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1967-06-02 第55回国会 衆議院 建設委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年六月二日(金曜日)    午前十時四十三分開議  出席委員    委員長 森下 國雄君    理事 木村 武雄君 理事 正示啓次郎君    理事 砂原  格君 理事 丹羽喬四郎君    理事 廣瀬 正雄君 理事 石川 次夫君    理事 岡本 隆一君       伊藤宗一郎君    池田 清志君       吉川 久衛君       田村 良平君    高橋 英吉君       谷垣 專一君    森山 欽司君     早稻田柳右エ門君    渡辺 栄一君       阿部 昭吾君    井上 普方君       勝澤 芳雄君    工藤 良平君       佐野 憲治君    福岡 義登君       内海  清君    小川新一郎君       北側 義一君  出席国務大臣         建 設 大 臣 西村 英一君  出席政府委員         建設省都市局長 竹内 藤男君         建設省道路局長 蓑輪健二郎君  委員外出席者         自治省財政局財         政課長     首藤  堯君         参  考  人         (阪神高速道路 三宅静太郎君         公団理事)         専  門  員 熊本 政晴君     ――――――――――――― 六月一日  委員北側義一辞任につき、その補欠として浅  井美幸君が議長指名委員に選任された。 同月二日  委員浅井美幸辞任につき、その補欠として北  側義一君が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案  (内閣提出第三七号)      ――――◇―――――
  2. 森下國雄

    森下委員長 これより会議を開きます。  道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  本日は、法案審査のため、阪神高速道路公団理事三宅静太郎君に参考人として御出席願っております。参考人には御多用中のところ御出席をいた、だきまして、まことにありがとうございます。  参考人の御意見は質疑応答の形式でお聞きすることにいたしたいと存じますので、さよう御了承願います。  質疑の通告がありますので、これを許します。勝澤芳雄君。
  3. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 道路整備緊急措置法に関係して御質問いたしますが、まず第一に、この道路の五ヵ年計画状態を見てみますと、昭和二十九年から第一次五ヵ年計画、そして第四次までの計画を見てみますと、第一次計画が四年、第二次計画が三年、第三次計画が四年、第四次計画が三年と、まさに五ヵ年計画というものが、五ヵ年行なわれない間に改定をずっとされている。一体この理由はどこにあるのかという点をまず最初にお尋ねいたします。
  4. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 御承知のように、道路五ヵ年計画におきましては、昭和二十九年から三十三年が第一次五ヵ年計画でございます。それが四カ年で第二次五ヵ年計画に移り、その後さらに第二次の五ヵ年計画が三カ年で三次、それも三カ年で第四次に移り、それがまた三カ年で第五次に移ったのは事実でございます。  どうして五ヵ年計画をそのまましないで、途中で改定したかという御質問でございますが、この一つの大きな理由といたしましては、やはりわれわれが、五ヵ年計画で当初考えております交通量自動車保有台数伸び、及び交通需要が当初の計画を非常に上回ってきておる、さらに大きな道路投資をしなければならないということで、道路投資をふやすために五ヵ年の改定を、五ヵ年計画が済む前にやらざるを得なくなったわけでございます。  そのほかの理由といたしましては、この間に、五ヵ年計画をきめます当初に考えておりましたいろんな事業計画のほかに、いろんな新規事業が出てきた、たとえばオリンピックの事業が出たり、そういうようなものに対応するために、やはり投資規模をふやすことが必要になってきたからでございます。  またもう一つは、これは直接の関連ではございませんが、第二次の三十三年から三十七年の五ヵ年計画につきましては、経済指標が、ちょうど新長期経済計画をつくりまして、それに合わせたような、いろいろ経済指標によりまして五ヵ年計画改定したようなわけでございます。第三次になりまして、経済指標が今度は所得倍増計画ということで手直しされたために、またこれもそれに合わせたような形になっております。第四次の三十九年から四十三年では、経済指標としては中期の経済計画というものが作成されました。それに合わせてやっておる状態でございます。また第五次につきましては、御承知のような四十二年から四十六年までの経済社会開発計画、これに基づいて、その数字を合わせるということもございまして、変えたような次第でございます。
  5. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 ですから、いままでの五カ年計画を見てみますと、四次までみな十分なことが行なわれずに改定をされている。そのおもなる理由というのは、当初計画というものの見通しの低さといいますか、こういうことにあると思うのですが、第五次計画というものは、また何カ年で第六次に移るのかという疑問が実はあるわけであります。またそうなるであろうという一つ必然性を持っているのではないか、こう思うわけであります。  そこで私は、今度の五カ年計画というものを改定した理由、そして目的、こういうものをひとつ明確にしていただきたいと思うのです。
  6. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 今度の第五次の道路五ヵ年計画を策定いたしました一つの大きな理由といたしましては、先ほど言いましたような、第四次の計画当時より交通需要が非常に伸びてまいりまして、その伸び方が、大体交通需要走行台キロで言いますと、第四次の計画をつくりました三十八年当時から比べると、約二年ほど早く交通需要伸びてきているということがまず第一点でございます。  第二点といたしまして、昨年全国的な幹線自動車道網を、七千六百キロの予定路線決定いたしまして、それに伴って道路計画といたしましては本格的に幹線自動車道に取り組むというための道路投資をふやすということでございます。  第三点につきましては、これは今後の五ヵ年計画内容の問題でございますが、人口がその後非常に急増しておるというところと減っておるというようなところもございまして、人口動き方に対応して、やはり地区別道路投資というものをさらに再検討する必要がないかということでございます。  また第四点といたしましては、交通安全施設事業の三カ年計画を強力に実施するということのほかに、新しい工事といたしまして関門架橋の問題とか大阪の万国博関連新規事業を取り込む、この四点が五ヵ年計画を変えた大きな理由考えていいと思います。
  7. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうしますと、前期五ヵ年計画というものと今度の五ヵ年計画というものは、ある程度考え方の相違というものが出ているように私は思うのですが、この特色というものは何なんですか。
  8. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 今度の五ヵ年計画とその前の第四次の計画とを比べまして、計画の中の大きな特徴といたしましては、先ほど言いました高速道路をかなり推進するということがまず第一にあげられるのじゃないかと思います。高速道路につきましては、第四次の五ヵ年計画では東名高速及び中央高速東京-富士吉田間、その推進をはかったのでございますが、その間新規自動車道として約七百億ぐらいしか、一部の用地買収する程度しか見ていなかったわけでございます。それを今度の五ヵ年計画でかなり大幅に新しい幹線自動車道の建設に着手するということが第一点にあげられると思います。  次に、一般国道については第四次五ヵ年計画とそう大きな考え方の差はないのでございまして、一般国道の一次改築を推進するということと、いま非常に交通ネックになっております区間の再改築、いわゆるバイパスでございますが、こういうものを促進する。こういう点につきましては、考え方そのものは第四次と変わっておりませんが、さらにそれを促進するという投資規模の拡大が、五ヵ年で第四次よりは五次のほうが投資規模を拡大するという結果になっております。  次に、第三の問題でございますが、都市内の道路について幹線街路整備する、及び既着工都市高速道路早期完成をはかって、あわせて新規路線を完成する。この考えも第四次とそう大きく変わっておりません。ただ、いままでの第四次の計画よりさらに促進するという考えになっております。地方道につきましても、考えにおいて第四次とそう大きな変更はございませんで、地方道の中の重要な地方的幹線地域開発をはかるための路線整備を促進するということを考えております。また交通安全施設につきましては、第四次の当初は特にこういう旗をあげずに出発したのでございますが、交通事故現状にかんがみまして、四十一年から交通安全施設という一つの旗を特にあげまして促進するということで、第四次のワクの中で計画したのでございますが、これをさらに三カ年計画、四十三年が終わりますと、四十四年以降も交通安全の施設を強化していきたいということが第五次計画内容でございます。
  9. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 今度の第五次計画改定理由というのは、やはり交通需要現行計画の策定当時の予想をはるかに上回って増大をしたというのが一番大きい理由にいわれているわけであります。私もそのとおりだと思います。しかしその原因は何かと言うと、やはり現行計画が一体妥当なものであったかどうかということが私は問題になると思うのです。第一次計画、第二次、第三次、第四次の計画を見てまいりますと、やはり建設省要求に対して最終的な決定というものはいつも低い決定になっているわけであります。ですから極端に言うならば、第四次五ヵ年計画改定しなければならなかったのは、建設省が五兆要求をやった。しかし大蔵省との予算折衝段階で四兆一千億の規模になった。このときから、やはり道路投資というものを建設省が低目に見た予定よりもなお渋く、低目に見られたという点が改定しなければならぬ大きな理由に私はなると思う。そうすると、この第五次の計画を見てみますと、建設省は七兆三千億の要求をした。しかし大蔵省で六兆六千億で最終的にはきまって、この法案ができたわけであります。ですから、これもせいぜい三年もたてばまた改定せざるを得ないだろう。五ヵ年間というものをそのままの計算でしてみれば、要求あるいは決定した計画よりも上回っては行なわれておりますけれども、やはり当初計画のものの考え方からするならば、一体こういう形の五ヵ年計画というものの効果があるのかないのか。いま五ヵ年計画をつくって、五年間に道路がどうなるのかという、実は概念的なビジョンはあっても、あなたのうち道路は五年たつとこうなります、おたくの町はこういう道路になります、混雑度はこうなります、混雑緩和はこうなりますと、実は夢が与えられているようで何も与えられてはいないのであります。そして初年度、第一年のことし、この五ヵ年計画を出したことしの計画だけがおおむね明確になっているわけです。おおむねですよ。けれども来年はどうなるのかわからない。再来年はどうなるのかわからない。五年後にどうなるのかわからない。こういう五ヵ年計画というものは一体どうだろうかという気がするわけです。省の五ヵ年計画というものは、ほかのものを見てもみなそういう計画です。五ヵ年計画のこの法律が出たときには、実は五ヵ年間でどうなるという夢も中身も何もないわけです。中身はないけれども五ヵ年計画、五ヵ年計画といわれておるわけです。そして一年ごと予算折衝が行なわれて、一年ごとにどこをやるかということがやられているわけです。一体こういう五ヵ年計画というものは一ないよりあるほうがいいのだということはわかりますけれども、やはり五ヵ年計画的なものであるかないかということについて、私はたいへん疑問に思うわけです。ですからこの第四次五ヵ年計画を見てみても、五兆要求をしておきならが四兆一千億に改定をされてしまった。ここに問題がある。今度も同じだと思う。  そこで私は、この第五次計画というものは、一つはやはり交通量増大をしてきた、この増大に対処するために五ヵ年計画というものが改定された。もう一つの問題は新しい立場から、国土の総合的な開発と効率的な利用というものが一つ目的に言われておる。そうすると、増大する需要に対処するということは現状をどう打開するかということ、それから国土の総合的な開発ということになれば先行投資だ。だから現状打開というものと先行投資というものを考え合わせながらこの五ヵ年計画というものを見てみますと、やはり私は五ヵ年計画現状をどういうふうに打開するのか、先行投資的な意味投資というものをどうするのかという点をもう少し明確にしなければいけないのじゃないかと思う。それはなぜかというと、たとえばこの前五ヵ年計画が国会で審議をされて改定されました、しかし五ヵ年たったら東京がどうなるのかよくわかりませんということでは、私は済まぬと思う。大臣は国鉄のことはよくおわかりになっておりますから、たとえば国鉄のいまの五ヵ年計画――七カ年計画になりましたけれども、それは中央線がどうなる、あるいは東海道がどうなる、そして通勤緩和はこうしますという基本的なものがわりあいに出されていると思うのです。しかし道路の場合においてはそれがあまり出されていないというように思うのです。ですから私はそういう点で、現状打開をどういうふうに考えておるのか、先行投資的な意味でどういうふうに考えているのかという二つの問題を、ちょっとわかりやすく御説明願いたいと思うのです。
  10. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 道路は、いま先生からお話ございましたような現状打開のための道路投資、これは確かに必要だと思います。これはいわば交通需要に対して、それよりキャパシティの狭い道路を広げていくというのが一つ現状打開かと思います。また先ほど言いました地域開発考えるための先行投資、さらにそれが民生のための道路にもつながってくると思いますが、やはりそういうような道路の限界、この道路の性質はこの二つにあると思います。  それじゃこの道路のどこに重点を置くかということになりますと、これはやはり非常にむずかしい問題であると思います。やはり現状交通の隘路を打開しなければいけないということも言えますし、また地方地域開発のための道路も進めなければならぬということで、その辺をどの程度配分するかをいまいろいろやっている段階でございます。  もう一つ先ほど先生のお話しになりました、五ヵ年やったらどこがどうなるかわからないじゃないかということでございます。実はこれにつきましては、やはりわれわれ五ヵ年の閣議決定をするときには、どのくらいの延長道路ができるか、工事の量を示さなければいかぬと思っております。そのときに、やはり大きな幹線道路についてはどういうことになるということは、はっきり説明しなければいかぬと思います。しかし道路につきましては、御承知のように幹線自動車道から地方市町村道までございます。このうちやはりわれわれ国道一つを例にとってみますと、国道バイパス混雑緩和はどこがどうなる、どこに着手していつまでに終わるということははっきり言えると思いますが、県道以下になりますと、やはり一つの県に地域的な考えからその県の配分を幾らにする、その中で県道の改修をどこに重点を置くかということは、やはり県とよく相談して県の知事の意向も聞きまして、それでどこの道路をどうするというようなことになってまいりますので、閣議決定のときには、やはり県道以下はこの線はやるんだ、この線はやらないんだということはなかなか示せない状況でございますが、少なくとも国道以上、国土幹線自動車道についてはどこがどうなるということについては、それは閣議決定までにははっきりしたいというふうに考えておる次第でございます。
  11. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 この現状打開かあるいは先行投資というものをどう考えるかという点は、事務段階においてはどう配分するかということはたいへんむずかしいことだと思うのです。むずかしいことだと思うのですけれども、やはり国民立場から言うならば、新規五ヵ年計画が、今度六兆六千億というものができた、それで道路がよくなるとみな思っているわけです。思っているわけですけれども、実際の進み方を見てみれば、一体どうなるかわからぬというのが、むしろ現場のほうも私は同じことじゃないかと思う。道路局もわからぬし政治家もわからぬ。わからぬけれども、六兆六千億で道路ができるようになったのだ。道路をつくった、道路をつくったということで、百メートルずつ舗装していって、十回選挙を行なう。うちのあるところだけ舗装されて、うちのないところは舗装しないという道路が全国津々浦々にあると思うのです。だから、それはそういうやり方がいいか悪いかは別問題にして、何かもう少し考えるべきじゃないだろうか。ですから、ことしのこの四十年度の会計検査院の決算の会計報告によっても、私の手元にまいっておりますこの資料を見てみましても、たとえば名四国道、四十三・六キロ、これが昭和三十三年から昭和四十年度までに五八・一の進捗率なんです。それから名岐が二十五・九キロが三十三年度からやって四十年度末までで六一・七の進捗率だ、こう言われているわけです。ですから、三十三、三十四、三十五、三十六、三十七、三十八、三十九、四十と名四の場合は八年間やっていて五八・一%だ、あと何年かかるだろうという気がするわけです。距離四十三・六キロです。この間私も静岡県から山梨県それから長野県、富山県ですか、この東海道とそれから北陸を結ぶ道路完成状態を聞いたわけでありますけれども、もう十何年やっている、まだ十何年かかるという。一体そういう道路の取り上げ方といいますか使い方というものはいいだろうかなという気が実はするわけです。それからバイパス用地の問題です。岐阜バイパスは三十六年から三十七年までに八千七百万で用地取得を行なった後四十年度までに何も工事が行なわれていない。三十六年から三十七年にかけて用地取得を行なったけれども、四十年度工事が何も行なわれていない。それから掛川バイパスは三十五年から用地取得をやったけれども、着工は三十九年からだ。広島バイパスも三十六年から用地取得をしているけれども、実際の工事は三十九年からだ。こういうことなんですね。そうすると、先行投資的なものならこれはいいと思うのです。いいと思うのですけれども、これが現状打開しなければならぬということでしたら、やはり考えなければいけない。総花的に全国的に予算をつけることもいいですけれども、やはりある程度重点的な施策のやり方というものを考えなければいけないのではないだろうか、私はこう思うのです。そういう点で、この道路投資先行投資というものはいかにあるべきかという点について、私はケース・バイ・ケースでやってきたやり方というものを、この辺でもう一回予算配分全体からも考え直す必要があるのではないだろうか、こう思うのです。そういう点どうでしょう。
  12. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 いまの御質問の点ですが、私も道路をやっておりまして非常に苦慮しておる点でございます。実際、いま御指摘のありましたような名四国道にしろ名岐国道にしろ、これは五八%とか六一%の進捗率ということでございますが、これは計画の当初の段階では、ある地点からある地点をやろうということでまず始めたわけでございます。しかし逐次その後その地点だけでは済まなくなる。名四についていえば、だんだん東のほうにも延ばさなければいかぬ、西のほうにも延ばさなければいかぬということで、その計画自身が、延長が延びるにつれて大きくなるわけです。五八%ということでございますが、名四については、一〇〇%全部終わらなければその役目を少しも果たしてないのだということではなくて、やはりそのうち必要なところから逐次供用開始していくというような方針をとっておるわけでございます。名岐につきましても、これは名古屋から岐阜でございますが、大体いまのところ名古屋から一宮までは供用開始してかなり交通量がのっております。こういうことは、大きな計画の中で必要な区間だけはまずできるだけ早くやっていく、しかし全体は、全体の計画をつくってその計画に合うように進めていくことには間違いないのでございますが、その間十年もかかるということになりますと、これは確かに問題はあろうかと思います。われわれも早く用地を買う、用地さえ買えば、かなりむずかしい大きな工事でも、工事は三年もあれば十分できると思いますので、用地を買うことがまず問題ではないか。しかし用地を買う際に、いろいろ地元との問題がございまして、なかなか思うように買えないのが実情でございます。われわれいま大きなバイパスをつくる一つ計画といたしましてはやはり五年は最低かかるのじゃないか。その五年の内容を言いますと、第一年目は、ここにこういうバイパスをつくるということで地元を説得し、地元協力を得るという準備がまず一年かかるのじゃないか。次の二年が大体用地買収一つの時期になるのじゃないか。あと二年ないし二年半ぐらいで工事をやる。少なくとも大きなバイパスになりますと五年はどうしてもかかるように思います。そういう意味からいいましても、先ほどいろいろ御質問がございましたが、長期計画を持っておることが必要ではないか。五ヵ年計画をきめるときには、大きなバイパスについては一体どこをどういうような形で取り上げるのか、そういう着工の順序がきまれば、それに伴う用地買収のための準備もできてくるということでございまして、そういう意味でいまの五ヵ年計画というものは、道路計画を進めていくときには非常に有効であるというふうにわれわれ考えております。  御質問総花重点ということでございますが、これも非常にむずかしいと思います。総花ということは確かにいけないことだと思いますが、全国至るところに交通ネックができております。それで、じゃバイパスが十カ所必要だといたしますと、まず重点的に五カ所のバイパスをやってからあとの五カ所のバイパスに着手するといっても、いま言いましたように一カ所やるのにどうしても五年ぐらいかかるということになれば、十カ所まずとにかく用地の話を進めていく、用地のスムーズにいったところから早くやっていくということにならざるを得ない。それがよそから見れば総花というような感じも受けるのでございますが、交通ネックを解消するための一つバイパスというものは計画を早くつくり、早く地元と話をして、地元協力を求めてバイパスを完成していくというような形をとらざるを得ない、こういうことが総花と思われるかもしれませんが、どうもいまの用地折衝の過程を見ますと、やはりなるべく多くの個所を折衝して、できるだけ進めていくということにならざるを得ないかと思います。
  13. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 この公共投資というものが、いま局長の言われましたように、なかなかたいへんむずかしいと思うのです。いま現実に困っている。しかし、ことしは調査しよう、来年は買収をやろう、工事をやろう、実際には四年ないし五年、長いのは六、七年かかるわけですから、六、七年かかったときの交通量というものをある程度予想していまから計画すればいいのを、実際に現状打開でものを考えてやるから、でき上がったときにはまた次のものを考えなければならぬ。これは実は私は河野さんに質問したことがあるのですけれども、河野さんのようなものでも、小田原漁港がある。十年前に計画して、そして漁港として使おうとしておるけれども、実際には十年たっても五割ぐらいしかできない。漁港で使えなくて、いつもはしけをかけてやっている。あと何年間かかるか、まだ十年かかる。河野さんの地元でさえこんなことだから、よそが、ましてやと、私笑ったことがあるのです。そういう点から、国民から見ると、いま困って、いま何とかしてくれ、こういうことなんですね。いま何とかしてくれ。この間のように学童がひかれてみれば、じゃあ何とか歩道橋をつくろうじゃないかということで、急速な話になる。ですから、そこで道路をつくってもらいたいという住民の熱意と、つくろうとする役所側の熱意と両方が相まってやらなければならぬと思うのです。そういう点から考えて、私は必要なものは、いまの国民の側から見れば、もっと早くできそうなものだという期待を持っている。役所のことがよくわからないわけでありますから、そういう点は、たとえば調査あるいは買収協力すれば一年でも半年でも短縮できる。積極的にそういうふうにする必要があるんじゃないかと思います。  そこで、次の問題に移りますが、七兆三千億というのが建設省計画になっておる。それが六兆六千億で一応最終的な決定になった。一体この理由は何かと見てみますと、時間が長くなりますから、私は私なりに判断してみますと、これは七兆三千億当時の計画と六兆六千億に決定した計画を見てみますと、国費事業の縮小によって六兆六千億になったんだ、実はこういう数字が出ているわけであります。これはたいへん残念なことだと私は思うのです。七兆三千億の計画というものは、国費というものを相当入れて工事をやろうとした。しかし、それが大蔵省との折衝段階において落ちたということによって、国費事業を縮小してつじつまを合わしたということは、私はどうも七兆三千億の計画というものを強力に推進していったたてまえから言うならば、ほかのものを平均的にレベルを下げるならともかくも、国費事業だけ縮小して、それを地方単独にかけてきたということを見ると、ごまかしのような気がする。ですから、もうちょっとこの七兆三千億というものについて、建設省はしっかりした態度を持ってやるべきではなかったかと思うのですが、そこらのいきさつについて、ひとつ御説明願いたいと思います。
  14. 西村英一

