運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1966-11-18 第52回国会 参議院 運輸委員会 閉会後第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年十一月十八日(金曜日)    午後一時十五分開会     —————————————    委員異動  十一月十四日     辞任         補欠選任      野坂 参三君     岩間 正男君  十一月十八日     辞任         補欠選任      浅井  亨君     黒柳  明君     —————————————   出席者は左のとおり。     理 事                 谷口 慶吉君                 吉田忠三郎君     委 員                 金丸 冨夫君                 木村 睦男君                 平島 敏夫君                 前田佳都男君                 森田 タマ君                 相澤 重明君                 大倉 精一君                 木村美智男君                 黒柳  明君                 岩間 正男君    国務大臣        運 輸 大 臣  藤枝 泉介君    事務局側        常任委員会専門        員        吉田善次郎君    説明員        科学技術庁研究        調整局長     高橋 正春君        大蔵省主計官   荒巻与四郎君        運輸省航空局長  堀  武夫君        運輸省航空局監        理部長      町田  直君        運輸省航空局監        理部監督課長   住田 正二君        運輸省航空局技        術部長      松本  登君        運輸省航空局技        術部航務課長   浜田 幸晴君        運輸省航空局技        術部乗員課長   片倉 幸夫君        気象庁予報部長  今里  能君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○運輸事情等に関する調査  (全日空機事故に関する件) ○派遣委員報告     —————————————   〔理事谷口慶吉委員長席に着く〕
  2. 谷口慶吉

    理事谷口慶吉君) ただいまより運輸委員会を開会いたします。  本日は委員長が都合により出席できませんので、私がかわって委員長の職務を行ないます。よろしく御協力をお願い申し上げます。  委員異動について報告いたします。  去る十四日、野坂参三君が委員辞任され、その補欠として岩間正男君が選任されました。     —————————————
  3. 谷口慶吉

    理事谷口慶吉君) 運輸事情等に関する調査を議題といたします。  去る十三日、松山沖で発生いたしました全日空機墜落事故及び遭難者捜索に従事しておりましたヘリコプター衝突事故により遭難された方方並びに御遺族方々に対して、本委員会としてつつしんで哀悼の意を表します。  ここに犠牲者方々の御冥福をお祈りするため、黙祷をささげたいと存じます。起立黙祷。   〔総員起立黙祷
  4. 谷口慶吉

    理事谷口慶吉君) 黙祷を終わります。  速記をとめて。   〔速記中止
  5. 谷口慶吉

    理事谷口慶吉君) 速記を始めて。  本件について運輸大臣から発言を求められておりますので、この際これを許します。藤枝運輸大臣
  6. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 去る十一月十三日、松山空港付近において発生いたしました全日空機事故について、その状況報告を申し上げます。  報告に先立ちまして、同機に搭乗してこの事故に遭遇し、とおとい生命を失なわれました方々に対しまして、つつしんでその御冥福をお祈り申し上げますとともに、遺族方々に対しまして心からお悔やみ申し上げる次第であります。  全日本空輸株式会社所属YS11型機は、同社の大阪松山便として機長森保男ほか四名が乗り組み、乗客四十五名を乗せて十一月十三日十九時十三分大阪国際空港を離陸し、松山空港に向けて計器飛行方式により飛行いたしました。  同機は、陸地側から進入を開始し、二十時三十二分松山空港滑走路のほぼ中央に接地しましたが、直ちに海側に向かって着陸復行を行ない、離陸後管制塔に復行ずる旨を通報してまいりました。管制塔は、第三旋回経路に入ったとき再び通報するよう指示し、同機はそれを了承しました。離陸した同機は約一マイル直進して左旋回を行なった後消息を絶ちました。  松山航空保安事務所は、同機遭難と推定し、直ちに東京航空交通管制部に連絡し、同部は東京航空保安事務所に置かれている救難調整本部に連絡し、同本部は二十時五十五分直ちに海上保安庁等関係機関に出動を要請しました。  海上保安庁は、直ちに巡視船艇等三十一隻を出動させ捜索にあたらせましたところ、二十二時五分松山防波堤灯台二百二十六度三千メートル付近同機の破片を発見しましたので、遭難が確認されました。  十三日は徹夜にて捜査救難にあたり、十四日早朝からは海上保安庁自衛隊等航空機ヘリコプター船艇等を増強し、船艇航空機による洋上捜索音響測深儀による探信捜索潜水夫による潜水捜索漁船による底引き捜索等立体的に行ない、遺体機体等捜索揚収にあたり、十八日十一時現在で、二十八遺体及び機体の一部を揚収しました。遺体松山市内正宗寺に安置されております。  政府は、この事故に対する措置としまして、直ちに十三日二十三時閣議決定に基づき、運輸大臣本部長とする松山空港全日空機事故対策本部を設置し、事故善後措置に重点に置いて応急対策推進をはかっております。  また、運輸省航空局は、十四日早朝二時二十八分空路により松本技術部長外三名を事故調査のため現場に急行させ、調査を開始しました。  十五日十一時私及び総務副長官、運輸省官房長海上保安庁警備救難監等が空路松山に向かい、現地視察遺族の弔問を行なってまいりました。  全日空事故についての現在までの状況は以上のとおりでございますが、政府といたしましては一日も早く遺体揚収するよう努力いたしますとともに、早急に専門調査団編成し、事故原因の究明にあたらせたいと考えております。  次に、十五日十六時五十分ごろ、遺体捜索中の大阪府警所属ヘリコプター全日空所属ヘリコプターが空中接触し、愛媛県北条市沖合い百五十メートルの海上に両機とも墜落し、乗員四名全員死亡しましたことはまことに残念でございます。ここに殉職されました方々に対しまして、つつしんでその御冥福をお祈り申し上げますとともに、遺族方々に対しまして心からお悔やみ申し上げます。  なお、このヘリコプター事故による四遺体は同日揚収されました。  以上をもちまして、松山空港における全日空機事故及びヘリコプター接触事故に関する経過報告を終わります。     —————————————
  7. 谷口慶吉

    理事谷口慶吉君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、浅井亨君が委員辞任され、その補欠として黒柳明君が選任されました。     —————————————
  8. 谷口慶吉

    理事谷口慶吉君) 本委員会として委員派遣を行ないましたので、その報告を聴取いたします。
  9. 大倉精一

    大倉精一君 私は、今回、谷口委員及び浅井委員とともに十一月十五日から二日間にわたり、松山市において全日空機墜落事故実情調査を行なってまいりました。  まず、冒頭にあたりまして、このたびの悲惨な犠牲者皆さんに対しまして心から哀悼の意を表しますとともに、御遺族皆さんに対しましてはつつしんでお悔やみ申し上げ、さらにまた、一日も早く全犠牲者の収容を完了することを心からお祈り申し上げる次第であります。  さらにまた、昼夜を分かたず捜索救難に心魂を傾けておられて、とうとい殉職をされた皆さんに対しまして心から哀悼の意を表しますとともに、御遺族に対しまして心からお悔やみを申し上げる次第であります。  まず、松山航空保安事務所において航空局技術部長から事故状況を聴取いたしました後、第六管区海上保安本部長から捜索救難状況説明を受けましたが、全日空機遭難地点である伊予灘海域は、水深はおおむね二十メートル前後で透明度は相当良好でありますが、最高九キロに及ぶ複雑な潮流があるため、広い範囲にわたり遺体が流散する可能性もあると思われ、捜索はなかなか容易なものではないものと懸念されるとのことでありました。  次に、私ども航空機に搭乗し、捜索救助状況を空中からつぶさに視察をしましたが、多数の巡視船艇自衛艦漁船及び航空機が相携えて涙ぐましいまでに懸命な活動を行なっている姿に接し、深く感銘すると同時に大いに心強く感じた次第であります。  また愛媛県警本部長から捜索救難状況を聴取いたしましたが、遭難者遺体及び事故機機体揚収は、今後の天候等にも左右されるが、相当長引くものと判断されるとの説明がありました。  次に、遺体の安置されている西警察署体育館におもむき、親しく遺族を弔問いたしましたが、その際遺族代表から、遭難者遺体を一刻も早く、一体も残すことなく完全に引き揚げるとともに、遺族に対しては十分に誠意ある補償が行なわれるよう強く要望されました。  さらに、私どもは、前日、合同法要が行なわれました正宗寺におもむき、遭難者の霊位に対してねんごろに焼香を行なってまいりました。  また、県庁において愛媛県知事から、最近の松山空港旅客数が非常に増加しているので、航空保安施設整備をはかるとともに、滑走路延長工事を早急に完成するよう、強い要望がありました。  次に、航空局技術部長及び第六管区海上保安本部長から、捜索救難活動に従事中のヘリコプター接触墜落事故について説明を聴取いたしましたが、かねて捜索救難関係者間において遭難海域上空を数個の区域に分割し、同一区域内に同時に同一機種の二機以上の飛行を制限するとともに、機種別高度差を定めて事故の防止につとめておったとのことでありましたが、この事故の発生にかんがみても、関係機関においてなお一そう緊密な連携を保持しつつ、総合的かつ効率的な活動を行なう必要があるものと思われました。  最後に、松山航空保安事務所長から、滑走路延長工事のための用地取得の円滑な促進並びに管制及び通信要員の増員について強い要望がありましたことをお伝えして、御報告を終わります。
  10. 谷口慶吉

    理事谷口慶吉君) それではこれより質疑に入ります。  質疑のおありの方は順次御発言願います。
  11. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 きょうは、今度再びの事故でありまする関係から、多数の委員の方の質問要求されております。したがいまして、私はこの機会にごく簡潔に運輸大臣基本の点を伺っておきたい。  運輸大臣すでに御承知のように、前の三回にわたる航空事故にあたりまして、私どもこの委員会が決議をいたしておりますことと、あわせて私は本会議でこの問題を幾つ問題点を取り上げまして総理大臣質問を展開いたしたことがございます。そのおもな第一は、空港整備特にローカル空港整備の問題を指摘いたしました。第二の問題は、航空保安施設整備拡先することを強く私ども委員会要求をいたしておったものであります。これと相関連いたしまして、第三には、要員確保の問題をこれまた指摘をいたしました。第四には、パイロット養成の問題。第五には、航空編成の問題をとらえ、すでに航空審議会答申にもございまするように、この問題を実は中心に大きく取り上げ、本会議、あるいは委員会指摘をいたしたところであります。私はこうした観点から運輸大臣にお伺いいたしますことは、この幾つかの問題は、もとよりすべて財政的なものが伴います。したがって、一挙にはできないとしても、今回の事故にかんがみまして、早急にとりあえずやらなければならない問題が私はあると思うのであります。  その一つには、すみやかにローカル空港整備をしなければならない。このことは言をまたないと思います。したがって、私は具体的に申し上げますけれども、今日ただいまありまするローカル空港は、かなりの数になっておりまするけれども、その主要な空港の第二種と称される約十七くらいの飛行場におきましては、その整備はまことに緊急なものがあると思うのです。したがいまして、この際運輸大臣は、この問題は政府基本といたす問題でもありまするから、近く閣議でこの問題を取り上げ、閣議決定をいたすことが、今日国民から信頼を失いつつある航空不信の問題に私はこたえる道ではないかと、こう考えますので、運輸大臣の所見を承っておきたいというふうに思うのです。これが一つです。
  12. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 空港整備、特にローカル空港のうちでも利用度の非常に多い空港整備が喫緊の要務でありますことは御指摘のとおりでございます。ただいま私どもローカル空港につきまして整備計画を確立いたしております。それに従いまして、お話しのように、その計画ができ次第閣議了解あるいは決定をいたしまして、順次、しかも速度を早めましてローカル空港整備に全力をあげたいと考えておる次第であります。
  13. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 おおむね私の見解に基づく御答弁がございましたが、問題は、やはり資金の関係が問題になってまいります。そこで、私は大蔵大臣要求しておったわけですが、委員長大蔵大臣来ておりますか。
  14. 谷口慶吉

    理事谷口慶吉君) 大蔵大臣はちょっと……、担当の主計官が来ております。
  15. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 主計官おりますかな。  そこで、いつもかような問題が起きてまいりますときに、大蔵省関係であります、ただいま予算編成期でありまするだけに、私は大蔵大臣要求いたしたわけでありますけれども、きょう出席をいたしておりません。したがいまして、主計官が来ておるようでございますが、決してこの主計官では役不足だということを私は言いませんけれども、率直に、今日の重大性にかんがみまして、大蔵当局としても最善の努力をいたすたてまえから私は答弁をしていただきたい、このことを前提に申し上げて質問をいたしたいと思います。  現在、航空局が前の事故来、いろいろな準備をいたしたり、あるいは計画をいたしていることをわれわれ聞いております。五カ年計画なるものをその一つ施策のあらわれじゃないか、こう思っておりまするけれども、いま予算編成期でありまするが、ただいま運輸大臣も答えられたことでもあるし、これから一体大蔵省が、ローカル空港つまり整備の問題あるいは要員確保の問題あるいは保安施設整備拡充問題等々を含めて、一体どのような具体的考え方を持っておられるか、このことをお答え願いたいと思うのです。具体的な数字等は私はここで申せないと思うけれども大蔵省のいわばかまえ、姿勢というものを明らかにしていただきたい、こう考えます。
  16. 荒巻与四郎

    説明員荒巻与四郎君) 先般の事故がございまして、そのあと航空局のほうから、緊急な整備を要するものについては予備費による措置等要求がございました。その際、人員につきましては百八名といったようなふうに、そのほか経費の面でも相当の配慮をいたしまして、まず緊急な措置をとったわけでございます。その後、運輸省のほうにおかれましては、いろいろとこういう航空関係施設整備等につきまして、審議会等検討されておりますので、私どももその経過等につきましてよく説明を伺っております。したがいまして、来年度の予算編成に当たりましてはこれらのいろいろな事情、背景にある事情を十分勘案いたしまして、空港整備あるいは要員確保等につきまして、慎重に検討いたしまして善処したい、こういうふうに考えております。
  17. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 最初のほうはかなり前向きのように答えられ、最後にいくといつもの大蔵省のまた答弁なんです。慎重に善処なんという、こういうことになる。確かに慎重を要することではあるけれども、たび重なる、こうした人命の尊重をなんとかいわれる時期の大事故だけに、航空局からかなり予算要求が私は出るのではないかというふうに想像いたします。十分これが満たされるように、大蔵省も努力してもらわなければ私はいかないと思うわけです。そこで航空局長に伺いますけれども大臣がいま私の質問に対して答弁をされました、近くこの問題を十分検討して閣議決定に持ち込みたい、こういう熱意ある発言がいまあったわけでありまして、私は具体的に、とりあえずは第二種空港つまり北のほうは稚内、釧路、函館、仙台、新潟、名古屋、八尾、広島、高松、今度の事故の起きた松山、高知、小倉、大村、熊本、大分、宮崎、鹿児島、以上が第二種空港であります。この空港を、大臣答弁した前提に立って、すみやかに整備拡充するということになりますれば、一体財源としてどの程度のものを見込んでいるかということを、この際お聞かせ願いたいと思います。
  18. 堀武夫

    説明員堀武夫君) 私たちのいま手元において地方空港並びに航空全般の問題につきまして、保安施設も含めまして、いま五カ年計画というものを、先般の航空審議会答申を受けまして、それを盛り込んで五カ年計画というものを作業中でございます。その中に、もちろんいま先生のおっしゃいました地方空港というものが入っております。地方空港全体といたしましては、二百九十七億というものを一応試算をいたしております。これは五カ年間でやる分として作業をいたしておったわけでございますが、まだ五カ年間で全部やるということになっておりません。この計画では、このたびの事故にかんがみまして、繰り上げまして、われわれがいま作業をいたしておりますこの計画を修正をして、そうして早急に整備を急ぎたい。したがいまして、いま言いました数字は、もっとふえると思います。二種空港を重点的にまず取り上げていきたい、こういうふうに考えております。
  19. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 現在策定中の五カ年計画を今度の事故にかんがみて早めて実行していきたい、こういう考え方ですから、私はそれでけっこうだと思います。ただ、二百九十七億という金額が明らかになりましたけれども、これが少しふえるんじゃないか、こういうことでございますが、少しふえるんじゃないかといっても、どの程度ふえるかということはわれわれにはわかりませんから、私はこの空港整備に伴って当然この保安施設整備拡充というものもこれは含まれなければならぬし、要員確保もしなければならぬし、あるいはいつもこの委員会指摘するように、ただ要員確保といったってなかなかそうもいきません。同時に管制官あるいは通信士労働条件緩和あるいは諸待遇の問題等も含まれます。これは金額にしてたいしたものじゃないと思いますけれども、そういうものが含まれる。  それから。パイロット養成関係で、航空大学の新設の問題も前々からこの委員会では指摘したところなんです。ですから、こういうものもやはり含まれなければならぬと私は思うのです。繰り上げて実行いたす施策をかまえる、そのことはすべてこういうものが包含されているのだと思うわけです。その見解を明らかにしてもらうと同時に、幾らかふえるというのは、一体どの程度ふやすつもりか、明らかにしてもらいたい。
  20. 堀武夫

    説明員堀武夫君) 先ほど二百九十七億と申し上げましたのは、空港の面の数字だけ申し上げました次第で、空港保安施設もこれは当然含めてお話を申し上げるべきところを申し落としました。そういうものを加えますと、空港保安施設も加えますと五百億、現在作業いたしております計画は約五百億、それでこれを五カ年計画で考えておったわけですが、二種の空港につきましては、これをさらに繰り上げて三カ年計画くらいにしたいといういま考えで、そういう考え方でいま試算をし直してみたい、かように存じます。
  21. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 全体の経費が大体五百億、しかも遂行計画年限も三カ年くらいに考えたいと、航空局長考え方が明らかにされたわけでありますが、運輸大臣佐藤総理大臣もこの問題にふれまして、いま予算編成期であるから、積極的にローカル空港整備、具体的には千二百メートルの滑走路最低限度千五百メートル以上に整備をしてまいらなければならぬということをこの事故直後に発言をいたしております。私はそこでこの発言信頼をいたしたいという考え方から大臣に申し上げますけれども、ぜひ大蔵のほうもそうでございますが、総理大臣が考えておられる、しかもいま当面の責任者でありまする航空局長がその考え方を明らかにしたわけでありまするから、その考え方を具体的にすみやかに実現するように、先ほど答弁に戻るわけでありますけれども運輸大臣責任をもって細部にわたって閣議決定を持ち込んでいただくように私は強く要求をいたしたいと思います。いかがですか。
  22. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 先ほども申し上げましたような次第でございまして、私といたしましては、特に航空全体の、いまの国民の需要である航空関係のわが国における位置づけというものも確立しなければなりませんけれども、それに先立ちましてとにかく地方空港の充実ということにつきましては、閣議決定、その他あらゆる手段を尽くしまして早期の実現をはかる覚悟でございます。
  23. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 この問題についての覚悟であるというきわめて明快な答弁がございましたから、私はこれで了といたします。  もう一つ基本の問題として、私は前の本会議でこれは指摘したところでありますけれども、ただいまの航空審議会答申に基づく再編成の問題が起きております。私は、今度の事故に関連をいたして、この再編成の方針をさらに考え直して再々編成という議論をここでするつもりはありません。ありませんが、ただ一つだけ伺っておきますが、佐藤総理大臣はかつて私のこの質問に対して、私の質問というのは、要約すると、日本の今日の航空事業のあり方として国営にすべきだという私は主張をいたしたことがございます。しかし、残念ながら、いまの政府自民党内閣は置かれている経済基盤というのが明かでありますから一挙にそう参らないだろう。だとすれば、公社あるいは公団等等施策もあるではないか、こういう質問をしたところが、本会議で、前向きで検討をしてみましょうという答弁がなされているんです。ですから、このことを踏まえて、今度の事故にかんがみまして、少なくとも半国営的な一つ企業にして日本航空事業を一本化いたして、航空企業基盤強化をはかることも必要ではないか、こう考えるので、この点についての大臣の私は考え方をお聞かせ願いたい、こう思います。
  24. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 現在は、いま御承知のように、五月でございましたか、閣議了解に基づいて航空業界の再編成推進をいたしておるわけでございます。今回の事故がどういうところに原因がありますか、これはさらに追及をしなければなりませんが、そうした点にかんがみまして、現在行なわれている再編成計画推進するのが妥当であるとは現段階においては存じておりますけれども、さらに事態の推移によりまして他の方向を考えるというようなことの再検討を要する場合もあり得ると考えておるわけであります。
  25. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 航空編成の点については、現在の関係のものを進める。もう一つあとのほうはちょっと明確に私は聞き取ることができなかったんですが、総理大臣は、再三申し上げるようだけれども国営という方向はとらないのである、ただし公社ないしは国営化したようなかっこうの公団方式ですね、そういうものについては前向きで検討してみましょうと、これは本会議答弁でございましたが、そういう答弁があったのです。これはかなり月日も経過をしておりますし、現在あなたの答えられたような過程において再編成の問題が出てきて、航空審議会に諮問して答申を得ておるということですから、それに今度のこのことにかんがみてみると、私の考え方というのは国営が一番いいと思っているんだけれども、なかなか運輸大臣の所属している自民党の置かれている経済政策基盤というのは私と違っていますから、そうはいくまいと思うが、少なくとも総理大臣が本会議で答えられた方向、この際はその方向というのは一本化するということです。経営形態をどうするかという問題じゃなくて、そういうものについて前向きで検討してみましょうということなんですから、その内閣にあなたは一閣僚として所属をしているわけですから、行政の責任者としているわけですから、これらの一連のいままでの質疑応答あるいは経過等々にかんがみて、どう考えられるか、この問題についてです。
  26. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) そればかりが原因とは思いませんけれども、春の相次ぐ航空事故、これに関連いたしまして航空の再編成という問題が起こりまして、そうして航空審議会答申を得て、閣議了解の上で現在の再編成作業が進行中でございます。したがいまして、現在におきましてはその進行をいま直ちに私変える必要があるというようなことを軽々に申し上げる段階ではないと思います。しかしながら、今度の松山沖事故等もこれも原因の探究は先になりますが、それらともあわせてさらに航空業界をどうやっていくかということについてはさらに検討する要が出てくるのではないかということを私見として持っておるということを申し上げておるわけでございます。
  27. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 そうしますと、大臣こういうことですか。将来の日本航空政策のあり方として、航空企業のあり方を、いまの再編成の問題は別として、私見としてどうあるべきかというのを持っておるという理解に立っていいですか。
  28. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 吉田委員も形態のいかんを言わぬとおっしゃることでございますから、それは避けます。そうして、いまこの事故が起きたという段階で私が軽々にいろいろ申し上げることはいかがかと思いますが、将来と申しましても決してそう遠いことではございませんが、そこでさらに日本航空業界というものがどうあるべきかということを再検討する機会があるのではないかという私見を持っておりますと、こういうことでご、ざいます。
  29. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 了解いたします。
  30. 大倉精一

    大倉精一君 いま報告しましたとおり、現地へ行っていろいろ調査をしてまいりました。特に非常に混雑しておりましたので、私個人として調査をした点がありまするので、そういう点についていろいろお尋ねを申し上げたいと思うのです。現地へ行った者として何を置いても一番痛切に感じたことは、この遺族の願いというものを当面何とか実現をしてやらなければならぬということを私は痛感してまいりました。いま吉田委員からいろいろ航空行政の全体の点についてお尋ねがありましたが、それ以前の問題として、この救難ということ、一日も早く遺体を全部揚げてくれというこれが遺族の悲痛な叫びであり、今後再びこういうことがないようにしてくれということが非常に強く叫ばれておりました。そこで現在の救難体制、私の帰ってからの現在の捜索救難体制というものはどういうぐあいになっているか、こういう点をまずもって御報告を願いたい。
  31. 堀武夫

    説明員堀武夫君) 先ほど大臣の最初の御報告の中にもありましたように、海上面につきましては、主として海上保安庁が相当の船艇を出して全力をあげて捜査に当っております。なお、海上自衛隊、それから警察等の援助も仰ぎまして、全力をあげて捜査に当っているわけです。なお民間の漁船等をも動員しましてこれは捜索に当っているわけでございます。現在まで二十八体遺体揚収をしております。この隻数——現在十八日の出動予定は海上保安庁三十一隻、海上自衛隊が十九隻、それから漁船が百二十六隻、それからサルベージ船が四十一隻、それから警察の船艇が一隻、愛媛県の船が二隻、松山市の船が一隻、合計二百二十一隻という出動予定になっております。  なお、航空機の出動につきましては、海上保安庁の四機、それから海上自衛隊の一機、それから全日空の二機、それから日航から二機、合計九機出す予定になっております。それから水中処理隊、これは海上自衛隊から十三名出動する予定になっております。  大体このようなことであります。
  32. 大倉精一

