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1966-11-11 第52回国会 衆議院 議院運営委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年十一月十一日(金曜日)    午前十一時四十六分開議  出席委員    委員長 塚原 俊郎君    理事 佐々木秀世君 理事 坪川 信三君    理事 伊能繁次郎君 理事 竹下  登君    理事 滝井 義高君 理事 中嶋 英夫君    理事 安宅 常彦君 理事 鈴木  一君       天野 光晴君    鯨岡 兵輔君       小山 省二君    田中 六助君       竹内 黎一君    西岡 武夫君      茜ケ久保重光君    島口重次郎君       西村 関一君    藤田 高敏君  出席国務大臣         国 務 大 臣 愛知 揆一君  委員外出席者        議     長 山口喜久一郎君         副  議  長 園田  直君         議     員 林  百郎君         事 務 総 長 久保田義麿君     ――――――――――――― 八月二日  委員宇野宗佑君、海部俊樹君、金丸信君及び草  野一郎平辞任につき、その補欠として久保田  円次君、小渕恵三君、天野光晴君及び竹下登君  が議長指名委員に選任された。 同月十一日  理事草野一郎平君八月二日委員辞任につき、そ  の補欠として竹下登君が委員長指名理事に  選任された。     ――――――――――――― 七月二十九日  一、国会法等改正に関する件  二、議長よりの諮問事項  三、その他議院運営委員会の所管に属する事項 の閉会中審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  臨時国会召集時期について、内閣官房長官に  質疑  年末年始の虚礼廃止の申し合わせに関する件      ――――◇―――――
  2. 塚原俊郎

    塚原委員長 これより会議を開きます。  愛知内閣官房長官が出席されております。  質疑の申し出がありますのでこれを許します。滝井君。
  3. 滝井義高

    滝井委員 国会召集の問題について官房長官の御意向をお尋ねをいたしたいのですが、それは最近の新聞を見ますと、十一月の三十日に臨時国会召集をして、十二月の五日開会式をやって、会期は二十六日とか、ある新聞によると三週間と書いてあるのがありますが、そういう報道がなされておるわけです。しかも通常国会は十二月二十七日に召集すると、きわめて明確なスケジュールが発表をされておるわけですが、政府は、ほんとうにそういう新聞に出ておるようなことをおやりになる意思があるのかどうか、そういうことで準備を進めておるのかどうか。
  4. 愛知揆一

    愛知国務大臣 お答えいたします。  まず最初に、臨時国会召集の問題につきましては、いろいろの報道がございますけれども政府としては公にまだ態度決定しておらないのであります。そのことは、昨日参議院予算委員会がございましたが、その席上でたまたま総理大臣答弁の中からも明確にされておりますように、総理大臣みずからの公の発言の中でも、召集の時期というものについてはまだきめる状態になっておりませんということを明らかにいたしておるわけであります。しかし、政府といたしましては、もちろん臨時国会で御審議を願いたい案件もございます。また、野党からの成規手続による召集の御要求もございますので、準備ができましたならばすみやかに召集をいたしたい、かように考えておることは事実でございます。
  5. 滝井義高

    滝井委員 そうしますと、十一月三十日召集とか、十二月五日に開会式を開くなんというのは全く事実無根である、それは根拠のないものである、こう考えて差しつかえないのでありますか。
  6. 愛知揆一

    愛知国務大臣 これは、政府としてこういったものについての態度決定いたします場合には、たとえば与党国会対策委員会その他の意向等も十分聞く必要もございますしいたしますから、だんだんとこれからも相談をしていかなければならない。それからわれわれとしては、何とか今月中には召集までわれわれの準備をこぎつけたいと考えておりますから、結果的にはそういうことになろうかとも思いますけれども、ただ会期をどうするとか、あるいはそのほかの段取りをきめるということになるのは、これは政府みずからでやるべきではなくて、国会の御意思も十分承ってきめらるべきものでありますから、そういったような会期問題等について、われわれとしては、今後におきましても確たる意見というものは申し上げることは差し控えたい、かように考えております。
  7. 滝井義高

    滝井委員 そうしますと、新聞に出た十一月三丁目とかなんとかいうことは、政府としては全然関知したことではない。結果としては、今月中に準備完了をしてあるいはそういうことになるかもしれないけれども、とにかくあの記事については政府は何ら関知するところでない、こう理解をしておいて差しつかえないですね。
  8. 愛知揆一

    愛知国務大臣 大体そういうふうに御理解いただいてかまいません。
  9. 滝井義高

    滝井委員 そうしますと、先日、議運理事会官房長官においでいただいて、いろいろ臨時国安早期召集について私たちのほうで要求をしたわけですね。その際に、官房長官としては、いままでの方針でいえば、事務的には十一月二十五日ぐらいに臨時国会召集するということで準備をやっておった。それは災害予算の査定とか、公務員給与財源の問題とかいうようなものがあって、事務的には今月二十五日をいままで予定をしておったけれども、皆さんのそういう強い要望があれば何とか努力をしてみて、まあ数日は繰り上げられるのではないだろうか、十一月の二十日ぐらいには何とか見通しがつきはせぬかという気もいたしますというような御発言があったわけです。そこで、われわれ野党四派の国対委員長会談等も開きまして、公務員給与災害の問題もありますけれども日本における議会民主主義をやはりこの際きちっと確立をする必要がある。そのためにはいまの政治不信というものをすみやかに除去する必要があるので、補正予算の問題もあるであろうけれども臨時国会を、とにかく日本民主主義の危機を守り、政界積年の腐敗を一掃するためにも早く開きなさい、早く開く必要がある、そういう要求を当時したわけであります。そうして官房長官から、数日、すなわち二十日くらいには何とか事務的にはいくんじゃないかという話があった。そうしてみますと、いまの三十日説というのは全然政府の関知するものでないとすれば、当然二十日ぐらいには臨時国会を私たちは開いていただきたい。しかも、佐藤総理札幌の一日内閣における記者会見等で、臨時国会を十一月下旬に召集する考え準備をさしておるということを言明をされておる。いまの官房長官の御答弁からも、結果としては十一月の末になるであろうというお話です。そうしますと、それを努力をして、いまのように二十日ぐらいに開いていただく、こういうことはこの前の言明からしてもできないことではないじゃないか。予算は並行して準備ができるわけですから、国会を開いたら予算準備ができないということでもない。補正予算という内容が、公務員給与災害ということに限ればできないことはないと思うのですが、その点どういうお考えをお持ちなのか。国会が結果としては十一月の終わりになるであろうという推定は官房長官もされておる。総理札幌の一日内閣で、準備をさせておる、こう言っておる。だからそこを目途としておることは明らかで、昨日の参議院予算委員会等においても大体そういう発言をされておる。そうすると、十一月の下旬、ということになれば、一番早いときは、われわれの常識からいえば二十日ですね。したがって、この前の言明そこらあたりでやれるかどうか。またぜひわれわれはやっていただかなければならぬと考えておる。
  10. 愛知揆一

    愛知国務大臣 これは二つに分けてお答えいたしたいと思うのでありますが、私ども考え方は、臨時国会召集ということは、審議をしていただく議案公務員給与問題、災害の問題を中心にして、これはあとでも若干御説明の機会があろうかと思いますが、そのほかできるだけしぼりますけれども、数件のいま研究中の議案がございます。これを御審議いただきたいということで臨時国会考えているわけです。そこで前回議運理事懇談会の際に申し上げましたことは、先ほど滝井さんの御指摘のとおりなのです。十月上旬ごろの私の判断から申しますと、昨年までの補正予算の編成、それから今年の公務員給与に対する政府決定時期、その他見合わせて二十五日を目標にしているんだけれども、若干繰り上げることができるのではなかろうかと考えたことは事実なんであります。ところが、少しこまかくなって恐縮でありますし、また私からだけお答えするのも十分でないかもしれませんが、どうも財政当局その他の見解をだんだん詰めてまいりますと、いわゆる経済の変動期に際会しておりますために、九月の決算期を踏んまえて歳入状況がどういうふうに変化するであろうかということを捕捉するのに非常に困難をきわめておるということで、いまのところ財政当局としては歳入歳出の両面とも未確定の要素が多い、その確定については、今後なお少なくとも十日程度は必要とする。そうしてそれを決定をして印刷その他事務的あるいはその他の準備を完了するのに二十日として、十一月末でも非常にむずかしいというようなその後の態度なのでありますが、総理をはじめ私どもとしては、それを大いに督励いたしまして、何としても十一月中には召集にまでこぎつけたい、かように考えておるわけでございます。したがって、十月上旬ごろ私が率直に申し上げました私の見通し努力が不十分であって、そうしてその時期が逆にずれたということについては、たいへん私の見込みはずれでございますのでおわびを申し上げなければならないのでございますが、実情はさような状況でございます。  それからもう一つの観点は、これもお示しがございましたように、最初日本社会党臨時国会要求が、主としてやはり補正予算中心の御要求であった。成規手続をとられた御要求であったのでありますが、その後四派からの御要求は、補正予算はともかくとして、とにかく即時すみやかに、あるいは重ねてというような御要求が何回かにわたってあるわけでございますけれども、私どもとしては、審議をいただくべき議案についてもこうして鋭意努力を重ねておりますし、またその時期もほぼ目安がつくことになっておりますので、議案提出準備ができました時期に召集を、させていただきたいこういう考え方に立っておるわけであります。
  11. 滝井義高

    滝井委員 補正予算における災害なり公務員給与、石炭の問題もありますが、それらも非常に国民生活に密着している案件ですから重要だと思います。しかし現実に、この前も私は御指摘を申し上げましたように、いま日本議会制民主主義に対する不信感が根強く国民の中に浸透しておることは事実であります。しかも政治に無関心層というのが、世論調査その他を見ても五割近くも出てきている。こういうことは政策以前にわれわれが解決しておかなければならぬ問題です。したがって、あなたのほうで歳入歳出財源見通しその他を明確に把握するためには、どうしても十一月の三十日前後にならぬとだめだ、これから十日くらい必要とする、なお印刷その他を考えますと結局二十日くらいで、十一月の末になるということはわかります。それはそれで御準備をいただいて、その前に、佐藤総理がみずからおっしゃっているように、積年病弊というものをやはりこの際洗い流して、そうしてえりを正して、自民党の再建はもちろん、議会制民主主義に対する国民信頼を回復するということを先行させなければならぬ。そういう意味で、野党のわれわれとしては四派相はかって、あなたのいま御指摘になったように、すみやかに即時、補正予算とは切り離して、あるいは場合によっては並行してでもよろしいからやってください、こういうことを書っておるわけです。これは佐藤総理も非常に名文で言っておるのです。「重大決意を持って綱紀粛正を行なう。」「いずれにせよ、心を尽くし誠を尽くして、清く正しく、かつあたたかい政治をやり、積年病弊を打破するというきのうからの問題と、」いわゆるきのうからの問題、これはおそらく佐藤調であり愛知調ですよ。「国民生活を安定し、ますます繁栄を築いてゆくというあすへの課題全力を傾ける。」このあすへの課題全力を尽くすというのがいまの災害やら公務員給与、こうなってくる。その上にいわば新しい四十二年度の政策が築かれてくるわけですから、それがあすへの課題。きのうからの積もり積もっておる問題を先に片づけないと、あすの課題に取り組めないのですよ。ここが非常に重大なポイントなんです。そのポイントを、今度はきのうの課題とあすへの課題とを一緒に臨時国会を開いてやるということになると非常に混迷を来たすし、国民もわかりにくいのです。どこに一体積年病弊の根源があったかということがわかりにくい。だから政治というものは、回りくどくてはなかなか納得しにくい。やはりずばりわかりやすく国民政治の実態を示してやる必要がある。そのためには、やはりあと十日間くらい準備をして、二十日くらいには開いていただくということにならないといけないと思うのです。いまのような政府の三十日説というようなことでは、われわれとしては納得がいかないのです。重ねてひとつ愛知さんの真情を吐露していただきたい。
  12. 愛知揆一

