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1967-07-04 第55回国会 衆議院 運輸委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年七月四日(火曜日)    午前十時三十九分開議  出席委員    委員長 内藤  隆君    理事 大久保武雄君 理事 進藤 一馬君    理事 古川 丈吉君 理事 細田 吉藏君    理事 井岡 大治君 理事 久保 三郎君    理事 河村  勝君       阿部 喜元君    小渕 恵三君       大竹 太郎君    木部 佳昭君       徳安 實藏君    砂田 重民君       板川 正吾君    小川 三男君       神門至馬夫君    内藤 良平君       野間千代三君    米田 東吾君       渡辺 芳男君    永江 一夫君       松本 忠助君  出席政府委員         通商産業省通商         局長      山崎 隆造君         運輸省海運局長 堀  武夫君         運輸省港湾局長 佐藤  肇君  委員外出席者         自治省行政局行         政課長     林  忠雄君         専  門  員 小西 真一君     ————————————— 七月四日  委員堀川恭平君及び山下榮二君辞任につき、そ  の補欠として砂田重民君及び永江一夫君が議長  の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  外貿埠頭公団法案内閣提出第一〇三号)      ————◇—————
  2. 内藤隆

    内藤委員長 これより会議を開きます。  外貿埠頭公団法案を議題とし、審査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。砂田重民君。
  3. 砂田重民

    砂田委員 この公団でやろうとしておられる仕事が、海上輸送の革命とまでいわれる大問題でございまして、関連する事態がたくさんあると思います。どうも法律を読んだだけでは不明確な点もあり、役所側でまたいろいろ準備を進めておられる点もあろうかと思いますので、若干の質問をいたします。  まず、海運局長からお答えをいただきたいと思うのですが、各国コンテナ輸送体制整備状態について、どうも大西洋航路のほうが先に進んでいるのじゃないかと思う。実際大西洋航路では、アメリカ側コンテナ輸送体制というものがヨーロッパよりも先に進んでいたので、ヨーロッパのある国では、準備がおくれて、そのためにどこかの国の定期船が手をあげてしまったというような事態が最近報道されておりますが、そういうアメリカヨーロッパ海運側でのコンテナ輸送体制というものがどういうふうになっているか、概略お答えいただきたい。
  4. 堀武夫

    ○堀(武)政府委員 ちょうどお手元に「海上コンテナ輸送について」という資料をお配りをいたしておりますが、この一ページに、「世界国際海上コンテナ輸送発展」という項がございます。ここにいま先生のお尋ねになりましたことを大体書いております。  概略を申し上げますと、このコンテナ輸送なるものは、いまから十年ぐらい前からアメリカ国内沿岸輸送用に発達をしてきておるもので、国際海上輸送に進出をしてまいりましたのは、近々昨年の春ぐらいからでございます。この資料にも書いておりますように、昨年の四月に米国シーランド社コンテナ船フェアランド号ニューヨークからロッテルダムに向かった、これがいわゆる国際コンテナ時代というものの草分けになるであろうということでございまして、以来一年余り経過した今日、このシーランド社の四隻の構成によるコンテナ輸送船隊は、大西洋航路において着実にその地歩を築きつつあるわけであります。  アメリカにおきましては、このシーランド社のみならず、ムーア・マコーマック・ラインズ及びUSラインズというものも、これはフルコンテナではございませんけれども、セミコンテナ船というものによって輸送を開始をしておるという状態でございます。さらに昨年の十月にはAEIL社コンテナ部門であるところのコンテナ・マリン・ラインズが大型コンテナ船を二隻、大西洋航路に就航させております。  米国がこのコンテナの先鞭をつけて一番いま進んでおるわけでございますが、これを各国も注目いたしまして、欧州におきましてもこれにおくれをとってはならないということで、いろいろな準備をし、また一部コンテナ輸送を開始いたしております。  欧州におきましては、海運業者が共同いたしまして、いわゆるACL、アトランティック・コンテナラインズというものを結成いたしまして、同航路コンテナ輸送に備えつつあるそうであります。このACLと申しますのは、最初はスエーデンの海運会社三社とオランダの海運会社一社からなっておったのでありますが、その後フレンチ・ラインも加わり、さらに英国キュナード社も参加をいたしておりまして、ここに国境を越えたグループを形成することとなっておるのでございます。そして本年の九月には、四はいの特徴あるコンテナ船の竣工を予定いたしまして、すでに計画されているものを含めますと、十ぱいのコンテナ船が活躍する大規模なグループとなる予想でございます。  それから、さらに英国豪州、この間のコンテナ船でございますが、これには英国PアンドO社を含めた英国定期船会社四社共同して、OCL、オーバーシーズ・コンテナ・リミテッドという会社をつくりまして、昭和四十四年の初めからコンテナ輸送を行なうという計画を進めておりまして、すでに大型コンテナ船を六ぱい欧州造船所に発注をいたしておるという状況でございます。  それから太平洋航路コンテナ輸送につきましては、御承知のように、英国マトソンがこの九月に改造型のコンテナ船を二隻投入をすることになっております。さらに、アメリカン・プレジデント・ラインズも、明年春には現在の二隻のセミコンテナ船フルコンテナ船に改造して就航させるということを発表しておるような状態でございます。  なお、こまかく申し上げますといろいろありますが、概略各国の情勢というものはいま申し上げましたような状態でございます。  日本側進捗状況でございますが、これもいま申し上げました資料の四ページに、ごく簡単でありますが、「わが国海上コンテナ輸送体制整備」というところに書いております。これを離れてわが国状況を簡単に申し上げますと、まず、いま申し上げましたような世界コンテナ輸送体制にかんがみまして、日本としてもおくれをとってはならないということで、政府といたしましても昨年の六月七日に、海運造船合理化審議会に、わが国海上コンテナ輸送体制整備についてどのようにやればいいかということにつきまして諮問をいたしております。そしてこの海運造船合理化審議会から九月十二日に答申が出ております。この答申もお手元にお配りをいたしております。この答申の線に沿いまして、いまいろいろの準備を進めておるわけでございます。  まず第一に、将来どのような航路コンテナ化するかという、いわゆる対象となる航路として想定をいたしておりますのは、まず日本北米太平洋岸航路であります。これが一番先に着手することになると思います。来年の秋ごろには日本船コンテナをここに就航させたいということでございます。第二の航路といたしましては、日本から北米大西洋岸航路でございます。それから第三の対象といたしましては、日本欧州間、第四の対象といたしましては、日本豪州、この四つのルートにつきましてコンテナ化というものを考えておるわけでございます。最初北米太平洋岸航路につきましては来年の秋一番先に実現をさせていく、あとの三つの航路につきましては四十四年以降あるいは四十五年、四十七年になるかと思いますが、そのような順序でコンテナ化実現をいたしたいという考え方を持っております。  さらに、次にこのコンテナ船隊整備計画でございますが、いま申しました北米太平洋岸には邦船コンテナ船として十隻を考えております。これは、いま申し上げます整備計画は四十三年から昭和四十七年までの整備計画でございます。それから北米大西洋岸航路につきましては、邦船十四隻、それから欧州航路につきましては三隻、豪州航路につきましては四隻、合計三十一隻のコンテナ船整備計画を考えております。  それで、さしあたり四十二年度におきましては、二十三次船といたしまして中核六社が各社一隻ずつ、計六隻のフルコンテナ船計画いたしております。それで、目下開銀で審査中でございます。  この船の要目を申しますと、一万七千総トンまたは一万八千総トンくらいの大きさの船でございまして、コンテナ積載個数は七百個ないし七百五十個積みでございます。それからスピードは二十二ノット、船価が二十億五千万円、または二十一億という要目でございます。この各船隊は、ウィークリー・サービスということを原則にしていま計画を立てております。  さしあたってやりますところの北米太平洋岸航路実現のためには、日本船会社グループの形成をやっております。その一つは大阪商船三井船舶と山下日本汽船一つグループ、それから川崎汽船とジャパンライン提携して、この二つグループがさしあたっては両者一緒になって一つグループを組んでということにいたしております。もう一つグループは、日本郵船が、米国マトソン提携することを前提にしまして昭和海運と提携をいたしまして一つグループを組んでおる。こういう船隊構成でやることになっております。  提携主要事項は、コンテナ共同使用、ヤードの共同使用配船調整グループ間の運賃プール、ターミナル・オペレーションの一元化、こういうようなことが提携の主要な目的になっております。寄港地はいずれも京浜、阪神、それからアメリカ側サンフランシスコ地区ロサンゼルス地区ということになっております。  大体、概略は以上のとおりであります。
  5. 砂田重民

    砂田委員 それでは港湾局長に伺いますが、やはりいま海運局長お話のように、太平洋航路がまずコンテナ体制が整えられていくであろう。アメリカにだけ限って御質問しておきますが、アメリカの各港、日本北米間のコンテナ輸送体制のために、アメリカ側の港の建設状態はどういう準備が進められているか。
  6. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 アメリカコンテナを一番最初に始めたわけでございまして、一番バースを多く持っているのはニューヨークでございますが、北太平洋岸におきましてはシアトル、それからオークランドロサンゼルスロングビーチ等が大体二バース程度バースをすでに持っているわけでございます。それを四十四年度ごろには、オークランドそれからロサンゼルス、サンディエゴ、ポートランド等、そういうものがさらに増設される計画を持って仕事をやっております。
  7. 砂田重民

    砂田委員 海運局長、そのコンテナ体制がそうやって四十三年度くらいから船ができていって、四十四年度くらいからそれを受け入れる港湾施設もできていくということですが、ずいぶんたくさんいろいろな問題が残されておると思うのです。たとえばアメリカから大きなコンテナ専用船日本コンテナ貨物がやってくる、それの内陸連絡輸送はどういうふうにやっていったらいいのか、また内航海運としてのコンテナというものも、まだ一向に準備も進められていない。いろいろなことを調査をしておられると思うのですが、あまり時間もありませんからまた機会があったら伺うことにして、内航船コンテナということを海運局としては検討しておられますか、積みかえて……。
  8. 堀武夫

