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○
内田委員長 これより会議を開きます。
まず、本日の
請願日程全部を議題といたします。
本会期中に付託になりました
請願は、全部で三百七十七件でありますが、同一趣旨のものが多数ありますので、これを事項別に分類しますと、二十八の事項に集約されます。その取り扱いにつきましては、先刻
理事会において協議いたしたので、この際、その採否をおはかりしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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○
内田委員長 御異議なしと認めます。
おはかりいたします。
本日の
請願日程中、日程第一、第二、第一五ないし第六八、第八九、第九〇、第九二ないし第一
○九、第一
一三ないし第一一六、第一二〇、第一二一、第
一三一、第
一三四ないし第
一三七、第一四七ないし第一七九、第一八二ないし第一九四、第二五五ないし第二六八、第二七一ないし第二七八、第二八〇ないし第二八九、第二九一ないし第三一七、第三二〇ないし第三三六、第三四二ないし第三四四、第三五一、第三五五ないし第三五七、第三六五、第三六六、第三七六及び第三七七の各
請願につきましては、採択の上、内閣に送付すべきものとし、また、日程第三ないし第一四、第一二二ないし第
一三〇、第
一三二、第
一三三、第一八〇、第一八一、第一九五ないし第二五四、第二七九、第二九〇、第三一八、第三一九、第三三七ないし第三四一、第三四五ないし第三五〇、第三五二ないし第三五四、第三五八ないし第三六四及び第三六七ないし第三七五の各
請願につきましては、おのおの立法措置によりましてその趣旨がすでに達成せられておりますので、議決を要しないものと決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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○
内田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
ただいま議決いたしました各
請願に関する委員会報告書の作成につきましては、
委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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○
内田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
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〔報告書は附録に掲載〕
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○
内田委員長 なお、本会期中、参考送付されました陳情書は十三件でありまして、印刷して配付しておきましたので御了承をお願いいたします。
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○
内田委員長 次に、国の会計、税制及び金融に関する件について調査を進めます。
質疑の通告がありますので、これを許します。
村山喜一君。
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○
村山(喜)委員 私は、米価の問題につきまして、本日関係各省の方々にも出席を願いましてお尋ねをいたしたいと思います。
それは生産者米価が確定をいたしまして、いよいよ次は消費者米価が問題になるときを迎えたのでございますが、きのうの新聞を見ますと、総理大臣が閣議におきまして、米価政策について悪循環を断つ施策をやらなければならぬ、毎年の大幅な上昇は問題があるという意味の指摘をされております。倉石農林大臣は、国会明けからこれを検討したいという意味のことを言っておられるようであります。この問題につきましては、きわめて国民生活の上に重要な影響を持ってまいりますので、これに対するところのそれぞれの考え方をただしてまいりたいと思うのでございます。
そこで、大蔵大臣は後ほどお見えになりますので、その際お答えをいただくことにいたしまして、まず経済企画庁のほうから質問をいたしたいと思います。それは、経済社会発展計画がつくられまして、物価の上昇の度合いを、計画期間の終わりになります四十六年においては年上昇率三%程度に押えるのだという政策目標が定められているわけでございます。今日まで経済の高度成長政策を続けてまいりました結果、平均いたしまして六%を上回る消費者物価の上昇が見られてまいりました。そこで、経済成長率を八%に押えていった場合でも、それでもなお年に四、五%の上昇のおそれがある。だから、よほど合理的にやらなければだめなんだということで、物価安定の政策といたしまして基礎条件を八つほど策定をされて、こういうようなことをやるのだということを明示されているわけでございます。これに基づいて経済企画庁の国民生活局においては、消費者物価安定のための政策を進めつつあると思うのでございますが、私は、これらの政策を遂行をしていく中において、今日家計費の中に占めます米価の問題をどういうふうに考えてこれらの問題を処理されようとしているのかということについて、その考えの方向というものを明らかにしてもらいたいと思うのでございますが、この物価安定政策の基礎条件の中にございますいわゆる政府が関与する物価については安定化を進めなければならないのだ、こういう意味の内容がはっきりと織り込まれております。したがいまして、そのような角度からひとつ答弁を願いたいのでございます。
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○中西政府委員 お話の経済社会発展計画で、最終年度三%台ということを柱としておることは、先生御指摘のとおりであります。米価の問題にどういう態度でこれから取り組んでいくかということですが、その前に、過去の経済成長の破綻で、成長率が高いと物価の上昇もおのずから高いというふうに一般に理解されてきたわけですが、これから将来に向かっては、高い成長と安定した物価というものの両立をねらっていかなければならないと思っております。そのことは、簡単に申し上げますと、いろいろな分野で競争条件を導入して適正な競争が行なわれるように、そういう環境をつくっていくということと、もう一つは、御指摘の政府関与の分野——消費者物価の中でのウエートは大体二〇%くらいだと思いますが、これらの分野において許認可事業、あるいは食糧管理、いろいろなものが含まれておるのですけれども、それぞれについて安定化の方向を追及していく必要があると思います。
当面の米価につきましては、本年度に限っていいますと、この四月、五月、六月の消費者物価がやや安定基調に乗りかかっております。物価全体として大体うまくおさめることができれば、ほかの消費者米価の予想されております値上げがありましても、物価全体としては大体当初の見通しにおさまっていくのではないかと見ております。まだ予断は早過ぎるかもわかりませんが、そういう期待を持ち、努力もいたしたい、こう考えておるわけです。
米価自身の問題ですけれども、これは財政の問題もありますし、食糧管理という長年の制度あるいは慣習からくる問題もありまして、なかなか困難な問題が多いのですけれども、将来の方向としましては、米価が上がって、ほかの物価が上がる、あるいは賃金に波及する、それがまた次の年の米価に波及するというような循環があるというふうにいわれております。そういう循環をできるだけ安定的なものに持っていく、そういう必要が非常に高まっておるのではないかというふうに考えます。このことは、米価が焦点になって、ほかの物価あるいは賃金を上げるという問題把握と、ほかの産業での賃金なりその他の環境が米価のほうに波及してくる、両面があろうかと思います。両面をとらまえていきませんと、生産者米価と消費者米価の関係だけで解決し得るという性質のものではないのじゃないか、非常に大きな、何といいますか、経済の循環の中で米価を適正に位置づける、非常に抽象的な話になるのですけれども、そういう方向で今後の作業を煮詰めていく必要がある、このように考えております。
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○
村山(喜)委員 国民生活局が設けられましてから、物価問題懇談会やあるいはこの両院におきます物価特別委員会の決議等を受けまして、今日まであなた方が努力をしておいでになりましたそのことに対しては私たちも敬意を表しているわけでございますが、経済の発展過程の中における物価の安定という問題は非常にむずかしい問題があると思うのであります。それだけに、八%の経済成長政策をとろうといたしましても、今日の経済の実態それ自体がもう当初計画をしたそれよりも大幅にずれている。その中において、さらに物価の安定をはからなければならないということは非常にむずかしい時期を迎えていると思うのであります。その際において、政府が関与する物価体系の中において、これを最も中心に安定政策をとらなければ、全体の物価上昇を食いとめることは私は不可能だと思う。そういうような意味において、この消費者米価のあり方という問題については、経済企画庁としてはどういう方向でお考えになっているのか。いわゆる食管法によります現在の消費者米価のきめ方については、家計の安定を主眼としてきめるのだ、こういうことになっているわけでありますが、そういうような方向からこれは押えていくのだ。もう今日予算の中において一四・四%もすでに上昇がきめられておるわけであります。それがさらにまた積み上げられるのではなかろうか。食管会計の赤字を解消するという意味において、二千億円をこえるような赤字になったというような問題をとらえまして、これは逆ざや現象であるから、この際またその上にプラスアルファとして米価を引き上げるべきだという意見も中にはあるわけでございます。そういうようなものに対しまして、あなた方としてはどういう立場で臨もうとしておられるのか、この考え方を明らかにしてもらわなければならないと思うのでありますが、重ねてその点についてお聞かせを願いたい。
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○中西政府委員 家計の安定を旨として定めるという大ワクは鉄則でございます。その鉄則の中で対処してまいることになろうと思います。予算では一四・四%という一応の計上がされておるわけですけれども、現段階で考えるのは少し早過ぎるかもしれぬけれども、前回の米価の値上げのときから、家計のゆとりはその程度あるいはそれ以上にはなるのではないかと思われます。
総じて言いまして、経済企画庁は何が何でも政府関与の価格を据え置くとか、あるいは上げ幅を強引に押えていくというような立場ではございません。米価について申しましても、生産者価格がある程度上がる、これは毎年避けられないことだろうとは思います。それはいわば経済成長の一つの結果でもあるわけです。したがって、消費者のほうも同じ経済成長の結果として家計のゆとりもふえてまいりますから、生産者米価のふえた分を家計のほうで吸収し得る余地というのは毎年幾らかずつ新しく生み出されていくわけでございます。そういう意味で、固定的にどこかの線に消費者米価を押しつけていかなければならないというふうには考えていないわけです。といって、当面、この秋のことですが、逆ざやとかいろいろなお話がございました。それ以上に上げるという話も出ておるのではないかということでございますが、それらについては、なお関係省庁とよく打ち合わせまして、全体で無理のないところで結論を見出していく必要がある、当面そういうふうに考えておるわけでございます。