    大倉精一君 われわれが行ってから相当画期的に強化をされたようですけれども、これは強化の上にもさらに強仕をするように要望いたしておきまするが、特に第一線で書夜を分かたず活躍しておられる姿を見てほんとうに感激してまいりましたけれども、この中からあの悲惨な殉職者が出た。これを帰る直前に私ども報告を受けまして、非常にこれは重大問題であるという直感をもって、残りまして調査をしたのでありますけれども、これは救難体制が強化されるに従ってこういう事故が再び起こるという公算もあります。この事故に対して当局はどういう感じを持たれたか、何をしなければならぬと思われたか、これをひとつ聞きたい。
  33. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 捜索中の大阪府警並びに全日空のヘリが衝突事故を起こしましたことは、ほんとうに残念でございまして、大倉委員承知のように、その前にすでにヘリの、航空機機種によりまして飛ぶ高度等の規制もいたし、回転の方向等をも規制いたしておりましたが、さらにあの事故にかんがみまして、捜査の空域を区分しまして、その空域には一機しか入らないというような処置もとると同時に、操縦士のこれは当然心がくべきことでございますが、それも常に注意を喚起するというようなことで、このような悲惨な事故が再び起こらないように注意をいたしております。さらにまた、保安事務所におきまして、六管本部長を中心にいたしまして各機関の捜査方法を常に持ち寄って、前日に打ち合わせをいたしまして、あるいは船においてもこのような事故が起こらないとは限りませんので、十分その捜査の範囲等を、海域等を十分打ち合わせをいたして、そうして接触その他のことのないように、しかも捜索活動が能率的にあがるようにということを注意をいたしております。今朝の朝刊の一部に何か船が多過ぎて、かえって能率のあがらないような報道がありましたので、直ちに調査をいたしましたところ、そういうことはなく、十分連絡がとれ、そうして捜索活動に当たっていただいておるということでございますが、今後も十分そういう点を注意いたしたいと思います。
  34. 大倉精一

    大倉精一君 それでは私は認識が少し甘いのじゃないかと思うのです。何か事故が起こるとあなた方はすぐ訓辞をして、気をつけろと、こう言うのですけれども、それだけではだめですよ。私が調査をしたところによりますと、あそこへ来ておる全部の者に対して統一して命令指揮を出すのがいないのです。あそこは、海上保安庁といいますけれども海上保安庁が出す命令指揮というものは自分たちの所属しておる者だけより届かないのです。ですから、あの当時、たとえば打ち合わせの結果、ヘリコプターは三百メートルになっておったのですけれども飛行計画を見ますと五百メートルになっております。そうして大阪府警もあそこに飛んできたけれども、どこを捜索せいということは命令を受けていないのですね。何かローカルフライトとか何かわかりませんけれども、あそこ全般に行ってこい、何も連絡もなしに来たものですから、いわゆる右旋回オンリーだということも徹底していなかったわけですね。それでそういう点が大きな問題であると思うのです。そこで、あそこの系統を見ますというと、空のコントロールの責任者、いわゆる調整本部大阪航空保安事務所になっておる。それから全部を調整するのがあなたですね。対策本部長、あなたが全部調整するわけですよ。それからおのおのの警察にしろ、あるいは海上自衛隊にしろ何にしろ、自分所属の命令系統を持っておりますから、海上保安庁は命令するわけにいかぬのです。そこに問題が一つある。もう一つは、報道機関飛行機ですね、あるいは航空機、これが千二百メートルになっておりますけれども、全然これは規制の対象になっていない。しかもチャーターされておりますから、東亜航空が来た、東亜航空に言っても、私のほうのスポンサーは向こうに聞いてみなければわからぬ、こういうようになってきておる。そういう点を総合的に調整するのがあなたの役目ですね。ですから、こういうぐあいに非常に現場が混乱をしてきた、ああいう事故が起こった、重大だということでもって、本部長が行けなければ、これにかわる者が直ちに現場に行って総合的な調整指揮をとる、こういう体制ができなければ、単なる訓話だけではだめですよ。いまからでもおそくないのですから、まだこれからも事故が起こる公算があります、ありますから、直ちにそういう体制をつくってもらわなければいけませんから、そうでなければ、この事故はもう一ぺん起こらぬとはだれも保証できません。私は一日じゅうあそこに立って見ておりましたけれども、非常に危険ですよ。そういう点について、どうですか、本部長として総合的な体制をつくる、こういうお考えに立ちませんか。
  35. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 現在の法制上と申しますか、だれか一人、現場で指揮命令監督をする人間ということは、各省庁にまたがっておりますので、ちょっと困難でございますが、それを克服するために、先ほど申しましたように、保安事務所を中心にいたしまして、翌日の捜索活動につきましては各関係の省庁あるいは県等の参集をいただいて、そこでお互いに自分の捜索活動計画を出し合って、そうしてそれを調整して翌日の活動をやるという調整をいたしております。実はこの問題につきましては中央における対策本部におきましても問題になりましたので、さらにそれらを各省庁ごとに末端に徹底していただいて、その捜索活動計画を持ち寄るということを厳守するということを、対策本部として各省庁を通じて末端に伝達をいたしたような次第でございます。さらに今後の問題として、そういう場合における一体指揮命令監督をするようなものが早急には法制その他の関係でできませんけれども、今後の問題としてはそういうことも考えなければならぬと思います。現在やはり最良の方法はただいま申し上げたようなことでございますので、それを各省庁を通じて末端に徹底していただいて、そうして遺憾なきを期したいと考えておる次第でございます。
  36. 大倉精一

    大倉精一君 この問題はもう一点だけで終わりますけれども、私は、再び捜索活動、救難活動最中のこういう事故が起こらぬことを念願しておりますけれども、しかし、きのう行ってきた実感からは自信がありません。これで事故が起こらなかったら幸いだと私は思うんです。そこで、今後もこういう災害があるでしょうから、今後のためにもこの際救難体制というものは抜本的に考えてもらう必要があると思うんです。私はこう思うんです。やはり各省庁にまたがっておりまするというと、出動については燃料費が要る、人件費が要る、そういう費用が各省庁に要るわけです。これを一本化してどっかでもって支出するような体制がないというと、ほんとうの一本の命令系統で動く事態にならないんじゃないかと思うんです。これはいますぐできぬかもしれないけれども、この費用の問題は、少なくとも一ぺん現地について具体的に実態を見て、そうして万全のひとつ体制をとってもらいたい。もう一ぺん起こったらあなたの責任重大ですよ。ですから私は、今後のこともあるから、この際、そういう費用の一本化といいますか、そういうものも含めてひとつ検討を願いたいと思います。  それで、こういう現地の実態から見まして、いろいろいま今後の問題について答弁されましたけれども、私は端的に申しまして、今度の事故というのは政治事故だと思うんです、あとからぼつぼつ申し上げますけれども。それで、私は、この際政府として犠牲者の霊にこたえる何ものにもまさるはなむけは、再びこういう事故を起こさぬということです。もう百万言言うよりこれだけですよ。この際、運輸大臣あなたのはっきりした答弁をまず求めたい、決意を。おそらく抽象的な決意になるだろうと思うが、とにもかくにもこういう点を私感ずる。これこそほんとうに霊に対するはなむけだと思うんですから、この点に対するあなたの御感想というものを根本的にこの際承っておきたいと思います。
  37. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 春の相次ぐ大事故等を通じまして、政府としてやるべき問題点はほとんど出尽しているのではないかと考えております。また、航空審議会答申の中にもそれがあるわけでございます。要は、それを着実に実行していくということであろうと思います。私はさような意味において、これら出尽した問題、あるいは航空審議会答申のうち、政府として実行すべきものを着実に実行するということが、これらのお気の毒な犠牲者方々にこたえるゆえんであるというふうに考えております。
  38. 大倉精一

    大倉精一君 一応それはそれで承っておきまするけれども、特に今度の事故は——春の事故はこれは日本の表玄関で起きた事故ですね、今度はローカル空港で起きた、ここが今度の事故の特徴点だと思うんです。いまあなたは、やるべきことはやるんだということをおっしゃったけれども、そんなら、一体春の事故から今日まで何をやったか、政府は。審議会というのはあまり当てにならぬと思う。審議会をつくってごちゃごちゃ相談しているよりも、あなた方に専門家いるじゃないですか。こうしなければならないということはわかっておるはずだ。抜本的なものは別ですよ。そういうことをなぜやらぬのですか。ローカル空港何にもやってないんじゃないですか。特に総理大臣もあの当時発言しております。ローカル空港の問題についてはやらなければいかぬと発言しております。何にもやっていない。どうですか、ローカル空港何かやりましたか。
  39. 堀武夫

    説明員堀武夫君) 春の事故の直後に、閣議でもって予算措置がされまして、予備費等によって、さしあたって急ぐ施設整備というために六億五千万の支出、それから管制官その他の増員をやるために百四名の定員の増、こういうものが直ちにきまりまして、いま管制官につきましても百四名のうち八十四名が充員されておりますし、それから六億五千万の予備費の支出によるいろいろな計画がいま進められております。  施設面で、各空港保安施設をつくる、あるいは空港路の関係施設をつくる、そういうことがいま実施中でございます。  それから技術職員の研修訓練、そういうものにつきましてもこの予備費の中に入っておりまして、それもいま実施中のものあるいは実施済みのものもございます。  それから、その事故の直後におきまして、運輸大臣から特に安全に対する示達がされまして、各民間会社に対しましていろいろな指示が出ておるわけであります。たとえば運航規程、それから整備規程を必ず順守させるように、操縦士の査察の強化、こういうようなことはすでに実施をやっております。それから査察操縦士の増強というようなこともすでにやっております。日航においては二名増、それから全日空におきましても直ちに一名、国内航空におきましても二名というふうに現実にこれが行なわれております。  それから定期運送業者の整備作業の立ち入り検査ということも直ちに行なわれております。  それからこの示達の中には、過当競争の防止ということと経営基盤の強化措置ということもうたわれておりまして、これらの線に沿いましていわゆる再編成というものがいま進行をいたしておるわけでございます。  なお、事故調査に関しましては、おのおのの事故につきまして調査団を編成をいたしまして、いまほぼ調査を終わりまして報告書の取りまとめという段階にかかっております。  それからなお、この全日空の事故の前回の事故のときに、フライトレコーダーを搭載したほうがいいということを日航、全日空に勧告をいたしました。日航、全日空から、これは四十二年度から装備をいたしますという返事を得ております。
  40. 大倉精一

    大倉精一君 まあ政府のほうは、事故が起きると業者を集めて訓示をする。これはまた得意だ。過当競争はやりなさんな。やりなさんなと言ったって、過当競争をしなければならぬような航空行政をやっておいて、それで過当競争しなさんなという、そういう手はありませんよ。松山空港に横断歩道があるのを知っていますか。何であるんですか、横断歩道は。遮断機をやって、飛行機の発着があるでしょう、一日六十回も発着がある。こんな大きな事故が起きてから一つも改善されておりませんね。あるいはあそこに二千メートルですか、拡張は。二千メートルというのは昭和三十八年からいわれている。三十八年からいままで何をやってきたのですか。現地で聞いたら金がありませんと言う。ですから、たくさんあります、こういう例は。言ったら切りがないからやめますけれども、業者のほうでやらせるよりも、まずあなたのほうでやるべきだというのですよ。金々と言っても、金がなくてもやることはある。たとえば夜間における有視界飛行、どうしてあれを許可するのですか。ああいうところで夜間における有視界飛行。大体有視界飛行というものはやるべきものじゃない。この前いろいろ羽田の事故のあったときに、全日空の現場の幹部諸君は、これは有視界飛行というものは今後やらない、大きな飛行場においては。しかし岡崎さんは、これはやめる必要ない、こう言って、あのとき食い違っておった。大きな飛行場であろうが、小さな飛行場であろうが、羽田のような設備のあるところで、有視界飛行できなかったら、松山空港で有視界飛行なんてだめなんだ。しかも夜間の有視界飛行はだめなんだ。今度の場合でも私はよく知りませんけれどもパイロット空港のまん中へいきなり着陸をしたということはミスに違いありませんけれども、しかし、着陸してから初めてオーバーランに気かついたかというと——高度の目測の誤りですよ。高度の目測の誤認ですよ。高度がきちっと認定をしておれば、この高度で進入していけばまん中辺だからおりられぬということがわかるはずです。高度を誤認しましたから、おりてみたらまん中だったから、おりてはいけないといってやった失速ですね。結果的の原因がミスであったにしても、結果的な原因を招いた原因を探求しなければならぬと思います。どうですか、夜間の有視界、ローカル線における夜間の有視界飛行についてどう思いますか。
  41. 堀武夫

    説明員堀武夫君) 松山空港には航空保安施設といたしまして、NDB、それからVHFの対空通信施設、それから燈火といたしましては滑走路燈、滑走路末端燈、進入角指示燈、誘導路燈、飛行場燈台、このような保安施設がついております。それで、この施設によりまして有視界飛行は可能であるということになっております。それで今後の方針として、そういう可能であっても全部計器飛行にしたらどうだという議論はこれはあると思います。今後その点につきましては管制官の充実とか、あるいは保安施設整備等を行いまして、漸次計器飛行にするということを検討いたしていきたいというふうに考えております。
  42. 大倉精一

    大倉精一君 総理が、ローカル空港状況については最近何か発言しておられますけれども、しかし、ちゃんとただし書きがついている、財政の問題もありますけれどもという、そういうことがついております。おそらくあなた、いま計器飛行でやるつもりだとかなんとか言っていますけれども、何かどこかで私は英国の例を見ましたけれども松山よりも、もっと小さな空港だな、そういう空港においてもちゃんとした着陸援助装置はできているというのですよ。それが財政の関係でできないというなら、日本では飛行機を持つ資格はないのだ。そういうことをお役所が平気で言っておるということは、日本の空や滑走路にはもう危険が一ぱいなんだ。これはもう原則、変なことを言うようですけれども、一ぺん上がったら、いやでもおうでもおりにやならぬのです。飛行機というやつは上がったらおりなければならぬ。おりぎわが一番危険だという、しかもそのおりぎわに対する施設というものはほとんどできていないと言う。しかも、松山あるいは九州、これは民間航空にとっては過当競争の中における最もドル箱ですよ。これはドル箱に無理をするということで当然起きるべくして起こった事故であり、私は政治事故だと思う。そういう点について大臣、金は要るでしょう。要るでしょうが、金がなくてやれないなら、それでは日本には飛行機を飛ばす資格がないと思う、そう思いませんか。
  43. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) そこで先ほど申し上げましたように、私は特にローカル空港整備、しかもその中でも繁忙度の多いローカル空港につきましては、計画を確立いたしましてそうしてその速度を進めて至急に整備をいたしたいという考え方で、たとえば閣議決定というようなことを申し上げたわけでございます。財政の都合もあるかというようなことでございますが、それは確かに財政の都合もございましょうけれども、その中でもとにかく急ぐものから着実に、至急にやっていくという方向をとりたいと考えております。ただ滑走路の拡張というようなことで用地買収などなかなか時間がかかるものがございますが、これは十分地元の方々の御納得と御協力をいただいて、用地の獲得等についても早くこれができまするようにやってまいりたいと考えております。
  44. 大倉精一

    大倉精一君 用地の獲得はこれは手間がかかるのですよ。それで地元の納得を受けなくてもやれるのは施設ですよ。YSでは大体千二百メートルあればやれるのですよ、ミスさえなかったら。施設をやれというのですよ。それで緊急のものからとおっしゃるけれども一体緊急のものとは何のことを言うのか、何ですか、場所、緊急の場所のことですか、あるいは緊急のもののことですか、何ですか。
  45. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 第二種空港だけでも二十に近いものがあるわけですから、その中でもやはり繁忙度を考え、しかも夜間飛行等が必要な、特に必要なというようなものも考えながらその順位をつけてまいりたいという意味において考えております。
  46. 大倉精一

    大倉精一君 そういう意味であれば、みんな重要なんだ。事故はこちらの指定したときは事故は起こってくれませんよ。ですから、これはあまり長くなりますからやめておきますけれども、参考のために申し上げておきますと、この古い新聞ですけれどもローカル空港施設がなかったために——危うく一命を拾ったという例です。それはことしの三月ですが、大分空港へ行った飛行機がおりまして、これがどうも行くに従って霧が多い、視界がきかなくて着陸ができない。しかたないから大阪へ帰ろう、こうある。ところが方向を間違えて岩国のほうへ行っちゃった。これは困ったというので無電で松山を呼び出しても出ない。徳山を呼び出しても出ない。広島を呼び出しても出ない。幸いにして航空自衛隊がフォローして、航空自衛隊の誘導でもって着陸した。あと燃料三十分しかなかったという例がある。ですからこういう例は至るところにいつ起こるかわからない。それであなたが頻度、ひんばんの度合いと言いますけれども、それも大事でしょうけれども、私は、そういうものは早急にやって、いつどこでこんな事故があってもやれるようにしてもらいたいと思う。  それから、もう一つは、そういう機械と同時に人間の問題、いま管制官をふやした、あるいはふやすと言いますけれども、それじゃ松山管制官、あるいは松山の気象分室の人間、あれで十分ですか。
  47. 堀武夫

    説明員堀武夫君) 松山の保安事務所の定員は十六名でございまして、現在員は十六名で欠員なしということでいまやっております。管制官は五名つけておりますが、この空港は年間二十五万ぐらいのお客がございます。それで運用時間は十一時間三十分ということでやっております。それで、この人員で十分かと言われますと、われわれとしましては、まだ必ずしも十分ではないと思う。これは定員というものをふやす努力というものは毎年ずっとやっておるわけでございます。それで定員獲得ということはもうほんとうに金を獲得するよりもむずかしいくらいの努力が要るわけでございます。毎年若干ずつはふえていっております。さらにこの努力を続けていきたいということを考えております。
  48. 大倉精一

    大倉精一君 必ずしも十分でないというところにこれは重大な問題があるのです。飛行機というものは、堀さん、パイロットだけで飛ぶものじゃないのですよ、パイロットだけじゃ飛べないのです、あれは。管制官と気象官がおらなかったら飛行機は飛びません。ですから管制官パイロット一と同じくらいですよ。アメリカでは何か聞けば、パイロットをやめて、管制官になる人もあるそうで、日本では管制官、待遇が悪いからどんどんやめてしまう。こんな違いがある。管制官というものはと見ましたら、あそこは四名ですよ、いま。しかも事故の発生した十三日、四名のうち一名は十二日にやっとあそこにやってきた。ですから、これは大体七時三十分ですか、勤務は、あそこは七時三十分以後は一人になるのですね。気象分室としても一人になる。一人でもってやるということになるのです。そこに一つの大きな問題がありゃしませんか。せめてあそこは六名ほしいと言っておりました。わずかにあと二名です。気象のほうもわずかあれは四名と言っておりましたね。そうしますと、五時半になるというと、みんな帰っちゃって、頼まれている人は、一人でもってやらにやならぬが、いつ飛行機がくるというと、パイロットから、雲はどうだ、あれはどうだと、いろいろやってくる、応答せんならん。それから滑走路上の温度その他も観測せにゃいかん。一人じゃできませんよ。ですから、パイロットも言っておりますけれども、常にローカル空港では十分な資料がもらえない。こう言っておるのですね。どうですか。これはもう少しそういう人をふやしたら。これは別にそうたんと金要るわけじゃないでしょう。大臣、どうですか。
  49. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) この前の事故のあと、管制官等保安要員をふやしたわけでございますが、今後これは何と申しましても、そういう現場でどうしても要る人ということは、これは一般の管理職員とは違うのでございますから、そういう観点で今後の増員にはぜひそういうことが獲得できまするように努力をいたしてまいりたいと思います。
  50. 大倉精一

    大倉精一君 大蔵省いますか。大蔵省、今度の事故はあんたの責任だぞ、金を出さんから。この管制官とか、空港気象分室の勤務員というのは、大事な人命を扱う仕事ですよ、人命を扱う。あんたに言ってもしょうがないと思うけれども、何で  このところに金出さんのですか。何でこのところ金けちるのですか。けちる事情があなたおわかりになっておったら言ってください。
  51. 荒巻与四郎

    説明員荒巻与四郎君) 飛行場の保安要員等につきましては、施設整備がございますれば、その運用時間に必要な人員は配置するという考え方で、別にそれを制限するようにはいたしておりません。
  52. 大倉精一

    大倉精一君 それじゃ一例を言いましょう。松山気象分室は四名の、勤務時間が五時半まで、上のほうからは、一時間は超過勤務してもよろしい、それ以上はサービスする必要はないというように現在言われている。したがって、八時半以降というものは、これは個人の資格で仕事をやっておる。上のほうの、上官のほうからは、上司のほうからは命令こない、指示はこないのです。今度の場合、いわゆる全日空の代理店である伊予電鉄、ここから、頼むからやってくれんか、こう言われて、ほっておくわけにいかぬ。一人残っている。そうしますと、八時半に帰って来ますと、飛び立っていくのは九時ですよ。九時過ぎですよ。すぐ飛び立っていくわけにいかぬから、十五分くらいかかってからいかなければならぬ。その金は、むろん超過勤務手当てもない。お金よりも個人の資格でやっているというところに非常に問題がある。上からの命令でやっているのじゃないのです。それでもあなたは関係がないと言えますか。そういう事情わかっていますか。主計官
  53. 荒巻与四郎

    説明員荒巻与四郎君) 現地の具体的な事情は、私調査もいたしておりませんので存じませんが、一般的に申しますと、やはりそういう業務上の必要がある場合には、超過勤務命令として業務命令が出て義務を果たすということになるのが通常でございます。
  54. 大倉精一

    大倉精一君 これはあなたに言ってもしょうがない。しかし、あなた一ぺん現地へ行って…。現地の事情わかりませんからと、そういうことではいけない。現地の事情を知っておって、そうして要らぬということでチェックするならいいが、知らないで、要らぬというのは理由にはならないですよ。ですから、現地で聞いてみますというと、松山気象台のほうからは、おまえのほうは取り次ぎをすればいいのだから、何もそう人間は要らないのだ、あるいはまた八時半以降はサービスは過剰になるからやる必要はない、やめておけと言われるそうだけれども、やめておけば飛行機が飛ばない。そこで、これもまあ専門家に聞いたのですけれども松山気象台航空気象観測というのは、一般の気象観測であって、この滑走路のほうの気象観測にはならぬのだ。これは分室でやるからしょうがないので、短い滑走路は温度が一度上がるごとに人間四人分の重量制限をしなければならぬということになる。それはだれがやるかということになる。分室の気象観測がやらなければならぬ、そういうことでしょう。そういうことを知らないということはいかない。気象関係は、大体あなたは金を出さぬが、そういう実態をよく調べてください。その上に立って要るか要らぬかを言ってください。全然そういうことをやったことがないでしょう。こういう点を、大臣これは地元の了解も何も要らぬことですよ。ですから、そういう点を何もやっておらないから、そういうふうに言われるのです。そうすると松山に金をさいて、そうして少なくともこの計器飛行のほうは、しろうとでわかりませんけれども、着陸援助ができる施設ができておったならば、今度の事故は起こらなかった。しかもあなた春のときにやると言っていましたが、やってないから私は言っておるのです。ですから、この点はもう何べん言ってもしようないからやめまして、さっきあなた言ったように、答申が出てからやるとおっしゃいました。これはやってもらいたい。  それから、今度は、まあ審議会がどうもかくれみのとか言いましたけれども、しからばこの昭和三十三年に下田沖で飛行機の事故がありましたが、そのときに科学技術庁長官の諮問機関として航空何とかという正式の名前は知らぬが、何か審議会をつくりましたね。で、答申が出ました。その出た答申の実施状況をひとつ聞かしてください。
  55. 高橋正春

    説明員(高橋正春君) お答え申し上げます。ただいま御質問のございました昭和三十四年度に航空技術審議会答申をいただきまして、その後政府部内において行われました研究の概要を申し上げたいと思います。  研究の形といたしましては、大きな柱は、各省庁の研究機関、たとえますれば、運輸省の船舶研、あるいは気象研、科学技術庁の航空技術研究所というような各研究所が行ないますところの研究、それから通産省等におきまして関連の機器等の開発のために民間に支出いたしておりますところの補助金のたぐい、並びに多少性格を異にいたしますのは、科学技術庁におきまして各省庁の研究を促進いたしますために、緊急の場合に支出いたします研究費的な、予備費的な支出と申しますか、そういうような特別研究促進調整費、この三つの柱によりましてそれぞれの研究が促進されております。この航空管理に関する研究と申しますのは、広くとりますれば、航空の技術に関する研究というものは、一つとして安全に関係のないものはないわけでございますので、その点の区分ということは多少むずかしい点もございますけれども、一応私どものほうで航空安全という狭義と申しますか、わりあい狭い観点から心しました結果は、大体次のようになっております。  各省の研究所におきまして最も主体的な立場をとっておりますのは、科学技術庁の航空技術研究所でございまして、配意いたしました予算額の最も大きな部門を占めているわけでございますが、この航空技術研究所におきましては、飛行実験部、機体部、計測部というような各部におきまして、たとえば飛行実験部におきましては実験用の飛行機によりますところの安定操縦の問題でございまするとか、あるいは突風や氷結等の気象条件につきましての研究、あるいは機体部におきましては、いろいろな強度の試験装置によりますところの機体の耐久性の問題、あるいは計測部におきましては、シミュレーター等を使いますところの操縦士の人間工学的な研究、こういうようなものを行なっております。さらにこれはまだごく初歩の段階と思いますけれども、いわゆる自動着陸に関する研究、特にエストールによりますところの離着陸の試験の研究にただいま着手いたしております。そのほか指摘されましたところの氷結や突風に関します研究、そういうようなものを行なっております。  それから船舶技術研究所、これは運輸省所管の研究所でございますが、これは主として大きな柱は二つございまして、一つは電子航法部におけるところの電子航法を用いますところの航空管制の電子の施設でございまするとか、あるいは搭載の電子機器の開発、こういうようなことをやっております。さらに交通技術部におきましては、航空機や原動機、それから装備品等の開発、あるいは飛行場の保安施設、そういうようなものの研究を行なっております。さらに同じく運輸省の付属機関でございます気象研究所におきましては、滑走路、高層、超高層、そういうようなところの気象観測機器、測機の開発等を行なっております。  科学技術庁の先ほど申し上げました特別調整費におきましては、過去におきましては、ヘリコプター墜落事故が多発いたしましたのですが、三十九年だと思いましたですが、その際に特別研究促進調整費を支出いたしました。さらにことしの春の航空機事故におきまして、大きな原因となりましたところの乱気流の研究のために今回調整費を支出いたしております。  以上のような研究の概略を申し上げましたが、三十五年から四十一年に至りますところの各省庁の研究費の総額は約九億二千八百万ということに相なっております。その中で先ほど申しましたところの各省庁の研究が、航空技術研究所がそのうちの五億三千万、その他の省庁が三億二千万ということに相なっております。以上概要を申し上げました。
  56. 大倉精一

