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1967-07-11 第55回国会 衆議院 運輸委員会 第23号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年七月十一日(火曜日)    午前十時三十七分開議  出席委員    委員長代理 理事 進藤 一馬君    理事 大久保武雄君 理事 福井  勇君    理事 古川 丈吉君 理事 細田 吉藏君    理事 井岡 大治君 理事 久保 三郎君    理事 河村  勝君       阿部 喜元君    小渕 恵三君       木部 佳昭君    中川 一郎君       福家 俊一君    水野  清君       板川 正吾君    小川 三男君       神門至馬夫君    内藤 良平君       野間千代三君    米田 東吾君       渡辺 芳男君    松本 忠助君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 大橋 武夫君  出席政府委員         運輸省海運局長 堀  武夫君         運輸省港湾局長 佐藤  肇君  委員外出席者         運輸省海運局次         長       高林 康一君         労働省職業安定         局業務指導課長 保科 真一君         専  門  員 小西 真一君     ――――――――――――― 七月六日  委員山村治郎君、小川三男君及び神門至馬夫  君辞任につき、その補欠として福永一臣君、米  内山義一郎君及び松前重義君が議長指名で委  員に選任された。 同日  委員福永一臣君、松前重義君及び米内山義一郎  君辞任につき、その補欠として山村治郎君、  神門至馬夫君及び小川三男君が議長指名で委  員に選任された。     ――――――――――――― 七月十日  関西本線久宝寺駅の停車回数増加に関する請願  (吉田泰造君紹介)(第二七八〇号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 七月五日  山陽新幹線超特急列車の姫路駅停車に関する陳  情書(第二二七  号)  同(第二五三号)  和歌山地方気象台改築等に関する陳情書  (第二二八号)  伯備線の全線複線化に関する陳情書  (第  二五二号)  山陽本線西明石、相生間の複々線化に関する陳  情書(第二五四  号)  千歳空港の事故防止に関する陳情書  (第二八四号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  外貿埠頭公団法案内閣提出第一〇三号)      ――――◇―――――
  2. 進藤一馬

    進藤委員長代理 これより会議を開きます。  内藤委員長本日所用のため、その指名によりまして、私が委員長の職を行ないます。  外貿埠頭公団法案を議題とし、審査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。野間千代三君。
  3. 野間千代三

    野間委員 ちょうど大臣がけさいらっしゃいますということと、前回の質問の際に多少不十分な点があったようでありますので、管理権の問題についてちょっと確かめておきたいのです。  私どもとしては、公団によって建設をされるということから、現在の港湾法との関連で、管理権が二元化されはしないかということを中心にして、したがってこの公団法案に対しては賛成しかねるという立場でありますが、それはそれとして、この法案の中で確かめておきたい問題は、第十二条で管理委員会に参加をすることから、各条項にわたって、業務範囲あるいは基本計画基本計画による工事計画岸壁等貸し付け等に対しては、管理者協議をするということになっているわけですね。そこで、そうした協議を通じて、つまり合意に達することを前提とした協議ということと思いますが、そういうことを通じて港湾管理者にも——この前の委員会でいわば総括的に港湾管理者管理権を有するものであるというふうに申し上げて、港湾局長から、そのとおりであるというようなことだったのですが、もう一回ひとつ、港湾管理者には包括的、総括的に管理権が、公団建設をして貸し付けてある埠頭に対しても存在するというふうに考えていいかどうか、この点をひとつ……。
  4. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 ただいまの管理権の問題でございますが、管理権はこの前も申し上げましたように、一つは水域なり陸域なりについていろいろな行為をほかの者がやるときに規制するということと、もう一つ埠頭をつくって、これを一般の人に利用させるという二つ行為があるわけでございますが、前者につきましては、協議その他によりまして、管理者の同意を得て仕事をしている。それから後者については、埠頭専用使用させるということにおいて港湾管理者と同じ立場に立つわけでございますが、これをつくる計画のときから協議をいたしてまいりますし、また、だれにこれを貸し付けるかということについても協議をするということで、完全に港湾管理者管理権のもとで仕事ができる、かように理解しておるわけでございます。
  5. 野間千代三

    野間委員 それから償還後の問題ですが、この前の委員会では、償還後は、これは無償である有償であるという問題はありますけれども償還後は基本的には管理者に帰属する、自治体に帰属するというふうに考えてよろしいということでございましたが、それはよろしいですか。
  6. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 償還が終わったあとでこの埠頭をどのように処理するかということは、この法律ではきめてないわけでございまして、解散のときの規定は別に法律で定めることになっております。しかし考え得る方法としては、一つ償還が終わったあとで、公団はもうその使命を果たした、こういうときには当然、無償有償ということがあるでありましょうが、港湾管理者にこの財産譲渡すべきだ。もう一つは、たとえ償還が終わりましても、今後新しい建設公団によって行なわれる必要がある、こういう場合につきましては、償還が終わった財産を持つことによって、より安い使用料でもって今後つくる埠頭船会社等に供用させることができる、この二つが考えられるということを申し上げたわけであります。
  7. 野間千代三

    野間委員 はい、わかりました。  次にあいている場合の貸し付けなんですが、この前は、借りている専用者ですね、専用者がそれは貸すということであったのですが、それはそうだろうと思いますが、問題は今度は貸す船ですね。船を選定する場合、一方ではあいているのを——ある会社専用貸しで借りているわけですね。その会社が、たとえば船会社がかってに船を選んで貸すということになると、これは港湾管理者権限を侵犯するということになりますので、当然どの船をそこに貸すか、つまり選定をするのは港湾管理者というふうに考えていいですか。
  8. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 港湾管理者が、自分の港が船込みでもってバースが不足している。しかも公団のつくった埠頭のパースがあいているという場合に、公団にどこどこの船をつけてほしいということを要請するわけでございます。要請によって公団専用使用を受けている船会社にその船をつけてやるようにしてやれということで、さらにまた公団から要請できる、そういうことで、実際にそれを受けて貸すのは専用使用を受けている船会社である、こういうことを申し上げたわけでございまして、当然、専用使用を受けている船会社がかってに第三者に貸すということは、これは禁じなければならぬと思います。そのような方法業務方法書の中で貸し付け規定の条件として盛りたい、かように考えております。
  9. 野間千代三

    野間委員 ちょっと初めのほう聞き漏らしたのですが、船込みになっている、その中から順番なり何なりで貸すわけですね。入れてやるわけですね。それを選ぶのは港湾管理者なんですね。
  10. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 そのとおりでございます。
  11. 野間千代三

    野間委員 わかりました。  次に四十六条の財産譲渡交換あるいは担保というのがありますが、この場合の財産というのは、公団建設した一切のものをいうのでありましょうか、どうでしょうか。
  12. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 実はこの条文は、ほかにも公団その他について例文があるところでございまして、この「重要な財産」というのは、金額をもって大体政令できめられているようでございます。したがいまして、私どもはこの重要な財産処分の中に、公団が本来つくって貸し付けるものはこの条項によって処分するものではない、こういう理解のもとに、これはたとえば不要になった上屋であるとか、あるいは機械が不要になった場合であるとか、こういうものが対象であるというように考えておったわけでございます。したがいまして、ここには港湾管理者との協議というものは入れてございません。またこの財産譲渡交換するということは、事業計画にかかることでございますので、当然管理委員会議決を経なければならぬ、かように解釈しておるわけでございます。
  13. 野間千代三

    野間委員 これはその埠頭に当然固定的に、ずっと長く将来にわたって存在をしているものであるとしますと、私は、いままでずっと確認をしてきた関係と矛盾する点が出てきやしないかというふうに心配をするわけです。ですから、いま局長の言うように、たとえば上屋が不要になった、その場合には、それはこわして、そのこわしたものを譲渡をするというようなことはあり得ると思うのですね。そういう場合には私も異存がないと思います。たとえば交換をするとかも、そういう場合での交換をするのならば問題はないのですが、ただ問題は、今度は担保の場合ですね。担保の場合には、実際に存在するものを担保にするわけでしょう。そうすると、ある程度重要なものでないと、あるいは固定的なものでないと担保にしにくいのじゃないかというふうになってくると、多少問題になりやしないかと思うのですが、その辺の、担保にする物件はどういうものなんですか。
  14. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 埠頭そのもの担保にするということは考えておりませんが、背後地に隣接して土地を造成することができることになっております。そういう場合に、金繰りの関係であるいは土地担保にするということが出てくるかもしれません。
  15. 野間千代三

    野間委員 そうすると、いまのお話でまいりますと、たとえば譲渡をしてもいいようなものとか、あるいは交換ができるものとか、それから担保物件になるものとか、そういうものをある程度限定をしてきめておかないと、私が申し上げた管理者権限、そういうものとの間に将来矛盾が起きてくる可能性があるような気がすると思う。したがって、そういうものをきめられることができるのかどうかが一つ。  それから管理委員会にかけて、そうしてそれから譲渡交換担保などをきめるということであれば、管理者代表が入っておりますから問題はないのですが、公団執行機関権限でやれる範囲というものがあるとすると、これは多少問題があると思いますね。その辺は私はしっかりしておいたほうがいいのじゃないかと思うのです。もし、たとえば担保にするような場合などには、いま言ったように相当重要な物件があるとすれば、当然管理委員会にかけなければならぬというようになってくると思うのですが、じきにこわれてしまう、したがってこれは払い下げるというような譲渡ですね、そういうものはあるいは管理委員会にかけない、執行機関で処理するということはあり得ると思うのです。したがってその場合に、あるいは港湾管理者から見た場合にそれが必要なものであるかもしれない。そう想定をしてまいりますと、港湾管理者に全く協議がなしに譲渡交換担保というようなことをすることは、多少やはり問題があるのじゃないかというふうに思うので、その辺は港湾管理者協議をするというふうにしておいたほうがいいのではないかというように思うのですが、それはどうでしょう。
  16. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 その点につきましては、港湾管理者ともいろいろ協議をしたわけでございます。私どもの解釈としては、あくまでも公団埠頭建設してそれを貸し付けるのが業務であって、それが効用を失しない限りにおいては、譲渡したり、自分の持っているものを交換したりして譲り渡すということは考えられないのだ。したがってここに書いてある「重要な財産」というのは、金額をもって示されるものである。たとえばほかの公団等では、機械その他を持っておりまして、これを払い下げるというような例がございますので、三千万円とか二千万円以上のものは重要な財産というようなことを省令で規定しているようでございますが、そういうような重要な財産につきましては、当然事業計画に載らなければならない財産でございますので、その処分につきましては、事業計画議決管理委員会にかけるということで、管理者もそれを明らかにしていけると思うわけでございます。
  17. 野間千代三

    野間委員 そうすると、直接この四十六条によって、港湾管理者との間に協議はないが、譲渡あるいは交換担保などを実際にするときには、当然管理委員会を通ずるなりあるいはほかの手続を通ずるなり、間接的には一回は港湾管理者との協議の機会があるというふうに考えていいですね。
  18. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 そのとおりでございます。港湾管理者代表が入っている管理委員会議決を要する、かように思っております。
  19. 野間千代三

    野間委員 はい、わかりました。それでは管理者との管理権限関係については大体以上だと思います。ちょうどけさは大臣がいらっしゃいますので、たいへん重要な問題ですから、いまの質疑応答がこの法律による公団管理者管理権に関する関係であるというふうに、ひとつ大臣のほうでも御確認をいただきたいと思います。
  20. 大橋武夫

    大橋国務大臣 この公団を設立いたしました動機は、港湾管理者財政状態から見まして、当面必要とする新しい港湾設備を在来の方法でまかなうことは困難である、こう考えまして、その財政的な面を補充するということが一つ、また従来の公共使用を主体とする港湾使用だけでは、今後の海運界の情勢に即応し切れない。そのために新機軸と申しますか、公団による専用使用の承認という制度を導入する、この二点が動機でございまして、これを目的として公団を特に設立しようというのがこの法律の主眼でございます。したがいまして、ただいま申し上げた範囲におきまして、管理者管理権の至らざるところを補おうという考え方でございまして、これによって管理者管理権をそこなおうというような意図はごうもございません。したがって今後の運用につきましては、先ほど来局長の申し上げましたごとく、管理権者公団一体となって港湾のより高い効率的使用を完成しようという次第でございますので、御了承賜わりたいと思います。
  21. 野間千代三

