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1966-03-29 第51回国会 参議院 予算委員会第三分科会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年三月二十九日(火曜日)    午前十時三十四分開会     —————————————  昭和四十一年三月二十八日予算委員長におい  て、左のとおり本分科担当委員を指名した。                 井川 伊平君                 植竹 春彦君                 古池 信三君                 櫻井 志郎君                 白井  勇君                 平島 敏夫君                 鈴木  強君                 村田 秀三君                 矢山 有作君                 浅井  亨君                 向井 長年君     —————————————    委員の異動  三月二十九日     辞任         補欠選任      矢山 有作君     永岡 光治君     —————————————   出席者は左のとおり。     主 査         井川 伊平君     副主査         鈴木  強君     委 員                 植竹 春彦君                 古池 信三君                 櫻井 志郎君                 白井  勇君                 平島 敏夫君                 永岡 光治君                 村田 秀三君                 浅井  亨君                 向井 長年君    担当委員外委員                 木村禧八郎君    委員以外の議員     議 員         永岡 光治君    国務大臣        郵 政 大 臣  郡  祐一君    政府委員        郵政政務次官   亀岡 高夫君        郵政大臣官房長  鶴岡  寛君        電気通信監理官  畠山 一郎君        郵政省監察局長  山本  博君        郵政省郵務局長  長田 裕二君        郵政省貯金局長  稲増 久義君        郵政省簡易保険        局長       武田  功君        郵政省電波監理        局長       上田 弘之君        郵政省電波監理        局放送部長    館野  繁君        郵政省人事局長  曽山 克巳君        郵政省経理局長  淺野 賢澄君    説明員        郵政大臣官房資        材部長      五味 三郎君        郵政大臣官房建        築部長      奥山 恒尚君        郵政省経理局審        議官       石井多加三君        日本電信電話公        社総裁      米沢  滋君        日本電信電話公        社総務理事    行広 清美君        日本電信電話公        社営業局長    武田 輝雄君        日本電信電話公        社運用局長    藤川 貞夫君        日本電信電話公        社計画局長    宮崎 政義君        日本電信電話公        社施設局長    北原 安定君        日本電信電話公        社経理局長    中山 公平君        日本電信電話公        社資材局長    井上 俊雄君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○主査及び副主査互選昭和四十一年度一般会計予算内閣提出衆議  院送付) ○昭和四十一年度特別会計予算内閣提出衆議  院送付) ○昭和四十一年度政府関係機関予算内閣提出、  衆議院送付)     —————————————   〔年長者平島敏夫主査席に着く〕
  2. 平島敏夫

    平島敏夫君 ただいまから予算委員会第三分科会を開会いたします。  本院規則第七十五条によりまして、年長のゆえをもちまして、私が正副主査選挙管理を行ないます。  これより正副主査互選を行ないますが、互選は、投票によらず、選挙管理者にその指名を御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 平島敏夫

    平島敏夫君 御異議ないと認めます。  それでは、主査井川伊平君、副主査鈴木強君を指名いたします。(拍手)     —————————————   〔井川伊平主査席に着く〕
  4. 井川伊平

    主査井川伊平君) ただいま皆さまによりまして、主査の御選任をちょうだいいたしました。きわめて不なれな者でございますので、何ぶんよろしく御協力をお願い申し上げます。  それでは、これより審議に入りますが、その前に、本日の議事進め方についておはかりいたします。  本分科会は、昭和四十一年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林省、運輸省、郵政省及び建設省所管審議することになっております。議事を進める都合上、主査といたしましては、本日は郵政省農林省という順序で進めたいと思います。もちろん、郵政省農林省の間に電電公社も入るわけであります。いまだ理事会のほうで、時間の関係がはっきりいたしておらぬ関係もありますので、本日どこまでやらねばならぬかという問題は、まだはっきりいたしませんけれども、御協力を得まして、できる限り進めておきたいと存じます。御協力をお願いいたします。  そういうことの進め方で御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 井川伊平

    主査井川伊平君) 御異議ないと認めます。     —————————————
  6. 井川伊平

    主査井川伊平君) それでは昭和四十一年度総予算郵政省所管を議題といたします。  まず、政府側から説明を求めます。郡郵政大臣
  7. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 当省所管会計昭和四十一年度予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  まず、郵政事業特別会計予算でありますが、この会計歳入予定額は、四千百七十八億三千五百万円で前年度予算額三千六百二十四億七千八百万円に比較しますと、五百五十三億五千七百万円で一五%の増加となっております。  このうちには、収入印紙収入等一般会計へ繰入れる、いわゆる通り抜けとなる業務外収入が八百五十三億一千二百万円ありますので、これを差し引いた実体予算、すなわち郵政事業運営に必要な経費財源となる歳入は、三千三百二十五億二千三百万円となっておりまして、これは前年度予算額に比較しますと、五百九十七億二千七百万円で二二%の増加となっております。  この収入の内訳は、郵便、為替、振替等業務収入が一千六百五十二億九千二百万円で、この中には郵便収入において二八・八%の増収を期待する郵便料金の改定を行なうこととしての増収を見込んでいます。  他会計簿から委託された業務運営に要する経費財源に充てるための受託業務収入が一千五百七十四億四千万円、郵便局舎等建設財源のための借入金等資本収入が九十七億九千一百万円となっております。  次に歳出予定額は、歳入予定額同額の四千百七十八億三千五百万円で、前年度予算額三千六百八十一億一千六百万円に比較しますと、四百九十七億一千九面万円で一四%の増加となっております。  また、歳出予定額から業務外支出を除いた実体予算も、歳入予定額同額の三千三百二十五億二千三百万円で前年度予算額に比較しますと、五百四十億八千九百万円で一九%の増加となっております。  この増加のおもなものは、業務運営費の四百七十九億一百万円、郵便局舎等建設費五十九億九千七百万円等であります。  次に四十一年度予算に盛り込まれております重要施策事項について申し上げます。  業務量増加等に対応しまして四千七百二人の定員増員を行ないますほか、職員住宅完備充実を促進する所存であります。  また、事業近代化をはかるため、建設予算一百七十五億円をもって郵便局舎等改善を行ない、四十億七千四百万円の経費をもって、通常郵便物航空機搭載をはじめとする郵便集配運送施設改善事業各般機械化の促進、窓口施設改善を行なうこととしております。  窓口機関の設置につきましては、無集配特定局三百局、簡易郵便局五百局を増置して、利用者の一利便をはかりますとともに、簡易郵便局手数料及び切手類売さばき手数料を実情に沿うよう引き上げることとしております。  貯蓄の増強につきましては、新年度における郵便貯金の純増加目標額を四千九百億円、簡易保険一の新規募集目標を四十五億円、郵便年金十億円とし、この達成につとめることとしております。  次に郵便貯金特別会計でありますが、この会計歳入予定額は、二千百八億九千四百万円で、前年度予算額一千六百六十七億一千万円に比較しますと四百四十一億八千四百万円の増加であります。  この増加は、主として郵便貯金増強に伴い資金運用部への預託増加による利子収入増加によるものであります。  歳出予定額は、一千七百九十億九千八百万円で、前年度予算額一千四百六十三億五千四百万円に比較しますと三百二十七億四千四百万円の増加であります。  この増加は、郵便貯金預入者への支払い利子及び業務委託費としての郵政事業特別会計への繰り入れ増加によるものであります。  簡易生命保険及郵便年金特別会計におきましては、歳入予定額は三千六百十六億九千七百万円で、前年度予定額三千百八十六億三千三百万円に比較しますと四百三十億六千四百万円の増加であります。  歳出予定額は、二千百四十二億八千六百万円で前年度予算額二千三百三十一億三千七百万円に比較しますと百八十八億五千一百万円の減少となっております。この減少は、四十一年度において前年度より満期保険契約減少するため保険金分配金減少することとなるためであります。なお、四十一年度の財政投融資原資のうち簡保年金資金は一千七百億円を予定しております。  次に一般会計予算について申し上げます。歳出予定額は四十億四千五百万円で、前年度予算額三十八億七百万円に比較しますと三億三千八百万円の増加であります。  この中には、重要施策としておりますところの米国航空宇宙局の打ち上げる新型通信衛生による、国際的共同実験に参加するための研究施設の拡充に要する経費一億九千六百万円のほか、電波監理事務機械化電波監視体制整備強化受信障害防止対策の推進及び有線放送電話施設整備強化のための技術指導費として五千七百万円が含まれております。  次に、日本電信電話公社予算について申し上げます。損益勘定におきましては、収入五千五百三十億円を見込み、前年度に比較し七戸十六億円の増加となっております。  また支出は、五十三百四億円でありまして、施設及び要員の増加等により、前年度に比較し九百二十二億円の増加となっております。  以上の結果、収支差額は二百二十六億円となり、前年度に比較し二百六億円の減少となっておりますが、この収支差額は、資本勘定繰り入れられることになっております。  資本勘定におきましては、内那賀金二千百十五億円、外部資金二千二百三十三億円、総額四千三百四十八億円を予定しておりますが、前年度に比較し七百十六億円の増加となっております。外部資金の調達は、加入者債券設備料一千五百四十八億円、財政投融資等六百八十五億円を予定しております。この資金は、債務償還等に二百二十八億円、建設勘定への繰り入れに四千百二十億円をあてることにいたしておりますが、建設勘定練り入れ額は、前年度に比較し六百五十一億円の増加となっております。  建設勘定におきましては、四千百二十億円をもって加入電話百二十三万加入等主要工程とする建設計画を実施することといたしております。  以上をもちまして私の説明を終わりますが、なお詳細な点につきましては、御質問をいただきましてお答え申し上げたいと存じます。  何とぞすみやかに御審議下さいますようお願い申し上げます。
  8. 井川伊平

    主査井川伊平君) これより質疑に入ります。質疑のある方は、順次御発言を願います。
  9. 鈴木強

    鈴木強君 最初にお尋ねしたいのは、昨年の暮れに発行しました年賀はがき、これによって寄付金が幾らになっておりますでしょうか。そうして、その寄付金の処理は、共同募金会その他の関係もあると思いますが、郵政省としては、おおよそどういう方面にこの金を配分するように考えておるのか、この点をまずお尋ねします。
  10. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 昭和四十年度の年賀はがきは、寄付金つき六億五千万枚発行いたしまた。第一線のほうで汚損が約十枚ございまして、六億四千九百九十九万余りの……。
  11. 鈴木強

    鈴木強君 十万ですか。
  12. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 十枚です。十枚でございまして、したがいまして、六億五千万円から十枚差し引いただけの寄付金が集まったわけでございます。その中から事務経費を除きまして、残りの金額利子の四千五百万円を足しまして、金額を先般郵政審議会におはかりした上で配分することに決定いたしました。
  13. 鈴木強

    鈴木強君 その配分先はどこなんですか、どういうところに配分したんですか。
  14. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 配分金額六億一千三百五十四万二千円の配分先は、中央共同募金会三億四千六百五十万円、日本赤十字社八千二百万円、癌研究会一千七百万円、日本ガン協会一千万円、南方同胞援護会三千万円、結核予防会一千六百万円、日本水難救済会一千八百万円、広島原爆障害対策協議会福祉センターに四千百万円、日本身心障害児協会に二千三百万円、秋津療育園、これは重症肢体不自由児、これも一千八百万円、それから非常災害関係で千二百四万二千円、以上でございます。
  15. 鈴木強

    鈴木強君 これは、募金会のほうとの関係は、全然連携をとっていないんですか。郵政審議会のほうにはかって配分をすれば、それでいいわけですか。
  16. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) この命は、売り上げが立ちますと、それを第一線郵便局から郵便募金管理会に送付いたします。郵便募金管理会はこれを管理し、省の決定に従いまして配分先に現実の配分をし、あるいは、その後も使用された結果が、使用目的にかなっているかどうかという監査をいたしますけれども、決定は、郵政省郵政審議会意見を聞いて配分決定することになっております。
  17. 鈴木強

    鈴木強君 次に、大臣、この前、ガン対策の一環として記念切手発行する計画があったようですね。それで、征圧の「せい」をどうするかというのでだいぶ論議したそうなんですが、それは別としてこのガン征圧のための寄付金つき切手発行ですね、これは厚生省とも連絡をとってやっておられるのでございましょうが、特に郵政省がこれに協力をしなければならぬという、そういう理由はどういうわけなんでしょうか。それで、この特殊切手は何枚発行して、どの程度の利益が出て、それをガン対策として処理するのか、構想を説明してもらいたいと思うのです。
  18. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) ガン征圧については、これはもちろん、郵政大臣として厚生大臣とも相談はいたしておりますけれども、むしろ、それ以上に政府全体として——それはもちろんガンだけの問題でございません、身障者の問題も考えなければいかぬと思います。これは国全体としていたすこと、むしろ政府が、その財政支出において考えるべきことが多いのでありますけれども、そういう財政支出——これは私自身もいろいろ伺ってみましても、なかなか金の多々ますます弁ずることであります。しかも、征圧は非常に急がれる、こういう状態、そういたしますと、おそらくいろいろな御要望はあると思いまするが、まず、ガンを手始めに寄付金つき切手発行いたすことは、鈴木さんよく御承知のように、オリンピックの場合以外には、本来の法律に基づきましての意味合いでの重い病気等についての寄付金つき切手発行いたしておりません。これを年賀はがきのようにこの際踏み切るべきであろう、国民にお訴えするには一番、いまも年賀はがきお尋ねございました、国民に広く訴えるというのには、最もふさわしいものじゃないだろうか、こんなぐあいに考えまして、むしろ、政府全体の考え方ガン征圧切手発行をいたそうといたしたのでございますが、お尋ねの点のございます発行数は、郵便料金の七月一日以降の値上げを別途郵便法でお願いいたしておりますので、七円の切手に三円の寄付金をつけましたものが三千万枚、十五円の切手に五円の寄付金をつけましたものが二千五百万枚、かようにいたしますると、寄付金総額は二億一千五百万円というものを予定いたしております。
  19. 鈴木強

    鈴木強君 これはおおよそ発行をいたしまして、この切手が全部売れて、金を回収して、いよいよ寄付金として出せる時期は大体どうなっているのですか。発行はいつ発行するのか。
  20. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 十月二十一日に日本国際学会が開かれまするので、その機会に発行いたしまして、一切の切手を売りさばきまして、そうしてこの切手国民にお訴えして、全部が売りさばけることを期待しておりまするが、すべてそういう仕事を充てますのを、今年一ぱいというぐあいに考えております。
  21. 鈴木強

    鈴木強君 私はこの切手発行については異議があるのですよ。大臣のおっしゃるように、対ガン政策というものは、日本の場合非常におくれておりますから、今度、厚生大臣もたいへん努力され、政府も従来から見ると一歩前進の予算を組んであると思います。ただ、郵政省がどうしてそういう手数のかかることをやらなければならないかということですね。これは全従業員がふるい立って、やろうという気持ちを持って初めてできることだと思いますが、いずれにしても、この仕事はかなり売りさばきにおきましても、あるいは回収におきましても、いろいろと手数のかかることでございましょう。ですから郵政省がそれを引き受けなきゃならぬという私は理由はないと思うのですね。むしろ厚生省のこれは所管でしょうし、大きく言えば国家予算としてそういうものを見るべきであって、何かこの国民の同情的な立場に立っての切手発行、それによって何がしかの、二億一千五百万ですか、こういったものを考えるということも、ちょっと私は理屈に合わぬように思うのですね。ですから、そのやろうとする気持ちは、私にもわからぬことはないのですけれどもね。何かというと郵政行政にそういった負担がかかってくる。いろいろそのほかに現在郵便の遅配問題とか、後ほどいろいろお尋ねしますけれども、問題があるだけに、そういった仕事をかかえ込むことがどうかというやはり気がするわけですね。ですからこの辺はよっぽど検討されて踏み切ったものとは思いますけれども、少し私は郵政省がこういうことをやることに対する理解というものが、どうもわからないのですがね。もう少し大臣気持ちを伺いたいのですが。
  22. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 私はこういう考えで、もちろん従業員諸君にもまたいろいろと手数をかけることであります。ただ私はこのガン征圧切手発行ということを決心いたしましたのは、国の独占にかかるこういう郵便事業を営んでおる政府といたしまして、そうしてオリンピックの場合のような国家的行事であるというような意味合いでものを見る、むしろ観点を変えまして、ガンというものに対して国民全体のもっと気持ちを高めるということが必要なんじゃないか。ガン征圧寄付金を得るということも、一つ考えでございましょう。ですから、このガン征圧切手発行いたします段階での御議論等には、こういうのがありました。むしろこうしてガンガンということで、ガンノイローゼ国民に広げちゃ困るのだ、こういう御意見がございました。私はガンノイローゼという問題は、切手発行してもしないでも、いまあるいはわれわれの社会生活としてあるのかもしれない。しかしガンというものに国民全体が非常な関心を持つ、これにはいろいろの方法もありましょうけれども、政府の、あるいはそれを担当いたします厚生行政をしておる一省がこれを受け持つべきことではなくて、もちろん寄付金ということも、諸手数料を引きましても相当な額になります。寄付金を無視するわけではございませんけれども、国が独占をいたしておる事業である郵便というものとガン征圧というものを結びつけることは——みだりに私も切手発行をいたそうとは思いません。これからいろいろなまた意見がほうぼうから出てまいりましょうが、私はそれはかなり強い態度を郵政省はとらなきゃいけない。ただ、いまのような日本の現状で、ガンというものは、これは取り上げて国民にひとつお考えをいただく。もちろん鈴木さんのおっしゃるように、働く人たちのいろいろまたそれだけ仕事の分量のふえるということも考えなければいけません。考えなければいけませんけれども、どうもこの点は、一種別仕事であるという考え方で、日本がいま取り組むべき大きい問題の一つである、こういう考え方を持った次第でございます。
  23. 鈴木強

    鈴木強君 これは見解の分かれになると思いますから、私はこれ以上は申し上げませんが、大臣のいまの御見解の中に、何でもやるということではない、みだりに。したがって今回の場合には、特にガンが今日社会問題になってきておりますおりからでございますし、国民関心を深めていこうということで、例外としてやったといういまお話でございますから、大体御趣旨はわかりましたので、これ以上は申し上げませんが、私の言わんとするところは、先ほどからの趣旨で尽きておりますので、今後切手の扱いについては、ぜひ十分御配慮していただきたいと思います。  それから郵政局長、来年度発行しようとしております記念切手ですね。特殊切手を含めまして、これははがきも含めまして、ことしはどういう種類で、大体何月ごろどの程度発行しようとする計画をお持ちでしょうか。これをお伺いしたい。
  24. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 四十一年度の特殊切手発行計画につきましては、一応各種の記念事業にちなむもの九件予定しております。そのほかシリーズもの、国立公園魚介シリーズあるいは名園シリーズ等シリーズものが十二件予定されておりまして、合わせまして、二十一件ございます。大体各月一件、月によりまして、三件くらい出る月もございます。一件ないし二件くらい予定して発行する計画でございます。
  25. 鈴木強

    鈴木強君 金額とか、枚数は。
  26. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) ただいま大臣が申し上げましたガン征圧切手につきましては、金額枚数は確定しておりますが、その他につきましては、まだ枚数金額は、現にもう発行計画を固めまして印刷局等々と打ち合わせておりますものは別といたしまして、それ以上のものにつきましては、まだ枚数金額は確定いたしておりません。と申しますのは、これは切手の売りさばき状況の動向などを考えまして、固めていきたいという点もございまして、まだ確定いたしておりません、予算上は、大体合計三十五億円を予定しております。四十年度の予算額が二十八億七千万円でございましたから、予算上は二割ばかりふやすということにいたしております。
  27. 鈴木強

    鈴木強君 この枚数金額はきまっておらないということであるが、金額のトータルはいまお話かごさいましたか、特に四月——毎月一件ないし二件、多いときは三件ということですから、四月はもうすぐでしょう。来月発行するわけでしょう、ですから、そういうわかっているのは知らせてほしいと思う。それであとのやつは、発行月のたとえば一カ月前にやるとか、二十日前にやる場合とかいろいろあるでしょう。そんなものはどうなんですか。
  28. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 四月に発行を予定しておりますのは、四月十一日の国際工業所有権保護協会東京総会を記念したものでございます。額面は四十円、これは金額も相当高うございまして、一千万円程度予定しております。その次が四月二十日の切手趣味週間、これは毎年出しているものでございますが、額面十円のものを三千五百万枚。それから五月は魚介シリーズ一種類だけ。六月もただいまのところ魚介シリーズ一種類と、こういうことでございます。
  29. 鈴木強

    鈴木強君 この記念切手は非常に愛好者が多いわけですね。それでいろいろ窓口における売り方がどうだとかこうだとかいう意見もあるわけですけれども、できるだけ早く周知をして、そして少ない枚数でもみんなに売りさばきのできるような御配意は特にしておられるんでしょうか。よくそういう苦情を聞くんですけれども、その点は特別にことしは配意はしていただけますか。
  30. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 売りさばきの数が少ないために、学童が授業から抜け出したりして買ったりするというようなことを聞いたりいたします点につきましては、私どもも非常に遺憾に思っているわけでございます。ただし、印刷費も相当ほかの一般切手とも違いますし、あまり多く出し過ぎることも、実はこれは窓口で非常に幾種類も過去の長い期間にわたるものを売りさばいたりしておりますと、窓口の手数も相当増すというようなことなども考えまして、ほぼ一カ月ぐらいのうちに大体はなくなる——東京中央郵便局の普及課あたりは別といたしまして、大体はなくなるという程度をめどとして出しているわけでございます。少な過ぎるということのないようには、十分注意いたしたいと考えております。
  31. 鈴木強

    鈴木強君 それから、郵便法の改正によりますと、従来の年賀はがきはなくなるわけですね。そこで、今後この寄付金つき年賀はがきはなくなるでしょうけれども、いわゆる一般的な年賀はがきというのはやっぱり発行していくんでしょうね。それはどうでしょうか。
  32. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) お年玉寄付金つきの法律は依然として今後も存続していくわけでございますし、私ども、先ほど大臣ガンにつきましてお答え申し上げましたような点、あるいは冒頭御質問のありました各種団体等に対する配分の問題等も考え合わせまして、今後も年賀はがき寄付金をつけるということは続けていくべきではなかろうかというふうに考えているわけでございます。
  33. 鈴木強

    鈴木強君 そうしますと、具体的に従来四円で売りさばいておった年賀はがき、これはなくなるわけですね。そうですね。そうすると、今度はがきが七円にかりになるとすれば、その七円に寄付金を幾らかつけて、二円なら二円つけて、そしてそれを年賀はがきとしてやると、そういうことになるわけですか。従来五円のがありましたね、一円つけたの。それはどういう計画になるんですか。
  34. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 寄付金をつけるといたしますと、七円のものにプラスしてまいるということになろうかと思います。
  35. 鈴木強

    鈴木強君 それは幾らプラスするんですか。
  36. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 実は幾ら寄付金をつけるかということは、先ほど申し上げましたお年玉寄付金つきはがき等の発行に関する法律では明記されておりません。従来、それによりまして、年賀はがきについてはずっと長い間一円だけでございましたが、切手につきましてはそれ以上のものもあったわけでございまして、あまり年賀はがきに多い額をつけますこともどうかというふうに考えられますが、それらにつきましては、あまり遠くないうちに郵政審議会の答申も得まして、郵政審議会にはかりました上で決定してまいることになろうかと存じます。
  37. 鈴木強

    鈴木強君 あとで私は料金値上げの問題に関連をして郵政省の収支予算について詳しく聞きたいと思っておるんですが、その際にも問題になると思いますが、たとえば、さっきちょっと言われた記念切手発行についても、あるいはいまのお年玉つきの年賀はがき発行についても、まだ具体的に一円にするか二円にするかそれもわかっておらない。こういうことですと、一体郵政省としては、四十一年度の収入として何を考えているのかわからないんですね。本来は、もうそういうこともあらかじめ方針をおきめになって、われわれが国会で質問する場合、これだけの赤字がございますと、したがってこれだけの収入によってまかなっていくんですということを、はっきりしなければいけないんじゃないでしょうか。そういう意味で非常にあいまいな点を、今回の質疑を通じて感じますが、そこいらはどうですか。
  38. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 年賀はがきにつきましては、これは寄付金のほうの問題でございますから、郵政省収入にはもともとならないものでございます。ただ、それをどの程度つけて、どう発行していくかという点につきましては、先ほど申し上げましたように、郵政審議会意見も聞きました上で決定ということになろうかと思うわけでございます。
  39. 鈴木強

    鈴木強君 あなたは自分の都合のいいところは一円を論じているんだが、本来は、七円を何枚発行するかということは、ことしの四十一年度の収入関係があるんじゃないですか。
  40. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) これは年賀はがき寄付金がつくつかないと関係なしに、年賀はがき全体を幾ら発行するかということは、若干関係してまいろうかと思いますが、ただ、私製はがきとの関係なんかもございまして、私どもは年賀はがきについては一応——後ほど問題になるかと思いますが、年賀はがきは十五億余り出るものというふうに考えております。そのうち官製の特殊な年賀はがきをどのくらい出すかということは、ただいまの寄付金つきのものをどのぐらい出し、あるいはそれ以外は全く出さないか、あるいは寄付金のつかない、年賀の特殊意匠を持った年賀はがきをやはりある程度出すのか、そういうことにつきましては、まだ実は固まっておりません。いずれ先ほど申し上げましたような段取りを経まして決定していくということに相なるかと考えます。
  41. 鈴木強

    鈴木強君 これは大臣お聞き取りのようでございまして、まあ総体的な年賀郵便の扱い数というのはつかめると思いますね。人口増その他を見ましてどのぐらい自然増があるか、したがって、それに対して、いまお話しのように、従来の四円を何枚、従来の五円を何枚、そういうふうなことはおよそおきめになっておく必要が私はあると思うのですね。いま予算審議する段階でそういったことがまだわかりませんということでは、やはり予算審議に対してわれわれ責任持てないですよ、率直に言って。さっそくきめてくださいよ、どうするのか。
  42. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) これはただいま郵務局長が申しましたような必要な手続を踏まなきゃいけませんけれども、私、予算の編成にあたりましては、従来年賀はがき増加の傾向、相当著しく伸びてきておりました。しかし郵便料金の値上げ、ことに低料扱いの廃止をお願いいたしておりまするから、十五億という数は、これが維持できるということを考えまして、従来のようにふえてまいるということは、将来はとにかく、四十二年の元旦については考えられないが、同時に維持はいたしたい。それからいま一円の寄付金のお話がございましたが、確かに七円にプラス一円の寄付金がつきますと八円になります。ただ、これは従来各方面にかなりに貢献をいたしておるものであり、また、年賀状を出すことによって、念頭にさして意識をしないで、しかし集めてみるとかなり有効な寄付金をいたしておる。これを一つのわれわれの正月における行事の中に組み入れてもいいくらい慣熟してまいったことでありまするから、したがいまして、十五億という数をそのまま維持できるということを考え、そうしてその中で寄付金をつけますもの、それからつけませんもの、こうしたものは従来と大体同じような比率でいいんじゃないだろうか。ただ、郵務局長は非常に慎重に申しておりましたが、中には、そういう慣熟したいい慣行なんだから、このあたりで、はがきも値上げをしていただいたけれども、お正月用年賀はがきは全部寄付金がつくものというくらいにして、寄付金がたくさん出せぬものだろうかという御議論もございます。しかし、それでは十五億という枚数を、今度は、郵政大臣として、確保する上においてはいかがであろうか。まあ慣熟した寄付金であるが、四十二年の元日に使うはがきは、まずまずいままでと同じ形が保たれていけば、それぞれの枚数が保たれていけば、まずいいんじゃないだろうか。こんなぐあいに、私は考えております。
  43. 鈴木強

    鈴木強君 確かに郵政審議会の議を経るという手続もあるわけですから、私も、行政府がそれぞれの諮問をする機関があるのに、突っ走ってやれとは言わないのです。しかし、皆さんは、都合のいいときには郵政審議会が答申を出さないうちに、郵便料金決定してしまう。まことにかってなんですね。ですから、われわれはよくその役所の仕事を知っておりますから、そういう機械的な御答弁を聞いても、一つも耳に入らないのですよ。ですから、もう少し、われわれは親身になって話をしているわけですから、やはりできるだけ見通し等についても、われわれの意のあるところに答えていただくようにお願いをしておかなければいかぬ。ことに料金改定の段階で、聞くところによると、衆議院の委員会では、収支状況が説明ができないために社会党の質問ができなかったというような、これはおそらく郵政省始まって以来でしょう。ですから、私たちはもっと明確に、これはこうです、これはこうですという自信のある御答弁を期待しているわけですから、以下そういうつもりでお願いしたいと思います。  まあ、まだ料金は上がっていないんですから、私が少し先走ったような質問をすることもかえってどうかと思いますから、私は、この点はこの程度にとどめますが、ただ、郵政審議会に、この年賀はがき発行について、郵便料金の改正等もあるわけでしょうから、そういう点も含めて諮問をするとすれば、かなりこれはおそくなりますね。大体、どういう見通しでしょうか。その点だけ承っておきたいと思います。
  44. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) おそらく五月の後半か、六月初めころにおはかりすることになるかと思います。
  45. 鈴木強

    鈴木強君 料金の改定等に関係がありますから、ですから、いずれ国会で審議の段階において、もしおはかりをするとすれば、それまでに五月の初めですか、——初めということになりますと、再来月の初めですからね。それまでに、この郵便法の改正がどうなるか、これはわかりませんが、国会のよもや審議の過程において、郵政審議会にはかるなどということは、それはないでしょうね。それでなくて、はかる場合には、従来の四円あるいは五円、こういう立場に立って、現行料金を基礎にしてはかるか、どっちかだと思いますが、しかし、審議の途中ではかるということも少しどうかと思いますが、その辺は政治的にどう配慮しておりますか。
  46. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 実は法律のほうから申しますと、つける寄付金の額とそれから発行枚数、これをおはかりすればいいことになっておりますので、料金が五円の場合、七円の場合、どちらでも未定の形としてもおはかりすることはできるわけでございますが、やはり見通し等にも関連いたしますので、料金が固まりましてからおはかりするほうがよろしいのではないかというふうに考えております。
  47. 鈴木強

    鈴木強君 では、これはこの程度においておきます。  それから次に伺いたいのは、小包郵便料金の引き上げについてお尋ねいたします。  実は、二十五日の閣議で、四月一日から平均二〇%の値上げをする、こういう方針をおきめになった。これは政令事項になっておりますので、政府がきめられる道はもちろんございます。たしか前回の昭和三十六年の料金改正のときから小包は政令でやれるというふうになったと思います。しかし、私たちがその際強く審議の過程を通じて述べておったのは、政令事項になるからといって、安易に引き上げなどというのは考えるべきじゃない、諸般の情勢を十分勘案してやるべきである、こういう実は意見を述べておったと思います。そこで私は、非常に唐突に、いうならば抜き打ちみたいにやってきた。われわれも全然知らない。そういう中で新聞を私は見てちょっと驚いた。まあ、郵政審議会意見も聞いておると思います。思いますが、事が、いま公共料金の値上げによって国民生活は圧迫を受けておる。国鉄、私鉄と上がりまして、公共料金ですから、これは政府の方針で多少やりくりはできるわけですし、できるだけ値上げを押えていくというのが筋ですよ。そういう段階に突如として四月一日から上げるというような少し無法にもひとしいような方法で小包郵便料金の値上げをおやりになった。いま郵便法の改正は衆議院でやられております。七月一日から二八・八%の引き上げをしよう、こういう御方針のようでございます。ですから、それとの関係もありまして、私が少し時期が——四月一日からどうしても小包だけを上げなければならぬということになっているのかどうなのか。もちろん、郵政省予算の今日赤字に苦しみ、例の繰り越し金によってかろうじて、四十年度をまかなってきている経過もございますからよくわかります。わかりますが、たまたま七月からの実施があるわけですから、これは何十億それによって収入がふえるか、私は聞いていませんからわかりませんが、いずれにいたしましても、書留、速達料金についても、これは六月三十日までは一応これは良心的に押えている。これもやればやれるはずですね、郵便法では。小包、書留、速達は別にやれるはずです。ですから、そういう点を配慮して三十日まで延ばしたわけですから、国会の審議もある段階ですし、普通郵便料金の値上げの審議を十分見守って、その上でおやりになるとすれば、やるべきじゃなかっただろうか。ただ国鉄が三月半ばから上がっておりますので、そういう点での後ほど私がお伺いする、そのために鉄道郵便に委託している使用料等が、どの程度上がったのか私はわかりませんが、その点あとから伺いますが、国鉄運賃の引き上げあるいは私鉄等の引き上げの中で考えたということは、一応わかりますけれども、もう少しやるならやるで筋道を立てて、理解できるところは理解してもらってやるのが筋じゃなかったですか。あまりにもこれは一方的ですよ。一体、二十五日の新聞を見て、四月一日からだと知ってみんなあきれていますよ。しかも、よく制度がわからぬものですから、いま普通郵便料金を七月から上げるという審議を国会でやっているのに、小包だけを四月一日から引き上げるのはどういうわけなんだ、こういうやはり率直な意見も出ております。これは法、制度を知らない方々の意見でしょうが、したがって、そういう利用者に対する周知その他も考えてみると、少なくとも一カ月ぐらい前にこういうものはきめるならきめてやるべきじゃなかったですか。あまりにも抜き打ちみたいなやり方について、私はこのやり方は全く納得できないんですよ。けしからぬと思っているんです、これは、やり方は。どうですか大臣
  48. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 私から大体の考えを申し上げまして、それから詳細は政府委員からお答えをいたします。  これも、鈴木さんも御承知のとおり、政令に譲りました際に、小包郵便物の料金ば、国鉄の小荷物運賃等との均衡で定めていくということにいたしましたし、また事実さよういたしましたのは、国鉄その他の小荷物扱いと、郵便で引き受けますものとの小包料金との差がありますると、その間の移動等が起こってまいりまして、郵政省の基本的業務である信書の送達に支障が起こっては相ならぬと、これが政令の考え方でございましょう。それで、特殊扱いの料金につきましては、御指摘のように、何といっても通常郵便物の書留、速達料等については郵便法で御審議願いますから、これはひとつそれと見合っていたすべきことであろうけれども、すでに三月五日から国鉄の小口扱い貨物運賃が改定されましたので、これはこの際になるべく時期を隔たらないでいたすほうが、均衡が保ってよろしいのではないか、ただ、鈴木さんの御指摘のように、現に四十一年度の予算では、そういう前提で小包料金を上げますることで現に御審議を願っておることでもありまするが、さらに国民の皆さんに十分この点はわかっていただかなければいけない。これは私も、郵便料金の値上げをお願いすることに、一月の初めに閣議できめました以来気をつけておりましたことでございまして、ただ御指摘のように、なお周知の不徹底なところがあれば、これはこの数日間の間にも、周知の方法を講じなければいけませんけれども、その郵便料金を改定いたします政府の方針を決定いたしました当初から、小包料金は四月一日からいたすと、こういうことをあらゆる機会につけまして、それで国民の皆さまにはお願いをするように郵政省としては努力をしておった次第でございます。  さらに、お尋ねのありました他の点については、郵務局長からお答えいたします。
  49. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 時期の点につきましては、ただいま大臣からお答え申し上げたのでありますが、郵政審議会などで、通常郵便物の料金は七月、小包のほうは四月ということ、そういう答申を審議会からいただきましたのは、一つは国鉄料金との関係、おそらく四月までにはまず上がっているのではないかということを、たしか審議会の答申ではおそくとも四月一日までには上げるというふうになっておったかと思いますが、国鉄の運賃がだんだん押せ押せになりまして三月五日になりました。あまり長い間あけておきますと、国鉄側の貨物がこちらに相当流入してきまして、全体の業務が混乱するということがおそれられましたことと、もう一つは、そのことをまあ別にいたしまして、同じ七月一日からやるということにしますと、収入がある程度減ってまいります。四月から七月までの増収総額は約三十二億八千万円でございます。まあ三十三億ばかりの金が入らないということになりまして、全体の料金値上げ率にも影響してまいるような感じもいたします。主たる理由は国鉄との関係でございますが、そういうようなこともございまして、四月一日からにさしていただいたわけでございます。  なお、御参考までに申し上げますと、現在の値上げ前の小包料金、第一地帯五百キロ以内のところで、四キログラムから六キログラムまでのものが百五十円であります。これに当たります国鉄の小荷物運賃これは十キロまでが単一料金でございますが、四百キロまでが二百十円、それ以上八百キロまでが二百八十円、こちら側の五百キロと国鉄の四百キロ以内、比較いたしまして、−当方が百五十円、国鉄の小包が二百十円というようになっております。第二地帯につきましては、これは第二地帯小包は千キロ以内でございます。国鉄のほうは第一地帯は、八百キロ以内、第二地帯が千二百キロ以内、刻みが入り組んでおりますが、現行小包料金二百円に対しまして国鉄の第一地帯二百八十円、第三地帯では三百四十円で、こういうふうになりまして、料金格差があまりにはなはだしくなるということもございまして、先ほど大臣説明申し上げましたように、この四月一日にさしていただいたわけでございます。  なお、周知の不足、その他御連絡の不行き届きという面につきましては、実はもっと早く政令を公布するように取り運ばしていただければよかったのでございますけれども、いろいろな関係から差し迫りまして決定を見ましたのが、つい最近でございました。未決定の段階であまりあれするのもいかがかということで、御指摘のような結果になったわけでございます。今後はよく気をつけてまいりたいと存じております。
  50. 鈴木強

    鈴木強君 これを私がなぜ申し上げますかといいますとね、特に今度の郵便料金の改正とたいへん関係があるんですよ。たとえば書籍小包をつくりました。これはあなたのほうの、これはまあ説明を私は聞きましたから、よく伺っておりますから、見ますと、第五種で、従来新聞にもよく投書に出ておりましてね、きのうも官房長官のところに身障者の方々が特例をつくってくれということで、車いすで押しかけておりますね。こういったものとの関連もあって、第五種がなくなって、そのかわりに小包郵便、書籍小包というものをつくって、安くいたしますということで、法律改正との関連が出てきておるんですね。だから私は重要視しているんですよ。それともう一つ、やり方が非常に唐突で、われわれも全然知らない間に、新聞見て知ったというような、そんなけしからぬやり方でやるということを——逓信委員会も開かれているわけですしね、理解を深める方法は幾らでもあったと思うんですね。そんなこともやらないでやってきた。ですから、郵便料金との関連で、そういうふうに、これは大臣そうですよ、書籍小包というのは第五種をなくするから、そのためにやるということです。そうでしょう。学術雑誌の点は、この前から何回も何回も強く陳情があって、これは入っています、第四種ですかのほうに。ところが身体障害者の分については、理不尽にもこれを削ってしまった。私はこの点は新聞に投書が出ましたので、さっそく大臣に質問いたしましたね、大臣はそのときに何を言ったかというと、まあ書籍小包などということも考えているので、法律改正になって、たいへん料金が上がって困るという御意見には、そういう方法を考えております、こういう御答弁があったわけです。だから、これは料金改正と不離一体なんです。それを四月一日から政令事項であるからといって、ばあっと一週間も告示を置かないでやるということは、ちょっと不親切もきわまるものじゃないかと思う。こういうところに、郵政事業のやはり批判を受けるところがあると思うんですね、どうですかね。だから、理屈上ちょっと問題があることは認めないんですか。これは法律改正七月からという、通常郵便との関係で、これは問題ですよ。郡さん頭がいいんですからね、どうしてこんなへまやったかと思って、私はいまでも考えているんですがね、不手ぎわだよ、これは、どうですか、その点大臣
  51. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) おっしゃるように、私もああいう種類、体系を改めましたこと、これに関連して書籍小包の扱い等もしてまいった、その関係が深いことは私もよく認めます。ただ周知の方法としては、まあ郵便料金が上がるんだという話のときから、小包のほうは四月一日からでございますということは、まあずいぶん言うように指図もしており、郵政当局もそれはつとめておったと私は思うのであります。政令のきめました時期が四月一日の間ぎわではございますが、事柄はその点の配意はあるいは不十分だったかもしれませんが、いたしたつもりでございまするし、それから国鉄料金は当初予想しましたよりもだいぶおくれて三月五日に上がりましたけれども、とにかくそれと似たような上がり方で小包が上がっていく、それを何カ月かでもおくらしますと、これは御承知のように郵便料金全体にやはりある程度響いてまいる。値上げはすべてけっこうだという前提で申し上げているのではございません。ございませんけれども、小包のほうは、まあまあ三月の初めという時期に国鉄のほうも上がる、そうするとそれと釣り合いをとっても、そう社会的にも間違ったことでもない。ところがこれを何カ月かでも延ばせば、三カ月延ばせば三カ月延ばしただけ、それは今度は郵便なり全体を通しての料金にやはり何がしかの影響を及ぼすことであろう。そうすると国民の皆さんにも一これはおそらく今後の御審議で二八・八%という引き上げ率についていろいろな御意見が出てまいることと思いまするが、四月から上げるということには、鈴木さんのお話のように、確かに郵便料金全体とのつながりのあることは承知しながら、まずまず国民の皆さんにお認めをいただけるのでないだろうかと、こういう考えが出発でございました。周知の方法等について不十分な点は、これは将来の私どもの行政の参考には十分これからもいたしましょう。また事実郵便にいたしましても、いろいろ変えてみた。定形だ、非定形だと申しておりまするが、小包の点の御指摘はございましたが、私は郵便料金の中で、郵政省の中で定形だ非定形だと、わかったようなことを言うんですけれども、国民の皆さんにそれがわかっていただけるだろうか。わからないために、不必要な御不便を料金を上げたためにもつとかけては相済まぬ。これは私のかなり頭を悩ましておるところでございまして、国会でいろいろ御指摘を受けましたが、郵政省としても、気のついたところは事務のほうはもっともっと周知の方法を講じなければ、私自身でさえときどき、法律を提案しながら、役所にひまがあって行きますときには、役所で聞いておるような始末でございます。これが国民の皆さんに、いざ利用しようとするときにおわかりにならない、また窓口でも十分な親切な指導ができないというときは、まことに申しわけない。そういう意味合いで十分これは周知の点については、私もいまいただきました御注意も含めまして、ひとつ部下に考えさせてみることにいたします。
  52. 鈴木強

