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1967-07-21 第55回国会 衆議院 商工委員会 第35号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年七月二十一日(金曜日)     午前十一時二十八分開議  出席委員    委員長 島村 一郎君    理事 天野 公義君 理事 小川 平二君    理事 鴨田 宗一君 理事 河本 敏夫君    理事 中川 俊思君 理事 田中 武夫君    理事 中村 重光君 理事 麻生 良方君       遠藤 三郎君    小笠 公韶君       岡本  茂君   小宮山重四郎君       小山 省二君    坂本三十次君       田中 六助君    丹羽 久章君       橋口  隆君    三原 朝雄君       武藤 嘉文君    石野 久男君       佐野  進君    千葉 佳男君       中谷 鉄也君    平岡忠次郎君       古川 喜一君    塚本 三郎君       吉田 泰造君    近江巳記夫君  出席政府委員         公正取引委員会         事務局長    竹中喜満太君         通商産業政務次         官       宇野 宗佑君         通商産業大臣官         房長      大慈彌嘉久君         中小企業庁長官 影山 衛司君  委員外出席者        議     員 小宮山重四郎君         議     員 中村 重光君         議     員 田中 武夫君         議     員 塚本 三郎君         国税庁長官官房         審議官     前田 文雄君         厚生省環境衛生         局環境衛生課長 柳瀬 孝吉君         農林省畜産局食         肉鶏卵課長   福島 量一君         通商産業省公益         事業局技術長  藤波 恒雄君     ————————————— 七月二十一日  委員中谷鉄也辞任につき、その補欠として下  平正一君が議長指名委員に選任された。 同日  委員下平正一辞任につき、その補欠として中  谷鉄也君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  電気工事業を営む者の営業所登録等に関する  法律案小宮山重四郎君外十六名提出衆法第  四号)  中小企業者事業分野確保に関する法律案  (中村重光君外十一名提出衆法第九号)  中小企業組織法案田中武夫君外十一名提出、  衆法第一〇号)  電気工事業及び電気工事士法案麻生良方君外  二名提出衆法第二〇号)  通商産業基本施策に関する件  私的独占禁止及び公正取引に関する件  閉会中審査に関する件  請 願   一 長野県内技術試験研究機関整備拡充に     関する請願増田甲子七君紹介)(第三     一六号)   二 豪雪地帯対策完全実施に関する請願(大     野市郎紹介)(第三三三号)   三 電灯線引込口避雷設備法制化に関す     る請願大野市郎紹介)(第三四二     号)   四 九州地域電力料金低減に関する請願(     山中貞則紹介)(第八七四号)   五 鹿児島県南種子町の実用衛星センターに     付随する公共事業予算特別措置に関す     る請願山中貞則紹介)(第八七五     号)   六 アジア・アフリカ諸国及び国内中小企業     の日本万国博覧会出展促進に関する請願     (吉田泰造紹介)(第九九〇号)   七 電気工事業を営む者の営業所登録等に     関する法律制定反対に関する請願田中     武夫紹介)(第一二六〇号)   八 同(田中武夫紹介)(第一三一二号)   九 同(北山愛郎紹介)(第一三二三号)  一〇 同外五件(野間千代三君紹介)(第二二     二四号)  一一 同(原茂紹介)(第一三二五号)  一二 同(平岡忠次郎紹介)(第一三二六     号)  一三 同外二件(佐々栄三郎紹介)(第一三     六九号)  一四 同(下平正一紹介)(第一三七〇号)  一五 同(伊賀定盛紹介)(第一三九四号)  一六 同(河上民雄紹介)(第一三九五号)  一七 同(岡本隆一紹介)(第一三九六号)  一八 同外二件(広瀬秀吉紹介)(第一三九     七号)  一九 同(福岡義登紹介)(第一三九八号)  二〇 同(三木喜夫紹介)(第一三九九号)  二一 同(大原亨紹介)(第一四一五号)  二二 同(中村重光紹介)(第一四五八号)  二三 同(門司亮紹介)(第一四八七号)  二四 同(吉田賢一紹介)(第一四八八号)  二五 同(堀昌雄紹介)(第一五九五号)  二六 離島振興法の一部を改正する法律案の早     期成立に関する請願池田清志紹介)     (第二七八六号)  二七 同(山中貞則紹介)(第三二二一号)  二八 産金対策確立に関する請願池田清志君     紹介)(第三五一一号)  二九 万国博覧会場敷地内にスポーツ施設設置     に関する請願吉田泰造紹介)(第四     〇七七号)      ————◇—————
  2. 島村一郎

    島村委員長 これより会議を開きます。  去る五月二十二日付託になりました小宮山重四郎君外十六名提出電気工事業を営む者の営業所登録等に関する法律案議題とし、提出者から趣旨説明を聴取することといたします。小宮山重四郎君。
  3. 小宮山重四郎

    小宮山議員 ただいま議題となりました電気工事業を営む者の営業所登録等に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  近年における電気技術の急速な進歩による電気施設高度化家庭電化進展に伴う電気使用量の著しい増加とにより、電気施設保安重要性はますます高まっているのであります。  さきに制定されました電気事業法におきましても、この点を重視し、電気工作物保安体制を整備し、合理化することが、大きな目的一つになっていることは御承知のとおりであります。  ここに提出いたしました電気工事業を営む者の営業所登録等に関する法律案は、一般用電気工作物保安確保に資することを目的としているのでありまして、このため電気工事業を営む者の営業所について登録実施電気工事管理者設置工事記録保存等措置を定め、あわせて電気工事業運営━━━━━━━━適正化をはかろうとするものであります。  次に、この法案要旨を御説明申し上げます。  第一は、電気工事業者登録等に関する規定であります。  電気工事業を営んでいる者または営もうとする者は、営業所ごと都道府県知事所要事項を記載した登録申請書提出し、登録を受けることができることとしたことであります。  なお、この登録を受けるときは、当該営業所電気工事士が二名以上置かれていることを要件としているのであります。  第二は、電気工事管理に関する規定であります。  これは電気工事にかかる事故を防止するため、電気工事業者管理体制を整備しようとするもので、所属する電気工事士のうちから電気工事管理者を置き、電気工事の設計、施工等電気工事に関する業務管理させることとしたことであります。また、電気工事施行に関する帳簿書類を保存させることにいたしております。  第三は、登録電気工事店等名称についてであります。  登録電気工事業者は、登録電気工事店名称使用し得ることとし、登録を受けていない者の類似名称使用禁止したことであります。  第四は、その他、報告及び検査、罰則等所要規定を設けたことであります。  以上がこの法案提案理由及び要旨概要であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。      ————◇—————
  4. 島村一郎

    島村委員長 次に、去る五月二十九日付託になりました中村重光君外十一名提出中小企業者事業分野確保に関する法律案議題とし、提出者から趣旨説明を聴取することといたします。中村重光君。
  5. 中村重光

    中村(重)議員 ただいま議題となりました中小企業者事業分野確保に関する法律案提案理由を御説明いたします。  今日、中小企業経営がきわめて困難な状態に置かれている原因の主たるものは、対大企業との関係であります。大企業がその資本力にものをいわせて、従来の中小企業分野にまで、どんどん進出し、弱小中小企業を駆逐しつつあるのが、今日の実情であります。大企業中小企業分野進出するやり方には、大企業自身が直接行なうもののほか、既存の中小企業資本や役員を投入して、実質上の支配権を確立する方法があります。このような傾向は、資本取引自由化が進む中で外国巨大企業進出と相まって、ますます強まってくる危険性があります。このようなことを放置しますならば、中小企業は近き将来、その存立基盤までも奪われること必至であります。  わが党は、この事態を深く憂慮し、かねて中小企業者に適切な事業分野確保して、その経営の基礎をまず安定させなければならないと繰り返し強調し続けてまいったのであります。これに対して、政府自民党は、事業分野を定めてこれを中小企業者確保することは、憲法に違反するといって反対してきたのであります。しかしながら、事態進展は、違憲論をもって放置することを許さず、最近ではようやく政府自身でさえ、大企業中小企業との間の事業分野について、何らかの調整の必要を認めざるを得なくなっているようにうかがえるのであります。  この際、中小企業に適切な事業分野を明確にし、その分野への大企業者進出規制することによって、中小企業者存立基盤確保することが何よりも緊急必要なことと存ずる次第であります。  これが本法律案提出する理由であります。  次に、その内容概要を御説明いたします。  まず第一に、本法律案は、中小企業者事業分野として確保すべき適切な業種を次の基準に基づいて、政令指定することにいたしております。すなわち、製造業建設業またはサービス業に属する業種のうち、その業種に属する事業を営む者の総数のおおむね五分の四以上が中小企業者であり、かつその業種の過去一年間の生産実績なり取り扱い量のおおむね三分の二以上が中小企業者によって占められ、経済的にも中小規模企業形態が適切であって、もしこの分野に大企業者進出する場合においては、中小企業者を著しく圧迫すると認められるものを、中小企業事業分野として確保しようとするものであります。  第二に、指定業種を営む者はすべてこれを届け出させ、大企業者指定業種分野に新たに進出し、拡張することを制限し、これに違反するものには罰則をもって臨むことといたしたのであります。  第三に、大企業者がみずから行なわなくとも、資本的または人的関係において支配力を持つ中小企業者をして行なわしめる場合も、同様に規制対象とし、主務大臣が大企業者に対しその違反行為を排除するための命令を出すことができるようにして、予想される脱法行為を未然に防止することとしたのであります。  第四に、かかる業種指定並びに大企業者進出制限脱法行為禁止等に関する政令制定、改廃する場合、大企業者に対する命令を行なう場合は、特に公正を期すため中小企業審議会に諮問することにいたしたのであります。  以上が本法律案提出理由並びにその内容概要であります。  何とぞ御審議の上、御賛成あらんことをお願い申上げて提案説明を終ります。      ————◇—————
  6. 島村一郎

    島村委員長 次に、去る五月三十日付託になりました田中武夫君外十一名提出中小企業組織法案議題とし、提出者から趣旨説明を聴取することといたします。田中武夫君。
  7. 田中武夫