    ○西村国務大臣 建設省といたしましては、あくまでもいままでの五ヵ年計画改定改定というのをやっております。したがいまして、できるだけ多くの公共投資をしたいのはやまやまであるわけでございます。しかし、一方その特定財源というものがある程度押えられれば、どうしても一般の財源にかからなければならぬわけでございますから、全体的なこの調整のもとに、やはり六兆六千億という数字がきまったんでございまして、道路それ自身からいえば非常に残念でございますけれども、これは国家財政全般からの見通しでそういうふうになったのでございます。このためにこうむります影響は、この五ヵ年間の四十六年にでき上がるべきものが、やはり半年ないし一年ぐらいおくれるというような結果になるわけでございまして、計画それ自身、やることになっておったが  これはやめたというようなものは、別に特にないわけであります。多少国家財政の関係上その時期がずれたということでございまして、建設省といたしましては、まことに残念であると思いますけれども、全般的な調整の上に立ってこういうふうにならざるを得なかったのが現状でございます。
  15. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 国家財政になると、ここで建設委員会だけで大臣と議論をしても始まりません。しかし、国家財政全体の上から考えて、あるいは佐藤内閣のことから考えてみても、道路、住宅というものはもうちょっと重点的に取り上げられなければならないというふうに私は思うのです。財源がないかというと、ほかにも財源はあるわけです。どこの財源をどう回せということになると、議論になるから言いませんけれども、やはり道路と住宅を政府がとにかく積極的にやるという意図さえ示されるならば、私は七兆三千億も可能だと思うのです。そういう中で、閣議の中で、あるいは予算の取り合いというかそういう中で、道路というものはこれが適切なものだろうということが承認されたわけでありますけれども、今度中身を見てみますと、やはり七兆三千億の建設省規模から今度の六兆六千億の政府決定規模まで見てみますと、地方単独事業は同じであるから、一般道路事業なり有料道路事業、言うならば国費事業が縮小された。大臣は、いや、それだからといってこの道路をやらなくなったとかいうことは言わない。それはそうだと思うのです。五ヵ年間でちょこっと手をかければいいのですから、少し建設速度がおくれるだけですから、そういう意味ではいいわけですけれども、しかし国民から見たら、やはり建設あるいは使用がおくれるのだということが具体的な問題として出てくるわけです。ですから、そういう点で、いや予定した道路はみんな五ヵ年間で少しずつつついてあるのだからそう心配なさるなということでは、私はたいへん問題だと思うのです。やはり国費事業を縮小して建設省規模を下げた。その下げたこと自体、また五ヵ年計画は二年  か三年の間に改定せざるを得なくなるであろう。改定しませんということは過去の例から言えないと思うのです。改定せざるを得なくなることは必然だと思うのです。その必然の結果というものは何かというと、七兆三千億を六兆六千億に下げたこと、また二年か三年たてば改定するのだからということに私は受け取れると思うのです。そういう点で、一体五ヵ年計画の必要性ありゃなしや、計画があってないようなものだ、ないよりあるほうがいいのだ、こういうことに尽きると思うのです。  そこで今度は財源の問題であります。この財源の見込みについて、この間もちょっと説明しておられましたけれども、私はやはり今度の六兆六千億の問題につきましては、一般財源――一般財源というものはやはり相当強力な投資を行なうということと、それから財投です。この二つの問題についてどういうふうにお考えになっているか、御説明願いたいと思います。
  16. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 御承知のように、道路整備の財源といたしましては、ガソリン税その他特定財源を使います。それで足りないものを一般財源で補っている状況でございます。そのうち国が出す分、国費でございますが、国費についていいますと、いまのガソリン税その他の特定財源が今後どのくらい入るか、これは経済の伸びと非常に関係してきまして、いわゆる三十九年、四十年ごろの不況時代ということになりますと、非常にガソリン税の収入が減ってきます。これがいまの経済の状況がそのまま続くといたしますと、かなりまたそれが増徴になってきますので、いまいろいろ算定しているのでございますが、大ざっぱに見まして六兆六千億の中の予備費が有料に使われるか、一般単独に使われるか、まだきまりませんので、千五百億予備費をとりまして、六兆四千五百億の中の財源でございますが、国の財源といたしますと大体二兆二千億から二兆三千億くらいが特定財源になるのではないか。それに対しまして、一般財源が五千億か六千億くらいに相なってくるといしていくというような形をとらざるを得ない、こういうことが総花と思われるかもしれませんが、どうもいまの用地折衝の過程を見ますと、やはりなるべく多くの個所を折衝して、できるだけ進めていくということにならざるを得ないかと思います。
  17. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 この公共投資というものが、いま局長の言われましたように、なかなかたいへんむずかしいと思うのです。いま現実に困っている。しかし、ことしは調査しよう、来年は買収をやろう、工事をやろう、実際には四年ないし五年、長いのは六、七年かかるわけですから、六、七年かかったときの交通量というものをある程度予想していまから計画すればいいのを、実際に現状打開でものを考えてやるから、でき上がったときにはまた次のものを考えなければならぬ。これは実は私は河野さんに質問したことがあるのですけれども、河野さんのようなものでも、小田原漁港がある。十年前に計画して、そして漁港として使おうとしておるけれども、実際には十年たっても五割ぐらいしかできない。漁港で使えなくて、いつもはしけをかけてやっている。あと何年間かかるか、まだ十年かかる。河野さんの地元でさえこんなことだから、よそが、ましてやと、私笑ったことがあるのです。そういう点から、国民から見ると、いま困って、いま何とかしてくれ、こういうことなんですね。いま何とかしてくれ。この間のように学童がひかれてみれば、じゃあ何とか歩道橋をつくろうじゃないかということで、急速な話になる。ですから、そこで道路をつくってもらいたいという住民の熱意と、つくろうとする役所側の熱意と両方が相まってやらなければならぬと思うのです。そういう点から考えて、私は必要なものは、いまの国民の側から見れば、もっと早くできそうなものだという期待を持っている。役所のことがよくわからないわけでありますから、そういう点は、たとえば調査あるいは買収協力すれば一年でも半年でも短縮できる。積極的にそういうふうにする必要があるんじゃないかと思います。  そこで、次の問題に移りますが、七兆三千億というのが建設省計画になっておる。それが六兆六千億で一応最終的な決定になった。一体この理由は何かと見てみますと、時間が長くなりますから、私は私なりに判断してみますと、これは七兆三千億当時の計画と六兆六千億に決定した計画を見てみますと、国費事業の縮小によって六兆六千億になったんだ、実はこういう数字が出ているわけであります。これはたいへん残念なことだと私は思うのです。七兆三千億の計画というものは、国費というものを相当入れて工事をやろうとした。しかし、それが大蔵省との折衝段階において落ちたということによって、国費事業を縮小してつじつまを合わしたということは、私はどうも七兆三千億の計画というものを強力に推進していったたてまえから言うならば、ほかのものを平均的にレベルを下げるならともかくも、国費事業だけ縮小して、それを地方単独にかけてきたということを見ると、ごまかしのような気がする。ですから、もうちょっとこの七兆三千億というものについて、建設省はしっかりした態度を持ってやるべきではなかったかと思うのですが、そこらのいきさつについて、ひとつ御説明願いたいと思います。
  18. 西村英一