    鈴木強君 問題はね、郵務局長の言われるように、国鉄の運賃が上がったとき、まあこういうことを、あの政令の中にそういう条件がということがありますね。国鉄の何とか、それも言われたと思うんですが、従来三十六年の場合もそうでしょうが、国鉄の料金が上がったとき、郵政事業のほうに流入する小包の数というものは、一体どのくらいあったか。前二回くらいの、いいですか、どの程度ふえたか。そうして、具体的に三十二億八千万円という収入考えているが、これは第一地帯、第二地帯、第三地帯ですね、予測する小包の料金が幾ら上がって、ふえて、そうしてこの料金を平均二〇%上げたときに三十二億になるのだというね、それを説明してください。
  53. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 昭和二十六年の郵便法の改正の際には、私、国鉄の料金との比較を現に、正確には覚えておりませんが、当時比較的郵便物が少ない。局舎並びに要員に比較しまして郵便物の数が少ないというようなことから、増収をはかっていこうという意図で、当時国鉄料金と比較しまして、意識的にかなり低い料金をきめたことを記憶しております。まあその結果幾らふえたかということは、なかなかこれはもう二つの場合をつくるわけにもなかなかまいりかねますので、またそれ以上に私の記憶もいまございませんのですが、はっきりそういう意識で小包の料金をきめまして、その結果ある程度小包がふえていったというようなことをまあ記憶しているわけでございます。  その後の双方の料金の改正は、郵便小包につきましては三十六年だけでございます。国鉄のほうにつきましては、自後数回小刻みに料金改正があったのではないかと思います。比較的小刻みに値上げを、こちら側は一回だけのまあ値上げというような関係で、あまり顕著に数字としてはあらわれてきていなかったと記憶しているわけでございます。
  54. 鈴木強

    鈴木強君 だから、長田さんね、あなたが理屈を言うからぼくも理屈を言うのですよね。ぼくらはもう少し、こういう場所でなくても、いろいろ意見聞きたいのです、それは。何らそういう話もせぬでおいてですね、少しわれわれのほうに対する不親切があるから、私はきょうは少し意地が悪いかもしれぬけれども言っておる。まあ感情になっちゃいけませんから、私はあまり感情には出さぬけれどもね。一体国鉄からの流入が多くなるというのは、国鉄の料金の上がった場合でしょう。それが一つ理由です。それから、三十二億八千万円というのは、具体的にあなたがあげた増収額です。増収額がこうある。しからば、三十二億八千万円というのは、第一地帯、第二地帯、第三地帯にどれだけの物が多くなって、三ヵ月の間にですね、こういう三十二億八千万円になるのかということわかっているでしょう。それがなかったら、あなた金額は出ないじゃないですか。それを、その流入が多くなったという話ですからね。その流入が多くなったというのは、何を基準にして言っているか。だからぼくは過去二回の国鉄運賃、何年何月にこれだけ上がりました、そのときには郵便料金はこれだけで、上がった直後何カ月の間に物が多くなりましたと、それから、何年のときにはこれだけの郵便料金これだけふえましたと、何カ月日にいったら大体平常に戻りましたと、こういう科学的なデータをもってはじくべきですよ。少なくも公共料金を二〇%上げようというからにはですね、そういう根拠があるでしょう。なくて上げようということになれば、ごまかしになる。そういう皆さんが決定する際に根拠として使ったことを私はあなたがあげるから、またそれを詳しく聞いておるだけのことだ。
  55. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 地帯別の小包の個数はございます。いま単位料金をかけますと収入は出るわけでございますけれども、そこまで計算してございませんです。至急計算いたしましてお答えいたします。
  56. 鈴木強

    鈴木強君 ちょっと速記をとめてください。
  57. 井川伊平

    主査井川伊平君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  58. 井川伊平

    主査井川伊平君) 速記をつけて。
  59. 鈴木強

    鈴木強君 先ほどの資料は、ひとつなるべく早く出していただきたいと思います。  そこでもう一つ身体障害者の諸君が、先ほどもちょっと申し上げましたように、今度の郵便料金の改正について機関紙ですね、身体障害者の諸君の機関紙、雑誌というものが値上げになってたいへんピンチを招いておる、ぜひその特例をつくってもらいたい、これは私からも正式に委員会で大臣にもお話し、お願いし、大臣も何か考えたいと、こういう御答弁がございまして、具体的に書籍小包ということになっておると思うのですね。そこで、きのう身体障害者の二十三の団体の代表の諸君が車いすや、松葉づえで首相官邸を訪れて、そして嘆願書を出しております。この人たち意見は、たとえば東京の重症身障者の機関誌「しののめ」、これは責任者は花田春兆という四十の方ですが、この人が「心のささえとなっている同人誌は会費が送料に食われて発行できなくなる」、こういうことでもって直訴したのでございます。二十八日の午前十一時官邸の第一応接室で花田さんをはじめカトリックの身障者の「心の灯」の金沢会長、日本脳性マヒ者協会「青い芝」の山北会長、それから日本身障者の「友の会」の児玉会長らが官房長官と会って、——これは郵務局長ちょっと聞いてください。これまで十円の送料が二十五円に、四十円のものが五十五円にアップされては、苦しい生活をしている身障者にはとても会費の値上などはできない、ぜひ盲人の点字なみに、無料にしていただけるようにしてもらいたい、特例をつくってもらいたい。こういうことですが、この料金を十円から二十五円、四十円から五十五円とアップされるのは間違いないですね。ただし、書籍小包という制度が一足先に制定されるようですから、それとの関係もちょっと伺いたいんですが、ただし、その際橋本さんは、法的に刊行物を区別することが、身体障害者のものであるかどうかということを区別することがむずかしいから、たとえば医療法人とか、社会福祉法人という名をかりて認めさせるようにしてはどうだろうか、ぜひ協力したい。要するに、もう一つ特例を設けようという、こういう趣旨だと思うのですね。ですから、こういう官房長官のお話を聞いて、花田さん以下は非常に喜んで帰っているわけですけれども、これについて、郵政大臣には具体的に橋本さんからお話がありましたでしょうか。また、あったときに郵政大臣は、書籍小包のほかに、たとえば盲人用点字、盲人者に対する特別な扱いと同じような措置をやる御所存はないでしょうか。私は、ぜひこの趣旨を生かしてもらいたい。強く私も諸君にかわってあなたにお願いしてみたいと思うんです。その点どうでしょうか。
  60. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 身障者については、ほんとうに御同情にたえないところでありまするし、身障者の陳情しておられますところ、また、いま鈴木さんがおっしゃいましたところは、全くそのとおりだと思います。ただ、私どもがいろいろと制度としてこしらえてまいりますとき、盲人の点字のように非常にはっきりしたもの、また各国とも同じに扱いをされておりますもの、こうしたものについての扱いは、きわめて容易なことでありまするが、身障者の福祉を目的とする施設そのものをどういうぐあいに認定をいたすか、またどういうものだったら同人雑誌だとか、機関紙だとか認定できるであろうか、またそうした目的のために会員に配達するとして、一々郵便局へ名簿でも提出してもらって対照するというようなことになりますと、非常にわずらわしいことになり、多くの問題がここに出てまいります。それで、お話の書籍小包の点、これも確かに先ほども御指摘のように、非常に安くはいたしておりますが、ただ、身障者の方の同人雑誌の実物について見ますと、非常に薄いものでありまして、書籍小包として扱われるのには薄過ぎるような感じもするのでございますね。それで、実際郵務局長のところに同人雑誌等を拝借もして、そうして一体どうしたならば一番低料金にできるだろうか、根本的に制度の問題といたしまして取り上げるのには、これは鈴木さんのほうが逓信委員として御判断をお持ちだろうと思うんですけれども、制度としての取り入れ方が、盲人扱いと違ってなかなかむずかしい問題でございます。そうした点をひとつよく考えなければいかぬ。それから身障者の方がお出しになっておられるのがいかにも薄くて、これを一体どうしたらいいだろうかというようなことを考えまして、私も現物を一々目方をかけてじゃございませんけれども、郵務局長から報告を聞きまして、いままでの雑誌等がそれほど値が上がるということなしに扱えるのじゃないだろうかというようなこと、どのくらいのグラムの段階で申しておったか知りませんが、そういうようなことも聞いておりまして、まあひとつあたたかい気持ちで十分身障者の立場を考えて、そういう方々のこれは収入に響くとか、そういう問題じゃありませんので、全体の制度として成り立つかどうかの問題でありますから、さしあたって一体どういうものを出しておられるか、皆さんがお出しになるのを、どうやったらばできる限り影響がなくできるのか、それを一つ一つ調べてくれということを言うている状況でございます。郵務局長が実際調べましたので、郵務局長からさらにつけ加えさせます。
  61. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 身障者の方々の機関誌を六種類ばかり、これは官房長官のところへお持ちしたのを私拝借しましてあれしたのですが、一つは百七十グラムでございます。従来の五種で四十円のものが、これは書籍小包にいたしますと五十円でございます。改正されます場合の一種の料金は五十五円でございます。これが五十円になるということでございまして、それ以外の、その一冊以外はほとんど皆三十五グラムとか、二十七グラム、二十二グラムというような程度でございまして、その冊子の印刷してある部分だとか、そういうようなものからいたしますと、私どもの考えでは、いずれも定形の二十五グラム以内に十分なり得るようなものとお見受けしたわけでございます。しかし形を特に大きく希望されますれば別でございますけれども、大体十五円ないし、高いものでも二十円ぐらいに十分なり得るという判断をいたしたわけでございます。
  62. 鈴木強

    鈴木強君 第一種になってくるわけですから、なるほどお話しのように、二十二グラムの場合ですと、十五円で五円の値上げですね。しかし五十グラムまでになりますとこれは二十円で、三十五グラムですと十円上がりになるわけですね。そこでおそらく身障者の諸君が特に考えておられるのは、第四種の中に入った学術雑誌ですね。これは百グラムごとに十円になっておるわけですから、これはわれわれが逓信委員会でも何回か請願を受けましてやっとここに入ってきたのですけれども、これが従来第五種だったのですね。それが四種に入ってきておる。だから盲人用の点字、あるいは盲人用の録音物とか、点字用紙、それから通信教育の場合とか、こういったものが具体的に列挙されて、それが百グラムまで四円とか、六円とか、十円とかいう安い料金をとっておりますから、なぜからだがこんなに悪くて、われわれがせめて心のともしびとして機関誌を発行しておるものに対しては、国がもっとあったかい思いやりがあってくれないだろうか。ほかにしないならばしょうがないが、こういうものをやっておるんじゃないか、こういうことが人情として出ておるのだろうと思います。ですから、その辺をもっと納得させる努力をしませんと、いや書籍小包で四十円になりますからということだけでは、これは済まんと思います。これはほんとうに郵政大臣がその気持ちになり、橋本さんがそういうことを言っておるわけですから、政府がそのお気持ちになれば、私はこういうふうに特別に、われわれ議員立法でもできるわけだし、改正の際にこういうものを入れて認めてやる。これは私どもは議会の立場からもやりたいと思います。与党の諸君にもよくお話しをし、これはあなたがやらなければ、しかも一回提案しているのだから、なかなか修正するということも、政府の立場からすればむずかしいかもしれんが、われわれは、そのくらいの一部修正してもやってやりたい気持ちを持っておるわけです。そこで書籍小包になった場合の皆さんのほうの扱いを見ましても、暫定経過措置は残しておりますが、少なくとも差し出した際に、表面に書籍小包と書けと、将来は包装紙の一部を無色透明にして、内容物が書籍の一部であることを、こういうふうにここのところをあけておいてわかるようにしておけというようなことまで規定しておるわけですから、これが心身障害者の発行しておるものであるかどうかということの認定は、そうむずかしいことではないと私は思うのですよ。もう少しこの人たち気持ちというものをよう考えてやるべきだったと、特に私は早いことこれは大臣にも委員会で取り上げてお願いしておいたのですから、それがこういうふうな書籍小包に一応変わったことに対する努力は認めますけれども、どうも十分でないですね。この人たちのあれにこたえてないですよ。しかも法律が出た後におきましても、官房長官は特例を考えてもいい、協力をしよう、こういうことまでやっておられるわけですから、この点はひとつ積極的に、大臣も新聞もごらんになっておるでしょうし、夕刊見ればすぐ出ておるわけだから、そういう点はひとつこれを取り上げて、そうして政府のほうでも考えてもらう。そうしてできるだけ趣旨に沿うように配意してもらいたい、こう強くお願いしたいのですけれども、その点どうでしょう。もっと前向きにひとつ検討してくれませんか。
  63. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) いまほんとうにあったかい気持ちで身障者の方々の御要望には耳を傾けておりまするし、むしろ、私どもとしては郵政当局も十分御相談に応じて、そうして現在の体系の中でそう御負担のかからぬように、ひとつ御相談相手になってもらうということを、まずもって考えるように私は指図をいたしております。そうしていろいろな場合を考えてもらうことにいたそうと思っております。
  64. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) ただいまの大臣のお答えを少し補足させていただきます。学術雑誌につきましては、この前昭和三十六年の法律改正の際に、鈴木先生を主として非常に強い御主張でございまして、自後郵政審議会におきましても、まあそのような線からの答申もございました。いろいろ実態なども私ども調べさせていただいて、今日に至ったわけでございます。ただいまの重症身体障害者の問題につきましては、実は私どもとしましては、最近逢着した問題でございまして、従来の四種の体系から申しますと、たとえば点字とかあるいは通信教育とか学術雑誌とか等と比べますと、一つは内容そのものは特別に変わったことはない。普通の内容、手紙の通信の内容あるいは機関紙の内容ということになります。それから差し出し人をはっきりさせることができるかどうかという点につきましては、一般にはできないわけでございまして、まあきのう官房長官のお話が、ある程度社会福祉法人というものを中心に一つの形をつくるというようなお話でございます。従来四種の郵便として選びますものは、内容自体が相当はっきりしておる。それから差し出し人が非常にはっきりしておる。農産物種苗はちょっと別でございますけれども、差し出し人もはっきしておるというようなものを選んで集めてあるわけでございます。その意味ではかりに社会福祉法人というものをつくっていくとしましても、なおまあ従来のものと比較いたしますと、若干問題があるわけでございますが、その方々の実態というものを私どもまだ十分承知しておりませんので、相なるべくは御趣旨を承りまして、あとそういう方々のいろいろな実態というものも研究させていただきましての上ということにさせていただければ、たいへんしあわせだと思うわけでございます。
  65. 鈴木強

    鈴木強君 これは大臣、郵務局長ともそれぞれ最善の御検討と趣旨に沿うような前向きの配慮をひとつお願いしておきます。  それからどうも郵便料金の値上げの論争になってしまって、ちょっとまずいんですけれども、しかし予算審議ですから、これはやむを得ません。やらせてもらいますが、最初にお聞きしたいのは、先ほど大臣の御説明にもありましたように、特別会計として四千百七十八億円ですね、郵政特別会計郵政事業運営に必要な財源として三千三百二十五億二千三百万円ということになっておるんですが、この七月から郵便料金を改正し、四月から小包郵便料金を改正した場合、一体幾らの増収を見込まれるのかということですね。それから書留と速達については、小包の場合ですね、これをあえて六月三十日まで現行どおりにしたわけですね、それを四月からやったら、逆に幾ら増収になっておったのか、それをちょっと伺いたい。
  66. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) このたびの七月一日から郵便物について料金の値上げをお願いいたしますと、四十一年度では二百八十六億、これを平年度化いたしますると三百六十四億ということに相なっております。お尋ねの特殊扱いについて、その分の三カ月の計算は、郵務局長からお答えいたします。
  67. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 実は特殊扱いを四月一日からやることには考えておりませんでしたので、つい手元には数字がございません。ただいま計算いたしましてすぐお答え申し上げます。
  68. 鈴木強

    鈴木強君 それから四十一年度二百八十六億円という増収は、一体これは何を根拠にしておられるのか。これは第一種、第二種、第三種、第四種というこういう普通の郵便物の種別ごとに大体ものの増加する見込み、推定、それと増収額、それから小包、書留、速達こういうふうに各種類ごとにひとつ示してもらえませんか。
  69. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 通常郵便物増収額が二百四十九億でございます。そのうち一種が百四十億、二種が八十億、三種が五億八万千円、四種が七千七百万円、書留料十二億円、速達料これは航空搭載等の関係でかなり減ってまいりますので九億五千万円、小包が三十二億八千万円、外国郵便これは七月からに予定しておりますが三億九千九百万円、合計二百八十六億円でございます。
  70. 鈴木強

    鈴木強君 それでこれもあとでけっこうですから、一種、二種、三種、四種の物の自然増加ですね、推定したもの、これはあとでいいですから教えてくれませんか。
  71. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) はい。
  72. 鈴木強

    鈴木強君 それから現在料金を値上げしない場合ですね、値上げしない場合に郵政会計には四十一年度は幾らの赤が出てくるんでしょうか。
  73. 淺野賢澄

    政府委員(淺野賢澄君) 約二百億を上回る赤が出るものと思っております。
  74. 鈴木強

    鈴木強君 ことしは幾らですか、赤字会計になっておりましたね。
  75. 淺野賢澄

    政府委員(淺野賢澄君) 五十六億円でございます。
  76. 鈴木強

    鈴木強君 この五十六億円というのは、これは三月三十一日までの決算で見なければわからぬですね。大体推定の赤字としては、当初予算編成当時の見通しと狂いはない、その後自然増収その他を勘案いたしまして、その点はどうですか。
  77. 淺野賢澄

    政府委員(淺野賢澄君) 当初五十六億の赤字予算を組んだわけでございますが、実際のところ予定収入よりもある程度上回るものと考えておった次第であります。その後の経済情勢の影響を受けまして、物数の伸びは落ちてまいりましたので、予定どおりには伸びが出ておりません。しかしその後の不足分につきましては、節約等でまかないましたので、歳出のワクの問題もございますから、大体ただいま御指摘のございましたように、予算どおりでおさまった結果に相なっております。
  78. 鈴木強

    鈴木強君 そうしますと、現行料金でいった場合に二百億の赤が四十一年度に予定される、推定として。そこで料金改定をいたしてまいりますと二百八十六億円の増収になりますから差し引き八十六億が黒字になる。計算上はそうなるわけなんだが、その二百八十六億の四十一年度増収に見合う支出予算をつくっておるわけですね。その支出予算が計算上は八十六億ばかり余ってくるが、その金はどうなるか。
  79. 淺野賢澄

    政府委員(淺野賢澄君) あくまでも計算上では、でございますが、予算の面に出ました結果を分析いたしますと、ちょうど今年に持ち越すと思われます昨年度と同様の五十六億の赤字分が入ってまいります。それから仲裁等の人件費の伸びは約百二十八億円ぐらい。仲裁裁定、それから不合理、不均衡是正、その他人件費の自然増等が百二十八億円に相なります。それから物件費は切手手数料、簡易局の手数料、借料、こういったもので約二十五億、結局その差額の八十億余りが近代化に回るものでございます。そのうちの六十億は建設勘定の分に回しております。施設その他の近代化に約二十数億、それから建設勘定の局舎その他の整備、そういった近代化のほうにそのうちから約六十億これが回っている、こういう勘定にいま相なっております。
  80. 鈴木強

    鈴木強君 ちょっといま言われてもよくわかりませんが、支出計画の詳しいものが、おそらくここに印刷したやつがあると思うのですが、いままだ詳細に見ていないのですが、近代化の金その他もあるでしょう。それから一応現状分析から伺いますが、たとえばはがきを一枚いま発行いたしますね、そのはがきの原価というのは、五円で売るけれども、しかしこれも一枚何銭かかかっておるでしょう、紙代が、そういうのはどうなるか。それから切手も種類によって違うが、およそ一枚を発行した場合において、特殊の大きいものでなく、普通のものの場合には、紙代は幾らかかるのですか。
  81. 淺野賢澄

    政府委員(淺野賢澄君) はがきは現在一枚につきまして二十二銭でございますが、これが今度の新様式——紙がよくなり大きくなりました場合は、はがきは二十二銭が三十八銭ぐらいになる予定であります。いま調べておりますが、こういった費用は、物件費の近代化の八十二億の中に入っております。切手は現在一枚七銭ぐらいでございますが、値段は変わらないようでございます。
  82. 鈴木強

    鈴木強君 これは二十二銭が三十八銭ということになると、これは五割以上上がるのですか。十六銭上がるわけですね。そんなに大きくなるのですか、はがきが。
  83. 淺野賢澄

    政府委員(淺野賢澄君) 大きさはたしか二割ぐらい大きくなりまして、紙がよくなりますと、やっぱりそれぐらいになるんじゃないかと思うのですが。資材部長が参っておりますので……。
  84. 五味三郎

    説明員(五味三郎君) 現在のはがきを改正して良質のものにするということで取り運んでおるわけでございますけれども、現在の規格に比較いたしまして、面積で一八%ばかりふえると思います。また紙質を改善いたしまして、重量で約四割ほど上がる予定であります。それと、なお質的にも改善いたしますので、まだ詳しい価格というものは、はっきりいたしておりませんですが、現在の紙が一枚当たり十八銭程度に当たりますが、これが二十七、八銭になろうかと思っております。それから印刷の関係におきましても、面積がふえますと、一台の機械にかける取り分が少なくなりますので、印刷の経費も二、三割上がるかと思っております。現在はまだ正確なところはわかっておりませんが、大体一枚当たり三十五銭から三十七、八銭の間に落ちつくのではないかと思っております。
  85. 鈴木強

    鈴木強君 そうしますと、これは、これから公共料金が上がって、物価が上がっていく、四月に発行する分もあるでしょうしね、五月、六月と、全体として一年間にはがきは何億発行するか、それから切手は何億発行するか、これも聞きたいですがね、問題は、二十二銭から三十八銭ということになると、五割以上もはがきのほうの原価は上がっていくわけですね。この三十八銭というのは、一体物価が幾ら上がっていくという想定でやったのか。これは平均的なことでしょうから、四月にやったものは安くつくだろう、十二月にやったら高くつくだろうしね、そういう物価の値上がりと、紙の値段の十六銭上がったというのは、これはどういう関係でしょうかね。
  86. 五味三郎

    説明員(五味三郎君) 紙の値段につきましては、最近の紙の市況から申しますと、四十年度ほとんど値上がりしておりません。横ばいの状況でございます。場合によりましては、かえって下がっておる時期もございます。四十一年度にいきましても、紙の値段というものは、現在とたいした値上がりがないものとわれわれ予想しております。調製費におきましても若干の工賃等の値上がりはございますが、四十年度の状況を見てみますと、はがきの調製費に入ります工賃というものは、そう大きな値上がりはいたしておりません。四十一年度のはがきの調製費は、現在考えております値段とほぼ、年度末になりましても大きな差はないと思っております。
  87. 鈴木強

    鈴木強君 発行枚数は何ぼですか。
  88. 五味三郎

    説明員(五味三郎君) まだ現在のところは、はっきりした計画はございませんですが、これから改正法案の審議の状況を見まして、具体的に計画を立ててまいりたいと思います。
  89. 鈴木強

    鈴木強君 五味さん、これ、そうしますと、十六銭上がったのは、紙の値段が横ばいで、物価値上げのほう、紙の値上がりは全然見ていないと、そうしますとその十六銭というのは、さっき重量が四割上がったとか、面積が一八%ふえたとか、そういうことはあまり関係ないでしょう。要するに面積が一八%ふえた分に対する差が十六銭と、あと印刷するなんというのは、これはたいして関係ないからね。機械をかえるのかどうか知りませんけれども、そういう点、もう少しわかるようにしてください。
  90. 五味三郎

    説明員(五味三郎君) 値段の上がりますのは、一枚当たりの面積で一八%、それから厚くなりまして質的によくなりますので、重量で四割強ふえます。それから原料もいい原料を使っているわけでございますので、全体に紙の質が現在のに比べますと相当改善される、そのために一枚当たりの紙の価格がふえてまいるということになっております。
  91. 鈴木強

    鈴木強君 四十一年度は、値上げの関係もあるので、まだ発行枚数それぞれについてきまっておらぬ、それはわかります。そこで四十年度に発行した——いま封緘はがきと言わないのですかね、たたみ込むやつね、名前は変わっておったらその名前でいいですが、昔は封緘はがきと言いましたね。ああいうものと一般のはがきですね、それから切手は各種類ごとあると思いますが、全部引っくるめて何万枚、何億枚発行しているのですか。ちょっとそれを、四十年度で、わかるでしょう。
  92. 五味三郎

    説明員(五味三郎君) 四十年度に発行いたしました数は、ちょっと総計がここにございませんですが、封緘はがきといいますか、現在の簡易書簡、これは現在はあまり利用されておりませんで、二百四十万枚ばかりでございます。それから五円の通常はがきでございますが、これは計画では十三億五千万枚ばかりでございましたが、これは形が変わる、あるいは料金が変わるということを予想いたしまして、七月もし料金改正になりますと、古いはがきは使えなくなるということで、現在相当予備はございましたのですが、これをなるべく少なくしようということで調製いたしまして、ちょっと正確な数字はいま持っておりませんですが、記憶で約十億枚、本年度調製いたしました。
  93. 鈴木強

    鈴木強君 これは使えなくなると言ったって、七円になれば二円張ればいいわけでしょう、有効なんだからね。だから発行するのが十三億五千万枚ですね、そういう予定なのを十億枚ぐらいにしておこうという計算をしているようですがね。ですから、じゃいま現在発行したのは何ぼですか、正確な数字で。
  94. 五味三郎

    説明員(五味三郎君) 例年十三億枚程度発行いたしております。本年度大体この郵便局におきます予備も二カ月分ぐらいございまして、その他配給局における等あるいは輸送途中のを含めまして四、五カ月分あるいは現実にときによりますと半年分ぐらいが予備量として現在あるというような状態でございますので、これもなるべく少なくしょうということで、本年度は約十億ばかりかと思っておりますが、印刷をいたしたわけでございます。
  95. 鈴木強

    鈴木強君 これは長田さん、七月からを想定しておると思うのですが、皆さんのほうは、かりに通った場合。いつ通るかこれわかりませんから、通ってから新しいはがきを早く出そうと、そういうことだと思うのですよ。しかし、へたをするとこれはどうなるかわからぬことだし、計画計画として進めて、そうして、別に五味さん言うように無効になるわけじゃないでしょう。五円のに二円を張ればいいわけですから、そういう利用者が不便をしないような配意はしておかんと、先ばしるとおこられるし、これはなかなかむずかしいところなんです。だから既定の計画はやはり既定の計画でおやりになって、安全弁をとっておかんと、どうなるかわからんのに、いまから十億だなんて言ってみたって、これはちょっと見通しのことですから、五味さんそういう想定をされていると思うのだが、その辺のことはお互いに見通しのことだからはっきりしたこと言えないが、要はこの利用者が、はがきがないなんていうことのないようにしてもらいたいということを、ぼくは願っているわけだから、その点の保証はできますか。
  96. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 今度の料金改正の際の切手はがきについて一番私どもが気をつけなければならぬのは、ただいまのお話の点でございます。切手につきましてはある程度代替性もあるわけですが、はがきにつきましては七月一日からかりに値上げをさしていただきます場合に古いはがきが六月中途中で切れてしまうということになりますと、これはもう官製ばがきの利用というものの道が全くなくなりますので、ある程度むだになってもいいと、少なくとも六月一ぱいまで、あるいは料金が非常におくれます場合にはあれですが、少なくとも六月一ぱいまでは、現在のはがきが全国のどこの郵便局でも、どこの売りさばき所でも必ず手に入るという状態にはしておこうじゃないかというので、みんなで関係者一同、そういうつもりで準備している次第でございます。
  97. 井川伊平

    主査井川伊平君) ちょっとおはかりいたしますが、委員外の議員永岡光治君からいま、発言を関連して求められているのでありますが、これを許可することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  98. 井川伊平

    主査井川伊平君) 御異議ないと認めます。永岡光治君。
  99. 永岡光治

    委員以外の議員(永岡光治君) いまの点は非常に重大だと思うのですが、重大って、事務的に問題が起こるのじゃないかと思うのだが、それで間に合うように、それは法律は通るかどうかわからぬというような段階にありますけれども、一応七月一日実施のときに、まあ鈴木委員から言われたように、新しい切手なりはがきが間に合わないということになれば、これは国民にたいへん迷惑を及ぼすのですが、その準備はひとつ早目に、たとい損が出てもやむを得ないと思うのですが、やる必要があるのじゃないかと思うのですね、どうでしょう。
  100. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) たいへんむずかしい問題でございまして、私どもは料金が固まりますまでの間にとれる手段は、ずっと一ぱい一ばいとっておきまして、固まりまして、たとえば印刷の問題でも、紙の手配とかその他新しい図案なり、色なり、そういう版などは相当あれとしても、実際に印刷にかかりますのは、料金が確定してからでないといけないのじゃないかと考えていたわけでございますが、七月一日に値上げをさしてもらいまして、すぐに全国で新しいはがきが行き渡りますことと、それからあらかじめまだ未確定の状態で、料額を入れて刷ってしまいますと、その間のあれもたいへん微妙なものでございますが、私どもただいまのところは確定いたしましてすぐにとっかかる。印刷局には大いに勉強してもらいまして、超過勤務なども相当やってもらっても、そういうふうにやっていただこうと、そういうところで準備しているわけでございます。
  101. 鈴木強

    鈴木強君 それは長田さん、ちょっとあなた問題ですよ、そういう発言しておくと、私はまだ郵便料金というものはどっちいくかわからぬです。どういう事態が起きるか、国会解散になるかわからないですよ。だから、いまから準備をしておいて組んでおいたほうがいいかもしらんがごとき、そういう発言するということは重大問題だから。私の言っているのは、問題は七月の切りかえのところが、五味さんは三億枚も減らそうというのだ。それで新しいのをつくってくっつけようとするけれども、そんな危険なことはしなさるな。私は三億刷っておけというのだ。そうして、七月以降は二円張れば済むのだから、改正になれば。それを何か国会の意思と違った方向にあなた方が準備を進めて画策をしているというようなことが国会に入ったら、通るもの通らんですよ。だから、私はそんな三億枚もいまから予想して減らしておいて、ぱっと切りかえていこうなんていう芸当やろうったって無理だと言うのだ。だからひとつ発行すべきものは発行しておいて、きまって余ったときには、業者にはがまんしてもらう。変な話になって、先のことを言っておかしいけれども、そういう意味で私も言っているので、決して先ばしってそれをやれということを言っているのじゃないのです、私は。あなたが先ばしっていくような発言をやるということはまずいので、厳に注意してください。  その次ですが、郵便の集配人が使っている自転車、それからバイク、両がっぱ、靴、被服、こういうものは一体どうなっているのでしょうか。自転車の数量はいま郵政省には何台あるのですか。両がっぱとか、靴とか、被服は何年に一ぺん支給するのですか。
  102. 五味三郎

    説明員(五味三郎君) 自転車のお尋ねでございますが、これは現在四十年の四月の数字でございますが、九万六百六両でございます。それから、機動車でございますが、同じく四十年の四月一日現在二万四千三百二十一でございます。それから、四十年度中に増備いたしましたので、現在二万七千両ございます。それから被服でございますが、外勤の制服につきましては三年に一着でございます。それから靴は二年に一足となっております。
  103. 鈴木強

    鈴木強君 もうちょっとわかりやすく言ってくれませんか。去年四月現在でバイクが九万六百六両ということですか。それで自動車のほうは四月現在が二万四千で、四十年度であと何ほかふやした。それならばバイクも四十年度にふえているのならば幾らふえた。それを加わえなければだめでしょう。
  104. 五味三郎

    説明員(五味三郎君) 自転車が九万ということでございます。自転車はほとんど増員をいたした分だけは出した。それから機動車、四月現在の数字を持ってまいりませんでしたけれども、二万七千両。
  105. 鈴木強

    鈴木強君 いつ現在何ぼかというのを知らしてください。
  106. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 郵便事業だけについて申し上げます。あと貯金、保険等についてはさらにあとで申し上げますが、郵便事業だけについて申し上げますと、機動車が四十年度末で二万一千八百六十一両になる見込みでございます。その内訳のおもなものは、軽自動四輪車が三百一両、軽自動三輪車が千五百二十両、スクーターが三千四百一両、原動機付き自転車が一万二千四百四十九両、自動二輪車が三千九百四十四両、などでございます。
  107. 鈴木強

    鈴木強君 それちょっと調べてください。  それから、全国に赤行のうが幾つあるか。それから普通の郵便行のうが幾つあるか。そして、そのうち修理を要するのが幾つあって、四十一年度の予算では赤行のうと普通の郵袋を幾つ新しく購入するようにしているのか。これは、さっきのは自転車、バイクが入っていますから、自動車、自転車、バイクを含めてひとつ資料をあとでください。  それから、その次質問しておきますが、これはどなたかわかりませんが、現在四十年度中に飛行機を使って——日本航空あるいは国内航空と契約していますでしょう、航空会社に払った委託料ですね。それから民間の場合、自動車と、それから私鉄がありますね。その民間に委託をしておる自動車の委託料というのですか、使用料というのですか、それともう一つは国鉄——これは鉄道郵便ですね。日本逓送会社——日逓会社に一年間に一体幾らで委託をして、幾ら金を払っておりますか。これをひとつ一括知らせてください。
  108. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 郵袋の数につきましては、ただいま調査中でございます。間もなくお答えできると思います。  それから、集配運送料の支払い先別の内訳につきましても、すぐこれはお答えできると思います。  先ほどお尋ねの小包の速達、書留料金、これを四月一日から上げたらどのくらいの収入になるかという点でございますが、速達をもし四月一日から上げますと五千六百万円、書留につきましては五千万円、合わせて一億六百万円になるかと思われます。
  109. 鈴木強

    鈴木強君 書留が五千五百万円ですか。
  110. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 書留が五千万円、速達が五千六百万円、合わせて一億六百万円。
  111. 淺野賢澄

    政府委員(淺野賢澄君) 郵便専用自動車に対しまする請負料でございますが、これは日本じゅうに請負業者がだいぶたくさんございまして、合わせまして約五十億でございます——五十二億になっております。  それから国内の航空運送料といたしましては、会社別はわかりませんが、全部で九億二千万円を予定いたしております。
  112. 鈴木強

    鈴木強君 私鉄、国鉄、それから日逓。
  113. 淺野賢澄

    政府委員(淺野賢澄君) いまの自動車の五十二億は日逓を中心とします分でありますから、日逓が八掛けで、四十億くらいが日逓に参ることになります。国鉄が約二十九億六千万円、私鉄は三千五百万円、こういうふうに相なっております。
  114. 鈴木強

    鈴木強君 全部で結局五十二億とおっしゃったのですね。それで、日逓が四十億、国鉄が二十九億、それだけでも六十九億じゃないですか。
  115. 淺野賢澄

    政府委員(淺野賢澄君) いま申し上げました五十二億は自動車でございますから、日逓、並びにそれ以外に、北海道逓送とか、北陸逓送とか、いろいろございます。汽車のほうは別でございます。五十二億は自動車に対する請負料です。それから汽車、電車のほうにおきましては、国鉄が二十九億円、私鉄が三千五百万円、こういうふうに相なっております。
  116. 鈴木強

    鈴木強君 そうしますと、今度の一月からの私鉄の値上げ、それから今度の国鉄の三月五日からの値上げによって、四十年度、すなわち三月三十一日まで、値上げによって郵政省がよけいに払わなければならぬという金があるわけですね。それは何ぼになるのですが。
  117. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 郵便の運送につきましては、郵便物連送委託法という特別法がございまして、それによりまして、料金をきめます際に、運輸大臣郵政大臣に協議して運輸審議会の議を経てきめるということになっておりますので、国鉄あるいは私鉄の料金が上がりましても、すぐにそのままこちらに適用されるわけではございませんです。ただ、たまたま四十一年度は、契約期間四カ年でございますが、それが満了することになっておりますし、その間の一般の経費及び物価の騰貴もある程度ございますので、料金改定方を国鉄から申し入れてきておりまして、それにつきましてただいま打ち合わせ中でございます。先ほど申し上げましたように、運輸審議会の議を経まして決定されるということになろうかと考えております。  それから、私鉄につきましても、同じような形でまいります。  それからバス託送につきましては、これは郵袋一個につきまして旅客一人の半分の料金ということにきめられておりますので、これはバスの料金が上がりますと、自然郵袋の託送料も上がるという、そういう計算になっております。
  118. 鈴木強

    鈴木強君 そうしますと、この契約方式は四年に一ぺん、たまたまことしは切れる時期に来ている。そこで、さっきのこれを四月一日から上げることによって増収になる金は三十二億ですね。そうすると、国鉄が大体いままで見ておりますと二十九億です。二十九億払っておるわけですね、四十年度の間。そうしますと、四月から三月までの間に三十二億の増収があるというわけだね。そうすると、これは年間どのくらいになるかわかりませんが、ちょっと話が違いますけれども、国鉄運賃が上がったからそれによって郵便料を上げるという理由にはならなくなってくる。いいですか。だから、あなたがさっき言った政令というものは、われわれが審議したときにも申し上げてありますように、これは公共料金ですし、かってに上げるものではないですよ、政令であっても。とにかく政府も本来、従来までは郵便法の改正によって小包も上がったわけですから、それを前回のときに別に置いたことは、これはやはり公共料金であるし、政府がコントロールできるものであるから、十分これは慎重に扱ってくれということをさっき申し上げて念を押しておった。今度は国鉄料金が上がったからとそれを理由にしてくるとか、国鉄料金が上がったからそれを勘案してやったのだと、なるほど政令には書いてある。そういうふうなことで勘案したと書いてあるでしょう。それで、あなた方は三十二億円も三カ年でもうけるわけですから、国鉄に払うのは二十九億で、せいぜい上がってみたって、四月から上がった分だけでおつりが出てくるのじゃないかとぼくらは思うのですが、そこらは国鉄との折衝の中でまだ煮詰まったわけではないでしょう。だから、二十九億が三十億になるか、三十一億になるかわからない段階ですから、そういうこともまだきめないでおいて、政令上の問題として上げるということに、私は、小包料金の値上げの問題にまた戻ってきたけれども、問題があるということは、いろいろな点からほじくり出してくると出てくる。正直に皆さんおっしゃっておりますからね。私も勉強しておりますから、相当詳しくやっております。だから、いま話もしてないのに、幾ら上がるかわからないというのは、そういう判定の上に立ってやっているということは、少しどうも理屈が合わないですよ。
  119. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 国鉄の私どもの郵便物の郵送料も近いうちに上がるかと思いますが、御指摘のように、そちらのほうはこれからの問題でございます。三月五日の国鉄料金との関係等もございまして、取り運ばさせていただいておるわけであります。
  120. 鈴木強

    鈴木強君 まだまだ十時までですからだいぶあるのですが、それでいま一つ伺っておきたいのは、これは郵務局長ごらんになりましたか。三月二十七日の毎日新聞の朝刊だと思いましたが、「10行世相」という投書欄があるのですよ。その中に、新潟県の高田市門田新田の農業の丸山慎一という七十二才の人が投書していますのを見ますと、「私どもの新潟地方では、荷物や手紙を運搬してくれる便利屋がとても繁盛している。その方が早くて確実なせいだろう。旧冬も私あての小包が行方不明になり、郵便局に調査を頼んでおいたが、札幌郵政監察局長から「原因不明」の回答がきた。これでは世間の郵便業務不信もやむをえまい。」、こういう投書がある。これは見ましたか。新潟のほうに便利屋さんという名のもとに郵便配達をやっておるのがありますね。これは郵便法上の違反行為になるのじゃないかと思います。いずれにしましても、こういうふうに郵政省がなめられ、ばかにされるような投書が最近出るということは、非常に遺憾に思うのですよ。こういう便利屋さんが一体新潟にあるのですか、これは調べてみましたか。
  121. 山本博

    政府委員(山本博君) 御指摘のありました記事が二十七日に出ましたので、早急に長野の監察局長に命じまして、調査をいま命じております。具体的にどういう内容であるのかということは調査が済んでみませんとはっきりいたしませんが、私たちが過去の経験といいますか、過去の事例で想像いたしまするのは、冬季の積雪が非常に深い地方でままこういう風評があったことがございます。しかし、よく調査いたしますと、非常に積雪の多い地方で好意的にそういう事例を、まあ郵便物を、特に小包が多いんですけれども、持っていったということが二、三ございましたけれども、これは小包でございますし、郵便法の五条違反ということにはなりませんので、よく警告をいたしましてやめてもらったということはございます。しかし、この投書に書いてありますようなことがありますとしますと、内容によっては郵便法の五条違反ということも考えられますので、目下調査を進めておるところでございます。
  122. 鈴木強

    鈴木強君 この東京から鹿児島まで、普通郵便では何日で行きますか。それから速達の場合ですね——普通速達の場合これは何日、それから飛行機でやった場合何日、それから東京−鹿児島、東京−稚内、鹿児島−根室だとどのくらいですか、大体わかりますか。
  123. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 東京から鹿児島までの例をとりますと、私どものほうで基準としておりますのは、東京で午前九時ころまでに出されましたのは、これは通常でございますが、四日目の一号便で鹿児島では配達されることになっております。なお、東京−鹿児島間では、その日の午後六時ころまでに出されましたものも、一応鹿児島では四日目の一号便にかかることになっております。
  124. 鈴木強

    鈴木強君 それはおたくのほうで計算したものさしで言うとそうなるんでしょう。実際にはそれがものさしどおりにいっておるかどうかということを知りたいんですよ。そのことは書いてありますわ、どこまでは何日ということわね。
  125. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 東京都内からこの時間に出されまして、それが規定の取り集め便にかかり、それから次の上がり伝送便にかかりまして、中央郵便局に行き、規定どおりの列車に乗って行きますと、ただいま申し上げたとおりのことになるわけでございますが、実は局情によりまして、取り集めましたものをそのまますぐ次の三十分なり一時間の間隔を置いた次の伝送便に全部をかけ切れない局というものもまだ若干は残っております。東京中央郵便局に参りましたものが、そのまま列車に全部きれいにすっぽり乗るということのできない事情も、これは日によりまして郵便物が非常にふえたりあるいは欠勤者がふえたりするということになりますと——御承知のように、郵便は非常に増減が激しゅうございまして、日によってはそういうことも起こりがちでございます。郵便車に乗りましてからは、鹿児島まで参るのは、ほとんどまた何ら渋滞なしに参っているわけでございますけれども、それまでの間、あるいは今度鹿児島で局へ着きましてから配達されるにつきまして、半日とかあるいはそういうおくれというものもときにまあないわけではございませんので、ものによりまして一日程度のおくれというものはかなり出るのではないかと思います。  なお、誤区分等も、これは現在の都内の未熟な職員の技量等からしますと、若い職員、経験の浅い職員等の技量からしますと、百通のうちに一通とか二通という誤区分も出るような状態でございまして、そういうようなものにつきましては、誤区分されたあて先からまた戻るということもございまして、こういう例外的なものについては、一日程度の延びにとどまらない、数日おくれたりするというものも中にまざっている状態でございまして、二、三年前に非常に大量に採りました職員も次第に熟練度を増してきておりますので、そういうものは非常に減ってまいってはおりますが、まだ若干そういうものもありまして、規定どおりにはいかないものもあるわけでございます。  なお、本省並びに郵政局では、毎月通信担務をしております。私どものほうでも毎月二回、百通程度やっておりますが、それによりますと、これはただいまの御質問とはちょっと変わりましてあれですが、東京都内などにつきましても、大体翌日中に着くものの比率は非常に高くなってきております。大部分は、たしか八〇%強翌日着いているというような状態になりまして、逐次郵便業務も正常化されつつあると思っております。決して十分ではございませんので、今後一そう私ども努力をしてまいりたいと思っているわけでございます。
  126. 鈴木強

