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1967-06-07 第55回国会 衆議院 建設委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年六月七日(水曜日)    午前十時四十分開議  出席委員   委員長 森下 國雄君    理事 木村 武雄君 理事 正示啓次郎君    理事 砂原  格君 理事 丹羽喬四郎君    理事 廣瀬 正雄君 理事 石川 次夫君    理事 岡本 隆一君 理事 稲富 稜人君       伊藤宗一郎君    池田 清志君       吉川 久衛君    佐藤 孝行君       田村 良平君    谷垣 專一君     早稻田柳右エ門君    渡辺 栄一君       阿部 昭吾君    井上 普方君       勝澤 芳雄君    工藤 良平君       佐野 憲治君    福岡 義登君       内海  清君    小川新一郎君       北側 義一君  出席国務大臣         建 設 大 臣 西村 英一君  出席政府委員         建設省河川局長 古賀雷四郎君         建設省道路局長 蓑輪健二郎君  委員外出席者         農林省農地局計         画部長     目崎 初美君         参  考  人         (日本道路公団         総裁)     富樫 凱一君         専  門  員 熊本 政晴君     ————————————— 六月三日  宅地建物取引業法の一部改正に関する請願(野  田卯一紹介)(第一一三五号)  同外二件(瀬戸山三男紹介)(第一一四四  号)  同外二件(福田篤泰紹介)(第一一六八号)  同(吉川久衛紹介)(第一一八一号)  同(福岡義登紹介)(第一一八二号)  同外三件(鴨田宗一紹介)(第一二一四号)  同(砂原格紹介)(第一二一五号)  同外四件(田中榮一紹介)(第一二一六号)  同(森山欽司紹介)(第一二二九号)  同(佐藤孝行紹介)(第一二六一号)  建設業法の一部改正に関する請願宇野宗佑君  紹介)(第一一六九号)  国道一号線三重県関町、滋賀県内区間改修促  進に関する請願宇野宗佑紹介)(第一一七  〇号)  阪神高速道路大阪号分岐線建設計画変更に関  する請願井岡大治紹介)(第一二四四号)  同(阪上安太郎紹介)(第一二八五号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案  (内閣提出第三七号)      ————◇—————
  2. 森下國雄

    森下委員長 これより会議を開きます。  道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案議題とし、審査を進めます。  おはかりいたします。  本案審査のため、本日日本道路公団から参考人出席を求め、意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 森下國雄

    森下委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますので、御了承願います。     —————————————
  4. 森下國雄

    森下委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。佐野憲治君。
  5. 佐野憲治

    佐野(憲)委員 ただいま議題になっております道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案、これに対しまして二、三お尋ねしたいと思いますが、まず最初に道路整備第五次五ヵ年計画についてであります。  昭和四十二年の三月二十二日閣議了解ですか、この閣議了解のもとで決定がなされましたところの事業別計画なんですが、この中でいままでに見られなかった予備費一千五百億円が計上されておるわけですけれども、いままで第一次から第四次までこういう予備費というものの計上が見られなかったわけであります。今度の場合に初めて一千五百億円という予備費が計上されております。一体この予備費性格をどのように理解したらいいのか、まずこの点をお尋ねしたいと思います。
  6. 西村英一

    西村国務大臣 いままでの道路整備五ヵ年計画は御指摘のように予備費は入っておりませんでした。しかしその他のたとえば河川改修の五ヵ年計画というようなものには入っておったのでございます。何と申しましても、五年の間には予測しないいろいろな問題が道路上で起こるのでございます。そのときにそういう予備費をもって充当するということに——何さま六兆六千億円でございますので、非常な多額の金でございまして、また道路といたしましてもいろいろ変化があるわけでございます。現にこの前の第四次五ヵ年計画におきましても、予測せざるいろいろな問題が起こったのでございまして、そういうものに充当するために、しかもまたこの道路五ヵ年計画のみならず、ほかの五ヵ年計画につきましても予備費を計上いたしておる。まあ弾力性を持たしたということでございます。
  7. 佐野憲治

    佐野(憲)委員 治山治水の場合はわからぬわけではないと思います。天然自然の災害によってあるいはダムの改修なりいろいろな河川改修なり考えられるわけです。しかしながら道路の場合におきましては天然現象はあり得ないことだと思いますが、そうした場合において、五ヵ年計画を策定され、それから皆さんの場合における一般道路事業、この予算を削減をされておる。七兆三千億円の要求に対して、いろいろな財政的な事情もあったでしょう、しかしながらそうした中で五ヵ年間想定され得る最大限度事業費というものはここに組まれておると思うが、そういう場合に予備費というものを計上するという、その予備費というものは具体的に一体どういう場合が想定されますか。その点について……。
  8. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 ただいま御質問の、予備費は具体的にどういうことに使われるかということでございますが、その予備費自身が、先ほど大臣も御説明いたしましたように、五ヵ年やりますといろいろと問題が出てまいります。たとえば第四次五ヵ年計画の中でも、大阪万国博関係でさらに大阪周辺道路投資を早くしなければいかぬとか、あるいは博覧会会場周辺道路を早くやらなければならぬというようなものが出てきたのでございます。また第四次五ヵ年計画では、交通安全施設の三カ年計画というものを四十一年からつくりましたが、これも当初には見ていなかったような費目でございます。第五次の五ヵ年計画をつくります場合には、やはり一般道路事業につきましても、国道一つ完成目標とか、府県道一つ完成目標を一応つくるわけでございますが、その中にいま言いましたやはり交通安全施設のような、四十三年までの三カ年計画でございますが、四十四年以降どうするか、こういう問題はやはりいまの情勢とすれば相当ふやさなければならないのじゃないか。ふやすにしてもどのくらいの金をふやすか、これは調査をしてみないとはっきりした数字がつかめないという状況でございます。また、最近非常に問題になっております都市の中の鉄道高架の問題もございます。鉄道連続立体高架の問題がございますが、これも最近国鉄とその問題を大蔵省を入れて詰めておるのでございますが、やはり、国鉄の経営からいうと、いまの、二分の一道路が持つ、二分の一国鉄が持つというようなことだけではなかなか高架が進まないというような現実事態もございまして、そういうものに今度道路側がどう対応していくかということについてはまだ未決定のようなものも相当あるのでございます。そういうものに対しまして道路投資が必要となればこういうものから入れていくというようなことも考えております。また一般道路で、さらにいまの計画にないようなものが、その他の関連事業計画で相当出てくるおそれもございますので、それが当初の五ヵ年の目標になかったからできないということでも、非常にほかの事業との調整もとれませんので、そういう意味からいって、他事業関連事業、新しく出てきました関連事業にこの一千五百億の予備費を使いたいというふうに考えておる次第でございます。
  9. 佐野憲治

    佐野(憲)委員 五ヵ年計画を策定するときに、目標を、事業量計画を立てられる、当然その中にそれは要求されるのじゃないですか。たとえば地方財政計画を見ましても、万国博に対するあるいはまた皆さんがいま指摘したようなことなんかは、今年度分として予測して計上しておるでしょう。あなたたちは、五ヵ年計画を策定しながら——いま言われたことはみんな当然目標の中に加えて要求されることだけじゃないですか。あなたは新しく要求してこられたのでしょう。それからあなた方の要求の中には、そういう予備費というものはなかったはずです。そんなことがわかっているなら、なぜ予備費として初めから要求しないのですか。一次−四次までは予備費はないでしょう。なぜ五次の中で、皆さん要求していなかった——当然それらのものは、想定されるものを最大限度見込んである。突発的ないろいろな問題が起こってくるならば、これは国の中に予備費があるでしょう。憲法においてもちゃんと認められておるし、財政法においても認められておる。ですから、新しい財政裏づけとして、新しい施策はこれは当然国の問題として私は取り上げらるべきものだと思う。これは、財源裏づけというものはやがてなされるわけでしょう、事業細則決定されると。そこでお尋ねいたしますが、正式の決定一体いつごろか、閣議決定はいつなんですか。
  10. 西村英一

    西村国務大臣 ただいま御審議願っております道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案が制定されましたら、建設大臣はさらに詳しい道路計画をきめまして、閣議決定を求めなければならぬことになっております。そのときに現在よりはもう少し詳しいことがわかるわけでございます。いまその作業をいたしておる、法律案が通ってからやるのでございます。
  11. 佐野憲治

    佐野(憲)委員 私が聞いているのは、その時期がいつだということを聞いているのです。そんな手続の順序はわかっておりますから、一体いつ最終決定閣議でなさいますかと聞いておる。
  12. 西村英一

    西村国務大臣 およそ八月ごろになるのじゃないか、時期をお尋ねですからおよそのことで申し上げます。
  13. 佐野憲治

    佐野(憲)委員 第四次五ヵ年計画は、いわゆる閣議了解から事業別決定から最終決定まで、一体幾らの月日を要しておりますか。
  14. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 詳しい資料がございませんが、私の記憶では十二月の予算のときに第四次の規模がきまりまして、それの閣議決定が次の年の一月ぐらいであったというふうに記憶しております。
  15. 佐野憲治

    佐野(憲)委員 しかし、第四次の場合、国会を通過いたしまして、それから正式決定が、翌年の昭和四十年一月二十九日閣議決定になっておるわけです。その間八カ月間以上の経過を要しておるわけです。ですから、最終決定段階において——いままですらも皆さんが予測され限定されたところの事項をあげられております。その使用限定されたものですと——四次の場合におきましても、予算閣議における了解——内定ですか、事業別決定から最終決定まで一年間近くもかかっておる。今度も、皆さんの過去の関係を見ておりますと、当然そうなるでしょう。その間当然予測されるものは、一般道路事業なら一般道路事業、その中に繰り入れていいじゃないですか。それは全般に対する予備費でしょう。いま申しておるのを聞くと、一般道路事業費の中に予備費が含まれるというのですが、この計上された項目を見ますと、単独事業有料道路事業財政投融資ですから何ですけれども、一体予備費というのは、使途が限定されておるなら、当然これは一般道路事業の中に含まれるべき性質のものだし、含んでもいいんじゃないんですか。天然現象やその他における災害、こういう場合におきましては、これは予期されない。法令用語においても予備費というものは予期されないものというでしょう。この段階において、一体予期されないということが考えられますか。一年間もあるんですよ。その中において、煮詰めていく時間が当然あるんじゃないでしょうか。予期しない事態に応ずるための予備費というものは当然出てまいったが、皆さん要求していない。過去の四次にわたる五ヵ年計画のとき姿を見せなかったものが突如出てまいった。これは私非常に奇異に感じたので、本委員会における質疑の中からもう少し明快な大臣の説明があるんだろうと思って私も同僚議員質疑を聞いておったのですが、どうも納得できないのでお聞きいたしておるわけですけれども、一体この性格は何ですか。もう少しはっきり定義づけできないでしょうか、大臣
  16. 西村英一

    西村国務大臣 性格は、さいぜんも申しましたように、予算も相当大きくなれば、ピンからキリまできめられないから、その間に予算弾力性を持たせるということでございます。いま予測しないようなことが起こり得るのでございます。したがいまして、そういうためにとったのでございまして、またほかのこの五ヵ年計画につきましても、予算が大きくなればやはり弾力性を持たせるということも必要になってくるのでございます。私はこの段階で、やはり変化する道路行政につきまして、道路実施計画につきましても、それは予備費をとらなくて、全部に割り当ててしまうというそういう行き方もありましょうけれども、こういう行き方であっても、必ずしもそう非難されることはなかろう、かように考えております。明確なというか、弾力性を持たした——いま道路局長が説明しましたように、五ヵ年間では、やはりまだ思わざる変更をしなければならぬときがありますので、そういうものに備えての考え方でございます。
  17. 佐野憲治

    佐野(憲)委員 千五百億円の積算基礎というものは一体どこから生まれましたか。
  18. 西村英一

    西村国務大臣 千五百億円の積算基礎はありません。おおよそ腰だめでもってこのくらいを予備費とするということでございます。
  19. 佐野憲治

    佐野(憲)委員 計画目標事業量決定するのが五ヵ年計画でしょう。その中において千五百億という予備費がある。ところがこの予備費積算基礎はないという。一体これは何ですか。皆さん要求もしておらなかった。ところが、天然現象を除いた予期しない——丹羽会長もおられますけれども、丹羽会長のメンバーの皆さんにお聞きいたしましても、これは一体何だろうかとみんな首をかしげておられる。これは一体何ですか。しかも折衝過程として、仄聞するところによると、ある局が二千億円の予備費要求する。丹羽さんのほうが一千億円だという。二つ足して二で割ったら千五百億円になるじゃないか。こういう常識で考えられないこと、まさかこれは冗談だろうと思いますけれども、そういうささやきすら出てくる。大臣記者会見のときにおきましては、これは心配することはない、調整費なんだ、そういう性格なんだという。いま聞いていますと弾力的運営弾力費だという。ますますその性格がぼけてきてしまうじゃないですか。一体何ですか。積算基礎もないわ、しかも調整費だとも弾力費だともわからない。しかも、本来における法令用語としての予備費の解釈をとってみますと、道路の場合は一体どうだろうか。事業総量目標というものが当然予期されるわけではないですか。一体大臣、こういういま申し上げたような使途の限定されたもの、こういうものは当然一般道路事業費の中に含まれるべき性質のものでしょう。もしそれが事態変化があれば、第一次から第四次の経過過程をたどってみましても、やはりその間の途上において五ヵ年計画改正をして、事業を見込んで即応をした目標総量変更をやっているわけでしょう。できるじゃないですか。あなたは、予備費一千五百億円あるから、不測の事態が見込まれるが、この分はこれでやり繰りしていくのだ、だから五ヵ年計画は五ヵ年間このまま持続するのだ、こういう考え方に立っておられるわけですか。どうなんですか。
  20. 西村英一

    西村国務大臣 五ヵ年計画ですから、原則としては五ヵ年で五ヵ年間のことをやっていくのです。佐野さんは何といいますか、非常に厳密に考えていますけれども、道路は、昭和四十二年度の予算を使う場合でも、すべて全部積算をし計算をして、そういう修正はできないわけであります。したがいまして、この五年の間におきましてはどの道路にどういうふうにかからなければならぬか、また地方道にどういうふうにかからなければならぬか、いろいろ変更があるわけですから、その他全く考えられないものも起こるわけであります。したがいまして、それを予備費がなくてやる方法もあるでしょうけれども、こういう弾力性を持たせた。私は、弾力性といえば調整費ということとあまり違わない意味で、そういうものを持たしたやり方についても、それがそう違っているというような批判はどうも当たらないと思うのです。現実に下水道の五ヵ年計画につきましても、今度は若干の予備費を持たせました。したがいまして、そういう意味におきまして、調整するといえば調整費ということでございまして、この五ヵ年の間の道路がいまきちんと——もちろん積み上げて計算はしますよ。計算はしますけれども、ほんとうのコンクリートになった全然違わないというようなものは、それはなかなかできるものではございません。やはり概成するものでございますから、こういうような調整の役をするものがあってもそうむちゃなやり方ではない、かように思う次第でございます。
  21. 佐野憲治

    佐野(憲)委員 閣議決定の第四を見ましても、ちゃんと目標なり総量なり書かれておりますね。大体このワク内でできるわけです。私が何もこまかくああだこうだということではないでしょう。皆さん道路整備額決定はあなたのほうでおっしゃることを道路整備計画に持ってくるわけですから、何も予備費というものは必要になってこないでしょう。一般道路事業費の中にこれを入れておけばいいわけですから、緊急の事態にはできるわけでしょう。あえて予備費を設けた、しかもこれは七千三百億円が六千六百億円になった、これはやむを得ないでしょう。五千九百億円の内示だった、それが七千億円に伸び上がった。これはこれとしての努力は私はわかります。そういう中で一千五百億円は積算基礎もない。実際おかしな話じゃないですか。しかも財政的な事情によっていわゆる有料道路財政投融資金見通しの問題、一般道路事業費に対しましてはガソリン税を中心とする特定財源一般財源関係ということが真剣に討議された中で、予備費という新しいものが計上されてきたのではないですか。大臣の言われるところの調整費であり、不特定、限定されないようなことが起こるかもわからない。だから、そのために予備費を持つのだ、こういう考えでは決してないということです。もう使途は限定されておるじゃないですか。どういう内容の折衝があったか私は知りませんけれども、使途がもう限定されてしまっておるじゃないですか。しかもこれが予備費だという。財政的な事情による財政投融資金に対するところの見通し特定財源一般財源に対する見通し、その中に一千億円と二千億円というものがあって、それを足して二で割って一千五百億円という数字が出たとするならば、これはたいへんな問題だと思うのです。大臣がいやこれは調整費なんだ、簡単に目標総量はきまるものではない。もちろん私もそう思っております。目標総量ですから変更することもあるでしょう。だからこそ、過去におきましても五ヵ年計画変更してきておるわけですから、大臣、率直にその間の事情をお話しにならなければ、突如として出てまいりました予備費性格なんというものは理解できないですよ。この点に対して、私はどうしても割り切れないわけです。  そこで、大臣に長く質疑をかわしてもなんですけれども、一体これを責任を持って消化する自信があるのですか。大臣、あなたの言う調整費弾力費として、これを責任を持って消化していくのだという自信をお持ちになっておりますか。
  22. 西村英一