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○
村山喜委員 そこで、あなたのほうとしては、消費者の立場を守るというのが、私は国民生活局だと思う。そういう立場から経済企画庁としては対処願わなければならないかと思うのですが、そういうような心がまえでやっていただけますか。
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○中西政府委員 お話のとおり、そうです、と、こうお答えすることになるのですけれども、経済というものと国民生活というものは対立しておるものではなくて、おそらくこれは全体として同一の土俵の中の問題だと思います。お互いに無理があってはならない。しかし、いままでどちらかといいますと、生活のほうに対する行政の視点が弱かったという反省は十分ございます。そういう意味で 米価のみならず、全体の問題を通じてそういう視点で問題を追及していく、そういう立場は堅持してまいりたい、かように思います。
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○
村山(喜)委員 そこで大臣もお見えになりましたので、できるだけ大臣に質問を集中してまいりますが、食糧庁、お見えになっていますね。——私は、今度の生産者米価の決定を見てまいりまして、農林省が米価審議会に三つの案を出された。指数化方式、第一次積み上げ方式、第二次積み上げ方式、それをもとにして自民党と政府との間で米価が決定を見たわけでございますが、この作業内容を見てまいります中におきまして、私たちは、今日生産者米価が決定をいたしましたことについてどうのこうのというわけではありませんが、農林省が積算をしてまいりまして、審議会に提案をされたものが、与党と政府との間において決定をされました中において、はたして農林当局は、この政治的な米価決定に対しまして、その出した資料というものが十分にものをいっているかどうかということについて、実は疑念を私は感ぜざるを得ないのであります。
そこで、新聞に報道しております中身を見てまいりますと、付帯労働時間の問題それから自己資本利率の問題、これらは別といたしまして、自作地地代を正常売買価格に基づく土地資本利子としての評価利率五・六%をかけ合わせて六百八十一円という数字を出しているわけであります。こういうような決定の方式——いままではいわゆる固定資産税の評価額というものをもとにいたしまして出されていたものが、正常売買価格という体系をとっていくという方式を押しつけられたという形に私はなっていると思うのでありますが、こういう形の中で今度はどうしても税制の上からのつじつまを合わせなければならないとして、標準小作料の算定のほうにそれをすりかえていくという方式をとって米価のつじつまを合わせようとしておられるように承るのでありますが、あなた方としては、資料をお出しになった立場から、一体こういうような決定のされ方に対して、これが正しいとお考えになっているのかどうか、この点を第一点に承りたいのであります。
第二点は、きのうの新聞に大きく出ました——これは農林当局や大蔵当局の意見をまとめたものではなしに、内閣官房が意見を調整しないで出したということになっておりますが、佐藤総理大臣が閣議で読み上げられましたそれらの内容の中において、非常に大きな問題をはらんでいるように私たちは思うのであります。というのは、食管制度そのものを検討しなければならないというようにもとられる、こういうものが出されてきたということに対しまして、消費者米価を決定する場合には、先ほども質問をいたしましたが、家計の安定を主眼とする米価決定という方式が、今日食管法の中においてはなお確立をしているわけであります。そういう立場からあなた方は消費者米価というものを決定をされるでありましょうが、それに対するところの農林省当局としては、どういう立場で臨んでいかれるつもりであるのか、お答えを願いたいのであります。
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○大口政府委員 まず第一の、生産者米価の今回きまりました内容、特に地代の問題についてのお尋ねでございますが、まず、地代の問題に入ります前に、私どもの今回の決定米価についての考え方を申し上げますと、今回の米価審議会は、不幸にして昨年と同様答申を得られないという事態に立ち至ったのでございます。しかし、政府の審議の材料としてお示しをしました案に対しては、きわめて活発な御意見が出されておりまして、答申としては一本にまとまった形でいただけなかったのでございますが、各委員が政府の試算に対してどのように御意見をお持ち合わせであるかということについては、会期を二日も延長して慎重に審議をされましたこともありまして、十分意見を拝聴することができたわけでございます。そこで、最終決定にあたりましては、米価審議会を通じて出されました意見、それからただいま申されましたような、与党のほうでもいろいろ御検討になっておりまする御意見等をもとにしまして、政府部内において意見調整をして、最終的に決定をいたしたということでございます。
それから地代につきましては、ただいま
村山先生が申されましたのはおそらく新聞の報道だろうと思いますが、私どもは、米価の中に織り込まれておるいわゆる自作地の評価をいかにするか、自作地の地代をどうするかという問題は、従来の取り扱いでは、近傍類地にあります小作地の実納小作料を基準として地代部分を計算して織り込むという方法をとっておったのでありますが、御承知のように、現在の統制小作料というのは、相当前の時期から据え置かれておりまして、各方面から、経済実勢を必ずしも反映をしておらないというような御意見もあり、また、私どもとしましては、農業政策の基本的な問題として、この統制小作料のあり方を今後どうするかという問題は、この米価の問題と並行をして検討をいたしておる問題でございます。
そこで、自作地の地代を評価する方法としては、一つは小作料を基礎とする方法と、一つは土地資本利子を基礎とする方法とあるわけでありまして、この内容、立論の基礎等をここで長々と御説明するのもいかがかと思いますから結論だけ申し上げますが、今回決定されました米価では、ただいま申されましたような正常売買価格に利率をかけて決定をするという、ただいま六百八十一円と数字を申されましたが、これはそういう御意見も出たのでございますが、最終的には実納小作料べースで自作地の地代の評価をするということに基づいた計算で政府原案ができておりますので、その意味では、いま申されました新聞の報道が若干食い違っておる面があるかと思いますが、その点は御承知おきいただきたいと思います。
それから第二番目の問題でありますが、佐藤総理の昨日の閣議の発言等は詳細を承りました上で、私どもの担当している部分については真剣に取り組まなければならぬ問題と思っておりますが、当面、この一、二カ月の間にわれわれが取り組まなければらぬ問題であります消費者米価の問題は、私どもといたしましては、現在の食糧管理法の規定の命ずるところに従って、担当の官庁であります経済企画庁並びに財政当局と今後十分に慎重に検討した上で成案を得て、米価審議会におはかりをして決定してまいりたい、かように考えております。
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○
村山(喜)委員 割り当ての時間が少ないわけですから、これらの実納小作料の全国平均額をとって米価の決定がなされた問題、それから派生をする小作料の今後の値上がりの問題等については、また他日触れてまいりたいと思います。
そこで、大蔵大臣にお尋ねをいたしますが、三年間続いて消費者米価が上がってまいりました。ことしも十月一日から、予算によりまして一四・四%、そして消費者米価十キロ当たり百七十五円の値上がりというものがすでに予算の上においては確定をしているわけであります。しかしながら、今回の生産者米価の決定によりまして、その赤字分がまた食管の会計のほうに繰り込んでまいりますから、また二千億円をこえる赤字になる、こういうようなことから、この一四・四%の上に消費者米価をさらに積み上げていくのではないかというようなことが問題になりまして、さらに、この食管制度自体がこわされるのではないかという不安を消費者大衆の人たちが感じているわけであります。閣議で総理大臣が言明をされました内容等は、これは今後においてさらに検討されなければならないものと、それから今日の時点において考えなければならないものとあると思うのであります。
そこで、大蔵大臣は十八日の閣議終了後の記者会見で、消費者米価の価格の方針決定は来月じゅうにはきめなければならないだろう、こういうようなことをおっしゃったと承るのであります。とするならば、この消費者米価の決定がどういうふうになるかということについてはこれから検討をされるわけでありましょうが、私は、やはり経済発展計画の中で物価安定を旨とした経済計画を進めていかなければならないのだという立場から見ましても、この際一四・四%の上にさらに消費者米価を引き上げていくのだというような政策をとることは好ましいことではないと思うのであります。そういう立場で、この消費者米価の問題については、大蔵大臣としては今度一四・四%の上にさらに本年度じゅうにおいて価格決定を引き上げていくような考え方をお持ちであるのかどうか。その点について承りたい。
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○水田国務大臣 消費者米価の決定は、さっき
食糧庁長官が言われましたように、農林大臣から審議会に諮問してきめる事項でございますので、審議会の諮問の原案はこれから政府関係当局で検討するということでございまして、いまのところ、まだその点について協議が行なわれておりませんので、これからこの検討を始めようと思っているわけでございます。いま別に、この一四・四%からどうするとかこうするとかいうようなことは、まだこれから政府部内できめる問題でございまして、いまのところ何ら方針はきまっておりません。
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○
村山(喜)委員 生産者米価が大幅に引き上げられる、それを受けて今度は消費者米価が問題になる。私は、やはり大蔵省の財務当局の考え方は、いまの食管の赤字がこれ以上ふくれることについては困る、こういうような考え方を持っておると思うのであります。しかしながら、この米価の決定という問題は、やはり経済全体の立場から、また、国民生活に及ぼす影響の問題から、あるいは物価政策に及ぼす立場から、いろいろな角度から検討されなければならないと思うのであります。ただ財政の上からだけ論議をしていくべきものではないと思うのでありますが、大蔵大臣はこれから検討するのだということでございますけれども、将来の問題は別にいたしまして、本年じゅうは少なくとも一四・四%、三年続けてこの米価が上がっているというような異常な事態は、さらにまたそれをふやしていくというような事態は、避けなけばれならないのだというような基本的な考え方はお持ちにならないのですか。