    鈴木強君 あとで、いまさっき設例いたしました鹿児島−根室間、それから東京−稚内間、東京−鹿児島間と、これが実際にどういうふうになっておりますか、普通郵便、それから速達、航空、この三つについて、御調査しなさったものがありましたら、あとでけっこうです、知らしていただきたいと思います。  それから、さっきの山本さんの御意見に戻るのですけれども、私もこの投書を見ましてちょっと考えたのは、手紙ということがはっきり書いてあるのですね、これは。これをごらんになったでしょう。これは、私が前もってあなたのところに言っておいたから、調べておくようにと言って。おそらく出先へ照会してあると思うが、やはりこういうふうに荷物や手紙を運搬してくれる便利屋がとても繁盛している。そのほうが速くて確実なせいだろうと、こういうことはどうもちょっとわれわれには受け取れないのですね。一体何をしているかというふうに感ずるわけです。ですから、これはひとつ手紙をもし運んでおれば、これは五条違反でしょう、明らかに。ですから、そういう点もひとつ責任を持って調査をしていただきたい。現に、住所氏名全部書いてありますからね、わかるはずです。この方に会って、どういうことが具体的にあったのか。特に小包が行くえ不明になって、調査したところが、原因不明という認めが来て、きわめて不親切なやり方だというように書いてありますから、これはひとつ責任を持って監察局長のほうでは調べられて、違反のものであればやはり厳重に処分するということもして、少なくとも便利屋が郵便配達をやるなんという——郵便配達というか、郵便を配って歩くことのないように、これは厳に戒めていただきませんと、郵便信用は、これは地に落ちますよ。これはひとつ本腰を入れて調査していただきたいと思いますが、どうですか。
  127. 山本博

    政府委員(山本博君) お説のとおり、郵政事業の信頼というものがこういう形でくずれますのは非常に遺憾でございますので、私のほうでせっかく厳密な調査をいたしまして、適切な処置をとりたいと思っております。
  128. 鈴木強

    鈴木強君 それから、まあ郵政事業の場合には、国鉄が汽車を無料で職員が乗務用に使うと同じように、無料郵便の扱いをしているはずですね、通信事務の扱いを。これはあなたのほうでいま把握しているのは、一年間に大体どの程度の通信事務が出ておりますか。
  129. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 年間約二億通でございます。
  130. 鈴木強

    鈴木強君 それから、いま申し上げたような赤行のう、黄行のうというものはちょっとわかりませんが、現状が郵政事業の現状だと思いますね。  そこで、大臣予算委員会で御答弁いただいているように、何といっても、郵政事業というものは、昔の飛脚の時代と変わらない姿というものがあるわけでして、というのは配達ですね。これは特に高層建物ができた場合には、一階から二階からずっと配達していく。その配達さんの御苦労というものはたいへんなものだと思いますよ。ですから、合理化しようとしても、機械化しようとしても、できない部分があるところに人が必要になってくる。その人件費が約八割ですね、予算中。これは普通の企業でしたらたいへんな額ですね。共倒れするくらいのものなんですが、これが事業の特性ですから、これはどんなに機械化しようとしてもしようがない事業ですから、これはやはり国民にも大いに理解をしていただかなければならないと思うわけです。  そこで、具体的に料金値上げが、何か物件費だけに補充するだけであって、郵政事業近代化はやってくれないのじゃないか、サービスは一体どう考えているのだということを新聞や何かの対談でも聞きまして、私たちは内容の周知が非常に郵政省はへただという点も感ずるのですよ。もう少しこのような郵政事業の内容というものを国民に周知させることが必要ではないかと思います。そういう感じを率直に受けております。  そこで聞いてみますと、なかなか近代化をやるわけですね。具体的に、近距離通信の速達化、一・二種郵便物の航空機搭載、配達業務の向上、速達配達区域の拡張、窓口機関の整備、書籍、学術雑誌の低料金とか、特に非常災害時の小包料金の免除、それから懸案になっておりました書き損じゃ誤印刷の郵便はがき郵便書簡——簡易書簡ですね——の交換、そういうふうに、かなり内容的にはサービス改善の点もあるわけですね。ですが、これでもなかなか利用者から見ると、内容なしと言うかもしれません。ですから、絶えず、できる部門の機械化ですね、近代化ということは積極的にやっていただく。そうして、そういう方向にも予算をさいていだだく、これが本筋だと思います。  そこで、これは古い話で恐縮なんですが、たとえばわれわれが外国を回って見た場合に、空港に行っても、あるいは駅に行っても、向こうは日曜日は休みですからね。休みのときには、ちゃんと自動販売機というものがありまして、切手でもはがきでも金を入れれば買えるようになっている。そういう設備などは早いところやってもらえませんかということを、私どもは昭和三十五年に、当時板野さんが郵務局長のときに、提案をしたことがあるのですよ。それはやるのだと。具体的に、われわれが駅なんかに行って、急に汽車の中で手紙を書く、そうして切手を買おうと思っても、まあない。売り子さんが歩いていますから、弁当、弁当というときに、ちょっと切手を持っておれば買えるじゃないか、こういうことを私は伺いましたら、当時は、それはけっこうだ、私もそう思っている、だから検討します、こういう意見を聞いておったのですがね。これは一体その後どうなっているのでしょうか。
  131. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 切手はがきの自動発売機のことでございますが、実は仰せのように、三十六年でごさいましたか——ころから、忙しい郵便局の構内で、一ぺん並んで、あらためて切手をまた買いに並んだりするということに対する措置としまして、相当忙しい郵便局の構内に置いてまいったわけです。ただいまのところ両方合わせて七十一台でございます。わりあいふえておりませんのは、切手は一枚売りで、ちょうどミシンのところから一枚ずつ切り取るように、十円玉を入れて十円切手が出るという装置です。それからはがきのほうは十円入れて二枚出すという装置でありまして、切手の切り取りの関係がなかなかうまくかみ合わないような事情もありまして、七十一台にとどまっているわけでございます。今度、料金改正ができますと、はがきは七円という形になりますし、封書のほうも十五円になりますので、非常に入れる硬貨——どういう硬貨を入れるかという問題とからみまして、たいへんその問題むずかしくなりますので、少し構想を変えまして、切手のほうでは切手帳、百円とか二百円とかまとめまして切手帳にし、はがきについては十枚売りのような形にいたしましてつくっていこうということで、四十一年度の予算におきましても、これは初めでございまして、あまり台数多くございません。それぞれ百台認められているわけでございます。四十二年度ごろから、性能のいい、安定した機械をさらに増備することにしたいと考えております。一応私どもの目算では、四十二年度からはまあそれぞれ千台ぐらいずつ配付していこうかというように考えておるわけでございます。
  132. 鈴木強

    鈴木強君 駅の売り子のほうは。駅の弁当売る人がいるでしょう、あの人が持っていたら非常にいいと思うんですね。
  133. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 売りさばき所に関する法律によりまして、駅の構内、あるいは食堂、列車食堂などでも売れるようなことになっておりますし、一部——失礼いたしました、日本食堂なとで売ってもらっております。
  134. 鈴木強

    鈴木強君 それは、そのときもぼくは食堂のやつも言ったんですよ。食堂ができたのは知っていますがね。ただ、売り子さんが弁当、弁当というときに切手持っていれば、「おいちょっと切手くれ」という、まあそれは安いからいやがるかもしらぬけれども、これば公共のために大いにやってくれたらどうかということで提案したら、けっこうだからひとつ検討しますと、これは議事録見たらわかりますよ。分科会に出た意見がある。これは板野さんの郵務局長のときですがね。これはいまやってないでしょう。それやれるでしょうか。
  135. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 制度上はやれることに、ちょうどそれにぴたりの条項に規定してございまして、おそらく売りさばき所、これは売りさばき所が大体やるというような立て方になっておりますが、駅の構内で立ち売りなんかもできるという形になっておりますが、手数料と売り上げ等の関係でなかなかそこまであるいはいっていないんじゃないかというふうな感じがいたします。
  136. 鈴木強

    鈴木強君 それなら、制度上できるのであれば、郵政省からこれは鉄道のほうにもお願いをして、あれやっているのは弘済会ですね、ですから弘済会のほうにも折衝していただいて、確かにたいへんなことですよ、手数料は少ないし、一々売るということになると、切手買うなんてたくさんはいないと思いますからね。そこのところを深く理解していただいて、何とか安直に、われわれが旅行して、東海道なんかのああいう日本食堂とか何とかいうのは便利でいいですけれども、やはりローカル線なんかに行きますと、そういうところほどやはりちょっと書きたいと思って車中で絵はがき書いても五円切手ないというときに、あれあったらなと思うときがありますからね。そういう人たちの利便のためにやってもらうには、多少郵政省のほうで頭を下げなければならぬと思いますよ。制度上できるならば、国会でそういう答弁をしたからと弘済会に話してみた、だけれども弘済会のほうでそんな手数のかかることはいやだと断わられたのか。何度言ってもやっていない。全然やっていないでしょう。われわれのほうに約束した局長もかわるから、板野さんの言ったのと違いますが、これはあなたに言うても御存じないと思うが、引き継ぎはしていると思うから、私は聞くわけですよ。
  137. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) ただいまのお話のような面につきまして、関係のところとよく話し合ってみることにいたします。
  138. 鈴木強

    鈴木強君 議事進行も兼ねまして主査に御善処いただきたいと思うんですが、私はまだ簡易保険郵便年金、たくさんの質問を持っておるのですが、郵便に関する限りは大体これで私は終わりたいと思うんですよ。したがって、休憩していただくなら休憩していただいて、午後私はまあ一応おりますからね、どなたかやったあとでまた私は立ちますので、そういうふうにしていただいて、とりあえず郵便に関する限りは私は質問をこれで終わらしていただきます。あとは主査のほうでよろしくお願いいたします。
  139. 井川伊平

    主査井川伊平君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  140. 井川伊平

    主査井川伊平君) 速記を起こして。  午前の質疑はこの程度にいたし、午後は一時四十五分より再開し、質疑を続行いたします。  暫時休憩いたします。    午後一時五分休憩      —————・—————    午後二時三分開会
  141. 井川伊平

    主査井川伊平君) これより予算委員会第三分科会を再開いたします。  分科担当委員の異動について報告いたします。  本日、矢山有作君が委員を辞任され、その補欠として永岡光治君が選任されました。
  142. 井川伊平

    主査井川伊平君) 午前に引き続き、質疑を続行いたします。  質疑のある方は、順次御発言を願います。
  143. 浅井亨

    浅井亨君 今度は放送法の改正が目前に迫っておりますが、NHKの受信料の件でございますけれども、今回の改正によりまして合法化されるということになってまいりますが、そうすると、いままでの受信料というものは、契約とか、手数料、税金というようなかっこうでいろいろとうわさされてきたのでありますが、これが今度の法改正によりまして義務制になっていく。こういうことになるんですが、そうしますと、このNHKというものも非常に機能が膨大になってまいります。そういうことになりますと、NHKの予算というものは非常に大きくなるわけでございますが、そのほとんどは受信料によっているわけでございます。  そこで、この経営委員会または監査機構というものも強化することになってまいりますが、その点は具体的にどのようにおやりになるおつもりですか、それを御答弁願いたいと思います。
  144. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) おっしゃるように、NHKの経営委員会の果たすべき機能というものはまことに大切になってまいります。したがいまして、NHKの重要な事項は、すべて経営委員会の議決によることでありまするし、ことにその経営委員選任にあたりましては、いままでは分野別、地区別というようなことを置いておりましたけれども、むしろ、最も適材を得るという意味で、分野別、地区別の制度を廃止いたしまして、それから経営委員会が監事に監査をすべき内容を命じまして、そうして監事に監査をいたさせる、こういうことです。そうして、監事の監査いたしましたものは国会にも提出をいたすというようなことで、国会の御判断をいただきますと同時に、国民の前にも公表をいたす。こういうような形で経営委員会の機能を十分果たさせていきたいと考えます。
  145. 浅井亨

    浅井亨君 いまの御答弁によりますと、この経営委員会の構成ですが、いまおっしゃったとおりといたしましても、これは非常に問題になってくると思うんです。と申しますのは、委員の人選でございますが、これは公正妥当でなければならないということは、これはもちろんでございますけれども、政府というものはかわるといえばかわるんですが、そのときそのときのいわゆる大臣考え方によりましていろいろと左右されると思うのです。こういう大きなNHKが、そのときのときどきによっていろいろな方向に変えられていくというようなことがあってはならぬと、こういうふうに私は思うのですが、こういうことに対するお考えはいかがでしょう。
  146. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) おっしゃるとおりでございまして、先ほど申し述べましたように、経営委員会というものはなるほどNHKに対して責任と権限を持つ委員会でございますけれども、その代表いたします利益というのは、聴取者全部、国民の利益を代表するものでなければならないわけでございますので、したがいまして、経営委員の人選にあたりましては、これはこのたびの放送法、電波法を改正いたしました一つの一貫した考え方でございまするけれども、放送の目的というものを定律し、そうして日本の国の放送の体系というものを法律上はっきりとNHKと民放の二本立てにし、そうしてそれぞれがどういう機能を果たすべきかということを詳細に規定しており、その気持ちというものもNHKというものに非常に高い責任を求めております。したがいまして、政府が経営委員の人選にあたりましては、非常な高度の責任も持っておりますし、具体的にそれでは一体、どういうのが適格で、どういうのが不適格かといったようなことは、これはごく度合いの低い線は引けますけれども、それ以上の能力なり識見という点については引きようがございません。私どもが放送法、電波法を通じてあらわしました精神というものは、当然それを受けて経営委員会には、いままでの地区別を代表いたしました意味合いでも、なるべくこれは地区というものを頭に置きながら経営委員ができてまいらなければいけませんが、どれどれの地方から必ず選ばなければいかぬというより、もっと適格者を選びたい、こういう気持ちでございますから、政府の責任なり判断というものが非常に高いものが要求されている、このように考えていいと思います。
  147. 浅井亨

    浅井亨君 そこで、NHKの受信料徴収でございますが、これは一般の国民も非常に深い関心を持っております。そこで、総理府の統計によりますと、NHKを視聴しているという方は大体全体の一八%にしかならない、こういうようなことを私は覚えておるわけでございますが、そこで、この受信料、特にラジオですね、ラジオの聴取料については、池田前総理大臣も、これは非常に有名無実であると、だからオリンピックが済んだならばこれを廃止していくというような方向に向かっていこうというようなお話があったように思っておるのですが、現在はどのようにお考えになっておるのか、それを示していただきたいと思います。
  148. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 確かに、御指摘のように、ラジオの料金——乙と申しておりまするか、これは甲のほうのテレビを見ます者のほうの料金がふえていくのに比べて、ラジオのほうは減ってきております。かつその聴取費というものもかなりかかっております。そうすると、聴視料と聴取費とにらみ合いながら判断しなければいけない問題もあると思います。しかしながら、現に国会で御審議を願っておりまするNHKの四十一年度の予算にもあらわれておりまするように、聴視される方からちょうだいいたしますという点では、テレビとラジオと差異のないものでございます。そういたしまして、また事実ラジオのほうだけが収入が少ない点も、減免を非常に幅広くいたしております。これはお困りの方にも減免いたしまするが、何か公共の利益になるような場合には減免をいたしておりますけれども、とにかく全体を通じましての乙料金の減免ということは非常に多額にのぼっております。そうして、そういう状態でとにかく運営をいたしておりまして、将来NHK自身が考える問題は私はあると思います。ことにいまちょうど、このたびの電波法、放送法の改正の  一つ考え方も、地方において波の利益を受けていない、私どもが電波を国民のものだと申しながら、波の利益を受けていらっしゃらない方が相当多いのでありますから、それにカバレージをあまねくいたすということにいたしますると、おのずから問題がまた変わってまいるのでございますけれども、いまちょうどその途中でございます。したがいまして、かつ国会でも従来いろいろお考えをいただきました中の長期の計画収入をはかっておりまするので、NHKに、将来乙料金のようなものをどういうふうなぐあいにいたしたらよろしいかということは、NHK自身がよく経営者において考えてほしいということを言うておりますが、ただいまの四十一年度の予算等では従来どおりの形で進んでまいる。むしろ第一次として、NHK自身が経営全体を考えてものを判断してほしい、こういうぐあいに要求しておる状況でございます。
  149. 浅井亨

    浅井亨君 そうすると、この受信料はNHKはいまどれくらいでございますか。
  150. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 明年度の予算におきましては、甲と申しておりますテレビの甲とラジオだけの乙と合わせまして七百三十一億円の受信料を見込んでおります。
  151. 浅井亨

    浅井亨君 これで、この額は全体で九百億ですか、そうですね。
  152. 館野繁

    政府委員(館野繁君) さようでございます。建設支出を入れまして、資本支出を入れましておっしゃるような額になっております。
  153. 浅井亨

    浅井亨君 そこで、イギリスの国営のほうの放送でございますが、これは番組制作については非常にたくさんの受信料の中からさいてこれをやっておるわけでございますが、日本においてはやっと二割くらい程度だと、こういうふうに私は聞いておるわけでございます。それで、この基本的になるものは、いわゆる番組制作のほうにいわゆる中心を置いているのか、それとも施設のほうに中心を置いているのか、いずれの方面にこの料金は使われていくかということを明らかにひとつ教えていただきたいと思います。
  154. 館野繁

    政府委員(館野繁君) いまBBCの、イギリスの数字を正確に覚えておりませんが、BBCで番組関係経費の約五割といわれておりまするのは、いわゆる業務費と申しまするか、国内放送諸経費、いろいろ施設の維持費その他財務経費を入れまして業務費の約五割といわれております。NHKにおきましては、先ほどの先生のお話の来年度の予算で九百二十数値、これは資本支出を入れました額でございまして、その中でその国内放送費というものの比率を見ますと、約二二、三%になるかと思いまするけれども、これにはBBCが算入しておりますような人件費を入れてございません。NHKの予算におきましては、人件費を別個にしております。したがいまして、それを入れますると、資本支出を除き人件費を入れますと約四五、六%になるかと思います。したがいまして、その算定の方法をほぼ同じにいたしますると、NHKとBBCでほぼ同等な比率の金を番組にかけているということに相なるかと思います。
  155. 浅井亨

    浅井亨君 そこで、この受信料の使途でございますが、これを先ほどの大臣のお話であると、公表すると、こういうふうにおっしゃったように思うのですが、NHKの取材と謝礼ですね、この面についてほかの民放はとても太刀打ちができないというような現状でございますが、その受信料の監査の問題でございますが、これは監査はできないのでしょうか、それともまた、先ほど国会のほうでもと、こういうようなお話がありましたが、国会で予算を修正するというような、そういう権限を持たしめろというようなお気持ちがあるのでしょうか、ないのでしょうか、その点ひとつお願いしたいと思います。
  156. 館野繁

    政府委員(館野繁君) お答えをいたします。いまの御質問の中で、民放とNHKの出演料その他の経費につきましてのお話がございましたが、私ども民放のほうを監査する権限もございませんで正確にわかりませんが、大体業界の話を聞きますると、講演であるとか、その他の何といいますか、いわゆる教養教育番組等に出演をお願いする方に対する謝礼はNHKのほうが平均的によろしい。それから、いわゆる芸能番組と申しますか、娯楽番組に出演を願う方の謝礼、出演料等は一般的にやはり民放のほうが若干高いというような業界の話でございます。これは正確でございません。  それから監査の問題でございますが、御承知のとおり、NHKの財務に対しまして郵政大臣は直接監査ということをしないたてまえに放送法のたてまえでなってございます。それにかわりまして、結局NHKの決算、これは会計検査院の検査を経まして国会に提出いたしまして御審議を願うと、こういう方法によって公の規制を受けるという方法をとっているわけでございまして、これはNHKというものがその他のいわゆる公共企業体あるいは政府関係機関というものと成り立ちもその業務も使命も違いますることから、そういう制度がとられているものと解しております。  それから、国会の修正権ありやなしやということでございますが、当時の立法趣旨及びその後の政府の解釈といたしましては、部分の改定を国会の議決によることは御期待申し上げないで、全体として妥当なりやいなやということで御承認を得るか承認をされませんかということをお願いするのが法律上の承認の条項であるというふうにただいままで解釈しております。
  157. 浅井亨

    浅井亨君 この放送というものは、国民の教育上に、いまお話が出ましたが、非常に大切な問題だと思います。そこで、その圧倒的ウエートを持っておりますが、それに対するいわゆる責任と自覚を考えましたときに、どのような影響があるかということをお考えになっていると思うのですが、その点はいかがですか。
  158. 館野繁

    政府委員(館野繁君) もとより、放送と申しますことは、一国の国民生活、最も広い意味での文化に非常に深く関係のあることでございまするから、先生の御指摘のような点が、放送事業者及びこれに関係する者の最も心せねばならないことだと存じております。ただ、御承知のとおり、現在の放送法制におきまして、またただいま提出しております改正案におきましてもさようでございまするけれども、何せこれが一つの文化活動であり、また憲法で保障されております表現の自由というものに非常に密接に関係した業務でございまするので、この政府その他外部からの規制、監督という方法ではなく、放送を行なう者自体の責任と自覚と良識においてその内容が構成され、番組が制作、編集されるというたてまえをとっておるわけでございます。したがいまして、制度的に申しましても、実際から申しましても、それを監視しそれを規制するものは、結局国民自体、まあいわば世論というものが最後のささえになり、それを反映して放送事業者が自己の責任において番組の内容の構成、質の維持向上ということにつとめるべき性質のものであろうと考えております。
  159. 浅井亨

    浅井亨君 最近番組を見ておりましても、低級というのですか、非常にそういうふうになっている傾向があるやに私は思うのですが、これはほんとうに著しく国民の今後のいわゆる教育の問題においてたいへんだと思いますが、この番組についてはどのような組織をもってどのようにおやりになっているのですか、はっきりした線は。
  160. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 私、御指摘の点、非常に共鳴するものでございまして、おそらくこのたび放送法を改正いたしましても、それで番組が少しもよくならなかったならば、私は法律改正の意味がないと思います。ただいま政府委員が申しましたように、放送事業者が放送について全部の責任を負う。これはすでにいままでも指摘されておりますように、やはりこれは、スポンサーのほうの言い分だとか、それを取材した新聞の責任だとか、責任の所在がはっきりしないようなことでのがれようとする例がまま見受けられまして、したがいまして、私どもは、放送事業の責任だということをはっきり申します。それから、もちろん表現の自由というのはどこまでも尊重はいたしますけれども、その表現の自由というものが、低俗な番組、むしろごく端的に申せば、安上がりの番組でよろしいのだということでは、国民のものである電波というものを私はむだにいたすことに相なると思います。したがいまして、このたびの——これはいろいろな意味合いでまた条文について御議論があろうと思いますけれども、放送法の改正で、冒頭に目的といたしまして、放送は教育的機能を持っているのだから、その教育の目的を実現するように、そうして国民の一般的教養の向上に資さなければいけない、それをまずもって大きな目的に掲げました。そうして、いままでありますように、政治的な中立性というような、公平であるというようなことのほかに、特に暴力の否定であるとか、青少年の保護育成であるとかというようなことを掲げましたのも、その意味でございます。そうしたことによって、一方では放送事業者は自主性、自立性を守りながら、番組の向上をはかっていかなければならない。そういたしますと、考えられる方法としては、いまもそれぞれ持ってはおりまするが、番組審議機関というものをもっと強力にし、番組審議機関というものは、結局個々の委員になりあるいは委員会の意見を番組に反映させるためでありまして、数を限って、いまは自社の人間が、自分の会社の番組審議会に会社の役員等が入っている、私はこれは、放送事業というものは比較的新しい事業でございまするから、編集と経営というものがどっかでまだ混雑をしているような気がいたします。そこにどうも国民の皆さんから見ていろいろの御意見のある点があろうと思います。そういたしますと、自社の役員が自社の番組を審議する委員会に入るというようなことは、これは禁じなければいけない。そうして番組審議会の権威というものを高めていくということが一つ。それから、このたびの法律の中で放送世論調査委員会というものを設けました。これも、法律上世論調査委員会を設けることは要求いたしましたが、その構成は、十五人以上というような委員の数はきめておりますが、放送事業者の協議によって構成をしろということでしております。そういたしますると、NHKと民放——現在五十九社ございますが、それらが協議をいたしまして、そうして放送世論調査委員会というものをこしらえるということに相なろうと思います。そうして、その世論調査委員会は、いい番組については推奨いたす、それからそのまま放置できない場合には勧告いたす、推奨の権限、勧告の権限というものを放送世論調査委員会に与えまして、そうして同時にまた国民に対してはその中身等の公表をいたしまして、そうして国民とのつながりをつけてまいる。私どもはさらに、こまかくなりまするが、こんなことも考えております。もう国民から絶えず、こうした点はおかしいじゃないかという点は、世論調査委員会に連絡をいたし、注文をつけるというような形で、世論調査委員会を運用いたしたいと思います。一方で、放送事業者の自主性、自立性というものを害さない限度ぎりぎりまでは、法律全体を通じて番組向上ということを心がけたつもりでございます。
  161. 浅井亨

    浅井亨君 現在NHKだけが教育のほうの放送をやっていると思うのですが、これは民放のほうにもこれをやらせてやるか、それからまたこれを共同しておやりになるような方向をはっきりおきめになっていったほうがいいのではないかと、こういうように思うのですが、この点はどうですか。
  162. 館野繁

    政府委員(館野繁君) お答えいたします。御指摘のNHKは、ラジオにつきましては三十年来、テレビにつきましてもその発足以来、教育放送、特に学校向け教育放送というものに非常に力を入れてやってきております。それから民放におきましても、いろいろのキャラクターを持った会社が多うございますけれども、教育放送、特に最もその中で営業になりませんところの学校向け放送でございますが、これを、現在ラジオ、テレビ合わせまして五十九社の放送局のうち約二十局は一日二時間の学校放送を民放でもやっております。制度的に申しまして、これを先生のおっしゃるように何か法律の規制、あるいは制度的にこれを義務づけるというこの御議論は、各界からも拝聴しておりますのですが、放送の番組というものの性質から申しまして、非常に経済的背景がないのに法律の力その他によりまして義務づけましても、先ほどちょっとお話が出ましたけれども、いわば安上がり、ごまかし番組というものをつくられて放送されたのでは、これは全く逆効果でございます。したがいまして、今回の法改正にあたりましても、法律的に義務づける、それにたえ得る、それにふさわしい放送事業としてはNHKであろうということで、NHKには法律上明確に教育番組の義務づけをいたしましたけれども、民放につきましては法律上の義務づけはいたしませんでした。しかしながら、これは番組全体の向上のためにも、それがほかの番組をいいころかげんをやるということに籍口されては困りますけれども、番組全体の質を向上し、あるいはこの放送の教育的機能の発揮に目ざめまして、自発的あるいは業界の相談の上で、まあ比較的経費のかからない方法等を発見いたしまして、この業界の自主的な発意に基づいて行なわれることは、私どもとしても非常に期待し、希望しているところでございます。
  163. 浅井亨

    浅井亨君 先ほどから聞いてまいりましたが、この番組審議会というものは、はっきりしたものはできておるのですか。
  164. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 現在番組審議委員会はそれぞれの社で持っております。ただ、たとえば関東のような、ここで幾つかの関東地帯を対象にしておりまするところは、他と一緒になってこしらえたりしております。とにかく持っております。持ってはおりまするけれども、私どもそれについて指摘したいことは、どうも形だけで、ほんとうにそう動きが十分できていないという感じが率直にいたします。これも非常に端的に、これはまたあるいは私だけの感じ方かも知れませんが、表現に誤解があるとお許しをいただきたいのでございますけれども、先ほど申しました編集というものはどうもはっきりと独立していない。安く上がればまあまあということで押されてしまう場合があるのじゃないか。そうすると、番組審議会というのはそれぞれの放送事業者が持つ。しかし、その全体をつかみます——それでいいのかどうかという判断を示す世論調査委員会というものを新しくこしらえる。また、この機会に、番組審議会が自社の人間が入っているというような形から抜け出まして、そうして番組審議会のひとつ手直しをする。それで全体をつかみました世論調査委員会というものをこしらえる。そういたしますと、どうやらいままでよりは違った働きができるのじゃなかろうか、こんなぐあいに考えております。
  165. 浅井亨

    浅井亨君 次にお尋ねしたいのは、近ごろは都会には非常にビルなんかがたくさん立ちまして、電波の障害が多くなっております。また飛行場とか、または新幹線が通りますと、そういうようないわゆる近くのものは非常に被害を受けるわけでございますが、そういう公害に対しまして、その聴視者に対する対策といいますか、どのようにお考えになっているか、それをひとつお伺いしたい。
  166. 上田弘之

    政府委員(上田弘之君) ただいま御指摘のありました、いわゆる無線通信に対する公害と申しますか、そういうような問題に対する処置と申しますか、対策いかんということだと思います。これにつきましては、実は公害というのは、ほかの場合でもそのとおりでございますけれども、非常にむずかしい問題、そして経済的にも非常に大きな金を要するというような基本的なむずかしさと、しかも経費の上からいって相当大きな金を要するというような、こういう点で非常に基本的なむずかしい問題だと思います。また、電波につきましても、騒音の問題、それからまた雑音の問題、こういうようなことを考えましたときに、無線通信放送も含めまして、こういうような無線通信につきましては、基本的な非常に重大な問題だと思います。ただいま御指摘のありましたことは、放送ということをとらえました場合に、それに対する受信料その他においてどういうぐあいに考えるかということ、それからもう一つは、料金の問題とは別個に、根本的にこれに対して解決するような方法はどうかという御質問だと思います。  前のほうの料金の問題ということ、これにつきましては、たとえば基地の周辺というようなところで騒音が非常にひどくて放送が受信ができないという場合には、NHKがある一定の基準を設けまして、そこで受信料の免除というようなことをやっております。しかしながら、これだけでもちろん根本的には解決するわけではございません。しかし、この免除の問題につきましても、あるいはまたその対策につきましても、実際に雑音なり騒音というものを、これを実際に根本的に取り除くにはどうしたらよろしいかという問題と、それからどこからどこまでを実際に免除の対象としてよろしいかという問題この問題が実は非常にむずかしい問題でございます。御承知と思いますけれども、あるここからここまでのものを免除の対象としようとした場合に、それに隣接したところはやはり同じような苦情が出てくるのであります。しかも、それは根本的に料金問題というものをゆるがすという問題にも発展しかねないわけでございます。そういうようなことを考えまして、非常にむずかしい問題でございまして、これからわれわれ政府といたしましては、この公害というものに対する根本的な対策ということは、これは大いに考えていかなければならない。同時に料金問題につきましても、非常にむずかしい問題でございますが、これもこれからよく考えていかなければならないというぐあいに考えております。
  167. 永岡光治

    永岡光治君 関連して。ただいま御質問がありましたのは基地周辺のテレビ、ラジオの障害に対する料金の減免措置でしたが、いま実際行なっているわけですか。
  168. 上田弘之

    政府委員(上田弘之君) 行なっております。
  169. 永岡光治

    永岡光治君 新しいいま提案されております政府の放送法によりますと、料金は今度義務づけられた形になるわけですが、そうなりますと、これは法律でそういう措置を明確にする必要があると思うのですが、最近のあれによりますと、基地周辺の整備法案というものを国会に提案するといううわさが流れておりますが、その際においては基地周辺だけに限定されているわけですね。ところが、そうでない民間の飛行場がたくさんあるわけです。これは同様に、ジェット機も飛びますし、あるいは障害を非常に受けておるわけですが、その場合、基地ということでなくて、それに類する障害を及ぼすようなものについては、たとえば飛行場等の問題ですか——を含めました減免措置を立法化するという用意は持っておいでになるのですか。
  170. 上田弘之

    政府委員(上田弘之君) 先ほど申しましたように、現在ある基地周辺というものに限りまして減免措置を現在とっておりますが、いま改正しようとしておりますところの放送法におきましては、受信料の義務化ということをうたっております。しかし、受信料の義務化ということは、やはり一つの筋といたしまして、やはり受信料というものは取って、取るということを一つにいたしまして、その上でもって減免ということを行なう。そして、その減免の範囲をどういうところに適用するかということが問題かと思うのでございます。したがいまして、いま現在のものをもっと拡張して、減免の部分をもっと拡張する用意があるかどうかという御質問なんでございますが、現在のところは、先ほど申しましたような理由から、具体的にどうしようということを考えておりません。
  171. 永岡光治

    永岡光治君 考えないと非常に困るわけで、基地だからその周辺はいいけれども、そうでないたとえば伊丹飛行場のようなところですね、それは減免の対象にならぬというのでは困るわけですね。現に、あそこの市長から、市会議長から、大ぜいの方々が陳情されていると思うのです。私どものところにも美は参りましたが、何でも百二十五ホンあたりですか、障害の何か度合いをはかる単位があるそうですが、それは当然やらなければいかぬ。基地だからいいんだ、そうでなければだめだということに忍はならぬと思うのですが。
  172. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) いま永岡さんのおっしゃいました点でありますが、基地周辺の法律を出しますけれども、このたび、これは先ほどの御質問にもございましたが、受信料というものは契約によるのだ。ところが、契約によると言いっぱなしでありまして、受信料の性格がどうにもはっきりしていない。契約というような規制したことばを用いなくて、NHKの放送を聞く設備を持っている者は受信料を払わなければならない。しかしながら、それについて公権力を背景にするような、強制徴収のような規定は全然行なわない。そして、すべてに、いままでは郵政大臣の認可を受けましてNHKがきめておりましたけれども、今度は受信料を払わなければならないとする。いわゆる相当詳細な受信料規定をNHKに法で要求いたします。その受信料規定は、すべて郵政大臣が認可をいたします。その中に法律上免除の規定を書くことを入れております。したがいまして、基地周辺の法律には直接受信料のことはあらわしておりません。おりませんで、したがいまして、基地周辺も入りますけれども、放送という立場から、NHKが広い意味の、あまねく国民を対象としている放送事業者という立場からの受信料の免除をいかなる場合にすべきかということ、したがいまして免除の手続、これは広く、もちろんその考えの中には基地なども含めますけれども、それよりもむしろ、事実上何らかの障害で受信が不可能な場合、もちろんそれ以外にいろいろな経済的な理由でございますとか、公益の理由とかいうものもございましょう。ございましょうけれども、そうした場合には放送というものを主眼に置きました免除の規定を定めさせることにし、その用意もNHK等にいたすようにそれぞれ指導いたしておる状態でございます。
  173. 永岡光治

    永岡光治君 それで明確になったわけですが、当然基地周辺の人間は入るでしょうし、飛行場及びこれに類するような障害が起こるようなとこは私は明確にすべきだと思うのです。いま大臣がその用意があると、検討されているということでありますから、大体私どもの要望の趣旨は通ると思うのですけれども、十分その点は考えていただきたいことを要望しておきたいと思います。
  174. 浅井亨

    浅井亨君 次いで、いま政府の方々は大体放送のほうには非常に力を入れておられるように思うのでございますけれども、どうも一般的な無線でございますか、これについてはちっと関心が薄いのじゃないかと、こういうように考えるわけですが、どういうふうにお考えになっておりますか。
  175. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 電波と申しますものは非常に国際的な性格を帯びております。したがいまして、国際的な取りきめの中で日本の国内で電波をいかに分配すべきかということが問題になっておりますけれども、しかし、これがどうもいままでの扱いというものが、法律的な扱いでも、やや郵政大臣の扱いにまかされっぱなしにしているような感じがいたします。したがいまして、このたびは、電波法の改正でも、確かに一般の無線局を見ましても、態様が非常に多い、海上業務という中でもたいへんに分かれておる、こうした無線局を相手にものを考えて、放送局というものはその特殊の形態の一部分である。私は、電波の分配計画という段取りにおいては、むしろ放送局は一つの例とだけは考えられますけれども、電波全体についてこれはまたいろいろと御議論があることでございましょうけれども、UHFの波が、将来——お尋ねの中には出てまいるかと思いますけれども、放送衛星等が考えられるようなときには、いかなる周波数帯を割り当てるか、これは大きい電波行政全体の問題であります。そういたしますると、この際、一応電波をどう使用するかという段になってまいりますると、チャンネルプラン、放送局を目当てにしたほうが大きく出てまいります。私はこの機会に、ただこれは私の個人的な考えとしてお聞き取りを願いたいのでありますが、これからの行政の中で一番大事なものは一体何であろうか、これはよく言うのでありますけれども、電波行政と航空行政じゃないだろうか。これがいままで未知の分野がこれから入ってくる。その入る未知の分野で、世界的にたいへんに進歩しておる電波行政を扱うには、ただいまの郵政省の一部局でやっておる仕事はいかにも中途はんぱではないか。私は機構の問題が一つあると思うのですが、私はこの際深入りはいたしません。電波行政というものは全体に広く見なければならないのだから、そういたしますると、業務の種類を、広く業務にわたってものを考えて、そうして電波の計画的使用というものをはかってまいりまして、これを一つの今度の電波法の改正の大きい柱と申しますか、それがほとんど全体という考え方でまいりまして、そうして、一体電波の使用をどうやっていくかという中で、放送局にどの波をはたして使わせることができるか、その前の前提が無線局すべてを頭に置きました電波行政を立てるということ、これをこの際そういう頭になってもらおうじゃないかということが、このたびの二つの法律の改正の一つの眼目でございます。しかし、今度は、実際にお前たちがやっておることはなかなか言うようなことになっておらぬじゃないか——手不足の点、あるいは私どもの研究不足の点、そういう点は私どもは率直に認めなければいけないと思います。したがいまして、早急に改善をすべき問題を私どもはかかえておる、こういうふうに考えております。
  176. 浅井亨

    浅井亨君 いまお聞きしますと、ほんとうにけっこうなことでございますが、いわゆる警察無線とか、また漁業無線とか、また消防無線とか、いろいろありますが、マリアナ群島の問題もさることながら、去年でしたか、あの水害によりまして、島根県でございますが、いわゆる川上のほうの状況が川下のほうで状況を把握することができなかったためにその災害を非常に大きく受けた、こういうことがあります。そういう点からいたしましても、無線というものに対しては特に注意をいたされて、それを拡大いたしましてりっぱにつとめを果たしていくのが国民のほんとうのしあわせを築くものでないかと、こういうふうに思いますが、もう一度、その点につきましてどのように今後やっていこうかということを、念を押すようでございますけれども、御返答をお願いいたしたいと思います。
  177. 上田弘之

    政府委員(上田弘之君) 先ほど、基本的な電波のあり方と申しますか、そういうことにつきましては大臣から申し上げましたとおりでございますが、ただいまの先生の御質問を考えまして、私非常に感ずるのでございますけれども、これまで電波にずっと携わっておりまして、研究にも携わっておったのでございますけれども、そこで感じましたことは、電波というものの特質と申しますか、そういう点をつくづく考えるのでございます。これは何と申しましても、電気通信の中で有線では間に合わぬような通信というもの、そういう分野を受け持つのが、これがやはり無線というものの一番の大きな使命じゃないかと思います。したがいまして、その中では一番のハイエスト・ランクと申しますか、そういうところにくるものは何かと申しますと、やはり移動無線というようなものであろうと、第二には、不特定の多数というようなものを相手にするような、いわゆる放送というようなものが第二のランクになるんじゃないかと思います。第三のランクとしましては、固定通信というようなことになるのではないかと思います。そういうことで、ございますから、どういたしましてもほかの手段を持たないような移動——飛行機であるとか、あるいは衛星放送であるとか、あるいは陸上、海上の移動というようなもの、こういうようなものにつきましては、なかなかこれは有線ではやれない、あるいは光のようなものでも非常に不便であるというようなところにおきましては、どうしてもこれは無線通信というものが最もそういう分野を買わなきゃならぬところのものであろうと思います。  それから第二番目の構想というものにつきましては、何分にもこれは受信者そのものの分布からいいましても無線でなければならないというようなことでございますので、こういうものにつきましては、どうしても無線というものが活躍すべきであると思うのであります。  そこで、先ほど先生の御質問がございましたけれども、放送というものについてあまり関心を持ち過ぎてほかのことをないがしろにしているんじゃないかという御意見ございましたけれども、実はこれはどうも日本の特殊性が一つはあるんじゃないかと思います。それともう一つはやはり、電波法、放送法が出まして、そしてその後の日本の指導のよろしきと申しますか、非常にうまいやり方でもって大いに発展するような方向に行ったのが第二、それからもう一つは、放送というものの特異性がございまして、電波法と別に放送法というようなものをつくりましたようなことからおわかりのとおりに、放送というものが非常に大事なと申しますか、国民に対して、国家、社会に対して非常に大きな影響を持つということにかんがみまして、ああいう放送法というものをつくった。したがいまして、一般無線というものとは違った意味におきましての放送という、大衆に対しての影響力というものが非常に大きなものがあるということから、放送というものについて特別に取り扱われたということが言えると思うんであります。しかしながら先ほど申しましたような意味からいいまして、無線というものの全体の分野からいいましても、またその実際の重要性というものから考えましても、電波というものは必ずしも放送というようなところに最大の重点があるというわけじゃございません。全体の周波数の幅の中で放送というものが占めるその幅というものを見ましても、ずっと狭いものでございます。そういうようなことでございますので、できるだけ電波というものの特質を生かしたような通信をするというのが、これが当然でもあり、またそういうぐあいに郵政としても考えておる次第でございます。したがいまして、先ほど御指摘のありましたような、無線でなければどうにもうまくいかないというような、水防であるとか、警察であるとか、そういうようなものにつきましてはむしろ優先的にわれわれは考えておるということを確信しております。
  178. 浅井亨

    浅井亨君 水防とか、そういうものを優先と、この優先がだめになりまして、そうして災害が起きたわけなんです。それで、私はそれを痛切に感じて帰ってきたわけです。だから、地域的な差によりましていろいろとありますが、ああいう場所にはそういうのは特にやはり配慮をしていただくのがいいんじゃないかと、こういうふうに思いますので、この点をまあお聞きしたわけなんですが、そういうところはひとつ特にお気をつけて施設をしてあげたらばと、こういうふうに考えるわけなんですが、いかがですか。
  179. 上田弘之

    政府委員(上田弘之君) 現在、水防関係の無線というものが相当ございます。それからまた、ああいう災害のような非常時におきましては、非常無線というのがございまして、そうして普通の一般の無線局がすべてそういう災害時のような場合には非常無線としてその防護その他に当たる、情報の提供に当たるというようなぐあいに動員することができるようなことになっておりまして、日ごろからそういう協議会がございます。そうして、場合によりますれば、郵政大臣が命令を下して、そうしてそういう非常通信をなさしめるということができるようになっております。
  180. 浅井亨