    田中(武)議員 ただいま議題となりました中小企業組織法案提案理由を御説明いたします。  今日、中小企業に関する組織は、現在中小企業団体組織法中小企業協同組合法環境衛生関係営業適正化に関する法律等各種あります。私どもが現存する組合の実態を見ます場合、どれだけ活発に活動しているかはなはだ疑問な組合がきわめて多いのであります。さらにまた未組織中小企業者がいかに多いか、およそ中小企業関係するもののひとしく痛感するところであります。  この理由は一体どこにあるのか、それは一つには、現行法律規定中小企業者現状に適応しておらないというところから来ておるのであります。二つには、一般に仏つくって魂入れずということばがありますように、法律はつくっても、肝心の組織化促進助成を積極的に行なわない、予算の裏づけがほとんどなされないということのためであります。  最近、中小企業者組織化の必要、協同事業の必要について切実に目ざめつつあります。そして、現に何らかの組織任意団体に参加するものが多くなってまいりました。  ところが、一歩進んで、これらの法律に基づく組合をつくったり、それに加入したりすることには、必ずしも積極的ではありません。むしろ、魅力がなく、かえってわずらわしいとさえ感じているのであります。  今日、技術革新に伴う経済情勢の著しい変化の中で、中小企業経営を安定させ、その近代的な発展をはかるには、中小企業者団結の強化、協同化促進をはかるごとが最も急務とされているのであります。  しかるに、以上のように中小企業の当面する課題と現状とは、不幸にも相離反した姿を示しているのであります。そして、この離反をもたらした最大の原因が、政府施策の不備、怠慢にあるということは、何としても遺憾きわまりないことであります。  わが党が、ここに中小企業組織法案提出するゆえんも、実にこの現状を打開せんがためであります。そして中小企業者協同化への切実な要望にこたえ、だれもが、みずからの自由意志に基づいて、その業種業態に適応した組合簡易に参加でき、協同事業活動のもたらす恩恵に浴することができるよう、国に積極的な施策の実行を義務づけんとするものであります。さらにまた、これらの組織に強力な団結権団体交渉権を保障することによって、従来の大企業からの不当な圧迫に対し、それに動じない中小企業者の強固な、安定した地位を確立してまいろうとするものであります。  これが、いままでの中小企業者組織関係する諸法律を一本化し、中小企業組織法案として提案する理由であります。  次に本法律案概要を御説明申し上げます。まず、第一に、本法律案の定める中小企業基本組織協同組合であります。この協同組合加入・脱退の自由、組合員の権利の平等を原則とし、設立要件、手続を簡易にし、経済事業調整事業団体協約締結をあわせて行ない得る組織として考えられておるのであります。また、あくまでも自主的な、中小企業者が喜んで入る組織原則として、強制加入はいかなる場合にもこれを認めていないのであります。なお、ここに中小企業者とは資本金五千万円以下、かつ従業員三百人以下のものをいい、商業サービス業にあっては従業員三十人以下のものをさしておりますが、同時にまた業種業態に応じた適切な定義決定の余地を残しておるのであります。  第二に、組合の種類といたしましては、事業協同組合勤労事業協同組合下請協同組合商店街協同組合環境衛生協同組合共済協同組合信用協同組合企業協同組合協同組合連合会を考えています。これによって従来の事業協同小組合勤労事業協同組合発展させ、また商工組合を廃止して、新たに下請並びに商店街の両協同組合を設けることといたしました。またいままでの事業協同小組合環境衛生同業組合火災共済協同組合企業組合は、それぞれ勤労事業協同組合環境衛生協同組合共済協同組合企業協同組合組織がえをすることといたしております。  勤労事業協同組合は、地区内の勤労事業者すなわち、従業員おおむね十人以下にして、かつ資本金百万円以下のもの、ただし商業サービス業にあってはおおむね三人以下のものによって、下請協同組合は、主として地区内の下請業者によって、商店街協同組合は、主として地区内の小売業またはサービス業者五十人以上によって、共済協同組合は、一または二以上の都道府県区域の全部または全国の区域内の中小企業者によって組織され、他の組織は大体従前どおりであります。  第三にその事業内容につきましては、事業協同組合勤労事業協同組合下請協同組合商店街協同組合環境衛生協同組合の各組合は、経済事業調整事業団体協約締結をあわせ行なうものであります。そして事業協同組合下請協同組合環境衛生協同組合調整事業を行なう場合には、同一業種について地区の重複を認めないことといたしておるのであります。  また共済協同組合は、火災だけでなく、風水害、地震、盗難、交通事故爆発等による損害をも共済事業対象に加えております。信用協同組合企業協同組合事業については、従来のとおりであります。  第四は、調整事業に関する事項についてであります。すなわち、調整事業を行なう場合は、不当に差別的でないこと、一般消費者及び関連事業者の利益を不当に害するおそれがないことを一般的な必要要件としております。  さらに、それに加えて、不況カルテルの場合は不況要件を、合理化カルテルの場合は価格等に不当な影響を及ぼさないことを要件といたしております。  また調整規模については、中小企業者のみが加入している組合の場合は届け出制で足り、中小企業者以外のものが加入できる組合の場合は、認可制をとることにし、特に価格協定については公正取引委員会の同意を必要としたのであります。  なお調整事業を効果あらしめるために、不況カルテルの場合について、アウトサイダー規制命令を出し得ることとしておりますが、事業停止命令加入命令は認めておりません。  第五は団体協約についてであります。  協同組合取引条件並びに調整事業について団体協約締結することができ、相手方はこの団体交渉に対し、応諾する義務があります。そして団体協約のうち、取引条件に関するもの、中小企業者のみが加入している組合締結したものについては、届け出制で足りることといたしました。なおまた系列別下請協同組合が、親事業者との間に取引条件に関して締結した団体協約については、その四分の三以上が適用を受ける場合、その親事業者取引関係のある組合員以外の下請業者に対し、一般的拘束力を持つことといたしておるのであります。  第六に、中央会の機構、運営につきましては、従来の天下り方式を改め、真に民主的な中小企業者組織とするよう配慮いたしました。すなわち、中央会に正規の理事会を置き、理事会業務の執行を決し、会長は理事会の定めるところに従って業務を行ない、会長事故あるときは理事がその職務を代理する、といたしたのであります。  第七といたしましては、特に政府助成義務を明記しておるのであります。これは初めに申上げましたように、せっかくの組織に関するりっぱな法律ができても、協同化促進する政府助成措置に欠けるところがあっては、法の効果的な運用を期すことができませんので、共同施設福祉厚生施設に要する経費組合事務に要する経費について、国がその一部を補助することを義務づけたのであります。  また商店街など協同組合設置する街灯の公共性を考え、その電気料金について特別の軽減措置をとることといたしておるのであります。  その他、細目の規定につきましては、おおむね従来の法律規定を準用しております。  以上が本法律案提案理由内容概要であります。  何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願い申上げまして、提案説明を終わります。      ————◇—————
  8. 島村一郎

    島村委員長 次に、去る八日付託になりました麻生良方君外二名提出電気工事業及び電気工事士法案議題として、提出者から趣旨説明を聴取することといたします。塚本三郎君。
  9. 塚本三郎

    塚本議員 ただいま議題となりました電気工事業及び電気工事士法案提案理由を御説明いたします。  いまや、国民経済発展に伴ない、家庭、店舗、工場、その他の諸施設における電力消費増加の一途に向かっており、これに伴なって電気工事量も急増しております。それは、工場やホテルなどの複雑な配電工事をはじめ、家庭におきましても各種の電気器具利用度が高まりましたので、配電は複雑になってまいりました。いまや、電気工事業工事費総額は、一つ産業としても、相当高い地位を占めるに至っているのであります。電気工事業はますます高度の技術と、確実なる保安が要求され、産業としての、かつ企業としての社会責任を正当に負担すべき時代となってきているのであります。  ところが、現在の電気工事業は、法制上で独立した産業としての扱いを受けておりません。すなわち、電気工事業電気配線工事として、建設業法の定める建設工事の一部に含まれております。電気工事業は、総合的な建設工事下請の立場に置かれています。  その結果として、電気工事下請単価を常に脅かされ、工事保安責任を完遂し得る態勢になっておりません。  私どもは、この憂うべき弊害を除去し、今後の電気工事業が十分に保安責任高度化する配線工事技術を駆使し得る産業態勢を確立せんがため、ここに本法案提出したのであります。  本案要旨の第一点は、電気工事業電気事業法で定める電気工作物工事の任に当たる業種として、的確なる法制上の根拠を与えて、業界の社会責任を明らかにする点であります。この見地に立って、本案では、まず第二章電気工事業者におきまして、業種としての電気工事業のあり方を規定しました。  まず、この業を営む者を、すべて通産大臣または都道府県知事に対する登録制とし、登録有効期間を二年とし、登録要件として、営業所ごと電気工事士であって電気工事に関し三年以上の実務の経験を有する者を一人以上置かねばならないこととしました。登録制によりまして、企業責任を明らかにし、登録期間と、電気工事士配置義務によって、保安及び配線上の技術責任を明らかにしたのであります。  また登録を受けた業者に対し、国は適正な施工確保と、業の健全な発達をはかるための必要な指導助言または勧告を行なうことができることとし、かつ、電気工事が委託その他いかなる名義いかんを問わず、その工事契約は、電気工事請負契約とみなすこととしました。  これによって、国は業の健全なる発展に助力し、電気工事契約自主独立を保障することとしました。  本案要旨の第二点は、第三章電気工事業者団体におきまして、業の健全なる発達をはかることを目的とする社団または財団の法人格を持つ団体設立届け出制とし、国に対して所定の報告義務づけることにしました。  これによって、業者団体社会上、産業上の責任役割りを高く評価することにしたのであります。  本案要旨の第三点は、第四章電気工事士であります。現在、電気工事業は、電気工事士免状のある者が営むことができることになっているので、小規模零細企業が乱立し、過当競争を招来しております。したがって、私どもは、現行電気工事士法を、本案の第四章として織り込むこととし、電気工事をまず業として確認し、この上に立って電気工事士地位、任務を定めることとしました。なお、電気工事士免状試験義務については、おおむね現行法を準用することといたします。  なお、本案施行は、公布の日から起算して六十日以内とします。  また、経過規定として、現在、建設業法に基づき電気工事を営む者は、本案施行より三年間は登録を受けないでも、業を営むことができることにしました。  本案は、あくまでも、電気工事業の健全な発達によって、技術高度化保安確保をはかり、あわせて、中小企業者が多い本業種自主独立性を守らんとするものであります。  何とぞ慎重御審議の上、本案に賛成あらんことをお願いいたします。
  10. 島村一郎

