言ったら、あなたは最初は該当しないとおっしゃいましたな。そして私のその後の言い方を聞けば該当するといまおっしゃったわけですが、どういうことでしょうか。大臣、あとから大臣に聞きますから、経過を聞いておってください。
  101. 浅尾新一郎

    ○浅尾説明員 最初の御質問が二条四項(a)にいいます「合衆国軍隊が施設及び区域を一時的に使用していないとき」という場合で、これは時間的にもまた場所的にもほとんど使用していないという意味に私とりましたので、そう申し上げたわけであります。ただ、たまに飛来する、あるいは具体的に米軍の活動が非常に少ないという意味では、まさに二条四項(a)にいう状態だと思います。
  102. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 だから、いろいろ飾りはいいですよ。二条四項(a)に該当する状況ですね、いま板付は。
  103. 浅尾新一郎

    ○浅尾説明員 そのとおりでございます。
  104. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 それではっきりしました。二条四項(a)に該当していないとおっしゃったら、その後たいへんなことになるのですけれども……。  実は、前の中村運輸大臣のときに、当時の航空局長は佐藤さんでございましたが、お尋ねをした、それで約束をされた問題のその後の処理を、実はお聞きしたいわけであります。昭和二十六年十月以来、日本の民間航空ですね、日本航空、全日空、国内航空それから東亜航空、この四つの日本の民間航空会社が板付を使用しておりますね。そうしてその使用の根拠は、今日まで十六年間になりますが、地位協定の第三条で米軍に了解を求めて、日本の民間航空は板付を使っておる。いうならばやみで使っておるわけですね。ところが、四十年九月に大韓航空とキャセイ・パシフィックが板付に乗り入れするようになった。そこで、その使用の根拠を米軍の管理権の三条によるのではなしに、いま問題にしました二条四項(a)に基づいてこの乗り入れをやらしたわけです。これは十六年間、日本の民間航空は、いうならばやみで屈辱的に、法的にはこっそりといまに至るまで使わしてもらった。ところが、外国の航空会社の乗り入れについては、堂々と合同委員会にかけてやらなければならない。二条四項(a)によって乗り入れを許した。これはおかしいではないかといって問題にしたわけです。早くこの日本の民間航空の板付基地使用についても、公然と二条四項(a)にその根拠を求めるべきではないかと意見を出した。そのとおりでございますと運輸大臣も、航空局長も、防衛庁の施設部長もおっしゃった。その後どうなっておるか、お聞きをしたい。
  105. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 楢崎委員におかれましては、かねてから板付飛行場の問題につきましては注意深い御研究を進めておられるのでございまして、常に権威ある御発言をなすっておられる次第でございますので、昨年地位協定との関連におきまして当時の運輸省を御指導くださいましたことは、運輸当局としても非常に感謝をいたしておるところでございまして、見識ある先生の御指摘でございまするので、当時の運輸省といたしましても、まことにそのとおりであるとお答えをいたしますと同時に、日航以下十二社の板付使用について四十一年五月十七日に日米合同委員会に付託いたしまして、第三国機の板付乗り入れと同様、地位協定第二条第四項(a)に基づき、日本政府が共用者としての立場で民間機にも飛行場の使用を認める、こういうことが同日の日米合同委員会において合意されまして、十二月十三日閣議決定を了したような次第でございます。したがって、現在は、地位協定第二条第四項(a)に基づいて日本政府が共用者として民間機に板付飛行場を使用させておるというのでございまして、御発言が契機になりましてかような合理的な結論を得るに至りましたことは、運輸省としても先生に心から感謝をいたしておる次第でございます。
  106. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 ちょっと日にちを確かめておきますか、四十一年五月十七日の合同委員会ですか。そして四十一年の十二月十三日の閣議決定ですか、もう一回、すみませんが。
  107. 澤雄次

    ○澤政府委員 ただいま先生のおっしゃいましたどおり、四十一年五月十七日の合同委員会、十二月十三日の閣議決定でございます。
  108. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 これは私はよかったと思うのです。てこで、これは、そうすると、政府のほうと民間会社と契約をなさっておるわけですか。
  109. 澤雄次

    ○澤政府委員 さようでございます。
  110. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 文書等で契約されておるのですか。
  111. 澤雄次

    ○澤政府委員 運輸大臣が使用権を——これまたあとでおしかりを受けるかもしれませんが、形式的に使用権を確立いたしまして、この使用権に基づいて民間会社に使用を許可いたすわけでございます。
  112. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 あらかじめいわれましたけれども、大韓航空とキャセー・パシフィックの乗り入れのときも、契約があいまいだった。だから、そのときに、そういう契約というものは明確にすべきであるという意見を出したはずですよね。単に口で——まあ文書か何か知りませんが、協議をしたというだけで、契約関係はどういうふうになっておるのですか。
  113. 澤雄次

    ○澤政府委員 日米合同委員会でこういう二条四項(a)による使用権を日本政府に設定したということを、各航空会社に文書で通知をいたしております。
  114. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 そこで、日本政府が使用権をまずとって、そして民間会社に使わしておる。それは法的な関係も非常にはっきりして、私はいいと思うのです。ただし、それは契約書が取りかわされる必要があるんじゃないですか。
  115. 澤雄次

    ○澤政府委員 通常、飛行場の使用には、契約書と申しますか、運輸大臣の設置及び管理します飛行場につきましては、飛行場管理規則に基づきます使用規則を出しまして、その使用規則を守るものには使用を許しておるわけでございます。それで着陸料も、それによりまして、従来大蔵省が取っておりましたのを切りかえて、運輸省が着陸料を民間会社から取っておる、こういうことでございます。
  116. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 当然その問題は起こると思うのです、使用料といいますか、滑走路を使う。それは大蔵省、これもずっと問題にしてきたのですけれども、大蔵省の時代も、この損料というのですか、これを取っておったのです。しかし、その取り方があいまいなんです。いつも御答弁でお困りであります。そういうものをこの際どうして明確にしないのですか、使用料なら使用料を年に幾らなら幾らと。どう思われますか、局長。
  117. 澤雄次

    ○澤政府委員 使用料は、これは明確に取ることにいたしたわけでございます。
  118. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 だから、私は明確な契約書がかわされる必要があるんじゃなかろうかと思うのですが、その点はどう思われます。
  119. 澤雄次

    ○澤政府委員 契約書をかわしてございませんが、運輸省の管理します飛行場の使用料、着陸料その他の使用の規則がございます。これを民間会社に交付しておりますので、それに従って着陸料を徴収いたしておるわけでございます。
  120. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 私は、やはり明確な契約書というものがかわされる必要があろうと思います。そこで、それは今後やまり検討してもろわないと、外国の民間航空との問題もありますから。これは契約書をかわされておるのですね。
  121. 澤雄次

    ○澤政府委員 これは二条四項(a)によりまして、運輸大臣が使用権を米軍から取得いたしておりますので、公共飛行場といたしまして、運輸大臣の公共飛行場の使用規則というものに基づきまして、着陸料その他全部規定されておりますので、それに基づいて徴収いたしておるわけでございます。外国航空会社とも、運輸大臣は契約をかわしておりません。
  122. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 それでは、同じような形でやっておるということですね、簡単に言えば。これは私は、やはり明確な——日本の航空の場合は内輪というあれもあるかもしれませんが、しかし、外国の航空会社とのそういった乗り入れについては、契約書等は明確になる必要があるのではなかろうかと思うわけです。これはひとつ大臣検討していただかないと、今後何らか問題が起こってきます。私はそれを指摘しておきます。  そこで、外務省にもう一ぺんだけ聞いておきますが、この二条四項(a)で、日本政府が使用権を獲得した。これは国みずからが使うか、日本国民に使わせるという条項ですね。これは外国の飛行機に使わせるということはないわけですね。その辺どういうふうな解釈になっておるのですか。
  123. 浅尾新一郎

    ○浅尾説明員 ただいまの御質問に対して、私たちの考え方は、御指摘のとおり、二条四項は日本政府がみずから使用する、あるいは日本国民が使用するということでございますが、日本政府がみずから使用する場合に、外国機に対してそこの場所を貸して使わせるということは、この条項は禁止してないということでございます。
  124. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 防衛庁の施設部長さんにお尋ねしておきます。これも一点だけでよろしゅございます。  あなた方は、米軍以外の自衛隊でも民間航空でもいいのですが、民間航空ははっきりしました、二条四項(a)というもの。自衛隊等との関係でどういう——訓練でときどき来ておりますよ、自衛隊機が。この自衛隊機の来方がどういう状態になれば——いまの自衛隊がときどき使っているのは三条ですね、三条によつて使っておりますね。どういう状態になったら、二条四項(a)に切りかえなくてはならないと思われますか、使い方が。
  125. 鐘江士郎

    鐘江政府委員 ただいま板付の飛行場につきまして、先生から御質問がありました自衛隊の使用の問題につきましては、従来航空自衛隊といたしましては、飛来中に天候が非常に悪くなったあるいは機体に故障を生じたといった場合には、もよりの飛行場に着陸しなければならないという事態が間々あるわけでございまして、そういう意味合いにおきまして、従来航空自衛隊といたしましては、板付の飛行場におりなければならない事態を想像いたしまして、慣熟訓練といたしまして、ときたま使用しておったわけでございますが、それは米軍との話し合いによりまして、三条の管理権に基づいて使用しておったわけでございますが、先生もすでに御承知かと思いますが、近き将来宮崎県の新田原の飛行場の滑走路を修復しなければならないという事態にさしかかっております。そうしますと、勢い新田原の基地のジェット機をどこか一時ほかの飛行場に移して使用しなければならないという事態になることを想像しておりますが、その際、いま想像されますところでは、約三カ月間くらいほかの飛行場に移らなければならないのではないかということが想像されます。そういう場合には、私どものただいまの考え方といたしましては、はっきり三カ月なら三カ月問、日米双方で話し合いの上、二条四項の(a)の形によりまして使用したい、かように考えております。
  126. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 これは直接運輸省と関係がありませんから、いずれ防衛関係が当委員会にかかりましょうから、そのときに徹底的にやりますけれども、いま私が聞かないことまでおっしゃったんですが、一つだけ確かめて、質問をやめたいと思います。  いまのお話によりますと、自衛隊の新田原の第五航空団ですか、これが滑走路を補修するために、その間約三カ月、できれば板付基地を使用したいその際は、二条四項(a)によりたいというお話です。一つだけ承っておきます。それはすでに合同委員会に出されておりますか。もし出されてないとすれば、いつごろ出されますか。
  127. 鐘江士郎

    鐘江政府委員 ただいま板付の一時使用の問題につきましての御質問でございますが、現在そういう計画がございますけれども、どうしても板付飛行場を使用しなければならぬかどうか、そういった点がまだ最終的に煮詰まっておりません。したがいまして、先ほど私が申し上げましたのは、かりに近き将来、板付を使用する、使用したいということが明確に防衛庁といたしましてもそういう方針がきまった際には、二条四項(a)の形で使用したいということを申し上げておりまして、今日の段階におきましては、まだ板付飛行場を使用するということはきまっておりません。したがいまして、米側とも下交渉もやっておらないというのが、実情でございます。
  128. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 要するに、それは先ほど言いましたように、いずれ防衛関係のときに、私もその点は十分調べておりますから、やりますけれども、施設庁としては、三カ月くらい部隊が米軍基地を使用する際に、二条四項(a)によらなくてはならない、三条ではできないという御見解と承っていていいですね。
  129. 鐘江士郎

    鐘江政府委員 従来、この二条四項(a)の議論が起こりました際に、三条で使用するということになりますと、二条四項(a)、あるいは三条のいずれの方法によりましても、使用内容については一見相違はなかったわけでございますが、ややもいたしますと、三条ということになりますと、ずるずるべったりに共同使用されるのではないかというような御懸念も地元にあるやに考えますので、この際、私どもといたしましては、三カ月なら三カ月間を限って、その目的はこういうわけであるということをはっきりいたしまして使用したほうが、地元の皆さんにも誤解を招くようなことがないというふうに考えられますので、私どもといたしましては、二条四項(a)の形で、正式に共同使用したい、かように考えて薫ります。
  130. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 これで終わります。
  131. 關谷勝利

