運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1966-10-01 第52回国会 参議院 決算委員会 閉会後第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年十月一日(土曜日)    午前十一時十五分開会     —————————————    委員異動  十月一日     辞任        補欠選任      林   塩君     石本  茂君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         鶴園 哲夫君     理 事                 仲原 善一君                 野知 浩之君                 相澤 重明君                 岡  三郎君                 二宮 文造君     委 員                 黒木 利克君                 後藤 義隆君                 大森 創造君                 小林  武君                 柴谷  要君                 達田 龍彦君                 中村 波男君                 藤原 道子君                 岩間 正男君    事務局側        常任委員会専門        員        池田 修蔵君    説明員        法務省刑事局刑        事課長      石原 一彦君        大蔵政務次官   小沢 辰男君        国税庁長官    泉 美之松君        農林省農林経済        局長       大和田啓気君        食糧庁長官    大口 駿一君        林野庁長官    若林 正武君        自治大臣官房参        事官       志村 静男君        自治省選挙局長  降矢 敬義君        会計検査院事務        総局第五局長   佐藤 三郎君    参考人        農林漁業金融公        庫総裁      大沢  融君        日本開発銀行副        総裁       石原 周夫君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事辞任及び補欠互選の件 ○昭和三十九年度一般会計歳入歳出決算昭和三  十九年度特別会計歳入歳出決算昭和三十九年  度国税収納金整理資金受払計算書昭和三十九  年度政府関係機関決算書(第五十一回国会内閣  提出) ○昭和三十九年度国有財産増減及び現在額総計算  書(第五十一回国会内閣提出) ○昭和三十九年度国有財産無償貸付状況計算書  (第五十一回国会内閣提出)     —————————————
  2. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  おはかりいたします。  佐藤芳男君から、都合により理事辞任したい旨の申し出がございましたが、これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  つきましては、直ちにその補欠互選を行ないたいと存じます。互選は投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事野知浩之君を指名いたします。
  5. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 委員異動について報告いたします。  本日、林塩君が委員辞任され、その補欠として石本茂君が選任されました。
  6. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) これより昭和三十九年度決算外二件を議題といたします。  本日は、大蔵省の決算について審査を行ないます。  これより質疑に入ります。質疑のおありの方は、順次御発言願います。
  7. 仲原善一

    仲原善一君 私ども委員会におきましては、ただいま問題になっている事件について、精力的に現在審議を続行しているわけでございますが、この際、その結果をすみやかに私どもは解明いたしたいという念願を持っております。  そこで、決算委員立場から特にきょう御質問を申し上げたいのは、第一に、開銀の副総裁にお伺いしたいわけでございますが、その一つは、今回の問題の一番焦点になっております水増し融資、過剰の融資の問題でございますが、政府のほうにおきまして、この点について、はっきりした水増し融資でないという、開銀当局においてそういうことでありまするならば、はっきりと資料によって、事実をもとにしてこの際、明確にしていただきたいと、疑問を国民の前に一掃していただきたいという布望を持っておるわけでございまして、この点をいろいろな材料について御説明願いたいと思います。  その過程において、一つ領収書の問題でございますが、この領収書開銀金融をやられる場合に、窓口銀行を通じ、それからさらにその融資を受ける会社にいき、それがさらにまた取引の関係銀行、請負の業者というふうに流れていくと思いますが、その過程において、このレシートなるものは、どの時点で発行されて、どういう経過でそれは開銀の手元に届いてくるのか。その間にこのレシートの持つ意味がどういう重要性になるのか、現金流れと。まあ、私どもは、従来の開銀総裁の御説明によれば、レシートは単なるこれは参考資料だと、当時の出来高を実地に検査して、指示を出して、金を流して、いるのだと、しかも、それは全部小切手とか、いろいろの振り込みとかいう関係で、現金そのものが直接流れていくのじゃないというふうな説明を受けているわけでありますが、この点どうもしろうとの多い——どもしろうとでございますが、専門的な立場でいろいろ御発言になったので、私ども了解しにくい点がたくさんございました。なるべくしろうとわかりのするように、どういう形で現金——そのお金が流れていって、レシートはどういう点で切られて、どういうかっこうで流れてくるのだと、もとに戻ってくるのだというふうなことを、わかりやすくひとつ、図表でもあればそういうものをもとにしてもいいのですが、説明をしていただきたいということ、これが第二の御質問でございます。  それから、これは相当一時は問題になって、いまではさほどの問題でもないと思いますけれども印鑑偽造の問題でございますが、この問題が、かりに偽造であった場合に、あるいはなかった場合によって、国損が実際あるのかどうか、その辺の意見をひとつ開銀側から説明願いたい。たとえばこれがかりに偽造であった場合には国損があるのか、偽造でない場合には国損はないのか、偽造の有無によって国損のあるなしにつながるかどうか、その辺を明確に開銀当局見解を聞いておきたい。  それから、時間もありませんので簡単に申し上げますが、私、ずっと毎日出てこの委員会の様子を聞いております。どうも全体の何と申しますか、総合的な判断というものがなかなかつきにくいわけでございまして、その点、断片的な質問を通じ、断片的な答弁があるというようなことも、私の理解しにくい点になるかと思いますが、何か政府のほうで、この問題について総合的にひとつ取りまとめて積極的に解明するような態度がほしいと思うのでございます。これはけさ新聞でございますが、閣議の席上でも、農林大臣がその点を強力に指示したような意味の議事が出ておりますが、そういう点について、しっかりしたひとつ腹がまえでこの問題に取り組んでもらいたい。ついては、断片的な問題としてでなしに総合的な立場政府もひとつ十分に調査研究をして、しかるべき機会にこれを当委員会に報告してもらいたいという希望がございます。そういう点についてはどういう御意見であるか、その二、三の点について質問を申し上げた次第でございます。
  8. 小沢辰男

    説明員小沢辰男君) ただいま仲原委員の御質問の三点につきまして、私から最初お答えを申し上げ、なお、詳しい説明につきましては、開銀の副総裁から説明をいただきたいと思います。  まず第一に、今度の開銀の八億の融資がはたして妥当な融資であったかどうか、それに相応する工事といいますか、そういうものが行なわれておるかどうか、こういう点につきまして、私どもは、開銀融資に応ずる製糖工場が当初の計画以上に現在五百トンの能力をもって稼働している現実を見ましても、十分開発銀行融資の目的は達しておるというふうに確信をいたしております。  なお、開銀資金流れ関連をいたしましてお尋ねがございました。これにつきましては、副総裁から詳細御説明を申し上げたいと思いますが、その際、便宜上私のほうで開銀資金流れを若干簡単に図解をいたしまして印刷をしてまいりましたので、お許しを得ればそれを提出いたしまして、それをごらんいただきながら副総裁説明を御聴取願いたいと思います。  第三番目の政府側統一見解、いろいろな質疑応答の中でそれぞれ断片的なことについて政府側答弁をいたしておる、そういう点について、全般的に国民疑惑というものがなかなか晴れないじゃないか、したがって、もし政府側でこの政府資金融資が妥当なものであるということになれば、農林大蔵当局、あるいはそれぞれ関係の各省が、十分調査の上国民の前に明らにしたらどうだ、こういうお尋ねでございます。昨日の閣議でそのお話も出まして、私どもいま準備をいたしているわけでございます。したがいまして、できるだけ早い機会に、いま先生のおっしゃいましたような各それぞれの諸点にわたりまして、政府としての解明をした結果を御報告を申し上げたい、かように考える次第でございます。
  9. 石原周夫

    参考人石原周夫君) 最初に、私ども融資をいたしました金がどういうような形に相なっているかという点から、私ども融資過剰融資になっているかなっていないかということについて簡単に申し上げます。時間がございませんので、従来御説明申し上げましたことは、できるだけ省略して申し上げます。  まず第一に、私どもは、十五億二百万円の金をもちまして、宮崎県細島精製糖工場融資をいたしたわけであります。そのうち八億円を当行が負担をいたしました。この金は三十九年の十月までに交付をされておるわけであります。この間に八回に分けて資金交付をいたしておるわけでございまして、合計八億円の融資ができておるわけであります。これに対しまして、現在でき上がっておりまする施設は、御承知の方もあると思うのでありまするが、完全に完成をいたし、操業をいたしておるわけであります。その価格は、私ども融資対象といたしました精製糖工場並びにこれに関連をいたしまする共用の施設がございます、専用埠頭でございますとか、あるいは自家発でありますとか、そういった関係、これは農林公庫の融資対象に属する部分もあるわけでございます。これも合わせまして、十九億二千五百万円という金額で現在財団を組成せられまして登記をせられております。なお、このほかに一億六千万円ほどの自家発設備が、物はすでに動いておりますけれども財団を組成する手続がおくれておりますために、それ以外の財産はできておりまするが、一応財団として組成の登記をする額は十九億二千五百万円、こういうことであります。このものが現在動いておるわけでありまして、私どもとしては、この十五億という最初の金がどうかというお話も、それだけの金が要っていないのではないかというお話もあったわけでありますが、これは政府側においてもお調べをいただくということでありますから、その経過においてなお明らかになるかと思うのでありますが、私どもも別に、こう砂糖設備は幾らであるべきかということにつきまして、ある一定の基準があるというふうには考えません。しかし、大体におきまして、おおむねの常識のようなものはあるようでございます。大体トン四百万円とか、五百万円とかということを申しておるようであります。現に、最近におきまして完成をいたしました一工場では、八百トンで三十億をこえる金額のものがあるようでございます。そういうものから見ますと、五百トンで十五億ということになりますと、トン三百万ぐらいになるのでありますから、そういうものをトン何百万円ということで割りますことは、これは相当大胆なことでありますから、それが唯一の基準だと申すわけではございませんけれども、おのずから一つ常識のようなものがございまして、十五億円で一応五百トン設備ができているということは、むしろたいへん低目であるという感じがいたすのであります。私どもといたしましては、そういうようなりっぱな設備が現在動いているわけでありまして、これも相当操業期間長きにわたっておるわけであります。したがいまして、私どもは、でき上がっているものとその支出額というものと、両方を合わせてみますると、私どもといたしましては、過剰融資というような事態には相ならぬのではないかという考えを持っておるわけであります。それが第一点であります。  第二点は、私どものほうの、ただいまお配りをいたしましたかと思うのでありますが、資金流れがどうであるかというわけであります。これはしばしば御質問の中で、領収書融資決定を左右いたしておるのではないかという点がございました。それに対しまして、私は、何回かの機会に、融資は毎月の資金繰り表をベースにいたしまして、どういうところにどれだけの金が要るかということを前提といたして融資をいたしておる。しかしながら、私ども債権管理という立場がございまするから、債権管理立場から、レシートをもらってこれを保管し、将来にわたりまする債権管理の有力な資料にいたしておるということを申し上げたわけであります。  ここにお配りをいたしたものでおわかりを願う点も多いかと思うのでありまするが、私どもといたしましては、まず第一に、1、2、3、4という順序がございますとおり、資金交付願い融資先から出てまいりますると、これは工事代金支払計画明細月割り——必ずしも全部月割りではございませんで、三カ月ぐらいのものもございます。ある機関別資金交付願いが出てまいりますと、その反対側に2という流れが、特定線引小切手、すなわち銀行を特定いたしておりますから、この小切手融資先に流されますから、その銀行以外に行きようがないわけであります。その金が小切手預金という3というところ、融資先銀行にいくわけであります。ここに別途2依頼書発送ということがございまして、融資先指定銀行にいっておるわけであります。これは別口預金にしてもらいたいということが一つと、もう一つは、使途別明細をつけまして、このとおり使用するようにお願をしたいということを、資金交付いたしまする条件にいたしておりますから、したがって、そのとおりにお願いをしたいということを融資先指定銀行に言い渡すわけであります。そういたしますると、いまが3、2までの関係でありますが、そこで今度は融資先がいよいよ金を出してくれ、こういうことを申しますると、業者と書いてあります、これは納入者に当たるわけでありまするが、銀行業者勘定がございますれば、そこに預金の振替をいたす。これがおおむねの場合かと思うのでありまするが、もしその勘定がなければ、融資先指定銀行といたしましては、私どもの協力の本旨に合うように小切手を振り出して業者に払っていく、こういうような形に相なっております。そのいずれかの形で業者支払いが済まされますと、そこで領収書発行ということがございまして、これが融資先に戻って、戻ってまいりました領収書写しをわれわれが受け取る、こういうことが手順であります。  以上申し上げましたように、融資決定はこれより前にあるわけです。各資金交付の、何回かの資金交付をいたしまするが、その手順はいまのようなことでありまして、この欄外に書いてありますように、工事期間中または工事完成——この場合には二回になってやっておるわけでありますが、現地調査を実行いたしまして、申し込み対象工事の進捗あるいは完成ということを確認をいたしまして、これは御承知のように、どういうような建物であるか、どういう構造で、どういう坪数であるか、もちろんそれに対しまして、われわれとしては単価の査定なり、見込みなりございますから、そういうものとにらみ合わせまして、どういうような工事ができておるかということをにらんで、2に書いてあります対象工事完成いたしますと、それの抵当権の設定をいたす。これが先ほど申し上げた十九億二千五百万円というものが抵当権対象になっております。私どもはこの一番抵当の担保を出しておるわけであります。それが私どもの金の回り方、並びにどういう段階でレシートが出てくるかということを書いてあるわけであります。  そこでいまの御質問の第三点でありますが、領収書偽造であった場合に国損になるかどうかという点であります。これは、いま申し上げましたように、各期におきまする工事予定支払い予定、それをにらみまして、私ども資金交付をいたしているわけでありまするから、何と申しましても事柄の本体は、その工事がそのとおりでき上がっているかということであるかと思います。したがいまして、私どもの金が流れ、それだけの工事ができ上がっているということ、これは今後政府側でお調べいただくということでありまするが、それが本体だと思うわけであります。しかしながら、その金がどういうようなところに支払われ、それがどういうような種類に適用されるかということは、これはもちろん重要な参考の問題になりますが、それが国損になるか、ならないかという問題は、流れました金がそういう予定せられた施設になっているかどうかということが一番のポイントであるかと思うわけであります。  以上簡単でありますが、私のお答えといたします。
  10. 大森創造

    大森創造君 ただいま御答弁がありました開銀石原総裁ですね、あなたは清廉潔白な、曲がったことは大きらいだという、そういううわさをかねがね聞いております。偽造レシートの再偽造などというようなことを私この間申し上げましたが、そういうことは絶対にあなたに限ってないということを私確信しております。  まず、あなたのいまお述べになった融資は、私のほうの調査でも、共和製糖はとかくうわさのある会社だからといって、念には念を入れて、レシートや帳簿を入念に調べた上で、八億の金を八回か十回に分けて支払っている。人事を尽くして貸し出しを行なっている。あなたのほうの融資から考えて、私はこう思う。大沢さんが問題のブドウ糖の四億云々というのは、あなた食糧庁長官だったんですね、だから、現在の大口長官に当時の食糧庁長官はだれだと言ったらば、すぐ出るはずなのに、目の前におられるから言わなかったのではないかと思う、いまでは。一昨日の質疑応答の中で。そこで、いまの大沢さんが融資依頼などをしなかった場合には、石原さんのほうでは金を出さなかったのじゃないかと思えるんです。大沢さん、いかがでしょう。
  11. 大沢融

    参考人大沢融君) 融資をされたのは三十九年十月でございますから、私の記憶では、私は三十八年の九月ごろ食糧庁長官をやめているはずでございますから、食糧庁長官じゃございません。
  12. 大森創造

    大森創造君 石原さんにお伺いしたいと思うんですけれども、私はいたずらにあなたを追及するなんというようなことは毛頭思っておりません。しかし、この事件は非常にボリュームが大きいんですよ。何しろ私はけさ新聞を見て、疑惑、黒い霧、それから岡委員が発言されたレシートの問題、これがたな上げということがずっと書いてございましたけれども、無理からぬことだと思います。国民の目もそういう目でこの委員会を見ているだろうと思ったので、そこできょうは私は本筋を話そうと思う。——一年間くらい疑惑の種をまく材料を私は実は持っているんですよ。もとがなければそれは出てきません。委員会を開くならば、十一月にたとえば国会が開かれれば来年まで持ち越す材料を持っていますよ。それは何ものかがあるからですよ。  それはいいとして、石原さんにお伺いします。新聞に出ました領収書の写真と、あなたのほうで手持ちのレシートを行内で照合したでしょう、どうですか。これは偽造と思えるふしはございませんか。石原さん。
  13. 石原周夫

    参考人石原周夫君) 先ほど申し上げました領収書写しというのは、申すまでもございませんが、いわゆる昔の写しではございませんで、いまはリコピーによります写しであります。新聞で拝見いたしましたものは、いずれも非常に鮮明を欠いておるわけでありまするので、私は、それがにせものであるとかないということを、あの写し——両方とも写しでありまするので、判断をいたすということは正直申しまして無理ではないかという感じを持っております。
  14. 大森創造

    大森創造君 熊谷組工事経歴書、これをしさいに検討いたしました。そうすると、私が先日問題にした専用埠頭とかやあるいは倉庫だとか、あるいは土地造成だとか、ブドウ糖基礎工事だとか、汚水処理だとか砂糖機械だとか、製糖工場だとか、こういうものについては、こうなんですね、実際に工事施行をしたのは熊谷組であっても、あるいは水野組であったり、たとえば二億をお支払いしたものが実際は八千万しか支払っていなかったり、工事経歴書なるものは、いまさらしろうとの私が御説明申し上げるまでもなく、これは会社宣伝でございますから、何とかして仕事の実績をとろうと思ってよけいなことを書きたい性質の書類ですよ。それに絶対に出てこないというのは、一体いかなるところからきているのか。欲ばってこの中に書きたいことがある。実際にやったと銀行側が言っていること、共和製糖あるいは細島工場が言うておることよりもぐんと少ないのはいかなることか。専用埠頭はにせの領収書によって積み重ねられて、実際の支払いは二億八千百万円というふうになっている、金額は二億八千百万円です。これは熊谷組東京本店で確認しました。ところが、これは実際は広島の水野組が請け負ったのです、実際は。これは石原さん、よく聞いてくださいよ。実際は水野組が請け負ったのです。その支払いは、ほんとう支払い金額は一億五千万ぐらいです。それから倉庫は、これだけ払ったぞというのが石原さんや大沢さんや、それから楠見さんのほうに出ているものが四億四千三百万円のはずです、約。前後はあるでしょう、多少違いはあるでしょう。製糖工場は、いまのような流儀で言いますと、換算しますと約一億三千四百万円のはずです。それが偽造印鑑偽造領収書請求書によって、ただいま石原さんがお答えになったように、コピーはあなたのほうに来ているはずです。オリジナルは共和製糖本社にあるはずです。ところが、ほんとう支払い金額は、倉庫製糖工場合計は、いま申し上げた金額合計は五億七千七百万です。そうなります、足し算すると。ところが、これはインチキ領収書請求書のほうですよ。ほんとうのほうは約三億四千五百万にしかなりません。請け負ったのは同じ熊谷組でございます。整地のほうは——県から坪当たり二千八百円で払い下げました。これは正しい。それから整地料が坪四千円かかっている。これはうそでございます。インチキ領収書、架空のほうのものを積算しますと四千円かかったことになるから、三万六千坪をかけると一億四千四百万円に相なります。これは熊谷組がやりました。ところが、これは工事経歴書のどこにも書いてございません。これは直営でやっております、安く直営でやっております。工事経歴書にはどこにも出ておりません。砂糖機械はどうかといえば、いまのでんで押しますと、インチキのほうが八億二千万円、月島機械が受けております。ところが、ほんとうのほうは四億円ぐらいです、約四億円ぐらいです。そして同じく月島機械でございます。ブドウ糖機械はどうか。発注先月島機械でございまして、インチキのほうは二億八千六百万になっている。ところが、月島機械工事経歴書には、月島機械誇大宣伝というか、うそを書かない限り、絶対に経歴書には出てまいりません。これはいかなるわけか種あかしを申し上げます。公庫の人が行った、ブドウ糖機械でございますから現場に見に行った。月島機械の現場の人にだれかが鼻薬をきかした。砂糖機械ブドウ糖機械といつわって公庫の担当者を工場に案内しているのが真相です。だからややこしいのです。ブドウ糖基礎工事熊谷組です。架空のほうは四億四千万です、あるいは二千万です。金額はさだかではございません。しかし実際は、同じく熊谷組一億八百万しかかかっておりません。それから、だれが何と言おうと、熊谷組の福岡支店、ここに持ってございますが、福岡支店の判こは絶対にありません。この世の中に存在しません。一体私の手元にあるこういうもの、何の必要があってだれがつくったのでしょう。私でもない、岡さんでもない、二宮さんでもない。何のために、この領収書は何の必要があってだれがつくったのでしょう。現にあなたのほうからレシートを出してこない。こういう一連のものはその辺の小売り人がつくるはずはない。証拠はこれだけで十分です。私はそう思う。この原本、紙まで印刷した。その人の名前まで知っているのですよ。こういうものを——紙です、用紙です。そのものも偽造した。その印刷屋を私は知っているのですよ。そういう一連の問題、ややこしい問題を離れて、どなたか、石原さんじゃない、政務次官でもいいから感想を述べてください。ややこしくてわかりませんから。  私は素朴に疑問に思うが、あなたの感じを言ってください。
  15. 小沢辰男

    説明員小沢辰男君) 私は開銀の八億の融資に応ずる五百トンにのぼる製糖工場がりっぱにでき上がっていることを確信いたしております。したがいまして、ただいま大森先生のいろいろな点につきまして、私全然わかりませんが、もしそういうようなことで御疑問がおありになるならば、私は、国会でひとつ製糖工場開銀融資関係につきまして、これが八億に応ずるような十五億円のりっぱな製糖工場ができているかどうかを現実に御調査をいただきたいと思います。
  16. 大森創造

