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1967-06-30 第55回国会 衆議院 運輸委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年六月三十日(金曜日)    午後三時十一分開議  出席委員    委員長 内藤  隆君    理事 大久保武雄君 理事 進藤 一馬君    理事 福井  勇君 理事 古川 丈吉君    理事 細田 吉藏君 理事 久保 三郎君    理事 河村  勝君       小渕 恵三君    木部 佳昭君       砂田 重民君    徳安 實藏君       中川 一郎君    水野  清君       山村新治郎君    板川 正吾君       小川 三男君    後藤 俊男君       神門至馬夫君    内藤 良平君       野間千代三君    米田 東吾君       渡辺 芳男君    山下 榮二君       松本 忠助君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 大橋 武夫君  出席政府委員         運輸大臣官房長 町田  直君         運輸省海運局長 堀  武夫君         運輸省港湾局長 佐藤  肇君         運輸省鉄道監督         局長      増川 遼三君         運輸省航空局長 澤  雄次君  委員外出席者         運輸省鉄道監督         局民営鉄道部長 山口 真弘君         建設省道路局企         画課長     豊田 栄一君         消防庁調査官  永瀬  章君         日本国有鉄道常         務理事     井上 邦之君         専  門  員 小西 真一君     ————————————— 六月二十九日  委員長谷川峻辞任につき、その補欠として阿  部喜元君が議長指名委員に選任された。 同月三十日  委員大竹太郎君及び米田東吾辞任につき、そ  の補欠として砂田重民君及び後藤俊男君が議長  の指名委員に選任された。 同日  委員砂田重民君及び後藤俊男辞任につき、そ  の補欠として大竹太郎君及び米田東吾君が議長  の指名委員に選任された。     ————————————— 六月二十九日  外貿埠頭公団法案内閣提出第一〇三号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  公共用飛行場周辺における航空機騒音による障  害の防止等に関する法律案内閣提出第一二三  号)  外貿埠頭公団法案内閣提出第一〇三号)  陸運に関する件  海運に関する件  日本国有鉄道経営に関する件      ————◇—————
  2. 内藤隆

    内藤委員長 これより会議を開きます。  外貿埠頭公団法案議題とし、提案理由説明を聴取いたします。大橋運輸大臣
  3. 大橋武夫

    大橋国務大臣 ただいま議題となりました外貿埠頭公団法案提案理由につきまして御説明申し上げます。  国際海運界では、最近急速にコンテナ船導入計画が進められておりますが、これに対処するためには、わが国でも早急にコンテナ埠頭整備する等コンテナ輸送体制整備する必要があります。また、わが国外貿定期船貨物量は年々増加の一途にありますが、外貿定期船埠頭整備がおくれているため、港湾の円滑な運営に支障を来たすおそれがある現状にあります。この際コンテナ埠頭整備及び外貿定期船埠頭整備を推進するためには、公団を設立しこれに行なわせることが、次の理由により最も妥当であると考えまして、外貿埠頭公団を設けることといたしました。  第一に、今後必要なすべてのコンテナ埠頭及び外貿定期船埠頭につき、その整備港湾管理者に行なわせることはきわめて困難な実情にあることであります。港湾管理者財政港湾整備五カ年計画による港湾整備量増大等により最近とみに悪化しており、これらの埠頭整備が十分期待できない現状にあります。したがいまして、今後の貿易海運発展の方向に即応すべくコンテナ埠頭及び定期船埠頭整備するためには、従来のような公共事業による整備はその限界に到達しつつありますので、公団財政資金等を導入しつつ整備していこうとするものであります。  第二に、これらの埠頭を最も効率的に運営させるために、外貿埠頭外航貨物定期航路事業者等専用使用させることが望ましいのであります。従来の公共事業による建設整備方式では専用使用は不可能であります。  以上の見地から、政府といたしましては、急速に埠頭整備を行なうとともに、その効率的使用を確保するため、公団による整備方式を採用すべきであるとの結論に達し、この法案を提出した次第であります。  この法案内容は、政府及び地方公共団体の出資により、外貿埠頭公団を設立し、外国貿易増進上特に枢要な地位を占める港湾において、外貿埠頭整備を推進させ、その効率的使用を確保させることにより、港湾の機能の向上をはかり、もって外国貿易増進に寄与せんとするものであります。  次に、外貿埠頭公団法案の要点について御説明申し上げます。  第一に、公団は、京浜外貿埠頭公団及び阪神外貿埠頭公団の二つとし、それぞれ京浜地区及び阪神地区に置くこととしております。  第二に、公団資本金は、京浜外貿埠頭公団にありましては、政府が出資する二億一千万円と東京都及び横浜市が出資する額の合計額とし、阪神外貿埠頭公団にありましては、政府が出資する二億九千万円と大阪市及び神戸市が出資する額の合計額としております。  第三に、公団管理委員会を置き、公団事業計画、予算及び資金計画並びに決算は、その議決を経なければならないこととしております。  公団の役員としては、それぞれ、理事長一人、副理事長一人、理事四人以内、監事一人を置くこととしております。  第四に、公団業務でありますが、公団外貿埠頭建設及び貸し付けを主たる業務とするほか、外貿埠頭の円滑な利用を確保するための諸施設の敷地の造成、管理等を行なうこととしております。  そのほか、公団の財務及び会計に関する事項監督に関する事項公団設立手続、諸税の減免等について規定しております。  以上が、この法律案を提案する理由であります。  何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
  4. 内藤隆

    内藤委員長 これにて提案理由説明聴取は終わりました。  本案に対する質疑は、後日に譲ることといたします。      ————◇—————
  5. 内藤隆

    内藤委員長 次に、公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害防止等に関する法律案議題とし、審査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。山下榮二君。
  6. 山下榮二

    山下(榮)委員 公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害防止等に関する法律案に対しまして、二、三、質問をいたしたいと思うのであります。  過般来当委員会、また本日は午前中産業公害対策特別委員会との連合審査等がありまして、この法案内容にわたりまして、それぞれの政党から、それぞれの角度からいろいろ質疑が行なわれてまいってきておるのであります。わが党もここに本法案に対しまして疑問とする点をお伺い申し上げ、運輸大臣の明快な御答弁をわずらわしたい、かように考える次第でございます。  文化発展に伴いまして、交通機関が日進月歩の姿で発展を遂げてまいっていることは御承知のとおりでございます。ことにいままで東海道線の汽車にいたしましても、急行で十一時間かかっておったのが、新幹線の超特急においては、大阪まで三時間という飛行機並みの速力をもって走るという時代になってまいってきたのであります。かてて加えて、これに伴って飛行機の進歩も著しいことは論をまたないのであります。いままで東京—大阪間を初めは二時間かかっておった飛行機が、あるいは一時間になり、最近では四十分で東京—大阪間を飛行機が飛ぶという時代になってまいってきていることは、御承知のとおりでございます。かような関係に伴いまして、文化発展交通機関発達はまことにけっこうでございますが、これに伴っていろいろの弊害が生ずること、いろいろの障害が伴うことは、これまた論をまたないのであります。したがいまして、これらに対するところの対策というものがいままで置き去りにされておったということは、まことに遺憾のきわみであると申さなければならぬのであります。駐留軍基地等におきましては、特損法等がございまして、その法律に基づいてそれぞれの補償が行なわれておったことは、大臣も、当局もよく御承知であろうと思うのであります。すでにその当時からわれわれは予想をして、かかる法律を制定されてしかるべきものであったろう、かように考えるのであります。おそきに失するとはいえども、この法案が提出されたことは、何といいましても住民にとりましては、まことに幸いと言わなければならぬと考えておるのであります。  そこで本法案内容についてお伺いをいたしたいと思うのでありますが、第一条に書いてございます「離着陸のひん繁な実施により生ずる損失補償その他必要な措置について定めることにより、関係住民生活の安定及び福祉向上に寄与することを目的とする。」こう書かれてあるのでございますが、その他の必要な措置防音装置その他、一体飛行機障害というものをどの範囲にお考えになっているか、その範囲のほどを伺いたい、こう思うのであります。何と何を障害考えておられるか。騒音だけを障害とお考えになっておるか。その辺をお伺いしたいと思います。
  7. 澤雄次

    澤政府委員 障害といたしましては、騒音が一番大きな障害でございますが、そのほか本法で対象といたしておりますのは、航空機のひんぱんな離着陸によりまして、その付近住民が受けます危機感圧迫感等障害の中に考えております。
  8. 山下榮二

    山下(榮)委員 それでは、騒音圧迫感だけですか。あるいは電波等に対する障害もある、そのほか風圧、いろんな関係があるのじゃなかろうかと思うのですが、そういう点に対しては、一体いかようにお考えになっておりますか。
  9. 澤雄次

    澤政府委員 電波障害、特にテレビ、ラジオにつきましては、先般の委員会で御説明申し上げましたように、これはNHK聴視料減免するように、いま郵政省、NHKのほうに交渉をいたしております。この航空機による障害は、先生のおっしゃるように、騒音あるいは危機感圧迫感だけではございませんで、そのほかに、あるいは排気ガス、それから振動によってかわらがすべるというようなこともございますが、一応この法律では騒音とそれから危機感圧迫感というものを対象といたしまして、今後漸次他の障害につきましても検討を進めてまいりたい、このように考えております。
  10. 山下榮二

    山下(榮)委員 これらの補償について、政府は単なる補償ということだけで事を済まそうとお考えになっておるのですか。さらに私は、税制上の優遇措置等考えるべきものではなかろうか、たとえば、風圧その他で農産物の減産あるいは農産物被害、いろいろのことがあると思うのでありますが、こういうもの等に対して、単なる補償ということだけではなく、税金の減免措置等考えるべきなのが当然ではなかろうか、かように考えておりますが、そういう点に対しては、一体いかようにお考えになっていらっしゃいますか。
  11. 澤雄次