    ○西村国務大臣 建設省といたしましては、あくまでもいままでの五ヵ年計画改定改定というのをやっております。したがいまして、できるだけ多くの公共投資をしたいのはやまやまであるわけでございます。しかし、一方その特定財源というものがある程度押えられれば、どうしても一般の財源にかからなければならぬわけでございますから、全体的なこの調整のもとに、やはり六兆六千億という数字がきまったんでございまして、道路それ自身からいえば非常に残念でございますけれども、これは国家財政全般からの見通しでそういうふうになったのでございます。このためにこうむります影響は、この五ヵ年間の四十六年にでき上がるべきものが、やはり半年ないし一年ぐらいおくれるというような結果になるわけでございまして、計画それ自身、やることになっておったが  これはやめたというようなものは、別に特にないわけであります。多少国家財政の関係上その時期がずれたということでございまして、建設省といたしましては、まことに残念であると思いますけれども、全般的な調整の上に立ってこういうふうにならざるを得なかったのが現状でございます。
  19. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 国家財政になると、ここで建設委員会だけで大臣と議論をしても始まりません。しかし、国家財政全体の上から考えて、あるいは佐藤内閣のことから考えてみても、道路、住宅というものはもうちょっと重点的に取り上げられなければならないというふうに私は思うのです。財源がないかというと、ほかにも財源はあるわけです。どこの財源をどう回せということになると、議論になるから言いませんけれども、やはり道路と住宅を政府がとにかく積極的にやるという意図さえ示されるならば、私は七兆三千億も可能だと思うのです。そういう中で、閣議の中で、あるいは予算の取り合いというかそういう中で、道路というものはこれが適切なものだろうということが承認されたわけでありますけれども、今度中身を見てみますと、やはり七兆三千億の建設省規模から今度の六兆六千億の政府決定規模まで見てみますと、地方単独事業は同じであるから、一般道路事業なり有料道路事業、言うならば国費事業が縮小された。大臣は、いや、それだからといってこの道路をやらなくなったとかいうことは言わない。それはそうだと思うのです。五ヵ年間でちょこっと手をかければいいのですから、少し建設速度がおくれるだけですから、そういう意味ではいいわけですけれども、しかし国民から見たら、やはり建設あるいは使用がおくれるのだということが具体的な問題として出てくるわけです。ですから、そういう点で、いや予定した道路はみんな五ヵ年間で少しずつつついてあるのだからそう心配なさるなということでは、私はたいへん問題だと思うのです。やはり国費事業を縮小して建設省規模を下げた。その下げたこと自体、また五ヵ年計画は二年  か三年の間に改定せざるを得なくなるであろう。改定しませんということは過去の例から言えないと思うのです。改定せざるを得なくなることは必然だと思うのです。その必然の結果というものは何かというと、七兆三千億を六兆六千億に下げたこと、また二年か三年たてば改定するのだからということに私は受け取れると思うのです。そういう点で、一体五ヵ年計画の必要性ありゃなしや、計画があってないようなものだ、ないよりあるほうがいいのだ、こういうことに尽きると思うのです。  そこで今度は財源の問題であります。この財源の見込みについて、この間もちょっと説明しておられましたけれども、私はやはり今度の六兆六千億の問題につきましては、一般財源――一般財源というものはやはり相当強力な投資を行なうということと、それから財投です。この二つの問題についてどういうふうにお考えになっているか、御説明願いたいと思います。
  20. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 御承知のように、道路整備の財源といたしましては、ガソリン税その他特定財源を使います。それで足りないものを一般財源で補っている状況でございます。そのうち国が出す分、国費でございますが、国費についていいますと、いまのガソリン税その他の特定財源が今後どのくらい入るか、これは経済の伸びと非常に関係してきまして、いわゆる三十九年、四十年ごろの不況時代ということになりますと、非常にガソリン税の収入が減ってきます。これがいまの経済の状況がそのまま続くといたしますと、かなりまたそれが増徴になってきますので、いまいろいろ算定しているのでございますが、大ざっぱに見まして六兆六千億の中の予備費が有料に使われるか、一般単独に使われるか、まだきまりませんので、千五百億予備費をとりまして、六兆四千五百億の中の財源でございますが、国の財源といたしますと大体二兆二千億から二兆三千億くらいが特定財源になるのではないか。それに対しまして、一般財源が五千億か六千億くらいに相なってくるといま勝澤先生おっしゃいましたような、非常に交通混雑を来たしております。この原因といいますと、やはりわかり切ったことでございますが、車の交通需要に対するそれだけのキャパシティを持った道路がないということだと思います。御承知のように、一号線の静岡県内というのは、ほかの道路に比べまして、かなり前にできた関係もございまして、そのために非常に幅員も狭いというような状況から出ておるわけでございまして、これを早く打開しなければいけないということはわれわれも痛切に感じておりまして、現在施工中でございます東名高速道路、これにつきましても、できるだけトラックがそちらに乗るようにわれわれは考えていきたい。これには料金の問題もございますが、そういう点で、なるべく東海道の長距離のトラックは東名に乗せるようなことをまず考えていきたい。次にやはり長距離のトラックが乗りましても、いまの一号線の現在の交通量の――場所によって違いますが、清水-静岡間では約五〇%というのは二十キロ未満の走行距離の車のようにわれわれ聞いております。そういうものはやはり東名高速ができましても、それに乗らないような車だと思います。また二十キロ以上の長い走行距離を持っておる車につきましても、これもやはりいろいろ計算しますと、乗用車の場合とトラックの場合と変わりますが、約五〇%くらいしか東名に転換するものはないのではないかというふうに想定しておるわけでございます。それをあと現道で救うために、現在御承知のようなバイパスをつくっております。バイパスにつきましても、私たち特に早くつくりたいと思いますのは、いまの一号線の中で一番困っておりますのは、やはり沼津から清水-静岡間、それとやはり島田-掛川の例の日坂峠、この辺が一番とにかく交通混雑がひどいところであるというふうに考えておりまして、これは今度の五ヵ年計画では全部供用を開始するように考えていきたいと思っております。
  21. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そこで当面は、東名が完成をしたときにそれにできるだけ移らせる努力をするということで、これは当然料金の問題、料金が安ければ、極端には無料であれば相当東名に乗ると思うのです。ですから、これはやはり一時的な料金問題というものをぜひ検討していただきたいと思うのです。  それから次の問題は、やはりいま走っている長距離の大型トラックについて、この際もう少し検討しなければならぬのではないだろうかと思うのです。二、三十キロで走っておるが、追い越し禁止区域が多いわけですから、追い越すことができないわけであります。自動車を六台から八台ぐらい載せた大型トラックが走っておるわけでありますから、そういうものをそのまま走らせておいて、そうして道路道路といっても、これも問題だと思う。やはり交通制限といいますか、こういう問題もこの際すみやかに考えるべきではないだろうか。  それからもう一つ、いま言いましたバイパスの促進であります。地元が建設大臣を経験した竹山知事でありますから、特に建設大臣当時できなかったことを知事になってからどうしてもやらねばならぬということで一生懸命考えておられるようでありますから、このバイパスの問題につきましては、少しは計画を繰り上げても特に促進をしていただきたいと私は思うのです。  それで大臣にもちょっとお尋ねしておきたいのですが、道路局長は幸いこの間現地を見ていただいたわけであります。スタジオ102の「現代の映像」のときにもNHKのスタジオへ塚原総務長官も出まして、私もこんな実情とは思わなかった、一度見て善処をしたい、こういうようなことを言われておりました。建設大臣もたいへんお忙しいと思うのですけれども、ぜひ国道一号線の実情については見ていただいて、現地でこうせよという指示を与えて――国道一号線というと静岡県だけの問題ではないわけです。大臣も鉄道のことはよくおわかりになりますように、あの由比の地すべりがあったときには、結局国道一号線と東海道線がストップしたわけでありますから、これは大問題で大騒ぎであります。ですから鉄道が一時間か二時間とまると大問題になりますけれども、自動車が二十四、五時間とまってもあまり大騒ぎをしていない。鉄道のほうは大騒ぎをするけれども、国道のほうは大騒ぎをしない。これが現状で、実はそのために対策がおくれてきたのではないかと思うのですけれども、やはり国道も重要な輸送手段になっておるとするならば、そういう輸送施設というものが一年の間に二十六日間もストップと同じ状態になっておる。それが今年は一月半以上も国道一号線というものは麻痺状態が続くと思うのです。いまでも一週間に二日ないし三日は渋滞が続いて、時速十五キロないし二十キロでしか走れない状態があるわけでありますから、ぜひこういう点は、大臣はたいへんお忙しいときでありますけれども、実情についてよく見ていただいて、特段の御善処を願いたいと思うのです。いかがでしょうか。
  22. 西村英一

    ○西村国務大臣 私がいま一番考えておることは、御承知のとおり高速自動車道路が法律できめられましたね。それに力を入れるべきか、あるいは一般国道の二次改築に力を入れるということであります。ところがよくそれを考えてみますと、どちらを優先といっても、金の種類が違うので、どちらを優先ということはできないので、一方は借金でやる、一方は無料でやろうというのですから、これはもうどうも彼此融通がちょっとできないのであります。そこで、たとえば東名ができたときの料金問題がやはり一つのきめ手になると思うのです。御承知のように、いまの料金は建設費に対するベイラインできめておりますが、そうではなしに、安くしてたくさんの車を通して、トータルして収入が上がればいいではないかという考え方があるわけであります。それからもう一つは、どうせ東海道の一号線の二次改築をやるにしても、バイパスをやるにしても、相当長い時間がかかるということなら、やはり東名の部分的な料金の設定をするということも、そして利用させるということも一つの方法であろうと思うのであります。したがいまして、これは東名ができますときに、やはり料金問題等につきましては十分検討をしたいと思います。  もう一つ、いまおっしゃいました東海道の富士から静岡までの区間、私も多少は知っています。しかし非常にまあたいへんお困りであろうと思うわけであります。したがいまして、私もこれは現地を早く見まして、なるべく早くこの交通の渋滞に対して解決をはかりたい、かように考えておる次第でございます。
  23. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 大臣も早く見て陣頭指揮をされるということでたいへん意を強うしたわけでございますが、大臣、特に静清バイパス計画の中に清水港がありまして、そこに興津埠頭というのをつくりました。実は興津埠頭をつくったために興津側の海岸ですね、言うならば水口屋とか、西園寺さんがおりましたから御存じだと思うのですが、あの辺がもう海に接近をしてしまって、いま護岸をしなければならないような状態で、昨年農林省が六千四百五十万の金をここに投じて護岸をやったわけです。ことしも四千七百三十万入れることになっています。約一億の金というもので、実は興津埠頭ができたために海岸が洗われて、そうして水産庁予算でここに補強がやられているわけであります。実はこの地点地元としてはバイパス一つ路線になっているわけであります。そこで地元市長は御承知のように、建設委員会におられました佐藤虎次郎市長でありますから、いろいろ地元と相談しながら、できるならばやはり海岸にバイパスを入れていきたい、言うならばここを早く調査をされ、少しでも早く計画をされることが二重投資が少しでも実は助かることになるわけであります。そういう点からも、この地元の者から見れば、道路計画とそれから運輸省なりあるいは農林省の計画というものがマッチをするならば、同じ国民の税金なんだからむだが省けるのではないだろうか、こういう意見があるわけでありまして、私も国会議員として出ておって、地元の実情を見るとなるほどと思うわけであります。国の金が、ひもがどうなっているかというのは国民はそんなもの知らないわけでありますから、これは農林省の金ですから建設省は関係ありません、これは運輸省の金ですから関係ありません、こういってもそう納得することではないわけでありますから…。特にそういう点もありますので、私は要望いたしておきます。大臣、よろしく。
  24. 西村英一

    ○西村国務大臣 承知いたしました。
  25. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 終わります。
  26. 森下國雄

    森下委員長 内海清君。
  27. 内海清

    ○内海(清)委員 道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案について若干の質問をいたしますが、その前に、私は一つ大臣の御所見を伺っておきたいことがあるのであります。と申しますのは、これは御承知のように三十一日に経済企画庁から国民所得統計の速報が出たわけであります。これは毎日新聞に出ておったものでありますけれども、これを見ますると、「四十一年の国民所得」という、これに関しまして、同年の国民総生産は三十四兆九千三百六十三億円で、前年比一四・八%増、物価上昇の影響を除いた実質増加率は九・七%、まさに国民総生産は世界の第四位のフランスに追いついたものと見られておる、しかし、一人当たりの国民所得は二十八万四千四百十七円で、前年比が一三・五%増、世界ではベネズエラに次いで二十二位だった四十年と変わりないと推測される、国全体の経済力は世界のトップグループに入りながら、国民一人一人の生活は先進国に遠く及ばないというパターンが続いている、というのであります。ところがこれに対しまする「解説」におきまして、私の大臣に御所見を伺いたいという点があるわけであります。これはこの速報は私どもに一つの疑問を与える。それは、国全体としての経済力を示す国民総生産というものが国際的にトップグループに入っていた、しかし一人当たりの所得というものはこれは低開発国並みである、こういうのであります。これは人口が多いからということであるならばきわめて簡単に解決もつくと思う。あるいは円の過小評価ということもあるかもしれませんけれども、まあそれに対してここでは、日本の場合には、農林水産業などの生産性の低い第一次産業に従事する人口が多い、あるいはその裏側にある事情として国民総生産に占める製造業の比率が低い、というようなこともいっておりますが、最後にこういうことをいっております。要は驚異的な成長率を誇る日本経済の体質の中に、数多くの後進性が残っているということであり、これに住宅、下水道、道路などの貧弱さを加味すると、日本としても世界のトップグループにある国民総生産をいたずらに誇るわけにいかない。この日本の非常な後進性がある経済体質の中に、しかもそれに基づいて住宅、下水道、道路などの貧弱さを加えれば、ということをいっておるわけであります。この三つはまさに建設行政の今日中核をなすものではないかと考えるのであります。したがってこれはまあ今度の道路の問題もありますけれども、これも世界のそれらの先進国に比べましてもとくと御承知のとおりであります。あるいは住宅の問題、下水道の問題は、法案はこの間本委員会を通過いたしましたけれども、なお多くの問題を残しておるのでありまして、この建設行政担当の責任者として、大臣はこれに対してどういう御所見を持っておられるか、ひとつお伺いしておきたいと思う。
  28. 西村英一