    ○堀(武)政府委員 国内港湾において国内船に積みかえる、いわゆるフィーダーサービスといっておりますが、そういうものが将来必らず必要になってくることは当然考えられます。さしあたっては、国際海上コンテナ船の問題にいま気をとられておりまして、まずそれに目鼻をつけてから国内船の問題に力をいたしたい。もちろんそれは全然没却しておるわけでございませんが、国内コンテナ船についてはいろいろの方式——どういう形式がいいかという問題もございますし、地方港湾整備の問題もございます。それらの問題とも並行いたしまして検討していきたいと思います。
  9. 砂田重民

    砂田委員 せっかくコンテナで港まで来ていても、そこから国内内陸あるいは内港へのコンテナ輸送というものの体制がやはり一緒に確立されていかなければ、港にコンテナが積み上げられるだけだということであっては困るので、これは港湾局長も、内航のための港湾受け入れ体制等もあわせてひとつできるだけ早く検討して、何かの方向を確立していただきたい。これはひとつお願いをいたしておきます。  それから港湾局長に伺いますが、現在の外貿埠頭の絶対量が不足している。その一つの、われわれのよく目に見える事態ですが、たとえば横浜港、神戸港の入港船舶バース待ち状況は、一体どういう状況になっているか、どの程度まで不足しているのか。
  10. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 日本港湾におきましては、まだ神戸港、横浜港とも戦前バースのほうが、戦後建設されたものよりも多い。外国貿易量でいいますと、すでに戦前の三倍近くに伸びている、こういうことで非常に船込みが多いわけでありますが、四十年で申しますと、横浜港ではバース待ちをしたものは五%でございますが、その一隻当たりの待ち時間というのは四十一時間ということになっているわけであります。神戸港におきましては、バース待ちをしたのは、これは昭和四十年の記録でございますが二〇%でございまして、一隻平均が二十二時間、約一日のバース待ちをしている、こういう状態でございます。
  11. 砂田重民

    砂田委員 そういった状態が、この公団をつくって緊急に港湾外貿専用埠頭というものを建造していこう、こういう一つ根拠であろうかと思います。先般大臣から伺った提案理由の説明の中にも、公団というものをつくってこういった不足している外貿埠頭建設していく。まあ新規の公団公社事業団はつくらないんだという、そういった政府の原則的な考え方にもかかわらず、この新しい公団をつらなければならない、その事情根拠として、港湾管理者財政事情港湾施設専用使用、いままでの港湾法改正するだけではやれないという理論的な根拠も、やはりここらに政府としては置いておられように思うのですが、その港湾管理者財政事情というものを、今度取り上げられておる四つの港のどこでもいいですから、一つ例にあげて具体的に、どういうふうに苦しい財政事情にあるのか、たくさん時間をとられるとかえって困るので、簡潔にお答えをいただきたいと思うのです。特に港湾五カ年計画によって、相当な整備を急速にいままで何年かやってきて、これからもまだあと何年かやっていかなければならない、そういう港湾施設建設のためにいままでの港湾法による地元負担、この起債の元利償還がそろそろきているから非常に苦しい財政事情にあるのではないかと思うので、そういった数字がお手元でおわかりでしたら、ひとつお答えいただきたい。
  12. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 いま公団対象になっておる四港の集計で申し上げますと、昭和三十六年というのは非常に船込みがありまして、その後建設を促進してまいったわけでございます。三十六年の港湾事業というものは百九億であったわけでございますが、四十年度は百九十二億ということで七六%伸びたわけでございます。その場合の資金の内訳でございますが、使用料等収入は大体見合った数字で八八%の伸び、それから国庫支出金もやはり八八%伸びております。その他の財源として公債等収入でございますが、これが三・三五倍に伸びたわけでございます。したがいまして、その後元利償還並びに金利支払いがふえてまいりまして、この償還金利支払いで申しますと、昭和三十六年度はわずか九億円であったものが四十年には二十八億円、すなわち三倍にも伸びておるということでございます。さらにこれを企業会計方式で検討してまいりますと、経常経費で申しまして約三〇%が公債の利子の支払いになっている。そういうことで、赤字は三八%程度になるというように非常に悪化してまいったわけでございます。
  13. 砂田重民

    砂田委員 港湾管理者がたいへん大きな赤字をかかえて、それぞれの地方自治体一般会計から相当繰り入れをしていっている。その傾向はこれからまだ何年間か上昇していくだろうと思うのですが、この外貿埠頭公団をつくって、新たにつくるコンテナ埠頭外貿専用埠頭というものの建設費負担を、現在の港湾管理者公団に横すべりをさせてみても、それだけでは港湾管理者財政事情というものは別に変化はない。好転はしない。したがって、公団の問題は公団の問題として、港湾管理者赤字の問題というものをもう少しあなたのほうで検討なさらないと、港湾建設の五カ年計画事業すら、財政事情が許さないから返上しなければならないという港が出てくるのじゃないか。こういうおそれすらあるような状態でございますから、この公団の問題とはまた別にして、ひとつ港湾管理者財政赤字を克服する何らかの措置を研究していただきたい。ぜひ御検討いただきたい。  それから次に、港湾施設専用使用の問題ですが、確かに埠頭というものは専用使用すれば、それは効率的にいくに違いない。今日の状態はおそるべき非効率な扱い方をしておりますね。岸壁へ船が必ずしも着くものでもない。沖に泊まってしまうこともある。一番という岸壁にたとえ着いたとしても、貨物は二番という埠頭の上屋に入っておることがある。それを三番の埠頭へはしけの都合で持っていって、また一番の岸壁へ持ってきて船へ積み込むという、きわめて非効率的な仕事をしているわけです。これは専用化ができれば、これほど効率的なまた経済的な岸壁使用方法はないわけです。ただ、いままでの港湾法では専用埠頭が許されない。それでは港湾法改正すればできるじゃないか。これだけ公団公社というものに対していろいろな批判があるときに、何もわざわざ新しい公団をつくらなくても、港湾法改正でいけるのじゃないか、こういう議論もまたあるわけです。この点について港湾局長はどういうふうに考えておられますか。
  14. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 おっしゃるとおりでございまして、この問題はやはり港湾発展段階というものでとらえるよりしようがないのではないか。御承知のように、港湾法においては、国が補助をするかわりに、一般公衆の利用に供するという使用方法をとっておるわけでございます。これは、わが国の大多数の港におきましては、道路その他と同じような使用のしかたということで、日本開発に役立っておるのではないかと思いますが、横浜神戸のように港が大きくなってまいりました場合には、公物的な管理ということよりも、むしろ企業的な管理ということが必要になってくる。そうすれば国の補助金ということではなくて、借り入れ金その他によって財源をまかなうかわりに、これを専用使用させることによって相当多額の収入を取って資金を回転していく、こういう方法をとらざるを得ない時期に日本の港が到達したというように考えざるを得ないと思います。これは欧州アメリカの先進的な港ではすでに独立採算的な考えをとっておるわけでございます。先ほどお話がございましたように、日本の港の整備が立ちおくれておる、特に外国貿易の大きな港が立ちおくれておるということは、いままでのような公物的な港の建設では間に合わなくなったということを意味しているのではないか。そういう立場に立ちまして新たに、先ほどお話がございましたように公団等という政府関係機関を抑制されておるのでございますが、それ以外にこの問題を解決する方法がないので公団方式をとらしていただいたというわけでございます。
  15. 砂田重民

    砂田委員 そこのところ、もう一つ明快な御返事がいただけない。私自身で勉強してみても、これはもう一つ割り切れない点があるわけなんです。先ほどから伺っているようなコンテナ輸送、いわば黒船来、そういう異常事態に直面をしているときでありますだけに、現実問題として港湾管理者財政が許さない、また岸壁専用使用等の問題も、港湾法改正をしていくというような手直しだけではなかなか時期的にも間に合わない、そういうことでこれに踏み切られたのだというふうに私は理解をしております。  そこで一つ問題が出てくるのは、従来の港湾管理者との管理権の問題という非常に微妙な問題が新しく起こってくると思うのです。そこで伺っておきたいと思うのですが、港湾法四十八条の解釈であります。運輸大臣は、一般交通の利便の増進に資するため必要があると認めるときは、港湾管理者から開発に関する計画提出を求めることができる、こう書いてあるのですが、実際問題として、今度の公団対象になる四港に限っては、そういった港湾整備計画等について、運輸大臣港湾管理者からその計画提出を求めて、また港湾審議会令の第一条にあるように、審議会としての一つの任務でもありますから、審議会にかけておられるのか、いままでどういうふうに取り扱ってきておられるのか、それを伺っておきます。
  16. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 港湾法におきましては、港湾管理者という地方の自治体が港湾計画を立てるわけでございますが、重要港湾というのは、御承知のように、国の利害に重要な関係のある港でございます。したがいまして、運輸大臣といたしましては、重要港湾計画提出を求めまして、これを港湾審議会計画部会にはかりまして全国的な視野からこれを調整して、その意見を港湾管理者に送って変更を求めて、全国的に調整をした案を持っているわけでございます。したがいまして、この四十八条というものは、運輸省が全体の計画調整に適用していると同時に、この調整された計画に基づいて予算化もはかっております。港湾整備五カ年計画というようなものも作成しているわけでございます。
  17. 砂田重民

    砂田委員 この公団のやる仕事は、港湾の五カ年計画の中にあるものと理解してよろしゅうございますね。
  18. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 そのとおりでございます。ただ法律的に申し上げますと、これは港湾管理者の行なう計画ということになっておりまして、公団の行なう計画は入っておりませんので、この公団法の附則をもって、港湾整備緊急措置法の一部を改正することによって盛り込むわけでございますが、計画それ自体としては、管理者のやる計画の中に入っていたものでございます。
  19. 砂田重民

    砂田委員 この法律外貿埠頭公団法によって大臣公団指示をする基本計画と、港湾法による港湾計画との関係というものを、これはまあ同じようなことかもしれない、いま佐藤さんの答えられたのと同じようなことかもしれないけれども、観点を変えて、この法律大臣公団指示をする基本計画、それから港湾法によって港湾管理者が立てる港湾計画と、この関係はどういうふうになりますか。
  20. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 四十八条の第二項には、運輸大臣は前項の計画審査し、当該計画が全国の港湾開発のための国の計画に適合しているかどうかということを審査するということがございますが、そういうような意味で審査したあと計画は、国の計画とまさに適合したものであり、これを国の計画と考えても差しつかえない、こういう見解でございます。
  21. 砂田重民