    關谷委員長 木原実君。
  132. 木原実

    ○木原(実)委員 成田空港の問題につきまして、運輸大臣にお伺いをいたしたいのですが、成田空港の建設がきまった、こういう状況でございますけれども、航空法その他に照らしまして遺漏がないかどうか。特に空港設置の手続につきましては、航空法に基づいて施行される、こういうたてまえになっておるわけでありますけれども、はたして遺漏がないかどうか、まずお聞きをしておきたいと思います。
  133. 澤雄次

    ○澤政府委員 飛行場の設置、管理に関します航空法の規定は、遺漏なくやっております。
  134. 木原実

    ○木原(実)委員 大臣にお伺いしますけれども、現在の成田空港の規模では、大体完成後十年くらいは使用にたえられる、あとはその先で考えるのだ、こういう意味の御発言があったように聞いておりますけれども、そういうお考えでありますか。
  135. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 お説のとおり私は考えておるのでございまして、成田空港は、大体年間二十六万回離着陸させるだけの能力をもっていま設計されておるのでございます。この能力から見ますと、いまのままで航空界が発展していくということになりますと、大体十年後には満ぱいというようなことが予想されるのでございますが、そうなりますと、完成に五年、その後十年、十五年から以降の問題をどうするかということになるわけでございますが、ただいま政府といたしましては、まず五年後に当然必要となる成田空港の建設を急ぎたい。十五年後のことにつきましては、その間に航空機の構造その他いろいろ今日予想できないような進歩、また変化もあるわけで、これは成田空港完成後において十年後のことをあらためて心配する、こういうことが実際的であろう、こう思いまして、そういうふうな考えで進んでおります。
  136. 木原実

    ○木原(実)委員 わかりました。新しい空港公団法、これの第二条には、「長期にわたっての航空輸送需要に対応する」云々、こういう項目があります。そうすると、はたして十年というのは、空港の耐用年数としては長期なのかどうか。多少あげ足をとるようですけれども、その辺いかがでしょうか。
  137. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 十五年後におきましても、成田の飛行場が役に立たなくなるというのではないのでございまして、成田飛行場、羽田飛行場、これは十五年後においても、その効用をむろんフルに発揮してまいらなければならぬのでございまして、ただ、いまから航空機が非常にふえるであろうというような点を考えますと、この二つだけでは足りなくなるだろう。第三の飛行場を東京都の周辺において考慮すべき段階になるであろう。それは成田空港完成後において、時代の状況をながめながらあらためて検討をすべき事柄だ、こう考えることが今日実際的であろう、こういう意味でございます。
  138. 木原実

    ○木原(実)委員 そうしますと、将来にわたって成田空港を再び拡張をするという見通しでございますか。
  139. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 将来成田空港が拡張可能なものならば、十五年後に備えまして、成田空港完成後、あらためてそういう問題を考慮するべき時期もありましょうし、また、その時期において成田空港の周辺が拡張不可能の状況になっておりますならば、第三の土地に新しく飛行場を求めるということも、その段階で考えなければならぬと思います。
  140. 木原実

    ○木原(実)委員 航空局長にお伺いしますけれども、いまの成田空港の敷地でございますね。はたして空港として条件が満たされておるかどうか。たとえば地盤の問題がございますね。かつて千歳空港で、何か地耐が弱くて陥没をした、こういうような事例があったように聞いておりますけれども、はたしてその辺の調査が十分にできた上で建設計画をお立てになったかどうか。
  141. 澤雄次

    ○澤政府委員 成田空港につきましては、これは先生御承知のようにいろいろ問題がございましたが、富里地区と地盤、気象条件その他が非常に類似いたしておりまして、ほとんど同じでございます。そこで、この地区の飛行場につきましては、その地盤、気象状況その他につきまして、運輸省といたしまして、年月をかけて調査いたしております。先生御指摘の、関東ローム層といわれる層でございますが、今日の土木技術によりましては、この関東ローム層を除去することは、きわめて容易でございます。気象条件につきましても、気象庁のデータを参考にいたしまして、われわれとしては最適の場所であるというふうに確信いたしております。
  142. 木原実

    ○木原(実)委員 最適の場所とおっしゃるわけでありますけれども、どうもわれわれが調査をしましたところでは、たとえば地耐力というのですか、CBRT、それが二以下では道路の舗装も困難だ、こういうような結果が出ておるわけでありますけれども、一体成田空港の辺の厳密な調査の結果はどうですか。
  143. 澤雄次

    ○澤政府委員 関東ローム層の除去はやらなければなりませんけれども、ただいま先生の御指摘の点も十分検討いたしまして、支障ないという技術的な答申を得ております。
  144. 木原実

    ○木原(実)委員 支障ないとおっしゃるわけで、水かけ論になるわけですが、気象の問題について、これはたびたび論争があったところですけれども、これはまた御案内のように、あの地帯は突風であるとか、霧であるとか、あるいは雷がたいへん多い、こういうことで県内でも有名なところのわけです。たとえば霧の日数ですと、羽田では年間三十日くらいだ、あるいは三十四日というようなデータもあがっておりますけれども、成田では九十日の間に四十四日くらい霧が発生をする、こういうデータもあがっておるわけであります。特に十二月には十八日、一月には十二日、二月には十四日、こういうようなデータも見えておりまして、どうもわれわれとしては気象条件がはたして適合するのかどうか、はなはだ疑問に思うのですが、いかがですか。
  145. 澤雄次

    ○澤政府委員 新空港の工事実施計画の認可にあたりましては、千葉県佐原、茨城県牛堀の気象庁の資料によりまして、この気象条件で空港として差しつかえない、こういう判断をいたしたわけでございます。それから将来、御指摘のような着陸できないような霧のときには、代替飛行場を指定するということももちろんでございます。
  146. 木原実

    ○木原(実)委員 それじゃもう一つお伺いいたしますけれども、排水の計画というのはどうですか。
  147. 澤雄次

    ○澤政府委員 排水計画は、汚水処理とそれから雨水の処理と二つあると思います。これは公団が目下千葉県、それから建設省と計画を練っております。それで、この汚水処理につきましては高級処理をして直接川に流しますか、あるいは別な方法をするか、これはいま公団が千葉県庁、建設省と練っております。それから雨水の処理につきましては、あそこは三百二十万坪のちょうど高台になっておりますので、根本名川その他の改修の問題が、これは絶対に必要でございます。それも建設省の河川局と公団でいま作業を進めております。調査はずっとやっておりますが、予算化されるのは四十三年度からであると思います。
  148. 木原実

    ○木原(実)委員 絶対に必要な雨水の処理ですけれども、流すとすれば、九十九里のほうとかあるいは利根川の方面に流すことになるのですけれども、御案内のように、あの地帯は常時冠水地帯なんです。そうすると、あらためて排水路をつくるという計画になるのですが、そういう計画をお持ちですか。
  149. 澤雄次

    ○澤政府委員 排水路でございますか、排水路をつくりまして直接海まで——その計画はいま検討はいたしておりますが、それよりも、従来の川を改修いたしまして、そこへ流すということで進んでおります。それからダムをつくることも、これは土地を得られますればでございますが、郊外にダムをつくるのにかっこうの土地をもし取得できれば、そこをダムにして一時雨水をため、そして渇水期に放す、こういうことも調査をいたしております。
  150. 木原実

    ○木原(実)委員 ダムの計画がある、こういうことですけれども、いずれにしましても排水の問題は、ダムをつくるなり、いままでの河川を改修して落とすなり、こういうことですが、これについてはまだ計画中ですね。それについての表示その他は行なわれていない、こういうことですね。
  151. 澤雄次

    ○澤政府委員 調査は建設省の調査費で実施いたしております。これの実施の予算化は四十三年度以降になりまして、いま先生のおっしゃった汚水処理の問題道路の問題等のスケージュールを各省で来年度予算編成までに積み上げる、そういうことでいま政府部内で進めております。
  152. 木原実

    ○木原(実)委員 次に、騒音の対策についてお伺いいたしたいわけですけれども、御承知のように、公害基本法その他がつくられるという状況の中で、騒音の問題というものは公害の中でもたいへん大きな柱になる問題であるわけです。ところが、騒音の対策につきまして、今度の空港建設に伴っては、どうもはなはだあいまいである。こういう印象が強いわけですが、騒音対策について、特に現地の周辺、御案内のように半径五十キロ範囲内の問題が出るわけですけれども、それらについて一体具体的な成案があるのかどうか、お伺いしたい。
  153. 澤雄次

    ○澤政府委員 民間飛行場の騒音の問題につきましては、従来政府の措置が十分でなかったということは、先生のおっしゃるとおりでございます。特に新空港につきましてはどのような騒音対策をとるかということにつきまして、昨年の七月四日に閣議決定をいたしまして、従来国が実施——これは防衛施設庁が基地につきまして実施いたしております騒音対策の基準を参照して、新空港については騒音対策を実施する。なお、これは直接の騒音対策とは関係ございませんが、騒音区域内につきまして農業かんがいを行なうということを閣議決定いたしておりますので、その方向に向かって運輸省はいま関係各省と折衝いたしております。運輸省自身といたしましては、公害基本法と別に、航空機の騒音防止法を今国会に審議をお願いいたしておる次第でございます。
  154. 木原実

    ○木原(実)委員 騒音の問題は、これはなかなかたいへんな問題で、きょうはあれですけれども、たとえば防音林をつくるという計画があるように聞いておりますが、事実ですか。
  155. 澤雄次

    ○澤政府委員 防音林の計画につきましては、国が直接ではございませんが、公団が滑走路の横のほうに防音林をつくるという計画を考えておりますが、まだ実施するというまでの成案を得たものではございません。
  156. 木原実

    ○木原(実)委員 防音林の問題も一例であろうかと思うのでありますが、私ども公団で調べたところによりますと、常緑樹を植えて、大体樹高二十四メートルくらいのものを植えたい、こういうことなんですけれども、これはまことにナンセンスでありまして、農林省のほうの調査によりますと常緑樹の中で一番成長率がいい、たとえば杉、この杉が上質の土地で大体二十四メートルの高さに達するまでには三十五年かかる、中質の土地では五十年かかる、下等の土地では大体六十年二十四メートルになるまでにかかる、こういうことです。それをいまから植えて、十年たてば耐用年数が大体切れるだろう、こういうようなところへ持ってきて防音林と称して植えるというのは、はなはだナンセンスではないか、こういうことを考えられるわけでありますけれども、これは一例でございまして、騒音の問題については、現地も非常に不安でございます。いまの状況の中では、ほとんど措置がない。学校その他の防音施設にいたしましても、あるいはまた、特に日本の家屋の中では防ぎようがない。しかも、騒音の被害については、御案内のとおりなんです。したがいましていろいろと措置をやるんだとおっしゃいますけれども、ともかく決定的なきめ手はない、こういうふうにわれわれは考えるのですが、いかがですか。
  157. 澤雄次

    ○澤政府委員 航空機の騒音を決定的に防ぐというきめ手は、先生のおっしゃるとおりにございません。それで騒音の防止法、あるいは現在防衛庁が実施しております基地周辺の整備法では、騒音の被害を少しでも少なくする、少なくしてこの程度で御満足願いたい、少なくするという方向で、いま予算措置その他の措置を実施しているわけでございます。
  158. 木原実

    ○木原(実)委員 今度の公団の空港建設にあたって、だいぶ千葉県のほうがいろいろと県として苦労しておるわけですけれども、千葉県に公害防止条例というのがあるのは、御存じでございますか。
  159. 澤雄次

    ○澤政府委員 存じません。
  160. 木原実

    ○木原(実)委員 千葉県の公害防止条例によりますと、大体七十ホンを限度として、そういう騒音を発する事業に対しては、この条例に基づきまして知事が計画変更を命令することができる、あるいはまた措置令を出すことができる、あるいはまた住民が調査を申請することができる、こういう条項が盛られておるわけなんです。そうしますと、いまの新しい空港のあれからいきますと、大体半径五十キロ以内の間くらいは、大体常時八十ホンくらいの音にさらされるのではないかという懸念もあるわけですね。特に、もう少し範囲を狭めますと、何倍かの激しい騒音が出ることは必至であると考えるわけですが、その辺の調節はどういうふうにお考えになりますか。
  161. 澤雄次