    西村国務大臣 もちろんこれを消化するつもりでございます。
  23. 佐野憲治

    佐野(憲)委員 消化しない前に、これは新しい客観情勢変化道路に対する事情なり、交通量なりのいろいろな変化に基づいて第六次五ヵ年計画、こういうことになってしまって、消化せずにそっちに移っていくという危険性すらも包んでおるのではないかということを危惧するわけです。そういう過程から考えて、この予備費という子供はかわいそうな子供ですけれども、認知されない中から生まれてきた子供一体どうなるのか。こういう心配が先に立つと同時に、こういうことが、これはまた次の五ヵ年計画を設定する場合におきましても、予算上の財源裏づけその他から一定の総量だけをここに導き出してくる。こういう予備費という制度がずっと続けられていくのではないか、こういうことすら心配になってくるわけです。財源裏づけがはっきりしない。しかし第何次五ヵ年計画という目標なり総量を上げなくてはならない。金額的なものを出さなければならない。そうする場合に、財源裏づけのない、しかも積算基礎のない予測されざる事態という名のもとにおいて予備費というものが登場してくる。これは道路というものの性格上において、当然私は考えられると思うのです。治水だとかとは違っていると思います。そういう場合に対して、もう少し私は明確な考え方予備費という問題を考えていただきたい。このことをひとつ希望しておきます。大臣のこれからのなにを見てまいりますけれども、はたしてそういう形で予備費というものが大臣の言われるような意味における予備費としてこれから成長していくのかどうか見守ってまいりたいと思います。  第二の点といたしまして、地方単独事業が、これはもう第四次五ヵ年計画から出てまいりましたところの操作の方法でございましょうけれども、第四次五ヵ年計画は五兆円を要求されまして、四兆一千億円、河野大臣のぶりぶりした姿を、いまはなき姿を思い起こすわけですけれども、このときも四兆一千億円になった。五兆円の要求が突如出てまいりましたのが六千六百億円単独事業費要求しておった。これが八千億円に化けてまいった。要求よりも上回った。こういうことにみな奇異な感じを持って、さすが河野氏は数字を合わせるのがうまいんだなと皆さんが感心しておられた姿も思い浮かべるわけです。ところが第五次になってまいりますと、七兆三千億円が六兆六千億に縮小されてまいった。ところがこの場合におきましても一兆九百億円の要求であったものが、閣議了解の中で一兆一千億円に化けてまいった。要求よりも上回ってまいった。他の事業費は減額されてまいっておる。しかも予備費を設けなければならないくらいなのに、単独事業費だけがふえてまいった。これは一体どういうことに原因するのですか。
  24. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 いまの御質問にございましたように、われわれの七兆三千億の要求の中では一兆九百億の地方単独推定しておったのでございますが、六兆六千億になりまして、いろいろ大蔵省との推定の差がございまして、約百億見ますと、一兆一千億という形になったわけであります。地方単独費につきましては、これは地方財政のいかんによって非常に伸びるときと伸びないときがございます。われわれ七兆三千億を要求したときにも過去の実績から地方交付税その他も考えまして、ほぼ五ヵ年では大体一兆九百億程度ではないかというように想定したのでございます。各地方自治体の単独費は四十一年度はどのくらいになるかまだ精算はされておりませんが、どうも地方単独費推定より多少伸びてくるのではないかという大蔵考えもございまして、百億程度の差であれば、これを一兆一千億にすることも支障ないという形で六兆六千億の中で一兆一千億という地方単独事業費ということになったのであります。これはあくまでもこれだけやらなければならない、またこれ以上やってもいけないということでもございませんし、五ヵ年間の地方単独事業ほんとう推定でございますので、その辺は百億前後の推定の誤差というものもあり得るというように考えておる次第でございます。
  25. 佐野憲治

    佐野(憲)委員 他の場合は推定よりも下がってまいる。大蔵折衝財政投融資なり特定財源なりの見込みもあったでしょう、下がってまいる。そこで予備費というものが生まれてまいった。地方単独事業だけが逆にふえてくる。そんな大きな見込み違いを、全体の道路網を責任を持ってながめておられる大臣として、一体そんなことが考えられますかね。地方財政計画と決算、これは見積もりですから、違いがあります。たとえば過去において昭和三十九年度はどうですか。一体単独事業の決算と財政計画の見積もり、皆さんの五ヵ年計画に基づく財政計画の見積もりと……。
  26. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 三十九年の地方単独の決算でございますが、大体千四百三十七億になっております。このときの年度当初の見積もりはちょっとはっきりいたしませんが、これも非常に不確定な話で恐縮でございますけれども、四十一年度の地方単独の予想額が大体千五百八十億ということに対しまして、四十一年度各県で組みました当初の計画額を見ますと、これが千五百八十億よりかなりふえたような計画額というものになっておるように思います。まだ四十一年度の最後の決算がわかっておりませんが、どうもこれはわれわれの想定よりも、いつも少しずつ決算が多目に出ておるのが実情ではないかと思います。
  27. 佐野憲治

    佐野(憲)委員 もう少しよく検討してくださいよ。地方財政白書の中にも出ておりますが、三十九年度におきましては、単独事業道路供用一千三十七億、一千四百億円の見積もりに対して一千三十七億円、前年度の増減額が五・九%、それに比較いたしまして補助事業が一七・九%の伸びになっておるわけであります。だから皆さんの五ヵ年計画なり、あるいはフィスカルポリシーですか、こういう公共投資、これらのものが加わってまいったにしろ、やはり道路整備五ヵ年計画の中で進めておるわけです。そういう中で今度出てきておる補助と単独を比較してまいりますと、三十九年度においては、前年度に比較してわずか五・九%しか伸びていない。片方の補助事業が一七・九%伸びておる。そうすると、いわゆる補助事業に対して地方団体がその補助事業を消化する、それがフィスカルポリシーに対する地方としての一つの責務でもある、こういう形で国の公共事業に追従していった。だから、単独事業を犠牲にしなければならなかった。これほど逼迫した財政の中に立っておる。これは三十九年度の決算の中で、いわゆる投資的経費の中における道路単独事業の伸び悩みこれが明確に出てきておるわけです。そういたしますと、第四次五ヵ年計画の中でまずとっぱじめに始まった三十九年度において見積もったことが、このように狂ってしまったということが地方自治体の単独事業の実態だと思います。しかるにかかわらず、今度一兆一千億円を消化していくためには、本年度は一千八百億円を見込まなくてはならない。こういうふうになってまいりますと、単独事業の中でただ単に道路だけじゃないのです。治山治水なり港湾なり、環境衛生なり、政府の五ヵ年計画だけでも本年度は二千二百七十七億円になっておる。ところがその中で合計いたしますと、六千五百九十四億円を単独事業で見込んでおる。そうしますと、長期計画が伸びてまいりますと一体幾ら残るか。それを皆さん予備費でと言っておられますけれども、皆さん予備費でと言っておられることは、地方財政計画その他の事業として一千七百七十一億円を見込んである、何も予備費を使わなくても、皆さん自身いま言われたような事業を進めていっておるわけです、ことしの予算の中で。だから、五ヵ年計画一般道路事業の中に当然含まれるべき性質のものが予備費というのではおかしいということは、どこからも指摘できるわけですが、それをやるために一千七百七十一億円を単独事業として、一般事業費として組まなければならない。だから、長期計画が伸びてまいりますと、地方単独事業というものは全く惨たんたるものだと思います。あるいは地方財政計画の修理維持費というものは、決算よりもどんどん少なくいってしまっておる。道路はやっととんとんというところでしょうけれども、いわゆる維持修繕をする、こういう力すらもう失ってしまっておる。しかも、これは単独事業の中で、昭和三十九年の場合と比較しても、先ほども指摘いたしました数字から見てまいりましても、当時三十九年におきましては、いわゆる超過負担というものは一千百三十四億円、これだけの国の超過負担を地方団体は背負わされているわけです。この超過負担というものは、一体どこで化けて出ていっておるか。おそらく単独事業の中に化けていっておるわけです。ですから、当時における四千三百億円程度単独事業の中に一千百三十四億円、これだけのものが超過負担の単独事業として計算されていかなければならない。その上に長期計画における五ヵ年計画の年度割りにおける見積もりをやっていかなければならない。これはたいへんな事態に直面しておると思います。そういう中で、道路というものは、やはり重要性を持っておりますから、何とか必死になっておりますけれども、三十九年度におきましても、見積もりよりも決算においては減少せざるを得なかった、こういう事態を繰り返しておるという現実の中に立って見ますと、河野さんのときの六千六百億円が八千億円に化けていく。皆さんは一千四百億円はだいじょうぶだと見込んだ、六千六百億円でも実際どうかと私は思う。他のものが減額されておる中で一千四百億円余計に見込んだ。それが今度の場合、六千六百億円で、しかも一千五百億円は予備費だ、こういう中に立って、一体地方単独事業を百億円もふやす、こういうものに対するところの皆さん見通しというものは、先ほど聞いておりますと、地方交付税の措置でと言っておられますけれども、ことしの地方財源の不足額に対する充当あるいは内部節約その他をしいるという中でつじつまを合わせておりますけれども、これはたいへんな事態だと思います。そういうときに、一体こういう論拠というものをどこから見出されたか、もう少し説明していただきたいと思います。
  28. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 私先ほど申し上げましたように、地方単独事業というものの積算でございますが、これは一々積み上げてやることも不可能でございますので、いままでの過去の伸びを同じような伸びで伸ばした形で一兆九百億という数字を出したのでございます。これにつきましては、先ほど言いましたように、おおよそ五ヵ年間に、地方が非常に財政的に困難はあるかもしれませんが、地方単独事業で行なうだろうというものの最低の見込みでございまして、そういう点では一兆一千億でなければいかぬとか、それより多ければいかぬとか、小さければ何かの措置をしなければいかぬとかいうようなものではないというようにわれわれは考えております。
  29. 佐野憲治

    佐野(憲)委員 道路整備緊急措置法の政令の第一条には「建設大臣が指定する主要な都道府県道又は市道、前号に掲げるもののほか、資源の開発、産業の振興その他国の施策上特に整備する必要があると認められる都道府県道又は市町村道」とありまして、これは全部の市町村道を言っているのではないでしょう、この単独事業というのは。道路整備五ヵ年計画の中で、しかも大臣が政令で指定するそういう道路だ、しかもその政令の中では、いま申し上げましたような産業の振興なり資源の開発なり国の施策上特に整備の必要があると思われる都道府県並びに市町村道だ、こういう定義づけをやっているでしょう。しかもこの道路は、整備法の目的の中にある、生活基盤の強化に寄与するのではなしに、経済基盤の強化に寄与するものであり、その目的に該当する道路というものは政令で指定するのだ、こういうことになっておりますが、どうでしょうか。
  30. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 緊急措置法に政令で指定する云々の事項がございますが、これは国が負担し、または補助するものについてでございます。一応単独でするものについてはこれに入らないと解釈しております。
  31. 佐野憲治

    佐野(憲)委員 おかしいじゃないですか。第一条にちゃんとはっきり書いてある。それは単独事業目標をきめるけれども、補助するかしないかはちっとも書いてない。道路五ヵ年計画の中に取り上げる道路は、全部の道路を取り上げているのではない。こういう道路だということは書いてあるが、補助するための道路ということはちっとも書いてないじゃないですか、目的の第一条には。しかしそれはそれとして、そういうことだと、御承知のとおり地方財政計画の策定にあたりましては、政府の長期五ヵ年計画、これは地方単独の生活基盤なり連絡道路なり、いろいろな道路があったりしても、これを除外して、ともかく国策上あるいはいろいろな目的によって指定されている道路、それを整備するために四十二年度は一千八百十億円を出す。これを優先的に取ってしまう。港湾なり下水道なりし尿なり治山なり、これを取ってしまう。ことしの場合は、二千二百七十七億円、これだけのものを最初から抜いてしまう。その上にいま言われた予備費だなんて言われるようなものを、地方財政計画では必然的に、皆さんのほうがどんどんと万博だ、国際空港だ、何だ進めていかれると、関連する道路はやらなければ、ほうっておくわけにはいきませんから、これは単独事業としてやらなくてはならぬものは進めていく、こういうものが、一千七百七十一億円というものはちゃんと見込んでおるわけです。ですから、そういうものを除いて、一体どれだけのものを地方単独事業として持つか、こういうぐあいに積算をやっていくわけですね。ですから、そういう意味から考えてまいりますと、五ヵ年計画の中で取り上げられておる、皆さんが必要とするこれは、あくまでも五ヵ年計画の中で目標総量というものは明らかにされてこなければならぬし、それはあとで財政的な裏づけ一体どうしていくのだ、これが明確になってこなければ、五ヵ年計画としての意味がないと私は思うのです。  それから、そうした場合におきまして、一体なぜこういう数字的な操作をやられるかということです。皆さんは決算も見ておられる、そうして、皆さんが五ヵ年計画でとらえようとしておる総量目標というものは一応持っておられる。その目標というものを、皆さん要求したよりも上回っていってしまう。これはどうも納得がいかないのじゃないか。これは第四次五ヵ年計画から出てきた一つの操作の方法じゃないかと私は思うのですが、どうですか。
  32. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 ただいまのお話の地方単独が一兆一千億いまの第五次の六兆六千億の中に見込まれておるわけでございますけれども、これは非常に財源裏づけがない単なる見込みではないかということだと思いますが、これについては先ほど言いましたように、地方単独事業を把握することは私たちも非常に困難でございまして、現在道路統計で各県から出されております地方単独費の決算としてわれわれはつかんでおる次第でございますが、四十二年度について見ますと、大体千八百十億くらいの地方単独が見込まれるだろうということでございまして、これの出し方は、やはり三十九、四十、四十一年、そういうものから類推して千八百十億という数字を出したのでございます。これの千八百十億を四十二年度推定いたしますと、五ヵ年の一兆一千億の毎年の平均の伸び率は九・八%という形になります。一般補助事業はさらにそれ以上になろうと思いますので、先ほど先生から御指摘ありましたような、補助事業の伸びより地方単独は非常に少ないじゃないかということは言えると思います。現在、これは先ほど来言っておりますように、地方単独事業というのは、四十二年の地方の交付税でまかなわれるものが大部分だと思います。それで考えますと、地方の交付税が四十一年から四十二年までに大体一九・七%、また四十年から四十一年に対しては一〇・六%、大体これくらいの交付税の伸びがございますので、いまの地方単独事業としては毎年平均九・八%くらいの伸びを見てもあまり無理はないのじゃないかということでございます。この千八百十億がどういうものに使われるかというような推定でございますが、これの約四割から五割が道路の維持関係に使われるのじゃないかというふうに考えております。そのほかが、非常に多いのは、地方で簡易舗装、こういうものに使われるのが多いのじゃないか、こういうふうに考えております。また将来の姿といたしましては、市町村につきましては、これは全部五ヵ年計画の補助の対象にしていくということは非常に不可能でございますので、そういう点は今後の市町村の——ことに舗装が主体でございますが、こういうものについてはどういう形で地方の舗装を進めていくかというのは、今後のわれわれの市町村道のあり方の問題として全般的な検討の中で進めていきたい、そういうふうに考えております。
  33. 佐野憲治