    砂田委員 たいへんくどいようですが、もう一度念押しをしておきたいと思うのですが、いまのお話を伺っておりまして、こういうふうに理解をしてよろしいですか。外貿埠頭公団法の三十一条で、大臣基本計画を定める前に、あらかじめ港湾管理者協議をする、これが一つ。  それから第三十条で、公団は倉庫、事務所、店舗その他政令で定める施設をその外貿埠頭に隣接して造成し、管理するときは、あらかじめ港湾管理者協議しなければならぬ、そういうふうにきめられています。それが二つ目。  岸壁を貸しつけるときもまた港湾管理者にあらかじめ協議をする。それからその次に、その協議を受けた港湾管理者はその管理下港湾の総括的な開発計画運輸大臣提出するときには、公団がつくる埠頭計画も含めて提出するもの、こう理解をしてかまいませんか。  もう一つつけ加えましょう。管理者がこの公団に出資をする地方自治体の推薦する人を入れた、この法律にきめられた管理委員会で、公団運営上の基本的事項であるところの事業計画、予算、資金計画、決算、これを議決をする、こういう順序で理解をしてかまいませんか。
  22. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 ただいまお話がございましたように、基本計画というものは運輸大臣がきめるわけでございますが、先ほど申し上げましたような手続で運輸大臣の意思が通った計画というものが、四十八条で審査をすることによって確立されている。それらをさらに港湾管理者協議することによって明確にしていくということでございます。あと砂田先生がおっしゃられた手順で、そのとおりだと思います。  なおこの事業計画等について協議をするのは、出資者であります立場の代表者である地方公共団体の長の推薦する人を管理委員会に入れまして、出資者の立場というものをその管理委員会で明らかにしていただく、こういうつもりでございます。
  23. 砂田重民

    砂田委員 この公団の行なっていく事業と、それから港湾管理者がいままで持ってきた港湾管理権というものは、非常に微妙なものがいろいろと出てくるものですから、しつこいようですが念押しをしていったのですが、いまの港湾局長の御答弁で、大体考え方といいますか、港湾管理者との間の調整をうまくはかっていこうという、そういう趣旨での立法もされているということが理解できるところです。  さらにいえば、実はきょうは大臣がおいでになれば、公団の人事についての大臣の基本的なお考え方も伺っておきたい、——公団にいたしましても港湾管理者にいたしましても、いずれも人の行なうことですから、そういったこの公団仕事港湾管理者との間のいろいろな調整というものも——もうこれは釈迦に説法みたいなことですが、港湾管理者というものは港湾法できめられたいろいろな業務を持っているわけなので、その業務の内容によっては、公団ではあるけれども国の機関であることは間違いない、公団のやる事業そのものも港湾管理者仕事の中に含まれてきておりますだけに、よほどうまく意思の疎通をはかった調整をしてもらわないと、変な事態を生じかねない。したがって新たに発足する二つ公団の人事の問題も、港湾管理者というものがいろいろこの公団ができるについて持っているいまの心配というか不安感というか、そういうものを払拭するためにも、私は大臣がおいでになったら、この公団の人事のことも少し基本的な考え方を伺ってみようと思ったのですが、これは大臣がお出ましになったときに質問することにして、これだけはひとつ質問を保留をさせていただいて、そのときに伺います。  次に、資金計画事業計画のことをお伺いをしておきたいと思うのですが、この委員会にこの公団事業計画資料で出ていましたか。
  24. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 まだ提出してございません。
  25. 砂田重民

    砂田委員 事業計画をあまりこまかく聞いておりますと時間がなくなってしまいますので、年次ごとの事業計画というものは、これは資料にして本委員会に出していただきたいと思う。きょうは大体大ざっぱなところでいいですが、総事業量であるとか、今年度、初年度の事業量、そういったこと、大体四十二年にはこれだけの仕事、四十三年にはこれだけのものを考えている——四つの港それぞれについて伺っていると時間がかかってしまうので、四港まとめてでいいですから、事業計画を……。
  26. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 京浜外貿埠頭公団におきましては、コンテナ埠頭十一バース、一般外貿埠頭二十六バース、計三十七バースをつくりまして、事業費は六百七億円であります。阪神外貿埠頭公団におきましては、バースの数は同じでございますが、総事業費は五百七億円でございます。したがいまして、両方の公団を合計いたしますと、バースの数が七十四で、千百十四億円の事業費になるわけでございます。  なお、本四十二年度におきましては総事業費が五十億円でございます。そのうち京浜外貿埠頭公団は二十一億円、阪神外貿埠頭公団は二十九億円でございます。政府の出資は一割でございますので、総計で五億円、京浜が二・一億円、阪神が二・九億円、これと見合う数字地方公共団体の出資としてあるわけでございます。残り四十億円のうち二十億円が財政投融資で、公団債を資金運用部が引き受けるわけでございます。その他の二十億円につきましては民間資金を活用するという意味から、船会社等から長期借り入れをする予定でございます。
  27. 砂田重民

    砂田委員 一部分の供用開始は昭和四十三年から始められますか、四十四年度から始められますか。
  28. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 昭和四十四年の四月からコンテナ等につきましては供用を開始する予定でございます。これは京浜で二バース、それから阪神で二バースでございます。一般外貿埠頭につきましては、四十五年度すなわち四十五年の四月から京浜において六バース、それから阪神において六バースを供用開始することにしています。
  29. 砂田重民

    砂田委員 資金計画は、ただいまのお話によりますと、本年度のスタートでは国の出資が一割、地方自治体の出資が一割、四割の政府保証債、四割の縁故債、こういうことになっているそうですか、本年はその縁故債が二十億ですね。縁故債という名前ではあるけれども、これは公団が債券を発行するのではなくて、長期借り入れ金船会社からしようということでしょう。そこで出資が国と地方自治体が一割ずつ、財投から四割の公団債の資金運用部引き受け、あとの四割、二十億というものを全部船会社からの借り入れ金公団は予定をしておりますけれども、これは全部ことしは消化できますか。
  30. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 本年度の二十億円につきましては、船会社側は引き受けることが可能だといっております。
  31. 砂田重民

    砂田委員 そうすると将来の問題として、来年度以降については、全部を船会社からの金融ということはちょっと無理があるんじゃないかと思う。そこで今度公団海運業者に、いわば中核六社にその埠頭の専用貸しをしていこうということのほかに、港湾運送事業者にも専用を認めております。したがって、そういった意味から言うならば、平易に縁故債ということであって、縁故があるということであるならば、当然貸し付けの対象になる港湾運送事業者というものも考えてもいいんじゃないか。それから損保、これもやはり縁がないことはない。こういうところにもそういうことを期待をしていいんじゃないかと思うが、そういうお考えが将来の問題としてあるかどうか。またそういったことを関係業界と話をしてみておられるかどうか、それをお伺いしておきます。
  32. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 港湾運送事業者のほうからも、埠頭専用使用についての申し入れがございます。したがいまして、私どもといたしましては、民間資金活用という意味で長期借り入れ金を期待しておるので、それにも協力してほしいということを港運協会のほうにも申し入れてございまして、これについては確定した額はきめておりませんが、進んで協力したいということを申しておるわけでございます。なお損保、さらにコンテナ等によって利益を受ける荷主等ももちろん対象としたいわけでございますが、これらにつきましてはやはり船会社を通じて話をするということも考えられますし、今後資金量の増大に見合ってその点は詰めていくべきではないかと思います。
  33. 砂田重民

    砂田委員 本年度公団が発行する公団債は全部資金運用部の引き受けであって、地方公共団体にはこれを引き受けさせるという計画はありませんね。
  34. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 ございません。
  35. 砂田重民

    砂田委員 このスタートしようとしている公団の一番大きな弱点が、私は資金計画にあるんじゃないかという気がする。縁故債という名前での長期借り入れ金はたいへんむずかしいと思うのです。これは相当金利も高いものを考えなければならないでしょうし、使用料にまた影響もしてくるでありましょうし、したがって、いまここですぐあなたにこういうことをお伺いするのはおかしいかもしれないけれども、一番公団の将来の運用での大事な問題、さらにスタート当初において持っている弱点が資金計画、特に縁故債、ここにあると思いますが、将来の問題としては、資金運用部が引き受けるのではない、一般に募集のできるような公団債の発行ということ、あるいはまた、別にほかの方法を考えておられるかどうか。
  36. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 実は財投のワクにつきましては、本年は資金運用部の引き受けでございますが、来年度以降は政保債の発行ということになっております。それから残りの四割についての民間からの借り入れでございますが、これは御指摘のとおり、公団としてはたいへんむずかしい仕事を引き受けたことになると思います。しかし昨今、国債の発行その他で非常に民間資金の市場が圧迫されておるということであれば、いまの金融情勢においては船会社等これによって利益を受けるものが積極的に協力してやらざるを得ない。金融情勢が変わってまいった場合は、やはり使用料を安くするという観点からも、もっと財投に仰ぐことが公団自体も非常によろしいし、また使用料が安くなるという点で、貿易の伸展その他にも望ましいことではないかと思っております。
  37. 砂田重民

    砂田委員 ほんとうにむずかしい問題、おそらくこれが一番頭が痛いと思います。将来の問題としては、このスタートのときにきめた資金計画の内容をやはり変えていかなければ、一千一百億円余りの仕事を全部完成するのはなかなか困難ではないか。前向きに政府部内での折衝もひとつ早手回しに検討、交渉していただきたいということを申し上げておきます。  それから次に使用料の問題を伺っておきますが、使用料は政令で定めるということになっておりますけれども、その計算の基礎はどういうふうな計算をなさるか。
  38. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 公団は三十年の償還期限の資金を借りて運用しておるというたてまえでございますので、そういうことで借りた金を三十年間に返していけるということを計算の基礎にして、使用料を徴収せざるを得ないと思うわけであります。この場合に使用料に一番響いてくるのは、金利であると思います。当初私どもが考えました場合には、出資が大体二割五分程度になるということを予想しておりました。そして残りは全部金利が六分五厘の運用部資金を活用できるものという期待をしたわけでございます。その場合の総合金利は、四・九%程度になるわけでございます。ところが、先ほどお話し申し上げましたように、今回予算として決定いたしたものは、出資が二割でございます。それから政府の融資は、財投の分はことしは運用部資金を利用する関係で利率が七分一厘でございますが、来年から政保債になると利率が七分三厘になります。そこで残りの利用者から借りる民間資金でございますが、これについての利率を八分二厘というように想定いたしますと、総合金利が六分二厘になるわけでございます。この関係から、コンテナ埠頭につきましては当初一億五千万円ということを想定しておりましたものが約二億近くになる、こういう問題が出ておるわけであります。
  39. 砂田重民