    澤政府委員 現在のところ、租税の減免措置まで考慮することは考えておりません。
  12. 山下榮二

    山下(榮)委員 減免措置まで考えていないということは、政府としては、地域住民の迷惑に対して、きわめて冷淡な考え方であると私は考えるのであります。さような答弁ではなかなか承服しがたいのであります。もっと深く配慮を願って、この法律にうたわれた住民福祉向上住民が安心して生活を送ることができる、こういうことを考えますならば、その辺まで手を伸ばした親切味があってしかるべきだ、かように私は考えるのであります。  それでは、次に申し上げてみたいと思うのですが、先ほど連合審査の際にも質問が行なわれておったと思うのですが、ジェット機の着陸あるいは離陸その他によって、付近が非常な騒音に悩まされておることは御承知のとおりであります。それだけではございません。御承知のとおり、エンジンテストを行なう場合でも、相当きつい爆音が聞こえておるのであります。これらに対する防音措置というんですか、遮断措置というんですか、こういうことについても先ほど連合審査でも質問があったようでございますけれども、政府説明は明確を欠いておったと私は思うのであります。あるいは騒音遮断措置として防壁をつくる、あるいは防壁ができないものであるならば、グリーンベルトにして、そこに樹木を植えて音を防ぐ、いろいろな方法があろうかと思っておるのであります。そういうこと等に対して、一体政府としてどういうお考えをなさっていらっしゃるか。もう少し住民の迷惑、飛行場周辺に住む住民の身になってこのことを考えて前進せしめられるべきではなかろうか、かように考えるのでありますが、これらに対して一体いかようなお考えをしておられるか、この際伺いたいのであります。
  13. 澤雄次

    澤政府委員 このエンジンテストにつきましては、羽田のほうはわりあいに航空会社整備工場整備が完備いたしておりますので、エンジンテストに対する苦情が少ないのでございます。  伊丹は、先生指摘のとおりに、整備工場整備しておりませず、防音壁その他の設備もございませんので、近隣の方に非常に御迷惑をかけております。まことに申しわけないと思います。伊丹につきましては、航空会社を集めて、あるいは国の金を出して防音壁をつくるということを早急に検討いたしたいと思います。  それから、グリーンベルトあるいは防音林でございますが、伊丹飛行場で、航空機オペレーションに影響のない現在の地点におきましては、区域から出張っておりますようなところにつきましては、できる限り木を植える、あるいは土手を築く等の措置によりまして防音をいたしてまいりたいと思います。  ただ一般的な防音林の設置につきましては、伊丹は必要な区域がやっと確保できているという状態でございまして、防音林をつくりますには、約百メートルの幅の土地が必要でございます。それで今後ともその防音林に必要な区域の買収にはつとめてまいりたいと思いますが、御承知のように、あの付近土地の取得が非常に困難でございますので、とりあえず、現在飛行機オペレーション支障のないところから木を植える、あるいは、そこに土手を築くというようなことを実施してまいりたい、このように考えております。
  14. 山下榮二

    山下(榮)委員 話はあとへ戻りますけれども、先ほど農村に対する補償の問題について、税の減免を行なう予定はない、こう答弁をされたのですが、過般の委員会において同僚原議員から質問があったときに、農民の労働に対する補償に対しての考え方答弁があったのであります。あるいはジェット機が飛んでくるときにくわを立てて飛行機を見守っておる、その労働力低下等に対する補償考えている、こういう話を私は伺ったのですが、さらに、農作物に対しても、先ほど補償をされるという御答弁であったと思うのですが、これらの補償査定一体どこで行なおうとするのですか。その労働力低下あるいは農作物被害、これらの補償査定というものをどこでどう行なって処置されるか、こういうことを伺いたい。
  15. 澤雄次

    澤政府委員 御指摘補償は第十条の損失補償でございますが、この農業補償につきましては県当局あるいは農業団体と御相談をいたしまして、定型的にその地方農業収益から換算いたしまして、その農家の一時間の労働価値と申しますか、労働生産価値を定型的にきめまして、そしてそれによりまして一日に八十ホンなら八十ホン以上の音が何回響くかということを計算いたしまして、それでその農家の方の経営上の損失というものを定型的に計算をいたしまして、それを基準としてこちらで持っております。それから、実際の申請書農家のほうから府県知事に出すわけでございます。府県知事に出しまして、府県知事がそのとき、そういう基準を参照しながら農家の方といろいろ御相談いたしまして指導いたします。そしてそれに府県知事意見をつけまして、運輸大臣送付をするわけでございます。そしてその送付を受けましたものを、運輸大臣がその補償金の額を府県知事意見を尊重して決定いたすわけであります。それでさらに、申請者がその決定しました額について不服のあります場合には——通常このような場合は、行政不服審査法異議申し立てができないのでございます。というのは、補償額の決定ということは一種の当事者間の法律関係の確定でございまして、損失幾らであったかということにつきまして、これは幾らであったということは絶対的にきまっているわけでございます。抽象的にはきまっているわけでございます。ですから運輸大臣には、その額についての裁量余地がないわけでございます。百万円の損害であるということが絶対であるならば、運輸大臣はそれを百五万円にしたり、九十五万円に下げたりする行政裁量余地がないわけでございます。こういうものにつきましては異議申し立て行政不服審査法ではさせない、直ちに裁判所に持っていけ、こういうことになっておるのでございますが、この場合には特別に念を入れまして、異議申し立てでない、異議の申し出という制度を十二条でつくりまして、運輸大臣がもう一度それを検討し直す、これは運輸省に何らか計算の間違いがなかったかどうかということで、もう一度審査し直す、こういうように念を入れてこれを再審査する。そのあとそれに御不服があれば裁判所に持っていけるようにしていることは、これは当然でございます。以上のような手続を経まして補償額を決定する、こういうことに相なっております。
  16. 山下榮二

    山下(榮)委員 それじゃ重ねて伺いますが、損害賠償の訴訟を起こす前に、再審査の請求をすることができる、こういう規定になっている、こう解釈していいわけですね——わかりました。  それじゃ次に伺いたいのですが、これは先ほどから、あるいはこの前の委員会からしばしば話がありましたから、くどくどしくは申し上げませんが、伊丹飛行場周辺である川西市の久代という小学校がちょうどジェット機の飛び立つ直下にあります。約一キロ離れたところでありますが、なかなか勉強支障を来たす、こういうことで、先ほど連合審査の際にも岡本議員から話があっておりましたが、私たちの手元にも小学校の子供から切々と訴えの手紙がたくさんまいってきております。一日もすみやかに鉄筋に家を建てかえて、そうして防音装置をした校舎にして、勉強のできるようにしてもらいたい、こういう訴えがまいってきておりますが、こういうもの等は、これは繰り返しては申し上げませんが、早急に手をつけてひとつ処理をしていただきたい、かように考えておるのであります。したがいまして、これは御答弁はしばしばされておりますから、答弁を求めるわけではございませんが、私は希望を申し上げておきたいと思うのであります。  時間も迫っておりますから、急いでもう一、二伺いたいのですが、もう一つ伺いたいと思いますことは、これは直接爆音とは関係ございませんが、伊丹飛行場の中にガソリンタンクがたくさんつくられてあります。きょうは消防庁のほうからもお見えになっておるようでありますから伺いたいのですが、ガソリンタンク飛行場の中にああいうふうに無数にたくさんつくられるということは、近所の者が非常な危険感を感ずるのであります。一体ガソリンタンク地上につくらなければ、どうあってもできないものか。衆議院の自動車のガソリンは、御承知のとおり、そこの庭の地下タンクを埋蔵しておるようであります。飛行場等は特に私は地下埋蔵をいたしまして、地上にないようにすることが安全度が高いのではないかという感じを持っておるのですが、これに対して一体いかようなお考えを持っていらっしゃるかひとつ伺いたいことが一つ。あるいは諸外国では一体、同じように地上タンクをつくっておるのかどうか、これらの点についてもしお知りでございましたら、おそらく調査もされておるであろうと思いますが、お聞かせをいただきたい、こう思うのであります。
  17. 永瀬章

    永瀬説明員 ただいまの御質問でございますが、一般的には地上タンクをつくっております。これは地下ということに相なりますと、現在ガソリンスタンド貯蔵に対しましては地下タンクを要求しておりますが、大きなタンク地下にいたしますと、腐食の問題でしばしば漏洩を起こす危険がございます。これに対しまして地下の場合には検査方法がございません関係で、現在はガソリンスタンド以外の地下タンクは原則的に認めない方針でおります。  外国の例でございますが、十分な調査をいたしてはおりませんが、大部分がやはり地上タンクと聞いております。一部には半地下タンクがございます。
  18. 山下榮二

    山下(榮)委員 地下タンク地上よりも危険だというのは、いまの御答弁では内容がもう一つわからないのですが、一体どういう点が地下にすることが一番危険が多いのか、地上にあることがどういう点が安全なのか、その点をひとつお聞かせいただきたいと思います。
  19. 永瀬章

    永瀬説明員 地下タンクの場合、私申し上げました危険が高いと申し上げますのは、埋設されておりますので、わずかな漏洩でございますが、周囲からどの部分から漏洩が起こったかの検査方法が非常にむずかしいということでございます。従来も、立川基地等におきましても、周辺井戸等ガソリンの検出される場合が非常に多うございますが、これにつきましても、どこのタンクから漏洩したのか、長年月たちますので、計量その他では発見できませんので、おそらく地下タンク漏洩ではないかと言われております。一方、地上にいたしますと、タンクが外に出ております関係で、直ちに目で見ましてもタンク漏洩は発見しやすいのでございます。ただ、航空機の場合に墜落等考え合わせますときには、必ずしも墜落に対しては安全とはいえないのでございます。
  20. 山下榮二