    浅井亨君 次に、ちょっと飛びますが、現在の状態をお聞きしたいのでございますが、宇宙通信の問題は、これは現在どのようになっておりますか、お話し願いたいと思います。
  181. 上田弘之

    政府委員(上田弘之君) 宇宙通信につきまして、無線の側から宇宙通信につきまして申し上げなければならないことは、まずその使用周波数でございますけれども、この周波数の割り当てが、一九六三年に臨時主管庁会議というのを開きまして、そうして世界各国の主管庁が集まりまして、そうして新たに宇宙通信というものを始めるにあたってはどういう周波数を捻出すべきかということにつきまして協議をいたしました。その結果、現在におきましては、人工衛星が使いますところのすべての周波数、送信なり受信をいたしますようなあらゆる面の周波数を実はきめたのでございます。ただし、放送関係のものだけは、これはきまらなくって、現在は放送衛星に対しての周波数というものだけはきまっておりません。そういうような状態でございまして、人工衛星の使いますところの通信、これには研究用のものもございますし、通信そのものもございますし、気象だとか、航空衛星というようなものもありますし、人の乗った衛星であるとか、あるいは無人の衛星、あるいは衛星そのものを実際に運用するのに必要なようなトラッキングとか、テレメータリングであるとか、コマンドであるとかいうような、そういうための周波数まできめまして、そのきめ方につきましては、従来宇宙通信というものをやっていなかったのでございますので、新たにそういう業務を始めるということのために、従来使っておりました周波数の共用、お互いに二つのものが一緒にその周波数を使うというような、そのバンドを使うというような、そういう共用というやり方を主といたしておりまして、専用のバンドというものは非常に狭くなっております。まあこれもしかたがないと思いますけれども、現在の状況ではまあ十分やっていけるような状態になっていると考えてよろしいかと思います。
  182. 浅井亨

    浅井亨君 今度ちょっとまた話が飛びますけれども、この郵便料金の値上げでございますが、ただこの点について一点お聞きいたしたいと思います。それは郵便貯金でございますが、これはどれくらいあるんでしょうか。
  183. 稲増久義

    政府委員(稲増久義君) いままでの現在高は約二兆六千億でございまして、四十年だけをとりますれば、現在約四千六百億でございます。
  184. 浅井亨

    浅井亨君 そのお金は、大体財投のほうへお回しになっておられるんですね。
  185. 稲増久義

    政府委員(稲増久義君) さようでございます。
  186. 浅井亨

    浅井亨君 そうすると、いわゆる郵便料金の値上げということですか、こういうのは財投のほうに回すというのもけっこうでございますけれども、やはり自分の、わが家というのですか、地元のほうでこれを幾ぶんなりとも使っていくならば、これは郵便料金の値上げはしなくても済むのじゃないかと、こういうふうに、私の愚見でございますが、こういう点に対してはどのようにお考えになっているのか、その一点だけお示し願いたいと思います。
  187. 淺野賢澄

    政府委員(淺野賢澄君) ただいま先生の御意見、まことにごもっともでございますが、ただ貯金事業で出てまいりました利益金は性質はちょっと違っておりまして、一般国民の皆さま、預金者の方に還元する必要があるのではないかと、こういうふうに考えております。それから貯金事業も、ただいまこのところ数年間黒字になっておりますが、その前におきましては相当な赤字の累積を重ねておった次第であります。と同時に経費率も逐次このところおりてきておる状況でもあり、そういった意味合いにおきましても、貯金の利益金をやはり利益金としまして積み立てておく必要がある。そして、むしろ将来の預金者の皆さんに対する還元方法として、サービス面においてこれをもっと使っていく。それからまた、経費率が悪くなってまいりました場合も、これがまたそれに対する振り当てになる。こういう点で——事業としましても両者関係はないとも言えますし、窓口は同じでありましょうが性質が違いますので、そういった意味におきまして、この利益金勘定は、貯金としてはこれは大切に置いておくしろものではないかと思っております。これはまた、貯金事業特別会計法におきましても、そういった意味におきまして利益金勘定を設定いたしておるわけであります。それから、郵便のほうにおきましては独立採算というたてまえになっておりますので、その点もひとつよろしくお願いしたいと思います。
  188. 浅井亨

    浅井亨君 時間の関係でやめさしていただきます。
  189. 永岡光治

    永岡光治君 私は、先ほど鈴木委員から細部にわたる質問がありましたから、主として基本的な問題について若干質問いたしたいと思います。  本予算には郵便料金値上げのたてまえで予算が組まれておるわけでありますが、この料金改定はやはり慎重の上にも慎重にならなきゃならぬわけでありますが、今回料金改定に至るまで、あるいはまた料金改定ということになりましても、その料金改定の幅についてきわめて慎重な検討がなされたものと理解をするわけでありますが、一体この料金の値上げについて、できるだけこれを押えるように相当な努力が払われてきたのではないかと思うんですが、その料金改定を行なうまでの、これを抑制するための努力ですね、事業の中においてどういう努力をしてこられたのか、その点をまず私は承っておきたいと思うんです。
  190. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 確かに公共料金の値上げというのは非常に慎重にしなければいけない問題でありまして、私よく部内の者に申しているのでありますが、もし公共料金の値上げを国会でお認めいただくとしますれば、それは非常な責任を私ども負うのだ。何かいままでの足らず前をここで締めくくりがついてしまったというような考え方がかりにも郵政部内にありましては、国民の皆さんに申しわけない次第でありますから、そのことを戒めているのでありますが、ただ私が郵政大臣に就任いたしまして以来いろいろ見ておりまして、いまも浅井さんから一つの、他の会計から持って来られぬだろうかというようなお尋ねがございました。いろいろの方法を、外部資金の導入にいたしましても、一般会計繰り入れにいたしましても、いろいろの問題の扱い方も考えて人たことではございますが、ただ午前中鈴木さんも御指摘がありましたように、何と申しましても人件費が非常に大きい会計である。そうすると、私の感じましたところでは、結局何とかして節約をいたそうということの一点ばりでいままで郵政事業というものが扱われている。したがいまして、局舎にいたしましても、改善することを感じながら、金がないために建設もできずにきている。送達速度も率直に申してある程度犠牲に供されているのじゃないだろうか。一口に申せば、あらゆる人的、物的の面で節約に節約を重ねて今日に至ってきている。私はその節約の基調というものは今後も強く持ってまいりたいと思いますが、そうしたことのために非常に近代化からおくれてきているというのが現状だと思います。したがいまして、料金値上げ以外の何か財源措置ができないかという問題の検討を私自身もいたしました。それが一つ。それから、今日に至りますまで、昭和二十六年以来、一種、二種には手をつけないで、三種その他をわずかに手をつけただけで今日まで十五年持ってきた。その間次第に物数の増加等も伸びてまいってから以後の郵政事業会計のやり繰りは、もっぱら節約によろうとしている。これにはおのずから限度があるし、またこれはこういう独占的な事業をしている上の経営のしかたとしては私はかえって職責に不忠実なのだ、こういう見方をいたしているのであります。率直に申し上げた次第でございます。
  191. 永岡光治

    永岡光治君 ただいま、外部資金の導入の問題も一応検討してみた、たとえば局舎の問題等もあるということでありますが、その例をあげました局舎の問題について、ここに私も考えを披瀝しつつ所見をただしたいと思うのでありますが、局舎予算を見ますと、これでは三十億のことしの借り入れになっているわけですね。総額が約百七十何億と出ております。こういう、いうならば基本財産と申しますか、固定資産に相当するものを、借り入れが約三十億とこれに出ているようでありますが、百七十億のうちの三十億というと、残りの百四十億というのは自前でやっていくということになりますが、それを借り入れでできないものかどうか、なぜそういう努力をされなかったのだろうか。もちろんこれは長い期間においては、償却しますし、借料も払うわけでありますから、とにかくそういう努力をなぜ当面の間やれなかったのか、どういう事情があって借り入れではいけなかったのでしょうか。
  192. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 詳細な点はまた政府委員からお答えいたします。実は、この三十億の借り入れをいたしますこと、これも大臣折衝の最終の日まで持ち込みました。ということは、一体料金の引き上げを考えませんければ、当然局舎をほうっておくわけにいきません。したがって、借り入れでいくよりしかたがございません。しかしながら、本年の財投の模様を見ますと、ほとんどすべてが財投にかかってきましたとき、料金の値上げはいたさぬということで、財投だけに——なるほど福田君とよく談判いたしますときに、財投の主たる株主は、もうけ主は郵政省じゃないかというかけ合いをいたします。いたしますけれども、おそらく今年度におきましては、もし財投を当てにいたしましたならば、非常に建設資金としては窮屈であったのじゃないかと思います。ただ、今度三十億の点になりますと、実は値上げということを考え予算編成に当たった。来年から財投で出しますけれども、ことしはひとつほかに回さしてください、そういうような大蔵大臣の主張、私のほうはもっともっと取ろうということでの折衝、そうして落ちついたところが三十億という額でございます。したがって、三十億という額には特別の意味はございません。ただ落ちついたところが三十億というところでございます。ただ、執拗なかけ合いの経過で、このようなぐあいでは四十一年度予算ではとうてい多くは期待できない状態だ、こういう判断を一方で下しましたことも、また値上げを決意いたしました一つの広い意味の材料になっているかもしれません。
  193. 永岡光治

    永岡光治君 そこで、努力をしたことは、私もそれなりの成果は三十億なりに認めたいと思うのでありますけれども、やはりこの郵政会計が非常に窮屈な会計であるし、これが非常な人件費にかなりの幅をとられておるという企業会計の実態であるということも、これも否定することはできないのですが、しかしこれは国家事業であります。国家事業でありますために、しかも公社事業にならないという事業の本質から考えて、三十億や五十億や百億は政府自体において考えるべきものではないだろうか。やはり国営というところを考えは、安易とは申しませんが、料金値上げにすぐ移行するその態度は、これは根本的に改めるべきだ。しかも、民間の企業を見ましても、まあおそらくどこの企業を見ましても、会社の土地、建物とかその他の、基本財産と申しますか、固定資産については、自前でやる会社は私はあまりないと思うんですね。長年にわたって償却をしていくという方法をとるのが普通だと思います。したがって、三十億程度ではどうしても私ども納得がいかないわけです。これは今回に限りませんが、従来からしばしば私ども主張してきたことにもなるわけですが、もっともっと大幅な借り入れにすれば、かりに百億借り入れするということになれば、七十億程度の——まあ大ざっぱに言って七十億分の料金値上げが抑制されたのではないかということになるわけでありますが、そういう努力をなぜ政府としてやらないのか、私は非常に不満に思っておるわけでありますが、この点については今後どういう考えでいくのか、まずその点をただしておきたいと思います。
  194. 淺野賢澄

    政府委員(淺野賢澄君) 先生のただいまの御意見、全くそのとおりだと思いますが、ただ、私どもの郵政事業といたしまして、今回の建設勘定を見ておりますと、百七十五億の中で利益金から六十億持ってまいります。ただ、これは来年度もそうなりますが、再来年度以降におきましてはやっぱり借り入れになってくるわけであります。それで、今回の二八%前後の値上げの率につきましても、ただいまの御趣旨の線と同様に、大臣も非常に低位にするといったことで非常に努力されたのでありますが、いずれにしましても極力値上げは低くしていく、そうしてできる限り事業の安定をはかる、こういった点から、第一年度、第二年度におきましては剰余が出てまいりますから、それを建設に繰り入れまして、極力損益勘定における支出を押えてまいりたい、こういった配慮があったわけであります。それで、借り入れ金でできるだけいくべきじゃないかという御意見、まことにごもっともでありまして、その点につきましても、ただいま大臣が申し上げましたように、非常に努力はできる限りいたしました。それで、百七十五億という、例年に比べましては、大きなワクの中では、少のうございますが、値上げの直後におきます三十億といたしましては、これは相当大きな幅ではないかと考えております。それからまた、外国の状況でいきましても、これはよいか悪いかは別といたしまして、建設投資をできる限り借り入れではまいりますが、ある部分におきましては、たとえばイギリスにおきましては、八%ぐらいは料金の中において解決をしていくというのがこういった国家企業においても安定した運営方法である、こういうふうにいろいろいま討議をされておるようであります。イギリスも二、三年前からそういう方針をとっておるようでありますが、今回の中にはそういった形では入っておりませんが、ことしと来年ぐらいはそういった線で結果的には利益金を持ってくることができる。しかし、二年ほどたちますと、やはり先生のおっしゃいましたような借り入れ金を今度は主体にしていくように相なるんではないか、かように考えております。
  195. 永岡光治

    永岡光治君 なおふえんして申しますと、私は郵政事業近代化の中の大きな柱にやはり局舎の整備という問題があろうと思いますが、現在の局舎の状況を見ますと、特に特定局あたりを例にいたしますと、四十年三月末現在で総数は一万四千八百九十三局、そのうちで国有の局舎はわずかに千三十五局という貧弱な状況です。しからば、借り上げ局舎で相当りっぱなものになっておるかというと、そうではないのでありまして、私のこの資料が十分であるかどうかは知りませんが、私の調査によりますれば、三十一年経過したものが約二五%に達しておる。五十年以上の局がまだ八百二十五局あるという状況ですね。そういう郵政事業近代化という立場から考えてみましても、この局舎、つまり事業の運行される入れものになるわけですが、その大切な入れものがこういう状態に放置されておるということは、局舎の予算を大幅にこれを獲得いたしまして、そうしてこれの整備に当たらなければならぬと思うんでありますが、それはいまの説明によりますと、本年度でもわずか三十億の借り入れだということなりますれば、まことにこれはゆゆしし問題だと思うんであります。そこで、いま経理局長の答弁によりますれば、将来は借り入れた重点を置く方向でなければならぬということでありますが、これは来年度あたりは大幅な局舎資金の借り入れを行わなければならぬと思うんでありますが、その辺についてのもう少しはっきりした政府見解をただしておきたいと思うんです。もちろんこれは相手のあることでありまして、財投全般の問題でありましょうけれども、国家事業ということであるならば、もっともっと積極的に政府みずからがめんどうを見るべき問題である。特に財投の資金郵政事業によって財源が大幅にそれをまかなわれておるということであれば、なおさらのことだと思うんでありますが、その辺の来年度以降における展望と申しますか、何かお持ちであるわけですか。それともただばく然と、ことし三十億でいくんだと、来年度は百億でいく、次年度はどうするという計画はないんでしょうか。行き当たりばったりで、そのつど予算当局、つまり大蔵省当局と折衝してきめていく程度のものなのか。それとも、もう少しはっきりした何年計画があって、そういう展望のもとに折衝を続けようと考えておるのか。その点を明らかにしてもらいたいと思う。
  196. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 局舎の計画につきましては、先生も御承知のとおり、昭和三十六年度を初年度にします五カ年計画を策定いたしまして、当初、普通局百五十三局、特定局五百六十局を建設することにしてやってまいったのでございますが、一応五カ年経過いたしました昭和四十年度で言いますと、普通局舎新増築を百七十一局、特定局五百十五局でございまして、面積では、ほとんど一〇〇%に近く実施いたしました。全額でも八〇%、当初きめましたものの八〇%程度は一もらっておりました金額の八〇%程度の額で一〇〇%近く面積を確保することができましたのは、主として土地の交換等によって、ある程度経費を節約することができたわけでございますが、そうしてまいりましたのでございますが、ただいまの時点に立ちまして今後の問題を考えてみますと、昭和四十一年度以降のことを考えてみますと、まず普通局につきましては、御承知のような東京、大阪におきますさらに大集中局、小包あるいは大物の郵便局は一応予算的には終わりまして、あと引き続きまして、東京と大阪に一カ所ずつ大集中局をつくる。あるいはまた、近郊地を中心として集配普通局を新しくつくっていく。次は、普通局に昇格する予定の局を新築する。その他、業務量増加して狭過ぎるとか、老朽になった普通局等を合わせまして増築を行ないまして、四百一局ばかり今後五カ年に新増築してまいりたいというものがございます。  それから特定局舎につきましては、総体としての数は相当ございますが、そのうち、現在国有局舎であって、非常にひどくなっているもの、それから総定員二十五人以上、あるいは郵政定員二十人以上の相当規模の大きい局で建てかえを必要とするもの、それから観光地、へき地その他特殊事情があって、私費で建てることを期待し得ないもの等、合わせまして六百局を国の手によって建ててまいりたい。合計今後五年間に一千局、普通局、特定局を合わせまして一千局を建てていくことといたしまして、その初年度が、先ほど大臣、経理局長が御説明申し上げたようなことになっているわけでございます。前年度からの継続の分も引いておりますために、新築の数、着手する数というものは、それほどふえておりませんが、今後、先ほど申し上げましたような局について、五年間やってまいりたい。そのほか、なお集配局八百七十局、無集配局二千三百三十局、合わせまして三千二百局ばかりの特定局につきましては、国費以外の方法、私費あるいは互助会建築等によりましてこの改善をはかることとして今後取り進める所存でございます。  なお、財源等につきましては、これまた経理局長から申し上げたいと存じます。
  197. 淺野賢澄

    政府委員(淺野賢澄君) 先ほど申上げましたように、二、三年先からは借り入れを金を主体にしてやってまいるようになると思いますが、それプラス減価償却と、それから貯金と保険の負担金、これが主体になっております。それで、ただいま郵務局長の申し上げましたように、建てかえてまいります計画を早めてまいりますと、今度は借り入れ金のワクが相当ふえまして、もし国費でやるといたしますと、結局、償還の問題が出てまいりますし、料金体系自身がまた非常にひびが入ってくるわけであります。したがいまして、これはやはりかね合いの問題でありまして、でき得るなれば借り入れを極力いたしまして家賃でできる限りまかなってまいりたい。そして穏当な幅におきまして国費でやってまいりたい。また、財投の借り入れのワクの問題と申しますよりも、結局、将来の償還とか、こういった問題を考えますと、その辺にどうも一つの懸念があるように考えられますので、そういう点でよい方法を検討してまいりたい、かように考えております。
  198. 永岡光治

    永岡光治君 私は、この事業近代化について積極的に取り組んで、ただいま今後の五カ年計画について説明がありましたけれども、そういうものについて借り入れでやりましたと一それでは、いま申し上げるとおりの償却のかさんでくる年次がくると思うのです。したがって、その段階になってこれは料金の値上げ以外に方法がないのです。国民に了解を求めるということになれば、これはおそらくその段階になって、こういう努力までやったけれども、もはやもう方法がないということであれば、世論の協力を得る上においても迫力が出てくるのじゃないかと思うわけです。そういう意味で、ただ近代化についてもあまり積極的でないし、その財源の措置についてもいいかげんと言っては申しわけないのでありますが、その場限りのことで済ましておくということであれば、これまた、いつかまたどうせ料金値上げというのは、このままでいけば間近になるでありましょうが、その際になっても料金の値上げについて国民が反対することは当然で、だれしもこれは反対するわけでありますから、そういう努力がなされて、展望というものが明確にされないところに問題があるわけでありますが、本日の問題とするところは、私は、こういう固定資産については借り入れでやってもらいたい、そういうことを要摂しているわけですが、計画は二、三年後に借り入れに重点を置きたいということでありますが、言ってみれば、明確なここで計画が出てこないと、この場での答弁ができないというわけでありますから、これは近いうちに明確にしていただきたいと思うのです。そういう年次計画を立ててこそ、初めてここに了解を得る方法も出てくるだろうと思うのです。それをひとつ要望しておきます。  それから料金の値上げの幅をもう少し抑制できる努力はなされたのではないかと思うのでありますが、いやずいぶん努力をしました、しかし事ここに至ってはということでありますが、その中で、三種以下の問題についても、いまお話がありました料金改定の案を、要すれば、現行の二円が三円で、一円の値上げで了解しておりますが、そういうことですね。一円ですね。これなどはなぜ一円にきめたのかという理論に発展をしなければならぬと思うのでありますが、いま第三種の現在の収入、それからそれに対する一円の値上げの幅、増収分、これは幾らになりますか。
  199. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 第三種の規行収入によります収入見込みは、四十一年度におきまして二十七億一千六百万円、七月一日から料金を改正いたしました場合の収入が三十三億四百万円、差し引き五億八千八百万円収入増加する見込みでございます。
  200. 永岡光治

    永岡光治君 平年度収入は幾らになりますか、三種以下、平年度は。
  201. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 平年度はこれに一億五千万円加えた金額、約七億三千八百万円ということでございます。
  202. 永岡光治

    永岡光治君 私は、第三種郵便物の使命というものを十分に了解した上でなおかつこの質問を続けるわけでありますが、私はこれは低額に過ぎると思うのです、率直に申し上げまして。おそらく、郵便局の現場を視察されたらわかると思うのでありますが、第三種以下の郵便物の量の多いこと、非常に多いのです。しかも、これは新聞等が相当な分野を占めておりますが、確かに、新聞というものの公共性は私も否定いたしませんが、それでは新聞というものについてもう少し政府は検討したことがあるだろうか、その一点としてお尋ねするわけでありますが、いま新聞社の配当は一体どのくらいになっておりますか。
  203. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 実は私その点存じません。
  204. 永岡光治

    永岡光治君 これはそういうことを調べてもらわなければ、はたして一円の値上げでいいのかどうかということにならないと私は思うのです。新聞社等が経費の節減をやる、そうして、ぎりぎりまでやったけれども、なおかつ経営ができないというのであれば、これはやむを得ないと思いますが、配当を、かなり一般の銀行預金の利子よりも大幅な配当をしておいて、それだけの収益をあげておいて、なおかつその犠牲を貧弱な財政の郵政におんぶするということは私はけしからぬと思うのです。それであるならば、料金を倍にしてでもその分はみずからの収益で負担すべきだと思うのです。これは当然な行き方だと思うのですが、それすらやっていないというところに、やはりほんとうの努力はされていないと思うのです。  それから、これは新聞の収益とも関係がありますが、同時に、新聞の持つ公共性とも関連があるわけでありますが、三種の認可は、御承知のとおり、全紙面の三分の一という制限があるはずでありますが、最近御検討なさったことがありますか。最近、新聞でみんな全紙面の三分の一になっておるかどうか。
  205. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) ただいまのお話は、広告の比重でございますか。
  206. 永岡光治

    永岡光治君 そうです。
  207. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 広告の比重、割合は、最高限度現在内規で四〇%ということにしておりますが、最近の広告は、その実態がだんだん変わってまいりますのと、それから従来広告に入れたもので、それが妥当であるかどうか、考え直さなければならないような、たとえば商法上新聞紙に掲載することが必須条件、義務となっているような、そういうもの等がいろいろございまして、広告料についても数年前から、たとえば繁忙期とか、いろいろな季節等によりまして五〇%までは最高限認めているような状態でございます。実際、外国の例などにおきましても、広告の占める率が少しずつ増してきているように承っておりますし、そのように大体取り運びたいと考えているわけでございます。
  208. 永岡光治

    永岡光治君 これはもう少しやはり検討してもらいたいと思うのです。私も念のためにときどき検討してみるわけでありますが、広告で非常な増収をはかる一つの方法だろうと思うのでありますが、それはそれとして、企業の方針ですからやむを得ないと思いますけれども、相当な増収をあげている。そういう増収をあげている新聞を、なおかつ一円くらいでとどめ置くということはいかがなものだろうか。しかも、これは取り扱いに要する経費等はばく大なものになるわけですが、そういうものまで郵政事業というものが負担をしなければならない理由があるだろうか。特に私は、最近のテレビなりラジオの普及状況が一〇〇%近い状況になってまいりますと、新聞の報道機関として持つ使命というものは、もちろん、これはテレビと新聞とでは内容が違います。違うと申しますよりは、広範多岐にわたっておりますから、一がいには言えませんけれども、どうしても私は、新聞の二円が一円だけ上げて、これだけで一般の他の普通の通常料金なりを引き上げて、それに一般の人に負担をかけるということは、どうもこれは私は了解に苦しむのです。ですから、その辺のところは遠慮なく言ってもらいたいと思うのです。私は、報道機関であるからということで何も遠慮する必要はないと思うのです。新聞のみずからの料金はだまって上げておいて、少さく二、三行で、いつから料金を上げますというようなことで、かってに上げておいて、さて郵便料金が上がるということになると、えらいかねや太鼓をたたいてこれに反対するということでありますが、そういう企業の実態なり収益の状況を見た上で、これは公共事業の一端でありますから協力するのは当然でありますけれども、私は行き過ぎのサービスをする必要は豪もないと思う。しかも、このことが料金の値上げによって一般大衆にかかるということなんです。これは新聞で負担をするか、一般の郵便を差し出す料金で負担をするか、一般大衆にしてみればそう変わりがない、これは大都市では配達が直営でありますから、それは一般の料金ということであれば、なおさら一般の人は負担が大きくなるわけですが、この辺のところは、十分ひとつ検討してもらいたいと思いますが、どうですか、この努力はやはりなされていないと思いますが。
  209. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 実際の状況は、三種の郵便料金の負担は読者がしているのが多いようでありまして、お話のように、コストと料金の比率は、三種の収入というのは少な過ぎるというような感じもいたすわけでありますが、従来からのいきさつ、あるいはまた、新聞等の何といいますか、公共性と申しますか、そういうようなものなども考慮いたしますと、二十三年から一円でございましたのが、三十六年に二円になり、今回、基本額が三円になったというようなことで、コストとの比較では、お説まことにごもっともであります。文化的な意義とか、従来の経過とか、そういうようなことを考慮しますと、そういう従来の経過等からいたしまして、基本額三円というようなことにいたしたわけであります。案をつくったわけであります。
  210. 永岡光治

    永岡光治君 はがきが今度は二割の大きさの拡大があったにいたしましても、これはわずかなものだと思うのですが、形量とかその他見ますと。そこで、新聞の原価計算とはがきの原価計算をしてみたことがございますか。もし、そういう原価計算をしておれば、ここで明示していただきたいと思います。
  211. 淺野賢澄

    政府委員(淺野賢澄君) 三十九年度の決算を中心にして出しました原価を申し上げますと、新聞が十一円三十六銭になります。それから、はがきは五円八十六銭になります。
  212. 永岡光治

    永岡光治君 いまの原価計算のしかたにも、これはいろいろとり方があるだろうと思いますが、これはおそらく、原価計算というのは、決算をもとにして計算したというのですが、この原価計算のやり方はどうなっているのですか、かかった総額をここで見るわけですか。私の言いたいことは、山の奥まで一通運んでいるのです、新聞配達のために。もしそういうものの原価計算と一緒にされると、どうも私はおかしいと思うのでありますが、この開き以上の開きがあるのじゃないかと想像いたしますが、これはどういう計算方法なんですか。
  213. 淺野賢澄

    政府委員(淺野賢澄君) 場所によりますと、先生のおっしゃいました点は、おそらく相当山の中をごらんになったのだと思います。その点を見ますと、新聞におきましても、はがきにおきましても、二十円、三十円、場合によっては一通が四十円という非常に高いものになっております。原価計算の出し方は、いまおっしゃったような管理費用、これは別にいたしまして、現業におきます費用を、服務時間と通数と、こういったものから出してきております。したがいまして、最後に決算上出ました全体のお金をそれに割りつけてまいりますから、一通当たりの平均費用としましては正確なものが出てまいっておるわけでありますが、ただ、一種、二種のほうの数が多うございますから、こういった結果に一応なるんじゃないかと思います。しかし、一通当たりに対するコストとしましては、大体平均としましては、こういうところにまいります。ただ、場所によりまして、山の中を見てみました場合に、一人の配達さんが五十通ぐらい持っていく、そうして、そのうちの半分が新聞である、こういたしました場所におきましては、新聞にかかっておる費用が非常に高いものに相なっておるわけでありますが、全体に割ってまいりますと、服務時間から全体に割った新聞の通数等から出してまいりますと、大体こういうところに落ちつく次第でございます。
  214. 永岡光治

    永岡光治君 これはとり方によっていろいろ違いますから、ここで論議をしても当たらないと思いますが、ただ、観念的に言いますと、あれだけの大きなものを、しかも、これは毎日配達するわけですね、新聞というのは。ところが、通信量おそらく毎日一通はないと私は思うんです。特に、新聞を郵便で出すのは地方が多いわけですから、そういたしますと、なおさら一人当たりの普通はがきとか手紙の通信量というのはそんなにない。ところが、いなかのほうに行きますと、相当のこれは部数が出ておると思うんですね。そういう観点からいたしますと、もっともっと原価計算は高いものについておるのではないかと思いますが、これはまた後ほど資料をいただいて検討していきたいと思いますが、それにしても、いま三十九年度の例でありますが、一方は三円ですから四分の一です、二割五分。一方は割引どころか逆に七円になっているわけです。こういうところを見ても、私はあまりにも、あそこは営利事業と見ても差しつかえないと思うんです、ある意味では、三種以下を出すものについてですね。そういうものについてわずか一円。ところが、このたびのはがきは五円に対して二円ですからね。やはりこの上げ幅を考えてみますと、これはどう考えてみても、私は、第三種以下に対する、特に新聞に対する取り扱いというものが不公平であると思うので、これはぜひ再検討してもらいたいと思うのですが……。私の主張して言いたかったことは、相当な収益をあげているにもかかわらず、なぜその事業を一般国民大衆の料金の負担の犠牲においてまでめんどうを見なければならぬ理由があるのか、その点についても十分検討をしてほしかったということでありますが、十分にこれは検討してもらいたいと思うのです。  それからいま一つは、部内においてもまだまだ支出について再検討すべきものがあるのではないか。特に、特定局制度にもこれは関連してまいりますが、皆さんは地方においでになりますと、前もって前ぶれされるわけでありますから、特定局長さんの大半おいでになると思うのでありますが、私ども、地方を、いつも抜き打ちと申しますか、前ぶれなしに回ってまいりますが、まず相当数の局長さんは不在です。相当の、そして高給な給与を取っているわけでありますね、御案内のとおり。ああいう制度をもう少し改めたならば、相当な、これはまた私は料金の値上げについても制約ができたんじゃないかと思うのでありますが、そういう努力をされたことがありますか。つまり、勤務成績等の状況を見たことがございますか。そして、いまのような高給を払わない、たとえば普通局でありますか、主任かそこらぐらいのところで私は十分やれると思うのでありますが、むしろ手足まといになる局長さんもかなり私はあると思うが、特に部外者からの任用の方が相当多いのでありますが、そういう面についての検討をされたことがありますか。
  215. 曽山克巳

    政府委員(曽山克巳君) お尋ねの点につきましては、まず私ども特定局の仕事をスムーズに行なわせまするために、特定局業務推進連絡会というのがございまして、その役員等になっております局長につきましては、正式の出張を認める場合、また、休暇等によりましてお互い相寄りましてそれぞれ業務の推進を協議するというような例も多多あるわけでございまして、これは業務上必要なことからいたしまして、私どもはその点むしろ積極的に認めておるわけでございます。したがって、そういう場合におきましては、これは不在と先生のおっしゃいます——行かれました場合に、たまたまそのときおならかったということは、公務上の必要から不在であったわけでございまして、私どもとしましては、特に不在局長だという責めを負わすわけにいかぬと思います。しかし、先生御指摘の第二点と思われます兼業兼職関係がございます。これにつきましても、すでに御案内と思いますが、国家公務員法の百三条、あるいは百四条で、それぞれしかるべき制約がございまして、当然上司の承認を、郵政局長の、あるいは大臣の承認を得ることになっております。それぞれの業種も、最近におきましてはきわめて限定的にやっておりまして、したがって、業務に阻害があるというような実態はないと思っております。なお、そのほか、勤務成績が、たまたま局長の心がまえによりまして悪いという者が中にはあるやしれずとも思いまして、私どもといたしましては、絶えず十分な監督を加え、また、通達等出しまして、国家公務員としまして職務に専念するような、義務を十分遂行するよう、指導いたしておるつもりでございます。
  216. 永岡光治

    永岡光治君 これはたまたまある一回の、私が地方へ出たときにそういう現象起きたということじゃなくて、私が地方に出て回るつど、まず三割以上は不在の局長です。おりません。その一回だけじゃないんです。私は一年間に何日も、数十日出ますが、そのつど、そういう状況です。それで業務が運行できるというのであれば、これは少しむだな任用の方法だと私は思うんです。それはもう改めてもらわなければ困ると思う。これで国民に迷惑かけるわけですから。だから、いまお話によりますと、いろいろ会議のために出払うこともあるだろう、それも私は認めますが、特定局長なるがゆえにそうたくさんの会合をもしやらせているとすれば、そうやらせる必要は私はないと思うんです。普通局長程度でけっこうだと思うんです。小局ですから、そんなにたくさん会合やる必要は私はないと思うんです。それこそ、出張旅費その他でむだな経費を使うだろうと思うんです。だから、もう少しその点での努力は、やはりその点でもないがしろにされているんじゃないかと、ほんとうに料金の値上げをここまでしなければならぬということであれば、あの点も検討いたしました、この点も検討いたしました、そうして、あらゆる点を検討したけれども、やむなくここまでしか結論が出ない、これ以上どうしてもまかなえないので、これだけの料金の値上げをということであれば、これは国民としても理解ができると思うのでありますが、そうじゃなくて、努力することは怠っておいて、放任しておいて、ただ料金の値上げだけで、安易な気持ちでおるということになると、これはたいへんだと思うんです。だから、この点についても郵政当局のやはり努力が足りていないと思うんです。こういうことを考えますと、私はひとつ今度の料金改定について、いま政府は提案されておりますけれども、今後におきましても、十分この値上げの幅なりその他については、慎重の上にも慎重を期してもらうことを要望しておきたいと思うんです。  そこで、第二点に入るわけでありますが、かくして料金の値上げをあなた方は提案されておりますが、それでは、料金値上げによって国民はどのようなサービスの向上を受けるのかという問題にならなきゃならぬと思うのでありますが、郵政当局、これは大臣に特に私はただしておきたいと思うのでありますが、通信にはそれぞれ体系がもちろんあるわけですね。電話あり、電報あり、郵便あり、郵便の中にも速達あり、いろいろありますが、そういう郵便というものの送達の速度と申しますか、必要にしてかつ十分というのは一体どの程度を考えておいでになるのか、これをひとつ私は伺わしていただきたいと思うんです。
  217. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 一挙に日本全国さようにそうなるということはなかなか期待できないと思いまするけれども、とにかく、主要地間においては、その日の夕方に出したものは翌日は送達される、また、自県内あるいは隣接県の間ではそうありたい、したがって、その程度のことは、あとうべくんば、本年、航空機の搭載をいたしまするとか、専用自動車便を増強いたしますとか、こういうことで果たしてまいる、そうして目標はどこまでも翌日送達ということを可能にするということで、ただいま申しました主要都市間でありまするとか、近接県の間以外にも進めてまいる、そこにどこまでも私は目標を置いてまいりたいと思っております。
  218. 永岡光治

    永岡光治君 これは通信ですから速いにこしたことはないわけでありますが、私はやはりここで一つの国策と言ってはたいへん大げさな言い方でありますけれども、一つの目標がなくてはならぬと思うんですね。たとえば全国、東京、名古屋、大阪、北九州、札幌、仙台あるいは新潟等があるわけでありますが、そういう重要都市における一体郵便というものは速いにこしたことはないけれども、必要にしてかつ十分というものは一体どの程度であろうか、それを実現するためにはどういう施設が必要であるか、どういうそれには経費がかかるかということで、郵便の料金もおのずから決定されてくると思うのでありますけれども、そういうものを策定をしておいでになって、その目標に向かって五カ年計画なり十カ年計画をもって進めておるのかどうか、これは国民の知りたいところだろうと思うのです。
  219. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) お説のとおりでございまして、実は、先ほども鈴木先生からの御質問の際にもう少し触れましたのですが、私ども、全国各地域の間に郵便が正常に運行されますならば、どこからどこまでは何日に着く、どのくらいの時間で着くという基準は持っているわけでございます。先ほどもちょっと申し上げましたが、なかなか基準どおりにいかない事情というものもございますが、今回の料金改正によりまして必要の財源が得られ、それを裏づけとしましての四十一年度予算というものが実施し得ることになりますと、郵便速度にいろいろ関係いたします要員も、まずまずの数だけ確保できることになります。局舎につきましても、まだこれからの問題もございます。が、従来のも相当伸びてまいりますし、そういうような関係からいたしまして——ちょっと申しおくれました、そのほか、郵便用の機材につきましても、機械化経費等につきましては、ほとんど私どもの要求が四十一年度におきましては全部に近いくらいいれられているわけでございまして、人的物的な施設といいますか、必要なものが、人的物的に必要なものが大体充足されるということにもなりますので、郵便のスピードという問題について障害になっている個所について必要な手当てをそれぞれやっていくこともできるかと思います。なお、昨年度から特に力を入れて実施しておりますが、郵便業務の正常化、郵便郵便らしく扱う、人の魂のこもった郵便物らしく扱うという運動、非常にこれはもとより当然のことでありますが、特に強くその運動を展開しているわけでございますが、そういうようなものと相まちまして、まず基準どおりの郵便の運行を確保するということを第一にいたしたいと存ずるわけでございます。  さらに、先ほど大臣も申し上げましたように、東京、大阪を中心としまして、とりあえず全国の県庁所在地程度との間を、その日の夕方までに出されました郵便物が翌日中に配達できるようにする、将来航空路線の発達その他の問題と相まちまして、その地域も広げてまいるということと、また同時に、府県庁所在地との間の翌日送達と並行いしまして、自府県内、近県相互の翌日配達ということも、運送便の増便等によりまして、これを実現してまいりたいと思うわけでございますが、さらに、少しくこまかくなりますが、現在いろいろ考えられ実行しかかっておりますものは、たとえば東京都内に二方面ポストを去年の秋から置いております。これを東京、大阪、名古屋の全都市のポストに、ここ三年のうち、四十年度、四十一年度、四十二年度、三年のうちに主要なポストは全部二方面ポストに取りかえまして、まず都内と地方との第一段階の作業を省略できるようにいたしたい。それから取り集め便にいたしましても、現在特定集配、特定取り集め、いわば臨時措置のような形でやっておりますものも、これも本便化いたしまして、便数もある程度ふやしていく、夜の汽車あるいは飛行機に対する結束がしっかりやれるように、特殊便の本便化もいたしたい。それから、一、二種の航空搭載並びに自府県内、近県相互の自動車便の増便をいたす。制度の上からいたします一種、五種の統合によりまして、印刷書状、一種とほぼ同程度の速度を必要といたします印刷書状が現在五種、三種以下の扱いになっておりますものを、高等信の扱いにしてまいる。それと関連いたしまして、料金割引制度を実施させていただきまして、全体のスピードを上げてまいるということ、それからまた、特殊料金、特殊郵便物につきましては、簡易書留の制度を設けまして、全体としての手数を省き、ことに小包などで相当簡易書留が多くなるのではないかと予想しておりますが、全体の手数を省いてスピードアップできるようになるのではないかと思います。  そのほか、各種の機械化、窓口の機械、局内機械あるいは外勤の機動車化、そういうようなものも計画的に実施してまいることによりまして、先ほど申し上げました業務正常化運動と相呼応いたしまして、基準の順守、あるいはさらにスピードアップということを実現することができるのではないかというふうに考えているわけでございます。
  220. 永岡光治

    永岡光治君 いま、るる御説明がありましたが、それを何年計画で大体まあ、俗なことばで言えば近代化と申しますか、近代化を含めた郵便の送達の速度、そういうものについての青写真というものをお持ちになっているわけですか。大体なるならぬは、それはそのつどの予算の制約もあるでありましょうけれども、大体五年後にはこういう状態に置きたいのだというような青写真をお持ちでございますか。
  221. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 郵便の速度、特にそのうちの基準速度を守るという問題につきましては、これはもう平常も努力していることでございますが、さらに、利用者の料金負担も多くなる実情でもございますし、また、財源も得たことでございますから、特に昭和四十一年度におきましては、最重点事項として、ことばはあまり適当でありませんが、背水の陣をしいたというようなつもりでこれに取り組んでまいりたい、四十一年度中にも相当の成果をあげてまいりたいと思っておるわけでございます。それから四十一年の、ことしの十月から航空搭載は実施してまいりたい。実施に関連して若干それが軌道に乗りますまでの期間はあるかと思いますが、これもまあおそくも明年の前半——四十二年の前半ころにはひとつ安定した形にこれを持っていかなければならないのではないかというふうに考えているわけでございます。なお、スピードについては、ただいまそれ以上のものを、はっきりした大きなものとしてそれ以上の計画をただいま持っておりません。いま申し上げました事柄をいわば業務の内部に定着させると申しますか、そういうことを当面の目標にしているわけでございます。なお、しかし、年々、物数もふえてまいるわけでございますし、そういうものを円滑に処理するためには、そのほかの増員とか、あるいは機械設備、機動車、そういうようなものが相当要るわけでございますので、これらにつきまして、特に機械設備、局内の施設、窓口の施設、機動車等につきましては、大体当面五年くらいを目標にいたしまして、五年たったころには一つの姿ができるというふうに考えておりますが、ただ自動区分機械等はまだ開発の段階でございますので、あと二、三年たちましてから、将来の見通しというものが出てくるのではないかと思っております。それ以外の選別機とか、取りそろえ押印機とか、そういうものについては、ほぼもう成案も得ておりますので、これから製作——機械を相当多くつくりまして職場に配置していくということに相なるかと考えます。
  222. 井川伊平

