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1967-06-20 第55回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年六月二十日(火曜日)     午後零時三十九分開議  出席委員    委員長 田原 春次君    理事 天野 光晴君 理事 池田 清志君    理事 細田 吉藏君 理事 湊  徹郎君    理事 渡辺 栄一君 理事 佐野 憲治君    理事 神田 大作君       井出一太郎君    内海 英男君       熊谷 義雄君    坂本三十次君       羽田武嗣郎君    葉梨 信行君      三ツ林弥太郎君    水野  清君       阿部 昭吾君    神門至馬夫君       中澤 茂一君    平等 文成君       渡辺 芳男君    稲富 稜人君       小沢 貞孝君    沖本 泰幸君  出席政府委員         建設省河川局長 古賀雷四郎君  委員外出席者         大蔵省主計局主         計官      嶋崎  均君         農林大臣官房参         事官      太田 康二君         農林省農林経済         局金融課長   今村 宣夫君         農林省農地局建         設部災害復旧課         長       松井 芳明君         建設省河川局防         災課長     坂井 秀正君     ————————————— 六月二十日  委員仮谷忠男君、佐藤孝行君、山口敏夫君、伊  賀定盛君及び鈴切康雄辞任につき、その補欠  として葉梨信行君、羽田武嗣郎君、井出一太郎  君、平等文成君及び沖本泰幸君が議長指名で  委員に選任された。 同日  委員井出一太郎君、羽田武嗣郎君、葉梨信行君  及び平等文成辞任につき、その補欠として山  口敏夫君、佐藤孝行君、仮谷忠男君及び伊賀定  盛君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  委員派遣承認申請に関する件  昭和四十二年五月以降の干ばつ及び降ひょうに  よる災害対策  長野小諸周辺集中豪雨等による災害対策      ————◇—————
  2. 田原春次

    田原委員長 これより会議を開きます。  災害対策に関する件について調査を進めます。  本日は、昭和四十二年五月以降の干ばつ及び降ひょうによる災害対策、並びに長野小諸周辺集中豪雨等による災害対策につきまして調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。井出一太郎君。
  3. 井出一太郎

