○春日
委員 わかった。あなた方、いつも会社側の
立場に有利になるようにのみ判断し、
決定して措置をされておるからいつも問題が起きるのですよ。たとえば、生命保険会社の利益、収支差額をずっと昭和二十二年から四十年までの足取りを見てみますると、あなたの言われるような、この二十年間にそんな変動なんかありゃしませんよ。でたらめ言いなさんな。二十二年は二億一千五百万円であったものが、翌年は八億七千七百万円、ずっと伸びてきて、一ぺんも下がったことはないのである。二割、三割、四割、いまでは一千十二億六千二百万円という利益を一年間にあげておる。実際問題としてどこに変動があるんだ。二億円のものが、次は八億円になり、その次は、三、四年すれば四十六億円になり、三十年には九十一億円になり、ずっと上昇テンポばかりなんですよ。そんなものは、変動があって利益が減ったりふえたりするものではないんです。経済の高度成長とその事業の安定度の高まりによって事業収益はふえていくのですよ。だから、運用利回りというものが過去の実績を見て八%下回っておるようなことは少ない。それを半分に見ておいて、高い保険料をとって、会社にうんともうけさして、その蓄積がいまなんと四兆一千六百八十二億円もあるじゃないですか。四兆一千六百八十二億円というのは、保険契約者から必要以上に高い保険料を徴収したその蓄積じゃありませんか。余分にぶんどっておるんだ。そんなものは、現実の問題として、生命表なんかも、新しいものができたらなぜ新しいものでやらないのか。それから、利差益だって、現実に八分の利差益があるものならば八分の利差益で
計算せしめたら、それでいいじゃありませんか。その結果もうかったらその分を契約者に配当するという
やり方でなくして、とるべからざる、とる必要のないものをとらしめるというようなことは、これは行
政府として、行政
指導として適当ではないと思う。この点どうですか、大臣。こんなものは、現在脆弱な
状態なら大いに心配せなければならぬけれ
ども、損害保険会社においては、とにかく七千二百七十八億円も戦後二十社でもうけているのですよ。生命保険会社については四兆一千億円ももうけているんだ。だから、この際これを低めろという議論について、反論をするとは何事か。現に、火災共済協同
組合においては一般火災保険会社よりもはるかに安い保険料をもってその事業は成り立っておるではないですか。そういうものは、いま
物価を安くしなければならぬという、これはわが国政に対する至上命令ではないか。だから、
政府の
指導によって下げ得るものがあるならば、
一つでも下げたらどうか。事業が各種の準備金やあるいは正味資産が薄弱であって、保険事業としてなおその基礎を固めるのは政策的必要ありとすることならば、これは別個の問題だと思う。けれ
ども、現実にこんな膨大利潤を、天文学的、マンモス的利潤を蓄積して、しかもその基礎が何であるかということをいろいろ調べてみれば、不実なバロメーターを基礎にして、そうしてその高額な保険料徴収を可能ならしめておる。これは各種保険財閥と
政府とのやみ結託によるところの不正料率だと言っても私は過言ではないと思う。そんなものは、四分の利回りなんということはないのだから、八分の利回りだったら八分で
計算さして、余分なものをとらしめる必要はないじゃありませんか。そんなことは自由にやってもらいたい。事実に即した処理をして、蓄積が乏しいときならば、政策的に資本蓄積の必要ありとか、あるいは保険事業の政策的基盤を固める必要があるというようなこともあり得るであろうが、いまやその必要のない
段階である。現に、
中小企業者等のやっておる火災共済でははるかに安い料率でその事業が成り立っておる、つじつまが合っておるのです。それにもかかわらず、大会社の保険財閥だけに高い料率徴収を可能ならしめておる。しかも、これは二十社以外はやれないのでございましょう。
資本主義経済だ、自由主義経済だといったって、これは戦後二十社以上ふやさない独占事業である。独占事業であって、独占
価格である。それをこのような論理に合わない不当な料率の徴収を可能ならしめている。これを見過ごしておくというようなことは、私は、さまざまな疑惑が実際問題としてこういうような点から発生してくると思う。この点どうです。安くするように
指導するのがあなたのほうの責任じゃないか。