    大倉精一君 いろいろ言われましたが、航空に関する答申の中で、航空事故資料センターをつくれ、こういう答申がありましたね。それから気象庁の気象研究所に航空気象部門を設けろと、これはできていると思いますが、それから航空技術研究所、いまの航空宇宙技術研究所ですね。ここに航空医学心理学部門を設けろという答申が出ておりますが、これはできておりますか。
  57. 高橋正春

    説明員(高橋正春君) 御指摘の点はいまだに実現いたしておりません。
  58. 大倉精一

    大倉精一君 これもやっぱり政治の貧困ですね。大蔵省、あなたのほうはこの航空医学心理学部門の設置を削ったらしいんだが、なぜ削ったか、どういう理由で。
  59. 荒巻与四郎

    説明員荒巻与四郎君) 私の担当がちょっと違いますので、当時の事情よくわかりませんが、事情調査いたします。
  60. 大倉精一

    大倉精一君 これは私が調べましたが、そういう航空医学心理学というのは航空自衛隊のほうでやっているから、そっちのほうでやればいいんだというので削ったらしいが、大臣どうですか。戦闘機と旅客機と同じですか、航空医学心理学は戦闘機と旅客機は同じですか。
  61. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 私は医学のほうは全然わかりませんが、その基礎的な問題は同じだろうと思います。ただ、それを旅客機に乗る者に応用する場合にどうする、あるいは戦闘機に乗る場合にはどれだけのものが必要であるか、ここは違うだろうと私は考えます。
  62. 大倉精一

    大倉精一君 これは大臣ね、専門家じゃなくともこれははわかるんですよ。戦闘機と旅客機は違うんだ、任務も飛び方も違う。これは専門家がここにおりますが、違うんです。  それからついでだから言いますが、同じ旅客機でも、たとえば森機長のあの飛行時間と発着回数では過重労働にならないという報告を聞いたけれども、しかし、同じ時間と発着回数でも、飛行場の設備のいい幹線の場合とローカル線ばかり飛んでいる場合とでは違うんですよ、専門家に聞きますと。非常に設備の悪いところに有視界飛行でひやひやしながら着陸するのとでは、その精神の消耗はたいへんなものですよ。それを簡単に幹線もローカル線も同じように何時間、何回だというところに間違いがある。それと同じように戦闘機もあれも原則的には同じだろうという、そういう考え方がいかぬと思うんだが、こういう大蔵省の認識不足を唯々諸々として人命にかかわるような問題をのみ込むという運輸省、これは弱いですね、これではだめですよ。
  63. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 私の申し上げたのは、そうした部門の医学の基本的な問題は同じコースを歩むでありましょうが、それを旅客機の操縦士に応用する場合と、それから戦闘機の操縦士に応用する場合とは違いますから、そういうところの部門の分かれ方はなければならないのではないか、こういう意味でございます。
  64. 大倉精一

    大倉精一君 その問題は私はそれじゃ深く追及しません。このように審議会をつくってみても何もできておらぬという一つの例を言ったわけです。だから事故が起こると調査委員会をつくる、何とか審議会をつくる、答申が出た、尊重しますということで何もやっておらぬ、この繰り返しですよ。  それじゃこれから現実の問題として聞きますけれども航空気象の問題で今度ロケットの打ち上げに、一万七千から二万メートルの航空気象を観測するためのロケットの打ち上げに二億円要求しておるはずですが、大蔵省これはどうですか、認めますか。
  65. 荒巻与四郎

    説明員荒巻与四郎君) そういうような要求が出ておると承知しております。
  66. 大倉精一

    大倉精一君 大臣、どうですか。これは実現できますか。
  67. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 予算作成の過程でございますので、ここで断言はできませんけれども、これは私としては必ず実現するように努力をいたしたいと考える項目の一つでございます。
  68. 大倉精一

    大倉精一君 これは一運輸大臣としてではなく、閣僚として、国がやらなければならぬのだから、やりましょう、できるだけやろうと存じております、全力を尽くしたいと思っておりますなどと言っておっても、これからいわゆるSST、ああいうものが入ってくる、日本の空に。そうすると、一万メートルでは足りない、一万七千から二万メートル、ラジオゾンデと並行してロケットを打ち上げる、これをやらなければ、それこそ体制は不利になりますよ。ですから、こういうことをやってもらいたいと思うんです。  それから、時間がないですから、もう一つ聞きますけれども、過当競争を防止しようという、そういう訓示をなすったんですけれども、過当競争、あれは全日空の負担増、この原因一体どこにあるんですか。これをひとつ聞きたい。
  69. 堀武夫

    説明員堀武夫君) この春の事故のあった直後に、運輸大臣の指示として、過当競争防止という項目が一項目入っておりますが、それでわれわれとしては幹線に投入する機材を抑制する、もう当分ふやさない。特に幹線におきましては昨年来需要が相当とまっております。そういうような関係から、過当競争になりやすいという考え方から機材をふやさないという方針をとっておるわけであります。今回のこの事故は過当競争の結果ではないかという御意見かと思いますが、この地方ローカル線につきましては、同じ路線を二つの会社以上にやらすということは避けております。ですから、この特定のローカル線については一社しか運行を認めていない。そういう考え方でおりますので、直接このローカル線でもって過当競争があったというふうにはわれわれ考えていないわけであります。で会社自体としましては、会社経営をできるだけいいように持っていくために、いろいろ営業活動を盛んにして生産性を上げようとするようなことはあったかと思います。
  70. 大倉精一

    大倉精一君 これは堀さん、たいへんな認識不足ですね。確かにローカル線は一社でもって、これはローカル線では過当競争はないでしょう。ないでしょうが、幹線における過当競争、これはさいふは一緒ですよ。幹線における過当競争のために赤字になった分をいわゆるドル箱線でもうけようと、あなたが社長だったらそう思うでしょう。それでお尋ねしますけれどもことしはボーイング727というのは国内航空二機、全日空二機、日航は一機買う予定でしたが、これは買いましたか。
  71. 堀武夫

    説明員堀武夫君) 先ほど申しました大臣の示達、それから閣議了解にも機材の投入を抑制するという、幹線においては——という決定がなされましたわけですが、それが決定される前にもう契約の済んでおった、手続の済んでおったもの以外は、全部とめるということにいたしております。
  72. 大倉精一

    大倉精一君 727は幾らしますか。
  73. 町田直

    説明員(町田直君) 現有機は十五機でございます。値段は大体十七億前後でございます。
  74. 大倉精一

    大倉精一君 私はこういうところにいわゆる過当競争の象徴があると思う。東海道新幹線に競争しょうと思って、そうして727を大急ぎで買って飛ばした。ただでさえ資本力の弱い日本航空会社がこういう世界の超一流の飛行機を買って、そうして日本の狭いところを飛んで歩く、ここに非常に負担の重いことがありはしませんか。日航のほうは償却も済んでおりますから、いいとしても、日航に競争しなければならぬ、こういうことでこういう重いものをしょい込む。そうでしょう、こういうものをほうっておいて過当競争をするなと言ってお説教して、それで適当競争はやみますか。どうですか大臣、これは。
  75. 堀武夫

    説明員堀武夫君) 727のような高い飛行機を買ってやらしておるから負担が大きいのではないかというお話でございますが、会社自体からいたしますと、客席が多くて、そして早い飛行機というのはコストが安いのでございます。ですから旅客需要さえあれば、この727のほうがYSよりもコストが安い。そういう面からは航空機自体の単価が高いにいたしましても、結局運営のコストが安いということで有利であるからそれを買ってくる、こういうことでございます。しかし、せっかくそういう優秀な飛行機を持ってきても、旅客を三〇%とかというふうに運んでおったのでは、これはやはり会社としては負担になるかと思います。
  76. 大倉精一

    大倉精一君 確かにこれ満員になればもうかるのですがね。それじゃこれを許可する運輸省としては旅客需要の状態をどういうぐあいに見通しをつけておられますか。
  77. 堀武夫

    説明員堀武夫君) 幹線とローカル線がございます。いままでは幹線の伸びというものが非常に急速でございました。ところが最近、去年くらいから不況だとかいろいろな影響があると思いますが、幹線の伸びは非常にとまっております。それに反しまして、ローカル線の需要の伸びというものはずっと従来どおりの伸び率でもって、むしろ従来よりも増して伸びるというくらいにきたわけであります。それで、今回の事故によってローカル線もまたある程度の影響を受けるのではないかと思われますが、総じて幹線の伸びも徐々に回復をしていくのではないか。国内輸送全般から見ますと、この二、三年前までは、幹線の需要が二に対してローカル線の需要が一、こういうバランスでございますが、最近におきましては、幹線の一、ローカル線一、大体パーパーくらいのところまでまいっております。
  78. 大倉精一

    大倉精一君 私はあるところがら聞いて調べましたから、四十年度の国内幹線ですね、それの利用率は三十八、九年の五五%程度だということですね。本年度四十一年度は運輸省は八%増、こう見ておるが、業者のほうでは年末景気が回復すれば七%くらいになるのじゃないかということ。これは今度の春の事故の前のことなんです。そういうことを業者のほうでは言っておるのですね。そうしたら、こういうときにまた五機許可がある。こうなってくると、採算線の利用率は五七%くらいと言っておりますが、これは五機を投入すれば、明らかに五〇%を割ってしまう、こう言っておるのですが、それでも運輸省は許可を与える、あるいはオーケーをするということなんですか。こういうことを言っておるが、こういう見通しは誤まりですか。
  79. 堀武夫

    説明員堀武夫君) 監督課長から何機の予定が何機になるというような関係説明していただきます。
  80. 住田正二

    説明員(住田正二君) 本年買います予定の727は、現在入っておりますものを含めまして五機でございます。日航が三機、全日空が二機。現在入っておりますものは二機でございまして、今後三機入る予定になっております。日航のほうの三機はすでに契約済みのものでございまして、これが入りますと、現在使っておりますコンベア880という飛行機を近距離の国際線に出すことになっております。それから全日空のほうはすでに一機入っております。来年の三月にもう一機入ってまいりますが、これはことしの二月に事故を起こしました一機の代替でございまして、来年の三月入りましても、当分の間オーバーホールその他で稼働いたしません。したがって、来年度供給力が急速にふえるということはございません。
  81. 大倉精一

    大倉精一君 まあこれもこのくらいでやめますが、ずっと答弁を聞いておりますと、あなたのほうの航空行政の基本はどこにあるかということを疑いたくなるのです。つまり航空の安全ということを基本に置いて航空行政をやるのか、あるいはまた727できたように、このほうがもうかりますといえばこういうことでやるのか、一体どっちに基本が置いてあるのか。ここにも問題点があります。私はこれ以上触れませんが、安全性という声がある。あるでしょうけれども、現実にはそうではない。大体スピード競争と言いますけれども飛行機、旅客機というのはスポーツではありませんから安全が第一ですよ。それがいまの航空行政に抜けておる。抜けておるからこれは政治事故だというのです。ですから、こういう世界超一流の飛行機を買うだけのそういう財力が、資力が一体日本にあるのか。しかも、それを受け入れるところの飛行場の状態はどうだ。私飛行機の中で産経新聞を見ておりましたら、おもしろい表現をしておりました。日本航空行政は、漫画で言うならば、破れたよれよれの下着を着てシルクハットをかぶっているようなものだ、こう言っておりました。いい表現だと思う。そういうばらばら行政というものをやめていかなければならぬ。一貫したものがなければならぬ。たとえばこの航空企業に対する指導方針もばらばらです。日航にてこ入れが始まったのは三原山事件が起こった直後でしたね。それから全日空がローカル線を独占したのは下田沖の事故があったときにやったのです。あるいはローカル線の事故が連続したあとに国内航空の合併問題が出てきた。これは大臣日本航空行政というものはほんとうに思いつきです。事故があると、りっぱなことを言われますけれども、全然それがなされていない。ですから、こういう航空行政の基本というものをこの際考え直してもらわなければならぬと思うのですが、大臣どうですかね。
  82. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 就任のごあいさつのときにも申し上げましたように、立ちおくれておりました日本航空でございます。したがってまた、行政面においても十分でない点は率直に認めるわけでございまして、したがって、航空の長期にわたる基本政策というものを樹立をいたしたいということでございます。確かにいま御指摘のように、日本航空がいわば背伸びをしておると申し上げますか、そういう点があるわけでございまして、その土台の盛り上げをしなければならないというふうに考えますので、そうした意味におきまして長期にわたる基本政策を立てたいと思いまして、来年度の予算概算要求等につきましても、それらの意味を含めて、あるいは行政組織の改革その他についてやっておりますのもその一端でございまして、全体としてそうしたかまえでやってまいりたいと存ずる次第でございます。
  83. 大倉精一

    大倉精一君 じゃ、まあほかにも御質問がおありになると思うので、私はこの辺でぼつぼつ具体的な問題に入っていきたいと思うのですが、いままでは、事故があると、やらなければならぬと言いながらやらないという実態を申し上げたのです。  第一番に、ローカル線の夜間有視界飛行をやるな、こう言ったところが、これもどうもお流れらしい。しかし、どうですか堀さん、ローカル線の夜間の有視界飛行、こういうものをチェックをする意思はありませんか。今度はYS11の森機長その他の機長が夜間着陸復行訓練をやったことがありますか。やったことないですかね、どうですか。
  84. 堀武夫

    説明員堀武夫君) いま担当の課長に確かめましたところ、夜間の着陸復行訓練はやっておるそうでございます。
  85. 大倉精一

    大倉精一君 ローカル空港における夜間の着陸訓練はやっていない。私は聞いたのですから。それはやっておると言えばそれまででしょうが、いつ着陸復行しなきゃならぬ状態がくるかわからぬような夜間有視界飛行を許すということ、これはひとつ大臣検討してください。  それからもう一つ、森機長が大阪を立ってきたときの状態、これは過当競争からきたものだと私は申し上げるのですけれども、前のフレンドシップが五時三十分に出る予定でしたね、これが東京から来る便が天候が悪いためになかなかおくれたので待っておったわけでしょう。しかしYS11が飛び立ったのが七時何分、二時間ばかりですね。そういうときに二時間も待つのですかね、普通飛行機というものは。
  86. 堀武夫

    説明員堀武夫君) 東京の便の、東京から大阪に来る二九便というその客を受けて大阪松山行きの五一二便というのが出ていくという予定になっておりましたところが、この東京から来る二九便というものがおくれたために、この五三一便というこの松山便が先に出てしまった、接続する予定の便が、東京から来る便がおくれたために先に出ちゃったんです、というのがこの先にあるわけです。
  87. 大倉精一

    大倉精一君 これは局長ね、一番大事なポイントだが、そういうことをいま部下からそういうものをもらって研究するようじゃだめだ。一番大事なポイントだ。森機長が鹿児島に行っておられなかったから福岡に行って、大阪に来てお客さんをおろして任務はそれで終わりなんです、ほんとうは。ところが、五時三十分に何便か知らぬがこのフレンドシップに接続する東京からの便がおくれたものだから待っておったんです。二時間も待った。そうしたら、今度はこちらから来たのが今度は高松行きが変更しちゃった。高知ですか、五人超過しちゃった。それで森機長におまえもう一。へん行ってこい、こう言って立ったんでしょう、その間の事情はね。フレンドシップがあそこに行っておるなら、森機長は大阪に来て、それでその日の仕事は終わり、こうなっておったんでしょう。
  88. 堀武夫

    説明員堀武夫君) 森機長のその日の予定はそのとおりでございます。
  89. 大倉精一

    大倉精一君 これも深く言いません。これも過当競争の一つの犠牲だ。そのときにフレンドシップが満員のために、高知からのお客さんはきょうは満員でございますということで、そういうことも過当競争の一つの問題として把握をしておいてもらいたいと思うのですよ。そういうためにひとつ夜間有視界飛行をよく検討してください。  もう一つは完全な無人着陸装置ですね、英国でいま開発しているようですけれども、これは科学技術庁の審議官も言っておたのですけれども日本の技術を総動員して、わが国でもこの技術を開発しようという努力をしなければいかんと言っておりましたが、この点は大臣どうでしょうね、科学技術庁のほうにもお伺いしょうと思うが、外国の技術の開発を待っておってやるのでなくして、日本の技術陣優秀なんだから、いまの誘導装置ですと六十メートル以下はだめだそうですよ。ですからこれじゃいけないということで完全に無人誘導でもって、パイロットはブレーキを踏めばいいということですが、これを開発しているということを聞いておりますけれども、これをわが国で開発する意思はありませんか。少なくとも727を買うくらいだったら、それぐらいの心がまえはあっていいはずだ、どうでしょう。
  90. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 日本の科学は非常に優秀でございますから、そういうことの開発というのは決して不可能ではないと存じます、私の伺ったところの記憶に誤りなければ、こういう無人着陸装置と申しますか、それは先進工業国ならばどこでもできるのだが、結局それが非常に金がかかるという中で、イギリスの開発されたものがそれに対して非常に安くできるというところに非常な特徴があると承っております。したがいまして、これから日本が相当の費用をかけて開発するのがいいのか、あるいは特に安くできるそうした装置というものを導入するのがいいかということは、これはどうも私も専門家でございませんのでわかりませんが、彼此勘案して検討する価値のあるものということは十分に考えられます。
  91. 大倉精一

    大倉精一君 金がかかると言いますけれどもね、茅前東大総長は科学技術庁の審議委員ですか、この方も言っておりましたが、いや原子力だ、ロケットだ、そういうはでなものばかりやっておらんで、こういうものをこそ日本の技術陣を総動員してやるべきじゃないか、こう言っておりますよ。これは科学技術庁の方どうですか、科学技術庁にはそういう計画なり考え方なりというものはないのですか。
  92. 高橋正春

    説明員(高橋正春君) 前段の自動着陸装置の開発につきましては、本年の七月の二十日付で、航空技術審議会のほうから「ジェット輸送機の航空安全に関する技術的問題点及びその具体的対策いかん」という諮問に対します中間答申をいただいておりますが、その中に特に「運航のための施設機器等」というところで、特に研究を要する課題といたしまして、ただいま御指摘のありました自動着陸方式の研究という課題が入っております。こまかい資料を本日持ち合わせておりませんが、来年度航空宇宙技術研究所におきまして、これの研究に着手をするために予算要求いたしておると覚えております。
  93. 大倉精一

    大倉精一君 大蔵省予算要求しておりますよ。どうせあなた削ろうと思っているのだろう、そういうことが日本の政治がびっこになるのですよ。もう一つ科学技術庁の乱気流の調査、これもたまたま十三日の事故の翌日発表されましたけれども、ことしは富士山ですか、来年はどこだ、その次はどこだ、その次はどこどこだとなるのでしょうけれどもね、一体何年くらいかかるのですか。全部の乱気流を調べるには。
  94. 高橋正春

    説明員(高橋正春君) 釈明がましくなってたいへん恐縮でございますが、私のほうで支出をいたします研究費は、先ほど説明の際にも触れましたように、各省庁が行ないます研究で、年度当初にいわゆる予算的措置がとられていないものにつきまして、予備的に支出するということになっております。したがいまして乱気流の研究自体も、気象庁の気象研究所がおやりになることになっているわけでありまして、気象研のほうで三カ年計画で風洞並びにドップラーレーダーによりますチャフを追いますことと、航空写真をとりまして、発炎筒の流線をとらえる研究だと思いますが、本年度が富士、来年度鈴鹿、再来年度が大子山地でございましたかということになるかと思いますが、いずれにいたしましても、気象庁のほうの研究計画に従いまして私申し上げたものでございます。しかし全体計画はもちろん私のほうで調整するのがたてまえだと伺っておりますけれども、これは研究に使用します施設、たとえば風洞等を使いますわけでございます。こういうものでございますとか、あるいは研究者の何といいますか、研究能力と申しますのは、物理的な時間その他の問題がございます。そういうことで、やはり三年の期間に分けまして全体の計画をお進めになるのがたてまえであるということを伺いまして、私のほうでもその研究の推移は一応妥当である、かように認めまして、初年度の分だけ私のほうでお世話し、来年度、再来年度のほうは運輸省のほうで予算を御要求になる、こういうことになっております。
  95. 大倉精一

    大倉精一君 大臣、今度の経済五カ年計画を短縮するとおっしゃったんだが、乱気流はたくさんあるわけですね、日本には。三年かかって、五年かかってぼつぼつやったんでは、これまたどうも安心できませんね。これも一ぺんにやれませんか。やらなければいかぬ、三カ所か四カ所でこんなものは一ぺんにやれるでしょう、アルミをひらひらとまくのでしょう、そういう調査を一年一カ所だけやっても何になるものでない。
  96. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 気象庁の計画いま手元に持っておりませんのでお答えできませんが、気象庁のほうからさらにつけ加えると思います。ただその一地点をそうやってやるだけの問題ではないのじゃないかと思いまして、そういう日本の上空の乱気流というものがどういうことだということを、全体を調べるにはやはり相当の年月が必要なんじゃないかというふうに私は考えるわけであります。
  97. 大倉精一

    大倉精一君 だんだん何もやらないことになってきたのですね。そこで、それはそれとして、もう一つ聞きますけれどもパイロットの問題ですね、パイロット養成を国でおやりになる考えはありませんか。これはいま大学を出まして、そうして一人前のパイロットになるには五年以上かかるらしいですが、今度民間と共同出資でやられるようですが、機長になるまでの訓練の費用、その他一切国でやる、そういうことはできませんか。
  98. 堀武夫

    説明員堀武夫君) いま国でやっておる養成課程というものは、宮崎で三十名の養成をやっておりますが、それは基礎だけでございます。いまこれを先生のお考えでは、機長になるまで、たとえばDC8の機長になるまで国でやったらどうかという御意見に受け取りましたが、DC8の機長になるまでには八、九年かかるわけでございます。そうしてDC8の機長になるまでには階段を一つ、ずつ上がっていくように上がっていくわけでございます。ですからその下の段階のDC8にいくまでには、たとえばDC6Bとか、727あるいはコンベア880とか、そういうような段階を副操縦士になり、機長になり、そうして一つ上級のまた操縦士になるというふうにいくわけでありますので、それには実際オンルートで慣熟をして、そうして階段を一歩ずつ上がるように上がっていくわけでございますから、これを全部国でやるということは、これはとうてい不可能だと思います。
  99. 大倉精一

    大倉精一君 どういうわけで不可能ですか。これは私の言っているのは、民間航空会社に配属しておってもいいですが、訓練されるについては国でやれということです。そうでないと莫大な費用がかかるのです、パイロット養成のためには。
  100. 堀武夫

    説明員堀武夫君) 会社においても訓練ということもやっておるわけですが、その分を国でやれという、こういうお話にいま伺いました。そのためにはまあ各機種を全部国で持たなければならないということになります。これは金にいと目をつけずにやれば、一そろい全部そろえて、そしてそういう各機種による各段階の訓練、平生営業活動をやっている以外のいわゆる訓練時間をそこの国立、そういう訓練機関に来てやるということは、これは考え方としてあり得ると思いますけれども、そういう機材を保有しておるということに非常に大きな金がかかると思います。金に糸目をつけなければ、絶対不可能ということはないと思います。
  101. 大倉精一

    大倉精一君 これは大臣ね、やり方はいろいろあるでしょう。全部の機種を国が持つか、あるいはそういう機種を共用して提供させるか、いろいろ方法はあるでしょうけれども、いま民間でやらしておるのは、乗務員が足りないから、訓練しておりながら自分でも乗っているわけです。飛行機も足りないものがあるから、そういうときには、訓練中の飛行機を持っていってぱっと注ぎ込んでしまう、こういう危険なことをやっているのです。いま堀さん金がかかると言いますけれども、大体航空というものは金のかかるものです。先ほど言ったように、金がかかるからできないというなら、日本飛行機を飛ばせるという資格はないということになるのです。これは特にいまやりますという答弁はないだろうと思うけれどもパイロットの訓練の実態をよくごらんになって、これがまた飛行機会社の負担になる、負担になれば、安全という方面に障害が出てくる、あるいはパイロットその他の過重労働にもなる、こういうことになりますから、パイロットの訓練については、ひとつ大臣この際検討してください、国でやることも含めて検討してください、いまのままではだめです。
  102. 堀武夫

    説明員堀武夫君) 各機長になる段階までの訓練を国が引き受けるということは、各国ともそこまではやってない、大体ある程度の基礎、それはどれくらいの飛行機までやるかは別といたしまして、ある程度の基礎的段階までは国でやるとか、あるいは特別の学校をつくってやるとか、そういうことはやっておりますけれども、その自後の実用機の段階のジェット機の段階などはほとんどそのエアラインみずからやるというのが、諸外国における普通のやり方でございます。いまわれわれといたしましては、その段階のもっと手前のところの基礎教育をどうするかということでいま案を練っておる、こういうことでございます。
  103. 大倉精一