    井出委員 災害対策特別委員会におかれましては、長年月にわたって、松代地震災害等にまことに適切な措置をお講じくださって、地域の一同たいへん感謝いたしておりますが、また、その同じ長野県の東信地帯に、先ほど陳情をお聞きくださいましたような相次いでの、一つ集中豪雨による鉄砲水と称せられる災害があり、わずか二日おきまして大降ひょうがございました。たいへんな被害があったわけでございます。  本年は、異常気象を叫ばれてまいりましたが、同じ長野県において、北信と称せられる地帯には水の被害が出ておりますし、南信といわれる方面には干害がこれまたはなはだしい、こういったまことに皮肉な運命に見舞われておるような次第でございます。  私は、きょうは、以上申し上げましたように、この集中豪雨降ひょうの二つの問題に限定をいたしまして、主として事情の開陳をいたし、あえて答弁までここで求めようとはいたしておりません。  そこで、十六日の集中豪雨でございますが、ごく限定された地域でございますが、二時間に百ミリ近いものが降っておるという記録であります。この浅間山麓地帯火山灰土でございますから、土質がまことに脆弱でありまして、保水力が至って乏しい。その付近は乱伐、過伐をいたしたということもあり、開墾地に転用したというような場所もございますが、私、現地を二日ばかり見て回りまして思いましたのに、必ずしも林木伐採ということだけではなくて、やはり未曾有の降水量であったということが主たる原因でございましょう。土地の古老は、延宝何年か——約二百年前、こういった大きな水害を受けたということを、伝説として聞いておるというふうなことでございます。近年は、私も二十年余り政治に携わっておりますが、そういうことは絶えてなかった。その名も優にみやびやかな乙女川といったような、常日ごろは清流がせせらぎの音を立てておるというような川に、一瞬にして鉄砲水といわれる異常出水がございまして、家屋あるいは人命にも損傷がございましたことは、お聞き及びのとおりでございます。この地帯は高冷地ではありまするけれども、水田の反当収量はたいへん高いところでございまして、谷間を縫って美田を開いておるのでありますが、これらが一瞬にして壊滅状態に相なりました。何とかしてどろの中から苗を起こして、そして収穫の秋にというような気持ちで、御婦人方がたんぼで、一時はぼう然として、一時は気を取り直して——私はそのようなことをしてもむだだとは思うけれども、まあ子供かわいさと同じような気持ちが農村の婦人の心情でありまして、涙なくしては見られない状態であったのでございます。  明細な被害数字については、書面をもってお手元へお届けをすることにいたしますが、災害が、農林関係公共土木被害農作物等々にわたりまして、十数億というふうな計数が発表されておるのであります。  それからわずか二日を出でずして今度はこの山麓一帯を見舞った雷雨並びに降ひょうでございますが、先ほど軽井沢、御代田両町の代表が陳情されましたが、範囲はそれのみでなくして、小諸市、さらに小県郡東部町、真田町、川西村、これら一帯にわたっておりまして、けさの新聞に伝える被害高は、それを合わせると十八億円にのぼる、こういうふうに報道されておるのでございます。  この地帯は、特産である高原蔬菜を産出する地帯でございまして、京阪神あるいは東京地方における生鮮蔬菜一大給源地になっておるのでございまして、最近は、レタス一箱千円以上もする、こういった状態のもとに、出荷直前の結実まぎわの畑が、もう見るもむざんにピンポン玉の大きさのひょうによって痛めつけられたわけでございます。私は、その翌朝直ちにかけつけたのでございますが、まだ家の軒下にはひょうがたまっておりまして、氷が置いてあるような状態でございました。あるいはカンランのごときは、これはすっかり結球しておりまして、相当かたいのでございますが、これがひょうに打たれまして、全くささくれ立って、見るもむざんに口があいたままのカンランが畑一面にある、まことにさんたんたる被害でございますが、それにもかかわらず、農民諸君は消毒に立ち向かっておりました。いまさら消毒しても、これは売りものになるはずはございませんが、聞いてみると、それから腐れが入る、伝染病等が発生してあとたいへんである、言うならば、アフターケアのために薬剤を散布するのが、その地方農民の当面の仕事であるというわけでございます。この高原蔬菜というものは、かなり肥料を食うのでございます。単に金肥のみならず、堆厩肥をふんだんにまず基肥として入れないと、味わいのいいものがとれないということでございまして、相当な資本と労力がつぎ込まれている。これが一朝にして壊滅状態になったということであります。ですから、この二日間に同一地帯がまるで往復びんたを食らったようなかっこうで、わずかな地域ではありますけれども、合わせれば三十億からというような、とても地方農民の肩に背負い切れない大きな被害が、ここに生じておるわけであります。  そこでお願いいたしたいことは、従来の先例もあります。したがって、一応災害対策としては型にはまっておるように私も承知いたしておるのでございますが、できるだけ査定をお急ぎいただきまして、その被害の実態を計数的に十分把握していただくと同時に、これが対策にひとつ万遺漏なき措置お願いしたいわけでございます。すでに農林省建設省もそれぞれ係官を派遣してくださっておるような次第でございますが、願わくは当委員会におかれましても、東京から三時間程度の距離でございますから、日帰りも可能でありまして、しかるべく委員の御派遣等をちょうだい願えれば、まことにしあわせでございます。  さらに、これはすでに災害に関する立法措置ができておりまして、それに乗せれば、自動的に復旧措置は講ぜられることではありましょうけれども、地元では、災害激甚でありまするから、激甚地指定でありますとか、あるいは天災融資法などが発動できるようにというふうな期待をしておるのでございます。長野県といたしましては、災害救助法を出しまするのには、人命あるいは家屋等被害はそれほどでないがために、災害救助法発動に準ずる措置で万事扱っておってくれます。それから、自衛隊のほうではさっそく出動してくださって、約六百名の自衛隊諸君が、農民とともにどろにまみれて営々として復旧を取り急いでおってくださるようでございます。  大蔵省もお見えですが、これは規矩準縄というものがあるかもしれませんが、そういう点は、地域の住民が何とか立ち直ることができまするように、特段の御配慮をちょうだいいたしたい次第でございます。  以上、お願いが主でありますが、地元のゆえをもちまして発言をいたした次第でございます。お取り上げいただければしあわせでございます。
  4. 太田康二

