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1967-06-23 第55回国会 衆議院 運輸委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年六月二十三日(金曜日)    午前十時三十六分開議  出席委員    委員長 内藤  隆君    理事 大久保武雄君 理事 進藤 一馬君    理事 福井  勇君 理事 古川 丈吉君    理事 細田 吉藏君 理事 井岡 大治君    理事 久保 三郎君 理事 河村  勝君       大竹 太郎君    木部 佳昭君       徳安 實藏君    中川 一郎君       長谷川 峻君    原 健三郎君       福家 俊一君    堀川 恭平君       水野  清君    山村新治郎君       板川 正吾君    小川 三男君       神門至馬夫君    内藤 良平君       野間千代三君    米田 東吾君       渡辺 芳男君    山下 榮二君       小川新一郎君    松本 忠助君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 大橋 武夫君  出席政府委員         運輸省鉄道監督         局長      増川 遼三君         運輸省航空局長 澤  雄次君  委員外出席者         厚生省環境衛生         局公害部公害課         長       橋本 道夫君         郵政省電波監理         局放送部長   左藤  恵君         日本国有鉄道副         総裁      磯崎  叡君         日本国有鉄道常         務理事     井上 邦之君         専  門  員 小西 真一君     ――――――――――――― 六月二十一日  委員石田幸四郎辞任につき、その補欠として  小川新一郎君が議長指名委員に選任され  た。 二十三日  委員小川新一郎辞任につき、その補欠として  石田幸四郎君が議長指名委員に選任され  た。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  公共用飛行場周辺における航空機騒音による障  害の防止等に関する法律案内閣提出第一二三  号)  日本国有鉄道経営に関する件(国鉄共済組合  に関する問題)      ――――◇―――――
  2. 内藤隆

    内藤委員長 これより会議を開きます。  日本国有鉄道経営に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。井岡大治君。
  3. 井岡大治

    井岡委員 過般の新聞で、国鉄共済組合の問題でかなりわれわれとしては理解のできないことが詳細に載っておったわけです。したがって私は、いま国鉄が国民の間に非常に注目を浴びておるときでございますから、これらの問題を解明をしておくことが将来の国鉄のために非常にいいのではないか、こういうように考えたものですから、若干質問をいたしたいと考えます。  まず国鉄共済組合というのは、私は全職員をもって組織をされておると思いますが、共済組合の輪郭を明らかにしていただくとともに、共済組合はどのような事業を行なっておるか、これらについてまず最初にお尋ねいたしたいと思います。
  4. 磯崎叡

    磯崎説明員 国鉄共済組合明治四十年の四月に勅令によりまして設立されたのでございますが、その後、昭和三十一年、法律第百三十四号によりまして、公共企業体職員等共済組合法という法律ができまして、従来までの勅令によって設立されておりましたものを、この法律によりまして、法律に基づく共済組合に変わったわけでございます。  その内容といたします事業は、国鉄職員福利厚生をはかり、国鉄の円滑な企業運営に資するために、長期短期給付、これが主たる内容でございます。  そのほかに、福祉事業として五つ福祉事業を行なうことを認められております。一つは、組合員保健、保養または教養に資する施設経営することでございます。二番目は、組合員利用に供する財産取得管理あるいは貸し付け。三番目は組合員貯金の受け入れまたはその運用。四番目が組合員臨時支出に対する貸し付け。最後は組合員の需要する生活必需物資の買い入れまたは売却。この五つ福祉事業として認められております。  ただいま御質問宅地関係仕事は、第二番目の財産取得管理または貸し付け、この中に包括されておりまして、組合員に、自分の居住する住宅を建設するための土地取得させる目的国鉄共済組合住宅部規程という規程がございます。これは昭和三十二年七月の規程でございます。この規程によりまして運営をしているわけでございます。  組合員は、総裁以下全員組合員でございます。  また運営につきましては、共済組合運営審議会がございまして、労使双方から五人ずつの委員を出しまして、組合側のほうは国労、新国労、動労三組合から委員を出しまして、当局側から五名出しまして、そしてその運営審議会予算決算その他共済組合の全般的な業務運営責任に当たります。そのほかに運営審議会といたしましては、職員福利厚生関係でもって、総裁の諮問に応じまして建議等することもございます。原則といたしまして、共済組合運営責任運営審議会予算決算等審議によって決定される、こういうことでございます。
  5. 井岡大治

    井岡委員 大体わかりました。そうすると、審議会ですべてを運営しておる、こういうことですが、しかしこれだけでは私は実際問題としては、あれだけの大きな組織ですからいけないのじゃないか。やはり各地区にはいろいろな特殊事情があると思います。たとえば北海道には北海道、あるいは九州、みなおのおのあると思うのです。そういうものをくみ取るための何らかの機関がないのかどうか、この点をお聞きします。
  6. 磯崎叡

    磯崎説明員 私いま本部組織だけ申し上げましたけれども、本部はそういう形で、組合員たる総裁代表者でございまして、組合員たる副総裁本部長になっております。  各地方におきましては、鉄道管理局長組合員として支部長という形になっておりまして、各支部にはいま申しましたような本部の形と大同小異の、名前運営審議会と正式には銘打っておりませんけれども、やはり運営に関する、これは各地方地方具体的事情に即した計画を樹立し、また本部に対して予算を要求する、あるいは決算を提出するというふうな形でもって、各支部ごとに二十七の支部によって運営されておるわけでございます。
  7. 井岡大治

    井岡委員 上と下との機関はわかりました。これを総括をするために、たとえば私は大阪市につとめておりましたから、同様に共済組合を持っておりました。いま言われたように、上部機関としては、私たちの場合は審議会という名前ではございませんが、同様の仕事をしている。下部のほうではいま言われたような支部仕事をしている。これをつなぐために、いわゆる評議員会というものを設けて、そうして上部下部との意思の疎通をはかる、そしてお互いが、どう申しますか、全体的な福利厚生をはかっていく一つのプランを立てていく、こういうことを考えていままでやってきておったわけですが、国鉄のこの共済組合にはそういうものがないのかどうか、ひとつお伺いをいたします。
  8. 磯崎叡

    磯崎説明員 本部運営審議会は年二回開催いたしまして、主としてこれは全体の予算の決定、あるいは決算承認ということをやっております。それから地方のいわゆる支部本部連絡につきましては、大体定例的に、事柄によりまして、評議員会等の名称はつけておりませんけれども、たとえば長期給付会議とか、あるいは短期会議というふうに、そのつど連絡会議を持ちまして、極力下部事情上部に通じるように、また上部意思下部に通ずるような連絡はとっているような形になっているわけでございます。
  9. 井岡大治

    井岡委員 実際にはそういうふうにおやりになっておるとするならば、この際、この問題をめぐって世間に疑惑を与えておることでございますから、規約の改正をなさって、そして定期的にそれをおやりになる。審議会は年に二回ということですから、やはり非常に事務的なことになってしまって、その事務的からくる誤解があるのじゃないか、あるいは粗漏というものがあるのじゃないか、極端な言い方ですが、私はあると思うのです。そういうものをチェックする機関としてやはり定期的に評議員会――評議員会がいいかどうかは別として、仮称評議員会というものを設置する、こういうような御意思があるのかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
  10. 磯崎叡

    磯崎説明員 その点につきましては、お説のとおり、現在やっております運営審議会は主として予算組合全体の予算で非常に膨大な数字でございます。ことに一番問題になりますのは掛け金の問題でございますので、そういう部内でいえば政策論に終始いたします。したがいまして、具体的な問題について一々チェックするだけの時間的余裕もございません。実際には幹事会のような形でもって運営するというような方法によりまして、もう少し具体的な問題の進行状況あるいは組合員のそういう全般問題に関係しない希望なりあるいは要請なりがもっと本部に反映するような、事務的なと申しますか、そういう会議を持つような組織考えなければいけないのじゃないか、今回の問題に照らして、というふうにも考えておりますが、まだちょっと具体案を持ち合わせがありませんが、運営審議会運営審議会といたしまして全般問題を議論する、ことに一番問題の掛け金の問題、それから使用者側負担割合の問題あるいは長期経理、いま非常に財政窮乏しておりますが、長期経理の問題、ことに数学的な長期にわたる計数の問題等がございます。こういう問題は運営審議会としての大問題として取り上げて、個々の問題につきましては、もう少し具体的な問題を取り扱う、労使双方委員会と申しますか幹事会と申しますか、そういうものをつくって運営をしてまいるということが一番いいのじゃないかというふうに考えております。
  11. 井岡大治

    井岡委員 いま私の参考意見を具体的に採用するような方向で検討したい、こういうことでございますから、私はさらにこれを具体的にするために、たとえば本部、その中でいま申し上げた保健の問題、厚生の問題、財産の問題、あるいは財産利用問題貯金の問題、臨時支出の問題、物資の問題、こういうものを担当する、審議会の下に――審議会の下といいますかどうかは別として、担当する部局を設けることによってかなり公になるのじゃないか。やはり公になるということが、私は世間から誤解を招かないことになる、こういうように考えるので、こういう組織をぜひひとつこしらえていただきたいということをつけ加えておきます。  そこでその次でございますが、問題は土地利用と申しますか、土地分譲の問題をめぐって新駅の問題がやかましく出ておるわけです。駅というのは非常に住民に直接結びつく問題でありますと同時に、個々の人の利害が相反する場合があるわけです。たとえば、大臣もおいでになりますから聞いていただきたいと思いますが、都内で都電の停留所の電柱一本を動かすこと自体に、地域住民というのは非常に関心を持つわけです。やってくれ、こちらへ持ってきてくれ、いや持ってきてもらったら困る、こういうことがあるわけです。これほど駅あるいは停留所というものに対しては住民関心というものは、直接利害に結びつくだけに私は強いと思うのです。そこで今度の問題は、先に団地をこしらえておいて、そこへ駅を引っ張ってくる、このことがすでにもう予想されておった、こういうように記事に載っておるわけです。私は、もしそういうことであるとすると、いわゆる国鉄共済組合が私しておるものといわなければならない。したがって、この駅の設置ということについてはどういうようにお考えになっておるか、またどういうような方法でおやりになっているか、この点を明らかにしていただきたいと思います。
  12. 磯崎叡

    磯崎説明員 駅の設置につきましては、いま先生のお話のとおり、非常にこれは地域住民にも重大な影響のある問題でございます。同時に、国鉄輸送全体についても非常に大きな問題でございます。したがいまして、まず駅の設置につきましては、駅設置に関する処理方針というものを昭和二十六年以来きめまして、一つの客観的なものさしをつくっております。たとえば駅間距離汽車区間では大体何キロ、電車区間では何キロ、あるいは乗降人員が何人以上、あるいは収入が大体どのくらいというふうに具体的な一つものさしをつくっておるわけでございます。そういう部内的な処理方針のもう一つ前提といたしまして、これは非常に酷だといってしかられるのでございますけれども、新駅設置は、これは絶対国鉄は一文も出さない、土地の提供から何から全部地元にお願いするというかたい方針をつくっております。と申しますことは、国鉄自分の金で新駅をつくるということになりますと、非常に全国的に要望の多い駅の設置にこたえ切れないということで、この点につきましては戦争前から全額地元で持つということを前提として、それを今度は国鉄部内ものさしに当てはめていく。さらに、具体的な場所につきましては、今度は技術的な問題がいろいろございます。たとえば線路の問題と輸送力の問題と二つございますが、線路につきましては、カーブが半径何百メートル以上なければいかぬ、あるいは本線にあっては勾配が千分の十以上ではいけない、こういう線路土木条件一つございます。それからもう一つは、運転条件と申しますか、非常に現在過密ダイヤになっておりますので、その過密ダイヤ――一駅とまりますにいたしましても、やはり二分ないし三分、停車時間はたとえ三十秒、一分でも、前後のスピードが落ちますので、大体二分から三分かかりますので、それがさらに過密ダイヤを過密化する。そのために全体の輸送力が落ちるということでは困りますので、そういう運転上の条件、それから線路と申しますか、土木上の条件、この二つをいまの客観的なものさしのほかに、具体的な場所について検討いたしまして、そして地元負担がはっきりいたします場合に初めてそこに駅をつくるということになるわけでございまして、いまの部内的な権限から申しますと、いわゆる本線筋は全部本社で、私のところでやっております。それから、支線以下は支社長に委任いたしております。これは事務簡素化と申しますか、事務迅速化と申しますか、支線以下につきましては支社長にまかせております。本線筋は全部本社に上がってまいりまして、大体一年に二回ぐらい審査いたします。一つ一つやりますと非常にこれは部内に徹底いたしませんので、大体一年に二度ぐらいにまとめまして、一々審査いたしまして決定するわけでございます。
  13. 井岡大治

    井岡委員 駅を設置をする一つものさしと申しますか、基準と申しますか、それはわかりました。そこで、問題になっております天王台の駅、あるいは東大宮の駅、行田の駅、おのおの書いてあるわけですが、では、これらの駅もそのようであったかどうか、この点についてもう少し詳しく御説明をいただきたい。
  14. 磯崎叡

