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1967-05-16 第55回国会 衆議院 商工委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年五月十六日(火曜日)    午前十時四十三分開議  出席委員    委員長 島村 一郎君    理事 天野 公義君 理事 小川 平二君    理事 鴨田 宗一君 理事 中川 俊思君    理事 田中 武夫君 理事 中村 重光君    理事 麻生 良方君       遠藤 三郎君    小笠 公韶君       岡本  茂君    神田  博君       黒金 泰美君    小山 省二君       齋藤 憲三君    坂本三十次君       櫻内 義雄君    橋口  隆君       三原 朝雄君    武藤 嘉文君       石野 久男君    佐野  進君       中谷 鉄也君    平岡忠次郎君       古川 喜一君    吉田 泰造君       岡本 富夫君  出席国務大臣         通商産業大臣  菅野和太郎君  出席政府委員         公正取引委員会         委員長     北島 武雄君         大蔵省国際金融         局長      柏木 雄介君         通商産業政務次         官       宇野 宗佑君         通商産業大臣官         房長      大慈彌嘉久君         通商産業省通商         局長事務代理  原田  明君         通商産業省貿易         振興局長    今村  昇君         通商産業省企業         局長      熊谷 典文君         通商産業省重工         業局長     高島 節男君         通商産業省鉱山         局長      両角 良彦君         中小企業庁長官 影山 衛司君         中小企業庁次長 金井多喜男君  委員外出席者         大蔵省大臣官房         財務調査官   服部誠太郎君         大蔵省主税局税         制第二課長   大倉 真隆君         厚生省環境衛生         局公害課長   橋本 道夫君     ————————————— 五月十一日  委員近江巳記夫辞任につき、その補欠として  大橋敏雄君が議長指名委員に選任された。 同月十二日  委員山手滿男辞任につき、その補欠として橋  口隆君が議長指名委員に選任された。 同月十六日  委員中谷鉄也君及び大橋敏雄辞任につき、そ  の補欠として山口シヅエ君及び近江巳記夫君が  議長指名委員に選任された。 同日  委員山口シヅエ辞任につき、その補欠として  中谷鉄也君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 五月十日  アジア・アフリカ諸国及び国内中小企業日本  万国博覧会出展促進に関する請願(吉田泰造君  紹介)(第九九〇号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  通商産業基本施策に関する件  私的独占禁止及び公正取引に関する件      ————◇—————
  2. 島村一郎

    島村委員長 これより会議を開きます。  この際、参考人出頭要求の件についておはかりいたします。  先ほど理事会の御協議に基づきまして、内閣提出航空機工業振興法等の一部を改正する法律案審査のため、参考人から意見を聴取することとし、その人選、日時、手続等に関しましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 島村一郎

    島村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたします。      ————◇—————
  4. 島村一郎

    島村委員長 通商産業基本施策に関する件並びに私的独占禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。平岡忠次郎君。
  5. 平岡忠次郎

    平岡委員 過般、菅野通産大臣によります通商産業政策についての御所信表明の中に、自由化に対処するためにという趣旨が五、六カ所もうたわれております。また、提出法案提案理由の中で、自由化に対処するという考え方を述べていないものはほとんどございません。したがって、四十二年度の通商産業政策の重点は、資本自由化にいかに対応するかが基調となっており、当委員会の使命の大半はこの論議に尽きるべしと申しても過言でないと思います。本日、私はこの視点に立ちまして、きわめて直截に、資本自由化に関する諸案件について政府の所見をお伺いいたしたいと思います。  次いで、時間がありますならば、公害に関する件についてただしまして、加えて資料要求をいたしたいと考えております。  以下順を追って逐次質疑に入ります。  まず資本自由化に関して冒頭にお伺いしたいのは、OECDに対する日本報告義務時限はいつなのかということであります。五月末、パリOECD本部での理事会日本自由化基準について具体的に報告しなければならないことになっているのかどうか。言いかえますと、これに関する回答時限は五月末なのかどうかということであります。大蔵省国際金融局長から簡明にイエスノー答えてください。
  6. 服部誠太郎

    服部説明員 ただいまの御質問でございますが、OECD期限という点につきましては、はっきりいつまでに出せ、こういうことはございません。
  7. 平岡忠次郎

  8. 服部誠太郎

    服部説明員 ノーでございます。(「あなたは柏木さんか」と呼ぶ者あり)局長大蔵委員会のほうに出ております。(「局長を呼んでこい」と呼ぶ者あり)
  9. 平岡忠次郎

    平岡委員 そう簡単にはならぬはずですよ。ただいまの説明員は簡単にこの期限はないのだというふうに言うていますけれども、重大な思い違いであると思うのです。この「金融財政事情」の中に、あなたの回答について疑義がありますので、もう一回御解明をいただきたいと思います。「前略……五月下旬といえば、ちょうどパリOECD本部では理事会が開かれるころ。そのときには名実ともわが国OECDの一員として国際的な批判にりっぱに耐えうる報告をしようというのが大蔵省の腹づもりである。だから「政府資本自由化方針決定は六月末に延びそうだ」という報道に対して大蔵省担当官は、「われわれはこれまで一度だってそんなことをいった覚えはない」と憤慨するのである。」と言っています。六月末であるという限度でもなおかつ憤慨しているわけですね。あなたのいうように、回答期限はないのだというような、そんなばかなことはないです。
  10. 服部誠太郎

    服部説明員 ただいまノーと申し上げましたのは、条約上はっきりいつまでという期限はないという意味でございまして、今度もち少し詳細に申し上げますと、OECDにおきましては、各加盟国自由化状態につきまして、一年半ごと定期審査というものを行なっております。日本についての定期審査は昨年の二月に行なわれました。それについての勧告が来月でございますかには出る、こういう段取りになっておるように聞いております。その勧告の出ます際に、わが国といたしましても何らかこれに対して返事がしたい、こういうことでございます。
  11. 平岡忠次郎

    平岡委員 いまの話のOECDから勧告が出るというのは、私の仄聞したところでまとめてみますと、こういうことです。BIAC経済産業諮問委員会総会において、日本資本規制についての勧告が提出され、おそらく承認されるのは五月十二日である、ということであります。そうして実際にOECDから報告ないし勧告わが国にくるのは六月下旬であろう、しかもこの勧告案はすでにでき上がっていると伝えられて、その内容をかいつまんで言いますと、一つは、自由化しても影響の少ない業種を指定して自動承認制にするということ、それから二番目には、外資法による審査手続簡素化、迅速化すべしということである。このことは日本ではわかっておるから、対応姿勢をとっているわけです。現在各省対応姿勢をとっているでしょう。その日程上から言えば、BIAC勧告が、これはいま言ったような手順で五月十二日に行なわれる。それを受けて日本報告をしなければならぬ時期は、結局六月下旬からしばらくたって、七月の初めぐらいには少なくともそういう段階に入ると思うのです。ただ、私が最初にお伺いしたのは、BIAC云々の前に、OECDの五月末の理事会報告する義務があるのかどうかということ。だから一番早く日本回答を出さなければならぬということが要請されるのは、五月末のOECD理事会ではないのか。二段目に、BIACに対する回答ということであるならば、おおむね六月末、この二つになるであろうけれども、そのいずれかということを聞きただしたいわけです。もう一回答えてください。
  12. 服部誠太郎

    服部説明員 ただいまの御質問でございますが、OECD勧告内容がわかっているとおっしゃいましたが、これはいろいろ情報でございまして、まだどういうことになるか、われわれのほうは正式に存じておりません。それが出ますのが六月ということになるであろうと思っておりますが、いまの五月末の理事会に、わが国として、政府としてOECDに対しまして何らかの報告をいたさなければいけないということは、条約上はきめられておりません。BIACでございますが、これはOECD民間諮問機関でございまして、これがこの間総会をやりまして、その報告OECDに対してBIACがする、それを受けてOECDが考える、こういう段取りになることでございます。BIAC報告との関連において、わが国が何らかの報告義務を負うということはないものと考えます。
  13. 平岡忠次郎

    平岡委員 BIACOECD下部機構でございますから、それでよろしゅうございます。要するに、OECDへの報告義務期限見通しにおいていつかということを御言明願いたい。あなたからこれに対して回答を、それから熊谷企業局長からも回答をいただきたい。
  14. 服部誠太郎

    服部説明員 先ほども申し上げましたように、 の勧告というものに対しまして、わが国報告をする期限というものは、条約上はっきりきめられていない、かように了承しております。
  15. 熊谷典文

    熊谷政府委員 勧告がまいりましたならば、日本政府としては何らかの態度を向こうに表明せざるを得ないと思いますが、その期限はございません。
  16. 平岡忠次郎

    平岡委員 ないというと、大体質問の用意が少し狂ってくるんだけれども、しかし、いずれにしても、ないということを強調しがちなのは、大体準備において各省の間の意見の対立、特に大蔵省考え方とこの実務をやっております通産省の側の考え方と大きく食い違いがあるからと思うのです。実際上はそう無回答のままいられる状態じゃないということに私は了承しております。熊谷さんもこっくりしておりますから、確かにそのとおりであろうと思います。そこで、いずれにしても、回答期限が切迫しているということが言えると思うのです。そういたしますと、日本でこの問題をゆだねられております外資審議会がいわばそうした目睫の間に控えておるところの報告期限に間に合うように審議を進めていなければならぬと思うのでありますが、現在の進捗状態はどういうことであるのか。つまり、もっとどんぴしゃりで言いますなら、資本自由化方針対策閣議決定するのは大体いつごろになるのか、これをお伺いします。
  17. 服部誠太郎