    島村委員長 以上で趣旨説明を終わりました。      ————◇—————
  11. 島村一郎

    島村委員長 小宮山重四郎君外十六名提出電気工事業を営む者の営業所登録等に関する法律案に対し、質疑の申し出がありますので、これを許します。丹羽久章君。
  12. 丹羽久章

    ○丹羽(久)委員 電気工事業を営む者の営業所登録等に関する法律案、この問題について少しお尋ねをいたしたいと思いますが、これは五月二十日に提出になったと私は記憶いたしますけれども、特に提案者である小宮山さんに私はお尋ねをいたします。  五月二十二日に当委員会に付託せられました。それから本日まで指を折って計算いたしますと約六十日ですが、一度もあなた方の出されたのが議題に供せられなくて審議する過程に入らなかったということは、あなた自身も議員の一人として、こうしてそこにおすわりになっておっても、心外にたえないという考え方だろうと私は思っております。そのお気持ちは十分に私は察することができます。しかしもう会期もきょう一日になりました。これをもって本会期はすべて終わるわけであります。ここに至って何と騒いでみても、これから審議をし、これを本会議にかけて、これを持っていくということは、とうてい不可能だと思っております。なぜならばと申しますると、ただいま社会党から田中さんの趣旨説明のありました中小企業組織法案の提案もあります。あるいは中村さんが提案せられましたところの中小企業者事業分野確保に関する法律案の問題もあります。さらに、同じような問題でありますけれども電気工事業に対する民主社会党の塚本委員提案説明もございます。このような問題を考えてまいりますると、あと残されたわずかな時間でとうていこれはできないと思うのです。またこれができないとすると、あなたをはじめとして十六人の方々、これは聞くところによりますると、一回ならず二回も三回もこのようなものは提案せられたということであります。ほんとうにあなたの心境はどんなお気持ちであるかということを私はちょっとあなたにお尋ねしたいと思う。
  13. 小宮山重四郎

    小宮山議員 いま丹羽さんの御質問、これは五月二十日に上程し、いままで一度も趣旨説明また質問もされない。私の気持ちは、議員立法として議員が出した法律に対して一度も審議されない、━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 国会は内閣提出法律案だけを審議する場ではございません。またチェックする場ではございません。議員は国会の名において日本の将来に関しまた零細な企業のものに対しての審議の場であります。そういう意味において、現在までこの法律審議されないで非常に私残念に思います。  もう一つ、この電気工事業者法律は、現在の電気事業法あるいは電気工事士法というようなものと別に、電気の使用量がふえ、かつ一般電気工作物使用量がふえている現状において、何らその保安責任体制、行政指導がなされてない。こういうものを業者がほんとうになって、また国会議員もそういう責任体制を確立し、行政指導ができるようなためにどうしてもつくらなければいけない。また、中小企業、零細企業を守る中小企業分野に関しての確保をやらなければいかぬ。これひとり自由民主党だけの考え方ではないと私は信じております。そういう意味で、━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  14. 丹羽久章

    ○丹羽(久)委員 ただいま小宮山さんから切々として真情を訴えられたことに対して私も同感であります。これは自民党だけの考え方ではなくて、民社党も社会党も、それぞれの考え方を持っておられるであろうと思います。そうして、その上に立って最も現在の危険なものであり、そうして大いに注意をしてやってもらわなければならないこの電気事業法、これに対しての考え方の法案というものは、一日も早く私はでかしてもらわなければならぬと思うのです。そういう意味におきまして、いままで取り上げられなかったそのことが全く残念だと思いまするが、提案せられたあなたが、いまのお話を聞いておりますと、全く残念だとおっしゃるが、それで私は、十分私自身の質問の答えとして満足をするものであります。  さらに私は委員長にお尋ねいたしますが、委員長、いま提案者であります小宮山さんは、これは国民として前向きの姿勢でいく上においてこういうような法案は十分に審議してもらって、早くやってもらわなければならぬと私は思うと、こう言われております。これは委員長、耳が遠くても十分お聞きになったろうと思います。聞こえなければもっと私は大声を発して委員長のお耳に入るようにしますし、前へ進んでいって申し上げてもいいが、十分に耳に入ったと思います。そこで、この法案だけでなくて、この四つの問題に対して、時間的にはもうなかなか困難なことでありますが、まず私は工事事業登録に関するこの問題に対して、一体どういうような今後取り回しをしていただけるか、どのようなお考えを持っておられるか、委員長は率直な、ひとつあなた自身のお考えをお聞かせいただきたい。
  15. 島村一郎

    島村委員長 お答えいたします。  委員諸君の御意見は十分尊重してかからなければならないということは、重々自分でも承知いたしておりますし、そういうふうにいたすとともに、今後これの処理につきましては、これはもう少し大きな視野に立ちまして、各党とも同じようなことを違った方角からいっているだけのことでありますから、これをひとつまとめて、ほんとうに成案化していきたい、こういうふうにして、消費者の何と申しましょうか、保護もしていく、それから業者としての万全の工事なら工事ができるようにしむけていくようにということがほんとうだと存じますから、休会中にでも各党との懇談をなお重ねまして、そうして善処してまいりたいと存じます。どうぞさよう御了承をいただきます。
  16. 丹羽久章

    ○丹羽(久)委員 それでは、いまおっしゃいました各党ともに十分に話し合ってこの法案の日の目を見ることをお約束していただけると、こういうことでございますね。
  17. 島村一郎

    島村委員長 十分努力いたすつもりですから……。
  18. 丹羽久章

    ○丹羽(久)委員 十分努力するというのは、日の目を見るようにやっていただけると解釈してよろしいですね。——じゃ、それでけっこうです。そのようにひとつ委員長は、まことに恐縮でありますけれども、国民全体が大きく期待しておる法案であることをお考え願って、ひとつお願いいたしたいと思います。
  19. 島村一郎

    島村委員長 つけ加えて申しますけれども理事会におきましてもたびたび各党の理事諸君ともこういう話をいままでもしつつ今日までまいりました。どうぞ御了承をいただきます。
  20. 中村重光

    中村(重)委員 関連。ただいま丹羽君からあるいは提案者からも、このいま議題となっております法律案の問題に対して、あたかも私たち議員自身が議員提案の法律案を軽視しておるかのような発言があったということには問題を感じます。私どもは、議員提案がいかに重要であるか、決して内閣提出法律案と比較いたしますと軽視さるべきものでないということはよくわかっております。提案者も商工委員であるはずであります。質問者も商工委員であります。委員会の運営理事会において話し合いをなされ、そのことが各委員に十分徹底をされて、その理解の上に立って今日まで委員会の運営をされてきたということはよくわかっていらっしゃるはずであります。にもかかわらず、今日までの運営を誹謗するというような態度は私は納得できない。昨日の委員会において、この後の取り扱いについてどうするかということに対しましても話し合いをし、提案者自身も理事会において十分そのことを承知し、委員長に一任をされたのであります。にもかかわらず、質疑応答という形において委員運営を誹謗するというような言辞は絶対に許されないのであります。十分反省されるように強く注意を喚起いたしておきます。
  21. 田中武夫

    田中(武)委員 議事進行。私はちょっと所用で中座しておりましたので、どのような質疑応答がなされたかは知りません。しかし、ただいま中村理事からの発言によれば、委員会の運営に対してとかくの非難をし誹謗をするようなことがあったとするならば、議事録から抹消することを提案いたします。
  22. 中谷鉄也

    中谷委員 議事進行。私は一点だけ、商工委員として提案者の先ほどの御答弁について、次のような点について非常に納得のいかない点がありますので、議事進行に名をかりてひとつお尋ねをして、提案者からも御答弁をいただきたいと思います。  要するに、本国会において商工委員会はこれでたしか三十五回目だと思うのですけれども、誠実に理事が開かれ、そしてその結果がきわめて人格高潔な委員長のもとにおいて提案の順序その他について定められている。われわれ委員としては真剣に法案審議に参画してきた。したがって、いわゆる議員立法、わが党が提案しておる議員立法等についても今日まで趣旨説明等ができなかったという点については、まことに遺憾ではあるけれども、その旨を了としている。したがって、それはやむを得ないと思う。このことについてやむを得ないことだという前提がなしに先ほどのような丹羽委員の質疑に対する答弁があったことに対しては納得できない。  もう一点は、先ほどの提案理由説明の中で、提案者自身が何か、━━━━━━━━というふうなことを御発言になった。静かに願うとか願わないとかいうことは、提案者は一体そういうことを言う権限でもあるのですか。あなた自身は国会に席を置かれてかなりになるでしょう。委員会規則というものも読まれたことがあるでしょう。委員会の秩序の保持というのは委員長責任であり、提案者が━━━━━━━━なんということを言って、いかにも委員に対してそういう差し出がましいことを言って提案をするというような不謹慎な提案のしかたがありますか。先ほどのことばについては、われわれとにかくあなたの提案理由説明を聞いておった委員として納得できない。提案者がそういうふうな━━━━━━━━なんというようなことを言って提案したというふうなことがいまだかつてありますか。そういうふうな提案をしたあなたは、提案理由として、そういうことをことばとして維持されるかどうか。委員長の権限に対する重大なこれは侵害ですぞ。こういうようなこともあわせてあなたの提案者としてのお気持ちを一ぺん聞きたい。
  23. 小宮山重四郎