    野間委員 それでは次に移ります。第五条をちょっとごらん願いたいのですが、第五条は資本金増加することができるというふうになっておるわけです。それの第四項で、公団資本金増加するときには国と大阪市、神戸市あるいは横浜市、東京都などが出資をすることができる、こうなっておりますが、この公団資本金増加をするときというのはどういう場合なのかということが一つと、それから、それがはっきりすれば心配ないと思いますが、地方財政を考えながらこの公団をつくったとすれば、これ以上の、たとえばこの公団による建設についても一〇%の負担があるわけですね。それが資本金増加のたびによけいまた負担がかかるということになる心配がありますので、その辺はどういう関係になっておりますか。
  22. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 五条に書いてございます資本金の額は、ことしの予算による国の出資額でございまして、したがいまして、それと同額のものを京浜公団においては東京都及び横浜市が出資するということになっております。したがいまして、第四項は来年度の予算におきまして事業費がきまったときに一割ずつをおのおの出資として出していく、こういう趣旨でございます。高速道路公団の場合にはさらに納付金というような規定がございまして、これ以外に追加の出資をしておるようでございますが、この公団におきましては、災害の場合に両者が出資をし合うという以外に、納付金制度は認めておりません。したがいまして、ここに書いてあります、事業費が追加してまいった場合におのおの一割ずつを出資するという以外の出資は考えておらないわけでございます。
  23. 野間千代三

    野間委員 はい、わかりました。  それでは次に、倉庫など事務所や店舗などを委託によって建設するというのがあります。三十条の二項の二、三です。第二号では委託に基づいて倉庫などを建設する、第三号では委託に基づいて、港湾施設に関する工事並びにこれに関する調査、測量をする、こうなっておりますが、この「委託」というのは、つまり専用貸しを受けた会社のことなんですか。
  24. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 この場合の「委託」というのは、倉庫業なら倉庫業を営む者から委託を受けて建設をするということであります。土地をつくるわけでございますから、同時に基礎工事その他をやっておいたほうが便利であるというものがございます。したがいまして、その場合には倉庫業者から委託を受けてやるという趣旨でございます。
  25. 野間千代三

    野間委員 この三十条の第二項、公団埠頭に隣接をしていろいろなものをつくるわけですね。つくる中の一つが、いま局長の言われた倉庫であるとか店舗であるとか、そういうものですね。そうすると、たとえば倉庫などは、埠頭専用貸しを受けた会社一体として使うわけでしょう。一体として使うわけですね。そうすると、その倉庫業者というのはこの埠頭の中に公団委託してつくれるのですか、あるいは専用貸しを受けた会社だけが店舗であるとかあるいは倉庫であるとか、そういうものをつくることを公団に頼めるのですか、どっちなんですか。
  26. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 専用貸しを受けるのは、上屋の建っている部分でございます。埠頭、全体の利用を増進するという意味で、その背後に隣接して倉庫店舗等敷地をつくることができるということがこの第二項に書いてあるわけでございます。したがいまして、専用使用を受けた船会社なら船会社だけでなく、それが数社ありましても、その背後にやはり倉庫業者というものが埠頭利用のために必要になってくる場合があるわけでございます。そういう敷地をつくるときに、倉庫を建てたいというものの委託を受けて倉庫をつくってやることもできる、こういう規定でございます。
  27. 野間千代三

    野間委員 わかりました。そうするとその倉庫は、その倉庫業者管理運営をする倉庫ですね。その意味では民業を圧迫することはないわけですね。ちょっとそれだけ……。
  28. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 そのとおりでございます。  それからたいへんおそれいりますがちょっと訂正さしていただきたいのでございますが、先ほど災害復旧のために国と管理者が金を出す場合に、これを出資と申し上げましたが、これは補助金でございます。
  29. 野間千代三

    野間委員 最初のほうの倉庫のほうはそれでけっこうですが、災害が起きて復旧工事をする場合の資金ですね。資金はそれは災害が起きたときに徴収というか、調達をするわけですね。その辺ちょっと……。
  30. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 私が先ほど申し上げましたのは、四十四条の補助金という規定でございまして、政府公団とが予算範囲内において災害が起きたときにその経費の一部を補助することができる。それが出資以外に金を出せる道として規定されているものでございまして、それ以外には納付金その他の制度はこの公団にはございませんということを申し上げたわけでございます。
  31. 野間千代三

    野間委員 そうですね。わかりました。そうすると資本金増加するという、先ほど私が言った第五条でしたか、資本金増加をする場合というのはどういう場合なんですか。
  32. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 先ほどの五条に書いてございます京阪公団の場合の二億一千万円というのは、ことしの事業費が二十一億円でございますので、その一割でございます。それに見合う同額港湾管理者たる東京都と横浜市が出資するわけでございます。したがいまして、来年度の事業費が五十億になりますと、五億ずつおのおの出資して、それが資本金としてふえていく、こういうことでございます。
  33. 野間千代三

    野間委員 わかりました。毎年毎年年度ごと増加をしていく部分ですね。はいわかりました。それでは、その部分は一応終わります。  次に資金計画の問題ですが、いま問題になっておりますのは、船会社などに借り入れ金を求めておられます。だいぶ難航しているというふうに新聞などで拝見しておるのですが、その見通しですね。二十億円のうち船会社に求めておられるのは十二億ですか、二十億円なんですか。二十億円が船会社のほうではなかなか負担しかねる。そのしかねる事情はこの前の参考人の聴取のときに米田さんから、金融能力を圧迫することになる、あるいは借金なので担保ができないので、それをまた使うということができないというような理由で、なかなか応じかねると言っておりましたが、実際はその会社が借りるわけですから、将来の利益があがってくるわけですね。そう考えますけれども、その辺の状況はどうなんですか。
  34. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 公団は当初は国と港湾管理者出資残りは全部財政投融資に仰ぐ、こういう計画でございます。ところが予算のきまるときに出資するおのおのが一割ずつで二割、残り八〇%につきまして、半分は財政投融資で見るが、半分は縁故債という、関係のあるものから長期の借り入れをせよということでございます。その金が四十二年度においては二十億円でございます。これにつきましては船会社は、自分たち調達いたしますということを申しております。しかし来年度以降事業費がふえていく場合に、自分たちが全部将来調達できるという約束はできない、こういう話でございます。これは私も将来の約束をとりつけるというのは現段階では無理だと思いますが、縁故者の中には荷主も入っておるわけでございます。さらには倉庫その他の会社も入っておるわけでございまして、これらに協力を願えば不可能ではない。ただ公団自体としてもそういう無理な金を集めるということがいいか悪いかということはございますが、四十二年度においてはもうその金は船会社調達するということを約束しておるわけでございます。
  35. 野間千代三

    野間委員 そうすると初年度は、いろいろあったが、まず間違いがないというように考えていいですね。問題は、先ほどもありましたように毎年度毎年度、現在二十バース建設でも五年でしたか継続するわけですね。そうなると第二年度第三年度は、船会社が期待できないとすると、その相手方、対象をたくさん考えなければならぬ、こうなってまいります。そうすると将来の資金計画はその部分は相当不安定ではないかという心配があるのですが、それはどうなんですか。
  36. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 二十億円程度の金ならば毎年約束してもいいけれども、要するに事業費というものが仕事が忙しくなるとふえていくわけでございますから、そういうものに追随できるかどうかということは現段階では約束できない、こういうことでございます。しかし船会社以外に、荷主それから倉庫等縁故者もあるわけでございますから、公団としてはやはりそのように広く縁故者を募って資金をまとめていくという努力をすべきではないかと思います。これは不可能ではないと思います。
  37. 野間千代三

    野間委員 私が心配するのは、毎年毎年資金調達のある部分が不安定だということは——それがすでに仕事が始まるわけです、埠頭建設が始まるわけですから、どうしても予定されている資金は必要なわけですね。そうなってまいりますと、一部分に不安な点があると、これが将来国の支出であるとか、あるいは地方自治体の支出であるとか、そういう方面の支出増加になる危険はないのかということです。どうですか、それは。
  38. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 私どもは、一般公共事業で、従来の方式で埠頭建設してまいります場合も、一方においては、国の予算というものは予定どおりにつかないということでございます。また国の予算がついても管理者のほうの財政上、起債が十全にやっていけないということもございまして、やはり公団ができて借り入れ金をやる場合も同じではないか。したがいまして、仕事をやるのに見合う資金調達するということは、いずれの場合においても努力をしなければ成り立ち得ないことであって、当然これは公団努力をして資金を確保して仕事を間に合わすようにすべきではないかと思っております。
  39. 野間千代三

    野間委員 では、これはどうなんでしょう。もちろんこれは、資金調達努力をしなければ仕事ができない。当初考えておられた国と自治体と財投ということであれば、これはそう問題ないと思うのですけれども、そうではなくて、ある部分、四〇%ですか、四割民間から調達をする、こうなるわけです。これは将来も可能ですね。そうなってまいりますと、その部分はもちろん努力には違いないが、やはり民間の場合はその経済情勢にも影響があるでしょうから、したがって、その部分はどうしても不安定で、努力が必要である、こうなってまいります。その場合に、国とかあるいは地方自治体のいまきめられている一〇%ずつの負担割合は変わらないというふうに考えていいですか。
  40. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 私どもは、この一割、一割の出資は変わらないというように考えております。と申しますのは、いままである公団で一割という出資は相当高額でございまして、これをこれ以上ふやすということは非常にむずかしいことではないかというふうに考えております。
  41. 野間千代三

    野間委員 わかりました。それでは、次の質問に移ります。  今度は港湾運送事業者のほうから見た場合ですが、いま、これは別段確たる情報というわけじゃないのでありますが、たとえば、郵船と三菱倉庫あるいは郵船と日通などの間に、コンテナヤードの作業についてとか、あるいはコンテナ輸送について新しい港湾会社みたいなものを設立する、これがコンテナ輸送について担当をするというように聞き及んでおるのですが、もしそういう会社ができた場合には、これはどういう会社なんですか。つまり港湾運送事業者なんですか、あるいは陸上運送事業者になるのですか。それと、その場合には、これは自家運送なんですか。それとも、免許を必要とする会社なのか。そういう点どうですか。
  42. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 郵船と三菱とがおのおの資本を出し合ってターミナルの作業をするための会社をつくっているということは聞いております。これは当然、ターミナルの作業をするということは、港湾運送事業の免許が必要だと思います。
  43. 野間千代三

    野間委員 そうすると、このターミナル作業をする企業は、別段専用貸しを受けた会社がしなければならないということはございませんね、港湾運送事業という独立した事業ですから。そうすると、この郵船と三菱倉庫がつくっておるといわれている会社は、新しい会社ですね。したがって、当然免許が必要なんだが、そうなってまいりますと、専用貸しを受けた会社が、輸送会社あるいは倉庫会社とかの大きな会社、そういうものとの間に新しい企業をどんどんつくっていくとすると、現在の免許をもらっている倉庫業者、いわば港湾運送事業者、そういうものが入り込んでくる余地が非常に狭くなってくる、あるいはなくなってくるというふうに考えられる。そういう意味では、現在の港湾運送事業者が締め出されてくる、狭まってくるというふうになるのじゃないでしょうか。
  44. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 このコンテナにつきましては、船会社は、陸上のヤードの作業というものは、自分の船腹の作業がおもなものであるから、船会社自体がやりたいという希望があったわけでございますが、やはりそれは港湾運送という専門家がおる限りにおいては、港湾運送事業者がやるべきじゃないかという私どもの意見を取り入れたわけでございます。この郵船と三菱との会社につきまして申し上げますと、三菱倉庫港湾運送事業者でございます。それから、現在コンテナのためのヤードの設備と申しますとストラッドルキャリアその他の設備がたくさん要るわけでございます。そういうものを資本として確保するためには、やはり新しい会社ということで、郵船の出資が必要になった、こういうことで、郵船と三菱との間の話がついたようでございまして、あくまでも本質的には港湾運送事業者でございます。
  45. 野間千代三