    服部説明員 外資審議会審議状況でございますが、去る二月二十四日に、当面の自由化の問題につきまして諮問を行ないました。自来五月九日まで七回の審議を行なっております。大体今月一ぱいぐらいを目途といたしまして答申をいただきたいと思っております。答申をいただきましたらば、すみやかに閣議決定という段取りにいたしたいと思っておりますが、はっきり何日までにどうというところまではまだ詰まっておりません。
  18. 平岡忠次郎

    平岡委員 外資審議会が孤立的にビヘーブしているわけではない。外資審議会では当然大蔵省とか通産省の意向というものを反映しなければいかぬし、あなた方もそれを外資審議会のなすがままにおっぽっておくという態度ではないと思う。そこで、現段階におきましての資本自由化のための基準内容——コートですね、それについて具体的にお伺いしたいと思うのであります。時間の節約のためにこちらから申し述べまして、大蔵省通産省の確認を求めるという方式でいきたいと思います。  第一は、既存企業に対する外資経営参加持ち株制限の緩和につきましては、自動認可限度を、非制限業種の場合におきまして、累積一五%の現行を二〇%に、それからまた投資家一人当たり現行五%を七%にすることになると報ぜられておりますが、さよう了解してよろしいかどうか。まず大蔵省、次いで通産省担当局長からそれぞれ御答弁をいただきたい。
  19. 服部誠太郎

    服部説明員 ただいまの御質問でございますが、これは外資審議会でまだ審議中の段階でございますが、審議会における大体の皆さん方委員の御意見は、いま先生のおっしゃったような線でございます。
  20. 熊谷典文

    熊谷政府委員 いま大蔵省から答弁があったとおりでございまして、通産省としては、その程度以上は無理だろう、かように考えている次第であります。(田中(武)委員「公取にも聞かなければ」と呼ぶ)
  21. 平岡忠次郎

    平岡委員 それでは北島さん……。
  22. 北島武雄

    北島政府委員 会社が他の株式を所有する場合におきましては、それによって一定の取引分野における競争を自主的に制限することになる場合、これがいかぬことになっております。これは外資系会社がかり資本自由化によって日本に子会社あるいは合併会社をつくるということになりましても、そういうことになるわけであります。ただいまの七%とか、その程度ではまだ独禁法上で問題になることはございません。
  23. 平岡忠次郎

    平岡委員 第一問はおおむねイエス答えが出ました。  第二にお伺いするのは、新規企業進出を認める場合の業種別基準策定と公表問題についてお伺いしたい。  本年二月以降今日まで、外資審議会討議先ほど大蔵省側からの答弁どおり七回ほどに及び、その結果、一、外資比率一〇〇%を含む五〇%超の自動認可業種と、二、五〇%以下なら自動承認する業種と、三、さらに個別審査業種に三分類するという、大蔵省提案のいわゆる実質分類方式によるべきものという決着については、通産当局はどのようにこれを解釈しているか。熊谷企業局長あたりはたいへん抵抗の色を示しておるようだが、私の聞かんとすることは、第一類のうち、一〇〇%業種通産省所管のうちで考えているのかどうかということであります。たとえば普通鋼、造船、オートバイ、紡績、セメント等はことごとく一〇〇%業種とするのかどうか、また、ことごとくこれを一〇〇%業種としないのかどうか、あるいは、中をとって、一〇〇%業種をもし拾い上げるとするならば、右のうちのどの業種であるか一具体的に示されたい。なお、大蔵省からも、所管業種についての一〇〇%該当業種をつまびらかにされたい。
  24. 熊谷典文

    熊谷政府委員 御質問の一〇〇%業種をつくるかつくらないか、あるかないか、こういうことでございますが、現在通産省といたしましては、どういう物資自由化できるということを検討いたしております。したがいまして、結論が現在のところ出ておりません。と申し上げますのは、一〇〇%にいたしましても、五〇%にいたしましても、OECD自由化コードでは、国民経済に非常に大きな影響を与える場合はチェックできるという制度になっております。したがって、どういう点を今後自由化してもチェックするかという問題をもう少し外資審議会中心にして煮詰めないと、物資の確定はできない、そういう見合いの問題になっております。したがいまして、現在のところ、通産省としてどういう物資を一〇〇%にするかということは、いまの段階では検討中でございますので、まだわれわれの答えは出ていない、かように御了承願いたいと思います。
  25. 服部誠太郎

    服部説明員 大蔵省といたしましても、この所管業種につきましては、通産省と同じような立場にあるのでございまして、ただいま各省寄り集まりまして慎重に検討しておる段階でございます。
  26. 平岡忠次郎

    平岡委員 これは管野さんにお伺いしたほうがいいと思うんです。もうかなり時間的に切迫しておるのですから、作業がそう進んでいないわけはないと思いますが、両省がまだ準備中という回答であります。しかも、熊谷さんのほうからは、OECDでは何か罰則はないからという言い方ですか。罰則はないんですよ、これには。ないけれどもOECDのメンバーになるというのは一流先進国の仲間入りということなんだな。当時、われわれはその時期が少し早いんではないかということでOECD加入は反対しました。しかし、政府は、一流国をもって、胸を張ってこれに入るということで、三十八年の四月一日ですか、これに加入したわけです。そういたしますと、これはOECDという高級なクラブに入るのだから、ノーネクタイで上着もつけずにそのクラブにずかずか出入りされたんじゃ困るという抵抗があるはずなんですよ。だから、それはOECDの規定それ自身で罰則とかそういうものはないにしても、日本自体として自由化態度を表明しなければならぬ時期であることは間違いないんです。だから、そういう点で、先ほど申したように、回答期限はさだかではないけれども、切迫しているのですから、あなた方のほうで作業が進んでいないはずはないんです。この委員会でもっと明確に、どういうものが資本自由化業種としてあるということを具体的に答弁しなさいよ。
  27. 熊谷典文

    熊谷政府委員 通産省といたしましては、非常にこの自由化というのは重大問題でございますので、各業種実態を調査し、今後どういう対策をすべきかということを検討しているのは事実でございます。これは昨年の八月以降やっております。しかし御承知のように、この資本取引自由化というのは今後続く問題でございますので、やはり十分な対策を考えていかなければいけない、あるいは、いざという場合の先ほど申しましたようにチェックできる制度を考えていかなければいけない、こういう問題がございます。ところが、現在の外資審議会段階では、まだ今後どういう対策を具体的に考えていくかというような問題につきましていま討議の最中でございます。したがいまして、そういう結論が出ておりません。そういう結論が出ました暁にその方向に合わせて物資を最終的に選ぶ、こういう形になろうかと思います。したがいまして、勉強はいたしておりますが、まだこういう物資をこういうふうにしようということは通産省としてきめておりませんので、現段階においては申し上げかねる、こういう意味でございます。
  28. 平岡忠次郎

    平岡委員 そうしましたら、具体的の業種をあげろという私の質問には答えられない、これはよろしゅうございます。ただ、問題は、先ほど私が言いましたような三つ分類、いわゆる実質分類方式という 大蔵省提案ですね、これをあなたのほうはどういうふうに受け取っているかということです。特にその第一項でありまする「外資比率一〇〇%を含む五〇%超の自動認可業種、」そういうことであなたのほうと大蔵省のほうとが一応妥協しているわけなんです。しかしその解釈は断じて違うんだということですね。一〇〇%自由化態度通産当局は保留していると私どもは解釈しています。したがって、もっと端的にいうならば、これは一〇〇%を含む五〇%超といったって、一〇〇%を含むものは一つもないんだという、そういう態度をあなたのほうががんとしてとっているんなら、これは三分類方式といっても、実質的には二分類方式になるわけですよ。だから、あなたのほうの率直なかまえというか態度をこの際表明したほうがいいと思うのです。やはりこの段階におきましては、国民の広い批判を仰いだほうがいいと思うのです。率直に述べてくださいよ。要するに、この一〇〇%自由化なんて全然考えていないんだ、せいぜい五〇%以下だというのかどうか、その態度はあなたのほうできまっているのでしょう。どうぞ言うてくだざい
  29. 熊谷典文

    熊谷政府委員 一〇〇%業種、五〇%業種、それから個別審査業種三つに分けるかどうかという問題は、外資審議会で議論はいたしましたが、これはやはり業界実態と非常に関連してくる。観念的にいろいろ議論しても、御指摘のように物資がないということではこれはおかしいですから、業界実態をもう少し勉強した上で再度検討しようということに外資審議会におきましてはなっております。  それから、通産省考え方を申し上げますと、今後自由化は進めていかざるを得ない国際情勢でございますが、あるいは、日本経済の発展のためにも、これはある時間をかげながらやっていかざるを得ない問題だと思いますが、私ども基本線として考えておりますのは、いまの国力、業界実態等から見まして、やはり五〇、五〇が原則で当分の間あるべきではなかろうかという感じは持っております。それと同時に、今後資本取引自由化とかいろいろなことをやります場合に、やはり入ってくるほうも共存共栄という形が好ましいのではなかろうかという感じでございます。そういう意味合いにおきまして、通産省としては、できるだけ五〇、五〇を原則にいたしたい。そこで、それ以外に一〇〇%物資を出すかどうかという問題でございますが、この点につきましては、先ほども申し上げましたように、たとえて申し上げますと、鉄鋼につきまして現在設備調整をやっております。これは国民経済の動向から見てやらざるを得ないということで業界もやっていただいています。政府も非常な関心を持っておるわけでございます。その場合に、鉄鋼につきまして無条件に外資一〇〇%の会社けっこうですということになった場合、そういう産業政策が一体できるだろうかという点が問題でございます。したがいまして、一〇〇%物資をつくります場合は、現在日本国としてどうしてもやらざるを得ない産業政策とある程度マッチさせる場合は相当のチェックができるという形を残さざるを得ないのではなかろうかというのがわれわれの考え方でございます。しかしそういう場合に、どういうチェックができるかということがまだ煮詰まっておりませんので、現段階において、われわれのほうとして簡単に一〇〇%物資が出せるとは考えておりません。
  30. 平岡忠次郎