    山下(榮)委員 私はいまの答弁ではなかなか了解しにくいのですが、ただ、地下埋蔵といいましても、タンクだけを地下へ埋蔵するのじゃない、コンクリートでちゃんと地下埋蔵するように構造をつくって、その中にタンクを据えなければならぬ。私は地上よりも地下のほうが安全である、地下のほうが安全であればこそ、ガソリンスタンドあるいは衆議院ガソリンその他が地下に埋蔵されているもの、かように解釈をいたすのであります。あなたのいまの解釈では、私は納得しがたいのであります。これはさらに追い打ちはいたしませんが、ひとつよく検討を加えていただきたい。あるいは成田にも飛行場ができることですし、今後飛行機発達というものはますます私は重大であると考えるだけに、ガソリン貯蔵タンクということについては、一段の研究をお願いしたい。しかも飛行機に使うがガソリンは、ガソリンだけじゃないというお話であります。軽油がほとんどであるということを伺っておるのであります。軽油になればなるほど私は、地下埋蔵ガソリンよりも楽ではないか、かように考えるのであります。しかしこれ以上追及しても答えは出ないでありましょうから、これはひとつ当局のほうで十分研究をされて、将来の飛行場周辺におけるガソリン貯蔵については、できることなら地上じゃなくて地下埋蔵にして、危険度のないようにお考えをいただくことが私は適当ではなかろうか、かように考えるのであります。  さらに、この問題について、伊丹のあのいまつくっておるタンクの近くは五、六百軒の人家があります。しかも小川がございまして、小さい堤防しかないのでございます。道路という道路はございません。もしあの付近に火事ということになったら、消防車一台入ることはできないのであります。ああいうものをつくられる限りは、道路等についても配慮をされるべきじゃなかろうかと思っているのですが、いまだにその配慮を見ていないのですが、一体これらに対してはいかよう方法をおとりになるお考えがあるか、この機会に伺っておきたいと思います。
  21. 澤雄次

    澤政府委員 現在のタンク地区に参ります細い道路はあることはあるのでございますが、万一タンクが何らかの事故で火災を起こしました場合に、付近住民がその道を通って逃げてまいりますから、先生おっしゃいますとおり、周辺飛行場の外にもう一本消防車の行く道路をつくる必要があることは、これは当然でございます。ただ、構内の道路なら私のほうでつくれますが、構外の道路になりますので、これは伊丹市、建設省と話し合いをいたしまして、四十二年度予算から国庫補助三分の二出しまして、あの消防署のところからタンクのところまでいく周辺道路をつくることが決定いたしまして、運輸省といたしましても国有地その他をその道路のためにずいぶん供出いたしまして、早急にこの場周道路ができますように努力いたしております。
  22. 山下榮二

    山下(榮)委員 なるべく早急に、大きな事故の、発生しないうちに、ひとつ完成していただきたいことを希望申し上げておきたいと思うのであります。  最後にもう一つ伺っておきたいと思うのですが、伊丹飛行場を今度は淡路に持っていきたい、こういう意見が出ておるようでございますが、もし淡路に持っていくということになりますと、案外住宅が少ない、付近が密集していない。いまの伊丹飛行場は御承知のように、八市の中に囲まれておる。豊中、池田、川西、宝塚、伊丹、尼崎等八市の中に囲まれておる。住宅のどまん中に飛行場がある。こういう関係で危険である。さらに今後の航空機発達等を考えて、淡路に飛行場を設置すべきである、こういう意見が地元でもあるのでございますが、これらに対して運輸当局としては何らかお考えがございますか、大臣に伺ってみたいと思うのです。
  23. 大橋武夫

    大橋国務大臣 伊丹飛行場は御承知のような状況でございまして、数年うちに羽田飛行場が狭隘を告げると同じように、この後間まなく狭過ぎるということになる時期がくるわけでございます。そこで、関西にも第二国際空港をつくりますことがどうしても必要となってまいりますので、今年度におきましては調査費をつけまして、具体的に第二空港の候補地を調査しようということになっております。この調査におきましても、淡路もやはり候補地の一つにして調査を進めるつもりでございます。
  24. 山下榮二

    山下(榮)委員 三億円の予算が計上されておるのは、いま大臣の言われました第二大阪空港の調査費、こういうことでございますか。それともあの三億円は東京大阪両空港の騒音防止のための予算と心得ていいのですか、どっちですか。
  25. 澤雄次

    澤政府委員 三億円は小中学校の騒音防止工事の費用でございます。
  26. 山下榮二

    山下(榮)委員 そうすると、私は局長に伺いますが、先ほど連合審査の際に局長は、予定している学校が五百か三百かいう数を言っておられたようでありますけれども、金額にして百億ということも言っておられたようでありますが、この三億円ということは、どういうわけで三億円でございますか。  さらに伺っておきたいと思うことは、過般来からの質問にもございましたように、防音装置で二重窓にすると、真夏の教育にはとても耐え切れない、そこで冷房装置か何らかの処置をとってもらわぬことには教育にはならぬ、こういうことが盛んにいわれておるのですが、一体三億という金で、東京大阪両方の空港の周辺でどういう学校の防音装置ができる、こういうことをお考えになるのか。私はさきの連合審査のときのあなたの御答弁と、いまのお話しとえらい食い違いが大きいと思うのですが、いかがですか。
  27. 澤雄次

    澤政府委員 さきの連合審査で御答弁申し上げましたのは、東京大阪両方の空港につきまして、この法律が実施に移りますと五年間で約百億円——これは政府として決定した額ではございませんで、運輸省の試算でございますが、五年間のうちに百億円の金を要するだろうということを申し上げたわけでございます。これは騒音防止工事だけでございませんで、いろいろな土地の移転補償土地の買い入れ、農耕補償等も含めまして、百億円の金を五年間に要するだろうということを申し上げたわけでございます。それで、いまの三億円は、この法律がまだなかったわけでございますので、とりあえずの予算措置として、東京大阪騒音防止工事を今年度から始めようということでついた金でございまして、これは東京大阪両空港周辺の小中学校の騒音防止工事を要するもののごく一部でございますが、とりあえずこの三億円で、先ほど先生がおっしゃいましたような最も緊急を要する小学校から、まず騒音防止工事を手がけてまいりたい、このように考えているわけでございます。
  28. 山下榮二

    山下(榮)委員 それでは法律はまだ成立をしていないけれども、とりあえずいま東京大阪空港周辺の公共施設の騒音等がやかましいから本年度予算に三億円計上をしておこう、こういうかりそめの——これはえらいことばが悪いですけれども、予算決定、こういうことに解釈すべきですか。
  29. 澤雄次

    澤政府委員 かりそめと申しますか、この三億円で騒音の最もうるさい学校からとりあえず手がけようということでございまして、手がけなければならない学校は非常に多いわけでございます。しかしこれは国の予算規模から、一ぺんに手がけることはとてもできませんので、毎年毎年予算をとっていきまして、騒音による被害の大きい学校から漸次防音工事を実施してまいりたい、このように考えているわけでございます。
  30. 山下榮二

    山下(榮)委員 それでは、もう時間もきたようでありますからあまり深入りをすることはやめますが、先ほど申し上げましたような川西市の久代小学校のようなところは、まず第一番に着手をしていただきたい。特に希望をしておきたいと思うのであります。  最後に一つだけ。滑走路の周辺範囲が千メートルか五百メートルかきまっておったようでありますが、民間の立ちのき補償を言っておられたが、その立ちのきをされたところのあとの敷地の利用については、過般来何ら答弁がなかったと思うのですが、立ちのきましたあとの敷地の利用というのは、一体いかようなところに利用される何か心組みがあるのでありますか、ちょっとお聞きしておきたいと思うのであります。
  31. 澤雄次

    澤政府委員 空港としてどうしても必要な施設がございましたら、空港は非常に狭隘でございますので、そういう施設をその土地建設いたします。それからそういう適当な施設がない場合には、なるべくそこに木を植えまして防音効果をつくりたい、このように考えております。
  32. 山下榮二

    山下(榮)委員 それでは先ほど私が申し上げました防音装置グリーンベルト、そういうことの方面に利用していきたい、こういうふうに考えていいわけでございますね。わかりました。  これで私の質問を終わります。
  33. 内藤隆

    内藤委員長 松本忠助君。
  34. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 連日にわたる審議でもはや疑問点は出尽くしたかと思いますので、重複する点もあろうかと思いますが、念のためにお伺いしておきたい。  局長にお伺いするわけでありますが、午前中の連合審査におきまして同僚の岡本議員から質問いたしました。たとえば小学校防音施設を完備する、これに要する予算の積算につきまして、現地の考え方当局のプランに大きく食い違いがあるように思われました。この点ひとつ明確にお答えいただきたい。
  35. 澤雄次

    澤政府委員 先生が御指摘の単価の基礎を拝見いたしませんと明確に申し上げられないわけでございますが、私のほうは従来防衛庁が実施しておりました単価によって積算したものでございます。
  36. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 岡本議員のほうの精算表とまたつき合わせていただけば十分おわかりかと思いますが、ちょっと局長のほうのお考えが常識的にも安過ぎるのではなかろうか、またはたして小学校一校を防音設備するのに、その程度の金でできるかどうかという点を非常に不安に思うわけであります。しかも初年度の計画は三億円、最もうるさいところから重点的にやるというお話でございますが、はたして何校くらいできるものか、おおよその目分量だけでもお知らせ願いたい。
  37. 澤雄次

    澤政府委員 大阪方面で一応六校——六校と申しましても、小学校全部を建てかえるのではございませんで、一部を建てかえ、あるいは一部は建物をそのままにして二重窓だけを、いわゆる防音装置と通風だけをやるのもございます。それらの工事をするところを六校程度考えております。それから東京方面は三校程度考えておりますが、具体的には市町村からの計画を拝見いたしまして、それから乏しい予算でございますので、また、先ほど先生がおっしゃいましたような予算単価の問題もございますので、あるいはこの数が減るかもしれません。その場合は優先順位は、大阪府、兵庫県あるいは東京都などと協議して、優先順位と申しますか、どの学校から手がけるということを決定してまいりたいと思っております。
  38. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 いまのお話の中に一部をやるというようなことがございますが、そういう一部の工事を施行しただけではたして、防音設備として学校で教室に使えるものかどうか。
  39. 澤雄次