    大倉精一君 どうもいまの答弁は納得できないです。外国がこうやっているからこっちもこうだ、外国がやっていることは何でもいいということは間違いですよ。大体航空企業の基盤が違うでしょう、基盤の非常に強いところがこうやっている、日本のもろい企業経営の実態と同じように考えたら間違いですよ。外国がこうやっているからこっちもこうだということは、そんなばかなことはない。  もう一つ、訓練用の飛行場を持つということ、これは前から問題になっておって、前の中村大臣も必要だと言った、総理も必要だと言った。これはどうですか、訓練用の飛行場を持つということは、直ちにはできぬが、何年後には持てるという見当はありますか。
  104. 堀武夫

    説明員堀武夫君) われわれも訓練専用の飛行場を持つ必要性を痛感いたしております。飛行場を一つ新たにつくるということは、非常に言うのはやさしいのですけれども、いざつくるとなると非常に時日がかかります。われわれとしましては、できるだけ早く専用空港をつくりたいということで、先ほど申しました五カ年計画の中にもそういうものを含めております。しかしその五カ年間、できるまでこれを待っておるわけにはまいりませんので、これは自衛隊なりあるいは米軍なりの、いまある飛行場を共用できないかということでいろいろと折衝をしておるという段階でございます。
  105. 大倉精一

    大倉精一君 これもやっぱり金がかかるでしょう、かかりますよ。飛行機のことは金がかかる。いま、じゃあ訓練飛行を、この前羽田でもって日航の訓練飛行ですか、何かおっことしちゃって事故が起こった。それ以後、羽田、名古屋、福岡は訓練飛行をやらせない。ローカルのなるべくあいているところに行ってこうやはりやるんだけれども、ここにはさっき言ったように管制官なり何なりが時間的な制限があってなかなかできないですよ。大型か何かはアメリカへ行ってやっておる。おまえの国は飛行場が、訓練するところはないのかと、そんな恥しいことをやっている。ですから、そういうところに、いろいろ申し上げましたけれども、とにかく大臣これはばらばらですよ。航空行政はない。端的に言って何もない。ありませんよ。何か言うと金がかかる、これじゃ幾ら美辞麗句を言っても航空の安全ということは確保できません。これは大臣、時間がかかりますからやめますけれども、あなた一ぺん、局長もね、第一線に働いている者と会ってよく聞く機会を持ったらどうですか。中村運輸大臣パイロットを集めていろいろ懇談をしました。あの要望はもっともだと言っていましたけれども、何もやってない。やっていないけれども認識を深めておる。中村大臣パイロットだけに会いましたが、これも認識は違う。さっき言ったように、パイロットだけじゃ飛行機は動かないですよ。飛行はやはり——ここに航空気象の担当者もおりますが、ローカル線の気象分室、それから管制官、この三者を集めて、さらに要するならば整備員ですね、大臣どうですか、それを集めて気楽にお話しするような機会をお持ちになったらどうですか。
  106. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 第一線の体験からくるいろいろな意見というものはまことに貴重でございます。そういう計画をいたしたいと思います。  それからついでに申し上げて恐縮でございますが、金がかかる、だからやらないんだと、そういう意味ではございません。財政の都合もあるがという前提を申し上げるのは、財政の都合もあるけれども、われわれはこれを優先的に取り上げたいという意欲を申し上げておるわけでございますので、その辺は御了承いただきたいと思うのです。
  107. 大倉精一

    大倉精一君 最後に、これでやめますけれども、どうかひとつ、いま私が端的に拾い上げて申し上げたのですけれども、ことほどさように航空はどんどん発達していきます。いきますが、航空行政というものは依然として渋滞をしておる。そこに日本航空の実態というものがアンバランスがあるということをよくひとつお考え願い、さらにまた進んで、日本航空行政というものが何やら企業防衛のようなかっこうで、航空の安全ということに対する配慮というものが非常にあと回しになっておるということ、これをひとつ十分お考えになってもらいたいと思う。それがなかったら、事故が起こるたんびにいろいろ言われておることは信用できません。そういう点十分ひとつ思いをいたしてもらいたいと思う。と同時に、当面の問題として、もう一ぺん繰り返しますけれども、一日も早く全遺体を収容してもらうように強化の上にも強化してください。そしてさらに第一線で血みどろになって働いている諸君が再び犠牲にならぬように、そういう体制をこの際つくってもらう。あわせて今後の問題でありますけれども、御遺族に対しますところの補償は、これまた前例もありますが、万全を期するように政府においてもひとつめんどうをみてやってもらいたい。最後にひとつ大臣の感想を承って終わります。
  108. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 今回の事故における当面いたすことは、先ほども申し上げましたが、なお残る遺体の全部の収容でございまして、これにつきましては全力をあげますと同時に、御注意もありましたように、捜索活動に当たる者が二度と犠牲になるようなことのないように、現地の連絡を十分にし、あるいは常に注意を喚起してやってまいりたいと思います。また遺族の補償問題等につきましては、会社その他十分な連絡をとりまして、十分御遺族の御納得のいくような補償になりまするように努力をしてまいりたいと存じます。
  109. 黒柳明

    黒柳明君 私も冒頭に当たりまして、今回の事故でなくなられた方に心から哀悼の意を表すると同時に、またいま活躍されている方の活躍に対して敬意を表したいと思います。  私もいろいろ質問を用意してきたのですが、吉田委員あるいは大倉委員と重なる点が相当ございますので、ついでに私用意した質問がございます。ちょっと航空事故と若干離れるかわかりませんが、今回の悲惨な事故の最高責任者である運輸大臣の一身上についてのことで若干時間をとらせていただきたいと思います。  御存じのように、運輸大臣期待をされ、そして新大臣に就任されたわけですが、前回の荒舩大臣が黒い霧の中に包まれて更迭した。ところが、私がきょう質問したいことは、また何か私のこれは主観的な意見ですが、ブルータス、おまえもかと、このようなことで、残念ながらまた大臣も黒い霧に包まれるのじゃないか、こういうような気がするものですから、私もりっぱな大臣にこれからなっていただきたいという意味から若干質問をしていきたいと思います。  大臣は三十年の三月から十一月まで大蔵政務次官をしていらっしゃったわけですが、その後、神奈川県の座間にある——いま座間市ですが、このときは町であったと思います。関東製紙株式会社の会長をなさっていた。これは御記憶があると思いますが、そのときにどのくらいこの関東製紙に対してタッチされていたか、この点いかがでございましょうか。もうちょっと十年ぐらい前で御記憶ないかと思いますが、ひとつ記憶の範囲でけっこうでございますが。
  110. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) そのとき、確かにそのころであったと思います。年月日等は記憶をいたしておりませんが、関東製紙という紙会社の会長を依頼されまして、就任をいたした事実はございます。ただし、そこには責任者である社長もおりまして、私はほとんど経営の内容においてはタッチをいたしておらなかったような事実がございます。
  111. 黒柳明

    黒柳明君 大臣がこの関東製紙の会長をやっていらっしゃったのは三十一年の七月から三十三年の九月でございます。大蔵政務次官をおやめになった直後に二年二カ月にわたって関東製紙株式会社の会長をおやりになっていました。そのとき、株を取得されていたと思うのですが、これもちょっと古い話で、私はここに書いてございますが、三十二年十二月二十八日に九百株、これは関東製紙から会長の立場として取得されていると、こういうふうに記録に出ております。それから同じく同日に山内直美さん、この方はもう大臣よく御存じだと思うのですが、これは秘書であった人ですね。この人が同社の重役として、また資金担当面を運営している。この人もまた百株の株を取得しております。これは事実を私聞こうと思ったのですが、もう過去のことなものですから、ずっと私述べました。  それから今度は、大臣は東都信用金庫、そういう金庫は御存じだと思うのですが、いかがでしょうか。それは、その会長でいらっしゃったときに、この関東製紙株式会社で村本実、社長をやっていたわけです。その人がこの東都信用金通の理事長である田中昌平さんのお婿さん、そういうわけですね。娘婿の立場にある。ところが、この関東製紙の元の社長であった人は、この東都金庫の部長だったわけですね、阿部さんという人。それで東都金庫の部長が関東製紙の重役を兼ねることはうまくない、こういうわけで、東都金庫の田中昌平さんの娘婿の村本実さんが社長に就任された、こういう過程があるわけですね。それで大臣がこの関東製紙の会長をやっていらっしゃったとき、関東製紙株式会社は東都信用金庫の管理会社であった。またいま言ったような過程から見てかいらい的存在であった、このようなことがこう出てくるわけです。もう一回言いますと、会長をやられていた、大臣が。その下に社長をやっていたのが村本さん、そして東都信用金庫がある。その東都信用金庫の田中昌平さんの娘婿が、会長をやられていたときの関東製紙の社長である村本さん、そういうわけです。この村本さんが社長になった理由というのは、東都信用金庫の阿部という部長が関東製紙の社長をやっていた。ところが、東都信用金庫の重役をやりながら、関東製紙の重役をやったのじゃうまくないと、こういうわけで東都信用金庫の田中昌平さんの娘婿の村本さんが関東製紙に行ったわけです。こういう過程があるのです。こういう過程を考えますと、何か東都信用金庫と非常につながりが深いわけです。というよりか、完全に結びついているわけですね。その会長が大臣であった。どうですか。そうすると、この関東製紙というのは、東都信用金庫のかいらい的存在だったのじゃないか。ちょっと記憶を思い出していただいて——この関係大臣は御存じだと思うのですが、いかがでございましょう。
  112. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 社長の村本が、東都信用金庫の理事長の女婿であったということを私は記憶をいたしております。ただ、村本が社長になりましたいきさつについては、ちょっと記憶がございませんで、そういう、社長になりましたに際して、私に会長をやってくれと言ってきたように記憶いたしております。
  113. 黒柳明

    黒柳明君 いま大臣は、要するに会長になった事実はある、そういう関係も若干御存じである、だけれども、会長としてそれほどこの会社にタッチしたわけじゃない、このような御発言だったと思うのです。なぜ私、このようなことを申すかというと、この東都信用金庫、これはもう御存じです。大蔵省のほうから、田中昌平一派の不正貸し出しゃ不祥事件が続発して、どんどんと摘発され、大蔵当局から指導も受けているわけです。それは、大蔵政務次官という、そういう重任にもあったわけですから、この事情のことはよく御存じだと思うのです。そのかいらい的——私あえてこう言いたいのですけれども——の会社の会長として大臣が送り込まれた、このように私は思うのです。私はこれは、よもや大臣になられるようなりっぱな方が、このようなことに捲き込まれる、こういうようなことは決してない。これは私確信したい。ところが、経過を見ますと、この東都信用金庫は、いま言いましたように不祥事件を起こし、田中昌平一派というのは、これはもう非常に金融金庫としては悪いことをやりまして、大蔵当局から摘発を受けた。しまいには、城南信用金庫に合併もされた。こういうことを見ますと、何かそこの会長に就任された大臣、しかも、先ほど冒頭に申しました、大蔵政務次官辞任直後のことでございます。さらに問題は二、三発展するのですが、そういうことを見ると、これは私は、会長にはなった、村本のそういう実情も知っている、東都信用金庫のそういう、そこだけ見ても、この会長として就任なされたこの点について、いまどういうふうに反省されているか。また、このあとに述べるのですが、この会社をめぐって、いま中小企業金融公庫に九百六十万円の焦げつきがある。これは国損です。この国損が、いまもってこの会社をめぐって取れない。そういう事件の発展がここから出てくる。こういう、私はあえてかいらい的存在と言いたいのですが、その会長になられた経緯——これは御自分でなられたのですから、どういうふうな経緯があって会長になられたか、御存じだと思うのですが、どのような経緯でこういういかがわしい会社の会長になられたか。いかがでしょう。
  114. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 私の記憶に誤りなければ、その当時、その関東製紙を再建するについて、まあ相談役的な意味で会長になってくれと言われまして、私は当時、いま御指摘がありましたが、東都信用金庫が当時そういう問題を起こしておったという記憶を持っておりませんが、いずれにしましても、その関東製紙株式会社の立て直しについて手伝いをしてくれ、相談役的な手伝いをしてくれということで就任をしたように記憶をいたしております。
  115. 谷口慶吉

    理事谷口慶吉君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  116. 谷口慶吉

    理事谷口慶吉君) それでは速記をつけて。
  117. 黒柳明

    黒柳明君 失礼しました。そういうことですと、木村委員岩間委員終わったあとに、ひとつ大臣の御出席を願って私の質問を続行したいと思います。よろしくお願いいたします。
  118. 岩間正男

    岩間正男君 それじゃ、私は松山航空事故について質問いたします。  私は、この問題が非常に重大な問題と考えましたので、ことに党のほうから派遣されましてこの実情をつぶさに視察をしまして一昨日帰ってきたところであります。こういう事態に立ち至りまして、現地を見まして、何よりも切実な遺族方々のあの怒りと嘆き、こういうものにほんとうにこたえなければならない、こういう点につきましては、いま捜査が強化されておるようでありますけれども、もっともっと地元民のこれは、これに対する協力に参加したいという要望があるわけです。あすこの付近のたとえば漁民の方々、これはイワシ網をやっておりますけれども、むしろイワシ網のほうがトロール船よりもいいのじゃないか、こういうようなことも言っております。しかも、仕事を休んで待機をしております。あるいはまた、あすこに港湾の労働者たちがおります。全港連の労働者たちは、やはりあすこには十人ぐらいの潜水夫がいるようです。そういう人も待機をして、あすこでは組合の決議までして、あくまで協力したいと言っているようでありますが、こういう問題も十分取り上げて、現地の実情に合った運営でこの遺族の切実な要望にこたえるという点について十分に努力をすべきじゃないかと思います。このことを前提としまして、さらに、こういう態勢の中で私はお聞きをするわけでありますが、とにかく羽田の事故が起こりまして、しかも、そのあとに三月に、また一カ月後に二件も続いた、これは世界の航空事故の中でもほとんど例のないような連続的なものです。当委員会でもこの問題をほんとうに熱心に取り上げて、われわれも連日のようにこの問題をここで討議したはずであります。そのときの大臣答弁というのは、かかる悲惨な事故を再び繰り返さないようにわれわれは今後努力します、どうもこれは文切り型に聞こえるわけでありますけれども、そういうことをしばしば繰り返された。ところが、残念ながら今日また同じ答弁をせざるを得ない、そういうところにこれは追い込まれていると思う。なぜ一体こういう答弁を繰り返さなければならないのか。どこに一体その原因があるのか。ほんとうに禍根を断つというあの九カ月前の当委員会におけるあの誓いというものを一体どういうふうに果たされた。ここのところが非常に切実な問題だということを、私は特にあの現地で二日暮らしましてつくづく一運輸委員として責任を痛感したわけです。まずこの点について、どういうふうにこれは反省しておられるか、この原因を、再びこのような惨禍を繰り返したこの原因というものをどういうふうに考えておられるか、この点からまずお伺いしたいと思います。
  119. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 春の事故に続いて、こういう、当時政府全体として再びああした惨事を起こさないということに全力をあげたにもかかわらず、このような事故が起こったわけでございます。もちろん今回の事故原因は、さらに探求をいたさなければ、何が原因であるかはわかりません。しかし、とにかく政府といたしましては、あの後も、先ほど来お答え申し上げたような、保安要員の増員であるとか、あるいは航空機会社に対する種々の指示とか、それの実行を査察するとか、そうしたことをやったわけでございます。したがいまして、できるだけのことはやった所存でございますが、こういう事故が起こってみまして、さらに政府のなすべき仕事というものは強力に進めていかなければならないというふうに考えておる次第でございます。
  120. 岩間正男

    岩間正男君 私は、文切り型の答弁を再び繰り返しておる原因は何かと、こう聞いているのです。したがって、あのとき再び繰り返さないという誓いをやった。それがほんとうに実現されておるかどうか、実行されておるかどうか、ここのところが当委員会で論議をする私は焦点だというふうに考えておるわけです。大臣のただいまの答弁だと、これに対する答弁ではないようですが、もちろん原因には、当面する技術的な原因、もう一つはやはり何といいましてもさらにそれを包む政治的な大きな背景に問題がある。この二つの原因から私は追及しなければならぬと考えるわけですね。こういう点について、もっとやはり全般的なこの体制にメスを入れるという、そういう気がまえでもってこの問題に対して対処する必要があると思うのですが、その覚悟のほどをまず最初にお伺いしたいと思います。
  121. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) もちろん航空行政全般に対しまして、先ほどもお答え申し上げましたが、万全と言えない面もあります。こうした点を全面的に検討をいたしまして、そうしてその一つ一つを正して今後に処したいという所存でございます。
  122. 岩間正男

    岩間正男君 われわれの党としては、あのとき四つの基本的な問題を掲げたわけです。この四つの問題を全面的に解決することなしには、再び事故が起こらないという保証はない、こういう点で、これは、この前も大臣にあの事故が起こった直後にお目にかかって申し上げた第一の問題は、過当競争をどうして排除するかということ。第二の問題は、米軍による空の制限というものは依然として続いておる、これを撤廃する方向に努力をするということが非常に重大な問題だと思う。第三の問題は、過密ダイヤを解消する、そうしてまた安全を確保するために万般の努力をする。第四の問題は、第三と関連があるのでありますけれども、これは要員確保する、そして人員を大幅に増強する、そうして航空の安全体制を保つ。この四つの問題をわれわれは掲げておるわけであります。この点については、現在でも全くそういうふうに考えておるのでありますが、この点については努力がどうかという点ですね。これは先ほどの御答弁と相まってわれわれは検討しなければならぬ。この点、この前も党としまして、党を代表しまして私は特に要望したわけでありますけれども、これについてどういうふうにお考えになりますか、お伺いしたいと思います。
  123. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 過当競争の問題につきましては、先ほど来お答えもいたしておりましたが、その意味において航空の再編成というようなものも推進をいたしまして、過当競争による事故を誘発するというようなことの絶無を期したいと考えております。  米軍の問題につきましては、かねてより政府はいろいろ手段を尽くしてやっております。まだ実現に至っておりません。これらについては、従来にも増したいろいろなルートを通じての交渉を続けてまいりたいと思います。  要員確保は、とりあえず予備費等による要員の増員をいたした次第でございますが、今後は、さらにそれを拡張いたしますと同時に、この要員養成、ことに保安要員養成についての施設を拡充をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  124. 岩間正男

    岩間正男君 第一の過当競争の排除の問題につきましては、大倉委員から詳細に先ほど質問がありました。この重複を避けたいと思いますから、ここで詳細を申し上げないのでありますが、とにかく、いまだに続いておるどころか、これはますます激化していくというのであります。この前も、727の問題のときも、わずかに五分を争う——五分というのは日航と全日空の競争の問題でありますけれども、五分が非常に大きな問題になっている。しかし、依然としてこういう事態がこれは続いているのじゃないかということははっきりあげられる。ここのところに、利潤追求を第一として、安全は第二になってくる。そういう、いまの所得倍増下の政策そのものが背景にあるのです全の問題とこれはかみ合わして考えるかという点ではっきりした方針を明確にしなければならぬと思うのですが、この点はいかがですか。
  125. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 特に航空機には限りませんけれども、特に航空の輸送というようなものは、もし事故が起これば非常な大事故になる、こういう点を考えますと、常に航空事業の経営というものは、安全というものが第一に考えられなければならぬことは当然でございます。いろいろ御批判もございますが、そうした面におきましては、さらに指導を強化いたしまして、安全第一というこの航空の鉄則を順守させるように努力をしてまいりたいと思います。
  126. 岩間正男

    岩間正男君 今度の事故の損害はどれぐらいに見積もっておりますか。これは物心両面から考えたら、とてもはかり知れないと思うのでありますけれども、まあ物的な損害だけでどれぐらい見ておるのですか。
  127. 堀武夫

    説明員堀武夫君) YS11自体の機体、機材については四億八千万ぐらいでございます。その他遺族の補償等は、まあ前回の727の例によりますと、一人五百万ということになっております。
  128. 岩間正男

    岩間正男君 まあそのほかに、あの救難のいろいろな費用などというのは、これは国家負担なのか、会社負担なのか。こういう点を明らかにしてほしいと思うのでありますが、そういうものとか、あるいは遺族があすこで過ごす時間、経済的負担、こういうものが今度は総計される必要がありますが、数十億に達する。727のときの計算などというものは、これはされていないと思うのです。そうしますと、どうです、過当競争で、もうかれば何でもやる。しかし安全のほうはなおざりにされる。安全のほうに目が向かない。その結果、一ぺん事故があると、ばく大な損害になる。これは、採算の上から考えても、安全を度外視したところの経営というものは、当然こういう危険が伴うということになる。これは大損害なんだ。これは全日空が再び立てないとも考えられる。こういうふうに考えると、安全そのものも、会社の経営の中で非常な重大なものになってくる。したがって、過当競争の排除というものは、人命尊重が第一。同時に、会社の経営そのものも、ほんとうにそういう問題に徹していれば、もっとこういう問題は、人ごとならずやらなければならぬと思うのです。こういう問題について一体いまの業者に見解があるのか。こういう点は、いろいろな航空事業の全般、ことに下の労働体制なんか見ると、全然そうでないように考えられてくる。こういう点について、ほんとうに一体どれだけの指導をしているのか。こういう点に目が向いておるかどうか。私はどうもそういう点では非常にこれはおろそかにされていると思うのですが、いかがです。
  129. 堀武夫

    説明員堀武夫君) 一たん事故が起こりますと、航空会社自身にとってどのようなことになるかということは、まあわれわれ言うまでもなく、会社自身が一番痛切に感じておるのではないかと思われます。直接損害のみならず、自後の営業活動の、信用というものをはなはだしく落とすわけでありますから、そういう面から、安全性という、安全確保というのは営業の基礎であるということは、もう航空会社自身が痛感をしていることだとわれわれは思うのであります。したがいまして、われわれとしても、常に安全性を言っておりますが、いろいろの面でそういうことをきびしくチェックしていく。いろいろな安全整備規程の認可だとか、運航規程の認可だとか、そういうことに関連して、常に安全確保ということを第一に考えてチェックしておるような次第でございます。
  130. 岩間正男

    岩間正男君 まあいまの答弁ありましたが、どうもいまの答弁とは——実態はね、ものすごい。そこにみぞがあるように思いますよ。私も現地に行きましたし、まあいろいろ実情もキャッチしているのですがね。そこのところは単なるここの答弁で終わりになる。  それで伺いますが、費用ですね、捜査の費用などはこれはどうなんですか、負担は。
  131. 堀武夫

    説明員堀武夫君) いま海上捜索には海上保安庁、それから海上自衛隊等の国の機関が中心になって当たっておりますが、これらの経費については国の負担というふうに考えます。それから漁船等の出動をお願いしておりますが、これらの経費は会社負担というふうに考えます。   〔理事谷口慶吉君退席、理事吉田忠三郎君着   席〕
  132. 岩間正男

    岩間正男君 過当競争の排除の問題につきまして、いろいろ言いたいのですが、先ほど言いましたように、大倉委員の詳細は質問がありましたから、私は重複を避けますが、もう一つ、この問題とも関連するのですが、国家の政策として、日本の総合交通政策とも関連するのですが、一県一飛行場というこのモットーはどうなんですか。日本の実情に合うのですか。まあアクセサリーみたい、戦後いろいろ実態の伴わない架空のものがずいぶん流行しました。まあ日本の大学などもその例だと思う。中身は高等学校以下の大学もだいぶあるのです。看板だけは大学を掲げている。ところが、そういうものと同じように、一県一飛行場ということで、どこもかしこも、どの県も、何かこれを持たなければぐあいが悪い。いわばいまの流行みたいな心理にかられて、そして非常に苦しいいまの地方財政の中でやりくりをやって、そして飛行場をつくっているというのが実情ではないですか。そうすると当然これに対して、この設備も非常に不完全、人員も不足だ、何からかにまで不足なところにこの飛行機だけが乗っかってくる、こういうかっこうになるのでありますから、当然このような政策について、はっきりした計画的なこれはプランというものを樹立するということは必要だったと思うのです。それで、いまこういうもの発足してしまった。松本飛行場みたいに、飛行場つくる。さっぱり飛行機は来ない。大騒ぎやっているところがありますけれども、結局飛行機を呼ばなければ仕事にならないから、そこで民間航空を出すということになったのですが、これはどういうことなんです。こういう問題について十分に再検討する必要はないですか。アクセサリーみたいなこのやり方ですね。こういう流行心理みたいな大勢がやはり今度の一つ原因になっているということを私は考えざるを得ない。これは過当競争とも関連があります。これとは別個な問題とも同時に考えられるわけですけれども、これに対する考え方をこの際お聞きしておきます。
  133. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 運輸省といたしまして、一県一空港というような方針を打ち出したことはございません。むしろ空港は、現在ある空港をいかに整備するかということが肝要であると存ずるのでございます。したがいまして、先ほど来申し上げました今後の空港整備五カ年計画というようなものも、現在の空港をまず整備をするということに重点を置いておるのでございまして、新しい空港の新設というようなことは考えておらないわけでございまして、御指摘のように、ただどこでも空港らしきものをつくっていいというようなことでは絶対ないと考えております。
  134. 岩間正男

