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只松委員 どうも、大臣に聞くのを政務次官に聞いたり事務当局から聞いたりしてぴんとこない面があるのですが、あとで大臣がお見えになったらまた聞きますが、いまおっしゃったように、いろいろ、言えば理屈はあると思いますけれ
ども、たとえば、いまの給与形態にいたしましても、
独身者の
初任給が非常に上がってきておりますね。上がらなければ人が集まらないということになっていますね。むしろ中高年層が
平均余命が延びまして、こういうものには中高年層の再
雇用対策をしなければならない、こういうことですね。五十五歳以上の再
雇用された人の
賃金は非常に安くなる、こういう形です。
皆さん方みたいに特殊の立場にある人はすぐどこかの公団の副総裁や
理事になっていかれるから、三十万円、五十万円すぐもらわれるけれ
ども、
一般の
勤労者は、五万円もらった人が三万円、三万円もらった人が二万円になって、定年後安くなる、こういう給与生活者、
国民生活の実態というものを見ていき、生活の
あり方というものを見ていけば、当然にそれに対応する
税制についてもやはり私は変えていく必要があると思います。
こういう
一般的な政策の問題、社会現象に伴う問題を話し始めますと非常に長くなります。私は税小があればそういう問題についてもいろいろ話し合いたいと思っているのですけれ
ども、昨年からほとんど税小は開かれません。そこで、今日までこういうことや何かを
論議する機会というものがほとんどないわけです。あっても、私
たちの質問がたいてい三十分か一時間でちょこちょこっと終わる、こういうので、こういう社会の形態の、いろいろ都市化現象といわれたり、あるいは社会構造の変革といわれて、いろいろな社会体制に変革を来たしております。にもかかわらず、
税制というものは、
シャウプ税制勧告以来、
基礎控除なり何なりちょこっといじくられただけで抜本的な
改正がない。私が
税制の
改正ということを言っておるのは、社会形態も相当変わってきておるのではないか、こういうことを前提にして言っておるわけです。しかし、そういう社会学的な面まで持ち出しますと、たいへん抽象的な話にもなりますし、ほんとうはそういうことは税小か何かで言うべきだろうと思う。しかし、なかなかそういう機会がないからあれですが、そういう国家社会の形態の変化が起こってきているわけですから、それに伴って当然
税制の
あり方というものも変わってこなければならぬと思うのです。
たとえば一例をあげれば、小学校や中学校出は非常に少なくなってきておる。高校、大学出が多い。
皆さん方も、われわれもそうですか、子供を上の学校までやる。それと、人が足りないから、したがって
初任給が高くなってきておる。
初任給が三万円で、四十、五十の人が五万円だ六万円だということで、ある面では小学校しか出ない定年間近の人と大学出の人の
初任給とそう大差ない、こういう形態も出てきております。
そういういろいろな社会現象というものをにらみ合わせて一あるいは一個の家族にしても、六人なり十人なり多数家族であったのが、いま
平均の家族構成が四人を割ってきております。私はいつも言うように、皆さんは
平均値をとって五人家族というものをお出しになるけれ
ども、それは架空の数字であって、日本のいまの状態は、
昭和四十二
年度においては大体四人くらい、四人をあるいは割ってきておるかもしれない。というのは、家族が分散をします。したがって、分散をすれば、
一般的な生計費のほかに、いま家賃が非常に高くなってきておる、あるいは地代というものが上がってきておる。それはなぜか。新しく家族が分散をして家を建てる、あるいは家を建てる金がないからアパートに入るというと、アパート代が非常に高い。ただ単に
初任給ということだけをいうならば、
独身者の
初任給を上げればいいじゃないかということだけれ
ども、そうではなくて、独立して一個の家をかまえる、その家賃が高い。家賃だけでなく、光熱費や何か全部生活費に入ってくるわけです。そういう社会形態の変化が、生きているわれわれ人間の中に起きているわけですね。そういうものに対応する
税金の
あり方、課税のしかたというものがやっぱり変わってこなければならぬ。そういうものを全然顧慮しないで、ただ昔ながらの、終戦後シャウプさんが来て勧告したときの税体系がそのまま適用されておる。その
所得税が一方の
法人税とともに二本の柱になっておる、こういうことですね。おそらく私はそういうことや何かは、
税調の報告書や答申書を見ましても、それまでの社会学的な面までとらえての論争というものはほとんどやっておらないような気がするのですね、まだ私も見ないのですけれ
ども。やっぱりそういう問題も全部やらなければならぬ。われわれは日本
国民に対する課税の
あり方を国会で
論議するわけですけれ
ども、したがって、国家社会の現象の変化というものに伴って
税制も変えていく必要がある。私が、
税負担感の重さというものを
商業新聞でも一斉に言っている、こういうことを一例として言い、筋としては確かにあなたの言われるようにそんなに上がってきてはいないし、それほど変化はしてないけれ
ども、なおかつ
負担感が非常に重いというのは、単に
住民税や何かが下がっておらない、上がっておる、
物価が上がっておるという、そういう経済面だけでなくて、私は、社会現象の変化がきた、そういうもろもろの問題があると思うのですね。私は
税制というのは政治の基本だと思っているのです。予算というのは使うほうですが、それを裏づける歳入としての
税制というものは、国家社会形態の基本だと思うのですね。国家社会のそういう形態というものが異なっていくならば、当然に税の
あり方というものもやっぱり対応してこなければならぬ。それがいま大きな
一つの変わり目にきておるのではないか。そういうことと関連して、
所得、特に
給与所得の問題について、
国民が底流というか、うねりをなして
一つの問題提起をやっているわけです。おそらく来年もまた勧告が出たり、あるいはあなた
たちが
改正案を出したりするときには必ずやりますよ。毎年
新聞というのはぼくはにぎわってくると思う。それが激しくなって、去年よりことしの論調というのは激しい。ことしは、あなた
たちから見れば相当大幅に
減税したと思っているわけでしょう。にもかかわらず、ことしの論調というのは非常にきびしいですね。ことしは確かにいままでよりも
所得税中心に
減税したが、しかし、ということで、が、しかし、からあとの論調というのは非常にきびしいですよ。
だから、ここで
データを踏まえたり、いままでの通り一ぺんの、そうじゃないと思いますというようなことじゃなくて、もう少し根本的に、これは大臣が来てこういう
論議をすれば一番いいわけですけれ
ども、大臣は所定の時間になっても来ないのでやれないが、しかし、大臣は大体そこまでの基本的な
論議は、あなた
たちがされた上じゃないとうんと言わないわけですから、そういう問題について、もっと
国税当局においても根本的にお考えになったらどうですか。