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1966-07-26 第52回国会 衆議院 決算委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    国会召集日昭和四十一年七月十一日)(月曜日) (午前零時現在)における本委員は、次の通りであ る。    委員長 吉川 久衛君    理事 押谷 富三君 理事 白浜 仁吉君    理事 壽原 正一君 理事 田中 彰治君    理事 堀川 恭平君 理事 勝澤 芳雄君    理事 田原 春次君 理事 山田 長司君       石田 博英君    一萬田尚登君       根本龍太郎君    原 健三郎君       福永 健司君    山手 滿男君       神近 市子君    栗原 俊夫君       中村 重光君    長谷川 保君       華山 親義君    森本  靖君       吉田 賢一君 ————————————————————— 昭和四十一年七月二十六日(火曜日)    午後一時十八分開議  出席委員    委員長 吉川 久衛君    理事 押谷 富三君 理事 白浜 仁吉君    理事 壽原 正一君 理事 堀川 恭平君    理事 勝澤 芳雄君 理事 山田 長司君       根本龍太郎君    原 健三郎君       福永 健司君    山手 滿男君       神近 市子君    森本  靖君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 郡  祐一君  出席政府委員         郵政事務官         (大臣官房長) 竹下 一記君         郵政事務官         (監察局長)  鶴岡  寛君         郵政事務官         (郵務局長)  曾山 克已君         郵政事務官         (人事局長)  山本  博君  委員外出席者         郵政事務官         (貯金局長)  稲増 久義君         郵政事務官         (簡易保険局         長)      武田  功君         郵政事務官         (経理局長)  浅野 賢澄君         会計検査院事務         官         (第二局長)  井上  鼎君         専  門  員 池田 孝道君     ————————————— 七月十五日  委員華山親義君及び森本靖辞任につき、その  補欠として横山利秋君及び稻村隆一君が議長の  指名委員に選任された。 同日  委員稻村隆一君及び横山利秋辞任につき、そ  の補欠として森本靖君及び華山親義君が議長の  指名委員に選任された。     ————————————— 七月十一日  昭和三十九年度一般会計歳入歳出決算  昭和三十九年度特別会計歳入歳出決算  昭和三十九年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和三十九年度政府関係機関決算書  昭和三十九年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和三十九年度国有財産無償貸付状況計算書 は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  国政調査承認要求に関する件  閉会中審査に関する件  昭和三十九年度一般会計歳入歳出決算  昭和三十九年度特別会計歳入歳出決算  昭和三十九年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和三十九年度政府関係機関決算書  昭和三十九年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和三十九年度国有財産無償貸付状況計算書  (郵政省所管)      ————◇—————
  2. 吉川久衛

    吉川委員長 これより会議を開きます。  まず、国政調査承認要求に関する件についておはかりいたします。  すなわち、決算の適正を期するため、本会期中において  一、歳入歳出の実況に関する事項  二、国有財産増減及び現況に関する事項  三、政府関係機関経理に関する事項  四、公団等、国が資本金の二分の一以上を出資している法人の会計に関する事項  五、国または公社が直接または間接に補助金奨励金助成金等を交付し、または貸し付け金損失補償等財政援助を与えているものの会計に関する事項  以上の各項につきまして、関係各方面よりの説明を聴取、小委員会の設置及び資料の要求等方法によりまして、国政調査を実施することとし、規則の定めるところにより、議長承認を求めることといたしたいと存じます。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 吉川久衛

    吉川委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決定いたします。      ————◇—————
  4. 吉川久衛

    吉川委員長 昭和三十九年度決算外二件を一括して議題といたします。  本日は、郵政省所管について審査を行ないます。  これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、これを許します。押谷富三君。
  5. 押谷富三

