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大出委員 二時半という待ったがかかっておりますので、二つだけものを申し上げまして、あと保留させていただきますから。
一つは、いま
大臣いみじくもおっしゃっているんだけれども、陸運の
関係で、さっき例をあげたように免許をまずする。あるいは許可、認可をする。この免許後の
行政指導が必要である。さらに、
事業監査、街頭監査という問題まである。やればできるわけですよ。ところが、これを見ると、東京陸運局の
自動車第二部貨物第一課というのは、担当地区一都七県の路線区域貨物の
事業の免許、許可、認可、
事業監査、街頭監査
——定員十一名ですよ。これはどこから考えたって、関東地区の一都七県を十一名で、街頭監査、免許後の事後の
行政指導、こんなものまでもやりようも何もないですよ。そうでしょう、現実に。だから、一例をあげますと、私が住んでおる横浜の神奈川区の西寺尾町二丁目七番地というところですが、ここは農家のたんぼ畑ですよ。そこのところを坪刈りしまして、五つばかりの運送会社がそこへ大きな車庫をつくって、プレハブで事務所をつくって、有刺鉄線を張って囲みをつけている。そこに山のように荷物を積んで、夕方になると、トラックがみんな入ってくる。これは朝になると、どんどんみんな出ていく。これは陸運局の許可をとってちゃんと看板が立っている。ところが、側溝も入っていなければ、下水もなければ何もない。向こうのほうから水道を引いてきて、みんな車を一生懸命洗う。下水も何もないから、みんな流れぱなし。そこに民家がある。しかも、入ってくるところは六メートル、だからすれ違えない。家内振動、うちは傾き、舗装道路でないから、ものすごい泥棒で、その辺に人家が密集している。そういうところを許可をして、事後監査一ぺんしたことがない。ところが、住民にとってみれば、何でこういうばかなことをやるのか。子供が出ていくといったって、そこへ
自動車が入ってくると、朝、荷を積んでくると出られないのです。向こうは大きな道路なんです。入ってくるところは六メートルしかないのですから、出られない。そういうことになっているのに、みなそのままなのです。現実の問題として、じゃ道路を直せばいいじゃないかといって横浜市がかりに道路を直してみても、六メートル道路ではどうにもならぬ。側溝なんかそこへ入れた場合には、車が一台入ってきたら人は歩けない、そういうところが許可になっているということです。だから、どこかで何か適当にうまいことをやって許可したのではないかというような話が、町じゆうに出てくる。私は、近く行って全部調べてみようと思っているのだけれども、そういうことだらけなんですね。かつて行管のほうから、陸運事務所なんていうものは切り離して、地方事務官
制度なんてなくして県に入れてしまえという話があったけれども、そんな筋合いのものではなく、
厚生省とか労働省というのは、タイアップするセクションが現にあるのだからいいけれども、陸運局の場合は、そんなものはないでしょう。してみると、陸運というものはむしろ切り離して、もっと人をふやして引き上げて、そして十一名なんていうようなばかなことをしないで、こういうときこそ徹底的に人をふやしてやっていかなければ、
交通安全
対策が泣きますよ。そうでしょう。だから、さすが大橋さんほどのベテランが、何もかも知り過ぎている
大臣が、さっきのようなわからないような、わかったような答弁をせざるを得なくなるのです。まだたくさんありますが、これだけはどうしても当面片づけなければならない大きな問題を、そういう認識でどうしたらいいかということをひとつ皆さんに提起してほしい。いま
大臣のおっしゃったのも、
一つの
方法でしょう。しかし、警察、警察といったって、警察だって忙しい。またやたらに免許するのですから。ここで事後監査も何もできない。実態調査もできない。単なる書面審査だけで、何もできない。こういう
かっこうで、車庫があるからいいというので許可してしまう。これはそういうわけにはいきませんよ。ですから、そこのところをはっきりしていただかなければと私は思っております。
時間がありませんから、あとのほうはまた次の
機会に残してあらためて質問いたしますが、一点だけ申し上げておきたいのです。それからそれとからんで、こういうような仕事をやっていると、労使間というものは、ときにはあまりに少ない人間でやらされていて苦心惨たんしているわけです。航空や
自動車なんていうところは、陸運事務所に限らず、そういうところの労使
関係というものは、ひとつ気をつけていただかなければならぬと私は思っているのです。上原参事官はお見えになっておりますか。
——お見えになっていないそうですが、どうもあまり感心しない話を聞くものだから、きょう質問してみようと思ったのですが、本人がいなければしようがないが、特にその点は気をつけていただいて、ぎりぎりの定員でオーバー労働をしてやっていて、二十時間も三十時間も超勤をやって、もらうのは五時間か六時間しか現実にもらえない。私は、かって労働組合時代に、石田博英労働