    野間委員 これはコンテナ輸送というものからくるいろいろな問題で、直ちに公団の問題ではないと思いますが、したがって、コンテナ輸送の問題として論議をしなければなりませんから、将来まだいろいろな機会にコンテナ輸送問題として取り上げて論議をしてもらわなければならぬと思うのです。きょうは実は時間もございませんので、コンテナ輸送全体の問題としてはまた別の機会にいたしますが、問題はただ、先ほど大臣が言われましたように、コンテナ輸送という輸送体系ができ上がってきた、将来これが大きく発展をしてくるというところから、この公団の必要性も生まれてきたというふうに言えると思うのです。  それで、当然関連をするのですが、もう一つは、コンテナ輸送というものは大まかにいって国際的な輸送ですね。したがって海から港から陸にわたって、コンテナ輸送のいわば一貫的な輸送が行なわれてくることになると思うのですね。そこでいろいろな問題が起きてくるのですが、まず第一に、国際的な輸送体系、国際的に一貫した輸送体系というふうになってくると思うのですね。したがって、たしか、これは国際条約が輸送上の条約としてあったというふうに思いますが、最近言われていることばに複合輸送ということばが使われておりますが、この複合輸送に関しては国際的な条約が必要ではないかというふうに思いますが、そういう方面はどうなっておりますか。
  46. 高林康一

    ○高林説明員 コンテナ輸送は海陸を通しますところのいわゆる複合輸送であるということでございまして、この国際条約の現状といたしましては、海上輸送につきましては、一九二四年の船荷証券統一条約によりまして、それぞれ国際的な規約がございます。それから陸上輸送のうち鉄道輸送につきましては、一九五二年のベルン条約というものがございます。それから道路運送につきましては、一九五六年のジュネーブ条約がございます。ただこれらのものは、それぞれ鉄道あるいは道路あるいは海上というふうに、その部分だけについてのいろいろな体系について規定いたしているわけでございます。コンテナにつきましては、先ほど先生御指摘のように、陸海陸というようにつながるようにおそらくなると思いますが、これらの全体をつなげますところのコンテナに関する国際複合輸送につきましては、現在万国海法会におきましていろいろ検討が行なわれております。万国海法会におきまして、それぞれの部門をどのように扱っていくか、それを統合してどのように国際的な規約をつくるかということについて、現在各国海法会とも連絡をとってやっているわけでございます。ただ残念ながら、現在の状況ではまだ十分進捗しているとは言えない。三つばかり案を考えているようでございますけれども、おそらくそういうような海法会の意見がまとまりますと、慣例によりまして、ちょうど一年後にベルギー政府が海率法外交会議を招集いたしまして、各国政府にそれを相談するというような手続になると思いますが、まだ、作業の進捗につきましては若干の時間が要るのではないかと考えております。
  47. 野間千代三

    野間委員 ことしの九月か十月にはマトソンの第一船が日本にも来るというふうにもいわれておるわけですが、そうなってまいりますと、コンテナ輸送の問題はそう将来の問題ではないということですね。しかもそれが急速に発展をする可能性を持っているというふうに思うのですが、それはいま問題の各国をまたがった輸送体系条約、そういうものは当然必要だ。何か、しろうとですけれども、キネウスという人に万国海法会が委嘱をして、そうしてゼノア案という第一案ができていると伺っておりますが、このゼノア案に対する日本の取り組み状況なり、あるいはできればゼノア案の翻訳があれば、委員会のほうに参考として提出を願いたいと思うのですが、その辺はどうなんですか。
  48. 高林康一

    ○高林説明員 翻訳はまだないと思いますけれども、万国海法会で検討しております各種の案の要綱みたいなものはございますので、それは調製したいと存じます。  私どもといたしましても、大体明年ハンブルグにおきまして、おそらく万国海法会の会議があるかと思います。それにつきまして、いろいろいま準備をしておるわけでございますけれども、明年のハンブルグ総会に全体がまとまるかどうかは、現在まだはっきり見通しは立っておりません。
  49. 野間千代三

    野間委員 それでは、近い将来、コンテナ輸送の全体的な状態ですね、世界を通じた全体的な状況をやはり正確につかんで、それに対する船会社なり、あるいはコンテナの建設、あるいは陸海を通じての輸送体系、そういうものを考えておかないと、すでに日本の場合にはコンテナ輸送体系としては一馬身おくれているというふうにいわれているくらいですから、そういうことに対する国内体制もつくらなければならぬと思います。そうなってまいりますと、たとえばいまの問題のように、各国をまたがる複合輸送に関する条約ですね。条約をもとにして日本でも、たとえばコンテナ一つを考えてみても、たとえば車両制限令との関係であるとか、あるいは道路運送法との関係であるとか、そういう国内の各種の法律にいろいろ関係が出てくると思うのですね。そういう方面の検討なりは、どの程度まで進んでいるのですか。
  50. 堀武夫

    ○堀(武)政府委員 道路輸送との関連でございますが、これは車両制限令によりますと、高さが三・五メートル、重量で二十トンで、コンテナ輸送を八フィート、八フィート、二十フィートコンテナを使いましてやりますと、やはりこれを越す場合が出てくるわけでございます。そこで、現在の道路構造令というものをどうしても改正をする必要が出てくると思います。現在道路構造令の改正が、高さが三・八メートル、長さが約十五メートル、重さが三十二トンということを前提にいたしまして、いま検討が進められております。さしあたって、ことしの秋からコンテナ輸送が起こるわけでありますが、これに対処するためには、現在事実上、このコンテナが通行可能な道路があるわけであります。最近つくられた高速道路等は可能なわけでありまして、これらの道路につきましては、関係の向きと折衝いたしまして、一々許可をそのつど受けないでやれるような方法をいま検討したいということで進めております。
  51. 野間千代三

    野間委員 このコンテナ輸送に関係をして影響を受ける、あるいは検討をしなければならない国内の諸規定、そういうものは相当あると思うのですね。いま言っただけでも車両制限令であるとか、あるいは道路運送法であるとか、あるいはやがてはこの港湾運送事業法等にも当然影響してくるというふうに考えられますので、まだ、いまの海運局長のお話では、そう十分に検討が進んでおるというふうには失礼ですが考えられません。したがって、そういう方面の検討をすみやかにやって国内体制から十分につくっていかないと、黒船といわれているくらいの問題ですから、ますますおくれてくるというふうになると思いますので、この辺はまたいずれ機会を見て伺いますけれども、十分な検討、体制の整備を願いたいというふうに申し上げておきます。  次に、コンテナ輸送の問題で現在の港湾運送業者との関係なんですが、 コンテナ輸送の場合には、一つの経路としては、生産工場ですでにコンテナに積み込んでいこうという方法が考えられますね。それからもう一つは、何かインランド・デポというのですか、その集積所で積み込んで、そこから港湾に持ち込んでくるという場合が考えられます。もう一つ背後地で、コンテナターミナルですか、その辺で全部集積をして、そこから積み込む。大体三つくらいが考えられるのですが、前のインランド・デポの場合と、工場の場合、これは陸上ですから陸送になると思うのです。そうすると、これは陸運のほうの関係になる。したがって一番港湾関係のあるのは、フレート・ステーションということですが、フレート・ステーションで積み込む場合は、この仕事港湾運送事業者になりますかどうですか。
  52. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 私どもはフレート・ステーションにおいてコンテナ、いわゆるバンに積み込む作業は、港湾運送事業であるというふうに解しております。
  53. 野間千代三

    野間委員 そこでコンテナ輸送が、現在の輸出入の貨物のどの程度の割合になるかによってだいぶ問題は変わってくると思いますが、この公団建設の構想によると、大体四十数%と見込んでおるようですが、中には七〇%から七五%くらいに至るだろうというふうに想定をしておる資料もございます。国鉄でまとめたものによると、品目別に見て相当多数の品目が、コンテナ輸送として適正であるというのと、可能性があるというふうに分けて考えておるようですが、その表を見ると、おそらく七〇%以上に達するのではないかというふうにも推定ができるわけです。そうなってまいりますと、将来のコンテナ輸送というのは、まあ五〇%から七〇%くらいまでは可能性があるというふうに言えると思います。したがって、コンテナ輸送が経済上きわめて有効であるというふうに考えられるとすれば、次第にその割合は増加してくると考えられるので、そうなってまいりますと、いま申しました三つの経路のうち、港湾運送事業として取り扱われるのは、第三番目のフレート・ステションにおける経路ですね。そうしてあと船に積み込む場合には、これは全部荷役を必要としませんし、倉庫業者も必要としない。したがって現在ある港湾運送事業者のうち、きわめてそれは制限をされるといいますか、数が少なくなってくるというふうに想定ができるのですが、その想定は間違いありませんか。
  54. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 コンテナ化につきましては、大体昭和五十年を目標にして私ども考えておりますのは、北米、欧州、濠州の航路については七〇%程度の貨物がコンテナ化に適するであろう、そのうち七〇%程度がコンテナ化する。ですから、半数はコンテナ化するだろうということでございます。一方貨物の伸びを比較してみますと、東京湾だけで申し上げますが、昭和三十九年の九百十万トン、これは定期船による雑貨でございます。それが五十年には二千五百十万トンというように、二倍半くらいに伸びるわけでございます。その場合にコンテナはどれくらいになるかと申しますと、二千五百万トンのうち五百八十万トンでございまして、それからコンテナを引いても現在以上に貨物量がふえるわけでございまして、この前ここで参考人にいろいろお尋ねなさったときに、港運協会会長が申しておりましたように、現在の問題はむしろ、コンテナ化が進むにしても労働力が不足するということが問題ではないかと思います。
  55. 野間千代三

    野間委員 この前の参考人の陳述を伺ったのですが、多少私はあの陳述には問題があるというふうに実は思うのです。それは労働力の不足という分と、それから貨物量が増大をする分、その分はたとえばコンテナ化が進んでいったにしても大体つり合いがとれていくという希望的観測をだいぶ述べておられましたが、たとえば最近のアメリカのコンテナ輸送に進んでいく状況を見てみると、そう私はコンテナというものを軽視すべきじゃない、相当将来輸送問題について革命的な変革といってもいいくらいの状況になり得るというふうに思うのですが、その場合にはおそらく労働力の問題なり、あるいは貨物量がふえたにしても、コンテナとの関係が、そう私は現在港湾運送事業あるいは港湾運送労働者、そういうものとのつり合いは、バランスがとれていくというふうに見て楽観をしておっては間違いじゃないか。むしろコンテナ輸送の急速な進歩のほうが発展が早くて、労働問題なりあるいは港湾運送事業に与える影響が起きてくることのほうが大きいというふうに見ておいて、対策を立てる必要があると思うのです。現在港湾運送事業十六条改正によって集約が進められてきて、それはそういう意味一つの方向でもある。そして集約をし系列化をして、将来の影響をできるだけいまのうちから少なくしていこうということの、一つの力になるだろうというふうに思うのです。ですから、それはそういうふうに見ながら、港湾運送事業の今後の対策をつくっていく必要があるというふうに考えるべきじゃないかというふうに思います。  そこで、現在の十六条改正による集約あるいは系列化、そういうものについてはいま事業整備計画を提出をさせて、その事業整備計画に基づいていま整理が行なわれております。来年の九月三十日ですかまでにはそれを完了しようというふうにやられておりますが、これは別の問題として質疑をさせてもらいたいと思うのですが、その方向は私どももその方向として進めていきながら、かつコンテナ輸送に進んでいく状態を推定をしながら、港湾運送事業を考えていかなければならぬ。そこで、どうしてもこれは港湾運送事業のうちで、いわば整理の段階で転換をしなければならぬという企業が生まれてくるというふうに考える。したがって、港湾運送労働者もある部分は整理をしなければならぬというふうになるかもしれない。経済情勢としてそうなるかもしれないというふうに考えるとすると、これは国の財政を基本にして、そういう企業に対する転換の助成、あるいは労働者の救済といいますか、そういう方面に対する対策も正確に立てて、それだけの受ける体制をつくって、コンテナ輸送体系に変わっていくものに対して受け答えができるような処置をしておく必要があるのじゃないかと思うのです。そういう面に対してはどう考えておるか。
  56. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 実はコンテナの問題は非常に早く起こってまいりまして、われわれの考えておる集約の問題に、さらにもう一つ新しい問題を提起したものと思います。しかしコンテナをやるにしても、労働者もいままでの単純労働から技能的な労働に転換するということが必要でございますし、この問題は先ほど申し上げました労働力不足ということから考えて、コンテナ以外のものについても当然考えなければならぬわけでございます。したがいまして機械化というものを中心にして、労働者を技能者にするというようなことで、近代化促進法の対象にもいたしますし、また中小企業の近代化資金対象にもなっておるわけでございます。近代化計画に沿って、また十六条による系列化、集約化という過程において、機械化その他についても資金援助をする、それから零細企業については協業方式によってさらに資金援助をしていくという方法で、少数精鋭な業者が確立されるように指導していかなければならぬわけでございますが、一番問題なのは、やはり統合した場合赤字が残って、その赤字をどういうふうに処理するか。これに対して中小企業金融公庫その他からの運転資金の貸し出しという例はあるのでありますが、そういう赤字の処理がその対象にできるかどうかという問題は残っております。私どもは、犠牲者がないように集約していくというようになれば、この問題にも真剣に取り組まなければならぬわけでございますし、中小企業庁も現在その問題について手当ての方法を検討しておる、こういう状態でございます。
  57. 野間千代三