    太田説明員 ただいま井出先生からお話のございました今回の長野水害、それに引き続くひょう害につきまして、被害を受けられた農家の方々に対しては、たいへんお気の毒であると申し上げるほかないわけでございます。先生お話の中にもございましたように、私ども、さっそく十九、二十の二日間にわたりまして関東農政局係官を派遣いたしまして、現地における被害実情調査並びに災害復旧指導ということに当たらせたのでございます。  なお、対策といたしましては、先生も申されたわけですが、いろいろな従来の例もございまして、今回水害等でやられました農地農業用施設等につきましては、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助暫定措置に関する法律という法律に基づきまして、それぞれ措置をいたすことになっておりますし、農作物被害等につきましては、ひょう害等の場合におきましては、先般も申し上げたわけでございますが、もちろん、一連の気象条件でこれをどういうふうに見るかという問題はあるわけでございますが、最近におきます県の被害報告並びにわれわれのほうの統計調査事務所被害集計等も漸次まとまりつつございまして、これらによりますと、一応相当な額になるということは判明いたしておりますので、前回も申し上げましたが、天災融資法発動につきましては、前向きの方向で検討いたします。統計数字が最終的にまとまった段階で処理をいたすということにいたしておりますので、いまの段階ではそう申し上げるほかないわけでありますが、天災融資法発動になりますれば、当然自作農維持資金等につきましても特別ワクをつくりまして、災害地の皆さまの融資に充てるということも考えておるわけでございまして、被害地災害復旧の万全を期してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  5. 中澤茂一

    中澤委員 関連答弁は要らぬけれども、建設省はもう被害額まで出してあるんだから、やっているんだろう。農林省農政局をつくって二重行政になったから、ぼくがいつも文句言うように、もたもたしているんだよ。こういうものは迅速を要するのですよ。農民は非常にぼう然自失しているときなんだから、作報を動員して至急被害額を出して、激甚が適用できるならできると早くきめてやらぬと、手のつけようがないんだよ。一年じゅうの収穫を全部やられちゃっている。高原野菜よりほか収入がないところなんだからね。建設省はもう数字を出してきているじゃないか。だから、農林省はいま少し早く査定をやって、現地作報を督励して至急被害額を出さして、天災融資法の適用になるのなら、なる、激甚指定なら激甚指定と、早くきめてやらぬと……。そういう点をあなたに御注文だけして、もたもたしていないで早くやってもらいたい。それだけ要望しておきます。
  6. 古賀雷四郎