    平岡委員 わかったようなわからぬような答弁ですが、要するに態度としては、五〇%以上ということは問題にならぬという考えなのかどうか、現段階においてそれはまだ拾い出せないのかどうか、一〇〇%業種はもう問題にならない、五〇%以下に限定するというのか、どうなんですか。
  31. 熊谷典文

    熊谷政府委員 原則的な考え方は、五〇%、五〇%を中心にしていきたいと思います。それ以上の物資が出せるかどうかは、先ほど申し上げましたように、今後自由化についてどういう対策をとっていくか、あるいはいざという場合にどういうチェックができるかという問題にからむ問題でございますので、そういう問題がはっきりいたしませんと、一〇〇%物資を拾いにくい、こういうことでございます。
  32. 平岡忠次郎

    平岡委員 自分質問して、自分回答を出しているようですね。対策が出せるか出せないか、あなたのほうの所管事項でしょう。出せるか出せないかの展望とか見通しを持った上で、おれのほうほ業種拾いはこうなんだという答えがあっていいと思いますが、どうですか。
  33. 熊谷典文

    熊谷政府委員 先生承知のように、自由化対策というのは非常に広範囲な問題でございます。したがいまして、通産省としてはこういう対策をやるべきだという考え方は持っておりますが、これはやはり政府全体として、大蔵省もそれをやる、外務省もそれをやるという形になりませんと、実際の対策はできないわけです。現在そういうことを、外資審議会各省意見を持ち寄っていろいろ検討段階でございます。通産省としては考え方は持っておりますが、政府あるいは外資審議会対策としては、まだそこは検討段階である、こういうことを申し上げたわけであります。
  34. 平岡忠次郎

    平岡委員 外資審議会は確かに別個の機関ですよ。機関ですが、あなた方の意見総合調整として審決するというか、結論を出すはずなんです。だから、お宅のほうの所管事項所管業種、それについてあなたのほうで回答は出せるはずなのです。それで、その対策と相まって業種を出すこともあるべしというのは、対策自身はあなたのほうでやることなのです。そうでしょう。あなたの回答は、結局、通産省管轄下における業種においては一〇〇%は出さないと理解してよろしいかどうか。
  35. 熊谷典文

    熊谷政府委員 対策という問題は、業種ごとに考えなくてはいかぬと思いますが、やはり税制の問題あり、金融の問題あり、財政の問題がございます。また場合によっては外資法の運用の問題がございます。したがいまして、通産省だけで対策をどうこうというわけにはまいりません。そういう意味外資審議会討議を願っておるわけであります。  なお一〇〇%物資を出すかどうかということでございますが、現在のところ、先ほど申し上げましたように、いろいろな問題の関連がございますので、検討中ということでございますので、出さないという態度もきめておりませんし、出すという態度もきめていないのが現状でございます。
  36. 平岡忠次郎

    平岡委員 いま柏木君が入りましたから、ちょっと繰り返しになりますがお尋ねします。日本資本自由化コードをつくらなければならぬということで作業をしていると思うのです。OECDへの報告義務は無期限に延ばし得ることではないと私どもは考えております。OECDの五月末の理事会に、日本日本自身の資本自由化コード報告をしなければならぬのではないかどうかということが質問一つ。  それから、もうちょっとおくれる段階報告義務がありとするならば、それは六月末におおむね五月中のBIACの対日勧告に相応ずる報告として日本側がそれに回答しなければならぬ。BIACに直接ではなしに、BIACを受けてのOECDに対して六月末に報告義務があるのではないかというふうに考えるのですが、そのいずれですかということの御回答をいただきたい。
  37. 柏木雄介

    柏木政府委員 いまお尋ねの第一の点、五月中にOECDに対して日本政府として報告する義務ありやという点でございますけれども、そういう法的な意味における義務というものはございません。五月の末になりますか六月の初めになりますか、日本資本自由化の問題が委員会で論議されます際に、日本政府としての考え方を説明することはあろうと思いますけれども、しかし法的な義務として報告するという性質のものではございません。  それから第二点の、六月中にBIAC勧告というか、それに対して政府として何か言わなければならないのかという点につきましては、そういうふうなBIAC勧告に対して政府として所見を述べなければならないという義務はございません。
  38. 平岡忠次郎

    平岡委員 それではどんぴしゃり聞きますが、五月か六月か、あるいは七月の中旬くらいまでに日本報告義務はありませんか。義務というのは法律的な義務はないにしても、道義的な義務はあるのではないかと思いますが、それだけ答えてください。
  39. 柏木雄介

    柏木政府委員 法的と申しましたけれども、法的ではございません。道義的というか、日本資本自由化について論議をされます際に、日本政府として当然政府考え方を申し述べなければならないものと考えております。
  40. 平岡忠次郎

    平岡委員 法的には要りません。法的のことは、ないということはマター・オブ・コースなんですね。道義的な問題が焦点なのですから、道義的な義務があるのかということだけについて答えてください。
  41. 柏木雄介

    柏木政府委員 私どもといたしましては、できるだけ早い機会に日本政府考え方を申し述べることが必要だと思っております。
  42. 平岡忠次郎

    平岡委員 先ほどもやや結論めいた私の判断を申し上げましたが、いずれにいたしましても、かなり目睫の間に日本報告義務期限があるということ、これだけは間違いがないと理解します。  そういたしますと、その前提に立って、日本の国内産業、各省における担当業種のうちから、大蔵省案として示された三分類方式に対応する拾い上げが行なわれているかどうかという問題に当然なるわけです。通産省の方に先ほど来私がお聞きしましたところ、三分類方式における一〇〇%を含む五〇%超ということは、ラチチュードが広いわけですから、一〇〇%を含むといっても、おれのほうにはないのだということで、実質上五〇%と、それから個別審査の二つでやっていくという態度はくずれていないように思うのです。そこで大蔵省の特にこれを担当している国際金融局との間に相当の隔たりがあると思うのです。先ほどは企業局長のほうには、幾つかの具体的な業種をあげて、これを一〇〇%にするのかしないのか、あるいは五〇%にとどめるという考えなのか、あるいはその幾つかの業種のうち一〇〇%を幾つか拾い上げるのかということも聞いたわけです。しかしそれに対しては、非常にのらりくらりの答弁で、概して否定的な回答でした。そこで、大蔵省所管事項として一〇〇%を拾い出すという対象になっているものは、日本酒とかビールとかありますね。その辺のところはどうですか。具体的にあなたのほうでおっしゃってください。
  43. 柏木雄介

    柏木政府委員 実は大蔵省所掌業種、お説のとおり酒とかいろいろございますけれども、こういう所掌業種につきましては目下省内で検討いたしております。しかし所掌のほうは、国際金融局は外資審議会の取りまとめを所管いたしております関係上、その大蔵省所掌業種の取り扱いをどうするかは、むしろ官房のほうにおいてやっていただいたらどうかということで、目下官房においていろいろ御検討になっておりますので、いまここで、部内において検討中ということだけ申し上げることができるということでございます。
  44. 平岡忠次郎

    平岡委員 通産大臣にお伺いします。ただいままでの質疑応答でおわかりのとおり、OECD回答期限が切迫しておるにもかかわりませず、各省所管業種の仕分けはおろか、分類方式それ自体にも解釈に食い違いがあるごとき現状では、日本政府OECDのメンバーシップとして負うべき責任は果たせないのではないかという感じがいたします。先ほど来あなたの属僚は作業未完なることを言明してはばからないのでありますけれども、貴殿は資本自由化に責任を負う政府の経済担当閣僚として、水田大蔵大臣とともに、総理にかわり各省を統括してこの問題処理の責めに任ずべきではないのか、当委員会におきましてあなたの識見を示してほしいのであります。
  45. 菅野和太郎

    ○菅野国務大臣 資本取引自由化については前向きに進んでいきたいということは、たびたび私申し上げておるのでございます。したがいまして、これはどうしても本年中には解決をしなければならぬということを考えておりますし、まあ私個人としては、九月に日米経済閣僚の懇談会がありますので、それには何ぶんの日本方針を示さなければならぬのではないかという考えを私はしております。  そこで、事務当局でいまいろいろやっておるのでありますが、事務当局の折衝の詳細なことは私も聞いておりませんけれども、しかし事務当局の側でいろいろ折衝しておりますけれども解決しない問題が、多々出てくるのじゃないか。そこでこの資本取引自由化の問題については結局閣僚会議できめるべきじゃないかということを私は提案しております。これは大蔵省も関係があるし、もちろん農林省も関係がありますし、経済企画庁も関係がありますので、閣僚会議でこれをきめていくべきじゃないかということで、いませっかく事務当局の間でいろいろ論議しておりますから、その論議の結果を見て閣僚会議にかけて、事務当局の話がきまれば問題がないのでありますが、まあいろいろ、平岡委員も御想像のとおり、いろいろの問題があるというようにお考えになっておられますから、したがいまして、問題がきまらぬ場合は閣僚会議できめていくべきだということを、私は大蔵大臣にも提唱しておるのであります。この自由化の問題については大臣ベースでひとつきめてやっていくべきだということを提唱しておるわけです。
  46. 平岡忠次郎