    野間委員 私一人だけで時間をとれないので、最後に大臣にちょっと御見解を伺いたいのです。  いま港湾局長が誓われたことなんですが、実はこれは来年の十月一日から十六条改正が発効するわけです。私は改正十六条の問題から港湾運送事業に取り組んでみて、港湾運送事業法という法律がかえって港湾運送事業を混乱させておるという部分がだいぶ感じられる。もちろん放任をすることは、弱小企業あるいは一ぱい船主という零細、微細な企業の乱立によってかえって港が混乱する、暴力の温床になる、そういう問題があります。そこに港湾運送事業法の効果があると思うのですが、一面また、港湾運送事業法というもので限定免許であるとか、あるいは一般免許であるとか、いろいろな免許の性質があり、しかもその免許の中に、また企業によってはいろいろな免許に変わっておるのです。たとえば限定免許だけをとってみても、無数に種類があるわけですね。そういうふうに、港湾運送事業法によってたいへん企業が窮屈になったり、混乱をしている部分もなしとしないのですね。したがって、そういう問題についてわれわれはもう少し詳細に取り組んで、港湾の秩序を確立する点について、もっとわれわれ考える必要があるというふうに最近考えておるのです。したがって来年の十月一日に発効するまでに、いま行なわれている事業整備計画、それによって港湾運送事業者全体を整備しようということで全体の振り合いを調べておるわけですね。この機会にこの問題についてもう少し取り組んでみたいのですが、その際にまた申し上げますけれども港湾運送事業ですね、港湾運送事業を法律の力によっていま整理をしよう、こうなっているわけですね。それは善意の意味で、港湾運送事業の中から、経済競争だけによって整理していったのでは当然こぼれていくものがたくさんできる、それを救うために、救うという親心から、港湾運送事業法の改正、つまり国家権力によって整理統合をして、こぼれていくものを少なくしていこうという、まあそういうふうに理解をしながら、この法律の運用をしていかなければならぬということだと思います。したがって、そういうことからくるこぼれ方もあるわけですね。そういうこぼれ方もまた生まれてくる。そこで、法律の力によって整理をしていくことは国策ですから、この国策によってこぼれていくものがあるとすれば、これはいまの整備計画、つまり十六条改正からくる、こぼれていくものがある。これはやはり国の政策によって拾い上げて  これはいま協業組合であるとか、そういう方法もあるわけですね。なおかつそれにも、その方向にもつくことができないというものもあり得るわけですね。したがって、そういうものに対する国の援助、補助、そういうものによる救済といいますか、それも必要ではないかというふうにも考えるわけです。これは経済の自然の競争によってこぼれていくのなら、これはまあかってだけれども、いま法律の規制によって整理をしていこうというのですから、当然いま私が言った、それからこぼれていくものがあるとすれば、やはり政策によって拾い上げていくなり、転換をさせていく、そういう方面の財政的な措置も必要じゃないかというふうにも見えるんですね。これは現在における、現在の港湾運送事業に対する取り扱いですから、これはまあ別の機会でもけっこうですが、そういう状態にまず港があるということが一つですね。  そういう中で、これからコンテナ輸送が始まる。公団による専用貸しという新しい状態、新しいしかたによる港湾の使い方が盗まれてくる。これは大きな会社である船会社によって専用貸しをさせられる。そうするとその場所では機械化という面で、それと船会社という力によって、港湾運送事業が非常に狭められるということが当然生まれる。したがって、その狭められてくる港湾運送事業に対する取り扱いとして財政的な援助をやって転換をさせるなり、あるいは労働者がいるとすれば、アメリカでやっている方法があるそうですけれども、事業者と労働者と政府なり自治体なりが参加をした将来に対する共済制度、あるいは保険制度、救済制度、労働者に対する救済制度、そういうものもちゃんと考えておいてやっていかないと、おそらく日本では短時間のうちに急速にコンテナ輸送に切りかえていかなければならぬというふうになる時期もあると思うので、そういう体制をつくっておかないと、私は大きな社会問題になる可能性があるというふうに思うのです。したがって、これは運輸大臣、私が言っているのが杞憂に終わるならいいんですけれども、私はおそらく杞憂でないというふうに感ずるので、その方面に関する運輸省なり、あるいは関係各省の協力による政府機関としての体制をつくってもらいたいというふうに思うのですが、それはいかがでしょう。
  58. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 大臣が答弁になる前に、私ちょっといままでの経緯を申し上げたいと思います。港湾運送事業法を改正したということで、かえってマイナスの面もあるのではないかというお話がございましたが、私ども港湾運送事業法の改正というのは、一つは三・三答申を受けているわけであります。その中では労働者の福祉ということが一つと、企業の効率性ということが要求されているわけでございます。企業の効率性ということと労働者の福祉ということは、これは一体であります。強い企業でなければ労働者の福祉ということは確保できないという、こういう趣旨だったと思います。したがいまして、そういう中で、しかも現実的にどういうように集約していくかということが、この間港湾運送事業法を改正していただいた趣旨であろうと思います。で、それをやっていく上において、もしコンテナ化その他が急速に進んだために犠牲者が出たらどうするかということであろうと思うのでございますが、それは私どもとすれば、この集約というものはあくまでも、一つのレールはわれわれが敷くし、できるだけの行政指導その他力をかすにしても、精神はやはり業界が打って一丸となって犠牲者をなくする方法以外にないのじゃないかと思います。そういう意味で港運協会というものも一本化いたしまして、おのおの部会を持って現在ものごとを進めておるわけであります。その犠牲者が出たときにどういうようにそれを救済していくかということは、転業資金その他をどう与えるかということも関連しているのだと思いますが、私どもはその前にいまの企業というものを落ちこぼれなくどういうように集約さしていくかということに全力を注ぐべきではないかと思います。  それからもう一つ、アメリカの例がございましたが、それは労使の間でございますので、仲裁裁定のようなもので、どう申しますか転業資金と申しますか、そういうファンドを積んでおくという制度が設けられたようでございますが、企業と企業との間では、ああいう制度はどうであるか。したがって、むしろ集約の過程において犠牲者がないように私どもが行政指導をしていくというのが、一番いまの日本の現実に合っているのではないかと思います。
  59. 大橋武夫

    大橋国務大臣 野間委員が企業集約の過程において起こりますいろいろこまかい点にまで行き届いた御留意をなさっておられることは、まことに敬意を表する次第でございます。私どももある考えのもとに進んではおるのでございますが、お話しになりましたように、いざとなりますと、いろいろ不行き届きの点も生じてくるかもしれませんが、これはこまかく注意して、そしてできるだけの対策を講じて、落ちこぼれを拾っていくというたてまえでございます。今後ともそうした面で一そう注意をしていきたいと思います。
  60. 野間千代三

    野間委員 終わります。
  61. 進藤一馬

    進藤委員長代理 渡辺芳男君。
  62. 渡辺芳男

    ○渡辺(芳)委員 まず、事業計画から少しお伺いをいたします。  昭和四十二年度から四十九年度までに総額千百十四億を投じて、まあいわばコンテナ公団をつくる。対米貿易をとにかくいま目標としてこれをつくられることは私が申し上げるまでもありませんが、先日、参考人米田さんから、ことしはとりあえずわれわれ船会社関係については、資金関係の二十億円というものについてどうやら調達はできました、しかしまあ将来についても努力をいたしますが、という陳述があったわけであります。これはもういままでも再三うわさされておりましたが、また船主団体などとも打ち合わせしたときに、必ずしも一・一・四・四といろ割り振りの資金計画の四〇%について、船会社関係についてはいますぐ自信を持てるというふうなことは言い切れない、こういうことを言っておるのです。この点は私は、この計画を策定するにあたって、当然のこととして三者がそれぞれ話し合われたと思っておりますが、この点はどうでありましょうか。
  63. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 先ほども申し上げましたが、当初は国と港湾管理者出資以外は全部財政投融資に仰ぐつもりであったわけであります。それが予算のきまりますときに、財政資金が足りないということから、半分は縁故債ということで船会社等に持たせるということになりまして、予算がきまったあと船会社等と話し合って、その結果、いま御指摘もございましたように、船会社としてはことしの分は何とかなるだろうけれども、将来の分については努力はしても約束はできかねる、こういうように現在なっておるのが実態でございます。
  64. 渡辺芳男

    ○渡辺(芳)委員 大臣、そうしますと、この事業計画、相対的にいわば割り振りといいますか、持ち分がありますね。縁故債のほうが切れていく。そうすると当然、政府の財投のほうの増加を仰がなければならない、これはそういう結果になると思いますが、それを想定をしてやられておりますか。
  65. 大橋武夫

    大橋国務大臣 私どもの希望といたしましては、将来財投にできるだけ切りかえてまいりたい、さらに船会社等においてもこれ以上は困難だという空白の部分ができましたなら、それについてはまたいろいろな金融機関等も考えて、ぜひ消化をはかっていきたい。しかし、これは明年度以後の予算措置の際に、具体的にその年その年の帳じりを合わせるようにしてまいりたいと思います。
  66. 渡辺芳男

    ○渡辺(芳)委員 最近の貿易事情などからいって、船会社の収益というものは非常に好転をしておる、こういう事情から、縁故債関係について当初相当ウエートを重くしていこうというふうに計画を立てられておるわけですね。ところがそうはいかないということになってまいりますと、完全に従来の政府がつくっておるほかの公団と同じような形態になっていくという可能性がありますね。当然その受益者負担というものは、いままで公団をつくる場合、あるいは鉄道建設をやる場合にもやられておることでありますし、将来展望としてコンテナ輸送が相当な利益を生むであろうということでありますから、この点の関係については、やはり計画どおりに相当折衝をしていく必要があるではないか。政府がこれを保証するかどうかということは一つの問題点になると思いますが、この点だけ冒頭に要望いたしておきたいと思うのです。  昭和三十三年でしたか、国鉄の東海道新幹線の建設計画が出されまして、議論になりまして私が記憶する限りでは、当時三千億の建設計画だと言われておりましたが、その後数年たちますと、土地買収費の値上がりとか、あるいは物価の値上がりとか、あるいは土盛りの土手が橋脚になったとか、いろいろ理屈はありましょうが、出てまいりまして出資が多くなったとは思います。結果論として、当初の建設計画よりも一千億程度費用が増大支出されたわけでありますね。この関係について関連をして、八カ年計画で行なう今回の外貿埠頭公団の投資は相当な目安といいますか、将来展望を見て資金計画をされたと思うのですが、この点について、ひとつだいじょうぶやれるか、こういうふうなことは考えていらっしゃると思うのですが、多少こまかくなってもよろしゅうございますから、コンテナターミナルの関係、あるいは埠頭関係、いろいろあると思いますが、若干説明を願いたいと思います。
  67. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 この千百十四億円が今後相当大幅に変わることはありはしないかという御質問かと思いますが、東海道新幹線の場合と違いまして、用地買収ということはないわけでございます。これは、土地は大体埋め立て地でございますが、東京につきましては、すでに東京都がやっておりますし、大阪についても、おおむね土地はできております。それから横浜も神戸も、この埠頭公団対象としている地域は、漁業補償も解決いたしております。したがいまして、新幹線のときのような、土地についての不測の値上がりということは考えられません。また岸壁その他につきましても、すでにその周辺で工事をやっておりますものを参考として単価をきめて予算を組んでおりますので、今後大幅な物価騰貴その他があれば別でございますが、それがない限りにおいては、おおむねこの千百十四億円程度の仕事でやっていけるというように確信いたしております。
  68. 渡辺芳男