    古賀政府委員 ただいま井出先生からお話がありました長野県の小諸市、御代田町の災害につきましては、たいへん被害甚大でお気の毒に存じます。  この気象概況を申し上げますと、浅間山の南山ろくに六月十六日の夕刻から局地的な豪雨がございまして、連続雨量は、これは三時間でございますが、百十ミリ降っております。なお、最大時間雨量としましては、十九時三十分から二十時三十分まで八十二ミリという非常に大きい数量でございまして、小河川のはんらんによる被害が多かったと考えます。  そこで、地域的に見ましても、浅間山ろく火山灰質の土壌でございまして、非常に不安定なものでございますが、それに先ほど申し上げたような豪雨を受けて被害をこうむったということでございまして、ただいままで私らが承知しました額は、被害額としまして六十四カ所、五億三千八百万程度被害をこうむっております。そのうち河川が四億九千万、それから道路が三千七百万、橋梁が一千百万、合計五億三千八百万ということになっております。おもな河川としましては、繰矢川、繰矢川支川乙女川、北川吉田川でございまして、それぞれ全長が、繰矢川につきましては五キロメートル、支川乙女川につきましては二キロメートル、北川につきましては三・七キロメートル、吉田川につきましては一・四キロメートルという区間にわたりまして相当被害を受けておりまして、それぞれ現地係官をすぐ派遣いたしまして、一定災または災害関連等によりましてこれを急速に復旧するようにいたしたいと考えております。なお、道路につきましては、県道の馬瀬口から小諸線は十七日に交通を確保いたしております。それから追分−小諸線も交通可能な状態になっております。ただいまそういう報告を受けておりまして、県に対しましては直ちに現地係官を派遣しまして、災害復旧方法指導等に当たらせましたが、県の設計がまとまり次第査定を行ないまして、予備費等配賦を受けまして復旧にかかりたいというふうに考えております。
  7. 嶋崎均

    嶋崎説明員 私は、建設担当でございませんけれども、私のほうも、農林省なりそれぞれの省から連絡を受けましたら、さっそくに災害対策が円滑に実施されるようにしていきたいというぐあいに思っております。
  8. 田原春次

    田原委員長 小澤負孝君。
  9. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 長野県の災害対策委員会みたいでたいへん恐縮に存じます。いま農林問題の大先輩井出先生の特に要望の一つ天災融資法発動について、前回災害対策特別委員会においても、天災融資法発動については前向きで御検討をいただくということでしたが、依然として今日においても変わりないわけです。いままでの天災融資法発動条件というのは、国民経済に甚大な影響を及ぼすこと、こういうふうにお聞きしておりました。その額というのは幾らかというと、三十億程度でしょう。それをいま少し何とかならぬものかというので、中澤茂一先生稲富稜人先生がさんざん前の災害対策特別委員会お願いをして、前向きの姿勢で検討をする、こういうことであったわけです。  そこで、この佐久地方ひょう害十八億というものが——これは現地市町村の大体想定だろうと思いますが、そういうものをプラスされれば、いままで被害調査された上に新たに十八億が——多少サバを読んだとして十五億くらいとしても、もう当然天災融資法発動だ、こういうことになって、きょうの委員会あたりでは、そのくらいな言明があって当然だと私は思うのです。私はざっくばらんに申し上げて、農民は金を借りることを好みません。ただ、いろいろ干害だ、災害だというときに、県内の地方版なんか見ると、多いときには、県会においても市町村会においても、天災融資法発動してもらう、こういうようなことが新聞の大きな記事になるわけです。そういうときに、いち早く国会においては天災融資法発動になった、こういうことをすることが生きた政治だ。いま水がなくて困って、コイがぱくぱくしているところに水を流してやる、こういうことだと思います。統計事務所が一月も一月半もかかって調査をして、忘れた時分に天災融資法発動といったって、それは農民のためにほんとうに生きた政治をやっているんだ、こういうことにならないわけです。何だ、この国会政治資金や健保や、それきりのことで、百姓のことを忘れているじゃないか、こういうような印象を受けたから、せっかく大先輩の元農林大臣も聞いておるし、さんざんそういうことをやっている諸先生がいるのだから、ひとつこの委員会において、前向き前向きと言ってないで、言明をしていただきたい、こう思うわけです。
  10. 太田康二