    平岡委員 菅野通産大臣が大蔵大臣に対して、そういうことで日限の点に関しては足並みをそろえてくれぬかという御提唱なんですね。大蔵大臣はそのことに同意されましたか。
  47. 菅野和太郎

    ○菅野国務大臣 大蔵大臣は、同意というと語弊があるかもしれませんが、まあそういうことになるかもしれぬなという話をしておるので、やるという返事はしておりませんが、私は総理へは、総理がひとつやるべきだということを提言しております。(平岡委員「閣僚会議で」と呼ぶ)いや、閣僚会議でなくして個人で、総理に、この自由化の問題は、日本の産業経済に及ぼす重大な問題だから、これを大蔵省とか通産省だけできめちゃいかぬ、閣僚会議で全体でこれはきめるべき問題だ、だからひとつそういうような方法を講じてほしいということを言ったわけです。
  48. 平岡忠次郎

    平岡委員 閣僚会議とは日米閣僚会議ですか。
  49. 菅野和太郎

    ○菅野国務大臣 いいえ、経済閣僚会議です。資本の取引の自由化についての閣僚会議です。
  50. 平岡忠次郎

    平岡委員 資本自由化に関する閣僚会議はいつ開かれますか。
  51. 菅野和太郎

    ○菅野国務大臣 いま申し上げましたとおり、いま事務当局で折衝しておりますから、そこで事務当局で大体成案ができたときにやるべきだ、こう考えておるのであります。
  52. 平岡忠次郎

    平岡委員 事務当局で成案を得たらというのは百年河清を待つことですね。相当もんちゃくがあるのですから。だから、それは、あなた自身とか水田さんとか、総理の代理をつとめる経済閣僚として決着をつけるのが大筋だと思うのです。それを持って回って、どうもいささか荷が重いから経済閣僚会議でやるとか、全体閣僚会議でやるのだとか、持って回った話なんですけれども、あなたの基本的な態度はどうなんですか。先ほどの私の質問の要点に対してお答え願いたい。
  53. 菅野和太郎

    ○菅野国務大臣 先ほど申し上げたとおり、私は前向きで積極的にこの問題は取り扱うということをしばしば言明しておるのであります。したがいまして、この自由化の問題は、まあことしじゅうというと語弊がありますが、できるだけ早くこれを解決したい。  そこで成案という意味は、これが話がまとまればそれでいいが、話がまとまらない場合もあり得るのであって、それはそれで、話がまとまらないということで閣僚会議報告してもらって、そこで大臣同士の話し合いできめるということをしたい、こう考えておるわけであります。
  54. 平岡忠次郎

    平岡委員 菅野さんからの御回答を聞いている限り、六月か七月のOECD機関に向かって日本報告はできないというふうに判断していいですね。できませんね。どうですか。
  55. 菅野和太郎

    ○菅野国務大臣 その点については、まだ事務当局からの詳細な報告を聞いておりませんから、私はできるだけ早く話をまとめるということを督促しておるのであります。
  56. 平岡忠次郎

    平岡委員 菅野さんは矛盾されたことをおっしゃっております。さっき、たしか、日米閣僚会議が九月にあるからそのときでいいんだというのがおれの腹だということをおっしゃったのじゃないですか。どっちですか。
  57. 菅野和太郎

    ○菅野国務大臣 もしきまらなければ、そのときには日本政府の大体の方針報告しなければならぬ、こう思っておるのです。それまでにきまればけっこうなことであります。
  58. 平岡忠次郎

    平岡委員 それまでにきまればというのは、あなたは人ごとみたいに言っているのですが、きめるのはあなたですよ。水田さんとあなたですよ。きまればじゃないですよ。きめるのか、きめないのか。
  59. 菅野和太郎

    ○菅野国務大臣 先ほどから申し上げますとおり、できるだけ早くきめてもらいたいということを事務当局に私のほうは督促しておるのであって、事務当局でせっかくいま折衝中でありますから、その経過を見て、それでわれわれが乗り出すということに相なると思っておるのであります。
  60. 平岡忠次郎

    平岡委員 私は、五月か六月のOECD機関報告ができないということは、結果として反対ないし棄権を意味すると思います。OECDの下部機関から出ている、日本に対するBIAC勧告は、先ほど申したとおり、自由化しても影響の少ない業種を指定して自動承認すべしということと、外資法による審査手続簡素化し迅速化すべしということにあるわけでありまして、もとよりこの勧告が気に入らなければ、日本がこれに反対することもまた棄権することも、罰則がないから、自由であります。できないわけではないのです。しかし、各省を統括せず、回答時間切れもまた大臣としてやむを得ないというならば、外、国際経済における指導的先進工業国としての面目がないということになり、内、資本自由化を誇示してきた通産大臣としては、自家撞着ではないか。大臣、四十二年度の通産省所管政府提出諸法案、たとえば中小企業信用保険法改正案、貿易大学校法案、中小企業近代化促進法改正案、独占禁止法改正案、中小企業振興事業団法案等一連の自由化対策法案は親なし鳥です。宙に迷える浮き草法案として、われわれとして、とうてい審議対象とはなし得ない不確定法案であります。不確定法案はわれわれには関心がないのですから、興味がないのですから、もしそうであるならば、われわれはこの審議に応ずるわけにはいきません。  資本自由化の基本政策について政府の体制が整わない限り、これ以上審議に応じかねると思われますが、菅野大臣の答弁次第では、委員長委員会を休憩して理事会で善後処理を講じてください。
  61. 菅野和太郎

    ○菅野国務大臣 私が先ほど申し上げましたとおり、資本取引自由化というものは、何も成立をことさら遅延さしておるわけではないので、早くこれを成立させたいということは、日本の面目上、世界に対する日本の立場上必要だということを痛感しております。したがって、自由化というものはやがて間もなく必ずできるという私のほうでは確信を持っておりますから、したがって、それに関連して、日本の産業の体質の改善とか、いろいろなことを出しておるのであります。これは自由化を前提として考えておるわけであります。したがいまして、自由化は一日も早く成立させたいというのが私たちの念願であるし、決意なのであります。でありますから、事務折衝の間でいずれ——外資審議会にかけておりますから、そこで慎重に審議してもらって、日本の産業の発展のために万遺漏なきように慎重な態度をとるべきであって、ただ自由化だからといって、すぐそれによしよしというふうに答えるわけにはいかない。そういうふうにして日本の産業を健全に発展させていくということからいろいろ問題があり、論議がされておる次第であります。その点はひとつ御了承を願いたいと思います。
  62. 田中武夫

    田中(武)委員 関連。いまあなたが答弁された、それはそれでいいでしょう。平岡さんの言っているのは、あらゆる提出法案提案目的の中に、資本自由化に備えてということになっておるのです。ところが、その資本自由化というものが明確に出てこない。したがって、この段階においてはまだ法案審議に入っておりませんが、その資本自由化というものがはっきりしない限り、提案説明でいうところの資本自由化に備えてというのは根なし草になるのじゃないか、したがって、それがいつはっきりするのか、そうでなければ、それまでは法案の審議はできませんよ、こう言っておるわけです。委員長、わかりますか。そこで、休憩をしてひとつ相談をしていただきます。
  63. 菅野和太郎

    ○菅野国務大臣 資本自由化をしないというわけじゃないのです。資本自由化が実現されるということで、われわれはそれに対して備えていろいろな法案を出しておるのでありますから、初めから資本自由化はないということであれば、いろいろの法案を出す必要はないのです。もう近くそれが実現されるのですから、実現されることを予想して法案を出しておるのでありますからして、さようひとつ御了承願いたいと思います。
  64. 田中武夫

    田中(武)委員 資本自由化をするということは、それはそのとおりなんです。そのことをことさら言わなくたって、外資法を見てごらんなさいよ。外資法資本自由化することがたてまえですよ。何なら外資法の第一条を読んであげましょうか。だから、いまさらそんなことだったら、資本自由化に備えて云々ということはおかしいのだ。何らかいままでと違ったことをやっていく。そうでなかったら、いま言った抽象的な外資法第一条に書いてあるとおりなんですよ。そうでしょう。この外資法の第一条は、資本自由化することをたてまえとしてきまっておるのですよ。そうして、ことさらに資本自由化に備えて云々ということがほとんどの法案の理由になっておるのであります。それなら、それがどんなものであるかということがはっきりしなければ法案の審議に入れないじゃないかということが、平岡委員意見であり、われわれの意見なんです。
  65. 菅野和太郎

    ○菅野国務大臣 どんなものかということをいまつくるべく努力しておるのであります。
  66. 田中武夫

    田中(武)委員 だから、どういうものがあるかということがはっきりきまってから法案審議に入る、そういうことでやりましょう。資本自由化をやりますというのは外資法の第一条にぴしっときまっておるので、それには資本自由化の方向をさしておるのです。逐次改善していくとか廃止していくと書いてあるじゃありませんか。
  67. 島村一郎

    島村委員長 ちょっと私から……。仰せのとおり、資本自由化が重大であればあるだけに、慎重を期してやっていこうということが大臣の考え方じゃないかと思うのであります。でありますから、もう少し続行していただいたら何か活路が出てくるのじゃないでしょうか。
  68. 田中武夫

