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新谷国務大臣 八月の
委員会で、もう少し
研究をさしていただきたいということを申し上げましたのは、多分三点ほどあったかと思います。その
一つは
電気通信に関する
機構の問題それからいわゆる
ベルボーイといわれております
ポケットベルの問題がその
一つ。それから
貯金関係のいろいろの
機関を
考えたらどうかということが
一つ。まだほかにもたくさんあったかもしれませんが、大きな問題としては、大体その三つであったかと私は記憶するのでございますが、もし足りませんでしたら、御
指摘をいただきましたら
お答えを申し上げます。
順次申し上げますが、八月の
委員会で
郵政省の
機構、特に
電気通信に関する
機構を、もう少し一元的な強力なものにしたらどうかというような
お話がございました。ことに
電波監理局についてはもっと
放送界の
現状にかんがみて
機構を
考え直したらどうかというような御
意見もあったのでございます。ちょうど
予算編成期でございましたので、
森本委員の御
趣旨も十分考慮いたしまして、
予算の
概算要求にあたりまして、いろいろ
検討をいたしてみたのでありますが、当時前
大臣の構想だと言われておりました
電気通信庁というような
外局の設置につきましては、その当時も申し上げましたが、こういう
外局の組織をこしらえてまいりますと、一面では
電気通信行政の一元化をはかるという上においては、都合のいい
部分が出てくると思いますが、ただ
郵政省の全体の
機構の点から申しますと、
一般の官庁ではいわゆる
監督行政事務というものは内局にありまして、
大臣が直に
指揮監督をしていくというのが通例でございます。
現業事務のほうは、むしろ適当な
外局の
機関を設けて、
相当程度権限をまかせて、
大臣は包括的に政策的な面から
指導をしていくというような
機構が、これは一番普通のようにいわれます。ことに
電波監理局と
電気通信監理官室との
関係でございますが、これは一言で申し上げますと結局
電気通信に関する
事務をあずかっておることには間違いございませんが、この
内容は
関係する
部分もございますが、非常に違ったものでございまして、これを一本にしてほうり出してしまって、そうして、いわゆる
独立性の高くなってくる
外局で仕事をやらせるということが、はたしていいかどうかということにつきましては、決心がつきませんでしたので、この点はもう少し
検討しようということで見送ることにいたしたのであります。ただ現在の
電気通信監理官室というものを見てみますると、御
承知のようにこれは、
私設電気通信設備というものの非常にふえてきておりますこと、それから
電気通信に関する
海外諸国との
技術協力の
関係、
国際会議の
関係、
有線放送電話の
関係というようなものが、だいぶふえてきておりまして、
昭和二十八年当時に
監理官制度を設けました当時の事情とは、よほど変わってきております。量においても質においても変わってきておりまするので、これはこの際
電気通信監理局ということにして、これも
一つの局の
新設でございますが、
内容的には現在の
監理官室とそう大差のないものでありますけれ
ども、これを強化して局にしようということで
予算の
要求をいたしておるような次第でございます。この
機構問題につきましてはこれから後も絶えず留意いたしまして、よりよい
機構ができますように
研究を進めていきたいと
考えておる次第でございます。
それから
ベルボーイの問題について
お答え申し上げます。この問題につきましてはいままでのいきさつは
森本委員もよく御
承知のとおりでございまして、私も就任いたしましてからこの問題についてさっそく
関係当局から
意見を聞きまして
研究を進めたのでございます。だんだん
結論に近いものが出てきております。しかし現在のところまだこれに対しまして最後的な確定的な
解決策というものを御報告申し上げる
段階に至ってないことは非常に残念でございます。実は御
指摘がありましてから
郵政省としましては前後十回ほどこの問題についてあらゆる面から
検討をし相談をしたのでございます。一番の問題は何といっても
周波数帯の問題でございます。
実験をいたしました
二つの
周波数帯につきましてはそれぞれ
利害得失がございまして、こういった点を
考えたり、それから現在のテレビジョンの