    ○渡辺(芳)委員 当面十月からコンテナの取り扱いを始めたい。それで、とりあえず、できていないから、品川とか、神戸では摩耶埠頭を暫定的に使用したい。いずれにいたしましても、その後建設をしていくことになりますが、資料にいわれておりまするように、大井埠頭に八バース横浜の本牧に三バース、それから阪神の関係では大阪に五バース、神戸の新埠頭に六バース、合計二十二バースつくることになっていますが、第一点として、先ほど野間委員のほうから質問のありました背後地との関係ですね。輸送の関係について、当然のこととして道路事情なども十分に検討されてやられておると思いますが、これらの建設については当然建設省と話をするということになろうかと思うのです。  それから定期船バース関係ですが、これはコンテナバースと一緒につくるのかどうか。二十六バースつくることになっておりますね。この点の関係をひとつ明らかにしていただきたい。
  69. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 定期船バースとコンテナバースは一緒につくっていくわけでございまして、コンテナバースの供用開始は昭和四十四年、それから一般外貿埠頭のほうは昭和四十五年度から供用開始できるようにいたしたいと考えております。
  70. 渡辺芳男

    ○渡辺(芳)委員 それから背後地関係……。
  71. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 背後地の道路関係につきましては、建設省、さらには、これは都市計画道路もしくは高速道路として計画されている道路が多いわけでございますので、港湾管理者である市自体と十分打ち合わせをいたしておるのであります。大井埠頭につきましては、都内は環状七号線を使うことによって、板橋等のトラックターミナルまたは輸出産業のある地域と連絡することができますし、さらに首都高速一号が、これは都内並びに横浜まで至っておるわけでございます。  それから本牧埠頭につきましては、国道一号線、それからいまの首都高速が、昭和四十四年と思いましたが、高速一号線が通ずることになれば、さらに東のほうとの連絡がとれるようになります。  それから大阪につきましては内環状線、中央環状線との連絡道路が昭和四十四年にはできます。それができますと、あと阪神、第二阪神なり国道二号線、一号線、名神高速と、その環状線を通じて連絡ができることになります。  それから神戸におきましては、これは埠頭が島にある関係上、橋をかけるわけでございますが、それから港の地帯に入りますと、阪神高速一号線、浜手幹線等を通じまして第二阪神なり国道二号線に通ずることになっております。
  72. 渡辺芳男

    ○渡辺(芳)委員 参考人の供述の中に、アメリカのマトソン方式でやりたい、いわば内陸輸送の関係も一貫をした方向でやりたい、アメリカとは事情が違いますから、そう言ってもなかなか一〇〇%うまくいくとは思いませんが、八・八・二〇フィートのサイズが中心になってこのコンテナはやられるわけですね。まあ土地の狭いわが国のことですから、道路事情も、いま港湾局長が話をされるように、現状ではそうスムーズにいくとは思っていないわけです。そこで内航コンテナなども将来、たとえば名古屋港などはできたらばつくりたいという希望があるやに聞いておるわけです。しかし集荷の関係、貿易の関係がどういうふうになるかという見通しがなければ投資もできないと思いますが、便宜的にはそういうことも考えてもいいんじゃないか、内航コンテナの関係ですね、この点はどうでしょう。
  73. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 おっしゃられましたように、道路事情ということもありますし、日本の港が非常に多いということ、産業が海岸にあるということから、当然コンテナ化が進めばフィーダーポートと申しますか、港を通じてコンテナを運んでくるという方法は考えられてくると思います。ただ現在輸出の工場がある地域、生産地というものは、大部分が阪神なり京浜の周囲でございまして、とりあえずやはり陸上交通というものに重点を置いたような集荷方法がとられてくるのではないか、かように考えるわけでございます。また名古屋につきましては、これは京浜と伊勢湾とを合わせますと、日本の輸出の九〇%程度というものがこの三港で扱っていることになりますので、名古屋をフィーダーポートにするのがいいのか、名古屋を寄港港にするのがいいかということは、今後検討して態度をきめていかなければならぬと思います。
  74. 渡辺芳男

    ○渡辺(芳)委員 これは今後の対策として十分頭の中において考えていただきたいと思います。  それから一般的に外貿埠頭公団で取り扱う関係が非常に多くなってくる、そうしますと、いままでの一般公共埠頭関係がきわめて、数字的にはいろいろ言われておりますが、私はあいてくるような気がいたします。現在は非常に詰まっておりますから、ある意味では港湾荷役が促進されていくことは非常にいいことだと思っています。しかし将来展望として、現状の対米貿易が主に行なわれているわが国の貿易から、それは必ずしもこれが半永久的にいくということには私も考えておりませんが、いずれにいたしましても、阪神とそれから京浜関係については、それでもまだ貿易量が予想どおりに増大をして、港が非常に込んでいる、こういう場合に定期船バースなどは臨時に使うというとおかしいけれども公団のほうでそういう融通性というものは、これから内部規則や何やらつくると思いますが、考えておると思いますが、その点はどうでしょうか。
  75. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 私どもがいままで貨物を推定して五カ年計画をつくります場合に、いつも実績のほうが上回っているわけでございまして、今回の昭和五十年の見通しにつきましても、公団埠頭だけでは足らないで、さらにこれ以上に一般の公共埠頭いわゆるオープン埠頭をもつくっていかなければならないと思っているわけでございます。その場合に、いまお話がございましたように、公団埠頭の融通性の問題でございますが、どうしても公団埠頭のほうが先行するであろうと思います。したがいまして、現在のような船込みが解消されない限りにおいては、専用埠頭があいておりますときには、先ほど野間先生からお話がありましたように、あいている専用埠頭については、港湾管理者の申し出によって専用使用しているものが一時、一般のその他の船にも使わすということを、業務方法書その他できめることによって、貸し付けの条件として、それを履行していかなければならないということになると思います。
  76. 渡辺芳男

    ○渡辺(芳)委員 法の三十四条に岸壁等貸し付け料などについては政令で定めるとありますが、この貸し付け関係は専用埠頭ですから、期限をつけて貸せると思いますが、いま想定をされている考え方というものが明らかにできましたら、ひとつ明らかにしてもらいたいと思います。  それから融通性の関係について、たとえば、私は理解しておるのですが、少し明らかにしてもらいたいのですけれども、外国貿易をやっている船会社はすべて外貿埠頭公団に、端的にいえば銭を出すか、こういうことになっておるのかどうか、船会社のほうでそれは了解しているかどうか。そうしないと、外国貿易特に対米貿易などをやっている船会社について、臨時に使わしてくれ、おまえは資格がない、仲間じゃないじゃないか、銭を出していないじゃないか、こういうふうなことが起こりがちですから、その二つの点をひとつ明らかにしていただきたいと思うのです。
  77. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 いまの、貸し付け料を政令でどういうふうに定めるかということでございますが、これは建設費の利子負担、諸税の額、減価償却費、維持管理費、それから引き当て金等を基準として、バース相互の均衡等を考慮して考えていくわけでございますが、大体三十年償還ということで計画を立てておりますし、それから二割が出資で、この分は金利がゼロでございます。それから財投は七分三厘でございまして、問題は残りの四割の長期借り入れ金の金利がどれくらいであるかということによってきまるわけでございますが、大体いまもしこの船会社等から借り入れる金利が八分二厘であるとすれば、コンテナ埠頭の場合は、年間のバース貸し付け料が約二億円、それから一般の定期船埠頭につきましては、約四千万円というものを予定しております。  それからもう一つの、外国の船会社等、要するに借りる船会社が全部長期の借り入れ金負担するのかどうかというお話でございますが、日本側の船社としては六社がこれを共同して持ち合おうということのようでございます。  その他外国船主についてどうであるかということでございますが、現在私どもが阪神なり京浜に二十六バース一般埠頭を考えました場合には、月間に十回以上寄港する会社対象にして、十回以上寄港するものであれば一バース専用貸ししたほうが有利である、こういうことから船会社を選んだわけでございますが、そういたしますと、外国の船会社でそうたくさん寄港しているものはほとんどないわけでございます。したがいまして、外国の船会社がどういう借り方をするかということはいまははっきりできませんが、港湾運送事業者が数社の外国の船会社の代理店として、自分埠頭を借りたいという申し入れがございます。これらのものにつきましては、船会社と同じように長期借り入れに応じてほしいということを要望いたしておりまして、港湾運送事業者はこれに対して考慮するということを言っておりますので、そういう形になっていくのではないかと思います。
  78. 渡辺芳男

    ○渡辺(芳)委員 せっかくつくるのでありますから、効率的な使用をしないと借金のほうは返されない、こういうことになることは私が言うまでもありませんが、この二億円なり四千万円といわれているいまの御説明は、一バースについてですか。
  79. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 そのとおりでございます。
  80. 渡辺芳男

    ○渡辺(芳)委員 そうしますと、三十年間で一応借金だけは返済を完了したい、こういうことですね。事業計画の総事業費千百十四億円を見て、そういうふうにされておるわけですね。
  81. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 そのとおりでございます。
  82. 渡辺芳男

    ○渡辺(芳)委員 わかりました。  少し質問を変えまして、大臣にお伺いしますけれども公団の役員ですね。理事長、副理事長、理事、監事、計七人を法案ではきめることになっておりますが、この任命について、関係者の中からそれぞれ選任をされると思いますが、具体的にはけっこうでありますから、一応考えられておる役員構成について。それからこれは港湾局長のほうがけっこうだと思いますが、当面発足をする場合における職員数、四十九年度における、完成したときの公団の職員の数、こういう関係について一応考えられている点を明らかにしていただきたいと思います。
  83. 大橋武夫

    大橋国務大臣 公団埠頭の整備に際しましては、安い金利の資金調達して、低廉かつ良質の埠頭をつくる必要がございますし、またでき上がりました埠頭は法の目的を達成するために、船会社等利用者によって円滑に運営されなければならないわけでございます。したがいまして、公団理事長以下の役員の人選にあたりましても、次のような点に主眼を置いて人選することといたしたいと存じます。  まず第一には、金融事情に明るい人にぜひ役員のうちに入っていただく。第二は、埠頭建設技術について相当の学識経験のあるお方をお願いしたい。第三には、港湾管理者あるいは直接利用者との関係で円滑な調整をはかることが期待できるような方、こういう方に入っていただきたいと思います。具体的な人選につきましては、法案成立後早急に進めたいと思います。
  84. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 公団の組織の構想でございますが、これはまだ大蔵省とこれから折衝する問題でございますが、大体総務、経理、業務計画、港務という五つの部を考えまして、四十二年度においては両方の公団おのおの百五十名程度の定員を予定しております。
  85. 渡辺芳男

    ○渡辺(芳)委員 終わります。
  86. 進藤一馬

    進藤委員長代理 久保三郎君。
  87. 久保三郎

    ○久保委員 それぞれお尋ねがありましたから、簡単に二、三お尋ねをしたいのであります。  一つには、いまの御質問あるいはその前の野間委員の御質問の中で、船会社の形を変えた出資というか、あるいは公団債のようなこともあったし、だんだんやっているうちに長期借り入れ金のような形にもなってきておりますが、最終的に船会社に出してもらう金の性格は何であるか。
  88. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 これは長期借り入れ金でございます。
  89. 久保三郎