    磯崎説明員 まず東大宮でございますが、東大宮と申しますのは、大宮の駅の少し北のほうでございます。これは昔、まだ東北本線が単線であった時分信号所が設けられてあったところでございまして、その時分から、古くから実は住民の一部利用に供しておった場所でございます。駅ではございませんが、信号所としてあったところでございます。それが複線になりまして一応廃止いたしましたが、終戦後昭和二十七年に大宮市議会の議決がございまして、現在の東大宮の付近に新駅をつくってほしいという陳情書が提出されたわけでございます。この駅は客観的に申しましても、駅間が約九キロございます。その他の条件から申しましても、大体ものさしに合致するところがございましたが、非常に東北線――後ほど申します行田の問題と関連いたしますが、大宮に入る線路容量が非常に足りない。あそこは東北線高崎線が一緒になりますので、その平面交差のために非常に輸送力が少ないということで、昭和二十七年ごろ陳情を受けましたけれども、とてもこれはすぐにはできない。やはり大宮輸送力見通しがつかない限りこれはしばらくできないということでもって、昭和三十四年までいろいろ検討をしておったわけでございます。実際に開業いたしましたのが三十九年でございますが、それは、実はもう一つその間に駅をつくってくれという地元民の非常に強い要望がございまして、市の中で、いまの東大宮にするか、あるいはもう一つつくるかということにつきまして非常に議論がございました。結局四、五年かかって三十九年に東大宮の駅が設置されたわけでございます。  それから、行田につきましては、御承知のとおり、行田という町は国鉄がほとんど通ってない町でございます。秩父鉄道が主力でございます。そのために行田の方々は非常に行田の町の発展がおくれているというようなことで、だいぶ昔から、町の方に伺いますと、それこそ明治のころから要望していたというようなお話もございましたくらい非常に古い話でございます。そうして実際には、昭和三十四年ころから数回にわたりましてやはり陳情がございました。これもやはり駅間が七キロございますので、客観的な基準には入っておりますが、これを開業いたしましたのは昭和四十一年、昨年の七月でございます。  それからもう一つ常磐線の場合、これは実はまだできておりませんのです。設置は三十五年に我孫子町議会が議決いたされまして、そうして駅間その他から見ましても大体設置していい駅ではございましたけれども、逆に町のほうの財政事情のために当分見合わせてほしいというお話がございました。そうして現在まだ天王台というかりの名前はついておりますが、全然駅はできておりませんで、ごく最近、去る三月になりまして、そろそろ地元負担に応じられるようになったからもう一ぺん検討してほしいというお話が、現在ぼつぼつ出てきているという程度の問題でございます。  以上、常磐線高崎線東北線、いずれも客観的な基準にも合っておりますし、また輸送力の面から見まして、実は行田並び東大宮につきましては、さっき申しました大宮東北線高崎線平面交差の問題がなかなか見通しがつきませんでしたが、やっと過般の第二次の長期計画以降、あすこで立体交差ができるということがはっきりいたしました。その分だけ輸送力の余裕ができましたので、主として通勤客目的とした両方の駅を設置した、こういうことでございます。
  15. 井岡大治

    井岡委員 その経過についてはいまお話がございましたので、若干私自身いわゆる予定線あるいは建設線等々とのからみ合いということもお尋ねをしてみたいと思うのですが、その前に、新聞に非常に不愉快な記事が出ております。共済組合は「きびしく審査しており、もちろん国鉄職員以外には分譲していない」という。ところが、現実はそうでない。「国鉄幹部のI氏は「我孫子のほか行田大宮にも手を回して買った」といい、とくに東大宮駅前の“一等地”については「いい金もうけになった」とニコニコ顔なのだ。」という記事があった。もし国鉄幹部にこういう投機的なことをお考えになる人があるとすると、私は少し公務員としては行き過ぎではないかと思うのです。ここらにいわゆる新駅問題とのからみ合いと申しますか、誤解と申しますか、行き過ぎと申しますか、そういうものがあるのではないか、こう思うのです。この点についてもう一度、その東大宮の問題をお尋ねしてみたいと思います。
  16. 磯崎叡

    磯崎説明員 その点につきましては二、三具体的に申し上げてみたいと思っております。  まず、国鉄共済組合職員分譲する目的をもって土地を買う場合には、三つのルートがございまして、まず行田の場合のように、地方自治体あるいは開発協議会というもの、大体市長さんが会長になっておりますが、そこからじかに分譲していただく場合が一つ。そういう自治体の外郭的な協議会的なものと、それから大宮の場合のように、自治体市長と直接契約する場合。それから三番目に不動産業者を通じる場合と三つございます。そして不動産業者を通じる場合のほかに、純粋地主から直接買う場合もございます。大船等の場合は純粋地主から買っております。これはいろいろの場合によりまして――大体共済組合人間はほとんど事務をとる人間が大部分でございまして、実際に現地に行きまして用地を買うような実務をやるほどの人間を持っておりませんし、またこれは法律によりまして国鉄職員を使っていいということになっておりますけれども、やはり極力小人数でやるのがたてまえだということで、事務職員しか置いておりませんので、国鉄当局の手がまだすいておった時分には、実は私のほうの施設局と申しますか、部内用地関係者が直接買ったこともございます。しかし三十四、五年からあとは、輸送力増強工事その他のほうに手がはいりましたので、いま申しましたとおり、共済組合自治体あるいは自治体外郭団体、あるいは地主不動産業者、こういうものからじかに買っておるようなわけでございます。  それから、これを分譲いたす場合には、まず組合員として十年以上の在職がなければいけないという規則をつくっております。もちろん私のほうの組合には女性もおりますので、女子の名前登記簿上あると、これは妻の名義で買ったのではないかということもあったようでございますが、これは女性といえども私どものほうではりっぱな組合員でございますので、女性名義で買うことも当然あるわけでございます。  それからその次に、ほんとうにほかに住宅を持ってやしないか。真に住宅があるかどうかということも条件にしております。これは、とことんまでなかなか家庭のこまかいことはわかりませんが、一応本人の申し出なり周囲のみんなの意見を聞きまして、そしてあれは確かに家を持ってないというふうなこともおのずからわかりますので、それも条件にいたしております。  それから、一人一区画ということ。大体八十坪から百坪くらいを一区画にいたしております。これは初め百坪でございましたが、これは無理だというので八十坪に下げましたけれども、大体八十坪前後というものが規則でございます。そして一人一区画で、ただし、のり面だとか、あるいはどうしても整地の関係で三角に残るというようなところもございます。そういう場合には例外的に二区画合わせて分譲することもございます。原則は一人一区画でございます。  それから、さっきお話しのいわゆる転売という問題がございます。これは他の公社の共済組合もそうでございますが、住宅部規程によりまして、一応所有権譲渡契約と同時に組合員に移ります。しかしながら代金の完済までは、直ちに国鉄共済組合が第一順位の抵当権を設定いたします。その抵当権は当然登記面にあらわれますので、代金を完済しない以上、売買ができないのは当然でございます。また、たとえ売買しようと思っても、抵当権者承認がなければできませんので、実際には売買が行なわれないわけでございます。したがいまして問題になりますのは、何かの都合で金を――原則は十八年間の年賦払いでございます。したがってほとんどの人間がこの年賦償還、それで足りない部分退職金でもって払うというたてまえになっております。しかしながら中には金があって、その以前に完済する者もございます。  我孫子につきましては、三百六十八件分譲をいたしました。そのうち、現時点におきまして、二十件が他の所有者名義になっております。これを多少こまかく申し上げますと、このうち三件は共有地と申しまして、約三百坪の土地緑地帯としてとっておくということで、自治会長名義登記をしておるのでございます。しかし、その後実際に住んでみますと、非常に道路が悪くて、とても砂利ではだめだ、舗装しなければいかぬ。ところが舗装費が、みんなで分担するのにはあまりに大き過ぎる。それではやむを得ない、緑地帯にすべき三百坪を売って簡易舗装と申しますか、砂利でない舗装に変えようということを全員でもって協議いたしまして、そうしてその三百坪の土地を売却いたしました。したがってこれは自治会長名義から、三人か四人の他の人の名義にかわっておるわけでございますが、これはそういう意味でやむを得ない理由だったというふうに考えております。  それからその次は、死亡あるいは病気、貧困等の非常に個人的な事情のために、一応は完済したけれども、どうしても持ち切れなくなったという場合も現にございます。こういう場合もやむを得なかったのではないかというふうに思います。  それからさらに、その二十件の中で二人だけ、現職でもって代金を完済いたしまして売却いたしておる事実がございます。この点につきましては、いま詳しく本人に事情を聞いておりますが、これはもちろん幹部ではございませんが、投機の目的とは本人は申しませんが、それほど重大なことではなかったというようなことで、転売と申しますか、完済してから売ったわけでございますが、この点は非常に申しわけなかったと言っております。しかし、この点については、現職の人間が完済後売却した、自分が住まないで売却したということは、はなはだ遺憾なことで、今後その点につきまして――完済いたしますと完全に所有権が移転いたしますので、法律的にこれをチェックすることはできませんけれども、やはり道徳的な規定として、誓約書か何かとる方法考えて、約四百件近いうちのわずか二件でございますが、そういう誤解を生じないように、この点は事務的にきちっとしていきたいというふうに考えております。  それ以前に、実は土地を買ったら二年以内に家をつくらなければいけないという規定がございます。しかしこれは運営審議会におきましても議論をいたしまして、土地を買って二年以内に家をつくるということは、条件としては少し過酷過ぎるということで、家を建てなければいけないという条件だけはとりました。あとはいま申しますとおり、非常に厳重にやっておるつもりでございますが、たまたま三百六十八件のうち二件だけ、現職の者が代金を完済いたしましたあとで他に売却をしたということは、たいへん遺憾なことだというふうに考えております。  それからもう一点、国鉄共済組合から不動産業者にじかに登記されておる場所が、三カ所くらい我孫子にございます。これは我孫子の団地の中で、すでに不動産業者が所有しておった土地が点々としてございます。それをどうしても売りません。かといって、ぽつぽつあるところを残して宅地を造成したのでは、非常に造成がはかばかしくない。きちっと造成できないということで、しからば土地造成後に同じ価格の面積、すなわち現物、当然現物になりますが、等価でもって土地を評価する、そうして交換しようということで、たしか四件ほど、直接国鉄共済組合から不動産業者登記がされているのでございます。そういう場合には、不動産業者から国鉄共済組合に移転登記いたしまして、国鉄共済組合からその不動産業者に、違った場所を移転登記するということで、これが四件ほどございます。これはやはり、もとの土地所有者で、どうしても売らないということで、やむを得ず国鉄共済組合から、価格において損失のないような方法でもって具体的な土地を交換したという形になっておるわけであります。それらが、登記簿上から見ますと、国鉄共済組合不動産業者にじかに売ったようにあらわれるわけです、移転登記といたしましては。しかしそれは、違った土地でもってその不動産業者国鉄共済組合に移転登記している、そうして、造成価格を含めまして、減歩した面積で新しい土地をやる、こういうことでございますので、登記簿上だけではわかりませんが、そのいきさつは部内的に非常にはっきりいたしております。それらにつきまして、登記簿だけ見て誤解される向きもあったかと思いますが、その点につきましては十分取り調べましたところ、疑義がない、こういうふうに私は考えております。
  17. 井岡大治

    井岡委員 そこでまず第一点は、不動産を取得をする場合、自治体あるいは不動産業者地主、こういう方法でおやりになっておる、これは私はそうだろうと思うのです。ただ問題は、不動産屋から買う場合、これは非常に注意しなければいけないのは、実は私は、大阪の問題ですが、不動産屋と国鉄の中でもめた問題を取り扱わされたことがあるわけなんです。そして、中に入っていろいろしましたが、したがって、不動産屋の場合、国鉄はいろいろなことから土地取得しなければいけないのですから、当然これは指名承認とか、そういうことになっておると思うのですが、この点はどうなんでしょう。
  18. 磯崎叡

    磯崎説明員 いわゆる不動産業者の中でも一流の、たとえば三井不動産、三菱地所、ああいうものはとても相手にしてくれませんし、やはりああいう一流でない不動産業者を使わざるを得ないということはやむを得ないところでございますが、ただもちろん、都道府県知事から公認された公認不動産業者以外からは絶対買わないというたてまえにいたしております。ただ御承知のとおり、その間の競争もなかなか激甚のようでございまして、いろいろ言われている点もございますけれども、私どもといたしましては、最終的には、はたして職員が買えるかどうかということが一番問題なわけでございます。したがって、高ければ共済組合が買ったとしても職員が買わない、それではもうそれだけ持ち込みになってしまうということでございますので、あくまでも職員のふところぐあいを頭に置きながら買いますので、おのずから不動産業者から買う値段というものは、両方の面からバランスされてくる、こういうふうに思うわけでございます。  それから造成につきましては、不動産業者に造成させて買う場合もございますし、買ってしまってから、造成だけを別に造成専門の業者に造成さすこともございます。現在は大体あとのほうをやっておりますが、これらもその場所その場所、あるいは不動産業者から買うときのいろいろな条件によりまして、造成をまかせる場合もあれば、こちらが造成する場合もある、こういうことでございます。したがいまして、不動産業者間のいろいろな問題はございますかもしれませんが、私どもといたしましては、その不動産業者から買う値段がはたしてモデレートであるか、妥当であるかどうか、または、その値段にある程度の利子その他を加えまして職員が買えるかどうか、この二点にのみ重点をしぼってやっておるわけでございます。
  19. 井岡大治

    井岡委員 結局は職員の皆さんに分けるわけですから、その土地職員のふところぐあいとうまく合うかどうか、これは当然だろうと思います。私は、でき得るならば、単に都道府県知事が不動産業者として公認をしているという以外に、もう少しやはり国鉄それ自体がこれらの業者について精細に検討する要は、将来とも起こり得ることですから、この際十分注意をなさる必要があるのじゃないか。  それからもう一つ、いま不動産の問題が出ましたから、ついででございますが、参議院の席上で、あるいは新聞記者との会見の際に、中西さんだったと思いますが、省いてやったので誤解があるのじゃないか、こういうお話ですが、私は、造成のときにはそういうことはあり得ると思うのです。点々としておって、そうして売ってくれない。したがって、それは一挙にやる。そのかわりに、あとでこれは交換をしようとか、あるいはこれは認めてやろうとか、これは土地造成の際にはあり得ると思うのです。しかし、その場合、私は、ここで抜けておったのは、これはそうやっておいでになったかわかりませんけれども、たとえばAならAの不動産業者が持っておった土地というものは、これは一筆何坪あった、これはわれわれのほうで造成をする、しかし、造成後これは土地を交換する、あるいは何をするというような覚え書きと申しますか、契約と申しますか、そういうものをやっておかないと、人から見たら、団地でありながら、そこのまん中にぽかんとそれが残っていたら、人が見た場合は、みな買ったのだろう、だから造成したのだろう、こういうように理解するのは、私は人情だと思うのです。間違っていないと思うのです。それがあとになってぽかんと出てきた、こういうことになると、非常に不愉快なものが出てくる。したがって、そういうような契約がなされておったのかどうか。この点は将来もやはり厳にしてもらわなければいけないことですから、この点をひとつお伺いしておきたいと思います。
  20. 磯崎叡

