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鈴木強君 これは
大臣、一回あなたとどうしても論争をしなければならぬことになっておるのですが、たまたま機会を逸しておったのですけれども、私は公社制度というものの根本から
考え直していかなければならないと思うのですね。あなたにも述べたように、二回の答申も出ておりますし、もっと公社に自主性を与えて、そして思い切った力を与えてみる。そして総裁以下幹部職員がもしその力がなければ、これは内閣によって罷免してもいいですよ。しかし、やはり全体の責任体制というものを、いまのように国会や
政府から、給与
総額の移流用すらあなたのところに持っていかなければ許可してもらえないというような、こんなばかげたヘビの生殺しのような、禁治産者のような
運営をしているのですよ。これはもうこの経過は一回あなたに言わなければならぬと思っておったのですが、機会がないから、ここで、ない時間の中から多くは言いませんけれども、私はなんぼでもあなたと言える立場にあるのです。われわれは合理化ということを、それを経営する経営者も、それを使う
国民も、それに従事する
従業員も、みながよくなっていく、そういうことが基本であると思うのです。ところが、待遇はと見ますと、公社になるときには、非常に希望も持たせて、私たちも頭を下げて、ありがとうございますというように交渉に言いました。これは
考え方を変えてですね、そうして
事業に、再建闘争ということを労働組合がむしろ取り上げて、積極果敢に
事業拡充に努力してきたのです。しかし、合理化がだんだん進んでくると、配置転換が出てくる。さらに今度は待遇はというと、
一つも上がってこない。しかも給与
総額で縛られる。しかも三十二年に至って、三十二年までは給与
総額の中の基準内、外というものは、移流用が禁じられていなかった。だから超過勤務手当が余れば、それをどう使おうと総裁の権限であった。それすらが取り上げられた。一たん与えた権限を途中で取り上げられているという、こういうけしからんことがあるわけです。ですから、そういう点は一ぺん整理して、公務員制度
審議会ですか、いま持たれていますね。ああいうところへ私は積極的にやはり
大臣あたりも、公社に対する基本はこうだということを何かの機会でもいいですから、述べていただいて、もう少し自主性を持たせ、当事者能力というものを、
永岡さんの言ったような、能力を持って一生懸命やれば、その
人たちは報いられていくのだという体制をつくらない限りは、これはなかなか労働者に合理化に
協力せいといったところで、
協力できないです。私たちもそういう点については、絶えず一面では
考えつつ合理化というものを見詰めてきているわけです。ですから、首を切ってもかまわんから、おまえら合理化に賛成せいといっても、これはついてきませんよ。もし余剰人員が出たときにはいろいろ手厚い手当てをして、めんどうを見てやる、生活権を奪わない、こういう配慮があって、はじめて
従業員は安心して働けるわけです。そういうもろもろの条件というものがいまないわけです。ですからいろいろな
意見が出てくるのです。それさえあれば何もないのです、これは。一致
協力してやれる体制をつくれるのだが、そういう体制がないことを私は残念に思うので、これは答申を尊重しない
政府が悪いので、私は毎年々々
予算委員会でも言ってきているのだが、検討します、検討しますといってたなざらしにされて、
昭和二十九年以来もう十一年間たなざらしされている。これは
政府が悪いのですよ。そういう点をよく肝に銘じて、やっぱり
考えてもらった上であなた発言してもらわぬと、私はちょっと
——いろいろな
意見があるということはわかりますよ。その
意見のあるところはそういうところにあるということをまあ知ってもらいたいと思う。これはこの辺にしておきましょう、また何か機会があったら申し上げることにして。
それから、さっきも
永岡委員が指摘した電信というのは、公社
事業の中でも、お話しのように百億の
収入に対して四百億の
支出があるというような、やればやるほど損をする、働けば働くほど赤字が出るという、そういうばか、げた
仕事を持っているわけですね。これは私は、電信
改善会議というものを開いて結論を出していただいたのだが、たまたまその結論が、どこがどう気に食わなかったのか、全国の距離別時間差制の料金改定のときに日の目を見ずに今日に至っている。お預けを食っているのです。そしていま新たに電信電話調査会に諮問した。電話料金とからめてこの赤字を解消しようという
考え方を公社は持っているわけです。私から言わせるならば、これは少しおかしいので、距離別時間差制だけはあの段階でじゃんすかじゃんすかやって、一番赤字になっている電信の問題についてはあと回しになっている。これはおかしいと思う。だからこういう問題については、もっと積極的な対策を立てるべきではなかったかと、こう思います。
そこで、具体的に聞きたいのですが、
昭和三十九年度決算において電信の赤字は幾らありましたでしょうか。それから四十年度の
予算の見込みとしては、大体どの程度の赤字が予想されるでしょうか。これは運用
局長でけっこうです。