    砂田委員 海運局長、いまの使用料の問題に関連してですけれども、船会社は、中核体六社というものは政府の助成を仰ぎながら集約化をはかってまいって、再建整備を今日までやってきたわけであります。その再建整備のいろいろな年次的な計画が大詰めにかかってきておるところで、やっと財務内容も損益計算も好転をしてきて、政府の助成があったといいながら、相当な企業努力を払ってきているわけですが、そのような外航海運業界がまた、コンテナ革命という大あらしに直面をしなければならない。コンテナ船を急いで建造しなければならないのですが、伝えられるところによると、コストが二分の一か四分の一くらいになってしまう。そういう結果が出るといわれているコンテナ輸送体制ではあるけれども、船をつくった、就航させた、直ちに初年度から黒字というわけにはいかないだろう。相当な赤字を海運界もまた覚悟をして、いわば海上輸送というものは日本の船だけでやるわけではありませんから、向こう側からのコンテナ闘争というものに立ち向かっていかなければなりません。そこで、コンテナ船というものが船主側に、そしてまた荷主側に経理的に好影響を与えるというのは、大体就航してから何年目くらいからうまくころがっていくのか、そういう見通しをもしもお持ちであれば伺っておきたいと思います。
  40. 堀武夫

    ○堀(武)政府委員 コンテナ輸送をやりますには、いろいろばく大な資本投下といいますか、そういうものが要るわけでございます。もちろん長期的に見れば、海上輸送コストというものは非常に安くなるわけでございますが、何ぶんにも当初の投資額というものが大きいだけに、当初のコストというものはずいぶん高くなるのではないか。それに加えまして、最初からコンテナ船が満船になるということであればけっこうな話でございますけれども、なかなかそのようにはまいらない。ですから、コンテナの積載率というものは最初は非常に低くて、漸次九〇%なりに近くなっていくのではないか。そういうことを考慮いたしまして、そういう前提を置いて計算をいたしますと、当初の五年間というものはまず赤字である。特に最初の一年なんというものは、一ぱいについて十億くらいの赤字が出るのではないかとさえ言われております。六年目ぐらいからこれは赤字が黒字に転じまして、大体三、四年でそれまでの累積赤を消す。したがって、九年目か十年目くらいからもうかるという段階に入っていくのだ、そういうふうに見ております。
  41. 砂田重民

    砂田委員 そうなると、いまいろいろやっている再建整備計画というものの年次的な考え方を変更しなければならないという事態が起こってきますか。
  42. 堀武夫

    ○堀(武)政府委員 ちょっと質問の趣旨がよくわからないのですが、もう一度お願いいたします。
  43. 砂田重民

    砂田委員 六年間はまた大きな赤字をしょい込まなければならない。再建整備計画も、いろいろな助成的な措置も、もう間もなく期限がやってきますね。それを手放しで、コンテナ船を建造する、それを就航させる、六年間の赤字ぐらいは、もう完全にしょっていけるだけの企業内容というものにいまの海運界が建て直されているかどうか。
  44. 堀武夫

    ○堀(武)政府委員 再建計画それ自体を変更する必要が起こってきやしないか、このような御趣旨かと思いますが、この再建整備計画は四十四年まででございますので、このコンテナが来年の秋から動き出しますとすると、再建整備期間中というのは、約一年がいわゆる再建整備期間にかかる。それでこの一年間に、先ほど申しましたように、最悪の場合、最初の一年間で一ぱい当たり十億くらいの赤字がかりに出たといたしますと、六ぱいありますから、中核体にとっては六十億の赤字ということになるかと思います。  一方中核体の経営状況でございますが、今年の三月末までに、再建整備法に基づく償却不足というものは、これは全部解消しておるわけでございます。さらに会社によっては、償却の実施額に差異はありますけれども、再建整備法に基づく償却範囲額以上の償却を行なうことができる会社もあります。そういうことを考えますと、この六十億、一年間で出る最悪の場合の六十億という赤字は、これは吸収できるのではないかというふうに考えます。したがって、この五年間の再建整備計画それ自体は変更する必要はないのではないか。むしろ問題は、再建整備期間が切れたあとどうなるかということが問題でございまして、これは今後の海運市況がどうなるか、したがってそれによる収支がどうなるか、それから再建整備計画終了後、政府の助成政策というものをどう持っていくか、いろいろ今後の見通しの問題になってくるのでありますが、各国のいわゆる海運に対する助成状況並びに各国の体力と申しますか、企業体力と申しますか、そういう競争力等を考えますると、決して楽観を許さないと思われます。したがって、整備期間中の一年間は何とか計画変更なしでいけますが、その後が楽観を許さない、非常に問題があるというふうに存じます。
  45. 砂田重民

    砂田委員 政府の助成がなければ再建整備ができない、そういう業界、しかもコンテナというものを取り入れていく場合には、その再建計画が済んでしまった四十五年からですか、もう非常に心配なんだ、そういう状態にある海運業界に、相当大きな縁故債を今度はこの公団負担をさせて、その上で支払われる使用料でありますだけに、海運業界の負担が過大なものになった場合は、四十五年以降の海運業界というものが、海運局長が言われたように、その程度の心配で済めばいいけれども、たいへんむずかしい問題をかかえてくると思う。それだけに使用料の決定というものは十分慎重に、相当幅の広い視野で考えていかなければ、公団の独立採算的な考え方だけで、はたしていっていいかどうか、私はちょっと疑問に思う点なんです。実際に計算されたその使用料というものは、縁故債の負担状況など海運企業の財務内容とも関連させて十分検討していただかなければならない問題かと思うのです。あまりにも大きな過重負担ということになったならば、これはやはり使用料の計算の基礎を変えていかなければならない、そういう事態が実は予想できる。そういった場合の財政上の新たな措置を講じるということも、公団というものの行き方を所管しておられる港湾局長はひとつ十分含んだ上で、この使用料の決定を見ていただきたい。このように考えるのですが、将来の問題ですから、すぐそれについての心がまえ、答弁というものを求めるのもおかしいのですが、どうですか。
  46. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 御指摘のとおりに、せっかく公団をつくって埠頭整備して、それが海運にマイナスであるということでは意義をなさないと思いますが、公団それ自体はやはり独立採算的な性格を持っておりますので、いま先生の御指摘の点を解決するためにはなるべく金利の安い金を借りて、しかも効率のいい仕事をやることによってコストを安くしていくという努力を、公団自身がなすべきじゃないかと思います。
  47. 砂田重民

    砂田委員 十分配慮をしながら進めていただきたいと思います。  次に、この公団仕事をやりますにつきまして、港湾運送事業法との関係はどういうふうになっておるか、これを少し伺っておきたいと思うのですが、扱っている貨物、その中身の商品というものは、技術の進歩でありますとか、国際情勢の変化などで、輸出貨物というものの内容、商品別の比率というか、いわば雑貨類が減っていって、重工業の品物がふえているというような変わり方、貿易貨物の荷姿もまた変わってきておる。海運といわず陸運といわず、それぞれ集約、合理化、近代化を進めてきているのですが、陸の輸送と海の輸送の接点にある港湾運送事業活動は、まことに旧態依然たるもので、港湾運送事業法を昨年改正しましたけれども、まだもう一つ、近代化が進められておるとは残念ながら言えない状態にあると思う。しかもきわめて零細な企業が多くて、たしか資本金三百万以下というのがおそらく三分の一もあるでしょう。一千万までの企業を入れれば六割以上になるのじゃないか。それほど零細な企業の集まりなんです。またその大切な港湾労働力というものも、このままでは慢性的に不足状態を告げていってしまうのじゃないか。また港湾労働者が働くその環境づくり等も、一向前向きに進んでいっていない。そういう問題がさらに公団埠頭ができることによって集約化、近代化の時期というものを早めることを要請される、こういうことになってくると思うのですが、公団埠頭港湾運送事業者の第一種の免許を持っておるいわゆる元請に貸すことになっておりますね。具体的に元請がこの施設を使う場合にはおおむね外航船との関係はどういうふうになってくるのか、それをちょっと御説明いただきたい。
  48. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 公団埠頭を貸し付ける対象船会社等ということで、その中にはいま御指摘がございましたような第一種事業者の一般港湾運送事業者を対象にするわけでございますが、一般港湾運送事業者に貸し付けをする場合には、船社との間にそこに船を就航させるという契約のあるものを対象にしたいと思うわけでございます。したがいまして、そういう船会社との契約がなくなった場合には、当然貸し付けというものは解消するというようなルールでいきたいと考えております。
  49. 砂田重民

    砂田委員 そうすると、運送事業法にきめた元請と、港湾運送事業法で許された例の密接な関係のある下請関係、こういうものは元請と一緒に新しく公団がつくるコンテナ埠頭外貿専用埠頭仕事ができますね。
  50. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 この公団埠頭につきましては、港湾労働等対策審議会がかって答申を出されましたように、一貫直営体制というものが望ましいわけでございます。私ども、そういう理想的な姿をとるようにしなければ、先ほど御指摘がございましたように、労働力不足ということから、今後ふえる外国貿易貨物量はとうていこなし得ないのではないかという心配を持っております。ただその場合に、あまりにも理想に走ることによって、先ほど御指摘のございましたように非常に中小の業者が多い港湾運送事業の業界を混乱に導くことはとるべきではないと思います。したがいまして、一貫直営体制をとるのでありますが、とるとすれば、ある程度時間をかけて段階的にやっていく、そういう含みを持っておるわけでございます。
  51. 砂田重民

