運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1966-11-18 第52回国会 参議院 決算委員会 閉会後第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年十一月十八日(金曜日)    午後零時二十八分開会     —————————————     委員長         鶴園 哲夫君     理 事                 佐藤 芳男君                 内藤誉三郎君                 仲原 善一君                 相澤 重明君                 竹田 現照君                 二宮 文造君     委 員                 黒木 利克君                 野知 浩之君                 山本茂一郎君                 大森 創造君                 達田 龍彦君                 中村 波男君                 藤原 道子君                 矢山 有作君                 渡辺 勘吉君                 瓜生  清君                 岩間 正男君    国務大臣        大 蔵 大 臣  福田 赳夫君        農 林 大 臣  松野 頼三君        自 治 大 臣  塩見 俊二君    事務局側        常任委員会専門        員        池田 修蔵君    説明員        大蔵政務次官   小沢 辰男君        大蔵省国有財産        局長       松永  勇君        大蔵省銀行局長  澄田  智君        国税庁長官    泉 美之松君        農林省農林経済        局長       大和田啓気君        食糧庁長官    大口 駿一君        林野庁長官    若林 正武君        自治省選挙局長  降矢 敬義君        会計検査院事務        総局第四局長   小熊 孝次君        会計検査院事務        総局第五局長   佐藤 三郎君    参考人        日本開発銀行   平田敬一郎君        農林漁業金融公        庫総裁      大沢  融君        農林中央金庫理        事長       楠見 義男君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○昭和三十九年度一般会計歳入歳出決算昭和三  十九年度特別会計歳入歳出決算昭和三十九年  度国税収納金整理資金受払計算書昭和三十九  年度政府関係機関決算書(第五十一回国会内閣  提出) ○昭和三十九年度国有財産増減及び現在額総計算  書(第五十一回国会内閣提出) ○昭和三十九年度国有財産無償貸付状況計算書  (第五十一回国会内閣提出)     —————————————
  2. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  これより、三十九年度決算外二件を議題といたします。前回に引き続き、大蔵省決算について審査を行ないます。  これより質疑に入ります。質疑のおありの方は、順次御発言願います。
  3. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 三十八年の八月、自民党政府が、砂糖の完全自由化という、世界にもほとんど類例のない暴挙をあえてしたわけであります。基本的なこうした矛盾の上に発生した、今次共和グループ不正融資問題に関する報告書が、昨日本委員会提出されたのでありますが、第一に、政府甘味資源対策に確固とした一貫性がない。時々刻々に激動する自由化のあらしを受けた糖業界の動向、なすすべをほとんど知らない、朝令暮改の失政に対するきびしい自己批判がまず欠けているということを指摘せざるを得ないのであります。  第二は、金融機関の、昨日、矢山委員があるいは大森委員が従来の委員会指摘したような数々の不正融資実態も、政府糖業政策の無定見に基づくしわ寄せであると見られるのでありますが、しかし、この施策にいたずらに迎合し、しかも融資にあたって事業計画に対する長期、科学的な分析の機能金融機関が喪失したという責任も、これはいなめない事実であります。融資の際の資金管理も、これは適正を欠いている。あるいは昨日取り上げた高槻の国有林払い下げの処理の問題、債権保全の問題、不正に資金が流用された問題等等調査は、きわめてこの報告書には回避的であり、不徹底であります。  第三は、自民党の数々の有力議員と政商との結託による悪質きわまる権力犯罪の事実究明がほとんどなされていないということであります。この報告書発表を受けた国民の声は、黒い霧は一そう黒い雲を巻き起こし、黒いとばりとなって政治不信の度を強めていることを政府は銘記すべきであります。  まず第一に、私は自治大臣に伺いますが、共和グループ不正融資事件に関連して、あなたが所管しておる政治献金等実態調査をなされておりましたかどうか。九月三十日の閣議でこれらの点も協議されたはずでありますが、その点についての検討経過をこの際御報告願います。
  4. 塩見俊二

    国務大臣塩見俊二君) ただいま渡辺委員から実態調査をしたかどうかというお尋ね、それから閣議において検討したかどうかというお尋ねであったわけでありますが、後段の閣議におきましては、この問題について検討した事実はございません。実態調査の問題につきましては、私も昨日の当委員会におきましてしばしば繰り返して申し上げましたとおり、現在の政治資金規正法は、あくまでも政党等の真実な報告期待をし、その良識をまって運営をしていく、かようなたてまえになっておるわけでありまして、したがって、その実態がいかなる目的を持ち、いかなる問題であるかというような実態調査は、実はいたしておりません。
  5. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 今回の共和製糖不正融資の特に中心的な責任の座にある松野農林大臣に伺いますが、いま自治大臣から伺いますと、この点についての、特に自治大臣所管政治献金等については、積極的なこれは機能を発揮していないということが明らかになったのでありますが、九月三十日にこの問題について閣議をやったあとに、あなたは記者会見をして、各社とも多少記事のニュアンスは違いますが、その一つを拾ってみますと次のように報道されております。「国有林野の払下げや農林関係金融機関融資をめぐる疑惑が次次と国会の問題になって、松野農相はハラにすえかねた様子。三十日の閣議で」、これからはあなたの発言です。「「関係当局協力を得て、実態国民の前に明らかにする」と〃宣言〃した。このあと記者会見でも「野党の追及に対して、政府委員参考人関係者をかばっている印象を与えるのは、とくにいかん。クサイものにフタ、では国民の疑いを深めるばかりだから、私の権限でいっさいをキレイにする」と、えらい鼻息。」という記事であります。その意気やまさに盛んなるものがあると、私もこの記事を見て同感の意を表した国光の一人であります。その後に、一体あなたはこの問題に対して、日夜をあかさず積極的にこれの究明に当たったかどうかということは、その後のオタワにおける日加閣僚会議の出席の後、われわれの国民の声がなければラスベガスその他の観光旅行のスケジュールをやったはずである。そのときに民間人を、権力を乱用して調査官とし、これを帯同させた。さらに民間人をさらに随行させることを外務当局に交渉して、さすがに外務官僚からこれは拒否されたという事実がある。帰ってきて間もなくまた東南アジアに出かけるというようなことで、まさに農相の行動の最近の大半は、外国にその精力大半が注がれておる。しかし、国内においてもかなり精力的に努力したことだと思うのでありますが、私が去る十月の二十六日に農林水産委員会であなたに次のようなことをお尋ねいたしております。簡単にその点を繰り返して申しますと、「たとえば共和グループが新友会という政治献金団体をつくって政治献金をしておる。」「あるいはそういう届け出以外の方面に金が悪用されておるという事態が数々あるわけであります。」「私は農林大臣に強く具体的に要請しておきますのは、こういう点まで世間にいわゆる疑惑を招いておる。」「微細な点まで重要性によっては金融の大小を問わずこの共和グループ資金使途の明細を明らかにする、これがあなたのいわゆる国会提出する資料というものの内容、でなければならない。」「政府責任において、いろいろな各般の現実調査の中にこういう項目も入れてお出し願えますね。」と質問したのに対して、かなり答弁技術のうまいあなたは、これをまともに答えてはおらない。そこで私は繰り返して、重政代議士その他のことも言うておりますが、それは省略しまして、「したがって、余すところなくこういう疑惑の種は国民の前に明らかにしなければ、いまの政治不信に対する疑惑を払拭できない、じゃないですか。」「そういう点を明々白々に国民の前に明らかにする責任があるわけであります。そういう問題の焦点にしぼった内容もこの際提出される資料の中に含めてもらいたい、含めるべきであるということを重ねてお尋ねをいたしますが、所見はどうですか。」これに対してあなたは、「御趣旨のような気持ちで私は調査を命ずるつもりです。ただ、この問題が、ただいま私の手元に到達するであろうという報告書に入っておるかどうか、私はま、だ見ておりませんもので、なければさらに詳細な調査要求をいたします。行政庁としてできる最大限のことはいたしますので、私の権限、権能、能力の範囲の最大限はいたします。」こうあなたは私の質問答弁をしておる。しかるに、昨日出た報告書は、この点については、不正に流用された資金使途内容はつまびらかにすることができなかった、というわずか一行半で糊塗をしておる。これで一体国民の黒い霧を晴らせると、晴らすと、かって九月三十日の閣議で大みえを切ったその政治姿勢に反するものじゃないかと思うのですが、所見はどうです。
  6. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 渡辺委員の御希望どおり——調査の結果が必ずしも御希望とおりでなかったかもしれません。しかし、昨日出しましたこの調査は、大きな問題点、大きなこの金の行くえというものにつきましては、最大な努力をいたしたものであります。行政権として、これ以上おそらく私はいままでの時間と、いままでの時日としては最大労力と結果を得たものであります。なお、そのことば一行と言われますけれども、この一行ことばは、ずいぶん調査した結果この一行ことばになった。ただ一行でこの問題を済ましたわけではありません。やはりわれわれは領収書を見、突き合わせをして、しかし、政治資金は、すでに届け出られているものは、これはもうすでに届け出られておるのでありますから、そのほか、いろいろな使途がわからないもの、領収書が照合できるものというものに全精力を使いましたし、資金規正法届け出られているものは、今回の調査の対照というよりも、すでにこれは——われわれはその他のものに全精力を使ったということは事実であります。しかし、いろいろな場面によく、昨日の報告でも示しましたように、八〇%という労力は、この短時間では、私は、私の命じた気持ちの中から言うならば、まあ今日の行政権としては最大なものであったであろう。また、そう一々相手方に確認するのも時間がかかりますし、民間企業に立ち入るにつきましても、相当相手方協力と積極的な報告を求めなければなりません。したがって、一ぺんに出して、これを出せというふうなわけにはなかなかいかないところもございます。民間企業の中には、行政権としては、自分監督権がある中金と公庫には命令できますか、先を追跡するということは、現実としては容易なことではございません。しかし、ある程度、昨日報告しましたように、相当そこまで追跡したつもりであります。したがって、渡辺委員が御満足はいかなかったかもしれませんが、私は私なりに努力したことは、これは恥じておりません。
  7. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 私は、その合法的に政治献金がなされたものは、それはそのまま存在するのだからということでありますが、自民党綱紀粛正調査会も、このいわゆる新友会という届け出政治団体がそれぞれの方面に金を巨額にばらまいているという内容については、合法の政治献金であるというようなとらえ方をしております。しかしながら、これは後ほど私は具体的に自治大臣中心お尋ねいたしますが、このことすら国民の前に明らかになっていません。私はそのことを、先月の二十六日の農水委員会で、そういうこと官報に掲載されたと言いますが、官報はただ一行しか出ていない。何件何千何百万円というものしか出ていない。その内訳を国民は知っていない。それならは、当然明らかにすべき資料は、やはり、私があなたにただして、あなたは自分の持っている権限最大限を行使して期待にこたえるというそういう答弁が、もしもその場限りの答弁でないとしたならば、求めずしてきのうはここに資料提出する責任があったのじゃないか。それを閣議でも、そういう点まであなたは自治大臣にも要請していない。要請を受けない自治大臣は、知らぬ存ぜぬできのうは過ごしておる。こういう点が、私がこれからお尋ねをする中心の問題であります。  そこで、こういう新友会を通じて合法的に流された内容もさることながら、このほかにこれよりも何倍もの巨額な金が右から左に流れているという事態、これまで、私は政府にこの報告期待は最初からしていなかったのでありますが、せめてこれらの合法的な届け出の点、だけでも明らかにする必要があると思うのでありますが、自民党綱紀粛正調査会は、何ですか。その対外的に発表した内容によると、自民党は五百万、社会党は五人で二百万、民社党は一人というような扱いは、きわめてこれは作為的な発表方法である、悪意に満ちたこれは発表方法であるというふうに思うのでありますが、この点をあなたはきのう帰ってから見ることを約束したはずでありますから、どういうふうに理解しますか。
  8. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 昨日綱紀粛正調査会から正式な答申の原簿を私は受け取りまして、全部拝見しました。しかし、その中にはそういうふうな、ただいま渡辺委員から言われたような文句というものは出ておりません。特に人数を隠すとか隠さぬとか、そういう文句はございません。これはいままでのいきさつ、内容というものを党としての機関において調査をし、そしてそれを公表した文書がこの原文で、あるいは解説とかあるいは何かで新聞紙上に出たかもしれませんが、私が昨日原文受け取りました中には、そういう人間の数、名前及び金額というものは出ておりません。したがって、それは紙上におけるその委員のどなたかの御発表ではないかと思いますが、もちろんこれを見ますると、政党として、行政庁で調べたものとはだいぶ内容において角度が違う。また、私たち調査とは、必ずしも共同調査したわけではありませんので、昨日の発表をもちろん自民党も御存じなしに、自民党独自でおやりになったものである。したがって、相当な相違点が認められますが、これについて批判は、私は私自身の気持ちとしては、差し控えたいと思います。
  9. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 私は硬直した公式的なこの調査会発表内容をあなたに聞いているのではない。これを取材した各新聞社がさらに発表の後に説明を取材して出しておる点の扱いをあなたはどう受けているかということを聞いているわけである。そういう点になりますと、これは二日間にわたってまあ発表しておりますから、多少内容が重複、順序が逆になるわけでありますが、清瀬会長らは次のように言うておる。「“黒い霧”ではあっても、政治資金規正法に基づいて授受された合法的な献金である」「公表した場合、関係議員はじめ政界に与える影響が大きい、などの理由から、公表は避けるべきだとし、結局公表しないこととなった。」こう言うておる。そして副会長はさらに前近代的な表現を使って、「武士情け」ということを言うておる。しかもそれらの発表経過の中には、私がただいま言いましたように、自民党は一人で五百万、社会党は五人で二百万、民社党も一人というふうな集中した一つ発表を中間でやっておる。きわめてこれは悪質な政治意図に基づいたまさに党利党略の立場から、これは故意に事実を片寄って発表したものでああと、私は指摘せざるを得ないのでありますが、その点を、あなたがそこまで読んでもらったはずでありますから、そこまで読んだ上で主管大臣、あなたが主管しておる制度金融——日本開発銀行、あるいは農林漁業金融公庫農林中央金庫等から出ておる金の一部が、こういう方面に不正流用されているのでありますから、あなたは最高責任者だ。こういう自民党粛正調査会の意図するものを新聞等を見て、一体どういうふうに感じられたかを、これは伺うわけです。
  10. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) これが原文で、それには出ておりませんが、新聞紙面には人数金額が出ておったように思います。しかしその内容を私はよく存じません。その内容は実際私はよく存じませんが、したがって、資金規正法によって届け出されているものであろうと、私はまあ想像しただけで、その内容について、私は、それは明細には自治省所管のものですから、私はその内容は存じ上げておりません。
  11. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 こういう点であなたのこれ以上の考えをまあ伺う以上に、もっと核心に触れた点をお尋ねいたしたいのでありますが、特にこのガラス張りで発表されておる新友会内容について伺うのでありますが、したがってこれは自治大臣中心にこれからお尋ねをいたします。  昨日、大森委員がこの新友会り二十七年度から四十年度に至る間における不突き合いの数字の点について、その点を明らかにしてほしいという要求をしており、ますが、二千四百三十万前後になったと思います。それはちょっといま資料見つけ出すのに時間かかりますから、後ほど資料が出たら明確に申しますが、その点は一体検討の結果どういうふうな計数内容がなっておるか、この際明らかにしていただきたい。
  12. 塩見俊二

    国務大臣塩見俊二君) お尋ねに対する御質問の前に、一言お断わりを申し上げておきたいと思うのでございますが、自民党からの発表につきまして、ただいま御意見があったわけでございまするが、この資金規正法のたてまえから公開をいたしておりますけれども、私のほうから材料を提供したというような事実は全くなくて、独特の調査でございますから、その点はあらかじめ先に一言申し上げておきたいと思います。  次に、新友会の、きのう大森委員から御指摘がありました数年間の帳じりが合わぬじゃないかと、一体これはどういうことかということで調査をいたしたわけであります。何ぶんこの一年間で約十万件に達する膨大な資料でございまするので、これが整理には、非常にむずかしい点があるわけでございまするが、大体この上半期、下半期といったような各期間の計数は合っておるわけでありまして、ただ通じてこれを計算をすると、何カ年間か通じて計算をするというふうな場合におきましては、あらためて計算をしてみるというようないま  の事務能力等関係からおくれておった点があるわけでありまするが、昨日御指摘がありまして計算をいたしましたので、選挙局長から答弁いたさせます。
  13. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) 昨日大森委員から、十二月の残高は、これ私ちょっと聞いたのは九百万と聞いておるのでございますが、そこで御指摘のように三十七年から四十年までの収支を洗い直して計算をしてみましたところ、約一千万の支出が食い違っておるということが明瞭になりました。
  14. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 あなたは私ら政治家よりも政治的発言をする。あなたは官僚でしょう、所管局長でしょう。何です一体いまの答弁は、ふざけるにもほどがあるじゃないか。一千万円程度の不突き合いがあるとは何ですか一体。具体的に言いなさい、具体的に。
  15. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) 大森委員の御計算のしかたについては、承知いたしておりませんので、私たち収支報告につきまして、届け出報告書に記載されたものと、それからその前期の繰り越しを純計いたしまして再計算をやったわけでございます。で、その結果、全三十七年から四十年までの純計と申しますか、再整理したものの収入は一億一千九百三十八万余でございます。一億一千九百三十八万五千円、それから支出のほうは八千九百八十七万二千円でありまして、その差し引きが二千九百五十一万三千円になるわけでございます。そういうことになりますので、その食い違いを調べてまいりますと、三十九年全体の支出は三千十二万五千円ということになっておりますが、上期の支出が二百万、それから下期の支出が千七百三十万という届け出になっておりますので、この差がちょうど約一千七十九万八千円ということでいまの数字を申し上げた次第でございます。
  16. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 大森委員が集約した二千四百五十五万一千五百円、不突き合いが。  私はもう時間がありませんから、あなたに具体的に、私のようなしろうとでさえ明らかなこの新友会届け出ごまかし、これは明らかに意図的なごまかしである、作意的な悪質なものである、そういう点を一つだけ種あかしをします。それは三十七年から四十年の間に、前年度繰り越し現実を翌年度繰り越しで受ける場合に、故意食い違いをして操作をしておるというのが三件ある。第一点は三十七年度末の次年度繰り越し——私は報告書を見て言うているんですよ。一千三百五十八万三千六百五十四円であるのに、これをそのまま三十八年度収入の前年度繰り越しに受けるべきものでしょう、常識的に。それが一千三百六十万四千八百八十七円を前年度よりの収入として繰り越しを受けておる金額は小さいでしょう、この差は。二万一千二百三十三円というものをこれはよけい繰り越して三十八年度収支にさらにこれを加えておる。これが第一点。第二点は、三十九年度末の——三十九年上期の下期に繰り越す金額が二千二百四十三万一千八百十九円、こういう差し引き残高があったのを、下期に受けた。三十九年上期からの繰り越しを一千百六十一万一千八百十九円しか受けていない。いいですか、ここに一つの作為的な報告内容がある。差し引きここで一千八十二万円というものを三十九年の上期から下期へ繰り越す間に数字の上でこれをごまかしておる。第三点、四十年の上期に差し引き残高が一千四百二十三万五「八百二十四円という報告——これは修正していけば金額は違いますが、私はその時点のなまの数字と比較をします。一千四百二十三万五千八百二十四円が四十年度上期の下期に繰り越すべき差し引き残高であるのを、下期が受けた金額が五百六十万五千九百八十七円しか受けていない。したがって、この間のからくりによる表からやみに消えた金が八百六十二万九千八百三十七円になっておる。この三件の繰り越し操作によるきわめて幼稚な知能犯的な、「的」といいますよ、私はあえて知能犯と断定はしませんが、知能犯的な幼稚な数字からくりによって出た、表から消えた数字差し引きが一千九百四十二万八千六百四円になっておる。これが三十七年から四十年に至る四年の間に新友会というれっきとした届け出政治団体が、この金額やみからやみに葬っておる。これが大森君が集約した二千四百五十五万八千五百円の内容の一部である。いかにこの新友会というものの報告がでたらめであるかということを、私はこれらの資料を見てりつ然とするものであります。表向きに寄付金として届け出られていた内容でさえ、武士情けと称して公表をはばかるのだけれども、それらの合法的な資金収支の中で、繰り越しの中で作為的に数字操作して、表に出た金をやみに隠しておる金が約二千万近いものがある。これがまた裏の中で、表に出ないルートを通じて、権力政治に注がれておる。これは私は想像ですよ。実際表に出ない金の内容は、私は幾多実証を把握しておりますが、それらのあげての資金源の一部が、合法的な資金の中からさらに非合法化しておる。こういうことを私は指摘せざるを得ないのであります。自治大臣、こういう虚偽の報告を受けたことでありますから、これは一度ならず二度三度、当然これは政治資金規正法の第二十四条によって罰則をすべきものだと思うのでありますが、監督官庁としてそういう発動はされましたか、あるいは警告を発しましたか、あるいはこの内容に対して疑義のある点を警告をしましたか、主管大臣としてどうです。
  17. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) ただいま三点、数字の件に関して御指摘がございました。第一点は、三十七年の繰り越しが出た千三百五十八万と、三十八年上期の千三百六十万、二万一千二百三十三円の差がございます。その次の、三十九年からの繰り越し額及び四十年度繰り越し額の記載事項についてでございますが、実は政治資金規正法の十二条の二項によりますと、「報告書には、それぞれ一月一日からの寄附及びその他の収入並びに支出を累計して記載しなければならない。」ということになっておりまして、この報告書の様式によりましても、前年度からの繰り越しというものを、上期、下期ともに同じような額を記入することになっております。で、この点は各党の調査報告を調べましたところ、あるいはその他解説書を調べましても、すべて繰り越し額は、上、下ともに記載要領に書いてあります前年度繰り越し額をそのまま記載をするということになっているんでございます。したがいまして、ただいま申されました後段の二点の点については、様式も法律もそういうことになっておりますので御了承をいただきたいと思います。
  18. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 なぜ、あなたはますますやぶへびのような、そんなくだらぬ答弁をしますか。私はこの累計でも、これは年度末のひとつの累計ですから、その累計における前年度繰り越し額が期首の繰り越しと同じであるということはこれは百も承知です、いいですか、具体的に言いましょう。この累計で、ごまかしをしておる点はあなた持っているからそれで答弁したのだろうと思うから……。三十九年度の前年度繰り越しの、前年度から繰り越しの千七百五十二万三千五百二十七円、累計の前年.度繰り越しに計上することはあなたの答弁のとおりである。収入支出はこれは累計をしなければならぬ、収入の累計は千八百二十万七千九百八十円、これは間違いがありません。支出の累計は、内訳をいいますと、上期が二百万五千五百二十円で下期が一千七百三十万でありますから、一千九百三十万五千五百二十円になるので、累計を三千十二万五千五百二十円として、当然そこにあるべきこれはごまかしをしておる。いいですか、したがって、差し引き残が千六百四十二万五千九百八十七円でなければならぬのに一千八十二万をごまかしたために、残高が五百六十万五千九百八十七円という数字をこれは仮装せざるを得なかった。いいですか、こういうことくらいは、あなたきのう大森委員質問してからけさまでの時間に十分検討したはずでありますが、それすらできないじゃないですか、いまのあなたの答弁は、これは私なりにひさしぶりにそろばんを持ってゆうべ計算している。私の計算には間違いない、これは会議録にもちやんと出ておる、記録に出るでしょう、私は作為的にこの数字を使っているんじゃない、会計のイロハですよこれは、、何です一体、上期と下期の間に繰り越しごまかして累計のところでつじつまを合わせているところに支出を過剰に計上し、内訳にも合っていない、三十九年年間の支出は一千九百三十万五千五百二十円という内訳がある。しかるに累計は三千十二万五千五百二十円という不当な金額を計上して、そこに隠し金、一千八十二万円をこれは着服している、新友会が。同様に四十年も上期と下期の繰り越し操作においてごまかしをしておる。三十七年は、三十八年の繰り越しの際に、逆にプラス二万一千二百三十三円を、これはおそらく計算のミスでしょうが、正式に届けられた。この報告ではやはり誤謬をおかしておる。このわずかの金額といえども、これは正、式な政治資金規正法によって、一円たりともこれは黒い霧を払うために必要な金額でしょう。こういう実態の中で、私はこれから新友会届け出内容について、逐次お尋ねをいたします。基本は、こういう届け出の際にすら、幼稚な計算技術で国民ごまかして、二千万近い金をこれは表から裏に回しておる。いいですか、こういうことをまず政府ははっきり銘記してから、私のこれからの質問に答えてもらいたい。これを一体放置していいかどうかということですよ。わが国は法治国としては、世界にもかなり先進国として敬意を表されておる。二千四百万円にのぼるうちでこういうごまかしがある。これはとにかく見のがすわけにはいかぬじゃないですか。しかし私はかなり時間は制約されておるが、他党からもいろいろこの決算委員会の昨日来の運営についての苦言も冒頭聞きました。したがって限られた時間で、この大ワクの問題を私はこれ以上伺えません。ただこれらの表向きに報告されたものですらごまかしがあるが、そのごまかし内容は、また私は具体的にあとで個個の大臣の答弁の際に追及します。まず、それはそれとして、表に出た新友会の三十七年から四十年に至る報告の中で、おもな点を逐次自治大臣お尋ねをいたします。大森委員とは多少角度を変えた点について私は伺います。  まず第一に、きのう政府大森委員要求によって内容をしさいに検討して準備をしてこられたと思いますから、形容詞は抜いていきなり具体的に質問だけに答えてください。この四年間に新友会支出した寄付金の総額は幾らですか。
  19. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) 三十七年から四十年の下期まで八千八百七十万円でございます。
  20. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 これもあなたは非常に大ざっぱな答弁をしておる。八千八百七十万と言いましたか。
  21. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) はい、そうでございます。
  22. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 八千百七十一万円ですよ。どこに違いがありますか、わかるでしょう。
  23. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) いま貸し付け金のところをどういうふうにしているか調べておりますので、よろしくお願いします。——友会献金、寄付の額は八千百七十万円でございます。ただいまの説明は貸し付け金を七百万含んでおりましたので訂正さしていただきます。
  24. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 やっとこれだけ人をじらしてその内容説明するとは、何たるぶざまなかっこうですか。あなたが訂正したことでやっと私の数字と合った。私は寄付金は幾らかと聞いたのに、あなたは貸し付け金まで含めたと言うから、こういうことになる。もっと少しエリート意識の高い官僚としては、国民に恥ずかしくないようなひとつ答弁をしてもらいたい。  そうしますと、ついでに貸し付けという問題が出ましたから伺いますが、これは三十九年の下期に、三十九年の具体的に言えば七月三十日に四百八十万、十二月十五日に二百二十万という貸し付けが行なわれておる。貸し付け先はだれですか。
  25. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) 届け出によりますと、高橋喜寿丸でございます。
  26. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 届け出によりますと……、私は届け出内容を聞いていますから、そんな形容詞は要らぬです。届け出ないものはそれじゃわかっていますか。
  27. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) わかっておりません。
  28. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 わからぬでしょう。そんなくだらぬことを言わずに、高橋喜寿丸という者の社会的な地位というか、経歴というものは、きのう大森委員が詳細に本委員会を通じて再三でありますが、きのうまた紹介済み。私はこれ以上言わぬ。貸し付けである限りは、貸し付けたいろいろな条件があるはずである。証憑書類が、全部これらの支出には内訳があるはずである。その貸し付けとはどういう内容のものであるか、これをひとつ明らかにしてください。
  29. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) 領収書は原本として向こうに保存してございますので、それはちょっとわかりません。
  30. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 領収書は向こうにあるなんて、全部それらの証憑書類をここに持ってくるかこないか、それは私のあずかり知らぬところであるが、貸し付けである限りは、これは金銭の貸借関係である。それらの内容すら領収書が向こうにあるから答弁できませんか。どういう条件で貸し付けていますか。
  31. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) 領収書を見まして、後ほど答弁さしていただきます。
  32. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 貸し付けの領収書というのも、ぼくはどうもさっぱりすれ違いの答弁で、貸し付けた条件、またあなたの言うような新友会に対する債務を負うておる、それらの内容というものは後ほど書類を調べて報告するそうですから、その報告を待ちましょう。しかし、少なくともこれは細島コンビナートに対する長期融資のような低利長期の貸し付けじゃないはずです。少なくとも短期なものであるはずです。これはいつ回収されたという事実を確認していますか。
  33. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) まだ確認しておりません。
  34. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 まあ、確認していないということですから、私もどうも質問する意欲がだんだんなくなってくるんだが、四十年の上期にも下期にも、この貸し付けの返還がない。これは寄付金と同性格のものです。七人のものにこれは貸し出されておる。実態はこれは陰に寄付行為が行なわれておる。こういう疑惑のものを、あなた方は一体どう見ますか。——大蔵大臣はまだこないのですか。脱税の内容であり、また共和コンビナートの不正融資にまつわる背景をなしておる金額の源泉の一つである。調べなければわからぬなんという、そういうふざけたことで一体あなた黒い霧を晴らせますか。こういう報告を、私がここまで言わなければ、その程度しか言えないということで、一体国民に相済みますか。この金の出どころはどこですか。これはあげて三機関融資した金の中から流用されておるうちの一部分である。参考人の中金理事長に伺いますが、私がこれらの不正融資について、この金が政治資金等に流用されておる場合にはどうするかという、二十六日の私の農林中金理事長に対するお尋ねに対して、理事長は次のように答弁をしておられる。「私どものほうの資金がかりにそういうようなものに流れておるということが探知できますれば、当然相応の措置をとったことは申すまでもございません。」まだその時点ではこれらの点があなたには明らかになっていない。私が二十六日の農水委員会お尋ねしたときには、あなたは新友会という政治団体——共和クループの——これは初めて聞いたという答弁である。しかしながら政府から調査依頼を受け、これらの報告書を出す過程には、かなりの時間がある。問題になって以降、運転資金と称して農林中央金庫が中心となって融通をしておるわけでありますから、金に糸目はつけません。だから直接それがこれに流されたとか、そういうことではなしに、短期資金融資金融機関として、こういう事実がただいま明らかになった。それを借りて共和グループを通じてこれがさらに貸し付けをやっておる。こういう事実が明らかになった現在でありますから、これは即刻返還を求めるのでしょうね。
  35. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) この問題につきましては、ただいまお読みになりました私の前回の答弁を繰り返したいと思います。と申しますことは、そのほうに回ったということを、私たちは探知する現在のところ能力を持っておりません。したがって繰り返して前回のことを御答弁申し上げたいと思います。
  36. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 まあこれは九牛の一毛です。したがって私はこんなこまかいことでこれ以上金融機関参考人に伺うつもりはありませんが、全体がきわめて……融資した目的外がすべてでしょう、きのうの報告書によるように。製糖関係の建設資金に使われておる。全体がもう不正融資を結果的には招来しておるということの中の、これはわずかな問題でありますから、これ以上この点は触れません。たとえばこういう数々のうちの問題が表に出た。政府報告した内容にもつまびらかでない問題がある。これを回収するには、もらった相手はもらったと思っていますから、これは返す意思はない。金額は七百万でありますが、このてんまつを国民はやはり注目しておるでしょう。ここで取り上げた限りは、やはり厳正な行政監督の立場から措置をすべきであると思うが、自治大臣はどうですか。
  37. 塩見俊二

    国務大臣塩見俊二君) いま貸し付けの問題についてのお尋ねでございまするが、こういった独立の団体におきまして、まあ、いわば私契約の乱用につきましてまで入っていって、そうしてそれの回収期とか、その他いろいろな問題については、ただいまのところそこまで進んでやるべきかどうか、これは考えてみたいと思います。
  38. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 歯切れが悪いですな。時間の都合上次に進みます。この再確認をいたしました四カ年の寄付の総額が八千百七十一万円であります。この八千百七十万円のうち、個人も受けておるし団体も受けておる。団体というのは代議士の後援会。これも受けておる。一番大きいのはどういう組織で、何件で、幾らですか、大きい順に聞きます。
  39. 塩見俊二

    国務大臣塩見俊二君) もうすでにお話を承わっておりますると、大体この制度は公開を原則にいたしておりまするので、渡辺委員内容について御調査になっておるのじゃないかと思っておるのですが、あらためて私から、自治省のほうから答弁をということでございますか。
  40. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 時間がないから、それじゃ一、二、私のほうから伺いますから、それがこの寄付の内容と違った場合は違う、そのとおりだというならそのとおりだと、こういう答弁をしてく、ださい。こまかい点になりますと、私はこれはいろいろあなたのほうから伺います。  私がこの四年間の新友会寄付金八千百七十一万円のうちで一番大きいと計算をいたしましたのが政誠会であります。政誠会の内容は、昨日の大森委員説明によって明らかなとおり、重政誠之代議士のこれは代表になる政誠会、四年間にこの総体の八千余万円のうちで政誠会が受けた寄付金が二千八百三十万円、違いありますか。
  41. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) そのとおりでございます。
  42. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 第二番目、これが第一国政研究会、これが合計して一千二百五十万円、第一国政研究会というのは、自民党のどなたの派閥が代表ですか。
  43. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) 承知しておりません。
  44. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 承知してなければ私が申し上げます。河野派であります。これが西の横綱であります。次に大きいのが月明会、これが四年間の寄付金の受け取ったトータルが一千十万円でありますが、これはどなたの実質的に代表で、この金額に間違いがありませんか。
  45. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) 月明会の代表者は松本一郎になっております。金額については、ここでそのとおりだという計算はしておりませんので、御了承いただきたいと思います。
  46. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 松本一郎の代表であるが、これは大野派であると理解します。一千十万円。それからだんだんこまかくなってきます。三役から前頭に入ってきますが、金額の小さいのを、ただし件数がこの四年間を通じて二回以上もらったものの組織の点を一、二あげますと、越山会というのがあります。四年間に越山会が二百五十万円の寄付を受けておる。これはどなたを代表とする組織で、この金額に誤りがありませんか、どうですか。
  47. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) 越山会の代表者は中西正光でございます。金額については、いま当たっておりませんので御了承いただきたいと思います。
  48. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 当たっておりませんので、ということでありますと、私がこの合計したことにきわめて作為的なものがあるととられてははなはだ心外であります。具体的に言いましょう、そうなれば。三十七年十二月二十二日に百万円、三十八年七月二十五日に百万円、三十九年七月八日に五十万、合わせて二百五十万ですが、内訳と照合して間違いがありませんでしょう、どうですか。
  49. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) 三十七年の十二月に越山会百万円、それから三十八年七月越山会百万円ということでございます。三十九年七月越山会五十万円、そのとおりでございます。
  50. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 合わせて二百五十万、間違いない、越山会というのが私が調査をしたところによれば、実態は田中角榮代議士の後援会と言えるものである。代表者は別な名前である。この田中角榮氏は共和製糖融資の際の主管大臣、大蔵大臣であった、これだけははっきりしていますね。豊心会というのがある、これは三十八年の十月二十五日に百五十万、三千九年の七月に百万、この四年間の中で二件寄付金を二百五十万受けておる、これは間違いないですか。豊心会というのは豊かな心と書く会です。
  51. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) 三十八年に豊心会百五十万、それから三十九年の下期に百万出ております。
  52. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 とてもこれは私の伺うことにこんなことじゃ、私が規定された二時までにはやめろと、こう言うわけです。はなはだ言論の抑圧を感じますが……。
  53. 相澤重明

