○井上(泉)
委員 それじゃ駐在の警察官が、そばにおる者にピストルを貸して、そこを撃ってみよ、どうなるか、こういうふうに貸した場合でも厳重処分で済むのですか。これはあなたたち同僚
——下僚といっては失礼ですが、部内の方がいろいろ気に入らぬ、あるいは手の足らないことについて、おまえはああいうことをしてはいかぬじゃないか、たとえば鈴木交通局長に、おまえあんな交通の取り締まりをしてだめじゃないか、こう言うことは
一つの厳重な注意でしょう。そういうことは絶えず署内なりあるいは部内でやっておることであって、島根県の警察本部長に対する処分というのは、これは処分じゃないじゃないですか。上がそういうことをするから、下はますますトラの威をかるキツネというような、たいへんなことをするわけです。この清水署の問題につきましては、これは私は警察官として常識で
考えられぬことだと思うのです。ジャックナイフを隠して持ってきた、こういうことは地元の新聞でも書いておるのですが、「シャツの中から刃渡り十四センチのインディアンナイフを取り出して突きかかろうとした。同巡査はその場から逃げたが、こんどは署内にいた林田美智磨次長らに襲いかかり、逃げる同次長」
——次長は玄関先まで逃げている。こんな警察官がありますか。逃げて、この騒ぎで二階にいた松本刑事課長が降りてきて、玄関先でその男を説得した。すきを見て一人の署員が棒で凶器をたたき落とそうとした。ところがそれができなかったからといって逃げた。こういう状態の中で、一人の若い巡査がピストルを保管庫から持ち出してきて射殺するということは、これは全く非人間的な
——警察官が殺されるということも、殺された警察官の家族や本人、これは人間の命は
一つしかないのですから、こういう大阪の警察官の射殺にいたしましても高知県の射殺にいたしましても、私はやはり島根県の警察本部長が拳銃の
取り扱いについて規則に違反をしてやる、やったことに対して何らのとががない、これは口で言ったものですから、とがじゃない、何でもないです。あなたが東京に呼び寄せて、おまえあんなことをされちゃ困るじゃないか、こう言われる、それはあたりまえのことです。それで問題を解決しようとするから、結局警察官がこういうことを平気でやるわけなんです。私はそういう点で、これほど
道路交通法を守るために
努力をされておる全体の警察官に対しまして、こういう本部長や、あるいはこういう警察官のピストルの
取り扱い方というものは、大きなどろを塗ったことになるわけだと思うのです。それは警察は正当防衛であるとか、あるいは緊急避難のためにやむを得ずとった
措置だとか、いろいろ理屈は言われておるのでしょうけれ
ども、おそらく清水の場合にいたしましても、家族なりあるいは周囲の人たちは告訴をするでしょう。そして検察庁が乗り出しておるから白黒はつくと思うのですが、警察官に拳銃を持たすということを、ある
程度年齢的に制限したらどうですか。相次いで起こった、二つとも若い巡査ですが、交通巡査に拳銃を持たしておるかどうか知りませんけれ
ども、全部の警察官に拳銃を持たしておるということは、何か拳銃を持たす場合には規制をして、ふだんいつでも巡査がピストルをさげるということはやめたらどうかと思うのですが、その点についてのお
考えをお聞かせいただきたい。