    磯崎説明員 その点につきましては、私自身その契約書をまだ見ておりませんが、国鉄共済組合の東京支部長不動産業者との問で、交換契約をはっきりしているようでございます。担当の井上常務からもう少し御説明させます。
  21. 井上邦之

    ○井上説明員 ただいま副総裁から申し上げましたとおり、業者と共済組合との間にははっきりした契約書を取りかわしております。現物もここに持っておりますので、何ならごらんに入れてもよろしゅうございます。
  22. 井岡大治

    井岡委員 井上さんは、見せましょうかと言うが、私は、そういうようになさっておかないと、やはり誤解があると思うのです。同時に、単に交換をした契約だけでなしに、交換をする以前の契約をやはりしておかないと、いつの間にかこれが国鉄になったということになると、公租公課の問題も関係してくるのじゃないか。言いかえて申し上げますと、不動産取得税がかかりますし、いろいろあるわけですから、やはりそういうものとの誤解ができてくる。したがって、この点は十分おやりになっておるようですが、特段の御注意を今後払っていただきたい、こういうことを申し上げておきたいと思います。  もう一つ、私は最後に申し上げようと思っておったのですが、一人に対して一区画八十坪、こういうお話ですが、私は、われわれの家というものは、できるだけ庭があって緑があるということは望ましいことだと思います。しかし八十坪の家というのは、そうざらにないと思うのです。そういう点から、画一的に八十坪という考え方でなくて――やはり職員が家を持ちたいということは、給料の高い人も低い人も、私は人間として同じだと思うのです。しかし八十坪であるために買えない、こういう人がないとも限らないと思うのです。そういう点から考えると、一律に八十坪というような考え方は少し私は、どう申しますか、悪い表現で言いますと、事務的であり、官僚的であるという言い方をせざるを得ないと思うのです。同時にまた、八十坪の土地を買ったけれども、自分は三十坪しか要らないんだ、四十坪しか要らないんだ、たまたま自分の、国鉄職員ではないけれども、お友だちとかあるいは親戚という人で、どうしても土地がほしいという人がある。そういう場合、おれは八十坪も要らぬのだ、おれは三十坪でいいんだから、五十坪おまえにやろう、こういうことにならないとも限らないと思うのです。国鉄共済組合という国鉄職員福利厚生目的とした団体の事業でありますから、国鉄職員がまんべんなく恩恵に浴することが主たる目的でなければいけないと思うのです。そういう意味から八十坪というのは、私はほしいけれども、必ずしも画一的にきめる必要はないのではないか、私はこういうように考えるのですが、この点ひとつお伺いしておきたいと思います。
  23. 磯崎叡

    磯崎説明員 その点につきましては、現在の住宅部規程を設けますときに、運営審議会でずいぶん議論されたようであります。私はまだそのときおりませんでした。そのときは一応八十坪ということできめて規程に書いたようでございますけれども、最近、いま先生のおっしゃったのと全く同じ気持ちから、大体五十坪以内にしようということで、まだ大船は全然分譲しておりませんので、今後の分譲は五十坪を最高とするか、あるいはもう少し小さくするか、これは重大問題でございますので私単独ではきめられませんので、運営審議会にはかりまして、いまのお話などを十分参考とさせていただきまして、最大限五十坪というふうに小さくしたい。組合側意見もあると思いますが、運営審議会に今度その問題を出したい、こういうふうに考えております。大体御趣旨は私としてはわかったつもりでございます。
  24. 井岡大治

    井岡委員 そこで一応一般的な問題としては、共済組合ですから、できるだけ全体の組合員がその恩恵に浴するような方途を考えていただきたいということをつけ加えて申し上げると同時に、ここで規約を私は見せていただいたのですが、若干規約の中で、いま申し上げたようなことを考えながら、お尋ねをしてみたいと思うわけです。第三条に、「支部長は、その所属する組合員について、住宅又は宅地の譲受希望者の募集及び譲受人の決定、」こう書いてある。その決定のしかたのところに、私は先ほど申し上げたように、支部長さんだけでなくて、もっとみんなが納得をする機関、こういうものが必要ではないか。もちろんこれは大ぜい寄ってがさがさやっておったんじゃきまりませんけれども、少なくとも規約上では支部長という一つの公的な名前を示しておっても、複数のものがあると思うのですが、したがってこれは支部長だけでなくて、機関とかなんとかいうようなことにしておかないと、国鉄四十何万の職員の中ですから、世の中には全然善人ばかりとは言えないと思うのです。世の中にどろぼうがおることだけは事実なんですから、悪いことをするやつもおることは事実なんですから、できるだけやはり機関という複数のような形でやって、みんなの誤解なり専横というものをとめるような気持ちはないのかどうか、この点をひとつお伺いしておきたいと思います。
  25. 磯崎叡

    磯崎説明員 その点につきましても、われわれとしては非常に配慮をいたさなければならない点でございまして、初め昭和三十二年ごろ、いわゆる宅地分譲を始めましたころには、まだそれほど実は応募者がございませんでした。しかし最近は、政府の持ち家対策というようなことのために、一般職員の中に、まだやめるまでずいぶん時間があるのでも、とにかく将来の安住の地がほしいという意味で、非常に最近応募者がふえております。それらでもし選定について誤解があってはいかぬということで、いまは全部抽せんでやることにいたしております。住宅公団その他もやっておられますが、あれのまねをいたしまして、応募者が口数以上あれば原則は全部抽せん、特定の人が特定の場所を取るのはよくないので、場所を抽せんするし、人も抽せんする、こういうふうにいたして実際やってまいっております。初めのうちはわりに応募者が少なかったので、決定ということをやりましたが、このごろは抽せんでもってやるという原則でいきたいと考えております。現にそういうふうにやっておるわけでございます。規程等について、まだはっきりそこまで直っておらないかもしれませんが、現在は抽せんでやっております。
  26. 井岡大治

    井岡委員 このことについては、抽せんでやっておるということですから、私はできるだけそういう方向でおやりいただくことを希望しますと同時に、申し上げましたように、見ておりますと、何か一人が非常にできるような規約になっておるわけであります。それは最初出発したときといまの事情が違うからということでございますから、それはそれとして了解をいたします。  次に、先ほど申し上げましたように、その不動産から通り抜けるというようなことになりますと、公租公課の問題等誤解を受けて、脱税であるとか脱税でないとかいうことが出てきます。したがってこの点は、規約にも公租公課は本人が負担するのだということが明確になっておりますから、この点はできるだけそういうように、今後もおやりになるときには――不動産業者だけでなくて、やはり地主の中にも私は売りたくないという人も出てくると思うのです。私はいまあるところで、大阪市に頼まれてやっておりますけれども、わずか十坪の土地ですが、先祖代々の土地だから絶対売らぬ、こう言ってがんばっておる。都市計画はそのためにできないところもあるわけですから、こういう点もひとつお願いをしておきたいと思うのです。  その次にお尋ねをしますのは、いま申し上げましたように、分譲の問題についての面積は十分考えていただきたいと思います。特にこの規約ではその坪数と建坪というものとの開きがあまりにも大きいようでございますから、特にこの点はお願いしておきたいと思います。  それから優先分譲、なるほどこれはその組合員土地をあっせんをした場合、その組合員に優先的に分譲をする、こういうなにがある。私は原則としてそうだと思うのですし、またそうでなければいけないと思うのです。しかし、ここで一つまた誤解を受ける問題が出てきはしないかと思うわけです。それは自分土地は持っておる、家は持っておる、けれども自分の近所の人あるいは自分の知り合いで売りたいという人があった、そうしてそれをあっせんをした、自分は優先の権利があるからといってそこの一筆をもらっておる、こういう場合、その人はいつでも譲渡をし得るだけのなにがあるわけですね、自分にあるわけですから。ですからその優先分譲ということについて、これは条文それ自体は私は間違いだとは思いませんけれども、これらについて御配慮なさっておるかどうか、この点をひとつお伺いしておきたいと思います。
  27. 井上邦之

    ○井上説明員 ただいまの先生の御趣旨のとおりの問題が実はございます。この条文をつくりましたのは、当初分譲を始めましたときに、はたしてこれがうまくいくかどうかという懸念もありましたので、土地のあっせんを組合員からも受けてなるべく手広くやらなければおそらく成功しないだろうというような配慮もございまして、こういう条文を入れました。ところが実際に組合員が団地をあっせんする――単なる聞き込みで知らせてくることはございますけれども、いわゆるあっせんというようなことは実は、条文にありますけれども、実例がないのでございます。これは死文にひとしい条文でございます。実際にはこの条文は生きておりませんので、本来ならば条文を抹殺すべきでありますが、その点多少そういう事務手続がおくれておりまして、これは遠からず消したいと思います。
  28. 井岡大治

    井岡委員 次に工事の契約でございますが、工事の契約は私はやはり指名のなにでおやりになるのが原則だろうと思いますが、「前項の契約は、指名競争契約又は随意契約」こういうことがあるわけです。条文としては私はそれでいいと思うのですが、この「又は」というところに力の入らないようにやっていただかなければやはり誤解を招くおそれがあるのじゃないか、こういうように考える次第です。そこで同じことが三十三条の保険契約のところに「局長が別に指定する」、こう書いてある。これらも規約上はそれでいいとしても、運営の中でやはり何らか考えていただかないと問題が起こるような気がしてならないのです。この問題というのは、誤解が起こるような気がしてならないのです。どの点について、いまの契約と指定というこの項について特段の注意を払っていただけるかどうか、ひとつお伺いをしておきたいと思います。
  29. 井上邦之

    ○井上説明員 これも当初の条文では「指名競争契約又は随意契約によるものとする。」というふうに書いておりましたが、こういうふうに手広くいろいろな方法を書いたということは、先ほど申しました趣旨から出ておることでございますけれども、現実の問題といたしましては指名競争契約一本やりでやっておるのが実例でございます。その次の工事の場合については「別に定める。」ということになっておりますけれども、これは組合支部長というのが管理局長でございまして、この管理局長が整地工事を行なわせることが適当であると認められるものを指名競争契約で選定するわけでありまして、この場合もいわばオープンというようなかっこうになっております。現実にそれほど問題は起きておりません。
  30. 井岡大治

    井岡委員 それから三十四条の禁止事項の中で、「住宅の模様替又は増築をすること。」これを禁止してあるわけです。ここのところには私は少し抵抗を感じるわけです。自分は十年で借りた、最初は十八坪だった、ところが、子供が大きくなってきて、勉強部屋もこしらえてやらなければいかぬ。たまたま土地も、八十坪が五十坪に下がるとしても、やはりある。こういう場合について、やむを得ないという事由が入っておりますから、やむを得ないその事由というものにはそういうものが含まれるとは思いますけれども、しかし一般論としての取り扱いというものは、こういう場合はこうだという施行規則のようなものをこしらえておく必要があるのじゃないか、こういうように考えるのですが、この点をひとつお伺いしたいと思います。
  31. 井上邦之

    ○井上説明員 分譲につきましては、共済組合といたしましてもなるべく問題の起こらないようにということを基本的に考えておりますので、かなり窮屈な条件をつけておることは事実でございます。したがって先生御指摘のように、いろんな条件を禁止事項として書きあげておりますが、これも先生御指摘になりましたように「やむを得ない事由によると認められる場合の外、」ということがございますので、実際問題としては、そういう子供がふえて部屋をふやさなければならぬというような場合には、当然やむを得ない事由の中に入りますので、これによって処理いたしております。この「住宅の模様替又は増築をすること。」ということを特に入れておりますのは、実は火災保険をつけさせておりますので、保険の約款との関連もありましてこれは特に入れておるのでございますが、実際問題といたしましては、いま先生御指摘のとおり、やむを得ない事由によるということで処理をいたしております。
  32. 井岡大治

    井岡委員 ですから、そのやむを得ないというのはこうこうこういうものだ、こういうようにひとつ列記をしておいて、そしてなお、その他というのなら話はわかるのです。こういう問題はやはり誤解を招く問題ですから、誤解を招かないように規約の中で処置をしておかないと、自分はやむを得ないと思ってもほかの者がやむを得ないことはないのだということで、ひとつの見解の問題になってくると思う。ですからこういう問題はできるだけこまかく規定をしておくほうが、事務簡素化する上においても、スムーズにやる上においても必要じゃないか、こういうように申し上げておるわけで、この点はひとつもう一度お伺いをしておきたいと思います。
  33. 井上邦之

    ○井上説明員 先生の御指摘どおりでございまして、御趣旨は十分にわかりますので、今後とも私ども実際の運営の面におきましても、あるいは規程の改正の面におきましても、共済組合運営審議会にもはかりまして、先生の御趣旨に沿うようにやってまいりたい、かように考えます。
  34. 井岡大治

    井岡委員 最後に副総裁にお尋ねをいたします。別表の第一(第二十五条)に「指定地域」と書いてあって、指定地域がずっと並んでいるわけで。こういう形のあらわし方というものは、何か幹部だけがこの住宅部規程の適用を受けるという――ほかから見た場合、地域がみんなそういうところですから。ですからこれらについては、指定地域は指定地域であるけれども、ほかのところに何か一般のどこにはどうだこうだという――各支社があるわけですから、支社別にいろいろこういうことを考えておいでになることのほうが誤解を招かないゆえんではないか、こういうように思うわけです。これは一つ要望として申し上げておきます。  以上、私は雑多な質問をいたしましたけれども、とにかく国鉄はいま国民に非常に注目の目で見られておるときでもありますし、同時に、国鉄はやはりますます国民のために奉仕をしていただかなければいけない。こういう点から、細心の注意を払ってやっていただきたいということを希望すると同時に、この規約で決算予算は大臣に提出して大臣の許可をもらうことになっておりますので、大臣のほうでもこれらの行政指導には十分の配慮をしていただくことを希望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
  35. 内藤隆