    ○澤政府委員 千葉県の条例は存じませんでしたが、今度の公害基本法を出しますと、そういういろいろの各県の公害関係の条例は、公害基本法によりまして、厚生省で、中央政府で統一的にいろいろな関係法律との調整をはかって、条例の修正もあるかと思いますが、大体八十ホンを現在騒音区域としまして千葉県知事が考えておられる、これは政府が確定的に了承した線ではございませんが、農業かんがいを実施しますところの騒音区域というのは八十ホンということで、いま千葉県知事がいろいろ考えておられます。これでございますと、大体飛行場の末端から五千メートルーこれはDC8で大体五千メートルというような範囲であるというふうに了承いたしております。
  162. 木原実

    ○木原(実)委員 先日の運輸委員会でも、公団の総裁の発言等を参照いたしましても、どうも政府は騒音の問題について軽く考え過ぎているのではないか。たとえば公団等の配付いたしましたパンフレット等にも、騒音の問題はそれほど問題ではないんだ、こういうようなことが見えるわけです。ですから、飛行場ができた場合に、騒音の事実ということについては、これはやはりひとつ科学的に明らかにして、そして対策を立てる、補償を考える、こういうものがないから、地元は不安なんです。特に御案内のようにいま土地の所有権者よりも、むしろ騒音だけ残されていくのではないか、こういうことが、御承知のとおり、非常に今度の公団の飛行場の建設について地元民を不安にしている最大の原因であると思うのです。ですから、これは要望ですけれども、ともかく騒音の起こり得る可能性について、ひとつ科学的なデータに基づいて、その上に立って地元と交渉をするように、これは強く希望しておきたいと思います。
  163. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 ただいま騒音の問題につきまして、まことに適切な御意見を御開陳になりまして、傾聴いたした次第でございますが、私どもも、成田空港の新設につきまして最も注意を要する問題は、この騒音の問題である、こういうふうに考えておるわけでございます。特に、このたび飛行場の騒音防止に対しまして立法の取り運びにいたしておるのでございまするが、これらは従来から長年設置されておる飛行場の防音の問題を直接に取り上げて処置していくというのが眼目になっておりますが、成田空港の場合には、いままで全く静寂であった世界に新しい飛行場が設けられ、新しい騒音が持ち込まれるということになるわけでございまするので、そういう点におきましても、この問題は一般的な法律の基準ということにとらわれずに、純粋に新規な立場で地元の実情に即応した措置が必要である、かように考えておるわけでございます。今後とも一そうの御指導を賜わりたいと思います。
  164. 木原実

    ○木原(実)委員 最後にお伺いをいたしておきたいのですけれども、航空法第三十九条第一項に第一号ないし第五号というのがありまして、第二号によりますと、当該飛行場または航空保安施設の設置によって、他人の利益を著しく害することがないようにとあるわけです。これはおそらく騒音の問題にも適用されると思いますから、これはひとつ先ほど大臣の御決意の表明によって推進をしていただきたい。これらについては、まだいろいろと地元の中で争う余地がある問題がたくさんあろうかと思いますけれども、このあと第五号に、飛行場にあっては、申請者が、その敷地について所有権その他の使用の権原を有するか、またはこれを確実に取得できると認められる場合に初めて申請を審査するのだという意味の規定があるわけであります。この中でお伺いをいたしておきたいわけでありますけれども、確実に所有権ないしは使用の権原を有する者から土地の取得ができる、こういう状況というのは、一体どういうふうにお考えですか。
  165. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 これは法律的に買い取り、その他所有権を合法的に取得する、あるいはまた、飛行場という使用目的をもって土地の賃借権を確実に取得できる、こういうような見込みの場合でございまして、所有権の取得あるいは使用権の取得には、最終的には土地収用法の手続をも法律的には含まっておると思うのでございます。しかし、所有権は非常に重大な基本的権利の一つでございますから、私どもといたしましては、できるだけ説得によって任意の売買手続で取得するようにいたしたい。できるだけ所有権について買収、強制収用というような強制手段は最後の最後ということで、どこまでも任意の買い取りということをたてまえとして進みたいと思っております。
  166. 木原実

    ○木原(実)委員 収用法を適用することもあり得るということだと思いますが、そのことはきょうはやめておきますけれども、かりに収用法の適用その他のことを含めてですけれども、三分の一反対があった、三分の一買収が不可能になった、こういう場合は、言うまでもなく確実に取得できたという状況ではございませんね。
  167. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 その三分の一が飛行場の設計に照らして重要不可欠の部分であるということになりますと、これは確実に取得できるという状態でないことは明らかでございます。その際においては、取得可能と認められる土地を基本といたしまして、設計変更その他の手段によって、なるほどこれならば取得確実な土地を基本として完全なる飛行場ができる、こう認められる場合にのみ許可する、こういう運びになる意味だと思います。
  168. 木原実

    ○木原(実)委員 三分の一というのは仮定の数字なんですけれども、大臣のいまの御答弁ですと、大体飛行場の敷地の主要な部分、こういう御発言でございましたけれども、その場合に、それははたして面積なのか、あるいはそこに関係をする地主の人数なのか、その辺はいかがですか。
  169. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 面積ということになり、あるいは敷地の形ということになりますると、これは滑走路の配置その他飛行場の基本設計からいろいろ定まってくると思います。その飛行場の設計から見まして、こういう設計で飛行場をつくろうとする場合に、この部分の土地の取得が不可能だということになれば、これはどうも飛行場ができないじゃないか、こう認められる場合は認可するわけにまいりませんので、その際には、それが非常に重要な滑走路の中央にあたりますような土地でありますならば、取得不可能な土地が三分の一であろうと、あるいは十分の一であろうと、必ずしもその面積にはよらないと思います。
  170. 木原実

    ○木原(実)委員 大臣のおっしゃるのはそのとおりだと思いますけれども、問題は、最初の話に戻るわけですけれども、確実に法の手続を踏んで認可する、こういう法律の解釈の問題ですけれども、航空局長に最後にお伺いしておきたいのですけれども、重要な敷地の中にどうしても所有権が得られなかった、こういうことになれば、どうしても設計がくずれるわけですから、これはやめるのが当然だと思います。ただ、そのことと関連をするわけですけれども、法律に言う確実に取得できる、こういう状態の場合に、確実な限度は、事業の実施面からいえば大臣のおっしゃったとおりですけれども、しかし、何とか滑走路ができた、しかしながら、関係をする地主の中で現に反対もあるわけですけれども、どれくらいの反対があった場合には確実と言えるのか、言えないのか、その辺の解釈はやはりあると思うのですが、その辺はどうですか。
  171. 澤雄次

    ○澤政府委員 この航空法三十九条の第五号の解釈につきましては、前国会の予算委員会におきましても法制局長官からお答え申しておりますが、飛行場のような公共営造物につきまして、これが土地収用法の対象になっていることは当然でございます。大臣のおっしゃいましたように、土地収用法の対象になっておるから何が何でもすぐそれをもって土地取得が可能であるということを申すことはできないわけでございます。現在の状態におきまして、大体港内に住んでおられる人の八割が条件つきの賛成派である、こういうふうな実情でございます。条件つき賛成の方は、もちろん条件次第では反対に回ることとは思いますが、これは政府、公団、千葉県が一体になりまして、港内の個々の方に十分御説得申し上げまして、そうして皆さんの御賛成を得たい。しかし、一部にどうしても反対の方があれば、これはまた別途考慮しなければならないことがあるかと思いますが、現在は、とにかく重要部分につきまして、個々の居住者の方に御納得のいくまで、ひざ詰めでもお話し合いをして、この土地を取得したい、このように考えておりますので、目下その仮定のどれだけからどれだけということは、事務当局といたしましては、まだ考えておらない次第でございます。
  172. 木原実

    ○木原(実)委員 もうこれで終わりますけれども、とにかく御案内のように、空港問題というのは、地元としては非常に深刻でございまして、しかも、国際空港のようなものができると、地元もたいへん発展をするのだ、道路もつけてやるのだ、いろいろなことが言われるわけですけれども、だんだん調べてみますと、空港を持ってこられることは迷惑なんです。空港がきて地元が栄えるなんということはございません。成田空港は、成田のお不動さんがあるところですけれども、国際空港ができて、外国から来るお客さんが成田のお不動さんにお参りするなんということはないわけですから、地元としては、だんだん日がたつにつれて、空港がくるのはほんとうに国策の犠牲である、こういう観念がやはり強いわけなんです。つまり地元の繁栄をもたらさない、こういうことですから、お願いをしておきたいわけなんですけれども、ともかく空港がいくことは、たとえば千葉県の発展になるのだというような幻想ではなしに、むしろ国のほうはもう少し現地の住民に対して、これは非常に迷惑かもわからぬけれどもというような、そういう姿勢でもって臨んでいただきたいと思うのです。そうしませんと、御承知のような状況になっておりまして、これは容易なことではないということを申し上げておきたいと思います。  そういう状況ですから、何か公団のほうで測量を強行をするというようなことが現地ではいろいろとうわさをされておりますし、それからまた、そのためにいま不測の事態が起こるのではないか、こういうような緊張した状態にあるわけです。そういうことを勘案をいたしまして、ひとつ法規に照らして十分な手続を踏んだ上で、それからまた、十分な納得を得た上で実施をするのだ、こういう姿勢で一貫をしてもらうように、これは要望をいたしておきまして、私の質問を終わることにいたします。
  173. 關谷勝利

    關谷委員長 大出俊君。
  174. 大出俊

    大出委員 この設置法の改正の中で、飛行場部を置くことになっていたり、電子航法研究所や航空保安職員研修所を置くことになっている。また、地方航空局の設置というような問題が出ておりますが、これらとからむ問題、その他何点かお伺いをしたいのでありますが、航空事故が相次いで起こりましたから、私どものほうでも羽田へ見に行ったり、ずいぶんいろいろやってきたわけなんですけれども、今回の予算折衝の過程等で、私も別な意味で担当官なりあるいは大蔵省の主計局関係の方々と折衝の過程でいろいろやりとりをしてまいりましたが、結果的に見て、どうもあれだけ国民的な大きな関心を呼び、人命に大きな不安を与えているにもかかわらず、これは努力が足りない、といっては、これは運輸省に申しわけありませんが、金そのもののほうは大蔵省に文句を言わなければならぬことになりますけれども、なおかつ、非常に不十分だというふうに私は考えるわけであります。  そこで、その問題をめぐりまして、冒頭に幾つかお聞きをしたいのでありますけれども、新しい業務ができて、そうして新しい人たちが採用されて始まる、こういうことになる仕事が、これを見るとだいぶあるわけですが、まず管区航空局なるもの、これをつくりました目的を簡単でけっこうですけれども、冒頭に御説明いただきたい。
  175. 澤雄次

    ○澤政府委員 本省航空局は、他官庁と違いまして中間の局がございませんので、全国の各飛行場の管理事務所の問題、それから無線標識所の問題、全部本省が直接管理いたしておりまして、その計画まで実施いたしております。このために、本省航空局は、非常に増加してまいります事務に忙殺されまして、本省の本来実施する、重点をおかなければならない企画事務、こういうものがおろそかになる、と言うと語弊がございますが、なかなか手が回りかねるという状況でございます。それで、本省で見ております事務のうち、地方に落として、地方に実施さしたほうがいいという事務を所管させるために、地方航空局の設置をお願いしている次第でございます。
  176. 大出俊

    大出委員 これはたしか、予算折衝過程では四つあったのじゃないですか。
  177. 澤雄次

    ○澤政府委員 最初のこれは運輸省だけの案でございますが、四つをお願いしたいと思っておった次第でございます。
  178. 大出俊

    大出委員 二十六の本省の地方支分部局ということで、航空保安事務所があるわけですね。これは保安事務、一口に言えばそういうことになると思いますが、それだけ重大視をしているということだとすれば、四つが二つに切られたということになると、これはずいぶん片ちんばなことになりはせぬかと思うのです。二つのほうは中間局ができた、あとのほうはないわけですからね。旧態依然たる形をとる、ここらのところはどうお考えになっておりますか。
  179. 澤雄次

    ○澤政府委員 これは全国を二つの区域に分けまして、東京と大阪に地方航空局をつくりまして、名古屋は大阪のほうに入りまして、大体名古屋から東側が、北海道も含めまして、東京の航空局の所管として、全国二つの航空局で所管する、こういう形をとりたいと考えておる次第でございます。
  180. 大出俊