    主査井川伊平君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  223. 井川伊平

    主査井川伊平君) それでは速記をつけて。
  224. 永岡光治

    永岡光治君 それでは質問を続けます。  国鉄、それから電電公社、それから郵政、これは三現業の主たるものですが、この郵便の持つ使命、それから国鉄の持つ使命、それから電電公社の持つ使命、やはりそれぞれ同じ公共性の中にも違いは私はあると思うんですね。ところで、それぞれ相当の近代化を進めているわけです。特に電電公社等は技術革新の点もありまして、相当長期にわたる展望のもとに政策を樹立しているわけですが、どうも私がもの足りなく感じているのは、どうも郵政にはそういう展望に基づく計画がないのではないかということを非常に不満に思っているわけですけれども、そういうものを樹立する考えはおそらく当局も持っておると思うのですが、いつごろこれができ上がるのでしょうか。
  225. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) まあ事柄が、郵便の利用関係は非常に郵政省側は受け身に立つところでございまして、自分で構想を描いて、こういうふうな作業体制をつくるとかというようなことが、どちらかといえば、比較的やりにくい仕事でございます。しかしながら、大きな大勢としましては、来年はどのくらいの郵便物が出てき、再来年はどのくらいになり、何年先にどの程度のものが要るというような構想も立てられないわけじゃ、もちろんありませんし、大数的にはそういうことが可能なわけでございますので、現在至るところで狭隘を訴えられております局舎等につきましては、もっとよほど前から相当の財源を用意して準備すれば、今日のような日にあわなかったということも申せないこともありません。従来財源のこともございましたし、また、私ども部内の見通しが少し誤っていたということもございまして、局舎などは三十年から立てました計画を、三十六年からまたさらに拡大してつくり直すというようなことにもなりましたが、三十六年以後建てております局舎につきましては、もう将来の見通し等も相当しっかりつけてありますので、それ以前の三十年前後までの局舎のように、新築されてすぐ翌年あたりもう狭くてかなわぬというような局舎はほとんどなくなってきているわけでございます。あと他のほうは作業の主体がほとんど人力に依存しなければならないということからいたしまして、これは私どもが申すと、たいへん、なんでございますけれども、いまの時勢ともからみ合い、なかなかしっかりやっていくのに問題の多いほうの性質の事業かと思いますが、しかし、そういう事業をお預かりしてやっていくにつきましては、それだけ他の一般の事業よりも人事管理、いい人を集めこれを訓練し、これをしっかり作業させるということについて、世間の、この社会の中で非常にすぐれたほうのものになっていかなければ責任を果たすことができないことも当然でございまして、そこらの点につきまして、まだ至らない点が幾つかありますことは、いろいろな機会に私どもも承っているところでございます。しかし、省内関係の向きと心をあわせて一体になりまして、相当努力はいたし、不十分ながらも若干の成果はあがっているのではないかという感じもいたします。昭和三十四年ごろから六年ごろにかけましたような遅配の日数の激しさというようなもの、ほとんど年じゅう慢性的な遅配の症状は、非常に現在では、かなり部分的な現象になっているわけでございます。ただ、東京都内あるいは近郊の普通局等におきましては、外勤の三割何分、四割近くが経験年数二年とか三年未満というようなところもございまして、そういうようなところにおきましては、まだ訓練不十分、あるいはまた、管理者の陣容が充実してないことのための職場の規律と申しますか、訓育等に届かない面があったりいたしまして、先ほどもちょっとお話がございました粗暴な扱い方をする、あるいはしっかりしたサービスができないとかいうこともまだある次第でございます。先ほど私は料金改正になります上はということも申し上げましたが、もうそればあまり適切でございませんし、内部的にはこれを一つの機会として利用するという意味ではいろいろ使いますが、そういったこと等と関係なしに、熱烈なる努力を傾けてまいるべきことは当然でございます。今後とも御叱正、御指導をいただきたいと存じております。
  226. 永岡光治

    永岡光治君 尽力をされているようでありますが、料金改定と関連をして、いま予算分科会審議されているわけでありますが、私はしきりにこの青写真、青写真と、ばかの一つ覚えみたいなことを申し上げているわけでありますが、一つの必要にしてかつ十分という送達の速度を設定して、確実にそれを実現させる、そのためにはこういう機械が必要だし、こういう設備が必要だ、そのためには、これだけの経費が必要だ、そして、借り入れはこの程度だと、一般会計からの問題もあるでありましょうが、それはしばらくおくといたしまして、こうして努力してきたけれども、この程度の料金値上げはやむを得ませんということであれば、おそらく国民の皆さんも私は理解をして協力をしてくれると思うのですが、そういうことがなされてないうらみが多いと私は思うのです。中には、鈴木委員ではありませんが、どうも郵政はPRが足りないではないか、あるいは国民に対する協力体制ができていないということを言われておったのもその一つでありますけれども、早急に今後五カ年なり十カ年の展望に基づく郵政近代化、そして、先ほども申し上げましたある一定の速度は必ず確実に守っていくということを、ぜひこれは樹立していただきたいと思うのです。  そこで、その中の、やはり抽象的に言えば、近代化というのが一番大きな問題になるわけでありますが、今度料金値上げで増収になります予算の使い方を、何に一番重点を置いているわけですか。
  227. 石井多加三

    説明員(石井多加三君) お答え申し上げます。  今度の料金値上げによる増収額二百八十六億の一番大きいのは、何と申しましても人件費の増高に充てる部分でございまして、四十年度のベース改定の関係、それから不合理、不均衡の是正その他の関係経費でございます。それから、昨年度の年度当初の予算の編成のときの五十六億の赤字の解消、それから近代化関係でございまして、郵便事業近代化関係としましては、二十数億でございますが、そのほかに、郵便局舎の建設等に回します金が約六十億ばかりございます。そういった点が来年度重点的な使用額だと申し上げてよろしいかと思います。
  228. 永岡光治

    永岡光治君 今度の料金改定に伴いまして増収になるこの経費でまかなうわけですが、一体あと何年、この料金値上げで再び料金の値上げという事態の起こらない年限は、どの程度を見越しておいでになるわけですか。
  229. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 将来のいろいろなデータをどう見るかということもからみまして、たいへんむずかしい問題でございますが、郵政審議会では、三年間というものを見込みまして二九・五%の値上げを実施するようにと、そういうような勧告がございました。大体その後、政府のほうでもさらに案をつくって取り進めてきておるわけでございますが、現在政府が非常に力を入れて取り組んでおります景気の回復あるいは物価の安定というようなものを考慮し、それらが相当程度今後の収支の状況、景気の回復に伴い収入が相当増加する、あるいは人件費を主とする経費等が、非常に今後の騰貴率が小さくて済むとか、そういうようなことも考え合わせますと、三年以上五年くらいまでもち得るのではないかというように考えている次第でございます。
  230. 永岡光治

    永岡光治君 三年以上五年程度まで大体もてるという見通しのもとに今回の料金の値上げを行なったということでありますが、それはこの物価の上昇というものは、経済企画庁で発表されておるものを基礎にされておるわけですね。それからいま一つは、先ほども問題になりましたが、人件費が相当の分野の割合を占めておりますが、その人件費は、現状のままという観点ですか。大体どの程度年間ベースアップをするという観点からして、三年ないし五年という考えの答弁をされておるわけですか。
  231. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 収入の面に一番大きな比重を占めますのは郵便物数の動向でございます。郵便物数の動向は、昭和四十一年度を、前年度に比較いたしまして四・五%増加するものというふうに考えました。それに若干の利用減を考慮いたして算定いたしました。値上げがあるものといたしまして、若干の利用減——これは通常郵便物で年間一%、七月からでございますから、〇・七五%、小包郵便物につきましては四%、それから年賀郵便年賀はがきにつきましては、大体六%くらい四十一年度は落ちるというようなことを考えまして九十九億余り、約百億に近い数字を予想いたしました。四十二年度におきましては、利用減はなくなって戻るということ。四十一年度に比較して四%程度の郵便物の増加があるというふうに考えます。四十三年度におきましては、ある程度景気の動向等も変わりまして、また、私どもの郵便正常化の努力も相当実りますことも考え合わせまして、四・五%程度の郵便物の増加があるものというふうに考えました。  支出の面におきましては、四十一年度、四十二年度、四十三年度、それぞれ人件費につきましては、七%程度、定期昇給を込めまして七%程度上がるものとして計算しております。それに必要な増員を見込んでおります。年々郵便物の、増加する郵便物を処理するのに必要な人員をある程度見込んで算定したわけでございます。物件費は大体そう値上がりを見込んでおりませんが、集配連送料とか賃金とか、あるいは請負料とか、そういうものにつきましては、ほぼ人件費の半分程度が上がるというふうに見込みまして算定をしたわけでございます。四十四年度以降につきましては、これは先ほども申し上げましたような状態でございまして、景気がどの程度回復するか、あるいは物価がどの程度安定するかということにかかわってくるわけでございますから、もしも景気の回復が非常に相当の程度で行なわれるということがあり、他方、物価も安定して人件費等も年々七%も見ないでも済むというような事情が重なりますことも考慮いたしますならば、四十四年度、四十五年度程度も、相当の企業努力と相あわせまして何とかやっていけるような状態になり得るのではないかというふうに考えておるわけでございます。
  232. 永岡光治

    永岡光治君 景気の回復にかなり利用増を見て期待をしておるようでありますが、それは景気が回復いたしますれば利用増はかなりあるだろうと私も思いますが、その反面、今日の経済情勢からいたしますと、それに並行して私は物価が上がることは間違いないと思うのですね。物価が安定をしてという前提は、全く景気がよくなることと物価が安定するということは、ちょっと私はいまの経済状態で望むことは無理だと思うのですね。そういう観点からそういう計算をされるとすれば非常に危険だと思いますが、いずれにいたしましても、しかし、これは私どもの見解——両者の見解の相違ということになるでありましょうが、そこで、一応そういう計画を立てておるということを前提にしてこれからひとつお尋ねをしなければならぬ問題でありますが、請負料の問題は、ちょっと先ほど触れられましたが、請負料の問題に入る前に、実際の予算の成立と、予算の成立で使用される実行計画との間の、これは間々あることでありますが、相当の実行予算を組みかえるということになるだろうと私は思いますね。特に予算成立の単価の問題と、実際の実行単価と、ずいぶん私は開きがあるのじゃないかと思いますが、そうなりますと、たとえば局舎一つ例をとりましても、この単価のもとで何局、何坪——平方メートルということでおそらく予算が成立していると思うのですが、そのまま実行はできないだろうと私は思うのですが、その自信はありますか、予算どおり局舎が……。
  233. 石井多加三

    説明員(石井多加三君) ただいまお尋ねの局舎の建築関係につきましては、予算と実行と必ずマッチさせて行なうことができる予定でございます。
  234. 永岡光治

    永岡光治君 予定だけれども、いまだそういうことにはなっていないのじゃないですか。予算成立した当時の局舎のとおり、何局の数と、その坪数とが、予算成立のまま実行されていないのじゃないですか。されておりますか。
  235. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 郵便関係の機材等につきましては、ほとんど予算どおり実行できるかと思っております。なお、よく例に出されますのは賃金でございます。アルバイトの経費でございますが、これが予算の成立単価よりも安く使われているという話を、特に地方へ参りますと私どもも聞かされ、また、その他のいろいろな機会にも申されるわけでございます。これにつきましては、日雇い労務者の健康保険の関係もございますし、それからまた、第一線で示された定数よりもなるべく多い頭数を使いたがるというようなこともございます。したがいまして、中央から出ますときも、成立単価がそのまますぐ使えるという形でいかない場合もございます。しかし、その程度はもうだんだん年々予算単価に近づいてきているように考えております。
  236. 石井多加三

    説明員(石井多加三君) 四十一年度の建設関係予算の積算の際に、建設単価につきまして、本体工事の点で四・五%のアップを認めてもらっておりますので、ただいまお尋ねの予定の局数につきましては、大体消化できるという考えでおります。ただ、実際の局名につきましては、予定と若干変わることがあろうかと思います。
  237. 永岡光治

    永岡光治君 これはまあ各省に共通した問題でしょうけれども、予算単価と実行単価が違うために、実際の事務当局も非常に困っていることはたくさんあるだろうと思うのですが、私ども地方に参りまして、局舎の計画でもそうですが、郵務局長の答弁によりますと、最近の局舎は二、三年のうちは拡張しないでも間に合うと、こういう答弁ですが、いままでの例ですと、新築しますと、また二、三年たつと、もうすぐ狭くなるのが実例です。それが余裕があればけっこうでありますが、一定の率をかけて余裕を見てつくるはずの局舎がそういう状況でありますが、しかも、建設予算につきましては、予算に制約されまして、どうしても予算要求の坪数そのものが実行の面積にはあがってこないというのが実際の例じゃなかったかと私は思うのです。だから、その点は、もう少し予算をまじめに考えるならば、真剣に考えてもらわなければ困ると思うので、予算の単価は単価だ、実行は実行だということは、これはもう羊頭を掲げて狗肉を売るということじゃありませんが、そういうことになるおそれがあるのですが、いまお話しのとおり、局舎予算も単価は四・五%アップしたということでありますから、大体が予算成立の局舎面積はそのまま遂行できると、こういう答弁でありますが、それは確約できますか、はっきり。おそらくそれは無理ではないかと思うのですが、どうでしょうか。
  238. 奥山恒尚

    説明員(奥山恒尚君) ちょっとお答えいたします。  建築部で実行を私ども担当いたしておりますのですが、予算成立上の単価というのは、大体標準のものをもとにいたしまして予算というのができております。実行はもちろんそれに合わした各種別に応じたこまかい単価というものを制定するわけでございます。それでございますので、単価は個々にまちまちでございますが、全体の予算としての締めくくりの状態から申し上げますと、規模は絶対予算どおりの規模を下回らないようにというたてまえにいたしております。そういったことででき上がります単価につきましても、事実、相当きびしい単価であることは事実でございますけれども、実行単価をきめます段階で内容を慎重に検討いたしまして、実行可能であるという単価をもとにして組んでおりますので、その点では、現在のところではおそらく差しつかえがないであろうというふうな見通しを持っております。
  239. 永岡光治

    永岡光治君 そうであれば幸いでありますが、予算の要求の建設面積をひとつどうぞ割らないように、しかも、最初は鉄筋でつくっておったけれども、単価が足りなかったからということで、面積を合わすために木造に変えるとかいうことのないように、これは厳重に要望しておきます。  そこで、局舎の問題が出ましたが、最近の小さな局の本建築の場合ですが、私はこの段階になれば木造はやはり極力避けるべきではないかと思うのですが、そういうたてまえで今度の予算の要求をされておるのかどうか。先ほど説明のありました特定局の数が何百かありましたが、それは木造ということですね。もうこの際は本建築に移行すべき時期に来ているのではないかと思いますが、方針はどういうように考えておりますか。
  240. 奥山恒尚

    説明員(奥山恒尚君) 公共建築をなるべく不燃化したいということで、私どもとしては極力主張してまいっておりまして、大蔵省の折衝の段階でも、なるべく郵便局舎の不燃化をはかりたいということでお願いしてまいっておるのでございますけれども、大蔵省のいまの官庁営繕に対する方針というものは、三百坪以上でなければ不燃化は原則としては認めませんと、そういうことで、特殊の台風地区でございますとか、非常にアリの被害の多い地方でございますとか、そういったところの特殊なものだけは特に認める、そういう形になって、予算の段階では、そういう三百坪——坪というのはなくなりますわけでございますが、いままでのあれはそういったことで、それ以上のものの不燃化というものだけを予算的に認めるという形になっております。それで、われわれのほうとしては、実行の段階でそれを二百坪まではブロック造という形で、構造体だけは不燃化するというふうな機構的な取り扱いを在来してまいったわけでございます。それをさらにもう少し拡充したいというふうな心づもりでさらに進んでいきたい、そういうような状況であります。
  241. 永岡光治

    永岡光治君 ついでに、いま建築部長おいでになりますから、これはひとつ要望としてお願いしたいのですが、これは一つの行政の分野にわたる一つの指導方針になろうかと思うのでありますが、最近官公庁の建物ですけれども、不況の波がなかなか引きませんので、大企業が地方にずいぶん進出しているようです。政府は中小企業の倒産を防ぐのだとか、地域格差をなくす、経済格差をなくすという方針で指導しているようですが、依然としてどうも大企業偏重におちいっている傾向を私ども見受けますが、政府のほうも、官公需を率先して中小企業を守るために発注をすべきだと私どもは考えるわけですが、請負業者の指名等にあたりましては、そういう点を十分配慮されておるのかどうか、そしてまた、それを配慮する方針であるのかどうか、これはむしろ政務次官に聞いたほうがいいかと思いますが、尋ねておきます。
  242. 亀岡高夫

    政府委員(亀岡高夫君) 永岡委員の仰せのとおり、ややともしますと、いままで官公庁関係の建築関係は大企業中心になりがちであったわけでございまして、私どもといたしましても、やはり中小業者の対策としても、大企業偏重はよろしくないということで、政府も建設省が中心になりましていろいろ対策をいたしておるわけでございまして、郵政省といたしましても、できるだけ地元の中小業者も指名に入れて、そうして仕事をやっていただけるように十二分に心を配っていきたいということで、指導いたしておる次第でございます。
  243. 永岡光治

    永岡光治君 ぜひそのようにひとつやっていただきたいと思うのです。特に地元の業者の育成には、特段の考慮を払っていただきたいと思うのです。  次に、請負料の問題に入るわけでありますが、先ほど国鉄、私鉄、それから自動車輸送ということで請負料の金額も示されましたが、その中に一番問題になるのは、専用自動車業に対する請負料の問題だと私は思うのです。   〔主査退席、副主査着席〕 五十二億でしたか、約五十二億の請負料が支払われておると思うのでありますが、郵便逓送専用車の問題については、どうも一般の貨物運賃と違った特例な制約を受けていると私は思います。特に郵便物が多かろうと少なかろうと、一車を走らせなければならぬという特殊な状態にあるわけですが、しかも、それは他に兼業して収益を得る道がない業者がほとんどでありますから、そういたしますと、この請負料の算出の問題でありますけれども、いまは貨物運賃はたしか運輸省の認可料金と理解をいたしておりますが、これは当然郵政省直営であるべき仕事であるにもかかわらず、ある目的のために民間にこれを委託をしていると私は思うのですが、そうなりますと、この認可料金というものは、運輸省からはずして郵政独自でこれを考慮すべきではないか。特にこの料金の増額ないし減額、つまり、料金によって左右される一般国民の負担というものは、他の一般貨物の運賃の民間に及ぼす影響と非常に異なった性質を私は持っておると思うのですね。もちろん、請負料を増額すれば、その部分がもし料金に響くとすれば、料金の改定を行なうという理由にもなるでありましょうけれども、これは特殊な私は業者だと考えておりますので、特別な配慮をされなければならぬと考えておりますが、まず、この形式の問題ですね、これはこのままの方針でいくつもりなのか、それとも、別な郵政省特殊な認可料金ということでこれを進めようとしているのか、基本的な考えをまず私は聞いておきたいと思うのですが。
  244. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) お話のように、直営でやるという行き方もあるわけでございますが、現在相当距離が長いとか、あるいは頻度が多いとか、あるいは荷量が多いとか、そういうようなものにつきましては、請負の形でやっておるわけでございます。その際の料金の認可、現在、お話のように、運輸省の陸運局で大体やっておりますが、そういう形がいいのか、使う郵政省側で自主的にきめるやり方がいいのかという点につきましては、実は私、着任しましてからほかの問題に忙殺されまして、まだ真剣に検討をいたしておりません。ただ、先生の御期待ほど突っ込んで研究いたしておりませんが、通例ほとんど専用に使っております私どもがその料金をきめますことも、これは国民との関係、ひいては、郵便料金等にも響いてくるという意味で、いかがかというような感じもいたしますし、第三者的なものが公正に判断を下してくれるという方法は、何か残していいような感じがしているわけでございます。もっとも、第三者的な公正な判断を下すというために、いまのような形がいいかどうかという点については、さらに私自身も研究いたしたいと思っている次第でございます。
  245. 永岡光治

    永岡光治君 この郵便専用車の請負料金というのは、私から説明するまでもないことでありますが、一般貨物は、一個幾ら、一トン幾らというふうに、目方なり個数で計算されるのがたてまえでありますが、郵便に関する限りは、そういう算出方式になっていないと思うんですね。一車何キロ走ったということで幾らという、たしか請負料の算出のしかたではなかったかと思います。したがって、そういうことになりますれば、企業努力をするという分野が非常に狭い、ないしは絶無と言っても過言でないぐらいだと私思うんですね。そのために、しょっちゅう紛争が起きている、労使間に。そういうものは私は非常に好ましくないと思うんです。これは本来直営でやるべきものを民間に委託をしておるわけであります。だから、極端にいえば、決算主義で、幾らかかったから幾ら払うというのが一番理想的だと思うんですが、そうなると、全然企業の努力がないんじゃないかということになるわけでありますから、民営ということになったのでありましょうけれども、他の一般の、たとえば日通料金だとかその他の貨物運賃と同様な主管官庁でこれが認定されるということは、機動性に、何というのですか、欠ける問題があると思うんですね。しかも、その紛争によって起こる責任は郵政省がとらなければならぬということにもなるだろうし、迷惑を受けるのは国民だということになるわけでありますから、私はこれは特別な経営形態というものをこの際考える時期に来ているのではないか。しかも、こう物価がどんどん上がってまいります、あるいは経営が非常にむずかしくなってくるということになりますれば、なおさらのことだと思うんですが、早急にこの問題を取り上げて検討する必要があると思うんですが、そういう用意ないのですか、重ねて質問しておきたいと思います。
  246. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 実は専用自動車の最も大手であります日本郵便逓送会社が経営上いろいろ苦労していることは私ども承知しておりますし、その問題に関連いたしまして、ただいまお話しのような点も、今後真剣に検討してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
  247. 永岡光治

    永岡光治君 重ねて要望しておきますが、改定に伴いまして、ある種の増収はここで見込まれるわけでありますから、この際に、そういう点も考慮して、抜本的な経営形態というものをこの際考えるべきだと私は思うんです。そうでないと、いまの時代には合わない企業形態になっていると私思いますので、特にこの点は早急にひとつ検討していただきたいことを要望しておきたいと思うんです。  それから次に、先ほど私は、一体料金の増収があるのだが、これはどういうところに重点を置いて使うのかという質問をいたしましたところが、まあ、いろいろ述べられておりましたが、人件費もその中の一つでありますが、この委員会でこれを取り上げることは、適当な委員会であるかどうかは知りませんが、予算関係することでありますから、これもひとつ念のためにただしておきたいと思うのでありますけれども、いま問題になっております当事者能力という問題がございます。公務員制度審議会にこれがまかされまして、審議の対象になっていることも、私は承知をいたしておりますが、しかし、それぞれの民間の企業もどんどん賃金の値上げの要求が出てまいりますし、紛争も相当数起きておるようであります。しかも、物価は、御案内のとおり、非常な高騰を来たしておるわけでありますが、賃金の問題についてどのように善処をしようとしておるのか、政務次官のほうに、これは特に政治的な問題だろうと思いますので、この際、一言ただしておきたいと思うのです。
  248. 亀岡高夫

    政府委員(亀岡高夫君) 私、つまびらかにしておりませんので、人事局長が来ておりますので、人事局長から答弁させます。
  249. 曽山克巳

    政府委員(曽山克巳君) 一般的な当事者能力の問題はさておきまして、ただいま先生から、特に現在の郵政従業員につきましての賃金問題につきましてお尋ねがあったようでございますので、それにつきましてお答えいたします。  御案内のように、全逓信労働組合におきましては、またさらに、全郵政労働組合におきましても、すでに当局との間に団交を重ねてまいりましたが、賃金問題についての当局回答を不満といたしまして、調停を申請しております。明日第一回のそれぞれ実情調査が行なわれることになっておるのでございますが、私どもといたしましては、その調停の段階におきましても、おそらく解決を見ずに、仲裁まで移行するのではなかろうかというぐあいに考えております。ただ、私ども、両組合から要求がございました場合、その両者に若干の差はございましたけれども、いずれも昨年の、つまり、昭和四十年の十月にさかのぼって賃金の改定をしてくれという要求が一つの柱になっておりますのとあわせて、それぞれ、全逓信労働組合におきましては八千五百円の要求、さらに、全郵政労働組合におきましては定額五千円プラス一・五%でございましたか、それぞれの要求、合計いたしまして約一五%の賃上げの要求がございました。私どもといたしましては、過去すでに昭和三十九年度におきまして仲裁裁定が出されまして、したがって、四十年の四月一日以降すでに賃金のアップを見ているのでございますし、同一年度におきまして再び賃金の改定をすることは適当でないという返事をいたしましたのとあわせて、現在の状況を見ますとき、まだ私どもといたしましては、民間賃金の動向もはっきりいたしませんし、したがって、御案内のように、給与特例法の条文に従いまして、私ども、公労法適用職員の賃金と、民間賃金並びに一般公務員の賃金とを勘案いたしまして、その他特殊な事情等をにらみ合わせた上で決定するという原則におきまして、民間賃金が出そろった上で回答いたしたいということを申した、そういう形の回答を不満といたしました組合では、先ほど申しましたように、調停を申請いたしたわけでございますが、これがどういうことになろうかは、いまのところ、帰趨ははっきりいたしかねます。ただ、先ほど来申しておりますように、私どもといたしましては、おそらく仲裁の段階におきましても、民間賃金の動向をにらみ合わせた上で適切な裁定が出ることを期待しておる次第でございます。
  250. 永岡光治

    永岡光治君 いまのお話によりますと、調停段階ではおそらく結論は出ないだろうということでありますが、賃金の引き上げを否定している答弁ではないようですね。昨年の賃金その他を考慮してから、それから回答したいということでありますから、賃金の引き上げについては考慮しているが、その額がきまらないということのように私ども理解するわけです。そのように解釈して差しつかえないですか。
  251. 曽山克巳

    政府委員(曽山克巳君) 私どもといたしましては、まだ、上げるか上げないかについての意向は全然表明しておらないわけでございます。先ほど来申しております給与特例法第三条の原則に従いまして、もし民間賃金等が相当額上がりまして、したがって、これに追随して決定をするというわが郵政職員等の給与についても、そういった民間賃金の動向が決定いたしましたらばそのとき考える。おそらく民間賃金が相当額上がりましたならば上げるという結果にはなろうと思いますけれども、いまの段階におきまして、上げる上げないという表明はいたしておらない次第でございます。
  252. 永岡光治

    永岡光治君 私はいま法律を持っておりませんけれども、たぶん、その民間の賃金だけじゃなくて、生計費等も考慮の中に入っているんじゃないかと思うんですが、全部民間の給与だけが基準ですか、それとも、生計費等も考慮される要素の中に入っているんでしょうか。
  253. 曽山克巳

    政府委員(曽山克巳君) ただいまお尋ねのございました給与の根本原則と申します給与特例法第三条には、第一項を省きまして、第二項におきまして、「職員の給与は、一般職の職員の給与に関する法律の適用を受ける国家公務員及び民間事業従業員の給与その他の事情を考慮して定めなければならない。」とございます。したがって、先生お尋ねの生計費、あるいは、そのさらに基礎になります物価というような問題につきまして、全然この中に入っておらないかと申しますと、私は理論的には入っておると考えます。ただ、何と申しましても、先ほど来申しております民間事業従業員の給与等につきまして、生計費、物価等も考慮いたしまして、やがて一般的にきまってくる時期が参ろうと思います。それを待って私ども考えるということが原則だろうと思いますので、先ほどの御答弁を申した次第でございます。
  254. 永岡光治

    永岡光治君 「その他」の中に当然私は含まれておる要素だと思うんです。これは常識だと私は思うんですが、そこで、あまり形式ばった考え方でなしに、やはりこれは郵政当局は使用者の当面の責任者でありますから、この問題の責任ある立場として、この問題を円満に解決するという態度で臨まなければならないんではないかと、これまた常識だろうと私は思います。そこで、ちょっとつかえることは、調停委員会の場合に、もし民間の賃金の趨勢というものが出れば、調停委員会でも私は意思表示があってしかるべきだと思うのでありますが、その場合も、なおかつ調停段階では意思表示ができないと、こういうように理解をしていいわけですか。それとも、その段階は当然調停委員会でも意思表示がさるべきで、できるならば有名無実になっておる調停委員会というものを、当事者能力を発揮いたしまして——もはや、これは方針として前向きの姿勢でいま論議されているわけでありますから、当然私はその煩をうるさくわずらわす必要もない、調停段階で円満にまとまれば、そのことが一番いいのでありますから、調停段階でもこれは努力する一つの場面ではないかと思うのでありますが、それはどのように解釈をしておいでになりますか。    〔副主査退席、主査着席〕
  255. 曽山克巳

    政府委員(曽山克巳君) 昨年の例を先生も御存じと思うのでございますが、当事者能力が非常に問題になりまして、従来いろいろと問題のあった点等をも考慮いたしまして、私ども、平均、郵政部内におきましては五百二十円を第一次回答として出した経験があるわけでございます。もちろん、組合側はそれを不満といたしまして立ち上がったわけでございますが、そういった実例等考えますときに、理論的に不可能だということは私は考えておりません。
  256. 永岡光治

    永岡光治君 私はこれで質問を次の委員に譲りますが、まあ、やぼな質問だけれども、予算がないと私は言わせないと思うんですね、今回は。それはいかなる方法にもしろ、これはまあ出る理由は、財源は私はあると思う。そこで望みたいのは、先ほど同僚議員からも、郵便の遅配の問題についても非常な不満を郵政当局に表明されておりましたが、そういう原因等もやはり紛争の中から生じてくる一つのものと考えなければならぬ問題が、全部ではないにしてもあるわけでありますので、どうぞひとつ郵政当局も逡巡しないで、全面的に出て、この問題を責任を持っておさめるという鮮勢を、話し合いの中から解決していくのだという方向をぜひ私は打ち出して積極的に尽力してもらいたい、そういう誠意を示してもらいたいということを特に要望しておきたいと思うのです。  以上で私の質問は、この郵便に関する限り終了いたします。
  257. 向井長年

    向井長年君 政務次官も来ておられますが、郵便事業近代化に関する答申が郵政審議会から出まして、今後特に郵便法改正、まあそれに伴って料金値上げ、郵便料の値上げ、こういう問題が出ておりますが、大体近代化という問題ですね。これは何を中心に考えておられますか。いわゆる項目としては何ですか。
  258. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 年々郵便物が増加してくる一方、労働力の確保はますます困難になってきたわけです。現在の状況でも、この答申を出す時点におきましても、郵便がまだ正常に運行されておらないということから、どういうことをやって郵便の運行を正常化するかという観点から答申をいただいたものというふうに考えております。
  259. 向井長年

    向井長年君 しからば、この答申に基づいて新規事業というものはどこに重点を置かれておりますか。
  260. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) この中には、たとえば職員の宿舎とか、外務員をどうしたら得られるかというようなことも触れてございますが、そういうことももちろん非常に重要で、従来、省としても宿舎を建てていくとか、そういうことに鋭意努力してまいったわけでございますが、この答申の一番の核心とも申せますことは、私は、一つは、制度の面で郵便の種類体系を変えていくということ、それからもう一つは、作業をできるだけ機械化して手数を省いていくようにする、この二点ではないかというふうに考えております。その他、非常に相当のページにわたりましていろいろ書いてございますが、核心はそこではないかというふうに考えております。
  261. 向井長年

    向井長年君 おそらくそうだろうと私も思うのですが、いわゆる番号制度の採用とか、あるいは局内作業の機械化。ところが、もう一つやはり航空郵便ですね、こういう問題が入るのでしょう。今度大きい問題としまして、翌日配達の達成というやつですね、こういう問題入ると思うのですが、これが重点になると思うのですが、大体こういういわゆる新規事業を強く推進するために、特に今度は郵便料金値上げという問題が出てまいっております。この値上げは、これはまあはっきりしたあれじゃございませんが、増収率が二八・八%ですか、これが大体こういう新規事業に対して、いうならば答申に基づく近代化事業として、どのくらいの予算考えられておりますか。この値上げの増収率に対してパーセンテージで。
  262. 石井多加三

    説明員(石井多加三君) お答え申し上げます。  今度の値上げによります予定増収額は二百八十六億でございまして、そのうちで近代化と申しますと、まあいろんな問題を含むのでございますけれども、主として物的設備のほうに考えを置きますと、まず、局舎の建設関係に約六十億ばかり来年度は投入することになっておりますし、その他の集配運送施設改善強化でございますとか、一、二種郵便物の航空機搭載とか、そういった施設改善近代化、そういった方面に約二十二、三億、したがいまして、約八十億ばかりが投入されることになろうかと思います。パーセンテージにいたしまして三割強でございますか、というふうに申し上げてよろしいかと思います。
  263. 向井長年

    向井長年君 大体、この郵便法の第二条ですか、二条において、これは国の独占事業でございますが、公益にペイしなきゃならぬと、こういう立場から公益事業が営まれておるんですが、結局、今度の値上げによって国民に還元される問題、いうならばサービスといいますか、そういう問題はどこに焦点を置いておるかということは、先ほど言われますように、一応三項目ぐらいが重点的な問題として新規事業としてやられる。ところが、これは航空便の問題もそうでしょう、あるいは機械化の問題も間接的にはそうかもわかりませんが、直接、国民に還元されるというところは、どういうところがありますか、サービスの点で。
  264. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 直接、国民に還元されると申しますか、第一は、私ども、先ほどもちょっとお話出ましたが、標準の速度を維持するようにということかと考えております。そのための要員の裏づけ、あるいは機材の裏づけ、局舎等の裏づけ、そういうようなものが一応今度の料金改正によってできてまいったと言うことができると思うわけでございます。さらに進みまして、サービスの改善とも申せますものは、問題の多い大都市内あるいはその周辺の発展地域に対しまして配達をいたします普通局をつくっていくとか、あるいは機動車等を配備し、また増員等も行ないまして、発展地域にふさわしい郵便のサービス、あるいは、たとえば速達の配達区域を広げるとか、あるいは取り集め専門の便をつくるとか、そういうようなことを大都市なりその周辺地区に対して行ない得るようになる点でございます。  それから次に、いまお話もございました第一種、第二種郵便物を、速達でなくても航空機に搭載いたしまして、東京、大阪からたとえば鳥取、山口、長野——これは大阪から長野でごさいます——以外の県庁所在地には、大体翌日配達ができるようにすべく準備いたしております。  その次に、自府県なり近県相互間の翌日配達を——遠くばかりをねらって足元がゆるんでもいけませんので、これも翌日配達を実現してまいる。あるいは窓口機関、これは年々やっていることではございますが、財源が逼迫すれば遠くするわけにはまいらぬわけでございますが、窓口機関も無集配局三百局、簡易局八百局を四十一年度中に、ふやすことができるようになるかと思います。  以上は大体、施設面のほうでございますが、制度の方面からまいりますと、まず学術団体から発行されます学術雑誌を新たに第四種郵便物にいたしまして、料金を百グラムごとに十円と、従来より引き下げることにしております。  それから、書籍につきまして、実は先ほどもいろいろ御意見承りましたのでございますが、小包制度を新しくつくりまして、従来の書籍の料金、五種として、あるいは一般の小包として送られていた書籍の料金負担を軽減しようと、これは昭和三十六年の料金改正の際に、第五種郵便物が、それまて百グラムごとに八円でございましたのが、五十グラムごとに十円になりまして、一挙に書籍の料金負担が大きくなりましたことから、それ以後引き続いてもっと安くすべきだというあれをいただいていたわけでございますが、書籍小包の料金を安くする。  それから、その次には、非常災害が発生いたしました場合に、被災者の救助物資を、救助活動を行ないます地方公共団体や日赤の救護班等にあてて送ります小包、これを無料にしようということでございます。  さらに、はがき郵便書簡の書き損じたもの等につきまして、一定の手数料をもらってこの交換に応ずることにすることも、そのサービス改善の内容として考えているわけでございます。  その他、書留郵便物を亡失いたしました場合の損害要償額の限度を、現在は、現金では五万円、物品では五十万円でございますのを倍額に引き上げる、現金で十万円、物品で百万円まで引き上げる。それから損害要償額を申告しない、何も金額などを言わずに出しました書留の損害賠償金額を、従来の一千円から三千円に引き上げることにいたす。  それから、普通の書留より料金を安くいたしました簡易書留と申しますか、途中の記録をいままでの書留のようにはいたさないで、もう少し簡単な記録にしまして、引き受けの際と配達の際の授受だけを明らかにする簡便な書留制度をつくって、料金も少し安くいたします。  そういうような事柄が、今回の制度改正あるいは料金引き上げに伴いますサービスの改善とも申せるかと思います。
  265. 向井長年

    向井長年君 次は、いま説明されましたように、もろもろのいわゆるサービス改善国民に還元ということになるかと思うのですが、それが大体、料金値上げに伴って、そういう経費がどのくらいかかるかということを先ほど聞いたわけですが、ここに郵便局舎とか機械化とかいうようなことが出ておりますが、大体、これはどのくらいの率になりますか、私の判断では一〇%あるのじゃないかと思うのですが。
  266. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 先ほど経理局審議官から申し上げましたのは、今度の値上げのうち、機械化とか、その他あるいは局舎の財源にするとか、近代化に要る経費のことを申し上げたかと思いますが、ただいま私が申し上げましたことに伴います、いわば料金の引き下げとか、あるいは新しく小包を無料にするとか、そういうようなことに伴います収入減あるいは積極的な持ち出し等の金額は……。
  267. 向井長年

    向井長年君 パーセンテージでけっこうですよ、約……。
  268. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 約十二億程度かと考えております。
  269. 向井長年

    向井長年君 そうしますと、今度料金値上げになりますと、大体四十一年、四十二年、四十三年、三カ年で千百億くらいになるのでしょう、総体的にね。そういう中で、まあ三年間したところで大体一〇%以下ですね。それくらいになりますね、一〇%以下になるのじゃないですか。いまの十二億というようなかっこうで、まあ一年間として見ればね。そうすると、一応それの差額というものは、結局、やはり郵政行政に対する大きくは赤字補てんである、そういうことになるのではないですか。もちろん、人件費の値上がり等もございますけれども、一応そういうかっこうになってくるように私は判断するのですが、この点はどうですか。
  270. 石井多加三

    説明員(石井多加三君) お答え申し上げます。  赤字補てんにつきましては、昭和四十年度予算編成の当時に、すでに、先ほどもお話が出ておりましたように、五十六億の赤字で予算を組んだわけでございまして、その後、また四十年度におきます大幅なベースアップ等がございましたので、その関係が四十一年度にはまるまるはね返ってまいりますし、それぞれ考えますと、大体四十一年度の赤字は約二百二十億ぐらいになるかと思いますが、四十一年度の料金値上げをしないままでいきますと、予想される赤字はそのくらいの赤字だろうということは、先ほどの答弁にも出ておったわけでありまして、したがって、そういう意味で申し上げますならば、二百八十六億の料金値上げに伴う増収分は、二百億以上がほとんど人件費といいますか、あるいは四十一年度に予想される赤字の克服に回すというふうな言い方もできるかと思いますが、その他の関係は、いま申し上げましたような近代化、局舎建設等も含めまして近代化関係は、約二百八十億近く要るというふうに考えていただいていいかと思います。
  271. 向井長年

    向井長年君 やはり赤字補てんというか、こういうかっこうになっておると思うのですが、これはやはり問題は行政上の欠陥ですね、いろいろ努力はされておると思いますけれども。値上げをしてこれを埋めなければならないということは、これはいま直ちにの問題じゃないはずです、毎年の問題ですからね。こういう問題について、一つ郵政行政として今後どう合理化してやっていくかという問題が問題点になろうと思うのです。こういう形で、しからば、本年値上がりしたから三年度で千百億ぐらい財源ができる、そういう問題でいろいろ事業を発展し、新規事業をやると言っても、これはそう簡単にいかないでしょう。特定局舎なんかいまどうなんですか。一万六千ほどあるのじゃないですか。そう中で改修をしなければならぬというのは、現状においてもう五千近くあるのじゃないですか。そういういわゆる特定局の改修にしましても、この状態では直ちにやるというわけにいかぬですね。しかし、直ちにやらなければいかぬという、狭隘であり——まあ問題は、特定局というのが大体民間所有であって、ほとんど局長さんの家がそうなっておるところが多いのですけれども、こういう問題について、少なくとも四千余りあるいは四千五百程度の改修をしなければならぬというこの現実、そういうところから直ちにやっていこう、こういう考え方を持っておるのかどうか、今度の値上がりによって赤字補てん等をやっていく、そういう普通経費というものがそういう中から出てくるのかどうかということを私はお聞きしたいのです。
  272. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 特定局の局舎につきましては、私ども、ただいま今後五カ年間に手を入れなければならない、改築あるいは増築等をしなければならないものが約三千八百ばかりあるというふうに考えております。そのうち六百は国費によって新築してまいる、残りの三千二百につきましては国費以外の方法、これは私費建築あるいは互助会資金等によって市町村がやってくれるところもございますけれども、これは非常に微々たるものでございます。そういう形で今後五ヵ年間にその程度は改築いたしたい、また改築できるのではないかというふうに考えておるわけでございます。これの財源といたしまして、国費のものは、もちろん、料金によって剰余金ができますればこれに引き当てますし、主たる大部分は借り入れによりまして、これを今後は経費としまして減価償却とか償還金だとか利子だとか、そういうものを見てまいることになろうかと思うわけでございます。
  273. 向井長年

    向井長年君 私の調べでは、大体一万六千ほどあって、そういう中から少なくとも四千六百程度は直ちに改修が必要である、こういうふうな資料を私は持っておるんですよ。あなたのほうから出た資料ですよ。しかし、いま聞くと、五ヵ年間では三千八百だ、こういうことです。しかも、これも本年度は六百程度は国費でやる、こういうことなんですが、そうすると、三千八百というのの内訳ですね、国費と一般民間でやるのはどれくらいになるんですか。国費で全部やる場合には、どのくらいの費用が要るんですか、個々において違うと思いますから。
  274. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 三千八百局のうち、国費でやるものは、五カ年間に六百局を予定しております。それの経費につきましては、内訳は、普通局と分けました特定局の内訳をさがしておりますのでちょっと——特定局六百局で百二十九億を予定しております。
  275. 向井長年

    向井長年君 そうすると、あとの三千二百になりますか、これは一応民間、いわゆる都とか市町村とか、こういうことなんですが、これは経費どのくらいになりますか、事実上、改修が民間依存で改修できるかできないかわかりませんが。国費で出すやつは、あなたのほうから直ちに出すわけですからこれは確かにわかる。一応の予想を立てておるけれども、その資金繰りなり、あるいは民間においてそれをやり得るのかやり得ないのか、この点明確になっていますか。
  276. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 借り入れの局舎につきましては、借料を払っているわけでございますが、改築いたしました場合には、面積等もある程度広くなりますし、借料も自然増加してまいることになります。
  277. 向井長年

    向井長年君 借り入れ局舎に対するやつは、あなたの報告では、五カ年の間に三千二百ある、それが全部できるのかということを聞いておるんです。それに対する改修資金というものはどのくらいになるか。
  278. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) その借り入れ局舎の再建資金に要る金等につきましては、大体現在の特定局舎の経年数だとか職員の数に比べての広さだとか、そういうようなことから、ある程度推定して出している県もございまして、それに要る経費をしっかり積み上げて出したというわけではございません。そういう程度のものはまず改築しなければならない。しかし、局舎の広さや、その場所等からしまして、そこまで国費でやるべき個所とはまだ考えておりません。また、従来の例などから申しまして、個人所有者あるいは互助会等によって改築されております動向等からいたしまして、ある程度五カ年間にでき得るのではないかというふうに考えたわけでございます。
  279. 向井長年

    向井長年君 これは想定であって、実際五カ年間に改築するというのじゃないのじゃないですか。結局、国費でやる六百というのは予算を組んでやるのだからできますけれども、その他の三千幾らというのは、一応そうできるのじゃないか、また、やってもらいたい、こういう希望的観測と憶測じゃないか。事実上の五カ年計画というのは、そういう中で、この年度にはどことどこをやり、その資金は、民間なり互助会なり、そういうところで幾らかかる、こういうものをつかんでやることによって初めて五カ年計画になってくるけれども、いま言うのを聞くと、実際国費である六百戸だけはやって、ほかのところは他人まかせという、こういうかっこうになるのじゃないですか。これは無責任もはなはだしいです、このやり方は。どうなんですか。
  280. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) お話のように、一つ一つ私ども詰めまして、この局舎は何年先というところまで詰めたわけではございません。しかし、従来の場合からまいりますと、たとえば互助会資金による特定局の改善局数は、過去五カ年で五百六十局、約六百局近くになりますし、それから自己資金によります改築は、過去五カ年間で千七百局くらいになっているわけでございます。それだけからいたしまして、すぐ同じ数というわけにはまいりませんけれども、さらにこちら側もいろいろ努力もいたしまして、三千二百局改築できますようにしてまいりたいというふうに考えております。
  281. 向井長年