    大森創造君 そこで実は、私も複雑な心境でいるのでありますが、この際言ってしまいます。きのうの秘密理事会で、実は私だけが知っていた事実がある。あなた方自民党のほうで領収書を照合することを、私や私の同僚議員の要求どおりに応じたならばどういうことになるかという先を読みました。鶴園委員長が、来たる十月の七日に、委員大森君、だれだれで現場に行って調べます、照合しますということになったら実はどうしようかと、私は心配でした。いまだから言います。きのうは言いません。きょうはいまから言います。黒い霧を晴らします。というのは、そうなったら天下に赤恥をかくのは私だからです。これは全国民が注視している。田中彰治事件がみすみす掘ったわなに飛び込むほど私はばかなキツネではございません。だてや酔狂でこういう問題を手弁当で三カ月も調査したのじゃございません。石原さんも、大沢さんも、楠見さんも、政務次官も、たびたびの席でいろいろなことが問題になっておる。この問題を総合的にずっと大きく知っているのは私でしょう。石原さんが幾らまじめでも、あなたのサークルの中の細部しか知らないでしょう。十六の会社が十三になって、どかどかけんかが行なわれて、農林開発にばんばんいく。何とか産商を通じてこう金が流れる、このからくりはちょっとやそっとでわかるものですか。わからないですよ。だから私は三カ月も要した。あと一年ぐらい私は疑惑の霧に国会を包みたいぐらいに思っています。  そこで、なぜかというと、これが真相なんです。いいですか、ここですよ。法務省代表いますか。
  17. 石原一彦

    説明員石原一彦君) 刑事課長がおります。
  18. 大森創造

    大森創造君 よく聞いてくださいよ。  日にちはきのう、おととい。秘密理事会はきのう。きのう、おととい、しきりに私のところに情報が入ってきた。共和製糖では東京の葛飾工場でいままで論議したにせの領収書請求書やその他の書類のオリジナル——ややこしいですよ、にせのやつのオリジナルだ。にせの原本だ。そのコピーがあなた方のほうに来ている。それをあぶないと思ったので、葛飾工場で焼却した。焼いてしまった。ここに灰を持っている。焼く必要があったんでしょうね。それから身辺整理を始めております、関係理事者は。ダイヤモンド、岡委員も言われたダイヤモンド、それからほんとうの帳簿、持ち出しております。日にちはさだかでございませんか、ここ三日以内のうちに——いままで過ぎ去った三日ですよ、全職員を集めて訓示をしております。この訓示の一端を御披露申し上げます。  だいじょうぶだと、私についてきなさい——大松博文じゃありませんが、私についてきなさい、それは公庫がついております、新聞や世間や大森議員らの言っていることはでたらめである、安心して仕事に精励してほしい、何でそういう訓示の必要があったでしょう。だけど、社員が幾らいるかな、千何百人か、そのうちの全部はこの事実がインチキだということを知っている。しかし、真相をばらしたならば、簡単に首切りになる。どえらいことになるかもしれないという危険を感じて、言わない。それから某有力国会議員、軽井沢の別荘、あらためて私は確認します。共和製糖から流れております。農林開発かもわかりません。とにかく某有力代議士が、登記簿もみんなその人の名前になっておりますが、資金農林開発か共和製糖から流れておることは事実、断言しますよ。私は懲罰にひっかかります、これがうそなら。何の必要があったでしょう。高槻の山の払い下げと関連はございませんでしょうか。ダイヤモンド、これも真実。いま隠し始めております。隠し始まったのがきのう、おととい。それから、この新聞に出た領収書レシートのうちで、云々と、ボールペンで書いた筆跡を、その筆跡を書いた人を私は知っております。現在の勤め先まで知っております。こういうものはあそこの経理部でずっと手分けして長期間書いておりました。何なら証人に出します。それから、九月一日に私と二宮議員が高槻の問題を問題にしました。これは来るぞということで何をやったか。九月一日から金を持って国会方面に歩き出しました。私のところにも参りました。何ならお見せしましょう。なぜその必要があったでしょう。普通こういう問題を問題にされた場合には、仲原さんお聞きください。あなたは、国会で公正な立場から審議されることはけっこう、こうまず出る。その次に、しかし私のほうの立場はかくかくでございます、ということを言うのがほんとうでしょう。録音は取ってございませんが、証人はたくさんございます。言うたせりふは披露に及びません。あえて申し上げません議会の名誉のために。まだまだありますよ。以上申し上げたことで、必要とあれば全部証人を出します。法務省の代表の方、ようく聞いてください。たな上げを言ったのは——領収書提出を迫ったのは私と岡委員であります、きのう委員長理事打ち合わせ会の秘密会で。しかし、これをたな上げをあえて主張したのは私であります。なぜかといえば、いま申し上げたようなことがすでに行なわれちゃったからです。そこで、法務省へのお願いはもっとございますよ。私は国会議員であって法務省の役人ではない。特捜部ではありません。ではありません。これ以上は調べがつかない。御協力はいたします。指揮権発動などに屈しないで、絶対に私の言うのは白でありますから、責任を持って、勇敢に黒い霧がきょうの空のように晴れ上がるように国民の前に答えてください。国民の前に答えてくれないか。決算委員会は衆議院の決算委員会と違うぞということを見せてくれないか。御協力申し上げます。そのほかにも持っております、証拠を。あえてしかしここでこれ以上私に言わせることは、国会の権威を傷つけることになるでしょう。それこそ、仲原さんの言われるように国会の品位を傷つけることになるから言わない。きのうのたな上げ部分を私があえて主張したごとく、私も政治家のはしくれだ。だからこれ以上私をして語らしめると、国会全体の品位を落とす。だから私はここで打ち切る。願わくは、黒い霧、またもどろ仕合いという印象を与えないように。私は、問題は、全国の農民から集めた金が、その他政府の金が正しく適正に妥当に融資されることを望んでいるのですよ。  それから次官にお願いする。かかる事実の上に立って、あなた方のほうで調査することは、一方的に信用できないので、きょうの返答いかんによっては、きょう直ちに小委員会をつくってもらいたい。私の要望です。小委員会を、独立機関としての委員会の小委員会をつくってもらいたい、きょう直ちに。検察陣が動かないならば、こっちの委員会で小委員会をつくってもらいたい。そして国民の前に、白だ、参議院決算委員会は権威があるということにしてもらいたい。もとより憲法に基づく決算委員会のあり方は私も知っている。行政の正しいあり方というものを検討するのが決算委員会です。決して一枚のレシートをもってこうだと、あなた方をいじめるのが決算委員会ではございません。しかし、行政監査のたてまえから、必然的に法務省や司直の手をわずらわさねばならない段階は遠慮してはいけないのは決算委員会立場だと思います。行政の姿勢を正すのは会計検査院、行政管理庁、それから決算委員会です。これ以上の段階は法務省ですよ。警察ですよ。特捜ですよ。これができない佐藤内閣ならば汚職追放はできない。国民は、政治家の所得など幾ら発表したって信用しない。だれも信用しない。勇断をもってやれ。そのことを断言できるならば、そのことを法務大臣に来てもらって、ここで明言してくれるならば、一切私は質問を打ち切る。同時に小沢次官、福田大臣と相談をして、総理大臣と相談をして、閣議の問題になったことだから、きょうじゅうに、私は待っているから、内遊をやめにして、選挙対策などはほっておいて、どう政府部内において処置するかということを、ひとつあなたのほうで明確にしてもらいたい。  以上で終わります。これ以上言わせないでください。答弁あるなら答弁してください。必ずしも必要でありません。
  19. 岡三郎

    ○岡三郎君 あとで、あったらよく相談しておいてください。  今朝来理事会において、法務大臣、刑事局長を出席さしてほしい、刑事局長は海外出張中でありまするからやむを得ませんが、法務大臣は所用がある、最高裁に行っている、したがって、私はでき得る限り国会審議に協力するということは当然でありまするので、時間をさいて法務大臣の出席を求めたいというふうに考えるわけであります。それはいま同僚の大森君が言うように、具体的な事実に基づいて、これ以上決算委員会が審議がなかなかはかどらない、時間に限りがある、そういうふうなたてまえから、具体的な事実に基づいて、検察陣、法務省の今後の動きというものをいま強く要請されたと思うのです。そういう点で、このことは今後の決算委員会の動向によって、動きによって、昨日以来自民党は、決算委員会をやらないというような考え方が強かった。それはなぜでしょう。現実にいまここに仲原君がいまするけれども、昨日協議されておったところにおった佐藤理事、それから内藤理事がきょうはおらないということは、この事実を証明しておると思うのです。きょうも午前中に終わってもらいたい。——そこで問題の焦点を集約するために、いま大森君が言われたと思うのです。そういう点で後刻、石井法務大臣の出席を求めて、先ほどの問題について法務省の見解を実は聞きたい。ここに刑事課長がおられるけれども、刑事課長では国会に対する重みにはなりません。これは、お伝えいたしますということになると思う。したがって、たってこの点は委員長にお願いをしておきます。  それで私は、先ほど仲原理事質問に答えて、石原開銀総裁資金流れやいろいろな点について言いました。われわれが求めておるのは、たまたま、にせの領収書開銀にあるということで、それを出してもらいたい。開銀説明というものは十分わかっております。したがって、それをもとにして農林中央金庫に見せられたという領収書、この問題に発展するわけだ。と同時に、これは工事明細書や評価明細書や、いろいろなものについて、高槻の土地の担保の問題との関連の中で農中金のほうにもこの問題が関係がある。ただ開銀の十五億に対する八億の融資は、財産確保されているというそんな問題じゃないのです。あなたのところにあるところの領収書が突破口になるというので、その問題が提示されることによって、農林中金の問題というものが解明が早くなる、時間を節約するということで言ったわけです。石原開銀総裁が不当使用をやったということを言っているわけじゃない。その問題から具体的の事実が出てくるから言ったわけだ。しかし、これは発言されてもう数日たっております。やろうと思えばどんなことでもできます。したがって、いま大森君が言ったようにわれわれも判断して、ここでいつまでも領収書の問題にこだわっているならば、自民党はこの決算委員会を流す。たとえば現実にきのう、本日この委員会を主張した佐藤君はいない。きのうも理事会が終わったあとで、きょうの委員会をやるかどうかということについてちゅうちょしておる。これは隣の部屋で、本日の会議をやることについて、各委員から問題があったのでしょう、党の首脳から。それはそれとして、そういう背景の中においてわれわれはこのにせ領収書偽造印鑑、こういうものが、単なる物的証拠だけではない。根本的な一つの道義という観点で銀行、特に信用を尊重する、重視する銀行というものが、かりにその問題が開銀に限って不当融資されていないといっても、そういうものをもって、資金繰りの裏づけとして、それを領収しているということになれば、単なるこれは参考資料ではない。単なる参考資料ならば、石原総裁、あとで領収書は要らないのだということを言ってもらいたい。これは言えないと思うのですよ。そんなものはどうでもいいんだというならば、私は領収書は保管しておく必要はない。だから私は、その点は本問題の中心ではないから言いませんが、したがって、われわれは、そういう経過にかんがみて、予算委員会と違ってこの委員会は法律がかかってないのですよ、予算書が。したがって、このままもういっそ、どろをかぶったんだから、どろのかぶりっいでにほおかぶりして伏せてしまえ、——この委員会か一カ月開かれなかったらこれで終わりですよ。したがって、われわれは涙を飲んで、領収書にこだわるということは得策ではない。すでにもう数日経過しているので、にせのもののまたにせをつくることも可能である。これはなぜかというと、東京都知事選挙においてにせ証紙をつくったという自民党の内容というものは、これはわれわれが牽強付会しておるわけではないという客観情勢で、昨日の段階ですでに領収書の問題の黒白はついた。にせものであるということを断定した。したがって、これはどうしても出してこない。領収書の問題はすでにこれは決着がついて、白黒がついて、にせものであるということの確信のもとにわれわれはやったわけです。でなかったら、いま出しなさいということになる。出してこない。これは石原総裁は出すということを納得するかどうか知らぬけれども、農中金庫に響いてくるわけです。だから、大沢総裁が断固として出すことに反対だということはわかる。これは事実が証明しておるから、これにこだわることなくして、いま大森委員が新しい事実に基づいて検察庁の動きを要請したということになると思う。私は、その中で、いままでの説明の中で、いろいろなことを言われておりましたが、それならばいままでの説明の中で、開銀、公庫、農中がそれぞれ細島甘味コンビナートのいわゆる工場財団の評価をどうしているのか、掛け目のあとの問題じゃない。工場財団の評価をどうしているのかと聞いたときに、まちまちです。三行とも一体工場財団の評価というものがまちまちだということは、どういうことなのか。金庫が評価しても、開銀がしても、同じでしょう。掛け目をしないもとの評価というものは、われわれの判断では一致するし、少なくとも二宮委員が指摘したように、赤字がある、税金をほとんど納めておらない、申告は少ししかしてない、そういうふうなあやふやな会社に、国策という美名のもと——国策じゃない、こんなものは。砂糖工場はいま稼働してない施設が一ぱいある。ブドウ糖は余って暴落しておる、こういうふうな中において、国策という名によって、多額なる融資がされておるということについて、われわれは指摘したわけです。砂糖工場がいま全部フルで稼働しておるならば、言ってもらいたい、石原総裁。新しい工場をつくるということは、現実に見るならば、これはいま機械がフルに動いておるどころじゃなくて、稼働がとまっているのがずいぶんある。これは別問題ですからやめますが……。そういう観点の中において、われわれはにせ証紙の問題を言ってきたわけです。総合的にそれが出ないわけです。したがって私は、やはり以上の事実に基づいて、法務大臣の出席を求めて明確にしたい。そして同時に、これは各党が御同調せられるならば、これ私自体で解決できませんから、党議にはかって、われわれとしては、やはりこの段階で決算委員会が中途はんぱに終わることのないように、小委員会をつくられるなり、あるいは、今後とも決算委員会がこの問題の全貌を明らかにするということを仲原委員も言っているわけですから、審議が継続されるということになるならば、また、そのかわりに国有財産の小委員会というものが必要であるということは皆認めておるから、つくるというならば、われわれの努力によって、あえて検察陣営の御苦労をわずらわすまでもない、われわれがやるだけのことをやります。しかし、多数派がそれができないようにされるということでは、これはいつでも不徹底のままに、中途はんぱのままに、決算委員会というものがぐずぐずのままに終わっているという形の中で、国民というものは、一体国会は何しているか、国政に対する不信感が増大する以外にないと思う。したがって、私は、後刻検察庁に対して告発をしなければならぬと思っておるわけです、これは。私は、先ほど申し上げましたが、政府がこの事態を解明する、調査する、政府開銀と公庫と農中とがなれ合いで調査されるということは、逆に言えば、いますでにもみ消しが始まっているということじゃないですか、調査するという美名のもとに。そういうふうにとられざるを得ない、常識的に。とるわけです、常識的にいって。そういうふうに新聞社の方々もみんな言っている。あいまいの中に済まされない。政府自体は政府自体で、それは権能でやられてけっこうです。われわれ決算委員としては、先ほど言ったような問題点について言っても、にせ領収書は出してくれない、にせ証紙は出してくれない。何といってもこの問題がポイントで、それからの解明ということになるんですが、以上のような点について、私はあらためて法務大臣の出席を求めたい。そうして法務大臣の見解の中において、われわれの考えを党に反映して、党もこの問題については、やはり確信を持ってやらなければならぬと思うので、自後相当数時間かかるかもしれません。しかし、先ほど大森委員が言っているように、証拠の隠滅がすでに進んでいる、現実に。焼却されているということの事実はいま明確に指摘されました。私はその事実は知りませんけれども、そういうふうなことまで言われておる現状において、私はやはり、法務大臣の出席を、再三申し上げましたが、強くお願いしたいと思う。
  20. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) いま岡君のほうから法務大臣の出席の要求がありましたのですが、ちょうど委員会が始まった直後に法務省のほうから連絡がありまして、法務大臣は、きょう川越の少年刑務所を視察することになっておって、その予定がありまして、すでに出かけたということであります。法務政務次官は松山のほうに視察に行っております。刑事局長は外遊中という状況で、法務大臣が東京近くにおるわけですが、いま申し上げたように、川越に行って少年刑務所の視察ということで急の間に合わない。なお、四時からきょうは「法の日」で、それに出席する予定になっております。
  21. 大森創造

    大森創造君 私は、これ以上国会の品位のためにものを言いたくない。さっき申し上げたように。ただ、どうしても言っておかなければならぬ。私がこの問題の発案者ですから、どうしてもこれだけはひとつ念を押しておきます。それこそ、国会の権威のために、国民疑惑を解くために、さっき申し上げた事実だけでも法務省は動くべきだ。動かないならば、さらに動かしがたい事実を月曜日出す。川越の少年刑務所は近いから電話で呼んでください。四時から用事があるならば、それまでにすっ飛んできて、答弁は簡単でいい、二時か三時のころに答弁してください。あるいは五時ごろ発表してください。あなたのほうから、法務大臣に事実を伝えて、きょうじゅうにひとつ談話なり態度を示してください。これ以上私に、決算委員会の席上で人の名前をあげて、証拠を突きつけてどうのこうの言わせないでください。私はまあ品のいい男だと思っておりますが、そんなやぼなことをやらせないでください、私に。もう国会議員の限界だと思っていますから、以上申し上げたことだって、私は腹切りものだと思っているんですよ、自分で。どっかの新聞に書いてありました。これがこう出れば大森議員らは辞職せざるを得ないだろうと、こうい書いてございましたが、私も覚悟しているんですよ、水戸人だから、水戸っ子でございますからね。どうせこういうことができない国会ならば、土俵を割らないのだから、この前申し上げたように、土俵の中でおもしろおかしくやったらいい、歳費をもらって。それが国民のなまの声です。私、国会議員つまらなくなってきた、これができないような国会なら。——もっとも指揮権発動というやつがあるからな、法務省も。八百長質問をやりたくない。黒い霧に包まれたくないんだ。私は、どうしてもきょうじゅうに法務省の態度をきめてくれ。官のほうは法務省、検察庁、政府の態度は、閣議で問題になったことだから、総理大臣以下、そこらのこのこしていないで電話連絡して、選挙対策にうき身をやつさないで、こういう問題に態度を明らかにしなさい。しなければ月曜日に再び出す、新たな事実を。しかし、言わせないでくださいよ、国会の品位のために。私は品のいい男だから、私に言われているほうが手がよごれているのだから。大声している私のほうがずっと品がいいのだ。国会一つのワクに入れようとする。私はこの過去一年間ずいぶん苦労してきた。土俵の中で相撲をとって見物人から料金を取っていたのではだめですよ。田中彰治事件をきっかけにして、みんなが自粛するという。そういう名のもとに、美名のもとに、決算委員会が名前を出してはいけないとかなんとか、何とはなしにじわじわともとの会計検査報告の中での審議の決算委員会の場にしたいのだろう、だれかは。そうではない。これを突破口にして、田中彰治事件をきっかけにして、参議院の決算委員会だけはほんとうの権威、すなわち、あくまで理非曲直を国民の前に明確にするという、繰り返しますが、決算委員会というものは、行政の監査をするのがたてまえだが、必然的に政府の金が、農民の金がどこに使われているかということについては、たださざるを得ないし、そのことの中から、にせ領収書も出れば、その場合は法務省、検察庁へのお願いとなるのです。決して私は、いちゃもんづけではないつもりだ、事件屋ではない。だから、法務省、検察庁にこれ以上は頼むということ、本委員会の権威のために。それができない委員会なら、私は私のほうからこの参議院決算委員会をおさらばしましょう。(「それはよけいなことだ」と呼ぶ者あり)いや、しかし、必ず、だから皆さん方のほうで態度を明らかにしてくれる。そこで、それができないときは、小委員会を直ちにつくりますよ、国会自体の参議院の中で、これが私の要望です。混乱しないように、混線しないように。私と、いま岡委員の言われたことは、そういうことだと思います。
  22. 小沢辰男

    説明員小沢辰男君) 私ども政府立場は、政府関係資金、これが正しく融資をされ、国損にならないように、また、それがかえって国策に有効であるようにということを念願をいたしております。したがいまして、過般来いろいろ質疑やその他がございましたが、したがって、それらの疑問点を解明いたすために、政府がその責任の立場から調査をすると申し上げたのでございまして、ところが、ただいま承っておりますと、この前からそうでございますが、調査をするといえば、偽造、さらにまた偽造するのじゃないか。同じ穴のムジナであるとか、あるいはもみ消しが始まっているとか、私どもに関してはそういうことは一切ございませんので、この点だけはひとつここで明確に私はいたしておきたいと思います。  それから、先ほど特に三十九年、開発銀行融資の際の食糧庁長官大沢庫総裁であったということにつきまして大沢さん御自身から否定をいたされました。したがいまして、そういう点については、またどなたか、会社の責任者が、うしろに公庫がついておるからというような発言があったということを仰せになりましたが、その真偽は、私は全然関係がありませんがのでわかりませんが、そういうことは私どもと全く関係もありませんし、私ども、公庫あるいは開発銀行、公団等がそういうようなことに利用されるのは、はなはだ迷惑でございます。御了承いただきたいと思います。  なお、今後とも私どもは、政府側といたしましては、政府資金が正しく使われるように一そう善処をいたしたいと思います。
  23. 岡三郎

    ○岡三郎君 とにかく、いずれにしてもこれまで言われたらば、にせ領収書出しなさいよ、そのことだけですよ。多数を頼んで、成規の手続があるなら出します。成規の手続、これは理事会が一致しなければ出ないじゃないですか。自民党が反対している。口の先では、事態の究明をすることについてはやぶさかではないと言いながら、この問題は参考だと言っているけれども、われわれは、参考どころではない。これはなくてもいいのかどうか。石原さん、領収書というものは、開銀は要らないのですか。
  24. 石原周夫