    ○相澤重明君 抑圧じゃないけれども、答弁よくしてくれ。
  54. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 一々これを照合したら、いままで言うたことは間違いがないから、これからは私の知っているだけは申し上げますが、倉友会——倉成の倉と友と書く倉友会、これが六十万、あるいは心を洗う会、この会の背景はだれが中心だかということは、もう国民が知っていますから、私は一々選挙局長からそんなことまで聞きません、時間の節約をして。心を洗う会は、これは百三十万円——二件以上だけを言いますよ。あるいは新農政研究会というのがある。これが百十万、政治経済研究所、これが六十万、こういうものが出ておる。あと一件ごとの組織は非常に多くある。これは省略します、伺うことは。  それで私は自治大臣に伺うのでありますが、個人の寄付を受けた国会議員というものについては、自民党綱紀粛正調査会の意図的な発表、また昨日の部分的な発表がありましたが、個人名で寄付を受けた者の名前と時日と金額一体どういうことになっていましょうか。——いや、局長じゃない。大臣、答弁
  55. 塩見俊二

    国務大臣塩見俊二君) 綱紀委員会のお話しが出ましたが、これは全く私どもは関知しない問題でございます。個人の献金についての問題でございまするが、これももちろん資料を公開しており、おそらく渡辺君も御存じでないかと思うわけでございまするが、やはりお答えをということでございましょうか。
  56. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 私はかなりこれは政治家として勇気を持ってお尋ねしているつもりであります。そう簡単に私はこの問題をお尋ねするつもりはありません。かなりこれは私なりに勇気を持ってお尋ねをしたのであります。なぜ伺うかということは、先ほども申しましたように、従来これらの資料を握っている権力の座にある自民党綱紀粛正調査会が思わせぶりな発表をしておる。したがって、一そう疑惑を生む。こういうことを解引せずして何でわれわれは国民に面目が立ちましょうか。そこで伺うのです。私の心情を察してひとつ答弁してください。——いや、いや、大臣だよ。
  57. 塩見俊二

    国務大臣塩見俊二君) これは内容事務的な問題だと思いますので、選挙局長から答弁させます。
  58. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 だめですよ。数字事務であるかもしらぬが、発表するということはこれは私は大臣からひとつ、補佐を受けて、発表できなければまあ別として、発表できるならばそれはこの際大臣から発表するのが、私のこれは要求であります。
  59. 塩見俊二

    国務大臣塩見俊二君) 申し上げます。三十七年下期山本幸一さん百万円、足鹿覺さん三十万円、三十八年上期有馬輝武さん三十万円、石田宥全さん三十万円、山本幸一さん五十万円、谷口慶吉さん五十万円、三十八年下期白井勇さん十万円、稲富稜人さん二十万円、同じく山村新治郎さん五十万円、寺島隆太郎さん三十万円、八木徹雄さん三十万円、四十年下期松浦定義さん二十万円、以上でございます。
  60. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 私は、いま自治大臣発表されたこの内容に非常に問題を感じるわけであります。たとえば、三十七年の下期に山本幸一百万円という発表がありました。また三十八年の上期に同人に対して五十万というものがありました。これは新友会報告を見ても明らかなように、同じ年の同じ月の同じ旧に同じ金額が日本社会党にこれは献金されておるのであります。しかも、この当事者にも当たりましたが、社会党としてこれは受け取っておる。一つの例を私は言います。大臣は国会の場で、この新友会届け出の中で、ただいまのように御報告する限りは、これらの支出の受け取り人の具体的な受け取りを証する書類、それらを確認をした上で最高責任舌として答弁したのだと思いますが、一体そういう点は事実と相違しておるは、ずであります。どうですか。
  61. 塩見俊二

    国務大臣塩見俊二君) 私はいま公開をしておる資料に基づきまして、報告せられた内容をそのまま御答弁申し上げたわけであります。
  62. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 それだから問題がある。これは社会党としてでも、三十七年の十二月の二十一日に百万円を受け取って、それなりの受け取りの証憑書類を提出しておる。また、三十八年の四月一日の五十万も同様の受け取りを出して、それは関係書類とともに新友会の一件書類にあるはずであります。しかしながら、山本幸一個人の受領証は、これはないはずであります。したがって、ここで出てくる問題はいろいろな想定が出てくるわけでありますが、新友会一つ金額を二回支出したという報告をしたのではないかという疑惑。それ以外には私としては考えられない、幾つかのケースはあるけれども。いやしくも個人の名前を発表する限りは、これらの事実確認をせずして、ただ報告があったから、これを材料にして答弁したということでは済まされぬこれは重大問題である。その他についても同様であります、これは何政党に属するとを問わず。私はその資金がどうこうということは、ここでは言いませんけれども、少なくともそれらの点は明らかに確認をして答弁をされたとなれば、この点についてはまた重大な問題が起きるわけであります。その点を伺っているんでありますが、それがただ通り一ぺんの答弁ではこれは済まされない重大な問題になる。いまそこにありますか、関係書類が。
  63. 塩見俊二

    国務大臣塩見俊二君) 先ほど渡辺委員からも御自身で報告書に記載した団体を御発表になったわけでありまするが、私もそういった意味で報告書に記載されたものを発表いたしたわけであります。
  64. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 同じことを繰り返さんでください、私は二時までという制約を受けておりますから。それらを立証する資料を確認して報告をされたかということです。確認してないでしょう。
  65. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) 領収書、受領証につきましては、原本とともに自治省に保存してありますので、ただいま大臣が申し上げましたのは、そういうものを確認せずに、この報告書に記載されたものを、そのまま申し上げたわけでございます。
  66. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 これは非常に重大な個人の名誉に関する問題でありますから、私はこれは機会を持って、明らかにその点を答弁することをこの際要求しておきます。  時間がないので、次に進みますが、進む前に、私はここでこの新友会寄付金の点について締めくくり的に要約いたしますと、八千百七十一万円というきわめて巨額な金が寄付として流されておる。その中における個人的な寄付というものは、割合がいま報告されたとおり、きわめてこまかいものである。こまかいからどうこうということを言うわけじゃありません。なぜ綱紀粛正委員会発表する際に、そういう全体の中の大部分の比重を占めるような政誠会とか、その他の自民党の代議士諸公を中心とする組織の発表をあえてせずに、作為的に、あるいは社会党五人二百万、現職議員七人千百三十万というような発表をするかということであります。私が時間の関係上取り上げなかった、他の組織的なものの中にも、自民党には個人の名前を明らかにした後援会等もあります。しかし、これは私が大臣から答弁要求した個人名というものには該当しませんから、だれそれ後援会という名前であります。したがって、これはその他私が取り上げなかった中にあるということもこの際含めまして、この点の質問はこれで打ち切りまして、次に一点だけお伺いをいたします。  一体政治資金規正法によって届け出責任義務があり、その報告の義務を持って発表された、たとえばこの寄付金の問題であります。これは官報を見ますと、官報の号外が出るわけです。「政治資金規正法による政党、協会その他の団体収支に関する報告書の要旨を公表する件」というものが、官報号外によって発表されるわけでありますが、ここで私は非常に素朴な疑問を持ちますのは、家賃を払ったとか、めしを食ったとか、鉛筆を買ったとか、車に乗ったとかいうものは、かなり詳細に出ておりますが、寄付金については官報には合計して何件、何億何千万というものしか出ていない。これは法律がそう規制しておれば、われわれ立法府がこの法律を直さなければならない。いろいろこの法律は改正の必要があるざる法であります。そうじやない、これは明らかに法律によって自治省令が出て、そうして第三号のひな形が示されて、それに自治省が運用によって寄付を一件ごとに明細を書けば書けるものである。どうですか、それを拘束する何ものがありますか、これは局長でいいですよ。
  67. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) これは規正法の様式、支出関係の様式につきましては、御指摘のとおり自治省令できめられているわけでございます。それで目的別に一括して何件というふうに記入することになっておりますので、た、だいま御指摘のような、それだけを運用で特に公表のやり方を変えるということは、困難ではないかと考えております。
  68. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 しかし、収入については一件五百円以上は内訳を記載しているですよ。いいですか、収入については一件五百円以上あるいは千円以上の内訳を公報で掲示して、寄付金のようなその何千倍もの大きな金額が総括して出すということは、何がそうさせるんですか。
  69. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) 私は、ただいまの規則によりますと、目的別に集計をして公表をするということになっておりますので、運営で一件ごとに全部やるというようなことは困難である、こういうふうに申し上げたわけでございます。したがいまして、その公表の様式について検討を加え改善をするということでありますれば、一つ問題点として考えてまいりたい、こう思っている次第で、ございます。
  70. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 よく聞き取れませんでしたが、これはいずれ公表のそういう手段が、あなたが答弁したようなことで総括して出されているために、国民がその内訳はわからぬ、わけです。これは明らかにしたほうがいいという観点から伺うんですが、それは明らかにしようとすれば、政令を直すなら直せるし、法律まで直す必要はこれは毛頭ない。運用の点で改めるなら改めるという必要があると思うんですが、この点は大臣はどうお考えですか。
  71. 塩見俊二

    国務大臣塩見俊二君) 実は、御承知のとおり昨日選挙制度審議会も発足をいたしまして、この現在の政治資金規正法のあり方でいいのかどうか、さらにこれに改善を加える必要があるのではないかというようなことも、御審議願うことに相なったわけでございますし、政府といたしましても、やはりこの政治資金規正法が現在の規定で十分であるかどうか、さらに改善の必要があるのじゃないかというような点につきましては、今後検討してまいりたいと思います。
  72. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 大蔵大臣にお尋ねをいたしますが、大蔵大臣の立場から御答弁を願いたいのでありますが、大臣御出席前から、政治資金の具体的な私は事例を中心として取り上げているのでありますが、きわめて脱法行為等の問題等も、新友会一つの例を取り上げてもあるわけであります。さきには二千万円の佐藤総理の問題もあるのでありますが、予算委員会も過般開かれた席上で、わが党の木村委員質問に対して、この匿名寄付ということが表に出たわけであります。現行法では第三者の名前で寄付行為を行なっても罰則の対象にならない。したがって、かりに佐藤総理が二千万円の政治献金をいたしまして、その結果国会でこれが取り上げられるに至り、これが大きくなって、あわてて第三者の責任にこれをすりかえてうまく逃げてしまってもどうにもならない。しかもまた、その第三者たるや処罰の対象になり得ない。こういうことでは、政治献金にまつわる黒い霧はますます晴れない。この問題一つとっても、国民は大きな疑惑を抱いております。したがって、虚偽の寄付行為を行なった者についても、この際罰則の対象になるような法的措置を講ずる必要があると私は思うのでありますが、脱法その他の立場から、これらがますます裏から裏へと抜け道を歩くようでは、いつまでたっても政界の浄化は望めない。大蔵大臣は、その点についてはどういう御見解を持ち、またいろいろな問題で、ざる法的な現在の政治資金規正法についてどういう改正の御意向があるのか、主管大臣ではありませんから、自治大臣から先にお伺いするのでありますけれども、せっかく私の質問で時間ぎりぎりにまでお待ちをいただいておりますので、順序は不同でありますが、大蔵大臣にその二点についてお尋ねいたします。
  73. 福田赳夫

    国務大臣(福田赳夫君) 私は政党活動、これは非常に国の政治を運営していく上におきまして大事なものでございますし、それだけに政党には金がかかると思うのです。ですから、政党がその資金を集めるということについては、何らかの特別の道が開かれているということは、これは必要なことじゃないか、そういうふうに思います。ただ、集められた金が、また集める金が、集め方において不透明であり、またこれを使われる面において、政治活動本来の目的を逸脱して使われるということがあってはならない。これはまた私は一面において当然なことだと思います。そういうことを考慮しながら、政治資金規正法というきわめて弾力的な運用を許す制度があると思いますが、しかし、まあこれをやってみて欠陥がないかというと、私は欠陥もある、こういうふうに考えております。まあ、選挙制度調査会あたり、当然第五次審議会において、これを取り上げるということになることを期待しておるわけであります。また、お話しのように税の問題とも関連があるわけでございます。今日の法制では、寄付をする、その際、その帯付は一定の基準のもとにこれを損金に算入するということになっておりまするが、この損金算入の基準をもう少し改正することが、政治資金を公明ならしめる上においていいか悪いか、そういう問題もあるだろうと思います。これは私どもの大蔵省自身の問題でありますので、これはひとつ検討してみたいと、こういう気持ちでおるわけであります。まあ大蔵大臣という立場はもとよりでございますが、しかし、広く国政全体として今日の政治資金のあり方がいいかどうかという問題は、あらゆる角度から検討さるべきものである、こういうふうに考えておる次第であります。
  74. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 選挙制度調査会の意見も尊重するというのでありますが、きのうから第五回の調査会が持たれておる。しかしながら、従来第一回から第四回までの調査会の答申に対しては、何ら積極的に、意欲的に政府自民党はこれに取っ組んでいないというところに、またこの問題の根源があるわけであります。  そこで、最後に私は主管大臣塩見自治大臣に伺いますが、二点だけ伺います、予定の時間を経過しましたので。  第一点は、ただいま触れましたように、佐藤総理の二千万円について、過般の予算委員会でわが党の木村委員質問に対して、虚偽の申告である。これが質疑を通じて明らかになったわけであります。本人はあずかり存ぜぬという。しかしながら、正式には佐藤総理の名前で届けられておる。これは明らかに虚偽の申告である。そういう際には、あらためて報告を徴取する旨の答弁をしております。この二千万円について、いつまでに報告を徴取してこれを公表する用意がありますか。すみやかにこれを公表する私は責任があると思うのであります。主管大臣、いつまでにこれを公表する御意思であるか。
  75. 塩見俊二

    国務大臣塩見俊二君) あの予算委員会の席上におきまして、お尋ねのような答弁をいたしたのでございます。その時点におきましては、一体佐藤総裁の献金でないというようなことが言われておりましたが、しかし、一体これにかわるべきものが何であるか。だれがこれを献金をしたのかといったような問題につきましては、あとで三木通産大臣が明白に答えたわけであります。私がこの報告をするといったような時点におきましては、実はその事実が明瞭でなかったわけであります。三木通産大臣の答弁は、これは渡辺委員も御承知のとおりでありまして、従来の慣行等によって零細なものとか、あるいは公表をはばかる——公表をはばかるというと語弊がありますが、匿名の寄付というようなものを集めて一括をしてこういう処理をするということで、そういう形式で処理をするということで、その事実が明らかになったわけでありまして、ただいまのところ、これ以上の報告を求めるつもりはございません。
  76. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 どうもあなたの答弁はさっぱり——どうも私が次の最後の質問をするということを予告しているせいか、核心に触れていない。匿名等による寄付行為があった場合の問題については、第九条に明らかに匿名をこれは禁止する規定があるわけであります。寄付者の住所氏名を必ずこれは記載しなければならないことを規定しておる。いろいろ三百代言的な解釈はありましたよ、予算委員会で。しかしながら、まともに解釈するならば、第九条にその具体的な氏名というものを記載する義務を負うておるわけでありますから、これはすみやかに政府としては調査をして、この二千万円、これは一つの例でありますが、該当者が時の最高権力者であるがゆえに、大きな国民の義憤を買っておるわけでありますから、その点をこれは明らかにすることを、私は要求いたしておきます。  最後に、従来の四回にわたる選挙制度審議会、昨日から第五回目を持っているわけでありますが、この選挙制度審議会の答申に対する従来の政府の態度からいっても、私はよほどこれは確固不動の決意をもって当たらぬと、せっかくの答申もこれは無視されるという懸念を持つわけであります。そこで、審議会の審議の経過は別といたしまして、現時点における主管大臣として、世にいわゆるざる法であるこの政治資金規正法について、いかなる改正の意図を持っているか、この点を明らかにしていただきたいのであります。
  77. 塩見俊二

    国務大臣塩見俊二君) 私もいまの政治資金規正法そのままでいいとは考えていないわけでありまして、改善の方策を講じなければならぬと思っているわけであります。第一次、第二次の審議会の答申におきまして、その答申の一部は、すでに御承知のとおり、これを法律案として具体化をいたしているわけでありますが、ただいままでの答申のところで問題点は、個人の献金に限る、会社あるいは労働組合からの献金はいけないのだというのが一点、それから献金の最高限度をきめたらどうだというのが第二点ということになっているわけであります。この問題としましては、いまの情勢、いまの政党なり、あるいは政治一般の情勢からいたしまして、直ちにこれが実行できるかどうかというようなことで、おそらく見送られて今日にきたのではないかと思います。こういつた問題についても、やはりこの次の審議会でこの問題についても御審議になるのではないかと思うわけであります。その他、政治資金規正法の問題につきましては、しばしばこの委員会でも議論がありましたとおり、税法との関連等もございますし、こういつたようなあらゆる観点を総合し、そうして現在の資金規正法がいいと考えている者は、私はこれで十分だと考えている方はほとんどいないと思いますので、これは積極的にひとつ改善の方策を講ずるように、審議会もそういう気持でやっていただけると思いますし、私どももそういった方向で努力をいたしたいと思います。
  78. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 私はきょう取り上げた問題には、まだ未解決の問題が数点残されております。たとえば新友会報告の中に、貸し付けという項目がある。貸し付け先の確認もしていない。その内容も明らかでない。あるいはこの新友会の経理の中にきわめて不明確な二千四百五十五万千五百円という隠し金の問題も明らかでない。あるいは社会党に対する一つの寄付が、同じ日に同じ金額で、ある代議士の名前がダブって発表されているという問題も、政府の何らこれを明らかにする答弁もない等々が残されておるわけでありますから、これはあらためて機会を得て政府の明瞭なる、明らかなこれは答弁を保留して、私の質問を終わります。
  79. 瓜生清

    ○瓜生清君 議事進行について発言をいたします。  実は、昨日の本委員会におきまして、黒柳委員のほうから、政治献金の問題についていろいろおっしゃったわけですけれども、その中に、わが民社党の内海代議士の後援会に献金があったかのように受け取れるような個所がございますが、これは調べましたところ、前芦屋市長の内海清さんでありまして、国対委員長を通じまして、きょう電話で確認をしておりますので、不適当な個所は取り消しをお願いしたいと思います。委員長に御一任します。
  80. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 委員長といたしまして、おっしゃる趣旨わかりますので、調査をいたしまして処理いたします。
  81. 矢山有作

    矢山有作君 きのうは高槻のもとの国有林ですね、それのことに関して資料要求をしておいたわけですが、今後の質問をやる都合がありますからね、あのときに何か十一万坪程度のものがふえている、その原因を資料で出していただく。資料がまだ出ぬのならはっきりそれを説明しておいてもらいたい。これは政府側の責任においてですよ。
  82. 若林正武

    説明員(若林正武君) 調査をいたしたのでございまするが、面積その他具体的な点につきましては、まだつまびらかでございませんので御了承いただきたいと思います。
  83. 矢山有作

    矢山有作君 そんなばかなことがありますか。国税庁長官ね、十一万坪程度のものが、あなたのほうで調べたら何か二十四万坪で三十億以上の評価で出てきた、その原因については何か交換を受けたあと買い増しをしておるようだ、こういう話があったから、そんな事実は——私のほうは多少あった、しかし十一万坪が二十四万坪にもなるような膨大な買い増しはないということがはっきりしておるから、そんなことをおっしゃるなら、その資料を出していただきたい、こう言ったので、その資料を出していただきたいと言ったのは、林野庁だけに言ったのではないのですよ。これは政府に注文しているのだ。だからそれがはっきり証明できる資料を出してください。
  84. 泉美之松

    説明員(泉美之松君) 昨日お答えいたしました点についての御質問でございますので、私から申し上げますが、お話しのとおり高槻市の国有林につきまして三十八年十月に交換が行なわれましたときは十万九千四百十坪について交換が行なわれたわけであります。その後三十九年の四月に農林開発興業が私有林を取得しておりまして、その坪数は二千百三十七坪、取得価格は千百九十八万八千五百円に相なっております。したがって、総坪数は十一万一千五百四十七坪になったわけであります。その後関西電力に四千三百二十・六坪売却をいたしました。したがいまして、残りは十万七千二百二十六・四坪に相なっておるのでございます。ただ昨日私どもが共和グループの法人税調査に関連いたしまして、入手いたしました遠藤という不動産鑑定士の鑑定書によりますと、これが二十四万五千坪の面積があって三十五億くらいの評価になっておるのであります。昨日も申し上げましたように、この鑑定書につきましては、真偽のほどについて問題がございますので、私のほうで目下なお調査をいたしておる段階にあるのでございます。
  85. 矢山有作

    矢山有作君 だから、いまあなたがその説明なさったことをちゃんと文書にして資料として出すべきなんです。私のほうから要求しなければそれを出さない。いま明白になったのは十一万坪ほどのものの面積というものは、依然として変わっていないということですよ。それが二十四万坪幾らになったというのは、その評価をやるときに不正が行なわれているのだから、そのことはあとで私が究明いたします。要するに現在十万坪ちょっとしかない、要するに交換の当時とほとんど面積が変わっていないということだけははっきりしたわけです。そうですね。はっきりしたわけですね。——うなずいているだけではだめなんです、議事録に残らぬから。
  86. 泉美之松

    説明員(泉美之松君) 私のほうで調べておる限りは、いまお話しのとおり現在坪数は十万七千二百二十六・四坪でありますが、鑑定書にはそうなっていない。そこに問題があるということを申し上げたのであります。
  87. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 続いて二宮さんがやることになっておりましたのですけれども、だいぶおそくなりましたので、ここで休憩にいたしまして、三時から再開をいたしたいと思います。  暫時休憩いたします。    午後二時二十八分休憩      —————・—————    午後三時十三分開会
  88. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き昭和三十九年度決算外二件を議題といたし、大蔵省決算について審査を行ないます。  これより質疑に入ります。質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  89. 二宮文造

    ○二宮文造君 共和グループに関しますいわゆる政府調査報告をめぐりまして、昨日来、鋭意審議が重ねられてきたわけでございますが、いまこの問題を振り返ってみますと、九月の一日に高槻の国有林の交換に際しての評価が三千五百万円だと、それに対して農林中金あるいは株式会社東食が四十億円足らずの根抵当権を設定しておる。これははなはだ疑問点が多いじゃないかというところから出発したことを私思い出すわけであります。当初林野庁はこれは適正な評価である、あるいは農林中金は添え担保だから問題はないのだ、こういうふうな答弁で終始しておったわけでございますが、しかしそれが今日、松野大臣のことばをもってすれば、政府が持っている機能を全力をあげて調査する、それほどの大きな問題になってきたわけです。しかし、いまそのことの経緯を振り返ってみますと、今回の調査報告は、ここにもありますように貸し付けについての調査報告書、すなわち融資にからむ一断面をとらえただけで、いわゆる共和グループに関して、どれだけの国損があったか、あるいはどうしてそうなったかというふうな問題については、この調査報告はなされてない。それこそ融資に関する一断面だけをとらえたものだと、こう理解します。そしてこの結びのほうを見ますと、三者三様に、あるいは政府の行政指導に遺憾な点があった、あるいは企業のほうにも一貫して遂行するには安易に過ぎる面があった、さらにまた関係機関特に公庫、中金に対しては十分に今後考慮しなければならぬというふうな、三者三様の反省を含めてのことがございますけれども、先ほど申しましたように、この問題の本質を明らかにしているというわけにはいかない。私どもはあくまでも問題の発端に振り返ってみて、共和グループをめぐって国損があったかどうか、これを解明しなければならないと思うわけです。で、冒頭から申し述べましたような事態につきまして、松野大臣の御見解をまず承っておきたいと思います。
  90. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) ただいま二宮委員の言われたことは、非常に私は、私も同じような考えは多々持ちます。ただ、私の立場で、今日この調査をしましたのは、貸し付けについての諸問題点についての実は全力をあげた調査であって、その他の問題については触れ得ないもの、また触れる時間のなかったものというのは確かに残っております。一応、貸し付け融資についての調査報告でございますので、その他に及ぶものについては、もちろん、権限、権能、時間的に、また実際山林についての問題もございましょう。しかし、これを今日まで与えられた調査の書類を中心にその評価をするにとどまるということであって、実際において評価の方法は、いろいろそれはあるかもしれません。しかし今日の場合は、いままであります書類の上、機能の上で最善なものを私たちは求めたということでございます。
  91. 二宮文造

    ○二宮文造君 したがいまして、私はこの融資の問題をからめて、総括的な問題で幾多の問題についてお伺いしたいわけですが、何回も繰り返しまして、しかし審議が重ねられますうちに、ややともすれば忘れがちになりますので、ここで簡単におさらいをしたいと思うのですが、問題の共和グループの一員であります。また事の発端をなしました農林開発に対しましては、本件の三十八年十月二日に交換契約ができました丸尾山国有林、それから三十九年の二月二十八日に交換契約ができました芦屋剣谷の国有林、さらに四十年の十月二十五日滋賀県にあります天神山国有林三件で、総額一億七千万相当の交換が行なわれているわけです。このように同一人に対して、しかも農林開発につきましては、前にも申し述べましたけれども、企業の内容について国と交換契約を結ぶにふさわしくない企業内容を持っておった。たとえば、この会社は三十年の九月十五日に北海道精糖として設立されて、三十四年の五月に東京通商と社名変更して、さらに三十四年の十二月に京浜商事と変わって、問題の農林開発に社名変更しましたのは三十七年の十月です。林野庁長官からたびたび説明がありましたように、交換申請がなされましたのは三十八年一月の冒頭、したがってこの農林開発興業としましては、十分な企業実績は持ってないわけです。しかも、その後の企業内容を国税庁の調べによりますと、三十九年三月期においては三百七十八万円の赤字、四十年三月期においては二千九百十六万円の赤字、四十一年三月期においては九百十万円の赤字、このように赤字の申告をする会社、その会社に対してなぜ三件も、しかもいま問題をはらんでおりますような交換契約がなされたか。ここに私は問題があるし、そこに先般来たびたび名前が出てまいります元農林大臣重政誠之氏の何がしかの援助があったのではないか、こういうふうな問題がいまだに究明されないままです。しかも、この農林開発の親会社ともいいますか、共和製糖には重政誠之氏が役員として名前を連ねておったということも明らかになりました。このような交換契約をいま振り返ってみて、私どもは、明らかに国損である。また申請書なんかをつぶさに検討しますと、虚偽の申請に満ちている。政府の判断を誤らせるような資料をもって交換がなされた。こういうふうに事実を列挙してまいりますと、交換そのものがはなはだ疑問である。たとえそれが法律やあるいは手続の上で正当であったとしても、いま国民が真剣にこの問題を見つめたときには、首をかしげざるを得ない。それに対して政府はどういう姿勢をとられるか、大臣に御答弁いただきたい。
  92. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 交換というのは、片一方のものと片一方のものを評価して、そうしてこれが交換することのほうが林野の行政上は有利であるということが、交換の主義であり目的であると私は思います。私はまずそのことを中心に考えますと、おっしゃるように、この会社は何べんも名前が変わっております。変わっておるが、その会社に対して払い下げるという意味じゃなしに、そのものがたまたま国有林の隣接地を持っておる、またこちらの国有林の造林計画が必ずしも妥当じゃない、それでは交換しようという意味がこの主体の交換であって、払い下げの場合ならば、相手方が払い下げを受ける能力があるとかないとかということが、一つの目標になると私は思います。そこに交換という、ひとつのいうならば交換制度というものが活用、利用されたのじゃないかと私は思います。そこで、私自身も振り返ってこれを見ると、二宮さんと同じような疑問を持つ点も多々ございますが、実際はそういう行政の範囲内でやっておった。しかしこれが必ずしも世間に与えるものは、常識としてはこれは受け取れないという点は、私自身もそれば感じないことではございません。そこで、これはやはりこういうものを年じゅうやることはよくないというので、今回あらためて非常に強い措置をとりまして、交換というものを、停止、基準変更という実は措置をとって、できるならば今日懸案のものも、まだ済んでおらぬものは全部却下をして、洗い直しという実は強行措置をとったのは、そういう趣旨からでありまして、いままではそういうもので私はやったんであろう、またやるような行政の範囲内であったと私は思います。
  93. 二宮文造

    ○二宮文造君 大臣は利用されたと言うのですが、私どもの感覚では、どうも悪用されたのではないかというふうな感じがします。といいますのは、この農林開発のグループの一員である共和製糖の重政氏が名前を連ねておったということは、いま申し上げました。また、同様のケースが、先般大森委員から指摘されました那須の国有林についてもございます。これは美福という会社にやはり重政氏が名前を連ねておった。これで当委員会でもずいぶん問題にいたしました。で、そのときに、美幅が交換地としてその提供した新潟県の民有林のもとの所有者は興国人絹パルプで、同じく鳥取県の興国人絹パルプの所有林を国土開発という会社が買い受けて、これが西宮の剣谷の国有林と交換をされた、これが三十八年十月二十八日、このもとの所有者が興国人絹パルプ。同じようなケースを私は類推するわけです。で、確かに造林計画、林野庁の造林計画にマッチするような、より林業経営がプラスになるところに交換をしたいという希望を林野庁のほうで持っておったということは、し、ばしば答弁で聞いたわけですが、交換が当局側の自主的な配慮によるのか、あるいは申請者の側の申し立てによって交換が進められていくのか、あるいは両者があるのか、この点はいかがですか。
  94. 若林正武

    説明員(若林正武君) これは前にも先生にお答え申し上げておりますが、いままでやってまいりましたのは、大体におきまして相手方からの交換の申請が出まして、たまたま、こちら側もそういうところは整理をいたしたいというところにつきまして交換を行なってまいっております。したがいまして出会いの問題になろうかと思っております。
  95. 二宮文造

    ○二宮文造君 その場合に、営林局の側あるいは林野庁の側からこういうところであれば交換してもよろしいというふうな暗示を与えるのですか、指示を与えるのですか、どうですか。たまたま向こうが持っておった、そこが造林計画に当たった、それを持ってきた、ちょうど当局の考え方とマッチするので、そこで出会って交換をするというのか、あるいはこの問題の国有林を私は交換してもらいたい、どこを買って持ってくればよろしいでしょうかと申請者のほうから話があった、ここを買いなさい、ここを持ってくれば買いましょう。こういうふうな、いわば公務員が特定の業者に対して利益を与えるようなそういう指示を与えるものでしょうか、どうでしょうか。
  96. 若林正武

    説明員(若林正武君) 交換の場合にいろいろのケースがございまして、たとえて申し上げますと、民有保安林を交換をいたします場合には、御承知のように、保安林整備臨時措置法に基づきます保安林の整備計画、これは中央森林審議会の審議を経まして、計画を持っているわけでございます。したがいまして、そういう個所につきましては、そういう山をこちらがほしいのだというふうに言えるわけでございます。それからまた、奥地の現在ございまする国有林等に隣接をいたしております。これは保安林以外の場合でございますが、そういうものにつきましても、できれば林業経営の立場からいたしますれば、そういうところがほしいというふうな基準と申しますか、考え方と申しますか、そういう方針は、各営林局で持っているわけでございます。
  97. 二宮文造

    ○二宮文造君 そういたしますと、よほど林野庁の側にコネを持っていないと、なかなか局側の意向というものを察知することは困難ですね。この点いかがですか。
  98. 若林正武

    説明員(若林正武君) 私ども必ずしもそういうふうに考えておりませんので、今回の一連の事案等を見ましても、たとえば高槻の国有林なりあるいは天神山の国有林等につきまして、相手方がそういったところをほしいというふうな希望が出てまいりまして、交換というものに踏み切ってまいっておるわけでございますので、いま先生のおっしゃいましたような、そういう面でのつながりと申しますものは、必ずしもないというふうに考えております。
  99. 二宮文造

    ○二宮文造君 しかし、結果から振り返ってみますと、いまこの委員会でも、あるいは両院をあげてこれほどの問題になってきたということについて林野庁の長官は反省があるはずなんです。必ずしも手続において間違ってなかったとこういう答弁でございますけれども、結果から反省してみれば、はなはだうまくなかった。それが証拠に松野大臣にかわって全部ストップ、こういう事態が出てきたのは、従来ややともすると、そのように国民の側から疑いの目で見られるようなことがあった、こういう情熱の了解にもなると私考えるわけです。で、問題なのは、申請者がこれがほしいと言ってきたときに、どこを買っていらっしゃい、そうすれば交換に応じられるのだと、こういうふうな具体的な指示はなさるのですか、なさらないのですか。あとで具体的な問題が出てまいりますから、一般論について。
  100. 若林正武

    説明員(若林正武君) こういうところがほしいと言って相手方から申請あるいは申し入れ等がございました場合に、交換の相手方の山はここだというふうに現在持っておるのを大体対象に持ってくる場合が多いのでございます。
  101. 二宮文造

    ○二宮文造君 私がお伺いするのは、持ってない場合です。持ってない場合はどうされますか。
  102. 若林正武

    説明員(若林正武君) 相手方が持っておりません場合には、これはちょっと交換ということにはならぬわけでございます。
  103. 二宮文造

    ○二宮文造君 あの私の質問内容に御答弁願いたいと思うのです。国有林がある、これがほしい、何とかこれを交換に応じてもらいたい、こういう申請がまずあるわけです。そうした場合に林野庁の側としては、どこそこを持っていらっしゃい、ならば応じましょう、こういう示唆はするのですか、しないのですか。あなたは何を持っているのですか、あなたの持っているのを見せなさい、それで考えましょうと、こういうようなのか。どこそこを買っていらっしゃい、それなら交換に応じましょう、こうやるのか。どちらですか。
  104. 若林正武

    説明員(若林正武君) そういう場合には相手方はどこの山をお持ちでございますか、——もし持ってていないといたしますならば、たとえば相手方がこういうところを近々買えそうだというふうな場合につきましては、そういうものがはたして林業経営の面でいいのかどうかというようなことを検討いたすわけでございます。
  105. 二宮文造

    ○二宮文造君 じゃ具体的にお伺いしましよう。これはもうすでに新聞でも問題にした面ですが、林野庁長官が農林開発からさらに払い下げの申請が出ておると、こういう面について、いまストップされたわけですけれども、やはり農林開発から出た問題です。で、調査した範囲内によりますと、三十八年の末ごろに、農林開発の高橋なにがしという方が、長野の営林局に行かれて、軽井沢のちょっと向こうにあります長倉山の国有林、これをまず貸し付けを希望されたそうです。そうすると、貸し付けはもうできない、ならば売ってくれ、売り払いもできない。どうしたらこの土地が入るかということで、それから交換の話が出た。こういうことになっておりますが、この点は林野庁長官、お聞き及びですか。
  106. 若林正武

    説明員(若林正武君) 昭和三十九年の一月二十七日付をもちまして農林開発興業株式会社から貸し付け、または交換による、いま先生のお話のございました国有林野を利用したいというふうな申し入れが文書でなされておりますが、貸し付けにつきましては、営林局のほうでは断わっておるのでございます。
  107. 二宮文造