    太田説明員 ひょう害につきましては、五月十四日に始まりまして、五月の下旬、六月に入りましても、ほとんど毎日各地に起こっておるような実情でございます。私のほうの天災融資法発動いたします場合の考え方といたしまして、一応統計調査事務所数字というのが基礎になっておるわけであります。これがおそいじゃないかという中澤先生のおしかりもいただいたわけですが、私のほうももちろん統計を督促して、できる限り早く被害調査をしろということをお願いいたしておることは、申し上げるまでもないわけでございまして、先ほども申し上げたわけでありますが、漸次被害集計もまとまりつつあるわけでございます。そういったことで、五月の中旬から六月の今日に至るまでの間のひょう害を全部まとめて天災融資法対象にしようということで、若干おくれておりますが、これらをまとめますれば、ただいま小澤先生のおっしゃいましたように、相当の額になるということも大体明らかでございますので、天災融資法発動するということで御理解をいただいても間違いはないというふうに考える次第でございます。
  11. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 たいへんありがとうございました。それではもうその問題は抜きまして、次に移りたいと思います。  激甚という問題、私もよくわからないので、ここに建設省の方もおられるので、聞きたいのですが、たとえば激甚指定を受けられなければどういう補助率で、激甚指定を受ければどういう補助率で、それが地方財政にどういう影響を及ぼすか、地方負担はどうなるかということが非常に気になるので、これは次回の委員会で一応自治省を呼んでもう一回やりたいと思います。建設省からでいいですが、公共土木河川、そういうものの災害復旧は、国がどういう割合で、どこがどういう割合で、県なり市町村はどういう負担になるか、そういうものは特別交付金交付対象になるとかならぬとか、その辺をひとつ、指定を受けた場合と受けない場合を列挙して説明をいただきたいと思うわけです。
  12. 坂井秀正

    坂井説明員 激甚災を受けない場合には、通常、現在行なわれております公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法という法律に基づきまして、その地方公共団体標準税収入と対比して比率がきまっております。標準税収入の二分の一までは三分の二、それから二倍までは四分の三、それ以上が四分の四というぐあいに、累進的に上がっております。したがって、それのもとになる災害というのは、一年間を通じた災害とその年間の標準税収入と対比するわけですから、今回の災害だけでもって補助率幾らという数字は出てこないわけであります。  それから激甚災害にもし指定になるとすればどうなるかと申しますと、これもいろいろでございまして、災害自体比率が上がるわけですけれども、それぞれ重要事業がいろいろあります。公共土木もございますし、湛水排除事業、それぞれございます。そういうものは全部法律によりまして負担率が違うわけでございます。災害は、ただいま申し上げましたような負担率になっております。結局残り地方負担分というものがそれぞれ各事業によって出てくるわけです。今度はその地方負担分によって激甚災害による国庫負担率かさ上げの率がきまってまいりますので、それによって全体の率が、激甚災害のいわゆるかさ上げの率というものがきまってまいります。ですから、激甚災害になりますと幾らになるという固定の数字というものはないわけであります。その災害の度合いによってかさ上げの率も変わってくる、こういうことでございます。
  13. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 たいへんむずかしいし、また、その標準税収入なり何なりというようなことから、たいへんむずかしいと思うのですが、こういうように端的に理解してもいいですか。激甚指定を受けた場合には、国やなんかの負担が多くなる。受けない場合には、国の負担は少ないが、しかし地方負担すべきものについては、交付税法に基づいて県にその財源が特別交付金として付与される、そういうことにおいては変わりはないのだというように私は理解をしているわけなんですが、そういうことでしょうか、その辺どうです。端的にそういう質問をしてみたい。
  14. 坂井秀正

    坂井説明員 激甚災になりますと国の負担率が上がる、それから激甚災でなければ負担率が下がる、通常負担率になるわけでありますが、各地方公共団体地元負担分といいますか、国庫補助負担率国庫から出てくる金以外の地方公共団体が受け持つ負担金がございます、それにつきましては、起債あるいは元利償還というものがきまっておりまして、激甚災害になりますとその率もぐんと上がってまいります。  一応そういうことでございます。
  15. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 私はどうもその辺よく理解できませんが、大体この次のときに自治省にも来ていただいて、その辺のことをよく突っ込んで検討させていただきたいと思います。  農林省のほうにお尋ねいたしますが、たとえば佐久水害等の場合に、耕地災害あるいは農地災害、こういうものがあります。それも激甚指定を受けた場合と受けない場合との補助率等について説明をいただいて、あと残った分の地方負担なり何なりになる分の特別交付金、そういうものはどういうように関連性を持つか。なお、あわせて大蔵省にもひとつその点の説明をいただきたいと思うわけです。
  16. 松井芳明