    ○西村国務大臣 非常にむずかしい問題でして、私、別にそれに対して深く研究はいたしておりませんが、公共投資が一般的におくれておる、産業の基盤である公共投資がおくれておるということは確かでございます。しかしそれが国民生活の、国民のいまの収入の点につきまして、どういう影響を持つかというような点について、私は深くは研究いたしておりません。しかし日本はやはり産業においても二重構造になっておるのじゃなかろうかと思います。その二重構造になっておるということが、やはり平均的な国民の所得というものが低位にあるゆえんじゃなかろうかと思うわけでございます。言いかえるとやはり人口が多いということにもまたなるのじゃなかろうかと思っておるのでございます。したがって、そのためにやはり二重構造になっておる中小企業あるいは生産性の低いものにつきましては、つとめてそれを近代化していこう、したがいまして、そのためにはいろいろ公共投資をやはりつぎ込まなければならぬのじゃないか。大体が、諸外国における先進国につきましては、基盤が早くできておって、その上に立って、いろいろものがなされておるからうまくいっておるんで、日本はこの公共投資につきましては、ほとんど戦後のあれでございます。したがいまして、いろいろな公共投資を、相当国力としてはつぎ込んでおりますけれども、間に合わないというのが現状ではなかろうかと思っております。建設大臣といたしましては、そのような観点からできるだけ公共投資をつぎ込みたい。しかしそれにはまた、現在の状況ではブレーキもかかります。やはりあまり急ぎますと、また金ということも起こらないわけではございませんから、いろいろブレーキもかかるわけでございますが、私といたしましては、やはりあくまでも基盤を強化するということを進めなければならぬ、かように考えておる次第でございます。
  29. 内海清

    ○内海(清)委員 きょうは時間が制約されておりますから、この問題で深く論議する余裕がございませんが、なるほど、いま大臣のお話しのような、いろいろな国民生活の低位にあるということは現実でございましょう。しかし、わが国は戦時中非常な打撃を受けまして、それから今日まで立ち直ったわけでございます。特に公共投資は、戦時中に破壊されたというふうなことで、一そう困難な立場にあったことはわかるのであります。しかし、国の政治としては、国全体を見て、少なくともバランスのとれたいろいろな施策がなければ国民生活の向上というものはあり得ぬわけであります。そういう点からいえば、特にいまこの新聞に出ておりますような住宅、下水道、道路というふうな、直接建設行政の面がそれら先進国に非常におくれておる、国民総生産ではトップグループに入りながら、そういう面を考えれば非常におくれているということにつきましては、私は、むしろ国の総合的な施策の中で建設行政が今日まで比較的軽視されたといいますか、力が入らなかったという一つのあらわれではないか、かように考えるのであります。そういう観点からいたしますならば、これはひとつ一もちろん今回の国会でも住宅の問題も出ております、あるいは下水の問題も出ております、道路の問題もございますけれども、国全体の総合的な施策の中で、もっと建設行政が強力に進められなければ相ならぬと考えるのであります。その点につきましての御所見を承りたいと存じます。
  30. 西村英一

    ○西村国務大臣 あなたとあまり考えは違わないのでございまして、さいぜんも申しましたように、その産業基盤を十分やらなければならぬ。なかんずく、そういうことにつきましては、従来と違ってやはり皆さんと同じような考え方を持ってやっておるわけでございますから、今回にいたしましても、これは道路にいたしましても六兆六千億円、これはちょっと一口に言いますけれども、相当な投資でございます。また下水道にいたしましても九千三百億と、前の三倍くらいの投資でございます。住宅におきましても、これは四十五年には一世帯一住宅を提供しようというのですから、これは相当思い切ったやり方でございます。したがいまして、これが円滑に進めば、産業の基盤の強化という面につきましては、相当にこれは寄与するのではなかろうかと思っておる次第でございまして、今後とも公共事業の推進に力をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
  31. 内海清

    ○内海(清)委員 本年度の予算を見ても、増加率が非常に高いという、この点は私どもも敬意を表するわけでございますが、今日この面が非常におくれておって、いまのわが国の総合的な施策の観点から、どうしてもこれを打開しなければならぬという国民的な要望もあり、国の施策も組まれてきたと思うのです。しかし、ここまで追い込まれるについては、やはり国の総合施策の中で建設行政がある程度おろそかにされたということはいなめぬことだと思うのであります。本年度の予算で非常な増加率を見たと申しましても、道路の問題にいたしましても、先進国のそれらと比べますときに、なおなお多くの問題があるわけであります。今後一そうのひとつこの点に対する格別の御努力をお願いしておきたいと思います。  それではこちらの質疑に入りたいと思いまするが、建設省は四十一年に「国土建設の長期構想案」を発表されたわけであります。これによりますると、昭和六十年までの今後二十年間に、道路に関しましては国土開発幹線自動車道三十二路線、その延長は七千六百キロ、これを完成するという方針、さらに瀬戸内海、関門海峡、東京湾口等に海峡連絡橋を建設するというのが一つあります。さらに幹線道路、これは国道――都道府県道を含みますが、及び市町村道、これにつきまする飛躍的な改良舗装等を推進する、こういうまことにけっこうな大規模の構想があるわけであります。これに基づきまして今回のこの道路整備緊急措置法等の一部改正が出てきたと思うのであります。これはいわゆる第五次五ヵ年計画であります。したがって、これによりましていわゆるこの長期構想の第一歩を踏み出すことになるわけでありますが、現在道路建設を行なうのにあたりまして一番問題になるのは、やはり財源問題あるいは公団等の道路建設能力の問題あるいは建設コストの問題、いろいろ多くの問題があると思うのであります。  そこで一つお伺いいたしたいと思いますのは、この大規模道路建設計画を進めるのにあたりまして、政府はどのような財源の確保の対策を考えておるのか。これは従来は、道路事業財源としましていわゆる特定財源があるわけであります。特に燃料税の収入に依存することが大であった。これは申すまでもございませんが、これも調べてみますと、三十七年以降税収が計画見込みを下回っておる、こういう状態でございます。これはいろいろ原因がございましょう。ディーゼル車の普及というようなこともございましょうし、中小型の増加ということもございましょう。いずれにいたしましても、ガソリンの消費量の伸びが非常に下がっておる、したがって、ガソリン税を主力といたしまする特定財源の伸びが鈍化しておるということははっきりあらわれてきておるわけであります。これの税率につきましてもいままで再三引き上げを行なってきておるのであります。一応財源をいままで確保してきたと言えると思いますけれども、今後これ以上引き上げはなかなか困難じゃないかというふうにも考えるのであります。そこでこの五ヵ年計画、さらには二十カ年の長期目標を実現するにあたりましては、相当強力な一般財源の投入、こういうことが必要になってくるのではなかろうか、あるいはまた他の財源措置を講ずる必要が今後出てくるのじゃなかろうか、こういうふうにも考えるのでありますが、この点に対します政府のお考え、今後の見通し、これらについてお伺いしたいと思います。
  32. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 いまの先生のお話のように道路はいま非常に立ちおくれておりますし、これに対しまして、かなり大規模道路投資をしなければならぬ。これにつきましての財源がどうだということでございますが、これもやはりいままでの道路の財源、ことに国が負担いたします道路の財源の大部分が特定財源、ガソリン税収入でございます。先ほどちょっと説明いたしましたように、今度の六兆六千億の中で予備費をとりまして六兆四千五百億の中の、これはまだいろいろ作業をしておる途中でございますが、これの国費の分で言いましても、約二兆七、八千億ぐらいの国費のうち二兆二、三千億円が特定財源になるというような結果で、とにかく一般財源と特定財源の比率を比べますと、一般財源の比率がまだ非常に少ないわけでございます。それじゃ今後増大する道路整備の財源をどこに求めるかということになりますと、先ほど先生のお話にありましたようなガソリン税の収入をさらにふやすかという問題でございます。これは物価との問題も非常にございまして、なかなか軽々しく結論をつけられないような問題でございます。しかし一般的にガソリン税をふやすということが絶対できないかということになりますと、これもそう断定するのにはまだ早いというような感じもいたします。ガソリン税の税率を上げまして特定財源をふやすということにつきましては、これは建設省だけじゃなくて、大蔵省その他関係各省とよく折衝しないと、結論のつかない問題でありますが、やはりわれわれといたしますれば、道路投資規模増大に伴いまして、一般財源をさらに入れてもらいたいということがまず第一の希望でございます。  そのほかに先ほど大臣からありましたような自動車税その他の問題がございますが、そういう物品税の関係は、相当ふやせば、税率をかなり上げれば、かなり大きな財源になるかと思いますが、やはりこの物品税の目的税化についてはいろいろ問題があろうというふうに考えております。やはり最終的にきめるのは大蔵財政当局だと思いますが、われわれとすればまず五千億とか六千億とかいうことにとらわれないで、さらにもっと毎年毎年の一般財源をふやしてもらいまして、六兆六千億の五ヵ年計画といいますか、これを四年半くらいで完成するというような形でわれわれは大蔵財政当局と交渉したいというふうに考えております。
  33. 内海清

    ○内海(清)委員 せっかく計画ができましても、この問題が基本になってくると思います。いまお話しのような燃料税というものは、これは一つの限度がある。特に自動車はふえますけれども、以前のような税の伸びがない、こういう点がございますので、今後におきましてはどうしても一般財源というものをより一そう投入するという体制が基本になるのではなかろうかと私は思う。ことに、その他の財源措置というものがここで考えられれば別でありますけれども、いまの特定財源と一般財源のほかに、何か特別な財源措置でいまお考えになっておるものがありますか。
  34. 西村英一

    ○西村国務大臣 もう内海さんも御承知のように、資金の出方は国費、特定財源のガソリンのほうの目的税、あるいは有料道路は財投、それから地方費、この四つの種類でございます。そのほかの財源を一体何に求めるか。これは端的に申せば、いま私のほうはあまりいい考えはございません。したがいまして、いまの国費、特定財源、財投あるいは地方費、やはりこの四つで、それ以外に何か大きなこれをカバーするものがあるかといいましてもいまちょっと考えられないわけでございますが、いずれにいたしましてもこれらの組み合わせによってやらなければならぬのじゃないか。もちろん部分的には、いまの自動車税等のこと、あるいはガソリン税がどうなるかというようなことがありますが、やはりその四つの財源の組み合わせで、それ以外の何か名案はないかというようなことは、いまの段階ではちょっと考えておらない次第でございます。
  35. 内海清

    ○内海(清)委員 これが特別のものが考えられなければ、やはり燃料税に限度があるならば一般財源を投入して、この五ヵ年計画はもちろん長期計画も遂行していくということにならざるを得ぬと思うのです。いま大臣が話されましたように部分的かもしれませんけれども、たとえば自動車税ということ、これがいまは一般財源に入っておると思いますが、こういうふうなものを目的税的に改めて、そうしてこちらに振り向けるというようなことは考えておられませんか。
  36. 西村英一

    ○西村国務大臣 一つ考え方でございます。しかもこのままにしておきますと、自動車伸び率に対しましてどうしても道路の建設は追っつかぬと思います。自動車はマスプロでございますから、それをどんどん伸ばされたのでは、道路のほうはやはり固定した財産を形成するわけでございますから、それには日にちもかかるし金もかかるわけです。それに対しまして、自動車のいまの伸びと今後の道路伸びとはどうなるかといえば、過去におきましても自動車伸び道路伸びが追っつかなかったために、いま勝澤君から御指摘になったように五ヵ年計画改定いたしておるのでございます。したがいまして、自動車伸びの調節をするためにも、やはり自動車税というようなものは今後検討する余地があるのじゃないか。そしてそれを目的税の中に入れるということも、検討に値する財源の一つじゃなかろうかと思うわけでございまして、今後十分検討したい。またその額がどのくらいになるかというようなことも、これが微々たるものであればたいしたことはないので、私は事務当局に自動車税の伸びについて、あるいは自動車税のあり方について、検討を命じております。
  37. 内海清

    ○内海(清)委員 これは御検討願いたいと思いますが、ただ自動車税を引き上げることによって、自動車を所有することを制限するというふうな方向にもしいけば、これは私は考えものだと思うのです。やはり国民生活のレベルアップから申しますならば、このことは十分考えなければならぬだろうと思いますが、この点はひとつ今後十分の御検討を願って、いずれにいたしましても、少なくとも計画したらそれが十分遂行できるという体制をとらなければならぬ。そのためには財源につきましては今後十分強力な施策を立てていかなければならぬ、かように考えます。  時間がありませんから次に移りますが、聞くところによりますと、建設省では、この長期計画の中間として今後十年間の中間目標を立てておられるように承るのであります。十年間に四千キロメートルの高速道路の建設をやろうというふうな目標があるように聞いておるのでありますが、この点はいかがでございますか。
  38. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 幹線自動車国道については、御承知のように七千六百キロに及ぶ予定路線がございます。これをどういう形でやっていくか。七千六百キロについては大体今後二十年、すなわち昭和六十年を目標にしてやるということでございます。そのうち二十年後に完成するものをいますぐ着手する必要もないのでございまして、いま着手するのは大体昭和五十年くらいに完成できるようなものを着手していきたいということで、約十年間くらいには七千六百キロの約半数四千キロに近いものを完成していきたいというふうに考えてございます。この四千キロくらいのものを十年後、昭和五十年に完成させるためには、場所にもよりますが、大体今度の第五次五ヵ年計画の四十二年から四十六年、その辺の間には着工しないと五十年くらいに完成しないということになりますので、大体十年後に完成する路線延長をきめまして、それをこの五ヵ年計画に取り入れて着工をはかっていきたいという趣旨のもとに、十年で四千キロというような数字を出しておる次第でございます。
  39. 内海清