    参考人石原周夫君) 先ほど来申し上げておりますように、融資決定並びに資金交付は、先ほどのような手順、手続をもってやっているわけでございます。したがいまして、その段階におきまして、レシートというものはとっておりません。ただ、私もどは債権を持っておりますから、債権を管理する立場から、その金がどういうふうに使われたかということにつきましては、重大な関心も持ち、その意味におきましては、レシートがその債権管理の上の資料になるということを従来から申し上げているわけであります。
  25. 岡三郎

    ○岡三郎君 したがって、先ほどの仲原君のことばにしても、いかにもこれはことばを聞けば軽いものだ、どうでもいい、そうではない。われわれは、もちろん資金繰りのあれで金を出すでしょう。しかし、資金繰りの裏づけとして重要な証拠書類ですよ。だから要らないものではなくて、重要な証拠書類だ。金の、資金繰りの裏づけになるものだから、これは保管しておかなければならぬ。そういうことで言っているわけです。それをあなた方、金を出す場合には、必要ないものだ、いかにもこれは不要のような形だと言われている。そんなことを私は言っているのじゃない。そういうふうに金を出した、最終的にそれがどういうふうに使われているのか、どういう事業主によってそれがやられているのかということを確認するための重要なる資金繰り表の裏づけ書類ですよ。だから、これは重要書類だと言っている。あなたもようやく重要書類と言った。だから私は、それを出してもらいたい。ところが、小沢さんは、いろいろなことを政府のほうで調べている、それは調べるのは自由ですよ。しかし、その出しようなんで、つべこべ言うことはないんです。これだけ言われたら少しはおこって、出しますぐらい言うと思ったけれども、なかなか言わない。なかなかやはりあなたはそれにかかってこない。私は出したらいいと思うのです。出さないから私は少々悪口を言っているんだ。それを出さぬなら、やはり同じ穴のムジナだと言われてもしかたがないのじゃないか。それがいやだったら、そうじゃないというのだったら、出してくれ。それだけにかかっているのです。それを出さぬでおいて、先ほど言ったように、成規の手続があったら出します。与党理事と野党の理事と一致したら出します。きのう以来、仲原さん、佐藤さんが、自分たちも協力すると言っているのです。あなた方も事態究明をやらなければいかぬと言っているのだから、ひとつ理事会で出してもらうようにしましようと言ったら、それはだめだ、次の成規の手続というのは、委員長理事打ち合わせ会で一致しなければ、これは非公式だから、当然まとまれば委員会ではかるわけです。そのときに多数決になるわけです。ところが、決算委員会は、資料提出の場合、多数決をとった覚えはない、超党派ですよ、ある意味では。そういう意味において、きのうあたりは、ずいぶん自民党の方々が、失礼だが出てきた。きょうは、もうその心配がなくなったと思って出てこない。採決しようと思ったけれども、過半数ないんだよ。十六人あれば過半数なんだけれども、それもふさがれている。自民党のサボタージュによってかもしれないけれども、とにかくそんなことを言っちゃ悪いけれども、これもできない。ていさいのいいように、正当なる手続でということを自分のほうで封鎖しておいて、できないようにさしておいて、そうして御提出の要求があれば成規の手続をもっていたしてくれるならば出します。できないようにかまかけておいて、出します出します。それはあなた三百代言じゃないか、そうでしょう。多数を頼んでこれをふたするということなんだ。委員長はしかたがないから審議は進まないんだということで横へ置いておくと言ったけれども、成規の手続ができないようにさしておいて、いろいろとそこで釈明せられておるけれども、私はこれは残念なんですよ。これだけ言っても出すと言いませんかな。出してくれますかな、どうですかな、小沢さん答弁を求めたい。出すのか出さないのか答弁を求めたい。
  26. 小沢辰男

    説明員小沢辰男君) 前から申し上げておりますとおりでございます。
  27. 岡三郎

    ○岡三郎君 とにかく、前から申し上げているとおりといって、そういうものを出さぬでおいて、政府の責任において調査します。それだから、私はそれはまゆつばになってしまうんじゃないかということを心配するわけです。だから私はこれ以上言わぬけれども、もう態度を変えるから。これはもう領収書の問題は黒白ついたということで、これで言いません。これからもう触れない。これはこうやってちょっと私が排発した形になっておるけれども、なかなかこっちのほうでいろいろとその悪口言っても出してくるということを言ってくれぬから、なかなかあんたも若いけれども老獪だ。なかなか老獪だ。私は領収書のことについては以後触れない。しかし、筋道だけちゃんとするように言っておくから、これ以上言わないけれども
  28. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) いま岡委員並びに大森委員から御意見がありまして、法務大臣の問題も出ましたし、小委員会の問題も出ました。この問題は後刻委員長理事打ち合わせをやりまして協議をいたしたいと思います。
  29. 大森創造

    大森創造君 一百申し上げます。私が言うのはこうですよ。菅貞人の共和製糖に対して手を入れるということですよ、はっきり言って。検察庁動くということですよ、政府政府で態度を示せということですよ、二つに分けて。
  30. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 速記をとめてください。   〔速記中止〕
  31. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 速記を始めてください。
  32. 石原一彦

    説明員石原一彦君) 先ほど大森先生からのお話で、いろいろな問題が提起されまして、よく法務大臣にお伝えするとお答え申し上げようと思っておりましたら、岡先生から、どうせそう言うだろうというお話がありましたので、やや答弁のきっかけを失ったような形でございましたが、先ほど以来大森先生並びに岡先生からのお話がございました点は、役所に帰りまして大臣の所在を確かめたあと、十分報告をいたす予定でございます。  なお、検察に対する御要望の点でございますが、御承知のように、捜査は端緒がございますれば捜査を開始いたしますし、その端緒はいわゆる告訴とか告発以外の新聞、投書、風評等も端緒になるわけでございます。これは検察庁における捜査につきましても例外をなすものではございません。  なお、捜査を開始いたしましたときには、常々言うことでございますが、厳正公平なる捜査をするのが検察庁のたてまえでございまして、その暁には従前と変わらずに厳正公平なる捜査を開始するものと考えております。
  33. 二宮文造

    ○二宮文造君 二十七日以来いろいろ問題になりまして、審議が進められてきたわけですが、冒頭に私公庫のほうにお願いいたしたいことは、開銀資金流れという、こういう非常に簡明な資金流れの表が出てまいりましたので、たいへん恐縮でございますが、私の質疑を続けております間に、ひとつ公庫の資金流れという表も出していただきたい、こう思うわけです。お願いできましょうか。
  34. 大沢融

    参考人大沢融君) 御質問の間に、間に合うかどうかわかりませんけれども、やってみます。
  35. 二宮文造

    ○二宮文造君 時間の関係で私も問題を整理したいと思いますが、きょう私が質疑をしたいと思っております第一点は、先日に引き続きまして、農林開発興業株式会社との交換の問題、第二点は、ブドウ糖工業会に対する融資の概略、第三点は、問題になりました宮崎工場の公庫の融資の問題、この三つに分けてきょうは質疑をさせていただきたいと思うわけです。  まず最初に、先日問題になりました点を概略申し上げてみますと、農林開発興業株式会社と申します会社は、三十七年の十月の六日に社名変更した、そして年がかわりまして三十八年の一月早々に高槻との交換の申請をした。私はその際に林野庁に質問をいたしましたのは、交換の相手先というものの実績なり、あるいは利用計画なりというものが非常にずさんな協議のしかたで進められてきた、こういうことで私どもは林野庁の見解を聞いたわけです。たとえばこの会社は山林原野の開発改良及び造植林あるいは牧畜あるいは土地の造成あるいは採石業、こういうふうなのを会社の目的にしておりますけれども、その申請の時点における実績はどうか、こう質疑をいたしましたところが、土地造成についてはこれこれ、島根県については七百町歩の山林を持って造林をしております、千葉県では採石をやっております、こういうふうな確たる答弁でございました。いかにも農林開発興業株式会社が、会社目的の実績を重ねてきたような答弁でございましたけれども、私のほうでその後調査をいたしますと、採石業はやっておりません。また申請の手続も三十八年の五月に至って申請をした。それはしかし競願の形になって実績はございません。それから島根県に七百町歩の土地を持っておると、そして造林をやっておりました、こういう答弁でございますが、その後私が調べましたところ、島根県におきましては、三十八年の六月二十日に、島根県匹見町の公簿面積二百九十七町歩を購入しております。ですから申請の時点においては造林はやっていない。しかも七百町歩と言われましたので、さらに調べてみますと、三十九年の九月三十日から四十年の一月二十八日にかけて、同じく匹見町で公簿面積四百九十四町歩の購入をしております。したがって、林野庁があたかも農林開発興業株式会社会社目的に向かって忠実な実績を重ねてきたかのような答弁をなすっておりますけれども、これはその時点においては誤りである。これは答弁を取り消していただきたいし、訂正をしていただきたい。まずその点を林野庁長官にお伺いします。
  36. 若林正武

    説明員(若林正武君) 一昨日、木戸林政部長から、農林開発興業の事業内容につきまして、申請時の事業内容と契約時の事業内容というものを間違いましてお答え申し上げました点、おわび申し上げます。ただいま先生の御指摘のように、申請時におきましては、この間申し上げましたような事業はやっておらないのでございます。なお、島根県の山林につきましては、申請時におきましては所有をいたしておりませんのでございます。
  37. 二宮文造

    ○二宮文造君 一昨日の林野庁の答弁の中には、交換の相手先の信用度というものは非常に大事である、そういうふうな御答弁でございましたが、ならば、いま答弁されたような内容しか持っておらない農林開発興業の申請書を、なぜ林野庁としてはそれを受理されたか、どういう点を検討されたかお伺いしたい。  しかも、もう一点申し上げておきますが、この高槻の土地につきましては、利用計画というものも出しております。その利用計画は、牧草地を造成し、牧畜サイロ、職員宿舎などを設置し、乳牛を飼育し、放牧、菜草の事業を行なうと、明らかにそういうふうな利用計画を持っておると申請をしておりますにかかわらず、現在三年を経過いたしまして、まだ現在地は交換した当時のままに放置されております。したがいまして、この申請の時点においては、私ども農林開発興業株式会社は非常に誠意のない会社であったのではないかと、こういうふうな疑念を持つわけでございますが、いまの答弁とあわせて、なぜそのような会社を選んだか、どういうふうにして選んだかということについてお伺いしたい。
  38. 若林正武

    説明員(若林正武君) 国有林野の交換につきましては、国有林野事業遂行上、土地あるいは建物等の取得を必要といたしました場合に、一つの手段といたしまして、普通財産でありまする土地あるいは建物等を渡し財産といたしまして交換によりまして取得をはかっておるのでございます。しかしながら、現実にはこれは出会いの問題でございまして、両者の意見が一致をするということに相なりますれば、そこで交換が行なわれるということになるわけでございます。で、高槻の件につきましては、相手方のほうで高槻の国有林をほしい。一方、大阪営林局におきましては、前から申し上げておりまするように、都市周辺の孤立小団地というものを整理をいたしたいというような考え方を持っておったわけでございまして、たまたまそこで出会いになったというよなことでございます。  こういうふうに交換制度と申しますのはもっぱら国の便宜に基づくものでございまして、交換に当たりましては、この交換対象物件というものを重点に私どもはいたしまして、精密な調査をいたしておるのでございます。  この手続関係について若干申し上げますると、交換の申請書あるいは同意書というものを相手方から出してまいるわけでございますが、この内容といたしましては、交換物件の所在、地番あるいは交換の希望価格、そういった内容のもので、これはたいへん簡単なものでございまするが、こういうふうな書類が出てまいります。で、これに基づきまして……。
  39. 二宮文造

    ○二宮文造君 手続関係はよくわかっているんですから、あまりおっしゃらなくてもよろしいです。
  40. 若林正武

    説明員(若林正武君) 先ほど申し上げましたように、この交換物件というものを主体にいたしまして調査をいたしまして、間違いがないということに相なりますれば、財務局その他との協議あるいは農林大臣の承認、それに伴う大蔵大臣の協議というふうな問題がございますが、こういう一連の手続というものを終了いたしまして、そこで契約の締結ということに相なるわけでございます。  なお、交換の申請あるいは申請を受けます場合に徴しております関係書類と申しますか、これを申し上げますると、登記簿謄本の写し、図面、相手方の利用計画、相手会社計画、方針、登記簿謄本、こういったようなものをとっておるわけでございます。  したがいまして、現在その申請の内容というものには、そのときの会社の業務内容というものは含まれておらないのでございます。局のほうでいろいろ審査をいたします過程におきまして、実際その会社が何をやっておるのかというふうなことにつきましては、聞きとり調査を当時やっております。ただし、具体的にその内容につきまして、現地までの調査ということについては、当時いたしておらないというふうに報告を受けておるのでございます。今後こういった点につきまして、将来相手方を選定いたします場合に、さらに慎重な配慮をしてまいりたいと、改善すべき点があったら積極的に改善をはかってまいりたいというように私どもは考えておる次第であります。
  41. 二宮文造

    ○二宮文造君 そういたしますと、要約いたしますと、交換というのは物と物との交換だから、それを差し出すのはだれでもよろしいと、また利用計画というものも、それは一片の紙でよろしいと、あとどうなろうと、こうなろうと、そういうものはかまわぬと、従来はそうであったと、こう了解してよろしいのですか。
  42. 若林正武

    説明員(若林正武君) 現行制度におきましては、国有林野の売り渡しをいたします場合とは異なりまして、渡し財産につきましての用途指定あるいは転売禁止等の制約というものは現在はいたしておらないのでございます。
  43. 二宮文造

    ○二宮文造君 そうではありませんで、私の質問のとおりに答えていただきたい。イエスか、ノーでけっこうなんです。相手方はだれでもよろしい。物さえ提供すればよろしい。その会社の内容はどうでもよろしいと、そういうふうな従来の交換であったかどうか、この点はいかがですか。少なくとも林野庁長官答弁を聞いておりますと、相手方はだれでもよろしいと、どういう内容の会社であろうとよろしいということになりますが、そう了解してよろしいかどうか。
  44. 若林正武

    説明員(若林正武君) 先般も申し上げましたように、会計法上の適格性を持っておればよろしいというように考えます。
  45. 二宮文造

    ○二宮文造君 いや、会計法上の適格というのは、先ほど長官が申されたように、物と物との交換だから、物主体で、いわゆる相手先というのは問題にならないというのが会計法上の答弁でしょう。もっとしろうとにわかるような答弁をしていただきたい。相手方はどうでもよろしい。どういう内容の会社であってもよろしいと、物さえあればいいんだと、こういう交換のやり方をなさってきたかどうか、しろうとわかりするように御答弁願いたい。
  46. 若林正武

    説明員(若林正武君) 予算決算及び会計令の第七十条でございます。第七十一条でございます。七十条及び七十一条でございます。
  47. 二宮文造

    ○二宮文造君 こんなことで私、押し問答したくないんですがね、私も言い出した限りにおいては、納得のいくような答弁をいただきたい。先ほど来繰り返されました林野庁長官説明によりますとですね、相手先はどうでもいいと、事業内容はどうでもいいんだと、物さえあればいいんだと、こういうふうな交換の方式であったと、こう理解してよろしいかと、こう私はお聞きしているわけです。予決令がどうだとか、それから会計法上がどうだとかということをお伺いしていない。その点にしぼって御答弁願いたい。
  48. 若林正武

    説明員(若林正武君) 渡し財産と受け財産、これを交換いたすわけでございますが、この交換する能力があるかどうかということも当然判断一つ資料になるわけでございます。
  49. 二宮文造

    ○二宮文造君 ですから物だけで、物の能力だけあれば会社はどういう会社であろうがよろしいと、こういうことですか。
  50. 若林正武

    説明員(若林正武君) それともう一点は、相手方が出してまいりまする業務内容というものが実行し得るかどうかという点でございます。
  51. 二宮文造

    ○二宮文造君 それは能力の中に含まれますか。——委員長、私の質問の内容について林野庁長官答弁がどうも納得いかないのですが、委員長のほうでひとつ御注意願いたいと思うのですが。
  52. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 委員長のほうからいま二宮君のほうから発言がありましたように、何回も質問しておるわけですから、それに正しく合った答弁をひとつ……。
  53. 若林正武

    説明員(若林正武君) ただいま申し上げましたように、相手方の選定につきましては、交換の能力があるということと、利用目的に従いまして利用計画を実行する能力があること及び会計法上の適格性の問題というこの三点であろうと思います。
  54. 二宮文造

    ○二宮文造君 第一点、第三点はもう従来の話のやり取りの中にありました。第二点です。相手先が利用計画を実行する能力があるかどうか。しかし、現実に三カ年を経過して交換した当時のままで放置されている。相手方が利用計画どおりにやる能力があるかどうかということを協議なさるならば、その後利用計画のとおりに進んでおるかどうかということについてアフターケアの問題が必要になってくると思うのです。全然やっていないでしょう。これはどう理解されますか。
  55. 若林正武

    説明員(若林正武君) 高槻の交換、渡し財産の利用計画につきましては、相手方のほうで四十二年度から計画に従って事業をやるというように伺っております。現在のところ交換をいたしたままの状況に相なっております。
  56. 二宮文造

    ○二宮文造君 その四十二年度からこういうふうにやるという計画はいつ出しましたか。ことしじゃありませんか、いかがですか。問題になりそうになってからでしょう、出てきたのは。
  57. 若林正武

    説明員(若林正武君) 本年の六月営林局のほうからその計画の内容を聞いております。
  58. 二宮文造

    ○二宮文造君 そうするとその三年間、ほぼ三年間は林野庁としてはノータッチであった、こういうことでよろしゅうございますね。
  59. 若林正武

    説明員(若林正武君) 交換をいたします場合に、利用計画につきましては一応参考資料ということでとっております関係上、交換をいたしました後のアフターケアにつきましては十分にやっておらなかったのでございます。
  60. 二宮文造

    ○二宮文造君 さらに私次の問題に、それに引き続いての問題に入りたいと思いますが、農林開発といいますのは、先ほども申し上げましたように三十七年の十月に商号変更をした会社です、これは林野庁長官も御存じのとおり。そして三十八年の一月に高槻の交換を申請した、これも従来論議されたとおり。そしてその会社はいまも話をしましたように、申請時における事業内容としてははなはだ交換の相手先として選ぶにはどうかと思われるような会社であったわけです。その一端は、その後のこの会社の会計年度を調べてみましても、いわゆるこの会社が商号変更以来毎年にわたって赤字の申告をしておる会社である。これを一つ頭に置いて、その上、林野庁は三十九年の二月の二十八日に、兵庫県芦屋市いわゆる剣谷国有林十三ヘクタールと、それから島根県の先ほど私が指摘しました山林、いわゆる三十八年の六月に購入した山林、これと交換をしておりますね。その交換のあらましをお伺いしたい。さらにこの農林開発は四十年の十月二十五日の年月日で、滋賀県滋賀郡志賀町いわゆる天神山国有林十ヘクタールと十九ヘクタール——概略ですが十九ヘクタールと、それから先ほど私が指摘をいたしました三十九年九月三十日から四十年一月二十八日にわたって島根県の匹見町で農林開発が購入をしたその山林と交換をしております。すなわちこの農林開発興業株式会社というのは、保安林整備地域に入っておるその山林を買っては、一年足らずのうちに都市近郊の国有林と交換をしておることを常套手段としてきた会社である。私は、こう三つ事実が重なりますとそう言わざるを得ないわけです。しかも会社の内容は先ほど申し上げたような内容の会社です。このいわゆる芦屋剣谷の交換の概要と、それから天神山国有林の交換の概要、同じくそれぞれの利用計画、現在の状況をあわせて概略御報告願いたい。
  61. 若林正武

    説明員(若林正武君) 芦屋剣谷の国有林との交換についてまず申し上げます。交換契約を結びましたのは昭和三十九年二月二十八日でございます。交換の物件につきましては、受け財産のほうは広島県佐伯郡佐伯町大字中道字板押三五の三七外でございますが、この面積が約百二十一ヘクタール、それと広島県比婆郡高野町大字和南原字三沢、地番が二一七の四七外でございます。面積が九十八ヘクタール、島根県美濃郡匹見町大字道川字一ノ谷二ノ谷三滝、面積が五百四十三ヘクタールでございます。一方、渡し財産は兵庫県芦屋市大字打出字剣谷、面積が十三ヘクタールでございます。で、用途は宅地造成及び緑地でございます。現況につきましては交換渡地のままに相なっております。  それから滋賀県の天神山国有林……。
  62. 二宮文造

    ○二宮文造君 金額言いましたか。
  63. 若林正武

    説明員(若林正武君) 金額につきましては受け財産が七千八百五十四万九千六百九十三円、渡し財産が九千八百九十三万八千四百四十二円。交換差金といたしまして、二千八十八万八千七百四十九円。交換差金は昭和三十九年三月五日に納入されております。  天神山国有林との交換の分について申し上げますると、契約を締結いたしましたのは、昭和四十年十月二十五日でございます。国有財産につきましては、島根県美濃郡匹見町大字匹見字草ガシヤウロ六十二番地外百五十五筆でございます。面積が五百六十ヘクタール、金額が二千八百四十五万五千四十四円。渡し財産につきましては、滋賀県滋賀郡志賀町大字南比良外一字天神山。面積が十九ヘクタール。金額が三千七百八十万一千三百十二円、交換差金が九百三十四万六千二百六十八円。交換差金の納入いたしましたのは、昭和四十年十月二十九日。なお、交換の用途は放牧場用地及び宅地造成。これも交換当時のままの現況に相なっております。
  64. 二宮文造