    押谷委員 この際、大臣がお見えになっていらっしゃいますから、大臣以下、事務当局にもお尋ねをいたしたいと思います。  適当に、どなたからでもお答えをいただきたいと思いますが、問題は、過般、東京中央郵便局において起こりました、逓送中の書留郵袋一つ盗まれ、その中の現金その他のものが喪失してしまったという、まことに遺憾な事件があったのでございますが、郵政関係でお取り扱いになっております事務は、国民の大切な通信文書逓送でありますとか、あるいは金銭その他の重要なものを入れた、いわゆる書留有証郵袋というようなものがあるのでありまして、これが、かような遺憾な事実がたとえ一つでもありますれば、その盗まれた、あるいは不当に処分をされた郵便物によりまして、関係者がどれくらい大きな損害を受けるかわからないという不測の損害もあり得ることが予想されまするので、事件は単なる一つ郵袋を盗んだという事故ではありますけれども国民全般から見た郵政関係者に対しての大きな信頼には、相当影響するところが大きいと存じます。大臣におかれては、その直後、局長その他の方を集められて、綱紀弛緩についてのきびしい訓示等をなされたやに聞いております。まことに適切な処置でありまして、私は、漏れ承って、非常に敬意を表し、まことにけっこうな処置をなされたものと存じておりますが、先日、当委員会において、現場を見に参りました。いろいろな遺憾な点があることを発見いたしておるのでありますが、かような事態が生じたということによりまして、郵政当局はもとよりのこと、また郵政当局より郵逓関係を請け負うている郵逓株式会社においても相当反省をし、考慮を払い、今後に対する、かようなことのなきような万全の処置を講ぜられなければならぬと思うのであります。さしあたり、この問題についていかなる反省を持ち、いかなる考慮を払い、いかなる処置をとられたかを、まず承りたいと思います。
  6. 郡祐一

    郡国務大臣 おことばのとおり、東京中央郵便局におきまする事件は、まことに申しわけない事件でもあり、また熱心に働いておりまする全体の従業員に対しまして、従業員相互の、せっかく築き上げました信頼を害することでございまして、その意味におきまして、地方の局長を集めて、今後の対策について厳重に指図をしたのでありますが、しかし、私、全国郵便局の末端まで訓示をいたしましたことは、こうしたことによって、せっかく築き上げられました国民信頼に、独占事業として何とも申しわけのないことであることを、率直に反省することを申しておる次第でございます。したがいまして、仰せのとおり、これから全般にわたって、ひとつ綱紀の粛正をはからなければ相ならぬのでありますが、お尋ねのございました東京中郵郵袋扱いについては、保管監視について、もっと厳重にいたさなければならぬと存じまして、ことに書留郵便物の入りました郵袋と他の郵袋とを一緒に同じさくの中へ保管しておりましたのを、まず別々にいたします。そうして書留郵便物の入っております郵袋につきましては、運送便線路ごとに、郵袋局別個数をとり、別途特殊課から通報されております個数と照合いたしまして、郵便局員日本郵便逓送人間立ち会いの上、運転手にその個数を確認して積み込ませることにいたしました。書留郵便物の入っていない郵袋につきましても、これに準じた扱いをいたしております。  また運転手助手がどの路線を担当しておるかということが、必ずしも従来郵便局側ではっきりしておらない場合がありましたので、線路ごとの名を表示いたしました腕章をつけることにいたしております。そして車両の後尾にも、その線路をはっきりさしております。  それから、会社においての従来の採用ぶりを見ますと、一時は非常に人の採用が困難でありましたが、近ごろはやや普通の状態採用できておるのでありまするが、本年六月末に起こりました事件の場合の運転手などは、当初から、その運転手についても助手についても、成績の悪いことを会社側でも認めておったような状態で、早く解雇いたせばよかったのを、ほんとうに残念なことをしたのでありますが、会社側は、採用時の身元調査をさっそく非常に厳重にいたしております。そして会社側の班長の指導監督というようなことを励行いたしておる状況でございます。  さらに、これをひとつ、精神の面は当初申し上げたとおりでありまするが、物の面で見ますると、現在、これは押谷さんごらんをいただきましたのでお認めになったと思いますが、東京中央局一つで受け持っておりますために、いかにもあの場所が雑踏いたしております。したがいまして、いろいろと方法はあるようでございまして、民間の会社などでは、写真が絶えず操作をいたしませんで、動きながら写真をとっておるような例もあるのであります。どういうことをいたすかを今後考えなければいけませんが、とにかく中央局一局で東京は持っておる。これにどうも不便があり混雑がありますので、小包なり大型通常郵便物集中処理局建設中でありますので、来春からはこれらの局がそれぞれ担当いたします。そういたしますれば、東京中央郵便局発着作業が、幾らか緩和したスペースをとることができると思います。したがいまして、そういう現在の状況での扱い方、保管監視を厳重にいたしますとともに、そうした物的の面で、集中処理局を、すみやかに督促いたしましてこしらえまして、そして緩和をはかってまいりたいと思います。また全国の主要な中央局についても、同様に扱いたいと思っております。
  7. 押谷富三