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○水田国務大臣 生産者米価が年々上がっていることはいまの経済情勢で私は当然だと思っていますが、生産者米価はどんどん上がってもいいんだ、あなたのおっしゃるように消費者米価はもう上げないほうがいいんだというのでしたら、要するに、今年度においては三千数百億円の赤字を一般国民の税金で埋めろ、これがそういう形で埋まれば問題のないことでございますが、そうは私はいかないと思います。物価の問題を考え、家計の状況を考え、そうして国の財政とこれを勘案することによって消費者米価を幾らにきめるかというのが問題でございまして、一方的にこうしたらいいだろうというような、そう簡単な問題でないと私は思っております。
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○
村山(喜)委員 簡単な問題ではないことは私もよくわかっております。
そこで、主計局次長にお尋ねしますが、この生産者米価の値上げ額がいまの食管の中にはね返った場合には、本年度においてどれだけの赤字見込みになるのですか。
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○
武藤政府委員 これは政府の買い入れの数量にもよりますけれども、いまの予算で見ているところですと、約八百五十億円の赤字がふえるということになるだろうとただいまのところは推定いたしております。
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○
村山(喜)委員 八百五十億円ふえて、前の一四・四%値上げを見込んだ食管の赤字と合わせますと大体二千億円程度、こういうように私は受け取っておるのですが、それは間違いございませんね。
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○
村山(喜)委員 そこで大蔵大臣、あなたは三千億円をこえる赤字がこのまま認められるかというようなことをさっきおっしゃった。私はこの数字は間違いだと思うのです。それは来年度における完全な形でそれがなされた場合にはそういうことになるであろう。しかし、本年度中においては私は二千億円だ。この前には二千二百億円くらいの赤字を背負った時代がありますね。食管の赤字、そういう立場から見たら、今日物価の安定という立場から見るならば、必ずしも消費者米価を引き続いて一四・四%の上に上げるんだというようなことは成り立たない。その点はいかがですか。
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○水田国務大臣 私の申しましたのは、食管における現在の赤字、逆ざやになった分は、これは値上げすることによって千二百億円の穴埋めをするという予定でございますが、これはまだやってございませんので、いずれにしても、現在見込まれる赤字が二千五百億円、それから、いま言いましたように、七百七十五万トンの買い入れ予定ということが加わりますと、これに八百五十億円加わりますが、いままでの実績によって、もっと多く政府が買うというようなことになりましたら、この赤字は私は九百億円をこすというふうに考えておりますので、何らかの措置をとらなかったら、食管にいまのままでは三千四百億円の赤字を覚悟しなければならぬ、それを幾ら消費者価格の値上げによって埋めるかというのがこれからの問題でございまして、まだそれはどういうことにするかということは、物価の情勢、それから家計の問題、国の財政、この三つを勘案してきめるのが適当でございますので、これからその検討をしたいということを言っているわけでございまして、全体としての赤字は三千億円をこす赤字でございます。
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○
村山(喜)委員 木村官房長官は記者会見で、これはまだ閣議できまったものでもないんだが、自分としては、ことしは一四・四%もすでに値上げを見込んだ予算が確定をしている中においては、これ以上の値上げというものは避けるべきであると考えている、こういうような意味の発言をされたというので、新聞に大きく出されたことは大臣も御承知であろうと思うのであります。そういう立場から、やはり佐藤内閣としては、三年間引き続いて消費者米価をずっと上げてきて、ことしの予算の中においても、すでにそれが一四・四%も大幅に引き上げられるのに、また引き続いて本年度じゅうにおいてこれを上げるということになったら、まさに米価のスライド方式を持ち込んでいくというふうに考えても差しつかえない、食管制度は完全に無視しているというふうにいわれても差しつかえないということになるのじゃありませんか。
それで、食管制度については、いまのこの食管法を大蔵大臣としては守る考え方を基本にお持ちなのですか、この点だけ明らかにしていただきたい。
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○水田国務大臣 食管を守るという立場でございますから消費者価格の問題が出てきておるわけでございまして、守れないというなら、消費者価格もへったくれもこれはないということになるだろうと思います。
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○
村山(喜)委員 守る立場にたっていまそういうような問題に苦慮しているのだというふうに受け取るのでありますが、そうなりますと、やはり家計の安定を主眼としてきめていくということになるだろうと思うのであります。
今日、最近における家計費の調査状況を統計によりまして調べてまいりますと、だんだんに実質所得というものはふえてはおりますが、しかしながら米に対する支出係数というものは少しは低下していることは事実であります。しかしこれは、家計におけるところのそういうような低下であって外食まで含めたらこれは非常に大きなウェートを持っているのだというふうにわれわれは見ておるのでございます。それとともに一番問題になりますのは、このエンゲル係数が四三・九もある五分位階層の中の第一位階層の人たち、これの穀物類の支出係数を調べてみますと二・三というような形の中で、所得の多い人の倍以上の数量を示している。さらにまた米の支出係数を調べてみましても、これまた・九二でありまして、第五分位の四・一の二倍以上を占めでいる。こういうことが、実態として総理府の統計資料によりまして明白である。このような場合には、当然米価が与える値上げの影響というものは低所得階層の人たちの上に大きな影響を持ってくるのだということは、これは大蔵大臣も十分に御認識をしておいでになると思うのでありますが、そういうような立場から、家計の安定を主眼として考えていくのだというようなお考えは当然お持ちであろうと思うのでございますが、その点いかがでございますか。
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○水田国務大臣 先ほどから申しておりますように、米価は国民生活に非常に大きい影響を持つものでございますので、家計の状況、それから同時に、いまの国の財政の余力の見通しはどうかというようなものとの全体の勘案から考えるべきものだと考えまして、これから検討しようというところでございます。
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○
村山(喜)委員 今日、八百万を上回るボーダーライン層、生活保護者の人たち、こういうような人たちの問題を忘れたら、私は、佐藤内閣の看板であります人間尊重の政治は成り立たないと思うのであります。そういう立場から、米価の問題についてはもう少し前向きの形でそれらの国民の要望というものを、財政当局の責任者であるあなたがぜひ十分に意見を反映させるような形の中で今後検討をされますように要望いたしまして、時間がありませんから、これでやめます。
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永末委員 私は酒の価格の問題でお伺いをしたいと思うのですが、二級酒の価格、これに問題をしぼってお伺いをしたいと思います。
現在の酒の価格は統制価格ではございませんけれども、二級酒の価格にA価格とB価格というものをきめて、それで指導しておられる。そのA価格とB価格というのはどういう根拠できめておられるのですか、お伺いします。
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○今泉説明員 これは非常に昔からの歴史的な事情がございまして、御承知のように、いま酒の値段は自由価格ということになっておりまするが、昔は、逆に時間的にさかのぼりますと、基準価格でございました。そのもっと前は公定価格、いわゆる統制管理時代だったわけです。その基準価格時代に、ある価格調整が行なわれて、その際に銘柄が強いものとそうでないものというふうに振り分けまして、値上げ幅に差が出た、そのためにその時代、A価格、B価格というものが、同じ二級酒につきましても、あるいは一級酒につきましても出てきた、それが大体今日に及んでおる。もっともその間、A、Bの振り分けは全くそのままそのパターンを踏襲しているわけではございませんから、あるものはAがBになりというふうに、もちろんその修正が累次行なわれてきたわけでありますが、そういうような経過をたどって現在に至っておるわけでございます。
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○
永末委員 いま間税部長のお話で、銘柄の強弱というものが一つのA、B価格を区別する基準だ、こう言われましたが、実際は、ある地域、つまり酒の主産地に対してA価格、B価格というような指導を強くしておられるように思います。地域別にやる例はございますか。
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○今泉説明員 特に地域別ということはございません。たとえば、主産地においてもA、Bというものはございますし、いわゆる主産地じゃないところ、地方におきましても、そういうことがございます。ただ、一般的にいいまして、いわゆる俗なことばで申しますれば、いい酒の非常にたくさんあるというところと、どうも酒はあまりよくないというところとはおのずからございますから、それによってA、Bの分布状況というのは多少違うと思います。しかし、地域的にどうこうという制度的な考え方ないしはそういう結果というものはないわけでございます。
-
○
永末委員 地域的にきめておるのでないということは承りました。
ところで、東京とか神奈川というところは、よその地域の酒の価格に対して何ほどか上積みをした価格で小売り価格をきめておる。小売り価格がそうでございますから、卸売りも当然そのように措置をされてきたと思うのであります。昔といいますか、戦争直後の輸送の困難な条件のときにこの制度ができたのではないかと思いますけれども、経済成長、交通まことにひんぱんになってきておるときに、なおかつそういう特定地の価格を上げておるということは、一体どういうところに理由があるのですか、伺いたい。