    ○二宮文造君 そこで、具体的に今度は交換ならできるということで、営林局、が五年ほど前に買いにかかりました、これは長野県大町に所在いたします民有林、五年前に国のほうで買い入れの申し込みをしたのですが、境界が錯綜しているのでどうもちょっと繁雑だということで、そのままペンディングになってしまったものを、農林開発は三十九年の十一月の七日から四十一年の一月三十一日にかけて精力的に買い集めております。この点は、長官御承知ですか。
  108. 若林正武

    説明員(若林正武君) 昭和三十五年、当時大町の市長から買い入れの申し出があったのでございますが、予算その他の関係から当時買収できなかったというふうに聞いております。
  109. 二宮文造

    ○二宮文造君 その問題の土地、民有林を農林開発としては交換に供したい、これはこの土地を農林開発が買い集めたのは、長倉山の国有林と交換をするために買い集めたのです。これは御承知でしょうか。たまたま農林開発が自分の用に供するために、この大町の民有林を買い集めたのではなくて、長倉山の国有林と交換したいということで買い集めた。この点は御承知ですか。
  110. 若林正武

    説明員(若林正武君) 農林開発興業が買ったということは承知いたしておりますが、それが直ちに長倉山国有林との交換に供するために買ったかどうかということについては、承知いたしておりません。
  111. 二宮文造

    ○二宮文造君 それではその交換申請はいつ出ましたか。
  112. 若林正武

    説明員(若林正武君) 昭和三十九年の一月二十七日でございます。
  113. 二宮文造

    ○二宮文造君 農林開発がこの民有林を手に入れましたのは、三十九年の十一月七日が初めです。そうして四十一年の一月三十一日までに所有権を獲得しております。したがって、明らかに交換申請をなしたあとでこの土地を買ったわけです。また大町の土地を、大町の民有林を買い集めた、それを示唆を与えたのは、長野の営林局になっております。こういうことはよろしいでしょうか。私、先ほど特定の業者、特定の人に利益を与えるようなことは、国の行政の中で許さるべきものではない、林野庁はそういう姿勢はとらないといかん、こう思っているわけですが、先ほどから問題にしております土地は、すべて交換のために購入されているわけです。本件に限って、前々から長野営林局との間に打ち合わせがあって、交換申請を出して、そうして民有林を買い集めた、こういう場合になりますと、ちょっと私はなは、だ解せない問題が出てくるのですが、これでもまだ営林局のほうで特定の個人、特定の業者に利益を与えるような示唆を与えていないと、こういうふうに言い切られますか。
  114. 若林正武

    説明員(若林正武君) 特定の個人に利益を与えるために、示唆を与えたかどうかということにつきましては、承知いたしておりませんが、私考えますのに、この大町の森林は、保安林整備臨時措置法に基づきます買い入れ対象計画に入っている山でございます。したがいまして、先ほど先生からもお話のございましたように、昭和三十五年当時、営林局といたしましては、国有林野事業の使命からいたしまして、これを取得をしたいというふうな気持ちがあったのでございますが、予算その他の関係でそれができなかったというふうな経緯等から考えますると、長野営林局といたしましては、当時国有林野事業の使命を達成いたしますために、何とかしてそういう山を取得したいというような林業経営上の考え方を持っておったのじゃなかろうかというふうに考えております。
  115. 二宮文造

    ○二宮文造君 冒頭に言うべきことばなんですが、この筒橋喜寿丸氏が長野の営林局へ最初貸し付けの話し合いのためにお見えになったときに、重政氏の名刺を携えて、そしてその話に入ったと、これは局のある方が申しております。そこで、これは私がいまこの問題を取り上げている趣旨は、営林局の側で交換に協力をしておる、こういう問題から質問を展開しているわけです。その趣旨でお聞きいただきたいと思う。  具体的に四十年の七月に営林局長、たしか私、長野の営林局長伊藤さんと覚えておるのですが、伊藤さんが本庁に参りまして、農林開発興業とこの長倉山の国有林との交換についての具体案を持って本庁へ来て相談をしておりますが、その具体案の内容、いわゆる受け財産の内容についてお知らせ願いたい。
  116. 若林正武

    説明員(若林正武君) 受け財産の内容につきまして申し上げますると、まず所在、長野県大町大字常盤字唐子。面積、これは見込みでございますが、四百二十八町歩。価額、これも見込みでございますが、七千百七十五万六千円でございます。
  117. 二宮文造

    ○二宮文造君 それはあれじゃありませんか、四十年の七月じゃなくてその後じゃありませんか。四十年の七月に受け財産の内容として、その本庁に相談に帰ったときは、長野県大町の常盤の唐子ですね。二百二十五町外一、二、三、四、五、六、七、八、この大町に所在します民有林は合計八件。それを塩尻の宅地、それから長野営林曲の裏の宅地、それから岩村田営林署の庁舎建築用地、これらも含めて受け財産として本庁に稟議に来た、こういう状態と私承知しておるのですが、この点いかがですか。
  118. 若林正武

    説明員(若林正武君) 私ただいま受け財産だけについて申し上げましたが、渡し財産について申し上げますると、これは長野県北佐久郡軽井沢大字長倉山。面積は、これは見込みでございまするが、八十六町三反五畝。それから価額、これも見込みでございます、九千五百六十五万四千円。したがいまして、交換差金といたしまして二千三百八十九万八千円というものがあるわけです。この交換差金に相当するものといたしまして、ただいま先生からお話のございました岩村田営林署庁舎敷地三百十坪。それから大町市公務員宿舎敷四百六十五坪。長野市営林局舎敷二千三百八十八坪。これは合計いたしまして、これも見込みでございまするが、一千九百六十三万四千五百円というものになるわけでございますが、先生のお話のように、森林以外の財産も受け財産の中に入っておるわけでございます。
  119. 二宮文造

    ○二宮文造君 内容は同じでございますが、その間の事情の説明が違います。この民有林以外の三件の土地を、三件の物件を交換に提供する財産の内容として稟議をしたところが、こういう交換の内容だと、営林局のほうが、林野庁のほうが交換に協力をしたというのが赤裸々に出てしまう。まずいではないかということで、この三件を除いて、それでは評価の食い違いが大きくなってきまずから、長倉山のほうの面積を八八・六二五ヘクタールに直して、そして交換差益をいまおっしゃった千三百三十万くらいに押えて最終的な交換のあれができたのではありませんか。この点いかがですか。
  120. 若林正武

    説明員(若林正武君) 長倉山国有林の中で、相手方が申請を出してまいりました中で、造林適地が約十七町歩あったわけでございまして、これは交換の対象にできないということで、長野営林局のほうで、当初からこれは落としているわけでございます。したがいまして、長野営林局が昭和四十年に林野庁に参りましたときには、渡し財産といたしましては、初めから落としたもので考えているのでございます。それと先ほど申し上げました受け財産との交換差金が先ほど申し上げたような数字になっておる、かようになっておるわけでございます。
  121. 二宮文造

    ○二宮文造君 これはあらゆる方面の見解を私も伺いました。結局、この事情に通ずる方々の一致した見解は、政治家と役人と業者との間の一連の計画である、この観点が非常に強い。これは未遂に終わりましたが、しかし、私はこれが未遂に終わったのにまた問題がある。これが未遂に終わったくらいだから、この農林開発に関する三件も同じような感覚で、同じような手続で、同じような方法でこれは既遂になった。したがって、いま問題になっておりますように、国のほうは三千五百.万、これを適正な評価だといまも主張しております。ところが、この調査報告にも出ておりますように、現在の時点においては、十億ないし十五億という評価を農林中金はしておる。しなければ農林中金の融資に黒い霧がさしてくるわけです。私は今回出された政府調査報告が権威のあるものである、こう見る限りにおいては、林野庁の三千五百万のこの査定は、はなはだ不適正である。いまからでもけっこうですから、振り返ってみれば適正でない、こういう長官の言明をいただきたい。そうでなければ国民は納得できません。そういう答弁になりますと、初めてここに国損が出て、決算委員会本来の姿が出てまいります。この点いかがですか。
  122. 若林正武

    説明員(若林正武君) 高槻の元国有林の評価につきましては、昭和三十八年の六月の時点におきまして評価をいたしまして、約三千五百万という金額に相なっておるのでございますが、現在の評価基準というものに基づきまして、適正に実施をいたしておりまして、妥当なものであると私は確信をいたしております。
  123. 二宮文造

    ○二宮文造君 国税庁の長官にお伺いをしたい。先ほどの矢山委員質問の中で答弁をされておりました農林開発がその後二千坪ほど買い足しておる。その金額は一千万円少々であるということを国税庁長官のほうからお話がありました。この買い入れの年月日はいっでございますか。
  124. 泉美之松

    説明員(泉美之松君) 買い入れ契約の成立したのは三十九年四月二十日、登記簿の登記が同年四月二十三日と相なっております。
  125. 二宮文造

    ○二宮文造君 いかがですか、長官。三十八年の十月の二日の時点において、立木を除きますと、坪三百四十円少々。それが半年後、三十九年の四月、これも売買の登記のときですから、受け渡しはさらに前にあったでしょう。また、売買の契約はさらにその以前だと思います。そうしますと、ほとんど時点が変わりません。民有林の場合は二千坪で一千万円といいますと五千円です。ラフな計算をして五千円。林野庁は三百四十円少々。この食い違い国民の財産を管理する、そういう立場におられる長官が、この数字食い違いを何と考えられますか。いかがですか。
  126. 若林正武

    説明員(若林正武君) その対象がどこであるか、その他よくわかりませんので、どう考えるかということにつきましてはちょっとお答え申し上げられません。
  127. 二宮文造

    ○二宮文造君 長官の答弁、どうも受け取れません。  昨日、長官は、同じく矢山委員質問に対しまして、この丸尾山の国有林の岩はだに当たる部分を買い足したと聞いております。こういう答弁をされたではありませんか。いまは、どこを買ったか知らない。こういう、一日違ってこうも答弁が食い違うような不誠意な答弁をやられるのですか。現に、昨日そうおっしゃったではありませんか。いかがですか。
  128. 若林正武

    説明員(若林正武君) 谷間の民地を買ったということは聞いておるのでありますが、その場所が具体的にどこであるかということを承知しておらないということを申し上げたわけでございます。
  129. 二宮文造

    ○二宮文造君 よろしいですか。山全体日当たりのいい所が三百四十円少々で、日当たりの悪い谷間が五千円とは、どういうわけですか。それだけ見ても、頭の中で計算がおできになりませんか。
  130. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 確かに、この数字をこう言われると、私も疑問を持ちます。確かに疑問を持ちます。  ただ、昨日、長官が答弁をしたのは、交換価格ですから、片一方が取得しているのですから、これを売却したというなら、これは明らかに問題の前の売却だから非常に不当だということがすぐ結びつきます。ただ、これは交換したのですから、相手方の一方の山の評価もこれと同じ評価基準でやっているわけでございます。  しかし、まあ五千円と三百四十円と、こればあまり妥当な価格のようにも、それは感じません。しかし、これは違法、合法は別問題として、どうもあまり妥当だと強く言う自信もありませんけれども、しかし、違法だ——交換というものと売却とは、多少、ひとつ御判断の中に入れていただきたい。
  131. 二宮文造

    ○二宮文造君 それがこの手続の問題の盲点なんです。  よろしいですか。交換だから、受けるほうも安く買っておる。受けるほうも安く評価しておるから、かまわないじゃないか。——ところが、受けた所はどこだか御存じですか。広島県の山奥ですよ。佐伯郡。三次の奥ですよ。島根県の県境ですよ。極端なことを言いますと、サルの道しかない山ですよ。一方が、二十円に評価したものが五倍になれば百円です。同じような倍率で三百四十円のものが五倍になりますと千五百円です。そうしますと、そこに国民の側としては、絶対額において非常な損があるわけです。しかも、あの丸尾山の国有林は私どもも九月に行ってまいりましたが、格好の住宅地です。もう、現に住宅地として開発されております。三十八年の当時にはそれが住宅地として開発されない保証はなかった。それを見込んでやったのです。あの名神高速道路が走っておりますし、それからまた、大阪から京都に至る国道が走っております。格好の地です。しかも、関西電力が最近に買ったでしょう、一万五千円で。こういうふうに金額を並べてまいりますと、大臣も先ほどちょっとことばを漏らした。どう考えても妥当と思えない、その妥当と思えないということばがその後、どういうふうなこの契約に効果を及ぼすか、これは私はわかりません。先ほども国有財産局長に伺ってみますと、やはり、正規の手続を経て交換されたものであるから、いまさらそれを破棄することはできぬ、こういうふうに言っております。しかし、それには私は、政治的な、あるいは善良な管理をしなかったという責任は残る。この責任の所在を明確にしていただきたいから、先ほどから食い下がっているわけです。これはいかがですか。
  132. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 三百四十円と五千円、こう評価して同じ場所だというが、これはだれが見ても妥当なものであるということは、良識的に私も言えないと思います。ただ、そのいきさつ、方法については、まあ別な計算で国有財産局がやったであろうと思います。この場合の責任は、おのずからその責任がありますが、今日は私が全責任を持っておりますので、過去のことでありましても、私が負うべきものは当然私自身がそれは考えなければならない。また各所で責任があるならば、各所で責任を当然、明確にしなければならないと私は思って、その問題でどうこうと思っておりません。  ただ、もう一つ考えていただきたいことは、交換ですから、何もあえて私はこれの妥当性を言うのじゃありませんが、ただ、その場においては交換というものでやったという、この事実も計算の中に入れていただきたいと思います。
  133. 二宮文造

    ○二宮文造君 交換というのは、これは偶発的に交換になったのもありますが、交換が非常に有利だから、そういう背景をフルに生かして交換に持ち込んだら、それは問題ではありませんか。
  134. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) その交換の意図が非常に計画的であるとか、あるいは非常に不穏当であるとか、あるいは国家の行政法に違反するとか、あるいは林野庁の政策の非常に不当であるという場合には、二宮さんのおっしゃることは私ももちろん、すなおに受け取ります。
  135. 二宮文造

    ○二宮文造君 では、大臣御存じですか、この交換の、先般来内容にわたってたびたび審議が繰り返されたわけです。問題の農林開発興業株式会社という会社のあり方については、冒頭に申し上げました、赤字の会社である。たびたび社名を変更した会社である。  それから、交換の際に利用計画というのを出すわけです。これは私は、林野庁は用途指定のような考えを持っておりませんが、単なる参考意見のように聞いておりますが、私は、この利用計画を出させるということは、広義な意味で用途指定だと思うのです。そうしませんと、国の場合には、たびたび契約のときに、誠実と信義の原則ということを冒頭にうたっておりますが、あの利用計画が全然でたらめであればこれは問題でしょう。会社の内容がこういう会社である、交換受け地、渡し財産のほうを購入したのが申請を出してからである、申請の当時においては何ら申請書に書いたような事業の実績はない。ただあるのは政治的な背景だけなんです。そう思わせるような背景だけしかないわけです。この会社を選んだこと自体が問題なんです。林野庁の先般来の答弁で、農林開発興業株式会社でなきやならなかった理由ば一つもないのです。その点は全部くつがえってきたのです。ただ行なわれたのは、交換の実績だけがあるのです。しかもそれがいま値段でこのような物議をかもしているわけです。そういう客観的な条件をずっと積み上げてくれば、どうおっしゃろうとも、手続はあるいは違法でないかもしれない、しかし、この交換ははなはだ妥当を欠く。単なる責任ということでは終わりません。
  136. 若林正武

    説明員(若林正武君) 評価の点につきましては、実は私、去る十一日に現地に行ってまいったのでございまするが、交換契約をいたしました後におきまして、関西電力の送電施設その他いろいろできておりました。それから月見丘の宅地造成、こういうものも進んでおりました。したがいまして、現在行ってみました場合には、現時点におきまして評価をするということに相なりますれば、相当これは変わったものになるだろうというふうに私も考えております。昭和三十八年の六月時点におきましては、昨日も申し上げましたように、その時点では宅地になるという見込みが非常に薄いというふうなことで第三者が鑑定をいたしておるわけでございまするが、評価にあたりましては、将来これくらい開発されて値上がりするだろうというふうな、そういう要素というものは評価の中に私どもは入れておらないのでございます。
  137. 二宮文造

    ○二宮文造君 結論はどうなんですか。
  138. 若林正武

    説明員(若林正武君) 何度も申し上げまするが、三十八年の六月の評価時点におきまする評価は、適正であるというふうに考えます。
  139. 二宮文造

    ○二宮文造君 いまはどうですか。いまから振り返ればいかがですか。
  140. 若林正武

    説明員(若林正武君) 現在のように、あの地帯が急速な開発が行なわれておるわけでございまするが、現在時点の評価はどうだということでございますると、これは三千五百万でないということはこれははっきり申し上げられるのでございまするが、現時点におきまして昭和三十八年の六月を振り返りましても、やはり適正であるというふうに考えております。
  141. 二宮文造

    ○二宮文造君 これは私どもが非常に遠慮をしながら、ある特定の人に関しては遠慮をしながら質疑を展開しているわけです。これはもう法廷になりますと事実問題が全部明らかになってくるわけてす。したがいまして、私はまた必ずそういう時点はくる。今日の社会の情勢におきましては、必ずこの問題の本質を解明する場所が出てくる。したがって、時間がありませんから、あくまでも長官は妥当であったと、こう言い切られたということに私は了解します。が、しかし、それは何がしかの思惑があってそうされているということ以外に私は承知できません。  次に、共和製糖の融資の問題に入りたいわけですが、その前に、国税庁長官がいらっしゃるのでお伺いしたいのですが、このような赤字の会社が三件だけでも一億数千万円にわたる資金を動かして、そうしてその三件を控得している。また共和グループについてはなべて赤字の申請になっておる。そういうことについて国税庁の見解を伺って、実態について調査をしていただきたい、こう私申し上げました。その後の経過について御説明願いたいと思います。
  142. 泉美之松

    説明員(泉美之松君) お話がございまして、私どもいわゆる共和グループといわれる各法人につきまして、法人税の調査をいたしておるのでございます。ただ、もう各委員御承知のとおり、この共和グループ各社の間の相互間の財産の変動あるいは資金の変動というのが非常に入り組んでおりまして、調査に非常に難航をいたしておりまして、現在まだ調査実施中でございます。私どもとしましては、できるだけ早い機会にこの調査を終了するような方向で考えたいと思っておりますが、現在まだ調査実施中でございます。
  143. 二宮文造

    ○二宮文造君 完了の見通しはいつごろと踏まれていらっしゃいますか。
  144. 泉美之松

    説明員(泉美之松君) 現在の段階で、見通しを、いつごろ完了ということはちょっと申し上げかねます。と申しますのは、各種の取引につきまして会社側のいろいろな見解が出ているわけでございますが、中に架空の売買であるとかいうようなものもありまして、それらがほんとうに架空であるのかどうかということを調査するのに非常に骨が折れておる段階でございますので、現段階でいつ調査が終了するということは申し上げかねます。
  145. 二宮文造

    ○二宮文造君 こまかい徴税技術の問題になってまいろうと思いますから、この問題はその程度にして、鋭意御調査を願いたいと希望いたしておきます。  さらに、その次の点についてお伺いしたいのですが、付録にあります資料の2を拝見しますと、共和製糖グループのいわゆる借り入れ金の一覧表というのがここに出てまいっております。下の備考のほうも考慮して考えますと、いわゆる共和製糖のグループ、共和グループについての借り入れ金の総額は七十五億円になります。その中で開発銀行あるいは公庫、中金、これを含めますとこれが約五十六億八千七百万円、その他の金融機関からの借り入れが十九億、これは八割が政府機関ないしは農林中金から融資をされておるということを実体は明らかにしているのですが、こういうふうな資金繰りの会社が農林中金の取引先の中でありますか、ほかに。八割程度が政府関係機関ないしは農林中金の借り入れ金によってまかなわれて企業が運営されておるという企業は、ほかにありますか。
  146. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) とっさのことでございますから、ただいまそういう会社があるか、あるいはあるとした場合にどれだけの数があるかということは、ただいまお答え困難であります。
  147. 二宮文造

    ○二宮文造君 まず私はないと思います。  そこで、農林中金の短期借り入れ金となっておりますが、この短期借り入れ金というのはどういう性質のものですか。
  148. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) これは運転資金ということでございます。
  149. 二宮文造

    ○二宮文造君 運転資金になりますと、いわゆるいわばその借り入れが、これは手形割引は含むのですか含まないのですか。
  150. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) 私どものほうは手形割引ということをいたしておりませんで、手形の商手担保とかそういうことはいたしておりますけれども、手形割引ということはいたしておりません。
  151. 二宮文造

    ○二宮文造君 いま手形割引をなすっていないということをおっしゃったですが、これはまた次の機会に手形割引をやっている事実をお目にかけて、中金の融資の姿勢をまた後日お伺いしたいと思うのですがね。それでこれが八月の末になっているわけです。それから、農林中金の六月末のいわゆるブドウ糖関係資料というのをいただいておるのですが、それとこれと全然同額なんですがね。そうしますと、まあその三つ、これは出てまいりますのは共和糖化とそれから東洋果糖と日本糖化と共栄糖化と、この四社の名目で出てまいりますが、その六月末の合計と、ここに資料として出ております八月末の合計とが全然一緒なんです。ということは、この二カ月にわたって借り入れ金——短期の借り入れ金が残高が全然動かないということは、こげついているということを証明するようになるんですが、その点はどうですか。
  152. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) 残高が同じだということは、実は貸し増しをいたしておりません。そして、この中にもございますけれども、従来は利息先取りというものを、この調査にもございますが、利息あと取りということにいたしておるわけでございます。
  153. 二宮文造

    ○二宮文造君 じゃ、この六月から八月までの間に決済の期間が一回もなかったということですか、決済のときが。それぞれの融資について。この農林中金だけでもここで四十一億千七百万円がこの三社だけであげられております。その中で、短期の資金が、借り入れ金が十七億でありますが、この十七億八千万円について六月から八月までにどれ一つとして決済の期間がなかったと、こう理解してよろしいのですか。
  154. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) 詳細のことを、もし間違っておればあとで訂正いたしますが、昨年の暮れ、あるいは本年の初めにまいりました期限のものは、それぞれ一年繰り延ばしていると、こういうふうに御見解いただければいいと思います。
  155. 二宮文造

    ○二宮文造君 そうしますと農林中金としては、この共和グループに対する融資は、いまどうやって資金を回収するかということに頭を悩ましておると、総括的にこう理解してよろしゅうございますか。
  156. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) 共和糖化グループ、共和糖化なり、あるいは共和製糖は、現在も仕事をやっておるのでありますから、したがって、その資金を引き揚げるということになりますと、直ちに事業それ自体をストップしなければならぬというような事態もこようかとも思います。そこで、先ほど来お話がございましたのでありますけれども、現在の資金を繰り延ばしていると。ただし、その資金といいますか債権を確保するといいますか、管理する上においては十分の努力を払っていかなければならないと、かように考えておる次第であります。
  157. 二宮文造

    ○二宮文造君 さて、その債権の管理、あるいは債権の保全ですが、この調査報告によりますと、ちょっと危険ですね。これはもう農林中金も御存じの調査報告だろうと思うんですがね。開発銀行については「担保力は懸念ないものと認められる」。これは二三ページです。それから、農林中金につきましては、物的担保として「約十億円の担保不足となる」。ただ、「菅貞人および共和製糖の人的保証が付されている」。また、高槻にある元国有林が十億ないし十五億円程度と推定されるから、というふうに逃げておりますがね。これはしかし、千葉市の土地の値上がりもあるというふうなことも出ておりますが、千葉市の土地というのは、元の国有財産ですよ。ここにもまた私、ほんとうに問題になると思うのです。三十五年に国から払い下げを受けた土地です。それから神戸にあります土地というのは、公有水面を埋め立てした土地です。私ども、共和グループが、土地ないし資産の取得にあたって、国が関係しないという面がないのですね。資金の融通についても、食糧庁のあっせんがある。工場用地なんかの確保については、これまた有形、無形に国からの援助がある。こういう事態を私も振り返ってみますと、よく、こういう共和製糖にこれだけの多額の融資がなされた、こうなるわけです。そうして御承知だろうと思いますが、共和グループのこの財務諸表なんか見ますと、あるいは国税庁に対する決算の申告は、もう御承知だろうと思いますが、なべて赤字です。こういう事態を踏まえてみて考えましたときに、なぜ共和グループに七十五億の融資が行なわれたか、これはいかがですか。
  158. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) 共和製糖グループに対しまする金庫の融資の考え方は、かねてこの委員会においても申し上げたと思いますけれども、畑作地帯、特に南九州はイモ作というものが非常に大きな役割りを果たしておるわけでありますから、したがって、そういう農政の必要からくる需要に対して、私どももこれに即応いたしまして融資を考えたわけでございまして、この点は申し上げたとおりでございます。ただ、そういうことをいたしまする場合におきましても、問題はやはり担保の点にあるわけでありまして、先ほど二宮さんから御指摘になりました十億の担保不足の問題、この点は私どもの評価額において大きく狂ってまいりましたのは、今回の問題を契機にいたしまして精査いたしました。従来は、会社の報告に基づきまして評価をいたしておったわけでありますが、今回のこういう機会に事柄がはっきりいたしまして、大きく宮崎の工場の評価額に相違を来たしたわけでございます。したがって、従来申しておりましたことでいきますと、ここに掲げておりますような数字の不足が出るわけであります。従来は、その際には高槻の元国有林については、これもこの委員会でも申し上げておりましたように、添え担保としてでありますから、評価はいたしておらなかったのであります。今回これを、いままで言いましたようなことになりましたので、あらためてこれを評価に付そうといたしたのでありますけれども、しかし、実際は、これを今日の段階で、評価を引き受けてくれるところがございません。幸いと申しますか、たまたま本年の春、先ほど来お話がございました関西電力の売買事例で評価がございましたので、したがって、十億ないし十五億と評価いたしたわけでございます。それからいまお話にございました千葉の土地にいたしましても、三十八年当時にこれは第三者に評価をしてもらったのでありますが、それから四年たっておる今日の事態で、そして向こうの売買事例等を見ますと、ある程度の値上がりが見込まれるということで、改めて評価をした、こういうことであります。ただ私どもといたしましては、たとえば具体的に、共和グループが持っておった土地が、これは過去においてどういう経緯でその所有になったかというところまでは、実は十分調べてはおりません。ただ現実に、現在持っております土地を担保に入れ、そしてそれを評価をすると、こういうことでいたしておりますので、いま申し上げましたように、過去国有林としてどれだけの価格でどうしたというようなところまでは実は調べてはおりません。
  159. 二宮文造

    ○二宮文造君 私この機会に、農林中金のそのいわゆる貸し出しですね。貸し出しの問題について、これは余分なことですが、農村の方とお話し合いしたことがあるんです。で、こういう事件がありましたので興味を持ってその農林中金の貸し出し残高というのを調べたことがあるのです。そうしますと、約一兆円の貸し出し残高の中でいわゆるその農村関係ですね、これが二十三百億円ですね。農村はいま資金がなくて困っているわけです。選択的拡大だとか、あるいは多角経営だとか言われてみても金がなくて困っている。また貸そうとしない。ところが関連企業に対しては四千五百億円のその貸し出し残になっている。さらに今度はコールマネーなどが二千六百億円も予定している。こうなりますと農林中金が農林中金本来の目的から現在は逸脱しているんじゃないか。これは法の上で逸脱しているとは言いませんが、の趣旨から農林中金と離れてるんじゃないか。こういうことで農村の皆さんは相当農林中金に対して批判的な見解を持っておる。これはお知らせしておきます。これは従来も御存じだろうと思いますが、その点で何かありましたら……。
  160. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) その点につきましては、私はかねて私どもの宣伝のといいますか、PRのしかたも、あるいはまずかった点があったかもわかりませんけれども、ずいぶんその点は誤解があると思うんです。と申しますのは、なるほどいまお述べになった数字は、これはその通り間違いございません。ただ、もうそういうことを言われる場合に、農林中金の段階と県の段階あるいは末端の段階がよく混同されるわけなんです。で、少し長引きますけれども、せっかく御注意をいただきましたから、この機会にお礼をかねまして詳細申し上げたいと思うんですが、たとえば系統に組合金融には三兆五千億の金があると、こういうことをよく言われます。ところが、それは三兆五千億の金がある、まあある時点において。それは単協の段階で二兆円の金がある。その単協の二兆円のうちで一兆円が県段階の信連にいく。その信連にいった一兆円のうちの五千億が金庫に来ていると、そういうことでもとは二兆円の金なんですけれども、それを系統には三兆五千億はあると、三兆五千価の金はどういつでこういっているとよく言われたりするわけでございます。これは一つの例でございますけれども、そういうような誤解からくる問題がずいぶんございます。農林中金は系統貸し出しについては、これはどなたにお聞きいただいてもそうでありますけれども、農林中金はほんとに系統の貸し出しに努力をしておりまして、むしろ県の段階なり、あるいは単協の段階で文句が言われるほど、といいますのは信連の段階あるいは中金の段階と競合することがありまして、農林中金がそんなに出てくるなと言われることがあるほど私どもは系統の貸し出しについては伸ばすことを努力しております。またお断わりしたこともございません。ただ、これは組合金融一つの特徴といいましょうか、昔はその農村の金は上から流れるばかりだったんです。資金運用部の金あるいは簡易保険の金が、それが最近は末端がいま申し上げましたように、一昨年は二兆円になったと、現在はもう三兆円になっていると、そういうことで外部の金融情勢が御承知のとおりでございますから、いままで外へいっておった金も自分たちが引き戻してそして自まかない体制ですね。いわゆる単協は単協で自まかない体制をしている。それから信連は信連で自まかない体制をしている。こういうことで、われわれが伸ばそうと思っても、自まかない体制ということでなかなか伸びない、これが実情でございました。下から上がってくる金は運用でわれわれは苦労しているわけです。できるだけ有利に運用しまして、それを信連を通じ単協に戻していく、こういうことでいたしておりますから、その点は御了承いただきたいと思います。
  161. 二宮文造

    ○二宮文造君 そういう事情も私は承知の上で申し上げたわけです。ただ、たまたまこの共和製糖にこのような多額の貸し付けがされ、しかも、それが政府の施策の方向がたびたび変わったということに口実を設けて、支払い期限がきたものを猶予しなければならないというような貸し出しになっているのと比べてみますと、そういう問題が出てくる、これはやはり経営の内容として今後参酌をしていただきたい、こういう私は意見を付して申し上げたわけです。  そこで農林中金としましては、現在のいわゆる高槻の山を含めますと、これで担保力は十分であり、債権の保全は心配がない、このような御理解でございますか、さらに担保を徴収されるわけですか。
  162. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) 従来この委員会にもいろいろお示しをいたしておりましたが、その担保——従来お示しをいたしておりました担保のほかに、山林として四カ所ほど取る、あるいはいままで取っておりませんでした工場を担保に取るとか、工場と申しますのは神戸にある工場でございますが、それを担保に取りますとか、あるいは宮崎に社宅がございますが、その物権を取るとか、それから共和製糖あるいは共和糖化における株式、これは額面九億でございますけれども、これを取るとか、そういうようなことをいたしまして、できるだけ債権に傷がつかないように努力をいたしておる次第であります。
  163. 二宮文造

    ○二宮文造君 この農林中金は共和製糖のいわゆる連帯保証はとっておりますが、共和グループ以外、その他の関連企業のいわゆる法人の保証はとってないのですか。
  164. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) さようでございます。法人としましては、共和製糖の保証、それから菅社長個人の保証、それで入れておりますものは、それぞれの製糖なり糖化のものは入れておりますけれども、それ以外のいわゆる第三者担保提供といいますか、いま問題になっている高槻のごときはそうでございますけれども、農林開発の所有のものを入れておる、こういうことであります。
  165. 二宮文造

    ○二宮文造君 ここで公庫との間の競合問題が出てまいりませんか、総裁いかがですか。
  166. 大沢融

    参考人(大沢融君) 公庫との間の競合問題と申しますと、宮崎の工場財団と同じ順位で入っておりますけれども、これはこの報告にもございますように、評価額の八割見当の掛け目でかけてみても、それぞれの担保としては十分なものだということが言えますし、そのほかに、一緒になっておりますものは、東洋果糖の宮崎工場の敷地、これも農中と一番抵当で同順位で入っておりますけれども、これもその評価額から申しますと、先般来古い簿価で申し上げたものよりは、ずっと小さいものになりますけれども、中金がそのうちの三分の二を取り、私のほうは三分の一を取るということでございますから競合というようなことは生じないんじゃないかと思います。それから、私のほうで取っておりますのは、そのほかに東洋果糖の細島工場の施設として汚水処理施設、変電所というようなものがございますが、これは公庫だけの担保になっておりますのでそういう問題は起こりません。それから共和糖化が持っております千葉の…、宝不動産が持っておる土地ですが、これは金庫との競合はございません。  大体従来取っております担保ではそのような事情でございます。
  167. 二宮文造

    ○二宮文造君 私もあとう限り資料をととのえまして、私どもが取り寄せた資料で積算をしてみても、それは公庫あるいは中金がどのような積算をされて債権保全が十分である、こう申されておるのかわかりませんが、私どものほうから見ますと、非常に危険である、回収不能になるのではないかと思われる部面が相手出てまいります。問題がここまで明らかになったのですから、公庫なり、あるいは中金の側で担保物件の明細をやはり資料として出していかがでしょうか。これだけ公になりましたし、今度はあげて再建するなり、あるいは整備するなり、そういうような方向が共和グループに対し、特に共和製糖あるいは共和糖化に対して残された大事な問題だろうと思うわけです。したがって、ここまで明らかになったのですから担保物件の明細を資料として出していただく。なお、おそらく公庫のほうも農林開発の法人の保証は取っていらっしゃらないと思う。これは問題です。先般も申し上げましたけれども、新しく立ったビルはこれは農林開発の所有になっております。したがって、そういうふうな面を漏らしていきますと債権保全が完ぺきになりませんので、これは御調査願います。  最後に、公庫に私はお伺いするのですが、この調査報告を見て、大沢総裁はこの公庫責任者として、こういうふうな事務をとってきたという公庫のあり方についてどう反省されますか。「今回の農林公庫調査報告によれば、当時会社側が示した一件書類は真実を表示するものではなく、その説明は虚偽の申立てであったと認められるが、金融機関として通常払うべき注意を怠っていたものとは認められず、資金交付のあり方としては、一応、妥当なものであったと認められる。」これは政府報告としては最大公庫に対する守りです。「金融機関として通常払うべき注意を怠っていたものとは認められず、」わずかこの五行ですが、なぜこういうふうな調査報告になったか、その事情を明快に御答弁願いたい。相当ありますよ。
  168. 大沢融