    ○久保委員 そうしますと、それは三十年とか二十年とか、そういう長期ですか。短期なら大体三年というのが普通なんですが、それ以上は長期ととれば、非常に短い長期もございますけれども、それはどんなものですか。
  90. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 まだ具体的には詰めておりませんが、政保債の場合も七年で借りかえていくわけでございまして、おそらく船会社の場合も七年程度の長期の借り入れをいたしまして、それを借りかえて三十年ということになると思います。
  91. 久保三郎

    ○久保委員 そこで海運局長にお尋ねするわけでありますが、外貿埠頭あるいはコンテナ埠頭、こういう形でつくるというのは、これは当然時代の要請でもあるし、そうせねばならぬということであります。しかしいままでお話のあったように、船会社専用貸しを受けるという特権がございますから、それに対して資金的な、出資というか、そういうものがあってしかるべきだというのは、当然かと私は思う。ところが、先般もお話があったようでありますが、コンテナ船は来年の十月からという計画計画造船の中に織り込んでいる。かたがた、大体一ぱいの船で千個くらいのコンテナを用意せねばならぬ、この金もかなりのものであるということでありますが、そういうものを含めて、船会社の再建計画というのはたしか四十四年までですね、その間にこういう仕事をせねばならぬということでありますが、先般どなたかの質問に対して、再建計画を変更することは必要ないというような御答弁があったと記憶するのでありますが、再建計画としてはどういうことになるのか。
  92. 堀武夫

    ○堀(武)政府委員 再建整備期間というのは、先ほど先生おっしゃいましたように、五年間でございますので四十四年の中ごろで一応終わるわけでございます。そこで、先般の砂田先生の御質問でしたかは、五カ年間の再建計画を変更する必要はないかというふうに私は了解いたしましたものですから、そうしますと、コンテナが実際に運営されますのは来年の秋からでありますから、整備期間とダブるのは一年というふうに見たわけでございます。そうすると、その当初の一年の間でどのくらい赤字が出るかという問題でございます。それで長期的に見ればコンテナ船というものは十分採算の合う船でありますけれども、当初は思うような荷物がおそらくとれないのじゃないか。最初のイニシアル・コストももちろん高いわけでございますので、最初の一年というのはやはり相当赤字があるということを覚悟しなければならぬ。それでいろいろ船会社におきましては、最初の一年どれくらいの赤字が出るかということで見積もりをいたしておりますけれども、何ぶんにもアンノーン・ファクターが非常に多いわけでございますが、各社いろいろ見積もっておる様子を見ますと、ある社では六億といい、ある社では五億といい、あるいはある社では七億といい、それで最悪の場合を考えてみましても、まあ十億どまりではあるまいかというふうに考えたわけでありまして、そうしますと、六社で一年に六十億、こういうふうに考えたわけでございます。一方、六中核体の再建整備法に基づく償却の状況等を見ますと、六社につきましては償却不足額を全部解消済みでございまして、さらに会社によっては実施額に差異はありますけれども、再建整備法に基づく償却不足額以上の償却を行なっている。そういうことから見ますと、この六十億程度の赤字によって再建整備計画全体を変更するという必要はないのではないかということを先般申し上げたわけでございます。
  93. 久保三郎

    ○久保委員 そうしますと、六十億程度のものであるから再建計画全体を変更する必要はない。そうですね。そうしますと、もう一ぺん。しろうとで非常に間違って理解しているのかしれませんが、かなりいまのお話からいっても、船の建造、コンテナをつくる、あるいは埠頭公団に金を出していく、もちろんこれは形がちょっと変わっておるようでありますが、そういうようなこと、それから荷物が最初はそう集まらぬであろう、私もそう思っているのであります。そういう悪い条件があって、この計画が変更なくいけるものかどうか、非常に私は疑問に思っているんです。しかしあなたが責任ある立場から計画の変更がないと言うのは、もう一つ形を変えて言えば、全然心配はないというふうに——心配というと語弊があるかもしれないけれども、まあ心配はあるけれども、いままでの法律制度の中で変更を加えることはない、こういうことですね。
  94. 堀武夫

    ○堀(武)政府委員 私が申し上げましたのは、再建整備期間の最後の一年だけについて申し上げておるのでありまして、まあその一年は何とかしのげる、問題はそれ以後である、以後には問題はいろいろあります、こういうことを申し上げておるのであって、将来ずっとにわたって心配ないというようなことをいま申し上げておるのじゃございません。
  95. 久保三郎

    ○久保委員 一年間ダブりだから、その間はそれはそうでしょう。それくらいのことはがまんできますよ。ぬるい湯に入ったか、熱い湯に入ったかの違いでありますから。その時期を聞いているのじゃなくて、しろうとでありますから、先ほど断わったように、私が再建計画に狂いはないかと聞いているのは、そんなコンテナをつくったり、金を出したりたいへんでしょう、そう借金をなさるんでは——最近アラブとイスラエルの関係でタンカーなどは十倍以上の料金を取れるようになったが、長く続くわけではないし、これはたいへんでしょう。たいへんでしょうという意味をお尋ねしているのです。なるほど期間は一年ダブりだから心配ない、そんな答弁、と言っては失礼だが、そういう答弁はあんまりなさらんでください。質問をしているほうはそんなことを聞いているのじゃないのです。だから私ははっきり言って、そうだとするならば、その再建整備の期間が終わったあともまた心配だというのでは、それはちょっとおかしいのじゃないですか。日本の海運に対して政府の政策でめんどうを見るのは、これが最後だ——最後は二度あったのです。政府がこの前にやったのは中途はんぱなので、国会の審議もはぐれてしまってこれは流産になった。このときはこれは最後だといって、それでは足りないというので最後のものをやめにしてもう一ぺん出したのが、いまの再建整備の方策なんですね。だから、それは最後なんです。国民はだれでも知っている。最後といったらこれっきりなんです。事情の変更というなら、これは毎年変わってくるのでありますから、それはどうかと思う。私はきっちり言っておくが、再建計画の中で十分これは織り込んでやらなければいかぬということです。そういう努力をしなければいかぬ。一年間ダブるなら、その間は熱い湯に入ったと思ってじっとがまんして、その次の年から水でもうめてもらおうじゃないか、そういうような思想があるとすれば、これはとんでもない話である。それからもう一つ、たとえばコンテナをつくるにしても、船会社だけの責任というか、そういうことでやる必要は私はないと思う。むしろ第二次的に利益を受けるところの荷主、そういうものがまず第一にやる。船会社に金を貸して、あるいは保険をかけておいて利益を得られるようなものが、これをカバーしていくというのは当然であります。そういうものを度外視して、船会社の直截的な形からそれを何とかめんどうを見なければならぬというのは、およそ意味のない話である。そういう努力をした結果どうなるか、そのときに初めて国民的な立場に立ってものごとを判断していく、そう思うが、いかがですか。
  96. 堀武夫

    ○堀(武)政府委員 先ほど再建整備計画を変更する必要はないかという御質問でございましたので、再建整備計画は五年間というふうに私は観念しておるものだから、ああいう答弁をしたわけであります。将来の問題につきましては、このコンテナ船自体が長期に見て採算に乗るか乗らないかということについてお答えをすれば、このコンテナ船に関連してのこの問題についての答えになる。その他の要素にかかわらず、これは海運市況なり今後の助成策がどうなるか、いろいろな問題が関連してくるわけでありますが、これはこのコンテナ船をやるやらないにかかわらず問題でありますので、これは一応別にいたしまして、コンテナ船自体の採算ということを見ますと、前にもお答えをいたしましたように、最初の五年間くらいはおそらく赤字である。それで六年目くらいから漸次黒字に転じてくる、そして累積赤字を消すのは九年目くらいからになりはしないかという試算を一応いたして、いろいろな前提を置いてやっておるのでございますが、十年間の平均コストというものを試算をいたしてみますと、約三十ドル弱ということになりますが、当初の五年間は、最初の年なんかは七十六ドルぐらいに、二年度は五十ドルぐらいにというふうになりまして、大体五年目にようやく二十八ドルぐらいにコストとしては下がる、こういうふうに見ておるわけでございます。現在の運賃は平均三十ドルぐらいでございますので、大体五年目に二十八ドルになればその線を下回る、こういうことでございます。こういう点から考えますと、長期的に見れば、ほかに特別な事情がなければ採算に乗ってくるだろうということは言い得ると思うのです。もちろん世界海運というものはいろいろな要素によって左右されておりますので、この再建整備期間後の政府の助成策というものをどうしていくかということも、大きな要素になってくると思います。
  97. 久保三郎

    ○久保委員 時間もありませんので、局長、いまの試算されに資料があるでしょうから、これはあとで参考のために見せていただきたい、こう思っております。  そこで次にお尋ねしたいのは、やはり海運局長にお尋ねしましょう。経済発展計画の中では、計画造船によって船腹の拡充をするということになっていると思うのです。ついては、その中には、先ほど来御説明があった六隻のコンテナ船、これは定期船の範疇に属するものでありましょうが、そういう計画は全部経済発展計画の中で織り込み済みであるのかどうか、いかがですか。
  98. 堀武夫

    ○堀(武)政府委員 織り込んで考えております。
  99. 久保三郎

    ○久保委員 そうしますと、定期船の総体の計画は幾らでありますか。
  100. 堀武夫

    ○堀(武)政府委員 経済社会発展計画によりますと、四十六年度までに約九百万トンの船舶の建造をすることになっておりますが、その中で定期船といたしましては約百五十万トンの予定になっております。
  101. 久保三郎

    ○久保委員 ちょっと説明が中途ですね。まだあるんですね。
  102. 堀武夫

    ○堀(武)政府委員 ただいま申し上げました定期船の百五十万トンのうち、コンテナ船は三十六万トンぐらいを予定いたしております。
  103. 久保三郎

    ○久保委員 コンテナ船が三十六万トン、そうしますと、差し引き定期船は百十四万トンですね。これは百十四万トンに計算していいんですか。
  104. 堀武夫

    ○堀(武)政府委員 定期船全体を百五十万トンと見ておりますから、そのとおりでございます。
  105. 久保三郎

    ○久保委員 それで、ことしの定期船は何万トンやっているんですか。
  106. 堀武夫

    ○堀(武)政府委員 十九万トンだと思います。
  107. 久保三郎

    ○久保委員 そのコンテナ船が幾つでした、いま船台に上がろうとしているやつは。
  108. 堀武夫

    ○堀(武)政府委員 二十三次船では六隻の十万トンでございます。
  109. 久保三郎

    ○久保委員 そうしますと、定期船の計画というのは年次計画に割ってみると、ちょっと足りないようですね。そうでしょう。百十四万トンでありますから、いまのお話では少ないじゃないですか。それはそれでいいんですか——いいんですかというとおかしいが、そういうふうに少な目にしたのはいかなる理由。それから、コンテナというのは、あとから押し込んで差っ引きした形跡があるようですけれども——形跡というか、そうじゃなかろうかというふうにも思うのであって、しかもコンテナの分野というものと一般定期船との間のシェアの問題が確立していないんじゃないか。確立というのは、びっしりとでなくても、およその展望もはっきりしないのじゃないかというふうにも思うのですけれども、それはきっちりきめて、この期間中にはコンテナは六隻である、こういうふうにきちんときめた、あるいは、それを含めて定期船は百五十万トンときめた、そこらのところが私は問題じゃないかと思うのですがね。これは予想でありますからびしっとはいかないと思うのでありますが、どうもいまは目がさめるとコンテナ、眠るときにもコンテナというようなことで海運界を取り巻いているのじゃなかろうかと思うのです。そういう際には、言うならば、いろいろな資料も拝見いたしますが、大体定期船のうち相当部分がコンテナで、みんなコンテナらしくひっくるめてしまうというふうに予想している向きが私は多いと思うのです。それは貨物のロットの問題も関係してきましょうから、八・八・二〇のコンテナでそんなにうまくこの全部が——全部といってはおかしいが、予想するとおりにいくという見方も非常に危険じゃなかろうかというふうに思うのであります。だから、定期船のほうにいままでの予想どおり食い込みが可能であるというならば、かなり定期船のほうは控え目にしていかなければならぬと思うのですが、そういう問題についてはどうなんですか。やはり私らが迷っているように迷いながらそろばんをはじいている段階なんですか、どうなんですか。
  110. 堀武夫