    澤政府委員 大阪伊丹付近におきましては、すでに鉄筋の学校がずいぶん多いわけであります。そういうところは二重窓にし、通風するだけでございます。
  40. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 第五条の(騒音防止工事の助成)というところがございます。ここに対象は学校、病院と限定されておるわけでありますが、個人の家屋に対しては補償はしないわけでありますか。
  41. 澤雄次

    澤政府委員 個人の家屋につきましては、現在のところ補償考えておりません。これは、現在日本におきましては木造が非常に多いのでございまして、効果的な防音工事の実施が非常に不可能であるということと、それから予算面の制約もございまして、もしこれを実施すれば膨大な予算になる、同じ予算を使うならば、もっと緊急的に学校を早く整備する、そういうことが緊急性があるのじゃないかということで、騒音防止工事としては考えておりませんが、第九条のほうで、うるさいのでどうしてもよそへ行きたいといわれるような方には、移転補償あるいは土地の買い上げということを考えております。
  42. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 飛行機の、ジェット機騒音の激しいところは、要するに土地の価格が安いというのが通例になってきております。そういうところに建て売りの住宅がどしどし建ちまして、そこへ入る人が気をつければいいんですけれども、そこへ住みついてから騒音が非常に高い、そのひどいのに驚いて問題を起こしている例が多々ございます。したがいまして、もう一切個人の家屋に対しては補償しない、移転をして行くのならその移転の費用はやろう、取りこわすならば、取りこわしの損失補償しよう、こういうお考えでございますね。今後も一切そのお考えは継続してやるわけでありますか。
  43. 澤雄次

    澤政府委員 個人の家屋に対する助成ということは、今後とも考えられないのではないかと思います。
  44. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 それでは第五条あるいはまた第九条に示されております損失補償につきまして、その損失内容によりまして補償の規定がきまっているんだ、たとえて言うならば、このような程度の損失については、これぐらいの補償をする、こういった内規とか規定とか、そういったものがあるのかどうか。言うならば、行き当たりばったりな勘定で補償されたのではたまりませんし、何かそこに一つのよりどころがあるものかどうか。あるとするならば、その規定をお示しいただきたい。
  45. 澤雄次

    澤政府委員 第五条と九条でございます。順次申し上げます。五条につきましては、この補助は全額補助ということがたてまえでございます。ただこの補助を受けた方が、たとえば木造が鉄筋になるというような場合には、ある程度利益を受けるわけでございますから、その利益を受けた限度において一〇〇%の補助額からそれを減ずるということでございまして、たとえて申しますと、木造を鉄筋の二重窓に変えたという場合は十分の九の補助率、そういうことに相なります。  それから第九条の移転補償あるいは土地の買い上げでございますが、移転補償につきましては、相当因果関係にある移転または除却により相当因果関係にある損失すべてを補償いたします。これは補償基準というものがはっきりきまっております。それから土地を買い上げますときには、これは適正なるその土地の相場と申しますか、鑑定人による鑑定を受けた価格で買い上げるわけでございます。
  46. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 第十条でございますが、十条の二行目に当たりますか、「従来適法に農業その他政令で定める事業を営んでいた者がその事業の経営損失をこうむったときは、その損失補償する。」とございます。「農業その他政令で」とありますが、「その他政令で定める事業」というのは何をさすわけでございますか。
  47. 澤雄次

    澤政府委員 目下のところ漁業を予定いたしております。
  48. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊等の行為による特別損失補償に関する法律、こちらには農業、林業、漁業ということがはっきりうたってあります。いまこの中で農業と漁業が出てきたわけでございますが、林業に対する補償というものはお考えにならないのかどうか。
  49. 澤雄次

    澤政府委員 特損法におきまして補償するというのは、単に航空機だけでございませんで、これは機甲車両その他重車両のひんぱんな使用、射撃、砲撃、爆撃、火薬類の使用のひんぱんな実施その他によりまして、林業に被害を及ぼすことが非常に多いのでございます。そのために林業というのが入っているわけでございまして、この法律におきましては航空機騒音だけでございますので、林業その他の産業というものは考えておりません。
  50. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 それから、ただいま申し上げました特損法のほうのことにつきまして、ちょっと参考に承っておきたいのでありますが、日本国がその損失補償するとございますが、米国は一切その一部を負担するというようなこともないわけでございますか、全面的に日本国で損失補償するということになっているのかどうか、その辺のところを参考までに聞いておきたいのであります。
  51. 澤雄次

    澤政府委員 この特損法は防衛庁が所管いたしておりますので、ちょっと責任ある御答弁はいたしかねます。
  52. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 じゃ、けっこうであります。  それから次に、関連する問題で大臣にお伺いしたい点がございます。二十八日の新聞によりますと、日本航空はじめ五社が航空運賃の値上げの申請をしていた、これを近く認可するというような記事が出ておりましたが、これは事実でございますかどうか。
  53. 大橋武夫

    大橋国務大臣 日本航空その他国内各航空会社の航空料金の引き上げは、昨日すでに認可を了しました。  その内容は、かねてから御承知をいただいておりますとおり、昨年繰り返された航空事故を契機といたしまして、空港整備五カ年計画というものを樹立いたしたわけでございます。これは五カ年間に千百五十億の予算のワクをきめまして、大体この費用の範囲で、五カ年間に東京大阪の国際空港、それから第二種空港、第三種空港等の滑走路の拡張あるいは安全保安施設の強化、こういうことを行ないまして飛行場の改良による安全を推進しよう、こういうことであるわけでございます。ところで、千百五十億に対しまして、財源としてはこれとバランスする程度にはとうてい歳入を見込めませんけれども、とにかく一部として航空機関係者にも負担をしてもらおうというので、第一には、従来通行税は一般交通機関におきましては、一割でございました。ところが航空機については、特に奨励の意味をもちまして、五分に減免しておりました。その五分を一般並みの一割まで引き上げること、第二は各飛行場に着陸しますときに、飛行機の会社から飛行場に払います着陸料を二割引き上げること、この二点が安全施策に伴って決定をいたし、その関係法案もすでに成立をいたしたわけでございます。  そこで、これをどういうふうに料金の上にはね返らせるかということでいろいろ検討もされておったのでございますが、まず着陸料の二〇%引き上げは、各社ともこれは乗客に対するサービスとして会社が負担しようということになりました。それから通行税の五分の引き上げは、ある程度料金にはね返らせるという措置をとることになったわけでございます。御承知のように、最近国内におきまする航空会社経営は必ずしも一時のようでございませんので、この際経営の基盤を強化していくということも安全確保の上から必要だと存じまして、大体この措置を認めまして、五分以内の引き上げを許認可いたしたわけであります。なお、実施期日は七月一日からになっております。
  54. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 航空運賃が値上げされる。これはほんとうにお客さんのほうのはね返りは、いまのお話を聞いてわかりましたが、わずかなものでありますけれども、引き続いて都営交通とか民営バス、中小私鉄、タクシーなどの運賃の値上げは必至の気がまえのように見られますけれども、この値上げを認可するのかどうか、この点についてお答え願いたいと思います。
  55. 大橋武夫

    大橋国務大臣 御承知のとおり、数年前から都営、市営等の都電、都バス、市電、市バス等が各六大都市どこも経営が思わしくなくなっていることは、御承知のとおりであります。しかも、そのために相当の赤字を各都市ともかかえておりましたが、自治省におかれましてはこの赤字を整理する、それがために交通機関の再建計画というものを立てることを慫慂されたわけであります。その方法といたしましては、さしあたりたまっておるところの赤字は一時たな上げをいたしまして、別途に償還の計画を立てるとともに、今後発生する赤字の防止をはかるという意味において、若干の料金の引き上げを計画したわけでございます。これらはすでに各都市とも逐次行なってしまいまして、いまのところ残っておるのが東京都並びに、これは確かではございませんが、京都市、この二カ所ぐらいだと思います。この二カ所につきましても、やはり赤字累積の状況でございますから、早く再建計画を立てなければならぬということになっておりましたが、京都では市長の特別な関係東京におきましては都知事の立てられました再建案が昨年都議会において数回不成立に終わっておるというような事情で、決定をいたしません。したがって再建計画もできなければ、また値上げの計画というものも申請してこなかったわけでございます。  そこで、この中で特に東京都の交通料金を引き上げるかどうかという問題が注目の的になっておったのでございますが、これが近く東京都で決定をされるようになるんじゃなかろうか。そうしますと、従来からの経緯から考えますと、まだ六大都市の中で残っておるのはこれだけだという意味で、この値上げについてはある程度特別な考慮が必要になると思うのでございます。かりにこの東京都のバス料金、地下鉄料金等が認可になりますと、従来東京都の値上げを待っておるという意味で、東京都に乗り入れておりますバスの料金が据え置きになっております。したがいまして、東京都のバス料金をいじれば、これらのバス料金も均衡上いじらなければならぬということになるわけでございまして、これは非常に大きな問題でございますので、申請を待ちまして慎重に考慮の上、態度を決定したいと思います。
  56. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 たいへん御丁寧な御答弁をいただきましてありがたいわけでありますが、ただ一点だけ、私非常に大臣が熱心に御答弁くださいますのでお伺いしておきたいのは、きのうの点であります。  きのうの物価安定推進会議で総理が言っていることばの中に、タクシー料金に対しては従来は同一地区で同一料金があたりまえと考えていたが、そうばかりとは言えない、また個人タクシーを奨励して安い料金で行けるように新風を吹き込みたい、こういう答弁を総理がしておりますが、この点については大臣も同意見であるかどうか、一点だけお伺いしておきたい。
  57. 大橋武夫