大臣のときに提訴したことがある。そうしたら、二億何がしという金、三年間全部目を通して、ただ働きというのを計算してみた。えらい騒ぎになって、省の側から払いますといって、払ってしまって片がついた。それ以来、この種のことはやらせなくなった。ところが、二十時間、三十時間超勤をやっても、五時間か六時間しかくれない。こういうふうなことにしておいては、私は実際いかぬと思う。これはその衝に当たる人が何と答えるかというと、自主的におやりになっているのだ、命令していない、そういうことになっておるのだろうと思うのだけれども、そういうことは私は感心しない。だから、それらの問題を含めて、ひとつ労使間の問題をあわせて御注意をいただいて、仕事の面でスムーズに運行していただくように、ワンライティングなんという問題でだいぶがたがたしていたように聞いたのだけれども、どうやら労使間軌道に乗っておるように思いますけれども、ぜひひとつ気をつけていただきたい。
それから最後に
一つだけ、すぱっとおわかりいただけぬと困るので提起だけさしていただきますが、例の
スクラップの爆発事故というのがありました。四月二十五日の神戸港、パナマ船のスター・アークチュラスという船名の三番船倉の
スクラップ貨物の爆発事故、これは多少私調べてみましたところ、百二十キロ入りの袋なんですね。で、神戸と横浜
両方に入ってくる袋の数が二百二十九、神戸で九十八袋揚げたところで爆発をしたわけです。中身は薬きょう、雷管のたぐいです。来たところはシンガポール。戦略物資こういっているのだけれども、送ってきた送り札のほうの商品名は、中身と違う。そこで、一人は両眼失明、たいへんな重傷です。残り十一人がこれまた重傷です。みんな荷役の労働者
諸君です。そこで、この船の代理店、これは横浜にあるエバレット、これがエージェントです。そこでジョンソンラインのスター・アークチュラスという船、こういうわけです。この輸入扱いの商社は日商株式会社、取締役社長が西川政一さん、こういう扱いの貨物なんですけれども、これがシンガポールの相手方は、インド・ストレート社というのですね。そこで、横浜が百七十一袋だったわけでありますが、神戸で九十八袋揚げたところで爆発しましたから、あと揚げられない。船倉に入ったままということで、それが残になりましたから、三十袋神戸に残った。この三十袋を横浜に回送してまいりました。したがって、横浜で揚げようという数が二百一袋、こうなったわけです。そこで、これは会社側、エージェントのエバレット、組合側等々が入って、安全
委員会等開いて安全を期そうじゃないかという話になって、話の結論というのは、海洋投棄をする、捨てるというわけですね。安全という面からいろいろ検討してみたら、これははしけ取りもできない、接岸荷役もできない、だから横浜港のどこかわからぬけれども、場所を設定して海洋投棄をしなければあぶないということになって、それならばということになった。ところが、船のほうで、荷主のほうから、自分のところのはしけを持ってきて、船員を使ってはしけ取りをやっちゃったのですね。はしけ取りをやって東京に持ってきた。いまどこに着いているかわからいない。調べてもらってますが、わかりません。現実に横浜ではしけにとったことまではわかっておる。そのはしけもわかっておる。ただしかし、問題は、私がここで申し上げたいのは、中に入っているものと貨物名とが違うのですね。そういう危険物を持ち込んだ。知らないから揚げた。雷管、薬きょうですよ、
スクラップと称して。爆発をした。それで横浜に持ってきた。そこで大騒ぎになって、途中海洋投棄をする約束になった。ところが、いつの間にかそれが自分ではしけを持ってきて
——どこから持ってきたかわかりませんが持ってきて、船員を使ってそのはしけ取りをさして東京に持ってきた、こういうわけです、実情は。特に港湾荷役には、各業種のうちで最も事故が多いわけですよ。そこへ危険物取り扱いの表示も何もないこの種のあやしげなものが、戦略物資なんという名がつけられて持ってこられるなどということが公然と行なわれたのでは、えらいことになるという問題、これをどうお考えになるかということと、それからもう
一つは、これは特殊な扱いなんだけれども、荷主なりあるいは船主なりのほうでかってにはしけをどっかからぽっと持ってきて、船員を使って、正当なルートに乗せては危ういというものをかってにどっかに持っていっちゃった、はしけ回送をやっちゃったということで、港湾運送
事業法という
法律の中に免許のことがあるわけなんだけれども、こういう
法律のたてまえ、かつまた、法秩序の面からいって、港湾作業の秩序の面からいって、これはどういうことになるのかということですね。この二つについて、私は皆さんの見解を聞きたいわけです。いまとくと内容を申し上げましたから、おわかりを願えればお答えをいただきたいし、そうでなければ、次の
機会まで保留をいたしておきますので、その
機会に
お話しいただいてもけっこうです。なお、私のほうは調査を依頼してありますから、もっと詳しいことが入ってくると思いますけれども、そういう実情です。