    押谷委員 よくわかりましたが、この中央郵便局日本逓送会社従業員との間において、郵便物を授受なさる際に当事者間において適当に——これは確認はされましょうが、今回起こったように、横に積んであった郵袋を失敬するというようなことが、必ずしも不能のことではありません。これをしないようにするためには、やはり監視を厳重にせなければならぬ。その作業に対する秩序も十分に保っていかなければならぬ。そのためには、人の陣容につきましても何らかの御考慮がなければならぬと思うのでありますが、監視監督に対する、今回の問題からきた当局のお考え方はどうですか。
  8. 郡祐一

    郡国務大臣 これは確かに、監視監督の人的な充実ということは必要だと存じます。これは郵便料金をこの七月一日から上げていただいておるのでありまするから、当然郵便送達速度が安定し、早まり、それと同時に、もっと確実を期さなければいかぬのでございますが、法律の改正に伴いまして、定形であるとか定形外であるとかいうふうに郵便物の区別が変わりましたために混雑を来たしておりまして、そのほうのために、ただいま少し、率直に申して、混乱がありますることは、申しわけないと思いますが、今回の状態あたりでは、やや、ものが平静の状態になってきております。さよういたしますると、人間配置についても考えなければ相ならぬと思います。かつ、何と申しましても、人力に多くたよる事業でありますから、必要な人間はやはり今後も増員して使ってまいらなければいけませんが、そうした全体の中で、監視監督に当たります者につきましては、十分これを充実いたしまして、安心してまかせ得る状態に持っていくことを、現在の人間の中でも融通はいたしておりまするけれども、さらに人間全体についてあんばいを考えたいと思います。
  9. 押谷富三

    押谷委員 この問題が起こってから十五名ばかりの現場員をふやして、監督その他の処置に遺憾なきを期しておられると聞いたのですが、十五名増員というのは、配置転換等によってなされた処置だと思いますが、そういうことはあるのですかないのですか。
  10. 曾山克已

    曾山政委員 ただいま押谷先生から御指摘がございましたように、十五名の増員をいたしました。先生ごらんいただきました東京中央郵便局の第一普通課発着係要員総体は、休暇定員を含めまして百六十人でございます。そのほかは四十人程度の非常勤を雇用しておりますので、合計二百人の配置となっております。この要員のうち、先生ごらんになって御存じのように、地下の郵袋処理作業場に九十人を配置しておりまして、一階発着ホームとして百十人の配置となっております。これが三番交代、つまり日勤、夜勤、宿直という交代配置になっております。  そこで、問題の起こりました一階発着ホームにおきましては、自動車への郵袋積み込みの際に、差し立ての、ボックスといっておりますが、帳場ないし積み込み立ち会いますそれぞれの要員は、帳場につきましては、最高便数十三便の場合に四人、立ち会いにつきましては、差し立て便三便につきまして一人といった基準でやっておるわけであります。  さしあたり十五人を増員いたしましたのは、百六十人の定員に十五人をふやしまして百七十五人にしたということでございますが、特にこういう事件の発生にかんがみまして、重点的に立ち会いに振り向けるということをいたしました。具体的に申し上げますと、夜間の、ちょうどこの事故が起こりましたころの発着係勤務者は十四人でございまして、内訳は、立ち会い者が五人、書き上げと申します送状を書き上げます要員三人、監視の者が二人、ボックスに入りまして仕事をします者が四人という内訳になっております。そのうち立ち会いは、五人にさらにこの時間帯には五人ふやしました。先般先生お出かけのときに、中郵局長説明によりますと、週休とか何かの関係で常時二、三人しか回らぬということも言っておったようでございますが、ともかく定員といたしましても、その時間はさらに五人ふやしました。したがって倍にしたということになるわけでございます。
  11. 押谷富三