    愛知国務大臣 これは私もまことにごもっともな御意見だと思うのです。しかし同時に、きのうからの課題を片づけますのにも、やはり御承知のように、われわれの立場からいえば綱紀粛正あるいは粛党の問題その他やるべきことをてきぱきこれから片づけていかなければなりませんし、そうして十分に態勢を確立をし、やるべき方向を定めて、そしてこの臨時国会におきまして、そういう点につきましての所信を明らかにさせていただきたい。そもそもが今回の臨時国会は、先ほど申しましたような最初の目的で考えられ、それとあわせて、いずれにしても余日幾ばくもないわけでございますから、予算案法律案等準備も完了し、また一面そうしたような心がまえ、具体的な準備ができましたところで、ひとつ十分国会を通じて御審議、御批判を仰ぎたい、こういうふうに考えておるわけであります。
  13. 滝井義高

    滝井委員 そうしますと、月末というのを、鋭意準備をしてもう少しでも繰り上げていくという、この前は二十五日から二十日という御説があったわけです。いまの御説明では、どうも二十日ごろということが後退した感じがするわけです。あなたとしては、この前言ったような二十日ぐらいに繰り上げていく意思があるのですか。その努力をこれから誠意を示してやってみようという決意があるのですか。
  14. 愛知揆一

    愛知国務大臣 これは先ほどお答えしたつもりなのですが、補正予算その他に対する準備は、私は努力したのでありますが、二十日ぐらいに間に合わせるということは遺憾ながらできなくなった、この点は先ほど申しましたように、私の見通し、あるいは不明をおわびをしなければならないのでありますが、それが逆に当時から見れば数日後退せざるを得ない、これは総理をはじめ大いに督励努力をしたわけなのでありますが、どうしてもそういうことにならざるを得ない。しかし、当初二十四、五日ごろと予定しておりましたものから見れば、まあ数日の差で準備ができる見込みでございますから、そういうところでやらせていただきたい、こういうように考えております。
  15. 滝井義高

    滝井委員 そうしますと、われわれの言っておる積年病弊をなおすために、きのうまでの問題を大掃除をするために、予算の問題に先行して、あすからの問題に先行してやるという意思はいまのところはないのですね。
  16. 愛知揆一

    愛知国務大臣 やはり臨時国会に対しては、政府立場としては、審議をお願いする議案というものを具体的に提出をいたしまして御審議を願う。そして同時に、かたがた政策以前の問題、政治姿勢等の問題についても十分に御論議をいただく、こういうふうに考えておるわけであります。
  17. 中嶋英夫

    中嶋(英)委員 官房長官お話でいくと、いま見通しを誤ってごめんなさいということなんだが、やはり責任政治立場からいくと、野党に話して、与党も同じですが、いろいろと国会で話をして、目安を言ったら、それに間に合わせるというだけの力を持っていなければだめですよ。そうしないと、今後何か話があっても、またごめんなさい、ごめんなさいでは、そのこと白井がやはり国民から政府に対する信頼感というものが薄らいでいくし、官僚に対しても政党政治責任者であるあなた方が威信を失っていく、こういうことになるのです。官僚のほうで、だめですと言えば、政府もだめです、国会も待っています、そういうものであってはならないと思うのです。それから、今度の臨時国会課題というのは、いまもお話があったような問題もさることながら、政府都合だけでこの臨時国会が開かれる必要性ができておるわけじゃない。むしろこれは全国民が、いまここで国会を開いて、最近における国会に対する信頼感が失われておる諸案件、諸問題等政治家はどう対処するのだ、国会議員はどう対処するのだ、こういうものを見守っておるわけです。これにこたえるためには一日も早いほうがいい。おそければおそいほど不信を増すだけである。こういう問題がある。そういう問題のための国会というものは、何もいまの事務的な大蔵省の見通しがどうのこうのということでなくて、もっと高次元の政治判断で開く必要があるわけです。それに対して政府として、その必要がないと思っておるのか、あるいはそれはおそいほどいいと思っておるのか、早いと何かまずい事情があるのか、その点をまずお答え願いたい。
  18. 愛知揆一

    愛知国務大臣 先ほど申しましたように、そのお考え、御意見に対しましては、私もごもっともであると思いますが、しかし同時に、何も一日を争って開かなくても、十分の備えをして、御審議を願う案件をそろえて出すほうが、私はかえって政府立場としてはとるべき方法であるのではなかろうか、かように考えておるわけでございますから、その辺のところをひとつ御了解いただきたいと思います。
  19. 中嶋英夫

    中嶋(英)委員 そのそろえてというのは、いままでの国会では、臨時国会であろうが、通常国会であろうが、国会召集と同時に諸案件をそろえたことはないのですよ。もっと早く出せと言っても、おそかったり、もう会期末で自民党議運先生方政府をおこったことがあるのです、何を言うのだ、いまごろ出してきて。それでもお順いしますといって持ってくることがある。そろわなければできないということはない。それはもちろんそろえるにこしたことはない、おそろえくだすってけっこうですが、その前に、私が申し上げましたような国民期待にこたえていくことを、何も一日も急ぐことはないという感覚はどこから出てくるのですか。おそくていいという何か理由があるのですか。
  20. 愛知揆一

    愛知国務大臣 おそくていいということを申し上げておるわけじゃないのですが、十一月中には何としても召集をいたしたいと考えておるのでありますから、そういうことで御了解を願えるであろうと私は信じております。
  21. 中嶋英夫

    中嶋(英)委員 それは絶対了解できないですよ。第一、いま滝井さんからお話があったように二十日というようなお話がありました。これはこの前のあなたの発言のこともあるし、もう一つは、きょう現在は十日過ぎておるのですよ。ですから、実際はここで御決意願っても、召集その他の手続からいくとなるだろうと思って、やむを得ず二十日と言っておるのであって、われわれの要求はもっと早くということを要求しておるのであって、むしろおそいのですよ。各党からの申し入れに対して、あなた方はどんどんおそくなっておる。おそくなっておるのに、なお了解をしてくれ、了解しっこないことをあなたは了解してもらおうとしておるのですよ。同時に、私は率直に言うけれども政治判断が入っていいと思う。ただし、その政治判断は、自民党党内事情総裁選挙の関係、その見通し国会召集はあまり早くしないほうがいいという、こういう政治判断は私はお断わりしたい。一党の判断でやるのはお断わりしたい。私ども社会党としても、民社党さんも共産党さんもそうでしょうが、社会党だけが早いほど都合がいいとか、そういうことではないのですよ。そういうものは全部除いていただく。しかし、先ほど申し上げましたような政治判断を私は入れていいと思う。その政治判断をとる機能というものは政府は持っているのですよ。政府が持っているのにそれを使わないということは、国会政府がすでに離れてきておるということなんですよ。そういう点はどうなんですか。
  22. 愛知揆一

    愛知国務大臣 私は、国会政府と一口におっしゃいますが、そんなに離れておるとは理解しておりません。
  23. 中嶋英夫

    中嶋(英)委員 たとえばわれわれのほうで、野党全部そろって国会を開いてくれ、それが一カ月以上二カ月たっても開かれないとなれば、あなた方のほうで、こういう国会を開いて審議をしてくれといっても、私どものほうは、野党は一カ月も二カ月も審議はできない、われわれの考えではそう急ぐものではない、特にわれわれの反対するような案件ならばなおさらそうですね。急ぐ必要はない、審議に入る必要がない、こういうことになるのですよ。それを政府だけはわがままをしていい、野党のほうは、国会が始まったら必ず本会議を開け、開会式をやれ、委員会を開け、審議をしろ、そういうことにはならないのですよ。あなた方自身がわれわれの期待というものを、一週間や十日ではなくて何カ月も延ばしておいて、そうして自分らのときには、これは国民に迷惑がかかるから早くやってくれ、国民に迷惑がかかるから早く用いてくれ、これでは距離ができるじゃないですか。そういうことで臨時国会を開いてみても、スムーズにいくと思っているのですか、いきはしませんよ。しかも私ども、いま内容は言えないけれども臨時国会を開けば、政界に対する不信感国会に対する不信感を取り除く重大な決意を持っておる。内容は言えません。これは各党民社党さんも共産党さんも同じだと思う。自民党さんだってきっと持っていると思う。それを出し合って、話し合って、その上で国民にこたえないと、ただ名文をえらい人が読んだり話したからといって国民信頼感は回復できませんよ。そういう点に対して、あなたのほうで国会との距離がないなどと言うのはもってのほかです。現実にあるじゃないですか。二カ月もほっておいたら、私どものほうも二カ月もほうっておきますよ。おまえのほうはいかぬ、おれのほうはいいという、そんなばかな話はない。その点はてきぱき、あなた自身見解を明確に率直に言ったらどうですか、あいまいなことじゃなくて。お互いあいまいな話はやめましょう。きまり切った国会用語をお互いに使い合っておることが国民信頼を失う原因ですから、率直に話そうじゃないですか。
  24. 愛知揆一

    愛知国務大臣 率直に申しまして、ですから十一月中には何とか召集にこぎつけたい、その最大の努力を払いつつあるところであります。
  25. 中嶋英夫

    中嶋(英)委員 だからその理由は、諸案件を整備したい、そろえたいということの理由でしょう。あなた自身も認めておるように、もう一つ理由があるわけです。そのもう一つ理由に対して、三十日とか、おそくなければならぬという理由は、まだ一ぺんもあなたは答えていないのです。それを答えなさい。それを答えなければ、この議運委員会会議にならぬのです。その理由を言ってください。
  26. 愛知揆一

    愛知国務大臣 その理由は、いままでも申し上げておるつもりなんですが、つまり国会に対して審議をいただく具体的な案件もたいへん大事な問題でありますから、そして同時にほかのこともやっていただける……
  27. 中嶋英夫

    中嶋(英)委員 ほかのことでどうしておそくなければならぬか、理由を言っていない。
  28. 安宅常彦

    安宅委員 それは言ってもらわなければだめですよ。この前の国会のときにアジア開発銀行案件が流れた。これは佐藤さんが、祝日法を通せば何が流れてもいいみたいなことで号令をかけてアジア開発銀行が流れた。それでその晩のうちから臨時国会を開いてくれ、臨時国会を開いてくれと、幹事長から電話がくるやら、あなたのほうの使いがくるやら、たいへんなことだった。これはあなたが官房長でなかったから知らないかもしれないが、そういうような、あなたのほうの都合のいいときは早く開き、都合の悪いときはおそく開く。二十日ごろに繰り上げさせるようになぜ――一国の官房長官でしょう、その人が議運理事会で言っておいて、今度は見通しが狂いましたから申しわけございませんで済むでしょうか、そこが一つ。  もう一つは、法案がそろってからか、あるいは研究しておる議案もありますからということですが、あの当時も、見通しをしたときからそういう情勢――あなたのほうの親分が、景気は回復しておるし、今度はだいぶ調子がよくなっておると言っておるのだから、そんなにおくれるはずはないのだよ。かえって早まるくらいなんです。あなたのほうは強気で言っておるのです。そうすれば、あなたがいみじくも言ったが、粛党とか、党内の問題もてきぱきやっていかなければなりませんしと、こう言っておる。ここが重大なんです。てきぱきやれないのでおそくならざるを得ない、こういうことが本心じゃないですか、どうなんですか。経済状態の問題、補正予算とかなんとかの問題はあなた方が見通しをやったときとどういう違いが起きておるのか、見通しを誤った原因は何かということが一つと、それからいま一つは、いま中嶋さんが言ったこととたいへん関連があるのだが、あなた自身がいみじくも言ったように粛党とか、そういうことをてきぱきやっていかなければなりませんし、といって、てきぱきやれないからちょっと待ってくれ、こういうふうに私は聞こえたのですが、そのとおりじゃないですか、本心はどういう気持ちなんですか。それしか理由はないはずだ。
  29. 愛知揆一