    ○堀(武)政府委員 仰せのとおり、百五十万トンつくるというペースから見ますと、二十三次船の十九万トンというのは非常に少ない率でございまして、今後相当なハイペースで定期船をつくるという勘定になるわけであります。  それで、いま先生いろいろ御疑問の点、いままでのこの計画をつくってきたいきさつ等につきまして、ずっとそれを担当してきております高林次長からその間の事情を御説明させたいと思います。
  111. 高林康一

    ○高林説明員 二十三次船で大体定期船につきましては、十九万トン程度を建造いたします。そのうち、先ほど申しましたように、約十万トンばかりがコンテナであり、その他が在来の定期船でございます。このように全体の経済社会発展計画におきまして、百五十万トンという定期船を大体勘定しております。年割りにいたしまして大体三十七、八万トン、これは社会経済発展計画は建造ペースでは四カ年になりますが、大体年割りにいたしまして三十七、八万トンという建造が必要でございますけれども、この点二十三次船におきまして比較的少なかったのは、確かに先生御指摘のございましたように、コンテナ化というものに対します在来定期船の影響というものにつきましては、やはり各海運会社におきましてもかなり判断が困難であった点が多かった。そういう点で、二十三次船に在来定期船を希望いたしましたものは、わりに少なかったということは事実でございます。  そこで今後のコンテナ化の伸展に伴いまして、在来定期船がどの程度に必要になるか、あるいは不必要になるかという問題でございますけれども、全体といたしまして、日本の輸出量のうちでコンテナの対象になりますところのものが、先ほど御説明がありましたように、欧州、豪州、それから北米太平洋、大西洋、この四航路でございます。この四つの航路の持つ比重というものは、日本の定期航路の中では四十数%でございます。したがって、五〇%以上のものはコンテナの対象にならない、在来の定期船によって運ばざるを得ないというふうに考えられるわけでございます。  それから経済社会発展計画におきましては、四十五年度目標でございますので、その間四十五年度までにおきましてのコンテナ化率というものは、必ずしもそう大きくないというふうにも想定され、われわれとしてはコンテナ適合貨物の大体五〇%程度というようなものが、その年度までにコンテナ専用船に載せられるというふうに考えております。そういうようなことで、経済社会発展計画におきましては大体二十隻のコンテナ船というものを考えたわけでございます。  そこで、全体といたしまして、先ほど申しましたように、輸出貨物の半分以上が在来定期船によるところの輸送である。それからコンテナ化率は、四十五年度の時点におきましては、航路によって若干の違いはございますけれども、ほぼ五〇ないし六〇%であるということにいたしますと、在来定期船というものはやはり今後とも相当程度建造せざるを得ないというふうに考えております。それを考えに織り込みましたものが、大体百五十万トンからコンテナ船を引きましたところのものでございます。したがって大体百十万トン程度の在来定期船というものを建造する必要があるというふうに、われわれ経済社会発展計画において想定いたしましたとおりに、現在も一応は考えておるわけであります。ただ二十三次船は非常に少なかったために、今後はさらに在来定期船の建造を相当大幅に進めていく必要があるだろうというふうに、二十四次以後においてはこれを実施していくつもりでございます。
  112. 久保三郎

    ○久保委員 確かな資料も持っておりませんから一応御意見として承っておきたいと思うのであります。ついては港湾局長にお尋ねしますが、いまのお話では、さしあたりは六ぱいのコンテナ、外国というかアメリカからどの程度のものが来るかというと、いま予定されているものはマトソンのものだけでありますから、これは将来は、いまの次長の説明ではコンテナは二十ぱいですね。二十ぱいを予想して、欧州航路、豪州航路、いろいろありましょうが、そういうところを含んでの二十ぱいだと思うのであります。そうした場合にいま法案審議中でありますこのコンテナのバースの数というか、そういうものは将来計画の二十ぱいとどういう関係があるのか、いかがですか。
  113. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 先ほど申し上げました二十隻というのは、経済社会発展計画の期間での数字だと思います。私ども考えておりますのは、昭和五十年までの計画で十一バースになります。したがいまして、船隊としてウイークリー・サービスをするためには日本−北米太平洋航路で四隻、それから大西洋航路で七隻が一船隊でウイークリー・サービスができることになっておりますので、私ども計画としては、昭和四十七年までに太平洋航路が三船隊、すなわち三バース・それから大西洋航路が同じように三船隊で三バース、それから欧州と豪州が一バースずつで八バースでございます。これを昭和四十七年までの計画といたしまして、その後コンテナ化が進む分といたしまして三バースを考えまして、京浜、阪神おのおの十一バースを予定しておるわけでございます。
  114. 久保三郎

    ○久保委員 それは十分海運政策というか、その中へ織り込み済みであるということでございますか。
  115. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 ただいまの予定は、海運造船合理化審議会のコンテナ部会が答申をしたものによったものでございます。
  116. 久保三郎

    ○久保委員 そうしますと、これは十分織り込み済みで、過大でも過小でもない、こういうふうにとってよろしいですか。
  117. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 先ほども申し上げましたように、コンテナ部会で船会社荷主その他を集めました結論でございますので、現段階では一番信頼し得る。またよるべき筋であると思います。
  118. 久保三郎

    ○久保委員 外貿のほうはどうなんですか。やはり同じですか。そういう理屈でというか、計算できめたというふうに思ってよろしいですか。——そうしますと、昭和五十年で大体一ぱいになるという計算ですか。いわゆるコンテナも外貿もそのバース利用は一ぱいというか、フル運転というか、フル利用、そういうことになる計算でお考えなんでありましょうか。当分の間、七十年くらいまでは続きそうだというような予想でありますか、どっちなんですか。
  119. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 五十年以降を想定いたしますと、コンテナについては先ほど申し上げたとおりでございますが、一般外貿埠頭につきましては、京浜、阪神、両方合わせまして、公団がつくるバースが五十二バースでございますが、そのほかにさらに一般のオープンのバースといたしまして六十二バースが要るほどの貨物量になるわけでございまして、では、なぜ二十六バースだけを専用方式にしたかと申しますと、これは先ほど申し上げましたように、船会社一つの港に月に十ぱい以上配船する船会社は専用するほうが有利である、こういうことから二十六という数字を想定したわけでございます。したがいまして、五十年になればさらに建設を進めなければならないということになるわけであります。
  120. 久保三郎

    ○久保委員 そうしますと、この御提案なさっている公団というものは、今日の時点では将来長きにわたって専用埠頭というかそういうものを構築して、船会社専用貸しをしていくということになるわけですね。——しかしそれは今日提案されているのでありますからそのとおりでけっこうだと思うのでありますが、これは運輸大臣にお尋ねしたほうがよろしいかと思うのでありますが、問題は港湾を中心というか、輸送全体が新しい時代を迎えて急転回をしているわけなのであります。そこでわれわれ審議する立場としては、この公団というものはさしあたって港湾の機能を近代化に合わせていくというために考案された仕組みであって、大きく変わるであろう、また変わらなければいかぬと思うのでありますが、変わるであろう港湾という全体の機能あるいは仕組み、そういうものの中で埠頭公団というか、そういうものが新しい分野を担当するものであるという位置づけではないと思うのですね。そういう態度で私どもはいままで提案の説明も聞いているわけなのでありますが、それはそうとってよろしいか。
  121. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 ただいま申し上げましたのは、五十年まででこれらの施設は能力が一ぱいになるということでございまして、その過程において、建設の問題はそうでございますが、港湾管理の問題、さらに埠頭の効率化の問題、いろいろの問題をわれわれはかかえておるわけでございます。したがいまして、私どもは将来港湾管理の問題が——いま広域港湾の構想ということで港湾審議会にも諮問されている段階でございますので、将来ロンドンとかニューヨークのようなポートオーソリティーという形が港湾管理の方式としてとられまして、港湾管理がその中に吸収されていくという事態になれば、五十年から先になれば、公団ではなしにポートオーソリティー自身が、専用方式あるいは優先使用方式というような方式で埠頭建設して提供していくという姿も考えられるわけでございます。
  122. 久保三郎

    ○久保委員 そういう考え方も一つあると思うのですが、私は暫定の措置だといま思っているわけです。公団によって専用埠頭をつくって貸し与えるという方式は、さしあたりの方式として是認されねばならぬが、将来の長きにわたってそういうものがあっていいのかどうか、そういう方式がいいのかどうかというと、これはかなり問題が出てくると思うのです。問題の一つとして、これはあとからどなたからかまた質問があると思うのですが、港湾管理の問題が一つあるわけです。港湾管理のあり方についても、広域港湾の機能も要求されている今日、狭い観点に立ったところの港湾管理のあり方についても、これまた考えねばならぬ。  それからもう一つは、専用貸しというようなものが重点なのかどうか。それからさっき野間君からも話があったが、コンテナ中心にものを考えれば、いわゆる国際連帯運輸の問題が出てくる。ところが船舶によるところの輸送、船荷証券一つをとっても、これはなかなか問題がある。それに倉庫が出てくれば、倉荷証券の問題も出てくる。そうすると、単にわが国だけの制度の上でこれはやれない問題です。それからもう一つは、運賃を中心にして考えた場合には、通し運賃のあり方について、それをいわゆる精算割賦するというような制度もあわせて考えていかなければならぬ。それはだれが担当し、どういう仕組みでやるべきか、これもあるわけです。それから港湾の機能自身からいっても、いままでは港湾というものは海陸の結節点といって、節を結ぶ点だったが、今度は、これは節でないのです。いうならば単なる停車場だ。だから、そこで問題はまた多面化するというか、大きく変化してくるわけですね。極端に言えば山奥の税関のほうのあれを受けて、コンテナに積み込んで、貨車なら貨車で港へ持ってくる。港ではそれをクレーンで船の中に入れて、同じような方式を向こうでやるというようなことで、極端に言えば、そういうふうに発展するかどうか私にもよくわかりませんけれども、そうなった場合には、やはり港湾の問題というのは、単に港という機能だけでは律し得られない事態がきはしないか。その中でありますから、いわゆるコンテナ埠頭、外貿埠頭も全体の中での問題として処理することが一番いい。だからわれわれとしては、いま提案されているものは当面の措置として考えていくべきではないか、こういうふうに思っているわけなんでありますが、それでよろしいかどうか。
  123. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 その暫定ということばが非常にむずかしいことばでございますが、現在この港湾の管理につきましては、わが国が必ずしも進んでいない、むしろいろいろな面でおくれていると申しますか、港湾自体が非常に進んできているという問題がございます。  それから輸送は、いまお話がございましたように、コンテナを中心にしていろいろな意味で一貫輸送という形、ユニット化という形に進んできております。したがいまして、港湾全体が変革期にある。こういう意味では、私どもは決してこの公団が将来もこういう姿でいいのだ、日本の港湾管理もまたいまの姿でいいのだということは考えておりません。そういうものが理想的な姿に移っていく一つ段階ではないか。またコンテナにつきましても、ロンドンのPOのプレジデントも、コンテナ化というものは、複合輸送、一貫輸送に初めて使命があるけれども、それができるまででも、港湾荷役が合理化されるという意味でも、それをとりあえずやる意味があるということを言っておりますが、そういうふうに方向として間違っていない限りにおいては、現在の輸送需要に対応するために、とりあえず、こういう方法をとった、将来はそれを、全体を見た合理的な姿の中で新しい港湾管理の体制の中に吸収していきたい、そういうことを考えているわけでございまして、そういう意味からは暫定的ということが適切であるかもしれません。
  124. 久保三郎

    ○久保委員 時間がございませんから、先にいきましょう。  それでは海運局長にお尋ねしますが、郵船とマトソンとの結合はお認めになって、郵船に対してはコンテナ船一隻を二十三次計画造船の中へ織り込ませるということでありますが、将来も外国の船会社と日本の船会社が結合することは問題はございませんか。
  125. 堀武夫