    小宮山議員 いまの第一点の質問について、五月二十日に上程されまして、その後再三審議をやっていただきたい、趣旨説明をさしていただきたいというお願いをしてまいりました。きのうの理事会においても、その趣旨説明及び質問をさせるということで、私きょう立ったわけでございますけれども、私皆さま方にお願いしたいことは、少なくとも衆議員議員立法で、衆法第四号で上程されておる、きのうも田中先生にお願いしたことは、ぜひ途中で一回やらしていただきたいというお願いだった。しかし、きのうに至ってはもういたしかたがない、ですから、私は、これで委員長にもう一任するということで、きのうは理事会にお願いしたわけです。ただ、そういうことで議員立法が、少なくとも一度も会期末まで趣旨説明されないということは、私としては、提出者としては非常に心外であるということ、やはり残念であるという意味では、どなたでもそういう立場に置かれたら、そういう感じになられると思うのです。そういう意味で申し上げたわけでございます。  第二点の、途中で、━━━━━━━━と申しました。これは趣旨説明者として少し不謹慎だったかもしれません。しかし、私としては、長いこと、六十日近く待たされに待たされた、そういう初めての趣旨説明の場に立って、ぜひ大ぜいの方にこの趣旨説明を聞いていただきたい、そういう意味で申し上げたわけであります。
  24. 島村一郎

    島村委員長 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  25. 島村一郎

    島村委員長 速記を始めて。  以上の問題につきましては、理事会にはかりました上善処いたしたいと思いますので、委員長に御一任を願いたいと存じます。   〔発言する者あり〕
  26. 島村一郎

    島村委員長 なお、提案者の発言中、不穏当な個所がありましたならば、速記録を取り調べた上、委員長において処置したいと存じますから、御了承願います。  この際、私からちょっと一言……。  本委員会発足以来、今日に至りますまで、あるいは私に不手ぎわがあったかとも存じまするが、一そう過去を反省いたしまして、将来に備えてまいりたい、かように考えますから、どうぞ御了承をいただきます。      ————◇—————
  27. 島村一郎

    島村委員長 本日の請願日程全部を議題とし、審査を進めます。  各請願につきましては、委員各位におかれましても、すでに文書表等により、内容等は御承知のことと存じます。また、さきの理事会におきましても、十分内容を検討いたしましたので、ここに紹介議員説明等を省略して、採決いたします。  本日の請願日程中、第一、第二、第四ないし第六、第二十八及び第二十九の各請願は、いずれもこれを採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 島村一郎

    島村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————
  29. 島村一郎

    島村委員長 なお、本委員会に参考送付された陳情書は、お手元に配付いたしましたとおり二十四件でありますので、十分各位におかれて御検討をお願いいたします。      ————◇—————
  30. 島村一郎

    島村委員長 次に、閉会中審査に関する件についておはかりいたします。  内閣提出、液化石油ガスの保安確保及び取引の適正化に関する法律案 並びに  通商産業基本施策に関する件  経済総合計画に関する件  公益事業に関する件  鉱工業に関する件  商業に関する件  通商に関する件  中小企業に関する件  特許に関する件  私的独占禁止及び公正取引に関する件  鉱業と一般公益との調整等に関する件  以上、各案件について、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 島村一郎

    島村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、委員会が閉会中審査を行なうにあたりまして、参考人より意見を聴取する必要が生じました場合の人選、日時、手続等に関しましては、あらかじめ、すべて委員長に御一任を願っておきたいと存じますが。御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 島村一郎

    島村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、閉会中委員派遣に関する件につきましておはかりいたします。  閉会中審査案件が付託になり、審査のため委員派遣を行なう必要が生じました場合には、委員派遣承認の申請に関しましては、すべて委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  33. 島村一郎

    島村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————
  34. 島村一郎

    島村委員長 次に、通商産業基本施策に関する件並びに私的独占禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。中村重光君。
  35. 中村重光

    中村(重)委員 私的独占の問題、中小企業の問題、その他いろいろな問題についてお尋ねをしたいのです。  公取の竹中事務局長にお尋ねをいたしますが、大阪のタクシー会社の冷房料金割り増し制に対して大きな批判が起こっておりますことは、事務局長も御承知のとおりであります。運輸省といたしましてもこれを認可はしたものの、そうした批判の前にさらされて非常に苦慮しておる。一たん認可した料金ではあるけれども、これを取り下げるというような申し出があった場合は、これを受理するという態度も明らかにされておるようであります。そうした世論のきびしい批判の前に、一タクシー会社が、協会の申し合わせであるにもかかわらず、これはやはり取り下げをしなければならないということで、その申請がなされて受理されたということが伝えられております。ところが、そうした業者の動きに対しまして、今度は協会がこれを阻止する。取り下げをいたしました池田タクシーの場合は、この設備をしたのが非常に早かった、そういうことから、やむを得ないのではあるけれども、その他の業者は取り下げというようなことをやらないのだということを、関係業者、いわゆる協会に加盟をしておりますところのすべての業者が会合をいたしまして、そのことを決定をしたということも伝えられておるのであります。私はそうした業者の協定というのか、申し合わせというのか、そういうことは、独占禁止法八条一項四号によりますところの「構成事業者の機能又は活動を不当に制限すること。」このことに抵触をするように感ずるのであります。竹中事務局長は、そのような協会の動きに対しましてどのような見解を持っていらっしゃるのか、一応伺ってみたいと思います。
  36. 竹中喜満太

    ○竹中政府委員 ただいまお話しのような件に関しましては、中村委員が言われたとおりに私どもも考えております。したがいまして、現在私どもの審査部におきましても、その動向を監視しております。
  37. 中村重光

    中村(重)委員 動向を監視しておると言うけれども、もう監視の段階ではない。新聞報道等も事務局長はお読みになってわかっていらっしゃると思うのですが、「紛糾している大阪のタクシー冷房割増し料金問題は、世論の反対や、運輸省、陸運局が打ち出した「タクシー業者からの返上申請があれば認める」という方針にもかかわらず、業者側が団結して拒否する態度をとってきたが、十七日になって大阪タクシー協会所属の池田タクシーが、業界の強い申し合わせを破って単独で認可返上を申請するときめた。」ということがはっきり報道されておるのであります。またこの取り下げをいたした池田タクシーの社長が記者会見をしておる。それがテレビに出たのであります。続いて今度は協会の業者が、ある会場に一堂に会して、もう第二の池田を出さないのだ、絶対に取り下げ、返上をしないのだということを協定をした。そのこともまたテレビに出たのであります。したがって、この冷房割増し料金問題に対しましては、公取としては重大な関心を持っていらっしゃるということはいまの答弁の中からもうかがえるのでありますけれども、そういう業者の動きに対して、これを監視するという段階ではない。もうさっそく調査に乗り出して、独禁法違反であります以上は、これに対する処断をしていくという措置が急速になされなければならぬと私は考えるが、事務局長はどのようにお考えになりますか。
  38. 竹中喜満太

    ○竹中政府委員 動向を監視しておると申し上げましたけれども、実際は審査部のほうで調べております。御期待に沿うように努力いたします。
  39. 中村重光

    中村(重)委員 それでは、私が指摘をいたしましたとおりに、これは明らかに独禁法違反であるという考え方の上に立って、さっそくそれぞれの措置を進めていくという御答弁でございますので、その点は了解をいたします。  次に、今度はこの場合とは逆に、冷房設備をしておった、ところが、どうもあまりサービス過剰であるというような考え方からきておるのであるかどうかわからないのでありますけれども、これもまた協会の業者の方々が集まって——協会ということになるのか、組合という形になるのかわかりませんが、ともかく関係業者が、もう一斉に冷房設備をはずそうじゃないか、そういうことを協定をいたしまして、取りはずしをしてしまったという事例があるのであります。その中には、運転手の健康管理の問題からも、あるいはまた交通安全という立場からしても、冷房設備がやはり必要である、これをはずすべきじゃない、ということを強く主張しておる業者もあるのであります。ところが、そうした個人の意思というものを押えて、強引に協定でもってこれを取りはずしてしまったということは、これもまた大阪の場合に、返上しようということを組合の協定によってこれを阻止していくということと同じように、これもまた独禁法に触れる行為であると私は解釈をしておるのでありますが、その点はいかがでしょう。
  40. 竹中喜満太

    ○竹中政府委員 タクシーの組合が、そのようなことを強制的に行なわせるというようなことになりますと、独占禁止法八条一項四号の「構成事業者の機能又は活動を不当に制限すること。」ということに該当すると思います。それと同時に、現在のようにタクシー料金が一地域一料金というようなことになっておりますと、競争はサービスの面しかございませんので、そういうことを強制するということになりますれば、八条一項一号にも該当するおそれがあるのではなかろうかとも考えます。
  41. 中村重光

    中村(重)委員 そのとおりだと私も思う。ところがそういう事実があるのです。私は当委員会において、北島委員長に注意を喚起したこともある。ところが、公取が調査に乗り出した、そういう事実がないのであります。具体的にどの地域でそういうことが行なわれておるかという特定な地域を、これから調査をしようとお考えになっていらっしゃるかということを私は尋ねたのでありますが、実はそうではないというお答えがあった。しかし、少なくとも委員会においてこういうことがあるのだということでお尋ねをしたり、あるいは指摘を受けますならば、やはりそれの調査をすみやかにやるということが当然でなければならぬ。ところがそういう動きが見えない。どうですか、調査をしていますか。
  42. 竹中喜満太

    ○竹中政府委員 私、審査部のほうから報告を聞いておりませんので、調査をしておるかどうかわかりませんけれども、その地域をお示しくだされば、私、すぐ調査するように指示いたします。
  43. 中村重光

    中村(重)委員 あちらこちらにあるようでありますが、まずあなたのほうで一応の調査をされて、特に私に対して、みずから努力をしてわからないということでお尋ねがあります場合に、それに対して、私も、こういうところがやっているということを申し上げる機会もあろうかと思います。まず数回にわたって、委員会において、そういうことがあるのだということではっきり申し上げたのだから、あなたのほうとしても、それぞれの出先もあるわけだから、あるいは関係官庁と連絡をおとりになって、調査をお進めになられるほうが適当であると私は思う。そういうようにやってもらいたいということを要請をいたします。時間の関係がありますから、その他の問題についてお尋ねをいたします。  農林省福島食肉鶏卵課長御出席ですね。課長御承知のとおりに、昭和四十一年九月十日、卵価の安定のために財団法人全国鶏卵価格安定基金というものをおつくりになって、国もこれに三分の一、あるいは関係都道府県が三分の一、それから生産者である農協等が三分の一を出資をして、この基金が発足をしているということは御承知のとおりであります。ところが、生産者全体がこの基金に加盟をしておると私は思っておったのでありますけれども、調査をしたところによりますと、そうでないようであります。特定の農協のみがこの基金に参加をして、そして鶏卵の生産を専業としておる業者あるいはその組織は、加盟をしたいのであるけれども、どうしても入れてもらえぬというような事実があるようであります。農林省といたしましても、十分な調査をしておられるでありましょうし、どういう事情から、特定の農協のみがこれに参加をして、参加をしたいと望んでおるその他の業者あるいは組合の参加を許さないのであるか、そういう経過についてひとつお聞かせ願いたいと思います。
  44. 福島量一