    愛知国務大臣 まず経済関係の見通しとしましては、先ほど申し上げましたように、とにかくここ一年あるいは半年というのが非常に経済の変動が大きかった。これを税収の見積もりにどういうふうに見るべきかということについては、財政当局としては、いまお話もございましたが、いいほうならいいほうなりに確実につかみたいし、また、思ったほどよくないならよくないほど確実に掌握しなければならない。それをもとにして考えていくと、たとえば補正財源の一部として、既定経費の節約あるいは不用をつくってこれを充てるということも考えざるを得ないような状況、こういう点が何と申しましても補正予算の編成について数日あるいは見込みよりもおくれつつあるという現状なのであります。しかし同時に、補正予算の編成についていえば、何も一月おくれるとか二月おくれるとかいうことではありませんから、この事情を御理解をいただきたい、かように私はお願いをしておるわけであります。  それから、積年にわたる宿弊というようなものはてきばき片づけていかなければならぬものでありますが、これはまた一朝一夕にはいかぬことであります。(「てきぱきいかなんだら国会はいつまでも開けないのか」と呼ぶ者あり)それはてきぱきやるつもりでどんどんやりますけれども、そうかといって一朝一夕にはできないこともありますから、それと数日ないし十日間くらい召集の時期を早めるとかおそめるとかいうことに、これは直接の関連はございません。
  30. 安宅常彦

    安宅委員 重大ですよ。私が言っているのは、官房長官として見通しを誤った原因というものは何か。そうするとあなたの答弁は、事務当局からよく聞いてみたら、いろいろ既定経費の節約というようなことも入って、そうして事務的に間に合わなかったようだ、だから私が誤ったのは申しわけない、こういうふうに理解してよろしいですか。そうすると、あなた自身はたいへんなことになるのですよ。それからもう一つのてきぱきのほうは、それも一朝一夕にできません、こう言っておる。あとで締めくくりのときに、何ら情勢の変化に関係はございませんと言ったが、一番先に、てきぱきのほうはございますと言っておるし、てきぱきは一朝一夕にできないと言っておるんだから、それとこんがらがって、そうして開会の時期の見通しを誤ったと、こういうふうにしか私は理解できないのですが、どうですか。見通しを誤ったほんとうの原因は何ですか。
  31. 愛知揆一

    愛知国務大臣 それは冒頭から私は二つに分けて申し上げておるのです。一つは、まず第一に補正予算の編成の時期、提案の時期がどうなるであろうかということについての見込みの問題、これはいまこうしていろいろお尋ねがございますから、議運理事懇談会の席上で、個人的な見込みを率直に、皆さんのいろいろの御意見を伺って、できるならば努力をしてみたいと申し上げただけでありまして、そういうことをやるということを公式に政府としてお約束したわけではございません。しかし、それにもかかわらず、その点についてはこうこうこういう事情でおくれましたから御了承願いたい、おわび申し上げますと申し上げておるわけです。  それから政策以前というか、予算関係以外にすみやかに開きなさいとおっしゃっておることに対しては、ここまでだんだん時期もしぼられてくれば、それは見解の相違とでも申しましょうか、私は必ずしもそう思わないというふうな意見を、二つに分けて申し上げておるのです。
  32. 安宅常彦

    安宅委員 何も分けてなんか言う必要はない。あなたの議論を聞いておると、自粛とか粛党とか、そういうこともございますしと、あなたは一番先に言っておるんだから、それは二つに分けたうちの一つであって、国会召集の時日なんかに関係ございませんという答弁に変わってきておるのです。そうすると、見通しの誤った原因は、公式に言った覚えはない。二十五日ごろになるが、それよりも私の見通しでは若干早めた二十日ごろになるよう、そういう努力をいたしたいと言っておる。あのときのお話は、二十五日が起点になって二十五日より早くやりたいと言ったことも事実です。二十日にやるとか、十九日にやるとかいうようなことは言いませんよ。その見通しを誤った原因は何かというと、事務官僚を督励してみたが、私の見通しが甘かったためにそういうことはできませんでした、こういう理由しかないということなんですか。
  33. 愛知揆一

    愛知国務大臣 予算についてはそのとおりでございます。それは先ほどから申し上げております。
  34. 安宅常彦

    安宅委員 もっと見通しを誤った原因は何かあるのですか。
  35. 愛知揆一

    愛知国務大臣 予算提出の時期について、私の努力が足りなかったか、見通しを誤ったか、とにかくその目標が達成できませんでした、これで尽きるわけです。
  36. 中嶋英夫

    中嶋(英)委員 いま安宅さんの質問にあったが、私の質問に対しても残っておる問題は、予算のことは誤っておるわけです。もう一つの問題は、私が非常に重大だと思っておる政治判断について、おそくてよろしいという理由はまだ一ぺんも答えていないのです。早くしてよろしいという答えもしていない。おそくてかまわないという答えもしていない。おそくてもいいじゃないかということを答えてください。
  37. 安宅常彦

    安宅委員 もっと詳しくいえば、分けて話をしたとあなたは言ったが、分けて話をしたのは、見通しよりもおそくなった原因として、あなたは初めのうちはそういう発言をしておるのです。今度は見通しに関係がありません。二つに分けたうちの一つはこんなことを言っております。あなたの発言は速記録を見てもわかるように、おくれざるを得なかった、見通しが狂った原因は、それ以前の問題、滝井さんの話でいえばきのうの問題、それといま言った予算や法案が整わないという問題、この二つを理由にあげて、初めのうちは答弁しておる。それなのに私らから聞かれたら、片方のほうは関係はないんだ、こういうふうに言い直してきておる。ここが重大なんです。それはおかしいじゃないですか。
  38. 愛知揆一

    愛知国務大臣 そこは冒頭に申し上げたとおり、私は一つに分けてお答えしたわけです。そうして後者につきましては、私の見解をもってすれば、今月じゅうに召集ということにこぎつけることができれば、それでいまいろいろお話がございましたものについてもお答えになる、こういうふうに私は思っております。それで適当な時期であると判断しております。
  39. 鈴木一

    ○鈴木(一)委員 愛知さんにお尋ねしますけれども政策以前の問題――補正予算とかその他審議してもらいたい案件が数件あるということですが、それは準備都合でおそくなることもやむを得ないと私は思います。それはそれで私は了解しますけれども、その前の政策以前の問題、積年の弊と申しますか、そういうことについては、これはやっぱり一日も早く国会の場でお互いが議論しなければならぬ重大な問題だと思うのです。この間札幌で一日内閣があったようですけれども、そういうふうなことまでやっておられるのですから、一日も早く正式に国会で取り上げるべきものだと思うのです。どうも愛知さんのお話を聞いてみますと、そのほうはちょっと待ってくれ、あまり重要じゃない、十日か一週間ぐらい前後してもいいじゃないかというふうに聞こえるのですが、そういうことに対する認識がわれわれと違うのじゃないかと思うのです。真剣に考えていないんだ、何とか適当に都合のいいようにごまかしていこうというふうな感じしか受けないのです。ポイントをそこに置いていない、避けて通りたい、そういう感じしか受けないのです。議会政治という、ものは、こんなところで言う必要はないのですけれども、話し合いですから、納得すれば私らはこれ以上のことは言いません。どうも納得できないのですよ。
  40. 愛知揆一

    愛知国務大臣 いま鈴木さんの話を聞きますと、いままでお答えしたところで私としては尽きておるつもりなんですが、もうちょっと待っていただければ議案もすっかり提案できる。ですから、そこで召集ということになれば、政策以前の問題についても十分御審議ができるであろうと、私はこう考えておるわけであります。
  41. 林百郎

    ○林議員 長官、あなたの答弁とわれわれの質問が平行しておるのですよ。われわれが聞かんとするところはこういうことなんですよ。言うまでもなく、あなたも御承知のとおり、憲法には政府側に国会召集権があります。同時に、議員側から四分の一の要求があれば、国会召集権があるわけです。これに政府は拘束されて開かなければいかぬわけなんですよ。そのことは、単に開くということだけでなくて、やはり憲法の精神からいえば、四分の一の議員がどういう内容でどういう国会要求しておるかということについて、政府は拘束されるわけですよ。そこで、われわれ四党で政府要求した国会内容は、いま国民の間に黒い霧だとかあるいは国務大臣に対する重大な疑惑がある、こういうものを政府国会を通じて国民の前に所信を表明する必要がある、それは国会の権威を保つ大事な柱だ。したがって、どうしても政府はこの際国会を開いて、国民が持っておる重大な疑惑に対して所信を表明する必要があるという理由で、われわれは国会召集政府に憲法の規定に基づいて要求しているわけです。政府はこれに拘束されなければならぬわけです。ところが、あなたの国会を開かない理由をさっきから開いておりますと、補正予算が技術的にどうこうとか、経済の変動がどうこうとか言っておりますが、それは政府がみずから国会を開きたいという場合の理由であって、いまわれわれ野党要求しておる政府国会を開かせるその内容には何ら答えてないわけです。しかも、あなたはこの前の議運理事会でも、政府は初め二十五日に開こうと思っていたけれども野党四党の要求もあらためてありましたので、政府は二十五日を早めて二十日ごろにしたいと、あのときあなたははっきりと言いましたよ。少なくとも憲法にそういう規定があるので、政府はそれに拘束されるという立場で答えたわけです。ところが、あなたは二十五日を二十日に早めるどころか、三十日に先に延期しようということは、これは全く憲法に規定されておるわれわれ国会議員国会を集権をじゅうりんすることですよ。そうして国民期待政府は全然こたえないし、そのことがさっきから野党の諸君の言うように、国会の権威を政府によって傷つけられることになる。それをわれわれは許すわけにはいかないので、すみやかに国会を開いて、われわれ野党要求しておる国民の疑惑に対して政府は所信を表明すべきじゃないか。これはどうして延ばさなければいかぬのですか。いつでもできることでしょう。
  42. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 ちょっと誤解があるといけませんから……。野党なり国会議員の四分の一の要求臨時国会を開かなければならぬという義務を負わされることはわかりますよ。しかし、その日にちを決定するのはやはり政府である。いまあなたの理論からいくと、おくらすことが国民を裏切ることだとか、国会法に違反するという話は通りませんよ、日にちは、政府準備が要るのです。その点は誤解されるといけませんから、私のほうで一言言っておきます。
  43. 林百郎