    岩間正男君 まあそういう御答弁ですがね、しかし結局、認可するのはどこなんです、運輸省なんでしょう。そうすると、地元の要求を、まあとにかくいろいろ署名なんかをつくる、あるいは地元の有力者たちが、ボスたちがそういうものを自分の仕事にするというので、これを運輸省に持ち込んでくる。そうしてできた飛行場が相当あるんじゃないですか。こういう点からいいますというと、問題は基本的な日本航空事業、こういうものの計画、このプランがほんとうに確実なものができていない。できていないでやはりそういう時勢の、下からのいろいろなこれは要望に結局まぎらわされる、こういう時代になってきたのが現状を来たしているんですね。ですから運輸大臣、いまそうお話しになっていますけれども、これは運輸省自体の責任ですよ、許可するのはこれ運輸省なんですから。なぜ許可した、それなら。ここのところは私は非常に問題なものですから、再検討をどうしてもこれはせざるを得ない問題だと思います。  まあ、時間の関係から次に進みますが、第二の、先ほど申しましたわれわれの要望の中の、この米軍の空の制限に対して撤廃する方向を、あらゆる機会、あらゆるルートを通じて行なうということでありますが、これはこの前、千葉の新国際空港をつくるときに、中村運輸大臣は、もう富里地区はだめになったということで立川、横田のほうに交渉をして、そうしてここのところの使用をどうしてもこれは切望したい、こういうようなことを始めたのです。ところが、これは途中で立ち消えになっている。この経緯はこれはどうなんです。  それからもう一つ私は問題になるのは、ブルー・ラインです。ブルー・フォーティーンをこのままにしておいて、羽田の空港一体いつまでこのままにしておくことができるのか。西の壁でもって閉鎖されている。あそこは通れない。そういうことでわざわざ大島三原山を通って、そうして迂回をしなければならないという日本の姿、これが首都の姿ですよ、首都の空港の姿ですよ。こういう問題が理由になって、そうして国際空港を今度は三里塚のほうに、地元の多くの反対を押し切ってこれをやり遂げようとしている点ですね。これは私は非常に重大な問題だと思うんでありますが、どういうルートを通じてどのように一体どういう方針をもってこれは交渉されようと考えておられるんですか、この際具体的にお聞きしたい。
  135. 堀武夫

    説明員堀武夫君) 国際空港の新設にからみまして、米軍の厚木、横田、立川というような飛行場が、一群の飛行場があるわけでございますが、あそこを返してもらって国際空港にしたらどうかという御意見をよく前からもお聞きしておるわけでございますが、これにつきましては技術的に、あの米軍の四つの飛行場の中の一つをつぶして民間航空の国際空港にするということは、非常に接近した空域の中に一群の、四つ接近した軍用飛行場群の中に民間空港をつくるということは、恒久的なやり方としては適当ではないというふうにわれわれは考えてきたわけであります。それで、中村運輸大臣のときに起こった問題は、新空港をつくるまでには相当な時間がかかると、その間に羽田がオーバーフローした場合にどうするんだ。それの救済の方法として暫定的にでも米軍の飛行場に離着陸を許してもらうことはできないのかと、こういうような話がありました。中村運輸大臣のときに米大使館を通じて、日本の外交ルートを通じて、そしてこの意向を聞いたという事実はございます。その返事は、それは困るということでございました。  それからブルー・フォーティーンの航空路をはずすことはできないのかということでございますが、このブルー・フォーティーンの空路の下に、先ほど申しました軍用の四つの空港が存在する以上、この空路自体をはずすということはできないことと思います。それで、ただこのブルー・フォーティーン自体は米軍の専用の空路であって、一般の民間が通れない空路では決してございません。ですから、これは一般の空路と同じように民間航空も利用できる空路でございます。
  136. 岩間正男

    岩間正男君 どうも奇怪な答弁だと思うのですね。ブルー・フォーティーンあって何ら差しつかえないようなことになるが、実際はしかしそうはいかない。絶えず制限され、あそこが通れない。通れば管制にひっかかる、そういうことであるから、そういうことをおっしゃってもこれは実態に合いませんよ。  それから米軍に許してもらうというようなことを言っておるんだが、これは安保条約を唯一無上のたてまえとしている、そういう政府の、官僚のことですから、あなたの御答弁ということになるんだと思うが、そういう根性じゃ話にならぬと思うんですね。やはり首都ですから、これは一千万の人口を持っている東京、神奈川や埼玉、千葉、そういうところを入れれば一千六百万の人口がある。ここで一ぺん事故があればどういうことが起こるかということを考える。ことに、いまのベトナムの戦争の激化の中で、どういうふうにこれは使われているか。私がくどくど申し上げる必要はない。民間の羽田でさえ、御承知のように米軍の輸送のために年間少なくとも二十万近い米兵が輸送されているような現状です。こういう中で、非常に安全から考えてもたいへんな問題で、われわれは首都に米軍の基地を置くこと自体が間違っていると思う。これをやっぱりやめさして、はっきりとこれを民間の空港に転換していく。そうして徐々にブルー・フォーティーンなどという全く民族の首かせみたいな制限を撤廃するという方向日本の政治体制を切り開いていくということが重大だと思う。堀さんの立場からそういう御答弁になると思うが、大臣はまさかそういうことは、私はほんとうに日本国民要望の上に立っておるというふうには考えられないのですよ。だから、この問題、具体的に大使館にお願いするくらいの話で、一体問題解決つくんですか。この前、中村運輸大臣は、日米経済合同委員会にこれを持ち出すかどうか。持ち出すというようなことまで言っておった。ところが結局は持ち出さないでしまった。こんな軟弱な、こんなへっぴり腰で何ができますか。私はそういう意味で今度の事故、これには直接関係ないかもしれませんが、今度の事故だって、岩国の管制の中にあるのですよ。あそこの空の管制は全部岩国がやっているんです。松山まで行って調べました。こういう事態を考えますというと、この問題、決して遠い問題ではない。身近な、やはりわれわれのいろいろな権利を束縛し、われわれの生命の不安を大きく拡大している問題なんですから、このままであってはならないと思う。しかし、ここのところで議論をしている時間もございませんから、私は次に移ります。  そこで、安全の問題ですね、これは要員もちゃんと確保されているというような答弁だったし、はたしてそうですが。松本さんか、現地に行かれたのは。松本さんでしょう。どうです。要望聞かされたでしょう。あそこの所長、あの労働者、こういう人たちの人員確保についての要望というのを聞かれたろうと思う。これは答えてくださいよ。どういうことです。
  137. 松本登

    説明員松本登君) 現地の所長から、人員の要求を先生と一緒に聞いてまいりました。事務所といたしましては、七名の増員をほしいという要求でございます。内訳は、管制関係を二名でございます。それから運用課の課員を五名でございます。合計七名の増員を希望しておりました。
  138. 岩間正男

    岩間正男君 一緒に聞いたんだから少し違いがあるようですけれども、管理の人をもう一人ふやしてもらいたい……、お調べになったかどうかわかりませんが、現在は管制は五人、そのうち一人は見習いで使いものになりません。それから運用は五人、管理のほうは四人、部長を入れて十五人でしょう、所長を入れて十六人。これに対して、少なくとも最低、あすこの所長の要望として聞いてみますというと、所長を含めて二十二人、五〇%の人員要求がどうしても必要だ。それでないとなかなかあすこの運営がつかないというような、そこまでは言いませんでしたけれども、とにかく内輪な要求としてこういうことを言っている。かりにどうです、ここで二倍の増員をしたところで三十人。そうするとやはり事故率というものは非常に逓減させることができる。安全の確保のために役立つわけですから、今度の、たとえば何十億という損害を考えてみたら、あすこで十五人の人員を増員するということが何ぼ安上がりかわからないというふうに思うのですが、どうでしょう。この点についてどうお考えになりますか。
  139. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 松山に限らず、その他の空港等において、管制要員あるいは運営の要員等が十分とまで言い得るかどうかという点は、いろいろ御批判があろうと思います。従来とにかく事故その他の空港の運営に、あるいは航空機の離着陸に支障のないだけの定員を配置はいたしておりますが、しかし、必ずしもそれが十分だというわけにもまいらぬと思います。したがいまして、春の事故以降予備費で増員をし、さらに今後これを増員をいたして要員確保したい。また、そのために、特に保安要員につきましては、その訓練施設整備をいたしたいということで概算要求をいたしておるわけでございます。
  140. 岩間正男

    岩間正男君 先ほど答弁にもありましたが、定員一ぱいいるわけでしょう。先ほど予備費でふえたのは一人でしょう、見習いの管制官が一人ふえた。あの事故のあと何があったかというと、それだけですね。定員そのものが問題じゃないですか。定員について再検討をするという基本的な態度をとらなければ抜本的な解決はあり得ないと思うのですが、これはいかがです。ここで各空港の定員について再検討する、これは羽田をはじめとしてどうですか、この点。
  141. 堀武夫

    説明員堀武夫君) 定員につきましては、毎年増員要求をやっておるわけでございます。たとえば、本年度も五百七十九人、これは必ずしも管制官だけじゃございません。が、それだけ要求をいたしましたが、定員の壁というものは非常に厚うございまして、われわれ事務当局にとりましては、政府全体として定員不増という大原則があるようでございますので、いろいろその壁が厚いわけでございますが、五百七十九人の要求に対して、百九十五人というような、たとえば、話でご、ざいます。ですから地方の航空官署における定員も必ずしも十分でないと思っておるわけでございます。ですから、このとれた定員、いまある定員の範囲内で張りつけておるわけでございます。われわれとしては、今後とも、定員の現場における増員を第一といたしまして、必要ないろいろな面の定員の増加に一段と努力をしてまいりたいと思っております。
  142. 岩間正男

    岩間正男君 そういう御答弁ではだめなんですよ。ここで定員をあなたたちは再検討する、これだけはふやさなくちゃならない、そうしてそこに大蔵省のおかしらが見えておりますけれども、こういうところに働きかける。しかも、この問題は単に政府の方針だけでなくて、一般の世論によっても結論の出る問題でしょう。そうしてやらなければ……、そうでないものですから、とにかく現在の定員の中で何かやるといったら必ず労働強化になるのだ、ならざるを得ないのだ。便数はどんどんふえるでしょう、便数はどうでしょう、松山の場合。調べましたか。いまから数年前に比べて何倍になりましたか。数年前は二便だったでしょう。現在十六便でしょう。八倍にふえている。定員のほうはほとんど関係ないというようなことになったら、現在持っているのでまかなうということになればどうなるんでしょう。必ず労働強化になって、その結果当然国民の生命の安全というものを脅かしてくるという事態に気がつかなければならぬですよ。大臣どうです、一体、この問題、抜本的に、定員を根本的に検討しなさいよ。航空事業の安全性確保のために目標をはっきり打ち出すべきだ、PRをやるべきだ。そして大蔵省のもしも頑強な壁があったら、全くがんこでわけのわからぬのがあったら、これは大いにたたきっぷさなければだめですよ。どうなんです、大臣の決意と、それから大蔵省主計官には気の毒だけれども、なにがいないのだから……、しかし伝えてください。そしてよく末端のところでふさがるから、あなたはここの責任なんでしょう、航空関係の、そうでしょう、予算を組む。いま予算編成期なんだ。予算編成期のときに検討する、いまいいシーズンですよ。こういう問題を、せめて遺族の犠牲をそういう方向にかえていく、これが必要だ。現に六十一歳のある遺族は、大臣に向かって、切々と子供の死体は揚がらないかもしれない、しかし、揚がらなくても、これがほんとうに再び繰り返さない、そういういけにえになるなら、私は意義があると涙を流して言ったでしょう。大臣は忘れてないでしょう。だからそういうものを、その場限りでなくて、これを通し、そして大蔵省の頑強な壁なんかふつ飛ばさなければだめですよ。これは一つの障害になっている。これはよくわかっている。その点で両者のこれに対する見解を聞いておきたい。
  143. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 繰り返すようで恐縮でございますが、従来とも施設の増、あるいはそこの便数その他の増に従いまして、そうした要員は増加をいたしてまいりました。しかしながら、これで十分とまで言えないわけでございますが、さらに、こういう保安要員等につきまして、現場でどうしても必要な人員なんでございますから、こういうものは一般の管理職の増員等とは別個の観点で確保するということに努力をいたす所存でご、ざいます。
  144. 荒巻与四郎

    説明員荒巻与四郎君) 人員につきましては、政府として、先ほどからお話が出ておりますとおり、全体としてできるだけ増加を抑制するという方針がとられておりますが、その反面、空港関係については、施設が急増しているということで、私ども非常にその処理に苦慮しておるところでご、ざいますが、極力その中で努力をいたしまして、必要な人員はつけるというふうにつとめておる次第でございます。今度また運輸省のほうで、最近の実情に応じて御検討なさるようでございますので、運輸省のお話をよく聞きまして、検討してみたいと思います。
  145. 岩間正男

    岩間正男君 ここだけの答弁にしないでくださいね。われわれは見守っておるのですからね。そして、実際は所長の切実な少なくとも五〇%最低の要求があったのです。これを六〇%の人員をふやしたって何でもないことだ。それがどんなに安全のために役に立つかということがはっきりした場合、採算の上からいっても、これはいいわけですよ。そういう点について、これはもうその場限りの答弁では絶対だめですよ。第一、実情をもっとやっぱりこれはっかんでおく必要があると思うのですね。ことに管制官の問題ですれども、どういうことになっているか。管制官が現在いまの三人、そして一人とにかく見習いが来ている。五人というかっこうになっていますけれども、これがどういつだ一体事態になっておるか、私は実情を調べた。この管制官の賃金、あそこで大臣お聞きにならなかったと思いますけれども、こういうところはやはり視察に行かれたああいうときに目が向くようだと、大臣視察もむだでないと思う。上のほうばかり見ないで、やはり管制官の賃金がどれくらいだったか調べましたか。大臣どうですか。
  146. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 調べてはおりません。
  147. 岩間正男

    岩間正男君 これは二十八歳と二十九歳の人と私会って聞いたのです。これは航空手当が八%入りますよ。一人は、家族構成はおくさんだけ、もう一人の人はこども二人、家族構成四人。大体手取りでどうかと聞いてみたら、どのくらいだと思います。二万五千円ですよ、あの航空管制官。それで、しかも労働状態はどうかというと、先ほど大倉委員から話が出ました、七時半から七時半。しかし、七時半に帰ったということはほとんどない。ここに資料があります。これは日記から私たちは写してきたものであります。十月にどれだけの一体超過勤務をやっているかといいますと、十月二日、三日、七日、十二日、十三日、十五日、十九日、二十一日、二十三日、二十六日、一カ月のうち十回超過勤務。そして、自分が帰ろうと思ったって、そのうちに航空会社のほうから延ばしてくれないか、延ばさないわけにいかない。結局時間を延ばす。そうして、この労働に耐えているわけでしょう。十一月になるとどうかというと、一日、十日、十一日。それで十三日のあの事故発生後は徹夜ですよ、四日。四日間徹夜しておる。私はあぶなかったのですよ。あの航空管制官管制する飛行機に帰りに乗らなければならなかった。だから所長さんに対して、緊急にでもあそこに増員をして休ませなさい、こういう勧告をしたのです。これは差し出がましかったかもしれませんが、これは私の命だけの問題じゃない。また事故が起こってごらんなさい、たいへんなことになるから、そういう要求をしたわけなんだが、こういう実態ですよ。これに対して、超過勤務手当、あるいは深夜手当が出ていると思いますか。どうですか大臣
  148. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) そうした時間外の勤務について十分な超過勤務手当は出ていないのではないかと考えます。
  149. 岩間正男

    岩間正男君 十分などころか、もらっていないと言うのですよ。これはどういうのか、実態調べてください。こういうことあるのですか。一カ月に十日もオーバーワークをやっているのですよ。そして、一体その仕事というものはどんなに神経のすり減る仕事であり、その仕事はどういうふうにこれは人命の安全に影響するかということを考えてごらんなさい。ちょっと身の毛のよだつような感じがするのですがね。こういうような問題について、管制官の増員ですとか、そして募集をしたが、六十人募集が三十人しか来ない。その原因というものはどこにあると思いますか。なぜ一体募集難なんです。管制官になり手がなかった。どう考えますか。
  150. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) まあ管制官になる希望者が少ない。これは結局公務員あるいは一般に言えるのかもしれませんが、特にああいう現場の相当神経を使わなきゃならぬそうした仕事に対して、現在の給与体系、公務員の給与体系、特にこうした方々の給与体系が必ずしも十分でないということが一番の原因ではないかというふうに考えます。
  151. 岩間正男

    岩間正男君 そうすれば、この点についての改善というのは、私は当面した安全度とも関連して非常に大きな問題だと思うのです。とにかく仕事としてわれわれはがんばってやっている、こう言っていますけれども、それなら満足してやっているかどうか。この前羽田の事故が起こったときには、総理大臣航空の労働者たちと会った。そのとき総理は約束したのです。待遇改善をやる、ベースアップをやると。それを頼みにしてやっていたけれども、いまだに何のときもない。せめてあのときの約束を実行してもらいたいというふうな切実な要求をされました。これは大臣どうして果たすのです、この問題。
  152. 町田直

    説明員(町田直君) ただいまの御質問に対する直接のお答えになるかどうかわかりませんが、まず、超過勤務につきましては、大臣から御説明ございましたように、確かに十分ではございませんが、現在の航空局の超過勤務の予算では、大体地方の空港でございますと、一人一カ月七時間分というのがございます。そういうもののほかに、特に超過いたしまして要求がございました場合には、中央留置というのがございまして、それから配付することにいたしております。だだし、その場合には、全部配付するだけの予算は大体の場合ございませんので、五〇%あるいは三〇%という程度になるケースが多うございます。  それから、今回の事故のような場合には、まず、ただいまもいろいろ御指摘ございましたが、とりあえず航空局といたしましては、十二人の本省並びに大阪保安事務所、それから福岡保安事務所から急拠応援を出してやっております。  それから今回の事故のような場合の超過勤務その他につきましては、予算のやりくりをいたしますか、あるいは財政当局と相談いたしまして、予備費をいただきますか、いずれにいたしましても、そういうような措置でできるだけの超過勤務上の措置はいたしたいというふうに考えておる次第でございます。  それから管制官の手当につきましては、これもただいま御指摘がございますとおり、調整額は八%ついておる次第でございます。そのほかに、管制手当といたしまして、日額百五十円というのがついておりますが、これではまだ不十分であるということで、例年、毎年人事院並びに大蔵省に新しい要求をいたしておりますが、来年度も調整額をさらに引き上げまして、調整額四、すなわち一六%、それから管制手当は二百円ということでただいま折衝いたしておる次第でございます。
  153. 岩間正男

    岩間正男君 問題はこれは、一般の労働政策の問題になることで、同じようなことが国鉄の職員にも皆これは言われることなんですけれども、私は、ここだけに限って言うことじゃない。全体の水準が低い。そこへ持ってきて非常に特殊な、しかも人命に関係のあるこういう仕事なんでございますから、そういう航空手当とかなんとかが八%などというようなことでは、これは問題にならないわけですよね。大体二万五千円で子供二人でこれは暮らしていけると思いますか。この管制官の先というものは見えるような感じがする。それから結局やめていくというのですね。なり手がないんです。これは隘路じゃないですか。この問題を抜本的に解決することなしにこれは問題になりません。ことに、いま病気になって休むことができないということですよ。これくらい悲惨なことばは私はないと思う。病気になっても休むことができない、こう言っておる。それほど管制の仕事は最近非常にふえてきた、そういうことですよ。そこで大体二便のときに管制官三人いたそうです。十六便になったら八倍にふやす、そういうふうに言うのは、まあ算術どおりにはいかないでしょうが、何人ふえましたか、わずか一人ですよ。仕事は八倍にふえておる、人員はわずかに一人。こういうアンバランスがやはり大きな原因になっているとは思いませんか、大臣いかがでしょう。こういう点についてほんとうにメスを入れる考えがあるかどうか伺いたいと思います。
  154. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) たとえ一便でも、それに必要な要員は要ると存じます。したがいまして二便のときに三名で、十六便になって四名ということが、必ずしも一それだけで非常に不合理だということは言えないと思うのであります。ただ、全般論として、こうした保安要員については十分でございませんので、繰り返すようでございますが、先ほど来申し上げたようなことで、この確保につとめたいと考えておるわけでございます。
  155. 岩間正男

    岩間正男君 とにかくこういう論議を私たちここでやっているわけだ。さて忘れたころに事故は来る、災いは来るというんだが、まだ残念ながら、半年くらい後にこういう問題が起こらないという保証はないのであります。一ぺんこりているんですから。この前あれだけ論議した。当委員会も、同僚の議員たちがかつてないほどの熱意をこめて論議した、これを繰り返させないために。しかしここで議論して、これだけ声を大にして論議しても解決できないという日本の政治の実態、これが今日大きな問題になっておる。これがいま国民から、ことに遺族たちから大きな暗い目で見られているんですよ、大臣このことで思いをいたしていただきたい。われわれの論議はむだなそういうもので終わってしまっていいはずはないんです。われわれはそういうことを約束して帰ってきたつもりですよ、そうでしょう。ですからここだけで答弁した、さて予算編成期を迎えた、予算書を見たら何の変わりもなかった、ちょっぴり予備費がふえた。人員はちょっぴり申しわけ的にふえた、そしてまあまあだと言って三ヵ月過ぎた。そこへたいへんな大事故があった。また再びこれを繰り返さないと、印刷物を刷っておいて言えるほどのこういう文句では話にならない。そういうことを切実に感じました。私も党から派遣されたんですから、むだに行ったんじゃありません。どうしてもこういう問題について、われわれ共産党としても、対決をしなければならぬし、これをむだにしてはならぬから、ここでこういうことを申し上げているんですけれどもね。この点についてほんとうに深刻に考えてほしいと思う。整備員についても同じです。整備の人員は何人いるんです、あそこは。それから会社の何は何人いるんです。ついでにこういう人員の何がわかりますか。これがなければ資料で出してもらってもいいんだが、どうなっています、松山空港の場合は。
  156. 堀武夫

    説明員堀武夫君) 整備とおっしゃいましたか、警備とおっしゃいましたか。
  157. 岩間正男

    岩間正男君 整備要員ですよ。
  158. 吉田忠三郎

    理事吉田忠三郎君) 速記をとめて。    〔速記中止
  159. 吉田忠三郎

    理事吉田忠三郎君) 速記を始めて。
  160. 堀武夫

    説明員堀武夫君) 整備ということでありますと、これは会社側の要員のことでございますね。
  161. 岩間正男

    岩間正男君 いまわかるならちょっと言っておいて、あとで資料で出してください。
  162. 堀武夫

    説明員堀武夫君) いまちょっとここに資料ご、ざいませんので、あとで資料で出します。
  163. 岩間正男

    岩間正男君 そこで、これは大倉委員からも出たのだけれども、乗務員の切実な要望というものは、これは私はほんとうに身にしみてキャッチしてもらいたい、やはり問題があって、頂上だけ見ていたら問題のありかはわからない。私は絶えず、だからその態勢、そこに働いている労働者の姿、これが基礎なんですから……。一切の安全のこれは基礎になっているのですから、ここを足場にしなければ、どんな行政もこれは成り立たないのですから、そういう点からいいますと、どうでしょう。これは大臣、御存じかどうかわかりませんけれども航空安全推進連絡会議というものができているのを御存じですか。これは日航の労働組合、日本航空乗員組合、日本航空整備労働組合、AGS労働組合、全日本空輸労働組合、全運輸省労働組合、全税関労働組合、全気象労働組合、日本国内航空労働組合、全日本空輸乗員組合、BOAC労働組合、パン・アメリカン労働組合、NWA労働組合、伊藤忠航空整備労働組合、IAU労働組合、この組合の人たちが寄りまして、これはこの春に三回のあの事故が続出したあとに、何といってもあすこの労働者として非常に責任を感じ、そうして人命の安全を守るというその責任、それにつけても、労働条件についてはっきりこれは要求すべきだ、要求しないことが今日の事態を起こしたのだ。むしろ積極的にこれを要求して実現していく、そうして安全なそういう態勢をつくるための土台を確立しなきゃならぬ、こういうことでこれがなされた。そして要請書というのが出ているはずです。ところが、これに対してほんとうに耳を傾けたかどうか、逆じゃないですか。これは労働者の争議だ、上の命令に従わないと、むしろ弾圧態勢をとってどんどんこういうものをくずしていったというのが、あの九カ月間の実際のこれは姿勢のあとじゃなかったんですか。私はこれは非常に重大だと思うのですね。これはまあ要請書が出たからここで詳細を申し上げませんけれども、とにかく簡単に読んでみますというと、「運輸省は、国際民間航空機関およびILO民間航空特別会議が採択した安全確保に関する基準を忠実に守り、これらに基づく安全基準を定め、各社の乗務割、運航規程および整備規程は、その基準を上まわるものについてのみ認可すること、」第二に、「運輸省は、前項の基準および規程の履行状況を厳重に点検監督すること。」第三に、「運輸省がおこなう路線、便数、機材の免許、許認可にあたっては、施設および要員の能力が安全を維持しうるに充分であることを確認のうえおこなうこと。」第四に、「前項の免許、許認可に際しては、現場で働く運輸省および航空関係企業の労働組合の同意をえたうえでおこなうこと。」第五に、「航空の安全に関係する施設の拡充および整備を次のようにおこなうこと。」ということでILSの問題とか、レーダー、VORとか、ランプ地区とか、スポットの問題とか、それから検疫の問題、税関、出入国その他の問題、気象観測機器を完備することとか、そういうようなものをあげております。  第六に、「業務量および施設に見合う要員確保し、安全に業務をおこなうに必要な教育および訓練をおこなうこと。」第七に、「労働条件、職場環境、待遇を次のように改善すること。」というので、待遇改善の要求がなされています。「運航乗務員、客室乗務員およびその訓練生について(一)運航規程中、労働条件に関する部分は、労使の協定に基づき、運航規程に明文化すること。(二)航空機、乗務員の労働条件は、企業間の格差をなくし、統一すること。」そしてその次の小さい(1)「ジェット機乗務員の月間乗務時間は八〇時間以内とすること。(2)着陸回数による乗務時間制限を設定すること。(3)国内線については三日以上の連続乗務をさせないこと。(4)乗務員の月間拘束時間は、一六〇時間以内とすること。(5)乗務員の送迎制度を確立すること。」こういうようなものがあげられています。  さらに「整備従事者について」、それからこれについてのいろいろな問題が出されて、それから「ランプ業務員について」、それからさらにまた腰痛病も発生するのでこれに対する要領の問題、それから管制要員、保安要員施設要員を大幅にふやすこと。それから宿舎の問題待遇の問題、夜間勤務の問題、こういうような問題について出されております。何よりも「航空事業においては、そこに働く人々の精神的安定が安全運航維持のうえにとくに重要である」。ところがどうも「民間航空における労使関係は、極度に悪化しており、そこに働く人々の間に不安が生じている。従って、各企業は、労使関係の正常化のために、」組合に対する不当介入をやめろ、違法な首切りや処分を撤回して、完全復職を認めろ、「管理職は組合への介入、労務管理に専念することをやめ、安全性の維持向上に全力をあげること。」さらに、事故によって負傷し、または死亡された乗務員に対する補償を誠意をもって行なえ、こういうことをあげておるわけです。これはぜひやっぱり、この場限りの問題にしてはならないのですから、この土台をはっきり確立するという立場に立たなければならぬ。先ほどもこれは大倉委員とも約束されたようでありますけれども、こういう組織があるんですから、この組織の代表と、これは早い機会に会って、十分に意見の交換をするという態度をとるべきだと思いますが、これは局長いかがですか。——大臣見えておるのですが、大臣から御答弁いただければいいのですが、どうなんです。安全推進連絡会議から出されている……。
  164. 吉田忠三郎