    大橋国務大臣 いまお述べになりました方針は、二十七日の物価関係閣僚会議ですでに申し合わせた方針でございます。政府全体の考え方でございます。
  58. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 最後に、それではもう一点お伺いいたします。  六月二十八日の朝日新聞に、沖繩本島の中部の嘉手納の村議会が、米軍の基地の飛行機騒音のために全然会議ができない、午後になって隣の村の公民館に議場を移して、そこで審議を継続したという記事が出ております。参考に伺うわけでありますが、沖繩では基地の騒音防止に対してどのような対策がとられているのか、局長からお聞かせ願いたいと思います。
  59. 澤雄次

    澤政府委員 まことに不勉強で申しわけないのでございますが、沖繩でいままでどういう措置がとられているか詳細承知いたしておりませんので、調査いたしたいと思います。
  60. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 これは新聞記事に出ておりましたが、確かに村議会が会議ができないで隣の村に移った、そして会議をしたというのが出ております。向こうの状態がどのようになっておるか私も全然存じませんものですから、それをひとつお伺いしておけばたいへん参考になるのではないかと思ってお伺いしたわけであります。ありがとうございました。  では、以上で質問を終わります。
  61. 内藤隆

    内藤委員長 水野清君。
  62. 水野清

    ○水野委員 与えられた時間があまりございませんので、ごく簡単に申し上げます。  この公共用飛行場周辺航空機騒音に関する法律案の第五条の点でございますが、この三項の「前二号の施設に類する施設で政令で定めるもの」という点について、ちょっと詳しく伺いたい。一昨日配付されました資料によりますと、防衛施設周辺整備法に基づく措置のこの資料の(1)のハのところに、児童福祉法それから医療法、生活保護法、老人福祉法、この四項目の現在防衛庁が補償しておりますことについて、大体これと同等の程度で、この航空局の新しい法律補償対償になるというふうに聞いておりますけれども、実はこの『児童福祉法第三十九条第一項に規定する保育所又は同法第四十四条に規定する教護院。』というふうに明確にここに規定されておりますけれども、児童福祉施設におきまして教護院だけを取り上げてその他の児童福止施設を全然取り上げておられないという点について少し伺いたい。例を申し上げますと、今度想定されております成田における新国際空港においては、児童福祉施設として明記されております養護施設、これらに相当するものが二カ所ございます。現実に申し上げますと、チルドレン・パラダイスというのと螢雪学園というのが二カ所ございます。さらに精神薄弱児施設、精薄施設といっておりますが、これも不二学園というのが一カ所ございます。さらに兵庫県立若草学園というのが伊丹空港の周辺にございまして、これも養護施設でございます。現にこういうふうに対象になるかならないかという施設が四カ所ありながら、これを取り上げられないでいるということについて少し御意見を伺いたいと思うわけでございます。
  63. 澤雄次

    澤政府委員 私たちといたしましても、この児童福祉法に基づきますものを単に保育所及び教護院の二つだけに限ることなく、その他の施設についてもこの法の適用対象にいたしたいのでございます。これは防衛庁が長い間従来の慣例で対象にいたしておりましたものが保育所及び教護院でございますから、これは基地周辺整備法制定に際しましても、この二つだけが政府全体として認められたわけでございまして、今度の騒音防止法を国会に提案する前に関係各省とも御相談申し上げたわけでございますが、最終的に政府としては保育所及び教護院の二つをまずとりあえずやろうということで了解がついた次第でございます。
  64. 水野清

    ○水野委員 実は防衛施設周辺整備法のハのところに、生活保護法というのがあります。ここにも救護施設というものだけが取り上げられておる。ところが生活保護法による同様の規定の中には、救護施設以外に更生施設とか、あるいは医療保護施設、授産施設、宿所提供施設というのがありまして、特にロの項で医療法による病院は認められておるわけでございますが、病院以外に、これは生活保護を受けておる人たちの医療保護施設が対象になっていない。現実にはこれは新国際空港やその他のところではないわけでありますけれども、法律的な概念として非常に私は不公平だと思うわけです。さらに老人福祉法というのがありまして、これはいずれも厚生省関係法律でございますが、養護老人ホーム、その他いろいろな老人福祉センターというものがあるのですが、こういうものが落ちております。特別養護老人ホームだけが対象になっている、こういうところにも私は非常に法律的に不公平ではないかと思うわけでございます。これについて運輸省で非常に御努力されておるということは聞いておりますけれども、御答弁はけっこうでございますが、一そう関係各省の間で御相談になって、こういう予算の非常に少ないところでございます。今後なるべく早い機会に補償対象になり、安心して不幸な子供たちや年寄りの方々がこういう騒音から守られるような対策を、手を打っていただきたいと思うわけでございます。  それからもう一つ、まことに恐縮ですが大臣に伺いたいのですが、大阪伊丹空港においては、騒音対策協議会というものが現在できて進行しているということでありますが、新国際空港においては騒音対策協議会というものをつくって、地元の人たちと国との間の調整をやっていくお考えがあるかどうかということを一点伺いたい。
  65. 大橋武夫

    大橋国務大臣 最初の各種の社会施設の取り扱いの問題でございますが、現在の法案考え方といたしましては、一応とにかく昨年できました自衛隊の法律に万事歩調を合わせようということでできておりまするが、しかしこれらの施設は地区地区によっていろいろ範囲が違ってまいりますので、そこらの状況をよく勘案いたしまして前向きに検討いたしたいと思います。  それから次に、騒音対策協議会を新空港の関係地域にも勧奨する気はないかということでございますが、これはぜひつくりたいという方針でございまして、その予定をいたしております。
  66. 水野清

    ○水野委員 終わります。
  67. 内藤隆

    内藤委員長 本案に対する質疑はほかにございませんか。——ほかに質疑もないようでございますので、これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————
  68. 内藤隆

    内藤委員長 これより討論に入りますが、別に討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  69. 内藤隆

    内藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。     —————————————
  70. 内藤隆

    内藤委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、進藤一馬君外三名より自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党四派共同提案にかかる附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  まず、提出者から趣旨の説明を求めます。進藤一馬君。
  71. 進藤一馬

    ○進藤委員 私は自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党を代表して、ただいま議決されました公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害防止等に関する法律案に対し、附帯決議を付することを提案いたします。  案文を朗読いたします。     公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害防止等に関する法律案に対する附帯決議   政府は、この法律の施行に際し、左の事項について努力すべきである。  一、第五条の規定の運用にあたっては、特定飛行場周辺の市町村財政等の実情にかんがみ、騒音防止工事の施行により必要となる空気調節装置等の設置についても十分配慮すること。  一、飛行場周辺は、騒音以外の公害も数多くあるので、特段の配慮をすること。   右決議する。  この決議の趣旨につきましては法案審査の過程で十分明らかにされておりますので、省略いたします。  何とぞ各位の御賛成をお願いいたします。
  72. 内藤隆

    内藤委員長 以上をもちまして趣旨の説明を終わりました。  これより採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  73. 内藤隆

    内藤委員長 起立総員。よって、本案は附帯決議を付することに決しました。  この際、政府当局より発言を求められておりますので、これを許します。大橋運輸大臣
  74. 大橋武夫

    大橋国務大臣 ただいまは慎重御審議の上御採決をいただきまして、まことにありがとうございます。  また、御決議になりました附帯決議につきましては、政府当局といたしましてその趣旨を尊重し、十分決議の趣旨の実現に努力いたしたいと存じます。     —————————————
  75. 内藤隆

    内藤委員長 おはかりいたします。  ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  76. 内藤隆

    内藤委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————
  77. 内藤隆

    内藤委員長 この際参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  外貿埠頭公団法案について参考人から意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  78. 内藤隆

    内藤委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  なお、参考人の人選、出頭日時等については委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  79. 内藤隆

    内藤委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。      ————◇—————
  80. 内藤隆

    内藤委員長 次に、陸運に関する件、海運に関する件及び日本国有鉄道経営に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。後藤俊男君。
  81. 後藤俊男

    後藤委員 実は滋賀県の犬上川の南踏切の交通事故の問題でございますが、大体内容につきましては十分御承知のことと思います。近江鉄道の電車とそれから砂利運搬のダンプカー、この衝突事件でございます。被害者といたしましては死者が一名、さらに重傷者が数名ということでございますが、不幸中の幸いとしまして、始発電車であったため乗客が非常に少なかった。これがおそらくラッシュの時間なれば、ことしの四月一日にありました南海電車の事故と同じくらいな被害者を出しておるのではないだろうかと思われるくらいな事故でございます。さらに、その当日等の新聞を読んでみましても、事故の内容、ケース等については、いま申し上げました四月一日の南海電車の事故と一緒だ。政府なり国会におきましても事故撲滅ということが非常に叫ばれておるけれども、むなしく同じような事故が起こっておるのだ。こういうようなことも新聞では報道をいたしておることは十分御承知だと思います。  それで、まず第一番に、この事故に対して全部調査をされたと思いますけれども、その内容を御報告をしていただきたいと思います。
  82. 増川遼三