    ○内海(清)委員 大体十年という中間目標を立てて着手する。その中間目標に基づいてさらに今回の五ヵ年計画考えられておるということであります。この高速道路の問題を見ますと、十年間で四千キロということになりますと、これは算術平均でいきますと年間四百キロということになるわけです。ところが今日の公団の一年間の建設能力というものは大体六十キロくらいと私は見ております。これはあやまちがあれば御訂正願いたいのでありますが、そういたしますと、平均で見ますと、年間にいたしましても現在の公団の建設能力の六・七倍くらいに上げていかなければならぬと思う。そういうことがはたして可能なのかどうか。同時に、この問題につきましては技術者の問題もあるかと思います。あるいは技術者養成の問題あるいは技術者の補給の問題、こういう問題もあるわけで、これらをあわせ考えるときに、はたしてそういう目標が達成されるのかどうか。この点についてひとつお伺いいたしたいと思います。
  40. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 ただいまの、現在の公団の能力が一年間に六十キロということでございますが、現在道路公団で施行しておりますのは東名高速と中央道の東京-富士吉田間でございます。この二カ所でございますので、ちょっといまの施行の実績だけではいけないのではないかというように考えております。たとえば東名高速につきましても、三十七年から実施しておりまして、三十七、八、九の最初の三カ年で使われた金額というのは総事業の二割しかないわけでございます。それだけ用地買収には非常に手間どったということにもなりますが、やはり今後用地買収が非常に順調にいけば、さらにもっと大きな予算が使えるというような考えでございます。  さらに、先ほど先生のおっしゃいましたような技術者の問題がございますが、技術者はやはり公団のいまの人員をふやしていかなければならない。これについてはなかなか一年に一度に五百人、千人ふやすことは不可能でございます。やはり逐次学校を出た者を採用しなければならぬということでございます。そういうことで毎年毎年ふやしていく道路公団の人数にも制限があろうかと思います。設計につきましては、なるべく今後の四千キロに及びます高速道路につきましては、ある程度設計を標準化いたしまして、設計の手数を簡略にするということと、民間のコンサルタントを十分に活用するというようなこともあわせて、公団の技術者の不足をカバーしていきたいというように考えております。  また業界の施行の能力につきましては、これはいろいろ業界のほうで試算をしてもらったのでありますが、現在の業界の施行能力の伸びからいいますと、毎年大体一四、五%施行能力が伸びておるということから考えますと、十年に四千キロというものはそう不可能なものではないというふうに業界のほうは出ております。といいますと、やはり用地の問題、設計の問題が十年間に四千キロやれるかやれないかの一番大きな問題になってくるかと思います。  用地の問題につきましては、これは関係の府県でできるだけ用地を買ってもらうようなこともお願いしておる状態でありまして、公団が人が足らないということはもちろんでございますが、やはり今度の幹線自動車道地域開発を相当取り入れたものでなければならない。またそういうような構想のもとにでなければ地元協力もなかなか得られるものではないという点からいえば、やはり公団だけでなくて県も中に入ってもらって、地元開発考えた適当な用地の価格及びそれに伴います公共的なその他の道路、そういうものの計画をあわせてやっていくには、新しい幹線自動車道の実現のためには県に相当協力してもらうように考えております。どちらにいたしましてもやはり道路公団が主体でございますので、道路公団の人員の強化、機構の強化というものをはかって四千キロができるようにわれわれもいま検討しておる状態でございます。
  41. 内海清

    ○内海(清)委員 業界の能力は大体あるということでございますが、しかしそれにいたしましても、こういうふうになってまいりますとやはり技術者の問題がかなり問題になってくるであろうと思うのであります。しかし養成というのは限度があるわけでありまして、この点については建設省の一存でもいかないと思いますけれども、これほど事業量がだんだんふえてまいりますと、はたして現在まで行なわれてきたこの養成の程度でいくかいかないか、そういうことも今後を見通して文部省あたりとも交渉されたことがあるかどうか、検討されたことがあるかどうか、その点をひとつお伺いしたい。
  42. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 実は文部省と土木技術者の養成についてはいままで検討しておりません。
  43. 内海清

    ○内海(清)委員 やはり技術者といたしますればそういう点が基本になってくると思う。したがって今後の事業量の伸びに対応する技術者が何ぼおるか、たとえば高速道路だけとってみましても年間四百キロであります。十年で四千キロ、それには現在の日本の建設業界の状態から見てどれくらいの技術者をふやしていって、それは年度別にどういうふうに出てこなければいかぬかというふうな計画なしにやりますならば、これは当然事業の遂行に蹉跌を来たす、同時に、事業がなかなか完全なものができない、これは明らかだと思う。したがって、そういう計画がさらに検討されていない、行なわれていないということにつきましては、これは問題であると私は思うのであります。今後それにどう対処される考えか。
  44. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 ただいま御説のとおり、やはり長期的な技術者の問題というものは検討しなければならないと思います。ただいま道路公団の四十六年までの五ヵ年計画の遂行にあたりまして、いろいろ検討さしておるのでございますが、これも新規高速道路に、まだはっきり考えがきまりませんが、とにかく数千億の事業費になろうかと思います。こういうものに対してどういう体制でいくか、どのくらいの技術者が必要か、こういうような計画は、実は非常に残念でございますが、まだ私ははっきり公団の今後の事業消化の人員の計画まで聞いておりません。できるだけ早くそういうものは工事が完遂できるような形で前向きに検討していきたいというふうに考えております。
  45. 内海清

    ○内海(清)委員 この問題にあまりこだわっておられませんが、いずれにいたしましても、一つ事業を遂行する場合には、総合的な計画のもとに行なわれなければならぬ。とかく資金の問題とかそういう問題については力を入れられるけれども、ほんとうに完全な事業の遂行ということに対する技術者の養成、補給ということは、これはきわめて基本的な問題だと私は考える。これらにつきましても今後総合的な計画のもとにひとつ進めていただきたい。  それから次にお尋ねしたいと思いますのは、現在高速道路では名神あるいは東名、こういうふうなものが建設されておりますけれども、この建設コストの問題なんです。これは名神がキロ当たり六億三千万ですか、それから東名が九億八千万というふうな、建設コストが外国に比べまして非常に高いのですね。これはいろいろ地理的な問題もございましょう、あるいは地価の問題等もございましょうし、あるいは施行方法の問題もあると思う。ありましょうが、いずれにしてみましても、たとえばアメリカが二億三千万、西独、フランス、イタリアなどでは、三億五千万程度というふうなこと、あるいは一億八千万、あるいは二億、こういうふうなことから比べてみますと、わが国の建設コストは二倍あるいは三倍以上かかっていると思うのであります。この問題はいま申しましたような地理的な関係、あるいはことにわが国には地価が高いというそういう問題、あるいは工事の施行方法等に関係があると思いますけれども、一体何が一番大きな原因なのか。
  46. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 諸外国に比べまして日本の高速道路のキロ当たりの建設単価が非常に高いということも、これは事実でございまして、先ほど先生からお話ございました、東名が九億、西独でいきますと三億五千万というふうなことですが、これはアメリカあたりでも、市街地の高速道路になると非常に高くなっておりますが、一般の市街地外でいいますと、いまみたいな建設単価の差がございます。この一番大きな原因は、いろいろあろうかと思いますが、日本の高速道路には非常に構造物が多いということではないかと思います。これは地形上橋梁とかトンネルとかいうものが出てくるのは当然でございますが、そのほかに、外国と違いまして日本は土地の利用が細分化されておるために、一つ高速道路を平地に通しますと、やはりそこに農道用のボックスもつくらなければいかぬ、また農業水利のカルバートもつくらなければいかぬというふうなこと、及び町村道とかそういうものが非常に数多くございまして、それに対して一々立体交差しなければならぬというような問題もあろうかと思います。それにつきましてわれわれはさらに建設単価を下げるくふうをしておりますが、まず一つの方法は、土地の利用が細分化されておるような平地をなるべくはずす。これはもちろん建設単価を安くする方法であると同時に、やはり日本で非常に少ない耕地をつぶさなくて済むということもございまして、できるだけ平地を避けまして山地にいく。山地にいきましても、非常に山地の急竣なところでございますと、これまたトンネルとか大きな橋梁が出てまいりますから、やはりできれば丘陵地帯を通したいというようなこともございます。またもう一つは、そういうルートの選定以外に、やはりどうしても平地を通らなければならない場合は、耕地の交換分合なり土地改良なりそういうものとあわせて、高速道路用地を確保するということになりますと、やはり水利のためのカルバードの統合、また農道あたりの統合等、なるべく構造物を減らすというようなことも必要であります。また、高速道路の両側にそういう平地でございますと側道をつけますことによりまして、なるべく高速道路の路体の中に入れます構造物を少なくするというようなことで建設費の単価を安くするように考えております。
  47. 内海清

    ○内海(清)委員 この問題は、建設コストが高いということは、これは建設がなかなか伸びないということにつながるわけであります。これはいまいろいろな原因をお話しになりましたけれども、いまお話の中に、土地区画整理というふうなことも考える、やっていってできるだけ安くしようということでありますが、そういう点がやはりわが国ではいままで、それぞれ各省庁間で一つ計画を立てるための十分なる連携がとれていっていないというふうな点がございませんか、どうですか。
  48. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 これは非常に何といいますか、安全な意味ではなかなか先生のおっしゃるような連絡はとれてないかと思います。また、われわれそういう点では、農林省その他と連絡しておりますが、やはり高速道路をつくる道路側の事情と、農林省には農林省側の一つの事情がございまして、同じ土地改良をやるにしても農林省でいえば、ここはまだあとだ、こっちが先だというようなこともございまして、そういう各事業間の一つのプライオリティーというものでございますか、こういうものについてなかなか調整がとれない点は確かにあると思います。
  49. 内海清

    ○内海(清)委員 これは非常に困難なことだと思います。一つ事業を始めるまでのすべての連携がとれてむだのないようにやるということは非常に困難だと思います。しかしこれは少なくとも国の財政を投入して仕事をやります場合には考えなければならぬ。これは私よく道路を走りましても感じるのでありますけれども、せっかく国道でも舗装しておるのに、これにもっていっていわゆる電電の工事をやればまた掘り返す、あるいは水道工事をやれば掘り返すということも、これは公共事業から見ればやむを得ぬかもしれませんが、これは全くむだなことであると思うのであります。なぜこれが事前にできないかということをいつも感じるわけであります。これは確かに建設計画にあたりましてもより一そうこれが必要なんじゃないか。建設省としては一日も早く道路を建設せなければならぬという要請がございましょう。ところが、そのときには計画がなかったということでありますけれども、今後におきまする都市計画の状況その他を考えるならば、これは前もってある程度の予測はつくであろうということをわれわれは思うのであります。建設行政の中には実にむだが多いと思うのです。これらにつきましては私どもしろうとで、こうしたらいいじゃないかという考えがなかなか出ませんけれども、少なくともこれの担当の当局としては十分ひとつお考えになることが必要である。これは国民の声かと思います。なぜそうしなければならぬか、この間ようやくきちっと舗装できたのになぜこれを掘り返さなければならぬかということであります。これらにつきましては今後ひとつ十分考えていただきたいと思います。そのことによって工事事業がスムーズに進むであろう。  建設コストの問題につきましては、いろいろあげられましたが、いま申し上げましたようなことからしてできるだけ安くする。そして建設の伸びを大きくするということがこれまた重要な問題だと考えるのです。この建設コストの問題につきましては、今後の道路事業としましてはますます困難になってくると思うのであります。いまの状況からいえば用地取得はより一そうむずかしくなるだろう。さらに人件費でありますとか材料費、こういうものは当然上がってくるわけであります。こういうことから考えますならば、今後の道路建設というものがなかなか容易でない、むずかしい場面に直面するであろうということの予測は間違いないと思うのでありますが、それらについてどういうふうなお考えを持っておられるか、今後の問題。
  50. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 先ほどの、地下の埋設物のために掘り起こすということは確かにわれわれもむだなことだと考えております。現在各県ごとに地下の埋設工事の協議会をつくらして、一つの舗装をする場合にはそういう関係の埋設物を事前に調整するように指導しておりますが、なかなか都市の中にいきますと、急にビルが建ったりそういうことがございまして、必ずしも年度の初めに計画したとおりにいかないというようなことでございます。これはわれわれも非常に遺憾に感じておりますので、今後やはり地下埋設物については事前に十分協議するようにいたしたいと存じます。  今後の建設事業の単価の増大につきましては、いまお説のように人件費が上がるだろうし、用地の値段も上がるだろうしということがあります。確かに上がるような要素は相当ございます。またそれと同時に、われわれ、先ほど言いましたように非常に建設単価が上がりますと、やはり全体として負担しなければならないために、料金が場合によれば上がってくるということになりますので、いかにしてこの建設単価を下げるかについて先ほど言いましたように十分検討しておるわけでございますが、まずルートのとり方が非常に問題だと思います。なるべく金のかからないルートということは、先ほど言いましたように構造物の少ないようなルートを選ぶということがまず第一だろうと思います。たとえば高速道路高速道路といいましても、これは自動車の専用道路でございまして、平地を通れば、これは直線に道路をつければ百二十キロで走れるわけです。山の中で八十キロなり百キロで通すとしますと、道路の回り方、曲線半径も大きくしなければならぬ。そういうものが工事費を増大する結果になります。どっちかといいますと日本は非常に国が狭いのでございまして、幹線自動車道の中の、日本の肋骨になりますような五道というものは別といたしまして、これから出てくるいろいろ肋骨線がございます。肋骨線につきましてはやはり地方が使いやすいような形にすることがまず第一義で、スピードを上げるということは第二義だと思います。スピードを落とすことによって道路の勾配も強くとれるし、曲線半径もある程度きつい半径でも間に合うということになりまして、建設単価を相当下げられる要素が出てくると思います。そういうこともあわせまして、今後高速道路のルートの選定につきましてはできるだけ建設単価を下げるということを第一義的に考える。もちろんこれだけではいかぬと思います。地域開発のための大きな使命がございますので、そういうこととあわせて構造物をなるべく減らしたような高速道路の構造を考えていきたい。たとえばいろいろいまやっておりますのは、名神高速道路にございますように、非常に高い五メートル、六メートルの盛り土をしております。ああいう高い盛り土をなるべくやめまして、二メートル、三メートルの低い盛り土をしていくということになりますと、非常に工費も下がるわけでございまして、そういう点も地形の許す範囲で現在のところ各新規幹線自動車道にも考えておる次第でございます。そういうことをすべていろいろ考えまして、いろいろな面でコストを少しずつ下げていくということは、結局建設費全体のためにもなりますので、建設コストを下げるための努力を今後はいろいろな面ではかっていきたいと考えております。
  51. 内海清