    理事吉田忠三郎君) 岩間委員大臣がちょっと立っておりますが、細部にわたって聞いておりませんから、事務の問題ですから堀局長から答弁さしてください。
  165. 堀武夫

    説明員堀武夫君) ただいまお読みになりました要望書を出された団体のメンバーと会ってよく話を聞く気持ちはないか、こういう御質問ですか。
  166. 岩間正男

    岩間正男君 そうです。
  167. 堀武夫

    説明員堀武夫君) いつでもお話を伺って、十分に参考にいたしたいと思っております。
  168. 岩間正男

    岩間正男君 単にこれはあなたたちが履行しているとかそういう関係でなくて、ほんとうに労働者の貴重な意見を聞く、そしてほんとうに身につけて実践するという立場でやっていただきたい。  最後に、遺族の補償の問題ですが、これはどう考えておられるのか。五百万というようなさっき話があったが、羽田の問題はいまだに解決しないで残っていると聞いている。これはどうなんですか。大幅にふやす、このふやす根拠というものは、こういう事故を繰り返せば、結局はそのほうが大損になるものだということがやはり身にしみる。それを具体的にあらわすのが補償金の問題だと思うのです。だから、そういう点からいうと、補償金を多く出すということが、このような災害を再び繰り返さない保証として非常に私は重大な点と考えるのですが、そういう点から言いますと、この補償の問題が当然起こってきます。遺族はいま悲しみに打ちひしがれていますけれども、しかしいろいろな生活条件を持った方たちが多いのですから、当然この問題、そして物心両面から、償い切れないけれどもこれを償う、せめてものそういう努力をすべきだと思うのですが、こういう点について、格段の努力を私は大臣要望したいと思うのですが、これについての見解をお聞きしたいと思う。これで終わります。
  169. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 遺族補償が十分であることは当然でございまして、もちろん運輸省として幾ら出せというような問題ではございませんけれども遺族方々が十分御納得のいくような補償ができることを指導をいたしたいと思います。またその他、両親を失われて孤児になられた方々とか、あるいは母子家庭につきましては、これは政府としても、前回の例もございまして、十分やってまいりたいと考えておる次第でございます。
  170. 木村美智男

    木村美智男君 だいぶ長時間にわたって質問がされましたから、時間のことも考えまして、あまり演説にわたる部分は抜きまして、それから重複を避けて、少し技術的な問題に入りましてお伺いしたいと思います。  まず第一番に、この運輸省から出された報告書の問題から入りたいと思うのですが、この報告書の中で事故の概要という一番最初の問題、大体ここに書かれておる程度のことであれば、本委員会として特別に報告を受けるという事故の内容とは、これは考えられない。この程度ならばいままで新聞その他に出ておるわけでありますから、したがってこの事故の概要といったようなものはむしろ新聞のほうがはるかに詳しい。   〔理事吉田忠三郎君退席、理事谷口慶吉君着席〕 こういう意味では、これは報告になっていない、こう言わざるを得ないわけです。すでに事故が発生してから——十三日でありますから、五日間たてば、当然、大臣をはじめ運輸省関係者も現地に行っておられると思いますので、もう少し具体的な中身というものがわかっておるはずです。そうして一番私たちが聞きたいのは、少なくとも今度の事故基本的な国の航空政策なり、あるいは運輸省の行政指導なり、こういったような問題が、これはもちろん根源に横たわっておるわけですけれども、直接的には一体どういう原因によってこれが発生をしておるのか。この前三回連続して起こったあの事故の際には、多分に十分な調査もせずに、いいかげんのことを言われちゃ困るということで、口をふさいだきらいもあります。したがって、そういうことを重点に考えてこういうふうにしたのか、依然としてわからないので、この程度の、まあ、当たりさわりのない報告事故の概要にしておるのか、ここのところがまずわからないので、ひとつここら辺からお伺いをしたい。
  171. 堀武夫

    説明員堀武夫君) この報告書があまり簡単であるが、何かもっと詳しいことがわからないかということでございます。詳しいことは、事故の直後に現場に参りました松本術部長から補足説明をしてもらいますが、どういう状態で着陸し、どういう経緯で事故になったかというこの概要がここに書いてあるわけですが、その原因も何日かたっておるから、どういう原因でこういう事故が起きたのかということが何ぼかわかっていないのかというように伺ったのでございますが、これはいろいろな推定というものはなされ得ると思います。しかし責任ある原因究明をしなければならないわれわれといたしましては、かりに八〇%、あるいは九〇%こうではないかというような、あるいはかりにそういう推定ができましても、やはりそういうことは軽率に言うべきではない。やはり最後のとことんまで究明をして、やはり自信を持てるところまで調査をした上でなければ、そういう発言は控えるべきだ、かように思っております。  それで現地におきましては、三人の事故調査官が参っておりまして、当初、松本術部長も参りまして、四人行っておったわけですが、まだ三人残って機体の引き揚げ等を見守っております。昨日は潜水艇の「よみうり」号というのに調査官が乗りまして、引き揚げ前の海底におけるそのままの姿というものをいろいろと調べております。現場保存といいますか、そういう観点から、引き揚げた後ではわからないものもございますので、海底にあるそのままの姿というものを、いろいろと調べておるという報告が参っております。で、そういうようなものを総合いたしませんと、やはり推定というのもなかなか出ないのでございます。そういうような関係で、この事故の概要はまことに不親切なようにお読みになられると思いますけれども、その辺はひとつお許しを願いたいと思います。
  172. 木村美智男

    木村美智男君 いま航空局長の言われた私は方針でいいと思うのです、結論的には。ところが、その五日間、毎日松山事故の問題がテレビなり新聞なりに載っている。その載っている筋というものは、いま航空局長が答えたような筋道に沿っていない。なぜかというと、大体総括的に言えば、これはもう操縦のミスであるという大きなこの筋道が、一つの報道の中心をなしている。しかもそのネタの出どころはどこかということになると、これは運輸省航空局の語るところによれば、あるいは、現地に調査に行った松本術部長の話では、こういった引例のもとに実はいま言ったような不確定な、あるいは推理に基づくようなものが、全部新聞記事になっております。これは私も根拠のない話を言うのじゃなくて、今日までの大体三大紙を中心に、多少の経験に基づいてこれ全部とっているわけですが、ちょっとこの点はいま航空局長が言ったこの方針と少し違うので、私はこれは重大な問題だと、やはりいま本人自身、森機長をはじめとして、これはもう今日おられないわけですから、したがって、これがこうだ、ああだという推定というものは、その間いろいろされることは当然であり、検討はされてけっこうですけれども、それが連日新聞だねになって出てくるということは、これはもういまや決定的なあれは操縦のミスであり、それから失速である、失速によって落ちたのだ、こういうふうに、これはもう客観的に受け取られるような状態になっている。しかし私の判断からすると、いろいろいまから質問する中にも、多少技術的に問題があるのでこれは言うのでありますが、したがって、先ほど述べられた航空局長の方針でいいから、もう少し新聞発表やら見解の表明というものについては、きわめてこれは慎重に扱ってもらいたい。そうしないと、これはたいへんなことになるので、一応この点は強く要望いたしておきます。  そこであなた方のこの大ざっぱなと言われるこれ自体に実は問題がある。それはどこにあるかというと、二行目のこの「松山空港に向けて計器飛行方式により飛行した。」こういうふうにあなた方はこれ書いておるのですけれども、これは事実そういうことで現にやられておるのかどうか、こういうことになっていたのかどうか、その点ですね、多分に誤りがあるので、これはきわめて重要な問題、十四日の読売の朝刊でありますが、このことについてはどういうふうにやっているかというと逆になっている。字がこまかいですが、「午後五時四十分発の松山行きを予定し大阪着午後四時四十五分のフレンドシップが定刻につかなかったので問題のYS−11を松山行きに仕立てたが、同機大阪到着が遅れたので、出発が同七時十三分となった。」ここで大体前にどういうことがあって松山行きになったかということがわかるわけですが、「ところが管制官の手不足や管制施設の不十分な松山空港は、現在午後八時以降は使用禁止となっている。このため森機長は」ここです。「大阪松山間の気象状況検討したうえ「七時十三分離陸、有視界飛行松山へ八時三十二分着陸予定」の飛行計画を、運輸省大阪航空保安事務所を通じて松山航空保安事務所へ提出、承認されたもので、同機飛行計画通り松山上空に到着していた。」こう書いてあるわけです。ここら辺が「松山空港に向けて計器飛行方式により飛行した」問題とどういうことになるのか、これは御説明をいただきたい。
  173. 堀武夫

    説明員堀武夫君) 新聞報道によりますると、航空当局が語ったような形にいろいろな遭難原因が報道されておる、もっと慎重にという御注意でございます。十分今後も注意いたしますが、われわれといたしましては、こういう事故経験を幾度か持っておるわけでございまして、そのたびに事故が起こったその瞬間から、この原因は何と思うかという新聞関係方々質問を矢のごとく受けます。しかし、われわれは非常に慎重に、そういうような場合には口をつむり、あるいは決して軽率な推定をいたさないというのが、事故関係を担当している関係者の態度として常に注意しておるところでございます。新聞にもいろいろございまして、その推定のしかたがいろいろ違っておるのも、出どころが決して一つではない、いろいろ推測記事なり主観による推測なりが出るのでありまして、決してわれわれがそういう発表のしかたをしていないということを、先生に知っておいていただきたいと思います。もちろんそういうような誤解を招くようなものの言い方をしないように注意深くこれからやっていきたいと存じております。  当日のフライトの状況なり、その空港への進入の方式なりそういうものにつきましては、事故の直後現場に参りました松本術部長から話をしてもらったほうがいいと思いますのでさようお許し願いたいと思います。
  174. 松本登

    説明員松本登君) 当日のフライトの状況でございますが、グリーンフォアを通ってまいりまして、それから進入管制は岩国が担当しているものでございますので、岩国と交信をしてまいりまして、それから松山飛行管制松山のタワーとコンタクトしているものであります。そして飛行場の南側のパターンから入りまして陸側から着陸したわけでございます。そのような状況でございます。
  175. 木村美智男

    木村美智男君 実は質問に答えられてないですよ。つまり私が言うのは、大阪を出るときに、これは皆さんのほうの報告書のほうは「計器飛行方式により飛行した。」と、こう書いてある。この新聞報道は、詳しく手続をとって森機長が航空保安事務所に承認を求めて、有視界飛行で行くということでよろしいと言われて来たんだ、こうなっているから、出発から今度は到着の段階の間が、その間どういうことになっているかということを明らかにしてほしい。
  176. 堀武夫

    説明員堀武夫君) 大阪を出るときのフライト・プランは計器飛行になっております。それで岩国の進入管制タワーにコンタクトいたしておるわけでありまして、このときも計器飛行を取り消すということがはっきりいたしておりません。そこで、岩国のテープレコーダーの写しをいま取り寄せておるところです。それでもう日がたっておりますので、送ってくれと言ったのにまだ着かない、どうしたんだと紹介いたしましたところ、一昨日もう発送したということなんです。ところが、こちらにはまだ着かないのです。それでさらにいま、どうして着かないのかということを調べております。なお、この岩国の管制塔から、次は松山のタワーとコンタクトするということにおそらくなっておると思いますが、松山のタワーにもテープレコーダーがとってございます。これはいま警察当局に証拠物件として押収されております。これはいつでもこちらが原因調査のために必要な場合は貸してくれることになっております。これはきょうの十三時半羽田に着くという予定になっております。われわれが役所を出るときにはまだ一時でございましたので、これは確認してございませんが、おそらくもう着いておるかと思います。それらの物証をきちんと調べまして、その上でこの計器飛行をキャンセルしたかしないかということを明らかにしたいと思います。それで、新聞によりますと、管制官の言として計器飛行をキャンセルしてVFRフライトにしたというような報道もございました。この辺がはっきりいたしませんので、いま申しましたような物証によりまして、これを明らかにしたいと思っております。
  177. 木村美智男

    木村美智男君 これは技術的に見ると、きわめて重要な実はポイントを持っておるんですよ。これがはたして出発のときに計器飛行で、あとそれを有視界飛行に指示を求めて承認をしたものであるか、あるいは全然それが操縦士の独断でやられたものであるか、そういう点が実はこの中では全然わかってない。しかも警察にいっておったり、岩国のほうは送ってこないということですから、いまここでは無理だとは思いますが、これはきわめてあとの原因探求の上に大事なものになっておるので、質問はこの点だけ保留しておきます。  それでは、この報告書の十一月十三日、七時十三分大阪国際空港を離陸しとありますね、この点、実は空港の運用時間というものがきめられておるはずです。松山空港は何時から何時まで一般的には使われておるんですか。
  178. 堀武夫

    説明員堀武夫君) 朝の八時から夜の七時半まで十一時間半でございます。
  179. 木村美智男

    木村美智男君 この朝は問題ないんですが、この事故が起こったのは、少なくとも八時半でしょう。そうすると、松山飛行場の使用時間というやつは、大体大阪を出て十七分後には原則的にはもう使ってならない飛行場なんです。そうでしょう。十九時三十分までしか使えない。飛行機が事故があっておくれていったんじゃないのです。あたりまえに、普通にいってなおかつ一時間おくれているわけですね、使用時間から。そうすると、この飛行場の使用時間についてどこが規制をし、どこかこういう監督はしているのですか。
  180. 堀武夫

    説明員堀武夫君) 空港の運用時間というのは、松山を夜の七時半までということをきめてあるわけでございますが、これはもつ。ばら要員配置の面から要員が足りないために、交代制その他から十一時間半という運用時間をきめておるわけでございます。これはよく飛行機がいろいろな都合でおくれてくるという場合がございます。その場合は運用時間からはみ出すわけです。若干ずつのずれは、よくあるようでございますが、この場合は相当ずれてくることが初めからわかっておるわけでございます。したがいまして、初めからそういうはみ出すことがわかっておるときは、大阪をたつときに相手の空港と連絡をいたしまして、これから行くが、まだ運用の係りの担当者は残っておってくれるだろうかということを確かめた上で飛行機を出しておる、こういう関係でございます。こういう面からすれば、管制官その他の要員に時間外の負担をかけることになるわけでございますが、飛行機の延着その他から、よくこういう事態が起きておる。われわれといたしましてはできるだけ運用時間の延長ができるように、旅客の利便が十分はかれるように延長時間を延ばしていきたい、そのために必要な要員を十分確保したい、こういうふうに思っておるわけでございます。
  181. 木村美智男

    木村美智男君 航空局長、重大なことをあなた言われるね。これはあなた、空港の運用時間というのは告示できめられるんですよ、告示できめるということは、運輸省が認可する問題でしょうが。それからこれは初めからおくれているんですよ。初めから守られていないんですよ。これは出発のときからそういうものに対して職員が時間的な負担だとか——連絡をしておけば、それは多少おくれてもやっていけるんだろうと、そんな性質の問題じゃない。もしそういう見解が成り立つなら、告示時間をきめておいたって、夜中の十二時であろうとも、十時に着こうが、そんなことはおくれていくんだからしょうがない、いま言ったように旅客の利便をはかった、そういうことでこれは全くの無原則になるんだよ。何のために告示をしてこの飛行場の運用時間をきめているのか。あなた航空行政の総元締めがそういうでたらめなことを言っちゃいかぬ。そういうことを言ってるから、飛行機は運用時間が、飛行場は七時半までしか使えないというやつが初めからわかっておって、八時半に着くような飛ばし方をする、こういうところに事故原因があるんですよ。これはもっとあとから聞きたいと思ったのだが、それならば、こんなにおくれて行ったのを夜間設備の問題どうなっているのだ、松山飛行場、これについては航空局長御存じですか。
  182. 堀武夫

    説明員堀武夫君) 告示された時間というのは、当然原則としてその運用時間の中でやりますということを周知をしておるわけでございます。したがいまして七時半という告示をしておりながら、十二時ごろ着く便でもやらせるということは、それは非常に極端な話でございまして、そういうことはとてもそれは許すべきではないと思います。この場合のケースにいたしましても、これは七時半前後というには少しおくれ過ぎております。ですから先生のおっしゃるように、これは少しおくれ過ぎでありまして、こういう場合は、あるいは松山のほうで断わるべきであったかもわかりません。しかし、とにかく現実はこういうことでございまして、松山の保安事務所がよろしいという返事をしておるようでございます。しかし、定期便のダイヤ自身は、すべて運用時間内でやるように認可をいたしております。ですから、ダイヤが狂ったためにはみ出したということでございまして、告示いたしております運用時間の外に出るようなダイヤは認可をいたしておらないわけでございます。現実問題としていろいろの遅延の場合がございまして、それがはみ出すときは、あらかじめ相手の空港了解をとり、十分連絡をしてやっている。しかし、極端なようなそういう運用時間のはみ出しということは、これはこれから厳重に注意していきたいと思っております。
  183. 木村美智男

    木村美智男君 この問題であまり論争しようとは思いませんがね。これは航空局長、きわめて大事な問題なんですね。運輸省のやっぱり責任で認可をしている問題ですからね。それをあんたがだね、それに多少お客さんの要望やら、会社の営利本位のスケジュールを組んだということを、何かこれをもって幅があるような解釈をしてどんどん曲げていったら、私はやっぱり十時になり十二時になるじゃないかと言っているのですよ。そんなに非常識なことをしないというなら、じゃあどこに線を引くかと反発したくなるのです。だから、この問題はこれ以上突っ込んではやろうとは思いませんが、もう少し、これは松山の今回の事故だけれども、全体に向けて飛行場の運用時間というものについて、これはある程度これを機会に規制をしてもらいたいというのが、私の言いたいとこなんです。その点をひとつ特にこれは要求をして、この問題は一応打ち切ります。  それからまだ、この報告書の中にあるんですが、気象庁出ておりますか。——この「当時の気象状況」というやつは、雲の状況が三千フィート、それから視程が六マイル、約十キロ、風の状態が弱い北北東の風、天気は雨、煙霧を伴う、こういうようにあるんですが、結論的にこの気象状況は、松山飛行場として常時飛行機が飛んでる状態と比べていい状況なんですか。それとも、悪い状況なんですか。
  184. 今里能

    説明員(今里能君) お答え申し上げます。松山飛行場のミニマムの気象条件は千フィートの雲高、それから夜間におきましては視程は二マイルでございます。その条件から見ますと、当夜の気象状況はさして悪くなかったと考えられるのでございます。  以上でございます。
  185. 木村美智男

    木村美智男君 さして悪いどころの騒ぎじゃないですね。きわめていい条件だね。これは千フィートの二マイルというやつが、もう視程についても三倍だし、雲の高さにしても三倍ですよ。そうしたらこれは松山飛行場としては、きわめて気象条件はよかった、こういうふうに言えると思うのですよ、この場合は。それがどうだというわけではありません。いま気象状況について新聞報道の点とこの点が少し食い違っているから聞いたのですが、したがってこの気象状況がいいということ、よかったということだけはわかりました。したがって有視界飛行といったような問題も、ある場合はこれはとられる可能性というものがある。こういう意味でお伺いしたわけです。けっこうです。報告書の関係は終わります。  多少飛行場の設備の問題に入ってまいりたいと思うのですが、さっき大臣答弁をされて、この前の三回の事故で、もう問題点は出尽くしたのだから、したがってこれからはもう着実に実行あるのみだと、要約すればそういうふうにおっしゃられた。その実行あるのみだということで、航空局長は大体六億五千万くらいの金を使ってその後航空保安施設について改善をはかってきた、こういうお話だったのですが、この松山飛行場は着陸誘導施設としてはどういうものがあるのですか。
  186. 堀武夫

    説明員堀武夫君) 無線施設といたしましてはNDBとそれから対空通信施設としてはVHFの対空無線通信電話がございます。それから基地間の通信施設といたしましてはテレタイプの通信施設がございます、それから灯火といたしましては滑走路灯、滑走路未端灯、進入角指示灯、それから誘導路灯、それと飛行場灯台という施設がございます。
  187. 木村美智男

    木村美智男君 あなたが言ったやつで一つ問題なのはこの進入灯ね。アプローチライト、これは松山にはないでしょう。ないね。そしてしかも進入角指示灯というやつは、従来何というか、使いなれてくるというのじゃなくて、目下テスト中で、あの日あたりが本格的に使うという情勢にあったと聞いているのだけれども、そこら辺は、その二つの問題はどうですか。
  188. 堀武夫

    説明員堀武夫君) それでは航務課長から答えてもらいます。
  189. 浜田幸晴

    説明員(浜田幸晴君) お答えいたします。松山空港の進入角指示灯、これは松山空港滑走路の拡幅工事をやりましたために、、従前ございました位置を変動いたしました。変動して設置いたしましてそれの供用開始の最終的な飛行検査が終了いたしておりませんが、調整その他参考上利用することが便利でございますので、そのような旨をつけましたいわゆるNOTAMを出しておきましてNOTAMにも正式な飛行検査は十二月二日を予定しておると、したがって現在の使用はテストステータスであるという状態で使っていただいておりました。しかし、そのような状態で点灯しておりました場合におきまして、もしこの事故機がそれを利用することによって、その灯光に誤りがあった場合に錯覚の元になるおそれがございますので、そのようなふぐあいがあったかなかったか、これは事故の直後にすぐに調べておくのがたてまえでございますので、翌日の飛行検査を予定いたしましたが、大臣のフライトもできなかった程度の悪天候でございまして、一日延期になりまして、その翌日十五日検査いたしましたところ、所定の角度の灯光が出ておるということが確認いたされましたので、これによるところの錯覚の問題はなかったのではなかろうかといまのところ推定いたしております。
  190. 木村美智男

    木村美智男君 いま説明があったように、多少幾らか専門的になって恐縮ですけれども、非常にお粗末な実は着陸誘導施設しかないのですよ。そうでしょう。まあILSみたいな、これはちょっと高額な、予算もかかるわけですから、ILSはこれは無理にしても、レーダーがない。それからいまこの滑走路の中に試験中の、大体滑走路の端から三百メーターぐらい、百五十メーターごとに横に第一バー、第二バーと、こうできるわけですね。そのもう一つ前に実は進入灯というものが一つあって、ここで目標をつけて初めて滑走路に入ったときの第一、第二のねらいを定めてそこにおりていくわけですからね。その前段の実は進入灯がないというところが、これは滑走路がどこから始まっているかということについてときどき錯覚を起こし、間違いを起こす原因なんです。これはひとつ徹底的に、進入灯がなかったという問題は、松山航空状況としてはたいへんな問題で、先ほど私が飛行場の運用時間をやかましく言ったのは、特に最近日暮れが早くなって、もう八時半といったらまるっきりやみですからね。そういう状況だから、そういうわずかの進入灯ぐらいの大事な設備がないということは、これは進入灯なんていうものはだいたい二千五百万ぐらいでできるそうですよ。これは航空局がよく知っているはずです。さらに中の進入標示灯ですか、指示灯ですね、これなんかでも千五百万ぐらいでできる、こう言われているものが、ようやく千五百万のほうが初めて、これは試験中、その前の二千五百万の進入灯は全然ない。それで七時三十分に大阪をたってよろしい、こういうことになれば、これはやはり航空局はこの事故の一半の責任をあんたらしょわなきゃならぬ、こう言われたってしょうがないですよ。私は夜間着陸施設があるならば、何も飛行場の運用時間が一時間おくれた、あるいは都合によって、気象条件によって二時間おくれたなんていうことについて、そう問題にすべきことじゃないと思う。ところが夜間着陸施設もないところにもってきて、しかももう出発するときには大体これ以降は使っちゃいかんという時間に飛行機を出しているというところに問題がある。それを出すならばちゃんとした設備を備えなさい、こういうことを言っているわけです。この辺はどう考えますか。
  191. 堀武夫