    佐野(憲)委員 ただいまの局長のお話は全く四十二年度の財政見通しとその対策——政府と自治省とが交付税なり増収見込みを、あるいはまたたばこ消費税の値上げなど、いろいろな形で増加する財政需要に対処している。こういうことから内容を知っていた場合に、そう単純に交付税が十何%伸びるから単独事業も十何%と、それはおかしいと思うのです。と同時に、道路整備五ヵ年計画なり治山治水五ヵ年計画なりあるいは下水道五ヵ年計画なり、この中に見込まれた単独事業というものをどうしてもやっていかなければ、もはや単独事業というものは公共事業の補完的な性格を帯びてしまっておるのじゃないかと思うのです。だから、どうしてもこの長期政策を生かしていくためにも、その裏づけとなる長期政策というものの中に単独事業というものをつくっていかなくちゃならない。こういう形からとられてきておる措置だと思うのです。だから決算においていろいろな見込み違いも出てくるわけですけれども、それはそれとして、私のまず指摘いたしたいと思いますことは、先ほど申し上げましたような予備費性格もはっきりしないし、不審だ。一体この委員会の中でも、この予備費性格というものを定義づけておる人は、おそらくほとんどいないだろうと思います。皆さん質疑の中においても、核心というものを、私読み取ることができ得ない。そこへもってきて、四次計画からやられましたところの六千六百億円要求して八千億円、一千四百億円のかさ上げをやる。今度はまた百億円のかさ上げを地方単独事業だけがやっておる。そうなってまいりますと、予備費性格というものも、あるいは地方単独事業というものをふやすということも、何かこの五ヵ年計画の七兆三千億円というキャッチフレーズですか、スローガンの手前に、数字的に操作されておるための道具に使われておるのじゃないか、これすら感じる、不安がわくわけです。ですから、そういう意味においては、真剣に地方財政の問題等もからめて、やはり地方における地方道の現況というものに照らして、もう少し考えなくちゃならぬ問題点があるのじゃないか。単なる操作上ふやすのは、やり方が何だか読み取られるのじゃないか。これは第四次五ヵ年計画にも持ち越されてくる。それまではそうじゃなかったでしょう。その上に予備費というものがことしから新しく設けられてくる。単なる数字というものをいって、つじつまを合わせるための道具としてこういうものが使われておるのじゃないか。となってまいりますと、私は、非常に不見識じゃないか、こういう点を指摘しておきたいと思います。  第三の点として、同じく五ヵ年計画の中で、了解事項として、「本計画は、今後の経済情勢および国、地方における特定財源の確保等を含めて財源事情を勘案しつつ弾力的にその実施を図るものとする。」これは、いままでの第四次五か年計画まではついていなかったところの了解事項とは、これは読んでもちょっとわからないけれども、具体的にはどういうことを意味するわけですか。どう了解したらいいわけですか。
  34. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 これは国、地方を通じまして特定財源があるのでございますが、これは御承知のようなガソリン税を主体として特定財源が組まれております。ガソリン税につきましては、その年その年のいわゆる経済の景気の問題が、特定財源が増収になったり予想以下の減収になったりすることがございます。そういうこともございますので、その年その年の経済情勢に応じて特定財源が相当変化、影響されるということを考えまして、その変化に対応して道路財源は、その年は非常に伸びても、次の年は経済の状況のためにあまり伸びがないというようなこと、これを一律に伸ばすということじゃなくて、経済の状況を考えて、特に伸ばさなければならぬ年は伸ばす、財政上そう伸びないときは少し伸びが縮まるというようなものを弾力的とわれわれは考えている次第でございます。
  35. 佐野憲治

    佐野(憲)委員 少なくとも、閣議を開きまして、閣議了解事項としてこういう付帯条件がつけられる。こんなことがありましたか。いまおっしゃることだったら、どの年次計画の中においても、五ヵ年計画の中においても、年次的に進める場合には、いま言われたことを考慮するのが当然でしょうが。こういうものをあえてつけなくちゃならなかったのは一体何か。しかも文章を読んでみますと、なかなかわかりにくい、解釈に全く苦しむことをわざわざ閣議において了解事項として付帯事項になっておる。いま局長の説明されたようなことなら当然なことじゃないですか、こんなことは。大臣どうなんですか。これのつくらねばならなかったほんとう意味一体どこにあるのですか。ちっともわからないですな、これだけ読んでおりますと。
  36. 西村英一

    西村国務大臣 やはりいま道路局長が言われたような意味でございます。あくまでもやはり財政事情を見まして、その財源等は特定財源でございますから、それでそういう意味においてつけたものでございます。別にそう深い意味はないわけでございます。何さま六兆六千億円という予算が大きいことや、それからやはりいろいろな経済上の変化に応ずることでこうやろうということを念を押しただけのことでございます。もちろん五ヵ年計画には、こういうような文句をうたっていないものもあります。しかしそういうものをうたって、いわゆる了解しても別におかしくはないと思います。
  37. 佐野憲治

    佐野(憲)委員 では予算折衝過程の中におきまして、突如生まれてまいりましたところの本年度限りの措置なのかもしれませんけれども、臨時財政交付金第二種交付金、道路目的財源として二十五億円、一般交付税の中に、これを財政収入額の中に投入する、こういう制度が生まれてまいりましたね。これは道路部門に対する全体的な責任を持って、全体的な立場からと大臣はしきりに強調しておられますが、これは一体何ものなんですか。二十五億円という数字の根拠と、二十五億円を地方町村道路財源にするという制度、これは一体何ですか。しかも恒久的なものから見ればこれはことし限りだというこの二十五億円とは一体これは何ですか。
  38. 西村英一

    西村国務大臣 地方単独費の問題ですが、これをこなすのには地方は相当に財政上困難だというわけでございます。したがいまして、地方道をよくすることにつきましては、ただいま建設省といたしましては補助方式をやっておるのでございます。つまり特定地方道でも、街路はもちろん、地方道でありましても補助事業でやっておりますが、街路にあらざるその他の地方道につきましても、特定な法律で、あるいは緊急を要するものは補助事業でやっておるのでございます。しかしながら現在は地方道も単独な財源でもってやりたい、それはまあ自治省からいえばもっともなことです。したがいまして、この財源の確保といたしまして、一方においては現在ガソリン税を少し割愛してもらいたいという意見もあるわけでございます。しかしまた一方、さなきだに現在の国道等をこなすのにまだ少ない財源でございますから、そうはいかぬという意見もあるのでございます。したがいまして今回は、自治省、大蔵省の間で、とにかく地方道路、これをこなすのに単独にやはり財源がほしいということで、予算折衝過程で二十五億円を道路に回すということになったのでございます。その積み上げは私はその衝に当たっておりませんから知りません。しかしこの地方単独費というのは、さいぜんも局長が申しましたように、私のほうも五ヵ年間一兆一千億円を予定した、それについては道路ごとに積み上げはしていないのであります。過去の実績でやっておるのであります。第四次五ヵ年計画は八千億でございます。それが一兆一千億に伸びましても三四、五%の増加でございます。しかし一般道路は六十数%の増加でございます。したがいまして、地方道につきましてはもっとわれわれは単独の地方財源で直してもらいたいのであるけれども、やはり地方財政が苦しいからということでそうはいかぬ。第四次五ヵ年計画八千億円を、三四、五%の増加で一兆一千億円になったのでございます。ほかの有料道路、一般国道においては六十数%の増加をいたしておるのでございますから、これは地方財政が苦しいということもわれわれ十分考えておるのでございます。したがいまして、この二十五億円の今回の特定道路費に向ける金が、あるいは地方道の維持に向けられるか、あるいは特別な舗装に向けられるか、これは自治省のきめることであります。おそらく私のほうと相談してきめると思います。しかし、ここで皆さんに申し上げておきたいのは、私たちは、地方道につきましては自治省に全部おまかせすればいいという考えは持っておりません。あくまでも、道路法に規定する道路建設大臣責任でございますので、今後も、この地方道を直す財源につきましては十分考慮をしなければならぬと思っておりますが、まだそこまでいかないのが現状でございまして、御趣旨の点は十分わかりますから、今後とも地方単独費財源につきましては、ひとつわれわれも努力をする、こういうことを申し上げたいのでございます。二十五億円の内訳は、私はいまのところわかりません。維持費に使うかあるいは舗装等に使うか、それは私はいまわかりません。
  39. 佐野憲治

    佐野(憲)委員 私はそういうことを聞いておるのじゃないのです。これはちゃんと国会に出しておるでしょう。交付税法の改正並びに地方財政特別措置法の中に明確になっておるし、市町村道の延長に使う、一メートル当たり二円八十銭だ、こういうぐあいに、ちゃんと——しかもことしだけの特例でございます。一般の交付税では延長二十六円二十銭だ、ことしは二円八十銭だけ、二十五億円ふやしまして二十九円にしますぞと、ちゃんと交付税法の中にはっきり改正案も出ておりますし、二十五億円の財源措置も財政特別措置法によって、国会において、担当の委員会において審議されておるでしょう。そんなことを私は聞いておるのじゃないのです。一体二十五億円とはどこを基礎にして生まれてまいったのであろうか。しかもこれは一年限りの措置なのかどうか。一体何を根拠にして二十五億円というものが生まれてまいったのか。同時に、臨時ですから、ことし限りだ、法案を見てまいりますとことし限りということになっておりますね。これに対して一体大臣はどういうお考えを持っておられるのかということをお聞きいたしておるのであります。
  40. 西村英一

    西村国務大臣 これはさいぜん私が申し上げましたように、その地方道路を直すことについての財源の確保として、自治大臣大蔵大臣折衝によってきまったものであります。私はそれには関与しておらなかったのでございますから、どういう意味においてきめられたかわかりません。一年限りということも、私は知ってはおりますが、二十五億をきめたことについては私は関与していないのであります。
  41. 佐野憲治

    佐野(憲)委員 どうもおかしいと思います。大臣は所管大臣であると同時に国務大臣として、しかも御所管の建設行政に対して、二十五億円は一体何なんだろうか——私は二十五億円の積算基礎はどこにあるのだろうか、何を根拠にして二十五億円というものが出てまいったのだろうか、ちっともわからないわけです。しかも一メートル当たり二円八十銭だ、これもことし限りだ、いま市町村道が置かれている現状から考えて、これは一体何なんだろうか、ふしぎな措置だと私は思うのです。  そこで大臣にもう一つお尋ねしておきたいと思いますのは、第十一次地方制度調査会、これは総理大臣の諮問機関ですね、国会議員も参加しておりますし、各省のなにも幹事として参加している、これは満場一致で答申を昨年の十二月八日に出しておりますね。特に市町村道に対する問題に対して、相当詳しい提案をなしておる。「地方財政に関する当面の措置について」という答申の中にです。これは大臣お読みになっておりますか。
  42. 西村英一

    西村国務大臣 読んでおります。それは地方財政道路について自主財源を与えよというところがわれわれ建設省の最も関係するところでございますから、了承をいたしております。そういうような関係もありましたので、この二十五億円が別な方法できまったと私は了解しておるのでございます。
  43. 佐野憲治

    佐野(憲)委員 この答申には、いままでの道路に対する目的財源が国の場合におきましては八五%だ、地方の場合におきましては四八%だ、こういう不均衡を是正して均等になるように、特に市町村に道路財源ガソリン税を、地方町村道の置かれている現況にかんがみて移譲すべきだ、こういう指摘をいたしておるわけですね。私は地方制度調査会といえども、少数意見が見つけられる場合あるいはまた反対があって通る場合いろいろあると思います。しかしながら、いやしくも総理の諮問機関であり、しかもそれが満場一致をもって答申した、これは尊重されねばならないと思いますが、大臣はこれに対してやはり尊重の態度をもって臨んでおられるだろうと思います。  そこで私はさらに問題をもとに戻しますが、やはりここで考えなくちゃならぬと思いますことは、道路整備五ヵ年計画で取り上げられておる、しかも政令で道路基準を指定していますね。その道路が五ヵ年計画で取り上げられているんだ、その五ヵ年計画を進めてまいったといたしましても、いま皆さん道路統計年報の中における詳細な総量事業費というものがここに説明されておりますね。これを見てまいりましても、いかに町村道というものあるいは地方道がひどいか、明らかに皆さんの統計の中からも出てまいるわけであります。そうした場合に、ここで問題になってまいりますのは、五ヵ年計画を推進する単独事業、政令指定道路、これから除外されておる多くの道路がありますね。この中に組み入れられない多くの道路が存在しておる。そういうものがあるから、いまの地方財政の現況の中で皆さん長期計画を何とかして優先的に消化していこうと努力しておる。それだけ努力してみたといたしましても、なおも町村道というものは自動車交通不能の二・五メートル以下というものが四三%も占めておる。全く驚くべき現況の中にあるわけですね。これは火災とかいろいろな場合にどうなるだろうか。生活と密着する連絡道路なんというものは全く放置されておる。放置するよりしかたがないというのがいまの地方財政における決算の状況でもあるし、皆さんが詳しくそれを具体的に数字をもって事業総量を示しておられる。こうした場合におきまして、問題は二つあると思います。一つは五ヵ年計画の中における財源の問題、特にいまの六兆六千億円が、六千六百億円の要求が八千億円に化けてまいる、一兆九百億円が一兆一千億円になってくるという、数字的なやり方だけではなくてこれに対する財政的な裏づけというものを、単に交付税なりその他の自然増収にたよるというのじゃなくて、もっとこれからするところの財政的な裏づけというものをまず明確にするということと、もう一つはやはりこの中で取り上げられなければならないのは、八十四万キロという膨大な延長にのぼる市町村道、これは一般県道なんかもひどいと思いますけれども、そういうものに対するところの、一体どういう形において生活に結びつく基盤としての独自道路というものを整備していくか、これに対する財源一体どうするのだ、この二つの問題が現在提起されておるのじゃないか。その場合にそのことが問題となって、いま申し上げました了解事項と申しますか付帯事項が閣議決定されねばならなかったほんとうの真相はここにあるのじゃないか。そうした場合に、そういう問題に対してあと一年近くもあるでしょうから、最終決定をする段階においてもっとこの問題を煮詰めていただく、そういう中で五ヵ年計画のより充実した姿、財政裏づけに基づく五ヵ年計画、五ヵ年計画からはみ出しておる一般地方道なり市町村道というものは一体どうするかという財政的な措置、こういう問題が私が必要になってくるのじゃないか、かように考えるわけであります。
  44. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 ただいまの御説の地方単独財政的な裏づけ、これは確かに必要だと思います。これは、実はわれわれこの問題につきましてもっと自治省とも連絡し、地方財政の中における道路単独費がどういう形で出されておるか、こういうものをもう少し自治省当局ともよく連絡いたしまして、将来の地方単独がスムーズにできるような財政措置というものはどういうものがいいか、こういうことを検討していかなければならないということでございます。  次に、八十四万キロの市町村道の整備の問題でございますが、これはほんとうのところを言いますと、実はわれわれもいまはっきりした結論もないような状態でございます。と申しますのは、八十四万キロの市町村道というものは確かに千差万別でございまして、個人のうちの前の生活、民生に直結する道路と、それから県道なり国道に匹敵するような大きな道路、こういうものが種々雑多でございます。また、同じような人口、面積の市町村をとりましても、その中の市町村道の延長がかなり違っております。二倍くらい違っておるような県もあったかと記憶しております。そういうこともございまして、これは四十一年から始めておりますが、地方道のその実態をもう少しよく調べまして、それからその実態に基づいて市町村道の、あるいはいまの八十何万キロのうち、一つの案ですが、一級、二級をつけるなり、生活的にクラシファイをしていく、そういうものに対してどういう形で整備するかを検討する必要があろうかと考えますので、現在まず市町村道の性格別のものは早く調査をやりまして、将来八十四万キロにどう対処していくかをきめていきたいというふうに考えておる次第でございます。
  45. 佐野憲治