    ○増川政府委員 近江鉄道の事故につきまして御報告を申し上げます。  事故の概況につきましては、すでに新聞にも報道せられたとおりでございまして、その点につきましては省略をさしていただきたいと存じますが、事故の起きましたその状況の中で、列車が、進行方向左側よりばく進してきましたダンプカーを発見しまして、直ちに非常制動の措置をとったけれども、これが及ばなかったということでございました。ダンプカーが先頭車の前部左側に接触いたしましたために、脱線という惨事を起こしたわけでございます。その状況は、先頭車は犬上川橋梁の右側に、二両目が左側にそれぞれ車体の一部を橋げたの上に残しまして傾斜した状態でとまったわけでございます。なおダンプカーも川原に転落をいたしまして大破したのでございました。このための被害は、ダンプカーの運転手が即死、列車の乗客四名が重傷、乗客二名及び列車運転士、車掌が軽傷を負ったのでございます。  この原因は、ダンプカーの直前横断と推定されるのであります。事故発生後直ちに復旧につとめまして、三十日、今日の十時三十二分に開通をいたしました。  この事故のございました踏切は現在第四種の踏切でございまして、幅員三メートル、それから踏切道の長さが四メートル半、交角七十度というものでございました。踏切から列車を見通す距離は二百メートルございます。列車から踏切を見通します距離は四百メートルでございまして、それほど危険な場所とは考えられないのでございます。  当該道路は甲良町の町道でございまして、この道路交通量を申し上げますと、道路側では一日当たり換算九千五百八十四でございました。鉄道の通過回数は一日五十四回でございます。この関係から、当局といたしましては建設省とも協議の上、昨年の十一月十五日に第四次の踏切道改良促進法に基づく指定をいたしまして、四種から三種に格上げすることになっておるわけでございまして、会社側の計画といたしましては、四十二年度の下期にこの格上げを完成するということになっておったのでございます。この事件直後、大阪陸運局におきまして現地を見た上で、会社側に対しまして早急に整備をすることを指示いたしましたところ、会社側といたしましても繰り上げて早急に手をつける、こういうふうに約束をいたしております。これに要しまする経費は二百三十万円ばかりかかるそうでございます。  この同じ踏切におきましての過去の踏切事故を申し上げますと、昨年の九月二十六日に三輪車が、やはり同じように直前横断によりまして上り列車に接触しております。死傷者は出ておりません。それから、ことしの六月七日でございますが、大型トラックがやはり直前横断によりまして下り列車と接触いたしております。これも死傷者なしに軽く済んでおります。  近江鉄道の社線に対しましては、現在七カ所の踏切に対しまして、一カ所は四種から一種へ、あとの六カ所は三種から一種への格上げの指定を当方でいたしております。これらにつきましても今後早急に改善するよう指示しておるわけでございます。  大体以上でございます。
  83. 後藤俊男

    後藤委員 この踏切につきましては、いまお話がございましたように去年も事故を起こしておる、先月も事故が続いておる、さらに今度の事故だということで、同じようなケースで、事故の自動車は全部川の中に飛び込んでおる。この事故の起こる直前の、いわゆる先月ですが、トラックが同じようなケースで同じように犬上川に飛び込んでおる。こういう事故の連続でございます。  建設関係の方もおいでになるのでお尋ねしたいと思うわけですが、交通安全対策特別委員会におきまして、全国の踏切道を点検するということが決定されておると思います。これは五月中に全部完了するのだ。六月になった場合には、点検した結果、あぶないところ、さらに心配なところについては即決で何らかの方法考える。さらに恒久的な施策についても早急にやるのだ。これは五月二十五日の交通安全対策特別委員会で決定いたしております。ここに速記録も持ってきております。そうなってまいりますと、いま申し上げましたように、南海電車の二の舞いといわれるような事故を起こしておる。その踏切は先月も事故を起こし、さらに昨年も事故を起こしておる。この滋賀県の犬上川の踏切につきましては、おそらく五月中に点検がされておると私は思いますが、その点検の結果はいかようになっておるのかお尋ねをいたしたいと思います。
  84. 豊田栄一

    ○豊田説明員 お答えいたします。  私どものほうは、ただいま先生指摘の点、特に四月の六日の交通対策本部決定事項、それから同七日付の交通関係閣僚協議会の了解に基づきます踏切事故の防止の強化策、それに基づきまして現在総点検を各出先のほうへお願いいたしまして、そういうものを現在集計をやっておるところがございます。もちろんその精神は、ただいま運輸省のほうから御説明がありましたように構造改良の問題、保安設備の整備の問題あるいは交通規制の問題、これは各県いろいろでございますが、私どもはこの構造改良の関係といたしまして、現在データをいろいろ分析中でございます。その中で、特に本年度の予算で執行できるものは逐次執行に移すような段階でもって、現在準備中でございます。
  85. 後藤俊男

    後藤委員 そこでもう一歩突っ込んだお話でお尋ねをしたいと思うのですが、いま説明されたのは、大体点検をして資料を集めて予算ができたら面すのだ、一口に言ってそういうことだと思います。ところが事故というのは毎日毎日起こっております。しかも現在、政府なりその他努力はいたしておりますけれども、事故に対する対策というのは後手後手へ回っておる。事故があって初めて騒ぐ。こういうようなケースが非常に多いように思います。この踏切は現在開通しておりますが、これに対する扱いは一体どうなっておるかというと、やはりいままでどおりの状態です。注意を促すような立て札すら一本も立っておりません。去年も事故を起こし、先月も事故を起こし、今日も事故を起している。そして近江鉄道は開通したけれども、まだそのままでございます。これはいつ何どき事故が起こるかわかりません。この踏切はダンプカーが一日に大体七十回往復するわけなんです。しかも見通しといたしましても、先ほどいいようなことを言われましたけれども、あまりいい踏切ではございません。だから事故が起こっておるのだと私は思います。現在においても、開通はしたけれども、そのまま放置されておる。これはいつ何どきまた同じような事故が起こるかもわからない、そういう条件が整っておる踏切だと私は思います。これをこのままにしておいていいものかどうか。あなたが言われるように、全国のやつを集約して予算ができるまで待ってと、そうやっておりますと、おそらく来年にまたがってしまうと思います。この前の交通安全対策特別委員会におきましても、各省が、県知事等が中心になって少なくとも五月一ぱいに点検をやれ、そして早いところ事故を防ごうじゃないか、これが真剣なる論議であったと私は考えております。そういうところに事故の盲点があるのではないかと私は思います。  そこで私は運輸大臣にもお尋ねしたいと思いますが、いま申し上げましたように、四月一日にありました南海電車と同じようなケースの事故だが、始発電車であったから被害は少なかった。しかも、トラックであったから先月の事故は被害が少なかった。こういうことを次から次へと同じ場所で繰り返して、開通はしたけれども、同じ条件でその踏切が放置されておる。こういうことで一体いいものかどうか。この点運輸大臣として全国的な事故撲滅のためにどういうふうな考え方を持っておられるか、お伺いしたいと思います。
  86. 大橋武夫

    大橋国務大臣 この春起こりました南海電車の踏切事故はまことにひどいものでございまして、私も翌朝さっそく現場へ見舞いに参りまして、実にその惨状に驚いた次第でございます。きょう朝新聞を見ますと、あの当時の状況と同じような写真が載っております。これはまたひどい事故が起こったとびっくりしたのでございますが、この問題に関連して踏切対策がどうなっておるかということでございます。総点検にあたりましては、特に危険な踏切と認められるものは、集計を待たずして直ちに改良の方針を個々に決定しておるというような状況でございます。したがいまして、本踏切につきましても、先ほど鉄監局長より申し上げましたごとく、これはすでに踏切の格上げを決定しておるのでございます。四十二年度、すなわち本年度に実施の予定になっております。ただ事故が起こってから何カ月か放置されて、その間に今度のような事故が起こるということは、まことに申しわけないことでございます。私ども、格上げが決定いたしております個々の踏切につきまして、さらにこの機会に、これを契機としてもう一度当たりまして、急速を要するものから当初の予定にかかわらず促進するようにいたしたいと存じます。
  87. 後藤俊男

    後藤委員 そうしますと、全国的な踏切事故に対する防止の考え方については、運輸大臣が言われましたことはわかるわけでございますけれども、ただ私の言わんとするのは、こういうふうにたび重なる踏切を一体いつまでそのまま放置しておくのか。格上げして、それが完成するまで現在のままで置いておくのかどうか、それでいいのかどうか、それで事故が未然に防げるのかどうか、このことを運輸大臣としてどういうようにお考えなのかという点を私はお聞きしたいわけなんです。あなたのおっしゃるように、点検した結果を見て、二極を一極にする、あるいは三種を二種にする、こういうふうな気持ちというのはよくわかるわけなんです。これは長い間叫び続けてきた問題でございますけれども、やはり同じような種類の事故が重なって起こるということは、私はどこかに盲点があると思います。その盲点というのは、先ほど申し上げましたように、去年もやっておる、先月もやっておる、今回もやった。いま開通しておりますけれども、踏切は前と同じことで放置されて、みんながやはり通っておるわけなんです。それでいいのかどうか。だから私もきょうは県警の交通課のほうに聞いてみますと、以前のとおりそのままでございます。こういうふうなことも確認をいたしたわけでございます。そのことについて一体運輸大臣としては——これは滋賀県だけの問題ではなしに、全国にそういうケースがたくさんあるじゃないか。やかましく言われておるから、即決として一体この危険な踏切をどうする、こういう事故の起こりそうなところは一体どうする、そこへ神経をきめこまやかに使っていくところに、事故を防止する大切な点があるんじゃないか、私はその点をお聞きしておるわけです。
  88. 大橋武夫

    大橋国務大臣 御質問の御趣旨はよく了承したつもりでございます。そこで、どうするかという問題でございまするが、現実に工事を完了するにはやはりそれまである程度の期間があることはやむを得ないと思いますが、その間においても、いやしくも危険を避けるために必要と認められる措置をとることが重大な点じゃないか、こう思うのでございまして、たとえば踏切の明確な表示を行なうとか、あるいは注意書きをつけるとか、そういう方法幾らかでも事故の発生を防止するようにいたすことが一つの方法じゃないかと思いますので、この点至急省において研究いたしまして、それがいいとなったら直ちにやりたいと思う次第でございます。
  89. 後藤俊男