  36. 小川新一郎

    小川(新)委員 今回の問題は、国鉄共済組合の団地が、新駅関係して先行投資をしているのではないかという疑惑のもとに始められたと思うのです。私はこの質問にあたりまして、共済組合の発展を願うとともに、国鉄全体の擁護のために、そういう立場に立って若干の質問をさせていただくものでありまして、何も突っつきまくって共済組合を不利にするようなことでないことをまずあらかじめお断わりしておきます。  まず第一番目に、今回問題が起きまして、総理大臣の何かおしかりといいますか、通達と申しますか、そういうことがあったということを聞いておりますが、それを運輸大臣にお願いします。
  37. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 私は新聞で書き立てられました記事を読みましてびっくりいたしました。さっそく国鉄に報告を求めました。それに基づきまして閣議においても発言いたしまして、国鉄共済組合が宅地分譲事業を行なうこと自体は、組合の性質上当然のことである。ただその間において、駅のできることを職務上早目に知って、まだ世間の人の知らない間に有利に買い占めをするというようなことがあったり、あるいは不動産業者と一緒になって不当な利益をはかるというようなことがあったりしては、これはいかに事業に熱心のあまりとはいえ、公務員たる性質上行き過ぎといわなければならないので、厳重に戒める必要があると思っておりますけれども、しかし問題は、事実の内容がまだはっきりいたしておらないので、十分国鉄について事実を調べた上で、戒むべき点があれば十分に戒めるようにいたしたい、こういうことで暫時取り調べの猶予をお願いいたして報告いたしたわけですが、それに対しまして佐藤総理大臣とされましても、国鉄の立場上この問題は大きな問題であるから、詳細調査をして間違いのないようにしてほしい、こういう意向を表明されまして、その点は国鉄当局にも一応伝えております。  なお運輸省といたしましては、いま国鉄から一応報告を受け取っておりますが、その報告の内容は先ほど来副総裁がこの席で答えられたものとほぼ同じでございますが、運輸省といたしましてはまた運輸省独自の立場から、これに基づいて詳細調査を進めておる段階でございます。しかしいままでのところ、特に副総裁が先ほど答弁されましたのと異なったような事実は見出しておりません。事柄が事柄でございますので、念入りに調査を進めておる次第であります。
  38. 小川新一郎

    小川(新)委員 いまの大臣の答弁で了解いたしましたけれども、私が調べましたところによりますと、東小金井駅、これは昭和三十九年の九月に完成ですね。これが昭和三十三年から三十八年にかけて国鉄共済組合が十二万坪、約六団地。東大宮が――私、大宮に住んでおりますのでよくわかりますが、三十九年三月完成のが三十五年から三十八年、四万坪買っております。天王台が四十二年末の予定になっておりますが、これが三十四年末からお買いになっておる。これは約四万坪あるといわれておる。埼玉県の行田は四十一年七月に完成したのでありますが、これが三十七年から三十八年に三万坪。新大船、これは一番問題になってくるのでありますが、これは四十四年を目標に、三十九年末から四十年五月にかけて約三万坪ぐらい買われているといわれております。そのほか十団地。また東北線の野木駅も先行投資がなされておる。ただいま大臣の御答弁の中にもございましたけれども、そういう駅ができるということを何も勘案した上でなくて買っているのだということになりますが、たまたまこういうふうにちょっと調べただけでも駅がかち合うところを六つも七つも、五年も六年も前からお買いになっているということは、明らかにここは駅ができるんだということを目途にそういう先行投資をなさったとわれわれは解釈するのですけれども、その点についてはいかがですか。
  39. 磯崎叡

    磯崎説明員 ただいまお示しの駅の中で多少事情の違っているのもございますので御説明申し上げますけれども、全般といたしまして冒頭に井岡先生の御質問にお答えしましたように、駅の設置は全部地元で負担しておりますので、結局まずその設置の請願が出るときには必ず市議会その他の議決を経ているわけでございます。一カ所で、いまお話しのような駅でも大体七千万円から一億三千万円くらいかかります。したがいまして、その負担はいずれかの形で地域住民にかかってまいりますので、地域住民に相談しないで駅設置の請願が出るということはあり得ないわけでございます。したがいまして、各地におきましても、地域の方々は当然この付近には駅を将来つくってもらうんだ、おれたちも金を負担するんだ、こういう御意思のもとに請願があるわけであります。一方国鉄共済組合といたしましても、なるべく東京に近くて便利なところがいいのは当然でございますけれども、現時点におきましては、大体東京駅を中心といたしまして三十キロ以内のところでは、とても私のほうの職員が買えるような土地はございません。どうしても三十キロ以遠の、いわゆる首都圏の地域でなければ、職員のふところぐあいから申しましてとても買えないような高い値段である。したがいまして、ことに昭和三十七、八年ごろからあとにさがしましたところは、大体三十キロ以遠のところでさがした。三十キロと申しますと、東京駅まで通うといたしましても約五十分から小一時間かかります。しかしそれ以内で求めようといっても求められないというところで、非常に大きな円を描きまして、その地域内でひとつさがそうということでさがしてまいった。したがいまして、いまの駅をつくってくれというお話のある場所とたまたまこれがぶつかることもありますが、たとえば野木の場合は駅ができてから買った。ある意味で高くなってから買ったということになりますが、そういうふうにちょうどいま買っておりますところが三十キロ以遠のところであるというところで、わりあい駅設置要望の強い場所がたくさんあるわけであります。それは国鉄だけでなしに、一般の住宅公団あるいはその他の町の県営団地その他もできますので、それらとの関係でやはりこの辺がいいだろうということで買うわけでありまして、決して職務上知り得たということを理由にして――実は私たいへんうかつな話でありますが、どこに団地を買っておるか私自身全く知らなかった次第でございます。しかし、駅の設置は最高会議にかけましてきめるわけであります。部内のことを申しましてたいへん恥になりますが、全く違った部局でありまして、ほとんど私自身知らなかったような団地がたくさんございます。そういう意味で、駅設置に先行して国鉄共済組合が買うというようなことは、少なくとも地元民に黙って買うとか、地元民をだまして買うということは全くできないというふうに私は信じております。  もう一つ、いまお示しの中の根岸線の問題であります。これは駅の事情が違いまして、根岸線と申しますのは御承知のとおり、本来鉄道敷設法におきましては、横浜市桜木町から北鎌倉に至るというふうに書いてあります。その北鎌倉と申しますのは、横須賀線でございます。したがいまして敷設法上、北鎌倉に線路を直接つけるべきではないかという問題これは藤沢市、鎌倉市が中心になって非常な運動をしたものであります。それから北鎌倉では輸送上不便だから、大船に入れるべきだという意見がありました。大体意見が三つに分かれました。大体いまの予定線になりましたところと、東海道線に並行して一キロくらい走って大船駅のまん中に立体交差で入ってくる状態になる。それからPXの南のほうから大船駅に直角で、と申しますと語弊がありますが、大体直角に近い角度で入ってくる。それから南から北鎌倉に入ってくる。この三つの案について非常に慎重に検討いたしました。これはほんとうに輸送上の大事な問題でございますので、慎重に検討いたしました結果、昨年の夏に至りましてやっと部内意見がまとまりまして、やはり貨物輸送を中心として京浜地帯と東海道とを結ぶことを重大目的にしようということで、ああいう路線を決定したわけでございます。したがいまして、あそこに土地を買いましたのはその前でございますが、あそこに駅ができるなどということは全く知らない、ただあの辺の場所を買ってあったというだけのことで、これは私自身があのルートの決定に参画し、また駅の場所につきましては地元といろいろ御相談いたしましたようですが、いろいろな案を検討した結果あのルートになったわけで、決してあの駅ができるということが初めからきまっていたわけでも何でもないわけであります。これは非常に結果的に――三つ団地がございます。一つの団地は非常に近いのでございますが、あとの二つはむしろ大船駅のほうがずっと近いのです。そういうようなことで、結果的に誤解を受けたことは非常に遺憾でございますけれども、この点私自身このルート決定に当たりましたので、責任をもってお答えできる問題でございます。
  40. 小川新一郎

    小川(新)委員 いま聞きましてよくわかりましたが、たまたま合ったと言われるんですけれども、住宅公団も土地を探しているわけです。ところが、どういうわけで国鉄だけがこういうふうに駅のところを買ってしまったかということが、世間の疑惑を招いているわけです。ここにも住宅公団もあったと思うのです。また地方自治体もやっているんだ。土地の問題というものは、これは都市計画にしても、市街地再開発にしても、いま問題になっている収用法、土地問題を解決しなくては現在の日本の住宅行政また都市問題というものは、これは解決できないんです。けさの毎日新聞にも出ておりますけれども、土地を買った、駅をつくったけれども、町づくりはちっとも進まないというような記事も出ている。いろいろな面で、われわれとしてはそういう点の中から、それではなぜ、他の住宅公団等がここに入ってこなかったか、そういうような点の事情はどうなんでしょうか。
  41. 磯崎叡

    磯崎説明員 けさの毎日新聞記事に一々反駁する気持ちはもちろんございませんが、あの付近は、実はその新聞の図面にはございませんが、もう一本線路がございます。武蔵境から是政線という線が出ています。私のほうで買いましたのはむしろ是政線の向こう側でございまして、こちら側に一つ、向こう側に二つ。是政線の新小金井という駅がございます。その小金井に徒歩で五分ないし十分のところでございます。その写真にはその線は出ておりませんけれども、地図をごらんくだされば、東小金井よりもずっと近いところにすでに駅があるわけでございます。そこを買いました。そこにはすでに周囲に、都営住宅がその当時からたくさん建っております。その中の土地を、これは実は共済組合が買ったのではございませんで、各職員不動産業者から買うのをまとめて買ったということでございまして、この問題には共済組合は全く関係いたしておりませんが、いずれにいたしましても、この団地ができたから東小金井ができたというのでなしに、ちょっと新聞にも出ておりましたけれども、実は中央線の複々線化の工事をいまやっております。高架にいたしますと、当然貨物駅ができませんので、御承知のとおり、新宿だけ残しましてあと全部貨物駅を廃止したわけでございます。中野はもちろんのこと、荻窪、西荻窪、全部廃止いたしました。廃止いたしましても、どこかにそれをつくらなくちゃいけない。しかも東京に近いところにほしいということで、東小金井付近に数万坪の土地をやっと――五日市街道からわりに便利なところで貨物輸送に非常にいいというところを探しておったわけでございます。地元としては、貨物駅だけつくられちゃ困る、駅をつくるのなら貨物も旅客もつくるのがあたりまえじゃないかということで、その写真の左の手前のほうが貨物駅でございます。左のちょっと白くなっておりますが、そこが貨物駅。貨物駅をそこへっくったわけでございます。その貨物駅のおかげで中野駅のほか数駅の貨物駅を全部やめて、いま東京の西側の貨物駅の拠点としてつくっております。地元民は、貨物駅だけつくられたんでは地元がさびれてしまうということと、かたがた将来ここは大いに発展するんだということで、昭和三十四年から御陳情を受けておった問題でございまして、この問題は共済組合の問題とも関係ございませんし、私のほうといたしましては、むしろ貨物駅をぜひつくりたいということで、地元とこちらから積極的に御相談して、実は貨物駅の土地の獲得につきましては相当市のごやっかいになっているわけでございます。以上でございます。
  42. 小川新一郎

    小川(新)委員 こまかいことは、それは私がここで論議してもわかりませんのでそれを承服するといたしまして……。大体先ほど根岸線の場合、三つのルートがあって、土地を買えるんだとおっしゃいましたけれども、これはなぜ地主から直接買わなかったかという理由が一つあるのです。たとえば、地主から買えばもう少し安くなる。この土地の問題もそうですけれども、大体国鉄としては幾らぐらいで標準をきめて分譲をする考えがあるのか。たとえば私の調べたところによりますと、我孫子においては、あるおすし屋さんが一坪六万円で団地の中を買っているのです。六万円にもなっちゃうんですか。そんなになっちゃったら、これは買えないのじゃないかと思う。五千二百円でしたか、分譲するということが大体の基準になっておりますけれども、不動産業者が入っただけでも、土地の値段が倍から三倍に上っております。そういう点を考えたときに、この基準というものはどの点に置かれて国鉄の皆さんにお分けするのか、この点を伺いたい。
  43. 磯崎叡

    磯崎説明員 初めの御質問の、地主からじかに買ったほうが安い、これはもう私どももまさにそのとおりでございまして、大船につきましてのC団地は幸いそれができましたものですから、全部地主から直接買っております。A団地、B団地は不動産業者から買いましたが、C団地は十数名の地主から直接買っております。  売るほうの値段でございますが、これはちょっと私どものほうの担当者から御説明いたさせます。
  44. 井上邦之

    ○井上説明員 共済でやっておりますこの宅地分譲地は、職員になるべく安い土地を提供したいというのが根本の趣旨でございますので、その時点時点におきましてなるべく安い土地を探す、これは基本的にそういうことになっております。したがって、東大宮でありますとか、あるいは我孫子でありますとか、あるいは行田でありますとか、過去において土地取得いたしましたところは、これはかなり安い値段で買っておることは事実でございます。ところが、最近やはり御承知のとおり、値段はだんだん上がっておりますので、いま御指摘になりました大船の土地などは相当高い値段になっておりまして、大体共済組合として買いました値段は坪当たり一万円見当というふうになっております。私どものほうといたしましては、職員のふところ勘定からしてそう高い土地は話になりませんので、大体一万円ぐらい。安い土地と申しましても、もうだんだん一般的に地価は上がりますので、そう安いところを探そうとしましても無理な点もございます。現時点におきましては、大体一万円見当でおさめたい。もうそれ以上の土地になりますと、ちょっと職員分譲するわけにまいらぬ、こういうふうに考えておりますが、これもやはり情勢の進み方で、一般の地価がもっともっと上がってまいりますと、とても一万円ぐらいじゃおさまらぬ、こういうことも考えられようかと思います。はっきり現時点なら一万円とか、あるいは二、三年前ならば三千円とか、そういうふうなきめ方はいたしておりませんけれども、要するに、その当時の値段で、しかもその付近の土地の値段と均衡のとれた適正な値段であれば買う、かように処置いたしております。
  45. 小川新一郎