    田中(武)委員 先ほど来私は黙って平岡委員質問を聞いておるのですが、通産当局も大蔵当局も何らはっきりしたものを出してこないのですよ。むしろ新聞に報道せられていることすら否定するような態度、すべては外資審議会においていまそういう方向において審議されておるとか、あるいはいま申し上げる段階ではありませんとか言っておるのですよ。ところが一方において、今国会に出てきている法案のほとんどが、資本自由化に対応するためにとか、何とかかんとかということになっておる。そんならそれをはっきりしなければ法案の審議はできないじゃありませんか。
  69. 島村一郎

    島村委員長 暫時休憩いたします。    午前十一時三十八分休憩      ————◇—————    午後一時三分開議
  70. 島村一郎

    島村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  通商産業基本施策に関する件及び私的独占禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。  菅野通商産業大臣から発言を求められております。この際、これを許します。菅野通商産業大臣
  71. 菅野和太郎

    ○菅野国務大臣 先ほど平岡委員田中委員質問に対し、補足してお答えいたします。  平岡委員の、いつまでに自由化措置をきめなければならないかとの質問に対しましては、いかにおそくとも、本年九月に開かれる日米会議までにはきめるべきだと考えています。しかし、OECD日本に対する勧告が五月末か六月初めに予定されており、勧告があった場合は、できるだけすみやかに日本政府態度を明らかにすることが適当であると思いますので、六月半ばごろまでには政府態度を決定するよう努力いたしたいと思います。  田中委員の、自由化の進め方については、通産省としては次のように考えております。  資本取引自由化については、優秀なる技術導入が有利になるとか、経営の合理化、近代化が促進されるとか、いろいろのメリットはあると思いますが、ただいま外資による経営支配とか産業支配等の弊害や、特に中小企業についてはいろいろの経済的、社会的摩擦を生ずるおそれがあります。したがいまして、自由化は今後前向きに進めるべきでありますが、弊害が起こらないよう対策をあらかじめ講じながら漸進的に進めるべきであると考えています。  自由化方式としては、業種を、自動承認する業種と、個別審査して外資の進出を認可する業種とに分けていきたいと思います。  なお、平岡委員から御質問のあった、自動承認をする業種の中で、外資一〇〇%の業種と五〇%の業種に分けるかどうかは、現在それぞれの業種実態検討中でありますので、結論はまだ出ていませんが、五月下旬にはその検討結論も出てくると思いますので、そのときにきめたいと思っております。  なお、六月半ばごろまでに定める自由化は、第一回目の自由化であって、そのときに行なう自由化業種は、国際競争のある業種を選びたいと思います。そしてその後の自由化対策の進展とにらみ合わせながら進めたいと思いますが、経済社会開発計画においても、今後五年間にかなりの分野で自由化を進めることを予定していますので、その方針に基づいて進めたいと思います。  自由化を進めるにあたっては、対策が必要であります。現在外資審議会においても検討中でありますが、通産省としては、次の分野について対策を進めたいと思っております。技術の開発の問題、あるいは企業の体質の強化というような事柄について、これをいまから進めていきたい、こう考えておる次第であります。
  72. 島村一郎

    島村委員長 では、質疑を続行いたします。平岡忠次郎君。
  73. 平岡忠次郎

    平岡委員 異論がありますけれども、大ぜいの声は神の声、菅野大臣の声は虫の声、やむを得ず私の質疑を続行いたします。  政府答弁が、いままで申されたように、資本自由化わが国に自明なりとする以上、骨格的な対策があるはずであります。菅野大臣のお経、つまり三月二十二日の当委員会において行なわれた通商産業政策の重点についての所信表明から拾い上げますと、構造改善という原則が出てまいります。お答えの中の、企業の体質強化の焦点は構造改善であると思いますが、構造改善とは企業の合併とかカルテルの強化を考えていると解してよろしいかどうか、まずお答えをいただきたい。
  74. 菅野和太郎

    ○菅野国務大臣 それもその構造改善の一部であります。
  75. 平岡忠次郎

    平岡委員 では次に、持ち株会社の構想というのが民間にございますが、一体政府はこれをどう取り上げようとするか、お答えをいただきたい。  持ち株会社は、戦前の三井合名、それから三菱合資、安田保善社、住友合資のごときホールディング・カンパニーでありますので、当然現行独禁法はこれを禁止対象といたしておると思うのです。通産大臣、どうお考えになりますか。
  76. 菅野和太郎

    ○菅野国務大臣 一部では持ち株会社という問題も提起をしておりまして、これは産業構造改善の一環として持ち株会社の案が出ておるようであります。これにつきましては、前の財閥というようなことになってはいかぬというように考えておりますので、したがいまして、この持ち株会社についてはもう少し内容検討して善処したい、こう考えておる次第であります。
  77. 平岡忠次郎

    平岡委員 戦前の持ち株会社というのは、各財閥の系列下に多種多様な事業体を包含するというようなホールディング・カンパニー、今回芽を出しそうなのは、民間の提唱がありますのは、それとは少しく趣を異にしまして、たとえば東芝と日立の同じ業種を支配するに足るところの持ち株を持ってするところの持ち株会社をつくるということ、そういう構想であると聞いています。多少態様は違いますけれども、独占を強め、寡占化を高めていくという傾向は当然出てくることであります。公取の委員長はおりませんか。——独禁法の番人である公取委員長は、おりませんけれども、ついこの間の予算委員会では公取委員長は私見として否定的なお答えでありました。私どももさように了承しておりますけれども、通産大臣としてはどうなんでしょう。これをいかに取り上げていこうとするか、もう一回念のためお聞かせいただきたい。
  78. 菅野和太郎

    ○菅野国務大臣 いま平岡委員のおっしゃるような事例であれば差しつかえないじゃないかというように私は考えておりますが、お話のとおり、この持ち株会社については、公取のほうでもいろいろと検討しておるようでありますからして、まず公取でひとつ検討をしてもらいたい、こう考えておるのであります。
  79. 平岡忠次郎

    平岡委員 公取で検討してもらいたいというのは、肯定的な立場で検討をしてくれということですか。
  80. 菅野和太郎

    ○菅野国務大臣 もちろんそうであります。
  81. 平岡忠次郎

    平岡委員 実は本委員会に独禁法改正の案が出ております。しかしその独禁法の改正は、公正取引委員会の定員を二十九名増加させろ、それから高松に地方事務所を設けろという、その限りにおいては、いま提案されておる独禁法の改正は関係ないのです。ただ財界としては、寡占化を高めようということで、独禁法に穴をあけようという企図を持っていると思うのです。そのよしあしは見るほうによって違うと思うのですけれども、しかし中小企業等に対する非常な影響力を持ってきますので、われわれとしてはこの扱いには非常な慎重を要すべしということで、公取と同じように、これに対しては否定的な立場をとっておるわけであります。菅野さんのお答えによりますと、いわゆるこうした独禁法が資本自由化に即応して改められてもしかるべきではないかというお話のようでありまするけれども、これは非常に影響が大きいのですから、慎重にあってほしいと思うのであります。その点につきまして菅野さんは肯定的な意味検討させようということですから、少し飛躍し過ぎるのではないか、どうですか。
  82. 菅野和太郎

    ○菅野国務大臣 初めに私が申し上げましたとおり、持ち株会社についてはもう少し性格などを検討していきたいということを申し上げたので、ただ平岡委員のあげられた事例については、そういう事例であれば差しつかえないように思いますということを申し上げたのであります。あなたのあげられた事例について、私は、それならいいんじゃないか、いままでのような持ち株会社とは性質が違うんじゃないかというように申し上げたので、公取の診断におまかせするということを申し上げたのであります。私は肯定も否定もまだ言うておりません。
  83. 平岡忠次郎

    平岡委員 こうした問題が具体的に法律案として提案されてきたときにまた議論をすることにしましょう。  さて私がお聞きしたいのは、資本自由化のあらしを前にしまして、大企業のための防波堤づくりにのみ狂奔をされまして、政府日本経済の大きなにない手である中小企業の山くずれ対策に手を抜いておるように思われる。はたしてそうでないというなら、どういう対策を用意されておるか、これを逐一御説明を願いたい。
  84. 菅野和太郎

    ○菅野国務大臣 逐一ということはちょっと問題がありますが、大体大綱だけを申し上げますと、われわれのほうでは、中小企業に影響が多いから、したがって、この自由化の問題を慎重に討議をいたしておるのであります。しかもこれは五年間でいきたいという考えをしておるのであって、お説のとおり自由化については、打撃を受ける、波及を受けるのは中小企業でありますからして、そこでまず体質の改善というようなことをやって、自由化にも耐え得るような素質にしたい、それがためにはあるいは五年かかるものがあるかもしれませんというようなことで考えておりますので、大企業よりもむしろ中小企業に対して特に考えたい。しかし大企業でも自由化によって影響を受けるものがありますから、それがまたひいては中小企業にも関連事業として波及してきますから、そういう問題ももちろんあわせて考えていきたい、こう存じておる次第でございます。
  85. 平岡忠次郎