    後藤委員 それで、いま私が質問いたしましたのもその点でございますけれども、やはり全国的にもこういう盲点と申しますか、こういう点がたくさんあろうと思いますし、さらに、今回の犬上川の事故につきましては、滋賀県の問題でもございます。ただ私は滋賀県だけのことを言っているわけではございませんけれども、ぜひひとつ、総点検ということもきまっております。点検したけれども、その結果放置されておったのでは点検したかいもないと思いますし、予算がくるまでそのままだというようなことでは一年、二年先になってしまうと思います。特にこの事故を起こしましたところの滋賀県、この事故につきましても非常に危険な踏切であるということは、もう実績がものをいっておりますので、ぜひひとつ、この踏切に対しましても、再びこういうような不幸な事故が起きないように、責任を持って対策を講じていただきますようにお願いをいたしたいと思います。  さらに滋賀県は御承知のように、名神国道から国道が非常にたくさん通っておる県でもございますので、さらに私鉄あるいは国鉄と、交通につきましては非常に複雑な県でもございますから、この踏切点検等の問題も実施されておらなければ、早急に実施をしていただいて、早くいま大臣が言われたような手を打って、人命に殺傷を与えるような事故防止のために全力を尽くしていただきますようにお願いをいたしたいと思います。この事故につきましても、具体的対策を早急に立てていただきますようにお願いをいたしたいと思います。終わります。
  90. 内藤隆

    内藤委員長 久保三郎君。
  91. 久保三郎

    ○久保委員 運輸大臣にお尋ねするわけでありますが、昨日参議院の内閣委員会質疑があった、いわゆる運輸大臣が自分の所掌事項である船舶整備公団公団債引き受けの金融機関を、特殊な関係にある銀行に対して口添えをしたというようなことでありますが、われわれとしてはたいへん残念に思っているわけであります。なお公団債が発行される、運輸大臣監督下にある公団は、御案内のとおり、昨日問題になりました船舶整備公団、さらには鉄道建設公団、それからまたこれは公団債の発行に至らぬかと思うのでありますが、新東京国際空港公団先ほど大臣から提案理由の御説明がありました法案法律として成立いたします場合、二つの外貿埠頭公団ができて、これまた今後の事業資金を調達するために公団債あるいは政府保証債というか、そういうものを発行し、この発行について特定の銀行に、運輸大臣の認可を得てやらせるということに相なるわけであります。この公団債発行と金融機関の関係について、運輸大臣関係する分野は、大臣すでに御承知のとおり、それぞれの公団法によりまして、当該の公団運輸大臣の認可を得て、公団債発行の事務の全部または一部を特定の銀行に引き受けさせるということができるわけであります。だから私が別段に法律的な責任の分野をいまさら申し上げる必要はないほど、簡明直截になっているわけであります。われわれといたしましては、そういう運輸大臣の許可事項でありますから、公団から何々銀行をして債券発行の事務をやらせたいが認可をしていただきたいという認可の申請があって、大臣監督者としての立場からそれに諾否の判断を下すというのが、運輸大臣公団の債券発行に対する金融機関との関係であると思うのであります。ところが昨日の参議院における審議の内容を見ておりますと、一こま早く、さらにそういう認可権限というところでなくて、特定な金融機関に公団債の事務を引き受けさしたらどうかというようなことを下僚にお話ししたそうでありますが、昨日の参議院での質疑の中から出てきたものは、私がただいま申し上げたような点でございましょうか、いかがでしょうか。
  92. 大橋武夫

    大橋国務大臣 公団が債券を発行するにあたってどこの銀行にするか、実際の銀行としては興業銀行か長期信用銀行か、どちらかになることでございましょう。これ以外には考えられないと思います。どちらの銀行もこれは大蔵大臣監督下にありまする信用のある、責任の持てる銀行でございますから、どちらになっても私としましてはどうこうということはむろんありませんが、いろいろ聞いてみますると、すでに昨年の暮れ、公団のほうでこの債券の発行にたんのうなる人物を興銀と長銀と両方へひとつ出してもらいたいといって頼んだときに、興銀からは断わられたけれども、長銀のほうはおことばどおり出してあるという縁故もあるから、何とか自分のほうで発行できるようにしてもらいたい。こういう依頼があったわけであります。そこでこういう問題について、私も取り扱ったことがございません。前々から申しておりますとおり、運輸大臣としては至ってふなれでございますから、一体どういうふうな事柄なのか部下に聞くことが適当だ、こう思いまして、部下に聞きまして、こう言ってきておるけれども、一体口をきいてやれるものかどうか、やれるものならばやってほしい、こう言ったのですが、これはどうも口をきくことはまずいという答えでございましたので、それなりになった、これが事実でございます。
  93. 久保三郎

    ○久保委員 いまのお話だと、船舶整備公団として、債券発行等についてたんのうの人間を興銀と長銀に対して出向方を要請した。ところが興銀のほうからは返事がない。長銀から返事があって、大臣に対してそういう関係もあるので、債券発行、公団債発行の仕事は長銀にするように努力してほしい、こういう要請があってなさったことだというふうにいまお話がありましたが、それは船舶整備公団からお話が当然あったのでしょうね。
  94. 大橋武夫

    大橋国務大臣 そうではなく、長期信用銀行の会長がやってまいりまして、そういう次第で、船舶整備公団に自分のほうの人物を出向させてある、そういう縁故もある、それで、できれば自分のほうでその仕事を引き受けたいのだ、こういう話だったのでございますが、私がそうした事務について至ってふなれでございますので、そこで係の部下を呼びまして、こういうことを言ってきているが一体どうなのかと言いましたところが、これはやはり公団のほうできめる事柄であるから、監督官庁からかれこれ口出しをすることはまずいだろう、こう局長が申したわけです。
  95. 久保三郎

    ○久保委員 話の筋からいくと、この船舶整備公団で債券発行等について明るい人をということで、興銀と長銀に要請があった。興銀からは返事がないが、長銀の立場としてはぜひそういうふうにしたい、しかしその裏づけといっては語弊があるが、それに関係して発行の事務の仕事を長銀としては引き受けたいのである、こういうお話のようでありますが……。
  96. 大橋武夫

    大橋国務大臣 いえ違います。そうではなくて、すでに公団としては近く公団債を発行するという予定になっておりますので、昨年両方に、たんのうな人を世話してもらいたいといって頼んだそうであります。そうしたら興銀のほうからは適当な人がいまおらぬからといって断わった。長銀のほうはそれでは人をお貸ししようというので幹部に入れてある、そういう人のつながりもあるから、できれば自分のところへもらえればたいへんいいと思う、何とか頼めぬものか、こう言ってまいりましたので、私が部下に相談をいたしたわけであります。
  97. 久保三郎

    ○久保委員 そうしますと、大臣がそこに口をきくという前に、長銀からとにかく船舶整備公団の中へ出向して仕事をしている、そういう人が行っているのでありますから、興銀にするか長銀にやらせるかという問題は、どうも、話が大臣のところに来ること自体ちょっとおかしいのじゃないかと私は思うのですよ。言うならば、船舶整備公団の中に、興銀は来てないが長銀のほうから人が派遣されている。普通の常識からいえば、船舶整備公団の中で長銀のほうに持っていくとかなんとかいう話が出てこなければならぬと思うのですが、どうもお話の筋ではちょっとわかりかねますが、どうなんです。
  98. 大橋武夫

    大橋国務大臣 私の承知しておりますことは、先ほど申し上げた以外には何もございません。ことに昨年の暮れ長銀から公団に人をお貸ししたということは、そのとき初めて聞いた事実でございます。
  99. 久保三郎

    ○久保委員 これは、直接監督をされる事務当局としては海運局長だと思いますが、海運局長としては、従来船舶整備公団はすべて公団債の発行は興銀になっていたことを承知しておりますか。
  100. 堀武夫

    ○堀(武)政府委員 船舶整備公団自身としては、今度初めて債券を発行するわけでございます。いま先生がおっしゃったのは、いろいろたくさん公団があるが、そういう政保債の発行は全部興銀がやっておるので、長銀がやった例はないということを承知しておるか、こういう御趣旨でございましょうか。
  101. 久保三郎

    ○久保委員 ぼくもよく調べておらないのでなんだが、いままで発行してないというが、それは政府保証債を発行してないという意味ですか。債券は発行しているのでしょう。債券は発行しているはずだよ。だから、そういうものがだれの手によって、どういう銀行がやっていたかを承知しているかと、こう聞いているのです。
  102. 堀武夫

    ○堀(武)政府委員 債券はいままで発行いたしておりません。
  103. 久保三郎

    ○久保委員 そうしますと、一般的にこういうものは興銀が古くから、独占といったら語弊があるのかもしれませんが、独占みたいな形でやっている。で、新しい店として長銀が出てきたというようないきさつも御存じであったかどうか。
  104. 堀武夫

    ○堀(武)政府委員 承知いたしておりました。
  105. 久保三郎

    ○久保委員 それで当然運輸大臣のところに遠からず、そういう発行事務について具体的な銀行の名前が出て申請がくるということは、もちろん承知していたのでしょうね。
  106. 堀武夫

    ○堀(武)政府委員 長銀と興銀の両方からそういう希望が出ておることは、承知いたしておりました。
  107. 久保三郎

    ○久保委員 どこに希望が出てきたのです。
  108. 堀武夫

    ○堀(武)政府委員 私のほうにも直接銀行の係の人が参りましたし、それから公団のほうにも参っておったようでございます。
  109. 久保三郎

    ○久保委員 海運局長法律的な運輸大臣の権限を御承知のことと思いますが、あなたはそのときに、長銀なり興銀から要請があったときに、どういう話をいたしておるのでしょうか。
  110. 堀武夫

    ○堀(武)政府委員 債券発行をする銀行としては、この二行しかないわけです、新しい古いの差はございますけれども。したがって、興銀は経験としては古いかもしれません。そういう関係はございますけれども、どちらにするかということにつきましては、私自身の考え方といたしましては、実際の事務に当たる船舶整備公団がやりやすいようにあればよい、私自身は判断の基準というものをそのように考えておりましたので、それはひとつ整備公団のほうによく話しておきなさい、私はいまどちらがいいとか、そういう意見は申しません、船舶整備公団のほうによく話をしておきなさい、こういうふうに両行ともに同じようなことを答えておきました。
  111. 久保三郎

