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滝井委員 九月のときとそんなに
客観情勢というものは違っていないと思うのです。九月でも
早期解散の論はあったし、それからやはり
政界の黒い霧というものは出てきておったわけですよ。そう大きな
情勢の
変化はないと思うんですよ。そうしますと、いまのように、あのころは十月、十一月と明確に期限を切って
提示をしたのに、いまになったら急に十月、十一月が消えてしまったということは納得ができないわけです。しかも、わが方の
準備、すなわち
厚生省の
準備は、もういつでも万端整え得る
態勢にある、しかし党のほうがどうもそうもいかぬ、こういうことです。
私はこういうことをここで言いたくないですけれども、巷間私
たちの耳にこういうことが入ってくるのです。
医療保険問題というのは、へまをすると
内閣はたいへんなやけどをする問題だ。だから、
大臣に非常に気の毒だけれども、
池田派の
鈴木さん、
石井派の
灘尾さんでそういうぼたをかぶらせるということはよくない、
人事刷新で今度は
佐藤がみずから
厚生大臣になってやるべきだ、そうしないとこの問題は解決しないということが、巷間伝えられ始めたんですよ。これはたいへんなことだと思うんです。こういう
医療保険の大事な問題を派閥の
関係で云々されるというのはたいへんなことだと思うんですよ。そう言われておるのです。だからもう今度はできない。
新聞記者に聞いてごらんなさい。みなそう言っておる。もう
鈴木さんの手ではこの
抜本改正はできないと言っておる。だから、いま言ったように、
金色の
栄光に輝いているまじめなあなたの手でこれができないなんということになったら、これはたいへんなことになるのです。せっかく名
厚生大臣として二回にわたって
大臣に就任をしておられる、その
大臣の手でいまのような形になったら、これはもうたいへんですよ。もうここはあなたは背水の陣をしいて、私は
政治家として、何が何でも、政局の混乱があっても、あの案だけはつくってこういう
方針でいきますという
方針を出すことのほうが
ほんとうですよ。きょうの
新聞なんかを見るとこういうことも書いてある。
医療保険問題で
社会党が対決するというならば、
佐藤内閣としても対決をしてもいいじゃないか、慎重にやれ、こう
佐藤総理あたりが言ったと
新聞に書いてある。こんな問題で対決する必要も何もない。あなた方が案を出してくれば、批判すべきところは批判するし、賛成すべきところは賛成しますよ。あなたがみずから十月、十一月と約束をしておって、たいして
客観情勢の
変化もないのに、うやむやと幽霊みたいに、枯れ尾花に似ていつの間にか消えてしまうということはよくないです。
佐藤総理は、
人事刷新が先で
解散なんて
考えていない、こうおっしゃるのだから、あなたもひとつ、
人事刷新なんか
考えていない、私は
医療保険にまっしぐらに進む、
政治家としてはこう言うことが
ほんとうですよ。そうでしょう。それをいまのように、
厚生省は
準備万端整っておるけれども党がいつのことかわからぬ、しかし十一月の十六日と十八日は
問題点について話してみようというようなことでは話にならぬ。十六日、十八日と話したら、いつごろになってその案がまとまるか。私
たち野党にも、こういう抜本的な問題については、固まっておれば少なくとも案を見せてもらわなければいかぬ。こういう
社会保障の問題というのは共同の土俵の上でやるべきものなんです。それを何か秘密に役人がこそこそとやって、
自民党だけとこそこそと話して、ぱっと青天のへきれきのごとく案を出す。この前の総
報酬制と薬価の二分の一は、それだから失敗したのです。
十分意思の疎通ができていないから失敗したのです。だからそういう根回しというものが
政治には大事だということはおわかりでしょう。それもやらずにするということはよくない。だから
野党に当然目標は示さなければならぬ。どうですか。全然その
目算は立たぬとおっしゃるなら、それも
一つの
答弁でけっこうでございます。どうですか、全然
目算は立ちませんか。