    ○内海(清)委員 いずれにいたしましても建設費を押えていかなければ、今回の五ヵ年計画にいたしましても六兆六千億でもって計画が遂行できるかどうか。今後いまのままでいくならば、コストが上がるということは明らかであります。しかしながら高速道路高速道路としての使命があるわけでありますからして、これを無視してやったのではまた問題である。これらの点を十分御勘案いただきまして、今後も進めていただきたい、こう思うのであります。  ちょうど自治省の方来られましたが、今後の五ヵ年計画で、これは従来の計画においてはほとんど顧みられておらなかった問題でありますが、市町村道整備が一部取り上げられました。これについては私は一つの大きな前進だと今回の場合思っております。今後より一そうこれは進められていかなければならぬと思うのでありますが、しかし市町村の財政負担に対してどのような考えを持っておられるのだろうかということであります。ところが私聞くところによりますと、市町村への財政援助策について建設省と自治省の間で意見の相違があったというように承っておるのであります。そして妥協案として生まれたのが今回の措置であるということでありますが、これはいま地方行政委員会に付託されておると思いますが、昭和四十二年度における地方財政の特別措置に関する法律案、これの中の臨時地方財政交付金の第二種交付金、これを市町村に交付することによって本年度はまかなおう、こういうことに妥協案ができたように思うのであります。これは自治省と建設省の意見が相違したということでありますが、これは今後十分進めていただかなければならぬ。本年ようやくにしてこれが頭を出してきたのでありまして、地方の自治体としてはこれまでになかった非常な喜びであると思いますが、どういう点で意見が相違したのか、これは自治省と建設省の両方からひとつお聞かせいただきたい。
  52. 首藤堯

    ○首藤説明員 ただいま御指摘の道路整備五ヵ年計画関連をいたします地方の負担、特に市町村道関係の整備でございますが、最近ようやく市町村道整備重点が移行しつつまいりましたことは、御指摘のとおり非常にけっこうなことだと考えておるわけでございます。この点につきましては、御指摘のように市町村は非常に財政が貧しゅうございますので、このような整備をいたしますためには何としても適正な財源を付与する必要があると私どもかねがね考えておる次第でございます。なお、昨年の十二月に、第十一次地方制度調査会の御答申をいただいたのでございますが、この中にも、地方道路財源の増強、特に市町村道に対する財源の増強、これにつとめるようにという御指摘をいただいたわけでございまして、そういった点について本年度の予算につきましても努力をいたした次第でございます。結果はただいま御指摘のように、第二種臨時交付金といたしまして二十五億の市町村道に対する財源配分、こういうことに落ちついたわけでございますが、私どもといたしましては、このような措置は市町村道整備に対する財源措置がやっと緒についたと申しますか、種がまかれたと申しますか、そのような事態にすぎないのであって、この点なお市町村財源の増強に力を尽くすべきであるというふうに考えておる次第でございます。  なお、折衝の過程で建設省等との意見の相違があったのではないかとう御指摘でございましたが、これは経過はいろいろあったのでございますが、私どもといたしましては八十三万キロにのぼります長い距離を持っております市町村道でございますから、市町村道道路整備は、でき得べくんば、できる限り市町村に道路整備のための自主財源を与えまして、どこの道路整備していくか、これは市町村の自主性にまかせて運営をさせていただきたい、これが地方自治の本旨ではないか、このようなことを考えておった次第でございます。まあ結果は御指摘のような措置に終わったわけでございます。
  53. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 ただいま自治省からお話ありましたように、私ども道路局考えといたしましては、市町村に対して実際に自主財源を与えて、いまあります八十三万キロをなるべく早く舗装するということは非常に賛成でございます。ただ自治省との意見の食い違いが多少あったところは、やはりこの四十二年から四十六年の第五次の五ヵ年計画における道路整備のほんとうの目標がどういうところにあるか、その辺が非常に――市町村に逐次何といいますか整備の力が移っていくわけでございますが、まだまだ現在の段階といたしましては一般県道、主要地方道両方でございますが、まだまだ整備がおくれておる。われわれ市町村長といろいろ話しますと、山の中の町村にいたしましても、まずそのメインになるような県道すらまだ改良ができていないというような状態で、この五ヵ年ではやはりそう大きな金をとにかく市町村道に回せるものじゃないのじゃないか、やはり県道以上にかなり大きな金が回るのではないかというような点でございまして、将来はやはり八十三万キロやるには、地方にこれを全部補助政策でやっておったのではこれはたいへんでございます。地方に自主財源を与えるというような方向にいくことは賛成でございます。その場合の財源でございますが、先ほどから財源の問題がいろいろありましたように、道路の財源は御承知のようにガソリン税を主体とする特定財源と一般財源とございます。どちらが市町村にいきましてもとにかく道路一つの特定財源にすればいいのでございまして、その辺がわれわれといたしますと、ガソリン税をすぐ市町村の自主財源にいまの状態で回されるということは道路投資が全体に減るじゃないかということでございまして、その辺が根本的な意見の対立ということよりも、やはり大蔵省も入れまして一つの財源問題ということからいいまして、いまの現状では何がいいかというようなところで多少意見の食い違いがあった次第でございます。
  54. 内海清

    ○内海(清)委員 自治省にひとつお伺いをしますが、自治省はどういう形の財源が一番好ましいと考えられるか、これをひとつお伺いします。
  55. 首藤堯

    ○首藤説明員 先ほど申し上げました第十一次の地方制度調査会の答申にもございますように、道路整備に対します特定財源の充足率を高めていく、こういう措置をとるのが適当ではないかと考えておったわけでございまして、当初は、でき得べくんばガソリン税のうち一定の割合を特に市町村にも譲与するようにしていただいたらと、こういうことを考えていたわけでございます。
  56. 内海清

    ○内海(清)委員 それじゃ明年度以降これに対しまして建設省はどういうふうな財政援助策と申しますか、よもや今年で打ち切られるのではないと思うが、どういうふうなお考えを持っておられるか。
  57. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 これは実はまだ、はっきり申し上げてわれわれ結論をつけてございません。やはり自治省なり大蔵省なり財政当局とよく相談しなければいかぬと思いますが、やはり地方に特定の道路に使うというような一つの財源を与えるということは、これはわれわれも賛成でございまして、これがどういう形でいくか。われわれとしては、いまの道路財源といたしますと特定財源は限度がございますので、もっと一般財源をよけい投入してもらわなければいかぬということが基本の考えでございますので、そういう一般財源をもって市町村の道路整備に充てる財源に与えてもらいたいというのがわれわれの考えでございます。今後各省と協議いたしまして四十三年の問題はきめていきたいというように考えております。
  58. 内海清

    ○内海(清)委員 この問題は今後の問題ですけれども、一応二十五億というのが本年度初めて頭を出したわけであります。これが今後四十二年度の措置として、あと打ち切られるということについては問題があると思う。したがって、これがますますふえていくというそのためには一般財源というものを多く獲得せなければならぬ、これはもう建設省の今後の御活動にまた御努力に待たなければならぬと思いますが、これはぜひひとつ今後も進めてもらいたいと思うのであります。  それから、この考え方はどうかと思いまするが、私はさっき申しました自動車税というこういうふうなものを、これを道路事業地方負担分として、負担分の裏財源として、これをやるような処置ができればある程度確保されていくと思うのであります。こういう考え方について大臣はどうお考えになっておりますか。
  59. 西村英一

    ○西村国務大臣 お話の点でございまするが、まあ検討はいたしたいと思います。先般も言いましたように検討するように申し上げてありますが、実はだいぶ国道がよくなりましたから、市町村道をよくしなければならぬということは一般によく言われています。まさにそのとおりでございますが、その場合に、いまの補助方式でやるか、独自の財源を道路に向けるかということは一つの問題点であろうと思います。今度独自の財源を二十五億まあいろいろの話でもってあれしたのですが、市町村道といいましても相当にいまつぎ込んでおるのです。大体街路へ相当の金を入れている。これはみな市町村道です。街路事業です。それから特殊立法でもって相当にやります。それから国の施策のためにやらなければならぬ。飛行場ができるから、それは市町村道であっても何でもやっておるのです。四十二年におきまして、ことしで、事業費にして百七十億くらい、国費にして九十億くらいは市町村道、街路につぎ込んでおるのです。しかしその市町村の方々は、やはり自分の金を自分が持って直したい、こういうわけなんでしょう。気持ちはわかります。それともう一つ市町村道市町村道といいまするが、道路というやつは道路網なんですよ。ということが一つあるのです。市町村道だけでアンバランスに直しても、やはりうまくいかない。いろいろな問題があります。しかし、地方財政も非常に苦しいですから、そこの町村長にいたしますれば、自分の思う道路をかってに直したいというようなことはあるでしょう。この問題につきましては、いまの特定財源を分けてというようなことを言いまするけれども、そう一ぺんにはいかないんで、やはり徐々にやらなければならぬと思います。いまおっしゃいました自動車税というものが別に目的税として設定するようなことができれば、それも一つの方法であろうと思います。これを各市町村に分けるといいましても、どのくらいの額になりますかちょっとわかりませんが、いずれにいたしましても、今後この道路に対する市町村財源というものはいろいろな面から詰めていきまして、どちらにいたしましても、国道が全部直ればそれは市町村部にいくのですけれども、いま道路局長が言いましたように、府県道がまだ十分じゃない、こう言っておるんですから、その府県道のほうが先でしょうが、やはり並行して調和がとれていかなければならぬと思って――たった二十五億だけが市町村道にいっておるのじゃありません。街路の金、特殊立法による金、それから国の施策による金、そういうものがいっておるのでありまして、相当いっておることはいっておるわけであります。ただ独自の財源をどうするか、全市町村に二十五億を分けたら一体幾らになりますか、それも考えてみなければならぬ。三千有余の市町村に二十五億分けたら幾らになるか、それを考えてみなければなりません。いずれにいたしましても、今後政府といたしましては、これは自治省とも十分打ち合わせをいたしまして――非常にけんかをしておるようでありますが、けんかをしておるわけじゃありません。自治省は自治省で十分言い分はあると思うのです。建設省にも言い分があるのです。これはけんかではございませんで、討議でございまして、検討でございます。十分検討いたしまして善処したい、かように考えておる次第でございます。
  60. 内海清

    ○内海(清)委員 いずれにいたしましても、それは国といたしましては国全体の道路網というものを、一つ計画を立てましてそれに基づいて進めていかなければならぬことは事実であります。しかし、この市町村道というものが現在どういう状態にあるかということも――もちろん御承知のとおり、幹線道路は国の立場からいうと必要なことは明らかでございます。しかし、市町村道こそ国民生活に直結したものですね。したがって、国道が全部できたら市町村道がよくなる、これはいつのことになるか。そういう考え方は少し改めていただきたい。やはり市町村道もできるだけ――これはもちろん財源問題になりましょう。今度の二十五億だけじゃないということは私も承知しております。しかし、この二十五億が出たことによって、いま市町村は道路整備ということに対しては非常に喜んでおるということは、本年初めて頭を出したが、今後は国としてもある程度これに対して考えてくれるであろうという一つの期待を持っておるからであります。でありますから、この点については、建設省建設省の受け持つ範囲をまずやればいいんだということでなしに、これこそたびたび言っておりますような総合的な施策の上に立って進めていただかなければならぬと思いますから、この点につきましても、ひとつ十分今後お考えいただくことを強く要望申し上げておきたいと思います。  時間がだいぶ過ぎまして恐縮でございました。なおほかに、第二国道の問題あるいは中・四国連絡橋の問題等多くの問題もございますが、また機を得まして御意見を伺いたいと思います。  以上で終わります。
  61. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 ただいま大臣の申し上げました市町村道事業費でございますが、百七十億は予算要求でございまして、実施は道路関係百四十六億でございます。
  62. 森下國雄

  63. 北側義一

    北側委員 上程されております法案につきまして、先に質問された委員のほうからいろいろ質疑がありましたので、重複する点は避けていきたいと思います。  まず一つだけ財源の問題でお聞きしたいのですが、何といいましても、このたびの五ヵ年計画につきましては六兆六千億というような財源が組まれておるわけでありますが、やはりこれの主体となるところはガソリン収入だと思うのです。それにつきまして、先ほども質問がありましたが、見込み額と実績とが非常にカーブが低下してきている。その原因はどこにあるのかということをひとつお尋ねしたいのです。
  64. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 これはガソリン税の収入が計画より下がっておるということでございます。いろいろ理由はあろうかと思います。LPGの車がふえたというのも一つ理由かと思いますが、やはり一番大きな理由は経済の問題だと思います。いわゆる景気が非常に下がっておるというようなときは当初の収入が入っておりません。四十一年度の実績はまだちょっとはっきりつかんでおりませんが、四十一年度のいわゆる景気の回復しかけました四月、五月、六月はわれわれの計画よりかなりよけいガソリン税収入が入っております。やはりガソリン税の収入というのは、その年その年の景気の動向と非常に関係いたしまして、百億くらいの税収の差というのはすぐ出るようなことになろうかと思います。
  65. 北側義一

    北側委員 次に、これも先ほど質問がありましたが、国道から地方道のほうへ財政需要が移ってきたわけでありますが、第四次の道路整備計画、このときは総額四兆一千億でありましたが、道路目的の財源の充当率が、そのときで国が八五%、地方が四八%、このようになっておるわけです。今回の第五次道路整備五ヵ年計画にあたって地方道のほうに非常に力を入れられておるわけですが、地方におきましてはその財政負担が非常に大きくなってくるわけです。そういう点の裏づけの対策というものがなければ、やはりこれは遂行できないと思うのです。その点についてどのような見解を持っておられるのか、お答え願いたいと思うのです。
  66. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 五ヵ年計画の財源につきましては、実は先ほど申し上げましたように、これはガソリン税その他の特定財源と一般財源に大きく区別されるかと思います。そのほかに財政投融資のいわゆる借金による金がございますが、これを除きますと、いま言いました一般財源と特定財源になろうかと思います。一般財源と特定財源両方合わせましてこの一般道路事業、単独事業を遂行しておるわけでございまして、いわゆる国の場合の一般財源と特定財源の比率と、地方の場合の一般財源と特定財源の比率というものが必ずしも同じにならなければならぬということでもないと思います。やはり国がそれだけ一般財源を道路投資に少なくすれば、その残った分を地方の交付税その他で回せば、これはさらに地方の一般財源になるわけでございますので、そういう意味で全体といたしまして一般財源をもっとふやすというような形でわれわれは今後の財源の組み方を考えていきたいと思っております。
  67. 北側義一

    北側委員 一般財源をふやすことはよくわかるのですが、はたしてそれだけの財源が出てくるかどうか、これは問題になると思うのです。またこの道路目的財源の充当率、これは昨年と比べてどのようになっているか、ちょっとそれをお尋ねしたいのです。大体の予想でけっこうですから。
  68. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 これは第五次の五ヵ年計画につきましてまだはっきりと数字をつかんでおりませんが、四十二年で言いますと、国費の分でございますが、国費の分が四十一年と四十二年の比較をいたしますと、一般財源は四十一年が八百十八億で四十二年が八百二十億、ほとんど一般財源はふえていない状況でございます。国費全体の伸びが一四%でございまして、五百十四億伸びた分の大部分がガソリン税、特定財源の伸びによってまかなわれておるというような状況でございます。また地方について言いますと、地方の特定財源は、四十一年度と四十二年度を比べますと約二百二十億、一七%の伸びを示しております。地方道の一般財源につきましては、大体一三%の増のように考えておるのでございます。地方の一般財源で非常に問題になりますのは、地方単独事業をどの程度に推定するかでございます。地方単独事業の推定は、四十一年が千五百八十億に対しまして、四十二年は千八百十億くらいに推定しておりますが、現実にはまだ四十一年の地方単独事業がはっきり総計は出ておりませんけれども、千五百八十億をかなり上回って実施されておるように考えられております。
  69. 北側義一