    小川(新)委員 高くなってくるとだんだん買えなくなって、またその高いがゆえに又売りする、こういうふうになってくる。そのために、我孫子の場合を見ますと、約四十五口ぐらいが不動産業者と言われているのです。先ほど不動産業者がなぜあったかという点は聞きました。点々とあった、それは聞きましたのですけれども、最初から国鉄からその業者へ払い下げたような形になっていたという投機的な面は二、三の例がありました。後ほどその業者のリストをお願いしたいのですけれども、全然分譲を受けるという職員を素通りして、業者にすぐ肩がわりして売ったという例もあるのですが、そういう例はあるのですか。
  46. 井上邦之

    ○井上説明員 共済でやっておりますのは、分譲組合員に対してやっておるのでございますから、組合員を素通りして業者にいっておるというのは、例はございません。先生の御指摘の、当局側説明以上にかなり業者の持っているのがあるじゃないかというお話でございますが、それは先ほど副総裁から御説明したかと思いますが、中にぽつんぽつんと不動産業者が散在して土地を持っておった。それをそこだけ残して整地するのは、整地作業としてやりにくいし、また費用から考えましても不経済であるというので、一括して登記簿共済組合のほうに名前を移して、それからまたあとで返したという例もございますが、実はそれよりほかに、団地をつくります場合には、やはり一応まとまった形として団地を形成するというのが普通でございまして、こちらで計画しております中に民有地が入り込んでおる。逆に、共済で取得いたしました土地が出っぱっておるというところがございますと、その土地を交換いたしまして、一種の区画整理をやる。区画整理をやって、土地を相互にやるという例のほうが実は多いのでございます。その受け払いから見ましても、大体国鉄が払ったほうが二千百坪ぐらいになります。国鉄が受けた土地が二千三百坪ございますが、これはどうして土地の広さが違うかといえば、整地費をかけてやったところもございますし、これはこちらの受けるほうが多いのは当然でございますが、大体二千百坪見当の受け払いでございます。それを登記簿上を見れば、直接不動産業者に売ったというふうなかっこうになりますが、これは一種の区画整理です。団地をつくる場合に、最初に土地の整理をする、これはどこでもやっておるわけであります。
  47. 小川新一郎

    小川(新)委員 そうすると、私が調べたのですから違っておるかもしれませんが、四十五口もそういうことがあったのですか、それが一つ。第二点は、十年以上の職員という係長クラスでありますけれども、中に局長クラスの方が二、三口受けているといううわさも聞いておりますけれども、それはどうなんですか。この二点。
  48. 井上邦之

    ○井上説明員 土地分譲に際しまして、特に幹部が優遇されておるという事実はございません。副総裁もさきに御説明いたしたかと思いますが、原則として一口分譲でございますが、ただ土地のかっこうとして、たとえば三角形でありますとか、あるいは中で段々になっておりますとか、そういういわゆる不整形地、形の整っていない区画につきましては、二区画やるという例はございますけれども、これは非常にまれな例でございます。三口以上の分譲は絶対にございません。
  49. 小川新一郎

    小川(新)委員 そうすると、私がいまここに持ってきたパンフレットは、これは我孫子の団地のものなんですけれども、この中に、新駅前十八メートル通りとうたつている。それでこの写真を見ますと、団地の一番いいところに不動産業者がいっぱい建っておる。こういうふうに、国鉄の団地の中に不動産業者が建っておるのは、これは先ほどの売らなかった業者なんですか。
  50. 井上邦之

    ○井上説明員 団地のまん中にでんと不動産業者土地をかまえておることは、まさに御指摘のとおりでございますが、これは、ちょっと遠くでわかりにくいかもしれませんけれども、これだけが団地として計画いたした土地でございます。   〔井上説明員、小川(新)委員に地図を示す〕 この中に二千坪ございます。これは確かに民有地でございます。これは初めから売らなかった。したがって、共済組合分譲地としては全然手をつけなかった土地、これが相当の部分を占めておることは事実でございます。
  51. 小川新一郎

    小川(新)委員 この京北商事という会社は、どういう筋の業者なんですか。
  52. 井上邦之

    ○井上説明員 いま申しました、でんと民有地をかまえておる、これは全然関係ないところでございますが、そのほかに共済組合から業者に土地が移転されておる。登記簿上見れば、そういうかっこうになっておるものの中に、実はこういう例がございます。これだけの団地でございますから、やはりここに住む者の全体の希望として緑地帯がほしいということで、当初から将来ここに緑地帯を確保しようということで、三百坪くらいの土地を確保いたしております。ただそれはみんなの共有財産でございますので、一応名義は自治会代表者名前になっておりますけれども、実体的にはみんなの共有地ということであります。これは公正証書もつくりまして、実体的には、個人名義になっておりますけれども、個人の財産ではないというふうに確かな公正証書もつくりまして、そういう措置をいたしております。ところがこの土地は非常に土質の悪いところでございまして、雨が降ると道がどろんこになる。当初考えておりました程度の道路整備ではとても追っつかぬ、砂利を入れたくらいでは道路がだめだ、少なくとも簡易舗装をやらなければいかぬということになりまして、この道路整備の費用をどこから捻出するかというような問題になってきました。ここに入っております者からさらに追徴金を取るのも問題があるというので、自治会の総意にはかりまして、それではしかたがないから、一応初め共有地として確保しておったところを売るよりしようがあるまいということで、共有地を売り払った。売り払った中に、これは地主に売り払ったものもございますし、不動産業者に売り払ったものもございます。先生いま御指摘の京北商事でございますが、私はどういう形か知りませんけれども、東鉄の共済にただしましたところ、その共有地を売り払ったところに京北商事というのが入っておったという説明がございました。
  53. 小川新一郎

    小川(新)委員 我孫子団地の最初の値段は六千九百円でしたね。それがあるすし屋さんが買ったときには坪六万円になっておった。これはこういう業者が中に入っていれば、どんどん団地の切り売りが行なわれ、そのところだけ高くなれば買い手がつかない場合も出てくる。そういうふうになっていったときには、団地としての姿が保てるか、問題はたくさん出てまいりますが、その辺の御説明はどうですか。
  54. 井上邦之

    ○井上説明員 確かに当初分譲をいたしました価格は六千円程度のものでございますが、その後土地の値段が上がるために問題が起こる。これは確かにそうだと思いますけれども、しかし共済組合といたしましては、一応当初それだけの値段で土地分譲した。それで分譲を受けた者の側が借金を全部完済して自分土地にした。その後もし何らかの事情で、家庭の事情その他で売るというケースも、これはないことはないと思います。そういう場合に非常に値上がりしておるじゃないかということは、これは確かにあり得ると思いますけれども、その問題はもはや共済組合の手を離れた問題であると私どもは考えざるを得ないわけであります。
  55. 小川新一郎

    小川(新)委員 結局共済組合がつくっても、団地の中にこういったいろいろ不明朗な点が出てくるので、国鉄総裁も御心配になり、総理大臣も社会的問題としてこれを取り上げておる。  それで、山崎慶次さんという人がいるのですね。この中にものすごくたくさん土地を持っておる。これはどういうわけですか。
  56. 井上邦之

    ○井上説明員 それは先ほど御説明しましたように、一つ共有地の売却ということによってかなり広い面積を得た業者もおりましょうし、あるいは個人もおりましょうし、それから先ほど申しました一種の区画整理、これは大体二千坪の土地を受け払いしておるわけでございますから、共済から売り払ったものの中に、相当広い土地を持っておるのはおると思いますけれども、これは共済組合土地分譲とは全然関係のない問題だと思います。
  57. 小川新一郎

    小川(新)委員 結局そうしますと、国鉄共済組合の団地というものは、いまは団地としての性格を離れて、いろいろかってな形式のスタイルになりつつある。何といいますか、そこにかってに何口も持っておる人がいる。この山崎さんという人は、うちをほかに持っていますね。そういう方が――国鉄のうちがなくて困っている、ほんとうに零細な給料の中で、土地も買えない方々に、共済組合が少なくとも団地を提供し、住宅を供給するという初期の目的からだんだん離れていって、しまいにはそうった形式がくずれてしまう。これがいま私が言っているように問題になっている。我孫子の問題がそうでありますが、これがまた他のほうにも波及してくる。だんだん社会的問題としていま取り上げられている点ではないかと思うのです。こういうふうな不明朗な姿に――最初は一口で、十年以上勤められて、ほんとうにその方が共済組合の買った土地分譲をしていただくというスタイルのもとに出発していった。これがいろいろの形になっていくというところに、われわれが解せないし、また法的にもいろいろな問題が出てくるのでしょうし、またそういった不可抗力な点も出てくるでしょう。しかし、先ほど申しましたとおり、六つも七つもの新駅前に国鉄共済組合が先行投資しておる。たまたま合致したといえば言えるかもしれませんが、私はそういう点から考えてすっきりしないのではないかというので質問をしておる。この点についていま御説明がありましたけれども、今後土地の値段がどんどん上がっていったり何かして、共済加盟の組合員が手放していくということも考えられますが、その点についてはどうでしょうか。
  58. 磯崎叡

    磯崎説明員 その点、先ほど井岡先生からも御質問がございまして、私どもといたしましては、代金を完済するまでは第一抵当権を設定してございますから、かってな処分はできない。これはもうはっきりしているわけでございます。そうでなしに代金を完済してしまう、あるいはやめて、退職金で全部代金を払う、そういたしますと、当然登記簿面からも抵当権は消えますし、権利書が本人にきちっと渡るわけでございます。それからあと本人がどう処分するかという問題でございますが、これも先ほど申しましたけれども、たとえば死亡だとか、あるいは病気だとか貧困だとか、あるいはその勤め先が、将来この近所に住もうと思っていたのに全然違ったところに勤め先が見つかったというふうなときには、やはりある程度処分するか何かしなければ家庭は二つに分かれる、かえって生活ができなくなるというふうなことなども考えられることだと思います。その際には結局、完全に所有権が移転したあとのことでございますから、やはりモラルの問題だと私は思います。したがいまして、もちろん法律的にはこれは無効でございますけれども、たとえば誓約書を初めから書かせるとか、たとえば完済して所有権が移ったあとでも投機目的等には売らないとか、あるいはもとの所属長に承認を経るとか、何かそういう形式で誓約書のようなものでもとって、そしてそのモラルをチェックするというような方法以外に、所有権が移ってしまったあとはなかなか法律的にはむずかしい問題だと思いますが、やはり職員全般のモラルの問題として、何か少しでもそれのささえになるようなことをする必要があるだろうというふうに考えております。非常にむずかしい問題だと思いますが、これは実は住宅公団その他にもお伺いしたのですが、どこでも非常に困っていらっしゃる問題でございまして、所有権が移るまではいいのですけれども、所有権が完全に移ってしまったあとどこまで制限ができるかという問題が、非常にむずかしい問題でございます。これは今後、国鉄共済組合のみならず、国家公務員の共済組合もございますし、また他公社の共済組合もございますので、そういったものと十分相談いたしまして、何かいい知恵がないかというふうに考えていかなければいけないと思います。
  59. 小川新一郎

    小川(新)委員 まあこの団地ですね、いま非常に苦しい答弁でようわかりますけれども、よそに土地があって、また買っている。そういうことは国鉄内から一掃してもらいたいですね。こういう問題をはっきりしないとわれわれは非常に不明朗です。もっとひどいのがあるのです。たとえば、名前をはっきり言っておきましょう。磯部宮彦さんという方ですが、これは調べたところによると、行田にも買っていますよ、行田の団地。我孫子に持っていて行田にも持てるというのは、これはどういうからくりで持てるのですか。
  60. 磯崎叡

    磯崎説明員 その点は明らかに私どもの事務の不備だと思います。本来ならばもちろん一人一区画でございますので、各団地ごとに一口というのが原則なことは当然であります。したがって、申し込みなり、あるいは抽せんの結果きまった場合には、もう一ぺん全部いままで分譲した人たちと実は照合しなければならないわけでございます。その照合事務がおくれていたと申しますか、照合事務が十分でなかったということは率直に認めざるを得ないと思います。しかし、たてまえとして、団地ごとに幾ら買ってもいいんだというたてまえでなしに、むしろ今後、それを事務的に、その買った人間は五百人、だれとだれ、全部その名簿をチェックするという方法でそれを防いでいこうというふうに思います。決して意識的に売ったわけではございませんで、たまたまこちらの事務の手薄だった点があることは認めます。
  61. 小川新一郎

    小川(新)委員 時間がありませんし、あとの質疑なさる方も待っておりますので、私の質問はこれで終わりますけれども、チェックのお話が出ました。非常にずさんなやり方、そういう点が今回こういう大きな問題になってきたと思うのでおりますけれども、チェックの方法、それと重ねて私は一つお願いしたいことは、この不動産業者のリストをひとつ提出していただきたい。それからこの分譲名簿の、当たりさわりがありますでしょうから、できる範囲でけっこうですが、リストをひとつあとで私どものほうへ提出していただきたいと思います。  以上をもちまして、時間もございませんので、これで質問を終わらしていただきます。
  62. 磯崎叡

    磯崎説明員 不動産業者のリストは御提出いたしますが、個々分譲を受けた者の名簿ということになりますと、まあ多少借金のリストのようなものになりますし、また所有物のリストのようなものになりますので、各団地ごとの何のたれがしという名前の入ったりストは、やはり一応その所有者承認を得なければまずいのじゃないかというふうに考えております。その点いかがでございましょうか。やはりこれはある意味で個人の何と申しますか、財産上の秘密なり職務上の秘密なりということになるのじゃないかと思いますので、一応やはり譲り受けた人の承諾を得なければ名前は……。
  63. 小川新一郎