    砂田委員 先ほど港湾局長の答弁の中に、四十四年度からコンテナ埠頭は発足するのだ、四十五年から外貿埠頭は発足するとあったのですが、そうすると、四十四年までに港湾運送事業法のいわゆる元請の一貫体制というものがはっきり確立してしまう、少々中小業者に無理があっても、年度を切って四十四年までには元請の一貫体制というものをはっきりさせるんだ、密接な関係にある下請関係は許されてはいるけれども、四十四年までにはそんなものは一切やめてしまうのだ、そういう強い——一方零細な港湾運送業者が集約化、近代化されていることは事実ですよ。しかしこの公団発足によって四十四年から供用を始める埠頭、それまでには一貫体制というものをはっきり確立させてしまう、そういうかたくななお考えではないと理解していいのですか。
  52. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 ことしの三月三日に港湾審議会港湾運送部会でこの集約についての答申があったわけでございますが、これによりますと、縦の集約すなわち一貫責任体制につきましては、昭和四十三年の九月三十日までには改正港湾運送事業法の十六条による系列化というものがはっきりするということを目標にしております。その後はさらにこの直営体制を整えられるようなもっと強固な一貫体制をとっていこうという趣旨でございます。  もう一つは、この横の集約、同業種間においては事業規模を拡大するということで、これも昭和四十三年十月一日には現在の免許基準の二割程度高いものに集約していきたい、こういう目標を立てておるわけでございます。したがいましてコンテナ埠頭ができるのが四十四年、さらに一般外貿埠頭ができるのが四十五年でございますので、その中間目標を越えた程度に集約というものを進めていきたいわけでございますが、あくまでこれは業界が自主的に、犠牲者を出さないように、これは業と労働と両面でございますが、犠牲者を出さないようにやっていくということで私ども行政指導していくつもりでございますし、業界自身もそのように考えておりますので、いま御指摘のありましたような、無理しても強行していくというつもりはございません。
  53. 砂田重民

    砂田委員 御承知のとおり、たださえそういった貨物の側から、あるいは陸運の側から、海運の側から近代化、集約化が非常に強く要請されて、企業自体が零細な企業であるだけに非常な不安をこの業界は持っておるわけです。そこに持ってきてコンテナという新しい事態に直面をしなければならないので、自分たちの仕事はどうなるのだろう、また働いておる労働者諸君は、自分の生活は外貿埠頭というものができ、コンテナ埠頭をつくり出したらどうなるだろうと、非常に大きな不安を企業者も労働者もみんな持っておるわけなんです。しかし仕事の絶対量というものは、先行きふえていくことは間違いない。百億ドル輸出を達成しましたけれども、いまは調子が悪いが、そうかといって相当長期的な視野から見れば仕事の量はふえていくのですから、いま港湾運送事業者の人が心配しておるほどのことはないと思うけれども、いま局長が縦の集約化、横の集約化というものをそれぞれやっていかなければならないと言われたが、そうするならば、貨物が先行き増大する、その量が公団埠頭と在来埠頭にどういうふうに分配されていくだろうか、コンテナ埠頭には何割くらい集中していくであろうか、またコンテナ埠頭公団埠頭での運送事業労働の質の変化というものもある。そういった運送事業労働の質の変化がどう変わっていくであろうか、こういった点を船内、沿岸、はしけ、こういうふうに業種別にその見通しを立てて、その見通しの上にのせて縦の集約、横の集約をやっていかなければ、中小企業者というものは、またそこで働いている人たちは、非常に気の毒な状態になるおそれがある。その縦の集約、横の集約は、いま私が申し上げたようなきめのこまかい指導をやっていかれる御決意があるか。これをひとつ、上屋保管業という港湾運送事業法には書いてない事業——港湾運送事業法には上屋保管業という名前は、そういう業種は書いてないと思う。ないと思うけれども、東京にしても、横浜にしても、大阪にしても、神戸にしても、この四港どこでも地元の中小倉庫業者は上屋保管業というものでめしを食っている。この上屋保管業という、港湾運送事業法には書いてないにしても、その事業までも含めてきめのこまかい指導をしていかれる御用意があるかどうか。
  54. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 ただいま御指摘のありました上屋保管業というのは、四種の限定という、はなはだ好ましからざる姿で存立するわけでございますが、現実にやはりそれもわれわれの免許した業者であることには間違いございません。したがいまして、あくまでも私どもは近代化、効率を上げるということについて当然努力をし、また力づけていかなければならないのでございますが、そのやり方としては、あくまでも業に犠牲者を出さないと同時に、労働者の労働条件が悪くならないんだ、こういうような形で指導していきたい。その根底には、やはり貨物量が非常にふえておるのでございまして、私どもの試算によりますと、昭和五十年というものと三十九年を比べますと、三十九年の外貿定期船貨物は、東京湾だけで申し上げますと、これが九百十万トンでありますが、昭和五十年には二千五百万トンということで、二倍半ぐらいになるわけでございます。そのうちコンテナで扱う貨物というものは五百八十万トンで、約五分の一であります。その他の、公団がつくる埠頭で扱う貨物が五百二十万トン、すなわち公団だけで千百万トンでございまして、残りの千四百万トンというのが、やはり雑貨として、新しく一般のオープンのバースをつくって、現在のバースを増強していかなければならぬという情勢でございます。そういうものと現在の港湾労働者の伸びというものとを比べますと、どうしても効率ある、また機械化した運営をしない限りにおいては、労働者の労働は過重になるし、また港の機能はとまるのじゃないか、こういうことが想定されますので、犠牲者を出さないで、労働条件を改悪よりもむしろ改善することによって、初めてこの目的が達成されるのではないか、かように思っておる次第でございます。
  55. 砂田重民

    砂田委員 港湾労働者の人たちの労働が非常に過酷な条件に置かれていたり、また生活環境も、ほかの職場に働いている労働者に比べると、非常に悪いと思う。それぞれ大きな企業に働いている人たちは、その企業の責任での福利施設等がだんだん完備をされていっているのだけれども、港湾労働者というものは、使われているその企業自体がきわめて力の弱い、零細な企業が多いものですから、国あるいは地方自治体、業界、これが一緒になって、そういった労働条件をよくしていこうといってみても、なかなか協力できない力のなさ、そういったことを十分配慮に入れて、港湾労働力というものは、絶対量が不足したならば物価対策も産業政策も何もなくなってしまうという重要な接点に働いている人たちですから、その労働条件がよくなるように、また、それに協力をさせるべく業界には力がないということを十分お考えになって、この集約化を進めていっていただきたい。  そこで一つの具体的な例をとって申し上げますならば、零細企業者が横の集約の一つの行き方として、事業協同組合をつくって協力してやっていく、この集約化は成功している例が出てきている。りっぱな倉庫を、みんなが一緒になってやるならばということで中小企業金融公庫等も協力をして、集約化が一つできていっている。ところが事業協同組合では認可するわけにはいかないというような現行の港湾運送事業法では、私は困ると思う。集約化をそういうふうにきめこまかくやっていこうとしておられる運輸省のことですから、港湾運送事業者に対して、こういった組合的な集約も、その過程にもっとたくさん出てくると思うだけに、こういった事業協同組合的な集約をしていくところに対しても、港湾運送事業としての免許を与えよう、将来の問題としてはそう考えておられるかどうか、伺っておきたいと思います。
  56. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 先ほど申し上げました、ことしの三月三日の港湾運送部会の集約の答申の中にも、モデル方式をとって、要するに中以上のものは集約をしていったらどうか、それからそれ以下のものについては組合方式というものを提唱しているわけでございます。ただいまお話がございましたような経堂組合というものは、個々の業がその一部の仕事について協同でやるのが共同組合でございますので、これには免許を与えることができないわけでございますが、最近、この国会に提出されていると思いますが、中小企業団体の組織に関する法律の一部を改正する法律案があるわけでございますが、この中で協業組合というものが提唱されております。私どもは、この協業組合というものに免許をおろすことによって、実質的に組合組織で小さいものがまとまって基準以上の仕事ができるようになるということを考えておるわけでございます。
  57. 砂田重民

    砂田委員 協業組合ならば免許をおろすように運送事業法を改正する用意がありますね。そう理解してよろしゅうございますか。
  58. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 これは、協業組合の場合はこの法律でそういうことができるようになっておりますので、港湾運送事業法の改正をまたずして免許が可能であると思います。
  59. 砂田重民

    砂田委員 わかりました。  それでは次に、港湾法第十三条で、港湾管理者に対して、倉庫等の私企業と競争をして事業を行なってはならないというふうに規定がしてある。ところがこの公団は、倉庫をつくってそれを貸そうとしているわけですが、いわゆる民営企業と競争をしてはならないといって港湾管理者にはワクがはめてあるけれども、公団がつくる倉庫、これは岸壁の、あるいは埠頭貨物の円滑な流れというふうな効率化を考えれば、そういう倉庫を建設をしなければならないかもしれないが、これと民間の倉庫との間の競合がどうなっていくだろうか、またどういうふうに考えておられるか、伺っておきたいと思います。
  60. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 公団法によりまして、付帯的業務として運輸大臣の認可を受けてやる仕事の中に、倉庫等の用地に供する土地を埠頭に隣接してつくるということがございますが、これは土地造成でございまして、土地造成そのものは港湾管理者もやっているわけでございます。倉庫の建設は、これは倉庫業者等が公団によって建設してほしいということを頼まれた場合に、民間の仕事を委託を受けてやるわけでございまして、公団自身が倉庫をやる、倉庫を建設するということではございません。
  61. 砂田重民