    北側委員 たとえばこれは大阪の例でありますが、現在の大阪には約七十本の幹線道路が走っておるわけです。そのうち地図で未完成の部分をずっと塗ってみたわけです。そうするともうずたずたなんです。私も大阪に帰りまして、いつも交通が非常に混雑して、あの道路が一本通ったならという道路が、何と七十本のうち十九本が未完成になっておるわけです。ずっと調べてみますとそのような状況です。これは経済的にも非常にここは悪いわけです。万博も近づいておるわけですから、そういう面に対してやはりそこに国として何らかの措置がなされなければ非常におくれていくんじゃないか。もちろん一番問題は用地買収、立ちのきですね、こういうものがからんでおくれておる場面もあるのですが、ややもすると道路の場合は完成せずに次から次へと新しい道路ができていく。そしていつでも地図で見てみるとずたずたです。特に大阪の場合はひどいと思うのです。そういう点についてどのような考え方を持っておられるのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
  70. 西村英一

    ○西村国務大臣 さようなことでございますので、実は万博も近くなっております。しかもなるべく整備するならば万博に間に合わしたいということで、私、本日関係者を大阪から全部呼んでおります。したがいまして未完成で供用ができないというようなものについては、極力詰めまして、そして早目に工事にかかりたい、かように思っておるわけでございまして、もしここの道路がどうだというような御注意がございましたら、きょう五時ごろからずっとやるつもりでございますから、ひとつお知らせ願いたいと思います。
  71. 北側義一

    北側委員 大臣の非常に懇切なまた深いお考えによってやっていただいて非常にありがたいと思っております。ずっと見てみますと、新大阪のほうは特にやっておりますが、あれでも初めて行く人は新大阪へ行こうと思ってもちょっと行けないわけです。タクシーに乗りますと、タクシー自身がどう行くのかわからないのです。そのような実態で私も困ったことがあるのですが、特に築港線とか御堂筋線あるいは泉尾-今里線、これはほとんど完成しておるわけです。こういうものについてはひとつ早急に何とかやっていただきたい。これは私だけではなく大阪市民全部の要望であろう、このように私は思うのです。その点どうかひとつよろしくお願い申し上げます。  それとあわせて会計検査院の四十年の報告を見ますと、たとえば一つの例をあげますと、バイパスの問題ですが、土地を買収してから工事にかかるまでには非常に日にちがかかっているわけです。たとえば岐阜バイパスは三十六年度から三十七年度までに八千七百万円で用地取得を行なってから四十年度まで工事がほとんど行なわれておらなかった。掛川バイパスは三十五年から五千二百万円で用地取得を行なって、その工事着工は三十九年度であった。このように例をあげるとこのような例が出てくるわけですが、工事用地買収で非常におくれているわけです。これは経済的なそういういろいろな問題から見ましても、私は非常に不適当だと思うのです。そういう点で今度の予算配分にしましても、総花的な予算配分、これを行なっていくと、またこれと同じような例が出てくるのではなかろうか、このような心配があるわけですが、その点についてどのようなお考えを持っておられるか、ひとつお答え願います。
  72. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 その点は先ほど勝澤先生の御質問に答えましたように、われわれも総花重点かということに尽きると思うのですが、いまの道路現状を言いますと、やはり一個所に重点的にやれば一年でも早くできるとは思いますが、そういたしますと、現状交通混雑という個所が早くできるところはいいけれども、おそくなるところも出てくることだと思います。言いかえればやはり道路投資がまだまだ不足だということに起因するかと思いますが、できるだけ用地買収につきましては、やはり大都市の周辺で言いますと、ここは道路が通るのだからおまえたちはどけということだけでは済まないように思っております。やはり事前に、かなり前から、この辺が道路用地になるのだ、あなたの土地は取られるのだということをよく知らせまして、土地を買収される人もそれに伴って自分の行くところの対策を考えるということを考えますとやはり二、三年かかる。またそういうことをやりませんと、このバイパス用地はこの一年で十億金をつけるから一年で買ってしまうということでは、なかなかトラブルばかり起きてできないのではないかというように考えておりますので、やはり重点ということは十分考えなければいけませんが、交通混雑している個所についてはできるだけバイパス計画を早くきめまして、地元にも協力をお願いするということになろうかと思います。そういたしますと、やはり計画がきまりますと、その関係者について言いますと、おれは早く買ってもらいたいのだ、ちょうどどこかに行く、早く買ってもらいたいという、用地の先買いというような問題が出てまいります。そういうものはやはりそういうもので、協力してくれる関係者の利益も考えてやっていかなければいけないということもありまして、やはり用地については会計検査院が指摘しておるように一年でぱっと買ってすぐ工事をしろというような事情になかなかまいりかねるかと思いますが、会計検査院の言っておりますような重点ということは、十分今後も考え予算の効率的な配分をやっていきたいと思います。
  73. 北側義一

    北側委員 これからいろいろこの予算額が大きいだけに工事も非常に多くなるわけです。それにつきまして、昨日も四十年度の決算報告につきましていろいろあったわけですが、そういう問題につきまして、やはり監督官庁たる建設省、これは不当行為、そういうものが毎年会計検査院の報告から見ますとあるわけです。そういうものに特に予算額が大きくなればなるだけ力を入れていかなければならない、私はこのように思うのです。  きょうは阪神高速の三宅さんに御足労願ったのですが、二、三の点でちょっとわからない点がありますのでお聞きしたいと思いますが、ひとつよろしくお願い申し上げます。  まず阪神高速の長堀ランプの高架下雨水処理工事、この件について少し問題があったように聞くわけですが、その点についてどのようなものであったかということについてひとつお聞きしたいと思うのです。それにはまずある組が工事施行した、そのことにつきまして工事を施行して完成して、そしてまたある組が側溝の工事を行なった。この件につきまして、側溝工事を行なったところが前の工事の原因があってスムーズにできなかった、そういうことを聞いておるわけです。そのことにつきまして、少し事情をお聞かせ願いたいと思います。
  74. 三宅静太郎

    ○三宅参考人 私は、阪神道路公団の工務を担当いたしております三宅理事でございます。  ただいま北側委員から御質問がございましたが、かねがねそういうお話を承っておりますので、おそらくこれであろうということでお話し申し上げるわけでございますが、問題の長堀のランプ工事並びに高架下の雨水処理工事、この一連の工事の間にそういう問題があったわけでございますが、実はこの長堀のランプ工事と申しますのは、私ども阪神公団がやっております本工事でございます。ところがこの高架下につくりました雨水排水工事というのは、本工事ではございません。これに関連しました付帯工事と申しますかそういう性格のものでございます。  なぜそういうものが必要になったかと申しますと、御承知と思いますが、東横堀川を河川管理者である大阪市が将来護岸を整備いたしまして、河川の浄化をはかるということですでに計画を持っておられるわけでございますが、たまたま私どものランプ工事ができますと、大阪市の御計画の矢板を打つという仕事ができなくなってしまう。だからどうしてもこのランプ工事ができ上がる前にあらかじめ矢板を打っておかなければその大阪市の計画ができないということで、河川管理者である大阪市がぜひそれを先にやってくれぬかというようなお話がございまして、事情やむを得ざる措置と認めまして、私どももこの矢板を打つ工事を排水工事と一連のものとして執行いたしたわけでございます。  ところが最初私どもの考えましたのは、矢板を前もって打つ、これが主眼でございます。この矢板をずっと並べて打ちますためには、そのうしろに土を盛りますので、うしろに控えぐいを打ち込みまして、タイロッドと申しまして鉄の棒でこれを引っぱる、そういう仕事が当然必要でございます。これが相当長い距離でございますので、その引っぱるタイロッドが百六十七本要るというような設計になっておったのでございます。  それからもう一つは、この控えぐいを打ちますのに、現在の護岸の根元にずっとくいを打つわけでございますが、これが実際に打ってみますと、下に捨て石等がございまして、なかなか思うように打てない、高さもふぞろいになってしまう、非常にむずかしい場所でございます。したがいまして、当初設計におきましては一つの標準断面をつくりまして、大体こういう形につくるのだという標準断面によって仕事を発注いたしたわけでございますが、実際にやってみますとなかなか標準断面どおりできないという個所が起こったわけでございます。その一つの例といたしまして、くい打ちをいたしましたけれども、どうしても所定の深さに打つことができない。中には相当高いところでとめなければいけないというようなところもできまして、タイロッドの位置が当初の位置よりも若干高くとまってしまったということが起こったわけでございます。  それが一つと、それからもう一つは、タンバックと申しまして、矢板とくいとを緊結するくいの長さをタンバックによって調節する、そういうことによって矢板の前面をそろえるという内容でございますが、これも、標準断面といたしましては全部タンバックをつける予定になっておりますが、中に、くいの位置が非常にずれてまいりまして、タンバックがつけかねるというような事態が起こってきたというようなことで、百六十七本のうちで十二本だけはタンバックをつけることができなくてこれを電気溶接によって直接にぶっつけをしたという個所が起こった。これはあとからわかったことでございますが、これがたまたま現場の事情を知った人から見ますと、当然つけるべきタンバックがついてない、これは不正あるいは手抜きではないかというような御意見があったようでございますけれども、私どもといたしましては現場の措置、現場の事情から考えてこれは事情やむを得ざる措置ではなかったか、しかも十分目的は達しておるのだから、あえて不正あるいは手抜きというのはどうであろうかというふうに考えておるわけでございます。  それからいまの高さの問題にいたしましても、当初矢板を並べるだけならそれでよかったのでございますが、その後雨水ます、側溝をつくりましてこの排水をはかるという仕事があとから起こった場合に、そのタイロッドの位置が非常に高いために側溝がちょっとやりにくいというような場所ができましたので、これは当初設計では相当深くやることになっておったのだから、この際ひとつもと通りの深さにやってくれぬかということを業者に話しまして、これも実はあとでやり直してもらいました。そういうことが何か不正であったかのごとくいわれておるのじゃないかというふうに考えております。
  75. 北側義一

    北側委員 そこで、いまお聞きしますと、タイロッドの位置が非常に高かった、こういうことなんですが、それは設計どおり、仕様書どおり、そのとおりになっておったのかどうかということですね、第一点は。これがあなたのおことばによりますと、高かったからやり直さした。その前には必ず竣工検査をやって、監督がおるわけです。一たん通って、今回の場合はやり直しておるわけですね。その時点でなぜできなかったかというところに問題があるわけです。タイロッドを前の業者が設計どおりやったのかやらなかったのか、これをちょっとお尋ねしたいのです。
  76. 三宅静太郎

    ○三宅参考人 お答えいたします。  最初標準断面を与えて契約いたしたわけでございますが、その図面と寸分違わないものができておったかということにつきましては、確かに一部において図面と多少違った、位置が違ったとか、使うべきタンバックがなかったというような点で若干設計図面と違った点があったことは事実でございます。しかしながら、これは先ほど申しましたように、その時点におきましてはその工事目的のために非常に困るような問題でもないし、実際にそれででき上がれば当初の目的は達しておるということで、検査といたしましては一応それは合格いたしておるわけであります。ところがその後におきまして、側溝をつくるというような問題が新しく起こった際に、それが一部じゃまになるというようなことが起こったわけであります。そうなりますと、また公団としてはそれをやり直さなければならぬというようなことになります。これは公団としては非常に不見識なことになりますし、ついでにひとつ業者のサービスで、当初の設計がそういうふうになっておるのだから、そのとおりやってくれぬかということで手直しをしたわけでございます。
  77. 北側義一

    北側委員 私はそこに問題があると思うのです。たとえばそのあとで側溝をつける業者が工事をやり出した。ところが前の業者は大体設計図どおりやったとあなたはおっしゃっているわけです。そうしますと側溝をつくる、あとになってやることにつきましては、その手直し工事はやはり行なわなければならぬわけです。あとの業者が、請け負った業者が手直し工事をやった。それについてある組から、これは名前は出しませんが、生野区の業者ですが、その業者が請け負ってその次にまた一つの業者がいってその次にまた業者が来て、四つ手を通っているわけです。その工事のそれを前の業者から取るように、このようにその当時のあなたのほうの監督員が言われたらしいのですが、それをいざもらう段になると、じかに前の施工者に話してくれ、このような段階になったわけです。一番最後の請け負った業者は、わずかな金額かもわかりませんが、しかしその小さな業者にとりましては、五十万、百万、こういうような大きな金になってくるわけです。それによって会社がつぶれてしまって、再起不能になってしまった会社をつぶして、自分は他の会社へつとめておる、このような事実もあらわれてきたわけです。しかもそこで問題になるのは、そのような設計図どおりやったものであるならば、それは阪神においていわゆる手直し工事料というものを出すべきである。また事実タンバックも十分になかった、このようにおっしゃっているわけです。検査をなさった方がその検査をなさった位置について、そのときにそういういわゆる悪い面が出てきたらそのときに言うべきなんです。それを言わずに、いわゆる阪神は業者にもサービスさせておる。業者は次の業者にあたっていく、その次の業者へいく、どこへはね返りがいくか、一番小さな零細業者がそれで泣いておるわけです。そういう問題について一体どのようにお考えになっておられますか。
  78. 三宅静太郎

    ○三宅参考人 少し事実と違っている点があると思います。実はいわゆる手直しと申しますか、設計どおりのものをつくってもらうということを申しましたのは、矢板を並べる工事をやります元請業者ですね、元請業者にそれをやってもらったわけです。だからこれは下請の業者に関係ないということです。ところがたまたま元請の業者がすでに仕事ができ上がってしまって引き揚げておりますから、そこの側溝工事をやっておりました業者に、ついでにひとつお願いします、それは元請からその業者に委託したわけですね。だからその費用は元請が全部見ているわけでございますから、下のほうの負担になっているわけじゃない。だからその下請においていろいろ問題があったということも聞いておりますけれども、それとこれとは全然別の問題でございます。
  79. 北側義一