    押谷委員 まことにけっこうな御処置だと思います。この五人をふやして、現場における作業に従事する人を監督する人等が相当要ると思いますが、私が現場で聞きましたところ、またその後関係者から承りました内容によりますと、その監督に当たられる人が、やはり郵袋を動かしたり運んだり数えたりという仕事をなすっていらっしゃるようなのです。いわば作業をしながら監督をするというやり方をしていらっしゃる。それも悪いわけじゃないでしょうが、何人かは、十分か十五分の積み込みの間、引き渡しの間でございますから、監督専門にずっと監視をせられる、いわゆる監視所でも設けて、間違いのないように監視をせられるという処置がいいのではないかと思います。聞くところによれば、郵便事業に従事していらっしゃる人は、そうした監督監視をされることについては、相当異議を持っていらっしゃるようにも聞いておりますけれども、このことは、中央郵便局員監督するのではありません。この事故を起こしたのは日本郵逓会社従業員です。いわば郵政省関係職員方々中央郵便局職員の人の外に、請負の営利会社がある、そこの従業員処置が今回の問題になっているのですから、監督は、広い意味において、郵政省従業員監督するということではなくて、大切な国民郵便物を授受するにあたって、受け取る人は中央郵便局の方じゃないのですから、したがって、まああまり好かれていないようでありますけれでも、専門監視員というものが二人、三人、高いところに立ってながめるというようなことは、私は形の上においてもけっこうな処置じゃないかと思うのです。当時もその話をしておったのですが、この点についてどうお考えになりますか。
  12. 曾山克已

    曾山政委員 先ほど、発着係の、この時刻——約午前二時から三時くらいまでの間におきます要員のうちで五名ほどが立ち会い者と申し上げましたが、その五名は、立ち会い仕事をしますと同時に、線路から車が、日本郵便逓送会社の車が発着いたしますにあたりましての監視もする人間でございまして、それがさらに五人ふえましたわけでございます。ただ、先生のおっしゃいますとおり、立ち会い仕事監視仕事が混合しまして、どっちつかずになるという懸念もあるというようなお話もございましたので、事実、最近五人増員いたしましたこの数の中から、まさしく監視専務の者を命じまして、現在監視をしておるような状況であります。さらに、きわめて適切な御助言でございますところの、監視要員を、監視塔みたいなものをつくって、そこで監視をさしたらどうかということにつきましては、別に組合のほうから見ましても、組合の中から犯罪者を出すことは、組合として名誉なことでもございませんから、これを拒否する何らの理由もないわけでございます。私らといたしましては、十分そういう面の説得を重ねてまいりたいと思います。同時に、先生のまさしく御指摘のとおり、発着につきましては、職員外逓送会社従事員仕事をしているところもございますし、また外部から人も入りやすいというような面もございますので、そういった施設の建設につきまして、先生の貴重な御意見を十分検討さしていただきまして、前向きの姿勢でやってまいりたいというふうに存ずる次第でございます。
  13. 押谷富三

    押谷委員 この問題を起こしたのは日本郵逓会社従業員なのですが、これはもう局と全く一本になって、専属して郵便物の輸送に当たっている人でありますが、そういう会社であれば、その労務管理なりその他について、郵政省から、あるいは助言をしたり監督をしたり、いろいろ注文をするというようなことはあっていいわけですが、その点はどうなのですか。
  14. 曾山克已

    曾山政委員 その会社は、一般私法人でございまして、したがってこれに対しまして法律上の監督を加えるというのは法規的には一応できないたてまえになっております。しかし一方、監査という形におきまして、当然、郵政省が委託しております郵便物運送が正規に行なわれておるかどうか、契約書どおり行なわれておるかどうかということにつきましての監査をなし得ることになっております。四半期に一回は、線路の始発の局長等は、場合によりましては車に便乗いたしまして、その取り扱い状況を十分監査するということになっておりますので、そういった規定を生かしまして、十分先生の御要望に耐え得る事実上の監督をいたしてまいりたいと思います。あわせて、先生もすでに御案内のように、日本郵便逓送会社には、いろいろと郵便の経験に富んだ者もおるわけでございますし、そういった人たちは、郵便仕事重要性を十分理解しているはずでございますが、さらにそういう人的な面をも通じまして、内部におきます監督——ちょうど、私ども郵政省の中での郵便取り扱いにつきまして、管理者を督励いたしまして、十分な監督をいたしておるのと、同じような形で、しっかりした監督をさせますよう、督励してまいりたいと存じておる次第であります。
  15. 押谷富三