    佐野(憲)委員 時間もありませんので急ぎますけれども、皆さんの資料の中からもいろいろ勉強させていただいておるわけですが、特に最近町村道に対する補助事業がふえてまいっておりますね。昭和四十一年度には九十四億円、総事業費が。国費が六十三億で地方費が二十六億円です。四十二年度も百六十六億円、国費が百十七億円、地方費が四十八億円。そこでこの中身を見てまいりましても、奥地開発なりあるいはまた離島振興なり法律に基づく補助をしなければならない、市町村道に。こういうものが、四十一年度を見てまいりますと七十二億円になっておる。純然たる市町村道に対して補助を去年から大幅になされた。これが事業費として二十二億円になる。と考えてまいりますと、町村道にも補助をする、こういう一つの新しい方法をとってまいりまして、法令に基づくものを別として、そういう基づかなくて新しい制度をとってまいられた。これが皆さんの統計の中からもわかるわけですけれども、こういうものを見てまいりますと、補助というものは特に町村道の場合そうなんですけれども、府県道の場合でも多いわけなんですが、こういう補助というものをもう少し整理をして、この補助というもので地方自治団体が自主的に自治によって社会生活環境、住みよい環境をつくるのだ、しかも地方財政法には、御存じのとおり国の大規模なものに対しましては地方は協力していかなければならないかわりに国が一部ないし全額を負担する、こういう規定が十条にあると思います。そういう意味から考えますと、国は大規模な事業に対しまして、全額なりあるいは一部補助をする、こういうたてまえに財政法がなっておるわけですから、何でもかんでも補助、町村道にまで補助を出すという、そのことはわかっていると申しましても、地方自治の本旨という立場に立って考えてまいりますと、これは非常に問題があるんじゃないか。府県道の場合におきましても、国の設計変更なり何なりのために鹿児島あるいは北海道から上京して、三百メートル舗装するために一々東京まで来なくちゃならない。こういうことでなくて、もはや県には土木部長なんというのはほとんど建設省から出向してきておるようなものでしょう、身分は地方公務員ですけれども。そういう人たちがおるにもかかわらず、三百メートル舗装するために東京まで来なくちゃならない。このむだな経費というのはばかにならないと思うのです。新しい制度として町村にまで及んでくる。町村までもこれをやらなくちゃならない。もちろん一部は県に委任するでしょうけれども、街路の場合を見ておりましても、ほとんど町村長なりあるいは担当係官が詰めかけておる。こういうふうな現況を見てまいりますときに、もう少し補助事業というものは、根本的に整理していく必要があるんじゃないか。そういう点に対して、ひとつ最終五ヵ年計画決定する際には、単に五ヵ年計画財政裏づけだけではなくして、地方道全体に対して一体どうするか、この問題を取り上げるんだ、こういう約束が大蔵大臣と自治大臣の間に覚え書きでかわされておる。そういうことの中から、五ヵ年計画閣議了解のときに、あのような文章が出なくちゃならなかった背景がそこにあるんじゃないかというぐあいに私は理解しているのですけれども、そういうことなら、そういう趣旨を体して、当時を糊塗するんじゃなくて、根本的にひとつ考えなくちゃならぬじゃないか。しかも地方自治の本旨に従って、財政法はそういう場合を規定しておりますし、地方も国の政策に協力していかなければならない。しかしながら、国は地方の自主性を阻害するようなことがあってはならない。こういう規定も財政法の中に民主主義のルールとして確立されておるわけですから、そういう趣旨に従ってひとつ検討願いたいと思います。そうしなかったら、民主主義の基盤である地方自治というものはいつまでたっても成長しない。三百メートルや五百メートルの舗装にまで国が一々設計なり監督なりしなければまかせることができないのだ、こういう考え方はぜひとも捨てていただきたい。これは皆さんの統計の中で、別の機会に詳しく討議させていただきたいと思います。なかなかいい資料が出ております。また運輸省のほうからも自動車なりいろいろの統計が出ておりますのを参考、対比しながら見てまいりますと、私は普通車なりの伸びとあるいは軽自動車なりの伸びを比較してみて、あるいは農村におけるところの自動車なり耕うん機なり消防自動車なり、いろいろな形で生活に密接せる機械化されたものがこの道路を走っておる。こういう統計を見てまいりますと、そういう意味において町村道は自動車その他によって非常に損傷されておる。
  46. 森下國雄

    森下委員長 佐野君に御注意申し上げます。約束の時間がだいぶ過ぎておりますから、どうぞ御協力願います。
  47. 佐野憲治

    佐野(憲)委員 はい、わかりました。  そういうわけですから、そういう意味からも、ひとつ検討願いたいということです。  それから皆さんのほうの道路統計年報の一九六六年版ですか、これによると、一般道路事業費の内訳が、元一国、二国、主要地方道、一般地方道、町村道、こういう形で示されておるわけですが、皆さんの統計を見ておりまして、パーセントを私いろいろ試算をしてみておるわけですけれども、このパーセントを見てまいりますと、こういう事業費の中に、必死になって市町村団体がいわゆる町村道の改修のために努力をしているのがよくわかる。このパーセントを見てまいりますと、三十六年を一〇〇としてずっと比較してまいりますと、私はよく出ていると思うのです。そういう中にある現況というものをもう少し私は率直に検討していただきたい。地方自治のたてまえの本旨、これに基づいてもう少し地方と国との協力関係がどうあるべきか、しかも財政裏づけはどうあるべきか。私は、国が長期計画を立てて目標総量を示される、これはいいことだと思います。国民の最低基準の要請にこたえる道だと思います。それから、実施という場合にあたりましては、大臣は助言と勧告をする、この程度にとどめて、実施はやはり地方団体の自主性なり——しかも地方住民が参加をする、地方住民の納得と理解と総意がこれに加わってくる、そうして地域社会を構成していく、こういうたてまえを私は築いていかなければならぬときを迎えているのではないか。ある意味においていま地方自治の絶対的危機だ、危機も絶対的危機の中に直面している、こういうことが指摘されている中において、もう少し私は真剣に、特に公共事業は中央集権性を持っている、官僚的統制の性格を内部に持っているのだ、これをいかにして民主主義的な関係の中に置くかということ、これは制度的の問題でもあるのでありますけれども、やはり私は考えていただきたい。そこで、大臣道路責任を持つと言いますけれども、道路整備五ヵ年計画の中におきましても、きまった五ヵ年計画に対しましては県知事に通知すればよろしい、これしか規定されていないわけですね。
  48. 森下國雄

    森下委員長 佐野君に申し上げます。工藤、阿部、稲富君が控えておりますので、どうぞ御協力願います。
  49. 佐野憲治

    佐野(憲)委員 そういう点に対しまして、五ヵ年計画そのものの立て方の中にも、もちろん政令に指定する道路だ、これは政令に指定する道路だから、制度的には地方団体の意向を聞かなくてもよろしい。しかしながら経済基盤の整備をするのが目的なんだ、こういう意味におきましては、経済企画庁長官なりあるいは運輸大臣の意見を聞かなければならない、こういうたてまえになっているだろうと思いますけれども、しかし、もう少し私は生活基盤に密着する、しかも町村道における現況と、これのためにいかに町村が努力しているかということは皆さんの統計の中にもはっきりされてまいっていると思います。しかも割り当てだということ、このものに対して一体どう解決していくか、財源の問題なりあるいは国と地方におけるところの協力態勢の問題、これらをもう少し整理をして、やはり地方自治の本旨に従ってこれは整理する段階を迎えているのではないか、こういうことを痛感いたしますので、そういう点を指摘しておきまして、いずれまた具体的な問題の中で私は深めていきたいと思いますけれども、一応これで終わらしていただきます。
  50. 森下國雄

    森下委員長 工藤良平君。
  51. 工藤良平

    ○工藤委員 いま佐野委員のほうから相当詳細に質問がありましたから、私はなるべく重複を避けて質問をいたしたいと思います。  先般福岡委員のほうから質問の際に、奥地等の産業開発道路の問題について国として百三十路線、二千九十四キロを指定して整備をはかりつつある、こういうようなお話でございます。今回期限を四十七年度まで延長いたしまして整備をはかるということでございますが、この点について、この百三十路線というのは奥地等産業開発道路整備臨時措置法に基づいたこの開発道路全部路線になるわけでございますか。四十七年度の間にさらにその路線の指定が拡大されて整備をされるということになるわけでございますか。その点をお伺いしたいと思います。
  52. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 お答えいたします前に、実は先般の当委員会福岡先生の御質問に対しまして奥地等の産業開発道路の指定でございますが、百三十路線、二千九十四キロという数字を申し上げたのでございますが、実はこれは私がはなはだ失礼いたしまして、昨年六月にさらに五十二路線、六百二十キロが追加されまして、現在では百八十二路線、二千七百十四キロ、こう御訂正願いたいと思います。これにつきましては、現在二千七百十四キロにつきまして四十七年までの事業全部を改良するということでございませんが、車は全部通れるようになろうというようなことで、事業費はこの五ヵ年に全部見たいと思います。さらに追加指定でございますが、これは追加指定ができるかできないか、必要か必要でないかはちょっとまだはっきりわれわれ検討しておりませんが、必要な場合にはさらに追加していくつもりでございます。
  53. 工藤良平

    ○工藤委員 この法律を見ますと、確かに制限が、奥地ということですからそのとおりだと思いますけれども、相当きびしい制限があるようでございまして、この制限に基づいた範囲がさらにどの程度予想されるのか、ちょっとこの点をお伺いしておきたいと思います。
  54. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 この奥地産業開発道路を指定いたします範囲につきまして、これは一応こういう形で法律できまっておりますので、この法律のままでありますと、いますぐに範囲を広げるということは困難だというふうに考えております。
  55. 工藤良平

    ○工藤委員 この法律の範囲内においていま指定をいたしました百八十二路線ですね。これ以外になおかつ予想される地域がどの程度あるか、調査をしておればお伺いしたいと思います。
  56. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 実はいま調査しておりますが、この百八十二路線をきめたそのあとで、やはり人口も減っておるところもございまして、奥地の地域がふえるところが若干あるように聞いております。
  57. 工藤良平

    ○工藤委員 この点は早急に調査をしていただきまして、明らかにしていただきたいと思うのです。これは特に農産物の流通の問題なり、あるいは価格の問題等にも相当影響してまいりますし——私は先般河川の問題で若干意見も申し上げましたけれども、奥地の総合開発という意味においてたいへん重大な問題であろうと思いますので、ぜひそこいら辺の調査の内容を明らかにしていただきまして、今度の新しい五ヵ年計画の中には相当重点を指向していくということもうかがわれるわけなんで、ぜひこれが整備については十分なる配慮をしていただきたい、こういうように考えております。  それから次に、先ほど佐野委員のほうから相当詳細に御質問がありましたから、できるだけ重複を避けたいと思いますけれども、一九六六年版の「日本の道路」という資料をいただきまして、これを検討させていただいているわけですが、この資料は一九六七年はまだ出ていないわけでありますか。
  58. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 一九六七年につきましては、現在作製中でございます。
  59. 工藤良平

    ○工藤委員 それではこの資料に基づいて若干御質問をいたしたいと思います。  特に、私はこの地方主要道を中心にいたしまして、各地域の道路の整備について重点をお願いをいたしたい。こういうことに関連をして御質問いたしたいわけなんですが、現在の傾向としてこの統計資料を見ましても、三十五年以降四年間の貨物並びに旅客輸送の伸び率というものを見ますと、トラック、自動車による輸送の伸び率というものは非常に急速に伸びているわけであります。   〔委員長退席、丹羽(喬)委員長代理着席〕 そういう点からいたしまして、その後の傾向としても、おそらくこのパーセントをはるかに上回るのではないかと思いますが、これによりますと、大体年平均貨物輸送で一七%、旅客輸送で九%という年率を示しておるようでございます。さらにこの質的な変化といたしましても、百キロ未満というのがやはり圧倒的に多いわけでありまして、したがってそういう意味からいいまして、この資料にもありますけれども、地方道に対する建設省の考え方、きわめて基本的な考え方になりますけれども、その点についてお伺いをいたしたいと思うのであります。
  60. 西村英一

    西村国務大臣 地方道のことでございます。大体道路はいわゆる道路網でございまして、やはり幹線が直ってから支線にいく。やはり網を形成しなければならない。最近地方道のことをやかましく言われるのは、やはり相当長い間幹線に力を入れまして、幹線が徐々に直ってきたから、それで地方道地方道、こう言うわけでございます。初めから地方道地方道という声はあまりなかったと思います。したがいまして、私どもといたしましては、幹線をだんだん整備をしていけば、もちろん末端の地方道につきましても力を入れなければならぬと思うのです。ただ地方道はさいぜんも申しましたように、非常にキロ数が多いので、ピンからキリまであるわけでございます。したがいまして、これに対しては十分な調査をしようということにいまなっておるわけであります。いま佐野君からもいろいろお話がございましたが、一方は地方財政に独自の財源を与えるというような議論もありますが、今後はいずれにいたしましても財源のことも考えなければならぬでしょうし、地方道に対して力を入れなければならぬだろう、いまの補助方式がいいか、単独自主財源を与えるのがいいか、これは私にも意見があります。しかしいずれにいたしましても、地方道道路網の一環として今後は整備しなければいかぬということは当然のことであると思うわけでございます。
  61. 工藤良平

    ○工藤委員 もう一つお伺いしたいわけなんですが、交通量の推移を見ますと、確かに過密化した大都会を中心にいたしまして、相当交通量が飽和状態になっているということがわかるわけでありますが、この資料を見ますと、飽和比率というのは、むしろ主要地方道のほうが非常に急速に高まっているように資料に出ているわけでありますが、その点の説明をちょっとお聞きしたいと思うのです。
  62. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 これは混雑度と飽和比率の問題と思いますが、やはりいまの道路の種別からいいますと、一番混雑度が高くなっておるところの元一級国道の飽和比率、これが高くなっております。また元二級国道、主要地方道、これは県道でございます。これが約三万三千キロくらいございます。これがほぼ同じ飽和比率に相なっておりまして、三十一年、四十年でも大体ほぼ同じになっております。また一般県道のほうはやや少なくなっております。これはやはり幹線が——元の一級国道、次が元の二級国道、こういう幹線は非常に車が通ると同時に、幹線の中でやはり相当幹線の現状が、一号線のような交通の需要に見合わない道路の現状であるということから、車が県道、一般地方道まで通っておるのではないかというふうに考えております。また、非常に地方の車の保有率も上がっておりますので、そういう意味でやはり幹線につながる一般の県道、こういうものが非常に交通量がふえてきておるせいではないかというふうに考えております。
  63. 工藤良平

    ○工藤委員 いま御説明のように、各幹線につながる地方道等におきましては、さっき申し上げましたように陸上輸送、トラック輸送というものが非常に増大をしておる。しかも車が大型化してきた。こういうような状態から、やはりそれに接続をする主要な地方道、さらにはその主要地方道につながる市町村道につきましても非常に飽和比率というものが高くなってきておるだろうと思うのです。したがってやはり道路の整備につきましては、主要な幹線道路から整備をしていくということも確かにそのとおりでありますけれども、やはり並行して地方道の整備につきましても行なっていかなければ非常に片手落ちの事態が起こるのではないだろうか、こういうように心配をされるわけなんで、したがって私はこの道路統計年表を見てみましても、各県ごとに非常に極端な道路整備のアンバランスがあるようであります。ある程度やはり一定率のところまでは整備を促進してやるという措置を建設省としてはとる必要があるのではないかというふうに考えるわけでありますが、その点に対して大臣考えをお聞きいたしたい。
  64. 西村英一

    西村国務大臣 市町村道でもたびたび言うことですが、八十四万キロもございましてピンからキリまでございます。しかも市町村合併によりまして非常に広い範囲で重要な道路もあるわけです。行き方といたしまして、地方に自主財源を与えるか、あるいはいまの市町村道でも重要な道路府県道に格上げをして、そして補助対象にするか、そういうようないろいろなやり方があると思います。いずれにいたしましても、これは市町村道といっても府県道に負けないくらい重要な道路もあるわけでございますが、中にはほんとうの小道で三十メートルとか五十メートルとかいうような短い道路もいまの八十四万キロのうちに入っておるわけであります。いずれにいたしましても、それの区別をやはりすべきじゃないかということであります。市町村道には今後は自主財源を与えてやらせるか、あるいはいまの格上げ方式でいって補助対象方式をとるか、これは今後の研究課題であります。自主財源を与えるということはまことに自治を重んずるためには必要でございましょうが、それには非常に大きい財源が要って総花的になるわけでございます。市町村といっても全部がやはり同じ財源を持っておるわけじゃありませんので、おのおのみな違うわけでございます。しかしいずれにいたしましても、市町村道に今後は力を入れなければならぬ、かように感じておる次第でございます。
  65. 工藤良平

