○中村(重)
委員 私も先ほど
考え方を申し上げたのですが、絶対につくってはいけないとは言わないのです。それはどうしてもつくらなければならぬものもあるでしょう。私はそれを否定するものではないのです。しかしいまあなたがお答えになったように、スクラップ・アンド・ビルドの
方針でいかなければならない。だから整理するものは整理していくのだ、統合するものは統合していくのだ、真にやむを得ないものはそれは認めていく、そういう態度は私は肯定するのであります。あなたのお答えを聞いておって、答弁としてはわかるのですよ。しかし、あなたの
考え方がすなわちことばという形で出たのでしょうけれ
ども、
現実にはそういうことになっていないではないかと言うのです。幾らいま整理なさいましたか、今度七つ
公団事業団ができますが、整理なさったのと今度新設されるというものは、数の上からいっても問題にならないでしょう。スクラップ・アンド・ビルドじゃございません。そしてあなたはいま真に必要あるものとおっしゃいました。それでは今度
公団事業団というもので真に必要あるものというふうに
考えられるものが幾つあるのですか。あなたはほかの閣僚よりもっとこの新設に対しては強い関心をお払いにならなければならない。またそういうことで対処されたであろうと私は思う。たとえば、いま石田輸銀
総裁がお見えになっていらっしゃいますが、先日までは国民公庫の
総裁であられた。環衛公庫を今度おつくりになろうとするのです。いままでは公庫をおつくりにならなくて、特別の融資ワクというものを二百億国民公庫が管理して貸し付けをしておった。今度百億ふえて三百億ということになって公庫ができたのですが、この公庫は、いままでの二百億の公庫の中の特別ワクによって融資をしておったこととどれほど実態が変わるか。少しも変わらないじゃないですか。整理統合の
方針は、明らかに似通ったものはこれを整理し統合しなければならぬということにあるのですよ。あなたはそれを
責任を持って推進していらっしゃるのですよ。ところが、この環衛公庫の問題は、
行管が
公団とか
事業団の新設には強く反対をしておる、したがって厚生省としても、その
行管の
方針に沿わなければならぬというので、前の年は強く公庫の新設に対して努力をしてまいったのでありますけれ
ども、今度は出さなかった。あなたのほうの
方針、
臨調の
答申を尊重していかなければならぬというあなたのほうの強い態度、それに対して厚生省はこたえたのですよ。ところが、ひょうたんからこまが出たように、
予算編成の最終段階になって、公庫をつくるということに
方針がきまったのですね。ところがどうです、実態は。あなたはおわかりになっていらっしゃるかどうか知らないのですけれ
ども、環衛公庫は五十名の陣容でもって本部をつくろうというのですよ。それから先は一切いままでと同じように、国民金融公庫あるいは中小企業金融公庫あるいは商工中金にこれを委託をして貸し付けをしてやるのですよ。ただ五十名の人員を擁して本部をつくったというだけのことです。何が変わりますか。
内容的に変わらないじゃありませんか。五十名なんというようなたくさんの人員を本部という形で準備をして、
理事長というのか
総裁というのか知りませんが、
総裁とかあるいは副
総裁とか、そういうものをつくって、そして多額の人件費を、あるいはその他の運営上の
事業費を要してくるということになる。真にやむを得ないものということには、私はならないと思う。しかしこのことに対しましては、それぞれ
担当の
委員会において
内容的には
議論されるでありましょうから、あえて私は、一問一答という形で環衛公庫の
内容に対して、あなたと
質疑をかわそうとは
考えておりません。しかし少なくともあなたは、この環衛公庫その他の
公団あるいは
事業団をつくることに賛成をしたということに対しては、内心じくじたるものがあるのではないかと私は思う。もっとあなたは強い態度を持って、ともかく
臨調の
答申を尊重していかなければならぬというその姿勢の上に立って、初めて
行管の全体の人たちがあなたと
一体となってこれを推進していくということになるのじゃないか。私は、もっと
長官としての
責任を十二分に認識した態度というものが望ましい、それが国民の期待にこたえるゆえんであると思うのでありますが、いま一度、あなたの
考え方を聞かしてもらいたいと思う。