    押谷委員 この日本郵逓会社事業の進め方につきまして、いま承れば、監督もし助言もするということに承るのでありますが、そうなりますと、私は先般その日本郵逓会社にも参りました。そして係の方にいろいろ聞いたのですが、非常に忙しい仕事で、夜も昼も自動車を操縦して市内を飛び回っている。こういうような場合におきましては、あまり過労になってもいけません。またその仕事の上にルーズなことがあってもいけません。やはり秩序よく労務管理というものがそこに行なわれ、執務秩序も立てていくということが必要だろうと思うのでありますが、一体労務管理はどうなっているかということになると、ほとんど無秩序に近いものである。たとえば、三交代でやっているかと言うと、三交代にはやれません。二十四時間勤務の者もおります。七時間勤務の人もおる、しかもそれはまちまちですから、一律に執務規律をつくったり、時間をきめたり、労務管理をやるというようなことはできませんという答えであったのです。私は実に意外なことだと思ったのですが、さような状況において、大切な郵便逓送事務を取り扱っておって、これくらいの間違いはまだ少ないほうで、さような状態があるならば、あるいは今後も遺憾なことが起きるかもしれない。交通事故等関係もありますししますから、その勤務時間、あるいはその他の勤務状況労務管理、特に人事採用するにあたっての慎重さというようなものについて、いろいろ私は意見を述べてきましたが、私の意見を聞くという気持ちはなかったようです。そうして、一口に言えば、どうも多種多様の仕事であるから、社内において労務の規程をつくることは困難だというような、常務でありましたか、意見であったのです。私は、郵政省から監督をせられるとか、あるいは助言をせられるとかいうような形で、ある程度のつなぎがついていきましたならば、それらについて、今日までどういう指導をせられ、それがどう行なわれているかということを、この際承っておきたいと思います。
  16. 曾山克已

    曾山政委員 ただいま押谷先生から御熱心な、会社内部におきます人事管理労務管理につきましての御質問があったにもかかわらず、責任者がきわめてあいまいなお答えをしたということをお聞きしまして、私自身非常に驚きもし、また申しわけなく思っておる次第であります。当然、会社管理者といたしましては、会社内部におきます人事管理労務管理につきまして、はっきりとした筋の通った姿勢を持ち、腹を持ち、同時に、経営者として、大事な郵便を運んでおるのでございますから、その責任にこたえるような態度を示しておるべきだと思うのでございます。今後も、先生からいまそういった御叱正がございましたので、私どものほうといたしましても、十分幹部を叱正いたしまして、先生信頼にこたえ得るような人事管理労務管理をやらしてまいりたいと思います。  なお、すでに先生案内のように、労働関係調整法、いわゆる労調法の適用を受けます公益事業にも指定されておりまして、かってに、一般の私企業の場合と違いまして、予告なしにストライキをすることもできぬことになっております。かつて、当省関係組合スト等にあたりましても、いわゆる同情ストということがございましたが、そういった場合におきまして、むしろ私どもといたしましては、仕事におきまして全く同等でございますので、そういう不心得のないように、仕事の本質にかんがみまして、今後とも十分な労務管理人事管理指導してまいるよう叱正してまいりたいと思います。
  17. 押谷富三

    押谷委員 御答弁の内容によりまして、今回の問題に対する反省なり、またそれに対する今後の、かような問題が起こらないような、防止のための御処置につきましては、私は敬意を表しておきます。  なお、今後の問題として御考慮を願いたいことは、中央郵便局のあの場において、運転手助手に物を渡すということにつきましては、いろいろ配慮をいたされておる、またこれに対して間違いのないような監督指導もいたされる、これはけっこうなんです。十分だと思います。さらに、より以上御注意を願いたいと思いますが、今度は、その車の中に積んだ郵便物は、皆さんの監督から離れて、これはもう助手運転手占有下になって次のところへ持っていかれるのですが、その間における間違いというものは、これからあり得るということを一応お考えを願わなければならぬ。これは局の方々でなくて、日本郵逓株式会社助手運転手に渡すのですから、その助手運転手支配下に置かれた郵便物は、その人たちがやろうと思えばどんな処置もやれるというのが、どうも私どもにも心配なのでありますが、これにつきましては、いろいろそこまでの監督についてはむずかしいことだと思いますけれども、かようなことにつきましても十分日本郵逓株式会社とも御相談をなさいまして、さような時点に達したときの危険がなきよう、あやまちのなきような措置を講ぜられることを希望いたします。  委員長、終わりました。
  18. 吉川久衛