    ○福島説明員 ただいまお尋ねの点について、概略いままでの経過を御説明申し上げたいと思います。  御承知のように、卵価につきましては、最近まで、多少の周期的変動あるいは季節的変動を伴いながらも、比較的安定的に推移してまいったのでございますが、一昨年、三十九年の夏から、それまで見られなかったような価格の凋落が約一年間続いたわけでございます。そういうことで、生産者に対する打撃も非常に大きく、またその反動といたしまして、四十一年の夏以降非常に卵価が暴騰するといったようなこともございまして、この際卵価の安定を志向するために、何がしかの制度的措置をとる必要があるのではないかということで、このような、ただいまお話のございました鶏卵価格安定基金制度を設けることにいたしたわけでございますが、国が畜産振興事業団を通じまして出資もし、関係都道府県にも出資をお願いいたしましてつくり出す前に、いわゆる総合農協系統で、自主的に同様な——これは財団法人でございますけれども、基金をつくって運営が始められておったわけでございます。それで一応とりあえず、国と申しますか、畜産振興事業団でございますけれども、出資もし、それから関係都道府県にも出資をお願いして発足する新基金が、それまでございましたところの財団法人でございますが、旧基金の業務を継承するという形で発足するということに相なった関係もございまして、当初−から加入し現に加入しておりますものは、先ほど御指摘のございましたように、いわゆる総合農協系統、具体的に申し上げますと、全国販売農業協同組合連合会、それからそれにつながりますところの各県の経済連、それからその末端の単協、さらに関係団体といたしまして、いわゆる全購連、それから非出資会員といたしまして農林中金、全共連、こういったいわゆる総合農協系統のものが主体となって運営されてきたわけでございます。それでただいま御指摘にございましたような関係業者、あるいはその他のいわゆる専門農協と称せられるグループの方々から、この制度の構想が発表され、その仕組みについていろいろ準備が推し進められております段階において、積極的な加入申し込みがあったわけでございます。そのうちのまずいわゆる業者と申しますか、商人系の方々につきましては、この制度が、いわば先ほど申し上げましたような、卵の需給のアンバランスに基づくところの卵価の変動を防止するという点に主眼があるために、生産者の自主的な防衛措置というものを国なり関係府県で誘導するという仕組みから出てくる制度であるから、したがって、いわゆる商人系と申しますか業者の方々が直接加入するというのは制度の趣旨に反する。したがっていわゆる生産者団体、具体的には農協でございますが、そういった組織を通じて参加せられることが望ましい方向であるということで、私ども指導してまいりました。  現在問題になっておりますところのいわゆる専門農協系のグループといたしましては、日本養鶏農業協同組合連合会と全国鶏卵販売農業協同組合連合会という二つの団体があるわけでございます。それで、前者の養鶏農業協同組合連合会につきましては、これは昭和二十五年ころの設立でございまして、従来主として飼料の購入並びに共販をやっておった。鶏卵につきましては、いわゆる一部の種卵と申しますか、種鶏をとるための種卵の共販はやっておりましたけれども一般の養鶏卵の共販はやっておらなかったという経緯がございます。それから全国鶏卵販売農業協同組合連合会につきましては、この制度が発足するので、これにいわば加入目的として、昨年の十一月半ばに設立認可に相なったという団体でございまして、それ以前には鶏卵の取り扱いの実績はもちろんないわけでございます。この制度のたてまえといたしまして、そういった生産者が相寄り相つどった自主的ないわば生産調整の仕組みであるということから、制度加入の条件としまして、全国的な規模で傘下の各連合会あるいは単協を通じまして需給調整をし得るような、そういった組織体であることと、さらに具体的には生産者が生産いたしましたところの鶏卵を共同販売し得るような仕組み、そういった組織、能力を備えておるというのが一つの条件になっておるわけでございますが、先ほど申し上げましたようなこともございまして、現に加入を申し込んでおりますところの二者については、一まだその実績が十分でないということが、現在まで加入が実現しない一番大きな理由であろうかと思います。  農林省といたしましては、先ほど申し上げましたようなこの制度創設の趣旨にもかんがみまして、むしろこれを積極的に加入さして、広い意味で生産者全体のそういった需給調整機能を備えたような形で進むことが望ましいということで、数度にわたりまして、卵価安定の理事会あるいは総会等において、これが加入方を指導もし促進してきたわけでございますが、従来からのいろいろな経緯と申しますか、そういったものも背景にありまして、なかなかその問題が実現しないというのが今日の段階であります。
  45. 中村重光

    中村(重)委員 この基金が発足をいたします前のまだ準備期間中、院内にあなたにも御出席を願って、私のほうの農業関係の特別委員会で、すべての鶏卵業者を参加させるということが必要であるということを強調いたしましたし、さらにまた、建て値にいたしましても、東京、大阪ということだけでなくて、生産地である九州方面の建て値というものも、当然独立した形で立てなければいけないのじゃないかということも進言をいたしてまいったことは御承知のとおりであります。いまあなたがお答えのとおり、いろいろと問題があるようでありますけれども、いずれにしても、養鶏業者、鶏卵業者というものをこれに全部参加させ、そして日本の養鶏農業というものを発展さしていかなければならぬという考え方の上に立って、農林省といたしましては、総合農協あるいはその他の全購連、全販連、いろいろと関係方面に対して折衝を続けてこられたということは、承知いたしております。にもかかわらず、ついにこれが今日に至るまで全員参加という形になっていないということは、私は問題であると思う。やはりそうした関係業者全体を加盟させることにおいて、農業の発展というものに大きく寄与していくわけでありましょうし、またいろいろと総合農協と比較をいたします場合に、端的なことばで表現いたしますと、若干能力において弱い面があるということがあるといたしましても、これの加盟に対する欠格条件というものはないわけでありますから、したがって日本養鶏農業協同組合連合会を加盟をさせる。さらにまた、いわゆるえさメーカーを背景といたして設立されております全国鶏卵販売農業協同組合連合会は、いろいろと総合農協と、えさの問題その他いろんな点からシェア争いというようなこともあるようでありますけれども、これとても排斥すべきではない、私はかように考えるのであります。あなたのほうとしては、過去二回開かれました理事会において議論されながらも、加盟がいまだ決定をされていない。近くまた理事会を開かれるということも伺うのでありますが、これらの農協を加盟させるということで、強力に行政指導をなさるお考え方があるのかどうか、その見通しについてどのようにお考えになっていらっしゃるか、伺ってみたいと思う。
  46. 福島量一

    ○福島説明員 先生お話しのように、私ども、この月末二十八日に理事会が開かれる予定になっておりまして、この加入問題がまた審議される手はずになっておりますが、これを間近に控えまして、目下関係の方面に強力な指導をしつつあります。ただ、加入問題それ自体は理事会の議決事項でございまして、そういった点につきまして、関係の方々の理解と同調が得られるかどうか、完全に加入できるかどうかという問題につきましては、現在まだ見通しを申し上げる段階になっておりませんけれども、とにかく残された一週間ばかりの間、さらに積極的に行政指導を進めてまいって、皆さん考えておられますところの現在の二団体加入を実現すべく努力したい、かように考えております。
  47. 中村重光

    中村(重)委員 ともかく三分の一は国の金です。国民の税金です。それに特定の養鶏業者のみがこれに参加をする、そして一部の業者は締め出されておるということは許せないのであって、たとえば大阪で百六十円の建て値を立てた、こういたします。ところが卵価が下がりますと、この基金から補給をしてもらうことができるのでありますから、これに加盟いたしておりますところの養鶏農家というものは保護されることになる。だけれども、締め出されておる、加盟させられていないところの農家というものは不利益な立場に追い込まれてくる。これははっきりしておるのであります。少なくとも国民の税金から、国がこの基金に対して三分の一の資金を出しておるというならば、全体の養鶏農家を参加させるということは常識ではございませんか。あなたがたいへん努力をしておられるということはよくわかっておるのでありますから、決してあなたを非難攻撃しようと私は考えていないのであります。ですけれども、そうしたあなたの努力にもかかわらず、農林省全体が、あるいは政府全体がそういう不合理なことを今日まで放置しておるということは許されない。そのことを強く反省を促したいと思うのであります。だから二十八日理事会を開いて、そうした締め出されておる日本養鶏農協と全国鶏卵販売農協がこれに加盟を決定されるかどうかは、見通しがはっきりした段階ではないというような、少なくとも政府としては、そういうあいまいなことであってはならぬ。もっと強い行政指導が当然なされなければならぬ、このように思うのであります。いま一度、その点についてお答えを願います。
  48. 福島量一

    ○福島説明員 私どもの考えておりますところと先生の言われておりますことは全く一致しておりまして、私どもも、その点でとにかく全力をあげて努力しておるところであります。ぜひともこの二十八日の理事会では、加入が実現するよう努力するつもりでおりますので、もうしばらく成り行きを注視したい、こう思います。
  49. 中村重光

    中村(重)委員 竹中事務局長にお伺いいたします。不公正な取引方法、この第一号に「ある事業者から不当に物資、資金その他の経済上の利益の供給を受けず、もしくはその供給を受けることを制限し、またはある事業者に対し不当に物資、資金その他の経済上の利益を供給せず、もしくはその供給を制限すること。」第三号に「共同行為もしくは事業者団体から特定の事業者を排斥し、または共同行為もしくは事業者団体の内部において特定の事業者を不当に差別的に取り扱うことにより、その事業者事業活動に著しく不利益を与えること。」というのがあります。私はまさしくこれに該当すると思うのであります。公取は、今日までただいま取り上げられた問題に対して御存じなかったと思うのでありますけれども、いろいろとあなたのほうにも御連絡を申し上げたこともあるのでありますが、調査をやっていらっしゃるのかどうか。さらにまた、私が不公平な取引方法として第一号と第三号をあげたのでありますが、この点に対してどのようにお考えになっていらっしゃるのでしょうか。
  50. 竹中喜満太