    ○二宮文造君 私、聞き漏らしましたが、芦屋剣谷との交換差金の約二千万円はいつ納入になりましたか。
  65. 若林正武

    説明員(若林正武君) 昭和三十九年三月五日でございます。
  66. 二宮文造

    ○二宮文造君 私、ずいぶんこの会社はまあ赤字の会社であり、赤字の申告が、三期をちょっと概略つまんでみても約四千万円近くの赤字の申告になっておる会社です。そういうふうな会社で二千万円、あるいは高槻の場合が約八百万円ですか、それから剣谷の場合が二千万、それから天神山の場合が同じく一千万近く、こういうふうな資金繰りができたことを非常に奇妙に思うわけですが、国税庁のほうはそういう事実を理解の上で税の捕捉はされておるのでしょうか。国税庁の方いらっしゃいますか、——お見えになってないですか。では後ほどお伺いいたします。  私は再三申し上げますが、確かに国有林の管理が非常にずさんで、そして利用計画は出してみても、交換後三件とも交換当時のままで放置している。そのことについて林野庁としては何ら督促もしてない、これははなはだ私は問題である。交換がこういうことでありますと、やはり林野庁としての国有林全般についての管理がずさんではないか。すなわち売り払い、貸し付け、その他全般にわたって、私は問題が出てくる、こういうふうに心配をいたします。この問題は自後にまた小委員会云々という話もございますので、時間の関係でこの辺にとどめておきまして、農林開発興業株式会社が林野庁の行政の内部に非常に詳しくて、われわれが考えてみても納得できないようなあり方で国有林の三件にわたって交換を受けている、こういう事実をいま指摘をいたしました。  さらに、次に経済局長にお伺いしたいのですが、ブトウ糖工業会はいま——共和グループは工業会に所属しておりませんが、ブドウ糖業者として捕捉をされている会社数は何社ありますか。
  67. 大口駿一

    説明員大口駿一君) 経済局長ということでございますけれどもブドウ糖会社の数は、便宜私からお答えいたします。二十社でございます。
  68. 二宮文造

    ○二宮文造君 それから二十七日以来たいへん問題になってまいりまして、このブドウ糖関係融資、特に問題になりましたのは共和グループの融資でございますが、私、農林中金なり、あるいは開発銀行なり、あるいは公庫なりがたいへん努力をされて、担保物件についての資料提出していただいた。さらに、私もできる範囲内で調べもいたしまして、非常に奇異に感じますところは、いわゆる共和グループの取引銀行というのが、そのほとんど九〇何%までが農林中金、開発銀行それから農林漁業金融公庫で占められておる。そして市中銀行あるいはその他金融機関としては、市中銀行の名前が一行。それから地方銀行の名前が一行。相互銀行の名前が一行。その金額は微々たるものです。ふしぎに思いまして、ブドウ糖関係のほかの会社の方にお伺いをいたしますと、会社の機密に属することですから、その金額をお伺いすることはできませんでしたけれども、大体資金繰りというのは市中銀行がその七割。それから農林中金その他いま申しました公庫の関係が約三割。こういうふうな、これは口をそろえてのお話でございます。ならば、この金融のせちがらい時代に、なぜ共和グループがこのように優遇をされた貸し付けを受けておったのかということに私は疑問が出てまいったわけです。  そこで、概括的でけっこうでございますが、農林省のほうで捕捉をされておりますブドウ糖関係金融といいますか、たとえば農林中金としては総額ブドウ糖関係に幾らほど融資をされているか。漁業公庫では総額幾ら融資をされているかそのことをお知らせ願いたい。と同時に、共和グループのブドウ糖の生産量、それからその他の会社の生産量、割合でもけっこうです。比率での比べ方でもけっこうですからお伺いしたい。
  69. 大和田啓気

    説明員大和田啓気君) お答え申し上げます。ブドウ糖関係に対します農林漁業金融公庫及び中金の融資の残高でございますが、公庫は四十五億五千万円程度。中金は九十九億四千万円程度でございます。うち共和関係融資残高を申し上げますと、公庫が十一億六千八百万、中金が三十億七千万でございます。  なお、生産量のシェア等につきましては食糧庁のほうからお答えいたします。
  70. 大口駿一

    説明員大口駿一君) ブドウ糖の生産量の中での共和グループの生産量でございますが、昭和四十年会計年度で私どもの手元の資料によりますと、ブドウ糖全体で十七万九千六百十一トンのうち共和グループの生産量は二万七千四百八十二トンでございます。
  71. 二宮文造

    ○二宮文造君 それは融資を受けての金額でございまして、三十九年度の生産の割合を見ますと、全体で二十一万トンですね、三十九年度では。そして、共和グループが三万八千トン。大体一割五分と、こう理解すればよろしいのではないか。全生産量に占める共和グループのあれは一割五分。それから、一方、融資のほうを見てみますと、中金の関係では約百億のうち三十億、三割。それから公庫のほうでは四十五億のうちの幾らとおっしゃいましたか。
  72. 大和田啓気

    説明員大和田啓気君) 十一億六千八百万円でございます。
  73. 二宮文造

    ○二宮文造君 十一億ですから、これが約二割五分。なぜ、このように他の業者に優先をして——同じようにブドウ糖の工業会というのは苦しんでいると思う。他の業者に優先をして金融の道がついたかということについては、食糧庁長官あるいは経済局長でもけっこうですが、特別な理由があったと思うのです。この点はいかがでございますか。資金需要は、いずれの会社も同じように資金需要の要請があった。特に共和グループのほうが優遇をされたと、私ども数字の上から感ずるわけですが、その特別な理由というのをお伺いしたい。
  74. 大和田啓気

    説明員大和田啓気君) ブドウ糖の工業と申しますのは、御承知と思いますけれども昭和三十年代の前半にカンショでん粉その他の滞貨が、食糧庁の手持ちが非常にふえまして、よく丸ビル三ばい分のでん粉の滞貨があるというふうに申しておったわけでありますが、その滞貨があるからといってでん粉の生産を抑制しますことは、九州その他の地帯のカンショ作の農家にも至大な影響を与えますので、でん粉工業の振興あるいはイモ作農家の経営安定という見地から、たしか三十三年くらいから、でん粉工業の振興ということに農林省として踏み切ったわけでございます。したがって、新しい産業の育成でございますから、農林漁業金融公庫でありますとか、中金等が相当な力を入れて今日に至り、現在、糖価の低迷その他でブドウ糖関係の業界も非常な不況にあるようでございますけれども、一応二十万トン程度の生産が確立するような状態になってきたわけでございます。  したがいまして、そういう経過でございますから、それぞれの関係会社と中金なり、あるいは公庫なりと建設関係、あるいは事業の運営等について、いろいろ御相談があったわけでございます。確かに共和製糖関係融資高というのは、共和関係会社に対する融資額は、生産のシェアその他に比べて多いというふうに言われますとおりでございますけれども、その間の事情において何か特殊なものがあるというふうには私ども存じておりません。
  75. 二宮文造

    ○二宮文造君 共和グループの関係会社は、いつ、ブドウ糖工業会を脱退しましたか。
  76. 大口駿一

    説明員大口駿一君) 四十年の九月でございます。
  77. 二宮文造

    ○二宮文造君 食糧庁長官が御答弁になりましたので、なぜ脱退しなければならなかったか。すなわち、その当時までは菅貞人氏が会長であったように私、覚えておるのですが、みずから会長であった菅貞人氏が、工業会から共和グループが脱退しなければならなかった理由、これをお聞かせ願いたい。  また農林省としてもブドウ糖業界を指導するのにおいて、この共和グループがブドウ糖工業会に所属しておるのと、それからアウトサイダーになるのと、行政指導の面においてはどういうふうな不都合が出てくるか、あるいは脱退したほうが都合がよろしいか。もし脱退すればこの行政指導に不都合を生ずるならば、食糧庁としてはその間に何か調停の労をとられたかどうか、そういう点とその間の事情をあわせてお聞かせ願いたいと思います。
  78. 大口駿一

    説明員大口駿一君) 一昨日の委員会におきまして私御答弁申し上げたかと思いますが、ブドウ糖の工業は、ただいま経済局長から答えられましたように、当初カンショでん粉等の処理の問題をかかえておりましたので、政府としてはむしろブドウ糖工業を育成するという方針で進んでまいりました。その後、ブドウ糖工業が非常な勢いで能力が発達をいたしましたにもかかわらず、需要が必ずしもそれについていかないということから、各会社とも非常に不況に陥っておる現状でございますから、現時点において食糧庁といたしましては、このブドウ糖工業の今後の問題は、どのような育成をしていくかということが非常に大きな問題になっておるのでございまして、至急にこの問題は何らかの方針を確定をする必要があると思いますけれども、今日に至ります過程におきまして、このブドウ糖工業が需要に対して能力が過剰である状態をできるだけ解消すると申しますが、業界全体の立て直しをいたしますためには、大型の合理化工場をごく少数つくったほうがよろしいという意見がございまして、食糧庁におきましてもその当時といたしましては、大型合理化工場を育成をすることが望ましいのであるという方針を内部で検討いたしておった時代があるのでありまするが、ただいまの御質問の、菅貞人氏が当時、ブドウ糖工業会の会長であったわけでございます。しかしながら、この大型合理化工場を少数育成をするという方針に対しましては、業界内部といたしましては当然のことといたしまして、他の中小の同業者から非常に強い反対が述べられまして、この問題も食糧庁といたしましては、やはり再検討することが望ましいということで、今日に至っておるわけでございまするが、この業界の中での対立を契機といたしまして、ただいま申されましたように、一部の業者ブドウ糖工業会を脱退をいたしたのでございます。  ブドウ糖業者の一部が工業会を脱退をしておる状態が行政指導上どういうことかという点について申し上げますと、当時、脱退をいたしまする直前におきましては、当然、食糧庁といたしましては、脱退をできるだけすべきではないという指導をいたしたのでございます。その理由は、糖価安定事業法に基づきましてブドウ糖を買い入れますような場合には、やはり調整保管等をいたしましたものを優先的に扱うというようなことからいたしまして、やはり、同業者が全部工業会に加入をいたしておるほうがブドウ糖の価格安定その他の制度を運用いたしまする場合に、よりきちんと運用ができるという観点もございまするので、脱退しないようにという指導をいたしたのでございまするが、結果においては脱退をして今日に至っておるのでございます。
  79. 二宮文造

    ○二宮文造君 私どもの伺っているところによりますと、やはり、菅会長、当時の会長に対する融資を含む、あるいはブドウ糖工業の集約化という問題、これらについて業者間に不満があった。そういうところから、いわばごり押しをされたのでその反発があった。それが脱退の理由になったと、こういうふうな状態のように私は承っております。  そこで、先ほどお願いいたしました公庫の資金流れというのはもうできましたでしょうか、第三点に入りたいのですが。
  80. 大沢融

    参考人大沢融君) まだできませんが、口で御説明申し上げましょうか。
  81. 二宮文造

    ○二宮文造君 できてからでけっこうです。  私、会計検査院にお伺いしたいと思います。  農林漁業金融公庫はブドウ糖関係融資をする、そして先日来問題になりましたように、東洋果糖の宮崎工場について四億円の公庫の融資が行なわれた。ところが、先日来の質疑の中ではっきりしてまいりましたのは、そのブドウ糖の部門についてはくい打ちがなされているだけで、いわば公庫の融資が正当な目的を果たしていないかのような質疑がございました。会計検査院としても公庫の資金がどういうふうに使われたかということは当然検査の対象になることと私存じます。したがいまして、先日来の質疑過程を振り返りながら、会計検査院としてはこの問題についてどういうふうな措置をとられたか、お伺いしたいと思います。
  82. 佐藤三郎

    説明員佐藤三郎君) 農林漁業金融公庫のブドウ糖関係融資につきましては、本院としても非常に注目して検査をしてまいっておるのでございますが、まず第一回目は三十九年の八月でございます。それから第二回目は四十年の四月、第三回目は四十年の八月、第四回目は四十一年のやはり八月、以上四回にわたりまして本店並びに東京支店を検査いたしまして、その間一度福岡支店の検査がございましたついでに、四十年の四月でございますが、共和製糖工場を一度見せてくれということで見せてもらっておりますが、しかして、その検査の結果、当時ブドウ糖はどうも生産過剰じゃないかというような、われわれしろうとでもそういう感じを持っておりましたので、本件融資に関しまして、四十年の十月の十六日に、公庫の総裁あてに融資についての疑問点を御照会を申し上げておる次第でございます。
  83. 二宮文造

    ○二宮文造君 その照会の概略はいかがでございましょう。
  84. 佐藤三郎

    説明員佐藤三郎君) 照会の内容は、これは融資先の企業の機密に属する部分もございまして、全面的に申し上げるということはひとつごかんべん願いたいと、こういうふうに存じますが、たとえばその中で、貸し付け決定当時すでに国全体としてもかなり設備が過剰ぎみではないか、それに対してこういう融資をなおするということについてはどういう考えで一体やっているかというようなことも照会してございますが、これに対しては当時の農林省の指導方針、それからこのできますブドウ糖が特殊なものであって販路にそう心配ないというような回答を承って今日に至っておる次第でございます。
  85. 二宮文造

    ○二宮文造君 あまり詳しく御説明がございませんので、私は別の資料をもって公庫のほうにお伺いをしてまいりたいと思います。資金流れというのはでさましたら出していただきたいです。もうすぐにでも出していただきたい。  私の承知しております範囲内におきましては、東洋果糖に対する融資は三十八年の十月の五日に借り入れの申し込みがございましたようです。そしてその新設資金資金要求としては、公庫の借り入れ金を八億円と予想し、自己資金を五億円何がし、合計十三億何がしの資金計画でこれを始めて、日産七十トンというふうな申し込み書の記載になっておると承知いたしております。  それに対しまして食糧庁にお伺いいたしますが、昭和三十九年食糧庁食糧第一四〇一号をもちまして、長官名で東洋果糖株式会社宮崎工場ブドウ糖製造施設に対する融資あっせんについて、というあっせんの文書が発行されました。内容は、「ブドウ糖企業として適切であると思われるので、これが所要資金昭和三十八年度分につき貴公庫より融資方よろしくお願いします。」こういうふうな融資あっせんをなされた事実はございますか。
  86. 大口駿一

    説明員大口駿一君) ございます。
  87. 二宮文造

    ○二宮文造君 さらに、それに引き続きまして、翌年、三十九年の三月三十一日に貸し付けが決定されて、借り入れ申し込みの八億に対して貸し付けを五億と決定し、三億は翌年度の繰り越しというふうな内容で、公庫で貸し付け決定をなされた事実がありますかどうか、お伺いしたい。
  88. 大沢融

    参考人大沢融君) 五億の決定をしたのは事実でございます。
  89. 二宮文造

    ○二宮文造君 そこで、会計検査院が先ほど第一回に実地、すなわち公庫の本店において実地検査をされておるようでございますが、そのときはどういうふうな検査をなさいましたか。
  90. 佐藤三郎

    説明員佐藤三郎君) 三十九年の八月三十一日から九月の九日まで検査をいたしましたが、その際もいろいろ公庫側に質問をいたしております。しかし、これは検査の際の質問でございまして、照会を出すまでには至っておりません。内容は、やはり設備過剰の場合にこういう融資をどうしてやるか、それから運転資金調達の見込み、製品の販売計画、販路の見通し、それから製品トン当たり設備投資予定額が既存各社のものに比べて少し高くないか、というような点で問題にしております。
  91. 二宮文造

    ○二宮文造君 総裁にお伺いしますが、三十九年の八月二十七日に公庫は、宮崎工場融資の問題につきまして、支払い状況はどうだというふうなことで調査をされているようでございますが、どういう調査をされましたですか。
  92. 大沢融

    参考人大沢融君) 三十九年八月二十七日、これは貸し付けの払い出しをいたします直前と思いますが、それぞれの土地あるいは土地の整備ですとか工場施設とか、そういうものにどのくらいの支払いをしたかということを調査しております。
  93. 二宮文造

    ○二宮文造君 そのときに、先日問題になりました機械発注先月島機械株式会社の本社でブドウ糖機械の製作状況を調査されたと、こういうふうなことになっております。以上のような、まあ先ほど言われた総裁答弁、実地でいわゆる工事関係調査した、と。そこで、ブドウ糖部門の支払い部分として約六億六千万くらいの支払いを確認したと、こういうことになっておりますが、この点はいかがですか、月島で製作状況を調査されましたか。
  94. 大沢融

    参考人大沢融君) そのとおりでございます。
  95. 二宮文造

    ○二宮文造君 そこで、先ほど検査院のほうからブドウ糖設備はもうすでに過剰じゃないかと。そしてまた、その過剰な環境の中で取り急ぎ融資決定したことはどういうことなんだろうか、あるいは運転資金の調達の見込みはどうか、それらが非常に疑問であると。さらには、製品トン当たりの予定額が、設備投資の予定額が、既存各社に比べて二倍ないし四倍で、非常に高額に過ぎるのじゃないか。先ほど検査院のほうは照会を発するには至らなかったということでございますが、公庫本店並びに東京支店で検査院との話し合いの中にそういうふうな質疑があったことは総裁承知ですか。
  96. 大沢融

    参考人大沢融君) 経費が高いか安いかというような話があったということは私まだ聞いておりません。
  97. 二宮文造

    ○二宮文造君 それで、三十九年の十月六日に、公庫は一括して四億円払い出したわけですね。その点はいかがですか。
  98. 大沢融

    参考人大沢融君) 払い出しをしましたのは、三十九年十月六日、そうおっしゃったわけですね。そのとおりです
  99. 二宮文造

    ○二宮文造君 一括して払い出しになりましたですか。先ほど開発銀行のほうは何か八回か十回に分けて工事の進捗状況を見ながら資金手当てをしたと、こういうお話でございましたが、公庫の場合は四億円を一括して、すなわち先ほどの八月二十七日の実地検査によって領収書その他、あるいは実地の検査によって六億五千万払っているということを確認したことがありましたが、それに基づいて一括してお支払いになったわけですか。
  100. 大沢融

    参考人大沢融君) 一括と申しますか、五億円の決定のうち四億を一括して支払ったわけです、払い出しをしたわけです。
  101. 二宮文造

    ○二宮文造君 その四億をおきめになった内訳はいかがでございますか。
  102. 大沢融

    参考人大沢融君) これはこの前も私この席で申し上げましたが、当時、先ほどお話がありましたように、三十九年の八月二十七日に実査によって六億五千何がしをすでに支払っているというのを見まして、その五億から六億、その内輪の八割を払い出しをした、通常の場合、最初支払いを、公庫の取り扱いとしましては、これに限らず大体八割ぐらいのところを支払いの状況に応じて払い出しをしておるという通常のやり方と同じような考え方でやったわけでございます。
  103. 二宮文造

    ○二宮文造君 そうじゃないのじゃございませんか。約六億六千万の支払い済みは、三十九年の八月二十七日に確認された。それから八千二百万円は八月の支払い手形決済した分を確認された。千二百万円は九月の期日到来の支払い手形の決済を確認された。合計七億五千三百万円の六掛けの四億五千一百万円と見て、そうしてそのうちの四億をお出しになったのじゃありませんか。答弁をもっと正確にやっていただきたい。
  104. 大沢融

    参考人大沢融君) たいへん失礼しました。私の思い違いで、先ほど言ったのを取り消さしていただきます。ただいま二宮先生のおっしゃったように、支払いの当日に支払い、払い出しした当日の支払い額はおっしゃったような数字で、この公庫の融資が事業費の六割程度のものを融資しているということで、その六割程度ということを勘案して四億というものを払い出したわけでございます。
  105. 二宮文造

    ○二宮文造君 私がもし資料を持ってなかったら、総裁、どういうことになりますか。
  106. 大沢融

    参考人大沢融君) 私の記憶違いでございます。
  107. 二宮文造

    ○二宮文造君 私は先日来、大森委員に対する公庫の総裁の御答弁の状況を承っておりまして、しばしば大森委員からも御注意がありましたけれども、私のほうもひとつ正確に御答弁願いたいと思うのです。少なくとも公庫の総裁ともあろうものが、融資額が八割か六割か、それが私どものほうから指摘をされなければわからない、こういうようなことでは、私は公庫の融資がどうなっているかわからない。はなはだずさんな答弁であるし、ひいては公庫の業務内容にまで私は疑いを持たざるを得なくなる。この点はいかがでございますか、
  108. 大沢融

    参考人大沢融君) 私の考え違いでお話し申し上げましたのは、非常に遺憾としております。
  109. 二宮文造

    ○二宮文造君 さらにお伺いをいたしますが、このブドウ糖の部門の工事が進捗しない。公庫としてはすでに進捗したものとして融資をしてしまっておる。あるいは月島機械において、機械の製作状況も調査をされた。そういうことが論拠になって、四億円を一括して融資を実行された。その後工事が進まない、当初の予定では、三十九年の一月着工、三十九年の十二月完成という融資の申し込みの時点の計画であったにもかかわらず、公庫から会社に照会をしたのが四十年の一月、進捗状況を照会して、会社のほうから二月に回答があって、最終工事の完了予定が四十年の九月に延びた、このときに公庫としては会社にどういうふうな注意を与えられましたか、またどう了解されましたか。工事予定が九カ月延びたわけです。
  110. 大沢融

    参考人大沢融君) 当初七十トンの規模のブドウ糖工場の建設を計画しておったわけですが、その後、より以上に大きな規模のほうが経済的ではないかというようなことで三百トン工場というようなことを会社の側でも考えまして、一時その計画を持ってきて食糧庁なり公庫に当たったことがございますが、計画を変更するということにはいろいろ問題もありましたし、さらに、先ほども食糧庁長官お話がございましたが、大規模工場をつくるというようなことに、設備過剰というような問題もあり、砂糖の自由化で砂糖の価格が下がって、ブドウ糖の値段が下がるというような不況の時代でもございましたので、ほかのブドウ糖メーカーの、新しい工場をつくることの反対もあるというようなことでおくれておったわけでありまして、私どもとしては早く新しい計画を立てて建設をするというように話を、計画を立ててこいということで指導をしているわけでございます。
  111. 二宮文造