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○今泉説明員 古くさいことばかり申し上げて恐縮なのでございますが、これも先生がおっしゃったように、公定価格時代にそういう特定地加算というものがあったわけでございます。先生御指摘のとおり、これは昔のことでございまして、終戦後酒が非常に不足していたものでございまするから、非常に主産地から遠いようなところには、運賃が相当よけいかかるようなところには、それをもってやりませんと酒が集まらなかった、そのために非常に需給の円滑を欠くというようなことがございましたために、特にマル公を積算する場合に、北海道とか、いま御指摘の東京、神奈川地方とか、そういうところに対しましては何がしの加算をする値段を認めまして、それによりまして特定地加算という制度ができたわけでございます。それからだんだん酒も増石されまして、需給状況も次第に緩和されつつありますが、依然としてやはり北海道なり東京、神奈川というものについては、酒の需給状況から見ますと、非常な需要超過と申しますか、生産過小でございます。また、東京を例にお考え願えば、東京で消費されるお酒の相当な部分というものが上方のほうから参っておるわけでございまして、これはやはり運賃も多少かかりますし、また保管料その他もかかります。ことに昨今に至りましては、都内の交通事情等からいって、配達その他も若干の経費がかかる、こういうふうな面があるわけでございます。そういう面もございますのですから、特定地加算制度というふうな制度自身は、たしか三十八年の五月でございますか、いわゆる基準価格時代に廃止したわけでございますが、その後も、ただいま申し上げたような歴史的な事情あるいは経済的な理由からしまして、引き続き実際上の価格、実勢価格として残っておったというふうなことになっておるわけでございます。それで、現に東京、神奈川等につきまして、一部の地域につきましてかなり高くなっておる、こういうことになっております。
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○
永末委員 東京にいる人はよその地域より高い酒を飲まざるを得ない、そういう結果が招来されているのである。A、B価格の問題も、また特定地の高い価格の問題も、言うならば、きわめて歴史的な産物であって、酒団法ができたときに、これはいい酒を安く大衆に飲んでもらうのだというのであるならば、もっと合理的に、もうちっと競争の原理をこの辺に働かす余地があったのではないか、私はこう思うのです。ところが、いまあなたのお話で、酒の価格は、たてまえはいま自由価格だ、そうおっしゃっていられますが、たとえばA、B価格の問題について、B価格のものがもうちっと値段を上げたい、A価格で売りたい、こういう希望があっても、そんなに上げるのだったら、おまえのところに割り当てておる原料米は削減するぞ、こういうような行政指導を税務署がやっておると聞いておりますが、そんなことはあなたのほうの御方針ですか。
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○今泉説明員 要するに、先生のいまのは東京の値段でございますね。
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○
永末委員 まずA、B価格のほうから言ってください。B価格をA価格に上げたいと思っても、
それはなかなか許さない……。
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○今泉説明員 それは、それぞれの酒の銘柄力と申しますか、そういうもの、あるいは取引条件でございますリベート等、いろいろございますが、そういうもの、その辺等を十分勘案して、やはり末端価格が適正にばらつきが出てくる、展開するというのが、これはできればそうあるべきものじゃないか、そういうところからいいますと、何でもかんでもお酒であれば、人が四十円上げればみんな四十円上げる、人がAならおれもAだというのでは、これは消費者というものの立場もございますし、ものの値段というものをすなおに考えた場合には、そう画一的なことばかりが自由価格のたてまえ上いいことではあるまい、こういう意味からして、行政上も、ほうっておきますと、どうしても斉一性と申しますか、天井にくっつくといいますか、そういう点がございますので、必要最小限度の行政指導をして、できるだけこうあってほしいという価格体系状況に近づけたい、こう思ってやっておるわけでございます。
したがいまして、自由価格でございますから、しかもお酒屋さんの大切な酒の値段でございますから、それをむやみやたらと税務署のほうであれこれ指図することはできるだけ避けたいというつもりではやっておるのでございます。ただ、希望はできるだけ高くというメーカーさんの立場、それから、ただいま申し上げたような役所の立場というものが必ずしも一緒になりませんものですから、いろいろ実際の行政指導上、お酒屋さんとメーカーの側からお考えになった場合に、少し強すぎるのではないか、こういうように思われる事例も一、二散見されるということもあり得るのではないか、私どもそういうことのないようにと思って、一生懸命注意してやってまいっておるつもりでございます。
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○
永末委員 酒の生産方法は、昔みたいに季節ものである時代ではだんだんとなくなりまして、あちこち大きな資本力のあるメーカーは、四季醸造の施設をどんどんつくってやっておる。A、B価格の設定、特に二級酒のような場合には、B価格の扱いを受けてきたものは、むしろ生産設備の悪い、しかも生産規模の小さいところが多い。そこにおける利潤分岐点というのはきわめて高くて、あまり利潤のこないというようなところである。そこで、たてまえとして自由価格であるというのなら、これはそれぞれの酒に競争さしたらいいという、市場競争の原理を国税庁としては導き出されたらと思うのです。ただ、いまのお話を聞いておりましても、それもそうだけれども、一体酒というものが一律にやっていいのだろうか。一律にいくかいかぬかは、メーカーのつくる酒の供給と消費者である国民の需要とのバランスできめさしたらいい。高くつけたって売れないものは売れないのですから。それが私は行政指導の根本であると思うのですが、どうもその辺がまだ固まっていない。たてまえとしてそういうことを言っておるかと思うと、なお価格統制に似たような行政指導をされておる。一体どっちがたてまえなんですか。
-
○泉政府委員 おくれて参りましてたいへん失礼いたしました。
酒の値段につきましては、
永末委員御承知のとおり、三十九年に基準販売価格を撤廃いたしまして以来、自由価格にしまして、お話のように、業者間の自由にして公正な競争の市場価格が構成されるということが望ましいことでありまして、また、事実そういうふうにだんだん持ってまいっております。
〔
委員長退席、
吉田(重)
委員長代理着席〕
ただ、いわゆる東京価格といわれますものにつきましては、この歴史的な経過は
永末委員よく御承知だと思いますが、統制価格時代に、東京、神奈川におきましては他の地域よりも十五円高い値段で売ることができるという制度がございました。しかし、この制度のためにいろいろおかしなことが行なわれた。一つは、東京、神奈川のメーカーでさえ十五円高く売れる。本来十五円高いというのは、東京、神奈川では酒の需要に対して供給が足りませんから、灘、伏見その他全国各地から酒を持ってこなければいけない、持ってくるについては、運賃が相当かかるということから十五円高く売ることができるという制度があったわけであります。ところが、それが東京、神奈川のメーカーも十五円高く売れるということになるとこれはおかしい。しかし、統制価格でありますから、最高価格を制限しているだけで、それを越えてはいけないということは言えても、それを最高価格で売ることについて文句が言えないという不合理がある。それからいま一つは、だんだんと酒の販売競争が激しくなってまいりますと、従来、灘、伏見の酒でも、公定価格時代におきましては、運賃は卸業者持ちということになっておったのでありますが、競争が激しくなると、だんだん卸が負担するのではなくて、生産者が負担するというようなことになってまいりました。そういった実態から見まして、いわゆる特定地加算というのはおかしいではないかということを主張いたしておったのであります。マル公時代には、なかなかそれが廃止できませんで、四十年のときに十五円というのを五円下げまして十円にした。そうしてまた、今回の値上げに際しましては、ぜひそういう点を解消するようにということを業者に強く要請したのであります。ほぼ解消する程度にまで至っておりますが、現在A、B価格がございますのは、これは結局銘柄の力の差によりまして、高く売れるものと、そうは売れないものとの差ができておるのでございます。
そこで、B価格のものがA価格で売りたいという場合、原則として競争でやらせればいいわけでありますが、ただ、私どもがおそれておりますのは、表面上A価格だといいながら、実際上は卸あるいは小売業者にリベートをたくさん出すことによって、そのリベートの力で売っているということでは、これは実際の力としてそれがその高い値で売れているわけではありませんで、消費者としては必ずしもそういう高いものを買うことがいいかどうかという問題になってまいります。そうすると、市場の取引を、リベートというものをたくさん出すことによって乱していくことになります。私どもとしましては、やはりリベートというものはあまりたくさん出さないで、その酒の品質に応じた正しい値段で売っていくということが望ましいという考えを持っております。したがって、原則として自由なのでありますが、そういう意味でリベートをたくさん出して無理にやっていくということのないようにということを考えておるのであります。
先ほど、何か税務署のほうにおきまして、B価格のものをA価格にするならその原料米の割り当てを減らすぞというようなことで、おどしているというようなお話でございましたが、そういうことは一切させておりませんし、また、さすべきことでないと思っております。
-
○
永末委員 そういう妙な行政指導は長官の方針ではないということは承りました。つまり、国税庁側で価格差をつけておるということが、いま
国税庁長官がお認めになったように、現在の酒の流通の混乱をもたらしておる一つの原因になっておる。その辺はやはり競争の原理によって整理していくことが、私は一番正しい方法ではないかと思います。
そこで、いま長官の触れられました東京等の特定地価格の問題でございますけれども、これは四十年には確かにその差十円となりました。ことしは、A価格のものにつきましては、二級酒でございますが価格差が十円、ところがB価格のものにつきましては価格差なし、こういうことにされたわけですね。この辺の取り扱いも、なぜA価格の取り扱いとB価格の取り扱いとに差異ができておるのか、ここがちょっとわからぬのですが、私の持ち時間はあと八分でございますから、簡単に答えてください。
-
○泉政府委員 いわゆる特定地加算というものはないということにするのが望ましいわけであります。それが一挙にいかないというので、四十年のとき五円だけ狭めて、今度十円全部解消するということが望ましいと思ったのでありますが、完全にはできなかった。しかし、東京に出ております二級酒のうちの銘柄数でいきますと約六五%、数量でいきますと三〇%のものは、他の地域と同じ値段で、十円の格差がなくて売られるということになったことは、望ましいことだと思っております。ただ、A価格のものにつきまして他の地域と十円格差がありますが、私はこれはおかしいと思っております。A価格のものにつきましては、東京で他より十円高いというのではなしに、これは銘柄の力でありますから、東京で五百八十円で売るのなら、埼玉県でも栃木県におきましても五百八十円で売るべきものだ、こういうふうに思っております。だんだんと業者がそういうふうな銘柄格差によって差が出てくるという方向に進むべきものだと思っております。