    大出委員 そこで、だいぶ私は無理がいくのじゃないかという気がするのですね。まん中につくる。一部は本省の諸君のほうがおりていくわけですね。仕事がいくのですから、当然そうなりますね。片方は下のほうから、現場のほうから引っぱってくる、そういう関係になりはしませんか。
  181. 澤雄次

    ○澤政府委員 これは、本省の事務を落とします分は、もちろん本省の定員を地方に移すわけでございます。それから地方の従来の管理事務所が実施しておりました事務のうち、いわゆる今度の地方航空局を設置しまして、地方航空局に実施させたらよい、こういう事務があるわけでございます。これを地方航空局のほうに現地から引きあげてまいりまして、現地が従来本来的に実施すべき事務のための人間を引きあげるということは、これは極力避けていく次第でございます。
  182. 大出俊

    大出委員 しかし、ベテランの管制官、たとえばベテランの管制官みたいな方が現場から引き抜かれるということになると、これはただでさえ足りないわけですよ。いま管制事情というものが、たいへんなことになっていると、私は思うのです。そうすると、現場にすぐ支障がくる。新しい仕事なんですからね。だから、そのための現場の要員が、特にそのためにふえているわけじゃないのですから、そうなると、そこは相当なオーバー労働のようになったり、危険度がふえたりということになる。だから、私は、これはいかなることがあっても現場に手をつけない、これ以上現場から引き抜いたり、ベテランを引っぱったりするようなことはやめる、こういうことにしていただかなければ、屋上屋のように、まん中に一つつくったために旧来と違うシステムで動くというのですから、そうだとすれば、ますますもって現場のほうがあぶなくなる、そういう気がしてなりませんが、どうですか。
  183. 澤雄次

    ○澤政府委員 ただいま御指摘の管制官につきましては、現場から地方航空局に上げるのは、従来そういう地方局的な業務を行なった人だけでございまして、いわゆる管制業務の人を引き上げるということは考えておりません。地方から引き上げますのは、ちょっと具体的に申し上げますと、東京、大阪の——東京と大阪につくるのでございますが、東京の空港事務所と大阪の空港事務所にございます庶務要員を今度の航空局のほうに振りかえまして、地方航空局は空港事務所と同じ場所にございますから、そこでその庶務要員が地方航空局の庶務を見るということで、これは仕事自体を移すわけでございます。  それから事故調査関係の事務は、すでにこの四つの東京、大阪、千歳、福岡に現在四人ずつ配置いたしております。この事故調査事務は地方航空局でするということで、現在空港事務所、管理事務所に配置しております定員を地方航空局に移しますが、働く場所は現在と同じでございまして、これは事務の移管にならないわけでございます。それから各空港におきまして現在工事の設計監督業務を行なっている者がございますが、これは地方航空局のほうに移しまして、従来どおりの仕事をここでやるということで、私たちといたしましては、現場の第一線の管制をやっておりましたり、通信をやっておりましたり、そういう人間を地方航空局に移すことでもって現場の第一線のそういう保安業務が弱くなるということは、絶対に避けたいと思っております。
  184. 大出俊

    大出委員 それは間違いないですな。これは管区航空局の要求定員は、三百十人だったですね。これが百十人というのが大体最終決定数、こういうふうに考えていいですな。  そこで、一つずつ明らかにさせていただきたいと思うのですが、四管区お出しになって、二つに分けざるを得ない、二つしかできないのだから、分けざるを得ないのですから、そうされたのですが、四つ管区の必要があったから出したわけですね。だとすると、皆さんの側から見て、四管区であるべきものを二管区でやらなければならぬということになると、しかもその中身が、庶務要員にしろ、あるところが一緒だから片方を持たせるということになると、その限りでは機構は変わりますからね。やはりそれに対応するオーバー労働が出てくる。特に、過渡的にはそういうことが考えられる。落ちついてしまええばまたやりようがありましょうが、その意味ではどうもいささか当初の計画から見ると中途はんぱに終わったという感がするわけであります。そこのところを皆さん方は一体満足なりとお考えなのか、それとも中途はんぱであるとお考えなのか、そこらはどうですか。
  185. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 大出先生のただいまの御質問は、確かにわれわれの最も痛いところを突いておられるわけでございまして、必要があるから予算要求をしたのじゃないか、ところが、それが査定されて最終的に要求どおりにならなかったじゃないか、その点において何か差しつかえが起こるだろう、これは筋道はそのとおりだと思うのでございますが、しかし、大出先生も御存じのとおり、おおよそ予算の要求、査定ということは、これはいかなる予算についても伴うものでございまして、要求する場合におきましても、査定されるということを前提にして要求しておるわけでございまするし、また査定をするほうといたしましても、いろいろ査定をするについてもむちゃくちゃにただ減らしたというわけではございませんので、十分当方の説明を聴取して、その上で査定をしておるわけでございまして、したがって、私どももむろん楽なやりくりはできませんが、しかし、苦しくともとにかくこの程度のことは今日の国家財政の上から見てやむを得ぬ、こう思いまして、最終的には大蔵省の査定に盲従したというのでなく、われわれも閣議においてこれを了承したわけでございますので、政府といたしましては、これをもって全責任を持って遺憾なきを期しよう、こういう決心でおるわけでございます。もちろん、これがために関係者に対して過重な労働を要求するというがごときことは、断じてあってはならぬのでございまして、その辺のことは、事務当局とも十分検討をいたしまして、まあできるだろう、こういうふうに考えて査定に応じたわけでございます。  それともう一つは、御承知のとおりこの航空局関係の職員は、いろいろな技術的な訓練を経た者も必要でございまして、あまり膨大な数を認められましても、今日の情勢から見まして、一カ年間にそれを充員してやるということは、必ずしも責任を持てません点もございますので、まず本年度としては、この程度——むろんこれだけで当分安心だというわけではございませんので、今後とも航空局の定員の充実につきましては、年々努力を重ねてまいりたい。そして今年は、最初から航空局を昇格して航空庁にしたいというような計画もあったのでございますが、まだまだもっともっと内容を充実する必要があるので、その暁において航空庁に昇格もお願いしよう、こういう意味で、航空局のままでおるという次第でございまして、今後にひとつ御期待をつないでいただきたいと存じます。
  186. 大出俊

    大出委員 どうもほかならぬ大橋大臣ですから、私もほかの大臣ならまた言いようがあるのですけれども、長年知り過ぎているわけですから、そこまでおっしゃるんなら、その点は信用いたしまして……。  ところで、現場の第一線から引き抜き云々というような形は、やらないということですね。これはしかといいですな。その点は確認をしておきたい。庶務要員その他は別として。
  187. 澤雄次

    ○澤政府委員 現場の航空保安に直接影響のあるような引き抜き方は、いたしません。
  188. 大出俊

    大出委員 航空保安事務所等の関係で、新規事業ということで、そのほかYS11型三号機の購入だとか、あるいは新設空港だとか、あるいはレーダースコープの増だとか、たくさんありますね。大阪、東京のILSだとか、あるいはDMEだとか、これはだいぶたくさんありますけれども、これが査定の結果からいけば、この合計で九十五人くらいですかね、これは新規増の増員になると思うのですが、間違いないですか。
  189. 澤雄次

    ○澤政府委員 施設増に伴う増員は、九十五名でございます。
  190. 大出俊

    大出委員 ところで、この方々はいつごろ採用するのですか。
  191. 澤雄次

    ○澤政府委員 これは予算及び設置法をお認めいただき次第採用すべく、いま準備を進めております。
  192. 大出俊

    大出委員 なぜこのことを聞くかといいますと、なかなか人を集めるというても、特殊な技術者その他が入っておりますから、そう簡単にそこらにころがっているはずがない。そうすると、四月の学校の卒業期だとか、あるいは十月だとか、特定の時期に、新規採用というのは限られるわけですね、問題は。そうすると、いいかげんなものを入れられたら、訓練も必要だし、ますますあぶなくてしょうがないとという心配があるわけです。あわせて、そのためにあるいは配置転換だとか異動だとかいうことが差し繰られて行なわれることになると、これまた場面場面で問題が起こる。労働問題にもなりかねない、こういう問題になるわけですね。そこらの心配があって聞いておるので、設置法が通ればすぐ採用すると言ってみても、そう簡単にいかないと思う。そこらのところはどうお考えですか。
  193. 澤雄次

    ○澤政府委員 これは管制官の見習いでございますから、こういう人につきまして、七月、九月の採用を予定いたして、内々選考を進めたりしておるわけでございます。
  194. 大出俊

    大出委員 それじゃ、もう準備を進めておるわけですね。見通しもあるわけですね。
  195. 澤雄次

    ○澤政府委員 全部ではございませんが、得がたい技術官につきましては、選考を進めておる次第でございます。
  196. 大出俊

    大出委員 その得がたい技術官を採用したら、すぐ使いものになりますか。
  197. 澤雄次

    ○澤政府委員 これはすぐには使いものにならないと思います。
  198. 大出俊

    大出委員 訓練が必要だということになるわけですね。ところで、そうなると、この訓練の問題とあとでからんでくるのですが、実は研修旅費なんというところともからむのですけれども、三十名のワク外の研修定員という形で、今回予算がつきましたね。これは前もこの委員会で何べんか私質問して、大蔵省のほうからも、皆さんのほうからも、いろいろお話があって、途中で私質問をやめたりいたしまして、三十名というのは不服千万だけれども、万やむを得ないということになっておるのだけれども、とかくこういうところとの関係で、訓練と、こうなった場合、かりに羽田なら羽田に集めるでしょう。そうすると、とんでもないところに穴があいておったり、そのたびに現場では相当な苦労を職員の方々がされておるわけですね。ここに一つ例があるのですが、これはたしか北海道札幌だったと思うのですけれども、これを見ると、十四名ですね、札幌管制区は十四名欠員をかかえておるのですね。ほかのほうはどうかということになると、四名や五名くらいは至るところですね。そのたびに、これは仕事の性格上やむを得ぬという面もありますけれども、訓練ということで羽田に集めておる、こういうかっこうになっておる。それから、教える人もいないわけですね。そうすると、現場の人を呼んできて、明けの方を使うとか——これはこれだけのこと、と言って、一つ間違えば人が死ぬというたいへんな仕事を扱っておるにしては、どうもあなた方はこれで責任を負えるのかという気がしてならない。明けの人を使っておる。その使っておる明けの人は、一体どういう資格でやっておるのか。では、手当その他は、法に照らしてどうなっておるのか。どうやら超勤だということなんだけれども、これは私はちょっと法的にも疑義がある、超勤を払っている時間数その他を見ましても。人事院の給与局長の尾崎さんに来ていただいておるから、何ならまた質問しようと思うけれども、そこらのところはどうお考えになりますか。
  199. 澤雄次

    ○澤政府委員 先生方のいろいろ御援助によりまして、研修定員を三十名いただいたわけでございますが、運輸省政府委員としておかしいのでございますが、運輸省として考えますと、まだ三十名では不足でございます。実際に研修しておりますものは、五十名からございます。それから、その教官の数も不足でございまして、それらもまた、現場の職員の定員から持ってきておるわけでございます。ただし、この研修員は、また逆に地方の飛行場のほうに定員以外にそういう研修員を配置いたしまして、そうして研修を実施さしておるところもあるわけでございます。それで、たまたま札幌管制区にしわが寄りまして、先生のおっしゃるとおり、十四名ただいま欠員でございます。これは各管制部の管制官の一人当たりの取り扱い機数その他も勘案いたしまして、ほかの管制部にも穴があいているのでありますが、札幌管制部には特に穴があいたということ、これは私どもも非常に遺憾に思っております。近く管制官がこの研修センターを卒業いたしますので、その際には、札幌管制部に優先的に卒業した管制官を配置したい、このように考えております。
  200. 大出俊