    砂田委員 わかりました。私が勘違いをしておりました。そういうお考えでやっていかれるならば、たいへんけっこうなことだと思います。  最後にひとつ。月末、月初めに貨物が集中している、したがって船会社の配船も月末、月初めに集中をしている、そういう状態がもう十年も前からいろいろ問題になっているのですが、一向これの改善に、業界、関連業界、打って一丸となっていく、あるいは関連各省はこの問題と取り組んでみる、そういう御努力がどうもたいへん薄いような気持ちが私はするのです。ところがコンテナは、さっき海運局長お話のように、ウイークリー・サービスを考えている。いまのように、月末、月初めに貨物が集中するために、海運業界も月末、月初めに船を集中的に配船をしなければならない。こういう状態では、せっかくの、公団がつくるコンテナ埠頭というものも、またコンテナ輸送体制そのものも、どうもわが国では効率的な好結果をもたらすかどうか、一つの大きな問題点だろうと思うのです。これは特に中小生産者の多い雑貨類にそういう傾向が強いわけですが、商習慣と言ってしまえばそれまでなんだけれども、国内、国外とも決済条件が月末払いになっている。これは通商局長の山崎さんも一緒に聞いておいていただきたいのですが、LCにしてもエンド・オブ・ジューン、エンド・オブ・ジュライ、そういう何か習慣的に決済が月末になってしまう。特に雑貨類の中小メーカーは早く荷物を出してみたって金がもらえない。そんなことからどうしても月末、月初めというところへ貨物が集中してしまうのではないか。いろいろある業界といいますか、これによってたいへん好ましくない影響をもたらされている関連業界もまた多い。港湾労働力の問題、港湾労働法というものをつくって、日雇いの人たちをできるだけ少なくして、できるだけ常用に持っていくという努力をしてみても、それが思ったよりうまくいかない。以前から業界に悪い習慣としてあったと言われるあぶれ賃というものを、今度の港湾労働法で法制化をして、仕事のないときには国も何とかいたしましょうというようなことをしてみても、それはなかなか常用化に進んでいかない。やはりこういった月末、月初めに貨物が集中してしまうために、企業側としては月半ばの仕事のないときにまで大ぜいの、月末、月初めに必要なほどの労働力というものを月半ばにかかえていて、仕事もないのに給料を払っていくのはたえられない、こういったことがあるだろうと思うのです。貿易業界でありますとか、海運界、また輸出商品をつくっておるメーカー、そういった産業界、金融機関、たいへん広い範囲でこの問題は取り組んでいかなければ解決をしない問題なので、たいへんなことだ、たいへんなことだと言いながら、ずるずる今日まで一向改善をされずにきてしまっている。終戦のときのあの大変革のときに改めていたならばできていたかよもしれないというふうなことが言われるのですけれども、コンテナ輸送体制というものは終戦時と同じような大改革をもたらす、そういう時期でありますだけに、この月末、月初めだけに貨物が集中してしまうという状態を何とか改める、そういう努力を海運界、輸出産業界、商社、金融機関、運輸省、通産省、大蔵省、一堂に集まって真剣にこの問題と取り組んでいくべきだと私は考える。それにはやはり港湾でいろいろいわれている、労働者をまことに過酷な条件でこき使う、そういう一つの職場だ、だから港湾労働力というものは質のいい労働力は集まらないのだといわれる、こういったことも、みんな月末、月初めに集中し過ぎておるということに一番大きな原因があるだろうと思うのです。いま言ったようなお役所、業界、こういうところがみんな集まって、前向きにこの問題と取り組んでいこうとしても、何といっても運輸省と通産省が主力になって呼びかけられなければ、長年の商習慣だからだめなんだとか、波及するところが大きいので、だれも来てくれない。船屋さんに言わせれば商社が悪いと言うし、商社に言わせればメーカーが悪い。メーカーに聞けば金もくれないものをそんなに早く荷物を出せないじゃないかということになって、みんながうしろ向きにしかこの問題と取り組んではいない。しかしこれをもしも解決できるとしたならば、いろいろな産業の経費的な面も、またせっかくこれだけの公団をつくって、船の荷物の扱いを効率的、経済的にやっていこうといってみたって、月末、月初めのこの貨物の集中、船舶の集中を改めなかったならば、日本コンテナ輸送の確立というものは絵にかいたもちになってしまう。アメリカ側コンテナのウイークリー・サービスにノルウェーの船会社がお手あげをしてしまっている、そういう状態になりかねないわが国状態じゃないか。そこで月末、月初めに貨物が集中する問題を解決するために、こういう関連業界あるいは関連する官庁が一堂に会してこの問題と取り組むようなそういう働きかけ、呼びかけを運輸省、通産省、特に通商局長にはそういう御決意をしていただきたいと思うのですが、やってくれますか。
  62. 堀武夫

    ○堀(武)政府委員 月末、月初に荷物なり船なりが集中するというのは、これは多年にわたるガンでございまして、これからコンテナ輸送をウイークリー・サービスでやろうとする場合の一番大きな障害がこの点にあろうかと思います。ですから船会社の側から見ますと、これは何とかして月末、月初の荷物を平準化していただきたいということを、ほんとうに心から念願をいたしておるわけでございます。これは多年議論をされておりながらなかなかできない問題でありますので、いろいろむずかしい点はあるかと思いますけれども、コンテナ輸送の開始を契機といたしまして、何とか解決するように関係官庁と十分相談をしてみたいと思っております。
  63. 山崎隆造

    ○山崎政府委員 いま砂田先生がおっしゃったとおりで、いま運輸省からも御答弁がありましたように、長年の問題で、われわれも実は全日本輸出組合協議会というようなものがございまして輸送関係をやっております。それから日本貿易会、これは大手関係をやっております。それから全国中小貿易業連盟、これは中小関係でございます。それからその他一般の問題につきましても通産・農林団体輸送協議会というものがございまして、この四団体を通じまして、こういう問題について絶えずやっておるわけでございますが、御指摘のとおり、むしろ海外からの需要は、LCの関係といろいろ大きな影響を持っておりまして、この関係でたとえばLCの期限が月半ばになるとかなんとかいたしますと、だいぶ情勢が変わるわけでございまして、これもいろいろ修正する努力も必要と思いますが、何といってもやはり売り手の弱さと申しますか、なかなかそういう点もまいらないのがいままでの現状でございます。確かにコンテナ輸送という革命的の時期でないと、こういう問題はなかなかできないかもしれませんので、なお運輸省ともいろいろ相談の上、また毎年のこととおっしゃられるかもしれませんが、今回は本腰を入れてやっていきたい、こう考えております。
  64. 砂田重民

    砂田委員 ほんとうにむずかしい問題と思いますけれども、コンテナ輸送体制を確立しようというこの時期にやりそこなったならば、私は未来永劫できないのじゃないかという気がするのです。本問題は長年の問題でありますから、両局長とも言われましたけれども、長年やってみたけれどもだめなんだということであきらめられたのでは、私は、コンテナ輸送体制そのものが日本では確立できない、そう考えますだけに、前向きにこれはぜひとも取り組んでいただきたい。海外からのLCの決済の期限のことは、やはり国内金融のやり方で、またこれも何とでもできることじゃないか。先ほど私が申し上げたような各省間で検討するときに、貿手の再割りをする日銀をも入れて、特に金融機関の協力があれば、もう少しメーカーでも、貿易界の全中貿も、金融側の協力が求められるということを前提にしてやるならば、もっと真剣に取り組んでくれるだろうと思います。それだけにぜひこれは運輸省、通産省両省にお願いしておきますが、さっそくにも取りかかっていただきたい。私も質問しっぱなしではなくて、これからもどういうふうにこれと取り組んでいかれるか、またおりを見てお話を伺わしていただきたいと思います。  もう一つだけ最後につけ加えておきます。さっき港湾管理者管理権とこの公団の発足の問題を港湾局長から伺ったのですが、私が順序を追って念押しをしたようなことで、公団の運用にあたって港湾管理者との間の意思の疎通がおかしなことにならないように、十分に調整をはかっていく。特に法律できめられたように、計画の決定であるとか、岸壁を貸す問題等については、事前に港湾管理者協議していく、こういうことも法律では明確でありますし、人の問題について、大臣が見えていないので伺えないのですが、さっきの私と佐藤港湾局長のやりとり、それで自治省としては管理権の問題について何か御異議がありますか。
  65. 林忠雄

    ○林説明員 その点が実は自治省と運輸省と法案作成の段階で一番問題になりましたので、十分それに時間をかけて協議をいたしまして、法文上の構成では合致を見ました。今後運用の問題につきましても、先ほど砂田先生が御質問なさった趣旨、そして港湾局長さんの御答弁なさった趣旨でやっていかれることを確信しております。そのとおりであれば、港湾管理者との調整というものがスムーズにいくものと期待もしております。
  66. 砂田重民

    砂田委員 実は委員長運輸大臣が見えましたら、この公団の人事の基本的な大臣のお考え方を伺いたいと思っておりました。その点だけを保留さしていただきまして、私の質問を終わります。
  67. 内藤隆

