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岩動委員 これで私は締めくくりを申し上げて、私の
質疑を終わりたいと思います。
ただいままで、事こまかにいろいな
問題点についての
説明なり、
長官の御心境なりを承ってまいりまして、そこには十分な反省と今後の配慮、今後の
自衛隊のあり方というようなものについて、十分に私は、厳格な
立場で進んでいただくお気持ちをくみ取ったのではございますが、しかしながら、このような小
学校の子供にでもわかるような
政治の世界においてのイロハのことが、いろいろ問題になってまいるということは、きわめて私は遺憾に思うのであります。
政治家のモラルが今日世論の話題になり、またわれわれが十分に戒心をしなければならない点がまだまだ不十分であるということを痛感すると同時に、あなたのこのような一連の
行動がわれわれ
政治家の不信を招き、あるいは政党の不信まで招きかねない。さらに、ひいては
わが国の
政治全体に対する
国民の不信感、あるいは民主議会
政治に対する不信感というところにまで発展しかねないような問題にまで実は取り上げられてきておる。この
認識のもとに、私は、
長官にも今後十分なる戒心をお願いいたしたいのでございます。
特に
国務大臣、
防衛庁長官としては、国家公務員にきびしく綱紀の粛正、そうして法律の忠実なる実行をさせてまいる
立場にございます。しかもあなたは、
国務大臣として、内閣という合議体を構成している一員でございます。したがいまして、一
国務大臣のいろいろな
政治的なモラルに対しましては、内閣が全体として責任を負っていかなければならない。旧憲法時代には、内閣の連帯責任制というものが一つの基礎になっておりまして、新憲法になりましてから、内閣総理
大臣が
国務大臣を任免する権限を与えられてまいったのでありますが、単なる
国務大臣のすげかえというようなことで
政治的な問題を処理してまいるという弊が、今日起こってまいるのではないかということを私はきわめて憂えるものでございます。
わが国の民主
政治が今後健全に発展してまいるためには、まず内閣がその連帯責任感を十分に
認識をして、そのもとにおいて総員が正しく清い
政治を行なってまいる、公私混淆等の疑いを少しでも受けることのないように十分戒心をしていかなければ
わが国の
政治の危機を招く、また現に招きつつああるのではないかということを私は
感じておるのでございます。
すでに御
承知のように、われわれ自由民主党の中におきましても、各
方面から粛党に対する運動がほうはいとして起こっております。これらの粛党運動も、長年の積弊ということで総理は表現をしておられまするが、もちろんそれもございます。と同時に、この粛党運動ののろしが上がってまいりました起因は、やはり最近相次ぐいろいろな不祥事件、
政治モラルの低下、それが一国の
国務大臣において行なわれていたというところにあるわけでございます。したがいまして、私
どもはこの際、建設的に
わが国の民主
政治を健全に発展させ、
国民の声を聞き、
国民とともに進む
政治、清く正しい
政治、これを行なうために、十分なる厳粛な反省と、そうして具体的にその実をあげてまいるということでなければならないと思うのでございます。
特にまた二十七万の
自衛隊員は、命令一下、一糸乱れずその
長官の統制下に
行動をする
部隊でございます。その
長官に対して、このような世上の疑惑が出てまいったということは、まことに遺憾と申すほかございません。しかしながら、ただいまのいろいろな謙虚な、率直な反省というものも、私
どもは十分に
評価をいたして、二十七万の
自衛隊員が、安心してあなたのもとに、
わが国防の、自衛の
目的を十分達成できるようにしていかなければいけない。あなたは、きわめて重要な
立場になるわけでございます。今回の一連の事柄から、
自衛隊の隊員の士気がいささかでも阻喪するところがあってはならないと思います。私は、この機会に十分なる反省、ということは単にことばだけではない、一体何を今後どのように具体的にお進めになるか、十分にお考えもいただいて、そうして私はあなたの手によって
わが国の
防衛の実績を十分にあげていただきたい。あなたの
行動いかんにかかっている。近く
自衛隊の記念観閲式あるいは観艦式等もございまするが、それを目前に控えて、私
どもは非常に憂慮をいたしておるのでございます。どうかそのような現実に直面をして、私はあなたが
防衛庁長官として、さらに内閣の一員としての
国務大臣として、ただいまのこの
委員会における御発言を実のあるものにしていただきたいということを心からお願いを申し上げまして、私の
質問を終わります。