    小川(新)委員 そうじゃないですよ、私の言っているのは。国鉄共済組合土地を譲ったりストでけっこうです。それから先のリストじゃないです。それは何もプライバシーじゃないでしょう。共済組合からこの団地は小川なら小川が受けたというリストでけっこうです。それから先のリストじゃありませんから、私の言うのは。
  64. 磯崎叡

    磯崎説明員 そうすると、あれでございますね。たとえば共済組合からA、B、Cに移った、そのA、B、Cの名前ですか。――それもやはりちょっと……。それから先の問題ももちろんあれですけれども、分譲を受けた人の名前を全部お出しするということは、やはりどうなんでございましょうか。個人個人の問題になるんじゃございませんか。ですから抽象的に、たとえば年齢別とか男女別とか、そういう抽象的なことなら幾らでもいたしますけれども、個人個人の名前を出すことはちょっと……。
  65. 小川新一郎

    小川(新)委員 わかりました。けっこうです。では国鉄のほうも十分注意して、――ひとつ不動産業者のリストだけお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
  66. 内藤隆

  67. 神門至馬夫

    ○神門委員 さっきの質問に対しまして、所有権移転後のチェックの問題についてお話があったんですが、ちょっと私ども聞いておりまして、共済組合組合員としての身分を保有しておる間に投機的にそれをどうこうという不正行為があった場合には、あるいは処置をするとか誓約とかいうことがあっても、退職した後とかいうような者にそういう誓約書が及ぶようになるのかどうなのか、その点ちょっと疑問を感じたので……。
  68. 磯崎叡

    磯崎説明員 その点は法律的には全く無効だと存じます。完全に所有権が移転したあとの約束まですることは、これはできないと思います。しかしまあモラルの問題としまして、よほど困らなければこういうことはしませんというくらいの誓約書をとっておくという程度のことならば、法律的には無効でございますけれども、何かのささえになるという程度のことしかできないというふうに考えております。
  69. 神門至馬夫

    ○神門委員 その点はあとで若干触れたいと思いますが、いま国鉄が全国では三百九十三団地を分譲制度ができてからつくっている、こういうことなんですが、この中でいま問題になっている新駅との関係と見られる団地数がどのくらいあるのか、いわゆるその三百九十三の中に、新しく近くに駅ができた、あるいはできる可能性、こういうようなものがどのくらいあるのか、この点をひとつお答え願いたい。
  70. 磯崎叡

    磯崎説明員 これは現在まで全国で、とても調べておりませんけれども、まあ今後駅というものはやはり複線化し電化してくれば、地元の要請で、減らすことはできなくても、やはりふえざるを得ないと思うわけであります。そうするとやはり、私どもの団地も方々に買っておりますので、たまたまそれが一緒になったということで、先行投資だというふうに言われますと非常に困るのでございますが、いまさしあたりこの付近で問題になったのは、いまの三つだと思います。ただし東小金井につきましては全くこれは共済組合関係なしに、各職員が個人個人で買う事務をまとめてやったというだけのことでございまして、むしろ私鉄の沿線の問題でございます。今後駅が絶対にできないということになればこれは別でございますけれども、やはりまだずいぶん御要望の駅がこの東鉄管内だけでも相当ございます。できるものもあるし、できないものもあると思いますが、共済組合が今後とも持ち家政策をやっていく場合に、絶対に駅ができないであろうという場所を探すことも、これはむずかしいことだと思うのでありまして、その点はできるだけ常識的な考え方でやってまいりたい。やはり国鉄職員でもなるべく駅に近くて便利なところに住宅をつくりたいというのは当然のことだと思いますので、そういう部局と駅をつくる部局と完全に分けておくということでこの仕事を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
  71. 神門至馬夫

    ○神門委員 一番問題になっております大船の新駅の問題ですね。新聞の写真と略図で見ると、全く新大船駅を包むようにA、B、Cの団地がある。この関係は偶然そういうことになったのかどうか、説明してもらいたい。
  72. 磯崎叡

    磯崎説明員 この点、手元に図面を持ってまいりましたが、新聞の略図なり写真とはほんとうの地図は少し違っているように思います。たとえば略図で申しますと、Cという団地が新大船に非常に近いように書いてございます。これはごらんのとおり大船の駅、これがCでございます。これが東海道線でございます。これがA、B、Cでございます。Cははるかに離れているところでございます。大船駅の真東よりさらに南でございます。それからAはちょうど大船と新大船の中間でございまして、これは大船駅に出るほうがよほど道がいいということでございます。むしろBがこの新駅の北だということで、住宅公団も盛んに団地をつくっております。先ほど申し上げました三つのルートと申しますのは、こういう入り方と、こっちからこう入ってくる入り方と、南からこう入ってくる入り方と三つの案があったわけでございます。これをきめましたのはごく最近の昨年の夏でございます。そういう意味で、私自身がこのルートに最終決定をいたして、建設公団と相談をいたしたわけでございます。ただ大船というところは、戦争中から国鉄職員がたくさん住んでいたところでございます。このA、B、Cのちょうどまん中の笠間地区と申しますとこには、私のほうの宿舎もたくさんございますれば、独身寮もございます。住宅地としては、東京に近いわりに開けていなかったところでございます。したがいまして私どもは、この付近に住んでいる職員に何か土地をさがしておけということをかねがね言っておったわけでございまして、もちろん桜木町から北鎌倉に行く線路ができるということ、これは法律できまっておることでございますので、私どもに限らず、住宅公団その他もこの付近をずっと買って、現につくっておられます。偶然の一致と申しますと非常に弁解がましいようでございますが、このきちっとした地図をごらんくださいますと、決して線路を目当てに買ったというふうにはお考えにならないだろうと思います。むしろいろいろな輸送上の面からこういう線路になった、これは私自身がこのルート決定に参画いたしましたので、責任を持ってお答えいたします。
  73. 神門至馬夫

    ○神門委員 そうすると、この略図のほうがほんとうの地図よりか違っているということなんですか。
  74. 磯崎叡

    磯崎説明員 たしか十六日の新聞の略図だと思いますが、それとこれとの違いは、私が違っている違ってないと申しますよりも、これをごらん願ったほうがむしろいいと思います。何ならこれを資料として提出いたしますので、御照合を願いたいというふうに思います。
  75. 神門至馬夫

    ○神門委員 それでは、またその地図を見せていただきたいと思います。  それから先ほど説明された中に、共済組合土地を入手する場合には三つの方法がある。その入手する三つの方法、三つの相手は公的機関地主あるいは不動産業者を通じて買う。その際必ず専門の不動産鑑定士による鑑定を受けている、こういうお話があったと思うのです。その中でいま問題になっている我孫子行田東大宮、新大船の団地、これらのものについての鑑定書というものがございますか。
  76. 井上邦之

    ○井上説明員 ただいま先生御指摘の鑑定書も、ここに用意しております。
  77. 神門至馬夫

    ○神門委員 これは三百九十三全部に大体、鑑定書というものは添付して様式が整えてあるわけですか。
  78. 井上邦之

    ○井上説明員 全部ございます。
  79. 神門至馬夫

    ○神門委員 それからもう一つ不動産業者を対象とする売買ということで問題になっておるわけですが、売買となれば売り買いなんですが、不動産業者から土地を買われたことはあるという説明でした。ところが共済組合から直接売ったという事実があるかどうか、説明してください。
  80. 井上邦之

    ○井上説明員 先ほど御説明いたしましたとおり、共済組合から分譲いたします相手は組合員でございますけれども、整地作業の面でありますとか、あるいは初めの、団地を造成します場合の一種の区画整理でありますとか、そういう関係で、登記簿上見れば確かに共済組合から不動産業者なり特定の地主なりに登記が移っておるという例はございます。しかもそのほうがかなり面積が広い。口数にすれば五口も六口も移っておるようなかっこうになっておるところはございますけれども、それは共済組合土地分譲とは本来関係のないものでございます。
  81. 神門至馬夫

    ○神門委員 直接売った事実はないということで、特に共有地の問題が浮かび上がってきておるようです。こういう緑地帯がほしいから、自治会長名義ですか、そういう名義にして三百坪ばかりのものを保有した、全体の団地の共有地として自治会長名義に譲った、こういう例が他にたくさんあるわけですか。
  82. 井上邦之

    ○井上説明員 これはそうたくさんはございません。私の知っている範囲では、たまたまこの東我孫子団地だけでございますが、その際にも、確かに将来いろいろ問題が起こりますので、自治会の代表者名義にはいたしておりますが、これはみんなの共有財産であるという公正証書をつくっております。それでもなおかつ個人の代表ということでは問題はございますので、将来はこれを個人ということでなくて、名義の上においてもはっきりみんなの共有というようなかっこうに改めたいと思っております。
  83. 神門至馬夫

    ○神門委員 その三百坪がいろいろそこの舗装なり下水の整備のために何ぽかで売られて、そして宅地整備に充てられたという御説明でしたが、さっきの不動産業者の写真がありますね。これが共有地の払い下げ地に建っているというお話で、新聞を見ますと一番はでに出ているのです。そういう共有地制度というのですか、共有地としておかれたことがむしろ問題になっておるようです。もう一つは、一人一区画原則とする、たまたま不整地の場合には二区画を一人の組合員に分けておる場合もある、こういう説明も先ほどあったわけです。この場合、いかに自治会長であっても法律上は個人ですね。それで、三百坪は三区画か四区画になると思う。そうすると一人に対して四区画あるいは五区画を分けたことになりはしないか。これと一人一区画という原則とは、どういうふうに考えたらいいのか。
  84. 井上邦之

    ○井上説明員 その点は先ほど申し上げましたとおり、公正証書ではっきりはいたしておりますが、なお、先生の御指摘のような問題がございますので、将来の問題としては、個人の一人だけの代表名義でなくて、その坪数にちょうど当てはまるような、たとえば三百坪でございますならば、四口であるとか五口であるとか、場合によっては全員でもよろしいと思いますが、そういうふうな名義に書きかえたいとは存じますが、いままでのところでは個人の代表名義になっております。ただ実体的には公正証書ではっきりいたしております。
  85. 神門至馬夫

    ○神門委員 それから宅地の入手が現在、社会的にも非常にむずかしいと言われております。国鉄共済組合等がこういう分譲作業を進められる中で宅地の入手状況はどうか、またそういう新しい団地ができる場合に、そういう緑地的なものを、方法は別として、今後とも置くという――問題を起こしたわけなんですから、そのような根源をなくしていくような考えがあるかどうか、この点をお聞きしたいと思います。
  86. 井上邦之

    ○井上説明員 先生御指摘のとおり、確かに今後の団地内の緑地の問題につきましては、最近、住宅地造成事業に関する法律というものができまして、それによりますと、団地の中に緑地をつくらなければいかぬというような規制がございます。しかもその団地をつくりました場合には、これは公共用地として当該地方公共団体に帰属させるべきものだというふうに法律ではっきり規制されておりますので、今後の問題としては、その法律に従った処置をしていく、かように考えております。
  87. 神門至馬夫

    ○神門委員 それは地方自治体に移転する、こういうような方法でそういう緑地をつくっていく、こういうことですか。
  88. 井上邦之

    ○井上説明員 さようでございます。
  89. 久保三郎

    ○久保委員 関連して。それじゃ一言だけ副総裁に……。この問題はそれぞれ皆さんからお話があってはっきりしていると思うのですが、一つには停車場というか、そういうものを大体予想して、そこへ団地をつくっているのではなかろうかということですね。もう一つは、共済組合土地造成というか、組合員のための土地取得売買、そういうものについて不動産会社とかなんとか、そういうものにかかわって不明朗な点があるじゃないかというような点だと思うのです。そのとおりな部面もあるようでありますが、これは十分注意していただくことは当然でありますが、たださっきの答弁の中で、何か所有権が移転したあとまで、値段が高くなるとか転売するとか、だからそれには所属長の誓約書でもとっておこうかというあなたの答弁があったのです。そんなことはどこに行っても聞いたことはないですな、買った個人の自由ということであります。ただ問題は、共済組合が殖産の手段に供してはいかぬということです。共済組合がそういう手段に巻き込まれてはいかぬということです。それに限定されるのであって、駅長か何かに誓約書を入れておいてなんといったって、それは効力があるものじゃありません。そういうことではかえって問題をおかしくするのではないか。そこまでの配慮をするなら、それ以前の、殖産の手段にさせないという、きちっとした方針共済組合土地の問題は対処してもらいたいと私は思うのです。  それから停車場の予定地云々でありますが、もしそういう疑惑があるなら、そういう点はやめさせる。もちろん停車場をつくるには、いままでだんだん御説明があったように、その町なり市なりが、その負担能力がなければ駅ができないという話でありますから、そういう問題もあわせてこれはやるべきであって、そうでないと――私は過去において組合員であったこともありますが、しかし不幸にして土地はいまだに一坪も持っておりません。だけれども、職員の実態を見れば、やはり在職中に退職後の安住の地を与えるということは、またほしいということは当然だと思うのですね。その純粋な意味での問題であって、それ以外にいろいろあるから世間から指弾されるのでありますから、それを遮断する方法さえとっていただけば私はいいと思うのです。そういう意味で、どうもさっきの御答弁は少しおかしいが、これはどうでしょう。
  90. 磯崎叡

    磯崎説明員 先ほど申しましたように、この所有権移転後の問題、これは純粋な法律問題としては全く個人の自由でございます。したがっていま久保先生のおっしゃったように、この共済でせっかくやったことを殖産の具に供してはいけないということがモラルであり、またこれが根幹であるべきだというふうに考えております。  誓約書等と申しましたが、これも一つ考え方だと申したわけでございまして、実際これをどういうふうにいたしますか、共済組合自体に対する組合員考え方というものだけをはっきりすることが一番必要だと思います。また逆に、角をためて牛を殺すようなことでもって、もうめんどうくさいから分譲はやめというようなことになってもいけないと思いますので、そういう点を、やはりどうしても国鉄職員にも土地をやりたいというわれわれの気持ちは変わりませんので、十分気をつけてやってまいりたいと思います。      ――――◇―――――
  91. 内藤隆