    参考人(大沢融君) 貸し付けの決定にあたりましては、この前から私いろいろと申し上げておりますように、借り入れ者の経営能力でありますとか、あるいは貸し付け対象事業の適否ですとか、あるいは施設ができましてからの事実上の能力、あるいは資金計画ですとか、さらに債権確保のための担保ですとか保証人、こういうようなことについて、当時としては詳細に検討いたしまして貸し付けの決定をしております。さらに貸し付けの決定から契約を締結して実行いたします間には、会社の諸帳簿、請求書、あるいは領収書等を確認いたしましたり、機械メーカーのところへ行って仕上がり品の確認をするとか、あるいに協調融資をいたします開眼あるいは農中等の融資態度につきましてもよく連絡をとるというようなことをやりました上で払い出しをするということをやってきたわけであります。不幸にして当時私どもが見ました領収書等は今回調査にあたって見ましたものとは相違するようであります。かつて私が申し上げました払い出し時におきまして、たしか三十九年の八月二十七日の調査で申し上げましたが、当時七億五千程度の支払いがあったから、それの六割程度の四億を出すということを申し上げましたが、この辺のことは真実の表示でないものに基礎を置いて私ども計算をいたしておったわけであります。それは当時としては事情やむを得なかったのじゃないかというふうに私も考えますが、また政府のほうもそういうふうにお考えいただいたのだと思いますが、私どもこれを振り返りまして、やはり融資をする側の、ことにこういう公庫といたしましては、むしろ例外に属するような企業的な融資というようなものについての貸し付けの決定あるいは払い出し実行、さらにその後の管理の方法、担保の取り方の問題とかいうようなことにつきましてはいろいろな意味で反省をいたしまして、仕事のやり方とかの改善をはかりたいということで、私ども目下公庫をあげて真剣に検討させていただいております。そうしてこのような真実を表示するものでないものに基づいて物事をいろいろ考えておったというようなことも避けられるようにということで、仕事が公正にやれるというふうにやり方を反省して研究していきたい、こう思っております。
  169. 二宮文造

    ○二宮文造君 いまそういうふうな総裁の御答弁なんですが、そうじやないのです。一年前に公庫はすでにその実態をつかんでいるわけです。一年前にその実態をつかんでおりながら、今日このような問題になるまで放置しているのです。たとえば先般も問題にいたしましたけれども、月島機械で確認をしたその機械が精糖部門に流用されているということを昨年の八月に公庫は探知しているわけです。十月一日の時点におきまして、私は、おかしいじゃないか、繰り上げ償還を要求しなさい、こうあなたに申し上げた。ところがあなたは、その必要はない、そうして回り回って今度は衆議院のほうへいきましたら償還を命じました。どういうわけですか。
  170. 大沢融

    参考人(大沢融君) これは機械の転用の問題はしばしばお話し申し上げましたが、当時の調査といたしましては、あの機械が砂糖に転用されましても、私どもが出しておりました四億の金額をこえた工事費が証明されるということで出したものが、他のものに転用されたというような解釈ではやらないでいいということで、当時は全額償還というようなことは考えなかったわけですが、その後おそらくこの委員会があったあとだと思いますけれども、私ども、政府の御命令もあり、当然私どもとしても調べなければならぬことで、調べ始めたわけです。その過程におきまして、先ほど申し上げたような当時七億五千の支払いがあって、四億出したと申しましたが、その七億五千、こういうようなことは真実のものでないというような確証も得ましたし、さらに現地に実査をいたしまして、ブドウ糖工場が建設予定地として基礎設備等がやられたところに、砂糖の工事が始まるということで、砂糖の事業にブドウ糖の資金四億が転用されつつあるということを確認いたしましたので、一つは虚偽の報告ということ、それからいまの資金の流用というこの二つの事実を私どもつかんだわけです。それは公庫としては放置できないことであります。したがいまして、ここでお話申し上げたあとで、そういう事実を確認して、直ちに全額償還を命令するという手続をとったわけであります。
  171. 二宮文造

    ○二宮文造君 そうしますと、昨年の八月に資金を流用したという端緒をおつかみになっているのは、それからは何ら手を打ってなかったのですか、今日まで。そういう答弁になりますね。
  172. 大沢融

    参考人(大沢融君) 昨年機械の転用がありましたときは処置といたしまして、その後調査をいたしまして、当時としては敷地の購入費あるいは整地、工場、倉庫、機械、専用埠頭、汚水処理、自家発電といったようなものについて、約五億三千百万円ぐらいは工事費がかかっている。したがいまして、その内訳の四億は転用になったというような判断は下せないわけでありまして、そういう意味で資金流用というようなことで、全額償還をやる必要はなかったわけであります。(「それは形式論だ、そんなでたらめな資金関係あるかい」と呼ぶ者あり)
  173. 二宮文造

    ○二宮文造君 同僚委員のほうからも相当にいまことばがありますように、公庫としては当初から御存じだったわけですね。とにかく食糧庁からの融資のあっせん以来、これがもう鬼の首でも取ったように、鬼の首を取ったのか、あるいは取られたのか、のっぴきのがれない態勢で融資が始まった、いわばそれから後はどうやってこれを局面を展開するかということのみに終始しておった、こういうように私どもは理解するわけです。したがって、先ほど言いましたような、今度は私どもは自体がここまできたんですから、債権の確保をしてもらいたいし、それからまた再建なり整備なり、精力的にこれはもうはかっていただかなければならぬ。いま振り返って考えますと、もともと無理な計画であった、経済局長そうでしょう。もともと無理な計画であった、ブドウ糖のそういう工場の集約化も無理なら、また細島に精糖工場を新設することも業界の反対を押し切った——ぶどう糖工業会からもあるいは精糖工業会からも猛反対があった中に、何がしかの力の援助のもとにこれが強行された、ここに発端があるのじゃありませんか。
  174. 大和田啓気

    説明員大和田啓気君) 私どもは、この調査書に書いてございますように、当初の構想においては、自由化前後——粗糖輸入の自由化前後をめぐる砂糖業界の合理化の期待、あるいはでん粉の滞貨の新しいはけ口を求める意味でのブドウ糖工業の育成、そういう見地からいたしまして、この細島のコンビナートの工場がもともと無理であった、あるいはもともと不可能であったというふうには判断いたしておりません。それは日本の食品工業として、私はこういう合理化の道が一つの道として確かにあり得たというふうに考えます。ただ、この報告書でるる申し述べておりますように、粗糖輸入の自由化をめぐる情勢というのは、当時の判断からはよほど激しい変化をその後の糖業界にもたらしまして、結果として精糖工場はできましたけれども、ブドウ糖あるいは果糖工場は建設されなかった、そういう事態を生んだ、そういうふうに考えておるわけでございます。
  175. 二宮文造

    ○二宮文造君 ならば、その精糖業界やあるいはぶどう糖工業会からこういう工事を進めてもらいたい、いわゆる体質改善の意味で、モデルケースとしてやってもらいたいという業界としての推奨状はありましたか。
  176. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) ただいま経済局長が答えましたような政府の考え方に基づいて、この構想は推進をされたと思いまするが、私が現時点で聞き及んでおる範囲内では、他の同業者からこの構想について積極的推進方の声があったというふうには私は聞いておりません。しかし、新しい企画というものが必ず業界の賛同を得た上ですべて推進をさるべきであるということではないと私ども存じておりまするが、事実関係だけを申し上げますれば、同業者からの賛同と申しますか、推進というふうな気運はなかったというふうに承知をいたしております。
  177. 二宮文造

    ○二宮文造君 賛同どころか、いまさっきお話がありましたが、猛烈な反対です。特にぶどう糖工業会においては中小企業が多いものですから、ただでさえも設備が過剰な状態にあるのにこういう計画を進められては困ると、あるいは精糖業界からもすでに設備は過剰である、これはもう意見を具してたびたび反対の意向が申し述べられているは、ずです。また、砂糖の、いわゆる甘味資源の国際的な変動があったと、こうおっしゃいますけれども、たまたまここの資料に出ておるのを見ましても、融資が決定されました三十九年の九月、これはもうすでに国際糖価はポンド当たり三セント六にも変わっております。三十八年の十月これは十セント五十六です。それがすでにもう三セント六十に下落をしておる。しかも先行き好転する見通しはない、そういう時点において強行されているわけです。業界の反対を押し切り、国際的な環境を無視し、そうしてまた、精糖業界に詳しい方がおっしゃっておりますが、背後に膨大な消費地を持たないで新しい工場を建設するということは、これはもう業界筋の常識にないと、たとえそれが、ブドウ糖の背後に、そういうブドウ糖の原料の供給地があってと、こう言ってみても、あの精糖の面から見ると細島にああいう膨大な工場をつくるべきでない、採算が合わないことは当然だ。また会社の信用に関する問題ですから、私慎んでおこうと思ったのですが、もうここまでになったのですから一緒になると思いますが、この関係の会社から出てくる製品は、業界では最低といわれております。とにかくもう商品価値がよくぞこれだけのものが売れると、一致したこれは見解です。食糧庁が日本の甘味産業を助成していくということであれば、技術指導もしなければなりませんでしょうし、ただ単に工場をつくった、こういうことで、いまこの時点になって国際的な環境を見誤ったと、激変があったと、これだけでは今回の答弁には不十分であろうと思うのです。間々そういうバナナの問題も出てまいります、あるいは砂糖はもう前から、砂糖そのものが黒い霧に包まれて、政界と何がしかの関係があるのではないかと、いういわれておりまして、また、かつてはえさがそうだというふうにもいわれておりました。そういうふうな姿勢の中に今回の一連のことが行なわれてきたということについて、反省をしたとおっしゃるのでしょう、この調査報告では。しかし、そのものずばりの報告にはなっていない。まだまだ政府としては、ことばの上にももっと反省をし、将来のビジョンをこの中に立てていくべきではないか。たとえば共和製糖の再建の方策に対してこうします、あるいは債権の保全についてはこうします、税の捕捉についてはこうします、こういうふうなものがなければ、妥当を欠くとか、あるいは適切でなかったとかいうふうなことでは私は相ならぬ。そういう私の言わんとするところを含めて、総括的に大臣がおられませんから、次官もおられぬようですし、局長に答えていただくよりほかにない。この問題をどうしますか。融資の面、それから工場の再建の問題、これはどうしますか。この点をお伺いして終わりにしたいと思います。
  178. 大和田啓気

    説明員大和田啓気君) まず、細島にこの甘味コンビナートを建設することの可否の問題でございますが、いま製糖工場としても最低だという趣旨のお話がございましたけれども、製糖工場としては細島の港湾を背景にいたしまして、また比較的設備のいい新鋭の工場でございまして、精糖工場としては私十分やっていっておると、また将来もやっていけるというふうに考えます。これは砂糖の価格等をめぐる全体の問題がございますから、一がいに申し上げるわけにもいかないかもわかりませんけれども、一般の砂糖工場に比べて細島の共和製糖の工場が非常に悪いと、非能率だというふうには私存じません。むしろ業界の中でも新鋭の工場として相当高く評価している人がいるわけでございます。  それから、大臣がおいでになりませんので、私からお答えしてもいかがかと思いますけれども、この調査報告をいたしますにつきましては、私どもといたしましてはできるだけ事実を究明して、そうしていわば黒を白ということをしないで、できるだけまじめにといいますか、あからさまに事実を書いて報告をいたしたわけでございます。今後の問題としまして、当然金融機関として相当な資金を貸し付けておるわけでございますから、その債権の保全をまず十分気をつけてほしいという趣旨のことも書いてございます。現に農林中金等におきましては、先ほども理事長からお話がありましたが、土地あるいは株式等相当な額について現在担保徴求の手続をしておるわけでございます。またこれだけの企業でございますから、まだ実は企業の再建ということもはなはだおかしいわけで、企業として共和製糖がつぶれておるわけではございませんから、再建ということも必ずしも適当でございませんけれども、債権の確保のいわば前提として企業をどういうふうに健全な経営に運営するかということは、これは大問題でございます。いきなり政府が直接とかくいうべきことではないでありましょうが、現在金融機関相互の間においてその経営の健全化の方策について真剣に検討をいたしておるわけでございます。
  179. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) この報告書の結びにも書いてございますが、食糧庁といたしましては今回の調査の経験にもかんがみまして、的確なる糖価政策と申しますか、甘味資源対策一貫性というものがきわめて欠けておったという点は大いに反省をいたしておるわけでございまして、今後糖価問題並びにブドウ糖対策についてさらに深く検討いたしまして、的確な方針を一日も早く確立をする任務を私どもは持っておるというふうに痛感をいたしておりますことをつけ加えさしていただきます。
  180. 二宮文造

    ○二宮文造君 いまの局長の話ですがね、もうすでに農林中金なり公庫なりは一年ないし一年半いわゆる償還を延期しているのですよ。決して企業が隆盛におもむいているわけじゃないのです。ならばこそ今日のような問題が出てきたわけです。ですから企業として再建をする必要はないとか、順調に動いているとかというふうなことを含めた局長の考え方は改められたほうがよろしいと思うのです。  それから具体的にいま局長のほうから、金融機関のほうでそういう問題については鋭意努力されているというふうなお話もありましたので、中金側のほうからその構想を明らかにしていただきたいことと、先ほど申し上げた資料ですね、これを提出していただけるかどうか。これを二点をお伺いして終わりたいと思います。
  181. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) 資料については御提出申し上げることにいたします。  それから金融機関の間でいま相談をしているという経済局長のお話でございますが、この点は具体的に申しますと、御承知のとおり、共和製糖及び共和糖化の菅社長は辞意を表明いたして、緊急の役員会でもそのことが明らかになったわけであります。したがって、われわれといたしましては、現在シャッポがないかっこうで、このままでは対外的な日常の生活をしていくにいたしましても、対外的問題もございますし、まず何を置いてもこのシャッポを至急にきめるということが大事だろうと、こういうことで相談をいまいたしておるわけでありますが、これは金融機関だけではいけませんで、このような事態になりました情勢からいたしますと、当然政府のほうとも十分御相談をした上でなければ最終的な決定は見られないと、かように考えておりますが、経済局長のお話のございましたのは、そういうことをさしてのお話しだろうと思います。
  182. 大和田啓気

    説明員大和田啓気君) いま私が共和グループの事業が隆々としているとか、あるいは経営が健全だというふうに申し上げたというようなお話がございました。私は、そういう趣旨で申し上げたのではございません。資金繰りがきわめて苦しく経営もまた健全とは当然いいがたい状況でございますけれども、会社が動いていてつぷれている状態ではございませんから、会社の再建ということばは必ずしも適当でございませんがというふうに申し上げたわけでございます。会社の経営を健全にするために特段の努力が必要であることは言うまでもございません。
  183. 二宮文造

    ○二宮文造君 先ほど瓜生委員のほうから議事進行についてお話がございました。この際、私も一言申し述べさしていただきたいと思うのですが、昨日の黒柳委員発言をされた中に、民社党の内海清氏云々の件につきまして、同姓異人の間違いでありましたので、記録の中から取り消すようにお願いしたいと思います。
  184. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) それでは、先ほど申し上げましたように、委員長におきまして処理いたします。  午後六時まで休憩といたします。    午後五時休憩      —————・—————    午後六時二十九分開会
  185. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、昭和三十九年度決算外二件を議題といたし、大蔵省決算について審査を行ないます。  これより質疑に入ります。質疑のおありの方は、順次、御発言願います。瓜生君。
  186. 瓜生清

    ○瓜生清君 まず、松野農林大臣にお伺いいたします。  昨日、共和製糖問題に関する農林、大蔵両省の調査報告書提出されたわけでありますが、政府関係の三金融機関の貸し付けの経緯について、政府として最大限の努力を払ったものが収録されておるという、そういう見解を大臣はお述べになっております。私もある程度その点は認めます。しかし、それは私の求めることに答えておるというのではなくして、従来、政府関係者がこの決算委員会においてその場をつくろう答弁をしたり、監督官庁と三金融機関との意見が食い違ったりするというような、そういう醜態を演じたりしていたことに比較すれば、まだましだという程度のものでありますから、そういうふうに受け取ってもらいたいと思うのです。  ここで私はなぜこの問題をわれわれ野党側が重視するのか、また政府のほうからこういう膨大な報告書を出されまして、内容がいかにりっぱに作文されておるといたしましても、私として納得しかねるものがある。それはどういうことに起因するのかといいますと、これは他の野党側の委員指摘されておりますけれども、この共和製糖事件が最近におけるいわゆる黒い霧と申しますか、あるいは政治の腐敗と申しますか、表現は別にいたしまして、日本の民主政治を毒する一つの具体的内容を持っていると考えるからであります。政府の農業政策の変更によりまして、ある民間会社に建設資金が貸し出された、その内容が運営上いろいろ問題があるというような単純な性格のものではなくて、その背後にはゆがんだ政治というものが介在しておるからであります。先日、ある一流新聞がこの共和製糖問題の特集記事の中で、悪徳政治というものがはびこっている原因の一つとして次のような分析をしております。それをここでちょっと一部読んでみますと、「さまざまな悪徳行為のゆえに政治家に非難が集中している。それは当然といえるが、そのかげに、もう一つ批判さるべきものが隠されている。それは、これから「悪党」どもの行為をまかり通させた役人や公共企業体などの役員の卑屈さとその精神的モロサとである。議員はその人格によって選ばれるとは限らない。むしろその集団には、かなりの数のクズがいる。このことは西欧先進国でも同じことであり、また昔の政治家が高潔で、いまの政治家が低劣だとはいえない。利権や汚職にからまる政治家は、明治、大正、昭和前期にもいっぱいいた。だから、政治家というものに対しては、はじめからその点を覚悟して監視してかからねばならぬ。といっても「悪党」どもが隠密裏にやる行為は国民にわかりょうがない。それを一番はじめに知るのは高級役人である。利権や「おかしなこと」は、まず役人を動かさねばモノにならないことが多い。だから役人がしっかりしておれば、政治家の悪徳行為はある程度防げるのである。大きくいえば、政治の腐敗を防止するトリデは官僚組織であり、彼らの心こそが国民希望となる。ところが、いまの日本の一部の役人は、政治家の悪徳行為を、承知してまかり通らせているかのように見える。あるいは私僕化して、そのお手伝いをしているのかと疑われるものさえあるようだ。長いものには巻かれろだの、あの有力政治家のソデにすがって、つぎの就職口を、などと考えているとしたら彼らの精神的倭(わい)小化を嘆かずにはおれない。」こういうふうに指摘しておるのであります。私は、こういうものの見方というものは確かに現状を鋭く追及しているのではないか、こういうふうに見るわけであります。政治家、高級官僚政府関係金融機関、それをたくみに利用する企業家、すなわち共和製糖問題というのはこれらの役者が全部そろっている、その舞台の底を徹底的に究明することが政治をよくする道に通ずる、私はそういう信念を持っておるわけであります。しかるに松野農林大臣のお話を伺いますと、いわゆる行政府としてはこれ以上のことは真相を明らかにすることができないんだ、それには限度がある、こういうふうなことをおっしゃっておるわけでありますけれども、それでは一体どういう手段、方法をもってこの国民疑惑というものを晴らそうとされるのか。そのことについて松野農林大臣所見を伺いたいと思います。
  187. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 農林省、大蔵省公庫、公団に対する監督権、この監督権の範囲内においてわれわれは最大限の努力をいたしました。この監督権以外のものについては、その監督が及ばない、あるいは民間企業に関連することが、これはほとんど、たくさんございます。民間企業の内部における資金の立ち入り、あるいは徴収というものは限度があると私は思います。したがって、そこは公庫、公団の監督権の範囲を越えた場合、取引先の相手方が純民間である、政府関係がないというところに関しましては、要求する書類というものを求める——求めることはできますが強制徴収とか立ち入り監督ということは限度がある、その点までは及ばないということでありまして、行政権の範囲におきましては最大のものを私たちはやった。その見解の相違点はそこにあると私は思います。
  188. 瓜生清

    ○瓜生清君 そういたしますと、大臣、これ以上のことは行政権の及ぶ範囲でないからできない、したがって、かりに国民のそういった政治不信に対する考え方というものを晴らすのは、ほかにとるべき道がない、こういうことですか、伺います。
  189. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 私のほうの今回の報告書は、ある意味においては、相当程度解明ができたと私自身は思っております。しかし、まだこれでは足らないぞという方の御意見については、今日大蔵省、農林省における監督権の範囲としては、これ以上できませんというお答えをしているわけであります。
  190. 瓜生清

    ○瓜生清君 どうも私はそういうお答えでは満足できないのであります。といいますのは、確かに行政府権限といたしましては、いま農林大臣がおっしゃったような、そういう一つのワクというものがあることはわかりますけれども、今度、昨日でしたか、自由民主党の総裁公選に立候補されます藤山愛一郎氏が、いま起こっている黒い霧をなくさねばならないということを表明されております。藤山さんは、佐藤内閣の有力な閣僚であった人でございます。その人が天下にそう宣言をしておる。いま国民の前に具体的な事例として出ておる事件は、共和製糖問題です。ほかにもいろいろあるかもしれません。しかし、国会で主として中心課題となって論議をされているのはこの件でございます。だとするならば自民党とか政府とかそれぞれの立場はありましょうとも、この問題の内部というものを余すところなく表に出して疑いを晴らす姿勢がとられるべきではないかと私は思うのであります。きょうの本委員会で、自治大臣が、議員の名前をあげて献金内容発表されました。その中には自由民主党もあれば日本社会党もあれば私の所属しております民主社会党の議員も含まれております。率直に言いますならば、この問題を掘り下げていって、たとえそれぞれの政党の中に波乱が起こりましょうとも、この際すっきりさせるものはすっきりさせて民主政治の前進のために役立てるぐらいの高い次元からこの共和製糖問題に対して対処すべきではないかと私は思うのであります。そういう見地に立って解明してこそ、国民が初めてなるほどよくわかった、いままでのことは反省してこれからしっかりやってくれ、そういう状態になってこそ初めて私は明るい政治というもの、あるいは責任ある政治というものが確立されるのではないか。そういうようなきびしい環境の中にあって、この報告書以上に現段階において出ないということはどうしても私は納得がいきません。だからそれぞれ政党の中には、あるいは政府の内部におきましてもうみはあるでしょう。けれども、この際こそそれを摘出して、そして国民の政治に対する、何といいますか不信、疑惑、あり方、そういうものを私は直していかなければならないというふうに思うのです。そういうふうないままでの既往の観念とは異って、このときこそわれわれが何もかもはっきりさせてということになりますならば、私はこの農林、大蔵両省の調査報告というものは、事務的に見ればりっぱなものでありましょうけれども、そういうような国民一般大衆というものを理解し納得させるということに役立たない、こういうふうに考えますが、再度農林大臣のお答えをいただきたいと思います。
  191. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 私もたびたび申しましたように、この調査報告書がすべての結論であり、これで終わりだという意味ではございません。今日までの経過に対する事実の調査報告であります。したがって、またこれが土台となって、政府として取りあげるべき処置というものは今後残っております。その意味でこれがすべてで終わりで、これで全部済みだという意味では毛頭ございません。今日までのいきさつの事実の調査報告であります。したがって、ある場合には繰り上げ償還を命じ、これは今後処置しなければならないもの、また共和製糖の担保をどうするか、あるいは国損を招かないようにその債権の保全をどうするかというのは、今後の問題に残ってまいります。したがって、これで全部終わりだ、これが結論でございます、これが政府のすべてであります、これが終わりですという意味ならば、瓜生さんのおっしゃるようにまだ足らないんじゃないかというそしりを私は免れないと思います。これは今日までのいきさつ、ことにその中に行政庁としてこのような調査報告を出したことはおそらく前例がございません。しかもその中に融資の態度、相手方の企業者の選定、あるいは政府としての政策の問題をすなおに認めている点は、ことばは少ないがこれみずからこれだけのものを処理するにはそれだけの事実の調査の上にわれわれは調査報告を出しました。一行文句かもしれませんが、その一行には多大なる実は調査現実をつかんだ上にその一行を書き上げてございます。したがって、瓜生さんのおっしゃる気持ちはよくわかりますが、ただこの報告書がすべての政府報告だというふうに受け取られるとそのような意見が出るかもしれませんが、これは事実だけの、融資貸し付けについての事実調査報告であります。
  192. 瓜生清

    ○瓜生清君 そういたしますと、大臣、これは言うなれば調査報告書の第一部のようなものである、そう解釈します。さらにわれわれの要求なり委員会の論議の過程を通じて、今日ただいまの段階では行政府権限はこうだという、そういう何といいますか理解のしかたを政府当局はされておりますけれども、あとでもしもそれを広げられるということが可能になるならば、第二、第三のこういうものが出て国会の議論の対象になる、こういうふうに考えてもかまいませんが、いかがですか。
  193. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 二公庫一銀行からの貸し付けに関する調査としては、これが最大限であると私は思います。そのために、今後とるべき措置というものは残っております。当然最大の目的はこれに対する政府の、国損を与えない、債権の保全措置、これは今後残っております。したがって、いままでの貸し付け調査についてはこれが最高で最大限のものであるということを申しました。その他のものについては、政府のとるべき処置はまだ残っておる、こう私は申し上げております。
  194. 瓜生清

    ○瓜生清君 この問題はいつまであれしておっても大臣から満足すべき明確なお答えが聞けないと思いますし、私には委員長から四十分程度の時間しか与えられておりませんので、次の問題、具体的な三金融機関と共和製糖との関係についてお尋ねしたいと思います。  第一に、経済局長に伺いますが、この報告書に限定して私が感じますところでは、この共和製糖事件というものは、起こってきたそもそもの第一段階というものは、政府の農業政策の欠陥にあるのではないか、そういうふうな気がしてなりません。たとえばでん粉一つをとらえましても、昭和三十三年には食糧庁長官の話じゃないけれども、丸ビル三倍分の三十万トンのでん粉過剰があったということ。それが三十八年には在庫が解消して正常になっておるということ。さらにまた、昭和四十年の六月には供給不足ででん粉の価格というものが急騰しておること。それはこの中にはっきり書いてあります。このわずか数年の間にそういうふうな急激な変化というものを起こすということ、そのこと自体はそれはいろいろな天候とかその他の現象はありましょうとも、私はやっぱりこういうふうな産業を育成するという農林省そのものの姿勢の中に誤りがあったのじゃないか、そういうふうな感じがするわけでありますが、その点についてお答えを願います。
  195. 大和田啓気

    説明員大和田啓気君) 私ども日本の農業て畑作の振興と申しますか、南九州等、畑作でしかも経営規模の小.さい、そういう地域におけるでん粉の経営上の重さといいますか、重要さは、これは絶えず痛感していることでございます。そこでそういう地帯でなかなかイモ作の転換ということはむずかしいわけでございますし、イモのマーケットあるいはイモからできますでん粉のマーケットが拡大するならば、そこにおける畑作経営というのは健全になるわけでございますから、でん粉イモ作あるいはでん粉工業の振興ということは、農林省の一つの大きな眼目であろうと思います。そういうことを背景といたしまして、しかも昭和三十八年の粗糖の輸入の自由化ということを考えますと、南九州地帯において砂糖の精製糖工場の大規模化といいますか、合理化、あるいはイモでん粉の消費の拡大を目途とするブドウ糖工場の相当大規模なものをつくるということは、私は農林行政として当然考えてしかるべきことではないかというふうに思います。ただ輸入の自由化中心とする事業の激変ということもございますし、また他面日本の農業は現在いわば変化期と申しますか、非常に多面的な変動をいたしておるときでございますから、そういうものが因となり果となって、今度の共和のコンビナートの問題にいたしましても、精製糖の工場はりっぱにできたけれども、でん粉、ブドウ糖、果糖の工場はできなかった、そういう不幸な事態が招来したと、私ども全体としての農業政策としては、考えるべきことを考え、またそれだけの手を打ってきたけれども、不幸にして事態の急変が当初の意図を実現しなかったきわめて不幸な事例の一つというふうに考えておる次第でございます。
  196. 瓜生清

    ○瓜生清君 それは物を平面的に見れば、確かにいま経済局長のおっしゃったとおりでしょう。だけれども、貿易が自由化になるということ、そのことによって国内の産業がどういう影響を受けるかというようなことは、これはだれにでもわかることです。少なくとも政府の要路におられる農林省の各局長はそのくらいのことはおわかりになると私は思うのです。したがって、他の産業というものは、貿易の自由化というものを控えて、自由化になった場合にはこういうような甚大な被害というものがくるから、事前に保護政策をとってきたわけであります。そしてほぼこれならば何とか国際競争にたえ得るのではないかという一つのめどが立って初めて貿易の自由化に踏み切っておるわけであります。昭和三十九年の四月に日本の貿易の自由化率は九四%でありましたけれども、そういうふうな前もっていろいろな対策というものを立てて、初めてそのあとでどうすればいいか、こういうようなことをやっておるわけであります。ところがいろいろな事情があったんでしょうけれども、農林省は、いわゆる自由化というもの、それが行なわれてからあわてて対策を立てたという感が免れません。特に私は国内原糖の資源の量というものはそう多くないと思うのです。だとするならば、自由化の時点において適正な生産規模を持っておったのかどうか、それくらいのことは農林省で把握されておってしかるべきであります。にもかかわらず、こういうような状態が起こって、いやが上にも過剰設備というものがふえておる。そこに共和製糖自体がつまずく一つの要因がある。しかもそういうふうな方向に引っ張っていったのは、先ほど二宮委員質問に対しまして、業界からかくかくしかじかの措置をとってもらいたいという要望がなかった。むしろ反対の空気が強かったということから推測すれば、農林省がいわば行政指導という面でむしろそういう方向に引っ張っていったという印象を私は強く受けるわけです。その点いかがです。
  197. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 国際的農業政策の観点と、国内の観点とはおのずからまず観点が多少違っております。しかし、それを勘案して国際的、国内的農業というものをわれわれは考える。そこで私はこれを振り返ってみますると、必ずしもその当時は大きな誤まりではなかった。その一番大きな例は、三十八年に砂糖の相場が十一セントというのが、二年たった四十年には驚くなかれ一セント幾つに下がっております。この一事を見ましても、だれも想像できない。二年間に五分の一に国際相場が下がったものは、いままでおそらくどの農産物にとってもあり得なかった。これはおそらく予想と反して、現実に大きく農業政策の中の甘味資源の基本が狂いました。当時はおそらく百十五円。おそらくこれをやりましたときには砂糖一キロ当たり百六十円くらいであった。それがわずかな間に九十円を割る。百円を割る。おそらく甘味資源の、これは議会でも議論されました。農林委員会でこの問題では深刻に議論をされたが、だれが見ても百十五円の最低線は国際的であろうと、これを中心に日本のビート、でん粉という甘味資源政策を打ち立てられました。しかし、現実は御承知のごとくもう百円を割ったという、甘味の輸入という輸入糖に影響される。ビートも今日苦労しております。その一番大きな弱体であったでん粉が非常に大きな苦労をし始めた。これは農業政策、国内で想定し得なかった数字現実に出た。しかし、これはもちろん見通しが甘かったということは、それは私たち現実に認めますが、しかし、予想し得なかったものが現実に出た。これは私は共和製糖のみならず全般的な甘味資源の政策として今日言えることだ。これをどうするか。これは農林委員会でも各党を通じて今日の大きな問題であります。いまだに結論というもの、見通しはまだ私も自信がありません。この低価格の砂糖が国際的に永遠に続くならこれに対処しなければならない。しかしまた砂糖のことでありますから、国際的に値上がりするならば、それもまた考えなければならない。今日そういう農業政策の基本に触れて、甘味については軽々に結論が出せない事態に今日なっている。この姿は、私はよしあしでなしに、現実の姿として見ていただきたいと思います。
  198. 瓜生清

    ○瓜生清君 大臣、ただいまのお話でありますけれども、そういうふうな情勢の急変というものがかりに予測できなかったならば、それはそれで、その時点においてどんどん工場建設というものが進められておる、これはだめだというので、精糖に乗りかえた、農林当局、関係金融公庫は、それをあとで気づいた、そういうようなところに私はやはり見通しのずさんさがあると思うのです。ただ、この共和製糖だけでなしに、私の調査ではたしか昭和三十九年の五月に横浜精糖においてブドウ糖工場が完成をしております。そのときにも開発銀行から三億円、農林中金から一億二千万円、日本興業銀行から四億七千万円、合計八億九千万円という、これがしかも国内原糖を主にした精糖工場であります。そういうような一連の動きというものを考えますと、確かに政府としては親切に国際競争というものとにらみ合わせて、国内のいわゆる精糖産業というものを防衛していかなければならない。その意図はわかるけれども、やはり刻々に変化して行く情勢に対応して、傷口の大きくならないような施策というものに欠けておったのではないか、そういうふうに私は思うのです、この点いかがですか。
  199. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 今日振りかえれば完全なものと私自身も思っておりません。しかし、一方、消費者の立場を考えるならば、いたずらにその合理化ができないからといって価格をつり上げる、おそらく今日砂糖価格をつり上げればこの問題解決するかもしれません。しかし、消費者の立場も考えるならば、やはり合理化を進めながら糖価を上げないでいきたい、これが私たちの基本のいまの姿であります。つい先般も砂糖業界から不況カルテルが出ましたが、これを値上げを期待した不況カルテルをやるならば、あるいは甘味資源の総体的なものは救済されるかもしれません。しかし、消費者の物価を考えるならば、値上げを軽軽に認められないというので、今日の不況カルテルは値上げをしない合理化カルテルだけに限定をして先般許可をいたしました。これはある意味においてはこの糖業自身から言うならば非常に無理なことです。値上げをしないでおまえたち何とか立ち直れ。その中で一番弱いのが畑地帯のでん粉、これは国内の生産者のことでもありますから、そこででん粉とビートというのは国内の生産者保護という意味で政府が助成し、融資し、それで政府が価格支持までやっております。その意味で企業化というものと政策というものの中に非常なむずかしい立場が今日ある。私はそれは両面から御議論いただくと私の言うこの苦しい甘味資源政策というものを御理解いただけるのではないか、それで国際相場が安定するならばそれに対応してやればいいじゃないか、それもごもっともです。しかし、今日の最低の二セント足らずのものが安定し得るかというと、いま非常に国際的にはどこでも生産は非常に多い、私は多いと思います。だけれども各国の労賃が値上がりしてくるというならば、この価格を永遠の安定価格とは認められないということを予想しますと、なかなかそこで政策の基準というものが立ちにくい。しかも輸入が一割で国産が九割ならば、これは国際価格を防止できます。けれども残念ながら輸入のほうが八割で国内生産が二割というと、国際的に影響受けることはこれは事実であります。それが甘味資源の一つの国際に動揺される問題点であろうかと思います。
  200. 瓜生清