    松井説明員 農地及び農業用施設災害復旧につきまして激甚法が適用されますと、一戸当たり災害復旧地元負担額でございますが、これは補助残の額になります。一戸当たり補助残事業費が、これは暫定法で一応補助されておりますので、その残り地元負担額補助残が一戸当たりで一万円から二万円の場合には七〇%……。
  17. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 七〇%を何ですか。
  18. 松井芳明

    松井説明員 補助率でございます。補助残に対してさらにまた上置きの補助が行なわれるわけでございます。
  19. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 こういうような説明をしてください。一戸当たり、みんな換算して百万円の被害だ、それで補助残幾らの場合にはどうだ、こういうような説明——一戸当たり百万でも五十万でもいいです。
  20. 松井芳明

    松井説明員 一応施設農地では率が違っておりますから……。
  21. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 農地のほうから……。
  22. 松井芳明

    松井説明員 農地のほうは、一応暫定法による基本補助率は五〇%でございます。これが暫定法のほうで、さらに一戸当たり事業費が八万円以上になりますと、高率補助が適用されまして、農地の場合には、八万円から十五万円になりますと、その分が八〇%に補助率が上がってまいります。それからさらに、十五万円以上の一戸当たり事業費の場合には、農地については九〇%、その分が補助率が高くなっております。こういうふうにして計算いたしまして、結局補助残の額が一戸当たりで一万円から二万円の場合には、さらに激甚災補助率かさ上げになりまして、その分については七〇%さらに補助を認めております。それから、二万円から六万円の部分につきましては八〇%、六万円以上の場合には九〇%というぐあいに、だんだん補助率が増高して、地元負担を軽減するような形にしております。  施設につきましても、これは農地よりも——基本補助率が、農地五〇%に対しまして、施設のほうは六五%になっておりますが、先ほど申し上げましたように、高率補助は、八万円から十五万円の一戸当たり事業費の場合には、施設の場合には九〇%、それから十五万円以上の場合には、その分だけ一〇〇%の補助率に上がってまいります。そのようにして計算いたしまして、一戸当たり補助残の額が同じように一万円から二万円の場合には七〇%、先ほどと同じような形で補助残についてもさらに補助が加わっていくわけでございます。  それからもう一つの問題は、これは自治省のほうの関係になるわけですが、小災害の取り扱いが、激甚災害になりました場合には、融資につきまして非常に手厚くなっております。激甚の場合には、十万円未満三万円以上の小災害につきましては農地及び農業用施設災害復旧補助は出ませんので、これにつきましては起債で行なうことになっておりますが、激甚災害の場合で一般被災地、これは程度の軽いところでございますが、この場合には、農地は五〇%、施設では六五%の起債の充当率が認められております。また、被害が非常に激甚地域につきましては、農地で七四%、それから施設では八〇%の起債の充当率が認められておりまして、これに対しまして、起債額の七一・五%は交付金として交付し、二八・五%は地方交付税に算入されます。したがいまして、両方合わせますと一〇〇%になるわけでございますが、ほとんど大半は地方交付税あるいは交付金として返ってくることになっております。
  23. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 わかりました。  そうすると、今度は農林省大蔵省にお尋ねしたいのですが、この前私がお聞きした、干害激甚指定を受ければ五割の補助になる、最近の情勢はそうなるだろうと思いますが、これは天災融資法発動を声明していただいたので、追及はいたしません。そこで、その残りを県や市町村負担するわけですが、これは任意に負担をするので、任意に負担をするということになると、交付税の対象にならないのかなるのか。あるいは自治省に聞いてみると、農林省大蔵省とのきめ方によって、激甚ということで五割国が出すのだから、県や市町村もそれに応じて出す何か義務づけみたいなことをするならば、それに対しては特別交付金交付される、こういうようなことにもどうも理解できるような気がしますので、たとえば干害等で激甚指定を受けてポンプや施設に五割の補助が出た、こうなったときに、県や市町村が二割とか一割負担する、そういうものに対する何か連関性、自治省との話し合い、そういうことがあったら、たとえば特に干害について具体的な例をあげて説明していただけばたいへんありがたいわけです。
  24. 松井芳明