    ○林議員 佐々木さんの答弁を求めておるわけじゃないのです。あなたの答弁もわれわれの問うところに合っていない。それでは国民が重大な疑惑を持っておるいろいろな黒い霧とか国務大臣に対する不信、これに対して政府がすみやかに国会を開いて、国会を通じて国民に所信を表明する、それがなぜ開けないか、そう聞いたならば、長官は、いや、補正予算を組むのが技術的にいろいろ急がしても二十五日ごろになりそうだからと答えておるから、それは問いに対して答えていないと中嶋さんは言っておるのです。それがなぜ開けないのか、そんなことは準備も何もないじゃないですか。
  44. 愛知揆一

    愛知国務大臣 ですから、十月中には召集までこぎつけたい、それで開いて十分御審議、御論議をいただきたい、これが私の見解でございます。こう申し上げておるわけです。
  45. 林百郎

    ○林議員 野党要求した国会召集に対しては、二十五日と考えていたけれども、二十日ごろに早めたいと思いますとあなたは言ったんですよ。それが延びるのは、補正予算が組めないという理由でいま言っておるわけです。国民の疑惑に対して政府国会を通じて所信を表明する、これが二十日とあなたが理事会で言ったことが、なぜ十一月の末にならなければならないかという理由は何ら説明しておりません。それは国会を開いてわれわれ野党から追及されれば自民党は不利だ、だからなるべく先に延ばしてやろうということではないですか。政府自民党都合だけではないですか。そうならそれでいい。
  46. 愛知揆一

    愛知国務大臣 それはまず事実の前提が違うのです。二十日云々というのは、先ほども申しましたように、私が努力をしてみましょうということを申し上げただけで、政府としてそういうことを決定しますということを言った覚えは全然ございません。しかし、それにもかかわらず、私が努力目標と申し上げたことが達成できなかったということについてはおわびを申し上げます。ところが、あなたもよく御承知のとおり、今回の臨時国会召集の御要求につきましてはいろいろプロセスがあるのです。私はそれを非常によく理解しておるつもりです。最初は、憲法上成規手続で御要求になったのは、人事院の勧告について早く政府態度決定せよ、そうしてまた、その問題が焦点になったときに、私は補正予算の編成問題について申し上げた。そのプロセスを長く申し上げても――もう長く申し上げる必要もございませんけれども、何か前提に誤解があるのじゃないかと思うのです。
  47. 西村関一

    ○西村(関)委員 いま野党側の委員の皆さんから出ておる意見で大体尽きておると思う。特に中嶋安宅社会党理事発言で、意のあるところは十分尽きておると思う。官房長官の御答弁につきましては、われわれはまだ納得がいってないということも、これは事実であります。これはすみやかに臨時国会を開いて、諸種の案件なり、また国会をおおうておるところの黒い霧をすみやかに国民の前に明確に処理するという、その大筋の点については、政府もおそらくそういう見解は捨てておられない、十分に持っておられると思うのだが、結果的に見ると、そういう国民の要請に対して遺憾ながら十分にこたえられない。準備をしておるが、一生懸命にやるが、しかしいかない。こういうことですが、どうしていかないかということの理由については、いま官房長官の言われたような一つ、二つの理由説明では、どうもわれわれとしては納得がいかない。  それから二つの点に分けて言われました。それは安宅理事指摘されたように、これは二つではない、一つだ。わがほうの党の粛党の問題等もあるし、それはなかなか一ぺんにはいかない、時間もかかるというような意味の御発言があったわけですが、この点については、これは一日も早ければ早いほど、国民の疑惑を解く道だと思うのであります。そういうことのためにもし停滞しておられるとするならば、これは私は自民党さんのためにもとるべき方途でないと思うし、また国会立場からいいましても、これは一日も早く黒い霧は晴らしていかなければならぬ。問題を早く明らかにしていかなければならぬという立場に立って、法案、予算等の案件については、これはいろいろ事務的な手続がありましょうけれども、これは夜を日に継いででもあらゆる努力を払って、徹夜でもして、一日も早くやる。しかもこれは月末までと言われたり、四、五日のズレがあるということを御了承を願いたいと言われたり、いろいろ官房長官言明にも明確を欠く点があります。この点は実際問題として二十四、五日以前――われわれは二十日以前ということを言っておるのですが、それらの点についてのあなたの見通しはどうなんですか。まだそこまで言える段階ではないと言われるのですか。
  48. 愛知揆一

    愛知国務大臣 それは先ほど来正直に申し上げておりますように、何としても今月中には召集にこぎつけたいということを私としてはかたく決心をいたしておるわけでございます。何日と申し上げるのはちょっとまだ早いのでございます。
  49. 西村関一

    ○西村(関)委員 四、五日のズレと言われたのはどういう意味ですか。
  50. 愛知揆一

    愛知国務大臣 それは当初二十四、五日という話が出ておりました。これは実は今年に限ったことではございませんで、よくお互い承知の上でございますが、例年大体この種の補正予算は二十四日か二十五日に提案されておるというのが例でございますから、その例も引いて、例年ならばその辺のところというふうに考えておったわけでございます。
  51. 西村関一

    ○西村(関)委員 いまの御答弁の中身はわかりましたが、しかし、われわれとしては、二十日を努力目標にするということを言われた官房長官言明に対して信頼を置いておるわけですから、それらの点についても、いままでの御答弁ではどうも納得がいきません。
  52. 藤田高敏

    ○藤田(高)委員 私は各委員発言を聞いておったんですけれども、率直に私自身の気持ちを言わしてもらえば、いろいろ今日までの過程はありましたでしょうけれども、二十日というものにはこだわる必要もないと思う。というのは、いま主権者である国民政府並びに国会に対して何を求めておるか、何を要求しておるかという観点からいけば、臨時国会召集それ自体の時期は、今日ただいまでも私はすでにおそきに失しておると思う。ここに私は一番大きな重点があると思う。それはなるほど一つの経過として、官房長官議運理事会か何かで二十日云々というようなことがあったようですけれども国民がいま何を求めておるかという、ここに焦点を合わした場合は、先ほどから先輩議員が主張されておるように、やはり議会政治に対する不信感を一掃するというこの使命が、今回はわれわれの責任において私はあると思う。いままでの論議は、歳入財源がどういうふうに把握できるのかどうかという技術的な問題や、あるいは自民党さんそれ自体の粛党の問題や、あるいは佐藤内閣それ自体の都合によって、二十日とかあるいは月末とかいう問題が出てきておりますけれども、議会政治そのものの姿勢をどうするのだという、この観点からする時期設定というような問題については出てないと思う。私どもは、少なくともいま私が言った主張からいけば、一番最後の、国民はいま国会に対して何を求めておるか、ここに焦点を合わして国会召集の時期を設定すべきである。さすれば二十日なんというものにこだわらないで、もっと繰り上げて早く召集してもらわなければ困る。そうしなければ、技術的に歳入財源がどうなるとかこうなるとかいうことは、荒船事件以来今日まで不祥事件が起こっていない、いわば正常な政治情勢下における臨時国会召集の時期設定の問題であったと私は思う。非常に政治情勢が異常な、アブノーマルの情勢下において、いま官房長官がお答えになったような感覚で臨時国会召集を論じられることは、われわれ野党議員としては非常に心外です。そういう点で、私は二十日などということにこだわらないで、もっと繰り上げるように努力をやってもらいたい、これを強く要求したいと思います。
  53. 鈴木一

    ○鈴木(一)委員 いまのに関連して。同じことなんですが、私は先ほど申し上げたのですが、そのあと他の質問者が出たので意を尽くさなかったので申しますが、自民党さんの都合だけでどうのこうのというものではないのです。いま藤田君の言ったように、国会全部が国民から大きな批判を受けておるのですから、自民党さんの都合だけで早く開けないというのでは困るのです。われわれ国会としては連帯しておるのですから、そういう立場でわれわれにも改めるところはたくさんあるだろうと思いますから、そういう問題を、早くとにかく国会を開いて、そうしてここで国民期待にこたえたい。こういうことなんですから、自民党自身の内部の都合がつかないから開かないとかいうことでは、どうしても私は納得できないのですよ。納得すれば引き下がります。これ以上しつこくやりません。しかし、そこがどうしても納得できないのです。
  54. 愛知揆一

    愛知国務大臣 御意見のほどはとくと承ります。
  55. 滝井義高

    滝井委員 いまの臨時国会召集の問題については、補正予算の編成その他が、先般われわれに官房長官から明示をしておった十一月二十日前後というものは、官房長官努力の不足、見通しの誤り等でうまくいかなかった、そこでこれは申しわけなかった、こういうことです。しかし、われわれの要求しておるきのうまでの問題、すなわち積年病弊についてはどうするか、それを早く臨時国会召集してやってくれということについては、長官のほうとしては、いや、予算提出する国会を今月中に開くのであるから、それと並行しておやりいただきたい、こういう見解です。ここで私たちとしても、その見解を、そうでございますかと下がるわけにはまいりません。そこで長官のほうとしては十分総理と相談をされて、そうしてわれわれ野党の強い要望もあるので、もう一回再検討をしてこの会に出ていただけるかどうか、それを最後にお聞かせを願いたいと思います。
  56. 愛知揆一

    愛知国務大臣 私、きょう申し上げましたのは、政府を代表して申し上げておりますので、私ども態度をそう簡単に変えることはできないと思います。しかし同時に、野党の各委員からの御意見のほどは私もここで承りましたし、総理その他にも伝えることが当然かと思っております。
  57. 中嶋英夫

    中嶋(英)委員 愛知さんは私らよりも長い議員生活をやっておられると思いますから、国会のことはわれわれよりもずっと知っておられると思います。国会法の第一条に、常会、通常国会の場合は少なくとも二十日前に召集日を公布しなければならぬ。臨時会の場合は前項によらなくていい、こうなっておりますね。ということは、臨時会というのは、臨時会の性質によっては二十日とか十日とかあるいは一週間とか、間を置かなくてよろしいということなんです。しかし、応召する時間的な問題があるでしょう。もっとも最近は飛行機もあるし、急行も早くなりましたから、二日あったら大体全国から集まられると思うのです。そのくらいは必要だと思います。必要があれば急に開くことができるようにしてあるわけです。たとえば例がちょっと誇大かもしれませんけれども、わが国は戦争は放棄しておるわけですね。ところが、この憲法の重大な問題を踏みにじるようなことをもしかりにやった場合、あるいはそのきざしが非常に濃化した場合、これは非常に重大な問題だ、臨時国会を開かなければならぬ。国民も、どういうことなんだというような場合に、いまのように、いろいろ準備がありますから延ばしていいというようなものではないと思います。これは延ばせないと思う。同じように、いま国民政界に対する不信感政府に対する非難が非常に高まっておるときに、これは総理大臣もいろいろ苦慮しておるようで、いろいろな発言をするたびにそのことに触れておられる。触れないでは済まないという問題です。こういう問題があるときに、臨時国会を開こう――これは野党要求したというけれども国民要求しておるのです。しかも、それは野党支持者の国民だけが要求した、そんな変なへ理屈、くちばしをこういう会合ではさむ余地のないほど要請が強いわけです。どうするのだ、国民は、また一方国会を開くときどういう手続が要るか、そういうものはわからぬのです。たとえば国会議員の除名というのは手続上どうなるのかというようなことがようわからぬのです。先般の田中彰治事件のような場合でも、あるいは規則とか先例からいえば一応通るような意見でも国民にはわからぬ。そういうものなんです。それはわからぬほうが悪いという姿勢では、この信頼は回復できない。非情手段が必要だということです。本来ならば、野党要求の前に、政府みずからが積極的に一日も早く召集するというほどのいま政治情勢なんです。そういう情勢を十分考えて、いまのような御答弁でないものを期待したい、こういうのが滝井さんの御発言だろうと思うのです。私は政府を代表していますから云々ではなくて、きょうはひとつ、よくある大臣ならばこう答えるだろう、野党ならきっとこのくらいのことは言うだろうというようなものではない話にしたいと思うのです。  きょうは何か官房長官にも御用があるようだし、議運委員長さんにも用があるし、たぶん議長、副議長にも御用があると思うので、その御用を前にして話しても何か落ちつかない。問題が重要ですから、その御用を済ましたあとでもう少しじっくりお話をしたい。単に守る、攻めるという問題ではなくて、いまの政治情勢をどう判断するか、その情勢に対してどう対処するか、そのためには非常のこともしなければならぬ。私どもは正大な覚悟を持っております。そういうようなことを話し合いたいと思います。  委員長のほうで、その点の議事進行についての御配慮をいただき、その後において再開の場合、官房長官の出席を要求いたします。できれば総理大臣にも出席していただきたい。
  58. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 いま中嶋君からお話がありましたが、そういうことは理事会を開いて御相談したらどうでしょう。
  59. 塚原俊郎