    説明員堀武夫君) 先生は飛行機の操縦をなされた経験がございますので、専門家でございますが、私しろうとで、同じような、松山空港に夜着陸させておったのかという心配をぱっと持ったわけでございます。ところが、先ほど申しましたような施設があれば夜間着陸でも十分できるというのが、私のほうの専門家の見解でございます。それで航務課長が詳しいことを説明を申し上げます。その点の専門的なることを説明を申し上げますが、実は私もそういうような常識的に考えて心配を持ったわけですが、よくよく聞いてみますと、なるほどという、私も納得しておるわけでございます。ですから航務課長の説明をひとつお聞き取り願いたいと思います。
  192. 浜田幸晴

    説明員(浜田幸晴君) 松山空港におきまする計器進入の方式は、利用いたしまする航空保安無線施設といたしましては無指向性無線標識施設でございます。したがいましてADFによる計器進入でございます。そのような保安施設を利用いたします関係上、先ほども御説明ございましたように、この飛行場の計器進入を行なう場合の最低気象条件は、夜間におきましては千フィートの二マイルでございます。そのような最低気象条件に見合うところの夜間施設といたしましては、灯火としては滑走路末端灯それから滑走路灯、誘導路灯等が現在のところ標準的な施設でございまして、進入灯を設置いたしまする場合は、原則としてADFによるところの精密進入を行なう場合に限っておるのが現状でございます。
  193. 木村美智男

    木村美智男君 それはまああなたはそう答えるしかないから、そう答えているのであって、予算をくれないからあなた必要なものをつくれないので、現在できておるやつで、これでしょうがないのだという意味を言っておるのであって、本来それは進入灯もなければ、さっき言った例の指示灯もないというような、これは松山だからまだ幾らかいいのですよ。二種飛行場の中で、まだまだ進入灯もなければ、いまの進入に対する指示灯もないという二種、三種飛行場がごろごろあるじゃないですか。それらのことを近い将来何とか整備をしてもらおうと思うから言うので、あなたみたいなことを言っていたら、それだから予算が取れないのだ。こんなことじゃあぶないのだと、実際あぶないのだから、事故が起きているのだから、それだけの施設はこれは最低そろえなければならないのだ。だからこの予算は何でもかんでもこの事故にかんがみて大蔵省認めてほしい。これが運輸省の立場、航空局の立場じゃないですか。それをあなた、これで大体有視界、雲の高さ千メートルで、これなら大体間に合っておるのですと、こういうような——金がないから残念ながら備えるべき施設が備えられないというところにあるのだから、あなたらはむしろその苦しい実情を訴えて、こういうことで実は不完全な設備になっておるのですというのがあたりまえなんで、それを何であなた総理大臣にでもなったつもりで十分だなんというような話をするのかね。そんなことだから、運輸省何をしているのだとおこられるのだ。それはいまの答弁じゃぼくは納得できんよ。
  194. 堀武夫

    説明員堀武夫君) ただいまの説明は、決して危険な着陸を許したのではないという意味の説明をしたのだと思われます。われわれといたしましても、決してこれで満足はいたしておりません。より安全に、そしてより定時性を持たすように、気象条件が多少悪くても大体時間には離発着できるということでなければ、客がだんだん航空機というものを当てにしない、旅客がだんだん減っていくということにもなりますので、定時性の確保とあわせて、より安全にするために今後ADFその他の施設、ASRというような施設までもこの二種空港にはぜひつけたいということでもって、いま五カ年計画というものを作業をしております。先生のいまおっしゃったお気持ちのとおりにわれわれも考えております。
  195. 木村美智男

    木村美智男君 滑走路の問題で二つばかりお伺いしたいのですが、この全国にある二種の十五飛行場に、三種の二十七飛行場ですが、これらについて、数はちょっと当たっているかどうかわかりませんが、大体千二百メーターの滑走路を採用しているわけですね。そうすると、一体この滑走路の長さというのは妥当なのかどうか、適当なのかどうかということと、もう一つは、松山の場合もこの報告書にもあるように、北西ですか、東北東ですか、横風が吹くということが言われていますが、この横風に対する滑走路はどういう配慮、あるいはこれからこういう問題について、特にその離陸の際と着陸の際というのが、一番飛行機にはこれは問題なんですから、そのときに相当強い横風が吹くという場合には、これは機首を振られるわけですから、そのための操縦のいかんによっては、それは離陸前に方角が変わってしまうという場合もありますし、着陸の際にはこれまたきわめて不安定な状況に置かれるわけですから、この横風の問題について、今日まで滑走路の建設にあたって考慮を払ってきておるのかどうか。それから千二百メーターの問題は、これでいいのかどうか。
  196. 堀武夫

    説明員堀武夫君) 第一の、滑走路の長さ千二百メーターで十分なのかという御質問でございますが、大体日本のいままである飛行場は千二百メーターの滑走路飛行場が実は多いのでございまして、それでYS11という飛行機は、この滑走路に十分離着陸できるという設計でもってつくられております。それで正式に示されておる性能からいたしましても、離発着は滑走距離大体六百メーターぐらいで離陸または着陸が可能である。それにまあアローアンスを見まして、四〇%のアローアンスを見ましても、大体千メーターあれば離着陸は十分であるということでございまして、われわれとしては、千二百メーターの滑走路は理論的には決して危険であるというふうには申せないわけでございます。もちろん、これからILSというような施設をする場合は、千二百メーターではいけないのでありまして、やはり千五百以上にしなければILSをつけられないということでございますので、今後は二種以上の、二種の空港は二千メーター、そうして三種の空港でも、その土地条件、周囲の条件が許す限りは千五百に延長いたしたい、こういうふうに考えております。で、そうすることによって、より安全を保てますし、あるいは追風の場合でも安全度が増す、あるいは、そういう計器をつけることによって、あるいは滑走路が延びることによって、定時性がさらに確保できる、そういう効果をねらって整備をしていきたいと思います。  それから横風の問題でございますが、最初に空港を設計する場合に、どの方向滑走路をつくるかという場合には、まず恒風という一年間の風の方向調査いたしまして、最も多い風の方向というものを恒風と呼んでおるようでございますが、その方向滑走路をつくるという設計をして建設をいたしております。通常、横風用の滑走路をもう一本つくるのが通常でございます、大きな飛行場におきましては。しかし、地方空航に全部横風用の滑走路をもう一本つくるということは、いろいろな点で困難が伴っておりますので、おおむねのローカル空港滑走路を一本にしております。したがいまして、強い横風があって非常に離陸が困難であるという場合は飛行をとめるということでございます。それから着陸の場合にも、相手空港に固定通信がありますから、相手空港、目的地の気象条件のまずデータを求めて、そうして非常に横風が強いということがあれば、その目的地へは飛ばないということになるかと思います。そういうようなミニマムというものがきまっておるということでございます。
  197. 木村美智男

    木村美智男君 横風の関係は大事をとって、これよりも先に金を使わなければならぬところがあるから、その横の滑走路をつくるというよりも飛ばさぬ、こういう方針で進められることはやはり私はいいと思う。それはそういう方針でぜひやってもらいたい。ただ、滑走路のいまの千二百の問題ですがね、私自身もYS11の性能がいいということ、つまり、何というのですか、滑走距離が非常に短く、離陸ができる、着陸ができるという、こういう関係を含めて性能がいいということは聞いておるわけですが、しかし、局長の言う、理論的には六百メーター、まずだいじょうぶを踏んで八百から千二百メーターあれば間に合うという、それはお説のとおりなんですがね、しかし、今度の問題を見てもわかりますように、松山空港で起こった事故というのは何を示しているかという場合、その理屈だけではだめなんだということを示しているのですよ。それは何かと言ったら、やはりちゃんと誘導装置があって、ちゃんと滑走路の長さというものを、昼間であろうが夜であろうがわかるという場合においてのみ、あと六百メーターあるいは八百メーターあるからだいじょうぶ、だいじょうぶでないという判断がつくのであって、これは誘導装置がなかったら、さっき言ったように、まん中の六百メーターのところにとまってしまえば、これはあと六百メーターしかないからこれはあぶないぞと思って、おそらくレバーを入れたのだと思いますけれども、ですから、理論的には、あなたのおっしゃることは成り立つけれども、それだけでは事故防止ができない。したがって、安全、安全でないという判断の基準は、やっぱり誘導施設があるかないかということによって、したがって、それがあれば、いま言ったような施設滑走路の長さであればこれは安全だ、こういうふうに断定できるのであって、そういう理解をひとつ持ってもらって、その上で、言われた三種千五百メーター以上、二種二千メーター以上に将来ぜひ延ばしたい、これは五カ年か三カ年にしたいという先ほどの話ですから、これはぜひこの滑走路延長の問題を本腰を入れてやってほしい。この点は要望でとどめておきます。  それから、ただ、いまの問題で、これは新聞に書いてあることだからどうかと思うんですが、いろいろ滑走路を延ばしたり、あるいは施設を充実したりということは、最終的にはどこがやるのですか。これは航空局のほうが予算をもってやるのか、それとも、あるいは一種、二種、三種という種別に従って違うのか、ここをひとつ聞かしてください。
  198. 堀武夫

    説明員堀武夫君) 一種、二種の空港につきましては、国が設置し管理することになっております。したがって、主導権は国がとるわけでございます。それから三種の空港につきましては、地方公共団体が設置し管理することになっております。もちろん、基本施設の五〇%は国が補助をいたします。
  199. 木村美智男

    木村美智男君 そうすると、どうも落ちるのが全日空ばかりで——全日空はかりということはないが、全日空が多いので、なんですが、その全日空は大体、「空港及び航空保安施設等の整備拡充に関する要望」というのを運輸省にちょいちょい出している。これは質問をぼつぼつ切ると長くなるから続けますが、出しているにもかかわらず、さっぱりこれはものにならぬということが書いてあるのです。その中に、きわめて具体的な——これは大臣にもよく聞いておいてもらいたいのだけれどもローカル空港に適切なる無線進入援助施設を早急に移設または増設をしていただきたい、空港としてあげられたものにこういうのがある。安全上特に早急に拡充されたい空港、八丈、奄美、三宅島。滑走路の前方にじゃまなポンプ小屋がある岡山。同じく防風林のある仙台。キリの大木が立っておる大分。体育館が居すわっておる鹿児島。さらにまた、航空機滑走路にまっすぐに近づくための進入灯がほしい、さっき質問した進入灯ですな、これが大分、熊本、大村、小倉、松山、広島——松山がちゃんと入っておる。進入灯を、早急に照明施設をつくる必要がある。福井、宇部、大島、富山、この四つなんかは照明施設もないようなことになっておる。これがもし実態だとすると、きわめて具体的な要望を出しているのだから、こういうことについては、やっぱりこの要望書というものをどの程度あなた方はこれを取り入れて、あるいは予算化に努力しているのか、ここらはきわめて私は重要だと思うのですよ。その中に、これは皮肉な話だけれども松山一つ入っているわけです。そういう松山で、したがって、私はさっき進入灯の問題は、やっぱりこれは事故防止の観点からきわめて大事な問題だと言ったのですが、これはいま初めて読んで、たまたま、言ったことと書いてあることが一致したのですけれども、こういう具体的な要望が入っておれば、これはかりに一種、二種について国がということならば、やっぱりその筋で三種については補助金を出して、できるだけ地元、あるいはその援助をさするような話をしながら、これはやっぱり早急に設備というものをやっていかなければならない。この辺の取り扱いについて、今日までどういうふうに扱ってきたか、あるいは、これからどう扱うつもりか、特にこれは大臣もひとつ、この点はきわめて具体的な問題だから答えていただきたい。
  200. 堀武夫

    説明員堀武夫君) 富山その他照明施設がついてないというお話伺いました。照明施設のついてない空港には、夜間飛行は許しておりません。それから八丈、岡山、仙台、大分、鹿児島、いろいろおあげになりましたが、これはいずれも、その全日空の要望は聞いております。われわれといたしましても、早急にそれの解決をしたいということはやまやまでございます。しかし、空港の拡張にはいろいろな困難が伴います。かりに予算がついてもできない場合もございます。たとえば大阪の伊丹で、煙突を三本切るのに数年かかってもまだ終わらない、煙突を切ることは物理的には実に簡単なことであります。しかしながら、いろいろ補償その他の問題、そういうトラブルというのは非常に時間がかかります。たとえばの話で煙突の話を申し上げたわけでございますが、大分につきましても、千二百で、これを延ばしたいというのはわれわれの念願なんです。しかし、いまの場所では延ばせないのです。両側に川がありまして、どうしても延ばせない、延ばすとすれば、どうしてもどっか別なところへ持っていかなければならぬ。それから鹿児島にいたしましても、いまのところではどうしてもこれ以上延ばせない。それから体育館というのは、進入表面下にありますが、これも非常に目ざわりだ、これはかねてから地元に体育館をぶっこわしてくれるか、あるいは、どっかへ持っていってくれということを言っておるわけでありますが、地元といたしましては、これは滑走路を延ばしてもらいたいのだ、だから、延ばすとすれば、ほかへ持っていかねばいけないのだ、だから、別のところへ持っていくのだから、体育館をいまこわして、そして飛行場がなくなったんではつまらぬ話だからということで、なかなかその体育館の移設も進まない。こういうようないろいろの現実的な障害がありまして、そういうことはもう十分わかっておりますが、なかなか進まない事情が現実にございます。その辺、ただ怠慢でやっていないのではないということだけ、ひとつ御了解をお願いをいたしたいと思います。
  201. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 実際に航空機を運営している方面から、空港を使うほうのいろいろの意見につきましては、十分実態を把握いたしながら、その方向で進めることは当然でございます。いろいろ障害のありますことは、いま航空局長から申し上げましたが、そういう障害その他を勘案しながらも、そうした実際の運営に当たっている方面からの意見につきましては、今後もそれの実現のために十分の配慮をいたしたいと考えております。
  202. 大倉精一

    大倉精一君 関連して。いまの答弁を聞いておりますと、先ほども私言ったのですが、何か飛行場拡張に反対するほうが悪いように言うのだが、住民には関係ないものもあるでしょう。いま木村君が言ったように、キリの大木があってじゃまになるから切ってくれ、これなんか住民に関係がありますか。あるいは進入灯がないからつけてくれ、住民に関係がありますか。照明灯が住民に関係がありますか。つまり、住民に関係のあるものもあるが、関係なくやれるものもあるんですよ。それをこの前の春からやっていないでしょう。これは大臣どうですか。やるやると言ったって、やっていないでしょう。それがいかにも拡張に反対する者が悪いような言い方をしてはだめです。
  203. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 航空局長の申し上げたのは、そういう御要望があって、実際にそれを把握してぶつかってみると、いろいろ困難のあるところがあるというので、決して用地を提供しないことが罪悪だというようなことを申し上げているわけではございません。したがいまして、いま大倉さんのお話のように、まあ、しかし、キリの大木といっても、それを切るとすれば所有者がどういうことになるかわかりませんけれども、そういう点は十分実態をつかまえて実行してまいりたいと思います。
  204. 大倉精一

    大倉精一君 誘導灯はどこに障害があるか、
  205. 木村美智男

    木村美智男君 だからね、航空局長、決してそれは全然さぼってるとか、やらないというふうに言ってるわけじゃない。問題は、これだけ具体的に要望書の中に出ているから、これを一つ一つ検討をして、実現可能なもの、どうしてもこれは第三者の関係があってなかなかうまく進まぬものと、こういうような整理をして、ひとつ今度は本委員会報告をしてもらいたい。で、当然これは航空局だけの問題でなしに、やっぱり航空事故を防止せなきゃならぬという、本委員会でもやっぱりある程度そういう任務というものは持つわけですから、たとえば出身の各党の議員さんも、これの説得役に回らせるとか、やっぱりこれはここら辺になれば、大目的のためにいろいろ尽くすべき手段を尽くさなきゃいかぬと思うので、決して、先ほどから私が言ってるのは、航空局に文句を言ってるというのじゃなしに、多少その知ってるということもあって、ほんとうに、何というのですか、みんなで知恵を出し合って、そして根本的に、口だけや、この委員会だけの問題でなしに、二度と再び、それこそ事故がなくなるようにと、こういうわけで言ってるわけですから、いまの、決してさぼってるとか、おこられたようにとらぬで、それじゃ、こういうわけだから、この条項の中のこれとこれとは、こういう障害があってできなかった、ざっくばらんにひとつ報告をしてもらって、やったものはやったと、できてればちゃんと評価をするわけです。  そういうことでいまの要望の問題は終わって次に入りますが、松山飛行場で一つだけ、これまた今後これがあとで事故原因になったらという心配があるから、これを特に聞いておきますが、松山空港滑走路を横断している横断道路があることを御存じですか。これはうまくないね、どう考えても。で、しかも、この横断道路は、遮断機の閉鎖はだれがやるかというと、管制官がやるようになってます。管制官はこんな横断道路の閉鎖まで背負わされて、これはちょっと飛行機が入ってくるので連絡のために閉鎖を忘れたなんていうことになったら、管制官責任とらなきゃならぬ。したがって、こういうものこそは、これはもうちゅうちょなく遮断をすべきですよ。そうして地下道を通すか、迂回道路をつくるか、い、ずれにしても、飛行機の通る滑走路を横断するんでしょう、こんなものは常識外ですよ。しかも、発着は、大体一日、風向きが変わった場合に、向こうから離陸する、あるいは、こっちからというので出たり入ったりすると、大体二百回近くここを飛行機が通ることになっているわけですね。おそらく着陸の場合はものすごいスピードでこれは走っていく部分に当たると思う。これについてどう考えますか。
  206. 堀武夫

    説明員堀武夫君) まことにごもっともな御意見でございます。われわれも飛行場の滑走路を横切る歩道がある、横断道路があるということはまことには、ずかしい話だと思っております。ところが、現実問題といたしまして、滑走路の手前に農家があって、そして、そのうちの畑が滑走路の向こうにあるということになりますので、どうしても近道をしたいというのが人間の人情でございます。で、飛行場におきましては、どの飛行場におきましても、場周道路というものを必ずつくっております。したがって、横断しなくても通れる道はついておるわけでございます。ところが、場周道路でありますから、滑走路の端までずっと回っていくわけで、非常に遠くなるわけでございます。農耕に行かれる場合に、その遠回りをなかなかまあしていただけない。いろいろさくを設けましたり、網を張ったりいたしましても、結局、くわをかついでどうしても近道をしようとすると、結局、さくがあってもさくをくぐる、あるいは網があってもいつのまにか網が破られるということで、やはり危険である。そうしますと、その次善の策として、とりあえず、いまのようなことをしておるわけでございまして、これは将来二千メーターに滑走路を延長する際には、地下道をつくるという計画にいたしております。必ず改善をいたします。しかし、これはほっておくよりも、むしろ、どうしても人が現実問題として通るということならば、次善の策としてこのほうがむしろ安全ではないかということで、そう暫定的にやっておる措置でございます。
  207. 木村美智男

    木村美智男君 この問題は論議をする値打ちはあるんですけれども、趣旨はわかっていると思いますから、いま言ったように、一日も早く地下道をつくって、ひとつ事故をこれによって再発するというようなことのないようにひとつしてもらいたい、こういうことで次に移ります。  運航規程の問題で少し伺いたいんだが、先ほど質問の中で多少出ていましたけれども、国際民間航空機構の六条の付属覚書、これに基づいて、少なくとも航空機事故というものがパイロットの疲労に基づいて起こっておるということを、きわめてこの付属第六条は重要視をしている。したがって、できるだけ飛行時間、それから飛行勤務時間の制限、それから休憩時間の条項を明文化している、こういうものがあるわけです。で、日本では航空法の中に百四条だと思いますが、この勧告を受けて立って、そして大体乗務員の勤務の交代要領といったようなものを、それぞれの航空会社の運航規程の中に規定をさせているはずです。その規程が実は運輸省のこれは認可によって初めて発効する、こういう性質のものになっているはずですが、この運航規程が最近、何というか、航空事故が頻発しているといったような情勢と逆行をして、少しずつ飛行時間が延長され、あるいは飛行勤務時間の拘束が長くなってきているということを航空局は御存じですか。
  208. 堀武夫

    説明員堀武夫君) たとえば全日空の運航規程でわれわれが認めておりますのは、パイロットの年間の勤務時間は千時間以内、それから一カ月では百時間以内、三月の場合は通算して二百七十時間以内、一日では八時間以内というふうに、こういう内容の運航規程を認可いたしております。これはこの春の事故の後ではなしに、去年の三月にこれを認可をいたしております。その後、全日空の労使協定によりまして、このマキシマムの中で、協定によって、さらに低い勤務時間を協定をされているわけです。いま言いましたように、年間とか、三月とか、一ヵ月というきめ方じゃなしに、労使協定では一日七時間以内というふうにきめられております。したがいまして、別にこの事故があったのにかかわらずこれを延ばしたということではございません。
  209. 木村美智男

    木村美智男君 それじゃ伺いますけれどもね、離着陸回数の関係は、これはきわめて、さっき言った問題に関連をしてくるんですが、こいつはどうなんですか。
  210. 堀武夫

    説明員堀武夫君) 離着陸回数についての制限は、運航規程は六回以内、労使協定では四回以内というふうにきめられております。
  211. 木村美智男

    木村美智男君 この六回というやつは、いつ変えましたか。
  212. 堀武夫

    説明員堀武夫君) やはり去年の三月でございまして、いままできめられていなかったのを去年の三月初めてきめた、そのマキシマムをきめたということでございます。
  213. 木村美智男

    木村美智男君 その去年の三月運輸省が認可をした、それは大体間違いないようですが、それを実際に実施に移していく手続が済んだのはいつですか。
  214. 浜田幸晴

    説明員(浜田幸晴君) ただいまお話のございました離着陸回数の制限、それから三暦月についての飛行制限に関します会社側の申請は一月に提出されておりまして、三月と申しましたのは、これを当局におきまして認可したときでございます。
  215. 木村美智男

    木村美智男君 実際には、しかし、ことしの三月まで、認可はしたけれども全然それは空白になっておって、ことしの三月から実施になっていることを、あなたのほうは実態をつかんでないですか。
  216. 堀武夫

    説明員堀武夫君) ただいま先生のおっしゃいましたようなことは確認しておりません。
  217. 木村美智男

    木村美智男君 確認してないというのは少し無責任のような気がするね。これはやはり認可をしたら、その認可をしたものがいつから実施をされるかということは、やはりきちっと把握をしておかなければならない。これはそういうことで、私は少なくとも認可は去年の三月だけれども、実際実施に移す手続をとったのはことしの三月である、一年間ブランクがある、こういうことを申し上げておいて、あとできちっと確認してください。ただ、認可の問題は、運輸省認可をするというけれども一体皆さんのところに認可をするについて、いいとか悪いとかいうのには必ずものさしがあるはずですが、運輸省がこの基準というものを一体どこに求めてやっているか。
  218. 堀武夫

    説明員堀武夫君) 運航規程を認可する基準、こういうものを何に求めているかということでございますが、ICAOの基準というものがございます。ICAOの基準というものは、このような運航規程につきましてもございますし、飛行場をつくる場合にもそういう基準がございます。それから、いろいろの航行安全施設につきましてもICAOの基準というものがあります。ですから、使う飛行機がたとえばボーイングならボーイングであるとすれば、飛行場もICAOの基準、それから運航規程もICAOの基準、それから保安施設もすべてICAOの基準というものを尺度にしましてやっているわけでございます。
  219. 木村美智男