    ○二宮文造君 そういう指導をすると同時に、この会社が二月の二日に、四十年の九月に延びたと、こういうふうな回答が二月二日に公庫にありまして、公庫は二月十八日に会社に対する方針を決定されたわけですが、どういう方針を決定されましたか。
  112. 大沢融

    参考人大沢融君) ちょっと記憶の不確かなことがございますが、公庫がメーカーの希望を聞いたということでございます。
  113. 二宮文造

    ○二宮文造君 希望を聞いた——希望を聞いたのじゃなくて方針を決定されたのでしょう。たとえばその五億と貸し出しを決定したわけです、一億保留しております。その一億についてはどうするか。あるいはその工事が進捗していない、したがって、その担保が取れない。ならば債権保全上そのつなぎ担保をどうするか、あるいは担保をどういうふうに取っていくか。それからまた共和関係共和製糖のほうがもうすでにそのころは相当数でき上がって、すでにたしか稼働をし始めたと思いますが、ブドウ糖部門の融資ではあるけれども、そのほうができてないのだから、精糖のほうの工場抵当権を設定するのを、どう割り込むかというような問題、それら、いわゆる工事が遅延しているということで、公庫はその債権保全上、会社に対して方針を決定されたはずです。どうですか。
  114. 大沢融

    参考人大沢融君) 私、日付は覚えておりませんが、ブドウ糖工場の建設工事がおくれておりますので、この前からお話申し上げますように、私どものほうの担保としては融資対象物件ができたところでそれを一まとめにして担保に取るというやり方をやっておるわけですが、建設工事がおくれましたので、その間の債権保全という意味で、すでにでき上がりかけておった砂糖工場につきまして、先般来お話がありますように、債権保全という意味で第一順位で一億というようなこと、その一連のことをおっしゃっていると思います。
  115. 二宮文造

    ○二宮文造君 一連のことと言うのですが、まあその点はいいでしょう、とにかく、公庫としては重大な局面と想像されて債権を保全する方法をここで決定をされた、対策をきめられたと、こういうように私は理解をいたします。  さて、そこで、先ほどの月島機械において製作状況を実査されたと、こういうお話がございましたけれども、その月島機械において実査したもの、それがどういうふうに使われたということに公庫が疑念を持って、昭和四十年、昨年の八月十三日に会社のほうに照会をされておると思いますが、それはどういうことですか。
  116. 大沢融

    参考人大沢融君) 工事がおくれている理由、工事が中止されている理由というようなことについて照会をしております。
  117. 二宮文造

    ○二宮文造君 私、伺ったのは、機械がどう使われているかということを伺ったわけです。私のほうから申します。公庫のほうから相手先に対してどういうふうに金が支払われたのか、融資がどういうふうに支払われたのかということを公庫のほうで会社に追及をしたところが、そして、特にその中で機械の代金決済について問い詰めていったところが、会社側からまことに申しわけないが、当時精糖部門を早急に完成しなければならなかったので、ブドウ糖関係の遠心分離機あるいは結晶かんを精糖部門に流用した、結果的には精糖機械のほうに支払い代金を充ててしまった、こういうふうな回答が公庫にあったはずでございますが、その点はいかがですか。
  118. 大沢融

    参考人大沢融君) そのとおりでございます。
  119. 二宮文造

    ○二宮文造君 この遠心分離機と結晶かんの機械代金は幾らですか。
  120. 大沢融

    参考人大沢融君) 手元に資料がございませんので、ちょっといま即答しかねます。
  121. 二宮文造

    ○二宮文造君 公庫としては、精糖部門には融資をできない、明らかに当初からブドウ糖関係と制約して、そうして融資をしたにもかかわらず、会社のほうがそれを平気で精糖部門に流用した、これは、私、許せないことだと思いますし、公庫の業務内容にはない、これは明らかに公庫が法においてきめられております業務方法書ですか、これに違反である、こういうことがわかって公庫としては会社に対してどういう措置をとられました。融資額の返還を求めましたか。
  122. 大沢融

    参考人大沢融君) これは、先般来私申し上げておりますように、公庫としての融資は、たとえば土地を買うのに幾らとか、あるいはボイラーを買うのに幾らとかいうしかたで融資をしているのではございませんで、種々積み重ねを行なって、全体として支払った経費がこれこれだから、先ほど申し上げましたように、その六割を融資をするということでございます。したがいまして、この段階におきましても、最初前提にしておりましたようなことでやった結果の四億というものが実支払いより少ないというようなことであれば、問題にしなければ、償還というようなことも出ようかと思いますが、そうでなくて、この段階においても、実際ブドウ糖工事関係に支払った金が四億をこえているということで、支払いの返還を要求するという必要がなかったということでございます。
  123. 二宮文造

    ○二宮文造君 そうじゃないんですよ。ならば、月島機械機械の発注状況をお調べに行く必要はない。お調べに行って、ああなるほど機械ができている、支払い済みも確認された。その確認されたものが、公庫が貸し出してはならない製糖部門に流用したと向こうは言い切っているのです。いやいいんだと、全体で貸したんだから何に使おうといいんだということになりますと、私は、公庫が業務内容なんかきめる必要がない。明らかに製糖部門には融資してはならないというのを、向こうは申しわけないけれども流用しましたと。そして、その金額が幾らであるかあとでわかると思いますが、そこに先日来大森委員が指摘をしました領収書偽造の問題だとか、あるいは機械の発注高が不当に高いと指摘をする原因がここにも私は出てまいるんじゃないか。公庫は総額において貸したんだから、向こうが何に使おうとそれはかまわぬのだ、流用しましたと向こうが言っても、それを見のがさなきゃならないような理由は、どこにあるんですか。
  124. 大沢融

    参考人大沢融君) 所要資金の全額をお貸ししているわけではないわけでございまして、先ほど言ったようなことで、四割というものを出しておるわけですから、その金が事業計画の中のどの部分に実際使われるかということは、公庫としては、償還とか繰り上げ償還というような問題を引き起こす理由にはならない問題だと私は思います。
  125. 二宮文造

    ○二宮文造君 ならば、その遠心分離機と、それから、私もよくわかりませんが、先ほどの結晶かんの機械金額をお知らせ願いたい。
  126. 大沢融

    参考人大沢融君) 多少正確を欠くかもしれませんが、試算をしましましたところで、二億二千万程度でございます。
  127. 二宮文造

    ○二宮文造君 ならば、ここで先ほど七億五千三百万円の支払い済みを確認されて、その六掛けと見て四億五千万。七億五千万から二億何千万を引きますと、それは五億になれば、その六掛であれば三億以上の融資になりませんか。
  128. 大沢融

    参考人大沢融君) その当時と申しますか、これはわりあい最近の調査でございますが、支払いの額を調べたものがございますが、それによりましても、四億以上のものを使っておるということで償還の問題は生じないと思います。
  129. 二宮文造

    ○二宮文造君 ちょっと待ってください。私の質問のあり方を理解してください。先ほど七億五千三百万円の支払い済みを確認して、そして六掛けとして四億五千万、そのうち四億を貸した。ところが、その確認をした中に製糖部門に流用された二億二千万があるわけです。それを引きますと五億になる。ならば、それに六掛けをすると三億にしかならないじゃありませんか。
  130. 大沢融

    参考人大沢融君) 全体として工事費の六割を融資するということでございまして、工事の途中の段階では、実際に支払った金の六割そのものになるということでは必ずしもございません。いまお話がありましたように、七億五千万ですかの確認をいたしまして、このうち二億二千万程度のものが差し引かれましても、四億融資をしたその額よりは少なくなるというようなことはございませんので、償還というような問題は起こらなかったのでございます。
  131. 二宮文造

    ○二宮文造君 ならば、なぜ最初に七億五千三百万、その六掛けというきめ方をしたのですか。その六掛けというのは、そのかける金額が五億になろうが七億になろうが、融資額四億より多ければいいのだ、〇・六というものは何でもないのだ、結論的に言えば、融資した金額以上に工事していればいいのだ、公庫はそういう金の貸し出し方をするのですか。
  132. 大沢融

    参考人大沢融君) ただいまのお話ですが、最初に申し上げました七億五千万の六掛けで大体四億ということをきめましたのは、基準として、考え方としてて全体で十四億何がしかの工事費が要る、そのうち公庫としては八割までは融資できるというようなことでございますけれども、この場合六割にしぼっておったわけでございます。そのとき払い出しをする一応の目安をつけるために全体の六割、それを使いまして四億ということをきめたわけでございまして、それが必ずしも四億ぴたりでなければならぬというわけでもございませんので、その後の状況の変化に応じて、実際の支払い額が四億より減るということになれば、これは問題でございます。しかし、そういうことじゃなくて、四億で五億何がしかの間にかなりの余裕がございます。そういうことも見て、何も返す必要がないじゃないかという考え方でやったのでございまして、御了解いただけるのではないかと思います。
  133. 二宮文造

    ○二宮文造君 冗談じゃありませんよ。お金を貸すのに、機械を発注します、発注した機械というものは、工場に設置されますと、その設置されたとたんにここでそれを償却——売るとすれば、ものによったら六掛けになる、半掛けになる、あるいは鉄くずになるものですよ。建物にしましても、その建物がそのままどんぴしゃりと使えるものならよろしい。そうでない場合は、建物が建てたと同時に六掛けになり七掛けになりするのが、これは常識ですよ。あなたは四億と五億ならかなりの幅がある、かなりの幅があると言ったって、たった八割です。機械だとか、あるいは一つ工事をした場合には、その担保価格というのは、極度に見積もっても六割しかないのが常識です。四億と五億と比べてみれば、かなりの幅があるでしょう、一億ですから。しかし、それが実際の価格となってきますと、六割ぐらいしかない。六割というのは、最高です。ですから、私は、四億と五億、一億の幅があるから決して過剰な融資ではないという総裁の苦しまぎれの答弁というものは、私はここで承服できない。先日来問題になった発注した金額と実際に支払った金額が食い違いがあるという大森委員の指摘も、私はそういうところにからくりがあるような気がしてならない。公庫のずさんな貸し出し方について、私はほんとうに反省をしていただきたい、こういうことを指摘しておきます。  そして結論的に申しますと、ならば、現在公庫としては、会計検査院の照会もあった、会計検査院が四十年のたしか四月二十何日ですか、宮崎工場で、先ほどお話がありましたように、実地検査をされた。そして非常に会計検査院としても注意を払って、そうして公庫のほうへ照会をした事実も先ほど伺いました。最終的にお伺いしたいのですが、公庫のほうからもいろいろと融資にからむ担保の抵当権についてお話がございました。さて、四億の公庫の融資が、はたしてその債権を保全するだけの内容を持つ担保物権を現在お持ちかどうか、これをお伺いしたい。
  134. 大沢融

    参考人大沢融君) これは、この工場につきましての担保等については、お手元に差し上げておるはずでございますが、先ほど来申し上げますように、私のほうの融資対象物件ができ上がりましたときに、財団を組成して担保にするというやり方をやっておるわけでございますが、その通常のやり方では、このような場合、工事が延びるというようなこともありましたので、先ほど来申し上げましたように、製糖施設のほうについての担保権の設定、あるいは、そのほかに東洋果糖の宮崎工場の土地、なお、財団組成はされておりませんけれども、その後にできました変電所あるいは汚水処理施設というようなものについても、公庫が譲渡担保を受け、さらにそのほかに、共和糖化が千葉に持っている土地というようなものも担保に加えるというようなことで債権保全の努力をしております。
  135. 二宮文造

    ○二宮文造君 共和製糖は確かにこの宮崎工場については四億の貸し出しがある。そして製糖部門の工場財団には、先日来からお話がありましたように、一億円開銀と同じように第一順位で入っている。それから東洋果糖の宮崎工場の土地、それについてやはり抵当権を設定しておる、あるいは、いまお話がありましたように、千葉県の共和糖化の土地を担保に押えておる。この評価額は幾らになりますか、おたくで評価しているのは。
  136. 大沢融

    参考人大沢融君) 私ども、この評価は幾らに評価しているというようなことは、もし、私どもが、りっぱな工場ができて、それが収益をあげて、それから償還をしていただくというのが本則でございますけれども、万一の場合は、この担保を差し押えて競売に付して売るという手続をとらなければいかぬわけです。したがいまして、そのときの予定価格は私どもが評価している値段というようなことになるわけでございます。その評価している値段をこのくらいなんだということをちょっとここで申し上げることはお許しいただきたいと思います。
  137. 二宮文造

    ○二宮文造君 公庫のほうで評価をされておりまするのは、せいぜい二億五千万円です。貸し付け残高が四億円、それに利息があります。三つの物件について抵当権を持っていらしゃいますけれども、公庫の内部でそれを評価されておりますのは、せいぜい二億五千万円足らずです。ならば、公庫としては、債権の管理が十分でない。そこで私申し上げておきます。公和製糖が室町につくりました九階建てのビルは現在抵当権は入っておりません。九階建て、約二千三百平方メートル、地下二階、ただし、土地は東京都の土地。それから、先ほどお話がありましたように、天神山——これは私、登記簿を持っておりませんのでわかりませんが、あるいは先手を打たれているかもしれませんが、天神山ないし、この芦屋剣谷の交換した土地はそのままあるはずです。あるいは、ほかが抵当権を設定しているかもしれません。そういうふうにして債権の確保に努力していただく。なるほど工場完成をして、そうして収益をあげることは私ども望ましいところです。これはもうそうでなければならないと思います。しかし、公庫の資金は、一面から申しますと、国民の血税です。したがって、その保全については注意をしていただかなければならない。これは問題がきょうで解決したわけじゃございませんで、資金を製糖部門に流用させているのを見のがしている問題、あるいはブドウ糖部門がくい打ちのままでとまっている問題、あるいは事業費として支払ったと公庫が確認しておりますが、その内容の問題、まだまだ非常に追及の不十分な点がございます。したがいまして、先ほど大森委員岡委員から要望がありましたように、私はここまで論議をしてまいったのですから、さらにこの問題が究明できるまでの場所をこの決算委員会としては当然設けるべきである、こう考えます。これは私の要望であり意見ですが、私がいま総裁に対して債権管理が不十分ではないか、こういうお話をしたわけですが、総裁の考え方をお伺いしたい。
  138. 大沢融

    参考人大沢融君) 財政資金でございます政策融資——公庫はほかの金融機関かできないような金融をやるところだといういろいろな特徴がございますが、債権保全ということについては、二宮先生おっしゃるような気持ちで私どもは努力したい、こういうことでございます。
  139. 二宮文造

    ○二宮文造君 努力したいなどというなまやさしいことでは答弁にならない。すでに今日までがこんな不十分なんだ、それを私は申し上げておきます。したがって、公庫におけるその評価額が二億五千万円見当であるということを承諾されるならば、続いてそれこそ、添え担保と申しますか、増し担保を取ります、要求をいたします、そういうふうな具体的な答弁をしていただきたい。
  140. 大沢融

    参考人大沢融君) 二宮委員がおっしゃるまでもなく、私どもはさらに大きな担保を取りたいという気持ちで今日も努力をしておりますし、これからも努力をしたい、こう思います。
  141. 二宮文造

    ○二宮文造君 最後に一問。国税庁の長官、わざわざおいでになっていただいたのですが、先日もこの共和グループに対して、その税の申告なりあるいは納税額について、あらましをお伺いしたわけで、私もその答弁を聞きまして、あ然としたわけですが、長官が出席なさらないうちに私のほうで申し上げたことは、この農林開発興業株式会社は三十九年の二月の二十八日、新たに国と国有林の交換契約を結びまして、総額一億、差金は約二千万の国有林を交換しております。それを三月の三日に国に納付をしております。さらに、四十年の二月に至りまして、ちょっと日にちが食い違ったかもわかりませんが、資料を見るのがもうめんどうなので、食い違ったまま申し上げるかもわかりませんが、滋賀県の天神山の国有林と交換をいたしております。都合三件、三十八年、九年、四十年と、総額約一億七千万円に相当する、差益においても約四千万円に相当する交換契約を国とかわしております。国税庁のほうに申告をされたのは赤字でございますが、そういうところも捕捉された上での申告であったかどうかということを長官にお伺いいたしたい。さらに、こまかいことがおわかりでございませんでしたら、調査をされて、次のこの委員会の席で御答弁願いたい。
  142. 泉美之松

    説明員(泉美之松君) お尋ね農林開発興業につきましては、先般お答えいたしましたように、会社決算、それから法人税の申告、ともに赤字の申告に相なっております。しかし、いまお話しのように、国有林との交換などのための行為がそれぞれ行なわれておりますし、それから、それに伴って差金の支払い等がございます。したがいまして、私どもといたしましては、この申告については十分調査しなければならないというふうに考えておりまして、目下これは赤字法人でございますので、調査対象に選定をいたしておらなかったようでありますが、至急調査対象に選定して、調査するようにという指示をいたしておるのでございます。
  143. 二宮文造

    ○二宮文造君 その至急に調査対象として指示したと御せになるのは、これは農林開発だけでございますか。あるいは、先日来問題になりましたいわゆる共和グループという会社に対しても含めてという考えに了解してよろしいかどうか、お伺いしたい。
  144. 泉美之松

    説明員(泉美之松君) 先般申し上げましたように、共和製糖関係関係会社は相当たくさんでございますし、また、その重役あるいは借り入れ金等の仕組みも非常に入り組んでおります。したがいまして、農林開発興業だけ調査するということでは実効を期しがたいと思います。これらのグループにつきまして調査しなければならぬ、こう思っております。
  145. 二宮文造

    ○二宮文造君 鋭意調査をされて、適当な機会に概略の御報告をお願いしたいと思います。  私、本日のところ、以上で終わりにいたします。
  146. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  147. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 速記を起こして。
  148. 岩間正男

    ○岩間正男君 私は、国有林の払い下げ、その中でいまも二宮委員からしばしば問題にされましたが、芦屋剣谷の問題についてこれは質問したい。  しかし、これに入る前に、一、二の問題についてお伺いしておきたい。多くを言いませんけれども、今度の問題は、これは非常に国民が深い関心を持っている。しかも、その問題の性格として、このような乱脈な膨大な資金が運用されている反面、一面においては全くこれは零細な農漁民、こういうところにはこのような金はほとんどこれはいかないだろうし、たまたま中小のこういうところにいったにしましても、この取り立てというものは非常に過酷な条件であることは明らかだと思います。そうして、そのために、しばしば何人かが自殺をするという事態が起こっておるのですね。こういう問題との対比において、この問題は実は徹底的に明らかにされるということが私は必要なことだと思っておる。これこそが、国民的基盤においてこの金融問題、現在の所得倍増計画、さらに安定経済成長政策という名前で行なわれているこの金融支配の実態、これを何よりも今後の問題は具体的に物語っておると思う。これと大衆の生活の対比が、非常にこれは政治論としては重大な問題だと思う。したがって、これに対処するあなたたちの態度は、単に技術的な問題あるいは言いのがれ、何とかここのところをくさいものにふたをするというようなあり方では、国会の審議も的を得ないということになるのです。私は、この問題は、ここで詳細を論及する時間がありませんから、あなたたち退席されるにあたって、このような問題との関連において、一体どのようにこの問題に対処するか、具体的には領収書を、偽造されたとおぼしき領収書提出の問題がなされているのです。非常に単純な問題です。あなたたち疑われているのだから、この疑いを晴らすということが非常に重大なときに、何よりもいい方法は、端的にこの領収書提出するということにあるはずであったけれども、先ほどの事情から述べられたような事情によって、非常にこれは混迷しております。こういうことでは非常にまずいのであって、このわれわれ決算委員会の決意と、そうして、その機能を完全に果たすために、当然あなたたちのこれに対する決意が重要になってくるのですから、退席する前に、中金の理事長はおりませんけれども開銀の副総裁と公庫の総裁から決意を述べてほしいと思う。
  149. 石原周夫

    参考人石原周夫君) 先刻来御承知でありますように、政府側では、この問題について調査をして事態を明らかにするということを言っておられます。当然私どももその御協力と申しますか、御一緒に調査をやりまして事態を明らかにすることに全力を尽くしたいと思います。
  150. 大沢融

    参考人大沢融君) 私も同様に、事態をよく政府の指導のもとに明らかにしてまいりたい、こう思っております。
  151. 岩間正男

    ○岩間正男君 私は特に要望したいのは、この問題はあなたたちの取引先のこういうマンネリズム化された、そこだけの感覚だけでものごとを処しては問題にならぬ。いま申しましたように、大衆的な基盤から、国民がどういう関心を持っていまこの公庫の経理について疑惑の目を向けているか、それに答えるという、そういう態度がなければこれは問題になりませんよ。私はこのことを、これはくぎをさしておきたいと思う。そういう観点なしに、いままでのありきたりのやり方でこの問題の解決はあり得ない。しかし、まあ、ここで時間の関係もあり論議をしている余裕はありませんから、これでこの問題は打ち切ります。  次にお聞きしたいのは、田中彰治事件の捜査問題、これは一体どのような捜査体制をとり、どのような経過をたどり、そうして現在はこの捜査が、これは解体されるというふうに聞いておるんでありまするが、その解体した理由、これも国民疑惑が非常に深まっている問題でありますから、簡単でいいのですが、刑事課長からこの詳細を述べてもらいたい。
  152. 石原一彦