    ○竹中政府委員 この鶏卵の問題は、私いま初めて伺ったのであります。そういう事実があるといたしますれば、中村委員が言われましたように、昭和二十八年の告示十一号の一、いわゆるボイコットといわれるものに当たるおそれがあるということでありますけれども、この場合、不当であるかどうかという認定の問題がありますが、その点が問題になると思います。それから第三号につきましては、その基金が養鶏家の事業者団体であるかどうかという問題と、著しく事業活動に不利益を与えておるかどうかという二点の問題があると思います。それらの問題はありますけれども、一応これらに該当する疑いがあるものとして、調べる価値はあると思います。
  51. 中村重光

    中村(重)委員 加入、脱退の自由というような点からもいろいろ問題もあるのであります。それから、いま私が指摘いたしましたように、著しくというような問題も、ともかく鶏卵価格が非常に低落しておる。ましてや生産地になりますと、その影響は非常に大きいのであります。消費地——北海道、東北方面になってまいりますと、これは消費地になってまいりますから、事情は若干——建て値を立てましてこれが落ち込みましても、またすぐ復活するということがあるのであります。あるいは東京都なんかもそういうことになるのでありますが、生産地ではそうはいかない。一度ずっと価格が落ち込みますと、なかなか回復しないという面もあるのであります。生産者が三分の一の資金を出してこの基金に参加をする、そのことは、絶対にこの基金が必要であるという考え方の上に立っておるからであります。ましてや、私が取り上げました日本養鶏農協の場合におきましては、この基金が設立されるというので、設立の準備期間中から、政府の招集の会議に絶えず参画してきたのであります。あるいは県とも十分連絡をとって、県段階の会議にも参画して、ずっと準備を進めてきたのであります。それが突然理事会において、その加盟の申請が審議未了の形で葬り去られてしまって今日に至っておる。著しく云々という問題は、鶏卵の価格がどういう状態にあるかということは、あなたも御承知のとおり、たいへん浮動性があるのであります。大きな影響を受けておるのであります。その著しくという解釈について、いろいろあろうかと思うのでありますけれども、しかし一号あるいは三号、全体の中において当然不公正取引として調査をし、適切な措置をおとりになる必要があると思う。だが、しかし、農林省のほうで二十八日の理事会において、これが未加盟のものが全部参画されるという形になってまいりますと、おのずからその点は、過去におけるそういういろいろな事情もあったのでありましょうから、あえて私は、過去にさかのぼってその責任を追及しろということは申し上げません。十分それらの点に対する指導等も、お互い話し合いの中において、業者になされるように強く要請をしたいと思うのであります。いま一度お答えを願います。
  52. 竹中喜満太

    ○竹中政府委員 お話の問題につきましては、検討してまいりたいと思います。
  53. 中村重光

    中村(重)委員 次に、再販売価格維持契約の問題について、お尋ねをいたしたいのであります。  今回、再販売価格維持行為の規制に関する法律案が提案されるというように期待をしておったのでありますけれども、ついにこれが提出に至らなかった。おそらく公取としても、涙をのんで断念をしたのであろうと思うのであります。このことに対しましては、当委員会において、田中委員からお尋ねもし、指摘もいたしておることでありますし、その他、参議院あるいは衆議院における物価委員会等々においても取り上げられておりますので、あえて私はそのことに対して、きょう触れようとは思いません。ところが、北島委員長が、参議院の物価対策特別委員会に御出席になって、指定商品を徹底的に再検討し、適当でない商品はどんどん削除するという御答弁をしていらっしゃる。あるいは、やみ再版維持行為の監視を強化する、これはもう当然なことでありますけれども、そういう表明をいたしておられるようであります。さらにまた、新聞が伝えるところによりますと、従来指定しているところの商品も、これを取り消すというようなことが報道されておったのであります。そういう考え方の上に立っておられるのであるかどうか。それらの点に対してお答えを願いたいと思います。
  54. 竹中喜満太

    ○竹中政府委員 御承知のような経緯で、法案提出できませんでした。現行法でできるだけのことをやってみたいという立場から、やみ再販の取り締まりはもとより、現在指定されておる商品も、指定後十数年たっているものもありますので、指定要件等に照階らし合わせまして、その必要なものについては取り消しをしていきたい、こう考えております。
  55. 中村重光

    中村(重)委員 再検討するということは、具体的にどのようなことをお考えになっていっしゃらるんですか。
  56. 竹中喜満太

    ○竹中政府委員 御承知のように、現在五つのものにつきまして指定が行なわれております。指定要件は、これまた御承知だと思いますけれども、消費者が通常使用するもの、それから、自由な競争が行なわれておるものという二つの要件がございます。これらの要件に照らしまして洗い直そう、こういうことでございます。
  57. 中村重光

    中村(重)委員 基本的な考え方だけでなくて、具体的に商品をあげて、お考えになっていらっしゃるのではないか。今日まで数品種について取り消しをなさったこともあるのであります。だが、しかし、取り消しの必要もあるのではないかと考えながらも、まだいろいろと検討のために時間を置かれたという経緯もあるだろうと思う。したがって、具体的にどういう商品を取り消そうと、いま検討されていらっしゃるのか。
  58. 竹中喜満太

    ○竹中政府委員 先ほど申しました五つの商品が指定されておりまして、その中がまたこまかく細分されております。これらの商品すべてにつきまして、再検討いたすことになっております。
  59. 中村重光

    中村(重)委員 この後は新しい商品について指定をするという考え方は全然持っていらっしゃらない、そういうふうに理解してよろしいんですか。
  60. 竹中喜満太

    ○竹中政府委員 物価対策の観点から申しましても、そういうことはやりたくございませんけれども要件が合い、そして弊害がないという場合には、やらざるを得ないと思います。
  61. 中村重光

    中村(重)委員 私は、商品の指定の方法についても問題を感ずるのであります。たとえば医薬品の問題について、ビタミン剤ならビタミン剤の指定がされるわけですね。ところが、次から次に新しい製品が出るのであります。ビタミン剤であるから、一度これを指定を受けておる、こういうことから、次から次に出ますところの新製品に対して、あらためて指定を受ける必要がない。私は、現在のこの商品指定のあり方というものには問題を感ずるのです。なるほど薬の場合に、それぞれ幾つものメーカーがあるのであります。だが、ビタミン剤であるから、どのメーカーでつくっておる製品といえども変わらない。したがって、これは独占的な販売ではないというようにお考えになるかもしれませんけれども、必ずしもそうではない。具体的に化粧品の例をとってお考えになったらいかがです。化粧品は資生堂、この資生堂の化粧品というものは、いわゆる優良品である、優秀品であるということが、これはもう化粧品を使う人たちの頭の中にあるのであります。これよりまさるところの化粧品等がありましても、あまりにも有名品になっておりますために、これは資生堂の化粧品によって圧倒されるという形になるであろうと思います。したがって、この指定商品のあり方というものは、そのつどその製品ごとに、これを指定するかどうかということを検討していかれる必要があるのではないかという感じを私はいつも持っておるのであります。それらの点に対してどのようにお考えでありますか。
  62. 竹中喜満太

    ○竹中政府委員 現在の指定の方式が、私は妥当だとは思いません。たとえば医薬品を例にとりますと、たしか昭和二十八年の薬事法の規定に基づきました指定でございまして、お話のようなビタミン剤につきましても問題があると思います。したがいまして、今度洗い直すにあたりましては、指定のしかたを変えていこう、洗い直すと同時に、指定のしかたを変えていこうと、こういうふうに考えています。
  63. 中村重光

    中村(重)委員 指定のしかたを変えていこうということは、私がいま申し上げましたような、そういうことも、指定の方法としてはやはり考えなければならぬというふうにお考えになるのか。少なくとも同感であるというふうに理解してよろしいですか。
  64. 竹中喜満太

    ○竹中政府委員 そのとおりでございます。
  65. 中村重光

    中村(重)委員 私は、この後は新しい商品指定をすべきではない、少なくともこの再販維持契約によるところの商品指定というものは、特定のメーカーを保護する役割りを果たしている。あるいは物価をむしろ底上げをして、物価を引き上げていくということに果たしている役割りというものが非常に大きいと思う。ましてや、マスコミで非常な金をかけての宣伝をやっておるというような点等からいたしましても、その中身よりも、宣伝に勝つか負けるかということによってきまっていくということになる面が非常に大きいと思うのでありますから、弊害の面がむしろ多い、ここに問題を感ずるのであります。したがって、この後の商品指定というような点に対しましては、その指定の方法に対しまして慎重に検討しておるということでありますから、その限りにおいてはよくわかるのでありますけれども、やはり指定そのものにこの際根本的に検討を加えていかれる必要があるのではないかというように感ずるのであります。いま一度お答え願って、厚生省関係だけを残して、私の質問を終わりたいと思います。
  66. 竹中喜満太

    ○竹中政府委員 私ども、物価対策の観点から申しますと、個人的には、再販制度というものは好ましくない、むしろ二十四条の二を削除すべきではないかというような考えを持っています。しかし、それだけであの規定ができたわけではございませんので、あの規定がある以上は、あの規定を厳に励行して、規定の中にもありますように、消費者の利益が不当に害されないようにつとめていきたいと思います。
  67. 中村重光

    中村(重)委員 厚生省、大蔵省がお見えですから、簡単にお尋ねいたしまして、質問を終わりたいと思います。  今次の国会において、環境衛生金融公庫という法案が提案されておるのであります。そのことについてもお尋ねをしたいと思うのでございますけれども、これはまずおくといたしまして、この環衛法によるところの組合設立に対しましては、設立要件というものがある。ところが、組合運営に非常に不満を感じ、あるいは組合が出資組合に移行をする等々から、非常に負担が大きい、いろいろなことで、組合から脱落いたしまして、アウトサイダーというものが非常にふえてきている。ところが、一度設立要件に沿っておるということで組合設立が認められるのでありますけれども、その後その要件を変えてきたという場合におきましても、この組合というものは解散されないで、そのまま形だけ運営されておるという事例が非常に多いのであります。アウトサイダーの業者の人たちは、組合運営が民主的ではないというような点から、都道府県に対して、組合を解散させなさい、そして新たに組合をつくる必要があるということを強く要求いたしましても、なかなかそれを認めようとはしないという傾向が非常に強いのでありますが、それらの点に対してどのようにお考えになっていらっしゃるのか、伺ってみたいと思います。
  68. 柳瀬孝吉