    ○工藤委員 先ほど大臣は主要幹線が終わってから地方道にというお話でありましたが、道路というものは交通量がふえてまいりますと、並行的にどうしても地方道に車が集中してくるという傾向になりますから、この点はやはり考え方としては、並行的に全体的にレベルを上げていく、こういう態勢をぜひ大臣としてもこれからの行政に生かしていただきたい、こういうふうに考えます。  それから次にお伺いいたしたいのは、この六六年の資料によりますと、これはおそらく第四次五ヵ年計画の際の資料だと思いますが、五十五年末までの整備計画として二十三兆九千億円で大体主要な道路の整備が完了する、こういうようなことが書かれているわけでありますが、今度の新しい道路整備のビジョンによりますと、昭和六十年までに五十三兆円を要する、こういう計画になっているわけであります。したがって第四次五ヵ年計画を繰り上げて、第五次の道路整備の五ヵ年計画を提出したのだろうと私は判断したわけでありますが、非常に大幅な五ヵ年計画が出ているわけであります。その割合といたしまして、五十五年までに二十三兆九千億の計画からいたしまして、第四次の五ヵ年計画が四兆一千億ということでありますが、そういたしますと、五十三兆円にふくれ上がった今度の新しい計画の中において、六兆六千億という第五次の計画から積算をしていきますと、六十年までの間に、次の計画あたりでは相当大幅なものを組んでいかなければ、五十三兆円という計画計画倒れになるのじゃないか、あるいはまた次の段階で早急に新しい五ヵ年計画をつくらなければならぬ、こういうかっこうになるのじゃないかと思いますけれども、その点についてお考えをお聞きしたい。
  66. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 第四次の五ヵ年計画をつくります場合に、五十五年までの全体計画として約二十三兆九千億というのをつくったのでございます。これは要するにその当時の積算は三十七年度の価格でやったわけでございます。その後いろいろ車の伸びの問題、それからそういうものの指標が多少変わってきまして、今度の第五次五ヵ年計画の際には、昭和六十年、二十年後の国民所得なり交通量なり自動車の保有台数を想定して、それに要する道路事業費を三十七年度の価格で積算いたしたのが二十三兆になっておるわけでございます。いまの現段階ではやはり昭和六十年くらいまでに四十年度の価格で五十三兆円のものは必要だというような大ざっぱな一つ目標をつくっておるわけでございます。四十二年から四十六年までの第五次の五ヵ年計画として先般つくりましたのが六兆六千億ということになっておるわけであります。この五十三兆は大ざっぱなものでありますが、いまの六兆六千億との関係といいますか、やはりいまの六兆六千億の昭和四十六年の目標、これが自動車の保有台数は約千六百万台になるというように想定しているわけでございます。これでいきますと、やはり車の台数が毎年一六%くらいずつ伸びていくということになります。いまの五ヵ年計画で大体一六%ぐらい伸びると六兆六千億という形になるのではないかというふうに考えております。また五十三兆をもとにして考えますと、毎年同じ伸び率をするということで五十三兆を六十年まで投資をする、そのうちの四十二年から四十六年までの分、いわゆる等比級数で算定いたしますと約五兆九千億くらいになるのじゃないか。これは数字積算でございます。大体幹線自動車道のようなまだ四十六年までにできないものを相当着工しなければいかぬというような先行投資の分も合わせると、単にいま言いました五十三兆を達成するために毎年等比級数で伸ばすというようなことよりも、もっと大きな金が必要だということで、いろいろな財政の問題もあったかと思いますが、六兆六千億にきまったものだと考えております。
  67. 工藤良平

    ○工藤委員 確かにこれから二十年間の計画でありますから、そう詳細なことはもちろんできないと思いますが、少なくとも今回の第五次道路整備五ヵ年計画の大まかなものはやはり示していただかないと、全体のものをつかむのにたいへん苦労するわけであります。ぜひその点については、今回四十二年度の計画だけでありまして、それ以降の計画については示されていないわけでありますが、この点については早急に計画を樹立する予定なんでありますか、現在あるとすればぜひ資料として提出をしていただきたいと思いますが、その点どうなんですか、伺っておきたい。
  68. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 六兆六千億につきましては、いま各幹線自動車道をどうするか、一般の道路、一級国道、二級国道地方道をどうするか、いま検討中でございまして、まだお手元に出せるような資料にまでまとまっておりません。ただ大よその考え方、いまの積算目標といいますか、大よその考え方をちょっと申し述べてみたいと思います。  幹線自動車道につきましては、御承知のように昨年七千六百キロの予定路線がきまりまして、これを二十年間で完成するという考えを持っております。そのうち約半数の四千キロ足らずを昭和五十年ぐらいまでに完成しなければならぬというふうに考えております。これをほとんど昭和四十二年から四十六年の五ヵ年計画では着工をするような形になるのではないか。着工するといいましても、四十三年から着工するのと四十六年から着工するのではだいぶ事業費が変わりますので、その辺をいま四千キロについてどの辺、何年ごろから着工すれば事業がどのくらい要るかというようなことの数字をいろいろ検討しておる次第でございます。そのほかに元一級国道、一般国道となっておりますが、そのうちの元の一級国道については、これは当然四十六年までに至らない四十四年か五年ぐらいには全線の一次改良と舗装を終えたいというふうに考えてございます。元の二級国道でございますが、これは四十一年度末といいますと四十二年の三月でございますが、この辺の整備率の推定でございますが、大体改良が五二%、舗装が五一%くらいになっております。これをいまの五ヵ年計画の終わります四十六年度末では少なくとも大体改良を八〇くらいに持っていきたい、舗装は九〇くらいに持っていきたいというようなことで、いろいろいま金の試算をしておるような状況でございます。さらに、主要地方道につきましては、これは先ほど説明いたしました三万三千キロくらいでございますが、このうち四十二年の三月末の現況は改良が約五一%、舗装が三二%進んでおります。これを四十六年度末には、大体改良については六〇%台に持っていきたい、舗装についても六〇%台まで確保したいということを目標にしております。一般地方道のうちの県道でございますが、これは約八万八千キロございまして、現況は四十二年三月で、改良が二五%、舗装が一二%になっておりまして、これも大体改良がまあ三〇%までなかなかいかないのじゃないかという感じもいたしますが、それに近づけたい。それから舗装につきましては大体二五、六%ぐらいまで持っていきたいというようなことでいろいろ事業費を算定しております。  さらに、街路事業につきましては、これはまだ街路はどこをやるかによって非常に単価が変わりまして、どのくらいの延長になるかまだちょっと積算しかねておる状況でございます。  申しおくれましたが、そのほかに都市の高速道路につきましては、現在四十二年の三月で供用を開始しているのは約三十五キロございますが、これは四十七年の三月では約百キロ以上に供用開始をしたい。阪神高速につきましては現在供用開始は十五キロでございます。これも大体八十キロから九十キロぐらいまで供用開始に持っていきたいということで、現在積算をやっておる状況でございます。
  69. 工藤良平

    ○工藤委員 ぜひこの問題については具体的な検討をなるべく早くお願いをしたいと思います。  次に、これは大臣にお伺いをいたしたいと思いますが、大分県の佐賀関と愛媛県の三崎との間の九州・四国のフェリボートの問題でございますが、これもすでにいろいろ長い間問題がこじれておったようでありますけれども、県議会のほうも意見もまとまりまして、建設省のほうに早期着工の問題について意見を出しておると思いますが、その後の経過なりあるいは着工の見通し等についてぜひお伺いをいたしたいと思いますので、明らかにしていただきたいと思います。
  70. 西村英一

    西村国務大臣 ただいま日本道路公団から運輸省に対して航路権の出願をいたしておる最中であります。運輸省でただいま、競願の方々もありますのでそれらの調整をいたし、しこうして方針がきまったら運輸審議会にかけて討議するのじゃなかろうかと思っております。ただいまはそういう段階でございまして、まだ最終的に決定をいたしておりません。
  71. 工藤良平

    ○工藤委員 そういたしますと、この航路権の問題については公団が行なうということもまだ決定をしていないわけなんですか。
  72. 西村英一

    西村国務大臣 航路権の許可の申請を日本道路公団がしておるということでございまして、まだきまっていないのであります。航路権をほしいということを日本道路公団として運輸大臣に申請をしておるということでございます。
  73. 工藤良平

    ○工藤委員 他の民間の六社も航路権の問題については競願を出しておる、こういうことでございます。大分県としては航路権についてはぜひひとつ公団でやってほしい、将来この問題は、先般も問題になっておりましたけれども、本土と四国を結ぶ線と九州と四国を結ぶ線というのは非常に重要になってくるし、これはまさに国道に匹敵するものであるから、ぜひ航路権については公団が持つべきではないか、こういうような意見を持って御意見を申し上げておると思うのですけれども、その辺のいきさつをもう少し現在の状態がわかれば明らかにしていただきたいと思うのであります。
  74. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 現在道路公団が申請されておりますのは、航路権は公団が持つという形で運輸省に申請を出しているわけであります。ただいまお話しになりました六社から同じような航路権の申請が出ております。で、多少は船が二はいでやるのと一ぱいでやるのとその差はございますが、ほぼみんな同じような程度で出ております。また公団がいま運輸省に航路権を申請しております中にはいろいろ営業の問題がございまして、営業につきましては公団のいまの申請も大体内容は、将来公団が航路権を持つといった場合に、公団が船を一隻つくって、民間の希望があればもう一隻は民間の船をチャーターしていく、業務運営はこれは民間の適当なところに委託していくというような形でいま考えておるわけでございます。いまのところ先ほど言いました六社の競願になっておりますので、これをどう調整するかということをいま運輸省でやっていただいておる次第でございます。
  75. 工藤良平

    ○工藤委員 その点についてはできるだけ早く結論を出していただきたいと思います。もちろん大分県としては公団一本ということでずいぶん長い間主張してまいりましたので、ずいぶん長引いてきたわけでありますけれども、一応そういう結論も出ているわけなので、民間との競合の中で、なおさらにこの問題が長引くということになりますとまたそこに大きな疑惑の面も出てまいりますので、航路権としてはやはり公団一本という形の中で早急に結論を出していくということが必要じゃないかと思います。その点についてはぜひ早急に建設省としても御努力をいただきたい。  それと、なお三崎のほうの道路関係がどのように進行しているか、大分県側のほうはすでに舗装もほとんど完了いたしておりますので、そこら辺もちょっとお聞きをしたいと思うのです。
  76. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 これは三崎から大洲間、百九十七号線の国道でございます。この区間につきましては、フェリができますと、大体二百台以上もふえるだろうということもございまして、少なくとも開通するまでには、現道を局部改良して車がすれ違えるような待避所をつくりながら、そういう形で舗装までは四十三年中に全部終わりたいというふうに考えております。さらにもっと大規模の改良については、今後の計画を待って必要なところから実施していきたいというふうに考えております。
  77. 工藤良平

    ○工藤委員 この問題につきましては、大臣にもぜひひとつ早急に着工できるようにお願いをいたしたい。うわさによりますと、十月一日から着工するという話も聞いているわけでありますけれども、そこら辺についてはまだ明らかになっていないわけでありますか。
  78. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 先ほどの六社の競願もありまして、この辺の調整を運輸省が早くとっていただくようにわれわれはお願いをしておるのでございます。公団に航路権が認可になりましたらできるだけ早く、ことしじゅうには船の発注をしていきたい。また接岸施設もことしから一部着工していきたいというふうに考えております。われわれとしては、できるだけ運輸省にもお願いいたしまして、早く公団へ航路権の認可がおりますように努力したいというふうに考えております。
  79. 工藤良平

    ○工藤委員 時間もないようでありますから、この程度で終わりたいと思いますが、特にこういった大分市の九・四のフェリの着工、さらには新産都の急速な発展によりまして、この周辺部の道路整備の問題も現在非常に問題になってきているわけで、これらの問題については、特に新産都の指定地域でもありますし、九・四の連絡の実現等によりまして早急に整備をしなければならない事項も起こってくるわけです。その点については後ほど建設省に対しても要請をいたしたいと思いますけれども、可能な限りすみやかにこれらの整備についても御努力をいただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
  80. 丹羽喬四郎

    丹羽(喬)委員長代理 稲富稜人君
  81. 稲富稜人

    ○稲富委員 お尋ねしたいことがたくさんありますけれども、時間がありませんので簡単におもな三点の問題についてお尋ねいたしたいと思いますから、簡略に御答弁願いたいと思います。  まず最初にお尋ねしたいと思いますことは、今回の五ヵ年計画の中に入っておると思いますが、御承知のように道路法の第二十九条におきましては、「道路の構造は、……安全かつ円滑な交通を確保することができるものでなければならない。」というふうに規定をいたしております。ところが今日の道路の中において最も不安全なものに平面交差があるのであります。その最も不安全な平面交差の中におきましても、国道国鉄との交差は、千七百四十一の中で立体交差が千七十七、六百六十四カ所というものが平面交差になっております。それから国道と私鉄との交差は、四百四十二の中で立体交差が百六十九、平面交差はまだ二百七十三残っておるというような状態である。主要府県道の中でも、国鉄との交差は非常に遅々として進んでおりません。千三百九十四の中で立体交差は四百七十五であって、平面交差が九百十九残っておるという状態であります。また主要府県道と私鉄との交差におきましても、六百三十五の中で立体交差はわずか百十九であります。五百十六というものは平面交差になっておる。こういう非常に危険な状態に置かれておることは御承知のとおりであると思います。この問題については、国としましても、踏切道改良促進法もすでに制定されておりますし、いろいろ努力はされておると思いますけれども、遅々として今日まで進んでいないというのが現在の状態であるのであります。こういう問題はすみやかに立体交差に取り計らうということが、私は道路法の基本的な精神からいっても必要だと思うのであります。今回の五ヵ年計画の中にはいささかそういう点の片りんはうかがえるようでありますけれども、立体交差の問題、しかも軌道との立体交差、これに対してどのような計画をなされているのか、この点を承りたいと思うのであります。
  82. 丹羽喬四郎

    丹羽(喬)委員長代理 この際、ちょっと政府側に申し上げます。時間の関係がありますから、簡単かっ明瞭に御答弁願います。   〔発言する者あり〕   〔丹羽(喬)委員長代理退席、委員長着席〕
  83. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 踏切道改良促進法で、四十二年の三月にさらに百カ所の踏切道の立体交差を指定いたしましたが、現在五ヵ年計画で踏切道を何ヵ所するか検討しておりますが、四次の五ヵ年計画より立体交差の数をかなり大幅にふやしていきたい考えでございます。いまのところまだ数字ははっきりつかんでおりません。
  84. 稲富稜人

    ○稲富委員 そうすると、いま申し上げましたように、国鉄国道、私鉄と国道、主要府県道国鉄、主要府県道と私鉄、こういう四種類に分かれているのでございますが、このたくさんの立体交差の問題について、今度の五ヵ年計画の中においてどのくらいこれを立体交差に変えようという目途があるのであるか、この点を承りたいと思います。
  85. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 ただいま言いましたように、ちょっとまだそのはっきりした数字は持っておりませんが、考えといたしましては、都市の鉄道の連続立体化、こういうもので都市の中はかなり大きくいまの平面交差が立体化されていくものと思います。また主要地方道、元二級国道につきましては、改良の場合は、特別の事情がない限りは全部平面交差を立体にしていくという考えでやっておりますが、ちょっといまの数字はまだはっきりつかんでいない状況でございます。
  86. 稲富稜人

    ○稲富委員 この問題は、大都市であると地方であるとを問わず一番危険があるし、おそらくあなたのほうの統計でも踏切事故件数がわかっておると思うのでございます。昨年度の踏切における事故件数も相当多いと思いますが、これがために死傷者も出るし、あるいは鉄道の遅延、鉄道事故という問題も続出しておるので、ほんとう道路整備をやろうとするならば、こういう問題に対しては一番に手をつけるべきではなかろうか、かように考えます。それでこれに対しては鋭意そういう方向を五ヵ年計画の中に盛っていくのだ、こういうような目途があるならば、この問題に対して急速にやっていただきたいということ。さらに一つは、いまのは軌道との問題でありますが、国道国道との平面交差、これも最近トラックが非常に多いので、国道国道との平面交差というものは非常に長時間待たされる危険がある。国道と主要府県道との平面交差、これも相当にあるので、私も調べようと思ったけれどもどうもわかりませんが、国道国道との平面交差、国道と主要府県道との平面交差、これはどのくらいありますか。
  87. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 ただいまのお話の、国道国道との平面交差はちょっと私も数字をつかんでおりません。ただ今後のわれわれの方針は、やはり国道交通量が非常に多くなってバイパスみたいになった場合、こういう場合は必ず将来の交通量が相当多くなりますので、主要道路との立体交差のものはつくっていきたいというふうに考えております。これは今後の二次改築、再改築のバイパスにつきましては、いま言いました国道国道はもちろんのこと、主要道路についても交通量の多い交差点については二次改築を考えていくように構造をいまいろいろ検討しております。
  88. 稲富稜人