    向井長年君 これは、とにかく借り入れ局舎ですから、相手は家主があるわけですね。そうすると強制はできないでしょう。そうすると、やはり何とかこれを改修しなければならぬ、あるいは改修しようという意欲がなければ、これは実現できない問題であって、金もこちらは持たないのだから、そういう問題については、これは考え方によればやはり非常に無責任になってくると思うのです。ですからいま言うように、五カ年計画ということを言っても、事実上は希望的観測ですか、計画、これにしかならぬ、こういう結果になると思うのですが、実際、これは政務次官どうですか。局舎というものは、これはもう少なくとも国自体が持たなければならぬじゃないですか。現状は、もちろんいま言うような民間の借り入れが多数ございますけれども、しかしながら、少なくとも根本は国が全部これを所有する、あるいは国が建てていく、こういうかっこうにならなければならぬと思いますが、この点いかがですか。
  282. 亀岡高夫

    政府委員(亀岡高夫君) 仰せのお気持ちは十二分にわかるわけでございますけれども、やはり特定局制度の伝統的な過去の長所等も考え合わせまして、郵政省といたしましては、この特定局制度というものとにらみ合わせまして、そうして、ただいま仰せのような点、確かに抜けておる点であろうかとも私自身も考えております。したがいまして、融資のあっせんというような点についても、特定局長会等からの要望等もございますので、そういう点で仰せのような局舎の改善等を進めてまいりたいと思っておる次第でございます。
  283. 向井長年

    向井長年君 これは、特に特定郵便局の改築、改修の問題については、いま言われたように、改築しなければならぬところが三千八百ある。したがって、五カ年計画の中でこれを推進するのだということであるならば、やはり地域的に、あるいはまた局舎別に、まあいろいろあると思うのです。多額の費用を要するところもあるし、若干で済むところもあるでしょう、狭隘の場合には。したがって、そういう問題について、やはり具体的に当局がつかんで、全部これを五カ年でやるとすれば、どれだけの資金が必要である、ここは互助会で幾ら幾ら資金を投入する、あるいは民間自己資金をどうする、そのためには金融をどうする、そういう具体的な問題をやはり当局でつかんで進めなければ、実際こういうかっこうでは進捗しないのじゃないか。国営あるいは国が出しておるものはできるにいたしましても、その他の民間のものにつきましては、実際そういう構想を持っておっても実現がなかなか困難ではないか。こういう考え方を持つのですが、この点についてはひとつ十分考慮してやってもらいたいということを要望しておきたいと思います。  次に、簡易郵便局ですが、これを特に来年度五百程度につくるようですが、これは一体どういう性格のものですか。
  284. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) へんぴな土地におきまして、郵便の窓口を比較的経費がかからないで済むようにつくりまして、所在利用者の利便をはかろうという趣旨からつくったものでございまして、市町村あるいは農業協同組合等に委託をして運営させるものでございます。
  285. 向井長年

    向井長年君 内容はどうですか。
  286. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 取り扱い経費を基礎額幾ら、あるいは業務量に応じまして一件幾らというふうに算定して支給いたしておるわけでございます。取り扱い業務は、たとえば郵便におきましては、外国関係は除きまして、大部分の業務は扱っております。市内特別郵便とか、料金別納、料金後納とか、内容証明とか、そういうようなものは扱っておりませんが、大体普通の郵便は全部扱っております。貯金におきましても、一部の業務を除いて通常の窓口利用は大体できることになっております。保険はちょっと違いまして、これは契約の申し込み、受理、簡易保険契約、郵便年金契約の申し込み、受理の仕事だけでございます。郵便と貯金につきましては、通常の業務はほとんど扱っております。
  287. 向井長年

    向井長年君 そうすると、そういうことを委託をするわけですね。委託をするということになると、その委託者が責任を持って、まあ郵便法第五条の特例でやられると思うのですが、それで委託をされる。そうなると、まあ農協かどこか知りませんが、そういうところでそういう業務を遂行するために、それに従事する人をやはり設定しなければならぬと思うのです。そういう職員の身分はどうなんですか。身分といいますか、何というか、いわゆる派出所みたいなものになりますね。そういう一つの派出所、そういうものの身分、権限、こういうものはどうなりますか。
  288. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 市町村や農協の吏員あるいは職員である場合もあります。そういう人たちが普通の業務と並んでやっている場合もございますし、簡易局だけが離れて置かれておりますかようなところにつきましても、吏員あるいは職員がなっている場合、あるいは嘱託というような形で比較的身分関係があまり濃くない形でやっているもの等もございまして、各種各様と申せようかと思います。
  289. 向井長年

    向井長年君 そうすると、それに対する権利義務というか、責任体制はどこで持つんですか。
  290. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 受託団体が持つことになっております。もちろん事務の当務者につきましても、これは郵便あるいは貯金というような仕事を扱っております関係で、その職務の執行が適当でない場合、不法な職務の執行のしかたをした場合、あるいはそれらの人たちの職務の遂行を妨害したりした場合等につきましては、公務員と同じような、公務員に準じた刑法の適用はあるわけでございます。
  291. 井川伊平

    主査井川伊平君) 速記をちょっと休んで。   〔速記中止〕
  292. 井川伊平

    主査井川伊平君) 速記をつけて。
  293. 向井長年

    向井長年君 次に、ちょっとNHK関係の問題を若干質問いたしますが、大臣にお伺いいたしますが、これは逓信のほうでやっておられたと思うのですけれども、NHKの受信料の性格をひとつお聞きしたいのです。性格、これは現在は契約方式が今度は強制方式になるようです、強制支払い方式になるようですが、これはどういう性格のものですか。
  294. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) これはいままでは契約によったものを今度支払いの義務を法律上規定いたしましたけれども、性格としては、一種特別の負担金という性格は私は変わらないと思います。
  295. 向井長年

    向井長年君 そうするとね、これは私もあまりわからないんだけれども、いま民間放送もたくさんあるでしょう、十二チャンネルまでありますね。そうすると、その設備を、いわゆるテレビ設備をやったということによって、そして必ずNHKにこれは支払わなければならぬと、こういう結果が出てくると思うのです。しかし、その人はNHKは全然聞かない、おれは十二チャンネルだけだという場合も、これは支払わなければならぬという場合が出てくると思うのです。この点はちょっとおかしいのじゃないですか。
  296. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) そのような意味合いで、これは普通の考え方ですと、支払い義務があります場合には、背後の強制徴収権というものが考えられるのが普通だと思います。ところが、強制徴収権となりますると、その淵源は、おそらく地方の公租公課のように、税外のものでございましても、そうした公租公課に当たりますもののように強制徴収権があれば何らかの公権力を背景にする、そのようなものは持たないという意味合いで強制徴収権もない。それから契約ということ、契約によるということを言うておりますが、現行法というのは、契約という一つの擬制を、フィクションをおきましてものを説明しておりまするけれども、説明だけでございまして、そしてそれにあまり意味はございません。うしろ契約ということはかえって事態をあいまいにいたしまするから、支払い義務を負うということを規定しておきましたけれども、そういう協会の放送を聞き得る受信設備を持つ者が負担する負担金であると。その負担金は、ちょっと他に比較するものが少ない一種特別の負担金である。しかし、私、そういう機械はちょっと業者は売り出すまいと思いますけれども、NHKが聞けないような受信設備があれば、それは取るわけにはいかない。しかし、同時にNHKが入るものであれば支払わなければいけないと、こういう負担金を特に放送法上規定した、こういうことだと思うのです。
  297. 向井長年

    向井長年君 時間がないからこれはまたあとであれすることにしまして、次に、NHKの出資の法制化が特にされるようですが、これは何ゆえにこういう出資を認めるのか、その理由は何か。それで、出資とその企業との、NHKとの関係、位置づけ、これはどういうことになるのか、これを説明願いたい。
  298. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) これは現在の日本電電公社法などをごらんいただきますと、同じようないずれも出資の規定が書いてございます。いままで出資の規定がございませんものですから、無理にNHKの業務にいたしております。そうすると、大道具、小道具のようなものは、何もNHKが自分の業務だというてその人間なり物の設備をいたしませんでも、出資をいたして民間にさしておきますれば、ずっと安くて、そして必要なときだけ使える、あるいは民間と一緒にテレビ塔を建てても——ところが、いままでは出資かできませんから、これこれの部分がNHKの業務であるという理屈をつけて、無理なことをいたしておる。そうすると、電電公社でも出資の規定があるように、そのほかにも出資の規定の例はあると思うのでありまするが、出資の道を開く。しかしながら、それには直接密接な関係をNHKの業務と持つものだけに限りまして、かつ、その範囲は政令できめる。おそらくいま考えまするのは、大道具、小道具のような関係の出資でありまするとか、無人局を保守してまいりますところの会社でもありますならばそういうものの出資とか、そういうものに限られております。おそらくNHKが現在考えていると思いますのは、いまの大道具、小道具のような考え方で、美術に関して何かそういうものをこしらえてそれに出資をいたしたい、そういうごく普通の形、したがいまして、それを限定いたしますために、法律では特に密接な関係を規定しているということでございます。
  299. 向井長年

    向井長年君 そうするとこれは別法人でしょう。いうなれば、NHKというのは別であると、出資しておるというかっこうですが、NHKとの関係は、人的にもあるいは資金的にも、出資は出資であるけれども、独立採算であるけれども、一応そういう問題は傍系のような形になってくるのじゃないかという気がする。それと同時に、その関係で、しからばそこに従事する諸君の労働条件なるものはどうなるのか。やはり同じかっこうになってくるのか、別法人だから別だというかっこうになるのか。この点はおそらく小道具あるいは学園とか出版とか、こういう別法人ができれば、これは実際ほかからも出資するのでしょうか。ほかからも出資さして、そういう別な法人をつくるのじゃなくてNHKが中心になってやるのでしょう。NHKの出資によるところの一つの法人格ができるわけでしょう。いうなれば、法人格は違うが、あらゆる運営上は全くつながりを持ったものであると、だから人的な交流もするだろうし、そういう場合において、そこの労働条件何かもどう変わってくるのか、あるいは一緒でなければいかぬのか、その点はどうなんですか。
  300. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) おそらくNHKの大道具、小道具の会社ということになりますれば、NHKの出資がほとんど全部でございましょう。今度テレビ塔を保守していこうじゃないか、民間と一緒にやっていこうということになれば、他の一般放送事業者の出資もございましょう。それはそれの形態によっていろいろの場合があると思います。ただ従業員との関係等におきましては、やはり別の系統で、別の人格を持ってやってまいりまするから、事実上人事の交流でも将来あるといたしますならば、そういう種類のものでしたら、そう違ったこともできまいと思いまするけれども、扱いとしては、どこまでも法律的には人格は別なものだから別であるということだと思います。
  301. 向井長年

    向井長年君 時間がございませんから、あと二点だけ質問しておきますが、一つは、放送事業を行なうものについて、今後事業免許を採用するようでございますが、これはどういう理由からされるのか。  もう一点は、放送法の改正が自由な言論活動を制約するとして反対する向きがあるわけなんですね。こういう問題について、郵政大臣はどういう所信を持っておられるか、この二点ひとつ説明願いたいと思うのです。
  302. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 私は、事業免許ということは、まあこれは根本に立ち入って考えてみまして、放送法、電波法という二本立ての法律で規律をいたしておる。他の無線局と同じように、放送局としては電波法で規律をいたしておる。ところが、放送法という相当体系立った法律を日本の法制は持っておる。これは日本の国の放送がちょうどいろいろな外国の考えている国営または国営に準ずるような方式のものと、アメリカ流の純粋の民間の放送の事業の方式とか、いろいろなものを組み入れてこしらえましたために、放送法というような体系もまた必要になってきたのだと私は理解をいたしております。そういたしまして出発をいたします場合には、一般の無線局というものは、何か事業をいたすのに伴って電波の割り当てをする、ところが、放送というのは、電波を受けたこと自体が直ちに事業でございます。しかも、それは非常に多くの投資をいたします。そうすると、放送法という法律があって、特に今度の法律の改正は、NHKと民放と二本立てで日本の放送をいたす、また、必要にして十分な放送が、複数の放送を聞けるようにするというようなことを言うております。ところが、一つの民放というのは、実態を見ますと、現在では五十九社でございます。NHKは一つのものなのです。民放は二本立ての一本の柱だと申しましても、その柱はいろいろのものが加わったものとただ観念しております、一般放送事業者は。そうすると、その一般放送事業者というものは、観念を確かめてまいりますと、実は一つ一つ事業者であります。その事業者に放送法上一定の地位を与えるということを事業免許とこの場合申しております。したがいまして、これは法律をごらんのとおり、ほかの事業免許の場合の独占的な特権は何も与えておりません。それと同時に、どこまでも自主性、自立性を持たせますために、何らの監督の規定も置いておりません。したがいまして、放送事業の免許をすると申しましても、放送事業というのが、事業ということばを使いますが、他の事業と違いますために、しかも電波を受け取って初めてできる事業だということでございまするから、事業の免許ということばを使いますが、いわゆる世間の事業免許とは違った性格を持っておるのだと、こう観念をいたしております。そうだといたしますならば、放送法上の地位をはっきり与えられたというだけのことでございます。これが放送事業の自主性を害するというような議論は起こらないと思います。民放連のところで、これは民放連のおきめになったときのいきさつなども、私のところにちょいちょいお話しに来られる向きもございますが、あのときは放送法、電波法の改正の意味合いもあまりよく自分たちもわからなかった。ただ、何かどぎついことがあるような気がしたものだからというようなお話を承っております。それは別といたしまして、そういう誤解があるといけませんから、私どもも誤解を解くためには努力いたします。法律の中身を見れば、特権も与えず、同時に、何ら監督めいた規定もいたさないという意味合いの一種特別の免許というぐあいに御理解を願います。
  303. 向井長年

    向井長年君 もう一点。大臣、二点のあとのほうの、いわゆる放送法の改正が自由な言論あるいは活動の制約をするという反対の向きがあるが、これに対して大臣はどういう所信を持っておられるか。
  304. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) いま申しましたように、一つの点は、そういう懸念をされますのは、事業免許という点が一つございます。そのほかに、放送番組に、放送の持つ教育の意味から見て教育の目的を達するようにとか、それから暴力の否定をいたすとか、青少年の育成保護をいたすとか、番組に関していろいろの規定を設けました。そうした点は、あるいは番組審議会はいままでより自分の社の人間が入ってはいかぬというようなこともきめますし、放送世論調査委員会というのもきめます。そしてそれが中身の講評をいたすだとか、推奨だとか、勧告をいたすだとかいうようなことで何か干渉がましいことをするのじゃないかという懸念を持たれる向きはあるようであります。しかし、これはその点はもう初めから非常な注意を払いまして、もう自主性、自立性だけは終始一貫しております。したがいまして、そういう懸念はございませんので、しかし、機会あるごとに、私は、その点は心配のないことを説いてまいりたいと思います。
  305. 向井長年

    向井長年君 終わります。
  306. 井川伊平

    主査井川伊平君) この際おはかりをいたします。  分科担当委員外の委員木村禧八郎君から発言したい旨の申し出があります。これを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  307. 井川伊平

    主査井川伊平君) 御異議ないと認めます。  発言を許します。木村禧八郎君。  なお、木村君に御注意申し上げますが、大臣の時間が迫っておりますから、大臣に聞くことを先にひとつ聞くようにお願いいたします。
  308. 木村禧八郎

    担当委員外委員木村禧八郎君) お許しを得て質問をいたしたいと思うのですが、大臣、時間がないようですから端的に伺います。  質問の要点は、特に東京における郵便のサービス改善のための局舎の改善の問題なんです。大臣も御承知のように、郵便料金を引き上げると、小包は四月から、その他は七月から。四十一年度は、いただいた資料では約二百八十六億、平年度は三百六十五億の増収、つまり国民の負担になるわけですね。この目的はいろいろあるでしょうが、その一つにサービス改善というものがあると思うのです。そこでこの際大臣に、郵便料金値上げの目的としてのサービス改善についてこの具体的な内容、特にそのうち東京におけるサービス改善、御承知のように、郵便が東京に来てから非常におくれると、遅配をされると。聞くところによると、中央郵便局では、郵便が中央郵便局に入ってから出るまで十二時間から十四時間もかかると、こういうことを聞いているわけです。その点について、改善策を具体的に承りたい。
  309. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 木村さんのおっしゃるとおりでございます。それできょうも当分科会で御指摘がございましたように、非常に多くの部分、八割方人件費に向いているような現状でございます。したがいまして、一つは、そこで働いてくださる方が働けるようにしなければいけない。したがって、そういう関係で別に複雑なものでもないものでございますから、利用者の方の御要望というのは、送達速度を守ってくれと、きちんとした時期に送達してくれと私どもは申しておるのでありますが、とにかく、その日の夕方までに出したものは、特に大都市間——東京だったら東京周辺、それから隣の県同士くらいは、夕方出したら翌日送達する、翌日送達の確保ということを申しておるのであります。これが一番大きな点で、したがって、今度は手紙、はがきも航空機を利用できるところは航空機をチャーターして航空機で送ろう、それから東京とか近県のようなところは専用の自動車便をふやそうと、こういうことをおもにした送達速度を守っていくということが一つの大きな眼目でございます。それには機械力をでき得る限り使いたい。したがって、小包の専門局とか大型局とか、機械力を入れるような局舎をつくりたいということが一つでございます。  それからそのほかに、郵便という性格から申しまして、ごく何と申しますか、小さいと申しますか、御要望としては切な、たくさんの本を送るときの料金を安くしろとか、窓口をよくしろということがございます。そうしたことを兼ねまして、そうすると、いま御指摘になりました東京の周辺のようなところは、結局局舎を近代化して、そうしてそこにまた要員を可能な限り置くということに尽きると思います。それで東京なり、それから近ごろ京都、大阪あたりは、なれた人間を少し送ってみましても、しょっちゅうぐるぐる異動がある、かなわぬと言うけれども、非常に端的に申しますと、東京周辺では、局舎をつくりますと、要員を配置いたします。これに重点を入れようと思います。
  310. 木村禧八郎

    担当委員外委員木村禧八郎君) それでは、大臣のいまの御答弁で、サービス改善の焦点が非常にはっきりしたわけです。特に東京においては局舎の改善ということが焦眉の急である、つまり配達速度を早くする、それも計画的にきちんとする、そのために、これまでも労働組合の方々は、非常に困難な労働条件のもとで非常にサービス改善に努力している。で、当局とも数回にわたって今日までいろいろ話し合いしてきているわけですね。そこで、この点はあとで、大臣がお急ぎですから、事務当局でもけっこうなんですが、いままで話し合いで東京の多くの局、中央郵便局をはじめとして大体の局舎の改善計画というものがあるわけですね。この改善計画をやはり早く行なうということが一つと、それからもう一つは、その根本は、郵政省が大蔵省に予算を折衝する場合の局舎の基準というのがあるそうですね。これは昭和二十八年にできて、大体四百万、六百万——人口というものを基準にしてつくる。その場合に、余裕的なスペースですね、これは大体二〇%と見ているそうですが、これが従来の経験からいって少な過ぎる、もっと余裕を五〇%から八〇%に広げないと、特に東京の周辺なんかどんどん人口がふえる、それから中央でも高度成長に従ってとんとん——たとえば日本橋なんかは問屋、あるいは神田の本屋、京橋は証券というように……、ですから、それに適合しないから、余裕を十分に見る、新築、増築の場合ですね。特に今年、明年中のあれは五〇%−八〇%ぐらい見ろ、こういう点が非常に重要でないか。この点における大臣の今後の方針を承りたい。
  311. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 私も木村さんと全くその点同じ感じで、私も最近局舎を見ましてね、いまになってどうしてもこうしてくれると便利だ、私しろうとが見てもそう感ずるところがある。ところが、鉄筋コンクリートの建物ですから、できてしまってからでは手直しがむずかしいのでございますね。ですから、何かやはり余裕を置いておいてやるということが必要だと思いまするし、これは私も大蔵大臣と十分折衝いたします。それから事務当局のほうもかなり近ごろ余裕を持っていたしております。こういうことでございますから、政府委員からひとつその点は詳しく申し上げます。
  312. 井川伊平

    主査井川伊平君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  313. 井川伊平

    主査井川伊平君) 速記をつけて。
  314. 木村禧八郎

    担当委員外委員木村禧八郎君) 村田さんの質問がありますから、私もそう長くはいたしませんが、それでは、いま事務当局のほうにそのスペースの余裕についてのお考え、あるいは大蔵省との折衝の場合の心組み等おありのようですから、それをちょっと。
  315. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) ただいま普通局の新築をする場合の面積のとり方でございますが、ただいまのところ、現在の状態で一応十分な面積をまずとりまして、それに将来の発展の動向、これは土地によっていろいろ違いますので、五割ないし二十割の範囲内で、将来十年間の見込みを立てまして、それで坪数を積算して建てておりますので、今後は、先ほどもちょっと申し上げましたが、昭和三十年前後ごろに建てられましたように、建ってしまったらもうぼつぼつ手狭になりかけたというようなことは、まず万々なくなるものと確信しております。
  316. 木村禧八郎

    担当委員外委員木村禧八郎君) いま五割ないし二十割と言いましたが、二十割ですか、二割じゃなくて。
  317. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 二十割です。
  318. 木村禧八郎

    担当委員外委員木村禧八郎君) いまのお話ですと、かなりあれですが、大蔵省との折衝の点を承りたいのです。大体大蔵省はそれで承認しそうですが。
  319. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 総体の幅につきましては、いろいろな問題もございますけれども、個々の局につきましては、ただいま私が申し上げたような範囲で査定を受けているわけでございます。
  320. 木村禧八郎

    担当委員外委員木村禧八郎君) 今後の、四十一年もしくは明年中の新改築の分について、そういう了解を大体取りつけているわけですか。
  321. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) さようでございます。
  322. 木村禧八郎

    担当委員外委員木村禧八郎君) それから、組合といろいろ折衝されて、それでやはり局舎に働く人たちが能率があがらないようでは、これはまた郵便の遅配をなくしたり、また配達速度を早めたり、それを正確にしたりすることができないわけです。いろいろ折衝されて、大体計画というのは概要出ているようです。しかし、これを私拝見しますと、非常に抽象的なわけです。これをもっとコンクリートなものにする必要がある。たとえば日本橋、京橋、神田、下谷については、仮局舎建設用地を確保次第、四十二年度以降早急に新築。そうすると、四十二年度以降早急に、といってもそれはいつなのか、その目安がはっきりつかぬわけです。そういうことではじんぜんと時日が過ぎてしまう。たとえば麹町については、四十二年度以降新築計画といったって、四十二年度以降いつ新築するかもはっきりしない、こういういままでの概要があります。それをもっとコンクリートなものにこの際する必要があるのではないか、こう思うのですが、その点いかがですか。
  323. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 仰せのとおりでございます。実は、ただいま小包の専門局を東京都内に二カ所建設中でございますし、また、通常の大ものだけを処理する郵便局を一局つくっているところでございます。これらができ上がりますと、郵便物の流れもかなり変わってまいりますし、そのような事情も要素に取り入れまして、具体的にできるだけ早く個々の今後計画しなければならない局舎につきましても、固めてまいりたいと思っているわけです。
  324. 木村禧八郎

    担当委員外委員木村禧八郎君) いまのお話は集中局の問題ですか。集中局は、たとえば小包郵便が、これは山谷の石浜局というのですか、あるいは東海道線については京橋の木挽町につくる、それからダイレクトメール等は晴海につくる、しかしこれだけでは問題は解決しないように聞いているわけです。集中局をつくってもどうにもならないような状態になっている。ですから、その点については、やはり根本的に解決をはかる必要があるのではないか、こういう状態と聞いているのですが、その点いかがですか。
  325. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 先ほど申し上げました郵便の流れ等についていま少し詰める必要もございますので、今後のまた新しい料金のもとでの郵便の種別間の変動とか、そういうようなものも見定めますことと並行いたしまして具体的にしっかり固めてまいりたいというふうに考えております。
  326. 木村禧八郎

    担当委員外委員木村禧八郎君) それからもう一つ。この東京の周辺なんですが、特に南多摩等ですね、どんどん団地ができるわけです。その場合、これまでの実情としては非常に立ちおくれているということを聞いているわけですね。たとえば村山団地では従来五千戸くらい直配していた。ところが、五千二百戸一度にできるわけですね。こういうような状態の場合に、大体この村山団地では四月十日の入居であるのに、組合には三月二十二日にそういうことを提示した。これではまるでどろぼうをつかまえてなわをなうような状態で十分な作業はできないのじゃないかというようなことも聞いたわけでありますが、そういう点、もっと実情に合った態勢を講ずる必要があるのじゃないか。それから土地の問題あるいは予算の問題等、従来非常にそういう点には計画性が欠けていたということをわれわれ承知しているわけなんですが、そういう点についての御見解を承りたいわけです。
  327. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 東京並びにその近郊につきましては、もう郵便の最重点を置いている地域でございますし、定員はもとよりですが、局舎等につきましても、最近数年間で相当数新築され、またはそれが計画されているわけでございまして、たとえば昭和三十八年度で神奈川県で二局、埼玉県で四局、東京近郊でも新築されておりますし、三十九年度に至りましては、東京都内を除きまして十一局新築されております。四十年度におきまして十三局、それから四十一年度で新たに計画しておりますのが四局でございまして、どうしても大きな団地などができるところにつきまして少しおそくなるかもわかりませんが、大体予算も幸いにして四十一年度以降私どもが期待しておりますようなことになりますならば、今度は従来と事変わりまして、かなりゆとりのある形で少しずつ先を見ながら計画してまいれますので、いままででも相当力を入れ、かなりの効果もあげてきていると思いますが、さらに一そうお説のように計画性を持った施策がなされ得ると考えているわけでございます。
  328. 木村禧八郎

    担当委員外委員木村禧八郎君) これで終わりますが、要するに問題点は非常にはっきりしたわけでありまして、いまのこの郵便の遅配等の原因ですね。それからネックはどこにあるのかということは、特に東京においては、もう集中的に局舎問題にあらわれている。で、これが改善されませんと、そこで働く労働者の労働強化とか、それから非常に労働環境が悪い、能率があがらないということと直接住民の不便ということですね、二つに弊害が出てくるわけですから、そこで、もう事態も私が言うまでもなく十分によくおわかりになっているはずなんでございますから、問題はそれを具体的に熱意を持ってほんとうにやるかどうかということだと思うのです。それでこれまで組合側が再三まあ要求しているのですが、本来これは組合から要求されなくても当局が率先してやるべきものだと思うのでありますが、ちょうど今回この郵便料金の値上げというのは、われわれいま消費者物価値上げのもとで賛成はしがたいのでありますけれども、しかし、これがわれわれが反対しても通る、そういう場合には、いまのサービス改善の面に十分努力をされまして、そうしていまの郵便の配達速度を早めたり、あるいはまたそれを正確にしたり、そういう改善に努力するように、ここではっきりした決意を承っておきたいと思うわけです。
  329. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) これは私、きょう午前も申し上げたことなんでありまするけれども、私、郵政部内に言っておりますることは、もし郵政部内の者が、郵便料金が値上げをお願いできて、これで何か終着点に達したような感じを持ったらたいへんな間違いだ、むしろ国民の皆さんに非常な責任を——何というてもお世話に相なることでありますから、これからひとつすべての計画を出直して出発をいたすという気持ちになりたい。したがいまして、率直に申しまして、私が見ましても郵政部内もいろいろ計画を持っているようでございます、機械化にしても何にいたしましても。しかし、いままでは財政的にはめどがつかないということで、その計画が必ずしも計画と言いがたいようなものもあるように思います。私どもは新しい責任を負ったのでありまして、ここでひとつ計画を十分立てまして、そうして同時に、これは私はじめ財政当局とも一つ談判することは十分談判いたしまして、そうして能率のあがるような、利用者の皆さんに御満足のいけるようなことにいたすという決心をはっきり申し述べておきたいと思います。
  330. 木村禧八郎

    担当委員外委員木村禧八郎君) 私の質問はこれで終わります。
  331. 井川伊平

    主査井川伊平君) 次に、村田秀三君に御質疑を願います。
  332. 村田秀三

    村田秀三君 たいへん時間がないようでありますから、きわめて原則的といいますか、まあ抽象的になりますが、若干質疑をいたしたいと思います。  そこで、これは大局から見ますと部分的な問題でありますが、それを二、三やりまして、そして次に移りたいと思うのですが、まず定員二名局というのはどれくらいあるかということでございます。
  333. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 現在、局長と職員一人、定員二名の局が七百六十九局でございます。
  334. 村田秀三

    村田秀三君 過去五年間の推移といいますか、たぶん二名局の解消に努力をなさっておるのではないかと思いますが、それをおわかりであれば、概数でけっこうでございますから、解消しておるのかしておらないのかということも含めて……。
  335. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 無集配局をつくりまして定員をきめますのは、大体業務量によってきめますが、市内地郵便局から大体四キロ程度以内のところですが、あるいはまた、それに連檐する地域も市内地になりますが、市内地の場合には、初めから三人もしくはそれ以上配置しなければなりませんし、市外地と郵便のほうでいっております地域に置かれます局は、大体初めは業務量があまり多くないのが通例でございますので、局長のほかに職員一人を配置するのがまあ例でございます。しかしながら、そういうところでも地況の変化等によりまして業務量がふえてくる、あるいはもう初めからすぐふえることが予想されるというような地域につきましては、三人もしくはそれ以上配置したりする場合もございます。一般的に二人局は解消しなければならないというような原則で動いているわけじゃございませんので、大体業務量とからみ合わせまして三人あるいはそれ以上という局にしていくわけでございます。
  336. 村田秀三

    村田秀三君 まあ定員二名局を解消しなければならないという原則ではないということを言われたのでありますが、定員算定の基準めいたものはいま伺ったわけでありますが、そうなりますと、定員算定の基準というものについて事こまかに聞いてみなければならなくなるわけであります。どうでありますか。
  337. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 特定局をつくります場合、市内地につきましては、算定基準を既存の郵便局から八百メートル——これはときに例外的に簡易局などが入るときがありますが、既存の窓口から八百メートル、享便人口が六千人ぐらいあるところを最低として置いております。市外地につきましては、二キロ以上で六百戸ぐらいあるというところを基準にして置いているわけでございます。そういうような基準で置きましても、置かれました場所によりまして、いろいろ業務の量は違ってまいるわけでございます。二人局につきましての一応の基準は、これは共通関係事務が、局長の一人を入れまして一・二、それから電信電話〇・一、保険〇・一、貯金〇・五、郵便〇・一というような分担率で各事業を分担しているわけでございます。もう先生も御存じのとおり、内部で局幅によりまして、業務量がどのくらいあった場合にはどういうふうに計算するかというような一つの基準がございまして、それに従いまして計算をし、その業務量が二人をこえるようなところにつきましては、たとえば三人配置ということにしてまいるわけでございます。
  338. 村田秀三

    村田秀三君 いまここで分計定員算出の根拠をいろいろとお伺いをするひまがないわけでありますのはきわめて残念であります。しかし、そういう分計定員であるとか、業務量であるとかなんとかの問題よりもまた別な角度で、どうしてもこれだけの人間が必要であるという何かがあると思うのですが、どうですか。
  339. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 実は労働組合のほうは、二人局につきましては、一人休暇をとりますとあと一人しかいなくなる、手洗いにもなかなか行きにくくなるから最低を三人にするようにと、そういう要求がございます。ある程度もっともな点でございますけれども、さりとて、主としてそういうことのために最低配置を三人にすると申しますのも、事業の経済性という観点からなかなかやりにくいことと考えられますので、それに対しまして年間賃金、休暇のあと補充とか、そういう形で成立しておりますもの等をあれしまして、二人局につきまして、年間四十日程度の賃金を配りまして、ただいま申し上げましたような事態に対処することに現在している次第でございます。
  340. 村田秀三

    村田秀三君 そうしますと、私が主として言いたいことは、いま業務量外の理由、これはほんとうに深刻だと思うのですよ。たとえば局長が特推連の役員をしている、外出が非常に多い。そうしますと一人で、御飯を食べるひまも手洗いにいくひまもない。ましてや突発的な事故があった場合には、それを連絡するひまもない、こういう状態を許していていいのかどうかということでありますと、これは事業上からいっても私はいけないのではないかと、こう思うのです。そこで、三人にしてくれという意見はもっともであるがということで、いまそれを幾らかカバーするような意味での予備員制度と申しますか、そういうものがなされていると、こう聞きました。その問題についてはあとで触れますとしましても、もっともであるということは、これはお認めになっているわけでございますね。
  341. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 二人の局で一人がいろいろな事情で局におらない場合に、残った一人の人かいろいろぐあいの悪いことが起こるということは、もう仰せのとおりかと思います。
  342. 村田秀三

    村田秀三君 そうしますと、お認めになっておられる。そこで、一言申し上げたいのですが、先ほど享便地域云々ということが言われたわけですが、その際に、最初は業務量が非常に少ないが、地況の変化によってだんだん多くなる場合もある、こういう話でありますけれども、しかし、享便地域というのは業務量と当然付随することでなければならないと私は思うのですね。ここは意見だけを私は申し上げておこうと思いますが、とすれば、その業務量が、いまの算定基準については、私ども、ここで意見は申し上げませんけれども、いまの算定基準から推計しても、いわゆる三人置かなければならないという業務量というものは測定できるはずであります。そういう観点に立って処置をするならば、二人局の解消ということは不可能ではないということでありますから、そういう意味も含めましてこの三人局の解消に私どもは努力してもらいたいということ、これはいかがでしょうか。
  343. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 業務がふえてしまってからゆっくりと増員措置をいたしたりすることはもちろん考えておりませんし、できれば事前にそういう実態というものを予見いたしまして、もう仕事がそれ相応にふえてくるときには、熟練した職員が二人以上配置されていると、そういう状態になりますように、よく心がけたいと存じます。
  344. 村田秀三

    村田秀三君 そこで予備員制度、私はかりにこう申し上げます。これはこの七百六十九局まんべんなく影響するような措置がなされているかどうかですね。
  345. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 先ほど申し上げました、一局四十日の賃金は、二人局につきまして全部配分されているはずでございます。なお、配局での休暇のあと補充等につきましては、都市のように密集しているところでは、御承知の年次休暇の予備定員をどこかの局に置きまして、休暇のあと補充に熟練した者が随時出ていくというようなやり方、あまり適当じゃありませんが、ますらお派出夫なんていうことを、ちょっと部内では言ったりいたしますが、そういうやり方もあるわけでございますが、市外のこの二人局等につきましては、かなり距離も離れているところが多うございまして、局数もそう多くありませんので、なかなかさような措置が十分にとりかねておりますので、ほとんど全部につきまして、先ほど申し上げましたような措置をとっていく次第でございます。
  346. 村田秀三

    村田秀三君 そういうことでありますと、この市内地の局舎におきましては、年間四十日もらっても、これはどうしようもないですよ、率直に言いましてね。したがいまして、それはバス代負担等の問題は出てきましょうけれども、二人局を完全に解消する以前の問題としては、どうしてもやはり市内地のそのシステムを影響さしていくということが大切なことだと私は思うのです。そういうことをひとつ、今年度は無理だろうけれども、次の年度にお考えいただけるかどうか。
  347. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 年次休暇、予備定員、当面ある措置のとり方にも努力をいたしまして、それと並行しまして、ただいまのお説のような制度で、前向きで検討してまいりたいと思っております。
  348. 村田秀三

    村田秀三君 それはひとつお願いをいたしたいと思います。  次に、商初郵便局の問題でありますが、この簡易郵便局の設置状況ですね、これは法制化されまして以降、逐年どれくらいずつ置局されておるかという問題です。
  349. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 昭和二十四年にこの制度ができましてから、二十四年度末で四百八十三局ございました。二十五年にも四百三十四局、以後あまり多い数じゃございませんで、最近のことにつきまして申し上げますと、三十五年度で三十四局、三十六年度で二十三局、三十七年度はこれは非常にふえまして五百三十三局、三十八年度も四百九局、三十九年度で二百九十六局、四十年度につきましては、一月末で約百六十局でございます。
  350. 村田秀三

    村田秀三君 このうち特定局に組みかえられた個所ですね。
  351. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 昭和二十九年度に六局無集配局になりましたのをはじめといたしまして、年々数局ずつございます。ただいままでの累計が百六十九局でございます。
  352. 村田秀三

    村田秀三君 その経営の実態といいますか、先ほども向井委員の質問ですか、委託料云々という問題ありましたが、その経営の実態ですね、これは簡易郵便局側から見た場合、つまり収入が幾らあるのですか、そういうことでいいと思うのです。それから郵政省側から見た場合ですね、いわゆる採算性といいますか、収益性、そういうものの動向といいますか、それを聞いてみたいと思います。
  353. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 受託団体の側から見ますと、実はこれは団体側でどういう場所でどういう人に仕事をさしているかということによってだいぶ違ってまいります。受託団体が、こちらから出します手数料以上に加えて職員に支払って仕事をさしているというところもございますし、全く通り抜け勘定で手数料がそのまま受託者にいくというところもあるわけでございます。省のほうから見ました場合には、どうも厳密な簡易局についての収支計算というものをあまりいたしておりません。と申しますのは、郵便なり貯金なりの関係で、特に郵便につきましては、窓口で引き受けましたものをその場で収入と見るわけにはなかなかまいりませんで、ずっと何べんか中継を経まして配達されまして初めて収入が完了したと申しますか、収入を全部の部門に割り振らなければならないわけでございまして、ただいま私手元にさようなものを持ち合わせておりませんのですけれども、しかし、へんぴな地域に窓口機関を普及させるというところから申しますと、ある程度の持ち出しはこれは当然とも申せますし、特にもう少し享便地域も広く、享便人口も多い無集配局と比較しますならば、二人配置局でも年間平均しまして、人件費、物件費込めますと、もう七十万程度にも一人についてなるわけでございますから、簡易局のほうの経費は、これに比べますと、まだ相当安いということも申せるわけでございます。四十一年度の一局平均が、月額一万七千円余りの手数料を予定しておる状態でございますので、無集配局等と比べると、その利用者の利便、経費ということを考えますならば、相当安上がりに利便を提供しているということが申せるかと思います。
  354. 村田秀三

    村田秀三君 ただいま一局一万七千円ですか、二人でも三人でも。それともう一つ、矛盾するのじゃないかと思うことをいま言われましたので反問するわけですが、採算制は厳密にこれはやっておらない、しかし、これは窓口機関を普及するという意味、国民に対してサービスを提供するという意味では意義がある、そうして持ち出しはやむを得ないと言っておりますが、まあ一局一万七千円でございますから、非常に安上がりにサービスを提供している、こういう相矛盾した言い方をされておりますが、それはどちらですか。
  355. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 実は郵便のほうから申しますと、そういう窓口機関をつくりますと、利用者には非常に便利になっていただくわけでございますが、そのために郵便がふえるということはありません。少しはふえるかもわかりませんが、特に何割ふえるとかというような形にはなってあらわれないわけでありまして、その面では利便を提供するという公共企業の使命を果たしておる、また、それのやり方が比較的安く提供している、こういうことになるかと思っておるわけでございます。
  356. 村田秀三

    村田秀三君 厳密には計算をしてみないけれども、持ち出しにはなっておるだろうということは言えるわけですね。
  357. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) そのようになっていると考えております。
  358. 村田秀三

    村田秀三君 そこでもう一点関連をいたしましてお伺いをいたしますが、この簡易局設置に関連をいたしまして、とかく政治的な問題が発生をしておる。これは特定局の設置の問題、あるいは特定局長の任用の問題についてもいろいろと話を聞くわけでありますが、その内容ですね、そういうことがなければないということでけっこうです。
  359. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 私ども、簡易局の設置にからみまして非常に不当な、妥当でないような事柄があるとはあまり考えておりませんのでございますが、もし、そういうような事情がございましたら、いろいろとまたお教えを願いたいと存じます。できるだけ簡易局の設置、あるいはこの簡易局の運営が公平に、りっぱに行なわれますように私どもは努力をしなければならないと考えております。
  360. 村田秀三

    村田秀三君 特定局長あるいは特定局の設置の問題についてはどうですか。
  361. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 先ほど申し上げましたような設置基準でいるわけでございますが、その設置基準に入ります中で、非常に熱心に局をつくりたいというところと、基準には該当しておっても、比較的冷静な場所といろいろございます。で、非常に熱心な場所等におきまして、しかも、局長になりたいという人などが何人かあります場合には、いろいろの運動もないとは申せませんが、省のやり方としましては、設置場所については、相当客観的にもはっきりしているわけでございますし、また、任用につきましては、関係の部局におきまして、それぞれ適正に行ないたいと考えております。
  362. 村田秀三

    村田秀三君 それではただいまの御答弁をお伺いいたしますると、運動の強弱等あるけれども、郵政省としましては、郵政省が持つところの基準、内規、そういうことに基づいて自主的にこれはやっておる、こういうことですか。
  363. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 比較的ほかのほうで繁忙だということもございまして、置局につきまして、受け身の姿勢でおりますので、実は基準に該当しておるところを極力さがし出して、端から片づけていくというところまで手が回りません。そういう要望のあるところから検討していくというようなことがございますので、場合によりましては、基準をこえる度合いの強いところが度合いの弱いところよりあと回しになるということも、ときになしとしないかと思いますが、実際に設置する際の態度と申しますか、私どものほうの方針におきましては、もうそれ以外どうしたら所在の利用者の利便をはかれるか、あるいは基準に合っておるか合っておらないか、そういうふうなことを主にしてやっておるわけでございます。
  364. 村田秀三

    村田秀三君 いまの答えの範囲の中で、なかなか明瞭ではない部分もあるわけでありますが、しかし、その中の大部分は、少なくとも郵政省として、いかなる圧力にも屈しないで、公正に行政執行しておるということですね。
  365. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 仰せのとおりでございます。圧力と申しますか、基準にはまっている範囲内での強い御要望といいますか、熱意と申しますか、そういうようなものは、先ほど申し上げましたように、私ども比較的受け身でおりますので、それが若干影響することはあるいはあるかと思いますが。公正に措置しているつもりでございます。
  366. 村田秀三

