○吉田(賢)
委員 これはまことに至難な課題でございます。われわれとしても、言いやすくして行ないがたい問題と取っ組んでおられると思うのです。私どもにしましても、予算を下さい、補助金下さいというなら、言うことはやすいのです。しかし、切りなさい。整理しなさい、廃合しなさいと言えば、選挙民はそっぽを向きますよ。そっぽ向くけれども、国民のために、国会の責任において前進せしめねばならぬということも、これもまた議員としての重責であろうと思いますので、実はあえて申し上げるのです。私が一々申し上げることは、どれもこれも要らぬこと、さわってくれるな——なるべく物はほしいのです。予算もほしい。補助金ほしい。ある
機関ができたら、置いておいてもらいたいし、整理統合、とんでもない、まっぴらです。そんな議員はやめてもらいたい、どうぞどんどん国会を去ってもらいたいというのが、これが世態、人情です。この中で前進さそうというのでございますから、私は、ことばはやすいけれども困難な作業だと思っております。そういうふうに思いますので、ひとつ
長官在任中に
相当進展せしめまして、松平
長官のときには大いに前進したと、あとから賛辞でも贈れるようにしてほしいと思うのでございます。ぜひお願いを申し上げたい。
それから、ちょっと具体的になるようでありますが、時間も来ましたので、私はどんどんと進めてしまいたいと思います。いま
一つは、
公営競技に関する
法人の諸問題でございます。これにつきまして、実は臨調の基本線に一応は立つようでございますけれども、しかし、言うならば、これはまだ検討の余地が十分に私はあると思います。臨調の
答申は必ずしも精細にわたっておりません。したがいまして、この根拠、
理由、あるいは今後なさんとする形等々におきまして、まだ私は不十分だと思いまするので、全面的に直ちにぴしゃっとそうしなさいというような
意味じゃなしに、もっと白紙的な
意味において、取り組んでいきたいと思うのであります。そこで、だんだんの問題になりました、例の自転車競技の会など四つの問題でございます。四つと申しますると、
一つは
日本自転車振興会、
一つは
日本小型自動車振興会、
一つは地方競馬全国協会、
一つは
日本船舶振興会等々の問題につきまして、一番国民がぴんとくる問題は何だろうかということになりますると——これはことばは非常に悪いですよ、お許し願いたいのですが、ぴんとくる問題は、クモのようにお客さんが殺到している、あらゆる不道徳もそこにかもされるのではないか。そうしてそこにはものすごい金が動く。ばく大な金が動く。その結果、それは産業の振興のために、あるいは社会福祉振興のために有益な
経費として使われる、地方自治体の財政難を救う等々、よいことに使われる。つまり、行く道はあまりかんばしくない、しかし結果的にはほしい、こういうことでございまするから、ここを一体どうしたらいいのかということを、おそらくはこの問題と取り組む人はみな迷うだろうと思うのであります。私自身が、弁護士なんかやっておりますので、この種のことに
関係して、あらぬ金使いをしたようなことすら幾つか扱った経験もありますので、一そうそういう、何かしら社会的な暗い面も連想するのであります。しかしきょうはそういうような立場ではなしに、こういう点をひとつぜひはっきりさしておきたいと思うのであります。たとえば、提出された資料によりますと、競輪
関係におきましての売り上げ金の配分の問題であります。たとえば三十八年、売り上げ金の合計が千四百八十億円という大きな金額になっております。三十九年が千八百十億円、四十年が二千百二十億円。ちょっと何千億円の競輪の売り上げがあるということをおかみさんが聞いたら、ほんとうにたまげますよ。わずかな生活保護の増額の問題で泣きの涙で陳情に来ておるようなおばあさんに、こんなことを聞かしましたら、これはびっくりいたします。何千億円の売り上げ金がある、こういうことでございますので、これは法律に基づきましてそれぞれと補助
事業が行なわれておることも、これを読みましてわかります。けれども、どうかそういうことでありまするので、私は、臨時の
答申を即行ないなさいという
意味ではございませんけれども、少なくとも臨調の
答申のうち、民法上の
法人としたらどうかという
意見がありますが、これは少し未熟な
考え方ではないかと私も思います。しかし現行の交付金制度につきましては、やはりもっと
考える余地があるのではないだろうか、一律ではなしにです。重点的、総合的というのは臨調の
意見なんですが、重点的、総合的ということも、主管庁におきまして、積極的にやはり
意見を立てるという方向に持っていくべきでないかと思います。あるいはまた、主管庁におきまして
管理を一元化してはどうかという
意見があります。それからまた、社会福祉、医療等の
事業の振興に充てるというふうな問題等々につきましては、これは例の郵便募金の
管理会と同じように、ひとつもっと一元化した、強力な、大きな組織にすべきでないかという
意見がございます。この膨大な金の行くえが、やはり国民として知ればえらいことでございます。競馬、一ぺんに数万の人が行きまして、ちょっと忘れましたけれども、大きな金が落ちるようでございます。等々思いますというと、私は、競輪によってあがりまする
経費の割り振り、使用につきましては、法律に基づくことは、前段通産省から御
説明になっておりました。これも法律の御
説明ならそのとおりでございますので、そのとおりであります。それに非違を申すのではありませんけれども、しかし財政政策といたしましては、やはりこれは一考を要する問題が残っておる。だから、こういうような次元を変えた角度から見まして、この金の取り扱い方を、ひとつ政治的にもう一ぺん再検討するということが必要でないか、こういうふうに
考えております。
こういうような思想が、現内閣の
一つの方向につけられましたならば、次の小型自動車の問題にしましても、あるいは競馬の問題にしましても、船舶の問題にしても、みなそれぞれ同様になりますので、広く
公営競技に関する
法人の一貫した問題としまして、私はきょうは詳しくは
指摘しませんので、そういう観点から再検討をするというふうに踏み切ってはどうか、こういうふうに思うのですが、この点は行管よりも通産省——きょうは
局長でなしに、次長が来ておられますが、この点は通産大臣に伺いたいと実は思ったのですけれども、きょうは不可能でございますので、あなたに法律解釈を求めるという
意味でなしに、私のこういうふうに申し上げますことは、
一つの重要な問題点であるという問題認識はぜひひとつしていただきたい、こういうふうに思っておりますのですが、ひとつ御
意見を伺いたい。