    ○瓜生清君 そこに私は問題があるのじゃないかと思うのです。国内的には二割、国際的に八割という、そういう比率の中で私はどういうような手を打たれても確かに救済措置というものは私は必要であるということを認めます。またそうしなければならないと思います。しかし、それはあくまでもある一定の期間だけであって、しょせん国際競争力には勝てない、そういうことが明らかになっておる。そういう展望というものがある程度あるということになれば、私は困っておる業界に対して救いの手を伸ばすということは、第三者でありますけれども、そんなものはあくまでも一時的なものである、そういうやっぱり観点に立って、しからば日本の精糖業界というものをどうするかということをお考えになるのが私は政府当局の正当な見通しじゃないかというふうに思うんです。  そこで、この問題で時間を費やすのは、私も、もったいないですから、次にまいります。  まず、次の第一の点は、三金融機関、これについてお尋ねをしたいと思います。私は長い間民間産業で働いておりましたけれども、その感覚からいきますと、この共和製糖事件ほどばかげた問題はございません。こういうことを言うとしかられるかもしれませんけれども、これだけばく大なこういう資金がこんな企業にたくさん出されておるということ、しかもそれが不幸にして今日失敗いたしました。普通の会社ならば不渡り手形を出して、倒産をして、会社更生法の適用を申請するような、そういう状態でしょう。それが今日かろうじて持ち長らえておる。生産減はやりながらでも操業をやっておる。それは一にかかってこの三金融機関のいわゆる援助的な、政策的な融資によって生き長らえておるわけです。それが断ち切られるならば、とっくにつぶれております。そこで、私はこの三つの金融機関を、昨日資料をいただきまして、比較をしてみました。最も健全な貸し出しをやっているのが日本開発銀行であります。これはおそらくあまり文句のつけようがないくらいの慎重さがあります。次が農林公庫であります。最もずさんなのは農林中金であると言っても私は過言ではないと思います。  その一つの例として、日本開発銀行昭和三十九年の十月五日に二億円、以下昭和四十年の九月三十日までに六億円、合計八億円の金を出しておりますけれども、三十九年十一月に実査をしております。これはここに書いてございます。第二番目の農林公庫は三十九年の十月六日に四億円出しまして、約半年後の四十年の三月に実査をしております。ところが農林中金というのは、昭和三十八年の十二月三十日から、これに載っておる金額だけを集計しましても、昭和三十九年の九月三十日までに十億円のつなぎ融資資金、これは短期の資金でありますけれども、それを出しながら実査をしたのは昭和四十年の七月であります。これを言いかえますならば、日本開発銀行というものは、一回金を出して次を出すまでに危険か危険でないか、工事の進捗状況はどうなのか、そういうことを現地に行ってつぶさに調べておるわけであります。ところが片っ方は十億円という金を出しながらその間全然そういうことをやっていない。私はここにいわゆる金を出す側の姿勢の問題があると思うのです。そこで、先ほど松野農林大臣融資の問題につきまして補足説明をされました。四十一年の八月現在で長資、短資合わせて四十八億五千七百万円、これだけ貸しておる。ほかの機関からの借り入れ金を加えれば総額六十七億七千二百万円に及んでいる、こういうようなことが資料として出されております。しかもこの会社は赤字会社です。そして、政府側の見解におきましても、こういうことはどうかと思うと、「適格な見通しが立ちがたい状況のもとに、多額の運転資金を融通してきたことは問題であり、現存債権の整理、今後の融資態度につき、慎重かつ十分な配慮を必要とする。」、こういうふうな見解というものを出しておられるわけです。これは私以外の委員からもしばしば指摘されました。だけれども、本報告書というきわめて具体的な数字の中におきましても、三金融機関の態度にこれだけの差異がある。私はこれは問題だと思うのです。ここにそれぞれの責任者が参考人として列席されておりまするけれども、そういうふうな何といいますか、違いというものが一体どこから起こってきたのか、関係者からお答えをいただきたいと思います。
  201. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 三公庫の差ができましたのは、この報告書で概略その融資対象というもので御理解いただけると思います。中金の場合は、ことに短期融資及び組合的な生産者から買い上げるでん粉融資というもののためにその資金繰りがひんぱんである。またそれが、需要が刻々変わってくるというために出し入れが多いということが一つ問題点だろうと思います。開銀のほうは、比較的今日の場合、直ちに操業が早期にできた。そのために償還が完全に返還された。ブドウ一糖の場合は、その設備資金として投入しましたものが、まだ完成しないうちに流用の疑いがあるために、これは途中で中止しておりますけれども、その融資の対象物、その性質によって変わってきたのじゅなかろうかと思います。  なお、この問題では各行ともいままで特に私のほうは、報告書にありましたように、特別ないままでの前例以上に共和融資に恩恵を与えたというふうには見ておりません。しかし、いままでは企業者自身に信用があったために、その問題は比較的なかったというので、特に疑わなかった点は、あるいは不注意だったかもしれません。特に恩恵を与えた融資は、三行ともしておりません。
  202. 瓜生清

    ○瓜生清君 ちょっと私、メモを忘れましたが、現在ですね、楠見理事長にお伺いしますが、短期の資金というものが、農林中金から共和製糖に対してどのくらい出ておりますか。
  203. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) 二十七億八千万円。
  204. 瓜生清

    ○瓜生清君 そこで、さっき二宮委員指摘されましたが、担保の問題でございます。で、開発銀行は本書によりますと、三十九年十一月に実査して慎重を期しておりまして、完全に貸し付け金額に充当できる担保というものを設定している。それから農林公庫というのは、四十年の三月に実査はしているけれども、この報告書を見てみますと、一・五億円の担保不足。それから農林中金に至っては十億円ある。で、先ほどの御答弁では、それぞれ担保の補強をしていると言われましたけれども、ほんとうにそれが可能なのかどうか。何カ月かたって、一生懸命努力したけれどもだめだったということになるのか、そこの点をひとつ、ずばっと答えてもらいたい。
  205. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) その担保物件の補強につきましては、すでに手続を了しております。
  206. 瓜生清

    ○瓜生清君 手続を了しているというのじゃなしに、絶対自信があるならある、それだけのことはします、あとで御迷惑かけませんという自信がおありなのかどうか、それを伺っているのです。
  207. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) 補強する自信をもって進めております。
  208. 瓜生清

    ○瓜生清君 もしもそういうような理事長のお考えになっているとおりにいかないとするならば、当然責任問題というものは起こってきますが、御承知ですか、いかがですか。
  209. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) 当然責任は負うべきものと考えます。
  210. 瓜生清

    ○瓜生清君 農林大臣はどうです。
  211. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 当然おのおのその責任というものは負うべきものは負うと私は思います。
  212. 瓜生清

    ○瓜生清君 それでは最後に、私時間がきたようでありますから、たいへん残念でありますけれども、質問を行ないまして終わりたいと思います。  それは、冒頭に、この問題を一つの契機にして、現在もやもやしております共和製糖事件というものを徹底的に解明して、そして国民に対してこうなっておるのだということを明らかにするほうが私は民主政治の前進のために役立つのだ、いまたとえそのことによって大小さまざまの影響を政府なり、あるいは各政党なんか受けましょうともいいじゃないか、それを踏み越えていくところにわれわれが政治をよくしていこうという真の姿勢というものがあるんじゃないかということを言いましたが、その中に、いわゆる政治家あるいは役人あるいは特定の団体、企業、この三者がそのときどきに応じて、そしてくっついたり、離れたり、こういうような状態をしながら国民のわからないところで、しかも法律なり規則というようなものに照らし合わすれば合法的な手段でいろいろいわばおかしなことが行なわれておる。汚職がある、あるいはまた手のよごれた政治献金というものがある、そういうことを申し上げましたが、私その一つの例として調査してもらいたいと思いますのは、農林大臣に申し上げますが、これは次回の委員会でもけっこうでございますが、さっき言いました横浜精糖の問題でありますけれども、昭和三十九年の十月一日に農林省の食糧庁の輸入課の班長の某氏、私はあえてきょうの段階では名前を申し上げません。お調べになればわかると思うんです。その方が退職してまもなく横浜精糖に入社し、現在、またその当時から専務取締役に就任しておられます。ところで問題なのは、食糧庁は昭和三十九年当時農林省設置法の規定で砂糖の売買を業務としていたはずであります。特に、輸入課は原糖輸入の監督行政に当たっていたわけでありますけれども、そういうところで勤めていた人が、いま言いましたようなことをやっておる。このことは調査してもらいたいと思いますが、国家公務員法の百三条の第二項に抵触するはずであります。そういうようなことが、ただいまのところ表面に上がっておりませんけれども、経済官庁、それから天下りするいわゆる役人、業者、団体、そういったものの結託というものをますます結びを強くいたしまして、そうしてこういうような不祥事件が表に出る出ないにかかわらず、国民のひんしゅくをかっておる、疑惑を増大しておる、こういうふうに事例がたくさんあるわけでありまして、まだまだございますけれども、私は委員長協力をいたしまして、これで終わりますが、次の決算委員会までにその真相、私の言っておることが調査の間違いであるのかどうかお調べを願いたいということを要望いたしまして質問を終わります。
  213. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 岩間君。
  214. 岩間正男

    ○岩間正男君 この報告書を見たのです。全くこれはわれわれは了承することはできない。この報告書は非常にでたらめです。担保の問題あるいは自分で不当なことを認めながら「しかし」ということばで必ず修飾をしている。こういう性格は明確です。当委員会でこの問題が非常に問題になったときに、被告が被告を調べることはナンセンスじゃないか、同じ穴のムジナが自分たちの醜悪な事態調査することはできないはずだ、当然これは野党を含めたところの調査会を設世すべきだということを言った。はたせるかな出してきたところの報告書というものは、全くわれわれの心配が杞憂でなかったということを証明しておるのです。私はこういうものを承認することはできないです。それでわれわれとしては、この問題をさらに追及していかなければならぬと思うのでありますが、大体黒い霧を黒い手でおおうというようなこのたびの報告書の問題、そしてこれに対して私は時間の関係から聞きたいのだが、責任一体だれが負うのか。この共和製糖の問題ぐらい最近世論を騒がした問題はない。この実態は非常に深く国民の間に影響を与えている。そしてしかも当然これについての責任というものはこれは追及されなければならぬのですが、農林大臣、これはどう一体責任を現在において感じておるか、この点まず先にお伺いしたい。
  215. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 責任を負うべきものは当然負うべきものであると私は思います。しかし、この問題は置ちにどこと結論をつけるにはまだ私は自信がございません。どういう責任をだれが負うべきかという結論をつけるまでにはまだ少し早過ぎると思います。しかし、事実報告をしましたから、おのずからこれに応ずる、対処すべきもの、あるいは負うべきものというものは、これはいずれ出てまいりましょうが、直ちにこれによって責任を負うというまでにはまだ不十分じゃないかと私は思います。
  216. 岩間正男

    ○岩間正男君 にせ領収書の問題が問題になりました当時、これはもうあらゆるやり方でもって否定された、妨害されたのです。当然これは証拠は、疑われたのだから出しなさい、これで潔白を証明したらいいじゃないか、単純な問題です。ところがこれを拒否して、五十日以上になった今日、これに対してはっきり認めざるを得ない、この一点から考えたって、これは重大なる責任を負わざるを得ない、農林大臣あなたの責任はどうです。あなたはどう考えているか。これは当然私は総理が出てきて、ここではっきりさせるべきものだ、昨日からこの要求をしているわけです。しかるに最高責任者がいない、これだけの重大な問題をやるというときに、いまだに出席を拒否している、ここに無責任政治の実態があります。ここに現われている、すでに。こういう形ですが、あなたはどうです。当面のこれは所管大臣としての責任はどうなんです。
  217. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 総理が責任をとやかくする前に、私自身が農林省関係においては全責任を負います。同時にこの問題がまだ究明されない今日、どういう責任を負うかという内容には、これは私触れられません。しかし、この事農林省に関する限りは、総理にとやかく言われる前に、私が全責任を負って今日おるのですから、その結論、見通しというものがつかない今日、どういうという、そのどういうまでは申し上げられないのですが、すべて私が負うべき責任は私が負うということは私が明らかにしておきます。
  218. 岩間正男

    ○岩間正男君 今後われわれはこの事態を見守ります。当然あなたに責任がありますよ。のがれることのできない責任がはっきりあるのだということを明確にしておきます。  次に伺いたいのは、当委員会での問題は、いろいろこれは専門的な追求をやってる。しかし、この問題が国民にどういう影響を与えているかという点での論議はされない。ここは少しやっぱり国会論議の中で欠けたるところがあるんじゃないか。何よりも聞きたいのは、この共和製糖の問題、これが起こって現地の農民がどう言っている。どんな感想、感慨を漏らしているか。この点について、いままで政府機関の中で、この人民の気持ちという問題に立ち入ってこれを調べようとしたことがありますか。どうですか。
  219. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 国民の声をどうやって聞くかということは、われわれもお互い政治家として、常に世論の動向というものは注意しております。ただどういう方法か、方法はおのずから各人その世論の聞き方はあると思います。しかし、内閣においても世論調査をし、あるいは各種のアンケートをとり、あるいは各種の報道関係の紙面において、われわれもそれは敏感に感じております。したがって、今日政府みずから、岩間さんから見れば不十分と言われますけれども、政府としては前例のないこのような調査報告を出したということは、大体出したのが昨日ですから、まだ出す前の時点と、出したあとの時点とは、おのずから世論の動向も変わるであろう。きのうときょうですが、だいぶ私はいろいろな問題を敏感に感じながら、国民の誠意というものを感じて、私はおります。
  220. 岩間正男

    ○岩間正男君 世論を調べてるということですから、現地の農民は何考えてるか言ってください。現地の農民はどうだ、宮崎と鹿児島の農民は。細島コンビナートに期待した……。
  221. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 私も、現地の出身の方が私の身近におります。ことに政務次官としております。したがって、現地出身の国会議員であり、現地の有権者の代表であり、しかも私のそばにおります政務次官ですから、現地の模様は政務次官を通じて私は比較的敏感にこの問題は見守っておると私は思います。言うなれば先般も知事が来られて、この問題についていろいろ心配というか、やはり現地の問題、その内容よりも、やはり地方産業としてひとつの期待を持ったということは、現地のすなおな声だったと私は思います。
  222. 岩間正男

    ○岩間正男君 期待しただけに期待がはずれている現状においてはどうかということを聞いているのです。あなたはそれをつかんでいないんですね。これは当時通産大臣であった、なくなった河野一郎氏は、宮崎の甘蔗地帯を歩き回った。何と言ったか。甘蔗問題は引き受けた、例の河野一流の大みえを切っておった。農民がこれを期待したのは当然だ。ところがどうです。できあがったのはブドウ糖工場じゃないんですよ。日産五百トンの精糖工場であった。農民が期待をかけた原料は、甘蔗でなく、台湾などから原糖を積んだ船がどんどん入るようになって、農民からの甘蔗の買い上げはさっぱりこれはだめだ、こういうことで、農民の期待はすっかり裏切られているんですよ。そこに共和製糖の問題が出ているんです。この声をよく聞きなさい、農林大臣。こういう問題を抜きにしてここの論議が空回りしてはならぬと思う。民主政治とかなんとか言っているけれども、国会といういわば離れ島になりかけている。ここだけの論議じゃ話にならないんですが、こういう点つかんでおりますか。いままで答弁しなかったところを見るとつかんでいなかった。私が言っただけつかんでいますか。
  223. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) ただいま言いましたことは、そういうことを含んで、大いに期待しておったということを申し上げたので、私も宮崎の隣の熊本ですから、同じこのイモに対する、甘蔗でん粉については同じ地域の問題です。もう言わずもがな、おわかりいただきたいと思います。
  224. 岩間正男

    ○岩間正男君 今度はもう農林大臣を恨む番ですかね、農民は。いいですか。あなたそういうことを言って、どう一体この問題に対処するのか、責任はどうするか、はっきりしてもらいたい。  私は次の問題に入るが、政治献金の問題、これは今度の共和事件の背景をなす最も重夫な問題であると言っていいと思う。もしも政治献金問題がからんでいなかったならば、共和事件の性格というものは相当変わっていただろうと私は思うのです。これほど国民の指弾を受けなかったかもしれないと思う。ところが、これだけ過剰融資の問題で騒いでいるときに、その相当な部分がこれは政治献金として流れていっている。きのうもこれは黒柳君が指摘しましたけれども、この報告書は何一つ触れていない。きのう自民党綱紀粛正調査会報告書が出された。これに関して清瀬一郎会長が談話を発表している。それによりますというと、「共和グループ政治団体である新友会から、政界の現職議員七人が、三十八年二万六日から四十年八月十二日」——なぜこれは時間を切ったかわからないが、「十三回にわたって合計千百三十万円を受け取っている事実がわかった」、次に「この金銭授受は新友会からの政治資金規正法による届け出で確認した」、第三に「この金銭授受は現実的に考えて合法的だと判断せざるを得ない」、まことにこれは妙な言い分です。第四に「献金を受けた政治家個人の名前を公表すると、……それらの政治家は政治生命を断たれる結果も予想されるので、個々人の名前を発表すべきでないということで総会の承認を受けた」ということを語っています。私はこのことで質問したい。これは重大なことだ。この記者会見の談話というものは重大な内容を含んでいると思う。  まずお伺いしたいことは、なぜこの合法的な政治献金で政治生命が断たれるかもしれないという、そういうことになるんでしょう、一体。これは全くおかしいではないか。合法的で政治生命が断たれるというなら、合法そのものが合法でないということにこれは結論せざるを得ないわけです。だからこれこそはいかに合法を装おっても共和グループ政治献金が不正きわまるものであるということをみずから立証している。そういうこれは記者会見の談話になる。この点どういうふうに思いますか。これは自治大臣のほうがいいでしょうな、選挙関係で。政治献金の問題はあなたどう思いますか。こんな矛盾したこんなもので人民の目を欺こうとしたって欺かれませんよ。もっとも松野さんは勉強してきたはずだから、きのうちゃんと予告してあるんだから、どっちだ。
  225. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 克明に新聞記事を見ますと、七名の方は発表しないというんですから、私もその内容は知りません。発表しないというんですから私が知る由もなし。ただ、その合法、非合法というのは、その記事だけ読んだんでは、私も舌足らず、ことば足らずというようにも感じますが、しかし、やはり自民党の有能な方が発表されているので、それについてまだ注釈があったであろうと思いますが、記事はそうなっております。したがって、記事を読んだだけではたれに対する是非を言うことはむずかしい。岩間さんは紙面の外のものを理解して御質問になる、私は記事だけの話ですから、質疑としては不十分だと思います。
  226. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは勉強はなはだ不十分と言わざるを得ない。わざわざ昨日、一昼夜前に予告してあるんですから、不勉強だ、あなた、そうでしょう。当然この問題は昨日も問題になったんだ。大きな問題になったんだ。当委員会のいま非常に焦点になっているのだ。当然これに対してあなたは、あなたのほうの調査会長ですから、元の衆議院の議長だ。この党幹部の談話に対して調べてきたはずでしょう。ところが、けさ会って聞いてみると、向こうから調査会の一冊、これ一冊勉強してきた、こういうことですから、そういうことでは話になりません。もう一ぺんこれは答弁願いたい。
  227. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 昨日岩間さんの要求は、岩間さん自身言われたように自民党調査会報告を読んだが、あすまで読んでこい、なければ新聞を読み直してこい、こういう話をされた。だから、私は原本をいただいて読んできた。あなたが新聞記事だけ読んでこいと言われれば読んできたのですが、本物を私は取り寄せて読んだのですから、新聞記事のほうはおそらく重点は違ったと思います。したがって、私は原本を克明に読んでまいりましたが、新聞記事のほうの政治献金の注釈は記事だけで、原本に出ておりません。
  228. 岩間正男

    ○岩間正男君 典型的な官僚答弁と認めます。そんなことであなた、そんな小学生の答弁みたいなことを言いなさんな、一国の大臣でしょう。そういうばかげた、典型的ですよ。あなたの答弁はうま過ぎる。実に味のなさがある、うま過ぎるから。こういうことでは話になりませんが、いまの実態というものは、これは第一に、これは次に聞きます現役の政治家が七人だと、これは全くのでたらめですよ。午前中にもこの問題を追及されたから、あまりやろうとは思わぬけれども、これはここに資料があるんです。膨大な資料をわれわれも持っておる。こういうごまかしをぬけぬけと出すところに解散前のいまの自民党のあわてぶりというものがはっきり出ておる。そうでしょう、どうです。第一に、なぜ昭和三十八年二月から四十年八月というふうに時間を限ったのか。ここのところは悪いところ……、自民党の少ないところだけカットしたに違いない。そうでしょう。われわれ要求したいのは三十七年一月から四十年一月までの間の、この分を明らかにしたらいい。この点について自治大臣、何人ありますか、政治献金を受けた、単に私は個人だけの問題をここでは問題にしたくない。後援会、政党本部への献金も同時に明らかにすべきです。ところがこの点をかくしている。第一に後援会、そういうものの中には明らかにこれは自民党関係の政治家がいます。たとえば第一国政研究会、これは河野派の政治団体であることは明らかなんです。政誠会、これは重政誠之氏の政治団体であることは明らか、月明会は大野伴睦氏、越山会は田中角榮氏、さらに倉友会とか豊心会、こういうものがざらに出てくるのですが、自民党議員に関するこれは政治団体であることは明らかです。したがって、いま昭和三十八年二月からじゃなくて、三十七年一月から四十年一月までの部分を、これはそういうものを含めてどれだけの一体政治献金があったか明らかにしてもらいたい、自治大臣
  229. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) 新友会の三十七年上から四十年下までの政治献金は先ほど申し上げました八千百七十万円でございます。
  230. 岩間正男

    ○岩間正男君 その政治家、政治団体の名義、件数、それから個人名、こういうものを調べていますか。これはどうです。
  231. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) 団体名は越山会、時交会、自由民主党、政誠会、倉友会、対山社、第一国政研究会、日本社会党それから月明会、清和会、豊心会、洗心会、竹友会という会があります。個人の後援会はいま全部拾ったものが手元にございませんので御了承願います。なお個人の関係につきましては、午前中大臣がお答えしたことで御了承願います。大臣がお答えいたしましたので御了承願います。
  232. 岩間正男

    ○岩間正男君 個人の問題は、先ほど午前中のことがありましたから、ここであらためて開くのは、時間の関係からはぶきましょう。大臣、政治家、政治団体名義は二十七、それから個人名義がこれは十一ある。  ところで私が問題にしたいのは、この自民党政治献金です。この内容です。自民党関係はそのうち幾らあります。
  233. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) 三十七年下期に自由民主党本部として二百万円出ております。それから三十八年下期に自由民主党二百万円、四十年上期に自由民主党宮崎県支部として百万円。自由民主党関係は以上でございます。
  234. 岩間正男

    ○岩間正男君 自由民主党って、党についてだけあなた限定したが、私は自由民主党の個人議員、後援会、これを含めての総額を聞きたい。これはトータルできてないんですか。できてなければここでね、これは資料として出してもらいたいのだが、しかし、大体のこれないですか。
  235. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) 自治省といたしまして、届け出されたものの団体、あれはその当該団体の個人がどうということの具体的な調査をする権限もございません。したがいまして、報告上自由民主党という名において提出されたものしか申し上げるわけにはまいらないのでございます。
  236. 岩間正男

    ○岩間正男君 そういうような答弁していますが、これは国会審議の場ですから、その要求があれば当然あなたのほうでトータルをとって出すべきですよ。われわれはこれをやってみた。これをやってみたけれども、あなたたちの確証を得たいと思っていま聞いたんです。これは大ざっぱですけれども、不明な、わからないのもあるから、そういう不確定分子というものを入れないで約七千万円だ、この七千万円というのは新友会昭和三十七年から四十年までの間に出した総政治献金、この総額、これは先ほど発表になりましたが、幾らでしたか、念のために聞いておきます。
  237. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) 八千百七十万円でございます。
  238. 岩間正男

    ○岩間正男君 これの八〇%以上に当たる。しかもここではっきりしておかなければならぬ問題は、これは自治省に届けられた部分だけだ。ところ.がもう世の中では、これは公に届けられたこの金だけを問題にしているのじゃない。裏献金があるのだ。何倍かの裏献金があるはずだ。ですから、大体、規正法に届けられる金の五倍から六倍くらいの裏献金が行なわれているというのは今日政界の実情じゃないのか。そう考えてまいりますというと、少なくともこの四年間に共和製糖グループの政治団体友会から四億から五億の金が動いたとこれは見られる節があります。これが共和製糖汚職の実態じゃないですか。先ほどの金融の問題でいけば、五十億前後の金が過剰融資で動いた。そのうちの約一%の金が政治献金として動いている。これが今度の非常に重大な共和製糖問題の背景をなしている問題です。この問題を抜きにして共和製糖の問題を論ずればその全容を国民の前に明らかにするというわけにはいかない。しかも最近、どうです、アメリカ軍が占領をして、仕事をやるというと一〇%のリベートを送るというのは日本のしきたりの中に入ってきているのだ。安保条約以後の姿なんだ。安保体制下における日本の半植民地体制の中に行なわれているこの姿が今日はっきり出てきているのじゃないか。この上に皆乗せられているのじゃないか。これが実態じゃないですか。私はこの性格をはっきりやはり政治的に分析し、政治的にこの問題を徹底的に論議するというのが当委員会に課せられた任務だと思うわけでありますが、自治大臣、どうですか、こういう実態についてあなたはこれも官僚答弁でまことに何とかそこのところほおかぶりで切り抜けようとしておるのでありますが、もう少しざっくばらんに、こういう実情について御存じだろうと思うから、あなたも参議院自民党の幹部をされておったんですからいろいろ御存じだと思いますから、どうですか、いかがですか。
  239. 塩見俊二

    国務大臣塩見俊二君) せっかくの岩間委員お尋ねでございまするが、寡聞にして承知をしないのであります。また私ども官僚的な答弁というおしかりでございましたが、ここで責任を持って答弁をする主管事項は限定をしておりますし、その範囲でお答えをせざるを得ないのでありまして、ただいままで御答弁申し上げたとおりであります。
  240. 岩間正男

    ○岩間正男君 やはり当委員会の劈頭から要求した総理の出席が依然としてこれは必要ですよ。どうなんですか。総理の出席なしにはこの問題の焦点がぼける。どうなんですか。やはりこれはどうしても要求をする必要があると思う。少なくともこの前の衆議院の決算委員会には官房長官が出てきたはずです。当委員会を軽視するもはなはだしいと思うのですが、こういうことについて自治大臣自分所管はここだけだと、こういうことですから、全然政治答弁をする主体がない。責任の所在はどこにあるのか。空中分解ですか。こんな形でこれほど世論を騒がした問題が論議されておるという、こういうことに問題があるのじゃないですか。この前、五日間、大森議員がこの問題を取り上げて、それから当委員会協力をして五日間やったはずです。この問題相当に追い詰めたと思って、報告書を待って論議され、結論に近づきつつあるようなこういうかっこうの中で、これは総理も官房長官も来てない、みな所管大臣は所管のそこだけですわっている。あなたたち国務大臣であることを忘れている。国務大臣ですよ、大臣。国務大臣責任はどうするのだ一体国会の中での国務大臣の論議というものを、その点も含めてやればいい、だから私は官僚答弁と失礼ながら申し上げたのです。そうでしょう。国務大臣であることを忘れちゃだめです。私はそういう形でやられているのに、これは委員長にもなおさらに要求してほしいと思います。  進みますが、自民党はこのようなやり方で甘味資源確保、精糖事業合理化を口実に、共和製糖グループに力を入れ、高級官僚たちと結託して政府関係金融三行を通じて政策金融の名で過剰融資を慫慂し、また国有財産を時価の数十分の一で払い渡し、こうしてともどもにやみ会社を太らせることによって、みずからの政治資金を同時につくったんじゃないか。共和製糖グループはまさにこのような汚職政治の母体、資金源の最も典型的な姿じゃないですか。この実態が今日いまわずかの追及の中でもはっきりこういう性格が出ていると私は思います。共和製糖事件はいわば自民党の腐敗堕落の政治の産物だ。そうして典型的な所得倍増計画の中に咲いたところの悪の花だということを私は断じて差しつかえないと、こういうふうに思うんです。しかもこの問題は九牛の一毛です。これに類した例というのは枚挙にいとまがないんじゃないか。共和製糖は資本金十億足らずのこれは会社のはずだ。資本金十億以上の会社というのは日本に幾つあります。大蔵当局から聞きたい。銀行局長幾つあります。
  241. 澄田智

    説明員(澄田智君) ちょっと手元に資料がございませんので、お答えいたしかねます。
  242. 岩間正男

    ○岩間正男君 そんなの銀行局長わかっていないのか。ちょっと電話かければわかるんだから調べて報告してください。こういう実態ですからこれは推して知るべしですよ。私の質問が終わるときまでに電話かければわかる。そんなことわからないで銀行局長つとまるんですか。  次に進みます。七人の名前を公表すれば政治的生命が断たれるおそれがあるなどと言っても、しかし、これは全くのおためごかしです。これは全く黒い霧をいま鋭く追及しようとする民主勢力、民主政党のほこ先を私は鈍らせようとする陰謀であるというふうにはっきり断じていいと思うんです。社会党民社党議員の献金なども問題になっている。この問題については、当然、社会党民社党の諸君は自分責任においてはっきり国民の前にこれは明らかにされると思うから、私はこの点についての問題をここであえて論議しないけれども、当然それは義務でもありますから、この点についてはあえて論議をしません。しかし、このような献金、これは最初から仕組まれた落とし穴じゃないですか。落とし穴でないのか。自民党は大部分を取る。しかし、一部分は渡しておいて危険分散をやる。こういう事態が起こったときに、このような記者会見のこういうような言い方でもって同罪に落としていこうとする。明らかに陰謀があるものじゃないか。私は、こういうようなあくどいやり方のためのこのたびの民主党の綱紀粛正調査会報告書なるものは、絶対にこれは信用できないし、絶対にごまかしであるし、むしろこういうことはやめて、粛党とか何とかいっているのですから、はっきりこの真相を国民の前に明らかにして、このようなきたない政治の実態を改めるために努力すべきだと思うのです。その結果、当然その責任を負わなくちゃならないのは、これは自民党です。ところが、自分たちのそのような非を何とか擁護し、何とか隠蔽し、これをごまかそうとしている。そうして、思わせぶりな、まことに自民党は一人しかいない。社会党は五人いる。この名前を明らかにすれば、政治的生命が絶たれる危惧があるなどといって、逆に問題をすりかえてきている。この悪らつな陰謀については、絶対にこれは許すことはできない。自民党総裁がいないということは、非常に私は残念だ。だからあとで当然やはりこの点を明らかにしなければならぬ、そんなことで国民はだまされはしないし、そんなことで国民がだまされると思ったら大きな間違いですよ。こういうときにほんとうにはっきり立って答弁できる人がいない。そこに責任不在の政治、これがはっきりあるのです。委員長どうです。そういう点からいって、私は総理の出席をあらためて要求したいし、当然総理ははっきりこれに答えるべきです。そう思いますが、委員長にこの点を伺っておきます。
  243. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 委員長といたしまして、きのうから、またけさ、あるいは昼、さらに、先ほど以来引き続いて総理の出席、官房長官の出席を求めているところであります。
  244. 岩間正男

    ○岩間正男君 私は次に聞きたいのは、国民が何といってもがまんがならないことは、赤字欠損申告をしているこの共和製糖グループが、一方においてこのような多額の献金国民の目をごまかしてやっているということ、数億の政治献金をやっているということ、こういうことは許されていいだろうかどうか、国民の道義の名においてこれは許されてならない問題だと思うのです。したがって、私は、まず国税庁長官に尋ねたい。国税庁長官はこの事実に対して一体どういうふうに考えているか、また、どのような措置をとろうとしているのか、伺いたいと思います。
  245. 泉美之松

    説明員(泉美之松君) 共和関係の各法人の政治献金は、その他の、政治献金以外の寄付金と合わせまして、法人税法上御承知のとおり寄付金の損金算入限度というものがきめられおりまして、資本金の千分の二・五と所得の百分の二・五の合計額の二分の一をこえるものは損金に見ない、こういうことになっております。その計算でいきますと、所得のほうの関係では、おおむね欠損でございますので、基準が出てまいりません。したがって、資本金基準が主として計算に出てまいりまして、それに基づいて計算いたしますと、寄付金の損金算入限度額を超過するものがかなり出てまいると思います。したがって、それは当然損金に算入しないという処理をすることになるわけでございます。ただ、遺徳ながら他の損金が多いためにそのようにして利益に加算いたしましても、全体としては欠損になっておるのが現状でございます。したがって、私どものほうとしましては、昨日から申し上げておりますように、今回さらに特別に調査を実施しておりますが、その調査の結果はまだ調査中でありまして、結論を得ておらない、こういうのが現状でございます。
  246. 岩間正男

    ○岩間正男君 計算によれば損金算入の限度は幾らになりますか。
  247. 泉美之松

    説明員(泉美之松君) これは各事業年度ごとにそれぞれ違ってまいりまして、非常にこまかくなりますが、共和製糖で申し上げますと、たとえば昭和三十六年十月から三十七年九月期までですと、寄付金総額の二百四十万八千円のうち限度超過額は二百三十万一千円、三十七年十月から三十八年九月までの期でございますと、寄付金総額八十八万四千円のうち八十四万六千円が限度超過額、三十八年十月から三十九年九月期までの事業年度では寄付金総額八百二十八万二千円のうち七百三万五千円が限度超過額、三十九年十月から四十年九月までの事業年度では四百八十一万七千円の寄付金総額のうち二百万七千円が限度超過額になっております。
  248. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは計算の基礎がはっきりするだろうと思うが、共和製糖の資本金は、これは幾らに踏んでいるんですか、いまの計算は。
  249. 泉美之松

    説明員(泉美之松君) 最初の三十七年九月期のときは、資本金三千万円でございますが、三十九年九月期に三億二百六十四万三千円、それから四十年九月期が八億円、こういうふうに資本金が変動しているからであります。
  250. 岩間正男

    ○岩間正男君 そうすると、損金算入の額をはるかにこえたのが数年続いて、政治献金。これははっきり認められるわけですね。そのトータルはどれくらいになります、こえている分は。
  251. 泉美之松

    説明員(泉美之松君) 共和製糖について申し上げますと、先ほど申し上げました一千二百十八万九千円が限度超過額になるわけでございます。
  252. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは国税庁の計算ということになりますが、これは対照して見ればいいのですが、一千二百万円の出すべからざる金、これは法的にもはっきり違法の金が出ておる。これは認めざるを得ないでしょう。そうすると私たちは、政治家諸君、自民党の諸君に岡かざるを得ない。当然こういう会社では政治献金を禁止すべきでしょう、道義的に考えたって。どうです、法的に考えたってこれは禁止すべきです。ところがまつ先にこれはとっているんじゃないか、これが実態じゃないですか、政治献金。明らかに違法です。この違法をおかしてなおかつやみ太りに太っていくという政党の正体というものは何だ、私はこういう意味から、昨日も大森君からも出ましたけれども、当然このような金は少なくとも国庫にこれは返還すべき、そういう性格のものだ。あるいは当然これは取り上げるべきところの性格のものだと思う。これをやらなければ国民は信用しませんよ。法的にも違反ですよ。道義的にも問題にならない。そして、この氏名を公表すれば政治的生命が奪われるかもしれないという暗黒に閉ざされた形のこのような形の政治献金がこのまま行なわれているということは許されていいのだろうか。この点は私は当然これは国税庁長官としては、国税庁自身の権限においてもこういう問題は措置すべきだと思う。昨日の大蔵大臣の答弁によると、そういうことはできないというようなあいまいな答弁をしたけれども、国民の前にこんなこと通ると思いますか。国務大臣どちらか答えてください。国務大臣としてお聞きしたい。
  253. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 政治献金というのは、その出所を、当然政治献金の趣旨及びその目的は厳正にしなければならないと思います。ただいま国税庁長官は税法上における説明を申しました。しかし、必ずしもその会社の利益に応じてそれでは政治献金は当然取っていいというものではこれは、断じてないと思います。税法上における措置というものと政治献金というものは、おのずからそれは目的と立場は異なって政治献金というものは厳正に行なわれるべきである。ただ税金だけで政治一献金の是非を議論する以上にわれわれは、道徳とモラルを政治は持つべきであると、そこに多少の観点は私は違うと思うのです。
  254. 岩間正男