    平岡委員 菅野さんのお答えから私の受ける感触は、業種別選定について五カ年にわたって逐次実施をしていきたい、かように受け取りました。しかしそういう業種の選定ということだけでなしに、資本自由化の中小企業へ及ぼす影響というものを予見し、法制上それに対抗していかなければならぬことが多々あると思うのです。たとえて言いますと、自動承認の要件として日本の利益に大きな影響を及ぼさないという前提条件がある。そういたしますと、外国のほうで資本の進出をしようとする企業というものは、そのことをよく知っておるから、初めそういう日本の利害関係とあまり影響がないということでやや自動的に承認されるような企業として入ってきます。その後において、一たん日本に進出した業種がほかの部門へ転換して進出してくるという、そういう抜け穴等はふさいでおかなければならぬ、そういう法制上のことをまずやらなければならぬ。また同様に、日本人の役員を、日本側の出資率以上にふやすというような株式会社の定款上の一つの対応のしかたがないかどうか、これもあると思うのです。それからまた割賦販売の規制とか、特許の乱用防止などの面で法制の整備が急がれなければならないと私は思います。また、過小資本の中小企業の場合に起こりがちな経営支配を防ぐために、現在の育成会社政府出資の持ち株会社——私が先ほど申し上げたカテゴリーの持ち株会社じゃないのです。要するに、身売り会社に対しまして、外国資本がてこ入れをするというような名目で、自己の持ち株の比率を上げていくというような事例が現在でもあるわけですから、そういう身売りとか倒産に瀕した会社のてこ入れに対しては、政府それ自体かあるいは業界がプール的にこの資金を集めまして、そして持ち株会社というものをつくって、そこで倒産会社の株の肩がわりをしていく、そして外資からの防衛をはかるというような、そういうことも必要だと思うのです。私が申しますのは、資本自由化に対応して、業種の選定という前に、いま幾つか例を申し上げたような対応のしかたがあると思うのです。そういう点でどういうふうに通産省のほうで対策をお考えになっておるか、ひとつお答え願いたい。
  86. 熊谷典文

    熊谷政府委員 御指摘の点はいずれもごもっともな事項ばかりでございます。他部門進出、それから合弁会社の場合に、株に比例した役員の選任というような問題は非常に大事でございます。これは現在検討しておりますが、外資法の運用で、たとえば他部門進出につきましては、他部門に出る場合は、もう一回大臣の承認を得なければならないというような条件をつけるというような措置をやっていきたい、かような方向で検討しております。  それから、役員の株に比例しての選任も、チェック・ポイントといたしまして、自動承認業種に対しましても、そこはやはりチェックする。そういうものでなければ、比例した役員が出ておらなければ自動承認しない、こういうような形でまいりたいと思います。  そのほか、特許とか割賦金融の問題を御指摘になりましたが、いずれも問題事項でございます。特に流通関係の割賦金融というような問題は、今後の自由化対策としては大事な問題だと思います。ただ、こういう問題は、一気にはなかなかまいりません。先ほど大臣が申し上げましたように、今回の自由化措置は、そういうものがなくてもまあだいじょうぶだというものだけにしまして、今後自由化業種をだんだん選ぶ過程におきまして、いま御指摘のような点は、対策として進めてまいりたい。今後政府自由化措置を決定いたします場合は、そういう問題事項については前向きに検討するのだという形でもってまいりたい、かように考えております。  なお、中小企業で、私ども、今後大事になってまいります問題は、やはり中小企業の資本を充実してやるという問題、それから外資と合弁をいたしました場合に、身売りせざるを得ないというような事態が出ては困るという問題だろうかと思います。したがいまして、先ほど御指摘にありましたように、業界サイドでそういう機関をつくるということも一つの案だと思います。しかし、中小企業につきましては、そういうことはなかなかむずかしいと思いますので、これは今後の問題でございますが、御指摘のように、投資育成会社等の活用の方法があるかどうかということも検討してまいりたい、かように思います。
  87. 平岡忠次郎

    平岡委員 持ち株会社の原資は、開発銀行の目的を改正して、そこから資本投下ができるように、そういう体制を考えているのかどうか。
  88. 熊谷典文

    熊谷政府委員 いわゆる身売り防止のための持ち株会社と構造改善のための持ち株会社と二つあるわけでありますが、身売り防止のための持ち株会社について、大企業については開発銀行の機能の活用を考えたことがあるかどうかという議論も一部にはございますが、私ども考え方としては、まず同業者自体がお互いに考うべき問題である、しかも、これを考える場合に、できればやはり開発銀行でなしに、市銀のサイドの金の活用ということをまず考える、それがどうしてもできないというような段階になって開発銀行の機能の活用を考えるべきである、こういう順序でいま検討を進めておるわけであります。
  89. 平岡忠次郎

    平岡委員 先ほど私からも申し上げ、あなたからの答えもあったわけですが、日本人の役員数を資本の出資比率ではなしに、たくさん持てるようにするということ、これで私自身も少し疑問に思うのは、やはり、日米友好通商航海条約ですか、それのオブスタクルがあるように思うのです。通商航海条約におきまして、第四条のIで、「いずれの一方の締約国の国民及び会社も、その権利の行使及び擁護については、」 「内国民待遇及び最恵国待遇を与えられる。」とあるわけです。私もそういうことをいま聞いたのですけれども、この四条の一項によってそのことが可能ですか。
  90. 熊谷典文

    熊谷政府委員 先ほど私が申し上げましたのは、外資率五〇、五〇という自動承認業種につきましては、役員も半々、これはもう当然の原則でございますので、問題ないと思います。御指摘の、資本比率が五〇、五〇だが、役員はこちらが六〇だ、六割だというような場合に問題が出てこようかと思いますが、日米条約におきましては、内国民待遇という規定はございますが、この根本論といたしまして、われわれとしては、外資規制は日米条約の関係から見てもできる。というのは、議定書六項におきまして、通貨準備の保持のために必要ならば外資規制ができる、こういうたてまえになっております。したがいまして、外資が入ってきます場合に、やるかやらぬかは別でございますが、そういうきめをするということは日米条約の関係から見て不可能ではないと思います。ただ、それをやるのが適当であるかどうかという別個の問題はあろうかと思いますが、日米条約違反ではない、かように解釈いたしております。
  91. 平岡忠次郎

    平岡委員 いまの御答弁に対しては、しっかりやってくださいと言うよりほかはありません。  そこで、この問題の最後にお伺いしたいのは、中小企業の問題の焦点はやはり金融政策なんです。そこで、資本自由化に対応する中小企業向けの金融対策としてどういうことを考えているのか、この点をお答えいただきたいと思うのであります。現在の金融体制のままでは、中小企業金融は大きく阻害されているのが現実であります。そのために効率のよい大規模な設備を入れることができずに、生産性の向上が遅々として進まない、これが日本経済の二重構造をいつまでも解消できない原因でもあります。もっとも、そう申しても、中小企業向けの、中小企業を対象とした金融機関がないではないが、しかし、採算制から中小企業への資金供与を漸次閉鎖的に追い込んでいるのが実情でありまして、看板に偽りがあるというのが実情であります。なぜこうなるかといいますと、金融機関の企業としての現実面にメスを入れまして、抜本的に看板どおりの業務に精励できるように種々の特典を与えるよう政府として取り組まなくてならない、こういう要因があるからであります。そこで私がお伺いしたいのは、聞くところによりますと、金融制度調査会の中に中小企業金融制度部会が設けられまして、四十一年末からことしにかけて、相互銀行を改組して無尽掛け等はこれを取りやめさせ、中小企業専用の普通銀行に直すというような構想があるやに聞いておりますが、この点についての進渉状況、真否いかんという点につきましてひとつお答えをいただきたい。
  92. 影山衛司

    ○影山政府委員 先生御指摘のように、現在金融制度調査会におきまして民間の中小企業専門金融機関、すなわち相互銀行、信用金庫及び信用組合について、中小企業金融機関としていかにあるべきか、あるいは組織、運用の点をいかに改正をしていくかという点につきましての議論が行なわれておる段階でございます。これは昨年の六月から特別委員会を開いて議論をいたしておるわけでございますが、まだ委員会内部で試案が二、三出ておりまして、それを中心にいたしまして議論が行なわれておる段階でございますが、いずれにいたしましても、この民間の中小企業専門の金融機関の機能を充実いたしまして、中小企業金融が安定をして、しかも中小企業に適した金融が行なわれるようにという基本方針のもとに議論が行なわれておるような状況でございまして、まだ具体的な問題につきましては結論は出ていない段階でございます。
  93. 平岡忠次郎

    平岡委員 中小企業対策という問題は古くして新しい問題なんですが、政府自身の態度はそう身を入れてないということが実態なんです。私は今度資本自由化を契機として本腰にやってもらいたいと思うのです。私はここであえて指摘したいのは、同じ自由化の波をかぶる中小企業に対する指導方法、指導方針というものが、たとえば特定繊維工業構造改善臨時措置法案に見られるごとく、過剰設備廃棄という方向がとられております。すなわち、まつわりつく弱小中小企業を切り捨てるという非情なものでありまして、大企業向けの防波堤づくりといささか趣を異にしているのは非常に残念であります。自由民主党政府の、弱いものに対してはあくまでも強く、強いものに対してはあくまでも弱いという姿勢が出ておるわけでありまして、たいへん私は遺憾に存ずるわけであります。特にお経の十二ページ以下十四ページにかけまして、中小企業の画期的拡充強化と銘を打って中小企業の構造改善をうたっておりますけれども、いたずらに改善等に名をかりまして、特殊法人の乱設ばかりが目につくわけであります。しかばねにたかるハゲタカの跳梁の感あることをいなめないのでありまして、まことに残念しごくであります。私はそういう意味におきまして、やはり役人さんのほうも公団をつくり事業団をつくってもよろしいですから、そのつくった価値のあるようなビヘーブのしかたをしてもらいたいです。どうもハゲタカが寄ってたかって中小企業のしかばねをつつくというような印象を、この際払拭していただきたいのですが、どうですか。
  94. 菅野和太郎