    ○稲富委員 この機会に要望しておきたいと思うことは、新設される道路等は当然立体交差の中に入ると思うのですが、従来の道路では依然として平面交差のまま置かれておるところがたくさんある。こういうところは当然立体交差に改造する、こういうような計画が今回の五ヵ年計画の中に盛られておるのかどうか、こういう点いかがですか。
  89. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 ただいまの、現在ある国道についてのお話でございますが、たとえば例といたしまして、甲州街道と環七の大原交差点、こういうものは立体交差を考えております。一番問題になりますのは、都市の中のそういう国道と幹線街路との交差だと思います。これは街路事業の中では相当大都市の交通対策として交差点の改良、これにはもちろん交差点の幅を広げるだけではなくて、立体化も含まれておりますので、大都市の交通難の解消としてはとりあえず現道の交差点の改良、立体化、こういうものを街路の事業のほうで考えていきたいというふうに考えております。
  90. 稲富稜人

    ○稲富委員 それで大臣にお願いしたいのでございますが、この五ヵ年計画の中にも、ただいま局長から御説明になったような点は、入っているようでございます。こういう問題に対しては、ひとつ今回の実施にあたっては優先的に考えてやるべきじゃないか。危険の伴うものであるし、あるいは輸送に非常に遅延を来たす、こういうような両面から平面交差を立体交差にするということは考えていかなければいけない問題だと思うので、この点をひとつ十分、建設大臣そういう方針で進んでいただきたいのですが、いかがですか。
  91. 西村英一

    西村国務大臣 稲富さん、問題は二つありまして、現在自動車を相手にしておる安全施設、いわゆる政府が言っておる交通安全施設の三カ年計画、それは全部で六百五億をもってスタートしたのでございます。ことしは二年目でございます。しかしそのときは道路費の規模が四兆一千億の規模であったのでありますが、今度は六兆六千億になりましたので、来年が三年目でございますから、当然この自動車を相手にした交通安全施設、結局踏切道をつくるとかあるいはさくをするとかいうものは、それが相当な規模で来年はさらに新しい計画をつくらなければならぬと思っております。  それからもう一つの安全は、いまの踏切道の問題です。これは現在の踏切道の除去の法律はありますけれども、あれは大体計画をつくらなければならぬことになっておりますけれども、その費用の分担においてきめられてあるものは、日本国有鉄道と建設省、道路管理者との間は費用の負担があるわけであります。したがいましてそれは徐々に直していけるわけでありますが、私鉄との間には何らの計画がないわけであります。もし私鉄との間の計画をつくるとしますと、私鉄がそれだけの負担ができるかどうかということに対して非常なこれは困難性があるわけであります。むしろそういうような多大の負担を背負うというならば、もう私鉄はやめてもいいというところも相当あるわけであります。あまりいま私鉄業はいい商売ではありませんから……。したがいましてこの問題は今後取り組みますけれども、非常に難儀をすると思うのであります。それでは国費をもって全部私鉄との交差点は、国道は平面交差しており、府県道が平面交差しておっても、全部国費で持ったらいいじゃないかということになればそれは別でございまするが、やはりそれには地方鉄道にもこれは若干の責任がございますので、ある程度の費用負担をお願いしなければならぬと思うのであります。したがいましてそのことは私鉄にとりましてはたいへんな負担でございますので、これらの点をどうするかということは一つの問題でございます。  いずれにいたしましても、今度せっかく道路といたしまして六兆六千億円の巨大な予算をお願いする以上は、このいわゆる自動車に対する安全の施設あるいは踏切除去の問題、これに対しては新しい観点からひとつ取り組んでいきたい。そうして事故をなくしたい、かように考えておる次第でございます。
  92. 稲富稜人

    ○稲富委員 いま大臣が言われたように、国鉄との問題より私鉄が一番問題です。これは現に大臣も知っていらっしゃるように、私の地区久留米でありますが、西鉄と国道との交差、これなどもかなり問題でありますけれども、やはり私鉄との費用負担等の問題で話がつかないで、ようやく最近緒についた。問題になったのはずいぶん前から問題になっております。こういうために計画が進捗しないという問題がありますので、こういう問題に対しては、ただ単に話し合いでいくのではなくして、法的な何か規制をするとかそういうような方法はできないものであるか、こういうことも今度のこの五ヵ年計画と関連いたしましてこの際考えるべきではないか、こういう点を深く私たちは考えるわけなんであります。そういう点でただいま私鉄との問題等も早急にやらなければいけないと思っておるわけであります。こういう点をひとつ十分この機会に計画していただきたいということを強く私は要望いたしておきたいと思うのであります。あまりこの問題にかかっておりますと時間がかかりますので、これに対してひとつ積極的に取り組んでもらうように強く要望しておきます。  それから、今回こういうような道路網の計画が進みますと、当然これに要しまする材料の問題であります。特に道路網改築あるいは道路網の新設等によりまする骨材、砂利とか砕石、こういうような問題が当然起こってくるわけでございます。これに対して今回の計画の中においていわゆる道路に使用する骨材、砂利、砕石の使用量というものはどのくらいと推定をされておるのであるか、この点を承っておきたい。
  93. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 現在のところまだ実は五ヵ年計画道路に使います骨材の数字ははっきりつかめないような状況でございます。
  94. 稲富稜人

    ○稲富委員 これは相当に私は骨材というものは要ると思うのでございますが、これは建設省から出されております砂利の基本対策要綱を見ましても、河川においてはもうすでに供給せられるものは六億一千万トンにしかすぎないのだということであります。そうするとおのずから骨材をどこに求めるかという問題は、やはり道路計画とともにこれを進めなければ、材料がなかったらせっかくの道路計画がなかなか進捗しないということになってくると思うのでありますが、こういうものに対する計画がありますかどうですか。ただ従来の河川の砂利骨材等にこれを求めようという安易な考えでおられるのであるか、この点も承りたい。
  95. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 ただいまはっきりした五ヵ年計画に使います砕石の数量をつかんでおりませんが、われわれとしてやはり河川の砂利だけにたよっておったのではとてもだめだということでこれは道路につきましては砕石を非常に使おうということを考えておるのでございます。いまでもアスファルト舗装についてはほとんど砕石でございますが、問題になりますのは、大きな構造物につきましてのコンクリート用の骨材でございます。こういうものについてはある程度川砂利を使わなければいかぬかと思います。その他なるべく砕石で間に合うものは砕石を使っていきたいというような考えで、今後のこの五ヵ年計画の材料の供給の面を検討していくつもりでございます。
  96. 稲富稜人

    ○稲富委員 この機会に大臣に特に私お尋ねしたいと思いますことは、将来こういうような建設需要が進んでまいりますと、おのずから骨材の必要が生じてまいるのであります。従来安易に河川の砂利を使っておりますが、いま言いましたように、河川の砂利というものはもうすでに限度にきておる。そういうことから、先般ここでも問題になりました河川以外の砂利採取ということが起こってまいります。河川の砂利は所管が建設省であるけれども、河川以外の砂利については通産省届け出ということになっておる。ここに非常に問題があると思うわけで、今後砕石等をまた使うことになりますと、この材質の問題、こういうような問題が起こってくると思うのでございます。これに対する砂利なんかの問題は、単なる通産省届け出ばかりじゃなくして、やはりこれを消費するほうは建設関係でございますので、河川の砂利とともに骨材というものは所管をやはり建設省に一元化する必要があるのではないか、こうしなければ、ちょうど下水道の問題が非常に困ったように、将来やはり起こってくるのではないかと思いますので、この点ひとつこの所管を将来建設省に一元化する、こういう計画を持っておる必要があるのではないかと思うのでありますが、これに対して建設大臣どうお考えになるか、承りたい。
  97. 西村英一

    西村国務大臣 砂利問題は建設省にとりましては非常に大事な問題でございまして、したがいまして昨年砂利の採取の基本要綱というものを建設省でつくりまして、それに基づいてやっておるのでございますけれども、河川についてはいろいろの規制をしましてやっております。それはそれとして、いま御指摘のように全般的な問題としてなかなかつかみがたい状況にあるわけでございます。一方また御指摘のように、砂利の採取業というのが昭和三十五年ぐらいに制定された通産省の法律になっておるので、それは業者が届け出をするということになっておるそうでございますけれども、やはりこの問題につきましては建設省といたしましてもどうも無関心ではおれない状況でございます。しかしあなたも御承知のように、砂利というものは昔から発達の歴史がございまして、業者というものは中小企業で、一口で言いますとなかなか容易ならぬ業界でございますので、非常に企業の統制といいますか調整がむずかしい業者でございます。したがいまして、今日のような状況になったのもそのためでございます。しかしそんなことを言ってはおられないのでありまして、私のほうも建設省としては十分な用意をいたしておりますとともに、先般からも大手業者を集めまして、この問題に対してひとつ十分取り組んでいきたいということを私はやっておる次第でございます。しこうして、この法律の問題につきましても、今後はこれをいきなり通産省が制定した法律をどうこうせよというようなことはできませんでしょうけれども、あくまでこれは協調していきまして、先般砂利の問題につきましてああいうような不都合なことがあれば、やはりこれは業者の届け出ではなくて認可制にもしなければならぬのじゃないかというようなことが考えられます。しかしまた今度は砕石のほうにいたしましても、一口に砕石と言いますけれども、なかなかこれは単価が高いし、したがいましてなかなか運搬等が容易じゃありませんので利用者が少ない、したがって商売が引き合わぬというようなことで、これもなかなかむずかしいのでございます。おそらく採石業であまりいい成績をあげておる業者はないと思います。そうであるならば、もし採石業に転換する必要があるというならば、やはり国家がある程度めんどうを見てやらなければ絶対できません。いま大きい事業では、一、二億の金をもってしたってろくな採石業はできないと思います。したがいまして、ここでわれわれ建設省が中心になりまして、業界等にも各ブロック別に呼びかけまして、この砂利、砕石のもっと計画的な方法をやる。しこうして砂利のセンターでもつくってそこでもって協同で砂利を使うという何かの計画的な方法を持ってしないと、これがまた例のダンプカーのもとにもなるのでございますから、十分今後は気をつけてやりたい、かように考えております。  こうこうしておるのだというような十分な御返事がいまできないのでございますが、せっかく努力しておる最中でございまして、公共事業が続く限り、この問題を等閑に付したわけではございませんが、いい方法がないのは、業界自身が非常にむずかしいのだということでございますから、せっかくひとつ、またいい方法がありましたら御教示を願いたいのでございます。福岡の炭鉱のボタ山等につきましても利用する道を考えなければならぬと思っております。あなたはもっと詳しいでしょうが、二千カ所もあのボタ山はあるのであります。また製鉄会社から出ました鉱滓をすでにアメリカ等では相当有力なコンクリート材として採石側に使われておるのでございますから、この辺につきましても十分これの利用の道を考えたいと思っておりますけれども、何さま早急にはできないので、今後十分検討していくつもりでございます。
  98. 稲富稜人

    ○稲富委員 この問題は、道路計画が進んでいきますと同時にこれは当然不足してまいりますので、そのときになってどうするかというのでは追っつかないので、やはりいまから砂利、骨材対策というものを樹立しておかなければいけないと思う。それがためには、大臣言われたように中小企業である、これをあるいは協同組合化するとか、いろいろ経営の問題、運営の問題等もありましょうが、これは砂利業者に単にまかせるのじゃなくて、国がこういう事業とともに並行して計画をして、これに対して助成が要るなら助成も必要でありましょうし、道路計画あるいは建設計画とともに骨材計画というものは打ち立てねばならぬと考えております。大臣もこれに対して先ほどお話もありましたが、これに対する遺憾なきを期するような方策を建設省で樹立されまして、さらにこの問題に対しまして、いま言うようにただ単なる届け出制度ではなくて許可制にするということになれば、おのずからこの統制もとれると思います。こういう点も両方勘案しながらこの対策を樹立していくことが必要であろうかと思います。この点強くこの機会に要望いたしておきたいと思います。  それから、時間がありませんから最後に一つお尋ねしたいのは、国土開発幹線自動車道建設法に基づきます道路の問題でございます。これは全般的な問題を聞きたいと思いますけれども、時間がありませんので、おもに私は九州におきます縦貫道の問題についてお尋ねいたしたいと思うのでございます。この国土開発幹線自動車道建設法の目的を見ますと、その目的の第一条の中にも、この道路をつくる目的というものは、「新都市及び新農村の建設等を促進することを目的とする。」という明文がはっきり書いてあります。建設省のおっしゃいます新農村建設というものはどういうものであるかということは私にはどうもはっきりわからないのでございますが、ただ、実際これを行なう場合におきまして、特に九州縦貫道のごときはいい田の中を、いま農家が盛んに生産をやっておりますいい土地を通るというような実態があるのであります。これが通るためには、これを土盛りにいたしますとかんがい水に非常に影響する、こういうような問題がありますので、この地方におきましては、国の計画でそういう道路をおつくりになるのはいたし方ないけれども、そういう農村に被害を与えないような方法でひとつ道路をつくってもらいたい、こういう切実な希望があるのであります。それがためには、農村においては水路のぐあい、あるいはなるたけ良田をつぶされないような高架線にしてもらいたい、こういうような希望もあるのでございますが、聞くところによると高架線は非常に金がかかるから土盛りにするんだ。いつか橋本建設大臣に私邸で会いましたところが、その土盛りもなるたけ低くしたらいいんじゃないか、低くしたらその土地が高くなるじゃないか、こういうような話をしている。建設省ではそういう考え方を持っていらっしゃる。こういうことも私は聞いたのであります。一体この道路建設にあたりましては、いま言われたような良田を通る道路に対しては高架線にしてもらいたい、こういう希望があるが、これに対して建設省はどういう考えを持って道路公団にお示しになっておるのか、この点まず建設省に承りたいと思います。
  99. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 高速道路の構造につきましてはいろいろ問題があるかと思いますが、またいま先生のおっしゃいました美田をつぶすということもございます。ただわれわれ、やはり原則的に高速道路のルートというのはなるべくそういう耕地をつぶさない、できれば丘陵地とか何かを通りたいわけでございます。またそういうほうが非常に建設費も楽になるし、またそれによって地元が非常に不利益をこうむることも少なくなるというようなこともございますが、そういうところばかりございませんで、非常に平地の美田をつぶすというようなこともやむを得ない場合が出てくるかと思います。そういう場合にわれわれはなるべく農林省とよくこれを協議いたしまして、区画整理を含んだ土地改良というようなものと一緒にとにかくやって、高速道路が通ったために地元の農村が非常に不利益ばかり受けるということではなくして、やはりそこに新しい農村をつくるなり、そういうようなものの基礎になる土地改良とか区画整理、そういうものを並行してやってもらうことが望ましいことでございますので、その辺はいま農林省ともよく話し合っておる次第でございます。やむを得なくどうしてもそういうような美田を通るような場合におきましては、やはり高架と一がいに言いましても、これは将来市街地になるところは高架にしなければいけないと思いますが、将来の農村地帯でありますれば、できれば土地改良、そういうことによって地元の不利益のないような形で高速道路の構造を考えていく方針で現在公団のほうにも話しております。
  100. 稲富稜人

    ○稲富委員 どうも、農村の市街地は高架線にするが美田のところには高架線をなるべくしない、しかも区画整理その他の土地改良と一緒にやりたい、こういう非常に虫のいい考え方を持っていらっしゃる。そういうことができますか。農林省見えておりましたら、いま道路局長が言えるような状態で、高架線でなくして土盛りにして、土地改良と並行して行なわれるような道路工事が行なわれるかどうか。農林省はどういうように考えていらっしゃるか、承っておきたい。
  101. 目崎初美

    ○目崎説明員 お答えいたしますが、道路の構造がどういうふうにきまるかという問題は実は私どもに関与した問題ではございませんが、伺いますと、やはり普通の農道に比べましてかなり高度の構造を持っておるわけでございます。したがいまして、この高速道路の建設にあたりましては、先生の言われましたとおり、農地関係の水路なりあるいは道路というようなものが適当な姿で機能を維持できるように、必要な補修なりあるいは手直しなりをやることがぜひ必要だと思っております。私どもといたしましては、いわゆる補償工事という形で改善されるべき部分は企業者側のほうで負担してやっていただいて、農林省側としては、土地改良法に基づきまして、農民が希望をいたしますれば圃場整備事業などを中心にしてこの周辺の農村の生産性を高めて、さらに農家の経営のよくなるような方向で事業化を促進する用意はございます。特に四十二年度から比較的規模の大きい県営級の圃場整備のような事業もあわせて高速道路関連で実施できるようにいたしまして、従前は、先生御承知のように大体団体級の事業だけしか特別ワクを設けてやっておらなかったのでありますが、四十二年度からはそういう県営級の大規模のものもあわせて実施できるようにいたしたい。ごく最近でございますが、都市周辺で本年度新規に県営の圃場整備を実施したいというところがございます。これは高速道路関連の地域でございます。農林省の別ワクの予算でこれを開拓することにいたしております。大体そういうような考え方で、補償工事でやっていただきます分は、農村のほうがうまくいかなくならないように農林省としてもできるだけ地方機関を通じて指導いたしたい。農民がまた積極的によくしたいという希望がありました場合は、土地改良事業のほうで別ワクに計上してあります予算でこれを積極的によくしていきたい、こういう考え方でございます。
  102. 稲富稜人