  19. 勝澤芳雄

    勝澤委員 いまの押谷先生の質問の中で、ぜひ私は、これは資料だけあとでお出し願いたいと思いますが、日本郵便逓送株式会社の財務諸表、運送契約、委託業務の内容、それから委託料というのですか、運送料というのですか、その算定のしかた、それから過去五年間の運送料の経過、役員の経過、株主の構成状態、これをぜひ資料としてお出し願って、いまの問願についての質問を少し続けたいと思いますので、資料を御提出願いたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。
  20. 曾山克已

    曾山政委員 承知いたしました。
  21. 勝澤芳雄

    勝澤委員 それでは、新しい問題で、澁谷郵便局の集配課の副課長が、長年、十一年八カ月ですか、にわたって犯行をいたしておった問題でありますが、これは、言うならば、いままで郵政犯罪郵政犯罪、こう言われてまいりましたけれども、あまりこういう事件というのはなかったわけであります。しかも、これが全然別個の立場で、六月二十三日に、三井鉱山社員寮のふろをのぞき見していたところを怪しまれて、そうして警察官が取り調べをした結果、こういう犯行が出てきた。しかもそれは一般郵便物であって、書留ではなかったということからいきまして、そしてまた、それが昭和二十九年九月から三十五年の十月、六年間にわたって、おもに二千三百七十六通の郵便物が窃取されておったという事件でありますが、これは、いままで私たちがいろいろと会計検査院より報告されていた事項から考えてみますと、新しい別個の犯罪であるし、またこういうものが実はあったとしても、なかなか発見がしにいく、こういうふうに思うわけでありますが、この犯罪にあたって、経過といいますか、郵政犯罪、あるいはその監察官というものが、こういう面についてどういうふうな監察を行なってきたかということと、今後どういうふうにこれに対処していくかという二点について、お伺いいたします。
  22. 郡祐一

    郡国務大臣 この種の犯罪について端緒となりますのは、申告によりまして、そして調査を進めてまいるところが、御指摘のように、一般郵便物でありますために、申告がなかったということ。それから、これは監督の側の手落ちでありますが、その人間が、一見勤務が正常な、むしろよく働いているというぐあいに見られておりました点が、発覚の端緒を得られなかった原因でございます。結局、そういたしますと、この種の犯罪につきましては、郵便物の申告制度というものをもう一ぺん見直してみることが必要だと思うのであります。すなわち、申告制度というものが利用者のほうにあまり周知していない。それから、今度は、郵便事故の申告をされましても、郵便局側の受付が、大局でありますとその担当者がおりますけれども一般のところでは、申告を受ける側の担当者がはっきりしておらない。この点の指導を強化いたす必要があろうと思います。したがいまして、郵政本省で、監察局でこうした申告制度というものを分析いたしまして、そして事故申告をどこまでも、しまいまで追及するという体制を特に強くとるようにいたしております。それから、郵便局におきます現場監督——利用者の側に申告をお願いすることを申し上げたのでありますが、郵便局の中におきます現場監督、これの強化をいたしております。そして従来、監察をいたしますけれども、監察の結果の措置というものが、とかく事業をいたします、業務をいたします上に十分徹底しておらないきみがございますから、その点を徹底させる、こういう点を、ただいまそれぞれ措置をとっている次第でございます。
  23. 勝澤芳雄