    ○岩間正男君 国民がいまの答弁をよく聞くでしょう。松野さんの答弁国民が了解すると思っていますか。たいへんなことですよね、いまのような答弁でまかり通ることはできない、絶対に。むしろいさぎよくこれは国庫に返還すべきです、少なくとも。そうしてこれは一方は脱税の道具に使っているじゃないですか、こういうかっこうです。実際に脱税の道具になっている。脱税をこれは援助しているかっこうにもなっているんですね。こういうことを認めておいて国民の納税意識というものはこれは高まると思っていますか。国税庁長官、大蔵次官——大蔵次官もいるはずだ、どこへ行った、答えなさい。
  255. 泉美之松

    説明員(泉美之松君) 先ほど松野農林大臣からお答えくださいましたように、寄付金の損金算入限度額をこえる金額は税法上損金に算入しないということでありますが、その限度超過額、損金算入の限度超過額は直ちに違法なものであるというわけには私、まいらないと思います。これは税法上の処理の問題でございますから。  それから、なおつけ加えて申し上げますと、私がいま申し上げました限度超過額には必ずしも政治献金だけでなしに、その他の寄付金も含めまして限度額の計算をいたしますので、その点を御了承いただきたいと思います。問題は、そういう政治献金をするということが脱税だというようなおことばでございましたけれども、私、すぐにそれが脱税には結びつかないと思うのでございます。
  256. 岩間正男

    ○岩間正男君 次官はどうした、次官いないのか。聞いたでしょう。もう一ぺん言わなくてもいいだろう。
  257. 小沢辰男

    説明員(小沢辰男君) いいえ、もう一ぺん言ってください。
  258. 岩間正男

    ○岩間正男君 もう一ぺん繰り返すのもあんまりかんばしくない。国会の権威に関するよ、国税庁長官に聞きなさい。
  259. 小沢辰男

    説明員(小沢辰男君) たいへん失礼いたしました。  ただいまの御質問は、政治献金限度額をこえるようなもの、これは先ほど長官が答弁いたしましたように、損金に算入しないということでございまして、それが直ちに違法であるかどうかということにつきましては、私は全然別個の問題として考えなければならない問題だと思います。
  260. 岩間正男

    ○岩間正男君 泉国税庁長官のただいまのような答弁だとすれば、共和製糖の赤字欠損申告の実態も、これは明らかにしなければならぬでしょう。これ要求します。資料として出しなさい。それでなければ、あなたの裏づけはない。どういう内容が行なわれているか、われわれは信用できない。これは委員長要求しておきます。赤字欠損の申告、これを対照しなければ、千二百万——目に見えたのだけでも、明らかにこれはごまかしがあるのだから。それと、これをどういうふうにこれは補てんし、どうなるのか。赤字欠損申告の概要だけでもいいが、当然出さなければ当委員会の審議というものは進まないわけです。いかがですか。この正体明らかにしてください。当然出すべきですよ。そうでなければ、あなたの答弁成り立たないですよ。委員長要求してください。
  261. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 小沢政務次官、いかがですか。いいですか。
  262. 小沢辰男

    説明員(小沢辰男君) 私、岩間先生が私ども国税庁の立場でお問い合わせがあったことにつきましては、先ほど長官がお答えしたとおりでございまして、その内容等につきまして資料と言われますけれども、それは私どもの所管でございませんで、政治献金の問題は別個の問題でございますので、その方面から資料をとるならとっていただきたいと思います。なお、赤字会社が政治献金をしては違法かどうかというような点につきまして、これは御承知の交際費の範囲内かどうか、それは範囲内のものは損金に算入するという、税法の立場ではその範囲においてあるものと考えております。
  263. 岩間正男

    ○岩間正男君 だから欠席してならぬと言うのですよ。そんな答弁をしているからおかしいことになるのだよ。先ほどのがさっぱりわからぬことになる。千二百万円損金算入よりもこえているということを答えている。そのことで論議しているのですよ。それをもとへ戻してそういう論議をやったって話になりません。それから政治献金資料出せとあなたに言ったのじゃないのだ。赤字欠損の申告をやっておるはずです。だから、その資料を出さなければ、われわれ対照しようがないじゃないか。千二百万をこえておるかどうかということはわからないじゃないですか。当然これは出すべきでしょう。そうでなければ、あなたたちことばには裏づけがない、そういうことになりますよ。どうですか、国税庁長官、当然これはこの資料として提出要求します。
  264. 泉美之松

    説明員(泉美之松君) ただいま私が申し上げました数字は、申告の数字だけではございませんで、税務当局におきまして調査した金額が入っておるわけでございます。したがって、お話のように、申告の内容をちょっと出すとか、あるいは調査内容を明らかにするということは、いろいろ問題がありますのでお許しをいただきたいと思います。
  265. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは委員長において取り計らっていただきます、当委員会の権威にかけても。そうして、これはずいぶん、さっきから問題になっている問題だ。政治資金の問題といういまの問題の中でも必要ですけれども、この申告の問題については、あとで理事会ではかってもらいたい。そういうようなことを言ったってこれは話になりません。というのは、このような脱税まがいのことが実は権力支配の中で擁護されて巧みに行なわれているというのが日本のいまの実態じゃないかということを私は指摘したいからです。政治家のそでにすがるというと税金まけられる、こういうことばでこれは大衆は表現しているのです。そうでしょう。税金をまけさしておいて、その一部分をリベートとして取るというのがいまの政界汚職のひとつの姿じゃないか。私はここにも非常に大きな問題がある、こう思うのです。したがって、この問題を解明するためにも、これは非常に重大な資料でありますから、私は、いまのようなことで、あなた、事態をごまかせば、ますます国民疑惑は深まるばかりです。国民の納税意識は低下する。そうでしょう。一方で、あなたたちの過酷な徴税によって自殺している人が何人もいるのだ、中小企業は。中小企業の倒産数はどうなんだ、自民党内閣のもとで。そういう事態の中で、一方でこのような不正が行なわれているのだ。この問題を対照しないで、どうして国会の論議が進むか。私はそういう点からいいまして、当委員会の当然の責任をやはりわれわれとして負う、そういう立場からいまの資料要求して私の質問を終わります。
  266. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) いまの岩間君の要求につきましては、後刻委員長理事打ち合わせにおいて協議いたします。
  267. 澄田智

    説明員(澄田智君) 先ほどお尋ねの、資本金十億以上の法人でございますが、四十年三月末の数字でありますが、九百二十六社ということになっております。
  268. 相澤重明

    ○相澤重明君 だいぶ時間もたっておりますから、できるだけ簡略に質問をしたいと思うのですが、少し角度を変えて質問をしますので、政府側からもわかりやすく答弁をいただきたい。  まず第一は、農林大臣お尋ねをするわけでありますが、きのう出されましたこの報告書ですね、今朝の閣議であなたは総理大臣に報告をされたのですか。
  269. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 総理大臣に報告じゃありません、閣議で昨日の内容について概略の報告をいたしました。
  270. 相澤重明

    ○相澤重明君 総理もこのことについてはたいへん心配をされておって、黒い霧を払う、これをなくすということに与党自民党としても、また内閣としても方向をとられておるわけですね。  そこで、昨日のこの大蔵、農林両省の共同責任による報告書は、けさの閣議の重要なやはり問題だと私は思うのです。そうならなくてはならぬと思うのです、私自身としては。そこで、いまあなたに、閣議にこれを報告をされたかどうかという点をお尋ねしたわけなんですが、その際、あなたが御報告されたとすれば、あるいは大蔵大臣が報告されたか知りませんが、総理は一体どういうことを言われたのでありますか。何にも言わなかったのですか。それとも、これでいいということだったのか。なお、あなたの御説明のように、この報告書は八〇%程度の調査報告である、こういうことに対して、これからどうしようという総理のおことばがあったのか、この点はいかがですか。
  271. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 私が報告をいたしまして、補足的に大蔵大臣がそれについて発言があり、自治大臣も昨日委員会に御出席でしたから、それに対する短い発言があり、総理は特に発言というものはありませんでした。しかし、総理は非常に私たち発言を全部熱心に聞いておられたように私は思います。特に総理が発言がなかったというのは、私自身がそういう意味でこういう実情である、こういう角度であった、委員会の審議はこういうところに重点があった、こういうところは明快になったと思うという概略的な報告をいたしましたら、うなずいておったというのはあれですが、お互い顔を見合わせておりました。
  272. 相澤重明

    ○相澤重明君 私はいまの松野農林大臣閣議における報告についての総理の態度そのものがやはり心配なわけです。それだけで、一体、これだけの世間を騒がした、しかも、衆参向院、国会において、そうして関係常任委員会等で審議されたその報告が、内閣を統轄をする総理大臣として反応がなかったというような印象、私はあなたがうなずいたとお話しになるように見受けられるが、何らか一言これはあってしかるべきではないかと、こう思う。この点が、もし、あなたも、まあ直系か、最も相談のよい仲間か知りませんけれども、いずれにしても、総理大臣があなたと大蔵大臣の共同責任において、政府責任においてつくられた報告書閣議報告をされたのに、その最高の責任者が何にもものを言わぬ。おしであれば別ですよ。つんぼであれば別ですよ。しかし、少なくとも、今日、佐藤総理が北海道の一日内閣をはじめとして、あるいは予算委員会においても、あるいは自民党の党紀粛正の問題についても、黒い霧を払うということについても、異様ないわゆる今日の政治の中における立場をとっておる総理が、責任者である総理がものを言わぬということは、私には納得できない。  そこで、これはあなたの報告が悪かったとは私は申し上げません。悪かったとは申し上げませんが、それだけ総理は無関心であったのか、この点を私は聞きたいのです。これは、あなたのいま一回の答弁によって、あなたの答弁いかんによっては、直ちに総理大臣に出てもらう。直ちに出てもらう。そんななまやさしいものではないと私は思うのです。こういう点について、いま一度ひとつ御答弁いただきたい。
  273. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 共和問題については私は時々刻々ほとんど常時、総理には私の感触を話しております。したがって、私の所管する限りにおいては、時々刻々、会うたびに経過内容について知り得ることは報告しております。したがって、先般の記者会見のときも、私の報告をもとにおいて発言されたと思います。また、あるいは、私がおりませんでしたが、予算委員会において、参議院でももしこの問題が出たら、私の報告に基づいておそらく発言をされたであろうと思います。いつ、いかなるときでも、私の承知していることは総理は全部承知していると思います。したがって、深く発言があろうがなかろうが、総理の心にはこの問題について、私の知識と同じ内容は御存じです、こまかいことは別として、方向は。したがって、総理が発言されなかった理由の一つは、本日も決算委員会が継続してございますということを報告してあります。したがって、総理はうなずいておられましたから、本日の決算委員会は、いずれまた近いうちに報告するつもりです。もちろん、新聞紙上でもごらんになっておると思います。そういう意味できょうの発言がなかったというのは、私はきょう発言を総理から求める気持ちもございませんでした。どうしてかというと、報告、同時に委員会の模様を報告するにとどめ、きょうも実は十時から継続して委員会がございますということをつけ加えておきましたが、それにもうなずいておりました。直ちに総理がこの問題でどうという結論は、総理自身が今後おきめになることでありましょう。また今後どうしろと御指示があるかもしれません。しかし、総理はこの問題は、私か知っている方向——こまかな問題、数字内容がどうこうということではございません。内容報告は時々刻々私はいままで一カ月間、終始お知らせしていると思っております。
  274. 相澤重明

    ○相澤重明君 先ほども申し上げたように、内閣の中でも最も総理に近いあなたですから、いまのあなたの答弁のように、それは、あなたが言うことは総理も承知しているだろうし、総理の言わんとするところは——あなたも担当のものは責任を持っておると私は思うのです。思うが、少なくとも、昨日の本委員会において、総理の出席要求がこの委員会において、委員発言にあった。そうでしょう。あなたはこの報告書を内閣、いわゆる閣議報告をすると同時に、本日の委員会がある、こういうことを言われれば、当然総理はそれに対して、じゃ私が出ていかなくてもいいのか、あるいは、そういう委員会の運営、審議の中にはどうしなければいけないかというくらいのことは私はあってしかるべきではないか。それが、あなたを信頼することは、十分信頼しておることは私はけっこうだと思うのです。これは同じ党であり、同じ派閥——いや派閥はとうか知りませんけれども、いずれにしても、とにかくあなたを信頼しておることは、それはけっこうです。けれども、少なくとも、本委員会において委員から総理の出席要求のあったことは、あなたはこれはっけ加えてお話しになったのですか。
  275. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 当委員会における運営の問題は、私は理事の方からお話を聞きます。理事の方は当然所定の手続をとって官房長官には届いておると私は思います。したがって、その問題は私がお話をしなくても、おそらく、当委員会には有能なわが党の理事がおられますし、国対もおられますし、官房長官とも連絡あると思いますから、これは当運営においておのずから立場は違っても御理解いただける。私が委員会の運営まで総理に報告しなくても、それはおのずから党と内閣というものとの連絡はついておると私は思う。そこまで私は説明はいたしませんでした。
  276. 相澤重明

    ○相澤重明君 私の実は非常に残念なことは、昨日、本日と二日間にわたるこの本院の委員会の運営について、理事会を随時開催しておるわけであります。その理事会を開催しておる中に、与党の理事の諸君もここにおりますけれども、与党の理事の諸君からいえば、まだ総理が出席する必要性が少ない、こういう考え方で、実は総理並びに官房、長官の出席を実は実現ができない状態なんです。ところが、あなたもきのうからお忙しい中を出席して本院で誠実に答弁されておるように、各委員からは総理並びに官房長官等の出席を要求しておるわけです。発言のたびに各派からもそういう意見が出ておるわけです。そうしますというと、私は本院のいわゆる理事の諸君は出先の機関として、出先の機関の運営を預かる理事としては、やはり限度があると思う。これはその点については、やはり党の首脳部と、そうしてまた、内閣との十分な理解と協力なくしてはこれは実現できないと私は思う。そういう音心味で、あなたがもしもこれだけの大きな問題を解決をされる努力をきれるということで、本日の閣議報告書を御報告になったということであれば、そういう本委員会の運営の状況というものもつぶさに報告をされたのではないか、こう実は私は思ったわけであります。そういうあなたの態度があれば、同時に与党の理事の諸君が努力をされておるわけでありますから、その努力と一致すれば、私は総理も、あるいは官房長官も本委員会に出席をされるのではないか、こういう点を実は考えたのでありますが、残念ながら今日まで実現しておらない。私は、そういう意味で総理の出席を強く要求をするわけでありますが、それはやはりこの報告書がせっかく出されて、そうして、この問題に少なくとも今後決着をつけていこう、こういう立場に立つ限りは、私は少なくとも内閣の総責任者である総理が出て、そうして野党の言うことも、与党の委員の言うことも、決算委員会としてのいわゆる質疑を通じて国民の前に全貌を明らかにすると同町に、内閣の姿勢を私は正していくべきだ、内閣の姿勢を国民の前に明らかにすべきだと、こう私は思うのであります。こういう点については、今出までの段階では、総理が出席できないという状況で、まことに私は遺憾に思うわけです。この点についてはいかがですか。これは率直に、松野さんと自治大臣と、お二人大臣が御出席なんでありますが、その点、私は閣議というものがやはり国内の政治——国際的なものももんちろんでありますが、しかし、国内の今日のこの事態を直視すれば、この問題というものはきわめて私は大きい問題である、こういう点を実際に十分とらえておらないのじゃないか、こういう点を心配するわけであります。いま一度ひとつ御答弁いただきたい。
  277. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 少なくとも、今日決算委員会で取り扱われておりまするこの問題は、最近にない大きな問題であります。また、行政官庁としても前例のない報告書を出しました。その一事を見ても、内閣自身がこの報告書を出す前には、総理に、この方向でこうやるという私は意見を言っております。報告書を出すように私はいたしますということも御報告してあります。すべて大体大きなことは総理に一々、御了解とか指示とかいうことはありませんが、私の方向を示して、総理はうなずいておられるということで、私の今日とった態度は総理も是認されております。また、内容は、大体逐一大きな方向はお話ししてあります。したがって、昨日の決算委員会、本日の決算委員会、総理ももちろんどういう討議があったか、どういう内容があったかということは、これは非常な関心をお持ちである。ここまでは私は当然なことである。ただ、委員会の運営は、御承知のように、これは私は大臣というよりも、お互いに議員として理事が責任を、各党の代表者として出ておられるわけですから、私も当委員会の運営については、松野頼三よりも、わが党の理事の方のほうがよっぽど権限と権能を持って出席されておる。それでなければ、われわれは委員会の運営ができません。したがって、委員会の運営に、幾ら農林大臣であろうと、わが党の理事にとやかく言ったことはありません。理事の命令で私は出席しているのです。そこは御承知のとおりです、政党の立場として。その意味で総理にはおそらく当委員会の理事から逐一報告をされておると思います。されておるにきまつ.ております。しかし、総理自身の判断、あるいは理事諸君の判断、または総理自身の今日の政務上の問題で判断されるべきことであって、私が言うから言わないからということと出席問題は、これは別であると私は思います。
  278. 相澤重明

    ○相澤重明君 私は、与党の理事諸君が二人おるわけですからひとつ、いまの大臣のことばはもっともだと私は思います。やはり委員会を尊重するという、国会を尊重するという立場で大臣が御答弁になっておるのも、もちろん私はそれでなくちゃいかぬと思います。そこで、ひとつ早急に、私は質問を続けておりますから、ひとつ内閣に対して、総理並びに官房長官いずれでもけっこうです、この時間になれば、どちらが先に出られるかわかりませんから、そこでひとつ与党の理事の諸君に出席方を督促をしていただく、こういうことを委員長にお願いしたいと思うのですが。これは私から御要望しておきますから、御連絡をしてほしいのですが、私は質疑を続けておりますから。  そこで私は、時間の関係もあるので、やはりまとめてできるだけ中心的に御説明いただきたいと思うのでありますが、この報告書に基づいて各委員から質問がありましたように、農林大臣の御答弁を聞いておると、いわゆる農業政策の中で、しかも、甘味資源を確保する政府の方針が、当初の方針はよかったけれども、経過的に今日考えてみると、やはり十分ではなかった、こういう反省をお持ちであることは間違いはございませんか。
  279. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) そのとおりであります。
  280. 相澤重明

    ○相澤重明君 そういたしますと、これは事務的にひとつ聞いておきたいのでありますが、経済局長は、あるいは食糧庁長官は、前の食糧庁長官がこの甘味資源確保のための細島工場の建設に対して、該当の会社のこの申請に対して、関係金融機関に対して融資のあっせんをしたわけですね、そういうことになっておりますね。これは、この点いかがですか。
  281. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) そのとおりでございます。
  282. 相澤重明

    ○相澤重明君 そういたしますと、これは農林省の中で食糧庁としての見通しの甘かったこと、あるいは政府が考えておらなかった経済的な動向によって今日のこの失政が生まれた、こう考えてもいいわけですね、これは、このことは。  次に私が質問をしたいのは、この本委員会において大森君をはじめ各委員から質問がありましたが、当初、この報告書にあるとおり、果糖なり、あるいは砂糖なり、そういうものが日産二百トンとか七十トンとかいうこの計画が出ております。それが六百トンないし七百トンになる、あるいは、これがいわゆる第一期工事の四十四億の資金融資に対して、第二期工事を含めると七十七億からになると、こういう計画というものはあったわけですね。これは政府がお認めになって、第一期工事のいわゆる四十四億というものの資金あっせんを食糧庁長官関係三行に対して行なったと、こういうことになるんではないですか。いま一度その点の最初の計画というものをひとつ御説明ください。そういうふうに私は受け取りたいのですが、いかがですか。
  283. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) 食糧庁といたしまして、細島コンビナートにつきまして、関係金融機関融資をお願いをしたいという内部の決心をいたしました際の計画は、報告書の第八ページに記載をされておるような計画でございます。
  284. 相澤重明

    ○相澤重明君 ですから、この報告書は第一期ですね。ところが、細島甘味コンビナートの計画というものは、第二期計画まであったんでしょう。あったけれども、その第一期工事をまず進めていくと、こういうことで四十四億という資金というものが出てきたんじゃないですか。しかも、いわゆる漁業公庫は五億を貸すというんだが、まだその作業の状況あるいは建設の状況を考えて一億は貸さない、四億だけ貸しておくと、こういうことを言っておったんじゃないんですか。その全体的なものが四十四億だったんでしょう。その点は食糧庁長官はどう把握しておるんですか。
  285. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) 相澤先生が第二期と仰せられておりますのは、この報告書の中に、共和製糖がその後工事を拡張したものについて第二期ということばを使っておりますので、それと混同や誤解を受けるといけないと思いますから、区別をして御理解をいただきたいと思いますが、雄島コンビナート構想は、八ページに記載されております当初の計画が四十四億でございまして、そのあとで、これらの工場でできます副産物あるいは廃物等を利用して砂糖工場でありますとか、いろいろな構想をその後に推進をするような計画は立案者としては持っておったようでありますが、四十四億と結びつけて私どもが理解をいたしております事業計画は、この八ページに記載されておる計画でございます。
  286. 相澤重明

    ○相澤重明君 あなたが当時の長官でなかったから、そういう意味の答弁をされておると思うのですが、私はやはり食糧庁は実際に松野大臣がいま大臣であっても、その当時の大臣じゃないから、だから事務的に進めてきたのは役人なんですね。農林省の役人、その中心をなしているのが食糧庁、担当者ですから。私の申し上げておるのは、細島コンビナートというのは単にブドウ糖工場をつくるだけじゃなかったのでしょう。いわゆる総合コンビナートでしょう。果糖部門だけじゃなくて、砂糖部門をやりたいという話があったのでしょう。その全体の計画で七十七億の計画でなかったですか。しかし、一ぺんに出せないから、四十四億の第一期計画を出して、それにいわゆるブドウ糖工場という名前によって開発銀行をはじめとして資金が出されたのでしょう。ブドウ糖工場のために資金を出したのでしょう。それから砂糖工場になったということで、これはいかぬというのが、先ほどの現地調査等をやった結果で、はっきりしてきたんでしょう。砂糖工場をつくるということを最初から認めておったんですか、政府は。そうじやないでしょう。その点はいかがですか。いま一度繰り返してください。
  287. 大和田啓気

    説明員大和田啓気君) 私からお答え申し上げます。  この八ページの四十四億の計画は、当然砂糖の工場とブドウ糖、果糖の工場とが含まれておるわけでございます。これがいわゆる第一期の計画でございます。それで、細島のコンビナートの議論がありましたときの経過を申し上げますと、第二期計画と申しますのは、この砂糖工場とブドウ糖、果糖工場だけでは食品コンビナートの名に実はあまり値しないわけでございまして、このほかにさらに高度にコンビナート化を推進するといいますか、たとえば砂糖工場の糖蜜とデーツの種子あるいは果肉を原料とするえさの工場をつくる、あるいはブドウ糖から有機合成化学工場をつくるとか、ないし製薬工場をつくるという計画があったようでございます。これは必ずしもコンクリートな案ということではございません。しかし、当時、第二期計画と称していたものは、いま私が申し上げたようなものでございます。この政府報告で第二期計画と申しておりますのは、ブドウ糖の工場の敷地に新たに精糖工場をつくるために、くい打ちをして、六百五十トンの精糖工場を増設するというのが、この報告で取り上げておる第二期計画でございまして、いわゆる当初D細島甘味コンビナート工場計画の第二期計画というものとは、内容において違っているというふうに考えております。
  288. 相澤重明

    ○相澤重明君 これは私が本年二月二十三日のこの決算委員会で申し上げたことに関係政府機関等から全部答弁しているのですよ、全部書いてあるんですよ。これは、最初からこの会社自身は砂糖をやりたかったことは事実だと思うのです。しかし、この第一期工事においては、やはりブドウ糖を操業する。しかし、ぶどう糖工業会は、先ほども答弁があったように、いわゆる多くの会社、工場を持っている人たちは、今日の情勢では、これ以上ブドウ糖工場を大きくされたらこれはたいへんだ、競争が激しい中にだんだん糖価が下がっていく、こういうような関係で実は反対の陳情をされておったのでしょう、先ほども御答弁があったように。しかも、その上に、かてて加えて、この会社の実情を聞くというと、いや第一期工事どころではない、第二期工事、総合コンビナートで将来は砂糖の精製というものが中心になるのだということだから、業界は猛烈に反対して、ついに菅さんのところは工業会から脱退せざるを得なかったのでしょう、そういう経緯でしょう。つまり、工業会自体がまとまれば問題なかったが、工業会がまとまらなかったから、実際に政府が近代化、合理化しようとしてもまとまらなかった、工業会がまとまれば問題なかった。そういう基本的な問題は、これは政府が実はこの共和製糖グループに対して重点が置かれた、こういうところが工業会からも反対を受け、しかも、その反対を受けたにもかかわらず、ここに多額の資金融資をされたということは政治権力じゃないかというふうに言われたというのは、当然私はうなずける、こういう点はいかがですか。私の二月二十三日の質問に対して政府関係機関答弁されている。しかも、当時工業会から猛烈に反対されたということは、そのとおり政府は受け取っていなかったのですか、反対はなかったですか。
  289. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) ブドウ糖業界の反対という点で、ただいま相澤委員が仰せられましたことと、私が今回のこの報告書作成の過程において、ブドウ糖業界の反対を特にこの報告書の中で言及をいたしましたのとの関係が、若干ちょっと一部食い違いがあるようでございまするので、私の承知している特に業界の反対ということが、どういうことに主として反対があったかということについて申し上げたいと思いまするが、御承知のように、第一期計画、すなわち、当初の細島コンビナートの計画は、精糖部門二百トン、それからブドウ糖、果糖部門は七十トン能力の工場をつくるという計画であったわけでありまするが、その後、計画の申請者がブドウ糖部門についてやや大きなものをつくるという構想があったのでありまするが、当時関係者の間では、ブドウ糖企業が逐次糖価の低迷と原料でん粉の価格の高騰によりまして、いわゆる原料高の製品安という事態に苦しんでおりました当時、この事態を回遊すると申しまするか、解決をいたしまするためには、少数の大型な合理化工場をつくるほうがいいのではないかというような考え方が関係者の間で検討をされた時期と、この計画の申請者が当初の計画の七十トン計画をさらに大きなものにしようということを検討した時期とが、たまたま相前後いたしておったわけでありまするが、そのことについてブドウ糖の業界としては非常に足並みが乱れ、また、他のブトウ糖業者としては、この構想について非常に強い反対の意向を示しましたために、この計画の立案者であります共和糖化の社長は、そのことを契機といたしまして、大型化する構想を撤回をして、白紙に戻すと同時に、相前後して、ぶどう糖工業会の会長を辞任をしたというのが時間的な順序ではなかろうかと私は承知をいたしております。
  290. 相澤重明

    ○相澤重明君 いや、私はこの報告書を見せてもらって、それで報告書というものは書きょうのあるものだということを実は言っておるわけだ。報告書の書きようというものはあるものだ。しかし、事実はいわゆるぶどう糖工業会の混乱をしたこと、あるいは、せっかく糖価安定法という法律を政府がつくって国民経済を守ろうとしたけれども、事実はその政府の方針に逆行していったということも、これもいなめない事実だと思う。だから、自由競争の社会ですから、事業家とすれば、あるいは会社を経営する経営者とすれば、自分たちの仕事をどんどん伸ばしていこうとすることはみなだれでも持っておるのです。だから、そのことを一体チェックするかしないかということは、政府の方針でなくてはならぬわけです。それをぶどう糖工業会も反対をし、政府もまあまあこれはという実はむずかしかった中にもかかわらず、共和製糖グループに対して、食糧庁長官食糧庁長官として、いわゆる関係金融機関融資のあっせんをしたということは、これは共和製糖の今日に出てきておる実態ではないですか。これは私はむしろ、自由競争の社会で、共和製糖の菅貞人さんが、そういう申請をしても、これをチェックすれ、ばチェックする時期はあったと思う。しかし、政府がやれやれと言って、食糧庁長官がそれを関係者に言ったからこそ、多額の金が出たからこそ、これはその仕事がすすんでいったんでしょう。ところが、政府の方針と相反した結果に経済界の動向は変わっていった。そこに今日の苦悩があるんじゃないですか。私はすなおにそういうことを考えると、あの当時、昨年の十一月なり今年の二月私が質問をした当時から考えてみると、この報告書のつくり方というものは、実にじょうずにつくってあるなと思う。そういうふうに言ってなかったじゃないですか。当時はこの報告書のようなことを言ってない。そういうところに、先ほど松野大臣も、言うとおりに、いままでの政府の言っておったようなことを言ったら、とてもじゃないけれどもおさまりがつかない。そこで、これは当時の事情はともかくとして、今日から見れば云々ということばになってくるわけです。はっきりと政策の見通しの誤り、あるいは政府のそういういわゆる金融あっせん上のやり方について問題点が今日出てきたということは否定のできない事実でしょう。これはお認めになったでしょう、先ほど。だから、その点は私は会社側もむしろ気の毒な立場にあるのじゃないかと私は患う、逆を言えばですよ。そういうことになるのだが、事実、各委員から指摘をされておるように考えていくと、この会社のために多くの政治資金が流れ、あるいは、それが一つの食いものにされる、こういうような形に今日なっているのじゃないか、これが各委員質問をしておるところの無い霧という問題じゃないか。政府の方針が一貫しておって、政府の方針に即応したことが実際にできておれば、こういう問題が起きなかったはずですよ。そういう点は私は、何としてもやはりこのちょっと五字か六字つけ足したところに、政府のいまのうまみがあって、抜け目のない答弁をされておるということになると思うのです。しかし、実際振り返ってみれば、政府のやっておったことが間違っておった、こういうことが明らかだと私は思うのです。まだそれでも、あなた方の言っているのは、いや間違い、じゃない、こういうふうに古い切れますか。食糧庁長官でも経済局長でも、これは大臣は先ほども、当時を考えれば、いまになってみればと、ここに文章が載っているのだから、大臣の答弁は。長官なり経済局長言ってみなさいよ。
  291. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) この報告書の中に、最近の甘味資源対策経過というものを書いてございまするが、ただいま相澤委員がおっしゃいましたように、国際情勢あるいは国内の情勢が非常に変転をいたしまして、そのつど、食糧行政なり甘味資源行政をやっておられる方々は、当時としては、そのつど、いろいろな対策をとられたと思いまするが、今日の時点でこれを反省をしてみますると、そのつどの対策がすべて——すべてと言うと若干言い過ぎかもしれませんけれども、非常に効果をあげなかったという事態を率直にここに申し述べておる次第でございます。したがいまして、今後私どもといたしましては、この甘味資源対策が今日の時点で振り返ってみると一貫性を持ち得なかったという点を、単に客観情勢の変化だけに帰することなく、今後糖価問題並びにブドウ糖の企業対策等につきまして真剣に取り組んで、確固たる方針を立てるのが私に課せられた任務だと思っております。
  292. 相澤重明

    ○相澤重明君 たいへんそういう答弁はいいと思います。しかし、責任は免れませんね、食糧庁の。これは松野大臣、そうでしょう。いま食糧庁長官が言うように、当時の判断というものはよかったかもしれぬが、今日から見ると、事実上いわゆる政策的な誤りなり、あるいは資金的な手当てをしたことが効果をあげておらぬ、こういう事実ははっきりしたわけですから、これはあなたが農林省を統轄する最高の責任者として、食糧庁の者に対しては処断をしなければならぬ責任があると思う。これはいずれの時期かしれませんけれども、しかし、その責任はあると思う。いま一つ問題になったのは、じゃどこの会社に対しても、どういう人たちに対しても、申請があればそういうことができたかというと、そうではなかったと思うのですね。そうではなかったからこそ、前の、もとの農林大臣の重政さんの名前が出、そうして、そういう政治力が介入したからこそ、いろいろの問題ができたのではないか、こういうことがある。これは官僚の弱さということを一面に言われたけれども、他面からいえば、官僚と政治家の結託である、こういうことになる。そこに私はやはり問題があったと思う。そういう点で姿勢を正していくには、農林大臣がやはり今後こういうことを再び起こさない、こういうことをやはり省内にはっきりさせなければいかぬと思う。私はその点において、松野さんがこれからどうこの農林省の中で姿勢を正しくしていくかということは、多くの国民が注目しておるところだと思う。同時に、私たち国会においても論議をした者として、あなたのこれからのいわゆる省の方針というもの、あるいは、それらの担当者それぞれの場合についてどうするかということは、私ども見守っていきたいと思う。これはあなたのもし覚悟ができておれば、ひとつ覚悟を聞いておきたいと思う。
  293. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 農林大臣としてすべての問題、この問題を含めて国民に対する責任を私はのがれるような、そういう考えでおりません。今日私がとるべき最大のものは、この問題の真相を究明すること、その事後処理をすること、その上に、どこに責任があり、どこに反省すべきものがあるか、これが私の今日の気持ちであります。したがって、その一部として今回のこの中間融資報告というものを出したわけです。この問題で今後やるべきものはまだたくさん残っております。
  294. 相澤重明

    ○相澤重明君 松野大臣の言を私どもは、これからどう実行されるかということを、いわゆる実行について見守っていきたいと思います。  それから二つ目に、時間がないから端的に聞いておきたいんですが、会計検査院は、大阪高槻のいわゆる交換をした国有地の問題についてその後調査をしたことがあるのか、あるいは評価の問題等についても検討をされたことがあるのか、会計検査院からひとつ御答弁いただきたい。
  295. 佐藤三郎

    説明員佐藤三郎君) 高槻の国有林の問題は、私どものところの第四局でやっておりまして、きょう局長参っておりませんので、すぐ呼びます。それでよろしゅうございますか。私、五局長でございまして、公庫の担当でございますから、すぐには答弁いたしかねます。
  296. 相澤重明

    ○相澤重明君 では、その担当の局長を呼んでいただいて、その点を話されて、答弁をするように。  そこで、私は政府側にお尋ねをしたいのでありますが、各委員からも指摘をされまして、農林省は、交換契約をする場合と、それから行政財産を普通財産に切りかえる場合、あるいは、そうした処分をする場合、一体大蔵省との関係はどう考えているか。この点は、農林省所管であるからという、行政財産であるから農林省だけですべては取りきめをしてしまうと、こういうことなのか、あるいは、地方においては財務局、営林局は協議を行なうものであるのかないのか、この点は若林長官から先にお答えをいただきたい。
  297. 若林正武