    説明員石原一彦君) きょう田中事件の御質問予想しておりませんでしたので、資料を持ってまいりませんでしたが、私の記憶で申し上げますと、東京地検においては、相当期間内偵等をいたしました結果、たしか八月五日であったと思いますが、田中彰治前議員外数名を逮捕いたしまして、その後、最初の事実について起訴し、さらに、いわば再逮捕でございますが、再逮捕をいたしまして、九月十九日と記憶いたしますが、第二回目のいわゆる追起訴を行なったわけでありますが、捜査の体制というお話でございましたが、あの事件につきましては、東京地検の特捜部が中心となりまして、全検察一体と申していいような形でやったのでございますが、特別に何とか捜査本部というような組織はつくっていなかったと聞いております。  それから、なお、これをもう解散したのではないかということでございますが、別に組織をつくっておりませんので、解散したわけではなくて、常態に戻ったわけでございますが、御承知のとおり、非常に多くの事件を起訴いたしまして、内容は当委員会にも提出いたしました公訴事実の要旨によりますと、相当複雑なように思われます。現在相当数の人員が公判準備のために従事しているという段階でございます。
  153. 岩間正男

    ○岩間正男君 追起訴がその後六件されて、新聞紙上なんかでは捜査を一応打ち切るということに伝えられておるのですがね。しかし、この捜査を進めるにあたって、関連の捜査線上に浮かんだ者が相当これはまああるはずですね。そういう問題について、この問題を徹底的に掘り下げるということが、いま疑惑の的になっておるのですから、非常に重大だというふうに考えるわけです。これはしばしば今度の委員会にも論議された問題ですけれども、問題が起こるというと、とにかく、その関連するところを非常におそれる。圧力も加わってくる。そういう体制の中で、特定の者だけを、そこのところだけに焦点を合わせて、そうして、あらゆる一切のしわをそこに寄せる。そこだけで打ち切られてしまうというのがいままでの捜査の姿なんです。これは国民が納得できない。吹原産業事件しかり、造船疑獄しかり。もう戦後の事件という事件は、ほとんど大物に係累が及ぶという事態になれば、これは打ち切られている。そしてそれさえも不可能になった場合には、これは指揮権発動という形で、全く国民の期待に沿わないどろ沼に落ち込んでいるというのが、いままでの姿だと思うのです。  したがって、きょう法務大臣見えておりませんけれども、田中彰治のあれだけの大きな事件が起こった、これが単に田中個人だけの問題で、そうして二、三の関連者を起訴するということに終わるということでは、絶対にこれは世論は承知しないと思うのです。そういう点について、ほんとうに世論の動向の上に立って、検察の機能を果たすべきだと思うんでありますが、これはまあ、あなたの見解があれば述べておいてもらいたい。それから、なければないでいいです。これは法務大臣を呼んでもう一ぺん明らかにしなくちゃなりません。ただ、資料としてやはり出してもらいたいと思うんです。いっ捜査を始め、捜査陣はどのようにこれはつくられたか。何回これは捜査して、そうして現在打ち切りということが言われているが、この打ち切りというのは、もう事件を発展させないという意味での打ち切りか。公訴に備えての準備はしているという形でやっているらしいけれども、実際は捜査は拡大しないという方針にこれは決定しておるというような形では、断じてわれわれは了承できない、この問題の本質上から考えて。したがって、あなたの意見があれば意見、それから、そのほかのものは資料で出してもらいたい。いかがです。
  154. 石原一彦

    説明員石原一彦君) 田中事件につきましては、いわゆる田中事件をめぐるあらゆる犯罪事実につきまして、東京地検で捜査をいたし、一応おおむね捜査を終了したというふうに聞いております。  なお、国民の信頼にこたえる検察ということでございますが、あらゆる会同等におきまして、石井法務大臣は、国民の信頼と負託にこたえる検察ということを常におっしゃっておられまして、これは検察官たる者、みな服腐しているものと考えております。
  155. 岩間正男

    ○岩間正男君 この問題は別な機会に、もっと徹底的に掘り下げましょう。きょうはまあ課長さんしかおいでになりませんから、政治的な返答はできないと思いますから。  そこで、剣谷の問題をお伺いしたいと思います。この交換払い下げの問題については、これは二宮委員から、きのうからきょうにわたって、この荒筋は質問されまして、これについての答弁がありました。ここで詳細に時間をとろうとは思いませんが、非常に簡潔でいいですから、ただ、この払い下げの経過ですね、つまり、払い下げ価格、払い下げ期日、払い下げ人、それから価格の算定の基準、交換した土地、そういうようなものについて、概略簡潔にこれは御答弁願いたい。
  156. 若林正武

    説明員(若林正武君) 芦屋剣谷の交換の相手方は、農林開発興業株式会社でございます。交換対象物件は、受け財産につきましては、広島県佐伯町所在の森林百二十一ヘクタール、広島県三沢所在の森林九十八ヘクタール、島根県一ノ谷所在の森林五百四十三ヘクタール、合計七百六十四ヘクタール、価格にいたしまして七千八百五十四万九千六百九十三円でございます。一方、渡し財産は、兵庫県の芦屋市所在の森林十三ヘクタール、価格は九千八百九十三万八千四百四十二円、交換差金が二千三十八万八千七百四十九円、この交換をいたしました場合の渡し財産についての用途でございますが、宅地造成、緑地ということに相なっております。で、交換契約を締結いたしましたのは、昭和三十九年二月二十八日。渡し財産の現況につきましては、交換当時のままに相なっております。
  157. 岩間正男

    ○岩間正男君 この交換についての地元民の声というものを一体お調べになりましたか。芦屋市ではことに人口が非常にふえた。ふえている現在、そこで水道拡張計画を持っておって、剣谷国有林の五千坪の使用許可を国に申し入れておる。それだけじゃありませんね。その地帯一帯の緑地化、水源林としての補助を要請しておったと思う。つまり、水源林をつくる。水源を保持するためにはどうしてもこれが必要であったから、単に水源地五千坪だけを切り離すということではこれはできないので、こういう申請をやっておったはずだと思うのです。この点についてどのようにこれは林野当局調査をしておったか、伺いたいと思います。
  158. 若林正武

    説明員(若林正武君) 当時林野庁としては、直接調査をいたしてないように聞いております。ただ、現地の営林局におきましては、交換の相手方、すなわち、農林開発興業と芦屋市長との間で、ただいま先生からお話のありましたような諸問題を解決するための保安林の解除に伴いまする一連の措置を、取りきめをいたしておりまして、その中で解決を見ておるのでございます。
  159. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは林野庁長官、もう少し事態をよく調べてから答弁してほしいと思う。保安林の解除の問題はあとで触れます。  その前に、交換の問題ですよ。交換について、交換以前に芦屋市のこれは市議会からの非常に要望があったわけでしょう。そうして市からそのような申請があり、そうして、そのためにこの問題が相当長引いておったはずだと思うのです。こういう実情はどうですか。
  160. 若林正武

    説明員(若林正武君) 私どものほうでそれを聞いておりません。
  161. 岩間正男

    ○岩間正男君 これはやはり剣谷問題で質問するということを通告してからもう五日になるのですからね。こんな事態はもう少し詳細に調べていなければならぬと思うのです。単に土地と土地、森林と森林を交換すればいいのだという事務的な問題だけじゃ私はまずいと思う。この経過について詳細にお知りにならないと、そこから問題が起こってくる。そうして、そのために政策論議も不十分になると思うのですから、こういうことではまずい。芦屋市議会では総合開発特別委員会というのができているはずです。そうして四万坪、これは十三ヘクタール、この農林開発への交換払い下げには、はっきり反対の意思を表明している。それは先ほど私が述べましたように、隣接地に民間の宅地ができるということ、これは防災上からも、また景観上からも非常に心配な点が出る、水道の水源は確保できない、これでは困るから、ぜひ民間への、そのような営業本位の払い下げはこれは断わってもらいたいという、そういう申請や陳情がしばしばこれはなされておったはずです。林野庁がこれを知らないというわけがない。神戸ですか、神戸の営林当局、それから大阪の営林局はどうしていたのですか。こういう問題、向こうを調べなかったのですか。
  162. 若林正武

    説明員(若林正武君) そこまでの具体的な話は報告を受けませんでした。
  163. 岩間正男

    ○岩間正男君 だから、そのような国民的な立場に立たなければこの問題わからない。これはさっきの金融問題と全く同じです。単なるこの五千坪の水道の水源地ですね、水道拡張計画に伴うこの土地はどうなりましたか。
  164. 若林正武

    説明員(若林正武君) 現在承知いたしておりませんので、早急にひとつ調査をさせていただきます。
  165. 岩間正男

    ○岩間正男君 どうもこれはずさん過ぎるじゃないですか。ずさん過ぎますよ。実はこの水道の問題と、この剣谷の四万坪というものは非常にからんでいる。明らかに大阪の営林局長はこれに圧力をかけたふしがあるんです。大阪営林局長はこう言っているのですよ。これは具体的には、三十八年七月十八日の芦屋市議会の、さっきあげました特別委員会で林という助役がこの経過を報告している。その報告の中でこういうことを言っておる。国有地の払い下げにわれわれが全面的に反対すれば、水道の点まで飛んでしまう、こういう答弁をしておるんです。この間の事情は何を物語っているかというと、明らかにこれは大阪営林局長は芦屋市当局や市議会に圧力をかけて、水道地使用を許すから、それと引きかえに剣谷国有林の払い下げを一方で強引に認めさせようとした。これまた非常に当時問題になったわけでありますけれども、これ御存じないですか。
  166. 若林正武

    説明員(若林正武君) 私、承知いたしておりません。
  167. 岩間正男

    ○岩間正男君 困ったもんだな。これは向こうにあなたたち問い合わせをやり、そういう資料の要求をして、事前に調査は全然しなかったと言うんですか。
  168. 若林正武

    説明員(若林正武君) 調査をいたさせましたが、そこまでの報告は受けておりません。
  169. 岩間正男

    ○岩間正男君 それはわれわれは市議会のいろいろなそういう経過、あるいは速記録、そういうようなものによってこの実情を具体的に調べたわけであります。さっきも言ったように、あくまで市議会としては、この国有林の払い下げには反対だった。ところが、いま言ったような非常にいわばこれは圧力をかけた。四万坪の払い下げを反対する、そうすれば、こっちの水道の拡張工事はだめになる、五千坪はこれは貸すことはできないというような、そういう交換条件、卑劣な交換条件で、こういう事態で強引にこれを農林開発のほうに払い下げを承知させるというふうに持っていったんじゃないですか。こういうことについては、これはどういうふうに考えておりますか。またこの問題についてやはり詳細に調べ直す必要があると思うですな。いかがですか。
  170. 若林正武

    説明員(若林正武君) 詳細に調査いたします。
  171. 岩間正男

    ○岩間正男君 これについての、具体的なこれは陳情書、申し入れ書あるいは意見書、こういうものはしばしば出されているんですよ。ここにたくさんの資料がありますけれども、これについて一々触れませんけれども、この住民の意思を無視して行なわれたところに、大体今度のこの剣谷の払い下げ問題があるんだということ、この基礎の上に立ってこの問題を判断しないというと、判断を私は誤ると思うのですね。さらに、どうでしょう。三十八年十月の芦屋市特別委員会で、さっきの林という助役は、大阪営林局長との面談の要旨を次のようにまた報告している。局長から、従来局としては芦屋市に対して相当協力的にものごとを進めてきたが、今度のやり方は芦屋市の総合開発の基本方針に少しも反していない、ただ民間でやるのが違いだ。民間というのは言うまでもなく農林開発だ。農林開発という民間の会社にやらせるだけの違い、ここが違うだけであって、水道はそのまま認めるんだし、この国有林の交換払い下げは賛成してもらいたい、こういうことだ。そうして、だからあくまで基本方針の線に従ってやるのがなぜ悪いのかと言って、逆にこれは圧力を助役にかけています。そこで、助役としては、こういうような営林当局の圧力によって、民間払い下げ絶対反対の線をあくまで通していくと、五千坪の用地確保ももちろんだめになるし、高校、霊園の第三期用地も再考せねばならぬと言っている。これは高校、霊園の第三期用地というのは、これは芦屋市の市街建設のそういうプランの中にあったわけです。これは全部やはり営林局と関係を持ってくるんでありますが、そういうところも圧力を加えてだめになる、そういうような実に悲観的な報告をしているんです。それにもかかわらず、結局は、強引にこの市当局の意向を押し切って、そうして払い下げを強行したというのが、このそもそも剣谷国有林の払い下げの正体じゃないですか。この点お確かめになっておられないんですか、どうですか。
  172. 若林正武

    説明員(若林正武君) 芦屋市当局の反対を押し切って交換をしたというふうには聞いておりません。
  173. 岩間正男

    ○岩間正男君 それは聞いていないと言うんですか。それは調べられないから聞いていないのはあたりまえです。調べないと言われたんですから、そういう事情についてはわからなかったかもしれませんけれども、芦屋市の市議会の反対、地域住民の反対が強かったということは、これは事実です。そこで、市議会としては、あくまで国有林の払い下げ問題に反対する態勢を示した。どういうことを考えたか。当面対抗手段を考えざるを得ない。一方で天下り的に強引に農林開発に払い下げる、あらゆる手段を使って圧力を加えて払い下げてきたのでありますから、これに対して対抗手段を考えざるを得なかった。その対抗手段というのは、これは保安林の解除をあくまで食いとめるということ、これはまあ森林法第二十七条に基づいて異議申し立てをやる、国有林の宅地造成をいよいよ農林開発がやろう、しかし、着手しようとしても、保安林の解除について同意の意見が市当局から得られない場合には、これは着手できないことになっておりますね。いかがですか、この点は。
  174. 若林正武

    説明員(若林正武君) そのとおりでございます。
  175. 岩間正男

    ○岩間正男君 その後、芦屋市では農林開発、営林局、県との間で何回か文書の交換をこれは行なっております。ついに市長は保安林解除にとうとう承諾を与えてしまった。この承諾の年月日はいつですか。
  176. 若林正武

    説明員(若林正武君) 昭和三十八年十二月九日でございます。
  177. 岩間正男

    ○岩間正男君 どういうふうになっておりますか。三十八年ですか。われわれの調査したところとだいぶ違うようですが、兵庫県知事あての同意書が出されたのは間違いありませんか。
  178. 若林正武

    説明員(若林正武君) 私がただいま申し上げましたのは、大阪営林局長に対しまして芦屋市長から保安林解除に異議がないという文書が出ましたのが、私が申し上げました日にちでございます。
  179. 岩間正男

    ○岩間正男君 正式には——宮林局長に対するそういう内意書は、内諾の意見書は出すかもしらぬけれども、正式には県知事でしょう。県知事に対してはっきり同意を与えた、その申請書が出されたその年月日を聞いております。
  180. 若林正武

    説明員(若林正武君) ただいま先生のお話は、保安林解除手続の問題だと思うのでございますが、それでございますると、市長から知事あてに文書が送られましたのが、三十九年の七月二十二日でございます。
  181. 岩間正男

    ○岩間正男君 そのとおりです。この承諾書というのは、これはどういうふうにしてつくられたと思っていますか。これは市会の承諾を得、報告を受け、そうして、そのような自治法の運営によってできたところの同意書だというふうにあなたたちおつかみになっていらっしゃいますか、その間の事情いかがですか。
  182. 若林正武

    説明員(若林正武君) 市でいろいろ地元の利害関係者その他とも意見の調整を見ました上でこれは出てまいっておるわけでございます。
  183. 岩間正男

    ○岩間正男君 そうじゃないのですよ。そこは全くあなたたちにはそういうふうに報告されているけれども、これは市長の独断です。市会の承認はむろん得ていない。それから市民や直接関係人にも何らの相談もしない、そうして、このような同意書を与えた。だから、市民の間から非常にこれに対する反対が起こったわけです。最初の交換払い下げには市長もこれに参加して反対したわけです、意見書も出し、陳情書も出しているのです。しかし、いよいよ工事に着手する前提条件としての保安林の解除の問題になるというと、結局、これも時間がかかります。相当時間がかかって、いろいろな圧力が加わったものと見えますけれども、そういう中で、最後的には同意書を出す。しかし、独断的なやり方で、全く住民の意思や市会の意思というのは、これはじゅうりんされているのです。こういう形でこの同意書は出されているのです。これはまあいろいろな経過についてここで詳細にやっているひまはありませんけれども、その証拠は歴然としています。  そこで、自治省の参事官見えていますね。これはどうなんだ、地方自治法のたてまえから考えて。大体が地域住民の利益のために当然この国有林を開放するというのは、それを優先的に取り扱うというのは、これは当然じゃないかと思うのです、森林法のたてまえとか、そういうものの精神から言って。ところが、全然そういう形でなくて、一商事会社に、しかも、営林当局が先に立っていろいろと圧力をかける、そうして市会の意思もじゅうりんする、その地域住民の意思も尊重されない、市長自身は、かつてみずから反対の陳情をやっておったにもかかわらず、今度は先に立って同意を独断で与えてしまうというような、一体このような自治体の運営というものは、これはあり得るものかどうか。自治法の精神に照らして、どういうふうに考えておられるか、この点の意見を承りたいと思います。
  184. 志村静男

    説明員(志村静男君) いま先生のお尋ねの点につきましては、私、具体的な事実関係につきまして承知をいたしておりませんので、あるいは一般的な御答弁になるかと思いますので、その点はお許しをいただきたいと思っております。  まあ地方共公団体の行政でございますので、これは私から申し上げるまでもなく、当然住民の福祉増進という見地から行政事務というものは行なわれるわけでございまして、そういった観点からいたしまして、公共団体といたしまして、国有林野の払い下げというものが必要である、適当であると、また、相手方のあることでございますので、当然それには所定の要件なり、あるいは手続等というものもあろうかと存じますが、それらに従いまして申請をいたしました場合におきまして、まあ国のほうといたしましては、国有林野というものを払い下げていただけばこれは非常にけっこうであると、かように考えておるわけでございます。
  185. 岩間正男

    ○岩間正男君 答弁になっていないじゃないですか。聞いていたのですか、私の質問経過を。市当局は自分のほうに水源の拡張計画として払い下げてもらいたい。しかも、その周辺は、これはあとで詳しく述べますけれども、いろいろな理由から、保安の上から考えて、水源地確保の点から、風致上から考えて、この国有林払い下げには反対しておったのです。これが地域住民の意思ですよ。そうして市会ではわざわざ特別委員会まで設けて、これに対していろいろ関係方面にこれは陳情をやり、請願をやり、意見書を出しておったのです。それなのに、その意思に反して民間会社に、これは強引な圧力によって払い下げられたのです。いまのような答弁では、まるでこれは答弁になっていないじゃないですか。どうなんですか、もう一ぺん答弁し直してください。
  186. 志村静男

    説明員(志村静男君) 先ほどお答えいたしましたように、実は事実関係について承知をいたしておりませんので、非常に的確な御答弁ということははなはだむずかしいわけでございますが、先ほど申し上げましたように、当然公共団体といたしましては、やはり地域住民の福祉という観点から行政をやるわけでございますので、それに支障があるということにつきましては、当然これは排除するようにやっていかなければならぬと思っております。ただ、この点につきましては、当然林野庁なら林野庁というものがございますので、また、所定の手続もございますので、やはりそれに従って処理されるということになろうかと思いますので、公共団体だけの意思でもってどうこうということには結果的にならない、かように思っております。
  187. 岩間正男

    ○岩間正男君 問題もっと具体的に、あなた、その段階でも判断できるでしょう。一商事会社でしょう、民間の不動産屋なんだから、農林開発というのは。あとでこれ出てきますけれども、いま五日間を費してここで論議をしたこれは共和グループのいわば不動産部なんですよ。不正融資がどんどんなされた、そうして、その金がきのうの大森委員説明によると、十億くらいはそこへ流れていると、こう言われている。そういう会社に無理をして払い下げるために、地域住民の意思というものがじゅうりんされ、市会の意思がねじ曲げられ、圧力がかけられたということを、自治省の立場として、あなたたちはいまのような答弁でいいのですか。前のほうはいい、あとのほうは落第です。あとのほうの答弁おかしいです。具体的にもっと、ものを考えてごらんなさい。当然それは認められぬのじゃないかと思うのです。しかし、何か質問がそういう方向にいくのだからこんなふうに言っておかないとあぶないというふうな何か立場答弁をされてはかなわぬと思う。あなたたちは自治法を守る、そういう立場で当然これに対して、どうなんです、一体、自治省の役人として、自治法の精神にのっとってこれを運営するのが当然だというような答弁をするのがあたりまえじゃないですか、そうじゃないですか、あとのほうはよけいだ、どうですか。
  188. 志村静男

    説明員(志村静男君) たてまえとしましては、これはまた繰り返しになりまして非常に恐縮でございますけれども、やはり住民の福祉増進という観点から、公共団体として考えまして行動すべきものだと、かように考えます。
  189. 岩間正男

    ○岩間正男君 具体的にあなたはまだお調べにならないと言っていますから、これは当然自治大臣にお話しして調べてもらいたい。いままでの経過というものを向こうに行って、官庁だけ調べてもわかりません。地域住民なり市会なり、関係方面を調べてもらいたい。そうすればはっきりする。いまのような、あとのほうのよけいな答弁はできなくなってしまう。そういう点を調べて、もしもそれに対して自治法の精神に違反するような正しくない不正なやり方があるとしたら、またこれ地方自治体の自治に対しまして圧力を加えるという、そういう事態がある、あったとしたら、どうしますか。
  190. 志村静男

    説明員(志村静男君) この件につきましては、私どもといたしましても、直接の関係者といたしましては林野庁のほうではないかと思いますので、よく林野庁の担当官のほうからいろいろ御意見を聞き、調査をしてみたい、かように考えております。
  191. 岩間正男