    勝澤委員 普通郵便物の中に現金を入れたということでありますから、とかくいままで監査の対象にならない事故、ですから、事件として、私は珍しい事件だと思う。しかしこの事件をよく調べてみれば、じゃ、ほかにこういうことはないだろうかという疑問が実はあるわけです。あっても、まさにこれは完全犯罪だと私は思う。この端緒 が、郵政監察局で調べてこういうものが出てきたというならば、これは私は、やはりそういう一つの調べのしかたもあったと思うのですけれども、これは全然別個の立場であった。しかも六年間にわたって行なわれておったけれども、その六年間には何もわからずに、三十五年十月までやって、それから四十一年までは何もやらなかったということなんですね。しかもこういうものが抜き出してもわからない。それが違法の措置だと思うから、なかなか申告がしにくい。最近、私は新聞を見てみますと、たとえば二万五千円の申告をして現金書留を送った。二万五千円送ったと思ったら、相手のほうは一万五千円だといって、一万五千円の領収書をよこした。一体どこに責任があるのかといったら、これは結局、現金書留で申告を二万五千円してあったとしても、二万五千円確認はされていないので、これは送った人の責任だと、こういわれておるというのですね。それが一つの判例だ。そういうふうに考えてみると、私はここに新たな、いままで世間に知られていない犯罪というものがあったのではないだろうかという疑点を持つわけであります。かてて加えて、この三十九年度の会計検査報告を見てみますと、たとえば仙台郵政局の浅舞郵便局の場合は、二十八年三月から三十九年九月まで約十年間、窓口業務をやっておった者の定額郵便貯金の不正が出ておるわけです。こういう不正事件というものがあるであろうと予測されておるものが、監察官が調査に行きながらも、十年間たってようやく発見された。いまのこの普通郵便物の例を見てみますと、発見のしょうがない。こういうことを考えてみますと、郵政監察というもののあり方について、もう少ししっかりした方針を立てなければいけないのじゃないだろうか。大臣は、これに対して、やはり上の者についても相当きつい処分をしなければならぬということをお考えになって、そういうことが新聞に報ぜられておりますけれども、私は、十年、十五年というような長い間のこういう犯罪が起きた結果の監察の状態を見てみますと、一体監察というものがあるのか、やっておったのかやってなかったのか、もう一回監察の人事のあり方ですか、監察官の人事管理のあり方ですか、それもやはり洗い直してみなければいけないのじゃないかと思う。  それと、集配の副課長の起こした事件、普通郵便物事件を取り上げてみて、これはよほど世間に周知をして、申告制度というものについて、あるいは普通郵便物の中に現金を入れた場合——いまでもあるでしょうし、またこれをよく調べてみると、大体専門家が見れば、現金が入っておるか入っていないかということは一〇〇%、郵便を取り扱っておる人から見ればわかるというくらいにいわれております。しかしこれを見てみますと、これは調査の結果でしょう。二七%くらいの確率で技き出しております。こういう点を考えてみますと、普通郵便物でこういう事件が起きたというのは、実に重大な問題だと私は思うのです。監察の目が及ばないところですから、ですから、この点は、いまの日本逓送関係ともあわせながら、やはり掘り下げたことをしながら、世間に十分知らせなければ、これは私は心配でしょうがないわけです。実は私らも、出した手紙が必ず向こうへ着いておったと思っておるわけであります。しかし、手紙を出しておいて、その手紙が着いたかどうかもう一回確認の手紙を出すわけにいきません。そういう点で、普通郵便物たりとも、もう少し取り扱い方について、やはり真剣な配慮をお願いしたいと思います。
  24. 郡祐一

    郡国務大臣 確かに、普通通常郵便物事件は、おっしゃるような点を気をつけなければいけないものだと思います。普通通常郵便物の窃取隠匿事件というものについては、特におっしゃるように発見しにくい場合が多いので、ある程度注意をいたしまして、事件の検挙につとめておりまして、三十八年度で三百八十八件、三十九年度で二百八十六件、四十年度で百九十六件というぐあいに、それぞれ事件をとらえておるのでありますが、これは数字の上で減少しておることが必ずしも犯罪がほんとうに減少しておるのであろうかどうであろうか、そして、先ほど申しました申告制度というものが励行されておらないきみがあるのですけれども、それにしましても、四十年度で八万何千という申告がございました。そのほとんど全部が着かないという申告であります。したがいまして、そういう点で、ひとつ普通通常郵便物の窃取隠匿と、それから未着ということの原因を確かめる、現にこの点に監察の重点を置くことにいたしておりますけれども、特にもう少し綿密な方法を立てることにいたしたいと思います。
  25. 勝澤芳雄

