○曾山
政府委員 ただいま
佐藤先生御指摘のように、当面
郵便料金の値上げ並びに新郵便
制度の発足にあたりましては、省当局といたしましても十分
準備をすべきでございましたし、また私どもといたしましては実は善意をもって、またこん身の
努力をもってさような
努力をしたつもりでございます。ただ、私どもの見通しと申しますか、あるいはものの
考え方と申しますか、つまり利用される
国民の方々の立場に立ったものの
考え方という点につきまして、率直に申しまして反省すべき点がございました。たとえば、ただいま先生御指摘の二円
切手の問題につきましては、私ども当時の、六月三十日現在におきます在庫数が二千三百万でございまして、それに三千五百万を追加増刷いたしまして、五千八百万あれば一日のはがきの差し出し物数が三百五十万でございますので、少なくとも十五日から、十六、七日は持つだろう、一方古いはがきだけでなくて、新しいはがきでございます。円はがきも平等に出されるであろうという期待をいたしました。そういたしますと、一カ月間は、いま申しました程度の三千五百万の追加増刷であれば、十分
国民の方々の御要望に沿いうるだろうという見込みを立てたわけでございます。ところが、すでに先生御指摘の新聞
関係の苦情あるいは記事等を見てもわかりますように、実は
国民の方々の立場に立ちますと、必ずしも一枚出すのに二円
切手を求めるのではございません。その場合には五枚、つまり十円で五枚を買っていかれる、あるいは往復はがきを差し出します
大口利用者の方々は、この際少しでもたくさん買い占めておいて、そうして往復はがきの返信部にこれを張ってできるだけ利用される、アンケート等に利用する、相手方の不便をなくしようというところから非常にたくさんの買い占めをされるというような心理が動いたのでございます。そういったところから、実は三百五十万出されるだろうと思いましたことに対応しての二円
切手の増刷数が、きわめて不足を来たしたという状況が出てまいりました。これなどは先ほど私申しましたように、つまり利用される
国民の方々の心理というものを十分理解しなかった私どもの手落ちだろうということを率直に認めます。しかしこれに対応いたしまして、さっそく私どもさらに二千万枚を増刷いたしましたし、またさらに追加増刷をいたしまして二千万、合計七千五百万を増刷いたしまして、足らないという
国民の方々の御要望にこたえていった次第でございます。
現段階においてどうかという先生のお話でございますが、なおこれにおきましても、
切手の偏在あるいは配給の間に合わぬという点もございますので、私どもといたしましては、集配局におきましては、たとえ一通たりといえども別納印をもって処理するという対策も考えましたし、またさらには必要な無集配局も含めまして、全国相当数の
郵便局におきましては料金
収納印を調製しました。またそれでは足らないというところで、通信日付印それ自体を利用するということとしました。まあ手だけは打っていったのでございますけれども、いかんせん先生御指摘のように、なおすみずみ、
国民全般の方々の御要望を満足させるというところまではいっておりません。しかし、すでに最終の二千万の増刷も本日納入になりまして、逐次配給を開始いたしております。私どもといたしましては、二円
切手のことにつきましては、だんだんとそういう手を打つことによって解消していくことを期待しております。今後もさらにこん身の
努力をすることによりまして、二円
切手の不足の悩みを解消していきたいと考えております。
先生御指摘のPRの不十分、これも実は一生懸命やったつもりでございますが、足らぬ点がございました。例をあげて申しますと、定形第一種の市内特別
郵便料金は十二円でございますが、御案内のように
一般のものが十五円でございます。たまたま
国民の
一般の方に配布いたしましたものに、十二円という
制度を詳細に表示いたしましたためにかえって誤解を招きまして、十二円で
ポストに投函したという例もあります。こういうものはPRの不十分ということで、
国民の利用される方々の心理を十分把握しなかったというそしりを受けてもしかたがないと思います。なお取り扱いの不徹底がございます。これも御指摘のとおりでございます。こういう点につきましては、新法に
移行します前に十分講習会、打ち合わせ会を繰り返したつもりでありますが、なお不十分な点もあろうかと思います。なお今後十分気をつけまして、一そうの監視指導をはかってまいりたいと思います。そのほか窓口の混雑、料金値上げそのものに対する不満というものが新聞紙上等にあらわれております。こういった点につきましては、十分
利用者の立場に立ちましたPR、さらに納得を得るような
努力を今後続けていく
所存でございます。