    ○岩間正男君 ちょっと注意してくださいよ。あんな答弁じゃだめだ。まるで官庁の中でイタチの穴はイタチで調べればいいのだという答弁じゃだめです。地域住民の意見、あるいは市会の経過、そういうものの上に立たなければ地方自治は守れないでしょう。もう対決して攻撃されているのです。あなたのほうに真実を話すわけはない。そんなことで地方自治が守れますか。こんなたよりない答弁では問題にならないじゃないですか。もっとも、これは参事官だから、ここで責任のある答弁はできないのかもしれないけれども、自治大臣呼び出して、必要があるならもう少し責任のある答弁できる人いないのですか。これは委員長、いまのような答弁では問題になりませんよ。絶対に承服することはできない。しかも、私はそういう事態において不当なことがあればという前提をつけておる。調べれば必ず不当です。われわれは確証を持って言っているのだ。そういうことについて、いまのような答弁しかできないのですか。何も営林局に聞かなくてもいい。聞いたっていい、参考になりますから。参考になりますから、それはあなたの自由ですが、少なくとも、地域住民、それから市会、そういう地方自治を守るという立場に立っているのですか、いないのですか。立っているのなら、この立場からこの問題を取り上げて調査をして、単に一つ——このケースというものは重要ですけれども、これについて自治省の基本的な態度というものが明らかになるとすれば、これはほかにも影響するのだ。自治省ふらふらしていてこれを守っていないから、こういうことになるのですからね、これはどうなのです。
  192. 志村静男

    説明員(志村静男君) 先ほど私、御答弁申し上げましたのは、林野庁のほうからだけお聞きする、こういう意味ではございません。林野庁のほうからもいろいろ御事情を聞き、私どものほうから調査をいたしたい、こういう趣旨でございます。
  193. 岩間正男

    ○岩間正男君 なるたけ早く——これはきょうは間に合わないだろうけれども、早くその結果を知らしてもらいたい。いいですな。
  194. 志村静男

    説明員(志村静男君) はい。
  195. 岩間正男

    ○岩間正男君 そこで、この地域の市会や、それから地域住民からの反対があったし、市長も非常に何かうしろ暗いところがあったのでしょう、それを合理化するために、その後、芦屋市と農林開発、それから営林局、県、こういうところで何回か文書の往復をしているのです。どうもこの手の込んだやり方を私は実は見て驚いたのでありますけれども、これはなかなかひどいものですよ。役所というものはまことにあなたたちの都合にはよくできているものです。この芦屋市長から兵庫県知事に対して意見書が出された。それから、それに対しまして、今度は芦屋市から農林開発に対して意見書が出され、農林開発から今度は営林局に対して意見書を出す、そして、それが県のほうにいく、それからまた、県、営林局、農林開発、芦屋市というふうにまた戻ってきて、だんだん文書の往復をやっている間に、もう事態がまさにこれは当然正しかったというような印象を与えるような文書の作成が行なわれている。これは一々読んでいるひまありませんけれども、実にそこは巧妙なんです。いかにも合理化する、全く合理化するようなかっこうでそういうことまでやっている。これはひどいものですよ。そうして結局は、こういうことを言っているのです。市長は独断で同意を与えたものの、反対勢力がおさまらないのを見て、これからの勢力がさも同意しているかのごとく見せかけるために、非常に手の込んだやり方をやっている。そうして神戸農林事務所長から芦屋市長に、反対意見についてはどうなんだ、こういう質問を出すわけです。芦屋市長から、今度はさらに農林開発に意見を聞く、それから芦屋市長にまた農林開発からの返答が来、それを今度は神戸の農林事務所長に送る、こういう形で、いま言った反対意見を何とか処理する方法を考えているのですね。最後にはどう言っているかというと、その反対の根拠というのは認めることは不可能であると推定される、そういう結論をこれはでっち上げているのです。こういうやり方で保安林の解除というようなものを合理化するのですが、一方、保安林解除反対主勢力である芦屋の農業委員会にも働きをかけている。会長に、次のような報告書を兵庫県知事に送らしています。「先般三十九年六月十一日付をもって貴職にお願い申し上げました芦屋剣谷一帯の国有林野の払い下げにつきまして、これが保安林解除の反対陳情を提出いたしておりましたが、今般水利関係者と払い下げをうけました会社との間において円満なる話し合いがつきましたので、この点御報告を申し上げます」云々。ところが、実際は非常にこれは事実に反しているのです。反している。これはもう全く、先ほど申しましたように、地域住民の考え方と違います。しかも、こういうあくどいやり方がいかに正しくないかということは、これはあとで私は述べたいと思うのでありますが、こんな形であくまでも保安林の解除というものを合法的にでっち上げる、こういうことをやっているのです。この実態についてもこれは十分に調査をして、これに対する答弁をこの委員会に出してもらいたい。いかがですか。
  196. 志村静男

    説明員(志村静男君) お尋ねの件につきましては、調査をいたしまして御回答を申し上げたいと、かように存じます。
  197. 岩間正男

    ○岩間正男君 いまのような文書回答がなされておりますが、この実態は全く事実に反しています。これもまあ調査の上、明らかにしてもらいたい。時間の関係もありますから、調査の上、明らかにしてもらいたいのですが、二、三点を指摘しておきますけれども、第一に、これは公文書不実記載です。合わないです。第一に、受益者である地元町内会が保安林解除に同意を与えているかという問いを出しているわけです。これに対して何と答えているか。これに対しまして市長の答弁は、「地元町内会においては政治的背景をもって感情的に反対せんとする情勢にありまして、これに同意を求めることは困難であり、政治的ふんいきに混淘されると判断されますので」云々、こういうふうに述べている。しかし、これも実際のこの実情について調べてもらいたいと思うのでありますけれども——なお、これは非常に事実に反しています。こういうことについても、何らの事前の調査をこれはしなかったのですか。
  198. 志村静男

    説明員(志村静男君) 実は私ども、先生から御質問があるということはお伺いしておったわけでございます。その場合、たしか、私ども承知をしておりましたのは、西宮の国有林の払い下げ問題というようなことをお聞きしておりましたので、実はいまお尋ねのございました芦屋市の件につきましては、全然事実関係等は承知しておらない次第でございます。
  199. 岩間正男

    ○岩間正男君 これははっきり芦屋剣谷と言ったのですよ。あなたのほうへ芦屋剣谷の質問をすると言ったら、局長が来る予定だったのです。
  200. 志村静男

    説明員(志村静男君) 剣谷というのに、芦屋剣谷ともう一つございますが。
  201. 岩間正男

    ○岩間正男君 芦屋剣谷とはっきり言っているわけです。
  202. 志村静男

    説明員(志村静男君) たしか私が直接担当の者からお聞きしましたのは、西宮市が国有林の払い下げの申請をした、この件について先生のほうから御質問があると、こういうように実はお伺いしておったわけで、芦屋の問題は初めてでございます。
  203. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは連絡についてとやかく言っているのじゃないですけれども、私の質問のあれは知っているでしょう。よく見なかったですか。決算委員会の出している資料を見てください。芦屋剣谷とはっきり書いてあるでしょう。芦屋剣谷の問題で質問する。それも見ないであなた出てきたのですか。
  204. 志村静男

    説明員(志村静男君) 先ほど申し上げたのでございますが、先ほど来の先生のお尋ねに対しましては、調査をいたしまして十分お答えを申し上げたいと、かように思っております。
  205. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは全く事実関係が明らかにはならないのですけれども、こんな形じゃだめですよね。審議に差しつかえるし、全く焦点がはずれてしまうじゃないですか。地元町内会では、それなら意見書、陳情書でいままでどういう立場からこの払い下げに反対し、それがだめになれば、その次に保安林の解除に反対してきたその理由も何もこれはつかんでいないのですか、全然。そういうことなんですか。農林当局はどうですか。
  206. 若林正武

    説明員(若林正武君) 先ほど来、先生のほうからいろいろ経緯につきましてお話がございましたが、林野庁のほうに正式に上申をいたしてまいっております中で、芦屋と相手方の農林開発興業との間におきまして、防災上並びに水源地保護のために守るべき事項につきましての覚え書きの交換をいたしておりますということと、それから保安林解除手続の過程におきまして、昭和四十年の二月十九日でございまするが、兵庫県知事のほうで解除予定告示をいたしております。これに対しまして、三十日以内に意見書の提出が利害関係者その他からあるわけでございまするが、これもなかったというふうなことで、円満にこれは話がついておるというふうな理解で処理をいたしたというふうに考えております。
  207. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは全く実態に反しますよ。もう市長が同意を与えてしまった。住民はそれに対して、そういう事態に対しては、非常に反対をしている。しかし、県知事の告示というのが一方でこれはなされたと言うのですけれども、もう地域住民にはほとんど十分知らされないままに、いつの間にか完了してしまうというような脱法的なやり方でやられておりますよ。しかし、これに対して、いままでの要求、陳情、請願、そういうもので何回もこれは繰り返されているのです。ここに芦屋市議会の議長の鶴田秋太郎という人の出した陳情書があります。そういうものによりましても、これはもうほんとうに見てもらいたいと思うほど、切実なものですよ。その理由としてあげているのは、第一に、山くずれ発生の危険がある。これは非常に重大な問題だ。これはいままでの芦屋で、御承知のように、昭和十三年ですか、ここで津波が起こっているはずですよ。もう町が全然のまれる、そういう重大な問題があり、第二室戸台風のときにも、これはそういう事態が起こりまして一あすこの剣谷の地域はどんな地質になっておりますか。
  208. 若林正武

    説明員(若林正武君) 花こう岩でございまして、土性は砂壌土でございます。
  209. 岩間正男

    ○岩間正男君 そういうことですから、黒雲母の花こう岩ということで、そうして砂壌土でしょう。そこで、あすこのところは非常に谷合いみたいになっておる、非常に山が後にそびえておる、こういうかっこうでしょう。だから、一たび大雨が降れば、土砂くずれがはなはだしいのですよ、ですから、昭和十三年の大被害を受けておる地域住民は、これについて非常に不安を持っておるわけでしょう。そういうところの森林が乱伐をされる、その結果はどうなるかということは身をもって感じているのですから、これについて、第一の理由としては、山くずれ発生の危険がある、こういう点をまず第一にあげております。第二には、宮川地域の山津波を誘発する危険が大きい。第三には、六麓荘というのは町の名前なんですが、上水道の水源枯渇のおそれがある、乱伐をやれば。第四には、上水道源の汚染化の心配が当然これは伴いましょう、地域に住宅ができるそういう事態が起これば。第五には、風致林が根本から破壊される。それから第六としてあげているこの点がまた重要です。これは農林開発というのは非常に未経験な会社だ。こういう会社がどんな計画を出しても、これにやられたんではろくなことはできない。どういうことが起こるかこれは非常に心配だ、不安だ。この六つの条件をあげて、これは継続的にこの地域の人たちは市議会を通じて反対をしてきたんだ。市議会にわざわざ特別委員会まで設けられて、この反対の陳情を熱心にやっていたんだ。こういう事態が無視されて、しかも今度保安林の解除、そういうものが先ほど申されましたように市長の独断でなされる。それで、それを合理化するためにいろいろな手段が、これは営林当局あるいは森林開発、そうして市長との間にこれは行なわれている。こういう事態が真相なんです。非常にこれは重大な問題ですよ。それからもう一つは、農業用水ですね、この点からこれは質問しているんですね。これに対して朝比奈会長——芦屋の農業委員会会長をやってます朝比奈氏というのから報告が出されていると思うんですが、御存じないですか。あなたのほうでこれははっきり受領しておるでしょう。
  210. 若林正武

    説明員(若林正武君) 林野庁では報告受けておりません。
  211. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは、円満な話し合いがついたという報告をしているんですね。ところが、これは全くのうそだ、でたらめだ。当時の毎日新聞の阪神版にこういう記事が出ています。この問題に関連して、「芦屋市農業委員会の極楽地武次郎氏ら三委員は、県林政課を訪ずれ、山本同課治山係主任に、剣谷地区での宅地開発のための保安林解除はストップしてほしいと申し入れ、同市農業委員十三人中九委員連名の陳情書を提出した。」と報じている。十三人中九人が、七〇%の人たちが、多数がこれに反対している。こういう事実があるんですけれども、このうその申請、不実記載のこのような申請で、それを土台にして、そして強引にやはり保安林の解除をやっているんです。これはどうですか、御存じありますか。
  212. 若林正武

    説明員(若林正武君) 昭和三十九年八月二十一日、芦屋市の農業委員会会長から兵庫県知事に対しまして、保安林解除について反対陳情があったが、円満解決をしたという通知はございました。
  213. 岩間正男

    ○岩間正男君 ところが、その円満解決が円満解決でないのです。農業委員会会長がそういうようなことを一方的にやった。しかし、その直後にははっきり十三人のうち九人が反対陳情をやっている。そうして工事は中止してほしいと、こういうことを申し入れているんですからね、全く違いますよ。これと関連しまして、実は農林開発がこの反対派のことを聞いて、百万円の金を用意して、何とか金をばらまいて、鼻薬をきかして、この反対運動を押えようとして出かけて行っている、現地へ。ところが、反対派の人たちが強引にそれをけったのです。しかたなくて、その百万円をまたふところにしてこれは東京に戻っているという事実があるのです。こういうことまではっきり明らかになっているのです。こういうふうに見ますというとね、市長の同意書といい、それから農業委員会会長のこのうその同意書といい、まことにこれはでっち上げと言わなければならないのです。  第三にもう一つあげたいのですが、保安林解除を必要とする理由について、芦屋市の用途地域決定によって住宅専用区域に指定されているというふうにこれは述べているのですが、これもうそでしょう。これははっきりしていますけれども、芦屋市ではこの地帯は芦屋国際文化住宅建設法というのに基づいて、全面的に緑地帯としてこれをちゃんと保存することを予定している。これはその計画書を見ればはっきり明らかです。だから私の質問は、いま非常に不十分な、つまり実態を把握していないそういう形で答弁されましたから、非常に一方からいろいろ資料を出すということになったのですが、もう一ぺん実態をあなたたち明らかにしてください。このやり方というのは、非常にこれは許すことができないのです。農林当局農林開発の手先になっている。市に圧力をかけ、農業委員会にいろいろなそういうなにをやっている。足らないところは農林開発が出ていって背後からいろいろなこれは操作をやる、金を出す、こういう形で行なわれたところのこれは払い下げです。これに伴うところの、同時にこれは保安林の解除なんです。こういうことで合理化しようとしている。なぜ一体こんなことをしなくちゃならない、なぜ。私はあらためて聞きたい。なぜこんなことをしなくちゃならない。農林次官はどうしちゃった。農林当局はいないのか。だれかいますか。私はお聞きしたいのです。そこで、国有林野法第八条、これはどういう規定がありますか。この内容を明らかにしてもらいたい。
  214. 若林正武

    説明員(若林正武君) 国有林の払い下げにつきましての優先規定でございまして、市町村が優先するということになっております。
  215. 岩間正男

    ○岩間正男君 読んでください、内容を。そんなことだけじゃなくて。どういう内容ですか。
  216. 若林正武

    説明員(若林正武君) 「第八条、第二条第二号の国有林野を売り払い、貸し付け、又は使用させようとする場合において、左に掲げる者からその買受、借受又は使用の申請があったときは、これを他に優先させなければならない。一 当該林野を公用、公共用又は公益事業の用に供する者、二当該林野を基本財産に充てる地方公共団体、三 当該林野に特別の縁故がある者で省令で定めるもの、四 当該林野をその所在する地方の農山漁村の産業の用に供する者」  以上でございます。
  217. 岩間正男

    ○岩間正男君 これはどれに当たるのです、農林開発のは。お聞きしたい。
  218. 若林正武

    説明員(若林正武君) ただいま私読みましたのは、国有林野を売り払う場合、貸し付ける場合また使用させる場合でございまして、交換の場合とは違うのであります。
  219. 岩間正男

    ○岩間正男君 交換の場合はどういう法規でやるのですか。
  220. 若林正武

    説明員(若林正武君) 交換の場合には、国有財産法及び国有財産特別措置法によって交換をいたしておりますが、国有財産法は第二十七条でございます。「普通財産は、土地又は土地の定着物若しくは堅固な建物に限り、国又は公共団体において公共用、公用又は国の企業若しくは公益事業の用に供するため必要があるときは、これをそれぞれ土地又は土地の定着物若しくは堅固な建物と交換することができる。但し、価額の差額が、その高価なものの価額の四分の一をこえるときは、この限りでない。2前項の交換をする場合において、その価額が等しくないときは、その差額を金銭で補足しなければならない。3第一項の規定により堅固な建物を交換しようとするときは、各省各庁の長は、事前に、会計検査院に、これを通知しなければならない。」ということと、もう一つは、国有財産特別措置法の第九条の四でございます。「普通財産のうち土地又は建物その他の土地の定着物は、国又は公共団体において公共用、公用又は国の企業若しくは公益事業の用に供するため必要があるときは、国有財産法第二十七条第一項の規定による場合の外、土地又は建物その他の土地の定着物と交換することができる。但し、交換に係る……。」
  221. 岩間正男

    ○岩間正男君 もういいです。公用、公共用でしょう、それを優先するのは。やはりこの精神と変わりないじゃないですか。あなたたちそれの交換と言うけれども、売り払いにも関係する。差額は金を出している。そういう形で公用を優先する、公共用、公益事業、こういうふうになるんでしょう。ところが、どうです。水道、それから水道を維持するためにあたりの緑地帯を残したいという、当然これは公用でしょう。しかしその地域におけるところの当然自治体、そういうものが優先するということは、その法の精神によって明らかだと思う。農林開発というのは一体何なんです。どういうものですか。言うまでもないことじゃないか。これは具体的にやっているひまありませんけれども、この農林開発の性格というのは、きのうから二宮委員がこれはるるやっています。営利会社でしょう。共和グループの不動産部でしょう。営利会社だ。そして不正融資関係があって、ここから相当な金が、十億近くの金が動いているということが当委員会でも問題になっているでしょう。こういうような形でこれが運営されていっているところにこそ、剣谷払い下げの問題が明らかに出ている。なぜこういうことをしなくちゃならないか、私は林野庁長官にお聞きしたい。大阪営林局長がなぜ一体先ほどからやっているような法を無視してその申請を退けて、そしてこのような一民間会社に肩入れしなくちゃならないのか、ここに非常に問題があるんじゃないですか。ここに一つの黒い影がつきまとっていると判断されてもしかたがない根拠があるんじゃないですか、この点いかがですか。
  222. 若林正武

    説明員(若林正武君) 国有林野が交換をやります場合には、ただいま私読み上げました規定の中で、国の企業のために必要があるという場合に、国有林野といたしましては交換をやるわけです。先生のお話のございました問題は受け財産についてのお話でございまして、反対になるわけでございます。渡し財産につきましてはその規定はないわけでございます。それと、基本的にはなぜ交換をやるのだというお話でございまするが、前々から申し上げておりますように、大阪営林局管内は非常に都市周辺に小さな、小面積の零細な団地がたくさんございまして、国有林経営という立場から考えてまいりますると、こういった小さなものは、なるべく整理をいたしまして、大きな団地として林業経営の改善をはかっていく必要があるわけであります。そういった角度から、当時大阪営林局といたしましては、基本的な林野整備というふうな計画を立てておりまして、その線に沿いまして、交換という事務を進めてまいったのでございます。
  223. 岩間正男

    ○岩間正男君 先ほどもちょっと私が出しましたけれども、それなら市会を通じてもやる方法は何ぼでもあるわけでしょう。市の計画はちゃんとできているわけだ。それなのに、基本方針は変わりはない。ただ民間でやる違いだということで、実際は強引な圧力をかけているということを話をしました。そういう中には、特にこの民間の農林開発に肩入れをしている。そうして実際は不当な圧力なんかを加えている。それは先ほど申し上げたところです。この背景を私たちはやはり明らかにしなければ、本問題の真相はわからないということになります。  そこでどうです、一体。この三十九年の九月に市長の選挙が間近かになったということで、内海清後援会、これは芦屋の市長ですね。これが三月三十日に結成されて、これはあとで芦屋市政推進協議会という名前に変更されたようです。この内海清後援会に政治資金規正法の登録団体新友会というものから、これは政治献金がなされているはずでしょう、選挙局長
  224. 降矢敬義

    説明員(降矢敬義君) 私たちのほうに対する新友会の届け出、三十九年度の下期でございますが、それを見ますと、三十九年の七月三十日に内海清後援会に百万円の寄付金という届け出がございます。
  225. 岩間正男

    ○岩間正男君 そうすると、そういう政治献金があったわけですね。内海清後援会に百万円、それはいつです、日にちは。
  226. 降矢敬義

    説明員(降矢敬義君) 三十九年の七月三十日でございます。
  227. 岩間正男

    ○岩間正男君 内海市長が保安林解除に同意したのは、先ほどの説明によってはっきりしていると思います。七月の二十二日ですね。どうなんです、一体。これはまことに符節が合っているのじゃないですか。二十二日に同意書を出す、同時にこの新友会から百万円という金が入っている。この新友会というのはどうです。どういう資金規正法の団体なんです。
  228. 降矢敬義

    説明員(降矢敬義君) 政治資金規正法は御案内のとおり。政党と協会その他の団体というふうな二つの区分けがございまして、この新友会は一般的な政治活動を目的とする協会その他の団体に属しております。
  229. 岩間正男

    ○岩間正男君 一般的だが、その性格、具体的に言ってください。大体これは自治省にちゃんと届け出書があるでしょう。その所在地、それから会長、そうして関係の深いグループ。
  230. 降矢敬義

    説明員(降矢敬義君) 新友会の所在地は東京都中央区日本橋室町一の二番地でございます。それからこの代表者は高橋喜寿丸、会計責任者は土屋澄江という届け出になっております。
  231. 岩間正男