-
○
永末委員 昭和四十年の場合には、A価格の場合、東京の卸売り業者の手に入る部分は大体五十六円五十銭程度、それが今回、四十二年度の価格がまた変わりまして、その場合の東京の卸売り業者の手に入る金額が五十七円五十銭、四十年度の場合、B価格のものを扱った場合には、東京の卸売り業者は五十四円七十銭手に入っておりました。ところが今回は、B価格についてだけ特定地加算をやめてしまったというので、それが一体どこへいったか調べてみますと、卸売り業者は今回は四十八円二十銭しか手に入らぬ、こういうことになっておる、これは事実ですか。
-
○泉政府委員 前段の数字はおっしゃるとおりでございますが、後半のB価格のものについて卸売り価格の端数のついた数字をお出しになりましたけれども、多少数字が違っておりまして、B価格のものにつきましては、四十年当時卸売り業者が取得いたしておりましたのは五十五円であります。今回も五十五円ということでございます。
-
○
永末委員 それじゃ、あなたのほうで了解されておる四十年の東京のB価格の場合、生産者が幾らで、卸が幾らで、小売りが幾らか、四十二年度の場合同じく三点についてどういう数字を持っておられるか、お示し願いたい。
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○泉政府委員 四十年のとき、B価格のものにつきましては、生産者価格が三百九十三円五十銭、卸売り業者の販売価格が四百四十八円五十銭、したがって五十五円の差であります。それから小売り価格が五百二十円、したがって、小売り業者のマージンが七十一円五十銭あったということでございます。これが今回は、B価格のものにつきましては、生産者価格が四百十三円、それから卸売り業者の販売価格が四百六十八円、小売り業者の販売価格が五百五十円、こういうふうに相なっております。
-
○
永末委員 そうしますと、この価格は私が調べたところとちょっと違うのでありますけれども、私の調べたところでは、今回、四十二年度の改正によって、生産者価格が四百十六円八十銭、卸売り価格が四百六十五円、小売り価格は同じ、ちょっと出入りがございます。
ところで、そういたしますと、四十年と四十二年とを比べた場合に、生産者、卸、小売り、それぞれどれだけ伸びておりますか。どういう差異がありますか。これは計算したらすぐわかりますが……。
-
○泉政府委員 生産者は、四十年のときに比べまして、今回の値上げによって十九円五十銭上がっておるわけであります。それから卸売り業者のマージンは変わっておりません。小売り業者のマージンは、七十一円五十銭であったものが八十二円になりましたから、十円五十銭上がっておるという状況でございます。
なお、いま私が申し上げましたのは、いわゆるB価格の標準ものについての数字でございまして、先生のおっしゃるようなものもあると思います。これは結局末端の五百五十円という値段は変わりませんでも、卸売り業者とメーカー、小売りとの間の取引価格でいろいろな形態のものが出ておりますので、お話のような場合もあろうと存じます。
-
○
永末委員 もう持ち時間が少ないのでありますけれども、いまのお話のように、前回の東京の卸売り業者がB価格の酒を扱うについての手取り額と今回の手取り額とが同じであるならば、扱うでしょうね。ところが、いまあなたもお認めになったように、一部分は、四十年度の東京の卸売り価格の手取り分と今回の価格が変わったときに、卸売り業者が手に取る取り分が下がっておるケースがある、こういうことを言われたと思うのでありますが、そういうことですね。
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○泉政府委員 そういった場合もあり得ることだと思っております。ただ、数量的に申しますと、私の申しました標準的の場合のものが多いというように思っております。
-
○
永末委員 そうしますと、手取りの少なくなった酒は喜んで扱いますか、卸売り業者が。
-
○泉政府委員 これはどういうふうな原因でそういうふうになったのか、調べてみないとわかりませんけれども、これは常識でおわかりのとおり、卸売り業者のマージンが減って、喜んで取り扱うということにはなり得ないと思います。したがって、そういったことになったのには何らか原因があったのじゃないかと思います。
-
○
永末委員 四十年度の場合にも、同じように手取りが少ない率であったのかどうか私はよく知りませんけれども、これは自由価格と言いつつ、やはり国税庁が一種の価格指導をしておられる限りにおいては、たとえその分量が少なかろうと、それでめしを食っておる業者がおるわけでありますから、その辺はやはり公平に問題を扱っていかなければ、何かやはり権力面における価格指導のために商売が阻害されるということは、現在の自由経済のたてまえからいえばきわめて奇妙なことではないかと思われてなりません。
これはひとつ大蔵大臣、そういうこまかい話ではございますが、商売を自由にやりなさいというのがあなたのほうの政府のたてまえだと思う。大元締めの大蔵大臣として、この間の問題の処理に対しての御見解を承っておきたいと存じます。
-
○水田国務大臣 できるだけ御趣旨のように処理したいと存じます。
-
-
-
○
広沢(直)委員 それでは、時間の関係で、大蔵大臣がいらっしゃる間に、基本的な問題についてお伺いしておきたいと思います。
まず、資本の自由化を契機としていま金融再編成の問題が起こってきておりますが、将来の金融機関のあり方について基本的にお伺いしたいと思うわけであります。
現在の金融機構下では、資本の効率的需要の集まる大銀行のほうには預金の集まりが非常に少なくなっておる。中小銀行、あるいは金庫とか組合とか、いわゆる雑機関に預金が非常に集まっておる。その根本になってくることは、戦後、中小企融機関が非常に乱立してきた、あるいは過度の預金吸収の競争をやっていく、そうなりますと、自然資金コストも上がってまいりますし、資金の効率的運用を不可能にしてきておる、また、そういう金融機関の乱立というもので、資金コストが非常に高くなり、あるいはこれをカバーしていくために、高利の貸し出し先を求めて、その多くが不健全な貸し出しが行なわれてくる。そういうことになりますと、貴重な国民の蓄積が浪費されるということにも相なりますし、このような資金の非効率的運用となることは、従来見られておるとおりでありまして、現に、最近にもこういった関係においての金融機関の不祥事が頻発しているわけであります。そういうことに関して、将来の金融機関のあり方について大臣に基本的にお伺いしておきたいと思うわけです。
-
○水田国務大臣 御指摘のとおりでございまして、資本の自由化の進展に対応してこれからわが国の企業が発展していくためには、金融機構が十分にその機能を発揮できるような制度が整備されなければいかないということは当然のことでございまして、私どもも、今回の自由化に踏み切るにつきましては、特に今後金融機関がどういう形であるべきかということを検討することは急務だと考えておりましたので、それに先立って金融制度調査会に金融機構全般にわたっての再検討をいまお願いしてございまして、特に、さしあたりは中小企業の金融機関についての検討をお願いしてあるわけでございますが、この秋に大体答申が得られるということになっております。この答申があり次第、すぐに引き続いてこのほかの金融機関のあり方についての検討をしていただく、そうして私どももこの問題に取り組んで、金融全体の効率化という見地から競争原理を取り入れること、いろいろ業務分野を整えること、こういう仕事にこれから取り組んでいこうという形でいま調査会に諮問を行なっておるという段階でございます。秋以後この問題と真剣に私どもは取り組む日程をいまつくっておるところでございます。
-
○
広沢(直)委員 いま申し上げましたとおり、もちろんそれは目下の急務といわるべきことでありますが、そういう中におきまして非常に金融機関の不祥事件が起こってきておるわけでありますが、銀行法にもありますとおり、主務大臣は、そういったものの報告を求める、あるいはいつにても部下の官吏に命じてその業務内容とか状況を調べることができる、こういうことになっておりますが、先般の委員会でも問題になっておりました昨年倒産した三和開発の問題にいたしましても、あるいは昨今問題になっているある銀行の融資の問題にいたしましても、数々のそういう不祥事が起こってきておるわけでありますが、そういった内容について大臣は掌握されておるかどうか。
特に、具体的に申し上げなければわからないと思いますが、先般の委員会におきましての三和開発の問題については、その内容を聞いていないというようなお話であったわけでありますが、昨年倒産したその会社に対しては、銀行にしても、あるいは組合、あるいは金庫、あるいは保険会社も入っているわけでありますが、三十八行くらいにのぼっておるわけで、その債権額も相当な額にのぼっております。また、一、二金庫を取り上げてみましても、非常に過度の融資をしている、そういった面が取り上げられているわけでありますが、倒産して一年になるそういった問題に対しても、主務大臣としてそれをよく掌握されてなかった。こういった問題に対しては、いまの金融機関の中における不祥事件というものは、やはりその監督が十分行き届いてないのではないか。そういった見地から考えてみましても、銀行法の二十条あるいは二十一条によって当然それを把握されてなければならないと思うのですが、そういった点に関しての大臣のお考えをまず伺っておきたいと思う。
-
○澄田政府委員 私からかわってお答え申し上げます。
三和開発の件につきましては、この前当委員会で御指摘を受けましたその当時までに、私どものほうで調査をいたしましたこととか、今後同様なケースについて一そう慎重に監督をしていくということをお答え申し上げましたが、ただいま銀行法の規定を引いての御質問でございますが、銀行法は、確かにお話のように、主務大臣は「業務二関スル報告ヲ為サシメ」、それから帳簿その他の書類を提出せしめることができる。それからさらに、「何時ニチモ部下ノ官吏二命ジテ銀行ノ業務及財産ノ状況ヲ検査セシムル」、こういう条文になっております。こういう規定に基づきまして、私どもとしては、日ごろ本省及び財務局におきまして常時監督をいたしておりますとともに、いわゆる検査につきましては、専任の検査官を置きまして、これは定期的にまた随時検査をいたしておるところでございます。往々にして御指摘のようなケースが出るわけでございますが、全体といたしましては、監督及び検査というものは次第に充実をしてまいっておりますし、銀行の融資等について問題の点というのは徐々に改善をされてきておる、かつて非常にいろいろ問題がございましたのに比べますと、最近はその点は改善をされてきております。間々そういうケースがございます点は遺憾でございますが、なお一そう十分監督に努力いたしたい、かように存じております。
-
○
広沢(直)委員 その銀行
局長のお答えに対しては、具体的な問題としてあとからお伺いしたいと思うのですが、大臣の時間がないそうでありますので、大臣に基本的な問題として伺いしておきたいと思うのです。