    内藤委員長 次に、公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。原健三郎君。
  92. 原健三郎

    ○原(健)委員 私はこの法律の趣旨には賛意を表するものであります。いままで軍用飛行場の周辺の騒音に対する防止、補償等の法律がありましたが、軍用以外のものはなかった。はなはだ片手落ちであると遺憾に思っておったところが、今度運輸省でこの「公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律案」というのを提案されましたことはまことにありがたく存ずる次第であります。それで二、三の内容に立ち入って、わかりにくい点を解明いたしたいと思うのであります。  この法律によりますと、本法は、「公共用飛行場周辺における」という、「公共用飛行場」ということばを使ってあります。それから中身になってくると、今度は「特定飛行場」ということになってきておるのですが、この「公共用飛行場」と「特定飛行場」はどう違うのであるか。「特定飛行場」というのはどういうものを言うのであるか、これは法律にも書いてありますが、もうちょっと詳しく御説明願いたい。
  93. 澤雄次

    ○澤政府委員 第一条の「公共用飛行場」と申しますのは、航空法に基づきまして、一般公共の用に供するために設置いたします飛行場でございまして、これには御承知のように第一種飛行場、それから運輸大臣が地方設置いたします第二種飛行場、それから府県が設置管理いたします第三種飛行場というのがあるわけでございます。それで第二条に「特定飛行場」というのがございますが、「特定飛行場」はただいま申し上げました飛行場のうち、運輸大臣が設置いたします公共用飛行場、主として二種以上の飛行場になりますが、このうちで政令で指定するもの、そのうちどの飛行場とどの飛行場という、この法律の適用の対象になります飛行場を政令で指定いたします。それとこの法律で定めてあります新東京国際空港、これが「特定飛行場」ということでございます。
  94. 原健三郎

    ○原(健)委員 その特定飛行場を政令できめる場合に何を基準にして、どの程度のことを基準にしておきめになるのですか。
  95. 澤雄次

    ○澤政府委員 ジェット機の離着陸の非常にひんぱんな飛行場でございます。現在予定いたしておりますのは、羽田の飛行場と大阪の伊丹の飛行場、この二つの飛行場であります。
  96. 原健三郎

    ○原(健)委員 東京空港と大阪空港を予定して、これを将来政令で特定飛行場ときめる、こういうことですね。  もう一つ、ついでにお聞きいたしたいのですが、法案の第二条でしたか、この特定飛行場のほかに、さらにもう一つ新東京国際空港というのを別にあげて入れてある。特定飛行場というのと新東京国際空港と別にしてあるのですが、新東京国際空港というのはいま何もないのです。よその人が持っておる土地です。どこかで何やらきまったというのだが、何もないものを観念的にあるようにして、これをこれから法律的に政令できめるという――東京と大阪の飛行場に並べてくっつけてあるのだが、将来これを入れることには私は賛成であります。しかし現在何もないのにこれをいまからちゃんとあげておくというのは、いまからあげておかなくても、将来これは政令でやはり当然入れるべきものである。だから、いまこの法律にあげておかれるのはどういう理由なんでしょうかね。
  97. 澤雄次

    ○澤政府委員 新東京国際空港はすでに第一種空港として設置した空港でございます。これは新東京国際空港公団法をつくりましたときに、新東京国際空港は第一種空港として指定をいたしております。それからその場所といたしましても、千葉県成田市に置くということを政令で規定いたしております。それで現実にはまだありませんけれども、法令上すでに存在しているということと、これから新東京国際空港が完成いたしましたら、ここは大型ジェット機が入るということが当然予定されますので、法律で規定いたした次第でございます。
  98. 原健三郎

    ○原(健)委員 だから、繰り返すようになりますが、いまあげなくてもあとからこれを政令でもって特定飛行場というのに追加することを予定しておいてもあまり支障はないと思うのですが、どうですか。
  99. 澤雄次

    ○澤政府委員 現実に法的に存在するものでございますので――公共飛行場の騒音防止法も法律でございますので、法的に存在するものはすでにあるものということでございます。
  100. 原健三郎

    ○原(健)委員 「特定飛行場の設置者」ということばを使っているのですが、この設置者というのはだれのことをいうのですか。
  101. 澤雄次

    ○澤政府委員 特定飛行場の設置者は、第四条の場合でございますか――特定飛行場の設置者は、第二条によりまして、「運輸大臣が設置する公共用飛行場」ということでございますので、第四条その他の設置者というのは運輸大臣の場合が大部分でございますが、新東京国際空港の場合には公団が特定飛行場の設置者ということになります。
  102. 原健三郎

    ○原(健)委員 それから法律の第五条「特定飛行場の設置者は、地方公共団体その他の者が当該飛行場の周辺における航空機の騒音により生ずる障害を防止し、又は軽減するため、次の施設について必要な工事を行なうときは、その者に対し、政令で定めるところにより、予算の範囲内において、その費用の全部又は一部を補助するものとする。」その一として「学校教育法第一条に規定する学校」、これはたとえば私立でも幼稚園でも養護学校でも保育所、洋裁学校、料理学校、そんなものを全部含むのか。わかりにくいのでその点……。
  103. 澤雄次

    ○澤政府委員 「学校教育法第一条に規定する学校」は、小学校、中学校、高等学校、大学、高等専門学校、盲学校、聾学校、養護学校及び幼稚園でございまして、官公私立を問いません。
  104. 原健三郎

    ○原(健)委員 各種学校は……。
  105. 澤雄次

    ○澤政府委員 したがいまして、各種学校は入りません。
  106. 原健三郎

    ○原(健)委員 それでは、私立なんかの保育所は入るのですか。
  107. 澤雄次

    ○澤政府委員 これは第五条の三号に「前二号の施設に類する施設で政令で定めるもの」ということで、まだ政令案ができていないので恐縮でございますが、防衛施設周辺整備法が大体一つ基準になっておりまして、この防衛施設周辺備整法では児童福祉法に基づく保育所または教護院というものが入っておりますので、保育所はこの運輸省のあれでも入れる予定にいたしております。
  108. 原健三郎

    ○原(健)委員 それから二の「医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第一条第一項に規定する病院」というのは、どんなものが入りますか。
  109. 澤雄次

    ○澤政府委員 これは、医師または歯科医師が一般大衆あるいは特定の者を対象にして診療する病院でございまして、患者二十人以上の収容施設のあるものが医療法に基づく病院でございます。
  110. 原健三郎

    ○原(健)委員 二十人以上の患者を収容する施設があるものというと、普通の診療所あるいは開業医等は入らないのですか。
  111. 澤雄次

    ○澤政府委員 これも政令案ができていないので恐縮でございますが、この第三号の「前二号の施設に類する施設で政令で定めるもの」というもので、現在基地周辺整備法では、医療法に基づく六人以上のベッドのある診療所は政令で指定いたしておりますので、この運輸省の法律でも同様に取り扱いたいと考えております。
  112. 原健三郎

    ○原(健)委員 いま言った普通の診療所や普通の医院等はどうですか。
  113. 澤雄次

    ○澤政府委員 六人以上のベッドのないものは対象に考えておりません。
  114. 原健三郎

    ○原(健)委員 この三号の「政令で定めるもの」というのは、どの程度までか。この政令の内容がはっきりわからないと、これは一番大事なところなので、あとで政令できめます、政令できめますと言うのだが、どの程度まで政令に入るのか、その政令の範囲をひとつ……。
  115. 澤雄次

    ○澤政府委員 現在、この政令は航空審議会の騒音部会のほうで御審議を願っておりますが、お約束申し上げられると思いますことは、基地周辺整備法で航空機の騒音に関しましてつくられている政令の範囲につきましては当省のこれでも取り入れるということはお約束できると思います。それでこの政令で考えておりますことは、先ほども申し上げました児童福祉法に基づきます保育所または教護院、それから六人以上のベッドのある診療所、それから生活保護法に規定いたしております救護施設、それから老人福祉法にいいます特別養護老人ホーム、これは普通の老人ホームではございませんで、医者がいなければ生活ができないような特別の老人ホーム、この四項目を予定いたしております。
  116. 原健三郎

    ○原(健)委員 この第五条で、「政令で定めるところにより、予算の範囲内において、その費用の全部又は一部を補助する」とあるが、たとえば学校、病院等を例にとって、どういう場合には全部補助し、どういう場合においては一部にするか、その基準も政令ですか。
  117. 澤雄次

    ○澤政府委員 これも政令または政令に基づきます運輸省令または告示によりますが、例示を申し上げますと、基地周辺整備法で防衛庁が現在実施しておりますものは、運輸省でも大体その基準で実施するということになると思いますが、たとえて申しますと、一授業時間に九十五ホンの音が十回または百ホンの音が五回というのを一つ基準にいたしまして、それが一週間の授業時間のうちに大体二〇%を占めるという場合には、鉄筋コンクリートにいたしまして二重窓にいたします。大体滑走路の末端から両方に五キロ、横には二キロという範囲は経験的にこのホンのものになるということで、そういう工事に対しましては百分の九十、九〇%の補助をいたします。それから九十ホンが十回あるいは九十五ホンが五回というようなところ、これは経験的に申しまして、先ほどの場所を除きまして、滑走路の末端から七キロないし八キロ、それから横は滑走路の横から三キロ、この範囲につきましては鉄筋コンクリートで一重窓の学校施設を新築いたしまして、それに対しましては七五%の補助をいたします。
  118. 原健三郎

    ○原(健)委員 その九〇%とか七五%というのはわかったが、その費用の全部というのは……。
  119. 澤雄次

    ○澤政府委員 全部というのは、原則として一〇〇%補助するということでございます。ただ相手側に利益の残るものは控除する。学校の場合原則は一〇〇%補助でございます。ただ木造のものを鉄筋にかえるというのが大部分でございまして、その場合に相手の学校が、あるいは市町村がその木材を売ったり、それから木造から鉄筋にかわることの利益、これは音とまた別でございますが、そういうものを計算いたしまして、これは単なる計算でございますが、それで百分の九十あるいは百分の七十五という補助率をきめている次第でございます。
  120. 原健三郎

    ○原(健)委員 いま言った騒音の激しいところ、木造は鉄筋にするし、窓は二重窓にする、そういう場合に高額の補助をする、こういうわけですね。たとえば私の地元の伊丹周辺の陳情をしばしば受けて運輸省も御存じでしょうが、二重窓にすると、少なくともいまごろから七月一ぱいは、暑くて息もできない。音は静かになったけれども、子供は教育どころか息もつけないほど暑い。これでは困るので少なくとも夏は冷房、冬は若干の暖房、こういうことは考えておるのか、考えてないのか。
  121. 澤雄次

    ○澤政府委員 いまの御質問の暖房は騒音と関係ないはずなんですが、現在防衛庁で実施いたしておりますものは通風装置を施します。それで冷房はまだ考えておらないわけでございます。
  122. 原健三郎

    ○原(健)委員 暖房のほうはしたりしなかったり、大体地元のほうでやるのですが、騒音は暖房に関係がないと運輸省はおっしゃるんだが、しかし二重窓にして夏の暑いのは、これは直接騒音にうんと関係があるんですね。何でそんな通風装置だけでほっておくのか、通風装置だけでは暑いのは変わらない。冷房は当然大いに考えるべきであるし、通風だけではだめだ。冷房を非常に要求しておるので、これについて考えてないというのでは、なかなかなまぬるい。考えてもらいたい。
  123. 澤雄次

    ○澤政府委員 これは全国の基地周辺の学校からも非常に強い御要望がございますし、いままで防衛庁、文部省でこのことは検討いたしてまいったわけであります。何ぶん予算関係で非常に膨大な予算を食うものでございますので、現在のところ政府全体といたしまして、冷房装置を実施するというところまではまだ踏み切っていない次第でございます。
  124. 原健三郎

    ○原(健)委員 これは運輸大臣に質問申し上げたいのですが、これはやはりいままでやってないからほかにならってやるとおっしゃると思うが、いままで伊丹でも羽田でも多年にわたって被害を受けて苦しんできた、ようやく踏み切ってやるというのだから、冷房くらいのことは――これはいろいろやり方がある、たとえば起債を認めるとか、補助を全部しなければならぬというわけでもないし、冷房が設置できるように善処することがきわめて大事なんで、それをやらないと、せっかくこういういい法律をつくったけれども二重窓にして暑くて話にならないというのでは、実は魂が入らない法律になる。これは運輸大臣において善処をお願いしたいと思うが、いかがでしょう。
  125. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 元来防音装置をするというのは、ただ音がうるさいから聞こえないようにするというだけではなくて、音がうるさいことによって学校にふさわしい教育環境が害される、それで教育環境を取り戻すというところに眼目があるだろうと思います。したがいまして、音が聞こえなくなったが、暑くて今度は教育ができないということでは、これは仏つくって魂入れずという感がいたしますので、御意見の次第につきましては、政府といたしましても十分検討いたしまして善処したいと思います。
  126. 原健三郎

    ○原(健)委員 ぜひひとつ大橋運輸大臣において冷房についての善処方を一歩進めて、善処されんことを強く要望いたしておきます。  この要綱の第五に「特定飛行場の設置者は、その周辺の市町村が航空機の騒音により住民の生活が著しく阻害されている場合に学習、集会等の用に供するための施設その他の共同利用施設の整備について必要な措置をとるときは、その費用の一部を補助することができるものとすること。」この「一部を補助する」となっておるのですが、「学習、集会等の用に供するための施設」といったら、学校でなくて何か別なものがあるのですか。
  127. 澤雄次