    ○堀(武)政府委員 郵船とマトソンの契約といいますか、それは六カ年契約ということで進んでおりますが、これがアメリカのFMCにファイルする、そこでいろいろ問題になっておりまして、二カ年までだったら問題はないということで、いまその間の調整が行なわれているということでございます。将来ずっとこういう外国の船会社と一緒に組んでやることがいいかどうか、これはもういろいろ問題があると思います。それで一応二カ年になるか三カ年になるかわかりませんが、その契約の更改時にもう一度振り返ってよく考えてみるということが必要ではないかと思います。しかしとりあえずのすべり出しといたしましては、そういう経験のある相手方からいろいろ学ぶべきことが多いだろうと思います。そういう点では、最初にそういう外国の船会社と組むということは、有利な点も相当あるということから、このマトソンと郵船との契約というものは認めていきたいというふうに考えております。しかし将来ずっとにわたって続けていくべきかどうかについては、契約の更改時にもう一度再検討したほうがいいというふうに考えているわけでございます。
  126. 久保三郎

    ○久保委員 いまのお話は、これからのことでありますからそう了解しておきましょう、ここで論争しても別にどうということはございませんから。ただ問題は、海運会社は、特に国際的な舞台で競争をする、その根っこは国民的なサポートがあって初めてやっていることでありますから、資本の自由化はわが政府が歓迎してやるようでありますが、これはこれなりに意味がありますが、問題は、やはり国民的な利益というものを最終的には計算しておかなければなりません。排他的であってはなりませんが、そういう計算が明確に出されねばいかぬと私は思っております。そういう観点からひとつやってもらいたい、こういうふうに思います。  それからもう一つは、簡単なことでありますが、コンテナになると運賃は安くなりますか。
  127. 堀武夫

    ○堀(武)政府委員 太平洋同盟におきまして、コンテナ運賃はとりあえずは現行のままにするということをきめておるようであります。先ほども申し上げましたように、長期に見ますとコストは下がるのでありますから、当然将来といたしましては運賃は下がっていくということになるだろうと思います。しかし、いろいろな投資額も多いことではありますし、荷物の集まりぐあいも当初から思ったようにはいかないように思います。当初はコスト高になるという関係もございますので、さしあたって、現行運賃ということでスタートするのはやむを得ないのではないかというふうに考えております。
  128. 久保三郎

    ○久保委員 運賃その他について試算はいたしておるのでしょうね。
  129. 堀武夫

    ○堀(武)政府委員 コンテナ輸送については、世界においても本格的になってからまだ一年ぐらいでございますので、いろいろアンノーン・ファクターというのが多うございますが、一応先ほど申しました運賃の試算というものはいたしておるわけでございます。それで十年平均の運賃コストというものをとりますと、日本−北米太平洋岸で先ほど申しました二十九ドル強、約三十ドルということになります。一年目からずっといきますと、五年目ぐらいで二十八ドルというところまで下がりまして、以後さらに安くなりまして二十一ドルぐらいのところまでコストダウンができるという試算をいたしております。
  130. 久保三郎

    ○久保委員 それから、六はいのコンテナ船はさしあたり北米航路に配置される。北米航路については定期船の、特にニューヨーク航路ですか、集約の段階で、名前を忘れたが、あれとの関係はどうなりますか。
  131. 高林康一

    ○高林説明員 現在六隻の配船を考えておりますのは、北米太平洋岸航路についてでございます。いま先生御指摘になりましたニューヨーク航路の運営を合理化いたしますためにニューヨーク航路運営会社一般にナイラックと呼んでおるのですが、これは北米大西洋岸航路につきまして配船数その他の調整をいろいろやっておるということでございます。直接、太平洋岸のいまの配船の問題とは関連ございません。ただ北米全体といたしまして、大西洋岸と太平洋岸がそれぞれ関連するところがございますので、実質的な関連は今後出てくるかと考えます。
  132. 久保三郎

    ○久保委員 将来は結局、ニューヨーク航路は配船会社の仕組みに関係してくるわけですね。それはまだ検討しておりませんか。
  133. 高林康一

    ○高林説明員 太平洋津と大西洋岸につきまして、現在は太平洋岸のコンテナ化が非常に早いということでやっておりますが、大西洋岸につきましてはまだ若干コンテナ化の時期がおくれるということでございまして、直接いまの問題は検討しておりませんが、当然検討しなければならない問題が今後の時点において生じてくるだろうというふうに考えております。
  134. 久保三郎

    ○久保委員 マトソンはことしの秋コンテナを持ってくるそうでありますね。そうした場合には、日本内陸におけるところの輸送はどういうふうに考えていいのでしょうね。御存じでありますればお話しいただきたい。
  135. 堀武夫

    ○堀(武)政府委員 内陸輸送につきましては、郵船と日通との出資によりますところの日本コンテナ輸送会社というのができておりますが、これが当たるという構想で準備を進めておるようでございます。
  136. 久保三郎

    ○久保委員 港湾局長、この間もたしかその問題を問題にした方がいると思うのであります。日通や三菱倉庫、それに郵船が入って、いわゆるコンテナターミナルにおけるところの作業を含めて、いま海運局長からお話があったような仕事をする会社を設立するということであります。そこでお聞きしたいのは、港湾運送事業との関係はどうなるか。当然この新しい会社港湾運送事業をやるだろう、やらなければならないというふうに思うのです。将来港湾運送事業の近代化によって、たとえばコンテナ輸送というのは無理でも非でも荷物の荷姿が変わってきておるのでありますから、港湾運送事業の質の転換、量の転換は当然あるわけですね。そのほかに今度は、そういう新しい会社ができれば、既設の港湾運送事業者の勢力というか、自分仕事範囲が狭められる。二つの面から港湾運送事業は、いわゆる波をかぶるわけです。一方、あなたのほうでは、港湾運送事業の集約を中心とする近代化をいまやろうとしておる。これは必ずしも一致しない面が相当あると思うのです。ついては、これに対して統一的な政策のもとにやってもらいたいと私は思うのですが、それは確立していないのですね。いまの会社ができたなんということは、どうなんでしょう。
  137. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 港湾全体をいま運送事業の面で集約しようとしておるやさきにコンテナの問題が出てまいったわけでございますが、この三菱と郵船との会社は、三菱自身がもともと郵船系のステベをやっておったという関係から、そういう系列の会社をつくってコンテナの港湾運送をやりたいということであります。それから日通と郵船とは、これは内陸の通運事業でございますから、私のほうの問題ではないわけでございます。当面、マトソンと郵船が組んでコンテナ化を始めるにあたりまして、コンテナターミナルの運営にはストラッドルキャリアその他相当な投資が要るわけで、三菱がステベとして自分だけでそういう設備ができないという関係で新しい会社をつくったと思いますが、もともと三菱自身が港湾運送をやっておるわけでございますし、私どもとしてはこの三菱が中心になって一貫直営体制でコンテナヤードは運営するようにということを要望しておりますので、港湾運送の範囲としてやれることは間違いないわけでございます。なお、ほかのグループがやはり同じように新しい会社をつくるということは聞いておりませんが、おのおの系列のステベを中心にしてヤードを一貫直営で作業ができるように準備を進めていると聞いております。
  138. 久保三郎

    ○久保委員 いずれにしてもこれは非常に大きな問題で、とりようによれば、港湾労働者も含めて近代化の犠牲にならざるを得ないというようにも見られるわけであります。もちろんそういう犠牲者にするということではなくて、新しい転換の道を考えるべきだと思うのでありますが、 ついては、労働省おいでになっておりますね。いままで御存じのとおり、港湾労働法ができている今日でありますが、必ずしもうまくいってない。それから労働者の数も減少の傾向にあるとはいうものの、実際は職安の窓口において雇い入れをする者がなくて、昔ながらに手配師によって街頭から集めてくるということも今日あるわけです。そういう複雑な要素のある中で、いうならば港湾労働の質の転換を急がねばならぬ、こういうことなんですね。これに対して労働省はどんな政策を持っておやりになりますか。
  139. 保科真一

    ○保科説明員 港湾労働法につきましては、御承知のように昨年の七月一日から六大港につきまして施行されておるわけでございます。先生御指摘のように、労働条件の問題あるいは登録日雇い労働者の就労日数の問題、直接使用の規制等の問題につきまして、問題が残されております。昨年の十一月、総理府に設置されております港湾調整審議会から建議をいただいております。その港湾調整審議会の建議に基づきまして、労働省といたしましては求人条件の問題、直接使用の規制の問題、この二つに重点を置いて今後対処してまいりたいと思います。  直接使用規制の問題につきましては、何ぶんとも荷役調整の問題もございます。それから業界のほうで自主的な体制で対処していただくというようなことも必要でございますが、十分運輸省とも御協議し、業界、組合とも話し合いまして、直接使用の規制という問題に対して段階的、計画的に縮小し、今後手配師を通ずるような雇用がないように持っていきたいというふうに存じております。
  140. 久保三郎

    ○久保委員 こういう事態になっても、特殊な条件があるのか知りませんが、軌道に乗ってこぬということは非常に残念だと思います。ついては実態調査を含めて、あなたのほうと運輸省で共同作業を一ぺんしてもらったらどうかというふうに私は考えています。総理府の中にある審議会も大事でありますが、実務を扱うところの両省において即刻統一的な作業をしてもらいたい、こう思うのですが、これは港湾局長に聞いたほうがいいのかな。
  141. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 港湾労働法の施行につきましては、ただいまお話がございましたように、私ども労働省と十分現実の調査をいたしまして指導していきたいと思うのでございますが、同時に港湾運送事業者も労務者の確保また労務者の福祉ということを重点に置いて集約の問題を考えておりますので、私どもの行政指導と業界の自覚によって、いま先生の御指摘のような点は改善していきたいと思います。
  142. 久保三郎

    ○久保委員 大臣一つお願いしておきたいのですがね。この法案は遠からず通っていくだろうと思いますが、法案が通る通らぬにかかわらず、事態は先ほど申し上げたとおりだと思う。港湾労働法もできていろいろおやりでありますが、なかなかその面だけでも軌道に乗らぬ。ましてや、との集約化も非常にむずかしい段階にきている。そこでさっき言ったように、事業者も港湾労働者も、見ようによっては置いてきぼりを食うのじゃないかというようにわれわれは心配しておるのです。ついては、これは国会でも終わらなければどうかと思うのですが、終わったら労働省もまじえて統一的な調査を含めた政策を実行して、万遺漏なきように本問題を処理してもらいたい、こういうふうに思うのですが、どうでしょう。
  143. 大橋武夫

    大橋国務大臣 港湾労働法が提案されましたのは、私労働大臣を退任したあとなんでございますが、これが港湾調整審議会から答申されました当時、私労働大臣に在職いたしておりました。したがって、法案の立案につきましてもある程度関係いたしたのでございますが、今度はまた運輸大臣立場でこの問題に携わらなければならなくなりましたのは、ひとつの因縁だと思います。こうした機会に、御趣旨のような線で十分両省協議、協調して、港湾労働法の趣旨を完全に生かしながら、港湾運送事業の将来の発展を期するようにいたしたいと存じます。
  144. 久保三郎

    ○久保委員 労働省も、あなたがここでうんとは言えないでしょうね。だからお帰りになって、運輸大臣からそういう御答弁がありましたから、労働大臣にお伝えいただいて、しかしあなたが実際の仕事をおやりのようですから、よろしくお願いします。時間もありませんのであまりいろいろお尋ねができませんが、ひとつやってください。あとでどうやったかはもちろん見ることになっていますから、お忘れなく……。  そこで、もう時間ですが、問題はいろいろございますけれども、先ほど来申し上げたように、これが決定版ではないというふうに私は思うわけであります。今後、港湾行政全体について——これは運輸省が中心かどこが中心かわかりませんけれども、やはり運輸省が中心でしょう。港湾行政のあり方について、もう一ぺん全体的な立場でひとつ検討をしてもらいたい、こういうふうに思います。  一応この程度で終わります。
  145. 進藤一馬

    進藤委員長代理 次会は明十二日水曜日、午前十時より理事会、午前十時二十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時十七分散会