    大出委員 もう一ぺん私、整理して申し上げておきたいのですが、例の予算要求のときに、私、首を突っ込んでみたのでわかっているのですが、この地方航空局をつくられるときから、航空事故問題その他やかましくなってきて、皆さんのほうもいろいろ考えたわけですね。そこで、航空機が非常に大型化する、高速化するなどということがある。しかも、その施設その他の面でも足らぬ点だらけだという指摘が、次々に出てくる。こういう中で、いわく立ちおくれだということで、もう少し近代的に現実に即したやり方をしたいということで、航空整備五カ年計画なんというものが、皆さんの立案として出てきて、その計画等とあわせて、新規事業なんということが、いま申し上げて論議しているようなことが出てきている。ところで、ここで問題になるのは、先ほどもお話の、企画部門と実施部門とを分けて考える、こういうわけですね。ところが、まるきり分けられるかというと、分けられない。現実に、現在運輸省にひっついて保安事務をやっているところがあったわけです。そのまん中につけるわけです。また、企画部門と実施部門を分けると言ったって、分けることができない。完全分離はできない。私も官庁学校を出てきているわけですよ。似たような現業官庁ですから、わかるわけです。そういうところに合理化、能率化ということが一面加わると、何かしらそこに無理がくるという点をば、私は冒頭から心配しているんで、素材を出さなければ論議できないから、こういう言い方をしているんです。そこで、地方局は設置が何とかなったけれども、大臣がああいうふうにおっしゃるから、それはそれでいいけれども、中身は実際四つにしたかったわけですが、なっていない面がどうしてもあるわけです。そういう面の無理も出てくる。そこへもってきて新規要員をたくさんかかえる、それからまた地方局をつくるについての新規要員もある、こういうわけですね。それには訓練も要る。ところが、少なくとも今度は訓練要員が十分でない。さらに教える人も十分でない。こういう十分でない点だらけがいま続いているわけですね。そうでしょう。だから、私は、そういう意味で、これは皆さんに言うよりもむしろ大蔵省に言いたいのだけれども、皆さんのほうでもう少ししっかりしていただかないと、また事故が起こって、どうも大臣がお忙しくなってしまったのでは困るので、実は私はそういう心配で申し上げているわけです。念のために、くどいようですけれども、現場にしわが寄るということは、どうあっても避けていただきたい。それから、新規事業というものがうまく回転をしない、人を集めるということが困難だというようなこと、それで特殊技能者を入れても、訓練する人もいない、教える人もいない、無理を続けている、こういうかっこうの中で、これがまた異動あるいは配置転換などということで現場にしわが寄る、これを私はどうしてもなくしてほしい、そのところを私は念を押しておきたいわけです。  そこで、たとえば空港の照明をやっている方々ですね、これは松山空港なんかの例もありますように、新聞にもちょっと出ましたが、つまり照明が消えていると、この管制官のところに、何で消えているのだという連絡が来る。さて照明をつけさせなければならぬ。飛行機はおりてこられないわけですからね。ところが、二種空港というのは、一人しかいないでしょう。この人は資格が要るのですね。鹿児島だ、宮崎だに始まって、ほとんど二種空港ですよね。ところが一人しかいない。そうすると、ほかの連中はしろうとですから、照明灯が何かの事故で消えたら、つけようがない。私も照明灯でいろいろ調べたり聞いたりしてみましたが、まず滑走路灯というのがある。滑走路を示す。それから進入灯というのがあって、入ってくる方向を示す。そうかと思うと、進入角、角度指示ですね、これをやる照明がある。だから、これを一つ間違うと、これまた着陸事故が起こる。こういうふうなことになっているようですね。もしこの照明要員が、一名ですから、現場にいなかったということになると、空港が開かれている限りは常時飛行機が入ってきているわけですから、そこへもってきて片方訓練だということでその照明要員を持っていって教えるといったら、えらいことになると私は思うのです。そこらのところを、いま具体的に申し上げましたからおわかりだと思うのですが、どういうふうにお考えになっていますか。
  201. 澤雄次

    ○澤政府委員 先生のおっしゃるとおり、一名ではこれは不足でございまして、その人が何か勤務外である、あるいは病気になったという場合に、あれは非常な高圧電気でございますから、普通の者には使用できないものでございまして、これはぜひ二名ほしい、このように思っております。  ただ、予算化するのに非常に困難なのは、照明施設をつくりますときは非常な作業になりますが、これができてしまいますと、あとは保守、点検でございまして、従来の官庁の作業量の計算という意味におきましては、なかなか定員がとりにくいという実情でございます。しかし、これは今後ふやしていくように努力してまいりたいと思います。
  202. 大出俊

    大出委員 ところで、人事院の尾崎さんもお見えになっておりますので聞いておいていただきたいのですが、これは非常に特殊な仕事なんですね。しかも、資格が要るから、しろうとじゃできないのですよ。資格上、これはかわりにおまえちょっとやれというわけにいくのですか。
  203. 澤雄次

    ○澤政府委員 しろうとは、これは使われるものではございません。
  204. 大出俊

    大出委員 一人しかいない。加えて二種空港の例からいきますと、仙台、松山、高松、宮崎、鹿児島、広島、みんなこれは二種空港ですね、全部一名です。ところが、その空港の開室時間というのは、朝七時半から夜の七時半まででしょう。十二時間でしょう。じゃ、この人の勤務態様というのはどういうのかというと、官庁執務時間です。官庁執務時間だったら、夏、冬との違いがありますけれども、五時半ぐらいになったらしまいですから、いないのです。空港は開かれているのですよ。飛行機は現実に着いている。土曜日は半日ですから、半日いないのです。あと休暇とったらいない。だから、飛行機のほうから管制塔に連絡があって、ついてないじゃないかと言われたときに、これはとうにもならぬということですね。だれも手をつけられぬ、実際はこういう現実ですね。このあたりは、皆さんのほうでよほど考えておいていただかぬといかぬ。かつまた、こういうところに携わる諸君についての給料その他の保障という問題も、相当お考えをいただかぬといかぬ、場所が場所ですからね。人が死ぬのでなければ、少しぐらい間違ったっていいのです。一人もいなくて飛行機がつけないという、そんなばかなことがあってはいけないから、そこらのところを皆さんのほうでよほど大事に扱っていただいて、しかも相当な保障措置も考えて進めていただかぬといかぬというふうに私は思いますが、この点はどうですか。将来ふやしますか。
  205. 澤雄次

    ○澤政府委員 将来ふやすように、私のほうも強く希望いたしております。
  206. 大出俊

    大出委員 その訓練だ云々だということで、研修要員その他の関係もあって、こういうところの一人しかいない人を引き抜くなどという例があるということを聞いたのですが、真偽のほどは別として、もしもこういうふうなことになるとえらいことです。したがって、それに対する補充その他についても、十分にお考えおきをいただかぬといかぬ。もしそういう事実がないならないとおっしゃっていただけばいい。将来あったときに、私はものを言いますから、はっきりおっしゃってください。
  207. 澤雄次

    ○澤政府委員 照明要員一名のところを他に配置転換したという例はございません。現在のところは、そういう計画もございません。
  208. 大出俊

    大出委員 ここで、人事院の皆さん方に、あとの会議がおありのようでございますので、ちょっと承っておきたいことがあるのですが、今日パイロットにはたしか給与の面でいきますと、調整号俸三号、一二%ついているはずですね。管制官の場合には、これはまた調整号俸がおそらく二号、八%ついておる。それから管制通信のほうが一号、四%ついていると思います。そのほかに、航務だとか、まあ航務はいろいろむずかしいですけれども、あるいは無線だとか、通信だとか、これは通信士と言ったほうが正確ですかね、まあ一級の場合には大学を出た方と同じように取り扱っておるように思いますが、二級以下というのはどうなんだというと、どうもこれは私は感心しないと思うのであります。つまりこういうふうな四直三交代などという交代制勤務をやっておられる、こういう方々のところに対してひとつ何か考えていただかないと、これは運輸省内部の相互関係もありましょうし、それから他省との関係、たとえば病院の関係、気象の関係等々横の関係もあると思いますが、性格的には特殊勤務的な要素のある部面もあるように思います。それにしても何らかここへ優遇措置を考えませんと、私は民間航空その他に優秀な人がみんな引っぱっていかれてしまって、採用するといったって非常に困難する問題だろうと思います。かつて看護婦さんの問題をやかましく言ったことがあるのですけれども、人事院の勧告の面で多少なり見られてきておりますが、そういうふうなことも考え合わせてみて、この際私は何らかの手を打つべき筋合いではないかと思う。したがって、私は、この点を運輸省の皆さんの側がどう考えておられて、特に人事院の給与局長にお見えいただきましたから、給与局長さんの側でどう考えておられるかという点を、ひとつ御質問申し上げておきたいわけです。
  209. 尾崎朝夷

    ○尾崎政府委員 航空関係につきましては、最近急速に整備されてきた業務でございまして、私どもの管轄の問題につきましても、これにおくれがないように調整してまいりたいというふうに絶えず考えているのでございまして、ただいま御指摘のように、航空管制官、パイロット、通信管制官につきまして、ここ数年間引き続き調整額を適用し、あるいは特殊勤務手当の増額をするなど、手を打ってきているのでございますけれども、本年度におきましても、特殊勤務手当につきまして、従来の額の増額につきまして予算化をいまの予算にお願いしているところでございます。  ただいま御指摘の、それ以外の通信士あるいは技術者等につきましては、同じように航空業務として非常に重要な仕事をしておられるわけでございますけれども、そういう関係で、一つには同じように交代制勤務に従事しておるという点がございます。そういう交代制勤務の関係につきましては、先ほどちょっと御指摘もございましたけれども、やはり普通の官庁執務時間で勤務している職員に対しまして特殊性がございますし、だんだん労働が逼迫してきますと、やはり相対的に困難な仕事になってくるという点もございますので、そういう関係の交代制職員の調査を現在全般的にしてまいっておりまして、全般的にはほぼ三万七千人ほどの交代制職員がいるということをつかんでいるのでございます。もっとも、その中身はいろいろな態様がございますので、その態様に従いまして、それぞれ給与上の適応した処置を研究してまいりたいというふうに、現在考えているところでございます。  なお、いま御指摘の、航空関係の通信士その他の技術者等につきましては、いま申し上げましたように、同じような交代制勤務をしている警察あるいは電波、気象等いろいろありまして、そういう職員との関係もございますので、航空関係の特殊性という関係と、両方今後さらに検討してまいりたいというふうに考えております。
  210. 町田直

    ○町田政府委員 ただいま人事院の給与局長さんからお話がありましたが、大体私どもの考え方と同じでございまして、航空関係は、ただいま先生の御指摘のありましたようないろいろな措置を講じていただいておりますけれども、そのほかに、御承知のような通信士、それから航務、そういう職種がございます。また運輸省といたしましては、ほかに気象関係その他やはり交代制勤務がございますので、運輸省の考え方といたしましては、できますれば交代勤務の職員を全部ひっくるめまして、一般職員と別の給与体系を考えていただきたい、こういうことで実は人事院のほうにもお願い申し上げているということでございます。
  211. 大出俊

    大出委員 いま、航空関係の問題については、世間一般も非常に心配もし、関心も強いわけですね。事実非常に大きな立ちおくれだということで、まあ曲がりなりにもこれだけ大蔵省も認めたということだと思うのです。まあ大臣が閣議で、最終的にわれわれもそれで努力するという了承のしかたをしたと先ほどおっしゃっているんだが、こういう時期だからこそああいうことになるんだろうと思うのです。そのために、いまの実情から見まして、人の命に直接関係をする非常にきわどい仕事になる。やはりそれ相当の関心の度合いに応じた、多少政治的であっても、そういった措置のしかたをすることが、私はより一そう今後ともその方面に政治的な力がいって、完全に安全確保に向かって進んでいけるということになると思うのですね。だから、そういう意味で、他省なり横の関係でむずかしい点がありましょう、それでもなおかつ、そこのところをあえて私は皆さんに御努力をいただいて、たとえば無線技術者の問題あるいは通信士の方々、照明の関係の方、航務の関係の方等々の方々に、ほんとうを言えば、一番いいのは一号なら一号の調整号俸をつけることだと思うのです、形に明確にあらわれますから。人の採用の問題を含めて、民間航空にどんどん持っていかれたのでは、どうにもならないわけですからね。そういう特殊事情もあるわけですから、そういう点等を考えていただいて、せっかく交代制全般について特に先般来問題がございましたから、公的、私的に人事院の皆さんにも私ものを言ってまいりましたが、それだけに、それ相当の調査もされている昨今の事情でありますし、しかもやがて勧告の時期も来る、こういうわけなのでありますから、なお本日限りでなくて、これは担当の内閣委員会ですから、近く人事院の総裁以下皆さんにお集まりいただいて、今年度の来年度に向かっての調査、あるいは勧告に基づく諸方針について承らなければならぬ機会があると思うのですけれども、まあそういう意味で、この点は人事院の皆さんのほうでもより一そう十分御配慮のための御検討をいただきたい、こういうふうに実は思っているわけでございます。この点をひとつお願いをしておきたいと思うわけであります。せっかく尾崎さんお見えになっておりますので、もう一つだけつけ加えて承っておきたいのですが、先ほどの新しい学校を出てきた管制官たるべき人々等の訓練をする、そういうふうな場面で、教える側の人の定数は、特にないわけであります。そうなると、差し繰って教えさせる、こういうことになる。そうすると、明け番を利用するというような形になりかねない。これは一体、法的に考えてみると、どういう扱いなのか。いろいろ組合のほうもあるのですから、話し合ってみて、たとえば超勤で十五時間もなどというふうなことにしたという場合に、私は、どうも法律規制に基づいて、これが適法だとは思えないのです。そこらのところを尾崎さんどういうふうに見ていられますか。
  212. 尾崎朝夷