    塚原委員長 ちょっと速記をやめてください。   〔速記中止〕
  60. 塚原俊郎

    塚原委員長 速記を始めてください。  それでは、愛知内閣官房長官に対する質疑は、後刻開かれる委員会においてなお継続いたしたいと存じます。     ―――――――――――――
  61. 塚原俊郎

    塚原委員長 次に、年末年始虚礼廃止に関する申し合わせの件についてでありますが、その申し合わせ案文について事務総長の朗読を求めます。
  62. 久保田義麿

    久保田事務総長 朗読いたします。        申 合 せ   本院議員は、虚礼廃止の趣旨の徹底を期すべく、各党一致の決議をもって、左の申合せをなし、厳にこれを励行し、議員本来の使命に専心せんことを期するものである。   一、印刷によると否とを問わず、個々の年賀状、年賀電報、挨拶状、これらに類するあらゆる書状及びポスター、カレンダー、手拭その他の物品の贈与並びに新聞雑誌の年賀広告、テレビ、ラジオ放送による年賀挨拶等は一切廃止すること。   二、議員であるがための寄附及び冠婚葬祭に対する虚礼は一切行なわないこと。   なお、本申合せの趣旨に反した場合は、議院運営委員会において調査の上、何等かの方法によりこれを公表する等、適当な措置を講ずることとなりましたので特に御注意を願います。
  63. 塚原俊郎

    塚原委員長 それでは、ただいま事務総長から朗読のありましたとおり、本委員会において申し合わせを行ない、その趣旨の徹底方につきましては、従来の慣例に従って議長から各議員に申し合わせ文を印刷配付していただくこととするに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  64. 塚原俊郎

    塚原委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  暫時休憩いたします。    午後零時五十五分休憩      ――――◇―――――    午後四時三十九分開議
  65. 塚原俊郎

    塚原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。愛知内閣官房長官が出席されております。質疑の申し出がありますのでこれを許します。滝井義高君。
  66. 滝井義高

    滝井委員 正午の議院運営委員会に引き続いてさらに御質問をいたしたいと思いますが、臨時国会がおくれた理由については、歳入歳出の計数整理が十分できていないということが主たる理由のようでございます。それは間違いないでしょう。
  67. 愛知揆一

    愛知国務大臣 おくれた理由というおことばでございますが、できるだけ早く召集をいたしたいということで努力をいたしましたけれども、現在の見通しとしては本月末ぎりぎりになりそうである。そういう意味におきまして、おくれたといえばおくれたということができようかと思います。そういうことであります。
  68. 滝井義高

    滝井委員 私たちのほうとしては、補正予算あと回しでもよろしい、すみやかに臨時国会を開いていただきたい、開く準備をしてもらいたい、こういう要求をしておるわけです。そこでさいぜん安宅さんや中嶋さんの質問に対しても官房長官は答えておりましたが、これは臨時国会開会要求の経過というものがありましたということです。私たちのほうで九月一日に臨時国会の開会を要求したときには、ベトナムを中心とする外交問題、あるいは災害、石炭、給与、こういうような当面する内政上の諸政策をすみやかに解決しあるいは打開する必要があるという見地に立って九月一日の要求は出しておいたわけです。その後だんだん情勢が進展をしまして、十月の中旬にも早期の開会を要求したわけです。しかし、今度新しく最近になりまして四党の国会対策委員長連名で申し入れをいたしましたときには、これはむしろきのうまでの問題である政治責任を明らかにする、やはり議会制民主主義をこの際すっきりする必要がある、こういう見地に立って臨時国会を開いてくれという要請をいたしておるわけです。これは官房長官十分御存じと思いますが、そのとおりに理解しておるでしょうね。
  69. 愛知揆一

    愛知国務大臣 野党側の臨時国会召集要求理由とされているところが、そういうふうに変化しているということは私も承知いたしております。
  70. 滝井義高

    滝井委員 そうしますと、これは私たちの当初要求をしたものと、私たち現実要求をしている切なる願いというものは、前の状態とはずっと違ってきておるわけです。そこで、九月一日に要求したその問題について、官房長官は、予算の計数整理その他特に節約の問題を重要な問題点として御指摘になって、臨時国会というものは今月中には開きますけれども二十日ということはとても無理でございます、それどころでない、この前言っておった二十五日よりおくれそうです、こういうことになっておるわけです。そこで、その問題はけっこうでございます、おくれになることはやむを得ません。こう言っておるわけです。そこで九月一日なり十月の中旬に要求をした諸政策打開の国会要求というものはおくれてもやむを得ません。しかし、当面の十一月八日に申し入れた政治の責任を明らかにして議会制民主主義を打ち立てていくために臨時国会を早期に開いてくださいという問題については、これはさいぜんは何か見解の相違だというようなニュアンスの御答弁があったわけです。あるいは政策を論議する、補正予算を論議する月末に開くであろう国会と並行して、その中で一緒にやってもらったらいいじゃないかという御見解があったのですが、これは私たちは了承ができないわけです。いまから二十日も、待て、待てば海路の何とかというようなことわざもありますけれども、いまの段階では、われわれの立場としては、あるいはいまの日本国民の世論の動向から見ても、その点については待てないという考え方に立っておるわけです。そこの解明をもう少し明らかにしてもらわないと、前段の政策要求については異議ありません。これは国会がおくれてもやむを得ない。だけども政治粛正の問題についての臨時国会については、これは長官の答弁では納得がいかないわけです。しかも国会法に基づいて申し入れば十一月八日にもしておるわけです。だから情勢は変化をしておる。その変化をした時点に立って早期国会の開会を要求をしておる、こういうことなんです。
  71. 愛知揆一

    愛知国務大臣 これはお昼前にも御議論がありました点でありますが、私ども見解とすれば、本月ぎりぎりにはかねがねの問題でありました御要請の議案も整うことでありますから、精一ぱいの努力をして今月中に間に合わしたい。そこで召集をいたします臨時国会におきまして、政策以前の問題といわれるような点につきましても十分ひとつ御論議をいただきたい、かように考えておるわけであります。
  72. 中嶋英夫

    中嶋(英)委員 官房長官は先ほど来からそこだけをとりでとして、そこから出ないので困るのですが、計数整理その他法案の諸準備をそろえるということで、それができるまで開かない、こういうお話ですが、それがそろわなくても臨時国会というものは開けるのです。この点いかがですか、開けるでしょう。それがそろわなければ聞けないということじゃないでしょう。ここで整理しようじゃないですか。計数整理がどうのこうのということ、その点はよろしゅうございますか。
  73. 愛知揆一

    愛知国務大臣 それは観念的にはそういう考え方もできると思います。しかし、それは政府立場ということもまた考えていただきまして、やはりこういう時期において大事な補正予算あるいは歳入見通し、あるいは先ほども話がございましたが給与問題、あるいは石炭の問題というような大事な問題について、むずかしい条件下において十全の準備をするということはどうしても必要なことでありまして、そういう点をお考えいただきましても、われわれうんと長い期間をさらにお待ち願うというのではないと思います。この辺まで話が詰ってくれば、この辺で、前段二つに分けて私先ほど申しましたが、その前段について難きを忍んで難理解をいただいた点は非常にありがたく思うのでありますが、もう一歩私ども見解に御理解を示していただければしあわせであると思います。
  74. 中嶋英夫

    中嶋(英)委員 あなたそこへばかり入るんだが、法案の諸準備ができる見通しをあなたのほうでつけて、それに国会を合わせると言うが、今度開かれる臨時国会というのは、確かにおっしゃるように重要な案件があるでしょうが、それより以上に重大な問題があるわけですよ。それは国会に対する信頼感政治に対する信頼感というものが国民の中から非常に薄れてきた。また、政府に対する批判、非難も非常に高まっておる。こういう状態であっては、どのような施策を講じようと思っても国民信頼されない。施策は魂が入らないのです。そういうものを回復するということを、すでに総理大臣以下政府の皆さんも、あるいは自民党の幹部という立場においてもしばしば言及されておるわけですよ。言及されておるのを言行一致を如実に示すためならば、ここで臨時国会の中で野党にも国民にも訴えるものがあるでしょうし、われわれ野党側でもそれぞれ、やれ自民党のことだとか、だれそれのことでおれは知らぬ、そんなことを言っておる段階でないということで、異常な決意をもって政界信頼を回復し、日本議会制民主主義を守るための意見を出します。そういう中で相いともに国会を守ろうというときなんです。そのことに対する認識、あるいは極端に言うならば危機感、そういうものについて全然触れないで、ただ法案の準備云々ということだけでは、きょう委員会を開いた趣旨にもあなたは一つも協力していない。何のためにこうしてわれわれ集まって委員会を開いたか、そのことに対してあなたの答えもまだ不十分だ。もしわかるならば、その考えのもとに総理とも相談して善処したい、早くやりたいということをお答えになるならばそれでいいと思うのです。その点についてどうぞ。
  75. 愛知揆一

    愛知国務大臣 政府としても、こういう時期でありますから、ほんとうに真剣に臨時国会召集ということは考えなければならない。また、この臨時国会というものに非常な重大性を置いておりますがゆえに、私どもとしても予算や法案等々に  つきましても十分の準備をして、しかもこれをできるだけ急いで、そうして今月中に間に合わせようとしておるわけであります。先ほどから申しますように、その間の日数の相違というものはそんなに長い時間でございませんから、そこはひとつ私ども考え方にも理解を示していただきたい。この臨時国会において十分にあらゆる問題についてあらゆる角度から論議をしていただくということについては私どもも全然賛成というか、それを心から望んでおるわけであります。
  76. 中嶋英夫