というのは、御承知のように、最近そういった不祥事件が頻発してきておるわけでありまして、当然銀行は、信用あるいは預金者の保護、そういった面については最も適確でなければならない、そういった点に関しても、こういった事件がひんぱんに起こってまいりますと、非常にそういった面が度外視されていくわけでありますし、したがって、当然そういったことについては、主務大臣としての調査権限、あるいはそういった正常化をやっていかなければならない規定がもちろんあるわけでありますので、その点に関して、先刻ありましたように、よくその内容がわかっていない、何らか、それは各財務局だとかあるいは財務部だとか、それぞれの出先の監督機関でこれを処理されておる。大臣、そういった最近起こってくる金融界のいろいろな不祥事件についての掌握が十分なされていないという姿勢については疑問があるのじゃないか。ですから、そういった面に関して、もっともっと積極的にこういったものがなくなっていくように調査もし、監督もしていくようにやっていかなければならないと思うのです。その点に関して大蔵大臣の考え方を伺っておきたいと思います。
-
○水田国務大臣 金融機関は特に監督監査の必要がございますので、常時これは監査指導すべきものでございますが、まあ一年に二回、ずつくらいやれるとかというようなことでございましたら、いろいろな問題を的確に把握することもできるでありましょうが、そうはいかぬで、結局二年に一ぺんとかいうようなことになりますので、その間そういういろいろな事件を起こすということは非常に遺憾でございますが、できるだけこの監査はもっと厳重にやっていきたいというふうに考えております。と同時に、いかに監査制度を厳密にいたしましても、従来の銀行行政においてやはり少し不足しておったと思われますことは、金融機関というものは、御承知のように千何百という——都市銀行から地方銀行から相互銀行から信用金庫、信用組合、長期銀行とか、政府関係金融機関とか、千何百という金融機関があるのでございますが、この機関がいまのような形のものであっていいかということについては、これは非常にむずかしい問題でございますが、しかし、いずれにいたしましても、金融機関は影響が大きいからということで、金融機関は少しくらいのことがあっても、これはつぶれることはなくて保護される、こういう点が、従来むしろ私は厚きに過ぎたのではないか、どうしても、ここにやはり競争原理というものが働いていくような形の行政から、いろいろな統合の問題にしましても、分野の調整の問題にしましても、始まるというふうに見ますので、いま監査についての監督をもう少し厳重にするという方向と同時に、やはり適正な競争原理が金融機関に働いていく、それが支配していくという形の改正をやりたいというような方向で、いまさっき申しましたような諮問もいたしますし、われわれのほうでも研究するということでこれから取っ組んでいきたいと考えております。
-
○
広沢(直)委員 いまお話ありましたように、一年に一ぺんの監査である。実際に監査されて、指摘された問題がどのように処理されていっているかということを大臣は報告を受けていらっしゃるわけですか。
-
○澄田政府委員 ただいま大臣から申し上げましたように、検査は、検査官の数と能力から申しまして、二年に一度というような密度になっております。その点はさらに一そう密度を高くするということが望ましいわけでございますが、現状はさようでございます。そうしまして、そのときにいろいろな点を指摘をいたしまして、そうして改善の対策を立てさせ、その状況はその後金融機関から報告をとる、こういうようなことをして、検査のあとの改善状況というものをフォローするということにいたしております。もちろん、次回検査のおりには前回指摘した事項がどのように改善されているかということを最重点に見る、こういうようなことで、この間検査と検査の中間において状況を注意する、こういうことでやっております。そうして、おおむね検査の結果というものを金融機関は反省いたしまして、指摘された事項の改善をするということに努力をして、指摘事項はおおむね次の検査までには改善されている、こういうのが実情でございます。
-
○
広沢(直)委員 大臣の時間がないので大臣にお伺いしているわでありますけれども、要するに、そういった問題は、指摘された問題が大臣自体に十二分に処理状況がわかっていない。あるいはまた、そういうひんぱんに起こってくる問題に対しての監査については、いま姿勢を伺ったわけでありますけれども、やはりこういう銀行の不祥事件なんかに関する問題については、大蔵大臣として、その権限を持って当然調査もでき、あるいは何もできるわけでありますので、それを十分知っていなければならぬのじゃないか、そういったところにこういった問題が起きてくるのではないかと思われるわけです。
ただ、先般もちょっと問題になっておりました尼崎にある福徳銀行ですか、そこの問題についても、これは刑事事件になっている。売防法の問題で刑事事件になっておるし、あるいはそれに携わった署においては、これは方々にあるそうであるから十二分に調査して、今後もびしびしと取り締まっていくというような声明を発表しているような問題が起こってきている。そういった問題についても、大臣は当然お知りになっておりますか。
-
○水田国務大臣 問題になったものだけはたいてい報告を受けており、その処理についての報告も受けております。
-
○
広沢(直)委員 そうすると、私はいまその一例をあげたわけでありますが、あとまた引き続いて具体的にその問題で聞いてまいりたいのですが、大臣はそれに対してどういうふうな指示を、あるいはその問題に対しては、各金融機関にも影響することでありましょうから、それに対してどういう手を打たれましたですか。
-
○水田国務大臣 当該金融機関の代表者に対しては厳重に注意すると同時に、全国の相州互銀行協会、信用金庫協会を通じて、こういう事例を再び発生させないようにという厳重な注意の喚起を行なうという措置をとりました。
-
○
広沢(直)委員 それは当然一片の通達だけでそれが徹底できる問題ではなく、こういった問題は、いまの検察陣においても、当然あることであろうから今後取っ組んでいくというような声明が出ているように聞いているわけでありますけれども、そうなっていけば、一片の通達で、ただ厳重にこういうことがないようにということではこういう問題は解決しない。やはりそういう問題があるとするならば、監督、指導官庁である、あるいは主務大臣である大臣は、そういった問題についてやはり調査し、あるいはまた監督していくだけの積極的な手を打っていかなければならないのではないか、こうも思われるわけですが、その点に関してはどうですか。
-
○澄田政府委員 この問題が起きましたときに、即刻、問題の金融機関の代表者を呼びまして、内容は十分われわれのほうとしても調査をいたしました。そうして、具体的なケースにつきましては、結局刑事処分の面では不起訴ということになったわけでございますが、金融機関に対しては、厳重に注意をいたしますし、また戒告をいたしまして、当該金融機関としても非常に反省をいたしまして、臨時の支店長会議を開催して、行内で二度とこういうことのないように厳重に全銀行に徹底をして注意をし、さらに問題の支店長は更迭した、こういう処分をいたしておりまして、その報告も直ちにわれわれは受けておる次第でございます。
-
○
広沢(直)委員 要するに、この問題についてはまだ具体的に掘り下げて聞いてまいりたいと思いますし、今後こういった問題が起こってこないためにもあとから質問を続けさせていただきたいと思います。
そこで、時間がありませんので、次の問題でお伺いしたいと思うのですが、先日問題になっておりました政治家に対する還付の問題でありますが、当然、その当時大蔵大臣は十分に調査して、そして処理するということをお答えになっていらっしゃったのですが、その後どうなったか、大蔵大臣からお答え願いたい。
-
○水田国務大臣 近く処理されることになっております。
-
○
田中(昭)委員 関連して。
ただいまの問題は、例の国会議員が税金の横取りした、こういう問題であります。先日私も大臣にその問題につきましてお尋ねしたわけでございますが、政治家なるがゆえになぜそのように違法なものをそのままほっておくか。総理も各大臣も、もちろん法律を守るということは言っておる。そういう所得税法に違反する事件がありながら、それをそのままにしておる。聞くところによれば、署長のところで握っておるというようなことも聞いております。また、これと同じような、政治家でなくて源泉還付について不正を行なった事件が名古屋に起こっておりますが、これは新聞にも報道されましたように、警察権まで発動してその源泉還付を税務署は取り返しております。一般に対しては、警察権まで発動してその違法性を国民の前に明らかにしておるが、政治家のそのような違法問題について大臣は御存じだと思いますが、それでは、事実所得税法に違反した政治家が何人おるのか、御存じなのか。私は、ひょっとしたら大臣は御存じないのではないか、このようにまで、いままでの経過から見まして心配するものであります。ですから、この問題につきましては、ただ進めておるということでは、私は納得しないわけでございます。ですから、大臣から、
国税庁長官なり、また関係部長にどのような指示をして、それがどのように進展し、どのような理由で署長が握りつぶしておるものか、そういう点につきまして大臣から一言お願いしたいと思います。
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○水田国務大臣 国務庁長官から、真相をもう一ぺん調査して善処したいという答弁がございましたが、
国税庁長官もようやくその調査ができたという報告がございますので、近くそれに適切な処置をしたいというふうに考えます。
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○泉政府委員 補足して御説明申し上げます。
先般も他の委員の方にも申し上げた吟と思いますが、現在雑所得ゼロということで、歳費等源泉徴収税額からの源泉還付を求められておる方は二十八名でございます。これは税務署長が握りつぶしたというような御発言がございましたが、別段そういうことはございません。先ほど大臣がお話しになりましたように、私どもといたしましては、それを還付する手続をとめまして、還付申請の内容を調査いたしまして、その上で還付すべきでないという処理をする。中には雑所得ゼロという御申告になっておるのでありますけれども、雑所得のあると見受けられる方がおられますので、そういった方については、雑所得の収入の調査をあわせて行ないました上で、これは還付だけでなしに、むしろ税金を追加納付していただかなければならない場合も出てくるかと思いますが、いずれにいたしましても、そういう調査をいままでやっておりました段階でございます。近くその処理をいたすことになるわけでございます。
なお、名古屋のほうの源泉還付の不正請求をしたのと同じような御発言がございましたが、これはちょっと違うのでありまして、あの源泉還付の不正請求をいたしましたのは、自分が納めてもおらない税金を、納めておると言って還付の不正請求をしたのであります。政治家の場合は、確かに自分が納めておる税金を、所得税法の解釈を誤って還付の請求をされたのであります。事柄は非常に違うということを御了解いただきたいと思います。
-
○
田中(昭)委員
国税庁長官は専門家でいまのような御発言をなさったわけですが、ちょっと一言、私が大臣にお聞きしたことに対して大臣はお答えになっておらないのです。というのは、そのように指示されるようであれば、当然そのような所得税法違反の者が何人おるか知っておらなければならない、それを聞いたのです。