    ○尾崎政府委員 給与関係所管とは、ちょっと違うのでございますけれども、人事院の関係といたしまして、そういう普通の官庁執務時間で勤務している職員につきまして、いわば恒常的に超勤を命ずるといったような問題につきましては、法律の形式面としては、一応筋の通るものであると思うのでございますけれども、実情といたしまして、いわば拘束的な勤務に対しましての現在のたてまえと申しますのは、若干手当てのかっこうが不十分なところがあると思っております。つまり現在のたてまえといたしましては、四十四時間という勤務時間がかっちりありまして、それによってやれば超勤という形になっているわけでございまして、いわば手待ちのような薄い勤務という点につきましては、その間若干の超勤を形式的に命ずる、そういう形で対処をしている形でございます。そういう関係につきまして、対処のしかたが必ずも適当でないということもございまして、先ほど申し上げましたように、交代制勤務全般についての調査を行ないまして、そういう関係につきまして、いわば薄い勤務に対してはどのような制度をとることが適当かという点も、あるいは待遇、給与の面も含めまして、どのようにしたほうがより現実に合っているかという点につきまして、検討しているというのが実情でございます。
  213. 大出俊

    大出委員 この給与と服務というのは、ある意味では裏表でございまして、服務法という法律がなかった時代がずっと長かったわけですからね。だから、多少法的にいったら問題はありますけれども、そういう意味で御質問申し上げたので、あるいは所管の違いで失礼な質問かもしれません。ただ、私の言いたいのは、ないんだから、皆さんにとっては実情やむを得ざる措置、とにかく現実にやっている詳しい方を引っぱってくる、その人には勤務がある、その勤務はあけられない、だとすれば、そこを使うより手がない、こういう現実なんですね。それは法的に言うと、扱いようがない。ないが、現実的に勤務させる。しかたがないから、十五時間超勤を見た。十五時間超勤なんていっても、できるはずがない、人間死んでしまうですよ。所定勤務時間は明確にある。法律的にも明示しなければならぬ。所定勤務時間がたとえば八時間なら、あと十五時間連続やるなんていったら、初めから寝るひまがない。そうでしょう。そういう形のものがあり得べきではない。しかし、現実にそうなっている。これはやはり定員に結びついて、そこらの定員確保ということもあわせて考えていかなければならぬ。ある官庁には予備定員なんというものを持っておって、差し繰るようにしているところだってあるわけですから、そういうところは、ある種の勤務態様として考えていただかなければならぬと思うわけです。これまた、現場の仕事のほうに無理がいくのですからね。そこのところを私はいま申し上げた、こういうわけです。これもあわせて検討いただきたいと思うわけであります。  人事院の皆さんには最後に、いま勧告に向かって調査をされている中に、宿日直なんという問題についても御調査をされているように、参議院側における答弁の中からも聞いているのですけれども、それを含めて昨年並みの調査なのか、どんな方針で進めているのかという点だけ、ひとつお答えをいただきたいと思います。
  214. 尾崎朝夷

    ○尾崎政府委員 ことしの勧告作業につきましては、政府においても人事院勧告の実施の時期等につきまして検討をしていただいておったのでございますが、なかなか名案がないといったようなことで、やはり従前どおりということで作業に入っているわけでございます。現在、民間給与調査をやっている最中でございますけれども、その調査の内容はほぼ昨年どおりでございまして、ただ手当につきまして、扶養手当及び通勤手当につきましては、昨年やったばかりであるという点におきましてことしはやらないということでございますが、それ以外の住宅手当につきましては、引き続き重視をしていくということと、それから新たに、三十九年以来据え置きになっております宿日直手当につきましては、やはり調査をしておく必要があるということで、それを加えまして現在調査中でございます。
  215. 大出俊

    大出委員 どうもありがとうございました。  航空関係のところで一つだけ念を押しておきたいことがあるのですが、それは新規事業をお始めになるにあたって、あるいは管区航空局を新設されて始められるにあたって、この中でも、管区航空局のほうは十月からだったですかね。先ほど、その他新規事業についての新規採用の時期その他お話がございましたが、無理をしていただきたくないのですよ。だからというのであんまり無理をしてやっていけば、どこかにしわが寄りかねない。きわめてたいへんな仕事をやっておられる皆さんの所管の局ですから、そこのところは、おくれたらおくれたで、おくれた意味における支障というよりは現場の支障のほうがこわいわけですから、そこのところを十分御配慮いただいてお進めをいただきたいと思うわけであります。その点を念のためにつけ加えておきたいのです。
  216. 澤雄次

    ○澤政府委員 全く先生のおっしゃるとおりでございまして、これは十分の職員がそろいましてから新規施設は供用を開始する、あるいはそれだけの定員がそろわない場合には運用時間で調整する、そういうぐあいに考えております。  それから管区航空局のほうは、いきなりこれだけの人数はそろわなくても、そろったものでまず始めていって、だんだんその定員を充足する、こういうふうに分けて考えております。
  217. 大出俊

    大出委員 そこで一つ承りたいのは、米軍のチャーター機の問題です。これは運輸委員会の方々が調査に行かれておりますから、あんまり時間をかけないように申しますけれども、この数字を見ますと、米軍のチャーター機——これは戦闘爆撃機以外のものをさすのだと思いますけれども、急激な増加のしかたをずっとしてきておりますね。四十二年一月が千八百十機です。これは羽田全体の四三・九三%になっています。   〔委員長退席、細田委員長代理着席〕 二月は千八百二十機、三月が千八百五十五機、こういうかっこうでふえてきているわけです。それからもう一つ問題は、国際通信局における米軍チャーター機関係の通報の増加という点、つまり羽田の、日本の空を飛ぶ、たとえばホノルルからどっちへ行くとか、あるいはウエーキ島からどっちへ行くとか、香港から飛ぶとかいうぐあいにですね。そういう機数を見ましても、米軍のチャーター機が三月二十五日百十五、三十一日五百十三、そのほかずっと数字がありますが、だいぶふえてきているわけですね。何も羽田を使うという意味のチャーター機ということだけじゃなくて、日本の空、これをいろいろ調べてみますと、異常接近といいますか、まさに空の上ですれ違ったというような形の、一つの間違ったらあぶないという形のもの、これが非常にふえてきているわけですね。そういう時期に、二月の下旬に東京−アンカレッジ間の三つぐらいの航路策定をやって、スムーズにチャーター機を流していくというのですか、そういうかっこうで、大臣段階かどなたの段階か知りませんけれども、どなたか東京に来られて打ち合わせをしたという話を聞いておるのですけれども、どういうことになっていますか。
  218. 澤雄次

    ○澤政府委員 ただいま先生のおっしゃいました数字は、羽田に着陸したMACではなしに、ボイス等が取り扱った機数であると思います。ただいまのところ、資料を持っておりませんが、その数字は先生のおっしゃった数字にほぼ近いものと思います。  東京−アンカレッジ間の航空路の問題につきましては、これは特に米軍の関係でと申しますよりも、東京−アンカレッジ間の航空路を安全にいたしますために、専門的なことになりますが、スピードのややおそい飛行機の航空路をまん中にいたしまして、その両方百マイルずつ離れたところを飛ぶようにということで、これは運輸省の航空局と関係航空会社、米軍、関係外国の航空局等が集まりまして、そしてこのような航空の安全のために定めをしたわけでございます。
  219. 大出俊

    大出委員 どこで、いつおやりになったのですか。たしか二月の下旬でしたね。
  220. 澤雄次

    ○澤政府委員 アンカレッジで第一回をやりましたのはたぶん二月で、東京でやりましたのは三月の下旬だったかと思います。
  221. 大出俊

    大出委員 この質問をしている理由が二つあります。関係の通報をする方々の立場からすれば、人員の配置その他から見て、とにかく手に負えない数になってきている。人のほうがさっぱりふえないで、そっちの仕事ばかり山ほどふえてしまう。しかも、横田なり立川なり厚木がみんな満ぱいで、チャーター機が一ぱいでどうにもならないということで羽田がふえる。軍人あるいは軍属、物資等々を運ぶ。こういうわけですからね。そこで、外務省の浅尾安全保障課長、この間彼に直接質問をいたしましたが、運輸省を通じて米軍側にものを言って、チャーター機が羽田を使う、あるいは通ることを含めているかどうか知りませんけれども、将来に向かってこれ以上ふやさない、こういうことの取りつけをしたという意味の発言をされておるわけです。皆さんのところを通じてというのでありますから、安全保障課長直接というのではないので、直接の担当である皆さんのところでどういうことになったのか、ここのところあたりを承りたいと思います。
  222. 澤雄次

    ○澤政府委員 米軍のMAC機はずっと前から東京に飛来しておったのは、御承知のとおりでございます。この数字が、最近急激にふえてまいりまして、昨年は年間で千三百六十九機と覚えております。ことしに入りまして、これは羽田に着陸した数字でございますが、一月が百九十九機、二月が二百機、三月が二百四十五、六機かと思います。それから四月が二百三十四機でございます。それで、このような状態でございますので、運輸省から外務省を通じてでございますが、合同委員会において、米軍のMAC機は、横田なり立川なり厚木なり、米軍に提供している飛行場に着陸してもらいたい、どうしても羽田に来なければならないものについては、午前十一時から午後六時までの期間がわりに羽田はあいているわけでございます、この時間帯に到着するようにということを、外務省を通じて申し入れをしました。これは三月の下旬でございます。四月の中旬に米軍側から回答がまいりまして、これ以上米軍のMAC機の羽田飛行をふやさない、どうしても羽田を使うときには、日本側の言うように午前十一時から午後六時までの間に着陸するように努力する、こういう回答がございまして、それで先ほど申し上げましたように、四月の着陸数はわずかながら三月より減っております。到着いたします時間帯を見ますと、まだ十一時前、午後六時以降に参っておるものもございますが、この昼間帯に集約するように努力しているあとはわかるわけでございます。
  223. 大出俊

    大出委員 羽田に着陸をするというほうについてはいまの御説明でほぼわかるわけでありますが、先ほどのアンカレッジ、東京で皆さんが打ち合わせをやられたというのは、ますますもってふえるということで大空のまん中においてこうやることにしたというのは、それをなるべくスムーズにあるいは間違いなくということだと思うのです。だとすれば、ますますこれはふえると見なければならぬ。そうなると、現実にやっておられる現場の方々、通報を一々されたりする方々、この方々はたいへんだと私は思うのです。先ほどのように計器飛行方式で飛行している航空機の場合だけしかわからぬそうでありますが、異常接近というようなことがある。こういうふうなこともあわせて、これはたいへんだと思うです。この辺の要員については、現実に一体どのようにお考えになっておりますか。やっている方々にとってはたいへんなオーバー労働になっているというふうに承っているのですけれども、そこらのところはどう把握されていますか。
  224. 澤雄次

    ○澤政府委員 このMAC機の増大のために、特に予算要求はいたしておらないわけでございます。この事務量の今後の推移その他を見まして、事務量が非常にふえて通信の担当の職員の数が不足するという見通しが明確になりましたら、来年度の予算要求をいたしたいというふうに思います。
  225. 大出俊