    ○澤政府委員 学校は先ほどのように防音工事をしますが、学校から帰りまして児童、学生が自分のうちで勉強いたします場合に、一般の民家はもう木造が大部分でございまして、これはとても自分の費用ではもちろん防音もできませんし、また政府がそれを一々やるわけにもまいりませんので、市町村でそういう学童がみんな集まりまして勉強できるような、鉄筋で二重窓の共同学習室をつくりましたときは、それに対しまして政府で運輸大臣がそれに補助をする、こういうことでございます。
  128. 原健三郎

    ○原(健)委員 これは市町村がやった場合。私立の塾なんかどうですか。
  129. 澤雄次

    ○澤政府委員 これは市町村の設置するものに限られております。
  130. 原健三郎

    ○原(健)委員 それでは「集会等の用に供する」というのですが、その施設を改める場合ですが、この中には公会堂、市役所、県の支所とか部落公民館等ありますが、これも市町村、県あるいは民間でやっておる部落公民館、公会堂、これが入るのか入らないのか。この区別……。
  131. 澤雄次

    ○澤政府委員 これは「予算の範囲内において」とございますが、ただいま先生の申されたような施設は、すべてこの中に入るように努力してまいりたいと思っております。
  132. 原健三郎

    ○原(健)委員 この施設の「費用の一部を補助する」というのですが、「一部」は政令で何ぼということをきめるですか。「一部」というのはどの程度か。
  133. 澤雄次

    ○澤政府委員 学習、集会室等につきましては、定額を市町村に人口あるいは戸数に応じまして交付いたしまして、市町村がそれを全部お使いになっておやりになってもいいし、あるいはそれに市町村が足して使ってもいい、こういうやり方をいたしております。
  134. 原健三郎

    ○原(健)委員 たとえば市町村の施設の窓をやるのに百万円かかったとしたら、どのくらい補助するのですか。
  135. 澤雄次

    ○澤政府委員 これはいままで実施いたしましたものから、いま運用基準の案をつくっておりますが、世帯数百戸から三百五十までの部落を対象として、百二十平米の共同学習室をつくりましたときには、三百万円を定額として交付するということを考えております。これは相当りっぼな施設ができるわけでございます。
  136. 原健三郎

    ○原(健)委員 「特定飛行場の設置者は、運輸大臣が指定する当該飛行場の周辺の一定区域について、指定の際現に所在する建物等の移転の補償をすることができるものとするとともに、申出により土地を買い入れることができるものとする」といういわゆる移転の補償ですが、この特定飛行場の中にもう一つ当該飛行場の周辺の一定区域を指定するというのは、どの程度の周辺を指定するのですか。
  137. 澤雄次

    ○澤政府委員 これも政令がまだできていないので申しわけないのでございますが、ただいま考えておりますものは、この特定区域といたしまして、滑走路の末端から三百メートルのオーバーランをかりに考えれば、民間空港の場合はこのオーバーランはもっと短いのですが、そこから千メートル、すなわち千三百メートルまでの進入表面、それからその範囲の転移表面、これは百三十五メートルですが、その範囲が現在基地周辺整備法で特定指定区域になっておりまして、この騒音防止法でも、現在航空審議会で練っていただいておりますが、大体その基地周辺整備法と同じ基準になるのではないかと思われております。
  138. 原健三郎

    ○原(健)委員 この指定区域内にある建物等は、移転を希望する場合は移転の補償をする。土地を買い入れてもらいたいというときは、土地も買い入れる。これは民間でもあるいは公共団体が持っておるものでも、やられるのであるか。さらにその買い入れるというのは、時価で買い入れるのであるか、どういう基準で買い入れるのであるか。それをちょっと……。
  139. 澤雄次

    ○澤政府委員 まことに申しわけないのでございますが、これも指定区域の中にまた一つ区域をつくりまして、滑走路末端から八百メートルの範囲内の延長、進入表面の投影面下と申しますか、滑走路がございまして、その滑走路の末端から八百メートルまで、この範囲はもう無条件でどんな土地でも買い入れます。それからそれ以外の指定区域におきましては、宅地はこれを買い入れます。それから建物、立木その他の移転補償は、その全部の区域について行なうわけでございますが、その建物その他を、これは補償して移転しますが、移転したために、その残った土地、その区域内にある残った土地が従来の目的に使用できなくなった場合、たとえばあまりうるさいので家をよそへ持っていった、それを政府が補償いたします。あまり遠いのでここへ来て耕作ができないというような場合には、その土地を購入いたすわけでございます。ですから無条件で買い入れる土地と、その周辺は役に立たなくなったので買うというところと、二つの場合に分けております。土地の購入はもちろん時価によるわけでありまして、正常な土地鑑定人その他を入れて、土地を評価して買い入れるわけでございます。
  140. 原健三郎

    ○原(健)委員 「特定飛行場の設置者は、航空機の離陸又は着陸のひん繁な実施により、従来適法に農業等を営んでいた者がその事業経営上損失をこうむったときは、その損失を補償するものとすること。」適法に農業等を営んでいた者がその経営上損失をこうむるというのは、農業のどういう損失を言うのでありますか。鶏が卵を生まぬようになったようなことを言うのであるか。
  141. 澤雄次

    ○澤政府委員 これは鶏の卵を生まなくなったのは、実はこの法律では考えておらないのでございます。これは鶏の卵あるいは乳牛の乳につきましては、主として防衛庁がいままで方々の大学その他に研究費を出しまして研究を委託したのでございますが、従来、生まれたときからその土地にいる鶏や牛は、その生産量は全然変わらない。それから、よそから持ってきますと、一時乳牛の乳の出る量が減りますが、しばらくするとまたもとに戻るというのが、いろいろな研究委託によって研究報告が出ております。現在のところ、畜産業につきましては損失補償の対象に考えておりません。お百姓さんが戸外で自分でくわを持って、あるいはトラクターで作業をしておる、そういう農業を対象にして損失補償を現在考えております。
  142. 原健三郎

    ○原(健)委員 百姓がトラクターを持ったり、くわを持ったりして農業をやっておる。それに爆音が激しいのでその仕事に支障を来たす、それは補償する、それならこれは政令でしょうが、どうして補償額をきめたり、とにかくこれはややこしいですね。
  143. 澤雄次

    ○澤政府委員 これは実は政令でも書けない定型的な方程式をつくっております。これはいずれ資料でお出しいたしたいと思いますが、その土地のお百姓さんの平均収入は幾らかということから、一日のそのお百姓さんの労働価値と申しますか、さらにそれを追跡いたしまして、一時間当たりの労働価値、労働賃金というものを、その地方の統計から――これはもちろん県の農地部その他と相談をしまして、仮定してつくるわけでございます。そういたしますと、一時間当たりの労務賃金が出ますと、一分間当たりのものは自然六十分の一で出てくるわけでございます。一方、何ホンの飛行機が一日に何回離着陸するであろうか、これも統計でその飛行場について出てくるわでございます。そしてある一定のホン以上のものが、百ホンなら百ホンのものが一回かかると、お百姓さんは必ずくわを持つ手をやめて空を見るか、肩をすくめるかするであろうという仮定をつくったわけでございます。そうすると、何ホンの飛行機が何べん来るかということによりまして、そのお百姓さんの労働価値がどれだけ阻害されるかということから補償額をきめているわけでございまして、実際のその土地の作柄というものは、むしろ騒音よりもそのときの天候なり気象なりによって左右されるわけでございますから、その作柄と騒音との因果関係というものはないわけでございますので、そういう仮定のもとに一定の方程式で損失補償額をきめているというのが実情でございます。
  144. 原健三郎

    ○原(健)委員 それでは重ねて、畜産はこれには入れないということですね。それでは水産や漁業はどうでしょうか。将来近畿地区、関西においては伊丹の飛行場はこれは万博までに拡張して使うが、将来SSTなどがくる場合にはとても問題にならない。新大阪国際空港は当然いまから考えなければいけない。その場合に至ってあわてふためいては、新東京空港みたいに支障を来たすし、なかなか容易にいかない。それを兵庫県やなんかが淡路島なんかにやると言っているけれども、こういう場合には水産や漁業に影響があることは当然なんですが、そういうところは考慮されるかどうか。
  145. 澤雄次

    ○澤政府委員 現在のところは東京、大阪、新東京、この三つだけでございますので、漁業に阻害を与えるということはまず考えられないので、現在のところ政令に漁業ということを入れることは考えておりませんが、先生のおっしゃるように、新大阪空港ということで非常に漁業の多いところにそういう空港ができたといたしましたら、それは当然そのときに政令で指定していくということに相なると思います。
  146. 原健三郎

    ○原(健)委員 特定飛行場の使用者が、飛行場設置者が行なう措置に要する費用の一部を負担するというふうに規定してあるのですが、むろん特定飛行場の使用者というのは航空会社でしょうが、それがそういういろいろな措置に要する費用を分担というか負担する場合には、国とどういう関係で、どういうような負担の割合になるのか、またこれは強制するのかしないのか、そういうようなことを伺いたい。
  147. 澤雄次

    ○澤政府委員 法律の第四条に書いてございますが、飛行場の騒音を発する責任者はだれかと申しますと、飛行場の設置者である運輸大臣、これは国務大臣としての運輸大臣ではございませんで、その特定飛行場という公共物の設置者たる運輸大臣と、それからそれを使う航空会社との共同責任でございますが、この航空会社から一々そういう費用を取り立てるということはむずかしいので、これは着陸料という形で運輸大臣が一轄航空会社からいま取り立てております。それを運輸大臣がまとめてこういう防止工事のために使用するということでございます。たてまえはそうでございますが、実際は着陸料から払われるものの比率というのはごく微々たるものでございまして、これはもう設置者たる運輸大臣がほとんどその費用を負担するというのが実情でございます。
  148. 原健三郎

    ○原(健)委員 もう時間もだいぶ迫ってきましたが、この法律の裏づけをなす本年度の予算はどのくらいとられておるか。それから来年から何年計画で実施に移されるのか。新東京空港はできておりませんから、それは別にして……。
  149. 澤雄次

    ○澤政府委員 今年度の予算は小中学校の防音工事費として、三億円の予算の御承認を願っております。これは何年計画ということもまだはっきりはさまっておりませんが、この五ヵ年でやるということはないのでございますが、今度閣議了解をいたしました空港整備五ヵ年計画の中には、当然騒音対策費というものを相当巨額に考えております。詳細は八月ごろまでにこれを閣議決定をいたしまして、それで騒音対策費というものを明確にいたしたいと考えております。
  150. 原健三郎

    ○原(健)委員 次に厚生省にお聞きしたいのですが、いまの運輸省の説明によると、六人以上のベッドがないと、その補助の対象にせぬというのですが、それは一般の診療所、医院等にこれを適用してもらったほうがいいと思うのですが、厚生省はどう思っておられるか。
  151. 橋本道夫

    ○橋本説明員 本日医療法の担当の者が参っておりませんので、責任のある答弁はできませんが、先ほど運輸省からのお答えのように、次第に将来政令の方向を改定していただくということでこの問題を処理していきたい、そういうように考えております。
  152. 原健三郎

    ○原(健)委員 それでは次に郵政省にお尋ねしますが、地元住民の猛烈な陳情書が郵政省にも行っておるはずであります。NHKにも行っておるし、国会にも来ておりますが、テレビをかけると、テレビが聞こえない。見えない。ジェット機が飛ぶときには聞こえないし、ちらちらして見えない。そういうふうな場合には受信料をできたら無料、できなくても半額くらいにしてもらいたいという陳情です。これは当然のことなんでありますが、聞こえないのに金を取るというのはとんでもないことです。しかも、これは軍用飛行場の周辺についてはすでに半額を認めておるのだから、これもついでにやってもらわなければ困るよ。
  153. 左藤恵

    左藤説明員 御承知のように基地の問題につきましては、つとに一定の基準によりまして免除を行なっております。ただ、免除措置を民間空港の周辺の受信者に及ぼします場合に、空港周辺の騒音問題が一般都市の騒音にまで広がってくるということに関連しております問題それからまた、民間空港につきましては、加害者と申しますか、あるいは受益者としての民間航空会社があるという点などから、非常にむずかしい問題があるわけでございます。免除の基準は、放送法によりまして、NHKの申請によって郵政大臣が認可するということになっておりまして、御趣旨の点につきましてNHKとも十分相談いたしまして、その協力を求めまして対処してまいりたいと存じます。
  154. 原健三郎

    ○原(健)委員 大体、いままで軍用飛行場の周辺だけは認めて、いわゆる公共飛行場の周辺の騒音は一般都市の騒音にも及ぶからやらぬと政府が言うておった。それが今度は踏み切って、こういう公共飛行場にまでも周辺の騒音対策をやるのであるから、当然NHK側でもこの法律に合わして、聴視料を半減するなり、無料にするなり、それをひとつ強く要望いたしたい。これは実際当然のことなんです。それでないと、いま言ったように、軍用飛行場だけを認めて、この一般公共用飛行場周辺のテレビの料金をほっておるというのは、はなはだ遺憾千万、強くこれを要望いたしておきます。  運輸大臣は一体これについてはどう思いますか。運輸大臣からひとつ郵政省やNHKのほうにも、この法律に関連して当然これは付帯的に確認してもらいたい。
  155. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 私はどうも郵政省が言っておられる理由がよくわかりませんので、先生のおっしゃる説がまことにごもっとだと思っております。
  156. 原健三郎

    ○原(健)委員 ひとつよろしく善処方をお願いします。  まだ電話もあるのです。電話が、私など経験いたしますが、ジェット機が飛びます、ちょうどそれから電話がかかってきた。いま飛行機が飛んでいて聞こえない、ちょっと待ってくれ。飛行機が飛んでしまうまで少し電話を待ってくれ。これも実際、何というか、これは電話料金半額というわけにもいかないでしょうが、そういう点もよくお考えをいただいて、この法律がせっかく生まれるのですから、これによって、いままで騒音に苦しんでおった住民がこれに大いに感謝し、喜んで生業につき生活を営む、こういうふうに万般の配慮をお願い申し上げて、もう時間が来ましたから質問を終わります。
  157. 内藤隆

    内藤委員長 次会は、来たる二十七日、午前十時理事会、午前十時二十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時二十五分散会