    説明員(若林正武君) お答え申し上げます。  交換の場合につきましては、受け財産が四千平方メートルまでのものにつきましては、財務局長へ協議をいたしまして、営林局長が処分をいたすわけであります。それから四千平方メートルをこえます場合には、営林局長が財務局長に内協議をいたしまして、さらに農林大臣の承認を求める、農林大臣はその場合に大蔵大臣へ協議を求める、かような手続をとっておるのでございます。
  298. 相澤重明

    ○相澤重明君 松永局長は、この前の私の質問の際に、大阪における国有財産の処分というものがあるが、そういうことを知っているかと言ったときに、国有財産の処分はないというような御答弁をされた記憶はございませんか。
  299. 松永勇

    説明員(松永勇君) いまの御質問は、大阪における国有林ということであろうと思いますが、国有林についてそういう処分をしたと、処分といち、交換の事案は、先ほど林野庁から御答弁ありましたように、協議として参っておりますが、売り払いとか貸し付け等については、そういう協議はなかったはずであるというふうに記憶いたしております。ただ、先生に対してどういう答弁をしたか、いま正確な記憶はございませんが、売り払い、貸し付けについては協議はないはずだと思っております。
  300. 相澤重明

    ○相澤重明君 そのとおりだと思うのですね。私が国有財産ということで質問したが、この議事録にあるわけですから、大蔵省所管としてはなかったという答弁だと思うのです。  そこで、いまあなたの御答弁があったように、私は現地へ二宮君と仲原君と三人で調査に行ったわけです。その際に営林局長から報告を受けて、いま若林長官が答弁されたように、これは地方財務局長とも協議をいたしました、こういう答弁でした。そこで、大阪のこの農林省の所管であったところの国有林野が、いわゆる財務局と協議をしたということであれば、当然あなたのほうにその報告は来ておるはずだ、こう思うのです。その報告が来ておるだけでは私は別にどうこう言う必要はないのでありますが、先ほど各委員から指摘されたように、評価のしかた、いわゆる受け財産と渡し財産との問題に関連をして、大蔵省がこの農林省の評価に対してチェックができなかったのかどうか、この点は今日の大蔵省のいわゆる国有地を払い下げる問題について、あなたのほうの評価というものはきわめて私はきびしくしていると思う。私ども参議院の決算委員会はあなたに、ぜひそれをやりなさいと、こう言ってきたはずだ。そのときに、いわゆる農林省の所管であるからといって、これを単に協議という名によって、農林省の主体性のもとに、もしあなたのほうでやったとすれば、この問題は重要な問題になってくるわけなんです。そこで、協議をされたのか、協議をされたとすれば、その評価についてはどう評価をされたのか、この点はこの機会にひとつ御答弁を願っておきたい。
  301. 松永勇

    説明員(松永勇君) 大蔵大臣は、国有財産法第十四条によりまして、各省各庁の長が行政財産を取得しようとするときは、協議をしなければならないということになっておりまして、国有林の場合につきましても、先ほど申しましたように、交換によって取得するという場合には協議を受けることになっております。本件につきましても、近畿財務局において協議を受け、さらに、本省において大臣間の協議を受けておるということになっております。その際に、もちろん協議の主たる目的は、国全体の国有財産の総合調整と申しますか、そういう観点から財産の取得について協議を受ける立場になっております。個々の協議を受ける場合にチェックする点等につきましても、訓令をもって示しているところでございます。価格の問題につきましても、そういう取得の際の価格が妥当であるかどうかということも、協議の内容になっていることは事実でございます。本件につきましても、近畿財務局におきましてチェックはいたしております。近畿財務局も本件について農林省と同様の観点で、本件の評価は妥当であるというふうに報告が参っております。
  302. 相澤重明

    ○相澤重明君 ですから、私のお尋ねしている趣旨は、あなたが国有財産を評価する場合は、非常に慎重で、しかも、国損を与えないように評価を実ばしているわけなんです。また、国会においても、そういうことをあなたは責任を持って、しかも、自分の仕事として、国民のために間違いのないようにやりなさいということを言われておって、そういうようにやっているわけです。実際あなたは正しくやっておると思う、私は。ところが、各委員から指摘をされたように、大阪の高槻の場合、私ども現地を見せてもらってその判断をしたときに、一体大蔵省はいままでやっていることを農林省の場合にどうして言えなかったのか、こう私は指摘できるんじゃないかと思うのです。だから、その点が地方財務局長と営林局長との協議がそのまま報告書になって、それで形式的な大蔵大臣、農林大臣の協議決定ということになったんではないか、こういう点を私はあなたから聞きたいわけです。そうじやなかったんですか。現地を見て、少なくとも、これだけの広範な土地について交換をする場合に、地域的条件、あるいは、そういう大阪という一つの日本の国の中心にもなっておるところでありますから、そういう地点と違うところの交換をする場合に、大蔵省の方針があるはずだ、その方針を農林省がたとえば出してもチェックすることはできるはずだと私は思う。そういう点について、あなたのいまの御答弁を聞いていると、全くチェックはしておらないで、地方局長があげてきたものをそのままうのみにこれを承認をしたと、こういうふうな見方が私は強いわけなんです。その点はいかがなんですか、いま一度御答弁願いたい。
  303. 松永勇

    説明員(松永勇君) 大蔵省の協議を受ける立場、先ほどちょっと触れましたように、国有財産全体についての総合調整という立場でやっております関係上、先ほど先生おっしゃるように、本省段階におけるチェックというのは、御承知のように、書面審査によるということは、これはやむを得ない措置でございます。したがって、本省において現地を確認し評価を云々ということは実はいたしておりません。その点は近畿の財務局が現地を見てチェックをするという立場でやっております。本省においてそれがチェックしてないということはない。書面による審査としては、あらゆる点について審査を行ない、なお疑問の点は近畿財務局等にも電話等で照会をするというような組織で動いております。  ただ、私ここで申し上げたい点は、こういう国有林の評価という点につきまして、私のほうが完全な自信を持って評価ができるかという点につきましては、私たち能力としてまだ不十分な点が多々あるということはこの席で申し上げなければならないと思っております。現にこの高槻の国有林の評価につきましては、財務局の職員の評価は、これはいたしておりません。非常に評価のしにくい、いわゆる里山と申しますか、将来の開発見込み等をどう見てよいかという点になりますと、財務局の職員の現在の能力ではなかなかむずかしい点がございます。財務局としてもいろいろそういう点は検討したとは聞いておりますけれども、なかなかむずかしいという点があって、本件については、そういう専門家である民間精通者、いわゆる不動産鑑定士の第三者の評価をとりまして、それをもってこれの評価等がなされております。財務局もそういう点で民間精通者、第三者の評価の平均というものでこれを妥当と認めざるを得なかったというのが実情でございます。
  304. 相澤重明

    ○相澤重明君 時間がないので次の問題だけで終わりたいと思うんですが、農林大臣、いま松永国有財産局長答弁をお聞きになったとおり、国有財産といっても、各省に渡している行政財産ですね、行政財産は各省の責任者、大胆が主体的な条件にあるわけです。大蔵大臣といえども、各省大臣の意見というものはそう無視できないわけです。そこで、いまのような大蔵省国有財産局が国有財産については、ある程度チェックはできても、行政財産の場合、協議ですからね、これは非常にむずかしいわけです。その点が一つ誤ると、今日のような問題が指摘をされなければならぬわけです。この点は、あなたが就任早々、国有林野の問題についてのきちっとした態度を出されたことを私はたいへん喜ぶわけです。ぜひ今後ともひとつ厳正に進めていかないと、大蔵省だけに幾ら私が強く言っても、それは無理だと思う。その点はひとつ政府全体の責任としてやはり事を処してもらいたいと思うんです。この点はひとつ農林大臣に、もう非常に国有林野の問題は多いわけですから、ですから、これはきょうだけではもう時間がないので、専門的にやはり委員会等をつくって、それで、これらの問題に政府もひとつ国会協力してもらう、国会もそういう不当不正のものをなくするように努力していくと、こういうことをやらなければ、国民の財産を保全することはできないわけです、これは。そういう意味であなたにぜひこれはひとつ強く要望しておきます。今後もひとつ、大臣に就任になったときのあの決意をひとつ行政の上にあらわしてもらいたい。  そこで今度は、最後の問題ですが、いわゆる金融機関の三者に対して、この評価の点が当初はまちまちであった。今度いまのこの報告書に出されているのは、ごく修正をされておりますから、一部評価のしかたが違っておりますから、違いがあると思います。計数上の整理をして違いがあると思います。これはまあ認めます。けれども、この根本になったものは、これは報告書にした場合の報告であって、いままで各委員から質問をされたときには、そういう評価のしかたではなかった。ここについて、これは私はまあ本来なら、こういう決算委員会においでをいただくのさえ、なるべく無理をしないほうがいいという考えを楠見さんには持っておった。しかし、問題が非常に大きいから、結局、あなたに何回も何回も来てもらわなければならなかった。そこで、農中はですね、今日のこの評価のしかたについて、この報告書にあるような形になったことは、私はやはり農中としてはまことに心ならずもそうしなきやならなかったと、こういうことになるのじゃないかと思うのですが、いかがですか。
  305. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) 農林中金といたしまして、心ならずも評価をしたのではございませんで、しかし、この問題を契機にして私どもとしては今後の態度として、ずいぶん反省をすべき点があると思うのでありますが、いままでの申し上げておりました点は、実は会社の報告を信用して、これをこの委員会でも申し上げておったわけでございまして、その点については、ただいま申し上げましたように、今後十分反省をいたさなきやならぬと思います。で、今回精細な調査をいたしました結果、その点は改めておる次第でございます。
  306. 相澤重明

    ○相澤重明君 そこで楠見さんね、まあたいへんあなたには酷のようなことを私が言わなきゃならぬと思うのです。ということは、まあ私は心ならずもということばを使ったんですが、やはり評価のしかたが甘かった。つまり、会社側の提出した資料に基づいてですね、あなたのほうも応じていったといううらみがあると思う。そこで、衆議院の決算委員会なり本院の農林水産委員会においてですね、あなたがこの十月中に返還を命ずる手続をとらなきやならぬと思う。こういうような——大沢総裁ですね、大沢総裁も言われておるし、それから農中としても、このいま言った心ならずも評価の問題についてまああやまらざるを得なかったような状況なんですね、これは。そこで、大沢総裁は一体、この十月中にというようなことを言ったことをですね、やる気があるのかないのか。これは大臣がもし国会答弁をして、そうして私はやるのだと言ったことをやらなければ、これは食言になりますよ。まあ大沢君は公庫の総裁だから、まあそこまでは大臣ほどきびしく世論はないかもしれぬけれども、しかし、やはりこれは公庫の総裁ですからね。そうすると、国の金を扱う公庫の総裁として国会においてあなたがものを言い切ったということになると、これは監督官庁の大蔵省が、小沢君もおりますが、この五十数日にわたる苦労をした問題が、ことばによってその場のがれをしたらいいということだけでは私は済まないと思う。これは佐藤総理をはじめ政府が心配していること、国会でみなが心配していることがほごになってしまう。そこで一体、それを公庫の総裁やる気なのか、それから今後、農中の楠見理事長は、先ほどから各位が言うとおり、債権保全について万全な措置をとって、いわゆる農民の金を、あるいは国からの融資の問題等についても、やはり国損を与えないと、こういうような共同の責任というものがあると私は思う。こういう点について私はそれぞれお答えをいただいておきたい。にせ領収書等の問題については、すでに政府側から答弁がありましたから省略します。内藤君や矢山君もまだ質問があるわけですから省略しますが、この点は、国会における発言というものは責任を持ってもらわなければならぬ、こういう点で、監督官庁の大蔵省ももちろんですが、ひとつ関係者に御答弁いただいて、私は終わりたいと思うのです。
  307. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) 先ほど申し上げましたように、今回の問題を契機にいたしまして、私どもも十分反省をする機会を与えられたと思うのです。当面の私どもの責任といたしましては、この問題の共和グループに対する債権を確保するということに最善の努力をするということでありまするし、また、その次には、一般の融資の問題に関連するわけでありますけれども、この報告書にもございますように、△後融資をするにあたりまして、審査あるいは融資後の管理ということについて、これまた御期待に反しないように十分努力をしてまいりたい、これが私の責任だと考えております。
  308. 大沢融

    参考人(大沢融君) 先ほども私申し上げましたように、いろいろ御批判を受けまして、公庫資金の貸し付けにつきまして、ことに、こうしてブドウ糖企業のような企業的な融資の貸し付けについては、ほかの一般の農林公庫の貸し付けと性質が異なるというようなことも考えられるのでありまして、貸し付けの審査、決定、実行、払い出しの問題、管理の問題、あるいは担保の取り方の問題というような点について反省をいたしまして、最も堅実な金融が、そしてまた、事業をやる方にも便利なということがはかれるようにということを公庫のわれわれとして検討をいたしております。今後私どものやるべきことはこれが一つ、それともう一つは、この共和製糖関係の債権につきまして保全をはかるということだと思います。御承知のように、私どもは、この東洋果糖の細島の分だけでございませんで、全体で十二億近い債権を持っておるわけでございまして、全体についての回収保全ということが、これは先ほど申し上げた問題とともに、一番これから私ども力を入れてやっていかなければならぬ問題と思っております。十月末に償還せよという繰り上げ償還の命令を請求をいたしまして、会社からはいろいろ言ってきておりますけれども、ある一部の担保をさらに追加するというようなこと、あるいは、こういう土地を換金して債権の一部に充てたい、あるいはまた、連帯保証人になっております会社の役員の私財、こういうものにつきましても担保を取りかけておりますが、そういったような方法で債権の保全については万全を期したいと思っております。  最後に、ちょっと誤解をいただくと困ると思いますので申し上げますが、繰り上げ償還と申しますのは、この資金は長年にわたって年賦償還で返してもらうということでございますが、資金流用、虚偽の報告ということがありましたので、そういう期限の利益を失わせるということが繰り上げ償還の請求でございます。したがいまして、十月三十一日までに返さぬということになれば、その後は特約条項によって延滞利息をつけてやるというようなことになりましてやるわけです。いろいろいまやっておりますけれども、この前も申し上げましたように、この問題は峻厳にやらなきゃいけませんけれども、一方、関係金融機関も多いことでございますから、いきなりつぶしてしまうというような荒々しい方法も、ほかの金融機関債権保全という立場も私ども考えなきゃいかぬと思います。そういう意味で三機関いろいろ相談をしております。早く責任者と申しますか、前の菅社長は辞意を漏らしておりますので、その後の経営立て直しということで早く責任者をきめるということで、この債権保全の一番大事な仕事としてはかっていきたいと、こう思っております。
  309. 小沢辰男

    説明員(小沢辰男君) 監督官庁として大蔵省が一そう厳粛なる態度で臨みまして、いやしくも国損にならないように十分善処したいと考えております。
  310. 内藤誉三郎

    内藤誉三郎君 私は、この共和製糖問題について、この報告書によって若干の質疑をいたしたいと思います。  政府提出されましたこの報告書はたいへん苦労してつくられたものと思います。私は心から敬意を表するのでございます。この報告書に基づきまして、四点ほど質問をいたしたいと思います。  まず第一に、甘味資源の対策につきまして早急に政府は確固たる方針を確立していただきたいと思うのでございます、それは砂糖につきましては、この報告書にございますように、三十八年十月がポンド当たり十・五六セントでございましたのが、それが現在一・四二セント、十分の一に国際価格が下落しておるのでございます。それに伴いまして、砂糖の価格も、糖価安定法等もございましても、なお非常に下落いたしておりまして、これはキロ当たりすでに百円を割っておるというような状況でございます。しかも、この傾向は数年続いておりまして、昭和三十八年十月以降今日まで下落の一途をたどっておりますので、これはこのまま放置しておいてはいかぬのではなかろうか、これについ.ての早急な対策を立てていただくということが一つ。  それから第二番目には、ブドウ糖の問題でございますが、これはこの報告書にもございますように、原料価格が著しく高騰した。この報告書にもございますように、約二倍程度にカンショでん粉の価格が上がっておるわけです。それに対して、製品の価格はこれまた下落の一途をたどっておりまして、これはキロ当たり八十四円五十銭というようなところへ落ちついているわけですが、こういうことで原料高の製品安ということで、非常にブドウ糖工業界が窮状におちいっていると思う。で、私はここでお聞きしたいのは、いまブドウ糖工業が採算がとれるのかどうかという点が一つ。  それからいま一つは、この報告書にもございますように、砂糖とブドウ糖は競合しております。ですから、この競合しておる場合に、今後も採算がとれないにもかかわらず、ブドウ糖の製糖を継続する必要があるかないか。ブドウ糖の場合には、おそらく薬品等で使うものは、これは今後も必ずいいし、育成しなければならぬと思いますが、大部分は砂糖と競合しているのじゃなかろうか、こういう点を考えますと、採算がとれなくても今後継続するかどうか。さらに、継続するならば、補助金を出すとか、あるいは何らかの措置が必要ではなかろうかと思いますが、この点についてのお答えをまず伺いたいと思います。
  311. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) お説のように、今日の甘味資源の現状は、国際的砂糖価格の大幅な下落、それに応じて国内生産は必ずしも生産コストが下落をいたしません。コスト高という傾向をたどっております。しかしながら、消費者から見るならば、砂糖の大体八割程度という値段でなければ、ブドウ糖の消費というものは不可能であります。したがって、ブドウ糖工業今日の状況は非常にその圧迫を受けておる。それでも今日、イモの生産というものが、カンショでん粉の生産及びバレイショでん粉の生産というものは減っておりません。必ずしもふえておりませんが、そんなに大幅な減少ではありません。しかし、減少はしつつあります。しかしながら、そのためには、どうしてもブドウ糖工業あるいはカンショでん粉の消費ということを考えなければ、農産生産者にはこたえられないというので、今日ただいまはそういう立場で苦労しながら将来の甘味資源を立てたいと思っておるところであります。
  312. 内藤誉三郎

    内藤誉三郎君 この問題は、まあ農林省もひとつ真剣に取り組んでいただくということが前からお話にございますので、その程度にとどめておきますが、第二番目に、にせ領収書の問題でございますが、このにせ領収書は私どもも非常にけしからぬと思っているのですが、もともと、このにせ領収書に基づいて支払いが行なわれたわけではないということは、前から開銀の石原副総裁も述べておったわけであります。で、私は世上非常に誤解かあるのは、何か、にせ領収書に基づいて支払いが行なわれ、それによって過剰融資なり国損が行なわれた、こういうふうに世上流布されておるのですが、これに対して石原副総裁は、そう、じゃなくて、会社の資金繰り計画を見ながら、工事の出来高を検査しながら支払いをしたので、領収書一つの参考資料にすぎないの、だと、こういう見解だったのですね。そこで——ちょっとお聞きください。そこで、この領収書に基づいて実はその過剰融資が行なわれたという話が出たのは、同僚議員からも質問が出ました。それは、この細島の精糖工場は計画が十五億の計画に対して開発銀行は八億の融資をした。ところが、にせ領収書関係で実際調べてみると、まあせいぜい十億ないし十一、二億しかかかってない。そこで、その差額であるところの五億ないし数億が、これが那須の別荘に化けたり、あるいは渋谷にある邸宅になったり、あるいはダイヤモンドを買ったのだ、こういうことなんです。そこに過剰融資があり、不当融資があるのだという点が、これまでの論戦でございましたが、本日の報告書を拝見いたしますと、これは大体十七、八億が精糖工場に支払われておる。ただ、この報告書にもございますように、支払い書の七九%に対して精査したと。ですから、二一%の部分は多少不明瞭でございますけれども、これに対して政府側としては、十五億以上のものが明瞭に支出されたという確信がおありかどうか、この点を小沢政務次官にお聞きしたいと思います。
  313. 小沢辰男

    説明員(小沢辰男君) ただいま御質問の点はすでに十月でございましたか、九月でございましたか、当初この委員会で問題になりましたときに、詳細にいろいろ質疑応答がございまして、開銀の当局並びに私どもから御答弁を申し上げておるわけでございますが、開銀の融資につきましては、先生のおっしゃるように、この融資にあたりまして一定の会社から資金繰りをとりまして、その資金繰りに応ずる所要な資金を開銀の従来決定しております融資ルールによりまして融資をいたしておるわけでございまして、その後、工事が行なわれた結果を領収書をとりまして突合をいたしておる、なお、債権確保のためにこの領収書を保存しておる、こういうことでございます。今回調査をいたしました結果、その領収書に、現実の会社へ行きましていろいろ精査をいたしましたものと符合をいたさないもの、か一部にあったということを報告書に率直に書いてございますが、私どもの融資につきましては、先生お説のように、領収書をもとにして、それでその領収書によって金を支出をする、貸し出すということではないのでございまして、したがいまして、この点は私ども一部にそうした実際の領収書と突合しないものがありましたことははなはだ遺憾に存じますが、現実資金の開銀からの融資につきましては、領収書によっておりませんので、この点、先生仰せのように、融資金額がそれによって不当に流れたということはないと確信をいたしております。  なお、詳しい点につきましては、開銀の総裁もおりますし、銀行局長から補足して説明をさしていただきます。
  314. 澄田智

    説明員(澄田智君) ただいま御指摘の点につきましては、今回の調査によりまして、実際の細島地区の精製糖工場あるいは当初のブドウ糖果糖工場に充てる予定であったものに実際に支払われた金額につきましては、逐一会社の帳簿に当たりまして、さらに、一括支払いをいたしております三和銀行の八丁堀支店の支払い関係をチェックをいたしまして、さらに、そのうち大口のものにつきましては、相手方について当たりまして、その結果、大口につきましては、全部相手方も確認いたしました。したがって、そういう調査をした結果出てまいりました実際の支払い額ということでありますので、この支払いが現実に行なわれ、その支払いに相当する設備ができておるということにつきましては、私ども調査の結果に十分の信頼をおいております。その結果が報告書にもありますが、精製糖工場について見まするに、十八億ないし十七億の工事費が現実に支払われておるということになりますので、開発銀行の融資の八億円、これにつきましては、先ほど小沢政務次官申し上げましたように、融資に際し、あるいは資金交付に際し徴した書類、まあ領収書の写し等もあるわけでございますが、それが今回確認したもの、今回会社側で確認いたしたものと違っております。この点につきましては、いわゆる偽造というようなことが言われたわけでありますが、刑事法規における偽造というものかどうかという点については、われわれそこまで確認することはできないわけでありますが、現実に今回会社に保存されておったものに当たってみましたものとは違っております。この点は率直に認めるところでございます。こういうことはございますが、しかし、先ほど申し上げましたように、あらゆる手段を尽くしまして確認した結果の十八億ないし十七億の工事費が支払われて、これに対し開銀の融資は八億であるという点からいって、おおむね所期どおり開銀の融資は使用されているものと認められる、こういう報告をいたした次第であります。
  315. 内藤誉三郎

    内藤誉三郎君 そういたしますと、精糖工場には十七、八億の金がかかったので、これに対して八億でございますから、何ら過剰融資でもない。いわんや不当融資ではない。したがって、この金からはダイヤモンドを買った金そのものは出ないと思うのですが、この点いかがですか。
  316. 澄田智

    説明員(澄田智君) 金に色目がないということを申しますし、そうして共和関係の各社の間におきましては、その間に取引ないし勘定の移動というものが非常にひんぱんであります。したがいまして、この点につきまして、どの金がどこにいったかということは一々必ずしも突きとめるということはできないわけでありますが、しかし、共和製糖という、共和製糖自体の設備が行なわれ、工場が建設され、これに対して開銀がその支払い金額よりも、それより少ないその一部を融資をしているということから見れば、そのような意味において、開銀の金が共和製糖からいま御指摘のようなところに回ったということを推定することは、きわめて困難な推定であろうと思います。そういうことはあり得ないと思います。
  317. 内藤誉三郎

    内藤誉三郎君 次に、高槻の国有林の払い下げの問題でございますが、先ほど林野庁長官のお話によりますと、この払い下げの価格は権威ある民間不動産会社によって、この前伺ったのは不動産研究所、それから住友銀行でしたか、地元の森林組合、この三音によって客観的に評価されたものが三千五百万だ、こういうようなお話であったが、今回の報告書によりますと、これが担保としてですが、十億ないし十五億という報告が出ておりますが、この根拠、どうして十億ないし十五億というような評価をされたか、その評価の根拠を伺いたいと思うのです。
  318. 大和田啓気

    説明員大和田啓気君) これは昨日も申し上げましたように、近傍類地と申しますか、近所で宅地の分譲計画がございます。その価格を参酌をいたしましたこと、さらに、関電に対して四千坪ほどの土地を坪当たり一万五十円で売り渡したということも近くございましたので、そういう点を勘案して中金で推定をいたしたわけであります。
  319. 内藤誉三郎

    内藤誉三郎君 実は私もこの点ちょっと疑問に思っておりますのは、四千三百坪を関西電力の送電の敷地に売り渡した。これは関西電力としてはどうしても必要な土地なんですよ。そのために相当な犠牲を払っても私はやむを得ないと思う。実はこれが、大阪大学が吹田のところで買った土地でも一万数千円なんです。それに比べますと、非常に山奥なんでありまして、私どもの決算委員会からも実地調査においでになった。これは、きょうは伸原委員はおいでにならないのですけれども、これは十億ないし十五億の評価というものは、関西電力に売ったこの価格がどうも基準になっているように見受けられるので、これを基準にして評価をされるのは妥当ではないと思うのですが、この点いかがですか。
  320. 大和田啓気

    説明員大和田啓気君) これはなかなかむずかしい問題でございますが、土地の評価でございますから、将来の事情も頭に置いて考えるわけでございましょうが、私が近接地の、あるいは隣接地の時価といいますか、宅地の分譲価格があるということを申し上げましたのは、この付近に月見台の分譲地というのがございまして、そこにおきましては坪一万円という価格がございます。それから、さらに、高槻の問題になっております山林から二キロほど隔たっておりますところに日吉台という住宅の分譲地がございます。これをつくりますにつきましては、相当な造成費が、要ったようでございますけれども、分譲価格は坪当たり一、万五千円程度というふうに聞いております。まあ以上、いろいろ山林の評価でございますから、なかなかむずかしい問題はございますし、また、現在の時点、現在の地形においてこれを判断することもいかがかと思いますけれども、中金におきましては、いま申し上げましたようなことを頭に置いて評価いたしましたので、単に関西電力に四千坪の土地を一万五十円で売ったということだけで中金が十億ないし十五億と評価したということはないようでございます。
  321. 内藤誉三郎

    内藤誉三郎君 どうも私はこの点は納得できないので、不動産研究所と、それから住友銀行、地元の森林組合が評価したわけですから、数年たっておりますから、ある程度の値上がりはあろうと思いますが、もう一ぺんそういう権威ある機関調査をしていただきたい。どうもその十億ないし十五億のは納得できませんので、さらに検討を続けていただきたい。要望をいたしておきます。  それから第四番目は、共和製糖問題に対する今後の対策の問題でございますが、債権確保ということは確かに大事なことでございますから、今後も担保を取れるだけ取って、そうして債権の確保に努力していただきたい。ただ、債権の確保というのは、担保があればいいというわけではなくて、やはり、ここまで来た企業でございますから、企業の健全な発展を期さなければならぬと思うのです。これをつぶしてしまったらそれこそたいした値段にもならぬだろうと思うのです。いままでかけた国費がそれこそ国損になってしまいますので、企業の健全な発展について御検討いただきたい。  特にその中で若干質問いたしたいのは、ブドウ糖工場が建設中止になっております。その理由は、この一〇ページに書いてありますが、「水飴業界および、ぶどう糖業界各社から共和グループの独走に対する強い反対の意見が表明された。」、それから同時に、「糖価の異常な低落、でん粉価格の高騰という市況の変化もあって、」云々と書いてありますが、このほかに集約合理化構想というようなものもある。その、ここにかけた費用はたしか六億ないし八億という報告が出ておるわけなんです。これを中止したのはわかるのですけれども、今後これをどうするつもりか、ブドウ糖は採算がとれないのか、この理由が幾つかからみ合っておりますが、今後これをどうするというお考えなのか、この点をまず伺いたいと思います。
  322. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 今後の見通しにつきましては、まだ正確に立案をいたしておりません。今日はさしあたり債権の保全と、その問題の整理実態調査にかかっております。しかしながら、債権の保全の一つの方法として、今日操業をしておるものをより以上伸ばして債権を安全に確保するということも、債権保全一つの道かと私は考えております。しかしながら、まだ工場ができていないものをつくるかどうかということは、これは日本じゅうのブドウ糖の今日の設備は必ずしも少なくなくて、過剰的設備が今日ブドウ糖にはございます。この問題と将来の甘味対策等を勘案して、ブドウ糖工場を再生するかしないかは考えなければならないと思います。いずれにしましても、この問題自身が経営の不備あるいは経営者の必ずしも正確な方向ではなかったことは事実でありますので、まず経営陣をかえる。その目的は、今日の国の債権の保全をする、その上に整理をする、切り捨てるものは切り捨てる、あるいは今後長い目で債権保全のために経営すべきものは、新たな観点から新たな経営者によって、国の債権債務を引き継ぎ得る能力のあるものがこれを引き継ぐという結果に私はなるであろうと思いますので、今日まだその先の段階まで、まだ考えながら実行する段階には至っておりません。今日は、実態調査と国の債権保全ということが、今日のただいまとります手です。しかし、直ちに将来のことを全然考えずにやるわけにはまいらないというので、各金融機関及び政府、大蔵、農林打ち合わせして今後の推移によってその結論を得たいと私は思っております。
  323. 内藤誉三郎

    内藤誉三郎君 これで私の質問を終わりますが、少なくとも、このブドウ糖工場の基礎工事には六億ないし七億の金がかかったと、この報告書は述べておるわけなんです。そこで、この公庫のほうは四億——一億合わせて五億を繰り上げ償還を命じたと、こういうことになっておるわけですが、そのブドウ糖はつくらせない、つくることはよくない、砂糖もいかぬとなると、この六億ないし七億というものは、これは国損になるんじゃなかろうかということを懸念するわけです。この共和製糖を今後どうするか、私は万難を排して国損を起こさないように、各金融機関が円満にこの債権を確保できますように、今後大蔵、農林両当局の異常な決意と努力を促して、私の質問を終わりたいと思います。
  324. 矢山有作

    矢山有作君 私はけさの新聞を見たのですが、けさの新聞を見たところが、佐藤総理がきのうゆうゆうとしてテレビを見ておったらしい。もし佐藤総理が、自分の言うように、黒い霧を晴らすとか、えりを正すとかいうならば、自分で進んでこの場に来て真相の究明に当たるべきだ。それをやらないで、ゆうゆうとしてテレビを見ておったなんて新聞の囲みに書かれるということは、彼が黒い霧を暗らす意思が全然ないということ、おそらく霧を晴らそうにも、えりを正そうにも、正すべきえりがぼろぼろになってしょうがないと思う。第一、佐藤総理自身が、かつて造船疑獄で中心的な人物だと言ってうわさを立てられた人だ。そういう人に、積極的に黒い霧を晴らしたり、えりを正すような度胸がないと思うのだ、私は。だから、私がそう言っておったということをあなた方言っておいてもらいたい、政府側の皆さん。もしそれで腹が立つならば、自分決算委員会を開いてくれと言ってでもこの場に来て、ひとつ真相解明につとめてもらいたい。そのことを伝えておいてほしいと思います。  次に質問に入ります。まず第一に申し上げておきたいのは、私はこの場で議論をして明確に決着をつけたいと思う。しかしながら、私に与えられておる時間が、この時間であまりありません。したがって、私のほうから一言言っておきますが、先ほど内藤委員のほうから、領収書というものがあまり重要性を持たぬようなことを言われました。これは内藤委員がおそらく金融の常識がないからおっしゃったのだと私は思うのだ。なぜかと言いますと、第一、農林公庫から出されて、われわれに農林公庫資金の流れを説明された資料がある。これを見ると、貸し付け資金交付依頼書によって貸し付けをする場合には、請求書または領収書の確認が必須条件になっている、これは。同様に、開発銀行の場合にも同じであるはずです。ただ、開銀のこの資金の流れを説明したこの図面によると、開銀は人をごまかそうと思ったのかしらんが、現金取引を中心にしてこの解説をやっている。だから、現金取引であるならいざ知らず、現金取引だって必ず相手方領収書というものがある。あるから届けなけりゃならぬ。ところが、こういう場合の金融はほとんど手形で行なわれておる。そうするならば、領収書融資先の相手方から融資するところに届いておる。その領収輩出を確認しなくて真実の支出を何によって確認するか。真実の支出が何ぼあったかということを確認できるものは融資先の相手方から入った領収書だけなんです。あるいは請求書だけなんです。あと資金繰り表などというものは幾らでもにせものをつくろうと思えば自分でかってにつくれる。したがって、領収書は絶対に融資をする際に確認をしなければならぬ条件だ。そのことは、あなた方のほうから出してあるこの資金交付依頼書によってもちゃんとここに書いてある。これは私はこの間農林水産員会で指摘したとおりだ。それをいまのような内藤委員質問が出るというのは、大沢総裁が、領収書は確認するが、それはうちにはとっておらぬというようなことを言う。また、開発銀行の総裁が、領収書確認をして、うちにはとっておるけれども、それはしかく必要なものではないという言い方をする、そういうようなぬけぬけと自分たち説明をしたことに反するような、自分たち提出した説明資料に反するようなことを言うから、それで、内藤委員金融常識がないから、それをまるで信じてああいうことを言う。そのことを私ははっきりしておきたい。しかし、この問題について、あなた方に異存があるだろう、おそらく、いままでの答弁からするならば、これは私が次の決算委員会なり、われわれは必ず農林水産委員会を開きますから、その場合に、あなた方の口からはっきり言わせます。一応の説明だけにとどめておきます。  私の質問に入ります。私はかねて国税庁がこの問題について非常に詳細な調査をやられておったということを承知しております。この今回の報告書提出することについて、国税庁の詳細なその調査というものを政府は全然顧慮しないでこの報告書をつくったのかどうか、まず第一に、それを松野農林大臣から言っていただきたい。
  325. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 国税庁は農林省の所管じゃありません。農林省は大蔵省と協議の上やりましたが、大蔵省でそれについて連絡したかどうか、大蔵省のほうにお聞きいただくほうが正しいと思います。
  326. 小沢辰男

    説明員(小沢辰男君) 国税庁の調査は、先ほどもたしか岩間委員の、あるいは他の委員の御質問でお答えしたと思いますが、いろいろな点がございまして調査を継続中でございますので、したがって、この調査書、今度の融資に関する調査報告書には、国税庁の調査結果というものが入り得ないわけでございます。
  327. 矢山有作

    矢山有作君 松野さんね、あなた、そういう御答弁はないのだ。なぜかというと、農林、大蔵両省で合同調査案をつくって調査しているのだから、だから、あなたが大蔵省のこと、だからそれには答えられぬという、そんな無責任な話はない。ものごとの発端というものは、農林関係から起こっているのだから、それを答えられるようにちゃんと用意をしておきなさい。そういうだらしのないことだから、真相究明、真相究明というのが口頭禅に終わっているというのだ、私は。  次にお伺いします。あなた方は、この報告書の中で、自分たち調査をするその権限には限りがある、だから十分な調査ができなかったということを二ページに書いてある。私はなるほど大蔵省、農林省なら調査権限に限りがある、しかし、少なくとも国税庁はもっと徹底した調査ができる権限を持っているはずだ。その国税庁を、なぜあなた方は十二分に活用しようとしなかったか。
  328. 澄田智