    中嶋(英)委員 いま最後ににおっしゃったように、この臨時国会でいま私が提議したような問題については十分議論を尽くし相談もするというお話ですね。それは相当時間がかかるわけですよ。ですから、あなた方が準備された法案の審議もしなければならぬが、そのこともやらなきゃならぬ。そのほうが先決だ、先決のものが済まなければ、せっかく法案準備の日数が目当てでスタートして、そこでどんどん法案が上がっていくような従来の国会運営のようなつもりでいたら大きな錯覚です。そうすると、実際は法案は準備できたけれども、その前提になる政治体制の問題、議会のあり方の問題、こういう問題について世論がいろいろ問題を提起しておることにわれわれはこたえなければならぬ。それは一人一人が、私はこう思う、私だけはりっぱなことを考えておる、そんなことじゃなくて、総体的に、全体的にこれにこたえなければならぬ。その大きな事業があるわけです。その事業をする時間が実際はなくなるんじゃないですか。それを前もってやっておいたらどうですか。そのことを私は言っておる。その思想を現にあなたは認めた。やろうと言う。やるというならばそれをやろうじゃないか。やっているうちに、だんだん信頼が回復したころに法案の準備ができれば法案の審議も案外スムーズにいくでしょうけれども、そのことが済まないうちに法案を出しても、その法案はなかなかたいへんですよ。その前段を私は言うのですよ。だから、あなたが言うように臨時国会を開けないという理由は、一つもない。あなたはいろいろ答えておるけれども臨時国会を開けないという理由一つもない。ただ法案が準備できるのは大体月末だからそれを待ってほしいということはわかったけれども、早く開けませんという理由一つもあなた言ってない。その理由がないならない、特別の事情があれば別ですよ、われわれのほうも無理じいはしませんよ。理由がないならやったらどうですか。やるべきだと思う。いまこういう点についての見解はどうですか。
  77. 愛知揆一

    愛知国務大臣 それは何べん繰り返しても平行線になると思いますからこれ以上申し上げないほうがいいかもしれませんが、私は、臨時国会をこの月のぎりぎりには開いて大いに審議していただきたい。そのときには予算その他も提出をして十分御審議をいただきたい。それが政府の今度の臨時国会に対する態度としてわれわれはベストであると思うから、それをお願いをしておるわけです。
  78. 中嶋英夫

    中嶋(英)委員 あなたはベストだと思われると言うけれども、われわれはその前に政界の刷新なり、あるいは議会の国民からの信頼の回復ということをしなければならない。あなたはいまもそのことを大いに国会でやってもらおうと言ったでしょう。先ほどの答弁であなたはお認めになっておるわけです。総理にしても、党の幹部の諸君にしても、そういう点についてはやらなければならぬということで、選挙法の問題を論ずる人もある、あるいは粛党の懇談会というようなものを国会の中で議員さんが寄って、自民党さんでも集まって、審議をしたりして結論を出したり、こういう効きがあるわけです。そういう動きをあなたも認め、認めるものを臨時国会で話し合ったり対策を立てたり評議をすることは必要だとあなたも認めておる、そのことをやるために早ければできないとか、おそくなればできるとかいう問題ではないのです。このことにだけ答えてください。あなた自分の線から出ないで人の話を平行線と言うのはもってのほかですよ。私の質問に答えてください。そのことをやるのに早くできない何か理由がありますか。
  79. 愛知揆一

    愛知国務大臣 私は、今月末に臨時国会召集をしたい、この政府考え方をるる申し上げておるのであって、それに対してそれはいかぬとおっしゃる理由をあげておられるわけですけれども、そこは見解の相違と言わざるを得ないのであります。
  80. 中嶋英夫

    中嶋(英)委員 本来ならば、この重大な、いわば非常ときですから、国会召集権は政府にあり、最高責任者総理大臣ですが、私は総理大臣は政務が忙しいだろと思いますから官房長官に来てもらったが、こういう態度で、何か平行線だとか、言ってもわからぬとか、答えるのもむだだとか、こういう態度お話しになるならば、やはり総理に来てもらわなければだめです。あなたは話し合う姿勢がないじゃないですか。
  81. 西村関一

    ○西村(関)委員 いま中嶋さんが言っておる、前段については必要性を認めておられる。その点については時期的な問題はない、いつだってやれる問題である。予算及び法案の問題については時期的にやはり限定があるということは滝井理事も認めておるわけですけれども、前段の問題、国会の、信用回復の問題とか綱紀粛正の問題とかというものは時期的な制限はないと思う。できるだけ早くやったほうが国民の要望にこたえられる。これは党利党略の問題ではない。あなたもそのことの必要性は認めておられる。それをやりながら法案なり予算準備をなすって、できるだけ早い機会にそれをお出しになるということが一番国民国会に対する期待にこたえる道じゃないか、こう私は思うのです。その点について先ほど官房長官の話では、見解の相違だ、見解の相違だと言われることはどうも納得がいかないし、そしてこういう問題について午前中来、社会党民社党共産党各党委員が長官の答えに対して納得がいかぬ。だれ一人納得した者がいないという状態で政府見解を一方的に押されるということで、あなたは臨時会の運営がはたしてうまくできるというお考えをお持ちになりますか。とてもこれはできないですよ。こういう状態で、政府の一方的な見解で推し進められるということになりますと、もう少しお考えを願いたい。中嶋さんの質問に関連して、私はその点長官の御見解を承りたいと思います。そして同時に、あなたがどうしてもお答えできぬということならば、総理の御出席を願わなけばならぬというふうに私は思います。
  82. 愛知揆一

    愛知国務大臣 その見解の相違というようなことを申し上げたのはいささか不穏当であると思います。しかし、私は考え方の基本において変わっておるところはないと思うので、要するに今月中に開く、召集をしたいということと、それをせめて十日でも一週間でも繰り上げてやらんか、具体的におっしゃればそこの差異ではないかと思うのです。私は今月中に開く、それは十分の準備をしてやれる、そのときに聞かせていただきたい、そういう意味で召集をさせていただきたい、そしていろいろの問題ついて御熱心に御討議を願いたいものであります、こういうお願いをしておるわけでありますから、私のほうの考え方も御理解を賜わりたい、こういうお願いをしているわけです。
  83. 中嶋英夫

    中嶋(英)委員 それを理解せいということになると、こういうことが出てくるのです。佐々木さん出席できないから、いないところで言うのは悪いけれども、われわれは新聞を見ているわけだ。いろいろな情報を聞いているわけだ。ところが、召集の問題で、これはもちろん総理大臣が権限を持っているわけですが、その一番密接な関係のある官房長官であるあなたと私たちが話し合ったときに、もちろん約束ごとでないけれども、作業は二十五日、しかしこういう情勢でもあるから早くしたい、二十日という話があったことは事実なんだな。その後、たとえば自民党の党大会との関係とか、内閣改造の関係とかというようなことから、政府部内の人から二十八日とか九日という日がぼっと出て取り消してみたり、あるいは自民党の党内の会合で、またその中の会合で、自民党国会対策委員長であり、召集の問題に重大な関連がある議運理事さんである佐々木さんから、三十日がいい、あるいはそれを総理に進言したとかいうことが新聞に出ているのです。これは非常におかしいですね。どの新聞を見ても、あなたが先ほど来から立てこもっている諸法案の準備、それをそろえるためにどうもおそくなりそうだという新聞記事は一つも出てきていないのです。それ以外のことでばかり召集の時期の問題が新聞その他テレビに出てくる、こういう情勢があるわけです。このことも国民から見ると、臨時国会召集の時期というものを何か自民党の党の次ごう、立場政府の何か都合のみに引き比べた考え方をしているのではなかろうか。これは、国民の全部か国会を開くことをいまだれも反対していないのですから、そういうものに対してこたえる道になっていない。やはり黒い霧云々ということは、金銭が動くだけでなく、何か納得つかない、わからない、本来やるべき場所でない別なところで政治が動いているらしい、答えるのとやるのと違うとか、こういうところに大きな問題があるのですから、こういうところから不信感をつくっているわけです。その不信感をぬぐうために、官房長官たるあなたは総理大臣に進言して、一日も早くという立場をおとりになるほうがいいのであって、私はむしろ親切で言っている。それを平行線でございます、見解が違いますということだけでなく、先ほど休憩前に言ったように、国会ならば、大臣ならばこんな答弁のしかたをしている 野党というのは大体大きい声でいたけだかになり、政府のほうは短いことばで、低い声で頭を下げてしょぼっとしている、これも私はおかしいと思う。それはほんとうに真剣なときは声も大きくなり、政府の側だって大きくなる。そういうことばの慣習みたいなものがあるのですが、それを除いたもので話し合いをしたいということできょうはあなたにもおいで願っているし、ぜひそういう話し合いでいきたい。そういう点でやはり一致点を見ようじゃないですか。私と野党とは見解の相違だ、何と言ったって、どうせ私が言ったことはわかってくれないだろう、そんなことでなくて話し合いをしようじゃないですか。そういう意味でこの委員会に協力され、御参加なさるその心境をお持ちかどうか、これをまず聞きたいと思います。
  84. 愛知揆一

    愛知国務大臣 それは申し上げるまでもございません。
  85. 中嶋英夫

    中嶋(英)委員 同意見ですね。
  86. 愛知揆一

    愛知国務大臣 それは十分野党の御意見も伺わなければならない。できれば政府側だからといってぼそぼそ言いたくないのです。大きい声を出して大いに議論した、そういう心境で私はいつもおります。
  87. 中嶋英夫

    中嶋(英)委員 それじゃ同じスタートに立ちましたね。
  88. 愛知揆一

    愛知国務大臣 それからその次に、いまの御質問の中にいろいろ新聞記事をお引きになりましたが、これは率直に言って私どももたいへん残念に思っておる点もございます。たとえば私ども見解のように出ていたものもございますけれども、これは事実無根なんです。政府の公式の見解は私がこの場で申し上げることがほんとうの公式であり、うそ偽りのないところであって、日にちについては政府といたしましてまだ確信がないのです。要するに先ほど来申し上げておるように、われわれの考え方におけるところの諸般の準備が整い次第ということであって、それを何としても今月末ぎりぎりまでには召集ができるようにやりたい、これがほんとうにうそ偽りのないわれわれの真相であります。そういうことは昨日も、舞台は参議院予算委員会でありましたが、たまたま御質問が出て総理からそのとおりにお答えしておる、こういう事情も御了察願いたいのです。
  89. 中嶋英夫

    中嶋(英)委員 そういうスタートを一緒にするならば、こっちもお話しするのだが、あなたはここで話すべきだ。国会の問題については議長並びに議運の諸君と話をする、けっこうなことです。その意味で前にやったわけだ。そこで二十五日を二十日にしたということがあった。その後新聞なり何なりに不本意なものが出た場合、まず議長なりわれわれのほうに、自民党国会対策委員長総理大臣のところに三十日がいいと進言したとか、そういうことについて私は関知しないとか、あるいはこの前はそう言ったけれどもちょっとおくれそうですとか、中間に密接な報告があっていい。それは一切何もしないでおいて、きょうまで黙って、きょう急に三十日だということを言えば、愛知さんの考えじゃない、自民党国会対策上の都合だな、そういうように思わざるを得ない。そういうような誤解が起きるなと思ったら、積極的にわれわれのほうへ、委員長なり何なりを通じてけっこう、だから、その後いまはこうです、私は早くしたいと言ったがこうなったとか、そういうことが全然ないとなれば、当然疑惑を持たざるを得ないわけでしょう。それを払拭しなければならない。払拭するためには早くやったほうがいい。早くやれない理由一つもない。いままで早くなくてもいいではないかという話は何べんも聞いた。早くなくてもいいじゃないか、十日か一週間のところだから、法案の準備のできたときに政界の最近の不信の問題をやってもいいじゃないか、おそくともいいじゃないかという話は聞いたが、早くできないという理由はまだおっしゃっていないですよ。だから、話し合いなんだからこれを話し合って、なるほどと納得のつくものならば私どもは平行線でなくて納得しますよ。理由を答えないで、早くては困るという理由が何もないのに、その理由を一ぺんも出してこないで平行線云々と言うから、私は大きい声を出すわけです。その理由はおありですか。これを出してください。
  90. 愛知揆一