国税庁長官は、雑所得がないとかなんとかおっしゃいますけれども、歳費だけで源泉還付するということは、だれが見ても所得税法違反です。自分の納めた税金の横取りだからかまわない、そんなことになれば、法律は全然無視されてきます。いいですか、法律を守るということを言っておるならば、その法律を守らなかったならば、大臣は、当然、何人おって、それをどうするかという指示をなされなければ、ただ調査しております、進んでおります、そういうようなことではいけないじゃないか、このように申し上げたわけです。御存じないのじゃないですか。御存じですか。
-
○水田国務大臣 二十八人ということでございます。
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○
田中(昭)委員 そうじゃないのです。調べてください。その二十八人の中に、歳費だけで源泉還付を受けたものは私は七人と聞いております。これだけ申し上げておきますから、よく
国税庁長官とその点につきましてはお話しいただきまして、この次には、そういうものを正確に把握してこなければいけない。そういう点で、この次の委員会でもう一回聞きたいと思います。
終わります。
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○
広沢(直)委員 それでは、銀行
局長に続いて先ほどの問題についてお伺いたしいと思います。
先ほど二十一条の検査の問題に関しては、大臣は、一年ごとにやっておる、こう聞いたのですが、これは大体定期的にやっておるのか、あるいは、そういった事件を探知してから行なっておるのか。
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○澄田政府委員 先ほど大臣は二年とおっしゃったわけであります。これはほぼ定期的に行なっておりますが、その相手の金融機関の状況等によりまして、二年ないし、場合によってはもうちょっと周期が二年半くらいになる場合もございます。そういうことで、予定をあらかじめ立てて順次検査をしておるというのが一般の検査の原則でございます。もちろん、個別的な何らか問題がある場合に、特別にそこを検査をするということもあり得るわけでございますが、一般には、いま申し上げましたような方法で毎年検査計画を立て、さらにそれを四半期に分けて検査計画を立て、それに従って検査を行なっておるというようなやり方をいたしております。
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○
広沢(直)委員 これは参考的にお伺いしたいのですが、昨年一年間でこういった事件がこの検査によって指摘された、あるいはそういった問題について何件くらいあるのですか。そういう事件を指摘された問題について、これは事件が起こってきてから、各新聞等、あるいは検察当局でそういった問題が出てきてからわかるというのではなくて、指導監督に当たっているわけですから、これは不正である、あるいはこれは思わしくないといった指摘をされた問題も当然たくさんあるのじゃないかと思うのですが、検査によってそういった面が指摘されたのが大体何件くらいあるか。
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○澄田政府委員 いまの御質問でございますが、このような融資ということになりますと、問題のケースは売春業者に対する融資ということで問題になったわけでございますが、はたして売春業をやっているかどうかというような問題、その融資先がそういうところであるかどうかというようなことは、もとよりわれわれの検査ではわからないわけでございます。検査は、一般に融資先が信用その他の点で確かかどうか、不良貸し出し——不良と申しますのは、融資を受けた相手が違法のことをやっているというような問題よりも、貸し出しとして債権保全に欠けるところがあるかないかというような意味における不良貸し出し、焦げつきの貸し出し、そういったようなものがどのような状態であるか、そういうような貸し出しについてはすみやかに回収の方法を講ずるとか、債権保全の方法を講ずるとか、預金者保護等の見地もございますので、もっぱら金融機関の資産の健全性融資態度の健全性というような点から検査をいたしております。いま御指摘のありますケースの融資というのは、やや検査の目的とは違うわけでございます。そういう意味で、昨年、このような事案に検査して気がついたのが何件あるかというお尋ねでございますが、そういうような場合はございません。
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○
広沢(直)委員 こういった事案に対する検査の目的と定期検査の目的とは違うのだ。しかしながら、当然これは法律違反をして、そういったところに融資してはならないということになっておるはずです。ならば、この二十一条の規定にあるとおり、いつにてもそういった問題に対しては、銀行の財産の状況、業務の状況というものを検査するということになっているわけであります。ですから、不良の貸し出しがありはしないか、あるいは財産状況はどうなっているか、単なるそういった問題だけじゃなくして、やはり銀行の業務そのものを全体の検査をするという意味ではないですか。
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○澄田政府委員 もちろん銀行業務全般についてでございますが、しかし、金融機関の検査というのは、一般大衆の預金を預かっている金融機関の資産の運用管理というものが健全かどうかという見地から、金融行政として大蔵大臣が監督し、さらに銀行検査も行なっている、こういうことでございます。特定の融資先が違法なことをやっておったというような場合、これは御指摘のように、そういう行為が法に違反することでございますし、これに資金を提供するということはやはり法に違反することでございますが、これは本来警察の取り締まり等の問題ではないか、もちろん、そういうことが銀行検査の際にもし判明することがあれば、当然それは指摘をし、厳重戒告をその場ですべきであろうと存じますが、こういう場合は、警察が入って初めて売春の行為があったということがわかるわけでございますので、広い融資の対象の中に、某々の店に貸し出しをしておったといっても、それが売春行為をやっているところであるかどうかということは、現在行なっているわれわれの銀行検査ではなかなかわからない。(「わかるじゃないか」と呼ぶ者あり)貸し出し先へ行って検査をするということはいたしておりません。また、そういう権限もございません。金融機関の店だけで検査をするわけでございます。この点はそこまでの検査はなかなかむずかしいと存じます。
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○
広沢(直)委員 社会的にいいましても、信用ある銀行としてこういった問題が大きくなってまいりますと、この法律にありますとおり、売防法の中で法人のこの罪は非常に重いわけです。御存じだろうと思うのですが、十三条によって、資金の提供による罪というものは、五年以下の懲役、二十万円以下の罰金になっておりますし、両罰制度で、第十四条によりますと、その法人の代表者まで罰せられる、こういう大きな問題があるわけです。それは検査に行ったときには、主体的なものはそうだろうと思う。それを主体的に検査するのは当為だろうと思うのでありますが、しかし、この内容にありますとおり、これも伺っているわけでありますが、この銀行の専務が言っている中には、釈明としてこういうことを言っているわけです。本人から偽って報告されておったからわからなかった。そしてこの相互銀行というのは小口の融資が非常に多い。融資にあたっては、融資先の事業内容よりも保証力あるいは償還力を重く見て貸しているところに、こういった間違いの原因があったのではないか。確かにそういう面も一つの大きな問題点であろうと思うのですが、何百万円かの融資をしておれば、それは一ぺんに返されることはない。やはり分割払いとか、いろいろな方法はあると思う。そうなってきますと、具体的にお伺いしておきたいのですが、これはいつごろそういう融資がなされたのか、内容をよく御存じですか。
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○澄田政府委員 融資の時期は本年の四月ないし五月、そうして問題になりましたケースは、うどん屋の業者の店舗の設備資金、こういうようなことで相互銀行に融資の伝頼があった、もう一件は、定期預金を担保としての貸し出しということで申し出があった、こういう内容になっております。
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広沢(直)委員 確かに福徳の専務も言っているとおり、報告にはそういうような申し込みであったろうと思われる。そういう売防法にひっかかるような申し込みをして承認されるわけは当然ないのでありますから。しかしながら、その貸し出した先については、私は行っていないわけでありますけれども、報告によれば、環境的に見てもそういったような雰囲気のところである。あるいは教育テレビなんかにも、売防法ができてちょうど十年になるので、そういった実態というものをニュースにとっている。そういうような地域に対して——それがうどん屋であるとか何であるとかいう時点において貸し出すときには、書類審査の上ですからわからなかったかもしれませんが、実際に銀行として貸すときには、事業内容というものを検討しなければ貸すわけはない。規模の問題はどれだけの金額かわかりませんが、しかしうどん屋をやるのに何百万円という大きな金額を貸しているわけです。ですから、それの返済にあたっては、あるいはまた事業内容の調査にあたっても、当然銀行としては事業内容を調査せずに貸すなんということはあり得ない。ならば、実際にそういった面が、貸し出しあるいは借り入れの申し込み書のとおりになっていなかった場合においては当然こういった問題が起こってくるわけですから、そのときにはどういう処置をとればいいのですか。
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○澄田政府委員 確かに、貸し出し先の相手の営業の地帯が問題の地帯であったということとか、この場合融資についてもっと慎重にいろいろ検討するべきではなかったかということは、御指摘のような問題があろうかと思います。そうしてその点は、確かに金融機関側としても一そうの注意を払うべきだ、公共的な金融機関としての態度としてはいささか問題のものがあった、こう考えるわけでございますが、金融機関のほうは気がつきまして、すぐ——これは二件あるわけでございますが、一件のほうは定期預金を担保にして借り入れておりましたので、その定期預金を解約いたしまして、全額回収をいたしました。それからもう一件のほうは、回収できるところまで回収して、残額も至急返済するようにということで、取引関係を直ちに断つということにいたしておるわけでございます。
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広沢(直)委員 そういう事件が起こってきて、結局いま言ったような処置がとられた。そういうことで、この売防法の規定にある両罰制度の面も不起訴になった、こういうことになっているわけですが、事情はどうでしょう。
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○澄田政府委員 その点は、実は不起訴の理由は検察庁のほうではっきり申しておりません。情状酌量してのことであるか、あるいは、御承知のとおり、先ほど御指摘の条文には、これこれの情を知ってその資金を提供したもの、こういうことになっておりますので、情を知らなかったというふうに検察側で判定をして不起訴にしたものか、その辺は実は検察側もはっきり申しておりませんので、われわれとしてはわからないわけです。