    松井説明員 干ばつ応急対策事業につきましての激甚の基準につきましては、前回大蔵省農林省からお話があったわけでございますが、これは暫定法による一般の災害復旧と異なりまして、そのつどそのつど干ばつの状況によりまして予算措置をする性格のものでございますので、したがいまして、激甚の扱いも三十九年に特例として行なった例があるわけで、一般的に行なわれる形ではございません。特にことしは対策に要した事業費もかなりの額にのぼってまいりますので、現在激甚扱いに対する考え方をまとめておりますが、特にその裏負担に対して県あるいは市町村に義務づけるということは、現在のところ考えておりません。  また、自治省とそういうような点で、地方財政に対する援助等について具体的な話し合いはまだ行なっておりません。
  25. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 それでは、質問が長くなりますので、希望だけ申し上げておきます。  この干害対策で、おそらく激甚指定を受けられるであろうと私は考えておるわけですが、そのケースケースによって特に大蔵省あるいは農林省自治省、こういうようなところで打ち合わせをされるのであろう、こう思います。この前も自治省の方に私さんざん申し上げたのですが、過疎対策といいますか、常襲被害地帯というものは地方財政が非常に苦しい。苦しいから、こういう対策の場合にもう困ってしまうわけです。ところが、やれ、ポンプをつけたぞ、やれ、水路をつくったぞということで、県及び市町村に対する農民の要求というものは非常に熾烈なわけです。だから私は、特交というものがどういうように裏づけられているかということをずいぶん追及してこの前もやりましたが、いまだに私はよくわからないわけです。今度の干害については五割国が補助をして、おそらく県は一割五分か二割をやるだろう、市町村も一割くらいやるだろう、そのものに対して特交はどういうように一体交付されるのか、こういうことについては、激甚指定をされるようなときに、大蔵省農林省、あるいは場合によっては自治省と、こういう三省で話し合いをよくしていただいて——もう先ほど河川公共土木のほうは地方財政については心配がないようにずっとでき上がっておるわけです。ところが、この干害は、やはり三十九年にこういうことがありました、ことしはまたこうしなければなりませんということなので、制度的にもどうもまだ確立していないかのごとく私は感じますので、十分ひとつ三省問で御連絡を願って、特に問題になっておる過疎対策、山村僻陬の地の地方財政についてもこの際めんどうを見ていただくようにお願いをいたしまして、たいへん時間が長くなりましたので、質問を終わりたいと思います。      ————◇—————
  26. 田原春次

    田原委員長 先ほど井出委員から、長野小諸周辺集中豪雨及び降ひょうによる被害状況の調査のため、委員派遣の手続をとってもらいたい旨の御発言がありましたが、委員派遣につきましては、この後の理事会におきまして御協議をいただき、その必要があります場合には、議長委員派遣承認申請を行なうことにいたしたいと存じまするが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 田原春次

    田原委員長 御異議なしと認めます。よってさよう決定いたしました。  つきましては、派遣地、派遣期間、期日、派遣委員の員数及びその人選、並びに議長に対する承認申請手続等に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 田原春次

    田原委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。      ————◇—————
  29. 田原春次

    田原委員長 この際、昭和四十二年五月以降の干ばつ及び降ひょうによる災害対策につきまして懇談に入りたいと存じます。  暫時休憩いたします。    午後一時二十一分休憩      ————◇—————   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