    愛知国務大臣 その理由は先ほどから申し上げておるとおりで、私の申しておることは遺憾ながら御理解をいただけないようだから、ついさっきのようなことを、ぶしつけに申し上げたわけであって、私どもは月うちに召集ができる状態になれば、それで何とかごかんべんというか、御理解をいただけるものと、私はそういうように考えております。
  91. 中嶋英夫

    中嶋(英)委員 だから今言ったように、月うちでもいいじゃないかという話は何べんも聞きました。しかし、早くてはできませんという理由はまだ一ぺんもおっしゃっていない。何か理由がありますか、それを聞いているのです。
  92. 愛知揆一

    愛知国務大臣 先ほど党利党略云々という話もあったけれども、もし党利党略というようなことがかりにあったとして、そしてそういう立場だけをあれするならば、十二月のもっとおそくなってから開いていいという考え方も私はあり得ると思いますが、それは政府としてとるべきではないと私は確信いたしますから、この前の努力目標にちょっとそぐわなかったけれども、私としては全力をあげて、政府としてきれいな形で重大な臨時国会に真剣な態度で臨みたい、こう考えております。
  93. 中嶋英夫

    中嶋(英)委員 答えていないですよ。いいですか、三十日でしんぼうしてもらいたい、がまんしてもらいたいということは聞いた。しかし早いほうがいい――早いほうがいいというのは、予算その他の諸法案以外に国会でやるべきことがやはりあるでしょう。これはやったほうがいいということは、あなたは先ほどの答弁で認めた。やりましょうと言った。それをやるために早く開こうじゃないかということに対して、早く開けませんという理由はまだ一ぺんもおっしゃっていない。何か理由があるならばその理由を伺いたい。それ以外は聞いていませんから、そのことについてお答え願いたい。
  94. 愛知揆一

    愛知国務大臣 政府としては、臨時国会召集の場合は、やはりそこで御審議を願うものをそろえて出すのが私は常道だと思います。
  95. 藤田高敏

    ○藤田(高)委員 私が午前中の委員会でも発言したことに通ずるわけですが、官房長官お話を聞いておれば聞くほど私は理解ができないのです。というのは、きれいごとではなくて、そのものずばりで言わしてもらえば、今日の異常な政治情勢の中で、われわれ国会は、また政府国民に対して何をなすべきかという観点からいけば、私は、国民の感情なり国民政治感覚というものは、今日の佐藤内閣に、いま官房長官がおっしゃられるような法案や予算案を出してそれを審議してくれなんということを第一義的には求めてないと思うのですよ。国民が第一義的に求めておるものは、今日の腐敗堕落した政界の粛正なり刷新について国会全体としてどうするんだ、佐藤内閣全体としてはどうするんだという、内閣及び国会のそういう姿勢を国民が求めておると思うのです。この答えを出さずして、この答えを出すことに対してわれわれが取り組まないで、そして第二義的と目される正常な政治情勢下におけるいわば予算や法案審議というようなもののテクニックだけで臨時国会の日時を設定するということは、私は本末転倒しておるのじゃないかと思うのです。そういう国民の感情を内閣を代表されてきょう御出席の官房長官はどのように判断をされておるか、私はお聞きしたい。
  96. 愛知揆一

    愛知国務大臣 御意見に敬意をもって傾聴いたしますが、同時に、今回の臨時国会に御審議をお願いしたいと思っておる案件は、たとえば公務員給与の問題であり、あるいは災害の問題であり、あるいは懸案の石炭の問題であり、こういったようなことはやはりそれぞれの立場国民として非常に要望されておるところである。こういう点に対しては、行政の責任を持っておる政府としてはやはり真剣に取り組んでいかなければならない問題である、こう思うのです。ですから、政治の姿勢ということももちろんいろいろの角度から御批判をいただかなければならぬし、自粛しなければなりませんが、同時に、そういった問題についても一日たりともゆるがせにできない、真剣に取り組まなければならぬ。これが政府をおあずかりしておる者の立場でなければならない、こういうふうに私は考えるわけです。
  97. 安宅常彦

    安宅委員 中嶋さんもいろいろな話をして、官房長官が率直に答えないことに対して答えてもらいたいという意味の発言をしておった。これはその発言の要旨にはずれるようなことになりまして言いかねるところもあるのですが、このごろ常道に反したみたいなことが一ぱいある。佐々木さんのいないところで言うのはぐあいが悪いのですか、国会対策委員長議運理事であるということはないですよ。議運理事は、議運でどうにもならぬものを国会対策委員会に持っていくというのがいままでの慣例で、国会対策委員長議運理事、その人が佐藤総理に三十日と進言した。新聞記者にうそだと言ったら、飛び出してきておこるだろう。そういうやり方は改めてもらわなければならぬ。それが一つ前提にあるのです。そういう異常な状態にしておいて、政治の姿勢を正すとか、えりを正すとかうまいことを言ってもしょうがないじゃないか。いま一時のがれに、あなたはこの際自分の考えを通そうと思って同じことを何回も繰り返しておるが、それを言うならば、いままで通常国会臨時国会を通じて、国会開会の日に予算案から法律案から全部出してきたことがありますか、ないでしょう。今度は法案がそろい、予算案がそろわなければ国会は開会しないんだ。それなら野党のほうでも、それがそろわないうちには審議に応じなくともよろしいんだということに反面なるのですが、それでもよろしいですか、どうなんですか。そういうことをいまあなたはおっしゃっておるのですよ。重要な発言をされておるのですよ。それでもよろしゅうございますか。法案がそろわないから通常会で審議に応じなくともよろしい、そういうお考えだったら、私らは、ああそうですかとある程度言うかもしれません。これはこのたびの国会だけに限ってそうで、あとはばたばた会期の終わりごろに怪しげな地主報償法案を出してくることもあるようだが、このたびは違うのだ、こういうことですか。
  98. 愛知揆一

    愛知国務大臣 いや、そういうことを言っておるわけじゃございません。
  99. 安宅常彦

    安宅委員 いや、そうじゃないですか。そろわなければ臨時国会を開かないというのでしょう、どうですか、はっきりしてくださいよ。
  100. 愛知揆一

    愛知国務大臣 何も議案もなしに召集をお願いすることはいかがであろうかということを言っておるわけであります。
  101. 林百郎

    ○林議員 ちょっと官房長官、二点ほどお聞きしたいのです。  開会の問題が法案の準備とその態勢が整うかどうかにかかっている、これが長官の答弁の中核をなしておるのですが、しかし、それだけでは考えられない要因をあなたは言っておらないと思う。これを私がなぜ聞くかというと、少なくとも官房長官が十一月の初めころですか、この前の理事会野党四派の開会の要求に対して、十一月二十五日を二十日くらいにしたいということを内閣の大番頭である官房長官が言われたわけです。そのことは責任があるわけです。きょうあなたはいろいろ弁解されておりますけれども、しかし、その後の情勢は、十二月一日に党大会がある。総理札幌の一日内閣で、根本的に党と内閣の人事を入れかえると雷っておりますね。そうすると、法案がかりに準備できたとしても、国会に対して責任を負う内閣の体制がいつできるかということも、これは一つの両次因になる。このことを無視して、あなたは補正予算準備だけでここでものを言って、実はそうだったけれども、その後国会に責任を負う内閣の体制を変えなければならないという問題が出てきたので、実質的な審議はこうなる、かりに三十日に召集しようと思ったが、実質的な審議は実はいつからだ、こういう要因を、十一月二十日問題もありますから、あなたはここで責任を持って言っておかなくていいですか。ちょっとそれをお聞きしておきたと思います。責任ある答弁を願いたい。
  102. 愛知揆一

    愛知国務大臣 それは十一月ぎりぎり一ぱいのところで用意をして間に合うようにしたい、こう言っておることは、その後の審議につきましても内閣として責任を負ってその審議に当たっていただく、こういうことを前提として考えておることはもちろんでございます。
  103. 林百郎

    ○林議員 私たちは一日も早く――さっき藤田さんからお話がありましたし、社会党の皆さんからも話がありますけれども、いま国民国会に要望しておるのは、国会を通じて内閣あるいは自民党に対する疑惑を明確にするということです。そういう立場から野党四派としては一貫してあなたにものを言っておるわけです。それをあなたから、なるべく早くしょうということも一度は出たわけです。ところが、それがきょうは、法案の技術的な態勢ということでゆらいできたし、そのほかにまた、事実上は本来国会に責任を負うべき内閣の体制自体がいつどうなるかわからぬということになると、ますますわれわれが要望しておる、すみやかに国会を開いて国民国会期待しておることを明らかにしようということはまた延びることになる。少なくとも三十日に国会召集されても、その体制がいつになるかわからなければ、ただ形式的に召集しただけで実質的な審議に入れないということが一つある。  それからもう一つは、国会のほうで野党のほうはそういう要求をしておる。要するに、今度の国会はすみやかに開いて政治の責任を明らかにするという内容国会にしたい。あなたのほうは、内閣として法案を審議したいということだ。しかし、あなたのほうがどこまでもそれを突っぱり、野党のほうはどこまでも責任を明らかにする、国民の輿望にこたえる国会にすべきだということがもし一致できなければ、国会の運営は不可能になるわけですよ。そうすれば、場合によっては国会の解散ということも考えなければならぬ。そうなると、われわれ野党四派がいま要求して、国会を通じて政治責任を明白にするという内容を持った国会にするということは、国民国会に大きく期待しておるが、国会を通じて政治責任を明らかにするということに、政府としてはいつこたえる体制が完備することになるのか、責任を持てますか。ただ三十日というのは形式的に国会召集する日だけの問題であります。藤田さんからさっき話がありましたけれども、われわれは二十日でなくとも、責任体制、政治責任を明確にするための国会はいますぐでも開こうと思えば開けるわけです。それをあなたは二十日とメルクマールを出したが、これもくずれちゃった。さらにきょうは形式的には三十日ということを言っておりますけれども、しかし、あなたがここで言わない要因がかまえておるわけです。総理札幌で言っておるわけです。すっかり体制を変える、そういう要因が入ってくれば、われわれ野党四派が要求しておる内容を持った国会は持てるか持てないか、わからないじゃないですか、どういう責任を持たれるのか。
  104. 愛知揆一

    愛知国務大臣 これは先ほど来るる申し上げておりますように、今月中には何としても臨時国会召集したいということ、佐藤総理大臣も言明しておるわけです。何としてもこの約束は果たさなければならぬと考えております。そうして召集した国会におきましては、たとえば会期を何日にするかなどということは、これは国会で御相談になることだと思いますけれども、十分御審議をしていただく。そしてそれに対して責任を持って政府態度説明するということについては、当然のことながら十分責任を持って対処いたしたい、こういうふうに考えております。
  105. 安宅常彦

    安宅委員 官房長官は同じことばかり言っておる。坪川さん、あなたは自民党の筆頭理事であるのだが、さっき佐々木さんの話を前提として申し上げた。議運理事であり国会対策委員長であるということはおかしい。それはおくとしても、あなは筆頭で来たと思う。そうでなかったらだれでもいいのですが、愛知官房長官が言っておることの一番重要なことは、法律案や予算案がそろいませんからそんなに早く開けませんということばで貫かれておる。そうすれば、法律案や予算案がそろわなければ、今後いつまでも国会が開けないというふうに理解していいわけですね。あなたのほうでそういうことをここで確認していいのですか。どうですか、自民党さん。
  106. 坪川信三

