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説明員(
原田明君) 浜相場のほうは直接私
どもの所管ではございませんが、私見として申し上げますならば、いままでの浜相場の建て方は、どちらかといいますと、
輸入業者の
立場が強く、その
委員の構成などにつきましても、もう少し買い手のほうの
立場を強くするというようなことも考えられるのではないかと思います。ただ、浜相場は、それ
自体が直ちに悪いかどうかという点はかなり問題ではないかと思います。むしろ、こういう標準価格みたいなものがあるということで、こういう相場によって変動の激しいものの変動幅がかなり狭められて安定化しているという面もあるのではないかという気もいたしますので、こういう点はさらに検討しました上で改善の方向を出すということに持っていくのが適当ではないかと考えております。
輸入業者のマージンにつきましては、これは
前回ちょっと私のほうからも御
報告申し上げた点でございますが、結局、こういう非常に腐りやすい
バナナみたいな商品では、全体の供給量がある程度以上に増加しません間は、
消費者がそれを召し上がるので、必ずある程度高い価格で売れてしまうという状態が起こります。もし供給のほうが少しでもふえますと、たちまち黒くなった
バナナは値が下がるわけでありますし、また、
バナナのたたき売りというものが出現することになるわけでありますが、まだそういう状態になっておりません。したがいまして、現在の状態では、
消費者に至りますまでの間、
輸入業者、加工
業者、卸、小売りというどこかの段階でだれかが
利益をあげられるという可能性が残っているわけであります。やはり、私
どもとしましては、全体の供給量をふやすということがまず最大の要件であろうかというふうに考えております。現在、
輸入組合の中には加工
業者の大部分が入っておられます。全芭連と申しますか、全国芭蕉卸売加工協同組合連合会——協同組合を構成なさっておるりっぱなお方がほとんど全部入っておられます。この方々は、
輸入の実績をお持ちでございますので、
輸入も行なっておられます。したがいまして、
輸入をされ、かつ加工もされて、できるだけ安く売ろうという努力を非常になさりやすい
立場にもございます。しかし、たとえば北海道、九州といいましたような地方の小売り屋さんあたりになりますと、運送やその他の
関係で、どうしてもリスクをかなり見て、経費ないし
利益というものを幅をある程度おとりにならないと
バナナは扱いにくいというような情勢がおありのように聞いております。それからまた、たとえばスーパーマーケットに直売りをするというような場合にも、大量に実施がされますならば、これはある程度値は下がるかと思いますが、いわゆる小売り
業者対スーパーマーケットの問題という
事態に突入するおそれがあるのではないかという懸念もございます。したがいまして、こういう全般を考慮いたしまして、やはり基本的解決は、
輸入をふやすことにあるというふうに考えますが、いま直ちに
輸入の供給量を倍にしてしまうというようなことは、現実の供給力その他の状況から見て実現が非常にむつかしいように考えられます。したがいましてその間、こういうもうかり過ぎるという状態をいかにして是正をするかということが先決ではないかということでございます。
その
方法といたしましては、一番公平でかつ国家目的というものに合致するということになりますと、関税を上げるという手が一番すっきりするという説もございます。この関税を上げるというのもなかなかむつかしい制度でございます。現在すでに七〇%というのは、国際的に見ましても関税水準としては非常に高い水準でむつかしい状態にあります。したがいまして、まあ暫定的に
輸入は非常に急速に現在はふえつつございますので、
輸入の供給量が相当程度増大いたしますまでの間、当分
もうけ過ぎという状態を是正するために、いわゆる差益を徴収するという
方法はどうだと、そうして、その差益を一部、一次産品の発展途上国からの購入でございますとか、あるいは国内果樹産業の保護といいましたような、非常に国家的目的のために使用するというのがいいのではないか、こういう説もございます。こういう具体的な案につきましては、
先ほど大臣から御
報告がございましたとおり、目下私
どものほうで
関係省庁とも御相談して鋭意検討中でございます。いまの段階はそういう段階でございます。