    ○久保委員 そうしますと、運輸大臣先ほどのお話に関係いたしまして、海運局長はいまお話のあったとおり、両方の銀行に対して、私のところで云々じゃなくて、これは公団のほうへ話をしてほしいということを言っておいた、こう言うのです。そうしますと、大臣はそういった仕組みについて御存じなかったのでしょうか。
  112. 大橋武夫

    大橋国務大臣 まことにふなれのために、そういうことを全然知りませんでした。そこで担当の局長に来てもらって相談をいたしたわけでございます。
  113. 久保三郎

    ○久保委員 そうしますと、きのうの参議院のお話とは少し違うようにもとれるのでありますが、それは同じことでありますか。
  114. 大橋武夫

    大橋国務大臣 違わないのでございます。昨日も——長期信用銀行の会長が参りまして、それで債券発行のことについて話がありましたので、局長を呼んで、こう言ってきておるがどういうものか、できることならばやってやってくれ、こう言ったところが、それはどうも立場上まずいと言って局長はりっぱに私に断わりを述べ、それでおしまいになった、こういうことであります。
  115. 久保三郎

    ○久保委員 それだけの話ならば、たいしたあれではない。ただし大臣としては、そういう大臣の権限あるいはそういうものの仕組み、こういうことを御存じなかったというのは、ちょっとうかつではないだろうかという気持ちもいたします。  そういたしますと、長銀の責任者が参ったときに、きのうの話を新聞だけで見ると、二つ銀行があるようだから、一つのほう、どっちかとってもいいだろうという気持ちで勧めたという話を報道されているのでありますが、そういうことだとちょっとまた違ってくると思うのですが、どうなんですか。
  116. 大橋武夫

    大橋国務大臣 まず最初の点ですが、そういうことを知らなければうかつだ——その点はうかつかもしれませんが、しかし大臣の取り扱います事務は、ことに運輸省は非常に広範でありまして、私も初めてのところでふなれなものでございますから、全部は承知いたしておりません。承知しておらないことは、それじゃ仕事にならぬかというとそうじゃないので、それがために有能な部下というものがちゃんとおるわけでございますから、そういう事柄についてはいつも部下に相談をして仕事を進めるようにいたしております。たとえばいろいろな地方の陳情であるとか、あるいは国会の方々もお出かけになって御希望等がお述べになられますと、私はいつも自分でうかつな返事はできません。そうかといって、ああ承知しました、いずれ考えておきますといいましても、毎日その場その場の仕事をその場で処理していかなければ、いまの私の仕事は、仕事をためた日にはちょっと扱えなくなってしまいます。そこで、来客のつどそこへ局長に来てもらいまして、そして事柄の性質を話してもらい、一緒に相談して判断して、それじゃこれはこういうふうにしましょうというふうに、できるだけその場で扱いをきめるというやり方をいたしておったわけでございます。  そういうところへ長期信用銀行から会長が来たのでございますが、銀行は長銀か興銀か二つしかない。どっちかになるわけでございますが、どっちになったところで、これは公団の利益に差異のある事柄ではない。どちらも責任の持てる銀行、大蔵大臣監督しておられる銀行ですから、その辺はよかろう、どっちになってもいいのだろう、こう思いましたが、とにかく係の局長に来ていただきまして、こういうものについてこういう希望を覆ってきておるけれども、局長のほうで世話してもらえるかといって聞きましたら、これは事柄の性質上、公団に自主的に取り扱わせるというたてまえであるから、こちらから口をきくことは適当でない、こう言われたので、なるほどそういうことを、言われればこれはまことにごもっともだ、君の立場からそれは言えないというのは当然だろう、こう申しまして別れたということでございます。
  117. 久保三郎

    ○久保委員 お話の点でありますが、一つには私からうかつであろうという話をしたならば、たいへん守備範囲が広いから一々わかっちゃいない——そういうこともありましょう。ありましょうが、いうならば関係ありというとは、これはおわかりでしょう。法律を読まなくても、保証に関係があるなということは大臣だっておわかりだと私は思うのです。そういう点がちょっとわれわれからいうと、少しうかつだったのかなというふうに見るわけであります。これは、そうでないといえばそうでないということになりましょう。  ただ問題は、それじゃ結論として、これはどこの銀行でどういうふうになっているのですか。それはまだきまらないのでしょう。
  118. 堀武夫

    ○堀(武)政府委員 これは船舶整備公団から申請が出てきまして、そして大臣が認可をする前に大蔵大臣と協議をいたしまして、そして運輸大臣が認可をする、こういう手続になっておるわけでございますが、まだ船舶整備公団からそういう申請が出てまいりません。何ぶんにも先般の船舶整備公団法の一部改正によって初めて政保債が発行できることになるわけでございますので、あの法律が成立いたしましたのはついせんだってでございまして、公団としても前からいろいろ考慮はいたしておるかと思いますが、まだ正式に手続はしてまいってないという段階でございます。
  119. 久保三郎

    ○久保委員 まだ正式にきまって認可の申請が来てないそうでありますから、これからきまって、手続がとられるんだと思うのですが、その問題は別として、長銀というか、そういう銀行の責任者が、新聞によれば大橋運輸大臣と特殊の関係におありであるということも、問題が何かおかしな方向と言っては語弊があるが、一つの問題として取り上げられたというふうに思うし、また結論として運輸大臣は本件についてどういうふうに今日考えられておるのであるか、その点をひとつお聞かせをいただきたい。
  120. 大橋武夫

    大橋国務大臣 その点は昨日も参議院で御質問がありましてお答えいたしたところでありますが、そのときの参議院の御質問は、部下の局長を呼び出して、そして身内の者と一緒に相談するということは部下に対して何か圧力を加えるようなことになりはしないか、本人はそう思わなくても、相手の局長はどう思うかわからぬ、そういう点はどうか、こういう趣旨のお尋ねでございました。実は私先ほど申し上げましたとおり、日常ふなれのためにわからない仕事が多いものですから、来客が何か御相談に見えますと、そこへすぐ係官の人に来てもらって相談をして、目の前でどちらかにきめるというやり方をしておりましたので、そのときも何げなくやったのですが、身内の者と一緒にいるということになると、どうも大臣にそんなに近い身内ならば何か特別に計らってやらなければならないのじゃないかという気持ちを、多少は相手に起こさせるおそれがあったのじゃないか、こういうふうな意味のお尋ねだったと思うのですけれども、私自身そのときはそういうふうなところまで気が回りませんでしたが、そう言われてみると、あるいはそういうことかもしらぬ、こう思いまして、その点はうかつであったと申し上げたような次第でございます。この点はいまもさように存じております。以後注意いたしたいと思います。
  121. 久保三郎

    ○久保委員 これから御注意なさるということでありますから、われわれはそれ以上とやかく申し上げてもと思うのでありますが、前にも例があるものですから。そういうことで何か運輸大臣のいすというのは、利用と言っては語弊があるが、見ようによっては何か気軽にものごとができるという印象を世間に与えることは、国民の信頼をなくするということでありまして、これはもちろんわれわれとしてもうまくないことだと思う。本日はすでに参議院の内閣委員会でいろいろお話があった末でありますから、事実を正確に当委員会は知らねばならぬという立場からお尋ねしたのであります。われわれから忠告めいたことをとやかく申す立場ではございませんが、こういう質問をすることは、問いただすほうもあまり愉快ではありません。もちろん答弁なさる方もあまり愉快でないと思いますが、そういうことでありますので、十分仕事の上での整理をきちんとお願いしたいし、また何か新聞によれば、きのうの委員会ではこういう話は部内から出たような話もありまして、そんなことはたいしたあれじゃないと思いますが、ともすればそういうこともいろいろな点で人間関係がうまくいかない面もありますので、われわれとしては心配をいたしたわけであります。  そこで、次は小さい問題ですが、これまた参議院の内閣委員会指摘があったようでありますけれども、運輸省の役人の方が国有鉄道の宿舎にお入りになっているということは、きのうすでにお話済みでありますし、問題は非常に簡単でありますから、私からとやかく申し上げる必要はありません。ただ一言、これは大臣あるいは関係の方々に申し上げたいが、もはやそういう時期ではないし、一たんわかればまずいことでありますから、運輸省の予算の範囲において、家の十軒や二十軒はそれぞれ借り上げられないことはないと思います。直ちに官舎を新築してどうこうということになりますれば、多額の予算も伴うかもわかりませんが、そうでなくさしあたりはとにかく——入っている者もいやだと私は思うのです。そういういやな思いをさせること自体も、私はどうかと思うのであります。そういう点から言うならば、早急に借り上げの措置なり何なりをして、その次の段階には、来年にはそういう宿舎の変な関係はみんな打ち切っていく、こういうことのほうが明快だと私は思うのです。大臣、どうでしょう。
  122. 大橋武夫

    大橋国務大臣 まず最初の、この問題は部内から漏れたのだというようなうわさがあるがというようなことの御心配をいただきましたが、もともとこの問題については私に手落ちのあったことでありますから、どこで漏れようがこれはいたし方がない。なかった事実がつくり上げられて漏れたのではなくて、あった事実がそのままに漏れたのだといたしますならば、これは私の不徳のいたすところとして自戒するほかはないと思うのであります。この漏れたという事柄については、私自身は、他の秘密を要する役所の仕事が漏れたという問題とはまた違いまして、この問題については漏れたの漏れないのということを詮議するつもりはございません。ただこの問題について、私の前ではっきり助言をしてくれてあやまちなからしめてくれたという意味において、海運局長の態度は非常によかった、私としてはそう思っております。  それから第二の宿舎の点につきましては、久保先生からあたたかい御指導をいただきまして、全くおことばのとおりにしたいと存じます。できるだけ早くこの問題を片づけて、皆さまに御安心を願いたい、引き続き御懇篤な御指導をいただくように、努力をいたしますからあしからず御了承いただきたいと思います。
  123. 内藤隆

    内藤委員長 次会は、来たる七月四日、理事会午前十時、委員会午前十時二十分より開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後五時二十九分散会