    ○稲富委員 そうするとこういうふうに解釈していいのですか、大臣。良田の中を高速道路が通る。圃場整備等の土地改良ができるところはそれでいいけれども、土地改良のできないところは美田をこわすようなことはなるたけやらないような道路をつくる、こうなるとやはり高架線の問題が起こってくるわけなんですよ。今日は農村でも機械を使っておるし、トラクターその他も持っていかなければいけない。土盛りができましたら持っていっても困難になってくる、あるいは水路も悪くなってくる、こういう問題があります。そういうようなところはやはり、たとえ都市でなくても高架線にする、こういうふうになるわけです。その点どうも農林省との間に了解が——土地改良とともにやっていく、土地改良が並行してできればいいです。できないような場合はやはり土盛りではなくて高架線にする、こういうふうな計画があるわけでございますか。
  103. 西村英一

    西村国務大臣 私はよくわからないのですが、原則論として、経過地の問題についてはなるべく美田を通らないようにそれを山に逃げ込むようにするということです。そこでやむを得ず良田を通る場合に、農地はバンキングでやれば面積が相当広がるのですから高架にしたほうが面積は非常に助かります。しかし今度は高架にするのとバンキングでやるのと金の使い方が高架線なら二倍ぐらいでできるだろうと思うのです。五億かかるものなら十億くらいかかることになりますから、その辺のところはやはりその場所場所で少し考えさせていただいて、なるべく美田をつぶさないという方法につきましては十分設計者のほうで留意してもらいたいという気持ちだけはするのであります。しこうしてまた、そういうところは区画整理をこちらからめんどうを見ましてなるべくやっていただくというふうな示し方も農林省と打ち合わせましていきたいと思いますが、原則論につきましては、あなたのおっしゃることについて異論を唱えるあれは少しもないので、工事費その他いろいろな問題等にらみ合わせていきたい、かように考えておる。一がいに全部高架でやるのだ、こう言い切るだけの自信も持っておらない次第でございますが、十分研究はいたしたい、かように考えております。
  104. 稲富稜人

    ○稲富委員 原則論はわかるのですよ。私は原則論を否定するのではございません。ところが九州の場合はほとんど良田を通るのですよ。しかも一番農地にいいところを通る。それを高架にするといま言う金が三倍くらいかかるので、どうも高架線にしないで土盛りにするんだ、こういうような意向で建設省は進められておるようでございます。そういうようなこともおそらく公団のほうにも御指示があっておると思うのであります。公団の総裁お見えになっておりますので、公団は建設省からどういうような指示によってその点は計画されておるのか、この際公団の総裁に承りたい。
  105. 富樫凱一

    ○富樫参考人 お話の九州道につきましては、筑後川を横切るところがございますので、どうしても美田をつぶさざるを得ぬところがあります。水利の関係で、洪水とか排水の関係で必要なものは十分穴をあけるつもりでおりますが、美田を通るところを全部高架にするかと申しますと、高架にしましても相当用地が要るわけでございますので、周囲の状況に応じて十分地元の方と御協議申し上げまして、納得のいただける方法でやっていきたいと思います。
  106. 稲富稜人

    ○稲富委員 公団総裁は地元の納得のいける方法でやるとおっしゃるので、非常に意を強うしたわけでございますが、公団総裁が納得のいけるような状態で施行するというのを、建設省は納得がいかないような指示をしないようにしてもらいたい。地元では高架にしてもらわなければ困るのだ、こう言っておるのに、建設省のほうでは土盛りでなければいけないのだ、高架にすると約三倍くらい金が要るんだ、こういうようなことを聞いております。それでこの際費用が要るから美田をつぶしてそういうような農民に犠牲を払わしてもいいということは成り立たない。費用が三倍要っても、費用だけの問題であるならば当然高架にすべきだ。しかも有料道路でございますから、償還期を長くすればいいわけで、何も早くこれを回収する必要はないわけでございますから、それでこれに対しては、あなたのほうで償還期を長くすることによって、気長に料金をとっていけばいいわけですから、こういう方法はとれないものであるか、これはひとつ大臣いかがでありますか。
  107. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 いまのお話でございますが、やはり償還をするという立場から考えますと、イニシアルコストが非常に高くなりますと、これは絶対に償還しなくなってしまうのでございます。償還を長くするか長くしないかというのは非常に金利等の問題だと思います。金利さえただであれば、どんな高価なものをやっても車が乗れば乗った料金で維持費、経常費をまかなえばいつかは償還できると思います。やはり金利の問題がからんでくると思います。金利につきましては、現在も御承知のように公団が高速道路を実施いたします場合には、大体一六%の無利子の国費、出資金を出しまして、それで一般の七分何厘の金利を資金コストとして六分まで下げて採算しやすくとっておるわけでございます。これはもっと国がどんどん出資金を出せば金利はもっと下がってくるわけでございます。出資金を十割出すということはこれはもう無料の道路をつくるというのと同じことになると思うので、その辺はわれわれはやはりなるべく金利を下げて、そういう地元の要望にこたえられるような形で高速道路考えていきたいとは思いますが、金利の問題になりますと出資金を幾ら入れるかの問題でございまして、やはり財政当局との相談もございますので、その辺はなかなかいますぐ金利を下げて、幾らイニシアルコストが高くても採算がとれるようにするということは、いまの段階では明言できないような状況でございます。
  108. 稲富稜人

    ○稲富委員 その有料の収入の問題も非常に誤差があるのじゃないですか。たとえば、総裁にお尋ねしたいのですが、佐賀の大川橋のごときは初めの予算よりも早く償還が終わってしまったのじゃないか。こういう点は、あれは何年間で償還せられるという計画だったのか、何年縮まったのでございますか。
  109. 富樫凱一

    ○富樫参考人 大川橋は県が有料道路事業で取り上げたものを道路公団が引き継いだわけでございますが、最初の計画は十五年ぐらいで償還する計画でございました。それが十年ぐらいで償還を終わったわけであります。
  110. 稲富稜人

    ○稲富委員 そういうような例もあるので、九州縦貫道路なんかというのは、おそらくあなたのほうで計画していられるよりも金があがってくると私は思うのですよ。それをなるだけ小さく見積もって費用のかからないような道路だけつくろうというようなこういう根性では、ほんとう道路計画はできませんよ。これはやっぱり思い切って、将来また改修せぬでいいようなりっぱなものをつくる、あまり人に迷惑をかけないものをつくることが必要であって、なるだけ費用のかからないようなことばかりやっていては何にもできない。この点は私はどうも、将来はそれじゃ九州高速道路はどのくらいの収入でどのくらいの償還でできる、完了するというような計画をいまされておりますか。その点承りたい。
  111. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 その点たいへんむずかしいのでありますが、たとえばキロ当たりの建設費が二十億になりますとやはりもう、われわれの考えでは償還しないのじゃないか。ということは、いま大川橋の話がございましたが、高速道路につきましてはやはり四車線の道路をつくるとしますと車の乗るキャパシティというものがあるかと思います。やはり高速道路が高速道路として使われますには、四車線の道路だと四万からせいぜい乗っても五万ぐらいしか乗らないのじゃないか、五万台しか、それ以上はもうほとんど通れない、高速道路としての役目を果たせないということになりますと、やはり一番乗ったときの五万台ぐらいから料金を計算していきますと、どうもキロ当たり十億をこえるような場合は、これは料金の設定にもいろいろ問題があると思います。料金を高くすれば計算の上からは採算がとれるようになると思いますが、料金につきましては公正妥当な料金でなければならないし、そういう点からいきますと、どうもキロ当たり十億以上の区間が長く続くということになりますと、ちょっといまのわれわれの計算の上では非常に採算困難ではないかというように考えております。
  112. 稲富稜人

    ○稲富委員 別の問題で総裁にお聞きしたいのですが、有料に対する償還期間が終わると、結局負債が整理されたんだということになると、無料になるのであって、これはやはりそういうものは当然みんなが出さなければならないと思っているから、そのほうをこんなほうに回すとか、こういうようなプール計算の方途ができないのでありますか。こういうような方法を将来とるということは……。
  113. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 いまの一般有料道路は全国でぼつぼつぼつぼつありまして、これについては根本的なプール計算というのは非常に問題があろうかと思いますが、幹線自動車道は七千六百キロの予定路線を見ますと全部とにかく日本の各地をつないでおる次第でございます。こういうものについては私やはり東名なら東名だけの採算、九州道路なら九州道路だけの採算ということになりますと、やはり普遍的な国土の開発というような大きな目的を持っております幹線自動車道も、非常に開発されておるところはそのまま非常に採算がとれるけれども、開発されてないところはとれないということになりまして、そういう意味から幹線自動車道について私たちもプールの計算をしたほうがいいのじゃないかというように考えておりますが、これもいろいろ現在検討中でございまして、今後の幹線自動車道をどうやるか、その採算をどうするか、プール計算をどういう形で取り入れていくか、その辺は現在幹線自動車道が全部できるという目標のもとに前向きに検討しておる次第でございます。
  114. 稲富稜人

    ○稲富委員 時間がありませんので、結論を申し上げます。ただいまお話がありましたように、公団のほうでは一日も早く仕事に移りたいという気持ちがあると私は思うのでございます。これに対して建設省が計画を早くお示しにならなければ公団も困るんじゃないかという気がする。これに対して建設省としては、ただいま申し上げましたような良田をつぶしてというような問題に対しましては農林省とも相談をして、納得するようにするというお話でございますので、この点はひとつ農林省のほうとも十分打ち合わされて、そしてかりそめにもこれがために農民がそういうような良田をつぶして生産が上がらないような悲惨な状態にならないような、こういう親切な工事をしていただきたい。それからこれに対する費用の問題等も、いま言う償還期限等の問題もありますので、こういう問題も一応十分検討してもらって、そしてただ費用が高くかかるから高架線はいけないのだというような無情な考え方じゃなくして、そういう点もにらみ合わせて、農村に被害をこうむらさないような道路の建設をやるという立場で、建設省も考えることが必要じゃないかと私は思う。こういう点をすみやかに建設省としてはまず方針を立てていただいて、そして早く促進することが必要であると私は思いますので、どうか建設省におきましてもかた苦しいことばかり言わないで、いま大臣が言われた基本的な考え方はわかりますが、しかしながら、実際上基本的な考え方に沿わない良田がつぶされるという問題が広範にわたっております。それがために良田をつぶす、そういう問題がありますから、こういう点を考えて建設省は計画を立てていただきたい。建設省がかつて言われたように、土盛りをしたからそのあたりの土地が高くなる、農民が喜ぶじゃないか、こういうことを橋本建設大臣が言われたことがあった。もってのほかだ。あんな高架線をつくって近所の土地が高くなって農民が喜ぶ、こんな考え方を建設省が持っておったら、まるきり農村を知らざるもはなはだしいことですよ。良田の中を通りましたら、土盛りをしたら機械も通れません。水はストップします。排水が悪くなる。こういう状態に置かれる。単にあなた方が地図の上で線を引っぱっておいて、これが一番短い道路だからそういうふうにしなければいかぬ、これは土地改良と一緒にやればいいじゃないか、そう簡単なものじゃないのです。現場を見てごらんなさい。報告は、地方のほうはいい報告ばかりするんですよ。悪いことを報告すると、おまえたちがなまぬるいんじゃないか。都合がいいその報告を聞いて、あなた方は机上のプランを立てる。現場を見て、なるほどこれはそうすべきだ、慎重な態度でひとつ臨んでいただきたい。しかもこの中には新農村を建設するということが書いてあるんだから、新農村を建設する法律が農村を破壊するようなことであっては法の精神に反する。この点十分に考えていただきたいということを大臣に申し上げておきたいと思います。大臣の腹を承っておきたいと思います。
  115. 西村英一

    西村国務大臣 御趣旨の点は十分わかりますから、うまくやります。
  116. 森下國雄

  117. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 大臣にお尋ねしますが、最近、中近東の戦争が逼迫しまして、スエズ運河の通行が昨日から禁止と決定したわけです。この中近東問題とわが国の経済との関係というものは、多角的な問題でいろいろありますが、特に私は建設関係としましてはガソリンが一番問題になってくるのではないか、特に道路財源のおもな財源でありますところの揮発油税、そのガソリンが中近東の戦争とわが国の経済問題と関係して値上がりになっていくのではないか、これが直接間接的に響いて道路財源に相当なひびが入ってくるのではないか、こう考えられます。そういうわけで、私は大臣に、特に中近東問題に関連して道路行政、建設省との関連性についてお尋ねするわけでありますが、このガソリン問題の揮発油税との関係、これが値上がりになっていくような問題等どのようにお考えになっているか、この点についてひとつ大臣のお考えをまずお聞きいたしたい。
  118. 西村英一

    西村国務大臣 十分注意しなければならぬと思いますけれども、この段階でいま値上がりがどうであるからというようなことは直ちに私も詰めて考えてはおりません。ただ御案内のように、油の貯蔵量が需要量のおよそ一カ月半ぐらいであろうと言われております。したがいまして、もし非常に困難なことになりますれば、あるいはそういうような値上がりの問題も起こるかもしれないと思います。しかも、中近東から、大部分の八割以上が向こうから来ておるのでありますから、政府は、それがいよいよ供給に円滑を欠くようなことになりますれば、アメリカのほうに切りかえるのではなかろうかと思います。しかしこの問題が早く解決することを希望いたしているのでありまして、本日も経済閣僚懇談会がございましたが、やはり国連におきましては、あの例の戦争中止の決議案も通ったのでありますから、私は、これがそう長引くかどうかということもいまの段階ではわからない。もし長引いて非常に油のほうに影響が起こるというようなことになりますれば、いまあなたの御心配になるようなことも起こり得ると思いますけれども、それであるからといって、この五ヵ年計画はこうなるのではないかということまでいま考えていないのが現状でございます。なるべく早く終結することは希望いたしますけれども、今後の状態を見て対処したい、かように考えております。
  119. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 大臣の御答弁を聞いて、私もそのように思います。問題はこういった影響が早急にあらわれるかどうかという問題でありますが、特に揮発油税、これが値上がりするのではないか、また値上げしなければ道路財源がもたないのではないかというような声があがっておりますし、石油関係の業者からもそういったことに反対の声もあがっております。こういった中近東の安い油が、遠くケープタウンを回ってくれば当然運賃の値上げというものが加算されます。また、アメリカからのガソリンはコストが高いと聞いております。そういう諸般の情勢から揮発油税値上げという問題は非常に大きな問題をはらんでおります。この際揮発油税に対する考え方をお尋ねします。
  120. 西村英一

    西村国務大臣 揮発油税に対する考え方というのは、さいぜん述べたことで尽きるのでありまして、どういうことのお尋ねか、ちょっとわかりませんが、もちろんいまのような状態が続いて、配船が遠くケープタウンを回らなければならぬということになれば高くなるわけでございますけれども、いまの段階でこれがすぐに上がるとは私は思わない。現に株価も一時ちょっと上がりましたけれども、きょうあたりは、また停戦の含みもあるものですから、国連における影響を受けまして、やはりちょっとまた落ちついているというようなことでございますから、ガソリンがもう五ヵ年計画にすぐ響くように、すぐどうなるというようなことはいまの場合は断定できないと思われますから、徐々にこれをやはり注意しつつ見ていくということしか私はいま考えておらないのでございます。
  121. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 いまの中近東の問題と離れて、このガソリン税に対する考えをいまお聞きしたのですけれども、その点についてのお考えをお聞きしたいわけです。
  122. 西村英一

    西村国務大臣 お尋ねは、中近東とは関係なしに将来財源の問題としてガソリン税を上げるかどうかという……。
  123. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 そうです。
  124. 西村英一