    勝澤委員 それから、会計検査院にもちょっとお尋ねしておきたいのですが、これはときどき、毎年のように、十年くらいの犯罪というものが出ているわけでありますけれども、これは犯罪そのものを見ているだけでなくて、その間に、郵政監察が一体どういうふうにやられたのか、事故を起した者、犯罪をやった人は、むろん刑事上の処分を受けるわけでありますけれども、それを検査しなければならぬ立場の人たちの検査というものが完全に行なわれたかどうかという点の追及が、どうも不十分でなかったかという気が実はするわけであります。初めから、そういうものが予測されているわけでありますから、ある程度やはり万全といいますか、この程度調べたならば大体犯罪というものはわかる、これは完全犯罪じゃないのだということがわかる程度の監査というものは、行なわれていなければならぬと思うのです。それがここ十年も行なわれているということは、やはり監察のあり方についてまで、会計検査院としてもう少し指摘指導する必要があるのではないだろうか、こう思うのですが、そういう点についてのお考えをお聞きしたいと思います。
  26. 井上鼎

    ○井上会計検査院説明員 ただいま先生おっしゃいましたように、確かに、こういう点を調べればこういう事実がわかるであろういろいろな方法があろうかと思います。いろいろ監察関係につきましても、私ども十分連絡をとりまして、話し合いなどいたしておるわけでございますが、一応私どもの気持ちといたしましては、最近こういった犯罪、もちろんこれが激減になったわけではございません、ややごくわずか程度ではございますが、だんだん漸減の方向に向いておるというふうに考えております。今後、私どもも監察局のほうと十分連絡いたしまして、いろいろ相談をいたしたいと思います。御了承願いたいと思います。
  27. 勝澤芳雄

    勝澤委員 私も、こういう犯罪が少なくなった、またそのために会計検査院として、一つ意見を出して、その方向に従って努力をしているということは認めますけれども、やはり完全犯罪は不可能なんだということを、仕事をしている人に教えなければいかぬと思う。そういう意味で、今後も大いに努力をしていただきたいと同時に、先ほど大臣から御答弁ありましたけれども、特に私は、普通郵便物事故が起こった、ましてや現金が入っておったということから考えてみますと、これは新しい問題です。いまだかつて——私も、あるであろうということは予測しておりましたけれども、こういう事件というものがこんなに長い間行なわれておる——考えてみれば、私は一番可能な問題だと思うのであります。可能な犯罪だと思うのです。ですから、やはりこの問題については、この際大臣も、いろいろ最近郵政省には問題が起きて取り扱われているようでありますから、ひとつ厳重な取り扱いをして、特にこういう問題についての疑点がないように、またいま、申告制度なんというのがあるということも言われましたけれども、私らもあまりよく知らなかったわけでありまして、現金書留の問題も、実は知らなかったのですが、なるほど確認をされて受け付けておるわけではない、申告に基づいておるのだということになれば、送った人の責任——片方が受け取って、中を確かめて金額に相違があれば、送った者の責任で、郵便局責任はないということはわかりますけれども、やはりその辺についても、研究すべき問題があるのではないだろうかと考えます。  あとまだ二、三ありますけれども、別の機会にお伺いすることにいたしまして、これで終えておきます。      ————◇—————
  28. 吉川久衛

    吉川委員長 閉会中審査申し出に関する件についておはかりいたします。  すなわち、決算の適正を期するため、  一、昭和三十九年度一般会計歳入歳出決算    昭和三十九年度特別会計歳入歳出決算    昭和三十九年度国税収納金整理資金受払計算書    昭和三十九年度政府関係機関決算書  二、昭和三十九年度国有財産増減及び現在額総計算書  三、昭和三十九年度国有財産無償貸付状況計算書  四、歳入歳出の実況に関する件  五、国有財産増減及び現況に関する件  六、政府関係機関経理に関する件  七、公団等、国が資本金の二分の一以上を出資している法人の会計に関する件  八、国または公社が直接または間接に補助金奨励金助成金等を交付し、または貸付金、損失補償等財政援助を与えているものの会計に関する件  以上八件について、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 吉川久衛

    吉川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————
  30. 吉川久衛

    吉川委員長 次に、委員派遣承認申請に関する件についておはかりいたします。  閉会中審査案件が本委員会に付託になり、調査のため、現地に委員を派遣する必要が生じました際には、議長に対し、委員派遣承認申請を行なうこととし、その手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 吉川久衛

    吉川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  本日は、これにて散会いたします。    午後二時六分散会