    北側委員 そうするとあの工事はもとの業者がそのまま設計図どおりやった、こういうことですか、間違いなく。
  80. 三宅静太郎

    ○三宅参考人 そういうことでございます。
  81. 北側義一

    北側委員 そういうことになりますと、設計図どおりにやったということならば、あとで側溝をつくる業者も別におる。その業者がタイロッドがあって側溝ができない。ということはどちらが悪いかといえば、別にもとの業者も悪くない。設計のミスじゃないか。そういういわゆる設計のミスが、側溝をつくるような位置にタイロッドを置かなかった、そこに問題があると思うのです。そのミスはだれがかぶるべきか。これは何ももとの業者がかぶるべきでないと思うのですが、仕様書どおり、設計図どおりにやったというならば、そうなるのじゃないですか。
  82. 三宅静太郎

    ○三宅参考人 話がややこしくなりますけれども、これは設計どおりに最初からできておりますればそういう問題は起こらなかったのです。そうすれば問題は何もなかったのでありますが、まことに残念ながら設計と違ったところがあったわけです。ただいま申しました高さにおいて一厘違ったとかタンバックが十分でなかったとか、そういう点は確かに設計どおりではなかった。それをでき上がったままではあとの側溝をやる人に非常に迷惑をかけますから、元請に、できるような状態に手直ししてくださいといって直してもらった。設計のミスということでないのであります。
  83. 北側義一

    北側委員 そうなりますと、結局設計のミスではない。ところが先ほどお尋ねしたら元請業者は設計どおりやった、どういうことです、これは。設計どおりでない。前あなたに聞いたら、設計どおりやったと答えられたのですよ。今度お聞きしたら設計どおりでない、そういう高低があった、どちらがほんとですか、一体。
  84. 三宅静太郎

    ○三宅参考人 設計どおりあとでやっておるわけですね。最初でき上がったときは一部設計と違っているところがあった。それをそういう問題が起こって、あとの人に迷惑をかけないように設計どおりの形に手直しをした。
  85. 北側義一

    北側委員 結局設計どおりでなかったということでしょう、結論は。そうでしょう。設計どおりであったら側溝を掘るのにそうタイロッドがじゃまになって側溝を掘れないことはないでしょう。
  86. 三宅静太郎

    ○三宅参考人 最初でき上がったときは設計どおりでなかった。
  87. 北側義一

    北側委員 なかったのでしょう。設計どおりでなかった時点において次の業者が側溝の工事にかかった。タイロッドがなかったりくいが非常に短かったり、アーク溶接したり、いろいろな問題が出てきたわけですよ。そうしてその工事について、おたくさんのほうの監督員に対して、どうしたらいいでしょうか、このように聞いたところが、このままやってくれ、このように言われたというのですよ。責任を持つように言われて、その次には工事が完工すると、そうした下請業者が代金についてどうしましょう、じかにもとの業者へ行ってもらってきてくれ、このようなことを言ったというのですよ。そうするともとの業者――いわゆる阪神の現場主任もこれはもうちゃんと知っていることだ。阪神の知っていることだ。こうなることはもともとそうなったのです。なぜいまさら手直しをやってうちで持たなければならぬのか、そういう疑惑を持ってはるわけですよ。設計どおりやるというならこれは阪神が持つべきですよ。阪神が持たずに、設計どおりしてなかったというところに――そうするとその設計どおりしてなかったのになぜ現場監督が、いわゆるおたくさんのほうの工事の監督者ですね、田口さんとかいう人ですが、なぜその人がそういうように許したかということです。なぜ竣工検査を通したかということです。
  88. 三宅静太郎

    ○三宅参考人 この竣工検査を通した段階におきましては、先ほども申し上げたのですけれども、設計どおりの寸法、寸分違わないものではないけれども、その当時の事情としては矢板を並べるという工事についてはそれでどこも支障なくでき上がっている。ただ一部高さに違いがあったということと、タンバックが足らなかったという点はありましたけれども、それは所期の目的を十分達する程度にでき上がっておるということで、一応竣工を認めたわけでありますけれども、その後に排水の側溝をつくるという段階になって掘ってみたところが、少し高くてじゃまになるところがある、じゃこれを起こして低いところにやらなければこの仕事ができなくなるというので、その段階においてあらためて元請業者にそれをもとどおりに而してもらうということをやってもらった。あとからやる人に迷惑がかからないようにやったということです。
  89. 北側義一

    北側委員 それらの点はちょっと私はあいまいだと思うのですよ。どちらの責任かということについて、非常に阪神がこれを圧力をもって押えているような感じにとれるのです。だから次の工事もありますし、いろいろな工事があります。業者にとりましては非常にたいへんな問題です。そういう点、私は、わずかな金であるならば、阪神がちゃんと払うべきだと思うのですよ。そうするといろいろなそういうトラブルは起きなかったと思うのです。トラブルが起きてきたのは、問題は金がつきまとっているわけです。その金は末端業者がそれで一番泣いているわけです。
  90. 三宅静太郎

    ○三宅参考人 どうもその辺が少し食い違っているのですが、私どもがその手直しをしてもらったのは、一番元請なんですね。だからそこの責任においてやってもらった。だから、それから以後の仕事をやった人には全然迷惑のかからないようにやってもらった。そのあとにいろいろ問題が起こっても、そのこととは別個の問題であるというふうに私どもも考えております。
  91. 北側義一

    北側委員 仕様書によりましてちょっと見てみましても、結局あなたのほうの竣工検査をやった場合に、その竣工検査を一ぺん通っておるわけでしょう。その次に側溝を掘り出して、そこにミスがあるとはじめてわかったと私言うのです。それをあなたそうじゃないと言うのです。ミスでしょう。あなたのほうのミスでしょう。
  92. 三宅静太郎

    ○三宅参考人 この点は確かに検査のほうにも全然ミスがなかったと申し上げているのじゃありません。これは全然設計どおりのものであったということを確認するという点においては、欠けているところがあると思います。しかし、一応現況においては差しつかえないという状態であったので、竣工と認めたわけなんです。ところがその問題があとからわかったのです。ついでに申し上げておきたいと思うのですけれども、私ども非常に少数でもって仕事をやっておるわけでございますが、本工事の設計監督、そういうことを重点的にやっておりますので、どうしてもそういう付帯工事までつききりというわけにいかない。これはどうしてもいい業者にそれをやってもらって、責任を持って施工してもらうというようなやり方をとらざるを得ない。したがいまして、そういう土の中に埋まったような個所について、一つ一つ現場で監督の点において確認していただくという点については、確かに欠くる点があったと思うのです。したがいまして、そういう点があとからわかったということについては、これは監督上のミスと言ってもしかたがないと思います。
  93. 北側義一

    北側委員 監督のミスと言われてもしかたがない、こういうことです。であるならば、監督ミスはミスですから、それはそれでやはり何らかの話し合いをして、その手直しの工事の代金については阪神も考慮すべきですよ。
  94. 三宅静太郎

    ○三宅参考人 考慮しました。話し済みです。
  95. 北側義一

    北側委員 こっちが言ってから考慮し出した。それまでは何ら手を打たぬで、これは言ってはじめて手を打ち出した。そのようなことで犠牲者も現に出ているわけです。それから特に高速道路につきまして、本年度の予算でもこの五ヵ年計画でやるということになっていますが、特に大阪方面においては、万博もありますし、そういう問題につきましてたとえ少しの疑惑をも抱かれないような行政を、私やってもらいたい、このように思う次第なんです。その点よろしく要望しておきます。お願いします。  次に、もう時間もありませんので、もう一点だけひとつお願いしたいのですが、交通安全施設の設置につきましては、非常に力を入れてやっておられるわけですが、この事故数を見ますと、この間も少しある人から聞いたのですが、自転車で通行なさっている人の事故が一番多いわけなんです。これに対して何らかの打つ対策があるのかどうか。たとえば例を見ますと、昭和四十年度じゅうの交通事故の死亡者、これが一万二千四百八十四人、このうち自転車に乗っておって事故死したのが千七百二十六人、死んだ人の中の一四%、これは、皆さん御存じのとおり非常に道路が狭い、その上に自転車が非常に普及しております。そこで、接触してそうして死亡する率がこのように統計に出てきているわけです。このような問題についてどのような考え方を持っておられるかについて、ひとつお聞きしたいものです。
  96. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 ただいまのお話のように、交通事故内容を見ますと、まず歩行者と車との事故、それといまお話しの自転車と車との事故が非常に多いように思います。これはどうも根本的には、いまの道路が歩道がない、車道だけしかない。車と自転車と歩行者が混合して動いておるということが大きな原因かと思います。さらに自動車の増加に追っつかないような道路の状況がその事故を増加させていると思います。  これに対する対策といたしましては、私たち交通安全施設の三カ年計画でとりあえず歩道をつくり、また防護さくによってなるべく歩道と車道とを分離するというようなことを考えておりますが、なおこれだけではもちろんいけないと思います。やはり根本的には交通事情に合った道路の面積にふやさなければいかぬ。面積をふやしますときには、やはり幹線の非常に大型のトラックも通るような道路につきましては、今後はやはり歩道をつくり、さらに自転車の多いところには自転車の通行帯をつくるというようなことを考えていかなければいかぬと思います。われわれは国道バイパスその他につきましては、車道と歩行者、自転車の分離ができるような構造を考えております。これにはいま標準の断面といたしまして、四車線の道路につきましては、やはり中央に分離帯を設けまして、両方に車道を設ける。その外に二メートル五〇から三メートルぐらいの路肩をつくりまして、ここに自転車と歩行者を持ってくるというような道路の構造を考えております。これもなかなかいま言ったように急速にできるものではございませんので、とりあえずは、市内の自転車の多いところは、車の一方通行をするなりいたしまして、自転車と歩行者が通るような幅を確保していくというような方向で進みたいというふうに考えております。
  97. 北側義一

    北側委員 もう一点だけお伺いしたいと思います。交通量がますます激増してきているわけです。それにつきまして、きのうの新聞を見ますと、今度交通安全施設整備、これにつきまして二百四十六億が使われているわけです。これはいままでの既存の道路に対しての金額だと思うのだが、その点どうでしょうか。五ヵ年計画においてはそれだけの分、含まれていると思うのです。六兆六千億のうちにこの交通安全施設整備の分は含まれていると了解しているのですが、その点どうでしょうか。
  98. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 二百四十六億という数字は、四十二年度の交通安全施設事業費でございます。六兆六千億の新しい五ヵ年計画の中に交通安全施設がどのくらい見込まれるかということでございますが、これは昨年きまりました交通安全施設の三カ年計画――これは四十一年から四十三年でございます。このうちの四十二年、四十三年度の分が当然今度の五ヵ年計画に入るわけでございますが、これの金額が約四百五十五億でございます。じゃ四十四年以降安全施設をしないのかということになりますと、私、やはりこの三カ年計画は緊急に整備しなければならぬものの計画でございまして、そのほかにさらに四十四年以降も既存道路の安全施設というものは確保していきたいというふうに考えております。いまいろいろ通園、通学路の問題その他緊急にしなければならぬものがどのくらいあるか調査中でございまして、それがまとまりますれば、それを五ヵ年計画の中に入れていきたいというふうに考えております。またそのほかに、道路の新設、改築の場合、これは当然交通安全施設整備事業ではなしに、改築のほうで実施するわけでございますが、道路の新設、改築の場合は、必要なところの横断歩道橋、歩道、標識、ガードレール、そういうものも整備していきたいと考えております。これは改築費の中に含まれるものでございますので、大体どれくらいかはっきりした数字は出ないのでございますが、大ざっぱの見当は四十二年から四十六年まで、改築でやられるものは約八百億から九百億ぐらいあるのではないかというふうに考えておるのでございます。また交通安全施設事業の四十三年までの五ヵ年に入っているものは、先ほど申し上げましたように四百五十五億でございまして、その後の分はこれから検討して五ヵ年計画に入れる予定にしております。
  99. 北側義一

    北側委員 歩道橋も九百九十五カ所、このようになっているわけですが、これは何らかの目安があって、このように九百九十五カ所にやられる、そのように私は思うわけです。それとあわせて、また特に歩道橋が建てられないような道路での事故が非常に多いわけです。特に歩道橋がつくられるような人道もないような、そういう道路が、大都会、東京、大阪には非常に多いわけです。そこらで小さな子供が事故を起こすという例が非常に多いわけです。そういう問題につきまして、やはり学童の多いところはボタン式の信号機をつける、そのような考慮を払ってやっていただきたい、このようなことを希望したいのですが、ひとつその点をよくお願い申し上げたいと思います。  それと、これは建設関係ではありませんが、踏切が、特に大都会におきましては遮断機がおりてもうしょっちゅう電車が行ったり来たりしている。そこで非常にたくさんの人が踏切の前で遮断機の上がるのを待っておる。当然人も車も混同ですから、車も待っておる。そこでそういう事故も非常に多いわけなんです。こういう面は運輸省の関係とも十分相談していただいて、そういう非常にあぶない個所の踏切につきましては何らかの対策を講じなければいけない、このように私は考えておるわけです。たとえば交差するとか、これは私鉄の関係もありますので非常に問題が複雑になってまいりますか、しかし人命尊重の上から言っても早急にやはり手を打たなければならない。こういう問題もあると思うのです。そういう問題についてどのようにお考えになっておられるか。
  100. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 先ほどの横断歩道橋がかけられないところの押しボタン式の信号でございますが、これは確かにそういうところには信号が必要だと思います。横断歩道橋は道路管理者のほうがつくりますが、信号については公安委員会がつくれるようになっております。これにつきましては各県ごと交通安全施設整備促進の協議会をつくらせまして、公安委員会、道路管理者その他入りまして、どの地点にはどういうものをするかをよく検討させておりますので、そういうような立体の横断歩道橋のかからないところは、公安委員会が押しボタン式のものをつけてもらうように各県ごとに指導していきたいというふうに考えておるのでございます。  踏切につきましては、踏切の数が全国に第一種から四種まで入れますと約六万カ所以上になります。そのうちにつきまして特に交通量の多いようなところについて、ことしの予算だけではちょっと無理かと思いますが、早急にこういうものを全部改良するような計画をつくりたいと思っております。そのために、現在道路管理者で早急、緊急にやらなければならない踏切道の構造改良個所を点検させておりますので、それが集まり次第、踏切の構造改良の緊急の整備計画をつくって、こういうものの促進をはかっていきたいというふうに考えております。
  101. 北側義一

    北側委員 もう時間もまいりましたので、これで私の質問は終わらしていただきますが、ひとつただいま言われたとおり、人命尊重の上からも特に交通安全施設整備については力を入れてやっていただきたい、かようにお願いいたします。
  102. 森下國雄

    森下委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は来たる七日水曜日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、これにて散会いたします。    午後一時四十五分散会