    木村美智男君 航空局長、そういうふうに答えていて矛盾を感じませんか。あなたの答えが、さっきから私指摘しているように、たとえば施設や何かの関係もこのICAOの基準に合ってちゃんとできているなら、あなたの答弁りっぱですよ。しかし、施設のほうは、さっき言っているように、これはもう全然国際的な水準なんていうものじゃないですよ。施設のほうはそういう状態にありながら、乗務員の乗務の基準だけは国際基準に合わせると、こういうことをやったって、それじゃ少し無理なんだ。なぜ無理かといえば、それだけやはり機械にかわって神経を働かせ、目を使い、やらなければ、実際にたとえば夜間着陸だって、ひとりで、それはあれですよ、大体地上六十メートルまで計器飛行でいけるということになれば、それまでは計器だけ見てればいいんですけれども、有視界となれば、そういうわけにはいかぬでしょう。あるいは滑走路の確認をする進入灯がどこだから大体滑走路はどの程度になっている、いまの高度から判断してどの辺に着陸できる、こういうやつを一々これはもう頭でやるんですから、施設があるものとないものと同じように考えられちゃ、これは全然、そういう意味でいえば、あなたのほうは基準があるといえばあるようなものだけれども、片手落ちな基準じゃないか。施設のほうも国際基準に従ってちゃんとしておいて、そうして、いわばこういう乗員の疲労の生ずる問題について、これについても、だから国際基準なんだと、こうなれば、だれも納得しますよ。施設のほうは、さっき言ったように、まるきりこれはばあで、いま一生懸命やっておると言ったって、これからの話でしょう。しかし、この労働条件なり何なりの基本となるこういう離着陸回数というものをとにかく国際基準並みにするというのは、私は少し間違いだ。そういう意味でこれは片手落ちだ。この片手落ちが実は最近ゆゆしい問題に発展をしてきておる。これはあなたのほうはつかんでおるかどうかわからぬけれども、あした——きょう十八日ですから、たぶん、あしたあたりから、日本航空が今度離着陸回数を、これを、実はあなたのほうで認可をした運航規程によってぎりぎり六回に延ばそうとしている。これ、申し上げましょうか。これは皆さんがやっぱりよく知っておったほうがいいからあれなんですけれども、まず第一番に、これはジェットのボーイング727、例のですね、これを使うのですよ。で、まず第一回目の乗務をどういうふうにするかというと、東京から福岡まで行って、それから今度はそいつの逆で、福岡から東京へ戻ってくる。次には、東京から大阪へ行く。その逆の大阪から東京へ来る。もう一回東京から福岡へ行って、福岡から東京へ戻ってくる。これが大体、その第一番目の飛行機を十五時五十分に乗って、そうして最後の六回目に乗った終わりがあしたの十二時十五分、こういう、もうすでこダイヤを編成しておる。このダイやを編成をしておるというこの問題は、さっき言っているような、たとえば松山の森機長のような場合においても、あの場合なら必ずしも労働強化とは言えないという。あの日だけを見ればね、あるいは言い得るかもしれぬが、こういうのが今度は常態になるわけですからね。これはどこに会社側は根拠を求めてこういうダイヤを編成するかといえば、あなた方が認可しているこの運航規程なんですよ。運航規程の範囲内で労働協約を結んで、そうして、これのそのもっと少ないものでやるなんという、そういった理解をしているのはちょっと事情が暗い。日本航空の場合には、特にそれは御承知のように、労働組合が三つくらいに分裂をしておると、こういう状態を、いわばどさくさまぎれをいいことにしてね、これは運航規程にちゃんときめられているのだと言って、どんどんワクを広げていっているのですよ。そうして、あなた方が言うように、これはしかも国際的な基準なんだ、国際的な基準をそのものさしにしてきめた、あるいは認可をしたという、これが目一ばいこれは利用される、それがどんな労働強化になろうが何になろうがですね。そうして、その結果疲労が増してきて事故発生の原因になるという状況になってきている根本が運航規程に実は原因をしてきているとなれば、それは、あなた方、簡単にこれはICAOの基準に従って認可をしたのだと言ってすましてはおれない問題だ。これはどう考えますか。
  220. 堀武夫

    説明員堀武夫君) 日航の場合のその制限の話はまだ私は聞いておりません。よく事情を聴取して検討いたします。
  221. 木村美智男

    木村美智男君 こういう面をまだ知らぬというのですから、早急に調査をして、そうして、これはやはり強力に行政指導をしてもらいたい。少なくとも、これは羽田から飛び立って一回り回って羽田におりるなら、これは設備が大体国際水準にいっているから、それなら、ある程度早い話が理屈は合うけれども、問題は大阪であり、福岡であり、そういうことになってくるのですから、それは片方だけ国際基準に合わして、乗務のほうだけは合わして、設備のほうはおっぼってあるというような状態の中で、あなたらがやはりこの運航規程というものをたてにとってやられるということは、これは航空行政をあずかる航空局としては本意ではないと思う。したがって、これは十分調査をして、ひとつ強力に指導してほしい、これは強くこの点を要望しておきます。  それから労働条件問題で先ほどいろいろ述べられましたから、重複することは省きますが、いままでも全部重複していない問題をやっているつもりですけれども航空局関係の大体定員が二千四百くらいだそうですね。これがもう最近は、新規事業というか、新空港ができるとか、そういうことがない限りは、何か要員不増の方針とか、さっき言われたけれども、全然業務量増加ということについて考えていない。ここのところがやはり問題になるのじゃないか。いや、そうじやない、管制官ふやしたじゃないか、こう言いたいのだろうが、ところが、ぼくが言うのは管制官じゃない。それはいまのやつはある程度航空局関係だから、それはひとつ十分定員について一回再検討をしてみてもらって、早い話が、松本術部長、あなたの手下で、行って事故関係を調べてみてわかる専門家が何人いるか、これは答えなくたってぼくはわかっている。まず片手までいないのだよね、ほんとうの意味での専門家というのは。だから、そういう意味でいうと、実際は私はそういうところについて、これこそ養成に時間がかかるのだから、やはりいまから定員というような問題、特に技術関係については、これはもうあまり予算とかなんとかいうことより、むしろ、技術の断層のできることのほうが、これは国家的損失ですよ。そういう意味で私はこの定員問題については再検討をしてやってもらいたい。もっと具体的な問題で、たとえば飛行場に消防車を置くでしょう。羽田も十台あるそうですが、二台しか動かす人が配置されていない。ぼくの言っているのがうそかどうか、これは答えてみてください。それで、二種空港には十カ所一台ずつそれぞれ消防車を配置をしておるけれども、一しかし、これは動いていない。羽田は十のうち二つ、ほかの二種空港の十台は、人手不足のためにこれは使っていない。そういう状況にあるということなんで、これは一つの例ですけれども、いまの問題、事実かどうか聞かしてください。
  222. 堀武夫

    説明員堀武夫君) 定員がほしいというのは、われわれにとっては、のどから手が出るくらい定員が実はほしいのです。管制官のみならず、あらゆる関係の職員というのはほんとうに足らぬで困っております。ところが、なかなか定員の獲得というのは従来から非常にむずかしいわけでございます。そして従来認めてもらっている定員というのは、施設がふえたものに伴う当然の増員のみにしぼられておりまして、いま先生がおっしゃいましたような業務量増というものはほとんど認められない。したがって、十年前の業務量と現在の業務量と比較してみますと、いろいろな面で業務量そのものはもう十倍ぐらいになっております。にもかかわらず、定員は五〇%、一・五倍にしかなっておりません。そういう意味から、われわれはいまも定員の要求を、航空庁の設置とともに増員ということをお願いしております。全くのどから手が出るくらい定員がほしいのでありまして、そういう意味からは、先生のおっしゃるとおりでございます。  それから消防車の問題でございますが、これも消防車があってそれを動かす者がそろってない、十台あっても、二台しか動かないか、三台しか動かないかは私確認はいたしておりませんが、とにかく全部は動かないということは、動かすだけの人間が配置されておらないわけです。それじゃ全くむだな消防車が置いてあるのかということになりますと、それはいざという場合はほかの職員も手伝えというようなことで一応の理屈がつけられているようでございますけれども、そういう臨時応援というものでは、いざという場合には動かない、おそらく動かないだろうと思います。ですから、もし何かあって消防車があって動かなかったというような事態になると全く恥をさらすということを私自身が非常に日ごろから心配をいたしております。私自身こういうことでは責任が持てぬと、消防車があってもこういう消防車ならもう要らない、返したらどうかということさえ局内では申しております。ですから、今後は、もちはもち屋で、もう消防のことは自治体消防にでもお願いできないものかとすら思っておりまして、これは消防庁にも寄り寄り御意見を伺っておるというような状況でございます。先生のおっしゃる点はまことにそのとおりでございます。まあ、あまり言いますと、ここにおられる主計官も非常に苦しい立場になられると思いますけれども主計官自体もいろいろと努力をしていただいております。しかし、政府の方針として定員不増という大きな方針があるようでございまして、事務当局の手にはなかなか容易に合わぬという面もございます。そういうことでございますので、ひとつ今後とも大臣その他にもお骨折り願ってもらうつもりでおります。
  223. 木村美智男

    木村美智男君 大蔵省主計官に聞きたいんですが、実は、東京管制部に長距離レーダーがあるんですよ。機械は箱根に備えつけて、東久留米から操作するようになっているわけですね。これは少なくとも四億ばかりの金を使っている。ところが、要員不足のために、この機械四億も銭をかけて動いていない。あなた方は銭の問題でふやせないふやせないと言うけれども、ふやせば有効に使える施設が遊んでおって、そのために相当重要な航空事故という問題が起こってきておる。こういうことについて、大蔵省としてどうお考えか。本来なら大蔵大臣に聞かなければならぬことだけれども、しかし、大蔵省要員不増の方針というやつは、佐藤総理が言っている人間尊重は無視しても、要員不増の立場をとっているのかどうか、これを答えてほしい。
  224. 荒巻与四郎

    説明員荒巻与四郎君) 大きい問題で、私が御答弁申し上げるのは恐縮のようでございますが、まあ定員不増と申しましても、何でもかんでもふやさぬという方針ではないと思います。必要なところには必要最小限ではつけていくということでございますが、現在は一応定員凍結、欠員不補充という原則がございますので、その凍結解除という形で増員を認めておるというのが現状でございます。いまお話しの東京管制部の実態というのは、私まだ詳しく承知いたしておりませんが、実態をよく調査いたしまして、いまある要員の中でやりくりできないのかどうか、その辺も航空局とよく相談してみたいと思います。
  225. 木村美智男

    木村美智男君 ぼちぼち締めくくりますが、さっきの消防車にしろ、カナダのBOAC機がこの間燃えたときに、あれは消防車のかけつけるのが非常に時間がかかった。これは、もちろん消防車はあったけれども、人間がいないというところに一つの問題が——いまの四億もするりっぱな、せっかくつくったけれども、これまた人間がいないのでこれを遊ばしておる。こういう状態は、大蔵省としては——これは本来、あるいは予算委員会大蔵大臣を呼んでやるべきことかもしらぬけれども、あなたせっかく出てきているのだから、要員不増について、必要最小限でふやしていると、こう言うけれども、あなたら実際やっているのは、そんなことやっていない。これは何もいま航空局の話だけしているのじゃないよ。知っている限り、たとえば公共企業関係要員だってそうですよ。全部とにかく合理化で生み出して、それで何とかかんとか持っていけという、予算要求については一切認めないというきつい方針を出しているのであって、最小限認めますなんと言っても、それはここだけの話です。あなたがそう自信を持って言われるなら、今日大蔵省の方針が変わって、必要最小限これはふやしている、したがって、要員不増というワクをはずすという方向で、必要最小限の人間についてはふやすのだということだけ私は確認しておいて、二番目には、さっきから言っているように、これは単に消防車の例をあげたけれども、さっき言った検査官の問題もあり、航空局としてこれは航空局長、特にもうことしになって四回目の大きな事故です。そういった意味で、航空局の機構をもう一回ふるいにかけてみて、最小限、検査官、行政指導の部面、あるいは管制要員、こういったようなことを全面的に検討して、事故を防止するために最小限どのくらい必要かという数字をやはりはじいて、それで自信を持って、これを認めてくれなければ、航空事故については大蔵省責任だというだけの自信を持って言うだけの要員というものをきちっとつくって、そうして大臣せっかくいるんだから、そういう立場で大臣閣議でも強力にやって、この航空問題についてはやってもらわなければいかぬ。それでなければ、幾ら事故が起きたときに、家族、遺族を前にして、申しわけないの、涙を流したって、ほんとうに事故というものはなくならない。われわれの役割りは、そういう場合に、何かたいへん申しわけないということは、ちっともその意味では意味がないので、やらないよりはやったほうがいいという程度の意味しかないので、ほんとうの意味は、やはりこういうことで議論をされた立場から、今後、事故を起こさないために必要な人間は必要な部分に確保する、ここのところが一番大事であって、そうして、それに必要な、さっきから指摘をしている施設の問題について、最大限それは年次計画を立てた中でのひとつ予算を立てて、そうして、これならば何とか航空局としても前途に向けてちょっと目を開けそうだという、これぐらいのひとつ予算案をつくって、おそらく、あなた方、本来なら、ぼくは言いたいのは、これは扱う役所が違うからだけれども航空局の予算ぐらいは運輸委員会にかけてもらいたい。したがって、これを通すためには、最終的には運輸委員会で妥当と認めたら、挙党一致でとにかく本会議に打ち出し、大蔵省が障害になるならば大蔵省に当たる、これぐらいのことをやらなければ、これはここで一々毎回毎回航空局長なるものが気の毒で見ておられぬ。決して堀さんが悪いとは言わないけれども、あなたが当面の責任者だから、それはこれからもまだだいぶ文句を言われるから、それを少しずつでも軽くしたい、ということはどっちでもいいが、ほんとうに事故をなくすというなら、いま言ったことであなたやってもらわなきゃいかぬ。それを強く言って、きょうは少し残しておきますから。もう少し詰まるやつがあるんだが、これはあなたをこれ以上いじめたって、これは航空局にだけ文句を言って終わる問題じゃないから、これはここであれしますが、さっき言っている事故関係で、二十七年以来ですか、松本術部長に伺いたいが、百七十六件ある。その中で三十三年当時の事故がまだどういうことになったのかわからぬという状態にある。これは大臣聞いてください。大臣に言っておる。そういう状態で、なるほど調査官も二十人ばかりふやしたそうですが、しかし、地方に配属をした関係で、本局のほうは六人ぐらいしかついていない。こういうこともあって、たとえば、さっき言ったように、ほんとうの意味での専門家というのは数えるだけしかない。こういうようなところになっているということを含めて、本腰を入れてひとつ人員の問題、それから設備に対する予算の問題、これについて努力をする、ほんとうにそれこそ藤枝運輸大臣の政治生命をかけてこの問題はやるという立場の、ひとつあなたの決意を聞いて私は質問を終わりたいと思います。
  226. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 先ほど来申し上げましたように、特に現場と申しますか、しかも、人命に関するような、そうした現場の要員というものは確保しなければならないわけでございます。また、例としておあげになりましたが、資材がそろって人員がないからそれが運営できないというようなことは、単に一大蔵省という問題でなくて、政府として考えなきゃならぬことでございます。それらを含め、さらに施設の問題を含めまして、実行に万全を期してまいりたいと考えております。
  227. 木村美智男

    木村美智男君 大臣、あなたたいへん大蔵省をかばったようなことを最後に言ったけれども、そこは気に食わぬ。それは実は大蔵省がガンになっている。これはあなたが何とかばおうと、弁明しようと、大蔵省がガンになっておるから言うんであって、そういうことを言うことは、大臣閣議でいまぼくらが言ったことについて、あなた責任を持って閣議決定に持ち込むという決意なのかどうか。大蔵省をかばうことはかまわない、それはあなたのかってだ。しかし、その意味は、あなたがそれだけの責任を持つということを意味するから、閣議でそういう確認をきちっと取りつけてやっていくという決意なのかどうか、イエス、ノーということで答えてください。
  228. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 私の後段の問題は、たとえば自動車が十台あって、それが二台しか運営できないような人員で過ごしておるということは、決して大蔵省とかなんとかいうことでなくて、政府全体の姿勢の問題だというふうに考えますので、そういう点を是正してまいりたいという意味を申し上げたわけでございます。
  229. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 関連。運輸大臣、ただいまの木村委員要員の問題に関連してひとつ決意を伺っておきたいと思う。たしか、その当時大臣は防衛庁長官をやっておったのではないかと思いますから、その当時から閣僚の一員だと思うんです。この要員不増の原則などと、この委員会でのめのめ言っておるゆえんのものは何かというと、昭和三十九年の九月の四日に閣議了解事項ということで、つまり、この要員の不補充という原則を了解事項としてきめた。これは不増じゃなくて補充しないということです。その補充をしないということが、私の記憶では、二〇%欠員が出ても補充をしません、こういう閣議了解事項をしたのです、三十九年の九月の四日にですね。その後いろいろ問題が出てきたけれども、四十一年の三月二十九日に、昭和四十一年度以降もその原則を貫いていくのである、こういうことを時の内閣官房長官が各省大臣に通達をして、各省はそれを踏まえて次官通達を出しているのです。これが今日、堀局長何べんも答えられるように、要員の問題はたいへん壁があついのだ、こう言っているそのもとなんです。  そこで、私は運輸大臣にひとつ決意をしてもらいたいと思うのですがね、私は画一的にこの問題をここで議論しょうという気はございませんけれども、あなたの所管の運輸省の中におけるたとえば航空局、ただいま木村さんが指摘をした問題、あるいは自動車局の問題等々、欠員を補充しないというこの原則が一体当てはまっているのかどうか、客観的に見てですよ、非常に私は問題だと思うのです。しかも、大蔵省見解は、一般の国家公務員に対する定員の不増の原則だというたてまえを貫いていますから、予算編成期における各省の——各省より、つまり、いまは運輸委員会ですから、運輸省の各それぞれの局部から出された要員の問題については、全部ここでチェックして大なたをふるうというのがいままでの通例です。通例なんです。これが何回も繰り返されてきているから、木村委員指摘したような結果になっているんです。さらに、これをせんじ詰めていくとどうなるかというと、国家公務員の、つまり、非現業であるということからさらに規制をされておる、こういうことになっているのでありますから、私はあえて大臣に言うけれども航空局のただいままでに問題にされておったような職種の方方は、一体非現業に値するものかどうか、私は現業職員だと思う。たとえば、いま指摘された消防自動車が買ってあるけれども人が配置されていない。消防車を扱う人は、一体これは非現業ですか、大臣、現業ですね。これは自動車局においてもしかりですよ、あるいは航空管制官にしても現業ですよ。ですから、私は画一的に、本庁の職員の定員を含めてですね、この問題で議論する気はありませんけれども、こういう現実にそぐわないような原則ということを、この際やはり閣議で一回再検討をして、そうして、いま言ったような非現業だというワクのために補充ができないとするなら、現業扱いにしたらいいんじゃないですか、現業扱いに。この点はどうですか、そういう決意があるかないかですね。
  230. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) これは一般的に申し上げて、やはり現業的な職務、たとえば自動車の数がふえれば検査官は必要になります。飛行機がたくさん飛ぶようになれば、保安要員をはじめその他の者が必要になるのでございまして、したがいまして、いわゆる欠員不補充の原則というものはあくまで原則でございまして、こういう事業量がふえ、そのために必ず人がふえなければならないというような問題につきましては、定員の増を抑制するとか、あるいは欠員を不補充に置くとかというものの例外であると私は考えます。そうして、そういう方針で今後も対処したいと考えております。
  231. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 大臣はそういう方針で考えていますと、こういうことですから、先ほど冒頭に私が申し上げたように、閣議で近くこのローカル空港整備について大臣に提案をすることを約束したわね、冒頭に。ですから、それと同じように、問題はうらはらの関係にありますから、この問題も同時に今日的に見れば不原則を閣議了解事項できめたものですから、根本的に、ここのところですよ、全般的な問題として取り上げないまでも、非現業と現業のこの扱い方については、もっと幅を持つように、いま一回私は閣議で再検討してもらいたいと思いますよ。これはどうでしょう。
  232. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 現在とられておる方針をどうするかの問題は別といたしまして、先ほど申し上げたように、たとえば地方空港整備計画について閣議了解または決定を得るというような場合には、決してその拡張ばかりでなくて、それに伴ういろいろな施設も入ります。施設が入れば、それに当然人員が伴うわけでございます。そういうものも含めて考えておるわけでございまして、ただいまの御趣旨のように考えております。
  233. 大倉精一

    大倉精一君 たいへん時間をとって恐縮ですけれども先ほど私の質問に対する答弁の中で、簡単な問題ですけれども、いまはっきりしておきたい、こういうことがありまするので、重ねて発言をお許しを願ったわけです。  夜間の着陸復行訓練についてやっておりますという答弁であった。私はやっていないという質問であったのです。これはやっていないという質問も、これも間違っておったと思いますけれども、やっておりますというこの答弁も的確を欠いておると思う。いま私はそれを調査をしてまいりましたが、確かに夜間の着陸復行訓練をやっておるのだが、制度としてそういうものはない、制度として。それで、着陸復行訓練をやりなさい、こうなっておるけれども、やるやらぬは本人のかってだ、自由だ、こういうことらしいので、やっておる人もあれば、やっていない人もある、こういうのですが、そういう実情ですか。
  234. 片倉幸夫

    説明員(片倉幸夫君) 夜間飛行のときに定期旅客を運ぶ前には、機長は必ず——具体的なはっきりした数字を忘れましたが、半年間に数回の夜間離着陸をやらなければいけないという規程がございます。この離着陸ということばの中には、当然エマージェンシーと申しますか、非常事態にお客を運ぶのをやらなければならない、そういう意味で機長は当然にこの離着陸の中に、先ほど先生の申されました着陸復行も当然離着陸ということばの意味の中に含まれておるというふうに私どもは解釈して指導をしております。
  235. 大倉精一

    大倉精一君 わかりました。  それで、夜間の着陸訓練の中に着陸復行訓練も含まれておると思う、そういう解釈だというのですね。で、実際にやっておるかどうか、特に先ほどいろいろ調査をして聞きましたところが、やっておる人もあるけれども、やっていない人もある、こうなっておる。私がなぜこれを重視するかといいますというと、先ほど委員からも申されましたように、ローカル空港というのは、夜間有視界飛行でもって着陸をする。非常に離れわざをやるわけですよ。ですから、この夜間における着陸復行訓練というものは、やはり相当私はこう厳密にやらなければならぬと思い、あえてこれは制度化する必要があるんじゃないか、こう思うんですね。いまの御答弁で大体わかりましたけれども、非常にあいまいですね、あやふやですね。
  236. 堀武夫

    説明員堀武夫君) 航空法施行規則の第百五十八条の第二項に書いてございます。「夜間において前項の運航に従事しようとするときは、同項の飛行経験のうち、少くとも一回は夜間において行われたものでなければならない。」と言って、夜間の離着陸の経験のない者は決してこういう定期運送に従事してはならぬと、こういう規定はとにかくございます。
  237. 大倉精一

    大倉精一君 それは夜間の着陸の経験のある者を当てなければならぬというのであって、着陸復行の訓練をした者でなければならぬということは書いてないんでしょう。そこなんです、問題は。ですから、おそらく、これは森機長が夜間の着陸訓練をやったことがあるかないか、これは言明できますか。どこにチェックしてありますか、この飛行訓練、夜間着陸は何回やったか、着陸復行訓練はチェックしてありますか。調べてわかりますか。わからないでしょう。
  238. 片倉幸夫

    説明員(片倉幸夫君) フライトには必ず管制官その他の人の認めた離陸時間、着陸時間というのが記録されておりますので、これを調べますれば出てまいります。いまは森機長がいつやったか、それはわかりませんけれども……。
  239. 大倉精一

    大倉精一君 まあ多く申しませんが、大臣、これは非常に大事なことですよ。いま調べなければわからぬと言っておりますけれども、夜間の着陸訓練をやった人でなければ就航させちゃいけないという規則がある。同時に、夜間におけるところの着陸復行訓練をした者じゃなければいかぬ、訓練を受けた者でなければいかぬということを制度化する必要がある。私はしろうとでわかりませんけれども、今度の場合でも、接地をした、あるいは逆エンジンですか、ずっと回る、こいつはあぶないからスピードを出せと言っても出せるものじゃない。ましてや、訓練しなかったらこれはできはしませんよ。ですから、これ以上申しませんが、はっきりしたことは、はっきりしていないということです。ですから、日本のようにローカル航空もあり、夜間有視界飛行を許可をするという以上、やはり夜間におけるところの着陸復行訓練というのは制度化するということを研究してください。こういうことを検討していただくということで質問を終わります。
  240. 黒柳明

    黒柳明君 たいへん時間もおそくなりましたので、なるたけ短時間にやろうと思います。一、二航空事故のことでお伺いしたいと思います。  私も航空局の検査官に聞きましたら、全日空と日航とのパイロットあるいは整備員の技術の開きが非常にある、あるいはオーバーランする飛行場設備の状態、それも非常に開きがある、こういうようなことを聞いたわけです。こういうようなことで全日空の事故が相次いで起こるのではないか。これに対処する方法、または今春連続して事故が発生しまして、緊急保全対策費として十四億一千八百万ですか、あれを計上したわけですが、それが今日までどのような使い方をされておりますか、そのような点はいかがですか。
  241. 堀武夫

    説明員堀武夫君) その点に関しましては、昼のうちに大倉委員の御質問にすでにお答えをいたしておるわけでございますが、もう一度申しますと、予備費航空関係六億五千万の予算がつきました。それから定員につきましても、増員が百四名ついております。この定員の八十四名はすでに充足しております。この六億五千万の予算は、たとえばILS、無停電装置、レーダー管制卓、VOR、DME、航空管制用非常無線回線、その他、技術職員の研修訓練等にすでに使われ、かつ、いま実施中のもの、実施済みのもの、それぞれございます、そのように実施をいたしております。
  242. 黒柳明

    黒柳明君 先ほどの問題でございますが、また若干時間をおいたんで簡単に反復したいと思います。  大臣が昭和三十年三月から三十年十一月、大蔵政務次官であったわけですが、その直後、関東製紙株式会社、これは所在地は草加にございます……。
  243. 谷口慶吉

    理事谷口慶吉君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  244. 谷口慶吉

    理事谷口慶吉君) 速記をつけて。  暫時休憩いたします。   午後六時四十一分休憩      —————・—————    午後八時五十八分開会   〔理事谷口慶吉委員長席に着く〕
  245. 谷口慶吉

    理事谷口慶吉君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。  本日は委員長不在中でありますが、(「委員長質問質問」と呼ぶ者あり)全日空機事故という突発的な事件がありましたので、委員会を開会したわけであります。他の案件は後日に譲り、本日はこれにて散会いたします。    午後八時五十九分散会