    ○菅野国務大臣 中小企業の今後の行き方についていろいろ御示唆をいただいたのでありますが、私はこの中小企業の問題につきましては、最初に申し上げましたとおり、今回はひとつ根本的に中小企業の対策を講じたいということで、中小企業振興事業団をつくったりなんかして、いろいろな案を考えておりますが、要はやはりそれの運営いかんだということが平岡委員のおっしゃりたいところだと思うのです。事業団をつくっても、運営がまずかったら何の役にも立たないじゃないかということをおっしゃっていらっしゃるのじゃないかと思うのでありますが、私も全く同感でありまして、まあこういうような事業団とか、公社、公団というものは、それができ上がると、運営についてはとかくの非難があるのでありますからして、今後はそういう非難のないように運営したいということで、その点については私のほうもきびしく戒めておりまして、せっかくつくった以上は、その目的が達成できるように運営をしたいというように指導していくつもりであります。
  95. 平岡忠次郎

    平岡委員 公団等の乱設について私はいま申し上げましたが、四十二年度の通産省政策の中でも、これに関する公団、特殊法人の乱設が目立ちます。いま私が申したとおりであります。拾い上げてみますと、石油開発公団、中小企業振興事業団、貿易大学校、繊維工業構造改善事業協会等これであります。  そこで私が資料として実は要求したいのですが、その点につきまして何か差しさわりがあるとか、そうまでせぬでもということがあるならば、それは委員長と野党の理事の間でお話をしていただいてもいいのですけれども、私としましては、通産省OBで公庫、公団、事業団、特殊法人の役員にいままでもぐり込んだ人員と、その全役員中に占める比率、同じく課長以上の高級職員についてやはり各種の事業団等に送り込まれた人員と、その全高級職員の中に占める比率に関する何か一覧表的なものを、公開的に扱うか、閉鎖的な扱いにするかは問いませんけれども、ひとつぜひ委員会委員には配ってもらいたいという気がいたします。わかりやすく言うならば、ハゲタカの群生分布図であります。口の悪いのはひらに御容赦いただきたいのですが、この点につきまして大臣の御見解、それから委員長のお取り計らいをどうされるかということにつきまして御答弁をいただけたら幸いです。
  96. 菅野和太郎

    ○菅野国務大臣 いま平岡委員から御要望のありました資料は提供いたしますから、あとで作成してお配りいたします。  それから石油公団、中小企業振興事業団のことについて、公社、公団ということでお話がありましたが、石油公団は石油資源株式会社を発展改組したもので奉ります。それからエネルギー対策として国家百年の大計を立てるという意味において、この際、石油については根本的な対策を講じなければならぬということで、石油公団をつくることにいたしたのであります。それから中小企業の振興事業団は、これは近代化の問題、あるいは指導センターという既存のものを事業団として発展改組したものであります。そういう意味で公団、公社を認めることができたのであります。貿易大学校やそれから繊維の問題は、これは公団、公社ということより、多少性格を異にいたしておるものであります、そういう意味で繊維のことは御承知のとおりいま何とか手を打たなければならぬ時期に来ておりますので、そこで思い切ったああいう対策を講じたのであります。貿易大学校のことにつきましては、貿易を発展せしめるためには、やはり有能な貿易人をつくらなければならぬということで貿易大学校をつくることにいたしたのでありまして、それぞれみな重要な目的をもってつくったのでありますからして、どうかその点はひとつ御了承をお願いしたいと思います。
  97. 島村一郎

    島村委員長 委員長といたしましては、いまの御発言善処してまいりたいと思います。
  98. 平岡忠次郎

    平岡委員 では第二の質問、すなわち公害問題につきまして逐次御質問をいたしたいと思います。  本日公害基本法が閣議決定をされたそうでありますが、その全文が本日の東京各紙に出ております。それを拝見いたしまして、率直に申して、公害防止の重要性にもかかわらず、提案された公害対策基本法案は総花的で、各省のセクショナリズムの奇形児的申し子たるの観があります。  私、第一に政府当局に申し上げたいのは、健康優先が後退をしまして、産業振興との調和をはかるという点で取りまとめられたこと、これはたいへん遺憾なことだと思います。すなわち右の法案の冒頭の目的に「国民の健康を公害から保護するとともに、経済の健全な発展との調和を図る」ということがうたってありますが、聞くところによりますと、これが各省の、特に通産省と厚生省との妥協の産物である、このように聞いておりますが、現時点における公害の重要性に徴しまして、こうしたセクショナリズムはたいへん残念であります。公害対策は失われつつある人間を取り戻しまして、人間を大切にしなければならない方向に政治の取りかじをとっていくということにあったと思うのです。池田内閣の経済成長政策以来、金が人間を支配し、物が人間を疎外する現代社会の悪弊というものが、住宅難、受験地獄、交通戦争、わけても都市並びにコンビナート地域をおおう公害に端的にあらわれております。金もうけ本位の生産の増大は社会の健康と生活安定を犠牲にし、経済成長の中で人間の幸福は片すみに追いやられております。この主客転倒は急速に回復されなければならぬと思っております。  したがいまして、公害対策は生産主義にぶつけるアンチテーゼとしての生活主張でなければならぬはずであります。今日の公害急迫の段階で、アンチテーゼを通り越してジンテーゼを装ったところの対策が出てきたことはまことに残念でありまして、両者の調和は、私はとるべきではないと考えております。これが私の主張であり、野党の主張であり、国民の良識の主張であると思っております。この視点から質問を展開したいのであります。  私はその前に、公害、すなわちパブリック・ニューサンスの翻訳語だろうと思うのですが、むしろこの用語は問題の所在を抽象化してしまっておりますので、直截に、一、大気汚染防止対策、二、水質の汚濁防止対策、三、騒音防止対策、四悪臭の防止対策等の各論的課題をそのまま掘り下げるような提案をすべきだと私は思っております。そうでないと、公害一般というようなことで何とか各省のセクショナリズムを適当にあんばいしてまとめ上げたということで、内容がなくなるのであります。その点が私は遺憾でありまして、法案が出てまいりますればそのときに大いに議論をしなければならぬということを思っておりますが、とりあえずきょう閣議決定をされたというので、この公害問題において当面の責任者の一人である通産大臣の御所見をお伺いしたいと思っております。私に与えられました時間が制約されておりますから、私の骨子とするところを申し述べまして、総じて一番重要な大気汚染の一点にしぼりまして政府の所見をお伺いしたいのであります。そのためにもう少しく私の論述を進めます。  話が理に落ち過ぎましたので、私の見聞した外国例をあげてみることにいたします。  まず第一にロンドンにおける公害問題の現状であります。水質の汚濁対策はすでに完了している。テームズのタワーブリッジ付近にはマスの銀鱗が見られるようになったことはつとに報ぜられているとおりであります。私の調べによりますと、テームズの支流が七つありまして、この七つが本流と合流する地点にはそれぞれろ過装置が設けられており、本流への流入が最終的に浄化されておる、これが実情であります。これより先、支流への工場の廃液の流入等は厳格なる処理基準によって無害なものとされていることは論をまたないのであります。  大気汚染の防止につきましては、ロンドンが寒冷地にあるために、家庭用ストーブによる大気汚染は従来著しかったのでありますが、条例によりまして無煙炭以外の禁止、それから住宅の高層化に伴う石油ストーブの普及化で、石炭スモッグはいまや皆無となりました。工場の煙突から吹き出るばい煙も、たとえばロンドンの都心にある火力発電所のもうもうたる煙が、実は煙ではなしに無害の水蒸気になっておりまして、すべて蒸気による沈下で大気汚染と無縁なものになっております。ただ一つ残る問題は自動車の排気ガスであると聞きまして、さすがに英国政府はこの問題では進んでいるというのが私の受けた感じでもあり、調査結果であります。  米国について申しますと、水質の汚濁は解消済みであります。排気ガスの大気汚染などがやはり問題となっております。  米国の場合には、ニューヨーク・パターンとロサンゼルス・パターンとの二つに区分して、それぞれの対策を研究中であるといわれております。ニューヨーク・パターンとは、工場排気ガスすなわち亜硫酸ガス対策でありまして、ロサンゼルス・パターンとは自動車の排気ガス対策を言うのであります。  ロサンゼルスの場合、日本の場合の一酸化炭素の害悪及び不飽和炭化水素害悪とは違いまして、気候高燥という特殊な事情から、一酸化窒素NO、二酸化窒素NO2の害悪となってあらわれている点が特色でありまして、まず目をやられる、また自動車のタイヤの亀裂を生じがちであること、視界が悪くなることにより、交通公害を派生するという現象が生じておる。こういう実情であります。  二国の例に徴しまして、水質の汚濁対策日本ではいまだきものとはいえ、そう奥行きの深いものではありません。政府のやる気だけの問題であります。結論的に、二国同様、自動車排ガスに徹底的に取り組まなければならないと思います。この法案に見られるセクショナリズムの集大成など、官僚のデスクワークにあらずんば遊びごとであって、この法案自身が羅列的であるという点を指摘したのはそういう点にあります。問題の焦点というものは、いまや排気ガスの対処のしかたということに合わされなければならぬと思っています。そこで熊谷企業局長から、私の所論に対しまして御所見を伺いたい。公害対策の基本は何であると心得ておられるか。この点についてのあなたの所見を伺っておきましょう。
  99. 熊谷典文