    ○岩間正男君 この高橋喜寿丸という人は、これはどうですか。同時に農林開発にも関係しておりませんか。農林開発の何をやっております。
  232. 降矢敬義

    説明員(降矢敬義君) 私たちは、この政治資金規正法による届け出を受け、それを公開をするという任務を課せられておるわけでございまして、ただいま御質問にもございましたような代表者その他の人がどういうことをやっているのかというようなことについては、調査する権限はもとよりございませんので承知しておりません。
  233. 岩間正男

    ○岩間正男君 これはもう明らかで、いろいろいままでも取りざたされているのですが、これは重政元農林大臣の秘書ですね。そうして農林開発の取締役をやっているのじゃないですか。そうして、しかもこの新友会というのは、それならどういう背景のある政治資金団体ですか。
  234. 降矢敬義

    説明員(降矢敬義君) 政治資金規正法は申すまでもございませんけれども昭和二十三年に制定されまして、その大綱はほとんど変わっておりません。この考え方は政党その他のいわゆる政治団体が自主的に健全な運営をはかっていくという前提に立って、その資金の公開を規定したのでございまして、ただいま御質問のように、当該団体がどういう団体であるか、またはどういう活動をしておるのかということを自治省の権限と同時に、選挙管理委員会でござまいすけれども、そういうことの権限を付与するという考え方は当時全くなく、今日まできておるわけでございます。そのために御案内のとおり届け出書につきましては、わざわざ法律の二十九条には真実の記載がなされていることを誓う旨の文書を添えて報告書を出すというような規定まで設けられております。
  235. 岩間正男

    ○岩間正男君 これはもうあなたの立場で言えないのかもしれませんが、言うまでもなく、この五日間当委員会を大きく騒がした共和グループの政治献金団体であることは明らかでしょう。どうなんですか。この新友会から内海清という芦屋の市長に保安林解除の背後に百万の金が送られた。政治資金規正法で出されたのは表面の金だ、これは。しかし裏金がどのくらいになっているのかわからない。いわばこれは一つの明らかな買収じゃないですか。市長からいえば、地位利用の汚職じゃないですか。これによって実際は市会が反対し、地域住民が反対しているその反対の剣谷国有林の払い下げ、交換払い下げ、こういうものを合理化し、さらにその次の問題になった保安林の解除というものに同意書を与える。いろいろの経過をたどりますけれども、その背後にははっきりこういうものが動いておる。これは事実が証明しているんですよ、何よりも。時間の関係から、前後の関係から見ても明白だと思うのです。こういうものについてこれは自治省の選挙局では調査するということはできないというんですか、全然。ただ届け出制だけ、そういうものであって、実態を調査することはできないということですか。権限がないのか。
  236. 降矢敬義

    説明員(降矢敬義君) 前回御答弁申し上げたような趣旨でこの法律ができております。三十一条にこの法律の執行、つまり報告の規定がございますが、この法律の執行に関して資料提出あるいは報告を求めることができるという規定が一条あるわけでございまして、その趣旨は、先ほど御答弁したような趣旨でこの法律がつくられてございますので、実態にわたって調査をするという権限は与えられておりません。
  237. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは非常に重大な問題ですよ。この問題については、これは林野庁長官御存じないですか。こういう事態について、これはあなたが直接タッチしておられないんだけれども、大阪営林局長、こういうものとまた関連が非常に農林開発との間にうわさされているんですよ。こういう事態についてこれは調査される覚悟ありませんか、どうですか。
  238. 若林正武

    説明員(若林正武君) いま先生のお話の点につきましては、私承知いたしておりません。
  239. 岩間正男

    ○岩間正男君 だから、しばしば私が言いました——時間の関係からすべて具体的にやるひまがなかったわけですが、保安林解除に同意しなければ貯水池創設の用地貸し付けもだめになる、こういう圧力をかけた。こういうようなやり方で実際には農林開発を擁護してきているというのはこれは実態でしょう。林野庁と農林開発、これは非常に深い関係があると言わざるを得ないんです。そうしてその背後には言うまでもなく、これは共和グループが動いておる。共和グループの政治献金の会としては新友会というのがある。この新友会がこういうことをやっている。しかしこの問題は先ほど二宮委員からもこれは指摘をされました。一方では赤字欠損の申告をやって、いわば税金は納めていない。そういう会社が一方においてはいろいろな宅地造成にどんどん金を出しているという点を指摘されたのであります。しかし、私は別な観点から脱税をやっている会社が、一方では政治献金をどんどんやっている。そういう実態を何よりもこれは物語っているんです。私はここで要求したいと思う。選挙局長出してもらいたい。新友会の三十九年度の政治献金の一これはあなたのほうでわかるわけでしょう。いろいろな政党人に対して政治献金をやったはずです、新友会というのは。総額で幾らです。
  240. 降矢敬義

    説明員(降矢敬義君) 三十九年度の下期の届け出による支出額は千七百三十万円になっております。
  241. 岩間正男

    ○岩間正男君 これだけでも膨大なものですね。これは資料として出してください、この中身を。いいですな。きょうは間に合わないかもしらぬが、時間の関係があるから。
  242. 降矢敬義

    説明員(降矢敬義君) この法律によりますと、閲覧も当然できることになっておりますので、届け出の内容をそのまま資料として提出いたします。
  243. 岩間正男

    ○岩間正男君 そうしてください。時間がありませんから、もうしぼります。  そこで農林開発という会社は一体どういう会社なんです。これはもう二宮委員からも相当詳しくきのうからやられていますから、私はここで詳細やろうと思いません。詳細やろうと思いませんけれども、これは非常にあいまいなものじゃないですか。これに対する興信所の所見があるんだな。これによると、どうですか。「当社は共和製糖の不動産管理部門として発足したものであるが砕石」、それから「牧畜」ですか、「を除いては何れも計画中のものであり未実現の計画実施のために」云々というようなことで、それからこういう中で「当社との取引については当面一応の注意は必要である」、それからいろいろここでこれについて興信所の所見がありますけれども、こういうものを見ましても、非常にこれはあいまいな会社だ、なかなか実態が把握できない。それから事業計画などというものもできていないことも、これはしばしば大森委員と二宮委員から指摘せられましたから、時間の関係からここでやりません。どうです。こういう会社で、それを真っ向に営林当局が支持をする、そうして宅地造成を急ぐ、そのためのあらゆる圧力を加えていく。そうしてことに営林局長は芦屋市の助役に対して——芦屋市の助役は地域住民が非常に農林開発に対して不安を感じてきた、どうもぐあいが悪いじゃないか、こういう興信所の所見が出るようじゃこれはぐあいが悪いじゃないか、その問題を営林局長と会ったときに話をすると言ったと、こういうふうに述べている。私のほうは信頼できる方であるこの前提に立って話を進めているので、それをおっしゃるなら全然話し合う余地がない、こう言って突っぱねているんです。市当局を突っぱねている。言うことを聞きなさいということです。この圧力に屈しなさいということです。払い下げを認めなさいということです。払い下げを認めなさい、これを認めなければ水道もだめになる、高校もだめになる、田園もだめになる、一切の市のこのような計画については営林署は協力をしない、こういう形の圧力で一方では泣き寝入りをさしている。そうして地域住民のこのような要求というものが全く実現できない。しかも一営利会社、このような会社によって、これは背後からいろいろな操作がなされている。この政治資金の実態というものを見れば、この背景に何が動いているのか。この新友会と非常に深い関係にある政誠会という一つの政治資金の会があるはずですね。政誠会についてはどういうこれは会なんですか。
  244. 降矢敬義

    説明員(降矢敬義君) 政誠会も新友会と同じように協会その他の政治団体でございまして、所在地は東京都千代田区丸ノ内二の二丸ビル七階七百六十三区、代表者は安原明芳、会計責任者の職務代行者は稲葉勘一という届け出になっております。
  245. 岩間正男

    ○岩間正男君 この安原明芳という方は、これはどういう人ですか。
  246. 降矢敬義

    説明員(降矢敬義君) 私は承知しておりませんし、また先ほど申し上げましたとおり、自治省としてそういう実態を調査する権限も与えられておりませんので、ただいま申し上げるとおり承知していないわけであります。
  247. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは重政氏の現在の秘書でしょう。これはまぎれもない事実です。それから政誠会と新友会というのは事務所が同じじゃないですか、どうですか。新友会と政誠会は同じ事務所ですか。
  248. 降矢敬義

    説明員(降矢敬義君) 新友会につきましては、先ほど申し上げましたとおり東京都中央区日本橋室町一の二番地という届け出になっております。したがって両者の事務所は違っております。
  249. 岩間正男

    ○岩間正男君 農林開発とどうです。農林開発と同じ事務所でしょう、政誠会の事務所が。
  250. 降矢敬義

    説明員(降矢敬義君) 農林開発のほうは私のほうは全然承知しておりません。
  251. 岩間正男

    ○岩間正男君 農林開発の場所はどうです、所在地は。
  252. 若林正武

    説明員(若林正武君) 農林開発の住所は、東京都千代田区丸ノ内二丁目二番地丸ビルの七百六十三区でございます。
  253. 岩間正男

    ○岩間正男君 全く同じ、ぴったり同じ所だ。実際行ってみると、事務員が一人ぐらいしかいない。農林開発という会社がどういう会社であるかということがわかる。そうして、同時にここには政誠会の事務所がある。この政誠会は最初どこにできたかというと、遠くでない、そこの会館にできたはずでしょう。昭和三十九年ごろには議員会館の重政氏の控え室にできているはずです。それが会館建設か何かで実際はいまの丸ビルの七階に移った。こういうふうになってまいりますと、ここで五時間も費やして論議されました共和グループ、これをめぐる不正融資の問題、一方では交換払い下げ、国有林の全く不当なこのような払い下げ問題、こういうものは全く一体の関係にあるということは明らかだと思うんです。農林開発、共和製糖、共和グループ、新友会、政誠会、これらの背景というものは非常に私は日本のいまの政治の縮図というものをこれはあらわしていると思うのです。私はまあ時間か——委員長に非常に協力をしていただいて、相当な時間を取りました。しかし、まだまだこれは複雑なんだ。やってみますというと、これはもっともっと時間が必要だということが明らかになりました。しかし、きょうの段階では自治省のほうの調べが非常に不十分です。林野当局も実態について把握のしかたが、これは新任の長官のようでありますから、やむを得ない点もあると思うのでありますけれども、まだ不十分、こういう形でこの問題の詳細のとことんまで明らかにするということは遺憾ながら今日の段階ではできないし、全く一連の深い関係にある。そうして地方自治権というものがこういうかっこうの中でじゅうりんされている、侵害されている。そして実はいまの安定経済成長政策のもとに泳いでいるこの関係会社、そういうものに実際は国有林を非常に安い値段で払い下げる、あるいは膨大な不正融資、そういうような中で、しかもその背景には政治献金というふうな形がこれはできます。時間の関係で、これは重政氏と政誠会の関係なんかについてもっともっと明らかにすればこの正体は明らかになってくると思いますが、時間の関係で次の回に譲りましょう。私はこういうような疑いがある。ますますやればやるほど濃厚になってくる。この共和グループの問題については最初要求したように、これは政務次官もほんとうに審議に協力するということを言われた。文字どおり具体的に要求された一連の要求があれば、一人の委員の要求といえども、これはその資料を出すのはあたりまえです。ましてや、この問題は先ほども述べたように明らかに金融機関が疑われている。しかも文書偽造印鑑偽造、そのような実にいまわしい汚名の中で疑われている問題でしょう。国損があるないなどと言っているが、国損というのはあなたたちの計算によれば金で何百万、何億損したということだろう。岡君も先ほど述べられたように、そうじゃないでしょう。何よりもこういうような植民地態勢のような暗黒のやり方で印鑑偽造が行なわれ、インチキ領収書によって取引されている。それによって膨大な不当融資が行なわれている。そしてそれが政治献金の窓口になっているというような事態を許すことはできない。ですから、われわれはあくまでもこれを追及します。この一環としてのきょうの私の不十分な質問でありましたけれども、この次にもっともっとこの問題を当局側からもよく調べてもらって答弁ができるような態勢においてこれをやりたいと思う。このことをもって私は終わります。
  254. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  255. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 速記を起こして。  他に御発言もなければ本日の……。
  256. 岡三郎

    ○岡三郎君 議事進行について。今朝の委員長理事打ち合わせ会で今後の進行については別室でということになるというと、いろいろと時間のおくれが目立ってくる。ここで委員長理事打ち合わせ会をやって、どうするかということをきめて、それによってわれわれとしても態度を表明したい。その手続だけは取ってもらいたい。
  257. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) それを委員会を散会してから直ちに……。
  258. 岡三郎

    ○岡三郎君 散会してからじゃうまくない。
  259. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 先ほど来岡君、大森君、あるいは二宮君、さらに岩間君等の要求もありまして、今後の問題もありますし、午前中の委員長理事打ち合わせで、そういう場合には委員長理事打ち合わせを行なうことになっておりますから、これが散会になりましたら、委員長理事打ち合わせを直ちに行ないたいと思います。
  260. 岡三郎

    ○岡三郎君 いや、ちょっと休憩して……。
  261. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 速記をとめて。   〔午後三時五十一分速記中止〕   〔午後四時三十七分速記開始〕
  262. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 速記を起こして。
  263. 岡三郎

    ○岡三郎君 時間も相当経過しておりまするので簡単に申し上げます。今朝以来当決算委員会は審議を重ねてきたわけですが、今後の問題として、石井法務大臣の出席、またここに小沢政務次官がおりまするが、やがては大蔵大臣の帰朝を待ち、また松野農林大臣の出席を求めて、農林中央金庫法十五条に基づき、大臣が協議してこれをきめていく、こういう筋合いになっているわけです。そういうふうな問題についても特に大蔵大臣が帰られたときにおいて、この問題についてわれわれとしては十分ただしたいし、あわせて当時の田中、前の大蔵大臣が融資決定をせられておるというふうにわれわれは考えておりますが、まあそういう点から、その間の事情等についても現在の福田大蔵大臣を通して、こういう問題についても、これは大臣一体の関連もとにおいてお尋ねをしたい。そういう多くの要件を残しておきながら、いま委員長が報告せられたとおりに、与党委員理事が一人もおらぬし、いつの間にか雲隠れしてしまった。こういうことでは本院の使命、当決算委員会の使命として国民の負託にこたえられぬと思うわけです。そういう意味において、われわれとしてはまことに残念でありまするが、いまの状況からいうと、自民党の誠意はさらさら認めることができない、考えられない。そういうふうな点でまことに残念でありまするけれども、もちろん今後において委員長等から委員会の運営については与党の翻意を促して進行をはかられるように努力せられると思いますけれども、現状においては、なぜ雲隠れしたか、なぜいなくなったのかということについては、本委員会の審議を中断するというふうにも受け取れるわけです。そういうふうな点について、われわれとしてはまことに遺憾でありまするのて、一言申し添えて——審議をする問題点は多く残っておる、まだ尽きておらない。国有林の交換の問題等についても、資料はもらっておってもその追及はなされておらぬし、なお私の質問の国税庁に関する質問等もなされておらぬわけであります。そういうふうな総体的な問題について今後の進行をひとつ極力できるようにしてもらいたいというふうに思います。
  264. 二宮文造

    ○二宮文造君 ただいま岡委員から御発言がありまして、重複する部面は時間もおそくなっておりますので避けますが、私まだ短い決算委員会の経験ではありますけれども、こういうふうな状態になる——与党の委員か一人も席にいないということは、私の経験においても初めてなんです。一体これはどういうことになるのか、どう解釈すればいいのか、私も寡聞にして判断に苦しんでおります。確かにいま岡委員が言われましたように、問題は山積しております。また、当決算委員会昭和三十九年度の決算検査報告も受けました。それも逐次審議していかなければならない。そういう時点にあって、あとの審議日程もきめられないまま、いままさにこの委員会が中絶という形にならざるを得ないわけですが、これは一体こういうかっこうを私どもとしてはどう了解すればいいのか、これは委員長のほうから御説明願いたい。あるいは委員部のほうから伺ってもいいのですが、私ちょっと経験のないことですから、この事態をどう受け取ればいいのか教えていただきたい。同時に委員会の今後の審議の日程につきまして、この問題についても山積しております。したがって委員長のほうで、委員会の審議に入れますように何ぶんの御奔走を願いたい、これを要望しておきます。
  265. 藤原道子

    ○藤原道子君 私は、この五日間ずっと審議を聞いておりまして、何としても割り切れない気持ちです。私は昨日ちょっと災害地へまいりましたけれども、何だと——いろんなことばで国会不信の声が満ちております。国会決算委員会がやっているけれども、サル芝居やっているんじゃないか、こういう極言すらされておる現状でありながら、こういう状態でしり切れトンボになることはまことに残念でございます。それこそ国会の使命の上から言って、品位の上から言ってもこのままでは済まされないと思います。ことにけさ理事会の御報告の中に、場合によっては小委員会をつくってもいいというようなお話があったと御報告ございましたが、かつて私、委員長当時に、国有財産の問題が次から次に出てまいりましたために、国有財産に関する小委員会、これを設置いたしまして、相澤小委員長もとに運営してまいりました。いろいろ問題が出るにつれて政府、与党のほうからの圧力がございました。本院では小委員会持つべしということが強い要望でございましたが、ついに言を左右にして小委員会を何することができませんでした。中断されてしまいました。そういう過去もございますので、もし今後小委員会をつくるといたしましても、そのときには小委員会でやらないで本委員会でやったらいいじゃないか、本委員会ではほかの審議ができないから小委員会をつくるんだと言いますけれども、いや原則として本委員会でやるべきだ、審議が停滞すれば委員会の日数をふやしたらいいじゃないか、こういうことでついにできなかったわけです。ところが、本委員会でやればこのていたらくでございまして、文部省も中途はんぱ、自治省の問題も延びてしまう、こういう経験がございますので、委員会が与党に不利になれば圧力をかけて審議をはばんでくる、妨害してくる、こういう態度は私は許せないと思います。ことに大事な、それこそ政府、与党の名誉に関する問題が幾多出ておりますので、進んで審議に応じてこそ、私はあるべき姿だと思います。これをこういうことでしり切れトンボにするということは、何としても許されないし、私たち最近世論の動向を見るときに、ときには私たちバッジをつけて歩くのが恥ずかしいくらい、いま政治に対する国民の批判は満ちております。これを回復いたしますためにも、今後の委員会の運営、今後の与党のあり方等につきましても、厳重なる抗議を含めてお話し合いを願いたい。  以上、強く要望いたしておきます。
  266. 大森創造

    大森創造君 私の考えを申し上げます。大森創造、政財界をおおう黒い霧はあくまで徹底的にはらすべきである。田中事件以来、政府、自民党では自粛という美名を使い、決算委員会の正常な審議の範囲を狭ばめようとしているが、もとをただせば政府、自民党の腐敗、堕落ぶりを究明する場所を骨抜きにしようという陰謀であり、それが今回の共和グループ融資問題の審議中はっきりした。私は、大森創造は重要な証拠と生き証人を何人も持っております。しかし国会は検察庁ではないから、控え目に国政審議の立場で必要なものしか出しておりません。私は検察庁の厳正をいまなお信じておりますが、何かの都合で動けないのなら、わが党の幹部とはかり、党をあけて国会であらゆる証拠、証人を出して、私が持っておりますから、徹底的に追及する考えであります。すでに共和グループ内部では、けさ申し上げたとおり証拠の隠滅が始まっているばかりでなく、もみ消し工作も活発で、本件はやみにほうむり去られようとしております。これは政府、自民党が幾ら口に美辞麗句を弄しても事実でございます。この問題の背景は複雑であり、きわめて重大であります。国民の皆さんも厳重に今後の動きを見ていただきたいと思います。終わります。
  267. 岩間正男

    ○岩間正男君 疑惑が出されて、疑惑がかけられたらですね、これに対してあくまでもその潔癖を証明する、そのための最善の努力をするというのは当然私は政府の行政機関の任務だと思う。ところが、今度の五日間のやり方は、全くこれに反するような方向をとってきました。これがいままで終戦後二十年にわたる造船疑獄を初めとする数々の汚職事件がですね、国民の前に、真にその真相が解明されない、そういう一つの大きな原因になっておったと思う。したがって、われわれは、これを打ち破るというところに当委員会は野党の諸君が力を合わせて努力をしたと思います。与党といえどもこれに同調しなければならないはずである。しかるに彼らは最後の、いままさに委員会が終わろうとするこの議場に反映をされている姿そのものが物語っている。責任を回避して、ここにもう居合わせないという、こういう醜態をさらけ出しています。このこと自身がやはり問題と深い関係がある。私たちはこういう事態の中で、とにかく休会中五日間というような精力的な努力をしたことは、これはあまり——私も長い議員生活をやっておりますが、いままで例がないと思うのです。この努力を、ますますわれわれはお互いに真実を追及する、国政を真にただすという立場に立って、力を合わせて今後努力をしていきたい、そういう確信を持って今後運営を前進させることを、私は委員長に要望して、私の決意を同時に述べておきたいと思います。
  268. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) いま各委員のほうからそれぞれ発言があったわけでありますが、確かにお話のようにこの五日間の審議を通じまして、また本日の審議を通じましても問題が残っておりますし、重要な問題について残っておりますし、また要求として松野農林大臣あるいは法務大臣、大蔵大臣等の出席も求められております。しかし、先ほど委員長理事打ち合わせをやろうといたしましても、御承知のとおりの状況であります。なお、今後の委員会の会議の開催についても協議をしなければならぬわけであります。また一昨晩から国有財産の問題についての論議の過程の中で、必要があれば小委員会を設けることを検討するという点につきましても、委員長理事打ち合わせで了承済みになっております。したがいまして、委員長といたしましては、すみやかに委員長理事打ち合わせを行ないまして、こういう事態を解決するためにできるだけの力をいたしたいと思っております。  他に御発言もなければ、本日の大蔵省についての審査はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十分散会