    ○柳瀬説明員 環境衛生同業組合設立をされまして、それ以後三分の二を割った場合でも、法律上は直ちにこれが効力を失するとか、あるいは解散命令を出さなければならないというふうにはなっておらないわけでございまして、これは設立の経過等から見ましても、直ちに解散するというのは酷でございますので、できるだけまた組合員をふやしていくような努力を続けさせるというふうな指導をしてまいるように考えておるわけでございます。
  69. 中村重光

    中村(重)委員 ところが環衛法の五十条に「組合は、次の事由によって解散する。」そこで六十二条の規定によって、解散の命令がなされることになっておる。六十二条の中身を見ると、二十二条二項の規定によって、いわゆる設立要件というものがあるのでありますが、これを欠くに至った場合、これが解散の要件になっている。その中には、いまお答えがございましたように、総数の三分の二以上ということになっておるのであります。この総数の三分の二ということは、その地域における業者全体が総数ということになってまいりますと、その三分の二、地域とは都道府県なら都道府県全体をさすのであるか、あるいは特定のその県内における市なら市というものを地域と言うのであるか、その点も必ずしも明確ではないのであります。また設立の際の総数の三分の二といいましても、なかなかそのことが正確に調査をされていない。この程度であろうというので設立をされているということが現状なのであります。ところが、私が申し上げましたように、当初は相当な数にのぼっておった組合員が脱落をいたしまして、三分の二どころか、半数にも三分の一にも足りないという状態にある。にもかかわらず、それがそのまま解散されずにいる。特に一昨年来、国から補助金が出されておる。補助金というのか、助成金が支出されておる。あるいはもろもろの金融措置が、都道府県において制度金融という形においてなされる。それはアウトサイダーを対象にしない、環衛組合員だけであるというような形になっておる。そういうてこ入れがありますために、組合員は、すなわちそういう補給されるところのいろいろな助成金であるとかあるいは手数料というような収入はたくさん入ってまいります。したがって非常に財政的には豊かです。だから非常に数少ない業者だけが守られ、多数のアウトサイダーというものは保護されていない。非常な弊害がかもし出されておるのであります。この点はいまあなたがお答えになりましたように必ずしも三分の二を割ったからといって直ちに解散させるわけではないのだ、復帰させるように指導していくのだとおっしゃるのだけれども、現実はなかなかそうはまいらない。だから、そういう私が申し上げましたような事実に対しましては十分調査をし、適切な措置がなされなければ、いまのように画一的に、あるいは放置するというような形において、いつまでも実態の上に立った指導をしないということは、私は問題があると思うのでありますが、どのようにお考えになりますか。
  70. 柳瀬孝吉

    ○柳瀬説明員 組合が、組合員が少なくなってくるという場合に、その活動を停止したり組合員が少なくなっている原因は、悪意といいますか、活動しようと思ってもできないようないろいろな要因がたくさんあるわけでございまして、そういうものをやはり指導なりあるいは援助なりして、なおかつできないような場合には、これはしかたのないところでございますが、できるだけ先生のおっしゃるような御趣旨に沿って、行政指導をして、組合の活動を活発にさせていって、組合員をふやしていくように指導していきたいと考えております。
  71. 中村重光

    中村(重)委員 それで組合員の場合に、アウトサイダーが、環衛組合に個人個人としては参加をするのは避けたい、どうも民主的な運営じゃないからいやだ、だからアウトサイダーだけ集まって協同組合をつくる、協同組合でもって、その環衛組合に加盟をすることにしたいというような、いわゆる連合組織的な考え方というものが強く出てきておる。それに対してはどのようにお考えになりますか。
  72. 柳瀬孝吉

    ○柳瀬説明員 制度的には、協同組合として加入するというふうな制度にはなっておらないわけでございまして、個々の営業者組合員になるという制度になっておるわけでございますが、それを推進していくために、地域的な協同組合という組織的なものがまとまって入っていくということが望ましいことだ、とも思うわけでございます。
  73. 中村重光

    中村(重)委員 それから、そのサービス業等において、これは環衛業の場合におきましてはサービス業がほとんどでございますから、サービス業者はともかく過当競争を何としても防止していかなければならない。物価、サービス料金の抑制というような国の指導というものもあるのだから、これにも協力していかなければならない。だがしかし、非常に零細な業者が乱立をしていくということについては問題があるんだから、この際、国の方針に従って、協同化し、あるいは合同をしたい、しかしせっかく合同をして数を減らしたんだから、また新たに、小資本であるから次から次に新設店舗が出てくるということになったら、何のために協同したかわからない。したがって適正配置ということがやはり必要であろうということで、都道府県においては、そうした業界から請願書が出て採択される。あるいはこれに対してひとつ意見書を出してもらいたいというような具体的な請願内容になってまいりますと、そういうようなことでそれが採択されるという事例が非常に多いのであります。適正配置というような点についてはどのようにお考えになっていらっしゃるか、伺ってみたいと思います。
  74. 柳瀬孝吉

    ○柳瀬説明員 協業化をはかるというような問題につきまして、環衛業の場合零細業が非常に多くて、それが過当競争で効率の悪い営業をやっておる、あるいは生産性の非常に乏しいような経営のしかたをしているということは、やはり営業の近代化、合理化という面から是正をしていかなければならない問題だと思っておるわけでございますが、ただ、これを適正配置というような形で法律的に強制するということになりますと、これは営業の自由の問題ともからんでまいるわけでございますので、できるだけ業界の自主的な活動あるいは融資等の面を通じて、合理的なあるいは効率的な形で、近代化あるいは協業化をはかっていくというような方向に持っていくということが望ましいことだと思っておるわけでございます。
  75. 中村重光

    中村(重)委員 厚生施設についてお尋ねするわけでありますが、御承知のとおり、環衛法は三回にわたって改正された。ところが第一次、第二次、第三次の改正が、どのように改正の趣旨が生かされておるかということについて疑問に感ずる点が非常に多い。なかんずくいま私が申し上げました厚生施設の問題につきまして、最近農協が厚生施設をつくるということが非常にふえてきておる。ところがその厚生施設対象人員が、農協加盟の農民全体が対象になるのか、あるいは職員だけがなるのかということが問題になってまいります。農林省の解釈も、厚生省の解釈も、何回か変わったように伺っておる。都市は別といたしまして、農村に参りますと、ほとんどが農民なんです。全体の農民が、その厚生施設対象になるという形になってまいりますと、これは税金を納めて、相当な人件費を払っておるいわゆる一般の営業者というものは倒産せざるを得ない。だからどんどん倒産をしておる。また保健衛生という立場からもいろいろ問題が起こっておる。そこで、農協その他もあるのでありますけれども、員外利用というのは、職員だけがほんとうの対象であって、農民は員外利用ということになるのか、あるいはその農家全体が組合員であって、いわゆる対象人員であるから員外利用にはならないのだという解釈をとっていらっしゃるのか、その点はどうなんですか。
  76. 柳瀬孝吉

    ○柳瀬説明員 農業協同組合組合員のために、いろいろと福利厚生面で厚生施設をつくるということは、それはそれなりに意義があるわけでございますが、その場合の対象は、組合員というふうに考えておるわけでございます。
  77. 中村重光

    中村(重)委員 重大な答弁というのか、意思表示になる。ただいま私が申しましたように、農村一帯、農民全体が農業協同組合法によるところのそういう厚生施設対象になる、員外利用でないということになってまいりますと、これはたとえば数多く出されている、美容理容だけではなくて、一般の商店の商品販売等にもそれぞれ影響してまいることになる。最近、農協のあり方、私は全体とは申しませんけれども、百貨店的な販売形態というのも非常にふえてきておるという事実がある。あるいは金融等におきましても、常識はずれの、一般金融機関と変わらないような金融がなされておるという事実もあるのであります。いろいろ問題点があるのでありますから、いまお答えになりました、農民全体、組合員全体が厚生施設対象になるという点は、農林省とよくお話し合いになって、そうした業者を守っていくという考え方の上に立って、十分配慮される必要があるのではないかというように私は思うのであります。  それからいま一つ、厚生施設、たとえば理容あるいはパーマ等ですが、一定の工場、会社の構内において、あるいは役所なら役所のその建物の中において、厚生施設設置するという場合は、これはわかるのであります。しかし理容の免許を持っているから、理容師法によって、どこででもその営業を行なうことができるのだというようなことで、町のどまん中に、厚生施設だということで看板をあげて、営業ということばは当てはまらないでしょうが、その仕事を始めるということになってまいりますと、どんどん一般の人が入るのであります。あなたは来てはいけませんよと言って、なかなか断わらないのであります。これは厚生施設という名をかりた一般の営業行為である、というように私は判断しておるのであります。あなたのほうとしては、その点に対してどのような行政指導をおやりになるのか。一次、二次、三次の改正というようなものも、いろいろとそういうことからくる過当競争の防止というような面、環衛法にいたしましても、中小企業団体組織法にいたしましても、保護立法的な色彩が相当強いのでありますから、そういうような点から十分配慮される必要があるのではないかと思うのでありますが、この点いかがでしょうか。
  78. 柳瀬孝吉

    ○柳瀬説明員 事業者における厚生施設が、その事業者の敷地内にある場合が多いわけでございますが、そういうケースばかりでもなく、先生のおっしゃられるように、たまたま場所が若干離れているという場合もないではないわけでございまして、そういう場合に、一般の人の利用という点で非常に見さかいがつかなくなるというようなケースがときどきございまして、トラブルを起こすわけでございますが、私どもケース・バイ・ケースで、そういうケースにつきましては、よく話し合って、そういう事業者の職員以外の者の利用を規制するような調停といいますか、話し合いをつけて、解決していくように指導しているわけでございます。
  79. 中村重光