    熊谷政府委員 通産省といたしましても公害問題に前向きに取り組むべきであるということは当然でございます。  先ほど御指摘になりました公害基本法でございますが、先生承知のように、やはりこの中に一おきましても国民の健康というのが最優先のものであるという考え方でございます。経済との調和を考えましたのは、国民の健康以外の生活環境、そういうものにつきましては、経済との調和というものを考えたらどうかということでございます。したがいまして、われわれとしては国民の健康が一番大事である、こういうふうに考えております。  それから、基本法は羅列的で抽象的である、これは御指摘のとおりでございまして、基本法の性格上そうならざるを得ないと思います。問題は、この基本法に基づきまして、先生が御指摘になったような点をいかに各省が協力して具体化していくかという点に問題があろうかと思います。大気汚染の問題が出ましたので、例として通産省考え方を申し上げますと、私どもとしましては、大気汚染でやりたいことは、まず既存の都市とそれから新しくできる都市と分けて考えたい。既存の都市につきましては、一つは、大気が汚染しない、あるいは硫黄が出ないような技術関係の対策、技術開発をやらなければいかぬ。それと同時に、それにあわせまして、いまいわゆる排出基準というのがございますが、それを強化していく、こういう方向をたどってまいりたい、かように考えております。それから、新しい都市につきましては、やはりそういう公害を出す工場が過密するというところに問題がございますので、現在、通産省としては各省と連絡をとりながら、立地の適正化法案を用意しております。これは、そういう公害の出るおそれのある地区を指定いたしまして、そこにつきましては工場の立地を規制する、こういういわゆる予防的な措置をとってまいりたい、かように考えております。  なお、御指摘のいわゆる排気ガスの問題でございますが、これまたやはり技術的な問題がございますので、今回、通産省といたしましても、試験所に特別にこういう面の技術開発をやる部署を設けまして、真剣に取り組んでまいりたい、かように考えておるわけでございます。  そういうふうに、われわれといたしましては、やはり技術の問題がございますが、それを解決しながら着実に前進したい、かように念願しておるわけでございます。
  100. 平岡忠次郎

    平岡委員 熊谷企業局長の御答弁のよって立つ根拠というものは、特定地域における公害の防止、第十八条を言っておられると思うのです。これによりますと、「内閣総理大臣は、次のいずれかの地域について、その地域で実施されるべき公害防止計画の基本方針を示し、関係都道府県知事に対し計画の策定を指示するものとする。」としまして、一つは「現に公害がいちじるしく、かつ公害の防止策を総合的に講じなければ、公害の防止を図ることがいちじるしく困難であると認められる地域。」既存の地域。次の第二番目として「人口および産業の急速な集中等により公害がいちじるしくなるおそれがあり、かつ公害の防止に関する施策を総合的に講じなければ公害の防止を図ることがいちじるしく困難であると認められる地域。」将来地域、この二つの点が書いてあります。しかし私はこういう固定した地域ではなしに、動くところの公害、自動車の排気ガスというのは、先ほど申した英国と米国の例によるごとく、最終的に最後に残され、解決を迫られる問題であるということ。しかく非常にむずかしい問題だということ。したがって、重点はここに置かなくちゃならぬ。地域的に現在悪いところ、将来も悪いであろうところの地域なんて言っていることは、問題の本質のとらえ方をあなたが間違っている、さように思うのであります。少なくとも、間違っておらぬまでも、研究が足らぬし、問題の焦点をはずした考え方でおられることが通産省の時代おくれだということを指摘せざるを得ないのであります。  さて、私はそのような意味から廃ガスの問題について、私の所見を逐次述べて御参考にしていただきたいのであります。  大気の汚染というものは、まずカテゴリーを二つに分けまして、工場廃ガス防止ということが一つあると思います。これにつきましては、抜本塞源的に硫黄分の除去についての化学的開発、これが必要であります。  それから第二といたしましては自動車の排気ガスでありますが、これにつきましては、完全燃焼装置ないしろ過装置の開発。しかし私の考えでは、最も有効なのは、ガソリン使用をやめて、プロパンないしブタンガスに転換が注目されなければならないと考えております。特にプロパン化は、輸入液化天然ガス及び石油精製過程から得られる一酸化炭素と炭化水素の適格量のものをもっていたしまして、石油化学系統のいわゆるプロパンガスは、その実におきましては有害度の強いリタンガスであるから、こういうものは禁止しなければならぬと思っておるわけでございます。自動車にはこれを使用させないという法律制定に踏み切らなければならぬと思っております。東京都をはじめ都市排ガスの加害は、誇張した表現で言いますれば、もはや人間の住み得る限界に近づきつつあるのでありますから、公害対策の力点はあげて自動車の排気ガスに集中すべきであると思うが、政府の考えはどうでありましょうか。鉱山局長、重工業局長厚生省環境衛生局長からそれぞれ御所見をお述べいただきたい。
  101. 両角良彦

    ○両角政府委員 ただいま御指摘のございましたように、LPGを使用いたします場合の大気中の排気ガスにおきまする一酸化炭素は、ガソリンの場合よりも少ないということは事実でございます。今日では大体営業用乗用車の六割がさような意味でLPG車に転換をしておるといわれております。今後も、現在のガソリン価格とLPG価格との比較から見まして、LPGが割り安につきますので、営業用乗用車もLPG車に転換をしていく動きが続いてまいるものと私どもは考えております。したがいまして、鉱山局といたしましては、さような場合のLPGの供給という点については万全を期してまいりたい。あわせまして、ただいま御指摘いただきました石油化学の工場等から出ます有害でありますガスは他に転用をいたしまして、乗用車にはさようなものは向けないというような行政指導をいたしておる次第でございます。
  102. 橋本道夫

    ○橋本説明員 自動車の排気ガスの点の御指摘でございますが、ばい煙規制法制定以来、厚生省で調査いたしまして、現在の段階におきましては、道路条件が非常に悪くて自動車が急増したということによって、一酸化炭素の汚染が対策を必要とするという段階に高まってきておる、そういうぐあいに考えております。一酸化炭素の汚染につきましては、すでに昨年の秋以来、運輸省のほうで自動車の新型車の規制が始まりまして、本年の秋から新型車の規制が始まるということでございまして、規制の一部が始められたというように私どもは判断いたしておりますが、まだその実績がいかがかということにつきましては、自動車の車両の増のほうが大きいので、なかなか鑑定しがたいと思っております。ただ、道路を改善いたしますところは非常に顕著に一酸化炭素が出るということを私ども把握いたしております。  もう一点、いま御指摘のありました窒素の酸化物、酸化窒素でございますが、現在日本の道路は自動車がよく走れませんので、ロサンゼルスの自動車の排気ガスの三分の一でございます。炭化水素のレベルにおきましては、これは同等程度と思われますが、このプロパンの自動車から出てくるガスということにつきましては、COについてはかなりいいということを私ども感じております。その他の面につきましては、非常に刺激性の、不飽和の炭化水素が出てくるということで、必ずしもそれがすべていいかどうかということにつきましては、今後の判断にまたなければならないと考えております。そういう点で今後自動車につきましては、排気ガスの規制を現在同様に進めていきますと同時に、道路条件を改善をしていただくということを期待しつつ、厚生省としては今後基本法にございます環境基準ということを法律上制定していくという手段をとって、自動車の規制についての強化、あるいはより進めるということについても要望いたしたい、そういうぐあいに思っております。
  103. 平岡忠次郎

    平岡委員 大体の各省の技術関係の方々の合意できるところは、プロパンとかブタンのほうが普通ガソリンより、自動車排気ガスについての公害の視点から見るならばはるかにベターであるということが言えると思うのです。  そこで、私、最後に大蔵省の主税局の代表にお伺いをし、注文をつけたいことがあります。それは、プロパンガス課税とガソリン課税との均衡論というごとき観点から、公害の焦点である自動車排気ガスについては、もっと視野を広げての議論が主税局においてなされなければならぬと思っておるわけであります。プロパンヘの転用が公害から国民健康を守る一大要件であり、焦眉の急務であるという見地に立ちまして、現在大蔵省におきまして租税法案として審議されておりまする二カ年間キロ十円の暫定軽減税率を、予定のことしの十二月からさらに二カ年だけ延長するがごときちっぽけなからに閉じこもることではなしに、自動車用燃料としてのガソリン使用はこれを全廃して、プロパン取りつけを全面採用せしめるよう、プロパン、ブタン課税をこの際撤廃すべきであると思うがどうか。しかし、きょう来ておられるのは政府説明員でありまして、その権限を持たないと思うのです。そこで右の答弁は得られないと思うのでありますが、上司である塩崎局長を通じて、大蔵大臣の確たる答弁を近く本委員会に寄せられたいと思います。一応大蔵省主税局の代表者からの見解を承っておきたいと存じます。——委員長、大蔵主税局長あるいは大蔵大臣から私のいまの要望的質問に対しまして、的確な回答を近く寄せられることを委員長におきまして取り計られんことを強く要望いたしておきます。  これで大体私のきょうの質問を終わりまするけれども公害問題につきましての焦点を見失わないでほしいのであります。緑を枯らし、せっかくの五月の空を暗くし、小鳥も魚も追っ払って、何のための金もうけということになります。公害にむしばまれるのは美しい自然だけではなしに、人間の肺、のど、はだから思考力にまで黒い手を伸ばしてきております。この点は非常に重大な問題でありますので、各省のばらばらな変なからに閉じこもってのことでなしに、やはり公害対策の焦点は生産よりも生活をという、その基本方針を徹底的にひとつ念頭に置かれまして、今後の御善処を期待してやみません。
  104. 島村一郎

    島村委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は明十七日水曜日午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後二時五分散会