    説明員(澄田智君) 国税庁の調査は、これは税法に基づきまして、税務の調査であります。もちろん、税務の所要の調査の場合には立ち入り検査もできます。しかし、これは税務のための調査でありまして、今回のような金融調査融資の問題の調査の場合は、税法によって調査をすることは適当ではございません。われわれはそれは許されておりませんので、今回国税庁の調査とは別に調査いたしました。
  329. 矢山有作

    矢山有作君 それはこの場であんた形式的な答弁だ。この不正な融資が行なわれて過剰な融資が行なわれたという裏には、脱税の疑いが当然予想するのがあたりまえだ。そのぐらいの予想が立たぬで役人がつとまるか。そうすれば、当然脱税について疑いを持って調査をするのはあたりまえだ。現に国税庁やっているのじゃないか。
  330. 澄田智

    説明員(澄田智君) 今回の調査は脱税の調査ということで調査をいたしておりません。
  331. 矢山有作

    矢山有作君 脱税の調査が済んでおらぬにしても——済んでおらぬとおっしゃるなら、 調査をやっておるということは現実にやっておる。しかも、私が言ったように、この事件については脱税がありはしないかというぐらいに疑問は持って調査は始めるべきだ。その推察がつかずに役人はつとまらぬと言うんですよ。だから、その調査は国税庁がやって、それの権限に基づく調査報告書を書く、だけの熱意がなぜないか。
  332. 小沢辰男

    説明員(小沢辰男君) 先生の御意見ではございますが、この調査は、ここにも書いてありますとおり、開銀、農林公庫並びに農林中央金庫からの貸し付け状況を、そのまた結末につきまして調査をいたしましたものでございます。税の調査は、また別の面から国税庁としては、おっしゃるような脱税がないか、その他のいろいろな資料に基づいて調査をするわけでございますので、また、税の調査につきましては、事柄の性質上、そうやたらに公表できるものじゃございません。十分機密を持ってやらなければいかぬ面もあります。また、先ほど来申し上げておりますように、まだ調査が継続中でございますので、この調査とは別個に御議論をいただきたい。
  333. 矢山有作

    矢山有作君 国税庁が税の立場から調査をするということは、あなたに言ってもらわなくてもよく知っております。しかし、この問題は政府責任において実態を明らかにするということをあなたが約束した。そうしたらば、政府はあらゆる発動できる権限を使って実態を明らかにするのがあなたの責任でしょう。そういう形式的な言い抜けば通らないと言うのですよ。それを国税庁が調査未了だからと言うなら、私はわかりますよ。しかし、税法上の調査をやるのだから、これに活用できないというのは、そんなべらぼうな答え方をして、だれも納得する者はいない。
  334. 澄田智

    説明員(澄田智君) おことばでございますが、税の調査と本件の調査とは、調査の性格が違いまして、税の調査をいたす場合に援用する、あるいは税務の調査の手段を用いましてこの調査をする、このことは、やはり税務の調査という目的を逸脱することになりまして、そのことは政府があらゆる手段を尽くして調査をすると申し上げましたが、そういった特殊な目的のものは当然除かれているというふうに了解しております。
  335. 矢山有作

    矢山有作君 それはあたな方の役人答弁です。国民期待しておるのは、そういうような形式的な官僚的なそういう役人答弁じゃないのですよ。実態を明らかにしたいということです。実態を明らかにするならば、どういう手段を使うか、実態を明らかにするために、あらゆる手段を極って政府実態を明らかにすべきだ。そういう答弁じゃ通りませんよ。  こんなふうに議論をしても先に進みませんから、次の質問。担保評価に際して掛け目ということが言われますが、掛け目は一般金融常識として大体どの程度見るのが通常ですか。
  336. 澄田智

    説明員(澄田智君) 担保の種類とか性質によって違うという場合もございますが、おおむね本件の場合に用いました八〇%というようなところは大体常識的なところ、だろうと思います。
  337. 矢山有作

    矢山有作君 私は、銀行局長は少なくとも金融については専門家だから、もっといい答弁が出ると思った。いい答弁というのは、まともな答弁だ。ところが、これはしごくまともでない答弁だ。あなたはこの報告書にあったとおり、八〇%と言われた。工場財団全般として八〇%と、こう言っている。ところが、一般の金融常識として、御存じないなら、銀行に行って聞いてごらんなさい。土地の場合、さら地で大体七割ですよ。機械、建物になると、よく見てくれて五割ですよ。三割ないし五割ですよ。これが普通の常識です。金を借りに行ってごらんなさい。あなた、金を借りたことがないかもしれませんが、そんな報告書につじつまを合わせるような答弁をなさるな。あなたはあなたの立場から、銀行行政の専門家だという誇りのほうを大切にしなさい。どうですか。
  338. 澄田智

    説明員(澄田智君) これは個々の場合で非常に違っているということも確かにあろうかと存じます。おっしゃるように、非常に担保の掛け目を低く見るという場合もあるかと存じますが、この場合におきましては、これは現地等の状況から見まして、各金融機関において八〇%という評価を適当だと認めて、こういうふうな評価をいたしております。われわれもおおむねそういう評価が妥当である、こういうふうに考えております。
  339. 矢山有作

    矢山有作君 一たん言った答弁だから取り消せないでしょうが、しかし、傍聴人もたくさんおられるから、あなたの答弁が正しいのか、私の言うのがほんとうかどうか大体わかると思う。どういう事例であろうと、何であろうと、債権を確保するということを、金を貸すときには考えなければいかぬですよ。そうすれば、担保物件の評価、この場合には厳重であることは当然である。まして関係金融機関については、公共的な性格がすこぶる強い、政府の出資が全額だ、公庫、開銀は。農林中金も債券を発行するような権限を与えられているのだ。だから公共性は強い。それだけに、私は債権確保に努力する責任があると思う。一般常識よりももっと評価をきびしくしてもいいと思う。それを一般金融よりも並みはずれた八〇%で見て、これが正しいということは言えない。もうあなたの答弁は大体わかっているから、これは聞かぬでもいい。  次にお伺いしたいのですが、そうすると、工場財団の評価は八割でやる、そのほかの担保物件の評価は掛け目、何ぼ見ておりますか。
  340. 大和田啓気

    説明員大和田啓気君) この調査報告で担保が十分であるかどうかということを申し上げる場合の掛け目は、全部八〇%にいたしております。
  341. 矢山有作

    矢山有作君 他の工場財団以外の担保物件も一律に全部八〇%見ておりますね。
  342. 大和田啓気

    説明員大和田啓気君) そのとおりでございます。
  343. 矢山有作

    矢山有作君 そのように見ているか見ていないかの議論はあとに回します。次の委員会に。しかし、すべての担保物件においてそういうふうに評価しておるとすれば、評価のしかたはきわめて甘い。ということは、債権の保全上非常に不十分な点がある、こういうことになります。したがって、私はあなた方に要求したいのは、ぜひ資料をひとつ出していただきたい。それはこの共和グループに対する貸し付け金全体に対して、それぞれ担保の設定状況を明らかにしてもらいたいのです。物件名、その所在、さらに、それに対する評価額、掛け目を何ぼに見たか、いいですね、被担保債権の額、抵当権設定の順位、これを全部出してください。そして、特に言っておきますがね、内容がわかるようにしてくださいよ、あなた方はよく内容がわからぬような資料を出すくせがあるのだから。出ますね、その資料は。出ますか。
  344. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) いまの資料要求につきましては、あとで相談いたします。
  345. 二宮文造

    ○二宮文造君 午後に私どもへ出すと言いました。
  346. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) いまの二宮君の発言がありますが、いいですか。
  347. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) 私、先ほど二宮さんから御要求がございました点は、担保物件を出してくれと、こういうことでございました。したがって、担保物件についてはお出しできます、こういうことを申し上げたのでありますが、(「どの程度に出すか」と呼ぶ者あり)それもいまお話がございましたように、どの程度出せるかどうかということになりますと、これはよく相談をしてからでなければできないと思います。と申しますことは、場合によってはすぐに売らなければならぬ、処分をしなければならぬというものも入ってくるわけであります。そのときに、評価というものが幾らだということになりますと、処分上非常にこれは問題になると思います。したがって、そういう意味で、担保物件は出せるけれども、評価についてそれをどう見ているとかいうことについては、これは十分金融機関として、また政府との御相談もしなければならない、かように考えております。
  348. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) それじゃ、いまの問題は、資料要求の点については、後刻委員長理事打ち合わせで行ないます。協議いたします。
  349. 矢山有作

    矢山有作君 じゃ、質問を続けます。  ただ一口に言うておきますが、いままでにすでに簡単な担保物件の設定の資料は出ておるのですよ。その中には評価額は出ておるのですよ。それがいまさらになって出せないというようなことは、私は認められませんよ、そんな。  次にお伺いいたしますがね、東食から共和製糖に対して十億六千万貸しておるということについては、楠見さんもおっしゃるし、それから調査報告書の付属の書類でも出てきておりますね。私はふしぎでかなわぬです。なぜかというと、共和製糖という会社は、ここに決算書がありますがね決算書をお見せすると時間がかかりますが、ありますが、これは赤字会社なんです。そういう赤字会社で、業績も十分でないような会社に、東食が自分のリスクで金を貸せるでしょうか、十億六千万。これは常識の問題ですが、銀行局長どうですか。
  350. 澄田智

    説明員(澄田智君) 東食と共和製糖は取引関係が非常に前から、そして一番大口の取引と、こういうような関係になっております。したがいまして、非常に抽象的な話としましては、赤字会社に対して東食が貸すというのはおかしいというような場合も、共和製糖のように東食と長い取引で、そして、その取引の額が非常に大きいというような場合には、それはあり得ることと存じます。
  351. 矢山有作

    矢山有作君 これはね、いまの通り一ぺんの御返事なんです。あなたがもし、東食が何ゆえに共和製糖に好きこのんであの赤字会社に金を出したかということは、これは裏の話がいろいろありますから、担保の設定にからんで、特に高槻の国有の土地を担保に提供する場合のいろいろ生裏話がありますから、その裏話を紹介しておると時間が足らなくなりますから、この次にその裏話はとっくりと聞かしてあげます。  次の質問に移ります。十月までに繰り上げ償還はと公庫言いましたけれどもね、その御答弁は聞きましたけれどもね、私は、繰り上げ償還を命じたあとどうしているのですか、一文も入りはしない、そのままでぽかっと待っているのですか、何やっていますか。
  352. 大沢融

    参考人(大沢融君) 先ほどこれをお話し申し上げましたように、私ども繰り上げ償還を命じたあと完全な償還をはかる、単にこの金だけではなくて、別に全部合計して十二億共和糖化に公庫として貸しておるわけでありますから、その債権の全部について保全をはかるということは、今後私どもがやるべき一番大事な仕事の一つだと思っておりますが、繰り上げ償還を請求をいたしまして、先ほど申し上げましたように、期限の利益を失わせるということでございますが、その後の経過を簡単にかいつまんで申し上げますと、会社からは、十月三十一日まての期限つきのものは四十一年十一月以降に可及的すみやかに返済をいたします。さらに、東食所有の共和糖化が持っております千葉の轟町の土地を、具体的に価格等も入っておりますが、それを処分して債権債務の一部に充てたい。それから、さらに、担保を新たに提供いたしますというようなことを言って、これを承認してくれと、こう言ってきました。私どものほうは、十一月一日以降に払うというようなことは承認できませんので、直ちにやれという厳重な催促と、さらに、二番目の土地の売却によって一部を返せと、これは早急に手続を進めてくれ、さらに、担保提供というものについては、これも手続を進めてくれということで、この担保につきましては、すでに手続を終わっております。さらに、その後、会社側からは数次の交渉はあったわけでございますが、書面で、これは十月二十九日でございますが、私のほうで先ほど申し上げたように、期限を延ばしてゆっくり払うなんということはまかりならぬ、土地の処分は早くやって一部にでも償還に充てろと、担保は出せということを言ったのに対しまして、四十一年十一月一日を待た、ずにすみやかに返済せよ、こう公庫のほうは言っておるが、当社の新体制樹立後にさっそく返済計画を立てて持っていくから、そのときまで待ってくれということが一つと、千葉の土地は一生懸命売り払わしてやりますということ、それから担保のことは、先ほど申し上げましたが、これはそのとおり実行をすでにいたしております。  さらにその後、十月の期限を過ぎましたので、十一月一日には再度私のほうから共和糖化に対しまして督促をいたしまして、その際、千葉の土地がまだ処分をしないでおりますので、お申し入れどおりに早くやれと、現在までの具体的な処分計画、進捗状況の報告をしろということが一つと、さらに、これはしばしば申し上げましたが、連帯保証人として会社の役員を連帯保証をさしておるわけでありますが、その者について、それぞれに自宅、宅地、家屋等の私財があるわけですが、これこれの人が持っているこういう土地建物については、第一順位の抵当権を設定せよということ、さらに、会社がこれは口頭で言ってきたんだと思いましたが、もう一つ担保を、千葉のほうの工場でありますが、当行に入担の手続を直ちにとれと、これも目下手続中でございますが、このような催促状を出しまして、現在は連帯保証人の中の一部の人について、その宅地の権利書を私のほうに預かり、抵当権の設定の手続を進めるというようなことでやっております。しかしながら、先ほども私申し上げましたように、非常に峻厳な態度でやらなければいけませんけれども、つぶしてしまうというだけが債権保全ではないと思います。ほかの金融機関にも御迷惑かけます。そういうことで経営の新体制というようなことを早く確立——お役所とも金融機関とも相談いたしまして、そういうことをやって、きちんとした形で償還計画を立てたい、こう思っております。
  353. 矢山有作

    矢山有作君 そうすると、現在まで、まだ金は一文も入ってきてないと、現実の担保設定を——追加担保ですね——やったものは一つもない、こういうことですね。簡単に言ってください。
  354. 大沢融

    参考人(大沢融君) 金は一文も入ってないのは事実でございます。担保設定をやりましたのは一件ございます。一件は手続を進め、さらに個人の財産についての担保を、抵当権設定ということを手続を進めております。
  355. 矢山有作

    矢山有作君 それでは、きょう一々その説明を言っていると長くなりますから、これも新たに抵当権を設定したもの、それから、これから設定しようとしているもの、それをですね、私が先ほど抵当権について言ったと同じように、ひとつ資料としてこれは出していただきたい。私はこれから提供されようとしている担保物件の価値について非常に大きな疑問を持っております。したがって、その物件がいずれであるかということを明確にしてもらった上で、はたして担保価値が十分にあるかどうかということを判断したい。出していただけますね。
  356. 大沢融

    参考人(大沢融君) 先ほどのようなことで御相談の上お出ししたいと思います。
  357. 矢山有作

    矢山有作君 近ごろは資料をくれと言って役所へ行くと、なかなか資料出さないんですよ。何で資料出さぬのかというとどこか知らぬが、上のほうから資料を出すなと 資料を出すのには一々正式な委員会を通してでなければ出すなと言ってやっているらしい。だから資料をあなた方は出したがらぬのだけれども、これだけの問題ですから、この資料は相談して出さないというような結論を出さないようにしてくださいね。そうしないと真相究明にならないから。真相究明はあなた方が約束していることなんで、そうすれば、真相究明に必要な資料は出さなければいかぬ。これは強く要求しておきますよ。  それから次に、再建問題がいままで話題にのぼりましたが、私はいままでの融資経過は、もう時間がかかるからくだくだしく言いません。また、いまの現状もくだくだしく言いませんが、こういう状態で不正な不当な手段で金を借り出して、それで、その行くえがどこにいったかわからぬ。実際に借り出した金のある部分しか使われていない、こういうような実態の中で、あなた方ごまかされたのですよ、全くね。それでなおかつ、それが償還を命じておいて、それを実行してもらえないで、それで再建の問題を考えるなんというのは甘過ぎると思うのですよ。第一、再建の見通しがいかに困難かということは、先ほど二宮委員指摘したでしょう。これはだてや酔狂で二宮委員があれだけ指摘したのではないでしょう。再建見通しはきわめて困難ですよ。大体その再建の問題を話をするとき、あなた方の中で意見は一つもまとまっていないじゃないですか、いままで。非常に強い反対があったのです。公庫の大沢さん、あなたは反対だった。開銀も反対だ、これは。だれか、ある機関の人が再建を固執されたという話も私は聞いておる。しかし、これは聞いた話だから水かけ論に終わるから、それでいいがね。じゃ、再建問題について、いま三関係金融機関の意見、政府の意見は完全に一致しておりますか、どうですか。
  358. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) まだ再建問題で一致点というものはございません。今日はその前の実態調査と、それから今後における債権保全、その中に、これを健全に経営できるものがあるならば、経営再建というものがありましょうし、切り捨てるものもありましょうし、したがって、まだ一つ一つの問題についての論議が整理されていないうちに、再建という方向にまだ一致してはもちろんおりません。
  359. 矢山有作

    矢山有作君 再建は一致してないでしょう。だから再建したいだとか、再建を云々という話は、転々しくこういう席で出さぬほうがいいのです。頭から再建問題はどうなるかわからぬと、真剣にいま検討の最中だというように言ったほうがまだいい。もっと言うならばね、いまの業界の状況、共和製糖の採算状況、業界の空気、いろいろな状態から判断して、これは再建なんてできっこないのです。再建しようにも、どろぼうに追い銭みたいなことになってしまう。とんでもない話ですよ。その点についてあなた方よく考えておきなさい。この再建だなんというて一体どこから金を出すんですか、どこから。市中金融機関は、これは出してくれないでしょう、まず。どこから金を出しますか。
  360. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 再建問題はまだ一致しておりませんので、どこからの金融の話も、もちろんまだ考えたりいたしておりません。
  361. 矢山有作

    矢山有作君 そのとおりでしょう。そのとおりなんです。金の出どころがまずありませんよ、出どころが。もし金を出して共和製糖を再建するんだとおっしゃるならば、向こうさんが絶対にやらない気持ちになっておるブドウ糖工場を何とかかんとか、へ理屈をつけてやらせるような形で融資をするという方法しかないでしょう。これはそれしかありませんよ。方法は。そういうようなでたらめの融資を考えながら再建を考えるんなら、私どもは納得できないですよ。いままで筋の通らない融資をやってきたんだから。それを反省しないで、金の出どころもいまあなた方現実に考えてごらんなさい。公庫は共和製糖には出せない。開銀も出せない。農林中金どうですか、出せないでしょう。一体どこが出す。ブドウ糖を無理やりにやるような形をとって出せば、これは出せる。ところが、ブドウ糖はいまの共和製糖はもうはつきりやめておる。このことは、昨年の八月にやめたということをはっきり言っておる。知らないのはあんた方ばかりだ。この間の新聞を見ると、共和のほうではブドウ糖は去年の八月にやめたということを言っているんだ。それを知らなかったのはどうかしておるということをちゃんと書いてありますよ。新聞の名前は忘れましたが、何だったらお目にかけます、私持っていますから。ですから、金の出どころはありませんよ。もしおかしな金の出し方をして、あんた方が再建するとなると、これは徹底的にこの決算委員会でまたやりますよ。これだけははっきり警告しておきますから。農水だってやれるし、大蔵委員会だってやれる、どこででもやりますから。  それから次の質問に移ります。あなた方は再建についてはまだ意見はまとまっていない。しかし、一部新聞には再建の構想というものが出ているんです。私はこれは新聞辞令だと思うけれどもね。その中に、大山田理事という人が社長になるんじゃないかということが伝えられておる。これはそこまで楠見さん考えているんですか。あんたがおそらく震源地だと思う。
  362. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) それは私が震源地ではございません。
  363. 矢山有作

    矢山有作君 それじゃ、私は新聞を見たらそういう印象を受けるような書き方になっておったから、私は申し上げたんです。誤解のないように。私がかってに言うたんじゃないですからね。新聞をごらんなさい、そういうふうに書いてありますから。ところで、私はもしそういうことがかりにも考えられておるとするならばたいへんですよということを申し上げておきたい。なぜかというと、大山田さんは共和製糖に対する融資をした当時の融資二部長ですよ、そうでしょう。あなた、うなずいておられるから、これは間違いない。そうすると、共和製糖に対する融資の当面の責任者だ、これは。しかも、共和製糖融資に対する当面の責任者であるから、高槻の国有林評価についても関与した人なんだ、この人は。そういう人を社長にすることが共和製糖の再建になりますか、なりませんか。このことは仮定の問題としてお答えください。
  364. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) 仮定の問題でございますから、私、矢山さんの御質問にいまお答えをするということは遠慮させていただきます。
  365. 矢山有作

    矢山有作君 仮定の問題なら仮定の問題としてお答えをいたしますと言えばいい、別段差しさわりはないのです。ところが、あなたがお答えになりたくないのならよろしい。しかし、私は御忠告はしておきますよ。私がいま言った大山田さんのことについて、うそならうそと言ってください。うそではないはずです。こういう人が社長になるとすれば、もってのほかですよ、これはよく言っておきますから。きょう傍聴の人もたくさんおられるから、あにはからんや、大山田さんが社長になったと言ったら、きょう私が言ったことは、みんなほんとうになってしまいますよ。だから、それは十分注意してください。  私は、時間がまいりましたから、これで質問はやめますが、追加して資料要求しておきます。共和各社の累積赤字、これを示してもらいたい。それから砂糖、ブドウ糖、それぞれに必要な年間の運転資金、これを出していただきたい。この二つは出せますね。首ひねっておられますが、砂糖、それからブドウ糖、それぞれの年間の必要運転資金というのは専門家に頼めばすぐできますから、これはまあたいして頭をひねることではありませんから、それを出してもらいたい。それを二つ追加して——出ますね、出ますか。当面の責任者だれだ。農林大臣じゃないの。
  366. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) よく調査をということは、経営規模によって違いますし、このいまの、ただいまの共和は、でん粉、砂糖競合しておりますから、単独でこれの見通しというのは、相当推定が入ると私は思います。しかし、最善の努力をしてみますけれども、とにかく、まだ動いてない工場もあるのですから、それを推定して、でん粉の価格は幾ら、砂糖価格は幾らというのはあれですが、一般平均的に砂糖の経営状況については調査をして御報告いたします。
  367. 矢山有作

    矢山有作君 それは私は何も共和製糖の年間の必要運転資金を出してくださいと言ったのではない。通常一般の平均的な砂糖業、ブドウ糖業のその必要運転資金というものを専門家に頼めばつくれるから、それを出してください。
  368. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) ただいまの御要求ならお出しいたします。
  369. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) それから、矢山君から要求がありました累積赤字の資料はどうですか。
  370. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 後ほどよく調査して、できるだけ御要望におこたえいたします。
  371. 矢山有作

    矢山有作君 それからさらに、共和各社の株主名簿の一覧表を提出願います。これはどうですか。
  372. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 政府側いいですか。
  373. 大和田啓気

    説明員大和田啓気君) それは提出いたします。
  374. 矢山有作

    矢山有作君 最後に一つお伺いいたします。  ここに一七ページに、七九%しか支出確認ができなかったと書いてある。そうすると、あとの二〇%以上は、金額にすると五億四千九百万、これは確認できていないのです。これが一番あやしいですよ。この確認できてないというのが。そう思いませんか。この確認できないやつは、私は根拠のない、実際に工事に支出されていない金だと断定して差しつかえない、私は。あなた方どう受け取っていますか。
  375. 澄田智

    説明員(澄田智君) この報告書の確認をしておりませんものは、これは相手方の確認をしておらないわけでありまして、一括して支払いをいたしておりました三和銀行の八丁堀支店から、そのような支払いが行なわれているというのは確認はいたしております。銀行から出ておるのは確認をしております。それが相手方の確認はしておらない、こういうことでありまして、そして、この場合はいわゆる大口のものは全部当たっておりまして、小口のような雑件について当たっておらないわけであります。
  376. 矢山有作

    矢山有作君 あのね、三和銀行を調べて、これだけ支出がありましたというのでは、それが工事に向けられたかどうかということはわからないのですよ。ですから、私は、この五億四千九百万というやつはまずまず流用の疑いが濃い、こういうふうに見て究明していくことが、あなた方のおっしゃる真相究明の一助になる、一助にね。  それからもう一つ申し上げますと、領収書の中で偽造でなかったものが宮崎県庁から出た領収書、おそらく一つだけだと私は断定しても大きな違いはないと思います。もしこれに大きな違いがあるとおっしゃるのなら、違わない証拠をちゃんと出してもらいたい。私がこれを言うのは、決して根拠のないことを言っているのじゃないのだから、そのことを私は確信を持って言っておきます。宮崎県庁から出た領収書だけがまずまず本物だ、あとはすべて偽造である、あるいは、なかった、どちらかである。このことをはっきり言っておきます。それで、どういうことになるかというと、実際に支出をしたということは銀行でわかる。それはしかし、融資先から相手方に確実に支出された金がそれだけ渡ったかどうか、そして工事に使われたかどうかということは、融資先の相手方から出た領収書しか、この真相を解明できるものは何もない。したがって、私は、おそらくあなた方は確認した——確認したとおっしゃる融資先で当たったものは、それは一応了解しましょう。ところが、それとて問題がありますよ。なぜかというと、はたして細島の工場に使われたものかどうか、細島の工場でなくて、共和グループのほかの工場に使われたものかどうか、このことをあなた方は見きわめておらぬでしょう。見きわめる根拠はなかったはずです。これに反論があるなら言ってください。そして、なお反論だけじゃだめなんですから、しゃべっているだけじゃ。それをくつがえしたいというのなら、あなた方のほうでこれが融資先の相手方から出た本物の領収書であるということを示していただき、さらに、融資先の相手方に対して、ここに呼んできてでもちゃんと話をさしてください。どうですか。
  377. 大和田啓気

    説明員大和田啓気君) 最初の御質問に対して私からお答え申し上げます。  ゆうべも申し上げましたけれども、二十五億五千万円などの支出済み額の中で、大口の分は相手方に当たってよく確認いたしております。その割合は七九%というふうに申し上げたわけであります。  それからなお、二一%につきましては、そのような確認はいたしておらないわけですけれども、その後、若干の小口の中のいわば大口と申しますか、比較的大きなものについては、できるだけ当たるように努力いたしております。二、三当たった中で支払いの確認をいたしたものもございます。私ども今後あまり現場で払っている小さいもの等についての一々の支払いの確認というのは、これは困難あるいは不可能でございますけれども、相当まとまった額のものにつきましては、残りの二一%の分につきましても、できるだけ支払いの確認を進めたいというふうに考えておるわけであります。
  378. 澄田智

    説明員(澄田智君) ただいま御質問あとのほうでございますが、そのとき共和製糖で、現に今回の調査で見ました領収書というものがございます。それから伝票がございます。それから、その伝票で、この報告書にも書きましたように、一覧表を作成しまして、そうして八丁堀の支店で、銀行の当座勘定からの支払い状況と、いまの伝票による一覧表を突き合わせまして、そして現在共和製糖にあります領収書、これはかって開発銀行が取った領収書と合わないものがあるというそれでございますが、その領収書と照合いたしまして、そういうことはやっております。そこで、さらに大口につきましては、その支払い先で確認もいたしましたが、その際——いまの御質問は、それは共和グループのほかのところにいったものではないか、こういうような点でその点の確認はないではないかと、こういう御話だと思います。支払いがありまして、それが細島以外にいったかどうかという点につきましては、われわれのほうでも、細島に現地調査をしたときにも、できる限り現物を確認いたしましたし、この支払いが行なわれました当時、共和グループは細島以外では、格別このような大きな設備工事は一切やっておりません。この期間における設備工事は大体細島に限られると、こういうことでありますので、機械、それから建物関係、あるいは土木工事関係その他のものは、これは細島であると、それはもちろん相手方にも確認して、細島ということは確認してありますが、その場合に、ほんとうにそれが細島にいっているかどうかという点につきましては、当時の共和グループがほかに設備工事をさしてやっておらなかった、ほとんどやっておらなかったというところから見ても、まず間違いなかろうと、こう存じます。
  379. 矢山有作

    矢山有作君 私は、細島にやるんだと言いながらほかにやったやつがあるかもしれませんぞと言うことは、これは、そういうふうな疑いを持って調べてごらんなさい。まあ、しかし、わからないね。これはないんだから、肝心の領収書の本物が。本物がなければどうにもならぬのだから。これはやっぱりちゃんと認識してもらわなければならぬ。私は少なくとも、偽造した領収書のことについては、ここでデマを飛ばしているんじゃないんだから、もし、はっきりさせろというなら言いますよ。しかし、私は信義を重んじますからね、そこまで言いませんよ。宮崎県から出た領収書一つがせいぜい本物である。あとはわからない。ということは、ほんとうに出た金が適正にそこに使われたかということの証明がてきなくなっているということなんです。このことをはっきり言っておきます。  それから最後に一つだけ聞きます。あなた方がわれわれに示されておるこの支出した金額が工事に使われたこの明細書ですね、この中には、融資対象外のものは入っておりませんか、融資対象外のものは。
  380. 澄田智

    説明員(澄田智君) ただいま御質問の意味が、ちょっとあるいは私ども取り違えているかもしれませんが、その報告書の一八ページに、三機関で確認した細島に支払われた事業費、ここに載っております、これは細島にどれだけのものが支払われたかということでありまして、これは総計二十五億五千三百万ということになるわけでありますが、このうちの精製糖につきましては、十七億ないし十八億というような数字になるわけでありますが、これに対しまして、このいま精製糖を例にとって申し上げたわけでありますが、開銀が八億、それから三和銀行が三億、それから宮崎銀行が一億というようなわけでありまして、この金額よりは融資額のほうが少ないわけであります。したがって、そういう意味では手金も使っておりましょうし、融資対象外のものもあるわけであります。
  381. 矢山有作

    矢山有作君 私はね、この掲げられている事業費には、公庫、農中、開銀が融資するときの融資対象事業というものには制限があるはずなんです。だから、その融資対象事業外のものまで、こういうふうに工事をしておりますということで書いているでしょうと、そのおそれがありゃしませんかと言っているのです。だから、そのことは、あなた方のほうも研究してみてください。私は、このあなた方の示された事業費の中には、三金融機関融資対象になる事業以外の事業に支出しているものがあるかもしれないということを指摘しておきます。これは明らかにぜひしていただきたいと思います。  以上で私の質問はやめますけれども、私はやはり何と言ったって、この共和グループの問題ということはね、先ほどから指摘がありましたように、糖業の合理化計画を立案されたときの事情、さらに、そういう計画を立案したその計画自体の矛盾、こういうものが一つの大きな私は原因になっていると思う。だから、この責任はやはり明らかにしなけれ、ばいかぬ。  それからさらに、過剰な融資がどれだけ行なわれたか、そして一体それがどこに使われたか、これはわれわれは徹底的に究明しなければならぬ。したがって、私が要求をした資料は、すべてそれを明らかにしていくのに必要な最低限度の資料なんです。だから、私はあなた方がお約束のとおりに、ぜひとも真相を明らかにしたいとおっしゃるのでしたら、資料はこの上なく詳細に、われわれを納得させるものを提出する義務があなた方にあります。  私はもう一ぺん言うておきますから、間違いのないようにしておいていただきたいことは、共和各社の株主名簿の一覧表、共和グループ各社の累積赤字、砂糖、ブドウ糖、それぞれの年間必要運転資金、それから担保設定、これは先ほど言いましたような物件所在地、さらに、それによって裏づけをされている被担保債権額、それから第何順位で設定をされておるか、そういう点を詳しくしてもらう。そうしてさらに、大沢総裁が追加担保を取ったのもあるし、取る準備をしておられるとおっしゃっておるから、これもつけ加えていただく、そういうふうにしていただきたい。  そうして最後に一つだけ、これは国税庁の長官にお願いしておきます。多額の融資の流用の一つに、銀座一丁目五番地の東洋美術館から菅がたびたびダイヤを買っておる、最高六千万円といわれるものまで払っておるんだといううわさがあります。これは事実かどうかということは、これはまた別個の議論にいたしましょう。しかしながら、私は自分が東洋美術館の税賦課状況を調べてみました。しかしながら、なかなか真相がつかめません。もしこの売買が事実だとすれば、私は事実かもしれぬと想像するんですがね、ここには脱税問題が明らかに起こってきます。あるいは過剰融資使途を解明する一つの手がかりにもなる。だから、これは国税庁において、あなたは脱税防止のために徹底的に調査する権限がおありだということは、しょっちゅう銀行局長もおっしゃったんだから、徹底的にこれは調査してください。これは注文しておきます。  以上で私の質問は終わります。
  382. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 国税庁長戸、いまの矢山君の発言に対して……。
  383. 泉美之松

    説明員(泉美之松君) お話しの事実は私ども承知いたしておりませんが、調査はいたしてみたいと思います。
  384. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 会計検査院の小熊第四局長見えておりますか。——おそくなりましたが、相澤君の質問に対しまして答弁をいただきたいと思います。
  385. 小熊孝次

    説明員(小熊孝次君) 高槻の林野の問題につきましては、われわれといたしましても、本年の九月現地に参りまして、調査官を派遣しまして、現地はもちろんでございますが、大阪営林局その他関係先をいろいろ調査いたしまして、慎重に検討しておる段階でございます。簡単でございますが、一応以上のようにお答えいたしまして、もし御質問ございましたら……。
  386. 相澤重明

    ○相澤重明君 いまの会計検査院の報告は中間報告ですね。
  387. 小熊孝次

    説明員(小熊孝次君) はい。
  388. 相澤重明

    ○相澤重明君 そこで、大臣はじめ各担当者並びに金融関係の皆さんにもおそくまでおいでいただいたわけですが、すべてがやはりまだ中間的報告だと私は思うのです。解決編ではないわけです。今後十分政府関係をはじめとして、皆さんに御努力願わなければならぬことだと思うのでありますが、私どもとしては、このままではやはりしり切れトンボになってしまう、こういうことで国会の立場においても、決算委員会として本院の中にこの調査をする調査委員会等も設けて、さらに究明しなければならぬと思うのです。こういう点については、委員長理事のほうで一応打ち合わせをして、ひとつ与党の皆さんにも協力を願って進めていきたい、こういうふうに私からも、ひとつ提案をしておきたいと思う。この点、ここで結論ではないのですが、自民党の皆さんにも御相談願わなければならぬ立場がたくさんあると思うのですから、一応いままでのこの二日間の報告を聞いただけでは、まだ解決編ではない。こういう意味で、国会の場も私は調査する機関を持つ、こういう方向にひとつ努力していただくということをあわせて要望して、きょうの質問を終わっておきたいと思うのです。
  389. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) ただいまの相澤君の意見につきましては、後刻、委員長理事打合会において協議いたします。  他に御発言もなければ、本日の大蔵省の部についての審査は、この程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後十時四十五分散会