    中村(重)委員 いずれにいたしましても、環衛法が三次の改正を見たにもかかわらず、その改正が全く働いていない。いわゆる環衛法はざる法であるということ。それでこのざる法を、環衛法改正によって補わなければならぬという形で改正をなされたけれども、厚生省並びに都道府県の取り組みが弱いために、せっかくの改正もたいした意義を発揮していないというのが私は現実であろうと思う。この点はやはり問題がある。  それから、中小企業庁長官にお尋ねいたしますが、最近、農協が百貨店まがいの経営をやっている。ところがその農協の購買組織の中で購入しているのは、単に農民だけではなくて、一般のいわゆる員外利用という形になっている。一般の人が事実上対象になっている。その点に対してどのようにお考えになるかという点と、先ほど私が申し上げましたように、農業協同組合法による農民全体が対象であって、員外利用ではないという、先ほどの厚生省のお考え方と同じように考えていらっしゃるのか、その点を伺っておきたいと思います。
  80. 影山衛司

    ○影山政府委員 農協の商店まがいの活動状況につきましては、私どももいろいろと業者のほうからも訴えがあるわけであります。そういう点の取り締まりと申しますか、の点につきましては、私どもとしましても、具体的の例をあげて、ひとつ問題の解決をはからなければいけないということで、全国から具体的な例を取り上げて持ち込みまして、農林省と寄り寄り協議をいたしております。そういう具体的な問題から解決をはかっていきたいと思うわけでございます。  それからもう一つ、農協は員外利用の制限がございます。これは員外利用の制限は、制限として守るべきであるというふうに私どもは考えております。
  81. 中村重光

    中村(重)委員 実はこの問題は、中小企業基本法をつくります際に、たいへん問題になったところであります。混乱が起こらないように、中小企業基本法の中で、原案より、十九条であったか何かと私は記憶しておるのでありますが、はっきりしたい、ところが実はあいまいになってしまった、というような経過もある。先ほど厚生省環境衛生課長お答えになったような、まあ簡単な考えでなくて、私から強く申し上げましたように、慎重に関係各省と連絡をとられて、やはり保護するものは保護していく、さらにきびしく監督するところは監督をしていくというようなことでなければ、ほんとうの監督指導行政というものはできないと私は思う。ただきびしく取り締まっていくというだけでは、業者の保護育成ということにならないわけでありますから、この点は十分配慮していただきたいと思うのでございます。  最後に、大蔵省も御出席でございますからお聞きいたしますが、国の施策として、組合を強くしていくために、無出資組合よりも出資組合という方向に指導しておることは、御承知のとおりであります。ところが、無出資組合の場合におきましては、事業そのものは限られておりますけれども、全体の所得に対して課税の対象にはならない。ところが出資組合に移行したために、普通の組合運営に必要な賦課金にまで、四十年の改正であったと思うのでありますが、そういうことから課税対象になってきた。  これは従来、たとえば理容の例をとりますと、理容の学校の収入あるいは賦課金に対しても、出資組合でなかった場合は課税対象にならなかったのが、出資組合になったというだけで、事業は前と変わらないにもかかわらず、今度は組合員賦課金その他一切の収入というものが課税対象になるために、当該組合というものは、全然考えていなかった徴税通知を受けてたいへん驚いてしまって、いろいろなところにかけ込んでおるのだということを、私も聞いたことがあるのですが、その点はどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
  82. 前田文雄

    ○前田説明員 ただいまの御質問でございますが、私、実は国税庁の者で、国税庁の所管外と思いますので、きょうの答弁はちょっと留保させていただきます。
  83. 中村重光

    中村(重)委員 先ほど委員部には、私がただいま質問をいたしますような質問の趣旨を申し上げて、大蔵省の出席を求めたのですが、まあ関係外という形になっておりますので、それじゃ厚生省に伺います。厚生省あるいは企業庁も、関係はどなたですか、そのことについては、いろいろ問題にぶつかられたことがあるのじゃないかと思うのですが、どのようにお考えになります。
  84. 柳瀬孝吉

    ○柳瀬説明員 環衛組合が出資組合になりまして、その出資によって事業を行なうということは望ましいことでございますが、ただいまお話のございましたように、理容施設等を行なう場合に、学校法人なんかでやりますと法人税等の特例がある、しかし環衛組合立の場合にはその特例がないという点につきまして、均衡を失しているのじゃないかというふうな点を、ただいま検討中でございます。
  85. 中村重光

    中村(重)委員 これが法律ということになってまいりますと、これはたしか四十年の改正だったと思うのですが、政府から提案をされて国会がこれを承認したということになっておりますと、国会自身がこれをきめたんだということになるわけですから、もちろん法律改正に対しては私どもは反対をしておるのでありますけれども、現実には、ただいま申し上げましたように、たいへんな弊害がかもし出されておる。やはり厚生省としては、できるだけ組合を近代化していこう、合理化していこう、そういう方向、そのためには、やはり無出資組合も出資組合でなければならぬ、そういうことで指導しているのでしょう。その指導に従って、出資組合に移行しているのです。相当無理をして出資しているのです。ところが、事業を起こして、その事業所得に対して法人税なり事業税がかかってきたというならばわかるのですよ。ところが一般組合運営に必要ないわゆる組合員賦課金ですね、それから出資組合でなくともやれるところの、ただいま申し上げましたような、そうした養成施設、それに対してまで、出資組合になったがために課税の対象になるということは、あまりにも機械的である、あまりにも実情を無視した行き方であると私は思うのである。目下検討しているということではなく、大蔵省と折衝をされて、こういう弊害をひとつ除去していくということでなければならぬと思う。政務次官、ひとつ、政務次官会議等もあるわけでありますから、ただいま私が申し上げましたような点、いま厚生省の環境衛生課長もその弊害を実は認め、何とかこれを直さなければならぬと考えて目下検討しているのだ、こういう答弁であったのでありますから、弊害を認められて、こういう点は是正をするように、せっかく国の施策に協力をしておる人たちですから、これをチェックするような、逆な施策が講じられてはならぬと思う。その点、政務次官、お聞きになって、改めなければならぬというふうにお考えになったのではないかとも思うのでありますが、ひとつ政務次官会議等においてこの問題を取り上げて、これを改善するという方向に進めてもらわなければならぬと思うのですが、お考え方、いかがでしょう。
  86. 宇野宗佑

    ○宇野政府委員 仰せのとおり、政府全体の問題といたしまして、次官会議に対しましても、この趣旨を発言し、各省と連絡いたしたいと思います。
  87. 中村重光

    中村(重)委員 終わります。
  88. 島村一郎

  89. 田中武夫

    田中(武)委員 いまの中村委員の質問に関連してでありますが、私も前から若干疑問を持っておりました点を、もうきょうはこういう時間でございますから、あえて質疑応答、討論というかっこうはいたしませんが、疑問を持っておる点を申し上げて、善処を要望したいと思うのです。  農協の事業活動で、先ほど中村委員も申しておりましたが、あたかもデパートと同じようなことをやっておる。たとえば一定の期間を設けて、いわゆる呉服類の展示会をやる。そうしてそれは、組合員資格の有無にかかわらず、対象としてやっておる。それを農協が自由に使えるところの有線でPRする、あるいは地域婦人会幹部を動員しておる。これを農協婦人会だ、こう言う向きもあるようですが、ほとんど地域婦人会と一体です。または、行政組織の末端とでもいいますか、たとえば町内会、自治会、こういうのを動員してPRし、あるいはいろいろなものを販売さすという方法をとっております。また共済事業にいたしましても、たとえば生命、火災の共済、これは割り当て的に、県から単協へ、単協はその関係する町内あるいは部落に対して、目標高幾ら、こういうことで押しつけてくる。そうして農協の役員、理事さん等々、いわゆる地域の顔役でありますこういう人が、半ば強制的に、毎夜のごとく、その共済に加盟するよう勧誘をして回る。あたかも地域末端組織と一体になって、そのような行動あるいは活動をやっておるということは御承知と思います。きょうは説明員でありますし、別に私はここで議論はいたしませんが、私自体も、この問題をまとめて一応やりたいと思っておった問題に、たまたま中村君が一部触れましたので、関連をして申し上げておるのでありますけれども、こういう事実について、農林省は知っておるのか、知っていないのか。もし知っておるとすれば、これは適当であるのかないのか。適当でないとするならば、いかなる是正の方法を考えておるのか。同時に、中小企業庁は、当然これが中小企業、ことに小売り商の事業分野を侵すということになっております。こういうことについて十分な調査と、そうして農協法のほんとうの精神の上に立って、農林省あるいはその関係者に申し入れをし、警告をする必要があると思います。これはかつて、昨年の秋ごろ、週刊誌でも取り上げられた問題でもあり、私は昨年十月に四国のある県の商工会の招きで講演に行ったことがあります。講演というか、ある同僚の応援と申しますか、行ったことがあります。そこでも大きく取り上げられて、私、いろいろな資料を持って帰っておりますが、その後適当な時期がなかったので、そのままにしておりますが、たまたまきょうそういう問題が出たので申しておきますが、農林省、中小企業庁の見解だけを聞いておきます。——担当者は来ていないか。それじゃ食肉鶏卵課長、あなたは関係の局長に言って、そのことについて、文書をもって、田中に答弁するよう言ってください。
  90. 影山衛司

    ○影山政府委員 先生御指摘の点は、私どもといたしましても、正直言って頭の痛い問題でございます。全国でいろいろそういう事例がございますので、先ほど御答弁申し上げましたように、全国から具体的な事例を私のところへ取り寄せまして、農林省まで持ち込んで、課長ベースで定期的に打ち合わせをいたしております。それによりまして、一つでも二つでも、具体的な問題が片づいていくことに努力いたしておるわけでございます。農林省自体も、この点は非常によくわかってくれまして、努力をしてくれておりますけれども、正直申し上げまして、ちょっと事務的な努力の限界を越えるような点もございますので、この点は私どもも非常に困っておるということを正直に申し上げたいと思います。      ————◇—————
  91. 島村一郎

    島村委員長 先ほど議決いたしました請願報告書の作成等に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  92. 島村一郎

    島村委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  93. 島村一郎

    島村委員長 この際、暫時休憩いたします。    午後一時三十五分休憩      ————◇—————   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