    村田秀三君 その問題はこの程度に終わります。  次に、先ほど局舎の問題で永岡委員のほうからも質疑ありましたけれども、その中で、ちょっとこれは事務的なものでありますが伺いたいことは、建設勘定、その財源の内訳であります。先ほど私が答弁聞き漏れであるかもしれませんが、減価償却費と、それから貯金、保険の分担金、こう聞いたわけでありますが、そのとおりでしょうか。
  367. 淺野賢澄

    政府委員(淺野賢澄君) 百七十五億の内訳は、利益金から六十億円、それから減価償却は十八億、それから貯金と保険から持ってまいります、設備負担金と称しておりますが、これが六十七億、それから借り入れ金が三十億、合わせまして百七十五億ということでございます。
  368. 村田秀三

    村田秀三君 郵便事業からの分担金はないのですか。
  369. 淺野賢澄

    政府委員(淺野賢澄君) 郵政事業特別会計の主体が郵便事業になっておりますから、郵便事業のほうに貯金と保険からは負担金という形でもらってまいります。そうして郵便事業のほうは、減価償却費をこれは一緒に出しますのと、利益金と申しますのは、郵便のほうからの利益金であります。郵便のほうからは剰余金または利益という形で六十億、五十九億余出しまして、貯金、保険からは同じく負担金という形で出してもらう、こういう形になっております。
  370. 村田秀三

    村田秀三君 こまかいことを聞くわけでありますが、剰余金がたまたまあったからよろしゅうございますけれども、なければどういうことになるのですか。
  371. 淺野賢澄

    政府委員(淺野賢澄君) ない場合には、借り入れ金でその点をやらしていただくようになります。
  372. 村田秀三

    村田秀三君 そうしますと、明らかになったのですが、少なくとも建設勘定郵便事業から持ち込むほどの金はないということと同じになりますね。
  373. 淺野賢澄

    政府委員(淺野賢澄君) 今回料金値上げをお許しいただきますと、ちょうどそれから五十九億余は郵便事業から持ち出すことができる、来年度予算に関する限り、五十九億ばかり持ち出すことができる、こういう結果になるわけでございます。
  374. 村田秀三

    村田秀三君 郵便料金が上がった場合、来年度五十九億ぐらいは持ち出せるというわけですね。そうしますと、四十年度は郵便事業からは建設勘定としては出ておらないということが言えると思うのです。
  375. 淺野賢澄

    政府委員(淺野賢澄君) 四十一年度値上げと同時に、来年度入るわけでございます。
  376. 村田秀三

    村田秀三君 その点わかりましたけれども、これは郵便料金の値上げが前提になっている。そうしますと、やはり、言えることは、これは郵便料金を上げなければ郵便事業からは持ち出せないということがはっきり言えるわけですね。それをひとつ確認をいたします。  それから、これはついでで恐縮でありますが、局舎の借り上げ料、これは局舎その他施設費の中に入っているのではないかと思うのですけれども、幾らぐらいになりますか。
  377. 淺野賢澄

    政府委員(淺野賢澄君) これは局舎その他建設費でなしに、損益勘定のほうから、純益のほうから出しております。
  378. 村田秀三

    村田秀三君 幾らですか。
  379. 淺野賢澄

    政府委員(淺野賢澄君) 四十一年度二十九億円でございます。
  380. 村田秀三

    村田秀三君 わかりました。そこで私の意見になるわけでありますが、この特定局舎の問題は、本日永岡委員からも向井委員からもあるいは木村委員からも意見が出たのですが、実は私も詳細に計画、準備をしておったわけでありますが、重複する点は申し上げないことにいたしますけれども、少なくとも郵政事業の本体は郵便である、しかも、これは公企業である、にもかかわらず、先ほど永岡委員のほうからも質問されましたが、財投を要求したけれども、三十億の借入金で終わってしまったという問題かあるわけです。これはなせ一これはどなたもおわかりのはずなんですよ。簡単な理屈は、国家自体が郵便に対しましては相当な負担をかけている、郵政事業に対しましては相当な負担をかけている。これは先ほど来申し上げましたように、二人局の場合でも金があれば三人にしてやりたいという気持ちがおありでしょうし、さらに、これは簡易局等につきましては、採算制を度外視してサービスの提供を積極的に行なっていきたい、にもかかわらず、なぜ国がその設備費を見ないのかという点でありますが、それはどういうことでありますか。
  381. 淺野賢澄

    政府委員(淺野賢澄君) 郵政事業特別会計法によりまして、独立採算のたてまえとして事業をやっていくというふうに相なっておりますので、自然一定の線が出てまいるわけでございます。それでまた、その借り入れ金が、先ほど申し上げましたように、非常にふえてまいりますと、償還並びに利払い等がかさむ一方でございますし、いずれかまた値上げの問題も出てまいりますし、あとになればなるほど値上げ幅が大きくなると、かように考えられますので、今回は極力低目にこういうふうにお願いした次第でございます。
  382. 村田秀三

    村田秀三君 その問題は一応おきます。  あらためてお伺いをいたしますが、郵便貯金簡易保険郵便年金、それが資金運用部に占める割合。
  383. 稲増久義

    政府委員(稲増久義君) 資金運用部資金の現在高四兆六千億をもとといたしますれば、郵便貯金は二兆六千六百億でございますので、約五四%でございますし、来年度の財投計画から見ますれば、私のほうは四千九百億でございますので、四十一年度の資金運用部資金におきましては約四〇%の割合ということでございます。
  384. 村田秀三

    村田秀三君 じゃ、保険のほうをひとつお願いします。
  385. 武田功

    政府委員武田功君) 簡保の積み立て原資でございますが、それが資金運用部に占めます比重というお尋ねかと思います。現在、簡易保険は、御案内のように、その積み立て金は、法律によりまして簡保独自の運用をしておるのでございますので、全部、資金運用部に入るわけじゃございません。したがいまして、現在入っております額は大体六百億でございますので、先ほど貯金局長がお答え申し上げましたように、運用部の総原資が四兆六千億といたしますと、一・四%ということでございます。
  386. 村田秀三

    村田秀三君 ただいまの数字は、年金も一緒ですね。
  387. 武田功

    政府委員武田功君) さようでございます。
  388. 村田秀三

    村田秀三君 六百億資金運用部に入っているのはわかりましたが、郵政省の運用部で運用をしておる金額は、どれくらいになっていますか。
  389. 武田功

    政府委員武田功君) 四十一年度の予算で計上いたしまして出しておりますのは、一千七百億を財投のほうに運用し、さらに百億を契約者貸し付けに回そうということでございます。  なお、総体の資金運用原資という点から申し上げますと、ただいまのところ、大体一兆二千億というところでございます。
  390. 村田秀三

    村田秀三君 これは大臣にお伺いをしたいのでありますが、このように郵政省が国家資金の調達に貢献をしておると思うのでありますが、この運用部の中における四〇%、あるいは保険にいたしましても、契約者貸し付けであろうとも、公共事業を対象にするものもあると思われるわけでありますが、これらの金が日本経済の発展にどの程度寄与をしておるか、この点伺いたいと思います。
  391. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 御指摘の点は、国庫統一の原則にと申しまするか、そういうプリンシプルでいたしておる。したがって、財投というものが日本経済に大きい貢献をいたしておる。ただ、財投というものが一体どれだけ国の経済をささえるためにいつまでもそういう形でいくべきかということは、経済の原則という上から考えなければならないであろうと思います。しかしながら、郵政省も非常な努力をし、私自身としては、必ずしも国庫統一の原則は、いまのような考え方でもってやることが、一体国の財政のあり方としていいかどうかという問題はございます。しかし、どの程度の経済に対する貢献度をいたしておるかといえば、そのような原則を保っておるがゆえに、とにかくごらんのとおりの四十一年度の予算なり財政規模をささえていくために、また、国の景気の浮揚力をつけまするためにも、財投がかなりな役割りをしておる。そうすれば、その中の役割りは非常に高いと、こういうことでございます。
  392. 村田秀三

    村田秀三君 私は寄与率をひとつ知りたいと思いましたが、これは私自身その比率を出すことはたいへんむずかしかろうと思います。ただし、相当に貢献したという事実だけは、これは認められる、また認めなければならない、かように思うわけであります。そうしますと、少なくともこのよよに国家に貢献をした事業を遇するに、これは独立採算制——法律でありますか、しかし、その経営の基準というものは、別にこの料金の値上げに求めなくとも、これは国家の配慮によってなし得ると私は思うのでありますが、その点はどうでありますか。
  393. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) その点は、私こう思います。そういう貢献をしたから、だから簡保なり貯金なり、もう少し自主運用させるべきじゃないかという議論に発展するのじゃありませんか。そうした貢献をいたしておるから、だからそれを貸し付けるというのだったら、これは先ほど経理局長が申しましたように、後年度の利用者にかえってよけいな負担をかけて返すことになる、一般会計から繰り入れするのならこれは別であります。だから財投の辺でお話をお持ち出しになるということは、少し違っているのじゃないか。しかし一般会計からの繰入れになりますと、国の財政がそれを許せば、一つ考え方です。しかし、今年度は、その方向はなかった。しかし御指摘になる点は、ごもっともな点があり、そういう議論をよりどころにして、私どもは、簡保なり貯金なりにもっと自分のために有利な運用をさせるということは考えてもいいじゃないだろうかというような議論を展開させていくということは、筋が十分通っていると思います。
  394. 村田秀三

    村田秀三君 後段、大臣がおっしゃいましたその検討ですね、検討をすることは私もやぶさかではございませんが、しかし、少なくとも国の事業であり、かつ、国全体の経済の発展にこれほど寄与したということであれば、国家が相当の費用を負担するのは当然である、公共事業の限界という問題に入ってまいりますけれども、その輪講は別途いたすことにいたしましても、そのような理論、考え方というものが当然出てくるのじゃないかと思いますが、この点はどうですか。
  395. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) その点は、議論を立てればいろいろございましょうけれども、財投に寄与したからということではなくて、そういうのは、国家として非常に独占して事業をやるがもうからない仕事だから、アメリカ流に一般会計から持ったらどうだ、しかしアメリカでも、一般会計で足らず前を補うほかに、やはり足らず前を相当補って、一九六三年に同時に料金の値上げもいたしておる。どこの国でもこの郵便という一きょうも御指摘がございましたが、私は、その郵便事業というものを伸ばしていくには、どうしても物の数を伸ばしていく——これは物の伸びが幾らか悪くなってまいりましたために非常に会計が苦しくなった、しかし機会があれば物を伸ばすということが、私は郵便事業会計をささえていく問題点だと思います。ともかく、どこの国にいたしましても、郵便事業というのがなかなか採算のとりにくい事業であり、そのためにいろいろな苦労をいたしておる、この点は、考えるべき問題がたくさん残っておると思います。ただ先ほど来、政府委員も申しております独立採算制をとっており、企業的に経営するという立て方からいきましていまの郵便料金値上げをお願いしておるわけでございます。この点について、私は根本的にいろいろな御議論のあることは承知もいたし、またよく承りたいと思っております。
  396. 村田秀三

    村田秀三君 時間がありませんから、別途あらためて何らかの機会にその問題を詰めていきたいと思います。私はここで意見だけを申し上げまして質問を終わりたいと思うわけでありますが、大臣考えておられると、いろいろこうおっしゃるわけでありますが、とにかく、局舎の問題をとってみましても、それは省がいま持っております内容を検討するならば、いろいろの問題や意見もございます。ございますが、この局舎の問題、あるいは二人局の問題あるいは勤務条件、どの面をとらえて考えてみましても、郵政事業が今日行政の中では一番立ちおくれている、この実感を全従業員は持っているということであります。極端なことを申し上げますと、郵政大臣はいつも参議院から出ると、参議院を弱く見ることはわれわれ自身を見ることにもなるわけでありますから、決してそうではない。ましてや、今日の大臣は、私も、考えはあるわけでありますけれども、しかし郵政大臣、また中堅幹部、少しおとなしいのではないか——これはいい意味でいえばおとなしいということであります。私自身も非常におとなしい人間でありますけれども、おとなしい、言いかえれば腰が弱いのではないか、こういうことを言いながら、少なくとも国家の要請に従って与えられた目的を、貯金の場合でも保険の場合でも、そして郵便の場合でも、これは遂行していると思います。にもかかわらず、いろいろ議論はあるかもしれませんけれども、われわれのなかなか了解しにくいところの現在の状態、これはどうしても納得がいかない、こう思うわけでありまして、もちろんこれは値上げをしたからそれでよろしい、サービスを向上さしたからそれでよろしいという問題ではないと思いますが、日本の総体的なバランスの中で、やはり郵政事業もその立場を維持するための努力を全体的にしていかねばなるまいと実は考えておるわけでありますから、さような立場で意見を申し上げまして、いままで申し上げましたいろいろこまかい点につきましては、機会を改めていろいろと相談をしてまいりたいと思います。
  397. 鈴木強

    鈴木強君 ちょっと関連して。いまの問題は非常に大事な問題と思います。私は、村田委員の言われておる趣旨は、財投に簡易保険なり郵便貯金資金というものが何億と行っておるわけですね。したがって、これを自主運営してまいりますれば、効率的な資金運営によって利潤がかなり出てくると思います。かりに五分五厘に運用しても、これは郵便料金を値上げしなくても済むだけの財源は十分出てきます。ですから、そういう意味において自主運営の方向に郵政省としては、またわれわれもひとつ一体になって持っていこうということ。それからもう一つは、要するに損をする仕事をさしておくわけですから、ですから終始ペイしない仕事をやらしておる以上は、低料金政策、公共性とのぶつかり合いでそういう仕事をさしておるならば、これはやはり政府がその赤字を補てんすべきである、こういう結論だと私は思うのです、言われておることは。ですから、私は大臣考え方と決して食い違っていないと思うのです。したがって、その点をひとつ理解していただいて、われわれはこれはもう何十年と叫び続けてきた一貫した思想ですから、よく大臣も御理解になっておると思います。ですから、そういう思想であるということをよく理解していただきたい、こういうことです。
  398. 井川伊平

    主査井川伊平君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  399. 井川伊平

    主査井川伊平君) 速記をつけて。
  400. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 午前中、鈴木先生から御質問のありました小包の地帯別の増収金額でございます。第一地帯で二十五億二千四百万円、第二地帯七億七千五百万円、第三地帯が三億九千百万円、合計しまして三十六億九千万円でございますが、書籍、小包のほうが安くなっておりまして、その減ります金額が四億九百万円、差し引きまして三十二億八千百万円でございます。  なお、郵袋数につきましても御質問ございました。大郵袋が全国で百九十二万動いております。それから小郵袋が九十八万、そのうち赤郵袋五十八万、白郵袋四十万という数でございます。
  401. 井川伊平

    主査井川伊平君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  402. 井川伊平

    主査井川伊平君) 速記をつけて。  七時二十五分まで暫時休憩します。    午後六時五十六分休息      —————・—————    午後七時三十五分開会
  403. 井川伊平

    主査井川伊平君) ただいまから予算委員会第三分科会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を続行いたします。質疑のある方は、順次御発言を願います。
  404. 永岡光治

    永岡光治君 ただいま中小企業対策は政府の大きな方針になっておりますが、その観点から若干、質問をしてみたいと思います。そこで、本社のほうで準備されている施設物品の受注製造業者の数ですが、これはどのくらいあるのか。それを、この前一応表はもらったつもりでございますが、念のためきょう明らかにしていただきたいと思うんですが、その大企業と中小企業の割合はどういうふうになっておるか、それをまずお示しをいただきたいと思います。
  405. 井上俊雄

    説明員(井上俊雄君) お答え申し上げます。電電公社の本社の施設物品は、大別いたしまして線材と機材に分けられるのでございますが、線材関係のメーカー数は、三十九年度末におきまして百六十八社、うち、大企業メーカー七十二社、四三%、中小企業メーカー九十六社、五七%となっております。また、機材関係メーカー数は、三十九年度末現在におきまして百八十社、うち、大企業メーカー六十五社、二六%、中小企業メーカー百十五社、六四%となっております。この中小企業の範囲は、資本金五千万円以下の会社、または従業員三百名以下の企業を中小企業メーカーの範疇に入れております。
  406. 永岡光治

    永岡光治君 受注業者の数はわかりましたが、発注の金額をひとつお示しいただきたいと思います。
  407. 井上俊雄

    説明員(井上俊雄君) お答え申し上げます。三十九年度一カ年間におきまする線材関係の総発注額は六百九十四億でございまして、うち、大企業メーカーに対しまして六五十七億円、八八・九%、中小企業メーカーに対しまして七十七億円、一一・一%。機材関係は、三十九年度の契約額は九百九十九億円でございまして、うち、大企業メーカーに対しまして九百四十二億円、九四・三%、中小企業メーカーに対しまして五十七億円、五・七%となっております。なお、四十年度でございますが、四十年度はまだ進行中でございますが、推定いたしまして、線材関係総額七百二十八億円、大企業メーカーに対しまして六百四十六億円、中小企業メーカーに対しまして八十二億円、さらに機材関係におきましては、四十年度推定千百二十三億円、大企業メーカーに対しまして、一千六十一億円、中小企業メーカーに対しまして六十二億円、このように予定いたしております。
  408. 永岡光治

    永岡光治君 ところで、中小企業メーカーに対する金額の点でございますが、業者の割合に比較いたしまして非常に少ないのですね。たとえば線材関係は特殊な事情があると思いますけれども、それを見ましても、大手が九一%、中小企業が九%、その一割にも満たないという状況です。機材を見ましても、これでも大手が九四%、中小企業が六%と、これは三十九年度の状況ですけれども、これを見ますと、どうも中小企業に対するめんどうの見方と申しますか、それが非常に少ないのでありますけれども、この点はどのように考えておりますか。
  409. 井上俊雄

    説明員(井上俊雄君) お答え申し上げます。ただいまご披露いたしましたとおり、大企業メーカーに対しまして大半のものを発注いたしておるのでございますけれども、これをしさいに分析いたしますと、たとえば資本金百万円当たりの発注額という面で見てまいりますと、大企業メーカーに対しましては十万円、中小企業メーカーに対しましては、線材関係でございますが、百六十二万円、また従業員百名当たり発注額は、線材関係で大企業メーカーに対しまして一千五百六十万円、中小企業メーカーに対しましては六千三十万円となっておるのでございます。なお、この線材関係のこれらの総額の中には、鋼管、鋳鉄管あるいは自動車といったようなものが含まれておりますが、これは例外なく大企業ということになっておりますので、さらにこれを除きますと、資本金百万円当たり発注額は、線材関係で大企業メーカーに対しまして三十八万円、中小企業メーカーに対しまじては百六十二万円、従業員百名当たり大企業メーカーに対しましては四千二百十万円、中小企業メーカーに対しましては六千三十万円となっております。また機材関係でございますが、これは大企業メーカーに対しまして九四%余りを発注いたしておるのでありますけれども、同じように分析いたしますると、資本金百万当たりの発注額は、大企業メーカーに対しまして二十一万円、中小企業メーカーに対しましては百九十七万円となっておりますし、また従業員の百名当たりの発注額は、それぞれ二千八十万円、三千百八十万円となっておりまして、したがいまして、大企業メーカー偏重の発注をしておるということにはならないものと、考えておるのでございます。
  410. 永岡光治

    永岡光治君 この四十年度も大体同様の傾向をとってきたのではないかと思いますが、将来の考え方と申しますか、どのような心がまえで進む考えでございますか。
  411. 井上俊雄

    説明員(井上俊雄君) お答え申し上げます。技術革新の進行につれまして公社の発注する品種が非常に高度な製品となってまいります関係もございますし、かつ、大量に購入すというような傾向も逐次そういう傾向が強められつつあるわけでございます。こういうような品物を発注するということになりますと、勢い技術能力の豊かな試験研究設備等の整った大企業メーカーに、これらの新しい製品が試作の段階から逐次発注に移されていくという傾向がどうしても生まれてくるのでございます。一方、たとえば電気通信機器産業に例をとりましてみますと、この製造工業の特質と申しますか、非常に頭脳的な加工工業といった性格が強いために、多種類の資材、原材料あるいはおびただしい部品等から構成されております関係上、数多い中小企業と少数の総合セットメーカーと申しますか、そういうメーカーから電気通信機器産業は成り立っているのでございます。したがいまして、どうしても電気通信機器産業を構成する大きな勢力でありまする中小企業の健全な発展、繁栄がないと、電気通信機器産業の健全な発展も見られないという観点から、技術革新の進行に対処しつつ、常に中小企業の健全な発展のために及ばずながら心を砕いているのでございます。したがいまして、大企業は、一般的にごく大づかみに申しまして、標準的な大量生産品とか、あるいは特に高度な製品の製造、あるいは新しい製品の開発、探求、研究といったようなことに専念をしていく、そうして中小企業の分野と著しくは競合しないようにして、それぞれフェアな競争の範囲内でそれぞれの分野で健全な発展をしていくということを、できるだけわれわれの施策の中にも取り入れてまいってきております。たとえば、このような時代の大勢によってもたらされてまいりました旧型機種の受注減という問題に対処いたしまして、在来大手メーカー等で製造を分担しておりましたいろいろな機器類を、逐次計画的に中小企業メーカーに指導をしながら発注がえをしていくといったような措置も講じてきておりますし、今後もこういう観点から、できるだけ大企業と中小企業とがそれぞれバランスのとれた発展をしていくようにつとめてまいりたいと、このように考えている次第でございます。
  412. 永岡光治

    永岡光治君 答弁で明らかになったわけですけれども、まことにそのとおりだと思うのでありますが、やはり何といっても電気産業の最大のユーザーとしては電電公社、これはだれでも認めるところでありますが、したがって、いま中小企業を何とか立て直しをしなければならぬと政府はしきりにあせっておりますが、国会でも、その中小企業の分野の確保の法律もつくろうかという段階になっているわけでありますが、幸いにして最大のユーザーの電電公社が中心になりまして、中小企業の育成と申し上げますか、あるいは確保と申し上げますか、その点で特段の配慮をしていただく必要があると思うのですが、何といっても技術革新のテンポの非常に早い事業だけに、非常に中小企業を確保しろといってもむずかしい点はあろうかと思います。その点は私もうなずける点はあるのですが、とは言っても、何かそこに大企業でなくても間に合うものがあるのではないか、また、全部順送りにそれを回してそれを育てていく方向もやはりあるのではないかと、こう思うわけでありますから、その製品の発注もそういう方向でいきますと同時に、中小企業の技術の進歩について、何か育成の方法を考えてやる、援助ですね、それらに対する援助、指導という問題について考える必要があるのではないか、このように考えますが、そのような施策は持っておいでになりますか。
  413. 井上俊雄

    説明員(井上俊雄君) 先ほど申し上げましたとおり、特に中小企業に対しましては、単なる保護とか社会保障とかといったような観点でなく、積極的に強化していく、育てていくという方向でできるだけ配慮をしているつもりでございますけれども、すでに公社におきましても、たとえば電気通信研究所に技術協力部という組織もつくりまして、そして中小メーカー等の技術的な面に対する診断とか、あるいは試作品に対する技術上の評価、指導といったようなことをすでに軌道に乗せて実施しておりまして、そういうことを通じまして、中小企業メーカーにおいて製造される品種の性能向上、こういうことに役立ててきておりまして、その成果をすでに公社内部におきまして、仕様書の改定等を通じまして実施に移しているものもございます。さらには中小企業メーカー自身には、本質的にもやはり欠点とか問題とかもございますので、それらにつきましても常にいろいろ相談にもあずかりもし、いろいろ意見も述べまして、そういう点を直していくということをやりながら、常に独立専門メーカーとしてみずからの力で技術を研さんする、あるいは資本の調達をはかっていくというようなことをやって、相当明るく、かつ、たくましい歩みを見せつつあるメーカーもございますし、さらに大企業の系列メーカーとして、たとえば販売、営業面といったような面につきまして、中小企業の本質的欠陥であるそういったような面についてカバーしつつ技術について確保していくとか、さらには同種業者が一社一社だけでは、経営基盤等も弱いためになかなか技術革新の進行、大量生産の時代の波というものに抵抗できないようなメーカーが相結束して、三つ矢の例にもあるごとく共同防衛をしていく。それを通じまして強く繁栄していくというようなことで、幾つかの品種別の協同組合も結成されているようなわけでございまして、だんだんとそれぞれが希望を持って前進しつつあるように思います。  なお、公社といたしましても、できるだけ今後ともそういう方面に積極的に努力をしてまいりたい、かように考える次第でございますので、何ぷんともよろしく御指導を願いたいと思います。
  414. 永岡光治

    永岡光治君 非常に私も感銘を深うするわけでありますが、その方向でぜひさらに前進をしていただきたいと思うのですが、単に技術指導のみならず、技術と経営というのは表裏一体をなす問題だろうと私は思うのです。経営の面について公社がどうしろということは、あるいは直接に資金を貸してどうということはできないかもしれませんが、いまお話しになったような同種業者とか、あるいは同一の系列をできるだけまとめて、三つ矢ですか、そういう問題もあることだし、大いに育成していきたいということですが、その方向を一段と進めていただいて、実はその他の官公需の問題についても、私ども国会では中小企業の何と申しますかね、保護と言うか、そういう問題についてずいぶん政府のほうに鞭撻をしているのでありますが、なかなかどうも思うように行っていないようですから、まあ電電公社とか国鉄とか、そういうところが、大きなユーザーがそういう方針で進むということになると、相当に私は政府の政策も生きてくるのではないかと思いますので、ひとつ電電公社が模範的な立場で、そういう方向をぜひ強力に推進していただきたいことを要望しておきたいと思います。  それから第二点目の問題でありますが、財政の問題を少しただしてみたいと思うのでありますが、電電公社昭和四十年度末におきます資産総額というのはどのくらいになっておりますか。
  415. 中山公平

    説明員(中山公平君) お答え申し上げます。資産の総額は四十年三月三十一日現在でございますが、正味資産といたしまして一兆二千四百九十四億円、こういうことに相なっております。
  416. 永岡光治

    永岡光治君 そこで、その資産の形成に要しました資金の調達の内訳はどういうふうになっておりますか。それを尋ねたいと思うのです。ということは、すなわち自己資金がどのくらいで、それから電電債券が幾らになっているか。
  417. 中山公平

    説明員(中山公平君) お答え申し上げます。自己資金といたしましては、これは三十九年度末でございますが、年度がかわっておりますのでございますが、四十年度はまだ決算ができておりませんので、三十九年度ので御説明を申し上げますと、自己資本といたしましては七千六百四十八億円でございまして、五一・七%を占めております。他人資本といたしましては七千百五十一億円でございまして四八・三%を占めておりまして、そのうち固定負債が六千七百七十七億円でございまして、流動負債が三百六十五億円でございます。その他といたしまして九億円のものがあるわけでございます。
  418. 永岡光治

    永岡光治君 その中で弁済の済んでいない負債というのはどのくらいになっておりますか。
  419. 中山公平

    説明員(中山公平君) 三十九年度末で申し上げますと、債務残高は六千七百四十三億円ということに相なっておりまして、この中で電信電話債券に関係するものが六千三百五十九億七千百万円、こういうことに相なっております。
  420. 永岡光治

    永岡光治君 その負債の弁済の計画はどういうことになっておりますか。
  421. 中山公平

    説明員(中山公平君) 毎年予算におきまして、償還期のまいります債務の額を計上いたしまして、それを支出に充てていく、こういうことにいたしておりますが、だんだん債務がふえてまいりますので、長期的にこれをどうやって償還をしていくかという問題になりますと、昭和四十五年度以降等になりますと、一年に一千五百億円程度の債務償還をしなければならないということになってまいりまして、これらについては目下検討をいたしておるところでございます。
  422. 永岡光治

    永岡光治君 そういうことであれば、まあ千五百億というお話でありますけれども、まあそこまで明確になっておるとするならば、今後これにどう対処していくかということがやはり重要な問題と公社としてはなると私は思います。そこで問題になるのでありますが、減債引き当て金ですね、これを損益勘定から留保いたしまして積み立てておくというような方法は考えたことはないのですか。もし考えたことがあったとすれば、どういう折衝をされてきたのか、また将来どうしようとしておるのか、その辺のかまえですね、それをひとつ答弁いただきたいと思います。
  423. 中山公平

    説明員(中山公平君) 私ども独立採算制をたてまえといたしております公共企業体におきましては、事業収入というものは、狭義の経営原価というものをカバーするというだけではなくて、事業の継続性のために、社会的な公共剰余金というものも原価としてカバーをしていくということが必要かと存ずるわけでございまして、公共的必要余剰と申しますと、国民の皆さんの御要望に応じて、設備の新設、改良、拡充をやってまいるために必要なもの、あるいは不測の災害等に備えるために必要な資金、あるいは先ほども御指摘のございましたような、巨額の債務というものの減債に必要なための資金、こういったものを含めまして、これを収入によってカバーをしてまいる必要がある。こういったことは、先般日本国有鉄道におきまして、横浜国立大学の黒沢教授を会長とする諸大学の教授で設けられました会計及び財務基本問題調査会の答申の中にもそういったことが指摘をされておるところでございまして、私どもの電電公社につきましても、そのことは当てはまるものだと考えております。特に電電公社の場合を考えますと、加入者債券というものが債務の中で非常に大きなウエートを占めておりまして、この加入者債券につきましては、借りかえというようなこともききません。また、これを民間の企業のごとく増資によってまかなっていくということになりましても、なかなかに政府出資ということがたてまえになっております関係上、財政的にもいろいろと困難な問題が存在するのでございまして、そういった点から申しまして、加入者債券に関する債務だけでも減債引き当ての制度をとりまして、これを償還のほうで年度末までには償還に必要な額を積み立てておく、こういったやりかたをとりたいということで検討をしておるところでございますが、この点について、会計上の問題として、これを損金に立てるということにつきましては、従来の伝統的な企業会計の原則というものからみまして、相当問題もあるところでございます。しかしながら、この点はそれといたしまして、先ほど申しました公共的必要余剰というものの中に、この減債のための資金というものは含まれるべきものであって、これを社会資本の維持という観点からカバーをしていけるような収入を私どもはつくっていかなければならないということについては、否定すべくもないところでございますので、これらについて今後どういうふうにこれらを考えて、長期計画の推進をしていくかということについて検討もし、各方面とも折衝もいたしておる次第でございます。
  424. 永岡光治

    永岡光治君 今回の国会では、国鉄料金、それから郵便料金というものの値上げが提案されて、国鉄料金はすでに三月五日から実施している。郵便料金は七月一日からこれを引き上げるようにいま法案の審議の最中ですが、こういう一般の公共料金を引き上げるというムードの中で、電電公社の料金の問題は現状のまま据え置かれたということは、私どもそれを多としなければならないと思うのですが、それはそれとして、財政を検討する上からただしておかなければならないと思うのですが、かりに減債引き当てというものを設けました際に、この四十一年度から四十七年度まで計画されているかわかりませんが、ここ六、七年間の間の収支状況というものは、大体どういう傾向をたどっていきますか、もしわかっておれば示していただきたいし、用意してなければ、あらためて資料として出していただければけっこうだと思います。
  425. 中山公平

    説明員(中山公平君) お答えいたしますが、先ほど私からお答えをいたしましたようなやり方で、減債引き当てというものを設けてまいります際には、四十一年度から四十七年度までの間に、総額にいたしまして九千三百億円の引き当てを必要としてまいります。そこで、これを電信電話調査会に示されました事業の収支計画というものに、こういうものが含まれておりませんので、これを加えてまいりますと、どういうことに相なるかと申しますと、四十一年から四十七年までの事業収支でございますが、四千六百四十億の赤字になってまいります。欠損になってまいります。それにこれは事業収支のほうでございますが、さらに資本勘定といたしまして、資金の問題を取り上げて、債務償還額あるいは建設投資額だとか、こういったものを計算をいたしまして、調達可能見込み額というものをさらに計算をいたしまして、総体として資金的にはどうなるかと申しますと、四十一年度から四十七年度までには六千九十億円の不足資金が出てまいる、こういうことに相なっております。
  426. 永岡光治

    永岡光治君 そうなりますと、相当のこれはやっぱり問題が出てくると思うんでありますが、郵政大臣も特に出席されておりますが、郵政大臣として、いまのような制度について検討する必要があるとお考えになっておるのか。これは午前中からこの分科会において、郵政事業の借り入れ金の問題につきまして、私どもいろいろ大臣の意向をただしたわけですが、いつかこれは破綻をしてくるということになると、私ども料金の値上げに賛成するわけじゃないのですが、そういう状況を一体政府としてどういうふうな方法で救済していくかという方法は、当然考えてしかるべきだと思うんですが、いまの減債引き当ての制度を設けるべきかどうかということについて、一体大臣はどのように考えておるのかお聞きしたいと思うんです。
  427. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 電電公社でもいろいろと公社財政の将来を考え、また制度全体としていろいろ考えておられるようでありますが、公社の一つ考え方をまとめて、ひとつ郵政大臣に相談をいたすということを伺っておりますので、公社の案をひとつまとめていただいて、これならやっていける、また、こうしていかにゃいかぬのだという公社の考え方をまとめていただいて、そして政府としても十分考えたい、こんなぐあいにいま思っております。
  428. 永岡光治

    永岡光治君 私ども決して公社の肩を持つわけじゃありませんけれども、国会の中で私どもが論議して出てくる話というのは、国鉄、郵政、これは非常に気の毒な状況だと、少々料金を上げても差しつかえないじゃないかということをよく言うのですね。ところが、電電公社は何とか大丈夫だからと、今度もそういう意味で見送られたんだろうと思うんでありますが、そういう実態というものを正確にやっぱり国民の前に明確にする必要があるのではないだろうか、それに対処して、一体政府当局はどうしてこれを立て直していくのだろうかという方法ですね、これは足りなかったと思うのですがね、これは公社当局もやはり責任があるのじゃないかと思うのですが、その辺は今後どういうひとつPRと申しますか、これは委員会でこうして質問をすれば明確になってくるわけですが、案外これは知られてないと思うのです。そういう点についての今後の方針ですね、これは総裁からでもけっこうですが。
  429. 米沢滋

    説明員(米沢滋君) ただいま御質問がございましたが、電電公社といたしまして、過去十三年間、実は料金値上げはしていないのでございます。まあ何と言いましてもサービスの改善をこの十三年間いろいろはかってまいりましたが、技術が非常に進歩いたしたために、たとえば十年前の技術を使えば、第二次五カ年計画におきまして約四千億の金がよけい要ったわけでありますけれども、技術革新が非常に長期計画のうちに取り入れられたことによって、非常に経済的な建設ができたということで、サービスの改善を補っていたわけでございます。例を申し上げますと、十年以前には一つの電話機をつけますときには、市外回線が一回線キロメーター要ったわけでございますが、いまは自動即時その他をやりますので、三回線キロメーター市外回線は要る。ところが、建設費は当時の三分の一になっておりますから、したがって、三かける三分の一は一だということで、結局サービスの改善、すなわち市外回線の増というものを建設費の単金減によって補ってきたというのが事実であります。しかし、技術革新におきましても、そうこれだけにたよれないし、一方公社の基本的な財政基盤といいますか、電報の赤字問題、あるいはまた長期拡充計画による資金の問題、それから先ほど御質問のございました債務償還、特に加入者債の債務償還の問題、こういうことがありまして、公社の将来にわたる長期計画を、すなわち四十七年度末に対します長期計画を実現するための資金をどういうふうにして得るかというようなこと、あるいは長期計画そのものについての問題を、一昨年来公社に電信電話調査会を設けまして、いろいろ諮問いたしております。その答申が得られまして、公社としていま公社の案を検討しておりまして、その案ができる過程におきまして、いろいろ公社の実態というものを今後とも十分PRしていきたいと思います。いままで過去において非常に経営がよかったためにPRそのものも不徹底な面がありますが、今後は十分PRを進めていきたいと思います。
  430. 井川伊平

    主査井川伊平君) 先ほど、中山経理局長の答弁中、数字につきまして訂正したい点があるそうでございます。この際、中山経理局長に発言を許します。
  431. 中山公平

    説明員(中山公平君) まことに申しわけございませんでしたが、先ほど私事業収支におきまして、七年間で四千六百四十億円の赤字が出ると、欠損が出るということを申し上げましたが、数字の見間違いでございまして、一兆六千五百六十億円の欠損が出てまいる、こういうことに御訂正をお願いしたいと思います。
  432. 永岡光治

    永岡光治君 ばく大な欠損でありますが、これと関連をしてただしておきたいのでありますが、同じ公社の事業の中に電話事業と電信事業とがあるわけですが、電信の電報ですね、この収支の問題もやはり大きな問題だと思うのですが、最近のところでけっこうですけれども、現状がどうなって、今後この改善策をどのようにしていこうと考えておいでになるのか、財政上の問題です。事業の取扱いの問題でなしに、財政上の問題をどういうふうにこれを改善していく方針であるのか、あわせてお尋ねしておきたいと思います。
  433. 宮崎政義

    説明員(宮崎政義君) お答え申し上げます。御案内のとおり、電報はその性質上、人力に非常にたよっておりますので、最近の傾向から見まして、大体収入に対して支出が三倍、まあ百円の収入がありますと、約四百円ぐらいの支出をしておるというような実態であることは、先生もう御案内のとおりでございます。もちろんこの多額の支出になっておる、つまり収支率の非常に悪い状態を改善しようと思いまして、かねてから公社内に電信電話改善会議というようなものをつくりまして、鋭意検討いたしておるわけでございますが、電報の中継機械化等、技術的にやり得るものは相当進捗いたしまして、もうほとんど完了をしておるという段階に至っております。しかしながら、配達という面になりますと、現在持っておる電気通信技術におきましても、簡便にいくわけにまいらないということで、非常に苦慮しておるわけでございますが、ただ、現在配達方法等についてもさらに検討いたしまして、夜間等の制度上の問題、こういうものも郵政当局にもお願いいたしまして、いろいろ検討しているわけでございますが、どうしても財政上全部これを収入でまかなっていく、電信のプロパーの収入でまかなっていくということは、一躍多額の増収をはからねばならぬということから見て非常に困難じゃないか、かように考えられます。したがいまして、調査会の答申におきましても、電報については、現在この収益の悪化を一ぺんに解決するということは困難であるから、ほぼその収支率の二百数十%ぐらいのところで何とかあとの足らぬ分は電話で補えというような御結論も受けておるわけでございますが、やはり財政上から見ますと、いま申し上げましたように、相当の収入不足ということになりますが、この調査会の答申を拝見いたしましても、それを全部収入でカバーするというわけにはなっておりません。われわれもその線を尊重いたしまして、さらに検討いたしたいと思っております。
  434. 永岡光治

    永岡光治君 そういたしますと、電信事業の赤字というのは電話事業でカバーする、最終的にはそういうことになっておるんですね。プロパーでそれが解決できないからそういう方法をとるのだということになるわけですか。電話事業においては先ほどの説明にあったように、相当な負担の増加をきたしているわけですが、そこで電信事業の赤字も含めてこれをカバーするということになれば、一体その増収の方法は何によるべきか、料金値上げという問題もあるかもしれませんが、そのほかに何か手を打つ手段はないのかということになるわけですが、それはもちろん検討されておると思うのでありますが、ここで発表願えるような方策がありますかどうですか。
  435. 宮崎政義

    説明員(宮崎政義君) お答え申し上げます。先ほども申しましたように、電報につきましては中継の機械化等、技術的に可能なものはほとんどやり尽くしたとわれわれは考えておりますけれども、なお一歩下がりまして、現在の制度そのものについても十分検討いたしたい、かように考えますと、たとえば夜間の電報等につきましても、サービスを落とさないでもっと合理化できる方法があるのじゃなかろうか、かような点にもいろいろ思いをいたしまして改善をいたしていきたい。また、全国の電報配達の合理化というものも問題の一つ考えております。いろいろこの電報につきましては、きめこまかい手段を講じまして、できるだけ支出増加を押さえていきたいと、かように考えておるような次第でございます。
  436. 永岡光治

    永岡光治君 帰するところは、この電信事業については出費を押えるという方針しかない、こういうことになるわけですね。しかし、その赤字をカバーするということになれば、電話事業において増収をはからなければならぬということになるわけですね。しからば電話事業増収は一体何かということになると、これは加入者といいましょうか、一般の需要を満たしていく、ふやしていくということになるわけですが、そこで問題になるわけですが、一定の限界効用と申しますか、電話を普及させましても限度があるんじゃないかという気がいたします。それらの問題をかね合わせましてお尋ねいたしたいわけでありますが、一体電話の普及と申しますか、そのサービスと申しますか、それが必要にしてかつ十分というのはどの程度の限界か、必要にしてかつ十分な普及条件というのはどの辺に置いているのかということになるわけですね。もちろんこれは国鉄、それから国民のほとんど全部が利用する郵便と電話事業と、これまた違うだろうと思いますが、そういう点について何か検討されたことがございますか。必要にしてかつ十分なサービスの普及度というのはどの程度なのか。数の上からはこれはなかなか出てこないと思いますが、大体どういう対象までいけば、必要にしてかつ十分の範囲かということが出てくるのではないかと思いますが、その点はこれは収支の状況ともかね合わせて考えなければならぬ問題だと思います。
  437. 宮崎政義

    説明員(宮崎政義君) お答えいたします。非常にむつかしい御質問でございますので、先生の期待されておるような答弁になるかどうかわかりませんが、われわれやはり電話を進めていきます場合に、一体どこまで電話の充足をしたら、必要にして十分かという御質問なんでございますけれども、公社といたしましては、電話はやはりいまの国民生活の中に溶け込んでおるというのがどこの国においても実態じゃないかと思うんであります。たとえばアメリカ等におきましては、おそらくあの電話が一回でもとまりますと、たいへんなことになると同じように、また同時に電話がないと日常生活ができないというのが、やはりその国国の社会状況によって影響されるものじゃないかと私は考えておるわけでございますが、かように考えますと、日本におきましても、やはりアメリカの普及率というようなところに将来の経済の成長というようなものが当然いくだろうというようなことを考えますと、電話もやはりそんなような事態になるのじゃなかろうか。やはりまあ先進諸国のように日本も進んでいくと考えると、いま申しましたアメリカの場合について申しますと、いまアメリカの普及率というのは非常に高いのでございますが、少なくともその程度ぐらいには将来なるのじゃなかろうか、またそういう事態においては、ほんとうに生活の中に溶け込んできているというように考えておるわけでございます。またトラフィックにしましても、現在日本はアメリカの倍くらい一電話機あたり働いておるわけでございますが、大体これも半分、アメリカ程度くらいになったところにちょうど日本の経済も進んでくるという、そういうような実態じゃなかろうかと私は考えておりますが、非常に先生の御質問はむずかしいのでございまして、はたしてその答弁になっているかどうかわかりませんけれども、まあさように考えておるような次第でございます。
  438. 永岡光治