  68. 野間千代三

    ○野間委員 それでは二、三質問をさしていただきますが、初めに、今度埠頭公団ができ上がる、そうしてその公団建設をしたコンテナ埠頭あるいは外貿定期船埠頭等は公団が貸し付ける、これが今度の公団法のたてまえですね、根幹だろうと思います。それでまいりますと、その貸し付けられた埠頭は、今日まで港湾法の基本になっていた港湾管理者管理権がどの程度に及ぶのかということが、相当重要な問題になるだろうと思うのであります。常識的には貸し付けて、しかも貸し付ける主体が公団でありますから、港湾管理者管理権は及ばないというふうに理解するのが当然じゃないか。ただ、あとで御質問しますが、各条項の中で港湾管理者協議権というのですか、基本計画事業計画、貸し付けその他協議をするようになっております。その協議を通じて管理権がややある——管理権といいますか、管理に参与するというのですか、そういうことになるというふうに想定をされるわけですね。そこで、そういうふうにまず前提として考えた場合に、最初に、今日まで日本港湾港湾管理者によって管理をする、つまり公共性といいますか、公物性といいますか、そういうものを主体にして港湾管理が行なわれてきている。そしてそれを港湾法では地方自治権あるいは地方自治の発達といいますか、あるいは経済の民主化といいますか、そういう方面にやはり港湾を役立せなければならない。港湾は当然都市の一区画であるから、したがって港湾が都市の一区画であるというあり方、それと国全体の経済の発達、そういうものを共存させようというのが港湾法のたてまえだというふうに考えていいと思うのです。まず港湾法をそういうふうに考えてみた場合に、いま政府なりわれわれが考えなければならぬ問題は、そうした港湾法の持っているたてまえを充実強化していく、整備していくということがまず必要ではないかと思う。そういうことは、これは四十年の十月十一日に行なわれた「港湾管理者財政基盤の強化及び港湾施設の効率的使用の確保そのため緊急に実施すべき方策に関する答申」というのがあります。その答申の描かれている考え方の多くが、いま私が申し上げたようなことで書かれていると思います。ただ、先ほどから問題になっておりますコンテナ輸送という新しい輸送体制が生まれてきている。そこからコンテナ輸送に対応する、あるいは外貿定期船貨物量の増大による外貿定期船の増加、そういうものに急速に即応するためには地方財政港湾管理者財政基盤が不十分である、こういうふうに演繹していって最後のところで、公団とは言っておりませんが、専用貸し、そうした方向も検討の要があるだろうというふうになっておると思うんですね。  そこで私は、なるほどそういうふうに一つ考え方として演繹してくる方法もあるけれども、将来の港湾の発達、整備、そういうものを港湾法に基づいて進めていくとすれば、港湾法の欠けている部面とすれば、これは港湾管理者の経営的な基盤、経営上の条件ですね、そういうものが確かにいまの港湾法では欠けておると思う。それともう一つは、港湾建設に伴って地方自治体負担する部分、そういう面は確かに逼迫をしてきて財政が悪化をしておる、こういう状況であることは否定できない。しかし、それが何も直ちに公団ということに結びついてくるのじゃなくて、やはり港湾整備五カ年計画等も毎回改定をされながら今日あるわけで、したがって、そうした考えで港湾整備港湾法に基づいて進めていき、港湾法の足らない港湾管理者の経営的条件のところを補完していく、こういう方向でこの外貿埠頭建設コンテナ埠頭建設に取りかかっていくことが、本来的な方向じゃないのかというふうに考えるわけですが、それが一つ。  そういうことを申し上げるのは、今度のこの公団建設をする埠頭によって、港湾の中に二元的な管理体系が生まれてくるということはもう明らかです。そういうことが今後、たとえば京浜の場合にはたしか現在三十七バースですか、計画をされておるわけですね。現在でもすでに三十数バースあるわけですね。阪神もそうだと思うのです。こういう状況ですから、そういう二元的な管理が行なわれるような港湾行政というのは、はたしてそれが妥当であるかどうかというところに、公団問題の基本的な考え方があるのじゃないかというふうに存じますので、その辺からひとつお答えを願いたいと思います。
  69. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 港湾法ができましたのが昭和二十五年でございますが、御承知のように、三十六年には異常な船込みがありまして、その後特に横浜神戸のような外国貿易の港におきましては、埠頭建設を促進したわけでございます。その結果非常な財政上の負担というものが出てまいりまして、そこで港湾管理者から何とかこの事態を改善してほしいという要望がございました。そこで、港湾審議会管理部会というものを設けまして、一年間に約十七回非常に真剣に審議をしていただいたわけでございますが、その結論が、先ほどお話がございました四十年十月十一日の答申でございます。これは、そういう事態を受けて、現在の管理制度を、港の発達の過程で、前段で非難しているわけでございます。やはり港というものは、当初は道路、河川と同じような公物であったのであるが、だんだん港の発展していくに従って、企業的な経営が必要なものに変わってくるのではないか。それを「成熟した港湾」という名前で言っているわけでございますが、そういうように横浜神戸のような港はなってきつつあるということを前提にした議論でございます。そこで、この管理者は、まず財政基盤の強化という中で、経営についての基本的な指針を確立すべきではないかということを言っているわけでございます。その中で、国としても同じような港の格、同じような性格のものについては、補助率の不均衡を直せということが一つございます。私どもはこれを受けまして、いわゆる外国貿易という面でいいますと、港湾法上最高の補助率を適用されているのは、横浜神戸と関門の門司港区でございますが、これ以外にも東京、清水、名古屋、四日市、大阪等というような港は、同じように外国貿易に非常に寄与する重要な港でございます。これらについても同じく補助率を上げていくべきではないかということで折衝いたしたのでございますが、従来の五割補助から六割に、一割補助率が上がったわけでございます。そのときの条件として、さらに補助率の問題としては、根本的に今後検討を大蔵省との間にしていこうということになっております。  それから、次にこの答申で言っておりますことは、料金の適正化と料金体系の再検討ということで、適正な対価をとるべきではないかということがございます。これにつきましては、この答申対象となった八大港の管理者がいろいろ協議をいたしまして、そのときこの答申で示唆されておりますものは、入港料制度と埠頭通過料というようなものでございますが、埠頭通過料についてはいろいろ考えたけれども、現段階ではとり方が非常にむずかしいということで、それはさて置くが、入港料は一応成案を得まして、これについては船会社対象の企業と交渉をして、話を詰めるという段階までまいっておるわけでございます。  次に、もう一つこの起債条件を緩和せいという問題がございますが、これは私どもが担当いたしまして、自治省ともいろいろ折衝したわけでございますが、四十二年度の予算におきましては、下水道その他について三十年という非常に長い償還期限が認められたわけでございますが、港湾については一年待ってほしいということで、この問題はなおペンディングになっておる、こういう状態でございます。  それから次には埠頭の効率的使用について、同じように答申があるわけでございます。これにつきましては、横浜山下町の埠頭なり神戸の摩耶埠頭におきましては、ここに述べられておるような航路別優先使用方式というもの、さらには上屋と岸壁とを一体化する方式というものを取り上げて、逐次経岸率もふやしてきておる、こういうふうに、いろいろとこの答申の手を打ってきたわけでございますが、さらに、この審議会といたしましては、広域的な港湾管理ということで、先ほど申し上げました成熟した港湾のとるべき姿としての企業経営的な港の管理のしかた。これはロンドンとかニューヨークのようなポートオーソリティーをさすわけでございますが、こういう問題が残っておるわけでございます。したがいまして、現時点で公団がいいか悪いかということは、現時点ではやむを得ない。あるいは理想的な、先ほどおっしゃられたような管理の姿、一元化したものではないかもしれませんが、私どもはやはり企業経営的な観点で、また管理者財政が苦しいということを救い、かつ効率的に早く埠頭整備しなければならぬという全体の経済事態から見れば、やはりこの際この答申の最後に触れておりますような公団方式をとることが、現在どうしても必要だ。これでもって港湾法に言っている管理というものの一元化が侵されるのではないか、またこれが理想的な港湾管理体制ではないのではないかと言われると、そのとおりでございます。しかしさらにわれわれは、今後広域港湾あるいはニューヨーク、ロンドンのようなポートオーソリティー構想というものを取り上げて考えなければならぬわけでございます。その中で理想的ないわゆる企業経営的な観点に立った港湾管理体制というものができて、その中に公団がやっているような事業が吸収されれば、初めていまおっしゃられたような理想的な港湾管理体制ということが言い得るのではないかと思います。
  70. 野間千代三

    ○野間委員 この答申の指摘している問題で、いま局長の言われたように、多少改善をされた部分はある。それはそうなんですが、その改善をされた部分、あるいはなお改善を必要としている部分がたくさんある、そういうものを強化していって、今後も港湾整備しようとしているのか、あるいはこれからもなお港湾整備をしなければならぬと思うのですが、その場合にどちらの道をとるのか。公団方式のような方法整備をしていこうとするのか、あるいはいま局長の答弁された今日までの欠陥であったところを補完をしながら整備をしていこうとするのか。そして将来の港湾のあり方、港湾管理のあり方、そういうものは港湾法に示している地方自治体管理者を主体とした港湾建設を進めていく方向なのかどうか。その辺を簡単に……。
  71. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 やはりこの問題にお答えするには、先ほど答申の前段に述べてあるように、一つは公物的な港湾でいいものと、成熟した港湾ということで新しく企業的経営体制をとらなければならぬ港湾と、二つに分けて考えなければならないと思います。日本の大多数の港湾はやはり地方開発のために地方自治体が主体となって、国も公物としてそれに補助して、相ともに施設開発していくという形をとっていると思います。しかし、横浜神戸——横浜神戸と申しますよりは、阪神、京浜というふうに申し上げたほうがいいと思いますが、そういう地区におきましては、利用者が非常にふえてきた。貨物もふえてきた。したがって、サービスの改善がどんどん要求される。コンテナなんというものも一つだと思います。そういうときに、それを国の補助だけで解決するということは非常に無理でございます。サービスをよくするかわりに、適正な対価をとる。そうすると、企業的な経営というものが考えられるわけでございます。その場合に、それが一挙にロンドンなりニューヨークがやっているようなポートオーソリティー形式、すなわち独立採算制に移り変わるということは、これは地方のそういう行政組織そのもののあり方を変えていくというようなことになりますので、非常にむずかしくなるわけでございます。一方貨物が急激にふえてまいりますので、その精神である企業経営、独立採算と申しますか、そういうような観点を取り入れて、とりあえず国と港湾管理者たる地方公共団体とが相ともに出資をして、公団形式をつくって、これによって施設整備していくことが、ワンステップというような意味で現在非常に必要なことではないか、こういう考えから公団方式をとることをきめたわけでございます。
  72. 野間千代三

    ○野間委員 前半の答えはいいです。公物的な性格を強めていく、それは必要である。その次に成熟した港湾、企業的な港湾、そういう要請が相当強くなるということですね。とりあえずワンステップとして公団方式を取り入れた、こういうわけですね。そうすると、それをもっと前進をしていくとどうなるかということです。
  73. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 それは私ども公団構想に至るまでに港湾管理者と十分、二年ほど話を続けてまいったわけでございますが、お互いに持っている理想的な姿というものは、やはりニューヨークとかロンドンというような港がとっておる、ああいうポートオーソリティー方式というものを理想として持っておって、その中で現在の港湾管理者の持っている管理権との調整の上で、こういう形が一番いいだろうという結論に達したわけでございます。
  74. 野間千代三

    ○野間委員 私どもはやはり、もちろんいま局長の言われたような要素が今日の状況で非常に大きい、それは認めます。しかしそれは、公団方式でなければならぬとか、あるいは専用貸しでなければならぬということに、直ちに結びつく必要も、ないのではないか。したがって、将来やはり港湾法が考えている方向で港湾建設をしていく、そして管理権はやはり自治体を主体としてあるという方向で港湾整備していくことがいいんじゃないかというふうに考えるのです。こういうふうに考えておりますから、いまの港湾局長の御答弁でまいりますと、多少はっきりしていない点があるのですが、これは将来の問題ですから、なかなかいま直ちに規定づけることはむずかしいと思います。したがって、これは宿題にしておきますけれども、港湾のあり方として、やはり港湾法、新しい法律としてでき上がっています、いま進んでいる港湾法に基づいて、その方向での港湾の強化整備をしていくようにすべきではないかというふうに考えますので、それはそういうふうに申し上げておくことにします。  そこでこの公団の問題になるのでありますが、管理権との関係なんですが、具体的に一つ一つ申し上げていくと、一つは、たとえば三十年で償還が終わった際に、でき上がった埠頭はどういうことになるのか。所有権というか管理権というか、そういうものはどこに帰属するのか、これが一つ
  75. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 公団が解散する場合には、これは別に法律できめることになっておるわけでございますが、それ以外の場合には、あくまでもこれは公団自身の財産として管理していきたい、かように考えております。
  76. 野間千代三