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広沢(直)委員 この問題に関しては、尼崎北署長もこういうふうに言っておるわけです。取り締まりの強化が叫ばれているおりであり、相互銀行が売春のために家屋を建てることを知っていながら融資したことは許せない、こうしたケースがまだほかにあるということが十分考えられるので、びしびし取り締まっていくというふうに声明を出しているわけです。そういった問題になりますと、これに対して先ほど通達を出したということですが、こういった問題が現実にあちこちに起こったならば——全然ないとはいえない。それはいま言った理由で、借し出し理由が最初はわからなかった。わかった時点においてすぐ手を打つということは考えられるわけなのですが、そういった面について、単なる通達だけでこういったものが解決できるであろうか。現に、そういった地域というものは分散しているかといえば、そうじゃなくて、さっきのルポにもあるとおり、大体集団をなしている。その地域に対して貸し出していくということになれば、そういった面も考えられるのではないか。あるいは、現に銀行が融資している融資先というものはどういうふうになっているかという事業内容を当然把握しているのが銀行だと思うのです。調査網はあるのですから。そういった関係において、こういった問題が全然ないのか。具体的にその報告をとるとか、そういった問題に対する是正に対する具体的な指示は出しているのかどうか。どうでしょう。
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○澄田政府委員 先ほども申しましたとおり、当該銀行には非常に厳重に注意をしたわけでございます。
〔
吉田(重)
委員長代理退席、
毛利委員長代理着席〕銀行側も、その点につきましては非常に反省をいたしまして、そうして銀行内に非常に厳重に、いかがわしい営業を行なっている疑いのある、いやしくもそういう疑いの持てるものについて絶対融資を行なわない、それから正常な営業を行なっているものであっても、資金使途がはっきりしない融資は行なわない、こういうことを行員に徹底させるような措置をとっております。このことはいわば当然の原則とも申せるわけでございますが、こういうことを厳重に徹底をさせるということにいたしておるわけでございます。
それから、全体に対しましては、さらに今後を戒める。御指摘のように、ほかにもこういうケースがあるということを検察側も言っておるようなことでございますので、そういうような点については、主としてそういうような業者が借りに行くと思われる相互銀行、信用金庫等、それぞれの協会に厳重に注意をいたしまして、協会から加盟傘下の全金融機関に徹底させる、こういう措置をとった次第でございます。
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○
広沢(直)委員 一例をあげていま具体的にお伺いをしたわけでありますが、こういったケースは、売防法だけの問題ではなくて、さきに申し上げた三和開発の問題にしてもそうです。レジャー産業に対して金融機関が多額の金を出している。当然中小企業を擁護していかなければならない中小企業金融機関としてそういったところへ多額な金を出して、そうして倒産している。その関係している銀行あるいは組合あるいは金庫というものは相当の数にのぼっているということも問題になりますし、また、昨今の日経にも出ておりましたのですが、国民相互銀行の常盤支店にあった問題小さい記事でちょっと指摘されているわけですが、あるいはまた和歌山相互銀行の、これは暴力団に関係した恐喝の事件があるわけですが、そういうことが報じられているわけですけれども、そういった点については御存じになっていらっしゃいますか。和歌山の問題、どうでしょう。
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○澄田政府委員 いま御指摘のケースは、いずれも私どものほうも承知をいたしておりまして、それぞれの調査もいたしております。
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○
広沢(直)委員 そこで、その和歌山の問題にいたしましても、これは相当な、不良というよりも不正になるわけですが、そういうような問題が起こってきているわけですね。実際にこういう貸し出した内容等については、これは銀行法の第十条は相互銀行には準用されているわけですが、こういった問題で業務報告というものが出されているはずだと思う。これは和歌山相銀の場合はいっこういった事件が起こっているのか。
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○澄田政府委員 昨年六月ごろにそういうことがあったというふうに聞いております。
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○
広沢(直)委員 要するに、こういった一連の問題に対して、もっともっと内容を私も検討してまいりたい。どういうわけでこういう問題が相次いで起こってくるのか。やはりそこには、先ほど申し上げておりますとおり、当然これを監督していかなければならない、あるいは指導していかなければならない監督官庁である大蔵省、そこに一つの問題があるんではないか。これが通り一ぺんの通達とかそういうことだけで徹底できる問題であれば、これが次から次へ出てくるわけはありません。
やはり冒頭に申し上げた再編成の問題、これは資本の自由化に対する問題が一番の問題なんですが、やはりこういう金融機関自体の競争、いろいろな貸し付けの過当になってくる面について不正貸し出しというような問題が起こってくる。そういった面が現在の銀行行成下において行なわれているとすれば、その監督に対しても、もっともっと適切な監督をしていかなければならないんじゃないかと思うのですが、先ほどお答えいただいたように、単なる財産だとか、あるいはその当時の運用だとかいう面だけを重視してやっていくというのではなく、銀行経営そのもの、あるいは運用のしかたそのものの全般にわたっての監査、あるいは業務の指導といいますか、そういった面が十二分に行なわれていかなければならないんじゃないかと思うのです。その点に関する今後の姿勢についてお伺いしておきたいと思うのです。
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○澄田政府委員 ただいまの点でございますが、先ほども申し上げましたように、金融機関検査というものについては、業務、財産の状況を的確に把握する、そして預金者保護と金融機関の公共的な機能発揮の促進に資する、こういうことを目的にすることになっております。したがいまして、おっしゃるような非違的な行為がある、あるいはいかがわしいようなものに貸し出しが行なわれる、そういうことがあっては、これは申すまでもなく金融機関の公共的な性格というものからいって許すことのできないことでございますし、検査の重点は、先ほど申しましたように、業務、財産の状況の的確な把握ということにございますが、業務のそういった面も同時に必要な注意を怠ってはならない、かように考える次第でございます。
それから、大臣から申し上げましたように、金融機関の今後の体制の整備と適正な競争を行なって、そうして金融機関の効率化をはかっていくというような点については、多年の懸案でもございますし、資本取引の自由化というような新しい情勢もございますし、今後全面的に検討を進めてまいりたい、かように存じております。
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○
広沢(直)委員 そこで、きょうは全般に対する監督指導の姿勢についてお伺いするわけでありますので、最後にお伺いしておきたいと思っております。
いまお答えいただいたように、今次のそういったような問題が表面化してきて問題になっておるわけでありまして、こういった問題が表面化されてまいりますと、信用を第一としていかなければならない金融機関の信用を失墜していくことになってくる。でありますから、いま言った現在の指導監督の内容よりも、もっとそれを視野を広げてといいますか、具体的にそういったことの不正のないように、また、起こってくる原因については、後日具体的な例を引いてこの問題を解明してまいりたいと思うのですが、要するに、今後の監督指導にあたっては、そういった現在のあり方でいいというわけじゃなくて、現在こういった状況下にあるならば、そういった面にも目を向けて指導監督というものがなされていかなければならないのじゃないか、こういうふうに感ずる次第であります。したがいまして、その点に対する姿勢について、そういうふうに今後推進されていくのか。その時点に立って、私は、内容的にまだ解明されていない問題もありますので今後もっとお尋ねしてまいりたいと思うのですが、最後にその点についてお答えをいただきたいと思います。
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○澄田政府委員 ただいまの点は、金融検査というものの性格から申しまして、何といたしましても、これは金融機関の業務、財産を的確に把握をしてそうして預金者保護等の見地から資産の運用に遺憾がないかどうか、財産の保全に遺憾がないかどうかという点に重点を置いてはまいりますが、同時に、金融機関の公共性という見地から、より広い金融機関の態度、あるいはそういう固有の資金運用という面以外における金融機関のあり方というような面についても、十分検査の際に注意するように銀行行政としても指導をしてまいりたい、かように存じております。
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○
広沢(直)委員 もう一点。そういった問題は、毎年毎年業務報告もやってまいるわけでありますし、業務報告なんかは、そういった問題の報告だけじゃないと思うのです。運用の報告であろうと思われるわけですけれども、しかし、やはり業務という全般の金融行政の上から考えてまいりますと、そういったようないろいろな事案という問題あるいは不良的な融資の問題だとか、そういう不正があったとかいう問題も当然報告の中には含まれてくると思われるわけです。しかし、そういったことが起こる時点においてそれがもしも毎年毎年の営業報告になかったとするならば、これはこの法律にもあるとおり、虚偽の報告というのでするか、あるいは重大な罰則がついておるわけですね。そういう面から考えていったら、やはり監督検査の面に関しては、重点的に、あるいはまた広範的にそれを見ていかなければならないのは当然だと思うのです。そういった点でまだまだ問題点があるように考えられますが、時間がありませんので、これで終わりにいたします。この次の機会にそういった点を具体的にまたお伺いしてみたいと思います。
以上で終わります。
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○
毛利委員長代理 午後一時三十分より
理事会を開会することとし、暫時休憩いたします。
午後一時十八分休憩
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〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