    永岡光治君 当分の間はおそらくその事業全部をやっていいと私は思うのですけれども、しょせんはいつかぶつかる。特に長期計画を立てるとすればその問題にぶつかるのでありまして、そういう一つの展望を持ってやはり一つ事業計画しなければならないということになるのでありますが、これは通信全体の体系がありまして、電話あり、電信あり、郵便あり、郵便の中に速達ありというようなことで、それぞれ通信の手段、速度というものは違うわけでありますが、それぞれのやはり持ち味と申しますか、分野が私はあると思います。そこでこれはやっぱり基本的にひとつ検討していただいて、全部これは国民が需要するんだから、需要を満たしてやれという、そうするといまの料金では引き合わないから、結局料金を上げて建設の費用もまかなわなければならぬというような問題が問題になるかもしれませんけれども、そういうことでいいのかどうかという問題も、私はやっぱりあるだろうと思うんですが、そういう問題もぜひひとつ検討していただけばありがたいと思うんです。ところで、財政の問題はきょうすぐ結論の出る問題じゃありませんが、やはりお話を聞けば、相当な問題のあるところでありますから、政府におきましても十分検討していただかなければならぬと思います。問題点だけを指摘をいたしまして、次の問題に入りたいと思います。  次は訓練機関の問題でありますが、昔からそれぞれ部内のその職域における訓練機関がいろいろありました。最近防衛大学は別といたしましても、各役所の中に相当な大学ができまして、いま十二、三くらいあると私は思っておりますが、先般は郵政大臣の尽力によりまして郵政大学というのができたわけでありますが、私は日進月歩の技術革新にある電々公社の事業ということになりますと、入っておいでになる新しい職員、あるいはいまおいでになる職員の中にも、不幸にして進学のできなかった方も相当あると思うんです。先般は早稲田大学で授業料、入学金の問題でたいへんな問題を起こしておるようでありますが、金のある家庭ではそういう方法もあるでありましょうが、不幸にしてそういう経済的に恵まれない方々の将来を伸ばしてやる、そしてまたそのことが事業に役立っていくということであるならば、これはもう一石二鳥の問題だろうと思うのでありますが、部内職員のみならず部外から入ってくる人でも、やっぱり訓練機関に直接入って、電々事業に奉職するということは非常に私は有意義であろうと思います。またそういう訓練機関を経て才能を伸ばすということが私は事業のためにもなるだろうと思うのですが、名称に単にとらわれるということでなくして、大学という制度を設ければ、それだけのまた実質の教育も変わってくるだろうと思うのですが、この部内教育に相当の重点を今日まで置いてまいりました電々公社の過去を私ども十分承知いたしておりますが、郵政大学もできました今日でありますが、電電におきましても同様の前身を持つ訓練機関があるわけでありますが、そういうものについて大学という訓練制度を設けるお考えはないのかどうか、ぜひ私は必要だと思うのでありますが、総裁なり大臣の御見解を承りたいと思います。
  439. 米沢滋

    説明員(米沢滋君) 電電公社といたしましては、部内の職員の訓練につきましては、従来から力を入れておる次第でございます。二年前に職員局を二つに分けまして、厚生局をつくって、その厚生局の中の重要な仕事として訓練の事務を管理するようにいたしました。公社として学園で訓練する問題と、それから仕事を通じてのいわゆるジョブ・トレーニングと、両方あるわけでありますが、学園訓練につきまして、逓信省時分にやはり官吏練習所がございまして、非常に優秀な人材を長年にわたって養成してきたのでございます。公社になりまして、最近特にまた研修部なりを復活いたしまして、充実をはかっておりますが、ただいまの先生の御意見十分参考にいたしまして、検討したいと思います。
  440. 永岡光治

    永岡光治君 大臣の所見もあわせて。
  441. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 私もいま総裁の言われましたとおり、非常に大事な点だと思います。結局今後の電電公社、いままで伸びるだけは与えられた条件で伸びてまいりました。これからが、ただいまも永岡さんから財政的な点でいろいろな問題を提起されておりました。これからは相当むずかしい事態に直面するだろうと思います。しかし、私は率直に申し上げまして、よけいなことかもしれませんが、戦後電話はとにかくある程度国民の期待に沿うてきた、郵便のほうはまだ戦前に戻れないじゃないかという批判も率直に受けます。しかし、これからの電電というものはなかなかむずかしい、それには私は人的な力というものが非常に大事なのでありまして、そのような意味合いで、いま永岡さんお話しになり、総裁が言われましたとおり、私はそうした点に特に一つの重点を置いて考えていかなければならない時期にきているのだということを痛感いたします。
  442. 永岡光治

    永岡光治君 同時に、それらの一つのプライドを持って、その訓練機関に学んだ諸君の卒業後における部内の処遇の問題も当然あわせて考えなければならぬ問題だと思いますが、端的な表現をすれば、適材適所主義ということになるのでありますが、そういう大いに清新の気を巻き起こして、ハッスルするという事業の体制にぜひしていただかなければならぬと思うのでありますが、そういうことをぜひお願いしたいと思いますが、その点はひとつ総裁のほうから答弁をいただきたいと思います。
  443. 米沢滋

    説明員(米沢滋君) ただいま先生が言われましたように、人材の養成、非常に公社として重要なことでありまして、本年の運営方策におきましても四つの柱を設けたのであります。そのうちの一つに、職員の育成ということを掲げたわけであります。訓練を受けた人の今後の処遇につきましては、従来よりもなお一そう適材適所主義を徹底いたしまして、清新の気を公社の中に十分発揮するということに努力したいと思います。
  444. 永岡光治

    永岡光治君 私はきょうのところは、これで電電公社に対する質問は終わりたいと思います。いろいろまあ問題点を指摘いたしましたが、要は、結局あまり国民に知られていない公社事業の財政の状況というものを十分国民に認識をしていただくということが当面大きな問題であろうと私は思いますので、その点についてはとくとひとつ施策について要望しておきたいと思います。
  445. 鈴木強

    鈴木強君 私は最初に有線放送電話のことで一つお尋ねいたします。山梨県の韮崎という市がございますが、そこの市の農協の中に旭農協というのがございまして、これはすでに昭和三十八年十二月、二百六名の人が組合をつくりまして、有線放送電話をすでに引いておるわけですね。ところが、最近になって同じ韮崎市の農協の中で、大草というところと、竜岡、それから甘利、この事業所の管内の七百八戸が有線放送電話をまた引きたいということで、仮認可が昨年の十二月二十日におりているようですね。それで、すでに二千四百三十万円で自動交換施設を建設しておるわけです。ところが、旭農協というのと甘利事業所というのは同じ地域でありまして、要するに同じ地域に二つの有線放送電話がつくられるというので、旭農協のほうではこれは有線放送電話法の違反だというので訴えを起こしておるわけですね。そのために、せっかく二千四百三十万円の金を出してそれぞれ建設をしたんだが、これが宙ぶらりんになっているという、こういう具体的な事実があるわけなんですが、問題は、同一地域で二つ以上の有線放送電話が競合する場合は許されないという業務範囲の問題があると思うのですが、一体これはどうして——関東電波監理局の管内になると思いますが、まずこういう事実は知っておりますでしょうか。
  446. 畠山一郎

    政府委員(畠山一郎君) 先生御指摘のような事実は実は初耳でございます。
  447. 鈴木強

    鈴木強君 これは具体的には昨年の十二月の二十日に仮認可ということで、何かよろしいというような内諾を与えているようですね。ですから、ひとつさっそくに調べてみていただけませんか。おそらくこういう仮認可をしたとすれば、電波監理局のほうの手落ちではないかと思うのですが、こういうのは出先で認可をしているわけでしょう。そうして監理局長のほうには、従来の例からしますと、どういう連絡があとからあるのですか。
  448. 畠山一郎

    政府委員(畠山一郎君) 有線放送電話の許否につきましては、郵政省職務規程によりまして、地方電波監理局長に委任されております。したがいまして、場合によっては話という程度で本省までくることはございますが、大部分の場合は、全然本省と連絡なしに許否の処分をいたしております。
  449. 鈴木強

    鈴木強君 これは具体的には甲府地方裁判所に旭農協から有線放送電話法違反で訴訟を起こしておりますが、そのために工事は中断をしてしまっているんです。どうにもならないというので、大草と竜岡ですね、甘利を除いたところの人たちは、甘利だけはやめておいて、おれのほうだけ先にやってくれというような意見まで出て混乱をしているようですから、これはさっそく現地調査して、また別途報告をしてもらいたいと思います。きょうおそらくこの分科会の間に経過はわからないと思いますから、お調べの上で、また逓信委員会等でお尋ねしたいと思います。  それからその次に、これは監理局長お尋ねしたいのですが、電電公社でいまやっております船舶電話あるいは列車電話、さらにこれからやろうとする自動車電話ですね、あるいはベルボーイ、こういったふうなものに対する周波数の割り当てですね。あるいはこれは船舶、列車はすでにやっておるわけですから、拡張するものに対して割り当てをさらにしていただくと思いますが、これからやろうとする自動車電話、ベルボーイのほうは、もしそちらの考え方が固まっておらなかったら、次の逓信委員会でけっこうですから、この周波数の割り当てはどうなっておりますでしょうか。
  450. 上田弘之

    政府委員(上田弘之君) お答え申し上げます。実はこの自動車電話とベルボーイの問題につきましては、新しい業務の問題でもございますし、ただいま慎重に審議しておりますけれども、周波数の問題は、いま御指摘のように非常にむずかしい段階にございます。
  451. 鈴木強

    鈴木強君 昭和三十八年にすでに技術的基礎研究も終わって、三十九年一月から四カ月の間実験テストもやっておるわけです。ですから局長の言われるような周波数の割り当てが非常に困難であるということは、これは理屈ではないですから、現実問題としてそういうことがあるとすれば、それもまた解決をしていただかなければなりませんが、非常に自動車電話にいたしましても、ベルボーイなんかにいたしましても、新しい試みとして利用者は渇望していると思います。ですから最大の配意をして周波数の割り当てをお考えいただきたいと思うのですが、見通しとしてはいつごろまで待ったら結論出ますか。
  452. 上田弘之

    政府委員(上田弘之君) いまのところはっきりしたお答えはできないと思いますけれども、もう少し検討さしていただきたいと思います。
  453. 鈴木強

    鈴木強君 それでは、またこれは逓信委員会のほうででもお尋ねするようにいたしましょう。  電電公社お尋ねしますが、この予算編成から国会へ提案に至るまでの経過について少し伺いたいんですが、公社が当初既定の第三次五カ年計画の線に沿って郵政大臣に提案をいたしました原案ですね、それから見まして、決定いたしたものは規模において、あるいはその建設資金の調達において、どういうところが変わったんでしょうか。
  454. 中山公平

    説明員(中山公平君) お答え申し上げます。収入におきましては、当初概計で要求いたしましたのが五千四百八十七億円でございましたが、今回政府原案として計上されておりますのは五千五百二十九億八千三百九十万円、こういうことに変わっております。支出につきましては、概計で要求いたしましたのが五千三百九億円でございましたが、予算案におきましては、五千三百三億ということに変更いたしております。  それから収支差額として資本勘定繰り入れる額が概計におきまして百七十八億円ということで要求をいたしておる次第でございます。政府原案におきましては、二百二十六億円ということになっております。資本勘定のほうでございますが、資本勘定収入といたしましては、内部資金外部資金を合わせまして、概計要求といたしましては、五千二十七億円を要求いたしておりましたが、政府原案におきましては、四千三百四十八億円、こういうふうになっております。支出につきましては、建設勘定への繰り入れが概計におきましては、四千五百七十七億円という要求をいたしておりましたが、原案におきましては四千百二十億円、こういうことに変わっております。
  455. 鈴木強

    鈴木強君 結局わかりやすくいうと、収入については、公社が要求したよりも多く査定されたということですね。それから当初幾ら要求したか、私知りませんが、最終的に電話の架設は百二十三万個、こういうことになっているわけですね、これは幾ら最初要求したのですか。
  456. 中山公平

    説明員(中山公平君) 前段の御質問についてはそのとおりでございまして、後段の御質問にお答えいたしますが、概計におきましては、加入電話の増設百二十八万を要求いたしておりましたのが百二十三万ということになったわけでございます。
  457. 鈴木強

    鈴木強君 それから財政投融資ですね、公募債を含めまして幾らでしたのですか。
  458. 中山公平

    説明員(中山公平君) 概計におきましては、財政投融資といたしまして一千百七十六億円、縁故債といたしまして三十七億円を要求いたしましたが、政府原案におきましては、財政投融資が二百八十億、縁故債が四百五億、こういうことに決定をいたしております。
  459. 鈴木強

    鈴木強君 郵政大臣、これちょっとお尋ねしておきたいのですが、どうも電電公社の場合は毎年のことですが、公社が要求した予定収入よりも大蔵省は吹っかけていくわけですね。多く査定をしてくる、そうして逆に財政投融資その他を見ますと、これはまあ与党のほうでもだいぶ御苦心なさったと思うのですが、千百七十六億円に対して二百八十億円というふうになっておるわけですね。縁故債のほうはいろいろ協力をしてくれるところがあるでしょう。したがって、規模が十倍以上ふえているんですが、いずれにしても長期拡充計画というものが設定されて、しかも制度調査会から諮問もあって答申も出ておるわけですね。ですから、需要というものがだんだんふえてくる、積滞がふえてくる、したがって何とか早く解消してやりたいと、こういうことでやっておるわけですけれども、具体的に予算の上にあらわれてくるものは百二十八万個ですか、それが百二十三万にダウンしてきているわけですね。こういったことは歴代大臣に、私たちはいつも苦労しているにかかわらず、ほかから見て文句を言っているわけですよ。それはあなた方がだいぶ努力してくれたことは私たちも認めますけれども、しかし結果的に見ると、非常に不満足なものである、こういうことが言えると思うのですね。ですから、電電が、さっきも永岡委員の質問のように、景気がいいんだという、財政的にいいんだというそういう考え方がどうしてもあるんですね。ですから非常な努力をしても、なおかつ最終査定で復活が多少あっても、当初から見ると不満なものになっているということなんですが、大臣にもひとつ、最初に予算編成の基本の問題ですから、毎年のことですけれども、私たちにとっては非常に不満なんですね。したがって、どういう御努力をされて、いまどういう御心境におられるか、ひとつ伺いたいのです。
  460. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) これは鈴木さんも当時いろいろと御心配をくだすったので、状況は御存じいただいておると思いまするが、他の郵政省関係予算が全部大蔵大臣と最後の折衝にきまりましたときも、電電公社関係は私は保留をいたして、申さば決裂をいたして、その間もちろん私だけではございません、政府なり党の最高の首脳者もいろいろ配慮をしてくれたのであります。落ちつきましたところが百二十三万、私は何とか百二十八万という既定計画を持っているが、とにかく四十年度で三万個加えたから百二十五というのだけはどうしてもやろう、もしどうしても百二十五にならなかったら、予算の編成がおくれてもしかたがない、それが筋が立つのだというくらいな気持で折衝いたしました。しかしいろいろな経過がありまして百二十三万個ということに落ち着いたのでございますが、そのときの経過を見ましても、私はやはりふだんから電電公社仕事というものが、国民の生活なり経済なりに非常に強いかかわりを持っておるということはわかっておるはずでございますけれども、やはり何と申しますか、いまの公社という組織、特徴は持っておりますけれども、同時に政府の部内で絶えずしみ込ませるというためには、私自身もこれから努力をしなければいかぬことでございますけれども、電電公社の総裁初め電電公社の幹部にもこの点はひとつ一段と努力をしてもらいたい、そうして日ごろからもっとしみ込ませていくことが大事だと思います。そのような考え方で、私は幸いにこの点はいまの政府はかなりよく頭に入ってきておるように思います。思いますが、しかし現にここでお話になりました、この苦しい財政を電電公社のために最もよくするためには、よほどこれからの努力なりやり方というものが入り用だと思います。これは先ほども永岡委員が御指摘になっておられましたが、一口に申せばPRということでございましょうか、もっともっと、ものをしみ込ませる努力はいたしたいと思いますし、私も政府部内、特に大蔵大臣との間ではその点は私の責任としてひとつ考えていきたいと思います。
  461. 鈴木強

    鈴木強君 実は私どもは昭和四十七年度末までに需要予測が千七百万と考えたものが二千百万になっておる。これは当たるか当たらないかは結果を待たないとわかりませんけれども、いずれにしてもそういった約四百万近い需要予測というものが拡大をしてきているわけですから、ですからその負担法の関係もありまして、昭和四十八年三月三十一日で自然消滅する法律もあるわけでありますから、そういうものとの関連において、できるだけ公社が、申し込んだらすぐ電話をつけようというそういう気持でやっていることもよくわかるのです。しかし私は、これだけ努力をしてみて、なおかつ建設財源の措置ができないならば、あえて四十七年末に申し込んだら、すぐ電話がつくという、そういうことでなくてもいいのじゃないかと思うのです。そういう気も実はするわけですよ。しかし、それでもいけないでしょうから、いろいろと努力をしてもらっているし、ことしあたりは実は郡郵政大臣を配するに、佐藤榮作総理大臣電電公社をスタートしたときの責任者ですし、田中角榮幹事長はこれまた前の大臣であった方ですし、橋本登美三郎氏はまた逓信畠で、長く電通のほうをやってきている。国会ではそろっているのですね、役者が。ですから、ことしは与党のほうでもあれだけ結束して、千何ぼの財政投融資も要求しているので、何とかことしはいくだろう。毎年半分か三分の一くらいしかもらえないものですから、われわれは腹が立っておったのだが、ことしは期待を持っていたんですが、しかし、ふたをあけてみると、何のことはない、六、七百億になってしまった、縁故債を含めまして。ですからそういう点で、非常にこれだけのスタッフがそろっても、なおかつこれだけしか取れないのかというふうな気がするわけです。ですから努力をしていることは私は率直に認めます。ただ全体として、政治力がなかったということだと思うのです。ですからこれから、永岡委員も言われるように、一兆六千億かの終末借金を何しなければならないような事業の性質にかんがみまして、一段とひとつ政府が財政的な措置をやっていただきませんと、なかなか思うように電話架設はできないと思います。ですから、そういう意味においてことしの御苦労は感謝いたしますが、なおひとつあなたも最善の努力を尽くしてやっていただく、そういうことにしないといけませんので、まあ死んだ子の年を数えるようなことになるかもしれませんですが、私としては耐えられない気持ちが実はあるわけですから、たいへん失礼と思うのですけれども、大臣にもこういう苦言を呈するわけです。ぜひ格段の今後における努力をお願いしたいと思いますが、その点ひとつお答えいただきたい。
  462. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) おっしゃるとおりそういう気持ちでいたしたいと思います。ただ現に御審議願っております郵便法でもなかなか御議論のあるところでありますが、電電の仕事になりますると、これは郵便のような簡単なものでございません。したがいまして、また一方では先ほど私も申しました、総裁が自信のある公社案を提示され、それに基づいて政府も十分考えようと思うと申し上げたのでありまするが、政府の部内としましても、一体これから経済の動向がどうなるだろうか、確かに積滞が非常にふえてまいりました。これは国民の電話というものに対する執着と申しますか希望が非常に強かったこともございまするけれども、何と言うても所得倍増というようなぐあいで、ぐっとあおって伸びてまいった。そうすると、これからの一体経済動向がどうなるだろうか。これはおそらく政府部内でも議論のある点だと思います、これからの電話の伸びということを考えます点で。したがいまして、そういう点で政府部内でもよくこれは私努力をいたして関係の各省大臣との間の話を尽くしたいと思います。それからまたこれは超党派にひとつお願いせにゃいかぬ問題でございまして、社会党の方の中にも調査会から出た答申について、私に対しても何かと、また鈴木さんや永岡さんのおっしゃるようなのと違った意味合いの質問を私に投げかけてくださる方もある。私はそれは非常に参考になると思います。なるとは思いますけれども、つくづく私考えますのに、これはなかなかいろいろな見方のできる問題だということをつくづく感ずるのであります。そういう意味合いで、私は、何と申しましても、国論を背景にいたさなければいかぬことだと思いますから、各方面のひとつ御意向——いまになってみますと、私は郵便についても、もう少し各方面の御意向を聞き、また、もっともっと、自分のところを見ますと、いろいろな機関雑誌もあるから、そこにいろいろ現況というものを宣伝すべきだった、やり方はあったのだと思いますが、それらのことよりも、電電のほうはもっと一段と知恵を働かさなければならないと思います。  私決して、ものをむずかしく言おうとするつもりじゃございませんけれども、鈴木さんのおっしゃる意味合いに共鳴いたしまして、いろいろな手だてを尽くしたいという気持ちを率直に申し上、げた次第でございます。
  463. 鈴木強

    鈴木強君 これは大臣、一回あなたとどうしても論争をしなければならぬことになっておるのですが、たまたま機会を逸しておったのですけれども、私は公社制度というものの根本から考え直していかなければならないと思うのですね。あなたにも述べたように、二回の答申も出ておりますし、もっと公社に自主性を与えて、そして思い切った力を与えてみる。そして総裁以下幹部職員がもしその力がなければ、これは内閣によって罷免してもいいですよ。しかし、やはり全体の責任体制というものを、いまのように国会や政府から、給与総額の移流用すらあなたのところに持っていかなければ許可してもらえないというような、こんなばかげたヘビの生殺しのような、禁治産者のような運営をしているのですよ。これはもうこの経過は一回あなたに言わなければならぬと思っておったのですが、機会がないから、ここで、ない時間の中から多くは言いませんけれども、私はなんぼでもあなたと言える立場にあるのです。われわれは合理化ということを、それを経営する経営者も、それを使う国民も、それに従事する従業員も、みながよくなっていく、そういうことが基本であると思うのです。ところが、待遇はと見ますと、公社になるときには、非常に希望も持たせて、私たちも頭を下げて、ありがとうございますというように交渉に言いました。これは考え方を変えてですね、そうして事業に、再建闘争ということを労働組合がむしろ取り上げて、積極果敢に事業拡充に努力してきたのです。しかし、合理化がだんだん進んでくると、配置転換が出てくる。さらに今度は待遇はというと、一つも上がってこない。しかも給与総額で縛られる。しかも三十二年に至って、三十二年までは給与総額の中の基準内、外というものは、移流用が禁じられていなかった。だから超過勤務手当が余れば、それをどう使おうと総裁の権限であった。それすらが取り上げられた。一たん与えた権限を途中で取り上げられているという、こういうけしからんことがあるわけです。ですから、そういう点は一ぺん整理して、公務員制度審議会ですか、いま持たれていますね。ああいうところへ私は積極的にやはり大臣あたりも、公社に対する基本はこうだということを何かの機会でもいいですから、述べていただいて、もう少し自主性を持たせ、当事者能力というものを、永岡さんの言ったような、能力を持って一生懸命やれば、その人たちは報いられていくのだという体制をつくらない限りは、これはなかなか労働者に合理化に協力せいといったところで、協力できないです。私たちもそういう点については、絶えず一面では考えつつ合理化というものを見詰めてきているわけです。ですから、首を切ってもかまわんから、おまえら合理化に賛成せいといっても、これはついてきませんよ。もし余剰人員が出たときにはいろいろ手厚い手当てをして、めんどうを見てやる、生活権を奪わない、こういう配慮があって、はじめて従業員は安心して働けるわけです。そういうもろもろの条件というものがいまないわけです。ですからいろいろな意見が出てくるのです。それさえあれば何もないのです、これは。一致協力してやれる体制をつくれるのだが、そういう体制がないことを私は残念に思うので、これは答申を尊重しない政府が悪いので、私は毎年々々予算委員会でも言ってきているのだが、検討します、検討しますといってたなざらしにされて、昭和二十九年以来もう十一年間たなざらしされている。これは政府が悪いのですよ。そういう点をよく肝に銘じて、やっぱり考えてもらった上であなた発言してもらわぬと、私はちょっと——いろいろな意見があるということはわかりますよ。その意見のあるところはそういうところにあるということをまあ知ってもらいたいと思う。これはこの辺にしておきましょう、また何か機会があったら申し上げることにして。  それから、さっきも永岡委員が指摘した電信というのは、公社事業の中でも、お話しのように百億の収入に対して四百億の支出があるというような、やればやるほど損をする、働けば働くほど赤字が出るという、そういうばか、げた仕事を持っているわけですね。これは私は、電信改善会議というものを開いて結論を出していただいたのだが、たまたまその結論が、どこがどう気に食わなかったのか、全国の距離別時間差制の料金改定のときに日の目を見ずに今日に至っている。お預けを食っているのです。そしていま新たに電信電話調査会に諮問した。電話料金とからめてこの赤字を解消しようという考え方を公社は持っているわけです。私から言わせるならば、これは少しおかしいので、距離別時間差制だけはあの段階でじゃんすかじゃんすかやって、一番赤字になっている電信の問題についてはあと回しになっている。これはおかしいと思う。だからこういう問題については、もっと積極的な対策を立てるべきではなかったかと、こう思います。  そこで、具体的に聞きたいのですが、昭和三十九年度決算において電信の赤字は幾らありましたでしょうか。それから四十年度の予算の見込みとしては、大体どの程度の赤字が予想されるでしょうか。これは運用局長でけっこうです。
  464. 藤川貞夫

    説明員(藤川貞夫君) お答えを申し上げます。  電信事業全体といたしまして、昭和三十九年度の赤字は二百六十九億でございます。これをまあ電報だけをとらえてみますと、赤字が三百八億でございます。これを収入支出に分けますと、電信事業全体では、収入が三十九年度百八十七億、支出が四百五十六億で、赤字が二百六十九億でございます。電報業務プロパーをとらえてみますと、収入が三十六億に対しまして、支出が三百四十四億でありまして、赤字は差し引き三百八億となっております。四十年度の収支の見通しにつきましては、若干現在時点においては数字が動くと思いますけれども、現在かりに試算をいたしますれば、電信事業全体では、収入が二百億、数字を少しまるくしてございますが、収入が二百億、支出見込みが五百十億、赤字が三百十億、こういうふうに試算をいたしております。電報自体をとってみますれば、これは収入が九十億で、三十九年度よりも六億円ぐらい収入が落ちると。これは三十九年度の電報通信が約九千万通に対しまして、四十年度の電報通数は約八千五百万通ございまして、約五百万通ぐらいの電報の利用減があらわれておりまして、このために約六億円ぐらいの収入減が見込まれるということでございます。それから支出見込みのほうは、四百五十億円、したがいまして、赤字が三百六十億円でございまして、かりに四十年度の電報自体の収支率を試算いたしますと、約五〇〇%になりまして、百円の収入に対しまして五百円の支出になると、このような数字になろうかと考えられます。
  465. 鈴木強

    鈴木強君 この扱い通数が五百万通近くダウンをしているのですけれども、これは加入電信とか、いわゆる専用需要のテレックス、テレタイプ、そういったものとの関係で減ったということになるのでしょうか。その原因は探究してみたのでしょうか。
  466. 藤川貞夫

    説明員(藤川貞夫君) まだ原因をしさいに検討いたしてございませんが、これは一面には電話がだんだん普及してまいりましたということと、それから若干不況の影響もふえておるのではないかとかように推測をいたしております。
  467. 鈴木強

    鈴木強君 それでは加入電信の現在の普及状況はどうなっておりますか。それから今後どういうふうな計画をお持ちか。それから加入電信プロパーの収支というのはどうなっていますか。
  468. 藤川貞夫

    説明員(藤川貞夫君) お答え申し上げます。三十九年度末の加入電信の加入数を申し上げますと、全国の加入数が九千九百三十三加入となっております。これは四十年度には大体これに三千加入ぐらいがふえる予定でございまして、二千五百から三千、まあ三千までもいかないかもしれませんけれども、二千五百から三千ぐらいの間で増加をいたすのではないかと考えております。今後の加入電信の増加の傾向といたしましては、毎年かなり伸びておりまして、昭和四十二年度末にはおおよそ二万三千加入ぐらいに増加を見ると、かように推測をいたしております。  加入電信の収支につきましては、昭和三十九年度の決算の数字で申し上げますと、収入が三十一億、それから支出が三十億でございまして、約一億収入支出を上回っておりまして、今後の傾向といたしますと、加入電信は大企業からだんだん中小企業に加入電信が普及する傾向にございまして、それから加入電信を利用する状況から申しますと、長距離の通信からだんだん近距離の通信の占める比率が多くなってくるという趨勢がございますので、将来の加入電信の収支の状況から申しますと、大体四十年度くらいが頂点で、四十一年度以降は若干赤字に転化するのではないかと、かように推測をいたしております。
  469. 鈴木強

    鈴木強君 そうしますと、電信は八方ふさがりであって、加入電信というものは、かなりまあ普通の電信電報と違って収支ペイするだろうということで当初スタートしてみたのですが、結果的にはこれからだんだんと赤字がふえてくるということになりますと、どうも手がつかぬということですね。さっき宮崎さんのお話もあったのですが、これから改善をするとすれば、配達部門に一番金がかかっているわけですから、その部門はどういうふうにやっていくかということが残された道だと思いますけれども、これはいまここで配達部門をどうするかというすみやかな結論も出ないと思うのですけれども、やはりやればやるほど損をする事業をかかえているわけですから、これに対してすみやかな機会に一つの対策を立てて、そして事業の健全的な経営の方向にやっぱり持っていくようにしなければいかぬと思うのですが、これは総裁も苦心されていると思いますけれども、一体どういうふうにして電信の抜本的な解決をしていこうとするのか、大綱だけでもけっこうですから。
  470. 米沢滋

    説明員(米沢滋君) 電信事業につきましては、ただいま数字について運用局長から申し上げましたが、ヨーロッパのたとえばイギリスとかフランス、西ドイツ等の状態を見ますと、大体収入一に対しまして支出が二というような割合であります。日本の場合には、電報については収入一に対して支出が四ということになっております。この際一般的に申し上げますと、電報を利用する方へのサービス低下をなるべくしない。たとえば夜間の窓口をある程度集中する。そのかわり集中した場合には、そこに自動電話機を置きまして、無料の自動電話機を置いて集中局で電話で電報を送るような方法をとる、そういたしまして夜間の配達の人を減らすことができるかどうか、あるいはまた配達方面につきましても、いろいろ合理化を考えていく、そういうこと。あるいはまた加入電信も大体収支率は一〇〇%をちょっと割っておる程度でありまして、あまり増収は期待できないかもしれませんが、加入電信あるいはまた専用電信——専用電信につきましては、これは収支率が三六%ぐらいでありまして、これは確かに増収になるわけであります。そういった専用線の活用、そういうことを総合的にやっていく必要があると思っております。それからまた、それによってもなおできない問題につきましては、電信電話調査会におきましても、ある程度の料金値上げはやむを得ないのだという結論も出ておりますので、それらを総合的に検討いたしまして、処理いたしたいと思います。
  471. 鈴木強

    鈴木強君 最近公社は第三京浜国道と、またもう一カ所どっか関西のほうに、高速自動車道に電話を架設しておりますね。あれはいま現状はどういうふうになっておりますでしょうか。
  472. 北原安定

    説明員(北原安定君) お答え申し上げます。ただいま第三京浜国道について公団側からの要請によりまして電話をつけております。そのつけ方について御説明申し上げますと、高速道路や有料道路に沿いまして一キロ置きに電話をつけております。その電話の目的は、非常通報用のための電話と、それからバス・ターミナルに一般公衆用の公衆電話、この二つをつけております。前者のほうが七カ所の十四個、それから後者のほうが四カ所の八個ついております。
  473. 鈴木強

    鈴木強君 これは道路公団の有料道路ですね。ですから、考え方によると、道路公団が自分の一つの構内と考えれば、そこへ加入電話と同じようなかっこうで電話を引くという解釈も立つわけですね。それからまた、その公団の中に公共のために便利であれば赤電話を設置すると、こういうことがあるわけですが、そういう解釈をこれはとっているのですね。あるいはもっというならば、国鉄のように公団が専用電話を許可してもらってやろうということも一つ考え方として出てくると思いますね。これは私はまだ第三京浜だけですからいいのですけれども、この基本の方針というものははっきり確立しておきませんと、将来全国に七千六百キロメートルにわたる高速自動車道路が完成してきますから、だんだんとそうなりますと、当然その問題にぶつかってくると思いますね。これは第三につけたことは私もけっこうだと思います。こういうかっこうのほうがいいと思いますが、いろいろなこれから動きがあると思いますが、確固不動の方針の上に立ってこれをやったのかどうか、念のために聞いておきたいのですよ。
  474. 武田輝雄

    説明員武田輝雄君) ただいま施設局長からお答えいたしました第三京浜国道におきます公衆電話、あるいは非常電話というものは、これはすべて公団の事業用電話というだけではございませんで、公団の事務所はもちろんかかりますけれども、警察、消防、その他給油所、あるいは修理業者等にもかかります。公衆通信系の一環というふうなものでございますので、こういう性質のものは公社でやらなければならない。これは公団ではできない性質のものであるというふうに考えております。なお将来公団の業務用だけのものが出ました場合におきましても、通信量が相当なものになると思いますので、できるだけ公社において役務を提供していきたいというふうに考えております。
  475. 鈴木強

    鈴木強君 それで、いま第三京浜国道に一キロメートル置きにつけておるわけでありますから、非常通信用で確かに必要だと思いますが、おそらくこれは損するでしょうね。その利用状況というのはわかりますでしょうか。
  476. 北原安定

    説明員(北原安定君) お答え申し上げます。昨年の暮れからこのサービスを提供しておりまして、比較的短い期間でございますが、その間の平均値について申し上げたいと思います。公衆電話につきましては、一ヵ月一電話機当たりで約三百度の使用がございます。これは公衆電話でございますので、対横浜及び中原に対しまして市内通話としてかかる度数、これが約三百度でございます。そのほか対東京とかその他にかけます市外通話料金が手動方式で加算されて、これが平均大体月三千円程度、合計いたしまして、約公衆電話一本の電話について約五千円程度になっております。それから非常通報用電話、これはあまり使われるということはたいへん道路の運行上問題があるわけでございまして、これにつきましては、使用度数わずか百七、八十ということでございまして、基本料の千円を見ましても千五百円程度入ってくるかどうかという程度のものでございます。
  477. 鈴木強

    鈴木強君 まあ非常用の電話ですから、そう使うこともないでしょうが、しかし、これは非常用であるかどうかということもわからぬわけでしょう。ですから、ちょっと都合なんかあったとき、そこへとめてかけるという場合もあるでしょうね。ターミナルじゃないが、何か道路の横にはいるところもありますね、休むようなところが、そういうところにつけてあるのは公衆電話ですからいいとして、そこにつけておる電話は一般加入電話として普通その地域につける加入電話と同じような備料とか、あるいは債券の負担とかしてもらっておるわけですか。この電話はどうなるのですか。
  478. 武田輝雄

    説明員武田輝雄君) 第三京浜国道につけましたもののうち非常電話と言われるものにつきましては、現在のところ加入電話として扱っておりますので、加入電話設備料と使用料金とをいただいておるわけでございます。
  479. 鈴木強

    鈴木強君 それから、今度公社で開発した公衆電話からダイヤルで市外にかけられるものができたわけですね。あれはもう実用化されているのでしょうか。そうして将来こういうところにそういう施設を入れていくという計画をお持ちなんですか。市外まで通ずるやつですね。
  480. 北原安定

    説明員(北原安定君) ただいまこの第三京浜国道につけておりますのは自動式の公衆電話ではございませんが、先生の御指摘のとおり、その自動式のものを試験をただいましておりまして、約百十個ほど目下テストをいたしております。その成果を待ちまして、こういうところには最も適当な技術じゃなかろうかと思っております。
  481. 鈴木強

    鈴木強君 たいへん時間もおそくなりましたしするので、また機会をみて私も質問したいと思いますが、あと二つだけで終わりたいと思いますが、その一つは、先ほど永岡委員からも質問がありましたので、関連しようと思っておったのですが、井上資材局長に伺いたいのですが、四十一年度の資材調達の計画というのは、もちろんこれは予算が通ったあとのことでございますが、一応事務的には計画をお立てになっておるのでしょうか。——そうしますと、大体資材調達額というのはどの程度になりまして、線材、機材はどの程度かということをまず伺いたいです。
  482. 井上俊雄

    説明員(井上俊雄君) お答え申し上げます。四十一年度は目下御審議をいただいておりますので、まだ最終的に決定したわけじゃございませんけれども、きめておるわけじゃございませんけれども、工事の都合上、大づかみには想定をしてございます。その結果をかいつまんで申し上げますと、本社購入の施設用品でほぼ二千二百五、六十億円、そのうち線材関係が約千億円、機材関係が千二百数十億円といったような見当であろうかと思います。それからそのほか、施設用物品以外の物品も加え、地方購入品も加えますと、ほぼ二千五百億円前後に相なろうかと思っております。ただし、これはまだこまかく最終的に煮詰めたものでございませんので、その点お含みおき願いたいと思います。
  483. 鈴木強

    鈴木強君 それから政府は公共投資を二兆五千億ばかりやるのですが、そのうち早期契約、早期支払い、こういう方針をとっておられるわけですね。ですから、それが最初六割というのが七割、そういう話もあるわけですが、そうしますと、当然公社のほうもそういう早期な支出ですね、契約を当然考えておるわけですね。そういうふうなことはもう大体方針としては政府の方針と同じなのか、もう少し公社としては額を大きくするのか、その辺はどうなんでしょうか。
  484. 井上俊雄

    説明員(井上俊雄君) お答え申し上げます。政府の方針に従いまして、その趣旨を十分尊重いたしまして、目下準備を進めておりますが、公社といたしましては、できるだけ早期に準備を進めつつございますので、目下のところ政府の目標契約率を上回る、ことしの第二・四半期末すなわち九月末に、本年度——四十一年度に必要とする物品のうち九〇%以上の契約を九月末に完了するように、目下鋭意進めております。
  485. 鈴木強

    鈴木強君 それはこのメーカーとの関係もあると思うのですが、年間平均してその仕事はあれですか、平準化してやれるのですか。ばっとやっちゃって、あと手あきになるとか、そういうようなことはないですか。
  486. 井上俊雄

    説明員(井上俊雄君) 契約はできるだけ早期に、もし設計とか工事計画等がきまりまするならば、一年に一回一年分を全部やってしまっても差しつかえないようなものでございまして、むしろ早ければ早いほど、量がまとまればまとまるほど、メーカーのほうの製造計画のほうにも一非常に都合がいいし、それがひいては計画生産のコストダウンにもつながってくる、こういうことでございます。したがいまして、できるだけ早く計画は進めてしまって、しかしながら工事のほうはまあ工事能力の関係もございますし、それからメーカー側のほうの製造面から見ましても、前半につくってしまって後半につくるものがないということになりますと、業界側にも大きな混乱を招来することにも相なります。さらには、これがひいては品質の問題、あるいは製造コストの問題にもはね返るということでもございますので、生産出荷につきましては、できるだけ平準生産ということを基本にしつつ、しかもできるだけ早期契約ないしは早期支出ということをも加味いたしまして、十分慎重に準備を進めつつある、こういうことでございます。なおメーカー側にも、すでに来年度の目下国会で御審議いただいておりまする工事規模等も大体知っておりまするので、もしこれが通るならば、大体この程度になるだろうといったようなことにつきましては、非公式ながら大体の見当を話しておるといったようなことであります。
  487. 鈴木強

    鈴木強君 一般の工事計画と違いまして、確かに契約することですから、あなたが言うように、一ぺんにやって、その契約高によって月々にどういうように納品させるかということをコントロールしていけばいいわけですから、そのほうが確かに手持ちがなくなる、これは確かにお説のとおりだと思います。そこですでに公社では一月末相当な額を契約を終わったという話も聞いているのですが、そういう点は事実ですか。そういうものには前渡金制度がありますね、六割。こういうのはその契約をしたらすぐそのときに金は落ちていくわけですか。あるいはその品物を納品するとき全額払いと思うのだが、契約と同時に前渡金は六割行くわけですか。その点はどうなんですか。
  488. 井上俊雄

    説明員(井上俊雄君) 来年度の物品のうちの一部分につきましては、すでに契約をやっております。これは四月、五月、六月等に着工するような物品につきましては、注文生産品であるという性質上、早期に内示をする必要がございますので、一部契約しておりまして、これに対しましては、公社の資金事情を勘案いたしまして、若干の契約前金を支出してございます。この契約前金は生産準備金、すなわち資材のメーカー側で受注した品物の製造に要する資材費の一部に充当するといった性質のものでございまして、大体契約額の平均二〇%程度になろうかと思いますが、その程度のものを支出してございまして、目下来年度の準備を進めつつある、こういうことでございます。
  489. 鈴木強

    鈴木強君 資金事情がたいへん困難であろうと思うのです。公社の場合もこれは補正百億等もやったわけですが、ですから契約も、確かに早期の契約も必要だと私は思います。しかし年度を越した措置については、多少やはり私は一考を要する点があるんじゃないかと思いますが、それは公社の資金的な点がいまどうなっているかわかりませんから、私は少し見当違いのことを言っておるかもしれませんが、その辺はもう少し配慮していく必要がある、こう思いますが、これは私の希望ですからその点申し上げておきます。それからもう一つ私は伺おうと思いましたが、時間がたいへんおそくなっておりますから、終わりますが、最後に、行広さんは先般外債の問題でアメリカに行かれたんですが、あなたの留守中に経理局長から一応経過は聞いておきました。しかし、せっかく登録したものが中途で実行できなかったということは、非常に残念なんですね。時間もおそいのですけれども、登録したが、どういうところに実行できない原因があったのか、そういう点について簡単に報告をしていただきたい。
  490. 行広清美

    説明員(行広清美君) この前経理局長から大体お話を申し上げておりますので、それに特につけ加えることはないのでございますけれども、一口に申しまして、当初予想しておりました以上に資金の需要が旺盛でございまして、それに伴いまして金利が逐次高騰してまいったのでございます。したがって、客観的な情勢を判断いたしまして、そのような状況下におきましては、私どもが希望するような金利で資金の調達ができるという見込みが非常に乏しいというふうに判断されるような状況でございます。
  491. 鈴木強

    鈴木強君 あなたのほうの感じとして、将来これは政府全体のことだと思いますが、外債にある程度依存してきましたね。資金調達の方法というものがなかなかこれがむずかしくなってきておる。したがって公社自体が来年、再来年とたいへん資金繰りが苦しくなるんですけれども、外債に依存するというようなことはおそらく不可能じゃないかというような感じはお持ちにならないんでしょうか。
  492. 行広清美

    説明員(行広清美君) この点につきましては、御承知のようにアメリカにおける金融市場というものが自由市場でございますので、今後アメリカ国内におきまする情勢の変化によりましてどのようになりますかということは、現在の段階では何・人も予見できないということは現地でも申しております。しかし、いまのような状況が続くといたしますならば、今後におけるアメリカ市場における外貨電電債の起債ということは非常に困難ではないかという感じを率直に持っております。
  493. 井川伊平

    主査井川伊平君) 以上をもちまして、郵政省関係に関する質疑を終了したものと認めます。  本日の審査はこの程度とし、明日は午前十時から開会することとして、これにて本日は散会いたします。    午後九時三十六分散会