    大出委員 この数字その他定員の伸び率等からいきますと、しろうと批判で見たって相当これはたいへんなことになる、将来ますますそういうことになる、こう思われるわけであります。十分そこのところは御検討いただいて、ひとつそういうところにしわの寄らないような対策をお立ていただきたい、こう思うわけです。  いずれにいたしましても航空関係の問題というのは、事故が相次いで、言うまでもなくたいへん国民全体の問題として心配をされているところですから、大臣問題点を幾つかあげましたが、申し上げればまだたくさんありますが、時間の関係もありますので、ひとつぜひこれは格段の御尽力を今後ともお続けをいただいて万全を期す、特に職場にもしわが寄らないように御配慮をいただくというふうにお進めいただきたいと思うのです。
  226. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 承知いたしました。
  227. 大出俊

    大出委員 次に、陸運の関係について承りたいのですけれども、陸運事務所等の関係を歩いてみましても——大臣陸運関係の事務所を最近歩いたことございますか。
  228. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 就任早々に、東京の品川の自動車関係の事務所に参りました。
  229. 大出俊

    大出委員 そのつどそう思うのですけれども、前にも何べんかこの委員会で論議されているのですけれどもどうにもならぬ状態なんです。これこそ何とかしなければならぬ。比較的予算その他の面ではわかるところはわかったような感じのする面もあるのだけれども……。そこで具体的にひとつ承りたいのですが、個人タクシーの申請が出されて、二年以上もたって未処理のままでおっぽらかされたままになっている。そうすると、申請者の側からすれば、赤旗を立てて、それこそすわり込みの場所までつくって、四谷の東京陸運事務所の前でやっているのでしょう。小屋がけまでしたり、家まで借りたりしてやっているでしょう。あれはいつまでほっぽっておくつもりなのか。あれはどういうことになっているのですか。
  230. 原山亮三

    ○原山政府委員 個人タクシーの申請につきましては、現在未処理件数が約三千ぐらいございますが、この最大原因は、昭和三十九年のオリンピックの開催を控えまして、相当申請が殺到した。オリンピックのために必要とする個人タクシーの数につきましては、その節に処理をいたしたわけでございますが、そのオリンピックの対策ということで申請が非常に多くなった、それが非常に多くたまっている原因でございます。その後四十年、四十一年につきましては、申請件数と処理件数との間の比率は、大体申請件数に相応したような処理をいたしておるわけでございますので、三十九年の未処理件数というのをこれからできるだけ早く進めてまいりたい、こういうように考えておるわけであります。
  231. 大出俊

    大出委員 定員関係については、どうお考えですか。
  232. 原山亮三

    ○原山政府委員 陸運事務所の定員につきましては、自動車の増加が非常に顕著でございまして、陸運事務所の業務というものは、自動車の数に比例して業務量がふえるのでございますので、われわれとしては毎年陸運事務所の、特に車両検査及び登録人員の増加については、自動車局の最大の重要事項として要求をいたしておりまして、大体四十二年度の人員査定は、車検登録及び一般会計を合わせまして、陸運事務所の関係は百五名の査定をいただいているような実情でございます。
  233. 大出俊

    大出委員 これを見ますと、私も驚いておるんですが、東京陸運局の自動車第一部の旅客第二課監理第一係、これは東京都の法人関係、管内個人タクシーの関係の免許、許可、認可、行政事務、これらに対する事業監査から行政訴訟事務、これは何人でやるのかというと、三人なんですね。どこから考えても、これは三人でやれるはずがない。しかも、個人タクシーの免許申請の事務が、三十九年三月以降のものが、これを見ると、これは多少いまの数字と違いますけれども、約四千五百件あるというんですね。法人の申請が、約六十件未処理で残っているんです。だから、係員全員が、現地調査も何もやらないで、聴聞会だけをやってそれを計算してみても、約二年半くらいこれだけやるのにかかるのです。にもかかわらず、その定員をふやそうとしないというのは、どういうわけですか。
  234. 原山亮三

    ○原山政府委員 陸運事務所の定員についてのお話でございますが、自動車の数に正比例して業務量のふえますのは、登録事務と車検事務でございますが、われわれとしましては、このほうがやはり陸運事務所の定員要求としては一番優先するというふうな考えでございまして、いま先生のおっしゃいました輸送関係業務は、一般会計の定員でございまして、車検登録のほうは三十九年から特別会計というふうになっておりますので、比較的特別会計のほうについては定員がとりやすい。ところが、一般会計の輸送業務のほうにつきましては、要求しても、なかなかその査定が得がたいというふうな面もございまして、われわれとしては、できるだけ一般会計のほうもふやしたのでございますけれども、何ぶん緊急に必要とする人員は車検、登録のほうでございますので、そのほうを重点に置いてやっていきたい。したがいまして、輸送関係のほうは相当窮屈になっておるというふうな現状でございます。
  235. 大出俊

    大出委員 これは大臣に承りたいのですが、一般会計にせよ、特別会計にせよ、私がいま申し上げた数字を否定されないのですから、たいへんな事務量があるということは、間違いないのです。しかも、三人ということ、これも間違いないわけです。どこからいってもやれるはずはない。しかも、月平均二十時間から三十時間超勤をやっておる。超勤をやっておるのだけれども、月平均の超勤手当のほうは、大体五時間から六時間の超勤手当しかもらってないというのですね。こういう実情なんですね。ところが大臣、一般会計であろうと、特別会計であろうと、行政管理庁によく言うんだけれども、一律に、ひまなところも、忙しいところも、スクラップ・アンド・ビルドだから、新しいものをよこせというなら、古いものをつぶしてこい。それでは片づかない、実際に仕事というものはふえておるから。だから、逆にいえば、行管が何いっても通用しない現実なんです。庶民一般の生活にまさに直結しておる仕事、それで私はおいでになりましたかという質問をしたのです。私も、実際そこの東京陸運事務所にも、品川にも行ってみましたが、あきれ返ってものも言えない。何べんも内閣委員会でものを言ったことがある。この点、大臣どういうふうにお考えになりますか。
  236. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 各方面で増員の要求がありましたことは、事実でございます。行政の簡素化あるいは合理化、こういう見地から、政府といたしましても極力増員を押えるという措置に出てまいっておるのでございまして、これも国民の負担という点から考えますと、やむを得ないことかもしれませんが、国民の日常生活に直結した事務につきまして、その事務を迅速に処理するということは適当であろうと考えますので、今後必要な人員については、十分これを充足できますように要求してまいりたいと思います。
  237. 大出俊

    大出委員 そうでも答える以外に答えようがないだろうと、私は思うのです。  もう一つ、例のダンプによる子供、幼児に対する事故、ひき殺しというような形のことが、最近しきりにあるです。この中に白トラというのですか、正式には営業類似行為といったらいいのですか、こういうふうなものが、最近新聞に何べんも出ております。こういうふうなことについての取り締まり責任はどこにあるのかという点、また、この種のことがどうしてしからば取り締まれないのか、そこらについてどうお考えになりますか。
  238. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 御指摘のとおり、大型自動車、貨物自動車、あるいはダンプにつきましては、営業車の数に比べて自家用車が非常に多くなっておるのでございます。このうち営業車につきましては、道路運送法によりまして、運輸省が事業免許をするということに相なっておるのでございまして、また、免許したものにつきましては、陸運局を通じまして、その業務の運営についても、十分な指導、監督をすることにいたしております。ところが、ダンプに例をとりますというと、全国のダンプの数がいま約十三万台ほどあるそうでございますが、その中で、運送業者の営業に供せられておるというものが一万一千台、残余の大部分というものは、これは自家用車ということになっておるわけでございます。自家用車につきましては、御承知のとおり、業務の免許というような制度がございませんので、これを買おうという者は、自由に自動車販売業者から買い取りをする。そして営業類似行為を自由にやる。これに対する取り締まりは、警察取り締まりだけだというような状況であるわけでございます。私は、就任早々に、大型トラック並びにダンプというものについては、たとえ自家用車であろうと、特段の取り締まりをすることが交通安全の上から必要だろうと思いまして、いろいろ考えました末、三トン以上の大型トラック及びダンプカーについては、これを使用するということについては、一切許可制度においたらどうだろうか、こう思ったのでございますが、一応その許可につきましては、警察許可ということにいたしまして、警察庁当局で何とかそういう法案を考えられないものだろうかというふうに相談を持ちかけたのでございますが、警察当局としては、自動車の運転免許についてすでに警察取り締まり的な仕事をやっておる。それ以上に、今度は自動車を運転して物を現実に運ぶという、そういう行動について、これが常時継続されるというような場合に、それをさらに警察取り締まりでやるということは、どうも考え方として難点があるんじゃなかろうかということでございまして、これは困ったことだと思っておったのでございますが、実は先般他の委員会におきまして、重ねてお話しのような御質問がございまして、いまや大型自動車大型トラック並びにダンプの取り締まりというものは政治問題にもなっておるというような状況でございまして、非常に急ぐ事柄である。そこで、いろいろ自動車局長とも条文を引っくり返したりして検討をいたしました結果、警察当局においてそういう取り締まりができないというような事情がありとすれば、しかたがないから、これを運輸当局において、陸運局を通じて、五トン以上の大型トラック並びにダンプの利用というものについては必ず許可を受けなければできないんだ、こういうような制度にしようじゃないか。しかし、現在の陸運局では、せっかく法律をつくりましても、許可をする事務に携わる人員もないようなしまつなので、その際には人員の増加ということも必要でございますけれども、この問題を内閣の総理府に設けられております交通対策本部のほうへ持ち出しまして、前においては警察取り締まりということで持ち出して結局実を結ばなかったのでございますが、それならば、そのかわりに運輸省が責任を持つという案にしてもう一度本部へ持ち出して、そうして各省意見を聞いて、いいということなら、そういう方向に進むようにしたい。そのかわりに、陸運局のその事務に必要な人員の増加について、ひとつ交通対策本部関係各省としてもやはりそれに協力をしてもらう、こういうことをただいままだ自動車局長と話し合いをいたしておる段階でございまして、近く交通対策本部にこの問題を取り上げてもらうようにしたいと思います。
  239. 大出俊