    ○野間委員 公団がある間は公団が持つのでしょう。ただ、償還が終わった——償還期間中は確かに公団が必要でしょうね、公団がつくったんだから。それが終わってしまうと、これはすでに公団の必要性もなくなるわけですね。したがって、公団は解散しなければならぬというふうになります。そうすると、あとに残った財産は、これはどこに帰属するのですか。通常、常識的に考えれば、当然その港のものだから、したがって港湾管理者のものであるというふうに考えるのが常識的じゃないかと思うのですが、それはどうでしょう。
  77. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 公団が全部借金を返してしまって公団としての存在理由がなくなった場合に、どういうふうにするのかということですが、一つはいまおっしゃられましたように、港湾管理者にその財産を有償で譲渡するということが、一番いい形であるかもしれません。  それからもう一つは、公団自身がさらに仕事をしなければならない使命が出てきましたときには、償還が終わった財産によって、全体の使用料を安くし、新しい埠頭をつくっていくということも考え得る道ではないかと思います。
  78. 野間千代三

    ○野間委員 有償で地方自治体に売るというのは、これはどういうことですか。償還が終わっているのだから、それは必要はないのではないですか。
  79. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 国有財産法によりますれば、償還が終わる終わらぬということとは別に、そのものはそのときの時価で譲渡しなければならないということになっておりますので、そう申し上げたわけであります。
  80. 野間千代三

    ○野間委員 わかりました。  とにかく原則的には公団の終わったときには、これはその港の所属しておる管理者、自治体、そこに帰属をするというふうに考えていいですね。その方法は別にして、原則的にはそうですね。  そこで今度新しく「外資埠頭公団の構想」というものが出ておりますが、ことしの五月に構想の発表があって、それの参考資料が出ておったのですが、それと、この公団構想についての参考資料というのが添付をされておったのですが、その参考資料は、一つ外貿埠頭公団を京浜、阪神両地区に設置することとした理由。これが一つ。それから港湾管理者管理権との関係というのが資料の第二。第三が専用貸しをする対象船会社について。この三つが参考資料として提出をされております。この参考資料というのは、今度発表されている、きれいな表紙の「公団の構想」についても同じですか。そう考えていいのですか。
  81. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 同じでございます。
  82. 野間千代三

    ○野間委員 そこで、この参考資料の第二の「港湾管理者管理権との関係」というのがあるのですが、その第二項目で、「本公団は、(1)の行政を行なうものではなく港湾管理者の行政の下にあるものである。」こうなっていますね。この意味をちょっと御説明願いたいのですが。
  83. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 港湾管理者はここに書いてございますように、一つは臨港地区・港湾隣接地域の規制、港湾区域内の水域または公共空地等において許可をしたり、また入出港の届け出を受けたりする権限があるわけでございます。こういうものにつきましては、公団はこの行政のもとにある。したがいまして、施設をつくるのに工事実施計画協議するとか、そういうことはこれから出てくるわけでございます。
  84. 野間千代三

    ○野間委員 そうしますと、公団建設をしたり——公団の場合には主として建設が主要な仕事ですね。その建設をしているときにいろいろあらわれてくる行政上の問題がたくさんあると思うのですが、その行政上の問題については、責任は管理者にあるということになるのですか。行政責任といいますか、そういう責任の所在はどこにあるのですか。
  85. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 責任というと、ちょっと私もいま明確に申しかねますが、要するに港湾管理者の許可、これは一般の民間であると許可でございますが、公団の場合は国の機関でございますから協議ということで、向こうが協議の上でよろしいと言わなければやれないというような、管理者のそういう行政権限のもとにある、こういうことでございます。
  86. 野間千代三

    ○野間委員 公団の場合は常に問題になるのです。その行政の責任が不明確になる。この公団に限らず、どの公団でも最近そういうことが行なわれ、そういうことが問題になるような気がするのです。そこで、他の公団、たとえば道路公団であるとか、そういう公団の場合には相当広範囲に地域があるんですね。したがって、行政責任の所在が不明確であるということは、これは私は公団の成り立ちから、性格から、そういう気がする。これはきめなければならぬでしょうけれども、そういう気がするのです。この場合には限定された、横浜なら横浜の地域ですね。したがって行政責任の所在をはっきりしておきませんと、ちょっといま予想はつきませんが、何かやはり問題が起きてきて。それが公団なのか、あるいは自治体なのかという問題が起きてきて、解決がしにくい事態が起きはしないかという懸念があるのです。これは実は私も何か例をあげればいいんですが、ちょっといま例が思いつかないんで、まだ質問はありますから、あらためてまた例を私も検討しますが、ひとつそういう問題について、きょう時間がありませんので、次回の際にひとつ答えられるように、行政責任の立場での自治体と公団との関係ですね、そういう問題についての明らかな規定といいますか、規定づけをお願いしたいというふうに思います。  それからもう一つは、この「協議」ということですね。いまの問題で、管理者協議をする——自治省、行政課長さん、いまの公団の問題ですが、公団の問題で、たとえば基本計画だとか、事業計画だとか、あるいは工事実施計画だとか、あるいは貸し付けるときとかいうふうに、それぞれのところで公団協議をする、管理委員会を置いたり、あるいは協議するというふうに条文がなっておるわけですが、この協議ということは、管理権という関係からくるとどのくらいの権限というか、力、そういうものがあるのですか。
  87. 林忠雄

    ○林説明員 これは港湾管理の一元的な一体性と申しますか、現在、先生の御質問にございましたように港湾法で、その港湾自体の管理権地方団体が一元的に持っておるわけでございます。そこでその管理権の責任を全うするために、自分の管理権の中で行なわれる公団の行為、埠頭建設その他に対して、いま御指摘になったような何点かを一々協議を受ける、その協議はもちろん合意のもとに行なわれる、そういうことで管理権自体を乱さないように保障する、そういう趣旨のものだと考えております。
  88. 野間千代三

    ○野間委員 そうしますと、自治省のほうから見た場合に、現在規定をされている条文によって——これはまた別の機会に、あと一つ一つ確認といいますか、聞きたいんですが、総括的には、自治体の持っている管理者はまあ一〇〇%というのですか、どういうことになりますか、とにかく自治体の持っている港湾に対する管理権、これはこの公団がつくっている埠頭に対しても及んでいくというふうに考えていいんですね。
  89. 林忠雄

    ○林説明員 そのとおりでございます。
  90. 野間千代三

    ○野間委員 わかりました。そこでこの三十条の二項の一をちょっと見ていただきたいのですが、ここでは埠頭に隣接した敷地を公団が使う場合があるんですねそうですね。この埠頭に隣接した敷地を公団が使う。一方港湾法のほうにも、埠頭に隣接した敷地もこれを管理者が指定をして使うことになっていますね。たとえば横浜なら横浜の場合に埠頭が隣接していますが、そうするとその隣接した地域というのは重なるかも知れないんですね。その場合にはこれはどういうことになるのですか。まず港湾局長から……。
  91. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 三十条の二項だと思いますが、「外貿埠頭の円滑な利用を確保するために必要な倉庫、事務所、店舗その他政令で定める施設の敷地をその外貿埠頭に隣接して造成し、及び管理すること。」この問題だと思います。これは埠頭ということばがなかなかむづかしいことばなので、あるいは誤解を生じているのかもしれませんが、私どもが埠頭と考えておりましたのは船の着くところと一般に荷さばきするところを埠頭と考えているわけでございますから、そのうしろに倉庫が要る。しかもその倉庫地帯というものが前の埠頭の利用を増進するために、確保するために必要なものである、こういう場合にはうしろに、その荷さばき施設のうしろに隣接して倉庫地帯をつくることができるんだ、しかしそれは港湾管理者が全般的に港を見たときに、そこが倉庫地帯として適当なのか、それは全体の機能としての問題もありましょうし、あるいは道路というような問題もあるかもしれません。そういうようなことがございますので、港湾管理者協議するということで調整をはかっている、こういうことでございます。
  92. 野間千代三

    ○野間委員 自治省、どうですか。
  93. 林忠雄

    ○林説明員 同じような趣旨でございますが、その三項に従って、いま問題になっております事業はいづれも付帯業務でございますが、付帯業務をやるについては、いまの御指摘の三十条の三項に、この付帯業務は運輸大臣の認可を受けてやれる、認可を受けるときはあらかじめ「港湾管理者協議しなければならない。」という規定がございます。この協議によりまして港湾管理者と完全に意思を合致させた上でその付帯業務をやる、こういうことで港湾管理者の立場からも、管理に支障がない範囲で業務をやってもらえるということは確保されているというふうに私たちは考えております。
  94. 野間千代三

    ○野間委員 わかりました。実はそういう問題がだいぶあるのです。大体他の部分についてもそういうことであろうと思いますが、時間もありませんので省略します。  きょうの最後の質問ですが、埠頭があいているときがあると思うんですね。そのあいているときは、これをたとえば港湾管理者のほうで使いたいというふうに考えたときには、どういう手続なんですか。
  95. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 公団埠頭につきましては、港全体が船込みバースが足らない、専用貸しを受けた埠頭はあいておる、こういうような場合は、港湾管理者から公団に申し出があった場合に公団として、貸し付けを受けたものにそのバース使用させるということを業務方法書にうたって、貸し付けの場合の契約でもってそういうことを確保しておきたい、かように考えております。
  96. 野間千代三

    ○野間委員 それで、したがって借りられるわけですね。その船会社、専用貸し以外のところでも借りられるわけですね。その貸すのは、それは専用貸しを受けている会社が貸すんですか、公団が貸すんですか。
  97. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 私どもは、専用貸しというのは一年とか二年とかという契約で貸しているわけでございますから、また貸しである、こういうように解釈しております。しかし、船込みがあるのに、それをよその者に使わせないということはいけないということで、使わせる義務を負わせるようにしたいと思っております。
  98. 野間千代三

    ○野間委員 わかりました。わかるのですが、だれが貸すのですか。公団が貸すのか、船会社が貸すのか。
  99. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 専用使用を受けた者が使わすわけでございます。
  100. 野間千代三

    ○野間委員 わかりました。  それじゃ、きょうはこの辺で……。
  101. 内藤隆

    内藤委員長 次会は明五日午前十時二十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十一分散会