    ○坪川委員 さっきの佐々木君の個人の問題は、名前が出ましたからここで申し上げておきますけれども、御案内のような党内の役員事情で、御承知のとおり、ちょうどずっと国会がなかったものですから、議運理事の補充などもついておりませんが、これから急いでやりたいと思ってあらためて委員長にも報告し、議運理事会でもひとつ御協議願って決定しいたと思っておりますので、この点はひとつ御了承願いたいと思っております。  いまの臨時国会召集の問題については、官房長官も熱意を持って野党の御要望は聞いておられると思います。したがって、あなたが御指摘になったように、すべてが準備できていないから臨時国会が開かれないという、その政府側の立場もやはりお察し願いたい、こう思うのです。決していわゆる予算とか法律案の事務的な整備ができない、それだけでなく、すべての問題を含めて十分御期待に沿うような臨時国会の場を設けたい、こういうような深い配慮から官房長官が非常に苦慮されておる、こう思います。
  107. 安宅常彦

    安宅委員 坪川さん、それはあなたが官房長官になったときの答弁だ。そういう立場もわかるよ。官房長官苦しがっているのはわからないわけではない。だけれども、苦しくたって内閣の大番頭はきちっと答えなければならぬ。男一匹だ、自分は二十日にしたいと言った。ところが、それはなぜそうなったかと聞いたら、てきぱきするほうの自粛、粛党がなかなかうまくいかない。それは別として、もう一つ理由は、予算案も法律案も全部そろわない、そういうことなんですよ。そうすれば、予算案、法律案がみなそろわなければ、今度の臨時会や通常国会の開会がきまった場合でも、実質上の開会はできない。そのとおり官房長官がんばるのなら、そういう態度でわれわれは臨みますが、それでようございますか、自民党はそれを確認しますかと、こう言っているのです。御配慮とか、御案内のとおりとか言ってもどうにもならないから、はっきり言ってください。
  108. 坪川信三

    ○坪川委員 それはその事態になった上においての現実の問題をとらえて討議し、また結論を出せばいいのであって、いまここでその事態を、今後すべての問題をかかる姿でやるというようなことを一切ここで結論を出すというのは軽率だ、こう思います。
  109. 安宅常彦

    安宅委員 そうすると、原則は私の言うとおりであるけれども、そうでない場合もあって、そう、でない場合はこういう例外もある、こういう意味ですか。
  110. 坪川信三

    ○坪川委員 例外といいますか、現実に即応した姿での国会の運営その他であるべきである、私はそう思います。
  111. 安宅常彦

    安宅委員 官房長官与党国会運営の理事は、あなたのような答弁を続けておったらほんとうに困るですよ。そっちもそのようにとりますし、こっちもとっておる。ただ、そのときの実態に応じてなんてごまかしているけれども、十一月三十日だか何か知らないけれど、あなたはそういうことを頭に描いているような状態で国会を開いて、それで正常な国会運営ができるのかどうか、少し考えてみたらどうなんですかね。今後も、予算案がそろわない、法律案もそろわない、ああそうですが、そろったらやりましょうと、こっちが開き直ったらどうするか。いまの答弁、十一月三十日を固執するためにいろいろな言いわけやら、左に逃げたり、右に逃げたり、牛若丸みたいに言っておるが、いつも通用するものではないのだから、あのときこう言った、今度こうやりましょういっても、私みたいな男に言われたらぐうとも言われなくなりますよ。与党議運理事の諸君ははなはだ困る立場になるし、国会運営はもうにっちもさっちも動かなくなりますよ。どうですか、官房長官考えたことがありますか。その点についてあなたの見解を聞きたい。
  112. 愛知揆一

    愛知国務大臣 いろいろと御注意をいただいてまことにありがたいのでありますけれども、昼の会議の終わりころにも申し上げましたように、きょういろいろと野党の方々から御意見の出ましたことは私も傾聴いたしております。それからそういうくだりはしかるべきところにも報告をいたします。
  113. 中嶋英夫

    中嶋(英)委員 議長は何か結婚式の仲人でお急ぎのようだから、いらっしゃるうちに聞いておきたいのですが、国会の権威を保持するための最高責任者でございますし、同時に、私どもにとって神聖な審判者の役目もなさるわけなんですけれども国会の中に臨時国会を早期に開会すべきだという考え方が非常に多いわけであります。これは議長さんのお耳にも当然入っておると思う。それに対して何か召集手続その他について、本来国会運営のルールからいくと逸脱した情報も新聞紙上に出ておることはお目にとまっていると思う。私どもの審判者として議長さんから、この際、国会というのはいま急いで開くときではないのか、急いで開いたほうがいいのか、もしお考えがあればそれを伺っておきたい。
  114. 山口喜久一郎

    ○山口議長 先ほどから出席していろいろ御議論を承っておるのでありますが、この段階において議長から意見を加えるということは、どうもあまり適当でないように思いますので、結婚式は急いでおりますが、なおこの会議の重要性にかんがみまして、議長はさらにひとつ席にあって皆さんの御意見を拝聴したい、こう思います。
  115. 西村関一

    ○西村(関)委員 ことばじりをとらまえるようではなはだ恐縮でございますけれども愛知官房長官は午前中の答弁の中で、予算や法案の準備もさることながら、党内の粛正にも手間がかかる、時間がかかる、そういう意味のことを、ことばはそのとおりでなかったかもしれませんけれども、そういう要因もあるということを言われたと思うのであります。その点は安宅理事もいま少し触れたと思うのでございます。また坪川理事も、予算、法案その他もろもろの点を考慮して官房長官発言しておるからその点を了承願いたい、こういうような非常に含みのある発言をせられた。このことは一応先ほどの滝井理事の冒頭の発言の中に、予算や法案については、これはおくれることは若干認めるにやぶさかではないけれども、しかし、国民の要望にこたえて、早期に臨時国会を開会してその疑惑を解くべきだというこの要求に対しては、これはやはり与党内の事情があってまだひまがかかるからもう少し待ってくれということを率直に言われるのか、その点がただ何かふわっとしているだけで、そういう点を腹を割って率直に話をせられるということなのか、その点はどういう要因があるのか、そういう点をお伺いをしておきたいと思うのです。
  116. 愛知揆一

    愛知国務大臣 午前中私の申し上げたことが舌足らずであったかもしれませんが、この召集の時期に自民党党内事情がからんでおるというようなことはございません。
  117. 西村関一

    ○西村(関)委員 坪川さん、その点どうですか。
  118. 坪川信三

    ○坪川委員 そのとおりです。
  119. 西村関一

    ○西村(関)委員 もろもろの事情ということは、内容はどういうことですか、予算と法案のほかは何ですか。
  120. 坪川信三

    ○坪川委員 それは先ほど野党の非常なご熱意のある御要望も含めたもろもろの要因について十分勘案する、こういうことです。
  121. 滝井義高

    滝井委員 官房長官、なかなか前段は歯切れがいいのですけれども、現在当面する政策以前の問題の解明についてはきわめて歯切れが悪いわけです。そこで同僚の皆さんからいろいろとわれわれの立場を御説明をして、早期臨時国会召集要求いたしました。しかし、なかなか言を左右にして言われないわけです。しかも正午のこの委員会の私の質問の最後のほうで、私は再考の余地を幾ぶん残して御質問申し上げましたが、その場合といえども官房長官は、私は政府の代表として出てきているし、政府としては態度を変えることはできません。しかし、野党の皆さんの意見のあるところはよくわかりましたので、総理に伝えます。こういうことだったわけです。問題は、政府として態度を変えることはできない、しかし野党考え総理に伝えようということでは、これは話にならぬわけです。やはり政府として、野党の御意見もありましたので、しばらく時間をもらいたい、私のほうももう少し頭を冷やして考えてみましょう、これなら話が通るのです。しかし、自己の城はどんなことがあっても外堀も内堀も埋めさせないんだ、おまえらは外堀の外を回っておれ、こういうことでは話にならぬわけです。しかも内堀と外堀、すなわち予算見通しも、歳入歳出見通しもつかぬ、それから綱紀の粛正もてきぱきといかぬということでは、これは話にならぬ。安宅さんが言われるように、それならこの次からは、予算がそろい法案がそろうまではわれわれは審議に応じませんぞ、こういう形にならざるを得ないのですよ。われわれも重箱の四つのすみを全部ふさいでしまって、逃げ場のないようにしてたたこうとは思っていない。それはかえって窮鼠ネコをかんでいまのようになるから、ここは弾力的にお互いに日本政治をよくしようという立場で議論しておるのですから、いま少し政府も弾力ある態度をとらなければならぬと思う。この前、二十五日のものを二十日に繰り上げましょうと言って、それを野党目安にして――ほんとうはあしたからでもあさってからでも開いてもらいたいというのがわれわれの要望なんです。しかし、それはやはり常識をもってこういう主張はしなければならぬということで、これは独断で、国会対策にわれわれは相談したわけでも何でもない。二十日くらいが常識の線であろうということで言っておる。その常識の線で言ったものが、月末まで十日延びるということになれば、われわれは逆に窮鼠ネコをかむことになるのです。そこはもう少し弾力を持った態度で、与党政府に忠告してもらうし、官房長官ももう少し政治家らしい態度で、総理にひとつ大所高所から相談しましょう、こういうことでないと女房役はつとまらぬと思うのですよ。その点もう少し、政府態度は変えることができないということではなくて、政府としてひとつ再検討いたしてみましょう、こういう形になるかどうか。
  122. 愛知揆一

    愛知国務大臣 いろいろと配慮のあるおことばをいただきまして大いに考えさせられるところがあるのでございます。きょう一日、非常に御熱心な野党側のいろいろな御意見を承りまして、とくと考えてみます。いずれまた機会がございましょうから、また論議を続けるという機会のあります際に私の意見を申し上げることにいたしたいと思います。
  123. 滝井義高

    滝井委員 政府としてとくと考えてみるということですね。そう理解して差しつかえありませんね。
  124. 愛知揆一

    愛知国務大臣 私は政府を代表して来ておりますから、要するにきょう皆さんの御意見もとくと頭に入れました。滝井委員の御意見も頭の中に入れまして、またお目にかかるというか、出席する機会もございましょうということを申し上げます。
  125. 鈴木一

    ○鈴木(一)委員 いろいろ議論があったわけですけれども、はっきりしたわれわれの納得する見通しも結論も得られなかったわけです。結局、自民党総裁選挙が終わらなければ、体制が整わなければ臨時国会が開けない、そういうことですか。
  126. 愛知揆一

    愛知国務大臣 私、そういうことは考えていないのでありまして、もしそうならば、これはまた、ざっくばらんに言い過ぎておしかりを受けるかもしれませんが、十二月の中旬くらいに臨時国会をお願いするはずだと思うのです。もしそういう配慮が必要であるならば。
  127. 鈴木一

    ○鈴木(一)委員 自民党総裁選挙、これは会場の都合もあるかもしれませんが、もっと早くやってもらって、臨時国会を早くするという方法もあるだろうと思うのです。
  128. 塚原俊郎

    塚原委員長 それでは、愛知内閣官房長官に対する質疑はこの程度にいたします。     ―――――――――――――
  129. 塚原俊郎

    塚原委員長 次に、次回の委員会は公報をもってお知らせいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時四十分散会