    大出委員 二時半という待ったがかかっておりますので、二つだけものを申し上げまして、あと保留させていただきますから。  一つは、いま大臣いみじくもおっしゃっているんだけれども、陸運の関係で、さっき例をあげたように免許をまずする。あるいは許可、認可をする。この免許後の行政指導が必要である。さらに、事業監査、街頭監査という問題まである。やればできるわけですよ。ところが、これを見ると、東京陸運局の自動車第二部貨物第一課というのは、担当地区一都七県の路線区域貨物の事業の免許、許可、認可、事業監査、街頭監査——定員十一名ですよ。これはどこから考えたって、関東地区の一都七県を十一名で、街頭監査、免許後の事後の行政指導、こんなものまでもやりようも何もないですよ。そうでしょう、現実に。だから、一例をあげますと、私が住んでおる横浜の神奈川区の西寺尾町二丁目七番地というところですが、ここは農家のたんぼ畑ですよ。そこのところを坪刈りしまして、五つばかりの運送会社がそこへ大きな車庫をつくって、プレハブで事務所をつくって、有刺鉄線を張って囲みをつけている。そこに山のように荷物を積んで、夕方になると、トラックがみんな入ってくる。これは朝になると、どんどんみんな出ていく。これは陸運局の許可をとってちゃんと看板が立っている。ところが、側溝も入っていなければ、下水もなければ何もない。向こうのほうから水道を引いてきて、みんな車を一生懸命洗う。下水も何もないから、みんな流れぱなし。そこに民家がある。しかも、入ってくるところは六メートル、だからすれ違えない。家内振動、うちは傾き、舗装道路でないから、ものすごい泥棒で、その辺に人家が密集している。そういうところを許可をして、事後監査一ぺんしたことがない。ところが、住民にとってみれば、何でこういうばかなことをやるのか。子供が出ていくといったって、そこへ自動車が入ってくると、朝、荷を積んでくると出られないのです。向こうは大きな道路なんです。入ってくるところは六メートルしかないのですから、出られない。そういうことになっているのに、みなそのままなのです。現実の問題として、じゃ道路を直せばいいじゃないかといって横浜市がかりに道路を直してみても、六メートル道路ではどうにもならぬ。側溝なんかそこへ入れた場合には、車が一台入ってきたら人は歩けない、そういうところが許可になっているということです。だから、どこかで何か適当にうまいことをやって許可したのではないかというような話が、町じゆうに出てくる。私は、近く行って全部調べてみようと思っているのだけれども、そういうことだらけなんですね。かつて行管のほうから、陸運事務所なんていうものは切り離して、地方事務官制度なんてなくして県に入れてしまえという話があったけれども、そんな筋合いのものではなく、厚生省とか労働省というのは、タイアップするセクションが現にあるのだからいいけれども、陸運局の場合は、そんなものはないでしょう。してみると、陸運というものはむしろ切り離して、もっと人をふやして引き上げて、そして十一名なんていうようなばかなことをしないで、こういうときこそ徹底的に人をふやしてやっていかなければ、交通安全対策が泣きますよ。そうでしょう。だから、さすが大橋さんほどのベテランが、何もかも知り過ぎている大臣が、さっきのようなわからないような、わかったような答弁をせざるを得なくなるのです。まだたくさんありますが、これだけはどうしても当面片づけなければならない大きな問題を、そういう認識でどうしたらいいかということをひとつ皆さんに提起してほしい。いま大臣のおっしゃったのも、一つ方法でしょう。しかし、警察、警察といったって、警察だって忙しい。またやたらに免許するのですから。ここで事後監査も何もできない。実態調査もできない。単なる書面審査だけで、何もできない。こういうかっこうで、車庫があるからいいというので許可してしまう。これはそういうわけにはいきませんよ。ですから、そこのところをはっきりしていただかなければと私は思っております。  時間がありませんから、あとのほうはまた次の機会に残してあらためて質問いたしますが、一点だけ申し上げておきたいのです。それからそれとからんで、こういうような仕事をやっていると、労使間というものは、ときにはあまりに少ない人間でやらされていて苦心惨たんしているわけです。航空や自動車なんていうところは、陸運事務所に限らず、そういうところの労使関係というものは、ひとつ気をつけていただかなければならぬと私は思っているのです。上原参事官はお見えになっておりますか。——お見えになっていないそうですが、どうもあまり感心しない話を聞くものだから、きょう質問してみようと思ったのですが、本人がいなければしようがないが、特にその点は気をつけていただいて、ぎりぎりの定員でオーバー労働をしてやっていて、二十時間も三十時間も超勤をやって、もらうのは五時間か六時間しか現実にもらえない。私は、かって労働組合時代に、石田博英労働大臣のときに提訴したことがある。そうしたら、二億何がしという金、三年間全部目を通して、ただ働きというのを計算してみた。えらい騒ぎになって、省の側から払いますといって、払ってしまって片がついた。それ以来、この種のことはやらせなくなった。ところが、二十時間、三十時間超勤をやっても、五時間か六時間しかくれない。こういうふうなことにしておいては、私は実際いかぬと思う。これはその衝に当たる人が何と答えるかというと、自主的におやりになっているのだ、命令していない、そういうことになっておるのだろうと思うのだけれども、そういうことは私は感心しない。だから、それらの問題を含めて、ひとつ労使間の問題をあわせて御注意をいただいて、仕事の面でスムーズに運行していただくように、ワンライティングなんという問題でだいぶがたがたしていたように聞いたのだけれども、どうやら労使間軌道に乗っておるように思いますけれども、ぜひひとつ気をつけていただきたい。  それから最後に一つだけ、すぱっとおわかりいただけぬと困るので提起だけさしていただきますが、例のスクラップの爆発事故というのがありました。四月二十五日の神戸港、パナマ船のスター・アークチュラスという船名の三番船倉のスクラップ貨物の爆発事故、これは多少私調べてみましたところ、百二十キロ入りの袋なんですね。で、神戸と横浜両方に入ってくる袋の数が二百二十九、神戸で九十八袋揚げたところで爆発をしたわけです。中身は薬きょう、雷管のたぐいです。来たところはシンガポール。戦略物資こういっているのだけれども、送ってきた送り札のほうの商品名は、中身と違う。そこで、一人は両眼失明、たいへんな重傷です。残り十一人がこれまた重傷です。みんな荷役の労働者諸君です。そこで、この船の代理店、これは横浜にあるエバレット、これがエージェントです。そこでジョンソンラインのスター・アークチュラスという船、こういうわけです。この輸入扱いの商社は日商株式会社、取締役社長が西川政一さん、こういう扱いの貨物なんですけれども、これがシンガポールの相手方は、インド・ストレート社というのですね。そこで、横浜が百七十一袋だったわけでありますが、神戸で九十八袋揚げたところで爆発しましたから、あと揚げられない。船倉に入ったままということで、それが残になりましたから、三十袋神戸に残った。この三十袋を横浜に回送してまいりました。したがって、横浜で揚げようという数が二百一袋、こうなったわけです。そこで、これは会社側、エージェントのエバレット、組合側等々が入って、安全委員会等開いて安全を期そうじゃないかという話になって、話の結論というのは、海洋投棄をする、捨てるというわけですね。安全という面からいろいろ検討してみたら、これははしけ取りもできない、接岸荷役もできない、だから横浜港のどこかわからぬけれども、場所を設定して海洋投棄をしなければあぶないということになって、それならばということになった。ところが、船のほうで、荷主のほうから、自分のところのはしけを持ってきて、船員を使ってはしけ取りをやっちゃったのですね。はしけ取りをやって東京に持ってきた。いまどこに着いているかわからいない。調べてもらってますが、わかりません。現実に横浜ではしけにとったことまではわかっておる。そのはしけもわかっておる。ただしかし、問題は、私がここで申し上げたいのは、中に入っているものと貨物名とが違うのですね。そういう危険物を持ち込んだ。知らないから揚げた。雷管、薬きょうですよ、スクラップと称して。爆発をした。それで横浜に持ってきた。そこで大騒ぎになって、途中海洋投棄をする約束になった。ところが、いつの間にかそれが自分ではしけを持ってきて——どこから持ってきたかわかりませんが持ってきて、船員を使ってそのはしけ取りをさして東京に持ってきた、こういうわけです、実情は。特に港湾荷役には、各業種のうちで最も事故が多いわけですよ。そこへ危険物取り扱いの表示も何もないこの種のあやしげなものが、戦略物資なんという名がつけられて持ってこられるなどということが公然と行なわれたのでは、えらいことになるという問題、これをどうお考えになるかということと、それからもう一つは、これは特殊な扱いなんだけれども、荷主なりあるいは船主なりのほうでかってにはしけをどっかからぽっと持ってきて、船員を使って、正当なルートに乗せては危ういというものをかってにどっかに持っていっちゃった、はしけ回送をやっちゃったということで、港湾運送事業法という法律の中に免許のことがあるわけなんだけれども、こういう法律のたてまえ、かつまた、法秩序の面からいって、港湾作業の秩序の面からいって、これはどういうことになるのかということですね。この二つについて、私は皆さんの見解を聞きたいわけです。いまとくと内容を申し上げましたから、おわかりを願えればお答えをいただきたいし、そうでなければ、次の機会まで保留をいたしておきますので、その機会お話しいただいてもけっこうです。なお、私のほうは調査を依頼してありますから、もっと詳しいことが入ってくると思いますけれども、そういう実情です。
  240. 長野義男

    ○長野説明員 私のほうで調査いたしました結果の概要について、御報告申し上げます。  御指摘のとおり、神戸で揚げ荷中爆発いたしましたので、二百一袋残ったものをそのまま横浜へ持ってまいりまして、ここで京浜港長といたしましては、そのスクラップと称したものの中に危険物が入っておりましたので、危険物荷役の許可申請をさせまして、ノースピアに横づけさせまして、手かぎを使用してはいけない、衝撃を与えないこと、こういった条件をつけまして、また現場には海上保安官、労働基準監督官、火薬技術者、医者等を立ち合わせまして、所要の危険防止の措置をいたしまして、東亜運輸作業員によりましてはしけに揚げました。そのはしけを東京港に回航いたしまして、京浜港長は、危険物の荷役領置指定といたしまして、十一号埋め立て地、ここは最近埋め立てたばかりで、非常に民家から離れた、かりに爆発しても被害を及ぼすということがないような場所でございます、ここに指定いたしまして、ここで中国化工株式会社の職員によって危険物とそうでないスクラップの仕分けをいたしておりますが、これは本日中に終了の予定でございます。そのあとは、これも港則法によりまして、危険物荷役場所としまして、新東運輸岩壁で荷役を許可する手はずになっております。
  241. 大出俊

    大出委員 そうすると、横浜港に二百一袋着いた。そこから先は全部海上保安庁が指示してやったというのですか。
  242. 長野義男

    ○長野説明員 京浜港に着きましてから、代理店のほうから荷揚げの新制がございましたので、それに基づいて措置したわけでございます。
  243. 大出俊

    大出委員 そうしますと、これはさっき私が申し上げましたように、エバレットがエージェントになっておるわけですが、そこから海上保安庁に荷揚げの申請があったというわけですね。
  244. 長野義男

    ○長野説明員 代理店のエバレットから京浜港長に対して、危険物荷役運搬許可が申請なされたわけです。
  245. 大出俊

    大出委員 それでは時間の関係で、あとは保留します。
  246. 細田吉藏

    ○細田委員長代理 八田貞義君。
  247. 八田貞義

    ○八田委員 だいぶ時間もたちまして、大臣もお疲れでありますので、ただ一言御要望を申しまして、大臣の御答弁をお願いしたいと思います。  大臣御承知のとおり、ことしは国際観光年でございます。私は、観光行政とか観光事業というのは、知らせる、見せる、また来たいと思わせる、これが一番大切な点だと思うのです。こういう大事なことについて、見のがされている点が、トイレの施設なんですね。京都なんかの有名なお寺に行きましても、トイレのないお寺が相当ある。またトイレがありましても、男女が同じ仕切りの中にある。これは外人が非常に困るし、特に婦人が困ってしまう。東京都内の私鉄のターミナルなんかに行きましても、トイレの施設が非常に少ない、非常に不完全きわまる。こういうトイレの施設か考えますと——国際観光年はインターナショナル・ツーリスト・イヤーですから、これは訳せば、ITY、ところが、こういった日本の観光地におけるトイレの現状を見ますと、インターナショナル・トイレット・イヤーと呼びたくなる。大臣、トイレットというのは非常に簡単にお考えになりますが、必要欠くべからざる施設なんです。予算の上では非常に削りやすい。人間の生理現象を遮断するようなことになるのですから、全観光地にトイレの施設を整備してほしい。ITYがインターナショナル・トイレット・イヤーというように読まれないように、特にこの点はちょっとうっかりすると、忘れやすいんです。先ほど申しましたように、知らせる、見せる、また来たいと思わせることが、観光行政の要諦です。その一番必要な施設はトイレです。日本の現状は、あまりにもトイレが貧弱である。観光地におけるトイレを整備し、ITYをインターナショナル・トイレット・イヤーと読まれないように、特段の御注意をお願いしたい。
  248. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 ただいま観光施設におけるトイレットの問題につきまして、きわめて適切な御意見を承りまして、私どもも、日本の観光施設の現状を見まして、確かに仰せのように取り急ぎ措置をとる必要があると存じます。したがいまして、ことしは国際観光年でもございまするので、今後各観光施設の経営者に対しまして、御趣旨のような趣を伝えまして、努力させるようにいたしてまいりたいと思います。また、その際には、いろいろ観光上、有料施設等というようなこともやむを得ないのではないかと思いますが、さようなことをやりたいと思っております。  なお、本年度の運輸省の予算といたしましては、国際観光年の企画委員会の専門会議の勧告をもとにいたしまして、有料便所に対する補助費を三千万円だけ組んでございます。これは地方公共団体に対する補助費でございまして、私設の観光施設に対する補助ではございません。公共団体にはさような補助を組んでございますから、これに基づいて急速に施設の普及をはかりますとともに、民間の観光施設につきましても、ひとつ自力でいろいろ有料便所を普及させるように指導いたします。
  249. 細田吉藏

    ○細田委員長代理 次会は、来たる二十三日午前十時から理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後二時五十七分散会