放送に障害を与えることのないようにということやら、いままでに割り当てておりまする他の
事業で使っておる
周波数に影響を与えないようにというようなことを
考えてまいりますと、なかなかむずかしい問題であったのでありますが、ごく最近におきましてこれを打開する
めどがだんだんついてまいりました。あまり遠くない機会にこの問題は
解決できるんじゃないかと思っておる次第でございます。非常に抽象的でございますけれ
ども、この
周波数帯の問題についても
めどがついてきたということで御
了承をいただきたいのでございます。
なお、この問題に関しましては、御
承知のようにこの
サービスがいわゆる
公衆電気通信業務であるかどうかということについても
法制上いろいろ
議論があったのでございます。これは
電電公社が
予算を取ってやろうとしている事柄には直接
関係がないといえばないかもしれませんが、しかし
公衆電気通信業務であるかどうかということにつきましては、波の割り当ての問題、それから将来この
ポケットベルをどこまで伸ばしていくかという問題に非常に
関係をしてまいりますので、この問題につきましては慎重を期しまして
内閣の
法制局とも非常に
議論をし
研究をしてまいったのでございます。これも
法制局のほうでは
二つの
意見がございましたが、だんだん
法制局のほうでも
意見がまとまってきていると聴取をしておるのでございます。いずれにいたしましても、この
周波数帯の問題も、
法制上の取り扱いの問題についても非常に前進をして
めどがついてきたという状態でございますので、その点御
了承をいただきたいのであります。
それから
森本委員から非常に御好意のある御
質問をいただいた
貯金の
関係でございますが、この八月の
委員会でも
お答え申し上げましたが、私も原則として
森本委員のお
考えには賛成でございまして、何とかしてそういう
方向で
処理をしたいという
考えでございましたが、
形式の上でいって
お話のように
公庫、
公団をつくるということになりますと、いま
内閣全体といたしまして、
行政管理庁が
中心になって
行政監理委員会でいろいろの決定をしているところをだんだん
実行に移そうということで、
公庫、
公団の
新設は一切認めないでいこうというような申し合わせをしておるような
実情もございまして、私はそういった問題で
形式論でぶつかるよりも、何とかしてここで
お話のように実質的に局面を切り開いていくのが一番適切であろうというような観点に立ちまして、
予算要求に際しましては
二つのことを
提案をいたしておるのでございます。
その
一つは、従来財投の主要な
原資になっております
郵便貯金の
原資がわれわれの
郵政省の
従業員の非常な努力によって集められておることは申すまでもないのでありますが、それに対しまして、金を集めるのは
郵政省でそれを振り当てるのは大蔵省だというような結果になることは
従業員の
士気高揚のためにもとらないところでございまして、私はその点から
従業員の
士気高揚、そのレクリエーションというようなこととあわせまして、
郵便貯金の
預金者に対する
サービスをも兼ねまして来年度の
予算におきましてはさしあたり二ヵ所分ほどの
土地取得費を計上いたしまして、行く行くは各ブロックに
一つくらいの
郵便貯金会館、仮の
名前でございますが、そういったものを建設いたしまして、いま申し上げたような目的のためにこれを活用していただこうというようなことを
考えておるのが一点でございます。
もう
一つは、この前にもいろいろ御
意見がございました
預金者に対する
貸し付け制度の問題でございます。これにつきましても、先ほど申し上げたように
公庫、
公団というような形でまいりますと、去年もそうであったのでありますが、
形式論でぶつかってしまうのであります。今度はこれは
郵政省自体において、
郵政省自分が直接に貸し付けるという案を立てまして、来年度
予算におきましても
初年度分大体
貸し付け金額五十億円
程度を見込みまして、
関係の法案の整備をいたしまして、これから具体的な交渉に入ろうといたしておるのであります。
貯金につきましては
郵便貯金会館を建てたいということと
貸し付け制度を創設していきたいということの
二つを
考えておるのであります。
大体以上で問題になりました点を御
説明したつもりでございますが、なお他に漏れておる点がございましたら、御
指摘をいただいたら
お答えを申し上げたいと思います。