    西村国務大臣 これは私のほうで断定はできません。これは大蔵省との、これは政府の最も重要な政策の物価問題に影響いたしておるから、これは私がいまここでガソリン税を上げるとか上げぬとかいうことは断言はできません。やはり今後の経済情勢の移り変わりによってきめることで、おそらく大蔵大臣もこの段階ガソリン税はいつごろからどうするんだということは言えないと思います。私も言えません。願わくは上げぬことを希望しておるのであります。
  125. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 そういうふうに値上げをしないということを前提として道路財源というのを確保されておると思います。またそうあらねばならないとわれわれも希望しております。  道路整備五ヵ年計画見通しとずれについてお尋ねいたしますが、昭和二十九年から五ヵ年計画をやったわけでございますが、昭和四十三年度が終了時でありますが、その終了時を待たずして今回新五ヵ年計画が策定されたわけであります。こういうふうにいろいろな事情によって五ヵ年計画の手直しがもうこれで四回行なわれたわけです。なぜこのように行なわれるかという問題につきましては、多くの事情があると思う。激増する自動車の問題、道路の破損、またその他いろいろありますけれども、五ヵ年計画を四回やって、そのうち毎回一回か二回手直ししなければいかぬというのは、建設省が大蔵省に対しての予算を、まずこれだけのものを確保しておきたいという原案がある、それを査定の段階において削られる、そういった予算の面に原因しているのか、それとも、社会情勢の急速な変化によってこういう手直しのずれというものが生じてくるのか、その辺のところ、ひとつ明快に御答弁願いたいと思うんですが……。
  126. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 これは四十二年から始まる第五次の五ヵ年計画に至りますまでに、第一次から四次まであったのでございますが、いずれも五ヵ年を終わらずに途中で改定しておる。その大きな理由は、やはり道路の交通需要の予想が当初より上回ってくるということだと思います。われわれが五ヵ年計画の改定のときにいつも実際きまるものより大きな金額を要求しておるのでございます。それがいろいろ財政の理由、その当時その当時の経済の問題でひっきょうされるということは、過去の五ヵ年計画のときにみんな出ておるわけでございます。その中でいかに道路の投資を有効に使うかがわれわれに課せられている一つの任務だと思うのです。われわれも七兆三千億要求して六兆六千億にきまった結果になったわけでございますが、これにつきましては、やはり交通の混雑に合わせて投資をしていかなければならない道路がどういうところにあるか、また地方の開発のためにどれだけの投資を今後やるべきか、その辺を現在検討しておるのでございますが、言いかえますれば、やはりわれわれの想定以上に交通量がまず激増してきている。自動車の保有台数もわれわれの想定以上に非常に激増してきたということが、いまの毎年毎年の五ヵ年計画の改定になった一番大きな理由かと存じております。
  127. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 そういう見通しのずれに対する国民の信頼感というものは失われていかないかどうかということが懸念されるんですが、その点について大臣はどうお考えになっておりますか。
  128. 西村英一

    西村国務大臣 それは計画はやはり計画どおりやることが一番信用を得ることでございますけれども、さりとて、やはりそれを手直しして実情に合わせることも必要だと思っておるわけでありますから、一がいにそのためにどうということは、私はなかろうと思うのであります。しかしどう申しますか、いままでやはり五ヵ年計画を改定しましても、次の五ヵ年計画というものは、前の五ヵ年計画の倍以上にいつもなっておったんですが、今度は、前が四兆一千億から六兆六千億で、二倍の規模からいけば八兆八千億ぐらいにいくんですが、やはりだんだん財政の面の制限もありますから、その変わり方は、そう昔のようにはないわけであります。いずれにいたしましても、その見込み以上に道路のほうが先行できるように財政の規模があればそれが一番いいのでございますけれども、現実の問題としてそれだけやはり財政の規模がないということになりますると、やはりこういうふうにそのときの財政に応じた方策をとるよりしかたがないのじゃないかと私は思うのであります。今回の六兆六千億も、これを五ヵ年計画を変えずにずっといくことを希望いたすものでございます。しかしこれがどういうふうなまた変更になるか、これは予断を許しませんが、しかしいままでの変化から見ますと、やはり今度ぐらいはこの五ヵ年のこの計画によって進められるんじゃないだろうか、こういうふうに思っておる次第でございまするが、この計画どおりにできればやっていきたい、かように考えておる次第でございます。
  129. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 それは確かに計画でありますから、これは予定の路線であります。しかしその計画が根本になってすべての問題が解決されていくのでありますから、やはり基本的理念の姿、姿勢として、五ヵ年計画を策定するということは、ここまでどうしてもやらなければならぬ、ここまではどうしてもどんな困難も排除してやる、そういう決意のもとにこれは計画されておることでありますので、これが手直しをすることが、さらに発展的であればいいのですけれども、そういう見通しのずれという甘さというかそういうことがすべての行政にあらわれてくることを私は憂えて質問したわけであります。その点について大臣から前進的な答えをいただきましたので、そういうことがないようにさらに前進した姿でこの五ヵ年計画をつくられることを希望しておきます。  次に、地方自治体に対する財源の問題では先ほどずいぶん御議論があった。それで揮発油税を一部を還元して市町村に道路財源として与えるか、それともまた、国庫補助事業として道路事業を行なっていくか、二つの考え方があるわけですが、市町村にその道路財源を与えてまかせるか、それとも、国が建設省案として示されている国庫補助事業としてそういった市町村の道路までめんどうを見ていくんだという考え方、二つの方途がありますけれども、それについてお考えをお聞きしたいわけです。
  130. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 御承知のように、道路の整備といいますと、有料道路であります幹線自動車道路は別といたしまして、一般道路につきましては、やはり国道から県道、市町村道まであるわけでございます。このうちやはり国道は国が責任を持ってやっていかなければいかぬというたてまえに立っております。府県につきましては、これもある程度府県にまかしたらいいのじゃないかというようなこともございます。さらに、市町村につきましては、八十何万キロの市町村道というのは先ほど言いましたように、非常に千差万別のものが含まれておりまして、これについてはもし補助対象としてやっていくんならどういうものを補助対象にするか。地方財源を与えて地方で独自にやってもらうようになれば一体どういうものを地方にまかせるか。この辺が一つのこれからの道路整備の基本的な方針をきめる大きな問題ではないかと思います。この中でやはり地方市町村道の問題に限っていいますと、非常に短年度で金のかかる、市町村の中でもいわゆる長大橋がございまして、長大橋を、じゃ、市町村の単独事業でやれということになりますと、市町村に財源を与えるにしても、やはり全国の市町村、三千何百の市町村にある基準というと、平均的に与えるような形になると思います。そうなりますと、急に大きな事業費が要るというものについてどう処理していくか。こういうものについてはやはり国が補助するとか、何か特定の援助の措置を講じたほうがいいんじゃないかというふうに考えられるわけです。また、市町村の中には個人の家の前の道路とか民生的な道路もございます。こういうものの舗装につきましては、これは当然市町村にある程度財源を与えてやっておったほうが能率がいいんじゃないか。先ほども御質問ございましたように、三百メートル、四百メートルの舗装を一つ一つやっていくようなことは事務手続として非常に煩瑣じゃないかという感じがいたします。そうなりますと、やはりわれわれはいまの市町村の八十何万キロをもう少し性格的に区別いたしまして、そのうち何を国の補助にするか、何を地方財源を与えてやるか、こういうものをよく市町村の実態と合わして今後道路整備の大きな基本方針をきめていきたいというふうに考えております。
  131. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 揮発油税を市町村に一部還元するという考えについてはどう考えられますか。
  132. 西村英一

    西村国務大臣 先般、地方制度調査会の答申で、つまり一般の特定財源地方に分譲しようということについては、地方自治を守る、ただそういう観点から非常に強く言っておるのでありまして、現在の道路状態をどこまで、国道地方道合わしてどういうふうに認識しておるかということに対しては疑問があるわけでございます。したがいましてあの答申にありましたように、現在の状況で直ちにいま特定財源地方に分譲するということに対しては私は多くの疑義を持っております。しかしながら一方において地方の自治が貧弱である、非常に困っておるということもまたわかるのでございまするから、おそらく今回のこの五ヵ年計画のさらに種別ごとのこまかい計画をきめる場合には、おそらくその問題が閣議においても取り上げられると私は思うのであります。したがいまして、地方制度調査会の答申を尊重せぬとはいいませんが、うのみにはできない、私は現在はそういう気持ちでございます。
  133. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 この問題は県までは回ってきていますね。そうすると当然いまの交通渋帯、それから交通の量の問題というのは市町村にも移っております。これは市町村の切実なる願いだ。これは建設省としても建設大臣の権限の上において閣議に強力にパンチを入れて、ひとつ地方自治体の貧弱な財源確保のためにも、市町村道の整備のためにも揮発油税の一部還元ということはこれは当然やらなければならぬ、こう思っておりますので、ひとつ努力していただきたいと思います。  それから、時間がございませんのではしょってどんどん質問いたしますが、交通事故対策の問題をお尋ねしたいのですが、大臣は人命尊重という問題に対して非常に熱意を示されておると思うのです。私もそれに対しては非常に感激しておるのですが、子供の事故が最近非常に多い。これは御存じのとおりだ。子供の事故に対しては大臣は今後事故撲滅のためのどういうふうな構想があるのですか、それをひとつお尋ねしたいと思います。
  134. 西村英一

    西村国務大臣 子供の事故としていろいろありましょうが、いま問題になっておるのは自動車の事故でございます。したがいまして、先般から学校あるいは幼稚園あるいは保育所の付近に対する架道橋を全般的に進めようという計画を持ってやっておるわけであります。この問題については建設大臣のみならず政府全体として取り組んで強力に進めておるわけでございます。何とかしてこれを防がなければならぬということであらゆる面からこれを進めておるわけでございまして、今後ともその方針でいくつもりでございます。
  135. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 私は、大臣は御年輩でもあるし、また私たちのおとうさんのような感じを受けております。そして慈悲あふれる人である。公明党としても好感を持っております。それで横断歩道橋の問題でいま仰せになったが、おやじの立場から——これは大臣をおやじと言っては失礼なんですが、そういう親愛の情を込めて言うのですが、おとうさんの立場からして、一国の建設大臣というのは交通対策のおやじである、われわれもそう見ておる。ところが朝日新聞がこの間追跡調査をやったところによりますと、横断歩道橋がどうしても千五百カ所要る。この千五百カ所のうち大臣は三カ年計画の中でことしは何カ所一体おつくりになるのですか。
  136. 西村英一

    西村国務大臣 千五百カ所でなくて三カ年計画では千六百カ所です。そこで一年目で、ことしは九百九十五カ所つくるつもりです。約千カ所です。だから去年を入れますともう千六百カ所大部分はこなすわけです。  ただこの際ざっくばらんに申し上げますと、架道橋をつくるという初めの計画は、幼児を助けるということはもちろんでございますけれども、どちらかと申しますと幼児を助けるということばかりを目当てにしておるわけではございません。交通秩序の渋滞しておるところをやろうということであったのであります。したがいまして今後はそういうことにも身を入れますけれども、先般来のいろいろな問題もありますから、特にこの学童、幼小な人を救うということに切りかえたいという気持ちは十分持って対処いたしておるわけでございます。
  137. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 いま私の言っておる千五百カ所というのは、すぐやらなければならぬという個所です。三カ年間だと当然ふえてくる。いまの大臣の御答弁は三カ年間で千六百カ所をつくる、それはわかります。しかし、当面どうしても千五百カ所つくらなければならぬ。それに対して大臣は九百九十五カ所つくってくださるということでありますが、これをもう少しふやすというわけにいかないでしょうか。
  138. 西村英一

    西村国務大臣 いま私のほうで各地建であるとか県に指令しておることは、何としてでもつけなければならないところは一体どこどこか。しかもつけたいと思っておるけれども、なかなか地区住民の協力を得られないでトラブルの起こっておるところは一体どこどこかという調査をもっぱらしておるわけでございます。したがいましてことし千カ所と申しましたが、千カ所つくったからあとつくらぬというようなことはいたしません。なるべく早く調査とともに進める考えで、あるいは千五百カ所も対象になってやる場合もあり得ると思います。要は極力進めるということでただいま努力いたしておる最中でございます。
  139. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 ありがとうございました。千五百カ所何とかつくってもらうことを条件にひとつお願いいたします。  次に、きょうの読売新聞に「『危険な通学路』なくそう」ということで、通学道路というものを今後は考えなければならないということが詳しく出ております。こういった危険なところが東京に何千カ所かある。この通学道路に対して建設省として——特別な道路というわけにいかぬでしょうけれども、こういった集団的に学校に通う児童が自動車のために動きがとれないところが何千カ所とある。そういった通学道路に対する考え方は今後どうしていかれますか。
  140. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 通園通学路というのは非常に児童の災害、交通事故の多いところでございますので、これに対してはわれわれもどうしても整備をしていきたいと考えております。通園通学道路にいたしましても、たとえば国道の中の通学通園道路ということになりますと、非常に区別のしにくい状況でございます。また市町村道になりますと、通園通学道路というのはある程度これは学童が通るところだというようにきめられておるので、通園通学道路の基準をどの程度にしようかということを現在検討しております。通園通学道路についてはいろいろ検討の中で、少なくともことし来年中にはある程度整備を終わろうじゃないかという前向きの姿勢でいま検討しております。かつ通園通学路の中で、先ほど言いました横断歩道橋の問題でございますが、なかなかこれは、横断歩道橋といいましても、かかるところとかからないところがございますので、通園通学路について、まず横断歩道橋か信号のついた横断歩道、こういうものと、道路に沿って歩きます歩道の整備、こういうものと道路事情、園児が車道に飛び出さないような防護さく、この三つが、いまの通園通学の対策としては非常にいまやらなければならない問題として考えております。そういうものをことさら、いまの通園通学に関係するところを四十二年度はまず最優先的に整備していくという考えでいっております。先ほど言いましたような通園通学路は、将来ある程度規制したらどうかということで現在検討中でございます。
  141. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 大型自動車の乗り入れとか、これは私のアイデアなんですけれども、特に危険なところは、横断歩道橋のように高い橋のような道路をつくって、そうしてやっていったらどうかという考えもあるのです。特に規制されるような大型自動車、トラック、ダンプ、そういうものの乗り入れというものは、通学通園の自動車路ではどういうふうに考えておりますか。
  142. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 通学通園路といいましても、いまおっしゃいましたように国道から市町村道まであるわけでございまして、国道につきましては、大型の乗り入れ禁止といっても、これは相当無理じゃないかと思います。また市町村道につきましては、できるだけ大型の時間的な制限ですね。また一方交通による道路の歩道幅が確保できるような条件をつくっていくというようなものを考えて、通園通学路の対策にしていきたいというふうに考えております。いまのお話の大型車の規制につきましては、われわれも警察庁とよく話しまして、通園通学路として、及び通園通学に一番関係するところの大型車の規制を進めていくつもりでございます。
  143. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 時間もほとんどないのでございますが、道路の補修で、地下鉄工事をやっておる。そこは鉄板道路ができております。——おわかりですね。鉄板道路で雨のときにスリップ事故が起きる、またはいろいろな事故が起きる、これは私はどこの責任か非常に疑問があるのですが、この鉄板道路に対する道路上における交通事故は道路施工者の責任であると思うのですが、この点はどういうふうに考えておりますか。
  144. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 道路の地下占用をいたします場合に、地下鉄工事がそのいい例でございますが、やはりいまの都内の交通の状況から見れば、車の制限はできないということで、昔は木の丸太を並べて、その下で地下鉄工事をやっておったのでございますが、最近はほとんどみな鉄板になっておると思います。これにつきまして、雨が降ったときのスリップ事故が非常に多くなるというようなことも御指摘のようにあったかと思います。われわれから言いますと、これは非常に責任のがれといいますか、やはり鉄板道路と普通のアスファルトの舗装ではそういうスリップの問題もございますので、鉄板を敷いてあるということは、これはもう工事中ということでございますので、そういう道路については徐行とか、そういう形で、やはり車のほうも協力してもらいたいというふうに考えております。  なお、われわれといたしますれば、やはり地下鉄をやります団体に、そういうような工事中の鉄板の道路の場合、いろいろ鉄板の上に筋がついておりますけれども、ああいうようなすり減ったものはなるべく使わずに、車の交通に支障のないような形でああいうものをやってもらうように、これは厳重に指導したいと思います。
  145. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 私、これから次の委員会に出なければなりませんので時間がございませんので、これで失礼させていただきますが、ただいまいろいろと質問した中で、特に通学児童の問題、横断歩道橋の問題、きょうは大臣が非常にいい答弁をしてくださいまして、千五百カ所も事と次第によってはやるのだ、こういう御答弁をいただきましたので、ひとつ期待申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
  146. 森下國雄

    森下委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は来たる九日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、これにて散会いたします。    午後一時五十五分散会